JP2020005062A - 起動装置 - Google Patents

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Kazuhiko Hatano
一彦 波多野
貞治 大金
Sadaji Okane
貞治 大金
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Abstract

【課題】停電等により停止した電気機器の自動再運転を、費用を抑えつつ、実現する。【解決手段】本発明の代表的な実施の形態に係る、制御対象の電気機器(2)を起動させるための起動装置は、遠隔操作機器(3)から送信された前記電気機器に対する操作信号(5)を受信する受信部(11)と、記憶部(19)と、前記受信部によって受信した前記操作信号を読み取って前記記憶部に記憶させる信号読取部(16)と、前記電気機器への電力供給の状態を監視する監視部(15)と、前記監視部が前記電気機器への電力供給が停止した状態から前記電気機器への電力供給が開始されたことを検出した場合に、前記記憶部に記憶されている前記操作信号を読み出す信号読出部(18)と、前記信号読出部によって読み出された前記操作信号を送信する送信部(13)とを有することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、停電等により電力供給が停止した電気機器を、電力供給の再開後に再運転させる起動装置に関し、例えば、赤外線リモコン等の遠隔操作機器によって操作可能な電気機器のための起動装置に関する。
電気機器の中には、停電等により電力供給が停止し、その後電力供給が再開した場合(復電後)に自動的に再運転しないものが多く存在する。例えば、一般的な家庭用のエアー・コンディショナー(エアコン)は、復電後に自動的に再運転しないものが多い。
近年、家庭用のエアコンに対して、復電後に自動的に再運転させたいという要求がある。例えば、犬や猫等のペットを室内で飼っているユーザは、室内の温度が一定の範囲に保たれるように、家庭用のエアコンを運転させた状態で外出する場合がある。しかしながら、外出中に停電等により家庭用のエアコンへの電力供給が停止した場合、その後電力供給が再開された場合であっても、家庭用のエアコンの多くは自動的に再運転しないため、室内の温度が一定に保たれなくなる。このような場合、ユーザは、外出先から速やかに帰宅してエアコンを運転する必要があった。
このような背景から、家庭用のエアコンにおいて、復電後に自動再運転する機能が望まれている。
例えば、特許文献1には、エアコンを自動再運転させる従来技術が開示されている。具体的に、特許文献1には、ユーザによるエアコンのリモコンに対するキー操作がない場合に、リモコン自らが3分間毎に“運転中フラグ信号”を含む送信データを送信するとともに、停電により運転が停止したエアコンが復電後に送信データを受信した場合に、“運転中フラグ信号”に基づいて停電前の元の運転状態で運転を再開する技術が開示されている。
特開平7−225045号公報
特許文献1に開示された従来技術では、リモコンおよびエアコン本体に自動再運転するための機能を追加する必要がある。すなわち、特許文献1によれば、運転中フラグ信号を含む送信データを定期的に送信する機能をリモコンに追加するとともに、電力供給の停止状態から給電状態に復帰したときに、エアコン本体をリモコンからの送信データによって運転状態に制御する機能をエアコン本体に追加する必要がある。
しかしながら、ユーザ自らが既存のエアコン本体およびリモコンを改造して特許文献1に開示されている機能を追加することは困難である。例えば、赤外線リモコンは、データの送信フォーマットが数種類に限られてはいるが、一般のユーザがリモコンの信号を解析してリモコンを改造することは困難である。また、ユーザがエアコン本体を改造することは不可能である。
そのため、エアコンの自動再運転機能を望むユーザは、既存のエアコンから当該機能を有する新しいエアコンに買い替える必要があり、費用の負担が大きいという課題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、停電等により停止した電気機器の自動再運転を、費用を抑えつつ、実現することを目的とする。
