以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、本発明は、このような特定の実施形態に限定されずに実施され得ることが、この分野における熟練した者に理解される。よく知られた方法、手順、構成要素、及び回路は、本発明を曖昧にしないために詳細に記述しない。また、本発明は、これらに限定されず、スマートフォン、ユーザー装置(UE)、及び/又はラップトップコンピュータを含む任意のイメージングデバイス又はシステムで、低消費電力、3Dデプスの測定を遂行するように具現される。
本明細書で「一実施例」又は「実施例」の参照は、その実施例に関連して記述する特定の特色、構造、又は特性が本明細書に記載した少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。従って、本明細書の多様な部分において「一実施形態では」、「実施形態では」、又は「一実施例による」のフレーズ(又は類似の意味を有する他のフレーズ)の登場は、全て同じ実施例を参照するものとしてはならない。なお、特定の特色、構造、又は特性は、1つ以上の実施例で任意の適切な方法で組み合わせられる。これに関連して、本明細書で使用するように、「模範的な」の言葉は、「1つの例、事例、又は実例として提供される」ということを意味する。ここで「模範的な」と記述する任意の実施例は、他の実施例よりも選好されたり、長所を有するものとされたりしてはならない。また、特定の特色、構造、又は特性は、1つ以上の実施例で任意の適切な方法で組み合わせられる。また、本明細書で説明するコンテキストに依存して、単数形は対応する複数形を含み、複数形は対応する単数形を含み得る。同様に、ハイフンで連結された用語(例えば、「2−次元」、「事前に−定められた」、「ピクセル−特化」など)は、時折対応するハイフンなしのバージョン(例えば、「2次元」、「事前に定められた」、「ピクセル特化」など)に代替して使用され、英文の大文字の項目(例えば、「カウンタクロック(Counter Clock)」、「行選択(Row Select)」、「PIXOUT」など)は、対応する大文字なしのバージョン(例えば、「カウンタクロック(counter clock)」、「行選択(row select)」、「pixout」など)に代替して使用され得る。このような不定期的な代替使用は、互いに矛盾するものとされてはならない。
なお、本明細書に記載するコンテキストに依存して、単数形は対応する複数形を含み、複数形は対応する単数形を含み得る。本明細書に示して説明する多様な図面(構成要素図を含む)は、説明の目的のためのみであり、同じ比率に限定されない。同様に、多様な波形及びタイミング図が説明の目的のためのみに示される。例えば、要素の一部の次元は明確性のために他の要素よりも強調されることがある。また、適切であると思われる場合、参照符号は図面で繰り返されて対応する及び/又は類似の要素を指す。
本明細書で使用する用語は、いくつかの実施例を説明する目的のためのみであり、本発明の限定を意図しない。本明細書で使用するように、コンテキストから明らかに異なるものとされない限り、単数形は複数形もまた含むことを意味する。本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」及び/又は「含む(comprising)」の用語は、言及する特色、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示し、1つ以上の他の特色、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの存在を排除しない。本明細書で使用するように、「第1」、「第2」などの用語は、これらが後に続く名詞に対するラベルに使用され、明らかにそのように定義されない場合、任意の形態の順序(例えば、空間的、時間的、論理的など)を示唆しない。また、同一の参照符号は、2つ以上の図面で使用されて同じ又は類似の機能を有する部品、構成要素、ブロック、回路、ユニット、又はモジュールを示すことがある。しかし、このような使用は、説明の単純化及び説明の容易さのためのみであり、このような構成要素、ユニットの構造、又は構造的詳細さが全ての実施例に亘って同一であるか、或いはこのような共通で参照される部品/モジュールが本明細書に記載された実施例の一部を具現する唯一の方法であることを示唆するものではない。
要素又は階層が他の要素又は階層の上にあるか、接続されるか、又は結合されることで参照される場合、その要素又は階層は、他の要素又は階層の直ぐ上にあるか、直接連結されるか、又は直接結合されることがあり、また割り込み要素又は階層が存在することが理解される。逆に、要素が他の要素又は階層の直上にあるか、直接連結されるか、又は直接結合されることで参照される場合、割り込み要素又は階層が存在しない。類似の参照符号は、全体的に類似の要素を指す。本明細書で使用するように、「及び/又は」の用語は、関連して列挙する物品の1つ以上のものの任意且つ全ての組み合わせを含む。
本明細書で使用するように、「第1」、「第2」などの用語は、これらが後に続く名詞に対するラベルに使用され、明らかにそのように定義しない場合、任意の形態の順序(例えば、空間的、時間的、論理的など)を示唆しない。また、2つ以上の図面に亘って使用する同一の参照符号は、同じ又は類似の機能を有する部品、構成要素、ブロック、回路、ユニット、又はモジュールを指す。しかし、このような使用は、説明の単純化及び説明の容易さのためのみであり、このような構成要素、ユニットの構造、又は構造的詳細さが全ての実施例に亘って同一であるか、或いはこのような共通に参照される部品/モジュールが本明細書に記述する実施例の一部を具現する唯一の方法であることを示唆するものではない。
図面に示すように、「の(真)下に」、「より下に」、「下位の」、「の上に」、「上位の」などのような空間的に相対的な用語は、ここで1つの要素又は特色の異なる要素(複数の要素)又は特色(複数の特色)に対する関係を記述する説明の容易さのために使用される。空間的に相対的な用語は、図面で示す方向に加えて使用又は動作中のデバイスの他の方向を含むことを意図することが理解される。例えば、図面のデバイスを裏返した場合、他の要素又は特色の「より下に」又は「の下に」に説明する要素は、他の要素又は特色の「の上に」の方向であり得る。従って、「より下に」の用語は上下方向の両方を含む。デバイスが違う方向に向けられると(90度回転すると、又は他の方向に)、本明細書で使用する空間的に相対的な説明は、それに応じて解釈される。
異なった方法で定義しない場合、本明細書で使用する全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明の属する分野における通常の技術を有する者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。共通に使用される辞典で定義されたものと同じ用語は、関連分野のコンテキストにおいてそれらの意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明確にそのように定義されない場合、理想化されたり、過度に形式的に解釈されたりすべきではない。
本明細書で使用するように、「モジュール」の用語は、モジュールに関連付けられて本明細書に記述する機能を提供するように構成されるソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアの任意の組み合わせを指す。ソフトウェアは、ソフトウェアパッケージ、コード、及び/又はコマンドセット若しくはコマンドで搭載され、本明細書で記述する任意の具現で使用する「ハードウェア」の用語は、例えば単独又は任意の組み合わせでプログラム可能な回路によって実行されるコマンドを格納するハードウェアの内蔵されたハードワイアード(hardwired)回路、プログラム可能な回路、状態マシン回路、及び/又はファームウェアを含み得る。モジュールは、総括的に又は個別的に、例えばこれらに限定されないが、集積回路(IC)、システム・オン・チップ(SoC)などのより大規模なシステムの一部を形成する回路として搭載され得る。
上述した3D技術は多くの問題点を有する。例えば、TOFベースの3Dイメージング(imaging)システムは、光学的又は電気的シャッターを動作させるために電力を必要とする。このようなシステムは、通常数メートルから数十メートルの範囲に亘って動作するが、このようなシステムの解像度は短い距離の測定において減少し、約1メートルの距離で3Dイメージを作ることは殆ど不可能である。従って、TOFシステムは、写真が殆ど近くの距離で撮影される携帯電話ベースのカメラアプリケーションに対しては好ましくない。TOFセンサは、また通常7μmよりも大きいピクセルサイズを有する特殊なピクセルを必要とする。このようなピクセルは、また周辺光に脆弱である。
ステレオスコピックイメージングの方法は、一般的にテクスチャード(textured)表面のみで動作する。これは特徴に整合してオブジェクトのステレオペアのイメージ間の対応性を探し出す必要によって高い演算の複雑度を有する。これは高いシステム電力を必要とし、スマートフォンのように省電力が必要なアプリケーションにおいて適切な特性ではない。また、ステレオイメージングは、2つのレンズと共に2つの常設の高ビット解像度のセンサを必要とするため、デバイスの所有地(デバイス空間)が重要視される携帯電話又はタブレットのようにポータブル機器のアプリケーションに対してアセンブリ全体が適合しない。
SLの方法は、距離の曖昧さを示し、高いシステム電力を必要とする。3Dデプスの測定に対して、SLの方法は多数のパターンを有する多数のイメージを必要とすることがある。これらの全ては、演算の複雑度及び消費電力を増加させる。なお、SLイメージングは、高ビット解像度を有する常設のイメージセンサを必要とする。従って、構造化された光ベースのシステムは、スマートフォンの低コスト、低消費電力、コンパクトイメージセンサに適さない可能性がある。
3D技術と対照的に、本明細書で記述するいくつかの実施例は、スマートフォン、タブレット、ユーザー装置(UE)のようなポータブル電子装置の低消費電力3Dイメージングシステムを具現することを提供する。本明細書で記述するいくつかの実施例による2Dイメージングセンサは、2D RGB(赤、緑、青)のイメージと可視光レーザースキャンで3Dデプスの測定をキャプチャーし、3Dデプスの測定中に周辺光を遮断することができる。次の技術で、ポイントスキャンのための光として可視光レーザーについて頻繁に言及し、イメージ/光キャプチャーデバイスとして2D RGBセンサについて頻繁に言及するが、このような言及は、説明の一貫性の目的のためのみである。以下で記述する可視光レーザーやRGBセンサベースの例は、スマートフォン、タブレット、ユーザー装置(UE)のようなカメラを有する低消費電力、消費者グレード(consumer−grade)モバイル電子装置でアプリケーションを見つけることができる。しかし、本発明は、以下で言及する可視光RGBセンサベースの例に限定されない。代わりに、本明細書に記載するいくつかの実施例によると、ポイントスキャンベースの3Dデプスの測定及び周辺光遮断方法は、これらに限定されないが、(i)レーザーソースが赤色光(R)、緑色光(G)、又は青光(B)のレーザー又はレーザーソースがこのような光の組み合わせを生成する可視光レーザーソースを備えた2Dカラー(RGB)センサ、(ii)赤外線(IR)遮断フィルタを有する2D RGBカラーセンサを備えた可視光レーザー、(iii)2D IRセンサを備えた近赤外線(NIR)レーザー、(iv)2D NIRセンサを備えたNIRレーザー、(v)2D RGBセンサ(IR遮断フィルタがない)を備えたNIRレーザー、(vi)2D RGBセンサ(NIR遮断フィルタがない)を備えたNIRレーザー、(vii)可視光又はNIRレーザーを備えた2D RGB−IRセンサ、(viii)可視光又はNIRレーザーを備えた2D RGBW(赤、緑、青、白)センサなどのような2Dセンサ及びレーザー光源(ポイントスキャンのため)の多数の異なる組み合わせを用いて遂行され得る。
3Dデプスの測定のうち、全てのセンサはレーザースキャンに関連してバイナリセンサーとして動作して3Dコンテンツを再構成する。いくつかの実施例で、センサのピクセルサイズは1μmほど小さい可能性がある。なお、低ビット解像度のため、本明細書に記載するいくつかの実施例によるイメージセンサのアナログ/デジタル変換器(ADC)ユニットは、通常的な3Dイメージングシステムにおける高ビット分解能センサに必要なものよりも非常に少ない処理電力を必要とすることがある。低処理電力の必要によって、本発明による3Dイメージングモジュールは、低システム消費電力を必要とし、従ってスマートフォンのような低消費電力装置に含まれることに非常に適する。
いくつかの実施例で、本発明は、ラインセンサのグループにより3Dデプスの測定のためのレーザー光源で三角測量及びポイントスキャンを使用する。レーザースキャン平面及びイメージング平面はエピポーラ線幾何(epipolar geometry)を用いて方向付けられる。本明細書に記載する一実施例によるイメージセンサは、タイムスタンプを用いて三角測量の方法の曖昧さを除去する。従ってデプス演算及びシステム電力の量を減らす。3Dレーザースキャンモードだけでなく、通常、2D(RGBカラー又は非RGB)イメージングモードで同一のイメージセンサ(即ち、イメージセンサの各ピクセル)が使用される。しかし、レーザースキャンモードで、イメージセンサのADCの解像度は、バイナリ出力(1ビット分解能)に減少する。従ってイメージセンサに関連付けられる処理ユニットを含むチップで読み出し速度が向上し、消費電力(例えば、ADCユニット内のスイッチングに起因する)が節減される。ポイントスキャン方法は、システムが一度に全ての測定をすることによって、デプスの測定のためのレイテンシを減らし、モーションブラー(被写体ぶれ)を減らす。
上述したように、いくつかの実施例で、全体のイメージセンサは、可視光レーザースキャンを用いた3Dデプスイメージだけではなく、例えば周辺光を用いた通常の2D RGBカラーイメージのためにも使用される。このような同じカメラユニットの二重使用は、モバイル装置の空間及びコストを節約することができる。特定のアプリケーションにおいて、3Dアプリケーションのための可視光レーザーは、近赤外線(NIR)レーザーと比較して、ユーザーの目の安全のためにより良い可能性がある。センサは、NIRスペクトルよりは可視スペクトルであり、より高い量子効率を有し、光源の低消費電力を引き出すことができる。一実施例で、二重使用のイメージセンサは、通常、2Dセンサとして2Dイメージングのための動作の線形モードで動作する。しかし、3Dイメージングのために、センサは、通常の光条件下では線形モードで動作し、強力な周辺光の下では対数(logarithmic)モードで動作し、強力な周辺光を遮断して可視レーザー光源の持続的な使用を可能にする。周辺光の遮断は、例えばRGBセンサに採用されたIR遮断フィルタの通過帯域の帯域幅が十分に広くない場合に、NIRレーザーでもまた必要になることがある。
要約すると、本明細書の記載は、ピクセルで多数の隣接するSPADからの出力によって制御される振幅変調(amplitude−modulated)の電荷転送(charge−transfer)動作を有する時間電荷変換(TCC:time−to−charge converter)としてピクセルで埋め込みフォトダイオード(PPD:pinned photodiode)を使用してTOFを決定する。周辺光が高い場合、SPADは反射された光子(例えば、反射された光パルス37内の)の代わりに周辺光子によってトリガーされる確率が高い。このようなトリガーに対する依存は、距離の測定エラーを誘発し得る。従って、本明細書の記載で、電子シャッターがオンである場合のように、2つ以上のSPADが非常に短く、予め定義された時間間隔にトリガーされた場合、PPD電荷転送は停止されてTOFのみが記録される。その結果、本明細書の記載の教示に従った全天候型自律走行システムは、例えば、低光、霧、悪天候、強力な周辺光などのような難しい走行条件で運転者に改善された視野を提供することができる。いくつかの実施例で、本明細書の記載の教示に従った走行システムは、100kLuxまでの高い周辺光を遮断することができる。いくつかの実施例で、より少ないピクセルサイズで高い空間解像度のピクセル構造がSPAD対PPDで1:1の比率として提供される。いくつかの実施例で、SPADはブレークダウン電圧(breakdown voltage)よりも低くバイアスされ、アバランシェフォトダイオード(APD:avalanche photodiode)モードで使用される。
図1は、イメージングシステム150の概略構成図であり、図2は、図1のイメージセンサシステムの動作の一例を説明するための構成図である。システム15は、プロセッサモジュール(又は単にプロセッサ)19又はホストに結合されて通信するイメージングモジュール17を含む。システム15は、またプロセッサモジュール19に結合されてイメージングモジュール17から受信されるイメージデータなどのコンテンツを格納するメモリモジュール(又は、単にメモリ)20を含む。いくつかの実施例で、システム全体は、単一の集積回路(IC)又はチップにカプセル化され得る。また、モジュール(17、19、20)のそれぞれは、分離されたチップで具現され得る。メモリモジュール20は、1つ以上のメモリチップを含み、プロセッサモジュール19は、また多数のプロセッシングチップを含み得る。図1のモジュールのパッケージの詳細、モジュールがどのように製造されるか又は具現されるかに対する詳細(シングルチップ、又は多数の分離されたチップ)は、本説明に関係しないため、このような詳細は本明細書で提供しない。
システム15は、本発明による2D及び3Dカメラアプリケーションのために構成された任意の低消費電力の電子機器であり得る。システム15は、ポータブルであるか又はポータブルではない。システム15のポータブルバージョンの一部の例は、これらに限定されないが、モバイル装置、携帯電話、スマートフォン、ユーザー装置(UE)、タブレット、デジタルカメラ、ノートパソコン又はデスクトップコンピュータ、電子スマート時計、マシンツーマシン(M2M)通信ユニット、バーチャルリアリティ(VR)装置又はモジュール、ロボットなどのような一般的な消費者電子ツールを含む。一方、システム15のポータブルでないバージョンの一部の例は、ビデオアーケードのゲームコンソール、インタラクティブビデオ端末、自動車、マシン視野システム、産業ロボット、VR装置、自動車の運転者側の実装カメラ(例えば、運転者が居眠りしている否かをモニターする)などを含む。本明細書に記載する3Dイメージング機能は、これらに限定されないが、全天候自律走行、及び低光又は悪天候条件における運転者支援などの自動車アプリケーション、ヒューマンマシンインターフェース及びゲーミングアプリケーション、並びにマシンビジョン及びロボット工学アプリケーションのような多くのアプリケーションにおいて使用される得る。
本明細書に記載するいくつかの実施例で、イメージングモジュール17は、プロジェクターモジュール(又は、光源モジュール22)及びイメージセンサユニット24を含む。プロジェクターモジュール22の光源は、例えば近赤外線(NIR:Near Infrared)、短波赤外線(SWIR:Short Wave Infrared)レーザーのような赤外線(IR)レーザーであり、照明が目に見えないようにする。他の実施例で、光源は可視光レーザーであり得る。イメージセンサユニット24は、図2に示すように、ピクセルアレイと補助処理回路とを含む。
