JP2020002243A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、作製時、射出成形時等における押出加工特性に優れ、同時に優れた金属調外観を有する成形品が得られる樹脂組成物を提供することにある。【解決手段】本発明の樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂100質量部と、(B)体積平均粒子径が3〜40μmで、平均粒子厚さが0.03〜0.4μmである金属粒子0.1〜10質量部と、(C)化合物全体の質量に占める酸素原子の質量の割合が、1〜27%であるポリアルキレングリコール化合物0.01〜5質量部と、を含むことを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。
ポリアミド樹脂は、機械特性をはじめとして、成形加工性等において優れた特性を有するため、従来から自動車部品、電子電気部品、工業機械部品等各種部品に広く利用されている。さらにポリアミド樹脂からなる部品は、人の目に触れる部品にも好適に使用され、着色やシボなどの表面加工が幅広く行われており、従来より精密機器、家電、OA機器、自動車、工業材料及び雑貨等の機構部品や摺動部品を中心に広範囲に用いられている。
中でも、メタリック調と呼ばれる特徴的な金属光沢感を付与する目的で、鱗片状アルミニウム粉(以下「アルミフレーク」とも称す)に代表されるような金属粒子からなるメタリック着色顔料を、各種樹脂に配合することが行われている。メタリック着色顔料を配合した樹脂組成物は、自動車の内外装部品やパソコン筐体等に用いられている。
このようなポリアミド樹脂組成物としては、例えば、以下に示す特許文献に記載の樹脂組成物が知られており、例えば、光沢顔料を含む樹脂を成形することで、金属光沢性を発現させ意匠性を付与する試みがなされている。具体的には、特許文献1では特定のメタリック顔料を配合した合成樹脂組成物成形体が開示されており、特許文献2では、樹脂組成物を自動車エンジンルーム内の部品に使用することが提案されている。特許文献3では、ポリアミド樹脂の特性を保持したままメタリック調の外観を有し、かつウエルドラインの発生を防止した製品が得られる組成物が提案されている。特許文献4では、押出特性、成形時の滞留安定性及び該槓子性に優れ、有機溶剤の含有量が低減されたメタリック調ポリアミド樹脂組成物が提案されている。また特許文献5では、メタリック発色性に優れ、成形性が良く、得られる成形体の表面平滑性を向上し、表面光沢感が高く、フローマークを低減することができるポリアミド樹脂組成物が提案されている。
特開昭62−020574号公報 特開平11−294184号公報 特開2000−086889号公報 特開2014−043525号公報 国際公開第2016/148109号
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載の方法では、製品の光沢度等外観に関しては十分な効果が得られていない。
また、特許文献3に記載の方法では、メタリック調外観を発揮するために使用されているアルミ顔料の添加量が0.3〜0.6重量部と低い為、製品のフロップ特性等外観に関しては十分な効果が得られていない。
特許文献4では、ミネラルオイル、流動パラフィンおよび非イオン性界面活性剤からなる群より選択される液状添加剤と、有機溶剤を含むことで押出特性、成形時の滞留安定性に優れ、成形品の外観不良を低減させた技術が提案されているが、得られた成形体の光沢度、輝度など外観への影響について検討はなされておらず、これらについて改善の余地がある。
特許文献5においては、膨潤性層状珪酸塩および平均粒径の異なる2種のメタリック材を特定の割合で含有することでフローマークの発生が少なく、輝度が高いメタリック調の成形体が得られるポリアミド樹脂組成物を得る技術が提案されているが、他の添加物による光沢度等への影響については、言及されていない。
上述したような状況下で、作製時、射出成形時等における押出加工特性に優れ、同時に優れた金属調外観を有する、ポリアミド樹脂組成物が求められている。
従って、本発明は、作製時、射出成形時等における押出加工特性に優れ、同時に優れた金属調外観を有する成形品が得られるポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、ポリアミド樹脂に、特定の形状を有する金属粒子と、化合物全体の質量に占める酸素原子の質量割合が特定範囲のポリアルキレングリコール化合物を特定の質量割合で添加することにより、作製時、射出成形時等における押出加工特性に優れ、同時に優れた金属調外観を有する樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
[1]
(A)ポリアミド樹脂100質量部と、
(B)体積平均粒子径が3〜40μmで、平均粒子厚さが0.03〜0.4μmである金属粒子0.1〜10質量部と、
(C)化合物全体の質量に占める酸素原子の質量の割合が、1〜27%であるポリアルキレングリコール化合物0.01〜5質量部と、
を含むことを特徴とする樹脂組成物。
[2]
上記(C)ポリアルキレングリコール化合物の数平均分子量が、500〜10000である、[1]の樹脂組成物。
[3]
上記(C)ポリアルキレングリコール化合物が、炭素数4以上のオキシアルキレンに由来する繰り返し単位を有する、[1]または[2]の樹脂組成物。
[4]
上記(B)金属粒子が、アルミニウムを含む、[1]〜[3]のいずれかの樹脂組成物。
[5]
さらに(D)滑剤を含む、[1]〜[4]のいずれかの樹脂組成物。
本発明によれば、作製時、射出成形時等における押出加工特性に優れ、同時に優れた金属調外観を有する成形品が得られる樹脂組成物を提供することができる。また、本発明の樹脂組成物は、成形時、押出時の滞留安定性が良好で、成形品とした場合の外観不良が少なく、同時に優れた金属調外観を有する、金属様外観を持つ樹脂組成物であることが好ましい。
実施例におけるFI値の評価方法を説明する概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と表記する)について詳細に説明する。本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々に変形して実施することができる。
