JP2019537223A - 試験片を検査する方法および荷電粒子マルチビーム装置 - Google Patents

試験片を検査する方法および荷電粒子マルチビーム装置 Download PDF

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Abstract

光軸を有する荷電粒子ビーム装置内で1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法が提供される。この方法は、1次荷電粒子ビームを生成することと、1次荷電粒子ビームによって多開孔レンズ板を照射して、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成することと、第1および第2の像面湾曲補正電極によって荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正することとを含む。この方法は、第1および第2の像面湾曲補正電極に電圧を印加することをさらに含む。第1および第2の像面湾曲補正電極によって提供される電界強度のうちの少なくとも1つは、荷電粒子ビーム装置の光軸に直交する平面内で変動する。この方法は、対物レンズによって試験片上の別個の場所に1次荷電粒子ビームレットを集束させることをさらに含む。【選択図】図1

Description

実施形態は、たとえば、検査システムの応用例、試験システムの応用例、欠陥レビューまたは限界寸法設定の応用例などに対する荷電粒子ビーム装置に関する。実施形態はまた、荷電粒子ビーム装置の動作方法に関する。より詳細には、実施形態は、汎用(生物学的構造の撮像など)および/または高スループットEBI(電子ビーム検査)のためのマルチビームシステムである荷電粒子ビーム装置に関する。具体的には、実施形態は、走査荷電粒子ビーム装置および走査荷電粒子ビーム装置による電子ビーム検査方法に関する。
現代の半導体技術は、集積回路の生産中に使用される様々なプロセスの正確な制御に大きく依存している。したがって、ウエハは、可能な限り早期に問題の場所を突き止めるために繰り返し検査される。さらに、マスクまたはレチクルもまた、マスクがそれぞれのパターンを正確に画定することを確実にするために、ウエハ処理中に実際に使用する前に検査される。欠陥に対するウエハまたはマスクの検査は、ウエハまたはマスク領域全体を調査することを含む。特に、製造中のウエハの検査は、検査プロセスによって生産スループットが制限されないように短時間でウエハ領域全体を調査することを含む。
ウエハの検査には、走査電子顕微鏡(SEM)が使用されてきた。ウエハの表面は、たとえば、個々の精巧に集束された電子ビームを使用して走査される。電子ビームがウエハに当たると、2次電子および/または後方散乱電子、すなわち信号電子が生成され、測定される。ウエハ上の1つの場所のパターン欠陥は、2次電子の強度信号と、たとえばパターン上の同じ場所に対応する基準信号とを比較することによって検出される。しかし、より高い分解能に対する要求が増大しているため、ウエハの表面全体を走査するには長い時間がかかる。したがって、この手法ではそれぞれのスループットが提供されないため、従来の(単一ビーム)走査電子顕微鏡(SEM)をウエハ検査に使用することは困難である。
半導体技術におけるウエハおよびマスク欠陥検査は、全ウエハ/マスクの応用例またはホットスポット検査の両方をカバーする高分解能および高速の検査ツールを必要とする。光学ツールの分解能は制限されており、そのようなツールでは縮小し続ける欠陥サイズを取り扱うことができないため、電子ビーム検査の重要性はまずます増大している。特に、20nmのノードからその先では、関係するすべての欠陥を検出するために、電子ビームに基づく撮像ツールの高分解能の可能性が求められている。
上記を考慮して、当技術分野の問題の少なくともいくつかを克服する荷電粒子マルチビーム装置および荷電粒子のビームレットのアレイによって試験片を検査する方法が提供される。
上記に照らして、独立請求項に記載の荷電粒子のビームレットのアレイによって試験片を検査する方法および荷電粒子マルチビーム装置が提供される。さらなる態様、利点、および特徴は、従属請求項、説明、および添付の図面から明らかである。
一実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置内で1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法が提供される。この方法は、荷電粒子ビームエミッタによって1次荷電粒子ビームを生成することと、1次荷電粒子ビームによって表面を有する多開孔レンズ板を照射して、集束された1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成することと、多開孔レンズ板の表面上に少なくとも第1の電極によって電界を生成することであって、少なくとも第1の電極によって提供される電界のz方向における電界成分が非回転対称である、生成することと、対物レンズによって試験片上の別個の場所に1次荷電粒子ビームレットを集束させ、試験片を別個の場所で同時に検査することとを含む。
別の実施形態によれば、1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置が提供される。荷電粒子ビーム装置は、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源であって、荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、および表面を有する多開孔レンズ板を含み、多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を備え、1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される、荷電粒子ビーム源と、多開孔レンズ板の表面上に電界を生成する少なくとも第1の電極であり、半径方向、円周方向、および1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有し、円周方向に少なくとも2つの別個の電極セグメントに区分けされた少なくとも第1の電極と、1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを試験片上の別個の場所へ集束させる対物レンズとを含む。
別の実施形態によれば、1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置が提供される。荷電粒子ビーム装置は、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源であって、荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、ならびに1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を備える多開孔レンズ板を含み、多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される、荷電粒子ビーム源と、多開孔レンズ板の表面上に電界を生成する少なくとも第1の電極であり、1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有し、荷電粒子ビーム装置の光軸に直交する平面に対して傾斜している少なくとも第1の電極と、1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを試験片上の別個の場所へ集束させる対物レンズとを含む。
別の実施形態によれば、試験片を検査するマルチカラム顕微鏡が提供される。マルチカラム顕微鏡は、1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置を含み、荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム装置のz方向に延びる光軸を備え、荷電粒子ビーム装置は、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源であり、荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を備える多開孔レンズ板であり、1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置された多開孔レンズ板、ならびに多開孔レンズ板の表面上に電界を生成する少なくとも第1の電極であり、1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有し、荷電粒子ビーム装置の光軸に直交する平面に対して傾斜しており、かつ/または円周方向に少なくとも2つの別個の電極セグメントに区分けされた少なくとも第1の電極を含む荷電粒子ビーム源と、1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを試験片上の別個の場所へ集束させる対物レンズとをさらに含み、マルチカラム顕微鏡は、さらなる1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成するさらなる荷電粒子ビーム源をさらに含む。
実施形態はまた、開示の方法を実施する装置を対象とし、それぞれの記載の方法特徴を実行する装置部分を含む。方法特徴は、ハードウェア構成要素、適当なソフトウェアによってプログラムされたコンピュータ、これら2つの任意の組合せ、または任意の他の方法によって実行することができる。さらに、実施形態はまた、記載の装置が動作する方法を対象とする。実施形態は、装置のすべての機能を実施する方法特徴を含む。
上述した特徴を詳細に理解することができるように、実施形態を参照することによって、上記で簡単に要約した内容のより具体的な説明を得ることができる。添付の図面は、実施形態に関するものであり、添付の図面について以下に説明する。
本明細書に記載の実施形態による試験片検査のためのマルチビーム装置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による試験片検査のためのマルチビーム装置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による像面補正の有無によるビーム挙動の概略図である。 本明細書に記載の実施形態によるビームの像面補正および走査によるビーム挙動の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による像面補正電極の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による像面補正電極の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による像面補正電極の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置の部分図における像面補正電極の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置の部分図における像面補正電極の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置の部分図における像面補正電極の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による試験片検査のためのマルチビーム装置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による試験片検査のためのマルチビーム装置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置のマルチカラム配置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置のマルチカラム配置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置によって試験片を検査する方法の流れ図である。
様々な実施形態を次に詳細に参照する。これらの図には、実施形態の1つまたは複数の例が示されている。以下の図面の説明の範囲内で、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。個別の実施形態に関する違いを説明する。各例は、説明を目的として提供されており、限定であることを意味するものではない。さらに、一実施形態の一部として図示または説明する特徴を、他の実施形態でまたは他の実施形態と組み合わせて使用して、さらなる実施形態を得ることもできる。この説明は、修正および変形を含むことを意図したものである。
