JP2020005340A - モータ制御装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの回転異常をより好適に検知する。【解決手段】モータを制御するモータ制御装置は、所与の速度指令値が示す目標回転速度となるようにモータを駆動する駆動手段と、モータに印加する駆動電圧とモータに流れる駆動電流とに基づいて、モータで発生する誘起電圧振幅を導出する導出手段と、導出された誘起電圧振幅に基づいて、モータの回転子の回転速度を推定する速度推定手段と、推定された回転速度と速度指令値が示す目標回転速度とに基づいて、モータにおける回転異常を検出する検出手段と、を有する。【選択図】図3
Description
本発明は、モータの制御、特にモータの回転異常の検知に関するものである。
レーザビームプリンタでは感光ドラムや転写ベルトの駆動にブラシレスDCモータなどが使用されている。一般的に、ブラシレスDCモータにはU相、V相、W相の3相のステータがあり、これらに印加する電圧を制御することでモータを回転させる。この時、負荷等に応じて変化する回転速度を検知し、制御にフィードバックする事で安定した回転速度を実現している。
従来はホールセンサ等を用いて回転速度を測定していたが、近年はセンサを用いずに3相の電流値から回転速度を推定しベクトル制御する方式が広く用いられるようになってきている(例えば特許文献1)。この方式は、センサレスベクトル制御(SFOC:Sensorless Field Oriented Control)と呼ばれている。
ところで、モータ故障発生時あるいは外乱トルクの印加によって回転子の回転が異常状態ないしは停止状態になった場合には、ただちに異常検知しモータを駆動する電力変換器を停止することで電力変換器やモータを保護する必要がある。そこで、特許文献2では拡張誘起電圧の角度を用いて脱調を検出する方法が開示され、また、特許文献3では直接検出されたモータ誘起電圧により速度・磁極位置を推定することにより脱調を検出する手法が開示されている。
しかしながら、特許文献2や特許文献3で開示されている手法で異常検知を行う場合、当該異常検知を行う仕組みを常時動作させておく必要がある。そのため、CPUによるソフトウェア処理でSFOCを実装し異常検知も行うように構成する場合、当該異常検知のための演算によりSFOCの性能が低下することになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、モータの回転異常をより好適に検知可能とする技術を提供することを目的としている。
上述の問題点を解決するため、本発明に係るモータ制御装置は以下の構成を備える。すなわち、モータを制御するモータ制御装置は、
所与の速度指令値が示す目標回転速度となるように該モータを駆動する駆動手段と、
前記モータに印加する駆動電圧と該モータに流れる駆動電流とに基づいて、該モータで発生する誘起電圧振幅を導出する第1の導出手段と、
前記第1の導出手段により導出された誘起電圧振幅に基づいて、前記モータの回転子の回転速度を推定する第1の速度推定手段と、
前記第1の速度推定手段により推定された回転速度と前記速度指令値が示す目標回転速度とに基づいて、前記モータにおける回転異常を検出する検出手段と、
を有する。
所与の速度指令値が示す目標回転速度となるように該モータを駆動する駆動手段と、
前記モータに印加する駆動電圧と該モータに流れる駆動電流とに基づいて、該モータで発生する誘起電圧振幅を導出する第1の導出手段と、
前記第1の導出手段により導出された誘起電圧振幅に基づいて、前記モータの回転子の回転速度を推定する第1の速度推定手段と、
前記第1の速度推定手段により推定された回転速度と前記速度指令値が示す目標回転速度とに基づいて、前記モータにおける回転異常を検出する検出手段と、
を有する。
本発明によれば、モータの回転異常をより好適に検知可能とする技術を提供することができる。
以下に、図面を参照して、この発明の実施の形態の一例を詳しく説明する。なお、以下の実施の形態はあくまで例示であり、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(第1実施形態)
本発明に係るモータ制御装置の第1実施形態として、センサレスモータの制御を行うモータ制御装置を例に挙げて以下に説明する。
本発明に係るモータ制御装置の第1実施形態として、センサレスモータの制御を行うモータ制御装置を例に挙げて以下に説明する。
<システム構成>
