JP2020004625A - 電磁誘導装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング素子がオンする瞬間のゲートオン信号の時間を調整することで、突入電流を効果的に低減する。【解決手段】本発明の電磁誘導装置100は、加熱コイル2を含む共振回路に高周波電流を供給するためのスイッチング素子27と、スイッチング素子27をオンするためのゲートオン信号の時間を制御するソフトスタート制御部28と、ソフトスタート制御部28からのゲートオン信号を受けて、スイッチング素子27を駆動させるスイッチング素子駆動回路18と、を備える。ソフトスタート制御部28は、スイッチング素子27がオンする際に、スイッチング素子27を不飽和領域で動作させる時間からゲートオン信号の送出を開始し、その後はゲートオン信号の時間をステップ状に増加させて送出するように構成される。【選択図】図1
Description
本発明は、スイッチング素子がオン・オフ動作することにより、インダクタに交流電流を供給して電磁誘導加熱(IH)などの電磁誘導作用を生じさせる電磁誘導装置に関する。
炊飯器や定着装置などの電気機器に組み込まれる電磁誘導装置として、構成が簡単で部品点数の少ないシングルエンド方式のインバータを組み込んだ誘導加熱コントローラが広く知られている。これは、例えば特許文献1,2に開示されるように、商用電源からの交流電源電圧を整流平滑する整流器及び平滑コンデンサと、平滑コンデンサの両端間に生じる直流電圧を入力として、加熱コイルに高周波電流を供給するために、加熱コイルと共振回路を形成する共振コンデンサや、共振回路に直流電圧を断続的に印加させる単独のスイッチング素子を含むインバータと、スイッチング素子をオン・オフ動作させるための制御信号を送出する制御手段と、制御手段からの制御信号を受けてスイッチング素子にパルス駆動信号を供給する駆動手段と、を主な構成要素とする。
上述した引用文献1,2の誘導加熱コントローラは、電源電圧の投入時に発生する突入電流を低減するための工夫が施されているが、それとは別にスイッチング素子となるIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)をオンする際に、平滑コンデンサに蓄積されていた電荷により、IGBTに大きな突入電流が流れてしまい、そのままでは損失が大きくなったり、誘導加熱コントローラの保護用に組み込んだ電流ヒューズが溶断したりするなどの悪影響が生じてしまう。そこで従来は、IGBTのオン時の突入電流を少しでも減らすために、IGBTの動作が飽和領域に達するぎりぎりのゲート電圧が、IGBTにパルス駆動信号として供給されるように、制御手段から制御信号となるゲートオン信号を駆動手段に送出していた。
しかし、これは少なからずIGBTが完全にオンする電圧レベル以上に、IGBTのゲート電圧が達するような時間幅のゲートオン信号が、最初から駆動手段に送出されていることを意味し、短い時間のオンであっても、IGBTのオン開始時には、最悪で定常電流の9倍以上にも達する大きな突入電流が生じていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、スイッチング素子がオンする瞬間のゲートオン信号の時間を調整することで、突入電流を効果的に低減できる電磁誘導装置を提供することを目的とする。
本発明は、インダクタを含む共振回路に高周波電流を供給するためのスイッチング素子と、前記スイッチング素子をオンするためのゲートオン信号の時間を制御する制御手段と、前記制御手段からのゲートオン信号を受けて、前記スイッチング素子を駆動させる駆動手段と、を備えた電磁誘導装置において、前記スイッチング素子がオンする際に、前記スイッチング素子を不飽和領域で動作させる時間から前記ゲートオン信号の送出を開始し、その後は前記ゲートオン信号の時間をステップ状に増加させて送出するように、前記制御手段を構成としたことを特徴とするものである。
本発明によれば、初回のゲートオン信号では、駆動手段がスイッチング素子を完全なオン状態ではない不飽和領域で動作させて、初期の突入電流を抑制し、その後のゲートオン信号はその時間を緩やかに増加させることで、不飽和領域から飽和領域に切替わる際の突入電流を抑制できる。したがって、スイッチング素子がオンする瞬間のゲートオン信号の時間を調整することで、突入電流を効果的に低減できる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明における電磁誘導装置の好ましい幾つかの実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す各実施形態で、共通する箇所には共通する符号を付し、共通する部分の説明は重複を避けるため極力省略する。
図1は、本実施形態における電磁誘導装置100の回路構成を示したものである。本実施形態の電磁誘導装置100は、定着ローラ1を通過して搬送されるシート(図示せず)を加熱して、そのシートに画像を定着させる定着装置に適用されるもので、定着ローラ1を電磁誘導加熱するインダクタとしての加熱コイル2と、商用交流電源3からの電源電圧が印加される誘導加熱コントローラ4と、を含んで構成される。誘導加熱コントローラ4は、整流平滑回路11と、加熱コイル2を制御対象とするインバータ12と、電流変換回路13と、電圧変換回路14と、入力電力アナログ電圧変換回路(以下、電力変換回路という)15と、電力比較回路16と、マイコン(マイクロコンピュータ)17と、スイッチング素子駆動回路18と、を主な構成要素とする。
整流平滑回路11は、電源電圧を全波整流する整流器としてのダイオードスタック21と、ダイオードスタック21で整流された電圧を平滑するチョークコイル22および平滑コンデンサ23とにより構成される。交流電源3から供給される電源電圧は、整流平滑回路11により整流平滑されるため、整流平滑回路11を交流電圧から直流電圧に変換する電源回路とみなすことができる。
インバータ12は、整流平滑回路11からの直流電圧が入力電圧として印加され、加熱コイル2と並列に接続する共振コンデンサ25と、フライホイールダイオード26を内蔵した単独のIGBTからなるスイッチング素子27と、により構成されるシングルエンド形式の電圧形共振インバータである。スイッチング素子27は、加熱コイル2と共振コンデンサ25とによる共振回路と直列に接続され、スイッチング素子駆動回路18からスイッチング素子27のゲートにパルス駆動信号が与えられると、スイッチング素子27のエミッタ・コレクタ間がオン・オフ動作を繰り返して、整流平滑回路11からの直流入力電圧が共振回路に断続的に印加され、加熱コイル2に高周波電流が供給される構成となっている。このときスイッチング素子27の駆動周波数や、一周期に対するオン時間の比率(オン時比率)を変化させることで、インバータ12への入力電力ひいては加熱コイル2から定着ローラ1への加熱量を増減させることができる。
