本発明は、電気道路システム(ERS)を使用する車両の集電装置、及びこの集電装置を使用して動作する車両に関する。
本発明は、トラック、バス及び建設機械などの車両に適用することができる。本発明を商用車について説明するが、本発明は、この特定車両に限らず、多関節式ホーラー(articulated haulers)の形態をとる作業機械などの大型車両、又は自動車などの車両で使用することもできる。
電気道路システム(ERS)を走行する車両には、道路表面に配置された電流導体から車両へと電力を伝達して、車両を走行させたり、車両に搭載された高電圧バッテリなどの蓄電手段を充電させたりするように構成された集電装置が備えられている。電流導体は、道路に沿って延びる一対の平行なトラックを備えることができる充電面であり、トラックが集電装置を介して車両に直流電流(DC)を供給することができる。
集電装置は通常、例えば、アクチュエータによって充電に最適な位置に展開する、ピックアップユニットが取り付けられたリトラクタブルアームを備えている。この目的のために使用されるアクチュエータは、架空電線用のパンタグラフで使用されるアクチュエータとはまったく異なっている。ERS車両の集電装置は、車両が走行しているとき、電流導体と接触する展開中に移動が制御されなければならない。また、集電装置は、アーク放電を防止するために、電力伝達中に電流導体に接触するか、又は無接点充電中に電流導体に少なくとも十分近接する、ピックアップユニットを保持できなければならない。
他の問題は、ERSで使用される電圧及び電流が非常に大きいため、電気的安全及びガルバニック絶縁が最も重要なことである。従って、車両の下方又は側方に一般的に配置されて、泥、ごみ、水、氷雪などに晒される集電装置は、動作中に、頑丈で耐えることができ、システムの構成部品を電気的に絶縁しなければならない、重要な構成部品の1つである。
本発明の目的は、現在の最先端技術を改良し、上記の問題を少なくとも部分的に軽減して、改良された集電装置を提供することである。本発明は、集電装置において、改良された電気的な分離を提供するかクリープ電流の可能性を低減することができる、改良された集電装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、これら及び他の目的は、道路の表面に配置された電流導体と車両との間で電力を伝達するために車両に搭載された集電装置によって少なくとも一部が満たされる。集電装置は、集電装置を車両に結合するベースと、ベースに対して動作可能に結合された細長い集電アームと、ベースから遠位の細長い集電アームに取り付けられた集電ピックアップヘッドと、細長い集電アームに配置された少なくとも1つのベーンと、を備え、少なくとも1つのベーンが、細長い集電アームの表面積を増加させるように構成されている。
ガルバニック絶縁は、一般的に、高電圧部品と集電装置のベースが取り付けられる車両のシャーシ構造との間の機械的な非導電絶縁によって達成される。しかしながら、絶縁表面が汚れると絶縁表面に沿って電流が流れることがあるので、機械的な絶縁を使用して電流クリープを対処することが困難であるという問題がある。材料の表面抵抗は、材料の表面積と共に増加し、抵抗が増加するにつれて、材料を通って流れる電流が小さくなる。例えば、車両が690ボルト及び200アンペアで充電されている場合、表面積によるクリープ電流距離は、集電装置の長さよりはるかに長くなる。実際には、クリープ電流距離は、スウェーデンにおける大型トラックの最大法定長さに近づいている。従って、細長い集電アームを長くすることによって、この表面積に依存する表面抵抗を達成することは不可能である。
上述した電流クリープの問題に対する解決策は、細長い集電アームの表面を隆起させることであり、これによって絶縁材料の表面積が増加する。しかしながら、外部の自動車環境において、隆起を埋めて広い表面積を小さくする泥、塩水飛沫及び他の汚れにシステムが晒されるので、換言すると、堆積された泥の上面に沿って電流が流れるので、これは電流クリープの問題が一時的に解決されるだけである。
本発明は、クリープ電流のリスクは、細長い集電アームに配置された少なくとも1つのベーンによって低減されるという認識に基づいており、少なくとも1つのベーンは、集電ピックアップヘッドからベースに延びる細長い集電アームに沿った面積を増加させるように構成されている。また、少なくとも1つのベーンは、ベーンの表面、特に、車両の移動方向とは反対側の面が汚れる前に、車両の下方の過酷な環境で長持ちする。
「ベーン」という表現は、細長い集電アームの長手方向軸から半径方向に延びる構造的特徴であると理解すべきである。ベーンは、細長い集電アームの全周に亘って延びることができる。その代わりに、ベーンは、細長い集電アームの円周の一部からのみ延びていてもよい。
