JP2020015693A - 尿素製造方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料アンモニアの予熱又は中圧分解工程における加熱を総括伝熱係数の低下を防ぎつつ比較的低い圧力で行うことのできる尿素製造方法および装置を提供する。
【解決手段】尿素合成液を生成する合成工程と、尿素合成液を加熱してアンモニアと二酸化炭素を含む混合ガスを尿素合成液から分離する高圧分解工程と、混合ガスを凝縮させる凝縮工程と、高圧分解工程で得られる中圧スチームコンデンセートを中低圧に減圧して中低圧スチームと中低圧スチームコンデンセートを生じさせる中低圧スチーム発生工程と、中圧分解工程及びアンモニア予熱工程のうちの一方又は両方とを含む尿素製造方法であって、中圧分解工程では中低圧スチームを加熱源として高圧分解工程より低い圧力で高圧分解工程で処理された後の尿素合成液を加熱し、アンモニア予熱工程では中低圧スチームを加熱源として合成工程に供給するアンモニアを加熱する。
【選択図】図2

Description

本発明は、アンモニアと二酸化炭素から尿素を製造する方法および装置に関する。
尿素製造方法は、典型的には、合成工程、高圧分解工程、凝縮工程を含む。合成工程では、アンモニア(NH)と二酸化炭素(CO)とから、尿素を生成させる。詳しくは、式(1)で示すように、アンモニア(NH)と二酸化炭素(CO)との反応により、アンモニウムカーバメイト(NHCOONH)が生成される。さらに、式(2)で示すように、アンモニウムカーバメイトの脱水反応により尿素(NHCONH)と水(HO)とが生成される。
2NH+CO → NHCOONH (1)
NHCOONH → NHCONH+HO (2)
いずれの反応も平衡反応であるが、(1)の反応に比べて、(2)の反応が遅く、律速となる。
高圧分解工程では、合成工程で得られた尿素合成液を加熱して、当該尿素合成液に含まれるアンモニウムカーバメイトをアンモニアと二酸化炭素に分解し、アンモニアと二酸化炭素を含む混合ガスと、より高濃度の尿素合成液を得る。凝縮工程では、高圧分解工程で得られた混合ガスを凝縮させる。高圧分解工程では、加熱源として中圧スチームが用いられる。
このような尿素製造方法に関して、特許文献1には、熱交換器において、原料アンモニアを、スチームコンデンセートで175℃に加熱することが開示される。特許文献2及び3には、高圧分解工程の加熱に使用した中圧スチームから生じる中圧スチームコンデンセートを、中圧分解工程の加熱源とする方法が開示される。中圧分解工程では、高圧分解工程から得られた尿素合成液に含まれるアンモニウムカーバメイトを、高圧分解工程より低い圧力下で、分解する。
特許文献4には、高圧分解工程で使用するストリッパーにおいて、ストリッパーの上段部の加熱に中圧スチームを利用し、下段部の加熱には、中圧スチームを駆動流体として低圧スチームをエジェクターによって昇圧して得られるスチームを利用することが開示される。
特開平10−182587号公報 英国特許出願公開第1542371号明細書 国際公開第03/064379号パンフレット 特開昭61−10547号公報
特許文献1において、原料アンモニアを加熱するために用いられるスチームコンデンセートは、高圧分解工程で中圧スチームから生じる中圧スチームコンデンセートであると解される。したがって、この文献には中圧スチームコンデンセートを、原料アンモニアの予熱に利用する方法が示唆される。また、前述のように、特許文献2及び3には、中圧スチームコンデンセートを、中圧分解工程の加熱源として利用する方法が開示される。
しかし、スチームコンデンセートを用いて別の流体を加熱する場合、スチームを用いる場合に比べて、総括伝熱係数が低くなる傾向がある。また、中圧スチームコンデンセートの圧力が高いため、中圧スチームコンデンセートによって別の流体を加熱するための機器と配管の設計圧力が高くなってしまう。
本発明の目的は、原料アンモニアの予熱もしくは中圧分解工程における加熱を、総括伝熱係数の低下を防ぎつつ、比較的低い圧力で行うことのできる尿素製造方法および装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、
アンモニアと二酸化炭素から尿素を合成し、尿素合成液を生成する合成工程と、
中圧スチームを加熱源として用いて、前記合成工程で生成した尿素合成液を加熱することによって、アンモニウムカーバメイトを分解し、かつアンモニアと二酸化炭素を含む混合ガスを前記尿素合成液から分離するとともに、中圧スチームコンデンセートを得る高圧分解工程と、
前記高圧分解工程で得られる前記混合ガスの少なくとも一部を吸収媒体に吸収させて凝縮させ、この凝縮の際に生じる熱を用いて低圧スチームを発生させる凝縮工程と、
前記高圧分解工程で得られる前記中圧スチームコンデンセートを、前記中圧スチームの圧力より低く、かつ前記低圧スチームの圧力より高い中低圧に減圧して、中低圧スチームおよび中低圧スチームコンデンセートを生じさせる第1の中低圧スチーム発生工程と、
