JP2020012326A - 沈木破砕装置および沈木切削用ビット - Google Patents

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【課題】切削ビットの交換の頻度を下げることが可能な沈木破砕装置および切削ビットを提案する。【解決手段】水底の沈木を破砕するための沈木破砕装置1であって、中心軸を中心に回転可能に設けられた円柱状のカッタドラム3と、カッタドラム3の外周面に設けられた複数の沈木切削用ビット4とを備えている。沈木切削用ビット4は、中央部にボルト孔が形成された正方形状の刃部5と、カッタドラム3に固定された基部6とを有している。刃部5は、1つの角部の先端をカッタドラム3の中心軸と直交する方向に突出させた状態でボルト孔に挿入されたボルトにより基部6に締着されている。【選択図】図3

Description

本発明は、水底の堆積物を破砕するための沈木破砕装置および沈木切削用ビットに関する。
ダム湖等の貯水池では、雨水や河川水等とともに流れ込んだ土砂等が水底に堆積する。水底に土砂等が多く堆積すると、貯水性能が低下する等、ダムとしての機能が低下するおそれがある。そのため、ダム湖等では、定期的に浚渫を行い、水底に堆積した土砂等(堆砂)を除去している。浚渫は、バックホウやグラブバケット等を利用して水底の堆砂をすくい上げる方法や、ポンプを利用して堆砂を吸引する方法等が採用される。ところが、水底の堆砂には、沈木や根株等(以下、単に「沈木」という)が埋没している場合がある。沈木が堆砂中に埋没していると、バケットが沈木に引っ掛かり堆砂をすくい上げられなくなることや、吸引管が沈木によって閉塞されることがあり、浚渫の効率が低下してしまう。そのため、浚渫の前処理として、カッタドラムを備えた切削装置により沈木を吸引可能な状態に破砕しておくことで、作業の効率化を図る場合がある。
カッタドラムを備えた切削装置として、例えば、特許文献1には、アームの先端にカッターヘッドが取り付けられた水底掘削機が開示されている。カッターヘッドは、外周面に複数のビットが固定された4つの円筒状のカッタドラムを備える。また、特許文献2には、水上から吊下された水中掘削機本体であって、外面に多数のピック(切削ビット)が固定された一対のカッタドラムを備えるものが開示されている。
このような切削装置には、留具用穴が形成された基部と、基部の先端部に一体に形成された刃部とを備える切削ビットを使用するのが一般的である(特許文献3参照)。切削ビットは、カッタドラムに形成された取付部に基部を挿入するとともに、取付部と基部との留具用穴にピンを挿入することで、カッタドラムに固定する。なお、従来の水中掘削機に使用される切削ビットは、岩盤やコンクリート等を対象としており、水中で使用する木材切削ビットではなかった。
特開2011−236619号公報 特開平06−093794号公報 特開平11−081368号公報
切削ビットが摩耗した場合には、カッタドラムからピンを抜き取って、切削ビットを交換する。ピンは、切削中に切削ビットが抜け落ちることがないように、カッタドラムに強固に固定されているため、ピンを抜き取るには手間がかかる。その結果、カッタドラムに多数設置された切削ビットを全て交換するには時間がかかる。そのため、工期短縮化の観点から、切削ビットの交換の頻度を下げることが望まれていた。切削ビットの交換の頻度を下げることができれば、切削ビットの総数量を減らすことが可能となり、その結果、材料費の低減化を図ることも可能となる。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、切削ビットの交換の頻度を下げることが可能な沈木破砕装置および切削ビットを提案することを課題とする。
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、水底の沈木を破砕するための沈木破砕装置であって、中心軸を中心に回転可能に設けられた円柱状のカッタドラムと、前記カッタドラムの外周面に設けられた複数の沈木切削用ビットとを備えている。前記沈木切削用ビットは、中央部にボルト孔が形成された正多角形状の刃部と、前記カッタドラムに固定された基部とを有しており、前記刃部は、1つの角部の先端を前記カッタドラムの中心軸と直交する方向に突出させた状態で、前記ボルト孔に挿入したボルトにより前記基部に締着されている。
また、請求項2に記載の沈木破砕装置は、前記刃部のうち前記カッタドラムの回転方向前側の面が、各角部の先端に向かうに従って面外方向に突出している。