電流変換回路13は、インバータ12に流れる入力電流を電圧に変換して、インバータ12の入力電流に比例した検知電圧の信号を送出するものである。また電圧変換回路14は、インバータ12に印加される入力電圧を分圧して、その入力電圧に比例した検知電圧の信号を送出するものである。電力変換回路15は、電流変換回路13と電圧変換回路14で得られたそれぞれの検知電圧を、オペアンプを用いたアナログ乗算回路などで乗算することで、インバータ12の入力電力に比例したアナログの判定電圧を求めて、これを送出するものである。
電力比較回路16は、電力変換回路15で得られた判定電圧が、予め決められたアナログの異常レベルの設定電圧を超えていないか否かを、コンパレータを用いたアナログ比較回路などで比較し、判定電圧が設定電圧を超えていたら異常状態と判断して、インバータ12の異常出力を制限するための出力制限信号を、スイッチング素子駆動回路18に送出するものである。また電力比較回路16は、電力変換回路15からの判定電圧を含めて、その判定電圧と設定電圧とを比較した判定結果を、マイコン17に送出する機能を有する。
制御手段となるマイコン17は、図示しないがCPU(中央演算処理装置)や、記憶手段や、入出力インターフェースなどのハードウェア構成を有する。またマイコン17は、記憶手段に記憶したプログラムをCPUが実行することで機能するソフトウェア構成として、電圧比較回路16から取込んだ判定電圧を含む判定結果が、判定電圧が設定電圧を超える異常状態から、判定電圧が設定電圧以下となる正常状態に切替わったら、スイッチング素子駆動回路18への出力制限信号の送出が停止して、スイッチング素子駆動回路18の動作が復帰再開したと判断して、判定電圧から得られるインバータ12の実際の入力電力を、予め設定された最小値から徐々に増加させて、目標となる定常電力値となるように、スイッチング素子駆動回路18に制御信号となるパルス状のゲートオン信号を繰り返し送出して、スイッチング素子27のオン・オフ動作を緩やかに開始させるソフトスタート制御部28を備えている。
特に本実施形態のソフトスタート制御部28は、前述のスイッチング素子駆動回路18の復帰時のみならず、通常の動作でスイッチング素子駆動回路18へのゲートパルスの送出を開始して、スイッチング素子27をオン・オフ動作させる場合にも、最初はスイッチング素子27を不飽和領域で動作させる時間からゲートオン信号の送出を開始し、その後はスイッチング素子27が飽和領域で動作するまでゲートオン信号の時間をステップ状に増加させて、最終的にはインバータ12の実際の入力電力が目標となる定常電力値となるまで、ゲートオン信号の時間を徐々に増加させる突入電流抑制機能を有している。
スイッチング素子駆動回路18は、電力比較回路16から出力制限信号が送出されていなければ、マイコン17からの制御信号となるゲートオン信号を受けて、スイッチング素子27をオン・オフ動作させるに十分なパルス駆動信号を、スイッチング素子27のゲートに送出するものである。またスイッチング素子駆動回路18は、マイコン17からの制御信号に優先して、電力比較回路16から出力制限信号が送出されれば、直ちに動作を停止してスイッチング素子27にパルス駆動信号が送出されないように機能する。
次に、上記構成の電磁誘導装置100について、その作用を図2および図3の説明図を参照しながら説明する。
交流電源3からの正弦波状の電源電圧が、誘導加熱コントローラ4の整流平滑回路11に印加されると、整流平滑回路11はその電源電圧を整流平滑して、インバータ12への直流電圧に変換出力する。また、図示しない電源回路が、誘導加熱コントローラ4のマイコン17を含む各部に、整流平滑回路11からの直流電圧で得られた動作電圧を供給する。
この状態で、定着ローラ1を加熱させるために、マイコン17のソフトスタート制御部28から、制御信号となるゲートオン信号が繰り返しスイッチング素子駆動回路18に送出されると、スイッチング素子駆動回路18は、スイッチング素子27をオン・オフ動作させるに十分なパルス駆動信号を、スイッチング素子27のゲートに送出する。スイッチング素子27がオン・オフ動作すると、インバータ12から加熱コイル2と共振コンデンサ25からなる並列回路に、整流平滑回路11からの直流電圧が断続的に印加され、インバータ12が発振して、加熱コイル2にピーク値が正弦波状に変化する高周波電流が流れる。それにより、加熱コイル2から交番磁界が発生して、負荷である定着ローラ1に渦電流が発生し、定着ローラ1が電磁誘導加熱される。
インバータ12の発振動作中は、インバータ12の入力電流と比例関係にある電流変換回路13からのアナログ検知電圧と、インバータ12の入力電圧と比例関係にある電圧変換回路14からのアナログ検知電圧が、それぞれ電力変換回路15に取り込まれる。これを受けて電力変換回路15は、インバータ12の実際の入力電圧と比例関係にある判定電圧を算出し、電力比較回路16に送出する。電力比較回路16は、ハードウェアのみの処理で判定電圧と設定電圧とを比較し、判定電圧が設定電圧を超えていたら、異常状態と判断してスイッチング素子駆動回路18に出力制限信号を送出し、スイッチング素子駆動回路18の動作を直ちに停止させる。
ここで、ハードウェアのみで構成されるアナログの電力比較回路16は、マイコン17とは独立して、出力制限信号をスイッチング素子駆動回路18に直接送出しているのが注目される。従来は、負荷異常や誘導加熱コントローラ4の部品故障などに起因して、インバータ12がスイッチング素子27に悪影響を与える異常な電力になる前に、マイコン17内のソフトウェア処理で異常状態を判断して、定着ローラ1への加熱を強制的に停止させていたが、ソフトウェアで制御させるには、一定の時間内における電流変換回路13からのアナログ検知電圧と、電圧変換回路14からのアナログ検知電圧を、それぞれディジタル変換して、そこからインバータ12の入力電力を計算する必要があり、異常状態を判断するまでに時間が掛っていた。
しかし本実施形態では、電流変換回路13からのアナログ検知電圧と、電圧変換回路14からのアナログ検知電圧とに基づき、アナログの電力変換回路15がインバータ12の入力電力に比例関係の判定電圧を求め、その判定電圧が設定電圧を超えていれば、電力比較回路16からの出力制限信号により、マイコン17を介在することなく瞬時にスイッチング素子駆動回路18を停止させ、インバータ12の異常出力を制限することができる。また、何らかの原因でマイコン17が暴走した時にも、電力比較回路16からスイッチング素子駆動回路18に出力制限信号を直接送出することで、確実にインバータ12の動作を停止させることができる。また、ソフトウェア処理を介在せずに、よりスピーディーな検知を行なえるので、スイッチング素子27などの部品をより安全に維持できる。