中圧分解工程及びアンモニア予熱工程のうちの一方もしくは両方と、を含み、
前記中圧分解工程では、前記第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて、前記高圧分解工程より低い圧力において、前記高圧分解工程で処理された後の尿素合成液を加熱することによって、アンモニウムカーバメイトを分解し、かつアンモニアと二酸化炭素を含む混合ガスを尿素合成液から分離し、
前記アンモニア予熱工程では、前記第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて、前記合成工程に供給するアンモニアを加熱する、
尿素製造方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、
アンモニアと二酸化炭素から尿素を合成し、尿素合成液を生成するよう構成された合成器と、
中圧スチームを加熱源として用いて、前記合成器で生成した尿素合成液を加熱することによって、アンモニウムカーバメイトを分解し、かつアンモニアと二酸化炭素を含む混合ガスを尿素合成液から分離するとともに、中圧スチームコンデンセートを得るよう構成された高圧分解器と、
前記高圧分解器で得られる前記混合ガスの少なくとも一部を吸収媒体に吸収させて凝縮させ、この凝縮の際に生じる熱を用いて低圧スチームを発生させるよう構成された凝縮器と、
前記高圧分解器で得られる前記中圧スチームコンデンセートを、中圧スチームの圧力より低く、かつ低圧スチームの圧力より高い中低圧に減圧して、中低圧スチームおよび中低圧スチームコンデンセートを生じさせるよう構成された第1の中低圧スチーム発生器と、
中圧分解器及びアンモニア予熱器のうちの一方もしくは両方と、を含み、
前記中圧分解器は、前記第1の中低圧スチーム発生器で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて、前記高圧分解器より低い圧力において、前記高圧分解器で処理された後の尿素合成液を加熱することによって、アンモニウムカーバメイトを分解し、かつアンモニアと二酸化炭素を含む混合ガスを尿素合成液から分離するよう構成され、
前記アンモニア予熱器は、前記第1の中低圧スチーム発生器で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて、前記合成器に供給するアンモニアを加熱するよう構成された、
尿素製造装置が提供される。
本発明によれば、原料アンモニアの予熱もしくは中圧分解工程における加熱を、総括伝熱係数の低下を防ぎつつ、比較的低い圧力で行うことのできる尿素製造方法および装置が提供される。
中低圧スチームの製造と利用の例を説明するための模式図である。 尿素製造プラントの概略構成例を示すプロセスフローダイアグラムである。
本発明に係る尿素製造方法は、合成工程、高圧分解工程、凝縮工程、及び第1の中低圧スチーム発生工程、を含む。この尿素製造方法は、また、中圧分解工程及びアンモニア予熱工程のうちの一方もしくは両方を含み、特には中圧分解工程を含む。
〔合成工程〕
合成工程において、アンモニアと二酸化炭素から尿素を合成し、尿素合成液を生成する。合成工程において、後述する凝縮工程からの循環液に含まれるアンモニウムカーバメイトからも、尿素が合成される。
合成工程の運転圧力は一般的に130バール(絶対圧。以下においても同様)から250バール、好ましくは140バールから200バールであり、温度は一般的に160℃から200℃、好ましくは170℃から190℃である。
〔高圧分解工程〕
高圧分解工程では、中圧スチームを加熱源として用いて、合成工程で生成した尿素合成液を加熱する。これによって、合成工程から得られる尿素合成液に含まれるアンモニウムカーバメイトを分解し、アンモニアと二酸化炭素を含む混合ガスを尿素合成液から分離する。高圧分解工程から得られるこの混合ガスを、以下、「高圧分解出口ガス」と呼ぶことがある。また、加熱源として用いた中圧スチームが凝縮することによって、中圧スチームコンデンセートが生じる。
高圧分解工程における加熱には、高温の加熱媒体が必要である。当該加熱において、後述する凝縮工程で回収される低圧スチームでは温度が不十分であり、低圧スチームより圧力が高い中圧スチームが利用される。
中圧スチームの圧力は一般的に12バールから40バール、好ましくは14バールから25バールである。中圧スチームは、尿素製造プラント内でスチームタービンの背圧スチームとして適宜発生させる場合が多い。あるいは、尿素製造プラントの外部から供給することができる。
高圧分解工程の運転温度は一般的に150℃から220℃、好ましくは160℃から200℃である。
詳しくは、合成工程で得られた尿素合成液は、主に尿素、未反応アンモニア、未反応二酸化炭素、未反応アンモニウムカーバメイトおよび水からなる。この尿素合成液は、通常、合成工程の圧力と実質的にほぼ等しい圧力下で加熱され、これにより、未反応アンモニア、未反応二酸化炭素および未反応アンモニウムカーバメイトが、主にアンモニア、二酸化炭素および水からなる混合ガスとして分離される。
