<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した操作手段をなす演出ボタン25が設けられている。なお、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネルが設けられていてもよい。また、演出ボタン25にはLEDが内蔵され、上面の発光態様(点灯、消灯、点滅、発光色等)を変化させることができるようになっていてもよい。
さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
また、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2および図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2および図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図であって、図2は下可動装置44aのメイン表示装置露出状態を示す図であり、図3は下可動装置44aの上大入賞口内部ユニット露出状態を示す図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。本実施形態の遊技機10は、表示装置41として、メイン表示装置41aとサブ表示装置41bとを備えている。
メイン表示装置41a(変動表示装置)は、7つの発光体(セグメント)が8の字に配された7セグ表示器(変動表示領域)が3つ並んだ構成となっている。各発光体は独立して発光態様(点灯、消灯、点滅、発光色等)を変化させることができ、発光態様を制御することにより7セグ表示器毎に識別情報(特別図柄)を表示可能である。また、複数の7セグ表示器を組み合わせて情報を表示することも可能である。このメイン表示装置41aでは、特図変動表示ゲームに対応して複数の識別情報(特別図柄)を変動表示した後に停止表示する飾り特図変動表示ゲームが実行される。また、発光態様の変化により特図変動表示ゲームに関する演出も実行可能である。
サブ表示装置41bは、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。
サブ表示装置41bの表示画面には、特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像などの遊技に関する情報が表示される。また、サブ表示装置41bの表示画面には、未消化の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示や、遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)などが表示される。
サブ表示装置41bは、下可動装置44aが有する可動役物44a1の前面に装着されている。
また、センターケース40には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。盤演出装置44のうち下可動装置44aは、可動役物44a1を有しており、当該可動役物44a1は、図2に示すようにメイン表示装置41aの下方へ退避した初期位置と、図3に示すようにメイン表示装置41aの前方に重なる動作位置と、の間で動作可能である。すなわち、下可動装置44aは、可動役物44a1が初期位置にあるメイン表示装置露出状態と、可動役物44a1が動作位置にある上大入賞口内部ユニット露出状態と、に変換可能である。
また、センターケース40には、装飾や演出のための発光をする盤装飾装置46が備えられている。
盤装飾装置46のうち右打ちランプ46aは、図2や図3に示すように、センターケース40の右部に配設されている。右打ちランプ46aは、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)に点灯する。
盤装飾装置46のうちロゴ部材46bは、図2や図3に示すように、センターケース40の上部に配設されている。本実施形態において、ロゴ部材46bは、4つの文字発光部が並んだ構成となっており、各文字発光部は独立して発光態様(点灯、消灯、点滅、発光色等)を変化させることができるようになっている。なお、中央2つの文字発光部のうち左側の文字発光部が図2に示す位置から左隣の文字発光部の後方位置へと移動するとともに、中央2つの文字発光部のうち右側の文字発光部が図2に示す位置から右隣の文字発光部の後方位置へと移動して、内側から告知ランプ等が出現するよう構成されていてもよい。
また、センターケース40の左部には、特図変動表示ゲームに関する情報を表示する情報表示装置48が設けられている。
情報表示装置48は、第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶の数を表示する第1情報表示部、第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶の数を表示する第2情報表示部を備える。また、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームを表示する第3情報表示部や、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームを表示する第4情報表示部を備える。
遊技領域32におけるセンターケース40の右方には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34を通過した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図18参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側に配された第1特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右部であって右打ちランプ46aの上方には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図18参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図18参照)により検出される。また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右方であって、普図始動ゲート34の下方には、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が配設されている。
普通変動入賞装置37は、上端側が左側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えている。この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できないように鉛直になって閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図18参照)によって上端側が左側に倒れるように動作されて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球(図2に示す穴37dを通って普通変動入賞装置37の表面側から裏面側へと移動した遊技球)は、始動口2スイッチ37a(図18参照)により検出される。なお、閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としてもよい。図2においては、破線によって普通変動入賞装置37の内部構造を示している。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口、下大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、後方へ退避することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な開閉部材38c(図17(a)参照)を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって下大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)から開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての下大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b(図18参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される下大入賞口を備え、特別遊技状態中は、下大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。下大入賞口の内部(入賞領域)には、当該下大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下カウントスイッチ38a(図18参照)が配設されている。
なお、下カウントスイッチ38aを複数設けて、下大入賞口内に流入した遊技球を何れかの下カウントスイッチ38aで検出するよう構成されていてもよい。このように下カウントスイッチ38aを複数設けることで、下大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
また、センターケース40の右部であって右打ちランプ46aの下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(第2大入賞口、上大入賞口)39が配設されている。
第2特別変動入賞装置39は、上端側が右側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材39cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって上大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)から開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第2特別変動入賞装置39は、例えば、駆動装置としての上大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b(図18参照)により駆動される可動部材39cによって開閉される上大入賞口を備え、特別遊技状態中は、上大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。上大入賞口の内部(入賞領域)には、当該上大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての上カウントスイッチ39a(図18参照)が配設されている。特別遊技状態では、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れか一方が開放されるが、何れを開放するかは特図変動表示ゲームの結果態様(特別結果)により決定される。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで第1始動入賞口36や左側の一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や第1特別変動入賞装置38や第2特別変動入賞装置39や右側の一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームや、普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームや、各種情報などを表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51及び第2特図変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、LEDランプで構成された各種表示器を備える。各種表示器には、普図変動表示ゲーム用の普図表示器53と、第1特図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器54と、第2特図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器55と、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器56と、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57と、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58と、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59と、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38,39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60と、が含まれている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1から3を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ2のみを点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ3のみを点灯状態とする。そして、保留数が「4」のときはランプ1から3の全てを点灯状態にする。
特図1保留表示器54は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。ここでは、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55において普図保留表示器56と同様の点灯態様で始動記憶数を表示するようにしている。
第1遊技状態表示部57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示部58は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部59は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図18参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図18参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図18参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41(例えば、サブ表示装置41b)においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっていてもよい。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが(優先して)実行されるようになっていてもよい。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
<遊技盤の詳細>
次に、本実施形態の遊技機10における遊技盤30の詳細について説明する。図4は、遊技盤30の前面側から見た分解斜視図である。
図4に示すように、遊技盤30は、略矩形板状の遊技盤本体81と、センターケース(包囲枠体)40の前側部分を構成する前方構成部材82と、センターケース(包囲枠体)40の後側部分を構成する後方構成部材をなす演出ユニット83、上制御ベース84、下制御ベース85、および排出ユニット86と、を備える。
上制御ベース84の後面側には、例えば演出制御装置300が配設され、下制御ベース85の後面側には、例えば遊技制御装置100が配設される。
本実施形態では、演出ユニット83が大きいため、制御ベースを上制御ベース84と下制御ベース85とに分けているが、上制御ベース84と下制御ベース85とは一体的に形成されていてもよい。
遊技盤本体81には、前後方向に貫通する開口81aが形成されている。
遊技盤本体81には、普図始動ゲート34や、第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38や、普通変動入賞装置37や、左下および右下の一般入賞口35や、一括表示装置50などが設けられている。
前方構成部材82は、遊技盤本体81の開口81aに対して前面側から嵌め込まれることで取り付けられる。
前方構成部材82には、第2特別変動入賞装置(上大入賞口)39や、右打ちランプ46aや、情報表示装置48や、ステージ部42や、センターケース40の外側の遊技領域32を流下する遊技球を受け入れてステージ部42へと誘導するためのワープ流路部43や、右上の一般入賞口35などが設けられている。
《演出ユニット》
図5は、演出ユニット83を説明する図であって、演出ユニット83を構成する各ユニットの前面側から見た斜視図である。
演出ユニット83は、上制御ベース84内に収容された状態で、遊技盤本体81に対して後面側から取り付けられるようになっている。すなわち、演出ユニット83は、遊技盤本体81の後面に上制御ベース84によって止着されている。
図5に示すように、演出ユニット83は、表示装置41や下可動装置44aを有する7セグメントユニット83aと、7セグメントユニット83aが有するメイン表示装置41aの上方に配設され、ロゴ部材46bを有するロゴユニット83bと、7セグメントユニット83aが有するメイン表示装置41aの下方に配設された上大入賞口内部ユニット83cと、を備えて構成される。また、図4に示すように、演出ユニット83には、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球を排出ユニット86へと誘導するための裏面流路部83dが取り付けられている。
下可動装置44aは、可動役物44a1と、当該可動役物44a1をメイン表示装置41aの下方へ退避した初期位置とメイン表示装置41aの前方に重なる動作位置との間で移動させる役物駆動機構部44a2と、を備えている。
役物駆動機構部44a2は、一端部が可動役物44a1の左端部に回動可能に結合された第1アーム部材44a21と、一端部が可動役物44a1の右端部に回動可能に結合された第2アーム部材44a22と、第1アーム部材44a21および第2アーム部材44a22を回動させる駆動源(図示省略)と、を有している。
可動役物44a1は、当該駆動源の駆動力によって、第1アーム部材44a21が当該第1アーム部材44a21の他端部に設けられた回動軸(図示省略)を中心にして回動されるとともに、第2アーム部材44a22が当該第2アーム部材44a22の他端部に設けられた回動軸44a23を中心にして回動されることで、初期位置から動作位置まで移動可能である。また、可動役物44a1は、第1アーム部材44a21および第2アーム部材44a22が当該駆動源の駆動力によって逆方向に回動されることで、動作位置から初期位置まで移動可能である。
可動役物44a1の初期位置は、メイン表示装置41aの下方へ退避した位置、すなわち上大入賞口内部ユニット83cの前方に重なる位置である。したがって、可動役物44a1が初期位置に位置する場合(下可動装置44aがメイン表示装置露出状態である場合)、図2に示すように、メイン表示装置41aの要部は前方から視認可能となるとともに、上大入賞口内部ユニット83cの要部は可動役物44a1で隠れて前方から視認困難(視認不能)となる。
一方、可動役物44a1の動作位置は、メイン表示装置41aの前方に重なる位置、すなわち上大入賞口内部ユニット83cの上方へ退避した位置である。したがって、可動役物44a1が動作位置に位置する場合(下可動装置44aが上大入賞口内部ユニット露出状態である場合)、図3に示すように、メイン表示装置41aの要部は可動役物44a1で隠れて前方から視認困難(視認不能)となるとともに、上大入賞口内部ユニット83cの要部は前方から視認可能となる。
ここで、上述したように、特別遊技状態では、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れか一方が開放される。すなわち、特別遊技状態には、第1特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態と、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態と、がある。
本実施形態では、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態の開始時に、可動役物44a1を初期位置から動作位置へと移動させ、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態の終了時に、可動役物44a1を動作位置から初期位置へと移動させることとする。すなわち、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中は、下可動装置44aを上大入賞口内部ユニット露出状態にする。これにより、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中は、上大入賞口内部ユニット83cが前方から視認可能となる。
さらに、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中は、大当り中演出(ファンファーレ演出、ラウンド演出、インターバル演出、およびエンディング演出)として、可動役物44a1の前面に装着されているサブ表示装置41bに現在のラウンド数や獲得遊技球数などを表示する演出を実行することとする。
《上大入賞口内部ユニット》
図6は、上大入賞口内部ユニット83cを説明する図であって、上大入賞口内部ユニット83cの前面側から見た分解斜視図である。
上大入賞口内部ユニット83cは、第2特別変動入賞装置(上大入賞口)39の一部であり、遊技球演出(遊技球を利用した演出)を実行するユニットである。
具体的には、上大入賞口内部ユニット83cは、図6に示すように、ベース部材610と、ベース部材610の前面側に配設された回転体620、演出流路となる空間を形成する空間形成部材630、LED基板641,642,643、前面カバー650、および誘導流路部660と、ベース部材610の後面側に配設された発光部材670および回転体駆動機構部680と、を備えて構成される。上大入賞口内部ユニット83cを構成する各部のうち少なくともベース部材610、空間形成部材630(具体的には、空間形成部材630を構成する前面壁631と後面壁632)、および前面カバー650は光透過性を有している。すなわち、少なくともベース部材610、空間形成部材630、および前面カバー650は、透明または半透明となっている。
ベース部材610の前面には、空間形成部材630および前面カバー650を透して前方から視認可能な意匠部が設けられている。具体的には、ベース部材610の前面の略中央部には、「∞(無限大)」を模した形状の凸部である∞状意匠部611が設けられている。また、ベース部材610の前面のうち∞状意匠部611の周辺には、「遊技球」を模した形状の凸部である球状意匠部612が複数(本実施形態では6個)形成されている。
図7は、発光部材670を説明する図であって、(a)は発光部材670を構成するLED壁671の前面側から見た図であり、(b)は発光部材670の前面側から見た図である。
発光部材670は、ベース部材610の∞状意匠部611を後方から照らす装飾用照明手段である。具体的には、発光部材670は、図6に示すように、ベース部材610の後面に∞状意匠部611に対応して止着されたLED壁671と、LED壁671の後面に∞状意匠部611に対応して止着されたLED基板672と、を備えて構成される。
図7(b)に示すように、LED基板672は、ベース基板672aと、ベース基板672a上に∞状に並んで実装された複数(本実施形態では15個)のLED672bと、を備えて構成される。
LED壁671は、前後に貫通する∞状の貫通孔671aを有し、LED基板672のLED672bよりも厚い(前後方向の長さが長い)部材である。LED壁671は、LED基板672からの光を∞状意匠部611へと集中させるために設けられている。すなわち、LED壁671は、∞状意匠部611を際立たせて発光部材670の装飾効果を高めるために設けられている。
図7(a)に示すように、LED壁671の貫通孔671aは複数(本実施形態では12個)の仕切り壁671bによって仕切られている。図7(b)に示すように、貫通孔671aのうち隣り合う仕切り壁671bで挟まれた空間内には、それぞれ1個のLED672bが配設されるようになっている。このように、LED672bを1個ずつ仕切ることによって直進的な光を遊技者側に向けることができるため、∞状意匠部611を一層際立たせることが可能となる。
なお、LED基板672のベース基板672aの前面(LED実装面)の色は、適宜選択可能であるが、LED実装面の色は黒色等の明度が低い色が好ましい。
LED実装面の色が白色等の明度の高い色の場合、LED672bから出射された光がLED実装面で反射して拡散する。これに対し、LED実装面の色が黒色等の明度の低い色の場合、LED672bから出射された光がLED実装面で反射して拡散することを抑制できるため、より直進的な光を遊技者側に向けることができる。本実施形態では、一括表示装置50が備えるLED基板においても、より直進的な光を遊技者側に向ける等の観点から、LED実装面の色が黒色等の明度が低い色になっている。
本実施形態において、上大入賞口に入賞した遊技球、すなわち可動部材39cが拾った遊技球は、誘導流路部660と、前面カバー650に設けられた前後方向に貫通する誘導孔650aと、空間形成部材630に設けられた前後方向に貫通する誘導孔630aと、によって回転体620へと誘導される。そして、回転体620へと誘導された遊技球は、回転する当該回転体620によって、空間形成部材630内(すなわち演出流路)へと誘導される。
図8は、回転体620を説明する図であって、(a)はベース部材610に取り付けられた状態の回転体620の前面側から見た図であり、(b)は回転体620の前面側から見た図である。
図6に示すように、回転体620は、円板状の部材であり、ベース部材610を前後に貫く回転軸621によって、当該回転軸621を中心にした回転が自在なように支持されている。
回転体620には、遊技球を収容可能な遊技球収容部620aと、遊技球を排出ユニット86へと誘導可能な遊技球排出部620bと、が設けられている。具体的には、回転体620には、図8(a),(b)に示すように、前後方向に貫通する複数(本実施形態では8個)の孔部が、当該回転体620の周方向に並ぶように設けられている。当該孔部は、遊技球が通過可能なサイズに形成されており、これらの孔部のうち、遊技球の排出(具体的には、遊技球が当該孔部の前方から後方へと通り抜けること)を規制する排出規制壁622を後端側に有する孔部が、遊技球収容部620aをなし、排出規制壁622を有していない孔部が、遊技球排出部620bをなす。
本実施形態では、遊技球排出部620bが最下に位置する状態、すなわち図8(a),(b)に示す状態を、回転体620が“初期位置”にある状態とする。
なお、本実施形態では、回転体620が有する遊技球排出部620bの個数を1個としたが、遊技球排出部620bの個数は1個に限定されず、複数個であってもよい。
回転体620を駆動する回転体駆動機構部680は、図6に示すように、モータ(駆動源)681と、モータ681から回転力が伝達される主動ギア(駆動ギア)682と、回転体620に回転力を伝達する従動ギア683と、主動ギア682と従動ギア683とを連動させる中間ギア684と、回転体620が初期位置にあることを検出する初期位置センサ685と、を備える。
本実施形態において、初期位置センサ685は、発光素子と受光素子とを備えており、受光素子による受光結果を演出制御装置300に出力する。中間ギア684には、初期位置センサ685における発光素子から受光素子への光を遮断する遮光板(図示省略)が設けられており、当該遮光板によって発光素子から受光素子への光が遮断された場合に、演出制御装置300は、回転体620が初期位置にあると判断する。
図6に示すように、ベース部材610には前後方向に貫通する丸孔610aが設けられており、回転体620の回転軸621は、当該丸孔610aを回転自在に挿通している。回転軸621は、従動ギア683と一体に回転できるよう、当該回転軸621の後端部が従動ギア683の中心部に回動不能に連結されている。また、回転軸621は、回転体620と一体に回転できるよう、当該回転軸621の前端部が回転体620の中心部に回動不能に連結されている。すなわち、本実施形態においては、モータ681からの駆動力が主動ギア682、中間ギア684、および従動ギア683を介して回転体620の回転軸621へと伝達されることで、回転体620が回転するよう構成されている。
図9は、演出流路を説明する図である。具体的には、図9は、上大入賞口内部ユニット83cの前面側から見た図であって、前面壁631、LED基板641,642,643、前面カバー650、および誘導流路部660を省略した図である。
回転体620の遊技球収容部620aに流入した遊技球は、回転する当該回転体620によって空間形成部材630内(すなわち演出流路)へと誘導される。
図6および図9に示すように、空間形成部材630の後面壁632には、前後方向に貫通する遊技球が通過可能なサイズの流入口630bと進入口630cとが設けられている。流入口630bは、演出流路の入口に相当する。すなわち、上大入賞口に入賞した遊技球は、回転する回転体620によって流入口630bへと誘導される。
また、図6に示すように、空間形成部材630の下部には、排出ユニット86に向けて開口する遊技球が通過可能なサイズの左排出口600aが設けられているとともに、ベース部材610の下部には、前後方向に貫通する遊技球が通過可能なサイズの右排出口600bが設けられている。左排出口600aおよび右排出口600bは、演出流路の出口に相当する。
上大入賞口に入賞した遊技球、すなわち可動部材39cが拾った遊技球は、まず、誘導流路部660内を通過する。
誘導流路部660内を通過した遊技球は、前面カバー650の誘導孔650aを通過した後、空間形成部材630の誘導孔630aを通過する。
空間形成部材630の誘導孔630aを通過した遊技球は、回転体620が有する遊技球収容部620aおよび遊技球排出部620bのうち当該誘導孔630aと対向している孔部に流入する。
誘導孔630aと対向している孔部が遊技球排出部620bである場合には、当該孔部(すなわち遊技球排出部620b)に流入した遊技球は、ベース部材610に設けられた右排出口600bから排出ユニット86へと排出される。すなわち、遊技球排出部620bに当該遊技球排出部620bの前方から流入した遊技球は、当該遊技球排出部620bを通り抜けて、ベース部材610に設けられた右排出口600bから排出ユニット86へと排出される。
一方、誘導孔630aと対向している孔部が遊技球収容部620aである場合には、当該孔部(すなわち遊技球収容部620a)に流入した遊技球は、回転する回転体620によって下から上へと持ち上げられる。そして、当該遊技球収容部620aが空間形成部材630に設けられた流入口630bに対向する位置に達すると、当該遊技球収容部620aに収容されている遊技球は、流入口630bから空間形成部材630内(すなわち演出流路)に流入する。
演出流路の途中には、進入口630cが設けられており、演出流路を流下する遊技球が進入口630cに流入した場合、当該遊技球は、再度、回転体620へと移動する。
具体的には、当該遊技球は、回転体620が有する遊技球収容部620aおよび遊技球排出部620bのうち当該進入口630cと対向している孔部に流入する。進入口630cと対向している孔部が遊技球収容部620aである場合には、当該孔部(すなわち遊技球収容部620a)に流入した遊技球は、再度、回転する回転体620によって下から上へと持ち上げられて、空間形成部材630内(すなわち演出流路)に流入する。一方、進入口630cと対向している孔部が遊技球排出部620bである場合には、当該孔部(すなわち遊技球排出部620b)に流入した遊技球は、ベース部材610に設けられた右排出口600bから排出ユニット86へと排出される。
また、演出流路を流下する遊技球が進入口630cに流入しなかった場合、当該遊技球は、空間形成部材630に設けられた左排出口600aから排出ユニット86へと排出される。
図9に示すように、後面壁632の前面には、演出流路を転動する遊技球の転動速度や球威を低下させるために複数(本実施形態では17個)の凸部632aが設けられている。これにより、凸部632aが設けられていない場合よりも、遊技球を空間形成部材630内(すなわち演出流路)に長く留まらせることができるため、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出の演出効果を高めることができる。
なお、当該凸部632aは、前面壁631の後面に設けてもよい。また、演出流路の底面630d上に、遊技球の転動速度や球威を低下させるため凸部や凹部や凹凸部を設けてもよい。
ベース部材610の前面には、複数の球状意匠部612が設けられているため、空間形成部材630内(すなわち演出流路)に複数の遊技球が流入しているように見せることができる。なお、球状意匠部612を後方から照らす装飾用照明手段を設けることも可能である。
空間形成部材630内(すなわち演出流路)は、上LED基板641、下左LED基板642、および下右LED基板643からの光で照明される。
図6に示すように、ベース部材610の上部には、互いに対向する面に溝を有する略コ字状の第1後支持部610bが一対形成されているとともに、前面壁631の上部には、互いに対向する面に溝を有する略コ字状の第1前支持部631aが一対形成されている。この一対の第1後支持部610bと一対の第1前支持部631aとで、上LED基板641を左右両側から挟むことによって、当該上LED基板641を適正位置で固定できるよう構成されている。
また、ベース部材610の下部左側には、互いに対向する面に溝を有する略コ字状の第2後支持部610cが一対形成されているとともに、前面壁631の下部左側には、互いに対向する面に溝を有する略コ字状の第2前支持部631bが一対形成されている。この一対の第2後支持部610cと一対の第2前支持部631bとで、下左LED基板642を左右両側から挟むことによって、当該下左LED基板642を適正位置で固定できるよう構成されている。
また、ベース部材610の下部右側には、互いに対向する面に溝を有する略コ字状の第3後支持部610dが一対形成されているとともに、前面壁631の下部右側には、互いに対向する面に溝を有する略コ字状の第3前支持部631cが一対形成されている。この一対の第3後支持部610dと一対の第3前支持部631cとで、下右LED基板643を左右両側から挟むことによって、当該下右LED基板643を適正位置で固定できるよう構成されている。
第2特別変動入賞装置39は、遊技球演出として、回転体620を回転(本実施形態では反時計回り方向の回転)させる動作演出と、LED基板641〜643および発光部材670を発光させる装飾演出と、を実行する。本実施形態においては、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中に、当該第2特別変動入賞装置39内で遊技球演出を実行するよう構成されている。
上述したように、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中は、下可動装置44aが上大入賞口内部ユニット露出状態(図3に示す状態)になるため、上大入賞口内部ユニット83cが前方から視認可能となる。したがって、本実施形態の第2特別変動入賞装置39は、当該第2特別変動入賞装置39の一部である上大入賞口内部ユニット83cが前方から視認可能な状態である場合に、遊技球演出を実行する。
具体的には、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出の開始タイミングは、例えば、大当り開始時(ファンファーレ演出の開始時)であってもよいし、ラウンド演出の開始時であってもよいし、可動役物44a1の初期位置から動作位置への移動開始時であってもよいし、可動役物44a1の初期位置から動作位置への移動中であってもよいし、可動役物44a1の動作位置到達時であってもよい。
第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出の開始タイミングが大当り開始時である場合には、演出制御装置300は、例えば、遊技制御装置100からのファンファーレコマンドの受信を契機に、上大入賞口内部ユニット83cの各部に対する制御を開始する。具体的には、回転体620を所定方向(本実施形態では反時計回り方向)に回転させる制御や、LED基板641,642,643や発光部材670のLED基板672に搭載されたLEDを発光させる制御などを開始する。
また、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出の開始タイミングがラウンド演出の開始時である場合には、演出制御装置300は、例えば、遊技制御装置100からの1ラウンド目のラウンドコマンドの受信を契機に、上大入賞口内部ユニット83cの各部に対する制御を開始する。その際、遊技制御装置100からのインターバルコマンドの受信を契機に、当該制御を中断するようにしてもよく、その場合、回転体620の回転および/またはLEDの発光が、間欠的(断続的)に実施されることとなる。
また、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出の開始タイミングが、可動役物44a1の初期位置から動作位置への移動開始時や、可動役物44a1の初期位置から動作位置への移動中や、可動役物44a1の動作位置到達時である場合には、例えば、可動役物44a1の位置を検出する位置センサを設け、演出制御装置300は、当該位置センサの検出信号に基づいて、上大入賞口内部ユニット83cの各部に対する制御を開始する。
また、遊技機10の電源投入時に実施される初期動作の一環として、回転体620を回転させることも可能である。この場合、演出制御装置300は、例えば、遊技制御装置100からの電源投入コマンドの受信を契機に、回転体620を回転させる制御を開始する。
また、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出の終了タイミングは、例えば、大当り終了時(エンディング演出の終了時等)であってもよいし、可動役物44a1の動作位置から初期位置への移動開始時であってもよいし、可動役物44a1の動作位置から初期位置への移動中であってもよいし、可動役物44a1の初期位置到達時であってもよい。
また、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出の終了タイミングになると、回転体620の回転を直ちに終了するのではなく、回転体620を一定期間回転させる遊技球排出動作を行ってから終了してもよいし、回転体620を初期位置に戻してから終了してもよいし、回転体620を一定期間回転させる遊技球排出動作を行った後、当該回転体620を初期位置に戻してから終了してもよい。回転体620を一定期間回転させる遊技球排出動作は、回転体620に残存している遊技球を排出ユニット86へと排出するために実行される。
また、大当り終了後(特別遊技状態終了後)の遊技状態に応じて、遊技球排出動作を行うか否か決定することも可能である。
例えば、大当り終了後の遊技状態が確変状態および時短状態の何れかである場合には回転体620の遊技球排出動作を行わず、大当り終了後の遊技状態が確変状態および時短状態の何れでもない場合には回転体620を一定期間回転させる遊技球排出動作を行うよう構成することも可能である。大当り終了後の遊技状態が確変状態および時短状態の何れかである場合には、大当りが再び発生する可能性が高いため、当該回転体620内に残存している遊技球を、大当りが再び発生したときに実行される遊技球演出に使用することができる。
また、回転体620を一定期間回転させる遊技球排出動作時に、所定音(例えば、左打ちを指示する報知音)をスピーカ19a,19bから出力することも可能である。これにより、遊技球が排出される音を当該所定音でかき消すことができるため、遊技球排出動作を遊技者に気付かれ難くすることができる。
このように本実施形態の遊技機10によれば、入賞領域(上大入賞口)と、当該入賞領域へ入賞容易な状態と入賞困難又は入賞不能な状態とに変換可能な変換部材(可動部材39c)と、を有する可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)を備えた遊技機において、可変入賞装置内で、入賞領域に入賞した遊技球を用いて特定演出(遊技球演出)を行う特定演出機構を備え、特定演出機構は、遊技球を転動させる転動流路(演出流路)と、入賞領域に入賞した遊技球を転動流路の入口(流入口630b)へと誘導する可動部材(回転体620)と、転動流路の途中に設けられた進入口630cと、を備え、特定演出として、進入口630cに進入した遊技球を再度可動部材によって転動流路の入口へと誘導し、進入口630cに進入しなかった遊技球を可変入賞装置外へと排出する演出を実行可能である。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)内で特定演出(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特定演出(遊技球演出)は、入賞領域(上大入賞口)に入賞した遊技球を利用した演出であり、入賞口に入賞前の遊技球を利用した演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
また、本実施形態の遊技機10において、可動部材(回転体620)は、回転することで、遊技球を持ち上げるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、遊技球を可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)内に長く留まらせることができるため、特定演出(遊技球演出)の演出効果を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10においては、転動流路(演出流路)に、遊技球の球威を抑制するための球威抑制部(凸部632a)を複数設けるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、遊技球を可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)内に長く留まらせることができるため、特定演出(遊技球演出)の演出効果を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10においては、転動流路(演出流路)の後方に、遊技球を模した装飾体(球状意匠部612)を設けるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、転動流路(演出流路)に複数の遊技球が流入しているように見せることができるため、特定演出(遊技球演出)の演出効果を高めることができる。
なお、上大入賞口内部ユニット83c内の適宜の箇所(遊技球収容部620a、遊技球排出部620b、誘導流路部660、演出流路、進入口630c、流入口630b等)に遊技球を検出する演出用スイッチを設け、下記変形例2における表示演出(図36に示すような演出)と類似する演出を実行してもよい。
《排出ユニット》
図10は、排出ユニット86を説明する図であって、排出ユニット86の分解斜視図と排出ユニット86に関わる各部位の斜視図である。
排出ユニット86は、下制御ベース85内に収容された状態で、遊技盤本体81に対して後面側から取り付けられるようになっている。すなわち、排出ユニット86は、遊技盤本体81の後面に下制御ベース85によって止着されている。
図10に示すように、排出ユニット86は、上大入賞口排出流路部86aと、メイン排出流路部86bと、により構成される。
上大入賞口排出流路部86aは、左流入口86a1と、右流入口86a2と、流出口86a3と、を有している。
左流入口86a1には、空間形成部材630に設けられた左排出口600aから排出された遊技球が流入する。そして、左流入口86a1に流入した遊技球は、上大入賞口排出流路部86a内を流下して、左流入口86a1よりも左側に位置する流出口86a3から排出される。
また、右流入口86a2には、ベース部材610に設けられた右排出口600bから排出された遊技球が流入する。そして、右流入口86a2に流入した遊技球は、左流入口86a1に流入した遊技球と同様、上大入賞口排出流路部86a内を流下して、流出口86a3から排出される。
本実施形態の排出ユニット86によれば、上大入賞口排出流路部86aによって、上大入賞口内部ユニット83cの2つの出口(左排出口600a、右排出口600b)から流出してきた遊技球を、より左側へと移動させることができるため、遊技盤30内部の右下の空間、すなわち第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38や普通変動入賞装置37のための空間を確保することができる。
メイン排出流路部86bは、第1流入口86b1と、第2流入口86b2と、を有している。
第1流入口86b1には、上大入賞口排出流路部86aの流出口86a3から排出された遊技球が流入する。
また、第2流入口86b2には、前方構成部材82に設けられた右上の一般入賞口35に入賞し、裏面流路部83dによって排出ユニット86へと誘導された遊技球が流入する。なお、図4では、裏面流路部83dの上流側の図示を省略している。
さらに、メイン排出流路部86bには、右上の一般入賞口35および第2特別変動入賞装置(上大入賞口)39以外の各入賞口に入賞した遊技球も流入するよう構成されている。
[変形例1:第2特別変動入賞装置の変形例A]
ここで、図11〜図16を用いて第2特別変動入賞装置(上大入賞口)39の変形例A、具体的には第2特別変動入賞装置39の一部である上大入賞口内部ユニット83cの変形例を説明する。
上記実施形態の第2特別変動入賞装置39では、遊技球演出として、回転体620および演出流路(転動流路)を用いた演出を実行したが、遊技球演出の内容は適宜変更可能であり、例えば、本変形例のように、遊技球演出は、シーソー部材740および演出流路(振分流路)を用いた演出であってもよい。
図11は、本変形例の上大入賞口内部ユニット83cの前面側から見た分解斜視図である。
図11に示すように、上大入賞口内部ユニット83cは、演出空間を形成する空間形成部材710と、空間形成部材710を構成する前面壁711と後面壁712との間に配設された振分部材720、上演出流路前部材730、シーソー部材740、球受部材751,752、案内部材753,754、およびLED基板761,762,763,764,765と、空間形成部材710の前面側に配設された前面カバー770と、空間形成部材710の後面側に配設されたシーソー駆動機構部780と、を備えて構成される。
図12(a)は、本変形例の上大入賞口内部ユニット83cの下面側から見た図であり、図12(b)は、本変形例の上大入賞口内部ユニット83cの前面側から見た斜視図であって、前面壁711および前面カバー770を省略した図である。
図13(a)は、本変形例の上大入賞口内部ユニット83cの前面側から見た図であって、前面壁711、上演出流路前部材730、および前面カバー770を省略した図であり、図13(b)は、シーソー部材740の上面側から見た図である。
本変形例において、上大入賞口に入賞した遊技球、すなわち可動部材39cが拾った遊技球は、誘導流路部660(上記実施形態の誘導流路部660とは形状が異なる)によって空間形成部材710内(すなわち演出空間)へと誘導される。ここで、上記実施形態において、可動部材39cが拾った遊技球は、上大入賞口内部ユニット83cの下部右側へと誘導されるに対し、本変形例において、可動部材39cが拾った遊技球は、上大入賞口内部ユニット83cの上部中央へと誘導される。すなわち、本変形例においては、上大入賞口に入賞した遊技球の誘導先が、上記実施形態における誘導先と異なるため、本変形例の誘導流路部660の形状は、上記実施形態の誘導流路部660と異なる。
空間形成部材710内(すなわち演出空間)の上部には、後面壁712と上演出流路前部材730とによって上演出流路が形成されている。図12(b)に示すように、上演出流路は、左右方向に長尺な流路であり、当該上演出流路の中央部上端には遊技球が通過可能なサイズの流入口730aが設けられ、左端には遊技球が通過可能なサイズの左流出口730bが設けられ、右端には遊技球が通過可能なサイズの右流出口730cが設けられている。
流入口730aは、演出空間の入口に相当する。すなわち、上大入賞口に入賞した遊技球は、誘導流路部660(上記実施形態の誘導流路部660とは形状が異なる)によって流入口730aへと誘導される。
図12(a)に示すように、空間形成部材710の下部には、排出ユニット86(上記実施形態の排出ユニット86とは形状が異なる)に向けて開口する遊技球が通過可能なサイズの左排出口700aおよび右排出口700bが設けられている。図12(a)において格子ハッチングを付した部分が左排出口700aおよび右排出口700bである。左排出口700aおよび右排出口700bは、演出空間の出口に相当する。
上大入賞口内部ユニット83cは、上部の流入口730aに流入した遊技球を上演出流路内で左流出口730bと右流出口730cとに交互に振り分ける振分部材720を備えている。
具体的には、上大入賞口内部ユニット83cは、図13(a)に示すように、その内部のうち、流入口730aの直下となる位置に振分部材720を備えている。また、振分部材720の下方左側には左球受部材751および左案内部材753が配され、振分部材720の下方右側には右球受部材752および右案内部材754が配されている。
さらに、振分部材720や上演出流路前部材730や球受部材751,752や案内部材753,754の前方を覆うように前面壁711が設けられているとともに、前面壁711の前方、上方、下方、および側方(左方、右方)を覆うように前面カバー770が設けられている。前面壁711および前面カバー770は、上大入賞口内部ユニット83c内(具体的には演出空間内)の遊技球の挙動を視認可能なように光透過性を有している。すなわち、前面壁711および前面カバー770は、透明または半透明となっている。
振分部材720は、前後方向に沿った軸ピン721を中心として回動可能であり、軸ピン721が配される位置から上方へ延出する上腕部722と左方へ延出する左腕部723と右方へ延出する右腕部724とを有している。上腕部722の左方には、当該上腕部722と左腕部723とによって遊技球を一時的に保持する左保持部720aが形成され、上腕部722の右方には、当該上腕部722と右腕部724とによって遊技球を一時的に保持する右保持部720bが形成されている。
振分部材720は、上腕部722が常に上を向いた状態で、左保持部720aが流入口730aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置と、右保持部720bが流入口730aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置と、の間で回動可能となっている。
図13(a)に示すように、左保持部720aが流入口730aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置にある場合は、右保持部720bが右流出口730cへ向けて遊技球を流下させた状態となる。
また、右保持部720bが流入口730aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置にある場合は、左保持部720aが左流出口730bへ向けて遊技球を流下させた状態となる。
また、振分部材720のうち、上腕部722の後部には、振分部材側磁石(図示省略)が取り付けられている。また、図14(b)等に示すように、振分部材720が前方から装着される後面壁(ベース部材)712のうち、上腕部722が垂直になった際に振分部材側磁石と対向する位置には、ベース部材側磁石725が取り付けられている。振分部材側磁石とベース部材側磁石725とは対向する側の極が同じ極となるように取り付けられており、これら磁石の反発力によって、振分部材720は上腕部722が垂直になった状態で留まらずに左右の何れかへ回動するように付勢されている。これにより、振分部材720の回動が停止した状態では、左保持部720aと右保持部720bの何れかが必ず流入口730aに流入した遊技球を受け入れ可能な状態となる。
流入口730aに流入した遊技球は、左保持部720aおよび右保持部720bのうちの流入口730aに向いて受け入れ可能な状態となっている一方の保持部で保持される。一方の保持部で遊技球が保持されると、遊技球の重さによって振分部材720は当該一方の保持部の方向へ回動し、保持された遊技球は振分部材720が回動した方向にある左流出口730bまたは右流出口730cへ向けて流下する。
すなわち、図13(a)に示すように左保持部720aで流入した遊技球を受けると振分部材720が遊技球の重さによって左に回動して左流出口730bへ遊技球を案内した後、右保持部720bが次の遊技球を受入可能な状態で停止する。そして、右保持部720bで流入した遊技球を受けると振分部材720が遊技球の重さによって右に回動して右流出口730cへ遊技球を案内した後、図13(a)に示すように左保持部720aが次の遊技球を受入可能な状態で停止する。
左保持部720aから左流出口730bへ向けて流下した遊技球は、左球受部材751に流入する。また、右保持部720bから右流出口730cへ向けて流下した遊技球は、右球受部材752に流入する。なお、左右何れかの球受部材に流入する可能性が高いが流入しないこともあり、流入しなかった場合はそのまま上大入賞口内部ユニット83cの外へ流出するよう構成してもよい。
また、振分部材720が回動することによって、遊技球を保持していた保持部ではない他方の保持部が流入口730aに向いて受け入れ可能な状態となる。そして、次回受け入れられた遊技球は当該他方の保持部側にある球受部材へ誘導される。これにより、順次流入口730aへ流入する遊技球は左球受部材751と右球受部材752とに交互に振り分けられることとなる。
図11に示すように、シーソー部材740は、左右方向に長尺な部材であり、当該シーソー部材740の下面側であって当該シーソー部材740の左右方向略中央部に、前後方向に延在する回動軸741を有している。前面壁711および後面壁712には、前後方向に貫通する丸孔711a,712aが設けられており、シーソー部材740は、回動軸741の前端部が前面壁711の丸孔711aに挿入されるとともに、回動軸741の後端部が後面壁712の丸孔712aに挿入されることによって、当該回動軸741を回動中心にした回動が自在なように、前面壁711と後面壁712とに挟持されている。
本変形例では、シーソー部材740が回動限界に達した状態のうち、当該シーソー部材740の右端よりも左端の方が上側に位置するように傾斜した状態、すなわち図13(a)に示す状態を“左上がり状態”という。
また、シーソー部材740が回動限界に達した状態のうち、当該シーソー部材740の左端よりも右端の方が上側に位置するように傾斜した状態、すなわち図12(b)に示す状態を“右上がり状態”という。
図14は、シーソー部材740が左上がり状態である場合を説明する図であり、図15は、シーソー部材740が水平状態である場合を説明する図であり、図16は、シーソー部材740が右上がり状態である場合を説明する図である。図14(a)、図15(a)、および図16(a)は、本変形例の上大入賞口内部ユニット83cの正面図であって、前面壁711および前面カバー770を省略した図である。また、図14(b)、図15(b)、および図16(b)は、本変形例の上大入賞口内部ユニット83cの背面図であって、駆動ベース786を省略した図である。
