JP2020002586A - 梁筋とその配筋方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度で施工性に優れた梁筋とその配筋方法を提供する。【解決手段】底筋部11と底筋部11の左右端から上方に立ち上がる立ち上がり筋部12とを有するあばら筋10が所定のピッチで配設され、各あばら筋10同士が、対応する左右の立ち上がり筋部12の上端内側に全強度溶接にて上端主筋20に接続されてなる下方ユニット40と、逆L字状を呈し、天端筋部51と、天端筋部51から下方に垂れる垂れ筋部53とを有し、天端筋部51の端部は135度フック52を有し、垂れ筋部53の下端は180度フック54を有するキャップタイ50と、から構成され、対応するあばら筋10の立ち上がり筋部12とキャップタイ50の垂れ筋部53とが所定の重ね継手長さLでラップして梁筋100が構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、建物の基礎梁や柱同士を繋ぐ梁を構成する梁筋とその配筋方法に関する。
建物の基礎梁や柱同士を繋ぐ梁を構成する梁筋の配筋に当たり、現場にて梁筋の長手方向に亘ってあばら筋間のピッチを測定しながら複数のあばら筋を配筋し、あばら筋を構成する縦筋に横筋(腹筋)を結束等にて取り付け、あばら筋の上下内側にそれぞれ複数の主筋を接続する作業を効率化するべく、いわゆる溶接鉄筋を使用する施工方法が適用されることがある。この溶接鉄筋は、工場等にて例えばあばら筋と横筋を予め溶接にてユニット化したものであり、このような溶接鉄筋を現場に搬入し、現場にて例えば上方のユニットと下方のユニットを接続することにより、閉鎖型のあばら筋を配筋する。そして、閉鎖型のあばら筋の上下の内側に上端主筋と下端主筋を配筋し、結束等することにより、梁筋が配筋される。
ここで、複数のあばら筋が上端主筋と下端主筋でユニット化された下方ユニットに対して、フックを有していないキャップタイを被せて配筋することにより形成される、梁筋の配筋構造と配筋方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−29249号公報
しかしながら、特許文献1に記載の梁筋では、キャップタイである上方のあばら筋がフックを有していないことに加えて、下方のあばら筋に対してキャップタイが僅かにラップした状態で配筋されているに過ぎないことから、十分な強度を有している梁筋であるか否かは不明である。なお、鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説 2010(日本建築学会)によれば、上記するキャップタイ形式の配筋においては、例えば、下方のあばら筋の上端に135度のフックを設け、この下方のあばら筋とキャップタイを8d(dは異形鉄筋の呼び名)の重ね継手長さで重ねる配筋仕様が記載されている。このような一般仕様に鑑みると、特許文献1に記載のキャップタイ形式の梁筋の強度が十分であるか否か、言い換えれば、上下のあばら筋同士が強度のある態様で閉鎖型の鉄筋を形成しているか否かが不明であると言わざるを得ない。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、高強度で施工性に優れた梁筋とその配筋方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による梁筋の一態様は、
上方に開いたコの字状を呈し、底筋部と、該底筋部の左右端から上方に立ち上がる立ち上がり筋部と、を有するあばら筋が所定のピッチで配設され、各あばら筋同士が、対応する左右の前記立ち上がり筋部の上端内側において全強度溶接にて上端主筋に接続されてなる下方ユニットと、
逆L字状を呈し、天端筋部と、該天端筋部から下方に垂れる垂れ筋部と、を有するキャップタイであって、前記天端筋部の端部は135度フックを有し、前記垂れ筋部の下端は180度フックを有するキャップタイと、から構成され、
前記あばら筋を形成する前記底筋部と前記立ち上がり筋部の境界の曲げ部の内側に下端主筋が接続されており、
前記下方ユニットの各あばら筋に対して前記キャップタイが被せられた状態において、
前記135度フックは一方の前記上端主筋に係合され、
