JP2020008563A - 磁場測定装置、磁場測定方法、および磁場測定プログラム - Google Patents

磁場測定装置、磁場測定方法、および磁場測定プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2020008563A
JP2020008563A JP2019085776A JP2019085776A JP2020008563A JP 2020008563 A JP2020008563 A JP 2020008563A JP 2019085776 A JP2019085776 A JP 2019085776A JP 2019085776 A JP2019085776 A JP 2019085776A JP 2020008563 A JP2020008563 A JP 2020008563A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
unit
magnetic
reset
magnetoresistive element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019085776A
Other languages
English (en)
Inventor
征典 益田
Masanori Masuda
征典 益田
石田 一裕
Kazuhiro Ishida
一裕 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Original Assignee
Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Electronics Co Ltd filed Critical Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Priority to US16/458,210 priority Critical patent/US20200003846A1/en
Publication of JP2020008563A publication Critical patent/JP2020008563A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Abstract

【課題】より微弱な磁場を測定できる磁場測定装置を提供する。【解決手段】少なくとも1つの磁気抵抗素子を有するセンサ部と、センサ部に与える磁場を発生する磁場発生部と、センサ部の出力電圧に基づいて、センサ部への入力磁場を低減させるフィードバック磁場を発生させるフィードバック電流を磁場発生部に供給するフィードバック電流発生部と、フィードバック電流に応じた測定値を出力する磁場測定部と、磁気抵抗素子を磁気飽和させるリセット磁場を磁場発生部に発生させる磁気リセット部と、を備える磁場測定装置。【選択図】図1

Description

本発明は、磁場測定装置、磁場測定方法、磁場測定プログラムに関する。
1つのTMR(Tunnel Magneto−Resistance)素子と3つの固定抵抗を用いてブリッジ回路を構成し、ブリッジ回路の出力電圧に基づいて磁場発生コイルに電流を流すための電力を生成し、磁場発生コイルによってTMRモジュールに磁場を与える磁気センサが知られている。(例えば、特許文献1参照)。また、1つのTMR素子と3つの固定抵抗を用いてブリッジ回路を構成し、ブリッジ回路の出力電圧に基づいてブリッジ回路に印加する電圧を制御する磁気センサが知られている。(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1 特開2017−083173号公報
特許文献2 特開2017−096627号公報
測定する磁場が微弱な磁場の場合、TMR素子の磁気に対する振る舞いはマイナーループとなり、大きい磁場を測定する場合と比べて磁気分解能が低下する。しかしながら、例えば心磁測定等の生体磁場測定において、より微弱な磁場を測定できる磁場測定装置の実現が望まれている。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、磁場測定装置を提供する。磁場測定装置は、少なくとも1つの磁気抵抗素子を有するセンサ部を備えてよい。磁場測定装置は、センサ部に与える磁場を発生する磁場発生部を備えてよい。磁場測定装置は、センサ部の出力電圧に基づいて、センサ部への入力磁場を低減させるフィードバック磁場を発生させるフィードバック電流を磁場発生部に供給するフィードバック電流発生部を備えてよい。磁場発生部は、フィードバック電流に応じた測定値を出力する磁場測定部を備えてよい。磁場発生部は、磁気抵抗素子を磁気飽和させるリセット磁場を磁場発生部に発生させる磁気リセット部を備えてよい。
磁気リセット部は、リセットフェーズにおいて、リセット磁場を磁場発生部に発生させ、磁場測定部は、測定フェーズにおいて、測定対象磁場に対して発生されるフィードバック電流に応じた測定値を出力してよい。
磁気リセット部は、磁場発生部にリセット電流を供給するリセット電流供給部を有し、リセット電流供給部は、磁場発生部にリセット電流を供給してリセット磁場を磁場発生部に発生させてよい。
フィードバック電流を磁場発生部に供給するか否かを切り替える切替部を更に備え、リセット電流供給部は、フィードバック電流を磁場発生部に供給していない状態において、磁場発生部にリセット電流を供給してよい。
磁気リセット部は、基準電圧を出力する基準電圧発生部を有し、フィードバック電流発生部は、センサ部の出力電圧および基準電圧の差に応じたフィードバック電流を磁場発生部に供給し、基準電圧発生部は、出力する基準電圧を変更してリセット磁場を磁場発生部に発生させてよい。
基準電圧発生部は、少なくとも1つの可変抵抗を有し、基準電圧発生部は、可変抵抗の抵抗値を変更してリセット磁場を磁場発生部に発生させてよい。
センサ部の出力電圧の範囲よりも、基準電圧発生部の出力電圧の範囲の方が大きくてよい。
センサ部の出力電圧を用いて基準電圧を調整する調整部を更に備えてよい。
調整部は、フィードバック電流に基づいて基準電圧を調整してよい。
調整部は、センサ部の出力電圧および基準電圧の差に基づいて基準電圧を調整してよい。
磁気リセット部は、リセット磁場を磁場発生部に発生させて磁気抵抗素子を磁気飽和させた後に、リセット磁場の強度を徐々に小さくさせてよい。
磁場測定部は、予め定められた期間における測定値を積算して出力してよい。
磁場測定部が出力する測定値の高周波成分を通過させるハイパスフィルタを更に備えてよい。
フィードバック電流発生部は、2つ以上の演算増幅器を用いて構成されてよい。
センサ部は、磁気抵抗素子に隣接して配置される磁気収束部を含み、フィードバック電流発生部は、磁気抵抗素子及び磁気収束部を取り巻くように形成されてよい。
磁気抵抗素子は、基板上に、磁化自由層、非磁性層、および、磁化固定層がこの順で積層され、上面視で、磁化固定層の面積は磁化自由層の面積よりも小さく、磁化固定層の面積に基づいて感磁エリアが定められてよい。
センサ部は、直列に接続された互いに逆極性の第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子を有し、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子の間の電圧を出力してよい。
本発明の第2の態様においては、磁場測定装置が磁場を測定する磁場測定方法を提供する。磁場測定方法は、磁場測定装置が、少なくとも1つの磁気抵抗素子を有するセンサ部の出力電圧に基づいて、センサ部への入力磁場を低減させるフィードバック磁場を発生させるフィードバック電流を、センサ部に与える磁場を発生する磁場発生部に供給することを備えてよい。磁場測定方法は、磁場測定装置が、フィードバック電流に応じた測定値を出力することを備えてよい。磁場測定方法は、磁場測定装置が、磁気抵抗素子を磁気飽和させるリセット磁場を磁場発生部に発生させることを備えてよい。
本発明の第3の態様においては、磁場測定プログラムを提供する。磁場測定プログラムは、コンピュータにより実行されてよい。磁場測定プログラムは、コンピュータを、少なくとも1つの磁気抵抗素子を有するセンサ部の出力電圧に基づいて、センサ部への入力磁場を低減させるフィードバック磁場を発生させるフィードバック電流を、センサ部に与える磁場を発生する磁場発生部に供給するフィードバック電流発生部として機能させてよい。磁場測定プログラムは、コンピュータを、フィードバック電流に応じた測定値を出力する磁場測定部として機能させてよい。磁場測定プログラムは、コンピュータを、磁気抵抗素子を磁気飽和させるリセット磁場を磁場発生部に発生させる磁気リセット部として機能させてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係る磁場測定装置10の構成を示す。 本実施形態に係る磁場測定装置10による、リセットフェーズにおける磁気リセットの第一例のフローを示す。 一般的な磁性体の磁化曲線を示す。 本実施形態に係る磁場測定装置10における、センサ部110への入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10の構成を示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10において、基準電圧発生部510が少なくとも1つの可変抵抗を有する例を示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10による、リセットフェーズにおける磁気リセットの第二例のフローを示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10において、演算部140が調整部810を有する例を示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10による、磁気動作点調整の第一例のフローを示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10による、図9のフローに基づく磁気動作点調整前後における入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10による、磁気動作点調整の第二例のフローを示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10による、図11のフローに基づく磁気動作点調整前後における入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10において、第1スイッチ1310を備えた磁場測定装置10の構成を示す。 