また、請求個3に記載の沈木破砕装置は、同一線を中心に回転可能に並設された一対の前記カッタドラムを備えており、一方の前記カッタドラムの前記沈木切削用ビットのうち最も他方の前記カッタドラム側に配設された沈木切削用ビット(刃部)の突出長が、一方の前記カッタドラムに配設された他の沈木切削用ビットの突出長よりも小さい。
請求項4に記載の発明は、留具用溝または留具用穴が形成された基部と、正面視正多角形状で、かつ、中央部にボルト孔が形成された刃部と、前記ボルト孔を介して前記刃部を前記基部に締着するボルトとを備える沈木切削用ビットであって、前記刃部の各角部の一面側が、当該各角部の先端に向かうに従って面外方向に突出している。
また、請求項5に記載の沈木切削用ビットは、刃部が正面視正方形である。
本発明の沈木破砕装置によれば、刃部の先端の摩耗により切削能力が低下した場合であっても、ボルトを緩めて多角形状の刃部を回転させるのみで、切削能力が回復する。そのため、刃部の先端が摩耗するたびに沈木切削用ビットを交換する場合に比べて簡易に切削能力を回復させることができ、作業性に優れている。また、多角形状の刃部の各角部を利用することで、従来の沈木破砕装置よりも長期期間にわたって同一の沈木切削用ビットを使用することができ、経済的である。ゆえに、沈木切削用ビットの交換の頻度を下げることができ、その結果、工期短縮化および費用の低減化を図ることができる。
請求項2の沈木破砕装置によれば、前記刃部のうち、前記カッタドラムの回転方向前側の面が、各角部の先端に向かうに従って面外方向に突出しているため、刃部の先端がカッタドラムの回転とともに沈木に深く食い込むため、より効率的に沈木を破砕することができる。
請求項3の沈木破砕装置によれば、内側の沈木切削用ビットの突出長が他の沈木切削用ビット突出長よりも小さいため、外側の沈木切削用ビットから順に段階的に各刃部が沈木に接触することで、沈木が中央側(一対のカッタドラムの間)に誘導される状態となり、より効率的に切削することができる。
本発明の沈木切削用ビットによれば、刃部の先端の摩耗により切削能力が低下した場合であっても、ボルトを緩めて多角形状の刃部を回転させるのみで、切削能力が回復する。また、刃部の各角部の一面側が、当該各角部の先端に向かうに従って面外方向に突出しているため、沈木に刃部の先端がカッタドラムの回転とともに食い込みやすくなり、より効率的に沈木を破砕することができる。
本発明の実施形態に係る沈木破砕装置を備える水中可動式重機を示す側面図である。 図1に示す水中可動式重機の使用状況を示す側面図である。 沈木破砕装置を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。 沈木切削用ビット4の取付状況を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。 沈木切削用ビットの刃部を示す斜視図である。 沈木切削用ビットの基部を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。 水底の堆積物の吸引状況を示す側面図である。 (a)は気中実験の木材の設置状況を示す断面図、(b)は土中実験の木材の設置状況を示す断面図、(c)は水中実験の木材の設置状況を示す断面図である。 平板ビットを示す斜視図である。 切削後の沈木切削用ビットの状況を示す図であって、(a)は比較例、(b)は実施例である。
本実施形態では、ダム湖の水底に堆積した土砂(堆砂)を吸引除去する際に障害物となる沈木や根株等(以下、単に「沈木」という)を破砕する場合について説明する。堆砂中に埋設する沈木は、沈木破砕装置により吸引可能な形状に破砕する。
本実施形態の沈木破砕装置1は、図1に示すように、水中可動式重機2のアーム21の先端に取り付けられている。水中可動式重機2は、図2に示すように、作業船22に保持されたシャフト23の下端部において、シャフト23を中心に旋回可能に設けられている。また、水中可動式重機2は、シャフト23を昇降可能である。なお、水中可動式重機2は、必ずしもシャフト23を介して作業船22により支持されたものである必要はなく、例えば、水底を走行可能なものであってもよい。
沈木破砕装置1は、図3(a)および(b)に示すように、カッタドラム3と、沈木切削用ビット4を備えている。
カッタドラム3は、中心軸を中心に回転可能に設けられた円筒状の部材である。本実施形態では、一対のカッタドラム3,3が、同一線を中心に回転可能に並設されている。本実施形態のカッタドラム3の中心軸は、アーム21に対して直交している。一対のカッタドラム3は、アーム21の先端に形成された取付部24を挟んで対向している。カッタドラム3の外周面には、複数の沈木切削用ビット4,4,…が設けられている。
