JP2020003248A - 放射性廃液処理装置および放射性廃液処理方法 - Google Patents

放射性廃液処理装置および放射性廃液処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原子力関連施設で生じる放射性廃液に含有される放射性物質の吸着材に対する吸着能力を高め、これにより放射性物質を効果的に除去することが可能な放射性廃液処理装置を提供する。【解決手段】放射性廃液の排出経路に設けられた放射性物質吸着装置と、前記排出経路における前記放射性物質吸着装置の上流側に設けられた脱炭酸装置と、前記排出経路における前記放射性物質吸着装置の上流側において前記脱炭酸装置に対して直列に設けられたケイ酸イオン除去装置とを備えた放射性廃液処理装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、放射性廃液処理装置および放射性廃液処理方法に関する。
本技術分野に関する技術として、下記特許文献1に記載された放射性廃液の処理システムがある。この文献には「第1の工程であるpH調整工程では、pH調整槽1に海水や地下水などに由来する塩分を含む放射性廃液7と、例えば水酸化ナトリウム8を投入して、放射性廃液のpHを弱アルカリ(9ないし10)に調整する。…pHを9ないし10の弱アルカリ性に調整すれば、カルシウムやマグネシウムは沈殿しないので、スラッジの発生を防止しつつ、放射性ストロンチウムを効率よく吸着することが可能である。」と記載されている。
特開2013−108818号公報
上記文献にも記載されているように、原子力関連施設で生じる放射性物質を含有する放射性廃液には、海水や地下水などに由来する塩分が含まれ、またこの他にも河川からの淡水、地下水、建造物に用いられるコンクリートに接した水等が含まれる場合がある。このため、その性質は様々であり、除去対象となる放射性物質の他にも、吸着材の吸着性能に影響を及ぼす物質が共存し、これによって吸着材の吸着性能が十分に得られない場合がある。
そこで本発明は、原子力関連施設で生じる放射性廃液に含有される放射性物質に対する吸着材の吸着能力を高め、これにより放射性物質を効果的に除去することが可能な放射性廃液処理装置および放射性廃液処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、放射性廃液の排出経路に設けられた放射性物質吸着装置と、前記排出経路における前記放射性物質吸着装置の上流側に設けられた脱炭酸装置と、前記排出経路における前記放射性物質吸着装置の上流側において前記脱炭酸装置に対して直列に設けられたケイ酸イオン除去装置とを備えた放射性廃液処理装置である。
本発明によれば、放射性廃液に含有される放射性物質に対する吸着材の吸着能力を高め、これにより放射性物質を効果的に除去することが可能な放射性廃液処理装置および放射性廃液処理方法を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下側の実施の形態の説明により明らかにされる。
第1実施形態に係る放射性廃液処理装置の構成図である。 吸着材として用いるシリコチタネートの存在比を示すグラフである。 ストロンチウム(Sr)の破過特性に対する炭酸の影響を示すグラフである。 炭酸濃度と初期ストロンチウム(Sr)吸着量[A]との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る放射性廃液処理装置の構成図である。 第3実施形態に係る放射性廃液処理装置の構成図である。
以下、本発明の放射性廃液処理装置および放射性廃液処理方法の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。ここで説明する放射性廃液処理装置および放射成敗液処理方法は、例えば原子力関連施設において発生した放射性廃液から放射性物質を除去するための装置および方法である。なお、以下に説明する各実施形態において同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態に係る放射性廃液処理装置1の構成図である。この図に示す放射性廃液処理装置1は、原子力関連施設において発生した放射性廃液を処理するための装置である。放射性廃液には、放射性物質のほかに、海水、河川からの淡水、地下水、建造物に用いられるコンクリートに接した水等が含まれており、さらにこれらの由来する炭酸およびケイ酸イオンが含まれている。
