JP2020005880A - コマ玩具 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、胴部に摩擦材が固定して設けられている上記コマ玩具の場合、次のような問題がある。
すなわち、例えば、互いに反対方向に回転するコマ玩具でバトルを行う場合、両者の間に回転速度差があると、衝突によって高速のコマ玩具から低速のコマ玩具に回転エネルギが移動することで、両者の間の回転速度差が解消されてしまい、迫力ある動的なバトルが期待できない。
一方で、コマ玩具が低速回転するバトル終期では、コマ玩具の勢いが弱まり、遊戯盤上の一所に集まって衝突しては少し離れるということを繰り返し、どちらのコマ玩具が先に回転を停止して転倒するかを競う静的なバトルに移行する。したがって、可能な限りバトル時間を引き延ばし、スリル感を長時間味わえるようにしておくことが好ましい。
胴部に、第1衝突部と、前記第1衝突部よりも摩擦力が大きい摩擦材によって形成され、前記第1衝突部と相対移動可能に構成され、相対移動によって、コマ中心からの距離が前記第1衝突部の少なくとも一部のそれよりも大きい第1位置とコマ中心からの距離が前記第1衝突部のそれよりも小さい第2位置とを取り得るように構成された第2衝突部と、所定の付勢力を有するスプリングとを備え、前記胴部に働く遠心力と前記付勢力との相互作用によって、前記第1衝突部と前記第2衝突部とを相対移動させ、高速回転時に前記第2衝突部に前記第2位置を取らせ、低速回転時に前記第2衝突部に前記第1位置を取らせることを特徴とする。
ここで、「第1衝突部」とは第2衝突部が第2位置を取るときに、相手方のコマ玩具と衝突可能性のある部分である。
図1に示したコマ玩具1は、軸部10、フライホイール30及び胴部40を備えている。このコマ玩具1は、例えば、互いの衝突による衝撃力でコマ玩具1を、図2に示すように、軸部10と、フライホール30と、胴部40とに分解させて遊ぶバトルゲームに使用される。
1.軸部10
軸部10は、図3及び図4に示すように、回転軸11を含む下部アッセンブリAと、その下部アッセンブリAの上部に固定設置されるハット形の胴部据付部品12と、胴部据付部品12の内部に上下動可能に収容された環状押圧部品13とを備えている。
回転軸ホルダ15は円筒状に形成され、この回転軸ホルダ15と上の介装部材20との間には隙間があり、回転軸ホルダ15は軸方向(上下方向)に摺動自在となっている。回転軸ホルダ15の上端部には半径方向外方に張り出すフランジ15cが形成されている。このフランジ15cは、回転ホルダ15が下降した際に、枠体14の孔14の壁に形成された段部14bに当接する(図5(B)参照)。これによって回転軸ホルダ15の下方への抜けが防止されている。
また、図5(B)に示すように、回転軸ホルダ15と介装部材20との間にはスプリング17が設けられ、このスプリング17によって回転軸ホルダ15は枠体14の下方に向けて付勢されている。
回転ホルダ15の中央の孔15aの壁には回転軸11が取り付けるためのスプライン15bが形成されている。
また、回転軸11の下端部には半径方向外方に張り出すフランジ11bが形成されている。そして、この回転軸11は環状接地部材16の中央の孔16cに下方から挿入されている。環状接地部材16の孔16cの壁には段部16bが形成され、この段部16bが回転軸11のフランジ11bによって支持されている。
一方、遊戯面が湾曲しているとき、或いはコマ玩具1が遊戯面に対して傾いたときには、回転軸11の下端のみならず環状接地部材16も接地する。この状態でも、接地している回転軸11に対して枠体14がスプリング17の付勢力によって付勢され、枠体14は上昇位置にあるので、環状接地部材16は回転フリーの状態にある。したがって、傾いたコマ玩具1は環状接地部材16によって支えられるが、環状接地部材16は回転軸11に対して回転フリーのため、コマ玩具1は大きくは動かない。
他方、相手方のコマ玩具1aによって胴部40に下方の外力が作用すると、接地している回転軸11に対して枠体14がスプリング17の付勢力に抗して下降する。すると、図5(B)に示すように、枠体14の第1噛合部が環状接地部材16の第2噛合部に噛合し、環状接地部材16の下面と回転軸11の下端が同じ高さとなる。このとき、枠体14は回転しているので環状接地部材16も同時に回転することになる。その結果、回転軸11から離れた部分(環状接地部材16の接地部分)が強く遊戯面を蹴ることになるので、コマ玩具1は大きく動き回ることになる。
