JP2020016663A - 検査システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の2次元画像から作成される3次元モデルについて、2次元画像に撮影されているものが3次元モデルの座標系におけるどの座標に位置するかを特定することができる検査システムを提供する。【解決手段】検査対象物1を検査する検査システムは、カメラ12を備える飛行装置10が検査物を撮影した複数の画像に基づいて、検査対象物の3次元モデルを生成する3次元モデル生成部と、複数の画像のそれぞれについて、3次元座標系における画像を撮影した撮影位置およびカメラの視点軸方向を取得する撮影情報取得部と、複数の画像のそれぞれについて、画像に基づいて検査対象物の異常を検出する異常検出部と、検出した異常について、撮影位置および視点軸方向に応じて3次元座標系における位置である異常位置を特定する異常位置特定部と、異常位置をマッピングした3次元モデルを表示する3次元モデル表示部と、を備える【選択図】図1

Description

本発明は、検査システムに関する。
近年、ドローン(Drone)や無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)などの飛行体(以下、「飛行装置」と総称する。)が産業に利用され始めている。特許文献1では、ドローンに搭載したカメラで撮影した画像から3次元画像を作成して表示することが記載されている。
特開2018−10630号公報
複数の2次元画像から点群を抽出して3次元モデルを作成することが行われる。しかしながら、2次元画像に撮影されているものが3次元モデルのどこに位置するのかを特定することは難しい。特許文献1においても、劣化位置が3次元画像におけるどの座標に位置するかを特定することは行っていない。
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、複数の2次元画像から作成される3次元モデルについて、2次元画像に撮影されているものが3次元モデルの座標系におけるどの座標に位置するかを特定することのできる技術を提供することを一つの目的とする。
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、検査対象物を検査する検査システムであって、カメラを備える飛行装置が前記検査物を撮影した複数の画像に基づいて、前記検査対象物の3次元モデルを生成する3次元モデル生成部と、前記複数の画像のそれぞれについて、3次元座標系における前記画像を撮影した撮影位置および前記カメラの視点軸方向を取得する撮影情報取得部と、前記複数の画像のそれぞれについて、前記画像に基づいて前記検査対象物の異常を検出する異常検出部と、検出した前記異常について、前記撮影位置および前記視点軸方向に応じて前記3次元座標系における位置である異常位置を特定する異常位置特定部と、前記異常位置をマッピングした前記3次元モデルを表示する3次元モデル表示部と、を備えることとする。
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄および図面により明らかにされる。
本発明によれば、複数の2次元画像から作成される3次元モデルについて、2次元画像に撮影されているものが3次元モデルの座標系におけるどの座標に位置するかを特定することができる。
本発明の一実施形態に係る検査システムの全体構成を示す図である。 飛行装置10のハードウェア構成例を示す図である。 フライトコントローラ11のソフトウェア構成例を示す図である。 位置姿勢情報記憶部151に記憶される位置姿勢情報の構成例を示す図である。 撮影情報記憶部152に格納される撮影情報の構成例を示す図である。 検査サーバ30のハードウェア構成例を示す図である。 検査サーバ30のソフトウェア構成例を示す図である。 3次元モデル記憶部352の構成例を示す図である。 異常情報記憶部353に登録される異常情報の構成例を示す図である。 検査対象物1を撮影する処理の流れを説明する図である。 検査サーバ30により実行される検査処理の流れを示す図である。 3次元モデル表示部315が表示する3次元投影画像を説明する図である。 指定された位置の異常箇所が撮影されている撮影画像を表示する処理の流れを示す図である。 3次元モデル表示部315が表示する3次元投影画像を説明する他の図である。
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による飛行装置は、以下のような構成を備える。
[項目1]
検査対象物を検査する検査システムであって、
