JP2020012195A - 水電解システム及び水電解方法 - Google Patents

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祐介 佐々木
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Abstract

【課題】本願は、電源から水電解装置へ供給される電力が変動した場合であっても、迷走電流による水電解装置から発生する酸素中の水素濃度の上昇を簡易に抑制し、水電解装置の運用に影響を及ぼすことを抑制する技術を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、第一の電解液に浸される第一の電解電極3A,3Bを有し、第一の電解電極間に電圧を印加することによって水素と酸素を発生させる第一の水電解装置1と、第一の電解液よりも導電性の低い第二の電解液に浸される第二の電解電極4A,4Bを有し、第二の電解電極間に電圧を印加することによって水素を発生させる第二の水電解装置2と、第一の水電解装置から発生する酸素中の水素濃度の上昇を抑制するように、系外の電源から供給される電力に応じて、第一の水電解装置及び第二の水電解装置への供給電力を制御する制御手段6A,6Bと、を備える、水電解システム100である。【選択図】図1

Description

本発明は、水電解システム及び水電解方法に関する。
水電解装置は、水を電気分解することによって水素を製造することができる(例えば特許文献1−2)。製造された水素は、例えば燃料電池等に使用される。従来の水電解装置として、例えば特許文献1−3に開示されている、アルカリ水を含む電解液を電気分解することによって水素を発生させる水電解装置(以下、アルカリ型水電解装置という)が挙げられる。また、陽極近傍で水を電気分解してプロトンを発生させ、得られたプロトンを、高分子を含む電解質を介して陰極近傍へ移動させ、陰極近傍においてプロトンが電子を受け取ることによって水素を発生させる水電解装置(以下、高分子型水電解装置という)も挙げられる。また、非特許文献1では、風力発電設備と高分子型水電解装置とを組み合わせたシステムの一例が開示されている。また、風力エネルギーや太陽エネルギーなどの自然エネルギーを利用して発電を行う場合に、風速変化や発電量などを予測することに関する技術が開示されている(例えば特許文献4−6)。
特開2018−165392号公報 国際公開第2017/149606号 特開2017−179557号公報 特許第4808754号公報 特開2007−104786号公報 特開2013−219941号公報
佐々木加津也ら、"風力発電出力変動分の水電解による水素エネルギー化技術"、平成17年11月25日、第27回風力エネルギー利用シンポジウム
アルカリ型水電解装置は、高分子型水電解装置と比較して、装置の構造が単純であることから大型化しやすく、単位水素製造量当たりの初期コストを低減することができる利点を有する。アルカリ型水電解装置は、その電解液が電気分解される場合、電解電極の陽極近傍において酸素が発生し、陰極近傍において水素が発生する。
しかしながら、アルカリ型水電解装置においては、電解液が導電性を持つため電解槽内の電解液および金属部材を通じて陽極の一部分が陰極となり、本来酸素が生じるべき場所で水素が発生することで酸素と水素の混合ガスが生じる。また、陰極でも同様に部分的に酸素が生じる。これは、迷走電流として知られ、アルカリ型水電解装置特有の現象である。特に、陽極側において発生した水素が酸素中の水素濃度4%を超える場合には、水素と酸素の反応は連鎖反応となる虞がある。
ここで、水電解装置に供給される電力には、例えば太陽光や風力といった自然エネルギーを利用して発電された電力が使用されることが考えられる。しかしながら、これら自然エネルギーを利用した発電は、その発電量が概して一定でなく自然現象の影響を受けて変動することとなる。そして、アルカリ型水電解装置は、電気分解に使用される電力が小さ
い場合、迷走電流が相対的に増加することによって陽極において発生する酸素に含まれる水素の濃度は高くなる。よって、生成される酸素と水素との反応性が高まり、水電解装置の運用に影響が及ぶ虞が考えられる。つまり、水電解装置を運用するためには、発生する酸素に含まれる水素の濃度の上昇を抑制する技術を開発することが望まれる。
特許文献1に開示の技術では、アルカリ型水電解装置において生成される水素ガスの純度を維持するために、系外から供給される電気を整流する整流器、電解セル、そして整流器と電解セルとの間にスイッチ回路が設けられている。そして、供給電力に合わせてスイッチ回路を制御することにより、整流器と接続する電解セルの数を調整する技術が開示されている。また、整流器には、電解セルへ印加される電流を蓄える蓄電池が設けられている。当該技術によれば、電源から供給される電力が変動した場合であっても、アルカリ型水電解装置へ供給する電力を一定に保つことができ、水電解装置から生成される水素ガスの純度を保つことができる。このような特許文献1に開示の技術を転用すれば、陽極において発生する酸素中の水素濃度の上昇を抑制することが可能と考えられる。しかしながら、特許文献1に開示の技術では、水電解装置の構造が複雑となる。また、スイッチ回路が短期間に消耗する虞も考えられる。
そこで、本願は、電源から水電解装置へ供給される電力が変動した場合であっても、水電解装置から発生する酸素中の水素濃度の上昇を簡易に抑制し、水電解装置の運用に影響を及ぼすことを抑制する技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、第一の水電解装置と、第二の水電解装置とを備え、電源から供給される電力を第一の水電解装置と第二の水電解装置へ配分する水電解システムとすることとした。
詳細には、本発明は、第一の電解液に浸される第一の電解電極を有し、第一の電解電極間に電圧を印加することによって水素と酸素を発生させる第一の水電解装置と、第一の電解液よりも導電性の低い第二の電解液に浸される第二の電解電極を有し、第二の電解電極間に電圧を印加することによって水素を発生させる第二の水電解装置と、第一の水電解装置から発生する酸素中の水素濃度の上昇を抑制するように、系外の電源から供給される電力に応じて、第一の水電解装置及び第二の水電解装置への供給電力を制御する制御手段と、を備える、水電解システムである。
ここで、系外の電源とは、水電解システムの外部に存在する電源のことをいう。また、系外の電源から供給される電力は、実際に供給される電力、及び供給が予測される電力を含む。
第一の水電解装置では、第一の電解電極の陽極近傍で酸素が発生し、陰極近傍で水素が発生する。また、第一の電解液は、第二の電解液よりも導電性が高いため、第一の水電解装置は、迷走電流を生じさせやすい。そして、第一の水電解装置へ配分される電力が小さい場合には、迷走電流が相対的に増加することによって陽極近傍で水素が、陰極近傍で酸素が発生する虞がある。すなわち、陽極近傍で発生する酸素に含まれる水素濃度は、上昇する虞がある。