本発明の代表的な実施の形態に係る、制御対象の電気機器を起動させるための起動装置は、遠隔操作機器から送信された前記電気機器に対する操作信号を受信する受信部と、記憶部と、前記受信部によって受信した前記操作信号を読み取って前記記憶部に記憶させる信号読取部と、前記電気機器への電力供給の状態を監視する監視部と、前記監視部が前記電気機器への電力供給が停止した状態から前記電気機器への電力供給が開始されたことを検出した場合に、前記記憶部に記憶されている前記操作信号を読み出す信号読出部と、前記信号読出部によって読み出された前記操作信号を送信する送信部とを有することを特徴とする。
本発明に係る起動装置によれば、停電等により停止した電気機器の自動再運転を、費用を抑えつつ、実現することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る起動装置を備えた電気機器自動再運転システムの構成を示す図である。 起動装置とエアコンとの接続例を示す図である。 起動装置の構成を示す図である。 リモコンから出力される操作信号の送信フォーマットを説明するための図である。 起動装置によるエアコンの起動方法の流れを示すフロー図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る、制御対象の電気機器(2)を起動させるための起動装置は、遠隔操作機器(3)から送信された前記電気機器に対する操作信号(5)を受信する受信部(11)と、記憶部(19)と、前記受信部によって受信した前記操作信号を読み取って前記記憶部に記憶させる信号読取部(16)と、前記電気機器への電力供給の状態を監視する監視部(15)と、前記監視部が前記電気機器への電力供給が停止した状態から前記電気機器への電力供給が開始されたことを検出した場合に、前記記憶部に記憶されている前記操作信号を読み出す信号読出部(18)と、前記信号読出部によって読み出された前記操作信号を送信する送信部(13)とを有することを特徴とする。
〔2〕上記起動装置において、前記電気機器と共通の交流電源(4)から直流電圧(VCC)を生成して前記起動装置の内部回路に供給する電源装置(12)を更に有し、前記監視部は、前記電源装置によって生成された前記直流電圧に基づいて、前記電気機器への電力供給の有無を判定してもよい。
〔3〕上記起動装置において、前記送信部は、前記電気機器への電力供給が開始されてから前記電気機器に電力が供給されている状態が所定期間継続した場合に、前記操作信号を送信してもよい。
〔4〕上記起動装置において、動作モードとして、前記信号読取部による前記操作信号の読み取りを許可する記憶許可モードと、前記信号読取部による前記操作信号の読み取りを禁止する記憶禁止モードとを有し、前記動作モードを切り替えるモード切替部(17)を更に有してもよい。
〔5〕上記起動装置において、前記起動装置に対する操作を入力するための操作入力部(21)を更に有し、前記モード切替部は、前記操作入力部に対する操作に応じて、前記記憶許可モードと前記記憶禁止モードとの間で前記動作モードを切り替えてもよい。
〔6〕上記起動装置において、前記操作信号は赤外線を使用して送信される光信号であって、前記信号読取部は、前記受信部が受信した前記光信号にリーダコードが含まれる場合に、当該光信号を読み取って前記操作信号として前記記憶部に記憶させてもよい。
〔7〕上記起動装置において、前記信号読出部は、前記受信部が最後に受信した前記操作信号を前記記憶部から読み出してもよい。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
≪電気機器自動再運転システム≫
図1は、本発明の一実施の形態に係る起動装置を備えた電気機器自動再運転システムの構成を示す図である。
同図に示される電気機器自動再運転システム100は、交流電源4からの電力供給によって動作する電気機器2と、電気機器2を操作するための遠隔操作機器3と、停電等により電力供給が停止した電気機器2を電力供給の再開後に再起動させる起動装置1とを備えている。
電気機器自動再運転システム100では、停電等により停止した電気機器2を、ユーザが遠隔操作機器3を操作することなく、起動装置1によって再起動させることが可能となっている。
≪電気機器≫
電気機器2は、交流電源4からの電力供給によって動作し、遠隔操作機器3によって操作可能な機器である。電気機器2は、停電等により交流電源4からの電力供給が停止し、その後、交流電源4からの電力供給が再開した場合(復電後)に、自動的に再起動しない機器である。
