JP2020003333A - 到来方向推定装置及び到来方向推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信アンテナ等で異常が生じた場合でも、電波のある程度正確な到来方向を推定することができる到来方向推定技術を提供する。【解決手段】到来方向推定装置は、複数の受信アンテナ31で得られた受信信号に基づく前記受信アンテナ毎の信号を取得する取得部と、前記受信アンテナ毎の信号の2つの組合せに基づく行列要素を有する相関行列を生成する生成部45と、複数の前記受信アンテナそれぞれに対応する複数の受信チャンネルの少なくとも一つで異常が発生しているか否かを判定する異常判定部46と、前記相関行列に基づいて電波の到来方向を推定する推定部48と、を備える。前記生成部は、前記異常と判定された前記受信チャンネルに関連する行列要素を、アンテナ距離の等しい別の信号の組合せに基づき、生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、電波の到来方向を推定する技術に関する。
レーダ装置は、電波を照射し、物標から反射してきた電波(反射波)を受信することで、反射波の到来方向を推定する。到来方向の推定方法は、反射波を受信する複数の受信アンテナで得られた受信信号の位相差や振幅差の情報から到来方向(角度)を算出する方法である。
特開2005−156337号公報(段落0068)
しかしながら、受信アンテナで異常が生じた場合又は受信アンテナから到来方向推定装置までの信号経路で異常が発生した場合、到来方向推定装置は誤った角度を算出してしまう。
特許文献1で開示されている車載用レーダ装置は、複数の受信アンテナのいずれかが故障した場合、物標の角度検出が不可能であると判断して物標までの距離のみを検出することで、誤った角度を算出してしまうことを防止する。特許文献1で開示されている車載用レーダ装置は、複数の受信アンテナのいずれかが故障した場合、角度算出が不可能になるという問題を有する。
本発明は、上記課題に鑑みて、受信アンテナ等で異常が生じた場合でも、電波のある程度正確な到来方向を推定することができる到来方向推定技術を提供することを目的とする。
本発明に係る到来方向推定装置は、複数の受信アンテナで得られた受信信号に基づく前記受信アンテナ毎の信号を取得する取得部と、前記受信アンテナ毎の信号の2つの組合せに基づく行列要素を有する相関行列を生成する生成部と、複数の前記受信アンテナそれぞれに対応する複数の受信チャンネルの少なくとも一つで異常が発生しているか否かを判定する異常判定部と、前記相関行列に基づいて電波の到来方向を推定する推定部と、を備え、前記生成部は、前記異常と判定された前記受信チャンネルに関連する行列要素を、アンテナ距離の等しい別の信号の組合せに基づき、生成する構成(第1の構成)である。
上記第1の構成の到来方向推定装置において、前記異常判定部は、異常判定対象の前記受信チャネルに対応する前記受信アンテナの信号と、他の前記受信チャネルに対応する前記受信アンテナの信号との比較結果に基づく判定を行う構成(第2の構成)であってもよい。
上記第2の構成の到来方向推定装置において、前記異常判定部は、異常判定対象の前記受信チャネルに対応する前記受信アンテナの信号のパワーと、他の前記受信チャネルに対応する前記受信アンテナの信号のパワーとの比較結果に基づく判定を行う構成(第3の構成)であってもよい。
上記第1〜第3いずれかの構成の到来方向推定装置において、前記生成部は、前記受信アンテナ毎の信号と、実在しない仮想受信アンテナの信号とに基づいて、前記相関行列を生成し、前記異常判定部は、前記仮想受信アンテナで前記異常が発生しているとみなす構成(第4の構成)であってもよい。
本発明に係る到来方向推定方法は、複数の受信アンテナで得られた受信信号に基づく前記受信アンテナ毎の信号を取得する取得工程と、前記受信アンテナ毎の信号の2つの組合せに基づく行列要素を有する相関行列を生成する生成工程と、複数の前記受信アンテナそれぞれに対応する複数の受信チャンネルの少なくとも一つで異常が発生しているか否かを判定する異常判定工程と、前記相関行列に基づいて電波の到来方向を推定する推定工程と、を備え、前記生成工程は、前記異常と判定された前記受信チャンネルに関連する行列要素を、アンテナ距離の等しい別の信号の組合せに基づき、生成する構成(第5の構成)である。
