JP2020015647A - 塗床形成用セメント組成物及びポリオール組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、脂肪族ポリイソシアネートを含有する塗床形成用セメント組成物を用いた場合、硬度が十分ではない硬化皮膜が得られることがあり、塗床形成用セメント組成物の構成成分を改良する必要があった。
本発明の目的は、高硬度であり、耐候性(黄変抑制性)に優れた硬化皮膜からなる塗床の形成に好適な塗床形成用セメント組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、上記性質を高度に発揮する塗床形成用セメント組成物を与えるポリオール組成物を提供することである。
1.被塗床面に塗床を形成するための塗床形成用セメント組成物であって、(A)水に不溶なポリオール、(B)水に可溶なポリオール、(C)ポリイソシアネート、(D)水硬性セメント、及び、(E)水を含有し、上記ポリオール(A)は、エステル結合を有する化合物を含み、上記ポリオール(B)は、3以上のヒドロキシ基を有する化合物を含み、上記ポリイソシアネート(C)は、下記計算式により求められる有効NCO%が18%以上の脂肪族化合物を含むことを特徴とする塗床形成用セメント組成物。
3.上記ポリイソシアネート(C)の含有割合が、上記ポリオール(A)及び上記ポリオール(B)の合計を100質量部とした場合に、80〜1000質量部である上記項1又は2に記載の塗床形成用セメント組成物。
4.上記水硬性セメント(D)の含有割合が、上記水(E)を100質量部とした場合に、100〜6000質量部である上記項1乃至3のいずれか一項に記載の塗床形成用セメント組成物。
5.更に、可塑剤を含有する上記項1乃至4のいずれか一項に記載の塗床形成用セメント組成物。
6.更に、スズ化合物からなる触媒を含有する上記項1乃至5のいずれか一項に記載の塗床形成用セメント組成物。
7.ポリイソシアネート及び水硬性セメントとともに混合され、被塗床面に塗床を形成するための塗床形成用セメント組成物の製造に用いられるポリオール組成物であって、(X)水に不溶なポリオール、(Y)水に可溶なポリオール、及び、(Z)水を含有し、上記ポリオール(X)は、エステル結合を有する芳香族化合物であり、上記ポリオール(Y)は、3以上のヒドロキシ基を有する化合物であることを特徴とするポリオール組成物。
また、本発明のポリオール組成物は、ポリオール(X)として、エステル結合を有する芳香族化合物を含有することから、脂肪族化合物又は脂環式化合物からなるポリオールを含有する組成物を用いた場合に比べて、より高硬度の硬化皮膜からなる塗床の形成に好適な塗床形成用セメント組成物を製造する原料として、有用である。
上記飽和脂肪酸としては、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸、ドコサン酸、テトラコサン酸、ヘキサコサン酸、オクタコサン酸、トリアコンタン酸等の、ヒドロキシ基を有さない飽和脂肪酸;C8H16O3(2−ヒドロキシオクタン酸等)、C10H20O3(2−ヒドロキシデカン酸等)、C11H22O3(4−ヒドロキシウンデカン酸等)、C12H24O3、C13H26O3(2−ヒドロキシトリデカン酸等)、C14H28O3(2−ヒドロキシテトラデカン酸等)、C15H30O3(15−ヒドロキシペンタデカン酸等)C16H32O3(2−ヒドロキシヘキサデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸等)、C17H34O3、C18H36O3(12−ヒドロキシオクタデカン酸等)、C18H36O4(9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸等)、C19H38O3、C20H40O3等の、ヒドロキシ基を含む飽和脂肪酸等が挙げられる。
上記不飽和脂肪酸は、好ましくは、炭素−炭素二重結合を1〜3つ含む化合物であり、オクテン酸、デセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸(オレイン酸等)、オクタデカジエン酸(リノール酸等)、オクタデカトリエン酸(リノレン酸等)等の、ヒドロキシ基を有さない不飽和脂肪酸;C8H14O3、C10H18O3、C11H20O3、C12H22O3、C13H24O3、C14H26O3、C15H28O3、C16H30O3、C17H32O3、C18H32O3(9−ヒドロキシ−9,12−オクタデカジエン酸等)、C18H34O3(12−ヒドロキシ−9−ヘキサデセン酸等)、C19H36O3、C20H38O3等の、ヒドロキシ基を含む不飽和脂肪酸等が挙げられる。
