<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付ける演出操作部550が設けられている。この演出操作部550は、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25であり、さらに、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。また、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出操作部550を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の左部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図5参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図5参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図5参照)により検出される。
また、始動入賞口36の直下には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図5参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図5参照)により検出される。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、始動入賞口36よりも右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図5参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図5参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の左方には、遊技球が通過可能な特定ゲート39が設けられている。この特定ゲート39には、通過する遊技球を検出可能な特定ゲートスイッチ39aが設けられている。後述するように、遊技球が特定ゲート39を通過して特定ゲートスイッチ39aで検出されることに基づき特定記憶が発生し、当該特定記憶に基づき特定演出が実行されるようになっている。また、センターケース40の左下部には特定記憶の情報を表示する特定記憶表示部49が設けられている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図3に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51(D1)及び第2特図変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52(D2)と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53(D8,D10、D18)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55,56(D11〜D16)とを備える。
また、一括表示装置50には、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58(D17)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59(D9)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(D3〜D7)が設けられている。なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)や、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する表示部(右打ち報知部)等が設けられていてもよい。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図変動表示ゲームにおいては、図3(b)に示すように、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。本実施形態の場合、図3(c)に示すように、普図表示器53を構成するランプD8とランプD10とランプD18のうち、ゲームの結果がはずれのときはランプD8のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「1」のときはランプD10のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「2」のときはランプD18のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「3」のときはランプD10及びランプD18を点灯状態にするよう構成されている。
また、普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図3(d)に示すように、普図保留表示器56を構成するランプD15とランプD16のうち、保留数が「0」のときはランプD15及びランプD16の双方を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD15のみを点灯状態にし、保留数が「2」のときはランプD15及びランプD16の双方を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD15を点滅状態にしてランプD16を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプD15及びランプD16の双方を点滅状態にするよう構成されている。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51において表示される第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶(特図1保留)の数を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図3(e)に示すように、特図1保留表示器54を構成するランプD11とランプD12のうち、特図1始動記憶数が「0」のときはランプD11及びランプD12の双方を消灯状態にし、特図1始動記憶数が「1」のときはランプD11のみを点灯状態にし、特図1始動記憶数が「2」のときはランプD11及びランプD12の双方を点灯状態にし、特図1始動記憶数が「3」のときはランプD11を点滅状態にしてランプD12を点灯状態にし、特図1始動記憶数が「4」のときはランプD11及びランプD12の双方を点滅状態にするよう構成されている。点滅周期は、例えば128m秒に設定されている。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52において表示される第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶(特図2保留)の数を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図3(e)に示すように、特図2保留表示器55を構成するランプD13とランプD14のうち、特図2始動記憶数が「0」のときはランプD13及びランプD14の双方を消灯状態にし、特図2始動記憶数が「1」のときはランプD13のみを点灯状態にし、特図2始動記憶数が「2」のときはランプD13及びランプD14の双方を点灯状態にし、特図2始動記憶数が「3」のときはランプD13を点滅状態にしてランプD14を点灯状態にし、特図2始動記憶数が「4」のときはランプD13及びランプD14の双方を点滅状態にするよう構成されている。点滅周期は、例えば128m秒に設定されている。
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)58は、LEDランプ等で構成され、例えば図3(f)に示すように、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、LEDランプ等で構成され、例えば図3(f)に示すように、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、LEDランプ等で構成され、例えば、大当りに基づく特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。本実施形態の場合、図3(g)に示すように、ラウンド表示部60を構成するランプD3〜D7のうち、選択されたラウンド数が「16」のときはランプD5〜D7を点灯状態にし、選択されたラウンド数が「8」のときはランプD4〜D6を点灯状態にし、選択されたラウンド数が「2」のときはランプD3を点灯状態にするよう構成されている。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
図4には、演出操作部550の詳細を示した。図4(a)は、演出操作部550の平面図である。本実施形態の演出操作部550は、図4(a)に示すように、演出ボタン(プッシュボタン)25と、演出ボタン(プッシュボタン)25の上面に設けられたタッチパネル29と、を備えて構成されている。すなわち、演出操作部550は、物理的なプッシュボタン機能に加えて、タッチセンサ機能(タッチパネル機能)を有している。
そして、演出制御基板(演出制御装置)300から演出操作部550へは、感度設定データやLED輝度データなどが送信され、演出操作部550から演出制御基板(演出制御装置)300へは、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aからのプッシュボタン信号(押圧検出信号)やタッチパネル29が備えるタッチセンサ29aからのタッチON/OFF信号(接触/非接触検出信号)が出力されるよう構成されている。
本実施形態の場合、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aで、演出操作部550の上面に対する押圧操作(演出操作部550の上面を押して演出操作部550を押し下げる操作)を検出する。また、演出操作部550の上面には複数のポイントが設けられており、タッチパネル29が備えるタッチセンサで、演出操作部550の上面に設けられたポイントに対する接触操作を検出する。
具体的には、図4(b)に示すように、複数のポイントとして、「TSW1」〜「TSW8」ポイントと、「Pa」ポイントと、の9つのポイントが設けられている。より具体的には、演出操作部550上面の中央部に設けられた「TSW4」ポイントと、「TSW4」ポイントの左側に設けられた「TSW1」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも奥側(遊技盤30側)に設けられた「TSW3」ポイントと、「TSW4」ポイントの右側に設けられた「TSW6」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも手前側(遊技者側)に設けられた「TSW8」ポイントと、「TSW1」ポイントと「TSW3」ポイントとの間に設けられた「TSW2」ポイントと、「TSW3」ポイントと「TSW6」ポイントとの間に設けられた「TSW5」ポイントと、「TSW6」ポイントと「TSW8」ポイントとの間に設けられた「TSW7」ポイントと、「TSW8」ポイントと「TSW1」ポイントとの間に設けられた「Pa」ポイントと、が設けられている。なお、ポイントの数は、9つに限定されるものではなく、適宜任意に変更可能である。また、図4(b)では、便宜上、「TSW1」〜「TSW8」の各ポイントにそれぞれ「TSW1」〜「TSW8」と表記しているが、本実施形態の演出操作部550には、図4(a)に示すように、このような表記はない。
タッチパネル29のタッチセンサによって接触操作が検出可能なポイントは、「TSW1」〜「TSW8」ポイントの8つのポイントであり、「Pa」ポイントでは接触操作を検出しない。もちろん「Pa」ポイントでも接触操作を検出するようにしても良い。また、「TSW1」〜「TSW8」ポイントと「Pa」ポイントとの9つのポイント各々には、それぞれが独立した系統のLED(本実施形態の場合、フルカラーLED)が配置されている。
「Pa」ポイントは、例えば、「Pa」ポイントのLEDを一発告知用の告知ランプとして使用することや、演出操作部550上面の各ポイントのLEDをルーレットのように順次点灯させ「Pa」ポイントのLEDを“当確(または確変確定)”ポイントに使用すること、「Pa」ポイントのLEDを先読みの当確演出に使用すること等、確定系の演出に用いることができる。
ここで、演出操作部550の上面を光らせるためのLED(具体的には、「TSW1」〜「TSW8」ポイントや「Pa」ポイントなどに配置されたLED)の点灯輝度は、輝度調整(ホール設定、遊技者調整とも)の対象からは除外されている。すなわち、当該LEDの点灯輝度は、輝度調整の影響を受けず、一定となっている。また、タッチセンサは、タッチON状態(接触状態)が所定時間(例えば、約35秒間(基本設定))継続すると、強制的にタッチOFFする機能(タッチON信号の出力を停止して、タッチOFF信号を出力する機能)を有している。すなわち、タッチセンサ(タッチ検知IC)は、所定時間以上の連続した接触操作を検出できないよう構成されている。
このような演出操作部550で検出する遊技者の操作としては、例えば図4(c)に示す操作が挙げられる。「単打」は、演出操作部550の押下を1回行う操作であり、「連打」は演出操作部550の押下を所定時間以内の間隔で複数回行う操作である。「長押し」は演出操作部550を所定時間以上押下したままとする操作であり、「タッチ」はタッチパネル29に触れる操作である。「「Pa」操作(TSW1or8)+長押し」は、「Pa」ポイント又はこれに隣接する「TSW1」ポイントと「TSW8」ポイントとの2つのポイントの一方(或いは、両方)に接触した状態で長押しする操作であり、「フリック」はタッチパネル29に触れた状態のまま弾くようにスライドさせる操作である。もちろん検出する操作はこれらの操作に限られるものではない。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図5参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図5参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図5参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が小当り結果態様となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態(いわゆる、小当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図5は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)が設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図6を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)、特定ゲート39に設けられた特定ゲートスイッチ39aのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図7及び図8に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図7及び図8に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図8のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図8のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図8のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図9に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図9のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図10に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図11に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、A115)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図12に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA142)。
ステップA142にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA142;N)には、ステップA145の処理に移行する。
一方、ステップA142にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA142;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図13に示すように、まず、ステップA137にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA151)。
ステップA151にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA151;N)には、ステップA154の処理に移行する。
一方、ステップA151にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA151;Y)には、特図時短中であるかを判定する(ステップA152)。
ステップA152にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA152;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA152にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA152;N)には、大当り中または小当り中であるかを判定する(ステップA153)。
ステップA153にて、大当り中または小当り中であると判定した場合(ステップA153;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA153にて、大当り中または小当り中でないと判定した場合(ステップA153;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、ステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA158)。
ステップA158にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA158;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、ステップA158にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA158;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、ステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA165)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA167)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA169)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図14に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA306)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA306;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA311)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA311;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA312)。
続けて、ゲームの終了後に連続して次のゲームが開始されない場合に送信される待機情報をなす客待ちデモコマンドを準備して(ステップA313)、演出コマンド設定処理(ステップA314)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。一方、ステップA311にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA311;Y)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特図2変動開始処理(ステップA302)を行い、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA303)、演出コマンド設定処理(ステップA304)を行う。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA305)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA306にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA306;N)は、特図1変動開始処理(ステップA307)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA308)、演出コマンド設定処理(ステップA309)を行う。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が「0」でない場合には特図2変動開始処理(ステップA302)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づきゲームを実行するゲーム実行制御手段をなす。また、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA307)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図15に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA331)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA332)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA333)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA334)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA335)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA336)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA337)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA302)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図15に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図16に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理、及び特図2変動開始における変動パターン設定処理(ステップA167、A336、A346)の詳細について説明する。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
