JP2020002835A - 風力発電装置およびその制御方法、風力発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】コストを増大させずに着氷状態を検出し、信頼性を向上させること。【解決手段】風力発電装置1は、支持部10により回動可能に指示されるナセル11と、ナセルの一端側に設けられるハブ12と、ハブに回動可能に設けられる複数の風車翼13と、各風車翼の回転力をエネルギーに変換する変換部15と、ナセル、各風車翼、変換部を制御する制御部20であって、風に関する情報を計測するヒータ内蔵型計測器17に接続された制御部20と、を備える。制御部は、ヒータ内蔵型計測器17のヒータの動作状態についての情報を取得し、取得されたヒータの動作状態に基づいて着氷を判定する。【選択図】図1
Description
本発明は、風力発電装置およびその制御方法、風力発電システムに関する。
自然エネルギーを利用した再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電、波力発電など)の導入数が増加している。その中でも風力発電装置は、経済性、効率性および環境性に優れている再生可能エネルギーの1つとして挙げられており、導入量が増えている。
風力発電装置は、一般的に、風況のよい土地や海上に建設される。風力発電装置は、風況のよい多雪地域または豪雪地域に建設されることも多い。多雪地域または豪雪地域に設置される風力発電装置では、風車翼、ハブ、ナセル、タワーに着氷することがある。着氷は風力発電装置の機械性能を低下させる。付着した氷が溶けて落下することもある。
特許文献1では、風車翼に付着した氷の量を検出する着氷検出手段を備えており、着氷検出手段により検出された着氷量に応じて、発電運転から発電を行わない無負荷運転へ切り替える。
特許文献1では、風車翼の着氷量を検出する装置を備えることにより、着氷時に風車翼を保護する。しかし、風車翼の着氷量を検出する着氷検知装置を風力発電装置に取り付けるのでは、着氷検知装置の製造コスト、取付コスト、保守コストが生じるため、風力発電装置のトータルコストが増大する。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、コストを増大させずに信頼性を向上できるようにした風力発電装置およびその制御方法、風力発電システムを提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明に従う風力発電装置は、支持部により回動可能に指示されるナセルと、ナセルの一端側に設けられるハブと、ハブに回動可能に設けられる複数の風車翼と、各風車翼の回転力をエネルギーに変換する変換部と、ナセル、各風車翼、変換部を制御する制御部であって、風に関する情報を計測するヒータ内蔵型計測器に接続された制御部と、を備え、制御部は、ヒータ内蔵型計測器のヒータの動作状態についての情報を取得し、取得されたヒータの動作状態に基づいて着氷を判定する。
本発明によれば、制御部は、風に関する情報を計測するヒータ内蔵型計測器からヒータの動作状態についての情報を取得することにより、着氷を判定することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、以下に詳述するように、風車(ナセル、ハブ、風車翼からなる)への着氷を、既存の計測器から得られる情報に基づいて判定する。本実施形態では、例えば、風向計、風速計、風向風速計といった風に関する情報を計測するヒータ内蔵型計測器におけるヒータの動作状態を用いることにより、低コストに着氷状態を判定する。
複数の風力発電装置を有する風力発電システムでは、いずれか一つの風力発電装置に設けられた風向風速計等の計測器を利用して、風力発電システム内の全部または一部の風力発電装置への着氷状態を判定することもできる。さらには、風力発電システムに対応付けられた風況観測タワーがある場合、風況観測タワーに設けられたヒータの動作状態を利用することにより、風力発電システム内の全部または一部の風力発電装置への着氷状態を判定することもできる。
着氷の判定結果を、例えばSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)などの遠隔監視装置へ送信し、遠隔監視装置から着氷の有無や落氷の可能性等を風力発電装置の作業者または保守会社等へ通知することもできる。
