JP2019537430A - 親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートおよびその使用 - Google Patents

親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートおよびその使用 Download PDF

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Abstract

親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを使用して単一の細胞を特徴付けるための方法および組成物が、本明細書で提供される。四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを使用して単一の細胞を特徴付けるための方法および組成物が、本明細書で提供される。本明細書に記載される方法は、個々の細胞のタンパク質を分析するために配列読み出しを使用し、同じ実験で同時に使用できるフルオロフォアの数によってもそれらのスペクトルの重複によっても制限されない。

Description

相互参照
本出願は、2016年9月24日に出願された国際特許出願番号第PCT/US2016/053598号に基づく優先権を主張しており、この国際出願は、その全体が参考として本明細書中に援用される。
背景
内因的に発現されて細胞膜上に位置するタンパク質の特定のセットの存在量によって、多くの細胞型を識別および分類することができる。この現象は、イムノフェノタイピングとして公知のプロセスを使用する細胞の研究を可能にし、このプロセスにおいて、細胞は、細胞の既知の表面タンパク質に特異的な蛍光標識された抗体と共にインキュベートされ、そしてこのような抗体と結合する。フローサイトメトリーは、各細胞に対して表面結合した抗体のレベルを測定するために一般に使用されている。しかし、フローサイトメトリーベースのアプローチは、同じ実験で同時に使用できるフルオロフォアの数によって制限される。さらに、フローサイトメトリーベースのアプローチを使用して同じ実験で同時に使用できるフルオロフォアの数は、スペクトルの重複によって制限される。さらに、フローサイトメトリーは、多くの生物学的に適切なアッセイおよび引き続くDNA配列決定になじまない。
要旨
したがって、これらの制限なしに単一の細胞を特徴付ける、例えばイムノフェノタイピングする方法が必要とされている。フローサイトメトリーベースのアプローチとは異なり、本明細書に記載される方法は、個々の細胞のタンパク質を分析するために配列読み出しを使用し、同じ実験で同時に使用できるフルオロフォアの数によってもそれらのスペクトルの重複によっても制限されない。さらに、本明細書に記載される方法は、多くの生物学的に適切なアッセイおよび引き続くDNA配列決定になじむ。本明細書に記載される方法は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート(例えば、抗体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート)を利用する。このコンジュゲートのオリゴヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分が特異的に結合する表面抗原にバーコード化された抗原ID(AID)配列を含む。したがって、本明細書に記載される方法を使用すると、単一の細胞の抗原(例えば、表面タンパク質)が、フルオロフォアを必要とせずに分析できる。例えば、提示される単一の細胞の表面タンパク質は、抗原ID配列から同定できる。別の例として、提示される単一の細胞のT細胞受容体(TCR)またはB細胞受容体(BCR)は、抗原ID配列から同定できる。一部の態様では、細胞の表面で提示されるTCRまたはBCRの結合親和性は、本明細書に記載される親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを使用して判定できる。単一の細胞の表面タンパク質のうちの1種または複数は、単一の細胞の正体、特徴または関連性を規定するために使用され得る。
本明細書に記載される方法の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、緩徐なセルソーティング、セルソーティングに関連する低減された標的収量、限定数の出力ストリーム、および親和性などの親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの定量された特性に対応しない選択されたビンの問題を克服するために使用され得る。示された例示的な親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、ベッセル中の四量体結合の単一細胞測定を用いて、ソーティングを置き換えまたは増強し得る。示された例示的な親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、TCR対配列、クローン存在量および相対的四量体親和性を同時に獲得するために、本明細書に記載される方法において使用され得る。例えば、四量体のペプチドに結合するTCR対配列を同時に獲得するために、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの主要組織適合性複合体(MHC)−ペプチド複合体へのTCRの結合の親和性を判定するために、および四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのMHC−ペプチド複合体への高い結合親和性を有するTCRと比較して低い結合親和性を有するTCRを区別するために、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートである親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを、本明細書に記載される方法において使用できる。別の例として、四量体のB細胞受容体抗原に結合するBCR対配列を同時に獲得するために、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのB細胞受容体抗原へのBCRの結合の親和性を判定するために、および四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのB細胞受容体抗原への高い結合親和性を有するBCRと比較して低い結合親和性を有するBCRを区別するために、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートである親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを、本明細書に記載される方法において使用できる。
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを用いて、ベッセル(例えば、エマルジョン)中の細胞を特徴付ける、例えばイムノフェノタイピングする方法が、本明細書に記載される。一部の実施形態では、この方法は、エマルジョンベースの単一の細胞の分析に適合する様式で、細胞サブセットを同定するために使用される。一部の実施形態では、この方法は、エマルジョンベースの単一の細胞の分析に適合する様式で、抗原に特異的な免疫細胞を同定するために使用される。一部の実施形態では、細胞分析の前に、表面タンパク質特異的抗体は、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、コンジュゲート抗体の標的特異性に固有の配列モチーフを含有するように設計される。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、コンジュゲート四量体の標的特異性に固有の配列モチーフを含有するように設計される。このオリゴヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分(例えば、抗体または四量体)に、共有結合的または非共有結合的にコンジュゲートされ得る(例えば、ビオチン−オリゴヌクレオチドをストレプトアビジン−抗体に)。
方法は、混合物または溶液中で、1つまたは複数の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートと共に細胞をインキュベートすることを含み得る。細胞は、未結合の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを除去するために洗浄され得る。次いで、細胞は、ベッセル、例えば、エマルジョン中にカプセル化される。細胞は、ベッセル1つ当たり単一の細胞の密度でベッセル中に存在し得る。したがって、ベッセル、例えば液滴内の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、例えば、特異的抗体−表面タンパク質相互作用を介して、細胞表面に結合される。この方法は、ベッセル特異的DNA配列(例えば、固有のベッセルバーコード)を親和性−コンジュゲートオリゴヌクレオチドに付着させることを含み得る。さらなる細胞DNAまたはmRNA分析、表現型測定、機能的試験、細胞ソーティングまたは他の反応が、親和性−コンジュゲートオリゴヌクレオチドを(例えば、DNAバーコードで)バーコード化する前に、それと同時にまたはその後で、実施され得る。
方法は、混合物または溶液中で、1つまたは複数の四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートと共に細胞をインキュベートするステップを含み得る。細胞は、未結合の四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを除去するために洗浄され得る。次いで、細胞は、ベッセル、例えば、エマルジョン中にカプセル化される。細胞は、ベッセル1つ当たり単一の細胞の密度でベッセル中に存在し得る。したがって、ベッセル、例えば液滴内の四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、例えば、特異的TCR−MHC−ペプチド複合体相互作用を介して、または四量体相互作用の特異的BCR−B細胞受容体抗原を介して、細胞表面に結合される。この方法は、ベッセル特異的DNA配列(例えば、固有のベッセルバーコード)を四量体−コンジュゲートオリゴヌクレオチドに付着させるステップを含み得る。さらなる細胞DNAもしくはmRNA分析、表現型測定、機能的試験、セルソーティングまたは他の反応が、四量体−コンジュゲートオリゴヌクレオチドを(例えば、DNAバーコードで)バーコード化する前、それと同時にまたはその後で、実施され得る。
方法は、例えば、エマルジョン実験の後に、核酸をエマルジョンから抽出するステップを含み得る。抽出された核酸は配列決定のために調製され得、(例えば、次世代配列決定技術を使用して)配列決定され得る。方法は、抗原ID配列および液滴特異的バーコード配列の両方を含有するベッセル由来のポリヌクレオチド分子を配列決定するステップを含み得る。抗原ID配列は、オリゴヌクレオチドコンジュゲート抗体によって結合された特異的細胞表面タンパク質を規定できる。抗原ID配列は、特定の細胞表面タンパク質に結合するオリゴヌクレオチドコンジュゲート抗体の特異抗体を規定できる。抗原ID配列は、特定の細胞TCRに結合するオリゴヌクレオチドコンジュゲート四量体の特異的MHC−ペプチド複合体を規定できる。抗原ID配列は、特定の細胞BCRに結合するオリゴヌクレオチドコンジュゲート四量体の特異的B細胞受容体抗原を規定できる。したがって、抗原ID配列は、分析された細胞上のどの表面タンパク質が発現されるかについて示すことができる。単一の細胞を有するベッセルでは、共有された液滴特異的バーコード配列を含有する全ての配列が、単一の細胞と関連する。したがって、単一の細胞は、その正体、特徴または関連性を規定するために使用され得る表面タンパク質のセットを提示すると分析できる。例えば、単一の細胞は、そのTCRの配列を同定することもできるMHC−ペプチド複合体へのある特定の親和性を有するTCRを提示すると分析できるか、または、単一の細胞は、そのBCRの配列を同定することもできる四量体のB細胞受容体抗原へのある特定の親和性を有するBCRを提示すると分析できる。
一態様では、複数のベッセル中で反応を実行するステップを含む方法が提供され、この反応は、ベッセルバーコード配列を含むベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを、複数のベッセルのうちの1つのベッセル中の、単離された単一の細胞の標的抗原に結合した親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドに付着させることを含む。一態様では、複数のベッセル中で反応を実行するステップを含む方法が提供され、この反応は、ベッセルバーコード配列を含むベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを、複数のベッセルのうちの1つのベッセル中の、単離された単一の細胞のTCRに結合した四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドに付着させることを含む。一態様では、複数のベッセル中で反応を実行するステップを含む方法が提供され、この反応は、ベッセルバーコード配列を含むベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを、複数のベッセルのうちの1つのベッセル中の、単離された単一の細胞のBCRに結合した四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドに付着させることを含む。
一態様では、複数のベッセルのうちの1つのベッセル中で反応を実行するステップを含む方法が本明細書で提供され、この反応は、ベッセルバーコード配列を含むベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分に付着させることを含み、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、複数のベッセルのうちのそのベッセル中の細胞によって発現される標的抗原に結合する。一態様では、複数のベッセルのうちの1つのベッセル中で反応を実行するステップを含む方法が本明細書で提供され、この反応は、ベッセルバーコード配列を含むベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分に付着させることを含み、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、複数のベッセルのうちのそのベッセル中の細胞によって発現されるTCRに結合する。一態様では、複数のベッセルのうちの1つのベッセル中で反応を実行するステップを含む方法が本明細書で提供され、この反応は、ベッセルバーコード配列を含むベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分に付着させることを含み、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、複数のベッセルのうちのそのベッセル中の細胞によって発現されるBCRに結合する。
一部の実施形態では、細胞は、ベッセル内に含有される単一の細胞である。一部の実施形態では、ベッセルは、複数のベッセルのうちの2またはそれよりも多くのベッセルを含む。一部の実施形態では、ベッセルは、複数のベッセルの各ベッセルを含む。一部の実施形態では、反応は、複数のベッセルのうちの2またはそれよりも多くのベッセル中で起こる。一部の実施形態では、各ベッセル中の細胞は、同じ試料に由来する。一部の実施形態では、2またはそれよりも多くの複数のベッセルのうちの第1の複数のベッセルのうちの1つのベッセル中の細胞は、2またはそれよりも多くの複数のベッセルのうちの第2の複数のベッセルのうちの1つのベッセル中の細胞と同じ試料に由来する。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド部分は、抗原同定配列(AID)を含む。一部の実施形態では、AIDは、標的抗原、または親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にバーコード化される。一部の実施形態では、AIDは、公知の特異性を有するTCR、または四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのMHC−ペプチド複合体にバーコード化される。一部の実施形態では、AIDは、公知の特異性を有するBCR、または四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのB細胞受容体抗原にバーコード化される。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的抗原、または親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にバーコード化された抗原同定配列(AID)をさらに含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、公知の特異性を有するTCR、または四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのMHC−ペプチド複合体にバーコード化された抗原同定配列(AID)をさらに含む。一部の実施形態では、抗原同定配列(AID)は、公知の配列である。
一部の実施形態では、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドは、ベッセル中の鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチド由来である。
一部の実施形態では、この方法は、配列情報を取得するために、オリゴヌクレオチドまたはそのアンプリコンを配列決定することをさらに含む。
一部の実施形態では、この方法は、配列情報に基づいて、単一の細胞の特徴を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、配列情報は、抗原同定(AID)配列を含む。一部の実施形態では、この方法は、配列情報に基づいて、単一の細胞の特徴を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、特徴は、表現型である。一部の実施形態では、表現型は、免疫表現型である。一部の実施形態では、特徴は、親和性である。一部の実施態様では、親和性は、MHC−ペプチド複合体である。一部の実施形態では、親和性は、MHC−ペプチド複合体の相対的親和性(例えば、より低い結合親和性を有するTCRと比較してより高い結合親和性を有するTCR)である。一部の実施形態では、親和性は、BCRのものである。一部の実施形態では、親和性は、BCRの相対的親和性(例えば、より低い結合親和性を有するBCRと比較してより高い結合親和性を有するBCR)である。
一部の実施形態では、この方法は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを、単一の細胞を含む複数の細胞と接触させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを、単一の細胞を含む複数の細胞と接触させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、接触させるステップは、ベッセル中の単一の細胞が単離される前である。一部の実施形態では、この方法は、接触させるステップの後に、複数の細胞を洗浄するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、ベッセルは、標的抗原に結合していない親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを含まない。一部の実施形態では、ベッセルは、TCRに結合していない四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを含まない。一部の実施形態では、ベッセルは、BCRに結合していない四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを含まない。
一部の実施形態では、この方法は、ベッセル中の単一の細胞を単離することをさらに含む。一部の実施形態では、単一の細胞は、単離することの前に親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに結合される。
一部の実施形態では、この方法は、単一の細胞を溶解させることをさらに含む。一部の実施形態では、溶解させることは、ベッセル中で単一の細胞が単離された後である。
一部の実施形態では、複数の細胞は、複数のソーティングされていない細胞である。一部の実施形態では、複数の細胞は、複数のソーティングされた細胞である。一部の実施形態では、複数の細胞は、複数の富化された細胞である。
一部の実施形態では、複数のベッセルのうちの第1のベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはそのアンプリコンのベッセルバーコード配列は、複数のベッセルのうちの第2のベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはそのアンプリコンのベッセルバーコード配列とは異なる。一部の実施形態では、複数のベッセルのうちの単一のベッセル中の各ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはそのアンプリコンのベッセルバーコード配列は、同じベッセルバーコード配列を含む。一部の実施形態では、複数のベッセルのうちの任意の単一のベッセル中の各ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドおよびそのアンプリコンのベッセルバーコード配列は、複数のベッセルのうちの任意の他の単一のベッセル中の各ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドおよびそのアンプリコンのベッセルバーコード配列に対して固有である。
一部の実施形態では、この方法は、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを、単一の細胞由来の細胞ポリヌクレオチドに付着させることをさらに含む。一部の実施形態では、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドに付着させることと、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを、単一の細胞由来の細胞ポリヌクレオチドに付着させることとは、同時に実行される。
一部の実施形態では、この方法は、オリゴヌクレオチドまたはその相補体を増幅することをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、細胞ポリヌクレオチドまたはその相補体を増幅することをさらに含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドまたはその相補体を増幅することと、細胞ポリヌクレオチドまたはその相補体を増幅することとは、同時に実行される。
一部の実施形態では、細胞ポリヌクレオチドのベッセルバーコード配列とオリゴヌクレオチドのベッセルバーコード配列とは同じである。
一部の実施形態では、この方法は、複数のベッセルのうちの2またはそれよりも多くのベッセルから、オリゴヌクレオチドまたはそのアンプリコンをプールすることをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、複数のベッセルのうちの2またはそれよりも多くのベッセルから、オリゴヌクレオチドまたはそのアンプリコンおよび細胞ポリヌクレオチドまたはそのアンプリコンをプールすることをさらに含む。一部の実施形態では、プールすることは、配列決定することの前である。
一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、複数の異なる親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを含む。一部の実施形態では、複数の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの各親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、固有の抗原識別(AID)配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、複数の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子のうちの単一の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子にバーコード化される親和性分子バーコード(AMB)配列を含む。一部の実施形態では、複数の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の各親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子は、固有の親和性分子バーコード(AMB)配列を含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法およびコンジュゲートは、複数の異なる四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを含む。一部の実施形態では、複数の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの各四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、固有の抗原同定(AID)配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、複数の四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子のうちの1つの単一の四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子にバーコード化された親和性分子バーコード(AMB)配列を含む。一部の実施形態では、複数の四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の各四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子は、固有の親和性分子バーコード(AMB)配列を含む。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、融合配列を含み、そして付着させることは、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを融合配列に付着させることを含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、プライマー結合配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは定常配列(constant sequence)を含む。
一部の実施形態では、この方法は、オリゴヌクレオチド、その相補体、その増幅された産物、またはそれらの組合せを配列決定することであって、それによって、オリゴヌクレオチド配列読み取りを生成することをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、1つまたは複数の第1のオリゴヌクレオチド配列読み取りを、1つまたは複数の第2のオリゴヌクレオチド配列読み取りと比較することをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、オリゴヌクレオチド配列読み取りを分析することをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、オリゴヌクレオチド配列読み取りのベッセルバーコード配列を分析することをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、オリゴヌクレオチド配列読み取りの抗原識別(AID)配列を分析することをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、オリゴヌクレオチド配列読み取りの親和性分子バーコード(AMB)配列を分析することをさらに含む。一部の実施形態では、分析することは、1もしくは複数のベッセルバーコード配列、1もしくは複数のAID配列、1もしくは複数の親和性分子バーコード(AMB)配列、またはそれらの組合せの頻度を決定することを含む。一部の実施形態では、分析することは、比較することを含む。一部の実施形態では、この方法は、オリゴヌクレオチド配列読み取りの抗原識別(AID)配列を、オリゴヌクレオチド配列読み取りの親和性分子バーコード(AMB)配列と比較することをさらに含む。
一部の実施形態では、この方法は、細胞ポリヌクレオチド、その相補体、その増幅された産物、またはそれらの組合せを配列決定することであって、それによって、細胞ポリヌクレオチド配列読み取りを生成することをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、オリゴヌクレオチド配列読み取りを、細胞ポリヌクレオチド配列読み取りと比較することをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、オリゴヌクレオチド配列読み取りのベッセルバーコード配列を、細胞ポリヌクレオチド配列読み取りのベッセルバーコード配列と比較することをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、細胞ポリヌクレオチド配列読み取りを比較することをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、細胞ポリヌクレオチド配列読み取りのベッセルバーコード配列を分析することをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、細胞ポリヌクレオチド配列読み取りの分子バーコード配列を分析することをさらに含む。
一部の実施形態では、この方法は、分析するステップまたは比較するステップに基づいて、細胞の特徴を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、オリゴヌクレオチド配列読み取りに基づいて、抗体、BCRまたはTCRを選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、細胞のポリヌクレオチド配列読み取りに基づいて、抗体、BCRまたはTCRを選択するステップを含む。
一部の実施形態では、この方法は、分析するステップまたは比較するステップに基づいて、TCRもしくはBCRへの四量体の親和性および/または四量体へのTCRもしくはBCRの親和性を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、配列決定読み取りの数は、TCRまたはBCRへの四量体の親和性を示す。一部の実施形態では、1つの単一の細胞の配列読み取りのより多い数は、配列読み取りのより少ない数を有する1つの単一の細胞と比較して、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートおよび/またはTCRもしくはBCRのより高い結合親和性を示す。四量体の結合親和性は、四量体のMHC−ペプチド複合体または四量体のB細胞受容体抗原の結合を示すことができる。
一部の実施形態では、四量体オリゴヌクレオチドコンジュゲートへのTCRまたはBCRの親和性を決定する方法は、1つまたは複数の四量体オリゴヌクレオチドコンジュゲートの存在下で1つまたは複数のT細胞をインキュベートするステップを含み、ここで、複数の四量体オリゴヌクレオチドコンジュゲートの各々は、固有の識別子バーコードを含むことができる。一部の実施形態では、この方法は、各細胞−四量体複合体を単離するステップと、本明細書に記載される四量体複合体にコンジュゲートされているオリゴヌクレオチドまたはその相補性配列の少なくとも一部を配列決定するステップとをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、各固有バーコード配列の配列決定するステップの間に得られる配列決定読み取りの数を数えるステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、配列決定情報を分析するかまたは標準曲線と比較するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、四量体へのTCRもしくはBCRの親和性、またはTCRもしくはBCRへの四量体の親和性を、配列決定するステップ、または配列決定情報を分析もしくは比較するステップに基づいて、決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドに付させたベッセルバーコード化ポリヌクレオチド、および細胞ポリヌクレオチドに付着させたベッセルバーコード化ポリヌクレオチドは、ベッセル中の同じ鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドに由来する。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドに付着させたベッセルバーコード化ポリヌクレオチドは、鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの増幅産物である。
一部の実施形態では、細胞ポリヌクレオチドに付着させたベッセルバーコード化ポリヌクレオチドは、鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの増幅産物である。
一部の実施形態では、ベッセルは、固体支持体を含む。一部の実施形態では、ベッセルは、固体支持体を含まない。一部の実施形態では、複数のベッセルの各ベッセルは、単一の細胞を含む。一部の実施形態では、ベッセルは、ウェル、エマルジョンまたは液滴である。一部の実施形態では、鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドは、固体支持体に結合していない。一部の実施形態では、鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドは、固体支持体に結合している。
一部の実施形態では、この方法は、複数の分子バーコード化ポリヌクレオチドのうちの1つの分子バーコード化ポリヌクレオチドの分子バーコード配列を、細胞ポリヌクレオチドに付着させることをさらに含み、分子バーコード配列は、単一の細胞ポリヌクレオチド分子およびそのアンプリコンにバーコード化される。
一部の実施形態では、付着させることは、ベッセルポリヌクレオチドをオリゴヌクレオチドにライゲーションすることを含む。一部の実施形態では、付着させることは、酵素を用いてベッセルポリヌクレオチドをオリゴヌクレオチドに付着させることを含む。一部の実施形態では、付着させることは、ベッセルポリヌクレオチドをオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせることを含む。一部の実施形態では、付着させることは、オリゴヌクレオチドを伸長させることをさらに含む。一部の実施形態では、付着させることは、鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを増幅することを含む。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは二本鎖である。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは一本鎖である。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドはDNAである。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドはRNAである。
一部の実施形態では、細胞ポリヌクレオチドは、可変領域配列を含む。一部の実施形態では、この方法は、可変領域配列を含むネイティブ鎖配列を対合させることをさらに含む。一部の実施形態では、細胞ポリヌクレオチドはDNAである。一部の実施形態では、細胞ポリヌクレオチドはRNAである。一部の実施形態では、RNAはmRNAである。
一部の実施形態では、単一の細胞はB細胞である。一部の実施形態では、単一の細胞はT細胞である。
一部の実施形態では、親和性オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、単一の細胞の細胞外抗原に結合する。一部の実施形態では、単一の細胞の細胞外抗原は、免疫細胞に特異的な抗原である。一部の実施形態では、単一の細胞の細胞外抗原は、T細胞に特異的な抗原である。一部の実施形態では、この細胞外抗原はCD4である。一部の実施形態では、この細胞外抗原はCD8である。一部の実施形態では、単一の細胞の細胞外抗原は、B細胞に特異的な抗原である。一部の実施形態では、この細胞外抗原は免疫グロブリンである。
一部の実施形態では、親和性オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、抗体またはその断片である。一部の実施形態では、親和性オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、ペプチドである。一部の実施形態では、親和性オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、タンパク質である。一部の実施形態では、親和性オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、アプタマーである。一部の実施形態では、親和性オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、小分子である。一部の実施形態では、親和性オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、薬物である。一部の実施形態では、親和性オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、細胞である。一部の実施形態では、この細胞は、抗原提示細胞(APC)である。一部の実施形態では、親和性オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、MHC−ペプチド複合体を含む。一部の実施形態では、親和性オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、主要組織適合性複合体(MHC)を含む。一部の実施形態では、MHCは、可溶性および/または多量体(例えば、四量体)形態である。一部の実施形態では、MHCはペプチドに結合している。一部の実施形態では、ペプチドは合成ペプチドである。一部の実施形態では、MHCは、例えば単一の細胞の、T細胞受容体(TCR)および/またはTCR様結合分子、例えばTCR様抗体または免疫グロブリンまたはキメラ抗原受容体に結合する。
一部の実施形態では、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、MHC−ペプチド複合体を含む。一部の実施形態では、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、主要組織適合性複合体(MHC)を可溶性および/または多量体(例えば、四量体)形態で含む。一部の実施形態では、MHCはストレプトアビジンタンパク質に結合しており、それは中心のビオチンタンパク質と複合体化し、最高4つのMHC−ストレプトアビジン複合体が多量体複合体に連結されるのを可能にする(例えば、図10Aに示すように)。一部の実施形態では、MHCは、ペプチドと関連する。一部の実施形態では、MHCは、共有結合性または非共有結合性の連結を経てペプチドと関連する。一部の実施形態では、ペプチドは合成ペプチドである。一部の実施形態では、ペプチドは合成ペプチドである。一部の実施形態では、MHCは、例えば単一の細胞の、TCRおよび/またはTCR様結合分子、例えばTCR様抗体または免疫グロブリンまたはキメラ抗原受容体に結合する。一部の実施形態では、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、B細胞受容体抗原を可溶性および/または多量体(例えば、四量体)形態で含む。一部の実施形態では、B細胞受容体抗原は、細胞または対象に以前に投与された。一部の実施形態では、B細胞受容体抗原は、例えば単一の細胞の、BCRおよび/またはBCR様結合分子、例えばキメラ抗原受容体に結合する。
一部の実施形態では、親和性部分は、抗原認識分子および/あるいは免疫受容体、例えば、抗体もしくは免疫グロブリンまたはそれらの部分もしくは融合物、操作された免疫受容体、キメラ抗原受容体(CAR)、あるいはTCRに特異的に結合する。一部のかかる実施形態では、親和性部分は、抗体もしくは受容体、例えばCARによって認識される抗原もしくはエピトープまたはそれらの部分を含む。一部の実施形態では、親和性部分は、免疫受容体に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性断片を含む。一部の態様では、抗体またはその抗原結合性断片は、受容体の可変性部分および/または抗原結合性部分、例えば、イディオトープに特異的に結合する。一部の態様では、親和性分子は、抗イディオタイプ抗体またはその断片である。
一部の実施形態では、親和性オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、主要組織適合性複合体(MHC)またはその機能的部分もしくは結合性部分を含む。一部の実施形態では、親和性部分は、MHCの多量体、任意選択で、MHCの四量体を含む。一部の実施形態では、MHCは、可溶性形態である。一部の実施形態では、MHCは、MHCの溝内で、ペプチドに結合しているかおよび/またはペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは合成ペプチドである。一部の実施形態では、MHCは、単一の細胞のT細胞受容体(TCR)に結合する。一部の実施形態では、親和性部分は、抗体もしくはキメラ抗原受容体(CAR)に結合するペプチドを含み、および/または標的は、抗体もしくはCARである。一部の実施形態では、親和性部分は、抗体もしくはキメラ抗原受容体によって特異的に認識される抗原もしくはエピトープであるかまたはそれを含み、および/あるいはそれに特異的に結合する抗体、任意選択で、その抗原結合性部分に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を含む。
一態様では、複数の細胞を含む試料由来の単一の細胞、単一の細胞の標的抗原に結合した親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート、およびベッセルバーコード配列を含むベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを各々が含む複数のベッセルを含む組成物が提供される。一部の実施形態では、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドに付着される。
一態様では、複数の細胞を含む試料に由来する単一の細胞、単一の細胞のTCRまたはBCRに結合した四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート、およびベッセルバーコード配列を含むベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを各々が含む複数のベッセルを含む組成物が提供される。一部の実施形態では、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体は、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドに付着される。一態様では、複数の細胞を含む試料に由来する単一の溶解細胞、および単一の溶解細胞の標的抗原に結合した親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを各々が含む複数のベッセルを含む組成物が提供され;親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドは、ベッセルバーコード配列を含み、単一の溶解細胞に由来する細胞ポリヌクレオチドは、同じベッセルバーコード配列を含む。
一態様では、複数の細胞を含む試料に由来する単一の溶解細胞、および単一の溶解細胞のTCRまたはBCRに結合した四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを各々が含む複数のベッセルを含む組成物が提供され;四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドは、ベッセルバーコード配列を含み、単一の溶解細胞に由来する細胞ポリヌクレオチドは、同じベッセルバーコード配列を含む。一態様では、複数のベッセルを含む組成物が本明細書で提供され、複数のベッセルのうちの1つのベッセルは、複数の細胞を含む試料に由来する単一の細胞、およびベッセルバーコード配列を含むベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを含み、ベッセルは、単一の細胞の標的抗原に結合する親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート、またはそれに由来するオリゴヌクレオチド部分をさらに含む。
一態様では、複数のベッセルを含む組成物が本明細書で提供され、複数のベッセルの1ベッセルは、複数の細胞を含む試料に由来する単一の細胞、およびベッセルバーコード配列を含むベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを含み、ベッセルは、単一の細胞のTCRまたはBCRに結合する四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたはそれに由来するオリゴヌクレオチド部分をさらに含む。
一部の実施形態では、反応は、複数のベッセルのうちの2またはそれよりも多くのベッセル中で起こる。一部の実施形態では、ベッセルは、複数のベッセルの各ベッセルを構成する。一部の実施形態では、複数のベッセルは、2またはそれよりも多くの複数のベッセルを構成する。一部の実施形態では、各ベッセル中の細胞は、同じ試料に由来する。一部の実施形態では、2またはそれよりも多くの複数のベッセルのうちの第1の複数のベッセルのうちの1つのベッセル中の細胞は、2またはそれよりも多くの複数のベッセルのうちの第2の複数のベッセルのうちの1つのベッセル中の細胞と同じ試料に由来する。一部の実施形態では、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドに付着される。一部の実施形態では、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体は、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドに付着される。一部の実施形態では、単一の細胞は、溶解される。
一態様では、複数のベッセルを含む組成物が本明細書で提供され、複数のベッセルのうちの1つのベッセルは、複数の細胞を含む試料由来の単一の溶解細胞、および単一の溶解細胞の標的抗原に結合する親和性部分を含む親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート、またはこの親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分を含み;親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分は、ベッセルバーコード配列を含み、単一の溶解細胞由来の細胞ポリヌクレオチドは、同じベッセルバーコード配列を含む。
一態様では、複数のベッセルを含む組成物が本明細書で提供され、複数のベッセルのうちの1つのベッセルは、複数の細胞を含む試料に由来する単一の溶解細胞、および単一の溶解細胞のTCRもしくはBCRに結合する親和性部分を含む四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート、またはこの四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分を含み;四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分は、ベッセルバーコード配列を含み、単一の溶解細胞に由来する細胞ポリヌクレオチドは、同じベッセルバーコード配列を含む。
一態様では、第1の抗原識別(AID)配列を含む第1のオリゴヌクレオチドを含む第1の容器であって、第1のAID配列が既知の配列である、第1の容器;第2の抗原識別(AID)配列を含む第2のオリゴヌクレオチドを含む第2の容器であって、第2のAID配列が既知の配列であり、第1のAID配列とは異なる、第2の容器;第1のオリゴヌクレオチドを第1の親和性分子にコンジュゲートすることが可能な試薬と、第2のオリゴヌクレオチドを第2の親和性分子にコンジュゲートすることが可能な試薬とを含む、1つまたは複数の第3の容器;第1のオリゴヌクレオチドを第1の親和性分子にどのようにコンジュゲートするか、および第2のオリゴヌクレオチドを第2の親和性分子にどのようにコンジュゲートするかを記載する、指示書のセットを含むキットが提供される。
一態様では、第1の抗原同定(AID)配列を含む第1のオリゴヌクレオチドを含む第1の容器であって、第1のAID配列が公知の配列である、第1の容器;第2の抗原同定(AID)配列を含む第2のオリゴヌクレオチドを含む第2の容器であって、第2のAID配列が公知の配列であり、第1のAID配列とは異なる、第2の容器;第1のオリゴヌクレオチドを第1の四量体にコンジュゲートすることが可能な試薬および第2のオリゴヌクレオチドを第2の四量体にコンジュゲートすることが可能な試薬を含む、1つまたは複数の第3の容器;第1のオリゴヌクレオチドを第1の四量体に、および第2のオリゴヌクレオチドを第2の四量体分子にコンジュゲートする方法を記載する、指示書のセットを含むキットが提供される。
一態様では、抗原識別(AID)配列を含むオリゴヌクレオチドを含む第1の容器であって、AID配列が既知の配列である、第1の容器;オリゴヌクレオチドを親和性分子にコンジュゲートすることが可能な試薬を含む第2の容器;複数のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを含む第3の容器;および親和性分子にコンジュゲートされたときに、複数のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドのうちの1つのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドをオリゴヌクレオチドにどのように付着させるかを記載する、指示書のセットを含むキットが提供される。
一態様では、抗原同定(AID)配列を含むオリゴヌクレオチドを含む第1の容器であって、AID配列が公知の配列である、第1の容器;オリゴヌクレオチドを四量体にコンジュゲートすることが可能な試薬を含む第2の容器;複数のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを含む第3の容器;および四量体にコンジュゲートされたときに、複数のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドのうちの1つのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドをオリゴヌクレオチドに付着させる方法を記載する、指示書のセットを含むキットが提供される。
本明細書に開示される方法および組成物は、腫瘍プロファイリングに使用され得る。例えば、これらの方法は、細胞表現型を患者試料中の免疫レパートリーとリンクさせて、腫瘍反応性TCRを識別することを含み得る。本明細書に開示される方法および組成物は、養子細胞療法に使用され得る。例えば、これらの方法は、ソーティングなしのT細胞の遺伝子分析を含み得る。例えば、これらの方法は、産物の製造および処理の間に、T細胞クローン情報(TCRを使用する)を遺伝子発現パターンと組み合わせることを含み得る。一部の実施形態では、本明細書に開示される方法は、養子細胞療法の前、その過程の間、またはその後に、患者から取得された養子移入された細胞を追跡、特徴付け、モニタリングおよび/または評価するために使用され得る。本明細書に開示される方法および組成物は、既知の標的に対するTCRを識別するために使用され得る。例えば、これらの方法は、抗原に対して高度に応答してもよいがあまり増殖しない高親和性クローンを識別することを含み得る。本明細書に開示される方法および組成物は、細胞試料の多重化に使用され得る。例えば、1つまたは複数の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートと接触させたプールされた細胞試料を含むエマルジョンは、同時に複数の試料を処理しながら、オリジナルの細胞試料を識別するために使用され得る。
本明細書に開示される方法および組成物は、配列決定による多重化されたTCRまたはBCR親和性の測定のために使用され得る。本明細書に開示される方法および組成物は、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの四量体への単一の細胞のTCRまたはBCRの結合親和性を定量化するために使用され得る。さらに、この定量化は、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート濃度に感受性であってよく、ここで、結合親和性シグナルは、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート濃度に依存性であってよい(例えば、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート濃度の低下は結合親和性シグナルの対応する低下をもたらす)。さらに、本明細書に開示される方法および組成物は、非特異的細胞から抗原特異的細胞を区別するために使用され得る。例えば、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの四量体に結合するTCRまたはBCRを有する細胞と、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの四量体に結合しないTCRまたはBCRを有する細胞とを区別すること。さらに、本明細書に開示される方法および組成物の1つの利点は、それらの2つの集団を分離するためのフローサイトメトリーゲーティングを使用せずに、非特異的細胞(すなわち、四量体−細胞)から抗原特異的細胞(すなわち、四量体+細胞)の集団を区別する能力である。しばしば、フローサイトメトリーゲーティングは、フローサイトメトリープロットの上での四量体−集団からの四量体+集団の分離に基づく集団分離の「最良の推測」であるかもしれないが、それは不正確である可能性があり、したがって、各集団からの細胞の喪失または細胞の誤った特徴付けをもたらす可能性がある。対照的に、本明細書に記載される方法および組成物は、細胞の集団を区別するためにゲーティング技術に頼らず、代わりに、試料中の各細胞の結合親和性を個々に定量化するハイスループット方法であってよい。さらに、本明細書に開示される方法および組成物は、MHC−ペプチドへの高い結合親和性を有するTCRを有する細胞(すなわち、高結合剤)とMHC−ペプチドへの低い結合親和性を有するTCRを有する細胞(すなわち、低結合剤)とを区別するために、ならびに本明細書に記載されるハイスループット方法を使用して、試料中の高結合親和性細胞と低結合親和性細胞とを区別するために使用され得る。
参照による組込み
本明細書で言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許または特許出願が参照により組み込まれると具体的かつ個々に示されるのと同じ程度まで、全ての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されている新規特徴は、特に添付の特許請求の範囲に示されている。本明細書に記載されている特徴および特徴の利点に関するより良好な理解は、本明細書に記載されている特徴の原理が利用されている説明例が示されている以下の詳細な記載および添付の図面を参照することにより得られ得る。
図1は、本明細書に記載されている方法のベッセルの例示の模式図を示す。
図2は、抗体にコンジュゲートされているオリゴヌクレオチドタグの例示の設計を示す。各有色ブロックは、完全なオリゴヌクレオチド配列の部分を表わす。融合配列は、エマルジョン反応内での液滴特異的DNAバーコードの酵素的付着に使用される。配列の1つの考え得る配置のみが示されているが、他の配置も本記載の方法と適合する。
図3Aは、追加のmRNAおよびタンパク質標的を有する免疫受容体配列の例示の同時捕捉を示す。表面タンパク質標的は、エマルジョン配列決定の前に、細胞をDNA標識染色抗体と共に事前にインキュベートすることにより定量化される。
図3Bは、健常ヒトT細胞から生成された3,682個の液滴バーコードTCR VαVβペアの、例示のCD4およびCD8 mRNAならびにタンパク質測定を示す。
図3Cは、mRNAとタンパク質測定との例示の合致を示す(各点は、TCR VαVβペアにリンクする液滴バーコードである)。
図3Dは、エマルジョン内でのソーティングされていないT細胞に由来するCD4およびCD8のmRNAおよびタンパク質の同時検出の例示の表を示す。30,000個のインプットT細胞から、3,682個のTCRペアが回収された。mRNA対タンパク質(分子計数、多数決原理に基づく)によりCD4またはCD8とみなされたTCRペアの頻度が、マトリックスで示されている。
図3Eは、CD4を標的とする親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートおよびCD8を標的とする親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを使用した、45,870個の単一細胞TCRペアの例示の結果を示す。
図4は、CD4を標的とする親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートおよびCD8を標的とする親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートが使用される例示の方法の模式図を示す。
図5は、エマルジョン内での単一免疫細胞バーコード付与方法の結果を例示する。図5Aは、細胞および溶解/反応(LR)混合物を含有する2つの水性流動を油内に通して、毎時800万液滴を超えて単分散エマルジョンを生成する例示の図である。
図5Bは、ベッセル内の細胞が溶解され、単一反応で分子特異的および液滴特異的バーコード付与に供されることを示す例示の図である。
図5Cは、標的mRNAが逆転写され、ユニバーサルアダプター配列で鋳型スイッチタグ化されることを示す例示の図である。その後、初めに1液滴当たり約1分子に希釈された液滴バーコード鋳型のPCR増幅が起こる。増幅されたバーコードを、相補的オーバーラップ伸長法により、鋳型スイッチしたcDNAに追加する。エマルジョンから産物を回収し、追加のライブラリー処理ステップおよびハイスループット配列決定の前に、RTプライマーのビオチンを使用して精製する。
図5Dは、二重バーコード付与により、配列決定読み取りをそれらの由来分子および由来液滴にクラスター化することが可能になり、配列決定エラーおよび増幅バイアスを最小限に抑えつつ、ネイティブ受容体鎖対合が再構築されることを示す例示の図である。
図6は、単離された健常B細胞からBCRを回収するための方法の結果を例示する。図6Aは、300万個のB細胞が0.2細胞/液滴でエマルジョン内を通過し、占領細胞の約90%が単一細胞を含有する結果となった液滴の例示の図である。
図6Bは、V対合精度の例示の図である。エマルジョンバーコード付与および配列決定後、データを、単一細胞液滴に由来するデータについて濃縮し、V対合精度を、拡大クローン中のペア一貫性を使用して評価した。
図6Cは、液滴バーコードパーセント対Igアイソタイプの例示のグラフである。259,368個のフィルタリングされたVペアの重鎖アイソタイプ(各液滴内の最も多量なアイソタイプ)および軽鎖遺伝子座使用率が示されている。
図6Dは、6つの独立エマルジョン画分の各々の、100個の最高頻度重鎖のクローンのランク存在量の例示のグラフである。0.05%の全体頻度に印が付けられている。
図6Eは、各液滴バーコード内の捕捉mRNAの数により評価した、細胞内でのV対V発現の例示のグラフである。アイソタイプ毎に、5,000個の点が示されている。
図6Fは、BCRペアのV対V突然変異相関性および各アイソタイプ内の密度分布の例示のグラフである。
図7は、HIV広域中和抗体(bNAb)を発見するための方法の結果を例示する。図7Aは、エマルジョンに入れられたHIV長期非進行者のB細胞に由来する38,620個の回収したVペアの重鎖アイソタイプ分布の例示のグラフである。先に知られたbNAb(「PGT様」)と良好にアラインするIgG鎖の割合はわずかである。
図7Bは、既知のbNAb(黒色)+新たに回収されたもの(赤色、液滴バーコードで標識されている)の完全なVDJアミノ酸配列の系統樹の例示の図である。重鎖(左)および軽鎖(右)は別々にプロットされている。ミスマッチの可能性のある抗体PGT122およびPGT123は青色である。
図7Cは、PGT121の対照ストックと比較した、10株のHIVに対する、8つの新たに発見されたPGT様バリアントの中和活性(IC50、μg/mL)の例示の図である。
図8は、卵巣腫瘍に由来するTILを特徴付けるための方法の結果を例示する。図8Aは、卵巣腫瘍に由来する400,000個のソーティングされていない分離された細胞がエマルジョンに入れられ、BCRペアおよびTCRペアが、エマルジョンバーコード付与により同時に回収された液滴の例示の図である。
図8Bは、フィルタリング後に液滴バーコード内で観察された全てのV/VおよびVα/Vβ組合せの数を示す、液滴バーコード対受容体鎖組合せの例示のグラフである。
図8Cは、回収したBCRペアの液滴バーコードパーセント対重鎖アイソタイプ分布の例示のグラフである。
図8Dは、BCRペアについてのV対V突然変異相関性および各アイソタイプ内の密度分布の例示のグラフである。
図8Eは、全体の(上段)TCRペアおよびBCRペアの、および異なるアイソタイプ(下段)の捕捉mRNAの数の例示のグラフを示す。
図8Fは、6つの独立エマルジョン画分の各々における、30個の最高頻度のBCR重鎖クローン(上段)および30個の最高頻度のTCRベータ鎖クローンのランク存在量を示すクローン分析の例示のグラフを示す。1%および10%の全体頻度レベルが示されている。
図9は、抗体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを使用してイムノフェノタイピングするための方法を例示する。図9Aは、抗体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに結合されている単一細胞を各々が含有する2つのベッセルを示す例示の模式図を示す。(DB1−液滴バーコード1;DB2−液滴バーコード2;MB1−分子バーコード1;MB2−分子バーコード2;AID−抗原IDバーコード;AMB1−抗体分子バーコード1;AMB2−抗体分子バーコード2)。
図9Bは、図9Aのベッセルの溶解細胞に由来するRNA分子を各々が含有する2つのベッセルを示す例示の模式図を示す。RNA分子が逆転写され、逆転写により創出されたcDNA分子の末端に非鋳型ヌクレオチドが付加されている。逆転写により創出されたcDNA分子の末端に付加された非鋳型ヌクレオチドに、分子バーコードがハイブリダイズされている。
図9Cは、増幅され、図9BのベッセルのcDNAにハイブリダイゼーションにより付着されている、各々が鋳型バーコード化ポリヌクレオチドを含有する2つのベッセルを示す例示の模式図を示す。cDNAは、伸長されている(上段)。その後、伸長されたcDNAが増幅される(下段)。