図17に示すように変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA472)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA473)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(ステップA474)、はずれである場合(ステップA474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップA475)を行って、ステップA477の処理に移行する。また、はずれでない場合(ステップA474;N)には、振り分け処理(ステップA476)を行って、ステップA477の処理に移行する。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA477)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA478)。そして、振り分け処理(ステップA479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA480)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA481)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA483)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA484)。その後、振り分け処理(ステップA485)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(ステップA486)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA337、A347)の詳細について説明する。図18に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA491)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA498)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA499)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA500)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(ステップA501)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA502)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA503)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA504)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
図19には図17の処理における変動パターンの選択割合の一例を示した。この選択割合は、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームにおいて、低確率状態であって時短状態でない場合であり結果がはずれである場合に用いられる選択割合である。なお、始動記憶数は特図変動表示ゲームを開始する特図種類における始動記憶の減算前の値である。例えば、第1始動記憶が1つの状態から特図1変動表示ゲームを開始する場合には、当該特図1変動表示ゲームの開始による始動記憶の減算前の第1始動記憶数である始動記憶数1の選択割合に従い変動パターンを選択する。
図19に示す選択割合では、始動記憶数によって変動パターンの選択割合が異なるようになっており、始動記憶数が少ないほどリーチとなる変動パターンの選択割合が高くなっている。また、各変動パターンの変動時間は変動パターンの名称の後に示した秒数となっているが、始動記憶数が少ないほどリーチなしの場合に変動時間が長い変動パターンの選択割合が高くなっている。
遊技制御装置100ではこの選択割合に従って変動パターンを選択し、選択した変動パターンに従い特図変動表示ゲームを実行する。また、選択した変動パターンの情報を演出制御装置300に送信する。演出制御装置300では、選択された変動パターンに応じた飾り特図変動表示ゲームの演出の設定等を行うようになっている。飾り特図変動表示ゲームの演出には、リーチ状態となるまでの前半変動に対応した前半演出と、リーチ状態となった後の後半変動に対応する後半演出とがある。リーチ状態とならない変動パターンである場合には前半演出のみを設定して後半演出は設定しない。すなわち、所定の割合で後半演出(リーチ演出)を設定しないことが可能であり、始動記憶の数が所定値(例えば2)より少ない場合は、所定値以上である場合よりも後半演出を設定する割合が高くなるようにされている。
選択割合は高確率状態である場合に用いられるものなど、これ以外にも複数が用意されているが、少なくとも結果がはずれである場合の選択割合については始動記憶数が少ないほどリーチとなる変動パターンの選択割合が高く、始動記憶数が少ないほどリーチなしの場合に変動時間が長い変動パターンの選択割合が高くなっている。
なお、ここでは特図変動表示ゲームの結果、高確率状態であるか否か、時短状態であるか否かにより選択割合を選択するようにしているが、これ以外の要素を考慮しても良い。例えば、一定期間における始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への入賞数に応じて、同じ始動記憶数であっても変動パターンの選択割合が異なるようにしても良い。この場合、一定期間における入賞数を計数し、入賞数が多いほど変動時間が短い変動パターンの選択割合が高くなるようにする。このようにすることで始動記憶数が上限数に到達してしまうことを効果的に防止できる。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図20に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図20に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC17)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行う。そして、客待ち状態における特定演出の制御などの処理を行う客待ち処理を行い(ステップC20)、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図21には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図22には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、或いは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(或いはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔単発系コマンド処理〕
図23には、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理を示した。この単発系コマンド処理では、まず、MODEは遊技制御装置100に設定された機種に関する情報を含む機種指定コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC261)。そして、MODEは機種指定コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC261;Y)は、内部情報をコマンドに対応する機種情報に書き換える機種設定処理を行い(ステップC262)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC261で、MODEは機種指定コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC261;N)は、RAM111Cの初期化を行ったことを示すRAM初期化コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC263)。そして、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC263;Y)には、RAM初期化処理を行い(ステップC264)、単発系コマンド処理を終了する。RAM初期化処理(ステップC264)では、初期化の必要な領域を初期化し、RAM初期化画面情報を設定する。さらに、RAM初期化が行われた際の演出を行うためにRAM初期化用シナリオデータを設定する。
また、ステップC263で、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC263;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行わずに停電から復旧したことを示す停電復旧コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC265)。そして、MODEは停電復旧コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC265;Y)には、停電復旧処理を行い(ステップC266)、単発系コマンド処理を終了する。停電復旧処理(ステップC266)では、初期化の必要な領域を初期化し、停電復旧画面を表示するための復旧画面情報を設定する。さらに、停電復旧の際の演出を行うために停電復旧用シナリオデータを設定する。
また、ステップC265で、MODEは停電復旧コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC265;N)は、MODEは客待ちデモの開始を示す客待ちデモコマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC267)。そして、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC267;Y)には、客待ちデモ処理を行い(ステップC268)、単発系コマンド処理を終了する。客待ちデモ処理(ステップC268)では、P機(パチンコ機)状態を客待ち中に設定し、客待ち演出を行うために客待ち用シナリオデータを設定する。
また、ステップC267で、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC267;N)には、MODEは特図保留であるかを判定する(ステップC269)。そして、MODEは特図保留である場合(ステップC269;Y)には、発生した保留に対応する飾り特図始動記憶表示を表示装置41に表示する処理や消化された保留に対応する飾り特図始動記憶表示を消去する処理などを行う特図保留情報設定処理を行い(ステップC270)、単発系コマンド処理を終了する。なお、コマンドに応じて特図1と特図2の何れかを対象として処理を行う。すなわち、演出制御装置300が、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶表示手段をなす。
また、ステップC269で、MODEは特図保留に対応するものでないと判定した場合(ステップC269;N)には、MODEは確率情報(確率情報コマンド)であるかを判定する(ステップC271)。そして、MODEは確率情報である場合(ステップC271;Y)には、現在の確率状態に関する設定を行う確率情報設定処理を行い(ステップC272)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC271で、MODEは確率情報でない場合(ステップC271;N)には、MODEはエラー/不正であるかを判定する(ステップC273)。そして、MODEはエラー/不正である場合(ステップC273;Y)には、エラー報知を行うなどの対応する処理を行うエラー/不正設定処理を行い(ステップC274)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC273で、MODEはエラー/不正でない場合(ステップC273;N)には、MODEは演出モード切替であるかを判定する(ステップC275)。そして、MODEは演出モード切替である場合(ステップC275;Y)には、演出モードを切り替える処理を行う演出モード切替処理を行い(ステップC276)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC275で、MODEは演出モード切替でない場合(ステップC275;N)には、MODEは図柄停止であるかを判定する(ステップC2777)。そして、MODEは図柄停止でない場合(ステップC277;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEは図柄停止である場合(ステップC277;Y)には、正常なコマンドであるかを判定する(ステップC278)。正常なコマンドであるかの判定では、例えば飾り特図停止コマンドの対象が現在変動中の特図を対象としたものであるかを判定する。
そして、正常なコマンドでない場合(ステップC278;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、正常なコマンドである場合(ステップC278;Y)は、対応する特図の停止設定を行い(ステップC279)、全図柄が停止したならP機状態を特図停止中に設定する(ステップC280)。これにより、対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示が停止する。P機状態は現在の遊技状態を示すものであり、特図停止中の他、特図変動中、大当り中、小当り中などの状態を示すものがあり、状況に応じて適切な状態が設定される。その後、機能調節可能期間を終了し(ステップC281)、単発系コマンド処理を終了する。機能調節可能期間は、音量や輝度など演出の出力態様を調節可能な期間である。この機能調節可能期間には音量を変更可能な音量変更可能期間や、輝度を変更可能な輝度変更可能期間など、各機能に対応した調節可能期間が含まれる。この機能調節可能期間を終了することにより、特図変動表示ゲームの結果の表示開始に伴い音量や輝度などの演出の出力態様を調節できない状態となる。
なお、機能調節可能期間を終了することにより音量や輝度など調節対象項目のすべてについて一括して調節できない状態となるが、調節対象項目のそれぞれについて個別に調節可能期間を終了又は開始することも可能である。例えば、音量変更可能期間のみ終了するようにして音量のみ調節できない状態とすることも可能である。また、機能調節可能期間に後述するボタン操作モードの切替可能期間を含んでも良い。また、演出操作部550の操作により遊技履歴を表示させることが可能な期間や、設定項目を選択するためのメニュー画面を表示させることが可能な期間を機能調節可能期間に含んでも良い。
〔図柄系コマンド処理〕
図24には、上述の受信コマンド解析処理における図柄系コマンド処理(ステップC240)を示した。この図柄系コマンド処理では、まず、MODEに対応する特図種別(特図1か特図2の何れか)を設定し(ステップC351)、MODEとACTの組み合わせに対応する図柄種別を設定してセーブし(ステップC352)、図柄系コマンド処理を終了する。
図柄種別とは、はずれ図柄、16R確変A大当り図柄、16R確変B大当り図柄、16R通常A大当り図柄、16R通常B大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄等の図柄のカテゴリであり、ACTのデータと対応付けられている。特図1と特図2で図柄の割合が変わるので(確変割合は同じ)、MODE毎にこの図柄種別設定テーブルを分けて設けており、複数ある図柄種別設定テーブルからMODEのデータに対応するものを選択し、さらに当該テーブルを参照してACTに対応する図柄種別を設定する。
〔変動系コマンド処理〕
図25には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC363;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R確変A大当り図柄、16R確変B大当り図柄、16R通常A大当り図柄、16R通常B大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変A大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC367)、機能調節可能期間を開始して(ステップC368)、変動系コマンド処理を終了する。これにより、特図変動表示ゲームの開始に伴い音量や輝度などの演出の出力態様の調節が可能となる。
〔変動演出設定処理〕
図26には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC365)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半変動中に出現する予告を設定するための前半予告設定処理を行う(ステップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC385)、前半変動中に出現する予告を設定するための前半予告設定処理を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389)。
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、特定演出の実行中であるかを判定する(ステップC391)。特定演出の実行中でない場合(ステップC391;N)は、ステップC393に移行する。また、特定演出の実行中である場合(ステップC391;Y)は、切替用演出を設定して(ステップC392)、ステップC393に移行する。後述するように特定演出は客待ち状態において特定記憶に基づき行われる演出であり、この特定演出が実行されている状態から飾り特図変動表示ゲームを開始する場合には、特定演出から飾り特図変動表示ゲームの表示に切り替えるための演出を行うようにしている。
次に、予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC393)。これにより、飾り特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告、実行中記憶表示部84の表示態様などが決定されることとなる。すなわち、演出制御装置300が、実行中のゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示を制御する実行中記憶表示制御手段をなす。
その後、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内容も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC394)。次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC395)、予告演出の表示設定を行う(ステップC396)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示ゲームでの演出や予告が実行可能となる。そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC397)、変動演出設定処理を終了する。
〔特図保留情報設定処理〕
図27には、上述の単発系コマンド処理における特図保留情報設定処理(ステップC270)を示した。この特図保留情報設定処理では、まず、受信したコマンドに対応する処理対象の特図(特図1又は特図2)について現在記憶されている特図保留数をロードし前保留数とし(ステップC501)、対象の特図の新保留数として特図保留数にコマンドの値をセットして(ステップC502)、新保留数と前保留数が同じであるかを判定する(ステップC503)。
新保留数と前保留数が同じである場合(ステップC503;Y)は、特図保留情報設定処理を終了する。また、新保留数と前保留数が同じでない場合(ステップC503;N)は、新保留数に対応する保留用モーション制御テーブルのインデックスを算出してセーブし(ステップC504)、シナリオレイヤー番号6を準備する(ステップC505)。次に、特図保留シナリオ用データテーブル(保留X個)のアドレスを準備し(ステップC506)、シナリオデータ設定処理を行う(ステップC507)。この処理により、保留数の変化に伴う飾り特図始動記憶表示の表示と、これに伴う装飾表示(アニメーション)が設定される。
その後、保留数が増加したかを判定する(ステップC508)。保留数が増加した場合(ステップC508;Y)は、新保留数に対応する色情報領域に保留通常点灯の表示パターンを設定する(ステップC509)。これにより、今回発生した始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示について、先読み予告演出などが行われていない通常表示態様での表示が設定される。なお、当該飾り特図始動記憶表示においての先読み予告演出については先読み変動系コマンド処理にて設定が行われる。さらに、実行中の演出の変更を可能とする演出変更処理を行い(ステップC510)、特図保留情報設定処理を終了する。
一方、保留数が増加していない場合(ステップC508;N)、すなわち減少した場合は、特図先読み情報領域をシフトし(ステップC511)、飾り特図始動記憶表示の色情報領域をシフトして(ステップC512)、特図保留情報設定処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に関する情報を表示する始動記憶表示を制御する始動記憶表示制御手段をなす。
〔演出変更処理〕
図28には、上述の特図保留情報設定処理における演出変更処理(ステップC510)を示した。演出変更処理は、始動記憶が増加した際に予定されていた演出を変更可能とする処理である。始動記憶数が少ない状態では変動時間の長いリーチ状態の選択割合を高くし、始動記憶が発生する時間を設けるようにしている。これにより、特図変動表示ゲームが途切れてしまい遊技の興趣が低下してしまうことを防止している。しかし、このような事情を知っている遊技者にとっては、それほど期待感の持てないリーチ演出であることが分かるため、新たな始動記憶が発生した後にこのようなリーチ演出が実行されることにより、遊技が冗長であると感じて興趣が低下してしまうおそれがある。そこで、このような場合にリーチ演出を行わないように変更し、遊技の興趣の低下を防止するようにしている。
この演出変更処理では、まず、現在の始動記憶数は2以下であるかを判定する(ステップC521)。現在の始動記憶数が2以下である場合は変動時間が長いリーチ状態が選択される確率が高いため、変更の対象としている。現在の始動記憶数は2以下でない場合(ステップC521;N)は、演出変更処理を終了する。また、現在の始動記憶数は2以下である場合(ステップC521;Y)は、特図変動表示ゲームの実行中であるかを判定する(ステップC522)。
そして、特図変動表示ゲームの実行中でない場合(ステップC522;N)は、演出変更処理を終了する。また、特図変動表示ゲームの実行中である場合(ステップC522;Y)は、実行中の特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定する(ステップC523)。結果がはずれでない場合(ステップC523;N)は、演出変更処理を終了する。また、結果がはずれである場合(ステップC523;Y)は、変更可能な変動パターンであるかを判定する(ステップC524)。
変更可能な変動パターンとは、例えば、特別結果となる信頼度が低く遊技者が期待感を持てないような変動パターンである。ここではNリーチが変更可能な変動パターンであり、SPリーチは変更不可能な変動パターンとされている。また、リーチなしの変動パターンは変動時間自体がそれほど長くないため変更する必要がなく、変更不可能な変動パターンとされる。もちろん、変更可能な変動パターンはNリーチに限られるものではなく、任意に設定可能である。例えば、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報を所定時間変動表示した後に仮停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出するいわゆる擬似連の変動パターンを変更可能な変動パターンとし、変更により擬似連を行わないようにしても良い。
