JP2019536448A - チオール含有切断試薬および酸化的洗浄液 - Google Patents

チオール含有切断試薬および酸化的洗浄液 Download PDF

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Abstract

本発明は、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−O位を含むデオキシヌクレオシド三リン酸と、前記デオキシヌクレオシドの核酸塩基に可逆的に接続した検出可能な標識を利用する方法、組成物、混合物およびキットを提供する。さらに、チオール含有化合物およびチオ含有化合物のスカベンジャーが記載される。このような化合物は、これらに限定されないが、合成による配列決定を含む将来の配列決定技術に関する新たな可能性をもたらす。

Description

関連出願の引用
本願は、2016年11月4日に出願された米国特許出願第15/343,279号の一部継続出願であり、2015年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/251,884および2016年4月26日に出願された米国仮特許出願62/327,555号の利益を主張する。これらは、本明細書中に参考として援用される。
発明の分野
本発明は、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−O位を含むデオキシヌクレオシド三リン酸と、前記デオキシヌクレオシドの核酸塩基に可逆的に接続した検出可能な標識を利用する方法、組成物、混合物およびキットを提供する。このような化合物は、これらに限定されないが、合成による配列決定(Sequencing by Synthesis)を含む将来の配列決定技術に関する新たな可能性をもたらす。本発明はまた、ジスルフィド還元または切断ステップが必須であるDNA配列決定技術(およびタンパク質工学などの他の技術)に関するヌクレオチドのジスルフィド系リンカーと3’−ジスルフィドキャッピング基との切断剤としてのチオール含有化合物または誘導体(あるいは、メルカプトールアナログ)を利用する方法、組成物、混合物およびキットを提供する。一実施形態では、切断剤は、利用者が配列決定ワークフロー使用説明書に従って切断プレミックス緩衝液に添加する固体粉末付加物としてキット化される。さらに、本発明は、チオール含有化合物が酸化的洗浄ステップで捕捉される実施形態を提供する。このような化合物は、これらに限定されないが、フローセルにおける自動化された合成による配列決定(SBS)を含むSBSを含む将来の配列決定技術における使用に関する可能性をもたらす。
発明の背景
DNA配列決定は、現代のバイオテクノロジーにおいて、最も重要な解析方法の1つである。現行の配列決定技術に関する詳細な総説は、M. L. Metzker、Nature Reviews 2010年、11巻、31頁[1]およびC. W. Fullerら、Nature Biotechnology 2009年、27巻、1013頁[2]に提供される。
周知の配列決定方法は、合成による配列決定(SBS)方法である。この方法によれば、ヌクレオシド三リン酸は、3’OH保護基、特に、エステルおよびエーテルによって可逆的に遮断される。エステルの例は、アセチルのようなアルカンエステル、リン酸エステルおよび炭酸エステルである。ヌクレオシド三リン酸は、通常、塩基に標識を含む。
可逆的に3’OH遮断されたヌクレオシド三リン酸を使用して段階的方式で所定配列のポリヌクレオチドを酵素的に合成する方法が、HiattおよびRose(米国特許第5,990,300号)[3]に記載された。彼らは、切断可能な3’OH保護基として、エステル、エーテル、カルボニトリル、ホスフェート、ホスホルアミド、カーボネート、カルバメート、ボレート、糖、ホスホルアミデート、フェニルスルフェネート、スルフェートおよびスルホンの他に、さらにニトレートを開示する。脱保護は、化学的または酵素的手段によって行われ得る。合成的手順も脱保護条件も存在せず、ニトレート基について開示された酵素的組込みデータが存在する。特許請求された脱遮断溶液は、好ましくは、Co2+のような二価のカチオンとTrisのような生体緩衝液を含有する。標識を含有する3’OH遮断されたヌクレオシド三リン酸は開示されていない。
Buzby(US2007−0117104)[4]は、3’−ヒドロキシル基で可逆的に保護され、塩基に標識を有するSBSに関するヌクレオシド三リン酸を開示する。標識は、ジスルフィドリンカーまたは光切断可能なリンカーなどの切断可能なリンカーを介して接続される。リンカーは、最大約25個の原子からなる。3’OH保護基は、ヒドロキシルアミン、アルデヒド、アリルアミン、アルケン、アルキン、アルコール、アミン、アリール、エステル、エーテル、カルボニトリル、ホスフェート、カーボネート、カルバメート、ボレート、糖、ホスホルアミデート、フェニルスルファネート、スルフェート、スルホンおよび複素環の他に、さらにニトレートであり得る。
核酸配列決定においてより長いリード長およびより高い精度を達成するために必要とされるものは、切断可能な保護基および切断後に反応性残基を残さない切断可能なリンカーを有するヌクレオチドアナログである[5]。
米国特許第5,990,300号明細書 米国特許出願公開第2007/0117104号明細書
M. L. Metzker、Nature Reviews 2010年、11巻、31頁 C. W. Fullerら、Nature Biotechnology 2009年、27巻、1013頁
本発明は、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−O位を含むデオキシヌクレオシド三リン酸と前記デオキシヌクレオシドの核酸塩基に可逆的に接続した検出可能な標識を利用する方法、組成物、混合物およびキットを提供する。一実施形態では、本発明は、メチレンジスルフィドを含む可逆的保護基と、標識と核酸塩基の間に切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを有するヌクレオチドアナログを企図する。本発明はまた、ジスルフィド還元または切断ステップが必須であるDNA配列決定技術(およびタンパク質工学などの他の技術)に関するヌクレオチドのジスルフィド系リンカーと3’−ジスルフィドキャッピング基との切断剤としてのチオール誘導体(あるいは、メルカプトールアナログ)を利用する方法、組成物、混合物およびキットも提供する。一実施形態では、切断剤は、利用者が配列決定ワークフロー使用説明書に従って切断プレミックス緩衝液に添加する固体粉末付加物としてキット化される。さらに、本発明は、チオール含有化合物が酸化的洗浄ステップで捕捉される実施形態を提供する。このような化合物は、これらに限定されないが、フローセルにおける自動化された合成による配列決定(SBS)を含むSBSを含む将来の配列決定技術における使用に関する可能性をもたらす。
混合物について、本発明は、一実施形態では、これらに限定されないが、緩衝液、ポリメラーゼ、プライマー、鋳型などを含む1つまたは複数のさらなる配列決定試薬との混合物中に、標識と核酸塩基の間の切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーと、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−O位を含むデオキシヌクレオシド三リン酸を企図する。キットについて、本発明は、一実施形態では、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−O位を含むデオキシヌクレオシド三リン酸を含む配列決定試薬が、別個の容器中(または混合物中)に、(任意選択で)配列決定においてこのような試薬を使用するための使用説明書と一緒に、合わせて提供される配列決定キットを企図する。本発明は、キットにおける配列決定試薬の数または性質によって限定されることを意図するものではない。一実施形態では、キットは、これらに限定されないが、緩衝液、ポリメラーゼ、プライマーなどを含む1つまたは複数のさらなる配列決定試薬を含む。
本発明は、任意の特定のポリメラーゼに限定されることを意図するものではない。本発明は、ヌクレオチド誘導体の組込みが促進された操作された(例えば、突然変異した)ポリメラーゼを企図する。例えば、Tabor, S.およびRichardson, C.C.((1995年) Proc. Natl. Acad. Sci (USA) 92巻:6339頁[6])は、T.aquaticusのDNAポリメラーゼにおけるフェニルアラニン667のチロシンによる置き換えと、このことがDNAポリメラーゼによるジデオキシヌクレオチドの識別に関して有する作用について記載する。一実施形態では、本発明は、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性(exo−と示される)を欠くポリメラーゼを企図する。例えば、9°Nポリメラーゼのexo−バリアントは、Perlerら、1998年のUS5756334[7]およびSouthworthら、1996年 Proc. Natl Acad. Sci USA 93巻:5281頁[8]に記載されている。別のポリメラーゼの例は、Pfu DNAポリメラーゼのA486Yバリアントである(Evansら、2000年 Nucl. Acids. Res. 28巻:1059頁[9])。別の例は、Tsp JDF−3 DNAポリメラーゼのA485Tバリアントである(Areziら、2002年 J. Mol. Biol. 322巻:719頁[10])。WO2005/024010 A1は、モチーフA領域の修飾および9°N DNAポリメラーゼに関し、参照により本明細書に組み込まれる[11]。
方法について、本発明は、標識と核酸塩基の間の切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーと切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−O位とを含むデオキシヌクレオシド三リン酸を合成する方法、および切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−O位を含むデオキシヌクレオシド三リン酸を利用する方法の両方を企図する。
一実施形態では、本発明は、DNA配列における標識ヌクレオチドを検出するための方法であって、a)核酸鋳型および前記鋳型にハイブリダイズしてプライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を形成することが可能なプライマー(一部の実施形態では、実際に、一緒にハイブリダイズしたプライマーを提供するステップ)、ならびにチオール含有化合物を含む切断試薬を提供するステップと;b)DNAポリメラーゼおよび第1のデオキシヌクレオシド三リン酸を前記プライマーおよび鋳型に添加して反応混合物を作製するステップであって、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸が核酸塩基および糖を含み、前記糖が3’−Oに切断可能な保護基を含み、前記切断可能な保護基がメチレンジスルフィドを含み、前記デオキシヌクレオシド三リン酸が切断可能なオキシメチレンジスルフィド含有リンカーを介して核酸塩基に結合した第1の検出可能な標識をさらに含む、ステップと;c)前記反応混合物を、DNAポリメラーゼ触媒プライマー伸長反応を可能にして改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を作製する条件に供するステップであって、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸が組み込まれる(プライマーに組み込まれてプライマーを伸長する)、ステップと;d)前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体中の前記デオキシヌクレオシド三リン酸の前記第1の検出可能な標識を検出する(例えば、イメージングする)ステップと;e)前記切断可能な保護基(例えば、前記切断可能な保護基を切断することによって)および(任意選択で)前記検出可能な標識を前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体から除去する(例えば、リンカーを切断することによって)条件下で前記切断試薬を導入するステップとを含む、方法を企図する。一実施形態では、方法は、ステップb)の繰り返しの間に、第2のデオキシヌクレオシド三リン酸を添加するステップをさらに含み、前記第2のデオキシヌクレオシド三リン酸は第2の検出可能な標識を含む。一実施形態では、チオール含有化合物は、ビシナルジチオール系化合物である。一実施形態では、ビシナルジチオール系化合物は、ジメルカプトプロパンスルホネートである。一実施形態では、前記チオール含有化合物は、第1および第2のチオール基を含む。一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、少なくとも1つの炭化水素原子によって分離される。
一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、炭化水素スペーサーによって分離される。一実施形態では、炭化水素スペーサーは、少なくとも1つの官能基を含む。一実施形態では、前記少なくとも1つの官能基は、ハロゲン、アミン、ホスフェート、ホスホネート、リン酸、カルボン酸、スルホキシドおよびヒドロキシルからなる群から選択される。一実施形態では、前記第2のデオキシヌクレオシド三リン酸の核酸塩基は、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸の核酸塩基と異なる。一実施形態では、1つより多い標識ヌクレオチドが使用され、例えば、A、G、CおよびTまたはUのアナログを表す、少なくとも4種の異なって標識された、3’−Oメチレンジスルフィドでキャップされたデオキシヌクレオシド三リン酸化合物の混合物が、ステップb)で使用される。好ましい実施形態では、前記検出するステップは、前記組み込まれた第1のデオキシヌクレオシド三リン酸の核酸塩基の決定を可能とする。
本発明は、a)核酸鋳型および前記鋳型にハイブリダイズしてプライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を形成することが可能なプライマー(一部の実施形態では、実際に、一緒にハイブリダイズしたプライマーを提供するステップ)、チオール含有化合物を含む切断試薬ならびに切断捕捉試薬を提供するステップと;b)DNAポリメラーゼおよび第1のデオキシヌクレオシド三リン酸を前記プライマーおよび鋳型に添加して反応混合物を作製するステップであって、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸が核酸塩基および糖を含み、前記糖が3’−Oに切断可能な保護基を含み、前記切断可能な保護基がメチレンジスルフィドを含み、前記デオキシヌクレオシド三リン酸が切断可能なオキシメチレンジスルフィド含有リンカーを介して核酸塩基に結合した第1の検出可能な標識をさらに含む、ステップと;c)前記反応混合物を、DNAポリメラーゼ触媒プライマー伸長反応を可能にして改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を作製する条件に供するステップであって、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸が組み込まれる(例えば、プライマーに組み込まれてプライマーを伸長する)、ステップと;d)前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体中の前記デオキシヌクレオシド三リン酸の前記第1の検出可能な標識を検出する(例えば、イメージングすることによって)ステップと;e)前記切断可能な保護基(例えば、切断することによって)および(任意選択で)前記検出可能な標識を前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体から除去する(リンカーを切断することによって)条件下で前記切断試薬を導入するステップと;f)前記切断スカベンジャー試薬を導入する(例えば、任意の残留する切断試薬を捕捉するために)ステップとを含む、DNA配列における標識ヌクレオチドを検出するための方法の別の実施形態を企図する。一実施形態では、前記チオール含有化合物は、第1および第2のチオール基を含む。一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、少なくとも1つの炭化水素原子によって分離される。
一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、炭化水素スペーサーによって分離される。一実施形態では、炭化水素スペーサーは、少なくとも1つの官能基を含む。一実施形態では、前記少なくとも1つの官能基は、ハロゲン、アミン、ホスフェート、ホスホネート、リン酸、カルボン酸、スルホキシドおよびヒドロキシルからなる群から選択される。一実施形態では、前記切断試薬はジメルカプトプロパンスルホネートを含む。一実施形態では、前記ジメルカプトプロパンスルホネートは緩衝液中にある。一実施形態では、前記緩衝液はCHESである。一実施形態では、前記切断試薬のpHは9.0から10.0の間である。好ましい実施形態では、前記切断試薬の前記pHは9.5である。一実施形態では、前記切断スカベンジャーは酸化的スカベンジャーである。一実施形態では、前記酸化的スカベンジャーは過酸化水素である。一実施形態では、前記酸化的スカベンジャーはter−ブチルペルオキシドである。一実施形態では、前記過酸化水素は緩衝液中にある。一実施形態では、前記緩衝液はTRISである。一実施形態では、前記TRIS緩衝液は8.5から9.0の間のpHである。好ましい実施形態では、前記TRIS緩衝液は8.8のpHである。好ましい実施形態では、ステップb)の前記反応混合物はフローセル中にある。一実施形態では、前記フローセルは移動支持体上に配置される。一実施形態では、前記移動支持体は回転ステージである。一実施形態では、前記フローセルの少なくとも一部は透明である。一実施形態では、前記フローセルは機器内に組み込まれる。一実施形態では、方法のステップは繰り返される。一実施形態では、方法は、ステップb)の繰り返しの間に、第2のデオキシヌクレオシド三リン酸を添加するステップをさらに含み、前記第2のデオキシヌクレオシド三リン酸は第2の切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを介して結合した第2の検出可能な標識を含み、前記第2の検出可能な標識は前記第1の検出可能な標識と異なる。一実施形態では、チオール含有化合物はビシナルジチオール系化合物である。一実施形態では、前記第2のデオキシヌクレオシド三リン酸の核酸塩基は、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸の核酸塩基と異なる。一実施形態では、A、G、CおよびTまたはUのアナログを表す、少なくとも4種の異なって標識された、3’−Oメチレンジスルフィドでキャップされたデオキシヌクレオシド三リン酸化合物の混合物が、ステップb)で使用される。好ましい実施形態では、前記検出するステップが、前記組み込まれた第1のデオキシヌクレオシド三リン酸の核酸塩基の決定を可能とする。
本発明は、また別の実施形態では、DNA配列における標識ヌクレオチドを検出するための方法であって、a)核酸鋳型および前記鋳型にハイブリダイズしてプライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を形成することが可能なプライマー(一部の実施形態では、実際に、ハイブリダイズしたプライマーを提供するステップ)、ならびにフローセルを提供するステップであって、前記フローセルが、チオール含有化合物を含む切断試薬を含む第1のリザーバーおよび酸化的洗浄液を含む第2のリザーバーと流体連通する(例えば、チューブを介して)、ステップと;b)DNAポリメラーゼおよび第1のデオキシヌクレオシド三リン酸を前記プライマーおよび鋳型に添加して前記フローセル中で反応混合物を作製するステップであって、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸が核酸塩基および糖を含み、前記糖が3’−Oに切断可能な保護基を含み、前記切断可能な保護基がメチレンジスルフィドを含み、前記デオキシヌクレオシド三リン酸が切断可能なオキシメチレンジスルフィド含有リンカーを介して核酸塩基に結合した第1の検出可能な標識をさらに含む、ステップと;c)前記反応混合物を、DNAポリメラーゼ触媒プライマー伸長反応を可能にして改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を作製する条件に供するステップであって、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸が組み込まれる(例えば、プライマーに組み込まれてプライマーを伸長する)、ステップと;d)前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体中の前記デオキシヌクレオシド三リン酸の前記第1の検出可能な標識を検出する(例えば、イメージングすることによって)ステップと;e)前記切断可能な保護基(切断することによって)および(任意選択で)前記検出可能な標識を前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体から除去する(リンカーを切断することによって)条件下で前記切断試薬を、前記第1のリザーバーから、前記フローセル中に導入するステップと;f)前記酸化的洗浄液を、前記第2のリザーバーから、前記フローセル中に導入する(任意の残留する切断試薬を除去するかまたは不活性化するために)ステップとを含む、方法を企図する。一実施形態では、前記チオール含有化合物は、第1および第2のチオール基を含む。一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、少なくとも1つの炭化水素原子によって分離される。一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、炭化水素スペーサーによって分離される。一実施形態では、炭化水素スペーサーは、少なくとも1つの官能基を含む。一実施形態では、前記少なくとも1つの官能基は、ハロゲン、アミン、ホスフェート、ホスホネート、リン酸、カルボン酸、スルホキシドおよびヒドロキシルからなる群から選択される。一実施形態では、前記切断試薬はジメルカプトプロパンスルホネートを含む(例えば、溶液中に)。一実施形態では、前記ジメルカプトプロパンスルホネートは緩衝液中にある。一実施形態では、前記緩衝液はCHESである。一実施形態では、前記切断試薬のpHは9.0から10.0の間である。一実施形態では、前記切断試薬の前記pHは9.5である。一実施形態では、前記酸化的洗浄液は過酸化水素を含む。一実施形態では、前記酸化的洗浄液はter−ブチルペルオキシドを含む。一実施形態では、前記過酸化水素は緩衝液中にある。一実施形態では、前記緩衝液はTRISである。
本発明はまた、キットを企図する。一実施形態では、本発明は、1つまたは複数のDNA配列決定試薬、使用説明書およびチオール含有化合物を含む切断試薬を含むキットを企図する。一実施形態では、前記チオール含有化合物は、第1および第2のチオール基を含む。一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、少なくとも1つの炭化水素原子によって分離される。一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、炭化水素スペーサーによって分離される。一実施形態では、炭化水素スペーサーは、少なくとも1つの官能基を含む。一実施形態では、前記少なくとも1つの官能基は、ハロゲン、アミン、ホスフェート、ホスホネート、リン酸、カルボン酸、スルホキシドおよびヒドロキシルからなる群から選択される。一実施形態では、チオール含有化合物は、2,3−ジメルカプトプロパンスルホネート、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールおよび2,3−ジメルカプトプロパンホスホネート(またはこれらの塩)からなる群から選択される。好ましい実施形態では、前記チオール含有化合物はジメルカプトプロパンスルホネートである。一実施形態では、前記ジメルカプトプロパンスルホネートは緩衝液中にある。チオール含有化合物は種々の形態であり得る。一実施形態では、前記ジメルカプトプロパンスルホネートは、前記キットにおいて、固体形態(例えば、チューブ、バイアルまたは他の容器内の粉末として)である。一実施形態では、キットは緩衝液(例えば、チューブ、バイアルまたは他の容器中に)をさらに含む。一実施形態では、前記緩衝液はCHESである。一実施形態では、キットは切断スカベンジャーをさらに含む。好ましい実施形態では、前記切断スカベンジャーは酸化的スカベンジャーである。一実施形態では、前記酸化的スカベンジャーは過酸化水素である。一実施形態では、前記酸化的スカベンジャーはter−ブチルペルオキシドである。一実施形態では、前記1つまたは複数のDNA配列決定試薬は、ポリメラーゼ、プライマー、鋳型およびヌクレオチドを含む群から選択される。
本発明はまた、混合物を含む組成物を企図する。一実施形態では、本発明は、チオール含有化合物を含む溶液中で鋳型にハイブリダイズしたプライマーを含む組成物を企図する。一実施形態では、前記チオール含有化合物は、第1および第2のチオール基を含む。一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、少なくとも1つの炭化水素原子によって分離される。一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、炭化水素スペーサーによって分離される。一実施形態では、炭化水素スペーサーは、少なくとも1つの官能基を含む。一実施形態では、前記少なくとも1つの官能基は、ハロゲン、アミン、ホスフェート、ホスホネート、リン酸、カルボン酸、スルホキシドおよびヒドロキシルからなる群から選択される。一実施形態では、チオール含有化合物は、2,3−ジメルカプトプロパンスルホネート、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールおよび2,3−ジメルカプトプロパンホスホネートからなる群から選択される。一実施形態では、前記ハイブリダイズしたプライマーおよび鋳型は固定されている。一実施形態では、前記ハイブリダイズしたプライマーおよび鋳型はフローセル中にある。
本発明はまた、溶液および混合物を含有するフローセルを企図する。一実施形態では、本発明は、チオール含有化合物および酸化的スカベンジャーを含む溶液中で鋳型にハイブリダイズしたプライマーを含むフローセルを企図する。一実施形態では、前記チオール含有化合物は、第1および第2のチオール基を含む。一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、少なくとも1つの炭化水素原子によって分離される。一実施形態では、前記第1および第2のチオール基は、炭化水素スペーサーによって分離される。一実施形態では、炭化水素スペーサーは、少なくとも1つの官能基を含む。一実施形態では、前記少なくとも1つの官能基は、ハロゲン、アミン、ホスフェート、ホスホネート、リン酸、カルボン酸、スルホキシドおよびヒドロキシルからなる群から選択される。一実施形態では、チオール含有化合物は、2,3−ジメルカプトプロパンスルホネート、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールおよび2,3−ジメルカプトプロパンホスホネートからなる群から選択される。一実施形態では、前記ハイブリダイズしたプライマーおよび鋳型は固定されている。一実施形態では、前記酸化的スカベンジャーは過酸化水素である。一実施形態では、前記酸化的スカベンジャーはter−ブチルペルオキシドである。
一実施形態では、本発明は、(a)切断可能な保護基としてメチレンジスルフィド(例えば、一般式−CH−SS−Rの)を含む基によってキャップされた3’−Oを有するヌクレオシド三リン酸と;(b)標識が、切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカー(−OCH−SS−)(リンカーは、さらなる基を含有してもよいが)を介して核酸塩基に結合した、それらの標識アナログに関する。このようなヌクレオチドは、合成(SBS)技術によって、核酸配列決定において使用することができる。一実施形態では、本発明は、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィド(例えば、−CH−SS−R)を含む基によって3’−Oでキャップされたヌクレオチドの合成、脱保護条件または酵素的組込みに関する。
一実施形態では、本発明は、標識と核酸塩基の間に切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーと、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−Oを含むデオキシヌクレオシド三リン酸に関する。一実施形態では、前記ヌクレオシドの核酸塩基は非天然である。一実施形態では、前記ヌクレオシドの非天然核酸塩基は、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、2−アミノ,7−デアザアデニン、および2−アミノアデニンを含む群から選択される。一実施形態では、メチレンジスルフィドを含む前記基は、−CH−SS−Rであり、Rは、アルキル基および置換アルキル基を含む群から選択される。一実施形態では、前記検出可能な標識は、切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカー(例えば、式−OCH−SS−の)を介して前記核酸塩基に結合している。一実施形態では、前記検出可能な標識は蛍光標識である。一実施形態では、式(−CH−S−S−R)のRは、アルキルまたはアリルであり得る。
一実施形態では、本発明は、以下の構造:
(式中、Bは核酸塩基であり、Rは、アルキル基および置換アルキル基を含む群から選択される)に記載のデオキシヌクレオシド三リン酸に関する。一実施形態では、前記核酸塩基は天然核酸塩基(シトシン、グアニン、アデニン、チミンおよびウラシル)である。一実施形態では、前記核酸塩基は、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、2−アミノ,7−デアザアデニン、および2−アミノアデニンを含む群から選択される非天然核酸塩基である。アナログの場合には、検出可能な標識は、核酸塩基と前記検出可能な標識の間のリンカーセクションも含んでもよい。
一実施形態では、本発明は、以下の構造:
(式中、Bは核酸塩基であり、Rは、アルキル基および置換アルキル基を含む群から選択され、LおよびLは接続基である)に記載の標識デオキシヌクレオシド三リン酸に関する。一実施形態では、前記核酸塩基は天然核酸塩基アナログである。一実施形態では、前記核酸塩基は、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、2−アミノ,7−デアザアデニン、および2−アミノアデニンを含む群から選択される非天然核酸塩基アナログである。アナログの場合には、検出可能な標識は、核酸塩基と前記検出可能な標識の間のリンカーセクションも含んでもよい。一実施形態では、LおよびLは、独立して、−CO−、−CONH−、−NHCONH−、−O−、−S−、−ON、および−N=N−、アルキル、アリール、分枝状アルキル、分枝状アリールまたはこれらの組合せを含む群から選択される。Lは「−S−」でないことが好ましい。一実施形態では、本発明は、Lが、塩基におけるアミンまたは塩基におけるヒドロキシルのいずれかであることを企図する。一実施形態では、前記標識は、フルオロフォア色素、エネルギー移動色素、質量タグ、ビオチン、およびハプテンからなる群から選択される。一実施形態では、前記標識は検出可能な標識である。
一実施形態では、本発明は、以下の構造:
[式中、Dは、ジスルフィドアリル基、およびジスルフィド置換アリル基からなる群から選択され;Bは核酸塩基であり;Aは付着基であり;Cは、切断可能な部位のコアであり;LおよびLは接続基であり;Labelは標識(例えば、検出可能な部位)である]に記載の標識デオキシヌクレオシド三リン酸に関する。
一実施形態では、本発明は、以下の構造:
(式中、Dは、アジド基、ジスルフィドアルキル基、ジスルフィド置換アルキル基からなる群から選択され;Bは核酸塩基であり;Aは付着基であり;Cは、切断可能な部位のコアであり;LおよびLは接続基であり;Labelは標識である)に記載の標識デオキシヌクレオシド三リン酸に関する。一実施形態では、前記核酸塩基は、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、2−アミノ,7−デアザアデニン、および2−アミノアデニンからなる群から選択される非天然核酸塩基アナログである。一実施形態では、前記付着基Aは、プロパルギル、ヒドロキシメチル、環外アミン、プロパルギルアミン、およびプロパルギルヒドロキシルからなる群から選択される化学基である。一実施形態では、前記切断可能な部位のコアは、
(式中、RおよびRは、独立して選択されるアルキル基である)からなる群から選択される。一実施形態では、Lは、−CONH(CH−、−CO−O(CH−、−CONH−(OCHCHO)−、−CO−O(CHCHO)−、および−CO(CH−からなる群から選択され、xは0〜10であるが、より好ましくは1〜6である。一実施形態では、Lは、−NH−、−(CH−NH−、−C(Me)(CHNH−、−CH(Me)(CHNH−、−C(Me)(CHCO−、−CH(Me)(CHCO−、−(CHOCONH(CHO(CHNH−、−(CHCONH(CHCHO)(CHNH−、および−CONH(CH−、−CO(CH−からなる群から選択され、x、y、およびzは、それぞれ独立して、0〜10から選択されるが、より好ましくは1〜6から選択される。一実施形態では、前記標識は、蛍光色素、エネルギー移動色素、質量タグ、ビオチン、およびハプテンからなる群から選択される。一実施形態では、前記化合物は、構造:
(式中、前記標識は色素である)を有する。一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。一実施形態では、前記化合物は、構造:
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一実施形態では、前記化合物は、構造:
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一実施形態では、前記化合物は、構造:
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一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。
一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。
一実施形態では、本発明は、以下の構造:
(式中、Bは核酸塩基である)に記載のデオキシヌクレオシド三リン酸に関する。
一実施形態では、本発明は、1つまたは複数の配列決定試薬(例えば、DNAポリメラーゼ)および標識と核酸塩基の間に切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを含み、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によって3’−Oでキャップされた、少なくとも1つのデオキシヌクレオシド三リン酸を含むキットに関する。一実施形態では、前記核酸塩基は天然核酸塩基アナログである。一実施形態では、前記ヌクレオシドの核酸塩基は非天然である。一実施形態では、前記ヌクレオシドの非天然核酸塩基は、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、2−アミノ,7−デアザアデニン、および2−アミノアデニンを含む群から選択される。
本発明はまた、混合物、すなわち、1つまたは複数のさらなる試薬(乾燥しているか溶液中にあるかにかかわらず)との混合物中の、標識と核酸塩基の間に切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを含み、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によって3’−Oでキャップされた、少なくとも1つのデオキシヌクレオシド三リン酸も企図する。一実施形態では、本発明は、核酸鋳型を、前記鋳型にハイブリダイズしたプライマー、DNAポリメラーゼ、ならびに核酸塩基、標識および糖、標識と核酸塩基の間に切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを含む少なくとも1つのデオキシヌクレオシド三リン酸と共に含む反応混合物であって、前記糖が、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−Oを含み、前記ヌクレオシドが、前記ヌクレオシドの核酸塩基に共有結合により結合した検出可能な標識をさらに含む、反応混合物に関する。
