JP2020008204A - センサ状態判定装置、センサ状態判定方法およびプログラム - Google Patents
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Description
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、各種センサの状態を適切に把握できるセンサ状態判定装置、センサ状態判定方法およびプログラム を提供することを目的とする。
図1は、本発明の一実施形態による空調管理システムS1のブロック図である。
図1において、空調管理システムS1は、複数の空気調和機120,130(機器)と、ビル内管理装置110と、解析装置300(センサ状態判定装置、コンピュータ)と、を備えている。空気調和機120,130と、ビル内管理装置110と、はビルディング100に設置されている。
図2は、上述した空気調和機130の系統図である。空気調和機130は、上述したように、2台の室内機60−1,60−2と、一台の室外機30と、これらを制御する制御装置20と、を備えている。2台の室内機60−1,60−2は、同様に構成されているため、以下、両者を総称して「室内機60」と呼ぶことがある。各室内機60は、リモコン90から入力される信号に応じて運転モード(冷房,暖房,除湿、換気等)、室内風量(急風、強風、弱風等)、目標室内温度等を設定する。
室外機30は、圧縮機32と、四方弁34と、室外熱交換器36と、室外用膨張弁38と、を備えている。圧縮機32は、モータ32aを備えており、四方弁34を介して流入する冷媒を圧縮する機能を有している。
室内機60は、室内用膨張弁62と、室内熱交換器64と、室内ファン66と、モータ制御部67と、リモコン90との間で双方向の通信を行うリモコン通信部68と、を備えている。室内ファン66は、モータ66aを備え、室内熱交換器64に対して送風する。モータ制御部67はインバータを備えており(図示せず)、モータ66aに交流電圧を供給する。また、モータ制御部67は、モータ66aをセンサレスで制御し、これによってモータ66aの回転速度を検出する。
ここで、室内熱交換器入口空気温度センサ70は、室内ファン66が吸い込む空気の温度を検出する。また、室内熱交換器排出空気温度センサ72は、室内熱交換器64から排出される空気の温度を検出する。
以上、空気調和機130の構成について詳述したが、室内機60の台数が異なる点を除いて、他の空気調和機120(図1参照)も同様に構成されている。但し、室外機30および室内機60の構成は、図2に示したもの以外にも、様々な構成が考えられる。例えば、図2に示した室外機30は一台の圧縮機32を備えているが、室外機30は、複数の圧縮機32を備えることもある。
図1に戻り、解析装置300は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、通信I/F(Interface)、スピーカ、ランプ、ディスプレイ等、一般的なコンピュータとしてのハードウエアを備えており、HDDには、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、各種データ等が格納されている。OSおよびアプリケーションプログラムは、RAMに展開され、CPUによって実行される。
運転データベース304は、一例としてHDDに構築され、データ通信部302を介して供給された検出値や状態を記憶する。
・室外機30の機種名
・圧縮機32の台数および稼働台数
・圧縮機32および室外ファン48の回転速度
・運転モード(冷房,暖房,除湿、換気等)
・*温度センサ41,42,43,51,53,55の検出結果
・*圧力センサ45,46の検出結果
・電力測定部58の測定結果
・室内機60の機種名
・リモコン90で設定された設定温度
・室内機60の台数および各室内機60の運転/停止状態
・室内ファン66の回転速度
・*温度センサ25,26,70,72,80,92の検出結果
・*湿度センサ74の検出結果
・*冷媒漏洩センサ82の検出結果
・*二酸化炭素濃度検出センサ84の検出結果
+Ak(k+1)・P(k+1)+…+AkM・PM
+Bk1・Q1+Bk2・Q2+…+BkN・QN …式(1)
式(1)において、Ak1〜Ak(k-1),Ak(k+1)〜AkM,Bk1〜BkNは係数である。
運転データベース304は、上述した学習期間において、監視対象パラメータP1〜PMおよび他のパラメータQ1〜QNの実測値を蓄積してゆく。