高圧分解工程として、加熱のみによる分解法を採用することができる。しかし、分解を促進するために、加熱に加えて、二酸化炭素ガスを供給して尿素合成液と接触させるストリッピング法を採用することもできる。
〔凝縮工程〕
凝縮工程では、高圧分解工程で得られる混合ガス(高圧分解出口ガス)の少なくとも一部を吸収媒体に吸収させて凝縮させる。この凝縮の際に生じる熱を用いて、低圧スチームを発生させる。
低圧スチームの圧力は一般的に3バールから9バール、より好ましくは5バールから7バールである。低圧スチームは、適宜の水、例えば低圧スチームコンデンセートを蒸発させて得ることができる。
吸収媒体としては、水(尿素、アンモニア、二酸化炭素及びアンモニウムカーバメイトを含んでいてもよい)など、尿素製造方法の分野で公知の吸収媒体を適宜使用できる。
凝縮工程で得られる液の温度は一般的に100℃から210℃、好ましくは160℃から190℃である。なお、尿素製造における高圧プロセス(合成工程、高圧分解工程及び凝縮工程を含む)には、圧力損失以外に圧力を減じるものが無いので(後述する循環のためにエジェクターによる昇圧は行う)、合成工程、高圧分解工程及び凝縮工程は、ほぼ同等の圧力となる。
詳しくは、高圧分解工程において分離された混合ガス(高圧分解出口ガス)は、凝縮工程に導入されて、水を含む吸収媒体と冷却下に接触し、この混合ガスが凝縮する。凝縮の際に、一部のアンモニアと二酸化炭素はアンモニウムカーバメイトとなり(上記式(1)参照)、凝縮温度を高く保つことによって尿素合成反応(上記式(2)参照)も進む。
凝縮工程で混合ガスが凝縮する際には高温で大量の熱を発生するが、この熱を有効活用するために熱回収を行う。熱回収の方法としては、高圧分解工程で処理された後の尿素合成液(未分離の未反応アンモニアおよび未反応二酸化炭素、未反応アンモニウムカーバメイトおよび水を含有する液)と、凝縮器の内部流体との熱交換による方法がある。あるいは、凝縮器の内部流体と温水(加圧水を用いる場合が多い)とを熱交換して、より高温となった温水を得る方法がある。しかし、多くの場合、凝縮器の内部流体とスチームコンデンセート(特には低圧スチームコンデンセート)とを熱交換して、低圧スチームを発生させる方法が採用される。あるいは、この方法に前述の2つの方法の少なくとも一方を組み合わせることもできる。
凝縮器の内部流体とスチームコンデンセートとの熱交換のために、縦型もしくは横型のシェル&チューブ型の熱交換器を採用できる。チューブ側で混合ガスを凝縮する方法も採用できるが、凝縮工程の滞留時間を、凝縮と反応のために長くとることができるように、シェル側で混合ガスを凝縮する方法を採用することもできる。
なお、凝縮工程で凝縮しなかったガスは、冷却しながら吸収媒体に吸収させることによって、凝縮液として回収することができる。この凝縮液を、再度高圧プロセス(合成工程、高圧分解工程及び凝縮工程を含む)、通常は凝縮工程に返送することによって、未反応アンモニアおよび未反応二酸化炭素を回収できる。吸収媒体としては、水(尿素、アンモニア、二酸化炭素及びアンモニウムカーバメイトを含んでいてもよい)など、尿素製造方法の分野で公知の吸収媒体を適宜使用できる。
〔循環〕
凝縮工程で得られた凝縮液が再度合成工程に送られて、未反応アンモニアと未反応二酸化炭素が循環する構造を採用することができる。凝縮工程で得られた凝縮液を循環させる方法としては下方に合成器(合成工程を行う)を配置し、その上方に凝縮器(凝縮工程を行う)を設置して、重力を用いて凝縮液を循環させる方法がある。また、別の循環方法として、合成器もしくは凝縮器に供給するアンモニアを駆動流体として、凝縮工程で得られた凝縮液をエジェクターによって昇圧して循環させる方法がある。また、重力を用いて循環する方法とエジェクターを用いて循環する方法を組み合わせてもよい。
〔第1の中低圧スチーム発生工程〕
第1の中低圧スチーム発生工程では、高圧分解工程で得られる中圧スチームコンデンセートを、中低圧に減圧して、中低圧スチームと中低圧スチームコンデンセートを生じさせる。中低圧とは、中圧スチームの圧力より低く、かつ低圧スチームの圧力より高い圧力を意味する。この減圧のために、適宜、減圧弁を用いることができ、発生する中低圧スチームと中低圧スチームコンデンセートを分離するために気液分離器を用いることができる。
中低圧スチームの圧力は例えば7バールから18バール、好ましくは8バールから12バールである。
〔中圧分解工程〕
中圧分解工程では、第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて、高圧分解工程より低い圧力において、高圧分解工程で処理された後の尿素合成液を加熱する。これによって、高圧分解工程で処理された後の尿素合成液に含まれるアンモニウムカーバメイトを分解する。中圧分解工程から、アンモニア及び二酸化炭素を含む混合ガス(以下、「中圧分解出口ガス」ということがある)と、アンモニウムカーバメイト濃度がさらに低下した尿素合成液が得られる。