しかしながら、このような水電解システムであれば、第一の水電解装置から発生する酸素中の水素濃度の上昇を抑制するように、系外の電源から供給される電力に応じて、第一の水電解装置への供給電力は好適に制御可能である。よって、水電解システムの運用に影響が及ぶことは抑制される。また、第一の水電解装置の陰極近傍で発生する水素に含まれる酸素濃度の上昇も抑制することができる。
また、このような水電解システムは、第一の水電解装置あるいは第二の水電解装置の何れか一方の水電解装置への電力の供給を停止した場合であっても、他方の水電解装置から水素の発生を継続することができる。よって、可用性の高いシステムである。
また、第一の水電解装置は、第一の電解液がアルカリ水溶液を含むアルカリ型水電解装置であって、制御手段は、電源から供給される電力が、所定の閾値以下である場合に、電力を第一の水電解装置へ供給することを停止してもよい。
また、所定の閾値は、第一の水電解装置から発生する酸素中の水素濃度を急激に上昇させる電力であってもよい。
また、所定の閾値は、第一の水電解装置の運転を回避する濃度の水素を含む酸素を発生させる電力であってもよい。
また、所定の閾値は、第一の水電解装置の定格電流の40%の電流を第一の水電解装置へ流すことのできる値であってもよい。
また、第二の水電解装置は、高分子を含む電解質を含み、第一の電解液よりも導電性の低い第二の電解液に浸される第二の電解電極が、電解質を挟んで設けられ、第二の電解電極間に電圧を印加することによって水素を発生させる、高分子型水電解装置であってもよい。
また、制御手段は、第一の水電解装置および第二の水電解装置に供給する電力を、第一の水電解装置から発生する酸素に含まれる水素の濃度に応じて制御してもよい。
また、制御手段は、電源と接続する水電解装置を第一の水電解装置と第二の水電解装置との間で切り替える切り替え手段を備えてもよい。
また、制御手段は、第一の水電解装置への電力の供給が停止した状態において、第一の水電解装置から発生する酸素に含まれる水素の濃度が第一の濃度以下である場合に、電源から供給される電力が第一の運転開始閾値よりも大きくなると、第一の水電解装置に対して電力の供給を再開し、第一の水電解装置から発生する酸素に含まれる水素の濃度が第一の濃度より大きい場合には、電源から供給される電力が第一の運転開始閾値よりも大きくなっても、第一の水電解装置に対して電力の供給を再開せず、電源から供給される電力が第一の運転開始閾値よりも大きな第二の運転開始閾値よりも大きくなると、第一の水電解装置に対して電力の供給を再開してもよい。
また、制御手段は、第一の水電解装置から発生する酸素に含まれる水素の濃度に応じて所定の閾値を変更してもよい。
また、制御手段は、電源における発電電力又は発電量を予測し、予測される発電電力又は発電量に基づき、第一の水電解装置又は第二の水電解装置への供給電力を制御してもよい。
また、本発明は、方法の側面から捉えることもできる。すなわち、例えば、第一の電解液に浸される第一の電解電極を有し、第一の電解電極間に電圧を印加することによって水素と酸素を発生させる第一の水電解装置と、第一の電解液よりも導電性の低い第二の電解液に浸される第二の電解電極を有し、第二の電解電極間に電圧を印加することによって水素を発生させる第二の水電解装置と、への系外の電源から供給される電力の配分を、系外
の電源から供給される電力に応じて、第一の水電解装置から発生する酸素中の水素濃度の上昇を抑制するように制御する制御ステップを備える、水電解方法であってもよい。
上記の水電解システムは、電源から水電解装置へ供給される電力が変動した場合であっても、水電解装置から発生する酸素中の水素濃度の上昇を簡易に抑制し、水電解装置の運用に影響を及ぼすことを抑制する技術を提供する。
図1は、本発明の実施形態にかかる水電解システムの概要の一例を示している。 図2は、再生可能エネルギーによる発電電力を売電する発電所において、出力制限などにより売電できない分の電力が水電解システムへ供給される概要の一例を示している。 図3は、発電設備において発電された電力が系統を介して水電解システムへ供給される一例を示している。 図4は、水電解システムの動作の概要を示すフローチャートの一例を示している。 図5は、風力発電設備において発電された電力の経時変化の一例を示している。 図6は、アルカリ型水電解装置の電解電極に印加される電流と酸素中の水素濃度との関係の一例を示している。 図7は、水電解システムのアルカリ型水電解装置から発生する酸素中の水素濃度と、アルカリ型水電解装置のみを稼働させた場合に発生する酸素中の水素濃度との比較の一例を示している。 図8は、水電解システムのアルカリ型水電解装置から発生する酸素中の水素濃度の計測値の経時変化を示している。 図9は、水電解システムの別の動作の概要を示すフローチャートである。 図10は、水電解システムの別の動作の概要を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
<装置構成>
図1は、本発明の実施形態にかかる水電解システム100の概要の一例を示している。図1に示されるように水電解システム100は、アルカリ型水電解装置1と高分子型水電解装置2とを備える。そして、水電解システム100は、アルカリ型水電解装置1および高分子型水電解装置2を同時に運用するシステムである。アルカリ型水電解装置1は、例えば、濃度が約30重量%程度の水酸化カリウム水溶液又は水酸化ナトリウム水溶液の電解液を有する水電解装置である。ここで、水酸化カリウム水溶液又は水酸化ナトリウム水溶液は、本発明の「第一の電解液」の一例である。一方で、高分子型水電解装置2は、高分子を含む電解質5を有する水電解装置である。ここで、アルカリ型水電解装置1は、本発明の「第一の水電解装置」の一例である。また、高分子型水電解装置2は、本発明の「第二の水電解装置」の一例である。
また、水電解システム100は、図示しないが、アルカリ型水電解装置1から発生する水素中の酸素の濃度を計測する酸素濃度計、及び酸素中の水素の濃度を計測する水素濃度計を備える。また、水電解システム100は、図示しないが、高分子型水電解装置2から
発生する水素中の酸素の濃度を計測する酸素濃度計、及び酸素中の水素の濃度を計測する水素濃度計も備える。
また、水電解システム100は、太陽光発電設備や風力発電設備等の電源から供給される電流が交流電流である場合に、交流電流を直流電流へ変換するAC/DCコンバータ6A、6Bを備える。AC/DCコンバータ6A、6Bは、交流電流を直流電流へ整流する機能と直流電流を指令された値に制御する機能を備える。また、アルカリ型水電解装置1は、陽極3A、陰極3Bを含む電解電極を備える。ここで、陽極3A及び陰極3Bは、本発明の「第一の電解電極」の一例である。そして、AC/DCコンバータ6Aによって変換された直流電流は、アルカリ型水電解装置1の陽極3A及び陰極3Bへ供給される。一方、高分子型水電解装置2は、電解質5を挟んで設けられる陽極4A、陰極4Bを含む電解電極を備える。ここで、陽極4A及び陰極4Bは、本発明の「第二の電解電極」の一例である。陽極4A及び陰極4Bの表面は、純水に浸される。ここで、純水は、本発明の「第二の電解液」の一例であって、アルカリ型水電解装置1の第一の電解液よりも導電性は低い。そして、AC/DCコンバータ6Bによって変換された直流電流は、高分子型水電解装置2の陽極4A及び陰極4Bへ供給される。
