JP2020013537A - 路面状態推定装置及び路面状態推定方法 - Google Patents

路面状態推定装置及び路面状態推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】路面の状態を適切に推定可能な路面状態推定装置を提供する。【解決手段】路面状態推定装置(1)は、車両(2)の挙動に関する挙動情報を車両から取得する取得手段(111)と、路面異常に車両が遭遇した場合に車両がとるであろうと想定される特定挙動に基づいて定まる異常条件が満たされているか否かを、前記挙動情報に基づいて判定する判定手段(112)と、判定手段の判定結果に基づいて、路面の状態を推定する推定手段(112)とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、路面の状態を推定する路面状態推定装置及び路面状態推定方法の技術分野に関する。
特許文献1には、例えば、車輪速度信号を周波数解析して振動ゲインを算出するとともに、基準圧力からのタイヤの内部圧力の偏差に応じた共振ゲイン補正係数を求め、振動ゲインと共振ゲイン補正係数とから求められた補正振動ゲインを閾値と比較して路面の状態を推定する方法が記載されている。特許文献2には、車輪加速度から高周波成分を取り出すフィルタリング処理を行い、フィルタリング処理した車輪加速度の分散値を用いて悪路判定を行う方法が記載されている。特許文献3には、振動検出部が配置されたタイヤのトレッド部分が接地しているときの振動検出部の検出信号の高周波成分のレベルの算出結果を路面状況データとして取得して、路面状況データに基づいて路面状況を推定する方法が記載されている。
非特許文献1には、車両から収集したプローブデータを利用して、潜在的なポットホールの存在と路面が荒れた場所などの路面の劣化を検出し、補修が必要な道路の位置をメンテナンス管理者と車両運転者に勧告するアプリケーション(道路とインフラの劣化診断アプリケーション)が記載されている。このアプリケーションは、車両の速度及び位置を含むプローブデータとデジタル道路地図データと照合して、路面が劣化している位置(例えば、舗装劣化と不整路面の位置)を推定している。
特開2005−249525号公報 特開平9−020223号公報 特開2017−226322号公報
国土交通省 国土技術政策総合研究所、"プローブデータに関する日米共同研究 評価報告書"、第94頁、[online]、2015年1月、国土交通省 国土技術政策総合研究所、[2018年3月27日検索]、インターネット(URL:http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0820pdf/ks0820.pdf)
非特許文献1には、プローブデータを用いて具体的にどのように路面が劣化している位置をアプリケーションが推定するかについては何ら記載されていない。このため、非特許文献1に記載されたアプリケーションには、改良の余地がある。
更に、上記特許文献1から特許文献3に記載の技術では、1台の車両から得られた情報に基づいて路面状態が推定される。このため、上記特許文献1乃至3に記載の技術では、十分な精度の推定結果が得られない可能性があるという技術的問題点がある。
本発明は、路面の状態を適切に推定することが可能な路面状態推定装置を提供することを課題とする。
本発明の路面状態推定装置の第1の態様は、車両の挙動に関する挙動情報を、複数の前記車両から取得する取得手段と、路面に生じている不具合及び路面に存在する障害物の少なくとも一方を含む路面異常に前記車両が遭遇した場合に車両がとるであろうと想定される特定挙動に基づいて定まる異常条件が満たされているか否かを、前記挙動情報に基づいて判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、路面の状態を推定する推定手段とを備える。
本発明の路面状態推定装置の第2の態様は、車両の挙動に関する挙動情報を前記車両から取得する取得手段と、前記挙動情報に基づいて、前記車両の挙動が、路面に生じている不具合及び路面に存在する障害物の少なくとも一方を含む路面異常を回避する第1特定挙動となっているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記路面異常が存在する位置を推定する推定手段とを備える。
本発明の路面状態推定方法の第1の態様は、車両から、前記車両への路面からの入力に係る入力情報を、前記車両の位置と関連付けて取得する取得工程と、前記入力情報から路面の凹凸に起因する上下成分を抽出する抽出工程と、前記上下成分から路面の凹凸の程度を示す指標値を算出するとともに、前記指標値と、前記上下成分が抽出された前記入力情報に関連付けられた位置とに基づいて、道路上の一の地点における前記指標値の平均値を算出する算出工程と、(I)前記算出された平均値が第1所定値以上である場合に、前記一の地点の路面が荒れていると判定するとともに、(II)前記一の地点における前記指標値の最大値が、前記第1所定値より大きい第2所定値以上である場合に、前記一の地点に局所的な凹凸が存在すると判定する判定工程と、を有する。
図1は、第1実施形態の路面状態推定システムの構成の一例を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態の路面状態推定システムが行う第1の路面状態推定動作の流れの一例を示すフローチャートである。 図3は、第1実施形態の路面状態推定システムが行う第2の路面状態推定動作の流れの一例を示すフローチャートである。 図4は、車両の従動輪の車輪速の単位時間当たりの変動量、車両の加速度及び車両の従動輪の車輪速の単位時間当たりの変動量と車両の加速度との差分の時間推移を示すグラフである。 図5は、轍が存在すると推定された位置を模式的に示す平面図である。 図6は、路面状態の推定結果の一例を示す図である。 図7は、第1実施形態の路面状態推定システムが行う路面状態推定動作の変形例の流れの一例を示すフローチャートである。 図8は、第1実施形態の路面状態推定システムの変形例の構成の一例を示すブロック図である。 図9は、第2実施形態の路面状態推定システムの構成の一例を示すブロック図である。 図10は、路面異常が可視化された地図を示す平面図である。 図11は、路面異常が存在する地点がプロットされた第1のレイヤーと、交通量が可視化された第2のレイヤーとを重ね合わせることで生成される地図を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら、路面状態推定装置及び路面状態推定方法の実施形態について説明する。以下では、路面状態推定装置及び路面状態推定方法の実施形態が搭載された路面状態推定システムSYSを用いて説明を進める。
(1)第1実施形態の路面状態推定システムSYS
初めに、第1実施形態の路面状態推定システムSYS(以降、“路面状態推定システムSYS1”と称する)について説明する。
(1−1)路面状態推定システムSYS1の構成
初めに、図1を参照しながら、第1実施形態の路面状態推定システムSYS1の構成について説明する。図1は、第1実施形態の路面状態推定システムSYS1の構成の一例を示すブロック図である。
路面状態推定システムSYS1は、車両2が走行する路面の状態を推定する路面状態推定動作を行う。特に、路面状態推定システムSYS1は、路面状態推定動作として、路面に生じている不具合及び路面に存在する障害物の少なくとも一方を含む路面異常が存在する位置(つまり、路面異常が存在する場所)を推定するための動作を行う。路面に生じている不具合は、車両2の適切な走行に何らかの悪影響を及ぼす可能性がある事象を意味する。このような不具合の一例として、路面の陥没、路面に開いた穴、路面の膨らみ、路面に形成された轍、路面のひび割れ及び路面の劣化の少なくとも一つがあげられる。路面に存在する障害物は、車両2の適切な走行に何らかの悪影響を及ぼす可能性がある、路面上の物体に相当する。このような障害物の一例として、車両2からの落下物、剥がれた道路に相当するアスファルト等の固まり、落石、事故車両及び動物の死骸の少なくとも一つがあげられる。
路面状態推定動作を行うために、図1に示すように、路面状態推定システムSYS1は、後述する付記における「路面状態推定装置」の一具体例であるサーバ1と、少なくとも一つの車両2とから構成される。尚、以下では、路面状態推定システムSYS1が複数の車両2から構成されている例について説明する。
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)等の情報処理装置(言い換えれば、コントローラ)11と、記録媒体(例えば、半導体メモリ及びハードディスクの少なくとも一方)等の記憶装置12とを備えている。
情報処理装置11は、路面異常推定動作を行う主たる装置である。情報処理装置11は、路面異常推定動作を行うようにプログラムされた装置である。情報処理装置11は、情報処理装置11に路面異常推定動作を行わせるコンピュータプログラムを実行することで、路面異常推定動作を行う。路面異常推定動作を行うために、情報処理装置11は、情報処理装置11の内部に論理的に実現される処理ブロック又は情報処理装置11の内部に物理的に実現される処理回路として、後述する付記における「取得手段」の一具体例であるデータ取得部111と、後述する付記における「判定手段」及び「推定手段」の夫々の一具体例である路面状態推定部112を備えている。尚、データ取得部111及び路面状態推定部112の夫々の動作については、後に図2等を参照しながら詳述するが、その概要について簡単に説明する。データ取得部111は、複数の車両2の挙動に関する挙動データを複数の車両2から夫々取得する。路面状態推定部112は、データ取得部111が取得した挙動データに基づいて、路面の状態を推定する。
記憶装置12は、情報処理装置11の動作に必要な各種情報を記憶可能である。例えば、記憶装置12は、データ取得部111が取得した挙動データを記憶してもよい。例えば、記憶装置12は、路面状態推定部112が推定した路面の状態に関する路面状態データを記憶してもよい。
各車両2は、GPS(Global Positioning System)装置21と、検出装置22と、ECU(Electric Control Unit)23とを備える。
GPS装置21は、GPS衛星からの電波を受信することで車両2の現在位置を特定する。
検出装置22は、車両2の挙動を検出する。例えば、検出装置22は、車両2の挙動そのものを直接的に示す情報を検出してもよい。車両2の挙動そのものを直接的に示す情報の一例として、車速、車輪速、前後加速度、横加速度、ヨーレート、ヨー角、ロール角、ピッチ角及びスリップ率の少なくとも一つがあげられる。この場合、検出装置22は、車両2の挙動そのものを直接的に示す情報を検出するためのセンサを含んでいてもよい。更に、例えば、検出装置22は、車両2の挙動に直接的に影響を与える情報を検出してもよい。この場合、検出装置22は、車両2の挙動に直接的に影響を与える情報を検出するためのセンサを含んでいてもよい。車両2の挙動に影響を与える情報の一例として、車両2を運転するためにドライバが操作可能な操作装置(例えば、ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー(或いは、セレクタ)及び方向指示器の少なくとも一つ)の操作状態に関する情報(例えば、操舵角、操舵速度、アクセルペダルの踏み込み量、アクセル開度、ブレーキペダルの踏み込み量及びシフトレバーが選択しているギアレンジの少なくとも一つ)があげられる。車両2の挙動に影響を与える情報の他の一例として、車両2の適切な走行を支援するために車両2が備える支援システムの動作状態に関する情報があげられる。支援システムの一例として、車線逸脱警報(LDA:Lane Departure Alert)システム、アンチロックブレーキシステム(ABS:Anti−lock Brake System)、トラクションコントロール(TRC:TRaction Control)システム及び横滑り防止(ESC:Electronic Stability Control)システムの少なくとも一つがあげられる。更に、例えば、検出装置22は、車両2の挙動に間接的に影響を与える可能性がある、車両2の周囲の状況に関する情報を検出してもよい。この場合、検出装置22は、車両2の周囲の状況を検出するためのセンサ(例えば、カメラ、任意のレーダ及びライダー(Lidar:Light Detection and Ranging)の少なくとも一つ)を含んでいてもよい。
ECU23は、ECU23の内部に論理的に実現される処理ブロック又はECU23の内部に物理的に実現される処理回路として、データ取得部231と、データ送信制御部232とを備えている。尚、データ取得部231及びデータ送信制御部232の夫々の動作については、後に図2等を参照しながら詳述するが、その概要について簡単に説明する。データ取得部231は、GPS装置21から、GPS装置21が検出した車両2の現在位置に関する車両位置データを取得する。更に、データ取得部231は、検出装置22から、検出装置22が検出した車両2の挙動に関する挙動データを取得する。データ送信制御部232は、無線通信網を介して(或いは、場合によっては有線通信網を介して)、データ取得部231が取得した車両位置データ及び挙動データをサーバ1に送信する。
(1−2)路面状態推定システムSYS1が行う路面状態推定動作
続いて、路面状態推定システムSYS1が行う路面状態推定動作について説明する。尚、第1実施形態では、路面状態推定システムSYS1は、路面異常を回避するように車両2が走行する第1特定挙動に着目して路面の状態を推定する第1の路面状態推定動作と、路面異常が存在する位置を路面異常の影響を受けながら車両2が走行する第2特定挙動に着目して路面の状態を推定する第2の路面状態推定動作との少なくとも一方を行う。以下、第1及び第2の路面状態推定動作について順に説明する。