カメラを備える飛行装置が前記検査物を撮影した複数の画像に基づいて、前記検査対象物の3次元モデルを生成する3次元モデル生成部と、
前記複数の画像のそれぞれについて、3次元座標系における前記画像を撮影した撮影位置および前記カメラの視点軸方向を取得する撮影情報取得部と、
前記複数の画像のそれぞれについて、前記画像に基づいて前記検査対象物の異常を検出する異常検出部と、
検出した前記異常について、前記撮影位置および前記視点軸方向に応じて前記3次元座標系における位置である異常位置を特定する異常位置特定部と、
前記異常位置をマッピングした前記3次元モデルを表示する3次元モデル表示部と、
を備えることを特徴とする検査システム。
[項目2]
項目1に記載の検査システムであって、
前記異常位置特定部は、前記撮影位置および前記視点軸方向に基づいて、前記撮影位置から前記異常箇所に向けた直線が前記3次元モデルと交差する座標を前記異常位置として特定すること、
を特徴とする検査システム。
[項目3]
項目1に記載の検査システムであって、
前記異常位置に対応付けて前記画像を記憶する異常位置記憶部と、
前記3次元モデル上の位置の指定を受け付ける入力部と、
指定された前記位置に対応する前記画像を特定する画像特定部と、
を備えることを特徴とする検査システム。
[項目4]
検査対象物を検査する検査システムであって、
カメラを備える飛行装置が前記検査物を撮影した複数の画像に基づいて、前記検査対象物の3次元モデルを生成する3次元モデル生成部と、
前記複数の画像のそれぞれについて、3次元座標系における前記画像を撮影した撮影位置および前記カメラの視点軸方向を取得する撮影情報取得部と、
前記複数の画像のそれぞれについて、前記撮影位置から前記視点軸方向に前記3次元モデルと交差する交差位置を算出する交差位置算出部と、
前記3次元モデル上の指定位置を受け付け、前記指定位置および前記交差位置の距離に応じて、前記指定位置が撮影された前記画像を特定する画像特定部と、
を備えることを特徴とする検査システム。
[項目5]
項目4に記載の検査システムであって、
前記複数の画像のそれぞれについて、前記画像に基づいて前記検査対象物の異常を検出する異常検出部と、
前記撮影位置および前記視点軸方向に基づいて、前記撮影位置から前記異常箇所に向けた直線が前記3次元モデルと交差する座標である異常位置を特定する異常位置特定部と、
を備えることを特徴とする検査システム。
==概要・全体構成==
図1は、本発明の一実施形態に係る検査システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の検査システムは、飛行装置10によって撮影された検査対象物1に関する複数の画像に基づいて、検査対象物1の3次元モデルを作成するものである。また、本実施形態の検査システムでは、撮影した画像を解析して異常箇所を検出し、検出した異常箇所を3次元モデル上にマッピングする。検査対象物1は、法面やダムなどのコンクリート構造物であってもよいし、鉄塔や鉄橋などの鋼構造物であってもよいし、太陽光パネルや建物などであってもよい。本実施形態では、検査対象部1として建物を想定する。なお、検査対象物1は撮影可能な物であれば何でもよく、例えば動物や自動車などであってもよいし、災害時の被災地域であってもよい。
本実施形態の検査システムは、検査対象物1を撮影する飛行装置10と、飛行装置10が撮影した画像を解析する検査サーバ30とを含んで構成される。飛行装置10と検査サーバ30とは通信ネットワーク50を介して相互に通信可能に接続される。本実施形態では通信ネットワーク50はインターネットを想定する。通信ネットワーク50は、例えば無線通信路、携帯電話回線網、衛星通信路、公衆電話回線網、専用回線網、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
(飛行装置10)
図2は、飛行装置10のハードウェア構成例を示す図である。飛行装置10は、プロペラ18と、プロペラ18にESC(Electronic Speed Controller)16を介して接続された推進機構(本実施形態ではモータ17を想定する。)と、これらを制御するフライトコントローラ11とを備える。
飛行装置10は検査対象物1の一部または全部を撮影するカメラ12を備える。本実施形態では、カメラ12は機体に固定されるものとする。また、カメラ12は、鉛直方向下向きのレンズを備え、鉛直方向に真下の画像のみを撮影するものとする。したがって、飛行装置10の姿勢が固定される場合には、カメラ12の視点軸(光軸)121も固定される。本実施形態では、カメラ12は可視光線を捉えたRGB画像を撮影することを想定するが、赤外線を捉えたサーマル画像を撮影するようにしてもよいし、RGB画像とサーマル画像の両方を同時にまたは順次撮影するようにしてもよい。また、カメラ12に代えて、またはカメラ12に加えて、人感センサなどの各種のセンサを備えるようにしてもよい。