図1は、モータ制御システムの全体構成を示す図である。モータ制御システムは、DCブラシレスモータであるモータ101と、モータ101のベクトル制御を行うモータ制御装置100とを含んでいる。また、モータ制御装置100は、モータ制御部102、電圧印加部103、電流検出部104を含んでいる。
図1は、モータ制御システムの全体構成を示す図である。モータ制御システムは、DCブラシレスモータであるモータ101と、モータ101のベクトル制御を行うモータ制御装置100とを含んでいる。また、モータ制御装置100は、モータ制御部102、電圧印加部103、電流検出部104を含んでいる。
モータ制御装置100は、外部のメイン制御装置(不図示)から入力される所与の速度指令値1に基づいて、モータ101に3相(U相、V相、W相)の駆動信号2を印加してモータ101を駆動する。ここで、速度指令値1は、モータ101の目標回転速度を示す値である。また、3相の駆動信号2に基づいてモータ101に流れている電流を検出し、モータ101における回転異常を検知し、外部のメイン制御装置に異常検知信号5を出力する。ここで、外部のメイン制御装置とは、例えば、図1のモータ制御システムを利用した感光ドラムの回転などを行う画像形成装置における制御部であり得る。
より具体的には、モータ制御部102は、速度指令値1と、電流検出値3に基づき、3相の電流操作量4(U相電流操作量V*u、V相電流操作量V*v、W相電流操作量V*w)を電圧印加部103に出力する。ここで、電流操作量4とは、印加すべき電圧を示す電圧指令値を意味している。電圧印加部103は、3相の電流操作量4に基づいて3相の駆動信号2をモータ101に印加する。電流検出部104は、モータ101に流れている駆動電流を駆動信号2の配線から検出し、3相の電流検出値3(U相電流値iu、V相電流値iv、W相電流値iw)をモータ制御部102に出力する。モータ制御部102は、速度指令値1と3相の電流検出値3とに基づいてモータ101の回転異常を検知する。そして、回転異常を検知した場合、異常検知信号5を外部のメイン制御装置に出力する。
異常検知信号5は、モータ101において回転異常が発生していること外部のメイン制御装置に通知するための信号である。外部のメイン制御装置は、異常検知信号5によって異常が通知された場合、モータ制御装置100に対して適切な停止シーケンスを実行し、モータ制御システムを保護する。すなわち、各処理ブロックの電気的な負荷やモータの機械的な負荷によりシステムが被害を受けるのを防止する。
図2は、モータ制御部102の構成を示すブロック図である。モータ制御部102は、速度管理部105、電流制御部106、推定演算部107を含み、電流制御部106は、電流演算部109、三相二相変換部110、回転座標変換部111、静止座標変換部112、二相三相変換部113を含む。
速度管理部105は、モータ101の速度を制御する速度制御機能とモータ101の回転状態の監視機能とを有する。速度制御機能は、例えば、推定演算部107が出力するモータ101の回転子の推定速度10(ωre)が速度指令値1に近づくようにするPI制御を含む。速度制御のための出力として、速度管理部105は、電流指令値11(q軸電流指令値i*q、d軸電流指令値i*d)を電流制御部106に出力する。また、監視機能は、速度指令値1と推定演算部107で推定された速度を監視することで実現される。
ところで、モータ101の推定速度の精度を向上するために、推定演算部107では、オブザーバ構成(フィードバックループ)がしばしば用いられる。この場合、モータ101の回転が停止している場合においても、オブザーバ構成により導出される推定速度10の値としてゼロではない値が出力される場合がある。その結果、速度管理部105は、モータ101の回転が停止しているにも関わらず、モータ101が回転しているように誤検知する可能性がある。すなわち、オブザーバ構成により導出される推定速度10では、モータ101の回転の異常を正確に検出できない場合がある。
そこで、第1実施形態では、推定演算部107では、非オブザーバ構成により推定される推定速度18(ωem)を併せて速度管理部105に出力する。そして、速度管理部105は、モータの回転状態(特に回転異常状態)の監視に推定速度18を利用する。なお、推定速度10及び推定速度18の導出の詳細については図3〜図5を参照して後述する。
