JP2020017186A - 制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】主制御部目標値と副制御部目標値とが異なる種類の物理量であっても適用可能な制御装置を実現する。【解決手段】制御装置は、n個の制御部11〜1nと、目標値変換部22〜2nと、パラメータ設定部3から構成される。目標値変換部22〜2nは、(i−1)次(iは2〜nの整数)制御部1i-1の目標値SPi-1または制御量PVi-1と、目標値SPi-1または制御量PVi-1に乗じるパラメータであるレシオと、定数項となるバイアスに基づいて、(i−1)次制御部1i-1の操作量MVi-1をi次制御部1iの目標値SPiに変換する。パラメータ設定部3は、過去のデータ取得時に目標値SPi-1が第1の値から第2の値に変更されたときの第1、第2の値と、この変更前後のそれぞれについて取得された、整定時のi次制御部1iの目標値SPiとを含む既知のデータに基づいて、レシオとバイアスを算出する。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の制御部が縦続接続されたカスケード制御系の制御装置に関するものである。
むだ時間や時定数が大きい制御対象(プロセス)に有効な制御系としてカスケード制御が知られている。カスケード制御系は、プロセスからの複数の測定値(制御量)と、プロセスへの1つの操作量により図8のように構成される制御系である。1次制御部1001は、1次プロセス1011の制御量PV1が目標値SP1と一致するように操作量MV1を算出する。2次制御部1002は、1次制御部1001から出力された操作量MV1を目標値SP2とし、2次プロセス1012の制御量PV2が目標値SP2と一致するように操作量MV2を算出して2次プロセス1012に出力する。この図8の例では、1次制御部1001と2次制御部1002と2次プロセス1012と1次プロセス1011とが1次側の制御ループを構成し、2次制御部1002と2次プロセス1012とが2次側の制御ループを構成している。
ただし、カスケード制御系を構成するためには、図8のように1次プロセス1011と2次プロセス1012の切り分けのための2次プロセス制御量PV2が必要となる。また、図8に示したカスケード制御系は2段構成であるが、図9のように多段構成にもできる。
実用のカスケード制御系におけるn(nは2以上の整数)次以降の制御部では、直前の制御部の操作量MVn-1を目標値SPnとして使用するため、この操作量MVn-1と目標値SPnの静的特性を合わせ込むためのスケーリングが必要となる。さらに、カスケード制御はハンチングし易いため、n次以降の制御部の目標値SPnの値域に制限(リミット処理)を設けることが多い。スケーリングとリミット処理には、次の(I)〜(III)の3方式が存在する。なお、以下の説明では、直前の(n−1)次の構成を主(プライマリ)と呼び、後段のn次の構成を副(セカンダリ)と呼ぶこととする。
(I)副制御部目標値SPnの固定スケーリング・リミット。
SPn=(Hn−Ln)/100×MVn-1+Ln ・・・(1)
式(1)において、MVn-1は主制御部から出力された操作量、Hn(%)は副制御部目標値スケーリング・リミット上限値、Ln(%)は副制御部目標値スケーリング・リミット下限値である。
(II)主制御部目標値SPn-1をオフセットとした副制御部目標値SPnの固定スケーリング・リミット。
SPn=(Hn−Ln)/100×MVn-1+Ln+SPn-1 ・・・(2)
(III)主制御部制御量PVn-1をオフセットとした副制御部目標値SPnの固定スケーリング・リミット。
SPn=(Hn−Ln)/100×MVn-1+Ln+PVn-1 ・・・(3)
上記の(I)の方式では、主制御部目標値SPn-1を変更した場合、変更前後の主制御部操作量MVn-1の平衡点が変化することで、副制御部目標値SPnの変化域が広がる。したがって、副制御部目標値スケーリング・リミット上下限値Hn,Ln(%)を、主制御部目標値SPn-1の変更による副制御部目標値SPnの変化域全域を包含するように広めに設定しなければならない。その結果として、制御がハンチングし易くなり、カスケード制御系の安定性が損なわれる可能性があった。
上記の(II)の方式では、主制御部目標値SPn-1が副制御部目標値SPnのオフセットとして反映されるため、主制御部目標値SPn-1を変更した場合、副制御部目標値SPnの変動幅を維持したまま、主制御部目標値SPn-1の変更前後で同程度のスケール比率を維持できるため、制御を安定化させ易いという利点がある。しかしながら、(II)の方式で対応できるのは、主制御部目標値SPn-1と副制御部目標値SPnとが同種の物理量である場合(例えば主制御部目標値SPn-1と副制御部目標値SPnとが共に温度である場合)に限られる、という問題点があった。
上記の(III)の方式では、制御応答として得られる主制御部制御量PVn-1が、ステップ的な振る舞いになる可能性のある主制御部目標値SPn-1の変更よりも緩やかに変化するため、(II)の方式よりも制御の応答性が損なわれるものの、制御をより安定化させ易いという利点がある。しかしながら、(II)の方式と同様に、対応できるのは主制御部目標値SPn-1と副制御部目標値SPnとが同種の物理量である場合に限られる、という問題点があった。
一方、特許文献1には、主制御部操作量MVn-1を副制御部目標値SPnに変換する際に減衰器を動作させることで制御を安定化させる技術が開示されている。特許文献1に開示された技術は、制御状況(イベント)に従って減衰器を適切に入れ替える(減衰率を変更する)ようにしたものであり、主制御部目標値SPn-1の変更などのイベントを検出して、HnやLnを切り替える技術に相当する。しかしながら、この特許文献1に開示された技術においても、(II)、(III)の方式と同様に、対応できるのは主制御部目標値SPn-1と副制御部目標値SPnとが同種の物理量である場合に限られる、という問題点があった。
