JP2020012739A - 電子回路システムおよび電子回路システムの製造方法 - Google Patents

電子回路システムおよび電子回路システムの製造方法 Download PDF

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吉田 光伸
Mitsunobu Yoshida
光伸 吉田
俊彦 中川
Toshihiko Nakagawa
俊彦 中川
學 田子
Manabu Tago
學 田子
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Abstract

【課題】検知感度に優れる電子回路システムを提供する。【解決手段】電子回路システムにおいて、外力による歪に応じて電気的変位が生じる圧電センサは圧電体が芯材に巻回されたもので、前記センサと接続した回路基板と、前記センサを少なくとも覆う被覆層と、を備え、前記被覆層は、23℃におけるヤング率が0.02MPa以上2000MPa以下であり、JIS K 7136(2000年)に準拠して、25℃で測定したときのヘイズが50%以下である樹脂を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、電子回路システムおよび電子回路システムの製造方法に関する。
最近、圧電性を有する材料を、導体に被覆して利用する試みがなされている。
例えば、中心から外側に向かって順に同軸状に配置された中心導体、圧電材料層、外側導体および外被から構成される、圧電ケーブルが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。特許文献1および2に記載の圧電ケーブルでは、圧電ケーブルそのものが圧力検知装置とされている。
特開平10−132669号号公報 特開2010−071840号公報
ところで、導体に圧電体を被覆した圧電センサを樹脂中に包埋し、外力の検知部材とすることが検討されている。このとき、圧電センサを包埋する樹脂の種類によっては、圧電センサが外力によって歪みにくく、適正な出力が得られず、検知感度が不十分な場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、検知感度に優れる電子回路システムおよびこの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 外力による歪に応じて電気的変位が生じるセンサと、前記センサと接続した回路基板と、前記センサを少なくとも覆う被覆層と、を備え、前記被覆層は、23℃におけるヤング率が0.02MPa以上2000MPa以下であり、JIS K 7136(2000年)に準拠して、25℃で測定したときのヘイズが50%以下である樹脂を含む、電子回路システム。
<2> 前記センサが、圧電センサである<1>に記載の電子回路システム。
<3> 前記圧電センサが、内部導体と、前記内部導体の外周面を被覆する圧電体と、前記圧電体の外周に配置された外部導体と、を備える<2>に記載の電子回路システム。
<4> 前記圧電体は、有機圧電材料を含み、かつ長尺状であり、前記内部導体に対して一方向に螺旋状に巻回されて設けられている<3>に記載の電子回路システム。
<5> 光、音声、振動および画像の少なくとも一つを出力する出力部と、前記電気的変位に基づき前記出力部の出力を制御する制御部と、をさらに備える<1>〜<4>のいずれか1つに記載の電子回路システム。
<6> 前記出力部は少なくとも光を射出し、前記出力部から射出された光を受光する受光部をさらに備える<5>に記載の電子回路システム。
<7> 前記出力部は少なくとも光を射出し、前記被覆層は、色素成分を更に含む<5>または<6>に記載の電子回路システム。
<8> 前記樹脂の前記ヘイズは20%以下である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の電子回路システム。
<9> 前記樹脂が、ポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応生成物である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の電子回路システム。
<10> 前記ポリイソシアネート成分は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含む<9>に記載の電子回路システム。
<11> 前記回路基板の導体部を静電シールドする導電層を更に備える<1>〜<10>のいずれか1つに記載の電子回路システム。
<12> 前記導電層は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)を含む<11>に記載の電子回路システム。
<13> <1>〜<12>のいずれか1つに記載の電子回路システムの製造方法であって、前記被覆層の形成に用いる樹脂組成物を25℃以上130℃以下で硬化させて前記被覆層を形成する工程を含む電子回路システムの製造方法。
本開示は、検知感度に優れる電子回路システムおよびこの製造方法を提供することができる。
実施例1における、電子回路基板に各部品を実装し、絶縁被膜および導電層を設けた回路基板の概略図である。 実施例1における樹脂円柱体の概略図である。 実施例1における、被覆圧電ラインを巻き付けた樹脂成型体の概略図である。 実施例1における懐中電灯の概略図である。 実施例2における懐中電灯の概略図である。 実施例3における懐中電灯の概略図である。 実施例5におけるアームレストの概略図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値または下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値または下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
[電子回路システム]
本発明の一実施形態に係る電子回路システムは、外力による歪に応じて電気的変位が生じるセンサと、前記センサと接続した回路基板と、前記センサを少なくとも覆う被覆層と、を備え、前記被覆層は、23℃におけるヤング率が0.02MPa以上2000MPa以下であり、JIS K 7136(2000年)に準拠して、25℃で測定したときのヘイズが50%以下である樹脂を含む。本実施形態の電子回路システムでは、センサが前述の物性値である樹脂を含む被覆層に覆われているため、外力によるセンサの歪みが抑制されにくい。そのため、本実施形態の電子回路システムは、検知感度に優れる。
〔センサ〕
本実施形態の電子回路システムは、外力による歪に応じて電気的変位が生じるセンサを備える。電気的変位としては、電荷量、電圧、抵抗等が挙げられる。センサとしては、圧電センサが挙げられる。
圧電センサとしては、圧電体が芯材に巻回されたものが挙げられる。
圧電体は、芯材に巻回できるものであれよく、特に形状は限定されない。圧電体は、例えば、巻回のし易さの観点から、長尺状(例えばリボン状、線状、薄膜状)であることが好ましい。圧電体の芯材への巻回方法は、例えば長尺薄膜状の圧電体を形成し、芯材を包むように巻回してもよいが、芯材の周りに、長尺状(例えばリボン状、線状)の圧電体を螺旋状に巻回することが好ましい。
圧電センサとしては、長尺状の導体と、導体に対して一方向に螺旋状に巻回された長尺状の圧電体とを備えていてもよい。
圧電センサとしては、内部導体と、内部導体の外周面を被覆する圧電体と、圧電体の外周に配置された外部導体と、を備えていてもよく、圧電体は長尺状であり、内部導体に対して一方向に螺旋状に巻回されていてもよい。外部導体を設けることにより、静電シールドすることが可能となり、外部の静電気の影響による、導体(好ましくは内部導体)の電圧変化が抑制される。
以下、好ましい形態の圧電体に含まれる長尺状の導体(以下、単に「導体」とも称する)、長尺状の圧電体(以下、単に「圧電体」とも称する)について説明する。
(導体)
導体(例えば内部導体)は、信号線導体であることが好ましい。
信号線導体とは、圧電体から効率的に電気的信号を検出するための導体をいう。具体的には、圧電センサに張力が印加されたときに、印加された張力に応じた電圧信号(電荷信号)を検出するための導体である。
導体としては、電気的な良導体であることが好ましく、例えば、銅線、アルミ線、SUS線、絶縁被膜被覆された金属線、カーボンファイバー、カーボンファイバーと一体化した樹脂繊維、錦糸線、有機導電材料等を用いることが可能である。錦糸線とは、繊維に銅箔がスパイラルに巻回されたものをいう。
(圧電体)
圧電体は、有機圧電材料を含むことが好ましい。
有機圧電材料としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、光学活性を有するヘリカルキラル高分子、シルク繊維等を挙げることができる。中でも、光学活性を有するヘリカルキラル高分子が好ましく、特にポリ乳酸(PLA)が好ましい。
以下では、光学活性を有するヘリカルキラル高分子を、ヘリカルキラル高分子(A)と称する。
圧電体が、有機圧電材料として光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)含む場合、ヘリカルキラル高分子(A)は、圧電性をより向上させる観点から、光学純度が95.00%ee以上であることが好ましい。
また、ヘリカルキラル高分子(A)は、圧電性をより向上させる観点から、D体またはL体からなることが好ましい。
ヘリカルキラル高分子(A)の含有量は、圧電性をより向上させる観点から、圧電体の全量に対し、80質量%以上であることが好ましい。
(外部導体)
外部導体は、グラウンド導体であることが好ましい。
グラウンド導体とは、信号を検出する際、例えば、内部導体(好ましくは信号線導体)の対となる導体を指す。
グラウンド導体には特に限定はなく、断面形状によって、主に以下のものが挙げられる。
例えば、矩形断面を有するグラウンド導体としては、円形断面の銅線を圧延して平板状に加工した銅箔リボン、アルミ箔リボンなどを用いることが可能である。
例えば、円形断面を有するグラウンド導体としては、銅線、アルミ線、SUS線、絶縁被膜被覆された金属線、カーボンファイバー、カーボンファイバーと一体化した樹脂繊維、繊維に銅箔がスパイラルに巻回された錦糸線を用いることが可能である。
また、グラウンド導体として、有機導電材料を絶縁材料でコーティングしたものを用いてもよい。絶縁材料としては、ウレタン樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
また、グラウンド導体として導電性繊維を用いることもできる。導電性繊維は、既述の内部導体として適用できる導電性繊維と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
グラウンド導体は、内部導体(好ましくは信号線導体)と短絡しないように、内部導体および圧電体を包むように配置されていることが好ましい。
このような内部導体の包み方としては、銅箔などを螺旋状に巻回して包む方法、銅線などを筒状の組紐にして、その中に包みこむ方法などを選択することが可能である。
なお、内部導体の包み方は、これら方法に限定されない。内部導体を包み込むことにより、静電シールドすることが可能となり、外部の静電気の影響による、内部導体の電圧変化を防ぐことが可能となる。
<圧電センサの好ましい態様>
圧電センサは、長尺状の導体と、導体に対して一方向に螺旋状に巻回された長尺状の圧電体とを備え、かつ圧電体が有機圧電材料を含むことが好ましい。
圧電体の好ましい態様としては、具体的には、以下の態様A〜Uが挙げられる。
(態様A)
圧電センサが、長尺状の導体と、前記導体に対して一方向に螺旋状に巻回された長尺状の第1の圧電体と、を備え、
前記第1の圧電体が、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、
前記第1の圧電体の長さ方向と、前記第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、が略平行であり、
X線回折測定から下記式(a)によって求められる前記第1の圧電体の配向度Fが0.5以上1.0未満の範囲である態様。
配向度F=(180°−α)/180°・・(a)
αは配向由来のピークの半値幅(単位:°)を表す。
(態様B)
態様Aの圧電センサにおいて、
前記導体が内部導体であり、
前記第1の圧電体が、前記内部導体の外周面に沿って一方向に螺旋状に巻回されている態様。
(態様C)
態様Bの圧電センサにおいて、
さらに、前記一方向とは異なる方向に螺旋状に巻回された長尺状の第2の圧電体を備え、
前記第2の圧電体が、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、
前記第2の圧電体の長さ方向と、前記第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、が略平行であり、
X線回折測定から前記式(a)によって求められる前記第2の圧電体の配向度Fが0.5以上1.0未満の範囲であり、
前記第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティと、前記第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティと、が互いに異なる態様。
(態様D)
態様Bの圧電センサにおいて、
さらに、前記内部導体の外周面に沿って螺旋状に巻回された第1の絶縁体を備え、
前記第1の絶縁体が、前記第1の圧電体から見て、前記内部導体とは反対側に配置されている態様。
(態様E)
態様Bの圧電センサにおいて、
さらに、前記内部導体の外周面に沿って螺旋状に巻回された第1の絶縁体を備え、
前記第1の絶縁体が、前記内部導体と前記第1の圧電体との間に配置されている態様。
(態様F)
態様Bの圧電センサにおいて、
さらに、前記一方向とは異なる方向に巻回された長尺状の第2の圧電体を備え、
前記第2の圧電体が、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、
前記第2の圧電体の長さ方向と、前記第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、が略平行であり、
X線回折測定から前記式(a)によって求められる前記第2の圧電体の配向度Fが0.5以上1.0未満の範囲であり、
前記第1の圧電体と前記第2の圧電体とは交互に交差された組紐構造をなし、
前記第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティと、前記第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティと、が互いに異なる態様。
(態様G)
態様Bの圧電センサにおいて、
さらに、前記内部導体の外周面に沿って巻回された第1の絶縁体を備え、
前記第1の圧電体と前記第1の絶縁体とは交互に交差された組紐構造をなす態様。
(態様H)
態様B〜Gの何れか1つの圧電センサにおいて、
前記第1の圧電体が、前記内部導体の軸方向に対して、15°〜75°の角度を保持して巻回されている態様。
(態様I)
態様B〜Hの何れか1つの圧電センサにおいて、
前記第1の圧電体が、単数または複数の束からなる繊維形状を有し、
前記第1の圧電体の断面の長軸径が、0.0001mm〜10mmである態様。
(態様J)
態様A〜Hの何れか1つの圧電センサにおいて、
前記第1の圧電体が長尺平板形状を有し、
前記第1の圧電体の厚さが0.001mm〜0.2mmであり、
前記第1の圧電体の幅が0.1mm〜30mmであり、
前記第1の圧電体の厚さに対する前記第1の圧電体の幅の比が2以上である態様。
なお、態様Jにおける第1の圧電体は、長尺平板形状を有することが好ましい。
長尺平板状の圧電体の「主面」とは、長尺平板状の圧電体の厚さ方向に直交する面(言い換えれば、長さ方向および幅方向を含む面)を意味する。
(態様K)
態様A〜Jの何れか1つの圧電センサにおいて、
前記第1の圧電体は、カルボジイミド基、エポキシ基、およびイソシアネート基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜60000の安定化剤(B)を、前記ヘリカルキラル高分子(A)100質量部に対して0.01質量部〜10質量部含む態様。
(態様L)
態様Kの圧電センサにおいて、
さらに、前記第1の圧電体の少なくとも一方の主面の側に配置された機能層を備える態様。
(態様M)
態様Lの圧電センサにおいて、
前記機能層が、易接着層、ハードコート層、帯電防止層、アンチブロック層、保護層、および電極層のうちの少なくとも一つを含む態様。
(態様N)
態様Lまたは態様Mの圧電センサにおいて、
前記機能層が、電極層を含む態様。
(態様O)
態様Nの圧電センサにおいて、
前記第1の圧電体と、前記機能層と、を含む積層体の表面層の少なくとも一方が、前記電極層である態様。
(態様P)
態様Aの圧電センサにおいて、
前記導体と前記第1の圧電体とが、互いに捩り合わされている態様。
(態様Q)
態様Pの圧電センサにおいて、
前記第1の圧電体が、単数または複数の束からなる繊維形状を有し、
前記第1の圧電体の断面の長軸径が、0.0001mm〜2mmである態様。