[樹脂組成物]
本実施形態の樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂100質量部と、(B)体積平均粒子径が3〜40μmで、平均粒子厚さが0.03〜0.4μmである金属粒子0.1〜10質量部と、(C)化合物全体の質量に占める酸素原子の質量の割合が、1〜27%であるポリアルキレングリコール化合物0.01〜5質量部と、を含む。
((A)ポリアミド樹脂)
本実施形態のポリアミド樹脂組成物を構成する(A)ポリアミド樹脂(以下「ポリアミド樹脂(A)」または「(A)成分」と記載する場合もある。)は、特に制限はなく、従来公知のポリアミドを使用することができる。
(A)ポリアミド樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ε−カプロラクタム、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、ビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタン等のポリアミド形成性モノマーを適宜組み合わせて得られるホモポリマー単独、共重合体単独、ホモポリマー同士の混合物、共重合体同士の混合物、共重合体とホモポリマーとの混合物等を用いることができる。
(A)ポリアミド樹脂の具体例としては、以下の例に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミドMXD6、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸とを重合してなるポリアミド(ポリアミド6I)、イソフタル酸とビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタンとを重合してなるポリアミド(ポリアミドPACMI)等のホモポリマー、アジピン酸とイソフタル酸とへキサメチレンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミド66/6I共重合体)、アジピン酸とテレフタル酸とへキサメチレンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミド66/6T共重合体)、アジピン酸とシクロヘキ酸とへキサメチレンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミド66/6C共重合体)、イソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミド6I/6T共重合体)、アジピン酸とイソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミド66/6I/6T共重合体)、テレフタル酸と2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンと2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミドTMDT共重合体)、イソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタンとを重合してなる共重合ポリアミド、およびイソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタンとを重合してなる共重合ポリアミドとポリアミド6との混合物、ポリアミドMXD6とポリアミド66との混合物等が挙げられる。
上述した各種ポリアミド樹脂の中でも、特に、メタリック発色性、輝度が優れる点から、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12が好ましく、加えて耐光性、耐熱変色性、耐湿熱性が向上する点で、これらポリアミド樹脂のいずれか単独、またはポリアミド6と、ポリアミド11および/またはポリアミド12との混合物がより好ましい。
ポリアミド樹脂(A)として、ポリアミド6と、ポリアミド11および/またはポリアミド12との混合物を用いる場合、ポリアミド樹脂(A)100質量%におけるポリアミド6の含有量が40質量%〜100質量%未満、好ましくは50質量%〜100質量%未満、より好ましくは60質量%〜100質量%未満、さらにより好ましくは70質量%〜100質量%未満である。上記ポリアミド混合物を用いることで、良好な耐熱性を確保すると共に、湿熱条件下における、主にポリアミド6に起因するオリゴマ等の析出を抑制することが可能となる。
ポリアミド6と、ポリアミド11および/またはポリアミド12との混合物は、ポリアミド6の単独重合体と、ポリアミド11および/またはポリアミド12の単独重合体を混合したものであっても、ポリアミド6と、ポリアミド11および/またはポリアミド12からなる共重合体としたものであってもよいが、入手の容易さから、混合体、特に、溶融混合体であることが好ましい。
ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6と、ポリアミド11および/またはポリアミド12からなる共重合体である場合、6−アミノカプロン酸単位と、11−アミノウンデカン酸単位および/または12−アミノドデカン酸単位とから構成される共重合体であることが好ましい。すなわち、ポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド6/ポリアミド11コポリマー(ナイロン6/11)、またはポリアミド6/ポリアミド12コポリマー(ナイロン6/12)、またはポリアミド6/ポリアミド11/ポリアミド12コポリマー(ナイロン6/11/12)であることが好ましい。