シーソー部材740を駆動するシーソー駆動機構部780は、図11に示すように、モータ(駆動源)781と、モータ781から回動力が伝達される主動部材782と、シーソー部材740に回動力を伝達する従動部材783と、シーソー部材740が左上がり状態であることを検出する左状態センサ784と、シーソー部材740が右上がり状態であることを検出する右状態センサ785と、これらを収容するための駆動ベース786と、を備える。
本変形例において、左状態センサ784は、発光素子と受光素子とを備えており、受光素子による受光結果を演出制御装置300に出力する。左状態センサ784よりも上側に位置する右状態センサ785は、当該左状態センサ784と同様、発光素子と受光素子とを備えており、受光素子による受光結果を演出制御装置300に出力する。従動部材783には、状態センサ784,785における発光素子から受光素子への光を遮断する遮光板783a(図15(b)参照)が設けられている。そして、例えば図14(b)に示すように、遮光板783aによって左状態センサ784における発光素子から受光素子への光が遮断された場合に、演出制御装置300は、シーソー部材740が左上がり状態であると判断する。また、例えば図16(b)に示すように、遮光板783aによって右状態センサ785における発光素子から受光素子への光が遮断された場合に、演出制御装置300は、シーソー部材740が右上がり状態であると判断する。
図11に示すように、従動部材783は、4つの角部を有する四角形状の部材であり、一の角部に、当該角部から前方へ突出する前突出部と後方へ突出する後突出部とにより構成される回動軸783bを有している。従動部材783は、回動軸783bの前端部(すなわち回動軸783bを構成する前突出部)が後面壁712に設けられた穴部(図示省略)に挿入されるとともに、回動軸783bの後端部(すなわち回動軸783bを構成する後突出部)が駆動ベース786に設けられた穴部786aに挿入されることによって、当該回動軸783bを回動中心にした回動が自在なように、後面壁712と駆動ベース786とに挟持されている。
また、図11に示すように、従動部材783には前後方向に貫通する第1長孔783cが設けられている。主動部材782には前方へ突出するピン782aが設けられており、当該ピン782aは、従動部材783の第1長孔783cにスライド移動自在に挿通されている。したがって、従動部材783は、主動部材782の回動動作に連動して、回動軸783bを中心にして回動する。
また、図11に示すように、後面壁712には前後方向に貫通するガイド孔712bが設けられているとともに、従動部材783には前後方向に貫通する第2長孔783dが設けられている。シーソー部材740の一端部(本変形例では右端部)には後方へ突出するピン742が設けられており、当該ピン742は、後面壁712のガイド孔712bにスライド移動自在に挿通された状態で、当該ピン742の後端部が従動部材783の第2長孔783dにスライド移動自在に挿通されている。したがって、シーソー部材740は、従動部材783の回動動作に連動して、回動軸741を中心にして回動する。
すなわち、本変形例においては、モータ781からの駆動力が主動部材782および従動部材783を介してシーソー部材740のピン742へと伝達されることで、シーソー部材740が回動(シーソー部材740の傾きが変化)して、左上がり状態(図14に示す状態)と右上がり状態(図16に示す状態)とへ交互に変換するよう構成されている。
具体的には、シーソー部材740は、モータ781の駆動力によって、主動部材782および従動部材783が回動されることで、左上がり状態から右上がり状態へと変換可能であり、主動部材782および従動部材783がモータ781の駆動力によって逆方向に回動されることで、右上がり状態から左上がり状態へと変換可能である。
したがって、シーソー部材740の傾きは、当該シーソー部材740上の遊技球の重さによって変化するものではない。
図13(b)に示すように、シーソー部材740の上面には、シーソー部材740上を転動する遊技球の転動速度や球威を低下させるために複数(本変形例では7個)の凸部740aが設けられている。これにより、凸部740aが設けられていない場合よりも、遊技球をシーソー部材740上に長く留まらせることができるため、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出の演出効果を高めることができる。
上大入賞口に入賞した遊技球、すなわち可動部材39cが拾った遊技球は、まず、誘導流路部660(上記実施形態の誘導流路部660とは形状が異なる)内を通過する。
誘導流路部660内を通過した遊技球は、演出空間上部の流入口730aに流入し、振分部材720によって、上演出流路における左流出口730bまたは右流出口730cへと交互に振り分けられる。
左流出口730bへと振り分けられた遊技球は、左球受部材751に流入し、当該左球受部材751の下方に配設された左案内部材753によってシーソー部材740へと誘導される。
一方、右流出口730cへと振り分けられた遊技球は、右球受部材752に流入し、当該右球受部材752の下方に配設された右案内部材754によってシーソー部材740へと誘導される。
シーソー部材740へと誘導された遊技球は、当該シーソー部材740上を転動して、当該シーソー部材740の左端または右端から落下する。
シーソー部材740の左端から落下した遊技球は、演出空間下部左側の左排出口700aから排出ユニット86(上記実施形態の排出ユニット86とは形状が異なる)へと排出される。
一方、シーソー部材740の右端から落下した遊技球は、演出空間下部右側の右排出口700bから排出ユニット86(上記実施形態の排出ユニット86とは形状が異なる)へと排出される。
ここで、本変形例においては、左排出口700aが、上記実施形態における左排出口600a(図9参照)よりも左側に位置するため、本変形例の排出ユニット86は、少なくとも上大入賞口排出流路部86aの形状が、上記実施形態の排出ユニット86と異なる。具体的には、本変形例の排出ユニット86を構成する上大入賞口排出流路部86aにおいて、右流入口86a2および流出口86a3の位置は上記実施形態と略同一であるが、左流入口86a1は上記実施形態よりも左側に位置する。
空間形成部材710内(すなわち演出空間)は、上左LED基板761、上右LED基板762、左LED基板763、右LED基板764、および下LED基板765からの光で照明される。
図12(b)に示すように、後面壁712の前面の上部左側には、互いに対向する面に溝を有する略コ字状の第1支持部713が一対突設されている。この一対の第1支持部713で、上左LED基板761を左右両側から挟むことによって、当該上左LED基板761を適正位置で固定できるよう構成されている。
また、後面壁712の前面の上部右側には、互いに対向する面に溝を有する略コ字状の第2支持部714が一対突設されている。この一対の第2支持部714で、上右LED基板762を左右両側から挟むことによって、当該上右LED基板762を適正位置で固定できるよう構成されている。
また、後面壁712の前面の左部には、互いに対向する面に溝を有する略コ字状の第3支持部715が一対突設されている。この一対の第3支持部715で、左LED基板763を上下両側から挟むことによって、当該左LED基板763を適正位置で固定できるよう構成されている。
また、後面壁712の前面の右部には、互いに対向する面に溝を有する略コ字状の第4支持部716が一対突設されている。この一対の第4支持部716で、右LED基板764を上下両側から挟むことによって、当該右LED基板764を適正位置で固定できるよう構成されている。
また、後面壁712の前面の下部には、互いに対向する面に溝を有する略コ字状の第5支持部717が一対突設されている。この一対の第5支持部717で、下LED基板765を左右両側から挟むことによって、当該下LED基板765を適正位置で固定できるよう構成されている。
本変形例の第2特別変動入賞装置39は、遊技球演出として、シーソー部材740を回動(すなわち、シーソー部材740を左上がり状態と右上がり状態とへ交互に変換)させる動作演出と、LED基板761〜765を発光させる装飾演出と、を実行する。本変形例においては、上記実施形態と同様、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中に、第2特別変動入賞装置39内で遊技球演出を実行するよう構成されている。
本変形例においても、上記実施形態と同様、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中は、下可動装置44aが上大入賞口内部ユニット露出状態(図3に示す状態)になるため、上大入賞口内部ユニット83cが前方から視認可能となる。したがって、本変形例の第2特別変動入賞装置39は、当該第2特別変動入賞装置39の一部である上大入賞口内部ユニット83cが前方から視認可能な状態である場合に、遊技球演出を実行する。
ここで、本変形例においては、図14等に示すように、左案内部材753の底面753aと、右案内部材754の底面754aと、は高さ(上下方向の位置)が同一である。さらに、シーソー部材740は一定速度で回動するよう構成されているとともに、右上がり状態時よりも、左上がり状態時の方がシーソー部材740の傾斜角度(シーソー部材740の上面と水平面とがなす角度)が大きくなるよう構成されている。
したがって、シーソー部材740が右上がり状態である場合には、図16(a)に示すように、シーソー部材740の上面は右案内部材754の底面754aと略面一であるのに対し、シーソー部材740が左上がり状態である場合には、図14(a)に示すように、シーソー部材740の上面は左案内部材753の底面753aと面一ではなく、シーソー部材740の左端の方が左案内部材753の底面753aよりも高い位置にある。
このように、本変形例においては、右上がり状態時よりも、左上がり状態時の方がシーソー部材740の傾斜角度が大きいため、シーソー部材740の左端よりも右端の方が上側に位置する期間(すなわち、水平状態から右上がり状態までの期間と右上がり状態から水平状態までの期間との和)よりも、シーソー部材740の右端よりも左端の方が上側に位置する期間(すなわち、水平状態から左上がり状態までの期間と左上がり状態から水平状態までの期間との和)の方が長い。
したがって、本変形例においては、シーソー部材740上の遊技球が、シーソー部材740の左端から落下する確率(左排出口700aから排出される確率)よりも、シーソー部材740の右端から落下する確率(右排出口700bから排出される確率)の方が高くなっている。すなわち、上大入賞口内部ユニット83cから排出ユニット86(具体的には、上大入賞口排出流路部86a)へと排出される遊技球の過半数が、右排出口700bから排出される。
また、本変形例の排出ユニット86を構成する上大入賞口排出流路部86aは、当該上大入賞口排出流路部86aの左右方向中央よりも右側に右流入口86a2を有し、当該上大入賞口排出流路部86aの左右方向中央よりも左側に左流入口86a1および流出口86a3を有している。したがって、本変形例においては、左排出口700aから排出される遊技球が流入する左流入口86a1よりも、右排出口700bから排出される遊技球が流入する右流入口86a2の方が、流出口86a3までの距離が長くなっている。そのため、左流入口86a1に流入した遊技球よりも、右流入口86a2に流入した遊技球の方が、時間をかけて上大入賞口排出流路部86a内を流下することになる。
このように、本変形例では、上大入賞口内部ユニット83cから上大入賞口排出流路部86aへと排出される遊技球の過半数が、時間をかけて上大入賞口排出流路部86a内を流下することになる。したがって、上大入賞口排出流路部86aと接続するメイン排出流路部86b内に余裕ができるため、球詰まり(特に、メイン排出流路部86b内における球詰まり)を防止することができる。
なお、本変形例では、右上がり状態時よりも、左上がり状態時の方がシーソー部材740の傾斜角度が大きくなるよう構成されているが、これに限定されるものではなく、その逆であってもよい。すなわち、右上がり状態時よりも、左上がり状態時の方がシーソー部材740の傾斜角度が小さくなるよう構成されていてもよい。
右上がり状態時よりも、左上がり状態時の方がシーソー部材740の傾斜角度が小さくなるよう構成されている場合、上大入賞口内部ユニット83cから上大入賞口排出流路部86aへと排出される遊技球の過半数が、左排出口700aから排出されることとなる。
この場合、上大入賞口内部ユニット83cから上大入賞口排出流路部86aへと排出される遊技球の過半数が、時間をかけずに上大入賞口排出流路部86a内を流下してメイン排出流路部86bへとすぐに到着することになる。したがって、上大入賞口排出流路部86a内に余裕ができるため、球詰まり(特に、上大入賞口排出流路部86a内における球詰まり)を防止することができる。
上大入賞口内部ユニット83c内に遊技球が流入するのは大当り中(具体的には、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中)であるため、多数の遊技球が一斉に排出ユニット86へと流入してくるが、このように、左上がり状態時と右上がり状態時とでシーソー部材740の傾斜角度を異ならせることで、排出ユニット86における球詰まりを防止することができる。
無論、左上がり状態時のシーソー部材740の傾斜角度と、右上がり状態時のシーソー部材740の傾斜角度と、は同一であってもよい。
また、シーソー部材740が左上がり状態である場合、シーソー部材740の上面は左案内部材753の底面753aと面一であってもよいし、面一でなくても(シーソー部材740の左端が左案内部材753の底面753aよりも高くても、あるいは、シーソー部材740の左端が左案内部材753の底面753aよりも低くても)よい。また、遊技球演出の演出効果を高める等の観点から、左上がり状態時におけるシーソー部材740の左端と左案内部材753の離間間隔は、遊技球の直径未満であることが好ましい。これにより、左案内部材753によってシーソー部材740へと案内された遊技球がシーソー部材740上に到着して直ちにシーソー部材740の左端から落下したり、左案内部材753による案内が失敗したり(すなわち、遊技球がシーソー部材740上に到着せずに左案内部材753からそのまま落下したり)することを防止できるため、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出の演出効果を高めることが可能となる。
また、シーソー部材740が右上がり状態である場合、シーソー部材740の上面は右案内部材754の底面754aと面一であってもよいし、面一でなくても(シーソー部材740の右端が右案内部材754の底面754aよりも高くても、あるいは、シーソー部材740の右端が右案内部材754の底面754aよりも低くても)よい。また、遊技球演出の演出効果を高める等の観点から、右上がり状態時におけるシーソー部材740の右端と右案内部材754の離間間隔は、遊技球の直径未満であることが好ましい。これにより、右案内部材754によってシーソー部材740へと案内された遊技球がシーソー部材740上に到着して直ちにシーソー部材740の右端から落下したり、右案内部材754による案内が失敗したりすることを防止できるため、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出の演出効果を高めることが可能となる。
このように変形例1の遊技機10によれば、入賞領域(上大入賞口)と、当該入賞領域へ入賞容易な状態と入賞困難又は入賞不能な状態とに変換可能な変換部材(可動部材39c)と、を有する可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)を備えた遊技機において、可変入賞装置内で、入賞領域に入賞した遊技球を用いて特定演出(遊技球演出)を行う特定演出機構を備え、特定演出機構は、遊技球を移動させる可動部材(シーソー部材740)と、可動部材へと遊技球を誘導する部材であって、当該可動部材の両端部のそれぞれに対応して設けられた左誘導部材(左球受部材751、左案内部材753)および右誘導部材(右球受部材752、右案内部材754)と、入賞領域に入賞した遊技球を左誘導部材と右誘導部材とに振り分ける振分流路(上演出流路)と、を備えている。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)内で特定演出(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特定演出(遊技球演出)は、入賞領域(上大入賞口)に入賞した遊技球を利用した演出であり、入賞口に入賞前の遊技球を利用した演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
また、変形例1の遊技機10において、可動部材(シーソー部材740)は、シーソー状に揺動することで、当該可動部材上の遊技球を左右に移動させるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、遊技球を可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)内に長く留まらせることができるため、特定演出(遊技球演出)の演出効果を高めることができる。
また、変形例1の遊技機10においては、可動部材(シーソー部材740)上に、遊技球の球威を抑制するための球威抑制部(凸部740a)を複数設けるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、遊技球を可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)内に長く留まらせることができるため、特定演出(遊技球演出)の演出効果を高めることができる。
また、変形例1の遊技機10において、可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)は、2つの排出口700a,700bを有し、特定演出機構によって、2つの排出口700a,700bのうち、一方から遊技球が排出される割合と、他方から遊技球が排出される割合と、を異ならせる構成とすることが可能である。
具体的には、本変形例では、左上がり状態時と右上がり状態時とで可動部材(シーソー部材740)の傾斜角度を異ならせることによって、2つの排出口700a,700bのうち、一方から遊技球が排出される割合と、他方から遊技球が排出される割合と、を異ならせている。
このように構成することによって、球詰まりを防止することが可能となる。
なお、上大入賞口内部ユニット83c内の適宜の箇所(左球受部材751、右球受部材752、左案内部材753、右案内部材754、流入口730a、上演出流路、左排出口700a、右排出口700b等)に遊技球を検出する演出用スイッチを設け、下記変形例2における表示演出(図36に示すような演出)と類似する演出を実行してもよい。
以上が変形例1についての説明である。以下、上記実施形態に戻る。
《第1特別変動入賞装置》
図17(a)は、第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38の前面側から見た図であって、当該第1特別変動入賞装置38が備える前カバー部材を省略した図である。図17(a)においては、太破線によって下大入賞口の内部と外部との境界を示している。
図17(a)に示すように、第1特別変動入賞装置38内には、開閉部材38cが設けられている。第1特別変動入賞装置38は、開閉部材38cが前方へ突出して下大入賞口を閉じた閉状態と、開閉部材38cが後方へ退避して下大入賞口を開いた開状態と、に変換可能となっている。
また、第1特別変動入賞装置38内には、下大入賞口に入賞した遊技球を検出する下カウントスイッチ38aが設けられている。
さらに、第1特別変動入賞装置38には、右下の一般入賞口35と、右下の一般入賞口35に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ35aと、が設けられている。
また、第1特別変動入賞装置38内には、下大入賞口に入賞した遊技球や右下の一般入賞口35に入賞した遊技球を回収するアウト口38dが設けられている。アウト口38dに流入した遊技球は、排出ユニット86へと排出される。
なお、下カウントスイッチ38aの近傍には、例えば図17(b)に示すように、特別遊技状態の終了後の特図変動表示ゲームにおける特別結果が導出される確率状態を決定するための振分機構380が配されていてもよい。この振分機構380は、遊技者から視認可能となるように配されていることが好ましい。
振分機構380には、下カウントスイッチ38aを通過した遊技球が流入可能な特定領域380aと非特定領域380bが設けられており、特定領域380aへの遊技球の流入の有無により、特別遊技状態の終了後の確率状態を通常確率状態と当該通常確率状態よりも高い高確率状態との何れかに設定するようになっている。
ここでは、下カウントスイッチ38aを通過した遊技球のうち一つでも特定領域380aに流入すれば特別遊技状態の終了後に高確率状態が設定され、一つも特定領域380aに流入しなければ特別遊技状態の終了後に通常確率状態が設定される。
図17(b)に示すように、振分機構380は、下大入賞口に入賞した遊技球(下カウントスイッチ38aを通過した遊技球)を流下誘導する誘導流路380cを備え、当該誘導流路380cの流下経路の途中に、流下する遊技球を特定領域380aと非特定領域380bとの何れかに振り分ける振分装置(図示省略)が設けられている。また、特定領域380aには当該特定領域380aに流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dが設けられている。すなわち、特定領域スイッチ380dが遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態が発生(ここでは、特別遊技状態の終了後に高確率状態が発生)する。
特定領域380aや非特定領域380bに流入した遊技球は、排出ユニット86へと排出されるようになっている。
振分装置には、誘導流路380cにおける非特定領域380bの上方となる位置の床部分を形成し、振分装置ソレノイド(図示省略)により前後方向に進退可能に構成された板状の振分床部材380eを備えている。振分床部材380eが後方に退いた通過規制状態では、非特定領域380bの上方に振分床部材380eがない状態となって非特定領域380bが開放され、例えば図17(b)にて破線で示すように、流下する遊技球は非特定領域380bへ振り分られる。また、振分床部材380eが前方に進出した通過許容状態では、非特定領域380bの上方に振分床部材380eが存在する状態となって非特定領域380bが閉鎖され、例えば図17(b)にて実線で示すように、流下する遊技球は特定領域380aへ振り分けられる。
振分機構380の構造は、図17(b)に示すものに限定されず、適宜変更可能である。
また、上カウントスイッチ39aの近傍に、振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配してもよい。すなわち、本実施形態においては、下カウントスイッチ38aの近傍の適宜の場所に振分機構380を配してもよいし、上カウントスイッチ39aの近傍の適宜の場所に振分機構380を配してもよいし、下カウントスイッチ38aの近傍の適宜の場所と上カウントスイッチ39aの近傍の適宜の場所との双方に振分機構380を配してもよい。
上記変形例1や後述する各変形例においても同様である。すなわち、各変形例においては、下カウントスイッチ38aの近傍の適宜の場所に振分機構380を配してもよいし、上カウントスイッチ39aの近傍の適宜の場所に振分機構380を配してもよいし、下カウントスイッチ38aの近傍の適宜の場所と上カウントスイッチ39aの近傍の適宜の場所との双方に振分機構380を配してもよい。
本実施形態において、上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配する場合には、例えば、上大入賞口内部ユニット83c内の適宜の箇所(遊技球収容部620a、遊技球排出部620b、誘導流路部660、演出流路、進入口630c、流入口630b等)に特定領域スイッチ380dを配設することができる。
また、上記変形例1において、上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配する場合には、例えば、上大入賞口内部ユニット83c内の適宜の箇所(左球受部材751、右球受部材752、左案内部材753、右案内部材754、流入口730a、上演出流路、左排出口700a、右排出口700b等)に特定領域スイッチ380dを配設することができる。
また、例えば、上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380が配されていて、下カウントスイッチ38aの近傍に振分機構380が配されていない場合であって、特定領域380aへの遊技球の流入(特定領域スイッチ380dによる遊技球の検出)によって高確率状態になる場合には、特別遊技状態の終了後に高確率状態になることが確定している際に上大入賞口を開閉動作させ、特別遊技状態の終了後に通常確率状態になることが確定している際に下大入賞口を開閉動作させる。すなわち、前述したように、特別遊技状態では、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れか一方が開放され、何れを開放するかは特図変動表示ゲームの結果態様(特別結果)により決定されるが、この例では、結果態様が高確率状態を発生させる結果態様である場合に第2特別変動入賞装置(上大入賞口)39が開放され、結果態様が高確率状態を発生させる結果態様でない場合に第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38が開放されることとなる。
<遊技制御装置>
図18は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。この初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38の下カウントスイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の上カウントスイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121a,121bが設けられている。近接I/F121a,121bは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121aと近接I/F121bの二つを設けているのは、近接I/F121aの入力端子数が限られているためである。近接I/F121bは不足する入力端子数に応じて近接I/F121aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしている。なお、近接I/F121aとして必要な入力端子数を備えるものを用い、近接I/F121bを設けないようにしても良い。
近接I/F121a,121bの出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121a,121bの出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a及び上カウントスイッチ39aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121a,121bの出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号も入力されるようになっている。枠電波不正信号は前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121a,121bの出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121a,121bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121a,121bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121a,121bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
<演出制御装置>
次に、図19を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ(例えばムービングライト16を動作させるモータ)等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回又は8回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが1000ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100ms)よりも長い第2開放時間(例えば1352ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)しても良い。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
<遊技制御装置における処理>
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図20及び図21に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図22に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図20及び図21に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)を行う。次に、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS4)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS5)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS6)を行い、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図21のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域の値が正常な停電検査領域チェックデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップS20;N)は、図21のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図21のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。
なお、ステップS25で送信される停電復旧時のコマンド及びステップS30で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド(スペック指定コマンド)、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図22に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図22のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS101)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS102)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS103)を行う。なお、メイン処理におけるステップS4で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS104)、乱数更新処理1(ステップS105)、乱数更新処理2(ステップS106)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ(下カウントスイッチ38a、上カウントスイッチ39a)から正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS108)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS109)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS110)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理や、電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石/電波不正監視処理(ステップS111)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS112)を行う。続いて、ステップS101で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS113)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS108)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図23に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ(下カウントスイッチ38a)や第2特別変動入賞装置39内に設けられた大入賞口スイッチ(上カウントスイッチ39a)での遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA8)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA15)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA16)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA15の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図24に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(第1始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、第2始動口(普通変動入賞装置37)へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(第1始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
ステップA113では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でないと判定した場合(ステップA113;N)は、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中であると判定した場合(ステップA113;Y)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図25に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。
ステップA201で、大入賞口開放中処理中であると判定した場合(ステップA201;Y)は、大入賞口スイッチに入力があるか判定する(ステップA203)。具体的には、第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38が作動中である場合は、ステップA203にて下カウントスイッチ38aに入力があるか判定し、第2特別変動入賞装置(上大入賞口)39が作動中である場合は、ステップA203にて上カウントスイッチ39aに入力があるか判定する。また、第1特別変動入賞装置38の作動中でも第2特別変動入賞装置39が作動中でもない場合には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合は(ステップA202;Y)は、大入賞口スイッチに入力があるか判定する(ステップA203)。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(ステップA202;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
ステップA203で、大入賞口スイッチに入力がないと判定した場合(ステップA203;N)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA203で、大入賞口スイッチに入力があると判定した場合(ステップA203;Y)には、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA204)、演出コマンド設定処理(ステップA205)を行う。具体的には、第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38が作動中である場合は、ステップA204にて下大入賞口カウントコマンドを準備し、第2特別変動入賞装置(上大入賞口)39が作動中である場合は、ステップA204にて上大入賞口カウントコマンドを準備する。
次いで、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるか判定する(ステップA206)。
ステップA206で、大入賞口開放中処理中でないと判定した場合(ステップA206;N)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA206で、大入賞口開放中処理中であると判定した場合(ステップA206;Y)には、大入賞口カウント数を+1更新して(ステップA207)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば、9個)以上となったかを判定する(ステップA208)。具体的には、第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38が作動中である場合は、ステップA207にて下大入賞口カウント数を+1更新して、ステップA208にて下大入賞口カウント数が上限値以上となったかを判定し、第2特別変動入賞装置(上大入賞口)39が作動中である場合は、ステップA207にて上大入賞口カウント数を+1更新して、ステップA208にて上大入賞口カウント数が上限値以上となったかを判定する。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA208;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA208;Y)は、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA209)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンド(一のラウンド遊技)が終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図26に示すように、特図普段処理では、先ず、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であるか判定する(ステップA301)。
ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」でないと判定した場合(ステップA301;N)には、変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)からフラグをロードして(ステップA302)、今回の変動が特図1の変動であるか判定する(ステップA303)。
ステップA303で、今回の変動が特図1の変動であると判定した場合(ステップA303;Y)には、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA304)、演出コマンド設定処理(ステップA305)を行い、特図1変動開始処理(ステップA306)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図1保留数は−1更新されていないが、ステップA304では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
一方、ステップA303で、今回の変動が特図1の変動でないと判定した場合(ステップA303;N)、すなわち今回の変動が特図2の変動である場合には、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA307)、演出コマンド設定処理(ステップA308)を行い、特図2変動開始処理(ステップA309)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図2保留数は−1更新されていないが、ステップA307では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
また、ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であると判定した場合(ステップA301;Y)には、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA310)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA310;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA311)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA312)、演出コマンド設定処理(ステップA313)を行う。
次いで、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップA314)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブして(ステップA315)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA316)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA317)、特図普段処理を終了する。
本実施形態では、特図普段処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。そして、特図変動表示ゲームの開始に関する情報は、後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、受信した特図変動表示ゲームの開始に関する情報に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図27に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準備して(ステップA501)、演出コマンド設定処理(ステップA502)を行う。
次いで、停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(ステップA503)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA504)。
次いで、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステップA505)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA506)。
次いで、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA507)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA508)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブする(ステップA509)。その後、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA510)、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA511)、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図28に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA601)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA602)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA603)、大当りである(ステップA603;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA606)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA607)。
一方、ステップA603にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA603;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA604)、大当りである(ステップA604;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA605)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA607)。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA607)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、16Rまたは8R)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA608)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA609)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA610)、演出コマンド設定処理(ステップA613)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA612)、演出コマンド設定処理(ステップA613)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA614)、演出コマンド設定処理(ステップA615)を行う。
その後、大当りファンファーレ時間(例えば、10000m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA616)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA617)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA618)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA619)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA604にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA604;N)は、時間短縮変動回数更新処理(ステップA620)、演出モード情報チェック処理(ステップA621)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA622)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA623)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA624)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA625)、特図表示中処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図29に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA701)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA702)、演出コマンド設定処理(ステップA703)を行う。
次いで、大入賞口開放時間(例えば、29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA704)、処理番号として大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定して(ステップA705)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA706)。
次いで、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA707)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA708)。そして、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA709)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図30に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA801)。
そして、最終ラウンドでない場合(ステップA801;N)は、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA802)、演出コマンド設定処理(ステップA804)を行い、ステップA805の処理に移行する。
一方、最終ラウンドである場合(ステップA801;Y)は、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA803)、演出コマンド設定処理(ステップA804)を行い、ステップA805の処理に移行する。
ステップA805では、処理番号として大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定する(ステップA805)。そして、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA806)。
次いで、残存球処理時間(例えば、1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA807)、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを閉鎖するために、大入賞口ソレノイド38bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップA808)、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について説明する。図31に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA901)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA901;N)は、処理番号としてファンファーレ/インターバル中処理にかかる「3」を設定し(ステップA902)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA903)。
次いで、インターバル時間(例えば、0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA904)、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA905)、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA901;Y)は、処理番号として大当り終了処理にかかる「6」を設定し(ステップA906)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA907)。
次いで、エンディング時間(例えば、5.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA908)、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA909)。
次いで、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA910)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアし(ステップA911)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアして(ステップA912)、大入賞口残存球処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。図32に示すように、この大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データかを判定する(ステップA1001)。
ステップA1001で、確率変動判定フラグが高確率データでない場合(ステップA1001;N)には、大当り終了設定処理1(ステップA1002)を行って、ステップA1004の処理に移行する。
また、ステップA1001で、確率変動判定フラグが高確率データである場合(ステップA1001;Y)には、大当り終了設定処理2(ステップA1003)を行って、ステップA1004の処理に移行する。
ステップA1004では、演出モード情報アドレステーブルを設定する(ステップA1004)。その後、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1005)。
次いで、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA1006)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1007)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1008)。
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1009)、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1010)、演出コマンド設定処理(ステップA1011)を行う。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1012)、演出コマンド設定処理(ステップA1013)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA1014)、演出コマンド設定処理(ステップA1015)を行う。
次いで、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA1016)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1017)。
次いで、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1018)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1019)。
