JP2020009714A - 多孔複合フィルム、電池用セパレータ - Google Patents

多孔複合フィルム、電池用セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】これまで生産することが難しかった広幅かつ長尺でシワのない、含水率の低い、サイクル特性に優れた電池のセパレータに好適な多孔複合フィルム、よび安全性が高く、サイクル特性の良い高寿命な高容量電池に適した電池用セパレータを提供する。【解決手段】多孔質基材と、当該多孔質基材の少なくとも片面に多孔質層が積層された多孔複合フィルムであって、次の要件(i)〜(iv)を満たす多孔複合フィルム。(i)前記多孔質基材がポリオレフィン多孔質膜である。(ii)前記多孔複合フィルム上でシワの段差が0.2mm以下である。(iii)前記多孔複合フィルムの含水率が500ppm以下である。(iv)前記多孔複合フィルムの幅が450mm以上、巻取後の長さが2m以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、多孔複合フィルム、電池用セパレータに関するものである。
リチウムイオン二次電池は、繰返しの充放電可能な高容量電池として、携帯電話やノートパソコン等の電子機器の高性能化や長時間作動を可能としてきた。最近では、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の環境対応車の駆動用バッテリーとして搭載され、さらなる安全性の確保及び電池の高性能化が期待されている。
上記のようなリチウムイオン二次電池を高性能化するため、電池容量の高容量化、入出力特性、寿命特性、温度特性、保存特性等、種々の電池特性の改良のため電池を構成する各種材料について多くの検討がなされている。
その一つとして、正極と負極の間に配置されるセパレータについても、これまで種々の検討が行われており、特に接着性セパレータの検討が進められている。
例えば、特許文献1には、多孔質基材とこの多孔質基材の片面または両面に設けられた、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含み、空孔率30%〜60%であり、平均孔径が20nm〜100nmである接着性多孔質層とを備えた非水系二次電池用セパレータが開示されている。ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含んで構成される接着性多孔質層を備えた非水系二次電池用セパレータは電極との接着性に優れ、電極との接着後もイオン透過性に優れ、さらに、圧着または熱プレスにも十分に耐えうる力学的物性と均一な多孔質構造を有する接着性多孔質層を備えた非二次電池用セパレータが提供されると記載されている。
また、電気自動車の連続運転距離の増大に向けた、電池1個当たりの容量を大きくする取り組みとしては、セパレータの空孔率を調整し、電気絶縁性を保ちつつも、リチウムイオンを通りやすくする、電池を大型化するなどの検討を実施してきている。
特許第5342088号公報
今後、電気自動車の長距離連続運転を可能とする高容量電池において、電池1個当たりの容量を大きくする取り組みとして、セパレータの空孔率を適度に調整するということ、電池の大型化は実施しているが、高容量を保ちつつも、サイクル特性に優れ、安全性を担保することがより一層求められる。しかしながら、セパレータは多孔質構造であるため、コシが無く、搬送時、巻取り時に多孔複合フィルム上でシワが発生しやすい。また、電池の大型化が進むにつれてシワの発生は顕著になり、全面に渡ってシワを無くすことが難しい。シワが大きいと、外観上の欠点となることや、反応ムラの発生やリチウム析出の原因となり、電池の安全性を損なう恐れがあるだけでなく、電極との接触が均一とならず、接着性が悪化し、電池が劣化しやすくなっていた。
本発明は、上記問題に鑑み、これまで生産することが難しかった広幅かつ長尺でシワのない、含水率の低い、サイクル特性に優れた電池のセパレータに好適な多孔複合フィルム、よび安全性が高く、サイクル特性の良い高寿命な高容量電池に適した電池用セパレータを提供することを目的とする。
本願発明者らは鋭意検討の結果、含水率を適度に調整することで、フィルムの摩擦係数を低く保ち、また、電池の劣化を防ぐことが可能な大型電池に適したシワがなく広幅かつ長尺な多孔複合フィルムを作成可能なことを見出し、これを電池用セパレータとして用いることで安全性が高く、高容量で、サイクル特性の良い高寿命な電池の開発につなげることに成功した。
ここで、シワがないとは、後述するシワ段差の測定方法にて測定した際に、シワ段差が0.2mm以下であることをいう。含水率の範囲としては、同じく後述するフィルム内部に残留する含水率の測定方法にて測定した際の含水率が10以上500ppm以下である。
すなわち、本発明は、多孔質基材と、当該多孔質基材の少なくとも片面に多孔質層が積層された多孔複合フィルムであって、次の要件(i)〜(iv)を満たす多孔複合フィルム。