図9Dは、同じ同一RNA配列に付着されている同じ分子バーコード(MB)を有するRNA−MB−DB種が、PCR複製の結果である可能性が高いことを示す例示の模式図を示す。同じ同一RNA配列に付着されている2つの異なるMBを有するRNA−MB−DB種(RNA1−MB1−DBおよびRNA1−MB2−DB)は、2つの当初の独立RNA分子であり、PCR複製由来ではない。
図9Eは、同じ液滴バーコード(DB)および抗原IDバーコード(AID)を有する配列に付着されている、同じ抗体分子バーコード(AMB)を有するDB−AMB−AID種が、PCR複製の結果である可能性が高いことを示す例示の模式図を示す。同じ液滴バーコード(DB)および抗原IDバーコード(AID)を有する配列に付着されている、2つの異なるAMBを有するDB1−AMB1−AID1およびDB1−AMB2−AID1種は、ベッセル内の同じ単一細胞に付着された同じ標的抗原に特異的に結合する抗体を各々が有する2つの独立抗体オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子に由来し、PCR複製由来ではない2つの独立オリゴヌクレオチド分子である。同じ液滴バーコード(DB)および同じまたは異なる抗体分子バーコード(AMB)を有する配列に付着されている、2つの異なるAIDを有するDB1−AMBn−AID1およびDB1−AMBn−AID2種は、ベッセル内の同じ単一細胞に付着されている2つの独立抗体オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子に由来する2つの独立オリゴヌクレオチド分子であり、抗体オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の一方は、第1の標的抗原と特異的に結合する抗体を有し、他方の抗体オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子は、第2の標的抗原と特異的に結合する抗体を有する。
図10Aは、本明細書に記載されている方法の例示的な親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの模式図を示す。示すように、例示的な親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、MHC−ペプチド親和性部分を含むことができる。一部の態様では、そのようなコンジュゲートは、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートと呼ぶことができる。
図10Bは、本明細書に記載されている方法の例示的な親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの模式図を示す。一部の態様では、そのようなコンジュゲートは、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートと呼ぶことができる。
図11Aは、TCRに結合する親和性部分を含む、本明細書に記載されている方法の2つの例示の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの結合シグナルの例示のグラフを示す。
図12Aは、本明細書に記載されている方法の例示の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに結合されているT細胞の例示の模式図を示す。
図12Bは、本明細書に記載されている方法の例示の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに結合されている液滴内T細胞の例示の模式図を示す。液滴中の核酸は、液滴識別用配列で印が付けられ、次世代シークエンシングライブラリーに組み込まれる。
図13は、例示の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート四量体にコンジュゲートされているオリゴヌクレオチドタグの例示の模式図を示す。四量体IDは、四量体バッチに対応する短鎖の定常DNA配列であり、単一の実験にて、ペプチド−MHC標的等の異なる標的の多重化を可能にする。分子バーコードは、結合された四量体を定量化するための分子計数を可能にする縮重配列である。
図14は、DNA標識MHC四量体試薬から生成された例示的な親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの模式図を示す(四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート)。一実施形態では、Cy5連結DNAオリゴヌクレオチドが合成され、ストレプトアビジンまたはニュートラアビジンにコンジュゲートされる。一実施形態では、非蛍光性DNAオリゴヌクレオチドが、APC−ストレプトアビジンにコンジュゲートされる。一実施形態では、非蛍光性DNAオリゴヌクレオチドとストレプトアビジンまたはニュートラアビジンの混合物が、活性化APCにコンジュゲートされる。
図15は、クリック化学を使用して、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にオリゴヌクレオチドをコンジュゲートするための例示の方法を示す。
図16は、例示の親和性−オリゴヌクレオチドを調製および特徴付けるための例示のワークフローの模式図を示す。
図17は、CD3、CD19、CD4、CD8、HLA−DR、およびCTLA−4を標的とする6つの異なる親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートが使用する、本明細書に記載されている例示の方法の結果を示す。各点は、液滴バーコード/単一細胞である。細胞同一性は、回収した受容体ペアのタイプにより明らかにされた(TCR=T細胞;Ig=B細胞)。
図18は、例示的な四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのさらなる像を示す。一部の実施形態では、四量体−オリゴヌクレオチドは、フルオロフォア(Fluor)を含む。一部の実施形態では、四量体−オリゴヌクレオチドは、フルオロフォアを含まない。
図19は、TCRに結合するMHC−ペプチド親和性部分を含有する、本明細書に記載されている方法の2つの例示的な四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの例示的な結合曲線を示す。
図20は、標的特異的一次CD8+T細胞または非標的特異的一次CD8+T細胞を標準のpMHC四量体試薬またはDNA標識pMHC四量体(四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート)のいずれかと共にインキュベートした、フローサイトメトリープロットを示す。右の3つのパネル欄の直ぐ上の三角形で示すように、DNA標識pMHC四量体は漸減濃度で使用した。
図21は、非結合性TCR(例えば、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート試薬によって特異的に認識されないTCR)および結合性TCR(例えば、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート試薬によって特異的に認識されるTCR)を提示する細胞の間の、細胞当たりの四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート数の比較を示す。X軸に沿って示されるように、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの漸増濃度を使用した。
詳細な説明
いくつかの態様が、例示のために、例となる適用に関連して、以下に記載される。多くの具体的な詳細、関連性および方法が、本明細書に記載される特色の完全な理解を提供するために示されていることを理解すべきである。しかし、当業者は、本明細書に記載される特色が、具体的な詳細のうち1つもしくは複数を伴わずに、または他の方法を伴って実施され得ることを容易に認識する。一部の行為は、他の行為もしくは事象とは異なる順序でおよび/またはそれらと同時に生じ得るので、本明細書に記載される特色は、行為または事象の例示された順序付けによっては限定されない。さらに、全ての例示された行為または事象が、本明細書に記載される特色に従って方法論を実行するために必要とされるわけではない。
本明細書で使用される用語法は、特定の場合のみを記載することを目的としているのであって、限定を意図するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「この(the)」は、文脈が明確に他を示さない限り、複数形も同様に含むことが意図される。さらに、用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、またはそれらの異形は、詳細な説明および/または特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、かかる用語は、用語「含む(comprising)」と類似の様式で包括的である意図である。
用語「約」または「およそ」は、値がどのように測定または決定されるか、即ち、測定系の限界に一部依存する、当業者によって決定される特定の値について許容される誤差範囲内であることを意味し得る。例えば、「約」は、当技術分野の実務に従って、1または1よりも大きい標準偏差以内であることを意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の最大で20%、最大で10%、最大で5%または最大で1%の範囲を意味し得る。あるいは、特に、生物学的系またはプロセスに関して、この用語は、ある値の5倍以内、より好ましくは2倍以内のオーダーの大きさ以内であることを意味し得る。特定の値が本出願および特許請求の範囲に記載される場合、特記しない限り、その特定の値についての許容される誤差範囲内であることを意味する用語「約」を前提とすべきである。
(例えば、エマルジョン中の)単一の細胞(免疫細胞)を親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート(例えば、抗体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート)を使用してフェノタイピングするための方法および組成物を提供することが、本発明の目的である。
定義
したがって、本明細書の用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、これには、断片抗原結合性(Fab)断片、F(ab’)2断片、Fab’断片、Fv断片、組換えIgG(rIgG)断片、単鎖可変断片(scFv)を含む単鎖抗体断片、および単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディ)断片を含む、インタクトな抗体およびその機能的(抗原結合性)抗体断片を含む、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体が含まれる。この用語は、免疫グロブリンの遺伝子操作された形態および/または他の方法で改変された形態、例えば、イントラボディ、ペプチボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体、多特異性、例えば二特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディおよびテトラボディ、タンデムジ−scFv、タンデムトリ−scFvを包含する。特記しない限り、用語「抗体」は、その機能的抗体断片を包含すると理解すべきである。この用語は、IgGならびにそのサブクラス、IgM、IgE、IgAおよびIgDを含む、任意のクラスまたはサブクラスの抗体を含む、インタクトな抗体または全長抗体もまた包含する。
「超可変領域」または「HVR」と同義の用語「相補性決定領域」および「CDR」は、抗原特異性および/または結合親和性を付与する、抗体可変領域内のアミノ酸の非隣接配列を指すことが、当技術分野で公知である。一般に、各重鎖可変領域中の3つのCDR(CDR−H1、CDR−H2、CDR−H3)および各軽鎖可変領域中の3つのCDR(CDR−L1、CDR−L2、CDR−L3)が存在する。「フレームワーク領域」および「FR」は、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指すことが、当技術分野で公知である。一般に、各全長重鎖可変領域中の4つのFR(FR−H1、FR−H2、FR−H3およびFR−H4)、および各全長軽鎖可変領域中の4つのFR(FR−L1、FR−L2、FR−L3およびFR−L4)が存在する。
所与のCDRまたはFRの正確なアミノ酸配列境界は、Kabatら(1991年)、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、第5版 Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD(「Kabat」番号付けスキーム)、Al-Lazikaniら、(1997年)JMB 273巻、927〜948頁(「Chothia」番号付けスキーム)、MacCallumら、J. Mol. Biol. 262巻:732〜745頁(1996年)、「Antibody-antigen interactions: Contact analysis and binding site topography」、J. Mol. Biol. 262巻、732〜745頁(「Contact」番号付けスキーム)、Lefranc MPら、「IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains」、Dev Comp Immunol、2003年1月;27巻(1号):55〜77頁(「IMGT」番号付けスキーム)、ならびにHonegger AおよびPluckthun A、「Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains: an automatic modeling and analysis tool」、J Mol Biol、2001年6月8日;309巻(3号):657〜70頁、(「Aho」番号付けスキーム)によって記載されるものを含む、いくつかの周知のスキームのいずれかを使用して容易に決定され得る。
所与のCDRまたはFRの境界は、識別に使用されるスキームに依存して変動し得る。例えば、Kabatスキームは、構造アラインメントに基づくが、Chothiaスキームは、構造情報に基づく。KabatスキームおよびChothiaスキームの両方についての番号付けは、一部の抗体において現れる、挿入文字によって提供される挿入、例えば「30a」および欠失を伴う、最も一般的な抗体領域配列長に基づく。2つのスキームは、異なる位置においてある特定の挿入および欠失(「インデル」)を配置して、示差的な番号付けを生じる。Contactスキームは、複合体の結晶構造の分析に基づき、Chothia番号付けスキームに多くの点で類似している。
以下の表Aは、それぞれKabat、ChothiaおよびContactのスキームによって識別された場合の、CDR−L1、CDR−L2、CDR−L3およびCDR−H1、CDR−H2、CDR−H3の境界の例示の位置を列挙する。CDR−H1については、残基番号付けは、Kabat番号付けスキームおよびChothia番号付けスキームの両方を使用して列挙されている。FRは、CDR間に位置する、例えば、FR−L1は、CDR−L1とCDR−L2との間に位置する、など。示されたKabat番号付けスキームは、H35AおよびH35Bに挿入を配置するので、示されたKabat番号付け慣習を使用して番号付けした場合のChothia CDR−H1ループの末端は、ループの長さに依存して、H32とH34との間で変動することに留意されたい。
したがって、特記しない限り、所与の抗体またはその領域、例えば、その可変領域の「CDR」または「相補性決定領域」、または個々の特定されたCDR(例えば、CDR−H1、CDR−H2)は、上述のスキームのいずれかによって規定される、ある(または特定の)相補性決定領域を包含すると理解すべきである。例えば、特定のCDR(例えば、CDR−H3)が、所与のVHまたはVLアミノ酸配列中の対応するCDRのアミノ酸配列を含むと述べられる場合、かかるCDRは、上述のスキームのいずれかによって規定される、可変領域内の対応するCDR(例えば、CDR−H3)の配列を有すると理解される。一部の実施形態では、特定されたCDR配列が特定される。
同様に、特記しない限り、所与の抗体またはその領域、例えば、その可変領域のFRまたは個々の識別されたFR(単数または複数)(例えば、FR−H1、FR−H2)は、公知のスキームのいずれかによって規定される、ある(または特定の)フレームワーク領域を包含すると理解すべきである。一部の例では、特定のCDR、FR、またはFR(複数)もしくはCDR(複数)の識別のためのスキームは、Kabat、ChothiaまたはContactの方法によって規定されるCDRのように、特定される。他の場合には、CDRまたはFRの特定のアミノ酸配列が与えられる。
用語「可変領域」または「可変ドメイン」とは、抗体の抗原への結合に関与する、抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。ネイティブ抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれ、VHおよびVL)は一般に、類似の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む(例えば、Kindtら Kuby Immunology、第6版、W.H. Freeman and Co.、91頁(2007年)を参照のこと)。単一のVHまたはVLドメインが、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。さらに、特定の抗原と結合する抗体は、それぞれ相補的VLまたはVHドメインのライブラリーをスクリーニングするために、その抗原と結合する抗体由来のVHまたはVLドメインを使用して単離され得る。例えば、Portolanoら、J. Immunol. 150巻:880〜887頁(1993年);Clarksonら、Nature 352巻:624〜628頁(1991年)を参照のこと。
提供される抗体の中でも特に、抗体断片が挙げられる。「抗体断片」とは、インタクトな抗体が結合する抗原と結合するインタクトな抗体の一部分を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2;ダイアボディ;直鎖抗体;単鎖抗体分子(例えば、scFv);および抗体断片から形成される多特異性抗体が含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態では、これらの抗体は、可変重鎖領域および/または可変軽鎖領域を含む単鎖抗体断片、例えば、scFvである。
特記しない限り、用語「TCR」は、完全TCRならびにその抗原結合性部分または抗原結合性断片(MHC−ペプチド結合性断片とも呼ばれる)を包含すると理解すべきである。一部の実施形態では、TCRは、インタクトなまたは全長TCRである。一部の実施形態では、TCRは、全長TCR未満であるが、MHC分子に結合した(即ち、MHC分子との関連での)特異的抗原性ペプチド、即ち、MHC−ペプチド複合体に結合する、抗原結合性部分である。一部の場合には、TCRの抗原結合性部分または断片は、全長またはインタクトなTCRの構造ドメインの一部分だけを含み得るが、それでもなお完全TCRが結合するエピトープ(例えば、MHC−ペプチド複合体)と結合することが可能である。一部の場合には、TCRの抗原結合性部分または断片は、特異的MHC−ペプチド複合体への結合のための結合部位を形成するのに十分なTCRの可変ドメイン、例えば、TCRの可変α鎖および可変β鎖を含み、ここで、例えば一般に、各鎖は3つの相補性決定領域を含む。抗原結合性ドメインであるまたは抗原結合性ドメインと相同である結合性ドメインを有するポリペプチドまたはタンパク質が含まれる。相補性決定領域(CDR)移植抗体およびTCRならびに他のヒト化抗体およびTCR(CDR改変およびフレームワーク領域改変を含む)もまた、これらの用語によって企図される。免疫グロブリン鎖(例えば、重鎖および軽鎖)のみに対して言及がなされ得るが、開示された発明は、複数の他の異なる型の対合した配列、例えば、T細胞受容体鎖ペア(TCRα鎖およびTCRβ鎖ならびにTCRγ鎖およびTCRδ鎖)に適用され得、免疫グロブリンに限定されないことに留意すべきである。
種々のがんまたは感染性生物と関連する抗原を認識するT細胞の能力は、アルファ(α)鎖およびベータ(β)鎖の両方またはガンマ(γ)およびデルタ(δ)鎖の両方から構成されるそのTCRによって付与される。これらの鎖を構成するタンパク質は、TCRの極めて大きい多様性を生成するために固有の機構を使用するDNAによってコードされる。この多サブユニット免疫認識受容体は、CD3複合体と会合し、抗原提示細胞(APC)の表面上のMHCクラスIおよびIIタンパク質によって提示されるペプチドと結合する。APC上の抗原性ペプチドへのTCRの結合は、T細胞活性化における中心的な事象であり、これは、T細胞とAPCとの間の接触点の免疫シナプスにおいて生じる。
各TCRは、可変相補性決定領域(CDR)ならびにフレームワーク領域(FR)を含む。αおよびβ鎖可変ドメインの第3の相補性決定領域(CDR3)ループのアミノ酸配列は、それぞれ、β鎖遺伝子座における可変(Vβ)遺伝子セグメント、多様性(Dβ)遺伝子セグメントおよび連結(Jβ)遺伝子セグメントの間での組換え、ならびにα鎖遺伝子座における類似のVα遺伝子セグメントとJα遺伝子セグメントとの間での組換えから生じる、αβT細胞の配列多様性を主に決定する。TCRのαおよびβ鎖遺伝子座における複数のかかる遺伝子セグメントの存在は、多数の別個のCDR3配列がコードされることを可能にする。TCR遺伝子再配置のプロセスの間のVβ−Dβ、Dβ−JβおよびVα−Jα接合部におけるヌクレオチドの独立した付加および欠失は、CDR3配列の多様性をさらに増加させる。これに関して、免疫適格性は、TCRの多様性に反映される。
B細胞によって発現される免疫グロブリン(Ig)は、一部の態様では、H構造を形成する4つのポリペプチド鎖、2つの重鎖(IgH)および2つの軽鎖(IgL)からなるタンパク質である。IgH鎖およびIgL鎖の各ペアは、VおよびV領域からなる超可変ドメイン、ならびに定常ドメインを含む。IgのIgH鎖は、いくつかの型、μ、δ、γ、αおよびβのものである。個体内のIgの多様性は、超可変ドメインによって主に決定される。TCRと同様に、IgH鎖のVドメインは、V、DおよびJ遺伝子セグメントのコンビナトリアル連結によって創出される。Ig遺伝子再配置のプロセスの間のV−D、D−JおよびV−J接合部におけるヌクレオチドの独立した付加および欠失は、超可変ドメイン配列の多様性をさらに増加させる。ここで、免疫適格性は、Igの多様性に反映される。
用語「可変領域」または「可変ドメイン」とは、抗原への抗体の結合に関与する、抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。ネイティブ抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれ、VHおよびVL)は一般に、類似の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む(例えば、Kindtら Kuby Immunology、第6版、W.H. Freeman and Co.、91頁(2007年)を参照のこと)。単一のVHまたはVLドメインが、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。さらに、特定の抗原と結合する抗体は、それぞれ、相補的なVLまたはVHドメインのライブラリーをスクリーニングするために、抗原と結合する抗体由来のVHまたはVLドメインを使用して単離され得る。例えば、Portolanoら、J. Immunol. 150巻:880〜887頁(1993年);Clarksonら、Nature 352巻:624〜628頁(1991年)を参照のこと。
「親和性部分」とは、標的抗原と相互作用する親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの部分を指す。例示の親和性部分には、抗体、ペプチド、タンパク質、アプタマー、小分子、薬物、細胞、MHCなどが含まれる。
「超可変領域」とは、抗原結合を担う、抗体またはTCRのアミノ酸残基を指す。この超可変領域は、相補性決定領域またはCDR由来のアミノ酸残基を含む。フレームワークまたはFR残基は、本明細書で定義されるように、超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
提供される抗体のなかでも特に、抗体断片が挙げられる。「抗体断片」とは、インタクトな抗体が結合する抗原と結合するインタクトな抗体の一部分を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2;ダイアボディ;直鎖抗体;単鎖抗体分子(例えば、scFv);および抗体断片から形成される多特異性抗体が含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態では、抗体は、可変重鎖領域および/または可変軽鎖領域を含む単鎖抗体断片、例えば、scFvである。
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全てもしくは一部分、または抗体の軽鎖可変ドメインの全てもしくは一部分を含む抗体断片である。ある特定の実施形態では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である。
抗体断片は、インタクトな抗体のタンパク質分解性消化、ならびに組換え宿主細胞による産生が含まれるがこれらに限定されない種々の技術によって作製され得る。一部の実施形態では、これらの抗体は、組換え産生された断片、例えば、天然に存在しない配置を含む断片、例えば、合成リンカー、例えばペプチドリンカーによって連結された2もしくはそれよりも多くの抗体領域もしくは鎖を有する断片、および/または天然に存在するインタクトな抗体の酵素消化によっては産生されない可能性がある断片である。一部の態様では、これらの抗体断片は、scFvである。
抗原結合性断片を含むTCR断片もまた提供される。一部の実施形態では、TCRは、その抗原結合性部分、例えば、完全可溶性TCRと呼ばれ得る、その膜貫通および/または細胞質領域(単数または複数)を含まない全長TCRのバリアントである。一部の実施形態では、TCRは、二量体TCR(dTCR)である。一部の実施形態では、TCRは、単鎖TCR(scTCR)、例えば、PCT特許公開番号WO03/020763、WO04/033685またはWO2011/044186に記載されるような構造を有するscTCRである。ある特定の実施形態では、TCRは、ベータ鎖可変領域に連結されたアルファ鎖可変領域を含む単鎖TCR断片、例えば、scTvである。一部の実施形態では、scTvは、scFvとも呼ばれる。
単鎖FvまたはscFvとは、一部の態様では、抗体の可変重鎖(V)および可変軽鎖(V)ドメイン、またはTCRの可変アルファもしくはガンマ鎖(VαもしくはVγ)および可変ベータもしくはデルタ鎖(VβもしくはVδ)ドメインを含む抗体またはTCR断片を指し、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖中に存在する。一般に、Fvポリペプチドは、抗原結合のための所望の構造をsFvが形成するのを可能にするポリペプチドリンカーを、VドメインとVドメインとの間、またはVαドメインとVβドメインとの間、またはVγドメインとVδドメインとの間にさらに含む。
ダイアボディとは、一部の態様では、2つの抗原結合部位を有する小さい抗体および/またはTCR断片を指し、この断片は、同じポリペプチド鎖(V−V)中のVに接続されたV、または同じポリペプチド鎖(Vα−Vβ)中のVβに接続されたVα、または同じポリペプチド鎖(Vγ−Vδ)中のVδに接続されたVγを含む。同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、それらのドメインは、別の鎖の相補的ドメインと対合し、2つの抗原結合部位を創出するように強いられる。例示のダイアボディは、例えば、EP404097およびWO93111161中により完全に記載されている。
二特異性抗体または二特異性TCRとは、一部の態様では、2つの異なる型の抗原に対する特異性を示す抗体またはTCRを指す。これらの用語には、本明細書で使用する場合、標的抗原に対する、および特定の組織への送達を促進する別の標的に対する結合特異性を示す抗体およびTCRが具体的に含まれるがこれらに限定されない。同様に、多特異性抗体およびTCRは、2またはそれよりも多くの結合特異性を有する。
直鎖抗体または直鎖TCとは、一部の態様では、抗原結合性領域の対を形成するタンデムFdセグメント(例えば、V−CH1−V−CH1またはVα−Cα−Vα−Cα)の対を指す。直鎖抗体およびTCRは、例えば、Zapataら、Protein Eng. 8巻(10号):1057〜1062頁(1995年)に記載されるように、二特異性または単一特異性であり得る。
抗原結合性ドメインとは、一部の態様では、抗原に特異的に結合する能力を保持する、抗体またはTCRの1つまたは複数の断片を指す。かかる用語内に含まれる抗体断片の非限定的な例には、(i)V、V、CおよびCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)断片;(iii)VおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)scFvを含む、抗体の単一のアームのVおよびVドメインを含むFv断片、(v)Vドメインを含むdAb断片(Wardら、(1989年)Nature 341巻:544 546頁);ならびに(vi)単離されたCDRが含まれるがこれらに限定されない。さらに、単一の重鎖および単一の軽鎖を含む抗体、または単一のアルファ鎖もしくは単一のベータ鎖を有するTCRが、この定義に含まれる。
「F(ab’)」および「Fab’」部分は、ペプシンおよびパパインなどのプロテアーゼでIgを処理することによって産生され得、これらには、2つの重鎖の各々中のヒンジ領域間に存在するジスルフィド結合の近傍で免疫グロブリンを消化することによって生成される抗体断片が含まれる。例えば、パパインは、2つの重鎖の各々中のヒンジ領域間に存在するジスルフィド結合の上流でIgGを切断して、VおよびCから構成される軽鎖ならびにVおよびCHγ1(重鎖の定常領域中のγ1領域)から構成される重鎖断片が、それらのC末端領域においてジスルフィド結合を介して接続される、2つの相同な抗体断片を生成する。これら2つの相同な抗体断片の各々は、’Fab’と呼ばれる。ペプシンもまた、2つの重鎖の各々中のヒンジ領域間に存在するジスルフィド結合の下流でIgGを切断して、2つの上述の’Fab’がヒンジ領域において接続される断片よりも、わずかに大きい抗体断片を生成する。この抗体断片は、F(’ab’)と呼ばれる。Fab断片はまた、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第1の定常ドメイン(C1)を含む。’Fab’断片は、抗体ヒンジ領域由来の1つまたは複数のシステイン(単数または複数)を含む重鎖C1ドメインのカルボキシル末端における数個の残基の付加により、Fab断片とは異なる。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基(単数または複数)が遊離チオール基を有するFab’についての本明細書での命名である。F(ab’)抗体断片は元々、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として産生される。
Fvとは、一部の態様では、完全な抗原認識および抗原結合部位を含む抗体またはTCR断片を指す。この領域は、緊密に非共有結合的に会合した、1つの重鎖および1つの軽鎖可変ドメインまたは1つのTCRα鎖および1つのTCRβ鎖または1つのTCRγ鎖および1つのTCRδ鎖の二量体からなる。この構成では、各可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、V−V二量体またはVα−Vβ二量体またはVγ−Vδ二量体の表面上の抗原結合部位を規定する。集合的に、VおよびV鎖またはVα−Vβ鎖またはVγ−Vδ鎖の各々由来のCDRのうち1つまたは複数の組合せは、抗体またはTCRに抗原結合特異性を付与する。例えば、CDRH3およびCDRL3は、レシピエントの選択された抗体、TCRまたはそれらの抗原結合性断片のVおよびV鎖またはVαおよびVβ鎖またはVγ−Vδ鎖に移入された場合に、抗体またはTCRに抗原結合特異性を付与するのに十分であり得、CDRのこの組合せは、結合、親和性などについて試験され得ることが理解される。単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)であっても、抗原を認識し抗原と結合する能力を有するが、第2の可変ドメインと組み合わせた場合よりも低い親和性である可能性が高い。さらに、Fv断片の2つのドメイン(VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ)は、別々の遺伝子によってコードされるが、これらは、VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ鎖領域が対合して一価分子を形成する単一のタンパク質鎖(単鎖Fv(scFv)として公知;Birdら(1988年)Science 242巻:423〜426頁;Hustonら(1988年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85巻:5879〜5883頁;およびOsbournら(1998年)Nat. Biotechnol. 16巻:778頁)としてそれらが作製されることを可能にする合成リンカーによって、組換え方法を使用して連結され得る。かかるscFvもまた、抗体の用語「抗原結合性部分」内に包含される意図である。特異的scFvの任意のVおよびV配列は、完全なIg(例えば、IgG)分子または他のアイソタイプをコードする発現ベクターを生成するために、Fc領域のcDNAまたはゲノム配列に連結され得る。VおよびVは、タンパク質化学または組換えDNA技術のいずれかを使用する、Fab、FvまたはIgの他の断片の生成においても使用され得る。
抗原結合性ポリペプチドには、例えば、ラクダ科動物およびサメ由来の抗体などの、重鎖二量体もまた含まれ得る。ラクダ科動物抗体およびサメ抗体は、V様およびC様ドメインの2つの鎖のホモ二量体対を含む(どちらも軽鎖を有さない)。ラクダ科動物における重鎖二量体IgGのV領域は、軽鎖と疎水性相互作用しないので、軽鎖と通常接触する重鎖中の領域は、ラクダ科動物では親水性アミノ酸残基に変化される。重鎖二量体IgGのVドメインは、VHHドメインと呼ばれる。サメIg−NARは、1つの可変ドメイン(V−NARドメインと呼ばれる)および5つのC様定常ドメイン(C−NARドメイン)のホモ二量体を含む。ラクダ科動物では、抗体レパートリーの多様性は、VまたはVHH領域中のCDR1、2および3によって決定される。ラクダVHH領域中のCDR3は、平均16アミノ酸の、その比較的長い長さを特徴とする(Muyldermansら、1994年、Protein Engineering 7巻(9号):1129頁)。
「ヒト化」抗体は、全てまたは実質的に全てのCDRアミノ酸残基が非ヒトCDRに由来し、全てまたは実質的に全てのFRアミノ酸残基がヒトFRに由来する抗体である。ヒト化抗体は、任意選択で、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部分を含み得る。非ヒト抗体の「ヒト化形態」とは、親非ヒト抗体の特異性および親和性を保持しつつ、ヒトに対する免疫原性を典型的には低減させるためにヒト化を受けた非ヒト抗体のバリアントを指す。一部の実施形態では、ヒト化抗体中の一部のFR残基は、例えば、抗体の特異性または親和性を回復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換される。
提供される抗体のなかでも特に、ヒト抗体が挙げられる。「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞、またはヒト抗体レパートリーもしくはヒト抗体ライブラリーなどの他のヒト抗体をコードする配列を利用する非ヒト供給源によって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。この用語は、非ヒト抗原結合性領域を含む非ヒト抗体のヒト化形態、例えば、全てまたは実質的に全てのCDRが非ヒトであるものを排除する。
ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答してインタクトなヒト抗体、またはヒト可変領域を有するインタクトな抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に免疫原を投与することによって調製され得る。かかる動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置き換える、または染色体外に存在するもしくは動物の染色体中にランダムに組み込まれる、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部分を含む。かかるトランスジェニック動物では、内因性免疫グロブリン遺伝子座は一般に、不活化されている。ヒト抗体はまた、ヒトレパートリーに由来する抗体コード配列を含む、ファージディスプレイライブラリーおよび無細胞ライブラリーを含むヒト抗体ライブラリーに由来し得る。
提供される抗体のなかでも特に、モノクローナル抗体断片を含むモノクローナル抗体が挙げられる。用語「モノクローナル抗体」とは、本明細書で使用する場合、実質的に均一な抗体の集団に由来する抗体またはかかる集団内の抗体を指す、即ち、集団を構成する個々の抗体は、天然に存在する変異を含むまたはモノクローナル抗体調製物の産生の間に生じる可能なバリアントを除いて同一であり、かかるバリアントは一般に、微量で存在する。異なるエピトープに対する異なる抗体を典型的には含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、ある抗原上の単一のエピトープに対するものである。この用語は、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈すべきではない。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマからの生成、組換えDNA法、ファージディスプレイおよび他の抗体ディスプレイ法が含まれるがこれらに限定されない種々の技術によって作製され得る。
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すために相互交換可能に使用され、最小の長さに制限されない。提供される抗体および抗体鎖ならびに他のペプチド、例えばリンカーおよび結合性ペプチドを含むポリペプチドは、天然および/または非天然のアミノ酸残基を含むアミノ酸残基を含み得る。これらの用語は、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアル酸付加、アセチル化、リン酸化などもまた含む。一部の態様では、ポリペプチドは、タンパク質が所望の活性を維持する限り、ネイティブまたは天然の配列に対する改変を含んでもよい。これらの改変は、部位特異的変異誘発などを介して計画的であり得、またはタンパク質を産生する宿主の変異もしくはPCR増幅に起因したエラーなどを介して偶発的であり得る。
「生殖系列配列」とは、生殖系列(一倍体配偶子およびそれらが形成される二倍体細胞)由来の遺伝子配列を指す。生殖系列DNAは、単一のIg重鎖もしくは軽鎖、または単一のTCRαもしくはTCRβ鎖、または単一のTCRγもしくはTCRδ鎖をコードする複数の遺伝子セグメントを含む。これらの遺伝子セグメントは、生殖細胞中に保有されるが、機能的遺伝子へと配置されるまで、転写および翻訳することができない。骨髄におけるB細胞およびT細胞の分化の間に、これらの遺伝子セグメントは、10よりも大きい特異性を生じることが可能なダイナミックな遺伝子系によってランダムにシャッフルされる。これらの遺伝子セグメントのほとんどは、生殖系列データベースによって公開および収集されている。
親和性とは、2つの薬剤の可逆的結合についての平衡定数を指し、Kとして表される。リガンドに対する結合性タンパク質の親和性、例えば、エピトープに対する抗体の親和性、または例えば、MCH−ペプチド複合体に対するTCRの親和性は、例えば、約100ナノモル濃度(nM)〜約0.1nM、約100nM〜約1ピコモル濃度(pM)、または約100nM〜約1フェムトモル濃度(fM)であり得る。用語「アビディティー」とは、希釈後の解離に対する、2またはそれよりも多くの薬剤の複合体の抵抗性を指す。
エピトープとは、一部の態様では、抗体またはTCRの可変領域結合ポケットとの結合相互作用を形成することが可能な、抗原または他の高分子の一部分を指す。かかる結合相互作用は、1つまたは複数のCDRの1つまたは複数のアミノ酸残基との分子間接触として顕在化され得る。抗原結合には、例えば、CDR3、CDR3対、または一部の例では、VおよびV鎖の最大で6つ全てのCDRの相互作用が関与し得る。エピトープは、直鎖ペプチド配列であり得る(即ち、「連続的」)、または非隣接アミノ酸配列から構成され得る(即ち、「コンフォメーション」または「不連続的」)。抗体またはTCRは、1つまたは複数のアミノ酸配列を認識できる;したがって、エピトープは、1つよりも多くの別個のアミノ酸配列を規定できる。一部の態様では、TCRは、MHCとの関連で1つまたは複数のアミノ酸配列またはエピトープを認識できる。抗体およびTCRによって認識されるエピトープは、当業者に周知のペプチドマッピングおよび配列分析技術によって決定され得る。結合相互作用は、CDRの1つまたは複数のアミノ酸残基との分子間接触として顕在化される。
一部の実施形態では、特異的結合を有する抗体またはTCRに対する言及は、ある抗体またはTCRが、抗体またはTCRによって認識されるエピトープを含む抗原以外の分子に対するいずれの顕著な結合も示さない状況を指す。この用語は、例えば、抗原結合性ドメインが、いくつかの抗原によって保有される特定のエピトープに特異的である場合にも適用可能であり、この場合、選択された抗体、TCR、または抗原結合性ドメインを保有するそれらの抗原結合性断片は、エピトープを保有する種々の抗原に結合できる。用語「優先的に結合する」または「特異的に結合する」とは、抗体、TCRまたはそれらの断片が、無関係のアミノ酸配列に結合する場合よりも高い親和性でエピトープに結合し、このエピトープを含む他のポリペプチドと交差反応性である場合には、ヒト使用への投与のために製剤化されるレベルにおいてそれらが毒性でないことを意味する。一態様では、かかる親和性は、無関係のアミノ酸配列に対する抗体、TCRまたはそれらの断片の親和性よりも、少なくとも1倍大きい、少なくとも2倍大きい、少なくとも3倍大きい、少なくとも4倍大きい、少なくとも5倍大きい、少なくとも6倍大きい、少なくとも7倍大きい、少なくとも8倍大きい、少なくとも9倍大きい、10倍大きい、少なくとも20倍大きい、少なくとも30倍大きい、少なくとも40倍大きい、少なくとも50倍大きい、少なくとも60倍大きい、少なくとも70倍大きい、少なくとも80倍大きい、少なくとも90倍大きい、少なくとも100倍大きい、または少なくとも1000倍大きい。用語「結合」とは、例えば、生理的条件下での共有結合、静電、疎水性、ならびにイオン性および/または水素結合相互作用に起因する2つの分子間の直接的会合を指し、これには、相互作用、例えば、塩架橋および水架橋、ならびに結合の任意の他の従来の手段が含まれる。
用語「結合」とは、例えば、生理的条件下での共有結合、静電、疎水性、ならびにイオン性および/または水素結合相互作用に起因する2つの分子間の直接的会合を指し、これには、相互作用、例えば、塩架橋および水架橋、ならびに結合の任意の他の従来の手段が含まれる。
一部の態様では、用語「四量体」は、ストレプトアビジンの単一の分子に結合している4つのサブユニットを含む複合体を指すことができ、それは細胞の集団に結合することができ、したがってそれを識別できる。サブユニットは、MHC−ペプチド複合体であってよい。サブユニットは、関連しているペプチドのないMHCであってもよい。サブユニットは、B細胞受容体抗原であってもよい。四量体によって識別される細胞の集団は、四量体のサブユニットに結合する、TCRまたはBCRなどの受容体を発現する集団であってよい。細胞の集団は、抗原特異的T細胞であってもよい。細胞の集団は、抗原特異的B細胞であってもよい。四量体は、蛍光標識されてもよい。本明細書で使用する場合、MHC−ペプチド四量体は、pMHCと互換的に使用することができる。
「薬学的に許容される」とは、生理的に容認可能であり、ヒトに投与した場合にアレルギー反応または類似の有害な反応、例えば、胃の異常亢進、眩暈などを典型的には生じない、分子実体および組成物を指す。
「予防(prevention)」とは、予防(prophylaxis)、症状の発症の予防(prevention)、過剰なレベルのタンパク質と関連するまたはタンパク質活性と相関する疾患または障害の進行の予防(prevention)を指す。
「阻害」、「処置」および「処置すること」は、相互交換可能に使用され、例えば、症状の停滞、生存の延長、症状の部分的または完全な寛解、および過剰なレベルのタンパク質と関連するまたはタンパク質活性と相関する状態、疾患または障害の部分的または完全な根絶を指す。例えば、がんの処置には、がん性成長または腫瘍の停滞、部分的または完全な排除が含まれるがこれらに限定されない。処置または部分的排除には、例えば、成長または腫瘍のサイズおよび/もしくは体積における所定倍率の低減、例えば、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、約20倍、約50倍、またはそれらの間の任意の倍率の低減が含まれる。同様に、処置または部分的排除には、成長または腫瘍のサイズおよび/もしくは体積における、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれらの間の任意の百分率の低減の、パーセント低減が含まれ得る。
中和抗体または中和TCRとは、一部の態様では、中和が達成される機構に関わりなく、ウイルスまたは細菌などの病原体の複製を阻害する任意の抗体またはTCRを指す。
抗体レパートリーまたはTCRレパートリーとは、抗体、TCRまたはそれらの断片の収集を指す。抗体レパートリーは、例えば、特定の抗体を選択するため、または特定の特性、例えば、結合能、結合特異性、胃腸輸送の能力、安定性、親和性などについてスクリーニングするために使用され得る。この用語は、例えば、ナイーブ、合成および半合成ライブラリーを含む、任意の供給源由来の単鎖Fv(scFv)およびFab抗体ファージディスプレイライブラリーが限定なしに含まれる抗体ファージディスプレイライブラリーなどのコンビナトリアルライブラリーの全ての形態を含む、抗体およびTCRライブラリーを具体的に含む。
「標的核酸分子」、「標的ポリヌクレオチド」、「標的ポリヌクレオチド分子」とは、目的の任意の核酸を指す。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)とは、二本鎖ポリヌクレオチドの相補鎖の同時プライマー伸長によるポリヌクレオチド配列のin vitro増幅反応を指す。PCR反応は、プライマー結合部位が隣接する鋳型ポリヌクレオチドのコピーを生成する。2つのプライマーを用いた結果は、各サイクルによって両方の鎖が複製されることによる、各サイクルによる両方の鎖の鋳型ポリヌクレオチドコピー数における指数関数的増加である。ポリヌクレオチド二重鎖は、使用されるプライマーの末端に対応する末端を有する。PCRは、鋳型ポリヌクレオチドを変性させること、プライマーをプライマー結合部位にアニーリングさせること、およびヌクレオチドの存在下でDNAまたはRNAポリメラーゼによってプライマーを伸長させることの、1または複数回の反復を含み得る。特定の温度、各ステップにおける持続時間、およびステップ間の変化の速度は、当業者に周知の多くの因子に依存する(McPhersonら、IRL Press、Oxford(1991年および1995年))。例えば、Taq DNAポリメラーゼを使用する従来のPCRでは、二本鎖鋳型ポリヌクレオチドは、>90℃の温度で変性され得、プライマーは、50〜75℃の範囲の温度でアニーリングされ得、プライマーは、72〜78℃の範囲の温度で伸長され得る。一部の実施形態では、PCRは、逆転写PCR(RT−PCR)、リアルタイムPCR、ネステッドPCR、定量的PCR、多重PCRなどを含む。一部の実施形態では、PCRは、RT−PCRを含まない(米国特許第5,168,038号、同第5,210,015号、同第6,174,670号、同第6,569,627号および同第5,925,517号;Mackayら、Nucleic Acids Research、30巻:1292〜1305頁(2002年))。RT−PCRは、逆転写反応が先行するPCR反応を含み、得られたcDNAが増幅され、ネステッドPCRは、第1のセットのプライマーを使用する第1のPCR反応のアンプリコンが、それらのうち少なくとも一方が第1のPCR反応のアンプリコンの内部位置に結合する第2のプライマーセットを使用する第2のPCR反応のための試料になる、二段階PCRを含む。多重PCRは、複数のポリヌクレオチド配列が同じ反応混合物中で同時にPCRに供されるPCR反応を含む。PCR反応体積は、0.2pL〜1000μLの間のいずれかであり得る。定量的PCRは、試料中の1つまたは複数の配列の絶対量もしくは相対量、存在量、または濃度を測定するために設計されたPCR反応を含む。定量的測定は、1つまたは複数の参照配列または標準を目的のポリヌクレオチド配列と比較することを含み得る(Freemanら、Biotechniques、26巻:112〜126頁(1999年);Becker-Andreら、Nucleic Acids Research、17巻:9437〜9447頁(1989年);Zimmermanら、Biotechniques、21巻:268〜279頁(1996年);Diviaccoら、Gene、122巻:3013〜3020頁(1992年);Becker-Andreら、Nucleic Acids Research、17巻:9437〜9446頁(1989年))。
「ヌクレオチド」、「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド残基」および「ヌクレオシド残基」とは、本明細書で使用する場合、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド残基、または増幅反応(例えば、PCR反応)における使用に適切なプライマーの成分として機能することが可能な他の類似のヌクレオシドアナログを意味し得る。かかるヌクレオシドおよびその誘導体は、特記した場合を除き、本明細書に記載されるプライマーの構成要素として使用され得る。化学的改変が、必要に応じて、ポリメラーゼによる、デオキシグアニン、デオキシシトシン、デオキシチミジンまたはデオキシアデニンとしてのそれらの認識を妨害しないことを条件として、増幅反応におけるそれらの安定性または有用性を増強するために化学改変されたヌクレオシド誘導体または塩基の利用を妨げることを意味するものは、本出願中には存在しない。一部の実施形態では、ヌクレオチドアナログは、ハイブリッド形成を安定化し得る。一部の実施形態では、ヌクレオチドアナログは、ハイブリッド形成を不安定化し得る。一部の実施形態では、ヌクレオチドアナログは、ハイブリダイゼーションの特異性を増強し得る。一部の実施形態では、ヌクレオチドアナログは、ハイブリダイゼーションの特異性を低減させ得る。
「核酸」または文法的等価物とは、単一のヌクレオチド、または共有結合によって一緒に連結された少なくとも2つのヌクレオチドのいずれかを指す。
「ポリヌクレオチド」または文法的等価物とは、共有結合によって一緒に連結された少なくとも2つのヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチドは、2またはそれよりも多くのヌクレオチドを含む分子を含む。ポリヌクレオチドは、プリンおよびピリミジン塩基、または他の天然のヌクレオチド塩基、化学的に改変されたもしくは生化学的に改変された非天然のヌクレオチド塩基、またはヌクレオチド塩基の誘導体を含む、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドまたはペプチド核酸(PNA)のいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を含む。ポリヌクレオチドの骨格は、糖およびリン酸基、または改変もしくは置換された糖もしくはリン酸基を含み得る。ポリヌクレオチドは、改変ヌクレオチド、例えば、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログを含み得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断され得る。ポリヌクレオチドは、他の分子、例えば、別のハイブリダイズしたポリヌクレオチドを含み得る。ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、またはその両方の配列を含む。ポリヌクレオチドの非限定的な例には、遺伝子、遺伝子断片、エクソン、イントロン、遺伝子間DNA(ヘテロクロマチンDNAが限定なしに含まれる)、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、低分子干渉RNA(siRNA)、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐鎖ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、ある配列の単離されたDNA、ある配列の単離されたRNA、核酸プローブおよびプライマーが含まれる。ポリヌクレオチドは、天然の供給源から単離された、組換えの、または人工的に合成されたものであり得る。
ポリヌクレオチドは、非標準ヌクレオチド、例えば、ヌクレオチドアナログまたは改変ヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態では、非標準ヌクレオチドは、ハイブリッド形成を安定化し得る。一部の実施形態では、非標準ヌクレオチドは、ハイブリッド形成を不安定化し得る。一部の実施形態では、非標準ヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションの特異性を増強し得る。一部の実施形態では、非標準ヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションの特異性を低減させ得る。非標準ヌクレオチド改変の例には、2’O−Me、2’O−アリル、2’O−プロパルギル、2’O−アルキル、2’フルオロ、2’アラビノ、2’キシロ、2’フルオロアラビノ、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミデート(phosphoroamidate)、2’アミノ、5−アルキル置換ピリミジン、3’デオキシグアノシン、5−ハロ置換ピリミジン、アルキル置換プリン、ハロ置換プリン、二環式ヌクレオチド、2’MOE、PNA分子、LNA−分子、LNA様分子、ジアミノプリン、S2T、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン(xantine)、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−ガラクトシルキューオシン(beta-D-galactosylqueosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルキューオシン(beta-D-mannosylqueosine)、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−D46−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ウブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、キューオシン(queosine)、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6−ジアミノプリン、およびそれらの誘導体が含まれる。
「対象」、「個体」、「宿主」または「患者」とは、哺乳動物などの生きた生物を指す。対象および宿主の例には、ウマ、雌ウシ、ラクダ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット、マウス(例えば、ヒト化マウス)、スナネズミ、非ヒト霊長類(例えば、マカク)、ヒトなど、例えば、非哺乳動物脊椎動物、例えば、鳥類(例えば、ニワトリまたはアヒル)、魚類(例えば、サメ)またはカエル(例えば、Xenopus)、および非哺乳動物無脊椎動物を含む非哺乳動物、ならびにそれらのトランスジェニック種が含まれるがこれらに限定されない。ある特定の態様では、対象とは、単一の生物(例えば、ヒト)を指す。ある特定の態様では、あるいは、研究のための共通の免疫因子および/もしくは疾患を有する小さいコホート、ならびに/または疾患を有さない個体のコホート(例えば、陰性/正常対照)を構成する個体の群が提供される。試料が取得される対象は、疾患および/または障害(例えば、1つまたは複数のアレルギー、感染、がんまたは自己免疫障害など)に苦しみ得、疾患に罹患していない陰性対照対象に対して比較され得る。
「キット」とは、本明細書に開示される方法を実行するために材料または試薬を送達するための送達系を指す。一部の実施形態では、キットには、反応試薬(例えば、適切な容器中のプローブ、酵素など)および/または支持材料(例えば、アッセイを実行するための緩衝液、書面の指示書など)の貯蔵、1つの位置から別の位置へのそれらの輸送または送達を可能にする系が含まれる。例えば、キットは、適切な反応試薬および/または支持材料を含む1つまたは複数のエンクロージャー(例えば、箱)を含む。かかる内容物は、意図したレシピエントに一緒にまたは別々に送達され得る。例えば、第1の容器は、アッセイにおける使用のための酵素を含み得るが、第2の容器は、複数のプライマーを含む。
ポリペプチドとは、一部の態様では、少なくとも2つのアミノ酸を含む分子を指す。一部の実施形態では、ポリペプチドは、単一のペプチドからなる。一部の実施形態では、ポリペプチドは、2またはそれよりも多くのペプチドを含む。例えば、ポリペプチドは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000のペプチドまたはアミノ酸を含み得る。ポリペプチドの例には、アミノ酸鎖、タンパク質、ペプチド、ホルモン、ポリペプチド、サッカライド、脂質、糖脂質、リン脂質、抗体、酵素、キナーゼ、受容体、転写因子およびリガンドが含まれるがこれらに限定されない。
試料とは、一部の態様では、生物学的、環境的、医学的な、対象の、もしくは患者の試料、または標的ポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチドを含む試料を指す。
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、親和性分子部分(例えば、抗体またはMHC−ペプチド複合体)およびオリゴヌクレオチド部分を含む。親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドの抗原同定配列は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートが特異的に相互作用する1種または複数の抗原を同定するために使用され得る。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、コンジュゲートの親和性部分に共有結合的に付着される。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、コンジュゲートの親和性部分に非共有結合的に付着される。親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートであってよい。四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、四量体(例えば、B細胞受容体抗原四量体またはMHC−ペプチド複合体四量体)およびオリゴヌクレオチド部分を含むことができる。四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドの抗原同定配列は、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートが特異的に相互作用する1種または複数の抗原を同定するために使用され得る。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、コンジュゲートの親和性部分または四量体に共有結合的に付着される。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、コンジュゲートの親和性部分または四量体に非共有結合的に付着される。
一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、単一の親和性部分を含む。一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、多価親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートである。例えば、多価親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、1つまたは複数のオリゴヌクレオチド(単数または複数)にコンジュゲートされた少なくとも2つの親和性分子の抗原結合性ドメインを含み得る。例えば、多価親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100、200、500または1,000の親和性分子の抗原結合性ドメインを含み得る。一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、単一のオリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、2またはそれよりも多くのオリゴヌクレオチドを含む。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、1つまたは複数の親和性分子(例えば、抗体またはMHC−ペプチド複合体)にコンジュゲートされた少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100、200、500または1,000のオリゴヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、同じ抗原ID(AID)配列を含む2またはそれよりも多くのオリゴヌクレオチドを含む。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、同じAID配列を含む少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100、200、500または1,000のオリゴヌクレオチドを含み得る。
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分(またはドメイン)は、標的抗原に結合する親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの領域、分子、ドメイン、部分(portion)、断片または部分(moiety)を含む。したがって、親和性部分は、所与の標的抗原、例えば、細胞表面タンパク質の細胞外ドメインに結合するまたは特異的に結合する能力を付与する。一部の実施形態では、親和性部分は、異なる抗原ID配列を含む別の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの抗原とは実質的に相互作用しない。一部の実施形態では、親和性部分は、核酸を含み得る分子、または標的抗原への親和性部分の結合を実質的に消失させることなくオリゴヌクレオチドが付着され得る分子である。
