JP2020003484A - 3dレーザスキャナ、3dレーザスキャナシステム、建設作業機械及び建設工事方法 - Google Patents

3dレーザスキャナ、3dレーザスキャナシステム、建設作業機械及び建設工事方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第3工程(施工工程)において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データを利用可能とする3Dレーザスキャナを提供する。【解決手段】3D測量データD4を生成するために用いる3Dレーザスキャナであって、施工対象でのレーザ光の反射による戻り光を検出するレーザ計測部110と、全方位カメラ121から構成され、施工対象を撮像することでカラー画像を取得する撮像部120と、検出した戻り光に基づく点群データD1及び取得したカラー画像に基づくカラーデータD2を生成し、点群データD1及びカラーデータD2を用いて送信単位毎のスキャンデータD3を生成するスキャンデータ生成部131と、送信単位毎のスキャンデータD3を送信するスキャンデータ送信部141とを備える3Dレーザスキャナ100。【選択図】図2

Description

本発明は、3Dレーザスキャナ、3Dレーザスキャナシステム、建設作業機械及び建設工事方法に関する。
近年、建設現場では、高齢化が進み、技術者が不足する、という問題がある。これらの問題を解決するため、i−Constructionと呼ばれる施策が推し進められている。i−Constructionによる建設工事は、基本的には、第1工程(初期測量工程)、第2工程(施工計画策定工程)、第3工程(施工工程)及び第4工程(検査工程)の4つの工程を経て遂行される。i−Constructionを用いた建設工事は、各工程において、3D設計データや3D測量データを活用することで、省力化が可能である(例えば、非特許文献1参照。)。
3D測量データは、ドローンや3Dレーザスキャナ等を用いて建設現場における施工対象を測量して取得したデータを、ファイル単位毎(測量単位毎)に加工処理して生成される。特に、3Dレーザスキャナを用いて測量によれば、高精度の3D測量データが得られる。3D測量データは、表示画像や印刷画像において施工対象をわかりやすくするために、3Dレーザスキャナ等で生成した点群データは、カラーデータを重畳(マッピング)することでカラー化される(例えば特許文献1参照。)。建設現場では、点群データ及びカラーデータを生成できる3Dレーザスキャナが用いられている(例えば特許文献2参照。)。
従来の3Dレーザスキャナ900は、図15に示すように、支持体900Aと支持体900Aが支持する本体900Bとを備えている。支持体900Aは本体900Bを支持している。支持体900Aは、鉛直軸を中心に本体900Bを360°回転するモータ901を備えている。本体900Bは、レーザ計測部910と、撮像部920と、スキャナ処理部930を有する。スキャナ処理部930はスキャンデータ生成部931を含む。レーザ計測部910は、レーザ光を施工対象に照射し、施工対象で反射してきた戻り光を検出する。撮像部920はカメラ921を有する。カメラ921は、本体900Bの側面にその光軸を水平方向又は斜め上方に向けて配置されており、モータ901による回転に伴い全周囲の風景を撮像してカラー画像を取得する。スキャンデータ生成部931は、レーザ計測部910が検出した戻り光に基づき施工対象の座標位置情報である、複数の点データからなる点群データD910を生成する。スキャンデータ生成部931はまた、撮像部920が取得したカラー画像に基づき施工対象の色彩情報であるカラーデータD920を生成する。スキャンデータ生成部931は、点群データD910とカラーデータD920を含むスキャンデータファイルD930を生成する。3Dレーザスキャナ900は、スキャンデータ生成部931が生成したスキャンデータファイルD930を出力する。
3Dレーザスキャナ900と撮像部920を含む3Dレーザスキャナシステム1000では、点群データD910とカラーデータD920を含んだスキャンデータファイルD930が記憶媒体等を用いてファイル単位で情報処理装置980に受け渡される。スキャンデータファイルD930を受け取った情報処理装置980は、点群データD910とカラーデータD920とを組み合わせてカラー点群データに合成し、合成されたカラー点群データを含む3D測量データファイルD940を生成する。3D測量データファイルD940は、ディスプレイで表示可能な所定のフォーマットに変換されて表示装置990に3D画像として表示される。
特開2018−025553号公報 特開2017−003284号公報
国土交通省 i−Construction 〜建設現場の生産性革命〜 参考資料 平成28年3月 (12頁目)(URL:www.mlit.go.jp/common/001127740.pdf)
建設工事の特に第3工程(施工工程)において3Dレーザスキャナを用いて生成される3D測量データはその精度の高さから極めて利用価値が高い。そのため、3D測量データを施工の進行に伴って適宜利用できれば、施工状態や進捗状況を高精度に把握できる。
しかし、従来の3Dレーザスキャナにおいて、カラー画像を取得するためにはモータを回転させて複数回撮像する必要があり、そのために多くの撮像時間を要する。撮影された複数の画像を合成する必要があるため、多くの処理時間を要する。
また、従来の3Dレーザスキャナシステムを用いた3D測量データはファイル単位で処理される。加えて、その処理は、データ処理の専門業者に頼らざるを得ないことから、測量の開始から最終データの取得までに数日を要することもある。そのため、第3工程(施工工程)の作業を長時間停止させてしまう、という問題がある。
そこで、本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、第3工程(施工工程)の作業を長時間停止させることなく、短時間で最終の3D測量データが得られる、3Dレーザスキャナ、3Dレーザスキャナシステム、およびそれらを用いた建設作業機械及び建設工事方法を提供することを目的とする。
[1]本発明の3Dレーザスキャナは、
建設現場における施工対象の3D測量データを生成するために用いる3Dレーザスキャナであって、
前記施工対象にレーザ光を照射し、前記施工対象での前記レーザ光の反射による戻り光を検出するレーザ計測部と、
全方位カメラから構成され、前記施工対象を撮像することでカラー画像を取得する撮像部と、
前記レーザ計測部が検出した前記戻り光から点群データを生成するとともに前記撮像部が取得したカラー画像からカラーデータを生成し、前記点群データと前記カラーデータを用いて送信単位毎のスキャンデータを生成するスキャンデータ生成部と、
前記スキャンデータ生成部に接続され、前記送信単位毎のスキャンデータを送信するスキャンデータ送信部と、
を備えることを特徴とする。
本発明の3Dレーザスキャナによれば、全方位カメラから構成され、施工対象を撮像することでカラー画像を取得する撮像部を備えていることから、全方位カメラにより特に撮像部を回転移動させることなく施工対象のカラー画像を取得可能なため、撮像時間を短縮することができる。また、全方位カメラにより施工対象のカラー画像を一の画像として取得可能なため、従来では必要であった複数枚のカラー画像の合成時間を削減することができる。
また、本発明の3Dレーザスキャナによれば、レーザ計測部が検出した戻り光に基づく点群データ及び撮像部が取得したカラー画像に基づくカラーデータを生成し、これら点群データ及びカラーデータを用いて送信単位毎のスキャンデータを生成するスキャンデータ生成部を備えていることから、スキャンデータを生成するための点群データを送信単位毎にデータ量を小さくして扱うことが可能となるため、スキャンデータ生成時間を短くすることができる。
また、本発明の3Dレーザスキャナによれば、送信単位毎のスキャンデータを送信するスキャンデータ送信部を備えていることから、スキャンデータ生成部が生成した送信単位毎のスキャンデータを逐次送信することが可能となるため、測量結果をすぐに3D測量データの生成のために用いることができる。
その結果、本発明の3Dレーザスキャナは、第3工程(施工工程)において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データを生成するための測量に用いることができる3Dレーザスキャナとなる。
[2]本発明の3Dレーザスキャナにおいては、前記スキャンデータ生成部は、前記点群データと前記カラーデータとを合成して前記スキャンデータを生成する合成部を有することが好ましい。
このように構成することで、データを受け取る側(例えば情報処理装置)が点群データとカラーデータとを合成する必要がなくスキャンデータを用いることができるため、外部機器のカラー化処理負担を低減可能な3Dレーザスキャナとなる。