(1−2−1)第1の路面状態推定動作の流れ
はじめに、図2を参照しながら、第2の路面状態推定動作の流れについて説明する。図2は、第1実施形態の路面状態推定システムSYS1が行う第1の路面状態推定動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図2に示すように、路面状態推定動作を行うために、サーバ1においてステップS111からステップS113までの処理が行われると共に、複数の車両2の夫々においてステップS121からステップS122までの処理が行われる。尚、サーバ1において、ステップS111からステップS113までの処理は、繰り返し継続的に行われるが、ある特定のタイミングで選択的に行われてもよい。同様に、各車両2において、ステップS121からステップS122までの処理は、繰り返し継続的に行われるが、ある特定のタイミングで選択的に行われてもよい。
具体的には、各車両2のGPS装置21は、各車両2の現在位置を特定する。その結果、各車両2のデータ取得部231は、各車両2の現在位置に関する車両位置データを取得する(ステップS121)。更に、各車両2の検出装置22は、各車両2の挙動を検出する。その結果、各車両2のデータ取得部231は、各車両2の挙動に関する挙動データを取得する(ステップS121)。尚、車両位置データ及び挙動データは、夫々、いわゆるCAN(Controller Area Network)データの少なくとも一部として、GPS装置21及び検出装置22からECU23へと出力される。
その後、データ送信制御部232は、ステップS121で取得された車両位置データ及び挙動データ(つまり、CANデータの少なくとも一部)をサーバ1に送信する(ステップS122)。
サーバ1(特に、データ取得部111)は、ステップS122において車両2が送信した車両位置データ及び挙動データを受信(つまり、取得)する(ステップS111)。データ取得部111が取得した車両位置データ及び挙動データは、記憶装置12によって記憶されてもよい。尚、路面状態推定システムSYSが複数の車両2から構成されるため、サーバ1は、複数の車両2から、車両位置データ及び挙動データを取得する。
その後、路面状態推定部112は、ステップS111で取得した挙動データに基づいて、車両2の走行中に、車両2の挙動が、路面異常を回避するための第1特定挙動(言い換えれば、車両2が路面異常に遭遇した場合において、路面異常を回避するために車両2がとるであろうと想定される第1特定挙動)になるタイミングがあったか否かを判定する(ステップS112)。つまり、路面状態推定部112は、ステップS111で取得した挙動データに基づいて、車両2の走行中に、第1特定挙動が検出されたか否かを判定する(ステップS112)。
例えば、路面異常との衝突(或いは、路面異常が存在する道路の走行、以下同じ)を避けるために、車両2が路面異常をよけるように走行する可能性がある。このため、車両2が路面異常を回避するための第1特定挙動の一例として、それまで直進走行していた(或いは、走行車線に沿って走行していた)車両2が、何かをよけるように進行方向を突然左右一方側に変えた後に元の走行経路へと戻るように進行方向を左右他方側に変えてまたそれまでの直進走行(或いは、走行車線に沿った走行)を継続するという挙動があげられる。或いは、路面異常をよけるように車両2が走行した結果として、車両2が走行車線を規定する白線をまたぐ可能性がある。このため、路面異常を回避するための第1特定挙動の他の一例として、それまで直進走行していた(或いは、走行車線に沿って走行していた)車両2において、突然車線逸脱防止システムが作動した後に、またそれまでの直進走行(或いは、走行車線に沿った走行)を継続するという挙動があげられる。或いは、路面異常との衝突を避けるために、車両2が急減速又は急停止する可能性がある。このため、路面異常を回避するための第1特定挙動の他の一例として、それまで直進走行していた(或いは、走行車線に沿って走行していた)車両2が、突然急減速又は急停止するという挙動があげられる。或いは、路面異常との衝突を避けるために、車両2は、方向指示器の操作を伴うことなく左右一方側に急に進行方向を変える可能性がある。このため、路面異常を回避するための第1特定挙動の他の一例として、それまで直進走行していた(或いは、走行車線に沿って走行していた)車両2が、方向指示器の操作を伴うことなく左右一方側に急に進行方向を変えるという挙動があげられる。尚、このような第1特定挙動は、実験及びシミュレーション等の少なくとも一方によって事前に設定されていてもよい。
ステップS112では、路面状態推定部112は、実質的には、ステップS111で取得した挙動データに基づいて、車両2の走行中に、第1特定挙動に基づいて定まる異常条件#1(具体的には、車両2の挙動が第1特定挙動になるという異常条件#1)が満たされるタイミングがあったか否かを判定している。つまり、路面状態推定部112は、実質的には、ステップS111で取得した挙動データに基づいて、車両2の走行中に、異常条件#1が満たされたか否かを判定している。この場合、ステップS112における「車両2の挙動が第1特定挙動になるタイミングがあったか否かを判定する」動作は、「異常条件#1が満たされるタイミングがあったか否かを判定する」動作と実質的に同じである。更に、ステップS112における「第1特定挙動が検出されたか否かを判定する」動作は、「異常条件#1が満たされたか否かを判定する」動作と実質的に同じである。尚、異常条件#1は、車両2が路面異常に遭遇して当該路面異常を回避する場合に満たされる可能性が相対的に高い一方で、車両2が路面異常に遭遇していない(特に、路面異常を回避していない)場合に満たされる可能性がない又は相対的に低い条件に相当する。
ステップS112における判定の結果、車両2の挙動が第1特定挙動になったタイミング(つまり、異常条件#1が満たされたタイミング)があったと判定された場合には(ステップS112:Yes)、車両2が、路面異常が存在する路面を走行した可能性が相対的に高くなる。つまり、車両2が第1特定挙動をとった位置(つまり、異常条件#1が満たされた位置)において路面異常が存在している可能性が相対的に高くなる。このため、路面状態推定部112は、車両位置データに基づいて車両2が第1特定挙動をとった位置を特定すると共に、当該特定した位置において路面異常が存在していると推定する(ステップS113)。ステップS113において路面異常が存在していると推定された位置に関する路面異常位置データは、路面の状態に関する路面状態データの少なくとも一部として、記憶装置12に記憶されてもよい。
他方で、ステップS112における判定の結果、車両2の挙動が第1特定挙動になったタイミングがなかったと判定された場合には(ステップS112:No)、車両2が、路面異常が存在している路面を走行した可能性が相対的に低くなる。つまり、車両2は、路面異常が存在していない路面を走行した可能性が相対的に高くなる。言い換えれば、車両2が走行した路面の状態は正常である可能性が相対的に高くなる。このため、この場合には、路面状態推定部112は、ステップS113に示す処理を行わなくてもよい。尚、この場合には、路面状態推定部112は、車両2が走行した路面が正常であったことを示す路面正常位置データを、路面の状態に関する路面状態データの少なくとも一部として生成してもよい。この路面正常位置データは、記憶装置12に記憶されてもよい。
(1−2−2)第2の路面状態推定動作の流れ
続いて、図3を参照しながら、第2の路面状態推定動作の流れについて説明する。図3は、第1実施形態の路面状態推定システムSYS1が行う第2の路面状態推定動作の流れの一例を示すフローチャートである。尚、上述した図2に示す路面状態推定動作において行われる処理と同一の処理については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
図3に示すように、第1変形例においても、各車両2のデータ取得部231は、各車両2の現在位置に関する車両位置データ及び各車両2の挙動に関する挙動データを取得する(ステップS121)。更に、各車両2のデータ送信制御部232は、ステップS121で取得された車両位置データ及び挙動データをサーバ1に送信する(ステップS122)。サーバ1(特に、データ取得部111)は、ステップS122において車両2が送信した車両位置データ及び挙動データを受信(つまり、取得)する(ステップS111)。
その後、路面状態推定部112は、ステップS111で取得した挙動データに基づいて、路面異常の影響を受けながら車両2が走行した場合に想定される第2特定挙動(言い換えれば、車両2が路面異常に遭遇して場合において、路面異常の影響を受けながら走行した車両2の挙動として想定される第2特定挙動)に基づいて定まる異常条件#2が満たされるタイミングがあったか否かを判定する(ステップS212)。つまり、路面状態推定部112は、ステップS111で取得した挙動データに基づいて、車両2の走行中に、異常条件#2が満たされたか否かを判定する(ステップS212)。尚、異常条件#2は、車両2が路面異常に遭遇して当該路面異常の影響を受けながら走行する場合に満たされる可能性が相対的に高い一方で、車両2が路面異常に遭遇していない(特に、路面異常の影響を受けながら走行していない)場合に満たされる可能性がない又は相対的に低い条件である。
ステップS212における判定の結果、異常条件#2が満たされたタイミングがあったと判定された場合には(ステップS212:Yes)、車両2が、路面異常が存在する路面を走行した可能性が相対的に高くなる。つまり、異常条件#2が満たされた位置において路面異常が存在している可能性が相対的に高くなる。このため、路面状態推定部112は、車両位置データに基づいて異常条件#2が満たされた位置を特定すると共に、当該特定した位置において路面異常が存在していると推定する(ステップS213)。ステップS213において路面異常が存在していると推定された位置に関する路面異常位置データは、路面の状態に関する路面状態データの少なくとも一部として、記憶装置12に記憶されてもよい。
他方で、ステップS212における判定の結果、異常条件#2が満たされたタイミングがなかったと判定された場合には(ステップS212:No)、車両2が、路面異常が存在している路面を走行した可能性が相対的に低くなる。このため、この場合には、路面状態推定部112は、ステップS213に示す処理を行わなくてもよい。尚、この場合には、路面状態推定部112は、車両2が走行した路面が正常であったことを示す路面正常位置データを、路面の状態に関する路面状態データの少なくとも一部として生成してもよい。この路面正常位置データは、記憶装置12に記憶されてもよい。
第1実施形態では、異常条件#2の一例として、以下に説明する3つの異常条件#21、#22及び#23が用いられてもよい。以下、異常条件#21、#22及び#23について、順に説明する。
(1−2−2−1)第2特定挙動に基づく異常条件#21
異常条件#2は、車両2の挙動が第2特定挙動になるという異常条件#21を含んでいてもよい。この場合、ステップS212では、路面状態推定部112は、実質的には、ステップS111で取得した挙動データに基づいて、車両2の走行中に、車両2の挙動が、第2特定挙動になるタイミングがあったか否かを判定している。つまり、ステップS212では、路面状態推定部112は、ステップS111で取得した挙動データに基づいて、車両2の走行中に、第2特定挙動が検出されたか否かを判定している。この場合、ステップS212における「異常条件#2(具体的には、異常条件#21)が満たされるタイミングがあったか否かを判定する」動作は、「車両2の挙動が第2特定挙動になるタイミングがあったか否かを判定する」動作と実質的に同じである。更に、ステップS212における「異常条件#2が満たされたか否かを判定する」動作は、「第2特定挙動が検出されたか否かを判定する」動作と実質的に同じである。
例えば、路面異常の影響を受けながら車両2が走行した場合には、路面異常の影響を受けることなく車両2が走行した場合と比較して、車両2が上下に及び/又は左右に相対的に大きく振動する可能性がある。特に、路面異常が、路面の平坦性を妨げる異常(例えば、路面の陥没、路面に開いた穴、路面の膨らみ、路面に形成された轍、落下物、剥がれた道路に相当するアスファルト等の固まり、落石及び動物の死骸等の少なくとも一つ)である場合に、車両2が上下に及び/又は左右に相対的に大きく振動する可能性がある。このため、第2特定挙動の一例として、車両2の上下加速度、横加速度、ヨーレート、ヨー角、ロール角及びピッチ角の少なくとも一つが相対的に短い時間内に相対的に大きく変化するという挙動があげられる。
例えば、路面異常の影響を受けながら車両2が走行した場合には、路面異常の影響を受けることなく車両2が走行した場合と比較して、車両2がスリップする可能性がある。尚、ここで言う「車両2がスリップしている状態」は、車両2の前後方向及び/又は左右方向におけるスリップ率が、予め定められた所定率よりも大きくなる状態を意味していてもよい。このため、第2特定挙動の他の一例として、車両2がスリップするという挙動があげられる。第2特定挙動の他の一例として、車両2がスリップした後に通常走行に戻るという挙動があげられる。