(i)前記多孔質基材がポリオレフィン多孔質膜である。
(ii)前記多孔複合フィルム上でシワの段差が0.2mm以下である。
(iii)前記多孔複合フィルムの含水率が10以上500ppm以下である。
(iv)前記多孔複合フィルムの幅が450mm以上、巻取後の長さが2m以上である。
本発明の他の態様によれば、上記の多孔複合フィルムを用いた電池用セパレータが提供される。
本発明によれば、これまで生産することが難しかった広幅かつ長尺でシワのない、含水率の低い、サイクル特性に優れた電池のセパレータに好適な多孔複合フィルムを提供することができる。また前記多孔複合フィルムを電池用セパレータに用いるとまた安全性が高く、サイクル特性の良い高寿命な高容量電池を提供することができる。
本発明の実施形態による多孔複合フィルムの製造方法の一例を説明するための工程図である。 図1の水切り装置8の一例を示す工程図である。 図2の水切り工程においてフィルムとロールの接している状態の図である。 フィルムの段差測定方法を説明するための図である。
本発明による多孔複合フィルムは、多孔質基材と、当該多孔質基材の少なくとも片面に多孔質層が積層された多孔複合フィルムであって、次の要件(i)〜(iv)を満たす。
(i)前記多孔質基材がポリオレフィン多孔質膜である。
(ii)前記多孔複合フィルム上でシワの段差が0.2mm以下である。
(iii)前記多孔複合フィルムの含水率が10以上500ppm以下である。
(iv)前記多孔複合フィルムの幅が450mm以上、巻取後の長さが2m以上である。
この多孔複合フィルムは、電池のセパレータとして好適に用いることができ、例えばリチウムイオン電池のセパレータとして用いた場合、多孔質基材の両面に多孔質層が設けられていることが好ましい。
本実施形態による多孔複合フィルムは塗工液の粘度、樹脂濃度、特に、生産工程における水切り工程及び乾燥工程の調整により得ることができる。また、本実施形態による多孔複合フィルムの多孔質基材と多孔質層は共に、リチウムイオンの伝導に好適な空隙を有する。この空隙に電解液を保持することによりリチウムイオンを伝導することができる。
本発明の多孔複合フィルムの製造方法は、
樹脂を溶媒に溶解した塗工液を多孔質基材の少なくとも片面に塗工して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜が形成された多孔質基材を水を含む凝固液に浸漬して前記樹脂を凝固させて多孔質層を形成し、前記多孔質基材上に該多孔質層が形成された多孔複合フィルムを得る工程と、
前記多孔複合フィルムを水洗する工程と、
水洗後の前記多孔複合フィルムの表面付着水を除去する水切り工程と、
前記水切り工程においてフィルムとロールが全面接している状態であること、
フィルム内部の水分を除去するための乾燥する工程を含み、
塗工液の粘度が100mpa・s以上1000mpa・s以下、塗膜の厚みが5μm以上25μm以下であり、かつ含水率が500ppm、フィルム表面上のシワ段差が0.2mm以下であり、フィルム幅が450mm以上であることを特徴とするものである。
(シワの段差)
多孔複合フィルム表面において、後述する測定方法で0.2mm超のシワの段差が発生することで、外観上の欠点となり、電池性能の低下にもつながる。
(多孔複合フィルムの残留する含水率)
多孔複合フィルムの含水率が500ppm以下であると、電池を作製した際、電池の劣化を防ぐことができる。含水率が500ppmを超えると、電池を作製した際、電池の劣化に大きく寄与する恐れがある。そのため、リチウムイオン電池のセパレータフィルムに用いるフィルムには、可能な限り水分を除去したものが適する。一般的に、電池用セパレータの水分量を除去するために捲回体を乾燥することが行われているが、本発明の多孔複合フィルムはこうした乾燥時間を大幅に短縮できる。含水率が10ppm以上であると、フィルム表面のフィラー由来の突起が露出するのを防止し、摩擦係数を小さくでき、搬送した際や巻き取る際にシワの発生を抑えることができる。含水率が10ppmを下回ると、フィルム表面のフィラー由来の突起が露出し、摩擦係数が大きくなり、搬送した際や巻き取る際にシワの発生が起こりやすくなる。
(フィルム幅)
多孔複合フィルムの幅が450mm以上であると、電池1個あたりの電池容量の低下を防ぐことができる。多孔複合フィルムの幅が450mm未満になると、電池1個あたりの電池容量が低下してしまう。フィルム幅は広いほど好ましく、上限は特に設定されないが、2800mm程度、もしくはそれ以上であっても良い。
(巻取長さ)
巻き取り後の巻取体から取り出した長さが2m以上であると、電池1個あたりの電池容量の低下を防ぐことができる。巻き取り後の長さが2m未満になると、フィルム幅が狭くなるのと同様に、電池1個あたりの電池容量の低下につながる。長さは長いほど好ましく、特に上限は設定されないが、4m程度、もしくはそれ以上であっても良い。