詳しくは、高圧分解工程で処理された後の尿素合成液(未分離の未反応アンモニアおよび未反応二酸化炭素、未反応アンモニウムカーバメイトおよび水を含有する液)に対して減圧と加熱の処理を行うことによって、未反応アンモニア、未反応二酸化炭素、未反応アンモニウムカーバメイトおよび水を、主にアンモニア、二酸化炭素および水からなる混合ガスとして分離する。
中圧分解出口ガス(後述のように、減圧と加熱による処理を複数段階行う場合、それぞれの段階から得られるアンモニア及び二酸化炭素を含む混合ガス)は、冷却しながら吸収媒体に吸収させることによって、凝縮液として回収することができる。この凝縮液を、再度高圧プロセス、通常は凝縮工程に返送することによって、未反応アンモニアおよび未反応二酸化炭素を回収できる。吸収媒体としては、水(尿素、アンモニア、二酸化炭素及びアンモニウムカーバメイトを含んでいてもよい)など、尿素製造方法の分野で公知の吸収媒体を適宜使用できる。
高圧分解工程で処理された後の尿素合成液を可能な限り減圧したほうが、未分離の未反応アンモニア、未反応二酸化炭素、未反応アンモニウムカーバメイトおよび水を、混合ガスとして分離しやすい。一方、当該混合ガスを冷却しながら吸収媒体に吸収させ、凝縮液として回収し、再度高圧の凝縮工程に返送するためには、この尿素合成液は可能な限り高圧である方が有利である。そのため、高圧分解工程で処理された後の尿素合成液に対して、減圧と加熱による処理を複数段階に分けて行うことで、効率的に未反応アンモニア、未反応二酸化炭素、未反応アンモニウムカーバメイトおよび水の含有量を減らし、高濃度の製品尿素を得ることが好ましい。すなわち、中圧分解工程の後に、中圧分解工程より低い圧力(ただし大気圧以上)において、中圧分解工程で処理された後の尿素合成液を加熱することが好ましい。
なお、中圧分解工程は、高圧分解工程で処理された直後の尿素合成液(未分離の未反応アンモニアおよび未反応二酸化炭素、未反応アンモニウムカーバメイトおよび水を含有する)を、高圧分解工程より低い圧力で加熱して混合ガスとして分離する工程である。ただし、前述のように、高圧分解工程で処理された直後の尿素合成液と、凝縮器の内部流体との熱交換によって、凝縮工程で熱回収する場合がある。この場合は、当該熱回収によって加熱された後の尿素合成液を、高圧分解工程より低い圧力で加熱して混合ガスを分離する工程が、中圧分解工程に該当する。
中圧分解工程の運転圧力は、減圧と加熱による処理を何段階行うかにもよるが、例えば、2段階(中圧分解工程と低圧分解工程)の場合、一般的に3バールから130バール、好ましくは6バールから70バール、より好ましくは10バールから20バールである。中圧分解工程の運転温度は運転圧力にもよるが、一般的に100℃から180℃、好ましくは130℃から160℃程度である。
中圧分解工程から得られる尿素合成液(減圧と加熱による処理を複数段階行う場合、最後の段階から得られる尿素合成液)は、濃縮工程に送ることができる。濃縮工程では、真空下で加熱を行うことにより、尿素合成液に含まれる水の含有量を減らす。濃縮工程から得られる尿素を製品尿素とすることができ、あるいは濃縮工程に続いて造粒工程を行い、粒状の製品尿素を得ることもできる。
中圧分解工程を行う中圧分解器は、中低圧スチームとプロセス流体(尿素合成液)との熱交換構造を有することができる。また、プロセス流体(尿素合成液)の流れを基準として、中圧分解器の上流に、減圧を行うための減圧弁を配することができる。
〔アンモニア予熱工程〕
アンモニア予熱工程では、第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて、合成工程に供給するアンモニアを加熱する。合成工程の温度が高いほど、アンモニウムカーバメイトから尿素への平衡合成率が高くまた転化速度も速くなり、同じ滞留時間においては転化率が高くなる。その結果、未反応物のアンモニウムカーバメイトを分解するために必要なスチーム量が少なくなる。合成工程の温度を高める方法として、合成工程に供給する原料アンモニアの温度を高める方法が効果的である。
アンモニア予熱工程には、適宜の熱交換器(アンモニアと、中低圧スチームとの間の熱交換を行う)を用いることができる。
〔第2の中低圧スチーム発生工程〕
中圧スチームを駆動流体として、低圧スチームをエジェクターによって昇圧することにより、圧力が中圧スチームの圧力より低くかつ低圧スチームの圧力より高い、中低圧スチームを生じさせる、第2の中低圧スチーム発生工程を行うことができる。この工程を行うために、エジェクターを用いる。この工程では、中圧スチームよりも高圧である高圧スチームを駆動流体として、低圧スチームをエジェクターによって昇圧することにより、中低圧スチームを生じさせてもよい。また、中圧スチームを駆動流体とするエジェクターと高圧スチームを駆動流体とするエジェクターを併用してもよい。なお、高圧スチームとは例えばスチームタービンに供給するスチームである。この工程により、低圧スチームを有効活用しながら、低圧スチームより高温の加熱源を増やすことができる。
