以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る配車管理サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介してユーザ端末32、及び、ドライバー端末34と通信可能に接続されている。図1においては、それぞれ1つのユーザ端末32、及び、ドライバー端末34のみが図示されているが、サーバ10は、それぞれ複数のユーザ端末32、及び、ドライバー端末34と通信可能に接続されている。サーバ10は、タクシー等の車両の配車を管理する配車管理サービスを提供する。配車管理サーバ10は、本発明のシステムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
配車管理サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、図1に示すように、CPU又はGPU等として構成されるコンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
コンピュータプロセッサ11は、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
入出力I/F13は、ユーザ等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置である。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置(表示装置)、スピーカー等の音声出力装置を含む。
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
ストレージ15は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。
本実施形態において、サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、サーバ10は、複数のサーバ装置によって構成され得る。
ユーザ端末32及びドライバー端末34は、一般的なコンピュータとしての構成を有し、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、及びウェアラブルデバイス等として構成される。ユーザ端末32は、タクシー等の車両を利用するユーザによって操作される。また、ドライバー端末34は、車両のドライバーによって操作される。
本実施形態において、配車管理サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有するように構成することができ、この場合、ユーザ端末32又はドライバー端末34が有するウェブブラウザ又はその他のアプリケーション(例えば、配車管理サービス用のアプリケーション)からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等を送信する。ユーザ端末32及びドライバー端末34では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が表示される。
次に、本実施形態の配車管理サーバ10が有する機能について説明する。図2は、サーバ10が有する機能を概略的に示すブロック図である。サーバ10は、図示するように、情報を記憶及び管理する情報記憶管理部41と、配車管理サービスの基本機能を制御する基本機能制御部42と、ユーザからの配車要求を管理する配車要求管理部43と、車両に対する迎車依頼を管理する迎車依頼管理部44とを有する。これらの機能は、コンピュータプロセッサ11及びメインメモリ12等のハードウェア、並びに、ストレージ15等に記憶されている各種プログラムやデータ等が協働して動作することによって実現され、例えば、メインメモリ12に読み込まれたプログラムに含まれる命令をコンピュータプロセッサ11が実行することによって実現される。また、図2に示す機能の一部又は全部は、配車管理サーバ10と、ユーザ端末32又はドライバー端末34とが協働することによって実現され、或いは、ユーザ端末32又はドライバー端末34によって実現され得る。
サーバ10の情報記憶管理部41は、ストレージ15等によって構成され、様々な情報を記憶及び管理する。例えば、情報記憶管理部41は、図2に示すように、配車管理サービスのユーザに関する情報を管理するユーザ情報テーブル411と、配車管理サービスにおいて配車の対象となる車両に関する情報を管理する車両情報テーブル412と、ユーザからの配車要求に関する情報を管理する配車要求情報テーブル413と、道路地図データ415とを有し得る。
サーバ10の基本機能制御部42は、配車管理サービスの基本機能の制御に関する様々な処理を実行する。例えば、基本機能制御部42は、基本機能に関する様々な画面のHTMLデータ又は制御データをユーザ端末32又はドライバー端末34に送信し、ユーザ端末32又はドライバー端末34で表示される当該画面を介したユーザ又はドライバーによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じたHTMLデータ又は制御データをユーザ端末32又はドライバー端末34に送信する。基本機能制御部42によって制御される基本機能には、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、支払処理、ユーザの管理(例えば、ユーザ情報テーブル411の更新等)、及び、車両の管理(例えば、車両情報テーブル412の更新等)等が含まれる。
サーバ10の配車要求管理部43は、ユーザからの配車要求の管理に関する様々な処理を実行する。本実施形態において、配車要求管理部43は、ユーザから配車要求を受け付けて、当該ユーザの乗車位置(迎車位置)を設定するように構成されている。例えば、配車要求管理部43は、ユーザ端末32において表示される画面を介して行われるユーザによる配車要求を受け付けるように構成されており、当該画面を介してユーザによって指定された位置を乗車位置として設定し、又は、ユーザの現在位置(ユーザ端末32の位置情報等)等に基づいて自動的に乗車位置を設定するように構成される。