[3]本発明の3Dレーザスキャナにおいては、前記撮像部は、一測量当り一のカラー画像を取得し、前記スキャンデータ生成部は、一測量当り前記一のカラー画像を用いて前記送信単位毎のスキャンデータを生成するように構成する場合がある。
例えば、測量中に施工現場の状況が変化しない場合であれば、一測量当りの点群データをカラー化する際には、一のカラー画像を用いれば足りる。このように構成することで、一測量当りの撮像回数が1回で済み、測量時間を短縮可能な3Dレーザスキャナとなる。
[4]本発明の3Dレーザスキャナにおいては、前記撮像部は、一測量当り複数のカラー画像を取得し、前記スキャンデータ生成部は、直近に取得されたカラー画像を用いて前記送信単位毎のスキャンデータを生成する場合がある。
例えば、測量中に施工現場の状況が変化する場合であっても、スキャンデータ生成部がスキャンデータを生成する際に、状況変化後のカラー画像に基づくカラーデータを用いることが可能となる。このように構成することで、第3工程(施工工程)において作業を停止させることなく短時間でスキャンデータを生成可能な3Dレーザスキャナとなる。
[5]本発明の3Dレーザスキャナにおいては、前記スキャンデータ生成部は、前記点群データを生成するに際して、一の点データと前記一の点データの直前に位置する他の点データとの差分値を用いた差分点群データを含む点群データを生成することが好ましい。
このように構成することで、点群データのサイズが小さくなり、その後スキャンデータ及び3D測量データを生成する過程でデータ授受がスムーズになり、測量結果をすぐに3D測量データの生成のために用いることができる3Dレーザスキャナとなる。
[6]本発明の3Dレーザスキャナシステムは、建設現場における施工対象の3D測量データを生成するために用いる3Dレーザスキャナシステムであって、点群データ及びカラーデータを生成し、これら点群データ及びカラーデータを用いて送信単位毎にスキャンデータを生成する3Dレーザスキャナと、前記3Dレーザスキャナに接続され、前記3Dレーザスキャナが生成した前記スキャンデータを用いて前記3D測量データを生成する情報処理装置と、前記情報処理装置に接続され、前記3D測量データに基づく出力データを出力する提示装置とを備え、前記3Dレーザスキャナは、本発明に係る3Dレーザスキャナであることを特徴とする。
本発明の3Dレーザスキャナシステムによれば、点群データ及びカラーデータを用いて送信単位毎にスキャンデータを生成する3Dレーザスキャナと、3Dレーザスキャナが生成したスキャンデータを用いて3D測量データを生成する情報処理装置とを備えることから、建設現場で3D測量データを生成することが可能となる。また、本発明の3Dレーザスキャナシステムによれば、3D測量データに基づく出力データを出力する提示装置を備えることから建設現場で測量結果を確認することが可能となる。この際、本発明の3Dレーザスキャナシステムは、本発明の3Dレーザスキャナを備えていることから、3Dレーザスキャナから送信される送信単位毎のスキャンデータを用いて逐次3D測量データを生成することが可能である。
その結果、本発明の3Dレーザスキャナシステムは、第3工程(施工工程)において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データを利用可能とする3Dレーザスキャナシステムとなる。
[7]本発明の3Dレーザスキャナシステムにおいては、前記情報処理装置は、施工目標とする目標形状データを記憶する情報記憶部を含む情報処理部を有し、前記情報処理部は、前記スキャンデータに基づき前記3D測量データとしての現況形状データを生成するとともに、前記現況形状データと前記目標形状データとの比較結果に基づく提示データを生成することが好ましい。
このように構成することで、目標に対する状況把握がしやすい3Dレーザスキャナシステムとなる。
[8]その際、前記情報記憶部は、前記目標形状データとして複数の中間目標形状データを記憶可能であり、前記情報処理部は、前記現況形状データと前記中間目標形状データとの比較結果に基づく前記提示データとしての中間提示データを生成するようにしてもよい。
このように構成することで、最終目標のみならず、中間目標(例えば、日々の進捗目標)に対しても状況把握がしやすい3Dレーザスキャナシステムとなる。
[9]本発明の3Dレーザスキャナシステムにおいては、前記提示装置は、ディスプレイであってもよい。
このように構成することで、視覚でわかりやすく状況把握ができる3Dレーザスキャナシステムとなる。
[10]その際、前記ディスプレイに比較結果に基づき色分けされたヒートマップを表示してもよい。
このように構成することで、状況把握が一目でしやすい3Dレーザスキャナシステムとなる。
[11]本発明の建設作業機械は、建設作業機械本体と、前記建設作業機械本体に搭載した3Dレーザスキャナとを備え、前記3Dレーザスキャナは、本発明の3Dレーザスキャナであることを特徴とする。
本発明の建設作業機械によれば、建設作業機械本体と、前記建設作業機械本体に搭載した3Dレーザスキャナとを備えるため、建設作業機械目線で3Dレーザスキャナによる測量を行うことができる。その際、本発明の建設作業機械によれば、3Dレーザスキャナとして本発明の3Dレーザスキャナを用いるため、第3工程(施工工程)において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データを利用することができる。
その結果、本発明の建設作業機械は、第3工程(施工工程)において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データを利用可能な建設作業機械となる。
[12]本発明の建設工事方法は、測量を行い、施工前の施工対象の形状データである初期形状データを取得する第1工程と、前記初期形状データと、施工目標とする目標形状データとに基づいて施工計画を策定する第2工程と、前記施工計画に従って、建設作業機械を用いて施工を行う第3工程とを含み、前記第3工程においては、本発明の3Dレーザスキャナシステムを使用して前記3Dレーザスキャナシステムが生成した3D測量データと前記目標形状データとを用いて作業を行うことを特徴とする。
本発明の建設工事方法によれば、第3工程(施工工程)において、本発明に係る3Dレーザスキャナシステムを使用して、3D測量データと目標形状データとを用いて作業を行うことから、第3工程(施工工程)において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データを利用することができる。
その結果、本発明の建設工事方法は、第3工程(施工工程)において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データを利用可能な建設工事方法となる。
[13]本発明の建設工事方法においては、前記第3工程の後に、施工後の前記施工対象の形状データである検査対象形状データが前記目標形状データに適合しているか否かについて検査を行う第4工程をさらに含んでいてもよい。
[14]その際、前記第4工程では、前記検査対象形状データとして、前記第3工程で前記3Dレーザスキャナシステムが最終的に生成した3D測量データを用いて検査を行うことが好ましい。
その結果、第4工程で検査対象形状データを取得するために別途測量を行う必要がなくなるため、検査時間が短縮可能な建設工事方法となる。
[15]本発明の建設工事方法においては、前記第1工程では、前記第3工程で用いる前記3Dレーザスキャナと同等規格の3Dレーザスキャナを用いて測量を行うことが好ましい。
このようにすれば、工程ごとに異なる測量機器や異なる規格の3Dレーザスキャナを用いる場合と比較して、測定基準や精度を揃えることができ、その結果、工程戻りの発生を抑制可能な建設工事方法となる。
本発明の3Dレーザスキャナ、3Dレーザスキャナシステム、建設作業機械及び建設工事方法によれば、第3工程(施工工程)において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データを利用することができる。
実施形態1に係る建設作業機械1の構成図である。 実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10のブロック図である。 実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100を説明するために示す図である。 実施形態1に係る提示装置300によるイメージ図であり、ヒートマップとして表示されるイメージ図である。 実施形態1に係る提示装置300によるイメージ図であり、作業状況のイメージ図である。 実施形態1に係る建設工事方法を示すフローチャートである。 実施形態1の第3工程S3における測量の様子を示す図である。 実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10を用いた測量方法を示すフローチャートである。 従来における3D測量データの生成の様子を示す図である。 実施形態1における3D測量データD4の生成(逐次生成)の様子を示す図である。 実施形態1における3D測量データD4の生成であって、3Dレーザスキャナシステム10が測定可能な全範囲よりも小さい範囲について3D測量データD4を生成する様子を説明するために示す図である。 実施形態2における測量方法を示す図である。 実施形態2における測量方法を示すフローチャートである。 変形例1に係る3Dレーザスキャナ500を説明するために示す図である。 従来の3Dレーザスキャナ900を含む従来の3Dレーザスキャナシステム1000を説明する図である。