特開平7−219646号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、主制御部目標値と副制御部目標値とが異なる種類の物理量であっても適用が可能なカスケード制御系の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、n(nは2以上の整数)個の制御部が縦続接続されたカスケード制御系の制御装置において、それぞれ目標値と制御量とを入力として操作量を算出するように構成されたn個の前記制御部と、(i−1)次(iは2〜nの整数)制御部とi次制御部との間に設けられ、(i−1)次制御部によって算出された操作量をi次制御部の目標値に変換するように構成された(n−1)個の目標値変換部と、これら目標値変換部のパラメータを設定するように構成されたパラメータ設定部とを備え、n個の前記制御部のうち、1次から(n−1)次の各制御部は、算出した操作量を直後の前記目標値変換部に出力し、最終段のn次の制御部は、算出した操作量を制御対象の操作端に出力し、各目標値変換部は、(i−1)次制御部の目標値または制御量と、予め設定された目標値スケーリング・リミット上下限値と、(i−1)次制御部の目標値または制御量に乗じるパラメータであるレシオと、定数項となるバイアスとに基づいて、(i−1)次制御部によって算出された操作量をi次制御部の目標値に変換し、前記パラメータ設定部は、過去のデータ取得時に(i−1)次制御部の目標値が第1の値から第2の値に変更されたときの前記第1、第2の値と、この目標値の変更前後のそれぞれについて取得された、整定時のi次制御部の目標値とを含む既知のデータに基づいて、前記レシオとバイアスとを目標値変換部毎に算出するように構成されたレシオ・バイアス算出部と、このレシオ・バイアス算出部によって目標値変換部毎に算出されたレシオとバイアスとをそれぞれ対応する目標値変換部に設定するように構成されたレシオ・バイアス設定部とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明は、n(nは2以上の整数)個の制御部が縦続接続されたカスケード制御系の制御装置において、それぞれ目標値と制御量とを入力として操作量を算出するように構成されたn個の前記制御部と、(i−1)次(iは2〜nの整数)制御部とi次制御部との間に設けられ、(i−1)次制御部によって算出された操作量をi次制御部の目標値に変換するように構成された(n−1)個の目標値変換部と、これら目標値変換部のパラメータを設定するように構成されたパラメータ設定部とを備え、n個の前記制御部のうち、1次から(n−1)次の各制御部は、算出した操作量を直後の前記目標値変換部に出力し、最終段のn次の制御部は、算出した操作量を制御対象の操作端に出力し、各目標値変換部は、(i−1)次制御部の目標値または制御量と、目標値スケーリング・リミット上下限値と、(i−1)次制御部の目標値または制御量に乗じるパラメータであるレシオと、定数項となるバイアスとに基づいて、(i−1)次制御部によって算出された操作量をi次制御部の目標値に変換し、前記パラメータ設定部は、過去のデータ取得時に(i−1)次制御部の目標値が第1の値から第2の値に変更されたときの前記第1、第2の値と、この目標値の変更前後のそれぞれについて取得された、整定時のi次制御部の目標値とを含む既知のデータに基づいて、前記レシオとバイアスとを目標値変換部毎に算出するように構成されたレシオ・バイアス算出部と、このレシオ・バイアス算出部によって目標値変換部毎に算出されたレシオとバイアスとをそれぞれ対応する目標値変換部に設定するように構成されたレシオ・バイアス設定部と、初段の1次制御部の目標値の変更に対して(i−1)次制御部の制御量の所望の制御応答が得られることを条件として、目標値スケーリング・リミット上下限幅が可能な限り狭くなるように、前記目標値スケーリング・リミット上下限値を目標値変換部毎に決定するように構成された上下限値決定部と、この上下限値決定部によって目標値変換部毎に決定された目標値スケーリング・リミット上下限値をそれぞれ対応する目標値変換部に設定するように構成された上下限値設定部とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、各目標値変換部は、(i−1)次制御部の目標値をSPi-1、(i−1)次制御部の制御量をPVi-1、(i−1)次制御部の操作量をMVi-1、i次制御部の目標値をSPi、i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値をHi、i次制御部目標値スケーリング・リミット下限値をLi、レシオをRi、バイアスをBiとしたとき、SPi=(Hi−Li)/100×MVi-1+SPi-1×Ri+Bi、またはSPi=(Hi−Li)/100×MVi-1+PVi-1×Ri+Biにより、(i−1)次制御部の操作量MVi-1をi次制御部の目標値SPiに変換することを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記レシオ・バイアス算出部は、過去のデータ取得時の(i−1)次制御部の目標値の第1の値をSPi-1、第2の値をSP’i-1、(i−1)次制御部の目標値が第1の値SPi-1の場合の整定時のi次制御部の目標値をSPi、(i−1)次制御部の目標値が第1の値SPi-1から第2の値SP’i-1に変更された場合の整定時のi次制御部の目標値をSP’i、レシオをRi、バイアスをBiとしたとき、Ri=(SPi−SP’i)/(SPi-1−SP’i-1)、Bi=SPi−SPi-1×Riにより、レシオRiとバイアスBiとを算出することを特徴とするものである。