一実施形態では、本発明は、DNA合成反応を実施する方法であって、a)核酸鋳型を、前記鋳型にハイブリダイズしたプライマー、DNAポリメラーゼ、標識と核酸塩基の間に切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−Oと共に含む少なくとも1つのデオキシヌクレオシド三リン酸と共に含む反応混合物を提供するステップと、b)前記反応混合物を、DNAポリメラーゼ触媒プライマー伸長反応を可能にする条件に供するステップとを含む、方法に関する。このことにより、少なくとも1つのデオキシヌクレオシド三リン酸(標識と核酸塩基の間に切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−Oと共に含む)の結合プライマーへの組込みが可能となる。一実施形態では、前記DNAポリメラーゼ触媒プライマー伸長反応は、配列決定反応(例えば、SBS)の部分である。一実施形態では、前記検出可能な標識は、還元剤への曝露によって、前記核酸塩基から除去される。本発明は、1つのタイプの還元剤に限定することを意図するものではない。ジスルフィド結合を還元することが可能である任意の適切な還元剤を使用して本発明を実践することができる。一実施形態では、還元剤は、ホスフィン[12]、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヒドロキシメチルホスフィン、トリヒドロキシプロピルホスフィン、トリスカルボエトキシホスフィン(TCEP)[13、14]である。一実施形態では、前記還元剤はTCEPである。一実施形態では、前記検出可能な標識および3’−OCH2−SS−R基は、ジチオ系リンカーおよび終結(保護)基の切断を実施するために、チオール基を有する化合物への曝露によって前記核酸塩基から除去され[15]、このようなチオール含有化合物は、(これらに限定されないが)システイン、システアミン、ジチオコハク酸、ジチオスレイトール、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩、ジチオブチルアミン[16]、メソ−2,5−ジメルカプト−N,N,N’,N’−テトラメチルアジパミド、2−メルカプト−エタンスルホネート、およびN,N’−ジメチル,N,N’−ビス(メルカプトアセチル)−ヒドラジン[17]を含む。反応は、セレノールの包含によってさらに触媒され得る[18]。さらに、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素をこの目的のために使用することもできる[19](アスコルビン酸も同様[20])。さらに、ジスルフィドおよびチオレダクターゼなどの、ジスルフィド結合の切断のための酵素的方法もまた公知であり、本発明の化合物と共に使用することができる[21]。
一実施形態では、本発明は、DNA配列を解析するための方法であって、a)核酸鋳型を、プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を形成する前記鋳型にハイブリダイズしたプライマーと共に含む反応混合物を提供するステップと、b)DNAポリメラーゼ、ならびに核酸塩基、標識と核酸塩基の間の切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−Oと共に含む第1のデオキシヌクレオシド三リン酸を添加するステップと、c)前記反応混合物を、DNAポリメラーゼ触媒プライマー伸長反応を可能にして改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を作製する条件に供するステップと、d)前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体中の前記デオキシヌクレオシド三リン酸の前記第1の検出可能な標識を検出するステップとを含む、方法に関する。一実施形態では、検出するステップは、どのタイプのアナログ(A、T、G、CまたはU)が組み込まれたかを決定することを可能にする。一実施形態では、方法は、e)前記切断可能な保護基および任意選択で前記検出可能な標識を前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体から除去するステップと;f)ステップb)からe)を少なくとも1回繰り返すステップ(典型的には、これらのステップを多数回、例えば、10〜200回繰り返すステップ)をさらに含む。一実施形態では、切断可能なオキシメチレンジスルフィド含有リンカーは、疎水性であり、0より大きいlogP値を有する。一実施形態では、切断可能なオキシメチレンジスルフィド含有リンカーは、疎水性であり、0.1より大きいlogP値を有する。一実施形態では、切断可能なオキシメチレンジスルフィド含有リンカーは、疎水性であり、1.0より大きいlogP値を有する。一実施形態では、方法は、ステップb)の繰り返しの間に、第2のデオキシヌクレオシド三リン酸を添加するステップをさらに含み、前記第2のデオキシヌクレオシド三リン酸は第2の検出可能な標識を含み、前記第2の検出可能な標識は前記第1の検出可能な標識と異なる。一実施形態では、前記第2のデオキシヌクレオシド三リン酸の核酸塩基は、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸の核酸塩基と異なる。一実施形態では、A、G、CおよびTまたはUのアナログを表す、少なくとも4種の異なって標識された、3’−Oメチレンジスルフィドでキャップされたデオキシヌクレオシド三リン酸化合物の混合物は、ステップb)で使用される。一実施形態では、少なくとも4種の異なって標識された、3’−Oメチレンジスルフィドでキャップされたデオキシヌクレオシド三リン酸化合物の、構造:
との前記混合物は、ステップb)で使用される。一実施形態では、前記混合物は、ステップb)でも使用される構造:
を有するものなどの未標識3’−Oメチレンジスルフィドでキャップされたデオキシヌクレオシド三リン酸化合物をさらに含む。一実施形態では、ステップe)は、前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を還元剤に曝露することによって実施される。一実施形態では、前記還元剤はTCEPである。一実施形態では、前記検出可能な標識は、ジチオ系リンカーおよび終結(保護)基の切断を実施するために、チオール基を有する化合物への曝露によって前記核酸塩基から除去され、このようなチオール含有化合物は、(これらに限定されないが)システイン、システアミン、ジチオコハク酸、ジチオスレイトール、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩、ジチオブチルアミン、メソ−2,5−ジメルカプト−N,N,N’,N’−テトラメチルアジパミド、2−メルカプト−エタンスルホネート、およびN,N’−ジメチル,N,N’−ビス(メルカプトアセチル)−ヒドラジンを含む。
本発明は、特定の配列決定プラットフォームに限定されることを意図しない。しかし、好ましい機器は、QIAGEN’s GeneReader DNA配列決定システム(GR)である。一実施形態では、DNA配列は、合成による配列決定法(SBS)によって決定される。一実施形態では、配列決定の各サイクルは、8つのステップからなる:伸長1、伸長2、洗浄1、イメージングソリューションの添加、イメージング、洗浄2、切断、および洗浄3。イメージングサイクルの間に集めたデータは、誤り率、スループット値、および適用される位相補正値を与える解析ソフトウェアで処理される。別の実施形態では、酸化的洗浄液(Wash 11)は切断ステップ後に使用される(図93を参照のこと)。
同一または類似の方法により、一般的に、他のSBSプラットフォーム(すなわち、同様の条件下で作動する任意の合成による配列決定法)、およびIlluminaからのHiSeqおよびmiSeqプラットフォーム;Roche 454;Ion Torrent PGMおよびProtonプラットフォーム;ならびにPacificBioプラットフォームなどの特異的SBSプラットフォームの性能を改良することができることを企図する。
本発明は、1つのタイプの配列決定のみに限定されることを意図するものではない。一実施形態では、前記デオキシヌクレオシド三リン酸(核酸塩基、標識および糖、標識と核酸塩基の間の切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを含み、前記糖は、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−Oを含む)は、ピロシーケンスにおいて使用されてもよい。
一実施形態では、本発明は、核酸塩基と糖とを含むデオキシヌクレオシド三リン酸であって、前記核酸塩基が切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを介して結合した検出可能な標識を含み、前記糖が、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィド基を含む基によってキャップされた3’−Oを含む、デオキシヌクレオシド三リン酸に関する。一実施形態では、前記ヌクレオシドは、ポリメラーゼ(またはいくつかの他の配列決定試薬)との混合物中にある。一実施形態では、前記ヌクレオシドの核酸塩基は非天然である。一実施形態では、前記ヌクレオシドの非天然核酸塩基は、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、2−アミノ,7−デアザアデニン、および2−アミノアデニンを含む群から選択される。一実施形態では、メチレンジスルフィド基を含む前記基は、式−CH−SS−Rのものであり、式中、Rは、アルキル基および置換アルキル基を含む群から選択される。一実施形態では、前記混合物はプライマーをさらに含む。一実施形態では、前記プライマーは核酸鋳型にハイブリダイズされる。一実施形態では、前記検出可能な標識は蛍光標識である。一実施形態では、前記核酸鋳型は固定されている(例えば、ウェル、チャネルまたは他の構造中に、あるいは代替的にビーズに)。
一実施形態では、本発明は、3’−O−(メチルチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシドを調製する方法であって、a)核酸塩基および糖を含む5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシド、およびii)メチルチオメチルドナーを提供するステップと;b)前記5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシドを、3’−O−(メチルチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシドを作製する条件下で処理するステップとを含む、方法に関する。一実施形態では、前記メチルチオメチルドナーはDMSOである。一実施形態では、前記条件は酸性条件を含む。一実施形態では、前記5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシドは、前記ヌクレオシドの核酸塩基に保護基を含む。一実施形態では、前記3’−O−(メチルチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシドは、カラムクロマトグラフィーで精製される。
一実施形態では、本発明は、3’−O−(R置換ジチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシドを調製する方法であって、a)i)3’−O−(メチルチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシド、およびii)R−SH(式中、Rは、アルキル基または置換アルキル基を含む)を提供するステップと;b)前記3’−O−(メチルチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシドを、3’−O−(R置換ジチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシドを作製する条件下で処理するステップとを含む、方法に関する。一実施形態では、前記R−SHはエタンチオールである。一実施形態では、前記条件は塩基性条件を含む。
一実施形態では、本発明は、3’−O−(R置換ジチオメチル)−2’−デオキシヌクレオシドを調製する方法であって、a)3’−O−(R置換ジチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシドを提供するステップと;b)前記3’−O−(R置換ジチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシヌクレオシドを、3’−O−(R置換ジチオメチル)−2’−デオキシヌクレオシドを作製する条件下で処理するステップとを含む、方法に関する。一実施形態では、前記条件は、前記3’−O−(R置換ジチオメチル)−2’−デオキシヌクレオシドをNHFに曝露することを含む。
一実施形態では、本発明は、3’−O−(R置換ジチオメチル)−2’−デオキシヌクレオシドの三リン酸を調製する方法であって、a)3’−O−(R置換ジチオメチル)−2’−デオキシヌクレオシドを提供するステップと;b)前記3’−O−(R置換ジチオメチル)−2’−デオキシヌクレオシドを、3’−O−(R置換ジチオメチル)−2’−デオキシヌクレオシドの三リン酸を作製する条件下で処理するステップとを含む、方法に関する。一実施形態では、前記条件は、前記3’−O−(R置換ジチオメチル)−2’−デオキシヌクレオシドを、POClおよびBuNをと共に(MeO)POに曝露することを含む。一実施形態では、前記方法は、前記核酸塩基保護基の除去であるステップc)をさらに含む。一実施形態では、前記保護基は、N−トリフルオロアセチル−アミノプロパルギル保護基を含む。一実施形態では、前記N−トリフルオロアセチル−アミノプロパルギル保護基を、加溶媒分解によって除去して、5’−O−(トリホスフェート)−3’−O−(R置換ジチオメチル)−5−(アミノプロパルギル)−2’−デオキシヌクレオシドを生成する。
一実施形態では、本発明は、構造が:
である化合物に関する。
一実施形態では、本発明は、構造が:
である化合物に関する。
一実施形態では、本発明は、構造が:
である化合物に関する。
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である化合物に関する。
一実施形態では、本発明は、以下の構造:
(式中、Rは、アルキル基、置換アルキル基、アリル、置換アリルからなる群から選択され;Bは核酸塩基であり;Aは付着基であり;Cは、切断可能な部位のコアであり;LおよびLは接続基であり;Labelは標識である)に記載の標識デオキシヌクレオシド三リン酸に関する。一実施形態では、前記核酸塩基は、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、2−アミノ,7−デアザアデニン、および2−アミノアデニンからなる群から選択される非天然核酸塩基アナログである。一実施形態では、前記付着基Aは、プロパルギル、ヒドロキシメチル、環外アミン、プロパルギルアミン、およびプロパルギルヒドロキシルからなる群から選択される化学基である。一実施形態では、前記切断可能な部位のコアは、
(式中、RおよびRは、独立して選択されるアルキル基である)からなる群から選択される。一実施形態では、Lは、−CONH(CH−、−COO(CH−、−CO(CH−からなる群から選択され、xは0〜10であるが、より好ましくは1〜6である。一実施形態では、Lは、−NH−、−(CHOCONH(CHO(CHNH−、−(CHOCONH(CHO(CHO(CHNH−、−CONH(CH−、−CO(CH−からなる群から選択され、x、y、およびzは、それぞれ独立して、0〜10から選択されるが、より好ましくは1〜6から選択される。一実施形態では、前記標識は、蛍光色素、エネルギー移動色素、質量タグ、ビオチン、およびハプテンからなる群から選択される。一実施形態では、前記化合物は、構造:
(式中、前記標識は色素であり、Rは、アルキル基、置換アルキル基、アリル、置換アリルからなる群から選択される)を有する。一実施形態では、前記化合物は、構造:
(式中、前記標識は色素である)を有する。
一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。
一実施形態では、本発明は、以下の構造:
[式中Dは、アジド(−N)基、ジスルフィドアルキル(−SS−R)基およびジスルフィド置換アルキル基からなる群から選択され、Bは核酸塩基であり、Aは付着基であり、Cは切断可能な部位のコアであり、LおよびLは接続基であり;Labelは標識である]に記載の標識デオキシヌクレオシド三リン酸に関する。一実施形態では、前記核酸塩基は天然核酸塩基である。一実施形態では、前記核酸塩基は、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、2−アミノ,7−デアザアデニン、および2−アミノアデニンからなる群から選択される非天然核酸塩基アナログである。一実施形態では、前記付着基(A)は、プロパルギル、ヒドロキシメチル、環外アミン、プロパルギルアミン、およびプロパルギルヒドロキシルからなる群から選択される化学基である。一実施形態では、前記切断可能な(C)部位のコアは、
(式中、RおよびRは、独立して選択されるアルキル基である)からなる群から選択される。一実施形態では、前記切断可能な部位のコアは、
(式中、RおよびRは、独立して選択されるアルキル基である)からなる群から選択される。一実施形態では、Lは、−CONH(CH−、−CO−O(CH−、−CONH−(OCHCHO)−、−CO−O(CHCHO)−、および−CO(CH−からなる群から選択され、xは、0〜100である。一部の実施形態では、xは、0〜10であるが、より好ましくは1〜6である。Lは、
、−NH−、−(CH−NH−、−C(Me)(CHNH−、−CH(Me)(CHNH−、−C(Me)(CHCO−、−CH(Me)(CHCO−、−(CHOCONH(CHO(CHNH−、−(CHCONH(CHCHO)(CHNH−、および−CONH(CH−、−CO(CH−からなる群から選択され、x、y、およびzは、それぞれ独立して、0〜10から選択されるが、より好ましくは1〜6から選択される。一部の実施形態では、Lは、−NH−、−(CH−NH−、−C(Me)(CHNH−、−CH(Me)(CHNH−、−C(Me)(CHCO−、−CH(Me)(CHCO−、−(CHOCONH(CHO(CHNH−、および−CONH(CH−、−CO(CH−からなる群から選択され、x、y、およびzは、それぞれ独立して、0〜100から選択される。一部の実施形態では、x、y、およびzは、それぞれ独立して、0〜10から選択されるが、より好ましくは1〜6から選択される。一実施形態では、前記標識は、蛍光色素、エネルギー移動色素、質量タグ、ビオチン、およびハプテンからなる群から選択される。一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
を有する。
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、化合物は、以下の構造(特定の核酸塩基および標識が以下に示されるが、他のアナログヌクレオチド対応物が企図されている、すなわち、本明細書および図面における任意の種々の標識が置換されていてもよく、核酸塩基が異なっていてもよい):
一実施形態では、本発明は、非標識化合物を企図する。一実施形態では、前記化合物は、構造:
(式中、Rは、アルキル基、置換アルキル基、アリル、置換アリルからなる群から選択され;Bは核酸塩基である)を有する。一実施形態では、化合物は、構造(ここでも、Bは核酸塩基である):
を有する。
一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。一実施形態では、前記化合物は、構造:
を有する。一実施形態では、前記核酸塩基は、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、2−アミノ,7−デアザアデニン、および2−アミノアデニンからなる群から選択される非天然核酸塩基アナログである。
一実施形態では、本発明は、図43に示される、3’−(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタンチオールヌクレオシドを中間体として、ならびにDMTSFおよびジメチルジスルフィドを硫黄源として使用して、3’−OCH−SSMeヌクレオチドアナログを合成する方法に関する。
一実施形態では、本発明は、以下の構造:
[式中、Dは、アジド基、ジスルフィドアルキル基、ジスルフィド置換アルキル基、ジスルフィドアリル基、およびジスルフィド置換アリル基からなる群から選択され;Bは、核酸塩基であり;リンカーは、切断可能なオキシメチレンジスルフィド含有部位のコアを含む]
に記載の標識デオキシヌクレオシド三リン酸に関する。一実施形態では、前記切断可能な部位のコアは、
(式中、RおよびRは、独立して選択されるアルキル基であり;Labelは、標識である)からなる群から選択される。一実施形態では、前記リンカーは疎水性である。一実施形態では、前記リンカーは、0よりも大きいlogP値を有する。一実施形態では、前記リンカーは、0.1よりも大きいlogP値を有する。一実施形態では、前記リンカーは、0.5よりも大きいlogP値を有する。一実施形態では、前記リンカーは、1.0よりも大きいlogP値を有する。
定義
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下で定義する。本明細書において定義される用語は、本発明に関連する分野の当業者に一般的に理解される意味を有する。「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」などの用語は、単数の実体のみを指すことを意図しておらず、その具体例が例証に使用され得る一般的なクラスを含む。本明細書における術語は、本発明の具体的な実施形態について記載するために使用されるが、それらの用法は、特許請求の範囲に概説されている場合を除き、本発明の限界を定めるものではない。
本明細書で使用される場合、「水素」は、−Hを意味し;「ヒドロキシ」は、−OHを意味し;「オキソ」は、=Oを意味し;「ハロ」は、独立して、−F、−Cl、−Brまたは−Iを意味し;「アミノ」は、−NH(用語アミノを含有する基、例えば、アルキルアミノの定義については、以下を参照)を意味し;「ヒドロキシアミノ」は、−NHOHを意味し;「ニトロ」は、−NOを意味し;「イミノ」は、=NH(用語イミノを含有する基、例えば、アルキルアミノの定義については、以下を参照)を意味し;「シアノ」は、−CNを意味し;「アジド」は、−Nを意味し;「メルカプト」は、−SHを意味し;「チオ」は、=Sを意味し;「スルホンアミド」は、−NHS(O)−(用語スルホンアミドを含有する基、例えば、アルキルスルホンアミドの定義については、以下を参照)を意味し;「スルホニル」は、−S(O)−(用語スルホニルを含有する基、例えば、アルキルスルホニルの定義については、以下を参照)を意味し;「シリル」は、−SiH(用語シリルを含有する基、例えば、アルキルシリルの定義については、以下を参照)を意味する。
本明細書で使用される場合、「メチレン」は、炭素原子が2つの水素原子と結合した化学種を意味する。−CH−基は、標準的なメチレン基であると考えられる。鎖または環中のメチレン基は、そのサイズおよび親油性に寄与する。この文脈において、ジデオキシは、メチレン基も指す。特に、2,3−ジデオキシ化合物は、2,3−メチレン(2,3−メチレン−グリコシド=2,3−ジデオキシ−グリコシド)と同じである。
以下の基について、以下の括弧付きの添字は、基を次のようにさらに定義する:「(C)」は、基中の炭素原子の正確な数(n)を定義し;「(C≦n)」は、基中にあり得る炭素原子の最大数(n)を定義し;(Cn〜n’)は、基中の炭素原子の最小数(n)および最大数(n’)の両方を定義する。例えば、「アルコキシ(C≦10)」は、1から10個までの炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個、またはその中から導出できる任意の範囲(例えば、3〜10個の炭素原子))を有するアルコキシ基を指定する。同様に、「アルキル(C2〜10)」は、2から10個までの炭素原子(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個、またはその中から導出できる任意の範囲(例えば、3〜10個の炭素原子))を有するアルキル基を指定する。
用語「アルキル」は、「置換」という修飾句なしで使用される場合、結合点としての飽和炭素原子、直鎖状または分枝状、シクロ、環式または非環式構造を有し、炭素−炭素二重結合または三重結合を有さず、炭素および水素以外の原子を有さない、非芳香族一価の基を指す。基−CH(Me)、−CHCH(Et)、−CHCHCH(n−Pr)、−CH(CH(イソ−Prまたはi−Pr)、−CH(CH(シクロプロピル)、−CHCHCHCH(n−Bu)、−CH(CH)CHCH(sec−ブチルまたはsec−Bu)、−CHCH(CH(イソ−ブチルまたはi−Bu)、−C(CH(tert−ブチルまたはt−Bu)、−CHC(CH(ネオ−ペンチル)、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルは、アルキル基の非限定例である。用語「置換アルキル」は、結合点としての飽和炭素原子、直鎖状または分枝状、シクロ、環式または非環式構造を有し、炭素−炭素二重結合または三重結合を有さず、N、O、F、Cl、Br、I、Si、P、およびSからなる群から独立して選択される少なくとも1つの原子を有する、非芳香族一価の基を指す。以下の基は、置換アルキル基の非限定例である:−CHOH、−CHCl、−CHBr、−CHSH、−CF、−CHCN、−CHC(O)H、−CHC(O)OH、−CHC(O)OCH、−CHC(O)NH、−CHC(O)NHCH、−CHC(O)CH、−CHOCH、−CHOCHCF、−CHOC(O)CH、−CHNH、−CHNHCH、−CHN(CH、−CHCHCl、−CHCHOH、−CHCF、−CHCHOC(O)CH、−CHCHNHCOC(CH、および−CHSi(CH
用語「切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカー」および「切断可能なオキシメチレンジスルフィド含有リンカー」は、リンカーがオキシメチレンジスルフィド基を含むことを示すことを意味し、オキシメチレンジスルフィド基のみに限定されるのではなく、むしろ、例えば図25の化合物に見られるような、まさにその基だけではないものを含有し得るリンカーであると考えられる。同様に、用語「オキシメチレンジスルフィド部位のコア」および「オキシメチレンジスルフィド含有部位のコア」は、部位のコアが、オキシメチレンジスルフィド基を含むことを示すことを意味し、オキシメチレンジスルフィド基のみに限定されるのではなく、むしろ、まさにその基だけではないものを含有し得る部位のコアであると考えられる。
用語「核酸」は、一般的に、増幅生成物、合成的により生じたRNAの逆転写生成物、または天然に存在するもののいずれであるかにかかわらず、DNAまたはRNAの両方を指す。典型的には、核酸は、一本鎖または二本鎖分子であり、天然に存在するヌクレオチドで構成される。二本鎖核酸分子は、3’−または5’−突出を有し得、そのため、その全長にわたって完全に二本鎖であることを要求も想定もされていない。さらに、核酸は、天然に存在しないヌクレオチドおよび/または天然に存在するヌクレオチドへの修飾で構成され得る。本明細書において列挙される例は、ライゲーションまたはエキソヌクレアーゼ分解/ポリメラーゼ伸長の防止をそれぞれ可能にするための、5’または3’ヌクレオチドのリン酸化;共有結合および共有結合に類似した結合のための、アミノ、チオール、アルキン、またはビオチニル修飾;フルオロフォアおよび消光剤;分解を防止するためのヌクレオチド間のホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロアミデートおよびホスホトリエステル結合;メチル化;ならびに、デオキシ−イノシン、5−ブロモ−dU、2’−デオキシ−ウリジン、2−アミノプリン、2’,3’−ジデオキシ−シチジン、5−メチル−dC、ロックド核酸(LNA)、イソ−dCおよび−dG塩基、2’−O−メチルRNA塩基ならびにフッ素修飾ヌクレオシドなどの、修飾塩基またはヌクレオシドであるがこれらに限定されない。
本明細書において企図される方法の一部では、プライマーは、配列決定される鋳型の少なくとも一部に対して少なくとも部分的に相補的である。用語「相補的」は、一般的に、適当な温度およびイオン性緩衝液条件で、2つのヌクレオチドの塩基(例えば、AとT)の間に、好適な熱力学的安定性および特異的な対合を形成する能力を指す。この対合は、各ヌクレオチドの水素結合特性に依存する。この最も基本的な例は、チミン/アデニンとシトシン/グアニン塩基の間の水素結合対である。本発明において、標的核酸の増幅のためのプライマーは、その全長にわたって標的核酸分子と完全相補的または「半相補的」の両方であってよく、ここで、プライマーは、標的核酸へのハイブリダイゼーションが最小限に可能であるかまたは不可能である、さらなる非相補的配列を含有する。
用語「ハイブリダイズする」は、一般的に、それらのヌクレオチド配列と一致する、異なる核酸分子間の塩基対合を指す。用語「ハイブリダイズする」および「アニールする」は、互換的に使用され得る。
用語「オリゴヌクレオチド」は、一般的に、典型的には、一本鎖DNAかつ長さ75ヌクレオチド未満となるように設計されている核酸配列を指す。
用語「プライマー」は、一般的に、核酸配列にアニールし、またはハイブリダイズし、十分条件下で(緩衝液、dNTP、ポリメラーゼ、一価および二価の塩、温度など)、プライマーが相補的である核酸の伸長を可能にすることができるオリゴヌクレオチドを指す。
用語「鋳型核酸」、「鋳型分子」、「標的核酸」、および「標的分子」は、互換的に使用することができ、その配列情報を導出するために配列決定反応によって任意選択で問い合わせされ得る増幅反応の対象である核酸分子を指す。鋳型核酸は、クローン増幅法によって発生した、固体表面に固定され、すなわち、ビーズまたはアレイに固定化され得る、核酸であってもよい。
用語「ヌクレオシド」は、糖、例えば、リボースまたはデオキシリボースのC−1’炭素と連結している塩基からなる化合物を指す。ヌクレオシドの塩基部分は、通常、複素環式塩基、例えば、プリンまたはピリミジンである。
用語「ヌクレオチド」は、モノマー単位としての、またはポリヌクレオチド内の、ヌクレオシドのリン酸エステルを指す。「ヌクレオシド5’−三リン酸」は、三リン酸エステル基が糖5’−炭素位に結合したヌクレオチドを指し、「NTP」、「dNTP」(2’−デオキシヌクレオシド三リン酸またはデオキシヌクレオシド三リン酸)および「ddNTP」(2’,3’−ジデオキシヌクレオシド三リン酸またはジデオキシヌクレオシド三リン酸)として表記されることがある。「ヌクレオシド5’−四リン酸」は、四リン酸エステル基が糖5’−炭素位に結合した代替的な活性化ヌクレオチドを指す。PA−ヌクレオチドは、プロパルギルアナログを指す。
用語「保護基」は、この用語が本明細書および/または特許請求の範囲において使用される場合、所望の反応のある特定の条件下で官能基を可逆的に非反応性にする基として従来の化学的な意味で使用され、Hではないと理解されている。所望の反応後、保護基を除去して、保護された官能基を脱保護することができる。好ましい実施形態では、すべての保護基は、合成されている分子の実質的な割合を減少させない条件下で、除去可能(したがって、不安定)であるべきである。保護基は、「キャッピング基」または「遮断基」または「切断可能な保護基」とも称される場合がある。便宜上、保護基によって保護された官能基は、保護基の一部として示されるかまたは称されてもよいことに留意すべきである。本明細書で記載されるヌクレオチド誘導体の文脈において、保護基は、3’位において使用される。本発明が、配列決定において使用される可逆的終結ヌクレオチドにおけるこの保護基の性質または化学によって限定されることを意図するものではない。3’−O−アジドメチルヌクレオチド、3’−O−アミノキシヌクレオチド、3’−O−アリルヌクレオチド;およびジスルフィドヌクレオチド、3’−O−アジドアルキル、3’−O−ジチオメチルアルキル、3’−O−ジチオメチルアリール、3’−O−アセチル、3’−O−カルバゼート、3’−O−アルキルエーテル、3’−O−アルキルエステル、3’−O−アルドキシム(−O−N=CH−R)、3’−O−ケトキシム(−O−N=C(R,R’))を含むがこれらに限定されない多様な保護基が、この目的のために企図される。
本発明の一実施形態は、ヌクレオチドの3’−OH官能基に、保護基の官能基化を介してマーカーを直接結合させることを企図する。
用語「標識」または「検出可能な標識」は、その最も広い意味において、検出可能である、またはそれに関連しているものの検出を可能にする任意の部分または特性を指す。例えば、標識を含むヌクレオチド、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、検出可能である。理想的には、標識オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、特に、標識されたヌクレオチドが、酵素的手段によって、プライマーおよび鋳型核酸のハイブリダイゼーション複合体に組み込まれた後の、前記ハイブリダイゼーション複合体の検出を可能にする。標識は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドに、共有結合的にまたは非共有結合的に結合してもよい。種々の態様では、標識は、代替的にまたは組み合わせて:(i)検出可能なシグナルを提供する;(ii)第2の標識と相互作用して、第2の標識、例えば、FRETによって提供される検出可能なシグナルを修飾する;(iii)ハイブリダイゼーション、例えば、二重鎖形成を安定させる;(iv)捕捉機能、例えば、疎水性親和性、抗体/抗原、イオン複合体形成を付与する、または(v)電気泳動移動度、疎水性、親水性、溶解度、もしくはクロマトグラフ挙動などの物理的特性を変化させることができる。標識は、それらの構造およびそれらの作用機序において広く変化する。標識の例は、蛍光標識、非蛍光標識、比色標識、化学発光標識、生物発光標識、放射性標識、質量修飾基、抗体、抗原、ビオチン、ハプテン、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼなどを含む)などを含むがこれらに限定されない。さらに例証するために、蛍光標識は、フルオレセインファミリーの色素、ローダミンファミリーの色素、シアニンファミリーの色素、もしくはクマリン(coumarine)、オキサジン、ボラジアザインダセンまたはそれらの任意の誘導体を含んでよい。フルオレセインファミリーの色素は、例えば、FAM、HEX、TET、JOE、NANおよびZOEを含む。ローダミンファミリーの色素は、例えば、テキサスレッド、ROX、R110、R6G、およびTAMRAを含む。FAM、HEX、TET、JOE、NAN、ZOE、ROX、R110、R6G、およびTAMRAは、例えば、Perkin−Elmer,Inc.(Wellesley、Mass.、USA)から市販されており、テキサスレッドは、例えば、Life Technologies(Molecular Probes,Inc.)(Grand Island、N.Y.)から市販されている。シアニンファミリーの色素は、例えば、CY2、CY3、CY5、CY5.5およびCY7を含み、例えば、GE Healthcare Life Sciences(Piscataway、N.J.、USA)から市販されている。
用語「異なって標識された」は、本明細書で使用される場合、標識ヌクレオシドの核酸塩基上の異なる位置に標識が見出されるのではなく、検出可能な標識が異なる標識であることを指す。
用語「A、G、CおよびTまたはUのアナログ」は、修飾デオキシヌクレオシド三リン酸化合物を指し、ここで、前記デオキシヌクレオシドの核酸塩基は、対応するヌクレオシドであるデオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシシチジン、およびチミジンまたはデオキシウリジンに非常に似ている。検出可能な標識デオキシヌクレオシド三リン酸化合物の場合には、Aのアナログまたはデオキシアデノシンは、
として表され得るが、核酸塩基と標識の間にリンカーがあることが好ましい。検出可能な標識デオキシヌクレオシド三リン酸化合物の場合には、Gのアナログまたはデオキシグアノシンは、