また、冷媒漏洩センサ82の出力信号に対して、室内熱交換器入口空気温度センサ70の出力信号、室内熱交換器排出空気温度センサ72の出力信号、気象データ(気温、温度)、室内機60の運転/停止状態、および室内ファン66の回転速度は、相互に相関性が高い。従って、これらに基づいて関係式を決定し、センサ劣化を推測してもよい。
まず、「推測値算出処理」とは、学習部306によって取得した関係式に基づいて、現時点の推測値Pgkを算出する処理である。例えば、この関係式が上述した式(1)で表現される場合、分析部308は、各係数Ak1〜Ak(k-1),Ak(k+1)〜AkM,Bk1〜BkNと、現時点の監視対象パラメータP1〜P(k-1),P(k+1)〜PMと、現時点の他のパラメータQ1〜QNと、を式(1)に代入することによって、推測値Pgkを算出する。換言すれば、推測値Pgkに係る一のセンサを「対象センサ」とし、対象センサ以外のセンサを「参照センサ」とすると、推測値算出処理とは、参照センサの出力信号(P1〜P(k-1),P(k+1)〜PM,Q1〜QN)に基づいて、対象センサの出力信号の推測値Pgkを算出する処理になる。
ここで、「正常範囲」とは、監視対象パラメータPkの実測値がそのまま信頼できる範囲、すなわち、実測値に含まれる誤差が所定の公差内であると推測できる範囲である。また、「補正可能範囲」とは、正常範囲から外れた範囲であって、監視対象パラメータPkの実測値に対して、補正処理を行った後に適用できる範囲である。換言すれば、補正可能範囲とは、補正後の実測値に含まれる誤差が所定の公差内であると推測できる範囲である。
図3の横軸は空気調和機の運用を開始した後の経過時間であり、縦軸は監視対象パラメータPkの実測値と、推測値Pgkとの比である。この比を劣化度α(=Pk/Pgk)と呼ぶ。図示の例では、α=1.0のレベルを含む所定範囲が正常範囲になり、正常範囲の外側の所定範囲が補正可能範囲になり、補正可能範囲の外側が異常範囲になっている。但し、正常範囲および補正可能範囲は、必ずしも劣化度αによって一律に決定されるわけではないが、図示の例では一律に決定されることとする。
図4の縦軸、横軸の意味は図3のものと同様であり、タイミングt2以前の劣化度αの値も図3のものと同様である。但し、図4においてタイミングt2は現在のタイミングであり、タイミングt2以降の劣化度αは不明である。また、タイミングt2は、実測値が正常範囲から補正可能範囲に達したタイミングでもある。図示の例においては、劣化度αの過去の所定サンプルの変化に基づいて、劣化度αの将来の変動特性fを予測している。具体的な予測手法としては、最小二乗法、直線近似法等を用いることができる。変動特性fによれば、将来のタイミングt3に劣化度αが異常範囲に達すると予測される。このタイミングt3を、異常発生予測時期と呼ぶ。また、実測値が正常範囲に含まれる場合、実測値が補正可能範囲に達すると予想されるタイミングを補正発生予測時期と呼ぶ。従って、異常発生予測時期t3以前に対応するセンサを交換する等のメンテナンスを行うことが望ましいことが解る。
次に、図5を参照し、本実施形態の動作を説明する。なお、図5は、解析装置300において実行される解析ルーチンのフローチャートである。
図5において処理がステップS2に進むと、データ通信部302によってデータ通信が行われる。すなわち、データ通信部302は、複数のビル内管理装置(110等)から、空気調和機(120,130等)における各種センサの検出値や各種状態を受信する。次に、処理がステップS4に進むと、運転データベース304によってデータ蓄積処理が実行される。すなわち、運転データベース304は、供給された検出値や状態等の空気調和機パラメータの実測値を記憶する。
ステップS22において、監視対象パラメータPkの実測値が「正常範囲」に属すると判定されると、処理はステップS30(予測処理部)に進み、分析部308によって予測処理が実行される。すなわち、分析部308は、過去の所定期間に渡る監視対象パラメータPkの実測値および推測値Pgkの傾向を分析し、実測値が「異常範囲」に入る時期を予測する。
以上のように本実施形態のセンサ状態判定装置(300)は、空気調和機(130)の状態または空気調和機(130)の周囲の状態を示す状態情報の入力を受け付ける受付部(302)と、空気調和機(130)に備わるセンサの出力と、所定の期間(学習期間)、受付部(302)によって受け付けられた状態情報と、に基づいて、センサの出力の推測値(Pgk)を算出し、算出した推測値(Pgk)と、センサの出力の実測値(Pk)と、に基づいて、センサの劣化度(α)を判定する判定部(308,S22)と、を有する。