このような放射性廃液から放射性物質を除去するための放射性廃液処理装置1は、放射性廃液の排出経路に沿って、粒子除去装置2、コロイド除去装置3、ケイ酸イオン除去装置4、脱炭酸装置5、放射性物質吸着装置6、および重金属除去装置7がこの順に設けられたものである。特に、この放射性廃液処理装置1は、放射性廃液の排出経路における放射性物質吸着装置6の上流側に、ケイ酸イオン除去装置4と脱炭酸装置5とを設けたところが特徴的である。以下、放射性廃液処理装置1を構成する各要素の詳細を説明する。
<粒子除去装置2>
粒子除去装置2は、放射性廃液に含まれる粒状物質を除去するための装置であり、原子力関連施設からの放射性廃液の供給管10に接続した状態で設けられるものである。供給管10には、ここでの図示を省略したポンプが設けられていることとする。このような粒子除去装置2は、例えば粒径1μm以上の粒状物質を濾過によって除去する装置であり、濾過剤が充填されたカートリッジフィルタを備えたものである。
<コロイド除去装置3>
コロイド除去装置3は、放射性廃液に含まれるコロイド状の粒子を除去するための装置であり、配管11aによって粒子除去装置2に接続した状態で設けられている。このようなコロイド除去装置3は、粒子除去装置2で除去できなかったコロイド状の粒子を捕獲するための静電フィルタがケーシング内に内設されたものである。
<ケイ酸イオン除去装置4>
ケイ酸イオン除去装置4は、放射性廃液に含まれるケイ酸イオンを除去するための装置であり、配管11bによってコロイド除去装置3に接続した状態で設けられている。ケイ酸イオンは、地下水などの天然にある水の中に数十ppmの濃度で溶解しているイオンであり、水素イオン指数[pH]緩衝効果を有する。
ここで、ケイ酸イオン除去装置4よりもさらに排出経路の下流側に配置された放射性物質吸着装置6は、以降に説明するように水素イオン指数[pH]がアルカリ側において高い吸着性能を発揮する構成である。このため、このケイ酸イオン除去装置4によって、水素イオン指数[pH]緩衝効果が大きいケイ酸イオンを放射性廃液中から除去することにより、放射性廃液の水素イオン指数[pH]をアルカリ側にシフト可能な状態とするのである。
このようなケイ酸イオンを除去するためのケイ酸イオン除去装置4は、例えば添加剤供給装置41と濾過装置42とを備えている。これらは次のように構成されている。
[添加剤供給装置41]
添加剤供給装置41は、放射性廃液中からケイ酸イオンを除去する効果を有する物質を添加剤として放射性廃液に供給するための装置である。このような添加剤供給装置41は、濾過装置42の上流において配管11bに接続された状態で設けられている。添加剤供給装置41から供給される添加剤としては、ケイ酸イオンと結合する物質、ケイ酸イオンを吸着する物質、さらにはケイ酸イオンを共沈させる物質などが用いられ、ケイ酸イオンと共に微粒子を形成する。
このうち、ケイ酸イオンと結合する物質としては、例えばアルミン酸ナトリウムのようなアルミニウムイオンを含む化合物が例示される。アルミン酸ナトリウムは、ケイ酸イオンと結合してアルミノシリケートの微粒子を形成して沈殿させ、放射性廃液中からケイ酸イオンを除去する。この場合、下記に示す他の物質を添加剤として用いた場合と比較して、含水率が低く安定な沈殿物を得ることができるため、沈殿物の長期保管性に優れている。
またケイ酸イオンを吸着する物質としては、水酸化アルミニウムや、水酸化鉄が例示される。これらの物質は吸着性沈殿を形成し、その沈殿物に対してケイ酸イオンを吸着することにより、放射性廃液中からケイ酸イオンを除去する。
さらにケイ酸イオンを共沈させる物質としては、酸化アルミニウムや酸化鉄などが例示される。これらの物質は、ケイ酸イオンの担体となってケイ酸イオンを沈殿させ、放射性廃液中からケイ酸イオンを除去する。
添加剤供給装置41は、以上のような添加剤を、放射性廃液中のケイ酸イオンを除去するのに過不足の無いように計算された所定量で供給するように設定されていることが好ましい。例えば、添加剤としてアルミン酸ナトリウムを用いる場合、ゼオライトとして知られているアルミノシリケートが形成される。アルミノシリケート(ケイアルミン酸塩)は、[Me/xO・Al・mSiO・nHO]で示される。このうち、Meは、例えばNaイオンなどのカチオンであり、x,m,nは正の整数である。
この場合、一例として、放射性廃液中のアルミニウム(Al)とケイ素(Si)の原子数の合計に対するアルミニウムの原子数(Al/(Al+Si))が0.5となるように、すなわちアルミニウムとケイ素との原子数比がアルミニウム:ケイ素=1:1となるように、アルミン酸ナトリウムを供給する。これにより、[m]=2のアルミノシリケートが形成され、添加剤の過不足なくケイ酸イオンを除去することができる。
[濾過装置42]
濾過装置42は、添加剤供給装置41から供給された添加剤によって、放射性廃液中に形成されたケイ酸イオンを含む微粒子を除去するための微粒子除去装置である。このような濾過装置42は、例えば濾過剤が充填されたカートリッジフィルタを備えたものであってよく、コロイド除去装置3との間に設けられた配管11bの下流端に接続されている。