また本実施形態の電力比較回路16は、異常状態を判断したか否かに拘らず、電力変換回路15からの判定電圧を含めて、その判定電圧と設定電圧とを比較した判定結果を、マイコン17に送出する。この判定結果は、電力変換回路15からの判定電圧そのものであってもよく、その場合にマイコン17は、判定電圧のレベルから電力比較回路16が出力制限信号を送出したか否かを、ソフトウェア処理により判断できる。
マイコン17のソフトスタート制御部28は、電圧比較回路16からの判定結果を受けて、電力比較回路16がスイッチング素子駆動回路18に出力制限信号を送出したと判断したら、スイッチング素子駆動回路18へのパルスオン信号の送出を直ちに停止させる。その一方で、スイッチング素子駆動回路18への出力制限信号の送出が停止して、スイッチング素子駆動回路18の動作が復帰再開したと判断したら、電力比較回路16から取り込んだ判定電圧から得られるインバータ12の実際の入力電力が、予め設定された最小値から徐々に増加して、最終的には目標値である定常電力値に達するように、スイッチング素子27のオン・オフ動作を緩やかに開始させることで、異常状態が解消した復帰時に、スイッチング素子27への悪影響を極力避けることができる。
次に、本実施形態のソフトスタート制御部28における突入電流の防止機能について、詳しく説明する。先ず比較として、従来のIGBTをオンする際の各部の電圧波形を図2に示す。図中、18は図1に示すスイッチング素子駆動回路に相当するドライバICであり、27はスイッチング素子に相当するIGBTである。また、S1はマイコン17からドライバIC18に送出される矩形パルス状のゲートオン信号であり、S2はドライバIC18からIGBT27に送出されるアナログ状のパルス駆動信号である。
従来は、IGBT27のオン時の突入電流を極力減らすために、IGBT27の動作が飽和領域に達する最低限のゲート電圧が、IGBT27にパルス駆動信号S2として供給されるように、マイコン17からドライバIC18にゲートオン信号S1が送出されていた。つまり、IGBT27の動作が完全にオンする飽和領域と、IGBT27の動作がオンとオフの中間にある不飽和領域との間の境界となるゲート電圧のレベルをLとすると、従来はマイコン17から送出されるゲートオン信号S1が、初回からドライバIC18がIGBT27を飽和領域で動作させるだけの時間幅を有しており、対応するパルス駆動信号S2は少なからずIGBT27のゲート電圧レベルLを超えていた。そのため、パルス駆動信号S2がゲート電圧レベルLを超える時間が僅かであっても、その間に飽和領域で動作するIGBT27のドレインからソースに、平滑コンデンサ23に蓄積した電荷による大きな突入電流が流れていた。
これに対して、本実施形態のIGBT27をオンする際の各部の電圧波形を図3に示す。本実施形態では、マイコン17に改善した突入電流抑制機能を有するソフトスタート制御部28が組み込まれている点が、従来とは異なる。ソフトスタート制御部28から送出されるゲートオン信号S1は、初回にドライバIC18がIGBT27をゲート電圧レベルLの届かない不飽和領域で動作させるような短い時間を有し、対応するパルス駆動信号S2は、IGBT27のゲート電圧レベルLを超えないように調整される。これにより、IGBT27をオンにするタイミングで、平滑コンデンサ23に多くの電荷が残っていても、IGBT27は完全にオンしていない不飽和領域で動作し始めるので、ドレインからソースに流れる電流は、飽和領域で動作する場合よりも少なくなって、突入電流を低減できる。
また、その後のソフトスタート制御部28からのゲートオン信号S1の時間は、前述したインバータ12の実際の入力電力が、目標となる定常電力値になるまで徐々に増加させるが、その際に、対応するパルス駆動信号S2がIGBT27のゲート電圧レベルLを超えるようになって、IGBT27の動作が不飽和領域から飽和領域に移行するまでの一時期には、ゲートオン信号S1の時間の増加幅を制限し、増加幅を目標値に向けて一気にではなく暫くは緩やかに増やしていくことで、IGBT27の動作が不飽和領域から飽和領域に切替わる際の突入電流も、効果的に抑えることができる。
これは具体的には、1つのゲート信号S1を送出する毎に、ゲート信号S1の時間を増加させるのではなく、複数のゲートオン信号S1を送出するまではその時間を一定に維持し、複数のゲートオン信号S1を送出したら、次のゲートオン信号S1の時間をステップ状に増加させて、同様にゲートオン信号S1を繰り返し送出するように、マイコン17のソフトスタート部28を構成することで実現する。IGBT27の動作が飽和領域に移行したら、ソフトスタート部28はゲートオン信号S1の時間をそれまでよりも高い増加幅で増加させて、インバータ12の実際の入力電力を目標となる定常電力値に極力短時間で近付ける。
以上のように、本実施形態ではインダクタとなる加熱コイル2と共振コンデンサ25とを含む共振回路に高周波電流を供給するためのオン・オフ動作するスイッチング素子27と、スイッチング素子27をオンするためのゲートオン信号の時間を制御する制御手段としてのマイコン17のソフトスタート制御部28と、ソフトスタート制御部28からのゲートオン信号を受けて、スイッチング素子27を駆動させる駆動手段としてのスイッチング素子駆動回路18と、を備えた電磁誘導装置100において、スイッチング素子27がオンする際に、スイッチング素子27を不飽和領域で動作させる時間からゲートオン信号の送出を開始し、その後はゲートオン信号の時間をステップ状に増加させて送出するように、ソフトスタート制御部28を構成している。
そのため、初回のソフトスタート制御部28から送出されるゲートオン信号では、スイッチング素子駆動回路18がスイッチング素子27を完全なオン状態ではない不飽和領域で動作させて、初期の突入電流を抑制し、その後のソフトスタート制御部28から送出されるゲートオン信号は、その時間を緩やかに増加させることで、不飽和領域から飽和領域に切替わる際の突入電流を抑制できる。したがって、スイッチング素子27がオンする瞬間のゲートオン信号の時間を調整することで、突入電流を効果的に低減できる。