例えば、路面異常が存在する路面を車両2が走行すると、車両2の従動輪(つまり、エンジン等の駆動源からの駆動力が供給されない車輪であり、非駆動輪)の車輪速の単位時間当たりの変動量は、路面異常からの応力の影響によって、路面異常が存在しない路面を車両2が走行した場合の従動輪の車輪速の単位時間当たりの変動量とは異なる可能性がある。尚、以下の説明では、表記の簡略化のため、特段の表記がない場合には、“車輪速の変動量”は、“車輪速の単位時間当たりの変動量”を意味するものとする。典型的には、路面異常が存在する路面を車両2が走行した場合の従動輪の車輪速の単位時間当たりの変動量は、路面異常が存在しない路面を車両2が走行した場合の従動輪の車輪速の単位時間当たりの変動量よりも大きくなる可能性がある。従って、路面状態推定部112は、従動輪の車輪速の変動量に基づいて、路面異常が存在する位置を推定することができるはずである。このため、第2特定挙動の他の一例として、従動輪の車輪速の単位時間当たりの変動量が、予め定めた所定量以上になるという挙動があげられる。
或いは、従動輪の車輪速の変動量には、車両2そのものの加速度(つまり、複数の車輪の車輪速の平均値の単位時間当たりの変動量)の影響が重畳されている。このため、路面異常が存在する位置を車両2が走行したこと場合に観測されるであろうと推定される兆候が従動輪の車輪速の変動量に現れていたとしても、その兆候が、路面異常が存在する位置を車両2が走行したことに起因して発生した正しい兆候であるのか、又は、車両2の加速度に起因した誤った兆候であるのか区別がつかない可能性がある。そこで、路面状態推定部112は、異常条件#21が満たされているか否かを判定するために、図4に示すように、従動輪の車輪速の変動量(図4の上段のグラフ参照)から車両2の加速度(図3の中段のグラフ参照)を差し引いてもよい。車両2の加速度が差し引かれた従動輪の車輪速の変動量(つまり、車両2の加速度と車両2の加速度との差分であり、図4の下段のグラフ参照)は、路面異常が存在する位置を車両2が走行したことに起因した従動輪の車輪速の変動量である可能性が相対的に高い。つまり、車両2の加速度が差し引かれた従動輪の車輪速の変動量が所定量以上になるタイミング(言い換えれば、従動輪の車輪速の変動量と車両2の加速度とが所定量以上異なるタイミング)で、路面異常が存在する位置を車両2が走行した可能性が相対的に高い。このため、路面状態推定部112は、車両2の加速度が差し引かれた従動輪の車輪速の変動量(つまり、従動輪の車輪速の変動量と車両2の加速度との差分)を用いることで、車両2の加速度が差し引かれていない従動輪の車輪速の変動量を用いる場合と比較して、路面異常が存在する位置を高精度に推定することができる。つまり、第2特定挙動の他の一例として、車両2の加速度が差し引かれた従動輪の車輪速の変動量(つまり、従動輪の車輪速の変動量と車両2の加速度との差分)が所定量以上になるという挙動があげられる。このような第2特定挙動が用いられると、路面異常の推定精度が向上する。尚、この際、路面状態推定部112は、相対的に低周波な車両2の固有振動数の影響を排除するために、ハイパスフィルタ(HPF:High Pass Filter)等を用いて、従動輪の車輪速の変動量と車両2の加速度との差分から固有振動数の変動成分を排除した上で、固有振動数の影響が排除された差分に基づいて、路面異常が存在する位置を推定してもよい。
尚、エンジン等の駆動源からの駆動力が供給される車輪である駆動輪についても、路面異常の影響を受けた駆動輪の車輪速の変動量が、路面異常の影響を受けていない駆動輪の車輪速の変動量と異なる可能性がある。しかしながら、駆動輪には駆動力が供給される(つまり、駆動輪が車両2そのものの加速度の影響を相対的に受けやすい)がゆえに、路面異常の影響を受けた駆動輪の車輪速の変動量と路面異常の影響を受けていない駆動輪の車輪速の変動量との違いは、路面異常の影響を受けた従動輪の車輪速の変動量と路面異常の影響を受けていない従動輪の車輪速の変動量との違いほどには顕著に現れない可能性がある。このため、第2特定挙動の一例として、駆動輪の車輪速の変動量に関する挙動を用いてもよいが、路面異常の推定精度を向上させるという観点から見れば、従動輪の車輪速の変動量に関する挙動を用いる方が好ましい。
例えば、路面異常が轍である場合には、車両2のタイヤが轍の段差を乗り越える(つまり、轍を構成する溝の外側から内側へと又は溝の内側から外側へとタイヤが移動する)タイミングで、それ以外のタイミングと比較して車両2の横加速度が大きくなる。逆に言えば、車両2のタイヤが轍からはずれることなく車両2が走行している場合には、車両2の横加速度が一定の範囲内におさまる値となる可能性が高い。従って、路面状態推定部112は、車両2の横加速度に基づいて、路面異常が存在する位置を推定することができるはずである。このため、第2特定挙動の他の一例として、車両2の横加速度が、予め定めた所定範囲内になるという挙動があげられる。このような「車両2の挙動が、車両2の横加速度が所定範囲内になるという第2特定挙動となっている」という条件が異常条件#21として用いられる場合には、路面状態推定部112は、路面異常の一例である轍が存在するか否かを推定することができる。
尚、路面状態推定部112は、第1の地点(つまり、位置)において轍が存在していると推定した場合には更に、轍が存在していると推定された第2の地点が、第1の地点から所定距離以下の間隔を隔てて存在するか否かを判定してもよい。この判定は、第1の地点に存在すると推定された轍と第2の地点に存在すると推定された轍とが、一連の轍であるか否かを判定するために行われる。というのも、轍は、ある地点に局所的にできる可能性もあるが、典型的には、道路上を道路の延伸方向に沿って延伸するように連続的にできる可能性が相対的に高い。この前提に立てば、轍が存在していると推定された第1及び第2の地点が所定距離未満の間隔しか隔てていない場合には、第1の地点に存在すると推定された轍と第2の地点に存在すると推定された轍とが、一連の轍である可能性が相対的に高い。そこで、図5に示すように、轍が存在していると推定された第1及び第2の地点が所定距離未満の間隔しか隔てていないと判定した場合には、路面状態推定部112は、第1の地点から第2の地点に至る路面上に轍が連続的に存在していると推定してもよい。一方で、轍が存在していると推定された第1及び第2の地点が所定距離より長い間隔を隔てていると判定した場合には、路面状態推定部112は、第1の地点に存在すると推定された轍と第2の地点に存在すると推定された轍とが、一連の轍でないと推定してもよい。尚、「所定距離」は、轍が存在していると推定された(つまり、横加速度に関する異常条件#21が満たされていると判定された)2つの地点の間に一連の轍が連続的に存在している状態と、轍が存在していると推定された2つの地点の間に一連の轍が連続的に存在していない(つまり、2つの地点に夫々形成されている2つの轍が、別個の轍である)状態とを、2つの地点の間の距離から区別するためのパラメータである。このような所定距離は、轍が連続的に延伸する長さとして、実験上、理論上若しくはシミュレーション上想定される距離に設定されてもよいし、実際に存在する轍の長さの実測値に相当する距離に設定されてもよい。
尚、このような第2特定挙動は、上述した第1特定挙動と同様に、実験及びシミュレーション等の少なくとも一方によって事前に設定されていてもよい。
(1−2−2−2)第2特定挙動に基づく異常条件#22
挙動データが第2特定挙動に関する情報(つまり、路面の影響を受けた車両2の挙動に関する情報)を含んでいることを考慮すれば、路面状態推定部112は、挙動データに基づいて、路面の凹凸の程度を示す指標値が算出することができるはずである。このため、異常条件#2は、上述した異常条件#21に加えて又は代えて、道路上のある地点における指標値の平均値が、予め定めた第1所定値以上になるという異常条件#22を含んでいてもよい。路面状態推定部112は、異常条件#22が満たされていると判定した場合には、異常条件#22が満たされていると判定された道路上のある地点に路面異常が存在している(特に、路面が荒れている)と推定する。この場合、ステップS212における「異常条件#2(具体的には、異常条件#22)が満たされるタイミングがあったか否かを判定する」動作は、「道路上のある地点における指標値の平均値が第1所定値以上になったか否かを判定する」動作と実質的に同じである。
異常条件#22が用いられる場合、ステップS212において、路面状態推定部112は、挙動データから、車両2への路面からの入力に係る入力情報を抽出する。入力情報は、車両2の各車輪の車輪速度(車輪速、以下同じ)の時間変動を示す情報を含む。従って、車両2が自動四輪車である場合には、路面状態推定部112は、車輪4つ分(即ち、左前輪、右前輪、左後輪、右後輪)の車輪速度の時間変動を示す情報を抽出する。車両2が自動二輪車である場合には、路面状態推定部112は、車輪2つ分(即ち、前輪、後輪)の車輪速度の時間変動を示す情報を抽出する。但し、入力情報は、車両2の各車輪の上下加速度の時間変動を示す情報及び車両2の各車輪の空気圧の時間変動を示す情報等の少なくとも一つを含んでいてもよい。
ここで、車両2の車輪速度の時間変動は、主に、ピッチング、サスペンションのストローク、トルク、及び路面からの入力によって生じる。つまり、入力情報には、(1)ピッチングに起因する成分、(2)サスペンションのストロークに起因する成分、(3)トルク(言い換えれば、車両2の加減速)に起因する成分、及び(4)路面からの入力(言い換えれば、路面の凹凸)に起因する成分が含まれている。上記(1)〜(4)の成分は、夫々、特定範囲の周波数を持つ波として表すことができる。具体的には、(1)ピッチングに起因する成分を表す波は、車両2の固有振動数に応じた周波数を持つ波である。(2)サスペンションのストロークに起因する成分を表す波は、主に操舵や加減速等に起因したサスペンションストローク変化に応じた周波数を持つ波である。(3)トルクに起因する直接的な車輪速度の時間変動成分を表す波は、車両2の加減速の変化に応じた周波数を持つ波である。(4)路面からの入力に起因する成分を表す波は、上記(1)〜(3)各々を表す波の周波数よりも高い周波数を持つ波である。本願発明者の研究によれば、上記(1)〜(3)各々を表す波の周波数範囲と、(4)路面からの入力に起因する成分を表す波の周波数範囲とは、明確に異なっていることが判明している。そこで、路面状態推定部112は、上記(1)〜(3)各々を表す波の周波数範囲と、(4)路面からの入力に起因する成分を表す波の周波数範囲とが明確に異なっていることを利用して、取得した入力情報から、路面からの入力に起因する成分を抽出する。例えば、路面状態推定部112は、ハイパスフィルタを用いて、取得した入力情報から、路面からの入力に起因する成分を抽出してもよい。ここで、路面からの入力に起因する成分は、車輪毎に抽出される。なぜなら、上述したように、入力情報は、車両2の各車輪の車輪速度の時間変動を示す情報から抽出した情報だからである。
次に、路面状態推定部112は、抽出された路面からの入力に起因する成分に基づいて、路面の凹凸の程度を示す指標値を示す路面凹凸情報を算出する。路面凹凸情報により示される指標値は、路面の凹凸の程度が大きいほど、大きくなる。次に、路面状態推定部112は、複数の車両2全ての、一の地点(又は区画)における路面凹凸情報により示される指標値の平均値を算出する。このステップS104の処理の結果、道路の各地点(又は区画)について路面状態が推定される(図6参照)。尚、図6では、指標値の平均値が大きいほど、網かけが濃くなる。次に、路面状態推定部112は、一の地点(又は区画)における指標値の平均値と、第1所定値とを比較して、一の地点(又は区画)の路面が荒れているか否かを判定する。路面状態推定部112は、一の地点(又は区画)における指標値の平均値が、第1所定値以上である場合に、一の地点(又は区画)の路面が荒れていると判定する。つまり、路面状態推定部112は、一の地点(又は区画)において異常条件#22が満たされた場合に、一の地点(又は区画)の路面が荒れていると判定する。
「第1所定値」は、路面が荒れているか否かを決定する値であり、予め固定値として、又は、何らかの物理量若しくはパラメータに応じて変化する可変値として設定されている。「第1所定値」は、実験又はシミュレーションにより、例えば路面状態を様々に変えつつ、路面の凹凸の程度を示す指標値を取得して、路面状態と指標値との関係を求め、該求められた関係に基づいて設定すればよい。尚、「路面が荒れている」とは、施工完了時の路面の凹凸の程度に比べて、凹凸の程度が顕著に大きくなっていることを意味する。
(1−2−2−3)第2特定挙動に基づく異常条件#23
異常条件#2は、上述した異常条件#21及び#22の少なくとも一方に加えて又は代えて、道路上のある地点における指標値(つまり、路面の凹凸の程度を示す指標値)の最大値が、予め定めた第2所定値以上になるという異常条件#23を含んでいてもよい。路面状態推定部112は、異常条件#22が満たされていると判定した場合には、異常条件#22が満たされていると判定された道路上のある地点に路面異常が存在している(特に、局所的な凹凸が存在する)と推定する。この場合、ステップS212における「異常条件#2(具体的には、異常条件#23)が満たされるタイミングがあったか否かを判定する」動作は、「道路上のある地点における指標値の最大値が第2所定値以上になったか否かを判定する」動作と実質的に同じである。