<脱炭酸装置5>
脱炭酸装置5は、放射性廃液に含まれる炭酸を除去するための装置であり、配管11cによってケイ酸イオン除去装置4の濾過装置42に接続した状態で設けられている。この脱炭酸装置5によって除去する炭酸は、放射性廃液中に溶存している溶存炭酸ガス(CO)、炭酸(HCO)、重炭酸イオン(HCO )、および炭酸イオン(CO 2-)であり、以下これらを含めて炭酸と称する。
放射性廃液中に含有されたこれらの炭酸は、以降に説明するように、放射性物質吸着装置6における放射性物質の吸着性能に影響を及ぼすことが分かった。このため、この脱炭酸装置5によって、炭酸を除去することにより、放射性物質吸着装置6における放射性物質の吸着性能を確保するのである。また放射性廃液中から炭酸を除去することにより、放射性廃液の水素イオン指数[pH]をアルカリ側にシフトさせ、放射性物質吸着装置6における放射性物質の吸着性能を高める効果も獲得する。
このような脱炭酸装置5は、例えば加熱により溶解度を低下させた放射性廃液に対して不活性ガスをバブリングさせる構成のものが用いられる。このような脱炭酸装置5は、放射性廃液を加熱する加熱部51と、放射性廃液中に不活性ガスを供給するガス供給管52とを備えた装置である。また脱炭酸装置5は、ここでの図示を省略した脱気膜を有する装置であってもよい。この場合、脱気膜はガスを透過する中空糸膜を用いる。
これらの脱炭酸装置5は、放射性廃液中の溶存炭酸ガス(CO)を放射性廃液中から脱ガスさせる。これにより、放射性廃液中に溶存している溶存炭酸ガス(CO)、炭酸(HCO)、重炭酸イオン(HCO )、および炭酸イオン(CO 2-)の濃度が、平衡乗数に従って放射性廃液中で変化し、最終的に炭酸ガス(CO)として脱ガスして放射性廃液から除去される。
<放射性物質吸着装置6>
放射性物質吸着装置6は、放射性廃液に含まれる放射性物質を吸着材に吸着させることによって除去するための装置であり、配管11dによって脱炭酸装置5に接続した状態で設けられている。このような放射性物質吸着装置6は、放射性物質を吸着させる吸着材を吸着塔内に充填した吸着装置であり、吸着塔の上部に接続された配管11dから放射性廃液が供給され、吸着塔の下部に接続された配管11eから放射性廃液を排出する構成である。
ここで用いられる吸着材は、ストロンチウム(Sr)やセシウム(Cs)を吸着させることを目的としたものであって、チタンケイ酸塩化合物やチタン酸化合物が用いられる。チタンケイ酸塩化合物としては、シリコチタネート(CST)が例示され、チタン酸化合物としてはチタン酸ナトリウムが例示される。
なお、放射性物質吸着装置6は、配管によって直列に接続された複数の吸着塔を備えた構成であってもよい。この場合、直列に接続された各吸着塔には、除去対象に合わせて異なる吸着材が充填されてもよい。そのうち1つの吸着塔は、上述したストロンチウム(Sr)やセシウム(Cs)の吸着を目的とした吸着材が充填される。この吸着塔は、一例として放射性廃液の排出経路の最上流に配置される。また別の吸着塔には、例えば、ヨウ素(I)の吸着を目的とした吸着材が充填される。ヨウ素(I)の吸着を目的とした吸着材としては、ゼオライト、セラミックス、シリカ、アルミナなどの無機担体に銀または銀塩を添着したもの、さらには活性炭にヨウ化カリウム(KI)を添着したKI添着活性炭や、活性炭にトリエチレンジアミン(TEDA;Triethylene Diamine)を添着したTEDA炭などが用いられる。
<重金属除去装置7>
重金属除去装置7は、放射性廃液に含まれる重金属を除去するための装置であり、配管11eによって放射性物質吸着装置6に接続した状態で設けられている。このような重金属除去装置7は、例えば重金属を吸着させる吸着材を吸着塔内に充填した吸着装置であってよく、吸着塔の上部に接続された配管11eから放射性廃液が供給され、吸着塔の下部に接続された排出管20から、処理済みの放射性廃液が排出される構成である。重金属を吸着する吸着材としては、例えばオキシン添着活性炭が用いられる。これにより、放射性廃液中に含まれるウラン(U)、プルトニウム(P)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、およびニッケル(Ni)などの重金属が除去される。
<放射性廃液処理装置1による処理動作>
以上説明した放射性廃液処理装置1による放射性廃液の処理は次のように実施される。先ず、原子力関連施設において発生した放射性廃液が一時的に貯蔵されたタンクに、放射性廃液処理装置1の供給管10を接続する。