細長い集電アーム及び集電ピックアップヘッドは移動可能である。換言すると、細長い集電アームの第1の端部はベースに取り付けられ、細長い集電アームの第1の端部とは反対側の第2の端部は自由である。集電ピックアップヘッドは、細長い集電アームの第2の端部に又は第2の端部に向かって取り付けられている。例えば、集電ピックアップヘッドは、細長い集電アームの中間と第2の端部との間のどこにでも取り付けることができる。
以下の説明では、「電気道路システム」という用語は、略語ERSによって説明される。ERSは、導電システム又は誘電システムを含むことができる。導電システムは、2本の平行なレールを備えた導体とこれに対応するコレクタとの間の直接接触を必要とし、DC電力又はAC電力を伝達する。誘電システムは、道路表面に埋め込まれた電磁送信コイルと電気的に共鳴する車両の受信コイルとを使用して、道路上の磁束を車両で使用する電気エネルギに変換し、車両のバッテリを充電するか電気モータを駆動する。
本明細書では、「集電装置」という用語は、路面内又は路面上の電気エネルギ供給源から電力を伝達するのに適した装置の総称として使用されている。このタイプの集電装置は、ピックアップとも呼ばれる集電器又は同様な装置を備えている。集電器は、電流導体と接触するように配置されるか、非接触式充電の場合にはトラックの上方に正確に配置される。集電器は、一般的に、車両に対して集電器が少なくとも上下方向、及びオプションとして左右方向にも移動可能にする制御可能なアセンブリを介して車両に取り付けられている。この移動は、例えば、水平なピボットジョイントの周りに道路表面に向かって上下方向に枢動すると共に垂直なピボットジョイントの周りに円弧で左右方向に枢動することができる集電アームによって、又は第1のガイドに沿って上下方向に移動すると共に車両の左右方向に取り付けられた第2のガイドに沿って左右方向に移動するホルダによって達成される。従って、集電器が移動して電流導体を追跡すると言う場合、この装置が移動して、集電装置の構成部品が電流導体に対して最適な位置に配置されることを可能にすることを意味している。これに関連して使用される「電流導体」という用語は、一対の対応する電流導体接触部品を備えたピックアップユニットによって接触される、2本の平行なレールや同様なものを備えている。その代わりに、電流導体は、電磁誘導でエネルギを受け取るために必要な電気部品を備えたピックアップユニットによって取り組まれる。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、少なくとも1つのベーンは、集電ピックアップヘッドに向かって傾斜している。換言すると、少なくとも1つのベーンは、車両の主な移動方向とは反対側を向く開口を持った円錐、例えば、後方を向く円錐を形成している。傾斜したベーンを持つことによって、ベーンの表面に汚れが到達して付着するリスクが低減する。代替的な実施形態では、円錐形のベーンは、細長い集電アームの長手方向軸に垂直な断面で見たとき、長方形、正方形又は他の任意の形状を有していてもよい。例えば、長方形又は正方形のベーンは、幾何学的なピラミッド形状を形成する。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ベーンはまた、細長い集電アームの周りに非対称であってもよく、車両に向かうよりも道路に向かってより大きな半径距離を有している。このようなベーンは、集電装置のバランスウェイトとして作用することができる。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、集電装置は、少なくとも2つのベーンを備えている。その代わりに、集電装置は、少なくとも3つのベーンを備えていてもよい。その代わりに、集電装置は、少なくとも5つのベーンを備えていてもよい。複数のベーンを設けることによって、クリープ電流を克服するのに必要な、細長い集電アームに沿った表面積が大きくなる。また、塩分、泥及び他の導電性ごみがベーン間に形成された溝を埋めることができないような大きさ及び向きにベーンをすることができる。これによって、クリープ電流のリスクが更に低減する。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ベーンは少なくとも1cm離れている。換言すると、ベーンの表面が少なくとも1cm離れており、形成されたエアギャップがベーン間のスパークの可能性を低減する。また、小さな距離、例えば、1cmは、ベーン間に形成された溝に汚れが入り込まないようにする。しかしながら、原則として、ベーンは、1cm〜100cmなどの任意の適切な距だけ離れていればよい。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、細長い集電アームの長手方向軸からの1つ以上のベーンの傾斜角度は、10°〜30°である。