フライトコントローラ11は、プログラマブルプロセッサ(本実施形態では、中央演算処理装置(CPU)を想定する。)などの1つ以上のプロセッサ101を有することができる。また、フライトコントローラ11は、メモリ102を有しており、当該メモリ102にアクセス可能である。メモリ102は、1つ以上のステップを行うためにフライトコントローラ11が実行可能であるロジック、コード、および/またはプログラム命令を記憶する。メモリ102は、例えば、SDカードやランダムアクセスメモリ(RAM)などの分離可能な媒体または外部の記憶装置を含んでいてもよい。カメラ12やセンサなどから取得したデータは、メモリ102に直接に伝達されかつ記憶されてもよい。
フライトコントローラ11はまた、各種のセンサ類103を備える。本実施形態においてセンサ類103は、例えば、慣性センサ(加速度センサ、ジャイロセンサ)、GPS(Global Positioning System)センサ、近接センサ(例えば、ライダー)、またはビジョン/イメージセンサ(例えば、カメラ)を含み得る。
フライトコントローラ11は、1つ以上の外部のデバイス(例えば、送受信機(プロポ)、端末、表示装置、または他の遠隔の制御器などである。)からのデータを送信および/または受け取るように構成された送受信部14と通信可能である。送受信部14は、有線通信または無線通信などの任意の適当な通信手段を使用することができる。本実施形態では、送受信部14は、主に検査サーバ30と通信を行う。送受信部14は、例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network;LAN)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network;WAN)、赤外線、無線、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信などのうちの1つ以上を利用することができる。送受信部14は、センサ類で取得したデータ、フライトコントローラが生成した処理結果、所定の制御データ、端末または遠隔の制御器からのユーザコマンドなどのうちの1つ以上を送信および/または受け取ることもできる。
図3は、フライトコントローラ11のソフトウェア構成例を示す図である。フライトコントローラ11は、指示受信部111、飛行制御部112、位置姿勢情報取得部113、撮影処理部114、撮影情報送信部115、位置姿勢情報記憶部151、撮影情報記憶部152、GPSセンサ104、気圧センサ105、温度センサ106および加速度センサ107を備える。
なお、指示受信部111、飛行制御部112、位置姿勢情報取得部113、撮影処理部114および撮影情報送信部115は、プロセッサ101がメモリ102に格納されているプログラムを実行することにより実現される。また、位置姿勢情報記憶部151および撮影情報記憶部152は、メモリ102の提供する記憶領域として実現される。
指示受信部111は、飛行装置10の動作を指示する各種のコマンド(以下、飛行操作コマンドという。)を受け付ける。本実施形態では、指示受信部111は、検査サーバ30から飛行操作コマンドを受信することを想定するが、プロポなどの送受信機から飛行操作コマンドを受信するようにしてもよい。
飛行制御部112は、飛行装置10の動作を制御する。飛行制御部112は、例えば、6自由度(並進運動x、yおよびz、並びに回転運動θx、θyおよびθz)を有する飛行装置10の空間的配置、速度、および/または加速度を調整するために、ESC16を経由してモータ17を制御する。モータ17によりプロペラ18が回転することで飛行装置10の揚力を生じさせる。また、飛行制御部112は、搭載部、センサ類の状態のうちの1つ以上を制御することができる。本実施形態では、飛行制御部112は、指示受信部111が受信した飛行操作コマンドに応じて飛行装置10の動作を制御するものとする。また、飛行制御部112は、自律飛行を可能とするべく、コマンドによらずに飛行装置10が飛行を継続するように各種の制御を行うこともできる。
位置姿勢情報取得部113は、飛行装置10の現在位置および姿勢を示す情報(以下、位置姿勢情報という。)を取得する。本実施形態では、位置姿勢情報には、飛行装置10の地図上の位置(緯度経度で表される。)と、飛行装置10の飛行高度と、飛行装置10のx、y、z軸の夫々に対する傾きが含まれるものとする。なお、飛行装置10のx、y、z軸は夫々互いに直交する座標軸であり、機体の平面座標および鉛直方向を表すことができる。