図13の磁場測定装置10による、磁気動作点調整の第三例のフローを示す。 図13の磁場測定装置10による、図14のフローに基づく磁気動作点調整前後における入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10において、第1スイッチ1310および調整用電流発生部1610を備えた磁場測定装置10の構成を示す。 図16の磁場測定装置10による、磁気動作点調整の第四例のフローを示す。 図16の磁場測定装置10による、図17のフローに基づく磁気動作点調整前後における入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。 図16の磁場測定装置10における調整部810が、電圧Vopen_adjustを算出するために用いる調整用電流Iadjustに対する電圧Vopenの特性を示す。 図16の磁場測定装置10における調整部810が、電圧Vopen_adjustを算出するために用いるdVopen/dIadjust特性を示す。 本実施形態に係る磁場測定装置10により磁場を測定するためのフローを示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10において、第2スイッチ2160およびハイパスフィルタ2170を備えた磁場測定装置10の構成を示す。 本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10において、第3演算増幅器2180を備えた磁場測定装置10の構成を示す。 本実施形態に係るセンサ部110の具体例を示す。 本具体例に係るセンサ部110にフィードバック磁場を発生させた時の磁束分布を示す。 本具体例に係るセンサ部110の構成の一例を示す。 本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る磁場測定装置10の構成を示す。磁場測定装置10は、磁気抵抗素子を用いて生体(人体等)の電気活動により生成される磁場(「生体磁場」と示す。)を測定する。磁場測定装置10は、磁気抵抗素子を磁気リセットする機能を有し、これによって、より微弱な磁場を測定することができる。磁場測定装置10は、センサ部110と、フィードバック電流発生部120と、磁場発生部130と、演算部140と、磁気リセット部160と、切替部170とを備える。なお、磁気リセットの定義は後述する。
センサ部110は、少なくとも1つの磁気抵抗素子を有する。本実施形態においては、一例として、センサ部110は、電源電圧VccとグランドGNDとの間に直列に接続された第1磁気抵抗素子112と第2磁気抵抗素子114、および、電源電圧VccとグランドGNDとの間に直列に接続された第3磁気抵抗素子116と第4磁気抵抗素子118を有する。本実施形態において、センサ部110は、第1磁気抵抗素子112と第2磁気抵抗素子114の間の電圧、および、第3磁気抵抗素子116と第4磁気抵抗素子118の間の電圧をそれぞれ出力する。また、第1磁気抵抗素子112、第2磁気抵抗素子114、第3磁気抵抗素子116、および第4磁気抵抗素子118とでブリッジ回路を構成する。これに代えて、センサ部110は、例えば、第1磁気抵抗素子112、第2磁気抵抗素子114、第3磁気抵抗素子116、および第4磁気抵抗素子118の少なくともいずれかが固定抵抗で構成されたもの、または、第1磁気抵抗素子112と第2磁気抵抗素子114、および、第3磁気抵抗素子116と第4磁気抵抗素子118のいずれか一方が定電圧源で構成されたもの等であってもよく、少なくとも1つの磁気抵抗素子に入力された磁場に応じた電圧を出力する様々な態様を含む。
センサ部110は、少なくとも直列に接続された互いに逆極性の第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114を有し、第1磁気抵抗素子112と第2磁気抵抗素子114の間の電圧を出力する構成とすると、温度によるオフセットや感度などの特性変動の低減効果が得られる。ここで、逆極性とは、同一方向の入力磁場に対して、磁気抵抗素子の抵抗の増減方向が逆であることをいう。本実施形態においては、さらに、第3磁気抵抗素子116を第1磁気抵抗素子112と逆極性、および、第4磁気抵抗素子118を第2磁気抵抗素子114と逆極性とし、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114に加えて、第3磁気抵抗素子116および第4磁気抵抗素子118についても互いに逆極性とした例を示す。
第1磁気抵抗素子112、第2磁気抵抗素子114、第3磁気抵抗素子116、および第4磁気抵抗素子118は、例えば、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magneto−Resistance)素子または巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto−Resistance)素子等であってよい。
フィードバック電流発生部120は、センサ部110の出力電圧に基づいて、センサ部110への入力磁場を低減させるフィードバック磁場を発生させるフィードバック電流を磁場発生部130に供給する。本実施形態においては、一例として、フィードバック電流発生部120は、第1演算増幅器122を有し、第1演算増幅器122の2つの差動入力端子に、センサ部110の出力端子をそれぞれ接続する。そして、第1演算増幅器122は、センサ部110のそれぞれの出力電圧の差に応じたフィードバック電流を発生させ、これを磁場発生部130に供給する。ここで、センサ部110のそれぞれの出力電圧の差をVopenと定義する。
磁場発生部130は、センサ部110に与える磁場を発生する。本実施形態においては、一例として、磁場発生部130はコイル132を有する。フィードバック電流発生部120からフィードバック電流が供給されると、コイル132は、供給されたフィードバック電流に基づいてセンサ部110が有する各磁気抵抗素子に与えるフィードバック磁場を発生する。ここで、センサ部110は、コイル132に内包されるように位置してもよい。
演算部140は、電流電圧変換抵抗142と、第2演算増幅器144と、AD変換器146と、磁場測定部150とを有し、磁場測定装置10に係る各種演算を行う。
電流電圧変換抵抗142は、一端が磁場発生部130に接続され、他端が固定電圧1に接続されており、フィードバック電流を電圧に変換し、その両端にフィードバック電流に基づく電圧(フィードバック電流×電流電圧変換抵抗142の抵抗値)を発生させる。ここで、電流電圧変換抵抗142によって発生させた当該フィードバック電流に基づく電圧をVclosedと定義する。
第2演算増幅器144は、差動入力端子に電流電圧変換抵抗142の両端をそれぞれ接続し、電流電圧変換抵抗142の両端の電圧、すなわち、電圧Vclosedに応じた電圧VAMPを出力する。
AD変換器146は、第2演算増幅器144に接続され、第2演算増幅器144によって出力される電圧Vclosedに応じたアナログの電圧値VAMPをデジタル値VADCへ変換する。
磁場測定部150は、測定フェーズにおいて、測定対象磁場に対して発生されるフィードバック電流に応じた測定値を出力する。本実施形態においては、一例として、磁場測定部150は、AD変換器146に接続され、AD変換器146によって変換された電圧Vclosedに応じたデジタル値VADCに基づいて測定値を出力する。
磁気リセット部160は、リセットフェーズにおいて、センサ部110が有する各磁気抵抗素子を磁気飽和させるリセット磁場を磁場発生部130に発生させる。本実施形態においては、一例として、磁気リセット部160は、磁場発生部130にリセット電流を供給するリセット電流供給部162を有する。リセット電流供給部162は、磁場発生部130にリセット電流を供給してリセット磁場を磁場発生部130に発生させる。なお、磁気飽和とは、磁気抵抗素子に一定量の磁場が入力して磁気抵抗素子の出力が磁場に対して変動しなくなることを示している。このように磁気抵抗素子が磁気飽和する程度の磁場をリセット磁場、またリセット磁場を発生させる電流をリセット電流と定義して用いる。
切替部170は、フィードバック電流発生部120と磁場発生部130との間に設けられ、フィードバック電流発生部120が発生したフィードバック電流を磁場発生部130に供給するか否かを切り替える。また、切替部170は、フィードバック電流を磁場発生部130に供給しない場合に、磁場発生部130をリセット電流供給部162に接続させる。そして、リセット電流供給部162は、フィードバック電流を磁場発生部130に供給していない状態において、磁場発生部130にリセット電流を供給する。
本実施形態に係る磁場測定装置10によれば、センサ部110に測定対象磁場が入力されると、フィードバック電流発生部120は、測定対象磁場に応じたセンサ部110のそれぞれの出力電圧の差(すなわち電圧Vopen)に応じたフィードバック電流を発生させ、これを磁場発生部130に供給する。そして、磁場発生部130は、供給されたフィードバック電流に応じて、センサ部110に入力された測定対象磁場を相殺させるフィードバック磁場を発生させる。そして、磁場測定部150は、測定フェーズにおいて、測定対象磁場に対して発生されたフィードバック電流に応じた測定値、具体的には、電圧Vclosedに応じた電圧値を出力する。ここで、この一連の制御をクローズドループ制御と定義する。なお、クローズドループ制御下においては、電圧Vopenの値は0となるように、すなわち、入力磁場を相殺するフィードバック磁場が発生するように制御される。
図2は、本実施形態に係る磁場測定装置10による、リセットフェーズにおける磁気リセットの第一例のフローを示す。ここで、クローズドループ制御を行わない状態をオープンループと定義する。ステップ210において、切替部170は、クローズドループ制御から、フィードバック電流を磁場発生部130に供給しない状態、すなわち、オープンループに切り替える。また、切替部170は、磁場発生部130をリセット電流供給部162に接続させる。
次に、ステップ220において、リセット電流供給部162は、磁場発生部130にリセット電流を供給して、磁場発生部130にセンサ部110が有する各磁気抵抗素子を磁気飽和させるリセット磁場を発生させる。ここで、リセット電流供給部162は、センサ部110が有する各磁気抵抗素子を磁気飽和させるために予め定めた十分な大きさの電流を供給して、磁場発生部130にリセット磁場を発生させてもよい。これに代えて、リセット電流供給部162は、センサ部110の出力電圧をモニタしながらセンサ部110の出力電圧が各磁気抵抗素子が磁気飽和したことを示す値となるまで供給するリセット電流の強度を徐々に大きくして、磁場発生部130にリセット磁場を発生させてもよい。リセット磁場は、磁場測定装置10がどのような向きに配置されていても、すなわち、どのような向きに地磁気がかかっていても磁気抵抗素子を磁気飽和できるよう、例えば、磁場が0の状態で磁気抵抗素子を磁気飽和させる磁場の大きさに、地磁気分を加えた大きさ以上としてもよい。