ポリアミド樹脂(A)の分子量の指標である相対粘度は、特に制限されないが、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dLの条件で測定した相対粘度は、2.5〜4.5、好ましくは2.7〜4.2、より好ましくは、2.9〜4.0である。相対粘度が2.5未満であると、得られるポリアミド樹脂組成物は、成形体とした場合の耐光性、耐熱変色性、耐湿熱性が劣ることがある。一方、相対粘度が、4.5を超えると、得られるポリアミド樹脂組成物は、流動性が劣り、混練が困難となったり、成形性が低下するため、成形体の輝度が劣ったりすることがある。
((B)金属粒子)
(B)金属粒子は、コイン状、フレーク状等の扁平な形状を有し、体積平均粒子径(D50)が3〜40μm、平均粒子厚さが0.03〜0.4μmであることが好ましい。
(B)金属粒子は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
(B)金属粒子を構成する素材としては、公知慣用の金属粒子を用いることができ、中でも、反射率の高さ、入手の容易性、及び加工自由度の高さの観点から、アルミニウムを含むことが好ましく、アルミニウムのみであることがより好ましい。
(B)金属粒子としてアルミニウム粒子を使用する場合は、その表面に適度な酸化皮膜を有することが好ましい。適度な酸化皮膜を有することで、アルミニウム特有の高反射率を維持し、金属粒子の耐食性及び経時的安定性を保持することができる。
また、(B)金属粒子としてアルミニウム粒子を使用する場合、純度については特に限定されないが、本発明の効果を妨げない限り、他の金属を不純物又は合金成分として含まれていてもよい。不純物又は合金成分としては、例えば、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Zn等が挙げられる。
(B)金属粒子は、公知の方法により作製することができる。
例えば、アトマイズ粉、切削粉、箔粉、蒸着粉、その他の方法により得られた金属粉末を、予め一次分級等により選別し、粉砕助剤及び溶剤等を含む粉砕媒体の共存下で、ボールミル、アトライター、遊星ミル、振動ミル等により湿式粉砕処理し、湿式状態下で篩分級した後、フィルタープレス等により固液分離すること等により得られる。これにより、フレーク端部に存在する凹凸状の破断面が少ない金属粒子を製造することができる。
ここで用いられる粉砕媒体は、過剰に添加すると粒子中の含有酸素量が多くなるため、できるだけ少なくすることが好ましい。
(B)金属粒子の形状は、コイン状若しくはフレーク状等の扁平な形状であることが好ましい。ここでいう扁平な形状とは、平均形状比[平均粒子厚みt/体積平均粒子径D50]の値が0.2以下であることが好ましく、より好ましくは0.1以下であり、さらに好ましくは0.05以下のものである。平均形状比をこの範囲にすることにより、少ない金属粒子の添加で金属特有の高反射率を有する部分の表面積が高くすることができるため、少量の添加量で効率よく成形体の輝度を高めることができる。
(B)金属粒子の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは1〜8質量部であり、より好ましくは1.5〜7質量部であり、特に好ましくは2〜6質量部である。
金属粒子の含有量を上記範囲に調整することで、本実施形態の樹脂組成物の成形体において、ポリアセタール樹脂が本来有する機械的特性である剛性や耐衝撃性がより良好に保持され、良好な金属光沢を発現することが可能となる。
(B)金属粒子の体積平均粒子径(D50)は、3〜40μmであり、好ましくは4〜35μm、より好ましくは5〜30μmである。金属粒子の体積平均粒子径が5〜15μmの範囲では、FI値の向上効果が特に大きいため特に好ましく、体積平均粒子径が15〜30μmの範囲では、光沢度向上効果が特に大きいため特に好ましい。
なお、体積平均粒子径(D50)は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(B)金属粒子の平均粒子厚さ(t)は、0.03〜0.4μmであり、好ましくは0.08〜0.39μm、より好ましくは0.1〜0.38μm、特に好ましくは0.12〜0.36μmである。
なお、金属粒子の平均粒子厚さ(t)は、以下の方法により算出することができる。
1)水面拡散面積WCAより算出する方法
測定により得られた金属成分1gあたりの水面拡散面積WCA(m2/g)を用いて、下式により算出することができる。
t=0.4/WCA(金属粒子がアルミニウムの場合)
上記した平均厚さの算出方法は、例えば、Aluminium Paint and Powder, J. D. Edwards & R.I.Wray著、第3版、Reinhold Publishing Corp. New York(1955)の第16〜22頁に記載されている。
上記式中、「0.4」はアルミニウムの密度2.7g/cm3の逆数(1/2.7=約0.4)である。
金属成分の水面拡散面積WCAは、金属成分(例えば、アルミニウム)に対して5%ステアリン酸のミネラルスピリット溶液で予備処理を行った後、JIS K5906−1991に従って求めることができる。
なお、JISに記載されている水面拡散面積の測定方法は、リーフィングタイプの場合のものであるのに対し、アルミニウム顔料はノンリーフィングタイプである。しかし、アルミニウム顔料の水面拡散面積WCAの測定方法は、測定用の試料を、5%ステアリン酸のミネラルスピリット溶液で予備処理を行う以外は、全てJIS K5906−1991に記載のリーフィングタイプの場合と同様に行うことができる。試料の予備処理については、塗料原料時報、第156号、第2〜16頁(1980.9.1旭化成工業(株)発行)に記載されている。
2)走査型電子顕微鏡(SEM)観察結果より算出する方法
上記1)の方法で算出することができない場合(例えば、WCAの測定ができない場合)、金属粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した複数の結果、例えば100か所で観察した金属粒子の厚みから平均値を算出すること等の方法によっても求めることができる。
上記範囲の体積平均粒子径および平均粒子厚みを有する(B)金属粒子を用いることにより、押出加工時等に金属粒子が壊れることを抑制するとともに、本実施形態の樹脂組成物の成形体においては、後述する(C)ポリアルキレングリコールの添加効果が十分に発揮され、高い輝度及びFI値が得られることで、外観特性に優れ、良好な金属光沢を発現することが可能となる。