対応する前記あばら筋の前記立ち上がり筋部と前記キャップタイの前記垂れ筋部とが所定の重ね継手長さでラップしていることを特徴とする。
本態様によれば、複数のあばら筋が上端主筋にて一体化された下方ユニットの立ち上がり筋部と、各あばら筋に対応するキャップタイの垂れ筋部とが所定の重ね継手長さでラップしつつ、さらに垂れ筋部が180度フックを有していることにより、高い強度で一体化された梁筋が形成される。さらに、キャップタイの天端筋部の端部の135度フックが下方ユニットを形成する一方の上端主筋に係合していることにより、より一層高い強度で一体化された梁筋が形成される。また、本態様では、横筋の配筋が不要であり、横筋(もしくは腹筋、段取り筋等とも称される)を必須の構成としている従来一般の梁筋に比べて、鉄筋量を可及的に低減することができる。
本態様にて適用されるキャップタイは、逆L字状を呈し、天端筋部と該天端筋部から下方に垂れる垂れ筋部とを有し、さらに、天端筋部の端部は135度フックを有し、垂れ筋部の下端は180度フックを有する。従って、上記する鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説にて記載されるキャップタイ、すなわち、下方に開いたコの字状を呈し(90度フック、「ただし、スラブが取り付く側の場合」と規定)、一般的な重ね継手長さであばら筋とラップしない従来のキャップタイとは構成が全く相違している。
ここで、下方ユニットにおいてあばら筋と上端主筋が接続される「全強度溶接」とは、「全強度鉄筋交差溶接」とも言い、あばら筋のJIS規格降伏点以上の強度を溶接部が有し、鉄筋の伸びも溶接前の鉄筋のJIS規格値以上であり、溶接部のせん断強度があばら筋の短期の許容引張強度以上となるスポット溶接を意味する。尚、通常のスポット溶接は、溶接部が鉄筋のJIS規格降伏点の1/3乃至2/3程度を保証するものである。この全強度溶接は、通常のスポット溶接を二回以上繰り返すものであり、一度のスポット溶接後に溶接部が急冷する前に二度目のスポット溶接を行うことにより焼き鈍す溶接方法である。
尚、下方ユニットに必ずしも含まれない下端主筋が、あばら筋を形成する底筋部と立ち上がり筋部の境界の曲げ部の内側に接続されている。この下端主筋も、あばら筋に対して全強度溶接にて接続されていてもよいし、結束線等で結束されてもよい。このあばら筋に対する下端主筋の接続態様は、後述する配筋方法の相違によって異なってくるものである。
また、下方ユニットにおいて、あばら筋の立ち上がり筋部の上端内側において全強度溶接されている上端主筋は、あばら筋におけるフック代替筋となる。このように、フック代替筋である上端主筋を備えていることにより、あばら筋からはフックを不要にできる。尚、「所定の重ね継手長さ」とは、「所定のフック付き重ね継手長さ」を意味しており、コンクリートの設計基準強度Fc(Fc=21N/mm等)と鉄筋の種類(SD295A,B、SD345等)によって決定され、一般に20d乃至40d(mm)の間で設定される(dは異形鉄筋の呼び名)。
また、本発明による梁筋の他の態様は、複数の前記あばら筋に対して、複数の前記キャップタイの前記垂れ筋部の左右位置が交互に向きを変えて配筋されていることを特徴とする。
本態様によれば、複数の逆L字状のキャップタイが下方ユニットを形成する各あばら筋に対して交互に千鳥配置されていることにより、全長に亘って左右の剛性が均等な梁筋を形成できる。尚、その他のあばら筋の配筋形態としては、全ての逆L字状のキャップタイが、下方ユニットを形成する各あばら筋の右側もしくは左側のいずれか一方の立ち上がり筋部に対して同じ側に配筋される形態がある。
また、本発明による梁筋の他の態様は、前記180度フックが、前記梁筋の高さの中央位置よりも下方位置であって該中央位置の近傍に配設されていることを特徴とする。
本態様によれば、キャップタイの有する垂れ筋部の下端にある180度フックを梁筋の高さの中央位置よりも下方位置であって該中央位置の近傍に配設したことにより、せん断ひび割れ発生時においても、構造的に安定した梁筋を形成できる。ここで、「中央位置の近傍」とは、梁筋の梁成をhとした際に、梁筋の下方からh/2の位置が中央位置となり、この中央位置から下方h/4の範囲を意味している。