本発明に係る到来方向推定技術によると、受信アンテナ等で異常が生じた場合でも、電波のある程度正確な到来方向を推定することができる。
レーダ装置の構成例を示す図 信号処理装置の動作を示すフローチャート 角度推定処理の一例を示すフローチャート ピーク角度の例を示す図 受信アンテナの配置に関する変形例を示す図
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<1.レーダ装置の構成>
図1は本実施形態に係るレーダ装置1の構成を示す図である。レーダ装置1は、例えば自動車などの車両に搭載されている。以下、レーダ装置1が搭載される車両を「自車両」という。
レーダ装置1は自車両の前端に搭載されている。レーダ装置1は、自車両の前方に電波を照射し、自車両の前方に存在する物標から反射してきた電波(反射波)を受信することで、物標に係る物標データを取得する。
レーダ装置1は、物標から反射した反射波がレーダ装置1の受信アンテナに受信されるまでの距離(以下、「物標の距離」という。) [m]、自車両に対する物標の相対速度[km/h]、自車両の前後方向における物標の距離(以下、「縦位置」という。)[m]、自車両の左右方向における物標の距離(以下、「横位置」という。)[m]などのパラメータを有する物標データを導出する。縦位置は、例えば、自車両のレーダ装置1を搭載している位置を原点Oとし、自車両の前方では正の値、自車両の後方では負の値で表現される。横位置は、例えば、自車両のレーダ装置1を搭載している位置を原点Oとし、自車両の右側では正の値、自車両の左側では負の値で表現される。
図1に示すように、レーダ装置1は、送信部2と、受信部3と、信号処理装置4と、を主に備えている。信号処理装置4は、電波の到来方向を推定する到来方向推定装置の一例である。
送信部2は、信号生成部21と発信器22とを備えている。信号生成部21は、変調信号を生成し、発信器22に供給する。発信器22は、信号生成部21で生成された変調信号に基づいて連続波の信号を周波数変調し、時間の経過に従って周波数が変化する送信信号を生成し、送信アンテナ23に出力する。
送信アンテナ23は、発信器22からの送信信号に基づいて、送信波TWを自車両の前方に出力する。送信アンテナ23から自車両の前方に送信された送信波TWは、人、他車両などの物体で反射されて反射波RWとなる。
受信部3は、複数の受信アンテナ31と、その複数の受信アンテナ31に接続された複数の個別受信部32とを備えている。本実施形態では、受信部3は、例えば、4つの受信アンテナ31と4つの個別受信部32とを備えている。4つの受信アンテナ31はそれぞれ受信チャンネルch1〜ch4に対応している。4つの受信アンテナ31は、自車両の左右方向に沿って配置され、隣接するアンテナ間の距離は所定距離dである。なお、3つの所定距離dは、厳密に同一でなくてもよく、設計上の誤差やばらつきなどを考慮した上で3つの所定距離dが同一とみなすことができればよい。4つの個別受信部32は、4つの受信アンテナ31にそれぞれ対応している。各受信アンテナ31は物体からの反射波RWを受信して受信信号を取得し、各個別受信部32は対応する受信アンテナ31で得られた受信信号を処理する。
各個別受信部32は、ミキサ33とA/D変換器34とを備えている。受信アンテナ31で得られた受信信号は、ローノイズアンプ(図示省略)で増幅された後にミキサ33に送られる。ミキサ33には送信部2の発信器22からの送信信号が入力され、ミキサ33において送信信号と受信信号とがミキシングされる。これにより、送信信号の周波数と受信信号の周波数との差となるビート周波数を有するビート信号が生成される。ミキサ33で生成されたビート信号は、A/D変換器34でデジタルの信号に変換された後に、信号処理装置4に出力される。
信号処理装置4は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ41などを含むマイクロコンピュータを備えている。信号処理装置4は、演算の対象とする各種のデータを、記憶装置であるメモリ41に記憶する。メモリ41は、例えばRAM(Random Access Memory)などである。信号処理装置4は、マイクロコンピュータでソフトウェア的に実現される機能として、送信制御部42、フーリエ変換部43、及び、データ処理部44を備えている。送信制御部42は、送信部2の信号生成部21を制御する。