本発明によれば、主制御部目標値と副制御部目標値とが異なる種類の物理量であっても適用可能な制御装置を実現することができる。従来技術では、主制御部目標値の変更に対してイベント検出を必要としたが、本発明によれば、主制御部目標値の変更に対してイベントによる係数の変換を必要とせず、より連続的な制御の挙動を実現できるため、円滑かつ安定的な制御応答を得ることができる。
図1は、本発明の実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施例に係る制御装置のパラメータ設定部の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施例に係る制御装置の制御動作を説明するフローチャートである。 図4は、本発明の実施例に係る制御装置のパラメータ設定動作を説明するフローチャートである。 図5は、本発明の実施例に係る制御装置の上下限値決定部の動作を説明するフローチャートである。 図6は、本発明の実施例に係る制御対象の1例を示す図である。 図7は、本発明の実施例に係る制御装置を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。 図8は、従来のカスケード制御系の構成を示すブロック図である。 図9は、従来のカスケード制御系の別の構成を示すブロック図である。
[発明の原理]
本発明は、主制御部から出力される操作量MVi-1を副制御部目標値SPiに変換する際、主制御部操作量MVi-1と副制御部目標値SPiとに依存関係がある場合、つまりは独立変数である主制御部操作量MVi-1が決定されると従属変数である副制御部目標値SPiが決定される関係にある場合に、主制御部目標値SPi-1と副制御部目標値SPiの物理量の違いをパラメータ設定によって吸収することを可能とした制御装置である。
例えば主制御部操作量MVi-1と副制御部目標値SPiとの間に線型的な依存関係がある場合、主制御部操作量MVi-1を副制御部目標値SPiに変換する従来のスケーリングに加え、主制御部目標値SPi-1もしくは主制御部制御量PVi-1に対してレシオとバイアスを設定値として加えることで、主制御部と副制御部とが異なる種類の物理量に対する制御を行う場合であっても、主制御部操作量MVi-1から副制御部目標値SPiへの適切な変換が実現できる。
[実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置は、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個の制御部11〜1nと、(i−1)次(iは2〜nの整数)制御部1i-1とi次制御部1iとの間に設けられ、(i−1)次制御部1i-1によって算出された操作量MVi-1をi次制御部1iの目標値SPiに変換する(n−1)個の目標値変換部22〜2nと、目標値変換部22〜2nのパラメータを設定するパラメータ設定部3とから構成される。
図2はパラメータ設定部3の構成を示すブロック図である。パラメータ設定部3は、(i−1)次制御部1i-1の目標値SPi-1または制御量PVi-1に乗じるパラメータであるレシオと、変換式の定数項となるバイアスとを目標値変換部毎に算出するレシオ・バイアス算出部30と、レシオ・バイアス算出部30によって目標値変換部毎に算出されたレシオとバイアスとをそれぞれ対応する目標値変換部22〜2nに設定するレシオ・バイアス設定部31と、i次制御部1iの目標値SPiの上下限を設定するためのi次制御部目標値スケーリング・リミット上下限値の初期値を設定する上下限初期設定部32と、1次制御部11の目標値SP1の変更に対して(i−1)次制御部1i-1の制御量PVi-1の所望の制御応答が得られることを条件として、i次目標値スケーリング・リミット上下限幅が可能な限り狭くなるように、i次目標値スケーリング・リミット上下限値を目標値変換部毎に決定する上下限値決定部33と、上下限値決定部33によって目標値変換部毎に決定されたi次目標値スケーリング・リミット上下限値をそれぞれ対応する目標値変換部22〜2nに設定する上下限値設定部34と、各制御部11〜1nのPIDパラメータ(比例帯、積分時間、微分時間)を調整するPIDパラメータ調整部35とから構成される。
上下限値決定部33は、目標値入力部330と、到達時間計測部331と、振動量計測部332と、上下限調整部333とから構成される。
図3は本実施例の制御装置の制御動作を説明するフローチャートである。1次制御部11の目標値SP1は、制御装置のユーザーによって設定され、1次制御部11に入力される(図3ステップS100)。
1次制御部11の制御量PV1は、1次プロセス41に設けられたセンサ(不図示)によって計測され、1次制御部11に入力される(図3ステップS101)。
1次制御部11は、目標値SP1と制御量PV1とを入力として、制御量PV1が目標値SP1と一致するように周知のPID制御演算により操作量MV1を算出する(図3ステップS102)。
2次目標値変換部22は、1次制御部11から出力された操作量MV1を、式(4)の変換式により2次制御部12の目標値SP2に変換して2次制御部12に出力する(図3ステップS103)。
SP2=(H2−L2)/100×MV1+SP1×R2+B2 ・・・(4)