本出願の保護範囲を限定することなく、以下、荷電粒子ビーム装置またはその構成要素を例示的に、電子などの2次または後方散乱粒子の検出を含む荷電粒子ビーム装置と呼ぶ。それでもなお、実施形態は、試験片画像を得るために、電子もしくはイオン、光子、X線、または他の信号の形態の2次および/または後方散乱荷電粒子などの微粒子を検出する装置および構成要素に適用することができる。微粒子を参照するとき、微粒子は、光信号であると理解されたい。微粒子は光子ならびに粒子であり、微粒子はイオン、原子、電子、または他の粒子である。本明細書に記載するように、検出に関する議論および説明では、走査電子顕微鏡内の電子に関して例示的に説明する。様々な異なる計器内の装置によって、他のタイプの荷電粒子、たとえば陽イオンを検出することもできる。
他の実施形態と組み合わせることができる本明細書の実施形態によれば、信号(荷電粒子)ビームまたは信号(荷電粒子)ビームレットを、2次粒子、すなわち2次および/または後方散乱粒子のビームと呼ぶ。典型的には、信号ビームまたは2次ビームは、試験片に対する1次ビームもしくは1次ビームレットの衝突、または試験片からの1次ビームの後方散乱によって生成される。1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットは、粒子ビーム源によって生成され、検査または撮像すべき試験片上で案内および偏向される。
本明細書では、「試験片」または「サンプル」には、それだけに限定されるものではないが、半導体ウエハ、半導体加工物、フォトリソグラフィマスク、およびメモリディスクなどの他の加工物などが含まれる。実施形態は、材料がその上に堆積するまたは構造化される任意の加工物に適用することができる。試験片は、構造化すべき表面、または層を堆積させる表面、端面、および典型的には斜角を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、装置および方法は、電子ビーム検査、限界寸法設定の応用例、および欠陥レビューの応用例に構成または適用される。
荷電粒子ビーム装置の一実施形態が、図1に概略的に示されている。荷電粒子ビーム装置100は、荷電粒子ビーム源110を含み、荷電粒子ビーム源110は、1次荷電粒子ビーム14を放出する粒子ビームエミッタ111を含む。本明細書に記載の実施形態によれば、荷電粒子ビーム源110は、1次荷電粒子ビームレット15のアレイを生成するように適合される。荷電粒子ビーム源110は、荷電粒子ビームエミッタ111および多開孔レンズ板113を含むことができる。図1に示す実施形態などのいくつかの実施形態では、加速電極199に供給される加速電圧(荷電粒子ビームエミッタ111と加速電極199との間の電圧差)によって、1次荷電粒子ビーム14を加速させることができる。本明細書に記載の実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置は、第1の電極112、たとえば少なくとも第1の電極112を含む。図1の実施形態では、荷電粒子ビームエミッタ111と多開孔レンズ板113との間に配置された第1の電極112が、例示的に示されている。他の実施形態によれば、第1の電極112はまた、多開孔レンズ板113の下(伝播する荷電粒子ビームレットの方向に見たとき)に配置することができる。
本明細書に記載の実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置の第1の電極、または荷電粒子ビーム装置の少なくとも第1の電極はそれぞれ、多開孔レンズ板の表面上に電界を生成するように適合および駆動される。多開孔レンズ板113の表面は、図1に参照符号114で示されている。いくつかの実施形態によれば、表面114は、第1の電極112に対向する多開孔レンズ板の表面とすることができる。たとえば、第1の電極が多開孔レンズ板の前(図1に示す伝播するビームレットまたは伝播する1次荷電粒子ビーム14の方向)に配置される場合、第1の電極が電界を生成する表面は、多開孔レンズ板の上面(図1に参照番号114で示す)である。別法として、第1の電極が多開孔レンズ板の下(伝播する1次荷電粒子ビームレット15または伝播する1次荷電粒子ビーム14の方向)に配置される場合、第1の電極が電界を生成する表面は、多開孔レンズ板の下面である。
ビームエミッタ、多開孔レンズ板、および第1の電極を含む荷電粒子ビーム源110を、荷電粒子ビーム装置の上部と呼ぶことができる。荷電粒子ビーム装置100は例示的に、レンズ120、対物レンズ130、および試験片ステージ141をさらに含み、試験片ステージ141上に試験片140を配置することができる。レンズ120、対物レンズ130、および試験片ステージ141は、荷電粒子ビーム装置の下部の一部として説明することができる。
本明細書に記載の実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置の第1の電極は、上述したように多開孔レンズ板の表面上に電界を生成するように適合および駆動される。本明細書に記載の実施形態によれば、z成分を有する電界は、第1の電極112と多開孔レンズ板113との間の電圧差によって生成される。電界は、荷電粒子ビーム装置のz方向に延びるz成分を有することができる。いくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置のz方向は、図1の荷電粒子ビーム装置100の左の座標系で例示的に見ることができるように、光軸に沿って延びることができる。本明細書に記載の実施形態によれば、第1の電極によって提供されるz方向における電界の成分は、多開孔レンズ板の表面上で非回転対称である。たとえば、電界の強度は、多開孔レンズ板の表面の平面にわたって変動する。いくつかの実施形態によれば、第1の電極によって提供される電界のz成分が非回転対称であることは、電界の強度を変化させることなく電界のz成分を固定点の周りで回転させることができないことを意味することができる。
多開孔レンズ板の表面上の電界のz成分の非回転対称は、特に以下のように、少なくとも2つの電極による像面湾曲補正と組み合わせることができる。たとえば、本明細書に記載の実施形態による電界のz成分の構成は、1つの電極配置(たとえば、特に図5〜7に関して以下で詳細に説明するように、1つの区分けされた電極のみ)によって、または多開孔レンズ板の前後で電極の場所に関して分離された構成(図1、図2、および図11の構成に関して詳細に説明する)で実現することができる。
いくつかの実施形態によれば、第1の電極によって生成される電界は、いくつかの作用を有することができ、異なる状況に使用することができる。本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置内の多開孔レンズ板の表面上の第1の電極の可変電界の1つの応用例は、第1の電極を使用して、荷電粒子ビーム装置の像面湾曲、特に荷電粒子ビーム装置の撮像レンズによって導入される像面湾曲を補償または補正することである。いくつかの実施形態によれば、像面湾曲を補償または補正するために、2つ以上の電極を使用することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも第1の電極は、伝播する1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットの方向に見たとき、荷電粒子ビーム装置の多開孔レンズ板の下流に配置されている荷電粒子ビーム装置の撮像レンズによって導入される像面湾曲を補償または補正するために使用することができる。特に、少なくとも1つの電極は、以下で詳細に説明するように、荷電粒子ビーム装置の対物レンズによって導入される像面湾曲を補償または補正するために使用することができる。いくつかの実施形態によれば、多開孔レンズ板の表面上に電界の非回転のz成分を提供する第1の電極を使用して、サンプル傾斜および傾斜したサンプルからくる作用を補償することができる。たとえば、以下で詳細に説明するように、可変の電界を使用して、サンプル上のビームスポットの誤差を補償することができる。
本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置および荷電粒子ビーム装置によって試験片を検査する方法は、試験片上に小さいスポットサイズの1次荷電粒子ビームレットを提供する。スポットサイズは、個々の1次荷電粒子ビームレットによって照射される試験片上の領域の直径であると理解することができる。たとえば、本明細書に記載の実施形態による1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの個々の1次荷電粒子ビームレットのスポットサイズは、典型的には20nm未満、より典型的には10nm未満、さらに典型的には5nm未満とすることができる。いくつかの実施形態によれば、個々の1次荷電粒子ビームレットは、高い電流密度を有することができる。高い電流密度は、撮像品質を増大させるのに役立つ。本明細書に記載の実施形態によるビーム源によって1次荷電粒子ビームレットのアレイが生成されるため、撮像のための総電流が増大し、スループットが改善される。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の荷電粒子ビーム装置は、電界を生成する2つ以上の電極を有することができる。図2は、2つ以上の電極を有する一実施形態を例示的に示す。本明細書に記載の実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置は、電極112−1および112−2を含む(2つの電極を例示的に示す)。いくつかの実施形態によれば、第1の電極は、開孔レンズを作り出す電界を与えるために使用することができ、第2の電極は、像面湾曲補正電極として使用することができる。いくつかの実施形態、特に2つ以上の電極を有する実施形態では、多開孔レンズ板に最も近い電極である電極を、本明細書に記載の実施形態による第1の電極と呼ぶことができる。図2では、電極112−2が、本明細書に記載の実施形態による第1の電極と呼ばれるはずである。いくつかの実施形態では、2つ以上の電極は、電界を提供するようにともに作用することができ、電界のz成分は、多開孔レンズ板の表面上で非回転対称である。図2の実施形態では、荷電粒子ビームエミッタ111と多開孔レンズ板113との間に配置された電極112−1および112−2が、例示的に示されている。さらに、いくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置100は、走査偏向器150を含むことができる。走査偏向器150は、120と試験片ステージ141との間に提供することができる。特に、対物レンズ130の磁極片アセンブリによって取り囲まれている、かつ/または静電レンズの電極の位置にある、走査偏向器を提供することができる。図2は、本開示の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態を示し、走査偏向器は、減速レンズの上部電極を備えている。
像面補正電極の作用が、図3および図4に例示的に示されている。図3は、矢印として示されている1次荷電粒子ビームレット15の概略図を示す。図3の上部では、荷電粒子の3つの隣接するビームレットを示す3つの矢印が、破線で示す曲線200に沿って分布されて配置されまたは前進している。たとえば、本明細書に記載の実施形態による像面湾曲補正電極により、1次荷電粒子ビームレット15は、曲線200上に分布されて伝播する。図3に曲線200として示されている像面湾曲補正は、荷電粒子ビーム装置内のレンズ(対物レンズなど)の像面湾曲作用を補償するために使用することができる。ビームレットが伝播する電界に対するレンズの影響が、図3の右下の図面に例示的に示されている。荷電粒子ビーム装置内のレンズによる影響を受ける電界は、図3に概略的に示す曲線210に沿ってビームレットの分布をもたらす。いくつかの実施形態によれば、ビームレットが分布される曲線は、放物線状の曲線とすることができる。曲線に沿ってビームレットが分布される形状のため、このレンズの作用は、像面湾曲作用であると説明することができる。
図3の左下の図面では、荷電粒子ビーム装置内のレンズによって導入される像面湾曲が、本明細書に記載の実施形態による1つまたは複数の電極によって補正されている。いくつかの実施形態では、多開孔レンズ板上に電界の非回転対称のz成分を提供する1つまたは複数の電極を、像面湾曲補正電極または焦点補正電極と呼ぶことができる。たとえば、焦点補正電極は、曲線200によって示す像面湾曲補正のために使用することができ、電極は、レンズの像面湾曲210を補償する。補償の結果、図3に破線として示す焦点面220が得られる。図3に示す状況は、全体的像面補正であると説明することができる。すべてのビームレットが、実質上同じ平面において同じエネルギーで同時に試験片に当たる。その結果、撮像の精度および撮像の信頼性が増大する。