電気機器2としては、例えば、空気調和設備等を例示することができる。以下、本実施の形態では、電気機器2が家庭用のエアコンであるとし、電気機器2を「エアコン2」とも称する。
≪遠隔操作機器≫
遠隔操作機器3は、エアコン2を無線で操作するための機器である。遠隔操作機器3は、エアコン2を操作するための操作信号5を送信する。例えば、操作信号5は、エアコン2の運転の開始または停止の指令、目標温度および目標湿度の指令、風向や風量等の指令等の各種指令を含んでいる。
遠隔操作機器3は、例えば、赤外線を使用した光信号としての操作信号5を送信する赤外線リモコンである。以下、本実施の形態では、遠隔操作機器3を「リモコン3」とも称する。
≪起動装置≫
起動装置1は、リモコン3とは別に、無線によってエアコン2を起動させる装置である。起動装置1は、リモコン3から送信される操作信号5を受信して記憶しておく。起動装置1は、例えば停電等により交流電源(AC)4からエアコン2への電力供給が停止し、その後、交流電源4からエアコン2への電力供給が再開した場合に、記憶しておいた操作信号5を読み出して操作信号5Aとしてエアコン2に送信することにより、復電後のエアコン2を再起動させる。
以下、起動装置1について詳細に説明する。
図2は、起動装置1とエアコン2との接続例を示す図である。
同図に示されるように、室内の壁面6に設置されたエアコン2(エアコン本体)の電源ケーブル8が、交流電源4と繋がるプラグの差込み口(所謂コンセント)7に接続されることにより、エアコン2が交流電源4から電力供給を受けて動作する場合を考える。
この場合において、起動装置1は、例えば、室内の壁面6においてエアコン2の周辺領域に設置される。ここで、エアコン2の周辺領域とは、起動装置1から送信される赤外線を使用した光信号(後述する操作信号5A)をエアコン2が効率よく受信することが可能な範囲をいう。
起動装置1の電源ケーブル9は、エアコン2の電源ケーブル8と並列にプラグの差込み口7に接続されている。これにより、起動装置1は、エアコン2と共通の交流電源4から電力供給を受けて動作することができる。
図3は、起動装置1の構成を示す図である。
同図に示されるように、起動装置1は、電源装置12、操作入力部21、受信部11、データ処理制御部14、および送信部13を備えている。
電源装置12は、交流電源4から直流電圧を生成し、電源電圧VCCとして起動装置1の内部回路に供給する装置である。電源装置12は、例えばAC/DCコンバータやレギュレータ等の電源回路を含んで構成されている。
操作入力部21は、ユーザからの起動装置1に対する操作を入力するための機能部である。操作入力部21としては、押圧ボタンやトグルスイッチ、タッチパネル等を例示することができる。
受信部11は、リモコン3から送信されたエアコン2に対する操作信号5を受信する機能部である。受信部11は、操作信号5としての赤外線を受光し、電気信号に変換して出力する。図示はしないが、受信部11は、例えば、フォトダイオード等の光電変換装置と、光電変換装置から出力された電気信号をデジタル信号に変換して出力する出力回路とを有している。
データ処理制御部14は、起動装置1の統括的な制御を行うための機能部である。データ処理制御部14は、起動装置1としての主たる機能を実現するための機能ブロックとして、監視部15、信号読取部16、モード切替部17、信号読出部18、および記憶部19を有している。
データ処理制御部14は、例えば、マイクロコントローラ(MCU:Micro Controller Unit)によって実現されている。上記マイクロコントローラは、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、揮発性メモリ(RAM:Random Access Memory)と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)等の書き換え可能な不揮発性メモリと、入出力インターフェース回路等の周辺回路とが一つのパッケージに収容されている。
データ処理制御部14の各機能ブロック、すなわち監視部15、信号読取部16、モード切替部17、信号読出部18、および記憶部19は、例えば、マイクロコントローラにおけるCPUが不揮発性メモリやRAM等に記憶されたプログラムに従って各種演算処理を実行することにより、実現される。