((C)ポリアルキレングリコール化合物)
本実施形態の樹脂組成物は、化合物全体の質量に占める酸素原子の質量の割合が、1〜27%の範囲である(C)ポリアルキレングリコール化合物を含む。
(C)ポリアルキレングリコール化合物の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部であり、好ましくは0.05〜4質量部であり、より好ましくは0.1〜2質量部であり、特に好ましくは0.2〜1質量部である。
また、(B)金属粒子100質量%に対する(C)ポリアルキレングリコール化合物の質量割合としては、1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜40質量%であり、さらに好ましくは3〜30質量%であり、特に好ましくは5〜15質量%である。
ポリアルキレングリコール化合物の含有量を上記範囲に調整することで、本実施形態の樹脂組成物の成形体において、光沢度及びFI値の向上効果を十分発揮させることが可能となる。
(C)ポリアルキレングリコール化合物は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
上記(C)ポリアルキレングリコール化合物としては、アルキレングリコール(例えば、C3-6アルキレングリコール)の単独重合体、共重合体、ポリアルキレングリコールのエステル化誘導体、その他ポリアルキレングリコール変性体等が挙げられる。具体例としては、例えば、単独重合体としては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリペンタメチレンエーテルグリコール、ポリネオペンチレンエーテルグリコール等が挙げられ、共重合体としては、ポリエチレンポリテトラメチレンエーテル共重合体、ポリプロピレンポリテトラメチレンエーテル共重合体、ポリエチレンポリペンタメチレンエーテル共重合体、ポリプロピレンポリペンタメチレンエーテル共重合体、ポリエチレンポリネオペンチレンエーテル共重合体、ポリプロピレンポリネオペンチレンエーテル共重合体、THF−ネオペンチルグリコール共重合体等が挙げられ、ポリアルキレングリコールのエステル化誘導体としては、ポリプロピレングリコールモノステアレート、ポリプロピレングリコールジステアレート、ポリテトラメチレンエーテルグリコールモノステアレート、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジステアレート、ポリペンタメチレンエーテルグリコールモノステアレート、ポリペンタメチレンエーテルグリコールジステアレート、ポリネオペンチレンエーテルグリコールモノステアレート、ポリネオペンチレンエーテルグリコールジステアレート、等が挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、およびTHF−ネオペンチルグリコール共重合体が好ましく、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、およびTHF−ネオペンチルグリコール共重合体が特に好ましい。また、炭素数4以上のオキシアルキレンに由来する繰り返し単位を有する化合物が好ましい。
本実施形態の(C)ポリアルキレングリコール化合物は、その化合物全体の質量に占める酸素原子の質量の割合が、1〜36%であり、好ましくは10〜30%であり、より好ましくは20〜24%である。
(C)ポリアルキレングリコール化合物の全体の質量に占める酸素原子の質量の割合が上記の範囲を満たす場合は、樹脂組成物の光沢度が向上する傾向を示すため好ましい。
なお、化合物全体の質量に占める酸素原子の質量の割合は、以下の方法により測定することができる。
樹脂組成物を粉砕した後、ポリアルキレングリコールを溶解可能な溶媒(ポリアルキレングリコールの種類によって異なる)中で抽出を行い、その後、抽出液を濃縮し、溶媒を除去して試料を得、得られた試料について、NMRを用いてポリアルキレングリコールの構造を特定し、GPCを用いて分子量を特定し、酸素原子の質量割合を算出する。
上記化合物全体の質量に占める酸素原子の質量の割合が上記の範囲である(C)ポリアルキレングリコール化合物を含むことにより、本実施形態の樹脂組成物において、光沢度が高く優れた金属調外観を有する樹脂組成物および成形体が得られると同時に、成形時、押出時における運転安定性を向上させる。また高温、高湿条件下に曝された場合の光沢度低下傾向を抑制することができる。
(C)ポリアルキレングリコール化合物の数平均分子量としては、500〜10000であることが好ましく、より好ましくは1000〜7500、さらに好ましくは1400〜5000、特に好ましくは2000〜4000である。数平均分子量が上記の範囲を満たす場合、成形体の光沢度を向上させる傾向が顕著になるため好ましい。
なお、数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)などにより測定することができる。
(C)ポリアルキレングリコール化合物は、その分子構造中に、炭素数4(C4)以上のオキシアルキレンに由来する繰り返し構造単位を有することが特に望ましい。オキシアルキレンの繰り返し構造単位がC4以上のオキシアルキレンである場合には、直接水に曝されたり、湿度の高い環境に置かれたりする場合に、上記(C)ポリアルキレングリコール化合物の溶出等を抑制でき、表面光沢の低下傾向等を減少させることができるため特に好ましい。
なお、(C)ポリアルキレングリコール化合物に含まれるオキシアルキレン由来の繰り返し構造単位の炭素数の上限は、特に限定されないが、炭素数7以下であることが好ましい。
((D)滑剤)
本実施形態の樹脂組成物は、さらに1種以上の(D)滑剤を含有していてもよい。滑剤とは、一般的には、樹脂溶融物の粘度を低下させ、成形時の金属面からの離型性向上に寄与するものであるが、本実施形態では、(D)滑剤の添加により、これらに加えより高い光沢度およびFI値が得られる。
(D)滑剤は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