変更可能な変動パターンでない場合(ステップC524;N)は、演出変更処理を終了する。また、変更可能な変動パターンである場合(ステップC524;Y)は、リーチ状態になる前の状態である前半変動中であるかを判定する(ステップC525)。そして、前半変動中でない場合(ステップC525;N)は、演出変更処理を終了する。また、前半変動中である場合(ステップC525;Y)は、リーチ確定予告済であるかを判定する(ステップC526)。
リーチ確定予告済である場合(ステップC526;Y)は、演出変更処理を終了する。この場合は、リーチ演出を行わないような変更をすると予告と矛盾が生じてしまうため、演出の変更は行わない。また、リーチ確定予告済でない場合(ステップC526;N)は、すでに演出を差替え済であるかを判定する(ステップC527)。すでに演出を差替え済である場合(ステップC527;Y)は、演出変更処理を終了する。また、演出を差替え済でない場合(ステップC527;N)は、後半変動を差替え(ステップC528)、演出変更処理を終了する。
以上の処理により、所定の条件を満たすことで、特図変動表示ゲームの開始時に予定されていたNリーチ演出が差替えられることとなる。差替え後の演出としては、リーチ状態とならずに変動表示を継続するリーチなし演出が挙げられる。また、単に変動表示を継続するだけでなく、特定の演出を実行するようにしても良い。特定の演出としては、演出の差替えが行われた場合にのみ実行可能な特別な演出としても良いし、現在記憶されている始動記憶についての情報を報知する先読み予告演出であっても良い。
次に、このような演出の差替えの一例について説明する。まず、表示装置41における演出について説明する。図29(a)に示すように表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示するが設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。表示領域の左上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲームを表示する第2飾りゲーム表示部88が設けられている。この第2飾りゲーム表示部88に表示される第2飾りゲームは、飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示される第1飾りゲームと同様に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示するようになっている。
また、表示領域の中央下部には始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる。記憶表示部83には、第1始動記憶を表示する第1記憶表示部83aと、第2始動記憶を表示する第2記憶表示部83bとが設けられている。第1記憶表示部83aに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは3つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。
また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。なお、図29(a)では、消化順序が1番目の第1始動記憶について飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出が行われている。また、第2記憶表示部83bでは第1記憶表示部83aと同様に第2始動記憶と一対一に対応した飾り特図始動記憶表示を表示する。ここでは第2始動記憶が0であることを示している。
第1記憶表示部83aの左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に第1記憶表示部83a又は第2記憶表示部83bの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。
表示領域の右上部には、始動記憶数を表示する始動記憶数表示部86が設けられる。この始動記憶数表示部86には、第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示部86aと、第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部86bとが設けられている。
図29(a)に示す状態から第1始動記憶が消化されて減少すると、図29(b)に示すように第1記憶表示部83aの左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ流入する表示が行われる。ここでは、実行中記憶表示部84においても先読み演出と同様の態様で特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等が示唆されている。また、始動記憶数表示部86では、第1始動記憶数表示部86aの数値が1つ減少する。
そして、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。また、第2飾りゲーム表示部88においても第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。
その後、まず、図29(c)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の左変動表示領域で識別情報が仮停止する。仮停止している状態では識別情報が揺れるように表示され、完全に停止していないことが示されている。また、第2飾りゲーム表示部88では左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が継続される。次に、図29(d)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の右変動表示領域で識別情報が仮停止する。ここでは、左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が停止するリーチ状態となっており、リーチ演出が開始される。もちろん左変動表示領域と右変動表示領域で異なる識別情報が停止してリーチ状態とならない場合もある。また、第2飾りゲーム表示部88では左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が継続される。このようにリーチ状態で右変動表示領域が仮停止するまでが前半変動であり、以降が後半変動となる。
そして、図29(e)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の中変動表示領域で識別情報が仮停止し、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の全ての変動表示領域で識別情報が仮停止した状態となる。なお、仮停止している状態は変動表示中と同等であり、ここでは未だ変動表示中の状態である。また、第2飾りゲーム表示部88では左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が継続される。
その後、変動時間が終了すると図29(f)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。第2飾りゲーム表示部88でも左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が終了して識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。すなわち、第1飾りゲームと第2飾りゲームは、第1飾りゲームで一の変動表示領域で識別情報が仮停止した時点から変動表示が終了して識別情報が停止した状態となるまでは非同期となる。このようにすることで、演出の差替えによりリーチ演出を行わないようにした場合でも第2飾りゲームについては変更の処理を行う必要がなく、処理が簡単になる。
さらに、停止時間の終了に伴い特図変動表示ゲーム及び飾り特図変動表示ゲームが終了する。これに伴い図29(g)に示すように実行中記憶表示部84の表示が消去され、次の飾り特図変動表示ゲームを開始可能な状態となる。なお、図29(g)の状態で始動記憶がなければ客待ち状態となる。また、図29(g)の状態で結果が特別結果であれば特別遊技状態となる。
図30、図31には、演出の差し替えが行われる例を示した。図30(a)に示す例では、特図変動表示ゲームの開始前に第1始動記憶数が2つある状態となっており、第2始動記憶数は0となっている。この状態から第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームが開始されている(t11)。特図1変動表示ゲームの開始に伴い、遊技制御装置100は変動時間を含む変動パターンを決定し、当該変動パターンに従い特図1変動表示ゲームを開始する。ここでは、結果がはずれであり、変動パターンはNリーチが選択されている。これらの情報は演出制御装置300にコマンドとして送信される。
演出制御装置300では、遊技制御装置100からのコマンドに基づき、変動パターンに応じた飾り特図変動表示ゲームの演出態様や予告等を決定し、当該決定に従い飾り特図変動表示ゲームを開始する。ここでは、変動パターンがNリーチであり、所定期間の前半変動(t11〜t13)の後にリーチ演出である後半変動(t13〜t14)を実行する演出が設定される。なお、ここでは予告としてリーチ確定予告は選択されていない。
この特図1変動表示ゲームの前半変動中に、始動入賞口36に遊技球が入賞して始動口1スイッチ36aで検出されることにより、第1始動記憶数が2に増加している(t12)。この始動記憶数の増加に伴い演出変更処理(図28参照)により後半変動の変更が行われ、Nリーチ演出から差替え演出に変更される。
図30(b)に示す例では、特図変動表示ゲームの開始前に第1始動記憶数が1つある状態となっており、第2始動記憶数は0となっている。この状態から第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームが開始され第1始動記憶数が0となっている(t21)。また、図30(a)と同様に、結果がはずれであり、変動パターンはNリーチが選択され、リーチ確定予告は選択されていない。
この特図1変動表示ゲームの前半変動中に、始動入賞口36に遊技球が入賞して始動口1スイッチ36aで検出されることにより、第1始動記憶数が1に増加している(t22)。この始動記憶数の増加に伴い演出変更処理(図28参照)により後半変動の変更が行われ、Nリーチ演出から差替え演出に変更される。その後、特図1変動表示ゲームの前半変動中に、始動入賞口36に遊技球が入賞して始動口1スイッチ36aで検出されることにより、第1始動記憶数が2に増加している(t23)。ここではすでに演出が差替え済であるので差替えの処理は行われない。
なお、演出の差替えの契機となる入賞のタイミングは前半変動中としたが、これに限られるものではなく、任意に設定可能である。図30(c)に示すNリーチの変動パターンの場合において、例えば、変動開始(t31)から左変動表示領域で識別情報が仮停止するタイミング(t32)までとしても良い。すなわち、複数の変動表示領域のうち最初に識別情報が仮停止するタイミングとしても良い。
また、変動開始(t31)から前半変動が終了する右変動表示領域で識別情報が仮停止するタイミング(t33)に向けて識別情報の変動速度を低下させ始めるタイミングまでとしても良い。すなわち、前半変動が終了するタイミング(t33)の所定時間前までとしても良い。上述の例のように演出の差替えの契機となる入賞のタイミングを前半変動終了までとした場合において、右変動表示領域で識別情報が仮停止するタイミング(t33)に向けて識別情報の変動速度が低下している期間で演出の差替えを行う場合には、リーチ状態とならないように右識別情報を停止直前に+1コマ滑らせるような演出を入れるなどする必要があるが、識別情報の変動速度が低下する前とすることで違和感なくリーチ演出を行わないようにすることができる。
また、差替え演出の内容によってはリーチ演出の開始後に演出を差替えても良く、この場合は変動開始(t31)から中変動表示領域で識別情報が仮停止するタイミング(t34)まで、すなわち、複数の変動表示領域のうち最後に識別情報が仮停止するタイミングまでとしても良い。また、中変動表示領域で識別情報が仮停止するタイミング(t34)に向けて識別情報の変動速度を低下させ始めるタイミングまで、つまり、全ての識別情報が仮停止するタイミングの所定時間前までとしても良い。また、識別情報の仮停止のタイミングに関係なく、変動開始から所定時間が経過するまでとしても良い。
また、演出の差替えの契機となる入賞のタイミングにより、差替える演出の内容が異なるようにしても良い。例えば、変動開始(t31)から左変動表示領域で識別情報が仮停止するタイミング(t32)までに入賞した場合にはリーチ演出を行わないように演出を差替える。また、左変動表示領域で識別情報が仮停止したイミング(t32)から右変動表示領域で識別情報が仮停止するタイミング(t33)までに入賞した場合にはリーチ演出は行うが当該リーチ演出の内容を差替える。また、右変動表示領域で識別情報が仮停止したタイミング(t33)から中変動表示領域で識別情報が仮停止するタイミング(t34)までに入賞した場合は、始動記憶についての先読み情報を報知する演出に差替えるようにしても良い。
図31には、図30(a)の例における表示装置41での表示の例を示した。図31(a)に示すように、まず、第1始動記憶が2つあり、第2始動記憶が0である状態となっている。この状態で、第1記憶表示部83aに表示された次に消化される第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示(左端の飾り特図始動記憶表示)については先読み予告としてリーチ確定予告は行われていない。
そして、この第1始動記憶に基づき特図1変動表示ゲームが開始されると、図31(b)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85及び第2飾りゲーム表示部88で変動表示が開始される(図30(a)のt11)。また、第1記憶表示部83aに表示されていた左端の飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84に移行する。なお、実行中記憶表示部84においても予告としてリーチ確定予告は行われていない状態となっている。
ここでは結果がはずれであり変動パターンがNリーチであって、飾り特図変動表示ゲームの開始時に設定された演出態様は、図31(f)に示したようにリーチ状態となり、図31(g)に示すようにはずれの結果で終了する演出態様が設定されている。しかし、この例では図31(c)に示すように前半変動中に新たな始動記憶が発生しており、これに伴い後半変動がNリーチ演出から差替え演出に変更されることとなる(図30(a)のt12)。
ここでの差替え演出はリーチ演出を行わないようにする演出であり、後半変動として予定されていた期間では図31(d)に示すように変動表示が継続され、変動時間の終了に伴い図31(e)に示すように結果が停止表示される。
なお、差替え演出は上記したようにリーチ演出を行わないようにするものに限られない。図32には差替え演出の別例を示した。例えば、図32(a)に示すように特図変動表示ゲームの開始時に既に記憶されていた始動記憶についての予告を行うようにしても良い。また、図32(b)に示すように差替え演出に変更する契機となった入賞により発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームについての予告を行うようにしても良い。また、図32(a)、(b)のように単に変動パターンの予告を行うだけでなく、当該変動パターンによるリーチ演出の映像等を一部表示するようにしても良い。
また、図32(c)に示すように、差替え演出では演出操作部550の操作に基づき演出を変化させることが可能な操作反映演出を行うようにしても良い。そして、演出操作部550を操作した場合には、図32(d)に示すように飾り特図始動記憶表示の表示態様を変更することにより予告を行うようにしても良い。もちろん演出操作部550を操作した場合には、図32(a)、(b)に示すような表示により予告を行うようにしても良い。また、演出操作部550を操作した場合には、図32(e)に示すように飾り特図変動表示ゲームを結果態様で仮停止するようにしても良い。この場合、変動時間の終了まで仮停止した状態を継続する。
また、図32(f)に示すように、予定されていた後半変動の開始タイミングで実行中の飾り特図変動表示ゲームではずれ結果を仮停止した状態とし、図32(g)に示すように予告を行うようにしても良い。また、後半変動自体は差替えずに予定されていた通りに行い、差替え演出として図32(a)、(b)に示すような予告演出のみを行うようにしても良い。また、以上に挙げた差替え演出のうちから抽選により選択するようにしても良く、演出を差替えない選択を可能としても良い。
また、図30(b)の例において、1つ目の始動記憶の発生(t22)では演出を差替えずに、始動記憶数が2となること(t23)に基づき演出を差替えるようにしても良い。すなわち、特図変動表示ゲームの開始時の始動記憶数に応じて差替えの条件を選択できるようにしても良い。条件の選択においては特図変動表示ゲームの開始時の始動記憶数だけでなく高確率状態であるか否か、時短状態であるか否か、演出モードの種類なども考慮するようにしても良い。
また、1つ目の始動記憶の発生(t22)で演出を差替え、さらに2つ目の始動記憶の発生(t23)でも演出を差替えるようにしても良い。この場合、1つ目の始動記憶の発生(t22)での演出の差替えと、2つ目の始動記憶の発生(t23)での演出の差替えで、同じ選択テーブルを用いて差替える演出を選択するようにしても良い。
また、1つ目の始動記憶の発生(t22)での演出の差替えと、2つ目の始動記憶の発生(t23)での演出の差替えで、異なる選択テーブルを用いて差替える演出を選択するようにしても良い。この場合、1つ目の始動記憶の発生(t22)で用いる選択テーブルに含まれる演出と、2つ目の始動記憶の発生(t23)で用いる選択テーブルに含まれる演出は同じであるが選択率が異なるものとしても良いし、一部又は全部の演出が異なるものとしても良い。これにより、例えば、1つ目の始動記憶の発生(t22)により、リーチ演出を行わないようにする変更を行い、2つ目の始動記憶の発生(t23)により、始動記憶についての先読み情報を報知する変更を行うようにすることができる。
さらに、1つ目の始動記憶の発生(t22)で差替えられた演出に応じて、2つ目の始動記憶の発生(t23)で用いる選択テーブルが異なるようにしても良く、このようにすれば、1つ目の始動記憶の発生(t22)で選択された演出を、2つ目の始動記憶の発生(t23)で昇格、発展させるような遊技性を持たせることができる。すなわち、始動記憶の発生毎に差替えられる演出の内容が変化するようにしたり、変更前の演出に応じて段階的に変化するようにしたりすることもでき、遊技者に始動記憶を発生させる意欲を持たせ、遊技の興趣を向上することができる。
また、リーチ状態となるまでの前半変動に対応した演出を前半演出とし、リーチ状態となった後の後半変動に対応する演出を後半演出としたが、これに限られるものではない。リーチの有無に関係なく所定の時期を境にして前半演出と後半演出に分け、後半演出を変更するようにしても良い。
また、上述の例では、特図1変動表示ゲームの実行中における第1始動記憶の発生の場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、特図1変動表示ゲームの実行中における第2始動記憶の発生の場合も同様に演出を変更可能である。また、第2特図変動表示ゲームの実行中における第2始動記憶の発生の場合も同様に演出を変更可能である。
また、第2特図変動表示ゲームの実行中における第1始動記憶の発生の場合も同様に演出を変更可能であるが、本実施形態のように第2始動記憶が優先的に消化される場合には、遊技状態によって変更を行うか否かを選択するようにしても良い。すなわち、第2始動記憶の発生が容易となる時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)においては、第2始動記憶の発生により今回発生した第1始動記憶が消化される時期が遅くなることがあることから、第2特図変動表示ゲームの実行中における第1始動記憶の発生によっては演出を変更しないようにしても良い。また、時短状態でない場合には第2始動記憶の発生頻度が低いため、第2特図変動表示ゲームの実行中における第1始動記憶の発生によっても演出を変更可能とする。
また、普図変動表示ゲームについて表示装置41等でゲームに対応する演出を実行する場合には、普図変動表示ゲームの実行中における普図始動記憶の発生に伴い演出の変更を可能としても良い。
また、遊技盤30に設けられた盤演出装置44や前面枠12に設けられた枠演出装置のような可動役物の動作についても始動記憶の発生に伴い変更するようにしても良い。例えば、前半変動において始動記憶が発生して演出が変更される場合に、可動役物が動作している場合には次の(1)から(3)の何れかの処理を行うようにしても良い。(1)直ちに動作をキャンセルして初期位置に戻す。(2)区切りのいいところまで動作を行ってから初期位置に戻す。(3)演出の変更に関係なく予定されていた動作を全て実行する。(3)の処理とする場合、当該動作が差替え演出や次の飾り特図変動表示ゲームに跨る場合でも予定されていた動作を全て実行するようにしても良い。
また、何れの処理を行うかを実行される動作に応じて選択するようにしても良い。例えば、可動役物が初期位置付近で揺れるような動作を行う場合は当該動作を実行しても問題がないため(3)の処理とする。また、可動役物が表示装置41の中央付近まで動作して戻る動作を行う場合は演出の差替えに伴い(1)の処理を行う。また、可動役物が表示装置41の中央付近まで動作する第1の動作を行った後に、当該表示装置41の中央付近で第2の動作を行い、さらに第3の動作を行う場合は、第1の動作の終了、第2の動作の終了又は第3の動作の終了の何れかまで動作を行って初期位置に戻るように(2)の処理とする。
このような処理は可動役物だけではなく、ランプやLEDによる発光演出や音声による音声演出についても適用可能であり、(1)から(3)の処理の何れか一つを実行するようにしても良いし、実行される演出に応じて(1)から(3)の処理の何れかを選択するようにしても良い。例えば、発光演出については直ちにキャンセルしても違和感があまりないため、基本的には(1)の処理で対応可能であるが、発光部位が順次隣接した位置に移動するような循環的な(連続的な)発光演出である場合には(2)や(3)の処理とする方が違和感は少ない。また、音声演出については(1)のように直ちにキャンセルすると違和感が生じるため、基本的には(2)又は(3)の処理とすることが好ましい。もちろんどの処理とするかは任意に設定可能である。
以上のことから、始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技球の流入を検出可能な始動領域(普図始動ゲート、始動入賞口36、普通変動入賞装置37)と、始動領域への遊技球の流入に基づき前記ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づきゲームを実行するゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、ゲームの実行中に新たな始動記憶が発生した場合に、当該ゲームに対応する演出を変更可能であることとなる。したがって、単に新たな始動記憶についての演出を重畳して実行するというものとは異なり、始動記憶の発生に伴い実行中のゲームに対応する演出が変更されるという斬新な演出が可能となるので、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、ゲームの開始時に、当該ゲームに対応する演出を設定し、ゲームの実行中に新たな始動記憶が発生した場合に、当該ゲームの開始時に設定された当該ゲームに対応する演出を変更可能であることとなる。すでに内容が決定された演出を変更可能となるので、演出の変化を多彩なものとすることができて遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、ゲームに対応する演出として、前半演出と、当該前半演出の後に実行する後半演出とを設定可能であり、ゲームの実行中であって後半演出の開始前に新たな始動記憶が発生した場合に、当該後半演出を変更可能であることとなる。したがって、後半演出ごと変更すればよくなり、変更に関する制御処理が簡単なものとなる。