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、核酸分子であり得る、またはタンパク質性であり得る。親和性部分には、RNA、DNA、RNA−DNAハイブリッド、小分子(例えば、薬物)、アプタマー、ポリペプチド、タンパク質、抗体およびその断片、TCRおよびその断片、ウイルス、ウイルス粒子、細胞、それらの断片、ならびにそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない(例えば、Fredrikssonら、(2002年)Nat Biotech 20巻:473〜77頁;Gullbergら、(2004年)PNAS、101巻:8420〜24頁を参照のこと)。例えば、親和性部分は、一本鎖RNA、二本鎖RNA、一本鎖DNA、二本鎖DNA、1もしくは複数の二本鎖領域および1もしくは複数の一本鎖領域を含むDNAもしくはRNA、RNA−DNAハイブリッド、小分子、アプタマー、ポリペプチド、タンパク質、抗体、抗体断片、TCR、TCR断片、MHC、MHC−ペプチド複合体、ウイルス粒子、細胞、またはそれらの任意の組合せであり得る。
一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、細胞を標的化する。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、T細胞またはB細胞を標的化し得る。一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、特定の細胞型または細胞サブセットを標的化する。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、CD4T細胞またはCD8T細胞を標的化し得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、特定の抗原を特異的に認識するTCRを含むT細胞を標的化し得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、特定のMHC−ペプチド複合体を特異的に認識するTCRを含むT細胞を標的化し得る。
一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、細胞の標的の細胞外ドメインを標的化する。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、細胞の受容体、例えば、T細胞受容体(TCR)の細胞外ドメインを標的化し得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、細胞の受容体の細胞外ドメインのグリコシル化された領域を標的化し得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、細胞の受容体の細胞外ドメインのリガンド結合性領域を標的化し得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、リガンドに結合しない細胞の受容体の細胞外ドメインの領域を標的化し得る。
一部の実施形態では、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、MHC−ペプチド複合体を含む。一部の実施形態では、MHC−ペプチド複合体はTCRを標的化する。一部の実施形態では、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、B細胞受容体抗原を含む。一部の実施形態では、B細胞受容体抗原は、BCRを標的化する。
タンパク質
一部の実施形態では、親和性部分は、ポリペプチド、タンパク質、またはそれらの任意の断片である。一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、タンパク質である。一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、ペプチドである。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、抗体、例えば、抗体の結合性ドメインであり得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、MHC−ペプチド複合体であり得る。例えば、親和性部分は、精製されたポリペプチド、単離されたポリペプチド、融合タグ化ポリペプチド、細胞またはウイルスもしくはビリオンの膜に付着させたポリペプチド、あるいはそれらにまたがるポリペプチド、細胞質タンパク質、細胞内タンパク質、細胞外タンパク質、キナーゼ、ホスファターゼ、アロマターゼ、ヘリカーゼ、プロテアーゼ、オキシドレダクターゼ、レダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、グリコシラーゼ、細胞外マトリックスタンパク質、リガーゼ、イオントランスポーター、チャネル、ポア、アポトーシスタンパク質、細胞接着タンパク質、病原性タンパク質、異常に発現されるタンパク質、転写因子、転写調節因子、翻訳タンパク質、シャペロン、分泌型タンパク質、リガンド、ホルモン、サイトカイン、ケモカイン、核タンパク質、受容体、膜貫通受容体、シグナル伝達因子、抗体、膜タンパク質、膜内在性タンパク質、表在性膜タンパク質、細胞壁タンパク質、球状タンパク質、線維状タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質、染色体タンパク質、それらの任意の断片、またはそれらの任意の組合せであり得る。一部の実施形態では、親和性部分は、異種ポリペプチドである。一部の実施形態では、親和性部分は、トランスフェクションなどの分子技術を使用して細胞において過剰発現されるタンパク質である。一部の実施形態では、親和性部分は、組換えポリペプチドである。例えば、親和性部分は、細菌(例えば、E.coli)、酵母、哺乳動物または昆虫細胞において産生される試料(例えば、生物によって過剰発現されるタンパク質)を含み得る。一部の実施形態では、親和性部分は、変異、挿入、欠失または多型を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、親和性部分は、抗原、例えば、生物を免疫化するため、または生物において免疫応答を生成するため、例えば、抗体産生のために使用されるポリペプチドである。
一部の実施形態では、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、四量体である。一部の実施形態では、四量体のサブユニットは、タンパク質である。一部の実施形態では、四量体のサブユニットは、ペプチドである。一部の実施形態では、四量体のサブユニットは、タンパク質および/またはペプチドの複合体である。一部の実施形態では、タンパク質および/またはペプチドの複合体は、共有結合的または非共有結合的に連結および/または関連してもよい。例えば、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、MHC−ペプチド複合体であってよい。MHC−ペプチド複合体中のペプチドの一部の非限定的な例は、精製されたポリペプチド、単離されたポリペプチド、融合タグ化ポリペプチド、細胞またはウイルスもしくはビリオンの膜に付着させたポリペプチド、あるいはそれらにまたがるポリペプチド、細胞質タンパク質、細胞内タンパク質、細胞外タンパク質、キナーゼ、ホスファターゼ、アロマターゼ、ヘリカーゼ、プロテアーゼ、オキシドレダクターゼ、レダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、グリコシラーゼ、細胞外マトリックスタンパク質、リガーゼ、イオントランスポーター、チャネル、ポア、アポトーシスタンパク質、細胞接着タンパク質、病原性タンパク質、異常に発現されるタンパク質、転写因子、転写調節因子、翻訳タンパク質、シャペロン、分泌型タンパク質、リガンド、ホルモン、サイトカイン、ケモカイン、核タンパク質、受容体、膜貫通受容体、シグナル伝達因子、抗体、膜タンパク質、膜内在性タンパク質、表在性膜タンパク質、細胞壁タンパク質、球状タンパク質、線維状タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質、染色体タンパク質、それらの任意の断片、またはそれらの任意の組合せに由来するペプチドであってよい。一部の実施形態では、ペプチドは、疾患関連抗原に由来する。例えば、一部の態様では、ペプチドは、腫瘍関連抗原、例えば普遍的腫瘍抗原、ウイルス関連抗原、自己免疫関連抗原、炎症関連抗原、細菌関連抗原またはそれらの任意の組合せに由来するかまたは由来することができる。一部の実施形態では、親和性部分は、トランスフェクションなどの分子技術を使用して細胞中で過剰発現されるタンパク質である。一部の実施形態では、親和性部分は、組換えポリペプチドである。例えば、親和性部分は、細菌(例えば、E.coli)、酵母、哺乳動物または昆虫細胞において産生される試料(例えば、生物体によって過剰発現されるタンパク質)を含み得る。一部の実施形態では、親和性部分は、変異、挿入、欠失または多型を含有するポリペプチドである。一部の実施形態では、親和性部分は、抗原、例えば、生物を免疫化するため、または生物において免疫応答を生成するため、例えば、抗体産生のために使用されるポリペプチドである。別の例として、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、B細胞受容体抗原であってよい。B細胞受容体抗原は、四量体のサブユニットであってよい。
抗体
一部の実施形態では、親和性部分は、抗体、例えば、抗体の結合性断片である。抗体は、別の分子の特定の空間的および極性機構に特異的に結合し得る。例えば、抗体は、精製された抗体、単離された抗体、抗体の断片、または融合タグ化抗体であり得る。一部の実施形態では、抗体は、トランスフェクションなどの分子技術を使用して細胞において過剰発現される。一部の実施形態では、抗体は、組換え抗体である。抗体は、細胞表面分子などの別の分子の特定の空間的および極性機構に特異的に結合し得る。抗体は、モノクローナル、ポリクローナルまたは組換え抗体であり得、当技術分野で周知の技術、例えば、宿主の免疫化および血清(ポリクローナル)の収集によって、または連続的ハイブリッド細胞株を調製し、分泌されたタンパク質(モノクローナル)を収集することによって、または天然の抗体の特異的結合に必要なアミノ酸配列を少なくともコードするヌクレオチド配列もしくはその変異誘発バージョンをクローニングし発現させることによって、調製され得る。さらに、凝集物、ポリマー、および免疫グロブリンまたはそれらの断片のコンジュゲートは、特定の分子に対する結合親和性が維持される限り、必要に応じて使用され得る。抗体断片の例には、V、V、CおよびCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片;ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab)断片;VおよびCH1ドメインからなるFd断片;抗体の単一のアームのVおよびVドメインからなるFv断片;Vドメインからなる単一ドメイン抗体(dAb)断片(Wardら、(1989年)Nature 341巻:544〜46頁);ならびに単離されたCDR、ならびにV領域およびV領域が対合して一価分子を形成する単鎖断片(scFv)(単鎖Fv(scFv)として公知;例えば、Birdら、(1988年)Science 242巻:423〜26頁;およびHustonら、(1988年)PNAS 85巻:5879〜83頁を参照のこと)が含まれる。したがって、抗体断片には、Fab、F(ab)、scFv、Fv、dAbなどが含まれる。2つのドメインVおよびVは、別々の遺伝子によってコードされるが、これらは、単一のタンパク質鎖としてそれらが作製されることを可能にする人工ペプチドリンカーによって、組換え方法を使用して連結され得る。かかる単鎖抗体は、1つまたは複数の抗原結合性部分を含む。これらの抗体断片は、当業者に公知の従来技術を使用して取得され得、断片は、インタクトな抗体と同じ様式で、有用性についてスクリーニングされ得る。抗体は、ヒト、ヒト化、キメラ、単離された、イヌ、ネコ、ロバ、ヒツジ、任意の植物、動物または哺乳動物であり得る。
MHC
一部の場合における細胞性免疫系による抗原構造の認識は、表面発現される主要組織適合性複合体(MHC)によって媒介される。細胞、例えば、抗原提示細胞(APC)は、一部の態様では、MHC分子の特異的ペプチド結合フォールド中に存在し得る、したがって、一部の態様ではT細胞によって認識され得る短いペプチドへと、抗原などのタンパク質をプロセシングする。T細胞受容体(TCR)によるエピトープ(ペプチド断片)の特異的認識は一般に、MHC分子との同時相互作用を必要とする。安定した多量体複合体は、結合したペプチドを含有するMHCタンパク質サブユニットを用いて調製され得る。MHC−抗原複合体は、それらの抗原受容体を介して複合体を認識するT細胞と共に安定した構造体を形成し得、それによって、抗原を特異的に認識するT細胞への結合を可能にする。親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの、または四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、T細胞を標的化し得る。親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、T細胞を特異的に標的化し得る。親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの、または四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、T細胞受容体またはTCR様分子、例えば、TCR様CARを標的化し得る。親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、T細胞受容体を特異的に標的化し得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの、または四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、MHC分子を含み得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの、または四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、MHC−ペプチド複合体(MHC−p)を含み得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの、または四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、式(A−B−P)を有することができ、式中、AはMHCクラスIまたはMHCクラスIIタンパク質のα鎖であり、BはクラスII MHCタンパク質のβ鎖またはMHCクラスIタンパク質についてはβミクログロブリンであり、Pはペプチドである。一部の実施形態では、nは1である。一部の実施形態では、nは2より大きいか2と等しい。MHCタンパク質サブユニットは、可溶性形態であってよい。例えば、可溶性MHCタンパク質サブユニットは、膜貫通ドメインまたはその部分の欠失によって、ネイティブMHCタンパク質サブユニットから誘導され得る。一部の実施形態では、MHCタンパク質サブユニットは、細胞質ドメインを含まない。一部の実施形態では、MHCタンパク質サブユニットは、膜貫通ドメインを含まない。
ペプチド(P)は、クラスI MHCタンパク質との複合体については約6〜12アミノ酸長、例えば、約8〜10アミノ酸であり得る。ペプチドは、クラスII MHCタンパク質との複合体については約6〜20アミノ酸長、例えば、約10〜18アミノ酸であり得る。ペプチドは、広範な種々のタンパク質に由来する配列を有し得る。ペプチドは、T細胞エピトープであり得る。いくつかの抗原由来のエピトープ配列が、当技術分野で公知である。あるいは、エピトープ配列は、ネイティブMHCタンパク質に結合したペプチドを単離し、配列決定することによって、標的配列からの一連のペプチドの合成、次いで、異なるペプチドに対して反応性のT細胞についてアッセイすることによって、または異なるペプチドを用いて一連の結合性複合体を生成し、T細胞結合を定量することによって、実験的に決定され得る。断片の調製、配列を識別すること、および最小配列を識別することは、米国特許第5,019,384号およびそこで引用される参考文献に記載されている。ペプチドは、種々の方法で調製され得る。簡便には、これらは、自動合成器を使用する従来技術によって合成され得、または手動で合成され得る。あるいは、特定のペプチドをコードするDNA配列が調製され得、所望のペプチドを提供するためにクローニングおよび発現され得る。この場合、メチオニンが最初のアミノ酸であり得る。さらに、ペプチドは、親和性試薬による融合タンパク質の精製を可能にする、特異的結合対のうちの1つであるタンパク質への融合などの組換え方法と、その後の、通常は操作された部位におけるタンパク質分解性切断とによって生成されて、所望のペプチドを生じ得る(例えば、Driscollら(1993年)J. Mol. Bio. 232巻:342〜350頁を参照のこと)。ペプチドはまた、天然の供給源から単離され得、例えば、イオン交換材料上でのクロマトグラフィー、サイズによる分離、免疫親和性クロマトグラフィーおよび電気泳動が含まれる公知の技術によって精製され得る。
一部の実施形態では、α−サブユニットおよびβ−サブユニットは、別々に産生され、安定なヘテロ二重鎖複合体を形成するようにin vitroで会合される(例えば、Altmanら(1993年)またはGarbocziら(1992年)を参照のこと)。一部の実施形態では、α−サブユニットおよびβ−サブユニットは、単一の細胞において一緒に発現される。一部の実施形態では、α−サブユニットおよびβ−サブユニットを有する単一の分子が使用される。例えば、単鎖ヘテロ二量体は、短いペプチドリンカー、例えば、15〜25アミノ酸のペプチドまたはリンカーを使用して、2つのサブユニットを一緒に融合させることによって創出され得る(例えば、Bedzykら(1990年)J. Biol. Chem. 265巻:18615頁を参照のこと)。可溶性ヘテロ二量体は、可溶性産物を産生するために、ネイティブヘテロ二量体の単離、およびプロテアーゼ、例えばパパインによる切断によっても産生され得る。
可溶性サブユニットは、トランケート型タンパク質をコードするDNA構築物から独立して発現され得る。発現のために、DNA配列は、適切な発現ベクター中に挿入され得、このとき、ネイティブ転写開始領域が使用され得、または外因性転写開始領域、例えば、通常存在する染色体中の遺伝子と関連するプロモーター以外のプロモーターが使用され得る。プロモーターは、in vitroで組換え方法によって、または染色体中への配列の相同組込みの結果として、導入され得る。転写開始領域は、広範な種々の発現宿主について公知である。発現宿主は、原核生物または真核生物、特に、E.coli、B.subtilis、哺乳動物細胞、例えば、CHO細胞、COS細胞、サル腎臓細胞、リンパ系細胞、ヒト細胞株などを含み得る。
サブユニットは、適切な宿主細胞において発現され得、必要に応じて可溶化され得る。2つのサブユニットは、ペプチドと組み合わされ得、鎖内ジスルフィド結合したドメインを有する安定なヘテロ二量体複合体を形成するためにin vitroでフォールドすることが可能であり得る。ペプチドは、最初のフォールディング反応に含まれ得、または後のステップで空のヘテロ二量体に付加され得る。MHC結合部位は、このペプチドの付加の前には、ペプチドなしであり得る。例外は、天然のペプチド−MHC複合体、例えば、自己免疫攻撃の標的である細胞の表面上に存在し得るものなどによってT細胞を標識することが所望される場合である。MHCヘテロ二量体は、クラスIについてはα2およびα1、またはクラスIIについてはα1およびβ1のいずれかの2つの膜遠位ドメインによって形成される溝中でペプチドに結合する。サブユニットおよびペプチドのフォールディングおよび会合を許容する条件は、当技術分野で公知である(例えば、Altmanら(1993年)およびGarbocziら(1992年)を参照のこと)。許容的条件の一例として、大まかに等モル量の可溶化されたαサブユニットおよびβサブユニットが、尿素の溶液中で混合される。再フォールディングは、尿素なしの緩衝溶液中への希釈または透析によって開始される。ペプチドは、約1〜3日間にわたって約pH5〜5.5で空のクラスIIヘテロ二量体中に負荷され、その後、中和、濃縮および緩衝液交換される。しかし、具体的なフォールディング条件は本発明の実施にとって重要でないことは、当業者によって容易に理解される。
一部の実施形態では、単量体複合体(α−β−P)は、多量体化され得る。例えば、多量体は、αサブユニットまたはβサブユニット上の特定の付着部位を介して、単量体を多価の実体に結合させることによって形成され得る。一部の実施形態では、多量体は、単量体の化学的架橋結合によって形成される。タンパク質を架橋結合させることが可能ないくつかの試薬が、当技術分野で公知であり、これには、アジドベンゾイルヒドラジド、N−[4−(p−アジドサリチルアミノ)ブチル]−3’−[2’−ピリジルジチオ]プロピオンアミド)、ビス−スルホスクシンイミジルスベレート、アジプイミド酸ジメチル、酒石酸ジスクシンイミジル、N−γ−マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、N−スクシンイミジル[4−アジドフェニル]−1,3’−ジチオプロピオネート、N−スクシンイミジル[4−ヨードアセチル]アミノベンゾエート、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒドおよびスクシンイミジル4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレートが含まれるがこれらに限定されない。多価実体への結合のための付着部位は、天然に存在してもよく、または遺伝子操作を介して導入されてもよい。部位は、特異的結合対のメンバー、または特異的結合対のメンバーを提供するように改変されたものであり得、ここで、相補的対は、多様な特異的結合部位を有する。相補的結合メンバーへの結合は、化学反応、エピトープ−受容体結合またはハプテン−受容体結合であり得、ここで、ハプテンは、サブユニット鎖に連結される。好ましい実施形態では、これらのサブユニットのうち1つは、改変酵素のための認識部位を提供するアミノ酸配列に融合される。この認識配列は通常、抗原性ペプチド結合部位における潜在的な妨害を回避するために、これらのサブユニットのうち1つのカルボキシ末端の近位に融合される。簡便には、発現カセットは、認識部位をコードする配列を含む。
目的の改変酵素には、BirA、種々のグリコシラーゼ、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ、タンパク質キナーゼなどが含まれる。サブユニットは、任意の都合のよい時、通常は単量体の形成後に、改変酵素と反応され得る。改変酵素によって導入される基、例えば、ビオチン、糖、リン酸、ファルネシルなどは、相補的結合対のメンバー、または相補的結合対のメンバーを提供するさらなる改変、例えば、化学的架橋結合、ビオチン化などに固有の部位を提供する。代替的戦略は、対合していないシステイン残基をサブユニットに導入し、それによって、結合に固有の化学的に反応性の部位を導入することである。付着部位はまた、天然に存在するまたは導入されたエピトープであり得、多価結合パートナーは、抗体、例えば、IgG、IgMなどである。任意の改変は、結合を干渉しない部位、例えば、C末端近位においてである。多量体形成の例示は、タンパク質基質のビオチン化を触媒する酵素BirAのための認識配列の導入である。次いで、ビオチン化サブユニットを有する単量体が、多価結合パートナー、例えば、極端に高い親和性でビオチンが結合するストレプトアビジンまたはアビジンに結合される。ストレプトアビジンは、4の価数を有して、(α−β−P)の多量体を提供する。多価結合パートナーは、溶液中で遊離であり得る、または不溶性支持体に付着され得る。適切な不溶性支持体の例には、ビーズ、例えば、磁性ビーズ、メンブレンおよびマイクロタイタープレートが含まれる。これらは、典型的には、ガラス、プラスチック(例えば、ポリスチレン)、ポリサッカライド、ナイロンまたはニトロセルロース製である。不溶性支持体への付着は、結合性複合体がT細胞の分離に使用される場合に有用である。
B細胞受容体抗原
B細胞、例えばB細胞の小集団またはB細胞サブセットは、B細胞受容体(BCR)を介して抗原を認識することができる。B細胞受容体抗原のサブユニットによる四量体は、これらのB細胞またはB細胞サブセットを同定し、研究するために使用され得る。B細胞受容体抗原には、BCRを介して免疫応答を誘導することが可能なエピトープを有する任意の抗原が含まれる。例えば、B細胞受容体抗原は、対象を免疫化するために使用されている抗原であってよい。B細胞受容体抗原は、B細胞受容体抗原の小さい線状ペプチド部分を使用して四量体に作製することができ、ペプチド部分はBCRエピトープを含有する。小さい線状化ペプチド部分は、次いで、発現ベクター中のビオチン化部位で発現させることができ、四量体において使用される単量体として精製させ得る。次いで、ビオチン化サブユニットを有する単量体が、多価結合パートナー、例えば、極端に高い親和性でビオチンが結合するストレプトアビジンまたはアビジンに結合させることができる。ストレプトアビジンは、4の価数を有し、B細胞受容体抗原の四量体を提供する。生じる四量体は、サイズ排除カラムを使用して精製できる。
細胞
一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、細胞である。例えば、親和性部分は、インタクトな細胞、化合物(例えば、薬物)で処理された細胞、固定された細胞、溶解細胞、またはそれらの任意の組合せであり得る。一部の実施形態では、親和性部分は、単一の細胞である。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、T細胞またはB細胞であり得る。一部の実施形態では、親和性部分は、複数の細胞である。一部の実施形態では、親和性部分は、T細胞である。一部の実施形態では、親和性部分は、B細胞である。一部の実施形態では、親和性部分は、抗原提示細胞(APC)である。一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、特定の細胞型または細胞サブセットである。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、CD4T細胞またはCD8T細胞であり得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、特定の抗原を特異的に認識するTCRを含むT細胞であり得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、特定のMHC−ペプチド複合体を特異的に認識するTCRを含むT細胞であり得る。一部の実施形態では、親和性部分は、細胞である。
小分子
一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分は、薬物などの小分子である。例えば、小分子は、大環状分子、阻害剤、薬物または化学化合物であり得る。一部の実施形態では、小分子は、5つ以下の水素結合ドナーを含む。一部の実施形態では、小分子は、10個以下の水素結合アクセプターを含む。一部の実施形態では、小分子は、500ダルトンまたはそれ未満の分子量を有する。一部の実施形態では、小分子は、約180〜500ダルトンの分子量を有する。一部の実施形態では、小分子は、5以下のオクタノール−水分配係数log Pを含む。一部の実施形態では、小分子は、−0.4〜5.6の分配係数log Pを有する。一部の実施形態では、小分子は、40〜130のモル屈折率を有する。一部の実施形態では、小分子は、約20〜約70個の原子を含む。一部の実施形態では、小分子は、140オングストロームまたはそれ未満の極性表面積を有する。
核酸
一部の実施形態では、親和性部分は、リボヌクレオチドおよび/またはデオキシリボヌクレオチド(アデニン、グアニン、チミンまたはシトシン)のポリマー形態、例えば、DNAまたはRNA(例えば、mRNA)である。DNAには、直鎖DNA分子(例えば、制限断片)、ウイルス、プラスミドおよび染色体において見出される二本鎖DNAが含まれる。一部の実施形態では、ポリヌクレオチド親和性部分は、一本鎖、二本鎖、低分子干渉RNA(siRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、染色体、遺伝子、非コードゲノム配列、ゲノムDNA(例えば、断片化されたゲノムDNA)、精製されたポリヌクレオチド、単離されたポリヌクレオチド、ハイブリダイズしたポリヌクレオチド、転写因子結合部位、ミトコンドリアDNA、リボソームRNA、真核生物ポリヌクレオチド、原核生物ポリヌクレオチド、合成されたポリヌクレオチド、ライゲーションされたポリヌクレオチド、組換えポリヌクレオチド、核酸アナログを含むポリヌクレオチド、メチル化ポリヌクレオチド、脱メチル化ポリヌクレオチド、それらの任意の断片、またはそれらの任意の組合せである。一部の実施形態では、親和性部分は、二本鎖領域と二本鎖ではない末端(例えば、5’または3’オーバーハング領域)とを含むポリヌクレオチドである。一部の実施形態では、親和性部分は、組換えポリヌクレオチドである。一部の実施形態では、親和性部分は、異種ポリヌクレオチドである。例えば、親和性部分は、細菌(例えば、E.coli)、酵母、哺乳動物または昆虫細胞において産生されるポリヌクレオチド(例えば、生物にとって異種のポリヌクレオチド)を含み得る。一部の実施形態では、親和性部分は、変異、挿入、欠失または多型を含むポリヌクレオチドである。
一部の実施形態では、親和性部分は、アプタマーである。アプタマーは、タンパク質などの標的分析物に高い特異性および親和性で結合する単離された核酸分子である。アプタマーは、その所与の標的を特異的に結合するための化学的接触を提供するある特定のコンフォメーション(単数または複数)で維持された三次元構造である。アプタマーは、核酸ベースの分子であるが、アプタマーと遺伝子およびmRNAなどの他の核酸分子との間には根本的な差異が存在する。後者では、核酸構造は、その直鎖塩基配列を介して情報をコードし、したがって、この配列は、情報記憶の機能にとって重要なものである。完全に対照的に、標的分子の特異的結合に基づくアプタマー機能は、保存された直鎖塩基配列(非コード配列)に完全に依存するわけではなく、むしろ特定の二次/三次/四次構造に依存する。アプタマーが有し得る任意のコード潜在力は、完全に偶然であり、その同族標的へのアプタマーの結合においていかなる役割も果たさない。アプタマーはまた、ある特定のタンパク質に結合する天然に存在する核酸配列から鑑別されなくてはならない。これら後者の配列は、天然に存在する核酸の転写、翻訳および運搬に関与するタンパク質の特殊化した下位群(例えば、核酸結合性タンパク質)に結合する、生物のゲノム内に埋め込まれた天然に存在する配列である。他方で、アプタマーは、短い単離された天然に存在しない核酸分子である。核酸結合性タンパク質と結合するアプタマーが識別され得るが、ほとんどの場合、かかるアプタマーは、核酸結合性タンパク質によって実際に認識される配列に対する配列同一性をほとんどまたは全く有さない。より重要なことに、アプタマーは、事実上任意のタンパク質(核酸結合性タンパク質にとどまらない)ならびに、小分子、炭水化物、ペプチドなどを含む目的のほぼ任意の標的と結合し得る。ほとんどの標的について、タンパク質であっても、それが結合する天然に存在する核酸配列は存在しない。かかる配列を有する標的、例えば、核酸結合性タンパク質について、かかる配列は、緊密に結合するアプタマーと比較して、実際に使用される比較的低い結合親和性の結果として、アプタマーとは異なる。アプタマーは、選択された標的に特異的に結合し、標的活性または結合相互作用をモジュレートすることが可能であり、例えば、結合を介して、アプタマーは、それらの標的が機能する能力を遮断し得る。標的への特異的結合の機能的特性は、アプタマーの固有の特性である。典型的なアプタマーは、サイズが6〜35kDa(20〜100ヌクレオチド)であり、マイクロモル濃度からナノモル濃度未満の親和性でその標的と結合し、密接に関連する標的を判別し得る(例えば、アプタマーは、同じ遺伝子ファミリー由来の関連タンパク質を選択的に結合し得る)。アプタマーは、特異的標的と結合するために、一般に見られる分子間相互作用、例えば、水素結合、静電相補性、疎水性接触および立体排除を使用することが可能である。アプタマーは、高い特異性および親和性、低い免疫原性、生物学的効力ならびに優れた薬物動態学的特性を含む、治療剤および診断剤としての使用のためのいくつかの所望の特徴を有する。アプタマーは、共有結合的に連結された相補的ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションから形成される分子ステムおよびループ構造(例えば、ヘアピンループ構造)を含み得る。ステムは、ハイブリダイズしたポリヌクレオチドを含み、ループは、2つの相補的ポリヌクレオチドを共有結合的に連結する領域である。
一部の実施形態では、親和性部分は、複数の親和性部分、例えば、親和性部分の混合物またはライブラリーである。一部の実施形態では、親和性部分は、複数の異なる親和性部分である。例えば、親和性部分は、複数の少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、500、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000または30,000の親和性部分を含み得る。
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分は、その親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にカップリングされた核酸である。一部の実施形態では、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分は、その四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にカップリングされた核酸である。一部の実施形態では、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分は、四量体複合体の1つまたは複数のコアエレメントにカップリングされた核酸である。例えば、核酸は、単量体または四量体のストレプトアビジンコアにコンジュゲートされてもよい。四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの例示的な模式図を、図10A、10B、13、14および18に示す。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、親和性部分に直接的にカップリングされる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、親和性部分に間接的にカップリングされる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、親和性部分に非共有結合的にカップリングされる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、親和性部分に共有結合的にカップリングされる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、合成オリゴヌクレオチドである。好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、親和性部分の標的分析物と直接的には、実質的に相互作用しない。
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数のバーコード配列を含み得る。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドは、抗原ID(AID)配列および抗原分子バーコード(AMB)配列を含み得る。オリゴヌクレオチドは、抗原ID(AID)配列、融合配列、プライマー部位、分子バーコード配列、定常配列、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
オリゴヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分(例えば、アミン、チオールまたはビオチン)へのコンジュゲーションを可能にする、化学的改変を含有することができる。
オリゴヌクレオチドは、複数のオリゴヌクレオチドを構成し得る。複数のオリゴヌクレオチドは、複数の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは複数の四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートによって構成され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、複数の少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、500、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000または30,000のオリゴヌクレオチドを構成し得る。例えば、複数の少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、500、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000または30,000のオリゴヌクレオチドが、複数の少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、500、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000または30,000の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートによって構成され得る。
オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドバーコード配列、オリゴヌクレオチド融合配列、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列、オリゴヌクレオチド定常配列、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
オリゴヌクレオチド抗原ID(AID)配列
オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド抗原バーコード配列またはその相補体を含み得る。オリゴヌクレオチド抗原バーコードは、このオリゴヌクレオチド抗原バーコードを含む親和性−オリゴヌクレオチド複合体または四量体オリゴヌクレオチド複合体の同定を可能にし得る。オリゴヌクレオチド抗原バーコードは、このオリゴヌクレオチド抗原バーコードが付着される親和性部分の同定を可能にし得る。オリゴヌクレオチド抗原バーコードは、異なる標的分析物に結合する複数の異なる親和性部分由来の親和性部分を同定するために使用され得る。オリゴヌクレオチド抗原バーコードは、親和性−オリゴヌクレオチド複合体に排他的に、または四量体−オリゴヌクレオチド複合体に排他的にバーコード化され得る。オリゴヌクレオチド抗原バーコードは、親和性部分に排他的にバーコード化され得る。したがって、オリゴヌクレオチド抗原バーコード配列は、特異的親和性部分にバーコード化され得る。
オリゴヌクレオチド抗原バーコードは、固有のバーコード配列であり得る。例えば、複数のオリゴヌクレオチド抗原バーコードのうちの任意の1つのオリゴヌクレオチド抗原バーコードは、固有のバーコード配列であり得る。理論的に可能な異なる抗原バーコード配列の数は、バーコード配列の長さに直接的に依存し得る。例えば、ランダムにアセンブルされたアデニン、チミジン、グアノシンおよびシチジンヌクレオチドを有するDNAバーコードが使用できる場合、可能なバーコード配列の理論的最大数は、10ヌクレオチドの長さについては1,048,576であり得、15ヌクレオチドの長さについては1,073,741,824であり得る。オリゴヌクレオチド抗原バーコード配列は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、45、または50もしくはそれよりも多く連続するヌクレオチドの配列を含み得る。オリゴヌクレオチドは、2もしくはそれよりも多くのオリゴヌクレオチド抗原バーコード配列またはそれらの相補体を含み得る。オリゴヌクレオチド抗原バーコード配列は、ヌクレオチドのランダムにアセンブルされた配列を含み得る。オリゴヌクレオチド抗原バーコード配列は、ディジェネレート配列であり得る。オリゴヌクレオチド抗原バーコード配列は、既知の配列であり得る。オリゴヌクレオチド抗原バーコード配列は、予め規定された配列であり得る。好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチド抗原バーコード配列は、異なる標的分析物と相互作用する複数の異なる親和性部分のうちの1つの親和性部分を識別するためにオリゴヌクレオチド抗原バーコードまたはその相補体を含むシグナル(例えば、配列読み取り)が使用できるようにそれがカップリングされる親和性部分にバーコード化される既知の固有の配列である。
例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドは、抗原ID(AID)配列であるバーコードを含み得る。AID配列は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にバーコード化され得る。AID配列は、親和性部分が標的化する抗原にバーコード化され得る。AID配列は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分および/または親和性部分が標的化する抗原を識別するために使用され得る。例えば、AID配列は、抗体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの抗体にバーコード化され得る。例えば、AID配列は、抗体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの抗体が標的化する抗原にバーコード化され得る。例えば、AID配列は、細胞をイムノフェノタイピングするために使用され得る。例えば、AID配列は、MHC−ペプチド複合体のペプチドにバーコード化され得る。
AID配列は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分によって標的化される各抗原に固有であり得る。AID配列は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分に固有であり得る。例えば、AID配列は、細胞の異なる標的抗原に特異的に結合する各抗体に固有であり得る。一部の実施形態では、AID配列は、規定された配列である。一部の実施形態では、AID配列は、既知の配列である。各オリゴヌクレオチドについてのAID配列は、例えば、次世代シークエンシングによって、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの増幅産物を配列決定することによって決定され得る。
オリゴヌクレオチド分子バーコード配列
オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド分子バーコード配列またはその相補体を含み得る。オリゴヌクレオチドバーコードは、このオリゴヌクレオチドバーコードを含む親和性−オリゴヌクレオチド複合体の分子の識別を可能にし得る。オリゴヌクレオチド分子バーコードは、親和性−オリゴヌクレオチド複合体の分子に排他的にバーコード化され得る。オリゴヌクレオチド分子バーコードは、親和性部分の分子に排他的にバーコード化され得る。したがって、オリゴヌクレオチド分子バーコード配列は、親和性部分の特異的分子にバーコード化され得る。
オリゴヌクレオチド分子バーコードは、固有のバーコード配列であり得る。例えば、複数のオリゴヌクレオチド分子バーコードのうちの任意の1つのオリゴヌクレオチド分子バーコードは、固有のバーコード配列であり得る。理論的に可能な異なる分子バーコード配列の数は、バーコード配列の長さに直接的に依存し得る。例えば、ランダムにアセンブルされたアデニン、チミジン、グアノシンおよびシチジンヌクレオチドを有するDNAバーコードが使用できる場合、可能なバーコード配列の理論的最大数は、10ヌクレオチドの長さについては1,048,576であり得、15ヌクレオチドの長さについては1,073,741,824であり得る。オリゴヌクレオチド分子バーコード配列は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、45、または50もしくはそれよりも多く連続するヌクレオチドの配列を含み得る。オリゴヌクレオチドは、2もしくはそれよりも多くのオリゴヌクレオチド分子バーコード配列またはそれらの相補体を含み得る。オリゴヌクレオチド分子バーコード配列は、ヌクレオチドのランダムにアセンブルされた配列を含み得る。オリゴヌクレオチド分子バーコード配列は、ディジェネレート配列であり得る。オリゴヌクレオチド分子バーコード配列は、既知の配列であり得る。オリゴヌクレオチド分子バーコード配列は、予め規定された配列であり得る。好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチド分子バーコード配列は、固有の配列であり、標的分析物と相互作用する複数の親和性部分分子のうちの1つの親和性部分分子を識別するために使用され得る。
例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドは、抗原分子バーコード(AMB)配列であるバーコードを含み得る。抗原分子バーコード(AMB)配列は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの各オリゴヌクレオチド分子に固有であり得る。AMB配列は、ベッセル、例えば、エマルジョン液滴中の個々の細胞の抗原などの抗原に結合した親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド分子の数の計数を可能にし得る。各オリゴヌクレオチドについてのAMB配列は、例えば、次世代シークエンシングによって、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの増幅産物を配列決定することによって決定され得る。
オリゴヌクレオチド融合配列
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドは、融合配列を含み得る。融合配列は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート、例えば、細胞表面結合した親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート、または四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート、例えばTCRもしくはBCR結合した四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド上への、液滴特異的バーコード配列のPCR伸長を可能にし得る。複数のオリゴヌクレオチドの各オリゴヌクレオチドの融合配列は、同一であってよい。融合配列は、液滴バーコードの配列に対して相補的な配列を含むことができる。一部の実施形態では、融合配列は、オリゴヌクレオチドの末端に位置する。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドの末端の融合配列は、抗体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分に直接的にはコンジュゲートされない。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドの末端の融合配列は、遊離末端を含む。
融合配列は、3’タギングポリヌクレオチド、例えば、ベッセルバーコードを含むポリヌクレオチドの領域に対して相補的な領域を含み得る。融合配列は、ポリヌクレオチド、例えば、ベッセルバーコードを含むポリヌクレオチドの領域の相補体に対して相補的な領域を含み得る。例えば、融合配列は、ベッセルバーコードなどのバーコードを含む3’タギングポリヌクレオチドまたはその相補体に対して相補的な3’領域、例えば、3’末端領域を含み得る。
3’タギングポリヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドなどの標的ポリヌクレオチドの3’末端に核酸を付加するために使用されるポリヌクレオチドであってよい。3’タギングポリヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドなどの標的ポリヌクレオチドの3’末端に核酸を付加するために鋳型として使用されるポリヌクレオチドであってよい。3’タギングポリヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドなどの標的ポリヌクレオチドの3’末端にハイブリダイズするポリヌクレオチドであってよい。3’タギングポリヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドなどの標的ポリヌクレオチドの3’末端にハイブリダイズする、3’領域、例えば3’末端領域を含有するポリヌクレオチドであってよい。
一部の実施形態では、3’タギングポリヌクレオチドは、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドである。ベッセルバーコードは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドに加えることができる。例えば、ベッセルバーコードは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせることができる。ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドの3’末端にハイブリダイズする、3’末端領域などの3’領域を含むことができる。
一部の実施形態では、3’タギングポリヌクレオチドは、増幅産物である。一部の実施形態では、3’タギングポリヌクレオチドは、単一の分子から生じる増幅産物である。一部の実施形態では、3’タギングポリヌクレオチドは、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの増幅産物である。一部の実施形態では、3’タギングポリヌクレオチドは、単一のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドから生じる増幅産物である。親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドの3’末端にハイブリダイズする3’領域に対して5’側の領域は、プライマーまたはその相補体に対して相補的な領域を含むことができる。親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドの3’末端にハイブリダイズする3’領域に対して5’側の領域は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドを増幅するために使用され得るプライマーに対して相補的な領域を含むことができる。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドまたはその相補体の3’末端にハイブリダイズする3’領域に対する5’側の領域に対して相補的な第1のプライマーと、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドのプライマー部位に対して相補的な第2のプライマーとを含むプライマーセットが、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドを増幅するために使用され得る。
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドの3’末端にハイブリダイズする3’領域に対して5’側の領域は、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを増幅するために使用したプライマーまたはその相補体に対して相補的な領域を含み得る。
オリゴヌクレオチド融合配列は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100またはそれよりも多く連続するヌクレオチドであり得る。オリゴヌクレオチド融合配列は、既知の長さの配列であり得る。オリゴヌクレオチド融合配列は、既知の配列であり得る。オリゴヌクレオチド融合配列は、予め規定された配列であり得る。オリゴヌクレオチド融合配列は、既知の長さの未知の配列であり得る。オリゴヌクレオチド融合配列は、既知の長さの既知の配列であり得る。
オリゴヌクレオチド定常配列
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドは、定常配列を含むことができる。この定常配列は、任意選択である。複数の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの各オリゴヌクレオチドの定常配列は、同一であってよい。
オリゴヌクレオチド定常配列は、オリゴヌクレオチドの長さを増加させるために、または、オリゴヌクレオチドバーコード、オリゴヌクレオチド融合およびオリゴヌクレオチドプライマー結合部位のうちの1つまたは複数を互いから分離するために使用できる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド定常配列を含まない。例えば、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドプライマー結合部位を含むオリゴヌクレオチドの末端で、親和性部分にカップリングされ得る。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド定常配列は、親和性−オリゴヌクレオチド複合体または四量体−オリゴヌクレオチド複合体の親和性部分に付着される。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド定常は、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列の上流に位置する。例えば、オリゴヌクレオチド定常配列は、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列に対して5’側に位置することができる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド定常は、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列の下流に位置する。例えば、オリゴヌクレオチド定常配列は、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列に対して3’側に位置することができる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド定常は、オリゴヌクレオチドバーコードの上流に位置する。例えば、オリゴヌクレオチド定常配列は、オリゴヌクレオチドバーコードに対して5’側に位置することができる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド定常は、オリゴヌクレオチドバーコードの下流に位置する。例えば、オリゴヌクレオチド定常配列は、オリゴヌクレオチドバーコードに対して3’側に位置することができる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド定常は、オリゴヌクレオチド融合配列の上流に位置する。例えば、オリゴヌクレオチド定常配列は、オリゴヌクレオチド融合配列に対して5’側に位置することができる。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド定常配列は、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列と親和性−オリゴヌクレオチド複合体または四量体−オリゴヌクレオチド複合体の親和性部分との間に挟まれる。例えば、オリゴヌクレオチド定常配列は、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列に対して5’側に位置することができ、オリゴヌクレオチドの親和性部分に付着され得る。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド定常配列は、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列とオリゴヌクレオチドバーコードとの間に挟まれる。例えば、オリゴヌクレオチド定常配列は、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列に対して3’側およびオリゴヌクレオチドバーコードに対して5’側に位置することができる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド定常は、オリゴヌクレオチド融合配列とオリゴヌクレオチドバーコードとの間に挟まれる。例えば、オリゴヌクレオチド定常配列は、オリゴヌクレオチドバーコードに対して3’側およびオリゴヌクレオチド融合配列に対して5’側に位置することができる。
オリゴヌクレオチド定常配列は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、250、300、400、500またはそれより多く連続するヌクレオチドであってよい。オリゴヌクレオチド定常配列は、ヌクレオチドの非ランダム配列を含むことができる。オリゴヌクレオチド定常配列は、既知の長さの配列であってよい。オリゴヌクレオチド定常配列は、既知の配列であってよい。オリゴヌクレオチド定常配列は、予め規定された配列であってよい。オリゴヌクレオチド定常配列は、既知の長さの未知の配列であってよい。オリゴヌクレオチド定常配列は、既知の長さの公知の配列であってよい。
オリゴヌクレオチドプライマー結合部位
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドは、プライマー部位を含むことができる。プライマー部位は、増幅プライマーなどのプライマーに対して相補的な配列を含むことができる。オリゴヌクレオチドプライマー結合配列は、増幅または配列決定などの反応のためのプライマー結合部位として使用され得る。オリゴヌクレオチドプライマー結合配列は、増幅または配列決定などの反応のために使用されるプライマーの対のための第1のプライマー結合配列であってよい。例えば、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列は、フォワードプライマー結合部位であってよい。例えば、オリゴヌクレオチドプライマー結合部位は、リバースプライマー結合部位であってよい。例えば、オリゴヌクレオチドプライマー結合部位は、フォワードプライマー結合部位であってよく、オリゴヌクレオチドに付着させたベッセルバーコード化ポリヌクレオチドのプライマー結合配列は、リバースプライマー結合配列であってよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列は、ユニバーサルプライマー結合配列である。
オリゴヌクレオチドプライマー結合配列と、オリゴヌクレオチドに付着させたポリヌクレオチドの(例えば、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの)プライマー結合配列とは、6、5、4、3、2または1セルシウス度以下異なる融解温度を含み得る。オリゴヌクレオチドプライマー結合配列のヌクレオチド配列と、オリゴヌクレオチドに付着させたポリヌクレオチドのプライマー結合配列のヌクレオチド配列とは、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドに付着させたポリヌクレオチドのプライマー結合配列にハイブリダイズしないように、異なり得る。オリゴヌクレオチドプライマー結合配列のヌクレオチド配列と、オリゴヌクレオチドに付着させたポリヌクレオチドのプライマー結合配列のヌクレオチド配列とは、オリゴヌクレオチドに付着させたポリヌクレオチドのプライマー結合配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列にハイブリダイズしないように、異なり得る。
オリゴヌクレオチドエレメントの配置
オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド融合配列が、オリゴヌクレオチドの一方の末端に位置するような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド融合配列の上流にオリゴヌクレオチドバーコードを含むような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドバーコードの上流にオリゴヌクレオチドプライマー結合配列を含むような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド定常配列が、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列の上流または下流に位置するような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド定常配列がオリゴヌクレオチドバーコード配列の上流に位置するような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド定常配列が、オリゴヌクレオチドの一方の末端、例えば、オリゴヌクレオチド融合配列を含まないオリゴヌクレオチドの末端に位置するような順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド融合配列、オリゴヌクレオチドバーコード配列、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列、およびオリゴヌクレオチド定常配列の順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、親和性部分からに向かってまたは親和性部分から進んで、オリゴヌクレオチド融合配列、オリゴヌクレオチドバーコード配列、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列、およびオリゴヌクレオチド定常配列の順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、5’末端から3’末端へまたは3’末端から5’末端へ、オリゴヌクレオチド融合配列、オリゴヌクレオチドバーコード配列、オリゴヌクレオチドプライマー結合配列、およびオリゴヌクレオチド定常配列の順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、5’末端オリゴヌクレオチド融合配列、固有のオリゴヌクレオチドバーコード配列、リバースオリゴヌクレオチドプライマー結合配列、および親和性部分に(例えば、3’末端に付着させた一級アミン基を介して)付着させた3’オリゴヌクレオチド定常配列を、その順序で含み得る。例えば、親和性部分に付着させたオリゴヌクレオチドは、親和性部分に向かって伝わる、オリゴヌクレオチド融合配列、オリゴヌクレオチドバーコード配列、オリゴヌクレオチド定常配列、およびオリゴヌクレオチドプライマー結合部位配列の順序で配置され得る。
オリゴヌクレオチドは、融合配列がオリゴヌクレオチドの一方の末端に位置するような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、融合配列がAID配列の下流に位置するような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、融合配列がAMB配列の下流に位置するような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、融合配列が定常配列の下流に位置するような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、融合配列がプライマー部位の下流に位置するような順序で配置され得る。