カッタドラム3の外周面には、沈木切削用ビット4を固定するための複数のビット固定部31,31,…が形成されている。本実施形態のカッタドラム3の外周面には、列状に並設された3つのビット固定部31,31,31を組とするビット固定部31の列がカッタドラム3の周方向に12列設けられている。図3(b)に示すように、カッタドラム3を側面視すると、複数のビット固定部31は、カッタドラム3の外周面に放射状に配置されている。ビット固定部31は、沈木切削用ビット4の一部を挿入可能に形成された筒状体であって、カッタドラム3の外面に一体に形成されている。ビット固定部31には、沈木切削用ビット4を固定するための固定用孔32が形成されている。なお、ビット固定部31の形状は限定されるものではない。また、ビット固定部31の配置も限定されるものではない。
本実施形態では、カッタドラム3の軸方向に並設された3つの沈木切削用ビット4,4,4を組とする沈木切削用ビット4の列が、カッタドラム3の周方向に所定の間隔をあけて12列配設されている。なお、各列に配設される沈木切削用ビット4の数は限定されるものではない。また、カッタドラム3の周方向に配設される沈木切削用ビット4の列数も限定されるものではない。
列状に並設された3つの沈木切削用ビット4,4,4のうち、最も内側(他方の前記カッタドラム3側)に配設された沈木切削用ビット41の突出長は、他の2つの沈木切削用ビット42,42の突出長よりも小さい。すなわち、一対のカッタドラム3,3に対して列状に配設された計6個の沈木切削用ビット4,4,…のうち、中央の二つの沈木切削用ビット41,41の先端は、他の沈木切削用ビット42,42,…の先端を結ぶ直線よりもカッタドラム3側に位置している。本実施形態では、内側の沈木切削用ビット41の先端と、他の沈木切削用ビット42の先端との間に12mmの段差を有している。なお、内側の沈木切削用ビット4の突出長と他の沈木切削用ビット4,4の突出長との段差は、12mmに限定されるものではなく、例えば、15mm以上であってもよいし、0mmであってもよい。また、並設された沈木切削用ビット4,4,4の突出長は、内側に向かうに従って徐々に小さくなるように調整されていてもよい。
図4(a)および(b)に示すように、沈木切削用ビット4は、中央部にボルト孔51が形成された正面視正方形の刃部5と、カッタドラム3に固定された基部6と、ボルト孔51を介して刃部5を基部6に締着する刃部固定用ボルト7とを有している。
刃部5は、沈木を切削するための刃であって、1つの角部の先端をカッタドラム3の中心軸と直交する方向に突出させた状態で基部6に固定されている。刃部5は、ボルト孔51に挿入された刃部固定用ボルト7により基部6に締着されている。刃部5の各角部の一面側(カッタドラム3の回転方向前側の面側)は、図5に示すように、各角部の先端に向かうに従って面外方向(カッタドラム3の回転方向前側)に突出している。なお、刃部5の形状は正面視正多角形状であれば限定されるものではない。また、刃部5の角部は、必ずしも面外方向に向かって突出している必要はない。
基部6は、刃部5の支持部材である。本実施形態の基部6はビット固定部31に挿入すされる脚部61と、ビット固定部31から突出する頭部62とを備えている。
脚部61は、図6(a)および(b)に示すように、正面視で頭部62よりも幅が狭く、側面視で頭部62よりも厚みが小さい板状部分である。脚部61の後面(カッタドラム3の回転方向後側の面)の高さ方向中央には、留具用溝63が形成されている。留具用溝63は、断面視半円上の凹部であって、脚部61をビット固定部31に挿入した際に、ビット固定部31に形成された固定用孔32と重なるように形成されている。基部6は、脚部61に挿入した状態で、固定用孔32に挿入されたビット固定用ボルト33により固定される。すなわち、基部6は、ビット固定用ボルト33によりビット固定部31からの抜け出しが防止されている。なお、留具用溝63の形状は限定されるものではない。また、基部6には、溝(留具用溝63)に代えて穴(留具用穴)が形成されていてもよい。本実施形態では、基部6を固定するための留具としてボルト(ビット固定用ボルト33)を使用したが、留具はボルトに限定されるものではなく、例えばピンであってもよい。また、脚部61の形状寸法は、沈木切削用ビット4を設置するカッタドラム3の構造に応じて適宜設定すればよい。
頭部62は、脚部61の先端に形成されていて、正面視六角形状を呈している。なお、頭部62の形状は限定されるものではなく、例えば、正面視矩形であってもよい。頭部62の中央部には、刃部固定用ボルト7を挿通するための貫通孔64が形成されている。貫通孔64は、頭部62を前後方向(カッタドラム3の回転方向)に貫通している。頭部62の前面には、下側が前方に突出する段差65が形成されている。頭部62の前面に形成された段差65は、正面視V字状を呈している。段差65の角度は45°であって、刃部5の角部の角度と一致している。すなわち、段差65には、図4(b)に示すように、刃部5の一つの角部が係止される。