(多孔質層の空孔率)
多孔質層の空孔率は50%〜70%が好ましく、多孔複合フィルムの使用目的によって適宜設定することができる。例えば、本実施形態の多孔複合フィルムをリチウムイオン電池のセパレータに用いる場合、多孔質層の空孔率が50%以上であると、十分な量の電解液を保持することで、リチウムイオンの伝導性の悪化による内部抵抗の増加を防ぐことができる。多孔質層の空孔率が70%以下とすることで膜強度を維持できる。
(多孔質層の樹脂)
本実施形態による多孔複合フィルムは、その多孔質層に樹脂としてフッ素含有樹脂を含んでもよい。フッ素含有樹脂を含むことで電解液の注液性に優れた多孔複合フィルムを得ることができる。多孔複合フィルムをリチウムイオン電池のセパレータに用いた場合、電池の生産性を向上できる。
フッ素含有樹脂としては、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンからなる重合単位種の群から選択される重合単位を含む単独重合体又は共重合体が好ましく、フッ化ビニリデン単位を含む単独重合体であるポリフッ化ビニリデンがより好ましい。特に、電解液に対する膨潤性の観点から、フッ化ビニリデンと他の重合単位からなるフッ化ビニリデン共重合体が好ましく、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体がさらに好ましい。
(多孔質層のセラミック)
本実施形態による多孔複合フィルムは、その多孔質層にセラミックを含んでいてもよい。このセラミックとしては、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、シリカ―アルミナ複合酸化物、ゼオライト、マイカが挙げられる。
(セラミックの平均粒子径)
セラミックのISO13320にのっとって測定したD50の値は0.5μm〜2.0μmの範囲に設定でき、0.5μm〜1.5μmの範囲が好ましい。ただし、セラミックの平均粒子径は「多孔質層の厚み(μm)−0.2μm」以下を上限として、選択することが好ましい。
(多孔質層のフッ含有樹脂とセラミックの質量比)
セラミックの含有量は、フッ素含有樹脂100質量%に対して50質量%〜90質量%が好ましく、より好ましくは60質量%〜80質量%である。
(多孔複合フィルムの厚み)
本実施形態による多孔複合フィルムの全体の厚みは、4μm〜30μmの範囲に設定でき、4μm〜24μmの範囲が好ましい。このような範囲に厚みを設定することで、できるだけ薄膜にしながらも、機械強度と絶縁性を確保することができる。
(多孔質層の厚み)
本実施形態による多孔複合フィルムの多孔質層の厚みは、1〜5μmの範囲に設定でき、1〜4μmの範囲が好ましく、1〜3μmがより好ましい。多孔質層の厚みをこのような範囲に設定することで、必要最小限の厚みで、十分な多孔質層の形成効果と接着強度を得ることができる。
(電極との接着力)
本実施形態による多孔複合フィルムの電極との接着力が5.0N以上であることが好ましい。電極との接着力が5.0N以上であると、電池反応による副生成物である気泡等が生じた際でも、剥離が生じにくく、電池のサイクル特性を向上させることができる。電極との接着力が5.0N未満の場合、電池反応による副生成物である気泡等が生じた際に、接着力の弱い部分で剥離し、その部分が電池の欠陥となってサイクル特性が低下する。一方、上限は特に規定しないが、10N以下であることが好ましく、8N以下であることがより好ましい。
(多孔複合フィルムの弾性率)
本実施形態による多孔複合フィルムの弾性率は8500kgf/cm以下であることが好ましい。弾性率が8500kgf/cmを超える場合、フィルム厚みが厚くなることや、空孔率の低下が起こり、電池性能の低下につながる恐れがある。以上の理由から、フィルムの弾性率は8500kgf/cm以下であることが好ましく、6500kgf/cm以下がより好ましい。
(多孔質基材)
本実施形態による多孔複合フィルムの多孔質基材は、ポリオレフィン多孔質膜であることが好ましい。ポリオレフィンとしては、ポリエチレンやポリプロピレンが好ましく、単一物または2種以上の異なるポリオレフィンの混合物、例えばポリエチレンとポリプロピレンの混合物であってもよい。また、ポリオレフィンは単独重合体又は共重合体であってもよい。例えば、ポリエチレンはエチレンの単独重合体またはエチレンと他のαオレフィンとの共重合体であってもよく、ポリプロピレンはプロピレンの単独重合体または、ポリプロピレンと他のαオレフィンの単位を含む共重合体であってもよい。多孔質基材は単層膜であっても二層以上の複数の層からなる積層膜であってもよい。
多孔質基材の厚みは、3μm〜25μmの範囲にあることが好ましく、3〜20μmの範囲がより好ましい。多孔質基材の空孔率は、30〜70%の範囲にあることが好ましく、35〜60%の範囲がより好ましい。このような厚み、空孔率を有することにより、十分な機械的強度と絶縁性が得られ、また十分なイオン伝導性を得ることができる。