一実施例で、プロセッサモジュール19は、汎用マイクロプロセッサである中央処理装置(CPU)である。本明細書で使用するように、「プロセッサ」及び「CPU」の用語は、代替して使用され得る。しかし、CPUの代わりに又はCPUに加えて、プロセッサモジュール19は、これらに限定されないが、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、グラフィックス処理装置(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)プロセッサなどのような他の任意のタイプのプロセッサを含む。一実施例で、プロセッサモジュール19(又は、ホスト)は分散処理環境で動作する1つ以上のCPUを含む。プロセッサモジュール19は、コマンドを実行し、これらに限定されないが、RISC(Reduced Instruction Set Computer)命令セットアーキテクチャ(ISA:Instruction Set Architecture)に依存するx86命令セットアーキテクチャ(32ビット又は64ビットバージョン)やパワーPC(登録商標)ISA又はMIPS(Microprocessor without Interlocked Pipeline Stages)命令セットアーキテクチャのような特殊なISA:に基づいてデータを処理するように構成され得る。一実施例で、プロセッサモジュール19は、CPUの機能に追加的な機能を有するシステムオンチップ(SoC)である。
いくつかの実施例で、メモリモジュール20は、これらに限定されないが、同期式DRAM(SDRAM)、高帯域幅メモリ(HBM)モジュール、ハイブリッドメモリキューブ(HMC)メモリモジュールのようなDRAMベースの3次元スタック(3DS)メモリモジュールのようなダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)であり得る。他の実施例で、メモリモジュール20は、ソリッドステートドライブ(SSD)、非3DS DRAMモジュール、これらに限定されないが、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM又はPCRAM)、抵抗性ランダムアクセスメモリ(ReRAM)、導電性ブリッジRAM(CBRAM)、磁気RAM(MRAM)、又はスピントランスファートルクMRAM(STT−MRAM)のような他の任意の半導体ベースのストレージシステムであり得る。
図2は、本発明による図1のイメージングシステム15の例示的な動作の構成を示す。システム15は、個々のオブジェクト又はシーン(図示せず)内のオブジェクトであるオブジェクト(又は、3Dオブジェクト)26のようなオブジェクトに対する距離又はデプス情報(Z−軸に沿って)を獲得するために使用される。システム15は、(ピクセルアレイの)イメージフレーム当たり単一のパルスが使用される直接のTOFイメージャー(imager)であり得る。いくつかの実施例で、多数の短いパルスがオブジェクト26に伝送され得る。一実施例で、距離/デプス情報は、イメージセンサユニット24から受信されるスキャンデータに基づいてプロセッサモジュール19によって判定される。他の実施例で、距離/デプス情報は、イメージセンサユニット24によって判定される。いくつかの実施例で、デプス情報は3Dユーザーインターフェースの一部としてプロセッサモジュール19によって使用され、システム15のユーザーがオブジェクトの3Dイメージとコミュニケーションするか、或いはオブジェクトの3Dイメージをシステム15で実行されているゲーム又は自律走行アプリケーションのような他のアプリケーションの一部として使用させることができる。本発明による3Dイメージングは、また他の目的又はアプリケーションのために使用され、実質的に任意のシーンや3Dオブジェクトにも適用され得る。
図2において、X軸はシステム15の前面に沿った水平方向であり、Y軸は垂直方向であり(視野内のページの外側)、Z軸はシステム15からイメージになるオブジェクト26の一般的な方向に伸長される方向である。デプスの測定のために、光源モジュール22、イメージセンサユニット24の光軸がZ軸に平行する。他の光学配列が使用されて、本明細書に記述する原理を具現することができ、このような代替的な配列は、本発明の範囲内であると考えられる。
光学視野(FOV:Field of View)内でオブジェクト26をポイントスキャンするために使用される光ビーム又は光学的放射(optical radiation)の照明経路を示す対応する点線(30、31)に関連付けられた矢印(28、29)で示すように、プロジェクター(又は光源)モジュール22はオブジェクト26を照明する。オブジェクト表面のライン単位のポイントスキャンは、一実施例で、レーザーコントローラ34によって動作されて制御されるレーザー光源(又は、単にレーザー)33である光学的放射源を利用して遂行される。レーザー光源33からの光ビームは、レーザーコントローラ34の制御下で、投影装置のレンズ35を通してオブジェクト26の表面のX−Y方向にポイントスキャンされる。ポイントスキャンは、図4を参照してより詳細に説明するように、スキャンラインに沿ってオブジェクトの表面に光の点を投影する。投影装置のレンズ35は、レーザー光源33からのレーザービームをオブジェクト26の表面のポイント若しくは点に集中させる集中レンズ、ガラス/プラスチック表面、又は他の円筒形の光学要素であり得る。図2に示した実施例で、投影装置のレンズ35として凸構造を図示する。しかし、他の任意の適切なレンズが投影装置で選択され得る。オブジェクト26は、レーザー光源33からの照明光が投影装置のレンズ35によって光点に集中する集中位置に配置される。従って、ポイントスキャンで、オブジェクト26の表面のポイント又は狭いエリア/スポットは、投影装置のレンズ35から集中された光ビームによって順次に照明される。
いくつかの実施例で、レーザー光源33(又は照明ソース)は、可視光を発光するダイオードレーザー若しくは発光ダイオード(LED)、NIRレーザー、ポイント光源、可視光スペクトル内の単色の照明ソース(白色ランプ及び単色光器(monochromator)の組み合わせのような)、又は他の任意のタイプのレーザー光源であり得る。レーザー33は、システム15のハウジング内の1つの位置に固定されるが、X−Y方向に回転可能である。レーザー光源33は、X−Yアドレス指定可能であり(例えば、レーザーコントローラ34によって)、3Dオブジェクト26のポイントスキャンを遂行することができる。一実施例で、可視光は、実質的に緑色光であり得る。レーザー光源33からの可視光照明は鏡(図示せず)を利用して3Dオブジェクト26の表面に投影され、またポイントのスキャンは完全に鏡なしに遂行され得る。いくつかの実施例で、光源モジュール22は、図2に示した実施例よりも多いか又は少ない構成要素を含み得る。
図2の実施例で、オブジェクト26のポイントスキャンから反射された光は、矢印(36、37)及び点線(38、39)で示した収集経路に沿って移動する。光収集経路は、レーザー光源33からの光が受信されるにつれて、オブジェクト26の表面から反射又は散乱された光子を運ぶ。ここで、図2の(そしてまた、図4にも適用可能な)実線の矢印及び点線を用いた多様な伝送経路の表示は、説明の目的のみのためのものであり、実際にある光信号伝送経路を示するものと見なしてはならない。実際に、照明や収集信号経路は、図2に示したものと異なる場合があり、図2に示すように明確に定義されない可能性がある。
照明したオブジェクト26から受信される光は、イメージセンサユニット24の収集装置のレンズ44を通して2Dピクセルアレイ(又は、単にピクセルアレイ)42のいずれか1つ以上のピクセルに集中する。投影装置のレンズ35と同様に、収集装置のレンズ44は、オブジェクト26から受信された反射光を2Dピクセルアレイ42内の1つ以上のピクセルに集中させる集中レンズ、ガラス/プラスチック表面、又は他の円筒形の光学要素である。図2に示した実施例で、収集装置のレンズ44として凸構造を示す。しかし、任意の他の適切なレンズのデザインが収集装置のレンズ44として選択され得る。図2で、ピクセルアレイ42は、単に3×3ピクセルアレイであるものとして図示されるが、最新のピクセルアレイは、数千個又は数百万個のピクセルを含むことが理解されるべきである。ピクセルアレイ42は、異なるピクセルが異なる色の光信号を収集するRGBピクセルアレイであり得る。いくつかの実施例で、ピクセルアレイ42は、これらに限定されないが、IR遮断フィルタを備えた2D RGBセンサ、2D IRセンサ、2D NIRセンサ、2D RGBWセンサ、又は2D RGB−IRセンサのような任意の2Dセンサであり得る。システム15は、オブジェクト26の2D RGBカラーイメージングだけでなく、オブジェクト26の3Dイメージング(デプスの測定を含む)のために、同じピクセルアレイ42を使用することができる。
ピクセルアレイ42は受信された光子を対応する電気信号に変換し、電気信号はその後に関連付けられるピクセル処理ユニット46によって処理され、オブジェクト26の3Dデプスイメージが判定される。一実施例で、ピクセル処理ユニット46は、デプスの測定のための三角測量を利用する。三角測量の方法は、図4を参照して後述する。ピクセル処理ユニット46は、ピクセルアレイ42の動作を制御するための回路を含む。
プロセッサ19は、光源モジュール22及びイメージセンサユニット24の動作を制御する。例えば、システム15は、2Dイメージングモードを3Dイメージングモードに切り替えるように、ユーザーによって制御可能なモードスイッチ(図示せず)を有することができる。ユーザーがモードスイッチを利用して2Dイメージングモードを選択すると、プロセッサ19はイメージセンサユニット24を活性化することができるが、2Dイメージングモードは、周辺光を使用するため、光源モジュール22を活性化できないこともある。一方、ユーザーがモードスイッチを利用して3Dイメージングモードを選択すると、プロセッサ19は、光源モジュール22及びイメージセンサユニット24の両方を活性化し、またピクセル処理ユニット46でリセット(RST)信号のレベルの変化をトリガーする。例えば周辺光が強すぎて線形モードが拒否されると、(以下で、更に記述するように)、プロセッサ19は、線形モードから対数モードに変更することができる。ピクセル処理ユニット46から受信される処理されたイメージデータは、プロセッサ19によってメモリ20に格納される。プロセッサ19は、またユーザーによって選択された2D又は3Dイメージをシステム15のディスプレイスクリーン(図示せず)に表示することができる。プロセッサ19は、ソフトウェア又はファームウェアでプログラムされて、本明細書に記述する様々な処理タスクを行うことができる。代わりに又はそれに加えて、プロセッサ19は、プロセッサ19の機能の一部又は全部を遂行するためのプログラム可能なハードウェア論理回路を含み得る。いくつかの実施例で、メモリ20は、プロセッサ19にプロセッサ19の機能を提供するプログラムコード、検索表、及び/又は中間演算結果を格納する。
図3は、3Dデプスの測定がどのように遂行されるかの一例を示すフローチャート50である。図3に示した様々な動作は、システム15内の単一のモジュール、複数のモジュール、又はシステムの構成要素の組み合わせによって遂行され得る。特定のタスクは、例示的にのみ、特定のモジュール又はシステムの構成要素によって遂行されるものとして記述する。他のモジュール又はシステムの構成要素が、このようなタスクを遂行するように適切に構成される。
図3において、ステップ52で、システム15(より詳細には、プロセッサモジュール19)は、光源モジュール22のような光源を利用し、スキャンラインに沿って図2のオブジェクト26のような3Dオブジェクトの1次元(1D)ポイントスキャンを遂行する。ポイントスキャンの一部として、光源モジュール22は、例えばプロセッサ19により線単位の方法で3Dオブジェクト26の表面に一連の光点を投影するように構成される。ステップ54で、システム15のピクセル処理ユニット46は、2Dピクセルアレイ42のようなイメージセンサのピクセルの行を選択する。2Dピクセルアレイ42は、メージ平面を形成する2Dアレイ内に配列された複数のピクセルを含み、ピクセルの選択された行はイメージ平面上のスキャニングライン(ステップ52で)のエピポーラ線(epipolar line)を形成する。エピポーラ線幾何の簡単な説明を、図4を参照して提供する。ステップ56で、ピクセル処理ユニット46は、ピクセルの行の対応するピクセルを利用して各光点を検出するようにプロセッサ19によって協調的に構成される。照明光の点から反射された光は、照明点から反射された光が収集装置のレンズ44により2つ以上の隣接するピクセルに集中するのと同様に、単一のピクセル又は1つ以上のピクセルによって検出されることに留意しなければならない。2つ以上の光点から反射された光は、また2Dピクセルアレイ42内の単一のピクセルで収集される。タイムスタンプベースの方法は、2つの異なる点が同じピクセルによってイメージされるか、又は単一の点が2つの異なるピクセルによってイメージされることに起因するデプスの計算に関連する曖昧さを除去するために使用される。ステップ58で、ピクセル処理ユニット46(プロセッサ19によって適切に構成されるにつれて)は、一連の光点(ステップ52のポイントスキャンの)の対応する光点のピクセル特定の検出(ステップ56で)に応答して、ピクセル特定の出力を生成する。その結果、ステップ60で、ピクセル処理ユニット46は、少なくともピクセル特定の出力(ステップ58で)及び対応する光点(ステップ52で)を投影するために、光源によって使用されたスキャン角に基づいて3Dオブジェクトの表面の対応する光点の3D距離(又はデプス)を判定する。デプスの特定は、図4を参照してより詳細に説明する。
図4は、3Dデプスの測定のためにポイントのスキャンがどのように遂行されるかの一例を説明するための図である。図4に、レーザー光源33のXY回転能力を、X方向(角度βを有する)及びY方向(角度αを有する)でレーザーの角運動を示す矢印(62、64)によって示す。一実施例で、レーザーコントローラ34は、プロセッサ19から受信されたスキャンコマンド/入力に基づいてレーザー光源33のXY回転を制御する。例えば、ユーザーが3Dイメージモードを選択すると、プロセッサ19は、レーザーコントローラ34が投影装置のレンズ35に対向するオブジェクトの表面の3Dデプスの測定を開始するように構成・制御する。それに応答して、レーザーコントローラ34は、レーザー光源33のXY移動を通じて、オブジェクト表面の1D XYポイントのスキャンを開始する。図4に示したように、レーザー33は、1Dスキャニングラインに沿って光点を投影することにより、オブジェクト26の表面をポイントスキャンする。2つのスキャニングライン(SR66及びSR+168)を図4に点線で示す。オブジェクト26の表面の曲がりのため、光点70〜73は、図4でスキャンニングラインSR66を形成する。スキャンニングラインSR+168を形成する光点は参照符号で示していない。レーザー33は、例えば行(R、R+1)に沿って左側から右側方向に一度に1つのスポットずつオブジェクト26をスキャンする。行(R、R+1)の値は、2Dピクセルアレイ42のピクセルの行を参照して知ることができる。例えば、図4の2Dピクセルアレイ42で、ピクセルの行(R)を参照番号「75」を用いて示し、行(R+1)を参照番号「76」を用いて示す。行(R、R+1)は、説明の目的のみのために複数の行から選択されることが理解される。
2Dピクセルアレイ42のピクセルの行を含む平面はイメージ平面と呼ばれ、ライン(SR、SR+1)のようなスキャンラインを含む平面はスキャン平面と呼ばれる。図4に示した実施例で、イメージ平面及びスキャン平面は、2Dピクセルアレイ42で、各行(R、R+1)が対応するスキャンライン(SR、SR+1)のエピポーラ線を形成するようにエピポーラ線幾何を用いて方向付けられる。イメージ平面上の照明スポットの投影(スキャンラインで)が行(R)に沿って明瞭なスポットを形成する場合、ピクセルの行(R)は、スキャンラインに対応するエピポーラ線と見なされる。例えば、図4において、矢印68は、レーザー光源33による光点71の照明を示し、矢印80は、光点71が収集装置のレンズ44によって行(R)に沿ってイメージ化や投影されることを示す。図4に示していないが、光点(70〜73)の全ては、行(R)の対応するピクセルでイメージ化されるはずである。従って、一実施例で、位置及び方向のようなレーザー光源33とピクセルアレイ42の物理的な配列はオブジェクト26の表面のスキャンラインの照明された光点がピクセルアレイ42の対応する行のピクセルによってキャプチャー又は検出され、ピクセルの該当する行はスキャンラインのエピポーラ線を形成する。
2Dピクセルアレイ42のピクセルは、行及び列に配列される。照明された光点は、ピクセルアレイ42の対応する行及び列によって参照される。例えば、図4において、スキャンライン(SR)の光点71はXR,iに指定され、光点71がピクセルアレイ42の行R及び列i(Ci)によってイメージされることを示す。列(Ci)は点線82で示される。他の照明されたスポットは、同様に識別される。上述したように、2つ以上の光の点から反射された光は行内の単一のピクセルによって受信されるか、或いは単一の光点から反射された光はピクセルの行の1つ以上のピクセルによって受信される。タイムスタンプベースの方法は、このような多重又は重複投影から発生するデプスの計算の曖昧さを除去するために使用され得る。
図4において、参照番号「84」を有する矢印は、システム15の前面に沿って、図2に示したX軸のようなX軸から光点71のデプスや距離Z(Z−軸に沿う)を示す。図4において、参照番号「86」を有する点線は、投影装置のレンズ35及び収集装置のレンズ44もまた含む垂直平面に含まれるものとして視覚化される軸を示す。しかし、三角測量ベースの説明をし易くするために、図4のレーザー光源33を、投影装置のレンズ35の代わりにX軸86に存在するのもので示す。三角測量ベースの方法で、Zの値は次の数学式1を用いて判定される。
数学式1において、「h」は、収集装置のレンズ44とピクセルアレイ42との間のZ−軸に沿った距離であり、収集装置のレンズ44の後面の垂直平面にあるものとみなされる。「d」は、イメージセンサユニット24に関連付けられたレーザー光源33と収集装置のレンズ44との間のオフセット距離である。「q」は、収集装置のレンズ44に対応する光点を検出したピクセル(図4の例で、検出/イメージングピクセル(i)を、光点(XR,i)71に関連付けられた列(Ci)で示す)との間のオフセット距離を示す。「θ」は、関連付けられた光点(図4の例で、光点71)に対する光源のスキャン角度又はビーム角度である。代案的に、「q」は、またピクセルアレイ42の視野内の光点のオフセットであると考えられる。数学式1のパラメータを、また図4に示す。