中圧分解工程およびアンモニア予熱工程のうちの一方もしくは両方において、第2の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いることができる。
第2の中低圧スチーム発生工程で得た中低圧スチームは、第1の中低圧スチーム発生工程で得た中低圧スチームと、同程度もしくは同じ圧力を有することができる。第2の中低圧スチーム発生工程で得た中低圧スチームは、第1の中低圧スチーム発生工程で得た中低圧スチームと、適宜混合してよい。
〔高圧分解工程における中低圧スチームによる加熱〕
高圧分解工程において、合成工程で生成した尿素合成液を、中圧スチームを加熱源として用いて加熱した後に、中低圧スチームを加熱源として用いて加熱することができる。この目的で用いる中低圧スチームとして、第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を用いることができる。また、この目的で用いる中低圧スチームとして、第2の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を用いることができる。
例えば、高圧分解器(典型的にはストリッパー)における加熱部分を、プロセス流体(尿素合成液)の流れを基準として上流側部と下流側部に分け、上流側部の加熱には中圧スチームを利用し、下流側部の加熱には中低圧スチームを利用することができる。これにより、中低圧スチームの有効活用を図ることができ、また、総合的な中圧スチームの消費量、尿素の加水分解、ビューレット生成を低減できる。
〔中低圧スチームコンデンセートの利用〕
中低圧スチームを加熱源として消費した際には、中低圧スチームが凝縮して、中低圧スチームコンデンセートが発生する。また、前述のように、第1の中低圧スチーム発生工程で中低圧スチームコンデンセートが発生する。中低圧スチームコンデンセートを、中圧分解工程及びアンモニア予熱工程のうちの一方もしくは両方において、加熱源として用いることができる。この目的で用いる中低圧スチームコンデンセートとして、第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームが凝縮した中低圧スチームコンデンセートの少なくとも一部を用いることができる。また、この目的で用いる中低圧スチームコンデンセートとして、第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームコンデンセートの少なくとも一部を用いることができる。また、この目的で用いる中低圧スチームコンデンセートとして、第2の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームが凝縮した中低圧スチームコンデンセートの少なくとも一部を用いることができる。
このように、中低圧スチームコンデンセートを中圧分解工程または/およびアンモニア予熱工程の加熱源として有効活用してもよい。したがって、中圧分解器が、プロセス流体と中低圧スチームコンデンセートとの熱交換構造を有することができる。また、原料アンモニアと中低圧スチームコンデンセートとの間の熱交換を行う適宜の熱交換器を用いることができる。あるいは、中低圧スチームコンデンセートをそのまま低圧まで減圧して、低圧スチームを発生させてもよい。
なお、原料アンモニアや中圧分解工程のプロセス流体などの流体を加熱する場合、例えば、低圧スチームによる加熱、中低圧スチームコンデンセートによる加熱、中低圧スチームによる加熱の順で、加熱することができる。
〔その他〕
凝縮工程でも尿素合成反応は進行するため、凝縮工程と合成工程を単一の圧力容器の中で行うことができる。つまり、凝縮器と合成器とが一体化された単一の圧力容器を用いることができる。
中低圧スチームによる原料アンモニアの予熱に先だって、原料アンモニアを、低圧スチームによって予熱することができる。
本発明によれば、スチームを加熱源に使うので、スチームコンデンセートを用いる場合と比べて、総括伝熱係数が高くなる。また、中圧スチームコンデンセートに比べて、中低圧スチームの圧力が低いため、機器と配管の設計圧を低くでき、機器費が削減出来る。さらに、中圧スチームコンデンセートに比べ、中低圧スチームは中圧分解工程、アンモニア予熱工程、高圧分解工程等の、複数の工程における加熱のために分配しやすい(熱の分配に関して、設計および運転の柔軟性が高い)。
〔プロセス例〕
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されない。
図1に、尿素製造プロセスの一例における中低圧スチームの製造と利用の形態を模式的に示す。図において、「MP STM」は中圧スチームを、「MLP STM」は中低圧スチームを、「LP STM」は低圧スチームを、「MP SC」は中圧スチームコンデンセートを、「MLP SC」は中低圧スチームコンデンセートを、「LP SC(図2に示される)」は低圧スチームコンデンセートを、それぞれ意味する。
