JP2020014841A - ほてりの予測モデリングを含むシステム及び方法 - Google Patents

ほてりの予測モデリングを含むシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ほてり及び/または閉経期症状を管理するシステム及び方法を提供する。【解決手段】一例として、システム100は、センサ回路102とロジック回路106とを備える。センサ回路102は、ユーザ108に関連した身体的測定結果を取得し、身体的測定結果を通信する。ロジック回路106は、複数の入力パラメータに基づいて、ある日時にユーザ108がほてりを有する確率を示す予測モデル109を生成し、前記予測モデル109を用いて、前記身体的測定結果に基づいて前記確率を修正し、前記修正された確率が閾値外にあることに応じて、行為、例えば冷却による緩和、を示すデータを通信する。【選択図】図1

Description

血管運動症状あるいは顔面紅潮とも呼ばれるほてりは、熱、発汗、紅潮、不安、及び悪寒の感覚であり、一般に、3分から10分間続く。ほてりは、閉経期が近づく及び閉経後の女性において一般的である。例えば、閉経期に至る女性の最大80パーセントがほてりに悩まされると推測され、これは、閉経後数年持続し得る。毎時あるいは毎日にほてりがある女性もいれば、1週間当たりに1あるいは2回のほてりを報告する女性もいる。加えて、ほてりは、閉経期が近づくあるいは閉経後の女性に限定されない。例えば、子宮摘出及び卵巣摘出術を行った女性、あるいは乳癌の特定の処置を受けている女性は、症状のうちの1つとして高頻度で重度のほてりを経験することがある。加えて、癌関連処置等の特定の処置を受けている男性も、ほてりを経験することがある。
閉経期のほてりは、閉経が近づく際の卵胞刺激ホルモンの増加及びエストラジオールの減少を伴う、生殖ホルモンレベルの変化に関連して生じる。この、エストロゲンの離脱は、脳内の中央の体温調整中枢の安定性に影響を与え、ほてりの発生につながると考えられる。自律神経系制御における変化も、これらの血管運動症状の発生において関与し得る。ほてりは、日中機能、仕事生産性、心的状態及び睡眠に悪影響を与え、後の人生において心疾患のリスクの増加と関連する。ほてりは、閉経後数年の間続く可能性があり、生活の質に長期的に悪影響を与え得る。
ほてりに伴う苦痛要因は、ほてりがランダムに不都合な回数、昼夜を問わず生じ得るので、患者がほとんど制御できず、仕事、自宅で過ごす時間及び睡眠が阻害されることである。ほてりは、ホルモン療法で根絶可能ではあるが、ホルモン療法は、リスク特性あるいは個人的な好みによるが、全ての人に適切ではない。有効となり得る他の非ホルモン処方薬は、選択的セロトニン再取込み阻害薬及びガバペンチンを含むが、これらの処置もまた副作用を伴い、全ての人に適していない。ほてりの発生後の単一時点の治療介入として、ほてりの負の影響(例えば、発汗による不快感、公共の場あるいは仕事においてほてりを経験することの当惑による刺激や不安)に特化した非薬学的な選択肢がある。
本発明は、上記の課題、及びほてりの管理に関する他の課題を解決することを目的とする。
本開示の様々な実施形態は、経時的にほてりの発生を追跡し、追跡されたデータに基づいて、特定の時間におけるほてりの尤度を示す予測モデルを生成することでほてりを管理するために用いられるシステム、装置、及びその方法に関する。システムは、例えば、閉経期を経て更年期症状を呈する女性などのユーザ(例えば、ほてりの患者)に、ほてりを包括的に管理させることができ、考慮すべき処置について、ユーザの臨床医とともに意思決定をすることに用いることができる。特定の実施形態においては、システムは、ほてりの発生、重症度、トリガ、及び影響を継時的に追跡する。各特定のユーザ及び/または複数のユーザについては、一般に、ほてりを起こすより高い可能性に関連する、特定の生物心理社会的要因(例えば、ストレス、温かい飲み物を飲むこと、辛い食物を食べること、暑い環境)、生理的状態、人口統計学、及び習慣がある。システムは、どのような生物学的、個人的、及び環境的要因がほてりを生じさせるか、及び/またはほてりの発生確率及び/またはほてりの重症度を上昇させるか、を経時的に学習することができ、ユーザがその症状を制御することができるようにし、また、ほてりが疑われる前あるいは同時に、冷却による軽減あるいは他の治療を提供することを可能にする。
特定の実施形態は、センサ回路及びロジック回路を備えるシステム、例えば、ほてり管理システム及び/または閉経期管理システムに関する。通信回路を備えるセンサ回路は、ユーザに関連した身体的測定結果を取得し、当該身体的測定結果を通信する。ロジック回路は、複数の入力パラメータに基づいて、ある日時にユーザがほてりを有する確率を示す予測モデルを生成し、予測モデルを用いて、身体的測定結果に基づいて確率を修正し、修正された確率が閾値外にあることに応じて、行為を示すデータを通信する。特定の実施形態においては、修正された確率は、ほてりの重症度あるいは予測される重症度を示してよく、マルチシステム機能(例えば、ほてりに関連した心臓血管の活性化)の知覚障害及び/または影響に基づくか、それらにより測定したものであってよい。例えば、システムは、これらに限定されないが、ほてりが睡眠に与える影響を含む、ほてりの重症度を異なる方法で定量化することができる。修正した確率が閾値外にあることは、ほてりが差し迫っており(例えば、予測される)、及び/または特定の日時に起こると予測されることを示す。この点、確率の修正は、予測モデル及び入力パラメータを用いて、ユーザについてほてりの発生の尤度に関連する数値を判別あるいは生成することを含み、あるいは示す。
センサ回路によって取得された身体的測定結果は、生理的信号、大気測定結果、動きデータ、及びグローバル位置データを含み、ロジック回路は、ほてりを軽減するための行為をユーザが行うようメッセージを送信することを含む、行為を示すデータを通信する。例えば、センサ回路は、ユーザから、皮膚コンダクタンスまたは皮膚温度などの生理的信号を感知するウェアラブルな生理的センサを備える。センサ回路は、追加あるいは代替的に、大気測定結果を感知する別のセンサを備える。
入力パラメータは、ユーザ及び/または他のユーザについてのほてりの要因を示し、あるいは、含む。例えば、ロジック回路は、報告されたほてり及びタイミング情報、スケジュールまたはカレンダーデータ、ストレスレベル、一般的な気分、食生活情報、運動データ、睡眠データ、健康情報、他の情報及びこれらの組み合わせを含む複数の入力パラメータを受け取る。予測モデルは、それぞれがほてりをユーザが有する確率を示す複数のサブモデルを含み、複数のサブモデルは、それぞれ、複数のパラメータのうちの特定の入力パラメータに関連付けされるとともに、関連した重みを有する。例えば、サブモデルは、特定の入力パラメータに基づいて、ユーザのほてりの異なるパターンを含む。ロジック回路は、経験したほてりを示すフィードバックデータに基づいて、経時的に予測モデルを修正してよい。フィードバックデータは、特定実施形態においては、ほてりの身体位置、生じているほてりの検証、及び/またはほてりの重症度または影響を示す。フィードバックデータは、ユーザによって積極的に提供されてよく、及び/または、センサ回路を用いて取得されてもよい。
ロジック回路によって通信されるデータは、冷却回路を起動するための命令を含んでよい。冷却回路は、通信回路と熱伝達回路とを備え、命令に応じてユーザに冷却を提供する。本明細書でさらに説明するように、他の実施形態においては、及び/または、さらに、ロジック回路は、センサ回路に、ユーザがほてりを持つ確率であって別の閾値外かつ閾値内の確率に応じて、身体的測定結果を調整するよう命令を与える。
いくつかの実施形態に係る非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、実行された際に、コンピュータ装置のプロセッサ回路に、ユーザ及び他のユーザのほてりの要因を示す複数の入力パラメータを受信させ、複数の入力パラメータに基づいて、ある日時においてユーザがほてりを有する確率を示す予測モデルを生成させ、予測モデルを用いて、センサ回路から受け取ったユーザの身体的測定結果に基づいて確率を修正させ、修正された確率が閾値外にあることに応じて行為を示すデータを通信させ、当該行為は、先のユーザの反応に基づくものである、ことを実行させる命令を含む。特定の実施形態においては、通信されたデータは、ユーザが着用する冷却回路を起動する命令であり、この起動に応じて、冷却回路は、ユーザに冷却を提供して差し迫った、あるいは生じているほてりを軽減または防止する。コンピュータ装置は、さらに、閾値内にあるさらに修正された確率に応じて、ユーザが着用する冷却回路を停止する別の命令を生成し、さらに修正された確率は、追加で受け取られた身体的測定結果に基づくものである。
いくつかの関連する実施形態においては、予測モデルを生成する命令が実行されて経時的に受信された追加の入力パラメータに応じて予測モデルを修正する。例えば、予測モデルは、追加の入力パラメータ及びフィードバックデータに基づいて、経時的にかつ動的に更新することができる。命令は、さらに、別の閾値外でまた閾値内の確率に応じて、身体的測定結果を調整するよう、センサ回路に命令を与えるように実行され、確率が別の閾値外であることは、ユーザの差し迫ったほてりを示す。
様々な関連する及びより具体的な実施形態は、センサ回路と、ロジック回路と、冷却回路と、を備えるシステムに関する。通信回路を備えるセンサ回路は、ユーザから身体的測定結果を取得し、身体的測定結果を通信する。ロジック回路は、複数の入力パラメータに基づいて、ある日時にユーザがほてりを有する確率を示す予測モデルを生成し、予測モデルを用いて、身体的測定結果に基づいて確率を修正し、修正された確率が閾値外にあることに応じて、命令を通信する。冷却回路は、通信回路及び熱伝達回路を備え、ロジック回路からの命令に応じて、ユーザに冷却を提供する。
様々な実施形態において、センサ回路は、ユーザから生理的信号を感知するウェアラブルな生理的センサと、大気測定結果を感知する別のセンサとを備え、前記の冷却は、ユーザのほてりを軽減する。当該実施形態においては、センサ回路は、異なる身体的測定結果を取得する複数のセンサを備える。また、ある実施形態においては、冷却回路は、ユーザの異なる身体位置に配置される複数のウェアラブル冷却装置を備える。当該実施形態においては、ロジック回路は、さらに、予測モデルに基づいて、複数のウェアラブル冷却装置のうちのいずれに命令を通信するか特定する。
特定の及び関連する実施形態においては、センサ回路は、冷却の適用中に追加の身体的測定結果を取得及び通信する。ロジック回路は、追加の身体的測定結果に基づいて確率をさらに修正し、さらに修正した確率が閾値未満となったことに応じて、別の命令を通信する。閾値未満となった修正された確率は、ほてりが完了したことを示す。他の命令に応じて、冷却回路は、ユーザに冷却を提供することを停止する。
本開示に係る実施形態は、記載した特定の実施形態の全ての組み合わせを含む。本発明のさらなる実施形態及び利用可能性の完全な範囲が、以下に提供する詳細な説明から明らかになる。しかしながら、詳細な説明及び特定の例は、本発明の好適な実施形態を示すものであるが、説明の目的のみで提供されるものである。これは、当業者にとって、詳細な説明から本発明の技術的範囲を逸脱しない限りにおいて様々な変更や応用が可能な点が明らかとなるからである。本明細書で引用する全ての広報、特許及び特許出願ならびにそれらにおける引例は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
添付の図面とともに、以下の詳細な説明を考慮することで、様々な例示的な実施形態について、より完全に理解することができる。
様々な実施形態に係る、ほてり管理用のシステムの例を示す。 様々な実施形態に係る、ほてり管理用のシステムの別の例を示す。 本開示に係る、実行可能なコードを記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を備えるコンピュータ装置の例を示す。 様々な実施の形態に係る、閉経期管理システムの例を示す。 様々な実施形態に係る、予測モデルを生成する処理の例を示す。 様々な実施形態に係る、予測モデルを生成する処理の別の例を示す。 様々な実施形態に係る、ほてりを生じさせるイベントのグラフ表示の例を示す。 様々な実施形態に係る、行為を生じさせる処理の別の例を示す。 様々な実施形態に係る、ほてり管理用のクラウドベースのシステムの例を示す。 様々な実施形態に係る、システム内の情報のフローの例を示す。 様々な実施形態に係る、予測モデルについての入力データの例を示す。 様々な実施形態に係る、ほてりに関連、あるいは関連しない覚醒時間の量のグラフ表示の例を示す。 様々な実施形態に係る、ほてりの発生に対する血圧変化の関連性についてのグラフ表示の例を示す。 様々な実施の形態に係る、ほてりの発生に対する生理学的な心拍間隔の変化の関連性についてのグラフ表示の例を示す。
本明細書で説明する様々な実施形態については、変更や代替的な形態が可能であり、その実施例を、例示的に図面に示すとともに、詳細に説明する。しかしながら、その目的は、本発明を開示する特定な実施形態に限定することではない。一方で、その目的は、特許請求の範囲によって定義される技術的範囲を含む、本開示の技術的範囲内における全ての応用、均等及び代替を包含することである。加えて、本明細書において用いられている「例」の用語は、説明の目的のために使用され、限定の目的のためではない。