図4では、上部の図面は、曲線200を参照する図3の上部の図面に類似している。特に、図4の上部の図面は、像面湾曲補正が導入され、1次荷電粒子ビームレット15が湾曲した形に沿って分布されて伝播する状況を示す。曲線200は、破線で示されている。図4の下部の図面は、1次荷電粒子ビームレット15がさらに(像面湾曲に加えて)、走査偏向器によって試験片の上でビームレットを走査させる走査場にかけられる状況を示す。全体的像面湾曲(図3に関して説明した)後の焦点面(線220)が、破線で示されている。荷電粒子ビーム装置内の走査場のため、軸外ビームレットが、曲線230に沿って、上、下、左、右、または前述の方向の組合せ(図4に方向矢印240で示す)に擬似シフトされる。走査中、試験片上のビームレットのスポットの焦点が外される。中央のビームレット(軸上ビームレットとも呼ぶ)は、最も低い偏差を有し、最も外側のビームレットは、中央のビームレットより高い偏差を有する。試験片の個々の点を正確に撮像することができ、より多くのビームが使用されるほど、中央にないビームレットに対する偏差がより大きくなる。いくつかの実施形態によれば、中央のビームレットも曲線250に沿ってシフトさせることができ、矢印240(走査中の焦点ずれ領域を示す)によって例示的に示すように、中央のビームの焦点ずれは対称になるはずである(軸外ビームの焦点ずれとは異なる)。曲線に沿ってビームレットをシフトさせることで、荷電粒子ビーム装置の撮像精度が減少する。特に、図4に見ることができるように、破線の曲線230は、2つの外側ビームレットに対する全体的補正によって引き起されるシフトさせた像面湾曲放物線を示す。走査中、2つの外側ビームレットの焦点が、シフトさせた像面湾曲曲線230に沿って非対称に外される。2つの外側ビームの焦点ずれ範囲が、外側の2重矢印240によって示されている。放物線状の挙動のため、非対称の焦点ずれは、中心の焦点ずれより大きい。動的像面湾曲補正により、新しい仮想中心から矢印方向に沿って続く動的焦点が加えられる。たとえば、特にサンプル上の1次荷電粒子ビームレットの走査と同期して、動的像面湾曲補正(特に、1次荷電粒子ビームレットの走査によって導入される像面湾曲の補正)を実行することができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置内で1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法は、走査偏向器によって試験片の上で1次荷電粒子ビームレットを走査させることを含むことができ、少なくとも第1の電極によって電界を生成することは、動的像面湾曲補正を実行することを含む。
いくつかの実施形態によれば、試験片が傾斜して提供されるとき、図4に示すのに類似の状況が生じることがある(荷電粒子ビーム装置の光軸に実質上直交する平面内の試験片の配置と比較)。傾斜したサンプルの結果、中心の1次荷電粒子ビームレットに対して一方の側がより高くなり、他方の側がより低くなる。いくつかの実施形態によれば、第1の電極によるサンプル傾斜作用の補正を、「静的補正」であると説明することができる。サンプル傾斜によって焦点を外す際、荷電粒子ビーム装置のレンズは像面湾曲を導入する。ビームレットが試験片に当たる試験片上のスポットの焦点を外すことができる。スポットの焦点を外す結果、撮像品質が低くなる可能性がある。
3つのビームレットに対する全体的/静的像面湾曲補正後の焦点面が、線220に示されている。像面湾曲補正装置後にビームレット走査が行われた場合、補正された場所からのすべてのビームレット位置偏差は、シフトさせた像面湾曲曲線をたどる焦点ずれをもたらす。像面湾曲曲線シフトは、全体的像面湾曲補正によって決定される。その結果得られる焦点ずれ作用が、矢印240によって示されている。2つの外側の1次荷電ビームレットに対する本明細書に記載の実施形態による動的像面補正が、図4に示されている。特に、動的像面補正はまた、走査場による焦点スポットの偏差を考慮に入れることができる。傾斜した試験片の場合、像面湾曲補正電極の静的動作を使用することができる。
本明細書に記載の実施形態によれば、本明細書に記載の電極および1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法は、荷電粒子ビーム装置内のレンズによって導入される像面湾曲を補正することを可能にし、同時に試験片上のビームレットの焦点スポットに対する走査場の影響を回避する。本明細書に記載の実施形態は、走査場を考慮に入れた像面湾曲の動的補正を指す。特に、本明細書に記載の実施形態では、特に動的補正によって、像面湾曲の非対称の補正を提供することができる。たとえば、非対称の補正は、走査場および/または傾斜した試験片の場合に有益となることができる。
本明細書に記載の実施形態によれば、本明細書に記載の電極および1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法は、像面湾曲ならびに走査場の影響および/または傾斜した試験片の影響を補償するために、追加の「ウェッジエラー」(幾何学的配置に関する)を導入することができる。たとえば、本明細書に記載の実施形態による像面湾曲補正電極および1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法は、荷電粒子ビーム装置内のレンズおよび走査場と同じ(または少なくとも類似の)作用を提供することができる。特に、荷電粒子ビーム装置における電極の設計、電極の制御、および電極の配置は、図5〜10に関して以下に例示的に説明する前述の作用を提供することを可能にする。
図5は、焦点補正装置、たとえば本明細書に記載の実施形態による像面湾曲補正装置の電極の一実施形態を示す。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、本明細書に記載の実施形態による電極(特に像面湾曲補正に使用される)を、像面湾曲補正電極と呼ぶことができる。電極600は、半径方向610、円周方向611、および1つまたは複数の開孔部612を有し、1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットは、開孔部612を通過する(像面湾曲補正電極の場所に応じて)。図5の電極は、円周方向に2つの別個の電極セグメント601および602に区分けされる。いくつかの実施形態によれば、本明細書に示す区分けされた電極は、双極子、4極子、またはより高次の極を提供することができる。
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の電極のセグメントは、電極、特に像面湾曲補正電極をともに形成する。たとえば、セグメントは、セグメント間の間隙によって物理的に分離することができ、セグメントは、電極をともに形成する。いくつかの実施形態によれば、電極のセグメントは、個別に制御可能とすることができる。たとえば、電極のセグメントは、別個の電力供給(図6に例示的に図示および説明する)に個別に接続することまたは接続可能とすることができる。個々のセグメントを個別に(かつ動的に)制御することで、像面湾曲および走査場(図4に関して上記で説明した)による試験片上の焦点を外したスポットの補正が可能になる。特に、区分けされた電極(および/または図8〜10に関して以下で説明するように、像面湾曲補正電極の傾斜した配置)は、多開孔レンズ板の表面上の荷電粒子ビーム装置の光軸(図1の光軸4など)に直交する平面内で変動する電界強度、または非回転対称の多開孔レンズ板上のz成分を有する電界強度を提供する。区分けされた電極の場合、荷電粒子ビーム装置の光軸に直交する平面内の電界強度は、個別に制御することができる電極の別個のセグメントにより、多開孔レンズ板の表面上で変動する。
いくつかの実施形態によれば、電極の個々のセグメントは、(特に個別かつ/または動的に)制御することができ、非対称の像面補正を生成する電界強度を提供することができる。特に、走査場または走査場の変化に応じて、非対称の像面補正を行うことができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、電極および走査場を提供する走査装置は、コントローラまたは制御ユニットに接続することができる。コントローラまたは制御ユニットは、走査装置から受け取ったデータに基づいて、個々のセグメントに供給される電力を計算(および制御)することが可能である。特に、本明細書に記載の実施形態による電極による動的像面湾曲補正は、走査装置を有する本明細書に記載の実施形態による電極によって提供される電界強度と同期して実行することができる。
一例では、図5に示す電極600は、次のように制御することができる。セグメント601には、電圧U+c*Uscan xを供給することができ、セグメント602には、電圧U−c*Uscan xを供給することができる。電圧「U」は、焦点補正または全体的像面湾曲補正のために供給される標準電圧とすることができる。静電走査装置の場合、走査電圧に応じて、Uscanの加算または減算を供給することができ、補正係数「c」を考慮することができる。全体的像面湾曲補正電圧に対して電圧Uscanを加算または減算するとき、走査電圧のxおよびy方向を考慮することができる。
図6は、4つのセグメント601、602、603、および604を有する電極600の一実施形態を示す。セグメント601、602、603、および604はそれぞれ、別個の電力供給621、622、623、および624にそれぞれ接続される。セグメント601には、電圧U+c*Uscan xを供給することができ、セグメント602には、電圧U−c*Uscan yを供給することができ、セグメント603には、電圧U−c*Uscan xを供給することができ、セグメント604には、電圧U+c*Uscan yを供給することができる。電圧「U」は、焦点補正または全体的像面湾曲補正のために供給される標準電圧とすることができる。図6に例示的に示す電極は、4極子を提供する。図7では、8つの別個のセグメント601〜608に区分けされた電極600によって、8極子が提供される。多極子(図示の8極子など)として提供される電極の結果、より均質な偏向場分布を得ることができる。本明細書に記載の実施形態による電極の多極子設計は、より精密な補正および走査装置との同期を可能にすることができる。多極子の形態で提供される電極は、増大された性能を与え、撮像品質を改善することができる。本明細書に記載の実施形態は、電極の図示の例に限定されるものではない。たとえば、本明細書に記載の実施形態による電極は、電極の12極設計を提供する12個のセグメントなど、8つより多いセグメントに区分けすることができる。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、2つ以上の電極が提供される場合(たとえば、図2に示す)、電極のいずれか一方または両方を、区分けして提供することができる。いくつかの実施形態では、第1の電極を、区分けされた設計で提供することができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の実施形態による電極に対する各電極のセグメントの配置、順序、または数に関して制限はない。
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、像面湾曲補正装置は、少なくとも第1の像面湾曲補正電極および第2の像面湾曲補正電極を含むことができる。像面湾曲補正装置の第1の像面湾曲補正電極および第2の像面湾曲補正電極は、別個に配置すること、個別に設計すること、および/または個別に制御することができる。
図8は、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置の上部を示す。荷電粒子ビーム装置は、第1の像面湾曲補正電極112−1および第2の像面湾曲補正電極112−2を含む像面湾曲補正装置を含む。図8では、多開孔レンズ板113に最も近い電極112−1を第1の電極または第1の像面湾曲補正電極と呼ぶ。図8に示す例では、第1の像面湾曲補正電極112−1は、荷電粒子ビーム装置の光軸4に実質上直交する平面に対して傾斜している。たとえば、第1の電極112−1の傾斜によって、電極は、多開孔レンズ板113の表面上に電界を提供することができ、電界のz成分は非回転対称である。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では(たとえば追加として)、第2の像面湾曲補正電極を傾斜させることができることが理解されよう。図8の例では、第1の像面湾曲補正電極112−1は、図8の横に示す座標系に見ることができるように、x方向に傾斜している。図8に示す実施形態では、第1の像面湾曲補正電極112−1および第2の像面湾曲補正電極112−2はどちらも、多開孔レンズ板113の前に位置している。電極の電界が提供される多開孔レンズ板113の表面は、第1の電極112−1に対向する表面114である。像面湾曲補正装置の電極のうちの少なくとも1つを傾斜させることによって、たとえば傾斜した試験片に対する像面湾曲補正が可能になる。いくつかの実施形態では、傾斜した電極は、走査場の場合(特に、第1の電極によって生成される電界の動的電界強度を使用するとき)、動的像面湾曲補正のために使用することができる。いくつかの実施形態によれば、電界強度を動的に制御することによって、ウェッジ作用の量に影響を与えることができる。