また、演出制御手段は、所定の割合で後半演出を設定しないことが可能であり、始動記憶の数が所定値より少ない場合は、所定値以上である場合よりも後半演出を設定する割合が高いこととなる。したがって、始動記憶が少ない状態での後半演出により遊技の興趣を向上させることができるとともに、始動記憶の発生に伴いこの後半演出が変更可能であることで遊技が冗長になることを防止できる。
次に、演出操作部550を用いた演出について説明する。上述したように演出操作部550は、押圧操作入力を受け付ける演出ボタン25と、演出ボタンの上面に設けられ、接触操作入力を受け付けるタッチパネル29とを備える。この演出操作部550に対する操作に基づく情報は、演出制御装置300に入力されるようになっている。演出制御装置300では、この情報に基づき特図変動表示ゲーム対応する演出の変化や、音量などの遊技機の設定情報の変更を行うようになっている。
演出操作部550の操作に基づき特図変動表示ゲームに対応する演出を変化させる操作反映演出を行う場合には、演出操作部550の操作が演出に反映される操作反映期間が開始される前に、当該操作反映期間が開始されることを報知する操作準備演出が行われる。図33には操作準備演出の一例を示した。
操作準備演出が開始されると、まず図33(a)に示すように複数の第1画像91が表示されるとともに、所定の位置(ここでは画面の中央)へ向かって集合するように移動する。そして、図33(b)に示すように第1画像91が所定の位置に集合すると、図33(c)に示すように演出操作部550を模した第2画像92に変化する。なお、図33(c)に示すように第2画像92が表示されただけの段階では、操作反映期間が開始されたことを報知するものとはならない。後述する図33(h)に示すように、「押せ!!」の表示や操作反映期間表示93などの操作指示表示が表示された状態となることで操作反映期間であることを報知するものとなる。
その後、図33(d)に示すように、新たな第1画像91が表示されるとともに第2画像92へ向かって移動して第2画像と一体となり、図33(e)に示すように第2画像92が変化する。さらに、図33(f)に示すように、新たな第1画像91が表示されるとともに第2画像92へ向かって移動して第2画像92と一体となり、図33(g)に示すように第2画像92が変化する。そして、図33(h)に示すように、「押せ!!」の表示や操作反映期間表示93などの操作指示表示が表示された状態となることで操作反映期間であることを報知するものとなり、ここから操作反映期間が開始される。すなわち、操作反映期間の開始に伴い操作指示表示がなされることで操作促進画像に変化するとも言える。このような操作準備演出を行うことで、遊技者に対して操作を行うための準備期間を与えることができる。すなわち、操作準備演出を実行する期間が操作準備期間をなす。また、第1画像91や第2画像92によって期待度も示唆することができ、演出操作部550の操作促進につながるとともに遊技の興趣を向上させることができる。
第2画像92は、図33(c)に示す第1段階の第2画像92、図33(e)に示す第2段階の第2画像92、図33(g)に示す第3段階の第2画像92の順に段階的に変化するようになっている。ここでは段階の程度を第2画像92の大きさにより示しているが、色など他の要素によって示しても良い。そして、「押せ!!」の表示や操作反映期間表示93などの操作指示表示が表示されて操作反映期間であることを報知するものとなる第2画像92の種類により、演出操作部550の操作が反映された後の演出を示唆するようになっている。この第2画像92(操作促進画像)は操作反映期間の終了まで表示される。
すなわち、図33(c)に示す第1段階の第2画像92、図33(e)に示す第2段階の第2画像92、図33(g)に示す第3段階の第2画像92のうち、何れの段階でも操作指示表示が表示され操作促進画像となる可能性がある。この段階が進行した第2画像92であるほどリーチが発展する可能性が高いことや特別結果となる可能性が高いことなど遊技者にとって期待度が高い状態となる可能性が高いことを示唆するようになっている。つまり、操作準備演出は、演出操作部550の操作が反映された後の演出を示唆する示唆演出をなすものである。なお、操作反映期間の開始時に初めて第2画像92に変化するようにしても良い。
以上のような操作準備演出は、図26に示した変動演出設定処理において設定される。飾り特図変動表示ゲームの一部として演出操作部550の操作に基づき演出を変化させる操作反映演出を行う場合には、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定する処理(ステップC390)で操作反映演出及び当該操作反映演出に対応した操作準備演出が選択される。また、リーチ状態となる前に実行される前半予告の一部として操作反映演出を行う場合には、前半予告設定処理(ステップC386)で操作反映演出及び当該操作反映演出に対応した操作準備演出が選択される。また、リーチ状態で実行される後半予告の一部として操作反映演出を行う場合には、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選(ステップC386)で操作反映演出及び当該操作反映演出に対応した操作準備演出が選択される。
また、例えば、図33(c)の状態から図33(d)のように新たな第1画像91が集合しても図33(e)のように第2画像92の段階が進行せずに、元の図33(c)の第2画像92の段階が維持されるようにしても良い。また、図33(c)の状態から図33(d)のように第1画像91が集合した後に図33(g)の第2画像92に変化するような一度に複数段階が進行する変化をするようにしても良い。
さらに、図33(h)に示すように操作指示表示が表示されて操作反映期間であることを報知するものとなり操作反映期間が開始された後に、当該操作反映期間において新たな第1画像91が表示されるとともに第2画像92へ向かって移動して第2画像92と一体となり、第2画像92が変化するようにしても良い。この際の第1画像91は操作反映期間の前において表示可能な第1画像91と同種のものであっても良いし、操作反映期間内でのみ表示可能な第1画像91であっても良い。例えば、図33(c)の段階で操作指示表示が表示されて操作反映期間であることを報知するものとなり操作反映期間が開始された後に、図33(d)から(g)のように第2画像が段階的に変化するようにしても良い。
また、第1画像91によって演出操作部550の操作が反映された後の演出を示唆することが可能である。図34には第1画像91による示唆の一例を示した。図34(a)に示すように第1画像91の個数によって示唆することが可能である。この場合は例えば第1画像91の個数が多い方が遊技者にとって期待度が高い状態となる可能性が高いことを示唆するようにする。また、図34(b)に示すような第1画像91の色彩、図34(d)に示すような第1画像91の大きさ、図34(d)に示すような第1画像91の形状などによって示唆することが可能である。この場合は例えば第1画像91の色彩、大きさ又は形状として期待度の異なる複数種類から選択可能とし、期待度の高い第1画像91が多いほど遊技者にとって期待度が高い状態となる可能性が高いことを示唆するようにする。
また、図34(e)に示すように第1画像91が表示される位置によって示唆することが可能である。この場合は例えば第1画像91の表示位置として期待度の異なる複数の位置から選択可能とし、期待度の高い表示位置の第1画像91が多いほど遊技者にとって期待度が高い状態となる可能性が高いことを示唆するようにする。図34(e)では図33(b)に比べて左の位置にある第1画像91が多くなっている。
また、図34(f)に示すように第1画像91の動作によって示唆することが可能である。この場合は例えば第1画像91の動作として期待度の異なる複数の動作から選択可能とし、期待度の高い動作の第1画像91が多いほど遊技者にとって期待度が高い状態となる可能性が高いことを示唆するようにする。図34(f)では直線的に動作する第1画像91と蛇行しながら動作する第1画像91が存在している。
また、図35(a)に示すように第1画像91が集合する位置によって示唆することが可能である。この場合は例えば第1画像91の集合位置として期待度の異なる複数の位置から選択可能とし、期待度の高い集合位置であるほど遊技者にとって期待度が高い状態となる可能性が高いことを示唆するようにする。図35(a)では図33(b)に比べて右の位置に第1画像91が集合している。
また、図35(b)に示すように集合した第1画像91の数によって示唆することが可能である。この場合は例えば第1画像91が集合する数が多いほど遊技者にとって期待度が高い状態となる可能性が高いことを示唆するようにする。図35(b)では当初表示された第1画像91は4つであるが、集合した数は3つとなっている。さらに、集合した第1画像91の種類や、集合に参加した順番によっても期待度を示唆するようにしても良い。また、複数の第1画像91が集合するのではなく、一つの第1画像91が特定の位置で第2画像92に変化するものであっても良い。
また、図35(c)に示すように集合した第1画像91の種類を確認できるようにしても良い。図35(c)では、第2画像92において集合した第1画像91の種類を示しているが、別途の画像で表示するなどこれ以外の方法であっても良い。さらに、集合した順番により期待度を報知可能とした場合には、図35(d)に示すように集合した順番で並べて表示することで種類だけでなく順番も確認できるようにしても良い。なお、図34、図35に示したものは一例であり、これ以外の事象により示唆を行うようにしても良い。また、図34、図35に示したものを組み合わせて適用することも可能である。
図36には、操作反映期間において演出操作部550を操作したこと又は操作反映期間がタイムアップすることにより操作反映期間が終了する場合の表示の一例を示した。図36(a)に示すように、演出操作部550の操作に伴い第2画像92が消滅表示94に変化して消滅するようにしても良い。消滅の際に表示される消滅表示94により期待度の高さを示唆するようにしても良い。
また、図36(b)に示すように、演出操作部550の操作に伴い集合した第1画像91に変化するとともに第1画像91が発散するように動作するようにしても良い。表示される第1画像91の種類や数は、第2画像92が表示される際に集合した第1画像91と同一であっても良いし、異なっていても良い。第2画像92が表示される際に集合した第1画像91と同一とすれば元の画像に戻るとも言え、第2画像92が表示される際に集合した第1画像91と異なるとすれば元の画像とは別の画像に変化するとも言える。さらに、この際に表示される第1画像91の種類や数、動作等により期待度の高さを示唆するようにしても良い。また、図36(c)に示すように、演出操作部550の操作に伴い第2画像92自体が分割されて発散するようにしても良い。このときの分割の態様や動作等により期待度の高さを示唆するようにしても良い。もちろん図36に示したような表示をせずに単に第2画像92が消滅するようにしても良い。
また、操作反映期間において演出操作部550を操作したことにより操作反映期間が終了する場合と、操作反映期間において演出操作部550を操作せずに又は必要な操作が全て行われなかったことにより操作反映期間がタイムアップして終了する場合と、で第2画像92が消滅する際の表示態様が異なるようにしても良い。もちろん何れの場合でも同じ表示態様としても良い。
なお、操作準備演出の開始に伴い第1画像91の表示を開始するとしたが、操作準備演出の開始前から第1画像91が表示され、操作準備演出の開始に伴い集合するようにしても良い。例えば、操作反映期間が設定される特図変動表示ゲームの開始時に第1画像91の表示を開始するようにしても良い。また、操作反映期間が設定される特図変動表示ゲームよりも前の特図変動表示ゲームで第1画像91の表示を開始するようにしても良い。この場合、操作反映期間が設定される特図変動表示ゲームを実行する始動記憶についての先読み情報に基づいて先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)や先読み変動系コマンド処理(ステップC246)において操作反映期間が設定されることを把握したことにより第1画像91の表示を開始するようにしても良いし、背景のように常に第1画像91を表示しておくようにしても良い。
さらに、集合した第1画像91について当該第1画像91の表示が開始されたタイミングにより演出操作部550の操作が反映された後の演出を示唆可能としても良い。例えば、集合した第1画像91において、操作反映演出を実行する特図変動表示ゲームの開始よりも前から表示されている第1画像91が多いほど期待度の高い演出となるとしても良い。
また、第2画像92についても操作反映演出を実行する特図変動表示ゲームの開始前から表示可能としても良い。例えば、図33(g)の段階までは操作反映演出を実行する特図変動表示ゲームの開始前までに実行可能として、図33(h)のような「押せ!!」の表示や操作反映期間表示93などの操作指示表示については操作反映演出を実行する特図変動表示ゲームでのみ実行可能とする。もちろんこの場合も、操作反映期間が設定される特図変動表示ゲームを実行する始動記憶についての先読み情報に基づいて先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)や先読み変動系コマンド処理(ステップC246)において操作反映期間が設定されることを把握したことにより第2画像92の表示を開始するようにしても良いし、背景のように常に第2画像92を表示しておくようにしても良い。さらに、当該第2画像92の表示が開始されたタイミングにより演出操作部550の操作が反映された後の演出を示唆可能としても良い。
また、表示装置41の中央側へ向けて動作可能な盤演出装置44が、第1画像91の集合に合わせて第1画像91が集合する位置まで動作可能としても良い。さらに、第1画像91の集合に合わせて盤演出装置44が動作するか否かにより期待度が異なるようにしても良い。また、図33(b)のように集合した第1画像91のうちの一部が分離可能とし、集合した数が減少して報知する期待度が変化するようにしても良い。また、集合と分離を複数回実行可能として、最終的に集合した第1画像91により期待度を示唆するようにしても良い。
また、操作準備演出として第1画像が集合して第2画像に変化する例を挙げたが、これ以外の演出で同様の演出を行うようにしても良い。例えば、飾り特図変動表示ゲームの実行中に左、中、右変動表示領域の何れか又は複数に第1画像が集合して第2画像をなす識別情報に変化し、リーチ状態となったり擬似連となったりするようにしても良い。また、飾り特図始動記憶表示に第1画像91が集合して第2画像をなす先読み情報を含む飾り特図始動記憶表示に変化する先読み演出を行うようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技に関する画像を表示可能な表示装置41と、操作を受け付ける操作手段(演出操作部550)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、操作手段からの入力を演出に反映可能な操作反映演出を実行可能であり、操作手段の操作が反映された後の演出を示唆する示唆演出を表示装置41に表示可能であり、示唆演出は、第1画像91が第2画像92となる演出であり、第1画像91の態様により、操作手段の操作が反映された後の演出を示唆可能であることとなる。これにより、演出操作部550の操作に対して遊技者に期待感を持たせることが可能となり、演出操作部550の操作を促進し、遊技の興趣を向上させることができる。
また、示唆演出は、複数の第1画像91が集合して第2画像92となる演出であり、複数の第1画像91の態様により、操作手段の操作が反映された後の演出を示唆可能であることとなる。これにより、より詳細な示唆が可能となる。
また、演出制御手段は、操作手段からの入力を演出に反映可能な操作反映期間を設定可能であり、示唆演出において、操作反映期間の開始より前に表示された複数の第1画像91を集合させて操作反映期間の開始までに第2画像92とし、当該操作反映期間の終了までの期間にわたり第2画像92を表示するようにしたこととなる。これにより、操作反映期間であることを報知可能となる。
また、演出制御手段は、集合した複数の第1画像91の数により、操作手段の操作が反映された後の演出を示唆可能であることとなる。
また、演出制御手段は、集合した複数の第1画像91の種類により、操作手段の操作が反映された後の演出を示唆可能であることとなる。
また、演出制御手段は、操作手段の操作が反映された後の演出についての複数の第1画像91の態様による示唆内容に応じて第2画像92の態様を選択可能であることとなる。
また、演出制御手段は、操作反映期間において表示されている第2画像92に対して第1画像91を付加することにより、操作手段の操作が反映された後の演出の示唆内容を変更可能であることとなる。
また、演出制御手段は、複数の第1画像91の一部又は全部を、操作反映演出を実行するゲームの開始前から表示可能であることとなる。
また、演出制御手段は、集合した複数の第1画像91の表示を開始したタイミングにより、操作手段の操作が反映された後の演出を示唆可能であることとなる。
次に、演出操作部550の操作に基づく操作反映態様について説明する。操作反映演出では演出操作部550の操作を演出に反映させるようにしているが、演出操作部550の操作態様をそのまま反映させるのではなく、演出操作部550の操作に基づいて演出に反映させるための操作反映態様を設定し、この操作反映態様に従って演出の変化を行うようにしている。図37には、押圧操作入力と当該押圧操作入力に基づく操作反映態様を示した。
図37(a)の例では、演出操作部550に対する押圧操作が演出に反映される操作反映期間が開始され(t51)、その後、押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONとなっている(t52)。この押圧操作は操作反映期間内の所定期間にわたり継続し、演出ボタンスイッチ25aはこの所定期間にわたりON状態が継続している(t52〜t57)。
演出制御装置300は、押圧操作が開始されて演出ボタンスイッチ25aがON状態に変化することに基づき、1回のみの押圧操作(単打)がなされたとするように操作反映態様をONに設定する(t52)。その後、所定時間にわたり押圧操作がなされていないとするように操作反映態様をOFFとし(t53〜t54)、当該所定時間の経過(t54)から押圧操作が終了するまで(t57)の期間に亘り、所定間隔(t55〜t56)で単打がなされたとする(すなわち連打とする)ように操作反映態様を設定する。
演出操作部550の押圧操作を継続した状態(長押し)とすることにより連打をしているのと同様の操作となることで、遊技者にとって操作が簡単となって演出に集中することができ、遊技の興趣を向上することができる。また、押圧操作の開始に伴い単打をしたものとし、その後所定期間にわたり操作をしていない状態とすることで、遊技者が意図せずに連打となってしまうことを防止できる。
図37(b)の例では、演出操作部550に対する押圧操作が演出に反映される操作反映期間が開始される前に押圧操作が開始されている(t61)。この時点では操作反映期間ではないので操作反映態様をONとしない。そして、この押圧操作が継続されたまま操作反映期間が開始されている(t62)。この場合、操作反映期間の開始(t62)から、押圧操作が終了するまで(t65)の期間に亘り、所定間隔(t63〜t64)で単打がなされたとする(すなわち連打とする)ように操作反映態様を設定する。
すなわち、図37(a)のように単打とした後に所定期間にわたり操作をしていない状態とする期間を設けず、操作反映期間の開始から連打として扱うようにしている。このようにすることで、操作反映演出を早期に終結させたい遊技者は操作反映期間の前から長押しをすれば良くなり、遊技者の意思に応じた制御とすることができる。
なお、操作反映期間が開始されることは上述した操作準備演出が行われることにより把握可能となる。よって、操作準備演出の実行中に開始された押圧操作の場合のみ図37(b)のような操作反映態様とし、操作準備演出の開始前に開始された押圧操作の場合は、操作反映期間が開始されても操作反映態様として単打のみ又は操作がされていない状態としても良い。操作準備演出の実行中に押圧操作が開始された場合は、遊技者が操作反映演出を早期に完結させるために押圧操作をする意図があるものと推測でき、図37(b)のような操作反映態様とすることで、遊技者の意図に沿った制御となる。これに対して操作準備演出の開始前に押圧操作を開始した場合は、操作反映演出を早期に完結させるために押圧操作をしている可能性が低いため、操作反映期間が開始されても単打のみ又は操作がされていない状態とすることで、遊技者の意図に沿った制御となる。
なお、図37の例では、操作反映期間内で押圧操作を終了しているが、操作反映期間の終了より後に押圧操作が終了する場合は、演出反映態様は操作反映期間の終了まで連打となり以降は操作がされていない状態となる。また、所定回数の操作により終了する操作反映演出の場合は、操作反映態様に従って当該所定回数の操作が行われたと判断された時点で操作反映期間が終了し、以降の操作反映態様は操作がされていない状態となる。
また、図37(b)に示すように操作反映期間の開始前に演出操作部550が操作されている場合に、当該操作を受け付けていることを遊技者に示すための報知を行うようにしても良い。例えば、操作反映期間での演出操作部550の操作により味方キャラクタが刀で敵キャラクタを斬る演出を実行する場合に、操作準備演出における演出操作部550の操作により味方キャラクタが刀を素振りするような演出を行うようにしても良い。すなわち、操作反映演出と同様の動作により操作反映演出の演出内容を示唆する演出表示を行うようにしても良い。また、当該操作を操作反映期間まで継続することで操作反映期間の開始から連打となる旨を報知するようにしても良い。
また、図37(a)のように操作反映期間において演出操作部550の操作が開始される場合において、操作反映期間の開始から所定時間経過後の操作の場合は、所定時間にわたり押圧操作がなされていないとするように操作反映態様をOFFとする期間(t53〜t54)を設けずに、操作の当初から操作反映態様が連打となるようにしても良い。これにより、操作反映期間の終了に近いタイミングで操作を開始しても、当初から連打となることで要求されている操作が完了しやすくなる。
また、操作の対象によって操作反映態様として連打を設定するか否かを選択できるようにしても良い。例えば、操作反映演出に対しては連打を設定可能とするが、演出モードの変更などの操作の場合には連打を設定しないようにして、遊技者にとって操作が行いやすいようにしても良い。
また、演出操作部550の操作態様により単打と連打を選択できるようにしても良い。例えば、タッチパネル29での検出結果も用いるようにし、演出操作部550の左半分に接触して押圧した場合は単打のみとして連打を設定しないようにし、演出操作部550の右半分に接触して押圧した場合は連打を設定するようにしても良い。また、演出操作部550を浅く押圧した場合は単打のみとして連打を設定しないようにし、演出操作部550を深く押圧した場合は連打を設定するようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、操作を受け付ける操作手段(演出操作部550)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、操作手段からの入力を演出に反映可能な操作反映期間を設定可能であり、操作手段からの入力が継続された状態で操作反映期間が開始された場合には、当該操作反映期間の開始から操作手段からの入力が継続されている期間にわたり、操作手段が所定間隔で操作されているものとして演出に反映させるようにしたこととなる。これにより、演出操作部550の操作を簡便なものとすることができ、遊技者に操作を行う意欲を与え、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御手段は、操作反映期間内で開始された操作手段からの入力については、当該入力の開始に伴い一回の操作がされたものとして演出に反映させるとともに当該入力の開始から一定時間にわたり入力が継続していても操作がされていないものとし、当該一定時間を超えても入力が継続している場合には、当該一定時間の経過から当該入力が継続されている期間にわたり操作手段が一定時間より短い所定時間毎に操作されているものとして演出に反映させるようにしたこととなる。これにより、遊技者の意に反して連打となることを防止でき、遊技者の意思に沿った操作を行うことが可能となる。