また、水電解システム100は、電源から水電解システム100へ供給される電力に応じてAC/DCコンバータ6A、6Bを制御し、電源から各水電解装置へ供給する電力の配分を調整するPLC(Programmable Logic Controller)7を備える。PLC7がAC/DCコンバータ6A、6Bを制御することにより、電源と接続する水電解装置をアルカリ型水電解装置1と高分子型水電解装置2との間で切り替えることが可能となる。ここでAC/DCコンバータ6A、6B及びPLC7は、本発明の「制御手段」及び「切り替え手段」の一例である。また、PLC7は、酸素濃度計又は水素濃度計の計測値に応じてAC/DCコンバータ6A、6Bを制御し、電源から供給される電力の各水電解装置への配分を調整することもできる。
また、水電解システム100は、アルカリ型水電解装置1や高分子型水電解装置2において発生した水素を貯蔵する水素タンク8を備える。水素タンク8に貯蔵された水素は、例えば燃料電池などに利用される。また、水電解システム100は、アルカリ型水電解装置1又は高分子型水電解装置2から発生した酸素を大気中に放出させるが、貯蔵して利用してもよいことは言うまでもない。
アルカリ型水電解装置1においては、陽極3Aと陰極3Bとの間に電圧が印加されることにより、陰極3Bの近傍では、電解液から水素分子と水酸化物イオンが生成される。一方、陽極3Aの近傍では、電解液中に含まれる水酸化物イオンから水分子と酸素分子が生成される。
しかしながら、アルカリ型水電解装置1においては、電解液が高い導電性を持つため電解槽内の電解液および金属部材を通じて陽極3Aの一部分が陰極となり、本来酸素が生じるべき場所で水素が発生することで酸素に水素が混合する。また、陰極3Bでも同様に部分的に酸素が生じ、発生する水素に酸素が混合する。これは、迷走電流として知られ、アルカリ型水電解装置特有の現象である。
ところで、アルカリ型水電解装置1から発生する水素と酸素は、下記の式(1)から式(3)のように化学反応する場合がある。
H+O→OH+O・・・(1)
O+H→OH+H・・・(2)
OH+H→HO+H・・・(3)
そして、例えば酸素に含まれる水素濃度が所定値よりも高い場合、式(1)から式(3)に示されるように、Hラジカル、Oラジカル、そしてOHラジカルといった活性種が多く生成されることとなる。よって、式(1)から式(3)の化学反応は連鎖反応となり、水素と酸素の反応が急激に進行することとなる。
ここで、アルカリ型水電解装置1へ供給される電力が小さい場合には、迷走電流が相対的に増加することによって、陽極3Aにおいて発生する酸素に含まれる水素の濃度が上昇する。特に、陽極3A側で発生した水素が酸素中の水素濃度4%を超える場合には、上述のように水素と酸素の反応は連鎖反応となる虞がある。このため、アルカリ型水電解装置1を使用して水素を生成する場合、上記の水素と酸素の化学反応が連鎖反応とならないように、アルカリ型水電解装置1へ供給する電力を調整する必要がある。なお、通常このような水素と酸素の化学反応が連鎖反応となる虞がある水素濃度の領域ではシステムや装置の運転が禁止されており、本実施形態においても、運転禁止領域として扱う。
また、酸素中の水素濃度が4%よりも低い場合であっても、システムや装置を運転する際には禁止領域に対して余裕をもって運転することが一般的である。本実施例では、酸素中の水素濃度が2%〜4%の場合は、このような運転を回避した方がよい領域に相当するものとし、これを運転回避領域として扱う。
さらに、酸素中の水素濃度が2%よりも低い場合であって、酸素中の水素濃度が急激に上昇するような領域を運転注意領域として扱う。運転注意領域で運転すると、陽極3A側で生成される酸素中の水素濃度が上昇するのと同様に、陰極3B側で生成される水素中の酸素濃度が後述の定常状態よりも上昇し、生成される水素の純度が低下する。このため、水電解システム100の運用に影響が及ぶ虞がある。
なお、このような運転禁止領域、運転回避領域、運転注意領域を除いた運転領域が定常状態として用いられる運転領域となる。このような領域での運転時には、アルカリ型水電解装置1には十分な電力が供給されていることになる。また、このような領域で運転すると、酸素中の水素濃度が低い状態の酸素が発生するため、陽極における水素濃度を低下させることができる。このため、このような定常状態を濃度回復領域とみなすこともできる。
一方、高分子型水電解装置2では、陽極4Aと陰極4Bとの間に、高分子を含む電解質5が設けられている。高分子型水電解装置2では、陽極4Aと陰極4Bとの間に電圧が印加され、陽極4Aの近傍に純水が流入させられることにより、陽極4Aの近傍においてプロトン及び酸素分子が生成される。そして生成されたプロトンは、電解質5を介して陰極4Bへ移動する。陰極4Bの近傍では、プロトンが電子を受け取り、水素分子が生成される。しかしながら、高分子型水電解装置2では、アルカリ型水電解装置1とは異なり、高分子型水電解装置2へ供給される電流が変動した場合であっても、発生する酸素に含まれる水素の濃度は、数百から数千ppmの範囲に収まり、急激に上昇することはない。これは、高分子型水電解装置が純水を用いており、問題となるような迷走電流の発生が抑制されているためである。
次に水電解システム100へ供給される電力について説明を行う。図2は、太陽光や風力といった再生可能エネルギーによる発電電力を売電する発電所において、出力制限などにより売電できない分の電力が水電解システム100へ供給される概要の一例を示している。図2に示されるように、発電所は、太陽光や風力といった再生可能エネルギーを利用して発電を行う発電設備50を備える。そして、発電設備50は、水電解システム100と同敷地内にある。そして、図2の例では、発電設備50において発電された電力のうち、電力系統へ売電できない余った電力が水電解システム100へ供給される。
また、上記の発電所は、電力系統に接続せず、発電設備50と同敷地内に工場などの負荷設備を有してもよい。そして、電力系統に接続しない閉じられた環境下において負荷設備で消費しきれず余った電力が水電解システム100へ供給されてもよい。
また、図2に示される例とは異なり、水電解システム100は、敷地外の外部電源から電力系統を介して電力を得てもよい。図3は、発電設備50が、水電解システム100と同敷地内になく、発電設備50において発電された電力が系統を介して水電解システム100へ供給される一例を示している。なお、図2及び図3に示される例では、水電解システム100に供給する電力の値である電力指令情報は、どこから得てもよい。
<動作例1>
次に、水電解システム100の動作の一例を説明する。図4は、水電解システム100の動作の概要を示すフローチャートの一例を示している。
(ステップS101)