監視部15は、エアコン2への電力供給の状態を監視する機能部である。監視部15は、交流電源4の出力状態に基づいて、エアコン2への電力供給の状態を監視する。ここでは、一例として、監視部15は、交流電源4から電力供給を受ける電源装置12によって生成された直流電圧に基づいて、エアコン2への電力供給の有無を判定するものとして説明する。
例えば、監視部15は、電源装置12から起動装置1の内部回路に供給される電源電圧VCCを監視し、電源電圧VCCと所定の閾値とを比較する。監視部15は、電源電圧VCCが所定の閾値よりも大きい場合に、交流電源4からエアコン2に電力が供給されていると判定し、電源電圧VCCが所定の閾値よりも小さい場合に、交流電源4からエアコン2に電力が供給されていないと判定する。
監視部15は、エアコン2への電力供給の状態を示す電源供給状態信号20を出力する。例えば、監視部15は、電源供給状態信号20として、エアコン2に電力が供給されている場合に第1論理レベル(例えば“1”)となり、エアコン2に電力が供給されていない場合に第2論理レベル(例えば“0”)となるデジタル信号を出力する。
記憶部19は、後述する信号読取部16によって読み取られた操作信号5を記憶するための機能部である。記憶部19は、例えば、EEPROM等の不揮発性メモリにおける少なくとも一部の記憶領域を利用して実現されている。
信号読取部16は、受信部11によって受信した操作信号5を読み取って記憶部19に記憶させる機能部である。
ここで、操作信号5について詳細に説明する。
図4は、リモコン3から出力される操作信号5の送信フォーマットを説明するための図である。
リモコン3から出力される操作信号5は、一般的な家庭用のエアコンの赤外線リモコンから出力される光信号と同様に、パルス位置変調(PPM:pulse−position modulation)方式によって変調された信号である。
例えば、図4に示すように、操作信号5は、所定のオン期間Tonの後にオン期間Tonのm倍(mは2以上の整数)のオフ期間Toff(=m×Ton)が続いた場合に“1”を示し、所定のオン期間Tonの後にオン期間Tonと同等のオフ期間Toff(≒Ton)が続いた場合に“0”を示す。
操作信号5において、初めにリーダコードが送信され、その後、データコードが送信される。リーダコードは、送信データ(フレーム)の開始を示すデータである。リーダコードは、エアコン2における受信回路のゲインを適切に設定するためのデータでもある。データコードは、エアコン2に対する各種指令を示すデータである。
例えば、エアコン2は、リモコン3から送信された操作信号5を受信したとき、先ず、リーダコードを解析して受信回路のゲインを適切に設定し、その後、受信回路で受信したデータコードから指令を解析し、その指令に従った動作を行う。
具体的に、信号読取部16は、受信部11によって光信号から電気信号(デジタル信号)に変換された操作信号5のビット列を読み取って記憶部19に記憶する。操作信号5のビット列とは、上述したリーダコードおよびデータコードに対応するデータ列である。例えば、信号読取部16は、少なくとも操作信号5のデータコードに対応するビット列を記憶部19に記憶する。
記憶部19には、複数の操作信号5が記憶されていてもよいが、少なくとも、受信部11によって最後に受信した操作信号5が記憶されている必要がある。
モード切替部17は、起動装置1の動作モードを切り替える機能部である。
起動装置1は、動作モードとして、信号読取部16による操作信号5の読み取りが許可された記憶許可モードと、信号読取部16による操作信号5の読み取りが禁止された記憶禁止モードとを有している。
モード切替部17は、記憶許可モードと記憶禁止モードとの間の切替を制御する。例えば、モード切替部17は、操作入力部21に対する操作に応じて、起動装置1の動作モードを記憶許可モードと記憶禁止モードとの間で切り替える。
例えば、モード切替部17は、動作モードを指定する動作モードレジスタ(図示せず)を有している。モード切替部17は、操作入力部21に対する操作に応じて、記憶許可モードまたは記憶禁止モードを指定する値を、上記動作モードレジスタに設定する。例えば、操作入力部21が押圧スイッチの場合、動作モードレジスタには初期値として記憶禁止モードを指定する値が設定されている。この場合において、押圧スイッチが所定期間(例えば2秒間)継続して押圧された場合に、モード切替部17が動作モードレジスタの設定値を記憶許可モードを指定する値に書き換える。そして、モード切替部17は、操作信号5が記憶部19に記憶されたことを検出した場合、動作モードレジスタの設定値を記憶許可モードを指定する値から記憶禁止モードを指定する値に書き換える。