次いで、確率変動判定データ領域の情報をクリアし(ステップA1020)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアし(ステップA1021)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1022)、大当り終了処理を終了する。
<演出制御装置における処理>
次に、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって実行される制御について説明する。主制御用マイコン311による制御処理は、主に図33に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
メイン処理においては、図33に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出操作部550からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出操作部550からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
次いで、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更、演出を使用可能とする設定などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。
次いで、演出ポイント制御処理(ステップC11)を行って、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC12)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC13)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC14)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC15)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC16)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC16で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC16;N)には、ステップC16の処理を繰り返して行う。一方、ステップC16で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC16;Y)には、画面描画を指示する(ステップC17)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC18)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC19)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC20)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
このように本実施形態の遊技機10によれば、第2特別変動入賞装置39内で遊技球演出(遊技球を利用した演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、本実施形態における遊技球演出は、大入賞口に入賞した遊技球を利用した演出であり、入賞口(大入賞口や始動入賞口や一般入賞口)に入賞前の遊技球を利用した演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
[変形例2:右上の一般入賞口への入賞球を利用した遊技球演出]
図34〜図43を用いて右上の一般入賞口35への入賞球(右上の一般入賞口35に入賞した遊技球)を利用した遊技球演出を説明する。
上記実施形態では、第2特別変動入賞装置39内で遊技球演出を実行するよう構成したが、これに限定されることはなく、例えば、本変形例のように、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出に加えて(あるいは替えて)、第2特別変動入賞装置39の後方での遊技球演出を実行するよう構成してもよい。
上記実施形態において、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球は、全部が裏面流路部83d(図10参照)によって誘導されて、そのまま排出ユニット86へと排出される。
一方、本変形例において、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球は、その一部が上大入賞口内部ユニット83c(具体的には、上大入賞口内部ユニット83cの誘導流路部660(図10参照))へと誘導され、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球のうち上大入賞口内部ユニット83cへと誘導されなかった遊技球は、そのまま排出ユニット86へと排出される。
本変形例の遊技盤30は、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球を、排出ユニット86または上大入賞口内部ユニット83cへと誘導するために、上記実施形態の裏面流路部83d(図10参照)とは形状が異なる裏面流路部83dと、前方構成部材82の後面側に配設された後ハネ部材82dと、を備えている。
図34は、本変形例の前方構成部材82の前面側から見た図であり、図35は、本変形例の前方構成部材82の後面側から見た図である。図34および図35では、前方構成部材82に設けられた装飾部材等を省略している。すなわち、図34および図35には、前方構成部材82の本体部と、当該本体部に取り付けられている可動部材39c、後ハネ部材82d、および各種センサ(各種スイッチ)と、を示している。また、図34および図35では、裏面流路部83d(上記実施形態の裏面流路部83dとは形状が異なる)を模式的に示している。
まず、上記実施形態と同一の構成について説明する。
図10や図34に示すように、前方構成部材82の前面側には、上大入賞口を開閉する可動部材39cが配設されている。図34では、開状態の可動部材39cを実線で示し、閉状態の可動部材39cを二点鎖線で示している。
また、図10や図34や図35に示すように、前方構成部材82の本体部には、前後方向に貫通する案内孔82aが設けられている。さらに、図35に示すように、前方構成部材82の本体部の後面には、案内孔82aを通過した遊技球を、前方構成部材82の後面側に配設された誘導流路部660(図10参照)へと誘導する案内流路部82a1が形成されている。
また、図34に示すように、前方構成部材82の本体部の前面のうち可動部材39cと案内孔82aとの間には、上カウントスイッチ39aが配設されており、可動部材39cが拾った遊技球は、案内孔82aに流入する前に、上カウントスイッチ39aによって検出される。
また、図10や図34や図35に示すように、前方構成部材82の本体部には、前後方向に貫通するガイド孔82bが設けられている。一方、図10に示すように、可動部材39cには後方へ突出するピン39c1が設けられており、当該ピン39c1は、前方構成部材82のガイド孔82bにスライド移動自在に挿通されている。上記実施形態の場合、当該ピン39c1は、前方構成部材82のガイド孔82bに挿通された状態で、前方構成部材82の後面側に配設された図示しない上大入賞口開閉機構部(上大入賞口ソレノイド39b等を有する機構部)と連結している。
また、図35に示すように、前方構成部材82の後面側には、裏面流路部83dが配設されており、当該裏面流路部83dの入口には、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ35aが設けられている。
次に、上記実施形態と異なる構成について説明する。
図35に示すように、案内流路部82a1の出口には、誘導流路部660に流入する遊技球を検出する演出用スイッチ82cが設けられている。演出用スイッチ82cの検出信号は、演出制御装置300に出力される。
また、図35に示すように、前方構成部材82を挟んで可動部材(前ハネ部材)39cの後方には、起立状態(閉塞状態)から裏面流路部83d内を流下する遊技球を拾う傾倒状態(開放状態)に変換可能な後ハネ部材82dが配設されている。後ハネ部材82dの回動軸は、可動部材39cの回動軸と共通である。さらに、後ハネ部材82dには、可動部材39cに向けて開口した丸穴が設けられており、当該丸穴に、可動部材39cのピン39c1の先端部(すなわち、ピン39c1のうちガイド孔82bから後方へ突出した部分)が嵌合している。したがって、後ハネ部材82dは、可動部材39cの開閉動作に連動して状態変換動作(開閉動作)を行う。すなわち、可動部材39cが上大入賞口を開いた状態である場合に、後ハネ部材82dも傾倒状態となり、可動部材39cが上大入賞口を閉じた状態である場合には、後ハネ部材82dも起立状態となる。図35では、傾倒状態の後ハネ部材82dを実線で示し、起立状態の後ハネ部材82dを二点鎖線で示している。
上記実施形態の場合、可動部材39cのピン39c1は、上大入賞口開閉機構部(上大入賞口ソレノイド39b等を有する機構部)と連結しているのに対し、本変形例の場合、可動部材39cのピン39c1は、後ハネ部材82dと連結している。そこで、本変形例では、可動部材39cのピン39c1の代わりに上大入賞口開閉機構部と連結するピンを、後ハネ部材82dに設けている。具体的には、図35に示すように、後ハネ部材82dには後方へ突出するピン82d1が設けられており、当該ピン82d1は、後ハネ部材82dの後方に配設された図示しない上大入賞口開閉機構部(上大入賞口ソレノイド39b等を有する機構部)と連結している。
なお、本変形例において、後ハネ部材82dの形状およびサイズは、可動部材39cの形状およびサイズと同一であるが、後ハネ部材82dの形状およびサイズは適宜変更可能である。例えば、後ハネ部材82dのサイズは、可動部材39cのサイズよりも大きくてもよい。
上大入賞口に入賞した遊技球(可動部材39cが拾った遊技球)は、上カウントスイッチ39aによって検出された(上カウントスイッチ39aを通過した)後、案内孔82aおよび案内流路部82a1を通過して、演出用スイッチ82cによって検出される。その後、当該遊技球は、誘導流路部660に流入して、上大入賞口内部ユニット83cへと誘導される。
また、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35aによって検出された(入賞口スイッチ35aを通過した)後、裏面流路部83d内を流下する。裏面流路部83d内を流下中の遊技球を、後ハネ部材82dが拾わなかった場合には、当該遊技球は、排出ユニット86へと排出される。一方、裏面流路部83d内を流下中の遊技球を、後ハネ部材82dが拾った場合には、当該遊技球は、案内流路部82a1を通過して、演出用スイッチ82cによって検出され、その後、誘導流路部660に流入して、上大入賞口内部ユニット83cへと誘導される。すなわち、演出用スイッチ82cは、上大入賞口に入賞した遊技球と、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球のうちの後ハネ部材82dが拾った遊技球と、の双方を検出する。
本変形例において、前方構成部材82の本体部は、右側遊技領域の後方における遊技球の挙動(裏面流路部83d内を流下中の遊技球の挙動等)を前方から視認可能なように光透過性を有している。すなわち、前方構成部材82の本体部は、透明または半透明となっている。したがって、遊技者は、前方構成部材82の前面側における遊技球の状況(可動部材39cが遊技球を拾ったか拾わなかったか)だけでなく、前方構成部材82の後面側における遊技球の状況(後ハネ部材82dが遊技球を拾ったか拾わなかったか)も視認することができる。
本変形例においては、可動部材39cと後ハネ部材82dとは前後に並んでいる。
さらに、本変形例においては、可動部材39cが拾った遊技球は当該可動部材39cによって案内孔82aの前方へと誘導され、後ハネ部材82dが拾った遊技球は当該後ハネ部材82dによって案内孔82aの後方へと誘導される。すなわち、前方から見た場合、可動部材39cによる遊技球の誘導先と、後ハネ部材82dによる遊技球の誘導先と、は同一である。
したがって、後ハネ部材82dが遊技球を拾うことで、可動部材39cが遊技球を拾ったかのように見せることができる。すなわち、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球が、上大入賞口に入賞したかのように見せることができる。
図36は、本変形例のサブ表示装置41bにて実行する大当り中演出を説明する図である。
本変形例では、上記実施形態と同様、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中に、下可動装置44aを上大入賞口内部ユニット露出状態にする演出や、当該下可動装置44aの可動役物44a1の前面に装着されているサブ表示装置41bに現在のラウンド数や獲得遊技球数を表示する演出や、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出などを実行する。さらに、本変形例では、サブ表示装置41bに、現在のラウンド数や獲得遊技球数に加えて、後ハネ部材82dが拾った遊技球数も表示する。
具体的には、演出制御装置300は、遊技制御装置100から1ラウンド目のラウンドコマンドを受信すると、大当り中演出のうちのラウンド演出を開始して、例えば図36(a)に示すように、サブ表示装置41bに、現在のラウンド数や、ポイント数や、EXポイント数や、第2特別変動入賞装置39を模した画像(以下「上大入賞口画像」という。)などを表示する。さらに、右上の一般入賞口35用の入賞口スイッチ35aや上カウントスイッチ39aや演出用スイッチ82cの検出結果に応じて、サブ表示装置41bに、第2特別変動入賞装置39に流入しようとする遊技球を模した画像(以下「上遊技球画像」という。)を表示する。
ここで、「ポイント数」とは、獲得遊技球数に対応する値、すなわち上大入賞口に入賞した遊技球数に基づく値であり、本変形例では、上大入賞口に入賞した遊技球1個あたり15ポイントが付与されるようになっている。本変形例の場合、上大入賞口に入賞した遊技球1個あたり15個の賞球が払い出されるようになっているため、ポイント数によって、今回の特別遊技状態中に実際に払い出された賞球数(遊技球払出数)を表すことができる。獲得遊技球数は、上カウントスイッチ39aによって検出された遊技球(上カウントスイッチ39aを通過した遊技球)の個数に相当する。
また、「EXポイント数」とは、後ハネ部材82dが拾った遊技球数に対応する値であり、本変形例では、後ハネ部材82dが拾った遊技球1個あたり15ポイントが付与されるようになっている。後ハネ部材82dが拾った遊技球数は、演出用スイッチ82cによって検出された遊技球(演出用スイッチ82cを通過した遊技球)の個数から、上カウントスイッチ39aによって検出された遊技球(上カウントスイッチ39aを通過した遊技球)の個数を引いた差に相当する。
EXポイント数は遊技球払出数とは関係ないが、本変形例のように、EXポイント数の比例定数を、ポイント数の比例定数と同一にすることで、EXポイント数と遊技球払出数とに関連性があるように見せることができる。
なお、本変形例では、演出用スイッチ82cは、上大入賞口に入賞した遊技球と、後ハネ部材82dが拾った遊技球と、の双方を検出可能な位置に配設されているが、これに限定されるものではない。例えば、演出用スイッチ82cを、後ハネ部材82dが拾った遊技球は検出可能であるが、上大入賞口に入賞した遊技球は検出不能である特定位置に配設することも可能であり、この場合、EXポイント数は、当該特定位置に配設されている演出用スイッチ82cによって検出された遊技球の個数に対応する値となるため、EXポイント数を2つのスイッチによって検出された遊技球の個数に基づき算出する必要がなくなる。
そして、演出制御装置300は、上大入賞口に遊技球が入賞した場合には、例えば図36(b)に示すように、開状態の上大入賞口画像と、第1表示態様の上遊技球画像(この例では、白抜きの上遊技球画像)と、をサブ表示装置41bに表示する。さらに、サブ表示装置41bに表示中のポイント数を増加更新する。これにより、上大入賞口に遊技球が入賞したことを示唆することができる。
また、後ハネ部材82dが遊技球を拾った場合には、例えば図36(c)に示すように、開状態の上大入賞口画像と、第2表示態様の上遊技球画像(この例では、斜め格子ハッチングが付された上遊技球画像)と、をサブ表示装置41bに表示する。さらに、サブ表示装置41bに表示中のEXポイント数を増加更新する。これにより、後ハネ部材82dが遊技球を拾ったことを示唆することができる。
また、上大入賞口に遊技球が入賞したタイミングと、後ハネ部材82dが遊技球を拾ったタイミングと、が略同一である場合には、例えば図36(d)に示すように、開状態の上大入賞口画像と、第3表示態様の上遊技球画像(この例では、第1表示態様の上遊技球画像を縮小したものと第2表示態様の上遊技球画像を縮小したものとが並んだ画像)と、をサブ表示装置41bに表示する。さらに、サブ表示装置41bに表示中のポイント数およびEXポイント数を増加更新する。これにより、上大入賞口に遊技球が入賞したことと、後ハネ部材82dが遊技球を拾ったことと、を同時に示唆することができる。
なお、第3表示態様の上遊技球画像は、図36(d)に示す画像に限定されず、適宜変更可能であり、例えば図35(f)に示すように、黒塗りの上遊技球画像であってもよい。すなわち、第3表示態様の上遊技球画像は、第1表示態様の上遊技球画像や第2表示態様の上遊技球画像とサイズは同じで色や模様が異なる画像であってもよい。
そして、演出制御装置300は、遊技制御装置100からエンディングコマンドを受信すると、大当り中演出のうちのエンディング演出を開始して、例えば図36(e)に示すように、サブ表示装置41bに表示されていた上大入賞口画像を消去するとともに、サブ表示装置41bに表示中のポイント数およびEXポイント数を拡大表示する。
なお、EXポイント数が規定数に到達した場合に演出態様等を変化させる(すなわち、EXポイントを貯めることによって演出態様等をカスタマイズすることができる)よう構成してもよいし、携帯電話との連動サービスによって遊技者の遊技履歴としてEXポイント数を保存しておき、次回の遊技の際は保存しておいたEXポイント数からスタートするよう構成してもよい。これにより、EXポイントを貯めることに有意性を持たせることができるとともに、遊技価値以外の付加価値を遊技者に付与することができる。
〔メイン処理〕
サブ表示装置41bにて図36に示すような大当り中演出を実行するために、本変形例の演出制御装置300は、図33に示すメイン処理に替えて、図37に示すメイン処理を実行する。
本変形例のメイン処理では、ホール・遊技者設定モード処理(ステップC10)と演出ポイント制御処理(ステップC11)との間に、演出用スイッチ処理(ステップC21)を実行する。
〔受信コマンドチェック処理〕
図38には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理(ステップC13)を示した。
この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC101)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC102)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC102;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、コマンド受信数が0でないと判定した場合(ステップC102;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC103)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC104)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC105)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC106)。このように、本変形例では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC106で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC106;N)には、ステップC104の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC106;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC107)、受信コマンド解析処理(ステップC108)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC109)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC110)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC110;N)には、ステップC107の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC110;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本変形例では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図39には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(ステップC108)を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC111)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC112、ステップC113)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC112;Y、ステップC113;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC114)。
また、ステップC112、ステップC113で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC112;N、ステップC113;N)、あるいは、ステップC114で、MODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC114;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC114で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC114;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC115)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC115;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC116)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC115で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC115;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC117)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC117;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC118)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC117で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC117;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC119)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC119;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC120)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC119で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC119;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC121)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC121;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC122)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC121で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC121;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC123)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC123;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC124)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC123で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC123;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC125)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC125;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC126)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC125で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC125;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
〔大当り系コマンド処理〕
図40には、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップC118)を示した。この大当り系コマンド処理では、まず、MODEはファンファーレであるかを判定する(ステップC201)。すなわち、受信したコマンドが図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドであるかを判定する。
ステップC201で、MODEはファンファーレであると判定した場合(ステップC201;Y)は、大当り種類に応じたファンファーレ表示画像の設定等を行うファンファーレ演出設定処理を行い(ステップC202)、P機状態をファンファーレ中に設定して(ステップC203)、大当り系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC201で、MODEはファンファーレでないと判定した場合(ステップC201;N)は、MODEはラウンドであるかを判定する(ステップC204)。すなわち、受信したコマンドが特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドであるかを判定する。
ステップC204で、MODEはラウンドであると判定した場合(ステップC204;Y)は、ラウンド数表示情報の更新などを行うラウンド演出設定処理を行い(ステップC205)、P機状態をラウンド中に設定して(ステップC206)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはラウンドでない場合(ステップC204;N)は、MODEはインターバルであるかを判定する(ステップC207)。すなわち、受信したコマンドがラウンド間のインターバルに関するインターバルコマンドであるかを判定する。
ステップC207で、MODEはインターバルであると判定した場合(ステップC207;Y)は、インターバル中の演出の設定を行うインターバル演出設定処理を行い(ステップC208)、P機状態をインターバル中に設定して(ステップC209)、大当り系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC207で、MODEはインターバルでないと判定した場合(ステップC207;N)は、MODEはエンディングであるかを判定する(ステップC210)。すなわち、受信したコマンドが最終ラウンド終了後のエンディングに関するエンディングコマンドであるかを判定する。
ステップC210で、MODEはエンディングであると判定した場合(ステップC210;Y)は、例えば、特別遊技状態の終了後に高確率状態になる場合には、高確率状態となる旨の報知を行う画面情報を設定するなど、大当り終了後の遊技状態に対応する画面情報の設定などを行うエンディング演出設定処理を行い(ステップC211)、ラウンド演出カウンタ、演出カウンタ、および上大入賞口カウンタをリセットし(ステップC212)、P機状態をエンディング中に設定して(ステップC213)、大当り系コマンド処理を終了する。
一方、MODEはエンディングでないと判定した場合(ステップC210;N)は、MODEは下大入賞口カウントであるかを判定する(ステップC214)。すなわち、受信したコマンドが第1特別変動入賞装置38への入賞に基づく下大入賞口カウントコマンドであるかを判定する。
ステップC214で、MODEは下大入賞口カウントであると判定した場合(ステップC214;Y)は、第1特別変動入賞装置38への入賞に対応した演出を設定する下大入賞口カウント演出設定処理(ステップC215)を行い、大当り系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC214で、MODEは下大入賞口カウントでないと判定した場合(ステップC214;N)は、MODEは上大入賞口カウントであるかを判定する(ステップC216)。すなわち、受信したコマンドが第2特別変動入賞装置39への入賞に基づく上大入賞口カウントコマンドであるかを判定する。
ステップC216で、MODEは上大入賞口カウントでないと判定した場合(ステップC216;N)は、大当り系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC216で、MODEは上大入賞口カウントであると判定した場合(ステップC216;Y)は、上大入賞口カウンタを更新し(ステップC217)、上大入賞口カウンタフラグをセットして(ステップC218)、大当り系コマンド処理を終了する。
なお、上記実施形態のメイン処理(図33参照)における受信コマンドチェック処理は、本変形例の受信コマンドチェック処理(図38参照)と同一である。
また、上記実施形態の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理は、本変形例の受信コマンド解析処理(図39参照)と同一である。
また、上記実施形態の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理は、本変形例の大当り系コマンド処理(図40参照)と異なる。具体的には、上記実施形態では、ステップC212の処理を実行しない。また、上記実施形態では、ステップC217およびステップC218の処理に替えて、第2特別変動入賞装置39への入賞に対応した演出を設定する上大入賞口カウント演出設定処理を実行する。
〔演出用スイッチ処理〕
図41には、上述のメイン処理における演出用スイッチ処理(ステップC21)を示した。この演出用スイッチ処理では、まず、P機状態が大当り中であるかを判定する(ステップC301)。
ステップC301で、大当り中でないと判定した場合(ステップC301;N)には、演出用スイッチ処理を終了する。
一方、ステップC301で、大当り中であると判定した場合(ステップC301;Y)には、演出用スイッチ82cが遊技球を検出したかを判定する(ステップC302)。
ステップC302で、演出用スイッチ82cが遊技球を検出したと判定した場合(ステップC302;Y)には、演出カウンタを更新して(ステップC303)、演出カウンタ処理を行う(ステップC304)。次いで、ポイント表示設定処理を行って(ステップC305)、演出用スイッチ処理を終了する。
一方、ステップC302で、演出用スイッチ82cが遊技球を検出していないと判定した場合(ステップC302;N)には、ポイント表示設定処理を行って(ステップC305)、演出用スイッチ処理を終了する。
〔演出カウンタ処理〕
図42には、上述の演出用スイッチ処理における演出カウンタ処理(ステップC304)を示した。この演出カウンタ処理では、まず、上大入賞口カウンタの値をロードして(ステップC311)、演出カウンタの値をロードする(ステップC312)。
次いで、ステップC312でロードした値(演出カウンタ値)とC311でロードした値(上大入賞口カウンタ値)に基づいて、右上の一般入賞口35に入賞し、且つ、演出用スイッチ82cを通過した遊技球数(すなわち、後ハネ部材82dが拾った遊技球数)を算出する(ステップC313)。具体的には、ステップC312でロードした値(演出カウンタ値)から、ステップC311でロードした値(上大入賞口カウンタ値)を引いた差を算出する。
次いで、ステップC313での算出結果をラウンド演出カウンタ値として記憶することで、ラウンド演出カウンタを更新し(ステップC314)、前回のラウンド演出カウンタ値(更新前のラウンド演出カウンタ値)から変化があったかを判定する(ステップC315)。
ステップC315で、前回のラウンド演出カウンタ値から変化がなかったと判定した場合(ステップC315;N)は、演出カウンタ処理を終了する。
一方、ステップC315で、前回のラウンド演出カウンタ値から変化があったと判定した場合(ステップC315;Y)は、ラウンド演出フラグをセットして(ステップC316)、演出カウンタ処理を終了する。
〔ポイント表示設定処理〕
図43には、上述の演出用スイッチ処理におけるポイント表示設定処理(ステップC305)を示した。このポイント表示設定処理では、まず、MODEに対応した表示大入賞口(上大入賞口画像)の表示態様を設定する(ステップC321)。
次いで、上大入賞口カウンタの値をロードして(ステップC322)、ロードした値(上大入賞口カウンタ値)に対応したポイント表示を設定する(ステップC323)。
次いで、ラウンド演出カウンタの値をロードし(ステップC324)、ロードした値(ラウンド演出カウンタ値)に対応したEXポイント表示を設定して(ステップC325)、上大入賞口カウンタフラグがセットされているかを判定する(ステップC326)。
ステップC326で、上大入賞口カウンタフラグがセットされていると判定した場合(ステップC326;Y)は、ラウンド演出フラグがセットされているかを判定する(ステップC327)。
ステップC327で、ラウンド演出フラグがセットされていると判定した場合(ステップC327;Y)、すなわち、上大入賞口に遊技球が入賞したタイミング(上カウントスイッチ39aが遊技球を検出したタイミング)と、後ハネ部材82dが遊技球を拾ったタイミング(右上の一般入賞口35用の入賞口スイッチ35aによって検出された遊技球を演出用スイッチ82cが検出したタイミング)と、が略同一である場合には、表示遊技球(上遊技球画像)の表示態様を第3表示態様に設定して(ステップC328)、ラウンド演出フラグをクリアする(ステップC329)。次いで、上大入賞口カウンタフラグをクリアして(ステップC330)、ポイント表示設定処理を終了する。これにより、サブ表示装置41bに、例えば図36(d)に示すような画面が表示されることとなる。
一方、ステップC327で、ラウンド演出フラグがセットされていないと判定した場合(ステップC327;N)、すなわち、上大入賞口に遊技球が入賞した(上カウントスイッチ39aが遊技球を検出した)場合には、表示遊技球(上遊技球画像)の表示態様を第1表示態様に設定し(ステップC331)、上大入賞口カウンタフラグをクリアして(ステップC330)、ポイント表示設定処理を終了する。これにより、サブ表示装置41bに、例えば図36(b)に示すような画面が表示されることとなる。
また、ステップC326で、上大入賞口カウンタフラグがセットされていないと判定した場合(ステップC326;N)は、ラウンド演出フラグがセットされているかを判定する(ステップC332)。
ステップC332で、ラウンド演出フラグがセットされていると判定した場合(ステップC332;Y)、すなわち、後ハネ部材82dが遊技球を拾った(右上の一般入賞口35用の入賞口スイッチ35aによって検出された遊技球を演出用スイッチ82cが検出した)場合には、表示遊技球(上遊技球画像)の表示態様を第2表示態様に設定し(ステップC333)、ラウンド演出フラグをクリアして(ステップC334)、ポイント表示設定処理を終了する。これにより、サブ表示装置41bに、例えば図36(c)に示すような画面が表示されることとなる。
一方、ステップC332で、ラウンド演出フラグがセットされていないと判定した場合(ステップC332;N)には、ポイント表示設定処理を終了する。
このように変形例2の遊技機10によれば、入賞領域(上大入賞口)と、当該入賞領域へ入賞容易な状態と入賞困難又は入賞不能な状態とに変換可能な変換部材(可動部材39c)と、を有する可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)を備えた遊技機において、可変入賞装置の後方で、入賞領域以外の特定の入賞口(右上の一般入賞口35)に入賞した遊技球を用いて特定演出(遊技球演出)を行う特定演出機構を備え、特定演出機構は、入賞領域の後方に配設され、特定の入賞口に入賞した遊技球が流入可能な特定領域(案内孔82aの後方)と、変換部材の後方に配設され、特定領域を開閉可能な可動部材(後ハネ部材82d)と、を備えている。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)の後方で特定演出(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特定演出(遊技球演出)は、特定の入賞口(右上の一般入賞口35)に入賞した遊技球を利用した演出であり、入賞口に入賞前の遊技球を利用した演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
なお、特定の入賞口は、一般入賞口でなくてもよく、例えば始動入賞口や下大入賞口であってもよい。
また、変形例2の遊技機10において、可動部材(後ハネ部材82d)は、変換部材(可動部材39c)の動作に同期して動作可能であるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、特定の入賞口(右上の一般入賞口35)に入賞した遊技球を拾った部材が、入賞領域(上大入賞口)を開閉する変換部材(可動部材39c)であるかのように見せることができるため、遊技の興趣を高めることができる。
なお、可動部材(後ハネ部材82d)は、変換部材(可動部材39c)の動作に同期して動作可能なものでなくてもよい。
また、変形例2の遊技機10において、可動部材(後ハネ部材82d)の駆動源は、変換部材(可動部材39c)の駆動源と同一であるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、部品点数を抑えることができるため、特定演出機構を搭載することに伴うコストアップを抑制することができる。
なお、可動部材(後ハネ部材82d)の駆動源は、変換部材(可動部材39c)の駆動源と同一でなくてもよい。
また、変形例2の遊技機10において、変換部材(可動部材39c)は、遊技領域32を流下する遊技球を入賞領域(上大入賞口)へと誘導する部材であり、可動部材(後ハネ部材82d)は、特定の入賞口(右上の一般入賞口35)に入賞した遊技球を特定領域(案内孔82aの後方)へと誘導する部材であり、変換部材が誘導した遊技球数と、可動部材が誘導した遊技球数と、に応じた表示(すなわち、ポイント数およびEXポイント数の表示)を行う表示装置(サブ表示装置41b)を備えるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、特定演出(遊技球演出)の結果を数値化できるため、遊技の興趣を高めることができる。
なお、前述したように、実施形態だけでなく、各変形例においても下カウントスイッチ38aおよび/または上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配することが可能である。変形例2において、上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配する場合には、例えば、演出用スイッチ82cの近傍に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設してもよいし、演出用スイッチ82cに替えて特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設してもよい。これにより、特定領域スイッチ380dが遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態を発生することが可能となる。
[変形例3:第1特別変動入賞装置の変形例A−1]
図44〜図47を用いて第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38の変形例A−1を説明する。
上記実施形態では、第2特別変動入賞装置39内で遊技球演出を実行するよう構成したが、これに限定されることはなく、例えば、本変形例のように、第2特別変動入賞装置39内での遊技球演出に加えて(あるいは替えて)、第1特別変動入賞装置38内での遊技球演出を実行するよう構成してもよい。
図44は、本変形例の第1特別変動入賞装置38の前面側から見た図であって、当該第1特別変動入賞装置38が備える前カバー部材を省略した図である。図44においては、太破線によって下大入賞口の内部と外部との境界を示している。
本変形例において、第1特別変動入賞装置38の前カバー部材は、当該第1特別変動入賞装置38内の遊技球の挙動を視認可能なように光透過性を有している。すなわち、第1特別変動入賞装置38の前カバー部材は、透明または半透明となっている。
図44に示すように、第1特別変動入賞装置38内には、下大入賞口を開閉する開閉部材38cと、下大入賞口に入賞した遊技球を検出する下カウントスイッチ38aと、右下の一般入賞口35と、右下の一般入賞口35に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ35aと、アウト口38dと、が設けられている。
さらに、第1特別変動入賞装置38内には、演出スライド部材381と、複数(本変形例では7個)の凸部382と、一または複数(本変形例では2個)の擬似入賞装置383と、が設けられている。
演出スライド部材381は、下カウントスイッチ38aの下方に配設されている。演出スライド部材381は、前方へ突出して下大入賞口に入賞した遊技球や右下の一般入賞口35に入賞した遊技球が擬似入賞装置383に流入することを阻止する突出状態(閉塞状態)と、後方へ退避して下大入賞口に入賞した遊技球や右下の一般入賞口35に入賞した遊技球が擬似入賞装置383に流入することを阻止しない退避状態(開放状態)と、に変換可能となっている。ここで、図中のハッチングを付していない白抜きの演出スライド部材381(図44(a)参照)は、突出状態の演出スライド部材381に相当し、図中の水玉ハッチングを付した演出スライド部材381(図44(b)参照)は、退避状態の演出スライド部材381に相当する。
なお、本変形例では、演出スライド部材381を、下大入賞口を開閉する開閉部材38cとは別の駆動源で駆動し、演出スライド部材381の駆動源を、演出制御装置300によって制御するが、これに限定されるものではない。例えば、演出スライド部材381の駆動源を、遊技制御装置100によって制御するよう構成することも可能である。また、例えば、演出スライド部材381を、開閉部材38cと同一の駆動源(すなわち下大入賞口ソレノイド38b)で駆動するよう構成することも可能である。
また、演出スライド部材381の開閉動作と、開閉部材38cの開閉動作と、は同期させてもよいし、同期させなくてもよい。
また、所定の退避条件が成立した場合に、演出スライド部材381を開放する(退避状態にする)よう構成してもよい。
複数の凸部382は、第1特別変動入賞装置38のベース部材の前面に、演出スライド部材381上を転動する遊技球の転動速度や球威を低下させるために設けられている。これにより、凸部382が設けられていない場合よりも、遊技球を演出スライド部材381上に長く留まらせることができるため、第1特別変動入賞装置38内での遊技球演出の演出効果を高めることができる。
なお、演出スライド部材381の上面(遊技球転動面)に、遊技球の転動速度や球威を低下させるため凸部や凹部や凹凸部を設けてもよい。
擬似入賞装置383は、演出スライド部材381の下方左側と、演出スライド部材381の下方右側と、の2箇所に配設されている。擬似入賞装置383は、チューリップ型の入賞装置と同様、上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材383aを備えている。一対の可動部材383aは、遊技球の直径未満の間隔をおいて閉じた閉塞状態(擬似入賞装置383内に遊技球が流入しない状態)と、駆動源としてのソレノイド(図示省略)によって逆「ハ」の字状に開いた開放状態(擬似入賞装置383内に遊技球が流入し易い状態)と、に変換可能となっている。なお、閉塞状態でも遊技球の流入を可能とし、閉塞状態では開放状態よりも遊技球が流入し難い状態としてもよい。
左側の擬似入賞装置383に流入した遊技球(左側の擬似入賞口に流入した遊技球)と、右側の擬似入賞装置383に流入した遊技球(右側の擬似入賞口に流入した遊技球)と、は共通の流路を通って排出ユニット86へと排出される。
左側の擬似入賞装置383が有する一対の可動部材383a(左側の一対の可動部材383a)と、右側の擬似入賞装置383が有する一対の可動部材383a(右側の一対の可動部材383a)と、は同一の駆動源で駆動してもよいし、別の駆動源で駆動してもよい。
本変形例では、一対の可動部材383aの駆動源を、演出制御装置300によって制御するが、これに限ることはなく、一対の可動部材383aの駆動源を、遊技制御装置100によって制御するよう構成することも可能である。
また、左側の一対の可動部材383aの開閉動作と、右側の一対の可動部材383aの開閉動作と、は同期させてもよいし、同期させなくてもよい。
また、所定の左開放条件が成立した場合に左側の一対の可動部材383aの開閉動作を行い、所定の右開放条件が成立した場合に右側の一対の可動部材383aの開閉動作を行い、所定の左右開放条件が成立した場合に左側の一対の可動部材383aの開閉動作と右側の一対の可動部材383aの開閉動作との双方を行うよう構成してもよい。具体的には、両方を開閉動作させるか、左側のみ開閉動作させるか、右側のみ開閉動作させるかを、大当りのラウンド回数(例えば、8R大当りか16R大当りか)や、大当りの種類(例えば、確変大当りか通常大当りか)などに応じて選択することも可能であるし、ラウンド毎に(例えば、奇数回目のラウンド遊技と偶数回目のラウンド遊技とで)異ならせることも可能である。
また、所定の情報(例えば、大当りのラウンド回数や大当り期待度など)に基づいて、一対の可動部材383aの開放期間(一対の可動部材383aが開放状態である期間)の長さを設定するよう構成してもよい。
一般入賞口35に入賞した遊技球が演出スライド部材381に拾われなかった場合には、当該遊技球は、左右の擬似入賞装置383の何れにも流入せず、そのままアウト口38dに流入する。
また、下大入賞口に入賞した遊技球が演出スライド部材381に拾われなかった場合には、当該遊技球は、左右の擬似入賞装置383の何れか一方に流入するか、あるいは、左右の擬似入賞装置383の何れにも流入せず、そのままアウト口38dに流入する。
また、一般入賞口35に入賞した遊技球や下大入賞口に入賞した遊技球が演出スライド部材381に拾われた場合であって、当該遊技球が演出スライド部材381上を転動している最中に当該演出スライド部材381が開放した(退避状態になった)場合には、当該遊技球は、左右の擬似入賞装置383の何れか一方に流入するか、あるいは、左右の擬似入賞装置383の何れにも流入せず、そのままアウト口38dに流入する。
また、一般入賞口35に入賞した遊技球や下大入賞口に入賞した遊技球が演出スライド部材381に拾われた場合であって、当該遊技球が演出スライド部材381上を転動している最中に演出スライド部材381が開放しなかった(突出状態のままであった)場合には、当該遊技球は、演出スライド部材381の左端から落下してアウト口38dに流入する。
なお、擬似入賞装置383に流入した遊技球(擬似入賞口に流入した遊技球)を検出する演出用スイッチを設けることも可能である。この場合、左側の擬似入賞装置383に流入した遊技球と、右側の擬似入賞装置383に流入した遊技球と、を別の演出用スイッチによって検出してもよいし、同一の演出用スイッチによって検出してもよい。例えば、左側の擬似入賞装置383に流入した遊技球と、右側の擬似入賞装置383に流入した遊技球と、が排出ユニット86へと向かう際に通過する共通の流路上に演出用スイッチを配設することで、左側の擬似入賞装置383に流入した遊技球と右側の擬似入賞装置383に流入した遊技球とを同一の演出用スイッチによって検出することができる。擬似入賞装置383に流入した遊技球を検出する演出用スイッチの検出信号は、演出制御装置300に出力される。
また、擬似入賞装置383に流入した遊技球を検出する演出用スイッチを設けた場合、上記変形例2における表示演出(図36に示すような演出)と類似する演出を実行することが可能となる。
具体的には、例えば、サブ表示装置41bに、現在のラウンド数や、ポイント数や、EXポイント数や、第1特別変動入賞装置38を模した画像(以下「下大入賞口画像」という。)などを表示する。さらに、右下の一般入賞口35用の入賞口スイッチ35aや下カウントスイッチ38aや演出用スイッチ(擬似入賞装置383に流入した遊技球を検出する演出用スイッチ)の検出結果に応じて、サブ表示装置41bに、第1特別変動入賞装置38に流入しようとする遊技球を模した画像(以下「下遊技球画像」という。)を表示する。
そして、演出制御装置300は、下大入賞口に遊技球が入賞した場合には、例えば、開状態の下大入賞口画像と、第1表示態様の下遊技球画像と、をサブ表示装置41bに表示する。さらに、サブ表示装置41bに表示中のポイント数を増加更新する。これにより、下大入賞口に遊技球が入賞したことを示唆することができる。
本変形例におけるポイント数は、下カウントスイッチ38aによって検出された遊技球の個数(獲得遊技球数)に対応する値である。
また、右下の一般入賞口35に入賞した遊技球が擬似入賞装置383に流入した場合には、例えば、開状態の下大入賞口画像と、第2表示態様の下遊技球画像と、をサブ表示装置41bに表示する。さらに、サブ表示装置41bに表示中のEXポイント数を増加更新する。これにより、右下の一般入賞口35に入賞した遊技球が擬似入賞装置383(擬似入賞口)に流入したことを示唆することができる。
本変形例におけるEXポイント数は、左側の擬似入賞装置383に流入した遊技球と、右側の擬似入賞装置383に流入した遊技球と、を異なる演出用スイッチによって検出する場合には、これら左右の演出用スイッチによって検出された遊技球の個数の和から、下カウントスイッチ38aによって検出された遊技球の個数を引いた差に対応する値である。また、左側の擬似入賞装置383に流入した遊技球と、右側の擬似入賞装置383に流入した遊技球と、を同一の演出用スイッチによって検出する場合には、この演出用スイッチによって検出された遊技球の個数から、下カウントスイッチ38aによって検出された遊技球の個数を引いた差に対応する値である。
また、下大入賞口に遊技球が入賞したタイミングと、右下の一般入賞口35に入賞した遊技球が擬似入賞装置383に流入したタイミングと、が略同一である場合には、例えば、開状態の下大入賞口画像と、第3表示態様の下遊技球画像と、をサブ表示装置41bに表示する。さらに、サブ表示装置41bに表示中のポイント数およびEXポイント数を増加更新する。これにより、下大入賞口に遊技球が入賞したことと、右下の一般入賞口35に入賞した遊技球が擬似入賞装置383(擬似入賞口)に流入したことと、を同時に示唆することができる。
図45〜図47は、本変形例の第1特別変動入賞装置38が備える各部材の開閉パターンの一例を示すタイミングチャートである。
ここで、図中の「下大入賞口スライド部材」は下大入賞口を開閉する開閉部材38cのことであり、図中の「下大入賞口可動部材(左)」は左側の擬似入賞口を開閉する一対の可動部材383a(左側の一対の可動部材383a)のことであり、図中の「下大入賞口可動部材(右)」は右側の擬似入賞口を開閉する一対の可動部材383a(右側の一対の可動部材383a)のことである。
図45に示す例では、可動部材383aの開閉パターン(開閉態様)を、大当りのラウンド回数(ラウンド数上限値)に応じて異ならせている。
具体的には、例えば図45(a)に示すように、大当りのラウンド回数が8回である場合、演出制御装置300は、遊技制御装置100から特図変動表示ゲームの開始に関する情報を受信した後に実行する所定演出中に、左側の一対の可動部材383aと右側の一対の可動部材383aとを交互に開閉する。
次いで、メイン表示装置41aにおける飾り図柄(識別情報)の仮停止表示の開始時に、左側の一対の可動部材383aと右側の一対の可動部材383aとを同時に1回開放する。
次いで、遊技制御装置100からファンファーレコマンドを受信すると、左側の一対の可動部材383aと右側の一対の可動部材383aとを同時に1回開放する。
次いで、遊技制御装置100からラウンドコマンドを受信すると、演出スライド部材381と、左側の一対の可動部材383aおよび/または右側の一対の可動部材383aと、を開閉する。
具体的には、奇数回目のラウンド遊技中は、演出スライド部材381を2回開放するとともに、演出スライド部材381の開閉動作の後追いで左側の一対の可動部材383aを2回開放する。
また、偶数回目のラウンド遊技中は、演出スライド部材381を2回開放するとともに、演出スライド部材381の開閉動作の後追いで左側の一対の可動部材383aおよび右側の一対の可動部材383aを同時に2回開放する。
次いで、最終ラウンド(8回目のラウンド遊技)が終了し、遊技制御装置100からエンディングコマンドを受信すると、エンディング演出の開始から終了までの間、演出スライド部材381を複数回開放するとともに、演出スライド部材381の開閉動作の後追いで左側の一対の可動部材383aおよび右側の一対の可動部材383aを同時に複数回開放する遊技球排出動作を行う。当該遊技球排出動作は、第1特別変動入賞装置38内に残存している遊技球を排出ユニット86へと排出するために実行される。
一方、例えば図45(b)に示すように、大当りのラウンド回数が16回である場合、演出制御装置300は、遊技制御装置100から特図変動表示ゲームの開始に関する情報を受信した後に実行する所定演出中に、左側の一対の可動部材383aと右側の一対の可動部材383aとを同時に開閉する。