ステップS101では、水電解システム100において電解のための電力供給が開始される。まず、太陽光発電設備や風力発電設備といった電源において発電された電力が水電解システム100へ供給される。図5は、風力発電設備において発電された電力の経時変化の一例を示している。図5に示されるように、風力による発電は、発電電力が一定ではなく変動している。つまり、太陽光発電設備や風力発電設備といった自然エネルギーを利用した発電では、電力は変動し、そのような変動した電力が水電解システム100へ供給されることとなる。このとき、PLC7は、電源から水電解システム100に供給される電力の値を取得する。
(ステップS102)
ステップS102では、PLC7は、電源からの供給電力が所定値よりも大きいか否かの判定を行う。ここで、図6は、アルカリ型水電解装置1の電解電極に流入する電流と、当該電解電極の陽極3Aにおいて発生する酸素に含まれる水素の濃度との関係の一例を示している。なお、アルカリ型水電解装置1の定格電流は0.6Acm−2である。また、供給される電流が大きな領域の水素濃度は図示されていないが、図示される部分の右端部とほぼ同じ濃度で一定となっている。
図6に示されるように、電解電極に流入する電流の電流密度が0.18Acm−2よりも小さい場合、酸素に含まれる水素の濃度が電流の減少に伴い上昇することが認められる。これは先に説明した運転注意領域に相当する。また、この電流密度0.18Acm−2は、本動作例1のアルカリ型水電解装置1の定格電流の30%の電流に相当する電力である。
逆の見方をすれば、この定格電流の30%の電流以上の電流をアルカリ型水電解装置1に供給すると酸素中の水素濃度が低い酸素が生成されることとなる。これにより、陽極4A側の水素濃度が高い状態になっていた場合には、酸素で希釈することとなり、相対的に陽極4A側の水素濃度を低下させることができる。すなわちこれは先に説明した濃度回復領域に相当する。そこで、本動作例では、所定値をアルカリ型水電解装置1の定格電流の30%の電流に相当する電力に設定する。このように濃度回復領域に所定値を設定することで、十分な電力が水電解システム100に供給される際にアルカリ型水電解装置1を積極的に動作させ、陽極4A側の酸素中の水素濃度を低下させることができる。すなわち、この所定値は、陽極の水素濃度を回復させるための運転開始閾値の役割を果たす。なお、本実施形態において、陽極4A側の酸素中の水素濃度を低下させることを回復と表現することがある。
(ステップS103)
ステップS103では、ステップS102において電源からの供給電力が所定値よりも大きいと判定された場合、PLC7は、アルカリ型水電解装置1への電力供給を決定する。アルカリ型水電解装置1に電力の供給が決定すると、アルカリ型水電解装置1の内部状態(主に電圧)から、アルカリ型水電解装置1への供給電流が決定する。
(ステップS104)
ステップS104では、ステップS102において電源からの供給電力が所定値以下であると判定された場合、PLC7は、アルカリ型水電解装置1において発生した酸素中の水素濃度が所定濃度値よりも高いか否かの判定を行う。所定濃度値は、適宜定めてよいが、少なくとも発生した酸素と、酸素に含まれる水素との化学反応が連鎖反応とならないような濃度に設定する。例えば、水素と酸素の化学反応が連鎖反応となる濃度である40000ppmの半分となる20000ppmに設定してもよく、さらに小さい11000ppmに設定してもよい。なお、20000ppm以上40000ppm未満は運転回避領域の水素濃度に対応し、11000ppm以上20000ppm未満は運転注意領域の水素濃度に対応する。
(ステップS105)
ステップS105では、ステップS104において、酸素中の水素濃度が所定濃度値よりも高いと判定された場合、PLC7は、アルカリ型水電解装置1へ電流を供給しないことを決定する。
(ステップS106)
ステップS106では、ステップS104において、酸素中の水素濃度が所定濃度値以下であると判定された場合、PLC7は、当該水素濃度が所定濃度値より高いと判定された時間から一定期間経過しているか否かの判定を行う。
そして、ステップS106において、水素濃度が所定濃度値よりも高いと判定された時間から一定期間経過していないと判定された場合、ステップS105の処理が実行され、PLC7は、アルカリ型水電解装置1へ電流を供給しないことを決定する。
(ステップS107)
ステップS107では、ステップS106において、水素濃度が所定濃度値よりも高いと判定された時間から一定期間経過していると判定された場合、PLC7は、アルカリ型水電解装置1が運転されているか否かの判定を行う。
(ステップS108)
ステップS108では、ステップS107においてアルカリ型水電解装置1が運転されていると判定された場合、PLC7は、電源からの供給電力が、アルカリ型水電解装置1の運転継続閾値よりも大きいか否かの判定を行う。ここで、運転継続閾値は、供給される電力がこの値以下となるとアルカリ型水電解装置1から発生する酸素に含まれる水素の濃度が急激に上昇するような値に設定される。すなわち、先に説明した運転注意領域に設定される値である。そのため、運転継続閾値はステップS102の所定値よりも低い値となる。アルカリ型水電解装置1から発生する酸素に含まれる水素の濃度が急激に上昇する電力の閾値として、例えば図6において、アルカリ型水電解装置1に流れる電流の低下に伴い発生する酸素中の水素濃度が上昇するような電流値である(電流密度0.18Acm−2)を採用してもよい。また、これよりも低い電流値を採用してもよい。運転注意領域内でより低い電流値を採用することにより、より長くアルカリ型水電解装置1を使用することができる。本動作例1では、このような運転継続閾値として、0.06Acm−2に対
応する電力値を設定する。これは、アルカリ型水電解装置1の定格電流の10%に相当する電力である。
そして、ステップS108において電源からの供給電力が運転継続閾値よりも大きいと判定された場合、ステップS103の処理が実行され、AC/DCコンバータ6Aからアルカリ型水電解装置1への供給電流を決定する。
また、ステップS108において電源からの供給電力が運転継続閾値以下であると判定された場合、ステップS105の処理が実行され、PLC7は、アルカリ型水電解装置1へ電流を供給しないことを決定する。
(ステップS109)
ステップS109では、ステップS107においてアルカリ型水電解装置1が運転されていないと判定された場合、電源から供給される電力が、アルカリ型水電解装置1の運転開始閾値よりも大きいか否かの判定を行う。ここで、運転開始閾値は、運転継続閾値のみでアルカリ型水電解装置1の運転をON/OFF制御した場合に生じる可能性がある頻繁なON/OFFの切り替わりを防止する目的で設けられる値である。このため、運転継続閾値よりもやや高い値に設定されるものであるが、運転継続閾値と近い値に設定される。
そして、電源から供給される電力が、アルカリ型水電解装置1の運転開始閾値よりも大きいと判定された場合、ステップS103の処理が実行され、AC/DCコンバータ6Aからアルカリ型水電解装置1への供給電流を決定する。