として表され得るが、核酸塩基と標識の間にリンカーがあることが好ましい。検出可能な標識デオキシヌクレオシド三リン酸化合物の場合には、Cのアナログまたはデオキシシチジンは、
として表され得るが、核酸塩基と標識の間にリンカーがあることが好ましい。検出可能な標識デオキシヌクレオシド三リン酸化合物の場合には、TもしくはUのアナログまたはチミジンもしくはデオキシウリジンは、
として表され得るが、核酸塩基と標識の間にリンカーがあることが好ましい。さらなる核酸塩基として、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、2−アミノ,7−デアザアデニン、および2−アミノアデニンからなる群から選択される非天然核酸塩基を挙げることができる。アナログの場合には、検出可能な標識は、核酸塩基と前記検出可能な標識の間にリンカーセクションを含んでもよい。
用語「TCEP」または「トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン)」は、生化学および分子生物学適用において頻繁に使用される還元剤を指す。これは、多くの場合、286.65グラム/molの分子量を有する塩酸塩(TCEP−HCl)として調製および使用される。これは、水溶性であり、中性pHで安定化された溶液として利用可能であり、還元剤の除去を容易にするためにアガロース支持体上に固定される。本発明が、1種類の還元剤に限定されることを意図するものではない。ジスルフィド結合を還元することができる任意の適切な還元剤を、本発明を実践するために使用することができる。一実施形態では、還元剤は、ホスフィン[12]、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヒドロキシメチルホスフィン、トリヒドロキシプロピルホスフィン、トリスカルボエトキシ−ホスフィン(TCEP)[13、14]である。本発明が、TCEPの使用に限定されることを意図するものではない。一実施形態では、前記検出可能な標識および3’−OCH2−SS−R基は、ジチオ系リンカーおよび終結(保護)基の切断を実施するように、チオール基を有する化合物への曝露によって前記核酸塩基から除去され、このようなチオール含有化合物は、システイン、システアミン、ジチオ−コハク酸、ジチオスレイトール、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩、ジチオブチルアミン、メソ−2,5−ジメルカプト−N,N,N’,N’−テトラメチルアジパミド、2−メルカプト−エタンスルホネート、およびN,N’−ジメチル,N,N’−ビス(メルカプトアセチル)−ヒドラジン[17]を含む(がこれらに限定されない)。反応を、セレノールの包含によってさらに触媒することができる[18]。さらに、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素をこの目的のために使用することもできる[19](アスコルビン酸も同様[20])。さらに、ジスルフィドおよびチオレダクターゼなどの、ジスルフィド結合の切断のための酵素的方法も周知であり、本発明の化合物と共に使用することができる[21]。
CHESとしても公知のN−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸は緩衝剤である。
高pHは9.0〜10.0の範囲のpH、例えば、pH9.5と定義される。低pHは8.5およびそれより低いと定義される。
FFPE試料型のATPは、ATPf(FFPEに対する「f」)として示される。
液体生検試料型のATPは、ATPp(血漿(plasma)に対する「p」)として示される。
「Acrometrix」は、使用される市販のDNA試料型を指す。
反応は、様々は場所、例えば、ウェル、チャネル、スライド、フローセルなどで起こり得る。フローセルは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,940,481号に記載されるチャネルを有することができる。フローセルは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,900,810号に記載される機器内の移動支持体上に存在し得る。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態を例証し、説明と共に本発明の原理を説明するために役立つ。図面は、本発明の好ましい実施形態を例証する目的のために限られ、本発明を制限すると解釈すべきではない。
図1は、メチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−Oを有するヌクレオシド三リン酸の例を示し、Rは、アルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、n−ブチル、またはO、N、S等などのヘテロ原子を含有する置換基を有するそのアナログを表す。
図2は、3’−Oメチレンジスルフィド含有保護基を有するヌクレオシド三リン酸の標識されたアナログを示し、標識は、切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカー(−OCH−SS−)を介して核酸塩基に結合している。アナログは、(左上から時計回りに)デオキシアデノシン、チミジンまたはデオキシウリジン、デオキシシチジン、およびデオキシグアノシンである。
図3は、TCEPなどの還元剤による3’−O保護基の脱保護の段階的機構を示す。
図4は、従来のスルフィドおよびオキシメチレンスルフィド連結された標識ヌクレオチドの切断反応生成物を示す。
図5は、切断可能リンカーのスペーサーがプロパルギルエーテルリンカーを含む、標識ヌクレオチドの例を示す。アナログは、(左上から時計回りに)デオキシアデノシン、チミジンまたはデオキシウリジン、デオキシシチジン、およびデオキシグアノシンである。
図6は、切断可能リンカーのスペーサーがプロパルギルアミンリンカーを含む、標識ヌクレオチドの例を示す。アナログは、(左上から時計回りに)デオキシアデノシン、チミジンまたはデオキシウリジン、デオキシシチジン、およびデオキシグアノシンである。
図7は、切断可能リンカーのスペーサーがピリミジンの5位およびプリンの7−デ−アザ炭素で核酸塩基に直接結合したメチレン(−(CH−を含む、標識ヌクレオチドの例を示す。このリンカーは、切断後に、リンカーが核酸塩基の結合点で−(CHOH基を生成し、LおよびLがスペーサーを表し、置換基R、R、RおよびRが先に記載した切断可能リンカーに安定性を提供する原子の群である、メチレン(n=1)またはポリメチレン(n>1)であり得る。アナログは、(左上から時計回りに)デオキシアデノシン、チミジンまたはデオキシウリジン、デオキシシチジンおよびデオキシグアノシンである。
図8は、非標識dTアナログ(化合物5)の合成を示す。
図9は、3’−O−(エチルジチオメチル)−dCTP(10)の合成を示す。
図10は、標識dT中間体に対して特異的な標識ヌクレオチドの合成経路を示す。
図11は、1,4−ブタンジオール(dutanediol)から出発する切断可能リンカーの合成を示す。
図12は、安定化gem−ジメチル基が切断可能リンカーのα炭素に結合している、切断可能リンカーの別のバリアントを示す。
図13は、ジスルフィドがgem−ジメチル基に隣接し、フレキシブルエチレングリコールリンカー(PEG)に結合している、切断可能リンカーの合成を示す。リンカーは、カルバメート基(−NH−C(=O)O−)を介してPA−ヌクレオチドに結合する。そのような場合に得られたヌクレオチドアナログは、化合物35(dUTPアナログ)と同様であり得る。
図14は、切断可能なジスルフィドがgem−ジメチル基に隣接し、リンカーがウレア基(−NH(C=O)NH−)を介してPA−ヌクレオチドに結合している、dATPアナログに関する切断可能リンカーの合成を示す。他のヌクレオチドアナログ(例えば、dCTP、dGTP、dUTPのアナログ)に関しても、反応順序の最後のステップで42を適切なPA−アナログに置き換えることによって同様に合成することができる。
図15は、リンカーがウレア官能基を介してPA−ヌクレオチドに繋がれており、ジスルフィドが2炭素リンカーによって色素に接続している、切断可能リンカー化合物45の合成を示す。そのような場合に得られたヌクレオチドアナログは、化合物49(dGTPアナログ)と同様であり得る。他のヌクレオチドアナログ(例えば、dATP、dUTP、dCTPのアナログ)も、反応順序の第3のステップでヌクレオチド46を適切なPA−ヌクレオチドアナログに置き換えることによって同様に合成することができる。
図16は、標識ヌクレオチド50を、10当量のTCEPに65℃で曝露すると、予想される生成物51と共に、化合物52を含む複数の副生成物を生成したことを示す。
図17AおよびBは、5分間の曝露後に分析した、292nm(図17B)および524nm(図17A)で抽出した化合物50のTCEP曝露生成物のLC−MSトレースを示し、11.08分のピークは化合物51に対応し、10.88分のピークは化合物52に対応し、他のピークは副生成物に対応する。 図17AおよびBは、5分間の曝露後に分析した、292nm(図17B)および524nm(図17A)で抽出した化合物50のTCEP曝露生成物のLC−MSトレースを示し、11.08分のピークは化合物51に対応し、10.88分のピークは化合物52に対応し、他のピークは副生成物に対応する。
図18AおよびBは、15分間の曝露後に分析した、292nm(図18B)および524nm(図18A)で抽出した化合物50のTCEP曝露生成物のLC−MSトレースを示し、11.32分のピークは化合物51に対応し、他のピークは副生成物に対応する。 図18AおよびBは、15分間の曝露後に分析した、292nm(図18B)および524nm(図18A)で抽出した化合物50のTCEP曝露生成物のLC−MSトレースを示し、11.32分のピークは化合物51に対応し、他のピークは副生成物に対応する。
図19は、同一の切断条件下で、オキシメチレンジスルフィド連結ヌクレオチド35が所望の切断生成物、化合物53および54をきれいに産生したことを示す。リンカーのメチレンチオール部分(−CHSH)は、ジスルフィド基の切断時にヌクレオチドから完全に除去された。
図20AおよびBは、5分間曝露後に分析した、292nm(図20B)および524nm(図20A)で抽出した化合物35のTCEP曝露生成物のLC−MSトレースを示し、11.24分のピークは化合物53に対応し、34.70分のピークは、化合物54に対応する。 図20AおよびBは、5分間曝露後に分析した、292nm(図20B)および524nm(図20A)で抽出した化合物35のTCEP曝露生成物のLC−MSトレースを示し、11.24分のピークは化合物53に対応し、34.70分のピークは、化合物54に対応する。
図21AおよびBは、15分間曝露後に分析した、292nm(図21B)および524nm(図21A)で抽出した化合物35のTCEP曝露生成物のLC−MSトレースを示し、11.25分のピークは化合物53に対応し、34.70分のピークは化合物54に対応する。 図21AおよびBは、15分間曝露後に分析した、292nm(図21B)および524nm(図21A)で抽出した化合物35のTCEP曝露生成物のLC−MSトレースを示し、11.25分のピークは化合物53に対応し、34.70分のピークは化合物54に対応する。
図22は、3’−OCH−SS−Et(図10)の合成とは異なる、適切なステップでメルカプトエタノール(EtSH)をメタンチオールまたはチオメトキシドナトリウムに置き換えることによる3’−OCH−SS−Meアナログの合成を示す。
図23は、活性化リンカー32を使用した、適切な切断可能−OCH−SS−リンカーへの、および最終的にフルオロフォア色素へのPA−ヌクレオチド(例えば、57)のカップリングを示す。
図24は、得られた異なるリンカーを有するヌクレオチドアナログ、化合物60および61を示す。
図25は、RがMe−またはEt−である、異なるフルオロフォア報告基によって標識された4つのヌクレオチドアナログの構造を示す。
図26は、RがMe−基またはEt−基である、異なるフルオロフォア報告基によって標識された4つのヌクレオチドアナログの構造を示す。
図27は、RがMe−基またはEt−基である、異なるフルオロフォア報告基によって標識された4つのヌクレオチドアナログの構造を示す。
図28は、本発明の新規切断可能リンカーを含む一般的な普遍的構築ブロック構造を示す。PG=保護基、L1、L2=リンカー(脂肪族、芳香族、混合極性の直鎖または分枝鎖)、RG=反応性基。本発明の一実施形態では、そのような構築ブロックは、リンカーの一方の末端にFmoc保護基を有し、他方の末端に反応性のNHSカーボネートまたはカルバメートを有する。この好ましい組合せは、新規切断可能リンカーを含む改変ヌクレオチド合成において特に有用である。保護基は、核酸/ヌクレオチドケミストリーと適合性の条件下で除去可能であるべきであり、反応性基は選択的であるべきである。リンカー上の活性なNHS基と、アミン終結ヌクレオチドとの間の反応後、Fmoc基を、ピペリジンまたはアンモニアなどの塩基を使用して容易に除去することができ、それによってリンカーの末端で切断可能マーカーが結合するためのアミン基を露出する。多様なマーカーを含む化合物のライブラリーを、この方法で非常に迅速に構築することができる。
図29は、本発明の新規リンカーを介して結合した切断可能マーカーを有するヌクレオチドの一般構造を示す。S=糖(すなわち、リボース、デオキシリボース)、B=核酸塩基、R=H、または可逆的終結基(保護基)。好ましい可逆的終結基には、アジドメチル(−CH)、ジチオ−アルキル(−CH2−SS−R)、アミノキシ(−ONH)が挙げられるがこれらに限定されない。
図30は、本発明の切断可能リンカーを介して結合した切断可能マーカーを有するヌクレオチドの別の一般構造を示し、Dは、アジド、ジスルフィドアルキル、およびジスルフィド置換アルキル基を含む基から選択され、Bは、核酸塩基であり、Aは、結合基であり、Cは、切断可能部位のコアであり、LおよびLは接続基であり、Labelは標識(標識を有する化合物中の)である。
図31は、図32A〜Cで試験した化合物(Lシリーズ(96)、Bシリーズ(97)、Aシリーズ(98)、およびGシリーズ(99)ファミリー)の化学構造を示す。
図32Aは、様々なジスルフィドベースの切断可能リンカーを有する3’−O−アジドメチルAlexa488標識ヌクレオチドアナログの取り込みの時間経過を示す:Lシリーズ(96)、Bシリーズ(97)、Aシリーズ(98)、およびGシリーズ(99)ファミリー。
図32Bは、様々なジスルフィドベースの切断可能リンカーを有する3’−O−アジドメチルAlexa488標識ヌクレオチドアナログの取り込みの反応速度を示す:Lシリーズ(96)、Bシリーズ(97)、Aシリーズ(98)、およびGシリーズ(99)ファミリー。
図32Cは、様々なジスルフィドベースの切断可能リンカーを有する3’−O−アジドメチルAlexa488標識ヌクレオチドアナログの取り込みの反応速度を示す:ヌクレオチド濃度に対するLシリーズ(96)、Bシリーズ(97)、Aシリーズ(98)、およびGシリーズ(99)ファミリー対ヌクレオチドの濃度。
図33Aは、dA 3’−可逆的終結ヌクレオチド:−CH−N、−CH−SS−Et、−CH−SS−Meを示す。
図33Bは、dA 3’−可逆的終結ヌクレオチド:−CH−N、−CH−SS−Et、−CH−SS−Meの100nM濃度での取り込みの速度論を示す。
図33Cは、dA 3’−可逆的終結ヌクレオチド:−CH−N、−CH−SS−Et、−CH−SS−Meの250nM濃度での取り込みの速度論を示す。
図33Dは、dA 3’−可逆的終結ヌクレオチド:−CH−N、−CH−SS−Et、−CH−SS−Meの500nM濃度での取り込みの速度論を示す。
図33Eは、dA 3’−可逆的終結ヌクレオチド:−CH−N、−CH−SS−Et、−CH−SS−Meの1000nM濃度での取り込みの速度論を示す。
図34は、3つの異なるDNAポリメラーゼ:T9、J5、およびJ8による3’−O−CH2−SS−Et終結基を有するdC 3’−可逆的終結ヌクレオチドの取り込みの速度論を示す。
図35は、GRシーケンサー[nM]上での伸長A反応に使用したヌクレオチドの最適化濃度を示す。
図36は、生誤り率によって測定したAシリーズ(98)ヌクレオチドの配列決定パフォーマンスを示す。
図37は、完全な(エラーフリー)リードのパーセンテージによって測定したAシリーズ(98)ヌクレオチドの配列決定パフォーマンスを示す。
図38は、多様な配列決定評価基準によって測定したAシリーズ(98)ヌクレオチドの配列決定パフォーマンスを示す。
図39は、生誤り率によって測定したGシリーズ(99)ヌクレオチドの配列決定パフォーマンスを示す。
図40は、完全な(エラーフリー)リードのパーセンテージによって測定したGシリーズ(99)ヌクレオチドの配列決定パフォーマンスを示す。
図41Aは、ExtB(BC1)における3’−O−CH−SS−Etヌクレオチドを含有する配列決定実行による多重バーコードの同定を示す。
図41Bは、ExtB(BC6)における3’−O−CH−SS−Etヌクレオチドを含有する配列決定実行による多重バーコードの同定を示す。 図41Cは、ExtBおよびA(BC1)の両方における3’−O−CH−SS−Etヌクレオチドを含有する配列決定実行による多重バーコードの同定を示す。
図41Dは、ExtBおよびA(BC6)の両方における3’−O−CH−SS−Etヌクレオチドを含有する配列決定実行による多重バーコードの同定を示す。
図42は、様々な切断可能リンカーを有する標識された可逆的に終結するdCの伸長A緩衝液中の上昇した温度での安定性の比較を示す:B=Bシリーズ(97、116、117、および118)、G=Gシリーズ(99、103、104、および105)、A=Aシリーズ(98、100、101、および102)、およびSS=Lシリーズ(96、50、106、および115)。
図43は、化合物62からの化合物63〜67の合成を例証する合成スキームを示す。合成を、実施例33、実施例34、および実施例35に記載する。
図44は、化合物68からの化合物69〜71および119〜120の合成を例証する合成スキームを示す。合成を、実施例36、実施例37、および実施例38に記載する。
図45は、上から下にdCTP、dTTP、dATPおよびdGTPに対応する4つの標識ヌクレオチドの完全な化学構造を示す(Aシリーズ、98、100、101、および102)。
図46は、上から下にdCTP、dTTP、dATPおよびdGTPに対応する4つの標識ヌクレオチドの完全な化学構造を示す(Gシリーズ、99、103、104、および105)。
図47は、上から下にdCTP、dTTP、dATPおよびdGTPに対応する4つの標識ヌクレオチドの完全な化学構造を示す(Lシリーズ、96、50、106、および115)。
図48は、上から下にdCTP、dTTP、dATPおよびdGTPに対応する4つの標識ヌクレオチドの完全な化学構造を示す(Bシリーズ:化合物97、116、117、および118)。
図49は、全てがその3’に可逆的終結基として−CH−SS−Meを有する、GR機器での配列決定に使用したヌクレオチド(標識、化合物72、74、76、78)および非標識(化合物120、126、132、138)の例としての濃度を示す。
図50は、全てが−CH−SS−Meを有する新規ヌクレオチド(図49に記載される標識および非標識)を使用するGR上での配列決定実行時に生成された強度の例を示す。
図51は、メチレンジスルフィドメチルを含む基によってキャップされた3’−Oを有するヌクレオシド三リン酸の一連の非リンカーの例を示す。
図52は、メチレンジスルフィドメチルを含む基によってキャップされた3’−Oを有する異なるフルオロフォア報告基によって標識された4つのヌクレオチドアナログの構造を示す。
図53は、一般的なリンカーのNHS活性化型の合成の一実施形態を示す概略図である。
図54は、MeSSdATPの合成の一実施形態を示す概略図である。
図55は、MeSSdCTPの合成の一実施形態を示す概略図である。
図56は、MeSSdGTPの合成の一実施形態を示す概略図である。
図57は、MeSSdTTPの合成の一実施形態を示す概略図である。
図58は、MeSSdATP−PAの合成の一実施形態を示す概略図である。
図59は、76の合成の一実施形態を示す概略図である。
図60は、MeSSdCTP−PAの合成の一実施形態を示す概略図である。
図61は、72の合成の一実施形態を示す概略図である。
図62は、MeSSdGTP−PAの合成の一実施形態を示す概略図である。
図63は、MeSSdGTP−ARA−Cy5の合成の一実施形態を示す概略図である。
図64は、MeSSdUTP−PAの合成の一実施形態を示す概略図である。
図65は、74の合成の一実施形態を示す概略図である。
図66は、3’−OCHS−(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタン−dNTPの構造を示す概略図である。
図67は、3’−OCHS−(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタン−dNTPからの3’−(OCHSSMe)−dNTPの合成の一実施形態を示す概略図である。
図68は、3’−(OCHSSMe)−dNTP−PAの合成の重要な中間体を示す。
図69は、3’−OCHS−(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタン−dNTP−PAからの3’−(OCHSSMe)−dNTP−PAの合成の一実施形態を示す概略図である。
図70は、リンカーの配置および蛍光色素のコンジュゲーションを示す概略図である。
図71は、本発明のリンカーおよび終結基に結合させるために使用することができるヒドロキシメチル誘導体核酸塩基誘導体の構造を示す。R=可逆的終結基、CL=本発明の切断可能リンカー。
図72は、切断が行われた後のヒドロキシメチル誘導体核酸塩基誘導体の構造を示す。
図73A〜73Iは、本発明のジチオベースのリンカーおよび終結基の切断を実施するために使用することができるチオール官能基を有する化合物の例を示す:73A)−システアミン、73B)−ジチオ−コハク酸、73C)−システアミン、73D)−ジチオスレイトール、73E)−2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩、73F)−ジチオブチルアミン、73G)−メソ−2,5−ジメルカプト−N,N,N’,N’−テトラメチルアジパミド、73H)2−メルカプトエタンスルホネート、73I)−N,N’−ジメチル,N,N’−ビス(メルカプトアセチル)−ヒドラジン。
図74A〜74Cは、リンカーおよび3’−保護基の選択的および段階的切断の例−化学構造および反応スキームを示す。
図75A〜75Cは、リンカーの選択的および段階的切断の例−切断の各々のステップに関連するクロマトグラムを示す。
図76A〜Eは、リンカーの選択的および段階的切断の例−選択的切断反応の全てのステップに対応するピークから抽出した吸収スペクトルを示す。 図76A〜Eは、リンカーの選択的および段階的切断の例−選択的切断反応の全てのステップに対応するピークから抽出した吸収スペクトルを示す。 図76A〜Eは、リンカーの選択的および段階的切断の例−選択的切断反応の全てのステップに対応するピークから抽出した吸収スペクトルを示す。 図76A〜Eは、リンカーの選択的および段階的切断の例−選択的切断反応の全てのステップに対応するピークから抽出した吸収スペクトルを示す。 図76A〜Eは、リンカーの選択的および段階的切断の例−選択的切断反応の全てのステップに対応するピークから抽出した吸収スペクトルを示す。
図77は、3’およびジチオベースのリンカー上のジチオ保護基を有するヌクレオチドの切断反応スキームを示す。
図78Aは、切断試薬との10分間インキュベーション後にRP−HPLCによって分析した出発材料および切断反応混合物:ジチオコハク酸、L−システイン、ジチオスレイトール(DTT)、およびシステアミンのクロマトグラムを示す。図78Bは、RP−HPLCによって分析した反応混合物の組成を示す。
図79A〜79Cは、ビシナル位置の、または少なくとも1つの炭化水素によって隔てられた、あるいはアニオン官能基(R)によって炭化水素スペーサーに結合した例示的なジチオール化合物を表す。
図80は、隣接する炭化水素で官能基を含む例示的なチオール化合物を表す。
図81は、2,3−ジメルカプトプロパンスルホネート(dulfonate)(DMPS)によるジスルフィド結合還元の例示的な機構を表す。
図82A〜82Cは、チオールベースの切断試薬による、ジスルフィドリンカーが結合した3’−(MeSSCH2)キャップされたヌクレオチドの切断を示す本発明の一実施形態を表す(化合物A、B、およびCのLC−MSデータを図84A〜Fに示す)。
図83は、表1に表した切断試験で使用した様々なチオールベースの切断試薬の代表的な構造を表す。
図84Aは、化合物Aバリアントの切断試験の例示的なLC−MSデータMeSSdUTP ARA NH3を表す;化合物A 15.8分、化合物B 14.0分、および化合物C 7.10分。
図84Bは、化合物Aバリアントの切断試験の例示的なLC−MSデータMeSSdUTP ARA NH2_DISHsucdを表す;化合物A 15.8分、化合物B 14.0分、および化合物C 7.10分。
図84Cは、化合物Aバリアントの切断試験の例示的なLC−MSデータMeSSdUTP ARA NH2_DISHPropaneSulfを表す;化合物A 15.8分、化合物B 14.0分、および化合物C 7.10分。
図84Dは、化合物Aバリアントの切断試験の例示的なLC−MSデータMeSSdUTP ARA NH2_L−Cysteineを表す;化合物A 15.8分、化合物B 14.0分、および化合物C 7.10分。
図84Eは、化合物Aバリアントの切断試験の例示的なLC−MSデータMeSSdUTP ARA NH2_DTTを表す;化合物A 15.8分、化合物B 14.0分、および化合物C 7.10分。
図84Fは、化合物Aバリアントの切断試験の例示的なLC−MSデータMeSSdUTP ARA NH2_Cysteaminを表す;化合物A 15.8分、化合物B 14.0分、および化合物C 7.10分。
図85は、実施例84に従って3’−0−(メチルメチレンジスルフィド)5−(N−トリフルオロアセチル−アミノプロパルギル)−dU((MeSSdU−PA(COCF3)、7)を合成する一実施形態を表す。
図86Aは、化合物7から化合物10への合成スキームを示す実施例85に従って、3’−O−(メチルメチレンジスルフィド)−5−(アミノプロパルギル)−2’−デオキシウリジン(3’-O-(methylinethylenedisulfide)-5-(aminopropargy1)-2’-deoxyuridine;MeSSdUTPPA、8)を合成する一実施形態を表す。
図86Bは、化合物10から化合物11への合成スキームを示す実施例85に従って、3’−O−(メチルメチレンジスルフィド)−5−(アミノプロパルギル)−2’−デオキシウリジン(3’-O-(methylinethylenedisulfide)-5-(aminopropargy1)-2’-deoxyuridine;MeSSdUTPPA、8)を合成する一実施形態を表す。
図87A〜87Dは、SBS配列決定を実施するために本明細書に開示した試薬を含むキットの一実施形態の概略図を表す。図87A:伸長プレミックスおよび切断基本緩衝液の容器を含む例示的なボックス1A。図87B:基本洗浄プレミックスおよび洗浄緩衝液の容器を含む例示的なボックス1B。 図87A〜87Dは、SBS配列決定を実施するために本明細書に開示した試薬を含むキットの一実施形態の概略図を表す。図87C:伸長付加試薬、DNAポリメラーゼ、およびイメージング試薬の容器を含む例示的なボックス2。図87D:洗浄付加試薬および固体切断付加試薬の容器を含む例示的なボックス3。
図88は、SBS配列決定方法の生誤り率に及ぼすDMPS CHES高pH切断試薬の用量反応を示す例示的なデータを表す。
図89A〜89Cは、DMPS TRIS高pH切断試薬およびDMPS CHES試薬を使用する進相/遅相の比較を示す例示的なSBS配列決定データを表す。図89A;高pH DMPS TRIS切断試薬。
図89A〜89Cは、DMPS TRIS高pH切断試薬およびDMPS CHES試薬を使用する進相/遅相の比較を示す例示的なSBS配列決定データを表す。図89B:DMPS CHESベースラインb128。
図89A〜89Cは、DMPS TRIS高pH切断試薬およびDMPS CHES試薬を使用する進相/遅相の比較を示す例示的なSBS配列決定データを表す。図89C:TCEPベースラインSBS配列決定方法。
図90は、DMPSベースラインb128とTCEPベースライン切断試薬の間のQスコア比較を示す例示的なデータを表す。
図91A〜Cは、進相/遅相の改善を実証するために、TECP標準に対して2つのDMPS濃度(75対50mM)を比較する例示的なデータを表す。
図91A〜Cは、進相/遅相の改善を実証するために、TECP標準に対して2つのDMPS濃度(75対50mM)を比較する例示的なデータを表す。
図91A〜Cは、進相/遅相の改善を実証するために、TECP標準に対して2つのDMPS濃度(75対50mM)を比較する例示的なデータを表す。
図92は、平均誤り率の改善を実証するために、TECP標準に対して2つのDMPS濃度(75対50mM)を比較する例示的なデータを表す。
図93A〜93Cは、配列決定ワークフローの一実施形態を示す。図93Aは、プライマーハイブリダイゼーションのワークフローの一実施形態を示す。図93Bは、フローセル調製のワークフローの一実施形態を示す。図93Cは、酸化的洗浄液(洗浄液11)を切断ステップ後に使用する、合成による配列決定(SBS)の自動ワークフローの一実施形態を示す。
図94Aは、過酸化水素が酸化的洗浄液に存在する(図94B)または存在しない(図94C)場合の進相/遅相結果と比較した、tert−ブチルペルオキシドを酸化的洗浄液(洗浄液11)に使用する場合の進相/遅相結果を示す。サイクルの関数としての進相は、アルゴリズムが正確な数を測定することができるためには線形関数である必要がある。図94Cは、洗浄液が過酸化水素を含有しない場合の非線形進相結果を示す。しかし、過酸化水素(図94B)またはtert−ブチルペルオキシド(図94A)を酸化的洗浄液に含めることによってケミストリーを適切に最適化すると、線形関数が得られ、進相の信頼できる値がアルゴリズムによって提供された。 図94Aは、過酸化水素が酸化的洗浄液に存在する(図94B)または存在しない(図94C)場合の進相/遅相結果と比較した、tert−ブチルペルオキシドを酸化的洗浄液(洗浄液11)に使用する場合の進相/遅相結果を示す。サイクルの関数としての進相は、アルゴリズムが正確な数を測定することができるためには線形関数である必要がある。図94Cは、洗浄液が過酸化水素を含有しない場合の非線形進相結果を示す。しかし、過酸化水素(図94B)またはtert−ブチルペルオキシド(図94A)を酸化的洗浄液に含めることによってケミストリーを適切に最適化すると、線形関数が得られ、進相の信頼できる値がアルゴリズムによって提供された。
発明の説明
本発明は、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−O位を含むデオキシヌクレオシド三リン酸と、前記デオキシヌクレオシドの核酸塩基に可逆的に接続した検出可能な標識を利用する方法、組成物、混合物およびキットを提供する。このような化合物は、合成による配列決定法(SBS)およびフローセルにおける特定の自動化SBSを含むがこれに限定されない将来の配列決定技術に新たな可能性を提供する。本発明は、物の組成物として、本明細書の本文および図面に示す種々の構造を企図する。これらの組成物は、プライマー伸長反応を含むがこれに限定されない反応において使用され得る。これらの組成物は、混合物中にあってもよい。例えば、標識ヌクレオチド(例えば、図25に示すものなど)の1つまたは複数は、1つまたは複数の非標識ヌクレオチド(例えば、図51に示すものなど)との混合物中にあってもよい(および混合物中で使用されてもよい)。これらは、他の試薬(例えば、緩衝液、ポリメラーゼ、プライマーなど)と共にキット内にあってもよい。
一実施形態では、本発明の標識ヌクレオチドは、合成のいくつかのステップを必要とし、多様な色素を異なる塩基に連結することを伴う。段階的プロセスよりもモジュラー方式でリンカーおよび色素の結合を実施できることが望ましい。モジュラーアプローチは、一方の末端で保護基を有し、他方の末端で活性化基を有するリンカー部分を予め構築するステップを伴う。次いで、このような予め構築されたリンカーを使用して、プロパルギルアミン(apropargylamine)ヌクレオチドとカップリングし、次いで、マスクされたアミン基を脱保護し、次いで、活性化色素をカップリングすることができる。これは、段階的合成と比較して、ステップがより少なく収率がより高いという利点を有する。
一実施形態では、本発明の標識ヌクレオチドは、DNA配列決定において使用される。DNA配列決定は、生物学において基本的なツールである。これは、基礎研究、生物医学、診断的および法医学的適用において、ならびに基礎および応用研究の多くの他の分野において広く使用される方法である。新世代のDNA配列決定技術は、生物学における研究が日常的に行われる手法を変化させつつある。今後数年間で、精密医療、コンパニオン診断などの分野において重要な役割を果たすようになりつつある。
合成による配列決定(SBS)は、数百万のDNA分子、単体またはそれらのクラスターを同時に配列決定することができる、革新的な次世代配列決定(NGS)技術である。この技術の基礎は、DNA配列決定において大規模な並列処理を可能にする固体表面でのDNA分子の単一塩基のみの伸長および検出を可能にする、切断可能なヌクレオチドターミネーターとして公知である修飾ヌクレオチドの使用である(包括的な総説については:Cheng-Yao, Chen、Frontiers in Microbiology、2014年、5巻、1頁[22];Fei Chenら、Genomics Proteomics Bioinformatics、2013年、11巻、34〜40頁[5];C.W. Fullerら、Nature Biotechnology、2009年、27巻、1013頁[2];M.L. Metzker、Nature Reviews、2010年、11巻、31頁[1])。これらはいずれも参照により本明細書に組み込まれる。
DNAプライマーへの組み込みおよびその後の検出後に、化学反応によって除去することができる切断可能な保護基によって3’−OH位が遮断された、修飾ヌクレオチドは、SBS化学の成功への鍵である(Juら、US7,883,869、2011年[23];Juら、US8,088,575、2012年[24];Juら、US8,796,432、2014年[25];Balasubramanian、US6,833,246、2004年[26];Balasubramanianら、US7785796B2、2010年[27];Miltonら、US7,414,116B2、2008年[28];Metzker, M. L.ら、Nucleic Acids Res、1994年、22巻:4259〜4267頁[29];Juら、Proc. Nat. Acad, Sci. USA、103巻(52号)、19635頁、2006年[30];Ruparelら、Proc. Nat. Acad, Sci. USA、102巻(17号)5932頁、2005年[31];Bergmannら、US2015/0140561A1[32];Kwiatkowski、US2002/0015961A1[33])。これらはいずれも参照により本明細書に組み込まれる。
3’−OHは保護されていないが、DNA鋳型への単一塩基組み込み後に修飾基がさらなる伸長を防止し、鎖終結事象を発生させるような様式で塩基が修飾された、仮想ターミネーターとして公知であるヌクレオチドアナログを開発するための試みもなされてきた(Andrew F. Gardnerら、NucleicAcidsRes 40巻(15号)、7404〜7415頁、2012年[34]、Litoshら、Nuc. Acids, Res.、2011年、39巻、6号、e39頁[35]、Bowersら、Nat. Methods、2009年、6巻、593頁[36])。これらはいずれも参照により本明細書に組み込まれる。
近接する3’−OH基が鎖伸長反応に関わるのを防止し、それによって、単一塩基伸長後に停止する、除去可能な基によって2’−OHが保護されている、リボ−ヌクレオチドアナログも開示されており(Zhaoら、US8,399,188B2、2013年[37])、参照により組み込まれる。
他方で、Zonは、除去可能な基によって3’−OHが遮断されたヌクレオチドの1つを含有するジヌクレオチドターミネーターの使用を提案しており(Gerald Zon、US8,017,338B2、2011年[38])、参照により組み込まれる。