(態様R)
態様A〜Qの何れか1つの圧電センサにおいて、
前記導体が錦糸線である態様。
(態様S)
態様A〜Rの何れか1つの圧電体において、
前記導体および前記第1の圧電体の間に接着層を備える態様。
(態様T)
態様A〜Sの何れか1つの圧電センサにおいて、
前記第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子である態様。

(態様U)
態様A〜Tの何れか1つの圧電センサにおいて、
外周に外部導体を備える態様。
上記好ましい態様(態様A〜U)の圧電センサにおいて、第1の圧電体および第2の圧電体は、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含む圧電体である。第1の圧電体と第2の圧電体とは同一であっても異なるものであってもよい。ただし、第1の圧電体および第2の圧電体にそれぞれ含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティは、圧電感度および圧電出力を向上させる観点から、適宜選択することが好ましい。
また、第1の絶縁体としては特に限定されない。第1の絶縁体の形状は、導体に対する巻回のし易さの観点から、長尺形状であることが好ましい。
上記好ましい態様の圧電センサでは、第1の圧電体がヘリカルキラル高分子(A)を含むこと、第1の圧電体の長さ方向とヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向とが略平行であること、および、第1の圧電体の配向度Fが0.5以上1.0未満であることにより圧電性が発現される。
その上で、上記好ましい態様の圧電センサは、上記第1の圧電体が、導体に対して一方向に螺旋状に巻回された構成をなす。
上記好ましい態様の圧電センサでは、第1の圧電体を上記のように配置することにより、圧電センサの長さ方向に張力(応力)が印加されたときに、ヘリカルキラル高分子(A)にずり力が加わり、圧電センサの径方向にヘリカルキラル高分子(A)の分極が生じる。その分極方向は、螺旋状に巻回された第一の圧電体を、その長さ方向に対して平面と見做せる程度の微小領域の集合体とみなした場合、その構成する微小領域の平面に、張力(応力)に起因したずり力がヘリカルキラル高分子に印加された場合、圧電応力定数d14に起因して発生する電界の方向と略一致する。
具体的には、例えばポリ乳酸においては、分子構造が左巻き螺旋構造からなるL−乳酸のホモポリマー(PLLA)の場合、PLLAの主配向方向と長さ方向が略平行な第1の圧電体を、導体に対して、左巻きに螺旋状に巻回した構造体に、張力(応力)が印加されると、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の円の中心から外側方向への電界(分極)が発生する。また、これとは逆にPLLAの主配向方向と長さ方向が略平行な第1の圧電体を、導体に対して、右巻きに螺旋状に巻回した構造体に、張力(応力)が印加された場合、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の円の外側から中心方向への電界(分極)が発生する。
また、例えば分子構造が右巻き螺旋構造からなるD−乳酸のホモポリマー(PDLA)の場合、PDLAの主配向方向と長さ方向が略平行な第1の圧電体を、導体に対して、左巻きに螺旋状に巻回した構造体に、張力(応力)が印加されると、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の円の外側から中心方向への電界(分極)が発生する。また、これとは逆にPDLAの主配向方向と長さ方向が略平行な第1の圧電体を、導体に対して、右巻きに螺旋状に巻回した構造体に、張力(応力)が印加されると、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の円の中心から外側方向への電界(分極)が発生する。
これにより、圧電センサの長さ方向に張力が印加された際、螺旋状に配置された第1の圧電体の各部位において、張力に比例した電位差が位相の揃った状態で発生するため、効果的に張力に比例した電圧信号が検出されると考えられる。
従って、上記好ましい態様の圧電センサによれば、圧電感度に優れ、圧電出力の安定性にも優れた圧電センサが得られる。
特に、ヘリカルキラル高分子(A)として、非焦電性のポリ乳酸系高分子を用いた圧電センサは、焦電性のPVDFを用いた圧電センサに比べ、圧電感度の安定性、および圧電出力の安定性(経時または温度変化に対する安定性)がより向上する。
ここで、第1の圧電体の長さ方向と、ヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、が略平行であることは、第1の圧電体が長さ方向への引張に強い(即ち、長さ方向の引張強度に優れる)という利点を有する。従って、第1の圧電体を、導体に対して一方向に螺旋状に巻回しても破断しにくくなる。
更に、第1の圧電体の長さ方向と、ヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、が略平行であることは、例えば、延伸された圧電フィルムをスリットして第1の圧電体(例えばスリットリボン)を得る際の生産性の面でも有利である。
「略平行」とは、2つの線分のなす角度が、0°以上30°未満(好ましくは0°以上22.5°以下、より好ましくは0°以上10°以下、更に好ましくは0°以上5°以下、特に好ましくは0°以上3°以下)であることを指す。
また、ヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向とは、ヘリカルキラル高分子(A)の主たる配向方向を意味する。ヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向は、第1の圧電体の配向度Fを測定することによって確認できる。
また、原料を溶融紡糸した後にこれを延伸して、第1の圧電体を製造する場合、製造された第1の圧電体におけるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向は、主延伸方向を意味する。主延伸方向とは、延伸方向を指す。
同様に、フィルムの延伸および延伸されたフィルムのスリットを形成して第1の圧電体を製造する場合、製造された第1の圧電体におけるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向は、主延伸方向を意味する。ここで、主延伸方向とは、一軸延伸の場合には延伸方向を指し、二軸延伸の場合には、延伸倍率が高い方の延伸方向を指す。
上記好ましい態様の圧電体は、長尺状の導体が内部導体であり、長尺状の第1の圧電体が、内部導体の外周面に沿って一方向に螺旋状に巻回されていることが好ましい。
導体として、内部導体を用いることにより、内部導体の軸方向に対して、第1の圧電体が螺旋角度βを保持して一方向に螺旋状に配置されやすくなる。
「螺旋角度β」とは、導体の軸方向と、導体の軸方向に対して第1の圧電体が配置される方向(第1の圧電体の長さ方向)とがなす角度を意味する。
これにより、例えば、圧電センサの長さ方向に張力が印加されたときに、ヘリカルキラル高分子(A)の分極が、圧電センサの径方向に発生しやすくなる。この結果、効果的に張力に比例した電圧信号(電荷信号)が検出される。
(センサの配置)
センサは、後述する被覆層に覆われ、かつ後述する回路基板に接続されていれば配置は特に制限されない。センサが圧電センサである場合、圧電センサは回路基板を覆う回路基板被覆層の外周に一方向に螺旋状に巻回されていてもよい。回路基板被覆層に含まれる樹脂としては、例えば、被覆層に含まれる樹脂と同じであってもよい。
〔回路基板〕
本実施形態の電子回路システムは、センサに接続した回路基板を備える。回路基板としては、各部品の素子と接続できるものであればよく、片面プリント配線基板、両面プリント配線基板、多層プリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板等が挙げられる。また、フレキシブル回路基板のベースとなる絶縁フィルムとしては、ポリイミドフィルム、PETフィルム、PENフィルム等を選択することが可能である。
回路基板は、樹脂を含む前述の回路基板被覆層に覆われていてもよい。また、回路基板および回路基板樹脂層は透明であることが好ましく、これにより、回路基板および回路基板樹脂層が後述する発光部からの光を遮る割合が減少し、あるいは、受光部への光を遮る割合が減少する傾向にあり好ましい。
ここで、透明とは、JIS K 7375(2008年)に準拠する方法で測定した全光線透過率は50%以上であることを意味する。
〔被覆層〕
本実施形態の電子回路システムは、センサを少なくとも覆う被覆層を備える。被覆層は、25℃におけるにヤング率が0.02MPa以上2000MPa以下であり、JIS K 7136(2000年)に準拠して、25℃で測定したときのヘイズが50%以下である樹脂を含む。
樹脂としては、前述のヤング率およびヘイズを満たすものであれば特に制限されず、例えば、ポリウレタン(PU)樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの共重合体、またはこれらの混合物が挙げられる。透明性、強度、耐衝撃性などの点から、樹脂としてウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体およびポリカーボネートが有利に使用できる。
樹脂としては、透明性および弾性率の点から、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分との反応生成物、すなわちウレタン樹脂が好ましい。
ポリイソシアネート成分は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含有している。
脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含有していることにより、加熱等による変色が抑えられ、優れた透明性を確保することができる
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエート、ドデカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
これら脂肪族ポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
脂肪族ポリイソシアネートとして、入手容易性の観点から、好ましくは、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が挙げられ、より好ましくは、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)が挙げられる。
より具体的には、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)は、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)に比べ、メチレン鎖が奇数による非対称性のため結晶性が低く、またウレタン樹脂の架橋密度を向上させることができるため、脂肪族ポリイソシアネートとして1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)を用いることにより、ウレタン樹脂の光透過性、耐久性および機械強度の向上を図ることができる。
なお、脂肪族ポリイソシアネートは、脂環を含有する脂環族ポリイソシアネート(後述)を含まない。
また、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、イソシアヌレート基およびアロファネート基を含有している。
すなわち、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体組成物であり、主として脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含有し、さらに、その脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体とアルコール(後述)との反応生成物である脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性イソシアヌレート誘導体を含有し、場合により、(未反応の)脂肪族ポリイソシアネートとアルコール(後述)との反応生成物である脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体を含有している。
このような脂肪族ポリイソシアネートの誘導体において、イソシアヌレート基およびアロファネート基の含有割合(モル比)は、光透過性、耐久性および機械強度の観点から、所定範囲に調整されている。
具体的には、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体において、アロファネート基の含有割合は、イソシアヌレート基100モルに対して、10モル以上、好ましくは、12モル以上、より好ましくは、20モル以上、さらに好ましくは、30モル以上、とりわけ好ましくは、40モル以上であり、90モル以下、好ましくは、80モル以下、より好ましくは、70モル以下、さらに好ましくは、60モル以下である。
アロファネート基の含有割合が上記下限を下回ると後述する脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の製造において1価アルコールを用いた場合などでは、2官能性のアロファネート基に対して3官能性のイソシアヌレート基が過剰となるため、架橋密度が高くなり、ウレタン樹脂の光透過性が低下する。
一方、アロファネート基の含有割合が上記上限を上回ると後述する脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の製造において1価アルコールを用いた場合などでは、3官能性のイソシアヌレート基に対して2官能性のアロファネート基が過剰となるため、架橋密度が低くなり、ウレタン樹脂の機械強度(硬度など)が低下し、耐久性にも劣る。
これらに対して、アロファネート基の含有割合が上記範囲であれば、架橋密度を適度に調整できるため、光透過性、耐久性および機械強度に優れたウレタン樹脂を得ることができる。
また、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体において、アロファネート基の含有割合は、イソシアヌレート基およびアロファネート基の総量100モルに対して、例えば、9モル以上、好ましくは、11モル以上、より好ましくは、17モル以上、さらに好ましくは、23モル以上、とりわけ好ましくは、29モル以上であり、例えば、47モル以下、好ましくは、44モル以下、より好ましくは、41モル以下、さらに好ましくは、38モル以下である。
脂肪族ポリイソシアネートの誘導体において、イソシアヌレート基の含有割合は、イソシアヌレート基およびアロファネート基の総量100モルに対して、例えば、53モル以上、好ましくは、56モル以上、より好ましくは、59モル以上、さらに好ましくは、62モル以上であり、例えば、91モル以下、好ましくは、89モル以下、より好ましくは、83モル以下、さらに好ましくは、77モル以下、とりわけ好ましくは、71モル以下である。
なお、イソシアヌレート基およびアロファネート基の含有割合は、後述する実施例に準拠して、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の、H−NMR法により測定されたNMRチャートから得られるアロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比率から算出することができる。
このような脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を製造するには、例えば、まず、上記した脂肪族ポリイソシアネートとアルコールとをウレタン化反応させ、次いで、イソシアヌレート化触媒の存在下でイソシアヌレート化反応させる方法、例えば、まず、脂肪族ポリイソシアネートをイソシアヌレート化させ、その後、アルコールを配合してウレタン化反応させる方法などが挙げられる。
好ましくは、まず、上記した脂肪族ポリイソシアネートとアルコールとをウレタン化反応させ、次いで、イソシアヌレート化触媒の存在下でイソシアヌレート化反応させる。
アルコールとしては、例えば、1価アルコール、2価アルコールなどが挙げられる。
1価アルコールとしては、例えば、直鎖状の1価アルコール、分岐状の1価アルコールなどが挙げられる。
直鎖状の1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール(ラウリルアルコール)、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘキサデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール(ステアリルアルコール)、n−ノナデカノール、エイコサノールなどのC(炭素数、以下同様)1〜20の直鎖状の1価アルコールが挙げられる。