一方、電源から供給される電力が、アルカリ型水電解装置1の運転開始閾値以下であると判定された場合、ステップS105の処理が実行され、PLC7は、アルカリ型水電解装置1へ電流を供給しないことを決定する。
(ステップS110)
ステップS110では、ステップS105の処理が実行され、PLC7がアルカリ型水電解装置1へ電流を供給しないことを決定した後、PLC7は高分子型水電解装置2が運転中であるか否かの判定を行う。
(ステップS111)
ステップS111では、ステップS110において高分子型水電解装置2が運転中であると判定された場合に、PLC7は、電源からの供給電力が高分子型水電解装置2の運転継続閾値よりも大きいか否かの判定を行う。なお、本動作例1の高分子型水電解装置2では、電解液として純水を用いているため、この高分子型水電解装置2の運転継続閾値はほぼゼロに設定される。
(ステップS112)
ステップS112では、ステップS111において、電源からの供給電力が高分子型水電解装置2の運転継続閾値よりも大きいと判定された場合、PLC7は、高分子型水電解装置2へ電流を供給することを決定する。また、PLC7は、高分子型水電解装置2への供給電流を決定する。
(ステップS113)
ステップS113では、ステップS111において、電源からの供給電力が高分子型水電解装置2の運転継続閾値以下であると判定された場合、PLC7は、高分子型水電解装置2へ電流を供給しないことを決定する。
また、上記のステップS113の処理は、ステップS103において、アルカリ型水電解装置1への電流の供給が決定された後にも実行される。
(ステップS114)
ステップS114では、ステップS110において高分子型水電解装置2が運転中ではないと判定された場合に、PLC7は、電源からの供給電力が高分子型水電解装置2の運転開始閾値よりも大きいか否かの判定を行う。
ステップS114において、電源からの供給電力が高分子型水電解装置2の運転開始閾値よりも大きいと判定された場合、ステップS112の処理が実行され、AC/DCコンバータ6Bから、高分子型水電解装置2への供給電流が決定される。
また、ステップS114において、電源からの供給電力が高分子型水電解装置2の運転開始閾値以下であると判定された場合、ステップS113の処理が実行され、PLC7は、高分子型水電解装置2へ電流を供給しないことを決定する。なお、本動作例1の高分子型水電解装置2の運転開始閾値は、高分子型水電解装置2の運転継続閾値よりもやや高く設定される。
(ステップS115)
ステップS115では、PLC7で作成した各電流指令値がAC/DCコンバータ6A、6Bへそれぞれ送信される。AC/DCコンバータ6A、6Bは、受信した電流指令値に基づいて、電源から供給される電力を所定の直流電流に変換する。そして、当該電流は、アルカリ型水電解装置1、及び高分子型水電解装置2へそれぞれ出力される。
<作用・効果>
上記のような水電解システム100では、図5に示されるように、電源からの供給電力が変動すると、システムに供給される電流が変動する。この際、アルカリ型水電解装置1に対する制御を行わないシステムでは、供給電力が低下すると、陽極3Aにおいて酸素生成量が減少し、迷走電流が相対的に増加する。その結果陽極3Aから発生する酸素中に水素が多く含まれることとなる。よって、水電解システム100の運用に影響が及ぶ虞がある。
そこで、上記の動作例1では、ステップS108,S109の処理が実行されることにより、電源から供給される電力が、アルカリ型水電解装置1の定格電流の10%の電流値に相当する電力値よりも大きいか否かが判定される。そして、電源から供給される電力が、アルカリ型水電解装置1の定格電流の10%の電流値に相当する電力値以下である場合、ステップS105の処理が実行されることによってアルカリ型水電解装置1へ電流の供給が停止される。そして、ステップS112の処理が実行されることによって高分子型水電解装置2へ電流が供給される。
加えて、ステップS102の処理が実行されることにより、陽極4A側の水素濃度が高い状態となったとしても、陽極4A側の水素濃度を低下させることができる。このように水素濃度の回復機能を備えるため、アルカリ型水電解装置1の運転を制御するための閾値を、発生する酸素中の水素濃度が比較的高い濃度に対応する電力値に設定することが可能となる。
一方、高分子型水電解装置2は、高分子を含む電解質5を含み、純水に浸される陽極4A及び陰極4Bが電解質5を挟んで設けられている。そして、陽極4A及び陰極4Bに、電流が流入することにより、陽極4A近傍で純水からプロトン及び酸素を発生させ、プロトンを陰極4B近傍へ電解質5を介して移動させ、陰極4B近傍から水素を発生させてい
る。このような高分子型水電解装置2では、低負荷で運転した場合であっても迷走電流の発生は抑制される。よって、高分子型水電解装置2から発生する酸素に含まれる水素の濃度が上昇することは抑制される。また、高分子型水電解装置2へ配分される電流が変動した場合であっても、高分子型水電解装置2から発生する酸素に含まれる水素の濃度が上昇することは抑制される。
ここで、水電解システム100を動作例1のように動作させた場合、発生する酸素中の水素濃度の急激な上昇が実際に抑制されるか確認を行った。図7は、水電解システム100を動作例1のように実際に動作させた場合における、アルカリ型水電解装置1の陽極3Aから発生する酸素に含まれる水素の濃度と、アルカリ型水電解装置のみを稼働させた場合に陽極から発生する酸素に含まれる水素の濃度との比較の一例を示している。図7に示されるように、風力発電設備から水電解装置へ供給される電力は変動している。しかしながら、水電解システム100のアルカリ型水電解装置1から発生する酸素中の水素濃度は、9000ppmから10000ppmであり、アルカリ型水電解装置のみを稼働させた場合に発生する酸素中の水素濃度(11000ppmから12000ppm)よりも定常的に低い。すなわち、図7より、電源からの供給電力が変動した場合であっても、水電解システム100は、アルカリ型水電解装置1から発生する酸素中の水素濃度の上昇を抑制できることが認められる。よって、水電解システム100を動作例1のように動作させた場合、水電解システム100の運用に影響が及ぶことは抑制される。なお、運転期間の初期に水素濃度が著しく上昇している点があるが、これは電流をゼロから上昇させるために生じた部分であるため、効果を検証する際には除外している。
また、上記の動作例では、ステップS108におけるアルカリ型水電解装置1の運転継続閾値、ステップS109におけるアルカリ型水電解装置1の運転開始閾値を、アルカリ型水電解装置1の定格電流の約10%の電流をアルカリ型水電解装置1へ流してもよいこととした。しかし、これに限らず、先の述べた運転注意領域に相当する、アルカリ型水電解装置1の定格電流の10%〜30%の範囲で適宜設定してもよい。より低い値を採用することで、アルカリ型水電解装置1が運用できる供給電力の範囲を広げることが可能となる。一方、より高い値を採用することで、陽極4A側の水素濃度が高くなることをより防ぐことができる。
さらに、運転注意領域に限らず、運転回避領域に相当するアルカリ型水電解装置1の定格電流を採用してもよい。このような運用を行えば、アルカリ型水電解装置1の運用範囲を広げることが可能となる。