ここで、タンク内に一時貯蔵された放射性廃液には、以上のような放射性物質のほかにも、海水、河川からの淡水、地下水、建造物に用いられるコンクリートに接した水等が含まれる。このような放射性廃液には、放射性物質として、(1)燃料に由来する物質、(2)放射化により生成した物質、および(3)核分裂により生成した物質が含まれる。(1)燃料に由来する放射性物質としては、ウラン(U)およびプルトニウム(P)が例示される。(2)放射化により生成した放射性物質としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、およびニッケル(Ni)が例示される。(3)核分裂により生成した放射性物質としては、ストロンチウム(Sr)、セシウム(Cs)、およびヨウ素(I)などが例示される。
次に、供給管10に設けられたポンプを作動させる。これにより、タンク内の放射性廃液が、粒子除去装置2から順に放射性廃液処理装置1に通水され、以下のように放射性廃液の処理が実行される。
[微粒子除去]
先ず、粒子除去装置2において、放射性廃液に含有されている粒径1μm以上の粒状物質が濾過によって除去される。粒径1μm以上の粒状物質が除去された放射性廃液が、コロイド除去装置3に供給される。
[コロイド除去]
コロイド除去装置3においては、放射性廃液に含まれるコロイド粒子が静電除去される。そしてコロイド粒子が除去された放射性廃液が、ケイ酸イオン除去装置4に供給される。
[ケイ酸イオン除去]
ケイ酸イオン除去装置4においては、コロイド除去装置3から供給された放射性廃液に対して、添加剤供給装置41から所定量の添加剤が供給される。これにより、添加剤の過不足なく放射性排廃液中のケイ酸イオンが添加剤と共に微粒子を形成して沈殿し、次の濾過装置42において沈殿物と共に放射性廃液中のケイ酸イオンが除去される。ケイ酸イオンが除去された放射性廃液は、ケイ酸イオンによる水素イオン指数[pH]緩衝効果が除去された性質のものとなる。
また放射性廃液中から、ケイ酸イオンが除去されたことにより、放射性廃液中に残されたナトリウム(Na)イオン、カルシウム(Ca)イオン、マグネシウム(Mg)イオンなどのカウンターカチオンによって、放射性廃液の水素イオン指数[pH]がアルカリ側にシフトする。そしてケイ酸イオンによる水素イオン指数[pH]緩衝効果が除去され、水素イオン指数[pH]がアルカ側にシフトした放射性廃液が、ケイ酸イオン除去装置4から脱炭酸装置5に供給される。
なお、以上のようなケイ酸イオンの除去においては、放射性廃液中のカルシウム(Ca)も同時に除去される。この場合、添加剤としてアルミン酸ナトリウムを用いた場合であれば、アルミン酸ナトリウムとケイ酸イオンとが結合したアルミノシリケートの結晶中にカルシウム(Ca)が取り込まれた状態で除去される。これにより、放射性物質吸着装置6においてのストロンチウム(Sr)およびセシウム(Cs)の吸着が、放射性廃液中のカルシウム(Ca)によって阻害されることを防止できる。
[炭酸除去]
脱炭酸装置5においては、放射性廃液中に溶存している炭酸がバブリングによって除去される。ここで放射性廃液から除去される炭酸は、上述したように溶存炭酸ガス(CO)、炭酸(HCO)、重炭酸イオン(HCO )、および炭酸イオン(CO 2-)である。
またこの放射性廃液は、ケイ酸イオン除去装置4において水素イオン指数[pH]緩衝効果を有するケイ酸イオンが除去されたものである。このため、脱炭酸装置5において、放射性廃液中から炭酸が除去されたことにより、放射性廃液の水素イオン指数[pH]がアルカリ側にシフトする。この場合も、ケイ酸イオンの除去と同様に、放射性廃液中に残されたカウンターカチオンによる放射性廃液の水素イオン指数[pH]のアルカリ側へのシフトが見込まれる。そして、炭酸が除去されて水素イオン指数[pH]がアルカリ側にシフトした放射性廃液が、放射性物質吸着装置6に供給される。
[放射性物質(ストロンチウム(Sr)およびセシウム(Cs))の除去]
放射性物質吸着装置6においては、放射性廃液中に含有された放射性物質が吸着材に吸着することによって除去される。この放射性物質吸着装置6は、吸着材としてチタンケイ酸塩化合物またはチタン酸化合物を用いている。このため、放射性廃液中に含有される放射性物質のうち、ストロンチウム(Sr)およびセシウム(Cs)が吸着除去される。また放射性物質吸着装置6が、さらにヨウ素(I)の除去を目的とした吸着材が充填された吸着塔を備えて場合であれば、ヨウ素(I)が除去される。
−放射性廃液の水素イオン指数[pH]をアルカリ側にシフトさせた効果−
ここで、脱炭酸装置5から放射性物質吸着装置6に供給される放射性廃液は、水素イオン指数[pH]がアルカリ側にシフトしたものである。このように水素イオン指数[pH]がアルカリ側にシフトした放射性廃液が放射性物質吸着装置6に供給されることにより、吸着材として用いたチタンケイ酸塩化合物やチタン酸化合物は、ストロンチウム(Sr)およびセシウム(Cs)に対する高い吸着性能を発揮する。その理由は次の通りであり、吸着材としてチタンケイ酸塩化合物のうちの1つであるシリコチタネートを用いた場合を例示して説明する。