次いで、メイン表示装置41aにおける飾り図柄の仮停止表示の開始時に、左側の一対の可動部材383aを1回開放するとともに、左側の一対の可動部材383aの開閉動作の後追いで右側の一対の可動部材383aを1回開放する。
次いで、遊技制御装置100からファンファーレコマンドを受信すると、左側の一対の可動部材383aを1回開放するとともに、左側の一対の可動部材383aの開閉動作の後追いで右側の一対の可動部材383aを1回開放する。
次いで、遊技制御装置100からラウンドコマンドを受信すると、演出スライド部材381と、左側の一対の可動部材383aおよび右側の一対の可動部材383aと、を開閉する。
具体的には、奇数回目のラウンド遊技中も、偶数回目のラウンド遊技中も、演出スライド部材381を2回開放するとともに、演出スライド部材381の開閉動作の後追いで左側の一対の可動部材383aおよび右側の一対の可動部材383aを同時に2回開放する。
次いで、最終ラウンド(16回目のラウンド遊技)が終了し、遊技制御装置100からエンディングコマンドを受信すると、エンディング演出の開始から終了までの間、演出スライド部材381を複数回開放するとともに、演出スライド部材381の開閉動作の後追いで左側の一対の可動部材383aおよび右側の一対の可動部材383aを同時に複数回開放する遊技球排出動作を行う。
なお、大当りのラウンド回数が16回である場合、例えば図46(a)に示すように、遊技制御装置100から1ラウンド目のラウンドコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間、演出スライド部材381を一定速度で開閉するとともに、演出スライド部材381の開閉動作の後追いで左側の一対の可動部材383aおよび右側の一対の可動部材383aを一定速度で同時に開閉するよう構成してもよい。
また、大当りのラウンド回数が16回である場合、例えば図46(b)に示すように、遊技制御装置100から1ラウンド目のラウンドコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間、演出スライド部材381を一定速度で開閉するとともに、演出スライド部材381の開閉動作の後追いで左側の一対の可動部材383aおよび右側の一対の可動部材383aを一定速度で交互に開閉するよう構成してもよい。
図46(a),(b)に示すように、遊技制御装置100から1ラウンド目のラウンドコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間、演出スライド部材381や一対の可動部材383aを一定速度で開閉する開閉動作を行う際には、遊技制御装置100からのインターバルコマンドの受信を契機に当該開閉動作を中断し、遊技制御装置100からの次のラウンドコマンドの受信を契機に当該開閉動作を再開するようにしてもよい。
また、図45(a),(b)では、遊技制御装置100から特図変動表示ゲームの開始に関する情報を受信した後に実行する所定演出中における一対の可動部材383aの開放パターンを、大当りのラウンド回数に応じて異ならせるようにしたが、これに限定されるものではなく、所定演出中における一対の可動部材383aの開放パターンは、大当りのラウンド回数にかかわらず同一であってもよい。
また、所定演出中における一対の可動部材383aの開放パターンは、例えば、実行中の特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる期待度(大当り期待度)等に応じて異ならせることも可能である。これにより、大当り期待度を報知することが可能となる。
メイン表示装置41aにおける飾り図柄の仮停止表示中における一対の可動部材383aの開放パターンや、ファンファーレ演出中における一対の可動部材383aの開放パターンについても同様である。すなわち、メイン表示装置41aにおける飾り図柄の仮停止表示中における一対の可動部材383aの開放パターンや、ファンファーレ演出中における一対の可動部材383aの開放パターンは、大当りのラウンド回数や大当り期待度などに応じて異なってもよいし、大当りのラウンド回数や大当り期待度などにかかわらず同一であってもよい。
このように、本変形例では、1ラウンド目のラウンドコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間だけでなく、それ以外の期間においても、大当りのラウンド回数や大当り期待度などに応じて、擬似入賞口を開閉する一対の可動部材383aの開閉パターン(開放タイミングや開放回数や開放期間など)を異ならせることが可能である。
また、所定演出中、メイン表示装置41aにおける飾り図柄の仮停止表示中、およびファンファーレ演出中に実行する一対の可動部材383aの開閉動作は、ラウンド遊技の開始前に第1特別変動入賞装置38内に残存している遊技球を排出ユニット86へと排出するための動作である。当該動作で除去される遊技球は、遊技球演出に利用されるだけであるため、当該動作を省略しても遊技の公平性や公正性を保つことができる。したがって、所定演出中、メイン表示装置41aにおける飾り図柄の仮停止表示中、およびファンファーレ演出中のうち少なくとも一の期間中は、左側の一対の可動部材383aおよび/または右側の一対の可動部材383aの開閉動作を行わなくてもよい。
また、図46(a),(b)に示すように、所定演出中、メイン表示装置41aにおける飾り図柄の仮停止表示中、およびファンファーレ演出中のうち少なくとも一の期間中に、擬似入賞口を開閉する一対の可動部材383aに加えて、演出スライド部材381も開閉するようにしてもよい。これにより、ラウンド遊技の開始前に第1特別変動入賞装置38内に残存している遊技球を効率よく排出ユニット86へと排出することができる。
また、エンディング演出中に実行する遊技球排出動作で除去される遊技球は、遊技球演出に利用されるだけであるため、当該遊技球排出動作を省略しても遊技の公平性や公正性を保つことができる。したがって、例えば図46(b)に示すように、エンディング演出中は、遊技球排出動作(すなわち、演出スライド部材381の開閉動作、左側の一対の可動部材383aの開閉動作、および右側の一対の可動部材383aの開閉動作)を行わなくてもよい。
また、図47に示すように、遊技者による演出ボタン25の押圧操作に応じて、演出スライド部材381を開閉するようにしてもよい。具体的には、図47に示す例では、遊技制御装置100から1ラウンド目のラウンドコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間、左側の一対の可動部材383aおよび右側の一対の可動部材383aが一定速度で交互に開閉している。また、演出ボタン25が1回押される毎に、演出スライド部材381が1回開放している。これにより、遊技者の操作を介入させた演出として、擬似入賞口を開閉する一対の可動部材383aが開放状態(擬似入賞口に遊技球が流入し易い状態)となるタイミングを狙って、演出スライド部材381を開放することができる。
また、図47に示すように、所定演出中、遊技者による演出ボタン25の押圧操作に応じて、演出スライド部材381を開閉するようにしてもよい。さらに、図47に示すように、所定演出中は、演出スライド部材381と同時に、左側の一対の可動部材383aおよび/または右側の一対の可動部材383aを開閉するようにしてもよい。
また、図47に示すように、エンディング演出中は遊技球排出動作を行っているため、演出ボタン25に対する押圧操作に応じた演出スライド部材381の開閉は行われない。その代わりに、エンディング演出中、遊技者による演出ボタン25の押圧操作に応じて、獲得したEXポイントを評価する画像等の所定の画像をサブ表示装置41bに表示するよう構成することも可能である。
ここで、「獲得したEXポイントを評価する画像」とは、“大当り終了 お疲れ様”や“大当り終了 すごいね”などの台詞画像のうち獲得したEXポイントに基づき選択した台詞画像、“虎”や“豚”や“牛”などのキャラクタ画像のうち獲得したEXポイントに基づき選択したキャラクタ画像等である。
このように所定の画像を表示することで、遊技者の視線をサブ表示装置41bへと向けることができ、第1特別変動入賞装置38内で実行されている遊技球排出動作に注目させないようにできるため、当該遊技球排出動作を遊技者に気付かれ難くすることができる。
本変形例の第1特別変動入賞装置38が備える各部材の開閉パターンは、図45〜図47に示すタイミングチャートにおける開閉パターンに限られず、適宜変更可能である。例えば、他の変形例で示すタイミングチャートにおける開閉パターンの何れかを採用してもよい。
また、演出スライド部材381の開閉動作や一対の可動部材383aの開閉動作を、特図変動表示ゲームの開始から大当り中演出の終了までの期間だけ実行するのではなく、例えば、遊技機10の電源投入時から一定速度で実行し続けるよう構成することも可能である。
なお、前述したように、実施形態だけでなく、各変形例においても下カウントスイッチ38aおよび/または上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配することが可能である。変形例3において、下カウントスイッチ38aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配する場合には、例えば、擬似入賞装置383内(擬似入賞口内)に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設することができる。これにより、特定領域スイッチ380dが遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態を発生することが可能となる。
[変形例4:第1特別変動入賞装置の変形例A−2>
図48を用いて第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38の変形例A−2を説明する。
図48に示すように、突出状態の演出スライド部材381上に遊技球を留まらせるための貯留部材384として、第1特別変動入賞装置38のベース部材に前方へ突出する突起を設けてもよい。
貯留部材384の配設位置は、適宜選択可能である。
具体的には、例えば図48(a)に示すように、貯留部材384を、演出スライド部材381の左端部に対応する位置に配設することで、下大入賞口に入賞した遊技球や右下の一般入賞口35に入賞した遊技球が、演出スライド部材381の左端から落下することを防止できる。
また、例えば図48(b)に示すように、貯留部材384を、演出スライド部材381の左右方向略中央部に対応する位置に配設することで、右下の一般入賞口35に入賞した遊技球が演出スライド部材381の左端から落下することを防止できるとともに、右側の擬似入賞装置383に流入可能な遊技球を右下の一般入賞口35に入賞した遊技球のみに限定することが可能となる。さらに、図48(a)に示す例の場合、演出スライド部材381上に留まっている遊技球が邪魔になって、下カウントスイッチ38aが詰まる虞があるが、図48(b)に示す例の場合は、このような不具合の発生を回避することが可能となる。
また、貯留部材384を、複数設けることも可能である。具体的には、例えば図48(a)と図48(b)とを組み合わせた構成、すなわち、演出スライド部材381の左端部に対応する位置と、演出スライド部材381の左右方向略中央部に対応する位置と、の双方に貯留部材384を設けた構成とすることも可能である。
さらに、貯留部材384は、前方へ突出して演出スライド部材381上に遊技球を留まらせることのできる突出状態(閉塞状態)と、後方へ退避して演出スライド部材381上に遊技球を留まらせることのできない退避状態(開放状態)と、に変換可能であってもよい。この場合、貯留部材384の開閉パターンを調整することで、第1特別変動入賞装置38内の球詰まりを防止することが可能となる。
なお、前述したように、実施形態だけでなく、各変形例においても下カウントスイッチ38aおよび/または上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配することが可能である。変形例4において、下カウントスイッチ38aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配する場合には、例えば、擬似入賞装置383内(擬似入賞口内)に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設することができる。これにより、特定領域スイッチ380dが遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態を発生することが可能となる。
[変形例5:第1特別変動入賞装置の変形例A−3]
図49を用いて第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38の変形例A−3を説明する。
擬似入賞装置383は、チューリップ型の入賞装置と同様、一対の可動部材383aを備えるものに限られず、例えば図49に示すように、アタッカ型の入賞装置と同様、板状の可動部材383b(アタッカ形式の開閉扉)を備えるものであってもよい。
また、第1特別変動入賞装置38内に配設する擬似入賞装置383の個数は、2個に限られず、適宜変更可能であり、例えば図49に示すように、1個であってもよい。第1特別変動入賞装置38が1個の擬似入賞装置383を備える場合であって、図45〜図47に示す演出と類似する演出を実行する場合には、当該1個の擬似入賞装置383の開閉パターンとして、左側の擬似入賞装置383の開閉パターン(下大入賞口可動部材(左)の開閉パターン)を採用してもよいし、右側の擬似入賞装置383の開閉パターン(下大入賞口可動部材(右)の開閉パターン)を採用してもよい。
なお、本変形例の第1特別変動入賞装置38は、さらに貯留部材384を備えていてもよい。
また、前述したように、実施形態だけでなく、各変形例においても下カウントスイッチ38aおよび/または上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配することが可能である。変形例5において、下カウントスイッチ38aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配する場合には、例えば、擬似入賞装置383内(擬似入賞口内)に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設することができる。これにより、特定領域スイッチ380dが遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態を発生することが可能となる。
このように変形例3,4,5の遊技機10によれば、入賞領域(下大入賞口)と、当該入賞領域へ入賞容易な状態と入賞困難又は入賞不能な状態とに変換可能な変換部材(開閉部材38c)と、を有する可変入賞装置(第1特別変動入賞装置38)を備えた遊技機において、可変入賞装置内で、入賞領域に入賞した遊技球と、入賞領域以外の特定の入賞口(右下の一般入賞口35)に入賞した遊技球と、の双方を用いて特定演出(遊技球演出)を行う特定演出機構を備え、特定演出機構は、擬似入賞口と当該擬似入賞口を開閉する第1可動部材とを有する擬似入賞装置383と、第1可動部材とは動作態様が異なる第2可動部材(演出スライド部材381)と、を備えている。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、可変入賞装置(第1特別変動入賞装置38)内で特定演出(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特定演出(遊技球演出)は、入賞領域(下大入賞口)に入賞した遊技球と、特定の入賞口(右下の一般入賞口35)に入賞した遊技球と、の双方を利用した演出であり、入賞口に入賞前の遊技球を利用した演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
なお、特定の入賞口は、一般入賞口でなくてもよく、例えば始動入賞口や上大入賞口であってもよい。
また、変形例3,4の遊技機10において、第1可動部材は、擬似入賞口を閉塞した状態(閉塞状態)と、擬似入賞口を開放する状態(開放状態)と、に変換可能な一対の開閉部材(可動部材383a)であり、第2可動部材(演出スライド部材381)は、遊技球を受けられない状態(退避状態(開放状態))と、遊技球を受けることが可能な状態(突出状態(閉塞状態))と、に変換可能な球受部材であるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、互いに動作態様の異なる2種類の可動部材を用いて特定演出(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、変形例3,4,5の遊技機10において、入賞領域(下大入賞口)に入賞した遊技球数と、特定の入賞口(右下の一般入賞口35)に入賞して擬似入賞口に流入した遊技球数と、に応じた表示(すなわち、ポイント数およびEXポイント数の表示)を行う表示装置(サブ表示装置41b)を備えるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、特定演出(遊技球演出)の結果を数値化できるため、遊技の興趣を高めることができる。
[変形例6:第1特別変動入賞装置の変形例B−1]
図50を用いて第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38の変形例B−1を説明する。
上記実施形態では、第1特別変動入賞装置38は、下大入賞口を開閉する開閉部材38cとして、前後にスライドするスライド部材を備えているが、これに限定されることはなく、例えば、本変形例のように、第1特別変動入賞装置38は、下大入賞口を開閉する開閉部材38cとして、下端側を回動支点として回動するアタッカ形式の開閉扉を備えていてもよい。
また、上記実施形態では、右下の一般入賞口35は、第1特別変動入賞装置38の右端部に配設されているが、これに限定されることはなく、例えば、本変形例のように、右下の一般入賞口35は、第1特別変動入賞装置38の上部に配設されていてもよい。
図50は、本変形例の第1特別変動入賞装置38の前面側から見た図であって、(a)は閉状態を示す図であり、(b)は開状態を示す図である。図50においては、第1特別変動入賞装置38が備える前カバー部材を省略している。また、図50においては、太実線によって第1特別変動入賞装置38の外壁(境目)を示している。
本変形例において、第1特別変動入賞装置38の前カバー部材は、当該第1特別変動入賞装置38内の遊技球の挙動を視認可能なように光透過性を有している。すなわち、第1特別変動入賞装置38の前カバー部材は、透明または半透明となっている。
本変形例において、下大入賞口を開閉する開閉部材38cは、当該開閉部材38cの左右方向中央よりも右側の部分に、前方へ突出する前突出壁38c1(図50(a),(b)参照)と、後方へ突出する後突出壁38c2(図50(b)参照)と、を有している。また、第1特別変動入賞装置38のベース部材には、開状態の場合に、開閉部材38cの前突出壁38c1が挿入される挿入開口385が設けられている。
また、右下の一般入賞口35に入賞した遊技球は、第1特別変動入賞装置38の後面側に配設された裏面流路部35bを通過して、第1特別変動入賞装置38のベース部材に設けられた流出口35cから第1特別変動入賞装置38の前面側に流出する。右下の一般入賞口35用の入賞口スイッチ35aは、例えば裏面流路部35b内に配設されている。
流出口35cは、右下の一般入賞口35よりも左側に位置する入賞球演出領域R1内に配設されている。したがって、流出口35cから流出した遊技球は、入賞球演出領域R1に進入する。
また、第1特別変動入賞装置38には、右下の一般入賞口35に入賞した遊技球(入賞球)以外の遊技球が、入賞球演出領域R1に進入することを規制する規制壁386が設けられている。
すなわち、本変形例の第1特別変動入賞装置38は、閉状態(図50(a)に示す状態)の場合には、開閉部材38cの前突出壁38c1と、規制壁386と、によって右下の一般入賞口35に入賞した遊技球以外の遊技球が、入賞球演出領域R1に進入することを規制している。また、開状態(図50(b)に示す状態)の場合には、開閉部材38cの前突出壁38c1および後突出壁38c2と、規制壁386と、によって右下の一般入賞口35に入賞した遊技球以外の遊技球が、入賞球演出領域R1に進入することを規制している。
右下の一般入賞口35に入賞した遊技球(流出口35cから第1特別変動入賞装置38の前面側に流出した遊技球)は、開閉部材38cが閉じている場合には、図50(a)に示すように、アウト口38dに流入する。一方、開閉部材38cが開いている場合には、図50(b)に示すように、開閉部材38cによって拾われて、第1特別変動入賞装置38の後面側に配設された演出用スイッチ387(擬似入賞口に入賞した遊技球を検出するスイッチ)によって検出される。演出用スイッチ387の検出信号は、演出制御装置300に出力される。
また、右下の一般入賞口35に入賞せずに第1特別変動入賞装置38内に進入した遊技球は、開閉部材38cが閉じている場合には、図50(a)に示すように、アウト口38dに流入する。一方、開閉部材38cが開いている場合には、図50(b)に示すように、開閉部材38cによって拾われて、第1特別変動入賞装置38の後面側に配設された下カウントスイッチ38a(下大入賞口に入賞した遊技球を検出するスイッチ)によって検出される。
本変形例の場合、開閉部材38cの後面に後突出壁38c2が設けられているため、開閉部材38cによって拾われた遊技球は、左側(演出用スイッチ387側)と右側(下カウントスイッチ38a側)とを行き来することができない。すなわち、右下の一般入賞口35に入賞して開閉部材38cによって拾われた遊技球は、下カウントスイッチ38aを通過できないようになっており、右下の一般入賞口35に入賞せずに開閉部材38cによって拾われた遊技球は、演出用スイッチ387を通過できないようになっている。これにより、一般入賞口35に入賞した遊技球が大入賞口に入賞してしまうことを防止している。
このように、本変形例の第1特別変動入賞装置38は、大入賞口を開閉する部材の近傍で、一般入賞口35に入賞した遊技球を利用した遊技球演出を行う点で、上記変形例2と概念が共通する。
本変形例の場合、演出用スイッチ387は、右下の一般入賞口35に入賞し、且つ、開閉部材38cが拾った遊技球を検出可能であるが、下大入賞口に入賞した遊技球は検出不能である。したがって、本変形例おいて、上記変形例2における表示演出(図36に示すような演出)と類似する演出を実行する際には、EXポイント数は、演出用スイッチ387によって検出された遊技球の個数に対応する値となるため、EXポイント数を2つのスイッチによって検出された遊技球の個数に基づき算出する必要がない。
なお、前述したように、実施形態だけでなく、各変形例においても下カウントスイッチ38aおよび/または上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配することが可能である。変形例6において、下カウントスイッチ38aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配する場合には、例えば、第1特別変動入賞装置38の後面側のうち、左側(演出用スイッチ387側)に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設してもよいし、右側(下カウントスイッチ38a側)に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設してもよい。左側に特定領域スイッチ380dを配設する場合、演出用スイッチ387の近傍に特定領域スイッチ380dを設けてもよいし、演出用スイッチ387に替えて特定領域スイッチ380dを設けてもよい。また、右側に特定領域スイッチ380dを配設する場合、下カウントスイッチ38aの近傍に特定領域スイッチ380dを設けてもよいし、下カウントスイッチ38aに替えて特定領域スイッチ380dを設けてもよい。これにより、特定領域スイッチ380dが遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態を発生することが可能となる。
[変形例7:第1特別変動入賞装置の変形例B−2]
図51および図52を用いて第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38の変形例B−2を説明する。
図51に示すように、開閉部材38cを入賞球演出領域R1外に配設し、入賞球演出領域R1内に擬似入賞装置383を配設してもよい。
本変形例において、擬似入賞装置383は、アタッカ型の入賞装置と同様、板状の可動部材383b(アタッカ形式の開閉扉)を備えている。また、規制壁386は、開閉部材38cと擬似入賞装置383との間にも配設されている。
右下の一般入賞口35に入賞した遊技球(流出口35cから第1特別変動入賞装置38の前面側に流出した遊技球)は、擬似入賞装置383の可動部材383bが閉じている場合には、図51(a)に示すように、アウト口38dに流入する。一方、可動部材383bが開いている場合には、図51(b)に示すように、可動部材383bによって拾われて、第1特別変動入賞装置38の後面側に配設された演出用スイッチ387(擬似入賞口に入賞した遊技球を検出するスイッチ)によって検出される。
また、右下の一般入賞口35に入賞せずに第1特別変動入賞装置38内に進入した遊技球は、開閉部材38cが閉じている場合には、図51(a)に示すように、アウト口38dに流入する。一方、開閉部材38cが開いている場合には、図51(b)に示すように、開閉部材38cによって拾われて、第1特別変動入賞装置38の後面側に配設された下カウントスイッチ38a(下大入賞口に入賞した遊技球を検出するスイッチ)によって検出される。
なお、本変形例では、擬似入賞装置383の可動部材383bを、下大入賞口を開閉する開閉部材38cとは別の駆動源で駆動し、可動部材383bの駆動源を、演出制御装置300によって制御するが、これに限定されるものではない。例えば、可動部材383bの駆動源を、遊技制御装置100によって制御するよう構成することも可能である。また、可動部材383bを、開閉部材38cと同一の駆動源(すなわち下大入賞口ソレノイド38b)で駆動するよう構成することも可能である。
また、可動部材383bの開閉動作と、開閉部材38cの開閉動作と、は同期させてもよいし、同期させなくてもよい。
また、所定の開放条件が成立した場合に、可動部材383bを開放する(開放状態にする)よう構成してもよい。
図52は、本変形例の第1特別変動入賞装置38が備える各部材の開閉パターンの一例を示すタイミングチャートである。
ここで、図中の「下大入賞口扉部材」は下大入賞口を開閉する開閉部材38cのことであり、図中の「演出用扉部材」は擬似入賞口を開閉する可動部材383bのことである。
例えば図52(a)に示すように、演出制御装置300は、遊技制御装置100から特図変動表示ゲームの開始に関する情報を受信した後に実行する所定演出中に、可動部材383bを開閉する。
次いで、メイン表示装置41aにおける飾り図柄の仮停止表示の開始時に、可動部材383bを1回開放する。
次いで、遊技制御装置100からファンファーレコマンドを受信すると、可動部材383bを1回開放する。
次いで、遊技制御装置100から1ラウンド目のラウンドコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間、可動部材383bを一定速度で開閉する。この際、遊技制御装置100からのインターバルコマンドの受信を契機に可動部材383bの開閉動作を中断し、遊技制御装置100からの次のラウンドコマンドの受信を契機に可動部材383bの開閉動作を再開するようにしてもよい。
次いで、最終ラウンド(8回目のラウンド遊技)が終了し、遊技制御装置100からエンディングコマンドを受信すると、エンディング演出の開始から終了までの間、可動部材383bを複数回開放する遊技球排出動作を行う。
なお、図52(b)に示すように、遊技者による演出ボタン25の押圧操作に応じて、演出用扉部材(可動部材383b)を開閉するようにしてもよい。具体的には、図52(b)に示す例では、遊技制御装置100から1ラウンド目のラウンドコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間、演出ボタン25が1回押される毎に、可動部材383bを1回開放している。これにより、遊技者の操作を介入させた演出として、流出口35cから遊技球が流出するタイミングを狙って、可動部材383bを開放することができる。
また、図52(b)に示す1回目のラウンド遊技中のように、演出ボタン25が押されると直ぐに可動部材383bを開閉してもよいし、図52(b)に示す2回目のラウンド遊技中のように、演出ボタン25が押された後、所定の待機期間が経過してから可動部材383bを開閉してもよい。
また、図52(b)に示すように、所定演出中、遊技者による演出ボタン25の押圧操作に応じて、可動部材383bを開閉するようにしてもよい。
本変形例の第1特別変動入賞装置38が備える各部材の開閉パターンは、図52に示すタイミングチャートにおける開閉パターンに限られず、適宜変更可能である。例えば、他の変形例で示すタイミングチャートにおける開閉パターンの何れかを採用してもよい。
また、可動部材383bの開閉動作を、特図変動表示ゲームの開始から大当り中演出の終了までの期間だけ実行するのではなく、例えば、遊技機10の電源投入時から一定速度で実行し続けるよう構成することも可能である。
なお、前述したように、実施形態だけでなく、各変形例においても下カウントスイッチ38aおよび/または上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配することが可能である。変形例7において、下カウントスイッチ38aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配する場合には、例えば、下大入賞口内に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設してもよいし、擬似入賞装置383内(擬似入賞口内)に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設してもよい。下大入賞口内に特定領域スイッチ380dを配設する場合、下カウントスイッチ38aの近傍に特定領域スイッチ380dを設けてもよいし、下カウントスイッチ38aに替えて特定領域スイッチ380dを設けてもよい。また、擬似入賞口内に特定領域スイッチ380dを配設する場合、演出用スイッチ387の近傍に特定領域スイッチ380dを設けてもよいし、演出用スイッチ387に替えて特定領域スイッチ380dを設けてもよい。これにより、特定領域スイッチ380dが遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態を発生することが可能となる。
[変形例8:第1特別変動入賞装置の変形例B−3]
図53〜図55を用いて第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38の変形例B−3を説明する。
図53および図54に示すように、入賞球演出領域R1内に演出スライド部材381を配設してもよい。なお、上記変形例7における第1特別変動入賞装置38(図51参照)の入賞球演出領域R1内、具体的には流出口35cと擬似入賞装置383との間に演出スライド部材381を配設したものを、本変形例の第1特別変動入賞装置38としているが、上記変形例6における第1特別変動入賞装置38(図50参照)の入賞球演出領域R1内に演出スライド部材381を配設することも可能である。
なお、本変形例では、演出スライド部材381を、下大入賞口を開閉する開閉部材38cや擬似入賞口を開閉する可動部材383bとは別の駆動源で駆動し、演出スライド部材381の駆動源を、演出制御装置300によって制御するが、これに限定されるものではない。例えば、演出スライド部材381の駆動源を、遊技制御装置100によって制御するよう構成することも可能である。また、演出スライド部材381を、開閉部材38cと同一の駆動源で駆動するよう構成することも可能であるし、可動部材383bと同一の駆動源で駆動するよう構成することも可能である。
また、演出スライド部材381の開閉動作と、開閉部材38cの開閉動作と、は同期させてもよいし、同期させなくてもよい。
また、演出スライド部材381の開閉動作と、可動部材383bの開閉動作と、は同期させてもよいし、同期させなくてもよい。
また、所定の退避条件が成立した場合に、演出スライド部材381を開放する(退避状態にする)よう構成してもよい。本変形例では、演出ボタン25が押された場合に、演出スライド部材381を開放することとする。
例えば図53(a)に示すように、右下の一般入賞口35に入賞した遊技球は、第1特別変動入賞装置38の後面側に配設された裏面流路部35bを通過して、第1特別変動入賞装置38のベース部材に設けられた流出口35cから第1特別変動入賞装置38の前面側に流出する。
例えば図53(b)に示すように、遊技球が流出口35cから流出した際に、演出スライド部材381が突出状態(前方へ突出して流出口35cから流出した遊技球が擬似入賞装置383に流入することを阻止する閉塞状態)になっている場合には、当該遊技球は、突出状態の演出スライド部材381上に留まる。
そして、例えば図54(a)に示すように、ラウンド遊技が開始すると、開閉部材38cが開いて、下大入賞口に遊技球が入賞し易くなる。ラウンド遊技中に、演出ボタン25が押されると、例えば図54(b)に示すように、演出スライド部材381が開放するとともに、擬似入賞装置383の可動部材383bが開放して、演出スライド部材381上に貯留されている遊技球が、擬似入賞装置383に流入する。
すなわち、本変形例においては、遊技者による演出ボタン25の押圧操作に応じて、演出スライド部材381および可動部材383bが開閉する。
図55は、本変形例の第1特別変動入賞装置38が備える各部材の開閉パターンの一例を示すタイミングチャートである。
例えば図55に示すように、演出制御装置300は、遊技制御装置100から特図変動表示ゲームの開始に関する情報を受信した後に実行する所定演出中に、演出ボタン25が押されると、可動部材383bを開閉するとともに、演出スライド部材381を開閉する。
次いで、メイン表示装置41aにおける飾り図柄の仮停止表示の開始時に、可動部材383bおよび演出スライド部材381を1回開放する。
次いで、遊技制御装置100からファンファーレコマンドを受信すると、可動部材383bおよび演出スライド部材381を1回開放する。
次いで、遊技制御装置100から1ラウンド目のラウンドコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間、演出ボタン25が1回押される毎に、可動部材383bおよび演出スライド部材381を1回開放する。
本変形例では、図55に示すように、演出ボタン25が押されると、演出用扉部材(可動部材383b)は、演出スライド部材381と同時に開放状態になるが、演出スライド部材381よりも後に閉塞状態になるよう構成されている。
無論、可動部材383bと演出スライド部材381とが同時に閉塞状態になるよう構成することも可能であるし、可動部材383bが演出スライド部材381よりも先に閉塞状態になるよう構成することも可能であるが、より効果的な遊技球演出を実行する等の観点から、可動部材383bが演出スライド部材381よりも後に閉塞状態になるよう構成することが好ましい。すなわち、本変形例のように、可動部材383bが演出スライド部材381よりも後に閉塞状態になるよう構成することで、擬似入賞装置383(擬似入賞口)に遊技球が流入する確率を高めることができるため、より効果的な遊技球演出を実行することが可能となる。
また、本変形例では、ラウンド遊技1回あたりに、演出用扉部材(可動部材383b)および演出スライド部材381を開放する開放回数の上限が予め設定されており、開放回数が上限に達した以降は、演出ボタン25が押されても可動部材383bおよび演出スライド部材381を開閉しないよう構成されている。
具体的には、図55に示す例では、1回目のラウンド遊技で4回の押圧操作が行われているが、1ラウンドあたりの開放回数の上限として「3回」が設定されているため、1〜3回目の押下操作が行われた際には可動部材383bおよび演出スライド部材381は開放しているのに対し、4回目の押圧操作が行われた際には可動部材383bおよび演出スライド部材381は開放していない。
無論、開放回数に上限を設けない構成であってもよいが、駆動源にかかる負担を軽減する等の観点から、開放回数に上限を設ける構成が好ましい。すなわち、開放回数に上限を設けない場合、例えば演出ボタン25が連打された際には、当該連打に応じて可動部材383bおよび演出スライド部材381の開閉動作を繰り返さなかければならず、可動部材383bの駆動源や演出スライド部材381の駆動源に負荷がかかる。これに対し、本変形例のように、開放回数に上限を設けることで、このような負荷がかからないようにすることが可能となる。
なお、開放回数の上限は、3回に限ることはなく、適宜変更可能である。また、開放回数の上限を、大当りのラウンド回数(例えば、8R大当りか16R大当りか)や、大当りの種類(例えば、確変大当りか通常大当りか)などに応じて異ならせることも可能である。また、開放回数の上限を、ラウンド毎に(例えば、奇数回目のラウンド遊技と偶数回目のラウンド遊技とで)異ならせてもよい。
また、所定のタイミング(各ラウンド遊技の終了時や、偶数回目(あるいは奇数回目)のラウンド遊技の終了時や、最終ラウンドの終了時や、演出スライド部材381上に所定数以上の遊技球が貯まっていると判定した時など)になった場合には、演出ボタン25が押されなくても、演出スライド部材381を1回(あるいは複数回であってもよい)開放するよう構成してもよい。このように、所定のタイミングで自動的に演出スライド部材381を開放するよう構成することで、演出スライド部材381上に遊技球が貯まりすぎて、第1特別変動入賞装置38内(具体的には、流出口35cなど)が詰まってしまう等の不具合を回避することが可能となる。
演出スライド部材381上に貯まっている遊技球の個数は、例えば、演出用スイッチ387や右下の一般入賞口35用の入賞口スイッチ35aなどの複数のスイッチによって検出された遊技球の個数に基づき算出することができる。また、演出スライド部材381上の所定位置に遊技球を検出するスイッチを設けることで、当該スイッチの検出信号に基づき、演出スライド部材381上に所定数以上の遊技球が貯まっているか否か判定することができる。
本変形例の第1特別変動入賞装置38が備える各部材の開閉パターンは、図55に示すタイミングチャートにおける開閉パターンに限られず、適宜変更可能である。例えば、他の変形例で示すタイミングチャートにおける開閉パターンの何れかを採用してもよい。
また、可動部材383bや演出スライド部材381の開閉動作を、特図変動表示ゲームの開始から大当り中演出の終了までの期間だけ実行するのではなく、例えば、遊技機10の電源投入時から一定速度で実行し続けるよう構成することも可能である。
なお、図55に示す例では、エンディング演出の開始から終了までの間、演出スライド部材381を複数回開放するとともに、演出スライド部材381の開閉動作の後追いで演出用扉部材(可動部材383b)を複数回開放する遊技球排出動作を行っているが、当該遊技球排出動作の実行タイミングは、適宜選択可能である。
例えば、遊技機10の電源OFFの時に遊技球を一般入賞口に手で入れる等の不正行為があった場合等のように、遊技球が詰まっていると判断できない場合も考慮して、遊技機10の電源投入時に実施される初期動作の一環として、遊技球排出動作を実行してもよい。また、排出流路にスイッチを設け、遊技球排出動作時に排出された遊技球が明らかに多い場合(瞬間的な排出率が異常に多い場合)は、エラー報知する等してもよい。
また、定期的に(例えば、所定回転数に到達する毎に)、あるいは所定条件の成立(例えば、通常時(左打ち時)に右打ちされたこと)を契機に、遊技球排出動作を実行してもよい。また、通常時(左打ち時)に右打ちされた場合には、「左打ちに戻してください」等の表示を出現させる等して、左打ちするよう指示する報知(警告)を行ってもよい。
また、遊技球排出動作の実行中においては、当該遊技球排出動作の影響を受けるスイッチからの信号を無効にしてもよい。遊技球排出動作の影響を受けるスイッチとは、遊技球排出動作の影響でチャタリングを起こしてしまうスイッチや、遊技球排出動作の影響で本来ありえないタイミングでカウント(検出)してしまうスイッチなどである。
また、他の変形例で示す遊技球排出動作の実行タイミングを採用してもよい。また、他の変形例において、ここで示した実行タイミングで遊技球排出動作を実行してもよい。
なお、前述したように、実施形態だけでなく、各変形例においても下カウントスイッチ38aおよび/または上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配することが可能である。変形例8において、下カウントスイッチ38aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配する場合には、例えば、下大入賞口内に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設してもよいし、擬似入賞装置383内(擬似入賞口内)に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設してもよい。下大入賞口内に特定領域スイッチ380dを配設する場合、下カウントスイッチ38aの近傍に特定領域スイッチ380dを設けてもよいし、下カウントスイッチ38aに替えて特定領域スイッチ380dを設けてもよい。また、擬似入賞口内に特定領域スイッチ380dを配設する場合、演出用スイッチ387の近傍に特定領域スイッチ380dを設けてもよいし、演出用スイッチ387に替えて特定領域スイッチ380dを設けてもよい。これにより、特定領域スイッチ380dが遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態を発生することが可能となる。
このように変形例7,8の遊技機10によれば、入賞領域(下大入賞口)と、当該入賞領域へ入賞容易な状態と入賞困難又は入賞不能な状態とに変換可能な変換部材(開閉部材38c)と、を有する可変入賞装置(第1特別変動入賞装置38)を備えた遊技機において、可変入賞装置内で、入賞領域以外の特定の入賞口(右下の一般入賞口35)に入賞した遊技球を用いて特定演出(遊技球演出)を行う特定演出機構を備え、可変入賞装置は、特定の入賞口に入賞した遊技球が進入可能な第1領域(入賞球演出領域R1)と、特定の入賞口に入賞した遊技球が進入不能な第2領域(入賞球演出領域R1外の領域)と、を有し、変換部材は、第2領域内に配設されており、特定演出機構は、擬似入賞口と、第1領域内に配設され、擬似入賞口を開閉する可動部材383bと、を備えている。
また、変形例6の遊技機10によれば、入賞領域(下大入賞口)と、当該入賞領域へ入賞容易な状態と入賞困難又は入賞不能な状態とに変換可能な変換部材(開閉部材38c)と、を有する可変入賞装置(第1特別変動入賞装置38)を備えた遊技機において、可変入賞装置内で、入賞領域以外の特定の入賞口(右下の一般入賞口35)に入賞した遊技球を用いて特定演出(遊技球演出)を行う特定演出機構を備え、可変入賞装置は、特定の入賞口に入賞した遊技球が進入可能な第1領域(入賞球演出領域R1)と、特定の入賞口に入賞した遊技球が進入不能な第2領域(入賞球演出領域R1外の領域)と、を有し、変換部材は、第2領域内に配設されており、特定演出機構は、擬似入賞口と、第1領域内に配設され、擬似入賞口を開閉する可動部材と、を備えており、当該可動部材は、変換部材と一体的に形成されている。
したがって、変形例6〜8の何れの場合も、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、可変入賞装置(第1特別変動入賞装置38)内で特定演出(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特定演出(遊技球演出)は、特定の入賞口(右下の一般入賞口35)に入賞した遊技球を利用した演出であり、入賞口に入賞前の遊技球を利用した演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
なお、特定の入賞口は、一般入賞口でなくてもよく、例えば始動入賞口や上大入賞口であってもよい。
また、変形例6,7,8の遊技機10においては、遊技球の第1領域(入賞球演出領域R1)と第2領域(入賞球演出領域R1外の領域)との間の往来を規制する規制壁386(変形例6の場合は、前突出壁38c1や後突出壁38c2を含む)を備えるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、特定の入賞口(右下の一般入賞口35)に入賞した遊技球が、入賞領域(下大入賞口)に入賞してしまうことを防止できるため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
また、変形例6,7,8の遊技機10において、入賞領域(下大入賞口)に入賞した遊技球数と、擬似入賞口に流入した遊技球数と、に応じた表示(すなわち、ポイント数およびEXポイント数の表示)を行う表示装置(サブ表示装置41b)を備えるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、特定演出(遊技球演出)の結果を数値化できるため、遊技の興趣を高めることができる。
[変形例9:第2特別変動入賞装置の変形例B]
図56〜図59を用いて第2特別変動入賞装置(上大入賞口)39の変形例B、具体的には第2特別変動入賞装置39の一部である上大入賞口内部ユニット83cの変形例を説明する。
上記実施形態の第2特別変動入賞装置39では、遊技球演出として、回転体620および演出流路(転動流路)を用いた演出を実行したが、遊技球演出の内容は適宜変更可能であり、例えば、本変形例のように、遊技球演出は、演出スライド部材381および擬似入賞装置383を用いた演出であってもよい。なお、上記実施形態の空間形成部材630は、演出流路となる空間を形成する部材であるが、本変形例の空間形成部材630は、演出空間を形成する部材である。
図56は、本変形例の上大入賞口内部ユニット83cの前面側から見た図であって、前面壁711および前面カバー770を省略した図である。
図56に示すように、本変形例の上大入賞口内部ユニット83c内には、演出スライド部材381と、複数(本変形例では6個)の凸部382と、一または複数(本変形例では2個)の擬似入賞装置383と、複数(本変形例では2個)の貯留部材384と、が設けられている。
本変形例において、上大入賞口に入賞した遊技球が空間形成部材630に流入するまでの経路は、上記実施形態と同一である。すなわち、上大入賞口に入賞した遊技球は、誘導流路部660内、前面カバー650の誘導孔650a、および空間形成部材630の誘導孔630aを通過して、回転体620が有する遊技球収容部620aおよび遊技球排出部620bのうち当該誘導孔630aと対向している孔部に流入する。誘導孔630aと対向している孔部が遊技球収容部620aである場合には、当該孔部(すなわち遊技球収容部620a)に流入した遊技球は、回転する回転体620によって下から上へと持ち上げられて、流入口630bから空間形成部材630内(すなわち演出空間)に流入する。
そして、遊技球が空間形成部材630に流入した際に、演出スライド部材381が突出状態(前方へ突出して流出口35cから流出した遊技球が擬似入賞装置383に流入することを阻止する閉塞状態)になっている場合には、当該遊技球は、例えば図56(a)に示すように、突出状態の演出スライド部材381上に留まる。
本変形例においては、擬似入賞装置383は、演出スライド部材381の下方左側と、演出スライド部材381の下方右側と、の2箇所に配設されている。
左側の擬似入賞装置383に流入した遊技球(左側の擬似入賞口に流入した遊技球)と、右側の擬似入賞装置383に流入した遊技球(右側の擬似入賞口に流入した遊技球)と、は共通の流路を通って排出ユニット86へと排出される。
また、左側の擬似入賞装置383が有する可動部材383b(左側の可動部材383b)と、右側の擬似入賞装置383が有する可動部材383b(右側の可動部材383b)と、は同一の駆動源で駆動してもよいし、別の駆動源で駆動してもよい。本変形例では、可動部材383bの駆動源を、演出制御装置300によって制御するが、これに限ることはなく、可動部材383bの駆動源を、遊技制御装置100によって制御するよう構成することも可能である。
また、左側の可動部材383bの開閉動作と、右側の可動部材383bの開閉動作と、は同期させてもよいし、同期させなくてもよい。
また、所定の左開放条件が成立した場合に左側の可動部材383bの開閉動作を行い、所定の右開放条件が成立した場合に右側の可動部材383bの開閉動作を行い、所定の左右開放条件が成立した場合に左側の可動部材383bの開閉動作と右側の可動部材383bの開閉動作との双方を行うよう構成してもよい。具体的には、両方を開閉動作させるか、左側のみ開閉動作させるか、右側のみ開閉動作させるかを、大当りのラウンド回数(例えば、8R大当りか16R大当りか)や、大当りの種類(例えば、確変大当りか通常大当りか)などに応じて選択することも可能であるし、ラウンド毎に(例えば、奇数回目のラウンド遊技と偶数回目のラウンド遊技とで)異ならせることも可能である。
また、所定の情報(例えば、大当りのラウンド回数や大当り期待度など)に基づいて、可動部材383bの開放期間(可動部材383bが開放状態である期間)の長さを設定するよう構成してもよい。
また、本変形例では、演出スライド部材381を、上大入賞口を開閉する可動部材39cや擬似入賞口を開閉する可動部材383bとは別の駆動源で駆動し、演出スライド部材381の駆動源を、演出制御装置300によって制御するが、これに限定されるものではない。例えば、演出スライド部材381の駆動源を、遊技制御装置100によって制御するよう構成することも可能である。また、演出スライド部材381を、可動部材39cと同一の駆動源で駆動するよう構成することも可能であるし、可動部材383bと同一の駆動源で駆動するよう構成することも可能である。
また、演出スライド部材381の開閉動作と、可動部材39cの開閉動作と、は同期させてもよいし、同期させなくてもよい。
また、演出スライド部材381の開閉動作と、可動部材383bの開閉動作と、は同期させてもよいし、同期させなくてもよい。
また、所定の退避条件が成立した場合に、演出スライド部材381を開放する(退避状態にする)よう構成してもよい。本変形例では、演出ボタン25が押された場合に、演出スライド部材381を開放することとする。
また、貯留部材384は、左側の擬似入賞装置383の左端部に対応する位置(すなわち、演出スライド部材381の左端部に対応する位置)と、左側の擬似入賞装置383と右側の擬似入賞装置383との間に対応する位置(すなわち、演出スライド部材381の左右方向中央よりも右側の所定部分に対応する位置)と、の2箇所に配設されている。
右側の貯留部材384は、前方へ突出して演出スライド部材381上に遊技球を留まらせることのできる突出状態(閉塞状態)と、後方へ退避して演出スライド部材381上に遊技球を留まらせることのできない退避状態(開放状態)と、に変換可能である。したがって、本変形例においては、例えば図56(a)に示すように、遊技球を、左側の擬似入賞装置383の上方と、右側の擬似入賞装置383の上方と、に分けて留まらせることができる。
一方、左側の貯留部材384は、突出状態(閉塞状態)で固定されていて、退避状態(開放状態)に変換できないようになっている。なお、左側の貯留部材384は、突出状態と退避状態とに変換可能であってもよい。
本変形例においては、例えば図56(b)に示すように、演出ボタン25が押されると、演出スライド部材381が開放するとともに、左側の可動部材383bおよび/または右側の可動部材383bが開放する。これにより、擬似入賞装置383内に遊技球が流入可能となる。擬似入賞装置383に流入した遊技球は、後面壁632の後面側に配設された流路(図示省略)を通って排出ユニット86へと排出される。
すなわち、本変形例においては、遊技者による演出ボタン25の押圧操作に応じて、演出スライド部材381および可動部材383bが開閉する。
また、本変形例においては、上記実施形態の場合と同様、例えば図57に示すように、可動役物44a1が動作位置に位置する場合(下可動装置44aが上大入賞口内部ユニット露出状態である場合)、メイン表示装置41aの要部は可動役物44a1で隠れて前方から視認困難(視認不能)となるとともに、上大入賞口内部ユニット83cの要部は前方から視認可能となる。
図58は、本変形例の上大入賞口内部ユニット83cが備える各部材の開閉パターンの一例を示すタイミングチャートである。
ここで、図中の「前ハネ部材」は上大入賞口を開閉する可動部材39cのことであり、図中の「演出用扉部材(左)」は左側の擬似入賞口を開閉する可動部材383b(左側の可動部材383b)のことであり、図中の「演出用扉部材(右)」は右側の擬似入賞口を開閉する可動部材383b(右側の可動部材383b)のことであり、「貯留部材(右)」は右側の貯留部材384のことである。
上述したように、右側の貯留部材384は、閉塞状態と開放状態とに変換可能であり、本変形例では、右側の貯留部材384の開閉動作を、例えば、遊技機10の電源投入時から一定速度で実行し続けるよう構成されている。
例えば図58に示すように、演出制御装置300は、遊技制御装置100から特図変動表示ゲームの開始に関する情報を受信した後に実行する所定演出中に、遊技者による演出ボタン25の押圧操作に応じて、左側の可動部材383bと、右側の可動部材383bと、演出スライド部材381と、を同時に開閉する。なお、所定演出中に、回転体620を一定期間回転させる遊技球排出動作を行ってもよい。
次いで、メイン表示装置41aにおける飾り図柄の仮停止表示の開始時に、左側の可動部材383bと、右側の可動部材383bと、演出スライド部材381と、を同時に1回開放する。なお、飾り図柄の仮停止表示中に、回転体620を一定期間回転させる遊技球排出動作を行ってもよい。
次いで、遊技制御装置100からファンファーレコマンドを受信すると、左側の可動部材383bと、右側の可動部材383bと、演出スライド部材381と、を同時に1回開放する。なお、ファンファーレ演出中に、回転体620を一定期間回転させる遊技球排出動作を行ってもよい。
次いで、遊技制御装置100から1ラウンド目のラウンドコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間、演出ボタン25が1回押される毎に、左側の可動部材383bと、右側の可動部材383bと、演出スライド部材381と、を1回開放する。これにより、遊技者の操作を介入させた演出として、演出スライド部材381上に遊技球が貯まったタイミングを狙って、可動部材383bおよび演出スライド部材381を開放することができる。
次いで、最終ラウンド(16回目のラウンド遊技)が終了し、遊技制御装置100からエンディングコマンドを受信すると、エンディング演出の開始から終了までの間、左側の可動部材383b、右側の可動部材383b、および演出スライド部材381を複数回開放する遊技球排出動作を行う。なお、エンディング演出中に、回転体620を一定期間回転させる遊技球排出動作を行ってもよい。
本変形例では、図58に示すように、より効果的な遊技球演出を実行する等の観点から、可動部材383bが演出スライド部材381よりも後に閉塞状態になるよう構成されている。
また、本変形例では、駆動源にかかる負担を軽減する等の観点から、可動部材383bおよび演出スライド部材381を開放する開放回数(1ラウンドあたりの開放回数)の上限が設定されている。
なお、ラウンド遊技中における、左側の可動部材383bと右側の可動部材383bとの開放タイミングは、図58に示す1回目の開放と2回目の開放のように、同じタイミングであってもよいし、図58に示す3回目の開放のように、異なるタイミングであってもよい。