分岐状の1価アルコールとしては、例えば、イソプロパノール、イソブタノール(イソブチルアルコール)、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソペンタノール、イソヘキサノール、イソヘプタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサン−1−オール、イソノナノール、イソデカノール、5−エチル−2−ノナノール、トリメチルノニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、3,9−ジエチル−6−トリデカノール、2−イソヘプチルイソウンデカノール、2−オクチルドデカノール、その他の分岐状アルカノール(C5〜20)などのC3〜20の分岐状の1価アルコールが挙げられる。
2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール(1,4−ブチレングリコール)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、その他の直鎖状のアルカン(C7〜20)ジオールなどの直鎖状の2価アルコール、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール(1,3−ブチレングリコール)、1,2−ブタンジオール(1,2−ブチレングリコール)、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,2−トリメチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、その他の分岐状のアルカン(C7〜20)ジオールなどの分岐状の2価アルコール、例えば、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAなどのC2〜20の2価アルコールが挙げられる。
これらアルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
アルコールとして、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を低粘度化させる観点から、好ましくは、1価アルコール、より好ましくは、C1〜20の直鎖状の1価アルコール、C3〜20の分岐状の1価アルコールが挙げられる。さらに好ましくは、C3〜20の分岐状の1価アルコールが挙げられ、特に好ましくは、イソブチルアルコールが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートの誘導体が低粘度化されていれば、ポリオール成分との相溶性の向上を図ることができ、また、ウレタン樹脂の光透過性の向上を図ることができる。
アルコールの配合割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上、より好ましくは、0.2質量部以上、さらに好ましくは、0.5質量部を超過し、例えば、4.0質量部以下、好ましくは、2.5質量部以下、より好ましくは、1.5質量部以下である。
アルコールの配合割合が上記範囲内であれば、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体に対して、脂肪族ポリイソシアネートの、アロファネート変性イソシアヌレート誘導体および/またはアロファネート誘導体の含有割合(すなわち、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体におけるアロファネート基の含有割合)を調整することができる。
ウレタン化反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下において、反応温度が、例えば、室温(例えば、25℃)以上、好ましくは、40℃以上であり、例えば、100℃以下、好ましくは、90℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上であり、例えば、10時間以下、好ましくは、6時間以下、より好ましくは、3時間以下である。
また、上記のウレタン化反応では、公知のウレタン化触媒(例えば、アミン類(後述)、有機金属化合物(後述)など)を配合してもよい。なお、ウレタン化触媒の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
これにより、一部がウレタン変性された脂肪族ポリイソシアネート(すなわち、ウレタン変性された脂肪族ポリイソシアネートと、(未反応の)脂肪族ポリイソシアネートとを含む脂肪族ポリイソシアネート組成物)を得ることができる。
次いで、一部がウレタン変性された脂肪族ポリイソシアネートを、イソシアヌレート化触媒の存在下でイソシアヌレート化反応させる。
イソシアヌレート化触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリブチルベンジルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、その有機弱酸塩、例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム(別名:N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム)、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウムなどのトリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、その有機弱酸塩(例えば、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−エチルヘキサノエートなど)、例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸、ナフテン酸などのアルキルカルボン酸の金属塩(例えば、アルカリ金属塩、マグネシウム塩、錫塩、亜鉛塩、鉛塩など)、例えば、アルミニウムアセチルアセトン、リチウムアセチルアセトンなどのようなβ−ジケトンの金属キレート化合物、例えば、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素などのフリーデル・クラフツ触媒、例えば、チタンテトラブチレート、トリブチルアンチモン酸化物などの種々の有機金属化合物、例えば、ヘキサメチルシラザンなどのアミノシリル基含有化合物などが挙げられる。
これらイソシアヌレート化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
イソシアヌレート化触媒として、好ましくは、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムの有機弱酸塩が挙げられ、より好ましくは、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−エチルヘキサノエートが挙げられる。
イソシアヌレート化触媒(有効成分100%換算)の配合割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.003質量部以上であり、また、例えば、0.1質量部以下、好ましくは、0.05質量部以下である。
イソシアヌレート化反応の反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下、反応温度が、例えば、50℃以上、好ましくは、70℃以上、より好ましくは、80℃以上であり、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下である。また、反応時間が、例えば、5分以上、好ましくは、10分以上、より好ましくは、15分以上であり、例えば、120分以下、好ましくは、60分以下である。
そして、上記のイソシアヌレート化反応において、所定の反応率(イソシアネート基転化率)に達した時点で、例えば、リン酸、モノクロロ酢酸、塩化ベンゾイル、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸(o−またはp−トルエンスルホン酸)およびその誘導体(例えば、o−またはp−トルエンスルホン酸メチルなど)、トルエンスルホンアミド(o−またはp−トルエンスルホンアミド)などの反応停止剤を反応液に添加して、触媒を失活させてイソシアヌレート化反応を停止させる。この場合、キレート樹脂、イオン交換樹脂などの、触媒を吸着する吸着剤を添加して、イソシアヌレート化反応を停止させることもできる。
イソシアヌレート化反応を停止させるときのイソシアネート基の転化率は、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上であり、例えば、20質量%以下、好ましくは、15質量%以下である。
なお、イソシアネート基の転化率は、例えば、高速GPC、NMR、イソシアネート基濃度、屈折率、密度、赤外線スペクトルなどを基準として、測定することができる。
これにより、脂肪族ポリイソシアネートをイソシアヌレート化反応させることができる。
また、このイソシアヌレート化反応では、一部がウレタン変性された脂肪族ポリイソシアネートをイソシアヌレート化しているため、上記したイソシアヌレート誘導体とともに、アロファネート変性イソシアヌレート誘導体も生成する。
また、上記のイソシアヌレート化反応において、イソシアヌレート化を調整するために、例えば、特開昭61−129173号公報に記載されているような有機亜リン酸エステルなどを、助触媒として配合することもできる。
有機亜リン酸エステルとしては、例えば、有機亜リン酸ジエステル、有機亜リン酸トリエステルなどが挙げられ、より具体的には、例えば、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイトなどのモノホスファイト類、例えば、ジステアリル・ペンタエリスリチル・ジホスファイト、トリペンタエリスリトール・トリホスファイト、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイトなどの多価アルコールから誘導されたジ、トリあるいはテトラホスファイト類などが挙げられる。
これら有機亜リン酸エステルは、単独使用または2種類以上併用することができる。
有機亜リン酸エステルとして、好ましくは、モノホスファイト類が挙げられ、より好ましくは、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイトが挙げられる。
有機亜リン酸エステルの配合割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.05質量部以上、より好ましくは、0.10質量部以上であり、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.50質量部以下である。
また、上記のイソシアヌレート化反応では、必要により、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、例えば、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェノール(BHT)、イルガノックス1010、イルガノックス1076、イルガノックス1135、イルガノックス245(以上、BASFジャパン社製、商品名)などの反応安定剤を配合することもできる。
反応安定剤の配合割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.05質量部以上であり、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.10質量部以下である。
また、上記の助触媒および反応安定剤を上記したウレタン化反応時に添加しておくこともできる。
また、上記のイソシアヌレート化反応では、必要により、公知の反応溶媒を配合してもよい。
そして、反応終了後、得られる反応混合液から、未反応の脂肪族ポリイソシアネート(触媒、反応溶媒および/または触媒失活剤を配合する場合には、触媒、反応溶媒および/または触媒失活剤も含む)を、例えば、薄膜蒸留(スミス蒸留)などの蒸留、抽出などの公知の方法で除去することにより、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体が得られる。
また、未反応の脂肪族ポリイソシアネートの除去後、得られる脂肪族ポリイソシアネートの誘導体に、上記した反応停止剤を安定剤として任意の添加割合で添加することもできる。
そして、これにより、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体が得られる。
得られた脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、イソシアヌレート基およびアロファネート基を含有しており、また、それらの含有割合が上記の範囲に調整されている。そのため、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体によれば、光透過性、耐久性および機械強度の向上を図ることができる。
また、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、イソシアヌレート基およびアロファネート基の含有割合が上記の範囲に調整されていれば、上記の製造方法に限定されず、例えば、互いに異なる処方の脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を、2種類以上配合して調製することもできる。
より具体的には、例えば、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体とを、それぞれ個別に調製し、それらを混合することにより、イソシアヌレート基およびアロファネート基を含有する脂肪族ポリイソシアネートの誘導体(誘導体組成物)を得ることができる。
脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、イソシアヌレート基を含有しており、かつ、アロファネート基を含有しないか、または、微量(後述)含有する誘導体である。
アロファネート基を含有しない脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、例えば、上記したイソシアヌレート化反応において、アルコールを配合することなく、脂肪族ポリイソシアネートをイソシアヌレート化触媒の存在下でイソシアヌレート化反応させることにより、得ることができる。なお、イソシアヌレート化反応における反応条件は、上記と同じである。
しかるに、イソシアヌレート基は、ウレタン化反応を経由することにより容易に形成される。そのため、微量のアルコールを配合することにより、イソシアヌレート化反応を促進することができる。このような場合には、アロファネート基を微量含有する脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が得られる。
アロファネート基を微量含有する脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、例えば、上記の方法(まず、上記した脂肪族ポリイソシアネートとアルコールとをウレタン化反応させ、次いで、イソシアヌレート化触媒の存在下でイソシアヌレート化反応させる方法)において、アルコールの配合量を比較的少なくする。
このような場合、アルコールの配合割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.05質量部以上、例えば、0.5質量部以下、好ましくは、0.3質量部以下である。
これにより、脂肪族ポリイソシアネートとアルコールとの反応によるアロファネート基の生成量を抑制することができる。
そして、得られた反応生成物を、イソシアヌレート化触媒の存在下でイソシアヌレート化反応させる。なお、イソシアヌレート化反応における反応条件は、上記と同じである。
脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体において、アロファネート基の含有割合は、イソシアヌレート基100モルに対して、例えば、10モル未満、好ましくは、8モル以下、より好ましくは、7モル以下であり、また、通常、0モル以上である。
脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体は、アロファネート基を含有しており、かつ、イソシアヌレート基を含有しないか、または、微量(後述)含有する誘導体である。
脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体は、例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネートと上記した1価アルコールとを反応させ、次いで、アロファネート化触媒の存在下でアロファネート化反応させることにより、得ることができる。