また本実施形態では、インダクタとなる加熱コイル2と共振コンデンサ25とからなる共振回路と、その共振回路に高周波電流を供給するためのスイッチング素子27と、スイッチング素子27を駆動させる駆動回路としてのスイッチング素子駆動回路18と、共振回路とスイッチング素子27とによるインバータ12の入力電圧と入力電流を検知し、これらを比例関係にある検知電圧にそれぞれ変換する検知回路に相当する電流変換回路13および電圧変換回路14と、電流変換回路13および電圧変換回路14で得られた各検知電圧から、インバータ12の実際の入力電力と比例関係にある判定電圧を求める変換回路としての電力変換回路15と、電力変換回路15で得られた判定電圧と、予め決められた異常レベルの設定電圧とを比較する比較回路としての電力比較回路16と、スイッチング素子27のオン・オフ動作を制御する制御手段としてのマイコン17と、を備えた電磁誘導装置100において、電力比較回路16は判定電圧と設定電圧との比較により、判定電圧が設定電圧を超えていたら、異常状態と判断してスイッチング素子駆動回路18を停止させ、判定結果となる信号を制御手段17に出力して、スイッチング素子駆動回路18の復帰時にインバータ12の入力電力を予め設定された最小値から徐々に増加させて定常電力値となるようにソフトスタート制御する構成を、マイコン17のソフトスタート制御部28として備えている。
これにより、異常発生時にマイコン17による制御手段を介さず、電力比較回路16によるハードウェアのみでインバータ12の異常出力を制限するので、マイコン17の暴走時にも確実にインバータ12の動作を停止させることができる。また、よりスピーディーな検知を行なえるので、スイッチング素子27などの部品をより安全に維持できる。
図4は、本発明の第二実施形態における電磁誘導装置100’の回路構成を示したものである。本実施形態の電磁誘導装置100’も、定着ローラ1を通過して搬送されるシート(図示せず)を加熱して、そのシートに画像を定着させる定着装置に適用されるもので、定着ローラ1を電磁誘導加熱するインダクタとしての加熱コイル2と、商用交流電源3からの電源電圧が印加される誘導加熱コントローラ4と、を含んで構成される。ここでの誘導加熱コントローラ4は、整流平滑回路11と、加熱コイル2を制御対象とするインバータ12と、マイコン17と、前述のスイッチング素子駆動回路に相当するドライブ回路18とに加えて、スイッチング素子27の温度を検知して、その検知結果を温度データとして出力する温度検知回路31と、スイッチング素子27を冷却するための冷却ファン32と、を主な構成要素とするが、第一実施形態で図示した電流変換回路13や、電圧変換回路14や、電力変換回路15や、電力比較回路16を含んだ構成としてもよい。
スイッチング素子27は、前述のように共振用コイルとなる加熱コイル2と共振コンデンサ25とによる共振回路に対して高周波電流を供給するために、ドライブ回路18からのパルス駆動信号を受けてオン・オフ動作するもので、このスイッチング素子27を保護するために、サーミスタなどを含む温度検知回路31が設けられる。また、制御手段となるマイコン17は、インバータ12を構成するスイッチング素子27のオン・オフ動作を制御するために、前述のソフトスタート制御部28と同等の機能を有するインバータ制御部34が、ドライブ回路18に制御信号となるゲートオン信号を繰り返し送出する構成となっている。
マイコン17は、インバータ制御部34の他に、温度検知機能となる温度検知回路31からの温度データを受けて、現在のスイッチング素子27の温度を監視し、その監視結果に応じて電磁誘導装置100’の回路故障と冷却不足の検知確認を行ない、スイッチング素子27ひいては電磁誘導装置100’の動作と、冷却ファン32の動作をそれぞれ制御する温度監視制御部35を、記憶手段に記憶したプログラムをCPUが実行することで機能するソフトウェア構成として有する。特に本実施形態の温度監視制御部35は、スイッチング素子27の温度を監視するに際し、予め設定された単位時間毎に温度検知回路31からの温度データを処理し、複数の単位時間分の温度データの平均値を、現在の温度Tとして算出する現在温度演算機能と、現在温度演算機能で現在の温度Tが算出される毎に、現在の温度Tと直前の現在の温度T−1のとの差から、現在の温度Tの変化量ΔTをさらに算出して、この変化量ΔTが第1閾値TH1以上になった時に、スイッチング素子27への冷却が不足していると判断し、ドライブ回路18へのゲートオン信号の送出を止めて電磁誘導装置100’の動作を停止させる一方で、現在の温度Tの変化量ΔTが第1閾値TH1よりも小さな第2閾値TH2以下になった時に、温度検知回路31の故障、若しくはドライブ回路18やスイッチング素子27に何らかの故障が発生したと判断し、ドライブ回路18へのゲートオン信号の送出を止めて電磁誘導装置100’の動作を停止させる第1異常判定機能と、現在温度演算機能で算出した現在の温度Tについて、第3閾値TH3と第4閾値TH4をそれぞれ設け、現在の温度Tが第3閾値TH3未満の場合には、冷却ファン32の寿命を延ばすためにその駆動率を下げ、第3閾値TH3以上になった時に、冷却ファン32の駆動率を上げて、スイッチング素子27の出力(すなわちオン・オフ動作の頻度)を一定レベルにまで下げ、現在の温度Tの低下によりスイッチング素子27の冷却が確認されたら、設定したインバータ12の入力電力に見合う通常のスイッチング素子27の出力に戻す一方で、スイッチング素子27の出力を一定レベルに低下させても、現在の温度Tが上昇して第4閾値TH4を超えた場合は、スイッチング素子27への冷却が不足していると判断し、ドライブ回路18へのゲートオン信号の送出を止めて電磁誘導装置100’の動作を停止させる第2異常判定機能を、それぞれ備えている。
次に、図5を参照しながら、上記構成の電磁誘導装置100’について、特に温度監視制御部35に関する動作を詳しく説明する。なお、インバータ制御部35に関する電磁誘導装置100’の動作は、第一実施形態で説明した通りなので、ここでは重複を避けて省略する。
温度監視制御部35は、インバータ制御部34がドライブ回路18にゲートオン信号を繰り返し送出して、スイッチング素子27のオン・オフ動作を制御しているときに、スイッチング素子27の温度を監視するために、単位時間t0となる1ms毎に温度検知回路31からの温度データを取り込んで処理し、複数の単位時間となる4ms分の温度データの平均値を、現在の温度Tとして算出する。この算出は、温度監視制御部35の現在温度演算機能により、単位時間となる1ms毎に行われる。
次に、温度監視制御部35の第1異常判定機能は、現在の温度Tが算出される毎に、現在の温度Tと直前の現在の温度T−1のとの差から、現在の温度Tの変化量ΔTをさらに算出し、この変化量ΔTが第1閾値TH1以上になったか否か、また変化量ΔTが第1閾値TH1よりも低い第2閾値TH2以下になったか否かを判定する。通常の使用では、一定時間におけるスイッチング素子27の温度傾きに相当する現在の温度Tの変化量ΔTが、上限値となる第1閾値TH1と、下限値となる第2閾値TH2との間になるように、インバータ制御部34でスイッチング素子27のオン・オフ動作を適切に制御し、且つ温度監視制御部35で冷却ファン32の動作を適切に制御しているが、その変化量ΔTが極端に上昇して、第1閾値TH1以上になった場合には、こうしたスイッチング素子27や冷却ファン32への制御にも拘らず、温度監視制御部35はスイッチング素子27への冷却が不足していると判断し、ドライブ回路18へのゲートオン信号の送出を止めて電磁誘導装置100’の動作を停止させる。また、現在の温度Tの変化量ΔTが極端に低下して、第2閾値TH1以下になった場合も、温度監視制御部35は温度検知回路31の故障、若しくはドライブ回路18やスイッチング素子27に何らかの回路故障が発生したと判断し、ドライブ回路18へのゲートオン信号の送出を止めて電磁誘導装置100’の動作を停止させる。これにより、スイッチング素子27への冷却不足や、スイッチング素子27の劣化に起因する発熱を検知して、電磁誘導装置100’を安全に停止させることが可能になる。