三相二相変換部110は、電流検出部104が検出した3相の電流検出値3に対して座標変換処理を行い、静止座標での電流値12(α軸電流値iα、β軸電流値iβ)を求める。なお、α−β軸は静止座標系であり、例えば、α軸をいずれかの相方向(例えば、U相方向)とし、β軸をα軸と直交する方向として規定することができる。回転座標変換部111は、静止座標での電流値12に対して座標変換処理を行い、回転座標での電流値13(d軸電流値id、q軸電流値iq)を求める。なお、d−q軸は回転座標系であり、d軸を回転子の所定の方向(例えば、N極方向)とし、q軸をd軸に直交する方向として規定することができる。なお、回転座標変換部111は、座標変換処理において、推定演算部107が出力する位相変換値、つまり、α軸とd軸との位相差を示す推定位相14(θre)を使用する。
電流演算部109は、回転座標変換部111から入力される回転座標での電流値13と、速度管理部105から入力される電流指令値11と、に基づき、回転座標での電流操作量16(d軸電流操作量V*d、q軸電流操作量V*q)を求める。そして、求めた回転座標での電流操作量16を静止座標変換部112に出力する。
静止座標変換部112は、推定演算部107から入力された推定位相14に基づき座標変換処理を行い、回転座標での電流操作量16から、静止座標での電流操作量17を求める。二相三相変換部113は、静止座標での電流操作量17に対して座標変換処理を行い、3相の電流操作量4を求めて電圧印加部103に出力する。
<推定演算部107の構成及び動作>
図3は、第1実施形態における推定演算部107の構成を示すブロック図である。推定演算部107は、電圧推定部201、位相推定部202、速度推定部203、電圧振幅算出部204、速度推定部205を含む。上述したように、推定演算部107は、静止座標での電流操作量17及び静止座標での電流値12から、推定位相14、推定速度10、推定速度18を求めて出力する。
図3は、第1実施形態における推定演算部107の構成を示すブロック図である。推定演算部107は、電圧推定部201、位相推定部202、速度推定部203、電圧振幅算出部204、速度推定部205を含む。上述したように、推定演算部107は、静止座標での電流操作量17及び静止座標での電流値12から、推定位相14、推定速度10、推定速度18を求めて出力する。
電圧推定部201は、静止座標での電流操作量17と静止座標での電流値12から、モータ101のα軸及びβ軸に生じる二相誘起電圧の推定値である推定誘起電圧21(α軸誘起電圧値eα、β軸誘起電圧値eβ)を出力する。特に、推定誘起電圧21の推定性能を向上するためにオブザーバ構成により電圧を推定する。これにより、推定誘起電圧21を基に算出される推定位相14と推定速度10の推定性能も向上することになる。
図4は、第1実施形態における電圧推定部201の構成を示すブロック図である。
電圧検出部301は、モータ101の電気的挙動を模擬する所与の等価回路モデル(モータパラメータによる近似モデル)を有している。この等価回路モデルに対して、モータ101に印加する駆動電圧に相当する情報である静止座標での電流操作量17と、モータ101に実際に流れる電流の検出値情報である静止座標での電流値12と、を入力する。これにより、モータ101の内部に発生する誘起電圧である誘起電圧検出値23を算出することが出来る。算出された誘起電圧検出値23はオブザーバ演算部302に出力される。
ただし、誘起電圧検出値23は、等価回路モデルの精度(モデル誤差)、電気的なノイズ(外乱)の影響を受けるために実際の誘起電圧と異なる。そこで、誘起電圧検出値23をオブザーバ演算部302に入力しオブザーバ演算を行うことで、モデル誤差を吸収しかつ低遅延でノイズ影響を除去することができる。これにより、高精度かつ安定な値である推定誘起電圧21を得ることが可能となる。
位相推定部202は、推定誘起電圧21に基づき、モータ101の回転子の回転位相の位相推定値(つまりはα軸とd軸との位相差の推定値)である推定位相14を算出する。具体的には、例えば、推定誘起電圧21をATAN(逆正接)演算することによって位相を算出する。速度推定部203は、推定位相14から推定速度10を算出し、出力する。具体的には、例えば、推定位相14を微分演算することによって速度を算出する。このようにして得られる推定位相14及び推定速度10は高精度かつ安定したものであるため、ベクトル制御や速度制御に用いることが出来る。