1価アルコールとしては、上記した1価アルコール(イソシアヌレート化における1価アルコール)と同じアルコールが挙げられ、単独使用または2種類以上併用することができる。1価アルコールとして、好ましくは、分岐状の1価アルコールが挙げられ、より好ましくは、イソブタノール(別名:イソブチルアルコール)が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体を製造する場合、アルコールの配合割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、3質量部を超過し、好ましくは、3.2質量部以上、より好ましくは、3.5質量部以上であり、例えば、50質量部以下、好ましくは、20質量部以下、より好ましくは、10質量部以下である。
また、この反応においては、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、必要に応じて、上記した1価アルコールと、例えば、チオール類、オキシム類、ラクタム類、フェノール類、βジケトン類などの活性水素基含有化合物とを併用することができる。
脂肪族ポリイソシアネートとアルコールとの反応における反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下において、反応温度が、例えば、室温(例えば、25℃)以上、好ましくは、40℃以上であり、例えば、100℃以下、好ましくは、90℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.05時間以上、好ましくは、0.2時間以上であり、例えば、10時間以下、好ましくは、6時間以下である。
これにより、脂肪族ポリイソシアネートとアルコールとをウレタン化反応させる。
また、上記ウレタン化反応においては、必要に応じて、公知のウレタン化触媒(例えば、アミン類(後述)、有機金属化合物(後述)など)を配合してもよい。なお、ウレタン化触媒の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、この方法では、得られる反応液に、アロファネート化触媒を配合し、脂肪族ポリイソシアネートとアルコールとの反応物を、アロファネート化反応させる。
アロファネート化触媒としては、例えば、オクチル酸ビスマスなどの有機カルボン酸ビスマス塩、例えば、オクチル酸鉛などの有機カルボン酸鉛塩などが挙げられる。
これらアロファネート化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
アロファネート化触媒として、好ましくは、有機カルボン酸鉛塩が挙げられ、より好ましくは、オクチル酸鉛が挙げられる。
アロファネート化触媒の添加割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.002質量部以上、より好ましくは、0.01質量部以上であり、例えば、0.3質量部以下、好ましくは、0.05質量部以下、より好ましくは、0.03質量部以下である。
アロファネート化反応の反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下、反応温度が、0℃以上、好ましくは、20℃以上であり、例えば、160℃以下、好ましくは、120℃以下である。また、反応時間が、例えば、30分以上、好ましくは、60分以上であり、例えば、1200分以下、好ましくは、600分以下である。
そして、上記のアロファネート化反応において、所定の反応率(イソシアネート基転化率)に達した時点で、反応停止剤を反応液に添加して、触媒を失活させてアロファネート化反応を停止させる。この場合、キレート樹脂、イオン交換樹脂などの、触媒を吸着する吸着剤を添加して、アロファネート化反応を停止させることもできる。アロファネート化反応を停止させる反応停止剤としては、例えば、イソシアヌレート化反応を停止させる反応停止剤と同じものが挙げられる。
アロファネート化反応を停止させるときのイソシアネート基の転化率は、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上であり、例えば、20質量%以下、好ましくは、15質量%以下である。
なお、イソシアネート基の転化率は、例えば、高速GPC、NMR、イソシアネート基濃度、屈折率、密度、赤外線スペクトルなどを基準として、測定することができる。
これにより、脂肪族ポリイソシアネートをアロファネート化反応させることができる。
また、上記の反応においては、ウレタン化およびアロファネート化を調整するために、例えば、上記した有機亜リン酸エステルなどを、助触媒として配合することもできる。有機亜リン酸エステルは、単独使用または2種類以上併用することができる。有機亜リン酸エステルとして、好ましくは、モノフォスファイト類、より好ましくは、トリス(トリデシル)ホスファイトが挙げられる。
有機亜リン酸エステルの添加割合は、脂肪族ポリイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.02質量部以上、より好ましくは、0.03質量部以上であり、例えば、0.2質量部以下、好ましくは、0.15質量部以下、より好ましくは、0.1質量部以下である。
また、上記の助触媒および反応安定剤を上記したウレタン化反応時に添加しておくこともできる。
また、上記のイソシアヌレート化反応では、必要により、公知の反応溶媒を配合してもよい。
そして、反応終了後、得られる反応混合液から、未反応の脂肪族ポリイソシアネート(触媒、反応溶媒および/または触媒失活剤を配合する場合には、触媒、反応溶媒および/または触媒失活剤も含む)を、例えば、薄膜蒸留(スミス蒸留)などの蒸留、抽出などの公知の方法で除去することにより、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体が得られる。また、未反応の脂肪族ポリイソシアネートの除去後、得られる脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体に、上記した反応停止剤を安定剤として任意の添加割合で添加することもできる。
脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体において、アロファネート基の含有割合は、イソシアヌレート基100モルに対して、3000モル以上、好ましくは、3500モル以上、より好ましくは、4000モル以上であり、また、通常、100000モル以下である。
そして、上記した脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、上記した脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体とを、公知の方法で混合することにより、それらの混合物(組成物)として、イソシアヌレート基およびアロファネート基を有する脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を得ることができる。
脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体との混合割合は、得られる混合物中のアロファネート基およびイソシアヌレート基の割合が、上記の所定範囲となるように調整される。
具体的には、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体との総量100質量部に対して、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が、例えば、50質量部以上、好ましくは、60質量部以上、より好ましくは、80質量部以上であり、例えば、96質量部以下、好ましくは、90質量部以下である。また、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート誘導体が、例えば、4質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、例えば、50質量部以下、好ましくは、40質量部以下、より好ましくは、20質量部以下である。
また、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体(誘導体組成物)は、未反応の脂肪族ポリイソシアネートモノマーを、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体100質量部に対して、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.5質量部以下で含有することも許容する。
さらに、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、例えば、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート誘導体およびアロファネート誘導体を除く誘導体(以下、その他の誘導体と称する。)を含有することができる。
その他の誘導体としては、例えば、ビウレット誘導体(例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネートと、水、アミン類等との反応により生成するビウレット誘導体など。)、ウレア誘導体(例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネートとジアミンとの反応により生成するウレア誘導体など。)、オキサジアジントリオン誘導体(例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネートと炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオン誘導体など。)、カルボジイミド誘導体(上記した脂肪族ポリイソシアネートの脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド誘導体など。)、ポリオール誘導体(例えば、上記した脂肪族ポリイソシアネートと後述する低分子量ポリオール(好ましくは、後述する低分子量トリオール)との反応より生成するポリオール誘導体(アルコール付加体)、上記した脂肪族ポリイソシアネートと後述する低分子量ポリオールおよび/または後述する高分子量ポリオール(好ましくは、後述する高分子量ポリオール)との反応より生成するポリオール誘導体)、さらには、脂肪族ポリイソシアネートのイミノオキサジアジンジオン誘導体、脂肪族ポリイソシアネートのウレトジオン誘導体などが挙げられる。
これらその他の誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
その他の誘導体として、光透過性の観点から、好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体が挙げられる。
その他の誘導体が含有される形態としては、特に制限されず、例えば、上記した各反応(ウレタン化反応、イソシアヌレート化反応、アロファネート化反応など)における副生物としてその他の誘導体が生成され、その他の誘導体が脂肪族ポリイソシアネートの誘導体に含有されていてもよい。また、例えば、別途調製されたその他の誘導体が、ポリイソシアネート誘導体に添加されていてもよい。
その他の誘導体の含有割合は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体(誘導体組成物)中のアロファネート基およびイソシアヌレート基の割合が、上記範囲となるように調整されていれば、特に制限されないが、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、例えば、50質量部以下、好ましくは、40質量部以下である。
また、ポリイソシアネート成分は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を単独で含有してもよく、さらに、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体に加えて、他のポリイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有することもできる。
他のポリイソシアネートおよび/またはその誘導体としては、例えば、ポリイソシアネート単量体(ここでは、脂肪族ポリイソシアネートを除く)、ポリイソシアネート誘導体(ここでは、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を除く)が挙げられる。
ポリイソシアネート単量体としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートなどのポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−またはp−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TDI)、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(MDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(XDI)、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TMXDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物(水添XDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)などの脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
これらポリイソシアネート単量体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート単量体の、多量体(例えば、2量体、3量体、5量体、7量体など。)、アロファネート誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と、アルコールとの反応より生成するアロファネート誘導体など。)、ビウレット誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と、水、アミン類等との反応により生成するビウレット誘導体など。)、ウレア誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体とジアミンとの反応により生成するウレア誘導体など。)、オキサジアジントリオン誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオン誘導体など。)、カルボジイミド誘導体(上記したポリイソシアネート単量体の脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド誘導体など。)、ポリオール誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と後述する低分子量ポリオール(好ましくは、後述する低分子量トリオール)との反応より生成するポリオール誘導体(アルコール付加体)、上記したポリイソシアネート単量体と後述する低分子量ポリオールおよび/または後述する高分子量ポリオール(好ましくは、後述する高分子量ポリオール)との反応より生成するポリオール誘導体(ポリイソシアネート基末端プレポリマー)など。)などが挙げられる。
これらポリイソシアネート誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これら他のポリイソシアネートおよび/またはその誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート成分において、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を除く成分(他のポリイソシアネートおよび/またはその誘導体)の含有割合は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の総量に対して、例えば、50質量%未満、好ましくは、30質量%以下、より好ましくは、10質量%以下であり、とりわけ好ましくは、0質量%である。
すなわち、ポリイソシアネート成分は、好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を単独で含有する。
そして、このようにして調製されるポリイソシアネート成分のイソシアネート基当量は、例えば、150以上、好ましくは、200以上であり、また、例えば、750以下、好ましくは、500以下である。
なお、イソシアネート基当量は、アミン当量と同義であり、JIS K 1603−1(2007年)のA法またはB法により、求めることができる(以下同様)。
また、ポリイソシアネート成分の平均官能基数は、例えば、2.00以上、好ましくは、2.10以上であり、また、例えば、2.90以下、好ましくは、2.80以下である。