信号読取部16は、上記動作モードレジスタの設定値に応じて、受信部11によって受信した操作信号5を記憶部19に記憶するか否かを決定する。
信号読出部18は、記憶部19に記憶されている操作信号5を読み出す機能部である。信号読出部18は、監視部15がエアコン2への電力供給が停止した状態からエアコン2への電力供給が開始されたことを検出した場合に、記憶部19から操作信号5を読み出す。このとき、信号読出部18は、受信部11が最後に受信した操作信号5、すなわち信号読取部16が最後に記憶部19に記憶した操作信号5を、記憶部19から読み出す。
具体的に、信号読出部18は、記憶部19から読み出したビット列をパルス位置変調方式によって変調して、操作信号5と同様の送信フォーマットに対応するパルス幅のデジタル信号を生成して出力する。
送信部13は、データ処理制御部14の信号読出部18によって読み出された操作信号を送信する機能部である。送信部13は、信号読出部18から出力されたパルス位置変調方式によって変調されたデジタル信号を光信号に変換し、操作信号5Aとして出力する。図示はしないが、例えば、送信部13は、赤外線を発光する発光ダイオードと、信号読出部18から出力されたデジタル信号に基づいて発光ダイオードを駆動する(オン/オフ制御する)駆動回路とを有している。
送信部13は、エアコン2への電力供給が開始されてからエアコン2に電力が供給されている状態が所定期間継続した場合に、操作信号5Aを送信する。例えば、監視部15から出力される電源供給状態信号20が第1論理レベル(例えば“1”)から第2論理レベル(例えば“2”)に切り替わった後に、電源供給状態信号20が第2論理レベルである状態が所定期間継続した場合、信号読出部18は、最後にリモコン3から受信した操作信号5のビット列を記憶部19から読み出す。そして、信号読出部18が、読み出したビット列に基づいて、パルス位置変調方式により、操作信号5と同様の送信フォーマットに対応するパルス幅のデジタル信号を生成し、送信部13に与える。
これにより、起動装置1の送信部13は、エアコン2への電力供給が再開されてからエアコン2に電力が供給されている状態が所定期間継続した場合に、リモコン3を介さずに、操作信号5Aをエアコン2に対して送信することができる。
送信部13から送信された操作信号5Aは、記憶部19に記憶された操作信号5と同様のデータコードを有する信号である。したがって、操作信号5Aを受信したエアコン2は、操作信号5を受信した場合と同様の動作条件にて、動作する。
次に、起動装置1によるエアコン2の起動方法の流れについて説明する。
図5は、起動装置1によるエアコン2の起動方法の流れを示すフロー図である。
先ず、起動装置1は、記憶許可モードに設定されているか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、上述したように、信号読取部16が、モード切替部17の動作モードレジスタの値を参照し、記憶許可モードと記憶禁止モードのどちらが設定されているかを判定する。
ステップS1において、記憶許可モードが設定されている場合(ステップS1:Yes)には、起動装置1は、リモコン3から操作信号5が送信されたか否かを判定する(ステップS2)。具体的には、上述したように、信号読取部16が、受信部11によって操作信号5を受信したか否かを判定する。
ステップS2において、リモコン3から操作信号5が送信された場合、起動装置1は、操作信号5を記憶する(ステップS3)。具体的には、信号読取部16が、上述した手法により、受信部11によって受信した操作信号5のビット列を記憶部19に記憶する。
ステップS2においてリモコン3から操作信号5が送信されていない場合(ステップS2:No)、またはステップS1において記憶禁止モードが設定されている場合(ステップS1:No)には、起動装置1は、操作信号5を記憶部19に記憶済みか否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4において、操作信号5を記憶部19に記憶されてない場合(ステップS4:No)、起動装置1は、ステップS1に戻り、上述した処理を再び実行する。