すなわち、シリコチタネートは、表面のナトリウム(Na)イオンが、放射性廃液中のストロンチウム(Sr)イオンやセシウム(Cs)イオンと交換することにより、放射性廃液中のストロンチウム(Sr)やセシウム(Cs)を吸着して除去する。このようなシリコチタネートは、1つの単位格子に対して3つのナトリウム(Na)を結合でき、次のように模式的に示される4つの形態で存在する。
[NaCST]…1つの単位格子に3つのナトリウム(Na)が結合したもの。
[HNaCST]…1つの単位格子に1つのプロトン(H)と2つのナトリウム(Na)が結合したもの。
[HNaCST]…1つの単位格子に2つのプロトン(H)と1つのナトリウム(Na)が結合したもの。
[HCST]…1つの単位格子に3つのプロトンが結合したもの。
図2は、吸着材として用いるシリコチタネートの存在比を示すグラフであり、上述した4つの形態のシリコチタネートの水素イオン指数[pH]による存在比の変化を示すグラフである。吸着塔内に充填されたシリコチタネートの形態は、吸着塔内のナトリウム(Na)イオンの濃度と、吸着塔内を満たす溶液の水素イオン指数[pH]とにより平衡関係が成立している。そのため図2に示すように溶液の水素イオン指数[pH]が高い状態であるほど、またナトリウム(Na)イオンの濃度が高いほど、ナトリウム(Na)が多く結合した形態のシリコチタネートの存在比が高くなる。
図2は、吸着塔内のナトリウム(Na)濃度が200ppmとした場合の計算結果であるが、水素イオン指数[pH]が中性付近では[HNaCST]の存在比が高く、水素イオン指数[pH]をアルカリ側にすることにより[HNaCST]さらに[NaCST]の存在比が高くなる。このため、放射性物質吸着装置6に供給する放射性廃液の水素イオン指数[pH]を上昇させて弱アルカリとすることで、ストロンチウム(Sr)やセシウム(Cs)と交換可能なナトリウム(Na)を多く結合した形態のリコチタネートが増加し、シリコチタネートにおけるストロンチウム(Sr)やセシウム(Cs)の吸着容量が増加することがわかる。
したがって上述したように、ケイ酸イオンによる水素イオン指数[pH]緩衝効果が除去され、さらに炭酸を除去したことによって水素イオン指数[pH]がアルカリ側にシフトした放射性廃液が、シリコチタネートを吸着材とした放射性物質吸着装置6に供給されることにより、放射性廃液中のストロンチウム(Sr)およびセシウム(Cs)が、高い吸着率で吸着材に吸着されて効果的に除去されるのである。
なお、吸着材として、シリコチタネート以外のチタンケイ酸塩化合物や、チタン酸化合物を用いた場合、これらの吸着材の吸着特性はシリコチタネートと類似であり、水素イオン指数[pH]がアルカリ側において高い吸着力を発揮する。したがって、水素イオン指数[pH]がアルカリ側にシフトした放射性廃液が、これらの吸着材を用いた放射性物質吸着装置6に供給された場合も、同様にして放射性廃液中のストロンチウム(Sr)およびセシウム(Cs)が、高い吸着率で吸着材に吸着されて効果的に除去されることになる。
−炭酸除去の効果−
また放射性物質吸着装置6において吸着材として用いたチタンケイ酸塩化合物やチタン酸化合物は、炭酸が除去されたこと自体によっても、ストロンチウム(Sr)およびセシウム(Cs)に対する吸着性能を発揮する。これは、以下の通水試験によって明らかとなった。
図3は、ストロンチウム(Sr)の破過特性に対する炭酸の影響を示すグラフである。このグラフは、ストロンチウム(Sr)濃度一定で、炭酸を溶存させた炭酸有り試験液100と溶存させない炭酸無し試験液101とを、シリコチタネートを充填したカラムに通水させるカラム通水試験を実施した結果である。炭酸あり試験液100における炭酸の濃度は、全ての形態の炭酸を含む値であり、原子力関連施設において発生する放射性廃液の炭酸濃度に合わせた100ppmである。グラフの横軸は、通水時間である。また、グラフの縦軸は、カラムの入口においてのストロンチウム(Sr)の濃度(入口Sr濃度[Sr(in)])に対する、カラムの出口においてのストロンチウム(Sr)の濃度(出口Sr濃度[Sr(out)])の濃度比である。
図3のグラフに示すように、通水初期においては、炭酸有り試験液100は、炭酸無し試験液101と比較して濃度比が高く、ストロンチウム(Sr)の吸着による除去率が低いことがわかった。つまり、放射性廃液中に炭酸が共存することにより、シリコチタネートに対するストロンチウム(Sr)の破過が早期化するのである。