また、配車要求管理部43は、設定した乗車位置と、配車の対象となる複数の車両の各々の車両情報と、に少なくとも基づいて、当該複数の車両の中からユーザに割り当てる車両を選択するように構成されている。各車両の車両情報は、例えば、車両の現在位置を含み、車両情報テーブル412において管理され得る。
サーバ10の迎車依頼管理部44は、車両に対する迎車依頼に関する様々な処理を実行する。本実施形態において、迎車依頼管理部44は、ユーザに割り当てる車両として選択した車両に対して、当該ユーザの乗車位置への迎車を依頼するように構成されている。例えば、迎車依頼管理部44は、選択した車両に対応するドライバーのドライバー端末34に対して、迎車を依頼するための情報を送信するように構成され、当該情報は、ユーザの乗車位置を少なくとも含む。なお、車両とドライバー端末34(ドライバー)との対応関係は、例えば、車両情報テーブル412において管理される。
本実施形態において、ユーザの乗車位置は、当該乗車位置における車両の進行方向を伴ってユーザに提示されるように構成されている。例えば、配車要求管理部43は、ユーザ端末32において表示される画面を介して、ユーザの乗車位置と、当該乗車位置における車両の進行方向とをユーザに提示するように構成される。
このように、本実施形態における配車管理サーバ10は、ユーザの乗車位置を設定し、設定した乗車位置を、当該乗車位置における車両の進行方向を伴ってユーザに提示するから、ユーザは、例えば、往復の方向の車線を有する道路付近の乗車位置を設定する場合であっても、当該道路の両側の歩道のうちどちらの歩道で待機すれば良いか(言い換えると、車両がどちらの方向から来るのか)を的確に判断することが可能となる。つまり、本実施形態における配車管理サーバ10は、配車要求の際のユーザの利便性を向上させる。
本実施形態において、ユーザの乗車位置を設定するための画面を介して乗車位置を設定する場合に、当該画面において、車両の進行方向を表示するようにしても良い。例えば、配車要求管理部43は、ユーザによって所定の画面を介して指定された地図上の位置を当該ユーザの乗車位置として設定するように構成することができ、この場合、当該所定の画面は、ユーザによって指定された地図上の位置に対応する車両の進行方向を表示するように構成され得る。例えば、配車要求管理部43は、ユーザによって指定された地図上の位置から最も近い車線を特定し、特定した車線における車両の進行方向を表示するように構成される。こうした車線に関する情報(車両の進行方向を含む。)は、道路地図データ415において管理され得る。こうした構成は、乗車位置を設定する際に、ユーザが、当該乗車位置における車両の進行方向を把握することを支援する。
本実施形態において、配車要求管理部43は、ユーザの乗車位置に加えて、ユーザの降車位置を設定するように構成することができる。当該降車位置は、例えば、ユーザ端末32において表示される画面を介してユーザによって指定される。例えば、ユーザの降車位置は、乗車位置と同様に、降車位置における車両の進行方向を伴ってユーザに提示されるように構成され得る。例えば、配車要求管理部43は、ユーザ端末32において表示される画面を介して、ユーザの降車位置と、当該降車位置における車両の進行方向とをユーザに提示するように構成される。こうした構成は、ユーザが、降車位置における車両の進行方向を把握することを支援する。
また、配車要求管理部43は、ユーザに割当可能な割当可能車両(例えば、ユーザの乗車位置に到着するまでの想定待ち時間(又は、当該乗車位置までの距離)が所定の範囲内である空車の車両等)が存在しない場合に、(自動的に、又は、ユーザによる確認を介して)割当可能車両の発生を待機するように構成され得る。例えば、配車要求管理部43は、割当可能車両が存在しない場合に、所定時間の間、割当可能車両の発生を待機し、割当可能車両が発生すると、ユーザに割り当てる車両として当該車両を選択する一方、割当可能車両が発生することなく当該所定時間が経過すると、ユーザからの配車要求をキャンセルするように構成される。こうした構成は、割当可能車両が存在しない場合であっても、配車要求をキャンセルする前に、割当可能車両の発生を待機することができるから、ユーザの利便性を向上させる。
本実施形態において、割当可能車両の発生を待機している待機ユーザの待機順序を管理するようにし、複数の待機ユーザに割当可能な特定の割当可能車両が発生した場合に、当該特定の割当可能車両を、当該複数の待機ユーザのうち待機順序が最も先行している(早い)ユーザに割り当てるようにしても良い。つまり、配車要求管理部43は、特定の待機ユーザに割当可能な特定の割当可能車両が発生したときに、当該特定の割当可能車両を割当可能な他の待機ユーザであって、当該特定の待機ユーザよりも待機順序が先行している当該他の待機ユーザが存在しない場合に、当該特定の待機ユーザに割り当てる車両として当該特定の割当可能車両を選択するように構成され得る。待機ユーザの待機順序を特定可能な情報(例えば、待機を開始した時刻等)は、例えば、配車要求情報テーブル413において管理される。こうした構成は、ユーザの待機時間が過剰に長くなることを抑制する。
次に、このような機能を有する本実施形態の配車管理サーバ10の具体例について説明する。この具体例において、配車管理サーバ10は、複数のタクシー会社のタクシーを対象とする配車管理サービスを提供する。なお、本実施形態において、配車管理の対象となる車両は、タクシー会社のタクシーに限定されず、一般人の自家用車等を含み得る。
図3は、この例において、ユーザ情報テーブル411において管理される情報を例示する。ユーザ情報テーブル411は、配車管理サービスのユーザに関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザアカウント」に対応付けて、「ユーザ基本情報」、「車いす使用フラグ」等の情報を管理する。ユーザ基本情報は、例えば、氏名、連絡先、支払情報(クレジットカード情報等)等を含む。また、車いす使用フラグは、車いすの使用の有無を示す。