しかしながら、オブザーバ演算部302では、推定誘起電圧21と誘起電圧検出値23の誤差が小さくなるように演算がなされており、その演算にはフィードバックループが存在する。そのため、モータ制御装置100やモータ101が安定動作している場合には好適な演算結果が得られる一方で、モータ101が異常回転/停止する場合には適切な演算結果が得られない可能性がある。例えば、故障や外的な力によってモータ101が異常停止した場合には、フィードバックループがあるために、演算が不安定になる可能性がある。具体的には、演算誤差が大きくなる、演算結果が発振する、間違った値に収束するなどの問題が発生し得る。その結果、オブザーバ演算部302は間違った推定誘起電圧21を算出することになり、速度推定部203は間違った推定速度10を出力することになる。
そこで、第1実施形態では、オブザーバ構成の電圧推定部201(図4)を介して推定速度10を算出すると共に、非オブザーバ構成の電圧振幅算出部204(図5)を介して推定速度18を算出する。そして、速度管理部105は、推定速度18を用いてモータ101の回転異常を検知する。
図5は、第1実施形態における電圧振幅算出部204の構成を示すブロック図である。電圧振幅算出部204は、静止座標での電流操作量17及び静止座標での電流値12から、モータ101のα軸及びβ軸に生じる2相の誘起電圧の振幅推定値である推定誘起電圧振幅22を算出する。
電圧検出部401は、電圧検出部301と同様に、モータ101の電気的挙動を模擬する等価回路モデルを有している。この等価回路モデルに対して、モータ101に印加する駆動電圧に相当する情報である静止座標での電流操作量17と、モータ101に実際に流れる電流の検出値情報である静止座標での電流値12と、を入力する。これによりモータ101の内部に発生する誘起電圧である誘起電圧検出値24を算出することが出来る。なお、電圧検出部401は、電圧検出部301と同一の構成でもよいし、より簡便な等価回路モデルに変更してもよい。
ただし、電圧検出部301が出力する誘起電圧検出値23と同様に、誘起電圧検出値24は、等価回路モデルの精度、電気的なノイズの影響を受けるために実際の誘起電圧と異なる。
振幅情報抽出部402は、正弦波状の信号である誘起電圧検出値24から振幅情報のみを抽出する。上述の通り誘起電圧検出値24には電気的なノイズが含まれるため、まず、ローパスフィルタ(LPF)等のノイズ除去フィルタによってノイズが除去する。その後、絶対値をとるとともに、ピーク値を保存(ピークホールド)して推定誘起電圧振幅22を得る。この推定誘起電圧振幅22はモータ101の速度に比例する情報であり時間とともに変動する。そのため、ピーク値の保存は所定時間間隔でクリアされるとともに、再度ピーク値を保存することで推定誘起電圧振幅22が更新される。
速度推定部205は、推定誘起電圧振幅22から推定速度18を算出し出力する。具体的には、例えば、推定誘起電圧振幅22に係数を乗じることにより推定速度18を算出する。これは、推定誘起電圧振幅22がモータ101の速度に比例する値であることによる。
このようにして非オブザーバ構成による推定速度18を得ることができる。ただし、推定速度18はフィルタ処理と振幅情報抽出時のピーク値保存処理による遅延の影響を受けたものとなり、また、位相情報は得られない。そのため、推定速度18をベクトル制御や速度制御に用いることはできない。一方で、推定速度18は、上述したオブザーバ構成における演算不安定は発生しないため、モータの回転状態、特に異常停止の検出には好適である。
<速度管理部105の構成及び動作>
上述したように、速度管理部105は、速度指令値1及び推定速度18からモータ101の回転異常を検知する。そして、回転異常を検知した場合に、異常検知信号5を出力する。
上述したように、速度管理部105は、速度指令値1及び推定速度18からモータ101の回転異常を検知する。そして、回転異常を検知した場合に、異常検知信号5を出力する。
具体的には、速度指令値1の示す速度と推定速度18との差が所定の値を超えた場合に異常と検知する。なお、速度指令値1の示す速度と推定速度18との差が所定の値を所定の期間を超えて継続した場合に異常と検知してもよい。また、速度指令値1の示す速度と推定速度18の差の積分値が所定の値を超えた場合に異常と検知してもよい。さらに、速度指令値1及び推定速度18に加えて推定速度10を更に追加して同様の判定を行い回転異常の検知をしてもよい。