数学式1から、パラメータ(θ、q)のみが与えられたポイントのスキャンに対する変数であるh及びdは、システム15の物理的な幾何学的情報に基づいて、原則として予め定められるか又は固定されることが見られる。行(R)75がスキャンライン(SR)のエピポーラ線であるため、オブジェクト26のデプスの差異やデプスプロファイルはイメージ化される、異なる光点についてqの値として示されるように、水平方向にイメージの移動が反映される。タイムスタンプベースの方法は、キャプチャーされた光点のピクセル位置とレーザー光源33の対応するスキャン角との間の対応性を見つけることに使用される。即ち、タイムスタンプは、qとθの値との間の関係を示すことができる。従って、スキャン角(θ)の知られた値とイメージ化された光点(qに示すように)の対応する位置から、光点への距離Zは数学式1の三角測量を利用して判定することができる。距離測定のための三角測量は、また例えばブラウンなど(Brown et al.)によって出願された米国特許出願公開公報第2011/0102763A1号を含む関連文献に記述される。従って、三角測量ベースの距離測定に関連付けられるブラウンの公開文書の記載は、全体的に本明細書に参照として含まれる。
図5は、図2のピクセルアレイ42のピクセル43のようなピクセルの一例を示すブロック図である。TOF測定のために、ピクセル43は、時間分解センサとして動作することができる。図5に示したように、ピクセル43は、PPDコア部分(又は、単にPPDコア)502に電気的に連結されるSPADコア部分(又は、単にSPADコア)501を含む。本明細書に記載したように、ピクセル内のSPAD及びPPDコア配列の他の例示的な構成を図6a〜図6cに示す。SPADコア部分501は、第1制御回路504に協調的に連結される2つ以上のSPAD503を含む。1つ以上のSPAD503は入射光505を受信して対応するSPAD特定の電気信号を生成し、SPAD特定の電気信号は第1制御回路504によって処理されてSPAD特定のデジタル出力を生成する。このようなSPAD特定のデジタル出力の全てを、図5の矢印506で統合的且つ記号的に示す。PPDコア502は、PPD508に結合される第2制御回路507を含む。第2制御回路507は、SPAD出力506を受信し、SPAD出力506に応答してPPD508からの電荷転送を制御してピクセル特定のアナログ出力信号(又は、単にピクセル出力)(PIXOUT510)を生成する。より具体的には、以下でより詳細に説明するように、ピクセル43内の2つ以上の隣接する多数のSPAD503が予め定められた時間間隔内で入射光505から(反射された)光子を検出したときにのみ、PPD508からの電荷の転送が第2制御回路507によって停止され、TOF値と3Dオブジェクト26に対する対応する距離を記録させる。言い換えると、少なくとも2つの隣接するSPAD503の出力間の空間的/時間的相関がPPD508の動作を制御するために使用される。ピクセル43に対して、光感知機能はSPAD503によって行われ、PPD508は光感知要素の代わりにTCCに使用される。反射された光子(反射された光パルス37の)は、伝送された光パルス28に相関し(相関しない周辺光と比較して)、PPD508からの電荷転送の制御が予め定められた時間間隔内で2つ以上の隣接するSPADのトリガーに基づいており、周辺光子を排除することによって強い周辺光の状況でイメージセンサユニット24の改善された性能を提供する。従って実質的に距離測定エラーを防止することができる。
図6a〜図6cは、ピクセルアレイ構造の3つの異なる例をそれぞれ示す図である。図6a〜図6cに示したピクセルアレイ構造のいずれも、図2のピクセルアレイ42を具現するために使用され得る。図6aにおいて、例示的な2×2ピクセルアレイ構造600Aを示し、各ピクセル(601〜604)(一部の実施例で、図5のピクセル43を示す)は、1つのピクセル特定のPPDコア及び4つのピクセル特定のSPADコアを含む。単純化のために、PPD及びSPADコアはピクセル601についてのみ識別され、PPDコアを参照番号「605」で示し、SPADコアを参照番号「606〜609」で示す。
図6aに示した構造600Aは、与えられたサイズの半導体ダイの各ピクセルによって占有される物理的空間のために、低(空間的)解像度構造とされる。その結果、3×3ピクセルアレイ構造のより高い解像度を提供する図6bの例示的な構造600Bと比較して、比較的に少ない数のピクセルがダイのピクセルアレイに形成される。図6bのより高い解像度構造600Bで、1つのSPADコアは4つ(2×2)の隣接するPPDコアによって共有される。例えば、図6bにおいて、SPADコア625は、隣接するピクセル(621〜624)(一部の実施例で、これらのそれぞれは、図5のピクセル43を示す)のPPDコアにより共有されるものとして示される。単純化のために、図6bのピクセルアレイ構造600Bの他の構成要素は参照番号で識別されていない。1つのSPADが、4つの隣接するピクセルの間に共有される図6bのピクセルアレイ構造600Bの構成は、ピクセル内のPPDとピクセルに関連するSPADとの間に1:1の効率的な比率を提供する。
このような共有は、図6cのピクセルアレイ構造600Cによって示されるように、3×3の共有又はそれより多くに拡張される。各SPADがダイの隣接するピクセルで共有されると、ピクセルアレイに、より多くのピクセルが形成されるため、図6bに示したSPAD共有構成は、ピクセルアレイに対する高い(空間)解像度の構造を提供する。従ってダイのより多くの空間がより多くのピクセルを収容することができる。なお、図6bのピクセルアレイ構造600Bのピクセルが、2×2構成で4つのSPADコアに関連付けられた単一のPPDコアを有するため、4つまでの一致する光子が各ピクセルにより検出(即ち、SPAD当たり1つの光子)される。
図6a及び図6bは、単一のダイでPPD及びSPADが具現された例示的なピクセルアレイ構造を示している。即ち、SPAD及びPPDは、ダイ内の同じレベルに有る。対照的に、図6cは、ピクセルが積層されたダイに具現された例示的な4×4ピクセルアレイ構造600cを示す。例えば、SPADコアは上位ダイに具現され、PPDコア(及び読み出し回路)は下部ダイに具現される。従って、PPD及びSPADは積層された2つの異なるダイに有り、このダイの回路要素(PPD、SPAD、トランジスタなど)は配線や金属バンプによって電気的に連結され得る。図6bの構造600Bのように、図6cのピクセルアレイ構造600Cは、また単一SPADコアが9個(3×3)の隣接するPPDコアによって共有される高解像度構造を提供する。同様に、図6cに示したように、PPDコア641のような単一のPPDコアは、SPADコア(642〜650)の9つのSPADコアに関連して単一のピクセルを形成する。SPADコア(642〜650)は、また他のピクセルによって共有される。単純化のために、他のピクセル、それらのPPDコア、及び関連するSPADコアは、図6cで参照番号により識別されていない。更に、図6cのピクセルアレイ構造600Cのピクセルが3×3構成の9つのSPADコアに関連付けられた単一のPPDコアを有するため、9個までの一致する光子が各ピクセルにより検出(即ち、SPAD当たり1つの光子)される。
図7は、ピクセル700の一例を示す回路図である。図7に示したピクセル700は、図2及び図5に示したより包括的なピクセル43の例であり得る。電子シャッター信号701が各ピクセルに提供(図8、図9、及び図14のタイミング図を参照して次により詳細に説明するように)され、ピクセル700が反射された光パルス37によって誘発されたピクセル特定の光電子を時間関連の方法でキャプチャーする。より一般的に、ピクセル700は、電荷転送トリガーの部分、電荷の生成及び転送部分、並びに電荷収集及び出力部分を有するものとされ得る。電荷転送トリガー部分はSPADコア501及び論理ユニット702を含む。電荷の生成及び転送部分は、PPD508、第1NMOSFET(N−channel Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(又は第1NMOSトランジスタ)(又は、単に第1トランジスタ)703、第2NMOSトランジスタ704、及び第3NMOSトランジスタ705を含む。電荷収集及び出力部分は、第3NMOSトランジスタ705、第4NMOSトランジスタ706、及び第5NMOSトランジスタ707を含む。いくつかの実施例で、図7のピクセル700のPPDコア及び図13のピクセル900のPPDコアは、PMOSFET(P−channel Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistors)、PMOSトランジスタ若しくは他のタイプのトランジスタ、又は電荷転送デバイスで形成される。なお、本明細書で記述したピクセル700の各部分は、説明の目的のみのためのものである。いくつかの実施例で、ピクセル700の各部分は、本明細書に記述したものよりもより多いか、より少ないか、又は他の回路要素を含み得る。
PPD508は、キャパシタと同様に電荷を貯蔵することができる。一実施例で、PPD508は、カバーされることによって光に応答しない可能性がある。従って、PPD508は、光感知要素の代わりにTCCに使用され得る。しかし、上述したように、光感知機能はSPADコア501内のSPADによって達成される。いくつかの実施例で、フォトゲート(photogate)又は他の半導体デバイス(適切な修正を有する)が図7及び図13のピクセル構成のPPDの代わりに使用され得る。
電荷転送トリガー部分は、電子シャッター信号701の制御下で転送アクティブ(TXEN)信号708を生成して、PPD508に貯蔵された電荷の転送をトリガーする。SPADは図2のオブジェクト26のようなオブジェクトから反射されて伝送された光パルスの光子を検出(以下、「光子検出イベント」と呼ぶ)してパルス信号を出力し、パルス信号は論理ユニット702による後続の処理のために電子シャッター信号701の協調的な制御下でラッチされる。論理ユニット702は、例えば電子シャッター信号701が活性化された間の予め定められた時間間隔内に、少なくとも2つの隣接するSPADから受信された出力506がある場合に、全てのデジタルSPAD出力506を処理してTXEN信号708を生成する論理回路を含む。
電荷生成及び転送部分で、PPD508は、初期に第3トランジスタ705と共にリセット信号(RST)を用いてそれ自体のフルウェルキャパシティ(full well capacity)に設定される。第1トランジスタ703は、第1トランジスタ703のドレイン端子から伝送電圧(VTX)信号710を受信してゲート端子でTXEN信号708を受信する。TX信号711は、第1トランジスタ703のソース端子から利用可能であり、第2トランジスタ704のゲート端子に印加される。図示したように、第1トランジスタ703のソース端子は、第2トランジスタ704のゲート端子に連結される。VTX信号710(又は、等価的にTX信号711)は、振幅変調信号として使用されて第2トランジスタ704のソース端子に連結されたPPD508から伝送される電荷を制御する。第2トランジスタ704は、ソース端子からのPPD508の電荷をトランジスタ704のドレイン端子に転送し、ドレイン端子は、第4トランジスタ706のゲート端子に連結され、フローティングディフュージョン(FD:Floating Diffusion)ノード/ジャンクション712で参照される電荷の「コレクションサイト(collection site)」を形成する。いくつかの実施例で、PPD508から転送される電荷は振幅変調信号(VTX信号710)(又は、等価的にTX信号711)によって提供される変調に依存する。図7及び図13の実施例で、転送される電荷は電子である。しかし、本発明は、本記載に限定されず、他の設計を有するPPDが使用され、転送される電荷はホールであり得る。
電荷収集及び出力部分で、第3トランジスタ705は、第3トランジスタ705のゲート端子でRST信号709を受信して第3トランジスタ705のドレイン端子からピクセル電圧(VPIX)信号713を受信する。第3トランジスタ705のソース端子は、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に連結される。一実施例で、VPIX信号713の電圧レベルは、総括電源電圧(VDD)の電圧レベルと同じであり、2.5Vから3.0Vの範囲内であり得る。第4トランジスタ706のドレイン端子は、またVPIX信号713を受信する。いくつかの実施例で、第4トランジスタ706は、NMOSのソースフォロワー(source follower)として動作し、バッファアンプとして機能する。第4トランジスタ706のソース端子は、第5トランジスタ707のドレイン端子に連結され、第5トランジスタ707のドレイン端子は、ソースフォロワーの第4トランジスタ706とカスコード(cascode)である、第5トランジスタ707のゲート端子は、選択(SEL)信号714を受信する。PPD508から転送されてフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712で収集された電荷は第5トランジスタ707のソース端子にピクセル特定の出力(PIXOUT)のデータラインとして現われる。
PPD508からフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に転送された電荷はVTX信号710(及び、TX信号711)によって制御される。フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に到達する電荷の量はTX信号711によって変調される。一実施例で、転送電圧(VTX)信号710(及び、TX信号711)は、傾斜された(ramped)PPD508からの電荷をフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に漸進的に伝達する。従って、転送される電荷の量は振幅変調信号(TX信号711)の関数であり、TX信号711の傾斜(ramping)は時間の関数である。従って、PPD508からフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に転送される電荷の量は、また時間の関数である。PPD508からフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712への電荷の転送中に、SPADコア501で、少なくとも2つの隣接するSPADに対して光子検出イベントが発生したことに起因するSPADコア501によるTXEN信号708の生成のために第2トランジスタ704がターンオフされると、PPD508からフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712への電荷の転送は停止する。その結果、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に転送される電荷の量とPPD508に残った電荷の量の両方は、入射する光子のTOFの関数である。その結果は、時間電荷変換であり、シングルエンド差動信号変換である。従って、PPD508は、時間電荷変換(TCC:time−to−charge converter)として動作する。電荷がフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712により多く転送されるほど、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712の電圧がより大きく減少してPPD508の電圧がより大きく増加する。
フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712の電圧は、その後にPIXOUT信号として第5トランジスタ707を介してアナログ/デジタル変換器(ADC)ユニット(図示せず)に伝送され、更なる処理のために適切なデジタル信号/値に変換され得る。図7の多様な信号のタイミング及び動作のより多くの詳細は、図9の説明を参照して提供される。その場合、図7の実施例で、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712はPPD508の電荷を電圧に変換し、電荷がフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に完全に転送された後、第5トランジスタ707は、ピクセル700を選択するためのSEL信号714を受信してフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に転送された電荷をPIXOUT1(又はピクセル出力1)電圧として出力し、PPD508に残った電荷をPIXOUT2(又はピクセル出力2)電圧として出力することができる。ピクセル出力510のデータラインは、順次にPIXOUT1及びPIXOUT2信号を、図10を参照して後述するように、順次に読み出して出力する。他の実施例で、PIXOUT1信号とPIXOUT2信号の両方ではなく、1つが読み出される。
図8は、図7のピクセル700で変調された電荷の転送メカニズムの概要の一例を示すタイミング図800である。図8に示した波形(図9及び図14もまた)は、事実上単純化されて説明の目的のみとして参照される。実際の波形は、回路の具現に依存して形態だけでなくタイミングも異なる場合がある。図7及び図8で、共通の信号は、同一の参照符号を用いて識別され、VPIX信号713、RST信号709、電子シャッター信号701、及びVTX信号710を含む。図8で、2つの異なる波形(801、802)がまた示され、電荷転送の間にVTX信号710が印加されたときのPPD508内の電荷の状態及びフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712内の電荷の状態をそれぞれ示す。図8の実施例で、VPIX信号713は、ピクセル700の動作中に、低い論理電圧(例えば、論理0又は0V)から開始してピクセル700を初期化した後、高い論理電圧(例えば、論理1又は3V)に変化する。リセット(RST)信号709は、ピクセル700の初期化の間に高い論理電圧パルス(例えば、論理0から論理1に変化してから論理0に戻るパルス)で開始してPPD508内の電荷をフルウェルキャパシティに設定し、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712の電荷をゼロクーロン(0C、zero Coulombs)に設定する。フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712のためのリセット電圧レベルは論理1レベルである。距離(TOF)測定動作中に、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712がPPD508からより多くの電子を受け取るほど、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712の電圧はより低くなる。ピクセル700の初期化の間に電子シャッター信号701は、低い論理電圧(例えば、論理0又は0V)から開始し、ピクセル700の動作中に最小測定距離に対応する時間に論理1レベル(例えば、3V)に変化してSPADコア501のSPAD503に反射された光パルス37の光子(秒)を検出させ、その後に最大測定距離に対応する時間に論理0レベル(例えば、0V)に変化する。従って、電子シャッター信号701の論理1レベルの区間は事前に定義された時間区間/ウィンドウを提供し、その時間のうちに隣接するSPADから受信される出力は空間的及び時間的相関を有する。PPD508内の電荷は初期化中に完全に充電されて開始し、VTX信号710が0Vからより高い電圧に傾斜される(なるべく線形的に)につれて減少する。振幅変調信号(VTX信号710)の制御下のPPD電荷レベルは、図8で801の参照番号を有する波形によって示される。PPD電荷の減少はVTX信号がどれくらい長く傾斜されるかの関数であり、これはPPD508からフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に特定量の電荷転送を誘発する。従って、図8で801の参照番号を有する波形によって示されるように、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712の電荷は、低い電荷(例えば、0C)から開始してVTX信号710が0Vからより高いレベルに傾斜されるにつれて増加し、PPD508からフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に特定量の電荷を部分的に転送する。電荷転送はVTX信号710がどれくらい長く傾斜されるかの関数である。