また、例えば、遊技制御装置100から1ラウンド目のラウンドコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間、左側の可動部材383bと、右側の可動部材383bと、を一定速度で開閉し、演出ボタン25が1回押される毎に、演出スライド部材381を1回(複数回であってもよい)開放するよう構成することも可能である。この場合、遊技者の操作を介入させた演出として、可動部材383bが開放状態(擬似入賞口に遊技球が流入し易い状態)となるタイミングを狙って、演出スライド部材381を開放することができる。
また、貯留部材384の配設位置や個数は、適宜変更可能である。例えば、図59に示すように、演出スライド部材381の左端部に対応する位置のみに貯留部材384を配設することも可能である。
また、擬似入賞装置383に流入した遊技球を検出する演出用スイッチを設けて、上記変形例2における表示演出(図36に示すような演出)と類似する演出を実行することも可能である。この場合、ポイント数は、上大入賞口に入賞した遊技球の個数に対応する値であり、EXポイント数は、例えば、擬似入賞口に流入した遊技球の個数に対応する値である。
また、本変形例と上記変形例2とを組み合わせることも可能である。この場合、上大入賞口に入賞した遊技球だけでなく、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球(具体的には、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球のうちの後ハネ部材82dが拾った遊技球)も、演出スライド部材381上に貯留したり、擬似入賞装置383に流入させたりすることができる。
また、所定のタイミング(各ラウンド遊技の終了時や、偶数回目(あるいは奇数回目)のラウンド遊技の終了時や、最終ラウンドの終了時や、演出スライド部材381上に所定数以上の遊技球が貯まっていると判定した時など)になった場合には、演出ボタン25が押されなくても、演出スライド部材381を1回(あるいは複数回であってもよい)開放するよう構成してもよい。このように、所定のタイミングで自動的に演出スライド部材381を開放するよう構成することで、演出スライド部材381上に遊技球が貯まりすぎて、第2特別変動入賞装置39内(具体的には、流入口630bや回転体620など)が詰まってしまう等の不具合を回避することが可能となる。
演出スライド部材381上に貯まっている遊技球の個数は、例えば、演出用スイッチ(擬似入賞装置383(擬似入賞口)に流入した遊技球を検出する演出用スイッチ)や上カウントスイッチ39aなどの複数のスイッチによって検出された遊技球の個数に基づき算出することができる。また、演出スライド部材381上の所定位置に遊技球を検出するスイッチを設けることで、当該スイッチの検出信号に基づき、演出スライド部材381上に所定数以上の遊技球が貯まっているか否か判定することができる。
また、貯留部材384の開閉動作の開始タイミングは、遊技機10の電源投入時に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、特図変動表示ゲームの開始時であってもよいし、演出スライド部材381上に所定数以上の遊技球が貯まっていると判定した時であってもよい。
本変形例の上大入賞口内部ユニット83cが備える各部材の開閉パターンは、図58に示すタイミングチャートにおける開閉パターンに限られず、適宜変更可能である。例えば、他の変形例で示すタイミングチャートにおける開閉パターンの何れかを採用してもよい。
また、可動部材383bや演出スライド部材381の開閉動作を、特図変動表示ゲームの開始から大当り中演出の終了までの期間だけ実行するのではなく、例えば、遊技機10の電源投入時から一定速度で実行し続けるよう構成することも可能である。
また、上大入賞口内部ユニット83c内に設ける擬似入賞装置383は、アタッカ型の入賞装置と同様、板状の可動部材383b(アタッカ形式の開閉扉)を備えるものに限られず、例えば、チューリップ型の入賞装置と同様、一対の可動部材383aを備えるものであってもよい。
なお、前述したように、実施形態だけでなく、各変形例においても下カウントスイッチ38aおよび/または上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配することが可能である。変形例9において、上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配する場合には、例えば、擬似入賞装置383内(擬似入賞口内)に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設することができる。これにより、特定領域スイッチ380dが遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態を発生することが可能となる。
このように変形例9の遊技機10によれば、入賞領域(上大入賞口)と、当該入賞領域へ入賞容易な状態と入賞困難又は入賞不能な状態とに変換可能な変換部材(可動部材39c)と、を有する可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)を備えた遊技機において、可変入賞装置内で、入賞領域に入賞した遊技球を用いて特定演出(遊技球演出)を行う特定演出機構を備え、特定演出機構は、擬似入賞口と当該擬似入賞口を開閉する第1可動部材(可動部材383b)とを有する擬似入賞装置383と、第1可動部材とは動作態様が異なる第2可動部材(演出スライド部材381)と、を備えている。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、可変入賞装置(第2特別変動入賞装置39)内で特定演出(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特定演出(遊技球演出)は、入賞領域(上大入賞口)に入賞した遊技球を利用した演出であり、入賞口に入賞前の遊技球を利用した演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
[変形例10:遊技盤の変形例A]
図60を用いて遊技盤30の変形例Aを説明する。
本変形例の遊技盤30においては、右上の一般入賞口35と、第2特別変動入賞装置(上大入賞口)39と、第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38と、複数(本変形例では2個)の擬似入賞装置383と、一または複数(本変形例では1個)演出スライド部材381と、一または複数(本変形例では2個)のアウト口90aと、を備える大入賞口ユニット90が右側遊技領域に配設されている点が、上記実施形態の遊技盤30と異なる。
また、大入賞口ユニット90の下方に普図始動ゲート34が配設されているとともに、普図始動ゲート34の下方であって始動入賞口36の右方にチューリップ型の普通変動入賞装置37が配設されている点が、上記実施形態の遊技盤30と異なる。
また、左側遊技領域だけでなく、右側遊技領域にも、球誘導部材49が配設されている点が、上記実施形態の遊技盤30と異なる。
図60においては、破線によって大入賞口ユニット90の外壁を示しており、点線によって擬似入賞装置383を囲む区画壁を示している。
図60に示すように、大入賞口ユニット90は、右上の一般入賞口35と、当該一般入賞口35の下方に配設された擬似入賞装置383と、当該擬似入賞装置383の下方に配設されたアウト口90aと、当該アウト口90aの下方に配設された第2特別変動入賞装置39と、当該第2特別変動入賞装置39の下方に配設された第1特別変動入賞装置38と、当該第1特別変動入賞装置38の下方に配設された流出口388と、当該流出口388の下方に配設された演出スライド部材381と、当該演出スライド部材381の左端部および右端部のそれぞれに対応する位置に配設された貯留部材384と、当該演出スライド部材381の下方に配設された擬似入賞装置383と、当該擬似入賞装置383の下方に配設されたアウト口90aと、を備えている。
右上の一般入賞口35に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ35aを始点および終点とした区画壁(上側の区画壁)によって、上側の擬似入賞装置383と上側のアウト口90aとは囲まれている。したがって、右上の一般入賞口35に入賞して入賞口スイッチ35aを通過した遊技球は、上側の擬似入賞装置383(上側の擬似入賞口)に流入するか、あるいは、上側のアウト口90aに流入する。なお、上側の擬似入賞装置383の可動部材383bの開閉動作は、例えば、特図変動表示ゲームの開始から大当り中演出の終了まで一定速度で実行し続けるよう構成することも可能であるし、遊技機10の電源投入時から一定速度で実行し続けるよう構成することも可能である。
上側の擬似入賞装置383に流入した遊技球は、遊技盤30の後面側に配設された流路(図示省略)を通って流出口388から遊技盤30の前面側に流出する。また、上側のアウト口90aに流入した遊技球は、排出ユニット86へと排出される。
また、右上の一般入賞口35に入賞せずに大入賞口ユニット90内に進入した遊技球は、第2特別変動入賞装置39または第1特別変動入賞装置38に流入し、第2特別変動入賞装置39にも第1特別変動入賞装置38にも流入しなかった遊技球は、大入賞口ユニット90の下部から排出される。なお、右上の一般入賞口35に入賞せずに大入賞口ユニット90内に進入した遊技球は、第2特別変動入賞装置39および第1特別変動入賞装置38の何れか一方に必ず流入する構成であってもよい。第2特別変動入賞装置39に流入した遊技球(上大入賞口に入賞した遊技球)および第1特別変動入賞装置38に流入した遊技球(下大入賞口に入賞した遊技球)は、遊技盤30の後面側に配設された流路(図示省略)を通って流出口388から遊技盤30の前面側に流出する。
流出口388と、演出スライド部材381および貯留部材384と、下側の擬似入賞装置383と、下側のアウト口90aと、は区画壁(下側の区画壁)によって囲まれている。したがって、流出口388から遊技盤30の前面側に流出した遊技球は、下側の擬似入賞装置383(下側の擬似入賞口)に流入するか、あるいは、下側のアウト口90aに流入する。
例えば図60に示すように、遊技球が流出口388から流出した際に、演出スライド部材381が突出状態(前方へ突出して流出口388から流出した遊技球が下側の擬似入賞装置383に流入することを阻止する閉塞状態)になっている場合には、当該遊技球は、突出状態の演出スライド部材381上に留まる。左右の貯留部材384は、突出状態で固定されていて、退避状態に変換できないようになっている。
そして、演出ボタン25が押されると、演出スライド部材381が開放するとともに、下側の擬似入賞装置383の可動部材383bが開放して、演出スライド部材381上に貯留されている遊技球が、下側の擬似入賞装置383に流入するか、あるいは、下側のアウト口90aに流入する。
下側の擬似入賞装置383に流入した遊技球も、下側のアウト口90aに流入した遊技球も、排出ユニット86へと排出される。
本変形例のように、アタッカ型の第2特別変動入賞装置39および第1特別変動入賞装置38と、アタッカ型の入賞装置と同様、板状の可動部材383b(アタッカ形式の開閉扉)を備える複数の擬似入賞装置383と、を上下方向に並べて配設することで、多数の扉開放といった派手な演出を行うことが可能となるため、遊技の興趣が向上する。
なお、本変形例では、下側の擬似入賞装置383の可動部材383bの開閉動作を、演出ボタン25が押された時に実行するよう構成したが、これに限ることはなく、下側の擬似入賞装置383の可動部材383bの開閉動作は、例えば、特図変動表示ゲームの開始から大当り中演出の終了まで一定速度で実行し続けるよう構成することも可能であるし、遊技機10の電源投入時から一定速度で実行し続けるよう構成することも可能である。
また、所定のタイミング(各ラウンド遊技の終了時や、偶数回目(あるいは奇数回目)のラウンド遊技の終了時や、最終ラウンドの終了時や、演出スライド部材381上に所定数以上の遊技球が貯まっていると判定した時など)になった場合には、演出ボタン25が押されなくても、演出スライド部材381を1回(あるいは複数回であってもよい)開放するよう構成してもよい。このように、所定のタイミングで自動的に演出スライド部材381を開放するよう構成することで、演出スライド部材381上に遊技球が貯まりすぎて、大入賞口ユニット90内が詰まってしまう等の不具合を回避することが可能となる。
演出スライド部材381上に貯まっている遊技球の個数は、例えば、流出口388の近傍に当該流出口388から流出する遊技球を検出するスイッチを設けたり、演出スライド部材381上の所定位置に遊技球を検出するスイッチを設けたりすることで、当該スイッチの検出信号に基づき、演出スライド部材381上に所定数以上の遊技球が貯まっているか否か判定することができる。
また、本変形例においては、適宜の箇所に演出用スイッチを設けて、上記変形例2における表示演出(図36に示すような演出)と類似する演出を実行するよう構成してもよい。
また、本変形例において、演出制御装置300は、遊技制御装置100から1ラウンド目のラウンドコマンドを受信すると、大当り中演出のうちのラウンド演出を開始して、例えば、サブ表示装置41bに、現在のラウンド数や、大入賞ポイント数(上カウントスイッチ39aによって検出された遊技球の個数と下カウントスイッチ38aによって検出された遊技球の個数との和(獲得遊技球数)に対応する値)や、一般入賞ポイント数(右上の一般入賞口35用の入賞口スイッチ35aによって検出された遊技球の個数に対応する値)などを表示するよう構成してもよい。
なお、前述したように、実施形態だけでなく、各変形例においても下カウントスイッチ38aおよび/または上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配することが可能である。変形例10において、下カウントスイッチ38aおよび/または上カウントスイッチ39aの近傍に振分機構380(図17(b)に示す構造のものに限定されない)を配する場合には、例えば、擬似入賞装置383内(擬似入賞口内)に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設してもよいし、第1特別変動入賞装置38内(下大入賞口内)に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設してもよいし、第2特別変動入賞装置39内(上大入賞口内)に特定領域スイッチ(Vスイッチ)380dを配設してもよい。また、第1特別変動入賞装置38内(下大入賞口内)に特定領域スイッチ380dを配設する場合、下カウントスイッチ38aの近傍に特定領域スイッチ380dを設けてもよいし、下カウントスイッチ38aに替えて特定領域スイッチ380dを設けてもよい。また、第2特別変動入賞装置39内(上大入賞口内)に特定領域スイッチ380dを配設する場合、上カウントスイッチ39aの近傍に特定領域スイッチ380dを設けてもよいし、上カウントスイッチ39aに替えて特定領域スイッチ380dを設けてもよい。これにより、特定領域スイッチ380dが遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態を発生することが可能となる。
このように変形例10の遊技機10によれば、入賞領域(上大入賞口および下大入賞口)と、当該入賞領域へ入賞容易な状態と入賞困難又は入賞不能な状態とに変換可能な変換部材と、を有する可変入賞装置(大入賞口ユニット90)を備えた遊技機において、可変入賞装置内で、入賞領域に入賞した遊技球と、入賞領域以外の特定の入賞口(右上の一般入賞口35)に入賞した遊技球と、のうちの少なくとも一方を用いて特定演出(遊技球演出)を行う特定演出機構を備え、特定演出機構は、遊技球を貯留する第1状態と、遊技球を貯留しない第2状態と、に変換可能な球貯留装置(演出スライド部材381および貯留部材384)を備えている。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、可変入賞装置(大入賞口ユニット90)内で特定演出(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特定演出(遊技球演出)は、入賞領域(上大入賞口および下大入賞口)に入賞した遊技球と、入賞領域以外の特定の入賞口(右上の一般入賞口35)に入賞した遊技球と、のうちの少なくとも一方を利用した演出であり、入賞口に入賞前の遊技球を利用した演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
なお、特定の入賞口は、一般入賞口でなくてもよく、例えば始動入賞口であってもよい。
また、本変形例では、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球も、入賞領域(上大入賞口および下大入賞口)に入賞した遊技球も、流出口388から遊技盤30の前面側に流出するよう構成したが、これに限ることはなく、右上の一般入賞口35に入賞した遊技球と、入賞領域(上大入賞口および下大入賞口)に入賞した遊技球と、のうちの一方のみが流出口388から遊技盤30の前面側に流出するよう構成することも可能である。右上の一般入賞口35に入賞した遊技球のみが流出口388から遊技盤30の前面側に流出する場合には、可変入賞装置内で、入賞領域以外の特定の入賞口(右上の一般入賞口35)に入賞した遊技球を用いた特定演出(遊技球演出)を行うことができ、入賞領域(上大入賞口および下大入賞口)に入賞した遊技球のみが流出口388から遊技盤30の前面側に流出する場合には、可変入賞装置内で、入賞領域に入賞した遊技球を用いた特定演出(遊技球演出)を行うことができる。
また、変形例10の遊技機10において、球貯留装置は、操作手段(演出ボタン25)が操作された場合に、第1状態から第2状態に変換するよう構成することが可能である。
このように構成することによって、所望のタイミング(例えば、演出スライド部材381上に遊技球が貯まったタイミング)を狙って、球貯留装置を第1状態から第2状態に変換する(本変形例の場合、演出スライド部材381を開放する)ことができる。
また、本変形例の遊技機10において、球貯留装置は、遊技者に有利な特別遊技状態を構成する各ラウンド遊技の終了時に、第1状態から第2状態に変換するよう構成することが可能である。
このように構成することによって、球貯留装置に遊技球が貯まりすぎて、可変入賞装置(大入賞口ユニット90)内が詰まってしまう等の不具合を回避することが可能となる。
また、本変形例の遊技機10において、特定演出機構は、入賞領域(上大入賞口および下大入賞口)に入賞した遊技球と、入賞領域以外の特定の入賞口(右上の一般入賞口35)に入賞した遊技球と、の双方を用いて特定演出を行い、入賞領域に入賞した遊技球数と、特定の入賞口に流入した遊技球数と、に応じた表示(すなわち、大入賞ポイント数および一般入賞ポイント数の表示)を行う表示装置(サブ表示装置41b)を備えるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、特定演出(遊技球演出)の結果を数値化できるため、遊技の興趣を高めることができる。
[変形例11:遊技盤の変形例B]
図61〜図76を用いて遊技盤30の変形例Bを説明する。
図61は、本変形例の遊技盤30の正面図である。
本変形例の遊技盤30においては、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)を備えるアウトゾーンユニット800がアウト口30aの上方に配設されている点が、上記実施形態の遊技盤30と異なる。
図62は、アウトゾーンユニット800を説明する図であって、前面側から見た図(正面図)である。また、図63は、アウトゾーンユニット800を説明する図であって、前面側から見た斜視図である。
図62や図63に示すように、アウトゾーンユニット800は、当該アウトゾーンユニット800の上部に配設された流入口810および左右の上演出流路820と、当該アウトゾーンユニット800の中部に配設された中演出流路830および左右のハネ部材840と、当該アウトゾーンユニット800の下部に配設された下演出流路850および流出口(アウト口)860と、中演出流路830と下演出流路850との間に配設された擬似入賞口870および左右の回転体880と、を備えている。
流入口810には、遊技領域32に設けられた複数の入賞領域の何れにも入賞しなかった遊技球が流入可能である。したがって、本変形例において、遊技領域32に設けられた入賞領域に入賞しない遊技球は、アウト口30aまたはアウトゾーンユニット800の流入口810に流入する。なお、アウト口30aの位置は、適宜変更可能であり、例えば、右側遊技領域の上部にアウト口30aを配設してもよいし、一般入賞口35(例えば、右側の一般入賞口35のように、大入賞口と一体となった一般入賞口35)の近傍にアウト口30aを配設してもよい。すなわち、入賞領域に入賞しなかった場合でも、球排出ユニット(排出ユニット86等)に遊技球が流下すればよい。
流入口810に流入した遊技球は、左側の上演出流路820または右側の上演出流路820に流出する。具体的には、例えば、流入口810に流入した遊技球は、アウトゾーンユニット800の後面側に配設された裏面流路部(図示省略)を通過して、アウトゾーンユニット800のベース部材に設けられた流出口(図示省略)からアウトゾーンユニット800の前面側に設けられた上演出流路820に流出する。
ハネ部材840は、一定速度で回動して、上演出流路820を流下する遊技球を、中演出流路830へと誘導する第1誘導状態(図62や図63にて二点鎖線で示す状態)と、下演出流路850へと誘導する第2誘導状態(図62や図63にて実線で示す状態)と、に変換可能である。
ハネ部材840によって中演出流路830へと誘導された遊技球は、擬似入賞口870に流入するか、あるいは、擬似入賞口870に流入する前に下演出流路850へと落下する。中演出流路830から下演出流路850へと落下した遊技球は、流出口860に流入する。
ハネ部材840によって下演出流路850へと誘導された遊技球は、流出口860に流入するか、あるいは、流出口860に流入する前に回転する回転体880によって中演出流路830へと誘導される。
流出口860や擬似入賞口870に流入した遊技球は、排出ユニット86へと排出される。
流入口810に流入した遊技球は、流出口860または擬似入賞口870に流入して排出されるよう構成されている。すなわち、流入口810に流入した遊技球は、アウトゾーンユニット800の外部(遊技領域32)に戻ることができないよう構成されている。
回転体880は、円板状の部材であり、厚み方向が左右方向に略一致した状態で配設されている。回転体880は、当該回転体880の中心を貫く回転軸(図示省略)を中心に、一定速度で一定方向(本変形例の場合、右面側から見て時計回り方向)に回転する。
回転体880には、複数の磁石が内蔵されている。この磁石は、回転体880の外周面の磁石配置箇所(磁石が配置された箇所)に接触した遊技球を、当該磁石配置箇所に吸着(接触した状態で保持)するためのものである。遊技球は、回転体880の磁石配置箇所に接触すると、当該磁石配置箇所に吸着されて、下から上へと回転する回転体880によって下から上へと持ち上げられ、回転体880よりも下側に位置する下演出流路850から、回転体880よりも上側に位置する中演出流路830へと誘導される。
なお、回転体880の磁石配置箇所に遊技球を吸着させやすくする、回転体880の磁石配置箇所に吸着されている遊技球のぐらつきを抑制する等の観点から、回転体880の外周面のうちの磁石配置箇所に対応する位置には、内側に凹んだ凹部が形成されていてもよい。また、磁石ではなく、遊技球を持ち上げるための皿のような球受部材を回転体880に設けてもよい。また、回転体880の代わりに、エレベータのような動作をする上昇部材を設けてもよい。すなわち、アウトゾーンユニット800には、遊技球を変位させるような部材が設けられていればよい。
また、図64に示すように、ハネ部材840よりも外側の位置に、ハネ部材840の側方からのアウトゾーンユニット800内への遊技球の進入を防ぐ進入防止壁890(あるいは、複数の釘や樹脂で形成された突起状の障害部材などであってもよい)が配設されていてもよい。
擬似入賞口870に流入した遊技球は、擬似入賞口スイッチ(図示省略)によって検出される。擬似入賞口スイッチの検出信号は演出制御装置300に出力され、擬似入賞口スイッチが遊技球を検出すると、演出制御装置300は、所定の演出を実行するよう構成されている。
本変形例において、擬似入賞口870はアシスト始動口であり、擬似入賞口870に遊技球が流入するとアシスト図柄演出が実行される。ここで、「アシスト図柄演出」とは、サブ表示装置41bで複数のアシスト図柄(識別情報)を変動表示した後に停止表示し、当該停止表示したアシスト図柄(以下「アシスト停止図柄」という。)を、メイン表示装置41aでの飾り特図変動表示ゲームに関与させる演出である。
図65〜図71は、本変形例のアシスト図柄演出を説明する図である。本変形例のアシスト図柄演出は、アシスト図柄変動演出とアシスト図柄置換演出とからなり、表示装置41(メイン表示装置41aおよびサブ表示装置41b)にて実行される。
まず、擬似入賞口870に遊技球が流入した時点で実行されている特図変動表示ゲーム(以下「擬似入賞時特図ゲーム」という。)が、リーチ演出を伴う特図変動表示ゲームである場合に実行されるアシスト図柄演出を、図65および図66を参照して説明する。
擬似入賞時特図ゲームがリーチ演出を伴う場合には、擬似入賞時特図ゲーム中にアシスト図柄変動演出およびアシスト図柄置換演出が実行される。
具体的には、例えば図65(a)に示すように、メイン表示装置41aにおいて第1図柄(第1特別図柄)、第2図柄(第2特別図柄)、および第3図柄(第3特別図柄)の変動表示が実行されている最中に、擬似入賞口870へ遊技球が入賞すると、アシスト図柄演出のうちのアシスト図柄変動演出が実行される。アシスト図柄変動演出では、例えば図65(b)に示すように、サブ表示装置41bの左右二つのアシスト図柄変動表示領域それぞれにおいて、数字等で構成されるアシスト図柄の変動表示が開始され、所定時間後に、例えば図65(c)に示すように、アシスト図柄の変動表示が停止されて、アシスト停止図柄が表示される。図65〜図71において、サブ表示装置41bの右上に表示されている丸印は、未消化の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示である。
この場合、アシスト停止図柄として、擬似入賞時特図ゲームで導出されるリーチ図柄と同一のリーチ図柄が表示される。擬似入賞時特図ゲームで導出されるリーチ図柄は、例えば、当該擬似入賞時特図ゲームの開始時に決定される当該擬似入賞時特図ゲームの停止図柄(変動演出設定処理(図75)のステップC522参照)に基づき特定することができる。具体的には、例えば、擬似入賞時特図ゲームの停止図柄が「757」と決定されている場合には、例えば図65(c)に示すように、アシスト停止図柄として「77」が表示される。
その後、例えば図66(a)に示すように、第1〜第3図柄のうちの二つ(この例では第1図柄および第2図柄)の変動表示が停止して、残り一つ(この例では第3図柄)のみが変動表示している状態になると、アシスト図柄演出のうちのアシスト図柄置換演出が実行される。アシスト図柄置換演出では、例えば図66(b)に示すように、アシスト停止図柄が拡大表示され、次いで、例えば図66(c)に示すように、第1〜第3図柄のうちの停止表示されている二つ(この例では第1図柄および第2図柄)が、アシスト停止図柄で置き換えられる。図66に示す例では「76」が「77」で置き換えられている。そして、アシスト停止図柄がサブ表示装置41bからメイン表示装置41aへ移行すると、アシスト図柄演出が終了して、リーチ演出が開始される。
このように、本変形例のアシスト図柄演出においては、アシスト図柄変動演出にてアシスト停止図柄が揃った場合に、その後のアシスト図柄置換演出にてアシスト停止図柄がリーチ発生をアシストしたかのように見せることができる。
次に、擬似入賞時特図ゲームがリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームでない場合であって、擬似入賞口870に遊技球が流入した時点で未消化の特図始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの中にリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームが含まれる場合に実行されるアシスト図柄演出を、図67〜図69を参照して説明する。
擬似入賞時特図ゲームがリーチ演出を伴わない場合であって、未消化の特図変動表示ゲームの中にリーチ演出を伴うゲームが含まれる場合には、擬似入賞時特図ゲーム中にアシスト図柄変動演出が実行されて、当該擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲーム(リーチ演出を伴う特図変動表示ゲーム)中にアシスト図柄置換演出が実行される。すなわち、一のアシスト図柄演出が、複数の特図変動表示ゲームに亘って実行される。
具体的には、例えば図67(a)に示すように、メイン表示装置41aにおいて第1〜第3図柄の変動表示が実行されている最中に、擬似入賞口870へ遊技球が入賞すると、アシスト図柄演出のうちのアシスト図柄変動演出が実行される。アシスト図柄変動演出では、例えば図67(b)に示すように、アシスト図柄の変動表示が開始され、所定時間後に、例えば図67(c)に示すように、アシスト停止図柄が表示される。
この場合、アシスト停止図柄として、二つの図柄が揃うリーチ図柄のうち非確変のリーチ図柄が表示される。具体的には、例えば、識別図柄のうちの奇数図柄(「1」,「3」,「5」,「7」)が確変図柄であり、識別図柄のうちの偶数図柄(「2」,「4」,「6」,「8」)が非確変図柄である場合には、アシスト停止図柄として「22」、「44」、「66」、または「88」が設定される。
擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲーム(リーチ演出を伴う特図変動表示ゲーム)で導出されるリーチ図柄は、例えば、当該特図変動表示ゲームの開始時に決定される当該特図変動表示ゲームの停止図柄(変動演出設定処理(図75)のステップC522参照)に基づき特定することができる。擬似入賞時特図ゲーム中には、当該擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲームの停止図柄が決定していないため、擬似入賞時特図ゲーム中には、当該擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲーム(リーチ演出を伴う特図変動表示ゲーム)で、確変のリーチ図柄が導出される(確変図柄でリーチになる)のか、非確変のリーチ図柄が導出される(非確変図柄でリーチになる)のか、が不明である。そこで、本変形例では、遊技の興趣を低下させないために、この場合には、アシスト停止図柄として、非確変のリーチ図柄を表示する。
その後、例えば図68(a)に示すように、擬似入賞時特図ゲームが終了し、例えば図68(b)に示すように、リーチ演出を伴う特図変動表示ゲームが開始し、例えば図68(c)に示すように、第1〜第3図柄のうちの二つ(この例では第1図柄および第2図柄)の変動表示が停止して、残り一つ(この例では第3図柄)のみが変動表示している状態になると、アシスト図柄演出のうちのアシスト図柄置換演出が実行される。アシスト図柄置換演出では、例えば図69(a)に示すように、アシスト停止図柄が拡大表示され、次いで、例えば図69(b)に示すように、第1〜第3図柄のうちの停止表示されている二つが、アシスト停止図柄で置き換えられる。図69に示す例では「76」が「44」で置き換えられている。そして、アシスト停止図柄がサブ表示装置41bからメイン表示装置41aへ移行すると、アシスト図柄演出が終了して、リーチ演出が開始される。
したがって、アシスト停止図柄と、擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲーム(リーチ演出を伴う特図変動表示ゲーム)で導出されるリーチ図柄と、が異なる場合には、例えば図69(c)に示すように、メイン表示装置41aに表示されているアシスト停止図柄が、当該特図変動表示ゲームで導出されるリーチ図柄で置き換えられる。図69に示す例では「44」が「77」で置き換えられている。
このように、本変形例のアシスト図柄演出においては、擬似入賞時特図ゲームがリーチ演出を伴わない場合であって、未消化の特図変動表示ゲームの中にリーチ演出を伴うゲームが含まれる場合には、アシスト停止図柄を、揃った状態で、擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲームまで残留させることができる。これにより、複数の特図変動表示ゲームに亘ってリーチ発生への期待感を継続させることができるため、遊技機の稼働率を向上することが可能となる。
次に、擬似入賞時特図ゲームがリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームでない場合であって、擬似入賞口870に遊技球が流入した時点で未消化の特図始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの中にリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームが含まれない場合に実行されるアシスト図柄演出を、図70および図71を参照して説明する。
擬似入賞時特図ゲームがリーチ演出を伴わない場合であって、未消化の特図変動表示ゲームの中にリーチ演出を伴うゲームが含まれない場合には、擬似入賞時特図ゲーム中にアシスト図柄変動演出のみが実行されて、そのままアシスト図柄演出が終了する。すなわち、この場合には、アシスト図柄置換演出が実行されない。
具体的には、例えば図70(a)に示すように、メイン表示装置41aにおいて第1〜第3図柄の変動表示が実行されている最中に、擬似入賞口870へ遊技球が入賞すると、アシスト図柄演出のうちのアシスト図柄変動演出が実行される。アシスト図柄変動演出では、例えば図70(b)に示すように、アシスト図柄の変動表示が開始され、所定時間後に、例えば図70(c)に示すように、アシスト停止図柄が表示される。この場合、アシスト停止図柄として、二つの図柄が揃わない非リーチ図柄が表示される。
その後、例えば図71(a)に示すように、擬似入賞時特図ゲームが終了すると、アシスト図柄演出が終了して、例えば図71(b)に示すように、アシスト停止図柄が消える。よって、当該擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲームの最中に、再び擬似入賞口870へ遊技球が入賞すると、例えば図71(c)に示すように、新たなアシスト図柄演出が開始される。
このように、本変形例のアシスト図柄変動演出には、アシスト停止図柄として二つの図柄が揃うリーチ図柄が表示される“リーチあり態様”と、アシスト停止図柄として二つの図柄が揃わない非リーチ図柄が表示される“リーチなし態様”と、の二つの演出態様がある。そして、アシスト図柄変動演出の演出態様によって、リーチ演出の発生の有無を報知(示唆)することができる。
〔メイン処理〕
アシスト図柄演出を実行するために、本変形例の演出制御装置300は、図33に示すメイン処理に替えて、図72に示すメイン処理を実行する。
本変形例のメイン処理では、ホール・遊技者設定モード処理(ステップC10)と演出ポイント制御処理(ステップC11)との間に、アシスト図柄制御処理(ステップC31)を実行する。
〔アシスト図柄制御処理〕
図73には、上述のメイン処理におけるアシスト図柄制御処理(ステップC31)を示した。このアシスト図柄制御処理では、まず、擬似入賞口スイッチが遊技球を検出したかを判定する(ステップC401)。
ステップC401で、擬似入賞口スイッチが遊技球を検出していないと判定した場合(ステップC401;N)、すなわち擬似入賞口870に遊技球が流入していない場合には、アシスト図柄制御処理を終了する。
一方、ステップC401で、擬似入賞口スイッチが遊技球を検出したと判定した場合(ステップC401;Y)、すなわち擬似入賞口870に遊技球が流入した場合には、置換演出待機フラグがセットされているかを判定する(ステップC402)。
ステップC402で、置換演出待機フラグがセットされていると判定した場合(ステップC402;Y)、すなわちアシスト停止図柄が揃った状態で、擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲームまで残留している場合には、アシスト図柄制御処理を終了する。
一方、ステップC402で、置換演出待機フラグがセットされていないと判定した場合(ステップC402;N)には、P機状態が特図変動中であるかを判定する(ステップC403)。
ステップC403で、特図変動中でないと判定した場合(ステップC403;N)には、アシスト図柄制御処理を終了する。
一方、ステップC403で、特図変動中であると判定した場合(ステップC403;Y)には、アシスト図柄演出のうちのアシスト図柄変動演出を実行可能であるかを判定する(ステップC404)。具体的には、例えば、擬似入賞時特図ゲームにおける前半変動の最中であり、かつ、その前半変動の残り時間が所定の第1閾値以上である場合に、アシスト図柄変動演出を実行可能であると判定する。ここで、所定の第1閾値は、適宜設定可能であるが、本変形例では、[1]アシスト図柄変動演出の実行時間を確保できる(本変形例において、アシスト図柄変動演出は、擬似入賞時特図ゲームにおける前半変動の最中に開始して当該前半変動の最中に終了する)、[2]擬似入賞時特図ゲームの演出の一部をアシスト図柄演出に差し替えるための処理時間を確保できる、という二つの条件の双方を満たす値が設定されている。
前半変動の情報はMODEに含まれており、演出制御装置300は、このMODEに基づいて前半変動の内容や前半変動の時間などを設定することができる。
また、リーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報はACTに含まれており、演出制御装置300は、このACTに基づいて後半変動の内容等を設定することができる。
ステップC404で、アシスト図柄変動演出を実行可能でないと判定した場合(ステップC404;N)には、アシスト図柄制御処理を終了する。
一方、ステップC404で、アシスト図柄変動演出を実行可能であると判定した場合(ステップC404;Y)には、消化中変動(実行中の特図変動表示ゲーム、ここでは擬似入賞時特図ゲーム)がリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームであるかを判定する(ステップC405)。
ステップC405で、消化中変動がリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームであると判定した場合(ステップC405;Y)には、アシスト図柄変動演出(リーチあり態様)の内容を決定する(ステップC406)。これにより、アシスト図柄変動演出の実行時間やアシスト停止図柄などが決定されることとなる。
次いで、ステップC406で決定した内容に基づいて、アシスト図柄変動演出の表示設定を行う(ステップC407)。これにより、アシスト図柄の変動表示が開始され、所定時間後にアシスト停止図柄が表示されるアシスト図柄変動演出(図65(b),(c)参照)が実行可能となる。
次いで、ステップC406で決定したアシスト図柄変動演出の内容や、現在表示設定されている消化中変動における演出の内容などを参照して、アシスト図柄置換演出の内容を決定する(ステップC408)。これのより、アシスト図柄置換演出の実行時間や、アシスト停止図柄の置換タイミングなどが決定されることとなる。ここで、現在表示設定されている消化中変動における演出の内容とは、例えば、消化中変動に関する変動演出設定処理(図75参照)のステップC523で表示設定された変動演出の内容や、ステップC524で表示設定された予告演出の内容や、ステップC527で表示設定された飾り特図変動演出(飾り特図変動表示ゲーム)の内容などである。
次いで、ステップC408で決定した内容に基づいて、アシスト図柄置換演出の表示設定を行う(ステップC409)。これにより、消化中変動(擬似入賞時特図ゲーム)の演出の少なくとも一部が、アシスト図柄置換演出に差し替えられるため、消化中変動において、メイン表示装置41aに非リーチ図柄が停止表示されて、アシスト停止図柄が拡大表示されて、メイン表示装置41aの非リーチ図柄がアシスト停止図柄で置き換えられるアシスト図柄置換演出(図66(a)〜(c)参照)が実行可能となる。
また、ステップC405で、消化中変動がリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームでないと判定した場合(ステップC405;N)には、未消化変動(未消化の特図始動記憶に対応する特図変動表示ゲーム、ここでは擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲーム)の中にリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームが含まれているかを判定する(ステップC410)。未消化変動の中にリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームが含まれているか否かは、例えば、遊技制御装置100からの先読み結果に基づき判定することができる。ここで、先読み結果とは、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果であり、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングよりも前に遊技制御装置100から演出制御装置300へと送信される。
ステップC410で、未消化変動の中にリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームが含まれていないと判定した場合(ステップC410;N)には、アシスト図柄変動演出(リーチなし態様)の内容を決定し(ステップC411)、当該決定した内容に基づいて、アシスト図柄変動演出の表示設定を行う(ステップC412)。これにより、アシスト図柄の変動表示が開始され、所定時間後にアシスト停止図柄が表示されるアシスト図柄変動演出(図70(b),(c)参照)が実行可能となり、アシスト図柄置換演出の実行がないままアシスト図柄演出が終了する(図71(a),(b)参照)。
一方、ステップC410で、未消化変動の中にリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームが含まれていると判定した場合(ステップC410;Y)には、アシスト図柄変動演出の演出態様をリーチあり態様にするか否かを決定するための抽選を行うリーチあり態様抽選処理(ステップC413)を行い、当該抽選に当選したかを判定する(ステップC414)。
ステップC414で、当選しなかったと判定した場合(ステップC414;N)、すなわちアシスト図柄変動演出の演出態様をリーチなし態様にすると決定された場合には、ステップC411の処理に移行する。このように、本変形例では、未消化変動の中にリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームが含まれている場合であっても、リーチあり態様抽選に当選しなかった場合には、擬似入賞時特図ゲーム中にアシスト図柄変動演出のみが実行されて、そのままアシスト図柄演出が終了する。すなわち、リーチあり態様のアシスト図柄変動演出が実行された場合には、その後にアシスト図柄置換演出が実行されるのに対し、リーチなし態様のアシスト図柄変動演出が実行された場合には、その後にアシスト図柄置換演出が実行されない。
一方、ステップC414で、当選したと判定した場合(ステップC414;Y)、すなわちアシスト図柄変動演出の演出態様をリーチあり態様にすると決定された場合には、アシスト図柄変動演出(リーチあり態様)の内容を決定し(ステップC415)、当該決定した内容に基づいて、アシスト図柄変動演出の表示設定を行う(ステップC416)。これにより、アシスト図柄の変動表示が開始され、所定時間後にアシスト停止図柄が表示されるアシスト図柄変動演出(図67(b),(c)参照)が実行可能となる。
次いで、置換演出待機フラグをセットして(ステップC417)、アシスト図柄制御処理を終了する。これにより、擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲーム(リーチ演出を伴う特図変動表示ゲーム)において、メイン表示装置41aに非リーチ図柄が停止表示されて、アシスト停止図柄が拡大表示されて、メイン表示装置41aの非リーチ図柄がアシスト停止図柄で置き換えられ、必要であればメイン表示装置41aに表示されているアシスト停止図柄が置き換えられる(実際のリーチ図柄で置き換えられる)アシスト図柄置換演出(図68(c)および図69(a)〜(c)参照)が実行可能となる。
〔変動系コマンド処理〕
本変形例のメイン処理(図72参照)における受信コマンドチェック処理は、上記変形例2の受信コマンドチェック処理(図38参照)と同一である。また、本変形例の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理は、上記変形例2の受信コマンド解析処理(図39参照)と同一である。
図74には、受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC116)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC501)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC501;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC501;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC502)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC503)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC503;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC503;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC504)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R確変A大当り図柄、16R確変B大当り図柄、16R通常A大当り図柄、16R通常B大当り図柄、8R確変大当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変A大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC504)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC505)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC506)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC507)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図75には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC505)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC511)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC511;Y)は、機種コード、特図種別、および演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC512)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。
ここで、演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、本変形例では、通常モード、確変モード、時短モード等がある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41(メイン表示装置41a)における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC513)。これにより、リーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC516)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC511;N)は、機種コード、特図種別、演出モード、および図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC514)。
そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC515)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC516)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とは、いわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード、および図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC517)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。
そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC518)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC519)。
次いで、ステップC516およびステップC519で行った予告抽選の結果に対応する演出の内容を決定し(ステップC520)、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定する(ステップC521)。これにより、飾り特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告が決定されることとなる。
次いで、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内容も参照して、飾り特図変動表示ゲームの結果態様を構成する停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC522)。
次いで、ステップC521で決定した変動演出の内容に基づいて、変動演出の表示設定を行い(ステップC523)、ステップC520で決定した演出の内容に基づいて、予告演出の表示設定を行う(ステップC524)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示ゲームでの演出や予告が実行可能となる。
次いで、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC525)。この処理では、特図変動表示ゲームの開始に伴う始動記憶の減少に対応して、飾り特図始動記憶表示を減少させる設定を行う。
次いで、スピーカ19a,19bから出力するBGMの種類を示す音声番号や、装飾ランプ等による演出の種類を示す装飾番号を設定し(ステップC526)、特図種別に対応する飾り特図変動表示ゲームの表示設定を行う(ステップC527)。
次いで、飾り特図変動表示ゲーム(表示装置41(メイン表示装置41a)で第1〜第3図柄により表示される変動表示ゲーム)とは別に、情報表示装置48で第4図柄により表示される変動表示ゲームを実行するために、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行う(ステップC528)。
次いで、演出差替処理(ステップC529)を行って、変動演出設定処理を終了する。
なお、上記実施形態の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理や、上記変形例2の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理は、本変形例の変動系コマンド処理(図74参照)と同一である。
また、上記実施形態の変動系コマンド処理における変動演出設定処理や、上記変形例2の変動系コマンド処理における変動演出設定処理は、本変形例の変動演出設定処理(図75参照)と異なる。具体的には、上記実施形態や上記変形例2では、ステップC529の処理を実行しない。
〔演出差替処理〕
図76には、上述の変動演出設定処理における演出差替処理(ステップC529)を示した。この演出差替処理では、まず、置換演出待機フラグがセットされているかを判定する(ステップC531)。
ステップC531で、置換演出待機フラグがセットされていないと判定した場合(ステップC531;N)には、演出差替処理を終了する。
一方、ステップC531で、置換演出待機フラグがセットされていると判定した場合(ステップC531;Y)、すなわちアシスト停止図柄が揃った状態で、擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲームまで残留している場合には、変動パターン種別がリーチあり変動であるかを判定する(ステップC532)。
ステップC532で、リーチあり変動でないと判定した場合(ステップC532;N)には、演出差替処理を終了する。
一方、ステップC532で、リーチあり変動であると判定した場合(ステップC532;Y)には、現在サブ表示装置41bに表示されているアシスト停止図柄や、直近のステップC523やC524やC527などで表示設定された演出の内容などを参照して、アシスト図柄置換演出の内容を決定し(ステップC533)、当該決定した内容に基づいて、アシスト図柄置換演出の表示設定を行う(ステップC534)。これにより、直近のステップC523やC524やC527などで表示設定された演出の少なくとも一部が、アシスト図柄置換演出に差し替えられるため、擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲーム(リーチ演出を伴う特図変動表示ゲーム)において、メイン表示装置41aに非リーチ図柄が停止表示されて、アシスト停止図柄が拡大表示されて、メイン表示装置41aの非リーチ図柄がアシスト停止図柄で置き換えられ、必要であればメイン表示装置41aに表示されているアシスト停止図柄が置き換えられる(実際のリーチ図柄で置き換えられる)アシスト図柄置換演出(図68(c)および図69(a)〜(c)参照)が実行可能となる。
次いで、置換演出待機フラグをクリアして(ステップC535)、演出差替処理を終了する。
なお、本変形例では、擬似入賞時特図ゲームがリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームである場合に、リーチあり態様のアシスト図柄変動演出を実行するよう構成したが、これに限定されるものではない。例えば、擬似入賞時特図ゲームがリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームである場合にも、リーチあり態様抽選処理を行って、リーチあり態様抽選に当選した場合にはリーチあり態様のアシスト図柄変動演出を実行し、リーチあり態様抽選に当選しなかった場合にはリーチなし態様のアシスト図柄変動演出を実行するよう構成することも可能である。