センサ類103にはGPSセンサ104が含まれ、位置姿勢情報取得部113は、GPSセンサ104がGPS衛星から受信した電波から、飛行装置10の地図上の位置を算出することができる。
また、センサ類103には気圧センサ105および温度センサ106が含まれ、位置姿勢情報取得部113は、飛行前に気圧センサ105により測定した大気圧(以下、基準気圧という。)と、飛行中に気圧センサ105により測定した大気圧(以下、現在気圧という。)との差分と、飛行中に温度センサ106により測定した気温とに基づいて、飛行装置10の飛行高度を計算することができる。
さらに、センサ類103には3軸の加速度センサ107が含まれ、位置姿勢情報取得部113は、加速度センサ107からの出力に基づいて、飛行装置10の姿勢を求めることができる。また、飛行装置10の姿勢からカメラ12の光軸121(視点軸)を決定することができる。
位置姿勢情報取得部113は、GPSセンサ104を用いて取得した飛行装置10の地図上の位置(緯度経度)と、気圧センサ105および温度センサ106を用いて取得した飛行装置10の飛行高度と、加速度センサ107を用いて取得した飛行装置10の姿勢とを設定した位置姿勢情報を、メモリ14の位置姿勢情報記憶部151に格納する。
図4は位置姿勢情報記憶部151に記憶される位置姿勢情報の構成例を示す図である。図4に示すように、位置姿勢情報記憶部151には、飛行装置10の現在位置を示す緯度経度、上記のようにして計算した飛行高度、飛行前に測定した基準気圧、飛行中に測定した現在気圧、飛行中に測定した気温、および加速度センサ107を用いて取得した飛行装置10の姿勢(カメラ12の光軸121の傾き)が格納される。
撮影処理部114は、カメラ12を制御して検査対象物1の一部または全部を撮影させ、カメラ12が撮影した撮影画像を取得する。撮影処理部114は、事前に設定されたタイミングで撮影を行うものとする。例えば、撮影処理部114は、所定の時間(例えば、5秒、30秒など任意の時間を指定することができる。)ごとに撮影を行うようにすることができる。なお、撮影処理部114は、検査サーバ30からの指示に応じて撮影するようにしてもよい。
撮影処理部114は、取得した撮影画像を撮影情報記憶部152に格納する。撮影処理部114は、撮影画像に付帯させて、撮影日時、その時点における飛行装置10の地図上の緯度経度(撮影位置)、その時点における飛行装置10の飛行高度(撮影高度)、飛行装置10の姿勢(カメラ12の光軸121の傾き)も撮影情報記憶部152に格納する。なお、これらの情報が付帯された画像を撮影情報という。
図5は撮影情報記憶部152に格納される撮影情報の構成例を示す図である。撮影情報記憶部152に格納される撮影情報には、撮影日時、撮影位置、撮影高度、傾きおよび画像データが含まれる。撮影情報は、例えば、ファイルシステム上のファイルとして記憶させることができる。また、撮影日時、撮影位置、撮影高度および傾きは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)画像ファイルのExif(Exchangeable image file format)情報として格納するようにしてもよいし、画像データをファイルとしてファイルシステムに格納し、撮影日時、撮影位置、撮影高度および傾きと、ファイル名とを対応付けたレコードをデータベースに登録するようにしてもよい。また、撮影情報には、焦点距離やシャッター速度などのカメラ12の特性を含めるようにしてもよい。
撮影情報送信部115は、カメラ12が撮影した画像を検査サーバ30に送信する。本実施形態では、撮影情報送信部115は、撮影画像に、撮影日時、撮影位置、撮影高度および傾きを付帯させた撮影情報を検査サーバ30に送信するものとする。
(検査サーバ30)
図6は、検査サーバ30のハードウェア構成例を示す図である。検査サーバ30は、CPU301、メモリ302、記憶装置303、通信装置304、入力装置305、出力装置306を備える。記憶装置303は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信装置304は、通信ネットワーク50を介して他の装置と通信を行う。通信装置304は、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSBコネクタやRS232Cコネクタなどを含んで構成される。入力装置305は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置306は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