また、温度監視制御部35の第2異常判定機能は、現在の温度Tが第3閾値TH3未満の場合には、冷却ファン32の寿命を延ばすためにその駆動率を下げる一方で、現在の温度Tが上昇して第3閾値TH3以上になったら、第一段階として温度検知回路31などの回路故障の確認のために、冷却ファン32の駆動率を上げて、スイッチング素子27の出力を一定レベルにまで下げ、スイッチング素子27の出力を下げる前と比べて現在の温度Tが低下したか否かを判断する。
この判断で、温度Tが低下してスイッチング素子27の冷却が確認されたら、設定したインバータ12の入力電力に見合う通常のスイッチング素子27の出力に戻す。但し、前述した温度Tの変化量ΔTについて、この変化量ΔTが極端に低下して第2閾値TH1以下になった場合、温度検知回路31などの回路故障が発生したと判断し、ドライブ回路18へのゲートオン信号の送出を止めて電磁誘導装置100’の動作を停止させる。
それに対して、スイッチング素子27の出力を一定レベルに低下させても、現在の温度Tが低下せずに上昇して、第4閾値TH4(図5を参照)を超えた場合は、スイッチング素子27への冷却が不足していると判断し、ドライブ回路18へのゲートオン信号の送出を止めて電磁誘導装置100’の動作を停止させる。このように本実施形態では、1ms毎に算出される現在の温度Tとその変化量ΔTの両方について、マイコン17に組み込んだ温度監視制御部35、回路故障と冷却不足の確認を適確に判断できる。
このように本実施形態では、インダクタとなる加熱コイル2と共振コンデンサ25とからなる共振回路と、その共振回路に高周波電流を供給するためのスイッチング素子27と、スイッチング素子27を駆動させる駆動回路としてのドライブ回路18と、スイッチング素子27の温度を検知する温度検知回路31と、温度検知回路31からの検知信号を受けて、スイッチング素子27のオン・オフ動作を制御する制御手段となるマイコン17と、を備えた電磁誘導装置100’において、スイッチング素子27はマイコン17から出力される制御信号により、ドライブ回路18から出力される駆動信号を受けてオン・オフ動作し、共振回路に高周波電流を供給する構成とし、マイコン17は、温度検知回路31から入力される温度データにより、スイッチング素子27の温度を監視するように処理し、この温度は単位時間となる1ms毎に処理され、複数の単位時間である4ms分の温度データの平均値が、現在の温度Tとして算出され、現在の温度Tの変化量ΔTが第1閾値TH1以上となった時に、スイッチング素子27への冷却が不足していると判断して、電磁誘導装置100’を停止させ、現在の温度Tの変化量ΔTが第2閾値TH2以下となった時に、温度検知回路31の故障、若しくはドライブ回路18やスイッチング素子27の故障と判断して、電磁誘導装置100’を停止させる構成を、温度監視制御部35として備えている。
この点について、従来の電磁誘導装置に使用されるスイッチング素子は、電磁誘導装置の使用時に発熱するため、サーミスタなどの温度検知機能により温度管理されている。しかし、スイッチング素子への冷却不足や、スイッチング素子が劣化した場合の異常発熱に対応するシステム構築が求められていた。
そこで本実施形態では、上記構成を採用することにより、温度検知回路31の出力から、マイコン17内部の温度監視制御部35でスイッチング素子27の現在の温度Tを換算して把握し、特にマイコン17に入力される温度検知回路31からの温度データを1ms毎に確認することで、短時間でのスイッチング素子27の温度検知が可能となる。
また温度監視制御部35は、温度検知回路31からの温度データを確認する毎に、4ms分の温度データの平均値を現在の温度Tとして算出し、現在の温度Tの変化量ΔTが第1閾値TH1以上となった時に、スイッチング素子27への冷却が不足していると判断する一方で、現在の温度Tの変化量ΔTが第1閾値TH1よりも低い第2閾値TH2以下となった時に、温度検知回路31の故障、若しくはドライブ回路18やスイッチング素子27の故障と判断して、何れも電磁誘導装置100’を停止させている。これにより、スイッチング素子27への冷却不足や、スイッチング素子27の劣化に起因する発熱を検知し、安全に停止する電磁誘導装置100’を提供できる。
さらに本実施形態では、安全に停止する電磁誘導装置100’を提供する他に、使用する冷却ファン32の寿命延長を図るために、前述の構成に加えて、現在温度演算機能で算出した現在の温度Tについて、第3閾値TH3と第4閾値TH4をそれぞれ設け、現在の温度Tが第3閾値TH3未満の場合には、冷却ファン32の駆動率をそれまでよりも下げ、現在の温度Tが第3閾値TH3以上になった時に、冷却ファン32の駆動率をそれまでよりも上げて、スイッチング素子27の出力を一定レベルにまで下げ、現在の温度Tの低下によりスイッチング素子27の冷却が確認されたら、設定したインバータ12の入力電力に見合う通常のスイッチング素子27の出力に戻す一方で、スイッチング素子27の出力を一定レベルに低下させても、現在の温度Tが上昇して第4閾値TH4を超えた場合は、スイッチング素子27への冷却が不足していると判断し、ドライブ回路18へのゲートオン信号の送出を直ちに止めて電磁誘導装置100’の動作を停止させるように、温度監視制御部35を構成している。
これにより温度監視制御部35は、温度検知回路31からの温度データを1ms毎に確認しながら、そこから算出される現在の温度Tが第3閾値TH3未満の場合には、冷却ファン32を必要以上に動作させないように、冷却ファン32の駆動率を絞ることで、冷却ファン32の寿命延長を図ることができる。
また温度監視制御部35は、現在の温度Tが第3閾値TH3以上になった時に、冷却ファン32の駆動率をそれまでよりも上げ、スイッチング素子27の出力を一定レベルにまで下げることで、スイッチング素子27が正しく冷却されるか否かを確認し、現在の温度Tが低下せずに上昇して第4閾値TH4を超えた場合には、スイッチング素子27への冷却が不足していると判断して、電磁誘導装置100’の動作を瞬時停止させるので、1ms毎に算出される現在の温度Tとその変化量ΔTの両方について、回路故障と冷却不足の確認を適確に判断できる。