(多孔複合フィルムの製造方法)
本実施形態による多孔複合フィルムの製造方法は、次の工程を有する。
(a)樹脂を溶媒に溶解した塗工液を多孔質基材の少なくとも片面に塗工して塗膜を形成する工程、
(b)塗膜が形成された多孔質基材を水を含む凝固液に浸漬して前記フッ素含有樹脂を凝固させて多孔質層を形成し、前記多孔質基材上に該多孔質層が形成された複合フィルムを得る工程、
(c)多孔複合フィルムを水洗する工程、
(d)水洗後の複合フィルムの表面付着水を除去する水切り工程、
(e)フィルム内部の水分を除去するための乾燥する工程。
上記(d)の工程における表面付着水を除去するための風速、(e)の工程における残留水分を除去するため吹き付ける風速、及び乾燥炉の温度がシワがなく含水率が低い多孔複合フィルムの状態を決定付ける大きな要因である。
本実施形態による多孔複合フィルムの製造方法の一例を図1を用いて以下に説明する。この製造方法では、多孔質基材が通過できるディップギャップを有するヘッドを用いて、多孔質基材の両面に塗工液を塗布し、続いて凝固、洗浄、乾燥を経て、多孔質基材の両面に多孔質層が形成された多孔複合フィルムを得る。
まず、巻出ロール1から巻き出された多孔質基材2は、ディップヘッド3へ、その上方から供給され、ディップヘッド3の下部にあるギャップを通過して下方へ引き出され、続いて凝固/水洗槽4へ供給される。このディップヘッド3は、通過する多孔質基材の両面にディップコートできるように塗工液を収容できる。なお、塗工液は、傾斜面上方より連続的に供給されるようになっている。凝固/水洗槽4から引き出された多孔質基材の両面には塗膜が形成される。塗膜の厚みは、ディップヘッド3のギャップのサイズと塗工速度等で制御できる。
塗工液の溶媒としては、フッ素含有樹脂を溶解でき、かつ水等の凝固液(相分離液)と混和(任意の濃度で相溶)可能な良溶媒を用いることができる。
良溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、リン酸ヘキサメチルトリアミド(HMPA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられ、樹脂の溶解性に合わせて自由に選択できる。
溶媒に溶解したフッ素含有樹脂と溶媒を含む塗工液が塗布された多孔質基材を凝固/水洗槽4の凝固液に浸漬させると、塗膜中の樹脂と良溶媒が相分離し、樹脂が凝固して多孔質層が形成される。
塗工液の粘度は、100mPa・sより小さいと接着力が低下してしまい、1000mPa・sを超えると塗布スジが発生して厚みムラとなり乾燥工程でシワが発生しやすくなるため100mPa・s〜1000mPa・sの範囲が好ましい。粘度がこの範囲であると、接着力の低下や、厚みムラ、シワの発生を抑制することができる。塗工液の粘度はB型粘度計で測定した粘度である。
塗工液のフッ素含有樹脂の濃度は、2重量%より小さいと接着力が低下してしまい、また7%を超えると粘度が1000mPa・sを超え、塗布スジが発生して厚みムラとなって乾燥工程でシワが発生しやすくなるため2重量%〜7重量%の範囲にあることが好ましく、3重量%〜6重量%の範囲がより好ましい。濃度がこの範囲であると、接着力の低下や、厚みムラ、シワの発生を抑制することができる。
凝固液としては、水又は水を主成分として含む水系溶液が好ましい。
多孔質基材への塗工液の塗膜の厚みは片面あたり5μm〜25μmに設定することができる。塗工厚の幅方向(フィルムの進行方向に垂直な方向)のばらつきは±10%以下が好ましい。
図1には、ディップヘッドを用いたディップコート方式を示しているが、多孔質基材の片面に粘度100mPa・s以上1000mPa・s以下の塗工液を塗工厚5μm以上25μm以下で塗布でき、その幅方向の厚みバラツキが±10%となるように塗布できるのであれば、種々の塗工方式を採用できる。例えば、一般的なディップコート、キャスト、スピンコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、リップタイレクト、コンマコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、インクジェットなどのウエットコート法等を挙げることができる。
特に、連続的かつ例えば塗工速度30m/分以上で塗工する場合は、高粘度、薄膜、高速塗工に適した、かき取り方式であるリップダイレクト方式やコンマコート方式、ディップコート方式が好ましい。さらに、両面同時に多孔質層を形成できるという点から、ディップコート方式がより好ましい。ディップコート方式を採用することで、80m/分以上の速度で塗工することが可能になる。
連続的にコーティングを行う場合、塗工速度は例えば5m/分〜100m/分の範囲に設定でき、生産性と塗膜の厚みの均一性等の点から、塗工方式に応じて適宜設定することができる。