次に、ステップ230において、リセット電流供給部162は、磁場発生部130へのリセット電流の供給を停止する。ここで、リセット電流供給部162は、リセット磁場を磁場発生部130に発生させて各磁気抵抗素子を磁気飽和させた後に、磁場発生部130へ供給するリセット電流の大きさを徐々に小さくして、磁場発生部130に発生させるリセット磁場の強度を徐々に小さくさせてもよい。一般的に、磁気抵抗素子は、磁界を加えていくと、磁壁(磁区と磁区の境界)が移動していき、次に、磁区の中で磁化の回転が起き、やがて全体が一つの磁区で覆われた単一磁区状態となる。これが磁気飽和に対応する。そして、磁気抵抗素子は、磁気飽和の状態から磁界を減少していくと、磁気抵抗素子のエネルギーを最小化するようにさまざまな磁化方向をもつ磁壁が発生し、磁界の減少とともに磁壁が移動していく。本実施形態に係るリセット電流供給部162によれば、各磁気抵抗素子を磁気飽和させた後のステップ230において、磁場発生部130へ供給するリセット磁場を徐々に小さくさせることで、磁気抵抗素子を常に同じ磁化状態に近づけることができる。磁気抵抗素子は、磁気リセット毎に同じような状態となるため、各磁気リセット後の磁気抵抗素子の磁化状態のばらつきを比較的小さくすることができる。
そして、ステップ240において、切替部170は、磁場発生部130をフィードバック電流発生部120に接続させ、オープンループからフィードバック制御に切り替えて磁気リセット処理を終了する。その後、磁場測定部150は、測定フェーズにおいて、クローズドループ制御下で、測定対象磁場に対して発生されたフィードバック電流に応じた測定値を出力する。
図3は、一般的な磁性体の磁化曲線を示す。磁性体は、初磁化状態では、点310に示すように、磁界が0のとき磁化は0である。この状態から磁界を正側に増加していくと、磁化は、曲線350を辿って増加し、点312に到達する。この曲線350を初磁化曲線という。点312に到達すると、磁化は、これ以上磁界を正側に増加しても変化しなくなる。この時、磁性体は磁気飽和した状態となる。その後、磁界を減少させていくと、磁化は、曲線350ではなく、曲線360を辿って減少し、点314に到達する。点314において、磁界が0であっても磁化は残っており、これを残留磁化という。さらに磁界を負側に増加させていくと、磁化は、曲線360を辿って減少し、点316に到達する。点316に到達すると、磁化は、これ以上磁界を負側に増加しても変化しなくなる。この時、磁性体は再び磁気飽和した状態となる。その後、再び磁界を正側に増加していくと、磁化は、曲線360ではなく、曲線370を辿って増加し、点318を経由して点312に到達する。磁性体は、一般的に、このような磁気ヒステリシス特性を有する。ここで、磁性体が磁気飽和した状態となる点312および点316を通る曲線360および曲線370からなる最大のループをメジャーループという。
一方、例えば、点318の状態から、磁界を負側に増加させていくと、磁化は、曲線380を辿って減少する。この状態から、磁性体が磁気飽和する前の点320において再び磁界を正側に増加させていくと、磁化は、曲線380ではなく、曲線390を辿って増加し、点318に到達する。このように、磁性体が磁気飽和した状態となる点312および316を通らない、例えば、曲線380および曲線390からなるループをマイナーループという。
図4は、本実施形態に係る磁場測定装置10における、センサ部110への入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。本実施形態において、センサ部110への入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性は、センサ部110が有する第1磁気抵抗素子112、第2磁気抵抗素子114、第3磁気抵抗素子116、および第4磁気抵抗素子118の磁気ヒステリシス特性に準じて、本図に示すような特性を有する。符号410はマイナーループを示し、符号420はメジャーループを示す。
本実施形態に係る磁場測定装置10は、磁気リセットを行う前の状態において、クローズドループ制御下で磁場の測定を行うと、センサ部110が有する各磁気抵抗素子の磁気動作点がマイナーループ410上の点430にある状態で磁場を測定することとなる。しかしながら、センサ部110が有する各磁気抵抗素子は、磁性体の一般的な現象として、マイナーループ上で動作させた場合には、メジャーループ上で動作させた場合に比べて高い磁気感度(Binに対する電圧Vopenの変化率)を得ることができず、微弱な測定対象磁場を検出できなくなる。そこで、本実施形態における磁場測定装置10によれば、測定フェーズの前の磁気リセットフェーズにおいて、センサ部110が有する各磁気抵抗素子の磁気動作点を、マイナーループ410上の点430から、メジャーループ420上の点440に遷移させる。ここで、磁気動作点は、本実施形態に係る磁場測定装置10を構成する磁気抵抗素子に入力する磁場の総和として定義する。
一例として、本実施形態に係る磁場測定装置10は、測定フェーズの前の磁気リセットフェーズにおいて、図2のフローに従ってセンサ部110が有する各磁気抵抗素子を磁気リセットする。具体的には、切替部170が、クローズドループ制御からオープンループに切り替え、リセット電流供給部162が、磁場発生部130にリセット電流を供給して、磁場発生部130にリセット磁場Bresetを発生させる。この時点で、センサ部110が有する各磁気抵抗素子は磁気飽和した状態となり、磁気動作点は、マイナーループ410上の点430から、曲線450を辿って、メジャーループ420上の点460へ遷移する。そして、リセット電流供給部162は、リセット電流の供給を停止する。そうすると、リセット磁場Bresetが発生しなくなるので、電圧Vopenは0となる。ここで、センサ部110が有する各磁気抵抗素子の磁気動作点は、メジャーループを構成する曲線470を辿って点460から点440に移動する。これにより、本実施形態に係る磁場測定装置10は、センサ部110が有する各磁気抵抗素子の磁気動作点を、マイナーループ410上の点430からメジャーループ420上の点440に遷移させることができる。
従来の1つのTMR素子と3つの固定抵抗から構成されるブリッジ回路を用いた磁気センサでは、TMR素子の磁気動作点が、高い磁気感度を得られないマイナーループ上にくる場合があった。これに対して、本実施形態の磁場測定装置10によれば、センサ部110が有する各磁気抵抗素子の磁気動作点を、マイナーループに対して高い磁気感度を得られるメジャーループ上に遷移させることができ、より微弱な測定対象磁場を検出することが可能となる。
図5は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10の構成を示す。図5においては、図1と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本変形例に係る磁場測定装置10は、図1に示す磁場測定装置10と異なり、切替部170を備えていない。また、センサ部110は、電源電圧VccとグランドGNDの間に直列に接続された第1磁気抵抗素子112と第2磁気抵抗素子114とを有し、第1磁気抵抗素子112と第2磁気抵抗素子114の間の電圧を出力する。また、磁気リセット部160は、リセット電流供給部162に代えて、基準電圧を出力する基準電圧発生部510を有し、フィードバック電流発生部120は、センサ部110の出力電圧および基準電圧発生部510が出力する基準電圧の差に応じたフィードバック電流を磁場発生部130に供給する。そして、基準電圧発生部510は、クローズドループ制御下において、出力する基準電圧を変更してリセット磁場を磁場発生部130に発生させる。なお、この場合、センサ部110の出力電圧および基準電圧発生部510が出力する基準電圧の差をVopenと定義する。本変形例に係る磁場測定装置10によれば、各磁気抵抗素子を磁気リセットするにあたり、クローズドループ制御下からオープンループに切り替えることを必要としないため、切り替えに要する処理の遅延をなくすことができる。また、基準電圧発生部510とは別にリセット電流供給部162を用いる必要がないため、系を単純化することができる。
図6は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10において、基準電圧発生部510が少なくとも1つの可変抵抗を有する例を示す。図6においては、図5と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本図に示すように、基準電圧発生部510は、少なくとも1つの可変抵抗を有してもよい。一例として、基準電圧発生部510は、電源電圧VccとグランドGNDとの間に直列に接続された固定抵抗612および可変抵抗614を有し、固定抵抗612と可変抵抗614の間の電圧を出力する構成としてよい。また、センサ部110が有する第1磁気抵抗素子112、第2磁気抵抗素子114、基準電圧発生部510が有する固定抵抗612、および可変抵抗614とでブリッジ回路を構成してよい。その他にも、基準電圧発生部510は、例えば、固定抵抗612を第1磁気抵抗素子112と逆極性の磁気抵抗素子とし、可変抵抗614を第2磁気抵抗素子114と逆極性の磁気抵抗素子と可変抵抗とを直列接続した構成としてもよい。基準電圧発生部510が可変抵抗を有する場合、基準電圧発生部510は、クローズドループ制御下において、当該可変抵抗の抵抗値を変更してリセット磁場を磁場発生部130に発生させる。
図7は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10による、リセットフェーズにおける磁気リセットの第二例のフローを示す。ステップ710において、基準電圧発生部510は、クローズドループ制御下において、出力する基準電圧を初期基準電圧Vref_initialからリセット基準電圧Vref_resetに変更する。基準電圧発生部510は、例えば、図6に示すように、少なくとも1つの可変抵抗を有する場合には、当該可変抵抗の抵抗値を初期抵抗値Rinitialからリセット抵抗値Rresetに変更して基準電圧をリセット基準電圧Vref_resetに変更する。そうすると、フィードバック電流発生部120は、センサ部110の出力電圧およびリセット基準電圧Vref_resetの差に応じたフィードバック電流、すなわち、リセット電流を発生させ、これを磁場発生部130に供給する。磁場発生部130は、供給されたリセット電流に応じて、センサ部110が有する各磁気抵抗素子を磁気飽和させるリセット磁場を発生させる。ここで、基準電圧発生部510は、センサ部110が有する各磁気抵抗素子を磁気飽和させるために予め定めた十分な大きさの基準電圧に変更し、磁場発生部130にリセット磁場を発生させてもよい。これに代えて、基準電圧発生部510は、センサ部110の出力をモニタしながらセンサ部110の出力電圧が各磁気抵抗素子が磁気飽和したことを示す値となるまで基準電圧を変更して、磁場発生部130にリセット磁場を発生させてもよい。ここで、リセット磁場を発生させるための基準電圧とするために、センサ部110の出力電圧の範囲より、基準電圧発生部510の出力電圧の範囲が大きいほうが好ましい。なお、出力電圧の範囲とは、出力電圧が取り得る最大の値と、出力電圧が取り得る最小の値との差分で定義される。