図9は、本明細書に記載のいくつかの実施形態による荷電粒子ビーム装置の上部を示す。図9に示す荷電粒子ビーム装置は、第1の像面湾曲補正電極112−1および第2の像面湾曲補正電極112−2を含む。どちらの像面湾曲補正電極も、伝播するビームレットの方向で、多開孔レンズ板113の下に配置される。電極112−1および112−2の電界は、伝播するビームレットの方向に見たとき、多開孔レンズ板113の下面(図9に示す配置の場合)である多開孔レンズ板の表面114上に提供される。第1の像面湾曲補正電極112−1は、光軸4に実質上直交する平面に対して傾斜している。多開孔レンズ板113の前および下の像面湾曲補正電極の配置は、特に図1および図11に関して以下で詳細に説明する。図8および図9の例では、像面湾曲走査補正がx方向に行われる。
図10は、荷電粒子ビーム装置が4つの像面湾曲補正電極112−1、112−2、112−3、および112−4を含む一実施形態を示す。2つの像面湾曲補正電極、像面湾曲補正電極112−1および112−2は、多開孔レンズ板113の前に配置される。2つの像面湾曲補正電極、像面湾曲補正電極112−3および112−4は、多開孔レンズ板113の下(伝播するビームレットの方向)に配置される。図10の例では、第1の像面湾曲補正電極112−1が、x方向に傾斜している。第3の像面湾曲補正電極112−3は、y方向に傾斜している。像面湾曲補正電極をxおよびy方向に傾斜させることによって、xおよびy方向におけるサンプル傾斜の像面湾曲補正を実行することができる。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、電極の傾斜は、図示の例に限定されるものではない。たとえば、第2の電極に対する別法または追加として、第1の電極を傾斜させることができる。いくつかの実施形態では、y方向に傾斜している電極のみを提供することが可能である(図8および図9に示すx方向の傾斜に対する別法または追加として)。任意の方向において傾斜した像面湾曲補正電極および傾斜していない像面湾曲補正電極の任意の他の組合せが可能である。いくつかの実施形態によれば、傾斜した像面湾曲補正電極と、区分けされた像面湾曲補正電極とを組み合わせることが可能である。
本明細書に記載の任意の構成において、電極のうちの1つまたは複数は、上述しかつ図5〜7に例示的に示したように区分けすることができることが理解されよう。傾斜した電極および区分けされた電極の任意の組合せが、実施形態の範囲内で可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、傾斜した電極および傾斜していない電極の組合せ、または区分けされた電極および区分けされていない電極の組合せを提供することができる。いくつかの実施形態によれば、傾斜した電極または区分けされた電極は、多開孔レンズ板に最も近い電極(荷電粒子ビーム装置の電極の中で)とすることができる。
図1に戻って、荷電粒子ビーム装置100の要素のさらなる詳細について、以下に説明する。たとえば、本明細書に記載の荷電粒子ビームエミッタは、冷電界エミッタ(CFE)、ショットキーエミッタ、TFE、または別の高電流高輝度荷電粒子ビーム源(電子ビーム源など)とすることができる。高電流とは、100mradで約300μAなど、100mrad以上で5μA、たとえば最大5mA、たとえば100mradで30μAから100mradで1mAであると考えられる。いくつかの実装形態によれば、電流は、特に線形または方形アレイの場合、たとえば±10%の偏差で本質的に均一に分布される。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるさらなる実施形態によれば、大きいビーム電流を提供することが可能なTFEまたは別の高還元輝度源、たとえば電子ビーム源とは、放出角度を増大させて最大10μA〜100μA、たとえば30μAを提供するとき、輝度が最大値の20%を超えて減少しない光源である。
図1および図2に示す例では、図1および図2に示す実施形態で1次荷電粒子ビーム14を減速させるように駆動させることができる電極が示されている。電極は、荷電粒子ビームエミッタ111と多開孔レンズ板113との間に配置することができる(たとえば、図8にも示す)。本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、電極112−1(図2の実施形態では、さらに112−2)は、1次荷電粒子ビーム14が通過することができる開孔部を有する。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、電極は、上述したように、荷電粒子ビーム装置の1つまたは複数のレンズによって導入される像面湾曲を補償するように、調整可能、適合可能、および/または制御可能(たとえば、コントローラによって)とすることができる。特に、電極は、荷電粒子ビーム装置のそれぞれの動作、荷電粒子ビーム装置の所期の用途、または荷電粒子ビーム装置内で使用することができる可変のレンズ構成およびレンズ強度に合わせて調整可能とすることができる。たとえば、電極に供給される電圧は、たとえば制御ユニットおよびそれぞれの制御システム(制御ユニットから電極の電圧供給への信号線など)によって、調整可能とすることができる。
いくつかの実施形態によれば、本明細書の電極は、マクロ電極とすることができる。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビーム源の荷電粒子ビームエミッタは、1次荷電粒子ビームに抽出電圧を提供する1つまたは複数の抽出電極を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、(像面湾曲補正)電極は、電極からの電界が多開孔レンズ板で終わり、個々の1次荷電粒子ビームレットに対して低収差単開孔レンズを形成することができるように構成および/または制御することができる。
図1の実施形態では、1次荷電粒子ビーム14は、荷電粒子ビームエミッタ111を離れ、第1の電極112を通過した後、多開孔レンズ板113を通過することができる。1次荷電粒子ビーム14は、複数の開孔部を有する多開孔レンズ板113を通過することができ、減速電界によってビームレットに集束させることができる。開孔部は、線、長方形、正方形、リング、または任意の好適な1次元もしくは2次元のアレイなど、任意のアレイ構成で、多開孔レンズ板113上に位置することができる。本明細書に記載の実施形態によれば、本明細書に記載の荷電粒子ビーム装置では、像面湾曲または収差による欠点を有することなく、多開孔レンズ板の開孔部を任意の構成で配列することが可能である。たとえば、知られているシステムでは、異なるビームレットをリング形状に配置して、放物線のように作用するレンズを通過するすべてのビームに同じ条件を提供する。ビームレットをリング形状に配置するとき、それぞれのレンズの像面湾曲の影響を最小にすることができる。本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置によって、任意の配置、たとえば高速検査に好適な配置、検査すべき試験片構造に適合された配置、多数のビームを可能にする配置、ビーム強度に適合された配置などで、ビームレットアレイの配置を行うことができる。たとえば、ビームレットアレイは、線、長方形、または正方形で配置することができる。
多開孔レンズ板113を1次荷電粒子ビーム14で照射することによって、開孔板の前の減速電界を使用することによって、いくつかの集束された1次荷電粒子ビームレット15が作り出される。1次荷電粒子ビームレット15の焦点面内に、レンズ120を配置することができる。いくつかの実施形態によれば、レンズ120は、特に像面湾曲補正電極が減速モードで駆動され、多開孔レンズ板の前に配置される(伝播する1次荷電粒子ビームの方向に見たとき)場合、加速レンズとすることができる。いくつかの実施形態では、加速レンズ(または他の実施形態では、図11に見ることができるように減速レンズ)として提供されるレンズ120は、静電または磁気静電複合レンズとすることができる。いくつかの実施形態では、レンズ120は、磁気レンズとして提供することができる。
これらの図では、1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの1次荷電粒子ビームレットのいくつかが、レンズの後に示されており、他の1次荷電粒子ビームレットは、概要をより見やすくするために、図面では省略されている。本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、開孔部を有する多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームレットに対する実際の光源を生成するように提供される。
いくつかの実施形態では、多開孔レンズ板113は、荷電粒子ビームエミッタ111によって直接照射することができる。いくつかの実施形態によれば、「直接」とは、多開孔レンズ板の前(伝播する1次荷電粒子ビームの方向に見たとき)に第1の電極を有する実施形態における第1の電極を除いて、荷電粒子ビームエミッタ111と多開孔レンズ板との間に追加の光学素子は提供されないことを意味することができる。多開孔レンズ板は、荷電粒子ビームエミッタによって放出される1次荷電粒子ビーム14を1次荷電粒子ビームレット15のアレイに分割する。たとえば、多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームを少なくとも3つの1次荷電粒子ビームレットに分割するために、少なくとも3つの開孔部を有する。図1に示す例では、7つの1次荷電粒子ビームレット15が概略図に示されている。いくつかの実施形態では、1次荷電粒子ビームレットのアレイは、1次元(線)のアレイもしくは2次元のアレイ(たとえば、4×4、3×3、5×5)、または非対称のアレイ、たとえば2×5で配置することができる。本明細書に記載の実施形態は、これらのアレイの例に限定されるものではなく、1次荷電粒子ビームレットの任意の好適なアレイ構成を含むことができる。
記載の多開孔レンズ板は、荷電粒子ビーム装置、荷電粒子ビーム装置のアレイを含むシステム、および荷電粒子ビーム装置を動作させる方法に関する他の実施形態でも、有益に使用することができる。多開孔レンズ板の設計は、異なる基準に従うことが有益であり、全体的な荷電粒子の光線経路設計の文脈で扱われなければならない。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、多開孔レンズ板は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を備えることができる。開孔部の数は、可能な限り最大の総電流と、光学性能、特に可能な限り最大のビームレット場における実現可能なスポットサイズとの間の妥協である。別の境界条件は、クロストークが低減または回避される検出器上の信号ビームレット分離を保証する試験片上のビームレット分離である。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるさらなる実施形態によれば、格子構成(すなわち、試験片上の1次ビームレットの位置および/または開孔板内の開孔部の位置)は、走査中に基板表面を完全にカバーすることを可能にするように提供される。カバー範囲は、たとえばxy方向における純粋な荷電粒子ビームレットの走査に限定されるものではなく、たとえばx方向などの第1の方向における荷電粒子ビームレット走査、および第1の方向とは異なるy方向などの別の方向におけるステージの運動のような混合走査動作も含む。