その代わりに、細長い集電アームの長手方向軸からの1つ以上のベーンの傾斜角度は、30°〜60°、60°〜80°又は80°〜90°である。この傾斜角度は、1つのベーン又は複数のベーンの各ベーンによって形成される円錐の開先角度(opening angle)として理解される。小さい角度は空気抵抗を低減することができ、大きな角度は細長い集電アームの製造及び/又は取り付けを容易にするベーンを提供することができる。上述したように、円錐形状は、長方形又は正方形のベーン、即ち、幾何学的なピラミッド形状を形成するベーンからも達成可能であると解釈すべきである。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、細長い集電アームが、車両の前後方向軸に対して上下移動及び左右移動を制御可能に配置され、集電装置が、集電ピックアップヘッドの上下移動及び左右移動をもたらすように配置された少なくとも1つのアクチュエータを更に備えている。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、1つ以上のベーンが空気力学的に形づくられている。換言すると、1つ以上のベーンの形状は、ベーンによって生じる抵抗係数を低減するように選択されている。従って、1つ以上のベーンは、裁頭円錐形(spherically blunted cone)、双円錐形(bi-conic shape)、タンジェントオジーブ円錐形(tangent ogive cone)、裁頭タンジェントオジーブ円錐形、割線オジーブ形(secant ogive shape)、楕円円錐形(elliptical cone)、放物線状の円錐形(parabolic cone)として形成されていてもよい。このようなベーンの特定形状及びパラメータは、もちろん、使用される(ベーンの)大きさ及び数に依存している。
本発明はまた、上述した集電装置を備えた車両に関する。本発明をトラックやバスなどの商用車について説明するが、本発明は、この特定車両に限らず、大型車両、多関節式ホーラーの形態をとる作業機械、又は自動車などの車両で使用することもできる。
本発明の第2の態様によれば、上記の目的はまた、道路の表面に配置された電流導体と車両との間で電力を伝達するために車両に搭載された集電装置の細長い集電アームによって少なくとも一部が満たされる。細長い集電アームは、細長い集電アームに配置されて、細長い集電アームの表面積を増加させるように構成された、少なくとも1つのベーンを備えている。
本発明のこの第2の態様の効果及び特徴は、本発明の第1の態様に関連して上述したものと大部分類似している。特に、第2の態様による細長い集電アームは、今日使用されている細長い集電アームの代わりのものとして、例えば、道路上の破片との衝突によってベーン若しくは細長い集電アームが損傷したり、摩耗や割れにより交換したりする必要がある場合の代わりのものとして、使用することができる。簡潔にするため、第1の態様について上記で概説した例示的な実施形態は、第2の態様について繰り返さずに、当業者は、これらが第2の態様でも十分有利に使用できることを理解する。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、細長い集電アームは中実であってもよい。その代わりに、細長い集電アームは中空であってもよい。また、断面形状、即ち、細長い集電アームの長手方向軸に垂直な断面で見た場合の細長い集電アームの断面形状は、正方形、長方形、円形、楕円形、多角形又は任意の他の形状であってもよい。
本発明の更なる特徴及びこれを備えた利点は、添付の特許請求の範囲及び以下の説明を検討すると明確になるであろう。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の異なる特徴を組み合わせて、以下に説明する実施形態以外のものを作り出せることができることを理解する。
以下の明細書において、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。これらの概略図は、説明の目的のみで使用されており、決して本発明の範囲を限定するものではない。
電気道路システムを走行する集電装置を備えた概略的な車両を示している。
集電装置の概略正面図を示している。
代替的な集電装置の概略正面図を示している。
本発明の一実施形態に係る集電装置の概略斜視図を示している。
本発明の一実施形態に係る集電装置の概略斜視図を示している。
本発明の一実施形態に係る集電装置の概略斜視図を示している。
本発明の一実施形態に係る集電装置の概略斜視図を示している。
本発明の一実施形態に係る集電装置の概略斜視図を示している。
本発明の一実施形態に係る集電装置の概略斜視図を示している。