図4は、この例において、車両情報テーブル412において管理される情報を例示する。車両情報テーブル412は、配車管理サービスの対象となる複数の車両の各々に関する情報を管理し、図示するように、個別の車両を識別する「車両ID」に対応付けて、「車両基本情報」、「タクシー会社情報」、「UDタクシーフラグ」、「施設X入場許可フラグ」、「現在位置」、「配車状態」、対応するドライバーを識別する「ドライバーアカウント」等の情報を管理する。車両基本情報は、車種、乗車可能人数、車両の外観に対応する画像(写真又は図)、及び、ナンバー等を含む。UDタクシーフラグは、車いす使用者及び高齢者等による利用を想定して設計されているUD(ユニバーサルデザイン)タクシーであるか否かを示す。施設X入場許可フラグは、特定の施設Xへの入場許可の有無を示す。施設Xは、例えば、各種工場、軍事施設等を含む。現在位置は、車両に搭載されている情報端末又はドライバー端末34から送信される位置情報が設定される。配車状態は、「賃走」、「迎車」、及び「空車」を含む各状態に対応する値が設定される。
図5は、この例において、配車要求情報テーブル413において管理される情報を例示する。配車要求情報テーブル413は、ユーザからの配車要求に関する情報を管理し、図示するように、個別の配車要求を識別する「配車要求ID」に対応付けて、配車要求を行ったユーザを識別する「ユーザアカウント」、「乗車位置」、「降車位置」、「支払方法」、割り当てられた車両を識別する「車両ID」、配車要求を行ったユーザに割当可能な車両が存在しない場合に待機を開始した時刻を示す「待機開始時刻」等の情報を管理する。
図6は、この例の配車管理サービスを利用するユーザのユーザ端末32において表示されるトップ画面501を例示する。トップ画面501は、図示するように、地図表示領域52と、当該領域52の下側に位置する情報表示領域54とを有する。
地図表示領域52は、初期状態では、ユーザ(ユーザ端末32)の現在位置を中心とした所定の範囲の地図を所定の縮尺で表示し、ユーザに対応するユーザオブジェクトUOが地図上に配置されている。また、地図表示領域52は、表示されている地図の範囲内に配車管理サービスの対象となる車両(つまり、車両情報テーブル412において管理されている車両)が存在する場合、当該車両に対応する車両オブジェクトVOが地図上に配置される。これらのユーザオブジェクトUO、及び、車両オブジェクトVOは、ユーザ又は車両の移動に伴ってその表示位置が変化する(移動する)。
地図表示領域52は、ユーザによるスライド操作等によって、表示される地図の範囲がスライドするように構成されている。表示される地図の範囲のスライドに伴って、ユーザオブジェクトUO、及び、車両オブジェクトVOの表示位置も変化する。
情報表示領域54は、ユーザが配車要求を行った場合の現時点における待ち時間の目安(図6の例では、「5〜8分」)を表示すると共に、「ワンタップでタクシーを呼ぶ」と表示された第1ボタン61と、「条件を指定してタクシーを呼ぶ」と表示された第2ボタン62とを有する。待ち時間の目安は、例えば、ユーザの現在位置から近い順に所定数(例えば、3台)の空車状態の車両の各々とユーザとの間の距離等に基づいて算出される。
第1ボタン61は、条件の指定なしで(ワンタップで)配車要求を行うためのボタンであり、第2ボタン62は、条件を指定して配車要求を行うためのボタンである。まず、条件の指定なしで配車要求を行う場合について説明する。
図7は、ユーザによる第1ボタン61の選択に応じて、配車管理サーバ10が実行する処理を例示するフロー図である。サーバ10は、まず、図示するように、ユーザの現在位置に基づいて、ユーザの乗車位置(迎車位置)を自動的に設定する(ステップS100)。設定された乗車位置は、配車要求テーブル413に登録される。
ユーザの現在位置に基づく乗車位置の設定は、様々なルールを適用して実現され得る。この例では、ユーザの現在位置から所定の距離の範囲内に、車両の停車が可能であって乗車位置として推奨される推奨乗車領域が存在する場合には、当該推奨乗車領域内の位置(例えば、当該領域内におけるユーザの現在位置から最も近い位置)がユーザの乗車位置として設定される。こうした推奨乗車領域は、例えば、配車管理サービスの運営事業者によって予め設定され、道路地図データ415において登録されている。運営事業者は、例えば、配車管理サービスにおいて、過去に多くのユーザによって個別に乗車位置として指定されている位置を含む領域を、推奨乗車領域として設定することができる。こうした推奨乗車領域は、この例の配車管理サービスにおいて仮想的に設けられたタクシー乗り場と言うこともできる。
また、この例では、ユーザの現在位置から所定の距離の範囲内に推奨乗車領域が存在しない場合には、車両の停車が可能な停車位置であって、ユーザの現在位置から最も近い停車位置が、ユーザの乗車位置として設定される。この際、乗車位置として適切でない非推奨乗車領域を回避するように、乗車位置が設定される。
ここで、この例における非推奨乗車領域は、配車管理サービスの運営事業者によって設定される複数の車両に共通の非推奨乗車領域と、各タクシー会社によって個別に設定されるタクシー会社毎の非推奨乗車領域とが含まれる。ステップS100においてユーザの乗車位置を設定する際には、これらの非推奨乗車領域のうち、複数の車両に共通の非推奨乗車領域が回避され、タクシー会社毎の非推奨乗車領域は考慮されない(回避されない)。
これらの非推奨乗車領域は、道路地図データ415において登録されている。例えば、ガードレールがある道路、及び、タクシー乗り場等が、非推奨乗車領域として設定される。また、本実施形態の他の例において、例えば、複数の車両に共通の非推奨乗車領域は、外部のシステム等から取得する情報に基づいて自動的に設定される。例えば、当該非推奨乗車領域は、外部のシステム等から取得する道路の工事予定や交通規制の情報に基づいて自動的に設定され得る。