また、本発明による梁筋の配筋方法の一態様は、
上方に開いたコの字状を呈し、底筋部と、該底筋部の左右端から上方に立ち上がる立ち上がり筋部と、を有するあばら筋が所定のピッチで配設され、各あばら筋同士が、対応する左右の前記立ち上がり筋部の上端内側において全強度溶接にて上端主筋に接続されてなる下方ユニットを配筋する、下方ユニット設置工程と、
逆L字状を呈し、天端筋部と、該天端筋部から下方に垂れる垂れ筋部と、を有するキャップタイであって、前記天端筋部の端部は135度フックを有し、前記垂れ筋部の下端は180度フックを有する複数のキャップタイを、前記下方ユニットの各あばら筋に被せて配筋し、前記135度フックを一方の前記上端主筋に係合させ、対応する前記あばら筋の前記立ち上がり筋部と前記キャップタイの前記垂れ筋部とを所定の重ね継手長さでラップさせて接続する、接続工程と、
前記あばら筋を形成する前記底筋部と前記立ち上がり筋部の境界の曲げ部の内側に下端主筋を接続する、下端主筋接続工程と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、例えば工場にて製作された下方ユニットとキャップタイを現場に搬送し、キャップタイの135度フックを下方ユニットを形成する一方の上端主筋に係合させ、立ち上がり筋部と垂れ筋部を所定の重ね継手長さでラップさせて双方を結束等にて組み付けることにより、効率的に梁筋を配筋することができる。特に、下方ユニットが上端主筋を有していることにより、キャップタイを下方ユニットの上方から被せた際に、上端主筋にキャップタイを載置することができ、この載置状態において所定の重ね継手長さを自動的に形成できることから、重ね継手長さを計測しながらラップさせる等の手間のかかる配筋は一切不要になる。
また、従来一般に用いられている、両端に135度フックを有するキャップタイでは、左右の立ち上がり筋部の上端内側において溶接接合されている2本の上端主筋に対して、このキャップタイを直接配筋することはできない。そのため、一方の端部に135度フックが形成されたキャップタイの当該135度フックを一方の上端主筋に引っ掛けた後、キャップタイの他方の端部を現場にて135度に曲げ加工し、他方の上端主筋に引っ掛けるようにして他方の135度フックを形成する等の加工が必要となる。しかしながら、本態様によれば、135度フックと180度フックを有するキャップタイを適用することにより、このような現場加工は一切不要になる。
尚、本態様においては、下方ユニットが下端主筋を有していないことから、キャップタイと下方ユニットを結束した後、下方ユニットのあばら筋を構成する底筋部と立ち上がり筋部の境界の曲げ部の内側に下端主筋を接続する。この接続は、例えば結束等にて行うことができる。また、本態様によれば、下方ユニットが下端主筋を備えていないことから、下方ユニットが下端主筋を有する場合と比較すると、同程度の重量の下方ユニットを製作する際に、下方ユニットの延長(梁筋の長手方向へのユニット長さ)を長くすることができる。
また、本発明による梁筋の配筋方法の他の態様は、
上方に開いたコの字状を呈し、底筋部と、該底筋部の左右端から上方に立ち上がる立ち上がり筋部と、を有するあばら筋が所定のピッチで配設され、各あばら筋同士が、対応する左右の前記立ち上がり筋部の上端内側において全強度溶接にて上端主筋に接続され、かつ、前記底筋部と前記立ち上がり筋部の境界の内側に下端主筋が溶接にて接続されてなる下方ユニットを配筋する、下方ユニット設置工程と、
逆L字状を呈し、天端筋部と該天端筋部から下方に垂れる垂れ筋部とを有するキャップタイであって、前記天端筋部の端部は135度フックを有し、前記垂れ筋部の下端は180度フックを有するキャップタイを、前記下方ユニットに被せて配筋し、前記135度フックは一方の前記上端主筋に係合させ、対応する前記あばら筋の前記立ち上がり筋部と前記キャップタイの前記垂れ筋部とを所定の重ね継手長さでラップさせて接続する、接続工程と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、下方ユニットがあばら筋に対して上端主筋も下端主筋も溶接にて接続されていることから、下方ユニットに対してキャップタイを結束等にて組み付けた際に、梁筋の配筋を完成させることができる。すなわち、下方ユニットとキャップタイの組み付けの後に下端主筋の配筋をさらに行う手間を解消することができる。ここで、あばら筋に対して、下端主筋は全強度溶接にて接続されていてもよいし、スポット溶接にて接続されてもよい。