以下、本発明の実施形態に係る3Dレーザスキャナ、3Dレーザスキャナシステム、およびそれらを用いて建設作業機械及び建設工事方法について、図面を参照して説明する。なお、各図面は実際の寸法や細部までを厳密に表すものではない。
まず、実施形態に係る3Dレーザスキャナを備えた3Dレーザスキャナシステムを利用した、i−Constructionによる建設工事について説明する。i−Constructionによる建設工事は、第1工程(初期測量工程)、第2工程(施工計画策定工程)、第3工程(施工工程)、第4工程(検査工程)の4つの工程が、建設現場における施工対象を測量して取得した3D測量データ、及びCAD等を用いて作成された3D設計データ使って管理される。以下に説明する実施形態の中で用いられる3D測量データは、3Dレーザスキャナによって施工対象を測量して取得されたものである。
[実施形態1]
(1.建設作業機械1の構成)
図1は、実施形態1に係る建設作業機械1を示す。実施形態1の建設作業機械1は、例えば油圧ショベルで、オペレータ室の屋根に後述する3Dレーザスキャナシステム10が取り付けられている。これにより、建設作業機械1のオペレータは、オペレータ室に居ながら、3Dレーザスキャナシステム10の測量結果を確認しながら掘削作業を行うことが可能である。
(2.3Dレーザスキャナシステム10の構成)
図2は、実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10のブロック図である。図2では、2点鎖線矢印が光路を示し、細い点線又は細い点線矢印が複数の部分の機械的接続又は電気的な接続を示し、楕円が各部で生成されるデータを示す。
3Dレーザスキャナシステム10は、建設現場における施工対象の3D測量データを生成するために、3Dレーザスキャナ100と、情報処理装置200と、提示装置300とを備えている。3Dレーザスキャナ100は、施工対象の点群データD1とカラーデータD2を生成し、これら点群データD1とカラーデータD2を用いて送信単位毎にスキャンデータD3を生成する。
情報処理装置200は、有線又は無線(例えば、Wifi)によって3Dレーザスキャナ100に接続されており、3Dレーザスキャナ100が送信単位毎に生成したスキャンデータD3を用いて3D測量データD4を生成する。提示装置300は、有線又は無線(例えば、Wifi)によって情報処理装置200に接続されており、3D測量データD4に基づく出力データD8を出力する。
「送信単位」とは、3Dレーザスキャナ100が、有線又は無線で外部機器と接続した際に、外部機器に送信する送信フレーム毎のデータである。例えば、送信単位毎のスキャンデータは、施工対象全範囲の内の一部の施工対象範囲のデータ、具体的には、施工対象全範囲に含まれる小区画、各ライン、又各点のデータである。そのため、施工対象全範囲の測量は、送信単位毎のスキャンデータが複数回、逐次送信されて完了する。すなわち、一回の測量の中で、送信単位毎のスキャンデータが複数回、逐次送信される。
(2−1.3Dレーザスキャナ100の構成)
図3(図3(a)と図3(b))は、実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100を示し、そこでは3Dレーザスキャナ100の内部に格納されている部品が破線で示され、光の進行経路が2点鎖線矢印で示され、各部の電気的な繋がりが細い点線で示されている。
3Dレーザスキャナ100は、建設現場における施工対象の3D測量データを生成するもので、支持体100Aとスキャナ本体100Bを備えている。
支持体100Aは、鉛直軸の周りを360°回転可能に、スキャナ本体100Bを支持している。そのために、支持体100Aは、モータ101、減速機102、及び回転軸103を備えており、モータ101の回転を減速機102から回転軸103に伝達することで、スキャナ本体100Bを回転させる。支持体100Aは、支持体100Aを建設作業機械1(図1参照)に着脱可能に固定するための取り付け部(不図示)を備えている。支持体100Aは、水平面に対する3Dレーザスキャナ100の傾きを示す水準器又はその傾きを検出する素子(不図示)を備えている。
スキャナ本体100Bは、略直方体状をしており、図3(a)に示すように中央部において上端から下方に伸びるとともに水平方向に向けてスキャナ本体100Bを貫通する溝状の入出射空間104が形成されている。好ましくは、スキャナ本体100Bの外面には、操作方法等の表示(不図示)が設けられている。
スキャナ本体100Bは、レーザ計測部110と、撮像部120と、スキャンデータ生成部131を含むスキャナ処理部130と、スキャンデータ送信部141を含む通信部140とを備えている。
3Dレーザスキャナ100は、3D測量データD4を生成するための点群データD1及びカラーデータD2を生成し、さらに、点群データD1とカラーデータD2を合成してスキャンデータD3を生成する。点群データD1は施工対象の3D座標位置情報を含み、カラーデータD2は施工対象の色彩情報を含むデータである。スキャンデータD3は、点群データD1とカラーデータD2の少なくともいずれかの情報を含み、3Dレーザスキャナ100の送信フォーマットに変換したデータである。実施形態1のスキャンデータD3は、点群データD1とカラーデータD2とを合成したカラー点群データである。3D測量データD4の生成過程は後述する。
レーザ計測部110は、施工対象にレーザ光を照射し、施工対象でのレーザ光の反射による戻り光を検出する。そのために、レーザ計測部110は、レーザダイオード111、孔あきミラー112、回転ミラー113、モータ114、集光レンズ115、及び、戻り光検出用フォトダイオード116を含む。
レーザダイオード111は、レーザ光を発振する発光素子で、スキャナ処理部130と電気的に接続されており、計測時、スキャナ処理部130に制御され、溝状入出射空間104の延伸方向(図の表裏方向)と直交する水平方向(図の左右方向)に向けて、入出射空間104にレーザ光を発振する。孔あきミラー112は、レーザダイオード111と入出射空間104との間でレーザ光軸に45°傾斜させて配置されている。孔あきミラー112は、レーザ光軸上に小さな孔が形成されており、孔あきミラー112に入射するレーザ光の一部のみが孔を透過し、その他のレーザ光が反射するようにしてある。回転ミラー113は、円筒形のロッドミラーで、一端に中心軸と45°の角度をもって交差する傾斜反射面を有する。回転ミラー113は、傾斜反射面を入出射空間104に位置させ、レーザダイオード111から発振されて孔あきミラー112の孔を透過するレーザ光の光軸に中心軸を一致させた状態で配置されている。モータ114は回転ミラー113の他端に連結されている。また、モータ114は、スキャナ処理部130に電気的に接続されている。これにより、モータ114は、スキャナ処理部130からの信号に基づいてレーザ光軸を中心に回転ミラー113を回転し、回転ミラー113の傾斜反射面で反射されたレーザ光を垂直面内で走査する。集光レンズ115は、施工対象からの反射レーザ光で、回転ミラー113の傾斜反射面、さらに孔あきミラー113で反射したレーザ光を集光させるレンズである。戻り光検出用フォトダイオード116は、集光レンズ115で集光された戻りレーザ光を検出する受光素子である。戻り光検出用フォトダイオード116は、スキャナ処理部130内のスキャンデータ生成部131(図2参照)と電気的に接続されており、検出した戻り光を電気信号に変換してスキャンデータ生成部131に送る。
このような構成を備えたレーザ計測部110は、レーザダイオード111で発振したレーザ光を、孔あきミラー112の孔と回転ミラー113を経由して施工対象に照射する一方、施工対象で反射してきた戻り光を、回転ミラー113、孔あきミラー112(中央の孔の周りの反射面)、及び集光レンズ115を経由して戻り光検出用フォトダイオード116で検出する。また、レーザ計測部110は、モータ101を駆動してスキャン本体100Bを鉛直軸の周りで回転しながら、モータ114を駆動して垂直面内でレーザ光を走査し、これにより、鉛直軸を中心とする360°全周についてほぼ全天方向からの戻り光を検出して、周囲の位置情報を取得する。
撮像部120は、全方位(全天球)カメラ121から構成され、施工対象を撮像してカラー画像を取得する。