本明細書に記載の実施形態によれば、1次荷電粒子ビームレット15は、レンズ120の方へ誘導される。たとえば、レンズ120は、多開孔レンズ板から伝播する1次荷電粒子ビームレット15を加速させる加速レンズとすることができる。いくつかの実施形態では、レンズは、伝播する1次荷電粒子ビームレットのアレイの方向で、多開孔レンズ板113の後に直接配置される。この文脈で、「直接」という用語は、多開孔レンズ板とレンズとの間に追加のビーム光学素子が配置されないことを意味することができる。伝播する1次荷電粒子ビームの方向で像面湾曲補正電極が多開孔レンズ板の前に配置される実施形態では、レンズ120は、1次荷電粒子ビームレット15を高いカラム電圧へ加速させるために使用することができる。たとえば、加速レンズは、1次荷電粒子ビームレットを、典型的には10kVより大きい、より典型的には20kVより大きいのカラム電圧へ加速させることができる。加速電圧は、荷電粒子ビームレットの荷電粒子がカラムへ進む速度を決定することができる。一例では、加速レンズは、静電レンズとすることができる。本明細書に記載の実施形態によれば、加速レンズは、1次荷電粒子ビームレットを、荷電粒子ビーム装置の対物レンズのコマフリー点(またはその付近)へ誘導することができる。
以下で詳細に説明するいくつかの実施形態によれば、レンズ内またはその付近に、偏向器アレイ(図示せず)を配置することができる。いくつかの実施形態によれば、偏向器アレイがレンズ「もしくはその付近」またはレンズ「内」に配置されるということは、偏向器アレイがレンズの焦点距離内に配置されることであると理解することができる。たとえば、レンズは、3つの電極を含むことができ、偏向器アレイは、3つの電極内に配置することができる。いくつかの実施形態によれば、偏向器アレイは、レンズの3つの電極のうちの中央の電極の高さにほぼ配置することができる。
いくつかの実施形態によれば、レンズは、1次荷電粒子ビームレットの誘導、たとえば、対物レンズのコマフリー点への1次荷電粒子ビームレットの誘導という主な効果を実現するために使用することができる。いくつかの実施形態では、偏向器アレイは、個別の1次荷電粒子ビームレットの微調整、特に対物レンズのコマフリー点内へまたは対物レンズのコマフリー点を通って案内すべき1次荷電粒子ビームレットの微調整のために使用することができる。レンズ(および偏向器アレイ、もしあれば)が1次荷電粒子ビームレットを対物レンズのコマフリー点へ案内するように構成されるということは、1次荷電粒子ビームレットを対物レンズのコマフリー点に案内するように、レンズの焦点距離、レンズに供給される電圧、偏向器アレイに供給される電圧、偏向器アレイのサイズ、偏向器アレイのうちの個々の偏向器のサイズを選択することができることであると理解することができる。荷電粒子ビーム装置は、レンズおよび偏向器アレイの動作パラメータを制御するコントローラ(たとえば、フィードバックループ内で接続もしくは一体化されたコントローラ、または荷電粒子ビーム装置の動作を監視する監視装置)を含むことができる。
本開示全体にわたって、「コマフリー面」または「コマフリー点」という用語は、対物レンズのうち、1次荷電粒子ビームレットがコマフリー点またはコマフリー面を通過するときに1次荷電粒子ビームレット内に導入されるコマが最小またはさらにはゼロになる面または点を指す(またはそのような面もしくは点によって提供される)。対物レンズのコマフリー点またはコマフリー面は、対物レンズのうち、フラウンホーファー条件(コマがゼロになる条件)が満たされる点または面である。対物レンズのコマフリー点またはコマフリー面は、荷電粒子ビーム装置の光学系のz軸上に位置し、z軸はz方向に延びる。z軸は、光軸4に対応することができる。言い換えれば、対物レンズのコマフリー点は、光軸4上に位置する。コマフリー点またはコマフリー面は、対物レンズ内に位置決めすることができる。一例として、コマフリー点またはコマフリー面は、対物レンズによって取り囲むことができる。
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、対物レンズのコマフリー点を通ってビームレットを案内することは、本明細書に記載の任意の実施形態と組み合わせることができる。たとえば、荷電粒子ビーム装置は、上述した第1の電極と、対物レンズのコマフリー点を通ってビームレットを案内するためにレンズおよび/または偏向器モジュールを有するアーキテクチャとを備えることができる。
本明細書に記載の実施形態によれば、試験片を別個の場所で同時に検査するために、1次荷電粒子ビームレットは、対物レンズ130によって試験片140上の別個の場所に集束される。対物レンズは、1次荷電粒子ビームレットを試験片140上へ集束させるように構成することができ、対物レンズは減速電界型レンズである。たとえば、減速電界型レンズは、1次荷電粒子ビームレットを、画定された入射エネルギーに減速させることができる。いくつかの実施形態では、カラムエネルギーから試験片上の入射エネルギーへのエネルギー低減は、少なくとも10分の1、たとえば少なくとも30分の1である。一例では、入射エネルギーは、500eVまたはさらには100eVなど、典型的には約100eV〜8keV、より典型的には2keV以下、たとえば1keV以下である。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対物レンズ130は、複合場レンズとすることができる。たとえば、対物レンズは、磁気レンズおよび静電レンズの組合せとすることができる。したがって、対物レンズは、磁気静電複合レンズとすることができる。典型的には、磁気静電複合レンズの静電部分は、静電減速電界型レンズである。走査電子顕微鏡(SEM)の場合、磁気静電複合レンズを使用することで、数百電子ボルトなどの低い入射エネルギーで優れた分解能が得られる。低い入射エネルギーは、特に現代の半導体産業において、放射線感受性の試験片の帯電および/または損傷を回避するのに有益である。本明細書に記載の実施形態の利益はまた、磁気レンズまたは静電レンズが使用される場合にも実現することができる。
いくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置100の1次荷電粒子ビームレット15は、共通の対物レンズによって試験片140上に集束される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、1次荷電粒子ビームレットはすべて、対物レンズ130内の1つの開口を通過する。試験片140は、試験片ステージ141上に提供され、試験片ステージ141は、光軸4に直交する少なくとも1つの方向に試験片140を動かすことができる。
上述したように、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置では、1次荷電粒子ビームレットのアレイを提供することが可能になる。いくつかの実施形態によれば、1次荷電粒子ビームレットのアレイは、典型的には1カラムあたり3つ以上の1次荷電粒子ビームレット、より典型的には10以上の1次荷電粒子ビームレットを含むことができる。本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置および荷電粒子ビーム装置によってサンプルを検査する方法は、荷電粒子ビーム装置の1つのカラムにおいて、サンプル表面で互いに小さい距離を有する1次荷電粒子ビームレットのアレイを提供することができる。たとえば、1つのカラムにおける2つの1次荷電粒子ビームレット間の距離は、典型的には150μm未満、より典型的には100μm未満、またはさらには50μm未満とすることができる。本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置および荷電粒子ビーム装置によって試験片を検査する方法では、試験片上の非常に小さく狭い構造を検査することが可能になる。
以下で詳細に示すいくつかの実施形態では(特に図12に関して)、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置をマルチカラム顕微鏡(MCM)内に配列することが可能になる。複数のカラムがそれぞれ、試験片を検査するために1次荷電粒子ビームレットのアレイを有することで、プロセス速度および能力が増大する。
本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置100は、ビーム分離器アセンブリを含むことができる。ビーム分離器アセンブリは、1次荷電粒子ビームレット15を信号ビームから分離することができる。いくつかの実施形態によれば、ビーム分離器アセンブリは、たとえば、少なくとも1つの磁気偏向器、ウィーンフィルタ、または任意の他の手段を含むことができ、電子は、たとえば速度に依存するローレンツ力により、1次荷電粒子ビームレットビームから離れる方へ誘導される。いくつかの実施形態では、ビーム分離器は、ExBビーム分離器、特に無色ビーム分離器(1/2ExBビーム分離器)、2−B分離器、すなわち2つの磁場を有するビーム分離器、分散補正を有する2−B分離器、分散補正のためにカラムの上部が傾斜している2−B分離器、またはたとえば信号ビーム16の曲がり角度を(たとえば、45°〜90°に)増大させるための追加の信号電子ベンダを有する前述の2−B分離器のいずれかとすることができる。2次粒子または信号粒子は、対物レンズ130を通って試験片から抽出され、ビーム分離器アセンブリ内で1次荷電粒子ビームレット15から分離され、検出器アセンブリに到達する。検出器アセンブリは、1つまたは複数の検出器要素を含むことができ、これらの検出器要素は、測定信号、たとえば検出された信号粒子に対応する電子信号を生成するように構成される。いくつかの実施形態によれば、検出器アセンブリは、試験片と1次荷電粒子ビームレットとの相互作用によって生成された信号粒子または信号ビームを検出するマルチチャネル検出器とすることができる。
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置は、集束レンズ、(走査)偏向器、ビームベンダ、補正器など、さらなるビーム光学素子を含むことができる。いくつかの実施形態では、多開孔レンズ板の前に(すなわち、伝播する1次荷電粒子ビームの方向に見たとき、1次荷電粒子ビームの上流に)、集束レンズを配置することができる。本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置は、典型的には粒子ビームエミッタから見てビーム分離器の前に、各ビームレットに対する個別のビームブランカ、またはブランカ開孔を有する共通のビームブランカなど、ビームブランカを含むことができる。
図11は、荷電粒子ビーム装置100の一実施形態を示す。荷電粒子ビーム装置100は、荷電粒子ビーム源110を含み、荷電粒子ビーム源110は、荷電粒子ビームエミッタ111および加速電極199を有する(荷電粒子ビームエミッタ111と加速電極199との間に電圧差を提供する)。図11に例示的に示す荷電粒子ビーム装置100は、荷電粒子ビームエミッタ111から放出された1次荷電粒子ビーム14をいくつかの1次荷電粒子ビームレット15に分割する多開孔レンズ板113を含む。いくつかの実施形態によれば、多開孔レンズ板113は、前述の実施形態に記載の多開孔レンズ板とすることができる。荷電粒子ビーム装置100は、2つの電極112−1および112−2をさらに例示的に含む。いくつかの実施形態では、図11の構成はまた、1つの電極112のみを有することもできる。図11に示す実施形態では、電極112−1および112−2は、特に伝播する1次荷電粒子ビームレット15の方向に見たとき、多開孔レンズ板113の後ろに位置決めされている。本明細書に記載の実施形態によれば、上記の実施形態に記載の電極とすることができる。
いくつかの実施形態では、図11の電極は、加速モードで駆動されるように適合される。たとえば、電極は、電極への電圧供給を制御するコントローラに接続することができる。いくつかの実施形態によれば、電極が加速モードにあることで、開孔レンズ板から伝播する1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットを加速させることができる。
いくつかの実施形態では、図11に示すレンズ120は、磁気レンズ、無回転磁気レンズ、無回転磁気接合レンズ、静電レンズ(たとえば、1次荷電粒子ビームレットを減速もしくは加速させる可能性がある)、および/または静電磁気複合レンズ(たとえば、1次荷電粒子ビームレットに対する加速機能を有する)とすることができる。いくつかの実施形態では、レンズは、中心(たとえば、偏向器アレイの場所)への容易な機械的アクセスを可能にする磁気レンズとすることができる。いくつかの実施形態によれば、レンズ120は、荷電粒子ビームレットを対物レンズ130のコマフリーへ誘導するという主な誘導作用を提供する。いくつかの実施形態によれば、誘導の微調節は、レンズ120内の偏向器アレイによって行うことができる。1次荷電粒子ビームレットの集束、1次荷電粒子ビームレットと信号ビームまたはビームレットとの間のビーム分離、および信号検出は、上述したものと同じとすることができる。