次に、ステップ720において、基準電圧発生部510は、出力する基準電圧をリセット基準電圧Vref_resetから初期基準電圧Vref_initialに戻して、磁気リセット処理を終了する。ここで、基準電圧発生部510は、図2におけるステップ230と同様に、基準電圧発生部が出力する基準電圧を、リセット基準電圧Vref_resetから徐々に初期基準電圧Vref_initialに戻して、磁場発生部130に発生させるリセット磁場の強度を徐々に小さくさせてもよい。その後、磁場測定部150は、測定フェーズにおいて、クローズドループ制御下のまま、測定対象磁場に対して発生されたフィードバック電流に応じた測定値を出力する。
図8は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10において、演算部140が調整部810を有する例を示す。図8においては、図5と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本図における磁場測定装置10は、図8の磁場測定装置10に加えて、調整部810をさらに有する。調整部810は、測定フェーズの前の調整フェーズにおいて、センサ部110の出力電圧を用いて基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整する。基準電圧発生部510が、例えば、図6に示すように、少なくとも1つの可変抵抗を有する場合には、調整部810は、当該可変抵抗の抵抗値を変更して基準電圧を調整する。
図9は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10による、磁気動作点調整の第一例のフローを示す。磁気動作点は、本実施形態に係る磁場測定装置10を構成する磁気抵抗素子に入力する磁場の総和として定義する。ステップ910において、例えば測定者が、センサ部110に入力される入力磁場を、磁気動作点調整を行うために予め定められた値である調整用磁場にする。ここで、調整用磁場はセンサ部110が磁気検出し得る磁場範囲内において任意の値であってよい。以下においては、調整用磁場が0である場合について説明する。調整用磁場が0である場合、例えば測定者が、本変形例に係る磁場測定装置10を、磁気シールドルームや持ち運び可能な磁気シールドボックス内に置くことによって、地磁気等の環境磁場をシールドしてセンサ部110に入力される入力磁場を0にする。
次に、ステップ920において、調整部810は、センサ部110に予め定められた値である調整用磁場が入力されている状態における電圧Vclosedに基づくデジタル値VADCの値を取得する。
そして、ステップ930において、調整部810は、フィードバック電流に基づいて基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整する。本フローにおいて、調整部810は、センサ部110に調整用磁場が入力されたことに応じて、測定値、例えば、電圧Vclosedに基づくデジタル値VADCが、調整用磁場に応じて予め定められた値の範囲内となるように基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整して処理を終了する。一例として、調整部810は、センサ部110に入力される調整用磁場が0である場合に、電圧Vclosedを0にすべく、例えば、電圧Vclosedに基づくデジタル値VADCの値が予め定められた閾値以下となるように、基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整する。なお、調整用磁場が0でない場合には、調整部810は、電圧Vclosedが調整用磁場の強度に応じた値となるように基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整する。なお、クローズドループにおいては電圧Vclosedと、電圧VAMPは一意に対応しており、等価な物理量として扱ってよい。
図10は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10による、図9のフローに基づく磁気動作点調整前後における入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。なお、磁気動作点調整の説明においては、ヒステリシス特性は説明の便宜上省略している。曲線1010は、図9のフローに基づく磁気動作点調整前におけるセンサ部110への入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。例えば、センサ部110への入力磁場Binが0の場合、センサ部110の出力電圧および基準電圧が理想的に同一の値であれば、電圧Vopenの値は0となるはずである。しかしながら、センサ部110の出力電圧および基準電圧発生部510が出力する基準電圧は、例えば、センサ部110が有する第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114や基準電圧発生部510が有する固定抵抗612および可変抵抗614の素子形成プロセスのばらつき等に起因して必ずしも理想的に同一の値とはならない。その結果、入力磁場Binが0であっても電圧Vopenの値は0とはならず、例えば点1020に示すようにある有限の値(「Vinitial」とする。)をとり得る。
この状態において、クローズドループ制御が行われると、フィードバック電流発生部120は、電圧Vinitialに応じたフィードバック電流Ifeedback_initialを発生させ、これを磁場発生部130へ供給する。そして、磁場発生部130は、このフィードバック電流Ifeedback_initialに基づいて電圧Vopenを0にするようにフィードバック磁場Bfeedback_initialを発生させる。すなわち、フィードバック磁場Bfeedback_initialによって、電圧Vopenは0となり、磁気動作点は点1020から点1030に遷移する。この状態において、磁場測定装置10が測定対象磁場を測定すると、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114は、点1030を磁気動作点として磁場の測定を行うこととなる。
しかしながら、入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性は、センサ部110が有する第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気飽和特性に準じて、図10に示すように磁気飽和領域を有する。そして、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114は、磁気飽和領域またはこれに近い領域で動作させると、高い磁気感度(磁場Binに対する電圧Vopenの変化率)を得ることができず微弱な測定対象磁場を検出できなくなる。そこで、本実施形態における磁場測定装置10は、測定フェーズの前の調整フェーズにおいて、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気動作点を調整することによって、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114を磁気感度の比較的高い、すなわち、高い磁気分解能を有する点で動作させることを可能とする。
曲線1040は、図9のフローに基づく磁気動作点調整後におけるセンサ部110への入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。本実施形態に係る磁場測定装置10によれば、図9のフローに基づく磁気動作点調整により、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の動作点を点1030から点1050に遷移させることができる。この点1050は、入力磁場Binが0の場合において電圧Vclosedが0、すなわち、フィードバック電流が0となる点であり、この点において第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114を動作させると最も高い磁気感度を得ることができる。
従来の1つのTMR素子と3つの固定抵抗から構成されるブリッジ回路を用いた磁気センサでは、TMR素子や固定抵抗の素子形成プロセスのばらつき等によって、TMR素子の磁気動作点が磁気感度の低下した磁気飽和領域内に位置することがあった。これに対して、本変形例の磁場測定装置10によれば、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気動作点を磁気感度が比較的高い点に遷移させることができ、より微弱な測定対象磁場を信号として検出することが可能となる。
図11は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10による、磁気動作点調整の第二例のフローを示す。本フローによる磁気動作点調整は、図9のフローによる磁気動作点調整と異なり、センサ部110に入力する入力磁場Binを予め定められた値である調整用磁場にする必要がない。すなわち、例えば、測定者が磁場測定装置10を磁気シールドルームや持ち運び可能な磁気シールドボックス内に置いてセンサ部110に入力される入力磁場を0とすることを必要としない。ステップ1110において、調整部810は、電圧Vclosedに基づくデジタル値VADCの値を取得する。なお、この時点でセンサ部110に入力される入力磁場は、上述のとおり予め定められた既知の値ではなく、未知の値である。
次に、ステップ1120において、調整部810は、ステップ1110で取得した電圧Vclosedの分散値を算出する。ここで分散値とは、所定の期間において、電圧Vclosedがとりうる値のばらつきの大きさである。例えば、調整部810は、所定の期間における電圧Vclosedの値を取得してその平均値を算出し、各Vclosedの値と当該平均値の差を二乗してその平均をとることで電圧Vclosedの分散値を算出してよい。