このことから、放射性廃液処理装置1の排出管20から排出される処理済の放射性廃液について、ストロンチウム(Sr)の濃度の上昇が無いように放射性廃液の処理を実施するためには、放射性廃液中の炭酸を除去する必要があることがわかった。
図4は、炭酸濃度と初期ストロンチウム(Sr)吸着量[A]との関係を示すグラフである。このグラフは、ストロンチウム(Sr)濃度一定で炭酸濃度を変化させた試験液を、シリコチタネートを充填したカラムに通水させるカラム通水試験を実施した結果である。グラフの横軸は、試験液の炭酸濃度であり、全ての形態の炭酸を含む濃度である。グラフの縦軸は、初期ストロンチウム(Sr)吸着量[A]であって、炭酸濃度0ppmの場合のシリコチタネートに対する初期Sr吸着量を1とした場合の相対値である。
ここで初期ストロンチウム(Sr)吸着量[A]とは、通水時間の初期においてシリコチタネートに吸着したストロンチウム(Sr)吸着量である。このような初期ストロンチウム(Sr)吸着量[A]は、通水条件での動的平衡過程での出口Sr濃度[Sr(out)]が有意に上昇したことを管理する場合の指標となる。また通水時間の初期とは、ここでは入口Sr濃度[Sr(in)]に対する出口Sr濃度[Sr(out)]の濃度比が0.1になるまでの時間[T]であることとする。
そして以上のような初期ストロンチウム(Sr)吸着量[A]は、入口Sr濃度[Sr(in)]と、カラムに通水させる試験液の流量[F]とから、下記式(1)で近似される。
[A]=[T]×[Sr(in)]×[F]…式(1)
ただし、吸着材として用いたシリコチタネートの表面のナトリウム(Na)イオンは、試験液中のカルシウム(Ca)およびマグネシウム(Mg)とも交換される。このため、ここでの入口Sr濃度[Sr(in)]および出口Sr濃度[Sr(out)]は、試験液におけるストロンチウム(Sr)の濃度[Sr]、カルシウム(Ca)の濃度[Ca]、マグネシウム(Mg)の濃度[Mg]に対して、下記式(2)で与えられる。
[Sr(in)],[Sr(out)]=[Sr]+a[Ca]+b[Mg]…式(2)
このように、試験液のストロンチウム濃度は、カルシウム(Ca)およびマグネシウム(Mg)を、ストロンチウム(Sr)に換算したときの見かけのストロンチウム(Sr)濃度として定義した。このとき式(2)の各係数a,bは、下記式(3)に示すように、シリコチタネート(CST)への吸着に関する各選択係数Kの比率で与えられる。
a=K(Ca)/K(Sr)、b=K(Mg)/K(Sr)…式(3)
図4のグラフに示すように、カラムに通水させる試験液の炭酸濃度が高いほど、初期ストロンチウム(Sr)吸着量[A]が低く、特に炭酸濃度10ppmを超える広い範囲では初期ストロンチウム(Sr)吸着量[A]が60%を下回ることがわかった。
ここで、原子力関連施設において発生する放射性廃液は、炭酸濃度が100ppm程度である。したがって、炭酸濃度0ppmの試験液の処理と比較すると、放射性廃液の処理においてはシリコチタネートにおいての初期ストロンチウム(Sr)吸着量[A]が40%程度にまで低下すると推定される。このため、図4にも示されるように、放射性廃液中の炭酸濃度を10ppm以下に抑えることで、シリコチタネートにおける初期ストロンチウム(Sr)吸着量[A]を60%以上に回復させることができる。
以上のように、脱炭酸装置5によって炭酸を除去した放射性廃液が、シリコチタネートを吸着材とした放射性物質吸着装置6に供給されることにより、放射性廃液中のストロンチウム(Sr)が、高い吸着率で吸着材に吸着されて効果的に除去されるのである。このような効果は、セシウム(Cs)に対しても同様である。またこの効果は、吸着材として、シリコチタネート以外の、チタンケイ酸塩化合物やチタン酸化合物を用いた場合も同様であり、これらの吸着材は炭酸濃度が低く抑えられた放射性廃液中のストロンチウム(Sr)およびセシウム(Cs)に対して高い吸着力を発揮する。
そして、以上のように放射性廃液中のストロンチウム(Sr)およびセシウム(Cs)が除去された放射性廃液が、重金属除去装置7に供給される。
[重金属の除去]
重金属除去装置7においては、放射性廃液中に含有された放射性物質のうちのウラン(U)、プルトニウム(P)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、およびニッケル(Ni)などの重金属が除去される。この重金属除去装置7は、オキシン添着活性炭を吸着材として吸着塔内に充填した吸着除去装置であり、この吸着材に重金属が吸着することによって、放射性廃液中から重金属が除去される。そして重金属が除去された処理済みの放射性廃液が、排出管20から排出される。
<第1実施形態の効果>