これにより、様々な状態情報を用いて、対象とするセンサの劣化度(α)を適切に判定できる。
また、センサ状態判定装置(300)は、判定部(308,S22)における判定結果に基づいて、実測値が所定の異常範囲に含まれるか否かを判定する異常判定部(308,S22)をさらに備え、実測値が異常範囲に含まれる場合に、センサの交換を促す警告情報を報知する報知部(310)をさらに備える。
これにより、ユーザやサービスマン等に対して、対象センサの交換を促すことができる。
これにより、ユーザやサービスマン等は、対象センサの交換スケジュールを立案しやすくなり、対象センサの異常が発生する前に、適切なメンテナンスを行うことが可能になる。
これにより、参照する状態情報の数を増やすことができ、推測値(Pgk)の精度を向上させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記実施形態の構成に他の構成を追加してもよく、構成の一部について他の構成に置換をすることも可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
300 解析装置(センサ状態判定装置、コンピュータ)
302 データ通信部(受付部、)
308 判定部(補正処理部、異常判定部、判定手段、予測処理部)
S2,S10 ステップ(受付部、受付過程、受付手段)
S22 ステップ(判定部、判定過程、判定手段)
S24 ステップ(補正処理部)
S26,S30 ステップ(予測処理部)
310 報知部
Pgk 推測値
t3 異常発生予測時期
Claims (7)
- 空気調和機の状態または前記空気調和機の周囲の状態を示す状態情報の入力を受け付ける受付部と、
前記空気調和機に備わるセンサの出力と、所定の期間、前記受付部によって受け付けられた前記状態情報と、に基づいて、前記センサの出力の推測値を算出し、算出した前記推測値と、前記センサの出力の実測値と、に基づいて、前記センサの劣化度を判定する判定部と、
を有することを特徴とするセンサ状態判定装置。 - 前記判定部における判定結果に基づいて、前記実測値を補正する補正処理部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサ状態判定装置。 - 前記判定部における判定結果に基づいて、前記実測値が所定の異常範囲に含まれるか否かを判定する異常判定部をさらに備え、
前記実測値が前記異常範囲に含まれる場合に、前記センサの交換を促す警告情報を報知する報知部をさらに備える
ことを特徴とする請求項2に記載のセンサ状態判定装置。 - 前記実測値が前記異常範囲に含まれない場合に、前記実測値が前記異常範囲に達すると予測される異常発生予測時期を算出する予測処理部をさらに備え、
前記報知部は、前記異常発生予測時期を報知するものである
ことを特徴とする請求項3に記載のセンサ状態判定装置。 - 前記空気調和機の前記状態情報は、前記センサが測定する物理量とは物理的次元が異なる他のセンサが測定する物理量の情報、前記空気調和機の運転/停止状態、または、前記空気調和機が備えるアクチュエータの状態を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサ状態判定装置。 - 空気調和機の状態または前記空気調和機の周囲の状態を示す状態情報の入力を受け付ける受付過程と、
前記空気調和機に備わるセンサの出力と、所定の期間、前記受付過程において受け付けられた前記状態情報と、に基づいて、前記センサの出力の推測値を算出し、算出した前記推測値と、前記センサの出力の実測値と、に基づいて、前記センサの劣化度を判定する判定過程と、
を有することを特徴とするセンサ状態判定方法。 - コンピュータを、
空気調和機の状態または前記空気調和機の周囲の状態を示す状態情報の入力を受け付ける受付手段、
前記空気調和機に備わるセンサの出力と、所定の期間、前記受付手段によって受け付けられた前記状態情報と、に基づいて、前記センサの出力の推測値を算出し、算出した前記推測値と、前記センサの出力の実測値と、に基づいて、前記センサの劣化度を判定する判定手段、
として機能させるためのプログラム 。
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