(D)滑剤としては、以下に限定されないが、例えば、炭化水素系、高級脂肪酸系、高級アルコール系、脂肪族アマイド系、金属石鹸系等が挙げられ、中でも、(A)ポリアミド樹脂との反応性が低く、物性への影響も小さいとの観点から、炭化水素系滑剤である流動パラフィンが好ましい。
(D)滑剤の添加量は、押出および射出成形に支障のない範囲であれば特に限定されないが、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.01〜0.5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.45質量部、特に好ましくは0.1〜0.4質量部である。添加量が上記の範囲である場合、高い光沢度を有する成形体が得られるとともに押出時の押出機運転状態および射出成形時の樹脂計量等が安定となるため好ましい。
((E)添加剤)
本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、慣用的に用いられる(E)添加剤を加えることができる。(E)添加剤としては、特に限定されないが、従来の(A)ポリアミド樹脂に使用されている添加剤等が好ましい。
当該添加剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノールやヒンダードアミンに代表される熱安定剤;種々の可塑剤;帯電防止剤等が挙げられる。また、意匠性を高めるために、必要に応じて各種の着色剤を補色顔料として含有することができる。着色剤としては、有機顔料、無機顔料が挙げられるが、特に限定されるものではなく、1種又は2種以上の着色剤の組合せであってもよい。
上記有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、縮合アゾ系顔料、アゾレーキ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、縮合多環系顔料等が挙げられる。
上記無機顔料としては、例えば、亜鉛華、二酸化チタン、弁柄、酸化クロム、鉄黒等の単純酸化物、カドミウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムレッド等の硫化物、黄鉛、亜鉛黄、クロムバーミリオン等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物、群青等の珪酸塩、カーボンブラック等が挙げられる。
上記着色剤の添加量は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.0001〜2質量部であることが好ましく、より好ましくは0.0005〜1質量部である。着色剤の添加量を上記の範囲とすることで、成形体の機械強度低下を助長することなく意匠性の向上効果が得られる。
さらに本実施形態の樹脂組成物は、所望に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、従来用いられる各種無機充填剤、他の熱可塑性樹脂、柔軟剤、結晶核剤、離型剤等を含有してもよい。
(製造方法)
本実施形態の樹脂組成物は、例えば、一般的に使用されている溶融混練機を用いて、上記各原料のうち一部を溶融しつつ混合することにより得られる。溶融混練機としては、ニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等が挙げられる。
溶融混練の温度は使用する(A)ポリアミド樹脂の融点または軟化点により選定してよい。溶融混練の温度は、(A)ポリアミド樹脂の融点あるいは軟化点より1〜100℃高い温度が好ましく、10〜60℃高い温度がより好ましく、20〜50℃高い温度がさらに好ましい。融点または軟化点はJIS K7121に準じた示差走査熱量(DSC)測定で求めることができる。また品質や作業環境の保持のためには不活性ガスにより系内を置換したり、一段及び多段ベントで脱気したりすることが好ましい。
(A)ポリアミド樹脂がペレット状である場合は、(B)金属粒子を含めた各成分の(A)ポリアミド樹脂への分散状態を均一に保つために、必要により添着剤を用いて(E)添加剤を予め加えた上で混合しておき、次に(B)金属粒子と(C)ポリアルキレングリコール化合物、さらに必要に応じて(D)滑剤を混合した後に、溶融混練することが好ましい。
また、(A)ポリアミド樹脂がペレットの場合には一部又は全部のペレットを粉砕してパウダー状とし、パウダー状の(A)ポリアミド樹脂と必要に応じて添着剤を用いて、(E)添加剤を混合し、次いで(B)金属粒子と(C)ポリアルキレングリコール化合物、さらに必要に応じて(D)滑剤を混合した後に、溶融混練することも好ましい。
上記添着剤としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素及びこれらの変性物、これらの混合物(流動パラフィン、ミネラルオイル等)、ポリオールの脂肪酸エステル等が挙げられる。また、(B)金属粒子のブレンド工程における損傷を防止する意味で、後工程でのブレンドが好ましい。
さらに、本実施形態の樹脂組成物を製造する際、予め(A)ポリアミド樹脂と(E)添加剤とを予め溶融混練しておくことも可能である。この予備的な混練には一般的に使用されている溶融混練機を用いることができる。溶融混練の温度は使用する(A)結晶性樹脂の融点または軟化点により選定する。融点あるいは軟化点より1〜100℃高い温度が好ましく、10〜60℃高い温度がより好ましく、20〜50℃高い温度がさらに好ましい。溶融混練機としては、例えば、ニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機が挙げられる。品質や作業環境の保持のためには、不活性ガスにより系内を置換したり、一段及び多段ベントにより脱気を行うことが好ましい。
(成形体)
本実施形態の樹脂組成物を成形して成形体を作製することができる。