上記ヒドロキシ基含有化合物としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,9,9−テトラメチル−1,10−デカンジオール、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、2,3,4−ヘキサントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタテトロール、2,3,4,5−ヘキサテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン、アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族化合物;1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4−ジシクロヘキシルジメチルメタンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,4−ジヒドロキシエチルシクロヘキサン、イソソルビド、スピログリコール、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン、4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキサノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2,2’−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン)等の脂環式化合物;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ−2−メチル)フェニル)フルオレン、ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族化合物が挙げられる。
上記ヒドロキシ基含有化合物が、例えば、グリセリンの場合、エステル化物(A1−1)は、モノグリセリドとすることができ、エステル化物(A1−2)は、ジグリセリド又はトリグリセリドとすることができる。
また、上記ヒドロキシ基含有化合物が、芳香族化合物である場合、得られるエステル化物も芳香族化合物となるが、上記ヒドロキシ基含有化合物が、脂肪族化合物である場合に比べて、高硬度の硬化皮膜を得ることができる。
上記ポリオール(A1−X)は、好ましくは、下記一般式(1)で表される化合物である。
上記一般式(2)で表される化合物としては、R11及びR13が、炭素原子数がいずれも2又は3であるか、あるいは、一方の炭化水素基の炭素原子数2であり、他方の炭化水素基の炭素原子数が3である炭化水素基どうしであり、R14が、炭素原子数2〜20の2価の不飽和炭化水素基である化合物が特に好ましい。
本発明の塗床形成用セメント組成物に含まれるポリオール(B1)は、1種のみであってよいし、2種以上であってもよい。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(LDI)及びリジントリイソシアネート(LTI)や、これらの化合物のビウレット体、イソシアヌレート体又はアダクト体等が挙げられる。
本発明の塗床形成用セメント組成物に含まれる脂肪族ポリイソシアネートは、1種のみであってよいし、2種以上であってもよい。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基どうしの間に構成される2価の炭化水素基の炭素原子数が2〜6であるポリイソシアネートのビウレット体又はイソシアヌレート体が好ましい。
上記水硬性セメント(D)としては、ホワイトセメント、ポルトランドセメント、アルミナセメント等が挙げられる。これらの水硬性セメントは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記骨材としては、無機系骨材及び有機系骨材のいずれを用いてもよい。無機系骨材としては、川砂、珪砂等の天然珪酸質、ガラス、セラミックス、電融アルミナ、炭化珪素、消石灰、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク等の無機材料や、ガラスバルーン、シラスバルーン等の無機系中空材料等からなる微粉が挙げられる。また、有機系骨材としては、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、尿素・ホルムアルデヒドポリマー、フェノール・ホルムアルデヒドポリマー、メラミン・ホルムアルデヒドポリマー、アセタールポリマー及びコポリマー、アクリル酸ポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンターポリマー、酢酸セルロース、セルロース酢酸酪酸エステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる微粉等が挙げられる。