また、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有率は、例えば、18質量%以上、好ましくは、20質量%以上であり、例えば、30質量%以下、好ましくは、28質量%以下である。
なお、イソシアネート基含有率は、JIS K 1556(2006年)に準拠したn−ジブチルアミン法により、求めることができる(以下同様)。
ポリオール成分は、水酸基価が50以上600以下のジオール、および/または、水酸基価が50以上600以下のトリオールとを含有している。
ジオールとしては、オキシアルキレン基の炭素数が2〜44であるポリオキシアルキレンジオール、および/または、多塩基酸および/またはそのアルキルエステルと多価アルコールとの反応生成物であるポリエステルジオールが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとして、例えば、上記した低分子量ポリオール(好ましくは、2価アルコール)を開始剤として、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類、例えば、L−ラクチド、D−ラクチドなどのラクチド類などを開環重合して得られる、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、さらには、それらに上記した2価アルコールを共重合したラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
オキシアルキレン基の炭素数が2〜44であるポリオキシアルキレンジオールとしては、例えば、低分子量ジオール、低分子量ジアミンなどを開始剤とした炭素数2〜3のアルキレンオキサイドの付加重合体(2種以上のアルキレンオキサイドのランダムおよび/またはブロック共重合体を含む)が挙げられる。
低分子量ジオールは、数平均分子量が300未満(好ましくは、400未満)通常、40以上の、2つの水酸基を有する2官能性の低分子量ポリオールであり、例えば、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオールなどが挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール,2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、12−ヒドロキシステアリルアルコールなどが挙げられる。
脂環族ジオールとしては、例えば、水添ビスフェノールA、水添キシリレンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ダイマージオールなどが挙げられる。
芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,3−または1,4−キシリレンジオールなどが挙げられる。
これら低分子量ジオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
低分子量ジアミンは、数平均分子量が300未満(好ましくは、400未満)通常、40以上の、アミノ基を2つ有する化合物であって、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,3−または1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ヒドラジン、o、mまたはp−トリレンジアミン(TDA、OTD)などが挙げられる。
これら低分子量ジアミンは、単独使用または2種類以上併用することができる。
開始剤として、好ましくは、低分子量ジオールが挙げられる。
炭素数2〜44のアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド(別名:オキシラン)、トリメチレンオキサイド(別名:オキセタン)、プロピレンオキサイド(別名:メチルオキシラン)などが挙げられる。
これらアルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用することができる。
アルキレンオキサイドとして、好ましくは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられ、より好ましくは、プロピレンオキサイドが挙げられる。
このようなポリオキシアルキレンジオールとして、具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド共重合ジオール(ランダムおよび/またはブロック共重合体)などが挙げられる。
これらポリオキシアルキレンジオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオキシアルキレンジオールとして、好ましくは、ポリプロピレングリコールが挙げられる。
ポリオキシアルキレンジオールの水酸基価は、上記したように100mgKOH/g以上、好ましくは、105mgKOH/g以上、より好ましくは、150mgKOH/g以上であり、上記したように300mgKOH/g以下、好ましくは、290mgKOH/g以下、より好ましくは、250mgKOH/g以下である。
ポリオキシアルキレンジオールの水酸基価が、上記範囲内であれば、ウレタン樹脂の光透過性、耐久性および機械強度の向上を図ることができる。
なお、水酸基価は、JIS K 1557−1(2007年)の記載に準拠して測定される(以下同様。)。
また、ポリオキシアルキレンジオールの数平均分子量は、例えば、200以上、好ましくは、400以上、より好ましくは、500以上であり、例えば、2000以下、好ましくは、1000以下である。
なお、数平均分子量は、以下の式により算出される(以下同様)。
数平均分子量 = 56100 × 平均官能基数/水酸基価
また、ポリオキシアルキレンジオールのCPR(controlled polymerization rate)は、例えば、5以下、好ましくは、3以下、より好ましくは、2以下、さらに好ましくは、1以下であり、例えば、0以上、好ましくは、0.01以上、より好ましくは、0.1以上である。
なお、CPRは、JIS K 1557−4(2007年)記載の方法に基づき、測定される(以下同様)。
ポリエステルジオールとしては、多塩基酸および/またはそのアルキルエステルと多価アルコールとの反応生成物が挙げられる。より具体的には、ポリエステルジオールとしては、2塩基酸および/またはそのアルキルエステルと、2価アルコールとの反応生成物が挙げられる。
2塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル−1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチル−3−エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバシン酸、水添ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ヘット酸などの脂肪族2塩基酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などの芳香族2塩基酸など、および、これらの酸無水物、これらの酸ハライドなどが挙げられる。酸無水物としては、例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2−アルキル(炭素数12〜18)コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸などが挙げられる。酸ハライドとしては、例えば、シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、セバシン酸ジクロライドなどが挙げられる。
これら2塩基酸は、単独使用または2種類以上併用することができる。
2塩基酸のアルキルエステルとしては、上記した2塩基酸のメチルエステル、エチルエステルなどが挙げられる。
これら2塩基酸のアルキルエステルは、単独使用または2種類以上併用することができる。
2価アルコールとしては、例えば、上記した低分子量ジオールが挙げられる。これら2価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
そして、ポリエステルジオールは、上記した2塩基酸と上記した2価アルコールとの縮合反応、または、上記した2塩基酸のアルキルエステルと上記した2価アルコールとのエステル交換反応により、反応生成物として得られる。ポリエステルジオールとして、好ましくは、2塩基酸と2価アルコールとの縮合反応による反応生成物が挙げられる。
なお、上記縮合反応またはエステル交換反応は、必要により、公知の触媒下において、公知の反応条件下で実施できる。
ポリエステルジオールの水酸基価は、上記したように100mgKOH/g以上、好ましくは、105mgKOH/g以上、より好ましくは、150mgKOH/g以上であり、上記したように300mgKOH/g以下、好ましくは、290mgKOH/g以下、より好ましくは、250mgKOH/g以下である。
ポリエステルジオールの水酸基価が、上記範囲内であれば、ウレタン樹脂の光透過性、耐久性および機械強度の向上を図ることができる。
また、ポリエステルジオールの数平均分子量は、例えば、200以上、好ましくは、400以上、より好ましくは、500以上であり、例えば、2000以下、好ましくは、1000以下である。
そして、ジオールは、上記ポリオキシアルキレンジオール、および/または、上記ポリエステルジオールであり、好ましくは、上記ポリオキシアルキレンジオールが挙げられる。
このようなジオールを用いることによって、ウレタン樹脂の光透過性、耐久性および機械強度の向上を図ることができる。
ジオールの水酸基価は、上記したように100mgKOH/g以上、好ましくは、105mgKOH/g以上、より好ましくは、150mgKOH/g以上であり、上記したように300mgKOH/g以下、好ましくは、290mgKOH/g以下、より好ましくは、250mgKOH/g以下である。
また、ジオールの数平均分子量は、例えば、200以上、好ましくは、400以上、より好ましくは、500以上であり、例えば、2000以下、好ましくは、1000以下である。
トリオールとしては、オキシアルキレン基の炭素数が2〜44であるポリオキシアルキレントリオール、および/または、多塩基酸および/またはそのアルキルエステルと多価アルコールとの反応生成物であるポリエステルトリオールが挙げられる。
オキシアルキレン基の炭素数が2〜3であるポリオキシアルキレントリオールとしては、例えば、低分子量トリオール、低分子量トリアミンなどを開始剤とした炭素数2〜44のアルキレンオキサイドの付加重合体(2種以上のアルキレンオキサイドのランダムおよび/またはブロック共重合体を含む)が挙げられる。
低分子量トリオールは、数平均分子量が400未満(好ましくは、300未満)通常、40以上の、3つの水酸基を有する3官能性の低分子量ポリオールである。
低分子量トリオールとしては、例えば、グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノールおよびその他の脂肪族トリオール(炭素数8〜24)などが挙げられ、好ましくは、トリメチロールプロパンが挙げられる。
これら低分子量トリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
低分子量トリアミンは、数平均分子量が300未満(好ましくは、400未満)通常、40以上の、アミノ基を3つ有する化合物であって、例えば、ジエチレントリアミン、4−アミノメチル−1,8−オクタンジアミン、2,2’,2’ ’−トリアミノトリエチルアミン、トリス−1,1,1−アミノエチルエタン、1,2,3−トリアミノプロパン、トリス−(3−アミノプロピル)−アミン、N,N,N’,N’−テトラキス−(2−アミノエチル)−エチレンジアミンなどが挙げられる。
これら低分子量トリアミンは、単独使用または2種類以上併用することができる。
開始剤として、好ましくは、低分子量トリオールが挙げられる。
炭素数2〜44のアルキレンオキサイドとしては、上記したアルキレンオキサイドが挙げられる。
これらアルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用することができる。
アルキレンオキサイドとして、好ましくは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられ、より好ましくは、プロピレンオキサイドが挙げられる。
このようなポリオキシアルキレントリオールとして、具体的には、例えば、ポリエチレントリオール、ポリプロピレントリオール、プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド共重合トリオール(ランダムおよび/またはブロック共重合体)などが挙げられる。
これらポリオキシアルキレントリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオキシアルキレントリオールとして、好ましくは、ポリプロピレントリオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレントリオールの水酸基価は、上記したように100mgKOH/g以上、好ましくは、109mgKOH/g以上、より好ましくは、150mgKOH/g以上であり、上記したように600mgKOH/g以下、好ましくは、590mgKOH/g以下、より好ましくは、570mgKOH/g以下である。
ポリオキシアルキレントリオールの水酸基価が、上記範囲内であれば、ウレタン樹脂の光透過性、耐久性および機械強度の向上を図ることができる。
また、ポリオキシアルキレントリオールの数平均分子量は、例えば、300以上、好ましくは、400以上、より好ましくは、500以上であり、例えば、2000以下、好ましくは、1700以下である。
また、ポリオキシアルキレントリオールのCPR(controlled polymerization rate)は、例えば、5以下、好ましくは、3以下、より好ましくは、2以下、さらに好ましくは、1以下であり、例えば、0以上、好ましくは、0.01以上、より好ましくは、0.1以上である。
ポリエステルトリオールとしては、多塩基酸および/またはそのアルキルエステルと多価アルコールとの反応生成物が挙げられる。より具体的には、ポリエステルトリオールとしては、2塩基酸および/またはそのアルキルエステルと、3価アルコールおよび2価アルコールとの反応生成物が挙げられる。
また、ポリエステルトリオールとして、例えば、上記した低分子量トリオールを開始剤として、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類、例えば、L−ラクチド、D−ラクチドなどのラクチド類などを開環重合して得られる、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、さらには、それらに上記した2価アルコールを共重合したラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
2塩基酸および/またはそのアルキルエステルとしては、上記した2塩基酸および/またはそのアルキルエステルが挙げられる。これら多塩基酸および/またはそのアルキルエステルは、単独使用または2種類以上併用することができる。
2価アルコールとしては、上記した2価アルコールが挙げられ、具体的には、上記した低分子量ジオールが挙げられる。これら2価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
3価アルコールとしては、例えば、上記した低分子量トリオールが挙げられる。これら3価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
そして、ポリエステルトリオールは、例えば、まず、上記した2塩基酸と上記した3価アルコールとを、2塩基酸のカルボキシル基が3価アルコールの水酸基に対して過剰となる割合で縮合反応させ、その後、得られた反応生成物(反応液)と2価アルコールとをさらに反応させるか、または、上記した2塩基酸のアルキルエステルと上記した3価アルコールとを、2塩基酸のアルキルエステルのアルキルエステル基が3価アルコールの水酸基に対して過剰となる割合でエステル交換反応させ、その後、得られた反応生成物(反応液)と2価アルコールとをさらに反応させることにより、反応生成物として得られる。
なお、上記縮合反応またはエステル交換反応は、必要により、公知の触媒下において、公知の反応条件下で実施できる。
ポリエステルトリオールの水酸基価は、上記したように50mgKOH/g以上、好ましくは、109mgKOH/g以上、より好ましくは、150mgKOH/g以上であり、上記したように600mgKOH/g以下、好ましくは、590mgKOH/g以下、より好ましくは、570mgKOH/g以下である。
ポリエステルトリオールの水酸基価が、上記範囲内であれば、ウレタン樹脂の光透過性、耐久性および機械強度の向上を図ることができる。
また、ポリエステルトリオールの数平均分子量は、例えば、300以上、好ましくは、400以上、より好ましくは、500以上であり、例えば、2000以下、好ましくは、1700以下である。