これまで、切断可能なジスルフィドリンカー(−SS−)は、GeneReader配列決定において使用するための標識ヌクレオチド中の蛍光色素に結合するために使用されてきた。切断ステップ後に成長中のDNA株に取り残された−SH痕は、より長いリード長の実現を制限するいくつかの副反応を引き起こすと考えられている。
−SH残基は、切断ステップにおいて使用されるTCEPの存在下で、フリーラジカル反応を経て、望ましくない官能基を生じさせる可能性があり、潜在的にDNA分子を損傷し得ることが公知である(MS, Zhouxi WangらによるDesulfurization of Cysteine-Containing Peptides Resulting from Sample Preparation for Protein Characterization、Rapid Commun Mass Spectrom、2010年、24巻(3号)、267〜275頁[39])。
−SH痕は、3’OH保護基を切断するフローセル内部に入ってくるヌクレオチドと相互作用してさらなる鎖延長を時期尚早に引き起こすこともでき、それによって、シグナル位相の散逸を引き起こし得る。
−SHの有害な副反応の最終結果は、リード長の低減および配列決定実行における誤り率の増加である。
発明の詳細な説明
本発明は、切断可能な保護基としてメチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−O位を含むデオキシヌクレオシド三リン酸と、前記デオキシヌクレオシドの核酸塩基に可逆的に接続した検出可能な標識を利用する方法、組成物、混合物およびキットを提供する。本発明はまた、ジスルフィド還元または切断ステップが必須であるDNA配列決定技術(およびタンパク質工学などの他の技術)に関する、ジスルフィド系リンカーの切断剤としてのチオール誘導体(あるいは、メルカプトールアナログ)およびヌクレオチドの3’−ジスルフィドキャッピング基を利用する方法、組成物、混合物およびキットも提供する。一実施形態では、切断剤は、利用者が配列決定ワークフロー使用説明書に従って切断プレミックス緩衝液に添加する固体粉末付加物としてキット化される。さらに、本発明は、チオール含有化合物が酸化的洗浄ステップで捕捉される実施形態を提供する。このような化合物は、これらに限定されないが、フローセルにおける自動化合成による配列決定法(SBS)を含むSBSを含む将来の配列決定技術における使用に対する可能性をもたらす。
本発明は、一実施形態では、標識と核酸塩基の間に切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを含み、保護基としてメチレンジスルフィドを含む3’−O基を有し、式−CH−SS−Rを有する、標識ヌクレオシド三リン酸の、DNA配列決定(例えば、合成による配列決定)における合成および使用に関与し、ここで、Rは、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、n−ブチル、またはこれらのアナログなどのアルキル基を表し、置換基群は、O、N、Sなどのヘテロ原子を含有する(図1を参照のこと)。一実施形態では、R基は、3’−Oキャッピング基の安定性および切断性をモジュレートすることができ、一方、DNAポリメラーゼ酵素に許容される、官能基を含有してもよい。
別の態様では、本発明は、標識と核酸塩基の間に切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを含み、メチレンジスルフィドを含む基によってキャップされた3’−O位を有する標識ヌクレオシド三リン酸であって、核酸塩基が、天然であっても、DNA鋳型の天然核酸塩基との水素結合相互作用によりDNA二重鎖を形成し得、dGおよびdAの7−デアザアナログならびに2−アミノ−dAであり得る非天然塩基であってもよい、標識ヌクレオシド三リン酸に関する。dAおよびdGの7−デアザアナログは、7−N原子の欠如により、DNA三次構造の形成を低減させることができる。一実施形態では、このようなヌクレオシドが、DNA鋳型およびポリメラーゼ相互作用を強化することにより、DNA配列決定リード長を潜在的に改善し得ることが想定される。2−アミノ−dAが、その相補的塩基との(天然状態における2つの結合よりも)より安定した3つの水素結合を形成するその能力により、DNA二重鎖安定性を増大させることができることも可能な場合があり、したがって、配列決定実行中のDNAプライマーを喪失するリスクを低減させることができる(A Jungら、Mol. Pathol.、2002年、55巻(1号)、55〜57頁[40];2-amino-dATP:Igor V. Kutyavin、Biochemistry、2008年、47巻(51号)、13666〜73頁[41])。
別の実施形態では、前記ヌクレオチドは、切断可能なリンカーである−OCHSS−を介して核酸塩基と連結した蛍光色素などの検出可能なレポーター分子を有し得る。−OCH−SS−基が核酸塩基に直接結合した標識ヌクレオチドおよび切断可能なリンカーとしてのその使用は、先行技術において公知ではない。従来の広く使用されているジスルフィドリンカー(−SS−)とは逆に、このクラスの切断可能なリンカー(−OCH−SS−)は、DNA分子に硫黄トレースを残さず、それを、還元的切断後、得られた中間体−OCH−SHの急速加水分解によって−OH基にきれいに変換する。このため、このようなリンカーは、従来のジスルフィドリンカーのより良好な代替物となり得る。従来のジスルフィド系リンカー(−SS−)において、得られたチオール基(−SH)は、以下の図4に提示される通り、TCEPなどの還元試薬によって切断された場合、副反応を被り得る(参考文献:MS, Zhouxi WangらによるDesulfurization of Cysteine-Containing Peptides Resulting from Sample Preparation for Protein Characterization、Rapid Commun Mass Spectrom、2010年、24巻(3号)、267〜275頁[39])。
別の実施形態では、レポーター基は、5−C位においてピリミジン塩基(dT、dC)に、および天然塩基の7−Nまたはデアザアナログの7−Cにおいてプリン塩基(dA、dG)に結合してもよい。
別の実施形態では、標識ヌクレオチドの構造は、図5に示される通りであってよく、ここで、切断可能なリンカーのスペーサーは、プロパルギルエーテルリンカーを含む。プロパルギルエーテルを有する核酸塩基は、化学合成の先行技術に従って合成することができる。LおよびLは、化学的スペーサーを表し、置換基R、R、RおよびRは、切断可能なリンカーに対する安定性および切断性をモジュレートする原子の群である。これらは、水素原子、ジェミナルジメチル、または、メチル、エチル、n−ブチル、フェニルなどの任意のアルキル、フェニルもしくは置換アルキル基であり得る。これらは、−O、=O、NH、−N=N、酸、アミド、ポリエチレングリコール鎖(PEG)などを有する炭化水素鎖も含有し得る。ヌクレオチドにおける標識は、蛍光色素、エネルギー移動色素、放射性標識、化学発光プローブ、ヘプタンおよび化学的または物理的方法による検出を可能にする他の形態の標識であってもよい。
別の実施形態では、標識ヌクレオチドの構造は、図6に示される通りであってもよい。切断可能なリンカーのスペーサーは、プロパルギルアミンリンカーを含む。ここでも、LおよびLはスペーサーを表し、置換基R、R、RおよびRは、前述した通り、リンカーの安定性を提供し切断性をモジュレートする原子の群である。これらは、水素原子、メチル、エチルなどのアルキル基、および他の置換基またはそれらの塩であってもよい。切断可能なジスルフィドリンカーのα炭素におけるジェミナルジアルキル基(例えば、以下の構造:
に記載のジェミナルジメチルアナログ)は、より良好な安定性をリンカーに提供して、標識ヌクレオチドのモジュラー合成を可能にする。これは、ジスルフィド系有機化合物の間でよく見られる不均化反応を防止すると推測される。また、これは、標識ヌクレオチドアナログの合成および精製を支援する、より大きい疎水性をリンカーに付加する[42〜44]。リンカーに存在するgemジメチル官能基は、ジスルフィド結合を電子的に安定させる役割を果たすだけでなく、おそらく立体効果を介して、ジスルフィド交換が分子間および分子内の両方で発生するのを防止すると考えられる。シスタミンの存在下で、ターミネーターにおけるジスルフィド官能基はジスルフィド交換に関わり、一方、gemジメチル基を装備したリンカーは関わらないことが実証されている。図42におけるリンカー研究は、gemジメチル基を有するおよび有さないリンカーを比較する。この研究から分かるように、gemジメチル基を有さないリンカーGおよびLは、シスタミンと迅速に交換して、生成物の分解を生じさせる。予想通り、この現象は、本発明者らが選択したリンカーAでもアナログリンカーBでも観測されない。さらに、標識ヌクレオチドは、2つのジスルフィド、ターミネーターに1つおよび分子のリンカー部分に1つを含有するため、この安定化効果が、色素とターミネーターの間でスクランブリングが発生するのを防止すると考えられている。この安定性は、配列決定における本発明者らのヌクレオチドの性能にとって重要である。
別の実施形態では、標識ヌクレオチドの構造は、図7の通りであってもよい。切断可能なリンカーのスペーサーは、ピリミジンについては5位において、およびプリンについては7−デアザ炭素において、核酸塩基と直接結合したメチレン(−(CH−)を含む。このリンカーは、メチレン(n=1)またはポリメチレン(n>1)であってよく、ここで、切断後、リンカーは、核酸塩基の結合点において、−(CHOH基を生じさせ、LおよびLはスペーサーを表し、置換基R、R、RおよびRは、前述した通りの切断可能なリンカーに安定性を提供する原子の群である。
別の実施形態では、本発明は、特許請求されているヌクレオチドの合成方法に関する。キャッピング基およびリンカーは、記載された先行技術を修正して合成されてもよい。例えば、非標識dTアナログ(化合物5)は、図8に示される通りに合成することができる。
一実施形態では、本発明は、(a)切断可能な保護基として、メチレンジスルフィド(例えば、式−CH−SS−Rの)を含む基によってキャップされた3’−Oを有するヌクレオシド三リン酸(図1を参照のこと);および(b)それらの標識アナログ(図2を参照のこと)に関与し、ここで、標識は、切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカー(−OCH−SS−)を介して核酸塩基に結合している。このようなヌクレオチドは、核酸合成による配列決定(SBS)技術において使用され得る。特許請求されているヌクレオチドの合成のための一般的方法も記載される。
一実施形態では、図1に示される通り、非標識ヌクレオチドの一般的構造は、共通の構造−CH−SS−Rを有するメチレンジスルフィドを含む基によって保護された3’−O基を有し、ここで、Rは、正規のアルキルまたは−Me、−Et、−nBu、−tBu、−CHCHNH、−CHCHNMeなどの置換アルキル基であってよく、Bは天然または非天然核酸塩基であってもよい。非天然核酸塩基の一部の具体例は、7−デアザdGおよびdA、2−アミノ−dAなどである。
図2において、標識アナログの一般的構造は、フルオロフォアなどの検出可能なレポーター(標識)が一般的構造−L−OCH−SS−L−を有する切断可能なリンカーを介して核酸塩基に結合していることに加えて、図1のようにメチレンジスルフィドを含む基によって保護された3’−Oと共に示される。Lは、核酸塩基を切断可能なリンカーから、一方、Lは、切断可能なリンカーと標識の間を分離する分子スペーサーをそれぞれ表す。LおよびLはいずれも、−CO−、−CONH−、−NHCONH−、−O−、−S−、−C=N、−N=N−などのそれぞれの化学的実体と接続するための適当な官能基を有し得る。標識は、フルオロフォア色素、エネルギー移動色素、質量タグ、ビオチン、ハプテンなどであってもよい。標識は、異なるヌクレオチドにおける複数の塩基を同時に検出するために異なっていてもよく、または固体表面での空間的に分離されたオリゴヌクレオチドもしくはそれらの増幅されたクローンの段階的検出のために同じであってもよい。
一実施形態では、本発明は、−CH−SS−R基でキャップされた3’−Oと、一般的構造−O−CH−SS−を有する切断可能なリンカーを介して核酸塩基に結合した標識とを有する、新たなクラスのヌクレオチドに関する。このようなキャッピング基およびリンカーは、TCEPまたは関連化学物質による単一処理によって同時にきれいに切断することができ、DNA分子に硫黄トレースを残さない。
このクラスのヌクレオチドは、熱活性ポリメラーゼによって触媒されるDNA鋳型へのヌクレオチド組み込みに必要な比較的高い温度(約65℃)に耐えるために十分安定であり得るが、TCEPなどによる還元などのDNA適合条件下で切断されるために十分不安定であり得る。一部の実施形態では、切断は、ジチオスレイトールへの曝露によって遂行されてよい。
ヌクレオチドは、TCEPなどの還元剤に曝露されると、図3に示される段階的機序を介して3’−O保護基を脱キャッピングし、したがって、3’−OH基の天然状態を修復する。TCEPおよびそのアナログは、SBSにおける適用の前提条件である生体分子に対して無害であることが公知である。
一実施形態では、本発明は、図28に示される、新たな切断可能なリンカーを含む一般的な普遍的構築ブロック構造に関する。PG=保護基、L1、L2−リンカー(脂肪族、芳香族、混合極性直鎖または分枝鎖)。RG=反応性基。本発明の一実施形態では、このような構築ブロックは、リンカーの一端にFmoc保護基を、他端に反応性NHSカーボネートまたはカルバメートを有する。この好ましい組合せは、新たな切断可能なリンカーを含む修飾ヌクレオチド合成において特に有用である。保護基は、核酸/ヌクレオチド化学と適合する条件下で除去可能であるべきであり、反応性基は、選択的であるべきである。リンカーにおける活性NHS基の、アミン終結ヌクレオチドとの反応後、Fmoc基は、ピペリジンまたはアンモニアなどの塩基を使用して容易に除去することができ、したがって、リンカーの末端におけるアミン基を、切断可能なマーカーの結合のために露出することができる。多様なマーカーを含む化合物のライブラリーを、このようにして非常に迅速に構築することができる。
一実施形態では、本発明は、図29に示される、新規リンカーを介して結合した切断可能なマーカーを担持するヌクレオチドの一般的な構造に関する。S=糖(すなわち、リボース、デオキシリボース)、B=核酸塩基、R=Hまたは可逆的終結基(保護基)。好ましい可逆的終結基は、アジドメチル(−CH)、ジチオ−アルキル(−CH2−SS−R)、アミノキシ(−ONH)を含むがこれらに限定されない。
一実施形態では、本発明は、ビシナル位においてか(例えば、n1=1)または少なくとも1つの炭化水素結合(例えば、n1≧1)によって分離されたかのいずれかの少なくとも2つまたはそれより多いチオール基を含み、炭化水素スペーサー(例えば、n2≧1)を有するアニオン性官能基(R)にさらに結合した、チオール試薬を企図する。図79A〜79Cを参照のこと。
一実施形態では、本発明は、これらに限定されないが、ハロゲン、アミン、ホスフェート、ホスホネート、リン酸、カルボン酸、スルホキシドおよび/またはヒドロキシルなどを含む、官能基(R1)に近接し、官能基のpKaをモジュレートすることができる、チオール基(−SH)を有する化合物を企図する。図80を参照のこと。
DNA配列決定は、現代のバイオテクノロジーにおいて有用な解析ツールとしての役割を果たす。例えば、新世代のDNA配列決定(NGS)は、遺伝学、診断的および基礎生物医学的研究において革新的である。現行のNGS技術に関する詳細な総説は、M. L. Metzker、Nature Reviews 2010年、11巻、31頁、およびC. W. Fullerら、Nature Biotechnology 2009年、27巻、1013頁において提供される。
1つの周知の配列決定方法は、ヌクレオシド三リン酸を含む多くのDNA鋳型が、DNA分子の相補的株の酵素的合成の間に、同時に配列決定される合成による配列決定(SBS)である。この方法によれば、ヌクレオシド三リン酸は、これらに限定されないが、アセチル、ホスフェート、カーボネート、アジドメチル、ニトロなどを含む3’−OH保護基によって可逆的に遮断される。一実施形態では、ヌクレオシド三リン酸は、切断可能なリンカーを介して、塩基に標識を含む。
本発明の機序を理解する必要はないが、合成による配列決定(SBS)は、より長いリード長およびより高い精度を達成する能力に依存すると考えられる。3’−OHキャッピング基および切断可能なリンカーの使用は、DNA適合条件下で除去され得るとも考えられる。例えば、本発明は、3’−OH基がアルキルメチレンジスルフィド(例えば、R−SS−CH2−)でキャップされ、切断可能なリンカーが同一の官能性部分(例えば、−OCH2−SS−)を有する、可逆的ヌクレオチドターミネーターを企図する。両方の同時切断のために、DNA適合切断試薬が好ましい。残念ながら、多くの還元剤はDNA分子に対して有害であり、フローセルの固体表面に対してざらついており、フローセルから洗い流すことが困難である。
ジスルフィド結合を切断することが知られているいくつかの還元剤が存在する。例として、これらに限定されないが、TCEP、DTT、グルタチオン、水素化ホウ素などが挙げられる。これらの還元剤は、タンパク質工学および抗体化学において幅広く使用される。しかし、このような化合物はまた、より遅い反応速度だけでなく、NGSに適用された場合に、フローセルからの洗浄ステップにおいて完全に除去することが困難であることによっても、ある特定の制限を有し得る。さらに、チオール系化合物の還元力は、媒体のpHに依存する。より高いpHでは、チオール基(RSH)はイオン化を受けてチオレート(RS−)を形成し、これによって反応速度を何倍もスピードアップさせ得ることが公知である。しかし、より高いpHでは、DNA分子および表面は加水分解による損傷を受ける場合があり、それによって、その適用は制限される。したがって、一実施形態では、DNAとフローセル表面の両方に適合するように、pHを低下させてジスルフィドを還元することができるチオール化合物が、SBS化学における適用には好ましい。
本発明の機序を理解する必要はないが、図79A〜79Cおよび80に示したチオール化合物は、イオン化を受けて、隣接基の関与によって近接する官能基(すなわち、例えば、近接する−SHおよび電子求引性R1)の存在によって、比較的低pHでチオレートを形成することができると考えられる。結果として、これらは、比較的低pHでジスルフィド結合を低減することができ、標準的チオールのものより増加した反応速度を有することができる。さらに、隣接基補助によるα位におけるチオールの隣接基関与は、分子内ジスルフィド結合の形成による還元プロセスの第2のステップをスピードアップさせることができる。図3に示す通り、図81を参照のこと。この反応は、当技術分野において現在考えられているように、別のチオール分子による求核攻撃を受けてスルフィド分子を形成するとは考えられない。(Rajeeva SinghおよびGeorge M. Whitesidesによる「Thioldisulfide interchange, The Chemistry of Sulphur Containing Functional Group」 第13章、633〜658頁)。負に帯電したペンディング基(R=スルホネート、ホスホネート、カルボキシレートなど)によって、分子は表面に対して非粘着性であることが期待され、それによって、分子をフローセルから容易に洗浄可能にすると考えられる。本明細書のデータは、TRIS緩衝液(pH8.5)中、65℃にて10分未満で、キャッピング基とリンカーの両方の完全な切断を示した、チオール系化合物と結合したジスルフィドリンカーでキャップされた3’ジスルフィドの切断研究を表す。興味深いことに、完全な切断は、ジチオサクシネートの存在下では観察されなかった。図82A〜82Cおよび表1を参照のこと。
これらの切断剤の構造を示す。図83を参照のこと。次いで、切断生成物を液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)によって特徴付けた。図84A〜Fを参照のこと。化合物A、BおよびCは、図82A〜82Cに示す。
一実施形態では、本発明は、高pHの求核条件で、メチル−ジスルフィド3’−OH保護ヌクレオチドを切断することができる切断剤を含む切断ステップを含む方法を企図する。一実施形態では、切断剤は、ジメルカプタン化合物である。一実施形態では、切断ステップは、合成(SBS)ステップによる配列決定において起こる。一実施形態では、切断ステップに続いて、残留する切断剤を有効に除去するための酸化的捕捉を含む洗浄ステップを行う。
発明の機序を理解する必要はないが、このような酸化的捕捉は、ジメルカプタンに基づく切断の効率を解除し、特に、誘導の低減および有意に改善された生誤り率およびより長いリード長に関して、良好な性能の配列決定を可能とすると考えられる。このような効果は、例えば、(1)より反応性の求核切断種の形成による高pH条件(例えば、9.0から10.0、好ましくは9.5)下でのより効率的な切断反応、および/または(2)おそらく、表面吸着機序(例えば、シリケート、チタニア、磁気ビーズフェライトなどの鉄含有表面へのキレート化)によってフローセル内に保持される切断試薬の有効な捕捉によるものであり得るとさらに考えられる。例えば、このような切断残渣は、フローセル中に構築され、次の伸長ステップへのキャリーオーバーを導き、したがって、3’−OH部分の時期尚早な脱保護を引き起こし、単一塩基の組込みを損ない、配列決定性能に対する非常に著しい損害を伴い得る。一実施形態では、本明細書に開示されるジメルカプタン種は、ジメルカプトプロパンスルホネートとも称されるジメルカプタンプロパンスルホネート(DMPS)であってもよい。他の実施形態では、ジメルカプタン切断剤は、これらに限定されないが、2−メルカプトエタンスルホネートナトリウム(MESNA)および/またはグルタチオンを含んでもよい。一実施形態では、DMPSは、以下の構造:
を有する。
一実施形態では、本発明は、これらに限定されないが、DMPS、MESNAおよび/またはグルタチオンを含む化合物を用いるSBS配列決定と適合する切断ステップと洗浄ステップとを含む方法を企図する。一実施形態では、切断ステップは、pH9.5のCHES緩衝液中にDMPSを含む。一実施形態では、洗浄ステップは、pH8.5のTRIS緩衝液中にHストックを含む。一実施形態では、洗浄ステップは、これらに限定されないが、H[45、46]、tert−ブチルペルオキシドおよび/またはNaBOを含む酸化的スカベンジャーをさらに含んでもよい。
一実施形態では、30%および3%は、付加される予定のH保存溶液の濃度である。好ましい実施形態では、洗浄ミックス中のHの最終濃度は、Hが0.3%である。
一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの容器とSBS配列決定を実施するための使用説明書のセットを含むキットを企図する。一実施形態では、キットは、伸長プレミックス緩衝液を含む少なくとも1つの第1の容器をさらに含む。一実施形態では、キットは、切断基本緩衝液を含む少なくとも1つの第2の容器をさらに含む。一実施形態では、キットは、洗浄緩衝液プレミックスを含む少なくとも1つの第3の容器をさらに含む。一実施形態では、キットは、洗浄緩衝液を含む少なくとも1つの容器をさらに含む。一実施形態では、キットは、伸長付加試薬を含む少なくとも1つの容器をさらに含む。一実施形態では、伸長付加試薬はA2(PMA)である。一実施形態では、伸長付加試薬はB2(PMB)である。一実施形態では、キットは、DNAポリメラーゼ酵素を含む少なくとも1つの容器をさらに含む。一実施形態では、キットは、イメージング緩衝液を含む少なくとも1つの容器をさらに含む。一実施形態では、キットは、洗浄付加試薬を含む少なくとも1つの容器をさらに含む。一実施形態では、洗浄付加試薬は過酸化水素(H)である。一実施形態では、過酸化水素は、1パーセントから5パーセントの間、より好ましくは3パーセント(3%)の濃度の保存溶液中にあり、後に、洗浄用により低い濃度に希釈される。一実施形態では、キットは、切断−固体付加試薬を含む少なくとも1つの容器をさらに含む。一実施形態では、切断−固体付加試薬は、ジメルカプタンプロパンスルホネート(DMPS)である。
一実施形態では、キットは、pH9.5の、DMPS(75mM)、CHES(300mM)、NaCl(300mM)を含む切断試薬製剤を含む。
一実施形態では、キットは、Cleave 1 Add−onおよび/またはCleave 2 Add−onを含む。
一実施形態では、キットは、HOまたはHO/NaCl中に、濃縮DMPSを含む凍結液(例えば、−20℃)切断試薬付加物を含む。
一実施形態では、キットは、DMPS+NaClを含む固体切断試薬付加物を含む。
一実施形態では、キットは、ニート試薬としてDMPSを含む液体(+2〜8℃)切断試薬付加物を含む。
一実施形態では、キットは、pH8.8のTRIS、H(0.3%)およびEDTA(1%)を含む洗浄試薬製剤を含む。
一実施形態では、キットは、H(3.0%)を含む液体(2〜8℃)洗浄試薬付加物を含む。一実施形態では、キットは、これをより低い濃度(例えば、0.3%)まで希釈する使用説明書を提供する。
一実施形態では、キットは、これらに限定されないが、TBHP、APSおよび/またはNaBO3を含む、安定性の改善された液体(2〜8℃)洗浄試薬付加物を含む。
一実施形態では、本発明は、SBS配列決定条件下で機能するために開発された切断試薬を企図する。一実施形態では、このような切断試薬は、ジメルカプタンプロパンスルホネートである。
本明細書で記載されるように、切断試薬は、以下のSBS基準に合致するように設計される:i)およそ85bpの平均リード長;ii)およそ5パーセント(5%)の平均生誤り率;iii)90パーセントを超える(>90%)ビーズの滞留;および/またはiv)およそ1.5倍(1.5×)のドウェル時間。これらの基準は、これらに限定されないが、i)緩衝液の配合;ii)DMPSの用量設定;および/または切断および鉄捕捉条件の最適化を含む性能改善および最適化の指標について評価された。以下で議論されるデータは、少なくとも1つの切断試薬、ジメルカプトプロパンスルホネート(DMPS)が、これらの基準に合致するおよび/またはこれらの基準を超えることを実証する。発明の機序を理解する必要はないが、DMPS系切断試薬を用いるSBS配列決定は、pH9.5のCHES緩衝液を含む切断ステップと、それに続く、例えば、過酸化水素(H)を使用する、酸化的捕捉条件を含む切断後洗浄ステップにおける求核条件によって可能になると考えられる。
これらに限定されないが、ジメルカプト試薬、モノメルカプト試薬および/またはヘリコ試薬を含む候補切断試薬を、高速液体クロマトグラフィーによってスクリーニングした。スクリーニング構成は、GeneReaderで実施され、候補切断試薬は別として、酸化的スカベンジャー、キャッピング剤および/またはキレーターなどの試薬を含んだ。このスクリーニングアッセイは、DMPS/MESNA、無機化合物および/または酵素的化合物などの試薬を含むSBS配列決定方法を使用する伸長ステップおよび洗浄ステップの最適化を観察した。さらに、これらに限定されないが、クリアランス、活性および/またはFC完全性を含むoff−GeneReaderアッセイも実施された。切断ステップを最適化するための観察は、これらに限定されないが、pH、濃度、緩衝液の種類/カウンタイオン、ドウェル時間および/または温度を含んだ。
AITを107サイクル使用する、市販のDNA標準物質(Acrometrix)を使用して、DMPSベースラインを構築した。予備の観察により、洗浄ステップに酸化的スカベンジャーを含むことが誘導を有意に制御し、pHレベルが全体的な切断効率を媒介する役割を果たしたことが見出された。次の検証研究により、好ましいDMPSベースラインの構成は、CHES 300mM pH9.5中にDMPS切断試薬、それに続いて、希釈Hを含み、ここで、GeneReaderは、切断のために65℃で作動する(1×ドウェル(TAT要件の遵守)および3×の流体による洗浄)ことが特定された。表2を参照のこと。
これらのデータは、pH9.5のDMPS CHES 300mMが測定可能な誘導をもたらし、生誤り率および平均リード長が上述の基準に合致したことを示した。
本明細書に表したデータは、生誤り率が構成進展の関数として改善することを実証する。図88を参照のこと。例えば、切断ステップでDMPSを有し、洗浄ステップでHを有さないことにより、25サイクルを超える配列決定が可能とならない(データは示さず)。結果として、データは、DMPSとHの両方を用いるSBS配列決定により、i)乏しい配列決定の性能(pH8.5;赤い曲線);ii)高品質の性能(pH9.5;青い曲線);およびiii)TCEPベンチマーク(緑の曲線)を比較する場合に分かるように、より高いpHによって性能がより良くなることを示唆する。図88。
本明細書に表したデータは、DMPSベースライン b128またはTCEPベースラインSBS配列決定方法のいずれかを使用する場合に、進相/遅相の比較が改善される(8.5のpH DMPS TRIS切断試薬と比較した場合)ことを実証する。図89A、図89Bおよび図89Cを参照のこと。誘導は、高pHの構成においてほぼ直線的であり、TCEP早期到達ベースラインに匹敵することが理解され得る。さらに、Qスコア分析は、DMPSベースライン b128に対するAVG値は、TCEP早期到達ベースラインよりも約4Qスコア低いことを示す。図90を参照のこと。
二次的分析であるベンチマーク分析により、0.5%のAFコールに対する平均FPは、TCEP早期到達のヌル値と比較して、2であることが見出された。表3を参照のこと。
DMPSベースラインの再現性は、CHES 300mM pH9.5中のDMPS、続いて、65℃の切断で作用した希釈H含有洗浄液、TAT要件を遵守した1×ドウェル、および3×流体洗浄液を使用する8回のSBS実行中に試験された。表4を参照のこと。
データは、全KPIを通しておよそ1%の標準偏差を有する同等の性能を示す。
さらなるデータは、SBS配列決定方法をさらに改善するための、切断試薬のpHをpH10まで増加させるかおよび/またはDMPS濃度を低下させるかのいずれかの能力を実証した。pH10での切断試薬はビーズの滞留(97%)に影響を与えず;一方、性能に有意な影響は表れないことが観察された(データは示さず)。50mMの濃度のDMPS(b132)を75mMの濃度のDMPS(b128)と比較した。表5を参照のこと。
データは、DMPSの濃度の低下により、誘導の注目に値する改善がもたらされることを示し、平均誤り率と平均リード長の改善を示唆する。図91A〜C、および図92を参照のこと。より低いDMPS濃度は、より有利なCOGSを支持することも示唆される。
まとめると、上記データは、DMPSなどの高pH切断試薬は、i)およそ85bpまたはそれより長い平均リード長;およびii)およそ4%またはそれより低い平均生誤り率;iii)およそ97%またはそれを超えるビーズの滞留;およびiv)1×ドウェル時間を含むSBS配列決定方法をもたらすことを示す。さらに、特定した生成物に対する残留ギャップの要件により、およそ4%から2.5%の間の範囲の生誤り率と2から0の間の範囲の0.5%コールにおけるFPが実証された。
DMPS b132構成のTCEP構成との比較を調製した。表6を参照のこと。
データは、DMPS b132構成(TECPの置き換えとして)が、第2世代(「早期到達」)構成を使用するTECPの結果に非常に近いKPIを示すことを示す。
一実施形態では、本発明は、配列決定に使用される核酸鋳型が組織生検に由来する核酸配列を含む方法を企図する。一実施形態では、組織生検は液体組織生検を含む。発明の機序を理解する必要はないが、液体組織生検は、液体組織生検内の核酸配列を配列決定するためのSBS配列決定方法と適合すると考えられる。表7を参照のこと。
DMPS b132に対するプラットフォームKPIは、TECP早期到達KPIと非常に近いことが理解され得る。液体生検配列決定実行の結果を示す。表8を参照のこと。
データは、アンプリコンとバリアントインサイトレベルの両方で顕著なカバレッジを示す。
液体生検試料中の核酸を配列決定する精度は、市販の腫瘍パネル(例えば、Actionable Insights Tumor Panel、Qiagen)を使用する場合、感度および選択性を実証する一連の表中で以下に示される。表9〜11を参照のこと。
KPIは、カバレッジ(200×および500×)およびバリアントコール(精度、感度、特異性)に対する二次分析の仕様を指す。全b132実行(n=8)は、世代1(「Legacy」)Nucleotides GR 1.0ベースラインと世代2(「早期到達」)構成と比較して、より良好な感度、特異性および精度を有する。10−プレックスについての全KPI(感度、特異性、精度)およびカバレッジ要件が合致する。
本発明者らはまた、液体生検(LB)試料プール中にいくつかのライブラリー(8つ)を一緒にプレックスした。
以下の実施例は、本発明のある特定の好ましい実施形態および態様を実証し、さらに例証するために提供され、その範囲を制限すると解釈すべきではない。
(実施例1)
3’−O−(メチルチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシチミジン(2)の合成
5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシチミジン(1)(2.0g、5.6mmol)を、250mL丸底フラスコ中で、DMSO(10.5mL)、酢酸(4.8mL)、および無水酢酸(15.4mL)からなる混合物に溶解し、室温で48時間撹拌した。次いで、飽和KCO溶液を、COガスの発生が停止するまで添加することによって、混合物をクエンチした。次いで、分液漏斗を使用して混合物をEtOAc(3×100mL)によって抽出した。合わせた有機抽出物を、分液漏斗中でNaHCO飽和水溶液(2×150mL)によって洗浄し、有機層をNaSOによって乾燥させた。有機部分をロータリーエバポレーションによって濃縮した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex:EtOAc/7:3〜1:1)によって最終的に精製した。図8を参照されたい。3’−O−(メチルチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシチミジン(2)を白色の粉末として収率75%で得た(1.75g、R=0.6、hex:EtOAc/1:1)。1H-NMR (CDCl3): δH 8.16 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 6.28 (m, 1H), 4.62 (m, 2H), 4.46 (m, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.78-3.90 (m, 2H), 2.39 (m, 1H), 2.14, 2.14 (s, 3H), 1.97 (m, 1H), 1.92 (s, 3H), 0.93 (s, 9H), and 0.13 (s, 3H) ppm.
(実施例2)
3’−O−(エチルジチオメチル)−2’−デオキシチミジン(4)の合成
高真空下で一晩乾燥させ、無水CHCl 20mLに溶解した化合物2(1.75g、4.08mmol)に、EtN(0.54mL、3.87mmol)およびモレキュラーシーブ−3A 5.0gを添加し、Ar雰囲気下で30分間撹拌した。次いで、反応フラスコを氷浴に入れて温度を氷点下にし、CHCl(1.8mL)中の1.8当量の1M SOClを徐々に添加して、同じ温度で1.0時間撹拌した。次いで、氷浴を外してフラスコを室温にし、無水DMF 4mL中のチオトシル酸カリウム(1.5g)の溶液を添加し、室温で0.5時間撹拌した。
次いで2当量のEtSH(0.6mL)を添加し、さらに40分間撹拌した。次いで、混合物をCHCl 50mLによって希釈し、漏斗中のcelite−Sを通して濾過した。生成物が確実に濾し取られるように、試料を適量のCHClによって洗浄した。次いで、CHCl抽出物を濃縮し、シリカゲルカラムによるクロマトグラフィー(Hex:EtOAC/1:1〜1:3、Hex:EtOAc/1:1中でR=0.3)によって精製した。次いで、得られた粗生成物を、MeOH 20mL中のNHF 2.2gによって処理した。36時間後、反応物を飽和NaHCO 20mLによってクエンチし、分液することによってCHClによって抽出した。CHCl部分を、NaSOによって乾燥させ、クロマトグラフィー(Hex:EtOAc/1:1〜1:2)によって精製した。図8を参照されたい。精製生成物(4)を、白色の粉末として収率18%、0.268g、R=0.3、Hex:EtOAc/1:2で得た。
CDCl31H NMR: δH 11.25 (1H, S), 7.65 (1H,S), 6.1 (1H, m), 5.17 (1H, m), 4.80 (2H, S), 4.48 (1H, m), 3.96 (1H, m),3.60 (2H, m), 3.26 (3H, s), 2.80 (2H, m), 2.20 (2H, m) and 1.14 (3H, m) ppm.