オリゴヌクレオチドは、プライマー部位がオリゴヌクレオチドの一方の末端に位置するような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、プライマー部位がAID配列の上流に位置するような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、プライマー部位がAMB配列の上流に位置するような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、プライマー部位が定常配列の上流に位置するような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、プライマー部位が融合配列の上流に位置するような順序で配置され得る。
オリゴヌクレオチドは、融合配列の上流にAID配列を含むような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、プライマー部位の下流にAID配列を含むような順序で配置され得る。AID配列は、AMB配列の上流または下流に位置し得る。AID配列は、定常配列の上流または下流に位置し得る。オリゴヌクレオチドは、融合配列とプライマー部位との間にAID配列を含むような順序で配置され得る。
オリゴヌクレオチドは、融合配列の上流にAMB配列を含むような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、プライマー部位の下流にAMB配列を含むような順序で配置され得る。AMB配列は、AID配列の上流または下流に位置し得る。AMB配列は、定常配列の上流または下流に位置し得る。オリゴヌクレオチドは、融合配列とプライマー部位との間にAMB配列を含むような順序で配置され得る。
オリゴヌクレオチドは、融合配列の上流に定常配列を含むような順序で配置され得る。オリゴヌクレオチドは、プライマー部位の下流に定常配列を含むような順序で配置され得る。定常配列は、AID配列の上流または下流に位置し得る。定常配列は、AMB配列の上流または下流に位置し得る。オリゴヌクレオチドは、融合配列とプライマー部位との間に定常配列を含むような順序で配置され得る。
オリゴヌクレオチドは、AMB配列および/またはAID配列が、オリゴヌクレオチドの一方の末端、例えば、融合配列またはプライマー部位を含むオリゴヌクレオチドの末端に位置しないような順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、融合配列、AID配列、AMB配列およびプライマー部位の順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、融合配列、AMB配列、AID配列およびプライマー部位の順序で配置され得る。
例えば、オリゴヌクレオチドは、融合配列、AID配列、AMB配列、定常配列およびプライマー部位の順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、融合配列、AMB配列、AID配列、定常配列およびプライマー部位の順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、融合配列、定常配列、AID配列、AMB配列およびプライマー部位の順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、融合配列、定常配列、AMB配列、AID配列およびプライマー部位の順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、融合配列、AID配列、定常配列、AMB配列およびプライマー部位の順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、融合配列、AMB配列、定常配列、AID配列およびプライマー部位の順序で配置され得る。
例えば、オリゴヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分に向かって伝わる、融合配列、AID配列、AMB配列、定常配列およびプライマー部位の順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’末端から3’末端へと、融合配列、AID配列、AMB配列、定常配列およびプライマー部位の順序で配置され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、5’末端融合配列、AID配列、AMB配列、定常配列、および親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分に(例えば、オリゴヌクレオチドの3’末端に付着させた抗体の一級アミン基を介して)付着させた3’プライマー部位を、その順序で含み得る。
親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート調製
本明細書に記載される方法および組成物において用いられる親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、任意の便利な方法を使用して調製され得る。親和性部分は、オリゴヌクレオチドに直接的または間接的に(例えば、リンカーを介して)カップリングされ得る。親和性部分は、オリゴヌクレオチドに共有結合的に(例えば、化学架橋を介して)または非共有結合的に(例えば、ストレプトアビジン−ビオチンを介して)カップリングされ得る。使用され得る様々な異なる親和性部分、近接ライゲーションアッセイのためのオリゴヌクレオチドの設計、および親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを形成するための親和性部分へのかかるオリゴヌクレオチドのカップリングを含む、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの設計および調製は、当技術分野で広く記載されている。当技術分野で記載される詳細および原理は、本発明の方法で使用するための親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの設計に適用され得る(例えば、WO2007107743、ならびに米国特許第7,306,904号および同第6,878,515号を参照のこと)。
オリゴヌクレオチドと親和性部分との間での直接的カップリング反応は、例えば、各々が、他方上の官能基と反応することが可能な官能基(例えば、置換基または化学的ハンドル(chemical handle))を有する場合に、利用され得る。官能基は、オリゴヌクレオチドもしくは親和性部分上に存在し得る、またはこれらの成分上に(例えば、酸化反応、還元反応、切断反応などを介して)導入され得る。核酸/ポリペプチドコンジュゲートを産生するための方法は、記載されている(例えば、米国特許第5,733,523号を参照のこと)。
オリゴヌクレオチドへのカップリングに使用され得る抗体またはポリペプチドの官能基には、炭水化物、アミノ酸のチオール基(HS−)、アミノ酸のアミン基(HN−)、およびアミノ酸のカルボキシ基が含まれるがこれらに限定されない。例えば、炭水化物構造は、アルデヒドへと酸化され、HNNH基含有化合物と反応させられて、官能基−C=NH−NH−を形成し得る。例えば、チオール基は、チオール反応性基と反応させられて、チオエーテルまたはジスルフィドを形成し得る。例えば、タンパク質の遊離チオール基は、ネイティブシステイン残基中のジスルフィドのチオール化または開裂によって、タンパク質中に導入され得る。例えば、アミノ基(例えば、アミノ末端、またはリシン残基のオメガアミノ基の)は、求電子基(例えば、活性化カルボキシ基)と反応させられて、アミド基を形成し得る。例えば、カルボキシ基(例えば、カルボキシ末端、または二酸性(diacidic)アルファアミノ酸のカルボキシ基)は、活性化され、アミノ基と接触させれられて、アミド基を形成し得る。他の例示の官能基には、例えば、SPDP、カルボジイミド、グルタルアルデヒドなどが含まれる。
例示の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、市販のキット(「All−in−One Antibody−Oligonucleotide Conjugation Kit」;Solulink,Inc.)を使用して、親和性部分に共有結合的にカップリングされる。例えば、第1に、3’−アミノ−オリゴヌクレオチドが、スルホ−S−4FBを用いて誘導体化され得る。第2に、親和性部分が、S−HyNic基を用いて改変され得る。第3に、HyNic改変された親和性部分は、4FB改変されたオリゴヌクレオチドと反応させられて、ビス−アリールヒドラゾン媒介された親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを得ることができる。過剰な4FB改変されたオリゴヌクレオチドは、磁性親和性マトリックスを介してさらに除去され得る。全体的な親和性部分の回収は、HyNic改変された親和性部分および4FB改変されたオリゴヌクレオチドを、少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%または100%含まない。ビス−アリールヒドラゾン結合は、熱(例えば、94℃)およびpH(例えば、3〜10)の両方に対して安定であり得る。
連結基が使用される場合、かかるリンカーは、この連結基を介した親和性部分とオリゴヌクレオチドとの共有結合付着または非共有結合付着を提供するために選択され得る。種々の適切なリンカーは、当技術分野で公知である。一部の実施形態では、このリンカーは、少なくとも約50または100ダルトン100ダルトンである。一部の実施形態では、このリンカーは、多くて約300;500;1,000;10,000または100,000ダルトンである。リンカーは、いずれかの末端において、オリゴヌクレオチドに結合することが可能な反応性官能性を有する官能基を含み得る。リンカーは、いずれかの末端において、親和性部分に結合することが可能な反応性官能性を有する官能基を含み得る。官能基は、オリゴヌクレオチド、親和性部分および/もしくはリンカー上に存在し得、またはこれらの成分上に(例えば、酸化反応、還元反応、切断反応などを介して)導入され得る。
例示のリンカーには、ポリマー、脂肪族炭化水素鎖、不飽和炭化水素鎖、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、環式リンカー、非環式リンカー、炭水化物、エーテル、ポリアミン、および当技術分野で公知の他のものが含まれる。リンカーの例示の官能基には、求核性官能基(例えば、アミン、アミノ基、ヒドロキシ基、スルフヒドリル基、アミノ基、アルコール、チオールおよびヒドラジド)、求電子官能基(例えば、アルデヒド、エステル、ビニルケトン、エポキシド、イソシアネートおよびマレイミド)、および環化付加反応が可能な、ジスルフィド結合を形成することが可能な、または金属に結合することが可能な官能基が含まれる。例えば、リンカーの官能基は、一級アミン、二級アミン、ヒドロキサム酸、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネート、オキシカルボニルイミダゾール、ニトロフェニルエステル、トリフルオロエチルエステル、グリシジルエーテル、ビニルスルホン、マレイミド、アジドベンゾイルヒドラジド、N−[4−(p−アジドサリチルアミノ)ブチル]−3’−[2’−ピリジルジチオ]プロピオンアミド(N-[4-(p-azidosalicylamino)butyl]-3'-[2'-pyridyldithio]propionamid))、ビス−スルホスクシンイミジルスベレート、アジプイミド酸ジメチル、酒石酸ジスクシンイミジル、N−マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、N−スクシンイミジル[4−アジドフェニル]−1,3’−ジチオプロピオネート、N−スクシンイミジル[4−ヨードアセチル]アミノベンゾエート、グルタルアルデヒド、およびスクシンイミジル−4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SPDP)、4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SMCC)などであり得る。
他の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、親和性部分をコードするベクターからin vitroで親和性部分を産生するなどの、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを生じるin vitroプロトコールを使用して産生され得る。目的のかかるin vitroプロトコールの例には、以下が含まれる:RepAベースのプロトコール(例えば、Fitzgeraldら、Drug Discov Today(2000年)5巻:253〜58頁、およびWO9837186を参照のこと)、リボソームディスプレイベースのプロトコール(例えば、Hanesら、PNAS(1997年)94巻:4937〜42頁;Robertsら、Curr Opin Chem Biol(1999年)6月;3巻:268〜73頁;Schaffitzelら、J Immunol Methods(1999年)12月10日;231巻:119〜35頁;およびWO9854312を参照のこと)など。
核酸分子を抗体にコンジュゲートするための技術は、当技術分野で周知である(例えば、Arnonら、「Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy」、Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy(Reisfeldら編、Alan R. Liss, Inc.、1985年);Hellstromら、「Antibodies For Drug Delivery」、Controlled Drug Delivery (Robinsonら編、Marcel Deiker, Inc.、第2版 1987年);Thorpe、「Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review」、Monoclonal Antibodies '84: Biological And Clinical Applications(Pincheraら編、1985年);「Analysis, Results, and Future Prospective of the Therapeutic Use of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy」、Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy(Baldwinら編、Academic Press、1985年);およびThorpeら、1982年、Immunol. Rev. 62巻:119〜58頁を参照のこと。例えば、PCT公開WO89/12624もまた参照のこと)。例えば、核酸分子は、例えば、それぞれN−ヒドロキシスクシンイミドエステルまたはマレイミド官能性を介して、抗体上のリシンまたはシステインに共有結合的に付着され得る。
標的抗原
親和性部分の標的抗原は、核酸分子であり得る、またはタンパク質性、例えば、標的タンパク質もしくはペプチドであり得る。標的抗原は、試料中の細胞上に存在する化合物または組成物であり得る。一部の実施形態では、標的抗原は、特に、ヒトなどの哺乳動物において、細胞媒介性免疫応答(即ち、適応免疫応答)を惹起することが可能な化合物または組成物であり得る。一部の実施形態では、標的抗原は、MHC分子との関連でT細胞によって認識され得る。標的抗原には、細胞、組織抽出物、組織または細胞溶解物、タンパク質、個々にまたは混合物としての、複数のタンパク質、ペプチド、ペプチドの混合物、脂質、炭水化物、糖などが含まれるがこれらに限定されない。標的抗原は、感染性疾患、自己免疫疾患またはがんなどの疾患の特徴であり得る。標的抗原は、例えば、ウイルス抗原、細菌抗原、がん抗原などであり得る。
一部の実施形態では、標的抗原は、ウイルス抗原である。ウイルス抗原には、例えば、ウイルスコートタンパク質、インフルエンザウイルス抗原、HIV抗原、B型肝炎抗原またはC型肝炎抗原が含まれる。
一部の実施形態では、標的抗原は、抗原が腫瘍またはがんと関連するように、腫瘍細胞またはがん細胞によって専らまたは優勢に発現または過剰発現されるがん抗原(例えば、タンパク質、ペプチド、脂質、炭水化物など)である。がん抗原は、がん抗原が、1つだけの型のがんまたは腫瘍と関連するまたはその特徴であるように、1つだけの型のがんまたは腫瘍のがん抗原であり得る。あるいは、がん抗原は、1つよりも多くの型のがんまたは腫瘍のがん抗原であり得る(例えば、その特徴であり得る)。例えば、がん抗原は、乳房がん細胞および前立腺がん細胞の両方によって発現され得、正常、非腫瘍もしくは非がん細胞によっては全く発現されない、または最小限にのみ発現される。がん抗原は、黒色腫がん抗原または乳房がん抗原であり得る。例示のがん抗原には、gp100、MART−1、NY−ESO−1、MAGEファミリーのタンパク質のメンバー、例えば、MAGE−A1、メソテリン、チロシナーゼ、TRP−1、TRP−2、PMSA、Her−2およびp53からなる群のものが含まれる。
標的抗原は、天然に、人工的に、合成によりまたは組換えにより産生され得る。したがって、標的抗原は、合成、組換え、単離されたおよび/または精製されたタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドであり得る。かかる抗原を作製または取得する方法は、当技術分野で公知である。例えば、ポリペプチドおよびタンパク質(例えば、抗原性ポリペプチドおよびタンパク質)をde novo合成する適切な方法は、Chanら、Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis、Oxford University Press、Oxford、United Kingdom、2005年;Peptide and Protein Drug Analysis、Reid, R.編、Marcel Dekker, Inc.、2000年;Epitope Mapping、Westwoodら編、Oxford University Press、Oxford、United Kingdom、2000年;および米国特許第5,449,752号に記載されている。また、ポリペプチドおよびタンパク質(例えば、抗原性ポリペプチドおよびタンパク質)は、標準的な組換え方法を使用して、そのポリペプチドまたはタンパク質をコードする核酸を使用して組換え産生され得る。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版 Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、N.Y. 2001年;およびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons、NY、1994年を参照のこと。多くの抗原のヌクレオチド配列は、当技術分野で公知であり、National Center for Biotechnology Information(NCBI)ウェブサイトのGenBankデータベースから入手可能である。さらに、抗原は、供給源、例えば、植物、細菌、昆虫、哺乳動物、例えば、ラット、ヒトなどから単離および/または精製され得る。単離および精製の方法は、当技術分野で周知である。
抗原は、遊離抗原、例えば、未結合の抗原性ペプチド(例えば、遊離ペプチド)であり得る、または結合した抗原、例えば、ペプチドでパルスした担体細胞によって提示されるMHC−ペプチド四量体または抗原性ペプチドであり得る。
一部の実施形態では、標的分析物は、膜結合型タンパク質である。一実施形態では、この膜結合型タンパク質は、単一の膜貫通(TM)ドメインを有する古典的I型膜タンパク質CD4である(Carrら、(1989年)J. Biol. Chem. 264巻:21286〜95頁)。別の実施形態では、この膜結合型タンパク質は、複数回膜貫通Gタンパク質共役受容体(GPCR)膜タンパク質GPR77である(CainおよびMonk、(2002年)J. Biol. Chem. 277巻:7165〜69頁)。
さらなる例示の膜結合型タンパク質には、GPCR(例えば、アドレナリン受容体、アンジオテンシン受容体、コレシストキニン受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体、ニューロテンシン受容体、ガラニン受容体、ドパミン受容体、オピオイド受容体、セロトニン(erotonin)受容体、ソマトスタチン受容体など)、イオンチャネル(例えば、ニコチン性アセチルコリン受容体、ナトリウムチャネル、カリウムチャネルなど)、受容体チロシンキナーゼ、受容体セリン/スレオニンキナーゼ、受容体グアニル酸シクラーゼ、増殖因子およびホルモン受容体(例えば、上皮増殖因子(EGF)受容体)などが含まれるがこれらに限定されない。膜結合型タンパク質の変異体または改変されたバリアントもまた使用され得る。例えば、GPCRの一部の単一または複数の点変異は、機能を保持し、疾患に関与する(例えば、Stadelら、(1997年)Trends in Pharmacological Review 18巻:430〜37頁を参照のこと)。
単一の細胞の特徴付け、細胞ポリヌクレオチドバーコード化、および鎖の対合
本明細書に記載される方法は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを利用して細胞を特徴付けるステップを含み得る。1つまたは複数の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは1つまたは複数の四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに、複数の細胞を接触させることができる。未結合のコンジュゲートを除去するために、細胞を洗浄することができる。細胞は、ベッセル中で単一の細胞として単離することができる。単離された細胞に結合した親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、例えば、コンジュゲートのオリゴヌクレオチドにベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを付着させることによって、ベッセルバーコード配列を含有するように改変することができる。単離された細胞に結合した四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、例えば、コンジュゲートのオリゴヌクレオチドにベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを付着させることによって、ベッセルバーコード配列を含有するように改変することができる。
ベッセルバーコードを有するポリヌクレオチドは、ベッセルの形成の間にも導入することができる。これらのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドは、ベッセルバーコードを含有する各オリゴヌクレオチドが、それらが存在するベッセルに対応する固有の正体コードを含有するように、ディジェネレートバーコードを有することができる。
オリゴヌクレオチドは、増幅することができ、反応の増幅産物は、ベッセルから回収することができる。増幅産物は、次世代配列決定(NGS)タグを付加するためにPCR富化することができる。ライブラリーは、ハイスループット配列決定プラットホームを使用して配列決定され得、続いて、ベッセルバーコード配列および/またはAID配列および/またはAMB配列が分析され得る。各単一の細胞は、そのそれぞれのベッセル中で単離されるので、2回観察された各ベッセルバーコードについて、配列決定された増幅されたオリゴヌクレオチド産物は、同じベッセルに起源し、したがって固有の単一の細胞に起源した。オリゴヌクレオチドの各AIDは、それが付着される親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの親和性部分にバーコード化され、各単一の細胞は、そのそれぞれのベッセル中で単離されるので、同じベッセルバーコードを含有する配列について観察された各AIDについて、配列決定された増幅されたオリゴヌクレオチド産物は、同じベッセル中の単一の細胞に結合した特定の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに起源した。全て同じベッセルバーコードを含有する配列のセットの中で個々に観察された各異なるAMBについて、配列決定されたセット中のAMBを有する増幅されたオリゴヌクレオチド産物は、同じベッセル中の細胞に結合した、例えば、単一細胞ベッセルが使用される場合、ベッセル中の単一の細胞に結合した、単一の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の(他の個々のAMBと比較して)異なる単一のオリゴヌクレオチド部分に起源した。観察された各単一のAMBについて、その同じベッセルバーコードを含有する配列を有する全ての増幅されたオリゴヌクレオチド産物は、単一の(同じ)親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子または四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子のオリゴヌクレオチド部分に起源した(例えば、PCR重複またはアンプリコンを示す)。したがって、特定のAMBおよび特定のベッセルバーコードの所与の組合せを用いて観察された各オリゴヌクレオチドは、単一の細胞に結合した親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは単一の細胞に結合した四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの単一の分子を示す;したがって、かかるAMB/ベッセルバーコード組合せを有する配列決定された複数のオリゴヌクレオチドの所与の数(例えば、2、3、4またはそれよりも多い)の検出は、例えば、アッセイした細胞集団または試料内の、単一の細胞に結合した親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは単一の細胞に結合した四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの数(例えば、2、3、4またはそれよりも多い)を示す。したがって、かかる数は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの所与の親和性部分が結合するように設計される、細胞上の分子の数、例えば、単一の細胞上または単一の細胞中で発現されたコピーの数を示すことができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートとは別個であり、その部分またはコピーとは異なる、細胞に由来するポリヌクレオチドおよび/またはベッセル中のポリヌクレオチドをバーコード化するステップをさらに含む。例えば、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに結合するまたは結合した、ベッセル中にカプセル化された単一の細胞を溶解することができ、単一の細胞に由来するまたは単一の細胞内のポリヌクレオチドなどのさらなるポリヌクレオチドをバーコード化することができる。一部の実施形態では、ベッセル中の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分、例えば、ベッセル中の単一の細胞に結合するもしくは結合されたオリゴヌクレオチド部分、および/またはそのコピーもしくは増幅産物は、ベッセルバーコード配列を用いてバーコード化することができる。一部の実施形態では、単一の細胞に由来する1つまたは複数の細胞ポリヌクレオチドは、同じベッセルバーコード化配列を用いてバーコード化することができる;かかるさらなる1つまたは複数の細胞ポリヌクレオチドは、一部の実施形態では、分子バーコードを用いてさらにバーコード化される。
T細胞受容体鎖ペアおよび抗体免疫グロブリン鎖ペアは、免疫受容体の両方の型である。一部の実施形態では、細胞ポリヌクレオチドは、抗体免疫グロブリン鎖(または部分)コードポリヌクレオチドであり;一部の実施形態では、これは、TCR(または部分)コードポリヌクレオチドである、またはそれを含む。一部の実施形態では、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートによって結合される抗原は、TCRもしくは抗体またはその鎖もしくは部分である。一態様では、本明細書に記載される方法は、ハイスループット配列決定および診断学のためのポリヌクレオチドライブラリーを生成することをさらに含む。一態様では、本明細書に記載される方法は、特定の共通の性状を有する患者またはコホートからの抗体および/またはTCR発見のためのヒト由来のライブラリーパネルを開発することをさらに含む。開示された発明は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを使用する単一の細胞の特徴付けと一緒に、複数の異なる型の対合した可変配列、例えば、T細胞受容体鎖ペアおよび抗体免疫グロブリン鎖ペアに適用され得る。例えば、細胞ポリヌクレオチドに対して相補的なポリヌクレオチド、例えば、重鎖および/もしくは軽鎖、例えば、Vおよび/もしくはV抗体鎖ならびに/またはアルファおよび/もしくはベータおよび/もしくはガンマおよび/もしくはデルタ鎖、例えば、Vα/VβおよびVγ/VδT細胞受容体(TCR)鎖(例えば、そのフレームワーク部分に由来するもの)は、ベッセルの形成の間に導入され得る(または、ベッセル内に含まれ得る)。ベッセルバーコードを有するポリヌクレオチドもまた、ベッセルの形成の間に導入され得る(または、ベッセル内に含まれ得る)。これらのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドは、ベッセルバーコードを含む各細胞ポリヌクレオチドが、反応(単数または複数)の間に、それが存在するベッセルに対応する固有の正体コードを含むように、ディジェネレートバーコードを保有し得る。したがって、一部のかかる実施形態では、同じ固有の正体コードを有する複数のポリヌクレオチドは、同じベッセルに起源していると考えられ、したがって、一部の態様では、単一の細胞に起源していると考えられる。分子バーコードを有する複数のポリヌクレオチドもまた、ベッセルの形成の間に導入され得る、または、ベッセル中に含まれ得る。これらの分子バーコード化ポリヌクレオチドは、分子バーコードを含む各細胞ポリヌクレオチド分子が、それらが由来する単一の細胞ポリヌクレオチド分子に対応する固有の正体コードを含むように、ディジェネレートバーコードを保有し得る。数百万の単一の免疫細胞が、エマルジョンの内側で溶解され得、細胞転写物、例えば、VおよびVならびに/またはVα/Vβおよび/もしくはVγ/Vδ鎖転写物は、プライマーを使用して逆転写またはコピーされ得、その後、ベッセルバーコードおよび分子バーコードでタグ化され得、バーコード化ポリヌクレオチドがPCR増幅され得る。単一の免疫細胞(例えば、B細胞またはT細胞)から生じる各VおよびVならびに/またはVα/Vβおよび/もしくはVγ/Vδ鎖は事実上、同じベッセルバーコード正体を有して、互いに連結され得る。
次いで、VおよびVならびに/またはVα/Vβおよび/もしくはVγ/Vδ鎖は、次世代シークエンシング(NGS)タグを付加するために、ベッセルから回収され得、PCR富化され得る。ライブラリーは、ハイスループット配列決定プラットフォームを使用して配列決定され得、その後、レパートリー多様性の分析、抗体頻度、CDR3特徴付け、体細胞超変異系統発生分析などがなされ得る。正確にマッチさせたVおよびVならびに/またはVα/Vβおよび/もしくはVγ/Vδペアのデータベースは、ベッセルおよび分子バーコード配列をデコンボリューションすることによって生成され得る。各単一の免疫細胞は、そのそれぞれのベッセル中で単離されるので、2回観察された各ベッセルバーコードについて、配列決定された転写物は、同じエマルジョン液滴に起源し、したがって、固有の単一の細胞に起源した。同じベッセルバーコードを含む配列について、観察された各異なる分子バーコードについて、配列決定された転写物は、単一の細胞由来の異なる転写物分子に起源した。同じベッセルバーコードを含む配列について、観察された各同じ分子バーコードについて、配列決定された転写物は、単一の細胞由来の同じ転写物分子(例えば、PCR重複)に起源した。
配列決定と並行して、ベッセルから回収されたVおよびVならびに/またはVα/Vβおよび/もしくはVγ/Vδ鎖のライブラリーは、抗体発現ベクター中にクローニングされ得、酵母ディスプレイスクリーニングのために共トランスフェクトされ得る。この同一のライブラリープールをクローニングすることは、開始時に生物学的試料を分割することと比較して好ましい方法であるが、それは、一部の稀な免疫細胞が、一方のアッセイまたは他方のアッセイのみにおいて捕捉されるからである。ヒト由来のVおよびVならびに/またはVαおよびVβならびに/またはVγおよびVδ鎖のライブラリーは、古典的なディスプレイアッセイと同様、対のマッチングが正確か不正確かに関わらず発現され得る。次いで、酵母ディスプレイが、潜在的抗体候補について富化するために、1つまたは複数の抗原標的に対して実行され得る。
酵母ディスプレイなどのディスプレイ技術から出現する陽性候補抗体は、配列決定され得、マッチさせた対のバーコードデータベースに対して問い合わせされ得る。各酵母ディスプレイされたVおよび/またはVαおよび/またはVγ鎖は、それぞれ、そのそれぞれのVまたはVβまたはVδ鎖に再びマッチされ得、各酵母が提示したVおよび/またはVβおよび/またはVδ鎖は、それぞれ、そのそれぞれのVまたはVαまたはVγ鎖に再びマッチされ得る。これらの正確に対合した候補は、哺乳動物細胞株において合成および発現され、目的の標的に対して機能的に検証される遺伝子であり得る。これらの候補は、完全ヒト抗体および/またはTCRであり得る。
試料
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドを含有する任意の試料を、本明細書に記載の方法で使用することができる。一般的に、細胞を含有する任意の試料を、本明細書に記載の方法で使用することができる。例えば、試料は、対象に由来する生物学的試料であってもよく、または対象に由来し、RNAもしくはDNAを含有する試料であってもよい。ポリヌクレオチドは、生物学的試料から抽出してもよく、または試料は、ポリヌクレオチドを抽出または精製せずに、本方法に直接供してもよい。試料は、抽出または単離されたDNAまたはRNAであってもよい。また、試料は、生物学的検体から抽出された全RNAもしくはDNA、cDNAライブラリー、ウイルス、またはゲノムDNAであってもよい。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、タンパク質、脂質、および非鋳型核酸等の様々な他の成分を含有する生物学的試料から単離される。核酸鋳型分子は、動物、植物、細菌、真菌、または任意の他の細胞性生物から得られる任意の細胞性物質から得ることができる。ある特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、単一細胞から得られる。ポリヌクレオチドは、直接的に生物から、または生物から得られる生物学的試料から得ることができる。任意の組織または体液検体を、本発明で使用される核酸の供給源として使用することができる。また、ポリヌクレオチドは、初代細胞培養または細胞株等の培養細胞から単離してもよい。鋳型核酸がそこから得られる細胞または組織は、ウイルスまたは他の細胞内病原体に感染していてもよい。
ある特定の実施形態では、抗体またはTCR産出免疫細胞を、免疫されているか、または感染症、がん、自己免疫状態、もしくは任意の他の疾患を罹患しているヒトまたは他の動物等の、ヒトまたは他の動物等の対象または宿主の血液または他の生物学的試料から単離して、臨床的に重要である可能性がある、病原体特異的、腫瘍特異的、および/または疾患特異的な抗体またはTCRを識別することができる。例えば、ヒトは、疾患を有すると診察されていてもよく、疾患の症状を示しているが、疾患を有すると診察されていなくてもよく、または疾患の症状を示していなくてもよい。例えば、ヒトは、感染因子(例えば、ウイルス、細菌、寄生動物、プリオン等)、抗原、もしくは疾患に曝されたヒト、および/または感染因子(例えば、ウイルス、細菌、寄生動物、プリオン等)、抗原、もしくは疾患に対する有用な抗体またはTCRを作ることができるヒトであってもよい。例えば、動物は、感染因子(例えば、ウイルス、細菌、寄生動物、プリオン等)、抗原、もしくは疾患に曝された動物、および/または感染因子(例えば、ウイルス、細菌、寄生動物、プリオン等)、抗原、もしくは疾患に対する有用な抗体またはTCRを作ることができる動物であってもよい。免疫された宿主に由来するある特定の免疫細胞は、問題となっている1つもしくは複数の標的抗原および/または1つもしくは複数の未知抗原に対する抗体またはTCRを作る。本発明では、リンパ球プールは、抗体鎖が配列決定されるか、抗体が作られるか、または発現ライブラリーが作られる前に、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)、磁気活性化細胞ソーティング(MACS)を使用した細胞のスクリーニングおよびソーティング、パニング法、または免疫細胞ライブラリー等の、試料に由来する複数の免疫細胞を生成するための他のスクリーニング方法等の、任意の好適な方法により所望の免疫細胞を濃縮することができる。異なる抗体を発現する免疫細胞のほんの少数のサブセット、したがって可変ドメインのほんの少数の天然由来の組合せを提供するに過ぎない従来技術の濃縮方法とは対照的に、本発明の免疫細胞ライブラリーは、異なる抗体またはTCRを発現する個々の免疫細胞の少なくとも2つのサブセットを含有する。例えば、本発明の免疫細胞ライブラリーは、異なる抗体またはTCRを発現する個々の免疫細胞の、少なくとも5、10、100、250、500、750、1000、2500、5000、10000、25000、50000、75000、10000、250000、500000、750000、1000000、2500000、5000000、7500000、または10000000個のサブセットを含有していてもよい。本発明の方法は、免疫細胞回収を最大化し、非常に高度な多様性をもたらす。
T細胞は、末梢血液単核細胞、骨髄、胸腺、組織生検、腫瘍、リンパ節組織、腸管関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、脾臓組織、または任意の他のリンパ組織、および腫瘍を含む、いくつかの供給源から得ることができる。T細胞は、T細胞株から、および自己由来または同種異系の供給源から得ることができる。T細胞は、単一の個体または個体の集団、例えば、全てが、がんまたは感染症等の同じ疾患を罹患している個体の集団から得てもよい。一部の実施形態では、個体の循環血液に由来する細胞が、アフェレーシスまたは白血球アフェレーシスにより得られる。アフェレーシス産物は、典型的には、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球細胞、赤血球細胞、および血小板を含む、リンパ球を含有する。一実施形態では、アフェレーシスまたは白血球アフェレーシスにより収集した細胞を洗浄して、血漿画分を除去し、細胞を、その後の処理ことに適切な緩衝液または培地に配置してもよい。本発明の一実施形態では、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で細胞を洗浄する。代替的な実施形態では、洗浄溶液は、カルシウムを欠如しており、マグネシウムを欠如していてもよく、または全てではないが、多くの2価カチオンを欠如していてもよい。当業者であれば直ちに理解するように、洗浄ステップは、半自動「フロースルー」遠心分離機を使用すること等の、当業者に公知の方法により達成することができる。洗浄後、細胞を、例えば、Ca++/Mg++を含まないPBS等の、様々な生体適合性緩衝液に再懸濁してもよい。あるいは、アフェレーシス試料の望ましくない成分を除去し、細胞を培養培地に直接再懸濁してもよい。他の実施形態では、T細胞は、赤血球細胞を溶解し、PERCOLL(商標)勾配で遠心分離することにより、末梢血リンパ球から単離される。CD28、CD4、CD8、CD45RA、およびCD45ROT細胞等のT細胞の特定の部分集団を、ポジティブまたはネガティブ選択技法により、さらに単離してもよい。例えば、CD3、CD28T細胞は、CD3/CD28コンジュゲート磁気ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M−450 CD3/CD28 T Cell Expander)を使用して、ポジティブ選択することができる。一部の実施形態では、ネガティブ選択によるT細胞集団の濃縮は、ネガティブ選択された細胞に固有な表面マーカーに対する抗体を組み合わせて達成することができる。1つのそのような方法は、ネガティブ選択された細胞に存在する細胞表面マーカーに対するモノクローナル抗体のカクテルが使用されるネガティブ磁気免疫接着またはフローサイトメトリーによる細胞ソーティングおよび/またはセル選択法である。例えば、ネガティブ選択によりCD4細胞を濃縮するため、モノクローナル抗体カクテルは、典型的には、CD14、CD20、CD11b、CD16、HLA−DR、およびCD8に対する抗体を含む。刺激用のT細胞を調製するための別の方法は、洗浄ステップ後に細胞を凍結することであり、これには、単球除去ステップが必要とされない。理論に束縛されることは望まないが、凍結およびその後の解凍ステップは、細胞集団中の顆粒球およびある程度までは単球を除去することにより、より均一な産物を提供する。血漿および血小板を除去する洗浄ステップの後、細胞を、凍結用溶液に懸濁してもよい。多くの凍結用溶液およびパラメータが当技術分野で公知であり、それらは、本状況で有用となるだろうが、1つの方法は、20%DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBSまたは他の好適な細胞凍結用培地を使用することを含む。その後、これを、DMSOおよびHSAの終濃度がそれぞれ10%および4%となるように培地で1:1に希釈する。その後、細胞を、毎分1℃で−80℃に凍結し、液体窒素貯蔵タンクの気相に保管する。
一部の実施形態では、非免疫ヒトドナーまたは非ヒトドナーに由来する免疫細胞が利用される。動物のナイーブレパートリー(抗原負荷前のレパートリー)は、中程度の親和性(約1×10−6〜1×10−7MのK)で本質的にあらゆる非自己分子に結合することができる抗体またはTCRを動物に提供する。抗体またはTCR結合部位の配列多様性は、生殖系列に直接にはコードされていないが、V遺伝子セグメントからコンビナトリアル様式でアセンブルされる。免疫処置は、上述のような、免疫原に結合して増殖し(クローン拡大)、対応する抗体を分泌するV−VまたはVα−VβまたはVγ−Vδ組合せを作る任意の免疫細胞を誘発する。しかしながら、免疫されていない対象に由来する脾臓細胞および/または免疫細胞もしくは他の末梢血リンパ球(PBL)を使用することにより、考え得る抗体またはTCRレパートリーのより良好な提示を提供することができ、また、その後、任意の動物種を使用してB細胞またはT細胞抗体またはTCRライブラリーを構築することを可能にする。
一部の場合では、試験に十分な核酸を得るため、少なくとも0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、20、25、30、35、40、45、または50mLの血液容積を採取する。
一部の場合では、出発物質は末梢血である。末梢血細胞は、特定の細胞タイプ(例えば、単核細胞、赤血球細胞、CD4細胞、CD8細胞、免疫細胞、T細胞、またはNK細胞等)を濃縮することができる。また、末梢血細胞は、特定の細胞タイプ(例えば、単核細胞、赤血球細胞、CD4細胞、CD8細胞、免疫細胞、T細胞、またはNK細胞等)を選択的に枯渇させることができる。
一部の場合では、出発物質は、固形組織を含む組織試料であってもよく、非限定的な例としては、脳、肝臓、肺、腎臓、前立腺、卵巣、脾臓、リンパ節(扁桃腺を含む)、甲状腺、膵臓、心臓、骨格筋、腸、喉頭、食道、および胃が挙げられる。他の場合では、出発物質は、核酸を含有する細胞、免疫細胞、および特にB細胞またはT細胞であってもよい。一部の場合では、出発物質は、遺伝物質を得ることができる、任意の生物に由来する、核酸を含有する試料であってもよい。一部の場合では、試料は、流体、例えば、血液、唾液、リンパ液、または尿である。
試料は、ある状態を有する対象から採取することができる。一部の場合では、試料が採取される対象は、患者、例えば、がん患者、またはがんを有する疑いのある患者であってもよい。対象は、哺乳動物、例えばヒトであってもよく、雄または雌であってもよい。一部の場合では、雌は妊娠している。試料は、腫瘍生検であってもよい。生検は、例えば、医師、医師助手、看護師、獣医、歯科医、脊椎指圧師、医療補助員、皮膚科医、がん専門医、胃腸科専門医、または外科医を含む医療従事者により実施されてもよい。
一部の場合では、非核酸物質を、酵素処理(プロテアーゼ消化等)を使用して出発物質から除去してもよい。
一部の場合では、EDTAを含むがそれに限定されないマグネシウムキレート剤を含有する装置内に血液を収集し、4℃で保管する。任意選択で、EGTAを含むがそれに限定されないカルシウムキレート剤を添加してもよい。別の場合では、これらに限定されないが、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド誘導体、ホルマリン、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒド誘導体、タンパク質架橋剤、核酸架橋剤、タンパク質および核酸架橋剤、第一級アミン反応性架橋剤、スルフヒドリル反応性架橋剤、スルフヒドリル付加またはジスルフィド還元、炭水化物反応性架橋剤、カルボキシル反応性架橋剤、光反応性架橋剤、または切断可能架橋剤を含む、細胞溶解阻害剤を血液に添加する。
一部の場合では、抽出された物質が、一本鎖RNA、二本鎖RNA、またはDNA−RNAハイブリッドを含む場合、これら分子は、本分野で公知の技法を使用して二本鎖DNAに変換することができる。例えば、逆転写酵素を用いて、RNA分子からDNAを合成してもよい。一部の場合では、RNAのDNAへの変換は、リンカー断片をRNAにライゲーションさせる事前ライゲーションステップを必要とする場合があり、ユニバーサルプライマーを使用することにより、逆転写の開始が可能になる。他の場合では、例えば、mRNA分子のポリAテールを使用して、逆転写を開始させることができる。DNAへの変換後、一部の場合では、本明細書に詳述されている方法を使用して、所望の配列をさらに捕捉、選択、タグ化、または単離することができる。
核酸分子としては、デオキシリボ核酸(DNA)および/またはリボ核酸(RNA)が挙げられる。核酸分子は、合成であってもよく、または天然由来の供給源に由来していてもよい。一実施形態では、核酸分子は、タンパク質、脂質、および非鋳型核酸等の様々な他の成分を含有する生物学的試料から単離される。核酸鋳型分子は、動物、植物、細菌、真菌、または任意の他の細胞性生物から得される任意の細胞性物質から得ることができる。ある特定の実施形態では、核酸分子は、単一細胞から得られる。本発明で使用される生物学的試料としては、ウイルス粒子または調製物が挙げられる。核酸分子は、直接的に生物から、または生物から得られる生物学的試料、例えば、血液、尿、脳脊髄液、精液、唾液、痰、糞便、および組織から得ることができる。任意の組織または体液検体を、本発明で使用される核酸の供給源として使用することができる。また、核酸分子は、初代細胞培養または細胞株等の培養細胞から単離してもよい。鋳型核酸がそこから得られる細胞または組織は、ウイルスまたは他の細胞内病原体に感染していてもよい。
また、試料は、生物学的検体から抽出される全RNA、cDNAライブラリー、ウイルス、またはゲノムDNAであってもよい。ある特定の実施形態では、核酸分子は、タンパク質、酵素、基質、抗体、結合材、ビーズ、小分子、ペプチド、または任意の他の分子等の他の標的分子に結合されている。一般的に、核酸は、SambrookおよびRussell、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor、N.Y.(2001年)に記載されているもの等の様々な技法により生物学的試料から抽出することができる。核酸分子は、一本鎖、二本鎖、または一本鎖領域を有する二本鎖(例えば、ステムおよびループ構造)であってもよい。
DNA抽出法は、当技術分野で周知である。古典的なDNA単離プロトコールは、フェノールおよびクロロホルムの混合物等の有機溶媒を使用して抽出し、その後エタノールで析出させることに基づく(J. Sambrookら、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」、1989年、第2版、Cold Spring Harbour Laboratory Press: New York、N.Y.)。他の方法としては、以下のものが挙げられる:塩析DNA抽出法(P. Sunnucksら、Genetics、1996年、144巻:747〜756頁;S. M. Aljanabiら、Nucl. Acids Res.、1997年、25巻:4692〜4693頁)、トリメチルアンモニウム臭化物塩DNA抽出法(S. Gustincichら、BioTechniques、1991年、11巻:298〜302頁)、およびグアニジウムチオシアネートDNA抽出法(J. B. W. Hammondら、Biochemistry、1996年、240巻:298〜300頁)。生物学的試料からDNAを抽出するための様々なキットが、商業的に入手可能である(例えば、BD Biosciences Clontech(パロアルト、カリフォルニア州):Epicentre Technologies(マディソン、ウィスコンシン州);Gentra Systems,Inc.(ミネアポリス、ミネソタ州);MicroProbe Corp.(ボセル、ワシントン州);Organon Teknika(ダーラム、ノースカロライナ州);およびQiagen Inc.(バレンシア、カリフォルニア州))。
また、RNA抽出法は、当技術分野で周知であり(例えば、J. Sambrookら、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」、1989年、第211版、Cold Spring Harbour Laboratory Press: New York)、および体液からRNAを抽出するためのキットは、商業的に入手可能である(例えば、Ambion,Inc.(オースティン、テキサス州);Amersham Biosciences(ピスカタウエイ、ニュージャージー州);BD Biosciences Clontech(パロアルト、カリフォルニア州);BioRad Laboratories(ハーキュリーズ、カリフォルニア州);Dynal Biotech Inc.(レークサクセス、ニューヨーク州);Epicentre Technologies(マディソン、ウィスコンシン州);Gentra Systems,Inc.(ミネアポリス、ミネソタ州);GIBCO BRL(ゲイサーズバーグ、メリーランド州);Invitrogen Life Technologies(カールズバッド、カリフォルニア州);MicroProbe Corp.(ボセル、ワシントン州);Organon Teknika(ダーラム、ノースカロライナ州);Promega,Inc.(マディソン、ウィスコンシン州);およびQiagen Inc.(バレンシア、カリフォルニア州))。
1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の供給源に由来していてもよい。1つまたは複数の試料は、2つまたはそれよりも多くの供給源に由来していてもよい。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の対象に由来していてもよい。1つまたは複数の試料は、2つまたはそれよりも多くの対象に由来していてもよい。1つまたは複数の試料は、同じ対象に由来していてもよい。1つまたは複数の対象は、同じ種に由来していてもよい。1つまたは複数の対象は、異なる種に由来していてもよい。1つまたは複数の対象は、健常であってもよい。1つまたは複数の対象は、疾患、障害、または状態により影響を受けていてもよい。
一部の実施形態では、試料は、血液、唾液、リンパ液、尿、脳脊髄液、精液、痰、糞便、または組織ホモジネート等の流体である。
試料は、ある状態を有する対象から採取されてもよい。一部の実施形態では、試料が採取される対象は、患者、例えば、がん患者、またはがんを有する疑いのある患者であってもよい。対象は、哺乳動物、例えばヒトであってもよく、雄または雌であってもよい。一部の実施形態では、雌は妊娠している。試料は、腫瘍生検であってもよい。生検は、例えば、医師、医師助手、看護師、獣医、歯科医、脊椎指圧師、医療補助員、皮膚科医、がん専門医、胃腸科専門医、または外科医を含む医療従事者により実施されてもよい。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、タンパク質、酵素、基質、抗体、結合材、ビーズ、小分子、ペプチド、または任意の他の分子等の他の標的分子に結合されている。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、固体支持体に結合されていない。核酸は、様々な技法により生物学的試料から抽出することができる(Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor、N.Y.(2001年))。
一部の実施形態では、試料は唾液である。一部の実施形態では、試料は全血である。一部の場合では、試験に十分な量のポリヌクレオチドを得るため、少なくとも約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、20、25、30、35、40、45、または50mLの血液容積を採取する。一部の実施形態では、血液は、EDTAを含むがそれに限定されないマグネシウムキレート剤を含有する装置内に収集することができ、4℃で保管される。任意選択で、EGTAを含むがそれに限定されないカルシウムキレート剤を添加してもよい。
一部の実施形態では、これらに限定されないが、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド誘導体、ホルマリン、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒド誘導体、タンパク質架橋剤、核酸架橋剤、タンパク質および核酸架橋剤、第一級アミン反応性架橋剤、スルフヒドリル反応性架橋剤、スルフヒドリル付加またはジスルフィド還元、炭水化物反応性架橋剤、カルボキシル反応性架橋剤、光反応性架橋剤、または切断可能架橋剤を含む、細胞溶解阻害剤を血液に添加する。一部の実施形態では、非核酸物質を、酵素処理(プロテアーゼ消化等)を使用して出発物質から除去してもよい。
複数の試料は、少なくとも2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100個、またはそれよりも多くの試料を含んでいてもよい。複数の試料は、少なくとも約100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000個、またはそれよりも多くの試料を含んでいてもよい。複数の試料は、少なくとも約1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000個の試料、9000、または10,000個の試料、または100,000個の試料、または1,000,000個、またはそれよりも多くの試料を含んでいてもよい。複数の試料は、少なくとも約10,000個の試料を含んでいてもよい。
第1の試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドは、第2の試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドと異なっていてもよい。第1の試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドは、複数の試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドと異なっていてもよい。試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドは、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%配列同一性を含んでいてもよい。一部の実施形態では、試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドは、約100、90、80、70、60、50、40、30、25、20、25、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1つ未満のヌクレオチドまたは塩基対が異なっていてもよい。複数の試料の1つまたは複数の試料中の複数のポリヌクレオチドは、2つまたはそれよりも多くの同一配列を含んでいてもよい。複数の試料の1つまたは複数中の総ポリヌクレオチドの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%が、同じ配列を含んでいてもよい。複数の試料の1つまたは複数の試料中の複数のポリヌクレオチドは、少なくとも2つの異なる配列を含んでいてもよい。複数の試料の1つまたは複数中の総ポリヌクレオチドの少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、少なくとも2つの異なる配列を含んでいてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、互いのバリアントである。例えば、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、遺伝子多型または他のタイプの突然変異を含有していてもよい。別の例では、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、スプライスバリアントである。
第1の試料は、1つまたは複数の細胞を含んでいてもよく、第2の試料は、1つまたは複数の細胞を含んでいてもよい。第1の試料の1つまたは複数の細胞は、第2の試料の1つまたは複数の細胞と同じ細胞タイプであってもよい。第1の試料の1つまたは複数の細胞は、複数の試料の1つまたは複数の異なる細胞と異なる細胞タイプであってもよい。
複数の試料は、同時的に得てもよい。複数の試料は、同時に得ることができる。複数の試料は、順次得ることができる。複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから年単位の経過にわたって、例えば、100年、10年、5年、4年、3年、2年、または1年にわたって得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから約1年以内に得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから12か月、11か月、10か月、9か月、8か月、7か月、6か月、4か月、3か月、2か月、または1か月以内に得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから30日、28日、26日、24日、21日、20日、18日、17日、16日、15日、14日、13日、12日、11日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、または1日以内に得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから約24時間、22時間、20時間、18時間、16時間、14時間、12時間、10時間、8時間、6時間、4時間、2時間、または1時間以内に得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから約60秒、45秒、30秒、20秒、10秒、5秒、2秒、または1秒以内に得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから1秒未満以内に得ることができる。
試料の異なるポリヌクレオチドは、異なる濃度または量(例えば、異なる数の分子)で試料中に存在していてもよい。例えば、1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、試料中の別のポリヌクレオチドの濃度または量よりも多くてもよい。一部の実施形態では、試料中の少なくとも1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、試料中の少なくとも1つの他のポリヌクレオチドの濃度または量よりも、少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000倍、またはそれよりも大きな倍率で多くてもよい。別の例では、1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、試料中の別のポリヌクレオチドの濃度または量よりも少なくてもよい。試料中の少なくとも1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、試料中の少なくとも1つの他のポリヌクレオチドの濃度または量よりも、少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000分の1、またはそれよりも大きな倍率で少なくてもよい。
一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの試料は、異なる量または濃度のポリヌクレオチドを含有していてもよい。一部の実施形態では、1つの試料中の1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、異なる試料中の同じポリヌクレオチドの濃度または量よりも多くてもよい。例えば、血液試料は、尿試料よりも多くの量の特定のポリヌクレオチドを含有する場合がある。あるいは、単一の試料は、2つまたはそれよりも多くのサブ試料に分けることができる。サブ試料は、異なる量または濃度の同じポリヌクレオチドを含有していてもよい。1つの試料中の少なくとも1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、別の試料中の同じポリヌクレオチドの濃度または量よりも、少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000倍、またはそれよりも大きな倍率で多くてもよい。あるいは、1つの試料中の1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、異なる試料中の同じポリヌクレオチドの濃度または量よりも少なくてもよい。例えば、1つの試料中の少なくとも1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、別の試料中の同じポリヌクレオチドの濃度または量よりも、少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000分の1、またはそれよりも大きな倍率で少なくてもよい。
標的ポリヌクレオチド
一部の場合では、本明細書で提供されている方法は、細胞に由来するポリヌクレオチド分子、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド、またはそれらのアンプリコン等の標的ポリヌクレオチド分子を増幅および配列決定することに関する。一部の場合では、本明細書で提供されている方法は、標的ポリヌクレオチド分子の少なくとも1つの領域を増幅および配列決定することに関する。一部の場合では、本明細書で提供されている方法は、少なくとも1つの標的ポリヌクレオチド分子を増幅および配列決定することに関する。一態様では、標的ポリヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドである。一態様では、標的ポリヌクレオチドは、RNAである。一部の実施形態では、標的RNAポリヌクレオチドは、mRNAである。一部の実施形態では、標的RNAポリヌクレオチドは、ポリアデニル化されている。一部の実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、ポリアデニル化されていない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、DNAポリヌクレオチドである。例えば、標的ポリヌクレオチドは、cDNAを含む。DNAポリヌクレオチドは、ゲノムDNAであってもよい。DNAポリヌクレオチドは、エクソン、イントロン、非翻訳領域、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