なお、ポリエステルジオールおよびポリエステルトリオールは、多塩基酸および/またはそのアルキルエステルと多価アルコールとの反応生成物であり、低分子量ポリオールを開始剤として、ラクトン類、ラクチド類等を開環重合して得られる開環重合式ポリエステルポリオール(ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオールなど)は含まれない。
ポリエステルジオールおよびポリエステルトリオールとして、開環重合式ポリエステルポリオールではなく、多塩基酸および/またはそのアルキルエステルと多価アルコールとの反応生成物を用いることによって、光透過性、耐久性および機械強度の向上を図ることができる。
そして、トリオールは、上記ポリオキシアルキレントリオール、および/または、上記ポリエステルトリオールであり、好ましくは、上記ポリオキシアルキレントリオールが挙げられる。
このようなトリオールを用いることによって、ウレタン樹脂の光透過性、耐久性および機械強度の向上を図ることができる。
トリオールの水酸基価は、上記したように50mgKOH/g以上、好ましくは、109mgKOH/g以上、より好ましくは、150mgKOH/g以上であり、上記したように600mgKOH/g以下、好ましくは、590mgKOH/g以下、より好ましくは、570mgKOH/g以下である。
ポリオキシアルキレントリオールの水酸基価が、上記範囲内であれば、ウレタン樹脂の光透過性、耐久性および機械強度の向上を図ることができる。
また、ポリオキシアルキレントリオールの数平均分子量は、例えば、300以上、好ましくは、400以上、より好ましくは、500以上であり、例えば、2000以下、好ましくは、1700以下である。
そして、ポリオール成分は、上記ジオール、および/または、上記トリオールとを含有している。
ポリオール成分において、好ましくは、ジオール由来の水酸基が、トリオール由来の水酸基よりも多く含まれることが挙げられる。換言すれば、好ましくは、ポリオール成分に含有されるジオールの化学当量(ジオールの質量/ジオールの水酸基当量)が、ポリオール成分に含有されるトリオールの化学当量(トリオールの質量/トリオールの水酸基当量)よりも多いことが挙げられる。
なお、水酸基当量は、下記式により算出される(以下同様)。
水酸基当量 = 56100 / 水酸基価
より具体的には、ポリオール成分の総量に対して、上記ジオールの含有割合(化学当量基準)が、例えば、50当量%以上、好ましくは、50当量%を超過し、より好ましくは、60当量%以上、さらに好ましくは、70当量%以上、とりわけ好ましくは、80当量%以上であり、例えば、99当量%以下、好ましくは、97当量%以下、より好ましくは、95当量%以下、さらに好ましくは、94当量%以下、とりわけ好ましくは、93当量%以下である。
また、ポリオール成分の総量に対して、上記トリオールの含有割合(化学当量基準)が、例えば、1当量%以上、好ましくは、3当量%以上、より好ましくは、5当量%以上、さらに好ましくは、6当量%以上、とりわけ好ましくは、7当量%以上であり、例えば、50当量%以下、好ましくは、50当量%未満、より好ましくは、40当量%以下、さらに好ましくは、30当量%以下、とりわけ好ましくは、20当量%以下である。
ジオールの含有割合およびトリオールの含有割合が上記範囲であれば、ウレタン樹脂の光透過性の向上を図ることができる。
また、ポリオール成分のCPR(controlled polymerization rate)は、例えば、5以下、好ましくは、3以下であり、例えば、0以上、好ましくは、0.01以上、より好ましくは、0.1以上である。
CPRが上記上限を上回る場合、すなわち、ポリオール成分がウレタン化触媒として作用する塩基性物質を過度に多く含有する場合には、ポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応速度が過度に速くなる場合があるため、得られるウレタン樹脂において局所的な結晶化が生じる場合があり、その結果、ウレタン樹脂に濁りが生じ、光透過性が低下する場合がある。
一方、CPRが過度に低い場合、すなわち、ウレタン化触媒として作用する塩基性物質の含有量が過度に低い場合には、ポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応速度が比較的遅くなるため、局所的な結晶化を抑制でき、光透過性を確保できるが、架橋密度が低下し、機械強度(硬度など)が低下する場合がある。
この点、CPRが上記範囲であれば、ポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応速度を適切な範囲に調整することができるため、局所的な結晶化を抑制することができ、かつ、十分な架橋密度を確保できるため、光透過性に優れ、さらに、耐久性および機械強度にも優れるウレタン樹脂を得ることができる。
また、ポリオール成分は、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、上記ジオールおよび上記トリオールを除くポリオール(以下、その他のポリオールと称する。)を含有することができる。
その他のポリオールとしては、例えば、数平均分子量が300以上5000以下の公知の高分子量ポリオールが挙げられ、具体的には、例えば、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、天然油ポリオール、シリコーンポリオール、フッ素ポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリウレタンポリオールなどが挙げられる。
また、その他のポリオールとしては、上記の他、例えば、水酸基価が100mgKOH/g未満のジオール、水酸基価が300mgKOH/gを超過するジオール、水酸基価が100mgKOH/g未満のトリオール、または、水酸基価が600mgKOH/gを超過するトリオールなどが挙げられ、さらには、数平均分子量が300未満(好ましくは、400未満)通常、40以上の、4つ以上の水酸基を有する低分子量ポリオールなどが挙げられる。
これらその他のポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
その他のポリオールとして、好ましくは、水酸基価が300mgKOH/gを超過するジオール、水酸基価が600mgKOH/gを超過するトリオールが挙げられる。
水酸基価が300mgKOH/gを超過するジオールとしては、例えば、上記した低分子量ジオールが挙げられ、単独使用または2種類以上併用することができる。
水酸基価が600mgKOH/gを超過するトリオールとしては、例えば、上記した低分子量トリオールが挙げられ、単独使用または2種類以上併用することができる。
その他のポリオールとして、より好ましくは、水酸基価が300mgKOH/gを超過するジオールが挙げられ、さらに好ましくは、低分子量ジオールが挙げられ、さらに好ましくは、脂肪族ジオールが挙げられ、とりわけ好ましくは、ジプロピレングリコールが挙げられる。
その他のポリオールの含有割合(化学当量基準)は、ポリオール成分の総量に対して、10当量%以下、好ましくは、5当量%以下であり、より好ましくは、0当量%である。
そして、ウレタン樹脂は、上記ポリイソシアネート成分と上記ポリオール成分とを、例えば、バルク重合、溶液重合などの重合方法で重合(反応)させることにより、反応生成物として得られる。
バルク重合では、例えば、窒素気流下において、ポリイソシアネート成分を撹拌しつつ、これに、ポリオール成分を加えて、反応温度50℃〜250℃、さらに好ましくは50℃〜200℃で、0.5時間〜15時間程度反応させる。
溶液重合では、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とを有機溶剤に加えて、反応温度50℃〜120℃、好ましくは50℃〜100℃で、0.5時間〜15時間程度反応させる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのアルキルエステル類、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル類、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの極性非プロトン類などが挙げられる。
さらに、有機溶剤としては、例えば、非極性溶剤(非極性有機溶剤)が挙げられ、これら非極性溶剤としては、脂肪族、ナフテン系炭化水素系有機溶剤を含む、アニリン点が、例えば、10℃〜70℃、好ましくは、12℃〜65℃の、低毒性で溶解力の弱い非極性有機溶剤、ターペン油に代表される植物性油などが挙げられる。
かかる非極性有機溶剤は、市販品として入手可能であり、そのような市販品としては、例えば、ハウス(シェル化学製、アニリン点15℃)、スワゾール310(丸善石油製、アニリン点16℃)、エッソナフサNo.6(エクソン化学製、アニリン点43℃)、ロウス(シェル化学製、アニリン点43℃)、エッソナフサNo.5(エクソン製、アニリン点55℃)、ペガゾール3040(モービル石油製、アニリン点55℃)などの石油炭化水素系有機溶剤、その他、メチルシクロヘキサン(アニリン点40℃)、エチルシクロヘキサン(アニリン点44℃)、ガムテレピンN(安原油脂製、アニリン点27℃)などのターペン油類などが挙げられる。
これら有機溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
さらに、上記重合反応においては、必要に応じて、例えば、アミン類、有機金属化合物などの公知のウレタン化触媒を適宜の割合で添加してもよい。
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホリンなどの3級アミン類、例えば、テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプチド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジメルカプチド、ジオクチル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジクロリドなどの有機錫系化合物、例えば、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物、例えば、ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル化合物、例えば、ナフテン酸コバルトなどの有機コバルト化合物、例えば、オクテン酸銅などの有機銅化合物、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物などが挙げられる。
さらに、ウレタン化触媒として、例えば、炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムなどのカリウム塩が挙げられる。
これらウレタン化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、バルク重合および溶液重合では、例えば、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを、ポリオール成分の水酸基に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、例えば、0.75以上、好ましくは、0.9以上であり、例えば、1.3以下、好ましくは、1.1以下となるように配合する。
また、上記重合反応をより工業的に実施する場合には、ウレタン樹脂は、例えば、ワンショット法およびプレポリマー法などの公知の方法、好ましくは、ワンショット法により、得ることができる。
ワンショット法では、例えば、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを、上記の当量比で処方(混合)した後、硬化温度は、例えば、25℃以上、好ましくは、40℃以上、より好ましくは、50℃以上、さらに好ましくは、60℃以上であり、例えば、130℃以下、好ましくは、120℃以下、より好ましくは、100℃以下、さらに好ましくは、80℃以下である。硬化温度がこの範囲内であれば、電子回路システムの破損が抑制され、高感度にて歪測定が可能な電子回路システムが得られる。硬化時間は、例えば、5分以上、好ましくは、30分以上、より好ましくは、1時間以上、さらに好ましくは、3時間以上、とりわけ好ましくは、5時間以上であり、例えば、72時間以下、好ましくは、36時間以下、より好ましくは、24時間以下、さらに好ましくは、12時間以下、とりわけ好ましくは、8時間以下である。なお、硬化温度は、一定温度であってもよく、あるいは、段階的に昇温または冷却することもできる。
また、この方法では、好ましくは、ポリイソシアネート成分および/またはポリオール成分を、例えば、常温、あるいは、30℃〜120℃に加温して、低粘度化させてから混合し、その後、必要に応じて脱泡した後、予備加熱した成形型に注入し、硬化反応させる。
そして、硬化後に脱型すれば、所望形状に成形されたウレタン樹脂(注型ポリウレタンエラストマー)を得ることができる。また、脱型後、必要に応じて、室温にて、7日間以内程度で熟成させることもできる。
これにより、ウレタン樹脂を得ることができる。
なお、ウレタン樹脂を製造する場合においては、必要に応じて、さらに、公知の添加剤、例えば、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、酸化防止剤、離型剤、触媒、さらには、顔料、染料、滑剤、フィラー、加水分解防止剤などを、適宜の割合で配合することができる。これら添加剤は、各成分の製造時に添加してもよく、あるいは、各成分の混合時に添加してもよく、さらには、混合後に添加することもできる。
このようなウレタン樹脂の製造では、イソシアヌレート基およびアロファネート基を特定比率で含有する脂肪族ポリイソシアネートの誘導体が用いられ、かつ、ポリオール成分が特定のトリオール、および/または、特定のジオールを特定割合で含有する。そのため、これらの組み合わせにより、得られたウレタン樹脂は、光透過性に優れ、さらに、柔軟性および機械強度にも優れる。
より具体的には、ポリオール成分が特定のトリオール、および/または、特定のジオールを特定割合で含有しておらず、例えば、平均官能基数3を超過するポリオールを単独で含有する場合などには、ウレタン樹脂の架橋密度が過度に高くなるため、機械強度には優れるものの、光透過性が低下する。
これに対して、平均官能基数2〜3の範囲に調整されている場合であれば、架橋密度が過度に高くなることを抑制できるが、例えば、ポリイソシアネート成分におけるイソシアヌレート基およびアロファネート基の含有割合が上記の特定割合でなく、3官能性のイソシアヌレート基に対して2官能性のアロファネート基が過度に多い場合などには、架橋密度が過度に低くなるため、十分な機械強度を得ることができず、また、光透過性の耐久性にも劣る。また、2官能性のアロファネート基に対して3官能性のイソシアヌレート基が過度に多い場合などには、架橋密度が過度に高くなるため、光透過性に劣る。
この点、ポリオール成分がジオール、および/または、トリオールを含み、平均官能基数2〜3の範囲に調整されており、かつ、ポリイソシアネート成分におけるイソシアヌレート基およびアロファネート基の含有割合が上記の特定割合である場合には、架橋密度が適度な範囲に調整されるため、優れた機械強度を確保できる。しかし、例えば、ジオールおよび/またはトリオールとして、結晶性の高いポリテトラメチレンエーテルポリオールなどが用いられると、ウレタン樹脂の結晶性が過度に高くなるため、光透過性に劣る。
これらに対して、ポリイソシアネート成分におけるイソシアヌレート基およびアロファネート基の含有割合が上記の特定割合であり、かつ、ポリオール成分が特定のトリオール、および/または、特定のジオールを特定割合で含有している場合には、光透過性に優れ、さらに、柔軟性および機械強度にも優れるウレタン樹脂が得られる。
また、上記のウレタン樹脂の製造方法によれば、光透過性に優れ、さらに、柔軟性および機械強度にも優れるウレタン樹脂を、効率よく製造することができる。
(樹脂の物性値)
後述する実施例に準拠して測定される樹脂(厚さ2mm)のヤング率が、例えば、0.02MPa以上、好ましくは、0.1MPa以上、より好ましくは、0.5MPa以上、さらに好ましくは、1MPa以上、とりわけ好ましくは、5MPa以上であり、例えば、2000MPa以下、好ましくは、1000MPa以下、より好ましくは、500MPa以下、さらに好ましくは、100MPa以下、とりわけ好ましくは、20MPa以下である。
また、後述する実施例に準拠して測定される樹脂(厚さ2mm)の貯蔵弾性率E‘が、0.02MPa以上、好ましくは、0.1MPa以上、より好ましくは、0.5MPa以上、さらに好ましくは、1MPa以上、とりわけ好ましくは、5MPa以上であり、例えば、2000MPa以下、好ましくは、1000MPa以下、より好ましくは、500MPa以下、さらに好ましくは、100MPa以下、とりわけ好ましくは、50MPa以下、特に好ましくは、10MPa以下である。