また、本態様による梁筋の配筋方法の他の態様は、前記接続工程において、複数の前記あばら筋に対して、複数の前記キャップタイの前記垂れ筋部の左右位置を交互に向きを変えて配筋することを特徴とする。
本態様によれば、逆L字状のキャップタイを適用しながらも、全長に亘って左右の剛性が均等な梁筋を効率的に施工することができる。
また、本態様による梁筋の配筋方法の他の態様は、前記180度フックを、前記梁筋の高さの中央位置よりも下方位置であって該中央位置の近傍に配設することを特徴とする。
本態様によれば、せん断ひび割れ発生時においても構造的に安定した梁筋を、効率的に施工することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の梁筋とその配筋方法によれば、高強度で施工性に優れた梁筋を提供することができる。
第1の実施形態に係る梁筋の配筋方法を説明する工程図である。 図1に続いて第1の実施形態に係る梁筋の配筋方法を説明する工程図である。 図2に続いて第1の実施形態に係る梁筋の配筋方法を説明する工程図であるとともに、第1の実施形態に係る梁筋を説明する図である。 第2の実施形態に係る梁筋の配筋方法を説明する工程図である。 図4に続いて第2の実施形態に係る梁筋の配筋方法を説明する工程図であるとともに、第2の実施形態に係る梁筋を説明する図である。
以下、本発明の各実施形態に係る梁筋の配筋方法と各配筋方法にて形成された梁筋について添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[第1の実施形態に係る梁筋の配筋方法と梁筋]
はじめに、図1乃至図3を参照して、第1の実施形態に係る梁筋の配筋方法とこの配筋方法にて形成された梁筋を説明する。ここで、図1乃至図3はこの順に、第1の実施形態に係る梁筋の配筋方法を説明する工程図であり、図3はさらに、第1の実施形態に係る梁筋を説明する図である。図1に示すように、本実施形態に係る梁筋の配筋方法は、工場等にて予め下方ユニット40とキャップタイ50を製作したものを現場搬送し、現場にて下方ユニット40とキャップタイ50を組み付けることにより梁筋の配筋を行うものである。
図1に示すように、下方ユニット40は、上方に開いたコの字状を呈し、底筋部11と、底筋部11の左右端から上方に立ち上がる立ち上がり筋部12と、を有するあばら筋10が、梁筋の長手方向であるZ方向に所定のピッチsで配設され、各あばら筋10同士が、対応する左右の立ち上がり筋部12の上端内側において上端主筋20にて接続されることにより形成されている。
ここで、立ち上がり筋部12と上端主筋20の接続は、全強度溶接にて接続される。この全強度溶接は、通常のスポット溶接を二回以上繰り返す溶接であり、一度のスポット溶接後に溶接部が急冷する前に二度目のスポット溶接を行うことにより、焼き鈍す溶接方法である。この全強度溶接により、あばら筋10と上端主筋20の溶接部があばら筋10のJIS規格降伏点以上の強度を有し、鉄筋の伸びも溶接前の鉄筋のJIS規格値以上であり、溶接部のせん断強度があばら筋の短期の許容引張強度以上を有することになり、双方の部材が高い接続強度で接続されている。
図示する所定のピッチsは、150mm、200mm等、コンクリート内における必要鉄筋量等から決定される。また、あばら筋10は例えば異形棒鋼から形成され、直径10mm(D10)、D13等の鉄筋が適用され、これも上記所定のピッチsとの関連で必要鉄筋量等から決定される。
上端主筋20には所定径の異形棒鋼が適用され、図示例の上端主筋20は2本であることから、設計曲げモーメントや設計せん断力等を満たすようにその径が設定される。尚、必要鉄筋量の観点からは、最終的に梁筋された状態において、2本の上端主筋20の間に1以上の別途の上端主筋20が配筋されてもよい。例えば、図示例においては、D19、D22等の異形棒鋼を適用できる(以上、下方ユニット設置工程)。