以下、本発明の現在好ましい実施形態が示される添付の図面を参照して、本発明をより十分に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は徹底性及び完全性のために提供され、本発明の範囲を当業者に十分伝えるものである。全体を通して、類似の参照符号は類似の要素を示している。
一般的に、車両のシャーシ構造に到達するクリープ電流のリスクを低減することを目的とする集電装置の実施形態をここで説明する。最初に、図1、2及び3を参照して、一般的な集電装置を説明する。その後、図4〜9を参照して、本発明の実施形態を明らかにする。
図1は、概略的な電気道路システム(ERS)を示し、車両100に電力を供給する電流導体130が設けられた道路110を車両100が走行している。車両100は、道路110の表面に配置された平行な電流導電レール140を含んだ電流導体130と接触するように降下することができる、導電性の集電装置120を備えている。車両は、電気自動車又はハイブリッド電気自動車とすることができる。
集電装置120は、集電装置120を車両100のシャーシ構造に結合して取り付けるベース170と、格納された非作動の第1の位置と展開された作動の第2の位置との間で移動可能に配置された細長い集電アーム150と、を備えている。使用中、適切なアクチュエータ(図示せず)を使用して、集電アーム150及びピックアップユニット160を降下させて電流導体130と接触させる。1つ以上のアクチュエータは、集電装置120のベース170に配置することができる。ピックアップユニット160は、一対の接触子(contact element)161,162を有している。図1は、作動位置にある集電アーム150を示している。集電アーム150を車両100の少なくとも上下方向に動かす適切なアクチュエータが備えられている。集電ピックアップヘッド160は、ベース170から遠位の細長い集電アーム150に取り付けられていることに留意されたい。換言すると、集電ピックアップヘッド160及びベース170は、細長い集電アーム150の両端に配置されている。
適切な電力ケーブルが一般的に使用されて、ピックアップユニット160及び一対の接触子161,162から車両の電気接点に電流を伝達することに留意されたい。簡略にするために、すべての図面で電力ケーブルを省略する。しかしながら、当業者であれば、細長い集電アームの外側で、細長い集電アームの内側で、又はピックアップユニット160及び一対の接触子161,162からの電流伝達のための電気接続ができるような他の任意の方法で、電力ケーブルを導くことができることを理解する。
この明細書では、集電装置は、車両の水平軸を持ったピボットに対して直線経路又は円弧経路のいずれかで上下方向に移動することができる、ピックアップユニットの移動可能な集電アームを備えたものとして説明されている。このようなアームの配置手段はまた、車両の垂直軸を持ったピボットに対して直線経路又は円弧経路のいずれかで、車両の左右方向にアームを移動させるアクチュエータ手段を備えることができる。その代わりに、水平配置手段は、電気的に制御可能な車両の操舵システムに接続された適切な制御手段を備えることができる。電気導体に対する車両の左右方向の配置は、一対の操舵可能な車輪を使用して行うことができる。例えば、車両が左右方向に移動して、集電器を保持する移動可能なアームの左右方向の範囲内に集電器を持って来なければならない場合、上述の手段の組み合わせを使用して配置することができる。集電装置の設計については以下でより詳細に説明する。
図2は、集電装置220の概略正面図を示している。集電装置220は、道路210の概略断面の上方に配置された概略的に示す車両200に搭載されている。DC電流を供給する第1及び第2の電力レール231,232を備えた電流導体230は、道路210の表面に配置されている。集電装置220は、集電アーム250と、一対の接触子261,262を持って第1及び第2の電力レール231,232のそれぞれから電流を集めるピックアップユニット260と、を備えている。集電アーム250は、車両200に近接した格納された第1の位置P1から電流導体230と接触した作動の第2の位置P2に集電アーム250を移動する垂直配置手段(図示せず)に取り付けられている。垂直移動を矢印Vで示す。第1及び第2の接触子261,262が第1及び第2の電力レール231,232のそれぞれと上下方向に位置合わせされたことが検知されると、作動の第2の位置への集電アーム250の降下が行われる。その代わりに、電流導体が検知されて最適な左右位置に向かって操舵されると、作動の第2の位置に向かって移動を始めてもよい。集電アーム250は、集電アーム250を左右方向に移動する水平配置手段270を介して、車両200に取り付けられている。