本開示の実施例は、経時的にほてりの発生を追跡し、どの生物学的、個人的及び環境的な要因がほてりを生じさせるか学習し、ユーザにフィードバックを提供可能なほてり管理システムを含む様々なシステム及び方法に適用可能である。特定の実施形態においては、装置は、疑わしいあるいは差し迫ったほてりの前あるいは当該ほてりと同時に、冷却による緩和を提供可能である。本発明はそのような用途に限定される必要がないが、本発明の様々な実施例が、本明細書における様々な例についての説明から理解され得る。
従って、以下の説明においては、様々な特定の詳細を示し、本明細書において提示される特定の例を説明する。しかしながら、1以上の他の例及び/またはこれらの例の変形が、以下に示される特定の詳細の全てがなくても実施可能である点、当業者には明らかである。他の例においては、本明細書における例についての説明を明確にするため、よく知られている特長については、詳細に記述しない。説明の簡略化のため、異なる図面において、同一の要素あるいは同一の要素の追加の例について同一の参照番号を付す場合がある。
本開示に係る実施の形態は、ほてり管理用のシステムを含む。特定の実施形態においては、システムは、閉経期症状の管理を支援する閉経期管理システムである。システムは、ユーザに関するデータを集め、そのデータに基づいて、ほてりが発生する確率を算出する。システムは、ほてりがいつ生じたかに関するデータを含む、ユーザに関するデータを集め、データを分析し、分析結果を提示し得る。加えて、システムは、どの軽減方策が最も有効であるかに関するデータを含む、ユーザに関するデータを集め、ユーザに当該分析結果を提示し得る。当該ほてりまたは閉経期症状管理ツールは、冷却装置及び/またはストレス緩和装置等の非薬学的療法とリンク可能であり、これは、薬理学的治療が禁忌あるいは好ましくない場合においてほてりに対して十分な緩和を提供可能である。関連する及び特定の実施形態においては、システムは、軽減技術を示唆、あるいは、冷却装置の起動(例えば、電源投入)等の緩和行為を生じさせる。これら及び他の実施例について、以下に説明する。
様々な実施形態が、ほてり管理システム及び/または閉経期管理システム等の、センサ回路及びロジック回路を備えるシステムに関する。センサ回路は、ユーザに関連した身体的測定結果を取得し、身体的測定結果を通信する。センサ回路によって得られた身体的測定結果は、生理的信号、大気測定結果、動きデータ及びグローバル位置データの1以上を含む。特定の実施形態においては、センサ回路は、ユーザからの生理的信号を感知するウェアラブルな生理的センサを含む。センサ回路は、追加的あるいは代替的に、大気測定結果を感知するためのセンサを備えてよい。
ロジック回路は、複数の入力パラメータに基づき、ある日時においてユーザがほてりを有する確率を示す予測モデルを生成する。加えて、ロジック回路は、予測モデルを用いて身体的測定結果に基づいた確率を修正し、修正した確率が閾値外にあることに応じて行為を示すデータを通信する。この点に関して、確率の修正は、予測モデル及び入力パラメータを用いて、ユーザについてほてりの発生の尤度に関連した数値の判別及び生成すること、を含む、あるいは示す。
様々な行為が、ロジック回路によって生じさせられる。ある実施形態においては、ロジック回路は、ほてりを軽減させる行為を促すためにユーザにメッセージを通信することを含む、行為を示すデータの通信を行う。他の実施の形態においては、及び/または、さらに、通信データは、冷却回路を起動する命令を含んでよい。冷却回路は、通信回路と熱伝達回路とを備え、ユーザに冷却を提供する。他の実施形態においては、及び/または、さらに、以下にさらに説明するように、ロジック回路は、身体的測定結果を調整するよう、センサ回路に命令を与える。実施形態は、冷却行為に限定されず、行為上、環境上及び神経刺激の介入等の他の種の行為あるいは介入を含んでよい。
様々な実施形態に係るシステムは、追加の入力パラメータ、及び、体験した(例えば、過去の)ほてりを示すフィードバックデータに基づいて、特定のユーザの予測モデルを経時的に動的に更新することに用いられる。当該フィードバックデータは、特定の日時におけるほてりの発生の検証、ほてりの身体位置及び/またはユーザに対する重症度あるいは影響の表示を含むことができる。フィードバックデータは、ユーザが入力でき、及び/またはセンサ回路によって得られたデータを用いて推測可能である。特定の実施形態においては、重症度あるいは影響は、ユーザによって与えられた1から10の数字等の尺度化されたパラメータであってよく、10が最も過酷あるいは最も高い影響を示し、1が最小の影響を示す。他の種類の尺度を使用しても良い。動的な予測モデルに基づいて、システムは、ほてりの発生を予測、及び、差し迫ったほてりを予測することに用いられる。本明細書で使用する場合、予測されるほてりは、ユーザの特定されたほてりパターン及び入力パラメータに基づいて、特定の日時に発生し得るほてりを含む。予測されるほてりは、確率から得られる。差し迫ったほてりとは、これから生じ得る(例えば、1分あるいは30秒以内)ほてりである。差し迫ったほてりは、ほてりの発生が予測されるユーザの、生理的システムの検出された変化(例えば、皮膚コンダクタンス変化)に基づいて特定される。差し迫ったほてりについては、システムは、冷却あるいは他の行為によって、ほてりを予防的に軽減あるいは防止することが可能である。予測されるほてりについては、ある特定の実施形態においては、システムは、ユーザに示唆を与え、ほてりを予防的に軽減あるいは防止し、及び/または、差し迫ったほてりをより正確に検出するため身体的測定結果の量あるいは感度を上げることが可能であり、ひいては、センサの消費電力の低減(予測されるほてりに先立ってより低い電力消費モードになることができる)が可能である。
ここで、図を参照し、図1は、様々な実施形態に係る、ほてり管理用のシステムの例を示す。システム100は、ほてりの管理に用いられ、特定の実施形態においては、閉経期症状の管理に用いることができる。しかしながら、実施形態は、閉経期管理システムに限定されず、処方薬あるいは癌治療等の他の原因によるほてりを管理するため用いられるシステムを含んでよい。
システム100は、センサ回路102と、ロジック回路106とを備える。センサ回路102は、ユーザ108に関連する身体的測定結果を得るため用いられる。センサ回路102は、ロジック回路106に身体的測定結果を通信するための通信回路104を備える。通信回路104は、無線あるいは有線で通信可能である。
身体的測定結果は、ユーザ108からの生理的信号あるいは測定結果(例えば、体液)、行為、及び/またはユーザ108の周囲または近くの環境からの大気測定結果を含み得る。例えば、センサ回路102は、ウェアラブル装置等の、ユーザから生理的信号を感知するウェアラブルな生理的センサを備えてよい。センサ回路102は、代替的に、あるいは追加的に、大気測定結果を感知するセンサを備えてよい。生理的信号の例としては、血圧、心拍数、皮膚コンダクタンス、体温等のパラメータが挙げられる。大気測定結果の例としては、気温、気圧、湿度等が挙げられる。実施形態は、生理的信号または大気測定結果に限定されず、追加的あるいは代替的に、(例えば、加速度計からの)運動データ及び/またはグローバルポジショニングデータ(GPS)を含むことができる。
ロジック回路106は、複数の入力パラメータに基づいて、特定の日時にユーザ108がほてりを有する確率を示す予測モデル109を生成する。予測モデル109の生成は、入力パラメータ及びユーザ108あるいは他のユーザの過去のほてりの識別を受け、生じたほてりと入力パラメータの異なるパターンあるいは相関を特定し、パターンに基づいて、追加で受け取った入力パラメータを用いてある日時にほてりを有するユーザ108についての予測確率を特定する、ことを含む。入力パラメータは、後述して詳細に説明するように、特定のユーザ108及び/または他のユーザのライフスタイルや他のほてり要因を含む様々なカテゴリの入力データや、センサ回路102からの身体的測定結果を含む。ロジック回路106は、複数の入力パラメータを受け、予測モデル109を生成するために用いる。パラメータは、ユーザ108によって積極的に入力され、あるいは受動的に入力もしくは受け取られる。入力パラメータは、報告されたほてり、スケジュールあるいはカレンダーデータ、ストレスレベル、心的状態、運動データ、睡眠データ及び食生活データを含むがこれらに限定されないライフスタイルデータ、および生理的信号もしくはパラメータ、投薬、診断及び他の治療を含むがこれらに限定されないが健康情報、ならびにこれらの組み合わせを含む。
予測モデル109は、ユーザが持っている、将来持つ、及び/または持つことになるほてりの確率を有する。特定の実施形態においては、予測モデル109は、ある日における特定の時間にユーザがほてりを有する確率をそれぞれ示す複数のサブモデルを備える。各サブモデルは、複数のパラメータのうちの特定の入力パラメータに関連付けされ、これについては、本明細書において「入力データのカテゴリ」と称する場合があり、また、関連付けの重みを有する。この重みは、各入力パラメータが、ユーザが過去にほてりを持ったか、あるいは他のユーザがほてりを持つかについてどの程度予測できるか(例えば、パラメータがどの程度ほてりの発生について正確か)に基づくもの、あるいは示すものである。サブモデルは、特定の入力パラメータに基づいて、ユーザのほてりの発生の異なるパターンを含むことができる。上記のように、予測モデル109は、ほてりを予測し、差し迫ったほてりを特定するため用いることができる。
ロジック回路106は、予測モデル109を用いて、センサ回路102から通信された身体的測定結果に基づいてこの確率を更新あるいは修正する。具体的な例として、他の入力パラメータとともに、皮膚コンダクタンス、心拍数及び/または入力パラメータあるいは信号の変化の特定のパターンの増加(例えば、心拍数の上昇、皮膚コンダクタンスの上昇、血圧の低下)は、ユーザがほてりを有する、あるいは有することになる確率が閾値より上であることを示し得る。閾値は、起こり得るほてり(例えば、ユーザがほてりを持ちやすい)、差し迫ったほてり(例えば、発生する前にシステムがほてりを予測)及び/または現在発生しているほてりに関連付けされてよい。
予測モデル109は、動的にまた経時的に更新可能である。例えば、ロジック回路106は、ユーザ及び/または他のユーザの経験したほてりを示すフィードバックデータ及び/または追加の入力パラメータを用いて経時的に予測モデル109を修正する。当該フィードバックデータは、特定の日時におけるほてりの発生の検証、ほてりの身体位置及び/またはユーザに対する重症度あるいは影響の表示を含むことができ、ユーザによってシステム100に積極的に入力され、及び/または、センサ回路102から受けた身体的測定結果から推測され得る。特定の例においては、フィードバックデータは、ユーザによって入力され、ほてりパターンの経時的変化を特定する。この更新は、経験したほてりに基づいて、異なる入力パラメータの重みを調整することを含んでよい。特定の例として、経時的に、ユーザ108は、夜に発生する、及び/または、異なる要因によって生じた追加のほてりに至るほてりの発生の変化を経験し得る。別の例においては、及び/または、さらには、フィードバックは、ほてりの身体位置、ほてりの重症度あるいは影響、及び/またはほてりを軽減し得ると考えられる行為等の具体的な情報を示し得る。異なるユーザは、異なる行為によってほてりの緩和、軽減及び/または防止を経験し得る点、理解されるところである。具体的な例として、特定のユーザは、異なる身体位置に提供される冷却よって1日の異なる時間にほてりの緩和を得ることがある。
いくつかの特定の実施形態においては、予測モデル109は、1日の特定の時間における過去のほてりの重症度あるいは影響に基づいて、及び/または、特定の入力パラメータに基づいて、経時的にかつ動的に更新される。重症度あるいは影響は、ユーザによって与えられる1から10の間の数値等の尺度化されたパラメータであってよく、10が最も重症あるいは最も高い影響を示し、1が最小の影響を示す。他の種の数値尺度、例えば0から100あるいは1から5の星を用いることもできる。具体的な例として、ユーザが目を覚ましてしまう夜のほてりは、ユーザを目覚めさせないほてりよりも高い影響を有する。別の例として、ユーザに会議の間に生じたほてりは、ユーザが家で過ごしている場合よりも高い影響を有し得る。
システム100は、動的にかつ経時的に更新される予測モデル109に基づいて、ほてりの発生を予測し、かつ差し迫ったほてりを予測することに用いられる。差し迫ったほてりについては、システムは、冷却あるいは他の行為によって、ほてりを予防的に軽減あるいは防止することができる。予測されるほてりについては、ある特定の実施形態においては、システム100は、ユーザに示唆を与え、ほてりを予防的に軽減あるいは防止し、及び/または、より正確に差し迫ったほてりを検出するため身体的測定結果の感度を上げ、ひいては、センサ回路102の消費電力を減らす(予測されるほてりに先立ってより低い電力消費モードとなることができる)。