図1〜図8を用いて第1実施例を説明する。以下の説明は、本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明は以下の説明に限定されず、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
図1は、風力発電装置1の全体構成を示す。図1の下側に風力発電装置1の機械的構造の概略を示し、図1の上側に風力発電装置1の制御構成の概略を示す。図2は、風力発電装置1の正面図である。
風力発電装置1は、ナセル11をヨー駆動装置16により旋回させながら、効率良く風エネルギーを取り込み、風車翼13およびドライブトレイン15を回転させることにより、電気エネルギーや水素エネルギーなどに変換している。
先に機械的構造を説明する。風力発電装置1は、例えば、タワー10と、ナセル11と、ハブ12と、複数の風車翼13と、避雷リング14と、ドライブトレイン15と、ヨー駆動装置16と、風向風速計17と、温度センサ18と、風車ヒータ19と、コントローラ20とを備える。
「支持部」としてのタワー10は、ナセル11を回転可能に支持する。タワー10の上部とナセル11の下部との間には、ヨー駆動装置16が設けられている。
風車翼13と、ハブ12と、ナセル11とはタワー10によって支えられている。なお、ハブ12とナセル11を一体的に構成してもよい。
ナセル11には、「風に関する情報を計測する計測器」の例として、風向風速計17が設置されている。計測器は、図3で後述するように、風向計または風速計でもよい。風向風速計17を雷から保護するために、避雷リング14が設けられている。翼やその他機器により、風向風速計17を雷の直撃から保護することもできる。
本実施例では、ナセル11に風向風速計17を設ける。風向風速計17の検出した風向および風速は、コントローラ20へ送られ、風車の起動(カットイン風速)、停止(カットアウト風速)およびその他の制御等に使用される。
ナセル11の内部には、例えば、ドライブトレイン15と、温度センサ18と、風車内蔵ヒータ19と、コントローラ20とが設けられている。
ナセル11の一端側にはハブ12が設けられている。ハブ12の外周には、各風車翼13が回動可能に設けられている。
温度センサ18は、例えば、ナセル11の内部(18a)、ナセル11の外面(18a)、ハブ12の内部(18c)の少なくともいずれか一箇所に設けることができる。さらには、後述する他の実施例のように、風力発電装置1は、風力発電装置1とは別に設けられる風況観測タワー等の有する温度センサを利用することもできる。
風車内蔵ヒータ19は、ナセル11、ハブ12、風車翼13を温めて付着した氷を溶解させるものである。ヒータ19は、ハブ12内に設けてもよいし、各風車翼13内に設けてもよい。
「制御部」としてのコントローラ20は、例えば、符号20a,20b,20cとして示すように、ナセル11の内部、タワー10の内部、あるいはハブ12の内部の少なくともいずれかに設けることができる。
風力発電装置1の制御構成について説明する。コントローラ20は、例えば、マイクロプロセッサ、メモリ、入出力回路、通信回路(いずれも不図示)といった複数の回路を備える制御盤として構成することができる。あるいは、コントローラ20は、シーケンサ、タイマー、制御リレー(いずれも不図示)等を含む制御盤として構成してもよい。
コントローラ20の制御機能に着目すると、コントローラ20は、例えば、通常制御部201と、着氷判定部202と、通知部203と、出力偏差算出部204と、風車内ヒータ制御部205とを備える。
通常制御部201は、ナセル11のヨー角および各風車翼13のピッチ角などを制御し、ドライブトレイン15からエネルギーを出力させるといった通常の発電制御を行う機能である。
着氷判定部202は、風車の着氷状態を判定する機能である。着氷判定部202は、風向風速計17に内蔵されたヒータ171(図2参照)の動作状態に基づいて、あるいは、ヒータ171a動作状態と、温度センサ18の検出温度または風力発電装置1の発電出力と理論値の偏差の少なくともいずれかとに基づいて、風車の着氷状態を判定する。