この結合部品18は介装部品20の直上に位置し、結合部品18の柱状部18aに介装部品20の柱状部20aが下方から嵌まり込んでいる。この結合部品18の板18bは枠体14の凹部14dに嵌め込まれ、枠体14をねじにて胴部据付部品12に取り付ける際に、枠体14と胴部据付部品12との間で挟持・固定される。
フライホイール30は、図6及び図7に示したように、円環状に形成されている。フライホイール30の底面には軸部10のフランジ12bを収容する環状段部30aが形成されている。フライホイール30の上面には上方に向けて張り出す2個の突出部31が形成されている。各突出部31の下側部分には、軸部10の突出部12cを収容する凹部32が形成されている。また、フライホイール30の上面には、各突出部31の直ぐ外側に上方に延びる舌片33が形成されている。舌片33は突出部31よりも上方に突出している。
胴部40は、図2に示すように、全体として円盤状に形成されている。図8に示すように、胴部40の下面には円形凹部40aが形成されている。そして、その円形凹部40aの中央には円筒壁41が下方に向けて突出形成されている。この円筒壁41の下端には内方に張り出す爪42が2個形成されている。爪42は、軸線を挟んで対峙する2箇所に1個ずつ設けられ、爪42、42の間には切欠き43が形成されている。また、爪42におけるコマ玩具1の回転方向後端部の下面には放射方向に延びる複数本の歯から構成される起伏部44が形成されている。
可動部材47のアーム47bと上記固定胴部46との間にはアーム47bを半径方向内方に付勢するスプリング49が設けられている。そして、コマ玩具1が高速回転しているときには、遠心力の作用によってスプリング49の付勢力に抗してアーム47bが半径方向外方に動作し、衝突面が固定胴部46の固定ブレード46aよりも半径方向内方に引っ込み、反対にコマ玩具1が低速回転しているときには、スプリング49の付勢力が遠心力に打ち勝ってアーム47bが半径方向内方に動作し、衝突面が固定胴部46の固定ブレード46aよりも半径方向外方に動作する。なお、ここではスプリング49としてコイルスプリングを用いたが、軸46dにトーションスプリングを巻回し、その一端を可動部材47に、他端を固定胴部46に掛けるようにしてもよいことは勿論である。このようにすれば、外部からスプリングが見えないようにすることができるとともに、スプリングが外れにくくなる。
すなわち、コマ玩具1が高速回転しているときには摩擦力の小さい固定ブレード46aの衝突部が相手方のコマ玩具に衝突する。このときには、相手方のコマ玩具と接触しても、回転エネルギの損失を少なく抑えることができる。
一方、コマ玩具1が低速回転しているときには摩擦力の大きい可動ブレード48の衝突部で相手方のコマ玩具に衝突する。そのときには、可動ブレード48の衝突部が相手方のコマ玩具の胴部を強くグリップする。その結果、反対方向に回転している相手方のコマ玩具が自分のコマ玩具1よりも比較的回転速度が大きいときには、相手方のコマ玩具1の回転エネルギを効果的に自分のコマ玩具1の回転エネルギとすることができる。
低速回転時のこのような効果は、摩擦材が軟質性且つ弾性を有する場合に,特に、発揮される。すなわち、摩擦材が軟質性且つ弾性を有する場合には、衝突した際に当該摩擦材が変形し、相手方のコマ玩具のとの接触時間が長くなるので力積が大きくなり、相手方のコマ玩具から回転エネルギをより多く得ることができる。
軸部10の突起12cを下方からフライホイール30の凹部32に合致させて、軸部10とフライホイール30を嵌合状態に組み付ける。次に、この組付け体を胴部40に下方から近付ける。
そして、フライホイール30の舌片33を下方から胴部40の弧状スリット46c(図10参照)の一端部に挿入する。この状態は、軸部10の爪180aと胴部40の切欠き43が上下で合致する状態である。この状態が結合解除状態である。その後、上記組付け体の軸部10を胴部40側に押圧する。すると、まず、フライホイール30が胴部40の下面に押し当てられる。さらに、軸部10内のスプリング19の付勢力に抗して環状押圧部品13が下がり、軸部10の爪180aが胴部40の爪42よりも上方に相対的に押し上げられる。すると、胴部40の爪42が軸部10の爪180aの下側に潜り込む。そして、軸部10をフライホイール30と一体的に所定方向(コマ玩具1の回転方向とは反対の方向)に回転させると、爪180aと爪42とが上下で重なった状態となる。そして、軸部10から手を離すと、軸部10内のスプリング19の付勢力によって、軸部10の爪180aの下面と胴部40の爪42の上面とが当接される。この状態、すなわち軸部10の爪180aの下面と胴部40の爪42の上面とが当接された状態が結合状態である(図12参照)。これにより、凸条20と起伏部44が噛合して、コマ玩具1が組み立てられる。