ステップS3において操作信号5を記憶部19に記憶した場合、またはステップS4において操作信号5が記憶部19に記憶済みの場合(ステップS4:Yes)には、起動装置1は、エアコン2が復電したか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、監視部15が、上述した手法により、エアコン2への電力供給が再開されたか否かを判定する。
ステップS5において、エアコン2への電力供給が再開された状態でない場合(ステップS5:No)、例えば、エアコン2が起動してから中断することなく電力供給が継続している場合には、起動装置1はステップS1に戻り、上述した処理を再び実行する。
なお、図2に示したように、起動装置1がエアコン2と共通の交流電源4から電力供給を受けている場合には、エアコン2への電力供給が停止しているとき、起動装置1も動作を停止している。
一方、ステップS5において、エアコン2への電力供給が再開された状態である場合(ステップS5:Yes)、すわなち、監視部15が、エアコン2の電力供給が停止した状態からエアコン2に電力が供給された状態になったことを検出した場合、起動装置1は、エアコン2に電力が供給されている状態が所定期間継続したか否かを判定する(ステップS6)。具体的には、上述したように、信号読出部18が、監視部15から出力される電源供給状態信号20が第1論理レベル(例えば“1”)から第2論理レベル(例えば“2”)に切り替わった後、電源供給状態信号20が第2論理レベルである状態が所定期間継続したか否かを判定する。
ステップS6において、エアコン2に電力が供給されている状態が所定期間継続していない場合、起動装置1はステップS5に戻り、上述した処理を再び実行する。
一方、ステップS6において、エアコン2に電力が供給されている状態が所定期間継続している場合、起動装置1は、記憶部19から操作信号5を読み出す(ステップS7)。具体的には、上述したように、信号読取部16が、最後に受信した操作信号5のビット列を記憶部19から読み出して、パルス位置変調方式により、操作信号5と同様の送信フォーマットに対応するパルス幅のデジタル信号を生成して送信部13に与える。
ステップS7の後、起動装置1は、操作信号5Aを送信する(ステップS8)。具体的には、送信部13が、ステップS7において信号読出部18から出力されたパルス位置変調方式によって変調されたデジタル信号を光信号に変換し、操作信号5Aとして出力する。
これにより、停電等によって動作が停止したエアコン2は、復電後に、起動装置1から送信された操作信号5Aを受信した場合に、操作信号5Aに従って再起動する。このときのエアコン2の動作条件(目標温度や目標湿度等)は、操作信号5Aに含まれる各種指令に基づいて決定される。
≪起動装置による効果≫
以上、本実施の形態に係る起動装置1は、リモコン3から送信されたエアコン2に対する操作信号5を受信し、その操作信号5を読み取って記憶部19に記憶させるとともに、エアコン2への電力供給が停止した状態からエアコン2への電力供給が開始されたことを検出した場合に、記憶部19に記憶されている操作信号5を読み出して、新たな操作信号5Aとして送信する。
これによれば、起動装置1が、エアコン2への電力供給の再開を検知した場合に、リモコン3の操作信号5と同等の操作信号5Aを送信するので、停電等によって動作が停止したエアコン2を、復電後に、自動的に再起動することが可能となる。
また、起動装置1によれば、既存のエアコン2およびリモコン3の改造が不要であり、エアコン2の買い替え等が不要であるので、費用を抑えつつ、エアコン2の自動再運転機能を後から追加することが可能となる。
また、起動装置1は、エアコン2と共通の交流電源4から直流電圧を生成して起動装置1の内部回路(データ処理制御部14、受信部11、および送信部13)に供給する電源装置12を有するとともに、電源装置12によって生成された直流電圧(電源電圧VCC)に基づいてエアコン2への電力供給の有無を判定する。
これによれば、起動装置1とエアコン2とが共通する交流電源4からの電力供給により動作するので、エアコン2への電力供給が再開されたか否かを確実に判定することが可能となる。