こうしてユーザの乗車位置を設定すると、次に、サーバ10は、ユーザの乗車位置及び車いす使用フラグ、並びに、各車両の車両情報に基づいて、当該ユーザに割り当てる車両を選択する(ステップS110)。
この例では、基本的には、ユーザの乗車位置に到着するまでの想定待ち時間が所定の範囲内(例えば、15分以内)の空車の車両が当該ユーザに割当可能な割当可能車両とされ、複数の割当可能車両が存在する場合、想定待ち時間が最も短い(例えば、ユーザの乗車位置から最も近い)車両が当該ユーザに割り当てられる。また、以下の場合には、割当可能車両はさらに制限される。まず、ユーザが車いすを使用するユーザである場合(ユーザ情報テーブル411の車いす使用フラグを参照することによって特定される)、割当可能車両はUDタクシーの車両(車両情報テーブル412のUDタクシーフラグを参照することによって特定される)に制限される。また、ユーザの乗車位置が施設Xの敷地内である場合、割当可能車両は、当該施設Xの入場許可を有する車両(車両情報テーブル412の施設X入場許可フラグを参照することによって特定される)に制限される。さらに、ユーザの乗車位置が特定のタクシー会社の非推奨乗車領域に含まれる場合、割当可能車両は、当該特定のタクシー会社の車両以外の車両(車両情報テーブル412のタクシー会社情報を参照することによって特定される)に制限される。
ここで、施設Xの入場許可を有する割当可能車両が存在しない場合に、ユーザの乗車位置を、施設Xの外側に(自動的に、又は、ユーザの確認を介して)変更し、施設Xの入場許可を有しない他の車両を割り当てるようにしても良い。なお、こうしたユーザの乗車位置の変更の提案は、他の割当可能車両が存在する場合のみに限定して行うようにしても良い。変更後の乗車位置は、施設Xに対して予め設定されており、例えば、施設Xの特定の出入口が、変更後の外側の乗車位置として予め設定されている。この場合、例えば、ユーザの乗車位置を施設Xの敷地内に設定できない理由(配車NG理由、例えば「このエリアに対応可能な車両を手配できません」等)を表示し、地図表示領域52において、乗車位置の設定ができないエリア(具体的には、施設Xの敷地内)を視認可能に表示する(例えば、半透明の特定の色(例えば、赤色)の領域として表示する)のが好ましい。
そして、割当可能車両が存在する場合には(ステップS115においてYES)、次に、サーバ10は、選択した車両に対して迎車を依頼する(ステップS120)。図8は、選択した車両に対する迎車の依頼に応じて、ユーザ端末32において表示される手配中画面502を例示する。手配中画面502は、トップ画面501と同様に、地図表示領域52と、情報表示領域54とを有する。図示するように、手配中画面502の地図表示領域52においては、「タクシーを手配しています」という文字列が地図に重ねて表示され、また、「ここで乗る」と表示されたピン形状の乗車位置指定オブジェクト521が地図上に配置されている。当該乗車位置指定オブジェクト521は、設定された乗車位置に対応する地図上の位置に配置されており、その下端部に、設定された乗車位置における車両の進行方向を示す矢印形状の進行方向表示オブジェクト5211を有する。当該進行方向表示オブジェクト5211は、乗車位置指定オブジェクト521の地図上の位置から最も近い車線の進行方向を向くように配置される。ユーザは、当該オブジェクト5211によって、乗車位置における車両の進行方向を知ることができる。
また、手配中画面502の情報表示領域54は、現時点における待ち時間の目安を表示すると共に、迎車依頼をキャンセルするためのキャンセルボタン63を有する。ユーザは、例えば、トップ画面501の第1ボタン61に対する選択操作を誤って行ってしまった場合等においてキャンセルボタン63を選択する。当該ボタン63の選択に応じて、サーバ10は、迎車依頼を取り消すための所定の取消処理を行う。
図9は、迎車の依頼を受けた車両に対応するドライバーのドライバー端末34において表示される迎車依頼確認画面100を例示する。車両に対応するドライバーは、車両情報テーブル412のドライバーアカウントによって特定される。迎車依頼確認画面100には、図示するように、「OK」と表示された第1ボタン102と、「キャンセル」と表示された第2ボタン104とが上下方向に並べて配置されている。ドライバーは、迎車の依頼を受諾する場合には第1ボタン102を選択し、迎車の依頼を受諾しない(拒否する)場合には第2ボタン104を選択する。
また、迎車依頼確認画面100は、その表示後、10秒以内に第1ボタン102が選択されないと、第2ボタン104が自動的に選択される(つまり、迎車の依頼を拒否する)ように構成されている。第1ボタン102の下端には、当該10秒をカウントダウン表示する円形のオブジェクト1021が配置されている。このように、ドライバーは、第2ボタン104を選択することに代えて、10秒間放置することにより、迎車の依頼を拒否することができる。
迎車依頼確認画面100の第1ボタン102がドライバーによって選択されて迎車依頼が受諾されると(ステップS130においてYES)、ユーザに対する車両の割当が確定する(ステップS140)。車両の割当の確定に応じて、サーバ10は、対応する車両IDを配車要求情報テーブル413に登録すると共に、対応する車両の車両情報テーブル412における配車状態を「迎車」に変更する。一方、迎車依頼確認画面100の第2ボタン104がドライバーによって選択されて迎車依頼が拒否されると(ステップS130においてNO)、サーバ10は、再度、割り当てる車両の選択を行う(ステップS110)。なお、複数の割当可能車両が存在する場合に、これらの複数の割当可能車両に対して迎車の打診(仮の依頼)を行うようにしても良い。この場合、迎車の打診を行った複数の車両のうち、最初に受諾した車両の割当が確定する。