また、後述する実施例に準拠して測定される樹脂(厚さ2mm)のヘイズが、例えば、50%以下、好ましくは、20%以下、より好ましくは、10%以下、さらに好ましくは5%以下、とりわけ好ましくは、1%未満であり、通常、0.01%以上である。
樹脂のJIS K 7375(2008年)に準拠する方法で測定した全光線透過率は50%以上であることが好ましい。
また、後述する実施例に準拠して測定される樹脂(厚さ10mm)のタイプA硬さが、例えば、56以上、好ましくは、60以上、より好ましくは、65以上、さらに好ましくは、70以上であり、通常、90以下である。
〔出力部〕
本実施形態の電子回路システムは、光、音声、振動および画像の少なくとも一つを出力する出力部を備えていてもよい。出力部は、光、音声、振動および画像のいずれか一つを出力する構成であってもよく、光、音声、振動および画像の二つ以上を出力する構成であってもよい。本実施形態の電子回路システムは、複数の出力部を備えていてもよい。
出力部は、例えば、少なくとも光を射出する発光部、少なくとも音声を発生する音声発生部、少なくとも振動を発生する振動発生部、少なくとも画像を出力する画像出力部であってもよい。また、出力部が光を射出する発光部である場合、本実施形態の電子回路システムは、発光部から射出された光を受光する受光部をさらに備えていてもよい。
発光部としては、例えば、発光ダイオード(LED)が挙げられる。LEDとしては、赤色LED、白色LED、赤外線LED、緑色LED、青色LEDなどの各種LEDを用いることができる。発光部としては、LEDの他には、例えば半導体レーザー(波長405nm〜1064nm)、蛍光灯、ハロゲンランプ、タングステンランプなどが挙げられる。
発光部としては、例えば、紫外線を射出するUV−LED等であってもよく、この場合、被覆層中に、蛍光色素、フォトクロミック色素等の色素成分が含まれていることが好ましい。被覆層中に色素成分が含まれる場合、色素成分の含有量は、樹脂100質量%に対して0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%〜8質量%であることがより好ましい。
〔制御部〕
本実施形態の電子回路システムは、センサにて生じた電気的変位に基づき出力部の出力を制御する制御部を備えていてもよい。制御部は、電気的変位に基づく電気信号を増幅する信号増幅回路、増幅させた電気信号が閾値以上であるか判定する閾値回路、電気信号が閾値以上であると判定された場合に出力部の出力を行うように制御する出力制御部を備える構成であってもよい。
〔導電層〕
本実施形態の電子回路システムは、回路基板の導体部を静電シールドする導電層を備えていてもよい。導電層を備えることにより、電子回路システムの最外層表面(例えば、被覆層表面)に帯電した電荷の影響により、静電誘導が生じてセンサの出力導体の電圧が変動して適切なセンサ出力が得られない、センサ出力に応じた適切な応答が得られない等の問題を抑制できる。その結果、電子回路システムの誤作動も抑制することができる。
(導電層の配置構成1)
本実施形態の電子回路システムでは、回路基板の導体部を覆うように絶縁被膜が設けられ、かつ、絶縁被膜を覆うように導電層が設けられており、さらに、導電層が回路基板のグランド電極に接続されていることにより静電シールドされていてもよい。導電層は、少なくとも一部が被覆層に覆われていてもよい。
絶縁被膜としては、前述のウレタン樹脂等の絶縁性を有する樹脂が挙げられる。
(導電層の配置構成2)
本実施形態の電子回路システムでは、回路基板を覆うように被覆層が設けられており、かつ被覆層の全面に導電層が設けられており、さらに、導電層が回路基板のグランド電極に接続されていることにより静電シールドされていてもよい。
(導電層の配置構成3)
本実施形態の電子回路システムでは、回路基板の導体部が配置されている側とは反対側にべた電極が設けられており、回路基板のグランド電極とべた電極とが導電層を介して接続されていることにより静電シールドされていてもよい。
以上、導電層の配置構成1〜3のいずれかを満たすことにより、電子回路システムの誤作動を好適に抑制することができる。
導電層を構成する導電材料としては、特に限定されず、カーボン、銀、銅、ITO(酸化インジウムスズ)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ポリチオフェン、ポリアニリン、および水溶性スルホン化ポリアニリンからなる群から選択される1種以上の導電材料が挙げられる。
導電材料であるカーボンは、導電性を発現するものであれば特に限定されず、例えば、カーボンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
ポリチオフェンとしては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)等が挙げられる。
(導電層の表面抵抗値)
導電層は、検出精度に優れ、かつ経時安定性に優れた電子回路システムを得る点から、表面抵抗値Rが10Ω/□以上10Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以上10Ω/□以下であることがより好ましい。
(導電層の表面抵抗値ばらつき)
導電層の表面抵抗値ばらつきは、検出精度の安定性を得る点から、好ましくは20%以下である。表面抵抗値ばらつきを上記範囲に抑えることにより、導電層上の場所によらず安定した良好な検出精度を有する電子回路システムを得ることができる。なお、導電層の表面抵抗値ばらつきは、導電層上の任意の9箇所の表面抵抗値の平均値と標準偏差を用いて変動係数CVとして次式で求められる。
導電層の表面抵抗値ばらつきCV(%)=100×(標準偏差/平均値)
(導電層の平均厚さ)
導電層の平均厚さは、樹脂の導電として十分な抵抗値を得る点から、0.1μm以上かつ40μm以下が好ましく、0.5μm以上5μm以下がより好ましい。なお、導電層の平均厚みは、DEKTAK(アルバック社製 触針式表面形状測定装置)を用いて測定した。具体的には、ガラスプレパラートに同様の条件でコーティングした導電層と、未コーティングのガラスプレパラートの段差の変位量を導電層のコーティング厚として観察し、測定した任意の5箇所の厚みの算術平均値として求められる。
(電子回路システムの用途)
本実施形態の電子回路システムは、検知部材として用いることができる。例えば、本実施形態の電子回路システムを懐中電灯の検知部材として用いてもよく、本実施形態の電子回路システムを備える懐中電灯を人が握ったり、衝撃を加えたりすることで、発光部が発光する構成であってもよい。
また、本実施形態の電子回路システムをアームレストの検知部材として用いてもよい。本実施形態の電子回路システムを備えるアームレストの面に肘等が接触したり、このアームレストを握ったりすることにより、発光部が発光する構成であってもよい。
本実施形態の電子回路システムは、タッチセンサ等の圧力検知センサ、圧力検知接触センサなどに応用することができる。その他、本実施形態の電子回路システムは、衝撃センサ、振動センサ等に応用してもよい。
また、上記の電子回路システムは、以下の構造体に検知部材として装着されていてもよく、一体化されていてもよい。構造体としては、例えば、自動車(四輪自動車、二輪自動車等)、列車、荷車、船舶、航空機、自転車、台車、キャスター付トランク、ロボット、アクチュエータなどの移動する構造体が挙げられる。また、構造体としては、例えば、プロテクター、サポーター、靴、衣服、帽子、ヘルメットなどの人を保護する構造体であってもよい。
また、上記の電子回路システムは、壁材、窓枠、床材、カーペット、座布団、ベッド、椅子、アームレスト、乗物用シート等の固定物にも採用することができる。
上記用途に限らず、本実施形態の電子回路システムは様々な用途に用いることができる。
[電子回路システムの製造方法]
本発明の一実施形態に係る電子回路システムの製造方法は、前記被覆層の形成に用いる樹脂組成物を25℃以上130℃以下で硬化させて前記被覆層を形成する工程を含む。
樹脂組成物としては、硬化可能なものであれば特に制限されず、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を少なくとも含むウレタン樹脂組成物が挙げられる。
樹脂組成物の硬化温度としては、30℃以上120℃以下が好ましく、50℃以上100℃以下がより好ましい。
(電子回路システムの製造方法1)
本実施形態の電子回路システムの製造方法1は、回路基板の導体部を覆うように絶縁被膜を形成する工程と、前記絶縁被膜を覆い、かつ回路基板のグランド電極に接続される導電層を形成する工程と、を含み、導電層の形成後に前記被覆層を形成する工程を含む。これにより、前述の導電層の配置構成1を満たす電子回路システムを製造することができる。
絶縁被膜を形成する方法としては、絶縁樹脂フィルムのラミネート、真空ラミネート等、絶縁樹脂コーティングなどの方法が挙げられる。
導電層を形成する方法としては、スプレーコート、ディップコート等の方法により前述の導電材料を含む組成物を絶縁被膜に付与する方法が挙げられる。また、導電材料を含む組成物は溶媒等を含んでいてもよく、この場合、絶縁被膜にこの組成物を付与した後、乾燥させて溶媒を揮発させてもよい。あるいは、ITO等を用いて導電層を形成する場合、スパッタリング等の方法により導電層を形成してもよい。
本実施形態の電子回路システムの製造方法1では、絶縁被膜を形成する工程と、導電層を形成する工程とを1つの工程として行ってもよい。例えば、絶縁樹脂フィルムの一面に導電層を形成し、絶縁樹脂フィルムの導電層が形成されていない面が回路基板の導体部を覆うようにして回路基板システムを形成してもよい。
(電子回路システムの製造方法2)
本実施形態の電子回路システムの製造方法2は、回路基板を覆うように被覆層を形成した後、被覆層の全面を覆い、かつ回路基板のグランド電極に接続される導電層を形成する工程を含む。これにより、前述の導電層の配置構成2を満たす電子回路システムを製造することができる。
導電層を形成する方法としては、スプレーコート、ディップコート等の方法により前述の導電材料を含む組成物を被覆層に付与する方法が挙げられる。あるいは、ITO等を用いてスパッタリング等の方法により被覆層を覆うように導電層を形成してもよい。
(電子回路システムの製造方法3)
本実施形態の電子回路システムの製造方法3は、回路基板の導体部が配置されている側とは反対側にべた電極を形成する工程と、回路基板のグランド電極とべた電極とを接続する導電層を形成する工程を含む。これにより、前述の導電層の配置構成3を満たす電子回路システムを製造することができる。
導電層を形成する方法としては、スプレーコート、ディップコート等の方法により前述の導電材料を含む組成物をグランド電極とべた電極との間に付与する方法が挙げられる。あるいは、ITO等を用いてスパッタリング等の方法によりグランド電極とべた電極との間に導電層を形成してもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
<脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の調製>
製造例1(脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の製造)
攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、国際公開第2012/121291号の明細書における実施例1と同様にして製造されたペンタメチレンジイソシアネート(以下、PDIと略する。)を500質量部、イソブチルアルコールを5質量部、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェノールを0.3質量部、トリス(トリデシル)ホスファイトを0.3質量部装入し、80℃で2時間反応させた。
次いで、イソシアヌレート化触媒としてN−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−エチルヘキサノエートを0.05質量部添加した。屈折率とイソシアネートの純度を測定し、所定のイソシアネート基転化率に至るまで反応を継続した。50分後に所定のイソシアネート基転化率(10質量%)に達したため、o−トルエンスルホンアミドを0.12質量部添加した。得られた反応液を薄膜蒸留装置(真空度0.093KPa、温度150℃)に通液して未反応のペンタメチレンジイソシアネートを除去し、さらに、得られた組成物100質量部に対し、o−トルエンスルホンアミドを0.02質量部添加し、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を得た。
<PDIの濃度(単位:質量%)の測定>
以下のHPLC分析条件下で得られたクロマトグラムの面積値から作成した検量線により、前述のようにして製造したポリイソシアネートの誘導体中のPDIの濃度を算出した。
装置;Prominence(島津製作所社製)
1) ポンプ LC−20AT
2) デガッサ DGU−20A3
3) オートサンプラ SIL−20A
4) カラム恒温槽 COT−20A
5) 検出器 SPD−20A
カラム;SHISEIDO SILICA SG−120
カラム温度;40℃
溶離液;n−ヘキサン/メタノール/1,2−ジクロロエタン=90/5/5(体積比)
流量;0.2mL/min
検出方法;UV 225nm
脂肪族ポリイソシアネートの誘導体のペンタメチレンジイソシアネート濃度は0.5質量%であった。
<イソシアネート基含有率(単位:質量%)の測定>
前述のようにして製造したポリイソシアネートの誘導体のイソシアネート基含有率は、電位差滴定装置を用いて、JIS K 1556(2006年)に準拠したn−ジブチルアミン法により、測定した。ポリイソシアネートの誘導体のイソシアネート基含有率は23.5質量%であった。
<イソシアヌレート基に対するアロファネート基の含有割合の測定>
下記の装置および条件にてH−NMRを測定し、各ピークの積分値から前述のようにして製造したポリイソシアネートの誘導体におけるイソシアヌレート基100モルに対するアロファネート基の含有割合を測定した。
化学シフト0ppmの基準として、テトラメチルシランを用いた。
装置; JNM−AL400(JEOL製)
条件; 測定周波数:400MHz、溶媒:DMSO、濃度:5%
測定温度:室温、スキャン回数128回
パルス間隔:15秒
アロファネート基のピーク範囲:8.3ppm〜8.7ppm
イソシアヌレート基のピーク範囲:3.8ppm
ポリイソシアネートの誘導体におけるアロファネート基の含有割合は、イソシアヌレート基100モルに対して55モルであった。
<ウレタン樹脂の製造および物性測定>
製造例2(ウレタン樹脂の製造)
ポリオール成分であるP−510(商品名「クラレポリオールP−510」、平均水酸基価226mgKOH/g、平均官能基数2、クラレ社製)を100質量部、および、BYK−A535(消泡剤、ビックケミージャパン製)0.02質量部を、50℃において均一に混合して混合液とした。ポリイソシアネート成分として、製造例1の脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を用いた。そして、ポリイソシアネート成分および前述の混合液を、ポリオール成分の水酸基に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.0となるように混合してウレタン樹脂組成物を調製した。調製したウレタン樹脂組成物を減圧下にて脱泡し、2mmおよび10cmの金属製注型モールドに流し込み60℃にて12時間加温し硬化反応を行った。これにより、ウレタン樹脂を得た。そして、後述するように、得られたウレタン樹脂のヤング率、貯蔵弾性率、ヘイズおよび硬度を測定した。
(ヤング率の測定)
2mmの金属製注型モールドを用いて得られたウレタン樹脂を、JIS−3号ダンベルにて打ち抜いた。次いで、引張試験機(エー・アンド・デイ社製、モデル:RTG−1310)を用いて、23℃、相対湿度55%の雰囲気下、引張速度100mm/min、チャック間距離20mmの条件で引張試験した。得られた応力ひずみ線図における弾性域(の線形部)の傾きをヤング率(単位:MPa)とした。ウレタン樹脂のヤング率は、10MPaであった。
<貯蔵弾性率(単位:MPa)の測定>
2mmの金属製注型モールドを用いて得られたウレタン樹脂を、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社製DVA−220)を用いて、引張モード、周波数10Hz、昇温速度5℃/min、温度範囲−100℃〜250℃で測定し、25℃における貯蔵弾性率の値を求めた。ウレタン樹脂の貯蔵弾性率は、6.4MPaであった。
<ヘイズ(光透過性)の測定>
2mmの金属製注型モールドを用いて得られたウレタン樹脂を用い、JIS K 7136(2000年)に準じて、Haze Meter(日本電色工業製、モデル:NDH 2000、光源:D65)によりヘイズ(単位%)を測定した。ウレタン樹脂のヘイズは0.2%であった。
<硬度の測定>
10mmの金属製注型モールドを用いて得られたウレタン樹脂を用い、JIS K 7312(1996年)に準じてタイプA硬さ試験を測定した。ウレタン樹脂の硬度は、70Aであった。
<リボン状圧電体(スリットリボン)の作製>