図7は、検査サーバ30のソフトウェア構成例を示す図である。検査サーバ30は、飛行制御部311、撮影情報受信部312、3次元モデル作成部313、異常検出部314、3次元モデル表示部315、撮影画像表示部316、撮影情報記憶部351、3次元モデル記憶部352および異常情報記憶部353を備える。
なお、飛行制御部311、撮影情報受信部312、3次元モデル作成部313、異常検出部314、3次元モデル表示部315および撮影画像表示部316は、検査サーバ30が備えるCPU301が記憶装置303に記憶されているプログラムをメモリ302に読み出して実行することにより実現され、撮影情報記憶部351、3次元モデル記憶部352および異常情報記憶部353は、検査サーバ30の備えるメモリ302および記憶装置303が提供する記憶領域の一部として実現される。
飛行制御部311は、飛行装置10を飛行させる制御を行う。本実施形態では、飛行制御部311は、飛行装置10に対して飛行操作コマンドを送信することにより飛行装置10を操作する。飛行制御部311は、例えば、オペレータから地図上における飛行経路の指定を受け付けて、受け付けた飛行経路上を飛行するように飛行操作コマンドを送信することができる。また、飛行制御部311は、後述するように検査対象物1の3次元モデルを作成するべく、飛行装置10に検査対象物1の周囲を飛行させて撮影領域の少なくとも一部が重なるように連続させて撮影できるように飛行装置10を制御する。なお、本実施の形態においては、飛行装置10は、検査サーバ30の飛行制御部311によって制御されているが、例えば、あらかじめ保存された自動飛行のためのソフトウェア(データ)によって飛行装置10が自律的に制御される方法や、オペレータの手動操作によって制御(操作)される方法や、これらの組み合わせであってもよい。
撮影情報受信部312は、飛行装置10から送信される撮影情報を受信する。撮影情報受信部312は、受信した撮影情報を撮影情報記憶部351に格納する。なお、本実施形態では、撮影情報記憶部351の構成は、図5に示す飛行装置10の撮影情報記憶部152と同一の構成であるものとする。なお、検査サーバ30が備える撮影情報記憶部351は、撮影情報の送信元である飛行装置10を特定する情報に対応付けて、撮影情報を記憶するようにしてもよい。
3次元モデル作成部313は、複数の撮影画像から3次元の構造体を表現する3次元モデルを作成する。3次元モデル作成部313は、いわゆるフォトグラメトリー(写真測量)の技術を用いて3次元モデルを作成することができる。本実施形態において、3次元モデルのワールド座標系は、緯度、経度および高度で表されるものとする。撮影情報に含まれる撮影位置、撮影高度および光軸121の傾きにより、カメラ12のワールド座標系における位置および視点方向を示すことができる。3次元モデル作成部313は、撮影情報に含まれている画像データから特徴点を抽出し、撮影情報に含まれる撮影位置、撮影高度および傾きに基づいて複数の画像データから抽出された特徴点の対応付けを行い、ワールド座標系における3次元点群(ポイントクラウドとも呼ばれる。)を取得する。本実施形態では、3次元モデルは3次元点群により構成されるものとするが、3次元モデル作成部313は、点群に基づいてポリゴン等の面データを生成することもできる。さらに、3次元モデル作成部313は、3次元モデルと撮影画像に基づいてオルソ画像を生成することもできる。
3次元モデル作成部313は、作成した3次元モデル(本実施形態では3次元点群)を3次元モデル記憶部352に登録する。図8は3次元モデル記憶部352の構成例を示す図である。同図に示すように、3次元モデル記憶部352には、3次元点群を構成する各点についての座標が登録される。なお、3次元モデル作成部313が3次元点群に基づいてポリゴン等の面データを作成した場合には、3次元モデル記憶部352は点の座標に加えて、または点の座標に代えて、面データを記憶するようにしてもよい。
異常検出部314は、飛行装置10からの撮影画像を解析して、検査対象物1の異常を検出する。異常検出部314は、例えば、過去に異常が発生した検査対象物1を撮影した画像を教師信号としてニューラルネットワーク等の機械学習を用いた学習を行っておき、飛行装置10から受信した撮影画像を入力信号として異常を判定することができる。また、異常検出部314は、正常時の画像をメモリ302に予め記憶しておき、正常時の画像と撮影画像とを比較して、所定値以上の差分のある画素により構成される領域を認識し、当該領域の面積が所定値以上となるものについて異常と判定することもできる。なお、異常検出部314は、公知の技術を用いて画像から異常部分を検出するようにすることができる。