次に、本発明の第三実施形態に係る電磁誘導装置について、添付図面を参照して詳しく説明する。本実施形態は、前述した定着ローラ1や、励磁コイルとなる加熱コイル2を含む電磁誘導装置に関し、より詳しくは、搬送されるシートを加熱してそのシートに画像を定着させる電磁誘導装置に関する。このような電磁誘導装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの電子写真式の画像形成装置に用いられ、第一実施形態の電磁誘導装置100や第二実施形態の電磁誘導装置110’にも、そのまま適用できる。
先ず、本実施形態の背景技術について説明すると、一般的な画像形成装置は、加熱源としてハロゲンランプや抵抗発熱体などを備え、それらのハロゲンランプや抵抗発熱体は、定着ローラ(熱ローラ、加圧ローラ)を通過する種々の用紙サイズに応じた長さのものが複数設置されていた。最近の画像形成装置としては、発熱体を有する定着ローラを電磁誘導で加熱する励磁コイルを備え、定着ローラの加熱スピードを速めることで、省電力と使用者の利便性を高めた電磁誘導加熱方式のものが普及している。このような電磁誘導加熱方式の電磁誘導装置では、導線を複数巻回した励磁コイルの巻線に磁束を発生させる構成上、種々の用紙サイズに応じて励磁コイルを複数設けることは難しい。そのため、定着ローラを通過する用紙サイズの中で、最も大きい用紙サイズに応じた長さの励磁コイルを1つ設置することになる。
誘導加熱の特性として、励磁コイルの巻線に高周波電流を流すことで、導線の向きと直角方向に発生した磁束を発熱体に通過させ、発熱体に渦電流を発生させることで自己発熱する原理を用いているため、励磁コイルから発生した磁束を効率良く定着ローラに導いて発熱させるには、励磁コイルの導線の向きと直角方向にフェライトコアを配置して、励磁コイルと定着ユニットとの間に磁気経路を形成させることが一般的である。
ここで、一般的な電磁誘導装置に用いる励磁コイル(加熱コイル)の形状を図6と図7にそれぞれ示すと、図6に示す励磁コイル2は、平面視で巻線41が長円形をなし、図7に示す励磁コイル2は、平面視で巻線41が長方形をなす。何れの場合も、励磁コイル2の巻線41は導線42を複数巻回したもので、長手方向に沿って直線状に形成される一対の長手部41aと、それぞれの長手部41aの端部どうしを連結する一対の両端部41bとにより形成され、中央には中空の空洞43を有する。また、巻線41の両端から引き出された導線42は、前述のインバータ12と電気的に接続される。
図8は、図7に示す長方形状の巻線41を有する励磁コイル2に、フェライトコア45を配置した状態を示したものである。一般的にフェライトコア45は、励磁コイル2の巻線41の長手方向直線状に延びる長手部41aと直角方向に、それぞれが間隔を置いて複数配置される。フェライトコア45は何れも同一形状で、断面がL形状に形成される。励磁コイル2とフェライトコア45は、一側を開口した箱状のコイルケース46に保持され、これらの部材の組み合わせにより、後述の発熱体52を電磁誘導加熱するIHコイルユニット47が構成される。
図9は、図8のIHコイルユニット47と、それにより得られる定着ローラ1の加熱領域Hを示したものである。同図において、定着ローラ1は、支軸51を中心に回動可能に支持され、励磁コイル2からの交番磁界の作用により電磁誘導加熱される発熱体52を、その表面部に内包する。上述したフェライトコア45の配置構成では、誘導加熱の作用により発熱体52が発熱する加熱領域Hは、主としてフェライトコア45が配置された範囲までとなり、励磁コイル2の実質的な外形をなす巻線41の長手部41aの長さとほぼ同等となる。
そのため、定着ローラ1を通過する用紙サイズの中で、最も大きい用紙サイズに応じた加熱領域Hを得たい場合には、励磁コイル2における巻線41の長手部41aの長さを、最も大きい用紙サイズと同等かそれ以上の長さで構成していたが、その様な構成では、巻線41の長手部41a以外の端部領域、つまり巻線41の両端部41bは、発熱体52の加熱には作用しないため、定着ローラ1の誘導加熱としては寄与しないだけでなく、潜在的な需要である電磁誘導装置の小型化や、構成材料の使用量削減による材料費低減に対しては、むしろ阻害要因になっていた。
また、加熱領域Hを広くする手段として、従来は励磁コイル2における巻線41の長手部41aの長さを、加熱領域Hと同等以上に長くしていたが、長手部41aの長さが長くなるほど、励磁コイル2の取付けスペースも大きく必要となり、電磁誘導装置の大型化に繋がっていたため、図7で示したように、巻線41の長手部41aと両端部41bとの連結部分(隅部)の曲げ半径を小さくして、より角形状に近づけることにより、長手部41aの長さを極力長く延ばして、励磁コイル2の取付けスペースを小型化する方法も採られていた。
しかし、このような方法で、巻線41の長手部41aを長くすればするほど加熱領域Hは広がるものの、巻線41の長手部41aの長さ以上の加熱領域Hを得ることはできない。巻線41の長手部41aの長さ以上の加熱領域Hを得るには、得ようとする加熱領域Hと同じ長さか、それ以上に巻線41の長手部41aの長さを長くする必要があり、やはり電磁誘導装置の小型化を阻害する要因になっていた。
そこで本実施形態では、簡単な構成で小型化に寄与できる電磁誘導装置を提供することを目的とする。
図10は、本実施形態におけるIHコイルユニット55と、それにより得られる定着ローラ1の加熱領域Hを示したものである。本実施形態の電磁誘導装置は、定着ローラ1とIHコイルユニット55とにより構成される。本実施形態のIHコイルユニット55は、巻線41の長手部41aに配置される主部フェライトコア45とは別に、巻線41の両端部41bにも端部フェライトコア56を配置した点が、従来のIHコイルユニット47とは異なる。それ以外の電磁誘導装置としての構成は、従来のものと共通する。
つまり本実施形態では、いままで発熱体52の加熱に作用していなかった巻線41の両端部41bを加熱に作用させるために、その両端部41bの導線42の向きと直角方向にフェライトコア56を配置し、両端部41bの導線42と直角方向に発生する磁束を定着ローラ1に導くことで、新たな磁気経路を形成し、発熱体52の加熱に作用させる構成としている。
更に、効率良く発熱体52を加熱するために、ここでは巻線41の両端部41bの少なくとも3方向を囲うように、巻線41を跨ぐ構成で端部フェライトコア56を配置する。これにより、端部フェライトコア56の両端部を定着ローラ1の位置する方向に向けることで、励磁コイル2から発生する磁束が分散することなく効率的に定着ローラ1に向かう効果と、励磁コイル2と端部フェライトコア56との間の空間距離を極力短くして、周囲方向に漏れる磁束を少なくする効果で、励磁コイル2からの磁束をより効率的に定着ローラ1の発熱体52へ導く構成としている。