上述したように、PIXOUT510のデータラインへのピクセル特定の出力は、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に転送されたPPD電荷から導出される。従って、PIXOUT信号510は、振幅変調信号(VTX信号710)(又は、等価的にTX信号711)によって、時間に応じて振幅変調されたものとされ得る。このような方式で、TOF情報がVTX信号710(又は、等価的にTX信号711)を用いたピクセル特定の出力の振幅変調を通じて提供される。いくつかの実施例で、VTX信号710を生成するための変調関数は単調(monotonic)である。図8、図9、及び図14に示した例示的な実施例で、振幅変調信号は、傾斜関数(ramp function)を用いて生成される。従ってこれらは傾斜タイプの波形を有するものとみられる。しかし、他の実施例で、他のタイプのアナログ波形/関数が変調信号として使用され得る。
一実施例で、2つのピクセルの出力の合計(ここで、PIXOUT1+PIXOUT2)に対する1つのピクセルの出力(例えば、PIXOUT1)の比率は、例えば図9に示され、以下でより詳細に説明するようにTtofとTdlyとの時間差に比例する。例えば、ピクセル700の例で、パラメータ(Ttof)はSPADコアに501で2つ以上のSPADによって受信された光信号のピクセル特定のTOF値であり、遅延時間のパラメータ(Tdly)は光信号(光パルス28)が初期に伝送されたときからVTX信号710が傾斜し始めるまでの時間である。通常、電子シャッター信号701が開かれたときに発生するVTX信号710が傾斜し始めた後に光パルス28が伝送されると、遅延時間(Tdly)は負である。比例関係は、数学式2で表される。
しかし、本発明は、数学式2の関係に限定されない。以下で説明するように、数学式2の比率は、オブジェクトのデプスや距離を計算するために使用され、PIXOUT1とPIXOUT2との合計が常に同じでない場合、ピクセルツーピクセルの変動よりもそれほど敏感ではない。
便宜のために、本明細書で使用するように、「P1」の用語は「PIXOUT1」を示すのに使用され、「P2」の用語は「PIXOUT2」を示すのに使用される。ピクセル特定のTOF値は、ピクセル特定の出力値(P1、P2)の比率で判定されることが数学式2の関係から示される。いくつかの実施例で、ピクセル特定のTOF値が判定されると、オブジェクト(図2のオブジェクト26のような)へのピクセル特定の距離D(Distance)、範囲R(Range)、又はオブジェクト上の特定の位置が数学式3により与えられる。
ここで、cは光速度である。或いは、いくつかの実施例で、図7のVTX信号710(又はTX信号711)のような変調信号は、例えばシャッターウィンドウ内で線形であり、範囲(又は距離)は数学式4で計算される。
従って、オブジェクト26のようなオブジェクトの3Dイメージは、上記で与えられた数学式により判定されたピクセル特定の範囲の値に基づいてTOFシステム15によって生成され得る。
ピクセル内の振幅変調ベースの操作又はPPD電荷分散の制御は、距離測定及び解像度もまた制御可能にする。PPD電荷のピクセルレベル振幅変調は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサのようなローリングシャッター、又は例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサのようなグローバルシャッターである。本明細書での記載は、図1及び図2のシステム15のような単一パルスTOFイメージングシステムのコンテキストで主に提供されるが、本明細書で説明するピクセルレベルの内部振幅変調方法の原理は、適切な修正(必要な場合に)を通して、ピクセル43(図5参照)を備えた連続波変調のTOFイメージングシステム又は非TOFシステムでも具現され得る。
図9は、図7のピクセル700がTOF値を測定するための図2及び図12のピクセルアレイ42のようなピクセルアレイで使用される場合の、図1及び図2のシステム15における異なる信号の一例を示すタイミング図900である。図2及び図7の実施例に示されて伝送された光パルス28、VPIX信号713、TXEN信号708などのような多様な信号が同一の参照符号号を用いて図9で識別される。図9の説明に先立ち、図9のコンテキストで(そして、図14の場合にもまた)、パラメータTdlyは、参照番号「901」で示すように、照射された光パルス28の立ち上がりエッジとVTX信号710が傾斜し始めるときとの間の時間遅延を示し、パラメータTtofは、参照番号「902」で示すように、照射された光パルス28及び反射された光パルス37の立ち上がりエッジ間の遅延で測定されるピクセル特定のTOF値を示し、パラメータTshは、参照番号「903」で示すように、そして電子シャッター信号701の活性化(例えば、論理1又はオン)及び非活性化(例えば、論理0又はオフ)に与えられるように、電子シャッターのオープニング(opening)とクロージング(closing)との間の時間区間を示すことに留意しなければならない。従って、電子シャッター信号701は、参照番号「904」で識別される区間Tshの間に活性化されると考えられる。いくつかの実施例で、遅延Tdlyは、予め定められて動作条件に関係なく固定され得る。他の実施例で、遅延Tdlyは、例えば外部の気象条件に依存してリアルタイムで調節可能である。ここで、高いか又は低い信号レベルは、ピクセル700の設計に関連することに留意しなければならない。図9に示した信号の極性やバイアスレベルは、例えばトランジスタや使用される他の回路構成要素のタイプに基づいて、他のタイプのピクセル設計で異なることがある。
上述したように、図9の波形(図14でも、また)は、事実上単純化されたものであり、そして説明の目的だけのためであり、実際の波形は、回路の具現に依存して形態だけでなくタイミングでも異なり得る。図9に示したように、反射された光パルス37は、照射された光パルス28の時間方式で遅延されたバージョンである。いくつかの実施例で、照射された光パルス28は、例えば約5ns〜約10nsの範囲内のような非常に短い区間であり得る。反射された光パルス37は、ピクセル700の2つ以上のSPADを用いて感知される。電子シャッター信号701は、SPADを活性化して反射された光パルス37のピクセル特定の光子をキャプチャーする。電子シャッター信号701は、ゲーテッドディレイ(gated delay)(照射された光パルス28に対する)を有し、ピクセルアレイ42に到達することによる光散乱を回避することができる。照射された光パルス28の光散乱は、例えば悪天候が原因で発生することがある。
多様な外部信号(例えば、VPIX信号713、RST信号709など)及び内部信号(例えば、TX信号711、TXEN信号708、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712の電圧)に加えて、図9のタイミング図900は、また次のイベントや時間区間を識別する。次のイベントや時間区間は、(i)RST、VTX、TXEN、及びX信号がハイ(high)であり、そしてVPIX信号713及び電子シャッター信号701がロー(low)であるときのPPDプリセット905、(ii)RST信号がハイ(high)からロー(low)に戻るまでのTX信号がロー(low)であるときからの第1フローティングディフュージョンリセット906、(iii)遅延時間Tdly901、(iv)飛行時間Ttof902、(v)電子シャッターオンや活性化区間Tsh903、及び(vi)第2時間の間のRST信号709が論理1のときの区間に対する第2FDリセットイベント907を含む。図9は、また電子シャッターが初期にいつクロージング(closing)されるのか又はオフであるのか(参照番号「908」で示す)、初期にフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に転送された電荷がPIXOUT510のデータラインを通じていつ読み出されるのか(参照番号「909」で示す)、第2FDリセットイベント907でフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712の電圧がいつ第2時間をリセットするのか、そしてPPD508に残った電荷がいつフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に伝送されてイベント910で読み出されるのか(例えば、PIXOUT510への出力として)を示す。一実施例で、シャッターオン区間TshはVTX信号710の傾斜時間よりも短いか又は同じである。
図9を参照すると、図7のピクセル700の例で、PPD508は、初期化の段階で電荷それ自体のフルウェルキャパシティまで満たされる(例えば、PPDプリセット905イベント)。PPDプリセット905時間の間に、図示したように、RST信号709、VTX信号710、TXEN信号708、及びTX信号711はハイであり、VPIX信号713及び電子シャッター信号701はローである。その後に、VTX信号710(そして、TX信号711)はローになって第2トランジスタ704をシャットオフし、VPIX信号713はハイになって完全に充電されたPPD508からの電荷転送を開始する。いくつかの実施例で、ピクセルアレイ42のピクセルの行の全てのピクセルは、同時に共に選択され、選択された行の全てのピクセルのPPDはRST信号709を用いて共にリセットされる。ピクセルの選択された行の各ピクセルは個別に読み出され、アナログベースのPIXOUT信号は対応する列ADCユニット(図示せず)によってデジタル値に変換され得る。一実施例で、ピクセルの選択されない行のRSTラインはハイ又はオンに維持されてブルーミングが防止される。
図9に示した実施例で、TXEN信号708を除く全ての信号は、図示したように論理0又はローレベルから始まる。初期に、RST信号709、VTX信号710、TXEN信号708、及びTX信号711が論理1レベルになり、そしてVPIX信号713がローに維持されているとき、PPD508はプリセットされる。その後、VTX信号710及びTX信号711が論理0になり、VPIX信号713がハイ(又は論理1)になるとき、RST信号709が論理1である間にフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712はリセットされる。便宜のために、図7のフローティングディフュージョンノード/ジャンクション及び図9のタイミング図の関連する電圧波形を示すために同じ参照番号「712」を使用する。フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712がハイ(例えば、電荷ドメインから0C)にリセットされた後で、TXEN信号708が論理1である間にVTX信号710が傾斜する。飛行時間TtofのTOF区間902は、光パルス28が伝送されたときから反射された光パルス37が受信されるまでであり、また電荷がPPD508からフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に部分的に転送される時間の間である。VTX信号710(そして、TX信号711)は、電子シャッター信号701がオン又は開いている間に傾斜する。これは、PPD508内の相当量の電荷がフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に転送され、VTXがどれくらい長く傾斜するかの関数である。伝送された光パルス28がオブジェクト26で反射されてピクセル700のSPADコア501内の少なくとも2つのSPADによって受信されると、生成されたSPAD出力506は論理ユニット702によって処理される、言い換えると、TXEN信号708が固定された論理0になるようにする。従って、時間的に相関する方法では、少なくとも2つの隣接SPADによる反射された光パルス37の検出(即ち、シャッターがオン又は活性化されるとき)はTXEN信号708の論理0レベルによって示される。TXEN信号708の論理ローレベルは、第1トランジスタ703及び第2トランジスタ704をターンオフし、これは電荷のPPD508からのフローティングディフュージョンのノード/ジャンクション712への転送を停止する。電子シャッター信号701が論理0になり、そしてSEL信号714(図9で示される)が論理1になると、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712の電荷はPIXOUT510の電圧(PIXOUT1)のデータラインに出力される。その後、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712は、論理ハイのRST信号709に再びリセット(参照番号「907」で示すように)される。その後、TXEN信号708が論理1になると、PPD508に残った電荷はフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に実質的に完全に伝達され、PIXOUT510から電圧(PIXOUT2)のデータラインに出力される。上述したように、PIXOUT1及びPIXOUT2信号は、適切なADCユニット(図示せず)によって対応するデジタル値(P1、P2)に変換され得る。特定の実施例で、このようなP1及びP2の値は、上記数学式3又は数学式4で使用され、ピクセル700とオブジェクト26とのピクセル特定の距離(又は範囲)を判定することができる。
一実施例で、論理ユニット702は、論理回路(図示せず)を含み、G()関数(図10を参照して説明する)に基づいて出力を生成し、その後に出力を図14に示すTXRMD信号1401に類似する信号のような内部的に生成された信号と論理的にOR演算し、最終的にTXEN信号708を獲得することができる。このような内部的に生成された信号は、電子シャッターがオンの間にローに保持されるが、TXEN信号708が論理1になってPPD508に残った電荷の転送(図9のイベント910)が可能になるようにハイに活性化される。いくつかの実施例で、TXRMD信号又は類似の信号は外部から供給され得る。
図10は、論理ユニット702(図7)又は論理ユニット1319(図13)のような論理ユニットがピクセル700(図7)又はピクセル1300(図13)のようなピクセルでどのように具現されるかを説明するための図である。図10は、図6a又は図6bに示したものに類似する2×2構造の構成であり、4つのSPADコア(1002〜1005)に関連付けられたPPDコア1001を備えたピクセル1000(ピクセル700又は1300いずれかを示す)の非常に単純化された図面を示す。4つのSPADの利用可能性は、時間的及び空間的に相関する4つの同時発生的な光子の検出を可能にする。いくつかの実施例で、ピクセル1000の論理ユニット(図示せず)は、図10に示した関数F(x、y)及びG(a、b、c)を具現する論理回路(図示せず)を含む。図10のF(x、y)ブロック(1006〜1009)は、関数F(x、y)を具現する論理回路の入力及び出力を示す。従って、F(x、y)ブロック(1006〜1009)は、このような論理回路を示し、そしてピクセル1000の論理ユニットの一部を総括的に形成する。説明の容易さのために、このようなブロックは、F(x、y)ブロックで参照される。便宜性のために、F(x、y)ブロック(1006〜1009)をPPDコア1001の外部要素として図示するが、F(x、y)ブロック(1006〜1009)の機能を具現する論理回路は、PPDコア1001内の論理ユニット(図示せず)の一部であり得ることを理解すべきである。
図示したように、各F(x、y)のブロック(1006〜1009)は、2つの入力(x、y)、即ち2つの関連するSPADコアのそれぞれから1つの入力を受信する。図5及び図7のコンテキストにおいて、このような入力はSPADコア501からの出力信号(SPAD出力506)の形態である。図13のコンテキストにおいて、SPAD出力(1310、1318)は、論理ユニット1319内のF(x、y)ブロックに必要な入力(x、y)を示す。SPADコアのペア当たり類似する2つの入力のF(x、y)ブロックが、例えば図6cのピクセルアレイの構成600cのようなPPDコアに関連付けられた4つよりも多くのSPADコアを有するピクセルに対して提供される。いくつかの実施例で、F(x、y)ブロック(1006〜1009)の全ては、SPAD出力(それ自体のx及びyの入力として)の異なるペアに対して動作するように構成され、個々のF(x、y)ブロック(1006〜1009)の機能を具現する論理回路を含むPPDコア1001内の単一F(x、y)ユニットを通して統合されて具現され得る。上述したように、本明細書に記載したTOF測定は、ピクセル内の少なくとも2つのSPADによる空間的及び時間的に相関する光子の検出に基づいて行われる。従って、図10で言及したように、各F(x、y)ブロック(1006〜1009)(より詳細には、F(x、y)のブロック内の論理回路)は、事前に定義された次の動作を遂行するように構成され得る。事前に定義された動作は、(i)2つ又は4つの同時発生的な光子を検出するための対応するそれぞれの入力x及び入力yに対する否定NAND論理演算((x*y)で与えられる)、並びに(ii)3つの同時発生的な光子を検出するための対応するそれぞれの入力x及び入力yに対するの否定NOR論理演算((x+y)で与えられる)を含む。従って、SPADコア(1002〜1005)からの信号(SPAD出力506)(図5)が2つ(又は4つ全て)のSPADがシャッターオン区間の間に検出された光子を有することを示す場合、F(x、y)ブロック(1006〜1009)を具現する論理回路は、NAND論理演算を遂行する。同様に、SPADコア(1002〜1005)からの信号(SPAD出力506)が3つのSPADがシャッターオン区間の間に検出された光子を有することを示す場合、NOR論理演算が選択される。図10に示した例で、3つのパルス(1010〜1012)を図示し、3つのSPADコア(1003〜1005)のそれぞれが反射された光パルス37(図2)のような入射光を検出した時に3つの同時発生的な光子を検出する例を示す。