一態様では、標的ポリヌクレオチドは、ゲノム核酸である。特定の生物の染色体中の遺伝物質に由来するDNAは、ゲノムDNAであってもよい。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞により産生された抗体またはTCRの可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞により産生された抗体の重鎖の可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞により産生された抗体の軽鎖の可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞により産生されたTCRのアルファ鎖の可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞により産生されたTCRのベータ鎖の可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞により産生されたTCRのガンマ鎖の可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞により産生されたTCRのデルタ鎖の可変領域を含む配列を含む。例えば、標的ポリヌクレオチドは、逆転写反応またはプライマー伸長反応の産物を生成するために使用されるポリヌクレオチド鋳型を含んでいてもよく、また、逆転写反応またはプライマー伸長反応産物自体を含んでいてもよい。例えば、標的ポリヌクレオチドは、逆転写反応またはプライマー伸長反応に供することができる目的のポリヌクレオチドを含む。
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドのAIDを含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドのAMDを含む配列を含む。例えば、標的ポリヌクレオチドには、RNAまたはDNAが含まれる。例えば、標的ポリヌクレオチドには、合成オリゴヌクレオチドが含まれる。例えば、標的ポリヌクレオチドには、AIDおよび/またはAMBを含有するオリゴヌクレオチドが含まれる。
標的ポリヌクレオチドは、事実上任意の供給源から得ることができ、当技術分野で公知の方法を使用して調製することができる。例えば、標的ポリヌクレオチドは、生物または細胞(例えば、免疫細胞)からゲノムDNAまたはmRNAの断片を抽出して、標的ポリヌクレオチドを得ることを含むがこれに限定されない、当技術分野で公知の方法を使用して、増幅せずに直接単離することができる。また、標的ポリヌクレオチドは、RNA(mRNAなど)から逆転写PCRにより生成されるcDNAを包含することもできる。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、RNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、mRNA分子またはそのmRNA分子から産生されるcDNAである。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来するmRNA分子またはそのmRNA分子から産生されるcDNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来するmRNA分子またはそれらmRNA分子から産生されるcDNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、重鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、重鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、軽鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、軽鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、抗体可変配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、可変抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、可変軽鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、可変軽鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、可変重鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、可変重鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合には、標的ポリヌクレオチドは、無細胞性の核酸、例えばDNAまたはRNAであってよい。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、可変アルファ、ベータ、ガンマおよび/またはデルタ鎖TCR配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、Vおよび/またはVのBCR配列をコードするmRNA分子である。
本明細書に記載されている方法を使用して、1つまたは複数の標的ポリヌクレオチドから、配列決定用のポリヌクレオチドのライブラリーを生成することができる。一部の実施形態では、ライブラリーは、標的ポリヌクレオチドの2つまたはそれよりも多くの領域から生成されてもよい。一部の実施形態では、方法ライブラリーは、2つまたはそれよりも多くの標的ポリヌクレオチドから生成されてもよい。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、染色体に由来するゲノム核酸またはDNAである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、遺伝子多型または突然変異等のバリアントを含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、DNAを含むが、RNAを含まない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、RNAを含むが、DNAを含まない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、DNAおよびRNAを含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、一本鎖ポリヌクレオチドである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、二本鎖ポリヌクレオチドである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、二本鎖ポリヌクレオチドの一本鎖である。
標的ポリヌクレオチドは、任意の生物学的試料から合成または得ることができ、当技術分野で公知の方法を使用して調製することができる。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、増幅せずに直接単離される。直接単離するための方法は、当技術分野で公知である。非限定的な例としては、生物学的試料、生物、または細胞からゲノムDNAまたはmRNAを抽出することが挙げられる。一部の実施形態では、1つまたは複数の標的ポリヌクレオチドは、生物学的試料から精製される。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、それが含有されている生物学的試料から精製されていない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、生物学的試料から単離される。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、それが含有されている生物学的試料から単離されていない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、無細胞性の核酸であってもよい。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、断片化核酸であってもよい。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、転写された核酸であってもよい。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、修飾ポリヌクレオチドである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、非修飾ポリヌクレオチドである。
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに由来するオリゴヌクレオチドである。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、複数の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは複数の四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに由来する複数のオリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、複数の親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに由来する、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、または1000個、またはそれよりも多くのオリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、または1000個、またはそれよりも多くの親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに由来する、複数のオリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、または1000個、またはそれよりも多くの親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに由来する、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、または1000個、またはそれよりも多くのオリゴヌクレオチドを含む。
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、AID配列を含む。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、または1000個、またはそれよりも多くのAID配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、AMB配列を含む。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、または9×1012個、またはそれよりも多くのAMB配列を含む。
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、単一細胞に由来するポリヌクレオチドである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、個々の細胞に由来する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、複数の細胞を含有する試料に由来するポリヌクレオチドである。
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、バイオマーカー配列をコードする。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、2つまたはそれよりも多くのバイオマーカー配列をコードする。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、バイオマーカー配列をコードする。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、2つまたはそれよりも多くのバイオマーカー配列をコードする。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100個、またはそれよりも多くのバイオマーカー配列をコードする。
一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド配列のパネルを含む。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、免疫グロブリン配列のパネルを含む。例えば、免疫グロブリン配列のパネルは、Vおよび/またはV配列であってよい。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、TCR配列のパネルを含む。一部の実施形態では、免疫グロブリンまたはTCR配列のパネルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の免疫グロブリンまたはTCR配列を含有する。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、BCR配列のパネルを含む。例えば、BCR配列のパネルは、Vおよび/またはV配列であってよい。一部の実施形態では、免疫グロブリン、BCRまたはTCR配列のパネルは、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、または9×1012個の免疫グロブリン、BCRまたはTCR配列を含有する。一部の実施形態では、免疫グロブリン、BCRまたはTCR配列のパネルは、多くとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、または9×1012個の免疫グロブリン、BCRまたはTCR配列を含有する。一部の実施形態では、免疫グロブリン、BCRまたはTCR配列のパネルは、約10〜20、10〜30、10〜40、10〜30、10〜40、10〜50、10〜60、10〜70、10〜80、10〜90、10〜100、50〜60、50〜70、50〜80、50〜90、50〜100、100〜200、100〜300、100〜400、100〜300、100〜400、100〜500、100〜600、100〜700、100〜800、100〜900、100〜1000、500〜600、500〜700、500〜800、500〜900、500〜1000、1000〜2000、1000〜3000、1000〜4000、1000〜3000、1000〜4000、1000〜5000、1000〜6000、1000〜7000、1000〜8000、1000〜9000、1000〜10000、5000〜6000、5000〜7000、5000〜8000、5000〜9000、5000〜10000、1〜1×10、1〜2×10、1〜3×10、1〜4×10、1〜5×10、1〜6×10、1〜7×10、1〜8×10、9×10、1〜1×10、1〜2×10、1〜3×10、1〜4×10、1〜5×10、1〜6×10、1〜7×10、1〜8×10、9×10、1×10、1〜2×10、1〜3×10、1〜4×10、1〜5×10、1〜6×10、1〜7×10、1〜8×10、1〜9×10、1〜1×10、1〜2×10、1〜3×10、1〜4×10、1〜5×10、1〜6×10、1〜7×10、1〜8×10、1〜9×10、1〜1×10、1〜2×10、1〜3×10、1〜4×10、1〜5×10、1〜6×10、1〜7×10、1〜8×10、1〜9×10、1〜1×1010、1〜2×1010、1〜3×1010、1〜4×1010、1〜5×1010、1〜6×1010、1〜7×1010、1〜8×1010、1〜9×1010、1〜1×1011、1〜2×1011、1〜3×1011、1〜4×1011、1〜5×1011、1〜6×1011、1〜7×1011、1〜8×1011、1〜9×1011、1〜1×1012、1〜2×1012、1〜3×1012、1〜4×1012、1〜5×1012、1〜6×1012、1〜7×1012、1〜8×1012、または1〜9×1012個の免疫グロブリン、BCRまたはTCR配列を含有する。
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、長さが、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000塩基または塩基対である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、長さが、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000塩基または塩基対である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、長さが、多くとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000塩基または塩基対である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、長さが、約10〜20、10〜30、10〜40、10〜30、10〜40、10〜50、10〜60、10〜70、10〜80、10〜90、10〜100、50〜60、50〜70、50〜80、50〜90、50〜100、100〜200、100〜300、100〜400、100〜300、100〜400、100〜500、100〜600、100〜700、100〜800、100〜900、100〜1000、500〜600、500〜700、500〜800、500〜900、500〜1000、1000〜2000、1000〜3000、1000〜4000、1000〜3000、1000〜4000、1000〜5000、1000〜6000、1000〜7000、1000〜8000、1000〜9000、1000〜10000、5000〜6000、5000〜7000、5000〜8000、5000〜9000、または5000〜10000塩基または塩基対である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドまたはそれらの断片の平均の長さは、約100、200、300、400、500、もしくは800塩基対未満であってもよく、または約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、もしくは200ヌクレオチド未満であってもよく、または約1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100キロベース未満であってもよい。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドを含有する試料等の、相対的に短い鋳型に由来する標的配列は、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100塩基である。ある特定の実施形態では、配列決定データは、疾患または状態に関連する配列または免疫グロブリンもしくはTCR配列を含有するデータベースを使用して、既知のまたは予想される配列に対してアラインされる。
一部の実施形態では、方法は、第1の細胞ポリヌクレオチド、第2の細胞ポリヌクレオチド、または両方の生殖系列配列を決定することをさらに含み、第1の細胞ポリヌクレオチドは、IgHまたはV配列を含み、第2の細胞ポリヌクレオチドは、IgLまたはV配列、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、方法は、生殖系列のIgL IgH、V、V、またはそれらの任意の組合せの配列からの、IgL IgH、V、V、またはそれらの任意の組合せの配列の相違を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、固有のIgH配列の総数、固有のIgL配列の総数;固有のIgHおよびIgL配列の総数;固有の対合したIgLおよびIgH配列の総数;1つまたは複数の他の配列に対する、IgH配列もしくはIgL配列の頻度、またはIgH配列およびIgL配列の組合せの頻度の少なくとも1つを決定することをさらに含む。
一部の実施形態では、方法は、第1の細胞ポリヌクレオチド、第2の細胞ポリヌクレオチド、または両方の生殖系列配列を決定することをさらに含み、第1の細胞ポリヌクレオチドは、TCRαまたはVα配列を含み、第2の細胞ポリヌクレオチドは、TCRβまたはVβ配列、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、方法は、生殖系列のTCRα、TCRβ、Vα、Vβ、またはそれらの任意の組合せの配列からの、TCRα、TCRβ、Vα、Vβ、またはそれらの任意の組合せの配列の相違を決定することをさらに含む。
一部の実施形態では、方法は、固有のTCRα配列の総数、固有のTCRβ配列の総数;固有のTCRαおよびTCRβ配列の総数;固有の対合したTCRβおよびTCRα配列の総数;1つまたは複数の他の配列に対する、TCRα配列もしくはTCRβ配列の頻度、またはTCRα配列およびTCRβ配列の組合せの頻度の少なくとも1つを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、第1の細胞ポリヌクレオチド、第2の細胞ポリヌクレオチド、または両方の生殖系列配列を決定することをさらに含み、第1の細胞ポリヌクレオチドは、TCRγまたはVγ配列を含み、第2の細胞ポリヌクレオチドは、TCRδまたはVδ配列、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、方法は、生殖系列のTCRγ、TCRδ、Vγ、Vδ、またはそれらの任意の組合せの配列からの、TCRγ、TCRδ、Vγ、Vδ、またはそれらの任意の組合せの配列の相違を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、固有のTCRγ配列の総数、固有のTCRδ配列の総数;固有のTCRγおよびTCRδ配列の総数;固有の対合したTCRδおよびTCRγ配列の総数;1つまたは複数の他の配列に対する、TCRγ配列もしくはTCRδ配列の頻度、またはTCRγ配列およびTCRδ配列の組合せの頻度の少なくとも1つを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、第1の遺伝子に由来する配列の総数;第2の遺伝子に由来する配列の総数;第1の遺伝子に由来する固有の配列の総数;第2の遺伝子に由来する固有の配列の総数;または第1の遺伝子に由来する配列もしくは第2の遺伝子に由来する配列の頻度の少なくとも1つを決定することをさらに含む。
一部の実施形態では、方法は、個々の対合したIgLおよびIgH配列、またはTCRαおよびTCRβ配列、またはTCRγおよびTCRδ配列の1つまたは複数の対、ならびに生殖系列からの相違の合計量に基づき、抗体またはTCRを選択することをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、1つもしくは複数のIgLもしくはIgH配列、TCRαおよびTCRβ配列、またはTCRγおよびTCRδ配列、ならびに生殖系列からの相違に基づき、抗体またはTCRを選択することをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、配列パターン、相違の分析、動力学、または頻度の1つまたは複数に基づき抗体またはTCRを選択することをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、頻度に基づき抗体またはTCRを選択することをさらに含む。
抗体、BCRおよびTCRのクローニングおよび発現
「抗体発現ライブラリー」または「BCR発現ライブラリー」または「TCR発現ライブラリー」または「発現ライブラリー」は、本明細書で使用される場合、核酸またはタンパク質レベルのいずれかでの分子のコレクション(つまり、2つまたはそれよりも多くの分子)を指す場合がある。したがって、この用語は、複数の抗体、BCRもしくはTCR分子をコードする(つまり、核酸レベルの)発現ベクターのコレクションを指していてもよく、またはそれらが適切な発現系で発現された後の(つまり、タンパク質レベルの)抗体、BCRもしくはTCR分子のコレクションを指していてもよい。あるいは、発現ベクター/発現ライブラリーは、それらを発現され得る好適な宿主細胞に含有されてもよい。本発明の発現ライブラリー中のコードまたは発現されている抗体分子は、任意の適切な形式であってよく、例えば、抗体、BCRもしくはTCR分子全体であってもよく、または抗体、BCR断片もしくはTCR断片、例えば、単鎖抗体(例えば、scFv抗体)、Fv抗体、Fab’抗体、(Fab’)断片、ダイアボディ等であってもよい。用語「コードする(encoding)」および「コードする(coding for)」、例えば、特定の酵素を「コードする」/「コードする」核酸配列、または特定の酵素のDNAコート配列、または特定の酵素を「コードする」/「コードする」ヌクレオチド配列など、ならびに他の同義的な用語は、適切な調節配列の制御下に置かれると酵素に転写および翻訳されるDNA配列を指す。「プロモーター配列」は、細胞内でRNAポリメラーゼに結合可能であり、下流(3’方向)コード配列の転写を開始可能であるDNA調節領域である。プロモーターは、DNA配列の一部である。この配列領域は、その3’末端に開始コドンを有する。プロモーター配列は、バックグラウンドを超える検出可能なレベルで転写を開始させるために必要なエレメントを有する最小数の塩基を含む。しかしながら、RNAポリメラーゼがこの配列に結合し、転写が開始コドン(プロモーターを有する3’末端)から開始されると、転写は、3’方向の下流に進行する。プロモーター配列内には、転写開始部位(ヌクレアーゼS1でマッピングすることによって都合良く規定される)ならびにRNAポリメラーゼの結合をもたらすタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が見出される。
本発明の抗体、BCRまたはTCR発現ライブラリーによって同定される、それに由来する、それから選択される、またはそれから得ることができる、抗体、BCRまたはTCR分子は、本発明のさらなる態様を形成する。この場合も、これら抗体、BCRまたはTCR分子は、抗体、BCRもしくはTCR分子をコードするタンパク質または核酸であってよく、次いで、この核酸は、適切な発現ベクターに組み込むことができ、および/または好適な宿主細胞に含有されてもよい。
cDNAプールは、抗体またはBCR遺伝子の重鎖の定常領域にハイブリダイズするポリヌクレオチド、および抗体、BCRまたはTCR遺伝子のVまたはVαまたはVγ鎖領域の5’末端にハイブリダイズするポリヌクレオチドと共にPCR反応に供してもよい。cDNAプールは、抗体、BCRまたはTCR遺伝子の重鎖またはアルファもしくはガンマ鎖の定常領域にハイブリダイズするポリヌクレオチド、および抗体、BCRまたはTCR配列を含むバーコード化ポリヌクレオチドのVまたはVαまたはVγ鎖領域の領域5’〜5’末端にハイブリダイズするポリヌクレオチドと共にPCR反応に供してもよい。PCR反応は、例えば、カッパおよびラムダクラスのVまたはVβまたはVδ鎖プールを増幅するように設定することもできる。cDNAプールは、抗体遺伝子の軽鎖の定常領域にハイブリダイズするポリヌクレオチド、および抗体、BCRまたはTCR遺伝子のVまたはVβまたはVδ鎖領域の5’末端にハイブリダイズするポリヌクレオチドと共にPCR反応に供してもよい。cDNAプールは、抗体遺伝子の軽鎖の定常領域にハイブリダイズするポリヌクレオチド、および抗体、BCRまたはTCR配列を含むバーコード化ポリヌクレオチドのVまたはVβまたはVδ鎖領域の領域5’〜5’末端にハイブリダイズするポリヌクレオチドと共にPCR反応に供してもよい。そのようなオリゴヌクレオチドまたはプライマーは、公知であり公的に入手可能な免疫グロブリン、BCRまたはTCR遺伝子配列データベース情報に基づいて設計することができる。
一部の実施形態では、VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列は、重鎖または軽鎖遺伝子に、特にVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδポリヌクレオチドの末端領域の一方または両方に特異的ではない1つまたは複数のプライマーを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから便利に得ることができる。一部の実施形態では、VおよびV配列は、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの領域に特異的なプライマーを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから便利に得ることができる。一部の実施形態では、VおよびV配列は、C遺伝子ファミリー特異的プライマーまたはC遺伝子特異的プライマーを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから便利に得ることができる。一部の実施形態では、VおよびV配列は、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの領域に特異的な第1のプライマー、およびC遺伝子ファミリー特異的プライマーまたはC遺伝子特異的プライマーである第2のプライマーまたは複数の第2のプライマーを有するプライマーセットを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから便利に得ることができる。一部の実施形態では、VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列は、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの領域に特異的な第1のプライマーおよびユニバーサル配列に特異的な第2のプライマーを有するプライマーセットを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから便利に得ることができる。
一部の実施形態では、逆転写時に、得られたcDNA配列を、免疫グロブリン遺伝子またはBCR遺伝子に特異的な、特にVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδポリヌクレオチドの末端領域の一方または両方に特異的な1つまたは複数のプライマーを使用して、PCRにより増幅してもよい。一部の実施形態では、VおよびV配列は、V遺伝子ファミリー特異的プライマーまたはV遺伝子特異的プライマーを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから得ることができ(Nichollsら、J. Immunol. Meth.、1993年、165巻:81頁;WO93/12227)、または入手可能な情報に基づき、標準的な当技術分野で公知の方法に従って設計される。(VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列を、通常は介在スペーサー配列(例えば、インフレーム可撓性ペプチドスペーサーをコードする)とライゲーションさせて、単鎖抗体をコードするカセットを形成することができる)。V領域配列は、免疫グロブリン発現細胞のcDNAまたはPCR増幅産物として便利にクローニングすることができる。VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ領域は、任意選択で、本明細書に記載されている方法で、特に、言及されているある特定のステップ後(例えば、単一細胞PCR後、哺乳動物または他の細胞表面ディスプレイ後、およびFACSスクリーニング後等)に配列決定される。他の理由の中でも、多様性のレベルが許容可能なレベルにあることを確認するために、配列決定を使用してもよい。配列決定は、ハイスループット配列決定、ディープシーケンシング(複数の個々の試料に由来する同じ遺伝子を配列決定して、配列の差異を識別する)、またはこの2つの組合せを含んでいてもよい。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法を使用して、天然のVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ組合せを、物理的に連結することは必要とされない。一部の実施形態では、cDNA、バーコード化ポリヌクレオチド、またはPCR増幅バーコード化cDNAは、物理的に連結されていない。一部の実施形態では、cDNA、バーコード化ポリヌクレオチド、またはPCR増幅バーコード化cDNAは、同じ反応またはベッセルでは、物理的に連結されていない。
一部の実施形態では、天然のVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ組合せは、cDNAプライマーに加えて、VまたはVαまたはVγ遺伝子の5’末端に対する1つのプライマーまたは複数のプライマー、およびVまたはVβまたはVδ遺伝子の5’末端に対する別のプライマーまたは複数のプライマーを使用して、物理的に連結される。また、これらプライマーは、VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ遺伝子の自己集合を可能にするための追加的な配列である相補的尾部を含有する。増幅および連結反応は各細胞内で実施されたため、PCR増幅および連結後に、混合産物、言い換えれば混合可変領域を得る可能性は最小限である。混合のリスクは、V領域cDNA対が細胞区画の外に出て相互混合せず、PCR増幅および連結のために細胞内に残留することを更に保証するために、ジゴキシゲニン標識ヌクレオチド等の嵩高い試薬を利用することによりさらに低減させることができる。増幅された配列は、相補的末端配列のハイブリダイゼーションにより連結される。連結後、配列は、本明細書に記載のさらなる方法ステップで使用される細胞から回収することができる。例えば、回収されたDNAは、必要に応じて末端プライマーを使用してPCR増幅し、下記に詳述されているような、プラスミド、ファージ、コスミド、ファージミド、ウイルスベクター、またはそれらの組合せであってもよいベクターにクローニングすることができる。ハイブリダイズされた配列に便利な制限酵素部位を組み込んで、クローニングを容易にしてもよい。また、こうしたベクターは、後に使用するための、連結された可変領域のライブラリーとして保存してもよい。
追加のVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδの組合せを提供するために、発現系を選択することができる。例えば、バクテリオファージ発現系では、重鎖および軽鎖配列のランダム組換えが可能である。他の好適な発現系が当業者に公知である。
非ヒトに由来するVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列の場合、一部の実施形態では、これらの配列を完全ヒトFcとキメラ化することが好ましい可能性があることに注意すべきである。本明細書で使用される場合、「キメラ化」は、重鎖および軽鎖可変領域またはVαおよびVβまたはVγおよびVδ領域がヒト由来ではなく、重鎖および軽鎖またはVαおよびVβまたはVγおよびVδ鎖の定常領域がヒト由来である免疫グロブリン、BCRまたはTCRを指す。これは、可変ドメインをヒトFcに増幅およびクローニングすることによって達成される。ヒトFcは、ベクターの一部であってもよく、または別個の分子の中にあってもよく、Fcのライブラリーを使用することもできる。好ましい実施形態では、CHO細胞などの哺乳動物細胞において増殖させたキメラ化分子を、FACSで2回スクリーニングして、細胞集団を、目的の抗体を発現する細胞について濃縮する。キメラ化抗体、BCRまたはTCRは、配列決定してから機能的に特徴付けるか、または直接的な機能特徴付けもしくは動力学のいずれかによって特徴付けられる。成長、スクリーニング、および特徴付けは、下記に詳細に記載される。
上述のPCR反応は、IgG形態の抗体をクローニングするために記載されていることに留意することが重要である。IgG形態の抗体は、一般的により成熟した免疫応答と関連しており、一般的にIgM抗体よりも高い親和性を示し、ある特定の治療または診断応用により望ましいため、好ましい。しかしながら、明らかに、所望であるかまたは適切である場合、免疫グロブリン分子の他の形態、例えば、IgM、IgA、IgE、およびIgDの1つまたは複数のクローニングを可能にすることになるポリヌクレオチドを設計することができる。
細胞に含有されている遺伝物質の完全性を維持することができ、それによってライブラリーを後日に作ることが可能である場合、抗体、BCRまたはTCRを同定し、細胞の適切な集団を、適切な時点で単離し、任意選択で上述のように濃縮した後に、抗体、BCRまたはTCR発現ライブラリーを直ちに生成する必要はない。したがって、例えば、細胞、細胞溶解物、または核酸、例えばRNAまたはそれに由来するDNAは、適切な方法、例えば凍結によって後日まで保存することができ、後日に所望となった時点で、発現ライブラリーを生成することができる。
発現ベクターのライブラリーが生成されたら、コードされた抗体分子を、適切な発現系で発現し、周知であり当技術分野で記録されている適切な技法を使用してスクリーニングすることができる。したがって、上記で規定されている本発明の方法は、適切な発現系で発現ベクターのライブラリーを発現すること、および発現されたライブラリーを所望の特性を有する抗体についてスクリーニングすることをさらに含んでいてもよい。
本明細書に示されるように、抗体、BCRまたはTCR配列をコードするポリヌクレオチドを含む、本開示の方法によって調製されるポリヌクレオチドとしては、これらに限定されないが、それ自体が抗体、BCRまたはTCR断片のアミノ酸配列をコードするもの、抗体、BCRまたはTCR全体、またはその部分の非コード配列、抗体、BCRまたはTCR、断片または部分のコード配列、ならびに上述の追加のコード配列を有するまたは有していない、少なくとも1つのシグナルリーダーまたは融合ペプチドのコード配列などの、非コード5’および3’配列を含むがこれらに限定されない追加の非コード配列を共に有する、少なくとも1つのイントロンなどの、スプライシングおよびポリアデニル化シグナル(例えば、mRNAのリボソーム結合および安定性)を含む、転写、mRNAプロセシングに役割を果たす転写された未翻訳配列などの、追加の配列;追加の機能を提供するものなどの、追加のアミノ酸をコードする追加のコード配列が挙げられる。したがって、抗体をコードする配列は、抗体またはTCR断片または部分を含む融合抗体またはTCRの精製を容易にするペプチドをコードする配列などの、マーカー配列に融合させることができる。
次に任意選択で、一次PCR産物は、抗体、BCRまたはTCR可変ドメインV、VカッパおよびVラムダまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδの5’および3’末端にハイブリダイズする新しいポリヌクレオチドセットによる二次PCR反応に供してもよい(適宜、新しいポリヌクレオチドセットが使用される一次PCR反応が、重鎖もしくは軽鎖抗体遺伝子またはVαもしくはVβのTCR遺伝子またはVγもしくはVδのTCR遺伝子の部分を増幅するように設計されていたか否かに応じて)。これらポリヌクレオチドは、以降のクローニングのための規定セットの制限酵素に特異的なDNA配列(つまり、制限酵素部位)を含むことが有利である。選択された制限酵素は、ヒト抗体、BCRまたはTCR V遺伝子セグメント内で切断が起こらないように選択しなければならない。そのようなポリヌクレオチドは、公知であり公的に入手可能な免疫グロブリンまたはTCR遺伝子配列および制限酵素データベース情報に基づいて設計することができる。しかし、含まれる好ましい制限酵素部位は、NcoI、HindIII、MluI、およびNotIである。そのような二次PCR反応の産物は、様々なV−重鎖、V−軽鎖カッパおよびV−軽鎖ラムダ抗体断片/ドメインのレパートリーである。したがって、目的の発現ライブラリー形式が、scFvまたはFv形式であり、抗体またはTCRのVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδドメインのみが存在する場合、一般的に、このタイプの二次PCR反応が実施される。
PCR産物はまた、バーコード化ポリヌクレオチドの5’および3’末端にハイブリダイズする新しいプライマーセットによるPCR反応に供してもよい。有利には、これらのポリヌクレオチドは、以降のクローニングのための規定セットの制限酵素に特異的なDNA配列(つまり、制限酵素部位)を含むことができる。選択された制限酵素は、ヒト抗体またはTCR V遺伝子セグメント内で切断が起こらないように選択しなければならない。そのようなポリヌクレオチドは、公知であり公的に入手可能な免疫グロブリン、BCRまたはTCR遺伝子配列および制限酵素データベース情報に基づいて設計することができる。しかし、含まれる好ましい制限酵素部位は、NcoI、HindIII、MluI、およびNotIである。そのような二次PCR反応の産物は、様々なV、Vカッパ、およびVラムダ抗体断片/ドメイン、またはVαおよびVβもしくはVγおよびVδ TCR断片/ドメインのレパートリーである。
重鎖もしくは軽鎖またはVαもしくはVβ鎖またはVγもしくはVδ鎖FvもしくはFab断片、または単鎖抗体、BCRもしくはTCRを、この系と共に使用することもできる。重鎖もしくは軽鎖またはVαもしくはVβ鎖またはVγもしくはVδ鎖を突然変異させた後、溶液に相補鎖を添加することができる。その後、2つの鎖を組み合わせ、機能性抗体断片を形成させることが可能である。ランダムで非特異的な軽鎖もしくは重鎖またはVαもしくはVβ鎖またはVγもしくはVδ鎖配列を添加することにより、多様なメンバーのライブラリーを生成するための、コンビナトリアル系の産生を可能にする。
本明細書で規定される免疫負荷宿主のBまたはTリンパ球に由来する抗体、BCRまたはTCR遺伝子の可変重鎖もしくはVα鎖もしくはVγ鎖領域またはその断片、および/あるいは可変軽鎖もしくはVβ鎖もしくはVδ鎖領域またはその断片を含む、クローニングされた断片のそのようなレパートリーのライブラリーは、本発明のさらなる態様を形成する。クローニングされた可変領域を含むこれらのライブラリーを、発現ベクターに任意選択で挿入して、発現ライブラリーを形成することができる。
一部の実施形態では、PCR反応は、単離された免疫細胞集団に含有されている様々な抗体、BCRまたはTCR鎖の定常領域の全部または一部を保持するように設定することができる。これは、発現ライブラリー形式がFab形式であり、重鎖またはアルファ鎖またはガンマ鎖成分が、VまたはVαまたはVγおよびCまたはCαまたはCγドメインを含み、軽鎖またはVβ鎖またはVδ鎖成分が、VまたはVβまたはVδ鎖およびCまたはCβまたはCδドメインを含む場合に望ましい。この場合も、抗体、BCRまたはTCR鎖の定常領域の全部または一部を含むそのようなクローニングされた断片のライブラリーは、本発明のさらなる態様を形成する。
こうした核酸は、本発明のポリヌクレオチドの他の配列を含むことができるため便利である。例えば、1つまたは複数のエンドヌクレアーゼ制限部位を含む多重クローニング部位を核酸に挿入して、ポリヌクレオチドの単離を支援することができる。また、翻訳可能な配列を挿入して、翻訳された本発明のポリヌクレオチドの単離を支援することができる。例えば、ヘキサヒスチジンマーカー配列は、本発明のタンパク質を精製するための便利な手段を提供する。任意選択で、コード配列を除く本発明の核酸は、本発明のポリヌクレオチドをクローニングおよび/または発現するためのベクター、アダプター、またはリンカーである。
追加の配列を、そのようなクローニングおよび/または発現配列に付加して、クローニングおよび/または発現時のそれらの機能を最適化し、ポリヌクレオチドの単離を支援し、またはポリヌクレオチドの細胞への導入を向上させることができる。クローニングベクター、発現ベクター、アダプター、およびリンカーの使用は、当技術分野で周知である。(例えば、Ausubel、上記;またはSambrook、上記を参照)。
本明細書で開示されているライブラリーは、様々な用途で使用することができる。本明細書で使用される場合、ライブラリーは、複数の分子を含む。一部の実施形態では、ライブラリーは、複数のポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、ライブラリーは、複数のプライマーを含む。一部の実施形態では、ライブラリーは、1つまたは複数のポリヌクレオチド、アンプリコン、またはアンプリコンセットに由来する複数の配列読み取りを含む。ライブラリーは、保管し、分析用の試料を生成するために複数回使用することができる。一部の用途としては、例えば、遺伝子多型を遺伝子型決定すること、RNAプロセシングを研究すること、および本明細書で提供されている方法により配列決定するための代表的クローンを選択することが挙げられる。配列決定または増幅のためのプライマーまたはライブラリー等の複数のポリヌクレオチドを含むライブラリーを生成することができ、複数のポリヌクレオチドは、少なくとも、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、50,000,000、100,000,000個、またはそれよりも多くの分子バーコードまたはベッセルバーコードを含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドのライブラリーは、複数の少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、50,000,000、100,000,000個、またはそれよりも多くの固有のポリヌクレオチドを含み、各固有のポリヌクレオチドは、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを含む。
バーコード
抗原分子バーコードなどの分子バーコードは、単一の分子、例えば親和性−オリゴヌクレオチド複合体もしくは四量体−オリゴヌクレオチド複合体の単一のオリゴヌクレオチド、または単一の細胞もしくは単一のベッセルに由来するポリヌクレオチド分子に固有の情報を含む。ベッセルバーコードは、異なる単一の細胞に由来するまたは異なる単一のベッセル中に存在するポリヌクレオチドと比較して、単一の細胞に由来するまたは単一のベッセル中に存在するポリヌクレオチドに固有の情報を含む。一部の実施形態では、固有の情報は、ヌクレオチドの固有の配列を含む。例えば、分子バーコードまたはベッセルバーコードの配列は、分子バーコードまたはベッセルバーコードを含むヌクレオチドの固有のまたはランダムな配列の同一性および順序を決定することによって決定することができる。一部の実施形態では、固有の情報を使用して、標的ポリヌクレオチドの配列を同定することはできない。例えば、分子バーコードは、1つの標的ポリヌクレオチドに付着されていてもよいが、分子バーコードを使用して、付着されている標的ポリヌクレオチドを決定することはできない。一部の実施形態では、固有の情報は、標的ポリヌクレオチドの配列の同定に連結されている公知の配列ではない。例えば、ベッセルバーコードは、1つまたは複数の標的ポリヌクレオチドに付着されていてもよいが、ベッセルバーコードを使用して、付着されている1つまたは複数の標的ポリヌクレオチドのいずれかを決定することはできない。一部の実施形態では、固有の情報は、ヌクレオチドのランダムな配列を含む。一部の実施形態では、固有の情報は、ポリヌクレオチド上のヌクレオチドの1つまたは複数の固有の配列を含む。一部の実施形態では、固有の情報は、ディジェネレートヌクレオチド配列またはディジェネレートバーコードを含む。ディジェネレートバーコードは、可変ヌクレオチド塩基組成または配列を含むことができる。例えば、ディジェネレートバーコードは、ランダム配列であってよい。一部の実施形態では、分子バーコードまたはベッセルバーコードの相補体配列も、分子バーコードまたはベッセルバーコード配列である。
バーコードは、任意の長さのヌクレオチドを含んでいてもよい。例えば、本明細書に記載のバーコードはいずれも、2から36個までのヌクレオチドの、4から36個までのヌクレオチドの、または6から30個までのヌクレオチドの、または8から20個までのヌクレオチドの、2から20個までのヌクレオチドの、4から20個までのヌクレオチドの、または6から20個までのヌクレオチドの範囲内の長さを有していてもよい。ある特定の態様では、セット内のバーコードの融解温度は、互いに10℃以内、互いに5℃以内、または互いに2℃以内である。ある特定の態様では、セット内のバーコードの融解温度は、互いに10℃以内、互いに5℃以内、または互いに2℃以内ではない。一部の態様では、バーコードは、クロスハイブリダイゼーションが最小限であるセットのメンバーである。例えば、そのようなセットの各メンバーのヌクレオチド配列は、メンバーがストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で任意の他のメンバーの相補体と安定二本鎖を形成することができないように、そのセットの全ての他のメンバーのヌクレオチド配列と十分に異なっていてもよい。一部の実施形態では、クロスハイブリダイゼーションが最小限であるセットの各メンバーのヌクレオチド配列は、少なくとも2つのヌクレオチドが全ての他の配列と異なる。バーコード技術は、Winzelerら(1999年)Science、285巻:901頁;Brenner(2000年)Genome Biol.、1巻:1頁 Kumarら(2001年)Nature Rev.、2巻:302頁;Giaeverら(2004年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA、101巻:793頁;Easonら(2004年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA、101巻:11046頁;およびBrenner(2004年)Genome Biol.、5巻:240頁に記載されている。
例えば、バーコードは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500、または1000個のヌクレオチドを含んでいてもよい。例えば、バーコードは、多くとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500、または1000個のヌクレオチドを含んでいてもよい。一部の実施形態では、バーコードは、特定の長さのヌクレオチドを有する。例えば、バーコードは、長さが、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500、または1000個のヌクレオチドであってもよい。
一部の実施形態では、複数のバーコード中の各バーコードは、少なくとも約2つのヌクレオチドを有する。例えば、複数のバーコード中の各バーコードは、長さが、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500、または1000個のヌクレオチドであってもよい。一部の実施形態では、複数のバーコード中の各バーコードは、多くとも約1000個のヌクレオチドを有する。例えば、複数のバーコード中の各バーコードは、長さが、多くとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500、または1000個のヌクレオチドであってもよい。
分子バーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数に対して過剰であってもよい。ベッセルバーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数に対して過剰であってもよい。例えば、分子バーコードまたはベッセルバーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数の、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍であってもよい。
異なる分子バーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数に対して過剰であってもよい。一部の実施形態では、異なる分子バーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数の、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍である。
単一ベッセル中の異なる分子バーコードの数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数に対して過剰であってもよい。一部の実施形態では、単一ベッセル中の異なる分子バーコードの数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数の、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍である。
異なるベッセルバーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数よりも少なくてもよい。一部の実施形態では、異なるベッセルバーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数の、多くとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100分の1である。
単一ベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子に由来する増幅産物分子の数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数に対して過剰であってもよい。一部の実施形態では、単一ベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子に由来する増幅産物分子の数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数の、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍である。
単一ベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子の数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数よりも少なくてもよい。一部の実施形態では、単一ベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子の数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数の、多くとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100分の1である。
単一ベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子の数は、1つの分子であってもよい。単一ベッセル中の増幅されていないベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子の数は、1つの分子であってもよい。
一部の実施形態では、異なる分子バーコードの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または100%は、同じ濃度を有する。一部の実施形態では、異なるベッセルバーコードの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または100%は、同じ濃度を有する。
一部の実施形態では、異なる分子バーコードの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または100%は、異なる濃度を有する。一部の実施形態では、異なるベッセルバーコードの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または100%は、異なる濃度を有する。
分子バーコードまたはベッセルバーコードの集団中の分子バーコードまたはベッセルバーコードは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000個、またはそれよりも多くの異なる配列を有していてもよい。例えば、集団中の分子バーコードまたはベッセルバーコードは、少なくとも2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000個、またはそれよりも多くの異なる配列を有していてもよい。したがって、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードを使用して、標的ポリヌクレオチド等の1つまたは複数のポリヌクレオチドから、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000個、またはそれよりも多くの異なる配列を生成することができる。例えば、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードを使用して、標的ポリヌクレオチド等の1つまたは複数のポリヌクレオチドから、少なくとも2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012個、またはそれよりも多くの異なる配列を生成することができる。例えば、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードを使用して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012個、またはそれよりも多くの標的ポリヌクレオチドから、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012個、またはそれよりも多くの異なる配列を生成することができる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分ける。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じ分子バーコードを含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、アンプリコンセットを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、増幅反応中の同じポリヌクレオチド分子に由来していた。
一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分ける。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、1つまたは複数のアンプリコンセットを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、単一ベッセルまたは単一細胞に由来するポリヌクレオチド分子に由来していた。
一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分ける。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じAID配列を含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、1つまたは複数のアンプリコンセットを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、単一ベッセルまたは単一細胞に由来するポリヌクレオチド分子に由来していた。
一部の実施形態では、1つまたは複数のAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分ける。一部の実施形態では、1つまたは複数のAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じAMB配列を含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、1つまたは複数のアンプリコンセットを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、単一ベッセルまたは単一細胞に由来するポリヌクレオチド分子に由来していた。
一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列およびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分ける。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列およびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じAID配列を含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列およびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じAID配列および異なるAMB配列を含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列およびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じAID配列および同じAMB配列を含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列およびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、1つまたは複数のアンプリコンセットを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列およびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、増幅反応中の同じポリヌクレオチドに由来し、単一細胞またはベッセルに由来していた。
一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードおよびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分ける。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードおよびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードおよびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じベッセルバーコードおよび異なるAMB配列を含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードおよびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じベッセルバーコードおよび同じAMB配列を含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードおよびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、1つまたは複数のアンプリコンセットを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードおよびAMB配列を使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、増幅反応中の同じポリヌクレオチドに由来し、単一細胞またはベッセルに由来していた。