式(4)において、H2(%)は2次制御部目標値スケーリング・リミット上限値、L2(%)は2次制御部目標値スケーリング・リミット下限値、R2は式(4)の変換式の1次制御部目標値SP1の項に乗じるパラメータであるレシオ、B2は式(4)の変換式の定数項となるバイアスである。
なお、2次目標値変換部22は、1次制御部目標値SP1の代わりに、1次制御部制御量PV1を用いる以下の式(5)により2次制御部目標値SP2を算出するようにしてもよい。
SP2=(H2−L2)/100×MV1+PV1×R2+B2 ・・・(5)
2次制御部12の制御量PV2は、2次プロセス42に設けられたセンサ(不図示)によって計測され、2次制御部12に入力される(図3ステップS104)。
2次制御部12は、目標値SP2と制御量PV2とを入力として、制御量PV2が目標値SP2と一致するように周知のPID制御演算により操作量MV2を算出する(図3ステップS105)。
3次目標値変換部23は、2次制御部12から出力された操作量MV2を、式(6)の変換式により3次制御部13の目標値SP3に変換して3次制御部13に出力する(図3ステップS106)。
SP3=(H3−L3)/100×MV2+SP2×R3+B3 ・・・(6)
式(6)において、H3(%)は3次制御部目標値スケーリング・リミット上限値、L3(%)は3次制御部目標値スケーリング・リミット下限値、R3は式(5)の変換式の2次制御部目標値SP2の項に乗じるパラメータであるレシオ、B3は式(5)の変換式の定数項となるバイアスである。
なお、3次目標値変換部23は、2次制御部目標値SP2の代わりに、2次制御部制御量PV2を用いる以下の式(7)により3次制御部目標値SP3を算出するようにしてもよい。
SP3=(H3−L3)/100×MV2+PV2×R3+B3 ・・・(7)
こうして、1次、2次、3次・・・・と順番に処理が実施される。次に、n次目標値変換部2nは、(n−1)次制御部(不図示)から出力された操作量MVn-1を、式(8)の変換式によりn次制御部1nの目標値SPnに変換してn次制御部1nに出力する(図3ステップS107)。
SPn=(Hn−Ln)/100×MVn-1+SPn-1×Rn+Bn ・・・(8)
式(8)において、Hn(%)はn次制御部目標値スケーリング・リミット上限値、Ln(%)はn次制御部目標値スケーリング・リミット下限値、Rnは式(8)の変換式の(n−1)次制御部目標値SPn-1の項に乗じるパラメータであるレシオ、Bnは式(8)の変換式の定数項となるバイアスである。
なお、n次目標値変換部2nは、(n−1)次制御部目標値SPn-1の代わりに、(n−1)次制御部制御量PVn-1を用いる以下の式(9)によりn次制御部目標値SPnを算出するようにしてもよい。
SPn=(Hn−Ln)/100×MVn-1+PVn-1×Rn+Bn ・・・(9)
i(iは2〜nの整数)次制御部1iの目標値SPiについて式(4)〜式(9)を一般化すると、以下のようになる。
SPi=(Hi−Li)/100×MVi-1+SPi-1×Ri+Bi ・・・(10)
SPi=(Hi−Li)/100×MVi-1+PVi-1×Ri+Bi ・・・(11)
次に、n次制御部1nの制御量PVnは、n次プロセス4nに設けられたセンサ(不図示)によって計測され、n次制御部1nに入力される(図3ステップS108)。
n次制御部1nは、目標値SPnと制御量PVnとを入力として、制御量PVnが目標値SPnと一致するように周知のPID制御演算により操作量MVnを算出してn次プロセス4nに出力する(図3ステップS109)。操作量MVnの出力先は例えばバルブ等の操作端となる。
以上のようなステップS100〜S109の処理を、制御装置の動作が終了するまで(図3ステップS110においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行する。
次に、以上のような制御動作の前に行われる、パラメータ設定部3によるパラメータH2〜Hn,L2〜Ln,R2〜Ln,B2〜Bnの設定動作を図4を参照して説明する。
ここでは、(i−1)次制御部1i-1(iは2〜nの整数)を主制御部、後段のi次制御部1iを副制御部として代表的に説明する。
パラメータHi,Li,Ri,Biの設定に際して、ユーザーは、事前に取得したデータから、(i−1)次制御部目標値がSPi-1からSP’i-1に変更されたときの変更前後の(i−1)次制御部目標値のそれぞれについて、整定時の(i−1)次制御部操作量MVi-1と整定時のi次制御部目標値SPiとを取得する。
パラメータ設定部3のレシオ・バイアス算出部30は、ユーザーによって取得された既知のデータ、すなわち変更前の(i−1)次制御部目標値SPi-1と、(i−1)次制御部目標値がSPi-1の場合の整定時のi次制御部目標値SPiと、変更後の(i−1)次制御部目標値SP’i-1と、(i−1)次制御部目標値がSPi-1からSP’i-1に変更された場合の整定時のi次制御部目標値SP’iとに基づいて、i次目標値変換部2iのレシオRiとバイアスBiとを算出する(図4ステップS200)。
上記の既知のデータにより、以下の連立方程式が成立する。
SPi=SPi-1×Ri+Bi ・・・(12)
SP’i=SP’i-1×Ri+Bi ・・・(13)
式(12)、式(13)より次式が得られる。
i=(SPi−SP’i)/(SPi-1−SP’i-1) ・・・(14)
i=SPi−SPi-1×Ri ・・・(15)
レシオ・バイアス算出部30は、式(14)によりレシオRiを算出し、式(15)によりバイアスBiを算出すればよい。なお、レシオRiの単位は、i次制御部目標値SPiの単位/(i−1)次制御部目標値SPi-1の単位となる。一方、バイアスBiの単位は、i次制御部目標値SPiの単位と同じである。