再び図10を参照すると、各F(x、y)のブロック(1006〜1009)の出力は対応する参照文字(a、b、c、d)を用いて表示される。PPDコア1001内の論理ユニット(図示せず)は、出力(a〜d)を受信して処理する追加的な論理回路(図示せず)を含む。論理回路は、このような出力4つの全てを入力として受信し、事前に定義された論理関数G(a,b,c,d)に基づいてこれらについて演算する。例えば、図10に示したように、2つの同時発生的な光子を検出する場合に、G()関数は入力(a〜d)の4つの全てに対してNAND論理演算((a*b*c*d)で与えられる)を行う。一方、3つ又は4つの同時発生的な光子を検出する場合、G()関数は入力(a〜d)の4つの全てに対してNOR論理演算((a+b+c+d)で与えられる)を遂行する。一実施例で、図7のTXEN信号708又は図13のTXEN信号1325のようなTXEN信号はG()関数を具現する論理回路の出力である。他の実施例において、G()関数のための論理回路の出力は、図14のTXRMD信号1401のような内部的に生成された信号と論理和(OR)演算されて、最終的なTXEN信号を獲得することができる。
図11は、図1及び図2のシステム15でTOF値がどのように判定されるかの一例を示すフローチャート1100である。図11に示した多様なステップは、システム15の単一のモジュールやモジュールの組み合わせやシステム構成要素によって遂行され得る。本明細書の説明で、例示の手段としてのみ特定のタスクが特定のモジュール又はシステム構成要素によって遂行されるものとして記述する。他のモジュール又はシステム構成要素は、またこのようなタスクを遂行するように適切に構成され得る。ステップ1101で言及するように、システム15(より詳細には、プロジェクターモジュール22)は、図2の光パルス28のようなレーザーパルスを図2のオブジェクト26のようなオブジェクトに照射する。ステップ1102で、プロセッサ19(又は特定の実施例でピクセル処理ユニット46)は、図7のVTX信号710のような振幅変調信号を図7のピクセル700内のPPD508のようなピクセル内のPPDに印加する。ピクセル700は、図2のピクセルアレイ42のピクセル43の任意のものである。ステップ1103で、ピクセル処理ユニット46は、振幅変調信号(VTX信号710)から受信された変調に基づいて、PPD508に格納された電荷の一部の転送を開始する。このような電荷転送を開始するために、ピクセル処理ユニット46は、電子シャッター信号701、VPIX信号713、及びRST信号709のような多様な外部信号を、図9の例示的なタイミング図に示した論理レベルでピクセル700に提供する。ステップ1104で、反射された光パルス37のような反射されたパルスがピクセル700内の複数のSPADを用いて検出される。上述したように、反射された光パルス37はオブジェクト26から反射された照射された光パルス28であり、ピクセル700内の各SPAD(SPADコア501内の)は反射されたパルスから受信された明るさを、対応する(SPAD特定)電気信号に変換する。
明るさを受信する各SPADに対して、ピクセル700内のSPADコア501内の第1制御回路504は、対応する(SPAD−特定)電気信号を処理してSPAD特定のデジタル出力を生成する(ステップ1105)。このようなSPAD特定のデジタル出力の全ては、図5及び図7の参照番号「506」を有する矢印により総括的に表される。図9の説明を参照して言及したように、論理ユニット702は、SPAD出力506を処理し、出力が時間的及び空間的に相関する限りTXEN信号708を論理0(ロー)の状態に置く。TXEN信号708の論理0レベルはピクセル700内の第1トランジスタ703及び第2トランジスタ704をターンオフし、これはPPD508からフローティングディフュージョンノード/ジャンクション712への電荷の転送を停止する。従って、ステップ1106で、図9の区間(シャッターオン区間904)のシャッター内のような予め定められた時間区間の間に少なくとも2つのSPADのデジタル出力が生成されるに伴い、第2制御回路507は先に開始された電荷の一部の転送(ステップ1103で)を終了する。
図7を参照して上述したように、フローティングディフュージョンノード/ジャンクション712に転送された電荷の一部はPIXOUT1信号として読み出されて適切なデジタル値P1に変換され、デジタル値P1は後続で生成されるデジタル値P2(PIXOUT2信号に対して)と共に使用され、「P1/(P1+P1)」の比率からTOF情報を獲得するために使用される。従って、ステップ1107で、終了(ステップ1106で)により、転送されたアナログ電荷の一部分に基づいて、システム15内のピクセル処理ユニット46又はプロセッサ19は、反射された光パルス37のTOF値を判定することができる。
図12は、イメージセンサユニット1200の一部分の一例を示すレイアウト図である。イメージセンサユニット1200は、図1及び図2に示したイメージセンサユニット24に対応する。図12に示したイメージセンサユニット1200の一部分は、反射された光をキャプチャーしてTOF値(数学式2から)の後続の計算のためのP1及びP2の値を生成し、必要に応じてオブジェクト26の3Dイメージの生成のために必要な信号を提供することに関連付けられる。図2の場合のように、図12のイメージセンサユニット1200内のピクセルアレイ1201を、便宜のために3×3に配置された9つのピクセルを有するものとして示す。実際には、ピクセルアレイは多数の行及び列で数十万又は数百万個のピクセルを含み得る。いくつかの実施例で、ピクセルアレイ1201の各ピクセルは同じ構成を有することができ、従って各ピクセルは図12に示したように同一の参照番号「1202」を用いて識別される。図12の実施例で、2Dピクセルアレイ1201は、各ピクセル1202が図13に示すピクセル1300の可能性があるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)アレイであり得る。図12の例示的なレイアウトは図13のピクセル構成に関するものであるが、図12のイメージセンサユニット1200は、各ピクセル1202が図7に示した構成を有する場合に適切に修正され得ることが理解されるべきである。いくつかの実施例で、ピクセル1202は、図7及び図13に示すものとは異なる構成を有することができ、行デコーダ/ドライバ1203、列デコーダ1204などのような図12の補助処理ユニットは、必要なピクセル構成で動作するために適切に修正され得る。
ピクセルアレイ1201に加えて、図12に示した実施例で、イメージセンサユニット1200は、また行デコーダ/ドライバ1203、列デコーダ1204、そして2D及び3Dイメージング中に使用される列特定のアナログ/デジタル変換器(ADC)だけでなく、相関ダブルサンプリング(CDS)のための回路を含むピクセルの列ユニット1205を含む。一実施例で、ピクセルの列当たり1つのADCが有る。いくつかの実施例で、処理ユニット(1203、1204、1205)は、図2に示したピクセル処理ユニット46の一部であり得る。図12の実施例で、行デコーダ/ドライバ1203は、ピクセルの行の各ピクセル1202への入力として6つの異なる信号を提供してピクセルアレイ1201のピクセルの動作を制御することにより、列特定のPIXOUT信号(1206〜1208)の生成を可能にするものとして示される。図12の矢印(1209〜1211)のそれぞれは、対応する行の各ピクセル43への入力に適用されるこのような信号の行特定のセットを示す。このような信号は、リセット(RST)信号、第2伝送(TX2)信号、電子シャッター(SH)信号、伝送電圧(VTX)信号、ピクセル電圧(VPIX)信号、及び行選択(SEL)信号を含む。図13は、このような信号がピクセルにどのように印加されるのかを示す。図14は、このような信号の多数を含む例示的なタイミング図を示す。
一実施例で、行選択(SEL)信号は、ピクセルの適切な行を選択するために活性化される。行デコーダ/ドライバ1203は、例えばプロセッサ19から行アドレス/制御入力1212を介して、選択される行に対するアドレス又は制御情報を受信する。行デコーダ/ドライバ1203は、受信された行アドレス/制御入力1212をデコードし、行デコーダ/ドライバ1203がSEL信号を用いて適切な行を選択するようにし、また対応するRST、VTX、及び他の信号を選択された/デコーディングされた行に提供する。ピクセル入力として適用される場合、このような信号のより詳細な説明を、図13及び図14の説明を参照して後に提供する。いくつかの実施例で、行デコーダ/ドライバ1203は、また例えばプロセッサ19から制御信号(図示せず)を受信し、矢印(1209〜1211)で示したSEL、RST、VTX、SH、及び多様な他の信号のために、適切な電圧レベルを印加するように行デコーダ/ドライバ1203を構成する。
ピクセルの列ユニット1205は、選択された行のピクセルからPIXOUT信号(1206〜1208)を受信し、これらを処理してTOF測定が獲得されるピクセル特定の信号値を生成する。信号値は、図12の矢印1213で示すように、上述したP1及びP2の値である。各列特定のADCユニットは、受信された入力(PIXOUT信号)を処理して、対応するデジタルデータ出力(P1及びP2の値)を生成する。ピクセルの列ユニット1205内のCDS及びADC回路(図示せず)によって提供されるCDS及びADCの動作の追加的な詳細は、図14を参照して以下に提供する。図12に示した実施例で、列デコーダ1204は、ピクセルの列ユニット1205に結合されるものして図示される。列デコーダ1204は、与えられた行選択(SEL)信号に関連して選択される列に対する列アドレス/制御入力1214を、例えばプロセッサ19から受信する。列の選択は順次的であり、従って対応するSEL信号により選択された行の各ピクセルからのピクセル出力の順次受信が可能である。プロセッサ19は、適切な行アドレス入力を提供してピクセルの行を選択し、また適切な列アドレス入力を列デコーダ1204に提供してピクセルの列ユニット1205が選択された行の個々のピクセルから出力(PIXOUT信号)を受信するようにする。
図13は、ピクセル1300の他の例を示す回路図である。図13のピクセル1300は、図2に示したより包括的なピクセル43の他の例である。ピクセル1300は、SPADコアの一部として多数のSPADコア(即ち、SPADコア1〜SPADコアN、Nは2以上)を含み得る。図13で、2つのこのようなSPADコア(1301A及び1301N)をいくつかの回路の詳細と共に示す。いくつかの実施例で、類似の回路が図7のピクセル700内のSPADコアのために採用され得ることに留意しなければならない。SPADコア1300Aは、抵抗性素子1304(抵抗のような)を介してSPAD動作電圧(VSPAD)1303を受信するSPAD1302を含む。しかし、SPADの構成は図13に示したものに限定されない。一実施例で、レジスタ1304とSPAD1302との位置は交換され得る。SPADコア1301Aで、SPAD1302は光に応答する。SPAD1302が光子を受信すると、SPAD1302は、VSPADのレベルから0Vになり、VSPADに復元するパルスを出力する。SPAD1302からの出力は、キャパシタ1305を介してフィルタリングされてインバータ1306(バッファ及びラッチの組み合わせで機能する)に印加される。一実施例で、キャパシタ1305は省略され得る。SPADコア1301Aは、ゲート端子で電子シャッター信号1308を受信するPMOSトランジスタ1307を含み、トランジスタ1307のドレイン端子はキャパシタ(そしてインバータ1306の入力)に連結され、トランジスタ1307のソース端子は供給電圧1309(VDD)(又は一部の実施例でVPIXの電圧)を受信する。電子シャッター信号1308がターンオフされると(例えば、論理0又はローレベル)、トランジスタ1307は導通し、インバータ1306の出力1310は、SPADコア1301Aから受信された任意の出力の状態とは無関係に固定された電圧レベル(例えば、論理ロー又は論理0の状態)に維持される。電子シャッター信号1308がターンオン又は活性である場合、SPADコア1301Aからの出力は、PPDコア1311のみ適用される。シャッターが活性である場合(例えば、論理1レベル)、トランジスタ1307はターンオフされ、SPAD生成出力はインバータ1306に転送(カップリングキャパシタ1305を介して)されて出力ライン1310で正のパルス(ローからハイに)として表われる。
SPADコア1301Nは、回路の詳細でSPADコア1301Aと同一の可能性があり、従ってSPADコア1301Nの動作的詳細は提供されない。図示したように、SPADコア1310Nは、コア特定のSPAD1312、VSPAD信号1303をSPAD1312に供給する抵抗性素子1313、及び電子シャッター信号1308の入力を介してインバータ1316の動作を制御するPMOSトランジスタ1317を含む。インバータ1316の出力は、更なる処理のためにPPDコア1311に提供される。いくつかの実施例で、VSPAD信号1303、VDD信号1309、及び電子シャッター信号1308は、図2のピクセル処理ユニット46(又はプロセッサ)の図12に示した行デコーダ/ドライバ1203又は他の任意のモジュール(図示せず)のような外部ユニットから各SPADコア(1301A、1301N)に供給される得る。SPADコア特定の出力(1310、1318)の両方は、総括的に図5の参照番号「506」を用いて識別される信号を形成する。
従って、電子シャッター信号1308は、SPADコア(1301A、1301N)からの出力(1310、1318)がピクセル1300の中のSPADコア(1301A、1301N)の隣接する位置によって空間的に相関することに加えて、時間的に(又は時間方式で)相関する。追加のピクセル幾何情報は、図6a〜図6cの例示的な実施例に示される。
図7のピクセル700のように、図13のピクセル1300は、またPPD508、論理ユニット1319、第1NMOSトランジスタ1320、第2NMOSトランジスタ1321、第3NMOSトランジスタ1322、第4NMOSトランジスタ1323、及び第5NMOSトランジスタ1324を含み、内部入力(TXEN信号1325)を生成し、外部入力のRST信号1326、VTX信号1327(そして、TX信号1328)、VPIX信号1329、及びSEL信号1330を受信し、フローティングディフュージョン(FD)ノード/ジャンクション1331を有し、PIXOUT信号510を出力する。図7のピクセル700とは異なるように、図13のピクセル1300は、またTXEN信号1325の相補信号であり第6NMOSトランジスタ1334のゲート端子に供給されるTXEN信号(TXENB)1333を生成する。第6NMOSトランジスタ1334は、第1NMOSトランジスタ1320のソース端子に連結されたドレイン端子及び接地(GND)電位1335に連結されたソース端子を有する。TXENB信号1333は、GND電位を第2NMOSトランジスタ1321(TXトランジスタ)のゲート端子に移すのに使用される。TXENB信号1333がない場合、TXEN信号1325がローになる時に第2NMOSトランジスタ1321(TXトランジスタ)のゲートはフローティングされ、PPD508からの電荷の転送が完全に終了しない可能性がある。このような状況は、TXENB信号1333を利用して改善される。更に、ピクセル1300は、またストレージディフュージョン(SD)キャパシタ1336及び第7NMOSトランジスタ1337を含む。SDキャパシタ1336は、第2NMOSトランジスタ1321のドレイン端子及び第7NMOSトランジスタ1337のソース端子のジャンクションに連結され、ジャンクションにSDノード1338を形成する。第7NMOSトランジスタ1337は、ゲート端子で入力として異なる第2伝送(TX2)信号1339を受信する。第7NMOSトランジスタ1337のドレインは、図示したようにFDノード1331に連結される。
いくつかの実施例で、RST信号、VTX信号、VPIX信号、TX2信号、及びSEL信号は図12に示した行デコーダ/ドライバ1203のような外部ユニットからピクセル1300に供給され得る。いくつかの実施例で、SDキャパシタ1336は、余分のキャパシタではなく、単にSDノード1338のジャンクションキャパシタである可能性もある。図5と図13との比較は、ピクセル1300でSPADコア(1301A、1301N)の全てが総括的に図5のSPAD503を形成し、各SPADコア(1301A、1301N)からの非SPAD回路要素の全てが総括的に図5の第1制御回路504を形成し、そしてPPDコア502の非PPD回路要素の全てが図5の第2制御回路507を形成できることを示す。
ピクセル1300において、電荷転送トリガー部分はSPADコア(1301A、1301N)(そして、他のこのようなコア)及び論理ユニット1319を含む。電荷の生成及び転送部分は、PPD508、NMOSトランジスタ(1320〜1322、1334、1337)、及びSDキャパシタ1336を含む。電荷収集及び出力部分はNMOSトランジスタ(1322〜1324)を含む。様々な回路構成要素のそれぞれの部分への分割は、例示的で説明の目的のみのためのものであることに留意しなければならない。いくつかの実施例で、このような部分は、本明細書に記載したものよりも多いか又はより少ない他の回路構成要素を含み得る。
上述したように、CDSベースの電荷収集及び出力部分を除いて、図13のピクセル構成は、図7のものと実質的に類似する。従って、便宜のために、トランジスタ(1320〜1234)に関連付けられた入力(RST信号、SEL信号、VPIX信号など)のような図7と図13との間で共通の回路部分及び信号は、本明細書で説明しない。CDSは、ピクセル/センサ出力電圧(PIXOUT)のような電気的値を不必要なオフセットの除去を許容する方法で測定するためのノイズ低減技術である。いくつかの実施例で、列特定のCDSユニット(図示せず)は、ピクセルの列ユニット1205(図12)に採用されて相関する二重サンプリングを行うことができる。CDSで、図13のピクセル1300のようなピクセルの出力は、一回は知られている条件で、そして一回は知られていない条件で二回測定され得る。知られている条件から測定された値は、知られていない条件から測定された値から減算され、測定される物理量に対する既知の関係を有する値、即ち受信された光のピクセル特定の部分を表すPPD電荷を生成することができる。CDSを用いて、各電荷転送の終わりでピクセルの信号電圧からピクセルの基準電圧(例えば、リセットされた後のピクセルの電圧)を除去することにより、ノイズが低減され得る。従って、CDSで、ピクセルの電荷が出力に転送される前にリセット/基準値がサンプルされ、これはその後にピクセルの電荷が転送された後の値から差し引かれる。