上記成形体の製造方法としては、公知の成形方法、例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、ガスアシスト射出成形、発砲射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)等の方法が挙げられる。特に、品位や生産安定性、経済性等の観点から、射出成形、射出圧縮成形、及びこれらと金型内複合成形とを組み合わせた成形方法が好ましい。
さらに、本実施形態の樹脂組成物とゴム及び/又はエラストマーを含む各種樹脂との接着(超音波接着、高周波接着、熱板接着、熱プレス成形、多層射出成形、多層ブロー成形等方法は問わない。)を行うことにより、所望の特性や外観を有する2層以上の成形品を製造することもできる。これによって、各種樹脂の優れた性能(耐衝撃性、摺動性、耐薬品性等)をそれぞれ付与し、優れた意匠性を有する外観をもった成形体を得ることができる。
(特性)
本実施形態の樹脂組成物では成形時、押出時の滞留安定性が良好で、外観不良が少なく、同時に優れた金属調外観を有し、高い光沢度とFI値を達成し美観に優れた金属調外観を有する成形品が得られる。
本実施形態の樹脂組成物のFI値としては、13以上であることが好ましく、より好ましくは14以上である。
なお、FI値は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
観る角度の変化に伴って明度が変化する現象をフリップフロップ(F/F)現象と呼び、これを表す定量値をFI(フロップインデックス)値と呼ぶ。FI値はデュポン(DuPont)により最初に提案された式を使用して、15度、45度および110度における明度の値から求めることができる(A.B.J.ロドリゲス(A.B.J.Rodriguez)、JOCCA、(1992(4))、p.150〜153):FI値は下記数式により求められ、FI値が高い、すなわち、ハイライト方向(光の入射角度に対して正反射方向)とシェード方向(非正反射方向)の明度(L*)の差が大きい程、一般的に金属的質感が高いと感じられる。
本実施形態の樹脂組成物の射出成形直後の光沢度としては、60以上であることが好ましく、より好ましくは70以上である。また、温度80℃、湿度90%の環境下で48時間静置した後の光沢度は、射出成形直後の光沢度からの低下幅が小さいことが好ましい。
なお、光沢度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
光沢度は成形品表面の平滑性に依存しており、金属顔料等の光輝材を練り込んで成形を行うメタリック材料においては、一般的に光沢度が低くなる傾向を示す。光沢度が低くなると、成形体表面で反射光が散乱する影響により明度、FI値等が低下するため金属調外観の品位が低下する傾向がある。
従来の光沢度を改良する手法としては、金型温度の高温化、または近年使用されることが増えたヒートアンドクール法等、ハードウエア側で対応するケースが多くなっていた。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑みて、特定のポリアルキレングリコールを添加することにより、成形時、押出時の滞留安定性が良好で、成形品とした場合の外観不良が少なく、同時に優れた金属調外観を有する、金属様外観を持つ樹脂組成物および成形品が得られることを見出した。
(用途)
本実施形態の樹脂組成物の成形品は、特に、機構部分や摺動部分を備えた内装・外装部品に用いることができる。例えば、OA機器、音楽・映像若しくは情報機器、又は通信機器に備えられる部品、オフィス家具若しくは住設機器に備えられる工業部品、及び、自動車内外装用部品からなる群より選ばれるいずれかの部品として用いられる。特に、優れた外観を求められるハンドル、スイッチ及びボタンからなる群より選ばれるいずれかの部品として用いられる。さらに、本実施形態の樹脂組成物から得られる成形品を外観部品として用いるために、成形時にシボ金型を使用したり、成形品にシボ加工を施すことにより意匠面を付与すると、外観の改良効果が発現されるため好ましい。
本実施形態の樹脂組成物によれば、表面にメッキや塗装等の加工を施すことなしに金属光沢を有する成形品であって、熱安定性や耐候性に優れ、良好な機械的特性(例えば、引張特性、衝撃強度)が保持されており、かつ高い光沢度およびFI値を有し外観特性の良好な成形品が得られる。さらに、本実施形態に係る樹脂組成物から得られる成形品は、上記のように良好な外観特性を有しているため、塗装を施さなくても実用上良好な外観上優れたものとなる。よって、溶剤を使用せずに効率よく意匠性に優れた外観が得られる。また、本実施形態の樹脂組成物は生産安定性に優れており、良好な作業環境で製造可能であり、コスト面、環境面においても優れている。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。
<(1)主要原材料>
<(A)ポリアミド樹脂>
本実施例及び比較例において使用した(A)ポリアミド樹脂を表1に記した。
(a−1)ポリアミド6樹脂(融点225℃)
ポリアミド6単独重合体、相対粘度η=3.6
<<ポリアミド樹脂の製造方法>>
ε−カプロラクタム100質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、水5質量部を仕込み、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合を行い、上記ポリアミド6樹脂(a−1)を得た。
<<相対粘度測定>>
上記ポリアミド6樹脂(a−1)0.25gを96%硫酸25mLに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
<(B)金属粒子>
本実施例及び比較例において使用した(B)金属粒子を表2に記した。
上記(B)金属粒子は、下記の手法により作製した。
(b−1)アルミニウム顔料
内径30cm、長さ35cmのボールミル内にアトマイズドアルミニウム粉(体積平均粒子径3.2μm)250g、ミネラルスピリッツ1.2kg、及びステアリン酸25gからなる配合物を充填し、直径3mmのガラスビーズ(比重2.6)15kgを用い、60rpmで10時間摩砕した。
摩砕終了後、ミル内のスラリーをミネラルスピリッツで洗い流し出し、400メッシュの振動篩にかけ、通過したスラリーをフィルターでろ過し、濃縮し、加熱残分90質量%のアルミニウム顔料を得た。