風向風速計17に内蔵されたヒータ171の動作状態は、ヒータ動作状態検出部172により検出されてコントローラ20へ入力される。ヒータ動作状態検出部172の例は、図4および図5で後述する。ヒータ171の位置は、図示の例に限らない。
通知部203は、例えば、着氷判定部202の判定結果、あるいは、着氷判定部202の判定結果を解析した結果を、風力発電装置1を管理する管理センタ(例えば、図11のSCADA等)へ出力する。
出力偏差算出部204は、風力発電装置1の発電出力の実測値と理論値(設計値)との偏差を算出する機能である。算出された偏差は、着氷判定部202へ入力される。
風車内ヒータ制御部205は、風力発電装置1の内部に設けられたヒータ19の動作を制御する機能である。
図3を用いて、「ヒータ内蔵型計測器」の例を説明する。本実施例では、図1で示したように、風向風速計17を例に挙げて説明する。これに限らず、図3(1)に示す風向計17aを用いてもよいし、図3(2)に示す風速計17bを用いてもよい。
風向計171aまたは風速計171bには、風向風速計17で述べたと同様にヒータ171が内蔵されている。内蔵ヒータ171は、温度、降水量、風速などのデータをもとに、計測器17,17a,17b内部の制御装置(不図示)により自動制御される。なお、計測器17,17a,17bがいわゆる自己診断機能を有する場合、自装置に生じた異常をコントローラ20へ通知することもできる。
図4,図5を用いて、風向風速計17とコントローラ20との接続例を説明する。図4に示すように、風向風速計17は、電源線210および通信線211により、コントローラ20に接続されてもよい。コントローラ20は、電源線210を介して、例えば直流24Vの電源を風向風速計17へ供給する。通信線211は、例えば、RS232,RS422,RS485等の通信規格に基づいて、風向風速計17とコントローラ20とを通信可能に接続する。
図5に示すように、デジタル信号の通信線211に代えて、アナログ信号の通信線212を用いてもよい。アナログ信号の通信線212では、例えば、4−20mAの電流変化でアナログ信号を伝達する。
風向風速計17は、ナセル11の上部に設置されているため、避雷リング14等により直撃雷から保護されている。しかし、避雷リング14に流れる雷電流による誘導雷によって、電源線210、デジタル通信線211もしくはアナログ信号線212に雷サージが伝搬される可能性がある。そこで、過電圧等による損傷を防ぐために、各電源線210、信号線211,212にそれぞれ避雷器を設置してもよい。
風向風速計17に内蔵されたヒータ171の動作状態を検出する方法を述べる。図4で述べたように、風向風速計17からコントローラ20へ計測値をデジタル信号で送信する場合、その通信フォーマットにヒータ171の動作状態を含めればよい。コントローラ20は、風向風速計17から受信した通信パケットからヒータ171の動作状態を取り出して、着氷判定部202へ渡すことができる。ヒータ171の動作状態として、例えば、ヒータ171のオンオフ状態のほかに、ヒータ171の容量を含めることもできる。
図5で述べたように、風向風速計17から計測値をアナログ信号でコントローラ20へ送信する場合、電源線210に変流器(CT,Current Transformer)を設置することにより、動作しているヒータ容量を算出することができる。
図6は、発電出力の実測値と理論値の差を比較して示すグラフである。風車運転中に風車翼13に着氷した場合、発電出力の実測値と理論値とが異なる傾向にある。さらに、風車翼13への着氷量が多ければ多いほど、実測値と理論値との偏差は大きくなる。特に、風車翼13の先端に着氷した場合は、偏差が大きくなる。したがって、風向風速計17のヒータ171が動作し、風力発電装置1の発電量の実測値と理論値との乖離がみられる場合、風車翼13への着氷と判断することができる。このように、風向風速計17のヒータが171動作している場合、もしくはヒータ171の動作後の一定期間の間において、風力発電装置1の発電出力と理論値とが所定値以上乖離する場合、着氷判定部202は、風車翼13に着氷していると判断することができる。
風力発電装置1に対する着氷状態を判断する他の観点について説明する。風力発電装置1が外気温度センサ18bを有する場合を説明する。外気温度センサ18bの検出した温度が十分高い場合(例えば5℃以上)、少なくとも風車翼13、ナセル11、ハブ12、タワー10には着氷していないと判断することができる。したがって、着氷判定部202は、ヒータ171の動作状態のみならず、外気温度センサ18bの検出温度も考慮することにより、風車の着氷状態を判定することができる。