中圧スチームがライン1、2を経て、高圧分解器の中圧スチームによる加熱部A1に供給される。この中圧スチームは、加熱部A1において加熱源として利用されて凝縮し、中圧スチームコンデンセートとなる(ライン3)。この中圧スチームコンデンセートが、第1の中低圧スチーム発生器Fに供給される。第1の中低圧スチーム発生器Fは、典型的には減圧弁を備え、さらに気液分離器(ベッセル)を備えることができる。第1の中低圧スチーム発生器Fにおいて、中圧スチームコンデンセートが減圧されて、中低圧スチームが生じるが、このとき液相(中低圧スチームコンデンセート)が生じてもよい。図1に示す形態では、中低圧スチームがライン4から抜き出され、また、中低圧スチームコンデンセートがライン9から抜き出される。
中低圧スチームは、ライン5、6、7及び8をそれぞれ経て、高圧分解器の中低圧スチームによる加熱部A2、中圧分解器の中低圧スチームによる加熱部C2、アンモニア予熱器(中低圧スチームによる加熱)E、及び中低圧スチームを消費するその他の機器D2に供給され、加熱源として利用される。
ライン9の中低圧スチームコンデンセートは、例えば減圧弁によって減圧され、低圧スチームと低圧スチームコンデンセートが発生する。これらは気液分離器で分離される。この低圧スチームコンデンセートは凝縮器Bで加熱され(凝縮熱の回収に利用され)、低圧スチームとなる。ただし、これら減圧弁および気液分離器は図1に示していない。図1においては、これら減圧弁および気液分離器は、凝縮器Bを示すブロックに含まれていると理解されたい。
低圧スチームは凝縮器Bからライン10を経て抜き出され、ライン11及び12をそれぞれ経て、中圧分解器の低圧スチームによる加熱部C1、及び低圧スチームを消費するその他の機器D1に供給されて、それぞれ加熱源として利用される。また、ライン10からの低圧スチームは、ライン13を経て、第2の中低圧スチーム発生器(エジェクター)Gに供給される。
エジェクターGは、ライン14からの中圧スチームによって駆動され、低圧スチーム(ライン13)が昇圧されて、中低圧スチーム(ライン15)が生じる。ライン15からの中低圧スチームは、ライン4からの中低圧スチームと混合される。
図2は、尿素製造プロセスの概略構成例を示すプロセスフローダイアグラムである。不図示のポンプにより適宜昇圧された原料アンモニアが、ライン101、102及びライン103を経て、合成器Hに供給される。原料二酸化炭素がライン104、105を経て合成器Hに供給される。原料アンモニアを、アンモニア予熱器Eにおいて、中低圧スチームとの熱交換によって加熱し、その後エジェクターIの駆動流体として利用することができる。合成器Hから、尿素合成液がライン110を経て、高圧分解器Aに送られる。
高圧分解器Aでは、尿素合成液が、まず中圧スチームによる加熱部A1において加熱され、その後、中低圧スチームによる加熱部A2において加熱される。高圧分解器Aは、プロセス流体(尿素合成液)の流れを基準として、上流側に、中圧スチームとプロセス流体との熱交換構造(加熱部A1)を有し、下流側に、中低圧スチームとプロセス流体との熱交換構造(加熱部A2)を有する。高圧分解器Aの底部には、ライン106から二酸化炭素がストリッピングガスとして供給される。
高圧分解器Aから、ライン112を経て、高圧分解出口ガスが凝縮器Bに供給される。また、高圧分解出口ガスが分離された尿素合成液が、ライン111を経て、減圧弁Jで減圧され、ライン112を経て、中圧分解器Cに供給される。
凝縮器Bに供給された高圧分解出口ガスは、ライン120から供給される吸収液(吸収媒体)によって吸収されて凝縮する。得られた凝縮液はライン121を経て、エジェクターIで昇圧され、ライン103から合成器Hに循環される。凝縮しなかったガス(凝縮器出口ガス)は、ライン122から抜き出され、減圧弁Kで減圧される。凝縮器Bには、冷却源として低圧スチームコンデンセートが供給される。低圧スチームコンデンセートが、凝縮器Bの内部流体(プロセス流体)によって加熱されて、低圧スチームが発生する。
ライン112から中圧分解器Cに供給された尿素合成液(気液二相流でもよい)は、まず低圧スチームによる加熱部C1で加熱され、その後、中低圧スチームによる加熱部C2で加熱される。中圧分解器Cは、プロセス流体(尿素合成液)の流れを基準として、上流側に、低圧スチームとプロセス流体との熱交換構造(加熱部C1)を有し、下流側に、中低圧スチームとプロセス流体との熱交換構造(加熱部C2)を有する。
中圧分解出口ガスがライン132から抜き出され、中圧分解出口ガスが分離された尿素合成液がライン131から抜き出される。
中圧分解出口ガス(ライン132)を、減圧弁Kで減圧された凝縮器出口ガス(ライン122)と混合し、混合ガス(ライン133)を得ることができる。この混合ガスを、冷却しながら吸収媒体に吸収させること(不図示)によって、凝縮液として回収することができる。吸収媒体としては、水(尿素、アンモニア、二酸化炭素及びアンモニウムカーバメイトを含んでいてもよい)など、尿素製造方法の分野で公知の吸収媒体を適宜使用できる。