そして、ステップ1130において、調整部810は、電圧Vclosedの分散値を低減させるように基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整して処理を終了する。一例として、調整部810は、ステップ1120で算出した電圧Vclosedの分散値が最小となるように基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整する。なお、電圧Vclosedは、フィードバック電流が電流電圧変換抵抗142を介して電圧に変換されたものであるから、電圧Vclosedの分散値を最小にすることは、フィードバック電流の分散値を最小にすることに対応している。
図12は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10による、図11のフローに基づく磁気動作点調整前後における入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。図10と同一の符号を付した部分については図10の説明と同様であるので記載を省略する。図10と異なる点は、センサ部110に入力される入力磁場Binが既知の値ではなく、ある有限の未知の値(「Bsignal」とする。)を有する点である。
この状態において、クローズドループ制御が行われると、フィードバック電流発生部120は、電圧Vinitialに応じたフィードバック電流Ifeedback_initialに加えて、磁場Bsignalを相殺するためのフィードバック電流Ifeedbackを発生し、これらを磁場発生部130へ供給する。そして、磁場発生部130は、これらフィードバック電流に基づいて、電圧Vopenを0にするようにフィードバック磁場Bfeedback_initialを発生させるとともに、磁場Bsignalを相殺するようにフィードバック磁場Bfeedbackを発生させる。この場合においても、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気動作点は、図10と同様、点1030となる。ここで、調整部810は、フィードバック電流に基づいて第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気動作点を調整すべく、基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整することとなるが、調整部810は、フィードバック電流をIfeedback_initialとIfeedbackとに区別することができない。
そこで、本実施形態において、調整部810は、電圧Vclosedの分散値に基づいて基準電圧を調整する。一般的に、磁気抵抗素子は磁気飽和点に近づくほど磁気感度が低下するため、磁気感度に対する出力のゆらぎ(出力の不確定性)の比が大きくなる(すなわち磁気検出におけるシグナルノイズ比が低下する)特性を有する。そして、本実施形態において、フィードバック電流発生部120が発生するフィードバック電流は、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114を有するセンサ部110の出力電圧に基づくものであるから、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気検出におけるシグナルノイズ比を反映している。例えば、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114が磁気飽和点に近づくほど、シグナルノイズ比が低下するため、それに追随してフィードバック電流のゆらぎも大きくなる。したがって、フィードバック電流のゆらぎを低減させるように基準電圧を調整すれば、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気動作点を磁気飽和点から最も離れた点、すなわち、最も高い磁気感度を有する点へ遷移させることができる。この原理を利用して、調整部810は、フィードバック電流の分散値を反映した電圧Vclosedの分散値を低減させるように基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整し、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気動作点を比較的高い磁気感度を有する点へ遷移させる。
曲線1240は、図11のフローに基づく磁気動作点調整後におけるセンサ部110への入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。本変形例に係る磁場測定装置10によれば、図11のフローに基づく磁気動作点調整により、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気動作点を点1030から点1250に遷移させることができる。この点1250は、電圧Vclosedの分散値が最小となる点、すなわち、フィードバック電流の分散値が最小となる点であり、この点において第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114を動作させると最も高い磁気感度を得ることができる。
図13は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10において、第1スイッチ1310を備えた磁場測定装置10の構成を示す。図13においては、図8と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本図における磁場測定装置10は、図8の磁場測定装置10に加えて、第1スイッチ1310を更に備える。第1スイッチ1310は、フィードバック電流発生部120と磁場発生部130との間に設けられ、フィードバック電流発生部120が発生したフィードバック電流を磁場発生部130に供給するか否かを切り替えることができる。また、第1スイッチ1310は、フィードバック電流を磁場発生部130に供給しない場合に、フィードバック電流発生部120の出力をAD変換器146に供給することができる。この場合、調整部810は、フィードバック電流を磁場発生部130に供給していない状態におけるセンサ部110の出力電圧を用いて基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整する。
図14は、図13の磁場測定装置10による、磁気動作点調整の第三例のフローを示す。ステップ1410において、第1スイッチ1310は、クローズドループ制御から、フィードバック電流を磁場発生部130に供給しない状態、すなわち、オープンループに切り替える。また、第1スイッチ1310は、フィードバック電流発生部120の出力をAD変換器146に供給する。
ステップ1420において、図9のステップ910と同様、例えば測定者が、センサ部110に入力される入力磁場を、磁気動作点調整を行うために予め定められた値である調整用磁場にする。なお、ここにおいても、調整用磁場は0であることが好ましい。以下においては、調整用磁場が0である場合について説明する。
次に、ステップ1430において、調整部810は、センサ部110に予め定められた値である調整用磁場が入力されている状態における電圧Vopenの値を取得する。一例として、調整部810は、フィードバック電流発生部120の出力をAD変換器146によってデジタルへ変換することで、電圧Vopenに基づくデジタル値VADCを取得する。なお、オープンループにおいては電圧Vopenと、デジタル値VADCは一意に対応しており、等価な物理量として扱ってよい。
そして、ステップ1440において、調整部810は、フィードバック電流を磁場発生部130に供給していない状態において、センサ部110に調整用磁場が入力されたことに応じて、センサ部110の出力電圧および基準電圧発生部510が出力する基準電圧の差である電圧Vopenが調整用磁場に応じて定められた範囲内となるように基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整して処理を終了する。一例として、調整部810は、センサ部110に入力される調整用磁場が0である場合に、電圧Vopenを0にすべく、例えば、電圧Vopenの絶対値が予め定められた閾値以下となるように、基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整する。
図15は、図13の磁場測定装置10による、図14のフローに基づく磁気動作点調整前後における入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。図10と同一の符号を付した部分については図10の説明と同様であるので記載を省略する。図10と異なる点は、磁場測定装置10がオープンループ下で磁気動作点調整を行う点である。
第1スイッチ1310が、クローズドループ制御からオープンループに切り替えると、フィードバック磁場Bfeedback_initialが発生しなくなるため、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気動作点は、点1030から点1020に遷移する。この状態において、調整部810は、例えば、センサ部110に入力される入力磁場が0である場合に、電圧Vopenを0にすべく、基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整する。曲線1540は、図14のフローに基づく磁気動作点調整後におけるセンサ部110への入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。図13の磁場測定装置10によれば、図14のフローに基づく磁気動作点調整により、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気動作点を点1020から点1550に遷移させることができる。この点1550は、入力磁場Binが0の場合において電圧Vopenが0となる点であり、図13の磁場測定装置10は、この状態でオープンループからクローズドループに切り替えて第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114を動作させると最も高い磁気感度を得ることができる。