一方、キャップタイ50は、逆L字状を呈し、天端筋部51と、天端筋部51から下方に垂れる垂れ筋部53とを有し、天端筋部51の端部は135度フック52を有し、垂れ筋部53の下端は180度フック54を有する。
梁筋の形成に当たり、図示する下方ユニット40は5本のあばら筋10を有しており、従って、キャップタイ50も各あばら筋10に対応する5本が用意される。また、各あばら筋10に対して、対応する各キャップタイ50は垂れ筋部53の左右位置が交互に向きを変える態様で、千鳥配置に配筋されることから、図1に示すような各キャップタイ50の配置となる。
下方ユニット40においては、あばら筋10が立ち上がり筋部12の端部にフックを具備しないものの、上端主筋20が全強度溶接にて接続されていることにより、この上端主筋20がフックに代わるフック代替筋となる。このように、あばら筋10の端部に上端主筋20が全強度溶接にて接続されていることから、フックに期待されるあばら筋10のコンクリート内における良好な定着性が保証される。
尚、図示例の下方ユニット40を形成するあばら筋10とキャップタイ50は、いずれも5本ずつであるが、現場への搬送性の他、現場における運搬性等の施工性の観点から、6本以上のあばら筋10とキャップタイ50を有して可能な限りZ方向に長いユニットとしてもよい。
特に、下方ユニット40が主筋として上端主筋20のみを有し、下端主筋を有していないことから、後述する第2の実施形態に係る配筋方法で適用される下方ユニットと比べて下方ユニット40の重量が相対的に軽量になっている。そのため、下端主筋を有する第2の実施形態に係る下方ユニットと比べて、Z方向により一層長い下方ユニット40とすることができる。また、このようにより一層長い下方ユニット40を用意した場合は、キャップタイ50に関しても、この長い下方ユニット40の有するあばら筋10に対応する数のキャップタイ50が用意される。
次に、図2に示すように、キャップタイ50を下方ユニット40に被せて配筋する。具体的には、135度フック52を一方の上端主筋20に係合させ、対応するあばら筋10の立ち上がり筋部12とキャップタイ50の垂れ筋部53とを所定の重ね継手長さL(「所定のフック付き重ね継手長さ」)でラップさせて接続することにより、梁筋中間体100'を施工する(以上、接続工程)。
ここで、日本建築学会建築工事標準仕様書(JASS5)2009年、「鉄筋工事」に基づけば、端部にフックを備えたあばら筋同士を所定の重ね継手長さを確保するように相互にラップさせて接続する場合の重ね継手長さは、コンクリートの設計基準強度Fc(Fc=21N/mm等)と鉄筋の種類(SD295A,B、SD345等)によって決定さる。従って、本実施形態における重ね継手長さLもこの基準に則り、20d乃至40d(mm)の間で設定することができる。
この接続工程では、下方ユニット40が上端主筋20を有していることにより、キャップタイ50を下方ユニット40の上方から被せた際に、2本の上端主筋20の上にキャップタイ50を載置することができる。そして、この載置状態において、所定の重ね継手長さLを自動的に形成できることから、重ね継手長さLを計測しながら立ち上がり筋部12と垂れ筋部53をラップさせる等の手間のかかる配筋は一切不要になる。すなわち、このような重ね継手長さLの計測に際してキャップタイ50を固定する治具を一切不要としながら、高い効率性の下で梁筋を配筋することができる。
次に、図3に示すように、各あばら筋10を形成する底筋部11と立ち上がり筋部12の境界の曲げ部の内側に下端主筋30を配筋し、接続することにより、第1の実施形態に係る梁筋100が配筋される(下端主筋接続工程)。ここで、あばら筋10に対する下端主筋30の接続は、結束線等による結束にて行われる。
図3に示すように、梁筋100においては、キャップタイ50の有する180度フック54が、梁筋100の高さhの中央位置(h/2)よりも下方位置であって、中央位置の近傍に配設されている。ここで、「中央位置の近傍」とは、梁筋100の中央位置から例えば下方h/4未満の範囲を意味している。このように、180度フック54を梁筋100の高さhの中央位置よりも下方位置であって、中央位置の近傍に配設していることにより、せん断ひび割れ発生時においても構造的に安定した梁筋100を形成できる。