このように回収した凝縮液を、適宜昇圧して、凝縮工程において吸収媒体として利用することができる。また、中圧分解ガスが分離された尿素合成液(ライン131)は、不図示の濃縮工程に送ることができる。濃縮工程から製品尿素を得るか、あるいは濃縮工程から造粒工程を経て粒状の製品尿素を得ることができる。
MP STM :中圧スチーム
MLP STM:中低圧スチーム
LP STM :低圧スチーム
MP SC :中圧スチームコンデンセート
MLP SC :中低圧スチームコンデンセート
LP SC :低圧スチームコンデンセート
A :高圧分解器
A1:高圧分解器の中圧スチームによる加熱部
A2:高圧分解器の中低圧スチームによる加熱部
B :凝縮器
C :中圧分解器
C1:中圧分解器の低圧スチームによる加熱部
C2:中圧分解器の中低圧スチームによる加熱部
D1:低圧スチームを消費するその他の機器
D2:中低圧スチームを消費するその他の機器
E :アンモニア予熱器(中低圧スチームによる加熱)
F :第1の中低圧スチーム発生器(中圧スチームコンデンセートの減圧)
G :第2の中低圧スチーム発生器(エジェクター)
H :合成器
I :エジェクター(循環用)

Claims (18)

  1. アンモニアと二酸化炭素から尿素を合成し、尿素合成液を生成する合成工程と、
    中圧スチームを加熱源として用いて、前記合成工程で生成した尿素合成液を加熱することによって、アンモニウムカーバメイトを分解し、かつアンモニアと二酸化炭素を含む混合ガスを前記尿素合成液から分離するとともに、中圧スチームコンデンセートを得る高圧分解工程と、
    前記高圧分解工程で得られる前記混合ガスの少なくとも一部を吸収媒体に吸収させて凝縮させ、この凝縮の際に生じる熱を用いて低圧スチームを発生させる凝縮工程と、
    前記高圧分解工程で得られる前記中圧スチームコンデンセートを、前記中圧スチームの圧力より低く、かつ前記低圧スチームの圧力より高い中低圧に減圧して、中低圧スチームおよび中低圧スチームコンデンセートを生じさせる第1の中低圧スチーム発生工程と、
    中圧分解工程及びアンモニア予熱工程のうちの一方もしくは両方と、を含み、
    前記中圧分解工程では、前記第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて、前記高圧分解工程より低い圧力において、前記高圧分解工程で処理された後の尿素合成液を加熱することによって、アンモニウムカーバメイトを分解し、かつアンモニアと二酸化炭素を含む混合ガスを尿素合成液から分離し、
    前記アンモニア予熱工程では、前記第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて、前記合成工程に供給するアンモニアを加熱する、
    尿素製造方法。
  2. 前記高圧分解工程において、前記合成工程で生成した尿素合成液を、中圧スチームを加熱源として用いて加熱した後に、前記第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて加熱する、請求項1に記載の尿素製造方法。
  3. 前記中圧分解工程及び前記アンモニア予熱工程のうちの一方もしくは両方において、
    前記第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームが凝縮した中低圧スチームコンデンセートおよび前記第1の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームコンデンセートのうちの一方もしくは両方の中低圧スチームコンデンセートの少なくとも一部を加熱源として用いる、請求項1または2に記載の尿素製造方法。
  4. 圧力が中圧スチームの圧力より低くかつ低圧スチームの圧力より高い、中低圧スチームを生じさせる、第2の中低圧スチーム発生工程を含み、
    前記第2の中低圧スチーム発生工程が、
    中圧スチームを駆動流体として、低圧スチームをエジェクターによって昇圧すること、および、
    高圧スチームを駆動流体として、低圧スチームをエジェクターによって昇圧すること
    の一方もしくは両方を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の尿素製造方法。
  5. 前記中圧分解工程及び前記アンモニア予熱工程のうちの一方もしくは両方において、前記第2の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いる、請求項4に記載の尿素製造方法。
  6. 前記高圧分解工程において、前記合成工程で生成した尿素合成液を、中圧スチームを加熱源として用いて加熱した後に、前記第2の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて加熱する、請求項4または5に記載の尿素製造方法。