上記トリメリテート系可塑剤としては、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、ジ−n−オクチル−n−デシルトリメリレート等が挙げられる。
上記クエン酸エステル系可塑剤としては、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレート、プロペニルトリブチルシトレート等が挙げられる。
上記グリコールエステル系可塑剤としては、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリプロピレングリコールジベンゾエート等が挙げられる。
上記スルホン酸エステル系可塑剤としては、デカンスルホン酸フェニルエステル、ウンデカンスルホン酸フェニルエステル、ドデカンスルホン酸フェニルエステル、トリデカンスルホン酸フェニルエステル、テトラデカンスルホン酸フェニルエステル、ペンタデカンスルホン酸フェニルエステル、ペンタデカンスルホン酸クレジルエステル、ヘキサデカンスルホン酸フェニルエステル、ヘプタデカンスルホン酸フェニルエステル、オクタデカンスルホン酸フェニルエステル、ノナデカンスルホン酸フェニルエステル、イコサンデシルスルホン酸フェニルエステル等が挙げられる。
上記エポキシ系可塑剤としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化綿実油、液状エポキシ樹脂、エポキシ化脂肪酸オクチルエステル、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル等が挙げられる。
上記触媒としては、有機金属系触媒及びアミン系触媒のいずれを用いてもよい。有機金属系触媒としては、オクチル酸スズ、オレイン酸スズ、ラウリン酸スズ、ジブチル錫ジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジクロライド等のスズ化合物;オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛化合物;オクチル酸ビスマス等のビスマス化合物等が挙げられる。また、アミン系触媒としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等が挙げられる。上記触媒としては、有機金属系触媒が好ましく、スズ化合物が特に好ましい。
本発明の塗床形成用セメント組成物を製造する場合、上記必須成分を原料として用いてよいし、必須成分と、他の原料とからなる混合物を、原料として用いてもよい。例えば、ポリオール(A)を含有させるために、植物に由来する、混合物からなる油を、エステル化、エポキシエステル化 エーテル化等に供して得られた変性油であって、ポリオール(A)を含む変性油を用いてもよい。
本発明のポリオール組成物の性状は、通常、水(Z)にポリオール(Y)が溶解されてなる水溶液の中に、ポリオール(X)が分散した液体であることが好ましい。必要に応じて配合された他の成分は、上記水溶液に、溶解していたり分散していたりすることができる。
本発明のポリオール組成物に含有されるポリオール(X)は、1種のみであってよいし、2種以上であってもよい。
本発明のポリオール組成物に含有されるポリオール(Y)は、1種のみであってよいし、2種以上であってもよい。
本発明のポリオール組成物を用いて、上記本発明の塗床形成用セメント組成物を製造する方法は、特に限定されない。好ましい製造方法は、ポリオール組成物と、ポリイソシアネートと、触媒と、水硬性セメントとを混合する方法である。ポリイソシアネート及び水硬性セメントは、上記本発明の塗床形成用セメント組成物を構成するポリイソシアネート(C)及び水硬性セメント(D)を、それぞれ、適用することができる。また、触媒は、上記例示したとおりである。
上記好ましい製造方法において用いられるポリオール組成物に含まれるポリオール(X)及び(Y)の含有割合は、上記本発明の塗床形成用セメント組成物を構成するポリオール(A)及び(B)の含有割合と同一であっても、異なってもよい。
1−1.水に不溶なポリオール(A)
(A1)として、下記式で表される化合物を主とする。
(B1)として、トリメチロールプロパンを用いた。
(B2)として、ソルビトールを用いた。
(B3)として、スクロースを用いた。
(B4)として、エチレングリコールを用いた。
(B5)として、プロピレングリコールを用いた。
(C1)として、旭化成社製「デュラネート TLA−100」(商品名)を用いた。この製品は、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(脂肪族ポリイソシアネート)であり、有効NCO%は23.3%である。
(C2)として、旭化成社製「デュラネート TUL−100」(商品名)を用いた。この製品は、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(脂肪族ポリイソシアネート)であり、有効NCO%は23.0%である。