次に、パラメータ設定部3のレシオ・バイアス設定部31は、i次目標値変換部2iに対して、レシオ・バイアス算出部30によって算出されたレシオRiとバイアスBiとを設定する(図4ステップS201)。
レシオ・バイアス算出部30とレシオ・バイアス設定部31(iは2〜nの整数)とは、i次目標値変換部2i毎にステップS200,S201の処理を実施すればよい。
次に、パラメータ設定部3の上下限初期設定部32は、上記のようにi次目標値変換部2iのレシオRiとバイアスBiとが設定された後に、i次目標値変換部2iに対して、i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiとi次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liのそれぞれの初期値を設定する(図4ステップS202)。
試行時間の短縮、装置の安全操業を考慮して、i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiの初期値を、i次制御部1iの制御量PViの既知の上限値とし、i次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liの初期値を、i次制御部1iの制御量PViの既知の下限値とする。
上下限初期設定部32(iは2〜nの整数)は、i次目標値変換部2i毎にステップS202の処理を実施すればよい。
次に、パラメータ設定部3のPIDパラメータ調整部35は、各制御部11〜1nのPIDパラメータ(比例帯、積分時間、微分時間)を調整する(図4ステップS203)。各制御部11〜1nのPIDパラメータ調整方法は周知の技術であるので、詳細な説明は省略する。なお、PIDパラメータの調整の際には、n次制御部1n→(n−1)次制御部1n-1→・・・・→2次制御部12→1次制御部11の順に調整を行う必要がある。また、本実施例では、PIDパラメータ調整部35を制御装置の内部に設けているが、外部に設けるようにしてもよい。
次に、パラメータ設定部3の上下限値決定部33は、1次制御部目標値SP1の変更に対して(i−1)次制御部制御量PVi-1の所望の制御応答が得られることを条件として、i次制御部目標値スケーリング・リミット上下限幅(HiとLiとの差)が可能な限り狭くなるように、i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiとi次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liとを決定する(図4ステップS204)。
i次制御部目標値スケーリング・リミット上下限幅を狭めることは、(i−1)次制御部制御量PVi-1を安定化させ易くする一方で、(i−1)次制御部制御量PVi-1の目標値到達時間短縮のポテンシャルを弱める方向に作用する。したがって、(i−1)次制御部制御量PVi-1の所望の制御応答が得られる範囲で、i次制御部目標値スケーリング・リミット上下限幅をできるだけ狭めるようにする。
i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiとi次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liとは、主制御部である(i−1)次制御部1i-1の制御量PVi-1の安定化と、制御量PVi-1の目標値到達時間などの制御特性や経時変化等の環境変動等の許容特性などとのトレードオフで決めるべき値である。このi次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiとi次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liとは、コントローラゲインがある程度定まっていないと設定することが困難である。例えば、(i−1)次制御部1i-1のコントローラゲインが強めの調整結果となった場合、(i−1)次制御部制御量PVi-1の制御応答は振動的になり易く、この状況でi次制御部目標値スケーリング・リミット上下限幅を広めに選ぶと、制御量PVi-1の制御応答がさらに振動的傾向となる。そのため、i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiとi次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liとは、制御量PVi-1の制御応答に基づいて決める必要がある。
図5は上下限値決定部33の動作を説明するフローチャートである。上下限値決定部33の目標値入力部330は、1次制御部11に所定の目標値SP1を入力し(図5ステップS300)、一定時間経過後(例えば制御系が整定するのに十分な時間の経過後)に目標値SP1を所定の目標値変更幅だけ変更する(図5ステップS301)。
上下限値決定部33の到達時間計測部331は、1次制御部目標値SP1が変更されたときから、(i−1)次制御部制御量PVi-1が(i−1)次制御部目標値SPi-1に到達するまでの目標値到達時間Ti-1を計測する(図5ステップS302)。
上下限値決定部33の振動量計測部332は、1次制御部目標値SP1が変更された後に、(i−1)次制御部制御量PVi-1が(i−1)次制御部目標値SPi-1に到達したときから所定の振動量計測時間が経過するまでの間の(i−1)次制御部目標値SPi-1と(i−1)次制御部制御量PVi-1との偏差(SPi-1−PVi-1)の絶対値の積算値である振動量Di-1を計測する(図5ステップS303)。