また、運転注意領域に限らず、濃度回復領域に相当する電力の値をステップS108におけるアルカリ型水電解装置1の運転継続閾値やステップS109の運転開始閾値に設定してもよい。このように設定すれば、アルカリ型水電解装置1を運用する供給電力の範囲は狭くなるもの、陽極4A側で発生する酸素中の水素濃度を低い状態でし続けることが可能となる。
加えて、上記の動作例では、ステップS102において判定に使用される所定値を、アルカリ型水電解装置1の定格電流の30%の電流をアルカリ型水電解装置1へ流すことのできる値とした。しかし、これに限らず、40%の電流をアルカリ型水電解装置1へ流すことのできる電力値としてもよい。濃度回復領域の運転開始の所定値を高くすることにより、より高い供給電力から水素濃度の回復運転を開始することが可能となる。なお、濃度回復領域の開始の所定値を高くすると、発生する酸素の量が増加することとなる。このため、酸素中の水素濃度を確実に低下することができ、また酸素中の水素濃度を低下させる速度を早くすることができる。
なお、図6に例示される電流密度と水素濃度との関係は、電解液の濃度、電解装置の容量、電解槽のセル数等の条件により変化するものである。このため、上述で説明した水素濃度に対応した運転の領域を区別した電流密度の値は、説明した数値に限定されるものではない。また、電流に対応する酸素中水素濃度は定常状態において計測された実測値をプロットしたものである。このため、電流が変化した場合には、酸素中の水素濃度は図6に示される電流密度に対応する水素濃度に常に一致するわけではなく、追従にタイムラグが生じることがある。
また、本発明の実施形態における制御手段の一例であるAC/DCコンバータ6A、6B及びPLC7は、電源と接続する水電解装置を第一の水電解装置の一例であるアルカリ型水電解装置1と、第二の水電解装置の一例である高分子型水電解装置2との間で切り替えることができる。
上記のような水電解システム100であれば、電源とアルカリ型水電解装置1とが接続している場合であって、電源から供給される電力が低下した場合、電源と接続する電解装置を高分子型水電解装置2へ素早く切り替えることができる。よって、アルカリ型水電解装置1において迷走電流が相対的に増加することは素早く抑制され、その結果、アルカリ型水電解装置1の陽極3Aから発生する酸素に水素が混合されることは素早く抑制される。また、陰極3Bにおいても同様に、発生する水素に酸素が混合されることは素早く抑制される。また、AC/DCコンバータ6A、6BやPLC7から形成される水電解システム100は、複雑な構造ではない。すなわち、陽極3Aにおいて発生する酸素に含まれる水素の濃度の上昇、及び陰極3Bにおいて発生する水素に含まれる酸素の濃度の上昇は、簡易に抑制される。
また、上記のような水電解システム100は、ステップS104の判定処理の実行により、アルカリ型水電解装置1において発生する酸素に含まれる水素の濃度が所定濃度値以上であるか否かの判定が行われ、所定濃度値以上である場合にステップS105の処理が実行されることにより、アルカリ型水電解装置1への電流の供給が停止される判断が行われる。すなわち、上記のような水電解システム100は、AC/DCコンバータ6A、6BやPLC7が、電源から供給される電力をアルカリ型水電解装置1及び高分子型水電解装置2への配分を、電源から供給される電力に加えて第一の水電解装置から発生する酸素に含まれる水素の濃度に応じても制御している。このような水電解システム100は、酸素に含まれる水素の濃度を判定することによっても、アルカリ型水電解装置1へ配分される電力を調整し、アルカリ型水電解装置1の陽極3Aから水素を多く含む酸素の発生を抑制することができる。
<動作例2>
上記の動作例1では、陽極4A側の水素濃度が高い状態になっていた場合に、陽極4A側の酸素中の水素濃度を低下させることを目的として、ステップS102において所定値を設定して制御を行っていた。本動作例2では、図4に示されるフロー図において、ステップS102を設ける代わりに、陽極4A側の水素濃度に応じて、ステップS108の運転継続閾値、ステップS109の運転開始閾値を変更する構成となっている。換言すると、図4に示すフロー図において、ステップS102が省略され、代わりにステップS108の運転継続閾値とステップS109の運転開始閾値が、水素濃度に応じて変更するフローが追加される。他の構成は動作例1と共通する点が多いため、共通する構成の説明は省略する。
通常、ステップS108の運転継続閾値、及びステップS109の運転開始閾値は、アルカリ型水電解装置1の定格電流の10%に相当する電力値に設定される。そして、ステップS104の処理の実行の際に使用される酸素中の水素の濃度所定値は11000pp
mなどに設定される。
ここで、ステップS104の処理を実行した結果、アルカリ型水電解装置1から発生する酸素中の水素濃度が11000ppmより高い濃度であることが判明した場合、ステップS108の運転継続閾値、及びステップS109の運転開始閾値は、酸素を十分に発生させることができ、運転を継続することによって陽極3A側の水素濃度を低下させることができるような電力となるような値に一定期間変更される。一例として、本動作例ではアルカリ型水電解装置1の定格電流の30%に相当する電力に設定される。(以下、濃度異常モードという)。なお、この期間は、陽極4A側の水素濃度により定めてもよく、あらかじめ定めた時間としてもよい。このため、濃度異常モード中は、アルカリ型水電解装置1は酸素中に存在している高濃度の水素を希釈することができる電力が供給される場合のみ運転されることとなる。そして、一定期間経過後、濃度異常モードは終了する。
図8は、水電解システム100が上記のように動作した場合のアルカリ型水電解装置1から発生する酸素中の水素濃度の計測値の経時変化を示している。また、電源から水電解システム100へ供給される電流値の経時変化も重ねて示している。ただし、電流値は、アルカリ型水電解装置1の定格電流に対する割合で表されている。図8に示されるように、電源から供給される電流は変動していることが認められる。
水電解システム100は、運転開始当初、運転継続閾値や運転開始閾値が定格電流の10%に相当する電力値に設定されている。このため、電源から供給される電力が変動している場合に、アルカリ型水電解装置1が低負荷の運転注意領域であっても運転されることを許容する。このとき、酸素に含まれる水素の濃度は急激に上昇せず、低負荷での運転がしばらく継続されていることが図8より認められる。
その後、アルカリ型水電解装置1から発生する水素濃度は、運転開始から10分程度経過すると11000ppmとなる。そして、水素濃度が11000ppmとなったため、水素濃度が所定値に達したと判断し、水電解システム100の運転は、一旦停止される。その後、運転モードは、濃度異常モードへと変更されている。