全方位カメラ121は、一方の側を向く画角180°の魚眼レンズ121aと他方の側を向く画角180°の魚眼レンズ121bとを有しており、全方位の景色をカラー撮像することができる。全方位カメラ121は、スキャナ本体100Bの上部に、それぞれの魚眼レンズ121a,121bが水平方向を向くように取り付けられている。全方位カメラ121は、2つの魚眼レンズ121a,121bを通し、それぞれの魚眼レンズに対応する撮像素子(不図示)によって検出されたそれぞれの信号を合成して一つの全方位カラー画像を作成する。したがって、全方位カラー画像の各画素は色情報(例えば、RGB色情報)を含む。
スキャンデータ生成部131を含むスキャナ処理部130は、各種データ処理を行う他、3Dレーザスキャナ100の動作を制御する。そのために、スキャナ処理部130は、記憶部132を有し、記憶部132にデータを一時的又は恒久的に記憶する。
スキャンデータ生成部131は、レーザ計測部110と撮像部120に接続されており、レーザ計測部110が検出した戻り光をもとに全方位の点群データD1を生成するとともに撮像部120が取得したカラー画像をもとに全方位カラー画像を作成し全方位のカラーデータD2を生成する。また、スキャンデータ生成部131は、点群データD1とカラーデータD2を用いて、送信単位毎のスキャンデータD3を生成する。スキャンデータ生成部131は、点群データD1を生成する際、一の点データと当該一の点データの直前に取得した別の点データとの差分値を用いた差分点群データを含む点群データを生成する。さらに、スキャンデータ生成部131は、合成部131aを有しており、合成部131aにおいて、点群データD1とカラーデータD2とを合成してスキャンデータD3を生成する。スキャンデータD3は適当な形式(例えば、zip形式)に圧縮してもよい。
点群データD1とカラーデータD2の合成について説明する。図3(a)及び図3(b)に示すように、レーザ計測部110と撮像部120は異なる場所に設置されている。したがって、スキャンデータ生成部131において生成された全方位の点群データの座標原点は全方位カメラ121において作成された全方位カラー画像の視点中心と異なることになる。(原点差異)
また、仮に全方位の点群データの座標原点と全方位カラー画像の視点中心が同一であるとしても、光学系の各種収差等が影響することにより、周囲に存在する物体に対する水平角情報および垂直角情報が全方位の点群データと全方位カラー画像とでは差異を生じてしまう場合があり、必ずしも一致しない。(座標誤差)
そのため、個々の3Dレーザスキャナ100において、製造時又は出荷前に、原点差異や座標誤差を解消させるための処理(キャリブレーション)が行われている。具体的に、キャリブレーションでは、3Dレーザスキャナ100の周囲にマーカと呼ばれる特徴点となるものを配置した上で周囲を走査し、得られた全方位の点群データと全方位カラー画像とにおいて、このマーカに対する水平角情報および垂直角情報を一致させる変換パラメーターを演算によって求める、といった処理を行う。この変換パラメーターは、例えば、全方位カラー画像での立体座標値を全方位の点群データの立体座標値に変換する際のマトリックス演算に用いる数列である。このような変換パラメーターを利用することによりカラーデータの座標系が較正されて、点群データの各点について該点に対応したカラーデータ画素が割り付けされている。
マーカは少なくとも3つ必要であるが、数が多いほど変換パラメーターの精度が向上する。マーカは形状や色彩のコントラストが強い物体であり、例えば市松模様に塗装された板状のものであったり、あるいは白色など高い反射率の球状のものであったりする。したがって、点群データD1の各点には適正なカラーデータD2が付与される。その結果、スキャンデータ生成部131は、点群データD1の各データに、これに対応するカラーデータD2の画素が有するカラー情報を加えて、スキャンデータD3を生成できる。
スキャンデータ送信部141を含む通信部140は、外部機器とのデータの授受を行う。スキャンデータ送信部141は、スキャンデータ生成部131に接続され、スキャンデータ生成部131から送信単位毎のスキャンデータD3を受け取る。スキャンデータ送信部141は、有線又は無線(例えば、WiFi)により、外部機器に向けて、送信単位毎のスキャンデータD3を逐次送信する。
(2−2.情報処理装置200の構成)
図2に戻り、情報処理装置200は、コンピュータであり、データ通信を行う情報通信部210とデータ処理を行う情報処理部220とを有している。情報処理装置200は、3Dレーザスキャナ100から送信されたスキャンデータD3を用いて3D測量データD4を生成する。
情報通信部210は、情報受信部211と情報送信部212とを含み、有線又は無線(例えば、WiFi)によりデータの授受を行う。情報受信部211は、3Dレーザスキャナ100のスキャンデータ送信部141に接続され、3Dレーザスキャナ100からスキャンデータD3を受信する。情報送信部212は、情報処理部220がデータ処理したデータを送信する。
情報処理部220は、情報演算部221と情報記憶部222とを含み、情報処理装置200の各部の制御やデータ処理等を行う。情報演算部221はCPUであり、情報処理装置200の各部の制御やデータ処理を司る。情報記憶部222は、メモリであり、情報受信部211で受信したデータ、情報演算部221が処理するデータを記憶する。情報記憶部222には、3Dレーザスキャナシステム10を測量に使用する際、事前に3D設計データ等の施工目標とする目標形状データD50を記憶させておく。情報処理部220は、3Dレーザスキャナシステム10を使った測量時、スキャンデータD3に基づき、3D測量データD4を生成する。なお、3D測量データD4のうち、施工現場の現況を示すデータを現況形状データD40という。
情報処理部220は現況形状データD40と目標形状データD50との比較結果を示す提示データD60を生成する。情報記憶部222は、目標形状データD50として複数の中間目標形状データを記憶可能である。情報処理部220は、現況形状データと中間目標形状データとの比較結果に基づく提示データD60として中間提示データを生成することも可能である。情報処理部220は、これら3D測量データD4としての現況形状データD40、目標形状データD50、及び提示データD60を基に、提示装置300に出力させるための出力データD8を生成する。
(2−3.提示装置300の構成)
提示装置は、ディスプレイやスピーカといった画像、映像、音、振動、等によるヒューマンインターフェイスデバイスである。実施形態1において、提示装置300はディスプレイである。提示装置300は、デバイス通信部310とデバイス処理部320とデータ出力(提示)を行うデバイス出力部330とを備えている。提示装置300は、情報処理装置200が生成する出力データD8を受信して、ディスプレイ画面上に測量結果を出力(表示)する。
デバイス通信部310は、デバイス受信部311を有しており、有線又は無線(例えば、WiFi)によりデータ通信を行う。デバイス受信部311は、情報処理装置200に接続され、情報処理装置200から出力データD8を受信する。
デバイス処理部320は、デバイス通信部310が受信したデータの処理や、提示装置300の各部の制御等を行う。
デバイス出力部330は、モニター画面であり、デバイス処理部320の制御に従ってデバイス通信部310が受信した3D測量データD4である現況形状データや提示データを表示する。
図4は、実施形態1に係る提示装置300に表示されるヒートマップである。
図5は、実施形態1に係る提示装置300に表示される作業状況である。図5(a)は全体進捗状況が示し、図5(b)は特定断面の掘削状況を示す。
提示装置300は、情報処理装置200によって現況形状データD40と目標形状データD50とを比較して得られた提示データD60に基づいて生成された出力データD8を用いて、図4に示すように、色分けされた(図4ではハッチングの違いとして示している。)ヒートマップを表示してもよい。ヒートマップは、例えば、目標形状データD50に対して、目標の高さ範囲よりも高い区画A1を青色(削り不足)、目標高さ範囲にある区画A2を緑色(適切な施工)、又は、目標高さ範囲よりも低い区画A3を赤色(削りすぎ)で表示した形状データである。
また、提示装置300は、情報処理装置200によって現況形状データD40、目標形状データD50、及び作業を行っている建設機械を示す建設作業機械形状データD70を重ね合わせた出力データD8を生成し、この出力データD8を用いて図5(a)に示す全体的な進捗状況を示す形状データを表示してもよい。
また、提示装置300は、出力データD8を使用して、図5(b)に示す、任意の断面の掘削状況を示す形状データを表示してもよい。
さらに、提示装置300は、出力データD8を、視覚用デバイス以外のデバイスに出力して提示してもよい。例えば、情報処理装置200によって、現況形状データの示す高さが目標形状データの示す高さよりも低くなったとき、出力データを用いてスピーカ等の発音装置から警告音を発してもよい。
(3.実施形態1に係る建設工事方法)