上下限値決定部33の上下限調整部333は、振動量計測部332によって計測された振動量Di-1が所定の振動量指標値以上の場合(図5ステップS304においてYES)、i次目標値変換部2iのi次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiを所定の上下限値変更幅だけ下げて、i次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liを所定の上下限値変更幅だけ上げることにより、i次制御部目標値スケーリング・リミット上下限幅を狭めて(図5ステップS306)、ステップS300に戻る。振動量指標値は、制御対象装置の目的に合わせて予め設定されている。
ただし、上下限調整部333は、振動量Di-1が振動量指標値以上の場合に、i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiが許容可能な最小値に達するか、i次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liが許容可能な最大値に達するかのうち、少なくとも一方が成立していて、i次制御部目標値スケーリング・リミット上下限値が許容範囲外の場合には(図5ステップS305においてNO)、i次制御部目標値スケーリング・リミット上下限幅をさらに狭めることはできない。
そこで、上下限調整部333は、(i−1)次制御部1i-1のコントローラゲインを下げて(図5ステップS307)、ステップS300に戻る。具体的には、上下限調整部333は、(i−1)次制御部1i-1に設定されている比例帯に、1より大きい所定の係数を乗じることにより、比例帯を上げて(i−1)次制御部1i-1のコントローラゲインを下げるようにすればよい。i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiの許容可能な最小値、およびi次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liの許容可能な最大値は、経時変化等の環境変動等の許容特性から予め設定されている。
また、上下限調整部333は、振動量Di-1が振動量指標値未満の場合に、到達時間計測部331によって計測された目標値到達時間Ti-1が所定の時間指標値以上の場合(図5ステップS308においてYES)、i次目標値変換部2iのi次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiを所定の上下限値変更幅だけ上げて、i次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liを所定の上下限値変更幅だけ下げることにより、i次制御部目標値スケーリング・リミット上下限幅を広げて(図5ステップS310)、ステップS300に戻る。時間指標値は、制御対象装置の目的に合わせて予め設定されている。
ただし、上下限調整部333は、目標値到達時間Ti-1が時間指標値以上の場合に、i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiが許容可能な最大値に達するか、i次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liが許容可能な最小値に達するかのうち、少なくとも一方が成立していて、i次制御部目標値スケーリング・リミット上下限値が許容範囲外の場合には(図5ステップS309においてNO)、i次制御部目標値スケーリング・リミット上下限幅をさらに広げることはできない。
そこで、上下限調整部333は、(i−1)次制御部1i-1のコントローラゲインを上げて(図5ステップS311)、ステップS300に戻る。具体的には、上下限調整部333は、(i−1)次制御部1i-1に設定されている比例帯に、1より小さい所定の係数を乗じて、比例帯を下げて(i−1)次制御部1i-1のコントローラゲインを上げるようにすればよい。i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiの許容可能な最大値は、上限値Hiの上記の初期値と同じであり、i次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liの許容可能な最小値は、下限値Liの上記の初期値と同じである。
こうして、振動量Di-1が振動量指標値未満、かつ目標値到達時間Ti-1が時間指標値未満となるまでステップS300〜S311の処理が繰り返し実行され、振動量Di-1が振動量指標値未満、かつ目標値到達時間Ti-1が時間指標値未満となった時点で、i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiとi次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liの決定が完了し、上下限値決定部33の処理が終了する。
パラメータ設定部3の上下限値設定部34は、i次目標値変換部2iに対して、上下限値決定部33によって決定されたi次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiとi次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liとを設定する(図4ステップS205)。
上下限値決定部33と上下限値設定部34とは、以上のステップS204(ステップS300〜S311),S205の処理を、i=2,3,・・・,nの順(2次目標値変換部22→3次目標値変換部23→n次目標値変換部2nの順)にi次目標値変換部2i毎に実施する。この順番で実施する理由は、低次側の制御部の振動を抑えないと制御を安定化させることが難しいと考えられるからである。