フーリエ変換部43は、複数の個別受信部32のそれぞれから出力されるビート信号を対象に、高速フーリエ変換(FFT)を実行する。これにより、フーリエ変換部43は、複数の受信アンテナ31それぞれの受信信号に係るビート信号を、周波数領域のデータである周波数スペクトラムに変換する。フーリエ変換部43で得られた周波数スペクトラムは、データ処理部44に入力される。
図1に示すように、データ処理部44は、主な機能として、ピーク抽出部44a、角度推定部44b、距離/相対速度算出部44c、連続性判定部44d、フィルタ部44e、物標分類部44f、不要物標判定部44g、グループ化部44h、及び出力物標選択部44iを備えている。
ピーク抽出部44aは、フーリエ変換部43による高速フーリエ変換結果においてピークとなるピーク周波数を抽出して角度推定部44bへ出力する。なお、ピーク抽出部44aは、アップ区間(送信波TWの周波数が上昇する区間)及びダウン区間(送信波TWの周波数が下降する区間)のそれぞれについてピーク周波数を抽出する。
角度推定部44bは、ピーク抽出部44aにおいて抽出されたピーク周波数のそれぞれに対応する反射波の到来角度を推定し、各ピーク周波数での信号強度(受信レベル)を算出する。すなわち、角度推定部44bは、各物標の角度を推定する。
距離/相対速度算出部44cは、各物標の距離及び相対速度を算出する。
連続性判定部44dは、今回検知された物標の瞬時値に、前回検知された物標と連続性があるか否かを判定する。なお、物標の瞬時値には、例えば物標の角度、物標の距離、及び物標の相対速度が含まれる。連続性判定部44dは、連続性判定部の物標に関する情報をフィルタ部44eへ出力する。
フィルタ部44eは、検知された各物標について、連続性がとれた今回の瞬時値と予測値とを所定の重み係数により平滑化する。即ち、下記の式が成り立つ。なお、αは0より大きく1より小さい。
フィルタ後の物標データ=α×予測値データ+(1-α)×瞬時値データ
フィルタ部44eは、フィルタ処理後の物標に関する情報を物標分類部44fへ出力する。
物標分類部44fは、フィルタ部44eのフィルタ処理結果等に基づき、各物標を移動物及び静止物に分類する。物標分類部44fは、分類結果を不要物標判定部44gへ出力する。
不要物標判定部44gは、各物標について、システム制御上、不要となる物標であるか否かを判定する。不要となる物標は、例えば、位相折り返しゴースト、構造物、壁反射などである。なお、不要物標判定部44gによって不要と判定された物標は、基本的に外部装置への出力対象としないが、内部的には保持されていてよい。不要物標判定部44gは、不要と判定しなかった物標に関する情報をグループ化部44hへ出力する。
グループ化部44hは、不要物標判定部44gによって不要と判定されなかった複数の物標のうち、同一物からの反射点であると推定されるものについて、1つの物標にまとめるグルーピングを行い、グルーピング結果を出力物標選択部44iへ出力する。
出力物標選択部44iは、システム制御上、外部装置へ出力することが必要となる物標を選択する。出力物標選択部44iは、選択した物標に関する物標情報を外部装置へ出力する。
外部装置は、例えば車両制御ECU5である。車両制御ECU5は、例えば、車速センサ6、舵角センサ7、スロットル8、及びブレーキ9に電気的に接続されている。車両制御ECU5は、レーダ装置1から取得した物標情報に基づいて、例えばACC(Adaptive Cruise Control)やPCS(Pre-crash Safety System)などの車両制御を行う。
<2.信号処理装置の動作>
次に、信号処理装置4の動作について説明する。図2は、信号処理装置4の動作を示すフローチャートである。信号処理装置4は、図2に示す処理を一定時間(例えば、1/20秒)ごとに周期的に繰り返す。