一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列およびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分ける。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列およびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じAID配列を含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列およびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じAID配列および同じベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列およびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、1つまたは複数のアンプリコンセットを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のAID配列およびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、増幅反応中の同じポリヌクレオチドに由来し、単一細胞またはベッセルに由来していた。
一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分ける。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じ分子バーコードおよび同じベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、1つまたは複数のアンプリコンセットを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、増幅反応中の同じポリヌクレオチドに由来し、単一細胞またはベッセルに由来していた。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用せずに、配列をアラインする。
一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用せずに、配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用して、配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、標的特異的領域を使用して配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用せずに、配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、標的特異的領域を使用して配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、標的特異的領域を使用して配列をアラインする。
一部の実施形態では、アラインされた配列は、同じAIDを含有する。一部の実施形態では、アラインされた配列は、同じAMBを含有する。一部の実施形態では、アラインされた配列は、同じAIDおよびAMBを含有する。一部の実施形態では、アラインされた配列は、同じAIDおよびベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、アラインされた配列は、同じAMBおよびベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、アラインされた配列は、同じ分子バーコードを含有する。一部の実施形態では、アラインされた配列は、同じベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、アラインされた配列は、同じ分子バーコードおよびベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードを使用して、配列をアラインし、アラインされた配列は、アンプリコンセットに由来する2つまたはそれよりも多くの配列を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードを使用して、配列をアラインし、アラインされた配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、増幅反応中の同じポリヌクレオチド分子に由来していた。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードを使用して、配列をアラインし、アラインされた配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、単一細胞または単一ベッセルに由来していた。
液滴生成
複数の細胞の試料を小さな反応容積に分割し、複数の細胞の個々の細胞からの、または個々の細胞に由来するポリヌクレオチドの分子およびベッセルバーコード付与と併用することにより、バイオマーカー配列等の配列のレパートリーのハイスループット配列決定が可能になり得る。
複数の細胞の試料を小さな反応容積に分割し、複数の細胞の個々の細胞からの、または個々の細胞に由来するポリヌクレオチドの分子およびベッセルバーコード付与と併用することにより、生物のトランスクリプトームのパーセントを表す配列等の配列のレパートリーのハイスループット配列決定が可能になり得る。例えば、配列のレパートリーは、生物のトランスクリプトームの少なくとも約0.00001%、0.00005%、0.00010%、0.00050%、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、35%、40%、45、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%である複数の配列を含んでいてもよい。
免疫細胞の試料を小さな反応容積に分割し、複数の免疫細胞の個々の免疫細胞からの、または個々の細胞に由来するポリヌクレオチドの分子およびベッセルバーコード付与と併用することにより、重鎖および軽鎖配列のレパートリーのハイスループット配列決定が可能になり得る。また、こうした方法は、バーコード化配列に基づいて配列決定した後、重鎖および軽鎖の対合を可能にし得る。また、本明細書に記載のように試料を小さな反応容積に分割することは、試薬使用量を低減し、それにより分析の材料費の削減を可能にし得る。
一部の場合では、逆転写反応および/または増幅反応(例えば、PCR)は、液滴デジタルPCR等のように、液滴中で実施される。ある特定の態様では、本発明は、標的物質の全体または部分を含有する流体区画を提供する。一部の実施形態では、区画は、液滴である。明細書の全体にわたって「液滴」が参照されているが、この用語は、別様の指定がない限り、流体区画および流体分配と同義的に使用される。別様の指定がある場合を除き、便宜的に「液滴」を使用し、任意の流体分配または区画を使用することができる。本明細書で使用される液滴は、米国特許第7,622,280号に記載のもの等の、エマルジョン組成物(または、2つまたはそれよりも多くの不混和性流体の混合物)を含んでいてもよい。液滴は、WO2010/036352に記載のデバイスにより生成することができる。用語「エマルジョン」は、本明細書で使用される場合、不混和性液体(油および水等の)の混合物を指す場合がある。油相および/または油中水型エマルジョンは、水性液滴内での反応混合物の区画化を可能にする。エマルジョンは、連続油相内に水性液滴を含むことができる。本明細書で提供されるエマルジョンは、液滴が連続水相内の油液滴である水中油型エマルジョンであってもよい。本明細書で提供される液滴は、区画間の混合を防止し、各区画が、その内容物を、蒸発および他の区画の内容物との凝集から保護するように設計される。
本明細書に記載されている混合物またはエマルジョンは、安定であってもよく、または不安定であってもよい。エマルジョンは、比較的安定しており、凝集は最小限である。小液滴が組み合わさって次第により大きな液滴を形成する場合、凝集が生じたという。一部の場合では、液滴生成装置から生成された液滴の0.00001%、0.00005%、0.00010%、0.00050%、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%未満が、他の液滴と凝集する。また、エマルジョンは、フロキュレーションが限定的であってもよく、フロキュレーションとは、分散相が懸濁液からフレーク状に沈殿するプロセスである。
約0.001、0.01、0.05、0.1、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、100、120、130、140、150、160、180、200、300、400、もしくは500ミクロンの、または約0.001、0.01、0.05、0.1、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、100、120、130、140、150、160、180、200、300、400、もしくは500ミクロン未満の、または約0.001、0.01、0.05、0.1、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、100、120、130、140、150、160、180、200、300、400、もしくは500ミクロンよりも大きな、または少なくとも約0.001、0.01、0.05、0.1、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、100、120、130、140、150、160、180、200、300、400、もしくは500ミクロンの平均直径を有する液滴を生成することができる。液滴は、約0.001〜約500、約0.01〜約500、約0.1〜約500、約0.1〜約100、約0.01〜約100、または約1〜約100ミクロンの平均直径を有していてもよい。マイクロチャネルクロスフローフォーカシング(microchannel cross-flow focusing)または物理的な撹拌を使用して、単分散または多分散エマルジョンのいずれかが生成される、エマルジョン液滴を生成するためのマイクロ流体法が既知である。液滴は、単分散液滴であってもよい。液滴は、液滴のサイズが、液滴の平均サイズのプラスまたはマイナス5%を超えて変動しないように生成することができる。一部の場合では、液滴は、液滴のサイズが、液滴の平均サイズのプラスまたはマイナス2%を超えて変動しないように生成される。液滴生成装置は、単一試料から液滴の集団を生成することができ、液滴はいずれも、液滴の全集団の平均サイズのプラスまたはマイナス約0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、または10%を超えてサイズが変動しない。
より高い機械的安定性は、マイクロ流体の操作、およびより高剪断での流体処理(例えば、マイクロ流体毛細管での、または流体経路中のバルブ等の90度屈曲による)に有用であり得る。熱処理前または熱処理後の液滴またはカプセルは、標準的ピペット操作および遠心分離に対して機械的に安定であり得る。
液滴は、油相を水性試料に通して流動させることにより形成することができる。水相は、細胞、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、分子バーコード化ポリヌクレオチド、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチド、プライマー、鋳型核酸、ならびにDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、および/または逆転写酵素等の酵素を含む、増幅反応を実施するための緩衝溶液および試薬を含んでいてもよい。
水相は、ビーズ等の固体表面を用いてまたは用いずに増幅反応を実施するための緩衝溶液および試薬を含んでいてもよい。緩衝溶液は、約1、5、10、15、20、30、50、100、もしくは200mMの、約1、5、10、15、20、30、50、100、もしくは200mMよりも多くの、または約1、5、10、15、20、30、50、100、もしくは200mM未満のTrisを含んでいてもよい。一部の場合では、塩化カリウムの濃度は、約10、20、30、40、50、60、80、100、200mMであるか、約10、20、30、40、50、60、80、100、200mMよりも高いか、または約10、20、30、40、50、60、80、100、200mM未満であってもよい。緩衝溶液は、約15mM Trisおよび50mM KClを含んでいてもよい。ヌクレオチドは、濃度が、各々、約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700μmの、約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700μmよりも高い、または約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700μm未満のdATP、dCTP、dGTP、およびdTTPを含むデオキシリボヌクレオチド三リン酸分子を含んでいてもよい。一部の場合では、dUTPは、約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700、800、900、もしくは1000μmの、約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700、800、900、もしくは1000μmよりも高い、または約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700、800、900、もしくは1000μm未満の濃度になるように水相内に添加される。一部の場合では、塩化マグネシウムまたは酢酸マグネシウム(MgCl)は、約1.0、2.0、3.0、4.0、もしくは5.0mMの、約1.0、2.0、3.0、4.0、もしくは5.0mMよりも高い、または約1.0、2.0、3.0、4.0、もしくは5.0mM未満の濃度で水相に添加される。MgClの濃度は、約3.2mMであってもよい。一部の場合では、酢酸マグネシウムまたはマグネシウムが使用される。一部の場合では、硫酸マグネシウムが使用される。
BSAまたはウシ皮膚に由来するゼラチン等の非特異的ブロッキング剤を使用することができ、ゼラチンまたはBSAは、およそ0.1〜0.9%w/vの濃度範囲で存在する。他の考え得るブロッキング剤としては、ベータラクトグロブリン、カゼイン、粉乳、または他の一般的のブロッキング剤を挙げることができる。一部の場合では、BSAおよびゼラチンの好ましい濃度は、約0.1%w/vである。
水相内の増幅用プライマーは、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.7、もしくは2.0μmの、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.7、もしくは2.0μmよりも高い、または約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.7、もしくは2.0μm未満の濃度を有していてもよい。水相内のプライマー濃度は、約0.05〜約2、約0.1〜約1.0、約0.2〜約1.0、約0.3〜約1.0、約0.4〜約1.0、または約0.5〜約1.0μmであってもよい。プライマーの濃度は、約0.5μmであってもよい。PCRにおける標的核酸濃度の許容範囲は、限定されないが、約1pg〜約500ngの間が挙げられる。
また、一部の場合では、水相は、添加剤を含んでいてもよく、添加剤としては、これらに限定されないが、非特異的バックグラウンド/ブロッキング核酸(例えば、サケ精子DNA)、バイオプリザバティブ(biopreservative)(例えば、アジ化ナトリウム)、PCRエンハンサー(例えば、ベタイン、トレハロース等)、および阻害剤(例えば、RNAse阻害剤)が挙げられる。他の添加剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、ベタイン(一)水和物(N,N,N−トリメチルグリシン=[カルボキシ(caroxy)−メチル]トリメチルアンモニウム、トレハロース、7−デアザ−2’−デオキシグアノシン三リン酸(dC7GTPまたは7−デアザ−2’−dGTP)、BSA(ウシ血清アルブミン)、ホルムアミド(メタンアミド)、テトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)、他のテトラアルキルアンモニウム誘導体(例えば、テトラエチルアンモニウムクロリド(tetraethyammonium chloride)(TEA−Cl)およびテトラプロピルアンモニウムクロリド(TPrA−Cl))、非イオン性洗剤(例えば、Triton X−100、Tween 20、Nonidet P−40(NP−40))、またはPREXCEL−Qを挙げることができる。一部の場合では、水相は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種の異なる添加剤を含んでいてもよい。他の場合では、水相は、少なくとも0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種の異なる添加剤を含んでいてもよい。
一部の場合では、非イオン性エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーを、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、または1.0%の濃度で水相に添加してもよい。一般的なバイオサーファクタント(biosurfactant)としては、Pluronic F−68、Tetronics、およびZonyl FSN等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。Pluronic F−68は、約0.5%w/vの濃度で存在していてもよい。
一部の場合では、塩化マグネシウムの代わりに、硫酸マグネシウムを同様の濃度で用いることができる。種々の供給業者から市販されている広範な一般的PCR緩衝液を、緩衝溶液の代わりに用いることができる。
エマルジョンは、加熱することにより固体様界面フィルムを有するマイクロカプセルへと変換することができる液体様界面フィルムを有する高度に単分散性の液滴を生成するように調合することができる。そのようなマイクロカプセルは、PCR増幅等の反応プロセス中にわたって内容物を保持することが可能なバイオリアクターとして働くことができる。マイクロカプセル形態への変換は、加熱時に生じてもよい。例えば、そのような変換は、約50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、または95℃よりも高い温度で生じてもよい。一部の場合では、この加熱は、サーモサイクラーを使用して生じる。加熱プロセス中、流体または鉱油オーバーレイを使用して、蒸発を防止してもよい。過剰な連続相油は、加熱前に除去してもよく、または除去しなくてもよい。生体適合性カプセルは、幅広い熱的および機械的処理で凝集および/またはフロキュレーションに耐性であってもよい。変換後、カプセルは、約3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、もしくは40℃で、約3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、もしくは40℃よりも高い温度で、または約3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、もしくは40℃未満で保管することができる。こうしたカプセルは、巨大分子、特に、核酸またはタンパク質または両方一緒の混合物を含有する水性生物学的流体の安定デジタル化封入;薬物およびワクチン送達;生体分子ライブラリー;および臨床イメージング用途等の、生物医学的用途に有用であり得る。
マイクロカプセルは、1つまたは複数のポリヌクレオチドを含有していてもよく、特に高温で凝集に耐性であってもよい。したがって、PCR増幅反応は、非常に高い密度(例えば、1単位容積当たりの反応数)で生じてもよい。一部の場合では、1ml当たり100,000、500,000、1,000,000、1,500,000、2,000,000、2,500,000、5,000,000、または10,000,000よりも多くの別個の反応が生じてもよい。一部の場合では、反応は、単一のウェルにて、例えば、マイクロタイタープレートのウェルにて、反応容積間で相互混合を生じさせずに生じる。また、マイクロカプセルは、逆転写、プライマー伸長、および/またはPCR反応が生じることを可能にするために必要な他の成分、例えばプライマー、プローブ、dNTP、DNAまたはRNAポリメラーゼ等を含有していてもよい。こうしたカプセルは、幅広い熱的および機械的処理で凝集およびフロキュレーションに耐性を示す。
一部の場合では、増幅ステップは、マイクロ流体に基づくデジタルPCRまたは液滴デジタルPCR等のデジタルPCRを実施することにより行われる。
液滴は、マイクロ流体システムまたはデバイスを使用して生成することができる。本明細書で使用される場合、「マイクロ」という接頭辞(例えば、「マイクロチャネル」または「マイクロ流体」の)は、一般的に、約1mm未満の、一部の場合では、約100ミクロン(マイクロメートル)未満の幅または直径を有する要素または物品を指す。一部の場合では、要素または物品は、流体が流動し得るチャネルを含む。加えて、「マイクロ流体」は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つのマイクロスケールチャネルを含むデバイス、装置、またはシステムを指す。
マイクロ流体システムおよびデバイスは、様々な状況で、典型的には小型実験室(例えば、臨床)分析の状況で記載されている。他の使用も同様に記載されている。例えば、国際特許出願公開番号WO01/89788、WO2006/040551、WO2006/040554、WO2004/002627、WO2008/063227、WO2004/091763、WO2005/021151、WO2006/096571、WO2007/089541、WO2007/081385、およびWO2008/063227。
液滴は、一般的に、第2のキャリア流体内に、ある量の第1の試料流体を含む。当技術分野で既知の、液滴を形成するための任意の技法を、本発明の方法と共に使用することができる。例示の方法は、標的物質(例えば、免疫細胞)を含有する試料流体の流動を、流動中のキャリア流体の2つの対向流動と交差するように流動させることを含む。キャリア流体は、試料流体と不混和性である。試料流体を、流動中のキャリア流体の2つの対向流動と交差させることにより、標的物質を含有する個々の試料液滴内への試料流体の分配がもたらされる。
キャリア流体は、試料流体と不混和性である任意の流体であってもよい。例示のキャリア流体は、油である。ある特定の実施形態では、キャリア流体は界面活性剤を含む。
同じ方法を適用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、多重鎖置換増幅等の非PCR系増幅反応、または当業者に既知の他の方法等の増幅反応用の試薬等の他の試薬を含有する個々の液滴を創出することができる。PCRに基づく増幅反応の実施に好適な試薬は当業者に既知であり、これらに限定されないが、DNAポリメラーゼ、フォワードおよびリバースプライマー、デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)、ならびに1つまたは複数の緩衝液が挙げられる。
ある特定の実施形態では、流体区画は、標的物質(例えば、免疫細胞および/またはビーズ等の固体支持体)を含む第1の流体分配(例えば、液滴)および第2の流体(例えば、流体流動として、または液滴内)を提供することにより形成される。第1および第2の流体を合流させて、液滴を形成する。合流は、2つの流体に電場をかけることにより達成してもよい。ある特定の実施形態では、第2の流体は、ポリメラーゼ連鎖反応または増幅反応等の増幅反応を実施するための試薬を含有する。
ある特定の態様では、本発明は、固有にバーコード化された重鎖および軽鎖抗体配列ならびに/またはアルファおよびベータ鎖TCR配列ならびに/またはガンマおよびデルタ鎖TCR配列のライブラリーを作製するための方法であって、各構築物が固有のN量体および機能性N量体を含む複数の核酸構築物を得ることを含む方法を提供する。機能性N量体は、ランダムN量体、PCRプライマー、ユニバーサルプライマー、抗体、粘着末端、または任意の他の配列であってもよい。上記方法は、各々が固有の構築物の1つまたは複数のコピーを含有するN数の流体区画のM個のセットを作製することを含んでいてもよい。上記方法は、追加の構築物をセット内の各区画に添加し、これを各セットについて繰り返して、各々が固有な1対の構築物を含有するN×M個の区画を生成することにより、より高度な複雑さを有するバーコードライブラリーを創出することができる。これらの対をハイブリダイズまたはライゲーションして、新しい構築物を生成してもよい。バーコードライブラリー内の各構築物では、各固有N量体は、配列決定、プローブハイブリダイゼーション、他の方法、または方法の組合せにより識別するのに適していてもよい。
液滴ライブラリー
一般的に、液滴ライブラリーは、単一コレクション内に共にプールされているいくつかのライブラリー要素で構成される。ライブラリーは、複雑さが、単一のライブラリー要素から1×1015個またはそれよりも多くのライブラリー要素まで、様々であってもよい。各ライブラリー要素は、一定濃度の1つまたは複数の所与の成分である。要素は、これらに限定されないが、細胞、ビーズ、アミノ酸、タンパク質、ポリペプチド、核酸、ポリヌクレオチド、または小分子化合物であってもよい。要素は、分子バーコード、ベッセルバーコード、または両方等の識別子を含有していてもよい。
細胞ライブラリー要素としては、これらに限定されないが、ハイブリドーマ、B細胞、T細胞、初代細胞、培養細胞株、がん細胞、幹細胞、または任意の他の細胞タイプを挙げることができる。細胞ライブラリー要素は、1個から数万個までの数の細胞を個々の液滴に封入することにより調製される。封入細胞の数は、通常、細胞の数密度および液滴の容積からポアソン統計により求められる。しかしながら、一部の場合では、個数は、Eddら、Lab Chip、8巻(8号):1262〜1264頁、2008年に記載されているようにポアソン統計から逸脱する。細胞は性質が分散性であるため、ライブラリーを、全てが単一の開始培地に存在する、各々が1つの抗体またはTCRを産生する免疫細胞等の複数の細胞バリアントを有する集団に調製することが可能であり、その後、その培地を、多くとも1つの細胞を含有する個々の液滴カプセルに分ける。その後、個々の液滴カプセル内の細胞を溶解し、溶解細胞に由来する重鎖および軽鎖ポリヌクレオチドならびに/またはアルファおよびベータ鎖ポリヌクレオチドならびに/またはガンマおよびデルタ鎖ポリヌクレオチドを、分子バーコードおよびベッセルでバーコード化し、増幅し、その後組み合わせ、またはプールして、重鎖および軽鎖ならびに/またはアルファおよびベータ鎖ならびに/またはガンマおよびデルタ鎖ライブラリー要素で構成されるライブラリーを形成する。
ビーズに基づくライブラリー要素は、1つまたは複数のビーズを含有し、また、抗体、酵素、または他のタンパク質等の他の試薬を含んでいてもよい。全てのライブラリー要素が異なるタイプのビーズを含有するが、周囲媒体が同じである場合、ライブラリー要素は全て、単一の開始流体から調製されていてもよく、または様々な開始流体を有していてもよい。バリアントのコレクションから集団に調製する細胞のライブラリーの場合、ライブラリー要素は、様々な開始流体から調製されることになる。複数の細胞から開始する場合、1液滴当たり正確に1つの細胞を有しており、1つよりも多くの細胞を含有する液滴が極少数であることが望ましい。一部の場合では、1液滴当たり正確に1つの細胞を含有する液滴がより多くなり、空の液滴または1つよりも多くの細胞を含有する液滴が少数の例外になるように、ポアソン統計からの変動を実現して、液滴の積み込み強化を提供することができる。
一部の実施形態では、複数のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドから開始する場合、1液滴当たり正確に1つのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを有しており、1つよりも多くのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを含有する液滴が極少数であることが望ましい。一部の場合では、1液滴当たり正確に1つのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを有する液滴がより多くなり、空の液滴または1つよりも多くのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを含む液滴が少数の例外になるように、ポアソン統計からの変動を実現して、液滴の積み込み強化を提供することができる。
液滴ライブラリーの例は、ビーズ、細胞、小分子、DNA、プライマー、抗体、およびバーコード化ポリヌクレオチド等の様々な異なる内容物を有する液滴のコレクションである。液滴のサイズは、直径が、およそ0.5ミクロンから500ミクロンまでの範囲であり、これは、約1ピコリットル〜1ナノリットルに対応する。しかしながら、液滴は、5ミクロンと小さくてもよく、500ミクロンと大きくてもよい。好ましくは、液滴は、直径が、100ミクロン未満、約1ミクロン〜約100ミクロンである。最も好ましいサイズは、直径が、約20〜40ミクロン(10〜100ピコリットル)である。液滴ライブラリーの検討される好ましい特性としては、浸透圧バランス、均一なサイズ、およびサイズ範囲が挙げられる。
本発明により提供される液滴ライブラリー内に含まれる液滴は、サイズが、好ましくは均一である。すなわち、ライブラリー内の任意の液滴の直径は、同じライブラリー内の他の液滴の直径と比較して、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%未満しか変動しないだろう。ライブラリーの液滴のサイズが均一であることは、液滴の安定性および完全性を保つために重要である場合があり、また、後に、本明細書に記載されている種々の生物学的および化学的アッセイのために、ライブラリー内の液滴を使用するために不可欠である場合がある。
本発明は、不混和性流体内に複数の水性液滴を含み、各液滴が、好ましくはサイズが実質的に均一であり、異なるライブラリー要素を含む液滴ライブラリーを提供する。本発明は、液滴ライブラリーを形成するための方法であって、異なるライブラリー要素を含む単一の水性流体を準備すること、各ライブラリー要素を不混和性流体内の水性液滴内に封入することを含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、異なるタイプの要素(例えば、細胞またはビーズ)を、同じ培地に含有される単一供給源にプールする。初期プールを行った後、要素を液滴に封入して、液滴のライブラリーを生成し、異なるタイプのビーズまたは細胞を有する各液滴は、異なるライブラリー要素である。初期溶液を希釈することにより、封入プロセスが可能になる。一部の実施形態では、形成される液滴は、単一の要素を含有することになるか、または何も含有しないことになる、つまり空になるかのいずれかである。他の実施形態では、形成される液滴は、ライブラリー要素の複数コピーを含有することになる。封入されている要素は、一般的に、あるタイプのバリアントである。一例では、要素は、血液試料の免疫細胞であり、各免疫細胞は、免疫細胞内の抗体のヌクレオチド配列を増幅およびバーコード化するために封入される。
例えば、1つのタイプのエマルジョンライブラリーには、異なる粒子、つまり異なる培地内の細胞またはバーコード化ポリヌクレオチドを有し、プールする前に封入されているライブラリー要素が存在する。一例では、指定数のライブラリー要素、つまりn数の異なる細胞またはバーコード化ポリヌクレオチドが、異なる培地内に含有されている。ライブラリー要素の各々は、別々に乳化およびプールされ、その地点で、n数のプールされた異なるライブラリー要素の各々が組み合わされ、単一プールにプールされる。その結果として得られるプールは、各々が異なるタイプの粒子を含有する複数の油中水型エマルジョン液滴を含有する。
一部の実施形態では、形成される液滴は、単一のライブラリー要素を含有することになるか、または何も含有しないことになる、つまり空になるかのいずれかである。他の実施形態では、形成される液滴は、ライブラリー要素の複数コピーを含有することになる。ビーズの内容物は、ポアソン分布に従い、事象が既知の平均率で生じ、その直前の事象と時間的に独立している場合、ある一定期間にいくつかの事象が生じる確率を表す離散確率分布が存在する。ライブラリーを創出するために使用される油および界面活性剤は、ライブラリーの内容物が液滴間で交換されることを防止する。
プライマー
一般的に、1対または複数対のプライマーを増幅反応に使用することができる。プライマー対の1つのプライマーは、フォワードプライマーであってもよく、プライマー対の1つのプライマーは、リバースプライマーであってもよい。
一部の場合では、第1の対のプライマーを増幅反応に使用することができる。第1の対の1つのプライマーは、第1の標的ポリヌクレオチド分子の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第1の対の1つのプライマーは、リバースプライマーであってもよく、第1の標的ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的であってもよく、第1の標的遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。一部の実施形態では、第1の標的遺伝子座は、VまたはVαまたはVγ配列を含む。一部の実施形態では、第1の標的遺伝子座は、AID配列および/またはAMB配列を含む。
一部の場合では、第2の対のプライマーを増幅反応に使用することができる。第2の対の1つのプライマーは、第2の標的ポリヌクレオチド分子の第1の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第2の対の1つのプライマーは、第2の標的ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的なリバースプライマーであってもよく、第2の標的遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。一部の実施形態では、第2の標的遺伝子座は、VまたはVβまたはVδ配列を含む。
一部の場合では、第3の対のプライマーを増幅反応に使用することができる。第3の対の1つのプライマーは、第3の標的ポリヌクレオチド分子の第1の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第3の対の1つのプライマーは、第3の標的ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的なリバースプライマーであってもよく、第3の標的遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。一部の実施形態では、第3の標的遺伝子座は、分子バーコードまたはベッセルバーコード等のバーコードを含む。
フォワードプライマーおよびリバースプライマーの長さは、標的ポリヌクレオチドおよび標的遺伝子座の配列に依存していてもよい。例えば、フォワードプライマーおよびリバースプライマーの長さおよび/またはTは、最適化することができる。一部の場合では、プライマーは、長さが、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個の、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個よりも多くの、または約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個未満のヌクレオチドであってもよい。一部の場合では、プライマーは、長さが、約15〜約20、約15〜約25、約15〜約30、約15〜約40、約15〜約45、約15〜約50、約15〜約55、約15〜約60、約20〜約25、約20〜約30、約20〜約35、約20〜約40、約20〜約45、約20〜約50、約20〜約55、約20〜約60個のヌクレオチドである。
プライマーは、鋳型ポリヌクレオチドと結合する前は、一本鎖DNAであってもよい。一部の場合では、プライマーは、初期には二本鎖配列を含む。プライマーの適切な長さは、プライマーの使用目的に依存していてもよいが、約6から約50個までのヌクレオチド、または約15から約35個までのヌクレオチドの範囲であってもよい。短いプライマー分子の場合、一般的には、鋳型との十分に安定したハイブリッド複合体を形成するためには、より低い温度が必要とされる場合ある。一部の実施形態では、プライマーは、鋳型核酸の正確な配列を反映する必要はなく、鋳型とのハイブリダイズに十分な程度に相補的であればよい。一部の場合では、プライマーは、鋳型ポリヌクレオチドと結合する前は、部分的に二本鎖であってもよい。二本鎖配列を有するプライマーは、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個の、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個よりも多くの、または約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個未満の塩基のヘアピンループを有していてもよい。プライマーの二本鎖部分は、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個の、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個よりも多くの、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個未満の、または少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個の塩基対であってもよい。所与の標的配列を増幅するための好適なプライマーの設計は、当技術分野で周知である。
プライマーには、プライマーの検出または固定化を可能にするが、プライマーの基本的な特性(例えば、DNA合成開始地点として作用すること)を変更しない追加の特徴を組み込むことができる。例えば、プライマーは、標的核酸にハイブリダイズしないが、クローニングまたはさらなる増幅または増幅産物の配列決定を容易にする追加の核酸配列を5’末端に含有していてもよい。例えば、追加の配列は、ユニバーサルプライマー結合部位等のプライマー結合部位を含んでいてもよい。鋳型とハイブリダイズするのに十分な相補性を有するプライマーの領域は、本明細書では、ハイブリダイズ領域と呼ばれる場合がある。
別の場合では、本明細書に記載されている方法および組成物に利用されるプライマーは、1つまたは複数のユニバーサルヌクレオシドを含んでいてもよい。ユニバーサルヌクレオシドの非限定的な例は、米国特許出願公開第2009/0325169号および第2010/0167353号に記載されている5−ニトロインドールおよびイノシンである。
プライマーは、二次構造および自己ハイブリダイゼーションを回避するための既知のパラメータに従って設計することができる。異なるプライマー対は、ほぼ同じ温度で、例えば、別のプライマー対の1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃以内でアニーリングおよび融解してもよい。一部の場合では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、500、1000、5000、10,000個、またはそれよりも多くのプライマーが、初期に使用される。そのようなプライマーは、本明細書に記載の標的ポリヌクレオチドとハイブリダイズすることができる。
プライマーは、これらに限定されないが、適切な配列のクローニング、および当技術分野で周知の方法を使用した直接的化学合成を含む様々な方法により調製することができる(Narangら、Methods Enzymol.、68巻:90頁(1979年);Brownら、Methods Enzymol.、68巻:109頁(1979年))。また、プライマーは、商業的供給源から得ることができる。プライマーは、同一の融解温度を有していてもよい。プライマーは、非同一の融解温度を有していてもよい。プライマーの長さを、5’末端または3’末端で伸長または短縮して、所望の融解温度を有するプライマーを生成することができる。プライマー対のプライマーの一方は、他方のプライマーよりも長くてもよい。プライマー対内の、プライマーの3’アニーリング長は、異なっていてもよい。また、各プライマー対のアニーリング位置は、プライマー対の配列および長さが、所望の融解温度をもたらすように設計することができる。25塩基対よりも短いプライマーの融解温度を決定するための式は、ウォーレスのルール(T=2(A+T)+4(G+C))である。また、コンピュータプログラムを使用して、プライマーを設計してもよい。各プライマーのT(融解温度またはアニーリング温度)は、ソフトウェアプログラムを使用して算出することができる。プライマーのアニーリング温度は、これらに限定されないが、1、2、3、4、5サイクル目、6〜10サイクル目、10〜15サイクル目、15〜20サイクル目、20〜25サイクル目、25〜30サイクル目、30〜35サイクル目、または35〜40サイクル目を含む、任意の増幅サイクル後に再計算し、増加させてもよい。最初の増幅サイクル後、プライマーの5’側半分を、各目的遺伝子座に由来する産物に組み込んでもよく、したがって、Tは、各プライマーの5’側半分および3’側半分の両配列に基づいて再計算してもよい。
プライマー部位は、プライマーがハイブリダイズする鋳型の領域を含む。一部の実施形態では、プライマーは、鋳型指向核酸合成の開始点として作用することが可能である。例えば、プライマーは、4つの異なるヌクレオチド、およびDNAもしくはRNAポリメラーゼまたは逆転写酵素等の重合剤または酵素が存在する場合、鋳型指向核酸合成を開始させることができる。プライマー対は2つのプライマー:鋳型配列の5’末端とハイブリダイズする5’上流領域を有する第1のプライマー、および鋳型配列の3’末端の相補体とハイブリダイズする3’下流領域を有する第2のプライマーを含む。プライマーセットは、2つまたはそれよりも多くのプライマー:鋳型配列または複数の鋳型配列の5’末端とハイブリダイズする5’上流領域を有する第1のプライマーまたは第1の複数のプライマー、および鋳型配列または複数の鋳型配列の3’末端の相補体とハイブリダイズする3’下流領域を有する第2のプライマーまたは第2の複数のプライマーを含む。一部の実施形態では、プライマーは、標的特異的配列を含む。一部の実施形態では、プライマーは、試料バーコード配列を含む。一部の実施形態では、プライマーは、ユニバーサルプライミング配列を含む。一部の実施形態では、プライマーは、PCRプライミング配列を含む。一部の実施形態では、プライマーは、ポリヌクレオチドの増幅を開始させるために使用されるPCRプライミング配列を含む。(Dieffenbach, PCR Primer: A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Press、New York(2003年))。ユニバーサルプライマー結合部位または配列は、ポリヌクレオチドおよび/またはアンプリコンへのユニバーサルプライマーの付着を可能にする。ユニバーサルプライマーは当技術分野で周知であり、これらに限定されないが、−47F(M13F)、アルファMF、AOX3’、AOX5’、BGHr、CMV−30、CMV−50、CVMf、LACrmt、ラムダgt10F、ラムダgt10R、ラムダgt11F、ラムダgt11R、M13リバース、M13フォワード(−20)、M13リバース、メール(male)、p10SEQPpQE、pA−120、pet4、pGAPフォワード、pGLRVpr3、pGLpr2R、pKLAC14、pQEFS、pQERS、pucU1、pucU2、リバースA、seqIREStam、seqIRESzpet、seqori、seqPCR、seqpIRES−、seqpIRES+、seqpSecTag、seqpSecTag+、seqretro+PSI、SP6、T3−prom、T7−prom、およびT7−termInvが挙げられる。本明細書で使用される場合、付着は、共有結合による相互作用および非共有結合による相互作用の両方またはいずれかを指すことができる。ユニバーサルプライマー結合部位へのユニバーサルプライマーの付着を、ポリヌクレオチドおよび/またはアンプリコンの増幅、検出、および/または配列決定に使用してもよい。ユニバーサルプライマー結合部位は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含んでいてもよい。別の例では、ユニバーサルプライマー結合部位は、少なくとも約1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、または10000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。一部の実施形態では、ユニバーサルプライマー結合部位は、1〜10、10〜20、10〜30、または10〜100個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。一部の実施形態では、ユニバーサルプライマー結合部位は、約1〜90、1〜80、1〜70、1〜60、1〜50、1〜40、1〜30、1〜20、1〜10、2〜90、2〜80、2〜70、2〜60、2〜50、2〜40、2〜30、2〜20、2〜10、1〜900、1〜800、1〜700、1〜600、1〜500、1〜400、1〜300、1〜200、1〜100、2〜900、2〜800、2〜700、2〜600、2〜500、2〜400、2〜300、2〜200、2〜100、5〜90、5〜80、5〜70、5〜60、5〜50、5〜40、5〜30、5〜20、5〜10、10〜90、10〜80、10〜70、10〜60、10〜50、10〜40、10〜30、10〜20、10〜10、5〜900、5〜800、5〜700、5〜600、5〜500、5〜400、5〜300、5〜200、5〜100、10〜900、10〜800、10〜700、10〜600、10〜500、10〜400、10〜300、10〜200、10〜100、25〜900、25〜800、25〜700、25〜600、25〜500、25〜400、25〜300、25〜200、25〜100、100〜1000、100〜900、100〜800、100〜700、100〜600、100〜500、100〜400、100〜300、100〜200、200〜1000、200〜900、200〜800、200〜700、200〜600、200〜500、200〜400、200〜300、300〜1000、300〜900、300〜800、300〜700、300〜600、300〜500、300〜400、400〜1000、400〜900、400〜800、400〜700、400〜600、400〜500、500〜1000、500〜900、500〜800、500〜700、500〜600、600〜1000、600〜900、600〜800、600〜700、700〜1000、700〜900、700〜800、800〜1000、800〜900、または900〜1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。
プライマーは、プライマー伸長産物の合成におけるその使用と適合する長さを有していてもよい。プライマーは、長さが8〜200個のヌクレオチドであるポリヌクレオチドであってもよい。プライマーの長さは、鋳型ポリヌクレオチドおよび鋳型遺伝子座の配列に依存していてもよい。例えば、プライマーまたはプライマーセットの長さおよび/または融解温度(T)は最適化することができる。一部の場合では、プライマーは、長さが、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個の、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個よりも多くの、または約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個未満のヌクレオチドであってもよい。一部の実施形態では、プライマーは、長さが約8〜100個のヌクレオチド、例えば、長さが10〜75、15〜60、15〜40、18〜30、20〜40、21〜50、22〜45、25〜40、7〜9、12〜15、15〜20、15〜25、15〜30、15〜45、15〜50、15〜55、15〜60、20〜25、20〜30、20〜35、20〜45、20〜50、20〜55、または20〜60個の、およびそれら間の任意の長さのヌクレオチドである。一部の実施形態では、プライマーは、長さが、多くとも約10、12、15、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100個のヌクレオチドである。
一般的に、1対または複数対のプライマーを指数関数的増幅反応に使用することができる。プライマー対の1つのプライマーは、フォワードプライマーであってもよく、プライマー対の1つのプライマーは、リバースプライマーであってもよい。一部の実施形態では、第1の対のプライマーを指数関数的増幅反応に使用することができる。第1の対の1つのプライマーは、第1の鋳型ポリヌクレオチド分子の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第1の対の1つのプライマーは、第1の鋳型ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的なリバースプライマーであってもよく、第1の鋳型遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。一部の実施形態では、第2の対のプライマーを増幅反応に使用することができる。第2の対の1つのプライマーは、第2の標的ポリヌクレオチド分子の第1の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第2の対の1つのプライマーは、第2の標的ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的なリバースプライマーであってもよく、第2の標的遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。一部の実施形態では、第2の標的遺伝子座は、可変軽鎖抗体配列を含む。一部の実施形態では、第3の対のプライマーを増幅反応に使用することができる。第3の対の1つのプライマーは、第3の鋳型ポリヌクレオチド分子の第1の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第3の対の1つのプライマーは、第3の鋳型ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的なリバースプライマーであってもよく、第3の鋳型遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。
1つまたは複数のプライマーは、複数の鋳型ポリヌクレオチドの少なくとも部分にアニーリングすることができる。1つまたは複数のプライマーは、複数の鋳型ポリヌクレオチドの3’末端および/または5’末端にアニーリングすることができる。1つまたは複数のプライマーは、複数の鋳型ポリヌクレオチドの内部領域にアニーリングすることができる。内部領域は、複数の鋳型ポリヌクレオチドの3’末端または5’末端から、少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、100、150、200、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、または1000個のヌクレオチドであってもよい。1つまたは複数のプライマーは、一定のパネルのプライマーを含んでいてもよい。1つまたは複数のプライマーは、少なくとも1つまたは複数の特注プライマーを含んでいてもよい。1つまたは複数のプライマーは、少なくとも1つまたは複数の対照プライマーを含んでいてもよい。1つまたは複数のプライマーは、少なくとも1つまたは複数のハウスキーピング遺伝子プライマーを含んでいてもよい。1つまたは複数のプライマーは、ユニバーサルプライマーを含んでいてもよい。ユニバーサルプライマーは、ユニバーサルプライマー結合部位にアニーリングすることができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の特注プライマーは、SBC、標的特異的領域、それらの相補体、またはそれらの任意の組合せにアニーリングする。1つまたは複数のプライマーは、ユニバーサルプライマーを含んでいてもよい。1つまたは複数のプライマーは、プライマー伸長、逆転写、線形伸長、非指数関数的増幅、指数関数的増幅、PCR、または1つもしくは複数の標的もしくは鋳型ポリヌクレオチドの任意の他の増幅法を増幅または実施するように設計することができる。
標的特異的領域は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、100、150、200、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、または1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含んでいてもよい。別の例では、標的特異的領域は、少なくとも約1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、または10000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。一部の実施形態では、標的特異的領域は、約5〜10、10〜15、10〜20、10〜30、15〜30、10〜75、15〜60、15〜40、18〜30、20〜40、21〜50、22〜45、25〜40、7〜9、12〜15、15〜20、15〜25、15〜30、15〜45、15〜50、15〜55、15〜60、20〜25、20〜30、20〜35、20〜45、20〜50、20〜55、20〜60、2〜900、2〜800、2〜700、2〜600、2〜500、2〜400、2〜300、2〜200、2〜100、25〜900、25〜800、25〜700、25〜600、25〜500、25〜400、25〜300、25〜200、25〜100、100〜1000、100〜900、100〜800、100〜700、100〜600、100〜500、100〜400、100〜300、100〜200、200〜1000、200〜900、200〜800、200〜700、200〜600、200〜500、200〜400、200〜300、300〜1000、300〜900、300〜800、300〜700、300〜600、300〜500、300〜400、400〜1000、400〜900、400〜800、400〜700、400〜600、400〜500、500〜1000、500〜900、500〜800、500〜700、500〜600、600〜1000、600〜900、600〜800、600〜700、700〜1000、700〜900、700〜800、800〜1000、800〜900、または900〜1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。
プライマーは、二次構造および自己ハイブリダイゼーションを回避するための既知のパラメータに従って設計することができる。一部の実施形態では、異なるプライマー対は、ほぼ同じ温度で、例えば、別のプライマー対の1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃以内でアニーリングおよび融解してもよい。一部の実施形態では、複数のプライマーの1つまたは複数のプライマーは、ほぼ同じ温度で、例えば、複数のプライマー中の別のプライマー対の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10℃以内でアニーリングおよび融解してもよい。一部の実施形態では、複数中の1つまたは複数のプライマーは、複数のプライマー中の別のプライマーとは異なる温度でアニーリングおよび融解してもよい。
本明細書に記載されている方法の1つまたは複数のステッブのための複数のプライマーは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、50,000,000、100,000,000個の、多くとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、50,000,000、100,000,000個の、または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、50,000,000、100,000,000個の異なるプライマーを含む複数のプライマーを含んでいてもよい。例えば、複数のプライマーの各プライマーは、異なる標的または鋳型特異的領域または配列を含んでいてもよい。
逆転写
一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、逆転写によりRNAから調製される。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、ポリメラーゼ等を使用して、プライマー伸長によりDNAから調製される。
本明細書に記載されている方法は、逆転写−PCR併用法(coupled reverse transcription-PCR)(逆転写−PCR)で使用することができる。例えば、逆転写およびPCRは、2つの個別ステップで実施してもよい。最初に、ポリヌクレオチドdTプライマー、配列特異的プライマー、ユニバーサルプライマー、または本明細書に記載の任意のプライマーのいずれかを使用して、試料mRNAのcDNAコピーを合成してもよい。
逆転写およびPCRは、単一の閉鎖ベッセル反応で実施してもよい。例えば、1つは逆転写用、2つはPCR用の3つのプライマーを用いてもよい。逆転写用のプライマーは、PCRアンプリコンの位置に対して3’側でmRNAと結合してもよい。必須ではないが、逆転写プライマーは、RNA残基、またはmRNAにハイブリダイズしてもRNaseHの基質を形成することがない2’−OメチルRNA塩基等の修飾類似体を含んでいてもよい。
逆転写反応を実施する温度は、使用されている逆転写酵素に依存する。一部の場合では、熱安定性逆転写酵素が使用され、逆転写反応は、約37℃〜約75℃で、約37℃〜約50℃で、約37℃〜約55℃で、約37℃〜約60℃で、約55℃〜約75℃で、約55℃〜約60℃で、または約37℃〜約60℃で実施される。一部の場合では、3つまたはそれよりも多くの非鋳型末端ヌクレオチドを転写産物の末端に移動させる逆転写酵素が使用される。
本明細書に記載の逆転写反応およびPCR反応は、チューブ、マイクロタイタープレート、マイクロ流体デバイス、または好ましくは液滴内等の、当技術分野で公知の種々の形式で実施することができる。
逆転写反応は、5μLから100μLまでの範囲の容積で、または10μL〜20μLの反応容積で実施することができる。液滴の場合、反応容積は、1pLから100nLまで、または10pL〜1nLの範囲であってもよい。一部の場合では、逆転写反応は、約1nLまたはそれ未満の容積を有する液滴中で実施される。一部の場合では、PCR反応は、1pLから100nLまで、好ましくは10pL〜1nLの反応容積範囲を有する液滴中である。一部の場合では、PCR反応は、約1nLまたはそれ未満の容積を有する液滴中で実施される。一部の場合では、逆転写反応およびPCR反応は、1pLから100nLまでの、または10pL〜1nLの反応容積範囲を有する同じ液滴内で実施される。一部の場合では、逆転写反応およびPCR反応は、約1nLもしくはそれ未満の容積、または約1pLもしくはそれ未満の容積を有する液滴内で実施される。一部の場合では、逆転写反応およびPCR反応は、異なる液滴内で実施される。一部の場合では、逆転写反応およびPCR反応は、各々が、1pLから100nLまでの、または10pL〜1nLの反応容積範囲を有する複数の液滴内で実施される。一部の場合では、逆転写反応およびPCR反応は、各々が約1nLまたはそれ未満の容積を有する複数の液滴内で実施される。
一部の場合では、第1のPCR反応は、1pLから100nLまでの、好ましくは10pL〜1nLの範囲の反応容積を有する第1に液滴内であり、第2のPCR反応は、1pLから100nLまでの、好ましくは10pL〜1nLの範囲の反応容積を有する第2の液滴内である。一部の場合では、第1のPCR反応は、約1nLまたはそれ未満の容積を有する第1の液滴内であり、第2のPCR反応は、約1nLまたはそれ未満の容積を有する第2の液滴内である。
一部の場合では、第1のPCR反応および第2のPCR反応は、各々が、1pLから100nLまでの、または10pLから1nLの反応容積範囲を有する複数の液滴内で実施される。一部の場合では、第1のPCR反応および第2のPCR反応は、各々が約1nLまたはそれ未満の容積を有する複数の液滴内で実施される。
RNA等の標的ポリヌクレオチドを、1つまたは複数の逆転写プライマーを使用してcDNAへと逆転写してもよい。1つまたは複数の逆転写プライマーは、定常領域等の、RNAの領域に相補的な領域(例えば、mRNAの重鎖もしくは軽鎖定常領域またはポリAテール)を含んでいてもよい。一部の実施形態では、逆転写プライマーは、第1のRNAの定常領域に相補的な領域を有する第1の逆転写プライマー、および第2のRNAの定常領域に相補的な領域を有する第2の逆転写プライマーを含んでいてもよい。一部の実施形態では、逆転写プライマーは、それぞれ、第1のRNAの定常領域に相補的な領域を有する第1の逆転写プライマー、および1つまたは複数のRNAの定常領域に相補的な領域を有する1つまたは複数の逆転写プライマーを含んでいてもよい。
一部の実施形態では、逆転写プライマーは、バーコードを含まない。
逆転写プライマーは、RNAの領域に相補的でない領域をさらに含んでいてもよい。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、RNAに相補的なプライマーの領域に対して5’側である。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、RNAに相補的なプライマーの領域に対して3’側である。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、5’突出領域である。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、増幅および/または配列決定反応用のプライミング部位を含む。本明細書に記載の1つまたは複数のプライマーを使用し、当技術分野で公知の好適な試薬を使用して、RNA分子を逆転写する。
RNA分子の逆転写反応を実施した後、得られたcDNA分子を、分子バーコードおよびベッセルバーコードでバーコード化し、第1および/または第2のPCR反応等の、1つまたは複数のPCR反応により増幅してもよい。第1および/または第2のPCR反応には、1対のプライマーまたは複数のプライマー対を利用してもよい。第1および/または第2のPCR反応には、複数のフォワード/リバースプライマーおよびリバースプライマーを利用してもよい。第1および/または第2のPCR反応には、複数のフォワード/リバースプライマーおよびフォワードプライマーを利用してもよい。複数のフォワード/リバースプライマーの第1および/または第2のプライマーは、cDNA分子またはバーコード化cDNA分子に相補的な領域を含有するフォワード/リバースプライマーであってもよい。複数のフォワード/リバースプライマーの第1および/または第2のプライマーは、バーコード化cDNA分子に相補的な領域を含有するフォワード/リバースプライマーであってもよい。
一部の実施形態では、複数のフォワード/リバースプライマーは、1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーを含み、複数のフォワード/リバースプライマーのフォワード/リバースプライマーの各々は、cDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの1つまたは複数の上流または下流領域に相補的な領域を含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの上流または下流領域に相補的な領域を含むフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの1つまたは複数の他の上流または下流領域に相補的な領域を含む1つまたは複数の他のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、cDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの第3の上流または下流領域に相補的な領域を含む第3のフォワード/リバースプライマー等を含む。複数のフォワード/リバースプライマー中のプライマーを使用して、試料中の免疫B細胞またはT細胞等の細胞により発現されるあらゆるVセグメントのあらゆる考え得る上流または下流領域にアニーリングすることができる。