全てのi次目標値変換部2iについてステップS204,S205の処理が終わった時点で(図4ステップS206においてYES)、パラメータ設定部3の処理が終了する。
本実施例では、上記の(II)、(III)の方式および特許文献1に開示された技術の問題点を解消することができ、主制御部目標値SPi-1と副制御部目標値SPiとが異なる種類の物理量であっても適用することができる。特許文献1に開示された技術では、減衰率というレシオ係数で(i−1)次制御部操作量の変換を行っているが、単純なレシオだけでは異なる種類の物理量の変換に対応できないため、(i−1)次制御部の目標値変更等何らかのイベントをトリガとした係数変換が必要となる。これに対して、本実施例では、イベントによる係数の変換を必要とせず、レシオRiとバイアスBiと目標値スケーリング・リミット上下限値Hi,Liとにより、(i−1)次制御部目標値SPi-1をi次制御部目標値SPiの物理量に合わせて変換することが可能となる。
なお、本実施例では、上下限値決定部33によってi次制御部目標値スケーリング・リミット上限値Hiとi次制御部目標値スケーリング・リミット下限値Liとを決定しているが、これに限るものではなく、ユーザーによって予め決定された上下限値Hi,Liを用いてもよい。
図6は本実施例の制御対象の1例を示す図である。この図6に示したカスケード制御系では、燃焼炉200内に設けられた温度計201によって計測された温度(1次制御部制御量PV1)が1次制御部11に入力される。1次制御部11は、操作量MV1を算出して出力する。2次目標値変換部22は、1次制御部操作量MV1を2次制御部目標値SP2に変換する。流量発信器202によって計測された燃料流量(2次制御部制御量PV2)が2次制御部12に入力される。2次制御部12は、操作量MV2を算出してバルブ203に出力する。バルブ203によって流量が調整された燃料は、燃焼炉200のバーナ204に供給される。
1次制御部操作量MV1の0〜100%が2次制御部目標値SP2の0〜40m3/hに対応する場合、1次制御部操作量MV1の1%は0.4m3/h相当の2次制御部目標値SP2の変化に相当する。一方、1次制御部操作量MV1の0〜100%が2次制御部目標値SP2の0〜400m3/hに対応するとした場合、1次制御部操作量MV1の1%は4m3/h相当の2次制御部目標値SP2の変化になってしまう。このように2次制御部目標値SP2が広範囲になると、制御系はハンチングし易くなる。
例えば図6に示したカスケード制御系において、燃焼炉設定温度(1次制御部目標値SP1)と必要な燃料流量とについて以下の関係が判明しているとする。
Figure 2020017186
1次制御部目標値SP1が200℃しか選ばれない場合、2次制御部目標値SP2の範囲は多少余裕を見ても15〜25m3/hと設定すれば良いことになる。しかし、実際には例えば1次制御部目標値SP1が3000℃のとき、必要な2次制御部目標値SP2の範囲は15〜25m3/hとなり、1次制御部目標値SP1が5000℃のとき、必要な2次制御部目標値SP2の範囲は35〜45m3/hとなる。したがって、2次制御部目標値SP2の範囲を15〜45m3/hとせざるを得ない。このような状況を認識しているユーザーは、2次制御部目標値スケーリング・リミット上限値H2,L2を予め設定しているものとする。
そして、本実施例のレシオ・バイアス算出部30は、ユーザーによって取得された既知のデータ、すなわち変更前の1次制御部目標値SP1=3000℃、1次制御部目標値がSP1=3000℃の場合の整定時の2次制御部目標値SP2=20m3/hと、変更後の1次制御部目標値SP’1=5000℃と、1次制御部目標値がSP1=3000℃からSP’1=5000℃に変更された場合の整定時の2次制御部目標値SP’2=40m3/hとに基づいて、以下の連立方程式を解くことにより、2次目標値変換部22のレシオR2とバイアスB2とを算出する。
20=3000×R2+B2 ・・・(16)
40=5000×R2+B2 ・・・(17)
その結果、レシオR2=0.01m3/h℃、バイアスB2=−10m3/hが得られる。1次制御部操作量MV1=0〜100%で±5m3/hをとるようにスケーリング設定を行えば、1次制御部操作量MV1を適切に異なる物理量である2次制御部目標値SP2に変換することが可能となる。
本実施例で説明した制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図7に示す。コンピュータは、CPU300と、記憶装置301と、インターフェース装置(以下、I/Fと略する)302とを備えている。I/F302には、例えば温度計、流量発信器等のセンサや、バルブ等の操作端などが接続される。このようなコンピュータにおいて、本発明のパラメータ設定方法を実現させるためのプログラムは記憶装置301に格納される。CPU300は、記憶装置301に格納されたプログラムに従って本実施例で説明した処理を実行する。
なお、カスケード制御機能はマルチループ制御装置(調節計)の周知の機能として搭載されている。すなわち、内部に複数の制御部を備えた調節計を用いることで、本発明のように複数の制御部が縦続接続されたカスケード制御系を実現することが可能である。また、個々の制御部を調節計で実現し、複数の調節計を縦続接続して本発明のカスケード制御系を構成してもよい。
本発明は、カスケード制御系に適用することができる。
1〜1n…制御部、22〜2n…目標値変換部、3…パラメータ設定部、41〜4n…プロセス、30…レシオ・バイアス算出部、31…レシオ・バイアス設定部、32…上下限初期設定部、33…上下限値決定部、34…上下限値設定部、35…PIDパラメータ調整部、330…目標値入力部、331…到達時間計測部、332…振動量計測部、333…上下限調整部。