また、起動装置1は、エアコン2への電力供給が開始されてからエアコン2に電力が供給されている状態が所定期間継続した場合に、操作信号5Aを送信する。
これによれば、復電後に、電力供給が安定していない状況において、エアコン2が再起動することを防止することが可能となる。これにより、復電後、エアコン2が確実に動作可能な状況において、エアコン2を再起動させることが可能となる。
また、起動装置1は、動作モードとして、信号読取部16による操作信号5の読み取りを許可する記憶許可モードと、信号読取部16による操作信号5の読み取りを禁止する記憶禁止モードとを有し、これらの動作モード間の切替が可能になっている。
これによれば、起動装置1は、受信部11によって操作信号5以外の赤外線(ノイズ)を受信した場合に、そのノイズを誤って記憶部19に記憶しないようにすることが可能となるので、起動装置1の信頼性を更に高めることが可能となる。
また、起動装置1は、起動装置1に対する操作を入力するための操作入力部21を更に有し、起動装置1は、操作入力部21に対する操作に応じて、記憶許可モードと記憶禁止モードとの間で動作モードの切り替えが可能になっている。
これによれば、ユーザが起動装置1の動作モードを切り替えることが容易となる。
また、起動装置1は、受信部11が最後に受信した操作信号5を記憶部19から読み出し、その操作信号5のビット列に対応する操作信号5Aを送信する。
これによれば、ユーザが起動装置1に最後に記憶させた操作信号5に基づく動作条件でエアコン2を再起動させることが可能となる。
このように、本実施の形態に係る起動装置1によれば、停電等により停止した電気機器の自動再運転を、費用を抑えつつ、実現することが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、操作入力部21からの操作入力に応じて動作モードを切り替えることにより、受信した操作信号5を記憶するか否かを切り替える場合を例示したが、これに限られない。
例えば、起動装置1は、ユーザがエアコン2を操作する時に、リモコン3から送信された操作信号5を受信して記憶部19に記憶してもよい。例えば、起動装置1において、操作信号5の記憶の可否を規定する動作モードを不要とすること、または記憶許可モードに常時設定しておくことにより、起動装置1は、操作信号5を受信した場合に、その受信した操作信号5を記憶するようにしてもよい。
これによれば、起動装置1は、エアコン2と同時に操作信号5を受信して記憶することが可能となる。例えば、起動装置1は、ユーザがリモコン3を操作してエアコン2の起動や温度設定の変更等を行う際にリモコン3からエアコン2に対して送信される操作信号5を、エアコン2と同時に受信して記憶することが可能となる。
また、起動装置1は、エアコン2の操作時に操作信号5として赤外線を使用して送信された光信号にリーダコードが含まれる場合に、当該光信号を読み取って操作信号5として記憶部19に記憶させてもよい。すなわち、信号読取部16は、受信部11によって受信した光信号から変換されたデジタル信号を監視し、そのデジタル信号からリーダコードが読み取れた場合に、そのデジタル信号が操作信号5であると判定し、操作信号5の少なくともデータコード部分を記憶部19に記憶する。一方、上記デジタル信号からリーダコードが読み取れなかった場合には、信号読取部16は、そのデジタル信号が操作信号5でないと判定し、そのデジタル信号を記憶部19に記憶しない。
これによれば、起動装置1自らが、受信した光信号(赤外線)が操作信号5であるか否かを判定して操作信号5を記憶するので、赤外線ノイズが誤って記憶されることを防止することが可能となり、操作信号5のみを確実に記憶させることが可能となる。
このように、上述した変形例に係る起動装置1によれば、ユーザが操作入力部21を操作して動作モードを切り替えなくても、ユーザがリモコン3を操作してエアコン2に指令を出す度に、自動的にリモコン3から送信された操作信号5のみを起動装置1に記憶させることが可能となる。
この場合において、信号読出部18が記憶部19に最後に記憶された操作信号5を読み出すように起動装置1を構成することにより、エアコン2が停電等により停止する直前の動作条件でエアコン2を再起動させることが可能となる。