図2に示す処理の開始前に、送信制御部42による信号生成部21の制御が完了している。まず、フーリエ変換部43が、複数の個別受信部32のそれぞれから出力されるビート信号を対象に、高速フーリエ変換を実行する(ステップS1)。そして、4つの受信アンテナ31の全てに関する周波数スペクトラムが、フーリエ変換部43からデータ処理部44に入力される。
次に、ピーク抽出部44aが、周波数スペクトラムを対象にピーク周波数を抽出する(ステップS2)。ピーク抽出部44aは、周波数スペクトラムのうち、所定の閾値を超えるパワーを有するピークが表れる周波数を、ピーク周波数として抽出する。
次に、角度推定部44bは、方位演算処理により、抽出したピーク周波数の信号に係る物標の角度を推定する(ステップS3)。方位演算処理では、一つのピーク周波数の信号から、複数の角度、及びそれら複数の角度それぞれの信号のパワーが導出される。方位演算処理としては、ESPRIT、MUSIC、PRISMなどの周知の方位演算処理を用いることができる。ステップS3の角度推定処理の詳細については後述する。
角度推定処理の後、距離/相対速度算出部44cは、各物標の距離及び相対速度を算出する(ステップS4)。
続いて、連続性判定部44dが、物標の瞬時値に基づき、連続性判定処理を行う(ステップS5)。その後、フィルタ部44eが、連続性判定処理の処理結果に基づき、フィルタ処理を行う(ステップS6)。
続いて、物標分類部44fが、フィルタ処理の処理結果に基づき、物標分類処理を行う(ステップS7)。その後、不要物標判定部44gが、物標分類処理の処理結果に基づき、不要物標判定処理を行う(ステップS8)。
そして、グループ化部44hが、不要物標判定処理の処理結果に基づき、グルーピングを行う(ステップS9)。最後に、出力物標選択部44iが、グループ化処理の処理結果に基づき、出力物標選択処理を行い(ステップS10)、出力対象として選択された物標の物標情報を外部装置へ出力して、処理を終了する。
<3.角度推定処理の詳細>
図3は、角度推定処理の一例を示すフローチャートである。まず生成部45は、4行1列の受信信号ベクトルXを定義する。受信信号ベクトルXの各成分は、各受信アンテナ及び各受信アンテナのピーク抽出部44aで抽出されたピーク値である。受信信号ベクトルXの行成分はch1からch4の順で並んでいる。
生成部45は、受信信号の相関行列を生成する(ステップS31)。相関行列RXXは次のように表される。ここで[・]は、複素共役転置、xは複素共役を表す。相関行列RXXは4行4列の行列となる。
なお、受信チャンネルに異常が起こった場合は、ベクトルXを生成する時点で対応するピークがなかったり、異常な値となっている。その結果、相関行列も異常な受信チャンネルに関連する行列要素が異常な値であったり定義できない状態であることもある。そのような場合、このステップでは一旦、相関行列の行列要素を全て埋めることはせず、異常な値であったり定義できない状態である行列要素を空白要素にしてもいいこととする。
次に、異常判定部46は、4つの受信チャンネルch1〜ch4の少なくとも一つで異常が発生しているか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32の異常判定処理の具体例については後述する。
4つの受信チャンネルch1〜ch4の少なくとも一つで異常が発生していると異常判定部46によって判定された場合、ステップS33に進む。一方、4つの受信チャンネルch1〜ch4が全て正常であると異常判定部46によって判定された場合、ステップS34に進む。
ステップS33において、補間部47は、相関行列RXXの異常な行列要素に補間処理を施して相関行列RXX’として相関行列を完成させる。補間部47は、異常に関連する行列要素をアンテナ間隔の等しい異常に関連しない行列要素で補間する。したがって、異常に関連する行列要素の影響による誤った角度の算出を抑制することができる。ステップS33の補間処理が完了すると、ステップS34に進む。
例えば、受信チャンネルch3に異常が発生していると異常判定部46によって判定された場合、相関行列RXXの3行目の行列要素及び3列目の行列要素(下記に示す数2において灰色でマーキングしている行列要素)が異常に関連する行列要素になり、下記に示す数3で表される相関行列RXX’として相関行列が完成する。なお、下記に示す数3で表される相関行列RXX’の3行目3列目の行列要素rは、r11、r22、及びr44の少なくとも2つの平均値、又は、r11、r22、及びr44のいずれか一つである。