これらの構成を用いることで、励磁コイル2の巻線41の長手部41aだけでなく、両端部41bから発生する磁束を、発熱体52の加熱に作用させることが可能となり、従来は巻線41の長手部41aの長さと同等であった加熱領域Hを、巻線41の両端部41bまで含んだ励磁コイル2の長さ一杯にまで広げることが可能となる(図10を参照)。この作用により、同じ加熱領域Hを得ようとする場合にも、従来よりも励磁コイル2の長さを短くすることができ、電磁誘導装置の小型化に寄与するだけでなく、導線42の使用量を削減できるため、材料費の低減にも効果があり、潜在的な需要である装置の小型化と価格低減の両面に寄与できる。
なお、端部フェライトコア56を、巻線41の両端部41bのそれぞれにではなく、何れか一方にだけ配置してもよい。何れの場合も、その配置した両端部41bを跨ぐように、端部フェライトコア56が設けられる。
図11〜図15は、端部フェライトコア56の好ましい形状を示したものである。励磁コイル2の端部となる巻線41の両端部41bに設置する端部フェライトコア56の形状は、前述の理由から、両端部41bの少なくとも3方向を囲うように跨いだ形状とするのが好ましく、且つ、励磁コイル2の導線42との空間距離については、必要な絶縁距離を確保しつつ、極力短い距離で端部フェライトコア56を配置するのが好ましい。また、フェライトコアは酸化鉄を主成分とした磁性材料を成形型に押し入れた後、これを焼成して成形する製造方法が一般的であり、その製造方法からすると、極端な異形形状は製造するのが難しく、巻線41の両端部41bに設置する端部フェライトコア56の形状は、製造が容易な単純形状である方が良い。これは、主部フェライトコア45でも同じことが言える。
以上の理由から、端部フェライトコア56の形状は、コ形状(図11を参照)、もしくはU形状(図12を参照)、もしくはV形状(図13を参照)、もしくは半円アーチ形状(図14を参照)のいずれかとするのが好ましい。
また、フェライトコア45,56のサイズ(幅、長さ、高さ、厚み)などを変えることで、定着ローラ1との磁気的結合の度合いに変化が現れるため、これらのフェライトコア45,56のサイズを任意に設定することで、得ようとする発熱体52の加熱温度や加熱領域Hを調整することも可能である。
以上のように、本実施形態の電磁誘導装置は、導線42を複数巻回されて交番磁界を生成する励磁コイル2と、その交番磁界の作用により電磁誘導加熱される発熱体52と、導線42の外側に配置され、平面視で励磁コイル2の巻線41の長手直線部41aと直交する向きに配置され、強磁性体からなる主部フェライトコア45と、平面視で励磁コイル2の巻線41の短手部となる両端部41bに配置され、強磁性体からなる端部フェライトコア56と、励磁コイル2を保持する保持部材としてのコイルケース56と、を備え、端部フェライトコア56は平面視で巻線41の片側もしくは両側の両端部41bと直交する向きで、この両端部41bを跨ぐように配設されている。
この場合、励磁コイル2からの交番磁界の作用により電磁誘導加熱される発熱体52は、励磁コイル2の長手部分となる巻線41の長手部41aの長さ以上の加熱領域Hを得ることができるようになる。そのため、簡単な構成で小型化に寄与できる電磁誘導装置が提供可能となる。
また、本実施形態の電磁誘導装置は、上記構成に加えて、端部フェライトコア56の形状が、コ形状、U形状、V形状もしくは半円アーチ形状のいずれかであることを特徴とする。
この場合、好ましい端部フェライトコア56の形状を採用することで、簡単な構成で、且つ電磁誘導装置を小型化することが可能となる。
次に、本発明の第四実施形態に係る電磁誘導装置について、添付図面を参照して詳しく説明する。本実施形態も、第三実施形態と同じ画像形成装置に用いられる電磁誘導装置に関するもので、第一実施形態の電磁誘導装置100や第二実施形態の電磁誘導装置110’にも、そのまま適用できる。
本実施形態の背景技術について説明すると、この種の電磁誘導加熱方式の電磁誘導装置では、誘導加熱の特性として、励磁コイルの巻線に高周波電流を流すことで、導線の向きと直角方向に発生した磁束を発熱体に通過させ、発熱体に渦電流を発生させることで自己発熱する原理を用いているため、発熱体の発熱温度を定着ローラの軸方向に対して比較的均一にできる利点がある。しかし、印刷トナーの定着にムラが少なくなるようにするためには、励磁コイルから発生した磁束を均一に定着ローラへ導くことが必要であり、励磁コイルと発熱体との空間距離を極力均一にすることが望ましい。
励磁コイルと発熱体の空間距離を均一に保つ手段として、励磁コイルを保持するボビンの材料には、液晶ポリマー(略号:LCP)を使うのが一般的である。液晶ポリマーは、熱可塑性樹脂の中でも剛性や耐熱性、弾性、荷重たわみ温度が高く、射出成形後の流動性に優れ、難燃性であり、成形収縮率や線膨張係数が低いなどの特徴を備えており、IH式複写機などに搭載されるIHコイルユニットの誘導加熱性能を安定して得る目的で、励磁コイルの保持部材(射出成形部品)となるボビンの材料に使用される。
図15は、従来の電磁誘導装置で使用される一般的なボビン61の形状を示している。ボビン61は一側を開口した箱形状に形成され、他側には後述する定着ローラ1の表面形状に沿ったR状の彎曲部62を有する。このボビン61の彎曲部62内面に励磁コイル2を固定した状態を、図16に示す。励磁コイル2は、第三実施形態で説明したように、導線42を複数巻回した巻線41により構成され、巻線41は長手方向に沿って直線状に形成される一対の長手部41aと、それぞれの長手部41aの端部どうしを連結する一対の両端部41bとにより形成され、中央には中空の空洞43を有する。ボビン61の励磁コイル2を固定した状態から、前述のフェライトコア45を巻線41の長手部41aと直角方向に間隔を置いて複数配置すると、図17に示すIHコイルユニット64が得られる。
図18は、図17のIHコイルユニット64を複写機などの画像成形装置に装着した状態を示したものである。図中、1は画像成形装置に組み込まれる定着ローラ1であり、ここでも定着ローラ1は、支軸51を中心に回動可能に支持され、励磁コイル2からの交番磁界の作用により電磁誘導加熱される発熱体52を、その表面部に内包する。また、励磁コイル2と発熱体52との間には、所定の空間距離Dが形成される。励磁コイル2を保持するボビン61の材料を液晶ポリマーとする理由は、励磁コイル2と発熱体52との空間距離Dが不均一になることで、発熱体52の発熱温度分布が不均一もしくは不安定になるのを防止するためである。
この様な従来の電磁誘導装置の構成では、ボビン61の材料として使用される液晶ポリマーの特徴により、ボビン61の反りやひねりが比較的少ないことから、励磁コイル2と発熱体52との空間距離Dを均一に形成し易く、したがって定着ローラ1に内包されている発熱体52の発熱温度が、定着ローラ1の回転軸方向に対して比較的均一になり易い。しかし、熱可塑性樹脂の一種に属する液晶ポリマーは、他の一般的な熱可塑性樹脂と比べて材料価格が比較的高価であることから、IHコイルユニット64自体の価格が高価となってしまう。このことが、ハロゲンランプ加熱方式などに比べて省電力で利便性が高いIH加熱方式ではあるが、複写機などへの普及を阻害する要因となっていた。