ロジック回路106は、修正した確率が閾値外、例えば、閾値より上にあることに応じて、行為を示すデータを通信し得る。当該行為は、ほてりを軽減あるいは防止、及び/または、ほてり及び/または閉経期に関連した症状を軽減するための行為を促す、ユーザ108へのメッセージの通信を含んでよい。当該行為は、システム100による行為に対するユーザの過去の対応及び/またはほてり及び/または他の症状の防止あるいは軽減のための他のユーザの対応に基づくものであってよい。他の実施形態においては、及び/または、さらには、行為は、センサ回路102、冷却回路等の別の装置、あるいは温度制御回路(例えば、暖房、換気、及び空調(HVAC)システムに関連付けされる)等の他の装置に通信されるコンピュータ読み取り可能な命令を含む。非限定的な例として、行為は、特定の部屋の温度を変更するためにHVACシステムに与えられる命令、ユーザに通知を行うユーザ装置、例えば、ユーザに差し迫ったほてりが起こり得ることを通知するために音を発するスマートウォッチ及び/または他の特定の行為の中でも実行する特定の行為をユーザに行うことを命令するスマートフォンによって実行されるアプリケーション上の表示への命令であってよい。別の特定の例として、さらに図2に示すように、当該行為は、命令に応じてユーザに冷却を提供するための冷却回路を起動する命令を含んでよい。様々な実施形態においては、行為は、センサ回路102に身体的測定結果を調整(例えば、感度及び/または測定の回数を増加あるいは減少)させる、センサ回路102へ送り返される命令を含んでよい。理解され得るように、実施形態は、単一の行為に限定されず、複数の行為がシステム100によって行われるようにしてもよい。行為の他の例は、ほてりの発生あるいは重症度を軽減し得るストレス緩和のためのユーザへの示唆を含んでよい。ストレス緩和方策の例は、認知行動療法、音楽療法(例えば、装置を起動して音楽をかけるあるいはユーザに音楽を推奨する)及び/またはアロマテラピー(例えば、装置を起動して香りを出力するあるいはユーザに香りを推奨する、例えば、ラベンダー、カモミール、あるいはバラの香り)を含んでよい。提案例は、ユーザに運動の推奨、サプリメントの接種、アロマテラピー、音楽の推奨、カフェイン摂取の低減、チューインガム、深呼吸運動並びに他の推奨されるものを含んでよい。
特定の実施形態においては、閾値外の修正された確率は、例えば、30秒以内に発生するなど、ほてりが差し迫っていることを示す。他の実施形態においては、閾値外の修正された確率は、ほてりが発生していること、あるいはある日時に発生すると予測されることを示す。様々な実施形態においては、ロジック回路106は、複数の閾値を利用し、これにより、多数の閾値のうちの各閾値外にある確率に応じて異なる行為が行われ得る。具体的な非限定的例として、ロジック回路106は、第1の閾値外であり第2の閾値内にある確率に応じて、身体的測定結果を調整するためセンサ回路102に命令を与える。ここで、第1の閾値は、予測されるほてりに関連付けされ、第2の閾値は、差し迫ったほてりに関連付けされる。当該調整は、センサ回路102による、感度あるいは測定の回数の増加を含んでよい。ロジック回路106は、さらに、第2の閾値外の確率に応じて、ユーザにメッセージを提供するか、あるいは冷却回路に命令を与える。ここで、第2の閾値は、第1の閾値よりも高い確率に関連付けされる。このように、ロジック回路106は、ほてりが起こり得る予測に応じて、センサ回路102により多くの測定を行わせ、及び/または感度を上げさせ、ほてりが起こりそうもないと予測される場合(例えば、確率が他の閾値未満)に、センサ回路102の消費電力を低下させ得る。他の実施形態においては、及び/または、さらに、ロジック回路106は、第1の(及び/または第3の)閾値より下の確率に応じて、感度及び/または測定の回数を低減するよう、センサ回路102に命令を与える。
特定の実施形態においては、システム100は、ほてりを含む複数の閉経期症状の管理に用いられる閉経期管理システムを含む。閉経期管理システムは、悪寒、寝汗、睡眠障害、及び気分動揺及び/または一般的な不健康な気分等の症状をさらに管理、例えば、軽減あるいは防止する。
図2は、様々な実施形態に係る、ほてり管理用の別のシステムの例を示す。図1を参照して上述したように、システム210は、ロジック回路216と、通信回路214を備えるセンサ回路212と、さらに冷却回路220とを備える。
図1を参照して説明した事項と同様に、センサ回路212は、ユーザ218から身体的測定結果を取得し、通信回路214を用いて身体的測定結果を通信する。センサ回路212は単一のセンサとして図示するが、実施形態はそれに限定されない。例えば、センサ回路212は、異なる生理的信号、大気測定結果、運動データ及び/またはGPS信号等の異なる身体的測定結果を取得する複数のセンサを備えることができる。特定の実施形態においては、センサ回路212は、ユーザから生理的信号を感知するウェアラブルな生理的センサと、上記のように大気測定結果を感知する別のセンサとを備える。
ロジック回路216は、複数の入力パラメータに基づいて、ある日時にユーザ218がほてりを有する確率を示す予測モデルを生成する。ロジック回路216は、予測モデルを用いて、身体的測定結果に基づいて確率を修正し、修正された確率が閾値外にあることに応じて、冷却回路220に命令を与える。
冷却回路220は、通信回路222と熱伝達回路224とを備える。冷却回路220は、熱伝達回路224を用いてユーザ218に冷却を提供することで、命令に応じる。熱伝達回路224の例は、ファン、空調/冷媒ベースの回路、熱冷却回路、ヒートシンク回路等を備える。命令は、冷却回路220を起動し、それに応じて冷却がユーザ218に提供され、ほてりの発生が軽減及び/または防止される。図2の冷却回路220は単一の回路として図示するが、実施形態はこの場合に限定されず、例えば、身体の異なる位置で認識されたほてりを経験した特定のユーザに対してなど、特定の実施の形態においては、冷却回路220は、ユーザ218の異なる身体位置に配置される複数のウェアラブル冷却装置を備えることができる。当該実施形態においては、ロジック回路216は、予測モデルに基づいて、複数のウェアラブル冷却装置のうちのいずれに命令を通信するか特定する。冷却装置は、動的に熱を除去して身体を冷却、及び/または、ユーザに冷却の感覚の提供のいずれかのため、異なる身体位置に配置することができる。加えて、冷却装置は、放熱量を可変にするため、局所的な冷却のための小さなエリアから背中全体等の大きなエリアまで等の身体の様々な表面積を覆うように配置されてよい。
ロジック回路216は、さらに、冷却回路220を停止して冷却を止めてもよい。この停止は、センサ回路212によって、特定の冷却期間及び/または追加の測定を識別する予測モデルに基づくものであってよい。例えば、センサ回路212は、冷却中に追加の身体的測定結果を取得及び通信する。当該実施形態においては、ロジック回路216は、追加の身体的測定結果に基づいて確率をさらに修正し、さらに修正した確率がほてりが終了及び終了に近いことを示す閾値(あるいは別の閾値)より下となったことに応じて冷却回路220に他の命令を与える。他の命令に応じて、冷却装置220は、ユーザ218に冷却を提供することを停止する。
図3は、本開示に係る、実行可能なコードを記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を備えるコンピュータ装置の例を示す。コンピュータ装置は、本明細書の例においては、図1から2に示すロジック回路等のロジック回路を備えるユーザ装置を備える。
コンピュータ装置は、プロセッサ回路320と、命令324、326、328、329の組を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体322とを備える。コンピュータ読み取り可能な媒体322は、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ及び/またはディスクリート型データレジスタセットを含む。324において、コンピュータ装置は、ユーザ及び複数のユーザについてのほてり要因を示す複数の入力パラメータを受け取ってよい。326において、コンピュータ装置は、複数の入力パラメータに基づいてある日時にユーザがほてりを有する確率を示す予測モデルを生成する。328において、コンピュータ装置は、予測モデルを用いて、また、センサ回路から受信されるユーザから得られた身体的測定結果に基づいて、確率を修正する。329において、コンピュータ装置は、修正した確率が閾値外にあることに応じて行為を示すデータを通信し、当該行為は、行為に対するユーザの反応に基づくものである。例えば、当該行為は、行為に対するユーザの過去の反応、あるいは行為に対する他のユーザの反応に基づくものであってよく、この反応は、ほてり及び/または他の閉経期症状の軽減及び/または防止を含む。
様々な実施形態においては、通信されるデータは、ユーザによって着用された冷却回路を起動する命令を含む。起動に応じて、冷却回路は、ユーザに冷却を提供して差し迫った、あるいは発生し得るほてりを軽減または防止する。コンピュータ装置は、さらに、追加で受け取った身体的測定結果に基づくさらに修正された確率が閾値内にあることに応じて、冷却回路を停止するための別の命令を生成してよい。同様に、上記のように、コンピュータ装置は、さらに、確率が別の閾値外でありかつ閾値内であり、差し迫っていないが予測されるほてりを示すことに応じて、身体的測定結果を調整するためセンサ回路に命令を与えてよい。予測モデルは、経時的に、追加の入力パラメータに基づいて修正されてもよい。例えば、ユーザは、行為に対するユーザの反応を示すフィードバックデータを提供してもよく、行為及び/またはパラメータの重みを修正することに用いられる。
図4は、様々な実施形態に係る、閉経期管理システムの例を示す。閉経期管理システム430は、特定の実施形態において、また図12のインデックスで示すように、夜間における覚醒量に対するほてりの寄与量を計測する。閉経期管理システム430は、以前に入力された情報に基づいてほてりの発生を予測可能なコンピュータ装置上で実行されるプログラムを含むことができる。
管理システム430は、複数の手法で構成してよい。ある実施形態に係る閉経期管理システム430は、スマートフォン、タブレット、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートウォッチ、運動トラッカ、あるいは他の個別の装置上で実行可能なコンピュータプログラムあるいはアプリケーションであってよく、あるいはその一部を形成することができる。他の実施形態に係る閉経期管理システムは、ウェブベースのプログラムであってよい。上記の実施形態のうちのいずれにおいても、プログラムは、図3に示すような実行可能なコードを含むことができる。
一般に、閉経期管理システムのユーザは、単一の「対象」である。閉経期管理システムの他の構成においては、一のシステムが、各人のほてりの発生をモニタリング及び記憶するよう、複数の対象により用いられてもよい。
より具体的には、図4は、閉経期症状の管理において女性を支援する閉経期管理システム430の機能ブロック図である。図4に示す特定の実施形態においては、閉経期管理システム430は、ユーザインターフェースモジュール431と、データ入力/処理モジュール432と、分析モジュール433と、行為モジュール434と、表示モジュール435と、報知モジュール436と、を備える。実施形態はこれに限定されておらず、閉経期管理システム430は、図4に示すよりも少数あるいは多数のモジュールを含んでよい。各モジュール431、432、433、434、435、436は、1以上の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶され、1以上の処理回路、例えば、単一のコンピュータ装置あるいは複数のコンピュータ装置に渡る分配によって実行され得るコンピュータ実行可能なコードを含む。
ユーザインターフェースモジュール431は、ユーザに、閉経期管理システム430に集積され、及び/またはその一部を形成する他のモジュールと接続することを許容する閉経期管理システム430の一部である。ユーザインターフェースモジュール431は、ユーザから入力データを受け取るために用いることができる。他のモジュールもまた、データを受け取ることができる。ある実施形態においては、ユーザは、積極的及び/または受動的に、様々な方法で閉経期管理システム430に情報を入力することが可能である。ユーザは、手動でデータを入力することを選択してよい。ユーザは、口頭で閉経期管理システムに情報を入力することもできる。ユーザは、閉経期管理システム430に健康関連ファイルをアップロードすることもできる。他の実施形態においては、ユーザは、他のアプリケーション及び/または他の外部位置上のデータ、例えば、カレンダーデータ、運動あるいは食生活トラッキングアプリケーションに閉経期管理システム430がアクセスすることを許容することもできる。