異常条件#23が用いられる場合には、異常条件#22が用いられる場合と同様に、ステップS212において、路面状態推定部112は、路面の凹凸の程度を示す指標値を示す路面凹凸情報を算出する。その後、路面状態推定部112は、一の地点(又は区画)を示す車両位置データに関連付けられている入力情報(ここでは、各車輪の車輪速度の時間変動を示す情報)から抽出された路面からの入力に起因する成分に基づき算出された路面凹凸情報から、複数の車両2の夫々に関して、一の地点(又は区画)における各車輪の指標値の最大値を求める。次に、路面状態推定部112は、一の地点(又は区画)における各車輪の指標値の最大値と、第2所定値とを比較して、一の地点(又は区画)の路面にポットホール(即ち、局所的な凹凸又は穴)があるか否かを判定する。路面状態推定部112は、一の地点(又は区画)における少なくとも一つの車輪の指標値の最大値が、第2所定値以上である場合に、一の地点(又は区画)の路面にポットホールがあると判定する。つまり、路面状態推定部112は、一の地点(又は区画)において異常条件#23が満たされた場合に、一の地点(又は区画)の路面にポットホールがあると判定する。
尚、「第2所定値」は、局所的な凹凸(例えばポットホール)が存在するか否かを決定する値であり、予め固定値として、又は、何らかの物理量若しくはパラメータに応じて変化する可変値として設定されている。このような第2所定値は、第1所定値よりも大きい値となる。「第2所定値」は、実験又はシミュレーションにより、例えば路面状態を様々に変えつつ、路面の凹凸の程度を示す指標値を取得して、路面状態と指標値との関係を求め、該求められた関係に基づいて、例えば補修が必要な局所的な凹凸が存在する路面状態のときの指標値として設定すればよい。
(1−3)技術的効果
以上説明したように、第1実施形態の路面状態推定システムSYS1は、道路を普通に走行している複数の車両2から送信されてくる挙動データに基づいて、路面の状態を推定することができる。具体的には、路面状態推定システムSYS1は、挙動データに基づいて、路面の異常が存在する位置を推定(つまり、特定)することができる。このため、路面状態推定システムSYS1は、路面の状態を確認する(例えば、路面異常を探索する)ための専用の人員及び/又は専用車両を確保して人海戦術で路面の状態が確認される場合と比較して、相対的に容易に、相対的に低コストで且つリアルタイムに路面の状態を推定することができる。
加えて、路面状態推定システムSYS1では、車両2の挙動が路面異常を回避するための第1特定挙動になった(つまり、異常条件#1が満たされた)位置が、路面異常が存在している位置であると推定される。路面異常が存在する位置では、路面異常を避けるために、路面異常が存在しない位置を走行する場合の挙動とは異なる挙動を車両2がとる可能性が相対的に高いと想定される。このことを考慮すれば、路面状態推定システムSYS1は、車両2の挙動に基づいて、路面異常が存在する位置を適切に推定することができる。
加えて、路面状態推定システムSYS1では、車両2の挙動が路面異常の影響を受けて走行するという第2特定挙動になった(つまり、異常条件#21が満たされた)位置が、路面異常が存在している位置であると推定される。更には、路面状態推定システムSYS1では、路面の凹凸の程度を示す指標値の平均値が第1所定値以上になった(つまり、異常条件#22が満たされた)位置及び/又は指標値の最大値が第2所定値以上になった(つまり、異常条件#23が満たされた)位置が、路面異常が存在している位置であると推定される。路面異常が存在する位置では、路面異常の影響を受けるがゆえに、路面異常が存在しない位置を走行する場合の挙動とは異なる挙動を車両2がとる可能性が相対的に高いと想定される。路面異常が存在する位置では路面異常の影響を受けるがゆえに、路面異常が存在する位置における指標値の平均値及び最大値は、路面異常が存在しない位置における指標値の平均値及び最大値とは異なる可能性が相対的に高いと想定される。このことを考慮すれば、路面状態推定システムSYS1は、車両2の挙動に基づいて、路面異常が存在する位置を適切に推定することができる。
加えて、路面状態推定システムSYS1を構成する車両2(つまり、サーバ1に挙動データを送信する車両2)の数が増えれば増えるほど、複数の車両2のいずれもが走行していたことがないエリア(つまり、車両2の挙動に基づいて路面の状態を推定することができないエリア)が狭くなっていく。このため、路面状態推定システムSYS1は、相対的に広範囲のエリアにおいて路面の状態を推定することができる。つまり、路面異常が存在するにも関わらず路面異常が存在しているものとして路面状態推定システムSYS1によって認知されないエリア(つまり、路面異常の検知漏れが生ずるエリア)の発生が極力抑制される。
仮に複数の車両2のいずれもが走行していたことがないエリア(つまり、車両2の挙動に基づいて路面の状態を推定することができないエリア)が発生したとしても、サーバ1は、車両2から取得した挙動データ及び車両位置データに基づいて、複数の車両2のいずれもが走行していたことがないエリアを容易に特定することができる。このため、この場合には、サーバ1は、そのようなエリアに限って路面の状態を確認するための専用の人員及び/又は専用車両を確保して人海戦術で路面の状態を確認するように、路面の状態を確認する担当者に通知することもできる。従って、仮に路面の状態を確認するための専用の人員及び/又は専用車両を確保する必要が生じたとしても、その必要が生ずる場面が限られるがゆえに、路面の状態を確認するための専用の人員及び/又は専用車両を確保して人海戦術で路面の状態を確認するコストは相対的に低くなる。
加えて、車両2の数が増えれば増えるほど、同じ走行車線を走行する複数の車両2が存在する状況下で複数の車両2が同じ走行車線内の違う位置を走行する可能性が相対的に高くなる。例えば、ある車両2は、ある走行車線内の中央寄りの位置を走行し、別の車両2は、同じ走行車線内の右寄り又は左寄りの位置を走行する可能性が相対的に高くなる。この場合、路面状態推定システムSYS1は、同じ走行車線内のより広いエリアにおいて路面の状態を推定することができる。従って、ある走行車線内においても、路面異常の検知漏れが生ずるエリアの発生が極力抑制される。
加えて、車両2の数が増えれば増えるほど、より多くの挙動データがサーバ1に送信される。サーバ1に送信される挙動データが多くなればなるほど、挙動データに含まれているノイズ(例えば、路面異常を回避する第1特定挙動をとっていない車両2から送信される、一見すると第1特定挙動と区別できない他の挙動に関するデータ成分)の影響が排除される可能性が高くなる。このため、路面の状態の推定精度が向上する。
加えて、ある道路を走行する車両2の数が増えれば増えるほど、一般的には、当該道路において路面異常が存在する可能性が高くなっていく。このため、ある道路を走行する車両2の数が増えれば増えるほど、当該道路において路面の状態を推定する必要性が高くなる。この場合において、本実施形態では、ある道路を走行する車両2の数が増えれば増えるほど、路面状態推定システムSYS1が取得する挙動データのデータ量が多くなる。従って、ある道路を走行する車両2の数が相対的に多いことに起因して当該道路において路面の状態を推定する必要性が相対的に高い状況において、路面状態推定システムSYS1は、路面の状態をより適切に且つより精度よく推定することができる。
(1−4)路面状態推定動作の変形例
(1−4−1)路面状態推定動作の第1変形例
上述した路面の凹凸の程度を示す指標値に基づいて路面の状態を推定する場合には、路面状態推定システムSYS1は、図3に示すフローチャートに代えて、図7に示すフローチャートに従って路面状態推定動作を行ってもよい。更に、上述した路面の凹凸の程度を示す指標値に基づいて路面の状態を推定する場合には、路面状態推定システムSYS1は、図1に示す構成に代えて、図8に示す構成を有していてもよい。
具体的には、図8において、第1変形例における路面状態推定システムSYS1’は、解析装置1’と、該解析装置1’とネットワークを介して通信可能な複数の車両と、を備えて構成されている。解析装置1’は、その内部に論理的に実現される処理ブロックとして又は物理的に実現される処理回路として、取得部11’、抽出部12’、算出部13’及び判定部14’を備えて構成されている。解析装置1’は更に、地図情報を有している。複数の車両各々は、車両への路面からの入力に係る入力情報を取得し、該入力情報を、該入力情報が取得された地点(又は区画)を示す地点情報と関連付けて解析装置1に逐次送信する。入力情報の情報源の具体例は、既に上述したとおりであるため、その詳細な説明を省略する。尚、第1変形例における車両は、上述した車両2と同様の構成を有していてもよい。
この場合、図7に示すように、解析装置1’の取得部11’は、複数の車両各々から送信された入力情報を取得する(ステップS101)。尚、ステップS101の処理は、上述したデータ取得部111によって行われてもよい。
その後、解析装置1’の抽出部12’は、取得された入力情報から、路面からの入力に起因する成分を抽出する(ステップS102)。路面からの入力に起因する成分を抽出する処理は、上述した処理と同一であってもよいため、その詳細な説明を省略する。尚、ステップS102の処理は、上述した路面状態推定部112によって行われてもよい。
次に、解析装置1’の算出部13’は、抽出された路面からの入力に起因する成分に基づいて、路面の凹凸の程度を示す指標である路面凹凸情報を算出する。更に、算出部13’は、一の地点(又は区画)を示す地点情報に関連付けられている入力情報から抽出された路面からの入力に起因する成分に基づき算出された路面凹凸情報から、一の地点(又は区画)における各車輪の指標値の最大値を求める(ステップS103)。更に、算出部13’は、複数の車両全ての、一の地点(又は区画)における路面凹凸情報により示される指標値の平均値を算出する(ステップS104)。尚、路面凹凸情報に関する処理は、上述した処理と同一であってもよいため、その詳細な説明を省略する。尚、ステップS103からステップS104の処理は、上述した路面状態推定部112によって行われてもよい。
次に、判定部14’は、ステップS103及びS104の処理の結果に基づいて、路面状態を判定する(ステップS105)。具体的には、判定部14’は、ステップS104の処理において算出された一の地点(又は区画)における指標値の平均値と、第1所定値とを比較して、一の地点(又は区画)の路面が荒れているか否かを判定する。判定部14’は、ステップS103の処理により求められた、一の地点(又は区画)における各車輪の指標値の最大値と、第2所定値とを比較して、一の地点(又は区画)の路面にポットホール(即ち、局所的な凹凸又は穴)があるか否かを判定する。尚、指標値に関する判定処理は、上述した処理と同一であってもよいため、その詳細な説明を省略する。尚、ステップS105の処理は、上述した路面状態推定部112によって行われてもよい。
尚、図7に示す処理は、地図情報がなくても行うことが可能である。しかしながら、図7に示す処理の結果がユーザに提示される際には、地図情報により示される地図上の地点と関連付けて提示されることが望ましい。
このような第1変形例における路面状態推定動作によれば、複数の車両各々の入力情報(ここでは、各車輪の車輪速度の時間変動を示す情報)から得られた路面凹凸情報に基づいて路面状態が推定される。このため、例えば1台の車両から得られた入力情報だけから路面状態が推定される比較例に係る方法に比べて、路面状態の推定精度を向上させることができる。
第1変形例における路面状態推定動作によれば更に、路面凹凸情報により示される、各車両の各車輪の指標値の最大値に基づいて、ポットホールの有無が判定される。ポットホールは、道路幅や車両幅に比べて著しく小さいので、1台の車両がポットホール上を走行する確率は比較的小さくなる。つまり、1台の車両から得られた入力情報だけからポットホールを検出することは極めて難しい。しかるに当該路面状態推定方法では、複数の車両各々から入力情報が得られるので、ポットホールを比較的容易に検出することができる。
ところで、従来、路面状態の検査は、道路を管理する団体や、該団体から委託された団体又は企業により行われている。この場合、道路の一の地点の路面状態の検査頻度は、例えば数ヶ月〜数年に1回程度である。また、路面状態の検査は、例えば幹線道路等比較的交通量の多い道路について優先して行われ、その他の道路については十分な頻度で検査が行われないことが多い。すると、路面状態が劣化しているにもかかわらず、補修が行われるまでには比較的長い期間がかかってしまう。
ここで、当該路面状態推定方法で必要とされる入力情報の一例としての、車輪速度の時間変動を示す情報は、一般的な車両の全てにおいて測定されている。加えて、GPS等の車両の位置を測定する装置も、ナビゲーション装置を搭載する車両には標準的に装備されている。つまり、当該路面状態推定方法で必要とされる入力情報として、車輪速度の時間変動を示す情報を用いれば、上記道路を管理する団体等とは関係のない一般人が乗車する車両から取得される入力情報も、路面状態の推定に用いることができる。そして、一般人が乗車する車両は、日常的に様々な道路を走行している。このため、一般人が乗車する車両から取得される入力情報も路面状態の推定に用いれば、道路の大部分について、日常的に路面状態の検査を行うことができる。つまり、当該路面状態推定方法によれば、道路の大部分について、日常的に路面状態の検査を行うことができる。特に、いわゆるコネクテッドカーが今後増加することに鑑みれば、当該路面状態推定方法は実用上非常に有用であるといえる。
尚、第1変形例における路面状態推定動作を行うことで享受可能な効果と同様の効果は、上述した第2の路面状態推定動作(特に、指標値に関する異常条件#22及び#23の少なくとも一方を用いる路面状態推定動作)を行うことでも享受可能である。
(1−4−2)路面状態推定動作の第2変形例