濃度異常モードでは、閾値がアルカリ型水電解装置1の定格電流の30%に相当する電力値に引き上げられるため、アルカリ型水電解装置1は陽極4A側の水素濃度を低下させることができる電力が供給される場合に動作することになる。そして、水電解システム100は、所定期間経過後、濃度異常モードは終了する。なお言うまでもないが、濃度異常モードでは、陽極4A側の水素濃度を低下させることができる電力が供給されない場合、アルカリ型水電解装置1は動作を停止した状態となる。
上記のような水電解システム100であれば、電源から供給される電力が低下した場合であっても、動作例1と同様の効果が得られる。
<動作例3>
上記の動作例1および動作例2では、陽極3A側の水素濃度が高い状態になっていた場合に、陽極3A側の酸素中の水素濃度を低下させるための制御を行っていた。本動作例3は、陽極3A側の酸素中の水素濃度を低下させるための制御を有しない最も簡単な構成の動作例である。すなわち、図4に示されるフロー図において、ステップS102を行わない構成となっている。他の構成は動作例1と共通する点が多いため、共通する構成や動作の説明は省略する。
本実施例では酸素中の水素濃度を低下させるための制御を有しないため、運転継続閾値および運転開始閾値を上記の動作例1よりも高い値に設定することが好ましい。例えば、
濃度回復領域の水素濃度に対応する、アルカリ型水電解装置1の定格電流の40%の電流値に相当する電力値に設定する。このように設定すれば、ステップS108,S109の処理が実行されることにより、電源から供給される電力が、アルカリ型水電解装置1の定格電流の40%の電流値に相当する電力値よりも大きいか否かが判定される。そして、電源から供給される電力が、アルカリ型水電解装置1の定格電流の40%の電流値に相当する電力値以下である場合、ステップS105の処理が実行されることによってアルカリ型水電解装置1へ電流の供給が停止される。そして、ステップS112の処理が実行されることによって高分子型水電解装置2へ電流が供給される。このように、アルカリ型水電解装置1を濃度回復領域の水素濃度に対応する電力で動作させるため、陽極3A側の酸素中の水素濃度が高い状態になることを回避することができる。
なお、本動作例3において、運転継続閾値および運転開始閾値は運転注意領域の酸素中の水素濃度の対応する電力に設定してもよい。例えば、定格電流の20%に相当する電力の値に設定する。ただし、本動作例では回復運転を行わないため、運転回避領域の酸素中の水素濃度に対応する電力は運転継続閾値および運転開始閾値に設定することを避けることが好ましい。
以上のような3つの動作例のように、水電解システム100は動作可能である。また、上記の実施形態では、本発明の「第一の水電解装置」の一例して、重量濃度が約30%程度の水酸化カリウム水溶液又は水酸化ナトリウム水溶液の電解液を有するアルカリ型水電解装置1を例示した。そして、本発明の「第二の水電解装置」の一例として、高分子を含む電解質5を含み、アルカリ型水電解装置1の電解液よりも導電性の低い純水に浸される陽極4A及び陰極4Bが、電解質5を挟んで設けられる高分子型水電解装置2を例示した。しかし、第一の水電解装置と第二の水電解装置の組み合わせは、上記の実施形態の例に限られないのは勿論のことである。例えば、第一の水電解装置、及び第二の水電解装置ともに、アルカリ水溶液を含む電解液を有する水電解装置としてもよい。ただし、第二の水電解装置のアルカリ水溶液は、第一の水電解装置のアルカリ水溶液よりも導電性の低い水溶液とするべく、アルカリ化合物の重量濃度を希薄にする。第二の水電解装置のアルカリ水溶液中において発生する迷走電流は、水溶液のアルカリ濃度が希薄であるため、第一の水電解装置のアルカリ水溶液中において発生する迷走電流よりも少ないこととなる。よって、このような水電解システムであっても、電源から供給される電力を、第一の水電解装置と第二の水電解装置とへ、上記の実施形態と同様に配分する場合、発生する酸素に含まれる水素の濃度の上昇は抑制される同様の効果を奏する。また、上記の実施形態では、第二の水電解装置の第二の電解液の一例として純水を例示したが、第二の電解液は、第一の水電解装置の第一の電解液よりも導電性が低い電解液であれば何でもよいことは勿論のことである。
また、以上のような3つの動作例では、アルカリ型水電解装置1を動作させる場合には、高分子型水電解装置2の動作を停止するとした。しかし、アルカリ型水電解装置1を動作させる場合に高分子型水電解装置2を動作させてもよい。
<動作例4>
上記の水電解システム100において、太陽光発電設備や風力発電設備といった電源での発電電力が予測され、当該予測に基づいてアルカリ型水電解装置1への電力の配分量が決定されてもよい。図9及び図10は、発電電力の予測によりアルカリ型水電解装置1への電力の配分量を決定する水電解システム100の動作の概要を示すフローチャートの一例を示している。アルカリ型水電解装置1が運転中であり(ステップS107でYes)、供給される電力がアルカリ型水電解装置1の運転継続閾値以下であると判定された場合(ステップS108でNo)であっても、ステップS108−1において、PLC7が電源での将来の発電電力を線形予測し、予測される発電電力が運転継続閾値を超えるか否かを
判定する。ただし、予測される発電電力の算出手法は当該手法に限定されず、他の既知の予測手法が用いられてもよい。そして、ステップS108−1において予測発電電力が運転継続閾値を超えると判定された場合、PLC7は、アルカリ型水電解装置1への電流の供給を決定する(ステップS103)。一方、ステップS108−1において予測発電電力が運転継続閾値以下と判定された場合、PLC7は、アルカリ型水電解装置1への電流の供給停止を決定する(ステップS105)。又は、ステップS108−1において、PLC7が例えば過去から現在までの発電電力の標準偏差を算出し、算出された標準偏差が規定閾値よりも大きい場合、発電電力の波形が大きく変化していると推定してもよい。そして、PLC7は、ステップS108において発電電力が運転継続閾値以下であると判定されたことは一時的であると判断し、アルカリ型水電解装置1への電流の供給が決定されてもよい(ステップS103)。
また、アルカリ型水電解装置1の運転が停止中の場合であり(ステップS107でNo)、供給される電力がアルカリ型水電解装置1の運転継続閾値を超えると判定された場合(ステップS109でYes)であっても、ステップS109−1において、PLC7が電源での将来の発電電力を予測し、予測される発電電力が運転開始閾値を超えるか否かを判定する。そして、ステップS109−1において予測発電電力が運転開始閾値以下と判定された場合、PLC7は、アルカリ型水電解装置1への電流の供給の停止を決定する(ステップS105)。一方、ステップS109−1において予測発電電力が運転開始閾値を超えると判定された場合、PLC7は、アルカリ型水電解装置1への電流の供給を決定する(ステップS103)。
ここで、太陽光発電設備や風力発電設備といった自然エネルギーを利用した発電では、発電電力は変動することが想定される。しかしながら、上記の動作例4のように動作する水電解システム100によれば、電源における将来の発電電力の予測を考慮することにより、アルカリ型水電解装置1の運転の発停が頻繁に切り替わることは抑制される。よって、発電電力が変動することで運転の発停を繰り返し、アルカリ型水電解装置1が劣化する、といったことは抑制可能となる。