ヘリカルキラル高分子(有機圧電材料の一例)としてのNatureWorks LLC社製ポリ乳酸(品名:IngeoTM biopolymer、銘柄:4032D)100質量部に対して、安定化剤〔ラインケミー社製Stabaxol P400(10質量部)、ラインケミー社製Stabaxol I(70質量部)、および日清紡ケミカル社製カルボジライトLA−1(20質量部)の混合物〕1.0質量部を添加し、ドライブレンドして原料を作製した。
作製した原料を押出成形機ホッパーに入れて、210℃に加熱しながらTダイから押し出し、50℃のキャストロールに0.3分間接触させて、厚さ150μmの予備結晶化シートを製膜した(予備結晶化工程)。前記予備結晶化シートの結晶化度を測定したところ6%であった。
得られた予備結晶化シートを70℃に加熱しながらロールツーロールで、延伸速度10m/分で延伸を開始し、3.5倍までMD方向に一軸延伸した(延伸工程)。得られたフィルムの厚さは49.2μmであった。
その後、前記一軸延伸フィルムを、ロールツーロールで、145℃に加熱したロール上に15秒間接触させアニール処理し、その後急冷を行って、圧電フィルムを作製した(アニール処理工程)。
その後、さらに圧電フィルムをスリット加工機を用いて、スリットする方向と圧電フィルムの延伸方向とが略平行となるように幅0.6mmでスリットした。これにより、リボン状圧電体として、幅0.7mm、厚さ49.2μmのスリットリボンを得て、これをリボン状圧電体とした。なお、得られたスリットリボンの断面形状は矩形であった。
<圧電ラインの作製>
本実施例に示す圧電センサ(以下、「圧電ライン」とも称する)は以下に示す方法により作製した。
まず内部導体(信号線導体)として、明清産業社製錦糸線U24−01−00(線径0.3mm、長さ250mm)を準備した。
次に、上記のようにして得た幅0.7mm、厚さ49.2μmのリボン状圧電体(スリットリボン)を錦糸線の周りに左巻きに、錦糸線の長軸方向に対して45°の方向を向くように(螺旋角度45°)、錦糸線が露出して見えないよう隙間なく、螺旋状に巻回し、錦糸線を包接した。なお、「左巻き」とは、信号線導体(錦糸線)の軸方向の一端から見たときに、信号線導体の手前側から奥側に向かってリボン状圧電体が左巻きで巻回していることをいう。
外部導体として、幅0.3mm、厚さ30μmの平角断面の圧延銅箔リボンを準備し、この圧延銅箔リボンを、螺旋状に巻回されているリボン状圧電体の周りに、リボン状圧電体が露出しないよう隙間なく右巻きに巻回し、リボン状圧電体を包接した。
以上のようにして、圧電ラインを作製した。
<被覆圧電ラインの製造>
ポリプロピレン製のカップに前述のようにして作製した圧電ラインを設置した。製造例2に記載の操作にて、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含むウレタン樹脂組成物を調製し、減圧下にて脱泡した。圧電ラインが設置されたポリプロピレン製のカップにウレタン樹脂組成物を充填した。次いで、40℃に加温した真空オーブン内にポリプロピレン製のカップを入れ圧力200Paの減圧下にて3時間脱泡を行った。その後、ポリプロピレン製のカップから圧電ラインを取り出し、80℃にて2時間加温し硬化反応を行い、圧電ラインの外周がウレタン樹脂で被覆された被覆圧電ラインを得た。
〔実施例1〕
<電子回路システムを備える懐中電灯の製造>
以下の手順に基づき、電子回路システムを備える懐中電灯を製造した。
(回路基板の作製)
実施例1にて用いる回路基板は以下に示すようにして作製した。まず、厚さ50μmの透明PETフィルムに、インクジェットプリンタにより銀ナノインクを用いて回路パターンを描画後、無電解Cu鍍金でCu配線を形成したエレファンテック社の電子回路基板P−FLEXTMを用いた。
P−FLEXTMのCu配線が形成された面には、圧電ラインからの電荷信号によりON抵抗値が可変するFET(電界効果トランジスタ)からなるスイッチング部を備える発光制御部とFETのON時に発光する発光素子(白色LED)が搭載されている。また、所定の配線が片面に描画された電子回路基板に、必要な素子を半田づけして部品実装することにより回路基板を作製した。
(導電層の形成)
前述のようにして作製した回路基板について、実装された部品を静電シールドする導電層を以下のようにして作製した。導電層を作製することにより、FETのゲート電位が、外部の電位の影響を受けにくく、電子回路システムの誤作動を抑制できる。
まず、回路基板の配線が描画された面に前述のウレタン樹脂の絶縁被膜を設けた。次に、絶縁被膜が設けられた回路基板を包むように導電性コーティング剤(ナガセケムテックス社製ポリチオフェン系導電性高分子「PEDOT/PSS」をベースとした導電性コーティング材料「デナトロン」)をスプレーコートして導電層を形成した。なお、導電性コーティング剤をスプレーコートする前に、スプレーコートする面に、燃焼ガスと空気の混合ガスを燃やすことで空気中の酸素をプラズマ化させて発生させた酸素プラズマを付与し、親水化を図る処理(フレーム処理)を行った。さらに、導電層と、回路基板のグランド電極(電池のマイナス極)を導電層で電気的に短絡し静電シールドとした。電子回路基板に各部品を実装し、絶縁被膜および導電層を設けた回路基板の概略図を図1に示す。図1(a)は、上面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。
次に、底面が半円形の柱状の雌型(半径1.5cm、長さ15cm)をシリコン樹脂を用いて作製した。そして、製造例2に記載の操作にて、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含むウレタン樹脂組成物を調製し、減圧下にて脱泡した。シリコン樹脂製の雌型にウレタン樹脂組成物を流し込み、60℃にて12時間加温し硬化反応を行い、半円形の柱状ウレタン樹脂を得た。2つの半円形の柱状ウレタン樹脂で導電層作製後の回路基板をサンドイッチしたものをシリコン型内に配置し、50℃に加温した製造例2に記載のウレタン樹脂組成物をシリコン型内に注入後、圧力200Paの減圧下にて3時間脱泡を行った。その後、60℃のオーブンで12時間加温してウレタン樹脂組成物を硬化し、シリコン型より離型し、ウレタン樹脂で電子回路基板を包埋した樹脂円柱体を得た。樹脂円柱体の概略図を図2に示す。図2(a)は、上面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。
次に、前述の樹脂円柱体を雌型のシリコン型内に配置し、50℃に加温した製造例2に記載のウレタン樹脂組成物をシリコン型内に注入後、圧力200Paの減圧下にて3時間脱泡を行った。その後、60℃のオーブンで12時間加温してウレタン樹脂組成物を硬化し、シリコン型より離型し、樹脂成型体を得た。
そして、50cmの長さにカットした前述の被覆圧電ラインの内部導体と、外部導体とを解繊し、それぞれを引き出した後、樹脂成型体から突出した圧電ライン接続用ベロに設けられた二か所の銅箔に、引き出した内部導体および外部導体をそれぞれ半田づけして電子回路基板に電気的に接続した。
次に、被覆圧電ラインを樹脂成型体の表面に螺旋状に巻き付けた。被覆圧電ラインを巻き付けた樹脂成型体の概略図を図3に示す。図3(a)は、上面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線断面図である。
被覆圧電ラインを巻き付けた樹脂成型体を、シリコン型内に配置し、50℃に加温した製造例2に記載のウレタン樹脂組成物をシリコン型内に注入後、圧力200Paの減圧下にて3時間脱泡を行った。その後、60℃のオーブンで12時間加温してウレタン樹脂組成物を硬化し、シリコン型より離型し、電子回路システムを備える懐中電灯を得た。この懐中電灯では、被覆圧電ラインがウレタン樹脂(被覆層)により被覆されている。コイン電池CR2032を2枚直列に接続し、懐中電灯のグリップエンドに設けた電池設置部に挿入した。懐中電灯の概略図を図4に示す。図4(a)は、上面図であり、図4(b)は、図4(a)のA−A線断面図である。
得られた懐中電灯を握ったとき、被覆圧電ラインから電荷(電圧)信号が出力され、出力された電荷信号に基づき、発光素子が点灯するように制御され、把持以外には反応しない発光素子の点灯挙動を確認した。
〔実施例2〕
<電子回路システムを備える懐中電灯の製造>
実施例1と同様にして電子回路基板に各部品を実装した。その後、導電層を形成せずに、実施例1と同様にして懐中電灯形状の成型体を得た。得られた懐中電灯形状の成型体について、以下の手順に基づき、導電層およびウレタン樹脂保護層を形成して懐中電灯を完成させた。
まず、得られた懐中電灯形状の成型体の全面に、燃焼ガスと空気の混合ガスを燃やすことで空気中の酸素をプラズマ化させて発生させた酸素プラズマを付与し、親水化を図る処理(フレーム処理)を行った。
次に、導電性コーティング剤(ナガセケムテックス社製ポリチオフェン系導電性高分子「PEDOT/PSS」をベースとした導電性コーティング材料「デナトロン」)をフレーム処理後の成型体の全面にスプレーコートして導電層を形成した。さらに、形成した導電層と、回路基板の電池のマイナス極間に導電性コーティング剤を塗布し電気的に短絡し静電シールドとした。
そして、導電層の表面にウレタン樹脂組成物を薄くスプレーコートした後、硬化処理し、導電層を保護するウレタン樹脂保護層を形成することにより、懐中電灯を完成させた。懐中電灯の概略図を図5に示す。
得られた懐中電灯を握ったとき、発光素子の点灯挙動を確認した。
〔実施例3〕
<電子回路システムを備える懐中電灯の製造>
まず、実施例1にて用いたP−FLEXTMのCu配線が形成された面と反対側の面に静電シールド用の銅箔べた電極を全面に描画した。配線パターン面のグランド電極(電源となるコイン電池のマイナス極に接続される配線パターン)と、裏面の銅箔べた電極間に前述の導電性コーティング剤を塗工して導電層を形成し、導電層を介して両電極を電気的に接続し静電シールドとした。べた電極との電気的な接続方法は本実施例の形に限定されず、スルーホールなどにより電気的な接続を図ってもよい。
その後、実施例1と同様にして懐中電灯を製造した。懐中電灯の概略図を図6に示す。得られた懐中電灯を握ったとき、発光素子の点灯挙動を確認した。
〔実施例4〕
<電子回路システムを備える懐中電灯の製造>
発光素子として紫外線を発光するUV−LEDを用い、かつ、樹脂円柱体を成型して懐中電灯を製造する際に用いるウレタン樹脂組成物に透明蛍光色素を混合させたものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして懐中電灯を製造した。より具体的には、樹脂円柱体を成型して懐中電灯を製造する際、製造例2に記載のウレタン樹脂組成物100質量部に対して、透明蛍光色素(シンロイヒ製マジックルミノペイント、発光時緑)を5質量部の比率で加え、撹拌混合したものを用いた。
得られた懐中電灯を握ったとき、緑色の発光を認識したことにより、発光素子の点灯挙動を確認した。
〔実施例5〕
<電子回路システムを備えるアームレストの製造>
実施例5では、電子回路システムを備えるアームレストを製造した。製造したアームレストの概略図を図7に示す。図7(a)は、アームレストを備えるシートの側面図であり、図7(b)は、図7(a)の矢印A方向から見たアームレストを示す図であり、図7(c)は、アームレストの側面図である。
実施例5では、電子回路基板としてガラスエポキシ電子回路基板を用いた点、被覆圧電ラインを螺旋状に巻回した樹脂円柱体を成型して図7に示すアームレストを成型した点、発光素子(白色LED)以外の素子(発光制御部、電源部等)はアームレスト外に配置した点以外は、実施例1と同様である。
製造されたアームレストを握ったとき、発光素子の点灯挙動を確認した。
〔比較例1〕
<電子回路システムを備える懐中電灯の製造>
実施例1のウレタン樹脂組成物の代わりにPMMA(メタクリル酸メチルの塊状重合物)を用いたことおよび導電層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして懐中電灯を製造した。なお、比較例1では、PMMAのモノマであるメタクリル酸メチルの重合硬化時間を2時間とし、硬化温度を140℃とした。
比較例1で用いたPMMAを硬化して得たアクリル樹脂について、前述と同様にヤング率、貯蔵弾性率およびヘイズを測定した。アクリル樹脂について、ヤング率は3000MPa、貯蔵弾性率は3000MPaおよびヘイズは0.1%であった。
得られた懐中電灯を握ったとき、歪量が小さく不点灯であった。
<電子回路システムの誤作動の確認>
実施例1〜実施例5および比較例1にて得られた電子回路システムを備える懐中電灯、電子回路システムを備えるアームレストについて、電子回路システムの誤作動の確認を以下の手順で行った。
まず、直径2cm、長さ20cmのエボナイト棒を毛皮を用いて摩擦帯電させた。次にエボナイト棒の表面電位を、非接触表面電位計(メーカ:TREK社、型番MODEL 541A−1)用いて1000V以上に帯電していることを確認した。帯電したエボナイト棒の長手方向と、発光制御部が配置された回路基板の長手方向とが略平行になるようにし、圧電ラインを含む電子回路システムの最外層面から5mm〜1cmの距離に近接させたとき、圧電ラインに外力を印加していない状態で、発光素子が点灯するか、不点灯となるかを確認した。
圧電ラインに外力を印加していない状態で、発光素子が点灯すれば、エボナイトの表面電荷の存在により、発光素子のON−OFFを制御するFETのゲート電位が変化してFETがON状態となったため、電子回路システムが誤作動したと判断した。また、発光素子が点灯しなければ回路基板の静電シールド性が良好であり電子回路システムは誤作動していないと判断した。
各実施例の結果を以下の表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜5の電子回路システムでは、懐中電灯およびアームレストを握ることにより、発光素子の点灯挙動を確認でき、検知感度に優れていた。
また、表1に示すように、実施例1〜5の電子回路システムでは、誤作動は生じていない一方、比較例1の電子回路システムでは誤作動が生じた。

Claims (13)

  1. 外力による歪に応じて電気的変位が生じるセンサと、
    前記センサと接続した回路基板と、
    前記センサを少なくとも覆う被覆層と、
    を備え、
    前記被覆層は、23℃におけるヤング率が0.02MPa以上2000MPa以下であり、JIS K 7136(2000年)に準拠して、25℃で測定したときのヘイズが50%以下である樹脂を含む、電子回路システム。
  2. 前記センサが、圧電センサである請求項1に記載の電子回路システム。
  3. 前記圧電センサが、内部導体と、前記内部導体の外周面を被覆する圧電体と、前記圧電体の外周に配置された外部導体と、を備える請求項2に記載の電子回路システム。
  4. 前記圧電体は、有機圧電材料を含み、かつ長尺状であり、前記内部導体に対して一方向に螺旋状に巻回されて設けられている請求項3に記載の電子回路システム。
  5. 光、音声、振動および画像の少なくとも一つを出力する出力部と、
    前記電気的変位に基づき前記出力部の出力を制御する制御部と、
    をさらに備える請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子回路システム。
  6. 前記出力部は少なくとも光を射出し、
    前記出力部から射出された光を受光する受光部をさらに備える請求項5に記載の電子回路システム。
  7. 前記出力部は少なくとも光を射出し、
    前記被覆層は、色素成分を更に含む請求項5または請求項6に記載の電子回路システム。
  8. 前記樹脂の前記ヘイズは20%以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電子回路システム。
  9. 前記樹脂が、ポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応生成物である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の電子回路システム。
  10. 前記ポリイソシアネート成分は、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含む請求項9に記載の電子回路システム。
  11. 前記回路基板の導体部を静電シールドする導電層を更に備える請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の電子回路システム。
  12. 前記導電層は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)を含む請求項11に記載の電子回路システム。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の電子回路システムの製造方法であって、
    前記被覆層の形成に用いる樹脂組成物を25℃以上130℃以下で硬化させて前記被覆層を形成する工程を含む電子回路システムの製造方法。
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