上述した説明では、路面状態推定部112は、主として、路面異常が存在する位置を推定している。しかしながら、路面状態推定部112は、路面異常が存在する位置とは異なる路面の任意の状態を推定してもよい、例えば、路面状態推定部112は、挙動データに基づいて、路面の劣化度合いを推定してもよい。路面の劣化度合いは、路面異常が車両2の走行に対して与える影響が大きくなるほど大きくなるパラメータであってもよい。この場合、路面状態推定部112は、挙動データと路面の劣化度合いとの関係を示す関係情報に基づいて、挙動データから路面の劣化度合いを推定してもよい。路面状態推定部112は、挙動データが入力されると路面の劣化度合いを出力する推定エンジン(例えば、ニューラルネットワークモデル等のAIを利用した推定エンジン)を用いて、挙動データから路面の劣化度合いを推定してもよい。
路面状態推定部112は、路面の状態の推定結果を示す路面状態データに基づいて、一時間のある道路の路面の状態と、他の時間の同じ道路の路面の状態とを比較して、当該道路における路面の劣化の進行速度(つまり、劣化速度)を特定してもよい。更に、路面状態推定部112は、特定した路面の劣化の進行速度に基づいて、当該道路における将来の路面の状態を予測してもよい。
(1−4−3)路面状態推定動作の第3変形例
路面状態推定部112は、道路上の一の地点において異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされているか否かの判定の結果に加えて、一の地点におけるある時間の路面の状態と一の地点における別の時間の路面の状態との比較の結果とに基づいて、当該道路の路面の状態を推定してもよい。
例えば、車両2の走行を前提に道路に形成されている構造物(例えば、道路の継ぎ目及びマンホール等の少なくとも一方)は、その上を走行する車両2に応力を与える可能性がある。このため、当該構造物の上を走行する車両2の挙動を示す挙動データによれば、見かけ上、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされていると判定されてしまう可能性がある。その結果、路面の状態の推定精度が悪化する可能性がある。一方で、一の時間に車両2が構造物の上を走行したときの挙動と他の時間に車両2が同じ構造物の上を走行したときの挙動とは、通常は同じになるはずである。なぜならば、路面と比較して、構造物は劣化しにくいからである。このため、ある地点において異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされたと判定された状況において、一の時間に同じ地点を走行した車両2の挙動と他の時間に同じ地点を走行した車両2の挙動とが異なる場合には、一の時間と他の時間との間での挙動の違いが、道路に形成された構造物を原因とするものではなく、路面異常を原因とするものである可能性が相対的に高くなる。他方で、ある地点において異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされたと判定された状況において、一の時間に同じ地点を走行した車両2の挙動と他の時間に同じ地点を走行した車両2の挙動とが同じになる場合には、一の時間と他の時間との間での挙動の違いが、道路に形成された構造物を原因とするものである可能性が相対的に高くなる。従って、路面状態推定部112は、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされている場合であって、且つ、一の時間に車両2がある地点を走行したときの挙動と他の時間に車両2が同じ地点を走行したときの挙動との差分が所定量より大きい場合(つまり、一の時間に車両2がある地点を走行したときの挙動と他の時間に車両2が同じ地点を走行したときの挙動とが有意に異なるとみなせる場合)には、当該地点に路面異常が存在すると推定してもよい。他方で、路面状態推定部112は、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされている場合であっても、一の時間に車両2がある地点を走行したときの挙動と他の時間に車両2が同じ地点を走行したときの挙動との差分が所定量未満である場合(つまり、一の時間に車両2がある地点を走行したときの挙動と他の時間に車両2が同じ地点を走行したときの挙動とが実質的に同じであるとみなせる場合)には、当該地点に路面異常が存在しないと推定してもよい。尚、ここでいう「一の時間の挙動と他の挙動とが同じ」状態は、「一の時間の挙動と他の挙動とが文字通り全く同じ」状態のみならず、「一の時間の挙動と他の挙動とが異なるものの、実質的に同じであるとみなせる」状態をも含む。その結果、路面の状態の推定精度が向上する。
この場合、一の時間と他の時間との間の時間間隔は、車両2の走行に起因して路面の劣化が進行するのに十分な所定時間に相当する時間間隔であることが好ましい。その結果、一の時間にある地点を走行した車両2の挙動と他の時間に同じ地点を走行した車両2の挙動とが異なる状態が、路面異常に起因して生じた状態であると推定できる可能性が相対的に高くなる。つまり、一の時間にある地点を走行した車両2の挙動と他の時間に同じ地点を走行した車両2の挙動とが異なる状態が、道路上に形成された構造物に起因して生じた状態であると推定できる可能性が相対的に高くなる。
但し、道路に形成されている構造物は劣化しにくいものの、長期に渡る使用に伴って劣化する可能性は否めない。この場合であっても、構造物の劣化に伴って、一の時間に車両2がある構造物の上を走行したときの挙動と他の時間に車両2が同じ構造物の上を走行したときの挙動とが同じでなくなる可能性が相対的に高くなる。その結果、当該構造物が存在する地点において路面異常が存在すると判定される可能性が相対的に高くなる。このため、路面状態推定動作の第3変形例によれば、路面異常の推定精度の向上のみならず、車両2の走行を前提に道路に形成されている構造物の劣化をも適切に推定することができる。
或いは、路面状態推定部112は、車両2の挙動が第1又は第2特定挙動に一致していないものの、挙動が徐々に第1又は第2特定挙動に近づいていくように変化していく地点においては、近い将来に路面異常が生ずる可能性が高いと推定してもよい。例えば、路面状態推定部112は、一の時間に車両2がある地点を走行したときの挙動よりも一の時間よりも後の他の時間に車両2が同じ地点を走行したときの挙動の方が第1又は第2特定挙動に近づいている場合には、当該地点において近い将来に路面異常が生ずる可能性が高いと推定してもよい。或いは、路面状態推定部112は、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされていないものの、車両2の挙動が、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされる場合にとると想定される挙動に近づいていくように変化していく地点においては、近い将来に路面異常が生ずる可能性が高いと推定してもよい。
(1−4−4)路面状態推定動作の第4変形例
路面状態推定部112は、第2特定挙動に着目して路面の状態を推定する場合において、挙動データ(つまり、車両2から送信されるデータ)を入力とし且つ路面異常の影響を受けながら車両2が走行した確率を出力とする推定エンジン(例えば、ニューラルネットワークモデル等のAIを利用した推定エンジン)を用いて、路面の状態を推定してもよい。この場合、挙動データ等の学習データを用いて推定エンジンを学習させることで、車両2の挙動が、異常条件#2が満たされる場合にとると想定される挙動となっている状態を、路面異常の影響を実際に受けて車両2が走行したことに起因して、車両2の挙動が、異常条件#2が満たされる場合にとると想定される挙動になっている状態と、路面異常の影響を実際に受けることなく車両2が走行したにも関わらず、車両2の挙動が、見かけ上異常条件#2が満たされる場合にとると想定される挙動となってしまった状態との間で適切に切り分けることも可能となる。具体的には、例えば、車両2の挙動が見かけ上第2特定挙動となっている状態を、路面異常の影響を実際に受けて車両2が走行したことに起因して車両2の挙動が第2特定挙動となっている状態と、路面異常の影響を実際に受けることなく車両2が走行したにも関わらず車両2の挙動が見かけ上第2特定挙動となってしまった状態との間で適切に切り分けることも可能となる。その結果、路面の状態の推定精度が向上する。
尚、上述した第1特定挙動に着目して路面の状態を推定する場合においても、路面状態推定部112は、挙動データ(つまり、車両2から送信されるデータ)を入力とし且つ路面異常を回避するように車両2が走行した確率を出力とする推定エンジン(例えば、ニューラルネットワークモデル等のAIを利用した推定エンジン)を用いて、路面の状態を推定してもよい。
(2)第2実施形態の路面状態推定システムSYS
続いて、第2実施形態の路面状態推定システムSYS(以降、“路面状態推定システムSYS2”と称する)について説明する。
(2−1)路面状態推定システムSYS2の構成
初めに、図9を参照しながら、第2実施形態の路面状態推定システムSYS2の構成について説明する。図9は、第2実施形態の路面状態推定システムSYS2の構成の一例を示すブロック図である。尚、第1実施形態の路面状態推定システムSYS1が備える構成要件と同一の構成要件については、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9に示すように、路面状態推定システムSYS2は、上述した路面状態推定システムSYS1と比較して、情報処理装置11が、情報処理装置11の内部に論理的に実現される処理ブロック又は情報処理装置11の内部に物理的に実現される処理回路として、後述する付記における「提案手段」の一具体例である補修提案部113を更に備えていると言う点で異なる。路面状態推定システムSYS2のその他の特徴は、上述した路面状態推定システムSYS1と同一であってもよい。
補修提案部113は、路面状態推定部112の推定結果(つまり、路面状態データ)に基づいて、道路の補修(つまり、路面の補修)を提案する補修提案動作を行う。道路の補修の提案は、例えば、道路の補修に関する情報の生成及び出力(例えば、ディスプレイへの出力)の少なくとも一方を含んでいてもよい。道路の補修に関する情報は、例えば、補修を行うことが望まれる路面の位置に関する情報、補修を行うことが望まれる路面の状態に関する情報、路面の補修を行うことが望まれる時期に関する情報、路面に存在する路面異常に関する情報、補修の切迫度に関する情報、路面の補修の計画の立案に寄与する情報、路面の補修の計画に関する情報、及び、路面の実際の補修に寄与する情報等の少なくとも一方を含んでいてもよい。補修提案部113は、このような道路の補修の提案を、路面状態推定システムSYS2のユーザ、道路の補修の計画を立案する担当者及び道路の補修を実際に行う担当者等の少なくとも一人に対して提案してもよい。
(2−2)補修提案動作
続いて、補修提案部113が行う補修提案動作の具体的内容について更に説明を進める。
補修提案部113は、路面状態データに含まれる、路面異常が存在する位置に関する異常位置情報に基づいて、補修提案動作を行ってもよい。具体的には、補修提案部113は、路面異常が存在する位置における路面の補修を提案してもよい。
補修提案部113は、路面状態データに含まれる、路面の劣化度合いに関する劣化度情報に基づいて、補修提案動作を行ってもよい。具体的には、補修提案部113は、劣化合いが所定閾値以上になっている地点の路面の補修を提案してもよい。この際、所定閾値は、予め定められた固定値であってもよいし、状況に応じて変更可能な可変値であってもよい。尚、所定閾値は、車両2の走行に大きな支障をきたすほどには路面が劣化していない場合の路面の劣化度合いを上限に、その上限よりも小さい値に設定されてもよい。
所定閾値が可変値である場合には、補修提案部113が所定閾値を変更してもよい。例えば、補修提案部113は、路面状態データに基づいて所定閾値を変更してもよい。一例として、補修提案部113は、路面状態データに含まれる、路面の劣化速度に関する劣化速度情報に基づいて、所定閾値を変更してもよい。この場合、例えば、補修提案部113は、ある地点の路面の補修を提案するか否かを判定するために用いる所定閾値が、当該地点の路面の劣化速度が速くなればなるほど小さくなるように、所定閾値を変更してもよい。その結果、劣化速度が相対的に速い地点の路面の補修の提案は、劣化速度が相対的に遅い地点の路面の補修の提案よりも優先的に又は早期に行われることとなる。従って、補修提案部113は、車両2の走行に大きな支障をきたすほどに路面の劣化が進行する前に、路面の補修を提案しやすくなる。
凍結しやすい路面の劣化速度は、凍結しない路面の劣化速度よりも一般的には速い。このため、補修提案部113は、路面状態データに加えて又は代えて、ある路面の凍結しやすさを示す情報に基づいて、所定閾値を変更してもよい。例えば、補修提案部113は、ある地点の路面の補修を提案するか否かを判定するために用いる所定閾値が、当該地点の路面が凍結しやすいほど小さくなるように、所定閾値を変更してもよい。この場合も、凍結しやすい(つまり、劣化速度が相対的に速い)地点の路面の補修の提案は、凍結しにくい(つまり、劣化速度が相対的に遅い)地点の路面の補修の提案よりも優先的に又は早期に行われることとなる。尚、路面の凍結しやすさを示す情報の一例として、路面が存在する地点の気温、高度及び天候のうちの少なくとも一つに関する情報があげられる。なぜならば、ある地点の気温が低くなるほどその地点の路面が凍結しやすくなり、ある地点の高度が高くなるほどその地点の路面が凍結しやすく、ある地点に雪が降っていればその地点の路面が凍結しやすくなるからである。