また、演出制御手段は、操作反映期間の開始前に当該操作反映期間が開始されることを予告する操作準備期間を設定可能であり、当該操作準備期間において操作手段からの入力があった場合には、当該入力があった旨を報知するようにしたこととなる。
図38には、ボタン操作モードの切替について示した。ボタン操作モードは手動と自動の2つのモードがある。手動モードは操作反映演出において演出操作部550の操作に応じて演出を変化させるモードである。これに対して自動モードは操作反映演出において演出操作部550を操作しなくても必要な操作がされたとみなして演出を変化させるモードである。
ボタン操作モードの切り替えは、図38(a)に示すように切替可能期間において演出操作部550を所定のモード切替時間(例えば2秒)にわたり押下することで切り替えられるようになっている。なお、切替可能期間は少なくとも操作反映期間でない期間とされている。この切替可能期間内でありボタン操作モードが自動である状態において、演出操作部550の押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONとなっている(t71)。この押圧操作が切替可能期間内でモード切替時間(t71〜t72)にわたり継続すると、ボタン操作モードは手動に切り替えられる(t72)。また、切替可能期間内でありボタン操作モードが手動である状態において、演出操作部550の押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONとなっている(t73)。この押圧操作が切替可能期間内でモード切替時間(t73〜t74)にわたり継続すると、ボタン操作モードが切り替えられて自動モードとなる(t74)。
図38(b)には、ボタン操作モードが手動モードである場合に、演出操作部550の押圧操作が開始されたが(t81)、押圧操作を継続している時間がモード切替時間に達する前に操作反映期間が開始された(t82)場合を示した。この場合は、操作反映期間内で押圧操作を継続している時間がモード切替時間に達しても(t83)ボタン操作モードの切り替えを行わない。また、操作反映期間の開始前から押圧操作が継続していることから、図37(b)と同様に演出反映期間の開始(t82)に伴い操作反映態様は連打とされる(t82〜t84)。このように演出反映演出に対する操作入力を優先することで、操作反映演出に対する操作が行われない事態を回避できる。そして、操作反映期間の終了に伴い切替可能期間となり(t85)、この切替可能期間で新たに開始された演出操作部550の押圧操作(t86)がモード切替時間に達することでボタン操作モードが切り替えられて自動モードとなる(t87)。
なお、図38(c)に示すように、切替可能期間において演出操作部550の押圧操作が開始されたが(t91)、押圧操作を継続している時間がモード切替時間に達する前に操作反映期間が開始された(t92)場合には、操作反映期間の開始(t92)からモード切替時間に達するはずであった時間(t93)までの時間である不足時間(t92〜t93)を記憶しておくようにしても良い。そして、当該操作反映期間の終了(t95)から記憶した不足時間にわたり押圧操作が継続された場合(t95〜t96)にはボタン操作モードを切り替えるようにしても良い。
また、図38(c)の場合において、操作反映期間の終了(t95)から不足時間ではなくモード切替時間にわたり押圧操作が継続された場合にボタン操作モードを切り替えるようにしても良い。また、図38(c)の場合において、切替可能期間において演出操作部550の押圧操作が開始されたが(t91)、押圧操作を継続している時間がモード切替時間に達する前に操作反映期間が開始された(t92)場合であっても、当該モード切替時間(t91〜t93)にわたり押圧操作が継続された場合には、ボタン操作モードを切り替えるようにしても良い。
図39には、演出操作部550の操作による音量の調整について示した。音量の調整は、音量変更可能期間において演出操作部550のタッチパネル29で音量調節操作を行うことで所定の範囲(ここでは1〜5の5段階)で調整が可能となっている。なお、機能調節可能期間である場合は音量変更可能期間でもあるので音量の調整も可能である。音量調節操作には、音量を増加させる増加操作と、音量を減少させる減少操作とがあり、それぞれ異なる操作である。
図39(a)に示すように、音量変更可能期間でない場合に音量変更操作が行われても音量は変更されない(t101)。音量変更可能期間が開始された後(t102)、音量変更操作として減少操作が行われる毎に音量が1段階ずつ減少する(t103、t104、t105、t106)。また、音量変更操作として増加操作が行われる毎に音量が1段階ずつ増加する(t107、t108、t109、t110)。
また、減少操作を規定時間(t111〜t112)にわたり継続して行った場合は、当該減少操作の開始時に音量が1段階減少するとともに規定時間の経過に伴い音量が最小値となるようにされている。これに対して増加操作を継続して行った場合は、当該増加操作の開始時に音量が1段階増加するとともに一定の時間ごとに音量が1段階ずつ増加するようになっている。これにより、音量が突然大きくなってしまうことを防止することができる。
図39(b)、(c)には、音量変更可能期間外において開始された減少操作が、音量変更可能期間の開始以降も継続されるとともに当該操作の開始から規定時間以上継続された場合を示した。この場合、規定時間の経過又は音量変更可能期間の開始の何れか遅い時に音量を最小値に設定するようにしている。
図39(b)の例では、音量変更可能期間外において減少操作が開始され(t121)、音量変更可能期間外で規定時間に達しており(t122)、その後、音量変更可能期間の開始(t123)以降も操作が継続されている。この場合、規定時間の経過(t122)よりも音量変更可能期間の開始(t123)の方が遅いため、音量変更可能期間の開始に伴い音量を最小値とするようにされている(t123)。また、図39(c)の例では、音量変更可能期間外において減少操作が開始され(t131)、音量変更可能期間が開始(t132)された後に規定時間に達している(t133)。この場合、音量変更可能期間の開始(t132)よりも規定時間の経過(t133)の方が遅いため、規定時間に達することに伴い音量を最小値とするようにされている(t133)。
なお、減少操作を規定時間以上継続して行うことで音量を最小値に設定するとしたが、最小値以外の既定の値に設定するようにしても良い。また、増加操作の場合にも規定時間以上継続して操作を行うことで音量を最大値に設定するようにしても良いし、最大値以外の規定の値に設定するようにしても良い。また、ここでは音量の調節について説明したがこれに限られるものではなく、表示装置41やランプ、LEDの輝度など演出の出力態様を調節するものであれば同様の制御が可能である。さらに、例えば減少操作を規定時間以上継続して行うなどの所定の操作を行うことで音量の他、表示装置41やランプ、LEDの輝度など演出の出力態様の全てを予め定められた値に設定するようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、操作を受け付ける操作手段(演出操作部550)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、操作手段からの入力に基づき演出の出力態様を変更可能であり、操作手段からの入力が規定時間以上継続したことに基づき、出力態様を予め定められた既定態様に設定可能であることとなる。これにより、簡便な方法で演出の出力態様の調節が可能となる。
また、演出制御手段は、操作手段からの入力に基づき、演出の出力態様として音量を変更可能であり、操作手段からの入力が規定時間以上継続したことに基づき、音量を既定態様として予め定められた値に設定可能であることとなる。
また、演出制御手段は、操作手段の操作態様に応じて、音量を増加又は減少させるように構成され、音量を減少させる操作については、当該音量を減少させる操作の入力が規定時間以上継続した場合には音量を規定態様として最小値に設定し、音量を増加させる操作については、当該音量を増加させる操作の入力が継続している期間にわたり、所定時間ごとに音量を段階的に増加させるようにしたこととなる。
また、演出制御手段は、音量を前記操作手段の操作により変更可能な音量変更可能期間を設定可能であり、音量変更可能期間の開始前に音量を減少させる操作が開始され、当該操作が音量変更可能期間の開始以降も継続されるとともに当該操作の開始から規定時間以上継続された場合には、規定時間の経過又は音量変更可能期間の開始の何れか遅い時に音量を最小値に設定するようにしたこととなる。
〔演出ボタン入力処理〕
以上のような制御を行うため、図20に示したメイン処理における演出ボタン入力処理(ステップC9)では図40に示す処理を行う。この演出ボタン入力処理では、まず、今回の演出ボタン状態領域の値を前回の演出ボタン状態領域にコピーして(ステップC601)、演出操作部(演出ボタン25やタッチパネル29)のポート状態データを今回の演出ボタン状態領域にコピーする(ステップC602)。そして、前回の演出ボタン状態領域の値や今回の演出ボタン状態領域の値などに基づいて演出操作部(演出ボタン25やタッチパネル29)の状態変化データを生成し、演出ボタン立上りエッジ領域にセーブする(ステップC603)。ここで、演出操作部からの入力の読み込みは、例えば1m秒周期のタイマ割込み処理内で行い、チャタリング除去等を行って、状態を確定しておく。そして、例えば約33.3m秒周期の演出ボタン入力処理では、演出操作部からの入力の状態を確認して入力内容を確定し、その結果に応じて演出を切り替える処理等を行う。
次いで、タッチセンサ29aの有効期間中であるかを判定する(ステップC604)。タッチセンサ29aの有効期間中とは、上述した音量の調節操作や演出に関連したその他操作など、タッチセンサ29aを使用した入力が可能な期間である。タッチセンサ29aの有効期間中でないと判定した場合(ステップC604;N)は、ステップC611の処理に移行する。一方、タッチセンサ29aの有効期間中であると判定した場合(ステップC604;Y)は、何れかのタッチセンサに入力があるかを判定する(ステップC605)。
何れのタッチセンサにも入力がないと判定した場合(ステップC605;N)は、ステップC611の処理に移行する。一方、ステップC605で、何れかのタッチセンサに入力があると判定した場合(ステップC605;Y)は、タッチセンサ制御処理(ステップC606)を行う。そして、タッチセンサ制御処理(ステップC606)の結果、タッチセンサ29aの入力内容が確定したかを判定する(ステップC607)。
具体的には、演出制御装置300は、例えば、演出操作部550に対する接触移動操作を促す画像等を表示装置41に表示して、フリック操作や丸くなぞる操作などの複数回の入力を監視しなければ確定できない操作を要求した場合には、複数回の入力結果に基づいて要求した操作がなされたと確定できた際に、入力内容が確定したと判定する。
ここで、複数回の入力結果とは、例えば、予め定められた入力内容確定期間内で実行された複数回の演出ボタン入力処理の各ステップC603にて生成された演出操作部の状態変化データのことである。また、演出ボタン入力処理が約33.3m秒周期で行われるので、例えば入力内容確定期間を333m秒間に定めた場合には、入力内容確定期間内で10回の演出ボタン入力処理が実行されて10個の状態変化データが生成される。また、演出制御装置300は、例えば、演出操作部に対する接触操作を促す画像等を表示装置41に表示して、触る操作等の1回の入力を監視するだけで確定できる操作を要求した場合には、今回の入力結果に基づいて要求した操作がなされたと確定できた際に、入力内容が確定したと判定する。
タッチセンサ29aの入力内容が確定していないと判定した場合(ステップC607;N)は、ステップC611の処理に移行する。一方、タッチセンサ29aの入力内容が確定したと判定した場合(ステップC607;Y)は、当該操作が音量を増加又は減少させるための操作である音量調節操作であるかを判定する(ステップC608)。
音量調節操作でない場合(ステップC608;N)は、タッチセンサ29aの入力結果情報を保存して(ステップC609)、ステップC611の処理に移行する。ここで保存された入力結果情報に応じて演出を変化させるなどの対応する処理が行われることとなる。また、音量調節操作である場合(ステップC608;Y)は、音量制御処理を行い(ステップC610)、ステップC611の処理に移行する。
ステップC611では、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)の有効期間中であるかを判定する(ステップC611)。PUSHセンサの有効期間中でないと判定した場合(ステップC611;N)は、ステップC614に移行する。一方、PUSHセンサの有効期間中であると判定した場合(ステップC611;Y)は、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)に入力があるか、すなわち演出操作部550に対する押圧操作が検出されたかを判定する(ステップC612)。
PUSHセンサに入力があると判定した場合(ステップC612;Y)は、入力結果情報保存処理を行い(ステップC613)、ステップC614に移行する。また、PUSHセンサに入力がないと判定した場合(ステップC612;N)は、ステップC614に移行する。そして、ボタン操作モードが自動モードであるかを判定する(ステップC614)。ボタン操作モードが自動モードでない場合(ステップC614;N)は演出ボタン入力処理を終了する。また、ボタン操作モードが自動モードである場合(ステップC614;Y)は、操作反映演出の実行中であるかを判定する(ステップC615)。
操作反映演出の実行中でない場合(ステップC615;N)は演出ボタン入力処理を終了する。また、操作反映演出の実行中である場合(ステップC615;Y)は、演出ボタンを操作したとみなす所定のタイミングであるかを判定する(ステップC616)。所定のタイミングとは、例えば、操作反映期間の開始から、遊技者による操作を可能とする一定の時間が経過したタイミングとする。これにより、このタイミングより前であれば自動モードであっても遊技者の意思により操作が可能となり、より遊技者の意思に応じた制御とすることができる。また、一定の時間において演出操作部550の操作を促す操作促進画像や背景・ランプなどの演出を楽しめるようにすることもできる。
この所定のタイミングでない場合(ステップC616;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。また、所定のタイミングである場合(ステップC616;Y)は、演出に対応する入力結果情報を保存し(ステップC617)、演出ボタン入力処理を終了する。演出に対応する入力結果情報が保存されることで当該演出に応じた演出操作部550の操作が行われたとみなされるようになる。
なお、上記の所定のタイミング(ステップC616)について、遊技者による操作を可能とする一定の時間が経過したタイミングとするとしたが、これに限られるものではない。例えば、操作反映期間が終了するタイミングで必要な操作が行われたとみなすようにしても良い。また、複数回の操作を要求する操作反映演出においては、操作反映期間の開始から一定時間ごとに操作を行ったとみなして操作によって徐々に演出が変化する様子を遊技者に見せるようにしても良い。この場合、操作反映期間の開始に伴い1回目の操作が行われたとし、さらに、操作反映期間の終了までに必要な操作回数が行われるような間隔で操作が行われたようにする処理を行う。また、1回目の操作については上述と同様に操作反映期間の開始から一定時間が経過してから操作を行ったとみなすようにし、残りの操作反映期間で必要な操作回数が行われるような間隔で操作が行われたようにする処理としても良い。
また、自動モードにおいて操作が行われたとみなす予定のタイミングを示すようにしても良い。例えば、操作反映期間の残り時間の変化を視覚的に表示するために時間の経過とともに特定の色彩で表示された部分が減少するタイムバーである操作反映期間表示93において、操作が行われたとみなすタイミングの位置に目印を表示するようにし、当該目印の位置まで特定の色彩で表示された部分が減少した際に操作が行われたとみなすようにしても良い。また、操作が行われたとみなすタイミングに向けてカウントダウン表示を行うようにしても良い。
〔音量調節処理〕
図41には、演出ボタン入力処理における音量調節処理(ステップC610)を示した。この音量調節処理では、まず、増加操作であるかを判定する(ステップC621)。増加操作である場合(ステップC621;Y)は、音量変更可能期間の開始タイミングであるかを判定する(ステップC622)。
音量変更可能期間の開始タイミングである場合(ステップC622;Y)は、継続操作タイマに0をセットし(ステップC625)、継続操作タイマを+1更新する(ステップC626)。増加操作が行われている場合の継続操作タイマは、増加操作が継続されている期間にわたり所定時間ごとに音量を段階的に増加させるために、当該所定時間を計時するためのものである。一方、音量変更可能期間の開始タイミングでない場合(ステップC622;N)は、音量変更可能期間内であるかを判定する(ステップC623)。
音量変更可能期間内でない場合(ステップC623;N)は、音量制御処理を終了する。また、音量変更可能期間内である場合(ステップC623;Y)は、タッチセンサ状態は変化ありかを判定する(ステップC624)。タッチセンサ状態は変化ありである場合(ステップC624;Y)、すなわち増加操作を開始したタイミングである場合は、継続操作タイマに0をセットし(ステップC625)、継続操作タイマを+1更新する(ステップC626)。また、タッチセンサ状態は変化ありでない場合(ステップC624;N)、すなわち増加操作が継続されている場合は、継続操作タイマを+1更新する(ステップC626)。
そして、継続操作タイマは所定値であるかを判定する(ステップC627)。継続操作タイマが所定値である場合(ステップC627;Y)は、音量が最大値であるかを判定し(ステップC628)、音量が最大値でなければ(ステップC628;N)、音量を+1更新して(ステップC629)、音量制御処理を終了する。継続操作タイマの所定値には1である場合が含まれ、さらに、音量を段階的に増加させる間隔に対応する値が含まれる。これにより、増加操作の開始時に音量が1段階増加するとともに、増加操作を継続して行った場合には当該増加操作が一定時間継続するごとに音量が1段階ずつ増加するようになる。
一方、増加操作でない場合(ステップC621;N)、すなわち減少操作である場合は、タッチセンサ状態は変化ありであるかを判定する(ステップC630)。タッチセンサ状態は変化ありでない場合(ステップC630;N)、すなわち減少操作が継続して行われている場合は、ステップC635に移行する。また、タッチセンサ状態は変化ありである場合(ステップC630;Y)、すなわち減少操作が開始されたタイミングである場合は、継続操作タイマに0をセットし(ステップC631)、音量変更可能期間内であるかを判定する(ステップC632)。減少操作が行われている場合の継続操作タイマは、減少操作が規定時間にわたり継続された場合に音量を最小値とするために当該規定時間を計時するためのものである。
そして、音量変更可能期間内でない場合(ステップC632;N)は、音量制御処理を終了する。また、音量変更可能期間内である場合(ステップC632;Y)は、音量が最小値でなければ(ステップC633;N)、音量を−1更新する(ステップC634)。その後、継続操作タイマを+1更新し(ステップC635)、音量変更可能期間内であるかを判定する(ステップC636)。
そして、音量変更可能期間内であり(ステップC636;Y)、継続操作タイマは所定値以上であり(ステップC637)、音量は最小値でない場合(ステップC638;N)は、音量を最小値に設定して(ステップC639)、音量制御処理を終了する。これにより、減少操作を規定時間にわたり継続して行った場合は、当該減少操作の開始時に音量が1段階減少するとともに規定時間の経過に伴い音量が最小値となる。また、音量変更可能期間外において開始された減少操作が、音量変更可能期間の開始以降も継続されるとともに当該操作の開始から規定時間以上継続された場合に、規定時間の経過又は音量変更可能期間の開始の何れか遅い時に音量が最小値に設定されることとなる。
〔入力結果情報保存処理〕
図42には、演出ボタン入力処理における入力結果情報保存処理(ステップC613)を示した。この入力結果情報保存処理では、まず、演出ボタン状態は変化ありか、すなわち演出ボタン25の操作が開始されたタイミングであり、演出ボタンスイッチ25aがOFFからONに変化したかを判定する(ステップC651)。演出ボタン状態は変化ありである場合(ステップC651;Y)は、操作反映期間内であるかを判定する(ステップC652)。
操作反映期間内でない場合(ステップC652;N)は、待機フラグをセットし(ステップC659)、ボタン操作モードを切り替え可能な切替可能期間であるかを判定する(ステップC660)。そして、切替可能期間でない場合(ステップC660;N)は、入力結果情報保存処理を終了する。また、切替可能期間である場合(ステップC660;Y)は、モード変更待機フラグをセットし(ステップC661)、ボタン操作モードを変更するモード切替時間を計時するためのモード変更タイマに初期値をセットして(ステップC662)、入力結果情報保存処理を終了する。この場合は、操作反映期間の開始前に演出操作部550の押圧操作が開始された場合であり、この押圧操作が継続された状態で操作反映期間が開始された場合に、当該操作反映期間の開始から演出反映態様を連打の状態とするために待機フラグをセットする。また、切替可能期間であればモード切替時間の計時を開始する。
一方、操作反映期間内である場合(ステップC652;Y)は、入力結果情報に単打をセットし(ステップC653)、間隔タイマに第1初期値をセットする(ステップC654)。これにより、操作反映態様として単打が設定される(図37のt52)。また、間隔タイマは操作反映態様において押圧操作をしたとみなす間隔を計時するためのものである。第1初期値は、操作反映期間内で押圧操作が開始されたことに基づき操作反映態様として単打が設定された後の押圧操作がなされていないとする所定時間(図37(a)のt53〜t54)に相当する値である。
その後、間隔タイマが0でなければ−1更新し(ステップC655)、間隔タイマが0になったかを判定する(ステップC656)。そして、間隔タイマが0になっていない場合(ステップC656;N)は、入力結果情報保存処理を終了する。また、間隔タイマが0になった場合(ステップC656;Y)は、入力結果情報に単打をセットし(ステップC657)、間隔タイマに第2初期値をセットして(ステップC658)、入力結果情報保存処理を終了する。第2初期値は、操作反映態様として連打を設定する際の単打の間の間隔(図37(a)のt55〜t56)に相当する値である。
また、演出ボタン状態は変化ありでない場合(ステップC651;N)、すなわち演出ボタンスイッチ25aがONのまま変化していない場合は、操作反映期間内であるかを判定し(ステップC663)、操作反映期間内である場合(ステップC663;Y)は、待機フラグがあるかを判定する(ステップC664)。待機フラグがある場合(ステップC664;Y)は、待機フラグをクリアし(ステップC665)、ステップC657に移行する。この場合は、操作反映期間の開始前に演出操作部550の押圧操作が開始され、この押圧操作が継続された状態で操作反映期間が開始された場合である。この場合は操作反映態様として連打を設定するためにステップC657に移行する。
また、待機フラグがない場合(ステップC664;N)は、ステップC655に移行する。この場合は、操作反映期間内で演出操作部550の押圧操作が開始され、この押圧操作が継続された状態である。この場合は間隔タイマに第1初期値又は第2初期値が設定されて計時を行っている状態であるのでステップC657に移行する。
一方、操作反映期間内でない場合(ステップC663;N)は、モード変更待機フラグがあるかを判定し(ステップC666)、モード変更待機フラグがない場合(ステップC666;N)は、入力結果情報保存処理を終了する。また、モード変更待機フラグがある場合(ステップC666;Y)は、モード変更タイマが0でなければ−1更新し(ステップC667)、モード変更タイマが0となった場合(ステップC668)は、ボタン操作モードを変更して(ステップC669)、モード変更待機フラグをクリアして(ステップC670)、入力結果情報保存処理を終了する。この場合は、モード切替時間にわたり押圧操作が継続されたことからボタン操作モードを切り替える。