以上説明した第1実施形態によれば、放射性廃液の排出経路における放射性物質吸着装置6の上流側に、ケイ酸イオン除去装置4と脱炭酸装置5とを直列に配置したことにより、炭酸が除去されかつ水素イオン指数[pH]をアルカリ側にシフトさせた放射性廃液を、放射性物質吸着装置6に供給することができる。これにより、放射性物質吸着装置6における放射性物質の初期の吸着性能の向上を図ることが可能である。この結果、処理後の放射性廃液における放射性物質の濃度を低く抑えることができ、放射性廃液中に放射性物質が多量に含有される場合であっても、放射性廃液中の放射性物質を確実に除去することが可能になる。また放射性物質吸着装置6における放射性物質の初期の吸着性能が向上したことにより、放射性廃液処理装置1の運用コストの低減を図ることが可能であり、放射性廃棄物の発生量の低減を図ることが可能である。
また特に、放射性廃液の排出経路の上流側から順に、ケイ酸イオン除去装置4と、加熱とバブリングによる脱炭酸装置5とを配置したことにより、ケイ酸イオン除去装置4において添加剤と結合した物質が、脱炭酸装置5において溶解度を低下させて微粒子として析出し易くなる。これにより、ケイ酸イオンの除去効率が上昇し、放射性物質吸着装置6に供給される放射性廃液の水素イオン指数[pH]をアルカリ側にシフトさせ易くなる。
さらにケイ酸イオン除去装置4においては、炭酸を除去する前の水素イオン指数[pH]が中性側の放射性廃液に添加剤が供給されるため、添加剤とケイ酸イオンとで中性の微粒子を形成し易い。このため、添加剤の供給量を抑えることが可能である。
≪第2実施形態≫
図5は、第2実施形態に係る放射性廃液処理装置1aの構成図である。図5に示す第2実施形態の放射性廃液処理装置1aは、第1実施形態の放射性廃液処理装置1の変形例である。この放射性廃液処理装置1は、ケイ酸イオン除去装置4aが添加剤供給装置41と沈殿槽43とを備えたものであることのみが第1実施形態の構成と異なる。したがって、以下においてはケイ酸イオン除去装置4aの構成のみを説明し、その他の同一の構成要素の重複する説明は省略する。
<ケイ酸イオン除去装置4a>
ケイ酸イオン除去装置4aは、放射性廃液に含まれるケイ酸イオンを除去するための装置であり、配管11bによってコロイド除去装置3に接続した状態で設けられている。このようなケイ酸イオン除去装置4aは、添加剤供給装置41と沈殿槽43とを備えている。このうち添加剤供給装置41は、第1実施形態で説明したものと同様のものである。また沈殿槽43は次のようなものである。
[沈殿槽43]
沈殿槽43は、添加剤供給装置41から供給された添加剤によって、放射性廃液中に形成されたケイ酸イオンを含む微粒子を沈殿させて除去するための微粒子除去装置である。このような沈殿槽43は、コロイド除去装置3との間に設けられた配管11bの下流端に接続されており、コロイド除去装置3から沈殿槽43に供給される放射性廃液に対して、添加剤供給装置41から添加剤が供給される構成となっている。沈殿槽43は、添加剤供給装置41から供給された添加剤と共にケイ酸イオンを含む微粒子を沈殿させ、沈殿物を分離させた放射性廃液のみを次の脱炭酸装置5に供給する。
なお、ケイ酸イオン除去装置4aは、このような沈殿槽43の下流側に、さらに濾過装置に接続した構成としてもよい。この場合、濾過装置に対して脱炭酸装置5を接続させた構成とする。
<第2実施形態の効果>
このような第2実施形態の放射性廃液処理装置1aであっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ケイ酸イオン除去装置4aに沈殿槽43を設けたことにより、放射性廃液中のケイ酸イオン濃度が高い場合であっても、多量の沈殿物を分離することができる。このため、沈殿物を濾過装置によって濾過する場合の目詰まりやそれによる処理能力の低下を防止することができる。特に、ケイ酸イオン除去装置4aで用いる添加剤として、水酸化アルミニウムのような吸着性沈殿を用いてケイ酸イオンを除去する場合にも、濾過装置の目詰まりによる処理効率低下を抑えることが可能である。
≪第3実施形態≫
図6は、第3実施形態に係る放射性廃液処理装置1bの構成図である。図6に示す第3実施形態の放射性廃液処理装置1bが、第1実施形態の放射性廃液処理装置1と異なるところは、ケイ酸イオン除去装置4と脱炭酸装置5との配置順にあり、各構成要素は同一のものである。したがって、以下においては各構成要素の説明は省略し、その配置順を説明する。
すなわち、放射性廃液処理装置1bは、原子力関連施設からの放射性廃液の排出経路に沿って、微粒子除去装置2、コロイド除去装置3、脱炭酸装置5、ケイ酸イオン除去装置4、放射性物質吸着装置6、および重金属除去装置7がこの順に設けられたものである。