着氷していると判定された後に、風車の運転や気温上昇等により温度センサ18bの検出温度が高くなった場合(例えば5℃)、着氷判定部202は、風車の各風車翼13、ナセル11、ハブ12に付着した氷が落下する可能性があると判断することができる。氷の落下する可能性が所定の閾値を超えた場合、例えば、通知部203は、SCADA等の管理センタを介して作業者等に警告を発することもできる。
風力発電装置1がナセル11内の温度を検出する温度センサ18aを有する場合を説明する。ナセル内温度センサ18aの検出温度が十分高い場合(例えば5℃以上)、着氷判定部202は、少なくともナセル11は着氷していないと判断することができる。したがって、着氷判定部202は、ヒータ171の動作状態のみならず、ナセル内温度センサ18aの検出温度も考慮することにより、風車の着氷状態を判定することができる。
着氷していると判断された後で、ナセル内温度センサ18aの検出温度が高くなった場合(例えば5℃以上)、着氷判定部202は、ナセル11の外面に付着した氷が落氷する可能性があると判断することができる。
風力発電装置1がハブ内温度センサ18cを有する場合を説明する。ハブ内温度センサ18の検出温度が十分高い場合(例えば5℃以上)、着氷判定部202は、少なくともハブ12は着氷していないと判断することができる。したがって、着氷判定部202は、ヒータ171の動作状態のみならず、ハブ内温度センサ18cの検出温度も考慮することにより、風車の着氷状態を判定することができる。
着氷していると判断された後で、ハブ内温度センサ18cの検出温度が高くなった場合(例えば5℃以上)、着氷判定部202は、ハブ12に付着した氷が落下する可能性があると判断することができる。
ここで、風向風速計17の体格(サイズ)は、各製造メーカによって異なり、また、内蔵されているヒータ171の容量も異なる。さらに、ヒータ171は、風向風速計17内部の制御装置によって自動制御されるため、ヒータ171の動作するタイミングおよび動作継続時間はまちまちである。
しかし、風向風速計17内にヒータ171を設置する目的は、風向データや風速データの計測精度を安定化するためである。特に超音波式の風向風速計17では、トランスデューサー(超音波送受信器)部に着氷すると、適正に計測することができなくなる。そこで、各製造メーカは、トランスデューサー部への着氷を抑制して計測精度を維持すべく、風向風速計17を設計する。風向風速計17内のヒータ171は、上述の目的を達成するために配置されているため、ヒータ171の動作状態に基づいて、風力発電装置1への着氷状態を判断することができる。
図7のフローチャートを用いて、着氷判定処理の一例を説明する。着氷判定部202は、風向風速計17のヒータ171の動作状態を検出する(S11)。風向風速計17からコントローラ20へ送信される通信パケット内にヒータ171の動作状態が含まれる場合は、その情報を利用すればよい。または、風向風速計17に流れる交流電流をCT等で計測することにより、ヒータ171の動作状態を検出することもできる。
着氷判定部202は、ステップS11で検出したヒータ171の動作状態に基づいて、ヒータ171が動作中であるか判定する(S12)。着氷判定部202は、ヒータ171が動作中であると判定した場合(S12:YES)、ヒータ動作時間をカウントする(S13)。これに対し、着氷判定部202は、ヒータ171が動作していないと判定すると(S12:NO)、ヒータ停止時間をカウントする(S14)。
着氷判定部202は、カウントしたヒータ動作時間が、予め定められた動作時間閾値Thtを超えたか判定する(S15)。着氷判定部202は、ヒータ動作時間が閾値Thtを超えた場合(S15:YES)、着氷したと判定する(S16)。着氷判定部202は、ヒータ動作時間が閾値Tht以下である場合(S15:NO)、ステップS12に戻り、ヒータ171の監視を続行する。
図8のフローチャートを用いて、着氷判定処理の他の例を説明する。着氷判定部202は、風向風速計17の内蔵ヒータ171の動作状態を検出すると(S21)、ヒータ171が動作しているか判定する(S22)。