また、上記の動作例4では、電源における過去から現在までの発電電力のデータに基づき、将来の発電電力を予測しているが、予測に使用されるデータは、電源における過去から現在までの発電電力のデータに限られない。例えば、電源が太陽光発電設備である場合に、インターネットを介して気象庁が提供するサイトから電源付近における過去の日射量のデータが取得され、当該取得されたデータが統計解析されることにより発電電力が予測されてもよい。また、将来の日射量の予測は、例えば衛星から送られる雲が映る画像データがインターネットを介して取得・解析され、電源への雲の接近時間が算出されることによりなされてもよい。
また、例えば、電源が風力発電設備である場合、日射量に限らず風速、風向、低気圧の予想進路などの気象情報が気象庁から取得されてもよい。そして、当該取得された風に関する情報に基づき、風力発電設備における発電電力が予測されてもよい。また、インターネットを介して外部のサーバからデータが取得されずに、風力発電設備における実風速の変化率が測定されることにより将来の風速の変化率が算出され、算出された風速の変化率から発電電力の予測が行われてもよい。そして、図9及び図10に示されるように予測される発電電力に基づいて、PLC7がアルカリ型水電解装置1への電流の供給の可否を決定してもよい。
また、発電電力の予測によるアルカリ型水電解装置1への電流の供給の可否のフローチャートは、図9及び図10に示されるフローチャートに限定されない。また、発電電力の予測に使用されるデータは、気象庁から取得されることに限らず、インターネットを介し
て気象庁以外のサーバから取得されてもよい。また、発電電力の予測は、統計解析によりなされることに限らず理論的に算出されてもよいし、ノウハウによりなされてもよい。また、上記の変形例では発電電力の予測を用いた場合の説明が記載されているが、発電電力の代わりに発電電力と発電時間とを乗じた物理量である発電量が予測され、当該予測される発電量に基づいてアルカリ型水電解装置1への電流の供給の可否の決定がなされてもよい。以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
1・・アルカリ型水電解装置;2・・高分子型水電解装置;3A・・陽極;3B・・陰極;4A・・陽極;4B・・陰極;5・・電解質;6A、6B・・AC/DCコンバータ;7・・PLC;8・・水素タンク;50・・発電設備;100;水電解システム

Claims (12)

  1. 第一の電解液に浸される第一の電解電極を有し、前記第一の電解電極間に電圧を印加することによって水素と酸素を発生させる第一の水電解装置と、
    前記第一の電解液よりも導電性の低い第二の電解液に浸される第二の電解電極を有し、前記第二の電解電極間に電圧を印加することによって水素を発生させる第二の水電解装置と、
    前記第一の水電解装置から発生する酸素中の水素濃度の上昇を抑制するように、系外の電源から供給される電力に応じて、前記第一の水電解装置及び前記第二の水電解装置への供給電力を制御する制御手段と、を備える、
    水電解システム。
  2. 前記第一の水電解装置は、前記第一の電解液がアルカリ水溶液を含むアルカリ型水電解装置であって、
    前記制御手段は、前記電源から供給される電力が、所定の閾値以下である場合に、前記電力を前記第一の水電解装置へ供給することを停止する、
    請求項1に記載の水電解システム。
  3. 前記所定の閾値は、前記第一の水電解装置から発生する酸素中の水素濃度を急激に上昇させる電力である、
    請求項2に記載の水電解システム。
  4. 前記所定の閾値は、前記第一の水電解装置の運転を回避する濃度の水素を含む酸素を発生させる電力である、
    請求項2または3に記載の水電解システム。
  5. 前記所定の閾値は、前記第一の水電解装置の定格電流の40%の電流を前記第一の水電解装置へ流すことのできる値である、
    請求項2に記載の水電解システム。
  6. 前記第二の水電解装置は、
    高分子を含む電解質を含み、
    前記第一の電解液よりも導電性の低い第二の電解液に浸される第二の電解電極が、前記電解質を挟んで設けられ、
    前記第二の電解電極間に電圧を印加することによって水素を発生させる、高分子型水電解装置である、
    請求項1から5のうち何れか1項に記載の水電解システム。
  7. 前記制御手段は、前記第一の水電解装置および前記第二の水電解装置に供給する電力を、前記第一の水電解装置から発生する酸素に含まれる水素の濃度に応じて制御する、
    請求項1から6のうち何れか1項に記載の水電解システム。
  8. 前記制御手段は、前記電源と接続する水電解装置を前記第一の水電解装置と前記第二の水電解装置との間で切り替える切り替え手段を備える、
    請求項1から7のうち何れか1項に記載の水電解システム。
  9. 前記制御手段は、
    前記第一の水電解装置への前記電力の供給が停止した状態において、
    前記第一の水電解装置から発生する酸素に含まれる水素の濃度が第一の濃度以下である場合に、
    前記電源から供給される電力が第一の運転開始閾値よりも大きくなると、前記第一の水電解装置に対して前記電力の供給を再開し、
    前記第一の水電解装置から発生する酸素に含まれる水素の濃度が第一の濃度より大きい場合には、
    前記電源から供給される電力が前記第一の運転開始閾値よりも大きくなっても、前記第一の水電解装置に対して前記電力の供給を再開せず、
    前記電源から供給される電力が前記第一の運転開始閾値よりも大きな第二の運転開始閾値よりも大きくなると、前記第一の水電解装置に対して前記電力の供給を再開する、
    請求項2から8のうち何れか1項に記載の水電解システム。
  10. 前記制御手段は、前記第一の水電解装置から発生する酸素に含まれる水素の濃度に応じて前記所定の閾値を変更する、
    請求項2から5のうち何れか1項に記載の水電解システム。
  11. 前記制御手段は、前記電源における発電電力又は発電量を予測し、前記予測される発電電力又は発電量に基づき、前記第一の水電解装置又は前記第二の水電解装置への供給電力を制御する、
    請求項1から10のうち何れか1項に記載の水電解システム。
  12. 第一の電解液に浸される第一の電解電極を有し、前記第一の電解電極間に電圧を印加することによって水素と酸素を発生させる第一の水電解装置と、前記第一の電解液よりも導電性の低い第二の電解液に浸される第二の電解電極を有し、前記第二の電解電極間に電圧を印加することによって水素を発生させる第二の水電解装置と、への系外の電源から供給される電力の配分を、系外の電源から供給される電力に応じて、前記第一の水電解装置から発生する酸素中の水素濃度の上昇を抑制するように制御する制御ステップを備える、
    水電解方法。
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