このような放射性廃液処理装置1bによる処理動作が、第1実施形態の処理動作と異なるところは、炭酸が除去された放射性廃液からケイ酸イオンが除去されるところにあり、その前後の処理動作は第1実施形態と同様である。
<第3実施形態の効果>
このような第2実施形態の放射性廃液処理装置1bであっても、放射性廃液の排出経路における放射性物質吸着装置6の上流側に、ケイ酸イオン除去装置4と脱炭酸装置5とを直列に配置したことにより、第1実施形態と同様に、処理後の放射性廃液における放射性物質の濃度を低く抑えることができ、放射性廃液中に放射性物質が多量に含有される場合であっても、放射性廃液中の放射性物質を確実に除去することが可能である。
また特に、放射性廃液の排出経路の上流側から順に、脱炭酸装置5とケイ酸イオン除去装置4とを配置したことにより、脱炭酸装置5において炭酸を除去する際の放射性廃液は、ケイ酸イオンを含んでいて水素イオン指数[pH]緩衝効果を有しており、アルカリ側にシフトすることがない。このため、第1実施形態と比較して、放射性廃液中からの炭酸の除去が容易である。なお、本第3実施形態は、第2実施形態と組み合わせることも可能であり、ケイ酸イオン除去装置4の濾過装置42を沈殿装置43に変更した構成や、濾過装置42の上流側に沈殿装置43を追加した構成としてもよく、これにより第2実施形態と同様の効果も得られる。
なお、本発明は上記した実施形態および変形例に限定されるものではなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1,1a,1b…放射性廃液処理装置
4…ケイ酸イオン除去装置
41…添加剤供給装置
42…濾過装置(微粒子除去装置)
43…沈殿槽(微粒子除去装置)
5…脱炭酸装置
51…加熱部
52…ガス供給管
6…放射性物質吸着装置

Claims (11)

  1. 放射性廃液の排出経路に設けられた放射性物質吸着装置と、
    前記排出経路における前記放射性物質吸着装置の上流側に設けられた脱炭酸装置と、
    前記排出経路における前記放射性物質吸着装置の上流側において前記脱炭酸装置に対して直列に設けられたケイ酸イオン除去装置とを備えた
    放射性廃液処理装置。
  2. 前記ケイ酸イオン除去装置は、前記脱炭酸装置と前記放射性物質吸着装置との間に設けられた
    請求項1に記載の放射性廃液処理装置。
  3. 前記ケイ酸イオン除去装置は、ケイ酸イオンと結合して微粒子を形成する添加剤を前記放射性廃液に供給する添加剤供給装置と、前記排出経路における前記添加剤供給装置の下流側に設けた微粒子除去装置とを備えた
    請求項1記載の放射性廃液処理装置。
  4. 前記微粒子除去装置は、濾過装置および沈殿槽の少なくとも一方である
    請求項3に記載の放射性廃液処理装置。
  5. 前記微粒子除去装置は、沈殿槽と前記排出経路における前記沈殿槽の下流側に設けた濾過装置を備えた
    請求項3に記載の放射性廃液処理装置。
  6. 前記添加剤供給装置は、アルミン酸ナトリウムを前記添加剤とし、前記放射性廃液中のアルミニウムとケイ素との原子数比がアルミニウム:ケイ素=1:1となるように設定された添加量で前記添加剤を添加する
    請求項3に記載の放射性廃液処理装置。
  7. 前記脱炭酸装置は、前記放射性廃液を加熱する加熱部と前記放射性廃液中に不活性ガスを供給する供給管とを備えた装置であるか、または脱気膜を有する装置である
    請求項1に記載の放射性廃液処理装置。
  8. 前記脱炭酸装置は、前記放射性廃液中の炭酸の濃度が10ppm以下となるまで前記放射性廃液中の炭酸を除去する
    請求項1に記載の放射性廃液処理方法。
  9. 前記放射性物質吸着装置は、少なくともストロンチウムを吸着する吸着剤を用いて構成されたものである
    請求項1に記載の放射性廃液処理装置。
  10. 前記放射性物質吸着装置は、吸着剤としてチタンケイ酸塩化合物またはチタン酸化合物を用いたものである
    請求項9に記載の放射性廃液処理装置。
  11. 脱炭酸装置によって放射性廃液中の炭酸を除去し、
    ケイ酸イオン除去装置によって前記放射性廃液中のケイ酸イオンを除去し、
    前記脱炭酸装置によって炭酸を除去し、前記ケイ酸イオン除去装置によってケイ酸イオンを除去した後の前記放射性廃液を放射性物質吸着装置に供給し、前記放射性物質吸着装置によって前記放射性廃液中の放射性物質を除去する
    放射性廃液処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021148727A (ja) * 2020-03-23 2021-09-27 栗田工業株式会社 吸着剤、その製造方法及び水処理方法

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