また、梁筋100は、横筋の配筋を不要としている。そのため、横筋を必須の構成としている従来一般の梁筋に比べて、鉄筋量を可及的に低減することが可能になり、施工手間も軽減される。
さらに、梁筋100において、複数のキャップタイ50が下方ユニット40を形成する各あばら筋10に対して交互に千鳥配置されていることにより、全長に亘って左右の剛性が均等な梁筋100が形成される。尚、その他のあばら筋の配筋形態としては、全てのキャップタイ50が、下方ユニット40を形成する各あばら筋10の右側もしくは左側のいずれか一方の立ち上がり筋部12に対して同じ側に配筋される形態があり、この形態が適用されてもよい。
[第2の実施形態に係る梁筋の配筋方法と梁筋]
次に、図4及び図5を参照して、第2の実施形態に係る梁筋の配筋方法とこの配筋方法にて形成された梁筋を説明する。ここで、図4と図5はこの順に、第2の実施形態に係る梁筋の配筋方法を説明する工程図であり、図5はさらに、第2の実施形態に係る梁筋を説明する図である。図4に示すように、本実施形態に係る梁筋の配筋方法においても、第1の実施形態の配筋方法と同様に、工場等にて予め下方ユニット40Aとキャップタイ50を製作したものを現場搬送し、現場にて下方ユニット40Aとキャップタイ50を組み付けることにより梁筋の配筋を行うものである。
以下の説明では、第1の実施形態の配筋方法との相違点を述べることにより、第2の実施形態の配筋方法や梁筋の構成の理解が容易となることから、図1乃至図3も適宜参照しながら第2の実施形態の配筋方法と梁筋を説明する。
図1と図4を比較すると明らかなように、第2の実施形態に係る配筋方法では、下方ユニット40Aが、あばら筋10の左右の立ち上がり筋部12の上端内側に全強度溶接にて上端主筋20を有していることに加えて、底筋部11と立ち上がり筋部12の境界の内側に全強度溶接にて下端主筋30を有している。すなわち、下方ユニット設置工程により、上端主筋20と下端主筋30が同時に配筋されることが特徴である。
また、第1の実施形態における下方ユニット40と異なり、第2の実施形態における下方ユニット40Aは下端主筋30を有している分だけユニット重量が増加する。そのため、例えば下方ユニット40と同重量の下方ユニット40Aを製作しようとした際に、同程度の施工性を保証するには、梁筋の長手方向であるZ方向の長さを相対的に短くすることを要する。例えば、図1における下方ユニット40が所定間隔sを有した5本のあばら筋10を備えているのに対して、図4における下方ユニット40Aは所定間隔sを有した4本のあばら筋10を備えていて、例えば全体の重量が同程度になっている。尚、キャップタイ50も、下方ユニット40Aの有するあばら筋10の数に応じて、4本のキャップタイ50が用意される。
図5に示すように、キャップタイ50を下方ユニット40Aに被せて配筋し、135度フック52を一方の上端主筋20に係合させ、対応するあばら筋10の立ち上がり筋部12とキャップタイ50の垂れ筋部53とを所定の重ね継手長さLでラップさせて結束等にて接続することにより、自動的に梁筋100Aの配筋が完了する(接続工程)。
この配筋方法によれば、下方ユニット40Aとキャップタイ50の組み付けの後に、下端主筋30の配筋をさらに行う手間を解消することができ、より一層高い効率性の下で梁筋の配筋を行うことができる。
そして、形成された梁筋100Aにおいても、180度フック54が梁筋100Aの高さhの中央位置(h/2)よりも下方の領域であって、中央位置から下方h/4未満の範囲に配設されていることにより、せん断ひび割れ発生時においても構造的に安定した梁筋100Aを形成できる。また、梁筋100Aにおいても、横筋の配筋は不要である。さらに、梁筋100Aにおいても、複数のキャップタイ50が下方ユニット40Aを形成する各あばら筋10に対して交互に千鳥配置されていることにより、全長に亘って左右の剛性が均等な梁筋100Aが形成される。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:あばら筋、11:底筋部、12:立ち上がり筋部、20:上端主筋、30:下端主筋、40,40A:下方ユニット、50:キャップタイ、51:天端筋部、52:130度フック、53:垂れ筋部、54:180度フック、100,100A:梁筋