また、IHコイルユニット64の価格を低減するのに、ボビン61をポリエチレンテレフタレート(略号:PET)で構成する方法も採用されている。しかし、液晶ポリマーと比べて剛性や耐熱性、弾性、荷重たわみ温度が低く、射出成形後の流動性も劣り、成形収縮率や線膨張係数が高いことから、ボビン61の射出成形後の反りやひねりが液晶ポリマーよりも大きく、励磁コイル2と発熱体52の空間距離Dが、全体的もしくは局所的に不均一になり易い。その結果、定着ローラ1の軸方向に対する発熱体52の発熱温度が、不均一もしくは不安定になり易い問題があった。
そこで本実施形態では、簡単な構成で発熱体の発熱温度の均一性にすぐれ、 且つ安価なIHコイルユニットを提供できる電磁誘導装置を得ること目的とする。
図19は、本実施形態におけるボビン61に励磁コイル2を取付けた状態を示している。同図において、ボビン61や励磁コイル2の外形形状は、図15〜図18で示したものと同一であり、図19に示す状態から前述のフェライトコア45を取付けると、複写機などの画像形成装置に組み込まれるIHコイルユニット64となる。
本実施形態の本質は、励磁コイル2を保持する保持部材(射出成形部品)として、ボビン61を2つの構成部品61であるコイルボビン61aとボビンホルダー61bに分けたことにより、励磁コイル2と直接接触して励磁コイル2を保持する直接保持部品のコイルボビン61aにのみ液晶ポリマーを使用し、この直接保持部品を更に保持する間接保持部品のボビンホルダー61bには、一般的な熱可塑性樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート)を使用することにある。つまりここでは、液晶ポリマーの特徴を活かして定着ローラ1の発熱温度の均一化を維持しつつ、液晶ポリマーよりも材料価格の安いポリエチレンテレフタレートを使用して比較的安価なIHコイルユニット64を提供するために、ボビン61を2つの部品で構成し、励磁コイル2を直接保持するコイルボビン61aには液晶ポリマーを使い、コイルボビン61aを保持する部品にはポリエチレンテレフタレートを使う構成としている。
これにより電磁誘導装置として、定着ローラ1の軸方向に対する発熱温度の均一化を維持して、IHコイルユニット64の加熱性能を安定して得る目的を達成しつつ、IHコイルユニット64を安価に製造し提供することが可能になる。
以上のように、本実施形態の電磁誘導装置は、導線42を複数巻回されて交番磁界を生成する励磁コイル2と、その交番磁界の作用により電磁誘導加熱される発熱体52と、励磁コイル2を保持する熱可塑性樹脂からなるボビン61と、励磁コイル2から生成される交番磁界を発熱体52へ導くための強磁性体からなるフェライトコア45と、を備え、ボビン61を励磁コイル2が直接保持する部分のコイルボビン61aと、コイルボビン61aが保持されるボビンホルダー61bの2部品で構成し、この2つの部品61a,61bをそれぞれ別々の熱可塑性樹脂で構成している。
そのため、励磁コイル2と発熱体52との空間距離Dに影響を及ぼしやすいコイルボビン61aと、さほど影響を及ぼさないボビンホルダー61bとの間で、別々な熱可塑性樹脂の材料を選択でき、ボビン61を2つの熱可塑性樹脂で簡単に構成することが可能となる。
また本実施形態では、前記コイルボビン61aを液晶ポリマーで構成している。これにより、励磁コイル2と発熱体52との空間距離Dは、コイルボビン61aの材料を液晶ポリマーとすることで、励磁コイル2と発熱体52との空間距離Dを均一に形成して、定着ローラ1の発熱温度を均一に維持できる。したがって、簡単な構成で、且つ電磁誘導装置の加熱性能を安定して得る目的を達成することが可能となる。
また本実施形態では、前記ボビンホルダー61bをポリエチレンテレフタレートで構成している。
そのため、励磁コイル2と発熱体52との空間距離Dにさほど影響しないボビンホルダー61bについては、その材料を液晶ポリマーよりも安価なポリエチレンテレフタレートとすることで、簡単な構成で、且つ電磁誘導装置の加熱性能を安定して得る目的を達成しつつ、IHコイルユニット64を安価に提供することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、各実施形態の特徴部分を組み合わせた電磁誘導装置としてもよい。またスイッチング素子27は、制御端子(ゲート)付きであればIGBT以外の各種素子を利用してもよく、ハーフブリッジ形やフルブリッジ形のインバータ12のような、複数のスイッチング素子27を使用してもよい。
その他、電磁誘導装置100を定着装置以外の各種電気機器に組み込んでもよい。例えば、炊飯器に電磁誘導装置100を組み込む場合には、米や水などの被炊飯物を入れる有底状の鍋を加熱コイル2に近接させ、加熱コイル2からの交番磁界により鍋を電磁誘導加熱する構成としてもよい。また、電磁誘導装置100をオーブンレンジに組み込む場合には、加熱コイル2に代わるインダクタとして、昇圧トランスの一次巻線を用い、この昇圧トランスの一次巻線と二次巻線との間の電磁誘導作用により、二次巻線に誘起された高電圧をマグネトロンに印加することで、オーブンレンジの調理庫内に入れた被調理物を高周波加熱することができる。つまり、本発明の電磁誘導装置100は、インダクタに交流電流を供給して電磁誘導作用を生じさせるあらゆる電気機器に適用できる。
2 インダクタ(加熱コイル、共振回路)
18 スイッチング素子駆動回路(駆動手段)
25 共振コンデンサ(共振回路)
27 スイッチング素子
28 ソフトスタート制御部
100 電磁誘導装置
18 スイッチング素子駆動回路(駆動手段)
25 共振コンデンサ(共振回路)
27 スイッチング素子
28 ソフトスタート制御部
100 電磁誘導装置
Claims (1)
- インダクタを含む共振回路に高周波電流を供給するためのスイッチング素子と、
前記スイッチング素子をオンするためのゲートオン信号の時間を制御する制御手段と、
前記制御手段からのゲートオン信号を受けて、前記スイッチング素子を駆動させる駆動手段と、を備えた電磁誘導装置において、
前記スイッチング素子がオンする際に、前記スイッチング素子を不飽和領域で動作させる時間から前記ゲートオン信号の送出を開始し、その後は前記ゲートオン信号の時間をステップ状に増加させて送出するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする電磁誘導装置。
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