図6は、実施形態1に係る建設工事方法を示すフローチャートである。図示するように、実施形態1に係る建設工事方法は、施工前の測量を行う第1工程S1と、施工計画を策定する第2工程S2と、施工を行う第3工程S3と、施工後の検査を行う第4工程S4をこの順序で実施する。実施形態1の建設工事方法では、全工程が3Dデータを活用して施工管理が行われる。
第1工程S1では、ドローン、トータルステーション、3Dレーザスキャナシステム等を用いて、施工前の建設現場を3D測量し、施工前の施工対象の形状データである初期形状データを取得する。
第2工程S2では、初期形状データと、施工目標とする目標形状データとに基づいて施工計画を策定する。例えば、第2工程S2では、初期形状データと目標形状データである設計データとを用いて、初期形状データと目標形状データの差から切り土量と盛り土量の算出をし、工数、工期、及び費用の算出をし、具体的に施工計画を策定する。
第3工程S3では、施工計画に従って、建設作業機械1を用いて施工を行う。このとき、建設作業機械1に搭載された3Dレーザスキャナシステム10が作成した3D測量データである現況形状データと目標形状データとを利用して作業を進める。
図7は、実施形態1の第3工程S3における測量の様子を示す図である。第3工程S3では、建設作業機械1のオペレータは、図7に示すように、施工対象に対して3Dレーザスキャナ100を含む3Dレーザスキャナシステム10を用いて施工対象を測量する。3Dレーザスキャナシステム10による3D測量においては、点群データを利用して3D測量データが生成される。3Dレーザスキャナシステム10による測量結果は、車内の提示装置300に、即時表示される。建設作業機械1のオペレータは、測量結果を参照しながら作業を進めることができる。3Dレーザスキャナシステム10を用いた測量方法の詳細については、後述する。
第4工程S4では、施工後の施工対象について、3Dレーザスキャナ等を使用して検査対象の形状データを取得する。第4工程S4では、検査対象の形状データが目標形状データに適合しているか否かについて検査を行う。検査に合格すれば、建設工事が終了となる。3Dレーザスキャナ(3Dレーザスキャナシステム)を用いた3D測量データの精度は高いことから、第4工程S4では、検査対象の形状データとして、第3工程S3で3Dレーザスキャナシステム10が最終的に生成した3D測量データD4を用いることが好ましい。
(4.実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10を用いた測量方法)
図8は、実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10を用いた測量方法を示す。図示する測量作業は、第3工程S3中の作業の合間に行われ、建設作業機械1の移動や作業に伴って3Dレーザスキャナ100と施工対象との位置関係や施工対象の状況が変化する中で行われる。
3Dレーザスキャナ100の絶対位置(機械座標)を得るために、施工環境中に一つ又は複数のマーカを固定し、3Dレーザスキャナ100とマーカとの相対的位置関係を算出する。
グローバル・ポジショニング・システム(GPS)を用いて3Dレーザスキャナ100の絶対位置を把握してもよい。
その他、撮像部20の撮像によって得られた画像から3Dレーザスキャナ100の絶対位置を把握するようにしてもよい。
実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10を用いた測量方法は、図8に示すように、3Dレーザスキャナ処理工程10、情報処理装置処理工程20、及び提示装置処理工程30を含む。実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10を用いた測量方法では、3Dレーザスキャナ処理工程10、情報処理装置処理工程20、提示装置処理工程30がそれぞれ、3Dレーザスキャナ100、情報処理装置200、及び提示装置300で実行される。
3Dレーザスキャナ処理工程10では、撮像ステップS11、レーザ計測ステップS12、スキャンデータ生成ステップS13、スキャンデータ送信ステップS14及び測量終了判定ステップS15が、3Dレーザスキャナ100によって実行される。撮像ステップS11とレーザ計測ステップS12は、いずれのステップを先に実行してもよいし、同時に実行してもよい。
撮像ステップS11では、撮像部120における全方位カメラ121によって、撮像部120を回転させることなく施工対象を撮像し、1度の撮像で施工対象全範囲のカラー画像を得る。得られたカラー画像は、スキャンデータ生成部131に送られて、スキャナ処理部130の記憶部132に記憶される。撮像ステップS11は、適宜のタイミングで繰り返し行われる。
レーザ計測ステップS12では、レーザ計測部110によって、施工対象にレーザを照射するとともに、施工対象で反射したレーザ光を検出する。検出された戻り光は電気信号に変換される。変換された信号は、順次スキャンデータ生成部131に送られ、スキャナ処理部130の記憶部132に記憶される。
スキャンデータ生成ステップS13では、レーザ計測ステップS12で得られた戻り光の信号を送信単位相当毎に区切り、そこに含まれる施工対象の所定の範囲内の位置情報を算出して送信単位毎の点群データD1を生成する。送信単位となる点群データは、1点の点データだけの場合もあり得る。次に、スキャンデータ生成ステップS13では、撮像ステップS11で直近に得られたカラー画像から、送信単位毎の点群データD1に対応する位置の色彩情報を取得してカラーデータD2を生成する。次に、スキャンデータ生成ステップS13では、送信単位毎の点群データD1とカラーデータD2とを合成し、送信単位毎のスキャンデータD3(カラー点群データ)を生成する。スキャンデータ生成ステップS13は、撮像ステップS11及びレーザ計測ステップS12を実行している最中でも、これら両ステップS11,S12実行途中で送られてくるカラー画像及び戻り光に基づく信号が揃えば開始できるため、これらステップS11,S12が並行して実行される。
スキャンデータ送信ステップS14では、スキャンデータ生成ステップS13で得られた送信単位毎のスキャンデータD3を逐次情報処理装置200に送信する。
測量終了判定ステップS15では、測量が完了したかを判定する。この判定は、例えば、記憶部132に記憶された戻り光の信号がすべてスキャンデータD3に処理されたかを確認することによって行われる。測量が未完了であればスキャンデータ生成ステップS13に戻り、測量が完了すると3Dレーザスキャナ処理工程10を終了する。
情報処理装置処理工程20では、スキャンデータ受信ステップS21、3D測量データ生成ステップS22、提示データ生成ステップS23、出力データ生成ステップS24、出力データ送信ステップS25及び測量終了判定ステップS26が、この順序で情報処理装置200によって実行される。
スキャンデータ受信ステップS21では、情報通信部210の情報受信部211が、スキャンデータ送信ステップS14で逐次送信された送信単位毎のスキャンデータD3を受信する。受信された送信単位毎のスキャンデータD3は、情報処理部220に送られる。
3D測量データ生成ステップS22では、情報処理部220が送信単位毎のスキャンデータD3を用いて、送信単位毎の現況形状データD40を含む3D測量データD4を逐次生成する。
ここで「逐次生成」とは、測量領域のデータがすべて揃うのを待たず、入力されてくるデータ(例えば、直近に取得したデータ)を逐次処理して3D測量データD4を生成することをいう。
3D測量データD4の逐次生成について、図9〜図11を用いてさらに説明する。
図9は、従来の3D測量データの生成処理を示す。
図10は、3D測量データD4の生成(逐次生成)処理を示す。特に、図10(a)は所定の数の点(例えば、1列分の点)ごとに3D測量データD4を生成する処理を示し、図10(b)は1点ごとに3D測量データD4を生成する処理を示す。
図11は、別の3D測量データD4の生成処理であって、3Dレーザスキャナシステム10が測定可能な全範囲よりも小さい範囲について、3D測量データD4を生成する処理を示す。
これらの図9〜図11において、白い四角形は生成処理が行われていない3D測量データを表し、黒い四角形は生成処理が行われた3D測量データを示す。
3Dレーザスキャナによって得られる各点の情報は、垂直面内の回転角(高度角)θ、水平面内の回転角(水平角)φ、3Dレーザスキャナの機械座標から測定対象(施工対象)までの距離rを含む。ただし、理解を容易にするために、図9〜図11は、高度角θと水平角φだけを使って、3D測量データを平面に展開して示している。
従来の測量方法においては、図9に示すように、3Dレーザスキャナが測定したすべてのデータを一度に処理して3D測量データを生成していた。この場合、当該測定点の数に相応する数の点群データが一度にまとめて処理される。