補修提案部113は、路面状態データに含まれる劣化速度情報に基づいて、ある地点の路面の劣化度合いが急激に低下しているのか否か、徐々に(言い換えれば、緩やかに)低下しているのか、又は、低下していない(つまり、変わっていない)のか否かを推定することができる。或いは、路面状態データに劣化速度情報が含まれていなくても、ある地点の一の時間における路面の劣化度合いと同じ地点の他の時間における路面の劣化度合いとに関する情報が路面状態データに含まれていれば、補修提案部113は、ある地点の路面の劣化度合いが急激に低下しているのか否か、徐々に低下しているのか、又は、低下していないのか否かを推定することができる。この場合、補修提案部113は、劣化の度合いが急激に低下している路面の補修を優先的に提案してもよい。その結果、車両2の走行に大きな支障をきたすほどに路面の劣化が進行する前に、路面の補修の提案が可能となる。更には、補修提案部113は、劣化の度合いが徐々に低下している路面の補修を直ちに提案しないものの、近い将来の補修が必要になるである旨を実際の補修が必要になる前に知らせてもよい。その結果、路面の補修を担当する担当者等は、将来の路面の補修に備えた予算を前もって確保したり、将来の路面の補修を前もって計画したりすることができる。
上述したように、路面状態推定部112は、路面の劣化の進行速度に基づいて、当該道路における将来の路面の状態を予測することができる。この場合、補修提案部113は、将来の路面の状態の予測結果に基づいて、将来の補修の必要性を前もって知らせてもよい。その結果、路面の補修を担当する担当者等は、将来の路面の補修に備えた予算を前もって確保したり、将来の路面の補修を前もって計画したりすることができる。或いは、補提案部113は、将来の路面の状態の予測結果に基づいて、車両2の走行に大きな支障をきたすほどの路面異常が発生する(或いは、路面の劣化が進行する)前に当該路面の補修を提案してもよい。その結果、車両2の走行に大きな支障をきたすほどに路面の劣化が進行する前に、路面の補修の提案が可能となる。
補修提案部113が行う補修提案動作は、路面状態推定部112の推定結果を活用した動作の一例であると言える。このため、補修提案部113は、補修提案動作に加えて又は代えて、路面状態推定部112の推定結果を活用したその他の動作を行ってもよい。
例えば、図10に示すように、補修提案部113は、路面状態データに基づいて、地図上で路面異常が存在する地点をプロットしてもよい。つまり、補修提案部113は、路面状態データに基づいて、路面異常が存在する地点が可視化された地図を生成してもよい。この場合、サーバ1は、路面状態データに基づいて、路面異常が存在する地点を地図に相当するレイヤー上でプロットすることで、路面異常が存在する地点が可視化された地図を生成してもよい。
路面異常が存在する地点が可視化された地図を生成する場合には、補修提案部113は更に、路面異常が存在する地点がプロットされた第1のレイヤーを、当該第1のレイヤーに含まれる情報(つまり、路面の状態に関する情報)とは異なる他の情報が可視化された少なくとも一つの第2のレイヤーに重ね合わせることで、路面異常が存在する地点と共にその他の情報が可視化された重層構造の地図(つまり、用途に合わせて、含まれる情報を変更可能なフレキシブルな地図)を生成してもよい。補修提案部113が生成した地図は、ディスプレイに表示されてもよい。
その他の情報の一例として、交通量に関する情報(例えば、交通量の多寡に関する情報)があげられる。この場合、補修提案部113は、図11に示すように、路面異常が存在する地点がプロットされた第1のレイヤーと、交通量が可視化された第2のレイヤーとを重ね合わせることで生成される地図を生成してもよい。尚、図11に示す例では、交通量が可視化されたレイヤーは、交通量が多い道路ほど太い線で示している。その他の情報の他の一例として、住民分布に関する情報があげられる。住民分布に関する情報の一例として、例えば、住民の数に関する情報、及び、住んでいる住民の属性(例えば、年齢等)に関する情報等の少なくとも一つがあげられる。この場合、補修提案部113は、路面異常が存在する地点がプロットされた第1のレイヤーと、住民分布が可視化された第2のレイヤーとを重ね合わせることで生成される地図を生成してもよい。
補修提案部113が生成した地図は、補修提案動作に用いられてもよい。つまり、補修提案部113は、生成した地図(特に、重層構造の地図)に基づいて、補修提案動作を行ってもよい。例えば、補修提案部113は、図11に示す地図に基づいて、交通量が多い道路(例えば、幹線道路等の主要な道路)の路面の補修を優先的に提案するように、補修提案動作を行ってもよい。例えば、補修提案部113は、路面異常が存在する地点がプロットされた第1のレイヤーと、住民分布が可視化された第2のレイヤーとを重ね合わせることで生成される地図に基づいて、住民が相対的に多い地点及び交通弱者(例えば、子供及び老人の少なくとも一方)が相対的に多い地点の少なくとも一方の路面の補修を優先的に提案するように、補修提案動作を行ってもよい。このように、補修提案部113は、生成した地図(特に、重層構造の地図)に基づいて、その地域に適した補修を提案することができる。尚、重層構造の地図に基づいて補修を提案する動作は、実質的には、路面状態推定部112の推定結果である路面状態データと、路面状態データ以外のデータ(例えば、上述した第2のレイヤーに含まれる情報)とに基づいて補修を提案する動作と等価である。
補修提案部113が生成した地図が補修提案動作に用いられる場合には、その他の情報は、路面の補修の優先順位付けに利用可能な情報を含んでいてもよい。尚、上述した交通量に関する情報及び住民分布に関する情報の夫々は、路面の補修の優先順位付けに利用可能な情報の一例でもある。なぜならば、上述したように、補修提案部113は、交通量に関する情報に基づいて交通量が多い道路の路面の補修を優先的に提案したり、住民分布に関する情報に基づいて、住民が相対的に多い地点及び交通弱者が相対的に多い地点の少なくとも一方の路面の補修を優先的に提案したりすることができるからである。このような交通量に関する情報の一例として、車両の交通量、歩行者の交通量、大型車の交通量(例えば、全走行車両に対する大型車の割合)、及び、車両の平均車速に関する情報等の少なくとも一つがあげられる。その他、路面の補修の優先順位付けに利用可能な情報の他の一例として、道路幅(つまり、幅員)、歩道の有無に関する情報、路側帯の有無に関する情報、分岐の有無に関する情報、交差点の有無に関する情報、信号機の有無に関する情報、建物の分布に関する情報(例えば、学校、住宅、商業施設及び工場等の少なくとも一つの分布に関する情報)、日照条件、及び、道路の立地条件(言い換えれば、敷設条件)に関する情報(例えば、その道路が目抜き道路であるか否かに関する情報等)の少なくとも一つがあげられる。この場合においても、補修提案部113は、路面状態データと、路面の補修の優先順位付けに利用可能なその他の情報とに基づいて、適切な態様で補修を提案することができる。
例えば、補修提案部113は、異なる複数の地域の路面状態データを比較して、各地域における路面の状態が良好であるか否かを示す路面状態レベルを客観的に評価してもよい。この場合、路面状態レベルが相対的に高い(つまり、路面異常が相対的に少ない)地域にとっては、路面状態レベルが相対的に高いことがその地域のアピールポイントとなる可能性がある。逆に、路面状態レベルが相対的に低い(つまり、路面異常が相対的に多い)地域にとっては、路面状態レベルが相対的に低いことを理由にその地域の道路への投資を促すアピールポイントとなる可能性がある。或いは、例えば、補修提案部113は、一の地域の路面状態データに基づいて、他の地域の路面状態レベルの目標を設定してもよい。例えば、補修提案部113は、一の地域の路面状態データに基づいて、他の地域の路面状態レベルの目標を、一の地域の路面状態レベルに応じたレベル(例えば、一の地域の路面状態レベルに応じたレベルと同じレベル)に設定してもよい。
(3)変形例
続いて、路面状態推定システムSYS(つまり、路面状態推定システムSYS1及びSYS2の少なくとも一方、以下同じ)のその他の変形例について説明する。
(3−1)変形例#1
各車両2は、各車両2の周辺の状況を撮影するカメラを備えていてもよい。この場合、カメラの撮影結果である各車両2の周辺の状況を示す画像データもまた、車両2からサーバ1に送信されてもよい。サーバ1が受信した画像データは、記録装置12によって記憶されてもよい。
画像データを受信したサーバ1が備える路面状態推定部112は、路面異常が存在すると推定した場合に、画像データを画像解析することで、当該路面異常の種類を推定してもよい。例えば、路面状態推定部112は、路面異常が、路面の陥没、路面に開いた穴、路面の膨らみ、路面に形成された轍、路面のひび割れ及び路面の劣化等のいずれであるかを推定してもよい。例えば、路面状態推定部112は、路面異常が、車両2からの落下物、剥がれた道路に相当するアスファルト等の固まり、落石、事故車両及び動物の死骸等のいずれであるかを推定してもよい。或いは、路面状態推定部112によって路面異常が存在すると推定された場合に、路面状態推定システムSYSのユーザ等が画像データを直接視認することで、当該路面異常の種類を特定してもよい。
(3−2)変形例#2
路面状態推定部112は、上述した挙動データ等に加えて、車両2が走行した走行経路中の各地点に固有の情報を用いて、路面の状態を推定してもよい。或いは、路面状態推定部112は、車両2が走行した走行経路中の各地点に固有の情報を用いて、挙動データに基づく路面の状態の推定結果を補正してもよい。このとき、各地点に固有の情報は、路面の状態の推定結果に影響を与える情報であることが好ましい。より具体的には、各地点に固有の情報は、各地点における路面の状態の推定を阻害する(つまり、推定結果の悪化を引き起こす)事象及び/又は各地点における路面の状態の推定を阻害する要因を発生させる事象に関する情報であることが好ましい。その結果、路面の状態の推定精度が向上する。
各地点に固有の情報の一例として、各地点の気温及び天候の少なくともがあげられる。例えば、路面状態推定部112は、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた(例えば、車両2の挙動が、第1又は第2挙動となった)地点の気温が、路面が凍結するほどに低い場合には、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた原因が、路面が凍結したことによる車両2のスリップにあると推定してもよい。例えば、路面状態推定部112は、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた地点の天候が、車両2のスリップを引き起こしかねない天候(例えば、雨又は雪)である場合には、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた原因が、路面が雨又は雪で濡れていることによる車両2のスリップにあると推定してもよい。この場合、路面状態推定部112は、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた場合であっても、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた位置に路面異常が存在しないと推定してもよい。或いは、路面状態推定部112は、車両2が走行している地点の気温又は天候に応じて、路面の状態を推定するための基準(例えば、異常条件#1及び#2の少なくとも一方の内容)を変えてもよい。
各地点に固有の情報の他の一例として、各地点のカーブ曲率があげられる。例えば、路面状態推定部112は、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた地点のカーブ曲率が相対的に大きい(或いは、カーブ曲率によれば当該地点がカーブ路であると想定される)場合には、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされたとなった原因が、道路がカーブ路であることによる車両2の旋回にあると推定してもよい。この場合、路面状態推定部112は、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた場合であっても、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた位置に路面異常が存在しないと推定してもよい。或いは、路面状態推定部112は、車両2が直線路を走行しているか又はカーブ路を走行しているかに応じて、路面の状態を推定するための基準を変えてもよい。
各地点に固有の情報の他の一例として、各地点の勾配があげられる。例えば、路面状態推定部112は、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた地点の勾配が相対的に大きい(或いは、勾配によれば当該地点が坂道であると想定される)場合には、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた原因が、道路が坂道であることによる車両2の前後加速度及び/又は上下加速度の変化にあると推定してもよい。この場合、路面状態推定部112は、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた場合であっても、異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされた位置に路面異常が存在しないと推定してもよい。或いは、路面状態推定部112は、車両2が坂道を走行しているか又は平坦路を走行しているかに応じて(或いは、路面の勾配に応じて)、路面の状態を推定するための基準を変えてもよい。