(実施例3)
3’−O−(エチルジチオメチル)−2’−デオキシチミジンの三リン酸エステル(5)の合成
ゴム栓を備えた25mLフラスコ中で、化合物4(0.268g、0.769mmol)にプロトンスポンジ(210mg)を添加した。試料を高真空下で一晩乾燥させた。次いで、材料をアルゴン雰囲気下で(MeO)PO 2.6mLに溶解した。次いで、Arガス供給源を備えたフラスコを氷浴に入れ、撹拌して温度を氷点下にした。次いで、1.5当量のPOClをシリンジによって一度に添加し、アルゴン雰囲気下、同じ温度で2時間撹拌した。次いで、氷浴を外し、無水DMF(6mL)中のピロリン酸トリブチルアンモニウム(1.6g)およびBuN(1.45mL)からなる混合物を調製した。混合物全体を一度に添加し、10分間撹拌した。次いで、反応混合物をTEAB緩衝液(30mL、100mM)によって希釈し、室温でさらに3時間撹拌した。粗生成物をロータリーエバポレーションによって濃縮し、C18分取HPLC(方法:100%Aで0〜5分の後に、50%Bまでの勾配で72分、A=50mM TEABおよびB=アセトニトリル)によって精製した。標的分画の凍結乾燥後、半純粋生成物を、PL−SAX分取カラムを使用するイオン交換HPLC(方法:100%Aで0〜5分、次いで70%Bまでの勾配で70分、A=15%アセトニトリル水溶液、B=15%アセトニトリル中の0.85M TEAB緩衝液)によってさらに精製した。最終精製を、上記のようにC18分取HPLCによって実施し、化合物5を収率約25%で得た。図8を参照されたい。
(実施例4)
−ベンゾイル−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’−O−(メチルチオメチル)−2’デオキシシチジン(7)の合成
3’−O−(エチルジチオメチル)−dCTP(10)の合成を、図9に従って行った。N−ベンゾイル−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシシチジン(6)(50.0g、112.2mmol)を、2L丸底フラスコ中でDMSO(210mL)に溶解した。これに、酢酸(210mL)および無水酢酸(96mL)を逐次添加し、室温で48時間撹拌した。この期間中に、生成物への完全な変換がTLCによって観察された(生成物に関してR=0.6、EtOAc:hex/10:1)。
混合物を2つの等しい分画に分離し、各々を2000mLビーカーに移し、飽和KCO溶液をCOガスの発生が停止するまで(pH8)徐々に添加することによって中和した。次いで、混合物を分液漏斗中でEtOAcによって抽出した。有機部分をNaHCO(2×1L)の飽和水溶液によって洗浄した後、蒸留水(2×1L)によって洗浄し、次いで有機部分をNaSOによって乾燥させた。
次いで、有機部分をロータリーエバポレーションによって濃縮した。次いで、生成物を、puriflashカラムを使用するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(Hex:EtOAc/1:4〜1:9、15μm、HC 300g puriflashカラムにおいてカラム3本での実行)によって精製し、N−ベンゾイル−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’−O−(メチルチオメチル)−2’−デオキシシチジン(7)を灰色の粉末として収率60%で得た(34.0g、R=0.6、EtOAc:hex/9:1)。図9を参照されたい。
化合物7の1H-NMR(CDCl3): δH 8.40 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.93 (m, 2H), 7.64 (m, 1H), 7.54 (m, 3H), 6.30 (m, 1H), 4.62 & 4.70 (2Xd, J = 11.59 Hz, 2H), 4.50 (m, 1H), 4.19 (m, 1H), 3.84 & 3.99 (2Xdd, J = 11.59 & 2.79 Hz, 2H), 2.72 (m, 1H), 2.21 (m, 1H), 2.18 (s, 3H), 0.99 (s, 9H), and 0.16 (s, 6H) ppm.
(実施例5)
−ベンゾイル−3’−O−(エチルジチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシシチジン(8)
無水CHCl(35mL)に溶解したN−ベンゾイル−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’−O−(メチルチオメチル)−2’−デオキシシチジン(7)(2.526g、5.0mmol)に、モレキュラーシーブ−3A(10g)を添加した。混合物を30分間撹拌した。次いでEtN(5.5mmol)を添加し、氷塩水浴で20分間撹拌した。次いでこれに、CHCl中の1M SOCl(7.5mL、7.5mmol)を、シリンジを使用して徐々に添加し、N雰囲気下、同じ温度で2時間撹拌した。次いで、無水DMF 8mL中のベンゼンチオスルホン酸ナトリウム塩(1.6g、8.0mmol)を添加し、室温で30分間撹拌した。最後にEtSH(0.74mL)を添加し、室温でさらに50分間撹拌した。反応混合物をcelite−Sを通して濾過し、生成物をCHClによって洗浄した。得られたCHCH部分を濃縮後、シリカゲルカラムを使用するフラッシュクロマトグラフィー(1:1〜3:7/Hex:EtOAc)によって精製し、化合物8を収率54.4%(1.5g)で得た。図9を参照されたい。化合物8の1H-NMR(CDCl3): δH 8.40 (m, 1H), 7.95 (m, 2H), 7.64 (m, 1H), 7.54 (m, 3H), 6.25 (m, 1H), 4.69 & 4.85 (2Xd, J = 11.60 Hz, 2H), 4.50 (m, 1H), 4.21 (m, 1H), 3.84 & 3.99 (2Xdd, J = 11.59 & 2.79 Hz, 2H), 2.75 (m, 3H), 2.28 (m, 1H), 1.26 (m, 3H), 0.95 (s, 9H), and 0.16 (s, 6H) ppm.
(実施例6)
−ベンゾイル−3’−O−(エチルジチオメチル)−2’−デオキシシチジン(9)
−ベンゾイル−3’−O−(エチルジチオメチル)−5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシシチジン(8、1.50g、2.72mmol)をTHF 50mLに溶解した。次いで、THF(3.3mL)中の1M TBAFを、窒素雰囲気下、氷冷温度で添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、MeOH 1mLを添加することによって反応物をクエンチし、10分後にロータリーエバポレーションによって溶媒を除去した。生成物を、1:1〜1:9/Hex:EtOAcの勾配を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、化合物9(0.78g、収率65%、1:9/Hex:EtOAc中でRf=0.6)を得た。図9を参照されたい。化合物9の1H-NMR(CDCl3): δH 8.41 (m, 1H), 8.0 (m, 2H), 7.64 (m, 2H), 7.50 (m, 2H), 6.15 (m, 1H), 4.80 & 4.90 (2Xd, J = 11.60 Hz, 2H), 4.50 (m, 1H), 4.21 (m, 1H), 4.00 & 3.85 (2Xdd, J = 11.59 & 2.79 Hz, 2H), 2.80 (m, 2H), 2.65 (m, 1H), 2.40 (m, 1H), and 1.3 (s, 3H) ppm.
最後に、化合物5の合成に記載される標準的な合成プロトコールに従って、化合物9から化合物10の合成を行った(図8を参照されたい)。
(実施例7)
標識ヌクレオチドの合成は、図10および図11に示す合成経路に従って行うことができる。図10は、標識dT中間体の合成に対して特異的であるが、他のアナログも同様に合成することができる。
5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−5−(N−トリフルオロアセチル−アミノプロパルギル)−2’−デオキシウリジン(12)の合成
5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−5−ヨード−2’−デオキシウリジン(11、25.0g、53.4mmol)を、2頚丸底フラスコ中で無水DMF(200mL)に溶解した。反応フラスコにArガスを充填したバルーンを流す。次いでこれに、新しく開封した真空乾燥テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(6.16g、5.27mmol)およびCuI(2.316g、12.16mmol)を添加し、アルゴン雰囲気下、室温で10分間撹拌した。次に、N−トリフルオロアセチル−プロパルギルアミン(23.99g、157.8mmol、2.9当量)およびEtN(14.7mL、105.5mmol)を逐次添加した。混合物を室温で3.0時間撹拌し、反応の終了をTLC(EtOAc:Hex/3:2中で、生成物に関してR=0.5)によって確認した。
次いで、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。得られた粗生成物をEtOAc 500mLに溶解し、分液漏斗に移した。次いで有機部分を、飽和NaHCO(2×400mL)および飽和NaCl(2×400mL)溶液によってそれぞれ洗浄した。次いでEtOAc部分を無水NaSOによって乾燥させた。NaSO塩を濾過によって除去した後、濾液を、ロータリーエバポレーターを使用して濃縮した。次いでこれを、3本の40gシリカゲルに結合させた後、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(1:1 Hex:EtOAc〜2:3 Hex:EtOAc、200g、15μm HP puriflashカラム、カラム3本での実行)によって精製し、12 21.994g(収率83.88%)を得た。図10を参照されたい。
化合物12中の1H-NMR(DMF-d7): δH 11.65 (brs, 1H), 10.15 (brs, 1H), 8.15 (brs, 1H, H6), 6.37 (t, J = 5.99 Hz, 1H, H1’), 5.42 (m, 1H), 4.41 (m, 1H), 4.37 (brs, 2H, プロパルギルアミン基のNH−CHに関して), 4.00 (m, 1H), 3.84-3.97 (m, 2H), 2.30 (m, 1H, H2’), 2.20 (m, 1H, H2’), 0.97 (s, 9H, 3X-CH3, TBDMS) and 0.19 (s, 6H, 2X CH3, TBDMS) ppm.
(実施例8)
5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’−O−(メチルチオメチル)−5−(N−トリフルオロアセチル−アミノプロパルギル)−2’−デオキシウリジン(13)の合成
化合物12(21.99g、44.77mmol)を、1000mL丸底フラスコ中でDMSO(90mL)に溶解した。次いでこれに、AcOH(40mL)および無水酢酸(132mL)を逐次添加し、室温で48時間撹拌した。反応の終了をTLC(生成物に関してR=0.5;Hex:EtOAc/1:1)によって確認した。
次いで反応混合物を2,000mLビーカーに移し、COガスの発生が停止するまで(約pH8.0)飽和KCOによって中和した。次いで、混合物を分液漏斗に移し、抽出した(2×500mL CHCl)。次いで、合わせた有機部分を、飽和NaHCO(1×500mL)によって洗浄し、NaSOによって乾燥させた。NaSOを濾過によって除去した後、有機部分をロータリーエバポレーションによって濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(Hex:EtOAc/7:3〜1:1)によって精製し、化合物13 12.38g(収率約50%)を産生した。図10を参照されたい。TLC: Rf = 0.5; Hex:EtOAc/1:1, 化合物13の1H-NMR(DMSO-d6): δH 11.69 (s, 1H), 10.01 (s, 1H), 7.93 (s, 1H, H6), 6.07 (m, 1H, H1’), 4.69 (m, 2H), 4.38 (m, 1H), 4.19 (m, 2H), 4.03 (m, 1H), 3.75 (m, 2H), 2.34 (m, 1H), 2.14 (m, 1H), 2.07 (s, 3H), 0.86 (s, 9H) and 0.08 (s, 6H) ppm.
化合物14、15、および16の合成は、化合物5および10に関して記載した関連ステップの合成プロトコールに従って行うことができる。他のN−トリフルオロアセチル−アミノプロパルギル核酸塩基の合成は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,017,338号[38]に記載されている。アミノプロパルギル核酸塩基を産生するためのN−トリフルオロアセチル基の除去は、軽度の条件の加溶媒分解によって行われ得る[47]。
一方、切断可能リンカーの合成は、1,4−ブタンジオールから出発して図11に示すように行うことができ、これを実施例9に記載する。
(実施例9)
4−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−ブタン−1−O−(メチルチオメチル)、18の合成
1Lフラスコ中で無水ピリジン100mLに溶解した1,4−ブタンジオール、17 18.3g(18.3g、203.13mmol)を、窒素雰囲気下、氷浴で氷点下の温度にした。これに、tert−ブチルジフェニルシリルクロリド(TBDPSCl、19.34g、70.4mmol)を、シリンジによって徐々に添加した。氷浴を外して、反応フラスコを室温まで加温し、室温で一晩撹拌を継続した。次いでロータリーエバポレーションによって溶媒を除去し、シリカゲルカラムを使用するフラッシュクロマトグラフィー(7:3〜1:1/Hex:EtOAc)によって精製し、4−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−ブタン−1−オール(13.7g、収率59.5%、1:1/Hex:EtOAcでのR=0.7)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 7.70 (4H, m), 7.40 (4H, m), 3.75 (2H, m), 3.65 (m, 2H), 3.70 (4H, m) and 1.09 (9H, m) ppm.得られた生成物のうち、6.07g(18.5mmol)を無水DMSO 90mLに溶解した。図11を参照されたい。次いでこれに、酢酸(15mL)および無水酢酸(50mL)を添加した。混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、これを分液漏斗に移し、蒸留水300mLによって洗浄し、等体積のEtOAcによって分液した。次いで、EtOAc部分を1,000mLビーカーに移し、飽和KCO溶液によって中和した。水性部分を、分液によって除去し、次いでEtOAc部分を蒸留水(3×300mL)によってさらに洗浄し、MgSOによって乾燥させた。次いでEtOAc部分を濃縮し、シリカゲルカラムによるフラッシュクロマトグラフィー(Hex:EtOAc/97:3〜90:10)によって精製し、4−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−1−O−(メチルチオメチル)−ブタン、18(5.15g、収率71.7%、9:1/Hex:EtOAc中でR=0.8)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 7.70 (4H, m), 7.40 (6H, m), 4.62 (2H, s), 3.70 (2H, m), 3.50 (2H, m), 2.15 (2H, s), 1.70 (4H, m) and 1.08 (9H, m) ppm.
(実施例10)
化合物19の合成
化合物18(2.0g、5.15mmol)を無水CHCl 40mLに溶解し、モレキュラーシーブ−3A 10gおよびEtN 0.78mL(5.66mmol)を添加した。混合物を、Nガス下、室温で30分間撹拌した。次いでフラスコを氷浴に入れて、温度を氷点下にした、次いでこれに、1M SOCl/CHCl溶液7.7mL(7.7mmol)を徐々に添加し、N下で1時間撹拌した。次いで氷浴を外し、DMF 8mL中のベンゼンチオスルホン酸−Na塩(1.6g、8.24mmol)を添加し、室温で30分間撹拌した。次いで、無水DMF 7mL中の4−メルカプトフェニル酢酸(1.73g、10.3mmol、2.0当量)を添加し、2時間撹拌した。次いで、粗試料全体を、celite−Sを通して濾過し、生成物をEtOAcによって洗浄した。次いで、EtOAc抽出物をロータリーエバポレーションによって濃縮し、シリカゲルカラム(1:1〜3:7/Hex:EtOAc)によって精製し、化合物19 1.19gを収率43%で得た。図11を参照されたい。R=0.5 Hex:EtOAc/3:7。1H NMR (CDCl3): 7.65 (4H, m), 7.55 (2H, m), 7.45 (6H, m), 7.20 (2H, s), 4.80 (2H, m), 3.65 (4H, m), 3.50 (2H, m), 1.60 (4H, m), and 1.09 (9H, s) ppm.
(実施例11)
化合物20の合成
無水DMF 20mLに溶解した化合物19(0.6g、1.11mmol)を、DSC(0.426g、1.5当量)およびEtN(0.23mL)によって室温で処理し、窒素雰囲気下で1.5時間撹拌した。次いで、11−アジド−3,6,9−トリオキサデカン−1−アミン(2.0当量)およびEtN(2.0当量)からなる混合物を、DMF 5mL中で調製した。溶液全体を反応混合物に一度に添加して、1時間撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去し、0〜10% CHCl:MeOHの勾配を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、化合物20を収率36%(0.297g、R=0.8、10%MeOH:CHCl)で得た。図11を参照されたい。1H NMR (MeOH-d4): δH 7.70 (4H, m), 7.55 (2H, m), 7.40 (6H, m), 7.45 (2H, m), 4.85 (2H, s), 3.65-3.30 (22H, m), 1.65 (4H, m), and 1.09 (9H, m) ppm.
次いで、生成物20(0.297g)を、フラスコ中で無水THF 7mLに溶解し、氷浴に入れて窒素雰囲気下で氷点下の温度にした。次いで、THF中の1M TBAF 0.6mLを滴下し、氷冷温度で3時間撹拌した。混合物をMeOH 1mLによってクエンチし、揮発物をロータリーエバポレーションによって除去し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、生成物21 165mgを得た。図11を参照されたい。1H NMR (MeOH-d4): δH 7.55 (2H, m), 7.25 (2H, m), 4.85 (2H, s), 3.75-3.30 (22H, m) and 1.50 (4H, m) ppm.この生成物を、クリックケミストリーを使用してアルキン置換色素に、および活性化剤としてCDIを使用してヌクレオチドにカップリングさせ、化合物22を得ることができる。
安定化gem−ジメチル基が切断可能リンカーのα炭素に結合している、切断可能リンカーの別のバリアントを、図12に従って得ることができる。
(実施例12)
別の態様では、切断可能リンカーは、ジスルフィドがgem−ジメチル基に隣接し、フレキシブルなエチレングリコールリンカー(PEG)に結合している、化合物30であり得る。リンカーは、カルバメート基(−NH−C(=O)O−)を介してPA−ヌクレオチド(例えば、化合物33)に結合する。そのような場合に得られるヌクレオチドアナログは、図13に従って合成することができる化合物35(dUTPアナログ)と同様であり得る。他のヌクレオチドアナログ(例えば、dATP、dGTP、dCTPのアナログ)は、反応順序の最後のステップで、PA−ヌクレオチド33を適切なPA−ヌクレオチドアナログに置き換えることによって同様に合成することができる。
(実施例13)
化合物28の合成
化合物18(15.53g、40mmol)(化合物18の合成に関しては実施例9を参照されたい)を、丸底フラスコ中で無水ジクロロメタン450mLに溶解した。モレキュラーシーブ(3Å、80g)およびトリエチルアミン(5.6mL)を添加し、反応混合物を窒素雰囲気下、0℃で0.5時間撹拌した。次に、SOCl(DCM中で1M、64mL)をシリンジによって徐々に添加し、温度0℃で1.0時間撹拌した。次いで、氷水浴を外し、無水DMF 20mL中のチオトシル酸カリウム(10.9g、48.1mmol)の溶液を一度に添加し、室温で20分間撹拌した。次いで反応混合物を、2L丸底フラスコ中でDMF 20mLに溶解した3−メルカプト−3−メチルブタン−1−オール(4.4mL、36mmol)に注いだ。得られた混合物を室温で0.5時間撹拌し、celiteを通して濾過した。生成物を酢酸エチルによって抽出した。合わせた有機抽出物を、分液漏斗中で蒸留水によって洗浄した後、ロータリーエバポレーションによって粗生成物を濃縮した。移動相としてEtOAc:ヘキサンを使用するシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーによって精製後、生成物(28)を収率26%(5.6g)で得た。図13を参照されたい。1H NMR (CDCl3): δH 7.67-7.70 (m, 4H), 7.37-7.47 (m, 6H), 4.81 (s, 2H), 3.81 (t, J = 6.73 Hz, 2H), 3.70 (t, J = 6.21 Hz, 2H), 3.59 (t, J = 6.55, 2H), 1.90 (t, J = 6.95 Hz, 2H), 1.58-1.77 (m, 4H), 1.34 (s, 6H), and 1.07 (s, 9H) ppm.
(実施例14)
化合物29の合成
化合物28(5.1g、10.36mmol)を、500mL丸底フラスコ中で無水ピリジン100mLに溶解した。この溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)(3.36g、20.7mmol)を一度に添加し、反応物を窒素雰囲気下、室温で1.0時間撹拌した。次いで反応混合物を、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)(7.6mL、51.8mmol)および無水ピリジン(50mL)からなる溶液に注いだ。混合物を室温で1.0時間撹拌し、揮発物をロータリーエバポレーションによって除去した。得られた粗生成物を、MeOH:CHCl/9.5:0.5を使用するシリカによるフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、純粋な化合物29(4.4g、収率65%)を得た。図13を参照されたい。1H NMR (CDCl3): δH 7.63-7.68 (m, 4H), 7.34-7.44 (m, 6H), 4.76 (s, 2H), 4.17 (t, J = 7.07 Hz, 2H), 3.65 (t, J = 6.16 Hz, 2H), 3.60 (s, 4H), 3.49-3.51 (m, 6H), 3.31-3.39 (m, 2H), 2.88 (m, 2H),1.9 (t, J = 7.06 Hz, 2H), 1.57-1.73 (m, 4H), 1.31 (s, 6H) and 1.03 (s, 9H) ppm.
(実施例15)
化合物31の合成
化合物29(0.94g、1.42mmol)を、無水THF 40mLに溶解し、THF中の1M TBAF(1.6mL、1.6mmol)によって、窒素雰囲気下、0℃で処理した。反応混合物を0℃で2.0時間撹拌し、その間に、LC−MSによってTBDPS保護基の完全な除去を確認した。ロータリーエバポレーションによって溶媒を除去した後、生成物を、C18フラッシュカラムによるフラッシュクロマトグラフィー(勾配:0〜100%Bで50分、A=50mM TEABおよびB=アセトニトリル)によって精製した。標的分画を合わせて、凍結乾燥し、純粋な化合物30(0.284g、収率47%)を得た。MS(ES+)(M+H)の計算値429.21、m/zの実測値429.18。次に、化合物30(0.217g、0.51mmol)を窒素雰囲気下で無水アセトニトリル13mLに溶解した。この溶液に、DIPEA(97.7μL、0.56mmol)およびFmoc−NHSエステル(273.6mg、0.81mmol)を温度0℃で添加し、同じ温度で2.0時間撹拌した。次いで生成物を、シリカゲル、1:1〜1:9/hex:EtOAcの勾配によるフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、半純粋生成物を得て、これを2〜5%/MeOH−CHClの勾配を使用してさらに精製し、化合物31(0.245g、収率74%)を得た。図13を参照されたい。1H NMR (CDCl3): δH 7.70 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.59 (2H, d, J =7.6 Hz), 7.32 (2H, m), 7.24 (2H, m), 4.69 (2H, s), 4.35 (2H, m), 4.16 (1H, m), 4.09 (2H, m), 3.60-3.45 (12H, m), 3.36-3.26 (4H, m), 1.82 (2H, m), 1.60 (4H, m) and 1.22 (6H, s) ppm.
(実施例16)
化合物32の合成
化合物31(93mg、0.143mmol)を、磁気撹拌子および窒素ガス供給源を備えた丸底フラスコ中で、無水アセトニトリル(12.0mL)に溶解した。この溶液に、DSC(56mg、0.21mmol)およびDIPEA(37.4μL、0.21mmol)を逐次添加し、得られた混合物を室温で5.0時間撹拌した。追加のDSC(48mg、0.18mmol)およびDIPEA(37.4μL、0.21mmol)を添加し、室温で15.0時間撹拌を継続し、その間にTLCにより活性化NHSエステルへの完全な変換が示された。ヘキサン−酢酸エチル(3:7〜1:9)の勾配を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー精製後に、生成物32を濃厚な油として得て(59mg、収率53%)、次のステップで使用した。図13を参照されたい。1H NMR (CDCl3): δH 7.70 (2H, d, J = 7.53 Hz), 7.53 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.33 (2H, m), 7.24 (2H, m), 4.69 (2H, s), 4.34 (2H, m), 4.28 (2H, m), 4.16 (1H, m), 4.09 (2H, m), 3.57-3.46 (10H, m), 3.35-3.26 (4H, m), 2.75 (4H,s), 1.74 (4H, m), 1.62 (2H, m) and 1.23 (6H, s) ppm.
(実施例17)
化合物34の合成
化合物33のアリコート(10μmol)(参考文献のUS2013/0137091 A1に従って合成)を、15mL遠心分離管中で乾固するまで凍結乾燥した。次いで、これをDIPEA 60μmolを含む無水DMF 1.0mL中に再懸濁した。別の管において、化合物32(30μmol、3当量)を無水DMF 3.33mLに溶解し、全てを一度に添加した。手動で十分に振とうすることによって反応を十分に混合し、室温でシェーカーに12時間置いた。次に、ピペリジン(0.33mL)を添加し、振とうを室温で30分間継続した。次いで、生成物を、C18カラムを使用するHPLC(勾配:0〜70%Bで40分、A=50mM TEABおよびB=アセトニトリル)によって精製した。標的分画の凍結乾燥後に、生成物34を収率73.3%(7.33μmol)で得た。図13を参照されたい。
(実施例18)
化合物35の合成
化合物34のアリコート(4.9μmol)を、15mL遠心分離管中で蒸留水1.0mLおよび0.5M NaHPO(0.49mL)に溶解した。別の管において、5−CRG−NHSエステル10mg(17.9μmol)を、無水DMF 0.9mLに溶解した。次いで、この溶液を反応混合物に全て一度に添加して、室温で6.0時間撹拌した。次いで反応混合物を50mM TEAB(25mL)によって希釈した。生成物をHPLC C18(勾配:0〜60%Bで70分)によって精製した。化合物35を標的分画の凍結乾燥後に得て(2.15μmol、収率44%、HPLCにより純度は約98%、構造を、MS(ES+)によって確認した:(M−H)C58761025 の計算値 1469.36、m/zの実測値 1469.67、図13を参照されたい。
同様に、化合物35に関して記載された類似の手順に従って、dATP、dCTPおよびdGTPのアナログを合成し、HPLCおよびLC−MSによって特徴付けて、完全な一組のAシリーズ(98、100、101、および102、図45)を得た。dATPアナログに関して、(M−H)C66831223の計算値 1,568.4348、m/zの実測値 1,568.4400;dCTPアナログに関して、(M−H)C52651130の計算値 1,545.2070、m/zの実測値 1,545.2080、およびdGTPアナログに関して、(M−H)C66931227の計算値 1,706.4369、m/zの実測値 1,706.4400。別の態様では、本発明は、切断可能なジスルフィドがgem−ジメチル基に隣接し、リンカーがウレア基(−NH(C=O)NH−)を介してPA−ヌクレオチドに結合しているdATPアナログの化合物43と同様に、切断可能リンカーを有するヌクレオチドを伴う。化合物を、図14(dATPアナログに関して)に従って合成することができる。他のヌクレオチドアナログ(例えば、dCTP、dGTP、dUTPのアナログに関して)は、反応順序の最後のステップで42を適切なPA−アナログに置き換えることによって同様に合成することができる。
(実施例19)
化合物37の合成
撹拌子を備えた1L丸底フラスコにおいて、5−(fmoc−アミノ)−1−ペンタノール(36、20g、62mmol)を、DMSO(256mL)に室温で溶解した。溶液に、AcOH(43mL)およびAcO(145mL)を逐次添加した。フラスコをゴム栓で閉じ、N下に置き、室温で20時間撹拌した。反応の終了をTLCによって確認した。次いで反応混合物を3Lビーカーに移し、フラスコを水で洗浄した。ビーカーを氷浴中で冷却し、反応混合物を50%飽和KCO(400mL)によって30分間中和した。混合物を分液漏斗に移し、EtOAc(2×700mL)によって抽出した。次いで、有機相を50%飽和KCO(2×400mL)によって洗浄し、NaSOによって乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗油をシリカゲルクロマトグラフィー(0〜20%Bで20分、A=Hex、B=EtOAc)によって精製した。分画の収集および濃縮により、化合物37(17.77g、75%)を白色の固体として得る。図14を参照されたい。1H NMR (CDCl3): δH 7.79 (d, J = 7.33, 2H), 7.63 (d, J = 7.83, 2H), 7.441 (t, J = 7.33, 2H), 7.357 (t, J = 7.58, 2H), 4.803 (bs, 1H), 4.643 (s, 2H), 4.43 (d, J = 6.82, 2H), 4.24 (t, J= 6.82, 1H), 3.54 (t, J = 6.32, 2H), 3.251 (m, 1H), 2.167 (s, 3H), 1.657-1.550 (m, 4H), and 1.446-1.441 (m, 2H) ppm.
(実施例20)
化合物38の合成
化合物37(2.77g、7.2mmol)を、撹拌子および栓を備えた250mL丸底フラスコ中、N下で、DCM(60mL)に溶解した。フラスコに、トリエチルアミン(3.0mL、21.6mL、3当量)および4Åモレキュラーシーブ(28g)を添加した。懸濁液を室温で10分間撹拌し、その後氷浴中で30分間撹拌した。フラスコに、SOCl(DCM中の1M溶液、14.4mL、14.4mmol、2当量)を添加し、反応混合物を氷浴中で1時間撹拌した。反応の進行を、TLC(1:1 Hex:EtOAc)を介して出発材料の消失によりモニターした。SOClの活性化が完了した後、DMF(60mL)中のチオトシル酸カリウム(2.45g、10.8mmol、1.5当量)の溶液を、急速に添加した。反応混合物を室温まで徐々に1時間加温した。次いでフラスコに、3−メルカプト−3−メチルブタノール(1.8mL、14.4mmol、2当量)を充填し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、40℃の真空下で濃縮した。FCC(0〜50%Bで30分、A=Hex、B=EtOAc)によって精製し、38(482mg、14%)を黄色の油として得た。図14を参照されたい。1H NMR (CDCl3): δH 7.76 (d, J = 7.81, 2H), 7.59 (d, J = 7.32, 2H), 7.40 (t, J = 7.32, 2H), 7.31 (t, J = 7.32, 2H), 4.87 (bs, 1H), 4.79 (s, 2H), 4.40 (d, J = 6.84, 2H), 4.21 (t, J = 6.84 1H), 3.78 (t, J = 6.84, 2H), 3.57 (t, J = 6.35, 2H), 3.20 (m, 2H), 1.88 (t, J = 6.84, 2H), 1.64-1.50 (m, 4H), 1.42-1.39 (m, 2H) and 1.32 (s, 6H) ppm.
(実施例21)
化合物39の合成
化合物38(135mg、0.275mmol)を、50mL丸底フラスコ中、真空下で2時間乾燥させた。真空を外し、フラスコをN下に置いた。化合物38をDMF(3.1mL)に溶解し、フラスコにDIPEA(96μL、0.55mmol、2当量)を充填した。溶液を10分間撹拌し、次いでDSC(120mg、0.468mmol、1.7当量)の一用量を固体として添加した。反応混合物を2時間撹拌し、終了をTLC(1:1 Hex:EtOAc)を介して確認した。次いで反応物を35℃の真空下で濃縮し、高真空下で1時間さらに乾燥させた。粗油をシリカゲルにロードし、FCC(0〜50%Bで14分、A=hex、B=EtOAc)によって精製した。分画をTLCによってチェックし、濃縮して、化合物39(133mg、76%)を、時間と共に結晶化する油として得た。図14を参照されたい。1H NMR (CDCl3): δH 7.78 (d, J = 7.58, 2H), 7.61 (d, J = 7.58, 2H), 7.42 (t, J = 7.58, 2H), 7.33 (t, J= 7.58, 2H), 4.87 (bs, 1H), 4.80 (s, 2H), 4.48 (t, J = 7.07, 2H), 4.44 (d, J = 6.82, 2H), 4.24 (t, J = 7.07, 1H), 3.58 (t, J = 6.32, 2H), 3.22 (m, 2H), 2.83 (s, 4H), 2.08 (m, 2H), 1.649-1.562 (m, 4H), 1.443-1.390 (m, 2H) and 1.366 (s, 6H) ppm.
(実施例22)
化合物40の合成
2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)(92μL、635μmol、10当量)およびトリエチルアミン(176μL、1270μmol、20当量)をDMF(10mL)に溶解した。DMF(2.7mL)中の6−ROX、NHSエステル(40mg、64μmol、1当量)の別の溶液も調製した。6−ROX、NHSエステル溶液を、ジアミンを含有する高速で撹拌中の溶液に滴下した。反応物を2時間撹拌し、進行をC18 HPLC−MS(0〜100%Bで10分、A=50mM TEAB、B=MeCN)によってモニターした。終了後、反応物を、分取C18−HPLC(10〜100%Bで50分、A=50mM TEAB、B=MeCN)を介して精製した。分画を合わせて、凍結乾燥し、化合物40(20mg、48%)を赤紫色の固体として得た。図14を参照されたい。MS(ES−)(M−H)C3945の計算値664.33、m/zの実測値664.56。
(実施例23)
化合物41の合成
化合物40(10mg、15μmol)を、DMF(1mL)に溶解し、DIPEA(8μL、45μmol、3当量)を充填した。個別に、化合物39(28mg、45μmol、3当量)をDMF(0.21mL)に溶解した。化合物39の溶液を、化合物40を含む溶液に急速に添加した。反応物をシェーカープレート上に1.5時間置き、その時点で分析的C18−HPLC(0〜100%Bで10分、A=50mM酢酸緩衝液、pH5.2、B=MeCN)によって、化合物40が残っていることが明らかとなった。追加の化合物39(13mg、21μmol、1.4当量)を添加して、反応物をシェーカープレート上にさらに1時間置いた。追加の分析を行うことなく、ピペリジン(300μL)を添加し、10分間反応させた。次いで、反応混合物を分取C18−HPLC(10〜100%Bで50分、A=50mM TEAB、B=MeCN)に直接注入した。分画を収集し、凍結乾燥し、化合物41(4.7mg、34%)を赤紫色の固体として得た。図14を参照されたい。MS(ES+)(M+H)C5168 の計算値959.45、m/zの実測値959.76。
(実施例24)
化合物43の合成
5mL試料バイアルにアミン41(2mg、2μmol)、DSC(0.8mg、3μmol、1.5当量)、DIPEA(0.7μL、4μmol、2当量)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(1.7mL)を充填した。反応混合物をシェーカー上に1時間置いた。反応の進行を、C18−HPLC(0〜100%Bで10分、A=50mM酢酸緩衝液、pH5.2、B=MeCN)によってモニターした。次に、0.1 NaHPO(3.3mL)中のヌクレオチド42(6μmol、3当量、参考文献、US2013/0137091 A1)を添加し、反応混合物をシェーカー上に一晩置いた。次に反応物を水によって希釈し、分取C18−HPLC(0〜60%Bで70分、A=50mM TEAB、B=MeCN)によって精製し、表題の化合物43(0.5μmol、25%)を得た。図14を参照されたい。MS(ES−)(M−H)C67871322の計算値1581.47、m/zの実測値1581.65。
(実施例25)
別の態様では、切断可能リンカーは、ウレア官能基を介してPA−ヌクレオチドに繋がれ、ジスルフィドが2炭素リンカーによって色素に接続されている化合物45であり得る。そのような場合に得られたヌクレオチドアナログは、図15に従って合成することができる化合物49(dGTPアナログ)と同様であり得る。他のヌクレオチドアナログ(例えば、dATP、dUTP、dCTPのアナログ)は、反応順序の第3のステップにおいて、ヌクレオチド46を適切なPA−ヌクレオチドアナログに置き換えることによって同様に合成することができる。
(実施例26)
化合物44の合成
磁気撹拌子を備えた100mL丸底フラスコに、CHCl中の37(1.00g、2.59mmol)、モレキュラーシーブおよびトリエチルアミン(0.72mL、5.18mmol)を充填した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、0℃に冷却した。塩化スルフリル(4.40mL、4.40mmol)を徐々に添加し、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。ヘキサン中の20%酢酸エチルを使用するTLC分析により、出発材料の消失が示され、N’,N’−ジメチルホルムアミド(5mL)中のベンゼンチオスルホン酸(benzenethionosulfonic acid)ナトリウム塩(648mg、3.89mmol)の溶液を0℃で一度に添加し、反応混合物を室温で20分間撹拌した。次に、N−(トリフルオロアセトアミド)エタンチオール(896mg、5.18mmol)を一度に添加し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。モレキュラーシーブを濾過によって除去し、溶媒を減圧下で除去し、残渣を、0〜20%酢酸エチル−ヘキサンの勾配を使用するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーを介して精製し、表題の化合物44(529mg、39%)を黄色がかった油として得た。1H NMR (CDCl3) ,図15を参照のこと: δH 7.76 (d, J = 7.52 Hz, 2H), 7.57 (d, J = 7.50 Hz, 2H), 7.40-7.38 (m, 2H), 7.30-7.25 (m, 2H), 4.82 (s, 2H), 4.42 (d, 2H), 4.21-4.20 (m, 1H), 3.70-3.67 (m, 2H), 3.59-3.55 (m, 2H), 3.17-3.16 (m, 2H) and 1.64-1.40 (m, 6H) ppm.