一部の実施形態では、複数のフォワード/リバースプライマーは、1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーを含み、複数のフォワード/リバースプライマー中のフォワード/リバースプライマーの各々は、cDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの1つまたは複数の上流または下流領域に相補的な領域を含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの上流または下流領域に相補的な領域を含むフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの1つまたは複数の他の上流または下流領域に相補的な領域を含む1つまたは複数の他のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、cDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの第3の上流または下流領域に相補的な領域を含む第3のフォワード/リバースプライマー等を含む。複数のフォワード/リバースプライマー中のプライマーを使用して、試料中の免疫B細胞またはT細胞等の細胞により発現されるあらゆるCセグメントのあらゆる考え得る上流または下流領域にアニーリングすることができる。
一部の実施形態では、複数のフォワード/リバースプライマーは、1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーを含み、複数のフォワード/リバースプライマー中のフォワード/リバースプライマーの各々は、バーコード化cDNAの分子バーコードの1つまたは複数の上流または下流領域に相補的な領域を含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAの分子バーコードの上流または下流領域に相補的な領域を含むフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAの分子バーコードの1つまたは複数の他の上流または下流領域に相補的な領域を含む1つまたは複数の他のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAの分子バーコードの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAの分子バーコードの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAの分子バーコードの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、バーコード化cDNAの分子バーコードの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAの分子バーコードの第3の上流または下流領域に相補的な領域を含む第3のフォワード/リバースプライマー等を含む。複数のフォワード/リバースプライマーを使用して、試料中の免疫B細胞またはT細胞等の細胞により発現されるあらゆる分子バーコードのあらゆる考え得る上流または下流領域にアニーリングすることができる。
一部の実施形態では、複数のフォワード/リバースプライマーは、1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーを含み、複数のフォワード/リバースプライマー中のフォワード/リバースプライマーの各々は、バーコード化cDNAのベッセルバーコードの1つまたは複数の上流または下流領域に相補的な領域を含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAのベッセルバーコードの上流または下流領域に相補的な領域を含むフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAのベッセルバーコードの1つまたは複数の他の上流または下流領域に相補的な領域を含む1つまたは複数の他のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAのベッセルバーコードの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAのベッセルバーコードの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAのベッセルバーコードの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、バーコード化cDNAのベッセルバーコードの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAのベッセルバーコードの第3の上流または下流領域に相補的な領域を含む第3のフォワード/リバースプライマー等を含む。複数のフォワード/リバースプライマー中のプライマーを使用して、試料中の免疫B細胞またはT細胞等の細胞により発現されるあらゆるベッセルバーコードのあらゆる考え得る上流または下流領域にアニーリングすることができる。
複数のフォワード/リバースプライマー中のフォワード/リバースプライマーは、RNAの領域に相補的でない領域をさらに含む。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、RNAに相補的なフォワード/リバースプライマーの領域に対して5’側である(つまり、Vセグメントの上流または下流領域)。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、RNAに相補的なフォワード/リバースプライマーの領域に対して3’側である。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、5’突出領域である。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、増幅および/または第2の配列決定反応用のプライミング部位を含む。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、増幅および/または第3の配列決定反応用のプライミング部位を含む。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、第2および第3の配列決定反応用のプライミング部位を含む。一部の実施形態では、第2および第3の配列決定反応用のプライミング部位の配列は、同じである。本明細書に記載の1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーおよびリバースプライマーを使用し、当技術分野で公知の好適な試薬を使用して、cDNA分子を増幅する。一部の実施形態では、領域は、mRNAの定常領域またはポリAテール等のRNAの領域に相補的である。
一部の実施形態では、複数のフォワード/リバースプライマーは、1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーを含み、複数のフォワード/リバースプライマー中のフォワード/リバースプライマーの各々は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのバーコード化オリゴヌクレオチドのベッセルバーコードの1つもしくは複数の上流または下流領域に相補的な領域を含む。一部の実施形態では、複数のフォワード/リバースプライマーは、1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーを含み、複数のフォワード/リバースプライマー中のフォワード/リバースプライマーの各々は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのバーコード化オリゴヌクレオチドのAIDの1つもしくは複数の上流または下流領域に相補的な領域を含む。一部の実施形態では、複数のフォワード/リバースプライマーは、1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーを含み、複数のフォワード/リバースプライマー中のフォワード/リバースプライマーの各々は、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのバーコード化オリゴヌクレオチドのAMBの1つもしくは複数の上流または下流領域に相補的な領域を含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのバーコード化オリゴヌクレオチドのベッセルバーコード、AID、および/もしくはAMBの上流または下流領域に相補的な領域を含むフォワード/リバースプライマー、ならびに、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのバーコード化オリゴヌクレオチドのベッセルバーコード、AID、および/もしくはAMBの1つもしくは複数の他の上流または下流領域に相補的な領域を含む1つまたは複数の他のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのバーコード化オリゴヌクレオチドのベッセルバーコード、AID、および/もしくはAMBの第1および/もしくは第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む、第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、ならびに、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのバーコード化オリゴヌクレオチドのベッセルバーコード、AID、および/もしくはAMBの第2の上流もしくは下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのバーコード化オリゴヌクレオチドのベッセルバーコード、AID、および/もしくはAMBの第1および/もしくは第2の上流もしくは下流領域に相補的な領域を含む、第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのバーコード化オリゴヌクレオチドのベッセルバーコード、AID、および/もしくはAMBの第2の上流もしくは下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマー、ならびに、親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのバーコード化オリゴヌクレオチドのベッセルバーコード、AID、および/もしくはAMBの第3の上流もしくは下流領域に相補的な領域を含む第3のフォワード/リバースプライマーなどを含む。
増幅
ベッセルバーコードを標的ポリヌクレオチドに付加した後、標的ポリヌクレオチドを増幅することができる。例えば、ベッセルバーコードを親和性−オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドに付加した後、オリゴヌクレオチドを増幅することができる。例えば、ベッセルバーコードを細胞ポリヌクレオチドに付加した後、ベッセルバーコード化細胞ポリヌクレオチドを増幅することができる。
増幅反応は、1つまたは複数の添加剤を含んでいてもよい。一部の場合では、1つまたは複数の添加剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、ベタイン(一)水和物(N,N,N−トリメチルグリシン=カルボキシ−メチル]トリメチルアンモニウム、トレハロース、7−デアザ−2’−デオキシグアノシン三リン酸(dC7GTPまたは7−デアザ−2’−dGTP)、BSA(ウシ血清アルブミン)、ホルムアミド(メタンアミド)、テトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)、他のテトラアルキルアンモニウム誘導体(例えば、テトラエチルアンモニウムクロリド(TEA−Cl)およびテトラプロピルアンモニウムクロリド(TPrA−Cl))、非イオン性洗剤(例えば、Triton X−100、Tween 20、Nonidet P−40(NP−40))、またはPREXCEL−Qである。一部の場合では、増幅反応は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種の異なる添加剤を含む。他の場合では、増幅反応は、少なくとも0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種の異なる添加剤を含む。
反応容積(例えば、液滴)に含有されている試料に対して、熱サイクル反応を実施することができる。液滴は、多分散であってもよく、または好ましくは単分散であってもよく、当業者であれば、撹拌、超音波処理、またはマイクロ流体的にT型チャネル接合部を通過させること、または他の手段により生成することができる。密度は、20,000液滴/40ul(1nL液滴)、200,000液滴/40ul(100pL液滴)を超えていてもよい。液滴は、熱サイクル中、完全性を保つことができる。液滴は、約10,000液滴/μL、100,000液滴/μL、200,000液滴/μL、300,000液滴/μL、400,000液滴/μL、500,000液滴/μL、600,000液滴/μL、700,000液滴/μL、800,000液滴/μL、900,000液滴/μL、または1,000,000液滴/μLを超える密度で、熱サイクル中に完全性を保つことができる。他の場合では、2つまたはそれよりも多くの液滴が、熱サイクル中に凝集しない。他の場合では、100個よりも多くのまたは1,000個よりも多くの液滴が、熱サイクル中に凝集しない。
これらに限定されないが、E.coli DNAポリメラーゼ、E.coli DNAポリメラーゼ1のクレノー断片、T7 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、Taqポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼ、Vent DNAポリメラーゼ、バクテリオファージ29、REDTaq(商標)、ゲノムDNAポリメラーゼ、またはシーケナーゼを含む、プライマー伸長を触媒する任意のDNAポリメラーゼを使用することができる。一部の場合では、熱安定性DNAポリメラーゼが使用される。また、ポリメラーゼを添加する前に反応を2分間95℃に加熱するか、または1サイクル目の最初の加熱ステップまでポリメラーゼを不活性にしておくことができるホットスタートPCRを実施してもよい。ホットスタートPCRを使用すると、非特異的増幅を最小限に抑えることができる。任意の回数のPCRサイクル、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、もしくは45回のサイクル、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、もしくは45回よりも多くのサイクル、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、もしくは45回未満のサイクルを使用してDNAを増幅することができる。増幅サイクルの回数は、約1〜45、10〜45、20〜45、30〜45、35〜45、10〜40、10〜30、10〜25、10〜20、10〜15、20〜35、25〜35、30〜35、または35〜40であってもよい。
標的核酸の増幅は、当技術分野で公知の任意の手段により実施することができる。標的核酸は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または等温DNA増幅により増幅してもよい。使用することができるPCR技法の例としては、これらに限定されないが、定量PCR、定量蛍光PCR(QF−PCR)、マルチプレックス蛍光PCR(MF−PCR)、リアルタイムPCR(逆転写−PCR)、単一細胞PCR、制限断片長多型PCR(PCR−RFLP)、PCR−RFLP/逆転写−PCR−RFLP、ホットスタートPCR、ネステッドPCR、in situポロニーPCR、in situローリングサークル増幅(RCA)、デジタルPCR(dPCR)、液滴デジタルPCR(ddPCR)、ブリッジPCR、ピコリットルPCR、およびエマルジョンPCRが挙げられる。他の好適な増幅方法としては、リガーゼ連鎖反応法(LCR)、転写増幅法、分子反転プローブ(MIP)PCR法、自家持続配列複製法、標的ポリヌクレオチド配列の選択的増幅法、コンセンサス配列プライムドポリメラーゼ連鎖反応法(CP−PCR;consensus sequence primed polymerase chain reaction)、任意プライムドポリメラーゼ連鎖反応法(AP−PCR;arbitrarily primed polymerase chain reaction)、ディジェネレートポリヌクレオチドプライムドPCR法(DOP−PCR;degenerate polynucleotide-primed PCR)、および核酸に基づく配列増幅法(NABSA;nucleic acid based sequence amplification)挙げられる。本明細書で使用することができる他の増幅方法としては、米国特許第5,242,794号、第5,494,810号、第4,988,617号、および第6,582,938号に記載されているもの、ならびにQベータレプリカーゼ媒介性RNA増幅法が挙げられる。増幅は、等温増幅、例えば等温線形増幅であってもよい。
一部の実施形態では、増幅は、固体支持体では生じない。一部の実施形態では、増幅は、液滴内の固体支持体では生じない。一部の実施形態では、増幅が液滴内でない場合、増幅は、固体支持体で生じる。
配列決定
本明細書に記載されている方法または方法ステップの1つまたは複数を実施した後、生成されたポリヌクレオチドのライブラリーを配列決定してもよい。
配列決定は、当技術分野で公知の任意の配列決定法により実施することができる。一部の実施形態では、配列決定は、ハイスループットで実施することができる。好適な次世代シークエンシング技術としては、454ライフサイエンスプラットフォーム(Roche、ブランフォード、コネティカット州)(Marguliesら、Nature、437巻、376〜380頁(2005年));Illuminaのゲノムアナライザー、GoldenGateメチル化アッセイ、またはInfiniumメチル化アッセイ、つまりInfinium HumanMethylation 27K BeadArray、またはVeraCode GoldenGateメチル化アレイ(Illumina、サンディエゴ、カリフォルニア州、Bibkovaら、Genome Res.、16巻、383〜393頁(2006年)、および米国特許第6,306,597号、第7,598,035号、第7,232,656号)、またはライゲーションによるDNA配列決定、SOLiDシステム(Applied Biosystems/Life Technologies、米国特許第6,797,470号、第7,083,917号、第7,166,434号、第7,320,865号、第7,332,285号、第7,364,858号、および第7,429,453号);またはHelicos True Single Molecule DNA配列決定技術(Harrisら、Science、320巻、106〜109頁(2008年);および米国特許第7,037,687号、第7,645,596号、第7,169,560号、および第7,769,400号)、Pacific Biosciencesの一分子リアルタイム(SMRTTm)技術および配列決定法(Soniら、Clin. Chem.、53巻、1996〜2001頁(2007年))が挙げられる。こうしたシステムは、試料から単離された多数のポリヌクレオチドのマルチプレックス並列配列決定を可能にする(Dear、Brief Funct. Genomic Proteomic、1巻(4号)、397〜416頁(2003年)、およびMcCaughanら、J. Pathol.、220巻、297〜306頁(2010年))。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、色素修飾プローブのライゲーションによる配列決定法、ピロシーケンス法、または一分子配列決定法により配列決定される。ポリヌクレオチドの配列の決定は、Helioscope(商標)一分子配列決定法、ナノポアDNA配列決定法、Lynx Therapeuticsの大規模並列シグネチャー配列決定法(MPSS)、454ピロシーケンス法、一分子リアルタイム(RNAP)配列決定法、Illumina(Solexa)配列決定法、SOLiD配列決定法、Ion Torrent(商標)、イオン半導体配列決定法、一分子SMRT(商標)配列決定法、ポロニー配列決定法、DNAナノボール配列決定法、およびVisiGen Biotechnologies手法等の配列決定法により実施することができる。あるいは、ポリヌクレオチドの配列の決定には、これらに限定されないが、Illuminaが提供するゲノムアナライザーIIx、HiSeq、およびMiSeq;Pacific Biosciences(カリフォルニア)が提供するPacBio RSシステムおよびSolexaシーケンサー等の一分子リアルタイム(SMRT(商標))技術;Helicos Inc.(ケンブリッジ、マサチューセッツ州)が提供するHeliScope(商標)等のTrue Single Molecule Sequencing(tSMS(商標))技術を含む配列決定プラットフォームを使用してもよい。配列決定は、MiSeq配列決定を含んでいてもよい。配列決定は、HiSeq配列決定を含んでいてもよい。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドの配列の決定は、ペアエンド配列決定法、ナノポア配列決定法、ハイスループット配列決定法、ショットガン配列決定法、色素ターミネーター配列決定法、多重プライマーDNA配列決定法、プライマーウォーキング法、サンガー式ジデオキシ配列決定法、マクシム−ギルバート配列決定法、ピロシーケンス法、true single molecule配列決定法、またはそれらの任意の組合せを含む。あるいは、ポリヌクレオチドの配列は、電子顕微鏡または化学感応性電界効果トランジスター(chemFET)アレイにより決定してもよい。
方法は、ライブラリー中の1つまたは複数のポリヌクレオチドを配列決定することをさらに含んでいてもよい。方法は、ライブラリー中の1つまたは複数のポリヌクレオチド配列、配列読み取り、アンプリコン配列、またはアンプリコンセット配列を互いにアラインすることをさらに含んでいてもよい。
アラインメントは、配列読み取り等の試験配列を、1つまたは複数の他の試験配列、参照配列、またはそれらの組合せと比較することを含んでいてもよい。一部の実施形態では、アラインメントを使用して、複数の配列またはアラインされた配列からコンセンサス配列を決定してもよい。一部の実施形態では、アラインメントは、各々が同一の分子バーコードまたはベッセルバーコードを有する複数の配列からコンセンサス配列を決定することを含む。一部の実施形態では、比較目的でアラインされる配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%である。2つまたはそれよりも多くの配列の実際の比較は、周知の方法により、例えば数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。そのような数学的アルゴリズムの非限定的な例は、Karlin, S.およびAltschul, S.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、90巻−5873〜5877頁(1993年)に記載されている。そのようなアルゴリズムは、Altschul, S.ら、Nucleic Acids Res.、25巻:3389〜3402頁(1997年)に記載されているNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。BLASTおよびギャップ付きBLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、NBLAST)の任意の関連パラメータを使用してもよい。例えば、配列比較のパラメータは、スコア=100、ワード長=12に設定してもよく、または様々であってもよい(例えば、W=5またはW=20)。他の例としては、MyersおよびMiller、CABIOS(1989年)のアルゴリズム、ADVANCE、ADAM、BLAT、およびFASTAが挙げられる。一部の実施形態では、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、例えば、GCGソフトウェアパッケージ(Accelrys、ケンブリッジ、英国)のGAPプログラムを使用して達成することができる。
配列決定は、ポリヌクレオチドの少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100個、またはそれよりも多くのヌクレオチドまたは塩基対を配列決定することを含んでいてもよい。一部の実施形態では、配列決定は、ポリヌクレオチドの少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000個、またはそれよりも多くのヌクレオチドまたは塩基対を配列決定することを含む。他の場合では、配列決定は、ポリヌクレオチドの少なくとも約1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000個、またはそれよりも多くのヌクレオチドまたは塩基対を配列決定することを含む。
配列決定は、1実行当たり、少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000個、またはそれよりも多くの配列決定読み取りを含んでいてもよい。本明細書で使用される場合、配列読み取りは、配列決定技法により生成されるデータの配列またはストリームから決定されるヌクレオチドの配列を含む。一部の実施形態では、配列決定は、1実行当たり、少なくとも約1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000個、またはそれよりも多くの配列決定読み取りを含む。配列決定は、1実行当たり、約1,000,000,000個よりも多くの、約1,000,000,000個未満の、または約1,000,000,000個に等しい配列決定読み取りを含んでいてもよい。配列決定は、1実行当たり、約200,000,000個よりも多くの、約200,000,000個未満の、または約200,000,000個に等しい配列決定読み取りを含んでいてもよい。
酵素
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の酵素を含んでいてもよい。酵素の例としては、これらに限定されないが、リガーゼ、逆転写酵素、ポリメラーゼ、および制限ヌクレアーゼが挙げられる。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドに対するアダプターの付着は、1つまたは複数のリガーゼを使用することを含む。リガーゼの例としては、これらに限定されないが、DNAリガーゼI、DNAリガーゼIII、DNAリガーゼIV、およびT4 DNAリガーゼ等のDNAリガーゼ;ならびにT4 RNAリガーゼIおよびT4 RNAリガーゼII等のRNAリガーゼが挙げられる。
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の逆転写酵素を使用することをさらに含んでいてもよい。一部の実施形態では、逆転写酵素は、HIV−1逆転写酵素、M−MLV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、およびテロメラーゼ逆転写酵素である。一部の実施形態では、逆転写酵素は、M−MLV逆転写酵素である。
一部の実施形態では、本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数のプロテアーゼを使用することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数のポリメラーゼを使用することを含む。ポリメラーゼの例としては、これらに限定されないが、DNAポリメラーゼおよびRNAポリメラーゼが挙げられる。一部の実施形態では、DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼII、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素、およびDNAポリメラーゼIVである。商業的に入手可能なDNAポリメラーゼとしては、これらに限定されないが、Bst2.0 DNAポリメラーゼ、Bst2.0WarmStart(商標)DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、スルフォロブスDNAポリメラーゼIV、Taq DNAポリメラーゼ、9°N(商標)mDNAポリメラーゼ、Deep VentR(商標)(エキソ)DNAポリメラーゼ、Deep VentR(商標)DNAポリメラーゼ、Hemo KlenTaq(商標)、LongAmp(登録商標)Taq DNAポリメラーゼ、OneTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ、Phusion(登録商標)DNAポリメラーゼ、Q5(商標)高フィデリティーDNAポリメラーゼ、Therminator(商標)γDNAポリメラーゼ、Therminator(商標)DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)II DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)III DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)(エキソ)DNAポリメラーゼ、Bsu DNAポリメラーゼ、phi29 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、ターミナルトランスフェラーゼ、Titanium(登録商標)Taqポリメラーゼ、KAPA Taq DNAポリメラーゼ、およびKAPA TaqホットスタートDNAポリメラーゼが挙げられる。
一部の実施形態では、ポリメラーゼは、RNAポリメラーゼI、RNAポリメラーゼII、RNAポリメラーゼIII、E.coliポリ(A)ポリメラーゼ、phi6 RNAポリメラーゼ(RdRP)、ポリ(U)ポリメラーゼ、SP6RNAポリメラーゼ、およびT7 RNAポリメラーゼ等のRNAポリメラーゼである。
追加の試薬
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の試薬を使用することを含んでいてもよい。試薬の例としては、これらに限定されないが、PCR試薬、ライゲーション試薬、逆転写試薬、酵素試薬、ハイブリダイゼーション試薬、試料調製試薬、親和性捕捉試薬、ビーズ等の固体支持体、ならびに核酸精製および/または単離用の試薬が挙げられる。
他の実施形態では、本明細書で開示されている方法、キット、および組成物は、支持体を含んでいてもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示されている方法、キット、および組成物は、支持体を含まない。典型的には、固体支持体は、1つまたは複数の剛性または半剛性表面を含む1つまたは複数の材料を含む。一部の実施形態では、支持体は非固体支持体である。支持体または基材は、膜、紙、プラスチック、被覆表面、平坦表面、ガラス、スライド、チップ、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。一部の実施形態では、支持体の1つまたは複数の表面は実質的に平坦であるが、一部の実施形態では、例えば、ウェル、隆起領域、ピン、またはエッチングされた溝等を有する、様々な化合物のための合成領域が物理的に分離されていることが望ましい場合がある。一部の実施形態では、固体支持体は、ビーズ、樹脂、ゲル、ミクロスフェア、または他の幾何学的構成を含む。あるいは、固体支持体は、シリカチップ、マイクロ粒子、ナノ粒子、プレート、およびアレイを含んでいてもよい。固体支持体は、マイクロウェルでの自己集合可能なビーズの使用を含んでいてもよい。例えば、固体支持体は、IlluminaのBeadArray技術を含む。あるいは、固体支持体は、Abbott MolecularのBead Array技術、およびApplied MicroarrayのFlexiPlex(商標)システムを含む。他の例では、固体支持体は、プレートである。プレートの例としては、これらに限定されないが、MSDマルチアレイプレート、MSD Multi−Spot(登録商標)プレート、マイクロプレート、ProteOnマイクロプレート、AlphaPlate、DELFIAプレート、IsoPlate、およびLumaPlateが挙げられる。一部の実施形態では、支持体は、複数のビーズを含んでいてもよい。一部の実施形態では、支持体は、アレイを含んでいてもよい。一部の実施形態では、支持体は、ガラススライドを含んでいてもよい。ポリマーに適用可能な方法、基材、および技法(米国特許第5,744,305号、5,143,854号、第5,242,974号、第5,252,743号、第5,324,633号、第5,384,261号、第5,405,783号、第5,424,186号、第5,451,683号、第5,482,867号、第5,491,074号、第5,527,681号、第5,550,215号、第5,571,639号、第5,578,832号、第5,593,839号、第5,599,695号、第5,624,711号、第5,631,734号、第5,795,716号、第5,831,070号、第5,837,832号、第5,856,101号、第5,858,659号、第5,936,324号、第5,968,740号、第5,974,164号、第5,981,185号、第5,981,956号、第6,025,601号、第6,033,860号、第6,040,193号、第6,090,555号、第6,136,269号、第6,269,846号、および第6,428,752号;米国特許出願公開第20090149340号、第20080038559号、第20050074787;ならびにPCT公開番号WO00/58516、WO99/36760、およびWO01/58593)。支持体へのポリヌクレオチドの付着は、アミン−チオール架橋、マレイミド架橋、N−ヒドロキシスクシンイミド、またはN−ヒドロキシスルホスクシンイミド、Zenon、またはSiteClickを含んでいてもよい。支持体への標識核酸の付着は、ビオチンを複数のポリヌクレオチドに付着させること、および1つまたは複数のビーズをストレプトアビジンでコーティングすることを含んでいてもよい。一部の実施形態では、支持体はビーズである。ビーズの例としては、これらに限定されないが、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、Dynabeads(登録商標)、MACS(登録商標)マイクロビーズ、抗体コンジュゲートビーズ(例えば、抗免疫グロブリンマイクロビーズ)、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、ポリヌクレオチドdTコンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、およびBcMag(商標)カルボキシ末端磁気ビーズが挙げられる。ビーズの直径は、約5μm、10μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、または50μmであってもよい。固体支持体は、アレイまたはマイクロアレイであってもよい。固体支持体は、個別の領域を含んでいてもよい。固体支持体は、アレイ、例えばアドレス可能なアレイであってもよい。
固体支持体は、事実上あらゆる不溶性または固体材料を含むことができ、水に不溶性である固体支持体組成物が選択されることが多い。例えば、固体支持体は、シリカゲル、ガラス(例えば、細孔制御ガラス(CPG))、ナイロン、Sephadex(登録商標)、Sepharose(登録商標)、セルロース、金属表面(例えば、鋼、金、銀、アルミニウム、ケイ素、および銅)、磁性材料、プラスチック材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、およびポリビニリデンジフルオリド(PVDF))等を含んでいてもよく、またはこれらから本質的になっていてもよい。本実施形態により使用されるビーズの例としては、ビーズと核酸分子との相互作用を可能にする親和性部分を挙げることができる。固相(例えば、ビーズ)は、結合対のメンバー(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、またはそれらの誘導体)を含んでいてもよい。例えば、ビーズは、ストレプトアビジンがコーティングされたビーズであってもよく、ビーズに固定する核酸分子は、ビオチン部分を含んでいてもよい。一部の場合では、各ポリヌクレオチド分子は、ポリヌクレオチドをさらに安定させるために、ビオチン等の2つの親和性部分を含んでいてもよい。ビーズは、核酸の固定に使用するための、または下流でのスクリーニングまたは選択プロセスで使用することができる追加の特徴を含んでいてもよい。例えば、ビーズは、親和性部分、蛍光標識、または蛍光クエンチャーを含んでいてもよい。一部の場合では、ビーズは、磁性であってもよい。一部の例では、支持体はビーズである。ビーズの例としては、これらに限定されないが、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、Dynabeads(登録商標)、MACS(登録商標)マイクロビーズ、抗体コンジュゲートビーズ(例えば、抗免疫グロブリンマイクロビーズ)、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、ポリヌクレオチドdTコンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、およびBcMag(商標)カルボキシ末端磁気ビーズが挙げられる。ビーズまたは粒子は、膨潤可能であってもよく(例えば、Wang樹脂等のポリマー性ビーズ)、または膨潤不能であってもよい(例えば、CPG)。一部の実施形態では、固相は、実質的に親水性である。一部の実施形態では、固相(例えば、ビーズ)は、実質的に疎水性である。一部の実施形態では、固相は、結合対のメンバー(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、またはそれらの誘導体)を含み、実質的に疎水性または実質的に親水性である。一部の実施形態では、固相は、結合対のメンバー(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、またはそれらの誘導体)を含み、固体支持体1mg当たり約1350ピコモルの遊離捕捉剤(例えば、遊離ビオチン)よりも高い結合能を有する。一部の実施形態では、結合対のメンバーを含む固相の結合能は、固体支持体1mg当たり、800、900、1000、1100、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1600、1800、2000ピコモルの遊離捕捉剤よりも高い。本発明に好適なビーズの他の例は、金コロイド、またはポリスチレンビーズもしくはシリカビーズ等のビーズである。実質的に任意のビーズ半径を使用することができる。ビーズの例としては、150ナノメートルから10ミクロンまでの範囲の半径を有するビーズを挙げることができる。他のサイズも使用することができる。
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の緩衝液を使用することを含んでいてもよい。緩衝液の例としては、これらに限定されないが、洗浄緩衝液、ライゲーション緩衝液、ハイブリダイゼーション緩衝液、増幅緩衝液、および逆転写緩衝液が挙げられる。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション緩衝液は、TMAC Hyb溶液、SSPEハイブリダイゼーション溶液、およびECONO(商標)ハイブリダイゼーション緩衝液等の商業的に入手可能な緩衝液である。本明細書で開示されている緩衝液は、1つまたは複数の洗剤を含んでいてもよい。
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の担体を使用することを含んでいてもよい。担体は、本明細書で開示されている1つまたは複数の反応(例えば、ライゲーション反応、逆転写、増幅、ハイブリダイゼーション)の効率を増強または向上させることができる。担体は、分子またはそれらの任意の産物(例えば、ポリヌクレオチドおよび/またはアンプリコン)の非特異性の喪失を減少または防止することができる。例えば、担体は、表面への吸収によるポリヌクレオチドの非特異性の喪失を減少させることができる。担体は、表面または基材(例えば、容器、Eppendorfチューブ、ピペットチップ)へのポリヌクレオチドの親和性を減少させることができる。あるいは、担体は、表面または基材(例えば、ビーズ、アレイ、ガラス、スライド、チップ)へのポリヌクレオチドの親和性を増加させることができる。担体は、ポリヌクレオチドの分解を防止することができる。例えば、担体は、リボヌクレアーゼからRNA分子を保護することができる。あるいは、担体は、DNaseからDNA分子を保護することができる。担体の例としては、これらに限定されないが、DNAおよび/またはRNA等のポリヌクレオチド、またはポリペプチドが挙げられる。DNA担体の例としては、プラスミド、ベクター、ポリアデニル化DNA、およびDNAポリヌクレオチドが挙げられる。RNA担体の例としては、ポリアデニル化RNA、ファージRNA、ファージMS2 RNA、E.coli RNA、酵母RNA、酵母tRNA、哺乳動物RNA、哺乳動物tRNA、短鎖ポリアデニル化合成リボヌクレオチド、およびRNAポリヌクレオチドが挙げられる。RNA担体は、ポリアデニル化RNAであってもよい。あるいは、RNA担体は、非ポリアデニル化RNAであってもよい。一部の実施形態では、担体は、細菌、酵母、またはウイルスに由来する。例えば、担体は、細菌、酵母、またはウイルスに由来するポリヌクレオチドまたはポリペプチドであってもよい。例えば、担体は、Bacillus subtilisに由来するタンパク質である。別の例では、担体は、Escherichia coliに由来するポリヌクレオチドである。あるいは、担体は、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ヤギ、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ、またはウサギ)、トリ、両生類、または爬虫類に由来するポリヌクレオチドまたはペプチドである。
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の対照物質を使用することを含んでいてもよい。対照物質としては、対照ポリヌクレオチド、不活性酵素、非特異的競合物質を挙げることができる。あるいは、対照物質は、ブライトハイブリダイゼーション(bright hybridization)、ブライトプローブ対照、核酸鋳型、スパイクイン対照、PCR増幅対照を含む。PCR増幅対照は、陽性対照であってもよい。他の例では、PCR増幅対照は、陰性対照である。核酸鋳型対照は、既知の濃度であってもよい。対照物質は、1つまたは複数の標識を含んでいてもよい。
スパイクイン対照は、反応または試料に添加される鋳型であってもよい。例えば、スパイクイン鋳型を、増幅反応に添加してもよい。スパイクイン鋳型は、最初の増幅サイクル後の任意の時点で増幅反応に添加してもよい。一部の実施形態では、スパイクイン鋳型は、サイクル数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、または50回に達した後で、増幅反応に添加される。スパイクイン鋳型は、最後の増幅サイクル前の任意の時点で増幅反応に添加してもよい。スパイクイン鋳型は、1つまたは複数のヌクレオチドまたは核酸塩基対を含んでいてもよい。スパイクイン鋳型は、DNA、RNA、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。スパイクイン鋳型は、1つまたは複数の標識を含んでいてもよい。
本明細書で開示されているものは、本明細書で開示されている方法および組成物に使用することができる、方法および組成物と共に使用することができる、方法および組成物を調製するために使用することができる、分枝、材料、組成物および成分であり、または方法および組成物の産物である。これら物質の組合せ、サブセット、相互作用、グループ等が開示されている場合、これら分子および化合物の様々な個々のおよび集合的な組合せおよび順列に対する具体的な参照を明示的に開示することができない場合でも、各々は、本明細書にて具体的に企図および記載されていることが理解される。例えば、ヌクレオチドまたは核酸が開示および考察され、そのヌクレオチドまたは核酸を含むいくつかの分子になすことができるいくつかの修飾が考察されている場合、特に別様の指示がない限り、ヌクレオチドまたは核酸のありとあらゆる組合せおよび順列ならびに考え得る修飾が、具体的に企図されている。この概念は、本開示の方法および組成物を作製および使用するための方法のことを含むがそれらに限定されない、本出願の全ての態様に当てはまる。したがって、実施することができる様々な追加ステップが存在する場合、そうした追加ステップの各々は、本開示の方法の任意の特定の実施形態でまたは実施形態を組み合わせて実施することができ、各々のそのような組合せは、具体的に企図され、開示されているとみなされるべきであることが理解される。
本明細書に記載されている一部の実施形態が、本明細書に表示および記載されているが、そのような実施形態は、例示のために提供されているに過ぎない。今や、当業者であれば、本明細書で提供されている開示から逸脱せずに、多数の変異、変更、および置換を起想するだろう。本明細書に記載されている実施形態の種々の代替を、本明細書に記載されている方法の実行に用いることができることが理解されるべきである。
別様に説明されていない限り、本明細書で使用されている技術的および科学的用語は全て、本開示が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。以下の参考文献は、本明細書で使用することができる方法および組成物の実施形態を含む:The Merck Manual of Diagnosis and Therapy、第18版、Merck Research Laboratoriesから出版、2006年(ISBN0−9119102);Benjamin Lewin、Genes IX、Jones & Bartlett Publishingから出版、2007年(ISBN−13:9780763740634);Kendrewら(編)、The Encyclopedia of Mol. Biology、Blackwell Science Ltd.から出版、1994年(ISBN0−632−02182−9);およびRobert A. Meyers(編)、Mol. Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference、VCH Publishers, Inc.から出版、1995年(ISBN1−56081−569−8)。
本開示の標準的手順は、以下に記載されている:例えば、Maniatisら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、USA(1982年);Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版)、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、USA(1989年);Davisら、Basic Methods in Molecular Biology、Elsevier Science Publishing, Inc.、New York、USA(1986年);またはMethods in Enzymology: Guide to Molecular Cloning Techniques、152巻、S. L. BergerおよびA. R. Kimmerl(編)、Academic Press Inc.、San Diego、USA(1987年)。Current Protocols in Molecular Biology (CPMB)(Fred M. Ausubelら編、John Wiley and Sons, Inc.)、Current Protocols in Protein Science (CPPS)(John E. Coliganら編、John Wiley and Sons, Inc.)、Current Protocols in Immunology (CPI)(John E. Coliganら編、John Wiley and Sons, Inc.),Current Protocols in Cell Biology (CPCB)(Juan S. Bonifacinoら編、John Wiley and Sons, Inc.)、Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique 、R. Ian Freshney著、出版社:Wiley-Liss;第5版(2005年)、およびAnimal Cell Culture Methods(Methods in Cell Biology、57巻、Jennie P. MatherおよびDavid Barnes編、Academic Press、第1版、1998年)。
(実施例1)
T細胞集団中の単一Tリンパ球のイムノタイピング
本明細書に記載されているイムノフェノタイピング法を、ヒトTリンパ球におけるCD4およびCD8のmRNAならびに表面タンパク質発現の両方を分析することにより検証した(図1)。通常、成熟T細胞は、CD4サブタイプまたはCD8サブタイプのいずれかであると予想される。CD4サブタイプは、CD4 mRNAおよびCD4タンパク質を共に発現するはずであるが、CD8 mRNAまたはCD8タンパク質のいずれかを発現するはずである。CD8サブタイプは、CD8 mRNAおよびCD8タンパク質を共に発現するはずであるが、CD4 mRNAまたはCD4タンパク質のいずれかを発現するはずである。
30,000個のT細胞を、CD4抗原ID配列を含むCD4特異的抗体−オリゴヌクレオチド、およびCD8抗原ID配列を含むCD8特異的抗体−オリゴヌクレオチドの両方と共にインキュベートした。また、T細胞のCD4、CD8、およびTCRのmRNA含有量を、単一細胞エマルジョン実験で分析した。T細胞受容体アルファ、T細胞受容体ベータ、CD4、およびCD8のmRNAを、cDNAへと逆転写し、液滴特異的バーコード配列を、ポリメラーゼ連鎖反応によりcDNAおよび抗体コンジュゲートオリゴヌクレオチドの両方に融合した。このDNAを、エマルジョンから抽出し、次世代シークエンシング法で分析した。
ほとんど全ての液滴バーコード(単一細胞に関連付けられる)は、CD4特異的抗原IDまたはCD8特異的抗原IDのいずれかに関連付けられた。mRNAと表面タンパク質に基づく帰属との間に実質的な一致が見出された(図3)。
(実施例2)
免疫レパートリーの配列決定は、基礎免疫学、自己免疫、感染症、および腫瘍学において幅広い応用を有する。多くの研究では、循環血液中のBCRおよびTCR多様性が調査されているが、TILの免疫受容体に対する関心が高まっている。その機能は、がん成長または退縮に高度に関連しているが、その程度は様々であり、特徴付けされていないことが多い。TILのより良好な理解に向かって重要なことは、新しい腫瘍関連抗原の識別を可能にし得るため、TILのBCRおよびTCRの回収および機能的な特徴付けである。腫瘍抗原は、がんワクチンを開発するために、チェックポイント阻害剤の役割を理解するために、および固形腫瘍のキメラ抗原受容体T細胞(CAR−T)療法を進歩させるために、非常に必要とされている。しかしながら、免疫配列決定における数十年に及ぶ技術的進歩にも関わらず、全長のネイティブに対合したBCR(重鎖および軽鎖)およびTCR(アルファおよびベータ鎖)を、観察されるレパートリーを制限および偏向するin vitro培養または細胞ソーティングを行わずに、腫瘍等の不均質試料から回収した研究はない。初代未培養免疫細胞は、in vitro刺激細胞の100分の1未満の受容体RNAを含み得るため、技術的な困難性が非常に高い。複雑な不均質試料に由来するネイティブに対合したBCRおよびTCRの包括的な分析を可能にするため、多数の単一細胞を並列単離およびDNAバーコード付与するためのマイクロ流体エマルジョンに基づく方法を開発した。毎時最大100万個の細胞が、個々の約65ピコリットルエマルジョン液滴中で単離される。液滴内で細胞を溶解し、標的特異的プライマーを用いて標的mRNAを逆転写し、二段階DNAバーコード付与プロセスにより、分子特異的および液滴特異的バーコードをcDNAに付着する。その後の回収および次世代シークエンシングの後、この二重バーコード付与戦略は、配列読み取りを、それらの当初の分子および細胞の両方にクラスター化することを可能にする。これより、エラーおよび増幅バイアスの広範な矯正、mRNAおよび細胞の両レベルでのクローン計数、重鎖アイソタイプの決定、ならびに、重要なことには、BCRおよびTCRの全長のネイティブに対合したV(D)J配列を超ハイスループットで同時に回収することが可能になる。
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、抗がん免疫応答に重要であるが、それらの存在量、表現型、および機能は予測不能であるため、研究は困難である。本発明者らは、細胞ソーティング、刺激、または培養を行う必要なく、TILを高深度で特徴付けるための方法を開発した。エマルジョンに基づく単一細胞バーコード付与法により、数百万個のインプット細胞中のリンパ球の中から、ネイティブに対合したB細胞およびT細胞受容体(BCRおよびTCR)配列が捕捉される。以前の手法とは対照的に、回収される可変領域は全長であり、さらなるmRNAおよびタンパク質標的が付随し得る。卵巣腺癌に由来する400,000個のソーティングされていない細胞を処理し、11,000個を超えるTILから対合したBCRおよびTCRを回収する前に、健常ヒト血液に由来する300万個のB細胞およびHIV患者に由来する350,000個のB細胞で本方法を検証した。本発明者らの結果は、任意の対合したBCRまたはTCRレパートリーの最も高深度のサンプリングであると共に、エマルジョン中での単一細胞の同時RNA配列決定およびタンパク質測定を最初に実証するものである。
(実施例3)
健常血液試料からのB細胞Vペア対の大規模回収
最初に、本技術を開発し、対合能力およびスループットを、陰性ビーズ濃縮により健常ボランティアの末梢血から単離された300万個のB細胞でアセスメントした。エマルジョンを6つの別々の画分に分割し、それらを並列で処理し、配列決定前に再混合しなかった。エマルジョンを、1液滴当たり0.2細胞になるように装填した。これは、占有液滴の約90%が単一細胞を含有するというポアソン期待値をもたらし、エマルジョン液滴観察と一致していた(図5A)。エマルジョン破壊および追加のライブラリー処理ステップを行った後、Illumina MiSeqを用いて、ペアエンド325+300bp配列決定を実施した。配列決定データを処理するため、液滴および分子バーコードを共に使用して、元々の各mRNA分子からPCR複製読み取りを収集し、各mRNAについてコンセンサスを決定して、少なくとも2つの読み取りから組み立てられたmRNA配列のみを維持した。フォワードおよびリバース読み取りを繋ぎ合わせて、5’UTR、完全V(D)J配列、およびアイソタイプ決定に十分な定常領域を含む全長産物を生成した。IMGT High−VQuestおよび/またはIgBLASTを用いて、再配置された免疫グロブリン重鎖および軽鎖配列に注釈を付けた。
得られたデータセットは、少なくとも1つの重鎖(V)および1つの軽鎖(V)mRNAと関連していた324,988個の液滴バーコードを含有し、重鎖クラスター分析で評価して229,869個の異なるVクローン系列が存在していた。この生セットは、複数細胞ならびに単一細胞液滴に由来するデータを含むため、非一致の重鎖または軽鎖V(D)J配列に関連した液滴バーコードをフィルタリングして取り除くことにより、単一細胞液滴に由来するデータを濃縮した(図5B)。このことを実施することが可能であるのは、典型的な免疫レパートリーの多様性が高いためであり、2つのランダム細胞に由来するVまたはV mRNAがマッチングすることは、ほとんど全くないだろう。得られた濃縮データセットは、259,368個のV液滴バーコードを含み、182,745個のVのクローン系列を含有していた。これは、現在までで最も高深度の対合した免疫レパートリーのサンプリングであることをほぼ間違いなく示す。クローン的に関連する細胞は、それらのV対合が一貫しているはずであるため、クローン拡大の発生を識別することにより、V対合の精度を直接的に評価した。1つよりも多くのエマルジョン画分で、クローン的に拡大した細胞であることが高い信頼性で観察された2,604個のVクローンが識別された。これらVクローンと対合したV配列は、画分間の一貫性が非常に高く、96.1%の対合精度を示した。これにより、259,368個のVペアのフィルタリングされたデータセット全体に高い信頼性が与えられた。交差画分VおよびV配列は、各画分にて異なる液滴および分子バーコードと関連することが常であり、したがってライブラリー交差汚染を示さなかった。一部のB細胞は複数の軽鎖を発現することが公知であるため、分析は、対合精度を過小評価する場合がある。259,368個のフィルタリングされたV液滴バーコードまたは「Vペア」の75.0%は、IgMおよび/またはIgDを含有していた(図5C)。これは、未感作ナイーブB細胞は典型的にはIgMIgD表現型であることを考慮すると、予想通り一緒に観察されることが多かった。より少ないがかなりの割合のIgA(18.3%)およびIgG(6.6%)Vペアも見出された。Vアイソタイプは全て、約3:2の比率でIgκまたはIgλのいずれかと対合した。182,745個のVクローン系列中のクローン拡大を2つの方法でアセスメントした:クローンに関連する液滴バーコードの数;およびエマルジョン画分にわたるそのクローンの観察。複数の液滴バーコードでクローンが見られることは、クローン拡大を反映する場合もあり、または複数バーコード液滴を反映する場合もある。初期λ=1であったこと、つまり液滴内へのバーコードの分散がポアソン分散であったことを考慮すると、液滴の約37%で複数バーコード液滴が予想された。しかしながら、>8つの液滴バーコードにより表わされるクローンは全て、間違いなく拡大性である可能性が高い(単一液滴中のポアソン確率は、<10−6)。全体でクローンの6.0%が1つよりも多くの画分で見られたが、8つよりも多くの液滴バーコードで見られたクローン(全体で0.7%)の場合、それらの99%は、1つよりも多くの画分で見られた。100個の最も高頻度のクローン(各々30〜137個の液滴バーコード、図5D)は全て、6つの画分の少なくとも5つで見られた。したがって、バーコード計数および独立した画分分析を組み合わせると、非増殖クローンの厖大なバックグラウンドの中から、希少な拡大系列を検出することが可能になる。しかしながら、最も多量の拡大したクローンでさえ、1000個に1個未満の細胞にしか存在していなかったことは注目すべきことであり、ヒト末梢免疫レパートリーの多様性が非常に高いことを例示している。
発現レベルの推定としての、ペア内の各VおよびV鎖の捕捉mRNAの数(図5E)。概して、1液滴バーコード当たり10個未満の重鎖(平均2.0)および軽鎖(平均4.0)mRNAが捕捉され、1細胞当たり、数ダース〜数百個の捕捉重鎖および軽鎖mRNAを有する液滴バーコードの小集団が、ほとんど排他的にIgGおよびIgA発現細胞から観察された。興味深いことには、ペア内のVおよびV突然変異の程度は、各アイソタイプ(例えば、IgGの場合は、V対V)内、およびアイソタイプ間(例えば、IgG対IgM)の両方で、強い相関性を示した(図2F)。さらに、IgGおよびIgA対はほとんど全てが、VおよびV鎖の両方にかなりの突然変異を示したが、IgMおよびIgDペアはほとんどが、VまたはV突然変異をほとんど示さなかった。こうした結果は、B細胞活性化の機序と一致し、IgMおよびIgDからIgGまたはIgAへのクラススイッチ、免疫グロブリン発現の増加、ならびに細胞の重鎖および軽鎖遺伝子座の両方に影響を及ぼす体細胞超変異に至る。高度に突然変異を起こしたV鎖は、高度に突然変異を起こしたV鎖と対合する傾向があるというこの観察に加えて、本方法は、休止ヒトB細胞レパートリーに由来する多数の全長のネイティブに対合したBCRを生成することが可能である。
(実施例4)
HIV長期非進行者からの公既知の低頻度V対ペアの回収。
アッセイの対合感度および正確性のさらなる検証として、いくつかの希少な(10,000個の細胞中、<1個の細胞)ネイティブV対合が既に既知である試料を処理した。HIV長期非進行患者から末梢B細胞を得た。この患者のメモリB細胞は、HIV中和活性を示す抗体が近年詳細に探索されている。350,000個のB細胞を処理して、合計38,620個のフィルタリングされたVペアを生成した。興味深いことには、この個体は、以前の健常試料(図3A)または典型的な健常末梢B細胞レパートリーよりも高い割合のIgGを示した。このデータセットに由来するV配列を、PGT121を含む、この個体に由来する全ての報告されている広域中和抗体(bNAb)と比較し、8つの類似または同一のV配列を見出した。これは、bNAbのこのファミリーが循環B細胞の0.03%未満であることを示す。重要なことには、これら重鎖と対合した全ての軽鎖は、予想される同様に希少のbNAb系列のものであり、以前に報告されているように、同じIgλ−V3−21/J3再配置および特徴的な3コドン挿入を示し、本発明者らの方法の正確性および感度が高いことが支持された。さらに、この個体に由来する、全ての既知の新らたに生成されたPGT121様Vペアの系統樹(図3B)では、VおよびVツリーは、鏡像様位置を占める対合したVおよびV配列と非常に類似したトポロジーを示しており、これは、系統発生史が共通していることを反映している可能性が高い。ここで発見されたバリアントペアは、このルールに良好に当てはまる。興味深いことには、2つの発表されている抗体PGT122およびPGT123は、例外であると考えられ、これら2つの対合を支持するものは見出されなかったが、その代わりに、PGT122V:PGT123V様のおよびPGT123V:PGT122V様のペアが見出された。これは、元々の報告書では確認されていない対合を示している。8つの新規なPGT様Vペアの完全なV(D)J領域をコードするDNAを合成し、抗体を完全IgGとして発現させ、複数のHIV擬似系統を中和する能力を試験した(図6C)。抗体は良好に発現され、全てがウイルスに対する強力な中和活性を示し、関連する生物学的試料からネイティブに対合した機能性抗体バリアントを迅速に生成する本発明者らの手法の有用性が実証された。
(実施例5)
腫瘍浸潤リンパ球に由来するB細胞およびT細胞受容体対ペア
対合した受容体をハイスループットで回収するためにエマルジョンバーコード付与が検証されたことを受けて、免疫受容体を、腫瘍から直接回収した。プロテアーゼで分離された切除卵巣腺癌試料を得、400,000個のソーティングされていない細胞をエマルジョンに入れた。別々の等量の試料をCD3/CD19染色することにより、かなりの数の浸潤性B(約5%)およびT細胞(約20%)が物質中に存在することが示唆された。エマルジョン中の単一細胞分散系は、いくつかの限定的な塊が視認されたとはいえ、精製細胞と類似しており、試料の細胞タイプが不均質であったことを考慮すると予想通りに液滴内の細胞サイズおよび形状に広範なばらつきがあった(図7A)。