図12は、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置の一実施形態を示す。図12の荷電粒子ビーム装置100は、多開孔レンズ板113の表面上に電界を提供する第1の電極112−1を有し、電界のz成分は、多開孔レンズ板の表面上で非回転対称である。図12の荷電粒子ビーム装置100は、サンプル傾斜補正のために特に使用することができる。図12には、傾斜しているサンプル(または試験片140)を例示的に示す。本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、サンプル傾斜補正は、個別のビームレット集束のために対物レンズアレイ132を有するマルチビームレットカラム内で実行される。いくつかの実施形態によれば、図12に示す荷電粒子ビーム装置100は、コリメータ配置121を含む。いくつかの実施形態では、コリメータ配置は、コリメータレンズおよび/または偏向器アレイを含むことができる。特に、コリメータ配置121は、1次荷電粒子ビームレットを対物レンズアレイ132のそれぞれの光軸へ案内するのに好適である。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、対物レンズアレイは、図12に例示的に示すように、個別の静電レンズ(特に、減速電界型レンズ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、個別の磁気レンズを含む(特に、共通の励磁コイルを有する)本明細書に記載の実施形態において、対物レンズアレイを使用することができる。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置に使用される対物レンズアレイは、個別の静電レンズおよび個別の磁気レンズの組合せを含むことができる。
図13は、マルチカラム顕微鏡構成202を示す。3つの荷電粒子ビーム装置100を有するマルチカラム顕微鏡構成202が、例示的に示されている。本明細書に記載の実施形態によるマルチカラム顕微鏡構成では、荷電粒子ビーム装置の数は、図示の例から逸脱してもよい。たとえば、本明細書に記載の実施形態によるマルチカラム顕微鏡構成は、2つなどの3つ未満の荷電粒子ビーム装置、または4つ、5つ、もしくはさらには6つ以上など、4つ以上の荷電粒子ビーム装置を有することができる。マルチカラム顕微鏡構成の荷電粒子ビーム装置はそれぞれ、特に図1、2および11に関して本明細書に記載のいずれかの実施形態に記載の荷電粒子ビーム装置とすることができる。本明細書に記載の実施形態によれば、マルチカラム顕微鏡構成は、特に図3〜10に関して上述したように、少なくとも2つの像面湾曲補正電極を有する像面湾曲補正装置を含むことができる。
図13の例示的な図では、マルチカラム顕微鏡は、図2に図示および説明した荷電粒子ビーム装置を含む。マルチカラム顕微鏡構成202は、試験片ステージ142を含み、試験片ステージ142上に、検査すべきいくつかの試験片140が配置される。いくつかの実施形態では、マルチカラム顕微鏡構成202の荷電粒子ビーム装置は、1つの試験片をともに検査することができる。いくつかの実施形態では、試験片ステージ142は、荷電粒子ビーム装置の光軸に実質上直交する平面に対して傾斜するように適合させることができる。
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、マルチカラム顕微鏡構成202の荷電粒子ビーム装置100は、共通の対物レンズ131(簡略化された概略図に示す)を有することができ、対物レンズ131は、静電レンズ構成要素と、磁気レンズ構成要素、たとえば複数の孔および共通の励磁コイルを有する磁気レンズとを含む。静電レンズ構成要素は、高い電位にある上部電極と、試験片電圧に近接した電位にあり、電子を減速させて入射エネルギーを提供する下部電極とを含むことができる。これらの電極は、1次荷電粒子ビームレットを誘導すること、ならびに1次荷電粒子ビームレットを遅くすることに寄与する。加えて、2次電子(SE)または後方散乱電子などの信号粒子を抽出する制御電極、たとえばプロキシ電極を提供することができる。たとえば、本明細書に記載の実施形態による対物レンズによって、荷電粒子ビーム撮像システムの全体的な性能を劣化させることなく、非常に低い入射エネルギー、たとえば100eV、および低い抽出場を提供することができる。
本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置およびマルチカラム顕微鏡構成は、特に本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置の低収差のため、大きな性能損失なく、動作条件(たとえば、1次荷電粒子ビームレットの入射エネルギー、信号ビームの抽出電圧)に関して柔軟であると説明することができる。
マルチカラム顕微鏡構成に関して、下部電極、中央電極、および上部電極、ならびに最終的にプロキシ電極を有する対物レンズについて説明するが、記載の電極はまた、特に図1、2または11に関して本明細書の実施形態に記載した個々の荷電粒子ビーム装置内の対物レンズに対して(共同または単独で)使用することもできる。
いくつかの実施形態によれば、マルチカラム顕微鏡構成の荷電粒子ビーム装置100の互いに対する距離は、典型的には約10mm〜約60mm、より典型的には約10mm〜約50mmとすることができる。いくつかの実施形態では、マルチカラム顕微鏡構成の個々の荷電粒子ビーム装置間の距離は、荷電粒子ビーム装置の光軸間の距離として測定することができる。
図13に例示的に示すように、マルチカラム顕微鏡構成内でいくつかの荷電粒子ビーム装置を使用することによって、信号ビームレット間のクロストークを十分に小さくして、十分な分解能で、十分な数の1次荷電粒子ビームレットを提供することができる。
図14は、本明細書に記載の実施形態によるマルチカラム顕微鏡(MCM)構成を示す。図14に示すマルチカラム顕微鏡構成は、たとえば、たとえばマルチカラム顕微鏡構成におけるマルチビームレットカラム内のサンプル屈曲に基づいて、焦点補償のために使用することができる。特に、サンプル傾斜の補正を補償するための選択肢は、サンプル全体にわたって広げられたマルチビームレットカラム(たとえば、上述した荷電粒子ビーム装置からなる)を適用するMCM構成において関心を引く可能性がある。サンプル屈曲は、異なるカラムの下に局所的に傾斜したサンプル表面を作り出すことができるため(図14に示す)、1つのマルチビームレットのカバー範囲内の局所的なサンプル傾斜は、本明細書に記載の実施形態によって補償することができる。
図14のMCM構成は、3つの荷電粒子ビーム装置100を例示的に含む。図14に示す3つの荷電粒子ビーム装置はそれぞれ、第1の電極112−1および第2の電極112−2を含む。いくつかの実施形態によれば、第1の電極112−1および/または第2の電極112−2は、本明細書の実施形態に記載の区分けされた電極とすることができる。荷電粒子ビーム装置はそれぞれ、上記で詳細に説明したように(たとえば、図12に関して)、コリメータ配置121および対物レンズアレイ132を含むことができる。
いくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置内で1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法が記載される。図15に、この検査方法の流れ図500が示されている。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、この方法で使用される荷電粒子ビーム装置は、特に図1、2および11に関して本明細書の実施形態に記載した荷電粒子ビーム装置とすることができる。本明細書に記載の実施形態による方法はまた、図12に示す実施形態などのいくつかの実施形態の記載のマルチカラム顕微鏡構成によって実行することができる。
ブロック510で、本明細書に記載の実施形態による方法は、ビームエミッタを含む荷電粒子ビーム源によって1次荷電粒子ビームを生成することを含む。ビームエミッタは、たとえば上述したように、CFE、ショットキーエミッタ、TFE、または別の高電流高輝度の荷電粒子ビーム源(電子ビーム源など)などの光源とすることができる。いくつかの実施形態によれば、ビームエミッタは、1つの1次荷電粒子ビームを放出することができ、この1次荷電粒子ビームは、複数の1次荷電粒子ビームレットが生成されるように処理することができる(たとえば、多開孔レンズによって分割することによる)。ビームレットは、多開孔レンズの後ろをレンズ(いくつかの実施形態では、加速レンズとすることができる)の平面へ誘導される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、ビームエミッタは、ビームエミッタからの荷電粒子の抽出を支持(および誘導)する抽出電極を含むことができる。
ブロック520で、この方法は、1次荷電粒子ビームによって多開孔レンズ板を照射して、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成することをさらに含む。たとえば、多開孔レンズ板は、複数の開孔部を有することができ、その結果、1次荷電粒子ビームは、いくつかの集束された1次荷電粒子ビームレットに分割される。格子構成または多開孔レンズ板の開孔部の配置は、上記で詳細に説明および議論したように、好適に選択することができる。たとえば、多開孔レンズ板内の開孔部は、1次元のビームレットアレイ、またはたとえば方形もしくは2次ビームレットアレイなどの2次元のビームレットアレイで配置することができる。
ブロック530で、この方法は、多開孔レンズ板の表面上に少なくとも第1の電極によって電界を生成することをさらに含み、第1の電極は、開孔部を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、第1の電極は、特に図3〜10に関して説明したように、上記の実施形態に記載の電極とすることができる。いくつかの実施形態によれば、第1の電極は、詳細に上述したように、荷電粒子ビーム装置の対物レンズなどの撮像レンズによって荷電粒子ビーム装置に導入される像面湾曲を補正するために使用することができる。
ブロック540で、第1の電極に電圧が印加される。本明細書に記載の実施形態によれば、第1の電極によって提供される電界のz方向における成分は、多開孔レンズ板の表面上で非回転対称である。たとえば、可変の電界強度は、特に図5〜7に関して説明したように、区分けされた電極によって提供することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの像面湾曲補正電極の可変の電界強度は、特に図8〜10に関して説明したように、傾斜した電極によって提供することができる。いくつかの実施形態によれば(特に、少なくとも1つの傾斜した電極が使用される場合)、電界強度は、光軸に直交する平面に対して傾斜(xおよび/またはy方向)した平面内で実質上一定とすることができる。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、この方法は、所期の用途、荷電粒子ビーム装置内で使用されるレンズ、および荷電粒子ビーム装置の他の好適な動作パラメータに第1の電極を制御および/または調整することを含むことができる。いくつかの実施形態では、電極は、加速または減速モード(図1、図2、および図11に例示的に示す)で駆動することができる。たとえば、電極は、多開孔レンズ板の前(伝播する1次荷電粒子ビームの方向)に配置されたとき、減速作用を有することができる。一例では、電極は、多開孔レンズ板の後ろ(伝播する1次荷電粒子ビームの方向)に配置されたとき、加速作用を有することができる。
ブロック550で、荷電粒子ビーム装置の対物レンズによって試験片上の別個の場所に1次荷電粒子ビームレットを集束させ、試験片を別個の場所で同時に検査する。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の実施形態による動的像面湾曲補正により、対物レンズは、低減されたまたは非常に低い収差で、1次荷電粒子ビームレットを試験片上へ精密に集束させることが可能になる。
いくつかの実施形態によれば、この方法は、試験片からの信号粒子または信号ビームの抽出を容易にするために、対物レンズ付近(試験片と対物レンズとの間など)でプロキシ電極に電圧を印加することをさらに含むことができる。信号ビームは、ビーム分離器、特に無色ビーム分離器によって、1次荷電粒子ビームレットから分離することができる。いくつかの実施形態では、ビームベンダによって信号ビームを屈曲させて、信号ビームを検出器アセンブリ、特に軸外検出器アセンブリへ誘導する。この方法は、検出器アセンブリ、特にマルチチャネル検出器アセンブリによって、信号ビームを検出することをさらに含むことができる。
いくつかの実施形態では、この方法は、検出器によって得られたデータを処理して、試験片の画像を生成すること、または試験片の構造を評価することを可能にする形式でデータを有することを含むことができる。