図10は、車両の割当の確定(ドライバーによる迎車依頼の受諾)に応じてユーザ端末32において表示される迎車待ち画面503を例示する。迎車待ち画面503は、トップ画面501及び手配中画面502と同様に、地図表示領域52と、情報表示領域54とを有する。迎車待ち画面503の情報表示領域54は、図示するように、現時点における待ち時間の目安を表示すると共に、割り当てられた車両に関する情報(車両の画像(写真、又は、図)、及び、当該車両に関するその他の情報(例えば、タクシー会社名、及び、車両のナンバー等)等)を表示し、「目的地設定」と表示された第1ボタン64と、「メッセージ」と表示された第2ボタン65とを有する。
第1ボタン64は、ユーザが、目的地(降車位置)を設定/変更するためのボタンである。当該第1ボタン64の選択に応じて、目的地を設定/変更するための画面が表示される。第2ボタン65は、ユーザが、割り当てられた車両のドライバーとの間のチャットを行うためのボタンである。当該第2ボタン65の選択に応じて、チャット用画面が表示される。このように、この例では、車両の割当の確定に応じて、ユーザとドライバーとの間のテキストチャットが可能となる。
図11は、車両の割当の確定に応じてドライバー端末34において表示される迎車中画面110を例示する。当該迎車中画面110は、図示するように、地図表示領域112と、「到着」と表示された第1ボタン114と、「メッセージ」と表示された第2ボタン116とを有する。
地図表示領域112は、ドライバーの車両から乗車位置までの範囲を含むように縮尺が調整された地図を表示する。また、地図表示領域112には、ドライバーの車両に対応するドライバー車両オブジェクトDOと、乗車位置に対応する乗車位置オブジェクトPOとが地図上に配置されている。地図表示領域112において、地図の縮尺(表示される地図の範囲)は、車両が乗車位置に近づくに従って変化する(拡大される)。また、地図表示領域112の右上隅には、「ナビ」と表示されたナビ開始ボタン1122が配置されている。当該ボタン1122がドライバーによって選択されると、乗車位置を目的地とする一般的なナビゲーション機能が開始される。
第1ボタン114は、ドライバーが、乗車位置への到着を報告するためのボタンである。第2ボタン116は、ドライバーが、ユーザとの間のチャットを行うためのボタンである。当該第2ボタン116の選択に応じて、チャット用画面が表示される。
第1ボタン114がドライバーによって選択されると、ドライバー端末34において、図12に例示する到着報告画面120が表示される。なお、ドライバーの車両の位置が乗車位置から所定の範囲内となったときに、自動的に(到着ボタン114の選択なしに)到着報告画面120が表示されるようにしても良い。
到着報告画面120には、図示するように、「迎車地到着」と表示された第1ボタン122と、「キャンセル」と表示された第2ボタン124とが上下方向に並べて配置されている。第1ボタン122がドライバーによって選択されると、迎車地(乗車位置)への到着がサーバ10に対して報告される。乗車位置への到着の報告に応じて、サーバ10は、ユーザ端末32に対して所定のメッセージを送信する。ユーザは、当該所定のメッセージを介して、車両の到着を知ることができる。また、ドライバーは、上述したテキストチャットを介して、乗車位置へ到着してからユーザが乗車するまでに必要なコミュニケーションを行うこともできる。
図13は、第1ボタン122の選択に応じてドライバー端末34に表示される乗車報告画面130を例示する。当該乗車報告画面130には、図示するように、「乗車完了」と表示された第1ボタン132と、「キャンセル」と表示された第2ボタン134とが上下方向に並べて配置されている。第1ボタン132がドライバーによって選択されると、ユーザの乗車がサーバ10に対して報告される。当該報告を受け付けると、サーバ10は、対応する車両の車両情報テーブル412における配車状態を「賃走」に変更する。
ここで、この例において、ユーザは、トップ画面501の第1ボタン61を選択して配車要求を行った後に、設定されている乗車位置を変更することができる。具体的には、図8に例示した手配中画面502又は図10に例示した迎車待ち画面503の地図表示領域52を介して、乗車位置指定オブジェクト521の地図上の位置を変更することにより、乗車位置を変更することができる。例えば、乗車位置指定オブジェクト521に対するスライド操作によって、当該オブジェクト521の位置が変更される。
図14は、乗車位置指定オブジェクト521の地図上の位置を変更した場合の迎車待ち画面503を例示する。図示するように、乗車位置指定オブジェクト521の地図上の位置の変更に応じて、乗車位置の変更の要否を確認するための確認オブジェクト56が、地図表示領域52に重ねて表示される。当該確認オブジェクト56は、「はい」と表示された第1ボタン561と、「いいえ」と表示された第2ボタン562とを有する。第1ボタン561が選択されると、乗車位置の変更が確定し、変更後の乗車位置が、対応するドライバー端末34に送信されると共に、配車要求情報テーブル413の乗車位置が更新される。なお、変更前の乗車位置へと向かう車両の位置が、当該乗車位置から所定の距離の範囲内となった場合には、乗車位置の変更を禁止する(不可能にする)ようにしても良い。また、乗車位置の変更可能な範囲(変更前の乗車位置と変更後の乗車位置との間の距離)について上限を設定しても良い。
また、この例では、乗車位置指定オブジェクト521の地図上の位置が変更されると、乗車位置における車両の進行方向を示す進行方向表示オブジェクト5211の向きが変化する場合がある。図15は、乗車位置指定オブジェクト521の地図上の位置の変更に応じて進行方向表示オブジェクト5211の向きが変化する様子を説明するための図である。図15の上段に示すように、中央帯CZによって分離される往復の方向の2つの車線LN1及びLN2を有する道路において、乗車位置指定オブジェクト521が車線LN1側の歩道付近に位置している状態では、進行方向表示オブジェクト5211の向きは、当該車線LN1における車両の進行方向(図15における右下方向)となる。そして、図15の下段に示すように、乗車位置指定オブジェクト521の位置が車線LN2側の歩道付近の位置に変更されると、進行方向表示オブジェクト5211の向きは、当該車線LN2における車両の進行方向(図15における左上方向)に変更される。このように、ユーザは、進行方向表示オブジェクト5211の向き(つまり、車両の進行方向)を確認しながら、乗車位置の設定(変更)を行うことができる。