凝固/水洗槽4の凝固液から引き出された段階で、多孔質基材上に多孔質層が形成された多孔複合フィルム10が得られる。この多孔複合フィルム10は、第一の水洗槽5へ供給され連続的に洗浄される。なお、図1では、水洗槽は3つ(水洗槽5、6、7)であるが、水洗槽での洗浄効果に応じて、水洗槽の数を増やしても良いし、減らしてもよい。各槽の洗浄水は連続的に供給してもよいし、回収した洗浄水を精製してリサイクルしてもよい。
次に、第三の水洗槽7から引き出された多孔複合フィルム10は、水切り装置8にて表面に付着した付着水を除去する。表面に付着した付着水を除去しない場合、大型セパレータとした際に水が不均一に付着しているが故に次の乾燥炉内で乾燥させる際に乾燥ムラが生じて熱収差によるシワが発生する。なお、水切り装置8の1つを取り上げた図は、図2に示す構成となっており、多孔複合フィルム12に付着した付着水をエアナイフによって除去する装置であり、エアナイフ吹き出し口13と、フィルムが全面接している状態を保つために多孔複合フィルム搬送方向上流側に設置された整流板14を備えている。全面接している状態とは、図3に示す(a)のような、すなわちロールの回転軸方向に見てフィルムのロールからの浮きがない状態であり、接していない状態とは図3に示す(b)のような、すなわちロールの回転軸方向に見てフィルムのロールからの浮きがある状態である。特に広幅の多孔複合フィルム場合には、エアナイフの当たる角度は図2の角度αが、搬送中のフィルムに対し0°以上70°以下の範囲が好ましく、整流板14の多孔複合フィルム12に対する角度は図2の角度βが5°以上80°以下が好ましい。水切り装置8の風速は、30m/sより小さいと表面付着水が除去しきれず、140m/sを超えるとシワ発生頻度が高くなるため、30m/s以上140m/s以下の範囲が好ましい。水切りの風速水切り装置8を出た多孔複合フィルムは乾燥炉9へ導入される。乾燥炉の風速は5m/sより小さいと乾燥が完了せず、15m/sを超えるとバタつきが発生してシワが発生する上、フィルム中の含水率が小さくなりすぎて搬送、巻取時にシワが発生する恐れがあるため、5m/s以上15m/s以下の範囲が好ましい。温度は、40℃より小さいと乾燥せず、100℃より大きいとシワが発生する恐れがあるため、40℃以上100℃以下の範囲が好ましい。乾燥炉にて内部に残留した付着水が除去され、乾燥した多孔複合フィルム10が巻き取られ巻取ロール11が得られる。なお、水の除去具合に合わせ、水切り装置は2つ以上あっても構わない。
(リチウムイオン二次電池)
本実施形態による多孔複合フィルムは、リチウムイオン二次電池のセパレータとして好適に用いることができる。本実施形態による多孔複合フィルムをセパレータに用いることにより、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本実施形態による多孔複合フィルムが適用されるリチウムイオン二次電池の例としては、負極と正極がセパレータを介して対向して配置された電池要素に電解質を含む電解液が含浸され、これらが外装材に封入された構造を有するものが挙げられる。
負極の例としては、負極活物質、導電助剤およびバインダーからなる負極合剤が、集電体上に成形されたものが挙げられる。負極活物質としては、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料が用いられる。具体的には、黒鉛やカーボンなどの炭素材料、シリコン酸化物、シリコン合金、スズ合金、リチウム金属、リチウム合金などなどが挙げられる。導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの炭素材料が用いられる。バインダーとしてはスチレン・ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミドなどが用いられる。集電体としては銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔などが用いられる。
正極の例としては、正極活物質、バインダー及び必要に応じて導電助剤からなる正極合剤が、集電体上に成形されたものが挙げられる。正極活物質としては、Mn、Fe、Co、Niなどの遷移金属を少なくとも1種含むリチウム複合酸化物が挙げられる。具体的には、例えば、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムなどが挙げられる。導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの炭素材料が用いられる。バインダーとしてはポリフッ化ビニリデンなどが用いられる。集電体としてはアルミ箔、ステンレス箔などが用いられる。