ユーザインターフェースモジュール431を用いて、ユーザは、入力ハードウェア(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン等)を介して、個人データ、例えば、これらに限定されないが、デモグラフィック、肥満度指数(BMI)、民族性、年齢、閉経期の状態、投薬、ある日の特定の時間における心的状態、不安レベル、活動レベル、アレルギー、摂取した食物の種類、等を入力可能である。ユーザインターフェースモジュール431は、また、ほてりを自己報告することに用いることもできる。自己報告は、任意の感知された値と比較され、その結果を用いて、将来のほてりの発生を予測し、あるいは、情報をユーザに提示し得る。一般に、ユーザインターフェースモジュール431は、ユーザからデータを取得することに用いることができる。システム430は、メッセージを表示し、またユーザインターフェースを介して入力された反応を要求することで、反応を促すか、ユーザに特定の行為を行うよう促す。反応はタイピングされることを要せず、システム430は、音声を解析しまた反応を解析音声処理モジュールを含んでもよい。
データ入力/処理モジュール432は、ユーザインターフェースモジュール431を介してユーザによって提供されるデータ、あるいは、データ入力/処理モジュール432と通信する1以上のセンサから集められたデータと共に用いられて閉経期管理システム430にロードすることができる、「パッケージ化された」データを記憶する、閉経期管理システム430の一部である。データ入力/処理モジュール432は、さらに、システム430の一部あるいはシステム430から独立した他のモジュールからデータを受け取ってもよい。
データ入力/処理モジュール432は、また、センサからのデータを処理することが可能である。処理は、これらに限定されないが、ローパスフィルタ処理、ノイズ低減、特徴抽出等を含む。抽出された特徴は、データ及びその特定の時間パターン、ばらつき及び周波数成分を表わす時間的及び/またはスペクトルの特徴である。時間的な特徴は、時間フレーム内の入力データの平均、分散及び高位統計等の統計的計測を含むことができる。スペクトルの特徴は、フーリエ変換を用いて抽出可能である。一の例におけるスペクトルの特徴は、スペクトルモーメント、スペクトルパワー分数、スペクトルパワーピーク及びスペクトルパワー比であってよい。特徴は、ウェーブレット変換等の入力パターンの理解を容易にする好適な変換を行った後に抽出することもできる。特徴は、また、特定の時間窓内のデータを最もよく表わすモデルのパラメータを含むこともできる。
入力パターンの次元が非常に高い場合があるので、主成分分析や線形分析等の統計的な方法が、より正確でより効率的な入力パターンの表現を得ることが可能な低次元のサブスペースに特徴を変換することに用いられる。入力データの効果的なデータ表現は、システム430の学習及び一般化能力を向上させることができ、一方で、余分な入力データは、システム430の識別機能を低下させ、学習処理の低下につながり得る。いくつかの分析技術(例えば、グランガー因果関係、伝達エントロピー)は、複数の生理的な入力間の動的な関係から情報を導き出すことに用いられ、また、これらのコンピュータ出力を、システム430の入力変数として用いる。
分析モジュール433は、閉経期管理システム430の一部であり、データ入力/処理モジュール432からデータを受け取り、これらに限定されないが、予測モデルを生成し、睡眠、心臓機能、心的状態及び昼間アクティビティに対するほてりの影響の分析をすることを含む様々な種類の分析を行う。分析モジュール433は、これらに限定されないが、環境上の状況(例えば、環境温度、湿度、季節、時刻、食生活構成、カフェイン及び/またはアルコール消費、薬剤の使用)、個人的な状況(例えば、心的状態、ストレス、不安、時刻、運動、月経周期パターン、カレンダー上のイベント)、GPS及び/またはユーザ入力からのユーザの位置(例えば、スーパーマーケット、家、職場)及び生理的状態(例えば、皮膚温度、熱感受性、心拍数、心拍数のばらつき等の心臓の自律神経状態、末梢血管収縮/血管拡張術等の皮膚血流)を含むほてりの過酷さ及び兆候関係する要因の影響を分析し、ほてりの重症度及び兆候を評価する。いくつかの特定の実施形態においては、ユーザの生理的な状態は、医師、ユーザあるいはバイオセンサからの入力データ等のホルモンレベルに基づくものである。いくつかの特定の例として、バイオセンサは、ユーザの間質液あるいは汗等からホルモンレベル(例えば、エストラジオール)、アルコール等の体液内にある他の物質、あるいは汗または間質液内の他の物質についての情報を供給する。
行為モジュール434は、例えば、分析モジュール433の出力を受け取り、治療介入を行うか、あるいは示唆する。一般に、閉経期管理システムに関して考えられる治療介入として、一般的に2種類ある。緊急の治療介入と予防的治療介入である。緊急の治療介入の例としては、これらに限定されないが、対象の身体の1以上の位置にスポット冷却を供給すること、あるいは、対象に近接するファンあるいは他の冷却装置の電源を投入することである。これについては、後述してより詳細に説明する。予防的治療介入の例としては、これらに限定されないが、例えば過去に特定の対象についてほてりの発生を低減した行為(例えば、ゆっくりと呼吸、体操)及び/または習慣(例えば、栄養計画、体重管理の変更)(例えば、特定の対象の生理的及びライフスタイルプロファイルに基づく)を示唆することである。予防的治療介入の他の例としては、緊急の治療介入である。図8は、行為モジュール434の具体的な例をさらに示す。
特定の実施形態においては、行為は、睡眠ステージ形成等の睡眠マクロ構造の調整を目的とし得る。当該行為は、認知行動療法及び睡眠神経刺激(例えば、夜間の聴覚的刺激)を含んでよい。当該行為は、ユーザの熟睡状態を改善し得、それにより、ほてりが発生している間に夜間にユーザが目覚めてしまう確率が低下し、潜在的にストレスレベルが低下する。当該行為は、睡眠の前にストレス/覚醒をより効果的に低減するよう、仮想現実(VR)技術及び技法に基づくものか、あるいは含むものであってよく、その結果、ユーザの熟睡状態を改善する。VRは、例えば、ストレスが少ないほどほてりの回数及び/または重症度の低下につながるという前提(例えば、自律神経系は体温調節のみならずほてりの病態生理学に関与するという論理的根拠に基づく)のもと、睡眠前のストレスレベルの軽減あるいは低減、もしくは、1日中いつでもストレスレベルの低減のために用いられる。VRは、また、ストレスを低減するツールとして用いても、他の手法とともに用いてもよいが(例えば、瞑想、生体自己制御、ゆっくりと呼吸、視覚心像)、当該それらの手法のいくつかは、睡眠前の期間においては示されるものであり、日中にはさらにいくつか示されるものである。
ユーザが入力したデータとは別に、システム430は、さらに、これらに限定されないが、生理学センサ、環境センサ、同一のプラットフォーム上で実行される他のアプリケーションに入力されたデータ等の他のソースからのデータを受け取る。生理学センサに関して、センサは、これらに限定されないが、皮膚コンダクタンスセンサ、皮膚温度センサ、血圧センサ、脈拍数センサ、光プチレスモグラムセンサ、心電図センサ及び脳波図センサを含んでよい。センサの様々な物理的な形態を利用可能であり、例えば、これらに限定されないが、身体に粘着結合されるセンサ、ウェアラブルに収容されるセンサ、及び衣類に結合あるいは取り付けられるセンサを利用可能である。
環境センサに関し、システムは、当該システムと通信可能な外部センサからデータを受け取り、あるいは、システム内にすでに一体化されたセンサからデータを受け取ってよい。モバイル用途の形態で存在するシステムの例では、モバイル装置内に既に存在するセンサを、システムに入力データを提供するよう用いてもよい。環境データは、時刻、局部温度、局部湿度、露光量等を含んでよい。これらのデータのうちのいくつかは、センサを利用する場合、局部的に計測されるが、場合によっては、別のアプリケーションやウェブサイト等の外部ソースからデータを得てもよい。この場合、システムは、ユーザ位置について当該データを得るため自動的にサーチを開始し得る。この種のデータ入力は、システムがモバイル用途の形態で存在する場合に、簡便に取得され得る。他のアプリケーションからデータを取得することについて、当該データは、これらに限定されないが、カレンダーアプリケーションからの会合データ、あるいは1以上のアプリケーションと相互に作用することで得られる他の月経管理アプリケーションからのデータを含んでよい。
さらに別のデータの形式は、推測データの形式である。この一例は、対象の感情を検知する感情検出モジュールを用いることである。感情検出モジュールは、データ入力/処理モジュール432と相互動作し、分析結果を送信可能である。上記のように、感情状態データは、それらの心的状態のユーザ入力を介して集めることができ、あるいは、検知もしくは入力された生理的パラメータの組み合わせに基づいて評価し得る。
上記のように、データ入力/処理モジュール432は、また、より分析に適するようにデータを処理することができる。各ソースからのデータは、異なる内容で処理可能である。例えば、生理学センサからのデータ処理は、これらに限定されないが、ローパスフィルタリング、平均化、スムージング等を含む。感情分析のためのマイクロフォンデータは、同様に、擬音を除去するためにフィルタリングすることができる。ウェブサイトからのデータも、直接使用することができる。また、心電図(ECG)や脳波(EEG)センサ等の複雑な波形を生成するセンサは、抽出したパラメータで表現することができる。ECGについては、データ入力/処理モジュール432は、心拍数(PR)間隔、QRS群の期間、R−R間隔等の複数のパラメータを抽出し、この情報を、測定したパラメータの日時と共に記憶することができる。
分析モジュール433は、各ユーザについて、(システムによって集められたデータの分析に基づいて)ほてりのリアルタイム発生確率の提供、差し迫っているかあるいはある将来の時間か、また、どのような状況がほてりを生じさせるか分析することを含む複数の機能を実行可能であり、これを、「予測モデル」とも称する場合がある。また、分析モジュール433は、軽減処置が行われた後に取得されたデータを分析し、当該患者にとってどの軽減処置が最も効果的かレポートすることができ、これは、フィードバックデータに基づくものであってよい。
発生確率、つまり、予測モデルの算出についてさらに以下に説明する。誘因の分析について、分析モジュール433は、ほてり発生データと共に利用可能なデータを全て分析し、特定の対象について、ほてりを生じさせる可能性が最も高い状況を判別可能であり、これを、「ほてり要因」とも称する。方法の一例を以下に説明する。
ほてりの発生
システム430は、ほてりが生じた時、あるいは生じなかった時の状況を記載する表1等のテーブルを生成可能である。状況は、システム430が集める入力であってもよい。表1は、3つの状況を示すが、列の数はこれに限定されず、任意の数の入力を包含することができる。ユーザ状況の他の非限定的な例は、皮膚コンダクタンス、湿度、日時、特定の人との会合、ストレスレベル等である。EEG及びECG等の波形の形態の入力については、ECG、R−R間隔等の例において1以上のパラメータを抽出することができる。表1の簡略化された例においては、ほてりが生じる場合に一般的な状況を検討することで、1の得られる仮定では、状況1がほてりを生じさせる可能性が高い。従って、この仮定を表示、あるいはユーザに伝えてよい。
上記のコンセプトは、どの緩和行為がより有効であるかについての仮定を生成することに発展的に用いられてよい。表2等のテーブルを生成してもよい。
表2では、状況とともに、表はどの緩和行為が緩和のために提供されたかについての収集した情報を含む。この例において、状況1については、緩和行為1が有効に考えられる一方、緩和行為2がほてりを軽減するうえで有効とは考えにくい。この仮定がユーザに伝えられてもよい。特定のユーザについて集められたデータは、特定の状況が検知された後に適用された緩和行為の識別、及びその緩和行為がほてりを防ぐのに有効であったか否かを示す情報を含んでもよい。これにより、システム430は、将来のほてりを予測し、軽減することがより可能になる。
上記の分析は、演算実行のために用いられる分析モジュール433及び/または機械学習(ML)とともに、実行されてもよい。特定の実施形態においては、分析モジュール433は、予測エンジンであってもよく、あるいは予測エンジンを含んでよい。当該エンジンは、データをクエリするためのディープラーニングを用いる専用プログラムを含む。
表示モジュール435は、ユーザが、閉経期管理システム430と対話できるようにする。表示モジュール435は、ユーザに、確率についての視覚的な表示(例えば、ほてりが、どの程度起こりえるか)を提供し得る。表示モジュール435は、ユーザが、データ入力/処理モジュール432に、情報(例えば、心的状態、食物及び飲料の種類及び量、等)を入力あるいは通信できるようにするためインターフェースとして用いられ、分析モジュール433がこの追加の入力データに基づいてほてりの発生をより良好に予測することができるようにする。
ある実施形態においては、閉経期管理システム430は、報告モジュール436を備えることができる。報告モジュール436は、1のユーザ及び/または複数のユーザのそれぞれについてのほてりの発生のサマリーを生成する。サマリーは、ほてりがいつ生じたか、ほてりが生じた際の環境、どの種の軽減処置が試みられたか、ほてりの軽減イベントが成功したか否か、等に関する情報を含むことができる。ある実施形態においては、ユーザは、サマリーをカスタマイズすることができ、カスタマイズされたサマリーは、ユーザの事前選択した情報、ユーザについてのサマリーが生成される頻度等を含むことができる。ある例では、報告モジュール436は、また、ユーザの医療サービス提供者から特定のユーザについての更新された健康データを取得することができ、あるいは、ユーザの医療サービス提供者は、閉経期管理システム430に更新された健康情報を提供することができる。