この方法によれば、3Dレーザスキャナは膨大な数の測定点の情報を取得するため、一測量あたりのデータ処理量が相当大きく、データ処理時間が相当長くなる(例えば、数時間程度から半日程度)。そのため、従来の測量方法では、建設工事の第3工程中(施工工程中)に行った測量の結果を、第3工程の作業に活用できなかった。
これに対し、実施形態1の測量方法では、図10(a)及び図10(b)に示すように、3Dレーザスキャナ100が取得したすべての点群データD1を一度に処理せず、所定量の点群データが取得される度に順次処理し、当該処理を行った部分について3D測量データD4の生成を行う。このようにすることで、一度に処理すべきデータの量を少なくでき、その結果、データ処理の時間を短縮できる。
なお、3Dレーザスキャナ100が走査可能なすべての範囲について距離測定を行ってもよいし、その範囲のうちの一部についてのみ(例えば、施工対象の範囲のみ。図11参照。)行ってもよい。
提示データ生成ステップS23では、情報処理部220が、3D測量データ生成ステップS22で生成された現況形状データD40と測量開始時に情報記憶部222に記憶されている目標形状データD50とを比較し、所望の目的に応じて提示データD60を生成する。例えば、図4に示すヒートマップを生成する。
出力データ生成ステップS24では、情報処理部220が現況形状データD40、目標形状データD50、及び提示データD60等に基づいて、提示装置300に提示させたいデータとして送信単位毎の出力データD8を生成する。
出力データ送信ステップS25では、出力データ生成ステップS24で生成された送信単位毎の出力データD8が、情報送信部212によって逐次提示装置300に送信される。
測量終了判定ステップS26では、測量が完了したかを判定(例えば、最終の出力データD8が出力されたか否か判定)し、完了するとスキャンデータ受信ステップS21に戻り、完了すると情報処理装置処理工程20を終了する。
提示装置処理工程30では、出力データ受信ステップS31、出力データ提示ステップS32、更新判定ステップS33が順次提示装置300で実行される。
出力データ受信ステップS31では、デバイス通信部310のデバイス受信部311が、出力データ送信ステップS25で逐次送信された送信単位毎の出力データD8を受信する。受信された送信単位毎の出力データD8は、デバイス処理部320に送られる。
出力データ提示ステップS32では、送信単位毎の出力データD8に基づくデバイス処理部320の制御により、デバイス出力部330が施工対象の3D画像を表示する。
更新判定ステップS33では、新たな出力データD8を受信すると、新たな出力データD8に基づくデバイス処理部320の制御によって、デバイス出力部330が表示画面を更新する。
(5.実施形態1の効果)
実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100では、撮像部120は全方位カメラ121を備えており、この全方位カメラ121で施工対象を撮像してそのカラー画像を取得する。特に、全方位のカラー画像を取得する場合でも、撮像部120を回転移動させる必要がないため、撮像時間を短縮きる。また、全方位カメラ121は施工対象のカラー画像を一の画像として取得可能である。そのため、複数枚のカラー画像を合成する必要がなく、画像処理に要する時間を短縮できる。
実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100によれば、レーザ計測部110が検出した点群データD1と撮像部120が取得したカラーデータD2から送信単位毎のスキャンデータD3を生成するスキャンデータ生成部131を備えている。そのため、3Dレーザスキャナ100によれば、点群データD1を送信単位毎にデータ量を小さくして扱うことができるため、スキャンデータD3の生成時間を短くできる。
また、実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100によれば、送信単位毎のスキャンデータD3を送信するスキャンデータ送信部141を備えている。そのため、スキャンデータ生成部131が生成した送信単位毎のスキャンデータD3を逐次送信し、測量結果をすぐに3D測量データD4の生成のために利用できる。
その結果、実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100は、第3工程S3において長時間作業を停止させることなく、短時間で3D測量データD4を生成できる。
実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100によれば、スキャンデータ生成部131は、点群データD1とカラーデータD2とを合成してスキャンデータD3を生成する合成部131aを有する。したがって、データを受け取る側(例えば情報処理装置200)が点群データD1とカラーデータD2とを合成することなくスキャンデータD3が得られるため、外部機器によるカラー化処理の負担を低減できる。
実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100によれば、撮像部120が一測量当り複数のカラー画像を取得してもよい。この場合、測量中に施工現場の状況が変化しても、スキャンデータ生成部131がスキャンデータD3を生成する際に、状況変化後のカラーデータD2を用いることができる。その結果、実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100は、第3工程S3において作業を停止させることなく短時間でスキャンデータD3を生成可能である。
実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100によれば、スキャンデータ生成部131が点群データD1を生成するに際して、一の点データと一の点データの直前に位置する他の点データとの差分値を用いた差分点群データを含む点群データD1を生成する。したがって、点群データD1のサイズが小さくなり、その後スキャンデータD3及び3D測量データD4を生成する過程でデータ授受がスムーズになる。その結果、実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100は、測量結果をすぐに3D測量データD4の生成のために用いることができる3Dレーザスキャナとなる。
実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10によれば、点群データD1及びカラーデータD2を用いて送信単位毎にスキャンデータD3を生成する3Dレーザスキャナ100と、3Dレーザスキャナ100が生成したスキャンデータD3を用いて3D測量データD4を生成する情報処理装置200とを備えることから、建設現場で3D測量データD4を生成することが可能となる。また、実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10によれば、3D測量データD4に基づく出力データD8を出力する提示装置300を備えることから建設現場で測量結果を確認することが可能となる。この際、実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10は、3Dレーザスキャナ100を備えていることから、3Dレーザスキャナ100から送信される送信単位毎のスキャンデータD3を用いて逐次3D測量データを生成することが可能である。
その結果、実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10は、第3工程S3において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データD4を利用可能とする3Dレーザスキャナシステムとなる。
実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10によれば、情報処理装置200が施工目標とする目標形状データD50を記憶する情報記憶部222を含む情報処理部220を有し、情報処理部220がスキャンデータD3に基づき3D測量データD4としての現況形状データD40を生成し、現況形状データD40と目標形状データD50との比較結果に基づく提示データD60を生成することから、実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10は、目標に対する状況把握がしやすい3Dレーザスキャナシステムとなる。
実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10によれば、情報記憶部222が目標形状データD50として複数の中間目標形状データを記憶可能であり、情報処理部220が現況形状データD40と中間目標形状データとの比較結果に基づく提示データD60としての中間提示データを生成してもよいことから、実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10は、最終目標のみならず、中間目標(例えば、日々の進捗目標)に対しても状況把握がしやすい3Dレーザスキャナシステムとなる。