以上説明したとおり第1実施形態によれば、非オブザーバ構成により得られる推定速度18を用いてモータ101の回転状態を検知する。この構成により、故障や外的な力によってモータ101に回転異常/異常停止が発生した場合に、より高精度に当該異常を検出することが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態と異なる推定演算部107を用いる形態について説明する。より具体的には、第1実施形態における電圧推定部201と電圧振幅算出部204とを統合した電圧推定部501を用いる。その他の構成及び動作は第1実施形態と同様であるため、以下の説明では第1実施形態と異なる点に注目して説明する。
第2実施形態では、第1実施形態と異なる推定演算部107を用いる形態について説明する。より具体的には、第1実施形態における電圧推定部201と電圧振幅算出部204とを統合した電圧推定部501を用いる。その他の構成及び動作は第1実施形態と同様であるため、以下の説明では第1実施形態と異なる点に注目して説明する。
<推定演算部107の構成及び動作>
図6は、第2実施形態における推定演算部107の構成を示すブロック図である。推定演算部107は、電圧推定部501、位相推定部202、速度推定部203、速度推定部205を含む。また、第1実施形態と同様に、推定演算部107は、静止座標での電流操作量17及び静止座標での電流値12から、推定位相14、推定速度10、推定速度18を求めて出力する。
図6は、第2実施形態における推定演算部107の構成を示すブロック図である。推定演算部107は、電圧推定部501、位相推定部202、速度推定部203、速度推定部205を含む。また、第1実施形態と同様に、推定演算部107は、静止座標での電流操作量17及び静止座標での電流値12から、推定位相14、推定速度10、推定速度18を求めて出力する。
電圧推定部501は、静止座標での電流操作量17と静止座標での電流値12から、推定誘起電圧21と、推定誘起電圧振幅22を出力する。
図7は、第2実施形態における電圧推定部501の構成を示すブロック図である。なお、図7に示す電圧検出部301、オブザーバ演算部302、振幅情報抽出部402は、第1実施形態(図4、図5)で述べたものと同様のものである。
電圧検出部301は、モータ101の電気的挙動を模擬する等価回路モデルを有している。この等価回路モデルに対して、モータ101に印加する駆動電圧に相当する情報である静止座標での電流操作量17と、モータ101に実際に流れる電流の検出値情報である静止座標での電流値12と、を入力する。これにより、モータ101の内部に発生する誘起電圧である誘起電圧検出値23を算出することが出来る。算出された誘起電圧検出値23は、オブザーバ演算部302及び振幅情報抽出部402に出力される。
ただし、第1実施形態においても説明したように、誘起電圧検出値23は、等価回路モデルの精度、電気的なノイズの影響を受けるために実際の誘起電圧と異なる。そこで、推定誘起電圧21の導出にはオブザーバ構成によりノイズの影響を除去する。一方、推定誘起電圧振幅22の導出にはノイズ除去フィルタ及びピーク値の保存によりノイズの影響を除去する。この構成により、高精度かつ安定な値である推定誘起電圧21、及び、オブザーバ構成における演算不安定が発生しない推定誘起電圧振幅22、を得ることが可能となる。なお、導出方法の詳細は第1実施形態のオブザーバ演算部302及び振幅情報抽出部402と同様であるため説明は省略する。
また、電圧推定部501により推定誘起電圧21及び推定誘起電圧振幅22が出力された後の構成(位相推定部、速度推定部203、速度推定部205)および動作は第1実施形態と同様である。
以上説明したとおり第2実施形態によれば、第1実施形態における電圧推定部201と電圧振幅算出部204とを統合した電圧推定部501を用いる。特に、第1実施形態における電圧推定部201内の電圧検出部301と電圧振幅算出部204内の電圧検出部401とを共通化(統合)することにより、第1実施形態に比較し演算量を低減しコストを削減することが可能となる。
(変形例)
上述の実施形態においては、電流検出部104はモータ101の3相の配線から3相の電流検出値3を検出することを想定した。しかし、任意の2相の配線から電流値を検出し、演算処理によって残り1相の電流値を算出する構成とすることも可能である。
上述の実施形態においては、電流検出部104はモータ101の3相の配線から3相の電流検出値3を検出することを想定した。しかし、任意の2相の配線から電流値を検出し、演算処理によって残り1相の電流値を算出する構成とすることも可能である。