より具体的な実施形態においては、報告モジュール436は、行為モジュール434が生成あるいは推奨する各行為あるいはヒント、及び(例えば、ほてりの軽減および防止または他のシステム除去に関して)経験した成功の程度を要約する報告を生成するために用いられる。報告は、識別されたデータ及び他の情報とともに、好適な外部コンピュータシステムまたはリソース(例えば、医療提供者)に提供される。他の情報は、感知、入力、推測あるいは発見されたいずれかの様々な情報、例えば、これらに限定されないが、対象の食生活、対象が行う身体的活動等、を含むことができる。
様々な実施形態において、閉経期管理システム430は、スマートフォン、タブレット、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートウォッチ、運動トラッカ上で実行可能なコンピュータプログラムあるいはアプリケーション、または、スマートフォン、タブレット、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートウォッチ、運動トラッカ上で実行可能なコンピュータプログラムあるいはアプリケーションを実行する他の独立した装置、さらにまたは、ウェアラブル装置内に含まれ、あるいは当該ウェアラブル装置とデータ通信可能な他の独立した装置を備え、あるいはその一部を形成することができる。
ある実施形態においては、閉経期管理システム430は、ウェアラブルなスマート衣類を含むか、当該衣類と通信可能である。ウェアラブルなスマート衣類は、スマート装置、コンピュータ等を介して閉経期管理システム430と通信する。当該閉経期管理ウェアラブル衣類は、ユーザの通常の衣類の下に着用されてよい。ある実施形態においては、閉経期管理ウェアラブル衣類は、ほてりの発生を予測する一助となる温度及び湿度センサを含んでよい。モニタリング衣類は、呼吸及び心拍並びに心拍リズムに加えて、他の生理的パラメータを検知するセンサを含んでよい。例えば、当該モニタリング衣類は、着用者の身体温度、心拍数、湿度レベル等を検地するセンサを備えてよく、それらの生理的な値は、より良好にほてり発生を予測するため閉経期管理システム430に記録される。他の及び/または関連する実施形態においては、閉経期管理システム430は、センサの読み/設定に基づいて、予測されるほてりの開始に応じて緩和出力を供給する回路を備えてよい。閉経期管理ウェアラブル衣類の非限定的な例は、ブラジャー、アンダーシャツ、ユーザの中間部を覆う衣類等である。
ある実施形態においては、閉経期管理システム430は、1以上の閉経期管理装置に結合され、当該装置は、上記のように冷却回路を含んでよい。ある実施形態においては、閉経期管理装置は、ほてりの影響を軽減するためにユーザが使用可能な1のアプリケーションあるいは装置内において、閉経期管理システム430と統合され得る。1の非限定的な例は、閉経期管理システムを含むウェアラブルなブレスレットや時計型装置であり、ブレスレットや時計は、対象の生物学的データからのほてりの開始の予測に基づいて、ほてりの予測において緩和出力を供給可能である。ほてりの軽減のための出力の例は、装置が配置される対応領域の冷却、特定の圧力点への可能な加圧等である。
ある実施形態においては、閉経期管理システム430は、ほてり症状の緩和を提供可能な他の外部装置と通信することができる。閉経期管理システム430とデータ通信する当該外部装置の非限定的な例は、ファン、スマート毛布、スリーピングパッド、部屋の温度制御、等であり、閉経期管理システム430は、ほてりの影響を除去あるいは軽減するため、ほてりの予測される発生に基づいて少なくとも1つの出力を提供する。ある実施形態においては、外部装置は、閉経期管理システム430が作動している装置と有線あるいは無線通信のいずれかを行い得る。
図5は、様々な実施形態に係る、予測モデルを生成する処理の例を示す。上記のように、図4に示す分析モジュール433が、複数の入力パラメータ(例えば、入力データ)に基づいて特定の日時にユーザがほてりを有する可能性を示す予測モデル544を生成するため実行され得る。
確率エンジンとも称される予測モデル544は、複数の異なる入力カテゴリを受け付け、当該カテゴリは、1)非侵入性のセンサ及び装置によって集められた生理的信号、2)ユーザのカレンダー、GPS位置等から抽出されたデータを含むユーザのルーチン、3)温度、湿度等を含む環境センサ、及び4)心的状態、エネルギーレベルあるいは身体状態、1日の流れの中での食物あるいは飲料の摂取、薬物治療、サプリメント等のユーザのシステムへの自己報告あるいは入力、を含む。予測モデル544は、追加の入力となり得る、健康ウェブサイト、オンラインフィード及び/またはジャーナル記事等の文献における科学的な発見が通知され得る。予測モデル544の出力は、(例えば、予防的行為を行うために現在のほてりの確率またはヒント、及びの将来のほてりの確率を用いる、リアルタイム冷却等を生じるように設定された行為モジュールのパラメータに応じる)ほてりが発生する現在及び/または将来の確率である。非限定的な例としては、上記のように、ユーザの体温が華氏99.5度超の場合であって、気温が華氏80.0度で相対湿度が75%超の場合、冷却を始めるようにプログラミングすることである。別の非限定的な例は、女性のユーザがストレスを感じ、また心拍数が各ユーザに適合される閾値レベル(例えば、100拍/分)を超えた状況をユーザが示す場合に冷却を開始するように行為モジュールをプログラミングすることを含む。
特定の人についてのほてりの発生に関して分析モジュールがそのパターンを学習することを可能にする兆候を得るため、入力はそのカテゴリおよび種類に応じて処理され、これは、サブモデルを生成するため異なる機械学習処理の使用を含んでよい。図6に、一般化された機械学習処理をさらに示す。異なる機械学習(ML)処理が、入力カテゴリに応じて予測モデル544に取り込まれる。各機械学習処理は、ほてりの発生の現在及び/または将来の可能性である入力と出力との間で、サブモデル543−1、543−2、543−3、543−4を構築するため用いられる。ほてりの「ゴールドスタンダード」な測定(例えば、皮膚コンダクタンスの信号)及びほてりの発生及び重症度に関するユーザの自己報告並びに入力に基づいて、予測モデル544のパラメータは、各サブモデル543−1、543−2、543−3、543−4のコスト関数を最小化することで最適化される。コスト関数は、予測される確率値に関連する、ある「コスト」を直観的に表わす実数上に、モデルの予測確率をマッピングする関数である。
以下は入力データの例を示す。この例は限定を目的とするものではなく、追加あるいはより少数のカテゴリを用いることができる。
図5に示すように、サブモデル1543−1の第1の入力データカテゴリの例は、未処理の生理的信号あるいはそれらの抽出された特徴を含んでよい。抽出された特徴は、生理的信号及びそれらの特定の時間パターン、ばらつき及び周波数成分を表わす時間的及び/またはスペクトルの特徴である。時間的特徴は、時間枠における入力データの平均、分散及び高次統計等の統計的尺度を含んでよい。フーリエ変換を適用してスペクトルの特徴を抽出することができる。一の例におけるスペクトルの特徴は、スペクトルモーメント、スペクトルパワー比、スペクトルパワーピーク、及びスペクトルパワー比率である。当該特徴は、ウェーブレット変換等の、入力パターンについての理解を容易にする好適な変換を適用した後に抽出することもできる。当該特徴は、特定の時間枠内において最も良くデータを表わすモデルのパラメータを含むこともできる。入力パターンの次元が非常に高度になる可能性があるため。正確でより効率的な入力パターンの表示が得られる低い次元に特徴を変換するため、主成分分析あるいは直線成分分析等の統計的手段を用いてもよい。
サブモデル2543−2の第2の入力カテゴリは、カレンダーデータを含んでよい。カレンダーから学習するため、イベントの時間及び種類が抽出され、以下のように時間イベントのチャートを形成するために用いられる。
カレンダーイベントの整理
時間/イベントのマトリクス(チャート)において、特定の時間間隔におけるイベントの発生は、1で示され、残りの要素は0で示す。n個のイベント及びm個の時間間隔があると仮定して、マトリクスは、m×n次元のアレイを形成する。これらは、任意の特定の時間フレームiでのほてりの発生の確率Piを出力するサブモデル2543−2への入力を形成する。m個の時間間隔があると仮定して、サブモデル2543−2の出力を以下のように示すことができる。
この例において、特定のイベントとほてりの発生との関係がモデル化されるだけでなく、ほてりの発生と時間内の異なるイベントのパターンとの任意の関係も抽出され得る。この入力は、予測モデル544に直接与えられ、あるいは、特徴が入力から抽出され得る。主成分分析等の統計的方法をカレンダー入力の特徴抽出及び次元縮退に用いることができる。
サブモデル2543−2は、24時間等の特定の時間におけるユーザのルーチンと関係する入力を受け、当該時間におけるほてりの発生の確率を出力する。従って、機械学習処理の出力は、m個の時間間隔に対応するm個のほてりの発生の確率から構成される。重回帰、遺伝的プログラミング、サポートベクター回帰、及びニューラルネットワークの差分構造等の機械学習方法をこの目的で用いることができる。一例として、m個の出力を有する多層パーセプトロン(MLP)ニューラルネットワークを、この目的でトレーニングすることができる。ある特定の実施形態におけるネットワークの基本構成は、図10に示すシステムであってよい。しかしながら、出力層は、各出力が0と1との間にあるように、ロジスティックス活性化関数を備えるm個のノードから構成され得る。ここで最小化されるコスト関数は、平均二乗誤差であってよく、最適化アルゴリズムを逆伝搬に設定することができる。
カレンダーにおける異なるイベントを、自然言語処理(NLP)技術を用いて抽出してもよく、それらの類似性に応じていくつかのグループに分類あるいはクラスタ化され得る。一の例において、異なるイベントは、重心分類、ナイーブベイズ等のアルゴリズムを用いて、所定のクラスに分類することができる。別の例においては、イベントは、K−Means等の分割アルゴリズムまたは凝集及び分類アプローチを含む階層アルゴリズムを用いてクラスタ化されてよい。
GPSからの入力を、サブモデル2543-2について、時間/位置入力の同様なマトリクスを形成するために用いることができる。カレンダーイベントとGPS位置並びにほてりの発生と間に関係がある場合、要素が特定の位置及び特定の時間での特定のイベントを表わす3Dデータチャートを生成することができ、これは、例えば図7に示すように座標で表わすことができる。
サブモデル3543-3の第3の入力カテゴリの例は、温度、湿度等の環境あるいは大気データを含むことができ、カテゴリ1と同様に扱うことができる。ほてりの確率が将来予測される実施形態においては、機械学習処理は、30分ごと等のいくつかの将来の時間間隔でほてりの確率を出力するように設計されてもよい。一例として、図10に示すような同様のニューラルネットワークを採用することができる。出力層は、将来の特定の時間間隔におけるほてりの確率をそれぞれ表わす複数の出力から構成され得る。残りの機械学習、最適化及びコスト関数は、同様である。
サブモデル4543−4についての第4の入力カテゴリの例は、ユーザの心的状態を含む。当該心的状態は、毎朝、自己報告の一部、例えば、0から10のスコアによって取得されてよく、サブモデル4543−4についての入力として用いられる。その日におけるほてりの回数及び/またはその重症度が、サブモデル4543−4のターゲット出力として用いられる。当該出力は、その日におけるほてりの重症度及び/または回数の尺度とすることができる。MLPは、これを、出力行動関数を線形関数とするモデル化のために用いられてよい。
入力の各カテゴリに設計されたサブモデル543−1、543−2、543−4、543−4(例えば、P1、P2、P3、P4)の出力は、ほてりの発生の最終的な確率Pを形成するため統合される。単純な例は、サブモデル543−1、543−2、543−3、543−4の出力確率の重み付け加算である。重みを見つけるため、回帰分析等の方法を適用することができる。サブモデル出力の線形重み付け加算では最終的な確率が得られない場合もあるので、より高度な機械学習方法を用いてもよい。この目的のため、カテゴリ1に関して説明した同様の機械学習方法を適用することができる。一例は、サブモデルの出力確率を受け、最終確率を出力するMLPである。k個のカテゴリがあると仮定して、システムは、k個の入力(入力基準に基づいたほてりの発生のk個の確率)を受け、単一の値であるほてりの発生の確率Pを出力する。