(実施例27)
化合物45の合成
磁気撹拌子を備えた25mL丸底フラスコに、カルバメート44(100mg、0.184mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン溶液1mLを室温で充填した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、次いで、アセトニトリル(5mL)によって希釈し、0〜30%アセトニトリル−TEAB緩衝液の勾配を使用する逆相分取HPLCを介して精製し、表題の化合物45(11mg、20%)を透明な油として得た。図15を参照されたい。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δH 4.90 (s, 2H), 3.64-3.60 (m, 2H), 3.32 (s, 2H), 2.98-2.93 (m, 2H), 2.86-2.82 (m, 2H), 1.66-1.60 (m, 2H), 1.50-1.48 (m, 2H) and 1.33-1.30 (m, 2H) ppm.
(実施例28)
化合物47の合成
5mL試料バイアルにアミン45(0.960mg、3.0μmol)、DSC(1.15mg、4.5μmol)およびトリエチルアミン(60μL、6.0μmol)を充填し、室温で2時間振とうした。次いで、N,N−ジメチルホルムアミド200μL中の3当量のヌクレオチド46からなる溶液(参考文献、US2013/0137091 A1)を添加した。反応混合物をシェーカー上に12時間置いた。次に、反応物をTEAB緩衝液によって希釈し、0〜30%アセトニトリル:50mM TEAB緩衝液の勾配を使用する分取逆相HPLCによって精製し、表題の化合物47(収率14%)を得た。図15を参照されたい。MS(ES−):(M−H)C26371016 の計算値、959.10、m/zの実測値959.24。
(実施例29)
化合物48の合成
ヌクレオチド47(1μmol)をTEAB緩衝液(50mM水溶液200μL)に溶解し、水酸化アンモニウム(30%水溶液)200μLによって室温で50分間処理した。次いで反応物を、TEAB緩衝液(1M溶液1mL)および蒸留水(5mL)によって希釈した。得られた混合物を、C18−HPLC、0〜30%アセトニトリル:50mM TEAB緩衝液の勾配を介して精製し、表題の化合物48(0.40μmol、90%)を得た。図15を参照されたい。MS(ES−):(M−H)C24381015 の計算値、863.12、m/zの実測値863.45。
(実施例30)
化合物49の合成
化合物48のアリコート(0.04μmol)を、3mLエッペンドルフ管中で蒸留水0.1mLおよび0.5M NaHPO(20μL)に溶解した。別の管において、ROX−NHSエステル1mg(0.168μmol)を、無水DMF 48μLに溶解した。次いで、この溶液を反応混合物に全て一度に添加し、室温で6.0時間撹拌した。次いで反応混合物を、50mM TEAB(5mL)によって希釈した。生成物を、(0〜60%Bの勾配、A=50mM TEAB、B=アセトニトリル)を使用するC18−HPLCによって精製した。化合物49を、標的分画の凍結乾燥後に得た(0.03μmol、収率30%)、図15を参照されたい。MS(ES−)(M−H)、C57671219 の計算値1380.33、実測値1380.25。
通常のジスルフィド連結ヌクレオチドとの切断の比較
本明細書に開示される切断可能なオキシメチレンジスルフィド(−OCH−SS−)リンカーを含有するこの新規クラスのヌクレオチドを、還元性のホスフィンベースの切断条件で通常のジスルフィド(−SS−)連結ヌクレオチド(例えば、米国特許出願第2013/0137091号[48]に記載されるヌクレオチド50)と比較した。これらの2つのクラスのヌクレオチドには純然たる差が観察された。標識ヌクレオチド50を、10当量のTCEPに65℃で曝露すると、LC−MSによって同定される予想される生成物51と共に、化合物52を含む多数の副生成物を生成した(図16、ならびに図17AおよびB、5分間の曝露)。望ましくない副生成物の割合は、時間と共に増加した(図18AおよびB、15分間の曝露)。同一の切断条件で、オキシメチレンジスルフィド連結ヌクレオチド35は、所望の切断生成物、すなわち化合物53および54をきれいに産生した。リンカーのメチレンチオール部分(−CHSH)は、ジスルフィド基の切断時にヌクレオチドから完全に除去された(図20AおよびBならびに図21AおよびB、5分間の曝露)。さらに、TCEPに持続的に曝露しても、LC−MSによって明らかとなるようにさらなる副生成物を生成しなかった(図22、15分間の曝露)。したがって、この新規クラスのヌクレオチドは、図4に示すチオール基の存在に固有の副反応を除去することによって、DNAの合成による配列決定(SBS)の使用において有意な利点をもたらし得る。
(実施例31)
化合物57の合成
別の実施形態では、ヌクレオチドの3’−OH基を、−CH−SS−Etまたは−CH−SS−Meによってキャップすることができ、フルオロフォア色素を、先に記載した(例えば、化合物35、43、および49のように)切断可能な−OCH−SS−リンカーの1つを介して核酸塩基に結合させる。
3’−OCH−SS−Etおよび−OCH−SS−Meを有するPAヌクレオチドの合成はそれぞれ、図10および図22に従って行うことができる。3’−OCH−SS−Meアナログの合成と3’−OCH−SS−Etの合成との違い(図10)は、図22に示す適切なステップでのメルカプトエタノール(EtSH)のメタンチオールまたはチオメトキシドナトリウムによる置き換えである。−OCH−SS−Me基は、全ての起こり得る3’−O−CH−SS−Rアナログにおける最小の構造である。したがって、3’−OCH−SS−Meキャッピング基を有するヌクレオチドアナログは、酵素の取り込み速度およびTCEPなどの還元剤による切断可能性に関して、他のアナログより良好な性能を有するはずである。
次に、得られたPA−ヌクレオチド(例えば、57)を、適切な切断可能−OCH−SS−リンカーにカップリングさせて、最終的に、活性化リンカー32を使用して図23に示すフルオロフォア色素にカップリングさせることができる。異なる色素を有する他のヌクレオチドを、適切なPA−ヌクレオチド(例えば、dATP、dGTP、dCTPのPAアナログ)およびNHS活性化色素(Alexa488−NHS、ROX−NHS、Cy5−NHSエステル等)を使用して同様に合成し、異なるフルオロフォア報告基によって標識されたヌクレオチドアナログを得ることができる。
(実施例32)
異なるリンカーを有するヌクレオチドアナログを、化合物60および61(図24)の合成において示されるように、記載のプロトコールに従って得ることができる。
切断可能リンカー−OCH−SS−を有するが、鎖長が異なり、α炭素で置換を有する多様な組の3’−OCH−SS−Etおよび3’−OCH−SS−Meヌクレオチドを、同様に合成することができる。得られたクラスのヌクレオチドを、図25、図26、および図27に示す。図25に示すヌクレオチドでは、切断可能リンカーは、フレキシブルエチレングリコールリンカーに結合した安定化gem−ジメチル基に隣接し、カルバメート官能基(−NH−C(C=O)−O−)を介してPA−核酸塩基に結合するが、図26では、カルバメート基は、ウレア基(−NH−C(C=O)−NH−)に置き換えられている。他方で、図27に示すヌクレオチドでは、ジスルフィド基は、第一級炭素鎖に結合し、ウレア官能基によってPA−核酸塩基に繋がれている。
(実施例33)
化合物64の合成:
250mL丸底フラスコに、化合物62(3.0g、4.58mmol)、無水CHCl 25mL、3Åモレキュラーシーブ(5.0g)およびシクロヘキセン(0.55mL、5.4mmol)を充填した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌した。次いで、反応フラスコを氷浴に入れて、SOCl(6.8mL、CHCl中で1M、1.5当量)を、シリンジを介して徐々に添加し、0℃で1時間撹拌した。次に、化合物63への完全な変換を確実にするために、追加の0.5当量のSOClを添加した。10℃に近い温度を維持しながら、揮発物を真空下で除去した。得られた固体を無水DMF 20mLに再懸濁し、窒素雰囲気下で維持した。
別のフラスコにおいて、(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタンチオール(2.45g、11.44mmol)を、窒素雰囲気下で無水DMF(30mL)に溶解し、NaH(274.5mg、油中で60%)によって処理し、灰色のスラリーを産生した。これに、化合物63を一度に添加し、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。次いで反応混合物を、漏斗中でcelite(登録商標)−S(20g)を通して濾過し、生成物をEtOAc(100mL)によって溶出した。次いでEtOAc溶液を、蒸留水(2×100mL)によって洗浄した。EtOAc抽出物をNaSOによって乾燥させ、ロータリーエバポレーションによって濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(カラム:RediSepRfGold 120g、勾配:80%Hex〜50 Hex:EtOAc)によって精製した。図43を参照されたい。標的化合物(64)を白色の固体(1.2g、収率32%、R:0.4、Hex:EtOAc/3:2)として得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.13 (m, 3H), 7.43 (m, 1H), 7.32 (m, 2H), 6.12 (m, 1H), 6.00 (s, 2H), 4.62 (m, 2H), 4.31 (m, 3H), 4.00 (m, 1H), 3.82-3.60 (m, 13H), 2.39 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 0.78 (m, 9H), and 0.01 (m, 6H) ppm.
(実施例34)
化合物65の合成:
化合物64(1.2g、1.46mmol)を、デシケーターにおいてPによって高真空下で一晩乾燥させ、磁気撹拌子を備えた100mLフラスコ中で無水CHCl 30mLに溶解した。これに、ジメチルジスルフィド(0.657mL、7.3mmol)を添加し、反応フラスコを氷浴に入れた。次いで、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムテトラフルオロボレート(DMTSF、316mg、1.1当量)を添加し、0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を250mL分液漏斗に移し、0.1M NaHCO水溶液50mLによって中和し、CHCl(2×50mL)によって抽出した。図43を参照されたい。有機部分をNaSOによって乾燥させ、ロータリーエバポレーションによって濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラム(RediSepRf gold 80g)において勾配80〜50%Hex−EtOAcを使用して精製し、化合物65 0.82g(収率82%、R=0.5、Hex:EtOAc/3:2)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.15 (m, 3H), 7.42 (m, 1H), 7.35 (m, 2H), 6.11 (m, 1H), 4.80-4.65 (m, 2H), 4.34 (m, 1H), 4.28 (m, 2H), 4.10 (m, 1H), 3.83-3.67 (m, 2H), 2.49 (m, 1H), 2.34 (s, 3H), 1.90 (m, 1H), 0.78 (m, 9H), and 0.10 (m, 6H) ppm.
(実施例35)
化合物66の合成:
磁気撹拌子を備えた丸底フラスコに、化合物65(0.309g、0.45mmol)および無水CHCl(10.0mL)10.0mLを充填し、窒素雰囲気下、氷浴に入れた。TBAF(0.72mL、1M溶液中0.72mmol)を、シリンジを介して徐々に添加した。反応混合物を0℃で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を分液漏斗に移し、0.5M NaHCO溶液(50mL)によってクエンチした。得られた混合物をEtOAc(2×100mL)によって抽出し、NaSOによって乾燥させた。生成物66を、勾配7:3〜2:3 Hex:EtOAcを使用するRediSepRfカラム40gによるシリカゲルカラムクロマトグラフィー(196mg、R=0.3、Hex:EtOAc/1:1)後に、白色の粉末として収率76%で得た。図43を参照されたい。1H NMR (CDCl3): δH 8.40 (s, 1H), 8.25 (m, 2H), 7.60 (m, 1H), 7.52 (m, 2H), 6.21 (m, 1H), 4.90-80 (m, 2H), 4.65 (m, 1H), 4.40 (m, 2H), 4.25 (m, 1H), 4.05-3.85 (m, 2H), 2.62 (m, 1H), 2.50 (s, 3H) and 2.31 (m, 1H) ppm.
生成物67を、標準的な三リン酸エステル合成方法(詳細に関しては化合物5の合成を参照されたく、図8を参照されたい)を介する化合物66のリン酸化後に得た(LC−MSによって確認、67のC142313に関してm/z(M−H)611.19)。これを、図13、図14、および図15に表す化合物に関して記載した手順に従って色素標識生成物へとさらに変換した。
(実施例36)
化合物70の合成:
化合物68(7.3g、13.8mmol)を、デシケーター中で一晩乾燥させ、N雰囲気下、撹拌子およびゴム栓を備えた乾燥させた500mL丸底フラスコ中で無水DCM(70mL)に溶解した。シクロヘキセン(1.54mL、15.2mmol、1.1当量)および無水3Åモレキュラーシーブ(16.6g)を反応混合物に添加し、得られた懸濁液を氷水浴中、0℃で20分間撹拌した。次に、SOCl(DCM中の1M溶液、32.7mL、2.36当量)を添加し、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。反応の進行を、TLC(100%EtOAc)を介して出発材料の消失によってモニターした。SOClの活性化が完了した後、DMF(120mL)中の(MeO)BnSH(7.4g、34.5mmol、2.5当量)およびNaH(1.32g、33.12mmol、鉱物油中で60%)の混合物を調製し、一度に急速に添加した。反応物を室温まで徐々に加温し、1時間撹拌した。反応混合物を濾過して、40℃の真空下で濃縮した。シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(0〜60%酢酸エチル:ヘキサンの勾配で15分の後に、60%酢酸エチル:ヘキサンで45分の溶出)による精製によって、所望の化合物70(4.2g、収率43.7%)を透明な油として得た。図44を参照されたい。1H NMR (CDCl3): δH 8.72 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.94 (m, 2H), 7.52 (m, 1H), 7.44 (m, 2H), 6.41 (m, 1H), 6.03 (s, 2H), 4.67 (s, 2H), 4.50 (m, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.73 (m, 13H), 2.52 (m, 2H), 0.81 (s, 9H) and 0.002 (d, 6H) ppm.
(実施例37)
化合物71の合成:
化合物70(2g、2.87mmol)を、N雰囲気下で、撹拌子およびゴム栓を備えた200mL丸底フラスコ中で無水DCM(38mL)に溶解し、氷水浴で冷却した。この混合物に、ジメチルジスルフィド(1.3mL、14.36mmol、5当量)を添加した後に、DMTSF(620mg、3.15mmol、1.1当量)をDCM(20mL)中の溶液として一度に添加した。得られた混合物を室温まで徐々に加温し、次いで、さらに4時間撹拌した。反応物を、NaHCO(100mL)の飽和水溶液の添加によってクエンチし、DCM(150mL×2)およびEtOAc(200mL)によって抽出し、NaSOによって乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(0〜60%酢酸エチル:ヘキサンの勾配で15分の後に、60%酢酸エチル:ヘキサンで45分の溶出)による精製によって、所望の化合物71(1g、収率62%)を白色の粉末として得た。図44を参照されたい。1H NMR (CDCl3): δH 8.69 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.94 (m, 1H), 7.51 (m, 1H), 7.42 (m, 2H), 6.41 (m, 1H), 4.82 (m, 2H), 4.57 (m, 1H), 4.15 (m, 1H), 3.77 (m, 2H), 2.61 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 0.81 (s, 9H) and 0.00 (d, 6H) ppm.
(実施例38)
化合物72の合成:
化合物71(562mg、1.25mmol)を、N雰囲気下で、撹拌子およびゴム栓を備えた100mL丸底フラスコ中で無水THF(30mL)に溶解し、氷水浴で冷却した。次いで、TBAF(THF中の1M溶液1.5mL、1.5当量)を滴下し、0℃で2時間撹拌した。反応の進行を、TLC(100%酢酸エチル、化合物72に関してR=0.205、化合物71に関してR=0.627)によってモニターした。反応の終了時、メタノール(5mL)を添加し、反応物を回転で濃縮し、残渣をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(0〜60%酢酸エチル:ヘキサンの勾配で15分の後に、60%酢酸エチル:ヘキサンで45分の溶出)を介して精製し、所望の化合物72(280mg、収率62%)を白色の粉末として得た。図44を参照されたい。1H NMR (CDCl3): δH 8.69 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.95 (m, 2H), 7.53 (m, 1H), 7.44 (m, 2H), 6.25 (m, 1H), 4.83 (m, 2H), 4.70 (m, 1H), 4.29 (m, 1H), 3.93 (m, 1H), 3.74 (m, 1H), 2.99 (m, 1H), 2.43 (s, 3H) and 2.41 (m, 1H) ppm.
次いで、化合物72を、先に記載した標準的な三リン酸エステル合成に従って三リン酸エステル73に変換した(図8における化合物5の合成を参照されたい)。
(実施例39)
化合物108の合成:
撹拌子を備えた1L丸底フラスコに、無水ピリジン100mL中の1,4−ブタンジオール(18.3g、203.13mmol)を充填し、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。次いでtert−ブチルジフェニルシリルクロリド(13.8mL、70mmol)を、シリンジを介して滴下し、反応物を室温まで徐々に加温して、撹拌を室温で12時間継続した。揮発物をロータリーエバポレーションによって除去し、残渣をシリカゲル80グラムに吸収させた。ヘキサン中の30〜50%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーを介する精製により、4−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−ブタン−1−オール、108(13.7g、収率59.5%、1:1/ヘキサン:酢酸エチルでのR=0.7)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 7.70 (m, 4H), 7.40 (m, 6H), 3.75 (m, 2H), 3.65 (2H, m), 1.70 (m, 4H), 1.09 (m, 9H,) ppm.合成を図53に例証する。
(実施例40)
化合物109の合成:
磁気撹拌子を備えた250mL丸底フラスコに、化合物108(6.07g、18.5mmol)および無水DMSO 90mLを充填した。酢酸(15mL)および無水酢酸(50mL)を逐次添加し、反応物を室温で20時間撹拌し、分液漏斗に移し、蒸留水300mLと酢酸エチル300mLの間で分液した。次いで、有機層を1Lビーカーに移し、飽和KCO水溶液(500mL)を使用して中和した。有機層を蒸留水(3×300mL)によって洗浄し、MgSOによって乾燥させた。揮発物を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル/97:3〜90:10)を介して精製し、4−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−1−O−(メチルチオメチル)−ブタン、109(5.15g、収率71.7%、9:1/ヘキサン:酢酸エチル中でR=0.8)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 7.70 (m, 4H,), 7.40 (m, 6H), 4.62 (s, 2H), 3.70 (m, 2H), 3.50 (m, 2H,), 2.15 (s, 2H), 1.70 (m, 4H), 1.08 (m, 9H) ppm. 合成を図53に例証する。
(実施例41)
化合物110の合成:
磁気撹拌子を備えた1L丸底フラスコに化合物109(15.5g、40mmol)、無水ジクロロメタン(450mL)、3Åモレキュラーシーブ(80g)およびトリエチルアミン(5.6mL)を充填し、反応物を、窒素雰囲気下、0℃で30分間撹拌した。次に、SOCl(ジクロロメタン中の1M溶液64mL)をシリンジを介して徐々に添加し、0℃で1時間撹拌した。次いで、氷浴を外し、無水DMF 20mL中のチオトシル酸カリウム(10.9g、48.1mmol)の溶液を一度に添加した。得られた混合物を室温で20分間撹拌し、DMF(20mL)中の3−メルカプト−3−メチルブタン−1−オール(4.4mL、36mmol)の溶液を含有する2L丸底フラスコに一度に添加した。反応物を室温で30分間撹拌し、次いでcelite−Sを通して濾過した。生成物を等量の酢酸エチルと水の間で分液した。有機抽出物を分液漏斗中で蒸留水によって洗浄した後、ロータリーエバポレーションによって粗生成物を濃縮した。酢酸エチル:ヘキサン勾配を使用するシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、表題の化合物110(5.6g、26%)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 7.67-7.70 (m, 4H), 7.37-7.47 (m, 6H), 4.81 (s, 2H), 3.81 (t, J = 6.73 Hz, 2H), 3.70 (t, J = 6.21 Hz, 2H), 3.59 (t, J = 6.55, 2H), 1.90 (t, J = 6.95 Hz, 2H), 1.58-1.77 (m, 4H), 1.34 (s, 6H), and 1.07 (s, 9H) ppm.合成を図53に例証する。
(実施例42)
化合物111の合成:
磁気撹拌子を備えた500mL丸底フラスコに、化合物110(5.1g、10.36mmol)、無水ピリジン(100mL)および1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)(3.36g、20.7mmol)を窒素雰囲気下で充填した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、無水ピリジン(50mL)中の2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)(7.6mL、51.8mmol)の溶液に注いだ。撹拌を1時間継続し、揮発物をロータリーエバポレーションによって除去した。得られた粗製物を、(CHCl中の0〜15%メタノール)を使用するシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーを介して精製し、化合物111(4.4g、収率65%)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 7.63-7.68 (m, 4H), 7.34-7.44 (m, 6H), 4.76 (s, 2H), 4.17 (t, J = 7.07 Hz, 2H), 3.65 (t, J = 6.16 Hz, 2H), 3.60 (s, 4H), 3.49-3.51 (m, 6H), 3.31-3.39 (m, 2H), 2.88 (m, 2H),1.9 (t, J = 7.06 Hz, 2H), 1.57-1.73 (m, 4H), 1.31 (s, 6H) and 1.03 (s, 9H) ppm.合成を図53に例証する。
(実施例43)
化合物113の合成:
磁気撹拌子を備えた50mL丸底フラスコに、化合物111(0.94g、1.42mmol)、無水THF(40mL)およびTBAF(THF中の1M溶液1.6mL、1.6mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で充填した。反応混合物を0℃で2.0時間撹拌し、その間にLC−MSにより、TBDPS保護基の完全な除去が示された。回転で揮発物を除去した後、生成物を、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中に0〜5%メタノールの勾配)を介して精製し、純粋な化合物112(0.284g、収率47%)を得た。MS(ES+)(M+H)の計算値429.21、m/zの実測値429.18。
次に、化合物112(0.217g、0.51mmol)を、窒素雰囲気下で無水アセトニトリル(13mL)に溶解し、0℃に冷却した。DIPEA(97.7μL、0.56mmol)およびFmoc−NHSエステル(273.6mg、0.81mmol)を添加し、反応物を0℃で2時間撹拌した。ヘキサン中での50〜90%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、半純粋な生成物が産生され、これを、CHCl中で2〜5%メタノールの勾配を使用するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーを介してさらに精製し、化合物113(0.245g、収率74%)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 7.70 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.59 (2H, d, J =7.6 Hz), 7.32 (2H, m), 7.24 (2H, m), 4.69 (2H, s), 4.35 (2H, m), 4.16 (1H, m), 4.09 (2H, m), 3.60-3.45 (12H, m), 3.36-3.26 (4H, m), 1.82 (2H, m), 1.60 (4H, m) and 1.22 (6H, s) ppm.合成を図53に例証する。
(実施例44)
化合物114の合成:
磁気撹拌子を備えた50mL丸底フラスコに、化合物7(170mg、0.26mmol)、無水アセトニトリル(15mL)、DSC(100mg、0.39mmol)およびDPIEA(68μL、0.39mmol)を充填した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、追加のDSC(100mg、0.39mmol)およびDIPEA(68μL、0.39mmol)を添加した。得られた混合物を室温で12時間撹拌した。反応の進行を、TLC(9:1/酢酸エチル:ヘキサン中、出発材料に関してR=0.4、生成物のR=0.8)によって追跡した。揮発物をロータリーエバポレーションによって除去し、残りの残渣を、ヘキサン−酢酸エチル勾配を使用する3回連続のシリカゲルカラムを介して精製し、化合物114(121mg、収率59%)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 7.81 (m,2H), 7.63 (m, 2H), 7.42 (m, 2H), 7.33 (m, 2H), 4.78 (s, 2H), 4.43 (m, 2H), 4.37 (t, J = 7.65 Hz, 2H), 4.25 (m, 2H), 4.18 (m, 2H), 3.67-3.55 (m, 10H), 3.39 (m, 4H), 2.84 (s, 4H), 1.88 (m, 4H), 1.73 (m, 4H), and 1.32 (s, 6H) ppm.合成を図53に例証する。
(実施例45)
化合物117の合成:
磁気撹拌子を備えた500mL丸底フラスコに、化合物68(7.3g、13.8mmol、デシケーター中で一晩予め乾燥)、無水ジクロロメタン(70mL)、シクロヘキセン(1.54mL、15.2mmol)および3Åモレキュラーシーブ(16.6g)を充填し、得られた懸濁液を、窒素雰囲気下、0℃で20分間撹拌した。次に、SOCl(ジクロロメタン中の1M溶液、32.7mL、2.36当量)を添加し、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。反応の進行を、出発材料(100%酢酸エチル)の消失についてTLCを介してモニターした。SOCl活性化が完了した後、DMF(120mL)中の(MeO)BnSH(7.4g、34.5mmol、2.5当量)およびNaH(1.32g、33.12mmol、鉱物油中で60%)の混合物を調製し、一度に急速に添加した。反応物を室温まで徐々に加温し、1時間撹拌した。反応混合物を濾過して、40℃の真空下で濃縮した。ヘキサン中の0〜60%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーによる精製によって、所望の化合物70(4.2g、収率43.7%)を透明な油として得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.72 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.94 (m, 2H), 7.52 (m, 1H), 7.44 (m, 2H), 6.41 (m, 1H), 6.03 (s, 2H), 4.67 (s, 2H), 4.50 (m, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.73 (m, 13H), 2.52 (m, 2H), 0.81 (s, 9H) and 0.002 (d, 6H) ppm.合成を図54に例証する。
(実施例46)
化合物71の合成:
磁気撹拌子を備えた200mL丸底フラスコに、N雰囲気下で化合物117(2.0g、2.87mmol)およびジクロロメタン(38mL)を充填し、氷水浴で冷却した。この混合物に、ジメチルジスルフィド(1.3mL、14.36mmol、5当量)を添加した後に、DMTSF(620mg、3.15mmol、1.1当量)をジクロロメタン(20mL)中の溶液として添加した。得られた混合物を室温まで徐々に加温し、さらに4時間撹拌した。次いで反応物を、NaHCOの飽和水溶液(100mL)を添加することによってクエンチし、ジクロロメタン(150mL×2)および酢酸エチル(200mL)によって抽出し、NaSOによって乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜60%酢酸エチルの勾配によって溶出)による精製によって、所望の化合物71(1.0g、62%)を白色の粉末として得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.69 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.94 (m, 1H), 7.51 (m, 1H), 7.42 (m, 2H), 6.41 (m, 1H), 4.82 (m, 2H), 4.57 (m, 1H), 4.15 (m, 1H), 3.77 (m, 2H), 2.61 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 0.81 (s, 9H) and 0.00 (d, 6H) ppm.合成を図54に例証する。
(実施例47)
化合物119の合成:
化合物71(562mg、1.25mmol)を、N雰囲気下で、撹拌子およびゴム栓を備えた丸底フラスコ中で無水THF(30mL)に溶解し、氷水浴で冷却した。次いでTBAF(THF中の1M溶液1.5mL、1.5当量)を滴下し、0℃で2時間撹拌した。反応の進行を、TLC(100%酢酸エチル、化合物119に関してR=0.2、化合物71に関してR=0.6)によってモニターした。反応の終了後、メタノール(5mL)を添加した。反応物を回転で濃縮し、残渣を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(0〜60%酢酸エチル:ヘキサンの勾配で15分の後に、ヘキサン中の60%酢酸エチルで45分の溶出)を介して精製し、所望の化合物119(280mg、収率62%)を白色の粉末として得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.69 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.95 (m, 2H), 7.53 (m, 1H), 7.44 (m, 2H), 6.25 (m, 1H), 4.83 (m, 2H), 4.70 (m, 1H), 4.29 (m, 1H), 3.93 (m, 1H), 3.74 (m, 1H), 2.99 (m, 1H), 2.43 (s, 3H) and 2.41 (m, 1H) ppm.