なお、操作反映演出での操作やモード切替操作を演出操作部550の押圧操作としたが、タッチパネル29への接触操作によりこれらの操作が行われるようにしても良い。この場合、タッチパネル29への操作に関する処理において、図37や図38に示したような操作態様となるような処理を行うようにする。また、音量変更操作はタッチパネル29の接触操作により行うとしたが、演出操作部550のとは別のボタンの押圧操作により行われるようにしても良い。この場合、音量を増加させる操作と減少させる操作を判別できるような構成とする。また、演出ボタン25やタッチパネル29の他に、空間における物体の存在を検出するセンサを備え、このセンサを使用した操作についても上述と同様の処理を行うようにしても良い。
次に、客待ち状態について説明する。遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの終了時に特図始動記憶がなく、次の特図変動表示ゲームを開始できない場合に演出制御装置300に客待ちデモコマンドを送信する。演出制御装置300は、この客待ちデモコマンドの受信に基づき客待ち状態を開始する。この客待ち状態では客待ちデモ画像の表示や後述する特定演出が実行される。すなわち、客待ちデモコマンドがゲームの終了後に連続して次のゲームが開始されない場合に送信される待機情報をなす。
なお、特図変動表示ゲームの終了時に特図始動記憶がなく、次の特図変動表示ゲームを開始できない場合であるが、何らかの原因で演出制御装置300が客待ちデモコマンドを受信できなかった場合は、客待ち状態ではなく単に特図変動表示ゲームの開始を待機する開始待機状態となる。以下の説明では、客待ち状態と開始待機状態とを合わせて待機状態と称することがある。よって、特図変動表示ゲームの終了時に特図始動記憶がなく、次の特図変動表示ゲームを開始できない場合には、客待ちデモコマンドの受信の有無にかかわらず待機状態には移行することとなる。
図43には客待ち状態における客待ちデモ演出を示した。ここでは特定ゲート39の遊技球の通過により発生する特定記憶が存在せず、客待ち状態で特定演出が実行されない場合について説明する。特図変動表示ゲームの変動表示が終了して結果を表示する停止時間となると、図43(a)に示すように飾り特図変動表示ゲームにおいても結果を停止表示する状態となる。そして、この停止時間が終了する時点で特図始動記憶が存在しない場合には、遊技制御装置100から客待ちデモコマンドが送信される。
客待ちデモコマンドの受信から予め定められた一定期間は、図43(b)に示すように特図変動表示ゲームの結果を表示する状態が維持される。そして一定期間が経過すると、図43(c)に示すように客待ちデモ画像が開始される。客待ちデモ画像の表示中では、記憶表示部83、実行中記憶表示部84、特図変動表示ゲーム表示部85、始動記憶数表示部86及び第2飾りゲーム表示部88の表示が消去され、全画面で客待ちデモ画像が表示される。
その後、客待ちデモ画像の表示開始から予め定められた表示時間が経過すると客待ちデモ画像が終了して、図43(b)に示す表示に戻る。以降は、図43(b)に示す前の特図変動表示ゲームの結果を一定期間にわたり表示する状態と、図43(c)に示す客待ちデモ画像を表示時間にわたり表示する状態とを繰り返すようになっている。さらに、客待ちデモコマンドの受信から予め定められた節電モード移行時間が経過すると節電モードに移行する。この節電モードでは、音量及び輝度が必要最低限の値とされる。表示内容については図43(b)と(c)を繰り返す状態が継続される。
客待ちデモコマンドを受信できなかった場合の開始待機状態では、客待ちデモ画像の表示は行われずに図43(b)の状態が維持される。また、節電モードへの移行も行われない。よって、待機状態の開始から図43(b)の表示を行う一定期間の経過後に客待ち状態と開始待機状態で表示態様が異なるようになり、両状態を判別可能となる。また、節電モードに移行しないことでも両状態を判別可能である。すなわち、図43(b)に示す表示を行う状態が待機状態の開始に伴い開始される第1待機状態をなし、図43(c)に示す客待ちデモ画像の表示又は節電モードが、待機状態の開始から所定期間の経過後に移行する第2待機状態をなす。
なお、客待ちデモコマンドの受信に伴い機能調節可能期間が開始されるので、客待ち状態では音量や輝度などの演出の実行態様が調節可能となる。一方、客待ちデモコマンドを受信していない開始待機状態では機能調節可能期間外のままとなり音量や輝度などの演出の実行態様が調節不可能な状態となる。よって、待機状態の開始から図43(b)の表示を行う一定期間が経過する前であっても音量や輝度の調節操作を行うことで、客待ち状態と開始待機状態を判別可能となる。また、待機状態の開始直後でない場合には、図43(b)の表示が一定期間経過しても図43(c)の表示に移行しないことから両状態を判別可能であるが、この一定期間が経過する前であっても音量や輝度の調節操作を行うことで、客待ち状態と開始待機状態を判別可能となる。よって、一定期間待つことなく迅速に遊技機の状態を判別可能である。
次に、特定演出について説明する。図44には特定演出の一例を示した。特定演出は、客待ち状態において特定記憶がある場合に実行される演出である。特定記憶は遊技球が特定ゲート39を通過することに基づき発生するようになっており、最大で4つの特定記憶を記憶可能である。一つ特定記憶に対応して一回の特定演出を実行可能となっている。記憶された特定記憶の情報は、センターケース40の左下部に設けられた特定記憶表示部49に表示されるようになっている。特定記憶表示部49では、特定記憶と一対一に対応した記憶表示が記憶順に並んで表示されるようになっており、図44(a)では3つの特定記憶があることを示している。右端の記憶表示が最先に記憶された特定記憶に対応する記憶表示であり、消化される毎に右へ移行するようになっている。
なお、特定記憶表示部49の表示を特図変動表示ゲームの特図始動記憶と混同しないように、特定記憶であることを文字情報等により明確に表示するようにしても良い。また、特定記憶表示部49を遊技領域32の周縁部など目立たない位置に配して特図変動表示ゲームの特図始動記憶と混同しないようにしても良い。また、特定記憶表示部49を設けずに特定記憶の情報を表示装置41に表示するようにしても良い。この場合、特定記憶の情報を客待ち状態でのみ表示するようにして特図変動表示ゲームの特図始動記憶と混同しないようにしても良い。
図44(a)に示すように、特図変動表示ゲームが終了して結果が表示されている状態となり、特図変動表示ゲームの停止時間が終了する時点で特図始動記憶が存在しない場合には、遊技制御装置100から客待ちデモコマンドが送信される。演出制御装置300は、客待ちデモコマンドを受信することにより客待ち状態を開始する。そして、客待ち状態において特定記憶が存在することに基づき、図44(b)に示すように特定記憶を一つ消化して特定演出を開始する。特定記憶が一つ消化されることに伴い特定記憶表示部49の表示は更新される。なお、客待ち状態となってからすぐに特定演出を開始するようにしても良いし、客待ち状態となってから所定の時間が経過した後に特定演出を開始するようにしても良い。
図44(b)に示すように特定演出は、飾り特図変動表示ゲームと同様に識別情報を変動表示した後に結果を停止表示するゲームとなっている。この特定演出を実行する際には、飾り特図変動表示ゲームに関連した表示である記憶表示部83、実行中記憶表示部84、飾り特図変動表示ゲーム表示部85及び始動記憶数表示部86の表示を消去する。ただし、第2飾りゲーム表示部88の表示は継続し、特図変動表示ゲームが実行されていないことを示すようにしている。また、始動記憶数表示部86の表示を行い、特図始動記憶が0であることを示すようにしても良い。
そして、表示装置41の表示領域の中央には、特定演出におけるゲームである特定ゲームを表示する特定ゲーム表示部601が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで特定ゲームを表示する。なお、特定ゲームの識別情報と飾り特図変動表示ゲームでの識別情報は異なるものとして、飾り特図変動表示ゲームの実行とは区別できるようにしている。
また、特定ゲーム表示部601の上方には、特定ゲームの実行中であることを示すゲーム表示部602が設けられている。このゲーム表示部602では、特定ゲームが実行されていることやその内容を報知し、飾り特図変動表示ゲームの実行とは区別できるようにしている。ここで実行されている特定ゲームは、識別情報の停止結果によってポイントが付与されるゲームであり、ゲーム表示部602においてはその内容を示す「ポイント獲得ゲーム」と表示されている。
また、特定ゲーム表示部601の右下方には、現在保有しているポイント数を表示する保有ポイント表示部603が設けられる。なお、保有ポイント表示部603は特定ゲームの実行中以外でも表示可能である。この獲得したポイントにより、遊技における演出のカスタマイズが可能となるなど、ポイントに応じた演出上の特典を得られるようになっている。
また、特定ゲーム表示部601の下方には、特図始動記憶の発生を促す表示を行う指示表示部604が設けられる。この指示表示部604では、例えば「始動口を狙ってください」と表示することで特図始動記憶がなく特図変動表示ゲームが実行できない状態であることを報知し、表示されている特定ゲームが飾り特図変動表示ゲームではないことを示すようにしている。
特定ゲームでは所定時間にわたり識別情報を変動表示した後に図44(c)に示すように識別情報を停止表示して結果を表示する。ここではベル図柄が揃う結果態様が導出されており、この結果態様に応じた10ポイントが付与されている。このように結果態様が導出されることにより一の特定演出が終了する。ここではまだ特定記憶が存在しているので新たな特定演出が開始される。なお、特定記憶が存在しない場合には図43(b)、(c)で説明した客待ち状態における表示が開始されるようになっている。
図45には、特定ゲームの識別情報と結果態様を示した。識別情報には「7」、「BAR」「スイカ」、「チェリー」「ベル」、「リプレイ」の6種類の図柄があり、これらが揃うことで対応するポイントが付与される。なお、リプレイ図柄が揃った場合は、特定記憶を消化せずに再度変動表示が開始される。
特定ゲームの結果や内容については、特図変動表示ゲームと同様に特定記憶の発生時に乱数を抽出して記憶し、特定記憶の消化時に当該乱数を判定して結果や内容を決定するようにしても良い。この場合は特図変動表示ゲームと同様の先読み演出を表示装置41や特定記憶表示部49において行うことが可能である。また、乱数に関係なく特定記憶の消化時に結果や内容を決定するようにしても良い。この場合は特定記憶の発生時に乱数を記憶しなくても良い。また、特定ゲームの結果や内容については特定ゲームの開始時の状況を考慮して決定するようにしても良い。例えば、客待ち状態の開始からの時間が長くなるほど遊技者にとって有利な結果や内容とするようにしても良い。
図46には、特定ゲームの実行中に特図始動記憶が発生して特図変動表示ゲームが開始される場合を示した。特図変動表示ゲームは遊技制御装置100が制御するゲームであり、特定ゲームの実行の有無にかかわらず特図始動記憶が発生すれば開始される。このため、特定ゲームの実行中に特図変動表示ゲームが開始されることがある。この場合、演出制御装置300では特定ゲームを終了して特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを実行するようにしている。
上述したように、特定ゲームの実行中に特図変動表示ゲームが開始される場合には、表示するゲームを切り替えるための切替用演出が設定される(図26参照)。図46、図47には切替用演出の一例を示した。
例えば、図46(b)に示すように一旦前回の飾り特図変動表示ゲームの結果を表示する切替用演出を設定し、記憶表示部83や始動記憶数表示部86において発生した特図始動記憶の情報を表示してから、図46(d)に示すように飾り特図変動表示ゲームを開始するようにする。これにより、特定ゲームと飾り特図変動表示ゲームを混同しないようにすることができる。また、強制的に終了された特定ゲームでは結果が導出されていないことから特定記憶を一つ付与して遊技者が損をしないようにする。もちろん図46(b)の表示を挟まずに単に図46(a)の表示から(d)の表示に切り替えるようにしても良い。また、特定記憶を付与しないようにしても良い。
また、図46(c)に示すように特定ゲームと飾り特図変動表示ゲームを重なるように表示する切替用演出を行った後に、図46(d)に示すように飾り特図変動表示ゲームの表示に移行するようにしても良い。なお、図46(c)に示す状態においては第2飾りゲーム表示部88で変動表示を行い、特図変動表示ゲームが実行されていることを示すようにしている。
また、図47(a)に示すように特定ゲームを実行している状態から、図47(b)に示すように特図始動記憶の発生に伴い、予定されていた特定ゲームの実行時間を短縮して実行中の特定ゲームの結果を導出する切替用演出を行った後に、図47(d)に示すように飾り特図変動表示ゲームの表示を行うようにしても良い。この場合は特定ゲームが結果を導出して終了することから特定記憶は付与しなくても良いが付与しても良い。また、図47(b)の時点で特図変動表示ゲームは開始されていることから、第2飾りゲーム表示部88においては変動表示を行うようにしても良い。さらに、特図始動記憶が発生して特図変動表示ゲームが開始されたことから、特図始動記憶の発生を促す表示を行う指示表示部604を行わないようにしても良い。また、図47(b)の表示の後に図46(b)に示した前の飾り特図変動表示ゲームの結果の表示を行ってから図47(d)に示す飾り特図変動表示ゲームの表示を行うようにしても良い。
また、特定ゲームを短縮せずに予定通り実行するようにしても良い。例えば、図47に示すように特定ゲームの表示を継続したまま、第2飾りゲーム表示部88において変動表示を行うようにする。この場合、特図始動記憶の発生を促す表示を行う指示表示部604を行わないようにしても良い。そして、特定ゲームが終了することに基づき図47(b)に示す結果態様の表示を行い、図47(d)に示すように飾り特図変動表示ゲームの表示を行うようにする。
この場合、特定ゲームの終了予定タイミングよりも飾り特図変動表示ゲームの終了予定タイミングが先である場合には、飾り特図変動表示ゲームの結果を表示するために一時的に特定ゲーム表示部601に替えて飾り特図変動表示ゲーム表示部85を表示するようにしても良いし、第2飾りゲーム表示部88においてのみ飾り特図変動表示ゲームの結果を表示しても良い。また、飾り特図変動表示ゲームの終了予定タイミングより前に特定ゲームを終了させて図47(b)のような結果表示を行うようにしても良い。
図47(c)の表示は、飾り特図変動表示ゲームと特定ゲームを並行して表示している状態であるが、より明確に二つのゲームを表示するようにしても良い。例えば表示領域を分割し、一方の領域には飾り特図変動表示ゲームや特図始動記憶の情報を表示し、他方の領域には特定ゲームを表示するようにしても良い。また、図46(c)のように二つのゲームを重ねた状態で並行して実行するようにしても良い。
図48には、客待ち状態となる際の実行態様の一例を示した。この例では、まず、特図始動記憶がない状態で特図変動表示ゲームが変動表示中となっている。これに対応して一括表示装置50の特図表示器(特図1表示器51又は特図2表示器52)では変動表示が行われる。また、飾り特図変動表示ゲーム表示部85や第2飾りゲーム表示部88でも変動表示が行われている。特図変動表示ゲームの変動表示中では、音量や輝度を調節可能な機能調節可能期間内となっている。また、特定演出は実行されていない。特定記憶数は2となっており、その後に遊技球が特定ゲート39を通過することに基づき特定記憶が加算されて3となっている(t151)。
特図変動表示ゲームの変動時間が終了して結果を表示する停止時間となると(t152)、特図表示器、飾り特図変動表示ゲーム表示部85及び第2飾りゲーム表示部88で変動表示を終了して結果を表示する。また、特図変動表示ゲームの変動時間の終了に伴い、機能調節可能期間が終了して音量や輝度の調節ができない状態となる。このように停止時間の開始に伴い機能調節可能期間を終了することで、飾り特図変動表示ゲームの停止結果の表示中に音量や輝度の調節画面が表示装置41で表示されることを防止し、結果の視認が妨げられないようにしている。
ここでは特図始動記憶が発生しておらず、停止時間の終了に伴い遊技制御装置100から客待ちデモコマンドが送信される(t153)。演出制御装置300では、この客待ちデモコマンドの受信に伴い客待ち状態を開始する。また、客待ちデモコマンドの受信に伴い機能調節可能期間を開始して音量や輝度の調節を可能とする。なお、始動記憶が存在する場合は客待ちデモコマンドは送信されず、このタイミングで特図変動表示ゲームが開始されて当該特図変動表示ゲームのコマンドが送信され、これに基づき機能調節可能期間が開始されて音量や輝度の調節が可能となる。また、客待ちデモコマンドを受信できなかった場合は開始待機状態となり機能調節可能期間は開始されないので、音量や輝度の調節はできない状態のままとなる。
客待ち状態の開始に伴い特定記憶に基づく特定演出が開始される(t153)。これに伴い特定記憶数が減算されて2となる。なお、その後に遊技球が特定ゲート39を通過しており、特定記憶が加算されて3となっている(t154)。そして、特定演出の開始から予定されていた実行時間が経過すると当該特定演出が終了し(t155)、特定記憶に基づいて新たな特定演出が開始される(t156)。これに伴い特定記憶数が減算されて2となる。
この特定演出の実行中に特図始動記憶が発生し(t157)、この特図始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが開始されている(t158)。特図表示器では特図変動表示ゲームの開始に伴い変動表示が開始される。また、特図変動表示ゲームの開始に伴い遊技制御装置100から演出制御装置300に特図変動表示ゲームの情報を含む変動コマンドが送信される。
飾り特図変動表示ゲーム表示部85と第2飾りゲーム表示部88では、すぐに変動表示を開始せず、図46(b)に示したような切替用演出が終了したタイミング(t159)から変動表示を開始するようになっている。また、特定演出は特図変動表示ゲームの開始に伴い終了する(t159)。ここでは図46(b)に示したように特定演出の結果を導出されずに終了しており、このタイミングで特定記憶を加算するようにしている。
なお、特図表示器での変動開始のタイミングは常に特図変動表示ゲームの開始時であるが、飾り特図変動表示ゲーム表示部85と第2飾りゲーム表示部88の変動開始タイミングや特定演出の終了タイミングは、図46、図47に示した表示態様のいずれとするかにより異なる。例えば、図46(c)に示した表示態様とする場合は、飾り特図変動表示ゲーム表示部85と第2飾りゲーム表示部88の変動開始タイミングは特図変動表示ゲームの開始時(t158)となる。また、特定演出の終了タイミングは切替用演出の終了タイミング(t159)となる。
図46(c)や図47に示した切替用演出を行う場合は、特定演出の終了タイミングが特図変動表示ゲームの開始後となるため、特定演出と特図変動表示ゲームが重なって実行されることとなる。また、これらの切替用演出では、客待ち状態における演出が特図変動表示ゲームの演出の一部として継続されていることとなる。このように、客待ち状態における演出の一部または全部が特図変動表示ゲームの演出の一部として継続されるようにしたことで、客待ち状態の演出から特図変動表示ゲームの演出へ違和感なく切り替えることが可能となる。
なお、客待ち状態における演出を特図変動表示ゲームの演出の一部として継続する場合には、上述のように特定演出が実行されている場合に限られない。例えば、図49(a)に示すように飾り特図変動表示ゲームの結果を停止表示している状態や、図49(b)に示すように客待ちデモ画像を表示している状態での演出表示620が、図49(c)や(d)に示すように特図変動表示ゲームの演出の一部として継続されるようにしても良い。また、図49(c)に示すように単なる特図変動表示ゲームの演出としても良いし、図49(d)に示すように特図変動表示ゲームの予告演出としても良い。
また、複数の特図変動表示ゲームにわたり連続的に演出を行う連続演出を実行する場合は、複数の始動記憶が存在する状態から開始する必要があるが、客待ち状態の演出を第1段階の演出とし、客待ち状態から開始された特図変動表示ゲームにおいてこれに続く第2段階の演出を行うようにすることで、複数の始動記憶がない場合でも連続演出と同等の演出を実行可能となる。
すなわち、客待ち状態から特図変動表示ゲームが開始される際に、客待ち状態における演出の一部又は全部を特図変動表示ゲームの演出として実行可能であることとなる。また、客待ち状態での演出と当該客待ち状態から開始される特図変動表示ゲームの演出に関連を持たせ、客待ち状態と特図変動表示ゲームとで連続する演出を実行可能としたこととなる。
また、図48に示したように機能調節可能期間は客待ちデモコマンドの受信を契機として開始されるので、特図変動表示ゲームが実行されていないにも係わらず音量や輝度の調節ができないことが確認できれば客待ちデモコマンドを取りこぼしたことを確認できる。また、客待ちデモコマンドを受信していなければ特定記憶があっても特定演出が実行されず、客待ちデモ画像の表示も行われず、節電モードにも移行しないので、これらの事象と合わせればより確実に客待ちデモコマンドの取りこぼしを把握可能となる。
また、特図変動表示ゲームが実行されていないにも係わらず音量や輝度の調節ができないが、客待ちデモ画像の表示や節電モードへの移行が行われた場合は、客待ちデモコマンドは正常に受信できているがその他の理由により不具合が生じていることを確認できる。すなわち、操作の可否や表示態様から遊技機の状態を把握できるようになる。近年では各台計数器の導入等で遊技店の係員が減少しており、遊技機の故障の状態を迅速に見極めることを可能とすることで、係員の負担を軽減することができる。
なお、機能調節可能期間の開始や終了のタイミングは任意に設定可能である。例えば、操作部24の回動動作や操作部24に設けられたタッチセンサからの検出信号を演出制御装置300でも確認できるようにし、これらを契機に機能調節可能期間を開始又は終了しても良い。また、特定のコマンドを受信したことを契機に機能調節可能期間を開始又は終了しても良い。また、変動表示中は機能調節可能期間外とし、停止時間を機能調節可能期間としても良い。また、変動表示の開始から変動表示中の所定タイミングまでを機能調節可能期間としても良い。
また、特図変動表示ゲームの演出の進行に応じて機能調節可能期間を設定しても良い。例えば、リーチ状態におけるリーチ演出の視認性を確保するためにリーチ状態である期間を機能調節可能期間外としても良い。また、演出操作部550の操作に基づき演出を変化させることが可能な操作反映期間中を機能調節可能期間外としても良い。さらに、操作反映期間の開始前所定期間や操作反映期間の終了後所定期間を機能調節可能期間外としても良い。これらの期間では操作反映演出に対する操作と機能調節のための操作を混同するおそれがあるため、機能調節可能期間外とすることで意図しない操作を防止できる。また、大当りの履歴などの閲覧など客待ち状態中でのみ使用可能なメニュー表示を行っている期間は機能調節可能期間外とするようにしても良い。すなわち、遊技の状態に応じて機能調節可能期間を開始又は終了するようにしても良い。
また、機能調節可能期間において音量や輝度などを調節している場合には、これらの状態を示すための調節画面が表示装置41に表示されるため、特図変動表示ゲームの結果を停止表示する期間やリーチ状態である期間などでは機能調節可能期間外として調節画面が表示されないようにしたが、調節画面が遊技に関する表示の視認性を低下させないようにすれば、これらの期間であっても機能調節可能期間内としても良い。
この場合、例えば特図変動表示ゲームの結果を停止表示する期間では、調節画面を結果の表示領域と重ならない位置に表示するようにする。また、リーチ状態である場合は、調節画面をリーチ演出の表示領域と重ならない位置に表示するようにする。なお、全画面でリーチ演出を表示する場合には、演出において重要度が低い表示を行っている領域に調節画面を表示するようにする。また、調節画面の表示中にこれらの期間が開始された場合は、調節画面を移動するようにする。例えば、変動表示中に表示を開始した調節画面が停止表示中にも引き続き表示される場合には、停止表示の開始に伴い調節画面を結果の表示領域と重ならない位置に移動するようにする。また、これらの期間では音量や輝度等の調節は可能であるが調節画面を表示しないようにして必要な情報の視認性の低下を防止するようにしても良い。