図13の実施例で、SDキャパシタ1336(又は関連するSDノード1338)は、PPD電荷がフローティングディフュージョンノード1331に転送される前に、PPD電荷を格納し、従って電荷がフローティングディフュージョンノード1331に転送される前にフローティングディフュージョンノード1331で適切なリセット値が樹立(そしてサンプリング)されるようにする。その結果、各ピクセル特定の出力(PIXOUT1及びPIXOUT2)は、ピクセルの列ユニット1205(図12)の列特定のCDSユニット(図示せず)で処理され、ピクセル特定のCDS出力のペアを獲得することができる。その後に、ピクセル特定のCDS出力は、ピクセルの列ユニット1205の各列特定のADCユニット(図示せず)によって、図12の矢印1213で示されるP1及びP2のようなデジタル値に変換され得る。図13のトランジスタ(1334、1337)、並びにTXENB信号1333及びTX2信号1339は、CDSベーのス電荷転送を遂行するために必要且つ補助的な回路構成要素を提供する。一実施例で、P1及びP2の値は、例えば列特定のADCユニットの一部としてADC回路の同じペアを利用して並列に生成され得る。従って、PIXOUT1及びPIXOUT2信号のリセットレベルと対応するPPD電荷レベルとの間の差は、列並列ADCによってデジタル値に変換されてピクセル特定の信号値(即ち、P1及びP2)に出力され、上記数学式2に基づいてピクセル1300に対する反射された光パルス37のピクセル特定のTOF値の計算を可能にする。上述したように、このような計算は、システム15のピクセル処理ユニット46又はプロセッサ19によって遂行され得る。その結果、オブジェクト26(図2)のピクセル特定の距離も、また例えば数学式3及び数学式4を用いて判定され得る。ピクセル単位の電荷収集動作は、ピクセルアレイ42のピクセルの行の全てに対して繰り返しされる。ピクセルアレイ42のピクセル43のピクセル特定の距離又は範囲の値に基づいて、オブジェクト26の3Dイメージは、例えばプロセッサ19によって生成されてシステム15に関連する適切なディスプレイ又はユーザーインターフェースに表示され得る。オブジェクト26の2Dイメージは、例えば範囲の値が計算されない場合又は値の範囲が可能であるにも拘らず2Dイメージが必要な場合に、P1及びP2の値を単純に加えることで生成される。いくつかの実施例で、このような2Dイメージは、例えばIRレーザーが使用されたときに、単純にグレイスケールイメージである。
図7及び図13に示したピクセル構成は例示的なものに過ぎないことに留意しなければならない。多数のSPADを有する他のタイプのPPDベースのピクセル、もまた本発明を具現するために使用され得る。このようなピクセルは、例えば単一の出力(図7及び図13の実施例のPIXOUT510のデータラインような)を有するピクセル又はPIXOUT1及びPIXOUT信号がピクセルで異なる出力を介して出力される二重出力を有するピクセルを含む。
図14は、図2及び図12のピクセルアレイ42のようなピクセルアレイで図13のピクセル1300がTOF値を測定するために使用される場合の、図1及び図2のシステム15の異なる信号の他の例を示すタイミング図1400である。図14のタイミング図1400は、特にVTX信号、シャッター信号、VPIX信号、及びTX信号の波形、そして例えばPPDリセットイベント、シャッターオン区間、及び遅延時間区間(Tdly)などのような多様な時間区間又はイベントの識別について図9のタイミング図900に類似する。図9のタイミング図900の上述した広範な説明に対し、便宜のために図14のタイミング図1400で区別される特色の概略的な説明を提供する。
図14で、VPIX信号1329、RST信号1326、電子シャッター信号1308、振幅変調信号(VTX信号1327)、TX2信号1339のような多様な外部的に供給される信号、及び内部的に生成されたTXEN信号1325を、図13で使用したものと同じ参照符号を用いて識別する。同様に、便宜のために、同じ参照番号「1331」を、図13のフローティングディフュージョンノード1331と図14のタイミング図の関連する電圧を示すのに使用する。伝送モード(TXRMD信号1401)を図14に示すが、図13又は図10のタイミング図には示していない。いくつかの実施例で、TXRMD信号1401は、論理ユニット1319によって内部的に生成さるか、又は行デコーダ/ドライバ(図12の行デコーダ/ドライバ1203のような)によって論理ユニット1319に、外部的に供給され得る。一実施例で、論理ユニット1319は、G()関数(図10)に基づいて出力を生成し、その後に出力をTXRMD信号1401のような内部的に生成された信号と論理和(OR)演算して最終的なTXEN信号1325を獲得する論理回路(図示せず)を含む。図14に示したように、一実施例で、このような内部的に生成されたTXRMD信号1401は、電子シャッターがオンの間ローに保持され、その後にハイに活性化されてTXEN信号1325が論理1になってPPDの残りの電荷の転送(図14のイベント1410)が遂行される。
図14のPPDプリセット1403イベント、遅延時間(Tdly)1404、TOF区間(Ttof)1405、シャッターオフ区間1406、シャッターオン区間1408又は有効区間(Tsh)1407、及びFDリセット信号1409は、図9に示した対応するイベント又は時間区間に類似する。従って、このようなパラメータの追加的な説明は提供されない。初期に、FDリセット1409イベントは、図示したように、FD1331信号がハイになることをもたらす。SDノード1338は、PPD508がローにプリセットされた後にハイにリセットされる。更に詳しくは、PPDプリセット1403のイベントの間に、TX信号1328はハイであり、TX2信号1339はハイであり、RST信号1326はハイであり、VPIX信号1329はローであり、電子をPPD508に満たし、そしてPPD508を0Vにプリセットする。その後、TX信号1328はローになり、TX2信号1339及びRST信号1326は、短くハイに残って、ハイのVPIX信号1329と共にSDノード1338をハイにリセットしてSDキャパシタ1336から電子を除去する。同時に、FDノード1331はリセットされる(FDリセット1409イベントに続いて)。SDノード1338の電圧やSDリセット信号は、図14に示していない。
図7及び図9の実施例とは対照的に、電子シャッター信号1308が活性化され、VTX信号1327が傾斜して上がると、TX信号1328の波形に示したように、PPD電荷は振幅変調され、そして初期にSDノード1338に転送(SDキャパシタ1336を介して)される。シャッターオン区間1408の間にピクセル1300(図13)で、少なくとも2つのSPADによる光子の検出に応じて、TXEN信号1325はローになり、そしてPPD508からSDノード1338への初期電荷転送は停止する。SDノード1338に格納して転送された電荷は第1読み出し区間1412の間にPIXOUT510のデータラインから(PIXOUT1出力として)読み出される。第1読み出し区間1412で、RST信号1326は、電子シャッター信号1308が非活性化又はオフされた後、短くハイに活性化されてフローティングディフュージョンノード1331をリセットする。その後、TX2信号1339はハイのパルスとなり、TX2信号1339がハイである間にSDノード1338からの電荷をフローティングディフュージョンノード1331に転送する。フローティングディフュージョンノード1331の電圧波形は電荷転送動作を示す。転送された電荷は、その後、第1読み出し区間1412の間にPIXOUT510のデータラインを介してSEL信号1330(図14に示さず)を用いて(PIXOUT1電圧として)読み出される。
第1読み出し区間1412の間に、初期の電荷がSDノードからFDノードに転送され、TX2信号1339が論理ローレベルに復帰した後、TXRMD信号1401はハイに活性化(パルスのように)されてTXEN信号1325の入力にハイパルスを生成する。図14で参照番号「1402」に示したように、順番にTX信号1328の入力にハイパルスを生成してPPD508の残りの電荷をSDノード1338に転送(SDキャパシタ1336を介して)する。その後、RST信号1326が短くハイに再び活性化されると、FDノード1331は再びリセットされる。第2RSTハイパルスは第2読み出し区間1413を定義し、TX2信号1339は再びパルスのようにハイになり、TX2信号がハイである間にPPD508の残りの電荷をSDノード1338からフローティングディフュージョンノード1331に転送(イベント1410)する。フローティングディフュージョンノード1331の電圧波形は第2電荷転送動作を示す。転送された残りの電荷はその後に第2読み出し区間1413の間にPIXOUT510のデータラインを介してSEL信号1330(図14に示さず)を用いて読み出される(PIXOUT2電圧として)。上述したように、PIXOUT1及びPIXOUT2信号は、適切なADCユニット(図示せず)によって、対応するデジタル値(P1、P2)に変換され得る。特定の実施例で、P1及びP2の値は、上記数学式3又は数学式4で使用され、ピクセル1300とオブジェクト26との間のピクセル特定の距離(又は範囲)を判定することができる。図14に示したSDベースの電荷転送は、図13の説明を参照して上述したように、ピクセル特定のCDS出力のペアの生成を可能にする。CDSベースの信号処理は追加的なノイズ低減を提供する。
図15は、時間分解センサ1500の一例を示すブロック図である。時間分解センサ1500は、SPAD回路1501、論理回路1503、及びPPD回路1505を含む。
SPAD回路1501は、光子を検出するためのSPADと、VSPAD電圧を受信する第1入力と、電子シャッターの開閉を制御するためのシャッター信号を受信する第2入力と、VDD電圧を受信する第3入力と、検出イベント(DE)信号を出力するための出力と、を含む。光子を受信することに応答して、SPAD回路1501は、VSPAD電圧からSPAD破壊電圧よりも低い電圧まで急速に上昇し、その後にVSPAD電圧から徐々に復帰するパルス信号を出力する。
論理回路1503は、SPAD回路1501からのDE信号出力に連結される第1入力と、PPD回路1505のPPD内に残った電荷をFDノードに完全に転送するためのTXRMD信号を受信するための第2入力と、TXEN信号を出力するための出力と、を含む。
PPD回路1505は、論理回路1503からのTXEN信号出力に連結される第1入力と、電荷をPPD回路1505のPPDからPPD回路1505のFDノードに部分的又は完全に転送するためのVTX信号を受信する第2入力と、FDノードの電荷をリセットしてPPDの電荷をプリセットするためのRST信号を受信する第3入力と、PPD回路1505に対するVPIXの信号を受信する第4入力と、PIXOUT1信号(FDノードの電荷を表す)又はPIXOUT2信号(PPDに残った電荷を示す)の読み出しを可能にするためのSEL信号を受信する第5入力と、SEL信号に応答してPIXOUT1信号及びPIXOUT2信号を出力するためのPIXOUT出力と、を含む。
図16は、図15の時間分解センサ1500のSPAD回路1501の一例を示す回路図である。一実施例で、SPAD回路1501は、抵抗1601、SPAD1603、キャパシタ1605、pタイプMOSFET1607、及びバッファ1609を含む。抵抗1601は、VSPAD電圧を受信する第1端子及び第2端子を含む。SPAD1603は、接地電位に連結された正極及び抵抗1601の第2端子に連結された負極を含む。他の実施例で、抵抗1601とSPAD1603との位置は交換され得る。SPAD1603は光に応答する。光子を受信することに応答して、SPAD1603は、VSPAD電圧から絶縁破壊電圧よりも低い電圧に急激に変化してその後にVSPAD電圧へより徐々に復帰するパルス信号を出力する。一例で、破壊(ブレークダウン)電圧は、特定の閾値電圧である。
キャパシタ1605は、SPAD1603の負極に接続された第1端子及びもう一方の第2端子を含む。代案的な実施例で、キャパシタ1605は省略され得る。PタイプMOSFET1607は、キャパシタ1605の第2端子に連結された第1のS/D端子と、VPIX電圧(VDD)を受信する第2のS/D端子と、シャッター信号を受信するゲートと、を含む。バッファ1609は、キャパシタ1605の第2端子に連結された入力と、DE信号を出力する出力と、を含む。DE信号は、SPAD回路1501のDE出力に対応する。代案的な実施例で、バッファ1609はインバータであり得る。
図17は、図15の時間分解センサ1500の論理回路1503の一例を示す回路図である。論理回路1503は、ラッチ1701及び2入力論理和(OR)ゲート1703を含む。
ラッチ1701は、SPAD回路1501からのDE信号出力に連結される入力及びその出力を含む。DE信号に応答して、ラッチ1701は、例えば論理1から論理0に変化し、論理0を維持するためのロジック信号を出力する。言い換えると、ラッチ1701は、パルスタイプの信号を論理0から論理0に変化させ、そしてリセットされるまで論理1に復帰せずに論理0を維持する信号に変換する。ラッチ出力はDE信号の先頭エッジによってトリガーされ、ここでリードエッジはSPAD回路1501の設計に依存して正又は負の方向である。
2入力ORゲート1703は、ラッチ1701の出力に連結された第1入力と、TXRMD信号を受信する第2入力と、TXEN信号を出力する出力と、を含む。2入力ORゲート1703は、論理OR関数を遂行して結果をTXEN信号に出力する。具体的には、シャッター信号が論理1のとき、SPAD回路1501によって光子が受信されるか、又はPPD回路1505のPPDの残りの電荷がPIXOUT2信号に読み出されるためにFDノードに完全に転送されるときに発生するTXRMD信号が論理1のとき、2入力ORゲート1703の出力は論理1になる。
図18は、図15の時間分解センサ1500のPPD回路1505の一例を示す回路図である。PPD回路1505は、第1トランジスタ1803、第2トランジスタ1805、第3トランジスタ1807、第4トランジスタ1809、第5トランジスタ1811、及びPPD1801を含む。
PPD1801は、接地電位に連結された正極及びもう一方の負極を含む。PPD1801は、キャパシタに類似する方式で電荷を格納する。一実施例で、PPD1801はカバーされ、従って光に応答せずに光感知素子の代わりにTCCとして使用され得る。
第1トランジスタ1803は、論理回路1503のTXEN信号出力に連結されるゲート端子と、VTX信号を受信する第1のS/D端子と、もう一方の第2のS/D端子と、を含む。第1トランジスタ1803は、VTX信号を受信してVTX信号がTXEN信号の制御下で第1トランジスタ1803を通過して第1トランジスタ1803の第2のS/D端子からTX信号を出力する。
第2トランジスタ1805は、第1トランジスタ1803の第2のS/D端子に連結されたゲート端子と、PPD1801の負極に連結された第1のS/D端子と、もう一方の第2のS/D端子と、を含む。第2のトランジスタ1805は、ゲート端子でTX信号を受信してソース端子のPPD1801の電荷をFDノードに連結されたドレイン端子に転送する。図18に示していないが、FDノードと接地との間にストレーキャパシタンス(stray capacitance、寄生容量)が存在し得る。一実施例で、寄生容量は、またFDノードと接地との間に連結され得る。
第3トランジスタ1807は、RST信号を受信するゲート端子と、VPIX信号を受信する第1のS/D端子と、第2のトランジスタ1805の第2のS/D端子に連結された第2のS/D端子と、を含む。
第4トランジスタ1809は、第2トランジスタ1805の第2のS/D端子に連結されたゲート端子と、第3トランジスタ1807の第1のS/D端子に連結された第1のS/D端子と、もう一方の第2のS/D端子と、を含む。
第5トランジスタ1811は、SEL信号を受信するゲート端子と、第4トランジスタ1809の第2のS/D端子に連結された第1のS/D端子と、PPD回路1505のPIXOUT出力である第2のS/D端子と、を含む。第5トランジスタ1811は、ピクセルを選択するためのSEL信号を受信してFDノードの電荷(PIXOUT1として)又はPPD(1801)の残りの電荷(PIXOUT2として)を読み出す。
PPD1801からFDノードに転送される電荷はTX信号によって制御される。一実施例で、VTX信号は第1トランジスタを介して結合されてTX信号になる。VTX信号は上方向に傾斜して、PPD1801からFDノードに電荷を徐々に多く転送する。PPD1801からFDノードに転送される電荷の量はTX信号のレベルの関数であり、TX信号の傾きは時間の関数である。従って、PPD1801からFDノードに転送される電荷は時間の関数である。PPD1801からFDノードへの電荷の転送の間に、第2トランジスタ1805は入射する光子を検出するSPAD回路1501に応答してターンオフされ、PPD1801からFDノードへの電荷の転送は停止する。FDノードに転送される電荷の量及びPPD1801に残った電荷の量は全て入射する光子のTOFに関連付けられる。TX信号及び入射する光子の検出に基づくPPD1801からFDノードへの電荷の転送は、電荷から時間へのシングルエンドの差動変換を提供するものと見なされる。
第4トランジスタ1809は、FDノードに格納された電荷を第4トランジスタ1809の第2のS/D端子で電圧に変換する。SEL信号は、ピクセルを選択してFDノードに転送された電荷に対応するPIXOUT1信号又は後続するPPD1801の残りの電荷がFDノードに転送された後にPPD1801に残った電荷に対応するPIXOUT2信号を読み出すために使用される。一実施例で、PIXOUT1信号とPIXOUT2信号との和に対するPIXOUT1信号の比率は、上記数学式2の比率に示したように、ピクセルによって受信された光信号のTOFと遅延時間との差に比例する。VTX信号が上方に傾斜し始めた後に光パルスが伝送される実施例で、遅延時間は負である。
時間分解センサ1500について、上記数学式2で記述した比率は、オブジェクトのデプス又は範囲を判定するために使用され、PIXOUT1信号とPIXOUT2信号との和が測定毎に変化しない場合、測定値の変動にそれほど敏感ではない。一実施例で、VTX信号は理想的に線形であり、TOFピクセルアレイの異なるピクセルに亘って理想的に均一である。しかし、実際に、TOFピクセルアレイの異なるピクセルに印加されるVTX信号は、ピクセル単位で変化し、従ってピクセル単位のVTX信号の可変に依存する範囲の測定にエラーを誘導し、また測定単位で変化し得る。
一実施例で、第1トランジスタ1803、第2トランジスタ1805、第3トランジスタ1807、第4トランジスタ1809、及び第5トランジスタ1811は、それぞれn型MOSFET又はpタイプMOSFETである。しかし、任意の適切なトランジスタが使用され得るため、本発明はn型MOSFET又はp型MOSFETを使用するものに限定されない。
図19は、図15の時間分解センサ1500に対する一例を示す相対的な信号のタイミング図である。図19において、シャッターオフ(初期化)区間の間、RST信号、VTX信号、及びTX信号のそれぞれは、ハイ(論理1)になり、後に0(論理0)に戻りPPD回路1505をリセットする。TXEN信号はハイである。PPD1801は、初期化区間でそれ自体のフルウェルキャパシティまで電荷で満たされる。VTX信号及びTX信号はローになってPPD回路1505の第2トランジスタ1805をターンオフする。VPIX信号はハイになり、従ってFDノードがリセットされる。光パルスは、RST信号が0に戻るときに、又はそれから暫くオブジェクトに向けて光パルスを伝送する。VTX信号は、その後に上方に傾斜し始め、そしてシャッター信号はハイになって、シャッターオン区間を開始する。
VTX信号が上方に傾斜するにつれて、TX信号もまた上方に傾斜し、そしてFDノードの電荷はTX信号に応答して減少し始める。反射された光パルスによって、TXEN信号がロー(論理0)になり、従ってFDノードとPPD1801との間の電荷の転送が停止される。