また、この例では、乗車位置指定オブジェクト521は、地図表示領域52において、上述した非推奨乗車領域内には配置できないように構成されている。図16は、乗車位置指定オブジェクト521の位置の変更(例えば、スライド操作)が開始された状態の迎車待ち画面503を例示する。図示するように、地図表示領域52は、乗車位置指定オブジェクト521の位置の変更の開始に応じて、非推奨乗車領域に対応する領域A1が視認可能に表示される(例えば、半透明の特定の色(例えば、赤色)の領域として表示される)ように構成されている。ここでの非推奨乗車領域は、複数の車両に共通の非推奨乗車領域に加えて、割り当てられた車両のタクシー会社の非推奨乗車領域が含まれる。ユーザは、当該領域A1によって、非推奨乗車領域の存在を知ることができる。なお、当該領域A1において、非推奨乗車領域として設定されている理由(例えば、「タクシー乗り場の周辺のため配車できません」等)を表示するようにしても良い。なお、乗車位置指定オブジェクト521の位置の変更の開始に応じて、非推奨乗車領域に対応する領域A1に加えて、上述した推奨乗車領域に対応する領域を視認可能に表示する(例えば、半透明の、非推奨乗車領域とは異なる特定の色(例えば、青色)の領域として表示する)ようにして、他の推奨乗車領域に誘導するようにしても良い。
図7のフロー図に戻り、ステップS110における車両の選択の際に割当可能車両が存在しない場合には(ステップS115においてNO)、サーバ10は、所定時間T1(例えば、5分)が経過するのを待機する(ステップS150においてNO)。具体的には、待機を開始する際の時刻が配車要求情報テーブル413の待機開始時刻に設定され、当該待機開始時刻から所定時間T1を経過するまで、車両の選択(ステップS110)を繰り返し試行する。そして、割当可能車両が発生した場合には、当該車両をユーザに割り当てる車両として選択する一方、割当可能車両が発生する前に所定時間T1を経過すると(ステップS150においてYES)、サーバ10は、配車要求のキャンセルを行う(ステップS160)。配車要求のキャンセルは、例えば、配車要求を取り消すための所定の取消処理の実行を伴う。このように、この例では、ユーザは、割当可能車両が存在しない場合であっても、配車要求をキャンセルする前に所定時間T1の間、割当可能車両の発生を待機することができる。
また、この例では、特定の車両が複数の待機中のユーザの割当可能車両として適用可能である場合、当該特定の車両は、待機開始時刻が早いユーザ(待機順序が先行しているユーザ)に割り当てられる。例えば、図17に例示するように、空車となった車両200が、ユーザA(待機開始時刻は9:04)及びユーザB(待機開始時刻は9:06)それぞれの乗車位置に到着するまでの想定待ち時間が所定の範囲内であって割当可能車両として適用可能である場合、当該車両200は、待機開始時刻が早いユーザAに割り当てられる。
このように、この例において、ユーザは、トップ画面501の第1ボタン61を選択するというワンタップの簡易な操作で、タクシーの配車要求を行うことができ、その後、手配中(迎車依頼の受諾待ち)、及び、迎車待ちの期間において、乗車位置の変更、及び、目的地(降車位置)の設定等を行うことができる。また、ユーザは、割当可能車両が存在しない場合であっても、所定時間T1の間、割当可能車両の発生を待機することができる。なお、割当可能車両が存在しない場合における待機の開始及び/又は待機の終了(所定時間T1の設定)を、ユーザからの指示に応じて行うようにしても良い。このように、ユーザは、待機可能な余裕時間に応じて配車(割当可能車両の発生)を待機することができ、車両が割り当てられるまで、配車要求の操作を繰り返し行う手間が省かれる。この結果、ユーザの利便性が向上し得る。
なお、割当可能車両の発生の待機中において車両の選択(ステップS110)を繰り返し試行する際に、ユーザの現在位置に基づく乗車位置の設定(ステップS100)についても繰り返し行う(言い換えると、ユーザの最新の現在位置に基づいて割当可能車両の選択を繰り返し行う。)ようにしても良い。こうすれば、例えば、目的地に向かって徒歩で移動しながら割当可能車両の発生を待機するユーザ(特に、条件の指定なしで配車要求を行うユーザは、目的地までの移動を急いでいると考えられる。)、及び、(割当可能車両が発生しやすいように)交通量が多い道路・エリアに自ら移動しながら割当可能車両の発生を待機するユーザ等に対応することが可能となる。なお、ユーザが移動する場合であっても、待機開始時刻は変更されない(待機順序が確保されている)から、移動することがユーザにとって不利とはならない。
以上、条件の指定なしで配車要求を行う場合について説明した。次に、条件を指定して配車要求を行う場合について説明する。図18は、トップ画面501の第2ボタン62の選択に応じてユーザ端末32において表示される条件指定画面504を例示する。条件指定画面504は、トップ画面501、手配中画面502、及び迎車待ち画面503と同様に、地図表示領域52と、情報表示領域54とを有する。