続いて、このコマ玩具1を使用しての遊び方の一例を説明する。
孤状スリット46cを利用して回転付勢力を付与するランチャーによって発射されたコマ玩具1は、所定の遊戯面で所定方向に回転され、相手方のコマ玩具に衝突すると、衝突による衝撃力によって、胴部40には軸部10及びフライホイール30の回転方向に対して反対方向の力が作用し、それによって、胴部40が軸部10及びフライホイール30の回転方向に対して反対方向に相対的に回転する。すると、胴部40の下面の起伏部44と凸条20とは、胴部40に対して軸部10が相対回転をするに伴って、噛み合い位置を変更する。そして結合解除位置に達すると、胴部40の切欠き43と軸部10の爪180aが合致するため係止が解除され、軸部10内のスプリング19の付勢力によって胴部40が軸部10から離反する。同時に、スプリング19の付勢力によってフライホイール30が軸部10から離反する。
つまり、回転初期の高速回転時には硬質の固定胴部46が相手方のコマ玩具と接触し、回転後期の低速回転になると軟質で弾性を有する可動ブレード48が相手方のコマ玩具と接触することになる。
10 軸部
11 回転軸
14 枠体
17 スプリング
19 スプリング
30 フライホイール
40 胴部
46 固定胴部
46a 固定ブレード
47 可動部材
48 可動ブレード
49 スプリング
Claims (6)
- 胴部に、第1衝突部と、前記第1衝突部よりも摩擦力が大きい摩擦材によって形成され、前記第1衝突部と相対移動可能に構成され、相対移動によって、コマ中心からの距離が前記第1衝突部の少なくとも一部のそれよりも大きい第1位置とコマ中心からの距離が前記第1衝突部のそれよりも小さい第2位置とを取り得るように構成された第2衝突部と、所定の付勢力を有するスプリングとを備え、前記胴部に働く遠心力と前記付勢力との相互作用によって、前記第1衝突部と前記第2衝突部とを相対移動させ、高速回転時に前記第2衝突部に前記第2位置を取らせ、低速回転時に前記第2衝突部に前記第1位置を取らせることを特徴とするコマ玩具。
- 前記第2衝突部は、前記第1位置で、コマ玩具の軸を中心にして前記第1衝突部に外接する最小包含円の外方の位置を取り、前記第2位置で前記最小包含円の内方の位置を取ることを特徴とする請求項2に記載のコマ玩具。
- 前記第1衝突部は前記胴部に固定して設けられ、前記第2衝突部は所定の軸を中心として揺動するように前記胴部に取り付けられた可動部材の一端側のアームに設けられ、前記可動部材の他端側のアームが前記一端側のアームよりも前記所定の軸周りのモーメントが大きくなるように設定され、前記スプリングは、前記可動部材の他端側のアームをコマ玩具の中心側に向けて付勢することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコマ玩具。
- 前記第1衝突部は半径方向に往復動作するように前記胴部に取り付けられた可動部材に設けられ、前記第2衝突部は前記胴部に固定して設けられ、前記スプリングは、前記可動部材をコマ玩具の中心側に向けて付勢することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコマ玩具。
- 所定の軸を中心として揺動する可動部材の一端側のアームに前記第1衝突部が設けられるとともに、前記可動部材の他端側のアームに前記第2衝突部が設けられ、前記可動部材の一端側アームは前記他端側のアームよりも前記所定の軸周りのモーメントが大きくなるように設定され、前記スプリングは、前記可動部材の一端側のアームをコマ玩具の中心側に向けて付勢することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコマ玩具。
- 前記摩擦材は軟質性且つ弾性を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のコマ玩具。
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