また、擬似入賞時特図ゲームがリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームであり、かつ、擬似入賞口870に遊技球が流入した時点で未消化の特図始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの中にリーチ演出を伴う特図変動表示ゲームが含まれる場合には、当該擬似入賞時特図ゲーム中にアシスト図柄置換演出を実行してもよいし、当該擬似入賞時特図ゲームよりも後に行われる特図変動表示ゲーム(リーチ演出を伴う特図変動表示ゲーム)中にアシスト図柄置換演出を実行してもよい。
また、本変形例では、擬似入賞口870に遊技球が流入した場合であっても、所定条件が成立している場合(本変形例の場合[1]置換演出待機フラグがセットされていない、[2]P機状態が特図変動中である、[3]アシスト図柄変動演出を実行可能である、という三つの条件を全て満たす場合)にのみ、当該流入に対応するアシスト図柄演出を実行するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、所定条件が成立していない状態で擬似入賞口870に遊技球が流入した場合には、当該流入に対応するアシスト図柄演出の実行を保留しておき、当該所定条件が成立した状態になってから、当該流入に対応するアシスト図柄演出を実行するよう構成することも可能である。また、アシスト図柄演出の実行を保留する場合には、その保留数(アシスト保留数)を、飾り特図始動記憶表示と区別可能なように、サブ表示装置41bに表示してもよい。
また、アシスト図柄演出は、リーチ演出の発生の有無をアシスト停止図柄によって報知(示唆)する演出に限定されるものではなく、リーチ演出以外の演出(SPリーチ発展演出、ラウンド昇格演出、擬似連変動演出等)の発生の有無をアシスト停止図柄によって報知(示唆)する演出であってもよい。
また、アシスト図柄演出は、所定の演出の発生の有無をアシスト停止図柄によって報知する演出に限定されず、適宜変更可能である。アシスト図柄演出は、例えば、アシスト停止図柄を、サブ表示装置41bのアシスト図柄変動表示領域以外で実行されている所定の予告演出に反映させる演出であってもよい。
また、本変形例では、擬似入賞口870に遊技球が流入した場合にアシスト図柄演出を実行するが、擬似入賞口870に遊技球が流入した場合に実行される演出は、アシスト図柄演出に限定されず、適宜変更可能である。例えば、擬似入賞口870に遊技球が流入した場合に、所定の可動体(例えば、ハネ部材840および/または回転体880)を動作させる演出を実行することも可能である。
また、所定条件が成立している状態(本変形例の場合[1]置換演出待機フラグがセットされていない、[2]P機状態が特図変動中である、[3]アシスト図柄変動演出を実行可能である、という三つの条件を全て満たす状態)で擬似入賞口870に遊技球が流入した場合には、当該流入に対応するアシスト図柄演出を実行し、当該所定条件が成立していない状態で擬似入賞口870に遊技球が流入した場合には、当該流入に対応するアシスト図柄演出の代わりに、アシスト図柄演出以外の演出(例えば、所定の可動体を動作させる演出)を実行するよう構成することも可能である。
また、所定条件が成立している状態のときのみ擬似入賞口870に遊技球が流入するよう構成することも可能である。具体的には、例えば、アウトゾーンユニット800内の適宜の箇所に、遊技球を貯留する第1状態と、遊技球を貯留しない第2状態と、に変換可能な球貯留装置を配設して、所定条件が成立すると、当該球貯留装置を第1状態から第2状態へと変換して、当該球貯留装置に貯留されていた遊技球を擬似入賞口870へと流入させるよう構成することも可能である。
また、本変形例では、アシスト停止図柄がサブ表示装置41bからメイン表示装置41aへ移行した後(図66(c)や図69(b),(c)参照)や、アシスト図柄演出の開始前や終了後(図65(a)や図71(b)参照)の、サブ表示装置41bのアシスト図柄変動表示領域は空欄(空白)になっているが、これに限ることはない。アシスト停止図柄がメイン表示装置41aへ移行した後やアシスト図柄演出が実行されていない時のアシスト図柄変動表示領域には、例えば、直近のアシスト停止図柄が通常の表示態様とは異なる表示態様(例えば、通常よりも薄い色)で表示されていてもよいし、デフォルトのアシスト図柄(例えば「00」や「−−」、あるいは電源投入時のアシスト図柄)が表示されていてもよいし、“虎”や“豚”や“牛”などのキャラクタ画像が表示されていてもよい。
また、機種指定コマンドを受信した場合に、当該機種指定コマンドに対応した表示(図柄や画像など)をサブ表示装置41bのアシスト図柄変動表示領域に行ってもよい。メイン表示装置41aに機種指定コマンドに対応した表示を行ってもよいが、メイン表示装置41aには飾り特図変動表示ゲームが表示されるので、機種指定コマンドに対応した表示はサブ表示装置41bに表示することが好ましい。
また、アシスト停止図柄が所定の組合せ(例えば、「虎虎」、「豚牛」、「7虎」、「11」、「連連」、「貯留」等)となった場合に、期待度の報知や、保留変化予告の実行・示唆や、擬似連変動演出の実行・示唆や、ミニゲーム(ミニゲームの結果によってリーチ発生・保留変化・擬似連発生を報知する)などを実行してもよい。すなわち、アシスト停止図柄をメイン表示装置41aの飾り特図変動表示ゲームに直接作用させるのではなく、特図変動表示ゲームに関連する演出を介して間接的に作用させるようにしてもよい。また、アシスト図柄の変動表示は、普図ゲームに関連するものであってもよいし、普図ゲームそのものであってもよい。
また、本変形例では、第1〜第3図柄の変動表示中にアシスト図柄の変動表示を停止(アシスト停止図柄を表示)するよう構成したが、これに限ることはなく、例えば図77に示すように、メイン表示装置41aに非リーチ図柄が停止表示された後(第1〜第3図柄のうちの二つの変動表示が停止して残り一つのみが変動表示している状態であるとき)にアシスト図柄の変動表示を停止(アシスト停止図柄を表示)するよう構成することも可能である。
また、本変形例では、アシスト停止図柄が所定の組合せになることで飾り特図変動表示ゲームに対して作用していたが、その逆でもよい。具体的には、例えば、メイン表示装置41aにおける飾り特図変動表示ゲームでリーチが発生し、リーチ図柄がサブ表示装置41bに移って当該サブ表示装置41bのアシスト図柄変動表示領域に収まる演出を行ってもよい。この場合、メイン表示装置41aの7セグメント表示器3つ全てを使った演出が実行可能となる。すなわち、サブ表示装置41bのアシスト図柄とメイン表示装置41aの飾り図柄とが互いに作用し合い、飾り特図変動表示ゲームの結果の一部(例えばリーチ図柄)がメイン表示装置41a(第1表示領域)とサブ表示装置41b(第2表示領域)とを行き来可能であればよい。
また、アシスト図柄演出は、サブ表示装置41bではなく、例えば、発光装置(LED等)で実行してもよいし、サブ表示装置41bと発光装置(ドットLED)との両方で実行してもよい。
このように変形例11の遊技機10によれば、入賞領域(一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)と、当該入賞領域に入賞しない遊技球が流入可能なアウト領域(アウトゾーンユニット800)と、を備えた遊技機において、アウト領域内で、当該アウト領域に流入した遊技球を用いて特定ゲーム(本変形例の場合、遊技球が擬似入賞口870に流入するか否かのゲーム)を行う特定ゲーム機構と、特定ゲームの結果が所定結果になったと判定した場合に、所定演出(本変形例の場合、アシスト図柄演出)を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備えている。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、アウト領域(アウトゾーンユニット800)内で特定ゲーム(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特定ゲーム(遊技球演出)は、アウト領域(アウトゾーンユニット800)に流入した遊技球を用いた演出であり、入賞領域に入賞する可能性のある遊技球を用いた演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
なお、特定ゲームは、アウト領域内で行うゲーム、すなわちアウト領域に流入した遊技球を用いたゲームではなく、入賞領域(一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39等)内で行うゲーム、すなわち入賞領域に流入した遊技球を用いたゲームであってもよい。特定ゲームが、入賞領域内で行うゲーム、すなわち入賞領域に流入した遊技球を用いたゲームである場合の一例を、後述する変形例13にて説明する。
また、本変形例では、アウト領域(アウトゾーンユニット800)への入口(流入口810)は、複数の入賞領域の中で最も下流側にある入賞領域(本変形例の場合、始動入賞口36)の下方に設けられ、かつ、当該入賞領域よりも遊技球の受入幅が大きいよう構成することが可能である。
このように構成することによって、入賞のチャンスがなくなった遊技球を用いて特定ゲームを行うことができる。入賞領域に入賞しない遊技球は入賞のチャンスが全くなく、無駄なイメージや損しているイメージを遊技者に与えてしまうが、入賞のチャンスがなくなった遊技球を用いて特定ゲームを行うことで、このような悪いイメージを遊技者に与えにくくすることが可能となる。
また、本変形例では、特定ゲーム機構は、擬似入賞口870と、遊技球を擬似入賞口870へと誘導する可動部材(本変形例の場合、ハネ部材840および回転体880)と、を備え、可動部材(本変形例の場合、回転体880)は、遊技球吸着用の磁石を備え、当該磁石に吸着した遊技球を回転することによって持ち上げることが可能であり、演出制御手段(演出制御装置300)は、擬似入賞口870に遊技球が流入した場合に特定ゲームの結果が所定結果になったと判定可能であるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、遊技球をアウト領域(アウトゾーンユニット800)内に長く留まらせることができるため、特定ゲーム(遊技球演出)の興趣を高めることができる。
また、特定ゲームは、アウト領域(アウトゾーンユニット800)に流入した遊技球を用いた演出であり、入賞領域に入賞する可能性のある遊技球を用いた演出ではないため、特定ゲームとして、入賞領域に入賞する可能性のある遊技球を用いて行うことのできないような演出、例えば本変形例のように可動部材(回転体880)によって遊技球を重力に逆らって持ち上げるような演出を行うことが可能となる。
なお、可動部材は、ハネ部材840や回転体880に限定されず、適宜変更可能である。可動部材は、例えば、遊技球を貯留する第1状態と遊技球を貯留しない第2状態とに変換可能な球貯留装置であってもよいし、その他、2種パチンコ機が備えるV可動部材(遊技球を特定領域へと誘導可能な可動部材)を流用したものであってもよい。
また、本変形例では、演出制御手段(演出制御装置300)は、始動条件の成立に基づき、第1表示領域(本変形例の場合、メイン表示装置41a)にて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を実行可能であるとともに、所定演出として、第1表示領域とは異なる第2表示領域(本変形例の場合、サブ表示装置41b)にて複数の識別情報を変動表示する演出(アシスト図柄演出)を実行可能であるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、アウト領域(アウトゾーンユニット800)に流入した遊技球によって、変動表示ゲームが実行されたかのように見せることができるため、遊技者に、無駄球なく常に識別情報が変動しているイメージを与えることができ、遊技性が向上する。
なお、本変形例の場合、メイン表示装置41aに第1表示領域を設け、サブ表示装置41bに第2表示領域を設けた、すなわち第1表示領域と第2表示領域とを別々の表示装置に設けたが、これに限定されず、第1表示領域と第2表示領域とを同一の表示装置に設けてもよい。
また、本変形例では、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1表示領域(本変形例の場合、メイン表示装置41a)において、一部の識別情報が揃った状態で停止表示されて残りの識別情報が変動表示されるリーチ状態が発生する場合には、リーチ状態の発生前に、第2表示領域(本変形例の場合、サブ表示装置41b)に所定演出(本変形例の場合、アシスト図柄演出)の結果として識別情報を揃った状態で停止表示し(図66(a)等参照)、第1表示領域における一部の識別情報(揃っていない状態で停止表示されている識別情報)を、第2表示領域に揃った状態で停止表示されている識別情報(アシスト停止図柄)で置き換えることによって、リーチ状態を発生させるよう構成することが可能である(図66(c)等参照)。
このように構成することによって、第2表示領域(本変形例の場合、サブ表示装置41b)に停止表示されている識別情報(アシスト停止図柄)がリーチ発生をアシストしたかのように見せることができ、遊技の興趣が向上する。
また、本変形例では、演出制御手段(演出制御装置300)は、リーチ状態が発生する変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)よりも前に実行される変動表示ゲームにおいて、第2表示領域(本変形例の場合、サブ表示装置41b)に識別情報を揃った状態で停止表示した場合には、当該リーチ状態が発生する変動表示ゲームまで、第2表示領域に識別情報を揃った状態で停止表示し続けるよう構成することが可能である(図67〜図69参照)。
このように構成することによって、複数の変動表示ゲームに亘ってリーチ発生への期待感を継続させることができるため、遊技機の稼働率を向上させることが可能となる。
また、本変形例では、演出制御手段(演出制御装置300)は、第2表示領域(本変形例の場合、サブ表示装置41b)に揃った状態で停止表示されている識別情報を拡大表示した後に、第1表示領域(本変形例の場合、メイン表示装置41a)に揃っていない状態で停止表示されている識別情報を、第2表示領域に拡大表示されている識別情報で置き換えることによって、リーチ状態を発生させるよう構成することが可能である(図66(b),(c)等参照)。
このように構成することによって、第2表示領域に停止表示されている識別情報(アシスト停止図柄)が、拡大して、第1表示領域に停止表示されている一部の識別情報(非リーチ図柄)を飛ばして(押し退けて)、リーチ状態を発生させたかのように見せることができ、遊技の興趣が向上する。
また、本変形例では、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1表示領域(本変形例の場合、メイン表示装置41a)に一部の識別情報を揃っていない状態で停止表示した後に、第2表示領域(本変形例の場合、サブ表示装置41b)に識別情報を揃った状態で停止表示するよう構成することが可能である(図77参照)。
このように構成することによって、敗者復活的な演出を行うことができ、遊技の興趣が向上する。
なお、本変形例の遊技機10は、始動条件が成立したことに基づいてゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、所定の動画像を表示可能な表示装置(サブ表示装置41b)と、ゲームに関する演出を制御可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、所定条件が成立したこと(例えば、アウトゾーンユニット800の擬似入賞口870に遊技球が流入したこと)に基づき表示装置で第1演出(例えば、アシスト図柄演出)を実行し、第1演出の結果が特定の結果となったこと(例えば、アシスト停止図柄が所定の組合せになったこと)に対応して第2演出を実行し、第1演出の結果が特定の結果となった回数が所定回数以上になった場合に第3演出(例えば、SPリーチ演出)を実行可能であるよう構成してもよい。
このように構成することによって、効果的な演出を実行することができる。
具体的には、例えば図78に示すように、アウト領域(アウトゾーンユニット800)の擬似入賞口870に遊技球が流入した場合にアシスト図柄演出を実行し、アシスト停止図柄が所定の組合せになった回数(特定結果回数)に対応した累積画像をサブ表示装置41bに表示し、アシスト停止図柄が所定の組合せになった回数(特定結果回数)が所定回数以上(例えば、n5回以上)になった場合にSPリーチ演出等を実行し、SPリーチ演出等を実行した場合に累積画像を消去するようにしてもよい。
図78に示す例では、累積画像として、アシスト停止図柄が所定の組合せになった回数(特定結果回数)に基づく値を示すポイント画像が表示されており、第2演出の演出態様(累積画像の表示態様)が、「第1態様(「100pt」というポイント画像を表示する態様。図78(b)参照)」→「第2態様(「200pt」というポイント画像を表示する態様。図78(c)参照)」→「第3態様(「300pt」というポイント画像を表示する態様。図78(d)参照)」→「第4態様(「400pt」というポイント画像を表示する態様。図78(e)参照)」の順で切り替わっている。すなわち、図78に示す例では、第2演出として、累積値切替表示演出を実行している。
このように、演出制御手段(演出制御装置300)は、第2演出として、表示装置(サブ表示装置41b)に所定の画像(累積画像)を出現させるとともに、第1演出の結果が特定の結果となったこと(アシスト停止図柄が所定の組合せになったこと)に応じて当該所定の画像の表示態様を切り替える演出を実行可能であり、第3演出(SPリーチ演出等)を実行したことを条件に、所定の画像の表示態様を通常表示態様(例えば、ポイント画像を非表示にする態様や、「0pt」というポイント画像を表示する態様)に戻すよう構成してもよい。
無論、所定の画像は、ポイント画像に限ることはなく、適宜変更可能である。また、所定の画像の表示態様を切り替える演出は、図78に示す演出(ポイント値を増加させる演出)に限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、所定の画像を、メータ画像とし、所定の画像の表示態様を切り替える演出として、メータ値を増加させる演出を行ってもよい。
また、例えば図79に示すように、アウト領域(アウトゾーンユニット800)の擬似入賞口870に遊技球が流入した場合にアシスト図柄演出を実行し、アシスト停止図柄が所定の組合せになったことに対応した装飾態様でロゴ部材46bを装飾し、アシスト停止図柄が所定の組合せになった回数(特定結果回数)が所定回数以上(例えば、n5回以上)になった場合にSPリーチ演出等を実行し、SPリーチ演出等を実行した場合にロゴ部材46bの装飾態様を元に戻すようにしてもよい。
図79に示す例では、第2演出の演出態様(ロゴ部材46bの装飾態様)が、「第1態様(1つの文字発光部を発光させる態様。図79(b)参照)」→「第2態様(2つの文字発光部を発光させる態様。図79(c)参照)」→「第3態様(3つの文字発光部を発光させる態様。図79(d)参照)」→「第4態様(4つの文字発光部を発光させる態様。図79(e)参照)」の順で切り替わっている。すなわち、図79に示す例では、第2演出として、ロゴ部材発光切替演出を実行している。
また、図79に示す例では、ロゴ部材46bの文字発光部が左から順に発光しているが、これに限ることなく、例えば、左右から1つずつ順に(例えば、左端→右端→左中→右中の順序で)発光してもよいし、これらの順と逆の順序で発光してもよい。
このように、装飾部材(ロゴ部材46b)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、第2演出として、第1演出の結果が特定の結果となったこと(アシスト停止図柄が所定の組合せになったこと)に応じて装飾部材の装飾態様を切り替える演出を実行可能であり、第3演出を実行したことを条件に、装飾部材の装飾態様を通常装飾態様(例えば、全部消灯や、第2演出中における装飾態様とは異なる態様)に戻すよう構成してもよい。
無論、装飾部材は、ロゴ部材46bに限ることはなく、適宜変更可能である。また、装飾部材の装飾態様を切り替える演出は、図79に示す演出に限ることはなく、適宜変更可能である。
アシスト停止図柄を飾り特図変動表示ゲーム(飾り図柄)に直接作用させる場合、遊技者が誤認・誤解する可能性があるのに対し、図78や図79に示すように、第1演出、第2演出、および第3演出を実行して、アシスト停止図柄を間接的に(画像や役物などの媒体を介して)飾り特図変動表示ゲームに作用させることで、誤認・誤解されにくくするとともに興趣が向上する。
なお、第3演出は、第1演出の結果が特定の結果となった回数が所定回数以上になった場合に実行されるものに限ることはなく、適宜変更可能であり、第3演出は、例えば、第2演出の演出態様に応じた演出であってもよい。
具体的には、例えば、第3演出をリーチ演出とする。そして、リーチ演出を伴う特図変動表示ゲームの開始時における第2演出の演出態様(累積画像の表示態様やロゴ部材46bの装飾態様)が、第1態様である場合には、当該特図変動表示ゲームにおいて第3演出としてはずれリーチ演出またはノーマルリーチ演出を実行し、第2態様である場合には、当該特図変動表示ゲームにおいて第3演出としてノーマルリーチ以上のリーチ演出を実行し、第3態様である場合には、当該特図変動表示ゲームにおいて第3演出としてSPリーチ以上のリーチ演出を実行し、第4態様である場合には、当該特図変動表示ゲームにおいて第3演出としてSPリーチの中でも特に期待度が高いリーチ演出を実行するようにしてもよい。
また、例えば、第3演出を保留変化演出(飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる演出)とし、飾り特図始動記憶表示の表示態様(色)は白<青<黄<緑<紫<赤<虹の順に期待度が高く、飾り特図始動記憶表示の通常の表示態様(通常の色)は単色ではなく、混合色や2色以上であるとする。そして、保留変化タイミングにおける第2演出の演出態様(累積画像の表示態様やロゴ部材46bの装飾態様)が、第1態様である場合には、第3演出として飾り特図始動記憶表示の色を白色に変化させる演出を実行し、第2態様である場合には、第3演出として飾り特図始動記憶表示の色を青以上の色に変化させる演出を実行し、第3態様である場合には、第3演出として飾り特図始動記憶表示の色を緑以上の色に変化させる演出を実行し、第4態様である場合には、第3演出として飾り特図始動記憶表示の色を赤以上の色に変化させる演出を実行するようにしてもよい。
また、例えば、第3演出を擬似連変動演出とする。そして、擬似連変動演出を伴う特図変動表示ゲームの開始時における第2演出の演出態様(累積画像の表示態様やロゴ部材46bの装飾態様)が、第1態様である場合には、第3演出として擬似連回数が1回である演出を実行し、第2態様である場合には、第3演出として擬似連回数が2回である演出を実行し、第3態様である場合には、第3演出として擬似連回数が3回である演出を実行し、第4態様である場合には、第3演出として擬似連回数が4回である演出を実行するようにしてもよい。
また、第2演出として、図78に示す累積値切替表示演出と、図79に示すロゴ部材発光切替演出と、の両方を実行してもよい。また、役物と表示とを関連づけるために、第2演出として、累積値切替表示演出と、ポイント値(あるいはメータ値)が一定値以上である場合にロゴ部材46bの文字発光部を発光させる演出と、の両方を実行してもよいし、ロゴ部材発光切替演出と、点灯(発光)している文字発光部の数が所定数以上である場合にポイント値(あるいはメータ値)を増加させる演出と、の両方を実行してもよい。
また、点灯(発光)している文字発光部の数が所定数以上になった場合や、ポイント値(あるいはメータ値)が一定値以上になった場合に、代替演出を実行するようにしてもよい。
また、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームの実行中に、点灯(発光)している文字発光部の数が所定数以上になった場合や、ポイント値(あるいはメータ値)が一定値以上になった場合には、大当りのラウンド数を報知する演出(例えば、サブ表示領域41bに大当りのラウンド数を表示する演出)を行ってもよい。
[変形例12:ロゴ部材の変形例A]
図80〜図90を用いてロゴ部材46bの変形例Aを説明する。
本変形例のロゴ部材46bは、装飾や演出のための発光をする盤装飾装置46の一種ではなく、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44の一種である点が、上記実施形態のロゴ部材46bと異なる。
本変形例のロゴ部材46bは、上記実施形態のロゴ部材46bと同様、4つの文字発光部が並んだ構成となっており、各文字発光部は独立して発光態様(点灯、消灯、点滅、発光色等)を変化させることができるようになっている。
さらに、本変形例のロゴ部材46bは、中央2つの文字発光部のうち左側の文字発光部46b1が図80に示す位置から図81に示す位置(左隣の文字発光部の後方位置)へと移動するとともに、中央2つの文字発光部のうち右側の文字発光部46b2が図80に示す位置から図81に示す位置(右隣の文字発光部の後方位置)へと移動可能に構成されている。すなわち、中央2つの文字発光部46b1,46b2は、閉じた状態(図80に示す状態)と開いた状態(図81に示す状態)とに変換可能に構成されている。そして、文字発光部46b1,46b2が開いた状態になると、例えば図81に示すように、盤装飾装置46の一種であるランプ46c(告知ランプ等)が出現するようになっている。以下、文字発光部46b1,46b2を開閉動作させる演出を「ロゴ開閉演出」という。
本変形例の演出制御装置300は、所定の役物中止条件が成立している場合に、ロゴ開閉演出を含む役物演出の実行を中止する機能(以下「役物演出無効機能」という。)をアクティブ状態に設定し、当該役物中止条件が成立していない場合に、役物演出無効機能を非アクティブ状態に設定するよう構成されている。
なお、本変形例では、[1]アクティブフラグがセットされている、[2]電サポ中である、という二つの条件の双方を満たす場合に、役物中止条件が成立していると判定するが、これに限定されず、役物中止条件は適宜変更可能である。
また、本変形例では、演出ボタン25に対する特定操作(例えば長押し操作)が行われた場合にアクティブフラグをセットし、再度演出ボタン25に対する特定操作が行われた場合または電サポ状態が終了した場合にアクティブフラグをクリアするが、これに限定されず、アクティブフラグのセット/クリアの契機は適宜変更可能である。
役物演出は、ロゴ開閉演出だけでなく、下可動装置44aを状態変換する演出(可動役物44a1が初期位置にあるメイン表示装置露出状態と、可動役物44a1が動作位置にある上大入賞口内部ユニット露出状態と、に変換する演出)等を含んでいてもよい。
また、本変形例の演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの開始時に、当該特図変動表示ゲーム中に役物演出を行うか否か決定する役物演出可否抽選を行う。そして、役物演出無効機能がアクティブ状態である際には、役物演出可否抽選に当選した場合(役物演出を行うことが決定された場合)であっても、ロゴ開閉演出を含む役物演出は実行されず、当該役物演出の代わりに当該役物演出の代替となる代替演出が実行される。すなわち、役物演出無効機能が非アクティブ状態である際には、役物演出可否抽選に当選した特図変動表示ゲーム中に、役物演出を実行し、役物演出無効機能がアクティブ状態である際には、役物演出可否抽選に当選した特図変動表示ゲーム中に、役物演出の代わりに代替演出を実行する。一方、役物演出可否抽選に落選した特図変動表示ゲーム中には、役物演出無効機能がアクティブ状態であるか非アクティブ状態であるかにかかわらず、役物演出も代替演出も実行しないよう構成されている。
代替演出は、ロゴ開閉演出を模した動画(アニメ)をサブ表示装置41bに表示する演出である。具体的には、代替演出では、例えば図82に示す画像(文字発光部46b1,46b2が閉じた状態のロゴ部材46bを模した画像)や例えば図83に示す画像(文字発光部46b1,46b2が開いた状態のロゴ部材46bおよびランプ46cを模した画像)などからなる動画が、サブ表示装置41bに表示される。
ここで、ロゴ開閉演出には複数種類の演出態様(文字発光部46b1,46b2の開閉タイミング等、各文字発光部の発光タイミングや発光色など、ランプ46cの発光タイミングや発光色など)がある。そのため、代替演出では、実際に行われる予定であった演出態様のロゴ開閉演出を模した動画がサブ表示装置41bに表示されるようになっている。
なお、代替演出は、ロゴ開閉演出を模した動画をサブ表示装置41bに表示する演出に限定されるものではなく、適宜変更可能である。具体的には、代替演出では、ロゴ開閉演出を模した動画に替えて(あるいは加えて)、例えば、実際に行われる予定であったロゴ開閉演出の演出態様の内容(意味)や名称を表示してもよいし、実際に行われる予定であったロゴ開閉演出で示唆される情報(期待度等)を表示してもよい。
また、代替演出として、代替演出でしか見ることのできない演出を実行してもよい。具体的には、例えば、実際の役物(ロゴ部材46b等)では不可能な動きや不可能な演出態様を代替演出で実行してもよい。不可能な動きとは、例えば、実際の役物ではできないような素早い動き等である。また、不可能な演出態様とは、例えば、ランプ46cや文字表示部の一部を拡大させる演出態様等である。これにより、興趣の低下を抑制することができるとともに、注視するべき箇所を示唆(教示)することができる。
また、本変形例では、役物演出無効機能がアクティブ状態である際には、役物演出のみが中止(禁止)され、役物演出以外の演出(枠装飾装置18や盤装飾装置46による装飾演出や、スピーカ19a,19bによる音響演出など)は中止されないよう構成されている。
また、役物演出無効機能がアクティブ状態である際には、文字発光部46b1,46b2の開閉動作が禁止されるのみで、ランプ46cの発光演出(期待度報知や大当り報知などを含む)は文字発光部46b1,46b2の裏面側で実行されていてもよい。そのような構成とすることで、役物演出無効機能がアクティブ状態である際には、文字発光部46b1,46b2の開閉動作は禁止するだけでよく、その他の演出は役物演出無効機能が非アクティブ状態である際と同じにすればいよいので、その他の演出については、アクティブ状態と非アクティブ状態とで演出制御を変更しなくて済む。
また、役物演出の実行時には、役物(例えば、文字発光部46b1,46b2)に対する注視を促す演出(例えば、画像(矢印画像や役物画像など)や文字を使って「役物を見ろ!」と指示する演出)をサブ表示装置41b等に表示してもよい。当該注視を促す演出は、役物演出無効機能がアクティブ状態である際には、実行されずに代替演出となってもよいし、代替演出とともに実行されてもよい。
図84(a)は、演出ボタン25に対する特定操作(例えば長押し操作)が、電サポ状態(時短状態)の開始前に行われた場合の一例を示すタイミングチャートである。
例えば図84(a)に示すように、演出制御装置300は、大当り終了後(特別遊技状態終了後)に電サポ状態が発生する場合、遊技制御装置100からファンファーレコマンドを受信すると、演出ボタン25に対する特定操作が有効となる特定操作有効期間を開始して、電サポ状態が終了すると、当該特定操作有効期間を終了する。
また、演出制御装置300は、演出ボタン25に対する特定操作が行われると、アクティブフラグをセットし、電サポ状態が終了すると、当該アクティブフラグをクリアする。
図84(a)に示す例では、電サポ状態の開始前に演出ボタン25に対する特定操作が行われている(電サポ状態の開始前にアクティブフラグがセットされている)ため、電サポ状態の開始時に役物中止条件が成立する([1]アクティブフラグがセットされている、[2]電サポ中である、という二つの条件の双方を満たすようになる)。したがって、電サポ状態の開始時に役物演出無効機能がアクティブ状態になる。また、電サポ状態の終了時に役物中止条件が成立しなくなるため、電サポ状態の終了時に役物演出無効機能が非アクティブ状態に戻る。
また、図84(a)に示す例では、電サポ状態の開始から終了までの間、役物演出無効機能がアクティブ状態である。したがって、電サポ中は、役物演出は実行されず、役物演出可否抽選に当選した特図変動表示ゲームにおいて役物演出の代わりに代替演出が実行される。
図84(b)は、演出ボタン25に対する特定操作(例えば長押し操作)が、電サポ中(時短中)に行われた場合の一例を示すタイミングチャートである。
図84(b)に示す例では、電サポ中に演出ボタン25に対する特定操作が行われている(電サポ中にアクティブフラグがセットされている)ため、電サポ中における特定操作時に役物中止条件が成立する。したがって、電サポ中における特定操作時に役物演出無効機能がアクティブ状態になる。また、電サポ状態の終了時に役物中止条件が成立しなくなるため、電サポ状態の終了時に役物演出無効機能が非アクティブ状態に戻る。
なお、電サポ中に演出ボタン25に対する特定操作が行われた場合には、特定操作が行われた時点でロゴ部材46bが初期状態(文字発光部46b1,46b2が閉じた状態)であるか否か判定し、ロゴ部材46bが初期状態でないと判定した場合には、図84(b)にて一点鎖線で示すように、ロゴ部材46bを初期状態に戻してから、役物演出無効機能をアクティブ状態に切り替えてもよい。
また、図84(b)に示す例では、電サポ状態の開始から演出ボタン25に対する特定操作が行われるまでの間(以下「操作前期間」という。)、役物演出無効機能が非アクティブ状態であり、演出ボタン25に対する特定操作が行われてから電サポ状態の終了までの間(以下「操作後期間」という。)、役物演出無効機能がアクティブ状態である。したがって、操作前期間中は、役物演出可否抽選に当選した特図変動表示ゲームにおいて役物演出が実行される。一方、操作後期間中は、役物演出は実行されず、役物演出可否抽選に当選した特図変動表示ゲームにおいて役物演出の代わりに代替演出が実行される。
例えば図84(b)に示す例のように、役物演出の途中で特定操作が行われた場合には、図84(b)にて実線で示すように、当該役物演出の代替演出を行わなくてもよいし、図84(b)にて一点鎖線で示すように、当該役物演出の代替演出を行っても(代替演出を途中から行っても)よい。
図85(a)は、演出ボタン25に対する特定操作(例えば長押し操作)が、電サポ状態(時短状態)の開始前に1回、電サポ中(時短中)に2回行われた場合の一例を示すタイミングチャートである。
図85(a)に示す例では、電サポ状態の開始前に演出ボタン25に対する1回目の特定操作が行われている(電サポ状態の開始前にアクティブフラグがセットされている)ため、電サポ状態の開始時に役物中止条件が成立する。したがって、電サポ状態の開始時に役物演出無効機能がアクティブ状態になる。また、電サポ中に演出ボタン25に対する2回目の特定操作が行われている(電サポ中にアクティブフラグがクリアされている)ため、2回目の特定操作時に役物中止条件が成立しなくなる。したがって、2回目の特定操作時に役物演出無効機能が非アクティブ状態に戻る。さらに、電サポ中に演出ボタン25に対する3回目の特定操作が行われている(電サポ中にアクティブフラグがセットされている)ため、3回目の特定操作時に役物中止条件が成立する。したがって、3回目の特定操作時に役物演出無効機能がアクティブ状態になる。
また、図85(a)に示す例では、電サポ状態の開始から演出ボタン25に対する2回目の特定操作が行われるまでの間(以下「1回目操作後期間」という。)、役物演出無効機能がアクティブ状態であり、演出ボタン25に対する2回目の特定操作が行われてから3回目の特定操作が行われるまでの間(以下「2回目操作後期間」という。)、役物演出無効機能が非アクティブ状態であり、演出ボタン25に対する3回目の特定操作が行われてから電サポ状態の終了までの間(以下「3回目操作後期間」という。)、役物演出無効機能がアクティブ状態である。したがって、2回目操作後期間中は、役物演出可否抽選に当選した特図変動表示ゲームにおいて役物演出が実行される。一方、1回目操作後期間中と3回目操作後期間中は、役物演出は実行されず、役物演出可否抽選に当選した特図変動表示ゲームにおいて役物演出の代わりに代替演出が実行される。
例えば図85(a)に示す例のように、代替演出の途中で特定操作が行われた場合には、図85(a)にて実線で示すように、当該代替演出を直ちに終了してもよいし、図85(a)にて一点鎖線で示すように、当該代替演出を最後まで実行してもよい。
図85(b)は、演出ボタン25に対する特定操作(例えば長押し操作)が、電サポ状態(時短状態)の開始前に2回行われた場合の一例を示すタイミングチャートである。
図85(b)に示す例では、電サポ状態の開始前に演出ボタン25に対する2回目の特定操作が行われている(電サポ状態の開始前にアクティブフラグがクリアされている)ため、電サポ状態が開始しても役物中止条件が成立しない。したがって、電サポ中であっても、役物演出無効機能が非アクティブ状態のままであるため、役物演出可否抽選に当選した特図変動表示ゲームにおいて役物演出が実行される。
このように、本変形例では、演出ボタン25に対する特定操作(例えば長押し操作)を行うことによって、ロゴ部材46b等の演出役物の動作を予め中止する設定を行うこともできるし(図84(a)参照)、演出役物が動作したのを戻す設定を行うこともできる(図84(b)参照)。すなわち、演出役物の動作を予め中止するための設定方法と、演出役物が動作したのを戻すための設定方法と、が同一であるため、使い勝手が良い。
また、本変形例では、演出ボタン25に対する特定操作(例えば長押し操作)を行うことによって、電サポ前に、電サポ中におけるロゴ部材46b等の演出役物の動作を中止する設定を行うこともできるし(図84(a)参照)、電サポ中に、当該電サポ中における演出役物の動作を中止する設定を行うこともできるし(図84(b)参照)、電サポ前に、電サポ中における演出役物の動作中止を解除する設定を行うこともできるし(図85(b)参照)、電サポ中に、当該電サポ中における演出役物の動作中止を解除する設定を行うこともできる(図85(a)参照)。すなわち、電サポ前に、電サポ中における演出役物の動作を中止するための設定方法と、電サポ中に、当該電サポ中における演出役物の動作を中止するための設定方法と、電サポ前に、電サポ中における演出役物の動作中止を解除するための設定方法と、電サポ中に、当該電サポ中における演出役物の動作中止を解除するための設定方法と、が同一であるため、使い勝手が良い。
なお、特定操作有効期間がONであり、かつ、役物演出無効機能が非アクティブである間は、役物演出無効機能をアクティブ状態に切り替えるよう促す表示(すなわち演出ボタン25に対する特定操作を促す表示)を、サブ表示装置41b等に表示してもよい。
また、役物演出無効機能をアクティブ状態から非アクティブ状態に切り替える場合にも、演出ボタン25に対する特定操作を促す表示を出現させてもよい。
また、役物演出無効機能の現在の状態がアクティブ状態および非アクティブ状態の何れであるかを報知する報知画像をサブ表示装置41b等に表示してもよい。当該報知画像は、アシスト図柄(アシスト停止図柄も含む)と重ならないように表示してもよいし、重なるように表示してもよい。重なるように表示する場合は、報知画像を透明にする等、報知画像の表示態様をアシスト図柄の視認性を確保できる表示態様であることが好ましい。
また、特定操作有効期間がONに切り替わるタイミングは、特別遊技状態の開始時(ファンファーレコマンドの受信時)に限ることはなく、適宜変更可能である。また、特定操作有効期間がOFFに切り替わるタイミングは、電サポ状態の終了時に限ることはなく、適宜変更可能である。すなわち、特定操作有効期間は、特別遊技状態(電サポ状態の開始前に発生する特別遊技状態)の開始から当該電サポ状態の終了までの期間に設定されるものに限ることはなく、適宜変更可能であり、例えば、特別遊技状態(電サポ状態の開始前に発生する特別遊技状態)の開始から当該電サポ状態の開始までの期間に設定されるものであってもよいし、電サポ状態の開始から当該電サポ状態の終了までの期間に設定されるものであってもよい。
また、電サポ状態が複数の段階に分けられている場合は、段階毎に特定操作有効期間のON/OFFを切り替えてもよい。具体的には、例えば、電サポ回数が100回であり、1〜20回はリーチ発生確率が低く、21〜90回はSPリーチが発生しやすく、91〜100回はリーチ発生確率が低い(最短変動で即当たりが多い)が、変動時間は長めで、演出ボタン25を操作させる演出が発生しやすいという3つの段階で電サポ状態が進行する場合、1〜20回と91〜100回は特定操作有効期間をONに切り替え、21〜90回は特定操作有効期間をOFFに切り替えるようにしてもよい。この場合、1〜20回に特定操作有効期間をONする理由は、1〜20回は、変動時間が短いため、役物が動作しなくてもよいし、役物が動作すると壊れやすいからである。また、91〜100回に特定操作有効期間をONする理由は、91〜100回は、演出ボタン25を操作させる演出が発生しやすく、演出ボタン25の操作に集中させたいからである。
また、特定操作有効期間は常時ONであってもよい。特定操作有効期間が常時ONである場合には、遊技者だけでなく、遊技店の店員等も、役物演出無効機能をアクティブ状態するか否かを設定することができる。
また、本変形例では、特定操作有効期間が終了する(特定操作有効期間がOFFに切り替わる)と、アクティブフラグをクリアするようにしたが、これに限ることはなく、特定操作有効期間が終了してもアクティブフラグをクリアしない、すなわち次以降の特定操作有効期間にて演出ボタン25に対する特定操作が行われるまでアクティブフラグをセットし続けるよう構成することも可能である。このように構成することによって、特定操作有効期間の度(電サポ状態が発生する度)に演出ボタン25に対する特定操作を行わなくても、演出ボタン25に対する特定操作を一度行えば、電サポ中における役物演出を中止(禁止)し続けることが可能となる。
また、図84および図85に示す例では、電サポ中におけるゲーム間期間(一の特図変動表示ゲームが終了してから次の特図変動表示ゲームが開始されるまでの間)に役物演出を実行しないようになっているが、これに限ることはなく、電サポ中におけるゲーム間期間に役物演出を実行することも可能である。この場合、役物演出無効機能がアクティブ状態である際には、電サポ中におけるゲーム間期間に実行される役物演出に替えて代替演出が実行される。
〔メイン処理〕
代替演出を実行するために、本変形例の演出制御装置300は、図33に示すメイン処理に替えて、図86に示すメイン処理を実行する。
本変形例のメイン処理では、演出ボタン入力処理(ステップC9)とホール・遊技者設定モード処理(ステップC10)との間に、特定操作設定処理(ステップC41)を実行する。
〔演出ボタン入力処理〕
図87には、上述のメイン処理における演出ボタン入力処理(ステップC9)を示した。本変形例では、演出ボタン25の上面(押圧面)に、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネルが設けられていることとする。
この演出ボタン入力処理では、まず、今回演出ボタン状態領域の値を前回演出ボタン状態領域にコピーして(ステップC601)、演出ボタン(演出ボタン25やタッチパネル)のポート状態データを読み込む(ステップC602)。
次に、PBコマンド受信による演出ボタンの入力状態情報をロードし(ステップC603)、実入力状態と入力状態情報を合成して入力データを生成し(ステップC604)、合成後の入力データを今回演出ボタン状態領域にセーブする(ステップC605)。なお、実入力状態と入力状態情報の何れかが操作入力がある状態(オン状態)であれば、合成後の入力データを操作入力がある状態(オン状態)とするようにしている。すなわち、オン状態が優先されるようになっている。
そして、前回演出ボタン状態領域の値や今回演出ボタン状態領域の値などに基づいて演出ボタン(演出ボタン25やタッチパネル)の状態変化データを生成し、演出ボタン立上りエッジ領域にセーブする(ステップC606)。ここで、操作手段(演出ボタン25やタッチパネル)からの入力の読み込みは、例えば1m秒周期のタイマ割込み処理内で行い、チャタリング除去等を行って、状態を確定しておく。そして、例えば約33.3m秒周期の演出ボタン入力処理では、操作手段からの入力の状態を確認して入力内容を確定し、その結果に応じて演出を切り替える処理等を行う。
次いで、タッチパネルが備えるタッチセンサの有効期間中であるかを判定し(ステップC607)、タッチセンサの有効期間中でない場合(ステップC607;N)は、ステップC612に移行する。また、タッチセンサの有効期間中である場合(ステップC607;Y)は、各タッチセンサのそれぞれについて入力の有無を判定するタッチセンサ制御処理(ステップC608)を行い、タッチセンサの入力内容が確定したかを判定する(ステップC609)。
具体的には、演出制御装置300は、例えば、操作手段に対する接触移動操作を促す画像等を表示装置41(サブ表示装置41b等)に表示して、フリック操作や丸くなぞる操作などの複数回の入力を監視しなければ確定できない操作を要求した場合には、複数回の入力結果に基づいて要求した操作がなされたと確定できた際に、入力内容が確定したと判定する。ここで、複数回の入力結果とは、例えば、予め定められた入力内容確定期間内で実行された複数回の演出ボタン入力処理の各ステップC605にて生成された操作手段の状態変化データのことである。本変形例の場合、演出ボタン入力処理が約33.3m秒周期で行われるので、例えば入力内容確定期間を333m秒間に定めた場合には、入力内容確定期間内で10回の演出ボタン入力処理が実行されて10個の状態変化データが生成される。また、演出制御装置300は、例えば、操作手段に対する接触操作を促す画像等を表示装置41(サブ表示装置41b等)に表示して、触る操作等の1回の入力を監視するだけで確定できる操作を要求した場合には、今回の入力結果に基づいて要求した操作がなされたと確定できた際に、入力内容が確定したと判定する。
ステップC609で、タッチセンサの入力内容が確定していないと判定した場合(ステップC609;N)は、ステップC612に移行する。また、タッチセンサの入力内容が確定したと判定した場合(ステップC609;Y)は、タッチセンサ制御処理(ステップC608)の結果、タッチセンサの有効確率を突破したかを判定する(ステップC610)。
具体的には、演出制御装置300は、例えば、操作手段に対する複数回の接触操作(連打(連続タッチ)操作等)や複数回の接触移動操作(こする操作等)を促す画像等を表示装置41(サブ表示装置41b等)に表示した場合には、当該表示の開始以降に実行した演出ボタン入力処理の回数に対する、当該表示の開始以降にステップC609にて入力内容が確定したと判定した回数の割合が、予め定められた所定割合に達した際や、当該表示の開始以降にステップC609にて入力内容が確定したと判定した回数が、予め定められた所定回数に達した際に、有効確率を突破したと判定する。また、演出制御装置300は、例えば、操作手段に対する1回の接触操作(ワンタッチ操作等)を促す画像等を表示装置41(サブ表示装置41b等)に表示した場合や、操作手段に対する1回の接触移動操作(フリック操作等)を促す画像等を表示装置41(サブ表示装置41b等)に表示した場合には、ステップC619にて入力内容が確定したと判定したので、無条件で有効確率を突破したと判定する。
ステップC610で、タッチセンサの有効確率を突破していないと判定した場合(ステップC610;N)は、ステップC612に移行する。また、タッチセンサの有効確率を突破したと判定した場合(ステップC610;Y)は、タッチセンサの入力結果情報を保存し(ステップC611)、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)の有効期間中であるかを判定する(ステップC612)。PUSHセンサの有効期間には、特定操作有効期間も含まれる。
そして、PUSHセンサの有効期間中でないと判定した場合(ステップC612;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。また、PUSHセンサの有効期間中であると判定した場合(ステップC612;Y)は、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)に入力があるか、すなわち操作手段に対する押圧操作が検出されたかを判定する(ステップC613)。ステップC613で、PUSHセンサに入力がないと判定した場合(ステップC613;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。また、PUSHセンサに入力があると判定した場合(ステップC613;Y)、すなわち操作手段に対する押圧操作が検出された場合は、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)の有効確率を突破したかを判定する(ステップC614)。
具体的には、演出制御装置300は、例えば、操作手段に対する複数回の押圧操作(連打(連続PUSH)操作等)を促す画像等を表示装置41(サブ表示装置41b等)に表示した場合には、当該表示の開始以降に実行した演出ボタン入力処理の回数に対する、当該表示の開始以降にステップC613にて入力があると判定した回数の割合が、予め定められた所定割合に達した際や、当該表示の開始以降にステップC613にて入力があると判定した回数が、予め定められた所定回数に達した際に、有効確率を突破したと判定する。また、演出制御装置300は、例えば、操作手段に対する1回の押圧操作(ワンPUSH操作等)を促す画像等を表示装置41(サブ表示装置41b等)に表示した場合には、ステップC613にて入力があると判定したので、無条件で有効確率を突破したと判定する。
ステップC614で、PUSHセンサの有効確率を突破していないと判定した場合(ステップC614;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。また、PUSHセンサの有効確率を突破したと判定した場合(ステップC614;Y)は、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)の入力結果情報を保存し(ステップC615)、演出ボタン入力処理を終了する。以上の演出ボタン入力処理により、演出ボタン25やタッチパネルの入力結果情報が保存され、この入力結果情報が実行中の演出において要求した操作に合致する場合にはこれに基づき演出内容を変化させるなどの処理が行われる。
なお、上記実施形態のメイン処理における演出ボタン入力処理や、上記変形例2のメイン処理における演出ボタン入力処理や、上記変形例11のメイン処理における演出ボタン入力処理は、本変形例の演出ボタン入力処理(図87参照)と同一である。
〔特定操作設定処理〕
図88には、上述のメイン処理における特定操作設定処理(ステップC41)を示した。この特定操作設定処理では、まず、特定操作有効期間中であるかを判定する(ステップC621)。
ステップC621で、特定操作有効期間中であると判定した場合(ステップC621;Y)には、直前の演出ボタン入力処理(図87参照)でステップC615を実行したか、すなわちPUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)の入力結果情報を保存したかを判定する(ステップC622)。
ステップC622で、PUSHセンサの入力結果情報を保存していないと判定した場合(ステップC622;N)には、特定操作設定処理を終了する。
一方、ステップC622で、PUSHセンサの入力結果情報を保存したと判定した場合(ステップC622;Y)には、当該入力結果情報が特定操作(例えば長押し操作)に合致するかを判定する(ステップC623)。
ステップC623で、当該入力結果情報が特定操作に合致しないと判定した場合(ステップC623;N)には、特定操作設定処理を終了する。
一方、ステップC623で、当該入力結果情報が特定操作に合致すると判定した場合(ステップC623;Y)、すなわち特定操作有効期間中に演出ボタン25に対する特定操作が行われた場合には、アクティブフラグがセットされているかを判定する(ステップC624)。
ステップC624で、アクティブフラグがセットされていないと判定した場合(ステップC624;N)には、アクティブフラグをセットして(ステップC625)、特定操作設定処理を終了する。
一方、ステップC624で、アクティブフラグがセットされていると判定した場合(ステップC624;Y)には、アクティブフラグをクリアして(ステップC627)、特定操作設定処理を終了する。
また、ステップC621で、特定操作有効期間中でないと判定した場合(ステップC621;N)には、アクティブフラグがセットされているかを判定する(ステップC626)。
ステップC626で、アクティブフラグがセットされていないと判定した場合(ステップC624;N)には、特定操作設定処理を終了する。
一方、ステップC626で、アクティブフラグがセットされていると判定した場合(ステップC626;Y)には、アクティブフラグをクリアして(ステップC627)、特定操作設定処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
代替演出を実行するために、本変形例の演出制御装置300は、図89に示す変動演出設定処理を実行する。
図89に示すように、本変形例の変動演出設定処理におけるステップC511〜C528の処理は、上記変形例11の変動演出設定処理(図75参照)におけるステップC511〜C528の処理と同一である。したがって、ここではステップC511〜C528の詳細な説明を省略する。
本変形例の変動演出設定処理では、ステップC528の処理の後、代替演出設定処理(ステップC700)を行って、変動演出設定処理を終了する。
〔代替演出設定処理〕
図90には、上述の変動演出設定処理における代替演出設定処理(ステップC700)を示した。この代替演出設定処理では、まず、役物演出可否抽選に当選したかを判定する(ステップC701)。
本変形例では、変動演出設定処理(図89参照)におけるステップC520で決定した演出の内容およびステップC521で決定した変動演出の内容のうち少なくとも一方が、役物演出を実行する演出の内容である場合に、役物演出可否抽選に当選したと判定する。すなわち、本変形例では、変動演出設定処理におけるステップC516で、役物演出可否抽選を含む複数の抽選(役物演出可否抽選のみであってもよい)を実行するとともに、変動演出設定処理におけるステップC519で、役物演出可否抽選を含む複数の抽選(役物演出可否抽選のみであってもよい)を実行する。また、変動演出設定処理におけるステップC521では、変動演出の内容を決定するために、役物演出可否抽選を含む複数の抽選(役物演出可否抽選のみであってもよい)を実行する。
ステップC701で、役物演出可否抽選に落選したと判定した場合(ステップC701;N)、すなわち変動演出設定処理におけるステップC520で決定した演出の内容およびステップC521で決定した変動演出の内容の両方が、役物演出を実行しない演出の内容である場合には、代替演出設定処理を終了する。
一方、ステップC701で、役物演出可否抽選に当選したと判定した場合(ステップC701;Y)、すなわち変動演出設定処理におけるステップC520で決定した演出の内容およびステップC521で決定した変動演出の内容のうち少なくとも一方が、役物演出を実行する演出の内容である場合には、役物演出無効機能がアクティブ状態であるかを判定する(ステップC702)。本変形例では、アクティブフラグがセットされている場合であって、かつ、演出モードが時短モードである場合(すなわち[1]アクティブフラグがセットされている、[2]電サポ中である、という二つの条件の双方を満たす場合)に、役物演出無効機能がアクティブ状態であると判定する。
ステップC702で、役物演出無効機能がアクティブ状態でないと判定した場合(ステップC702;N)、すなわちアクティブグラフがセットされていない場合および/または演出モードが時短モードでない場合には、代替演出設定処理を終了する。この場合、役物演出が実行される。