沈木破砕装置1を利用して水底の沈木を破砕する際には、まず、水中可動式重機2のアーム21の先端に沈木破砕装置1を設置する。次に、図2に示すように、作業船22に保持されたシャフト23の下端部まで水中可動式重機2を下降させる。そして、カッタドラム3を回転させつつ、水底に沈木破砕装置1を接触させる。水底の堆砂に埋没した沈木は、カッタドラム3に設けられた沈木切削用ビット4によって切削される。このとき、必要に応じて水中カメラや探査レーダ等を利用して、沈木の位置を確認しながら、沈木破砕装置1を操作する。沈木に沈木切削用ビット4の刃部5の先端が接触すると、先端に向かうに従って面外方向に突出している刃部5がカッタドラム3の回転に伴って沈木に食い込むとともに当該沈木を切削する。なお、沈木の切削により刃部5の先端が摩耗したら、刃部5を回転させて、あらたな角部により切削を行う。
沈木の切削が完了したら、図7に示すように、水中可動式重機2のアーム21の先端に設置された沈木破砕装置1を吸引手段8に交換して、水底の堆積物を吸引する。
本実施形態の沈木破砕装置1によれば、刃部5の先端の摩耗により切削能力が低下した場合であっても、正方形状の刃部5を90°回転させるのみで、切削能力が回復する。そのため、刃部5の先端が摩耗するたびに沈木切削用ビット4を交換する必要がなく、長期期間(四回転分)にわたって同一の沈木切削用ビット4を使用することができる。ゆえに、沈木切削用ビット4の交換の頻度を下げることができ、その結果、工期短縮化および費用の低減化を図ることができる。刃部5の回転は、刃部固定用ボルト7を緩めるのみで可能となるため、作業が容易である。
刃部5のうち、カッタドラム3の回転方向前側の面が、各角部の先端に向かうに従って面外方向に突出しているため、沈木に刃部5の先端がカッタドラム3の回転とともに沈木に深く食い込む。そのため、より効率的に沈木を破砕することができる。刃部5が沈木に対して鋭角的に接触して食い込むため、沈木の表面を滑ることが少なく、効率的に切削することができる。また、刃部5を沈木に食い込ませることで沈木を捉えた状態で切削することができ、刃部5と接触した際の押圧力による沈木の上下動(リバウンド)を抑えることができる。なお、岩盤等を対象とした従来の切削ビット(いわゆるピックや平板ビット)は、切削対象物に対して点または線で接触するため、切削面を滑る場合があり、切削効率が低下するおそれがあった。
また、刃部5が、先端に向かうに従って幅が狭くなるようにカッタドラム3に設置されているため、堆砂等に対して接触面が小さい。そのため、礫、小石、砂等をはじきながら沈木を切削することができる。すなわち、堆砂等に埋まった沈木であっても、堆砂等をかき分けて沈木を切削することができる。
また、刃部5は、先端から基部6との接合部に向かうに従って幅(断面積)が大きくなる形状を有しているため、根元(基部6との接合部)において破損し難い。そのため、長期的に使用することができる。
刃部5は、比較的単純な形状を有しているため、製作しやすく、製造コストが安い。また、単一形状の刃部5を使用しているため、単一のカッタドラム3に多形状の刃を備えた切削ビットを設置する場合に比べて、製造コストを低減することができる。刃部5と基部6とをボルト接合しているため、溶接する場合に比べて、簡易かつ早期に製造することができる。基部6(脚部61)の形状を一般的な切削ビットの取付構造に合わせることで、あらゆる機器に当該沈木切削用ビット4を取り付けることができる。
また、沈木破砕装置1に並設された複数の沈木切削用ビット4,4,4は、内側の沈木切削用ビット4の突出長が他の沈木切削用ビット4,4突出長よりも小さいため、外側の沈木切削用ビット4から順に段階的に各刃部5が沈木に接触する。その結果、沈木破砕装置1に接触した沈木は中央側に誘導される状態となるため、効率的に沈木を切削することができる。
以下、本実施形態の沈木破砕装置1の沈木切削用ビット4の性能を確認するために実施した実験結果について説明する。本実験では、気中、土中および水中において、沈木破砕装置1により木材を切削した際の出力トルクTを測定するとともに、切削後の木材の破断面を観測した。なお、実験に使用した木材は、直径300mmのモクマオウとした。木材の切削は、木材の長手方向に対してカッタドラム3の回転軸が直交する向き(縦方向)と、木材の長手方向とカッタドラム3の回転軸とが平行な向き(横方向)との2通りについて実施した。