なお、数1及び数3のサフィックスは、各行列要素を生成するために参照する受信信号のチャンネルを直接的に表している。したがって、受信信号ベクトルXの対応する各成分、さらには受信信号xnそのものからも、直接的に相関行列を生成することができる。この場合、数1のサフィックスは正常な場合に各行列要素が参照するチャンネルの組のテーブルを示し、数3のサフィックスは、受信チャンネルch3が異常の場合に各行列要素が参照する受信チャンネルの組のテーブルとなる。なお、aは11,22,44のいずれかとしたらよい。同様に、受信チャンネルch1が異常の場合、受信チャンネルch2が異常の場合、受信チャンネルch4が異常の場合についても参照する受信チャンネルの組のテーブルをそれぞれ用意し、異常となった受信チャンネルに応じて参照先を切り替えることによっても、相関行列Rxx’を生成することができる。
また例えば、受信チャンネルch1及びch3に異常が発生していると異常判定部46によって判定された場合、相関行列RXXの1行目の行列要素、3行目の行列要素、1列目の行列要素、及び3列目の行列要素(下記に示す数4において灰色でマーキングしている行列要素)が異常に関連する行列要素になり、下記に示す数5で表される相関行列RXX’ として相関行列が完成する。ただし、下記に示す数5で表される相関行列RXX’において空白要素が残っている場合には、補間部47は、空白要素を例えば所定値の行列要素に置換する置換処理をさらに行うことで、相関行列を完成させる。なお、下記に示す数5で表される相関行列RXX’の3行目3列目の行列要素r及び1行目1列目の行列要素rは、r22及びr44の平均値、又は、r22及びr44のいずれか一つである。rとrは同一であってもよく互いに異なっていてもよい。
下記に示す数5で表される相関行列RXX’は、異常に関連する行列要素(下記に示す数5において灰色でマーキングしている行列要素)を有しているが、下記に示す数4で表される相関行列RXXに比べて異常に関連する行列要素の個数が減少している。
本実施形態においては、3つ以上の受信チャンネルに異常が発生した場合には補間部47が補間処理を実行しても、異常に関連する行列要素の影響による誤った角度の算出を抑制することができなくなる。しかしながら、本実施形態よりも受信チャンネルの個数が多い構成を採用した場合には、3つ以上の受信チャンネルに異常が発生しても、異常に関連する行列要素の影響による誤った角度の算出を抑制することができる。
ステップS34において、推定部48は、相関行列に対して空間平均処理をさらに行ってもよい。空間平均処理を実行することによって複数の物標からの反射波が存在する場合の反射波同士の相互干渉成分と、機器由来のノイズを抑制することができる。
次に、推定部48は、相関行列に基づいて角度スペクトラムを算出し、算出した角度スペクトラムに基づいて電波の到来方向(物標の角度)を推定する(ステップS35)。
次に、推定部48は、角度パワーを算出する(ステップS36)。図4は、方位演算処理により推定された角度を、角度スペクトラムとして概念的に示す図である。図中において、横軸は角度(deg)、縦軸は信号のパワーを示している。角度(deg)は、自車両の前方直進進行方向とレーダ装置1から物標に向かう方向とのなす角度であり、例えば物標が自車両の前方右側に存在する場合に正の値で表現され物標が自車両の前方左側に存在する場合に負の値で表現される。横位置は、例えば、自車両のレーダ装置1を搭載している位置を原点Oとし、自車両の右側では正の値、自車両の左側では負の値で表現される。角度スペクトラムにおいて、方位演算処理により推定された角度はピークPaとして表れる。方位演算処理により推定された角度を「ピーク角度」といい、ピーク角度の信号のパワーを「角度パワー」という。
その後、推定部48は、角度パワーに基づいて角度信頼性判定処理を行う(ステップS37)。具体的には、推定部48は、角度パワーが所定値以上であれば、その角度パワーに対応するピーク角度の信頼性が高いと判定してそのピーク角度を物標の角度として採用し、逆に角度パワーが所定値未満であれば、その角度パワーに対応するピーク角度の信頼性が低いと判定してそのピーク角度を物標の角度として採用しない。ステップS37の処理が完了すると、図3に示すフロー動作が終了する。