一方、ステップC702で、役物演出無効機能がアクティブ状態であると判定した場合(ステップC702;Y)、すなわちアクティブフラグがセットされている場合であって、かつ、演出モードが時短モードである場合には、現在設定されている役物演出に対応した代替演出の設定(本変形例の場合、代替演出の表示設定)を行う(ステップC703)。
ここで、役物演出の設定は、変動演出設定処理のステップC523,C524で行われる。具体的には、ステップC520で決定した演出の内容が役物演出を実行する内容である場合には、ステップC524にて予告演出の表示設定を行う際に、当該予告演出に含まれる役物演出の設定も行われる。また、ステップC521で決定した変動演出の内容が役物演出を実行する内容である場合には、ステップC524にて変動演出の表示設定を行う際に、当該変動演出に含まれる役物演出の設定も行われる。
次いで、現在設定されている役物演出の設定を無効化して(ステップC704)、代替演出設定処理を終了する。これにより、役物演出無効機能がアクティブ状態である際には、役物演出可否抽選に当選した特図変動表示ゲーム中に、役物演出の代わりに代替演出が実行される。
このように変形例12の遊技機10によれば、遊技の演出を行う複数の演出装置を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備えた遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、複数の演出装置には、特定演出装置(ロゴユニット83b)が含まれ、演出制御手段は、特定演出装置を用いた演出(本変形例の場合、ロゴ開閉演出)を実行するか否か決定する特定演出可否決定手段(演出制御装置300)と、操作手段が操作された場合に、特定演出装置を用いた演出の中止を設定する特定演出中止設定手段(演出制御装置300)と、を備え、特定演出可否決定手段によって特定演出装置を用いた演出の実行が決定された場合(本変形例の場合、役物演出可否抽選に当選した場合)であって、特定演出中止設定手段によって特定演出装置を用いた演出の中止が設定された場合(本変形例の場合、役物演出無効機能がアクティブ状態である場合)には、特定演出装置を用いた演出の代替として、特定演出装置以外の演出装置(サブ表示装置41b)を用いて代替演出を実行する。
ここで、「演出の中止」には、(1)演出の実行前に設定された場合は、当該演出を実行しないこと、(2)演出の実行中に設定された場合は、当該演出を強制的に途中でやめること、(3)演出の実行中に設定された場合は、当該演出を区切りの良いところまで実行してから(例えば、役物を初期状態(例えば図80に示す状態)に戻してから、役物を動作位置まで移動させて(例えば図81に示す状態にして)から)やめること、が含まれる。
したがって、興趣を低下させることなく特定の演出(本変形例の場合、ロゴ開閉演出)を中止することができる。
具体的には、操作手段(演出ボタン25)が操作された場合に特定の演出の中止を設定することができるため、遊技者の好みに応じて特定の演出を中止することができる。また、特定の演出が中止される場合には当該特定の演出の代わりに代替演出が実行されるため、遊技者の興趣が低下してしまうことがない。
なお、本変形例では、特定演出装置を用いた演出の中止が設定された場合(役物演出無効機能がアクティブ状態である場合)に、役物演出の実行を中止するようにしたが、これに限ることはない。例えば、特定演出装置を用いた演出の中止が設定された場合(役物演出無効機能がアクティブ状態である場合)に、役物演出の実行頻度を低下させるよう構成することも可能である。
また、特定演出装置は、ロゴユニット83bに限定されず、適宜変更可能である。また、特定演出装置以外の演出装置は、サブ表示装置41bに限定されず、適宜変更可能である。
また、特定演出装置が故障している場合には、当該特定演出装置を用いた演出の中止を常時設定するよう構成することも可能である。特定演出装置が故障しているか否かは、例えば、遊技機10の電源投入時に実施される初期動作に基づき判定(例えば、初期動作のリトライ回数によって判定)することができる。
また、代替演出は、特定演出装置以外の演出装置を用いて行うのではなく、特定演出装置を用いて行ってもよい。
具体的には、例えば、特定演出装置が表示装置41(サブ表示装置41b)である場合、特定演出可否決定手段によって特定演出装置を用いた演出(例えば第1表示態様の演出)の実行が決定された場合であって、特定演出中止設定手段によって特定演出装置を用いた演出(例えば第1表示態様の演出)の中止が設定されている場合には、特定演出装置を用いた演出(例えば第1表示態様の演出)の代替として、当該特定演出装置を用いて代替演出(例えば第2表示態様の演出)を実行するよう構成することも可能である。
また、例えば、特定演出装置が、第1導光板(第1奇天烈板)と、第1導光板の後方に配設される第2導光板(第2奇天烈板)と、を備える発光演出装置である場合、特定演出可否決定手段によって特定演出装置を用いた演出(例えば第1導光板を発光させる演出)の実行が決定された場合であって、特定演出中止設定手段によって特定演出装置を用いた演出(例えば第1導光板を発光させる演出)の中止が設定されている場合には、特定演出装置を用いた演出(例えば第1導光板を発光させるの演出)の代替として、当該特定演出装置を用いて代替演出(例えば第2導光板を発光させる演出)を実行するよう構成することも可能である。ここで、第1導光板には、例えば、当該第1導光板の端面から光が入射すると、第1の情報(文字や画像など)が浮き出てくるように、レーザー加工等によって微細な凹凸からなる発光パターンが施されており、第1導光板を発光させることによって、遊技者が視認可能となるように第1の情報を表示できるようになっている。同様に、第2導光板には、例えば、当該第2導光板の端面から光が入射すると、第1の情報とは異なる第2の情報(文字や画像など)が浮き出てくるように、レーザー加工等によって微細な凹凸からなる発光パターンが施されており、第2導光板を発光させることによって、遊技者が視認可能となるように第2の情報を表示できるようになっている。
また、代替演出ではなく、特定演出装置を用いた演出を隠蔽する演出を行ってもよい。
具体的には、例えば、特定演出可否決定手段によって特定演出装置を用いた演出の実行が決定された場合であって、特定演出中止設定手段によって特定演出装置を用いた演出の中止が設定されている場合には、特定演出装置以外の演出装置を用いて、当該特定演出装置を用いた演出を隠蔽する演出を実行するよう構成することも可能である。特定演出装置以外の演出装置は、例えば、可動部材を備える可動役物装置であってもよいし、通電の有無等で透明/不透明を切り替えることができるフィルタ装置であってもよい。
例えば、特定演出装置がサブ表示装置41bであり、特定演出装置以外の演出装置が可動役物装置である場合には、サブ表示装置41bの前方に重なる位置に当該可動役物装置の可動部材を配することで、特定演出装置を用いた演出を隠蔽することができる。
また、例えば、特定演出装置がサブ表示装置41bであり、特定演出装置以外の演出装置がフィルタ装置である場合には、サブ表示装置41bの前方に重なる位置にフィルタ装置を常時配置しておき、当該フィルタ装置を透明から不透明に切り替えることで、特定演出装置を用いた演出を隠蔽することができる。
また、特定操作は、演出ボタン25の長押しに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
特定操作は、例えば、外部装置から取得したパスワードを入力する操作であってもよい。すなわち、携帯電話との連動サービスを適用して、アクティブフラグをセットするようにしてもよい。具体的には、例えば、パスワードを入力すると遊技機上で所定のカスタマイズが行えるとともに、当該所定のカスタマイズを行うとアクティブフラグがセットされるよう構成してもよいし、パスワードを入力するとアクティブフラグがセットされるよう構成してもよい。
また、本変形例では、特定演出装置は、可動部材(ロゴ部材46bの文字発光部46b1,46b2)を備え、当該可動部材が動作する動作演出(ロゴ開閉演出)を実行可能であるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、衆目を集めるような目立つ演出を好まない遊技者にとって好適な遊技機を提供することが可能となる。すなわち、動作演出は目立つ演出であるが、このような目立つ演出の実行を遊技者の好みに応じて中止することができるため、目立つ演出を好まない遊技者にとって好適である。
また、本変形例では、特定演出装置以外の演出装置は、表示装置(サブ表示装置41b)であり、代替演出は、表示装置に動作演出(ロゴ開閉演出)を模した動画を表示する演出であるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、動作演出(ロゴ開閉演出)が実行されなくても、動作演出の様子を遊技者に見せることができるため、遊技者の興趣を維持することが可能となる。
また、本変形例では、始動条件の成立に基づき実行される変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に特別遊技状態を発生する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技球が入賞困難な閉状態から入賞容易な開状態へと変換する変動入賞装置(普通変動入賞装置37)と、を備え、特別遊技状態の終了後に、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで、通常状態よりも変動入賞装置へ遊技球が入賞し易い特定遊技状態(電サポ状態)を発生可能であり、特定演出中止設定手段(演出制御装置300)は、操作手段(演出ボタン25)が操作された場合であって、特定遊技状態が発生している場合に、特定演出装置(ロゴユニット83b)を用いた演出の中止を設定するよう構成することが可能である。
このように構成することによって、目立つ演出等の特定の演出が頻出することを好まない遊技者にとって好適な遊技機を提供することが可能となる。すなわち、特定遊技状態の発生中(電サポ中)は、通常状態中よりも特図変動表示ゲームの消化スピードが早いため、通常状態中よりも演出の実行頻度が高いが、特定遊技状態の発生中における特定の演出の実行を遊技者の好みに応じて中止することができるため、特定の演出の頻出を効果的に防止でき、目立つ演出等の特定の演出が頻出することを好まない遊技者にとって好適である。
また、本変形例では、操作手段(演出ボタン25)からの入力が有効となる操作有効期間(特定操作有効期間)を設定する操作有効期間設定手段(演出制御装置300)を備え、操作有効期間設定手段は、特定遊技状態(電サポ状態)の開始前に発生する特別遊技状態の開始から当該特定遊技状態の開始までの期間と、特定遊技状態の開始から当該特定遊技状態の終了までの期間と、の少なくとも一方に操作有効期間を設定することが可能であり、特定演出中止設定手段は、操作有効期間中に操作手段が操作された場合であって、特定遊技状態が発生している場合に、特定演出装置(ロゴユニット83b)を用いた演出の中止を設定するよう構成することが可能である。
このように構成することによって、特別遊技状態の開始から特定遊技状態の開始までの期間に操作有効期間が設定される場合には、特定の演出が頻出するよりも前に、当該頻出を防止することができる。また、特定遊技状態の開始から当該特定遊技状態の終了までの期間に操作有効期間が設定される場合には、特定の演出が頻出している最中に、それ以降の頻出を防止することができる。
無論、特定遊技状態の開始前に発生する特別遊技状態の開始から当該特定遊技状態の終了までの期間(特定遊技状態の開始前に発生する特別遊技状態の開始から当該特定遊技状態の開始までの期間および特定遊技状態の開始から当該特定遊技状態の終了までの期間)以外の期間に操作有効期間(特定操作有効期間)を設定することも可能である。
[変形例13:遊技盤の変形例C]
図91及び図92を用いて遊技盤30の変形例Cを説明する。
図91(a)は、本変形例の遊技盤30の要部を説明する図であって、前面側から見た図(正面図)である。また、図92(a)は、本変形例の遊技盤30の要部を説明する図であって、前面側から見た斜視図である。
本変形例の遊技盤30においては、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)を備えるアウトゾーンユニット900がアウト口30aの上方に配設されている点が、上記実施形態の遊技盤30と異なる。変形例11のアウトゾーンユニット800は、遊技領域32に設けられた複数の入賞領域の何れにも入賞しなかった遊技球が流入可能であるのに対し、本変形例のアウトゾーンユニット900は、入賞領域(本変形例の場合、始動入賞口36)に入賞した遊技球が流入可能である。
図91(a)や図92(a)に示すように、アウトゾーンユニット900は、遊技盤本体81の前面側に始動入賞口36を形成するとともに遊技盤本体81の後面側に擬似入賞口900aを形成する入賞口形成部材910と、遊技盤本体81の後方に配設された回転体920と、始動入賞口36に入賞した遊技球(すなわち、始動入賞口36に流入し始動口1スイッチ36aによって検出された遊技球)を回転体920へと誘導するための第1誘導流路930aを形成する第1誘導流路部材930と、回転する回転体920によって下から上に持ち上げられた遊技球を擬似入賞口900aへと誘導するための第2誘導流路940aを形成する第2誘導流路部材940と、を備えている。
なお、第1誘導流路部材930、回転体920及び第2誘導流路部材940を分かり易く図示するために、図91(a)及び図92(a)では、一部の部材の図示を省略している。例えば、図91(a)及び図92(a)では、遊技盤本体81の図示を省略している。また、回転体920を分かり易く図示するために、図91(a)では、ステージ部42のうち前方から見て回転体920と重なる部分を仮想線(二点鎖線)で示している。
遊技盤本体81の後方に配設された回転体920が前方から視認可能となるように、遊技盤本体81のうち前方から見て回転体920と重なる部分と、ステージ部42のうち前方から見て回転体920と重なる部分とは、光透過性を有している。すなわち、遊技盤本体81及びステージ部42のうち少なくとも一部分(具体的には、前方から見て回転体920と重なる部分)は、透明又は半透明となっている。
本変形例において、ステージ部42は、当該ステージ部42上の遊技球、すなわちワープ流路部43によってセンターケース40の外側の遊技領域32から当該ステージ部42へと誘導された遊技球が、当該ステージ部42の前端側のみから落下するよう構成されている。具体的には、ステージ部42は、例えば、前方へ下り傾斜している。したがって、遊技球は、遊技盤本体81の前面側に設けられた始動入賞口36へはステージ部42上から直接流入できるが、遊技盤本体81の後面側に設けられた擬似入賞口900aへはステージ部42上から直接流入できない。すなわち、ステージ部42上の遊技球は、始動入賞口36、第1誘導流路930a、回転体920及び第2誘導流路940aを経ないと、擬似入賞口900aに流入できない。
図92(b)は、入賞口形成部材910の前面側から見た斜視図である。
図92(a),(b)に示すように、入賞口形成部材910は、前後方向に長尺に形成され、前端部分が始動入賞口36をなすとともに後端部分が擬似入賞口900aをなしている。図92(a)に示すように、入賞口形成部材910は、前端部分(すなわち始動入賞口36)が遊技盤本体81の前面よりも前方へ突出し、後端部分(すなわち擬似入賞口900a)が遊技盤本体81の後面よりも後方へ突出するように、遊技盤本体81を前後に貫いている。
すなわち、本変形例においては、始動入賞口36と擬似入賞口900aとが前後に並んでいる。したがって、第2誘導流路940aによって誘導される遊技球は実際には擬似入賞口900aに流入するが、始動入賞口36と擬似入賞口900aとを前後に並べることによって、例えば図91(a)に示すように、第2誘導流路940aによって誘導される遊技球が始動入賞口36に入賞するかのように見せることができる。また、第2誘導流路940aによって誘導される遊技球は始動入賞口36に入賞した遊技球であるため、始動入賞口36と擬似入賞口900aとを前後に並べることによって、始動入賞口36に入賞済みの遊技球が再度始動入賞口36に入賞するかのように見せることができる。
なお、始動入賞口36を形成する部材と擬似入賞口900aを形成する部材とは同一部材(入賞口形成部材910)でなくても良い。すなわち、始動入賞口36を形成する部材と擬似入賞口900aを形成する部材とは別部材であっても良い。
図92(a),(b)に示すように、入賞口形成部材910の前端部分の側面又は底面(本変形例の場合、右側面)には、遊技球が通過可能な開口部911が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、この開口部911を通過することで始動入賞口36の内部から外部に進出して、第1誘導流路930aへと流入する。
本変形例では、始動入賞口36に入賞した遊技球のみが、第1誘導流路930aに流入し、当該第1誘導流路930aによって回転体920へと誘導されるよう構成されている。具体的には、アウトゾーンユニット900の周囲を流下する遊技球の第1誘導流路930aへの進入を防止するために、第1誘導流路部材930の周囲等には、図示は省略するが、例えば、障害部材(例えば、樹脂で形成された突起状や壁状の部材)や釘などが複数配設されている。
図92(a)に示すように、第1誘導流路930aの幅は、遊技球が上流側(始動入賞口36側)から下流側(回転体920側)へと一列で流下する幅に設定されている。
第1誘導流路930aは、上流側から下流側へ下るように傾斜している。すなわち、第1誘導流路部材930の上面には、第1誘導流路930aの上流側が下流側よりも高い位置に配されるような高低差(本変形例の場合、傾斜)が設けられている。これにより、遊技球が第1誘導流路930a(すなわち第1誘導流路部材930の上面)をスムーズに流下することが可能となるため、始動入賞口36や第1誘導流路930aにおける球詰まりを防止できる。
なお、第1誘導流路部材930の上面に設けられる高低差は、傾斜ではなく、段差等であっても良い。
また、第1誘導流路部材930は、遊技盤本体81の後方に配設されていても良い。また、第1誘導流路部材930の上面(すなわち第1誘導流路930a)に、遊技球の球威を抑制するための球威抑制部(凹凸や突起など)や、遊技球を回転体920の孔部へと案内するための球案内部(凹凸や突起など)を設けても良い。
図92(a)に示すように、第1誘導流路930aは、略L字状の流路であり、遊技球がスムーズに流下できるよう屈曲部が湾曲している。第1誘導流路930aの下流部分(すなわち前後方向に延在する部分)は遊技盤本体81に設けられた前後方向に貫通する貫通孔81b内に配設されており、第1誘導流路930aの下流端は遊技盤本体81の後面側に達している。遊技盤本体81に設けられた貫通孔81bは、第1誘導流路930aを流下する遊技球が通過可能なサイズに形成されている。第1誘導流路930aによって誘導される遊技球は、この貫通孔81bを通過することで遊技盤本体81の前面側から後面側に進出して、遊技盤本体81の後方に配設された回転体920の孔部に流入する。
なお、図92(a)では、貫通孔81bの入口(前端)のみを図示しているが、貫通孔81bの出口(後端)は、例えば、第1誘導流路930aの下流端と略同一平面上(当該平面は前後方向に垂直な平面)に位置している。
図91(b)は、回転体920の前面側から見た図であり、図91(c)は、回転体920に取り付けられた回転体カバー950の前面側から見た図である。
図91(a),(b)に示すように、回転体920は、円板状の部材であり、厚み方向が前後方向に略一致した状態で配設されている。回転体920は、当該回転体920の中心を貫く回転軸921によって遊技盤本体81の後面側に取り付けられており、当該回転軸921を中心に一定速度で一定方向(本変形例の場合、前面側から見て反時計回り方向)に回転するよう構成されている。
回転体920には、遊技球を収容可能な遊技球収容部920aと、遊技球を球排出ユニット(排出ユニット86等)へと誘導可能な遊技球排出部920bとが設けられている。具体的には、回転体920には、前後方向に貫通する複数個(本変形例では8個)の孔部が、当該回転体920の周方向に並ぶように設けられている。当該孔部は、遊技球が通過可能なサイズに形成されており、これらの孔部のうち、遊技球の排出(具体的には、遊技球が当該孔部の前方から後方へと通り抜けること)を規制する排出規制壁922を後端側に有する孔部が、遊技球収容部920aをなし、排出規制壁922を有していない孔部が、遊技球排出部920bをなす。
なお、本変形例では、回転体920が有する遊技球排出部920bの個数を1個としたが、遊技球排出部920bの個数は1個に限定されず、複数個であってもよい。
また、本変形例では、回転体920が有する複数の孔部の一部が遊技球収容部920aであるが、回転体920が有する複数の孔部の全てが遊技球収容部920aであっても良い。すなわち、回転体920は遊技球排出部920bを備えていなくても良い。
回転体920には、当該回転体920の前面を覆う透明な回転体カバー950が取り付けられている。回転体カバー950は、図91(c)に示すように、回転体920が有する孔部のうち所定の第1位置(本変形例の場合、最下の位置(すなわち6時の位置))に達している孔部に対向する部分と、所定の第2位置(本変形例の場合、最上の位置(すなわち12時の位置))に達している孔部に対向する部分とに、遊技球が通過可能な開口951を有している。
回転体カバー950は、回転不能に固定されている。すなわち、回転体920が回転しても、回転体カバー950は回転せず、当該回転体カバー950に設けられた2つの開口951のうちの一方は第1位置に配された状態を維持し、当該回転体カバー950に設けられた2つの開口951のうちの他方は第2位置に配された状態を維持している。
なお、回転カバー950が透明又は半透明である場合には、回転体920の前面等に遊技球排出部920bと遊技球収容部920aとを識別するための模様等を施しても良い。具体的には、例えば、図102に示す回転体1930の前面に施された三角模様のようなものを、遊技球排出部920b及び遊技球収容部920aのいずれか一方の近傍に設けるようにしても良い。この場合、遊技球が遊技球排出部920bに流入したか遊技球収容部920aに流入したかが分かり易くなるため、遊技球は、遊技球が回転体92の孔部に流入した時点で、当該遊技球が擬似入賞口900aに入賞するか否か判断することが可能となる。
第1誘導流路930aを流下した遊技球は、回転体カバー950に設けられた2つの開口951のうちの一方(本変形例の場合、下側の開口951)を通過して、回転体920が有する孔部のうち第1位置(本変形例の場合、最下の位置)に達している孔部に流入する。
そして、回転体920が有する孔部に流入した遊技球は、当該孔部が遊技球排出部920bである場合には、当該孔部を通り抜けて、球排出ユニット(排出ユニット86等)へと排出される。
また、回転体920が有する孔部に流入した遊技球は、当該孔部が遊技球収容部920aである場合には、回転体920が回転して当該孔部が第2位置(本変形例の場合、最上の位置)に達すると、回転体カバー950に設けられた2つの開口951のうちの他方(本変形例の場合、上側の開口951)を通過して、第2誘導流路940aに流入する。本変形例では、回転体920によって持ち上げられた遊技球(すなわち、遊技球収容部920aに流入した遊技球)のみが、第2誘導流路940aに流入するよう構成されている。
なお、回転体920は、孔部(遊技球収容部920a、遊技球排出部920b)によって遊技球を保持するものに限定されず、例えば、磁石によって遊技球を保持するものであっても良い。具体的には、例えば、回転体920に磁石を内蔵し、この磁石によって回転体920の前面の磁石配置箇所(磁石が配置された箇所)に接触した遊技球を当該磁石配置箇所に吸着(接触した状態で保持)し、当該磁石配置箇所に吸着した遊技球を回転する回転体920によって下から上へと持ち上げる(すなわち、第2誘導流路940aへと誘導する)よう構成しても良い。
図92(c)は、第2誘導流路部材940の前面側から見た斜視図である。
図92(c)に示すように、第2誘導流路部材940は、矩形板状の部材であり、上流端部(本変形例の場合、右端部)に後方へ突出する上流側突起部941が設けられているとともに、下流端部(本変形例の場合、左端部)に後方へ突出する下流側突起部942が設けられている。第2誘導流路部材940の上流側突起部941は、回転体カバー950に設けられた孔部952(図91(c)参照)に前方から挿入されるとともに、第2誘導流路部材940の下流側突起部942は、第2誘導流路部材940の後方に配設されている所定の部材に設けられた孔部(図示省略)に前方から挿入される。このように、第2誘導流路部材940は、上流側突起部941と下流側突起部942とを所定の孔部に挿入することで、所定の状態(すなわち、第2誘導流路940aの上流側が下流側よりも高い位置に配された状態)で、所定の位置(すなわち、回転体920によって持ち上げられた遊技球を擬似入賞口900aへと誘導可能な位置)に固定できるようになっている。
なお、第2誘導流路部材940の上面(すなわち第2誘導流路940a)に、遊技球の球威を抑制するための球威抑制部(凹凸や突起など)や、遊技球を擬似入賞口900aへと案内するための球案内部(凹凸や突起など)を設けても良い。
始動入賞口36に入賞した遊技球は、まず、入賞口形成部材910の前端部分に設けられた開口部911を通過して、第1誘導流路930aに流入する。
第1誘導流路930aに流入した遊技球は、当該第1誘導流路930aを流下し、遊技盤本体81に設けられた貫通孔81bと、回転体カバー950に設けられた2つの開口951のうちの一方(本変形例の場合、下側の開口951)とを通過して、回転体920が有する複数の孔部のうち第1位置(本変形例の場合、最下の位置)に達している孔部に流入する。
第1位置に達している孔部が遊技球排出部920bである場合には、当該孔部に流入した遊技球は、球排出ユニット(排出ユニット86等)へと排出される。すなわち、遊技球排出部920bに当該遊技球排出部920bの前方から流入した遊技球は、当該遊技球排出部920bを通り抜けて、球排出ユニット(排出ユニット86等)へと排出される。
一方、第1位置に達している孔部が遊技球収容部920aである場合には、当該孔部に流入した遊技球は、回転する回転体920によって下から上へと持ち上げられる。そして、当該孔部が第2位置(本変形例の場合、最上の位置)に達すると、当該孔部に収容されている遊技球は、回転体カバー950に設けられた2つの開口951のうちの他方(本変形例の場合、上側の開口951)を通過して、第2誘導流路940aに流入する。
第2誘導流路940aに流入した遊技球は、当該第2誘導流路940aを流下して、擬似入賞口900aに流入する。
図92(a),(b)に示すように、入賞口形成部材910の後端部分の側面又は底面(本変形例の場合、後側面)には、遊技球が通過可能な開口部912が設けられている。擬似入賞口900aに流入した遊技球は、この開口部912を通過することで擬似入賞口900aの内部から外部に進出して、球排出ユニット(排出ユニット86等)へと排出される。本変形例では、第2誘導流路940aに流入した遊技球のみが、擬似入賞口900aに流入するよう構成されている。すなわち、始動入賞口36に入賞した遊技球のみが、擬似入賞口900aに流入可能となっている。
このように、本変形例において、始動入賞口36に入賞した遊技球は、回転体920の遊技球排出部920bに流入して球排出ユニットへと排出されるか、あるいは、回転体920の遊技球収容部920aに流入した場合には擬似入賞口900aに流入して球排出ユニットへと排出される。すなわち、始動入賞口36に入賞した遊技球は、アウトゾーンユニット900の外部(遊技領域32)に戻ることができないよう構成されている。
擬似入賞口900aに流入した遊技球は、擬似入賞口スイッチ(図示省略)によって検出される。擬似入賞口スイッチの検出信号は演出制御装置300に出力され、擬似入賞口スイッチが遊技球を検出すると、演出制御装置300は、所定の演出を実行するよう構成されている。
本変形例の擬似入賞口900aは、変形例11の擬似入賞口870と同様、アシスト始動口であり、擬似入賞口900aに遊技球が流入するとアシスト図柄演出(図65〜図71参照)が実行される。なお、擬似入賞口900aに遊技球が流入したことを契機に、図78に示す演出や図79に示す演出を実行することも可能である。また、擬似入賞口900aに遊技球が流入したことを契機に、図80〜図81に示すロゴ開閉演出を含む役物演出の実行を中止する機能(役物演出無効機能)をアクティブ状態に設定して、図82〜図83に示す代替演出を実行するようにしても良い。
なお、アウトゾーンユニット900に流入する遊技球は、始動入賞口36に入賞した遊技球に限定されるものではなく、その他の入賞領域(一般入賞口35、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)に入賞した遊技球であっても良い。
また、アウトゾーンユニット900に流入する遊技球は、一の入賞領域に入賞した遊技球に限定されるものではなく、複数の入賞領域に入賞した遊技球であっても良い。具体的には、例えば、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球を、第1誘導流路930aへと誘導する流路を設けても良い。この場合、アウトゾーンユニット900内で、始動入賞口36に入賞した遊技球と普通変動入賞装置37に入賞した遊技球とを用いて特定ゲーム(本変形例の場合、遊技球が擬似入賞口900aに流入するか否かのゲーム)を行うことができる。
このように変形例13の遊技機10によれば、入賞領域(本変形例の場合、始動入賞口36)と、当該入賞領域に入賞した遊技球が流入可能な流入領域(アウトゾーンユニット900)と、を備えた遊技機において、流入領域内で、入賞領域に入賞した遊技球を用いて特定ゲーム(本変形例の場合、遊技球が擬似入賞口900aに流入するか否かのゲーム)を行う特定ゲーム機構(本変形例の場合、第1誘導流路930a、回転体920、第2誘導流路940a及び擬似入賞口900a)と、特定ゲームの結果が所定結果になったと判定した場合に、所定演出(本変形例の場合、アシスト図柄演出)を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備えている。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、アウト領域等の流入領域(アウトゾーンユニット900)内で特定ゲーム(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特定ゲーム(遊技球演出)は、流入領域(アウトゾーンユニット900)に流入した遊技球を用いた演出であり、入賞領域に入賞する可能性のある遊技球を用いた演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
また、変形例13の遊技機10によれば、入賞領域(本変形例の場合、始動入賞口36)と、当該入賞領域に入賞した遊技球が流入する流入領域(アウトゾーンユニット900)と、を備えた遊技機において、流入領域内で、入賞領域に入賞した遊技球を用いて演出を行う球演出機構(本変形例の場合、第1誘導流路930a、回転体920、第2誘導流路940a及び擬似入賞口900a)を備え、球演出機構は、入賞領域に入賞した遊技球が流入可能な特定領域(擬似入賞口900a)と、入賞領域に入賞した遊技球を特定領域へと誘導する可動部材(本変形例の場合、回転体920)と、を備えている。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、アウト領域等の流入領域(アウトゾーンユニット900)内で、入賞領域に入賞した遊技球を利用した演出(遊技球演出)を行うことができる。本変形例の場合、入賞領域の後方に遊技球が流入可能な特定領域(擬似入賞口900a)が設けられており、入賞領域に入賞した遊技球を特定領域へと誘導することができるため、入賞領域に入賞した遊技球を利用した演出(遊技球演出)として、入賞領域に入賞済みの遊技球が当該入賞領域に再度入賞するかのように見せる演出を行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、流入領域(アウトゾーンユニット900)内で行う演出(遊技球演出)は、入賞領域に入賞した遊技球を利用した演出であり、入賞領域に入賞前の遊技球を利用した演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
すなわち、変形例13の遊技機10は、入賞領域(本変形例の場合、始動入賞口36)に入賞した遊技球のみが流入領域(アウトゾーンユニット900)の内部に進入可能に構成されている。具体的には、例えば、第1誘導流路部材930の周囲等には、アウトゾーンユニット900の周囲を流下する遊技球の内部への進入を防止するために、障害部材(樹脂で形成された突起状や壁状の部材等)や釘などが配設されている。
また、変形例13の遊技機10において、可動部材(回転体920)は、回転することで遊技球を持ち上げるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、遊技球を流入領域(アウトゾーンユニット900)内に長く留まらせることができるため、入賞領域に入賞した遊技球を利用した演出(遊技球演出)の演出効果を高めることができる。
また、入賞領域に入賞した遊技球を利用した演出(遊技球演出)は、流入領域(アウトゾーンユニット900)に流入した遊技球を用いた演出であり、入賞領域に入賞する可能性のある遊技球を用いた演出ではないため、入賞領域に入賞した遊技球を利用した演出(遊技球演出)として、入賞領域に入賞する可能性のある遊技球を用いて行うことのできないような演出、例えば本変形例のように可動部材(回転体920)によって遊技球を重力に逆らって持ち上げるような演出を行うことが可能となる。
なお、可動部材は、回転体920に限定されず、適宜変更可能である。可動部材は、例えば、遊技球を貯留する第1状態と遊技球を貯留しない第2状態とに変換可能な球貯留装置であってもよいし、その他、2種パチンコ機が備えるV可動部材(遊技球を特定領域へと誘導可能な可動部材)を流用したものであってもよい。
《リプレイ演出》
特定ゲームの結果が所定結果になった場合(すなわち、擬似入賞口900aに遊技球が流入した場合)に実行可能な所定演出は、アシスト図柄演出に限定されるものでなく、適宜変更可能である。当該所定演出は、例えば、リプレイ演出(具体的には、リプレイ演出における再変動演出)であっても良い。
リプレイ演出とは、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームを所定の結果態様(例えば、はずれの結果態様)で仮停止する仮停止演出と、その後、所定条件が成立したこと(本変形例の場合、擬似入賞口900aに遊技球が流入したこと)を契機に仮停止中の飾り特図変動表示ゲームを再開する再変動演出とからなる演出である。リプレイ演出を実行可能である場合、演出制御装置300は、例えば、メイン処理(図72等参照)において、図93に示すリプレイ制御処理を実行する。
例えば、特図変動表示ゲームの開始時に、当該特図変動表示ゲーム中にリプレイ演出を行うか否か決定するリプレイ演出可否抽選を行い、リプレイ演出可否抽選に当選した場合に、当該特図変動表示ゲーム中にリプレイ演出を行う。
具体的には、例えば、変動演出設定処理(図75等参照)におけるステップC521で決定した変動演出の内容が、リプレイ演出を含む内容である場合に、リプレイ演出可否抽選に当選したと判定する。そして、ステップC521で決定した変動演出の内容がリプレイ演出を含む内容である場合には、ステップC523においてリプレイ演出における仮停止演出の表示設定が行われる。これにより、飾り特図変動表示ゲームが開始し、所定時間後に当該飾り特図変動表示ゲームが所定の結果態様で仮停止する。
〔リプレイ制御処理〕
図93には、メイン処理におけるリプレイ制御処理を示した。このリプレイ制御処理では、まず、リプレイ演出における仮停止演出の実行中である(飾り特図変動表示ゲームが仮停止中である)かを判定する(ステップC421)。
仮停止演出の実行中でないと判定した場合(ステップC421;N)には、リプレイ制御処理を終了する。
一方、仮停止演出の実行中であると判定した場合(ステップC421;Y)には、擬似入賞口スイッチが遊技球を検出したかを判定する(ステップC422)。
擬似入賞口スイッチが遊技球を検出したと判定した場合(ステップC422;Y)、すなわち擬似入賞口900aに遊技球が流入した場合には、リプレイ演出における再変動演出の表示設定を行って(ステップC423)、リプレイ制御処理を終了する。これにより、仮停止中の飾り特図変動表示ゲームが再開される。
一方、擬似入賞口スイッチが遊技球を検出していないと判定した場合(ステップC422;N)、すなわち擬似入賞口900aに遊技球が流入していない場合には、仮停止中の飾り特図変動表示ゲームの残り時間値が所定の閾値未満であるかを判定する(ステップC424)。ここで、飾り特図変動表示ゲームの残り時間値とは、予め定められている当該飾り特図変動表示ゲームの変動時間の値から、当該飾り特図変動表示ゲームの開始から現時点までの時間値を引いた差分の時間値である。
仮停止中の飾り特図変動表示ゲームの残り時間値が所定の閾値未満でないと判定した場合(ステップC424;N)には、リプレイ制御処理を終了する。
一方、仮停止中の飾り特図変動表示ゲームの残り時間値が所定の閾値未満であると判定した場合(ステップC424;Y)には、リプレイ演出における再変動演出の表示設定を行って(ステップC423)、リプレイ制御処理を終了する。これにより、仮停止中の飾り特図変動表示ゲームが再開される。
飾り特図変動表示ゲームの変動時間の値は予め定められており、仮停止の時間も変動時間としてカウントされるため、例えば、仮停止中の飾り特図変動表示ゲームの変動時間が終了する直前に遊技球が擬似入賞口900aに流入した場合や、仮停止中の飾り特図変動表示ゲームの変動時間が終了するまでに遊技球が擬似入賞口900aに流入しなかった場合には、遊技球が擬似入賞口900aに流入したことを契機に当該仮停止中の飾り特図変動表示ゲームを再開することができない。よって、仮停止中の飾り特図変動表示ゲームの残り時間値が所定の閾値を下回った場合(ステップC425;Y)には、遊技球が擬似入賞口900aに流入しなくても、当該仮停止中の飾り特図変動表示ゲームを再開することとする。
このように変形例13の遊技機10は、第1態様(例えば、飾り特図変動表示ゲームを仮停止する態様)から第2態様(例えば、飾り特図変動表示ゲームを変動する態様)へと切り替え可能な所定演出(例えばリプレイ演出)を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、特定領域(擬似入賞口900a)に遊技球が流入した場合に、所定演出を第1態様から第2態様へと切り替えることよう構成可能である。
具体的には、中断可能な所定演出(例えばリプレイ演出)を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、所定演出が中断している状態(例えば飾り特図変動表示ゲームが仮停止している状態)で特定領域(擬似入賞口900a)に遊技球が流入した場合に、当該所定演出を再開するよう構成可能である。
このように構成することによって、遊技球によるリプレイ機能を設けることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、中断可能な所定演出(例えばリプレイ演出)を実行可能である場合、飾り特図変動表示ゲームが仮停止中である際にのみ遊技球が擬似入賞口900aに流入して、飾り特図変動表示ゲームが仮停止中でない際には遊技球が擬似入賞口900aに流入しないよう構成しても良い。
当該構成は、例えば、仮停止中である際には回転体920を回転させて、仮停止中でない際には回転体920を回転させずに待機させることによって実現することができる。この場合、回転体920の回転が停止している間に第1誘導流路930aが遊技球でオーバーフローする可能性があるため、回転体920を、遊技球排出部920bが所定の第1位置(本変形例の場合、最下の位置)にある状態で待機させることが好ましい。
また、当該構成は、例えば、アウトゾーンユニット900内の特定ゲーム機構(本変形例の場合、第1誘導流路930a、回転体920、第2誘導流路940a及び擬似入賞口900a)が、仮停止中である際には擬似入賞可能状態(後述)になり、仮停止中でない際には擬似入賞不可能状態(後述)になるよう構成した場合にも実現可能である。
また、特定ゲームの結果が所定結果になった場合(すなわち、擬似入賞口900aに遊技球が流入した場合)に実行可能な所定演出は、復活演出であっても良い。
具体的には、例えば、SPリーチの最終演出等においてバトル演出が実行される場合に、味方キャラクタが復活する復活演出を、遊技球が擬似入賞口900aに流入したことを契機に開始することとしても良い。さらに、前述したリプレイ演出と同様、所定のタイミングまでに遊技球が擬似入賞口900aに流入しない場合には、遊技球が擬似入賞口900aに流入しなくても、復活演出を開始するよう構成することも可能である。また、擬似入賞口900aに流入した遊技球の個数(例えば、所定時点から現時点までの間に、擬似入賞口900aに流入した遊技球の個数)を報知するメータを表示し、当該メータのレベルが最大になったことを契機に復活演出を開始するという構成することも可能である。
このような復活演出を行うことによって、擬似入賞口900aに対する付加価値を高めることができるため、興趣向上が期待できる。
また、特定ゲームの結果が所定結果になった場合(すなわち、擬似入賞口900aに遊技球が流入した場合)に実行可能な所定演出は、表示装置41等に表示されている保留表示(飾り特図始動記憶表示)の表示態様を、先読み結果等を示唆可能な表示態様(以下「最終表示態様」という。)に変化させる保留変化演出であっても良い。
具体的には、例えば、保留表示を、保留変化演出が実行される可能性があることを報知する表示態様(例えば、白く光る中間態様等)で表示可能な遊技機である場合に、中間態様等で表示されている保留表示の表示態様を最終表示態様に変化させる契機を、擬似入賞口900aへの遊技球の流入としても良い。
また、例えば、始動記憶の発生時に最終表示態様を決定し、当該始動記憶に対応する保留表示がシフトする度に表示態様を変化させるか否かの変化可否抽選を行うような遊技機である場合(あるいは、始動記憶の発生時に、最終表示態様と、表示態様を変化させる変化タイミングとを決定する遊技機でもよい)に、その変化可否抽選の結果(あるいは、決定した変化タイミング)よりも擬似入賞口900aへの遊技球の流入を優先しても良い。また、始動記憶の発生時等に、当該始動記憶に対応する保留表示の表示態様を最終表示態様まで複数回変化させることを決定した際には、擬似入賞口900aへの遊技球の流入を契機に当該保留表示の表示態様を一気に最終表示態様に変化させても良いし、擬似入賞口900aに遊技球が流入する毎に当該保留表示の表示態様を変化させても良い。
さらに、前述したリプレイ演出と同様、所定のタイミング(例えば、保留変化演出の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始時)までに遊技球が擬似入賞口900aに流入しない場合には、遊技球が擬似入賞口900aに入賞しなくても、保留変化演出を行うよう構成することも可能である。
このような保留変化演出を行うことによって、擬似入賞口900aへの遊技球の流入に注目を集めることが可能となる。また、擬似入賞口900aへの遊技球の流入と、演出との関連性を高めることができるため、興趣向上が期待できる
また、擬似入賞口900aへの遊技球の流入を契機に、実行中や実行前の変動表示ゲームの期待度等を報知する特定の画像(カットイン画像やキャラクタ画像など)を表示することも可能である。この場合も、興趣向上が期待できる。
また、所定の演出(例えば、所定の変動表示ゲームに対する予告演出)の実行権利をストックする演出が可能であり、当該実行権利のストック数を報知する所定の報知画像を表示装置41等に表示可能である場合、擬似入賞口900aへの遊技球の流入を契機に、当該所定の報知画像を表示することも可能である。この場合も、興趣向上が期待できる。
《遊技球先読み演出》
また、特定ゲームの結果(すなわち、擬似入賞口900aに遊技球が流入したか否か)によって、先読み結果を報知(示唆)することも可能である。すなわち、入賞領域に入賞した遊技球を利用した先読み予告演出(遊技球先読み演出)を実行することも可能である。
この場合、例えば、アウトゾーンユニット900内の特定ゲーム機構(本変形例の場合、第1誘導流路930a、回転体920、第2誘導流路940a及び擬似入賞口900a)を、擬似入賞口900aに遊技球を流入させる状態(以下「擬似入賞可能状態」という。)と擬似入賞口900aに遊技球を流入させない状態(以下「擬似入賞不可能状態」という。)とに変換可能に構成する。また、演出制御装置300を、特定ゲーム機構を擬似入賞可能状態に変換する制御と擬似入賞不可能状態に変換する制御とを実行可能に構成する。そして、特定ゲーム機構を擬似入賞可能状態に変換することによって、遊技者にとって期待度が高い状態となる可能性が高い(リーチが発生する可能性が高い、特別結果となる可能性が高い等)ことを報知し、特定ゲーム機構を擬似入賞不可能状態に変換することによって、遊技者にとって期待度が高い状態となる可能性が低い(リーチが発生する可能性が低い、特別結果となる可能性が低い等)ことを報知する。
前述したように、遊技制御装置100は、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。この遊技結果事前判定の結果が先読み結果である。すなわち、先読み結果は、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果であり、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングよりも前に遊技制御装置100から演出制御装置300へと送信される。
具体的には、先読み結果として、例えば、先読み図柄系コマンド(先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンド等)及び先読み変動系コマンド(先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンド等)が遊技制御装置100から演出制御装置300へと送信される。
先読み図柄系コマンド及び先読み変動系コマンドは、先読み予告演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み予告演出(先読み予告、あるいは先読み演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいは、どんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41等に表示する飾り始動記憶表示を通常と異なる態様で行ったり、表示装置41等に演出表示を行ったりする演出である。そして、先読み系コマンド(先読み図柄系コマンド及び先読み変動系コマンド)は、先読み予告演出の対象となる始動記憶(先読み対象の始動記憶)に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の図柄系コマンドや変動系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
ここで、演出制御装置300は、先読み図柄系コマンドを受信した場合に、図94に示す先読み図柄系コマンド処理を実行する。また、先読み変動系コマンドを受信した場合に、図95に示す先読み変動系コマンド処理を実行する。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
図94には、受信コマンド解析処理(図39参照)における先読み図柄系コマンド処理(ステップC124)を示した。この先読み図柄系コマンド処理では、まず、最新の保留情報が特図1保留であるかを判定する(ステップC811)。
最新の保留情報が特図1保留である場合(ステップC811;Y)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図1保留に関するものである場合には、コマンドを特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC812)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC814)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
一方、最新の保留情報が特図1保留でない場合(ステップC811;N)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図2保留に関するものである場合には、コマンドを特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC813)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC814)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
ステップC814で先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットするのは、先読み図柄コマンドと先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)とがセット(ペア)のためである。
〔先読み変動系コマンド処理〕
図95には、受信コマンド解析処理(図39参照)における先読み変動系コマンド処理(ステップC126)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動コマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC821)。ここでは、上述の先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動コマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。
先読み変動コマンド受信待ち中でない場合(ステップC821;N)には、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、先読み変動コマンド受信待ち中である場合(ステップC821;Y)には、先読み変動コマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC822)。
その後、ステップC823〜C826の処理では、遊技制御装置100から受信した先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)を、演出制御装置300での処理に便利なように変換する処理を行う。
まず、最新保留情報の図柄の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定する処理(ステップC823)を行って、今回受信した先読み変動系コマンドに対応する始動記憶の特図種別の情報と当該特図種別の現在の保留数とに応じて、MODEを変換するためのMODE変換テーブルを設定する。
次いで、設定したMODE変換テーブルを参照して、先読み変動コマンドのMODEに対応するサブ内先読み変動コマンドMODEを取得する(ステップC824)。次いで、先読み変動ACT変換テーブルを設定して(ステップC825)、先読み変動コマンドのACTに対応するサブ内先読み変換コマンドACTを取得する(ステップC826)。
MODEには前半変動の情報が含まれているが、このMODEに基づき設定される前半変動の内容や時間は判定時における保留数によって変化するので、事前判定時の判定と特図変動表示ゲーム開始時の判定とで判定結果が異なる場合がある。よって、判定時の保留数に影響されずに先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにするために、現在の保留数に応じた変換態様でMODEを変換し、判定時の保留数によらずに共通して扱うことができるようにしている。例えば、リーチなしはずれ変動であって保留の状況によっては短い前半変動時間になる可能性があるものや、リーチなしはずれ変動であって保留の状況にかかわらず長い前半変動時間となるもののように、先読み予告演出の設定で考慮する事項で区分けしたMODEに変換しておき、先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにする。
また、ACTにはリーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報が含まれている。このACTに基づき設定される後半変動の内容は判定時の保留数によって変化することはない。しかし、例えばノーマルリーチでも、最終停止図柄がリーチ図柄の1コマ手前で停止するはずれと、1コマ先で停止するはずれと、当りの場合とが設定されているように、同種のリーチでも様々な態様があり、このそれぞれに対応したACTが設定されているため、値の範囲が広いものとなっている。このため、同一系統のリーチに対応するACTを同一のACTに変換することで数を減らし、先読み予告演出の処理におけるチェックなどの処理負担を軽減するようにしている。
次いで、変換後のMODE、ACTは共に0以外であるかを判定する(ステップC827)。
変換後のMODE、ACTは共に0以外でない場合(ステップC827;N)には、異常なコマンド値であるので先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、変換後のMODE、ACTは共に0以外である場合(ステップC827;Y)には、変換後コマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域にセーブして(ステップC828)、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC829)を行う。
先読みコマンド整合チェック処理(ステップC829)の結果、コマンド組合せが正常でない場合(ステップC830;N)には、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC830;Y)には、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC831)を行い、遊技球先読み演出を発生するかを判定する(ステップC832)。
遊技球先読み演出を発生しない場合(ステップC832;N)には、遊技球先読み演出以外の先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC834)。
一方、遊技球先読み演出を発生する場合(ステップC832;Y)、すなわち先読み抽選処理(ステップC831)で選出された先読み予告演出に遊技球先読み演出が含まれる場合には、遊技球先読み演出に対応する動作を設定して(ステップC833)、遊技球先読み演出以外の先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC834)。
遊技球先読み演出以外の先読み予告演出を発生しない場合(ステップC834;N)には、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、遊技球先読み演出以外の先読み予告演出を発生する場合(ステップC834;Y)には、当該発生する先読み予告演出(すなわち、先読み抽選処理(ステップC831)で選出された先読み予告演出(遊技球先読み演出以外の先読み予告演出))が、直ちに開始する演出であるかを判定する(ステップC835)。直ちに開始する演出とは、例えば、表示装置41等に表示される飾り始動記憶表示の表示態様を現時点から変更する保留変化予告である。また、直ちに開始しない演出とは、特図変動表示ゲームの実行中に行う先読み予告演出であって、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタによって予告を行う演出、飾り始動記憶表示の表示態様を現時点よりも後のタイミングで変更する保留変化予告などである。なお、このような直ちに開始しない演出の実行を開始するタイミングとしては、特図変動表示ゲームの実行中であればその特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームの実行が開始されるタイミングなどが該当する。