得られたアルミニウム顔料の粒度分布を、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、商品名「SALD−2300」)により測定し、得られた粒子径分布の50%値によりアルミニウム顔料の体積平均粒子径D50を求めた。測定溶剤としてミネラルスピリットを使用し、試料となるアルミニウム顔料は、前処理として3分間の超音波分散を行った。
また、得られたアルミニウム顔料1gに、5%ステアリン酸のミネラルスピリット溶液を1〜2mL加えて予備分散した後、石油ベンジン50mLを加えて混合し、40〜45℃で2時間加温後、フィルターで吸引濾過し、パウダー化した粉末の水面拡散面積WCAを測定した。WCAの測定値から、下記の式に従って平均厚みtを算出した。
t(μm)=0.4/WCA(m2/g)
その結果、D50=10μm、t=0.22μmであった。
(b−2)〜(b−5)アルミニウム顔料は、上述した(b−1)と同様の操作で、アトマイズドアルミニウム粉の粒子径と粉砕時間を変えて操作を行い、体積平均粒子径と平均粒子厚さの異なるアルミニウム顔料を得た。
(b−2):D50=6μm、t=0.15μm
(b−3):D50=25μm、t=0.38μm
(b−4):D50=10μm、t=0.60μm
(b−5):D50=45μm、t=0.39μm
<(C)ポリアルキレングリコール化合物>
本実施例及び比較例において使用した(C)ポリアルキレングリコール化合物を表3に記した。
(c−1)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量650)
(c−2)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1000)
(c−3)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量2000)
(c−4)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量3000)
(c−5)THF−ネオペンチルグリコール共重合体(数平均分子量1800)
(c−6)ポリエチレングリコール(数平均分子量400)
(c−7)ポリエチレングリコール(数平均分子量2000)
(c−8)ポリプロピレングリコール(ジオール型、数平均分子量400)
(c−9)ポリプロピレングリコール(ジオール型、数平均分子量2000)
<(D)滑剤>
本実施例及び比較例において使用した(D)滑剤を表4に記した。
(d−1)流動パラフィン(松村石油研究所製、商品名:スモイルPS−260)
<(2)評価方法>
<FI値>
後述する実施例及び比較例において作製したペレットを、射出成形機(東芝機械社製、商品名「IS−100GN」)を用いて、シリンダー温度220℃、射出時間15秒、冷却時間20秒、金型温度77℃の条件で成形して試験片を作製した。この試験片は、長さ90mm、幅50mm、厚さ2.5mmの金型を用いて作製した。
上記試験片に対して、ビッグガードナー社製のBYK−macを用いて外観の確認を行った。
FI値の測定方法について図1を用いて説明する。図1はFI値の評価方法を示す図である。FI値は、まず図1に示すように、成形品の表面に、ある一定の方向から光を照射し、正反射光に対して受光角を15°、45°、110°ずらした際のL*値(明度)を測定する。次に、測定したそれぞれのL*値を上記数式に代入することによりFI値を求めた。一般に、FI値が高い程、金属的質感に優れる。
<光沢度>
光沢度は、上記試験片を用い、堀場製作所製光沢計IG−320を用い、JIS Z8741に準拠し、成形体の表面60°の角度で測定した。
一般に光沢度が高い程、成形体表面が平滑であり、金型表面への追従度が高いと想定される。射出成形で成形品を得た直後、およびESPEC CORP.製高温恒湿機「PL−2KT」内において温度80℃、湿度90%の環境下で同成形品を48時間静置した後、取り出した成形品の光沢度を測定し、静置前後における光沢度の変化を確認した。
<押出安定性の評価>
各実施例及び比較例に対応する配合組成で材料を混合した押出原料を、30mmベント付き単軸押出機を用いて、設定温度200℃、回転数80rpm、吐出量10kg/時間の条件でベントから脱気しながら溶融混練(溶融混合)を行うことによりペレットを得た。
この溶融混練時の押出機の運転状況に関して、運転中にベントアップ及びサージングが発生することなく安定している場合は「○」、運転中にベントアップが発生することは無いが時折サージング等が発生する場合は「△」、運転中にベントアップが頻繁に発生する場合は「×」であると判定した。
<ポリアミド樹脂組成物>
[実施例1]
(a−1)ポリアミド6樹脂100質量部と、(c−1)ポリテトラメチレンエーテルグリコール0.30質量部、をミキサーでブレンドした後、(b−1)アルミニウム顔料2.7質量部を加えブレンドを行った。
その混合物を、30mmベント付き単軸押出機を用いて、設定温度260℃、回転数80rpm、吐出量10kg/時間の条件でベントから脱気しながら溶融混練(溶融混合)してペレットを得た。
得られたペレットに対して80℃で12時間乾燥した後、上記各評価を行った。
評価結果を下記表5に示す。
[実施例2〜15]
成分(A)(B)(C)について、表5に示す組成とした以外は、実施例1と同様にペレット製造及び各評価を実施した。
評価結果を下記表5に示す。
[実施例16]
(a−1)ポリアミド6樹脂100質量部と、(c−3)ポリテトラメチレンエーテルグリコール0.30質量部、(d−1)流動パラフィン0.06質量部、をミキサーでブレンドした後、(b−1)アルミニウム顔料2.7質量部を加えブレンドを行った。
その混合物を、30mmベント付き単軸押出機を用いて、設定温度260℃、回転数80rpm、吐出量10kg/時間の条件でベントから脱気しながら溶融混練(溶融混合)してペレットを得た。
得られたペレットに対して80℃で12時間乾燥した後、上記各評価を行った。
評価結果を下記表5に示す。
[実施例17]
成分(A)〜(D)について、表5に示す組成とした以外は、実施例16と同様にペレット製造及び各評価を実施した。