図6は、様々な実施形態に係る、予測モデルを生成する処理の別の例を示す。より具体的には、この処理は、図5に示す各サブモデルまたは予測モデルを生成するため用いることができる。図示するように、662における前処理及び特徴抽出のため、661においてデータが入力される。特徴ベクトルが663において出力され、666において予測モデルを生成する機械学習を実行するため入力される。
予測モデルは、観察及び/または集められたデータに基づいて、ほてりの発生の確率を与える。単純な例は、ほてりの発生およびそうでない場合に関連付けされたトレーニングサンプル間の線形の決定境界を定義するロジスティック回帰モデルである。入力と出力との間に、より複雑あるいは非線形の関係がある場合には、より複雑なモデルを構築することもできる。多層パーセプトロン(MLP)等のディープニューラルネットワークをこの目的に用いてもよい。n個の入力を有するMLPの構成を図10に示し、以下にさらに説明する。
最適なネットワークパラメータ(ニューラルネットワークの場合、重み及びバイアス)を算出するため、誤差逆伝搬等の最適化演算を用いることができ、これは、664においてバッチあるいはインクリメント手法で行うことができる。バッチモードでは、最適なパラメータを算出するため、ネットワークに全ての利用可能なトレーニングデータが提供され、一方で、インクリメント手法においては、トレーニングサンプルがネットワークに提供される度にパラメータが更新される。
665において、コスト関数を最小化することでモデルパラメータの最適化が行われる。コスト関数の一例は、想定されるほてりの確率と「真の」ほてりの分散との間でシステムが定義するクロスエントロピー誤差である。N個のトレーニングサンプルのデータセットがあるとして、クロスエントロピーコスト関数は以下のように定義される。
ここで、tiが0または1でありうるトレーニングサンプルiについての真のほてりの確率であり、Yiが0と1の間で任意の値となりえる予測される確率である。負の対数の尤度コスト関数を最小化することは、適切な確率の尤度を最大化することと等しい。
トレーニングの間に、コスト関数は、ほてりの発生に対応する入力が、1に近い出力確率となり、また、ほてりの発生と関連付けされていない入力が、0に近い出力確率となるようモデルパラメータを調整することで、最小化される。
新たな入力が供給された場合、構築されたモデルは、667において、0〜1の間で変化するほてりの発生の確率を出力する。当該モデルは、668において、新たなユーザ入力及び/またはフィードバックデータ、さらにはほてりの発生及びその重症度に関するセンサデータに基づいて経時的に更新される。
この目的に用いられ得る他の機械学習モデルは、ナイーブベイズ、確率的決定木、及び確率的サポートベクターマシーン分類を含む。リカレント型ニューラルネットワーク、放射状バイアスニューラルネットワーク等、ニューラルネットワークの他の構成も取り込まれてよい。
図7は、様々な実施形態に係る、ほてりを生じさせるイベントのグラフ表示の例を示す。より具体的には、図7は、ほてりを生じさせるイベントを相互に関連させる直方体表示770を示す。直方体の要素をそれらの座標(t、イベントt、loc)で表わし、イベントjが位置k及び時間間隔iで生じた場合、要素(i、j、k)は1が割り当てられ、そうでない場合には0が割り当てられる。3Dチャートの要素は、分析モジュール(例えば、機械学習及び/または予測モデルあるいはサブモデル)への入力を形成する。分析モジュールの出力は、望まれる時間間隔で確率関数を形成することができる。入力次元が非常に高度な場合があるので、次元縮退のために主成分分析等の統計的方法を用いてもよい。
図8は、様々な実施形態に係る、行為を引き起こす処理の例を示す。例えば、図8は、図4に示す行為モジュール434等の行為モジュール872の構成を示す。行為モジュール872は、ほてりの発生を軽減あるいは低減し、あるいは、ユーザへのその影響を軽減あるいは低減し得るいくつかの行為を実行する。行為モジュール872は、ユーザの近傍において特定の行為を生じさせる信号を出力し得る。これらの行為は、ユーザに安心を提供するよう設計され得る。当該行為の一例は、冷却装置等の冷却回路の動作開始である。上記のように、冷却回路は、他の装置のうち、ファンあるいは空調機であってよい。行為モジュール872は、また、あるいは、代替的に、ユーザが従い得る提案あるいはヒントを提供してよい。ヒントの一例は、リラクゼーション運動、食習慣の変更、冷房回路の使用等を含む。
当該行為は、1以上の閾値によって生じ得る。図8の具体的な例においては、閾値Tは、873において、ほてりの発生の最終の確率Pに応じて行為モジュールをトリガするよう設定される。ほてりの確率Pが閾値を越える場合、行為モジュール872はアクティブとなる。行為モジュール872は、874において、機械学習を用い、先のイベント及び入力データに基づいてほてりの発生を判別する。ある実施形態においては、行為モジュール872は、ほてりの開始に先立って数秒前から1分前に緩和出力/行為を提供可能であり、緩和出力/行為はほてりの全期間に渡って継続し、特定の生物学的パラメータが設定した閾値より下になった際に緩和出力/行為の提供を停止する。
行為モジュール872は、ユーザに提供可能な異なる行為及びヒントのデータベース875を備える。上記のように、行為モジュール872は、全てのカテゴリの入力を受け取り、ユーザフィードバックあるいは推測されたものであり得る、実行された行為の効果についてのフィードバックに応じて異なる行為に重み付けをする。具体的な例としては、行為は、ユーザによって0から10までスコアが付けられ、これらのスコアは、対応する行為の望ましい重みWを形成する。874において、生理的信号、環境的信号及びカレンダーから抽出された異なるイベントを含む入力カテゴリの組から学習を行うため、機械学習が行為モジュール872において用いられてよく、任意の特定の時間/場面/生理的な状態において最良の取るべき行為が得られる。機械学習の出力は、874において、n個の異なる重みから構成され、それぞれが、行為データベース内の行為に対応する。876において、トリガされる最大の重みを有するm個の行為/ヒントを選択するため、意思決定が行われる。
フィードバックがない状態で、ほてりの発生を低減するための効率(ほてりの発生の推定確率及び実際の生理的なほてりのイベントの組み合わせによって決定される)に基づいて、行為のパフォーマンスが評価される。ほてりが予測され、また行為の後に起こらなかった場合は、行為の対応する重みはPfinal×10に設定される。ほてりがまだ生じている場合には、行為の対応する重みは、0に設定される。実行されなかった行為の重みは更新されなくてもよい。
ほてりの発生確率は行為モジュール872によって影響を受ける場合があるので、予測モデルに関連付けした機械学習をトレーニングする際、また行為モジュール872によって始められた行為が未だアクティブな間には、熟慮が行われる。一例として、行為モジュール872をトリガするデータの部分を、トレーニングセットから排除することができる。別の例として、行為モジュール872から得られたフィードバック信号は、ユーザ状況及び実行された行為に関する正確な情報を提供するため、入力として機械学習に送り返されてもよい。別の特定の例として、図5に関連して説明した入力データカテゴリ1及び3は、行為モジュールのアクティビティを表わす行為モジュール872からの追加の入力を受け取ることができる。例えば、各行為は、1(行為モジュール872を用いて、行為が有効化されてすぐ)及び0(行為モジュールが行為を停止してすぐ)で表わすことができる。入力カテゴリ3、例えば、イベントタイムチャートは、実行された行為に対応する新しいイベントを加えることで更新することができる。
行為モジュール872のパフォーマンスは、実行された行為に応じて、フィードバック及びほてりの実際の発生に基づいて、評価される。特定の行為がほてりを抑えることに有効あるいはユーザを大まかに満足させた場合、閾値Tを低下させる。ユーザがトリガされた行為モジュール872に満足できない場合には、閾値Tを特定の値だけ下げてよく、これによって行為モジュール872のトリガを低くし、ほてりの確率が非常に高い場合のトリガを制限する。非常に高い閾値は、最終的には行為モジュール872をトリガすることができない。
行為/ヒントのデータベース875は、ユーザに与えられるいくつかのヒント(深呼吸等のリラクゼーション技法)やほてりの回数あるいは対象への影響を低減するために行われる異なる行為(冷却セラピー)を含む。行為の初期の重みは、エキスパートによって設定することができ、あるいは、システムの最初の使用時における行為のスコア付けを介してユーザによって設定される。機械学習を用いて、行為の効果及びほてりの発生あるいはユーザへのその影響を低減する際の行為の効率に基づいて、行為の重みを調整することができる。
図9は、様々な実施形態に係る、ほてり管理用のクラウドベースのシステムの例を示す。特定の実施形態においては、閉経期管理システムあるいは他のほてり管理システムは、クラウドベースの閉経期の管理システム980と通信する複数のパーソナル閉経期管理システム981、982、983を備えることができる。
クラウドベースの閉経期管理システム980は、機械学習処理及びデータベースを含んでよい。この機械学習への入力は、パーソナル閉経期管理システム981、982、983によって生成された報告を含んでよい。クラウドベースの閉経期管理システム980内の機械学習処理を用いて、ユーザの母集団からの情報の分析に基づいて、ほてり軽減方策を学習することができる。複数のユーザが年齢等のある共通の特徴を共有するか、あるいは、1以上の成功した特定のほてり緩和方策を発見し得る。当該知識が母集団データを集めることから収集される場合、当該情報は、例えばパーソナル閉経期管理システム981、982、983を介して個別のユーザによって共有されてよい。
図10は、様々な実施の形態に係る、システムを用いた情報のフローの例を示す。より具体的には、上記のように、図10はm個の出力を有するMLPニューラルネットワークの例を示す。図10にn個の入力を有するMLPの構成を示す。第1の隠れ層1088内の各ノードは、入力層1087からの入力の重み付け加算を算出し、結果をシグモイド関数等の活性化関数へ渡す。第1の隠れ層1088の出力は、続いて、別の重み付け加算が行われる次の層1089に供給され、適切な有効化機能を通過する。最後の隠れ層1089の出力は、重み付け及び加算され、続いて、出力層1090において連続的なほてりの確率値0から1が得られるよう、ロジスティックス活性化関数を通過する。
図11A−11Bは、様々な実施形態に係る、予測モデルの出力データの例を示す。より具体的には、図11A−11Bは、上記の入力データの異なるカテゴリに基づいて、時間の経過とともにほてりを有するユーザの異なる確率を示す。異なる入力データは、オンライン及び/またはオフラインでほてりの確率を示す異なるソースから得ることができる。データの異なるカテゴリは、ほてりの発生の予測における成功(例えば、特定のユーザあるいは他のユーザについての過去の成功)に基づいて異なる重みを有し、時間の経過とともに更新可能である。行為モジュールは、データのソース、及び閾値を越える確率に基づいてトリガされる。特定の実施形態においては、予測モデルによって示されるように、行為モジュールは、ほてりが予期され、軽減され、及び/または防止されるよう、確率が閾値を越える前に閾値期間にトリガされることができる。実施形態は、ほてりの軽減に限定されず、閉経期における他の症状を軽減あるいは管理するよう適用することができる。
図11Aに示す例における入力データのカテゴリは、オフライングループ証拠である第1のカテゴリ(例えば、夜間における発生の分布、昼食時における発生の分布、夕食時における発生の分布)と、オンラインのユーザ/複数ユーザの生理的な状態である第2のカテゴリ(例えば、心拍数、心拍数のばらつき)と、オンラインのユーザ/複数ユーザのルーチンである第3のカテゴリ(例えば、カレンダー情報、移動、会合)と、を含む。第4のカテゴリは、オンラインのユーザ/複数ユーザの生理的信号パターンの相違(例えば、5秒の分解能でのプレスチモグラフィー波形振幅の低下につながる心拍数の上昇)を含むことができる。第4のカテゴリは、例えば、行為モジュールの閾値トリガを設定するために用いてよい。カテゴリ1から3のそれぞれは、ほてりの発生の確率を示す予測モデルを生成するため動的に重み付けされてよい。
図11Bは、ほてりの影響の例を示す。図11Aに示したものと同様に、ほてりの影響の確率のストリーミング出力は、予測モデルを用いて生成することができる。例えば、ユーザが運動している際のほてりは、ユーザが他の人の前にいるとき(例えば、会合)、あるいは、眠っているとき(例えば、ユーザを起こしえる)と比較して、ライフスタイル及び/または生理的な影響として大きくない場合がある。行為モジュールによって実行された行為は、ユーザへの影響に応じて調整され、当該影響は、ある日の異なる時間においては同一ではない場合がある。上記のように、影響あるいは重症度は、スケール化されたパラメータであってもよい。
上記のシステム及びコンピュータ読み取り可能な命令は、動的にまた経時的に更新される予測モデルを生成することで、ユーザについてのほてりの様々な要因を追跡し、またほてりの影響を軽減するために用いてよい。動的な予測モデルに基づいて、システムは、ほてりの発生を予測し、差し迫ったほてりを予測し、ほてり及び/または他の閉経期症状によって生じた症状を軽減するために用いられる。