本開示は、複数の実施形態を提供する。例示的な実施形態を以下に挙げる。
実施形態1:荷電粒子ビーム装置内で1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法であって、荷電粒子ビーム源の荷電粒子ビームエミッタによって1次荷電粒子ビームを生成することと、1次荷電粒子ビームによって多開孔レンズ板を照射して、集束された1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成することと、開孔部を含む少なくとも2つの電極によって荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正することと、1次荷電粒子ビームレットをレンズによって荷電粒子ビーム装置の対物レンズの方へ誘導することと、レンズ内に配置された偏向器アレイを通って1次荷電粒子ビームレットを案内することであり、レンズおよび偏向器アレイの複合動作により、1次荷電粒子ビームレットが荷電粒子ビーム装置の対物レンズのコマフリー点を通って誘導される、案内することと、対物レンズによって試験片上の別個の場所に1次荷電粒子ビームレットを集束させ、試験片を別個の場所で同時に検査することとを含む方法。
実施形態2:少なくとも2つの電極によって荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正することは、少なくとも2つの電極を荷電粒子ビーム源と多開孔レンズ板との間に配置することを含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3:少なくとも2つの電極によって荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正することは、少なくとも2つの電極を減速モードで動作させて、1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットを減速させることを含む、実施形態1または2に記載の方法。
実施形態4:少なくとも2つの電極によって荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正することは、伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、少なくとも2つの電極を多開孔レンズ板の後ろに配置することを含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態5:少なくとも2つの電極によって荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正することは、少なくとも2つの電極を加速モードで動作させて、1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットを加速させることを含む、実施形態1または4に記載の方法。
実施形態6:レンズは、静電レンズ、静電磁気複合レンズ、磁気レンズ、および無回転磁気接合レンズからなる群から選択される、実施形態1から5までのいずれかに記載の方法。
実施形態7:1次荷電粒子ビームレットが試験片に衝突または後方散乱すると、信号荷電粒子ビームレットが生成され、信号荷電粒子ビームレットは、レンズと対物レンズとの間に配置されたビーム分離器の磁場によって、1次荷電粒子ビームレットから分離される、実施形態1から6までのいずれかに記載の方法。
実施形態8:偏向器アレイは、1次荷電粒子ビームレットに個別に位置合わせされた複数の4極子要素を含む、実施形態1から7までのいずれかに記載の方法。
実施形態9:1次荷電粒子ビームレットのアレイは、少なくとも3つの1次荷電粒子ビームレットを含む、実施形態1から8までのいずれかに記載の方法。
実施形態10:1次荷電粒子ビームレットを試験片に衝突させることをさらに含み、1次荷電粒子ビームレットはそれぞれ、試験片上にスポットを提供し、スポットのスポットサイズは、20nm未満である、実施形態1から9までのいずれかに記載の方法。
実施形態11:1次荷電粒子ビームレットを試験片の別個の場所に衝突させることをさらに含み、試験片に衝突した際の荷電粒子ビームレットのいずれかの間の最小の距離は、150μm未満である、実施形態1から10までのいずれかに記載の方法。
実施形態12:1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置であって、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源を含み、荷電粒子ビーム源は、荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、ならびに1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を含む多開孔レンズ板を含み、多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される、荷電粒子ビーム装置。荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正する像面湾曲補正装置であり、1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有する少なくとも2つの像面湾曲補正電極を含む像面湾曲補正装置と、1次荷電粒子ビームレットのアレイを荷電粒子ビーム装置の対物レンズへ誘導するように構成されたレンズと、レンズ内に配置された偏向器アレイであり、レンズおよび偏向器アレイが、レンズおよび偏向器アレイの複合動作によって、対物レンズのコマフリー点を通って1次荷電粒子ビームレットを誘導するように構成される、偏向器アレイと、1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを試験片上の別個の場所へ減速および集束させる対物レンズとをさらに含む。
実施形態13:像面湾曲補正装置は、荷電粒子ビームエミッタと多開孔レンズ板との間に配置される、実施形態12に記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態14:像面湾曲補正装置は、伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、多開孔レンズ板の後ろに配置される、実施形態12に記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態15:レンズは、伝播する1次荷電粒子ビームレットのアレイの方向で、多開孔レンズ板の後に直接配置される、実施形態12または13に記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態16:レンズは、静電レンズ、静電磁気複合レンズ、磁気レンズ、および無回転磁気接合レンズからなる群から選択される、実施形態12から15までのいずれかに記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態17:1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの1次荷電粒子ビームレットはそれぞれ、試験片上にスポットを提供し、スポットのスポットサイズは、20nm未満である、実施形態12から16までのいずれかに記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態18:1次荷電粒子ビームレットが試験片に衝突しまたは試験片から後方散乱する際に生成される信号荷電粒子ビームレットから1次荷電粒子を分離するビーム分離器をさらに含む、実施形態12から17までのいずれかに記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態19:試験片を撮像するように構成された少なくとも2つの荷電粒子ビーム装置を有するマルチカラム顕微鏡構成であって、少なくとも2つの荷電粒子ビーム装置はそれぞれ、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源を含み、荷電粒子ビーム源は、荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、ならびに1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成するために少なくとも2つの開口を含む多開孔レンズ板を含み、多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される、マルチカラム顕微鏡構成。マルチカラム顕微鏡構成は、荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正する像面湾曲補正装置であり、1次荷電粒子ビームが通過する開孔部を有する少なくとも2つの像面湾曲補正電極を含む像面湾曲補正装置と、1次荷電粒子ビームレットのアレイを荷電粒子ビーム装置の対物レンズの方へ誘導するように構成されたレンズと、レンズ内に配置された偏向器アレイとをさらに含み、レンズおよび偏向器アレイは、レンズおよび偏向器アレイの複合動作によって、対物レンズのコマフリー点を通って1次荷電粒子ビームレットを誘導するように構成され、マルチカラム顕微鏡構成は、各1次荷電粒子ビームレットを試験片上の別個の場所へ減速および集束させる対物レンズをさらに含む。
実施形態20:少なくとも2つの荷電粒子ビーム装置の対物レンズは、少なくとも2つのレンズモジュールを含み、レンズモジュールはそれぞれ、1次荷電粒子ビームレットに対して第1の磁極片、第2の磁極片、および少なくとも1つの開口を含み、対物レンズは、少なくとも2つのレンズモジュールに磁束を提供する少なくとも1つの励磁コイルをさらに含む、実施形態19に記載のマルチカラム顕微鏡構成。
上記は実施形態を対象としたが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、他のさらなる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の荷電粒子ビーム装置は、電界を生成する2つ以上の電極を有することができる。図2は、2つ以上の電極を有する一実施形態を例示的に示す。本明細書に記載の実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置は、電極112−1および112−2を含む(2つの電極を例示的に示す)。いくつかの実施形態によれば、第1の電極は、開孔レンズを作り出す電界を与えるために使用することができ、第2の電極は、像面湾曲補正電極として使用することができる。いくつかの実施形態、特に2つ以上の電極を有する実施形態では、多開孔レンズ板に最も近い電極である電極を、本明細書に記載の実施形態による第1の電極と呼ぶことができる。図2では、電極112−2が、本明細書に記載の実施形態による第1の電極と呼ばれるはずである。いくつかの実施形態では、2つ以上の電極は、電界を提供するようにともに作用することができ、電界のz成分は、多開孔レンズ板の表面上で非回転対称である。図2の実施形態では、荷電粒子ビームエミッタ111と多開孔レンズ板113との間に配置された電極112−1および112−2が、例示的に示されている。さらに、いくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置100は、走査偏向器150を含むことができる。走査偏向器150は、120と試験片ステージ141との間に提供することができる。特に、対物レンズ130の磁極片アセンブリによって取り囲まれている、かつ/または静電レンズの電極の位置にある、走査偏向器を提供することができる。図2は、本開示の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態を示し、走査偏向器は、減速レンズの上部電極を備えている。ここで述べた他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、ここで述べた任意の家電粒子ビーム装置に、試験片の上で一次荷電粒子ビームレットを走査させる走査偏向器を備えることができる。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、対物レンズアレイは、図12に例示的に示すように、個別の静電レンズ(特に、減速電界型レンズ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、個別の磁気レンズを含む(特に、共通の励磁コイルを有する)本明細書に記載の実施形態において、対物レンズアレイを使用することができる。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置に使用される対物レンズアレイは、個別の静電レンズおよび個別の磁気レンズの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、対物レンズアレイは、個別の静電レンズおよび個別の磁気レンズのうちの1つまたは複数を備えることができる。