次いで、−SSMe切断を最小限にするために、10%NHOHによって室温で5時間処理することによって脱保護を実施したことを除き、以下に記載の標準的な三リン酸エステル合成方法を使用して、化合物119を三リン酸エステル120に変換した。収率25%;HRMS−ES:C122012の計算値、582.976、m/zの実測値582.975。合成を図54に例証する。
(実施例48)
化合物123の合成:
化合物121(2.5g、4.94mmol)をデシケーター中で一晩乾燥させ、N雰囲気下で、撹拌子およびゴム栓を備えた乾燥丸底フラスコ中で無水ジクロロメタン(25mL)に溶解した。シクロヘキセン(0.55mL、1.1当量)および無水3Åモレキュラーシーブ(6.0g)を反応混合物に添加し、得られた懸濁液を室温で20分間撹拌した。次いで、反応フラスコを氷塩水浴に入れて、温度を氷点下にし、SOCl(7.4mL、ジクロロメタン中の1M溶液)を、シリンジによって徐々に添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した後、0.5当量のSOClを添加して反応を終了させた。反応の進行を、TLCを介して出発材料の消失によりモニターした。次に、DMF(40mL)中の(MeO)BnSH(2.65g、12.35mmol、2.5当量)およびNaH(0.472g、11.85mmol、鉱物油中で60%)の懸濁液を別のフラスコで調製した。反応混合物を合わせて室温に徐々に加温し、1時間撹拌した。次いで反応混合物を、ガラス焼結漏斗を通して濾過してMSを除去し、50mM NaHPO水溶液(50mL)の添加によって濾液をクエンチし、ジクロロメタンによって抽出した。合わせた有機物を、NaSOによって乾燥させ、真空下で濃縮した。ヘキサン:酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、所望の化合物123(1.4g、収率42.2%)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.29 (m, 1H), 7.77 (m, 2H), 7.48 (m, 1H), 7.38 (m, 2H), 6.15 (m, 1H), 5.99 (m, 2H), 4.55 (m, 2H), 4.32 (m, 1H), 4.00 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.69 (m, 9H), 2.52 (m, 1H), 1.97 (m, 1H), 0.80 (m, 9H) and 0.01 (m, 6H) ppm.合成を図55に例証する。
(実施例49)
化合物124の合成:
化合物123(1.4g、2.08mmol)を、N雰囲気下で、撹拌子およびゴム栓を備えた200mL丸底フラスコ中で無水ジクロロメタン(42mL)に溶解し、0℃に冷却した。この混合物に、ジメチルジスルフィド(0.93mL、10.4mmol、5当量)を添加した後に、DMTSF(450mg、2.28mmol、1.1当量)を添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。反応物を、50mM NaHCO(100mL)の添加によってクエンチし、ジクロロメタン(100mL×2)によって抽出し、NaSOによって乾燥させ、真空下で濃縮した。生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0〜30%酢酸エチルの勾配によって溶出)によって精製し、所望の化合物124(0.93g、83.1%)を白色の粉末として得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.48 (m, 1H), 7.93 (m, 2H), 7.56 (m, 1H), 7.47 (m, 1H),7.37 (m, 2H) 6.00 (m, 1H), 4.73 (m, 2H), 4.34 (m, 1H), 4.07 (m, 1H), 3.84 (m, 1H), 3.73 (m, 1H), 2.44 (m, 1H), 2.33 (m, 3H), 2.25 (m, 1H), 0.76 (m, 9H) and 0.01 (m, 6H) ppm.合成を図55に例証する。
(実施例50)
化合物125の合成:
化合物124(930mg、1.73mmol)を、N雰囲気下で、撹拌子およびゴム栓を備えた100mL丸底フラスコ中で無水THF(52mL)に溶解し、氷水浴で0℃に冷却した。次いで、TBAF(THF中の1M溶液3.5mL、1.5当量)を滴下し、0℃で4時間撹拌した。反応の終了時、メタノール(5mL)を添加して反応物をクエンチし、揮発物を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜75%酢酸エチルの勾配)を介して精製し、所望の化合物125(425mg、収率58%)を白色の粉末として得た。1H-NMR (CDCl3): δH 8.24 (m, 1H), 7.81 (m, 1H), 7.51-7.42 (m, 2H), 7.41 (m, 2H), 6.09 (m, 1H), 4.80 (m, 2H), 4.50 (m, 1H), 4.17 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 2.58 (m, 1H), 2.40 (m, 3H) and 2.41 (m, 1H) ppm.合成を図55に例証する。
(実施例51)
化合物126の合成:
次いで、以下に記載の標準的な三リン酸エステル合成手順を使用して、化合物125を三リン酸エステル126に変換し、最終の脱保護ステップを、−SSMe切断を最小限にするために、10%NHOHによって室温で2時間処理することによって実施した。収率30%、HR MS−ES:C112013の計算値、558.965;m/zの実測値558.964。合成を図55に例証する。
(実施例52)
化合物130の合成:
磁気撹拌子を備えた100mL丸底フラスコに、127(2.0g、2.8mmol)を充填し、高真空下のデシケーター中でPにより12時間乾燥させた。ジクロロメタン(40mL)を、N下で添加し、得られた溶液を塩氷浴で15分間冷却した。シクロヘキセン(0.34mL、3.4mmol)を添加した後に、SOCl(3.4mL、ジクロロメタン中の1M溶液、3.4mmol)を滴下した。得られた混合物を30分間撹拌し、反応の進行を、TLC(酢酸エチル:ヘキサン/1:1、−CHCl分解生成物に関して127のR=0.5、128のR=0.15)によってモニターした。追加のSOCl(3.1mL、ジクロロメタン中の1M溶液、3.1mmol)を滴下し、化合物128への完全な変換を確実にするために、反応混合物をさらに40分間撹拌した。次いで、この混合物を0℃の高真空下で濃縮した。
次いで、N下で無水ジクロロメタン(40mL)を残渣に添加し、全ての固体が溶解するまで混合物を0℃で撹拌した。DMF(8mL)中のp−トルエンチオスルホン酸カリウム(0.96g、425mmol)の溶液を徐々に添加し、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を最初に0℃の減圧下で濃縮し、次いで室温で濃縮した。残渣を、ヘキサン中の0〜100%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルカラムによるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物130(1.1g、51%;TLC R:0.35、酢酸エチル:ヘキサン2:1)をクリーム色の固体として得た。MS(ES)m/z:733[M+1]。1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δH 8.02 (br.s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.88 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.45 (m, 4H), 7.38 (m, 6H), 7.27 (m, 2H), 6.01 (t, J=6.6 Hz 1H), 5.46 & 5.38 (AB, JAB=12.1 Hz, 2H), 4.97 (m, 1H), 3.86 (m, 1H), 3.74 (dd, J=12.5, 2.8 Hz, 1H), 3.55 (dd, J=12.5, 2.9 Hz, 1H), 2.87 (m, 1H), 2.65 (m, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.17 (m, 1H), 1.26 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.25 (d, J=6.9 Hz, 3H) ppm.合成を図56に例証する。
(実施例53)
化合物131の合成:
氷水浴中で冷却したジクロロメタン(無水、40mL)中の130(1.1g、1.5mmol)の溶液に、ジメチルジスルフィド(0.66mL、7.5mmol)をN下で添加した。得られた混合物を15分間撹拌し、NaSMe(0.23g、3.3mmol)を一度に添加した。得られた反応混合物を0℃で4時間撹拌し、反応の進行をTLC(酢酸エチル:ヘキサン/2:1、130のR=0.35、131のR=0.45)によってモニターした。混合物を、Celite−Sを通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製し、ヘキサン中の酢酸エチル(0〜100%)によって溶出し、化合物131(0.68g、75%;TLC R:0.45、酢酸エチル/ヘキサン/2:1)を白色の固体として得た。MS(ES)m/z:625[M+1]。1H NMR (CDCl3): δH 8.02 (s, 1H), 8.00 (br. s, 1H), 7.45 (m, 4H), 7.39 (m, 4H), 7.28 (m, 2H), 6.24 (t, J=6.2 Hz, 1H), 5.05 (m, 1H), 4.99 & 4.94 (AB, JAB=11.4 Hz, 2H), 4.27 (m, 1H), 3.99 (dd, J=12.5, 2.3 Hz, 1H), 3.86 (dd, J=12.5, 2.3 Hz, 1H), 3.12 (m, 1H), 2.74 (m, 1H), 2.52 (s, 3H), 2.50 (m, 1H), 1.30 (d, J=6.6 Hz, 3H) and 1.29 (m, 3H) ppm.合成を図56に例証する。
(実施例54)
化合物132の合成:
次いで、化合物131を、標準方法の節に記載した標準的な三リン酸エステル合成方法を介して三リン酸エステル132に変換した。収率25%;HRMS−ES:C122013の計算値、598.971、m/zの実測値598.970。合成を図56に例証する。
(実施例55)
化合物134の合成:
化合物133(4.47g、10.7mmol)および(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタンチオール(TMPM−SH)を、高真空下で2時間乾燥させ、次いで、Pによるデシケーター内に12時間入れた。化合物133を、無水CHCl(50.0mL)に溶解し、シクロヘキセン(10mL、96.6mmol)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、−10℃で15分間撹拌した。次に、新たに調製したCHCl中の1M SOCl(25mL、26.75mmol)の溶液を、滴下漏斗を介して滴下し、得られた混合物を−10℃で1時間撹拌した。浴温を10℃に維持しながら揮発物を真空下で除去した。次いで、残渣を無水DMF(52mL)に溶解し、窒素雰囲気下で維持した。
別のフラスコにおいて、(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタンチオール(4g、18.7mmol)を、窒素雰囲気下で無水DMF(48mL)に溶解し、0℃に冷却した。次いでNaH(1.1g、26.8mmol、鉱物油中で60%)を添加し、得られた灰色のスラリーを0℃で15分間撹拌した。これを前者の溶液に一度に添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで反応混合物を分液漏斗において分液した(150:300mL/塩水:酢酸エチル)。次いで、有機層を塩水(2×150mL)によって洗浄した。水層を逆抽出した(4×50mL酢酸エチル)。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムによって乾燥させた。溶媒を除去し、生成物を、シリカゲルカラムによるフラッシュクロマトグラフィー(カラム:RediSepRfGold−ISCO 120g、勾配ヘキサン中の0〜100%酢酸エチル)によって精製した。標的化合物134を、白色の固体として収率22%(1.35g)で得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.17 (s, 1H), 7.39 (d, 1H), 6.30 (m, 1H), 6.12 (s, 2H), 4.71 (dd, 2H), 4.43 (m, 1H), 4.04 (m, 1H), 3.87 (m, 1H), 3.83 (m, 9H), 3.74(dd, 1H), 2.74 (ddd, 1H), 2.34 (ddd, 1H), 1.93 (m, 2H) 1.53 (s, 3H), 0.93 (m, 9H), 0.11(m, 6H) ppm.LCMS(ESI) [M−H]実測値581、R=0.59(4:6ヘキサン−酢酸エチル)。化合物135はまた、副生成物として収率22.5%(1.13g)で単離された。1H NMR (CDCl3): δH 8.55 (s, 1H), 7.41 (m, 1H), 6.12 (M, 3H), 4.76 (dd , 2H), 4.47 (m, 1H), 4.01 (m, 1H), 3.90 (m, 1H), 3.82 (m, 9H), 3.75(m, 1H), 2.29 (m, 2H), 2.04 (s, 3H) and 1.91 (m, 2H) ppm.LCMS(ESI) [M−H]実測値467。合成を図57に例証する。
(実施例56)
化合物136の合成:
100mL丸底フラスコ中の化合物134(3.6g、6.2mmol)を、高真空下で2時間乾燥させ、次いでPによる真空デシケーターに12時間入れた。無水CHCl(96mL)およびジメチルジスルフィド(2.8mL、30.9mmol)を添加し、反応物を0℃に冷却した。次いで、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムテトラフルオロボレート(DMTSF、1.34g、6.82mmol)を添加して、反応物を0℃で1時間撹拌した。次に、反応混合物を250mL分液漏斗に移し、0.1M NaHCO水溶液90mLによって中和し、酢酸エチル(2×200mL)によって抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムによって乾燥させ、回転で濃縮した。残渣を、ヘキサン中の30〜50%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルカラムによるフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。標的化合物136を白色の固体(2.1g、収率77%)として得た。1H NMR (CDCl3): δH 7.99 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 6.29(dd, 1H), 4.87 (dd, 2H), 4.49 (m, 1H), 4.13 (m, 1H), 3.88 (m, 2H), 3.5 (m, 1H), 2.47 (s, 3H), 2.45 (dd, 1H), 2.04 (dd, 1H) and 1.54 (s, 2H) , 0.93 (m, 9H) and 0.13 (m, 6H) ppm.LCMS(ESI) [M−H]実測値447.0。合成を図57に例証する。
(実施例57)
化合物137の合成:
高真空下で2時間乾燥させた100mL丸底フラスコ中の化合物136(2.16g、4.8mmol)を、無水THF(40mL)に溶解させた後に、酢酸(1.2mL)およびTHF中のTBAF(1M溶液6.7mL、6.72mmol)を添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、室温でさらに2時間撹拌した。揮発物を真空下で除去し、残渣を、ジクロロメタン中の0〜8%メタノールの勾配を使用するRediSepRf goldカラム40gによるフラッシュクロマトグラフィーを介して精製した。標的化合物137を白色の固体(1.45g、収率90%)として得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.12 (s, 1H), 7.36 (d, 1H), 6.11(t, 1H), 4.87 (dd, 2H), 4.57 (m, 1H), 4.14 (q, 1H), 3.94 (dd, 1H), 3.83 (m, 1H), 2.50 (s, 3H), 2.4(m, 2H), 1.93 (s, 3H) ppm; LCMS (ESI) [M-H+]実測値333.合成を図57に例証する。
(実施例58)
化合物138の合成:
生成物138は、以下に記載の標準的な三リン酸エステル合成方法を使用して、化合物137のリン酸化後に得た。収率40%、HR LC−MS:C122114の計算値、573.965;m/zの実測値573.964。合成を図57に例証する。
(実施例59)
化合物141の合成:
磁気撹拌子を備えた100mL丸底フラスコに、化合物139(2.23g、3.55mmol)、CHCl(20mL)、3Åモレキュラーシーブ(3.5g)およびシクロヘキセン(0.60mL)を充填した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、室温で20分間撹拌した。反応物を0℃に冷却し、SOCl(5.4mL、CHCl中で1M、1.5当量)を、シリンジを介して徐々に添加した。反応物を0℃で1.5時間撹拌し、追加のSOCl(ジクロロメタン中の1M溶液)1.8mLを添加して、化合物140への完全な変換を確実にするために、撹拌を0℃で40分間継続した。浴温を10℃近くに維持しながら、揮発物を減圧下で除去した。得られた固体を無水DMF 20mLに再懸濁し、窒素雰囲気下で維持した。
別のフラスコにおいて、(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタンチオール(1.98g、9.25mmol)を無水DMF(15mL)に溶解し、NaH(247mg、鉱物油中で60%、6.17mM)によって処理し、暗灰色のスラリーを産生した。次に、化合物140の溶液を一度に添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を、蒸留水(150mL)と酢酸エチル(150mL)の間で分液した。有機層を蒸留水(2×150mL)によってさらに洗浄し、NaSOによって乾燥させた。揮発物を減圧下で除去し、残渣を、ヘキサン中の80〜100%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルカラムによるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。標的化合物141を白色の固体(798mg、28%)として得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.33 (s, 1H), 7.57 (m, 1H), 6.53 (m, 2H), 6.00 (s, 2H), 4.62 (m, 2H), 4.44 (m, 1H), 4.32 (m, 2H), 3.97 (m, 1H), 3.80-3.60 (m, 11H), 3.10 (m, 6H), 2.36 (m, 1H), 2.24 (m, 1H), 0.80 (m, 9H) and 0.01 (m, 6H) ppm.LC−MSによってさらに確認した:m/zの実測値795.25(M−H)。合成を図58に例証する。
(実施例60)
化合物142の合成:
磁気撹拌子を備えた100mL丸底フラスコに、化合物141(0.779g、0.98mmol、Pにより12時間真空乾燥)および無水THF(20.0mL)を充填し、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。TBAF(1.17mL、THF中の1M溶液、1.17mmol)を、シリンジを介して徐々に添加し、反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。次に、追加のTBAF(1mL、THF中の1M溶液、1mmol)を添加し、0℃で3時間反応させた。次いで、反応混合物を分液漏斗に移し、メタノール(5mL)の添加によってクエンチし、蒸留水(100mL)を添加し、反応物を酢酸エチル(2×100mL)によって抽出した。有機物をNaSOによって乾燥させ、真空下で濃縮した。ヘキサン中の80〜100%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルによる残渣のカラムクロマトグラフィーによって、化合物142を白色の粉末(525mg、79%)として得た。1H NMR (メタノール-d4): δH 8.33 (s, 1H), 7.19 (m, 1H), 6.06(m, 2H), 6.03 (m, 1H), 4.72 (m, 2H), 4.64 (m, 1H), 4.57 (m, 1H), 4.35 (m, 2H), 4.17 (m, 1H), 3.75 (m, 9H), 3.16 (m, 6H), 2.80 (m, 1H) and 2.28 (m, 1H) ppm; LC-MS: M-H実測値m/z 680.0.合成を図58に例証する。
(実施例61)
化合物143の合成:
化合物143は、標準方法の節に記載した標準的な三リン酸エステル合成手順を介して化合物142から合成した。収率65%、LRMS−ES:C253315S−の計算値、768.09;m/zの実測値768.54(M−H)。合成を図58に例証する。
(実施例62)
化合物144の合成:
50mL錐形管に、化合物143(HPLC等級の水中の5.25mM溶液3.80mL、20μmol)およびpH4.65の酢酸緩衝液(4.75mL)を充填し、pH4.65の酢酸緩衝液中で新たに調製したDMTSF(80mM)溶液9.0mLと迅速に合わせた。得られた混合物を室温で2時間振とうし、NaHCOの飽和水溶液(2mL)の添加によってクエンチした。生成物を、分取HPLC(カラム:30×250mm C18Sunfire、方法:100%Aで0〜2.0分の後に50%Bで70分、流速:25mL/分、A=50mM TEAB、B=アセトニトリル)によって直ちに精製した。適切な分画を凍結乾燥し、HPLC等級の水に溶解した後に合わせて、化合物144 23.4μmol(収率73%)を得た。LRMS−ES:C162312−の計算値、634.00、m/zの実測値634.42(M−H)。合成を図58に例証する。
化合物144を、標準方法の節に記載の手順に従って色素標識生成物(76)に変換した(図59)。化合物146を、2ステップで収率75%で得た。LRMS−ES:C345919の計算値、1090.20、m/zの実測値1090.24(M+H)。化合物76を146から収率50〜70%で得た。HRMS−ES:C678623の計算値、1605.393;m/zの実測値1605.380(M−H)。
(実施例63)
化合物150の合成:
250mL丸底フラスコに、化合物148(3.0g、4.58mmol)、無水CHCl 25mL、3Åモレキュラーシーブ(5.0g)およびシクロヘキセン(0.55mL、5.4mmol)を充填した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌した。次いで、反応フラスコを氷浴に入れ、SOCl(6.8mL、CHCl中で1M、1.5当量)を、シリンジを介して徐々に添加し、反応物を0℃で1時間撹拌した。次に、化合物149への完全な変換を確実にするために、追加の0.5当量のSOClを添加した。温度を10℃近くに維持しながら、揮発物を真空下で除去した。得られた固体を無水DMF 20mLに再懸濁し、窒素雰囲気下で維持した。
別のフラスコにおいて、(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタンチオール(2.45g、11.44mmol)を窒素雰囲気下で無水DMF(30mL)に溶解し、NaH(274.5mg、シリコン油中で60%)によって処理し、灰色のスラリーを産生した。これに、化合物149を一度に添加し、反応物を、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を、celite(登録商標)−Sを通して濾過し、酢酸エチル(100mL)によって洗浄した。酢酸エチル溶液を蒸留水(2×100mL)によって洗浄し、有機抽出物をNaSOによって乾燥させ、真空下で濃縮し、ヘキサン中の20〜50%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルカラムによるフラッシュカラムクロマトグラフィーを介して精製した。標的化合物150を白色の固体(1.2g、収率32%、R:0.4、ヘキサン:酢酸エチル/3:2)として得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.13 (m, 3H), 7.43 (m, 1H), 7.32 (m, 2H), 6.12 (m, 1H), 6.00 (s, 2H), 4.62 (m, 2H), 4.31 (m, 3H), 4.00 (m, 1H), 3.82-3.60 (m, 13H), 2.39 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 0.78 (m, 9H), and 0.01 (m, 6H) ppm.合成を図60に例証する。
(実施例64)
化合物151の合成:
化合物150(1.2g、1.46mmol)を、高真空下、デシケーター中でPによって一晩乾燥させ、磁気撹拌子を備えた100mLフラスコ中で無水CHCl 30mLに溶解した。これに、ジメチルジスルフィド(0.657mL、7.3mmol)を添加し、反応フラスコを氷浴に入れた。ジメチル(メチルチオ)スルホニウムテトラフルオロボレート(DMTSF、316mg、1.1当量)を添加し、0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を250mL分液漏斗に移し、0.1M NaHCO水溶液50mLによって中和し、CHCl(2×50mL)によって抽出した。有機層を、NaSOによって乾燥させ、ロータリーエバポレーションによって濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中の80〜50%酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルカラムによって精製し、化合物151 0.82g(収率82%、R=0.5、ヘキサン:酢酸エチル/3:2)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 8.15 (m, 3H), 7.42 (m, 1H), 7.35 (m, 2H), 6.11 (m, 1H), 4.80-4.65 (m, 2H), 4.34 (m, 1H), 4.28 (m, 2H), 4.10 (m, 1H), 3.83-3.67 (m, 2H), 2.49 (m, 1H), 2.34 (s, 3H), 1.90 (m, 1H), 0.78 (m, 9H), and 0.10 (m, 6H) ppm.合成を図60に例証する。
(実施例65)
化合物152の合成:
磁気撹拌子を備えた100mL丸底フラスコに、化合物151(0.309g、0.45mmol)、および無水THF 10.0mL(10.0mL)を充填し、窒素雰囲気下の氷浴に入れた。TBAF(0.72mL、THF中の1M溶液、0.72mmol)をシリンジを介して徐々に添加した。反応混合物を0℃で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を分液漏斗に移し、0.5M NaHCO水溶液液(50mL)によってクエンチした。次いで、得られた混合物を酢酸エチル(2×100mL)によって抽出し、NaSOによって乾燥させた。生成物152を、勾配7:3〜2:3ヘキサン:酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムによるシリカゲルカラムクロマトグラフィー後に白色の粉末として収率76%で得た(196mg、R=0.3、ヘキサン:酢酸エチル/1:1)。1H NMR (CDCl3): δH 8.40 (s, 1H), 8.25 (m, 2H), 7.60 (m, 1H), 7.52 (m, 2H), 6.21 (m, 1H), 4.90-80 (m, 2H), 4.65 (m, 1H), 4.40 (m, 2H), 4.25 (m, 1H), 4.05-3.85 (m, 2H), 2.62 (m, 1H), 2.50 (s, 3H) and 2.31 (m, 1H) ppm. 合成を図60に例証する。
(実施例66)
化合物153の合成:
化合物153は、以下に記載の標準的な三リン酸エステル合成方法を使用して化合物152のリン酸化後に収率30%で得た(LC−MS:C142313の計算値、610.98;m/zの実測値611.11(M−H)。これを、標準方法の節に記載した手順に従って、色素標識生成物(72)にさらに変換した(図61)。化合物155を、2ステップで収率49%で得て、化合物72を、収率60〜85%で得た。HRMS−ES:C536830 の計算値、1581.156(M−H);m/zの実測値1582.160。
(実施例67)
化合物159および160の合成:
磁気撹拌子を備えた100mL丸底フラスコに、化合物157(2.04g、2.39mmol)を充填し、高真空下で12時間乾燥させた。反応容器にアルゴンを流した後、無水CHCl 13mLおよびシクロヘキサンセン(cyclohexanesene)(0.30mL、2.86mmol)を逐次添加した。次いで、反応フラスコを氷塩水浴に入れて、10分間撹拌し、混合物を0℃未満にした。SOCl(4.0mL、CHCl中で1M、4.0mmol)を、シリンジを介して2分間滴下し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。追加の0.8当量のSOCl(2.0mL、2.0mmol)を1分間滴下し、反応物を0℃でさらに1/2時間撹拌した。次に、浴温を約10℃で維持しながら、揮発物を真空下で除去した。得られた固体を、無水DMF 15mLに再懸濁し、アルゴン雰囲気下で維持した。
別の100mLフラスコにおいて、(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタンチオール(TMPM−SH、1.27g、6.0mmol、一晩真空乾燥)を、アルゴン雰囲気下で無水DMF(16mL)に溶解し、NaH(195mg、油中で60%、4.88mmol)によって処理し、灰色のスラリーTMPMT−SNa塩を産生した。混合物を、気体の発生が収まるまで(約10分間)撹拌した。これに、TMPMT−SNa塩を一度に添加し、TLC(マイクロワークアップ:ジクロロメタン/水;溶媒:ヘキサン:酢酸エチル/1:1)によって完全な変換が確認されるまで(1時間)、混合物をアルゴン雰囲気下、室温で撹拌した。次いで、反応混合物を、濾過漏斗中でcelite(登録商標)−S(10g)を通して濾過し、生成物をジクロロメタン(100mL)によって溶出した。次いで、ジクロロメタン溶液を水(3×100mL)によって洗浄した。水層を3×100mLジクロロメタンによって抽出した。合わせたジクロロメタン抽出物をNaSOによって乾燥させ、ロータリーエバポレーションによって濃縮した。次いでこれを、フラッシュクロマトグラフィー(カラム:100g、勾配:25%〜50%ヘキサン:酢酸エチルで5CV、次いで50%EEで10CV)によって精製した。標的化合物160を、白色の泡(1.22g、収率51%)として得た。1H NMR (DMSO-d6): δH 10.63 (s, 1H), 10.15 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.3-7.5 (m, 8H), 7.20-7.3 (m, 2H), 6.40 (m, 1H), 6.15 (m, 1H), 4.69 (m, 2H), 4.50 (dd, 1H), 4.30 (m, 2H), 3.95 (m, 1H), 3.81 (m, 11H), 3.3 (m, 4H), 2.7 (m, 1H), 1.05 (m, 8H), 0.8 (m, 9H) and 0.11 (m, 6H) ppm.LCMS:1019.371Da。合成を図62に例証する。
さらに、TBDMS−脱保護生成物159を、副生成物として収率25%(0.48g)で得た。R=0.2/ヘキサン:酢酸エチル/1:1。1H NMR (DMSO-d6): δH 10.63 (s, 1H), 10.15 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.3-7.5 (m, 8H), 7.20-7.3 (m, 2H), 6.40 (m, 1H), 6.15 (m, 1H), 4.69 (m, 2H), 4.50 (dd, 1H), 4.30 (m, 2H), 3.95 (m, 1H), 3.81 (m, 11H), 3.5 (m, 1H), 3.3 (m, 4H), 2.7 (m, 1H), and 1.04 (m, 8H) ppm. LCMS: 905.286 Da.