着氷判定部202は、ヒータ171が動作していると判定すると(S22:YES)、ヒータの動作回数をカウントする(S23)。着氷判定部202は、カウントした動作回数が予め定められた動作回数閾値Thcを超えたか判定する(S24)。着氷判定部202は、ヒータ171の動作回数が閾値Thcを超えた場合(S24:YES)、着氷したと判定する(S25)。これに対し、着氷判定部202は、ヒータ171の動作回数が閾値Thc以下であると判定した場合(S24:NO)、ステップS22へ戻る。
このように、着氷判定部202は、風向風速計17に内蔵されたヒータ171の動作回数をカウントし、ヒータの動作回数がある期間において、閾値Thcよりも多く動作している場合に、着氷と判断する。
なお、風向風速計17のヒータ171が動作した場合は、風車翼13にも着氷する可能性があるため、事前に風車翼13を暖気することが望ましい。風車翼13内に設けられたヒータ(図示せず)により、またはナセル11内のヒータ19の熱を風車翼13へ導くヒートパイプにより、風車翼13を着氷前に温めるのが好ましい。これにより、風車翼13への着氷を抑制し、風力発電装置1の性能または信頼性が低下するのを未然に防止することができる。しかし、ヒータ171の暖気対象である風向風速計17と、風車内ヒータ19の暖気対象である風車翼13とでは、必要な熱量が大きく異なる。そこで、例えば、大容量のヒータ19を用いたり、ヒータ171の動作タイミングとほぼ同時にヒータ19を動作させたりする。
このように構成される本実施例によれば、風向風速計17に内蔵されたヒータ171の動作状態から、風力発電装置1の着氷状態を判定することができる。したがって、風車専用の着氷検出装置を用いる必要がなく、風力発電装置1の信頼性を低コストに向上させることができる。
本実施例によれば、着氷したと判定した後で温度が上昇した場合等に、落氷の可能性を判断することもできる。したがって、落氷の可能性等を作業者へ事前に警告することもでき、さらに信頼性を高めることができる。
図9,図10を用いて第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例では、第1実施例との相違を中心に述べる。本実施例では、風向風速計17の内蔵ヒータ171の動作状態に加えて、発電出力の実測値と理論値との偏差および温度センサの検出する温度も考慮して、着氷状態を判定する。
図9のフローチャートは、図7で述べたフローチャートに比べて、新規なステップS17,S18を備える。
ステップS17は、ヒータ171の動作時間が閾値Thtを超えたと判定された場合(S15:YES)、実行される。ステップS17では、風力発電装置1の発電出力の実測値と理論値とが所定値以上乖離しているか判断する(S17)。発電出力の実測値は、例えば、ドライブトレイン15の出力側に設置する電力計などで計測できる。
着氷判定部202は、発電出力の実測値と理論値との偏差が所定値以下の場合(S17:NO)、ステップS12へ戻る。着氷判定部202は、発電出力の実測値と理論値との偏差が所定値を超えて乖離している場合(S17:YES)、温度センサ18の検出した温度を取得する(S18)。
着氷判定部202は、ヒータ動作時間が閾値Thtを超えたことと(S15:YES)、発電出力の実測値と理論値の偏差が所定値を超えたことと(S17:YES)、温度センサ18の検出温度(S18)とに基づいて、着氷状態を総合的に判定し、その判定結果を通知等する(S19)。
図10のフローチャートは、図8で述べたフローチャートに加えて、新規なステップS26,S27を備える。
ステップS26は、ヒータ171の動作回数が閾値Thcを超えたと判定された場合(S24:YES)、実行される。ステップS26では、風力発電装置1の発電出力の実測値と理論値とが所定値以上乖離しているか判断する(S26)。
着氷判定部202は、発電出力の実測値と理論値との偏差が所定値以下の場合(S26:NO)、ステップS22へ戻る。着氷判定部202は、発電出力の実測値と理論値との偏差が所定値を超えて乖離している場合(S26:YES)、温度センサ18の検出した温度を取得する(S27)。
着氷判定部202は、ヒータ動作回数が閾値Thcを超えたことと(S24:YES)、発電出力の実測値と理論値の偏差が所定値を超えたことと(S26:YES)、温度センサ18の検出温度(S27)とに基づいて、着氷状態を総合的に判定し、その判定結果を通知等する(S28)。