評価結果を下記表5に示す。
[比較例1]
(a−1)ポリアミド6樹脂100質量部と、(b−1)アルミニウム顔料2.7質量部をミキサーでブレンドを行った。
その混合物を、30mmベント付き単軸押出機を用いて、設定温度260℃、回転数80rpm、吐出量10kg/時間の条件でベントから脱気しながら溶融混練(溶融混合)してペレットを得た。
得られたペレットに対して80℃で12時間乾燥した後、上記各評価を行った。
評価結果を下記表5に示す。
[比較例2]
(a−1)ポリアミド6樹脂100質量部と、(c−7)ポリエチレングリコール0.30質量部、をミキサーでブレンドした後、(b−2)アルミニウム顔料1.8質量部、(b−3)アルミニウム顔料0.9質量部、を加えブレンドを行った。
その混合物を、30mmベント付き単軸押出機を用いて、設定温度260℃、回転数80rpm、吐出量10kg/時間の条件でベントから脱気しながら溶融混練(溶融混合)してペレットを得た。
得られたペレットに対して80℃で12時間乾燥した後、上記各評価を行った。
評価結果を下記表5に示す。
[比較例3]
(a−1)ポリアミド6樹脂100質量部と、(d−1)流動パラフィン0.06質量部、をミキサーでブレンドした後、(b−1)アルミニウム顔料2.7質量部を加えブレンドを行った。
その混合物を、30mmベント付き単軸押出機を用いて、設定温度260℃、回転数80rpm、吐出量10kg/時間の条件でベントから脱気しながら溶融混練(溶融混合)してペレットを得た。
得られたペレットに対して80℃で12時間乾燥した後、上記各評価を行った。
評価結果を下記表5に示す。
[比較例4]
成分(A)(B)(D)について、表5に示す組成とした以外は、比較例3と同様にペレット製造及び各評価を実施した。
評価結果を下記表5に示す。
[比較例5〜13]
成分(A)(B)(C)について、表5に示す組成とした以外は、比較例2と同様にペレット製造及び各評価を実施した。
評価結果を下記表5に示す。
[比較例14]
(a−1)ポリアセタールコポリマー100質量部と、(c−7)ポチエチレングリコール0.30重量部、(d−1)流動パラフィン0.06質量部、をミキサーでブレンドした後、(b−1)アルミニウム顔料2.7質量部を加えブレンドを行った。
その混合物を、30mmベント付き単軸押出機を用いて、設定温度260℃、回転数80rpm、吐出量10kg/時間の条件でベントから脱気しながら溶融混練(溶融混合)してペレットを得た。
得られたペレットに対して80℃で12時間乾燥した後、上記各評価を行った。
評価結果を下記表5に示す。
[比較例15]
成分(A)(B)(C)(D)について、表5に示す組成とした以外は、比較例14と同様にペレット製造及び各評価を実施した。
評価結果を下記表5に示す。
所定の(C)ポリアルキレングリコールを添加した実施例1〜17では、(C)ポリアルキレングリコールを添加していない比較例1、3、4、および(C)ポリアルキレングリコールとして分子全体に占める酸素の質量比が所定の範囲から外れているポリエチレングリコール化合物を添加している比較例2、5、6、14と比較して、高い光沢度が得られている。特に(D)滑剤として流動パラフィンをさらに添加した実施例16、17では、それぞれ滑剤を添加しない場合(実施例3、5)と比較してより高い光沢度とFI値が得られている。
また(C)ポリアルキレングリコールとして化合物全体の質量に占める酸素原子の質量の割合が所定の範囲から外れているポリプロピレングリコールを使用している比較例7、8、15では、実施例と比較して恒湿後の光沢度が大幅に低下していた。
比較例9では、(C)ポリアルキレングリコールの添加量が所定の範囲を外れている為押出安定性が悪く、一方比較例10、11では、化合物全体の質量に占める酸素原子の質量の割合が所定の範囲である(C)ポリアルキレングリコールを使用しているが、(B)金属粒子の形状値が所定の範囲から外れているためFI値が低くなる結果を示した。また比較例12、13では、化合物全体の質量に占める酸素原子の質量の割合が所定の範囲である(C)ポリアルキレングリコールを使用しているが、(B)金属粒子の添加量が所定の範囲から外れているため押出安定性、光沢度が低くなる結果を示した。
表5の評価結果から明らかなように、実施例1〜17によれば、ポリアミド樹脂に特定の形状を有する金属粒子および特定のポリアルキレングリコールを添加することにより、従来技術の課題である、作製時、射出成形時等における押出加工特性に優れ、同時に優れた金属調外観を有する樹脂組成物が得られた。また、実施例1〜17の樹脂組成物は、成形時、押出時の滞留安定性が良好で、同時に優れた金属調外観を有する、金属様外観を持つ樹脂組成物であった。
本発明の樹脂組成物は、意匠性部品用部材の材料として産業上の利用可能性がある。

Claims (5)

  1. (A)ポリアミド樹脂100質量部と、
    (B)体積平均粒子径が3〜40μmで、平均粒子厚さが0.03〜0.4μmである金属粒子0.1〜10質量部と、
    (C)化合物全体の質量に占める酸素原子の質量の割合が、1〜27%であるポリアルキレングリコール化合物0.01〜5質量部と、
    を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記(C)ポリアルキレングリコール化合物の数平均分子量が、500〜10000である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(C)ポリアルキレングリコール化合物が、炭素数4以上のオキシアルキレンに由来する繰り返し単位を有する、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(B)金属粒子が、アルミニウムを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. さらに(D)滑剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
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