T細胞受容体アルファおよびベータ鎖の定常領域を共に標的とするプライマーを、以前に使用されたBCRプライマーと共に使用し、配列決定およびストリンジェントなフィルタリング後に、BCRまたはTCR産物にリンクする数千個の液滴バーコードを回収した。単一細胞精度をアセスメントするため、液滴バーコード内の4つの標的遺伝子座(V、V、Vα、Vβ)のあらゆる考え得る組合せを計数した(図7B)。1つよりも多くの標的鎖を有する液滴バーコードの大部分(97.9%)は、生物学的に予想されるBCR V またはTCR VαVβの対合を含有し、混合BCR−TCR組合せは2.1%しか含有されていなかった。産物のバーコード付与は、標的鎖に関して偏りがないため、この結果は、得られた6,056個のBCR Vおよび5,217個のTCR VαVβペアの信頼性を高度化することが可能である。BCRでは、他のアイソタイプと比較して、IgG(>80%)が著しく優勢であったが(図7C)、全てが存在した(IgE<0.05%のみ)ことが示された。カッパおよびラムダ軽鎖は、末梢血データセットと同様の比率で存在した。
末梢血と同様に、BCRアイソタイプとVおよびV鎖の両方の突然変異レベルとの間に相関性が観察され、IgGおよびIgAペアは、IgDおよびIgMよりも大きなVおよびV突然変異、ならびに各アイソタイプ内でのVおよびV間の突然変異の一般的相関性を示した(図7D)。興味深いことには、IgD、IgM、およびIgAペアは、腫瘍と末梢血データセットとの間で非常に類似した突然変異分布を示した(図5F)。また、腫瘍IgG画分は、末梢血では観察されなかった、ほとんど突然変異していないかまたは全く突然変異してない配列をかなりの割合で含有していた。TCRの場合、およびIgDを含有するBCRの場合、1液滴バーコード当たり、末梢血のBCR結果と同様の数の捕捉mRNAが観察された(図7E、ほとんどが1液滴バーコード当たり<10)。極めて対照的だが、腫瘍由来のIgM、IgA、およびIgGペアは、10〜100倍の平均発現レベル増加を示し、液滴バーコードの多くには数百または数千個の標的mRNAが捕捉された。その後、捕捉TIL−TCRおよびBCRレパートリーの多様性をアセスメントした(図7F)。5,217個の合計TCRペアの中で、2,423個の異なるTCRベータクローンが観察された。7つのクローンが、>1%の頻度で存在し、上位クローンは、全ての液滴バーコードの16.9%に相当した。6,056個の合計BCRペア中で、1,518個の異なる重鎖クローンが観察され、15個のクローンが>1%の頻度であったが、>5%の頻度のものはなかった。これは、多様性が、健常末梢BCRレパートリーよりも実質的により制限されていることを表わしているが(0.06%を超える頻度で存在するクローンはなかった)、クラス転換し、突然変異を起こし、高度に発現されたクローンが、腫瘍試料中に非常に多く存在することは、TILを特徴付けるためには、高深度で高感度のサンプリング手法が必要であることを示す。本方法は、規定されたTIL集団を事前にソーティングまたは外因的活性化する必要なく、BおよびT細胞の両方から同時に、多数のTIL免疫受容体ペアを迅速に回収することを可能にする。
(実施例6)
追加の目的の表現型マーカーの捕捉
液滴バーコード付与による受容体鎖の対合は、潜在的に、免疫受容体の他に追加の標的の捕捉を可能にする。この可能性を調査するため、CD4およびCD8集団に入る健常T細胞を、磁気ビーズ濃縮により分離し、各タイプの20,000個の細胞を別々のエマルジョンに入れ、TCRアルファおよびベータ鎖を標的とするプライマーならびにCD4およびCD8のmRNAを用いて実験を行った。配列決定後、CD4単離細胞に由来するTCR VαおよびVβ(「TCRペア」)を含有する3,861個の液滴バーコードの47.0%は、CD4 mRNAに関連していたが、CD8 mRNAに関連したものは0.3%に過ぎなかった。反対に、CD8単離細胞に由来する2,235個のTCRペアの50.6%が、CD8 mRNAにリンクしていたが、CD4 mRNAにリンクしていたものは0.6%に過ぎなかった。これは、以前の報告と同様に、細胞表現型を決定するためのmRNAに基づく手法は、高特異性だが、感度に制限があることを示す。対照的に、細胞表面受容体等のタンパク質は、通常、それらのコードmRNAよりも非常に大きな数(1細胞当たり1,000〜100,000個)で存在し、検出がより容易である可能性が高いだけでなく、より直接的に細胞表現型と関連する可能性が高い。各細胞での標的タンパク質レベルを測定するため、特注オリゴヌクレオチドDNA標識を、抗ヒトCD4およびCD8抗体にコンジュゲートし、標識抗体を、30,000個の細胞をエマルジョンに入力する前に、CD4およびCD8 T細胞の未分離混合物と共にインキュベートした(図8A)。DNA標識は、抗体特異的配列タグだけでなく、分子バーコード、および増幅された液滴バーコードに相補的な配列を担持し、mRNAでの実施と同様に、エマルジョン液滴バーコード付与、および分子計数を可能にする。DNA標識、ならびにTCR、CD4、およびCD8 mRNAを、同時に標的とした。配列決定およびフィルタリング後、3,682個の液滴バーコードを、高い信頼性でTCR VαVβペアであると識別した。以前の実験と一致して、TCRペアのおよそ半分(52%)を、mRNAに基づいてCD4またはCD8ステータスに帰属させることができた(図8B)。しかしながら、液滴バーコードの95%超は、タンパク質ステータスに基づいてCD4またはCD8に帰属させることができ、1液滴当たりの平均分子計数は、CD4/8タンパク質(平均20.5)が、CD4/8 mRNA(平均1.0)よりもかなり高かった。mRNAおよびタンパク質決定が両方とも合致していたことを考慮すると、mRNAとタンパク質シグナルとの間の合致率は高く(図8C)、液滴の96.0%だった。一部の希少な例では、CD4およびCD8タンパク質の両方が検出された。これは、液滴が、2つまたはそれよりも多くの細胞を含有していた結果であると考えられた。エマルジョンバーコード付与により、単一細胞免疫受容体を、目的のmRNAおよびタンパク質マーカーと、全てハイスループットで直接的に関連付けることが初めて可能になった。抗PD−1および抗CTLA−4等の拡大された免疫腫瘍学的関連マーカーセットを用いて、この手法をTILに応用することは、保証されている。
(実施例7)
ヒト試料
健常レパートリー検証用の血液試料を、Personal Genome Projectの承認に基づいて収集した。HIV bNAb実験用のPBMCを、IAVIプロトコールGコホートのHIV−1感染ドナーであるドナー17から得た。ヒトHIV試料は全て、ルワンダ共和国国立倫理委員会、エモリー大学内治験審査委員会、ザンビア大学研究倫理委員会、チャリングクロス研究倫理委員会、UVRI科学および倫理委員会、ニューサウスウェールズ大学研究倫理委員会、聖ビンセント病院および東シドニー地区ヘルスサービス、ケニヤッタ国立病院倫理調査委員会、ケープタウン大学倫理委員会、国際施設内治験審査委員会、マヒドン大学倫理委員会、ウォルターリード陸軍研究所(WRAIR)施設内治験審査委員会、およびコートジボアール委員会「National d’Ethique des Sciences de la Vie et de la Sante」(CNESVS)により承認された臨床試験プロトコールに基づいて書面によるインフォームドコンセントを得たうえで収集した。凍結保存され、解離され、切除された、単一ドナーに由来する卵巣腺癌を、IRB承認プロトコールに基づいて、書面によるインフォームドコンセントを得たうえで、Conversant Biologicsから得た。
(実施例8)
細胞調製
300万個の健常B細胞に関する研究では、ヘパリンナトリウム(BD)を有するVacutainer CPT細胞調製チューブに50mLの血液を採取し、1800×gで20分間遠心分離し、細胞調製緩衝液(2%ウシ胎仔血清および2mM EDTAで補填された1×PBS)で2回洗浄し、200×gのスピンを使用して血小板を除去し、得られたPBMCを、RPMI−1640培地(Life Technologies)+20%ウシ胎仔血清+10%DMSOに、必要になるまで−80℃で凍結保存した。エマルジョン生成の前に、PBMCを解凍し、細胞調製緩衝液で2回洗浄し、計数した。ネガティブ選択に基づくヒトB細胞濃縮キット(Stem Cell Technologies)を製造業者の説明書に従って使用して、B細胞を単離した。20μm細胞ストレーナーに細胞を通し、細胞調製緩衝液で6.2×10細胞/mL(300万個のB細胞での実験)または3.1×10細胞/mL(PGTドナーおよび卵巣腫瘍での実験)に希釈した。
(実施例9)
エマルジョン内での免疫受容体バーコード付与
エマルジョン生成プラットフォームは、親フッ素性にコーティングされた石英Dolomite小型2試薬チップ内への、2つの水相および1つの親フッ素性油連続相のコンピュータ制御流動が可能になるように、単一の空気圧縮機により駆動され、各々がMitos流速センサを有する3つのMitos Pポンプ(Dolomite Microfluidics)を備えていた。1つの水性インプットチャネルは、所望の1液滴当たりの細胞占有レベルをもたらすように、必要とされる密度の細胞を含有し、第2の水性のチャネルは、AbPair(商標)反応緩衝液およびオリゴヌクレオチド(www.abvitro.com/catalog AV2070−1SおよびAV2080−1S)、5単位/μLのMuMLVに基づく逆転写酵素(Thermo Scientific)、および0.1単位/μLのHerculase II PCRポリメラーゼを含む溶解および反応混合物を含有していた。100μLのHamilton Microliterシリンジを使用して、100μL内部径PEEKチューブ試料ループに、各々約100μLのLRミックスを2回のインジェクションで負荷した。100μLのHamilton Gastightシリンジを使用して、約100μLの0.2mm内部径FEPチューブループに、約110μLの細胞懸濁液を負荷した。エマルジョンは、チップの2つの油チャネルから油を同時に流動させた2試薬チップに、水相を同一の流速で集中流噴射することにより形成した。チップ出口チャネルを出るエマルジョンを、冷却ブロックに配置した0.2mLのPCRストリップチューブ(Eppendorf)内に滴下させ、その後、過剰な油を、ピペットでチューブの底部から取り除き、40μLのオーバーレイ溶液(25mM Na−EDTA、pH8.0)を添加し、チューブを、転写タグ化反応のために標準的サーモサイクラーに移した。45分間の逆転写(RT)ステップ中、標的特異的RTプライマーを用いて、ランダム化分子バーコードを含有するユニバーサルアダプター配列の鋳型スイッチに基づく付加により、RNAを42℃で逆転写した。RT後、エマルジョンを、40サイクルの熱サイクル(各サイクル:82℃で10秒間、65℃で25秒間)にかけて、液滴バーコード鋳型のPCR増幅を実施し、それを、初期溶解および反応混合物中で30,000cp/μLに希釈し、15,000cp/μLまたは約65pl液滴当たり約1個の最終混合物中での濃度を生成した。液滴バーコードの一方の末端は、Illumina読み取り2(「P7」)プライマー部位を含み、他方の末端は、ユニバーサルアダプターオリゴヌクレオチドの共通配列とマッチングする。したがって、PCR中、鋳型スイッチしたcDNAは、増幅された液滴バーコード鎖にアニーリングし、オーバーラップ伸長によりスプライスされて、標的、分子バーコード、および液滴バーコード配列を含有する全長産物を産生することができる。
(実施例10)
エマルジョン破壊、クリーンアップ、下流PCR、プール化、および配列決定
熱サイクル後、オーバーレイ溶液を、ピペットで取り除き、40μLエマルジョン破壊溶液(1:1 FC−40:パーフルオロオクタノール)を、15μL溶解物クリアリング溶液(12.5μL Qiagenプロテアーゼ、2.5μLの0.5M Na−EDTA、pH8.0)と共に添加した。10回反転させてエマルジョンを破壊した後、混合物を50℃で15分間、および95℃で3分間インキュベートして、プロテアーゼを不活化した。15,000×gで1分間遠心分離して水相を単離した後、回収した物質を徹底的に精製して、オリゴヌクレオチド、試薬、および過剰な液滴バーコードPCR産物を除去した。全長産物は、RTプライマーの5’ビオチン化によりビオチンを含有するため、ストレプトアビジンビーズをクリーンアップすることにより、それらは、過剰な液滴バーコードPCR産物から効率的に分離することができ、したがって、オーバーラップ伸長法に共通の問題である下流PCR組換えアーティファクトが最小限に抑えられる。まず、製造業者の説明書を使用して1:1比のAMPure XPビーズ(Agencourt)を使用し、その後、この場合も製造業者の説明書を使用してストレプトアビジンビーズ(New England Biolabs)を使用してクリーンアップし、その後、95℃の脱イオン水で溶出させ、その後1:1比のAMPure XPビーズで第2のクリーンアップを行うことにより、産物を精製した。その後、産物を、標的濃縮PCRに入れ、BまたはT細胞受容体標的の定常領域に特異的なプライマーを、液滴バーコード配列のユニバーサル末端に特異的なプライマーと共に使用した。このリバースプライマーは、製造業者の説明書に従ってMiSeq機器でマルチプレックス配列決定するための6塩基インデックスバーコードも含んでいた。したがって、このステップでは、全長液滴バーコード化標的配列のみが増幅される。まず、反応開始時に2分間の98℃ポリメラーゼ活性化ステップを含む製造業者の推奨条件下で、Q5ホットスタートポリメラーゼ(New England Biolabs)を使用して、全ての標的を、98℃で10秒間;64℃で20秒間;72℃で15秒間の7サイクルで一緒に増幅した。この後、1.5:1のビーズ:PCR比でAMPure XPクリーンアップを行った。その後、同じ熱サイクル条件を以前と同様に使用して、各鎖(V、V、Vα、Vβ)を別々に標的とする第2の7サイクルを実施し、その後、AMPure XPクリーンアップを行った。その後、同じ熱サイクル条件および5〜15サイクル(qPCRにより判断される収量に応じて)で、全長Illumina配列決定アダプターを付加し、TapeStation D1000(Agilent)定量化に十分な物質を生成する最終PCRを実施した。その後、ライブラリーをプールし、V3 2×300bp MiSeqプラットフォーム(Illumina)で配列決定した。
(実施例11)
MiSeqプラットフォームの改変
BCRまたはTCRの完全な可変V(D)J領域の再構成には、2つのペアエンドIllumina読み取りを繋ぎ合わせることが必要である。このプロセスを向上させるため、2×300bpキットのフォワード読み取りを325bpに延長した。免疫受容体ライブラリーは、定常領域プライマー部位の多様性を制限するため、10%phiXスパイクインを使用して、ライブラリー多様性の制限という問題を軽減した。
(実施例12)
読み取りのバイオインフォマティクス処理の概要
pRESTOパッケージ(バージョン0.4)の周辺に組み立てた特注パイプラインを使用して、Illumina MiSeq読み取りを処理して、各液滴からmRNA分子の全長コンセンサス配列を生成し、IgBLASTおよび/またはIMGT/HighV−QUESTで注釈を付け、特注スクリプトおよびChange−Oパッケージを用いて、さらにアラインし、フィルタリングし、および処理して、統計情報を生成した。
(実施例13)
読み取り処理および注釈、アイソタイプ帰属。
生読み取り処理、V(D)J注釈、およびクローンの帰属は、pRESTOおよびChange−Oパッケージを利用して特注パイプラインで実施した。手短に言えば、生Illuminaペアエンド325+300bp読み取りを品質管理し、プライマートリミングし、液滴特異的(DB)および分子特異的バーコード(MB)を、プライマー部位のファジーマッチングにより識別した。まとめると、DBおよびMBにより由来分子が固有に識別され、この固有な分子識別子(UMI)を使用して、同じ分子から生じる一致PCR複製読み取り(最小で2つ)をグループ化し、各mRNA配列のコンセンサスを生成する。アイソタイプ特異的プライミングは、プライマートリミングされた配列内の既知のアイソタイプ特異的定常領域のファジーマッチングにより確認した。V(D)J生殖系列セグメントおよび再配置構造を、IgBLASTを使用して決定し、IMGT/HighV−QUESTで確認し、適切な場合は、Change−Oおよび特注スクリプトで解析した。
マッチングするIGHV遺伝子、IGHJ遺伝子、および接合部長を有する機能性V(D)J配列を、Change−Oに実装されているように、グループ内で単一連鎖クラスター化することにより、クローンを帰属させた。300万個の循環細胞データセットでは、対称化トランジション/トランスバージョンモデルを使用して、4.0の重みが加えられたクローン内距離を、クローン内の最近傍距離カットオフとして使用した。
(実施例14)
液滴免疫受容体含有フィルタリングおよび対合フィデリティー算出
液滴からB細胞配列を回収する精度は、本バーコード付与法により2つのやり方:液滴内mRNA配列一致および交差画分対合一致を使用してアセスメントすることができる。各液滴内では、1遺伝子座当たり複数のmRNAが捕捉され、1つの細胞に由来する発現V(D)J配列は、一致するはずである。配列一致を規定する、複数のアラインされたV(D)Jセグメントの2%配列多様性(平均のペアを成すヌクレオチド差pi55<0.02)のカットオフを使用して、1液滴当たり1つよりも多くの生産的VDJおよび1つの生産的VJ配列の存在を、推定免疫受容体含有または複数細胞占有として、バイオインフォマティクス的に目印を付ける。対立遺伝子排除的な液滴毎に重鎖および軽鎖コンセンサス配列を組み立て、クローン規定および交差画分対合分析に使用した。300万個の循環B細胞データセットでは、各V系列は、データセット中の>20,000個の軽鎖クローンの1つ(理想的な場合)と関連している。Vペアを有する259,368個の免疫遺伝子座排除的な液滴中、10,870個のVDJ重鎖遺伝子座再配置クラスターが、少なくとも6つの物理的に分離されたエマルジョン画分の2つに存在していた。これらクラスターは、増殖系列であるか、または同じVJエクソンの、独立しているが類似の再配置であるかのいずれかを表わす。VDJ再配置が、2つの複製で一貫したVJ再配置と対合している場合、両実験は、独立して真の陽性をもたらした(より希少な再配置を有する2,604個のクローンの35,922個の考え得るペアを成す比較のうち33,157個)。したがって、各複製の精度は、96.1%(0.923^0.5)である。
(実施例15)
HIV bNAb候補配列の発見
本発明者らの38,620個のVペアを、tblastx、MUSCLE、およびPhyMLを使用して文献から選別した既知のbNAb HCDR3、VDJ配列、およびドナー17系列との類似性について探索することにより、HIVの新しいネイティブに対合した広域中和抗体(BNAb)を発見し、その後、完全なV(D)Jアミノ酸配列の系統樹を手作業で検査して、既知のbNAb配列で分散されている抗体候補を選択した。
(実施例16)
HIV bNAbタンパク質発現および精製
抗体配列を合成し、以前に記載されている重鎖および軽鎖ベクターにクローニングした。重鎖および軽鎖プラスミドを、製造業者のプロトコールに従って293fectin(Invitrogen)を使用して、293FreeStyle細胞に同時トランスフェクトした(1:1比)。抗体上清を、トランスフェクトの4日後に採集し、プロテインA親和性クロマトグラフィーで精製した。精製した抗体を、さらなるアッセイで使用する前にPBSで緩衝液交換した。
(実施例17)
擬似ウイルス産生および中和アッセイ
HIV−1 Env発現プラスミドおよびEnv欠損ゲノムバックボーンプラスミド(pSG3ΔEnv)を293T細胞にトランスフェクトすることにより、擬似ウイルスを生成した。トランスフェクション72時間後に、擬似ウイルスを、中和アッセイで使用するために採集した。単一ラウンドの複製擬似ウイルスアッセイおよびTZM−Bl標的細胞を使用して、中和活性をアセスメントした。手短に言えば、TZM−Bl細胞を、96ウェル平底プレートに播種した。このプレートに、擬似ウイルスを添加し、それを、抗体の系列希釈物と共に37℃で1時間、事前にインキュベートした。感染72時間後に溶解し、Bright−Gloルシフェラーゼ基質(Promega)を添加して、ルシフェラーゼレポーター遺伝子発現を定量化した。IC50値を決定するために、用量反応曲線を非線形回帰法でフィッティングした。
(実施例18)
卵巣腫瘍標的鎖の同定識別
エマルジョン中の卵巣解離腫瘍組織からBCRおよびTCRを同時に捕捉した後、以前に記載されるように分子および液滴バーコードを使用して読み取りをフィルタリングしたが、その後、4つの考え得る標的鎖タイプ(BCR V、BCR V、TCR Vα、TCR Vβ)の各々の存在を探した。各々が少なくとも2つの配列決定読み取りを有する少なくとも2つのmRNAにより支持されていた場合、標的鎖を保持した。BCR VまたはTCR VαVβペアのみを含有する全ての液滴バーコードを、さらに分析した。BCR重鎖およびTCRベータ鎖クローンを、個別のCDR3アミノ酸配列に基づいてコールした。
(実施例19)
DNA標識抗体染色によるエマルジョン内のタンパク質検出
一本鎖200bp DNAオリゴヌクレオチドを、固有の5bp抗原ID配列を含有するように設計し、5’アミノ基で修飾した(Integrated DNA Technologies)。マウスモノクローナル抗ヒトCD4(BioLegend、#300516)およびCD8a(BioLegend、#301018)抗体を、製造業者のプロトコールに従ってThunder−Linkキット(Innova Biosciences)を使用して、DNAオリゴヌクレオチドタグにコンジュゲートした。エマルジョン前の細胞標識化では、末梢血に由来する200万個のネガティブ選択されたT細胞を、400μL細胞緩衝液+2mM EDTA+0.05%アジ化ナトリウムで希釈した。一本鎖サケ精子DNAを、200μg/mLの最終濃度で細胞に添加し、細胞を室温で5分間回転させた。CD4およびCD8a DNA標識抗体の混合物(各々、5nMの最終濃度)を細胞に添加し、30分間室温でインキュベートした。細胞を、細胞緩衝液+2mM EDTA+0.05%アジ化ナトリウム+200μg/mL一本鎖サケ精子DNAで3回洗浄した。エマルジョン分析に入る前に、細胞を、細胞緩衝液+0.05%アジ化ナトリウムに再懸濁した。30,000個の細胞を、エマルジョン配列決定に使用した。
(実施例20)
四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート染色
各々ストレプトアビジンコアおよびフルオロフォアを有する、4つのMHC−ペプチド複合体で構成される四量体−オリゴヌクレオチドを生成した。各四量体オリゴヌクレオチドは、下記のように定量化で使用するための分子バーコードおよび/または四量体IDコードをさらに含んだ。例示的な蛍光標識四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを、図18に示す。
2つの異なるTCRの親和性を決定するための例示的な方法を、本明細書に記載する。MHC−ペプチドへの公知の異なる親和性を有するT細胞の2つの集団を、MHC−ペプチド四量体(pMHC)を含む四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの様々な濃度と共にインキュベートする。未結合の四量体−オリゴヌクレオチドを洗い流し、細胞をエマルジョン分析に入力し、配列決定する。結合シグナルは、各T細胞について四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの各濃度での四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチドの配列読み取りに基づいて計算される(図19)。より高い濃度の四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートと共にインキュベートされるT細胞は、より高い結合シグナルを示すことが予想される。四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのMHC−ペプチドへのより高い親和性を有するTCRを有するT細胞は、アッセイの有効範囲内で四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの同じ濃度において四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのMHC−ペプチドへのより低い親和性を有したTCRを有するT細胞と比較して、より高い結合シグナルを示すことが予想される。例えば、図19において、log[四量体]−8と−4との濃度の間で、TCR1への結合シグナルはTCR2のそれを上回り、このアッセイではTCR1が使用される四量体試薬へのより高い親和性を有することが予想されるだろうことを示す。
(実施例21)
従来のMHC−ペプチド四量体染色と比較した四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート染色
本明細書に記載される例示的な四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート試薬の結合特異性を試験するための陽性対照を提供するために、標的特異的T細胞を生成した。標的特異的T細胞を生成するための例示的な方法は、Hoら、J. Immunol. Methods、310巻:1〜2頁、40〜52頁に概説されている。簡潔には、GM−CSFおよびIL−4の存在下で2日にわたって培養した後、炎症誘発性サイトカインの存在下で3日目からインキュベートして成熟樹状細胞を産生することによって、HLA−A02:01を有する正常なヒトドナーから得られた末梢血単核細胞(PBMC)試料の接着性画分から、樹状細胞を導く。4日目に、生じた成熟樹状細胞を収集し、洗浄して、MHC−ペプチド四量体(pMHC)で使用される所望の標的由来のペプチドでパルスする。5日目に、正常なヒトドナーに由来する自己CD8+T細胞を、ペプチドでパルスされた樹状細胞と共にインキュベートする。8日目に、培養物中のIFNγを、抗原特異的T細胞を含有する培養物の指標として測定する。反応性共培養物に由来する細胞を選択し、ペプチドでパルスした樹状細胞で2、3回再刺激して、抗原特異的T細胞を濃縮する。一部の実施形態では、Hoら、2006年、によって本質的に記載されるように、これら抗原特異的T細胞は、セルソーティングおよび/または限界希釈クローニングによってそのような濃縮集団から生成される。標的特異的でないCD8+T細胞は、T細胞対照集団として使用した。
標的特異的CD8+T細胞および非特異的CD8+T細胞対照集団を、蛍光標識標準MHC−ペプチド四量体または様々な漸減濃度の蛍光標識四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのいずれかと共にインキュベートした。インキュベーションの後、標準のMHC−ペプチド四量体または四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに陽性染色した細胞の存在は、フローサイトメトリーによって同定した。非特異的CD8+T細胞と共にインキュベートした標準のMHC−ペプチド四量体および四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの両方は、陽性染色をほとんど示さなかったか全く示さなかった(図21、上列フローサイトメトリープロット)。標的特異的CD8+T細胞と共にインキュベートした標準のMHC−ペプチド四量体は、強力な二重陽性MHC−ペプチド四量体+CD8+細胞集団を示した(図21、下列、左のフローサイトメトリープロット)。標的特異的CD8+T細胞と共にインキュベートした四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートは、強力な二重陽性四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート+CD8+細胞集団を示し、この二重陽性集団は、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート濃度の低下に伴って減少した(図21、下列、右の3つのフローサイトメトリープロット)。これは、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートが標準のMHC−ペプチド四量体と同様に標的特異的T細胞に結合したこと、および、標的特異的T細胞に結合している四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートが、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの濃度に依存性であったことを示した。
(実施例22)
四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート結合シグナル
実施例21に概説した通り、標的特異的(結合TCR)または非特異的T細胞(非結合TCR)も使用して、1細胞あたりの結合した四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲート数を調査した。結合TCR集団のTCRによって認識されるMHC−ペプチド四量体、ならびに少なくとも1つの固有のオリゴヌクレオチド配列(例えば、分子バーコード、四量体IDコード、および/または抗原IDコード)を含む、様々な濃度の四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートと共に、非結合TCR細胞集団および結合TCR細胞集団を別々にインキュベートした。未結合の四量体−オリゴヌクレオチドを洗い流し、細胞をエマルジョン分析に入力して、配列決定した。結合シグナルを、各四量体について四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの各濃度でのオリゴヌクレオチドの配列読み取りの数に基づいて計算し、それを図21にグラフの形で表す。図21に示す結果は、四量体−オリゴヌクレオチドコンジュゲートが、一次標的T細胞上のTCRを、用量依存的に特異的に認識し、結合することが可能なことを示す。

Claims (97)

  1. T細胞受容体(TCR)を選択する方法であって、
    (a)複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子を複数のT細胞と接触させるステップと;
    (b)ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体を、
    (i)複数のベッセルのうちの1つのベッセル中の、pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子のオリゴヌクレオチド部分、および
    (ii)前記ベッセル中の複数のT細胞のうちの1つの単一のT細胞に由来するTCRポリヌクレオチド
    に付着させるステップと;
    (c)前記オリゴヌクレオチド部分またはその相補体および前記TCRポリヌクレオチドまたはその相補体を配列決定し、それによって配列情報を生成するステップと
    を含む方法。
  2. T細胞受容体(TCR)の結合親和性を決定する方法であって、
    (a)複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子を複数のT細胞と接触させるステップと;
    (b)オリゴヌクレオチド部分またはその相補体を配列決定し、それによって配列情報を生成するステップと;
    (c)前記配列情報に基づいて、pMHCオリゴヌクレオチドコンジュゲートへのTCRの結合親和性を決定するステップと
    を含む方法。
  3. T細胞受容体(TCR)を選択する方法であって、
    (a)複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子を複数のT細胞と接触させるステップであって、前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子が、検出部分を含む、ステップと;
    (b)前記検出部分の検出に基づいて、(a)の前記複数のT細胞から、富化させたT細胞集団を得るステップと;
    (c)富化させた前記集団から、pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子に結合した1つの単一のT細胞を、複数のベッセルのうちの1つの第1のベッセルに単離するステップと;
    (d)ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体を、
    (i)前記第1のベッセル中の前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子のオリゴヌクレオチド部分、および
    (ii)前記第1のベッセル中の前記単一のT細胞に由来するTCRポリヌクレオチド
    に付着させるステップと;
    (e)前記オリゴヌクレオチド部分またはその相補体および前記TCRポリヌクレオチドまたはその相補体を配列決定し、それによって配列情報を生成するステップと
    を含む方法。
  4. T細胞受容体(TCR)を選択する方法であって、
    (a)複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子を複数のT細胞と接触させるステップであって、前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子が、検出部分を含む、ステップと;
    (b)前記検出部分の検出に基づいて、(a)の前記複数のT細胞から、富化させたT細胞集団を得るステップと;
    (c)富化させた前記集団から、pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子に結合した1つの単一のT細胞を、複数のベッセルのうちの1つの第1のベッセルに単離するステップと;
    (d)オリゴヌクレオチド部分またはその相補体およびTCRポリヌクレオチドまたはその相補体を配列決定し、それによって配列情報を生成するステップと;
    (e)前記配列情報に基づいて、前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートへの前記TCRポリヌクレオチドによってコードされるTCRの結合親和性を決定するステップと
    を含む方法。
  5. 前記富化させたT細胞集団が、前記接触させるステップの後の前記複数のT細胞中のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子に結合したT細胞の全T細胞に対する比より高い、pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子に結合したT細胞の全T細胞に対する比を含む、請求項3または4に記載の方法。
  6. T細胞受容体(TCR)を選択する方法であって、
    (a)第1の複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子を、第1の複数のT細胞と、第1のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子対細胞の比で接触させるステップと;
    (b)第2の複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子を、第2の複数のT細胞と、前記第1のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子対細胞の比より低い、第2のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子対細胞の比で接触させるステップと;
    (c)第1のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体を、
    (i)複数のベッセルのうちの第1のベッセル中のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子のオリゴヌクレオチド部分、および
    (ii)前記第1のベッセル中の第1のT細胞集団の単一のT細胞に由来する第1のTCRポリヌクレオチド
    に付着させるステップと;
    (d)第2のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体を、
    (i)前記複数のベッセルのうちの第2のベッセル中のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子のオリゴヌクレオチド部分、および
    (ii)前記第2のベッセル中の第2のT細胞集団の単一のT細胞に由来する第2のTCRポリヌクレオチド
    に付着させるステップと;
    (e)前記第1のベッセル中の前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の前記オリゴヌクレオチド部分またはその相補体および前記第1のTCRポリヌクレオチドまたはその相補体を配列決定し、それによって配列情報の第1のセットを生成するステップと;
    (f)前記第2のベッセル中の前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の前記オリゴヌクレオチド部分またはその相補体および前記第2のTCRポリヌクレオチドまたはその相補体を配列決定し、それによって配列情報の第2のセットを生成するステップと;
    (g)配列情報の前記第1のセットに基づいて、前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートへの前記第1のTCRポリヌクレオチドによってコードされるTCRの第1の結合シグナルを決定するステップ、および配列情報の前記第2のセットに基づいて、前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートへの前記第2のTCRポリヌクレオチドによってコードされるTCRの第2の結合シグナルを決定するステップと
    を含み、前記第1のTCRポリヌクレオチドおよび前記第2のTCRポリヌクレオチドが、同じTCRをコードする、方法。
  7. 前記配列情報に基づいて、前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートへの前記TCRポリヌクレオチドによってコードされるTCRの結合親和性を決定するステップをさらに含む、請求項1または3に記載の方法。
  8. 前記第1のTCRポリヌクレオチドおよび前記第2のTCRポリヌクレオチドによってコードされる同じTCRの結合親和性を、前記第1の結合シグナルおよび前記第2の結合シグナルに基づいて決定するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記第1および第2の複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子が、同じペプチドを含む、請求項6に記載の方法。
  10. 前記第1および第2の複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子のMHCが、同じサブタイプである、請求項6または9に記載の方法。
  11. T細胞受容体(TCR)を選択する方法であって、
    (a)複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子を複数のT細胞と接触させるステップと;
    (b)
    (i)第1のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体を、複数のベッセルのうちの第1のベッセル中のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子のオリゴヌクレオチド部分に付着させ、
    (ii)前記第1のベッセル中のT細胞集団の第1の単一のT細胞に由来する第1のTCRポリヌクレオチドを付着させ;
    (iii)第2のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体を、前記複数のベッセルのうちの第2のベッセル中のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子のオリゴヌクレオチド部分に付着させ、
    (iv)前記第2のベッセル中のT細胞集団の第2の単一のT細胞に由来するTCRポリヌクレオチドを付着させるステップと;
    (c)
    (i)前記第1のベッセル中の前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の前記オリゴヌクレオチド部分またはその相補体および前記第1のTCRポリヌクレオチドまたはその相補体を配列決定し、それによって、TCRポリヌクレオチドベッセルバーコード配列読み取りおよびオリゴヌクレオチドベッセルバーコード配列読み取りを含む配列情報の第1のセットを生成し;
    (ii)前記第2のベッセル中の前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の前記オリゴヌクレオチド部分またはその相補体および第2のTCRポリヌクレオチドまたはその相補体を配列決定し、それによって、TCRポリヌクレオチドベッセルバーコード配列読み取りおよびオリゴヌクレオチドベッセルバーコード配列読み取りを含む配列情報の第2のセットを生成するステップと;
    (d)前記第1のTCRポリヌクレオチドによってコードされる前記TCRの結合親和性と前記第2のTCRポリヌクレオチドによってコードされる前記TCRの結合親和性とを比較するステップであって、前記第1のTCRポリヌクレオチドによってコードされる前記TCRの前記結合親和性が、配列情報の前記第1のセットに基づいて決定され、前記第2のTCRポリヌクレオチドによってコードされる前記TCRの前記結合親和性が、配列情報の前記第2のセットに基づいて決定される、ステップと;
    (e)前記比較するステップに基づいて前記第1のTCRポリヌクレオチドによってコードされる前記TCRを選択するステップであって、前記第1のTCRポリヌクレオチドによってコードされる選択された前記TCRが、前記第2のTCRポリヌクレオチドによってコードされる前記TCRより強力な結合親和性を有する、ステップと
    を含む方法。
  12. 前記第1の単一のT細胞が、疾患または状態に罹患している患者に由来する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2の単一のT細胞が、前記疾患または状態に罹患していない患者に由来する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子が、検出部分を含む、請求項1または6から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 富化させたT細胞集団を得るステップが、前記検出部分の検出に基づく、請求項14に記載の方法。
  16. 前記検出部分が、フルオロフォアを含む、請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記第1のベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体のベッセルバーコード配列が、複数の前記ベッセルのうちの第2のベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはそのアンプリコンのベッセルバーコード配列と異なる、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記配列情報が、TCRポリヌクレオチドベッセルバーコード配列読み取りおよびオリゴヌクレオチドベッセルバーコード配列読み取りを含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記接触させるステップの後に、前記接触させるステップの後の前記複数のT細胞中のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子に結合したT細胞の百分率よりも高い百分率のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子に結合したT細胞を含む富化させたT細胞集団を得るステップをさらに含む、請求項1または6から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記単一の細胞に結合したpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の数を決定するステップをさらに含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの前記オリゴヌクレオチド部分が、前記複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の単一のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子に固有な四量体分子バーコード(TMB)配列を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記配列情報が、四量体分子バーコード配列読み取りを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記単一のT細胞に結合したpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の数が、前記配列情報から決定される、請求項21または22に記載の方法。
  24. 前記単一のT細胞に結合したpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の数が、前記四量体分子バーコード配列読み取りから決定される、請求項21から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の各pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子が、固有のTMB配列を含む、請求項21から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのpMHC部分が、pMHCの多量体、任意選択でpMHCの四量体を含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記MHCが、可溶形態である、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの前記pMHC部分のペプチドが、合成ペプチドを含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記pMHC部分が、前記単一のT細胞のT細胞受容体(TCR)に結合する、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記オリゴヌクレオチド部分が、四量体同定配列(TID)を含む、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記TIDが、前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの前記ペプチドまたは前記pMHC部分にバーコード化される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドが、前記ベッセル中の鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドに由来する、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記配列情報に基づいて、前記ベッセル中の前記単一のT細胞の特徴を決定するステップをさらに含む、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記配列情報が、前記四量体同定(TID)配列またはその相補体を含み、および/または前記TID配列を有する分子のコピー数を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記接触させるステップの後に前記複数のT細胞を洗浄するステップをさらに含む、請求項1から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記ベッセル中の前記単一のT細胞を単離するステップをさらに含む、請求項1または6から35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記単一のT細胞が、単離するステップの前に前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートに結合している、請求項36に記載の方法。
  38. 前記単一のT細胞を溶解するステップをさらに含む、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記溶解するステップが、前記単一のT細胞が前記ベッセル中で単離された後である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記複数のT細胞が、複数のソーティングされていないT細胞である、請求項1から39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記複数のベッセルのうちの第1のベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体の前記ベッセルバーコード配列が、前記複数のベッセルのうちの第2のベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体の前記ベッセルバーコード配列と異なる、請求項1から40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記複数のベッセルのうちの単一のベッセル中の各ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体の前記ベッセルバーコード配列が、同じベッセルバーコード配列を含む、請求項1から41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記複数のベッセルのうちの任意の単一のベッセル中の各ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体の前記ベッセルバーコード配列が、前記複数のベッセルのうちの任意の他の単一のベッセル中の各ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体の前記ベッセルバーコード配列に固有である、請求項1から42のいずれか一項に記載の方法。
  44. ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドをオリゴヌクレオチド部分に付着させる前記ステップ、およびベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを前記単一のT細胞に由来するTCRポリヌクレオチドに付着させる前記ステップが、同時に実行される、請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記オリゴヌクレオチドまたはその相補体を増幅するステップをさらに含む、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記TCR細胞ポリヌクレオチドまたはその相補体を増幅するステップをさらに含む、請求項1から45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記オリゴヌクレオチドまたはその相補体を増幅するステップおよび前記TCRポリヌクレオチドまたはその相補体を増幅するステップが、同時に実行される、請求項46に記載の方法。
  48. 前記細胞ポリヌクレオチドの前記ベッセルバーコード配列および前記オリゴヌクレオチドの前記ベッセルバーコード配列が、同じである、請求項44から47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記複数のベッセルのうちの2またはそれより多くのベッセルから、オリゴヌクレオチド、その増幅産物またはその相補体をプールするステップをさらに含む、請求項1から48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記複数のベッセルのうちの2またはそれより多くのベッセルから、オリゴヌクレオチド、その増幅産物またはその相補体、およびTCRポリヌクレオチドまたはその相補体をプールするステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記プールするステップが、配列決定するステップの前である、請求項49または50に記載の方法。
  52. 前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートが、複数の異なるpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを含む、請求項1から51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記複数のpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートの各pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートが、固有の四量体同定(TID)配列を含む、請求項52に記載の方法。
  54. 前記オリゴヌクレオチドが、融合配列を含み、前記付着させるステップが、前記ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを前記融合配列に付着させることを含む、請求項1から53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記オリゴヌクレオチドが、プライマー結合配列を含む、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記オリゴヌクレオチドが、定常配列を含む、請求項1から55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記オリゴヌクレオチド配列読み取りのベッセルバーコード配列を分析するステップをさらに含む、請求項1から56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記オリゴヌクレオチド配列読み取りの四量体同定(TID)配列を分析するステップをさらに含む、請求項1から57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記オリゴヌクレオチド配列読み取りの四量体分子バーコード(TMB)配列を分析するステップをさらに含む、請求項1から58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記分析するステップが、1つまたは複数のベッセルバーコード配列、1つまたは複数のTID配列、1つまたは複数の四量体分子バーコード(TMB)配列、またはその組合せの頻度を決定することを含む、請求項59に記載の方法。
  61. 前記分析するステップが、比較することを含む、請求項59または60に記載の方法。
  62. オリゴヌクレオチド配列読み取りの四量体同定(TID)配列を、オリゴヌクレオチド配列読み取りの四量体分子バーコード(TMB)配列と比較するステップをさらに含む、請求項57から61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記TCRポリヌクレオチド、その相補体、その増幅産物、またはその組合せを配列決定し、それによってTCRポリヌクレオチド配列読み取りを産生するステップをさらに含む、請求項44から62のいずれか一項に記載の方法。
  64. オリゴヌクレオチド配列読み取りを前記TCRポリヌクレオチド配列読み取りと比較するステップをさらに含む、請求項63に記載の方法。
  65. オリゴヌクレオチド配列読み取りのベッセルバーコード配列を、前記TCRポリヌクレオチド配列読み取りのベッセルバーコード配列と比較するステップをさらに含む、請求項63または64に記載の方法。
  66. 前記TCRポリヌクレオチド配列読み取りを比較するステップをさらに含む、請求項63から65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記TCRポリヌクレオチド配列読み取りのベッセルバーコード配列を分析するステップをさらに含む、請求項63から66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記TCRポリヌクレオチド配列読み取りの分子バーコード配列を分析するステップをさらに含む、請求項63から67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記分析するステップまたは前記比較するステップに基づいて細胞の特徴を決定するステップをさらに含む、請求項63から68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記オリゴヌクレオチド配列読み取りに基づいてTCRを選択するステップをさらに含む、請求項57から69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記TCRポリヌクレオチド配列読み取りに基づいてTCRを選択するステップをさらに含む、請求項63から70のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記オリゴヌクレオチドに付着された前記ベッセルバーコード化ポリヌクレオチド、および前記TCRポリヌクレオチドに付着された前記ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドが、前記ベッセル中の同じ鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドに由来する、請求項1から71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記オリゴヌクレオチドに付着された前記ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドが、鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの増幅産物である、請求項1から72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記TCRポリヌクレオチドに付着された前記ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドが、前記鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの増幅産物である、請求項72または73に記載の方法。
  75. 前記ベッセルが、固体支持体を含む、請求項1から74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記ベッセルが、固体支持体を含まない、請求項1から74のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記複数のベッセルの各ベッセルが、単一の細胞を含む、請求項1から76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記ベッセルが、ウェル、エマルジョンまたは液滴である、請求項1から77のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドが、固体支持体に結合されていない、請求項1から78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 前記鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドが、固体支持体に結合されている、請求項1から78のいずれか一項に記載の方法。
  81. 複数の分子バーコード化ポリヌクレオチドのうちの分子バーコード化ポリヌクレオチドの分子バーコード配列を前記TCRポリヌクレオチドに付着させるステップであって、前記分子バーコード配列が、単一のTCRポリヌクレオチド分子およびその増幅産物にバーコード化される、ステップをさらに含む、請求項1から80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記付着させるステップが、前記ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体を前記オリゴヌクレオチドにライゲーションすることを含む、請求項1から81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 前記付着させるステップが、前記ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体を、酵素によって前記オリゴヌクレオチドに付着させることを含む、請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記付着させるステップが、前記ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドまたはその相補体を、前記オリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせることを含む、請求項1から83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記付着させるステップが、前記オリゴヌクレオチドを伸長させるステップをさらに含む、請求項84に記載の方法。
  86. 前記付着させるステップが、鋳型ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを増幅することを含む、請求項1から85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記オリゴヌクレオチドが、二本鎖である、請求項1から86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記オリゴヌクレオチドが、一本鎖である、請求項1から86のいずれか一項に記載の方法。
  89. 前記オリゴヌクレオチドが、DNAである、請求項1から88のいずれか一項に記載の方法。
  90. 前記オリゴヌクレオチドが、RNAである、請求項1から88のいずれか一項に記載の方法。
  91. 前記細胞ポリヌクレオチドが、可変領域配列を含む、請求項1から90のいずれか一項に記載の方法。
  92. 可変領域配列を含有するネイティブのTCR鎖配列を対合させるステップをさらに含む、請求項1から91のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記TCRポリヌクレオチドが、DNAである、請求項1から92のいずれか一項に記載の方法。
  94. 前記TCRポリヌクレオチドが、RNAである、請求項1から93のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記RNAが、mRNAである、請求項94に記載の方法。
  96. 複数のベッセルを含む組成物であって、前記複数のベッセルのうちの1つのベッセルが、
    (a)複数のT細胞を含む試料に由来する単一のT細胞、および
    (b)ベッセルバーコード配列を含むベッセルバーコード化ポリヌクレオチド
    を含み、前記ベッセルが、前記単一のT細胞のTCRに結合するpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートをさらに含む、組成物。
  97. 複数のベッセルを含む組成物であって、前記複数のベッセルのうちの1つのベッセルが、
    (a)複数のT細胞を含む試料に由来する単一の溶解T細胞、および
    (b)前記単一の溶解T細胞のTCRに結合するpMHC部分を含むpMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲート
    を含み、前記pMHC−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴヌクレオチド部分が、ベッセルバーコード配列を含み、前記単一の溶解T細胞に由来するTCRポリヌクレオチドが、同じベッセルバーコード配列を含む、組成物。
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