その他、各地点に固有の情報の他の一例として、各地点の路面温度、各地点の降水量、各地点の降雪量、各地点の積雪量、各地点の年間降水量、各地点の年間での最低気温、各地点の年間での最高気温、各地点の年間での平均気温、各地点の緯度、各地点の経度、各地点の高度、各地点における道路幅(つまり、幅員)、各地点の道路における歩道の有無に関する情報、各地点の道路における路側帯の有無に関する情報、各地点の道路における分岐の有無に関する情報、各地点の道路における交差点の有無に関する情報、各地点の道路における信号機の有無に関する情報、各地点の交通量(例えば、車両及び歩行者の少なくとも一方の交通量)、各地点の道路における駐車量の有無に関する情報、各地点の道路を走行する大型車の割合、及び、各地点の道路を走行する車両の平均速度等の少なくとも一つがあげられる。これらの情報もまた、各地点の車両の挙動に影響を与えるがゆえに、路面異常が存在しないにも関わらず、挙動データに基づけば見かけ上異常条件#1及び#2の少なくとも一方が満たされていると判定されてしまう可能性がある。このため、この場合においても、挙動データ及び各地点に固有の情報に基づいて路面の状態が推定されれば、路面の状態の推定精度が向上する。
尚、変形例#2においては、各地点に固有の情報が路面の状態の推定精度に対して与える影響が、実際に、実験的に又はシミュレーションによって計測されていてもよい。この場合、各地点に固有の情報に基づいて路面の状態をどのように推定するかを規定するルールが、事前に計測した影響に関する情報に基づいて設定されてもよい。その結果、路面状態推定部112は、各地点に固有の情報がどのような情報であったとしても、挙動データ及び各地点に固有の情報に基づいて路面の状態を適切に推定することができる。
(3−3)変形例#3
路面状態推定部112は、上述した挙動データ等に加えて、車両2そのものに固有の情報を用いて、路面の状態を推定してもよい。或いは、路面状態推定部112は、車両2そのものに固有の情報を用いて、挙動データに基づく路面の状態の推定結果を補正してもよい。なぜならば、同じ道路を同じように走行したとしても、車両2ごとに挙動が変わる可能性があるからである。車両2そのものに固有の情報の一例として、車両2のボディータイプ(例えば、SUV(Sport Utility Vehicle)タイプであるか、コンパクトカータイプであるか、セダンタイプであるか、バンタイプであるか、バスタイプであるか又はトラックタイプであるか)、車両2のサイズ及び車両2の重量等の少なくとも一つがあげられる。その結果、路面の状態の推定精度が向上する。
路面状態推定部112は、上述した挙動データ等に加えて、車両2のドライバに固有の情報を用いて、路面の状態を推定してもよい。或いは、路面状態推定部112は、車両2のドライバに固有の情報を用いて、挙動データに基づく路面の状態の推定結果を補正してもよい。なぜならば、同じ道路を同じ車両2が走行したとしても、車両2のドライバごとに車両2の挙動が変わる可能性があるからである。ドライバに固有の情報の一例として、ドライバの年齢、ドライバの性別及びドライバの運転技能レベル等の少なくとも一つがあげられる。その結果、路面の状態の推定精度が向上する。
(4)付記
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
(4−1)付記1
付記1に記載の路面状態推定装置は、車両の挙動に関する挙動情報を、複数の前記車両から取得する取得手段と、路面に生じている不具合及び路面に存在する障害物の少なくとも一方を含む路面異常に前記車両が遭遇した場合に前記車両がとるであろうと想定される特定挙動に基づいて定まる異常条件が満たされているか否かを、前記挙動情報に基づいて判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、路面の状態を推定する推定手段とを備える路面状態推定装置である。
付記1に記載の路面状態推定装置によれば、特定挙動に基づいて定まる異常条件が満たされているか否かを判定することで、路面の状態(例えば、路面異常が存在するか否か)が適切に推定可能となる。加えて、付記1に記載の路面状態推定装置によれば、複数の車両から挙動情報を取得するため、1台の車両のみから挙動情報を取得する場合と比較して、路面の状態の推定結果の精度が高くなる。
(4−2)付記2
付記2に記載の路面状態推定装置は、前記特定挙動は、前記路面異常を回避するという第1特定挙動を含み、前記異常条件は、前記車両の挙動が前記第1特定挙動となっているという第1異常条件を含み、前記推定手段は、道路上の一の地点において前記第1異常条件が満たされていると判定された場合に、前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する付記1に記載の路面状態推定装置である。
車両の挙動が路面異常を回避するという第1特定挙動になった位置は、路面異常が実際に存在している位置である可能性が相対的に高い。なぜならば、路面異常が存在する位置では、路面異常を回避するために、路面異常が存在しない位置を走行する場合の挙動とは異なる挙動を車両がとる可能性が相対的に高いと想定されるからである。このため、付記2に記載の路面状態推定装置によれば、車両の挙動が第1特定挙動となっているという第1異常条件が満たされているか否かの判定結果に基づいて、路面の状態が適切に推定可能となる。
(4−3)付記3
付記3に記載の路面状態推定装置は、前記特定挙動は、前記路面異常が存在する位置を前記路面異常の影響を受けながら前記車両が走行するという第2特定挙動を含み、前記異常条件は、前記車両の挙動が前記第2特定挙動となっているという第2異常条件を含み、前記推定手段は、道路上の一の地点において前記第2異常条件が満たされていると判定された場合に、前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する付記1又は2に記載の路面状態推定装置である。
車両の挙動が路面異常の影響を受けながら車両が走行するという第2特定挙動になった位置は、路面異常が実際に存在している位置である可能性が相対的に高い。なぜならば、路面異常が存在する位置では、車両が路面異常の影響を受けるために、路面異常が存在しない位置を走行する場合の挙動とは異なる挙動を車両がとる可能性が相対的に高いと想定されるからである。このため、付記3に記載の路面状態推定装置によれば、車両の挙動が第2特定挙動となっているという第2異常条件が満たされているか否かの判定結果に基づいて、路面の状態が適切に推定可能となる。
(4−4)付記4
付記4に記載の路面状態推定装置は、前記第2特定挙動は、前記車両の横加速度が所定範囲内になるという第1挙動を含み、前記第2異常条件は、前記車両の挙動が前記第1挙動となっているという第1条件を含み、前記推定手段は、道路上の一の地点において前記第1条件が満たされていると判定された場合に、轍という前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する付記3に記載の路面状態推定装置である。
付記4に記載の路面状態推定装置によれば、車両の挙動が第1挙動となっているという第1条件が満たされているか否かの判定結果に基づいて、路面の状態(特に、轍の有無)が適切に推定可能となる。
(4−5)付記5
付記5に記載の路面状態推定装置は、前記推定手段は、前記第1条件が満たされていると判定された2つの地点が一の道路上に所定距離未満の間隔を隔てて存在する場合に、轍という前記路面異常が、前記一の道路のうちの前記2つの地点の間に連続的に存在すると推定する付記4に記載の路面状態推定装置である。
付記5に記載の路面状態推定装置によれば、路面の状態(特に、轍の有無)が適切に推定可能となる。
(4−6)付記6
付記6に記載の路面状態推定装置は、前記第2特定挙動は、前記車両の従動輪の車輪速の単位時間当たりの変動量と前記車両の加速度との差分が所定閾値以上になるという第2挙動を含み、前記第2異常条件は、前記車両の挙動が前記第2挙動となっているという第2条件を含み、前記推定手段は、道路上の一の地点において前記第2条件が満たされていると判定された場合に、前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する付記3から5に記載の路面状態推定装置である。
付記6に記載の路面状態推定装置によれば、車両の挙動が第2挙動となっているという第2条件が満たされているか否かの判定結果に基づいて、路面の状態が適切に推定可能となる。
(4−7)付記7
付記7に記載の路面状態推定装置は、前記特定挙動は、前記路面異常が存在する位置を前記路面異常の影響を受けながら前記車両が走行するという第2特定挙動を含み、前記挙動情報は、前記車両への路面からの入力に係る入力情報を含み、前記判定手段は、前記入力情報から路面の凹凸に起因する上下成分を抽出し、前記上下成分から路面の凹凸の程度を示す指標値を算出し、前記異常条件は、道路上の一の地点における前記指標値の平均値が第1所定値以上になっているという第3異常条件を含み、前記推定手段は、前記第3異常条件が満たされていると判定された場合に、路面が荒れているという前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する付記1から6に記載の路面状態推定装置である。
付記7に記載の路面状態推定装置によれば、道路上の一の地点において指標値の平均値が第1所定値以上になっているという第3異常条件が満たされているか否かの判定結果に基づいて、路面の状態(特に、路面の荒れ)が適切に推定可能となる。
(4−8)付記8
付記8に記載の路面状態推定装置は、前記異常条件は、道路上の一の地点における前記指標値の最大値が前記第1所定値より大きい第2所定値以上になっているという第4異常条件を含み、前記推定手段は、前記第4異常条件が満たされていると判定された場合に、局所的な凹凸という前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する付記7に記載の路面状態推定装置である。
付記8に記載の路面状態推定装置によれば、道路上の一の地点において指標値の最大値が第2所定値以上になっているという第4異常条件が満たされているか否かの判定結果に基づいて、路面の状態(特に、局所的な凹凸)が適切に推定可能となる。
(4−9)付記9
付記9に記載の路面状態推定装置は、前記特定挙動は、前記路面異常が存在する位置を前記路面異常の影響を受けながら前記車両が走行するという第2特定挙動を含み、前記挙動情報は、前記車両への路面からの入力に係る入力情報を含み、前記判定手段は、前記入力情報から路面の凹凸に起因する上下成分を抽出し、前記上下成分から路面の凹凸の程度を示す指標値を算出し、前記異常条件は、道路上の一の地点における前記指標値の最大値が第2所定値以上になっているという第4異常条件を含み、前記推定手段は、前記第4異常条件が満たされていると判定された場合に、局所的な凹凸という前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する付記1から8に記載の路面状態推定装置である。
付記9に記載の路面状態推定装置によれば、道路上の一の地点において指標値の最大値が第2所定値以上になっているという第4異常条件が満たされているか否かの判定結果に基づいて、路面の状態(特に、局所的な凹凸)が適切に推定可能となる。
(4−10)付記10
付記10に記載の路面状態推定装置は、前記推定手段は、前記判定手段の判定結果と道路上の一の地点に固有の固有情報とに基づいて、前記一の地点における路面の状態を推定する付記1から9に記載の路面状態推定装置である。
付記10に記載の路面状態推定装置によれば、路面の状態の推定精度を向上させることができる。
(4−11)付記11
付記11に記載の路面状態推定装置は、前記固有情報は、前記一の地点における路面の状態の推定を阻害する事象及び/又は前記一の地点における路面の状態の推定を阻害する要因を発生させる事象に関する情報を含む付記10に記載の路面状態推定装置である。
付記11に記載の路面状態推定装置によれば、路面の状態の推定精度を向上させることができる。
(4−12)付記12
付記12に記載の路面状態推定装置は、前記推定手段は、前記判定手段の判定結果と、道路上の一の地点を異なる時間に走行した前記車両から取得される前記挙動情報とに基づいて、前記一の地点における路面の状態を推定する付記1に記載の路面状態推定装置である。
付記12に記載の路面状態推定装置によれば、路面の状態の推定精度を向上させることができる。
(4−13)付記13
付記13に記載の路面状態推定装置は、前記推定手段は、前記一の地点において前記異常条件が満たされていると判定された場合であって、且つ、第1の時間に前記一の地点を走行した前記車両の挙動と、前記第1の時間から路面の劣化が進行するのに十分な所定時間が経過した第2の時間に前記一の地点を走行した前記車両の挙動との差分が所定量未満である場合に、前記一の地点に路面異常が存在しないと推定し、前記推定手段は、前記一の地点において前記異常条件が満たされていると判定された場合であって、且つ、前記第1の時間に前記一の地点を走行した前記車両の挙動と、前記第2の時間に前記一の地点を走行した前記車両の挙動との差分が前記所定量より大きい場合に、前記一の地点に路面異常が存在すると推定する
付記12に記載の路面状態推定装置である。
付記13に記載の路面状態推定装置によれば、路面の状態の推定精度を向上させることができる。
(4−14)付記14
付記14に記載の路面状態推定装置は、前記推定手段は、(i)前記挙動情報に基づいて、路面の劣化度合いを推定し、及び/又は、(ii)道路上の各地点の路面の状態の推定結果に基づいて、道路上の各地点における路面の劣化速度を推定し、前記推定手段の推定結果に基づいて、路面の補修を提案する提案手段を更に備える付記1から13のいずれか一項に記載の路面状態推定装置である。
付記13に記載の路面状態推定装置によれば、路面の状態の推定結果に基づいて、路面の補修を適切に提案可能となる。