このように構成される本実施例も第1実施例とほぼ同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例によれば、着氷判定部202は、ヒータ171の動作状態に加えて、発電出力の実測値と理論値との偏差を考慮するため、着氷状態をより高精度に判定できる。さらに、本実施例による着氷判定部202では、温度センサ18が温度を測定する領域を考慮するため、着氷範囲を限定することもできる。
図11を用いて第3実施例を説明する。本実施例では、少なくとも一つの風力発電装置1a〜1cと、風況観測タワー(MET)3とを備える風力発電システム(風力発電所)に適用する例を説明する。
図11に示す風力発電システムは、複数の風力発電装置1a〜1cと、一つの風況観測タワー3とを備える。風力発電システムは、遠隔監視装置であるSCADA4に通信可能に接続されている。SCADA4は、通信ネットワークCNを介して、製造メーカーの管理システム5、事業者、保守会社の管理システム6、気象情報提供会社の管理システム7のいずれかもしくは複数に接続されている。
SCADA4は、例えば、管理サーバ41、ルータ42と、スイッチングハブ43とを含む。SCADA4は、遠隔から風力発電システムの状態、すなわち各風力発電装置1a〜1cの運転状況を監視する。
SCADA4には、インターネット等の通信ネットワークCNを介して、外部からアクセス可能である。SCADA4は、メール送信機能を有しており、風車からの落氷の可能性がある場合に顧客、事業者、メンテナンス会社、メンテナンス員、近隣住民等の関係者に対して通知することもできる。この通知(警告)には、落氷の可能性のある風力発電装置を特定する情報(号機)を加えることができる。さらに、SCADA4は、落氷の可能性等が検知された風力発電装置を遠隔操作で停止させることもできる。
風況観測タワー3は、風力発電システムの正確な風況観測を行うためのものであり、風向風速計17を有する。風向風速計17に内蔵されたヒータにより、そのヒータの動作状態に基づいて風力発電装置1a〜1cの着氷状態を判定可能である。着氷判定部202は、風況観測タワー3内のコントローラ(不図示)に設けてもよいし、あるいは、SCADA4の管理サーバ41に設けてもよい。
気象情報提供会社の管理システム7により、天気(たとえば、晴れ、曇り、雨)、注意報、警報(たとえば、雷、乾燥、雪)などの情報を取得することができる。
着氷判定部202は、図7、図8、図9で述べたフローチャートに加えて、気象情報提供会社の管理システム7を考慮することで、着氷状態をより高精度に判定することができる。
このように構成される本実施例によれば、風力発電システム単位で設けられる風向風速計17の内蔵ヒータの動作状態に基づいて、風力発電システムを構成する各風力発電装置1a〜1cの着氷状態を判定することができる。したがって、本実施例によれば、より一層低コストに、風力発電装置1a〜1cの信頼性を向上することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されず、様々な変形例が含まれる。例えば、上記実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれる。さらに特許請求の範囲に記載された構成は、特許請求の範囲で明示している組合せ以外にも組み合わせることができる。
1:風力発電装置、3:風況観測タワー、4:遠隔監視装置、5:製造メーカの管理システム、6:事業者または保守会社の管理システム、7:気象情報提供会社の管理システム、10:タワー、11:ナセル、12:ハブ、13:風車翼、14:避雷リング、15:ドライブトレイン、17:風向風速計、18:温度センサ、19:風車内ヒータ、20:コントローラ、171:風向風速計内蔵ヒータ、202:着氷判定部
Claims (12)
- 支持部により回動可能に指示されるナセルと、
前記ナセルの一端側に設けられるハブと、
前記ハブに回動可能に設けられる複数の風車翼と、
前記各風車翼の回転力をエネルギーに変換する変換部と、
前記ナセル、前記各風車翼、前記変換部を制御する制御部であって、風に関する情報を計測するヒータ内蔵型計測器に接続された制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記ヒータ内蔵型計測器のヒータの動作状態についての情報を取得し、