Claims (4)

  1. n(nは2以上の整数)個の制御部が縦続接続されたカスケード制御系の制御装置において、
    それぞれ目標値と制御量とを入力として操作量を算出するように構成されたn個の前記制御部と、
    (i−1)次(iは2〜nの整数)制御部とi次制御部との間に設けられ、(i−1)次制御部によって算出された操作量をi次制御部の目標値に変換するように構成された(n−1)個の目標値変換部と、
    これら目標値変換部のパラメータを設定するように構成されたパラメータ設定部とを備え、
    n個の前記制御部のうち、1次から(n−1)次の各制御部は、算出した操作量を直後の前記目標値変換部に出力し、最終段のn次の制御部は、算出した操作量を制御対象の操作端に出力し、
    各目標値変換部は、(i−1)次制御部の目標値または制御量と、予め設定された目標値スケーリング・リミット上下限値と、(i−1)次制御部の目標値または制御量に乗じるパラメータであるレシオと、定数項となるバイアスとに基づいて、(i−1)次制御部によって算出された操作量をi次制御部の目標値に変換し、
    前記パラメータ設定部は、
    過去のデータ取得時に(i−1)次制御部の目標値が第1の値から第2の値に変更されたときの前記第1、第2の値と、この目標値の変更前後のそれぞれについて取得された、整定時のi次制御部の目標値とを含む既知のデータに基づいて、前記レシオとバイアスとを目標値変換部毎に算出するように構成されたレシオ・バイアス算出部と、
    このレシオ・バイアス算出部によって目標値変換部毎に算出されたレシオとバイアスとをそれぞれ対応する目標値変換部に設定するように構成されたレシオ・バイアス設定部とを含むことを特徴とする制御装置。
  2. n(nは2以上の整数)個の制御部が縦続接続されたカスケード制御系の制御装置において、
    それぞれ目標値と制御量とを入力として操作量を算出するように構成されたn個の前記制御部と、
    (i−1)次(iは2〜nの整数)制御部とi次制御部との間に設けられ、(i−1)次制御部によって算出された操作量をi次制御部の目標値に変換するように構成された(n−1)個の目標値変換部と、
    これら目標値変換部のパラメータを設定するように構成されたパラメータ設定部とを備え、
    n個の前記制御部のうち、1次から(n−1)次の各制御部は、算出した操作量を直後の前記目標値変換部に出力し、最終段のn次の制御部は、算出した操作量を制御対象の操作端に出力し、
    各目標値変換部は、(i−1)次制御部の目標値または制御量と、目標値スケーリング・リミット上下限値と、(i−1)次制御部の目標値または制御量に乗じるパラメータであるレシオと、定数項となるバイアスとに基づいて、(i−1)次制御部によって算出された操作量をi次制御部の目標値に変換し、
    前記パラメータ設定部は、
    過去のデータ取得時に(i−1)次制御部の目標値が第1の値から第2の値に変更されたときの前記第1、第2の値と、この目標値の変更前後のそれぞれについて取得された、整定時のi次制御部の目標値とを含む既知のデータに基づいて、前記レシオとバイアスとを目標値変換部毎に算出するように構成されたレシオ・バイアス算出部と、
    このレシオ・バイアス算出部によって目標値変換部毎に算出されたレシオとバイアスとをそれぞれ対応する目標値変換部に設定するように構成されたレシオ・バイアス設定部と、
    初段の1次制御部の目標値の変更に対して(i−1)次制御部の制御量の所望の制御応答が得られることを条件として、目標値スケーリング・リミット上下限幅が可能な限り狭くなるように、前記目標値スケーリング・リミット上下限値を目標値変換部毎に決定するように構成された上下限値決定部と、
    この上下限値決定部によって目標値変換部毎に決定された目標値スケーリング・リミット上下限値をそれぞれ対応する目標値変換部に設定するように構成された上下限値設定部とを含むことを特徴とする制御装置。
  3. 請求項1または2記載の制御装置において、
    各目標値変換部は、(i−1)次制御部の目標値をSPi-1、(i−1)次制御部の制御量をPVi-1、(i−1)次制御部の操作量をMVi-1、i次制御部の目標値をSPi、i次制御部目標値スケーリング・リミット上限値をHi、i次制御部目標値スケーリング・リミット下限値をLi、レシオをRi、バイアスをBiとしたとき、SPi=(Hi−Li)/100×MVi-1+SPi-1×Ri+Bi、またはSPi=(Hi−Li)/100×MVi-1+PVi-1×Ri+Biにより、(i−1)次制御部の操作量MVi-1をi次制御部の目標値SPiに変換することを特徴とする制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記レシオ・バイアス算出部は、過去のデータ取得時の(i−1)次制御部の目標値の第1の値をSPi-1、第2の値をSP’i-1、(i−1)次制御部の目標値が第1の値SPi-1の場合の整定時のi次制御部の目標値をSPi、(i−1)次制御部の目標値が第1の値SPi-1から第2の値SP’i-1に変更された場合の整定時のi次制御部の目標値をSP’i、レシオをRi、バイアスをBiとしたとき、Ri=(SPi−SP’i)/(SPi-1−SP’i-1)、Bi=SPi−SPi-1×Riにより、レシオRiとバイアスBiとを算出することを特徴とする制御装置。
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