また、位相推定部202は、α−β座標系ではなく、d−q座標系の各値から推定位相14を算出する構成であっても良い。さらに、モータ101に生じる誘起電圧の推定値から位相を推定する代わりに、磁束密度を推定し磁束密度から位相を算出する構成であっても良い。位相推定部202で行われるATAN演算は、CORDIC演算で実現されてもよいし、ルックアップテーブルと補間演算によって実現されてもよい。
振幅情報抽出部402で用いるノイズ除去フィルタとしては、LPF以外にもFIRフィルタ、IIRフィルタなどの他のフィルタ構成を用いることも可能である。また振幅情報そのものを抽出する代わりに、振幅相当の情報(例えば、実効値、絶対値平均、二乗平均)を週出する構成としてもよい。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 モータ制御装置; 101 モータ; 102 モータ制御部; 103 電圧印加部; 104 電流検出部; 105 速度管理部; 106 電流制御部; 107 推定演算部; 201 電圧推定部; 202 位相推定部; 203 速度推定部; 204 電圧振幅算出部; 205 速度推定部
Claims (11)
- モータを制御するモータ制御装置であって、
所与の速度指令値が示す目標回転速度となるように該モータを駆動する駆動手段と、
前記モータに印加する駆動電圧と該モータに流れる駆動電流とに基づいて、該モータで発生する誘起電圧振幅を導出する第1の導出手段と、
前記第1の導出手段により導出された誘起電圧振幅に基づいて、前記モータの回転子の回転速度を推定する第1の速度推定手段と、
前記第1の速度推定手段により推定された回転速度と前記速度指令値が示す目標回転速度とに基づいて、前記モータにおける回転異常を検出する検出手段と、
を有することを特徴とするモータ制御装置。 - 前記検出手段は、前記第1の速度推定手段により推定された回転速度と前記速度指令値が示す目標回転速度との差が所定の値を超えた場合に、前記モータに回転異常が発生したと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記検出手段は、前記第1の速度推定手段により推定された回転速度と前記速度指令値が示す目標回転速度との差を時間に関して積分した値が所定の値を超えた場合に、前記モータに回転異常が発生したと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記モータに印加する駆動電圧と該モータに流れる駆動電流とに基づいて、該モータで発生する誘起電圧を導出する第2の導出手段と、
前記第2の導出手段により導出された誘起電圧に基づいて、前記モータの回転子の位相を導出する第3の導出手段と、
前記第2の導出手段により導出された誘起電圧に基づいて、前記モータの回転子の回転速度を推定する第2の速度推定手段と、
を更に有し、
前記駆動手段は、前記第2の速度推定手段により導出された回転速度と前記第3の導出手段により導出された位相とに基づいて前記モータをベクトル制御により駆動する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のモータ制御装置。 - 前記第1の導出手段は、
前記モータに印加する駆動電圧と該モータに流れる駆動電流とを、前記モータを模擬する所与の等価回路モデルに入力することにより第1の電圧検出値を算出する第1の算出手段と、
前記第1の電圧検出値をフィルタ処理して得られる振幅情報に基づいて前記誘起電圧振幅を算出する振幅算出手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のモータ制御装置。 - 前記振幅算出手段は、前記振幅情報の絶対値に対して所定時間間隔のピークホールドを行うことにより前記誘起電圧振幅を算出する
ことを特徴とする請求項5に記載のモータ制御装置。 - 前記第2の導出手段は、
前記モータに印加する駆動電圧と該モータに流れる駆動電流とを、前記モータを模擬する所与の等価回路モデルに入力することにより第2の電圧検出値を算出する第2の算出手段と、
前記第2の電圧検出値を入力としたオブザーバ演算により前記誘起電圧を算出するオブザーバ演算手段と、
を有し、
前記オブザーバ演算手段は、算出された前記誘起電圧をフィードバックして前記第2の電圧検出値との誤差を算出し、該誤差に基づいて該第2の電圧検出値を更新することにより前記誘起電圧を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載のモータ制御装置。 - 前記検出手段は、前記第2の速度推定手段により推定された回転速度に更に基づいて、前記モータにおける回転異常を検出する