また、上記の期間に限らず調節画面の位置を他の表示の内容に応じて決定するようにしても良く、他の表示の内容の変遷に応じて調節画面の位置を移動するようにしても良い。また、調節画面と重なる他の表示の重要度に応じて、調節画面を他の表示よりも前側に表示するか否かを決定するようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する表示を表示可能な表示装置41と、表示装置41の表示を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出操作部550)と、を備え、演出制御手段は、所定条件の成立に基づき、ゲームにおける演出の出力態様の調節が可能な状態と不可能な状態とに切替可能であって、演出の出力態様の調節が可能な状態において、操作手段の操作に応じて演出の出力態様を調節可能であり、操作手段により演出の出力態様の調節が行われている場合には、表示装置41に演出の出力態様の状態を示す調節画面を表示するように構成され、ゲームにおいて当該ゲームの結果を表示する期間においては、演出の出力態様の調節が不可能な状態とするようにしたこととなる。したがって、必要な情報の視認性の低下を防止できる。
また、演出制御手段は、ゲームにおいて所定の演出が実行される期間においては、演出の出力態様の調節が不可能な状態とするようにしたこととなる。したがって、必要な表示の視認性が低下することを防止できる。
また、演出制御手段は、ゲームにおいて当該ゲームの結果を表示する期間においては、演出の出力態様の状態を示す調節画面が当該ゲームの結果の表示と重ならないように表示するようにしたこととなる。また、ゲームにおいて所定の演出が実行される期間においては、演出の出力態様の状態を示す調節画面が当該ゲームの結果の表示と重ならないように表示するようにしたこととなる。したがって、必要な表示の視認性が低下することを防止できる。
〔客待ちデモ設定処理〕
以上のような客待ち状態での処理を行うために、図23に示した単発系コマンド処理における客待ちデモ設定処理(ステップC268)では図50に示す処理を行う。この客待ちデモ設定処理では、まず、客待ち用シナリオデータを設定する(ステップC701)。客待ち用シナリオデータは、図43(b)に示すように前の特図変動表示ゲームの結果を一定期間にわたり表示する状態と、図43(c)に示す客待ちデモ画像を表示時間にわたり表示する状態とを繰り返すシナリオデータとなっている。
次に、P機状態を客待ち中に設定し(ステップC702)、節電モード移行タイマに初期値を設定する(ステップC703)。そして、機能調節可能期間を開始し(ステップC704)、客待ちデモ設定処理を終了する。これにより、客待ち状態の開始に伴い音量や輝度などの演出の出力態様の調節が可能となる。なお、客待ちデモコマンドを受信できなかった場合に移行する開始待機状態では、この客待ちデモ設定処理が行われず、特図変動表示ゲームの停止時間の開始に伴って機能調節可能期間が終了したままの状態となるため、演出の出力態様の調節はできない状態となる。
〔客待ち処理〕
図51には、図20に示したメイン処理における客待ち処理(ステップC20)を示した。この客待ち処理では、まず、P機状態は客待ち中であるかを判定し(ステップC711)、客待ち中でない場合(ステップC711;N)は、ステップC718に移行する。また、客待ち中である場合(ステップC711;Y)は、節電モードフラグがあるかを判定する(ステップC712)。
節電モードフラグがある場合(ステップC712;Y)、すなわち節電モードである場合は、ステップC717に移行する。また、節電モードフラグがない場合(ステップC712;N)は、節電モード移行タイマが0でなければ−1更新し(ステップC713)、節電モード移行タイマが0であるかを判定する(ステップC714)。
節電モード移行タイマが0でない場合(ステップC714;N)、すなわち客待ちデモコマンドの受信から節電モード移行時間が経過していない場合は、ステップC717に移行する。また、節電モード移行タイマが0である場合(ステップC714;Y)、すなわち客待ちデモコマンドの受信から節電モード移行時間が経過した場合は、節電モードに移行し(ステップC715)、節電モードフラグを設定して(ステップC716)、ステップC717に移行する。
次に、特定演出の実行に関する制御を行う特定演出制御処理を行い(ステップC717)、特定ゲートでの検出があるかを判定する(ステップC718)。特定ゲートでの検出がない場合(ステップC718;N)は、客待ち処理を終了する。また、特定ゲートでの検出がある場合(ステップC718;Y)は、特定記憶が上限値でなければ(ステップC719;N)、特定記憶を+1更新して(ステップC720)、客待ち処理を終了する。
なお、ここでは特定記憶を発生させるための専用の特定ゲート39を設けたが、始動入賞口36などの入賞に基づき特定記憶を発生させるようにしても良い。また、例えば小当りにおける特別変動入賞装置38への入賞のように、所定の遊技状態における入賞に基づき特定記憶を発生させるようにしても良い。
〔特定演出制御処理〕
図52には、図51に示した客待ち処理における特定演出制御処理(ステップC717)を示した。この特定演出制御処理では、まず、特定演出の実行中であるかを判定する(ステップC731)。特定演出の実行中でない場合(ステップC731;N)は、ステップC734に移行する。また、特定演出の実行中である場合(ステップC731;Y)は、特定演出の実行時間を管理する特定演出タイマが0でなければ−1更新し(ステップC732)、特定演出タイマが0であるかを判定する(ステップC733)。
そして、特定演出タイマが0でない場合(ステップC733;N)は、特定演出制御処理を終了する。また、特定演出タイマが0である場合(ステップC733;Y)は、特定記憶があるかを判定する(ステップC734)。特定記憶がない場合(ステップC734;N)は、客待ち用シナリオデータが設定済みであるかを判定する(ステップC735)。
客待ち用シナリオデータが設定済みでない場合(ステップC735;N)は、客待ち用シナリオデータを設定して(ステップC736)、特定演出制御処理を終了する。この場合は、特定記憶がない状態で特定演出が終了したタイミングであり、客待ちデモ演出を開始するために客待ち用シナリオデータを設定する。また、客待ち用シナリオデータが設定済みである場合(ステップC735;Y)は、特定演出制御処理を終了する。この場合は、特定演出が終了したタイミングではなく継続して客待ちデモ演出が実行されている状態である。
一方、特定記憶がある場合(ステップC734;Y)は、消化する特定記憶に対応する特定演出用シナリオデータを設定する(ステップC737)。そして、設定された特定演出に対応する時間値を特定演出タイマに設定し(ステップC738)、特定記憶を−1更新して(ステップC739)、特定演出制御処理を終了する。これにより、特定記憶に対応した新たな特定演出が開始されることとなる。
なお、特定記憶の情報や特定演出を表示装置41とは別の表示装置に表示するようにして、特図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームの特図始動記憶と混同しないようにしても良い。また、演出操作部550の操作に基づき特定演出を強制的に終了できるようにしても良い。この場合、結果を導出せずに終了するようにしても良いし、結果を導出して終了するようにしても良い。また、演出操作部550の操作に基づき予め特定演出を実行しないように設定できるようにしても良い。
また、遊技者が遊技を終了した場合や一時的に離席した場合に特定演出が実行されないように、遊技者の存在を監視して遊技者が存在する場合にのみ特定演出を行うようにしても良い。例えば、操作部24の回動動作や操作部24に設けられたタッチセンサからの検出信号を演出制御装置300でも確認できるようにし、遊技者の存在の有無を検出できるようにする。また、客待ち状態の開始後に初めて特定演出を開始する際に、遊技者に特定演出を実行するかを確認する表示を行い、演出操作部550の操作などにより特定演出の実行の意思を確認できた場合に特定演出を開始するようにしても良い。
また、特図変動表示ゲームが実行されない客待ち状態で特定演出を行うとしたが、これ以外の場合に特定演出を実行するようにしても良い。例えば、時短状態において普図始動記憶がない状態で普図変動表示ゲームが終了した場合や、普図始動記憶がない状態で普図の当り状態(普通変動入賞装置37の開放状態)が終了した場合に特定演出を行うようにしても良い。
また、客待ち状態以外であっても特定演出を実行するようにしても良い。例えば、特図変動表示ゲームの実行中に特図変動表示ゲームと並行して特定演出を実行しても良いし、特別遊技状態において特定演出を実行しても良い。特に、特図始動記憶が連続して発生する遊技機では、客待ち状態となる機会が少ないため、一定の時間にわたり客待ち状態が発生していない場合には客待ち状態でなくても特定演出を実行するようにしても良い。
また、特定演出は結果に応じてポイントを付与する特定ゲームとしたがこれに限られるものではない。例えば、結果に応じて登場するキャラクタの増加や特典映像の表示など、ポイント以外の演出上の利益を付与するようにしても良い。また、特定ゲームのようなゲームを実行せずに、特定記憶に対応して演出上の利益を付与するようにしても良い。
また、特定演出として特定ゲームのようなゲームではなく遊技の説明が行われるようにしても良い。図53には特定演出として遊技説明を行う場合の表示の一例を示した。図53(a)に示すように、特図変動表示ゲームが終了して結果が表示されている状態となり、特図変動表示ゲームの停止時間が終了する時点で特図始動記憶が存在しない場合には、遊技制御装置100から客待ちデモコマンドが送信される。また、ここでは特定記憶が3つ存在しており、特定記憶表示部49にはその旨が表示されている。
演出制御装置300は、客待ちデモコマンドを受信することにより客待ち状態を開始する。そして、客待ち状態において特定記憶が存在することに基づき、図53(b)に示すように特定記憶を一つ消化して特定演出を開始する。特定記憶が一つ消化されることに伴い特定記憶表示部49の表示は更新される。なお、客待ち状態となってからすぐに特定演出を開始するようにしても良いし、客待ち状態となってから一定の時間が経過した後に特定演出を開始するようにしても良い。
図53(b)に示すように特定演出では、遊技の説明を行う説明表示605を表示するものとなっている。ここでは説明表示605において、記憶表示部83や実行中記憶表示部84において赤色の表示がなされると特別結果となる可能性が高いことを説明している。この説明表示605は所定時間にわたり表示された後に終了する。ここでは特定記憶が存在するので図53(c)に示すように特定記憶が消化されて新たな説明表示605が開始される。
図53(c)に示す説明表示では、SP3リーチのデモ画像を表示するとともに、このリーチに発展すれば特別結果となる可能性が高いことを説明するものとなっている。また、遊技説明についても演出操作部550の操作により途中で終了可能であるが、途中で終了させずに最後まで見た場合にはポイントの付与などの演出上の利益を付与するようにしても良い。ここでは図53(b)の遊技説明を途中で終了させなかったことから図53(c)に移行する前に10ポイントが付与されている。
図54には、遊技の説明を行う特定演出の実行中に特図始動記憶が発生して特図変動表示ゲームが開始される場合を示した。図54(a)に示すように特定演出として遊技説明が行われている状態で特図始動記憶が発生して特図変動表示ゲームが開始されると、図54(b)に示すように飾り特図変動表示ゲームの表示に移行する。この場合、説明表示605は予定されていた所定時間の経過まで表示が継続される。このとき、飾り特図変動表示ゲームの表示など遊技に必要な情報の表示の視認を妨げない位置に説明表示605を移動するようにしても良い。
なお、特図変動表示ゲームの開始に伴い説明表示605を終了するようにしても良い。また、図46(b)に示したように一旦前回の飾り特図変動表示ゲームの結果を表示する切替用演出を設定しても良い。また、説明表示605として、図53(c)に示したようなデモ画像を伴う説明表示605を行っている場合には、当該デモ画像の終了までは第2飾りゲーム表示部88において飾り特図変動表示ゲームを表示するのみとしても良い。
また、特定演出として特定ゲームのようなゲームではなく次に実行される特図変動表示ゲームについての予告を行うようにしても良い。図55には予告を行う場合の一例を示した。図55(a)に示すように、遊技制御装置100においては特別遊技状態の終了からのゲーム数に応じて予め選択される変動パターンを定めておくようにする。すなわち、特別遊技状態の終了からのゲーム数を計数し、所定のゲーム数となった場合には予め定められた変動パターンのみを選択可能なテーブルを用い、変動パターン乱数の値にかかわらず予め定められた変動パターンが選択されるようにする。例えば、特別遊技状態の終了後から150回目の特図変動表示ゲームでは必ずSP1リーチとなる。
また、演出制御装置300でも特別遊技状態の終了からのゲーム数を計数し、図55に示すように予め定められた変動パターンが選択されるゲーム数となる前に特定演出が実行される場合には、当該特定演出において当該変動パターンについての予告を行う。
予告は特定演出の進行に応じて段階的に行うようにすることが可能である。例えば、1回目の特定演出において図55(b)に示すようにリーチとなることまでは明確に報知しない予告を行い、これに引き続く2回目の特定演出においては図55(c)に示すようにリーチとなることを報知する。さらに、これに引き続く3回目の特定演出においては図55(d)に示すようSPリーチであることを報知する。このように段階的な報知とすることで、特図始動記憶が発生しない期間が長いほど遊技者に有利な情報を提供できるようになり、特図始動記憶が発生しないことに対する不満感を抑えることができる。
なお、図55(b)から(d)では次に発生する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが予め定められた変動パターンとなる場合の例について示したが、2つ以上先に発生する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが予め定められた変動パターンとなる場合にその旨を予告するようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、所定条件の成立に基づき特定演出の実行権利となる特定記憶を記憶可能であり、ゲームの終了後に連続して次のゲームが開始されない場合に、特定記憶が存在する場合には、当該特定記憶に基づき特定演出を実行するようにしたこととなる。したがって、始動記憶が存在していない状態においても遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32に遊技球を検出可能な検出部(特定ゲート39)を備え、演出制御手段は、検出部で遊技球を検出することに基づき所定条件が成立したものとして特定記憶を発生させるようにしたこととなる。したがって、始動記憶が存在していない状態においても遊技の興趣を高めることができる。
遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)を備え、遊技制御手段は、始動条件の成立に基づきゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、ゲームの終了後に始動記憶が存在しない場合には、当該ゲームの終了後に待機情報(客待ちデモコマンド)を演出制御手段に送信し、演出制御手段は、待機情報を受信した場合であって特定記憶が存在する場合には、当該特定記憶に基づき特定演出を実行するようにしたこととなる。したがって、始動記憶が存在していない状態においても遊技の興趣を高めることができる。また、待機情報を受信していることを容易に確認可能となる。
始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの情報に基づき遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出操作部550)と、を備え、遊技制御手段は、ゲームの終了後に連続して次のゲームが開始されない場合にはゲームの終了後に待機情報(客待ちデモコマンド)を演出制御手段に送信し、演出制御手段は、操作手段の操作に応じて演出の出力態様を調節可能であり、所定条件の成立に基づき演出の出力態様の調節が可能な状態と不可能な状態とに切替可能であり、ゲームの終了後から次のゲームが開始されるまでは待機情報の受信の有無にかかわらず当該次ゲームの開始を待機する待機状態に移行し、当該待機状態の開始の契機となるゲームの終了後に待機情報を受信している場合は当該待機状態において演出の出力態様の調節が可能な状態とし、当該待機状態の開始の契機となるゲームの終了後に待機情報を受信していない場合は当該待機状態において演出の出力態様の調節が不可能な状態とするようにしたこととなる。したがって、待機情報の受信の有無を演出の出力態様の調節の可否により判別可能となり、遊技機の状態の把握が容易となる。
また、演出制御手段は、待機状態の開始に伴い第1待機状態を開始し、当該待機状態の開始から所定期間の経過後に遊技機の外部から当該第1待機状態と異なることを識別可能な第2待機状態に移行するように構成され、待機状態の開始の契機となるゲームの終了後に待機情報を受信している場合は当該待機状態の開始から所定期間の経過後に第2待機状態に移行し、待機状態の開始の契機となるゲームの終了後に待機情報を受信していない場合は当該待機状態の開始から所定期間が経過しても第2待機状態に移行しないようにしたこととなる。したがって、待機情報の受信の有無を第2待機状態への移行の有無により判別可能となり、遊技機の状態の把握が容易となる。
次に、表示装置41における演出の表示態様について説明する。表示装置41においては、始動記憶の情報の表示や飾り特図変動表示ゲームの表示、背景表示やゲームの進行に応じた演出表示など様々な表示が行われる。始動記憶の情報や飾り特図変動表示ゲームは背景表示や演出表示よりも前側に重なるように表示されて常に遊技者が確認できるようにされるが、背景表示や演出表示と重なることで視認性が低下するおそれがある。そこで、特図始動記憶の情報や飾り特図変動表示ゲームのような予め定められた特定表示については常に明瞭に視認できるように、これらを囲む特定領域を設けて視認性を高めるようにしている。
図56(a)には、特図変動表示ゲームの実行中における表示態様の一例を示した。背景表示や特図変動表示ゲームの進行に応じた演出表示は、図中において網掛けで示す演出表示領域に表示可能である。この演出表示領域の前側に重なるように記憶表示部83、始動記憶数表示部86、実行中記憶表示部84、飾り特図変動表示ゲーム表示部85及び第2飾りゲーム表示部88が設けられる。
このうち、記憶表示部83、始動記憶数表示部86、実行中記憶表示部84、第2飾りゲーム表示部88については、これらが表示する情報を囲むように図中において斜線で示す特定領域610が設けられる。この特定領域610には背景表示や演出表示が表示されないようになっており、背景表示や演出表示により情報の視認性が低下することを防止している。なお、飾り特図変動表示ゲーム表示部85については特定領域610を設けていないが、ここに表示される識別情報は十分に大きいものであり、背景表示や演出表示と重なっても視認性を確保できることから特定領域610を設けていない。もちろん特定領域610を設けるようにしても良い。
また、それぞれの表示部において特定表示の色と特定領域610の色は異なる色とされ、特定領域610内に配される特定表示の視認性を確保するようにしている。特定表示の色について、例えば第2飾りゲーム表示部88で特定表示をなす識別情報のように表示され得る特定表示に複数種類の表示が含まれる場合には、各表示の色のすべてを特定表示の色とする。このときの各表示の色について、識別情報のように一つの表示に複数の色が含まれる場合は、当該表示において最も占める領域の大きい色を当該表示の色とする。そして、特定領域610の色は、このように定められた特定表示の色と異なる色とする。
例えば、第2飾りゲーム表示部88で特定表示をなす識別情報には、赤色の確変図柄と青色の通常図柄が含まれており、特定領域610の色を赤と青以外の色である緑、黒又は白などとすることで、特定表示の視認性を確保することができる。
このような色の関係を純色の色相環において定義すれば、色相環において特定表示の色から少なくとも+30度〜−30度の範囲を除く範囲の色を特定領域610の色とし、好ましくは特定表示の色から+60度〜−60度の範囲を除く色を特定領域610の色とする。特に、特定領域610の色を特定表示の色の補色とすれば高い視認性を確保できる。また、特定領域610と特定表示の一方を有彩色とし、他方を白、黒又は灰色の無彩色としても良い。
立体的に色を定義する色空間の一つであるHLS色空間を用いて定義すれば、特定表示の色の値と特定領域610の色の値の一方を基準として他方を設定すれば視認性を確保できる。以下に好ましい値の設定範囲の一例を示す。
一方の色の値について、S値を60〜100の範囲とし、L値を20〜70の範囲とした場合、他方の色のH値を一方の色のH値から少なくとも+30〜−30の範囲外とし、好ましくは特定表示の色から+60〜−60の範囲外とする。また、一方の色の値について、S値を15〜60の範囲とし、L値を30〜60の範囲とした場合、他方の色のH値を一方の色のH値から少なくとも+60〜−60の範囲外とし、好ましくは一方の色のH値から+100〜−100の範囲外とする。また、一方の色の値について、S値を15以下の範囲とし、L値を35以下の範囲とした場合、他方の色のL値を65以上の範囲とする。
また、図56(b)に示すような操作反映期間の残り時間の変化を視覚的に表示するために時間の経過とともに特定の色彩で表示された部分が減少するタイムバーである操作反映期間表示93において当該操作反映期間表示93を囲む特定領域610を設定しても良い。この操作反映期間表示93では、操作反映期間の最大値を第1領域611で示し、現在の値を第1領域611に対する第2領域612の割合で示すようになっている。図中において第2領域612は網掛けで示す領域であり、第1領域611は網掛けで示す第2領域612と白色で示す領域を合わせた領域である。そして、この第1領域611を囲むように斜線で示す特定領域610が設けられている。これらの第1領域611、第2領域612及び特定領域610をそれぞれ異なる色とすることで、操作反映期間表示93の視認性を高めることができる。
それぞれの領域の色の関係を純色の色相環において定義すれば、各領域の色が色相環において互いに30度以上離れているようにする。また、一つの領域を白、黒又は灰色の無彩色としても良いし、一つの領域のみ有彩色として残りの二つの領域を異なる色の無彩色としても良い。
立体的に色を定義する色空間の一つであるHLS色空間を用いて定義すれば、各領域についてS値を60〜100の範囲とし、L値を20〜70の範囲とした場合、互いにH値が少なくとも30以上離れ、好ましくは60以上離れているようにする。また、各領域についてS値を15〜60の範囲とし、L値を30〜60の範囲とした場合、互いにH値が少なくとも60以上離れ、好ましくは100以上離れているようにする。
図56(b)では時間値を示す表示を例としたが、ポイント数や期待度の高さなど時間以外の遊技に関する値を示すための表示であっても良い。すなわち遊技に関する値を示すための値表示であれば同様に表示可能である。この場合も値の最大値を第1領域611で示し、現在の値を第1領域611に対する割合を示す第2領域612により示すようにする。
また、図56(c)に示すように特定領域610を囲むように第2特定領域613を設け、特定領域610の視認性を確保することで特定表示の視認性をさらに高めるようにしても良い。この場合、特定表示と特定領域610の色の関係と、特定領域610と第2特定領域613の色の関係は、図56(a)における特定表示と特定領域610の色の関係と同じ関係とする。特定表示と第2特定領域613の色については、特定領域610を挟むことから同色であっても良いし異なる色であっても良い。
なお、特定領域610については常時設けるようにしても良いし、予め定められた期間のみ表示するようにしても良い。予め定められた期間とは、例えば、特図変動表示ゲームの結果を停止表示する期間である。この期間では飾り特図変動表示ゲームについても結果を停止表示するが、結果の表示は遊技者にとって重要な情報であり、この結果の視認性が低下しないように特定領域610を設けるようにする。