異常検出部314は、検出した撮影画像上の異常箇所について、ワールド座標系の位置を特定する。異常検出部314は、たとえば、3次元点群に含まれる点のそれぞれについて、撮影情報に含まれている撮影位置および撮影高度に設置したカメラから、撮影情報に含まれている傾きが示す方向に撮影した場合の画像上の位置を特定し、特定した画像上の位置が、異常箇所として検出した領域に含まれているか否かにより、当該点が異常箇所を構成するか否かを判定し、異常箇所を構成する点の座標を異常箇所の位置として特定することができる。異常常検出部315は、検出した異常に関する情報(以下、異常情報という。)を異常情報記憶部353に登録する。
図9は異常情報記憶部353に登録される異常情報の構成例を示す図である。同図に示すように、異常情報には、異常箇所を示すワールド座標系上の座標位置(異常位置)と、当該異常箇所を撮影した画像に係る撮影情報を特定するための情報(例えばJPEGファイル名とすることができる。)と、画像上における異常が検出された位置(以下、画像異常位置という。)とが含まれる。図8の例では、画像異常位置に矩形を示す2つの頂点の座標が含まれた例が示されているが、画像異常位置には、例えば1つの座標のみが含まれるようにしてもよいし、多角形を構成する3つ以上の座標が含まれるようにしてもよいし、楕円形を表す中心座標と2つの半径とが含まれるようにしてもよい。すなわち、画像異常位置は、点または幾何図形を表す情報であればよい。なお、上述した例の他、例えば、画像における異常位置に当該異常を示す箇所を直接描画することとしてもよい。この場合、異常位置に関する座標位置は利用せず、例えば、撮影画像に関する情報と異常位置とを直接関連付けることとしてもよい。
3次元モデル表示部315は、3次元モデル作成部313が作成した3次元モデルを平面に投影した画像(以下、3次元投影画像という。)を表示する。3次元モデル表示部315は、3次元投影画像を、ワイヤーフレームで表示するようにしてもよいし、撮影画像を3次元モデルにマッピングしてもよい。また、3次元モデル表示部315は、3次元モデルを作成した各撮影画像について、カメラ12の位置および視点軸の方向を3次元モデルに重畳させて表示している。本実施の形態においては、説明を容易にするためにカメラ12の位置および視点軸の方向を表示することとしているが、表示の有無の設定、その切替方法については、用途及びニーズに合わせて適宜変更することができる。
==処理==
以下、本実施形態の検査システムにおける処理について説明する。
==撮影処理==
図10は、検査対象物1を撮影する処理の流れを説明する図である。図10に示す撮影処理は、飛行装置10が飛行している間、定期的に実行される。
飛行装置10において、撮影処理部114は、カメラ12を制御して、カメラ12が撮影した撮影画像を取得し(S201)、位置姿勢情報取得部113は、GPSセンサ104、気圧センサ105、温度センサ106および加速度センサ107からの信号に基づいて、撮影位置、撮影高度および姿勢を求める(S202)。撮影情報送信部115は、カメラ12から取得した撮影画像に、現在の日時(撮影日時)、撮影位置、撮影高度および姿勢を付帯させた撮影情報を作成して検査サーバ30に送信する(S203)。
検査サーバ30では、撮影情報受信部312は、飛行装置10から送信される撮影情報を受信し(S204)、受信した撮影情報を撮影情報記憶部351に登録する(S205)。
以上のようにして、飛行装置10において撮影された画像は、撮影日時、撮影位置、撮影高度および飛行装置10の姿勢(光軸121の傾き)とともに、撮影情報記憶部351に順次登録されていくことになる。
==検査処理==
図11は検査サーバ30により実行される検査処理の流れを示す図である。本実施形態では、図11に示す処理は、飛行装置10による撮影が全て終了した後に行われることを想定するが、飛行装置10が撮影を続けている間に行うようにすることもできる。
3次元モデル作成部313は、撮影情報記憶部351に登録されている撮影情報に基づいて3次元モデルを作成する(S211)。なお、3次元モデルの作成処理については、一般的な写真測量(フォトグラメトリ)の手法により3次元モデルを作成するものとする。たとえば、3次元モデル作成部313は、撮影時間の順に連続する2つの撮影情報のペアについて、対応点を探索し、見つかった対応点について、飛行位置および飛行高度ならびに姿勢に応じて対応点のワールド座標系における位置を特定することができる。なお、3次元モデルの作成は例示であり、上記のほか、種々の方法で作成することができる。