遅延時間(Tdly)は、伝送された光パルスの開始とTX信号が上方に傾斜し始める時との間の間隔を示す。飛行時間(Ttof)は、伝送された光パルスの開始とリターン信号が受信される時との間の時間を示す。シャッターオン区間(Tsh)は、電子シャッターが開かれたときから電子シャッターが閉じたときまでの時間(シャッターオン区間)を示す。一実施例で、シャッター区間(Tsh)はVTX信号の傾斜時間と同じか又はそれより少ない。
転送された電荷は転送された電荷の読出し区間でPIXOUT1信号として読み出される。シャッター信号がローである間、RST信号は2番目のハイになってFDノードの電荷をリセットし、その後にTXRMD信号、TXEN信号、及びTX信号はハイになってPPD1801に残った電荷をPIXOUT2信号に読み出すためにFDノードに転送する。
図20は、時間分解センサ2000の他の例を示すブロック図である。時間分解センサ2000は、SPAD回路2001、論理回路2003、及び第2のPPD回路2005を含む。
SPAD回路2001は、光子を検出するためのSPADと、VSPAD電圧を受信する第1入力と、電子シャッターの開閉を制御するためのシャッター信号を受信する第2入力と、VDD電圧(VDD)を受信する第3入力と、検出イベント(DE)信号を出力するための出力と、を含む。光子を受信することに応答して、SPAD回路2001は、急速にVSPADから0になり、ゆっくりとVSPADに戻るパルス信号を出力する。一実施例で、SPAD回路2001は、図15に示したSPAD回路1501と同じである。
論理回路2003は、SPAD回路2001のDE出力に連結された第1入力及び第2のPPD回路2005のPPDに残った電荷を完全に転送するためのTXRMD信号を受信する第2入力と、TXEN信号を出力するための出力と、を含む。一実施例で、論理回路2003は、図15に示した論理回路1503と同じである。
第2のPPD回路2005は、論理回路2003からのTXEN信号出力に連結された第1入力と、TXRMD信号を受信する論理回路2003の第2入力に連結された第2入力と、第2のPPD回路2005のPPDから第2のPPD回路2005の第1フローティングディフュージョン(FD1)ノードに電荷を部分的又は完全に転送するためのVTX信号を受信する第3入力と、FD1ノードの電荷をリセットしてPPDの電荷をプリセットするためのRST信号を受信する第4入力と、第2のPPD回路2005に対するVPIX信号を受信する第5入力と、FD1ノードの電荷に対応するPIXOUT1信号をPIXOUT1出力から読み出して第2のPPD回路2005のPPDに残った電荷に対応するPIXOUT2信号をPIXOUT2出力から読み出すためのSEL信号を受信する第6入力と、を含む。
図21は、図20の時間分解センサ2000の第2のPPD回路2005の一例を示す回路図である。第2のPPD回路2005は、第1トランジスタ2103、第2トランジスタ2105、第3トランジスタ2107、第4トランジスタ2109、第5トランジスタ2111、第6トランジスタ2113、第7トランジスタ2115、第8トランジスタ2117、第9トランジスタ2119、及びPPD2101を含む。
PPD2101は、接地電位に連結された正極及びもう一方の負極を含む。PPD2101は、キャパシタと同様の方法で電荷を貯蔵する。一実施例で、PPD2101は、カバーされ、従って光に応答せずに光感知素子の代わりにTCCとして使用され得る。
第1トランジスタ2103は、TXEN信号出力を受信する論理回路2003の出力に連結されるゲート端子と、PPD2101からの電荷の転送を制御するためのVTX電圧を受信する第1のS/D端子と、もう一方の第2のS/D端子と、を含む。
第2トランジスタ2105は、PPD2101からの電荷を転送するためのTX信号を受信するために第1トランジスタ2103の第2のS/D端子に連結されたゲート端子と、PPD2101の負極に接続された第1のS/D端子と、PPD2101から電荷が転送される第1フローティングディフュージョン(FD1)ノードに連結された第2のS/D端子と、を含む。FD1ノードは、第1キャパシタを有し得る。FD1ノードと接地との間に、図21に示さないストレーキャパシタンスが存在し得る。一実施例で、物理的キャパシタもまたFD1ノードと接地との間に連結され得る。PPD2101から第2トランジスタ2105を介してFD1ノードに転送される電荷はTX信号によって制御される。
第3トランジスタ2107は、FD1ノード及び第2トランジスタ2105の第2のS/D端子に連結されたゲート端子と、VPIXの電圧を受信する第1のS/D端子と、もう一方の第2のS/D端子と、を含む。第3トランジスタ2107は、FD1ノードに格納された電荷を第3トランジスタ2107の第2のS/D端子で電圧に変換する。
第4トランジスタ2109は、FD1ノードの電荷レベルを設定するためのRST信号を受信するゲート端子と、VPIXの電圧を受信する第1のS/D端子と、第2トランジスタ2105の第2のS/D端子に連結された第2のS/D端子と、を含む。
第5トランジスタ2111は、FD1ノードの電荷を読み出すためのSEL信号を受信するゲート端子と、第3トランジスタ2107の第2のS/D端子に連結された第1のS/D端子と、FD1ノードの電荷に対応する電圧をPIXOUT1信号として出力するためのピクセル出力(PIXOUT1)のデータラインに連結された第2のS/D端子と、を含む。
第6トランジスタ2113は、PPD2101に残った電荷を第2フローティングディフュージョン(FD2)ノードに完全に転送するためのTXRMD信号を受信するゲート端子と、PPD2101の負極に連結された第1のS/D端子と、FD2ノードに連結された第2のS/D端子と、を含む。FD2ノードは、第2キャパシタンスを有し得る。FD2ノードと接地との間に図21に示していないストレーキャパシタンスが存在し得る。一実施例で、物理的キャパシタもまたFD2ノードと接地との間に連結され得る。一実施例で、FD2ノードの第2キャパシタンスはFD1ノードの第1キャパシタンスと同じであり得る。PPD2101に残った任意の残りの電荷は第6トランジスタ2113を介してFD2ノードに転送される。
第7トランジスタ2115は、第6トランジスタ2113の第2のS/Dノード及びFD2ノードに連結されたゲート端子と、VPIX信号を受信する第1のS/D端子と、もう一方の第2のS/D端子と、を含む。第7トランジスタ2115は、FD2ノードに格納された電荷を第7トランジスタの第2のS/D端子で電圧に変換する。
第8トランジスタ2117は、FD2ノードの電荷レベルを設定するためのRST信号を受信するゲート端子と、VPIX信号を受信する第1のS/D端子と、第6トランジスタ2113の第2のS/D端子に連結された第2のS/D端子と、を含む。
第9トランジスタ2119は、ピクセルを選択してFD2ノードの電荷に対応する電圧を読み出すためのSEL信号を受信するゲート端子と、第7トランジスタ2115の第2のS/D端子に連結された第1のS/D端子と、FD2ノードの電荷に対応する電圧をPIXOUT2信号に出力するためのピクセル出力(PIXOUT2)のデータラインに連結された第2のS/D端子と、を含む。
一実施例で、VTX信号(そしてTX信号)は、上方に傾斜してPPD2101からFD1ノードに電荷を転送する。PPD2101からFD1ノードに転送される電荷の量は、TX信号のレベルの関数であり、TX信号の傾きは時間の関数である。従って、PPD2101からFD1ノードに転送される電荷は時間の関数である。PPD2101からFD1ノードへの電荷の転送の間に、SPAD回路2001が入射する光子を検出することに応答して第2トランジスタ2105がターンオフされると、PPD2101からFD1ノードへの電荷の転送は停止し、FD1ノードに転送された電荷の量及びPPD2101に残った電荷の量の全ては入射する光子のTOFに関連付けられる。TX信号及び入射する光子の検出に基づくPPD2101からFD1ノードへの電荷の転送は、チャージツータイムのシングルエンド差動変換(single−ended−to−differential conversion of charge to time)を提供する。
時間分解センサ2000について、上記数学式2に記述した比率は、オブジェクトのデプス又は範囲を判定するために使用され、PIXOUT1とPIXOUT2信号との合計が測定毎に変化しなければ測定値の変動にそれほど敏感ではない。一実施例で、VTX信号は理想的に線形であり得る、TOFピクセルアレイの異なるピクセルに亘って理想的に均一であり得る。しかし、実際にTOFピクセルアレイの異なるピクセルに印加されるVTX信号はピクセル毎に変動し、従ってピクセル毎にVTX信号の変動に依存して範囲の測定にエラーを誘発し、また測定毎に変動し得る。
一実施例で、第1トランジスタ2103、第2トランジスタ2105、第3トランジスタ2107、第4トランジスタ2109、第5トランジスタ2111、第6トランジスタ2113、第7トランジスタ2115、第8トランジスタ2117、及び第9トランジスタ2119は、それぞれn型MOSFET又はp型MOSFETであり得るが、任意の他の適切なトランジスタが用いられる。
図22は、図20の時間分解センサ2000の他の例を示す相対的な信号のタイミング図2200である。図22の信号タイミング図は図19の信号タイミング図に類似しており、類似点は図19を参照して説明される。図22の信号タイミング図は、FD信号を含み、シャッターオン区間のエンド部分でPPD2101の残りの電荷がTXRMD信号の動作によってFD2ノードに転送される点で異なる。また、PIXOUT1とPIXOUT2信号は同時に読み出される。
第2のPPD回路2005は、変わらないフルウェルキャパシティに依存して最大の範囲を判定するが、時間分解センサ2000の実際の具現は、異なる第2のPPD回路2005との間の熱雑音に基づいてPPD2101に対するフルウェルキャパシティ変動を経験することに留意しなければならない。また、VTX信号は、ピクセルアレイのピクセルの位置に基づいて異なる傾斜(傾き)を有することができる。即ち、ピクセルで、VTX信号の傾斜(傾き)は、ピクセルがVTX信号のソースからどれくらい近いかに依存して変動する。
図23は、時間分解センサ2300の更に他の例を示す回路図である。時間分解センサ2300は、1つ以上のSPAD回路(2301a〜2301n)、論理回路2303、及び第3のPPD回路2305を含む。
一実施例で、1つ以上のSPAD回路2301のそれぞれは、SPAD2311、抵抗2313、キャパシタ2315、pタイプMOSFETトランジスタ2317、及びバッファ2319を含む。SPAD2311は、接地電位に連結された正極及びもう一方の負極を含む。抵抗2313は、VSPAD電圧を受信する第1端子及びSPAD2311の負極に連結された第2端子を含む。他の実施例で、SPAD2311と抵抗2313との位置は交換され得る。SPAD2311は光に応答する。光子を受信することに応答して、SPAD2311は、急激にVSPAD電圧からブレークダウン電圧よりも低い電圧になり、その後にVSPAD電圧によってゆっくり復帰するパルス信号を出力する。
キャパシタ2315は、SPAD2311の負極に連結された第1端子及びもう一方の第2端子を含む。代案的な実施例で、キャパシタ2315は省略され得る。PタイプMOSFETトランジスタ2317は、シャッター信号を受信するゲート端子と、キャパシタ2315の第2端子に連結された第1のS/D端子と、VPIXの電圧(VDD)を受信する第2のS/D端子と、を含む。バッファ2319は、キャパシタ2315の第2端子に連結される入力と、SPAD回路2311の出力に対応するDE信号を出力する反転出力と、を含む。代案的な実施例で、バッファ2319は反転しない可能性がある。
論理回路2303は、1つ以上のSPAD回路(2301a〜2301n)のそれぞれのDE信号出力に連結される入力と、TXEN信号及びTXEN信号の反転であるTXENB信号を出力する出力と、を含む。
第3のPPD回路2305は、容量性デバイス(SC)、第1トランジスタ2351、第2トランジスタ2353、第3トランジスタ2355、第4トランジスタ2357、第5トランジスタ2359、第6トランジスタ2361、第7トランジスタ2363、第8トランジスタ2365、第9トランジスタ2367、第10トランジスタ2369、第11トランジスタ2371、第12トランジスタ2373、及び第13トランジスタ2375を含む。
容量性デバイス(SC)は、接地電位に連結された第1端子及びもう一方の第2端子を含む。容量性デバイス(SC)は、キャパシタに類似する方式で電荷を貯蔵する。一実施例で、容量性デバイス(SC)はキャパシタであり得る。他の実施例で、容量性デバイス(SC)はカバーされて光に応答していないPPDであり得る。もうひとつの実施例で、容量性デバイス(SC)はTCCの一部として使用され得る。
第1トランジスタ2351は、RST信号に連結されたゲート端子2351と、接地電位に連結された第1のS/D端子と、容量性デバイス(SC)の第2端子に連結された第2のS/D端子と、を含む。
第2トランジスタ2353は、TXA信号に連結されたゲート端子と、第1フローティングディフュージョン(FD1)ノードに連結された第1のS/D端子と、第1トランジスタ2351の第2のS/D端子及び容量性デバイス(SC)の第2端子に連結された第2のS/D端子と、を含む。第1フローティングディフュージョン(FD1)ノードは、図23で、キャパシタ符号で表される。FD1ノードと接地との間に、図23に示していないストレーキャパシタンスが存在し得る。一実施例で、物理的キャパシタもまたFD1ノードと接地との間に連結され得る。
第3トランジスタ2355は、FD1ノード及び第2トランジスタ2353の第1のS/Dノードに連結されたゲート端子と、VPIXの電圧に連結された第1のS/D端子と、もう一方の第2のS/D端子と、を含む。第3トランジスタ2355は、FD1ノードの電荷を第3トランジスタ2355の第2のS/D端子で電圧に変換する。
第4トランジスタ2357は、RST信号に連結されたゲート端子と、VPIXの電圧に連結された第1のS/D端子と、第3トランジスタ2355の第1のS/D端子及びFD1に連結された第2のS/D端子と、を含む。
第5トランジスタ2359は、TXEN信号に連結されたゲート端子と、VTX信号に接続された第1のS/D端子と、第2トランジスタ2353のゲート端子に連結された第2のS/D端子と、を含む。
第6トランジスタ2361は、TXENB信号に連結されたゲート端子と、接地電位に連結された第1のS/D端子と、第2トランジスタ2353のゲート端子及び第5トランジスタ2359の第2のS/D端子に連結された第2のS/D端子と、を含む。
第7トランジスタ2363は、SEL信号に連結されたゲート端子と、第3トランジスタ2355の第2のS/D端子に連結された第1のS/D端子と、ピクセル出力のデータライン(PIXA)に連結された第2のS/D端子と、を含む。
第8トランジスタ2365は、TXB信号に連結されたゲート端子と、第2フローティングディフュージョン(FD2)ノードに連結された第1のS/D端子と、第1トランジスタ2351の第2のS/D端子、容量性デバイス(SC)の第2端子、及び第2トランジスタ2353の第2のS/D端子に連結された第2のS/D端子と、を含む。第2フローティングディフュージョン(FD2)ノードは、図23で、キャパシタ符号で示される。FD2ノードと接地との間に、図23に示していないストレーキャパシタンスが存在し得る。一実施例で、物理的キャパシタもまたFD2ノードと接地との間に連結され得る。
第9トランジスタ2367は、FD2ノード及び第8トランジスタ2365の第1のS/D端子に連結されたゲート端子と、VPIXの電圧に連結された第1のS/D端子と、もう一方の第2のS/D端子と、を含む。第9トランジスタ2367は、FD2ノードの電荷を第9トランジスタ2367の第2のS/D端子で電圧に変換する。
第10トランジスタ2369は、RST信号に連結されたゲート端子と、VPIXの電圧に連結された第1のS/D端子と、第9トランジスタ2367のゲート端子、FD2ノード、及び第8トランジスタ2365の第2のS/D端子に連結された第2のS/D端子と、を含む。
第11トランジスタ2371は、TXENB信号に連結されたゲート端子と、VTX信号に連結された第1のS/D端子と、第8トランジスタ2365のゲート端子に連結された第2のS/D端子と、を含む。
第12トランジスタ2373は、TXEN信号に連結されたゲート端子と、接地電位に連結された第1のS/D端子と、第8トランジスタ2365のゲート端子及び第11トランジスタ2371の第2のS/D端子に連結された第2のS/D端子と、を含む。
第13トランジスタ2375は、SEL信号に連結されたゲート端子と、第9トランジスタ2367の第2のS/D端子に連結された第1のS/D端子と、ピクセル出力のデータライン(PIXB)に連結された第2のS/D端子と、を含む。
図24は、図23の時間分解センサ2300の更に他の例を示す相対的な信号のタイミング図である。図24の信号タイミング図は図19及び図22の信号タイミング図に類似し、類似点は、図19を参照して記述される。図24の信号タイミング図は、TXRMD信号及びTX信号を含まず、代わりにTXENB信号、TXA信号、及びTXB信号を含むことが、図22の信号タイミング図と異なる。
図24の信号タイミング図で、TXENB信号はTXEN信号の反転信号である。シャッター信号がハイに活性(アクティブ)であるときにTXEN信号は活性であり、VTX信号は第5トランジスタ2359を通過してTXA信号が活性化されるようにする。容量性デバイス(SC)の電荷は第2トランジスタ2353を介してFD1ノードに転送される。同時に、接地電位は第12トランジスタ2373を通過してTXB信号が非活性化されるようにする。
検出イベント(DE)が発生(反射された光パルスを受信)したときにTXEN信号は非活性化され、TXENB信号は活性化される。TXEN信号が非活性化されると、TXA信号もまた非活性化され、電荷が容量性デバイス(SC)から第2トランジスタ2353を介してFD1ノードに転送されることが停止される。TXENB信号が活性化されると、TXB信号は活性化され、電荷は容量性デバイス(SC)から第8トランジスタ2365を介してFD2ノードに転送される。
シャッター信号が終了すると、TXB信号は非活性化され、電荷が容量性デバイス(SC)から第8トランジスタ2365を介してFD2ノードに転送されることが停止される。FD1ノード及びFD2ノードの電荷に関連付けられたそれぞれの電圧はPIXA及びPIXBの出力ラインから読み出される。
ピクセル単位のVTX信号の傾きの変動及び容量性デバイス(SC)のキャパシタンスの変動は、第2トランジスタ2353(TXA)及び第8トランジスタ2365(TXB)がアクティブ(活性)シャッター信号の間に線形モードである限り、範囲の測定エラーが発生しないことに留意しなければならない。
図25は、図23の時間分解センサ2300を利用して時間を分解する方法2500の一例を示すフローチャートである。方法はステップ2501から始まる。ステップ2502で、アクティブシャッター信号が生成される。ステップ2503で、アクティブシャッター信号の間に少なくとも1つのSPAD回路2301に入射する1つ以上の光子が検出される。1つ以上の検出された光子はオブジェクトから反射されたものである。ステップ2504で、検出イベント(DE)に基づいて出力信号が生成される。ステップ2505で、検出イベント(DE)に対する出力信号に基づいて第1アクティブ(活性)信号(例えば、TXEN)及び第2アクティブ信号(例えば、TXENB)が生成される。一実施例で、第1アクティブ信号はアクティブシャッター信号の開始に応答して活性化されて出力信号に応答して非活性化され、第2アクティブ信号は出力信号に応答して活性化されてアクティブシャッター信号の終了に応答して非活性化される。