図16は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10における、第1スイッチ1310および調整用電流発生部1610を備えた磁場測定装置10の構成を示す。図16においては、図13と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本図における磁場測定装置10は、図13の磁場測定装置10に加えて、調整用電流発生部1610を更に備える。調整用電流発生部1610は、調整用電流Iadjustを発生する。また、本図における磁場測定装置10の第1スイッチ1310は、フィードバック電流を磁場発生部130に供給しない場合に、フィードバック電流発生部120の出力をAD変換器146に供給するとともに、磁場発生部130を調整用電流発生部1610に接続させて、磁場発生部130に調整用電流を供給することができる。この場合、調整部810は、磁場発生部130に調整用電流を供給している状態におけるセンサ部110の出力電圧を用いて基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整する。
図17は、図16の磁場測定装置10による、磁気動作点調整の第四例のフローを示す。ステップ1710において、第1スイッチ1310は、ステップ1410と同様に、クローズドループ制御からオープンループに切り替える。また、第1スイッチ1310は、フィードバック電流発生部120の出力をAD変換器146に供給するとともに、磁場発生部130を調整用電流発生部1610に接続させて、磁場発生部130に調整用電流を供給する。
ステップ1720において、調整部810は、調整用電流発生部1610が発生する調整用電流Iadjustの大きさを変化させながら電圧Vopenの値を取得していき、調整用電流Iadjustに対する電圧Vopenの特性(Vopen対Iadjust特性)を取得する。
ステップ1730において、調整部810は、ステップ1720において取得した調整用電流に対する電圧Vopenの特性から、電圧Vopen_adjustを算出する。電圧Vopen_adjustの算出法は、後述する。
ステップ1740において、調整部810は、調整用電流に対するセンサ部110の出力電圧および基準電圧の差である電圧Vopenの特性に基づいて基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整して処理を終了する。一例として、調整部810は、電圧Vopenが、ステップ1730において算出した電圧Vopen_adjustとなるように基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整する。
図18は、図16の磁場測定装置10による、図17のフローに基づく磁気動作点調整前後における入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。図15と同一の符号を付した部分については図15の説明と同様であるので記載を省略する。図15と異なる点は、入力磁場Binが0ではなく、ある有限の値(「Bsignal」とする。)を有する点である。
第1スイッチ1310は、磁場発生部130がフィードバック電流に基づいてフィードバック磁場Bfeedback_initialおよびBfeedbackを発生させている状態において、クローズドループ制御からオープンループに切り替える。そうすると、フィードバック磁場Bfeedback_initialおよびBfeedbackが発生しなくなるため、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気動作点は磁場Bsignalに基づいて点1810に遷移する。この状態において、調整部810は、図17のフローに基づく磁気動作点調整により基準電圧発生部510が出力する基準電圧を調整する。曲線1820は、図16の磁場測定装置10による、図17のフローに基づく磁気動作点調整後におけるセンサ部110への入力磁場Binに対する電圧Vopenの特性を示す。図16の磁場測定装置10によれば、図17のフローに基づく磁気動作点調整により、第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114の磁気動作点を点1810から点1830に遷移させることができる。この点1830は、電圧Vopen=Vopen_adjustとなる点であり、図16の磁場測定装置10は、この状態でオープンループからクローズドループに切り替えて第1磁気抵抗素子112および第2磁気抵抗素子114を動作させると最も高い磁気感度を得ることができる。
図19は、図16の磁場測定装置10における調整部810が、電圧Vopen_adjustを算出するために用いる調整用電流Iadjustに対する電圧Vopenの特性を示す。調整部810は、図17のステップ1720により、例えば曲線1920に示すような調整用電流Iadjustに対する電圧Vopenの特性を取得する。そして、調整部810は、曲線1920に基づいて電圧Vopen_adjustを算出する。一例として、調整部810は、曲線1920から、電圧Vopenが最大となる電圧Vopen_maxおよび電圧Vopenが最小となる電圧Vopen_minを取得し、電圧Vopen_maxとVopen_minの平均値を電圧Vopen_adjustとして算出する。
図20は、図16の磁場測定装置10における調整部810が、電圧Vopen_adjustを算出するために用いるdVopen/dIadjustの特性を示す。調整部810は、曲線1920を調整用電流Iadjustで微分することで、例えば曲線2010に示すような、調整用電流Iadjustに対するdVopen/dIadjustの特性を得る。そして、調整部は、dVopen/dIadjustが最大となる点2020における電圧Vopenを電圧Vopen_adjustとして算出する。
図21は、本実施形態に係る磁場測定装置10により磁場を測定するためのフローを示す。ステップ2110において、調整部810は、例えば、図9、11、14および17の少なくともいずれかのフローに従ってセンサ部110が有する各磁気抵抗素子の磁気動作点を調整する。
次に、ステップ2120において、磁気リセット部160は、例えば、図2または図7のフローに基づいて、センサ部110が有する各磁気抵抗素子を磁気リセットする。
次に、ステップ2130において、磁場測定部150は、測定対象磁場を測定する。そして、ステップ2140において、磁場測定装置10は、磁場の測定回数が予め定められた回数n(ただし、nは1以上の整数)以上となったか否かを判定する。判定の結果、磁場の測定回数が予め定められた回数n未満であった場合、磁場測定装置10は、処理をステップ2130へ戻して処理を継続する。一方、判定の結果、磁場の測定回数が予め定められた回数n以上であった場合、磁場測定装置10は、処理をステップ2150へ進め、ステップ2150において、磁場測定部150は、n回の測定値を積算する等して、予め定められた期間における測定値を積算して出力し、処理を終了する。本実施形態によれば、磁場測定部150が、n回の測定値を積算して出力することにより、より高精度な出力を得ることができる。
なお、上述の説明において、磁場測定装置10は、ステップ2140において、測定回数が予め定められた回数n未満であった場合に処理をステップ2130へ戻す例について説明したが、これに代えて、図21の点線で示すように、処理をステップ2120へ戻してもよい。すなわち、磁場測定装置10は、磁場測定部150によって磁場測定を行う度に、センサ部110が有する各磁気抵抗素子を、磁気リセット部160によって毎回磁気リセットしてもよい。また、磁場測定装置10は、ステップ2140において、測定回数が予め定められた回数n未満であった場合に、図21の別の点線で示すように、処理をステップ2110へ戻してもよい。すなわち、磁場測定装置10は、磁場測定部150によって磁場測定を行う度に、センサ部110が有する各磁気抵抗素子を、調整部810によって毎回磁気動作点調整し、磁気リセット部160によって磁気リセットしてもよい。磁気リセット部160によって毎回磁気リセットすること、および、調整部810によって毎回磁気動作点を調整することで、センサ部110が有する各磁気抵抗素子をより磁気感度の高い磁気動作点で動作させることができる。なお、本図のフローにおいて、ステップ2110とステップ2120の順番は逆であってもよい。
図22は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10において、第2スイッチ2160およびハイパスフィルタ2170を備えた磁場測定装置10の構成を示す。図22においては、図8と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本図における磁場測定装置10は、図8の磁場測定装置10に加えて、第2スイッチ2160およびハイパスフィルタ2170を備える。第2スイッチ2160は、第2演算増幅器144とAD変換器146との間に設けられ、第2演算増幅器144の出力電圧VAMPを直接AD変換器146に供給するか、第2演算増幅器144の出力をハイパスフィルタ2170を介してAD変換器146に供給するかを切り替える。ハイパスフィルタ2170は、第2演算増幅器144の出力電圧VAMPの高周波成分を通過させ、AD変換器146に供給する。
本図における磁場測定装置10は、第2スイッチ2160を切り替えることで、調整フェーズにおいて、第2演算増幅器144の出力電圧VAMPをハイパスフィルタ2170を介さずに直接AD変換器146に供給し、測定フェーズにおいて、第2演算増幅器144の出力VAMPをハイパスフィルタ2170を介してAD変換器146に供給する。これにより、測定フェーズにおいて測定対象とする磁場が交流成分である場合に、必要のない直流成分を遮断することができ、磁場測定部150が測定対象磁場の測定をより高精度に行うことができる。
図23は、本実施形態の変形例に係る磁場測定装置10において、第3演算増幅器2180を備えた磁場測定装置10の構成を示す。図23においては、図8と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本図における磁場測定装置10は、図8の磁場測定装置10に加えて、第3演算増幅器2180を更に備え、フィードバック電流発生部120が、2つ以上の演算増幅器を用いて構成される。第3演算増幅器2180は、差動入力端子の一方が第1演算増幅器122の出力に接続され、他方が固定電圧源2190に接続されている。本図におけるフィードバック電流発生部120は、第1演算増幅器122によってセンサ部110の出力電圧および基準電圧との差である電圧Vopenを出力し、第3演算増幅器2180によって当該電圧Vopenと、固定電圧2との差に基づいて、フィードバック電流を発生させて良い。ここで、固定電圧1と固定電圧2は同電圧で設定されてもよい。