  7. 前記中圧分解工程及び前記アンモニア予熱工程のうちの一方もしくは両方において、前記第2の中低圧スチーム発生工程で生じた中低圧スチームが凝縮した中低圧スチームコンデンセートの少なくとも一部を加熱源として用いる、請求項4〜6のいずれか一項に記載の尿素製造方法。
  8. 前記合成工程と前記凝縮工程を単一の圧力容器の中で行う、請求項1〜7のいずれか一項に記載の尿素製造方法。
  9. 前記中圧分解工程を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の尿素製造方法。
  10. アンモニアと二酸化炭素から尿素を合成し、尿素合成液を生成するよう構成された合成器と、
    中圧スチームを加熱源として用いて、前記合成器で生成した尿素合成液を加熱することによって、アンモニウムカーバメイトを分解し、かつアンモニアと二酸化炭素を含む混合ガスを尿素合成液から分離するとともに、中圧スチームコンデンセートを得るよう構成された高圧分解器と、
    前記高圧分解器で得られる前記混合ガスの少なくとも一部を吸収媒体に吸収させて凝縮させ、この凝縮の際に生じる熱を用いて低圧スチームを発生させるよう構成された凝縮器と、
    前記高圧分解器で得られる前記中圧スチームコンデンセートを、中圧スチームの圧力より低く、かつ低圧スチームの圧力より高い中低圧に減圧して、中低圧スチームおよび中低圧スチームコンデンセートを生じさせるよう構成された第1の中低圧スチーム発生器と、
    中圧分解器及びアンモニア予熱器のうちの一方もしくは両方と、を含み、
    前記中圧分解器は、前記第1の中低圧スチーム発生器で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて、前記高圧分解器より低い圧力において、前記高圧分解器で処理された後の尿素合成液を加熱することによって、アンモニウムカーバメイトを分解し、かつアンモニアと二酸化炭素を含む混合ガスを尿素合成液から分離するよう構成され、
    前記アンモニア予熱器は、前記第1の中低圧スチーム発生器で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて、前記合成器に供給するアンモニアを加熱するよう構成された、
    尿素製造装置。
  11. 前記高圧分解器が、前記合成器で生成した尿素合成液を、中圧スチームを加熱源として用いて加熱した後に、前記第1の中低圧スチーム発生器で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて加熱するよう構成された、請求項10に記載の尿素製造装置。
  12. 前記中圧分解器及び前記アンモニア予熱器のうちの一方もしくは両方が、
    前記第1の中低圧スチーム発生器で生じた中低圧スチームが凝縮した中低圧スチームコンデンセートおよび前記第1の中低圧スチーム発生器で生じた中低圧スチームコンデンセートのうちの一方もしくは両方の中低圧スチームコンデンセートの少なくとも一部を加熱源として用いるよう構成された、請求項10または11に記載の尿素製造装置。
  13. 圧力が中圧スチームの圧力より低くかつ低圧スチームの圧力より高い、中低圧スチームを生じさせるよう構成された、第2の中低圧スチーム発生器を含み、
    前記第2の中低圧スチーム発生器が、
    中圧スチームを駆動流体として低圧スチームを昇圧するエジェクター、および、
    高圧スチームを駆動流体として低圧スチームを昇圧するエジェクター
    の一方もしくは両方を含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の尿素製造装置。
  14. 前記中圧分解器及び前記アンモニア予熱器のうちの一方もしくは両方が、前記第2の中低圧スチーム発生器で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いるよう構成された、請求項13に記載の尿素製造装置。
  15. 前記高圧分解器が、前記合成器で生成した尿素合成液を、中圧スチームを加熱源として用いて加熱した後に、前記第2の中低圧スチーム発生器で生じた中低圧スチームの少なくとも一部を加熱源として用いて加熱するよう構成された、請求項13または14に記載の尿素製造装置。
  16. 前記中圧分解器及び前記アンモニア予熱器のうちの一方もしくは両方が、前記第2の中低圧スチーム発生器で生じた中低圧スチームが凝縮した中低圧スチームコンデンセートの少なくとも一部を加熱源として用いるよう構成された、請求項13〜15のいずれか一項に記載の尿素製造装置。
  17. 前記合成器と前記凝縮器が一体化された単一の圧力容器を備える、請求項10〜16のいずれか一項に記載の尿素製造装置。
  18. 前記中圧分解器を含む、請求項10〜17のいずれか一項に記載の尿素製造装置。
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