Claims (7)

  1. 上方に開いたコの字状を呈し、底筋部と、該底筋部の左右端から上方に立ち上がる立ち上がり筋部と、を有するあばら筋が所定のピッチで配設され、各あばら筋同士が、対応する左右の前記立ち上がり筋部の上端内側において全強度溶接にて上端主筋に接続されてなる下方ユニットと、
    逆L字状を呈し、天端筋部と、該天端筋部から下方に垂れる垂れ筋部と、を有するキャップタイであって、前記天端筋部の端部は135度フックを有し、前記垂れ筋部の下端は180度フックを有するキャップタイと、から構成され、
    前記あばら筋を形成する前記底筋部と前記立ち上がり筋部の境界の曲げ部の内側に下端主筋が接続されており、
    前記下方ユニットの各あばら筋に対して前記キャップタイが被せられた状態において、
    前記135度フックは一方の前記上端主筋に係合され、
    対応する前記あばら筋の前記立ち上がり筋部と前記キャップタイの前記垂れ筋部とが所定の重ね継手長さでラップしていることを特徴とする、梁筋。
  2. 複数の前記あばら筋に対して、複数の前記キャップタイの前記垂れ筋部の左右位置が交互に向きを変えて配筋されていることを特徴とする、請求項1に記載の梁筋。
  3. 前記180度フックが、前記梁筋の高さの中央位置よりも下方位置であって該中央位置の近傍に配設されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の梁筋。
  4. 上方に開いたコの字状を呈し、底筋部と、該底筋部の左右端から上方に立ち上がる立ち上がり筋部と、を有するあばら筋が所定のピッチで配設され、各あばら筋同士が、対応する左右の前記立ち上がり筋部の上端内側において全強度溶接にて上端主筋に接続されてなる下方ユニットを配筋する、下方ユニット設置工程と、
    逆L字状を呈し、天端筋部と、該天端筋部から下方に垂れる垂れ筋部と、を有するキャップタイであって、前記天端筋部の端部は135度フックを有し、前記垂れ筋部の下端は180度フックを有する複数のキャップタイを、前記下方ユニットの各あばら筋に被せて配筋し、前記135度フックを一方の前記上端主筋に係合させ、対応する前記あばら筋の前記立ち上がり筋部と前記キャップタイの前記垂れ筋部とを所定の重ね継手長さでラップさせて接続する、接続工程と、
    前記あばら筋を形成する前記底筋部と前記立ち上がり筋部の境界の曲げ部の内側に下端主筋を接続する、下端主筋接続工程と、を有することを特徴とする、梁筋の配筋方法。
  5. 上方に開いたコの字状を呈し、底筋部と、該底筋部の左右端から上方に立ち上がる立ち上がり筋部と、を有するあばら筋が所定のピッチで配設され、各あばら筋同士が、対応する左右の前記立ち上がり筋部の上端内側において全強度溶接にて上端主筋に接続され、かつ、前記底筋部と前記立ち上がり筋部の境界の内側に下端主筋が溶接にて接続されてなる下方ユニットを配筋する、下方ユニット設置工程と、
    逆L字状を呈し、天端筋部と、該天端筋部から下方に垂れる垂れ筋部と、を有するキャップタイであって、前記天端筋部の端部は135度フックを有し、前記垂れ筋部の下端は180度フックを有するキャップタイを、前記下方ユニットに被せて配筋し、前記135度フックは一方の前記上端主筋に係合させ、対応する前記あばら筋の前記立ち上がり筋部と前記キャップタイの前記垂れ筋部とを所定の重ね継手長さでラップさせて接続する、接続工程と、を有することを特徴とする、梁筋の配筋方法。
  6. 前記接続工程において、複数の前記あばら筋に対して、複数の前記キャップタイの前記垂れ筋部の左右位置を交互に向きを変えて配筋することを特徴とする、請求項4又は5に記載の梁筋の配筋方法。
  7. 前記180度フックを、前記梁筋の高さの中央位置よりも下方位置であって該中央位置の近傍に配設することを特徴とする、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の梁筋の配筋方法。
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