(C3)として、三井化学社製「タケネート D370N」(商品名)を用いた。この製品は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(脂肪族ポリイソシアネート)であり、有効NCO%は25.1%である。
(C4)として、三井化学社製「タケネート D376N」(商品名)を用いた。この製品は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(脂肪族ポリイソシアネート)であり、有効NCO%は23.6%である。
(C5)として、三井化学社製「タケネート D170N」(商品名)を用いた。この製品は、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(脂肪族ポリイソシアネート)であり、有効NCO%は21.1%である。
(C6)として、旭化成社製「デュラネート 24A−100」(商品名)を用いた。この製品は、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体(脂肪族ポリイソシアネート)であり、有効NCO%は23.5%である。
(C7)として、旭化成社製「デュラネート TSE−100」(商品名)を用いた。この製品は、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(脂肪族ポリイソシアネート)であり、有効NCO%は12.0%である。
(C8)として、旭化成社製「デュラネート TSS−100」(商品名)を用いた。この製品は、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(脂肪族ポリイソシアネート)であり、有効NCO%は17.6%である。
(C9)として、旭化成社製「デュラネート MHG−80B」(商品名)を用いた。この製品は、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体(脂環式ポリイソシアネート)であり、有効NCO%が15.1%である。
(C10)として、旭化成社製「デュラネート A201H」(商品名)を用いた。この製品は、ヘキサメチレンジイソシアネートの2官能型イソシアネート(脂肪族ポリイソシアネート)であり、有効NCO%が15.1%である。
(C11)として、東ソー社製「ミリオネート MR−200」(商品名)を用いた。この製品は、クルードMDI(芳香族ポリイソシアネート)であり、有効NCO%は31.0%である。
(C12)として、住化コベストロウレタン社製「スミジュール44V40」(商品名)を用いた。この製品は、クルードMDI(芳香族ポリイソシアネート)であり、有効NCO%は31.0%である。
(C13)として、住化コベストロウレタン社製「デスモジュール W」(商品名)を用いた。この製品は、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)であり、有効NCO%は32.0%である。
(C14)として、住化コベストロウレタン社製「デスモジュール I」(商品名)を用いた。この製品は、イソホロンジイソシアネートであり、有効NCO%は37.8%である。
(C15)として、三井化学社製「コスモネートNBDI」(商品名)を用いた。この製品は、ノルボルナンジイソシアネートであり、有効NCO%は40.8%である。
太平洋セメント社製「ホワイトセメント」(商品名)を用いた。
(F1)として、フタル酸ジイソノニルを用いた。
(F2)として、アルキルスルホン酸フェニルエステルを用いた。
(F3)として、エポキシ化大豆油脂肪酸エステルを用いた。
(F4)として、リシノレイン酸ブチルを用いた。
(F5)として、リン酸トリクレジルを用いた。
(F6)として、セバシン酸ジオクチルを用いた。
(F7)として、フタル酸ビス(2−ブトキシエチル)を用いた。
(F8)として、エチルフタリルエチルグリコレートを用いた。
(F9)として、アジピン酸ジオクチルを用いた。
伊藤製油社製変性シリコーン「A−S−A DF−1」(商品名)を用いた。
1−7.骨材
珪砂として、丸尾カルシウム社製「珪砂4号」(商品名)、「珪砂6号」(商品名)及び「珪砂7号」(商品名)を質量比3.0:6.5:0.5で混合したものを用いた。
消石灰として、住友大阪セメント社製「消石灰」(商品名)を用いた。
1−8.着色剤
(1)石原産業社製酸化チタン「TIPAQUE CR−95」(商品名)と、(2)トーヨーマテラン社製「トーヨーカラーパウダー ブルー」(商品名)とを併用した。
実験例1〜40では、下記方法で調製された合計500質量部の骨材組成物を用いた。
即ち、166.6質量部の水硬性セメント(D)と、268.6質量部の混合珪砂と、33.4質量部の消石灰と、19.6質量部の着色剤(1)と、11.8質量部の着色剤(2)とを混合し、骨材組成物を得た。