より詳細かつ実験から得られた実施形態
本開示に係る実施形態は、ほてりの管理、あるいは、特定の実施形態においては、1以上のユーザについての閉経期症状の管理に関するシステム及び方法に関する。以下は、上記のシステムの具体的な使用例を開示する。
第1の例として、ほてりの発生をある期間モニタリングし、表1等のテーブルが内部生成される場合を仮定する。この場合、ユーザインターフェースを介して、ユーザは、「過去数週間において、いつ私はほてりを持ったか」について質問し得る。これに応じて、表1等のテーブルが存在する場合、システムは、データの分析を開始し、表示モジュールを介して、「過去数週間において、ほてりは、典型的には午前2時から3時までに生じた」旨応答し得る。
第2の例として、ほてりの発生をある期間モニタリングし、表2等のテーブルが内部生成される場合を仮定する。この場合、ユーザインターフェースを介して、ユーザは、「過去数週間において、いつ私はほてりを持ったか、そして当該発生を最小限にするために私は何を行えるか」について質問し得る。これに応じて、表2等のテーブルが存在する場合、システムはデータの分析を開始し、表示モジュールを介して、「過去数週間において、ほてりは、典型的には午前2時から3時までに生じた。また、温度を華氏65に維持すれば、ほてりの発生が少なくなる傾向がある」旨応答し得る。
特定の実施形態は、閉経期管理システムに関する。上記のように、閉経期が近づく女性は、その人生における別の時よりも、睡眠に問題を抱え、また不眠症の症状に苦しみやすい。実験室設定における測定は、臨床的不眠症を有する閉経周辺期の女性が、夜間にかなりの時間覚醒しており(ゴールドスタンダードポリソムノグラフィックセンサで測定)、結果として他の女性よりも短い夜間の睡眠時間を過ごしていることを示している。おおむね50パーセントの女性が6時間未満の睡眠時間を有し、これは不健康になり得るリスクである。夜間のほてりは、中年の女性が報告する不眠症問題における中心的な問題である。様々な実験データは、ほてりの約70パーセントが覚醒(センサで客観的に測定)に関係し、一度対象がほてりによって目を覚ましてしまうと、対象は直ぐに眠りに戻ることができず、従って、睡眠が中断されることを示す。
図12は、様々な実施形態に係る、ほてりに関連あるいはほてりに関連しなかった覚醒時間の量についてのグラフ表示の例を示す。
必ずしも気づいていないが、誰でも夜間に断続的に目覚める(センサを用いて記録)。ほてりのある女性は、その目を覚ますシステムに「必要以上の負荷」を有する。ほてりの有病率は、一般に、睡眠の間に生じる。一般に、ほてりの存在は、対象の夜間における覚醒時間の全体に追加の覚醒時間を加えるものである。本開示に係るシステムは、ユーザについて、例えば夜間の、ほてりによる覚醒時間の量を減らすことができる。睡眠の不十分さ及びほてりが機能障害、生活の質が低下、作業生産性が低下、ヘルスケアの利用増加と関連しているため、睡眠に対するほてりの影響を低減することでよりよい生活の質が得られる。
図13は、様々な実施形態に係る、ほてりの発生に対する血圧変化の相関についてのグラフ表示の例を示す。目覚めと組み合わされたほてりは、強い心臓血管の活動に関係し、心拍数と血圧との両方が増加し得る。
より具体的には、図13は、ほてりの直前及びほてりの間の収縮期血圧(SBP)、平均血圧(MBP)及び拡張期血圧(DBP)を示す。グラフが示すように、SBPとDBPとは、ともに、ほてりにおいて2分で増加し、ほてりにおいて4分間高いままである。夜間及び複数の夜間のほてりによる覚醒時間の繰返しサイクルが、循環系に大きな被害を与える可能性があり、循環系上の睡眠による回復機能を阻害し得る。また、夜間に複数回のほてりを有することは、不安やストレス等の睡眠に影響を与える他の要因をコントロールした後でさえ、自己申告による覚醒時間が長くなることに関連する。女性は、暖かいものから熱っぽくまた激しいものに至るまでほてりを分類し、また大抵の場合それらを全身に渡って知覚する。彼女たちは、夜間のほてりは、煩わしく(49.8%)、不快であり(41.6%)、刺激性があり(34.7%)、睡眠を阻害すると報告している。ほてりは、女性の健康及び生活の質に明らかな効果があることを上記から推測することもできる。上記の様々な実施形態は、ほてりの発生の瞬間的な確率を算出可能なシステムに関する。このデータとともに、ユーザ及び/またはシステムは、ほてり及び/またはユーザの他の閉経期症状の影響を軽減する上で好適なステップを取り得る。
ほてりを有する、覚醒している女性についての研究は、皮膚交感神経活動の一時的な増加によって血管拡張が調整され、心拍数(HR)の上昇及び平均動脈圧の低下を伴うことを示す。また、ほてりは、潜在性の心臓血管(CV)疾病のより高いリスクの兆候であることを示している。具体的には、ほてりの存在及び/または重症度は、高い血圧(BP)、貧弱な内皮機能および血流依存膨張、より多くの大動脈石灰化、及びより高い頚動脈内膜中膜厚に関連し、ほてりの早期発症を有する女性において関連性がより強い。また、ほてりを有する女性は、悪化した脂質プロファイル、高い脂質及びリポプロテインレベル、インスリン耐性及び後のCV疾患イベントのリスク増加の可能性を有しやすい。様々な実施形態は、ほてりを潜在的なCVリスクのマーカーとリンクする根本的なメカニズムを検討するために用いることができ、ほてり自体は、潜在的なリスクの指標の一つに過ぎない。
多数回のほてりを有する女性のCVリスク増加に寄与する要因は、ほてりに関連した睡眠障害である。睡眠及びCVシステムは密接に関連しており、睡眠は、睡眠中のCV効果(BP、HR、心拍出量の低下)を全体的に低減する。睡眠からの覚醒は、CV効果の低下を妨げ、CV健康の悪化への経路となる。より高い夜間BPは、高血圧及び一般人口における悪化したCVイベントの強い前兆であり、内皮機能の低下に関連する。
ほてりは、睡眠の質の低下及び慢性不眠症に関連し、中程度から重度のほてりを報告する女性は、ほてりのない女性と比較して、約3倍頻繁な夜間覚醒を報告する傾向がある。生理的ほてりは、発汗の増加による胸骨の皮膚導電率の急増によって特定され、より客観的に特定される覚醒、より長い覚醒時間及び/またはより多くのステージN1(軽い)睡眠に関連する。
睡眠からの目覚め/覚醒との関連の有無に応じて、異なるパターンのCV変化が夜間のほてりに渡って存在することが知られている。ほてりが睡眠障害に関連している場合、BPは、持続的な増加を示す。これは、多数回のほてりによる目覚めイベントがある女性の夜間のCV回復を抑制し、最終的にはCV疾患のリスクを増加させる。実際には、夜間のBPプロファイルは、不眠症障害を伴う閉経期移行における女性において変化することが知られており、彼女たちは、対照群よりもほてりを持ちやすい。睡眠障害に関連するほてりは、阻害されていない睡眠におけるほてりと比較して、より大きなCV反応に関連していると考えられている。他のユーザ特徴(例えば、更年期、年齢、抑うつ症状)、及びほてりが生じた夜の睡眠ステージ並びに時間は、ほてりに関連する睡眠障害の可能性を予測することに用いられる。
図14は、様々な実施形態に係る、ほてりの発生に対する生理学における心拍間隔の変化の相関性を表すグラフ表示の例を示す。より具体的には、生理学における心拍間隔の変化は、例えば、図14に示すようにほてりの前(例えば、直前)の血圧の低下や心拍数の上昇であり、図14は、ほてりの直前の血圧(BP)、SBP、平均動脈圧(MAP)、DBP、及びHR測定を示す。
上記のように、様々なシステムは、夜間のほてりに渡るCV変化の異なるパターンを利用することができる。システムは、ほてりを予測及び/または予想するため、BP、HR、皮膚コンダクタンス及び他の生理的パラメータの入力を含んでよい。特定のユーザについて、システムは、ほてりが睡眠障害に関連している場合、BPが継続的な増加を示すことを特定可能であり、当該継続する増加は、複数回のほてりによる覚醒イベントを持つ女性における夜間のCV回復を抑制し、最終的には、CV疾患のリスクを増加させる。
頻度を超えるほてりの特徴は、ほてりに関連した覚醒の量、ほてりが現れる年齢、及び閉経期移行にわたるほてりの軌道パターンを含む将来のほてりの予測に有益である。
少数回のほてりは、睡眠障害なしで生じる。これらのほてりのイベントについては、HRは皮膚コンダクタンスが上昇する前に高くなり、ほてりの期間においてベースラインよりも高い状態を維持し、これは、女性が目が覚めている時に記録されるほてりにおいて生じることに類似する。また、PEPは短く、心臓の迷走神経活動は、睡眠におけるほてりの間に低下する。まとめると、これは、ほてりの間におけるHRの上昇は、心臓の迷走神経の離脱及び心臓の交感神経の活性化の組み合わせによって生じることを示す。また、血圧は、阻害されないほてり(及び、日中に女性が覚醒していて動いていないときに記録されるほてりについても同様)に渡り低下し、これは、血流の増加に伴う総抹梢抵抗の減少、特に熱を消散させる皮膚血管によるものである可能性があり、これは、皮膚コンダクタンスの上昇の前に明白であり得る。BPの低下は、HRが回復期間に継続して高いがBPがベースラインに戻るよう、HRを上昇(ほてりが生じた際の初期HRの上昇を越える)させる圧反射反応を引き起こし得る。従って、阻害されない睡眠中のほてりに対するCV反応は、正常な体温調整の反応を表わし、覚醒中のほてりに対する反応に類似する。
場合によっては、夜間のほてりについては、覚醒が、ほてりの開始より遅れる。これらのほてりの周辺でのCV測定の実験は、他の2つのほてりカテゴリの要素を示す。つまり、ほてりの開始に関連する初期変化(放熱反応を反映するHRの上昇及びBRの低下)、及び覚醒に関連する後の変化(HRとBPの上昇)である。おそらく、覚醒を伴うほてりは、より集中的なトリガを有し、ほてりの開始と同時に覚醒を引き起こす。しかしながら、遅延した覚醒を伴うほてりについては、初期の激しさはそれほど強くない場合もあり、女性は、ほてりを特徴づける一連の変化(汗をかく、皮膚血流及び体温の変化、BPの低下)の後に目覚める場合がある。
睡眠からの覚醒の尤度を判別する他の要因は、睡眠ステージ及び睡眠の深さ、刺激モダリティ及び個人的な特徴(例えば、年齢)を含み、これらの要因は、図11Bに示すように、ほてりの影響を判別するためにシステムによって用いられる。睡眠時のほてりは、N3睡眠でより生じやすい。N3(徐波睡眠)は、聴覚刺激に対する高い覚醒閾値に関連し、同様にほてりに対する高い覚醒閾値があり得る。睡眠時のほてりは、レム睡眠においてより生じやすく、これは、レム睡眠における覚醒反応の低下及び/または体温調節系の潜在的な感度低下、並びにレム睡眠における関連した発汗反応の低下によるものであり得る。レム睡眠において生じるほてりは、他の睡眠ステージにおけるものと比較して強度が弱い(つまり、覚醒/目覚めと関連する可能性が低い)。加齢は、ほてりに関連した睡眠障害を起こす尤度が高くなることと関連し、これは、高齢者の覚醒閾値がより低いことによるものであり得る。女性は、時間の経過とともにほてりが増加すると、ほてりに関連した覚醒に対してより敏感になり得る。あるいは、ほてりが高齢の女性においてはより重大になり得る。
様々な実施形態を、2018年7月6日に出願された基礎となる仮出願(第62/694,946号)、発明の名称「閉経期管理システム」に従って実施することができ、当該基礎出願による利益を主張し、またその一般的及び特定の教示について参照により全体を本明細書に完全に取り込む。例えば、本明細書及び/または仮出願における実施形態は、さまざまな程度(全体を含む)で組み合わせることができる。基礎となる仮出願によって提供される実験的な教示並びに基礎的な文献についても参照され得る。仮出願において説明した実施形態は、特に言及しない限り、全体的な技術的開示あるいは特許請求の範囲に記載される開示の如何なる部分を限定することを意図したものではない。
本明細書において、ある特徴または要素が別の特徴または要素の「上にある」と記載した場合、他の特徴あるいは要素に直接配置可能であり、または、介在する特徴あるいは要素が存在してもよい。一方で、本明細書において、ある特徴または要素が別の特徴または要素の「上に直接ある」と記載した場合、介在する特徴または要素は存在しない。本明細書において、ある特徴または要素が別の特徴または要素に「接続」、「取り付け」、あるいは「結合」されたと記載した場合、他の特徴あるいは要素に直接接続、取り付け、あるいは結合可能であり、または、介在する特徴あるいは要素が存在してもよい。一方で、本明細書において、ある特徴または要素が別の特徴または要素の「直接接続」、「直接取り付け」あるいは「直接結合」されたと記載した場合、介在する特徴あるいは要素は存在しない。
一の実施形態に関して説明あるいは図示したが、そのように説明あるいは図示した特徴及び要素は、他の実施の形態にも適用可能である。別の特徴の「近傍に」配置した構成あるいは特徴については、近傍の特徴と重なるあるいはその下に横たわる部分を含んでよい点、当業者にとって明らかである。