また、上記実施の形態では、電気機器2が家庭用のエアコンである場合について説明したが、起動装置1による制御対象としての電気機器2は、これに限られない。すなわち、起動装置1は、遠隔操作機器3によって操作可能であり、かつ停電等により電力供給が停止し、その後電力供給が再開した場合に、自動的に再起動しない電気機器であれば、エアコン2と同様に適用することが可能である。
また、上記実施の形態では、監視部15が、電源装置12によって生成された直流電圧に基づいて、エアコン2への電力供給の有無を判定する場合を例示したが、これに限られない。例えば、監視部15は、交流電源4の出力電圧の大きさ等に基づいて、エアコン2への電力供給の有無を判定してもよい。
なお、上述のフローチャートは、動作を説明するための一例を示すものであって、これに限定されない。すなわち、フローチャートの各図に示したステップは具体例であって、このフローに限定されるものではない。例えば、一部の処理の順番が変更されてもよいし、各処理間に他の処理が挿入されてもよいし、一部の処理が並列に行われてもよい。
1…起動装置、2…電気機器(エアコン)、3…遠隔操作機器(リモコン)、4…交流電源、5,5A…操作信号、7…プラグの差込み口(コンセント)、8,9…電源ケーブル、11…受信部、12…電源装置、13…送信部、14…データ処理制御部、15…監視部、16…信号読取部、17…モード切替部、18…信号読出部、19…記憶部、20…電源供給状態信号、21…操作入力部、100…電気機器自動再運転システム。

Claims (7)

  1. 制御対象の電気機器を起動させるための起動装置であって、
    遠隔操作機器から送信された前記電気機器に対する操作信号を受信する受信部と、
    記憶部と、
    前記受信部によって受信した前記操作信号を読み取って前記記憶部に記憶させる信号読取部と、
    前記電気機器への電力供給の状態を監視する監視部と、
    前記監視部が前記電気機器への電力供給が停止した状態から前記電気機器への電力供給が開始されたことを検出した場合に、前記記憶部に記憶されている前記操作信号を読み出す信号読出部と、
    前記信号読出部によって読み出された前記操作信号を送信する送信部とを有する
    起動装置。
  2. 請求項1に記載の起動装置において、
    前記電気機器と共通の交流電源から直流電圧を生成して前記起動装置の内部回路に供給する電源装置を更に有し、
    前記監視部は、前記電源装置によって生成された前記直流電圧に基づいて、前記電気機器への電力供給の有無を判定する
    ことを特徴とする起動装置。
  3. 請求項2に記載の起動装置において、
    前記送信部は、前記電気機器への電力供給が開始されてから前記電気機器に電力が供給されている状態が所定期間継続した場合に、前記操作信号を送信する
    ことを特徴とする起動装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の起動装置において、
    動作モードとして、前記信号読取部による前記操作信号の読み取りを許可する記憶許可モードと、前記信号読取部による前記操作信号の読み取りを禁止する記憶禁止モードとを有し、
    前記動作モードを切り替えるモード切替部を更に有する
    ことを特徴とする起動装置。
  5. 請求項4に記載の起動装置において、
    前記起動装置に対する操作を入力するための操作入力部を更に有し、
    前記モード切替部は、前記操作入力部に対する操作に応じて、前記記憶許可モードと前記記憶禁止モードとの間で前記動作モードを切り替える
    ことを特徴とする起動装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の起動装置において、
    前記操作信号は赤外線を使用して送信される光信号であって、
    前記信号読取部は、前記受信部が受信した前記光信号にリーダコードが含まれる場合に、当該光信号を読み取って前記操作信号として前記記憶部に記憶させる
    ことを特徴とする起動装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の起動装置において、
    前記信号読出部は、前記受信部が最後に受信した前記操作信号を前記記憶部から読み出す
    ことを特徴とする起動装置。
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