以上説明した図3に示すフロー動作を角度推定部44bが実行することで、受信チャンネルで異常が生じた場合でも、電波のある程度正確な到来方向を推定することができる。なお、受信チャンネルで異常が生じる場合としては、例えば、受信アンテナ31が故障した場合、受信アンテナ31による電波の受信が雪や水滴等によって妨げられる場合、個別受信部32が故障した場合などがある。
<4.異常判定処理の具体例>
例えば、異常判定部46は、異常判定対象の受信チャネルに対応する受信アンテナ31の信号と、他の受信チャネルに対応する受信アンテナ31の信号との比較結果に基づく判定を行う。これにより、比較的簡単な信号処理で異常判定を実現できる。
この場合、受信信号ベクトルXの各成分に含まれるパワー情報を用いてもよく、相関行列の各行列要素に含まれる位相差情報を用いてもよい。位相差情報を用いる場合、2つの受信チャンネルが関与することになり、異常が発生している受信チャンネルを特定する処理がパワー情報を用いる場合よりも複雑になるため、パワー情報を用いることが好ましい。
パワー情報を用いる場合、例えば異常判定対象の受信チャネルに対応する受信アンテナ31の信号のパワーと、他の3つの受信チャネルに対応する受信アンテナ31の信号のパワーの平均値との差又は比率が所定範囲であれば、異常判定対象の受信チャネルは正常であると判定すればよい。そして、異常判定対象の受信チャネルを順次入れ替えればよい。複数の受信チャネルの異常を検出する場合は、最も顕著な異常が発生している受信チャネルをまず検出し、その後残りの受信チャンネルを対象として同様の処理を行えばよい。
また、発信器22及び4つのミキサ33が1つのMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)で構成されており、MMICが自身の故障を検知できる構成である場合、MMICから出力される故障検知信号に基づき異常判定部46が異常判定を行ってもよい。
また例えば、角度推定部が第1〜第4角度算出処理を順次行うようにしてもよい。第1角度算出処理は、補間部47が、受信チャンネルch1に異常が発生したと仮定して補間処理を実行し、推定部48が物標の角度を推定する処理である。第2角度算出処理は、補間部47が、受信チャンネルch2に異常が発生したと仮定して補間処理を実行し、推定部48が物標の角度を推定する処理である。第3角度算出処理は、補間部47が、受信チャンネルch3に異常が発生したと仮定して補間処理を実行し、推定部48が物標の角度を推定する処理である。第4角度算出処理は、補間部47が、受信チャンネルch4に異常が発生したと仮定して補間処理を実行し、推定部48が物標の角度を推定する処理である。異常判定部46は、第1〜第4角度算出処理で求まった角度が全て略同一であれば、どの受信チャンネルにも異常が発生していないと判定する。また、異常判定部46は、第1〜第4角度算出処理で求まった角度が一つだけ他と異なっていれば、その異なっている角度を算出した角度算出処理での仮定が正しいので、異常が発生している受信チャンネルを特定することができる。
<5.その他>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
例えば、レーダ装置1から受信チャンネルch3の受信アンテナ31及び個別受信部32を取り除き、受信チャンネルch3に仮想受信アンテナ35を対応させてもよい。仮想受信アンテナ35は実在しないアンテナである(図5参照)。この場合、生成部45は、受信アンテナ31毎の信号と仮想受信アンテナ35の信号とに基づいて相関行列を生成し、その相関行列の仮想受信アンテナ35に関連する行列要素は0になる。異常判定部46が仮想受信アンテナ35で異常が発生しているとみなすことで、仮想アンテナに関連する行列要素をアンテナ間隔の等しい仮想アンテナに関連しない行列要素で補間することができる。これにより、異常発生時の補間処理と同様の補間処理を実行するだけで、少ないアンテナ数で物標の角度算出結果のメインローブを細くしつつサイドローブを抑圧できる。