気中実験は、図8(a)に示すように、木材Wを地面に載置して端部を固定した状態で行った。土中実験は、図8(b)に示すように、木材Wを地中に形成された凹部に設置して埋め戻した状態で行った。なお、図面において、符号Dは、木材Wを固定するための土のうである。また、水中実験は、図8(c)に示すように、水槽T内に木材Wを傾斜させた状態で固定した後、水槽Tに水を投入して木材Wを水に浸した状態で実施した。
また、比較例として、従来から使用されている平板ビット4a(図9参照)をカッタドラム3に取り付けた場合についても同様に気中実験と水中実験を行った。
表1に、各実験による出力トルクTを示す。ここで、出力トルクTは、式1により算出した。
Figure 2020012326
Figure 2020012326
表1に示すように、本実施形態の刃部5によれば、気中、土中および水中において、いずれも比較例の平板ビット4aよりも出力トルクTが大きかった。そのため、カッタドラム3の回転力を効率よく切削力に変換し高トルクで切削できることが確認できた。すなわち、本実施形態の刃部5は、カッタドラム3の回転力を効率よく切削力に変換し、高トルクで木材Wを切削しており、その結果、木材Wの切削をより早く完了できる。また、刃部5による木材Wへの食い込み効果および掻き寄せ効果により、効率的に切削することが可能である。
なお、実施例における木材Wの破砕状況と、比較例における木材Wの破砕状況を目視により確認したところ、破砕片の大きさ、破砕面の状況において両者に大きな差は見られなかった。
さらに、実験後の刃部5および平板ビット4aの状況を確認したところ、図10に示すように、実施例の刃部5は、先端から23mmの深さまで塗装がはがれているのに対し、比較例の平板ビット4aでは先端から12mmの深さまで塗装がはがれていた。したがって、本実施形態の刃部5が、平板ビット4aに比べてより深い送り量で切削しているところが確認できた。
以上の結果から解るように、本実施形態の沈木切削用ビット4によれば、沈木の切削を効率よく行うことができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、一対のカッタドラム3,3が並設されたいわゆるツインヘッダに沈木切削用ビット4を設置する場合について説明したが、沈木切削用ビット4を取り付ける装置の構成は限定されるものではない。例えば、カッタドラム3の数は2つに限定されるものではなく1つであってもよいし3つ以上であってもよい。また、一対のカッタドラム3,3は、必ずしも同一線を中心に回転可能に並設されている必要はなく、例えば、互いの回転軸が傾斜していてもよい。
1 沈木破砕装置
2 水中可動式重機
3 カッタドラム
4 沈木切削用ビット
5 刃部
51 ボルト孔
6 基部
63 留具用溝
7 刃部固定用ボルト(ボルト)

Claims (5)

  1. 水底の沈木を破砕するための沈木破砕装置であって、
    中心軸を中心に回転可能に設けられた円柱状のカッタドラムと、
    前記カッタドラムの外周面に設けられた複数の沈木切削用ビットと、を備え、
    前記沈木切削用ビットは、中央部にボルト孔が形成された正多角形状の刃部と、前記カッタドラムに固定された基部とを有しており、
    前記刃部は、1つの角部の先端を前記カッタドラムの中心軸と直交する方向に突出させた状態で前記ボルト孔に挿入されたボルトにより前記基部に締着されていることを特徴とする、沈木破砕装置。
  2. 前記刃部のうち、前記カッタドラムの回転方向前側の面は、各角部の先端に向かうに従って面外方向に突出していることを特徴とする、請求項1に記載の沈木破砕装置。
  3. 一対の前記カッタドラムが、同一線を中心に回転可能に並設されており、
    一方の前記カッタドラムの前記沈木切削用ビットのうち、最も他方の前記カッタドラム側に配設された前記沈木切削用ビットの突出長が、一方の前記カッタドラムに配設された他の沈木切削用ビットの突出長よりも小さいことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の沈木破砕装置。
  4. 留具用溝または留具用穴が形成された基部と、
    正面視正多角形状で、かつ、中央部にボルト孔が形成された刃部と、
    前記ボルト孔を介して前記刃部を前記基部に締着するボルトと、を備える沈木切削用ビットであって、
    前記刃部の各角部の一面側が、当該各角部の先端に向かうに従って面外方向に突出していることを特徴とする沈木切削用ビット。
  5. 前記刃部が、正面視正方形であることを特徴とする、請求項4に記載の沈木切削用ビット。
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