3次元モデル作成部313は、作成した3次元モデルを3次元モデル記憶部352に登録する(S212)。本実施形態では、3次元モデルは3次元点群により構成されるものとする。そこで対応点のワールド座標系における座標を3次元モデル記憶部352に登録することができる。
次に、異常検出部314は、撮影情報記憶部351に登録されている各撮影情報について、以下の処理を行う。すなわち、異常検出部314は、撮影情報に含まれている画像データを解析して、検査対象物1の異常の有無を検査する(S213)。画像データから検査対象物1の異常が検出された場合(S214:YES)、異常検出部314は、撮影情報の撮影位置および撮影高度が示すワールド座標系の座標から、撮影情報の傾きが示す光軸121(視点軸)の方向に延ばした直線と、3次元モデルとが交差する座標を異常の発生した位置(異常位置)として特定する(S215)。なお、異常検出部314は、3次元点群に含まれる点のいずれにも、カメラ12からの光軸121が交差しない場合、最も近くを通り、かつ光軸121に平行な距離が最も近い点の座標を異常位置として決定してもよい。異常検出部314は、撮影情報を特定する情報(例えばファイル名とすることができる。)と、画像データ上で異常を発見した箇所(画像異常位置)とを異常位置に対応付けて異常情報記憶部353に登録する(S216)。
以上の処理を撮影情報のそれぞれについて行った後、3次元モデル表示部315は、3次元モデルを投影した画像を表示する(S217)。図12は、3次元モデル表示部315が表示する3次元投影画像を説明する図である。図12の例では、3次元モデル作成部313が複数の撮影画像に基づいて作成した3次元モデルに対して、撮影画像をマッピングした3次元投影画像41が画面40に表示されている。3次元モデル表示部315は、たとえば、3次元モデル記憶部352に登録されている点群を投影して3次元投影画像41を作成することができる。
次に3次元モデル表示部315は、撮影画像を撮影したカメラ12を示す図形を3次元投影画像41に重ねて表示する。具体的には、3次元モデル表示部315は、撮影情報記憶部351に登録されている各撮影情報について、撮影情報に含まれている撮影位置および撮影高度から傾きが示す方向に傾けたカメラ12を表す図形を3次元モデル上に重ねて表示させるようにする。図12の例では、カメラ12の位置および視点軸の方向を示す円錐体42を3次元投影画像41に重畳させて表示している。上述したように本実施の形態においては、説明を容易にするためにカメラ12の位置および視点軸の方向を表示することとしているが、表示の有無の設定、その切替方法については、用途及びニーズに合わせて適宜変更することができる。
3次元モデル表示部315は、異常箇所を示す図形を3次元投影画像41上に重ねて表示する(S219)。具体的には、3次元モデル表示部315は、異常情報記憶部353に登録されている各異常情報につて、異常位置が示す座標に所定の図形を表示させる。図12の例では、マーク43を3次元投影画像41に重畳させて表示している。なお、図12の例では、マーク43は1つのみが表示されているが、異常情報記憶部353に複数の異常箇所が登録されている場合には複数のマーク43が表示されることになる。
以上のようにして、飛行装置10が撮影した複数の画像に基づいて3次元モデルを作成するとともに、撮影画像から検出した異常箇所を3次元モデル上にマッピングして表示することができる。
==確認処理==
図13は、指定された位置の異常箇所が撮影されている撮影画像を表示する処理の流れを示す図である。画面40において、ユーザが、たとえばマーク43をクリックすることにより、詳細を確認したい異常箇所の位置を指定した場合に、撮影画像表示部316は、当該位置の指定を受け付け(S231)、受け付けた位置に対応する異常情報を異常情報記憶部353から検索する(S232)。撮影画像表示部316は、検索した異常情報に含まれる画像が示す撮影情報を撮影情報記憶部351から読み出し(S233)、読み出した撮影情報に含まれている画像データを画面40に出力する(S234)。
以上のようにして、撮影画像表示部316は、ユーザから指示された位置を撮影した撮影画像を画面40に表示することができる。
==効果==
以上説明したように、本実施形態の検査システムによれば、撮影位置、撮影高度および姿勢に基づいて、撮影画像上の位置を3次元モデル上の位置に対応付けることができる。したがって、画像から検出した異常箇所についても、画像としてのみではなく、3次元モデル上に異常箇所として取り込むことが可能となる。また、3次元モデル上の位置が指定された場合に、当該指定された位置に対応する異常情報と特定して、当該異常箇所を撮影した画像を容易に特定することが可能となり、ユーザに対して詳細な2次元画像を迅速かつ的確に提供することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、本実施形態では、カメラ12は機体の下部に固定されるものとしたが、これに限らず、ジンバルを介して可動式に装着するようにしてもよい。この場合、撮影情報には飛行装置10の傾きに加えて、カメラ12の撮影方向も含めるようにする。