図24は、本実施形態に係るセンサ部110の具体例を示す。センサ部110は、磁気抵抗素子2410と、磁気抵抗素子2410の両端に配置された磁気収束板2420および2430(磁気収束板2420および磁気収束板2430を「磁気収束部」と総称する。)と、を有する。なお、ここで、磁気抵抗素子2410は、例えば、第1磁気抵抗素子112、第2磁気抵抗素子114、第3磁気抵抗素子116、および、第4磁気抵抗素子118の少なくとも1つであってよい。磁気収束板2420および2430は、磁気抵抗素子2410を間に挟むように、磁気抵抗素子2410の両端に配置されている。すなわち、センサ部110は、磁気抵抗素子2410に隣接して配置される磁気収束部を含む。本図において、磁気収束板2420は、感磁軸に沿って磁気抵抗素子2410の負側に設けられ、磁気収束板2430は、感磁軸に沿って磁気抵抗素子2410の正側に設けられている。なお、ここで、感磁軸は、磁気抵抗素子2410を形成する磁化固定層で固定された磁化の方向に沿っていてよい。また、感磁軸の負側から正側に向かって磁場が入力されると、磁気抵抗素子2410の抵抗は増加または減少してよい。磁気収束板2420および2430は、例えばパーマロイ等の透磁率の高い材料により形成される。そして、センサ部110が本具体例に示すように構成される場合、コイル132は、磁気抵抗素子2410と、磁気抵抗素子2410の両端に配置された磁気収束板2420および2430との断面を取り囲むように巻かれている。すなわち、フィードバック電流発生部120は、磁気抵抗素子2410及び磁気収束部を取り巻くように形成される。また、センサ部110は、複数の磁気抵抗素子2410を有する場合、磁気抵抗素子およびその両端に配置された磁気収束板を含む組を複数有してもよい。その場合、磁気抵抗素子およびその両端に配置された磁気収束板を含む組を1つのコイルで取り囲むようにコイル132が巻かれてもよい。
このようなセンサ部110において、感磁軸の負側から正側に磁場が入力されると、透磁率の高い材料で形成された磁気収束板2420および2430が磁化されることにより、本図において破線で示すような磁束の分布が発生する。すると、磁気収束板2420および2430が磁化されることにより発生する磁束は、二つの磁気収束板2420および2430の間に挟まれた磁気抵抗素子2410の位置を通過することとなる。このため、磁気抵抗素子2410の位置における磁束密度は、磁気収束板2420および2430を配置することによって大幅に増加させることができる。また、本具体例のように、磁気収束板2420および2430に挟まれた狭い位置に配置された磁気抵抗素子2410を用いて磁場の空間分布をサンプリングすることにより、空間におけるサンプリング点を明確にすることができる。
図25は、本具体例に係るセンサ部110にフィードバック磁場を発生させた時の磁束分布を示す。図25においては、図24と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本具体例に係るセンサ部110において、コイル132にフィードバック電流が供給されると、コイル132がフィードバック磁場を発生させることにより、本図において一点鎖線で示すような磁束の分布が発生する。このフィードバック磁場により発生する磁束は、磁気抵抗素子2410に入力され磁気収束板2420および2430によって磁気増幅された磁場の空間分布をキャンセルするように空間分布する。このため、センサ部110は、本具体例に示すように磁気抵抗素子2410の両端に磁気収束板2420および2430が配置されている場合には、磁気抵抗素子2410の位置における磁場分布をフィードバック磁場によって正確にキャンセルすることができるため、入力磁場と出力電圧との間の線形性が高いセンサを実現することができる。
図26は、本具体例に係るセンサ部110の構成の一例を示す。図26においては、図24と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本図において、磁気抵抗素子2410は、磁化自由層2610および磁化固定層2620を有する。一般に、磁気抵抗素子2410は、絶縁体の薄膜層を二つの強磁性体層で挟み込んだ構造である。磁化自由層2610は、二つの強磁性体層のうち、磁化方向が外部磁界に応じて変化する層である。また、磁化固定層2620は、二つの強磁性体層のうち、磁化方向が外部磁界に対して変化しない層である。一例として、磁気抵抗素子2410は、基板上に、磁化自由層2610、非磁性層、および、磁化固定層2620がこの順で積層されている。
本具体例において、磁気抵抗素子2410は、磁化自由層2610が下部に配置され、磁化自由層2610の上部に絶縁体の薄膜層(図示せず)を介して磁化固定層2620が配置される、いわゆるボトムフリー構造の磁気抵抗素子である。ボトムフリー構造の磁気抵抗素子は、磁化自由層2610を比較的広い面積で形成することができるため、高い磁気感度を得ることができる。なお、磁気抵抗素子2410において、上面視で、磁化固定層2620の面積は磁化自由層2610の面積よりも小さく、磁化固定層2620の面積に基づいて感磁エリアが定められる。
また、本具体例において、センサ部110は、磁気抵抗素子2410の上部に絶縁層(図示せず)を介して磁気収束板2420および2430が、磁気抵抗素子2410を中央に挟むようにその両端に配置されている。これにより、磁気抵抗素子2410は、磁気収束板2420および2430に挟まれた狭い空間に配置される。
ここで、本図において、磁化自由層2610における感磁軸方向に沿った長さを磁化自由層長さL_Freeと定義する。また、磁化自由層2610における上面視で感磁軸方向に垂直な軸に沿った長さを磁化自由層幅W_Freeと定義する。また、磁化固定層2620における感磁軸方向に沿った長さを磁化固定層長さL_Pinと定義する。また、磁化固定層2620における上面視で感磁軸方向に垂直な軸に沿った長さを磁化固定層幅W_Pinと定義する。また、磁気収束板の外側の一端から磁化自由層の外側の一端までの感磁軸方向に沿った長さ(本図において、磁気収束板2420の左端から右端までの感磁軸方向に沿った長さ、および、磁気収束板2430の右端から左端までの感磁軸方向に沿った長さ)を磁気収束板長さL_FCと定義する。また、磁気収束板における上面視で感磁軸方向に垂直な軸に沿った長さを磁気収束板幅W_FCと定義する。また、磁気収束板における側面視で感磁軸方向に垂直な軸に沿った長さを磁気収束板厚さT_FCと定義する。また、二つの磁気収束板2420および2430の感磁軸方向に沿った間隔(本図において、磁気収束板2420の右端から磁気収束板2430の左端までの感磁軸方向に沿った長さ)を磁気収束板間隔G_FCと定義する。また、磁化自由層2610の厚み方向の中心から磁気収束板の底面までの、側面視で感磁軸方向に垂直な軸に沿った間隔を磁気収束板高さH_FCと定義する。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図27は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 磁場測定装置
110 センサ部
112 第1磁気抵抗素子
114 第2磁気抵抗素子
116 第3磁気抵抗素子
118 第4磁気抵抗素子
120 フィードバック電流発生部
122 第1演算増幅器
130 磁場発生部
132 コイル
140 演算部
142 電流電圧変換抵抗
144 第2演算増幅器
146 AD変換器
150 磁場測定部
160 磁気リセット部
162 リセット電流供給部
170 切替部
510 基準電圧発生部
612 固定抵抗
614 可変抵抗
810 調整部
1310 第1スイッチ
1610 調整用電流発生部
2160 第2スイッチ
2170 ハイパスフィルタ
2180 第3演算増幅器
2190 固定電圧源
2200 コンピュータ
2201 DVD−ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD−ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
2410 磁気抵抗素子
2420、2430 磁気収束板
2610 磁化自由層
2620 磁化固定層

Claims (19)

  1. 少なくとも1つの磁気抵抗素子を有するセンサ部と、
    前記センサ部に与える磁場を発生する磁場発生部と、
    前記センサ部の出力電圧に基づいて、前記センサ部への入力磁場を低減させるフィードバック磁場を発生させるフィードバック電流を前記磁場発生部に供給するフィードバック電流発生部と、
    前記フィードバック電流に応じた測定値を出力する磁場測定部と、
    前記磁気抵抗素子を磁気飽和させるリセット磁場を前記磁場発生部に発生させる磁気リセット部と、
    を備える磁場測定装置。
  2. 前記磁気リセット部は、リセットフェーズにおいて、前記リセット磁場を前記磁場発生部に発生させ、
    前記磁場測定部は、測定フェーズにおいて、測定対象磁場に対して発生される前記フィードバック電流に応じた測定値を出力する請求項1に記載の磁場測定装置。
  3. 前記磁気リセット部は、前記磁場発生部にリセット電流を供給するリセット電流供給部を有し、
    前記リセット電流供給部は、前記磁場発生部に前記リセット電流を供給して前記リセット磁場を前記磁場発生部に発生させる請求項1または2に記載の磁場測定装置。
  4. 前記フィードバック電流を前記磁場発生部に供給するか否かを切り替える切替部を更に備え、
    前記リセット電流供給部は、前記フィードバック電流を前記磁場発生部に供給していない状態において、前記磁場発生部に前記リセット電流を供給する請求項3に記載の磁場測定装置。
  5. 前記磁気リセット部は、基準電圧を出力する基準電圧発生部を有し、
    前記フィードバック電流発生部は、前記センサ部の出力電圧および前記基準電圧の差に応じた前記フィードバック電流を前記磁場発生部に供給し、
    前記基準電圧発生部は、出力する前記基準電圧を変更して前記リセット磁場を前記磁場発生部に発生させる請求項1または2に記載の磁場測定装置。
  6. 前記基準電圧発生部は、少なくとも1つの可変抵抗を有し、
    前記基準電圧発生部は、前記可変抵抗の抵抗値を変更して前記リセット磁場を前記磁場発生部に発生させる請求項5に記載の磁場測定装置。
  7. 前記センサ部の出力電圧の範囲よりも、前記基準電圧発生部の出力電圧の範囲の方が大きい、請求項5または6に記載の磁場測定装置。
  8. 前記センサ部の出力電圧を用いて前記基準電圧を調整する調整部を更に備える請求項5から7のいずれか一項に記載の磁場測定装置。