図2では、集電アーム250は、第2の位置P2に向かって移動中の中間位置に示されている。集電アーム250が第2の位置P2に降下するに先立って、電流導体230を探索して追跡する必要がある。図2の例によれば、電流導体230の探索及び追跡は、電流導体230の間又はこれらに近接して配置された信号ケーブル275の位置を検出するために使用される、1つ以上の垂直アンテナ(図示せず)を使用して行うことができる。しかしながら、本発明は、電流導体を探索するこの方法に限られない。
図2に示す例では、集電アーム250及び垂直配置手段は、水平配置手段270に取り付けられている。垂直配置手段は、矢印Vで示すように、車両200の上下方向に集電アーム250及びピックアップユニット260を移動させるように配置されている。水平配置手段270は、矢印Tで示すように、車両200の左右方向に集電アーム250及びピックアップユニット260を移動させるように配置されている。水平配置手段270は、車両200の左右方向に集電アーム250を移動させるように制御され、最初に、電流導体230を探索して引き続き追跡する。第1及び第2の接触子261,262を第1及び第2の電力レール231,232のそれぞれと上下方向に位置合わせして維持するように追跡が行われる。
図3は、代替的な集電装置320の概略正面図を示している。集電装置320は、道路310の断面の上方に配置された車両300に搭載されている。DC電流を供給する第1及び第2の電力レール331,332を備えた電流導体330は、道路310の表面に配置されている。集電装置320は、集電アーム350と、第1及び第2の電力レール331,332のそれぞれから電流を集める一対の接触子361,362を持ったピックアップユニット360と、を備えている。集電アーム350は、車両300に近接した格納された第1の位置から電流導体330と接触する(図示する)作動の第2の位置へと、集電アーム350を移動させる垂直配置手段(図示せず)に取り付けられている。第1及び第2の接触子361,362が第1及び第2の電力レール331,332のそれぞれと上下方向に位置合わせされると、作動の第2の位置への集電アーム350の降下が行われる。その代わりに、電流導体が検知された後に最適な左右位置に向かって操舵されると、作動の第2の位置に向かって移動が開始されてもよい。集電アーム350は、垂直軸Xの周りに集電アーム350を移動させる枢動手段370を介して、車両300に取り付けられている。この移動中、ピックアップユニット360は、車両300の垂直軸Xに対して円弧経路に沿って移動する。
上記の集電装置に関して一般的には、電流導体は、道路表面の長手方向において所定の左右位置に配置されることが望ましいが、必ずしもそうとは限らない。車両は、車両及び/又は道路上若しくは道路に沿った適切な道路マーカーに対する電流導体の位置を検知及び/又は探索する手段(図示せず)を備えている。集電装置は、直線移動又は円弧移動のいずれかで、車両の前後方向軸に対して上下移動及び左右移動を制御可能なように配置された、移動可能な集電アームを備えている。車両の前後方向軸は、車両の主な前方移動方向に延びている。下方への垂直移動が行われて、集電アームの自由端に搭載された接触子を備えたピックアップユニットを最適な充電位置に配置して電流伝達が行われる。電流伝達が中断されると、上方への垂直移動が行われて、集電アームを格納する。集電装置は、集電アームの垂直移動をもたらすように配置された、ベースに搭載された制御可能な1つ以上のアクチュエータと、少なくとも電流伝達及び集電アームの移動を制御する制御ユニット(図示せず)を備えていてもよい。制御ユニットは、車両がERS道路に出入りするときを検知し、集電アームを完全に展開した後に電力伝達を開始し、集電アームを格納するに先立って電力伝達を中断するように構成されている。
従って、作動中、車両がERS道路に入ったか、及び格納位置から電流導体と接触する展開位置へと集電アームを移動すべきかが最初に判定される。信号がECUに伝達され、ECUが集電アームを下方に向かって展開させる1つ以上のアクチュエータに信号を伝達する。集電アームが電流導体と接触する最終位置に到達すると、1つ以上のアクチュエータによって加えられる圧力は、電流導体との十分な接触力を保証する下方へと向かう力を引き起こす。
その後、車両がERS道路を出ようとしており、かつ集電アームを展開位置から格納位置へと移動させるべきかを判定することができる。その代わりに、集電アームの格納又は車両の回避行動が必要な、電流導体上に障害物が検知されると、格納を開始することもできる。信号がECUに伝達され、ECUが1つ以上のアクチュエータに信号を伝達して集電アームを上方に向けて格納する。集電アームが車両に近接した格納位置に到達すると、ECUは1つ以上のアクチュエータに信号を伝達してその作動を停止させる。