また、本実施形態では、気圧センサ105および温度センサ106を用いて撮影高度を求めるものとしたが、これに限らず、公知の手法を用いて撮影高度を求めるようにしてもよい。
また、本実施形態では、飛行装置10からの撮影情報はカメラ12で撮影が行われる都度検査サーバ30に送信されるものとしたが、飛行装置10は撮影情報記憶部152に撮影情報を蓄積しておき、飛行中に定期的に、あるいは、飛行終了後に一度に撮影情報記憶部152に記憶されている撮影情報を検査サーバ30に送信するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ユーザは画面40において異常箇所の位置を選択し、選択した位置に対応する異常箇所が検索され、検索された異常箇所に対応する撮影画像が表示されるものとしたが、マーク43に異常情報を対応付けておき、選択されたマーク43から異常情報を特定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ユーザは画面40において異常箇所の位置のみが選択可能であるものとしたが、異常箇所以外の任意の位置(座標)を選択可能としてもよい。この場合、図14に示されるように、選択した個所(例えば、43a、43b、43c)に対応する画像(44a、44b、44c)が表示される。この場合、撮影画像表示部316はまず、撮影情報記憶部351に登録されている撮影情報のそれぞれについて、飛行位置および飛行高度の座標から指定された座標に向けた直線が、飛行位置および飛行高度の座標から視点軸にカメラ12を向けた場合のカメラ12の画角の中に入っているか否かにより、当該撮影情報に係る画像データに、指定された座標が撮影されうるか否かを判断する。次に、撮影画像表示部316は、指定された座標が撮影されうると判断した撮影情報について、上記直線が3次元モデルの他の点を通る(もしくは他の点から所定の距離以下となる)か否かにより、または3次元モデルのポリゴンを通るか否かにより、指定された座標の撮影が妨げられるか否かを判断する。最後に撮影画像表示部316は、指定された座標の撮影が妨げられないと判断した撮影情報について、画像データを表示するようにすることができる。
10 飛行装置
11 フライトコントローラ
12 カメラ
14 送受信部
16 ESC
17 モータ
18 プロペラ
30 検査サーバ
50 通信ネットワーク
101 プロセッサ
102 メモリ
103 センサ類
104 GPSセンサ
105 気圧センサ
106 温度センサ
107 加速度センサ
111 指示受信部
112 飛行制御部
113 位置姿勢情報取得部
114 撮影処理部
115 撮影情報送信部
151 位置姿勢情報記憶部
152 撮影情報記憶部
301 CPU
302 メモリ
303 記憶装置
304 通信装置
305 入力装置
306 出力装置
311 飛行制御部
312 撮影情報受信部
313 3次元モデル作成部
314 異常検出部
315 3次元モデル表示部
316 撮影画像表示部
351 撮影情報記憶部
352 3次元モデル記憶部
353 異常情報記憶部

Claims (3)

  1. 検査対象物を検査する検査システムであって、
    カメラを備える飛行装置が前記検査物を撮影した複数の画像に基づいて、前記検査対象物の3次元モデルを生成する3次元モデル生成部と、
    前記複数の画像のそれぞれについて、前記画像に基づいて前記検査対象物の異常を検出する異常検出部と、
    前記異常の位置をマッピングした前記3次元モデルを表示する3次元モデル表示部と、
    を備え、
    前記3次元モデル表示部は、前記3次元モデル上の前記異常の位置とは異なる位置を選択可能に構成されており、
    前記異なる位置に基づく前記画像を表示する撮影画像表示部をさらに備える、ことを特徴とする検査システム。
  2. 前記3次元モデルと、前記異なる位置に基づく前記画像とは、並べて表示される、ことを特徴とする請求項1の検査システム。
  3. 前記異常位置と、前記異なる位置とは、それぞれ異なるマークにより表示される、ことを特徴とする請求項1または2の検査システム。
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