  9. 前記調整部は、前記フィードバック電流に基づいて前記基準電圧を調整する請求項8に記載の磁場測定装置。
  10. 前記調整部は、前記センサ部の出力電圧および前記基準電圧の差に基づいて前記基準電圧を調整する請求項8に記載の磁場測定装置。
  11. 前記磁気リセット部は、前記リセット磁場を前記磁場発生部に発生させて前記磁気抵抗素子を磁気飽和させた後に、前記リセット磁場の強度を徐々に小さくさせる請求項1から10のいずれか一項に記載の磁場測定装置。
  12. 前記磁場測定部は、予め定められた期間における測定値を積算して出力する請求項1から11のいずれか一項に記載の磁場測定装置。
  13. 前記磁場測定部が出力する測定値の高周波成分を通過させるハイパスフィルタを更に備える請求項1から12のいずれか一項に記載の磁場測定装置。
  14. 前記フィードバック電流発生部は、2つ以上の演算増幅器を用いて構成される請求項1から13のいずれか一項に記載の磁場測定装置。
  15. 前記センサ部は、前記磁気抵抗素子に隣接して配置される磁気収束部を含み、前記フィードバック電流発生部は、前記磁気抵抗素子及び前記磁気収束部を取り巻くように形成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の磁場測定装置。
  16. 前記磁気抵抗素子は、基板上に、磁化自由層、非磁性層、および、磁化固定層がこの順で積層され、上面視で、前記磁化固定層の面積は前記磁化自由層の面積よりも小さく、前記磁化固定層の面積に基づいて感磁エリアが定められる、請求項1から15のいずれか一項に記載の磁場測定装置。
  17. 前記センサ部は、直列に接続された互いに逆極性の第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子を有し、
    前記第1磁気抵抗素子と前記第2磁気抵抗素子の間の電圧を出力する請求項1から16のいずれか一項に記載の磁場測定装置。
  18. 磁場測定装置が磁場を測定する磁場測定方法であって、
    前記磁場測定装置が、少なくとも1つの磁気抵抗素子を有するセンサ部の出力電圧に基づいて、前記センサ部への入力磁場を低減させるフィードバック磁場を発生させるフィードバック電流を、前記センサ部に与える磁場を発生する磁場発生部に供給することと、
    前記フィードバック電流に応じた測定値を出力することと、
    前記磁気抵抗素子を磁気飽和させるリセット磁場を前記磁場発生部に発生させることと、
    を備える磁場測定方法。
  19. コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
    少なくとも1つの磁気抵抗素子を有するセンサ部の出力電圧に基づいて、前記センサ部への入力磁場を低減させるフィードバック磁場を発生させるフィードバック電流を、前記センサ部に与える磁場を発生する磁場発生部に供給するフィードバック電流発生部と、
    前記フィードバック電流に応じた測定値を出力する磁場測定部と、
    前記磁気抵抗素子を磁気飽和させるリセット磁場を前記磁場発生部に発生させる磁気リセット部と、
    して機能させる磁場測定プログラム。
JP2019085776A 2018-07-02 2019-04-26 磁場測定装置、磁場測定方法、および磁場測定プログラム Pending JP2020008563A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16/458,210 US20200003846A1 (en) 2018-07-02 2019-07-01 Magnetic field measuring device, magnetic field measurement method, and recording medium having recorded thereon magnetic field measurement program

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018126229 2018-07-02
JP2018126229 2018-07-02

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020008563A true JP2020008563A (ja) 2020-01-16

Family

ID=69151588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019085776A Pending JP2020008563A (ja) 2018-07-02 2019-04-26 磁場測定装置、磁場測定方法、および磁場測定プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020008563A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020008568A (ja) * 2018-07-02 2020-01-16 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁場測定装置、磁場測定方法、および磁場測定プログラム
US11391792B2 (en) 2018-07-02 2022-07-19 Asahi Kasei Microdevices Corporation Magnetic field measuring device, magnetic field measurement method, and recording medium having recorded thereon magnetic field measurement program

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020008568A (ja) * 2018-07-02 2020-01-16 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁場測定装置、磁場測定方法、および磁場測定プログラム
JP7082590B2 (ja) 2018-07-02 2022-06-08 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁場測定装置、磁場測定方法、および磁場測定プログラム
US11391792B2 (en) 2018-07-02 2022-07-19 Asahi Kasei Microdevices Corporation Magnetic field measuring device, magnetic field measurement method, and recording medium having recorded thereon magnetic field measurement program

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11391792B2 (en) Magnetic field measuring device, magnetic field measurement method, and recording medium having recorded thereon magnetic field measurement program
JP4105142B2 (ja) 電流センサ
US7956610B2 (en) Sensor for sensing a magnetic field direction, magnetic field direction sensing, method for producing magnetic field sensors, and write-in apparatus for producing magnetic field sensors
US7375516B2 (en) Magnetic field detector, current detector, position detector and rotation detector employing it
JP2008516225A (ja) 非線形磁界センサ及び電流センサ
CN207908572U (zh) 一种高精度、闭环式磁阻电流传感器
Vopálenský et al. Precise magnetic sensors
US9958512B2 (en) Low-power magnetic resistance switch sensor
Li et al. A closed-loop operation to improve GMR sensor accuracy
US9588134B2 (en) Increased dynamic range sensor
US8847591B2 (en) Current sensor
US10571296B2 (en) Circuit, method and sensor for obtaining information on a physical quantity
CN103645369A (zh) 一种电流传感装置
US11860244B2 (en) Magnetometer with integrated reset coils
JP2020008563A (ja) 磁場測定装置、磁場測定方法、および磁場測定プログラム
JP7082590B2 (ja) 磁場測定装置、磁場測定方法、および磁場測定プログラム
JP7186652B2 (ja) 心磁計測装置
US9417297B2 (en) Tunneling magneto-resistive device with set/reset and offset straps
JP7365915B2 (ja) 測定装置
US20200003846A1 (en) Magnetic field measuring device, magnetic field measurement method, and recording medium having recorded thereon magnetic field measurement program
TWI633319B (zh) 磁場感測裝置及感測方法
Bruckner et al. A device model framework for magnetoresistive sensors based on the Stoner–Wohlfarth model
JP7262243B2 (ja) 測定装置、信号処理装置、信号処理方法、および、信号処理プログラム
CN108469594A (zh) 一种高精度、闭环式梯度磁阻传感器
JP5636866B2 (ja) 磁気検出装置