実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10は、提示装置300がディスプレイであることから、視覚でわかりやすく状況把握ができる3Dレーザスキャナシステムとなる。
実施形態1に係る3Dレーザスキャナシステム10は、ディスプレイに比較結果に基づき色分けされたヒートマップを表示可能であるため、状況把握が一目でしやすい3Dレーザスキャナシステムとなる。
実施形態1に係る建設作業機械1によれば、建設作業機械本体1Mと、建設作業機械本体1Mに搭載した3Dレーザスキャナとを備え、3Dレーザスキャナは、3Dレーザスキャナ100であるため、建設作業機械1目線で3Dレーザスキャナによる測量を行うことができる。その際、建設作業機械1は、3Dレーザスキャナ100を用いるため、第3工程S3において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データD4を利用することができる。
その結果、実施形態1に係る建設作業機械1は、第3工程S3において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データD4を利用可能な測量機器となる。
実施形態1に係る建設工事方法によれば、第3工程S3において、3Dレーザスキャナシステム10を使用して、3D測量データD4としての現況形状データD40と目標形状データD50とを用いて作業を行うことから、第3工程S3において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データを利用することができる。
その結果、実施形態1に係る建設工事方法は、第3工程S3において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データD4を利用可能な建設工事方法となる。
実施形態1に係る建設工事方法においては、第3工程S3の後に、施工後の施工対象の形状データである検査対象形状データが目標形状データD50に適合しているか否かについて検査を行う第4工程S4をさらに含んでいる。第4工程S4において、検査対象形状データとして、第3工程S3で3Dレーザスキャナシステム10が最終的に生成した3D測量データD4を用いて検査を行う場合には、第4工程S4で検査対象形状データを取得するために別途測量を行う必要がなくなるため、検査時間が短縮可能な建設工事方法となる。
[実施形態2]
図12は、実施形態2における測量方法を示す図である。図13は、実施形態2における測量方法を示すフローチャートである。なお、図13においては、実施形態1の測量方法と異なるステップ(3Dレーザスキャナ処理工程100)のみを示しており、実施形態2における測量方法においても、実施形態1における測量方法(図8参照。)と同様の情報処理装置処理工程20及び提示装置処理工程30は行われる。
実施形態1の場合と同様に、実施形態2においても、図12に示すように、3Dレーザスキャナとして、実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100と同じ構成の3Dレーザスキャナシステム10を用いる。但し、実施形態2においては、3Dレーザスキャナ100を三脚2Mに固定した状態で用いて測量を行うこととしている。なお、実施形態2においては、3Dレーザスキャナ100を三脚2Mに固定したものを測量機器2ということにする。
実施形態2では、三脚2Mを地面にしっかり固定して測量することを前提とし、測量中に3Dレーザスキャナ100と施工対象との位置関係や施工対象の状況が大きく変化しない中での測量を想定している。この手の測量においては、測量精度が求められるためことが多く、測量の前準備として、3Dレーザスキャナ100の絶対位置を把握するために、施工環境中にマーカを固定配置し、そのマーカとの相対関係から算出することができるようにしておくことが好ましい。また、三脚2Mを地面に設置した際に、3Dレーザスキャナ100の位置、向きをしっかり把握しながら、三脚2Mによって調整しておくことが好ましい。
実施形態2における測量方法は、実施形態1と同様(図8参照。)としてもよいが、測量時間を短縮するために3Dレーザスキャナ処理ステップを図13に示すような3Dレーザスキャナ処理工程100とすることとしている。測量中に施工現場の状況が変化しない場合においては、一測量当りの点群データをカラー化する際に一のカラー画像を用いれば足りるからである。
3Dレーザスキャナ処理工程100は、図13に示すように、撮像ステップS110を一回のみ実施する。撮像ステップS110では、撮像部120における全方位カメラ121によって、撮像部120を回転させることなく施工対象を撮像し、1度の撮像で施工対象全範囲のカラー画像を得る。得られたカラー画像は、スキャンデータ生成部131に送られて、スキャナ処理部130における記憶部132に記憶される。その他のステップは、実施形態1で説明したものと同様となり、スキャンデータ生成部131が送信単位毎のスキャンデータD3を生成する。
実施形態2における測量方法を含む建設工事方法によれば、撮像部120が一測量当り一のカラー画像を取得し、スキャンデータ生成部131が一測量当り一のカラー画像を用いて送信単位毎のスキャンデータD3を生成することから、一測量当りの撮像回数が1回で済むため、測量時間を短縮することができる。
また、実施形態2における測量方法を含む建設工事方法によれば、3Dレーザスキャナ100を三脚2Mによって地面に安定させた状態で測量を行えることから、より精度の高い3D測量データD4を得ることができる。
また、実施形態2における測量方法を含む建設工事方法によれば、3Dレーザスキャナ100が三脚2Mに設置された状態の測量機器2が持ち運び可能なサイズであることから、建設工事における第1工程(初期測量工程)S1で用いやすい建設工事方法となる。さらにまた、第1工程(初期測量工程)においても、第3工程(施工工程)で用いる3Dレーザスキャナと同等規格の3Dレーザスキャナを用いて測量を行えば、工程ごとに異なる測量機器や異なる規格の3Dレーザスキャナを用いる場合と比較して、測定基準や精度を揃えることができ、その結果、工程戻りの発生を抑制可能な建設工事方法となる。
[変形例1]
図14は、変形例1に係る3Dレーザスキャナ500を説明するために示す図である。図14(a)は正面図である。図14(b)は側面図である。
変形例1に係る3Dレーザスキャナ500は、基本的には実施形態に係る3Dレーザスキャナ100と同様の構成を有するが、撮像部の構成が実施形態に係る3Dレーザスキャナ100の場合と異なる。すなわち、図14に示すように、変形例1に係る3Dレーザスキャナ500においては、撮像部として、スキャナ本体500Bの両側面に配置された魚眼レンズ521a,521bを有する全方位カメラ521から構成される撮像部520を用いる。
このように、変形例1に係る3Dレーザスキャナ500においては、撮像部が実施形態に係る3Dレーザスキャナ100の場合と異なるが、全方位カメラから構成される撮像部を備えていることから実施形態1に係る3Dレーザスキャナ100の場合と同様に、第3工程S3において長時間作業を停止させることなく短時間で3D測量データD4を生成するための測量に用いることができる3Dレーザスキャナとなる。
以上、本発明を上記の実施形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記した各実施形態において記載した構成要素の数、形状、位置、大きさ、角度、光学特性等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
(2)上記した各実施形態においては、点群データD1及びカラーデータD2を合成する合成部として、3Dレーザスキャナ100内に構成された合成部131aを用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。情報処理装置200の情報処理部220内に構成した合成部を用いてもよい。すなわち、3Dレーザスキャナ100内では点群データD1及びカラーデータD2を合成せずにそれぞれに基づき別のスキャンデータを生成し、情報処理装置200に構成した合成部においてそれぞれのスキャンデータに含まれる点群データ成分(位置情報)及びカラーデータ成分(色彩情報)を抽出して、3D測量データとして合成してもよい。
(3)上記した各実施形態においては、撮像部の取り付け方向は、全方位カメラ121の魚眼レンズ121a,121bが水平方向を向く方向としているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、撮像部の取り付け方向は、全方位カメラの魚眼レンズが垂直方向を向く方向としてもよい。