本明細書において用いる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするもので、本発明を限定することと意図していない。例えば、本明細書において用いるように、単数形の冠詞「a」、「an」及び「the」は、明白な説明がない限り、複数形も包含する。用語「含む」または「含んでいる」については、本明細書において用いられた場合、記載された特徴、ステップ、動作、要素、及び/または部材の存在を特定するものであり、1以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、及び/またはグループの存在あるいは追加を排除するものではない。本明細書で用いる「及び/または」という用語は、1以上の関連性のある列挙したアイテムの任意及び全ての組み合わせを含み、「/」と短縮することができる。
空間に関する相対的用語、例えば、「真下」、「下」、「低い」、「超える」、「上」等は、本明細書において、図示するように、1の要素あるいは特徴の別の要素あるいは特徴に対する関係についての説明を容易にするために用いられ得る。空間に関する相対的用語は、図示した配置に加えて、使用あるいは動作時における装置の異なる配置も包含することを意図していることが理解される。例えば、図中の装置が反転された場合、他の要素あるいは特徴に対して「真下」あるいは「下」と説明された要素は、他の要素あるいは特徴に対して「上に」配置されることになる。従って、例示的な用語「真下」は、上及び真下の両方の配置を包含する。装置は他の形で配置(他の配置に対して90度回転)されてよく、本明細書における空間に関する相対的用語は、それに応じて解釈される。同様に、用語「上に」、「下に」、「垂直に」、「水平に」等は、本明細書において特段の説明がない限り、説明の目的のみで用いられる。
様々な特徴/要素を説明するため、本明細書において「第1」及び「第2」という用語を用いたが、特段の説明がない限り、これらの特徴/要素はそれらの用語に限定されるものではない。これらの用語は、1の特徴/要素を別の特徴/要素と区別するために用いられる。従って、以下で説明する第1の特徴/要素を、第2の特徴/要素と称することもできるし、同様に、以下で説明する第2の特徴/要素を、本発明の技術的範囲から逸脱しない限り、第1の特徴/要素と称することもできる。
実施例を含む本明細書及び特許請求の範囲において用いられた場合、全ての数値は、特段の説明がない限り、明白に記載されていなくとも、「おおよそ」、「約」という用語が修飾しているように理解されるべきである。「おおよそ」または「約」という用語は、説明した値及び/または位置が、値及び/または位置が、合理的な値及び/または位置の範囲内であることを示すよう、大きさ及び/または位置を説明する際に用いられる。例えば、数値は、記載した数値(または値の範囲)のプラスマイナス0.1%、記載した数値(または値の範囲)のプラスマイナス1%、記載した数値(または値の範囲)のプラスマイナス2%、記載した数値(または値の範囲)のプラスマイナス5%、記載した数値(または値の範囲)のプラスマイナス10%等の値を含んでよい。本明細書において記載したある数値範囲は、当該範囲に含まれるサブ範囲を含むことを意図している。
様々な例示的な実施形態について説明したが、特許請求の範囲において記載される本発明の技術的範囲から逸脱しない限り、任意の数の変更を様々な実施形態において行うことができる。例えば、様々な上記の方法ステップを実行する順序は、代替的な実施形態において変更されてもよく、他の代替的な実施形態においては、1以上の方法ステップを、完全にスキップしてもよい。装置及びシステムの実施形態における任意選択的な特徴は、ある実施形態においては含まれるが、別の実施形態では含まれなくてもよい。従って、上記の説明は、主として説明の目的で提供されたもので、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
本明細書(特許請求の範囲を含む)内で用いた様々な用語は、特段の説明がない限り、技術分野における一般的な意味を含意する点、当業者にとって理解され得るところである。一例として、本明細書は、図示、あるいは、ブロック、モジュール、装置、システム、ユニット、コントローラ及び/または他の回路形態等(例えば、図4の参照番号431−436は、本明細書で説明したように、ブロック/モジュールを示す)の用語を用いて説明された様々な回路あるいは回路構成の形態で特許請求の範囲に記載の開示内容を実施する上で有益な実施例を説明及び/または図示する。当該回路または回路構成は、特定の実施形態が、どのように構成、ステップ、機能、動作、行為等として実施され得るか例示的に説明するため、他の要素とともに用いられる。例えば、特定の上記の実施形態においては、1以上のモジュールは、個別のロジック回路あるいはプログラミング可能なロジック回路であり、図5及び6に示す手法を実施するように、その動作/行為を実施するよう構成あるいは配置される。特定の実施形態において、当該プログラミング可能な回路は、1以上のコンピュータ回路であり、命令のセット(または複数のセット)として実行(及び/またはプログラミング可能な回路の実行方法を定める構成データとしても用いられる)されるプログラムを記憶及びアクセスできるようにするメモリ回路を備え、図10に示すアルゴリズムあるいは処理がプログラミング可能な回路によって用いられ、関連するステップ、機能、動作、行為等が行われる。用途によっては、命令(及び/または構成データ)は、命令(オブジェクトコード、ファームウェアあるいはソフトウェアの形態で特徴づけられる)がメモリ(回路)に記憶されてアクセス可能な状態で、ロジック回路内で実施されるよう構成されることができる。
上記の様々な実施形態は、組み合わせて及び/または他の態様で実施し得る。本開示における1以上のアイテムは、個別に実施されてもよいし、あるいは、より一体的に実施されてもよいし、または、特定の用途において有益であれば特定の場合においては除去及び/または動作不能にされてもよい。本明細書における説明を鑑み、本開示の技術的範囲から逸脱しない限りにおいて、様々な変更を行うことが可能な点、当業者にとって明らかである。

Claims (20)

  1. 通信回路を備え、ユーザに関連した身体的測定結果を取得し、前記身体的測定結果を通信するよう構成されたセンサ回路と、
    複数の入力パラメータに基づいて、ある日時にユーザがほてりを有する確率を示す予測モデルを生成し、前記予測モデルを用いて、前記身体的測定結果に基づいて前記確率を修正し、前記修正された確率が閾値外にあることに応じて、行為を示すデータを通信するよう構成されたロジック回路と、
    を備えるシステム。
  2. 前記システムは、閉経期管理システムであり、通信される前記データは、冷却回路を起動する命令を含み、前記システムは、さらに、通信回路及び熱伝達回路を備える前記冷却回路を備え、前記命令に応じて前記ユーザに冷却を提供するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記センサ回路は、前記ユーザから生理的信号を感知するウェアラブルな生理的センサと、大気測定結果を感知する別のセンサと、を備え、前記閾値外の前記修正された確率は、前記ユーザについて、ほてりが差し迫っていることを示す、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記ロジック回路は、前記複数の入力パラメータを受け取り、前記入力パラメータは、報告されたほてり、スケジュールあるいはカレンダーデータ、ストレスレベル、一般的な気分、食生活データ、健康情報、運動データ、睡眠データ及びそれらの組み合わせ、を含む、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記センサ回路によって取得された前記身体的測定結果は、生理的信号、大気測定結果、運動データ、及びグローバル位置データを含み、前記ロジック回路は、ほてりを軽減するための行為をユーザが行うようメッセージを送信することを含む、前記行為を示すデータを通信する、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記予測モデルは、それぞれがほてりをユーザが有する確率を示す複数のサブモデルを含み、前記複数のサブモデルは、それぞれ、前記複数の入力パラメータのうちの特定のパラメータに関連付けされるとともに、関連した重みを有する、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記サブモデルは、前記特定の入力パラメータに基づいて、前記ユーザについてほてりの異なるパターンを含む、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記ロジック回路は、経験したほてりを示すフィードバックデータに基づいて、経時的に前記予測モデルを修正するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記フィードバックデータは、前記ほてりの身体位置を示す、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記ロジック回路は、前記センサ回路に、前記確率が前記閾値内でかつ別の閾値外にあることに応じて、前記身体的測定結果を調整するよう命令を供給する、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  11. 実行された際に、コンピュータ装置のプロセッサに、
    ユーザ及び他のユーザについてのほてりの要因を示す複数の入力パラメータを受け取らせ、
    前記複数の入力パラメータに基づいて、ある日時においてユーザがほてりを有する確率を示す予測モデルを生成させ、
    前記予測モデルを用いて、センサ回路から受け取った前記ユーザの身体的測定結果に基づいて前記確率を修正させ、
    前記修正された確率が閾値外にあることに応じて行為を示すデータを通信させ、前記行為は、先のユーザの反応に基づくものである、命令を含む、
    非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  12. 前記通信されるデータは、前記ユーザに着用される冷却回路を起動する命令であり、前記の起動に応じて、前記ユーザに冷却を提供して差し迫った、あるいは生じているほてりを軽減する、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  13. 前記命令は、さらに、前記閾値内の追加で受け取られた身体的測定結果に基づいて、さらに修正された確率に応じて、前記ユーザに着用された前記冷却回路を停止する別の命令を生成するよう実行される、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  14. 前記予測モデルを生成する前記命令は、経時的に受け取られた追加の入力パラメータに応じて前記予測モデルを修正するよう実行される、ことを特徴とする請求項11に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  15. 前記命令は、さらに、前記確率が別の閾値外で前記閾値内にあることに応じて、前記身体的測定結果を調整するよう、前記センサ回路に命令を与えるように実行され、前記確率が前記別の閾値外にあることは、前記ユーザについて予測されるほてりを示す、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  16. 通信回路を備え、ユーザから身体的測定結果を取得し、前記身体的測定結果を通信するよう構成されたセンサ回路と、
    複数の入力パラメータに基づいて、ある日時にユーザがほてりを有する確率を示す予測モデルを生成し、前記予測モデルを用いて、前記身体的測定結果に基づいて前記確率を修正し、前記修正された確率が閾値外にあることに応じて、命令を通信するよう構成されたロジック回路と、
    通信回路及び熱伝達回路を備え、前記ロジック回路からの前記命令に応じて、前記ユーザに冷却及び/または冷却の感覚を提供するよう構成された冷却回路と、
    を備えるシステム。
  17. 前記センサ回路は、前記ユーザから生理的信号を感知するウェアラブルな生理的センサと、大気測定結果を感知する別のセンサと、を備え、前記冷却は、前記ユーザのほてりを軽減する、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記センサ回路は、異なる身体的測定結果を取得する複数のセンサを備え、前記冷却回路は、前記ユーザの異なる身体位置に配置される複数のウェアラブル冷却装置を備える、請求項16に記載のシステム。
  19. 前記ロジック回路は、さらに、前記予測モデルに基づいて、前記複数のウェアラブル冷却装置のうちのいずれに命令を通信するか特定する、請求項18に記載のシステム。
  20. 前記センサ回路は、前記冷却の適用中に追加の身体的測定結果を取得及び通信するよう構成され、
    前記ロジック回路は、さらに、前記追加の身体的測定結果に基づいて前記確率を修正し、前記さらに修正した確率が前記閾値未満となったことに応じて、別の命令を通信し、前記閾値未満となった前記修正された確率は、ほてりが完了したことを示し、
    前記別の命令に応じて、前記冷却回路は、前記ユーザに冷却を提供することを停止する、
    ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
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