条件指定画面504の地図表示領域52には、乗車位置指定オブジェクト521が配置されている。ユーザは、当該オブジェクト521の位置を変更することによって、乗車位置を個別に指定することができる。また、乗車位置指定オブジェクト521は、その下端部に進行方向表示オブジェクト5211を有し、矢印形状の当該オブジェクト5211は、上述したように、乗車位置指定オブジェクト521の地図上の位置から最も近い車線の進行方向を向くように配置される。なお、上述した手配中画面502及び迎車待ち画面503の地図表示領域52と同様に、条件指定画面504の地図表示領域52は、乗車位置指定オブジェクト521の位置の変更の開始に応じて非推奨乗車領域(ここでは、車両を割り当てる前であるため、複数の車両に共通の非推奨乗車領域のみが対象となり、タクシー会社毎の非推奨乗車領域は対象とならない。)に対応する領域が視認可能に表示され、当該オブジェクト521は、当該非推奨乗車領域には配置できないように構成されている。また、上述したように、非推奨乗車領域に加えて、推奨乗車領域に対応する領域を視認可能に表示しても良い。
条件指定画面504の情報表示領域54は、現時点における待ち時間の目安が表示されると共に、目的地を設定するための第1ボタン66と、支払方法を選択するための第2ボタン67と、車種を指定するための第3ボタン68と、「依頼」と表示された第4ボタン69とを有する。
第1ボタン66がユーザによって選択されると、目的地(降車位置)を設定するための画面が表示され、ユーザは、当該画面を介して目的地を予め設定しておくことができる。なお、ユーザは、目的地の設定を省略することもできる。
第2ボタン67がユーザによって選択されると、支払方法を選択するための画面が表示され、ユーザは、当該画面を介して支払方法を予め設定しておくことができる。なお、この例では、支払方法は、車内決済及びインターネット決済(クレジットカード決済を含む。)の何れかであり、初期状態では車内決済が設定されている。
第3ボタン68がユーザによって選択されると、手配する車両の車種等を選択するための画面が表示され、ユーザは、当該画面を介して車種等を設定することができる。なお、当該画面において、車両の車種に加えて、UDタクシーであるか否か、及び、施設Xの入場許可の有無を指定することもできる。
第4ボタン69は、ユーザが配車要求を行うためのボタンである。図19は、ユーザによる第4ボタン69の選択に応じて、配車管理サーバ10が実行する処理を例示するフロー図である。サーバ10は、まず、図示するように、ユーザによる指定に基づいてユーザの乗車位置(迎車位置)を設定する(ステップS200)。具体的には、条件指定画面504の地図表示領域52における乗車位置指定オブジェクト521の地図上の位置が、ユーザの乗車位置として設定される。
こうしてユーザの乗車位置を設定すると、次に、サーバ10は、ユーザの乗車位置及びユーザによる指定(車種等)、並びに、各車両の車両情報に基づいて、当該ユーザに割り当てる車両を選択する(ステップS210)。基本的には、ユーザの乗車位置に到着するまでの想定待ち時間が所定の範囲内(例えば、15分以内)の空車の車両であってユーザによって指定された車種等に適合する車両が割当可能車両とされ、複数の割当可能車両が存在する場合、想定待ち時間が最も短い(例えば、ユーザの乗車位置から最も近い)車両が当該ユーザに割り当てられる。また、条件の指定なしで配車要求を行う場合と同様に、ユーザの乗車位置が施設Xの敷地内である場合、割当可能車両は、当該施設Xの入場許可を有する車両に制限され、ユーザの乗車位置が特定のタクシー会社の非推奨乗車領域に含まれる場合、割当可能車両は、当該特定のタクシー会社の車両以外の車両に制限される。
なお、ユーザによって目的地(降車位置)が設定されており、当該目的地が施設Xの敷地内である場合、ユーザの乗車位置が施設Xの敷地内である場合と同様に、割当可能車両は、当該施設Xの入場許可を有する車両に制限される。
また、上述したように、施設Xの入場許可を有する割当可能車両が存在しない場合に、ユーザの乗車位置を、施設Xの外側に(自動的に、又は、ユーザの確認を介して)変更し、施設Xの入場許可を有しない車両を割り当てるようにしても良い。
そして、サーバ10は、割当可能車両が存在する場合には(ステップS215においてYES)、選択した車両に対して迎車を依頼する(ステップS220)。これ以降の処理は、トップ画面501の第1ボタン61の選択に応じて実行される図7に例示したフロー図と同様である。つまり、対応するドライバーによって迎車が受諾されると(ステップS230においてYES)、ユーザに対する車両の割当が確定する一方(ステップS240)、対応するドライバーによって迎車依頼が拒否されると(ステップS230においてNO)、サーバ10は、再度、割り当てる車両の選択を行う(ステップS210)。また、割当可能車両が存在しない場合には(ステップS215においてNO)、所定時間T1(例えば、5分)が経過するのを待機し(ステップS250においてNO)、車両の選択(ステップS210)を繰り返し試行する。そして、割当可能車両が発生した場合には、当該車両をユーザに割り当てる車両として選択する一方、割当可能車両が発生する前に所定時間T1を経過すると(ステップS250においてYES)、サーバ10は、配車要求のキャンセルを行う(ステップS260)。このように、この例において、ユーザは、トップ画面501の第2ボタン62を選択することによって、個別に条件を指定して配車要求を行うことも可能であり、この場合も、割当可能車両が存在しないときには、所定時間T1の間、割当可能車両の発生を待機することができる。
なお、上述した条件の指定なしで配車要求を行う場合と同様に、割当可能車両の発生の待機中において車両の選択(ステップS210)を繰り返し試行する際に、ユーザの最新の現在位置に基づいて割当可能車両の選択を行うようにしても良い。例えば、ユーザによる指定に基づいて設定された乗車位置(ステップS200)からユーザの最新の現在位置までの距離が所定値以上に離れた場合に、最新の現在位置に基づく乗車位置への変更の要否を確認するための画面を表示し、当該画面を介して乗車位置の変更がユーザによって要求された場合に、変更後の乗車位置(最新の現在位置に基づく乗車位置)に基づいて割当可能車両の選択を行うようにしても良い。