前記取得されたヒータの動作状態に基づいて着氷を判定する、
を備える風力発電装置。 - 前記ヒータ内蔵型計測器は、前記ナセルに設けられている風向風速計、風速計、または風向計のいずれかである、
請求項1に記載の風力発電装置。 - 前記制御部は、前記ヒータの動作状態としての前記ヒータの動作時間に基づいて、着氷を判定する、
請求項2に記載の風力発電装置。 - 前記制御部は、前記ヒータの動作状態としての前記ヒータの動作回数に基づいて、着氷を判定する、
請求項2に記載の風力発電装置。 - 前記制御部は、
実際の発電出力と発電出力の理論値との偏差を算出し、
前記算出された偏差と前記ヒータの動作状態とに基づいて着氷を判定する、
請求項1に記載の風力発電装置。 - 所定の箇所の温度を測定する温度センサをさらに備え、
前記制御部は、前記温度センサにより検出された温度と前記ヒータの動作状態とに基づいて着氷を判定する、
請求項1に記載の風力発電装置。 - 前記制御部は、前記温度センサにより検出された温度に基づいて、前記所定の箇所における着氷の有無を判定する、
請求項6に記載の風力発電装置。 - 所定の箇所の温度を測定する温度センサをさらに備え、
前記制御部は、
実際の発電出力と発電出力の理論値との偏差を算出し、
前記温度センサにより検出された温度と、前記算出された偏差と、前記ヒータの動作状態とに基づいて着氷を判定し、さらに、
前記温度センサにより検出された温度に基づいて、前記所定の箇所における着氷の有無を判定する、
請求項1に記載の風力発電装置。 - 前記所定の箇所は、前記ナセルの外部、前記ナセルの内部、前記ハブの内部のうちの少なくともいずれか一つである、
請求項8に記載の風力発電装置。 - 前記制御部は、着氷の判定結果を他の風力発電装置の制御部に通知する、
請求項1に記載の風力発電装置。 - 風力発電装置の制御方法であって、
風に関する情報を計測するヒータ内蔵型計測器からヒータの動作状態についての情報を取得し、
前記風力発電装置の発電出力と理論値との偏差を算出し、
所定の箇所の温度を測定する温度センサから温度を取得し、
前記温度と前記偏差と前記ヒータの動作状態とに基づいて着氷を判定し、
判定結果を出力する、
風力発電装置の制御方法。 - 少なくとも一つの風力発電装置と、風況観測タワーとを備える風力発電システムであって、
ヒータを内蔵し、風に関する情報を計測する計測器が前記風力発電装置または前記風況観測タワーの少なくともいずれか一つに設けられており、
管理装置は、前記ヒータの動作状態に基づいて前記風力発電装置の着氷を判定する、
風力発電システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018121540A JP2020002835A (ja) | 2018-06-27 | 2018-06-27 | 風力発電装置およびその制御方法、風力発電システム |
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JP2018121540A JP2020002835A (ja) | 2018-06-27 | 2018-06-27 | 風力発電装置およびその制御方法、風力発電システム |
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JP (1) | JP2020002835A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021140887A1 (ja) | 2020-01-10 | 2021-07-15 | 日本精工株式会社 | 算出方法、軸受装置及び工作機械の主軸装置 |
CN114593024A (zh) * | 2022-04-06 | 2022-06-07 | 华润电力技术研究院有限公司 | 风机叶片结冰预测方法以及相关设备 |
-
2018
- 2018-06-27 JP JP2018121540A patent/JP2020002835A/ja active Pending
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