ことを特徴とする請求項4又は7に記載のモータ制御装置。 - 前記モータに印加する駆動電圧と該モータに流れる駆動電流とを、前記モータを模擬する所与の等価回路モデルに入力することにより電圧検出値を算出する算出手段を更に有し、
前記第1の導出手段は、前記電圧検出値をフィルタ処理して得られる振幅情報に基づいて前記誘起電圧振幅を算出し、
前記第2の導出手段は、前記電圧検出値を入力としたオブザーバ演算により前記誘起電圧を算出し、
前記オブザーバ演算では、算出された前記誘起電圧をフィードバックして前記電圧検出値との誤差を算出し、該誤差に基づいて該電圧検出値を更新する
ことを特徴とする請求項4に記載のモータ制御装置。 - モータを制御するモータ制御装置の制御方法であって、
前記モータ制御装置は、所与の速度指令値が示す目標回転速度となるように該モータを駆動するよう構成され、
前記制御方法は、
前記モータに印加する駆動電圧と該モータに流れる駆動電流とに基づいて、該モータで発生する誘起電圧振幅を導出する導出工程と、
前記導出工程により導出された誘起電圧振幅に基づいて、前記モータの回転子の回転速度を推定する速度推定工程と、
前記速度推定工程により推定された回転速度と前記速度指令値が示す目標回転速度とに基づいて、前記モータにおける回転異常を検出する検出工程と、
を含むことを特徴とするモータ制御装置の制御方法。 - コンピュータを、請求項1乃至9の何れか1項に記載のモータ制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018120039A JP2020005340A (ja) | 2018-06-25 | 2018-06-25 | モータ制御装置およびその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018120039A JP2020005340A (ja) | 2018-06-25 | 2018-06-25 | モータ制御装置およびその制御方法 |
Publications (1)
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JP2020005340A true JP2020005340A (ja) | 2020-01-09 |
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ID=69100719
Family Applications (1)
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JP2018120039A Pending JP2020005340A (ja) | 2018-06-25 | 2018-06-25 | モータ制御装置およびその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020005340A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3961912A1 (en) * | 2020-08-28 | 2022-03-02 | Delta Electronics, Inc. | Method of detecting connection fault of electric motor |
-
2018
- 2018-06-25 JP JP2018120039A patent/JP2020005340A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3961912A1 (en) * | 2020-08-28 | 2022-03-02 | Delta Electronics, Inc. | Method of detecting connection fault of electric motor |
US11611303B2 (en) | 2020-08-28 | 2023-03-21 | Delta Electronics, Inc. | Method of detecting connection fault of electric motor |
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