電解液としては、例えば、リチウム塩を非水系溶媒に溶解させたものを用いることができる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiN(SOCFなどが挙げられる。非水系溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられ、通常はビニレンカーボネートなどの各種添加剤とともに、これらのうちの2種以上を混合したものが用いられる。また、イミダゾリウム陽イオン系などのイオン液体(常温溶融塩)も用いることができる。
外装材としては、金属缶またはアルミラミネートパックなどが挙げられる。電池の形状は、コイン型、円筒型、角型、ラミネート型などが挙げられる。
[測定方法]
(シワの段差)
シワの段差測定方法を図3を用いて以下に説明する。
多孔複合フィルムで発生するシワは、0.675m以上の試験フィルム16を2本のロール(第1ロール17、第2ロール18)間に通紙し、両端に20Nの張力をかけるため第1荷重棒19、第2荷重棒20をつけ、多孔複合フィルムをかけ垂らした。
垂らした状態で10秒静置した後、2本のロール間に吊り下がった試験フィルムのTD方向の両端に、CCD透過型デジタルレーザセンサ21(株)キーエンス社製「センサヘッドIG−028」)を設置し、2値化レベルを20%とし、フィルタ値を40に設定したうえでMD方向に10点を測定した。
シワの発生していない未塗工の多孔質基材((株)東レ製「セティーラ(グレード:F07DE1)」)50mm×50mmを試験フィルムと同様に10点を測定し、その平均値を基準値とした。試験フィルムの10点の測定値のうち最大値を選択し、最大値から基準値を減算した値(最大値−基準値)をシワの段差として評価した。
(フィルムに残留する含水率)
窒素雰囲気下のグローブボックス内でダンベルカッターを用いて多孔複合フィルムを1.00gに裁断した試験フィルムを装置に投入したのち、水分気化装置((株)京都電子工業製「ADP−611」)を用いて測定した。測定により得られた測定値を多孔質複合フィルムに残留する含水率とした。
(フィルムの弾性率)
多孔複合フィルムを50mm×10mmに切り出した試験フィルムをサンプルホルダーに貼り付け、万能試験機((株)島津製作所製「AGS−J」)にセットして測定を実施した。測定により得られた測定値をフィルムの弾性率(単位:kgf/cm)とした。
(多孔質層の空孔率)
多孔質層の空孔率は、以下の式1を用いて算出した。
V=100×{1−(W/D)/t} …式1
式中、Wは多孔質層の目付け、Dは多孔質層の真密度、tは多孔質層の厚み。
(目付)
多孔質層の目付Wは以下の式を用いて算出した。
=塗工済みフィルムの目付(WA)−基材の目付(WA
多孔複合フィルムの目付WA及び多孔質基材の目付WAは、5cm角のサンプルを用意し、以下の式を用いて算出した。
WA=「多孔複合フィルムフィルム5cm角のサンプルの重さ」/0.0025
WA=「多孔質基材5cm角のサンプルの重さ」/0.0025
多孔質層の真密度Dは以下の式を用いて算出した。
D=樹脂密度×樹脂の配合率(質量比)+フィラーの密度×フィラーの配合率(質量比)
(多孔質層の厚み)
多孔質層の厚みtは以下の式を用いて次のようにして算出した。
t=多孔複合フィルムの厚み(t)−多孔質基材の厚み(t
接触式膜厚計((株)ミツトヨ製「ライトマチック」(登録商標)series318)を用いて、超硬球面測定子φ9.5mm、加重0.01Nの条件で多孔複合フィルム及び多孔質基材を各20点測定し、得られた測定値の平均値をそれぞれt、tとした。
(接着力)
ポリプロピレンからなるラミネートフィルム(長さ70mm、幅65mm、厚さ0.07mm)2枚を重ね、4辺のうち3辺を溶着した袋状のラミネートフィルム内に試験用巻回体を入れた。エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを体積比3:7で混合した溶媒にLiPFを1mol/Lの割合で溶解させた電解液500μLをグローブボックス中でラミネートフィルムの開口部から注入し、試験用巻回体に含浸させ、真空シーラーで開口部の一辺を封止した。
次に、ラミネートフィルムに封入した試験用巻回体を2枚のガスケット(厚さ1mm、5cm×5cm)で挟み込み、精密加熱加圧装置(新東工業(株)製、CYPT−10)にて98℃、0.6MPaで2分間加圧し、室温で放冷した。ラミネートフィルムに封入したまま、加圧後の試験用巻回体について、万能試験機((株)島津製作所製、AGS−J)を用いて湿潤時曲げ強さを測定した。
2本のアルミニウム製L字アングル(厚さ1mm、10mm×10mm、長さ5cm)を90°部分が上になるように平行に、端部をそろえて配置し、90°部分を支点として支点間距離が15mmとなるよう固定した。2本のアルミニウム製L字アングルの支点間距離の中間である7.5mm地点に試験用巻回体の幅方向の辺(約28mm)の中点を合わせてL字アングルの長さ方向の辺からはみ出さないように試験用巻回体を配置した。