また、特定領域610を設ける予め定められた期間を、特図変動表示ゲームの進行と関係なく独立して実行される演出が行われる期間としても良い。特図変動表示ゲームの進行と関係がある演出については、当該演出について特定表示の視認性が低下しないように演出の表示内容を予め設定しておくことが可能である。例えば、識別情報が停止する際に識別情報を表示する部分に識別情報の視認性が低下するような演出表示を行わないように予め設定しておくことができる。また、結果を表示する際には演出が完結しており、結果の視認性が低下するような演出が行われないことが多い。
しかし、特図変動表示ゲームの進行と関係なく実行される演出の場合は、上記のような考慮がなされないため、例えば、識別情報を表示する部分に識別情報の視認性が低下するような演出表示が行われてしまう可能性がある。そこで、特定領域610を設ける予め定められた期間を、特図変動表示ゲームの進行と関係なく実行される演出が行われる期間とすることで、どのようなタイミングで演出表示が行われても識別情報の視認性の低下を防止できる。また、上記の両条件を合わせて、特図変動表示ゲームの結果を停止表示する期間に特図変動表示ゲームの進行と関係なく実行される演出が行われる期間としても良い。また、予め定められた期間を、演出の種類に関係なく特定表示が表示される部分において当該特定表示の視認性を低下させる演出表示が表示される期間としても良い。
また、特定表示を特図始動記憶の情報や飾り特図変動表示ゲームとしたが、これ以外であっても良い。例えば、図57(a)に示すような異常の発生を報知する異常報知表示616や、実行中の特図変動表示ゲームや特図始動記憶についての先読み結果についての示唆又は報知を行う予告表示を特定表示としても良い。また、図57(b)に示すように遊技状態の変更により推奨される発射方向が変更された際に発射方向を指示するために表示される発射方向指示表示617や、推奨される発射方向とは異なる方向への遊技球の発射を検出した場合に表示される発射方向警告表示を特定表示としてこれらの周囲に特定領域610を設定するようにしても良い。また、図57(c)に示すように予告演出618を特定表示として周囲に特定領域610を設定するようにしても良い。また、第2特定領域613については設けても良いし設けなくても良い。
また、図57(d)から(g)に示すように、特定表示の内容により特定領域610の色が変化するようにしても良い。例えば、図57では第2飾りゲーム表示部88での表示を例としており、図57(d)は変動表示中であり、図57(e)はリーチ中であり、図57(f)ははずれ結果であり、図57(g)は当り結果である。これらの表示における特定領域610の色を異なる色とする。なお、特定領域610の色として用いられ得る色はすべて特定表示とは異なる色とする。
このように、特定表示の内容に応じて特定領域610や第2特定領域613の色を異ならせることで、特定表示の内容を把握しやすくすることができる。特に、第2飾りゲーム表示部88のような小さい表示では識別情報が見にくくなるが、特定領域610や第2特定領域613の色により表示内容を判別できるようにすることで、一見して表示内容を把握できるようになる。
このような表示方法は第2飾りゲーム表示部88以外でも適用可能である。例えば記憶表示部83や始動記憶数表示部86の場合は、先読み予告演出の内容により特定領域610の色を異ならせても良いし、始動記憶数により特定領域610の色を異ならせるようにしても良い。また、実行中記憶表示部84の場合は実行中記憶表示が示す内容により特定領域610の色を異ならせるようにしても良い。また、異常報知表示616の場合は、異常の内容の重要度により特定領域610の色を異ならせるようにする。また、予告演出618の場合は、予告の重要度や信頼度の高さにより特定領域610の色を異ならせるようにする。
また、特定領域610を背景等とは明確に区画された領域としたが、特定表示の周囲の表示が特定表示と異なる色となるように特定領域610が設定されていれば良く、特定領域610の周縁が明確に区画されていなくても良い。例えば、周囲に向かって徐々に色が変化するグラデーション表示であっても良い。この場合、特定表示に近い所定範囲の色について、特定表示の色と上述したような差異を持たせる、特定表示の視認性を確保するようにする。また、特定領域610や第2特定領域613は単色のものに限られず複数の色や柄があっても良い。
また、特定領域610には演出表示を表示せず、背景表示を表示するようにしても良い。この場合、背景表示の前側に表示される演出表示において、特定領域610の部分に穴を開けた表示とすることで特定領域610を形成することが可能となる。
また、値表示については図56(b)に示したような第1領域611と第2領域612とで表示するものに限られず、例えば、図57(h)に示すように、キャラクタ630が残り時間の長さなど値の残りを示す残値表示631を食べることで残値表示631が値の減少に応じて少なくなるような表示としても良い。すなわち、キャラクタ630のような演出表示が残値表示631に作用することで、残値表示631が値の減少に応じて少なくなるような表示としても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する情報を表示する表示装置41と、表示装置41における表示を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、予め定められた特定の表示である特定表示を表示する際に、当該特定表示を囲むように特定領域610を設定し、当該特定領域610に遊技に関する演出を表示しないようにしたこととなる。したがって、特定表示の視認性を高めることができる。
また、演出制御手段は、特定領域610を囲むように第2特定領域613を設定し、特定表示の表示色と、特定領域610の表示色と、を異なる表示色とするとともに、特定領域610の表示色と、第2特定領域613の表示色と、を異なる表示色とするようにしたこととなる。したがって、特定表示の視認性を高めることができる。
また、演出制御手段は、ゲームに対応した第1飾りゲームと、ゲームに対応し、第1飾りゲームよりも小さい表示の第2飾りゲームと、を表示装置41に表示可能であり、第2飾りゲームを特定表示とするようにしたこととなる。
また、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する情報を表示する表示装置41と、表示装置41における表示を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、表示装置41に、遊技に関する値を示すための値表示を表示可能であり、値表示は、値の最大値を示す第1領域611と、現在の値を第1領域611に対する割合で示す第2領域612と、から構成され、値表示を表示する際に、当該値表示を囲むように特定領域610を設定し、当該特定領域610に遊技に関する演出を表示しないようにしたこととなる。したがって、値表示の視認性を高めることができる。
また、演出制御手段は、遊技の演出に関する時間を値として値表示で表示可能であることとなる。
また、演出制御手段は、第1領域611の表示色と、第2領域612の表示色と、特定領域610における表示色と、を異なる表示色とするようにしたこととなる。
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特定演出の実行権利の発生時期により特定演出の内容が異なるようにしている。
図58には、本変形例での特定演出の実行態様の一例を示した。この例では、まず、特図始動記憶がない状態で特図変動表示ゲームが変動表示中となっている。これに対応して一括表示装置50の特図表示器(特図1表示器51又は特図2表示器52)では変動表示が行われる。また、飾り特図変動表示ゲーム表示部85や第2飾りゲーム表示部88でも変動表示が行われている。特図変動表示ゲームの変動表示中では、音量や輝度を調節可能な機能調節可能期間内となっている。また、特定演出は実行されていない状態となっている。なお、本変形例では、特定演出の実行権利を保留する特定記憶は記憶されないようになっている。
特図変動表示ゲームの変動時間が終了して結果を表示する停止時間となると(t161)、特図表示器、飾り特図変動表示ゲーム表示部85及び第2飾りゲーム表示部88で変動表示を終了して結果を表示する。また、特図変動表示ゲームの変動時間の終了に伴い、機能調節可能期間が終了して音量や輝度の調節ができない状態となる。このように停止時間の開始に伴い機能調節可能期間を終了することで、飾り特図変動表示ゲームの停止結果の表示中に音量や輝度の調節画面が表示装置41で表示されることを防止し、結果の視認が妨げられないようにしている。
ここでは特図始動記憶が発生しておらず、停止時間の終了に伴い遊技制御装置100から客待ちデモコマンドが送信される(t162)。演出制御装置300では、この客待ちデモコマンドの受信に伴い客待ち状態を開始する。また、客待ちデモコマンドの受信に伴い機能調節可能期間を開始して音量や輝度の調節を可能とする。なお、始動記憶が存在する場合は客待ちデモコマンドは送信されず、このタイミングで特図変動表示ゲームが開始されて当該特図変動表示ゲームのコマンドが送信され、これに基づき機能調節可能期間が開始されて音量や輝度の調節が可能となる。また、客待ちデモコマンドを受信できなかった場合は開始待機状態となり機能調節可能期間は開始されないので、音量や輝度の調節はできない状態のままとなる。
客待ち状態の開始後、遊技球が特定ゲート39を通過して特定ゲートスイッチ39aにより検出されている(t163)。これに基づき特定演出の実行権利が発生し、この実行権利に基づき特定演出が開始される(t164)。ここで発生した特定演出の実行権利は、特図変動表示ゲームの終了後から次の特図変動表示ゲームの開始までの間に発生したものである。この場合、特定演出としては図44に示したような特定ゲームが実行される。なお、この場合の特定演出は図44に示した特定ゲームに限られるものではなく、他の演出であっても良い。
この特定演出の実行中に特図始動記憶が発生し(t165)、この特図始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが開始されている(t166)。特図表示器では特図変動表示ゲームの開始に伴い変動表示が開始される。また、特図変動表示ゲームの開始に伴い遊技制御装置100から演出制御装置300に特図変動表示ゲームの情報を含む変動コマンドが送信される。
飾り特図変動表示ゲーム表示部85と第2飾りゲーム表示部88では、すぐに変動表示を開始せず、図46(b)に示したような切替用演出が終了したタイミング(t167)から変動表示を開始するようになっている。また、特定演出は特図変動表示ゲームの開始に伴い終了する(t167)。なお、切替用演出については図46、図47に示した表示態様のいずれであっても良く、実行する切替用演出によって飾り特図変動表示ゲーム表示部85と第2飾りゲーム表示部88の変動開始タイミングや特定演出の終了タイミングは異なる。
その後、特図変動表示ゲームの実行中であって始動記憶がない状態で遊技球が特定ゲート39を通過して特定ゲートスイッチ39aにより検出されている(t168)。これに基づき特定演出の実行権利が発生し、この実行権利に基づき特定演出が開始される(t169)。ここで発生した特定演出の実行権利は、特図変動表示ゲームの実行中であり始動記憶がない状態で発生したものである。本変形例では、客待ち状態でない場合でも特定演出を実行可能であり、この場合、特定演出として実行中の特図変動表示ゲームに関連するゲーム関連演出を行う。ゲーム関連演出では実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンや結果の示唆又は報知を行う。
この特定演出の実行中に新たに始動記憶が発生しており、始動記憶数が1となっている(t170)。この後に実行中の特定演出が終了し(t171)、その後新たに遊技球が特定ゲート39を通過して特定ゲートスイッチ39aにより検出されている(t172)。これに基づき特定演出の実行権利が発生し、この実行権利に基づき特定演出が開始される(t173)。ここで発生した特定演出の実行権利は、特図変動表示ゲームの実行中であり始動記憶がある状態で発生したものである。この場合、特定演出として始動記憶に関連する始動記憶関連演出を行う。始動記憶関連演出では、始動記憶についての先読み情報の示唆又は報知を行う。
図59には、特図変動表示ゲームの実行中であって始動記憶がない状態で特定演出の実行権利が発生した場合(図58のt168)に、この実行権利に基づき実行される特定演出(図58のt169〜t171)の一例を示した。この場合は、特定演出として実行中の特図変動表示ゲームに関連するゲーム関連演出が行われる。
図59(a)に示すように特図変動表示ゲームに伴う飾り特図変動表示ゲームが実行されている状態で特定演出の実行権利が発生すると特定演出が開始される。この特定演出としては、図59(b)に示すように実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆又は報知する変動パターン示唆表示641や、図59(c)に示すように実行中の特図変動表示ゲームの結果を示唆又は報知する結果示唆表示642を行うようにしても良い。また、図59(d)に示すようにキャラクタなどの演出表示643を行い、当該演出表示643の内容により実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆又は報知するようにしても良い。また、図59(e)に示すように実行中記憶表示部84の表示態様を変化させることで実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆又は報知するようにしても良い。
また、図59(f)、(g)に示すように特定ゲームにより実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆又は報知するようにしても良い。図59(f)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85に替えて特定ゲーム表示部601を表示して特定ゲームを行う。また、ゲーム表示部602においてはその内容を示す「予告ゲーム」と表示される。そして、図59(g)に示すように特定ゲームの結果により実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆又は報知する。ここではベル図柄が揃う結果態様が導出されており、この結果態様に応じた報知内容であるリーチの可能性が高いことの報知がなされている。
図60には、特図変動表示ゲームの実行中であって始動記憶がある状態で特定演出の実行権利が発生した場合(図58のt172)に、この実行権利に基づき実行される特定演出(図58のt173〜t174)の一例を示した。この場合は、特定演出として始動記憶に関連する始動記憶関連演出が行われる。
図60(a)に示すように特図変動表示ゲームに伴う飾り特図変動表示ゲームが実行されている状態で特定演出の実行権利が発生すると特定演出が開始される。この特定演出としては、図60(b)に示すように始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆又は報知する変動パターン示唆表示641や、図60(c)に示すように始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を示唆又は報知する結果示唆表示642を行うようにしても良い。
また、図60(d)に示すようにキャラクタなどの演出表示643を行い、当該演出表示643の内容により始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆又は報知するようにしても良い。また、図60(e)に示すように記憶表示部83の表示態様を変化させることで始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆又は報知するようにしても良い。
また、図60(f)、(g)に示すように特定ゲームにより始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆又は報知するようにしても良い。図60(f)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85に替えて特定ゲーム表示部601を表示して特定ゲームを行う。また、ゲーム表示部602においてはその内容を示す「先読み予告ゲーム」と表示される。そして、図60(g)に示すように特定ゲームの結果により始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆又は報知する。ここではベル図柄が揃う結果態様が導出されており、この結果態様に応じた報知内容であるリーチの可能性が高いことの報知がなされている。図60(b)〜(g)に示した始動記憶関連演出では、どの始動記憶を対象とした報知であるかを示すようにしても良いし、示さないようにしても良い。図60(b)〜(g)では矢印により対象の始動記憶を示している。
〔客待ち処理〕
本変形例では、図51に示した客待ち処理に替えて図61示す客待ち処理を行う。この客待ち処理では、特定演出制御処理(ステップC717)を客待ち状態であるか否かにかかわらず行うようにする。また、特定ゲートでの検出があった場合(ステップC718;Y)に、特定演出実行可能状態であれば(ステップC721;Y)、特定記憶を+1更新する(ステップC720)ようにする。特定演出実行可能状態とは、ここでは特別遊技状態ではなく、かつ、特定演出を実行していない状態である。
すなわち、特定演出を即座に開始できる場合にのみ特定記憶を発生させるようにしている。この特定記憶については特定演出制御処理においてすぐに消化されるようになっている。よって、ここでの特定記憶については特定演出の実行を保留するためのものではなく、特定演出を行うために必要な処理を行うために一時的に発生させるものである。
〔特定演出制御処理〕
また、図52に示した特定演出制御処理に替えて図62示す特定演出制御処理を行う。この特定演出制御処理では、特定記憶がある場合(ステップC734;Y)に、特定演出の内容を決定するための処理を行うようにしている。
まず、客待ち状態中であるかを判定し(ステップC751)、客待ち状態中である場合(ステップC751;Y)は、特定演出として特定ゲームを設定する(ステップC752)。次に、特図変動表示ゲームの実行中であり始動記憶がない状態であるかを判定し(ステップC753)、特図変動表示ゲームの実行中であり始動記憶がない状態である場合(ステップC753;Y)は、特定演出としてゲーム関連演出を設定する(ステップC754)。そして、特図変動表示ゲームの実行中であり始動記憶がある状態であるかを判定し(ステップC755)、特図変動表示ゲームの実行中であり始動記憶がある状態である場合(ステップC755;Y)は、特定演出として始動記憶関連演出を設定する(ステップC756)。
その後、設定された特定演出に対応する特定演出用シナリオデータを設定し(ステップC737)、設定された特定演出に対応する時間値を特定演出タイマに設定する(ステップC738)。さらに、特定記憶を−1更新して(ステップC739)、特定演出制御処理を終了する。
これにより、遊技の状態に応じて特定演出が設定されることとなる。なお、特定演出の実行権利の発生は図61に示した客待ち処理で行われ、その後の特定演出制御処理で特定演出の設定が行われているが、両処理は僅かな時間で連続して実行される処理であり、特定演出の実行権利の発生時における遊技の状態で特定演出の種類を決定していると言える。
一方、特定記憶がない場合(ステップC734;N)は、客待ち状態中であるかを判定し(ステップC761)、客待ち状態でない場合(ステップC761;N)は、特定演出制御処理を終了する。この場合は、特図変動表示ゲームや特別遊技状態のシナリオデータがすでに設定されていて実行中であるので、そのまま処理を終了する。
なお、ゲーム関連演出として、図59(b)から(g)のうちの何れか一つのみを実行するようにしても良いし、特定演出の開始時に複数の演出のうちから選択を行い、選択された演出を実行するようにしても良い。また、図59(b)から(g)の演出を組み合わせて実行するようにしても良い。図60に示す始動記憶関連演出についても同様に図60(b)から(g)のうちの何れか一つのみを実行するようにしても良いし、特定演出の開始時に複数の演出のうちから選択を行い、選択された演出を実行するようにしても良い。また、図60(b)から(g)の演出を組み合わせて実行するようにしても良い。
また、図58の例において、特図変動表示ゲームの実行中であって始動記憶がない状態で特定演出の実行権利が発生した特定演出(t169〜t171)については、当該特定演出の実行中に始動記憶が発生している(t170)。この場合に、実行中の特図変動表示ゲームについてのゲーム関連演出を、始動記憶についての始動記憶関連演出に変更するようにしても良いし、ゲーム関連演出と始動記憶関連演出を両方行うようにしても良い。また、特図変動表示ゲームの実行中であって始動記憶がある状態で特定演出の実行権利が発生した特定演出(t173〜t174)については始動記憶関連演出を行うとしたが、図59に示したような実行中の特図変動表示ゲームに関連したゲーム関連演出を行うようにしても良いし、ゲーム関連演出と始動記憶関連演出を両方行うようにしても良い。
また、特別遊技状態において特定演出の実行権利が発生した場合にも特定演出を実行するようにしても良い。この場合の特定演出としては、例えば、始動記憶に関する始動記憶関連演出を行う。この他に、特別遊技状態の終了後に高確率状態となるか否かを明確に報知していない場合には特定演出として高確率状態となるか否かを示唆又は報知する演出を行うようにしても良い。また、ラウンド数の上限値を段階的に報知する特別遊技状態の場合には、特定演出としてラウンド数についての情報を示唆又は報知する演出を行うようにしても良い。
また、特定演出の実行権利が発生した時点における特図変動表示ゲームの実行の有無や始動記憶の有無に基づき特定演出の内容を決定するようにしたが、特定演出の開始時における特図変動表示ゲームの実行の有無や始動記憶の有無に基づき特定演出の内容を決定するようにしても良い。また、第1実施形態と同様に所定の上限値まで特定記憶を記憶可能とし、当該特定記憶に基づく特定演出の開始時における特図変動表示ゲームの実行の有無や始動記憶の有無に基づき選択した特定演出を実行するようにしても良い。
また、実行中の特図変動表示ゲームに関連したゲーム関連演出を実行する場合には、当該実行中の特図変動表示ゲームの残り変動時間に応じて内容を決定するようにしても良い。例えば、リーチ状態の発生後であればリーチ状態となることの示唆又は報知を行っても意味がないため、結果についての示唆又は報知を行うようにする。また、実行中の特図変動表示ゲームの残り実行時間が所定時間以下である場合には、当該特図変動表示ゲームについての示唆又は報知を行っても効果的ではないので、ゲーム関連演出を行わないようにしても良い。この場合、始動記憶があれば始動記憶関連演出を行うようにし、始動記憶がなければポイントを付与する特定ゲームなど他の特定演出を行うようにする。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、所定条件の成立に基づき特定演出の実行権利を発生可能であり、ゲームの終了後から次のゲームが開始されるまでの間に、特定演出の実行権利が発生した場合には、特定演出を実行可能としたこととなる。したがって、遊技の興趣を高めることができる。
また、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、遊技制御手段は、始動条件の成立に基づきゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段は、所定条件の成立に基づき特定演出の実行権利を発生可能であり、ゲームの実行中に所定条件が成立した場合であって始動記憶が存在する場合は、特定演出として始動記憶に関する演出を実行可能としたこととなる。したがって、遊技の興趣を高めることができる。
また、演出制御手段は、ゲームの実行中に所定条件が成立した場合は、特定演出として実行中のゲームに関する演出を実行可能としたこととなる。したがって、遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32に遊技球を検出可能な検出部(特定ゲート39)を備え、演出制御手段は、検出部で遊技球を検出することに基づき所定条件が成立したものとして特定演出の実行権利を発生させるようにしたこととなる。したがって、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。