上述した例において、目的地(降車位置)を設定する際に、乗車位置と同様に、当該目的地における車両の進行方向を表示するようにしても良い。例えば、乗車位置指定オブジェクト521に相当するオブジェクトの地図上の位置が降車位置として設定され、当該降車位置における車両の進行方向は、当該オブジェクトの下端部に配置された進行方向表示オブジェクト5211に相当するオブジェクトの向きによって示される。
上述した例では、乗車位置を設定する際に回避される非推奨乗車領域を道路地図データ415において登録したが、同様に、降車位置を設定する際に回避される非推奨降車領域を登録しても良い。当該非推奨降車領域は、配車管理サービスの運営事業者によって設定される複数の車両に共通の非推奨降車領域と、各タクシー会社によって設定されるタクシー会社毎の非推奨降車領域とが含まれる。そして、条件の指定なしで配車要求を行う場合において、迎車待ち画面503の第1ボタン64を介して目的地を設定/変更する際には、複数の車両に共通の非推奨乗車領域、及び、割り当てられている車両のタクシー会社の非推奨乗車領域が回避される(当該領域内に目的地を設定できないように制御される)。また、条件を指定して配車要求を行う場合において、条件指定画面504の第1ボタン66を介して目的地を設定する際には、複数の車両に共通の非推奨降車領域が回避され、設定した目的地が特定のタクシー会社の非推奨降車領域内である場合、ステップS210において、割り当ての対象となる車両は、当該特定のタクシー会社の車両以外の車両に制限される。
上述した例において、設定された乗車/降車位置が病院及び介護施設等の特定の施設である場合において、UDタクシーの車両を割り当てるようにしても良い。この場合、乗車/降車位置として設定された場合にUDタクシーの車両を割り当てるべき施設は、道路地図データ415において登録され得る。
上述した例では、割当可能車両が存在しないときに所定時間T1の間、割当可能車両の発生を待機するようにしたが、待機順序に従って車両の割当を待機する時間的な余裕がないユーザも存在し得る。こうしたユーザに対応するために、優先的に車両の割当が行われる「優先配車」のオプションをユーザが選択できるようにしても良い。当該優先配車は、追加料金等の対価を要する有償のオプションとして構成されており、例えば、配車要求の際に(及び/又は、待機を開始する際に)ユーザによって選択される。優先配車が選択されると、具体的には、割当可能車両の対象となる範囲である車両探索範囲(例えば、ユーザの乗車位置に到着するまでの想定待ち時間(又は、当該乗車位置までの距離)が所定の範囲内)が拡張される。例えば、優先配車が選択されていないと、ユーザの乗車位置に到着するまでの想定待ち時間が15分の範囲内である車両が割当可能車両とされる一方、優先配車が選択されると、ユーザの乗車位置に到着するまでの想定待ち時間が20分の範囲内である車両が割当可能車両とされる。
また、優先配車を選択したユーザは、待機中の一般のユーザよりも車両の割当が優先される。図20は、優先配車のオプションが選択されているユーザに車両が優先的に割当てられる様子を説明するための図である。図示するように、例えば、9:08の時点で、ユーザCが優先配車のオプションを選択して配車要求を行うと共に車両200が空車になった場合、優先配車を選択しているユーザCの車両探索範囲(破線)は、優先配車を選択していない場合の車両探索範囲(実線)から拡張されており、当該拡張された車両探索範囲(破線)に車両200が入っている。この場合、先行して待機しているユーザA(待機開始時刻は9:04)やユーザB(待機開始時刻は9:06)を差し置いて、優先配車を選択しているユーザCに対して車両200が割り当てられる。なお、先行して待機しているユーザA及びユーザBの何れかに車両200が割り当てられた後にユーザCが優先配車のオプションを選択して配車要求を行った場合であっても、ユーザCによる配車要求が車両200の割当の確定前(つまり、迎車依頼の受諾前)であれば、ユーザCに対して優先して車両200の割当を行うようにしても良い。
このように、優先配車のオプションを選択することによって、通常よりも広い範囲の車両を対象とした割当車両の選択が行われ、また、待機中の一般のユーザよりも優先されるので、車両の割当が早期及び確実に行われ易くなる。こうした優先配車のオプションは、対価を払ってでも早期及び確実な配車を依頼したいユーザにとっての利便性を向上させる。
なお、優先配車のオプションが選択されている場合に、迎車を依頼する車両のドライバーに対して優先配車のオプションが選択されていることを通知するようにしても良い。優先配車は追加料金等が発生してドライバーにとっても有利であるため、こうした通知は、迎車の依頼が受諾される確率を向上させ、この結果、ユーザの利便性が向上し得る。
また、待機を開始してからの経過時間が所定時間T2(<T1)となったときに、優先配車のオプションの選択の有無にかかわらず、上述した車両探索範囲の拡張を行うようにしても良い。こうすれば、待機時間が過剰に長くなることが抑制され、この結果、ユーザの利便性が向上し得る。
以上説明した本実施形態に係る配車管理サーバ10は、ユーザの乗車位置を設定し、設定した乗車位置を、当該乗車位置における車両の進行方向を伴ってユーザに提示するから、ユーザは、例えば、往復の方向の車線を有する道路付近の乗車位置を設定する場合であっても、当該道路の両側の歩道のうちどちらの歩道で待機すれば良いのかを的確に判断することが可能となる。つまり、本実施形態における配車管理サーバ10は、配車要求の際のユーザの利便性を向上させる。
また、本実施形態に係る配車管理サーバ10は、ユーザからの配車要求に応じて車両の選択(ステップS110、S210)を実行したときに割当可能な車両が存在しない場合であっても、所定時間T1の間、割当可能車両の発生を待機することができる。このように、ユーザは1度配車要求を行えば、所定時間T1の間、繰り返し車両の選択を試行することが可能となるから、車両が割り当てられるまで繰り返し配車要求の操作を行う手間が省かれる。この結果、ユーザの利便性が向上し得る。
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。