次に、圧子としてアルミニウム製L字アングル(厚さ1mm、10mm×10mm、長さ4cm)の長さ方向の辺から試験用巻回体の長さ方向の辺(約34mm)がはみ出さないようにかつ平行にして、試験用巻回体の幅方向の辺の中点にアルミニウム製L字アングルの90°部分を合わせ、90°部分が下になるようにアルミニウム製L字アングルを万能試験機のロードセル(ロードセル容量50N)に固定した。3個の試験用巻回体を負荷速度0.5mm/minにて測定し得られた最大試験力の平均値を接着力とした。
(リチウムイオン二次電池の作製とサイクル特性評価)
(電解液の作製)
電解液として、エチレンカーボネート(EC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)=3:5:2(体積比)で混合した溶媒に、LiPF(ヘキサフルオロリン酸リチウム)1.15Mとビニレンカーボネート(VC)0.5wt%を添加した電解液を調製した。
(正極の作製)
コバルト酸リチウム(LiCoO)にアセチレンブラック黒鉛とポリフッ化ビニリデンとを加え、N−メチル−2−ピロリドン中に分散させてスラリーにした。このスラリーを、厚さ20μmの正極集電体用アルミニウム箔の両面に均一に塗布して乾燥して正極層を形成し、その後、ロールプレス機により圧縮成形して、集電体を除いた正極層の密度が3.6g/cmの帯状の正極を作製した。
(負極の作製)
カルボキシメチルセルロースを1.5質量部含む水溶液を人造黒鉛96.5質量部に加えて混合し、さらに固形分として2質量部のスチレンブタジエンラテックスを加えて混合して負極合剤含有スラリーを形成した。この負極合剤含有スラリーを、厚みが8μmの銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗付して乾燥して負極層を形成し、その後、ロールプレス機により圧縮成形して、集電体を除いた負極層の密度が1.5g/cmの帯状の負極を作製した。
(試験用巻回体の作製)
上記で作成された負極(機械方向161mm×幅方向30mm)と、上記の実施例又は比較例の多孔複合フィルム(機械方向160mm×幅方向34mm)を重ね、金属板(長さ300mm、幅25mm、厚さ1mm)を巻き芯として多孔複合フィルムが内側になるように多孔複合フィルムと負極を巻き取り、金属板を引き抜いて試験用巻回体を得た。試験用巻回体は長さ約34mm×幅約28mmとなった。
(電池の作製)
上記の正極、上記の実施例又は比較例の多孔複合フィルム、及び上記の負極を積層した後、扁平状の巻回電極体(高さ2.2mm×幅32mm×奥行32mm)を作製した。この扁平状の巻回電極体の各電極へ、シーラント付タブを溶接し、正極リード、負極リードとした。
次に、扁平状の巻回電極体部分をアルミラミネートフィルムで挟み、一部開口部を残してシールし、これを真空オーブンにて80℃で6時間乾燥した。乾燥後、速やかに電解液を0.75ml注液し、真空シーラーでシールし、90℃、0.6MPaで2分プレス成型した。
続いて、得られた電池の充放電を実施した。充放電条件は300mAの電流値で、電池電圧4.35Vまで定電流充電した後、電池電圧4.35Vで15mAになるまで定電圧充電を行った。10分の休止後、300mAの電流値で電池電圧3.0Vまで定電流放電を行い、10分休止した。以上の充放電を3サイクル実施し、電池容量300mAhの試験用二次電池(扁平捲回型電池セル)を作製した。
(サイクル評価)
上記で作製した扁平捲回型電池セルについて、充放電測定装置を使用し、35℃の雰囲気下、充電を300mAで4.35Vまで、放電を300mAで3.0Vまでする充放電を繰り返し、容量維持率が60%に達するまでのサイクル数を求めた。このサイクル数が多いと、サイクル特性が良いことを示す。このときの充放電条件は、以下の通りとした。
充電条件:1C、CC−CV充電、4.35V、0.05 C Cut off
休止:10分
放電条件:1C、CC放電、3V Cut off
休止:10分。
(実施例1)
図1に示す製造プロセスに従って多孔複合フィルムを作製した。具体的には、まず、ロール1から巻き出した基材幅が610mm、基材長さが3000mのポリオレフィン多孔質膜(膜厚7μm)2を塗工速度55m/minで、ディップヘッド3の上方から下方へディップヘッド3のギャップに通過させ、ポリオレフィン多孔質膜2の両面に塗工液を塗布し、続いて、凝固液中に浸漬させることでポリオレフィン多孔質膜上に塗膜を形成した。ディップヘッド3のギャップのサイズを45μmに調整して片面あたりの塗工厚12μmとした。塗工液はポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、PVdFを溶解する良溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をPVdF:NMP=1:22(質量比)で用いた。
凝固/水洗槽内4の凝固液は、相分離液として水を用い、凝固液中から引き出された段階で、ポリオレフィン多孔質膜上に多孔質層が形成された多孔複合フィルムが得られ、この多孔複合フィルムを、順に、第一の水洗槽5、第二の水洗槽6、第三の水洗槽7の水中に導入して、連続的に洗浄した。