(4)上記した各実施形態においては、測量によって得られた出力データD8の出力先として、建設現場における提示装置300としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、D8の出力先は、インターネット回線を介し、離れた地域におけるディスプレイとしてもよい。このようにすることで、建設作業現場にいなくても、工事状況をほぼリアルタイムで把握できるようにすることも可能である。
(5)上記した実施形態1においては、第3工程S3で用いられる建設作業機械として、オペレータが操縦する建設作業機械であるとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第3工程S3で用いられる建設作業機械は、提示データD60を建設作業機械1に作業指示するデータとして生成し、これに基づく出力データにより、自動操縦で作業を進める建設作業機械としてもよい。
1…建設作業機械
2…測量機器
2M…三脚
10…3Dレーザスキャナシステム
100,500…3Dレーザスキャナ
100A,500A…支持体
100B,500B…スキャナ本体
101…水平回転モータ
102…減速機
103…水平軸
104…入出射空間
110…レーザ計測部
111…レーザダイオード
112…孔あきミラー
113…回転ミラー
114…垂直回転モータ
115…集光レンズ
116…戻り光検出用フォトダイオード
120,520…撮像部
121,521…全方位カメラ
121a,121b,521a,521b…魚眼レンズ
130…スキャナ処理部
131…スキャンデータ生成部
131a…合成部
132…記憶部
140…通信部
141…スキャンデータ送信部
200…情報処理装置
210…情報通信部
211…情報受信部
212…情報送信部
220…情報処理部
221…情報演算部
222…情報記憶部
300…提示装置
310…デバイス通信部
311…デバイス受信部
320…デバイス処理部
330…デバイス出力部
D1…点群データ
D2…カラーデータ
D3…スキャンデータ
D4…3D測量データ
D8…出力データ
D40…現況形状データ
D50…目標形状データ
D60…提示データ
D70…建設作業機械形状データ
S1…第1工程
S2…第2工程
S3…第3工程
S4…第4工程
S10,S100…3Dレーザスキャナ処理ステップ
S11,S110…撮像ステップ
S12…レーザ計測ステップ
S13…スキャンデータ生成ステップ
S14…スキャンデータ送信ステップ
S15…測量終了判定ステップ
S20…情報処理装置処理ステップ
S21…スキャンデータ受信ステップ
S22…3D測量データ生成ステップ
S23…提示データ生成ステップ
S24…出力データ生成ステップ
S25…出力データ送信ステップ
S26…測量終了判定ステップ
S30…提示装置処理ステップ
S31…出力データ受信ステップ
S32…出力データ提示ステップ
S33…更新判定ステップ

Claims (16)

  1. 建設現場における施工対象の3D測量データを生成するために用いる3Dレーザスキャナであって、
    前記施工対象にレーザ光を照射し、前記施工対象での前記レーザ光の反射による戻り光を検出するレーザ計測部と、
    全方位カメラから構成され、前記施工対象を撮像することでカラー画像を取得する撮像部と、
    前記レーザ計測部が検出した前記戻り光から点群データを生成するとともに前記撮像部が取得したカラー画像からカラーデータを生成し、前記点群データと前記カラーデータを用いて送信単位毎のスキャンデータを生成するスキャンデータ生成部と、
    前記スキャンデータ生成部に接続され、前記送信単位毎のスキャンデータを送信するスキャンデータ送信部と、
    を備えることを特徴とする3Dレーザスキャナ。
  2. 前記スキャンデータ生成部は、前記点群データと前記カラーデータとを合成して前記スキャンデータを生成する合成部を有することを特徴とする請求項1に記載の3Dレーザスキャナ。
  3. 前記撮像部は、一測量当り一のカラー画像を取得し、
    前記スキャンデータ生成部は、一測量当り前記一のカラー画像を用いて前記送信単位毎のスキャンデータを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の3Dレーザスキャナ。
  4. 前記撮像部は、一測量当り複数のカラー画像を取得し、
    前記スキャンデータ生成部は、直近に取得されたカラー画像を用いて前記送信単位毎のスキャンデータを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の3Dレーザスキャナ。
  5. 前記スキャンデータ生成部は、前記点群データを生成するに際して、一の点データと前記一の点データの直前に位置する他の点データとの差分値を用いた差分点群データを含む点群データを生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の3Dレーザスキャナ。
  6. 建設現場における施工対象の3D測量データを生成するために用いる3Dレーザスキャナシステムであって、
    点群データ及びカラーデータを生成し、これら点群データ及びカラーデータを用いて送信単位毎にスキャンデータを生成する3Dレーザスキャナと、
    前記3Dレーザスキャナに接続され、前記3Dレーザスキャナが生成した前記スキャンデータを用いて前記3D測量データを生成する情報処理装置と、
    前記情報処理装置に接続され、前記3D測量データに基づく出力データを出力する提示装置とを備え、
    前記3Dレーザスキャナは、請求項1〜5のいずれかに記載の3Dレーザスキャナであることを特徴とする3Dレーザスキャナシステム。
  7. 前記情報処理装置は、施工目標とする目標形状データを記憶する情報記憶部を含む情報処理部を有し、
    前記情報処理部は、前記スキャンデータに基づき前記3D測量データとしての現況形状データを生成するとともに、前記現況形状データと前記目標形状データとの比較結果に基づく提示データを生成することを特徴とする請求項6に記載の3Dレーザスキャナシステム。
  8. 前記情報記憶部は、前記目標形状データとして複数の中間目標形状データを記憶可能であり、
    前記情報処理部は、前記現況形状データと前記中間目標形状データとの比較結果に基づく前記提示データとしての中間提示データを生成することを特徴とする請求項7に記載の3Dレーザスキャナシステム。
  9. 前記提示装置は、ディスプレイであることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の3Dレーザスキャナシステム。
  10. 前記ディスプレイに前記比較結果に基づき色分けされたヒートマップを表示することを特徴とする請求項9に記載の3Dレーザスキャナシステム。
  11. 建設作業機械本体と、
    前記建設作業機械本体に搭載した3Dレーザスキャナとを備え、
    前記3Dレーザスキャナは、請求項1〜5のいずれかに記載の3Dレーザスキャナであることを特徴とする建設作業機械。
  12. 測量を行い、施工前の施工対象の形状データである初期形状データを取得する第1工程と、
    前記初期形状データと、施工目標とする目標形状データとに基づいて施工計画を策定する第2工程と、
    前記施工計画に従って、建設作業機械を用いて施工を行う第3工程とを含み、
    前記第3工程においては、請求項6〜10のいずれかに記載の3Dレーザスキャナシステムを使用して前記3Dレーザスキャナシステムが生成した3D測量データと前記目標形状データとを用いて作業を行うことを特徴とする建設工事方法。
  13. 前記第3工程の後に、施工後の前記施工対象の形状データである検査対象形状データが前記目標形状データに適合しているか否かについて検査を行う第4工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の建設工事方法。
  14. 前記第4工程では、前記検査対象形状データとして、前記第3工程で前記3Dレーザスキャナシステムが最終的に生成した3D測量データを用いて検査を行うことを特徴とする請求項13に記載の建設工事方法。
  15. 前記第1工程では、前記第3工程で用いる前記3Dレーザスキャナと同等規格の3Dレーザスキャナを用いて測量を行うことを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の建設工事方法。
  16. 前記点群データに含まれる少なくとも3つの特徴点と前記カラーデータにおいて該特徴点に対応する対応特徴点が同一座標上で対応するように前記点群データの座標系又は前記カラーデータの座標系が較正されて、点群データの各点に該点に対応したカラーデータ画素が割り付けされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の3Dレーザスキャナ。
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