(実施例68)
化合物161の合成:
磁気撹拌子およびゴム栓を備えた100mL丸底フラスコに、化合物160(0.36g、0.35mmol)を充填し、高真空下で12時間乾燥させた。アルゴンを流した後、無水ジクロロメタン7mLおよびジメチルジスルフィド(0.16mL、1.76mmol)を添加した。反応フラスコを氷浴に入れて、10分間撹拌し、混合物を0℃にした。次いで、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムテトラフルオロボレート(DMTSF、80mg、0.4mmol)を添加し、反応物を、TLC(マイクロワークアップ:ジクロロメタン/水;溶媒:ヘキサン:酢酸エチル/1:1)まで0℃で撹拌した。反応混合物を250mL分液漏斗に移し、0.1M NaHCO水溶液50mLによって中和し、CHCl(3×50mL)によって抽出した。有機層をNaSOによって乾燥させ、ロータリーエバポレーションによって濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラム(カラム:25g、勾配:10%〜50%ヘキサン:酢酸エチルで3CV、次いで50%酢酸エチルで5CV)によって精製した。標的化合物161を黄色の泡(0.23g、収率74%)として得た。合成を図62に例証する。
(実施例69)
化合物162の合成:
磁気撹拌子を備えた100mL丸底フラスコに、無水THF 7.0mLに溶解した化合物161(0.18g、0.20mmol)を充填し、アルゴン雰囲気下で氷浴に入れた。混合物を10分間撹拌して、0℃にし、酢酸0.28mLを添加した。TBAF(THF中で1M、0.47mL、0.47mmol)を、シリンジを介して1分間滴下した。反応混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで、室温で1時間撹拌した。TLC(ヘキサン:酢酸エチル/1:1)によりなおも、出発材料が示された。追加のTBAF(THF中で1M、0.47mL、0.47mmol)を、シリンジを介して1分間滴下し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次に、混合物をメタノール2mLによってクエンチし、室温で10分間撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:10g、ヘキサン:酢酸エチル/1:1〜100%で2CV、次いで100%酢酸エチルで20CV)によって精製し、化合物162を白色の泡(96mg、62%)として得た。合成を図62に例証する。
(実施例70)
化合物163の合成:
化合物163は、脱保護ステップにおいて、水酸化アンモニウムの代わりにAMAまたはメタノール性アンモニアを使用したことを除き、以下に記載の標準的な三リン酸エステル合成方法を使用して化合物162のリン酸化後に得た。これを、以下の標準手順に従って色素標識生成物78にさらに変換した。化合物78は、化合物165から収率97%で得た。HRMS−ES679627(M−H)の計算値1743.395、実測値1743.390。合成を図62に例証する。
(実施例71)
化合物169の合成:
100mL丸底フラスコに、化合物167(3.120g、5.66mmol)、無水CHCl 30.0mL、3Åモレキュラーシーブ(5.0g)およびシクロヘキサンセン(0.70mL、6.9mmol)を充填した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌した。次いで反応フラスコを氷浴に入れた。これに、SOCl(8.5mL、CHCl中で1M、1.5当量)を、シリンジを介して徐々に添加し、0℃で1時間撹拌した。次に、化合物168への完全な変換を確実にするために、追加の1M SOCl 4.0mLを添加して40分間撹拌した。温度を10℃近くに維持しながら、揮発物を真空下で除去した。得られた固体を、無水DMF 20mLに再懸濁し、窒素雰囲気下で維持した。
別のフラスコにおいて、(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタンチオール(3.028g、14.15mmol)を、窒素雰囲気下で無水DMF(40mL)に溶解し、NaH(566mg、油中で60%、14.15mM)によって処理し、灰色のスラリーを産生した。これに、化合物168の溶液を一度に添加して、窒素雰囲気下、室温で2.5時間撹拌した。次いで反応混合物を、酢酸エチル(200mL)と共にcelite(登録商標)−S(20g)を通して濾過した。次いで、酢酸エチル溶液を、蒸留水(3×200mL)によって洗浄し、NaSOによって乾燥させ、ロータリーエバポレーションによって濃縮し、RediSepRfGold 120g、勾配:ヘキサン:酢酸エチル(7:3〜3:7)によるフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。標的化合物(169)を白色の固体(1.43g、収率35.5%、R:0.5、ヘキサン:酢酸エチル/1:1)として得た。1H NMR (CDCl3): δH 7.98 (m, 1H), 6.09 (m, 1H), 6.00 (m, 2H), 4.67-4.51 (m, 2H), 4.30 (m, 1H), 4.22 (m, 2H), 4.00 (m, 1H), 3.80-3-60 (m, 11H), 2.31 (m, 1H), 1.83 (m, 1H), 0.80 (m, 9H) and 0.01 (m, 6H) ppm.合成を図64に例証する。
(実施例72)
化合物170の合成:
化合物169(1.43g、1.99mmol)を、高真空下でPによって12時間乾燥させ、磁気撹拌子および窒素ガス供給源を備えたフラスコ中で無水CHCl(25mL)に溶解した。これに、ジメチルジスルフィド(0.89mL、9.88mmol)を添加し、反応フラスコを氷浴で撹拌した。次いで、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムテトラフルオロボレート(DMTSF、430mg、2.19mmol)を添加し、0℃で1.0時間撹拌した。反応混合物を500mL分液漏斗に移し、50mM NaHCO水溶液100mLによってクエンチし、CHCl(2×150mL)によって抽出した。有機部分をNaSOによって乾燥させ、ロータリーエバポレーションによって濃縮した。粗生成物を、ヘキサン−酢酸エチル(8:2〜3:7)の勾配を使用するシリカゲルカラム(RediSepRf gold 80g)により精製し、化合物170 0.622g(収率54%、R=0.6、ヘキサン:酢酸エチル/1:1)を得た。1H NMR (CDCl3): δH 7.99 (brs, 1H, NH), 7.98 (s, 1H), 6.12 (m, 1H), 4.69 (m, 2H), 4.35 (m, 1H), 4.19 (m, 2H), 4.06 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.60 (m, 2H), 2.40 (m, 1H), 2.33 (s, 3H), 1.88 (m, 1H), 0.78 (m, 9H), and 0.10 (m, 6H) ppm.合成を図64に例証する。
(実施例73)
化合物171の合成:
磁気撹拌子を備えた100mL丸底フラスコに、化合物170(0.623g、1.06mmol、Pによって12時間真空乾燥)および無水THF(20.0mL)を充填し、窒素雰囲気下で氷浴に入れた。TBAF(1.27mL、THF中の1M溶液、1.27mmol)を、シリンジを介して徐々に添加した。反応混合物を0℃で1.5時間撹拌し、追加のTHF中の1M TBAF溶液0.9mLを添加して、0℃で、全体で4時間撹拌した。次いで、反応混合物を分液漏斗に移し、0.5M NaHCO溶液(50mL)によってクエンチした。得られた混合物を、酢酸エチル(2×100mL)によって抽出し、NaSOによって乾燥させた。勾配ヘキサン中の7:3〜3:7酢酸エチルを使用するRediSepRf 80gのカラムによるシリカゲルカラムクロマトグラフィー後に、生成物171を白色の粉末として収率63%(311mg)で得た。1H NMR (methanol-d4): δH 8.16 (s, 1H), 6.06 (m, 1H), 4.79 (m, 2H), 4.69 (m, 1H), 4.40 (m, 1H), 4.14 (m, 2H), 3.99 (m, 1H), 3.63 (m, 2H), 2.36 (m, 3H), 2.32 (m, 1H), and 2.08 (m, 1H) ppm, LRMS-ES-: M-H observed m/z 468.0 Da.合成を図64に例証する。
(実施例74)
化合物172の合成:
生成物172を、標準的な三リン酸エステル合成方法を使用して化合物171のリン酸化後に収率58%で得た。LRMS C142114 (M−H)の計算値 611.97、実測値 612.15。化合物171を、以下に記載の標準方法の節に記載の標準手順に従って色素標識生成物(74)へとさらに作製した(図65)。化合物174を、2ステップで収率74%で得た。HRMS−ES325521 (M−H)の計算値1066.15、実測値1066.42。化合物74を収率62%で得た。HRMS−ES598025 (M−H)の計算値、1507.330、実測値1507.325。
(実施例75)
三リン酸エステル合成の標準方法:
高真空下でPによって予め乾燥させたヌクレオシド(160μmol)およびプロトンスポンジ(1.5当量)を、25mLナシフラスコ中、N雰囲気下でトリメチルホスフェート(0.8mL)に溶解し、全ての固体が完全に溶解するまで20分間撹拌した。次いでフラスコを氷水浴に入れて、反応物を(−5〜0℃)にした。次いで、POCl(1.5当量)をシリンジを介して一度に添加し、反応物を1時間撹拌した。
ピロリン酸n−ブチルアンモニウム(0.36g)、n−BuN(0.36mL)、および無水DMF(1.3mL)の混合物を、15mL錐形管中で調製し、濃厚なスラリーを産生した。完全に溶解した後、これを、激しく撹拌中の混合物に一度に添加し、室温で15分間撹拌した。
次いで、反応混合物を250mL丸底フラスコ中で0.1M TEAB緩衝液100mLに注ぎ、室温で3時間撹拌した。次いで、これを真空下で25mLとなるまで濃縮し、水酸化アンモニウム(28〜30%NH含有量)25mLによって室温で8時間処理した。減圧下で揮発物のほとんどを除去した後、粗反応物を、0.1M TEAB緩衝液(30mL)に再懸濁し、C18分取−HPLC(30×250mm、C18 Sunfireカラム、方法:100%Aで0〜2分の後に50%Bで70分、流速25mL/分;A=50mM TEAB、B=ACN)によって精製した。標的分画を凍結乾燥し、HPLC等級の水(20mL)に溶解した後に合わせた。この半純粋生成物を、PL−SAX分取カラムによるイオン交換HPLC(方法:100%Aで0〜5分、次いで70%Bまでの線形勾配で70分、A=15%アセトニトリル水溶液、B=15%アセトニトリル中の0.85M TEAB緩衝液)によってさらに精製した。最終的な精製を、上記のようにC18分取HPLCによって実施した。ヌクレオシド三リン酸を凍結乾燥後、収率20〜65%で得た。
(実施例76)
DMTSFを使用して3’−OCHS−(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタン−dNTPを3’−(OCHSSMe)−dNTPに変換するための標準方法:
50mL錐形管に、3’−OCHS−(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタン−dNTP(HPLC等級の水中の5.25mM溶液3.80mL、20μmol)およびpH=4.65の酢酸緩衝液(5.20mL)を充填し、DMTSF(pH=4.65酢酸緩衝液中の80mM溶液)9.0mLと迅速に合わせた。得られた混合物を室温で2時間振とうし、反応物を飽和NaHCO溶液2.0mLによってクエンチし、30×250mm C18 Sunfireカラムによる分取HPLC、方法:100%Aで0〜2.0分の後に、50%Bまでの線形勾配で70分、流速:25mL/分、A=50mM TEAB、B=アセトニトリルによって直ちに精製した。標的分画を凍結乾燥し、HPLC等級の水に溶解した後合わせて、ヌクレオチドに応じて3’−(OCHSSMe)−dNTPを収率50〜75%で得た。3’−OCHS−(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタン−dNTPの構造の例を図66に例証する。
(実施例77)
NHS活性化リンカーのコンジュゲーションのための標準方法:
HPLC等級の水(2mL)に溶解したMeSSdNTP−PA(10μmol)を、新たに調製した0.5M NaHPO水溶液(1mL)によって希釈した。錐形管において、NHS活性化リンカー(NHS−A−Fmoc、114、35mg、2.5当量)を、無水DMF(2.0mL)に溶解した。次いで、MeSSdNTP−PA/NaHPO溶液を一度に添加し、室温で8時間撹拌した。
次いで、反応物を0.1M TEAB緩衝液(2.0mL)によって希釈し、ピペリジン(0.6mL)によって処理した。混合物を室温で1時間撹拌し、0.1M TEAB(10mL)によってさらに希釈し、30×250mm C18 Sunfireカラムによる分取HPLC、方法:100%Aで0〜2.0分の後に、50%Bまでの線形勾配で70分、流速:25mL/分、A=50mM TEAB、B=アセトニトリルによって迅速に精製した。標的分画を凍結乾燥し、HPLC等級の水に溶解した後合わせて、MeSSdNTP−A−NHを収率45〜75%で得た。
(実施例78)
NHS色素による標識のための標準方法:
HPLC等級の水2.0mL中のMeSSdNTP−A−NH(4.55μmol)を、15mL錐形管中でNaHPO(0.5M水溶液0.8mL)によって希釈し、無水DMF 1.4mL中のNHS活性化色素(2.5当量)と合わせた。反応混合物を室温で8時間撹拌し、0.1M TEAB緩衝液(40mL)によって希釈し、30×250mm C18 Sunfireカラムによる分取HPLC(方法:100%Aで0〜5分の後に、50%Bまでの線形勾配で70分、流速25mL/分)によって精製した。標的分画を凍結乾燥し、HPLC等級の水に溶解した後合わせて、標識生成物を収率50〜80%で得た。
(実施例79)
切断可能リンカーおよびマーカーの核酸塩基への結合
切断可能リンカーを結合させるために使用する好ましい部分の1つは、プロパルギルベースまたはアリルベースの部分である。切断可能リンカーおよび色素を結合させる他の手段も企図される。特に、色素切断後に残留リンカーがほとんどまたは全くない塩基部分との結合が特に好ましい。切断後に荷電を有しない残留リンカーが得られる塩基との結合も好ましい。これらの特色は、標識/色素の切断後に、ヌクレオチドが酵素によって核酸の成長する鎖に効率的に確実に取り込まれるために重要である。本発明によって企図される1つの特定の実施形態は、切断可能な色素に結合するためにヒドロキシメチル改変塩基部分の使用を含む。そのような化合物の例を、図71に示す。図72は、色素と3’−O保護基の切断後のヒドロキシメチル誘導体の構造を示す。
(実施例80)
切断可能リンカーおよび3’−O保護基の切断
多様な切断剤を使用して、本発明のリンカーおよび保護基を切断することができる。例えば、多様なチオール含有化合物を、(「Thiol-Disulfide Interchange」、Singh, R.およびWhitesides, G. M.、Sulfur-Containing Functional Groups;補遺S、Patai, S.編、J. Wiley and Sons, Ltd.、1993年、633〜658頁)[15]に記載のように使用することができる。還元チオール基を有する特定の化合物では、pKa、例えばジチオブチルアミン、DTBAを使用して、迅速かつ効率的な切断収率を得ることができる(Lukeshら、J. Am. Chem. Soc.、2012年、134巻(9号)、4057〜4059頁[16])。本発明の切断を実施するために使用することができるチオール含有化合物の例を、図73A〜73Iに示す。
本発明のジチオ終結基およびリンカーを切断するために適した別のクラスの化合物は、ホスフィンである(Harppら、J. Am. Chem. Soc.、1968年、90巻(15号)、4181〜4182頁[12]、Burnsら、J. Org. Chem.、1991年、56巻、2648〜2650頁[13]、Getzら、Analytical Biochemistry、273巻、73〜80頁(1999年)[14])。本発明のジチオベースの保護基およびリンカーを切断するために有用なホスフィンの例には、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリス−ヒドロキシメチル−ホスフィン(THMP)、トリス−ヒドロキシプロピル−ホスフィン(THPP)、トリス−カルボエトキシ−ホスフィン(TCEP)が挙げられる。ある特定の場合には、リンカーまたは3’−保護基のいずれかを選択的に切断することができることが望ましい場合がある。これは、保護基およびリンカーの設計ならびに切断試薬の選択によって行うことができる。例えば、3’−アジドメチルエーテル保護基とジスルフィドリンカー含有ヌクレオチドとの組合せをこの目的のために使用することができる。この場合、ジスルフィド架橋の選択的切断は、チオールベースの切断試薬を使用することによって行うことができ、3’−アジドメチルエーテル保護基の除去は、TCEPなどのホスフィンを使用することによって行うことができる。そのような手順の例を、図73A〜74C、図74A〜75C、および図75に例証する。図73A〜74Cは、起こっている化学反応のスキームおよび形成された化合物の構造を示し、図74A〜75Cは、各段階で収集されたHPLCクロマトグラムを示し、図75は、各ピークで抽出された吸収スペクトルを示す。ステップA)標識された3’−O−保護ヌクレオチドは、1つのピーク(1)を示し、ヌクレオチド(280nm;プロパルギル化合物の最大値は、280〜290nmへとシフトしていることに注意されたい)および色素(575nm)の両方で吸収を示す。ステップB)DTTによる処理は、色素(575nm)で吸収ピークを有し、かつより遅く移動する(より疎水性の)ピーク2、および(278nm)吸収を有し、かつより親水性の特徴のためにより速く移動するピーク3を産生する。ステップC)TCEPによってさらに処理すると、278で吸収最大を有するが3’−OH保護基の喪失と一貫してさらに低い保持時間でも色素を有しないピーク4を産生する。切断された色素はさらなるピーク(5、6)へと分割するが、いずれのピークも同一の吸収を有する。
切断の別の例を、図76A〜Eおよび図77A〜78Bに示す。図76A〜Eは、3’末端でジチオベースの保護基を有するヌクレオチドおよびジチオベースリンカーを使用する切断反応のスキームを示す。この図が示すように、切断反応は1ステップまたは2ステッププロセスで実施することができる。図77A〜78Bは、多様な切断剤:ジチオコハク酸、L−システイン、DTT、およびシステアミンを使用して実施した切断実験の結果を示す。図77Aは、切断剤ジチオコハク酸、L−システイン、DTT、およびシステアミンと共にインキュベーション後の出発材料および反応混合物に関して生成されたRP−HPLCクロマトグラムを示す。図77Bは、L−システイン、DTT、およびシステアミンの場合にはリンカーと3’−保護基の両方の完全な切断、ならびにジチオコハク酸の場合には、3’−O−保護基の選択的切断を示す、反応混合物の同定された組成を示す。これは、リンカーの構造、保護基、および切断剤の性質を選択することによって(すなわち、SH基のpKaおよび立体妨害の程度を変化させることによって)選択性を得ることができることを示している。これらに加えて、多様な適した切断剤、例えば、ビス(2−メルカプトエチル)スルホン(BMS)およびN,N’−ジメチル−N,N’−ビス(メルカプトアセチル)ヒドラジン(DMH)を使用することができる(Singhら、Bioorg. Chem.、22巻、109〜115頁、(1994年)[17])。セレノールを含めることによって反応をさらに触媒することができる(Singhら、Anal Biochem.、1995年11月20日;232巻(1号):86〜91頁[18])。ホウ化水素ナトリウムなどのホウ化水素もこの目的のために使用することができ(Stahlら、Anal. Chem.、1957年、29巻(1号)、154〜155頁[19])、アスコルビン酸も同様である(Nardaiら、J. Biol. Chem.、276巻、8825〜8828頁(2001年)[20])。さらに、ジスルフィドおよびチオレダクターゼなどのジスルフィド結合の酵素的切断方法もまた、周知であり、本発明の化合物と共に使用することができる(Holmgrenら、Methods in Enzymology、252巻、1995年、199〜208頁[21])。
(実施例81)
スカベンジャー
使用する切断剤に応じて、当業者は、切断反応の終了後に過剰量の切断剤を除去するスカベンジャーを選択する必要がある。例えば、チオール含有切断剤の場合、遊離のSH基と反応することができるスカベンジャーを使用することができる。例えば、ヨードアセトアミドまたはマレイミド誘導体などのアルキル化剤を使用することができる(参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,623,598号[49])。ホウ化水素の場合、当業者は、ケトン含有化合物、例えばレブリン酸または類似の化合物を使用することができる。最後に、過剰量の切断剤を非反応種に酸化させる酸化試薬、例えば過ヨウ素酸塩も使用することができる(Molecules、2007年、12巻(3号)、694〜702頁[50])。
(実施例82)
モジュラー合成
本発明の標識ヌクレオチドは、合成のいくつかのステップを必要とし、多様な色素を異なる塩基に連結することを伴う。リンカーおよび色素の結合を、段階的プロセスよりもモジュラー様式で行うことができることが望ましい。モジュラーアプローチは、一方の末端で保護基を有し、他方の末端で活性化基を有するリンカー部分を予め構築するステップを伴う。次いでそのような予め構築されたリンカーを使用して、プロパルギルアミンヌクレオチドにカップリングさせ、マスクされたアミン基を脱保護し、次いで活性化色素をカップリングさせることができる。これは、段階的合成と比較して少ないステップおよび高い収率という利点を有する。例えば、図13の化合物32は、活性化反応性基(ジスクシンイミジルカーボネート)およびマスクされた/保護されたアミン(Fmoc)と共に、切断可能な官能基を含む予め活性化されたリンカーの例である。プロパルギルアミンヌクレオチド上の遊離のアミンにカップリングさせた後、保護基を例えば、塩基(アンモニア水、ピペリジン)による処理によって都合よく除去することができ、活性化(NHS)色素分子にカップリングすることができる。
(実施例83)
本発明のリンカーを、その疎水性を測定するために試験した。化合物のlogP値は、n−オクタノールと水との間のその分配係数の対数であり、log(coctanol/cwater)は、化合物の親水性(またはその欠如)の良好に確立された測定である[51]。低い親水性、したがって高いlogP値は、不良な吸収または透過を引き起こす。この場合、予測ソフトウェアを使用してlogP値を計算し、以下の表は、結果を示し、リンカー(例えば、図25のリンカー)が疎水性リンカーであるが、一部の商業的に使用されるリンカーは親水性であることを示している。
(実施例84)
本実施例は、3’−0−(メチルメチレンジスルフィド)5−(N−トリフルオロアセチル−アミノプロパルギル)−dU((MeSSdU−PA(COCF3)、7)の合成を示す。図85を参照されたい。
A.5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−5−(N−トリフルオロアセチル−アミノプロパルギル)−2’−デオキシウリジン(5’-0-(tert-hu0,1dimethylsily1)-5-(N-trifluoroacetyl-aminopropargy1)-2’-deoxyuridine)(2)の合成:
5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−5−ヨード−2’−デオキシウリジン(1、25.00g、53.37mmol)を無水DMF(200mL)に溶解し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(6.16g、5.27mmol)およびCuI(2.316g、12.16mmol)によってアルゴン雰囲気下、室温で10分間処理した。次いで、N−トリフルオロアセチル−プロパルギルアミン(23.99g、157.8mmol)およびEtN(14.7mL、105.5mmol)を逐次添加し、室温で3.0時間撹拌した。次いで、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。得られた粗生成物を、EtOAc 500mLに溶解し、分液漏斗に移した。次いで、有機部分を飽和NaHCO(2×400mL)および飽和NaCl(2×400mL)溶液によってそれぞれ洗浄した。
次いで、EtOAc部分を無水Na2SO4によって乾燥させた。NaSO塩を濾過して除去した後、濾液の酢酸エチル部分を、ロータリーエバポレーターを使用して濃縮した。次いで、これを3×40gシリカゲルに結合させるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(1:1 Hex:EtOAc〜2:3 Hex:EtOAc、200g、15u HP puriflashカラム、3回注入)によって精製し、2 21.994g(収率83.88%)を得た。HR−MS:実測値492.1773、C20H29F3N3O6Si [M+11]+の計算値492.1699。1H-NMR in DMF-d7: 6H 11.65 (brs, 1H, NH), 10.15 (brs, 1H, NH), 8.15 (brs, 1H), 6.37 (t, J= 5.99 Hz), 5.42 (m, 1H), 4.41 (m, 1H), 4.37(brs、2H、プロパルギルアミン基のNH−CHに関して)、4.00 (m, 1H), 3.84-3.97 (m, 2H), 2.30 (m, 1H), 2.20 (m, 1H), 0.97 (s, 9H) and 0.19 (s, 6H) ppm.
B.5’−0−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’−0−(メチルチオメチル)−5−(N−トリフルオロアセチルアミノプロパルギル)−2’−デオキシウリジン(5’-0-(tert-butyldimethylsily1)-3’-0-(inethylthioinethyl)-5-(N-trifluoroacetylaminopropargy1)-2’-deoxyuridine)(3)の合成
先のステップで得られた化合物2(21.99g、44.77mmol)を、1000mL丸底フラスコ中でDMSO(90mL)に溶解した。次いでこれに、AcOH(40mL)および無水酢酸(132mL)を逐次添加し、室温で48時間撹拌した。反応混合物を、COガスの発生が停止するまで、飽和KCOによって徐々に中和した。次いで、混合物を分液漏斗に移し、さらに抽出した(2×500mL CHCl)。次いで、合わせた有機部分を飽和NaHCO3(1×500mL)によって洗浄し、NaSOによって乾燥させた。有機部分を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(Hex:EtOAc/7:3〜1:1)によって精製し、UtaisilfunitS4b§.03/n884 12.38gを得た。C22H33F3N3O6SSi(M+H)+の計算値 552.17。化合物3の1H-NMR(DMSO-d6): 6H 11.69 (s, 1H), 10.01 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 6.07 (m, 1H), 4.69 (m, 2H), 4.38 (m, 1H), 4.19 (m, 2H), 4.03 (m, 1H), 3.75 (m, 2H), 2.34 (m, 1H), 2.14 (m, 1H), 2.07 (s, 3H), 0.86 (s, 9H) and 0.08 (s, 6H) ppm.
C.3’−0−(TMPMT)−5’−0−(tert−ブチルジメチルシリル)−5−(N−トリフルオロアセチル−アミノプロパルギル)−2’−デオキシウリジン(5)の合成
丸底フラスコに、化合物3(3.120g、5.66mmol)、無水CHCl 30.0mL、3Aモレキュラーシーブ(5.0g)およびシクロヘキセン(0.70mL、6.9mmol)を充填した。次いで、反応フラスコを氷浴に入れた。これに、SOCl(8.5mL、CH2C12中で1M、1.5当量)を、シリンジを介して徐々に添加し、0℃で1時間撹拌した。次に、化合物4への完全な変換を確実にするために、余分の1M SOCl 4.0mLを添加し、さらに40分間撹拌した。温度を10℃近くに維持しながら、揮発物を真空下で除去した。得られた固体を、無水DMF 20mLに再懸濁し、窒素雰囲気下で維持した。
別のフラスコにおいて、(2,4,6−トリメトキシフェニル)メタンチオール(3.0g、14.15mmol)を、窒素雰囲気下で無水DMF(40mL)に溶解し、NaH(566mg、油中で60%、14.15mM)によって処理し、灰色のスラリーを産生した。これに、化合物4の溶液を一度に添加し、窒素雰囲気下、室温で2.5時間撹拌した。次いで反応混合物を、漏斗中でcelite(登録商標)−S(20g)を通して濾過し、EtOAc(200mL)によって生成物を溶出した。次いで、EtOAc溶液を、蒸留水(3×200mL)によって洗浄した。EtOAc抽出物をNa2SO4によって乾燥させ、ロータリーエバポレーションによって濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(カラム:RediSepRfGold 120g、勾配:7:3 Hex:EtOAc〜3:7 Hex:EtOAc)によって精製した。標的化合物(5)を白色の固体(1.43g、収率35.5%、Rf:0.5、Hex:EtOAc/1:1)として得た。1 H NMR (CDC13): 8H 7.98 (m, 1H), 6.09 (m, 1H), 6.00 (m, 2H), 4.67-4.51 (m, 2H), 4.30 (m, 111), 4.22 (m, 2H), 4.00 (m, 1H), 3.80-3-60 (m, 11H), 2.31 (m, 1H), 1.83 (m, 1H), 0.80 (m, 9H) and 0.01 (m, 6H) ppm.
D.3’−0−(メチルメチレンジスルフィド)−5’49−(tert−ブチルジメチルシリル)−5−(N−トリフルオロアセチルアミノプロパルギル)−2’−デオキシウリジン(3’-0-(methylmethylenedisulfide)-5’49-(tert-butyldimethylsi/lyl-5-(N-trifluoroacetylaminopropargy1)-2’-deoxyuridine)(6)の合成
化合物5(1.43g、1.99mmol)を、高真空下のデシケーター中でP2O5によって一晩乾燥させ、磁気撹拌子および窒素ガス供給源を備えるフラスコ中で無水CHCl 25mLに溶解した。これに、ジメチルジスルフィド(0.89mL、9.88mmol)を添加し、反応フラスコを氷浴で撹拌した。次いで、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムテトラフルオロボレート(DMTSF、430mg、2.19mmol)を添加し、0℃で1.0時間撹拌した。反応混合物を、500mL分液漏斗に移し、50mM NaHCO水溶液100mLによってクエンチし、CHCl(2×150mL(15OrnL))によって抽出した。有機部分をNaSOによって乾燥させ、ロータリーエバポレーションによって濃縮した。粗生成物を、勾配8:2/Hex:EtOAc〜3:7/Hex−EtOAcを使用するシリカゲルカラム(RediSepRf gold 80g)によって精製し、化合物6 0.622g(収率54%、RF=0.6、Hex:EtOAc/1:1)を得た。1H NMR (CDC13): 811 7.99 (brs, 1H, NH), 7.98 (s, 1H), 6.12 (m, 1H), 4.69 (m, 2H), 4.35 (m, 1H), 4.19 (m, 2H), 4.06 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.60 (m, 2H), 2.40 (m, 1H), 2.33 (s, 3H), 1.88 (m, 1H), 0.78 (m, 9H), and 0.10 (m, 6H) ppm.
E.3’−O−(メチルメチレンジスルフィド)−5−(N−トリフルオロアセチル−アミノ−プロパルギル)−2’デオキシウリジン(7)の合成
磁気撹拌子を備えた丸底フラスコに、化合物6(0.623g、1.06mmol、Pによって一晩真空乾燥)および無水THE(20.0mL)を充填し、窒素雰囲気下で氷浴に入れた。TBAF(1.27mL、1.27mmol、1M溶液中)を、シリンジを介して徐々に添加した。反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。次いで、余分の1M TBAF 0.9mLを添加し、氷冷温度で全体で4時間撹拌した。次いで反応混合物を分液漏斗に移し、0.5M NaHCO溶液(50mL)によってクエンチした。得られた混合物をEtOAc(2×100mL)によって抽出し、NaSOによって乾燥させた。勾配7:3〜3:7 Hex:EtOAcを使用するRediSepRf 80gのカラムによるシリカゲルカラムクロマトグラフィー後に、生成物7を白色の粉末として収率63%(311mg)で得た。1H NMR (Me0H-d4): 611 8.16 (s, 1H), 6.06 (m, 1H), 4.79 (m, 2H), 4.69 (ni, 1H), 4.40 (m, 1H), 4.14 (m, 2H), 3.99 (m, 1H), 3.63 (m, 2H), 2.36 (m, 3H), 2.32 (m, 1H), and 2.08 (m, 1H) ppm.LC−MSによってさらに確認した:M−H m/zの実測値 468.0。
(実施例85)
本実施例は、3’−0−(メチルメチレン(methylinethylene)ジスルフィド)−5−(アミノプロパルギル)−2’−デオキシウリジン(3’-0-(methylinethylenedisulfide)-5-(aminopropargy1)-2’-deoxyuridine;MeSSdUTPPA、8)の合成を示す。図86AおよびBを参照されたい。化合物7の真空乾燥試料(155mg、330nmol)およびプロトンスポンジ(100mg)を、Ar雰囲気下で磁気撹拌子を含有する25mLナシフラスコに入れた。固体を、トリメチルホスフェート(1.4mL)に懸濁し、全ての固体が完全に溶解するまで室温で30分間撹拌した。次いで、フラスコを氷塩水浴に入れて、10分間撹拌し、フラスコを氷点下の温度(−5〜0℃)にした。次いで、POCl(50[IL、570nmol)を、マイクロシリンジを使用して一度に添加した。次いで、混合物を同じ温度で1時間撹拌した。次に、ピロリン酸−BuN−DMFのプレミックスを、15mL遠心分離管中で可能な限り迅速に調製し、濃厚溶液(ピロリン酸−BuNH+ 0.73g、BuN 0.73mL、無水DMF 2.6mL)を産生した。完全に溶解した後、混合物を、激しく撹拌中の反応混合物に急速に一度に添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌した。次いで反応混合物を、500mL丸底エバポレーションフラスコ中で0.1M TEAB緩衝液200mLに注いだ。混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を水酸化アンモニウム60mL(28〜30%NH含有量)によって室温で1時間処理した。次いで、混合物をロータリーエバポレーションによって濃縮し、分取HPLC(19×250mm、C18 Sunfire、Waters、方法:100%Aで0〜2分の後に、20%Bで70分、流速14mL/分;A=50mM TEAB、B=ACN)によって精製した。標的分画(R=32〜37分)を凍結乾燥し、HPLC等級の水に溶解した後合わせて、MeSSdUTP−PA、8 103nmol(収率58%)を得た。生成物を、LC−MSによって確認した:m/z(M−H) 612.00。
(実施例86)
本実施例は、MeSSdUTP−ARA−NH2、11の合成を示す。
化合物MeSSdUTP−PA(8)を、15mL遠心分離管にアリコートにした(6.92mMで2.16mL=15.tmol)。これをHPLC等級の水0.8mLおよびHPLC等級の水中で新たに調製した0.5M NaHPO 1.5mLによって希釈した。別の管に、活性化リンカーNHS−ARA−Fmoc(10、44f.imol)35mgを無水DMF 3.0mLに懸濁した。この溶液を、MeSSdUTP−PA/Na2HPO溶液に一度に添加し、手動で軽く振とうした。次いで、これをシェーカー上に置いて、室温で一晩反応させた。翌日、HPLC分析により、コンジュゲート生成物(10)への定量的変換が示された。これを0.1M TEAB緩衝液1.0mLによって希釈した。これに、ピペリジン0.7mLを添加し、室温のシェーカー上で1時間撹拌した。次いで生成物を、30×250mm C18 Sunfire−Watersカラム上による分取HPLC、方法:100%Aで0〜2.0分の後に50%Bで70分、流速:25mL/分、A=50mM TEAB、B=アセトニトリル、1回のみの注入によって直ちに精製した。標的分画(Rf=46分)を合わせて凍結乾燥し、最終生成物をHPLC等級の水に溶解し、濃度をUV分光法によって決定し、MeSSdUTPARA−NI−12、11 6.8nmol(2ステップで収率45%)を得た。生成物を、LR−LC−MSによってさらに確認した:m/zの実測値 1067。
(実施例87)
本実施例は、本明細書において紹介した切断試験の一般的方法を表す。
100mM切断試薬(表1を参照されたい)の保存溶液を、15.0mL遠心分離管において1.0M TE緩衝液(pH8.5、Sigma#T9285)中で調製した。次いで、そのうちの20μLアリコート(2,000nmol)を、1.0mL遠心分離管中で蒸留水76.9μLによって希釈し、6.5mM MeSSdUTP−ARA−NH2(11、20nmol)3.07μLを添加し、総体積100litLとした(最終濃度:20mM切断剤、0.2mMヌクレオチド、200mM TE緩衝液)。混合物の管を、予め加熱したサーモサイクラー上で軽く振とうしながら65℃で加熱した。10分後、混合物を、LC−MSによって直ちに分析した。%変換を波長280muで抽出したそれぞれのピークの相対的ピーク面積によって決定した。
本発明は、これらの好ましい実施形態を参照して記載されているが、他の実施形態も同じ結果を達成することができる。本発明の変形形態および改変は、当業者に明白であり、そのような全ての改変および同等物が、添付の特許請求の範囲に含まれると意図される。上記で引用した全ての出願、特許、および刊行物、ならびに対応する出願の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
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Claims (39)

  1. DNA配列中の標識ヌクレオチドを検出するための方法であって、
    a)核酸鋳型および前記鋳型にハイブリダイズしてプライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を形成することが可能なプライマー、チオール含有化合物を含む切断試薬および切断スカベンジャー試薬を提供するステップと、
    b)DNAポリメラーゼおよび第1のデオキシヌクレオシド三リン酸を前記プライマーおよび鋳型に添加して反応混合物を作製するステップであって、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸が核酸塩基および糖を含み、前記糖が3’−Oに切断可能な保護基を含み、前記切断可能な保護基がメチレンジスルフィドを含み、前記デオキシヌクレオシド三リン酸が、切断可能なオキシメチレンジスルフィド含有リンカーを介して前記核酸塩基に結合した第1の検出可能な標識をさらに含む、ステップと、
    c)前記反応混合物を、DNAポリメラーゼ触媒プライマー伸長反応を可能にする条件に供して改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を作製するステップであって、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸が組み込まれている、ステップと、
    d)前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体中の前記デオキシヌクレオシド三リン酸の前記第1の検出可能な標識を検出するステップと、
    e)前記切断可能な保護基および前記検出可能な標識を前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体から除去する条件下で前記切断試薬を導入するステップと、
    f)前記切断スカベンジャー試薬を導入するステップと
    を含む方法。
  2. 前記切断試薬がジメルカプトプロパンスルホネートを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ジメルカプトプロパンスルホネートが緩衝液中にある、請求項2に記載の方法。
  4. 前記緩衝液がCHESである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記切断試薬のpHが9.0〜10.0の間である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記切断試薬の前記pHが9.5である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記切断スカベンジャーが酸化的スカベンジャーである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記酸化的スカベンジャーが過酸化水素である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記過酸化水素が緩衝液中にある、請求項8に記載の方法。
  10. 前記緩衝液がTRISである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記TRIS緩衝液が、8.5〜9.0の間のpHにある、請求項10に記載の方法。
  12. 前記TRIS緩衝液が8.8のpHにある、請求項11に記載の方法。
  13. 前記酸化的スカベンジャーがtert−ブチルペルオキシドである、請求項7に記載の方法。
  14. ステップb)の前記反応混合物がフローセル中にある、請求項1に記載の方法。
  15. 前記フローセルが移動支持体上に配置されている、請求項14に記載の方法。
  16. 前記移動支持体が回転ステージである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記フローセルの少なくとも一部が透明である、請求項14に記載の方法。
  18. 前記フローセルが機器内に組み込まれている、請求項14に記載の方法。
  19. ステップb)の繰り返しの間に、第2のデオキシヌクレオシド三リン酸を添加するステップをさらに含み、前記第2のデオキシヌクレオシド三リン酸が第2の切断可能なオキシメチレンジスルフィドリンカーを介して結合した第2の検出可能な標識を含み、前記第2の検出可能検出可能な(detectible detectable)標識が前記第1の検出可能検出可能な(detectible detectable)標識と異なる、請求項1に記載の方法。
  20. 前記チオール含有化合物がビシナルジチオール系化合物である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記第2のデオキシヌクレオシド三リン酸の前記核酸塩基が、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸の前記核酸塩基と異なる、請求項20に記載の方法。
  22. A、G、CおよびTまたはUのアナログを表す、少なくとも4種の異なって標識された、3’−Oメチレンジスルフィドでキャップされたデオキシヌクレオシド三リン酸化合物の混合物が、ステップb)で使用される、請求項1に記載の方法。
  23. 前記検出するステップが、前記組み込まれた第1のデオキシヌクレオシド三リン酸の核酸塩基の決定を可能とする、請求項22に記載の方法。
  24. DNA配列中の標識ヌクレオチドを検出するための方法であって、
    a)核酸鋳型および前記鋳型にハイブリダイズしてプライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を形成することが可能なプライマー、ならびにフローセルを提供するステップであって、前記フローセルが、チオール含有化合物を含む切断試薬を含む第1のリザーバーおよび酸化的洗浄液を含む第2のリザーバーと流体連通する、ステップと、
    b)DNAポリメラーゼおよび第1のデオキシヌクレオシド三リン酸を前記プライマーおよび鋳型に添加して、前記フローセル中で反応混合物を作製するステップであって、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸が核酸塩基および糖を含み、前記糖が3’−Oに切断可能な保護基を含み、前記切断可能な保護基がメチレンジスルフィドを含み、前記デオキシヌクレオシド三リン酸が切断可能なオキシメチレンジスルフィド含有リンカーを介して前記核酸塩基に結合した第1の検出可能な標識をさらに含む、ステップと、
    c)前記反応混合物を、DNAポリメラーゼ触媒プライマー伸長反応を可能にする条件に供して改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体を作製するステップであって、前記第1のデオキシヌクレオシド三リン酸が組み込まれている、ステップと、
    d)前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体中の前記デオキシヌクレオシド三リン酸の前記第1の検出可能な標識を検出するステップと、
    e)前記切断可能な保護基および前記検出可能な標識を前記改変プライマー/鋳型ハイブリダイゼーション複合体から除去する条件下で前記切断試薬を前記第1のリザーバーから前記フローセルに導入するステップと、
    f)前記酸化的洗浄液を、前記第2のリザーバーから、前記フローセルに導入するステップと
    を含む方法。
  25. 前記切断試薬が、ジメルカプトプロパンスルホネートを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ジメルカプトプロパンスルホネートが緩衝液中にある、請求項25に記載の方法。
  27. 前記緩衝液がCHESである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記切断試薬のpHが9.0〜10.0の間である、請求項24に記載の方法。
  29. 前記切断試薬の前記pHが9.5である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記酸化的洗浄液が過酸化水素を含む、請求項24に記載の方法。
  31. 前記過酸化水素が緩衝液中にある、請求項30に記載の方法。
  32. 前記緩衝液がTRISである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記酸化的洗浄液がtert−ブチルペルオキシドを含む、請求項24に記載の方法。
  34. 1つまたは複数のDNA配列決定試薬、使用説明書、酸化的スカベンジャー、およびチオール含有化合物を含む切断試薬を含むキット。
  35. 前記チオール含有化合物がジメルカプトプロパンスルホネートである、請求項34に記載のキット。
  36. 前記酸化的スカベンジャーが過酸化水素である、請求項34に記載のキット。
  37. 前記酸化的スカベンジャーがter−ブチルペルオキシドである、請求項34に記載のキット。
  38. 前記1つまたは複数のDNA配列決定試薬が、ポリメラーゼ、プライマー、鋳型およびヌクレオチドを含む群から選択される、請求項34に記載のキット。
  39. 溶液中で鋳型にハイブリダイズしたプライマーを含むフローセルであって、前記溶液がチオール含有化合物および酸化的スカベンジャーを含む、フローセル。
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