22.4質量部のポリオール(A1)と、4質量部のポリオール(B1)と、41質量部の可塑剤(F1)と、2.6質量部の消泡剤と、30質量部の水とを、ホモジナイザーを用いて、乳化・混合することにより、合計100質量部のポリオール組成物(P1)を得た。
次に、得られたポリオール組成物(P1)と、スズ化合物からなる触媒(適量)と、150質量部のポリイソシアネート(C1)とを混合した。そして、この混合物と、500質量部の骨材組成物とを、ディスパーを用いて、混合することにより、塗床形成用セメント組成物(H1)を得た(表1参照)。
その後、この塗床形成用セメント組成物(H1)を、スレート板(70mm×150mm)の表面に塗布して延展し、厚さ4mmの塗膜を形成した。そして、大気雰囲気下、25℃で放置して、塗膜を硬化させた。
(a)タイプDデュロメータ硬度(ShoreD硬度)
JIS K 7215に準じて、高分子計器社製アスカーゴム硬度計を用いて測定した。
(b)色差
日本電池社製紫外線照射機を用いて硬化皮膜に、出力100W/cm の高圧水銀ランプを30秒間照射した(硬化皮膜と、高圧水銀ランプとの距離は125mmである)。紫外線照射前後の色差ΔEを、日本電色社製色差計により求めた。
4質量部のポリオール(A1)と、4質量部のポリオール(B1)と、41質量部の可塑剤(H1)と、2.6質量部の消泡剤と、30質量部の水とを、ホモジナイザーを用いて、乳化・混合することにより、合計81.6質量部のポリオール組成物(P2)を得た。
次に、得られたポリオール組成物(P2)と、18.4質量部のポリオール(A1)と、スズ化合物からなる触媒(適量)と、150質量部のポリイソシアネート(C1)とを混合した。そして、この混合物と、500質量部の骨材組成物とを、ディスパーを用いて、混合することにより、塗床形成用セメント組成物(H2)を得た(表1参照)。
その後、この塗床形成用セメント組成物(H2)を用いて、実験例1と同様にして、塗膜の作製と、硬化皮膜の作製とを行い、上記評価(a)及び(b)を行った。これらの結果を表1に示す。
実験例1と同様にして、ポリオール組成物(P3)〜(P40)を調製し、その後、得られた各ポリオール組成物と、ポリイソシアネートと、骨材組成物とを混合して、塗床形成用セメント組成物(H3)〜(H40)を得た(表1〜表2参照)。そして、実験例1と同様にして、塗膜の作製と、硬化皮膜の作製とを行い、上記評価(a)及び(b)を行った。これらの結果を表1〜表2に示す。
また、水に不溶なポリオールの種類が互いに異なるポリオール組成物を用いた実験例1、5及び6を比較すると、水に不溶なポリオールとして、エステル結合を含む芳香族化合物を主とするポリオール(A1)を用いた実験例1のポリオール組成物(P1)は、ポリオール(A2)又はヒマシ油(A3)を用いた実験例5及び6のポリオール組成物(P5)及び(P6)よりも、ShoreD硬度が75以上と高く、耐候性(黄変抑制性)に優れた硬化皮膜を与える塗床形成用セメント組成物の製造原料として好適であることが分かる。また、塗床形成用セメント組成物が、互いに同一である実験例1及び2においては、ポリオール組成物(P1)及び(P2)の構成が異なるにも関わらず、塗床形成用セメント組成物において同じ性能を得ることができた。
Claims (7)
- 上記ポリオール(B)の含有割合が、上記ポリオール(A)100質量部に対して、1〜500質量部である請求項1に記載の塗床形成用セメント組成物。
- 上記ポリイソシアネート(C)の含有割合が、上記ポリオール(A)及び上記ポリオール(B)の合計を100質量部とした場合に、80〜1000質量部である請求項1又は2に記載の塗床形成用セメント組成物。
- 上記水硬性セメント(D)の含有割合が、上記水(E)を100質量部とした場合に、100〜6000質量部である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の塗床形成用セメント組成物。
- 更に、可塑剤を含有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の塗床形成用セメント組成物。
- 更に、スズ化合物からなる触媒を含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の塗床形成用セメント組成物。
- ポリイソシアネート及び水硬性セメントとともに混合され、被塗床面に塗床を形成するための塗床形成用セメント組成物の製造に用いられるポリオール組成物であって、
(X)水に不溶なポリオール、
(Y)水に可溶なポリオール
及び、(Z)水を含有し、
上記ポリオール(X)は、エステル結合を有する芳香族化合物であり、
上記ポリオール(Y)は、3以上のヒドロキシ基を有する化合物であることを特徴とするポリオール組成物。
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