ステップ2506で、第1アクティブ(活性)信号がアクティブである場合、容量性デバイス(SC)の電荷が第1フローティングディフュージョン(FD1)ノードに転送され、第1フローティングディフュージョン(FD1)ノードで第1電荷を形成する。ステップ2507で、第2アクティブ信号が活性である場合、容量性デバイス(SC)の残りの電荷が第2フローティングディフュージョン(FD2)ノードに転送され、第2フローティングディフュージョン(FD2)ノードで第2電荷を形成する。ステップ2508で、第1電荷に基づく第1電圧及び第2電荷に基づく第2電圧が出力される。第1電圧と第2電圧との和に対する第1電圧の第1比率は1つ以上の検出された光子の飛行時間に比例し、第1電圧及び第2電圧の和に対する第2電圧の第2比率は1つ以上の検出された光子の飛行時間に比例する。ステップ2509で、方法が終了する。
一実施例で、第1電荷及び第2電荷を転送するステップは、傾斜関数(ramp function)に基づいてVTX信号(又は駆動信号)を変更するステップを含み、VTX信号(又は駆動信号)は、1つ以上の光子が検出される光パルスの開始時間に応答して変化し始め、アクティブシャッター信号の終了まで変化する。また、容量性デバイスの電荷を第1フローティングディフュージョン(FD1)ノードに転送して第1フローティングディフュージョン(FD1)ノードで第1電荷を形成するステップは、更に第1アクティブ信号がアクティブのときにVTX信号(又は駆動信号)のレベルに基づき行われ、容量デバイスの残りの電荷を第2フローティングディフュージョン(FD2)ノードに転送して第2フローティングディフュージョン(FD2)ノードで第2電荷を形成するステップは、更に第2アクティブ信号がアクティブのときにVTX信号(又は駆動信号)のレベルに基づき行われる。
他の実施例で、第1電圧と第2電圧との和に対する第1電圧の第1比率は、更に1つ以上の検出された光子の飛行時間から遅延時間を差し引いた時間に比例する。同様に、第1電圧と第2電圧との和に対する第2電圧の第2割合は、更に1つ以上の検出された光子の飛行時間から遅延時間を差し引いた時間に比例する。遅延時間は光パルスの伝送時間の開始とVTX信号(又は駆動信号)が変化し始めた時との間の時間を含む。
SPADを使用するLiDAR(光検出、並びに距離測定)システムは、一般的に光強度に基づくイメージングの能力を提供しない。距離情報と共に強度をイメージングすることは、向上した運転者補助システム(ADAS)及び自律走行アプリケーションにおけるオブジェクト認識性能を大幅に向上させることができる。本発明は、距離測定及び強度イメージング情報の両方を提供するイメージングシステムを提供する。距離イメージ及び強度イメージの両方は、同じソースから生成され、イメージの整列問題が存在せず、また複雑な混合アルゴリズムを必要としない。本明細書に記載したピクセルの実施例はTCCになるように構成される。更に、時間デジタル変換器に(TDCに)なるように構成されるピクセルは、また使用され得るが、TCCになるように構成されるピクセルよりも空間的により低い解像度を有するイメージを提供することができる。即ち、TCCになるように構成されるピクセルは、より小さくそしてTDCになるように構成されるピクセルを用いる画素アレイよりも高い解像度を有するピクセルアレイを提供することができる。
距離及び光強度情報を提供するイメージング処理システムの一例は図1に示したイメージングシステム15である。ピクセルアレイ42は、図5に示したピクセル43、図7に示したピクセル700、図13に示したピクセル1300、図21に示したピクセル2100、及び/又は図23に示したピクセル2300のような本明細書に記載したTCCピクセルの実施例を含む。光源22は、図3及び図4に連携して記載したように、ピクセル処理ユニット46に同期化されるポイントのスキャンを提供するように制御される。ポイントスキャンは、多数回繰り返され、距離情報及び光強度情報の両方に対する統計的平均を提供することができる。光強度情報は、イメージ処理システム15の視野内のオブジェクトの反射率を判定するのに使用され得る。代案的な実施例で、光源モジュール22は、シーン全体を照明するように制御され得る。多数の光パルスが照射されてキャプチャーされると、各ピクセルに対するヒストグラムが形成され、ヒストグラムでのピーク周辺のビン(bins)を加算することにより、ADAS及び自律走行アプリケーションにおけるオブジェクト認識性能を大幅に向上させるのに使用されるグレイスケールイメージが生成され得る。代案的な実施例は、TDCの出力を提供するように構成されるピクセルを使用することができることに留意しなければならない。
イメージセンサユニット24によってキャプチャーされる各点の反射率は、各点に対する距離及びグレイスケール値に基づいて判定され得る。グレイスケールイメージは、またレーザーパルスなしに生成され得る。多数のフレームを共に加算することで、イメージセンサユニット24はピクセル当たりのフレーム当たり最大1つの光子をキャプチャーする量子(Quanta)イメージセンサのように動作することができる。多数のビットプレーン(即ち、フレーム)を共に加算する場合、高いダイナミック距離イメージングが達成され得る。オブジェクト認識のための同じイメージセンサユニットから生成される3D及び2Dイメージの両方を利用することにより、複雑なイメージの混合処理が回避されて認識の性能が向上され得る。
一実施例で、ピクセルのグレイスケール値は、ピクセルによって検出された光子の到着時間(即ち、検出時間)のヒストグラムのピーク値を直接に利用することで生成され得る。ウィンドウ幅は、照射されたレーザー光又はパルスの半値幅(FWHM:full width at half−maximum)と同じであり得る。光検出時間のヒストグラムが形成されて検出された光のピーク数に対応するビン(bin)は、光パルスが反射されたポイントでオブジェクトの表面反射率を測定するのに使用され得る。代案的に、ピクセルのヒストグラムは、SPADから出力されたトリガー波形でコンボリューションされ、最大検出された光子カウントがその後選択され得る。
図26aは、SPADからのトリガー波形2600出力の一例を示す図である。図26の横軸は相対的な時間(単位なし)であり、図26の縦軸は相対的な振幅(単位なし)である。図26bは、形成されるピクセルの光検出時間の一例を示すヒストグラム2601である。図26bの横軸は相対的な正規化された時間であり、縦軸は光子検出イベントのカウントを示す。
図26cは、ヒストグラム2602の一例として、照射されたパルス(図示せず)のFWHMを示すウィンドウ幅を2602aに示したウィンドウで表し、イベントカウントの最大が判定されることを説明するための図である。図26dは、ヒストグラム2603の一例を示し、SPADから出力されたトリガー波形(図26a)がヒストグラムでコンボリューションされてイベントカウントの最大が判定されることを説明するための図である。
表面反射率(S)は、次の数学式5からスタートして測定される。
ここで、Pはピクセル値であり、αはルクス(lux)をピクセル値に変換するシステム依存の定数であり、Sは表面反射率であり、Lは光強度である。光強度(L)は、LambとLlaserとの合計で表され、それぞれのセンサに到達する周辺光の強度及びレーザー光の強度である。
従って、表面反射率(S)は、数学式6で測定される。
周辺光の強度(Lamb)は数学式7で表される。
ここで、Nは光パルスから検出されたイベントの数であり、Mは光パルスが検出される前に検出されたイベント(即ち、周辺から)の数であり、Dは測定された距離であり、βは補償される他のシステムに依存する変数である。
図27は、ピクセルに対する一例を示すヒストグラム2700である。ヒストグラム2700の横軸は相対的な時間(単位なし)であり、ヒストグラム2700の縦軸は光子検出イベントのカウントである。光パルスの前に検出されたイベントの数(M)を2701に示す。光パルスのうちの検出されたイベントの数(N)を2702に示す。
放射するレーザーパワー(Ilaserで示す)と受信されるレーザーパワー(Llaser)との間の関係は、数学式8である。
ここで、γはシステム定数である。
その後、「<x、y>」位置における反射率(S)の測定は、数学式9で表される。
ここで、f(D)は距離に依存する関数である。即ち、数学式10で導出される。
図28は、シーンのデプス又は範囲、マップ、及びグレイスケールイメージを生成する一例を示す方法のフローチャート2800である。方法はステップ2801から始まる。ステップ2802で、シーンは、例えば図1に示したイメージングシステム15によってポイントスキャンされる。イメージングシステム15のピクセルアレイ(42)は、例示的なピクセル(43(図5)、700(図7)、1300(図13)、2100(図21)、及び/又は2300(図23))を含み得る。ポイントスキャンは一回だけ実行され得るが、ポイントスキャンを多数回繰り返すことにより、より良い結果が得られることがあるものと理解すべきである。ステップ2803で、光検出イベントがピクセルアレイ42のピクセルに対して累積される。ステップ2804で、デプス又は範囲、マップが本明細書に記載したように生成される。距離情報は、ピクセル処理ユニット46及び/又はプロセッサ19によって判定される。ステップ2805で、シーンのグレイスケールイメージがシーンの反射率の測定に基づいて生成される。グレイスケールイメージは、ピクセル処理ユニット46及び/又はプロセッサ19によって判定される。方法は、ステップ2806で終了する。
図29aは、シーン2900の一例を示すイメージである。図29b及び図29cは、図29aに示したシーンの一例をそれぞれ示すデプスマップ2901及びグレイスケールイメージ2902である。図29bの右側のスケールはメートルである。
図30は、図1及び図2に示したイメージングシステム15の全体的なレイアウトの一例を示すブロック図である。イメージングモジュール17は、図2、図5、図7(又は図13)の模範的な実施例で示した必要なハードウェアを含み、本実施形態の進歩した側面に基づいて2D/3Dイメージング及びTOF測定を達成することができる。プロセッサ19は、多数の外部装置に接続するように構成される。一実施例で、イメージングモジュール17は、図12のP1及びP2のような処理されたピクセル出力の形態でプロセッサ19に更なる処理のためにデータ入力を提供する入力装置として機能することができる。プロセッサ19は、またシステム15の一部である他の入力デバイス(図示せず)から入力を受信することができる。このような入力装置の一部の例は、コンピュータキーボード、タッチパッド、タッチスクリーン、ジョイスティック、物理的若しくは仮想の「クリック可能なボタン」、及び/又はコンピュータマウス/ポインティングデバイスを含み得る。図30において、プロセッサ19は、システムメモリ20、周辺ストレージユニット275、1つ以上の出力装置(ディスプレイユニット277)、及びネットワークインターフェース278に結合される。いくつかの実施例で、システム15は、図示した装置の1つ以上のインスタンスを含み得る。システム15の一部の例は、コンピュータシステム(デスクトップ又はラップトップ)、タブレットコンピュータ、モバイル装置、携帯電話、ビデオゲームユニット又はコンソール、マシンツーマシン(M2M)通信ユニット、ロボット、自動車、バーチャルリアリティ装置、ステートレスシンクライアントシステム(stateless thin client system)、車両のダッシュカム(dash−cam)又は後方注視(rearview)カメラシステム、自律走行システム、及び他の全てのタイプのコンピューティング又はデータ処理装置を含む。多様な実施例で、図30に示した構成要素の全ては、単一のハウジング内に実装され得る。従って、システム15は、スタンドアロンシステム又は他の任意の適切なフォームファクタで構成され。いくつかの実施例で、システム15は、サーバシステムではないクライアントシステムに構成され得る。
いくつかの実施例で、システム15は1つ以上のプロセッサ(例えば、分散処理構成で)を含み得る。システム15がマルチプロセッサシステムである場合、プロセッサ19の1つ以上のインスタンスが存在するか、又はそれぞれのインターフェース(図示せず)を介してプロセッサ19に結合される多数のプロセッサが存在し得る。プロセッサ19は、システムオンチップ(SoC)であり、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)を含み得る。
システムメモリ20は、例えば、DRAM、SRAM、PRAM、ReRAM、CBRAM、MRAM、STT−MRAMなどのような半導体ベースのストレージシステムであり得る。いくつかの実施例で、メモリユニット20は、1つ以上の非3DSメモリモジュールと共に少なくとも1つの3DSメモリモジュールを含み得る。非3DSメモリモジュールは、ダブルデータレート、ダブルデータレート2、3、又は4同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR/DDR2/DDR3/DDR4 SDRAM)、ラムバス(登録商標)DRAM、フラッシュメモリ、様々な形態の読み取り専用メモリ(ROM)などを含み得る。また、一部の実施例で、システムメモリ20は、単一のタイプのメモリではなく多数の異なるタイプの半導体メモリを含み得る。他の実施例で、システムメモリ20は、非一時的データ貯蔵媒体であり得る。
周辺ストレージユニット275は、様々な実施例で、ハードディスクドライブ、光学ディスク(コンパクトディスク(CD)又はデジタル多用途ディスク(DVD)のような)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなどのような磁気、光学、磁気光学、又はソリッド・ステート・ストレージ媒体を含み得る。いくつかの実施例で、周辺ストレージユニット275は、ディスクアレイ(適切なRAID(Redundant Array of Independent Disks)構成であり得る)、又はストレージエリアネットワーク(SAN)のような、より複雑なストレージデバイス/システムを含み、周辺ストレージユニット275は、SCSI(Small Computer System Interface)インターフェース、ファイバチャネルインターフェース、ファイヤーワイヤー(登録商標)(IEEE1394)インターフェース、PCIe Express(登録商標)(Peripheral Component Interconnect Express)標準ベースのインターフェース、USB(Universal Serial Bus)プロトコルベースのインターフェース、又は他の適切なインターフェースのような標準的な周辺インターフェースを介してプロセッサ19に結合され得る。このような多様なストレージデバイスは、非一時的データ記憶媒体であり得る。
ディスプレイユニット277は出力装置の例であり得る。出力装置の他の例は、グラフィックス/ディスプレイ装置、コンピュータスクリーン、警告システム、CAD/CAM(Computer Aided Design/Computer Aided Machining)システム、ビデオゲームステーション、スマートフォンのディスプレイスクリーン、自動車のダッシュボードの搭載ディスプレイスクリーン、又は他の適切なタイプのデータ出力装置を含む。いくつかの実施例で、イメージングモジュール17のような入力装置(複数可)及びディスプレイユニット277のような出力装置(複数可)は、I/Oや周辺インターフェースを介してプロセッサ19と結合され得る。
一実施例で、ネットワークインターフェース278はプロセッサ19と通信し、システム15がネットワーク(図示せず)に結合される。他の実施例で、ネットワークインターフェース278は全くない可能性がある。ネットワークインターフェース278は、システムを無線又は有線でネットワークに連結するための適切な装置、媒体、及び/又はプロトコルのコンテンツを含み得る。多様な実施例で、ネットワークは、LAN(Local Area Networks)、WAN(Wide Area Networks)、有線若しくは無線イーサネット(登録商標)、無線通信ネットワーク、衛星リンク、又は他の適切なタイプのネットワークを含み得る。
システム15は、オン・ボードの電源供給ユニット280を含み、図30に示した多様なシステム構成要素に電気的電力を供給する。電源供給ユニット280は、バッテリを含み、AC電気電力アウトレット(outlet)、又は自動車ベースの電力アウトレットに連結され得る。一実施例で、電源供給ユニット280は、太陽エネルギーや他の再生可能なエネルギーを電力に変換することができる。
一実施例で、イメージングモジュール17は、例えばUSB(Universal Serial Bus)2.0又は3.0インターフェースのような、任意のパーソナルコンピュータ(PC)又はラップトップコンピュータに組み込まれる高速インターフェースに集積され得る。例えば、システムメモリ20又はCD/DVDのような周辺データストレージユニットのような、コンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体は、プログラムコード又はソフトウェアを格納することができる。イメージングモジュール17のプロセッサ19及び/又はピクセル処理ユニット46(図2)はプログラムコードを実行するように構成され、システム15は、図1〜〜図29を参照して上述したオペレーションのような、2Dイメージング(例えば、3Dオブジェクトのグレイスケールイメージ)、TOF及び距離測定、並びにピクセル特定の距離(又は範囲)の値を用いたオブジェクトの3Dイメージの生成を行うことができる。例えば、特定の実施例で、プログラムコードの実行に応じて、プロセッサ19及び/又はピクセル処理ユニット46は、図12の行デコーダ/ドライバ1203及び列デコーダ1204のような関連する回路構成要素を適切に構成(又は活性化)して、シャッター信号、RST信号、VTX信号、SEL信号などのような適切な入力信号をピクセルアレイ42のピクセル43に印加し、反射されたレーザーパルスから光をキャプチャーし、後続してTOF及び距離の測定に必要なピクセル特定値(P1、P2)のためにピクセル出力を処理する。プログラムコード又はソフトウェアは、プロセッサ19及び/又はピクセル処理ユニット46のような適切な処理エンティティで実行されることによって、処理エンティティが多様なピクセル特定のADCの出力(P1及びP2の値)を処理して距離の値を判定し、その結果を、例えばTOFベースの距離測定に基づいて、遠くにあるオブジェクトの3Dイメージを表示することを含む多様な形態で提示する登録ソフトウェア又はオープンソースのソフトウェアであり得る。特定の実施例で、イメージングモジュール17のピクセル処理ユニット46は、ピクセル出力データが追加の処理及び表示のためのプロセッサ19に伝送される前に、ピクセル出力の処理の一部を遂行することができる。他の実施例で、プロセッサ19は、またピクセル処理ユニット46の機能の一部又は全部を遂行することができる。この場合、ピクセル処理ユニット46はイメージングモジュール17の一部ではない可能性がある。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。