続いて、第三の水洗槽7から引き出された多孔複合フィルムを表面の付着水を除去するため、エアナイフの角度を50°、整流板の角度を40°に調節した水切り装置8へ導入し、風速60m/sで風を吹き付け、表面に付着した付着水を除去した。
水切り後の多孔複合フィルムを、乾燥炉9へ導入し、風速を9.8m/s、乾燥炉内の温度を55℃に設定し多孔複合フィルムの内部に残留した付着水を除去して、乾燥した多孔複合フィルム10を巻取りロール11に巻きとり含水率が低くシワのない多孔複合フィルムを得た。
得られた多孔複合フィルムについて、製造条件と測定結果については表1に示す。
(実施例2〜6)
基材幅、基材長さ、水切り装置のエアナイフの角度、整流板の角度、風速及び乾燥炉内の風速及び温度を表1に示す設定にした以外は、実施例1と同様にして多孔複合フィルムを作製した。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
基材長さを2000mに変更、水切り装置の風速を100m/sに設定し、乾燥炉内の風速を4.0m/s、温度を40℃に設定した以外は、実施例1と同様にして多孔複合フィルムを作製した。測定結果を表1に示す。
(比較例2)
塗工速度を40m/min、乾燥炉内の温度を30℃に設定した以外は、実施例1と同様にして多孔複合フィルムを作製した。測定結果を表1に示す。
(比較例3)
水切り装置のエアナイフの角度を85°、整流板の角度を0°に設定した以外は、実施例1と同様にして多孔複合フィルムを作製した。測定結果を表1に示す。
(比較例4)
乾燥炉内の風速を20.0m/sに設定した以外は、実施例1と同様にして多孔複合フィルムを作製した。測定結果を表1に示す。
(比較例5)
水切り装置を経ずに、乾燥炉の温度を80℃に設定した以外は、実施例1と同様にして多孔複合フィルムを作製した。測定結果を表1に示す。
1:巻出ロール
2:多孔質基材
3:ディップヘッド
4:凝固/水洗槽
5:第一の水洗槽
6:第二の水洗槽
7:第三の水洗槽
8:水切り装置
9:乾燥炉
10:多孔複合フィルム
11:巻取ロール
12:多孔複合フィルム
13:エアナイフ吹き出し口
14:整流板
15:ロール
16:多孔複合フィルム
17:第1ロール
18:第2ロール
19:第1荷重棒
20:第2荷重棒
21:CCD透過型デジタルレーザセンサ
22:MD方向測定区間(MD方向に10点)
23:多孔複合フィルム
24:ロール
25:抱き角
26:フィルム浮上箇所

Claims (7)

  1. 多孔質基材と、当該多孔質基材の少なくとも片面に多孔質層が積層された多孔複合フィルムであって、次の要件(i)〜(iv)を満たす多孔複合フィルム。
    (i)前記多孔質基材がポリオレフィン多孔質膜である。
    (ii)前記多孔複合フィルム上でシワの段差が0.2mm以下である。
    (iii)前記多孔複合フィルムの含水率が500ppm以下である。
    (iv)前記多孔複合フィルムの幅が450mm以上、巻取後の長さが2m以上である。
  2. 弾性率が8500kgf/cm以下である請求項1に記載の多孔複合フィルム。
  3. 前記多孔質層が、フッ素含有樹脂を含む、請求項1から2のいずれか一項に記載の多孔複合フィルム。
  4. 前記フッ素含有樹脂がフッ化ビニリデン単位を含む重合体を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の多孔複合フィルム。
  5. 前記多孔質層がセラミックを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の多孔複合フィルム。
  6. 電池用セパレータに用いる請求項1から5のいずれか一項に記載の多孔複合フィルム。
  7. 樹脂を溶媒に溶解した塗工液を多孔質基材の少なくとも片面に塗工して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜が形成された多孔質基材を水を含む凝固液に浸漬して前記樹脂を凝固させて多孔質層を形成し、前記多孔質基材上に該多孔質層が形成された多孔複合フィルムを得る工程と、
    前記多孔複合フィルムを水洗する工程と、
    水洗後の前記多孔複合フィルムの表面付着水を除去する水切り工程と、
    前記水切り工程においてフィルムとロールが全面接している状態であること、
    フィルム内部の水分を除去するための乾燥する工程を含み、
    塗工液の粘度が100mpa・s以上1000mpa・s以下、塗膜の厚みが5μm以上25μm以下であり、かつ含水率が500ppm、フィルム表面上のシワ段差が0.2mm以下であり、フィルム幅が450mm以上であることを特徴とする、多孔複合フィルムの製造方法。
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