直ちに開始する演出でない場合(ステップC835;N)には、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合は、先読み予告演出を実行する特図変動表示ゲームの開始時などに予告の設定を行う。
一方、直ちに開始する演出である場合(ステップC835;Y)には、選出された先読み予告演出(遊技球先読み演出以外の先読み予告演出)に対応する表示を設定し(ステップC836)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
先読み抽選処理(ステップC831)では、例えば、抽選対象の始動記憶が第1始動記憶である場合(すなわち、最新の保留情報が特図1保留である場合)に、遊技球先読み演出に対する抽選が、その他の先読み予告演出に対する抽選とともに実行される。遊技球先読み演出に対する抽選においては、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が特別結果である場合には、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が特別結果でない場合よりも高い確率で、遊技球先読み演出を実行することが決定(すなわち、遊技球先読み演出が選出)される。あるいは、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム中にリーチ演出が発生する場合には、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム中にリーチ演出が発生しない場合よりも高い確率で、遊技球先読み演出を実行することが決定(すなわち、遊技球先読み演出が選出)される。以下、抽選対象の始動記憶を発生させた遊技球を「対象遊技球」という。
そして、先読み抽選処理で選出された先読み予告演出に遊技球先読み演出が含まれる場合(ステップC832;Y)には、遊技球先読み演出に対応する動作が設定される(ステップC833)。遊技球先読み演出に対応する動作を設定した場合には、演出制御装置300は、所定の第1時間の経過後に、特定ゲーム機構を擬似入賞不可能状態から擬似入賞可能状態に変換し、当該変換から所定の第2時間の経過後に、特定ゲーム機構を擬似入賞可能状態から擬似入賞不可能状態に変換するよう構成されている。
図91及び図92に示すアウトゾーンユニット900を、例えば図96に示すように変更した場合、具体的には、回転体920が有する孔部の全てが遊技球収容部920aとなるよう変更するとともに、各遊技球収容部920aに設けられた排出規制壁922が開閉可能となるように変更した場合に、特定ゲーム機構は擬似入賞可能状態と擬似入賞不可能状態とに変換可能となる。
具体的には、この開閉可能な排出規制壁922は、閉鎖している状態では遊技球の排出(遊技球が孔部の前方から後方へと通り抜けること)を規制できるが、開放している状態では遊技球の排出を規制できないようになっている。
したがって、例えば図96(a)に示すように、回転体920の遊技球収容部920aに設けられた排出規制壁922が閉鎖している場合には、当該遊技球収容部920aに流入した遊技球は、回転体920及び第2誘導流路940aによって擬似入賞口900aへと誘導されることとなる。
一方、例えば図96(b)に示すように、回転体920の遊技球収容部920aに設けられた排出規制壁922が開放している場合には、当該遊技球収容部920aに流入した遊技球は、当該遊技球収容部920aを通り抜けて、球排出ユニット(排出ユニット86等)へと排出されることとなる。
すなわち、全ての排出規制壁922(あるいは、対象遊技球が流入する予定の遊技球収容部920aに設けられた排出規制壁922)が閉鎖することによって、特定ゲーム機構は擬似入賞可能状態になり、全ての排出規制壁922(あるいは、対象遊技球が流入する予定の遊技球収容部920aに設けられた排出規制壁922)が開放することによって、特定ゲーム機構は擬似入賞不可能状態になる。この場合、回転体920の動きは一定のまま擬似入賞可能状態と擬似入賞不可能状態とを切り替えることができる。すなわち、擬似入賞可能状態であるか擬似入賞不可能状態であるかが、遊技者が一見して判別しにくいため、擬似入賞不可能状態である場合にも興趣の低下を抑制できる。
前述したように、演出制御装置300は、所定の第1時間の経過後に、特定ゲーム機構を擬似入賞不可能状態から擬似入賞可能状態に変換し、当該変換から所定の第2時間の経過後に、特定ゲーム機構を擬似入賞可能状態から擬似入賞不可能状態に変換するよう構成されている。図96に示す構成の場合、第1時間は、例えば、遊技球が始動入賞口36に入賞してから回転体920の孔部に流入するまでに要する時間よりも若干短い時間であり、第1誘導流路930aの長さ等に基づき予め設定されている。また、第2時間は、例えば、遊技球が回転体920の孔部に流入してから第2誘導流路940aに流入するまでに要する時間、すなわち回転体920の孔部が第1位置(本変形例の場合、最下の位置)から第2位置(本変形例の場合、最上の位置)まで移動するのに要する時間よりも若干長い時間であり、回転体920の回転速度等に基づき予め設定されている。
これにより、例えば、対象遊技球が回転体920の孔部に流入する直前のタイミング(流入する直前と推測されるタイミング)で、特定ゲーム機構を擬似入賞不可能状態から擬似入賞可能状態に変換することが可能となるとともに、当該対象遊技球が第2誘導流路940aに流入した直後のタイミング(流入した直後と推測されるタイミング)で、特定ゲーム機構を擬似入賞可能状態から擬似入賞不可能状態に変換することが可能となる。
あるいは、図91及び図92に示すアウトゾーンユニット900を、例えば図97に示すように変更した場合、具体的には、第2誘導流路部材940が所定の回動軸(例えば上流側突起部941)を中心に回動可能となるよう変更するとともに、回転体920が有する孔部の全てが遊技球収容部920a(開閉不能な排出規制壁922を有する遊技球収容部920a)となるように変更した場合にも、特定ゲーム機構は擬似入賞可能状態と擬似入賞不可能状態とに変換可能となる。
具体的には、この回動可能な第2誘導流路部材940は、回動することで、第2誘導流路940aの上流側が下流側よりも高い位置に配された上流側高状態と、第2誘導流路940aの上流側が下流側よりも低い位置に配された上流側低状態とに変換できるようになっている。
したがって、例えば図97(a)に示すように、第2誘導流路部材940が上流側高状態である場合には、第2誘導流路940aに流入した遊技球は、下流側(擬似入賞口900a側)へと流下し、第2誘導流路部材940から落下して、擬似入賞口900aに流入することとなる。
一方、例えば図97(b)に示すように、第2誘導流路部材940が上流側低状態である場合には、第2誘導流路940aに流入した遊技球は、下流側(擬似入賞口900a側)とは反対側へと流下し、第2誘導流路部材940から落下して、アウトゾーンユニット900の外部(遊技領域32)のアウト口30aに流入することとなる。
すなわち、第2誘導流路部材940が上流側高状態に変換することによって、特定ゲーム機構は擬似入賞可能状態になり、第2誘導流路部材940が上流側低状態に変換することによって、特定ゲーム機構は擬似入賞不可能状態になる。
前述したように、演出制御装置300は、所定の第1時間の経過後に、特定ゲーム機構を擬似入賞不可能状態から擬似入賞可能状態に変換し、当該変換から所定の第2時間の経過後に、特定ゲーム機構を擬似入賞可能状態から擬似入賞不可能状態に変換するよう構成されている。図97に示す構成の場合、第1時間は、例えば、遊技球が始動入賞口36に入賞してから第2誘導流路940aに流入するまでに要する時間よりも若干短い時間であり、第1誘導流路930aの長さや回転体920の回転速度などに基づき予め設定されている。また、第2時間は、例えば、遊技球が第2誘導流路940aに流入してから擬似入賞口900aに流入するまでに要する時間よりも若干長い時間であり、第2誘導流路940aの長さ等に基づき予め設定されている。
これにより、例えば、対象遊技球が第2誘導流路940aに流入する直前のタイミング(流入する直前と推測されるタイミング)で、特定ゲーム機構を擬似入賞不可能状態から擬似入賞可能状態に変換することが可能となるとともに、当該対象遊技球が擬似入賞口900aに流入した直後のタイミング(流入した直後と推測されるタイミング)で、特定ゲーム機構を擬似入賞可能状態から擬似入賞不可能状態に変換することが可能となる。
また、図91及び図92に示すアウトゾーンユニット900を、例えば図98に示すように変更した場合、具体的には、第1誘導流路930aに支流路930b(第1誘導流路930aから分かれ出た流路)を設けて当該支流路930bへの分岐点に開閉扉931を備えるよう変更するとともに、回転体920が有する孔部の全てが遊技球収容部920a(開閉不能な排出規制壁922を有する遊技球収容部920a)となるように変更した場合にも、特定ゲーム機構は擬似入賞可能状態と擬似入賞不可能状態とに変換可能となる。
具体的には、この開閉扉931は、回動することで、第1誘導流路930aの下流部分の入口を開放して支流路930bの入口を閉鎖する本流開放状態と、第1誘導流路930aの下流部分の入口を閉鎖して支流路930bの入口を開放する本流閉鎖状態とに変換できるようになっている。
したがって、例えば図98(a)に示すように、開閉扉931が本流開放状態である場合には、第1誘導流路930aを流下中の遊技球は、第1誘導流路930aの下流部分に進入し、回転体920の孔部(遊技球収容部920a)に流入して、回転体920及び第2誘導流路940aによって擬似入賞口900aへと誘導されることとなる。
一方、例えば図98(b)に示すように、開閉扉931が本流閉鎖状態である場合には、第1誘導流路930aを流下中の遊技球は、支流路930bに進入し、第1誘導流路部材930から落下して、アウトゾーンユニット900の外部(遊技領域32)のアウト口30aに流入することとなる。
すなわち、開閉扉931が本流開放状態に変換することによって、特定ゲーム機構は擬似入賞可能状態になり、開閉扉931が本流閉鎖状態に変換することによって、特定ゲーム機構は擬似入賞不可能状態になる。
前述したように、演出制御装置300は、所定の第1時間の経過後に、特定ゲーム機構を擬似入賞不可能状態から擬似入賞可能状態に変換し、当該変換から所定の第2時間の経過後に、特定ゲーム機構を擬似入賞可能状態から擬似入賞不可能状態に変換するよう構成されている。図98に示す構成の場合、第1時間及び第2時間は、例えば、第1誘導流路930aの長さや支流路930bの位置などに基づき予め設定されている。
具体的には、第1時間は、例えば、対象遊技球が支流路930bへの分岐点に到着する直前のタイミング(到着する直前と推測されるタイミング)で、特定ゲーム機構を擬似入賞不可能状態から擬似入賞可能状態に変換することが可能となる時間に設定されている。また、第2時間は、例えば、当該対象遊技球が第1誘導流路930aの下流部分の入口(すなわち、遊技盤本体81に設けられた貫通孔81bの入口(前端))を通過した直後のタイミング(通過した直後と推測されるタイミング)で、特定ゲーム機構を擬似入賞可能状態から擬似入賞不可能状態に変換することが可能となる時間に設定されている。
このように変形例13の遊技機10は、入賞領域(本変形例の場合、始動入賞口36)と、当該入賞領域に入賞した遊技球が流入する流入領域(アウトゾーンユニット900)と、を備えた遊技機において、流入領域内で、入賞領域に入賞した遊技球を用いて特定ゲーム(本変形例の場合、遊技球が擬似入賞口900aに流入するか否かのゲーム)を行う特定ゲーム機構(本変形例の場合、第1誘導流路930a、回転体920、第2誘導流路940a及び擬似入賞口900a)と、所定の情報(本変形例の場合、先読み結果)を、特定ゲームの結果によって報知する報知手段(演出制御装置300)と、を備えるよう構成可能である。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、アウト領域等の流入領域(アウトゾーンユニット900)内で特定ゲーム(遊技球演出)を行うことができるとともに、特定ゲームの結果によって所定の情報を報知することができるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、特定ゲーム(遊技球演出)は、流入領域(アウトゾーンユニット900)に流入した遊技球を用いた演出であり、入賞領域に入賞する可能性のある遊技球を用いた演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
また、変形例13の遊技機10は、入賞領域(本変形例の場合、始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき入賞記憶を記憶する入賞記憶手段(演出制御装置300)と、入賞記憶に基づいて、複数の識別情報による変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を実行するゲーム実行手段(演出制御装置300)と、入賞記憶を、当該入賞記憶に基づく変動表示ゲームが実行される以前に判定する事前判定手段(演出制御装置300)と、を備え、報知手段(演出制御装置300)は、事前判定手段の判定結果(先読み結果)を、特定ゲームの結果によって報知するよう構成可能である。
このように構成することによって、特定ゲームの結果により先読み結果を報知することができるため、遊技の興趣を高めることができる。
なお、特定ゲームの結果によって報知する所定の情報は、先読み結果、すなわち実行前の変動表示ゲームの遊技結果(未消化変動の結果関連情報)に限定されるものではなく、適宜変更可能であり、例えば、実行中の変動表示ゲームの遊技結果(消化中変動の結果関連情報)であっても良い。
《遊技球貯留装置》
また、アウトゾーンユニット900は、遊技球貯留装置960を備えていても良い。この遊技球貯留装置960は、例えば、上大入賞口内部ユニット83c(図3や図5参照)が配設されている位置と略同一の位置に、当該上大入賞口内部ユニット83cに替えて設けることができる。この場合、遊技機10は、下可動装置44a(図3や図5参照)を備えていなくても良い。
図99(a)は、遊技球貯留装置960を備えるアウトゾーンユニット900の前面側から見た斜視図であり、図99(b)は、遊技球貯留装置960の前面側から見た斜視図である。
図99(a),(b)に示すように、遊技球貯留装置960は、例えば、外形略直方体状のケース部材961と、ケース部材961に設けられた流出口961bを開閉する開閉部材962と、開閉部材962を駆動する開閉駆動機構部(図示省略)とを備えて構成される。
ケース部材961の前面壁には、前後方向に貫通する遊技球が通過可能なサイズの流入口961aが設けられている。また、ケース部材961の右側面壁には、左右方向に貫通する遊技球が通過可能なサイズの流出口961bが設けられている。なお、流入口961aの配設位置や流出口961bの配設位置は適宜変更可能である。具体的には、流出口961bは、例えば、ケース部材961の底面壁に設けられていても良い。
図99(a)に示すように、ケース部材961の流入口961aは、入賞口形成部材910の後端と接続している。したがって、擬似入賞口900aに流入した遊技球は、入賞口形成部材910の開口部912を通過することで、ケース部材961の流入口961aから当該ケース部材961の内部に進入して、当該ケース部材961の内部に貯留される。
ケース部材961は、当該ケース部材961の内部に貯留されている遊技球を前方から視認可能なように光透過性を有している。すなわち、ケース部材961は、透明又は半透明の部材である。
開閉部材962は、例えば図99(a)に示すように、ケース部材961の流出口961bを閉じた状態と、例えば図99(b)に示すように、ケース部材961の流出口961bを開いた状態とに変換可能となっている。開閉部材962が開いた状態になった場合に、ケース部材961の内部に貯留されている遊技球は、流出口961bを通過して、球排出ユニット(排出ユニット86等)へと排出される。
演出制御装置300は、例えば、所定の開タイミングになった場合に開閉部材962を閉じた状態から開いた状態に変換し、所定の閉タイミングになった場合に開閉部材962を開いた状態から閉じた状態に変換するよう構成されている。
ここで、開閉部材962を開いた状態に変換する開タイミングは、適宜選択可能であり、例えば、閉タイミングから所定時間が経過した時であっても良いし、ケース部材961の内部に貯留されている遊技球の個数が所定の閾値を超えた時であっても良いし、遊技者が操作手段(例えば演出ボタン25)を所定の操作態様で操作した時であっても良いし、所定の演出の開始時(あるいは終了時)であっても良いし、変動表示ゲームの開始時(あるいは終了時)であっても良い。ケース部材961の内部に貯留されている遊技球の個数は、例えば、擬似入賞口スイッチが遊技球を検出した回数をカウントすることによって判断可能である。
また、開閉部材962を閉じた状態に変換する閉タイミングは、適宜選択可能であり、例えば、開タイミングから所定時間が経過した時である。当該所定時間は、例えば、ケース部材961の内部が遊技球で満杯である場合にケース部材961内の全ての遊技球を排出するのに要する時間よりも若干長い時間であり、ケース部材961のサイズや形状などに基づき予め設定されている。
このように、アウトゾーンユニット900に遊技球貯留装置960を備えて、擬似入賞口900aに流入した遊技球をケース部材961の内部に貯留することによって、始動入賞口36に入賞した遊技球の量を遊技者に実感させることが可能となる。
なお、始動入賞口36に入賞した遊技球の全部をケース部材961の内部に貯留する等の観点から、回転体920が有する孔部は全て遊技球収容部920aであることが好ましい。
《始動入賞ユニット》
アウトゾーンユニット900に替えて、始動入賞ユニット360を設けても良い。すなわち、本変形例の遊技盤30においては、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)と擬似入賞口360aとを備える始動入賞ユニット360が、アウト口30aの上方に配設されていても良い。
図100は、始動入賞ユニット360を備える遊技機10の遊技盤30の要部を説明する図であって、前面側から見た図(正面図)である。
図100に示すように、始動入賞ユニット360は、例えば、略板状のベース部材361と、ベース部材361の上部に取り付けられた通過口形成部材362と、ベース部材361の略中央部に取り付けられた回転体363とを備えて構成される。
ベース部材361における回転体363の左方及び右方には、擬似入賞口360aが設けられている。また、ベース部材361における回転体363の上方であって通過口形成部材362の下方には、流出口364が設けらている。
通過口形成部材362は、上部(ステージ部42)に向けて開口する通過口362aを形成している。通過口362aに流入した遊技球は、例えば、ベース部材361の後面側に配設された裏面流路(図示省略)を通過して、ベース部材361に設けられた流出口364からベース部材361の前面側(すなわち始動入賞ユニット360の内部)に流出する。
通過口362aは、通常の始動口に見せかけた形状をなしている。これにより、実際には始動入賞ユニット360の内部に進入した遊技球が始動入賞口36に入賞可能であるが、通過口362aを通常の始動口に見せかけた形状にすることによって、始動口(例えば始動入賞口36)に入賞した遊技球が、始動入賞ユニット360の内部に進入するかのように見せることができる。
ベース部材361の前面側には、前方へ延出するリブ状の左延出壁365及び右延出壁366が設けられている。
左延出壁365は、流出口364から流出した遊技球を、左側の擬似入賞口360aへと誘導する誘導流路を形成している。
また、右延出壁366は、流出口364から流出した遊技球を、右側の擬似入賞口360aへと誘導する誘導流路を形成している。
さらに、左延出壁365及び右延出壁366は、始動入賞ユニット360の周囲を流下する遊技球の内部への進入を防止する機能も有する。具体的には、始動入賞ユニット360の内部は、通過口形成部材362と回転体363と左延出壁365と右延出壁366とによって囲まれており、これにより、通過口362aに流入した遊技球以外の遊技球が、始動入賞ユニット360の内部に進入することを防止している。すなわち、通過口362aに流入した遊技球のみが、始動入賞ユニット360の内部に進入可能となっている。
なお、ベース部材361の前面のうち、少なくとも通過口形成部材362と回転体363と左延出壁365と右延出壁366とによって囲まれた部分には、装飾が施されていることが好ましい。
回転体363は、例えば、円板部材に当該円板部材の外周面の一部を中心に向けて窪ませた凹部を設けた形状をなしており、当該凹部に始動入賞口36が形成されている。回転体363は、一定速度で左右に回動するよう構成されている。なお、回転体363は、一定速度で一定方向(例えば、前面側から見て時計回り方向)に回転するよう構成されていても良い。
回転体363は、左右に回動することで、流出口364から流出した遊技球が始動入賞口36に入賞可能な入賞可能状態と入賞困難(あるいは入賞不可能)な入賞困難状態とに変換可能である。
具体的には、例えば図101(a)に示すように始動入賞口36が流出口364を向いている状態は、入賞可能状態である。
一方、例えば図101(b)に示すように始動入賞口36が左側の擬似入賞口360aを向いている状態や、例えば図101(c)に示すように始動入賞口36が右側の擬似入賞口360aを向いている状態は、入賞困難状態である。回転体363が入賞困難状態である場合等、流出口364から流出した遊技球が始動入賞口36に流入できなかった場合には、当該遊技球は左側の擬似入賞口360a又は右側の擬似入賞口360aに流入することとなる。
始動入賞口36に入賞した遊技球(すなわち、始動入賞口36に流入し始動口1スイッチ36aによって検出された遊技球)は、球排出ユニット(排出ユニット86等)へと排出される。
また、擬似入賞口360aに流入した遊技球も、球排出ユニット(排出ユニット86等)へと排出される。擬似入賞口360aに流入した遊技球は、擬似入賞口スイッチ(図示省略)によって検出される。擬似入賞口スイッチの検出信号は演出制御装置300に出力され、擬似入賞口スイッチが遊技球を検出すると、演出制御装置300は、所定の演出を実行するよう構成されている。
このように、始動入賞ユニット360は、通過口362aに流入した遊技球を内部で始動入賞口36と擬似入賞口360aとに振り分けることができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技球が擬似入賞口360aに流入した場合(すなわち始動入賞口36に入賞しなかった場合)には、所定の演出を実行するため、遊技球が始動入賞口36に入賞しなかった際の遊技者の落胆や喪失感を軽減することができる。
なお、始動入賞ユニット360の内部は前方から視認可能となっている。
また、演出制御装置300は、擬似入賞口360aに遊技球が流入した場合(すなわち擬似入賞口スイッチの検出信号が当該演出制御装置300に出力された場合)には、所定の演出(擬似入賞口360aに遊技球が流入した場合に実行される演出)の実行権利である演出記憶を記憶し、未消化の演出記憶の数を表示するようにしても良い。未消化の演出記憶の数は、未消化の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示と区別可能なように表示することが好ましい。
《アウトゾーンユニットの変形例》
アウト口30aの上方に配設され、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)及び擬似入賞口を備えるアウトゾーンユニットは、図91及び図92に示すアウトゾーンユニット900に限定されず、適宜変更可能であり、例えば図102に示すアウトゾーンユニット1900であっても良い。
図102に示すように、アウトゾーンユニット1900は、例えば、略板状のベース部材1910と、ベース部材1910の上部に取り付けられた振分部材1920と、ベース部材1910の略中央部に取り付けられた回転体1930と、ベース部材1910の右部に取り付けられた球転動部材1940とを備えて構成される。
ベース部材1910における振分部材1920の上方には、始動入賞口36が設けられているとともに、ベース部材1910における球転動部材1940の下方には、擬似入賞口1900aが設けられている。また、ベース部材1910における振分部材1920の後方には、上側アウト口1911が設けられているとともに、ベース部材1910における回転体1930の下方には、下側アウト口1912が設けらている。また、ベース部材361における振分部材1920の上方であって始動入賞口36の下方には、流出口1913が設けらている。
始動入賞口36に入賞した遊技球は、例えば、ベース部材1910の後面側に配設された裏面流路(図示省略)を通過して、ベース部材1910に設けられた流出口1913からベース部材1910の前面側(すなわちアウトゾーンユニット1900の内部)に流出する。
ベース部材1910の前面側には、前方へ延出するリブ状の左外側延出壁1951、左内側延出壁1952、右外側延出壁1953、右内側延出壁1954及び進入防止壁1955が設けられている。
左外側延出壁1951及び左内側延出壁1952は、流出口1913から流出し振分部材1920によって左側に振り分けられた遊技球を、下側アウト口1912へと誘導する誘導流路を形成している。
また、右外側延出壁1953及び右内側延出壁1954は、流出口1913から流出し振分部材1920によって右側に振り分けられた遊技球を、球転動部材1940へと誘導する誘導流路を形成している。
また、進入防止壁1955は、左外側延出壁1951及び右外側延出壁1953とともに、アウトゾーンユニット1900の周囲を流下する遊技球の内部への進入を防止している。具体的には、アウトゾーンユニット1900の内部は、左外側延出壁1951と右外側延出壁1953と進入防止壁1955とによって囲まれており、これにより、始動入賞口36に入賞した遊技球以外の遊技球が、アウトゾーンユニット1900の内部に進入することを防止している。すなわち、始動入賞口36に入賞した遊技球のみが、アウトゾーンユニット1900の内部に進入可能となっている。
振分部材1920は、例えば、凹部1921を有する略V字状の部材であり、当該凹部1921で遊技球を受け止めることが可能となっている。振分部材1920は、回動軸1922を中心にして、一定速度で左右に回動するよう構成されている。
振分部材1920は、左右に回動することで、始動入賞口36に入賞し流出口1913から流出した遊技球を凹部1921で受け止めて後側(上側アウト口1911)へと振り分ける後振分状態と、始動入賞口36に入賞し流出口1913から流出した遊技球を左側へと振り分ける左振分状態と、始動入賞口36に入賞し流出口1913から流出した遊技球を右側へと振り分ける右振分状態とに変換可能である。
具体的には、例えば図103(a)に示すように、凹部1921が上方(始動入賞口36)を向いている状態は、後振分状態である。振分部材1920が後振分状態である場合、始動入賞口36に入賞し流出口1913から流出した遊技球は、振分部材1920の凹部1921に受け止められて当該振分部材1920の後方に形成された上側アウト口1911に流入し、球排出ユニット(排出ユニット86等)へと排出される。
また、例えば図103(b)に示すように、凹部1921が右方を向いている状態は、左振分状態である。振分部材1920が左振分状態である場合、始動入賞口36に入賞し流出口1913から流出した遊技球は、振分部材1920の左側面や左外側延出壁1951及び左内側延出壁1952によって下側アウト口1912へと誘導される。下側アウト口1912に流入した遊技球は、球排出ユニット(排出ユニット86等)へと排出される。
また、例えば図103(c)に示すように、凹部1921が左方を向いている状態は、右振分状態である。振分部材1920が右振分状態である場合、始動入賞口36に入賞し流出口1913から流出した遊技球は、振分部材1920の右側面や右外側延出壁1953及び右内側延出壁1954によって球転動部材1940へと誘導される。球転動部材1940へと誘導された遊技球は、球転動部材1940を介して擬似入賞口1900aに流入し、球排出ユニット(排出ユニット86等)へと排出される。
回転体1930は、円板状の部材であり、厚み方向が前後方向に略一致した状態で配設されている。回転体1930は、一定速度で一定方向(この例の場合、前面側から見て時計回り方向)に回転する。
回転体1930には、磁石が内蔵されている。この磁石は、回転体1930の外周面の磁石配置箇所(磁石が配置された箇所)に接触した遊技球を、当該磁石配置箇所に吸着(接触した状態で保持)するためのものである。遊技球は、回転体1930の磁石配置箇所に接触すると、当該磁石配置箇所に吸着されて、回転する回転体1930によって下から上へと持ち上げられ、球転動部材1940へと誘導される。
したがって、下側アウト口1912へと誘導された遊技球は、下側アウト口1912に流入する前に回転体1930の磁石配置箇所に吸着した場合には、下側アウト口1912に流入せずに、球転動部材1940へと誘導される。
一方、下側アウト口1912へと誘導された遊技球は、回転体1930の磁石配置箇所に吸着しなかった場合には、下側アウト口1912に流入する。
なお、図102及び図103に示す例では、回転体1930の磁石配置箇所が1箇所(具体的には、回転体1930の前面に施された三角模様が指す箇所)だけであるが、磁石配置箇所は複数箇所であっても良い。
球転動部材1940は、円形皿状の部材であって、いわゆるクルーンと呼ばれるものであり、上面は中央に向かって下る傾斜面となっていて、略中央部に遊技球を下方の擬似入賞口1900aへ流下させる連通孔1941が形成されている。球転動部材1940に流入した遊技球は、周回しながら徐々に中央へ流下し、連通孔1941から擬似入賞口1900aへ流下するようになっている。
擬似入賞口1900aに流入した遊技球は、擬似入賞口スイッチ(図示省略)によって検出される。擬似入賞口スイッチの検出信号は演出制御装置300に出力され、擬似入賞口スイッチが遊技球を検出すると、演出制御装置300は、所定の演出を実行するよう構成されている。当該所定の演出としては、例えば、激熱キャラクタやキャラクタの群などが出現する演出が実行される。
演出制御装置300は、例えば、始動入賞口36に遊技球が入賞した時に、当該入賞に基づき記憶される始動記憶を抽選対象として、振分部材1920を回動させる振分演出を行うか否か決定する振分演出可否抽選を行う。この振分演出は先読み予告演出の一種であり、振分演出可否抽選においては、例えば、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が特別結果である場合には、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が特別結果でない場合よりも高い確率で、振分演出を実行することが決定されるようになっている。すなわち、振分演出は期待度の高い演出であると言える。
振分演出として、左振分弱演出、左振分強演出、右振分演出が設定されている。なお、期待値は、例えば、左振分弱演出<右振分演出<左振分強演出の順に高くなるようになっている。
振分部材1920は、例えば、振分演出の時だけ回動し、それ以外の時は初期状態(後振分状態)を維持している。したがって、振分演出可否抽選において振分演出を実行しないことが決定された場合には、始動入賞口36に入賞し流出口1913から流出した遊技球は、振分部材1920の凹部1921に受け止められて上側アウト口1911に流入する。
一方、振分演出可否抽選において右振分演出の実行が決定された場合には、演出制御装置300は、振分部材1920を回動させて初期状態(後振分状態)から右振分状態に変換する。これにより、始動入賞口36に入賞し流出口1913から流出した遊技球は、球転動部材1940へと誘導されて擬似入賞口1900aに流入する。
また、振分演出可否抽選において左振分強演出の実行が決定された場合には、演出制御装置300は、振分部材1920を回動させて初期状態(後振分状態)から左振分状態に変換する。これにより、始動入賞口36に入賞し流出口1913から流出した遊技球は、下側アウト口1912へと誘導される。回転体1930は、例えば、左振分強演出の時だけ回転し、それ以外の時は回転しないようになっている。したがって、左振分強演出において下側アウト口1912へと誘導された遊技球は、下側アウト口1912に流入する前に回転する回転体1930の磁石配置箇所に吸着した場合には、当該回転体1930によって球転動部材1940へと誘導されて擬似入賞口1900aに流入する。一方、下側アウト口1912に流入する前に回転する回転体1930の磁石配置箇所に吸着しなかった場合には、下側アウト口1912に流入する。このように、左振分強演出では、下側アウト口1912に流入する可能性のあった遊技球が擬似入賞口1900aに流入するといった敗者復活的な演出を行うことが可能であり、遊技の興趣が向上する。
また、振分演出可否抽選において左振分弱演出の実行が決定された場合には、演出制御装置300は、振分部材1920を回動させて初期状態(後振分状態)から左振分状態に変換する。これにより、始動入賞口36に入賞し流出口1913から流出した遊技球は、下側アウト口1912へと誘導される。回転体1930は、回転停止中は、下側アウト口1912へと誘導された遊技球が磁石配置箇所に吸着できない状態(例えば、磁石配置箇所が上側(下側アウト口1912と反対側)を向いた状態)を維持している。したがって、左振分弱演出において下側アウト口1912へと誘導された遊技球は、回転体1930の磁石配置箇所に吸着せず、下側アウト口1912に流入する。
このように、アウトゾーンユニット1900を備えた遊技機10によれば、流入領域(アウトゾーンユニット1900)内で、入賞領域(例えば、始動入賞口36)に入賞した遊技球を用いて特定ゲーム(例えば、遊技球が擬似入賞口1900aに流入するか否かのゲーム)を行う特定ゲーム機構(例えば、左外側延出壁1951及び左内側延出壁1952によって形成される誘導流路、右外側延出壁1953及び右内側延出壁1954によって形成される誘導流路、振分部材1920、回転体1930、球転動部材1940及び擬似入賞口1900a)と、特定ゲームの結果が所定結果になったと判定した場合に、所定演出(例えば、激熱キャラクタやキャラクタの群などが出現する演出)を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備えている。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、アウト領域等の流入領域(アウトゾーンユニット1900)内で特定ゲーム(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特定ゲーム(遊技球演出)は、流入領域(アウトゾーンユニット1900)に流入した遊技球を用いた演出であり、入賞領域に入賞する可能性のある遊技球を用いた演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
また、アウトゾーンユニット1900を備えた遊技機10によれば、所定の情報(例えば先読み結果)を、特定ゲームの結果によって報知する報知手段(演出制御装置300)を備えるよう構成可能である。
ここでいう、特定ゲームの結果とは、例えば、「遊技球が上側アウト口1911に流入した(すなわち、振分演出が実行されなかった)」、「遊技球が左側に振り分けられて下側アウト口1912に流入した(すなわち、左振分弱演出が実行された)」、「遊技球が左側に振り分けられて擬似入賞口1900aに流入した(すなわち、左振分強演出が実行された)」、「遊技球が右側に振り分けられて擬似入賞口1900aに流入した(すなわち、右振分演出が実行された)」のいずれかである。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、アウト領域等の流入領域(アウトゾーンユニット1900)内で特定ゲーム(遊技球演出)を行うことができるとともに、特定ゲームの結果によって所定の情報を報知することができるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、特定ゲーム(遊技球演出)は、流入領域(アウトゾーンユニット1900)に流入した遊技球を用いた演出であり、入賞領域に入賞する可能性のある遊技球を用いた演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
さらに、アウトゾーンユニット1900を備えた遊技機10によれば、遊技球が流下可能な遊技領域32を備えた遊技機において、遊技領域32に設けられた入賞領域(例えば、始動入賞口36)と、入賞領域に入賞した遊技球が流入する流入領域(アウトゾーンユニット1900)と、流入領域内で、入賞領域に入賞した遊技球を用いて特定ゲーム(例えば、遊技球が擬似入賞口1900aに流入するか否かのゲーム)を行う特定ゲーム機構(例えば、左外側延出壁1951及び左内側延出壁1952によって形成される誘導流路、右外側延出壁1953及び右内側延出壁1954によって形成される誘導流路、振分部材1920、回転体1930、球転動部材1940及び擬似入賞口1900a)と、特定ゲームの結果が所定結果となった場合に所定演出(例えば、激熱キャラクタやキャラクタの群などが出現する演出)を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、特定ゲーム機構は、遊技球が転動可能な球転動部材1940と、球転動部材1940を転動した遊技球が流入可能な特定領域(擬似入賞口1900a)と、入賞領域への遊技球の入賞に基づき記憶される始動記憶の判定結果に応じて、入賞領域に入賞した遊技球を、第1アウト口(上側アウト口1911)へ向かう第1コースと、第2アウト口(下側アウト口1912)へ向かう第2コースと、球転動部材1940へ向かう第3コースと、のうちいずれか一のコースに振り分ける振分部材1920と、第2コースに振り分けられた遊技球を球転動部材1940へと誘導可能な回転部材(回転体1930)と、を備え、演出制御手段は、特定領域に遊技球が流入した場合に所定演出を実行する。
したがって、遊技の公平性や公正性を保ちつつ遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、アウト領域等の流入領域(アウトゾーンユニット1900)内で特定ゲーム(遊技球演出)を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特定ゲーム(遊技球演出)は、流入領域(アウトゾーンユニット1900)に流入した遊技球を用いた演出であり、入賞領域に入賞する可能性のある遊技球を用いた演出ではないため、遊技の公平性や公正性を保つことができる。
なお、所定演出は、激熱キャラクタやキャラクタの群などが出現する演出に限定されず適宜変更可能である。具体的には、所定演出は、例えば、一般図柄(例えば数字図柄1〜9)を変動表示した後に、一般図柄とは異なる特殊図柄(スペシャル図柄)を変動表示してリーチ状態を発生させる激熱リーチ演出、すなわち一般図柄ではずれても特殊図柄で大当りとなる演出であっても良いし、一般図柄を通常の変動方向(例えば上下方向)に変動表示した後に、一般図柄(あるいは特殊図柄)を通常の変動方向とは異なる方向(例えば左右方向)に変動表示してリーチ状態を発生させる激熱リーチ演出であっても良い。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、左側遊技領域を装飾する左側装飾部材32Lと、右側遊技領域を装飾する右側装飾部材32Rとを備えている。
パチンコ遊技機においては、遊技状態に応じて、主となる遊技領域(遊技球を発射する遊技領域)が変更される。具体的には、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、通常遊技状態)では、左側遊技領域に遊技球が発射される。その際、遊技者は、所望の位置に遊技球が発射されるよう、操作部24を操作して発射強度(発射勢)を調節する。したがって、左打ち時には、遊技者は遊技球がどのように遊技領域を流下するのか注視するため、遊技者の視野に遊技球の流下領域が入りやすい。すなわち、左側の球流下領域(左側遊技領域のうち実際に遊技球が流下可能な領域)は遊技者の視野に入りやすい。
一方、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態(大当り)や特定遊技状態(時短、確変))では、右側遊技領域に遊技球が発射される。その際、発射強度を最大に調節することが一般的である。したがって、右打ち時には、遊技者は遊技球がどのように遊技領域を流下するのかを厳密には確認しないため、遊技者の視野に遊技球の流下領域が入りづらい。すなわち、右側の球流下領域(右側遊技領域のうち実際に遊技球が流下可能な領域)は遊技者の視野に入りづらい。
ところで、従来、パチンコ遊技機には、装飾部材としてキャラクタを模したフィギアなどが配設されることがあった。しかしながら、フィギアなどで装飾部材を構成すると、製作期間の長期化、製作費の高騰などの問題が生じる。そのため、樹脂板を起伏させて成形された部材であって、表面にキャラクタを模した装飾が施された部材(プラ装飾部材)が、フィギアなどの代わりに配設されることがあった。
プラ装飾部材で装飾部材を構成した場合、製作期間の短縮、製作費の抑制に効果はあるが、フィギアなどに比べると迫力に欠けるという課題がある。また、前述したように右側の球流下領域は遊技者の視野に入りづらいため、プラ装飾部材を配設する位置などによってはプラ装飾部材が遊技者の視野に入りづらくなり、プラ装飾部材の装飾効果が十分に発揮できないという課題もある。
そこで、本実施形態では、左側装飾部材32L及び右側装飾部材32Rをプラ装飾部材で構成するとともに、左側装飾部材32L及び右側装飾部材32Rを遊技者の視野に入りやすくなるような配設態様で遊技盤30に配設することとする。
図104は、本実施形態の遊技盤30の正面図であって、下可動装置44aのメイン表示装置露出状態を示す図である。
左側装飾部材32Lは、所定のキャラクタ(例えば味方キャラクタ)を模した装飾が施された半立体状の樹脂部材である。図104に示すように、左側装飾部材32Lは、その全部が左側の球流下領域と前後方向に重複するように、左側の球流下領域の後方(例えば前方構成部材82と遊技盤本体81との間)に配設されている。
右側装飾部材32Rは、所定のキャラクタ(例えば味方キャラクタ)を模した装飾が施された半立体状の樹脂部材である。図104に示すように、右側装飾部材32Rは、その一部が右側の球流下領域と前後方向に重複するように、右側の球流下領域の後方(例えば前方構成部材82と演出ユニット83との間)に配設されている。
本実施形態において、右側装飾部材32Rは、顔部分(装飾識別部)と胴体部分(装飾本体部)とを有しており、上端側(顔部分)が下端側よりも左に位置するように斜めに配設されている。そして、胴体部分の下部が、前方構成部材82の後方における前方構成部材82と前後方向に重複する位置に配置されているとともに、顔部分の全部と胴体部分の上部とが、前方構成部材82の開口内へ張り出している。すなわち、右側装飾部材32Rの顔部分の全部と胴体部分の上部とは、ロゴ部材46b及び表示装置41の前方におけるロゴ部材46b及び表示装置41と前後方向に重複する位置に配置されている。本実施形態では、以下、ロゴ部材46b及び表示装置41を単に「表示装置41等」という。
前述したように右側の球流下領域は遊技者の視野に入りづらいため、右側装飾部材32Rの全部が右側の球流下領域に重複すると、右側装飾部材32Rも遊技者の視野に入りづらくなる。そこで、本実施形態では、右側装飾部材32Rの一部が表示装置41等の前方に張り出すことで、右側装飾部材32Rを遊技者の視野に入りやすくしている。
前方構成部材82の本体部のうち、少なくとも左側装飾部材32L及び右側装飾部材32Rと重複する部分(例えば図104において灰色で塗った部分)は、透明又は半透明となっている。すなわち、左側装飾部材32Lの全部(球流下領域と重複する部分)は前方構成部材82を透して前方から視認可能となっており、右側装飾部材32Rの一部(球流下領域と重複する部分)は前方構成部材82を透して前方から視認可能となっている。
図105(a)における斜線部が、右側装飾部材32Rの球流下領域との重複部であり、図105(b)における斜線部が、左側装飾部材32Lの球流下領域との重複部である。左側装飾部材32L及び右側装飾部材32Rは、“左側重複割合>右側重複割合”という関係を満たすような配設態様で遊技盤30に配設されている。
ここで、「左側重複割合」とは、左側装飾部材32Lの全体の面積(前後方向の投影面積)に対する、左側装飾部材32Lの“球流下領域”との重複部の面積(前後方向の投影面積)の割合である。すなわち、左側装飾部材32Lの全体の面積(前後方向の投影面積)に対する、図105(b)における斜線部の面積の割合である。
また、「右側重複割合」とは、右側装飾部材32Rの全体の面積(前後方向の投影面積)に対する、右側装飾部材32Rの“球流下領域”との重複部の面積(前後方向の投影面積)の割合である。すなわち、右側装飾部材32Rの全体の面積(前後方向の投影面積)に対する、図105(a)における斜線部の面積の割合である。
前述したように左側の球流下領域は遊技者の視野に入りやすいため、左側重複割合が大きいほど、左側装飾部材32Lが遊技者の視野に入りやすくなる。本実施形態では、左側重複割合は100%に設定されている。
また、前述したように右側の球流下領域は遊技者の視野に入りづらいため、右側重複割合が大きいほど、右側装飾部材32Rが遊技者の視野に入りづらくなる。一方、右側重複割合が小さいほど、右側装飾部材32Rの表示装置41等の前方に張り出している部分の面積が大きくなるため、右側装飾部材32Rが遊技者の視野に入りやすくなる。本実施形態では、右側重複割合は50%以下に設定されている。
なお、左側重複割合は、100%に限定されず適宜変更可能である。また、右側重複割合は、50%以下に限定されず適宜変更可能である。すなわち、“左側重複割合>右側重複割合”という関係を満たすのであれば、左側重複割合や右側重複割合は任意である。
また、右側装飾部材32Rは、動作可能であっても良い。具体的には、例えば図105(c)に示すように、右側装飾部材32Rは、上端側が左側に倒れる方向に回動するように構成されていても良い。
右側装飾部材32Rが動作可能である場合、右側装飾部材32Rが初期状態(例えば図105(a)に示す状態)である際と、右側装飾部材32Rが動作後状態(例えば図105(c)に示す状態)である際とで右側重複割合は異なる。すなわち、右側装飾部材32Rが動作することによって右側重複割合は変化するが、右側装飾部材32Rが動作した場合でも、左側重複割合と右側重複割合との大小関係は保たれる(“左側重複割合>右側重複割合”という関係が保たれる)ようになっている。例えば、本実施形態において、右側装飾部材32Rが動作可能である場合には、右側装飾部材32Rの状態にかかわらず右側重複割合が50%以下となるように、右側装飾部材32Rの配設位置や動作範囲などが設定されている。
また、本実施形態において、右側装飾部材32Rは、例えば図104に示すように、第2特別変動入賞装置39の可動部材39cと前後方向に重複している。可動部材39cが閉状態(例えば図105(a)に示す状態)である際と、可動部材39cが開状態(例えば図106(a)に示す状態)である際とで右側重複割合は異なる。すなわち、右側装飾部材32Rの前方で動作する可動役物(本実施形態の場合、可動部材39c)が動作することによって右側重複割合は変化するが、当該可動役物が動作した場合でも、左側重複割合と右側重複割合との大小関係は保たれる(“左側重複割合>右側重複割合”という関係が保たれる)ようになっている。例えば、本実施形態においては、可動部材39cの状態にかかわらず右側重複割合が50%以下となるように、右側装飾部材32Rの配設位置などが設定されている。
右側装飾部材32Rの前方で動作する可動役物が動作した場合でも左側重複割合と右側重複割合との大小関係が保たれるのは、右側装飾部材32Rが動作可能である場合も同様である。すなわち、動作後状態の右側装飾部材32Rにおいて、可動部材39cが閉状態(例えば図105(c)に示す状態)である際と、可動部材39cが開状態(例えば図106(b)に示す状態)である際とで右側重複割合は異なるが、本実施形態においては、可動部材39cの状態にかかわらず右側重複割合が50%以下となるように、右側装飾部材32Rの配設位置や動作範囲などが設定されている。
このように本実施形態の遊技機10によれば、遊技球が流下可能な遊技領域32を備えた遊技機において、遊技領域32には、当該遊技領域32のうち第1遊技領域(左側遊技領域)を装飾する第1キャラクタ(左側装飾部材32Lの表面に描かれたキャラクタ)と、当該遊技領域32のうち第2遊技領域(右側遊技領域)を装飾する第2キャラクタ(右側装飾部材32Rの表面に描かれたキャラクタ)と、が設けられ、第1キャラクタのうち第1遊技領域(左側の球流下領域)に重複する部分の割合である第1割合(左側重複割合)と、第2キャラクタのうち第2遊技領域(右側の球流下領域)に重複する部分の割合である第2割合(右側重複割合)と、のいずれか一方がいずれか他方よりも大きい。
すなわち、第1割合(左側重複割合)と第2割合(右側重複割合)とが同一ではなく、第1割合と第2割合とに差があるため、第1キャラクタ(左側装飾部材32L)及び第2キャラクタ(右側装飾部材32R)の双方が遊技者の視野に入りやすくなるような構成とすることが可能となる。したがって、第1キャラクタも第2キャラクタも遊技者にしっかりと確認させることが可能となるため、第1キャラクタ及び第2キャラクタの装飾効果が十分に発揮されることとなり、第1遊技領域(左側遊技領域)及び第2遊技領域(右側遊技領域)を効果的に装飾することができる。
なお、本実施形態において、第1キャラクタと第2キャラクタとは同一のキャラクタであるが、第1キャラクタと第2キャラクタとは異なるキャラクタであっても良い。
また、「左側重複割合」は、左側装飾部材32Lの全体の面積(前後方向の投影面積)に対する、左側装飾部材32Lの“左側遊技領域”との重複部の面積(前後方向の投影面積)の割合であっても良い。すなわち、「左側重複割合」は、左側装飾部材32Lの全体の面積(前後方向の投影面積)に対する、図106(c)における斜線部の面積の割合であっても良い。
また、「右側重複割合」は、右側装飾部材32Rの全体の面積(前後方向の投影面積)に対する、右側装飾部材32Rの“右側遊技領域”との重複部の面積(前後方向の投影面積)の割合であっても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、第1割合(左側重複割合)は、第2割合(右側重複割合)よりも大きいように構成することができる。
このように構成することで、遊技者の視野に入りやすい左側遊技領域(左側の球流下領域)に重複する第1キャラクタも、遊技者の視野に入りづらい右側遊技領域(右側の球流下領域)に重複する第2キャラクタも、遊技者にしっかりと確認させることが可能となるため、第1キャラクタ及び第2キャラクタの装飾効果が十分に発揮されることとなり、左側遊技領域及び右側遊技領域を効果的に装飾することができる。
なお、例えば、左側遊技領域(左側の球流下領域)よりも右側遊技領域(右側の球流下領域)の方が遊技者の視野に入りやすい場合等には、左側装飾部材32L及び右側装飾部材32Rを“左側重複割合<右側重複割合”という関係を満たすような配設態様で遊技盤30に配設しても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、第1キャラクタ及び第2キャラクタの少なくとも一方(本実施形態の場合、第1キャラクタ)は、動作可能であり、第1キャラクタ及び第2キャラクタの少なくとも一方が動作した場合でも、第1割合(左側重複割合)と第2割合(右側重複割合)との大小関係は保たれるように構成することができる。
このように構成することで、第1キャラクタ及び第2キャラクタの少なくとも一方が動作した場合でも、第1キャラクタ及び第2キャラクタの装飾効果が十分に発揮されることとなり、左側遊技領域及び右側遊技領域を効果的に装飾することができる。
なお、本実施形態では、第1キャラクタを動作可能としたが、第1割合(左側重複割合)と第2割合(右側重複割合)との大小関係が保たれるのであれば、第1キャラクタではなく第2キャラクタが動作可能であっても良いし、第1キャラクタ及び第2キャラクタの双方が動作可能であっても良い。
また、本実施形態の遊技機10は、樹脂板を起伏させて成形され、所定のキャラクタを模した装飾が施された樹脂部材(左側装飾部材32L、右側装飾部材32R)を備え、所定のキャラクタは、第1キャラクタ又は第2キャラクタであるように構成することができる。
このように構成することで、樹脂部材(プラ装飾部材)で装飾部材が構成されることとなるため、製作期間の短縮、製作費の抑制が可能となる。また、樹脂部材(プラ装飾部材)はフィギアなどに比べると迫力に欠けるが、第1割合(左側重複割合)と第2割合(右側重複割合)とを、第1キャラクタ(左側装飾部材32L)及び第2キャラクタ(右側装飾部材32R)が遊技者の視野に入りやすくなるような割合に設定しているため、第1キャラクタも第2キャラクタも遊技者にしっかりと確認させることができる。よって、従来の遊技機(第1割合(左側重複割合)と第2割合(右側重複割合)との大小関係を考慮していない遊技機)よりも装飾効果を高めることができる。
なお、左側装飾部材32L及び右側装飾部材32Rのうち、一方が樹脂部材(プラ装飾部材)であれば、他方は樹脂部材(プラ装飾部材)でなくても良く、例えば、他方はフィギアなどであっても良い。
また、表示装置41として液晶表示器等の表示画面を有する装置を備えている場合であって、表示画面の一部が左側の球流下領域と前後方向に重複している場合には、第1キャラクタは表示画面に表示されるキャラクタであっても良い。
また、表示装置41として液晶表示器等の表示画面を有する装置を備えている場合であって、表示画面の一部が右側の球流下領域と前後方向に重複している場合には、第2キャラクタは表示画面に表示されるキャラクタであっても良い。
また、第1キャラクタ及び第2キャラクタの少なくとも一方は、例えば、遊技盤30の装飾等に用いられるセルやシートやシールに描かれたキャラクタであっても良い。
また、左側遊技領域(遊技領域32の略左半分の領域)を第1遊技領域とし、右側遊技領域(遊技領域32の略右半分の領域)を第2遊技領域としたが、第1遊技領域及び第2遊技領域はこれに限定されない。例えば、第1遊技領域は、左側遊技領域の一部(例えば下部)であっても良いし、第2遊技領域は、右側遊技領域の一部(例えば下部)であっても良い。
また、第1遊技領域及び第2遊技領域は、遊技領域32の左右の遊技領域に限定されず、例えば、遊技領域32の上下の遊技領域であっても良い。具体的には、例えば、遊技領域32の略上半分の領域(すなわち、左側遊技領域及び右側遊技領域の両方の上部)を第1遊技領域とするとともに遊技領域32の略下半分の領域(すなわち、左側遊技領域及び右側遊技領域の両方の下部)を第2遊技領域としても良いし、左側遊技領域及び右側遊技領域の一方の上部を第1遊技領域とするとともに当該一方の下部を第2遊技領域としても良いし、左側遊技領域及び右側遊技領域の一方の上部を第1遊技領域とするとともに他方の下部を第2遊技領域としても良い。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各実施形態及び各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、メイン表示装置(セグメント表示器)41aで飾り特図変動表示ゲームを実行し、サブ表示装置41bで演出等を実行したが、その逆でもよい。また、メイン表示装置41aは、サブ表示装置41bと同様の表示器(液晶表示器等)であってもよい。