上述した実施形態では一次元配置アンテナ群で得られた受信信号を処理する到来方向推定装置について説明したが、2軸での角度推定が可能となる二次元配置アンテナ群で得られた受信信号を処理する到来方向推定装置、又は、3軸での角度推定が可能となる三次元配置アンテナ群で得られた受信信号を処理する到来方向推定装置についても本発明を適用することができる。
二次元配置アンテナ群で得られた受信信号を処理する到来方向推定装置や三次元配置アンテナ群で得られた受信信号を処理する到来方向推定装置においても、異常に関連する行列要素をアンテナ間隔の等しい異常に関連しない行列要素で補間する。これにより、二次元配置アンテナ群や三次元配置アンテナ群等で異常が生じた場合でも、電波のある程度正確な到来方向を推定することができる。
補間部47が補間処理を行っているときは、異常に関連する行列要素の影響による誤った角度の算出を抑制することができているが、物標の角度推定の精度が低い状態である。したがって、補間部47が補間処理を行っているときに、物標の角度推定の精度が低い状態であることを知らせる報知信号を信号処理装置4が外部出力するようにし、当該報知信号を画像表示装置や音声出力装置等の報知装置が受信し、物標の角度推定の精度が低い状態であることを当該報知装置がユーザーに知らせてもよい。これにより、レーダ装置1の検査や部品交換を促すことができる。また、当該報知信号を車両制御ECU5が受信し、車両制御ECU5が、物標の角度推定の精度が低い状態であることを加味して、車両制御の応答性等を通常時から変更してもよい。
また上述した実施形態では車載レーダ装置について説明したが、本発明は、道路等に設置されるインフラレーダ装置、航空機監視レーダ装置等にも適用可能である。
3 受信部
31 受信アンテナ
35 仮想受信アンテナ
4 信号処理装置
44b 角度推定部
45 生成部
46 異常判定部
47 補間部
48 推定部

Claims (5)

  1. 複数の受信アンテナで得られた受信信号に基づく前記受信アンテナ毎の信号を取得する取得部と、
    前記受信アンテナ毎の信号の2つの組合せに基づく行列要素を有する相関行列を生成する生成部と、
    複数の前記受信アンテナそれぞれに対応する複数の受信チャンネルの少なくとも一つで異常が発生しているか否かを判定する異常判定部と、
    前記相関行列に基づいて電波の到来方向を推定する推定部と、
    を備え、
    前記生成部は、前記異常と判定された前記受信チャンネルに関連する行列要素を、アンテナ距離の等しい別の信号の組合せに基づき、生成する、
    到来方向推定装置。
  2. 前記異常判定部は、異常判定対象の前記受信チャネルに対応する前記受信アンテナの信号と、他の前記受信チャネルに対応する前記受信アンテナの信号との比較結果に基づく判定を行う、
    請求項1に記載の到来方向推定装置。
  3. 前記異常判定部は、異常判定対象の前記受信チャネルに対応する前記受信アンテナの信号のパワーと、他の前記受信チャネルに対応する前記受信アンテナの信号のパワーとの比較結果に基づく判定を行う、
    請求項2に記載の到来方向推定装置。
  4. 前記生成部は、前記受信アンテナ毎の信号と、実在しない仮想受信アンテナの信号とに基づいて、前記相関行列を生成し、
    前記異常判定部は、前記仮想受信アンテナで前記異常が発生しているとみなす、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の到来方向推定装置。
  5. 複数の受信アンテナで得られた受信信号に基づく前記受信アンテナ毎の信号を取得する取得工程と、
    前記受信アンテナ毎の信号の2つの組合せに基づく行列要素を有する相関行列を生成する生成工程と、
    複数の前記受信アンテナそれぞれに対応する複数の受信チャンネルの少なくとも一つで異常が発生しているか否かを判定する異常判定工程と、
    前記相関行列に基づいて電波の到来方向を推定する推定工程と、
    を備え、
    前記生成工程は、前記異常と判定された前記受信チャンネルに関連する行列要素を、アンテナ距離の等しい別の信号の組合せに基づき、生成する、
    到来方向推定方法。
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