Claims (27)

  1. 荷電粒子ビーム装置内で1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法であって、前記荷電粒子ビーム装置は、前記荷電粒子ビーム装置のz方向に延びる光軸を有し、前記方法は、
    荷電粒子ビームエミッタによって1次荷電粒子ビームを生成することと、
    前記1次荷電粒子ビームによって表面を有する多開孔レンズ板を照射して、集束された前記1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成することと、
    前記多開孔レンズ板の前記表面上に少なくとも第1の電極によって電界を生成することであり、
    前記少なくとも第1の電極によって提供される前記電界のz方向における電界成分が非回転対称である、生成することと、
    対物レンズによって前記試験片上の別個の場所に前記1次荷電粒子ビームレットを集束させ、前記試験片を前記別個の場所で同時に検査することとを含む方法。
  2. 前記少なくとも第1の電極は、前記伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、前記開孔レンズ板の前に配置される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも第1の電極は、前記伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、前記開孔レンズ板の後に配置される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記少なくとも第1の電極によって提供される前記電界の非回転対称のz成分は、前記少なくとも第1の電極が円周方向に少なくとも2つの別個の電極セグメントに区分けされることによって提供され、特に区分けされた前記少なくとも第1の電極は、双極子、4極子、またはより高次の極を提供する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも第1の電極によって提供される前記電界の非回転対称のz成分は、前記少なくとも第1の電極が、前記荷電粒子ビーム装置の前記光軸に直交する平面に対して傾斜していることによって提供される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記試験片のサンプル傾斜または局所的サンプル傾斜を測定することと、
    前記傾斜に比例する電界強度または前記サンプル傾斜もしくは前記局所的サンプル傾斜を少なくとも部分的に補償する電界強度を有する前記電界を生成することと
    をさらに含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 走査偏向器によって前記試験片の上で前記1次荷電粒子ビームレットを走査させることをさらに含み、前記多開孔レンズ板の前記表面上に前記少なくとも第1の電極によって生成される前記電界のz成分は、前記走査偏向器の励磁に比例する振幅を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置であって、前記荷電粒子ビーム装置のz方向に延びる光軸を備え、前記荷電粒子ビーム装置は、
    1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源であり、
    荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、および
    表面を有する多開孔レンズ板を備え、前記多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を備え、前記1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される、荷電粒子ビーム源と、
    前記多開孔レンズ板の前記表面上に電界を生成する少なくとも第1の電極であり、半径方向、円周方向、および前記1次荷電粒子ビームまたは前記1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有し、
    円周方向に少なくとも2つの別個の電極セグメントに区分けされた少なくとも第1の電極と、
    前記1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを前記試験片上の別個の場所へ集束させる対物レンズとをさらに備える荷電粒子ビーム装置。
  9. 前記別個の電極セグメントは、異なる電圧によって別個に付勢可能であり、特に区分けされた前記第1の電極は、双極子、4極子、またはより高次の極を提供する、請求項8に記載の荷電粒子ビーム装置。
  10. 前記少なくとも第1の電極は、前記伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、前記開孔レンズ板の前に配置される、請求項8または9に記載の荷電粒子ビーム装置。
  11. 前記少なくとも第1の電極は、前記伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、前記開孔レンズ板の後に配置される、請求項8または9に記載の荷電粒子ビーム装置。
  12. 前記試験片の上で前記1次荷電粒子ビームレットを走査させる走査偏向器をさらに備える、請求項8から11までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  13. 前記少なくとも第1の電極は、前記荷電粒子ビーム装置の前記光軸に直交する平面に対して傾斜している、請求項8から12までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  14. 1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置であって、前記荷電粒子ビーム装置のz方向に延びる光軸を備え、前記荷電粒子ビーム装置は、
    1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源であり、
    荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、ならびに
    1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を備える多開孔レンズ板を備え、前記多開孔レンズ板は、前記1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される、前記荷電粒子ビーム源と、
    前記多開孔レンズ板の表面上に電界を生成する少なくとも第1の電極であり、前記1次荷電粒子ビームまたは前記1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有し、
    前記荷電粒子ビーム装置の前記光軸に直交する平面に対して傾斜している少なくとも第1の電極と、
    前記1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを前記試験片上の別個の場所へ集束させる対物レンズとをさらに備える荷電粒子ビーム装置。
  15. 前記第1の電極は、どちらも前記z方向に直交するxまたはy方向に傾斜している、請求項14に記載の荷電粒子ビーム装置。
  16. 前記第1の電極は、前記伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、前記開孔レンズ板の前に配置される、請求項14または15に記載の荷電粒子ビーム装置。
  17. 前記第1の電極は、前記伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、前記開孔レンズ板の後に配置される、請求項14または15に記載の荷電粒子ビーム装置。
  18. 前記第1の電極は、円周方向に少なくとも2つの別個の電極セグメントに区分けされる、請求項14から17までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  19. 前記荷電粒子ビーム装置は、前記試験片を傾斜させて支持するように適合される、請求項14から18までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  20. 試験片を検査するマルチカラム顕微鏡であって、
    1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置を備え、前記荷電粒子ビーム装置は、前記荷電粒子ビーム装置のz方向に延びる光軸を備え、前記荷電粒子ビーム装置は、
    1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源をさらに備え、前記荷電粒子ビーム源は、
    荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、
    1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を備える多開孔レンズ板であり、前記1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置された多開孔レンズ板、ならびに
    前記多開孔レンズ板の表面上に電界を生成する少なくとも第1の電極であり、前記1次荷電粒子ビームまたは前記1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有し、
    前記荷電粒子ビーム装置の前記光軸に直交する平面に対して傾斜しており、かつ/または円周方向に少なくとも2つの別個の電極セグメントに区分けされた少なくとも第1の電極を備え、前記荷電粒子ビーム装置は、
    前記1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを前記試験片上の別個の場所へ集束させる対物レンズをさらに備え、
    前記マルチカラム顕微鏡は、
    さらなる1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成するさらなる荷電粒子ビーム源をさらに備える、マルチカラム顕微鏡。
  21. 前記対物レンズのコマフリー点を通って前記1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの1次荷電粒子ビームレットを案内するレンズモジュールおよび偏向器モジュールのうちの少なくとも1つ
    をさらに備える、請求項8から13までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  22. 前記対物レンズのコマフリー点を通って前記1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの1次荷電粒子ビームレットを案内するレンズモジュールおよび偏向器モジュールのうちの少なくとも1つ
    をさらに備える、請求項13から19までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  23. 前記対物レンズのコマフリー点を通って前記1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの1次荷電粒子ビームレットを案内するレンズモジュールおよび偏向器モジュールのうちの少なくとも1つ
    をさらに備える、請求項20に記載のマルチカラム顕微鏡。
  24. 対物レンズアレイの前記それぞれの光軸へ前記1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの前記1次荷電粒子ビームレットを案内するコリメータレンズおよび偏向器アレイのうちの少なくとも1つを有するコリメータ
    をさらに備える、請求項20または23に記載のマルチカラム顕微鏡。
  25. 前記対物レンズアレイは、個別の静電レンズおよび個別の磁気レンズのうちの1つまたは複数を備える、請求項24に記載のマルチカラム顕微鏡。
  26. 前記個別の静電レンズは、減速電界型レンズである、請求項25に記載のマルチカラム顕微鏡。
  27. 前記個別の磁気レンズは、共通の励磁コイルを有する、請求項25に記載のマルチカラム顕微鏡。
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