(4−15)付記15
付記15に記載の路面状態推定装置は、前記生成手段は、前記推定手段の推定結果に基づいて、道路上の一の地点における路面の前記劣化度合いが、前記一の地点における路面の劣化速度に応じて可変に設定される所定閾値以上になった場合に、前記一の地点における路面の補修を提案する付記14に記載の路面状態推定装置である。
付記15に記載の路面状態推定装置によれば、路面の状態の推定結果(特に、路面の劣化度合い及び劣化速度)に基づいて、路面の補修を適切に提案可能となる。
(4−16)付記16
付記16に記載の路面状態推定装置は、前記所定閾値は、前記一の地点における路面の劣化速度が速いほど小さくなるように設定される付記15に記載の路面状態推定装置である。
付記16に記載の路面状態推定装置によれば、劣化速度が速い路面ほどより路面の補修をより早いタイミングで提案可能となる。
(4−17)付記17
付記17に記載の路面状態推定装置は、前記推定手段の推定結果と、路面の状態に関する情報とは異なる他の情報とに基づいて、道路の補修を提案する提案手段を更に備える付記1から16のいずれか一項に記載の路面状態推定装置である。
付記17に記載の路面状態推定装置によれば、路面の状態の推定結果と他の情報とを対応付けて、路面の補修を適切に提案可能となる。
(4−18)付記18
付記18に記載の路面状態推定装置は、前記他の情報は、路面の補修の優先順位付けに利用可能な情報を含む付記17に記載の路面状態推定装置である。
付記18に記載の路面状態推定装置によれば、路面の状態の推定結果と他の情報とを対応付けて、路面の補修を適切に提案可能となる。
(4−19)付記19
付記19に記載の路面状態推定装置は、車両の挙動に関する挙動情報を前記車両から取得する取得手段と、前記挙動情報に基づいて、前記車両の挙動が、路面に生じている不具合及び路面に存在する障害物の少なくとも一方を含む路面異常を回避する特定挙動となっているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記路面異常が存在する位置を推定する推定手段とを備える路面状態推定装置である。
車両の挙動が路面異常を回避する特定挙動になった位置は、路面異常が実際に存在している位置である可能性が相対的に高い。なぜならば、路面異常が存在する位置では、路面異常を回避するために、路面異常が存在しない位置を走行する場合の挙動とは異なる挙動を車両がとる可能性が相対的に高いと想定されるからである。このため、付記19に記載の路面状態推定装置によれば、車両の挙動が特定挙動となっているか否かの判定結果に基づいて、路面異常が存在する位置が適切に推定可能となる。
(4−20)付記20
付記20に記載の路面状態推定方法は、車両から、前記車両への路面からの入力に係る入力情報を、前記車両の位置と関連付けて取得する取得工程と、前記入力情報から路面の凹凸に起因する上下成分を抽出する抽出工程と、前記上下成分から路面の凹凸の程度を示す指標値を算出するとともに、前記指標値と、前記上下成分が抽出された前記入力情報に関連付けられた位置とに基づいて、道路上の一の地点における前記指標値の平均値を算出する算出工程と、(I)前記算出された平均値が第1所定値以上である場合に、前記一の地点の路面が荒れていると判定するとともに、(II)前記一の地点における前記指標値の最大値が、前記第1所定値より大きい第2所定値以上である場合に、前記一の地点に局所的な凹凸が存在すると判定する判定工程と、を有するというものである。
当該路面状態推定方法では、複数の車両各々の入力情報から得られた路面の凹凸を示す指標値に基づいて、路面の荒れや局所的な凹凸の有無を判定することができる。このため、例えば1台の車両から得られた入力情報だけから路面状態が推定される比較例に係る方法に比べて、路面状態の推定精度を向上させることができる。
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う路面状態推定装置及び路面状態推定方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 サーバ
11 情報処理装置
111 データ取得部
112 路面状態推定部
113a 補修提案部
12 記憶装置
2 車両
21 GPS装置
22 センサ
23 ECU
231 データ取得部
232 データ送信制御部
SYS1、SYS2 路面状態推定システム

Claims (20)

  1. 車両の挙動に関する挙動情報を、複数の前記車両から取得する取得手段と、
    路面に生じている不具合及び路面に存在する障害物の少なくとも一方を含む路面異常に前記車両が遭遇した場合に前記車両がとるであろうと想定される特定挙動に基づいて定まる異常条件が満たされているか否かを、前記挙動情報に基づいて判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、路面の状態を推定する推定手段と
    を備える路面状態推定装置。
  2. 前記特定挙動は、前記路面異常を回避するという第1特定挙動を含み、
    前記異常条件は、前記車両の挙動が前記第1特定挙動となっているという第1異常条件を含み、
    前記推定手段は、道路上の一の地点において前記第1異常条件が満たされていると判定された場合に、前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する
    請求項1に記載の路面状態推定装置。
  3. 前記特定挙動は、前記路面異常が存在する位置を前記路面異常の影響を受けながら前記車両が走行するという第2特定挙動を含み、
    前記異常条件は、前記車両の挙動が前記第2特定挙動となっているという第2異常条件を含み、
    前記推定手段は、道路上の一の地点において前記第2異常条件が満たされていると判定された場合に、前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する
    請求項1又は2に記載の路面状態推定装置。
  4. 前記第2特定挙動は、前記車両の横加速度が所定範囲内になるという第1挙動を含み、
    前記第2異常条件は、前記車両の挙動が前記第1挙動となっているという第1条件を含み、
    前記推定手段は、道路上の一の地点において前記第1条件が満たされていると判定された場合に、轍という前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する
    請求項3に記載の路面状態推定装置。
  5. 前記推定手段は、前記第1条件が満たされていると判定された2つの地点が一の道路上に所定距離未満の間隔を隔てて存在する場合に、轍という前記路面異常が、前記一の道路のうちの前記2つの地点の間に連続的に存在すると推定する
    請求項4に記載の路面状態推定装置。
  6. 前記第2特定挙動は、前記車両の従動輪の車輪速の単位時間当たりの変動量と前記車両の加速度との差分が所定閾値以上になるという第2挙動を含み、
    前記第2異常条件は、前記車両の挙動が前記第2挙動となっているという第2条件を含み、
    前記推定手段は、道路上の一の地点において前記第2条件が満たされていると判定された場合に、前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する
    請求項3から5のいずれか一項に記載の路面状態推定装置。
  7. 前記特定挙動は、前記路面異常が存在する位置を前記路面異常の影響を受けながら前記車両が走行するという第2特定挙動を含み、
    前記挙動情報は、前記車両への路面からの入力に係る入力情報を含み、
    前記判定手段は、前記入力情報から路面の凹凸に起因する上下成分を抽出し、前記上下成分から路面の凹凸の程度を示す指標値を算出し、
    前記異常条件は、道路上の一の地点における前記指標値の平均値が第1所定値以上になっているという第3異常条件を含み、
    前記推定手段は、前記第3異常条件が満たされていると判定された場合に、路面が荒れているという前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する
    請求項1から6のいずれか一項に記載の路面状態推定装置。
  8. 前記異常条件は、道路上の一の地点における前記指標値の最大値が前記第1所定値より大きい第2所定値以上になっているという第4異常条件を含み、
    前記推定手段は、前記第4異常条件が満たされていると判定された場合に、局所的な凹凸という前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する
    請求項7に記載の路面状態推定装置。
  9. 前記特定挙動は、前記路面異常が存在する位置を前記路面異常の影響を受けながら前記車両が走行するという第2特定挙動を含み、
    前記挙動情報は、前記車両への路面からの入力に係る入力情報を含み、
    前記判定手段は、前記入力情報から路面の凹凸に起因する上下成分を抽出し、前記上下成分から路面の凹凸の程度を示す指標値を算出し、
    前記異常条件は、道路上の一の地点における前記指標値の最大値が第2所定値以上になっているという第4異常条件を含み、
    前記推定手段は、前記第4異常条件が満たされていると判定された場合に、局所的な凹凸という前記路面異常が前記一の地点に存在すると推定する
    請求項1から8のいずれか一項に記載の路面状態推定装置。
  10. 前記推定手段は、前記判定手段の判定結果と道路上の一の地点に固有の固有情報とに基づいて、前記一の地点における路面の状態を推定する
    請求項1から9のいずれか一項に記載の路面状態推定装置。
  11. 前記固有情報は、前記一の地点における路面の状態の推定を阻害する事象及び/又は前記一の地点における路面の状態の推定を阻害する要因を発生させる事象に関する情報を含む
    請求項10に記載の路面状態推定装置。
  12. 前記推定手段は、前記判定手段の判定結果と、道路上の一の地点を異なる時間に走行した前記車両から取得される前記挙動情報とに基づいて、前記一の地点における路面の状態を推定する
    請求項1から11のいずれか一項に記載の路面状態推定装置。
  13. 前記推定手段は、前記一の地点において前記異常条件が満たされていると判定された場合であって、且つ、第1の時間に前記一の地点を走行した前記車両の挙動と、前記第1の時間から路面の劣化が進行するのに十分な所定時間が経過した第2の時間に前記一の地点を走行した前記車両の挙動との差分が所定量未満である場合に、前記一の地点に路面異常が存在しないと推定し、
    前記推定手段は、前記一の地点において前記異常条件が満たされていると判定された場合であって、且つ、前記第1の時間に前記一の地点を走行した前記車両の挙動と、前記第2の時間に前記一の地点を走行した前記車両の挙動との差分が前記所定量より大きい場合に、前記一の地点に路面異常が存在すると推定する
    請求項12に記載の路面状態推定装置。
  14. 前記推定手段は、(i)前記挙動情報に基づいて、路面の劣化度合いを推定し、及び/又は、(ii)道路上の各地点の路面の状態の推定結果に基づいて、道路上の各地点における路面の劣化速度を推定し、
    前記推定手段の推定結果に基づいて、路面の補修を提案する提案手段を更に備える
    請求項1から13のいずれか一項に記載の路面状態推定装置。
  15. 前記生成手段は、前記推定手段の推定結果に基づいて、道路上の一の地点における路面の前記劣化度合いが、前記一の地点における路面の劣化速度に応じて可変に設定される所定閾値以上になった場合に、前記一の地点における路面の補修を提案する
    請求項14に記載の路面状態推定装置。
  16. 前記所定閾値は、前記一の地点における路面の劣化速度が速いほど小さくなるように設定される
    請求項15に記載の路面状態推定装置。
  17. 前記推定手段の推定結果と、路面の状態に関する情報とは異なる他の情報とに基づいて、道路の補修を提案する提案手段を更に備える
    請求項1から16のいずれか一項に記載の路面状態推定装置。
  18. 前記他の情報は、路面の補修の優先順位付けに利用可能な情報を含む
    請求項17に記載の路面状態推定装置。
  19. 車両の挙動に関する挙動情報を前記車両から取得する取得手段と、
    前記挙動情報に基づいて、前記車両の挙動が、路面に生じている不具合及び路面に存在する障害物の少なくとも一方を含む路面異常を回避する特定挙動となっているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、前記路面異常が存在する位置を推定する推定手段と
    を備える路面状態推定装置。
  20. 車両から、前記車両への路面からの入力に係る入力情報を、前記車両の位置と関連付けて取得する取得工程と、
    前記入力情報から路面の凹凸に起因する上下成分を抽出する抽出工程と、
    前記上下成分から路面の凹凸の程度を示す指標値を算出するとともに、前記指標値と、前記上下成分が抽出された前記入力情報に関連付けられた位置とに基づいて、道路上の一の地点における前記指標値の平均値を算出する算出工程と、
    (I)前記算出された平均値が第1所定値以上である場合に、前記一の地点の路面が荒れていると判定するとともに、(II)前記一の地点における前記指標値の最大値が、前記第1所定値より大きい第2所定値以上である場合に、前記一の地点に局所的な凹凸が存在すると判定する判定工程と、
    を有する路面状態推定方法。
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