図4は、本発明に係る集電装置120の例示的な実施形態を示している。簡潔にするために、集電装置120は、すべての意図及び目的に対する起動及び移動に関する機能において、図1,2及び3に関連して上述した集電装置と同様である。集電装置120は、ベース170と、細長い集電アーム150と、集電ピックアップヘッド160と、を備えている。ベース170は、車両に取り付けられている。細長い集電アーム150は、ベース170から自由端に取り付けられた集電ピックアップヘッド160に向かって延びている。換言すると、細長い集電アーム150は、第1の端部でベース170に取り付けられている。第1の端部とは反対側の細長い集電アーム150の第2の端部には、集電ピックアップヘッド160が取り付けられている。細長い集電アームの第2の自由端は、図1,2及び3に関連して上述したように自由に移動する。従って、集電ピックアップヘッド160は、ベース170から遠位の細長い集電アーム150に取り付けられている。
集電装置120は、集電ピックアップヘッド160とベース170との間の表面積を増加させることで、クリープ電流が集電ピックアップヘッド160からベースへと到達する可能性を低減する、ベーン180を更に備えている。ベーン180は、細長い集電アーム150を中心とする円板として形成されている。換言すると、細長い集電アームは、縦軸と、集電アーム150の縦軸から半径方向に延びるベーン180と、を持っている。ベーン180は、適切な距離、例えば、ベーンの半径が5cm〜50cmの範囲内で半径方向に延びることができる。図4において、ベーン180は、細長い集電アーム150の両端部間の略中間に配置されている。しかしながら、原則として、細長い集電アーム150に沿ったどこにでもベーン180を配置することができる。
ベーン180は、細長い集電アーム150とは別体であり、接着剤、溶接、ナット及びボルト装置、圧着(crimp fit)などの任意の公知手段を介して取り付けられている。その代わりに、ベーン180は、細長い集電アーム150と一体形成されていてもよい。従って、ベーン180は、細長い集電アーム150と同じ材料、又は他の材料から作られていてもよい。ベーン180は、ステンレス、アルミニウム、チタニウム、プラスチック又は金属合金など、軽量で丈夫な材料で作ることができる。同様に、細長い集電アーム150は、ステンレス、アルミニウム、チタニウム、プラスチック又は金属合金など、軽量で丈夫な材料で作ることができる。ベーン180及び/又は細長い集電アーム150は、車両の下方の過酷な状態からベーン及び/又は細長い集電アーム150を保護するコーティング(図示せず)を備えることができる。コーティングは、電気的に絶縁されていることが好ましい。コーティングは、疎水性及び/又は疎油性とし、ベーン180及び/又は細長い集電アーム150の表面上の汚れの除去を容易にすることができる。
図5は、集電装置の代替的な実施形態を示し、ベーン280が集電ピックアップヘッド160に向かって傾斜している。換言すると、ベーン280は、集電ピックアップヘッド160に向かう開口を持った円錐として形成されている。集電ピックアップヘッド160が集電アーム150の自由端に配置されているので、円錐形のベーン280は、集電装置が搭載された車両の主な移動方向とは反対側を向く開口を持つこととなる。従って、後方を向く表面として定義されるベーン280の内面は、水、泥、氷及び雪などの汚れからさらに保護することができる。
図6は、本発明の概念による集電装置の他の実施形態を示している。集電装置は、細長い集電アーム150に配置された円錐として形成された3つのベーン280a,280b,280cを備えている。3つのベーン280a,280b,280cは離れている。その間隔は、3つのすべてのベーン間で等しくてもよく、任意の2つのベーン間で間隔に差があってもよい。ベーン280a,280b,280cのそれぞれの間の間隔は少なくとも1cmである。従って、3つのベーン280a,280b,280cは、離れていることからそれらの間に溝を形成する。これは、3つのベーン280a,280b,280cの間の溝に汚れが入り込むリスクが低減することを意味している。また、複数のベーンを利用することによって、表面積が更に増加する。従って、図6には3つのベーン280a,280b,280cが示されているが、本発明の概念は、離れている2つのベーン、又は4つ以上のベーンを備えた実施形態を包含していることが理解される。
図7は、ベーン280(先においては280a,280b,280c、ここではまとめて280と示す)が細長い集電アーム150の長手方向軸に対して形成する、傾斜角度αを図示する切り欠きを持った図6の実施形態を示している。傾斜角度は、1つ以上のベーンの設計考慮に応じて変更することができる。例えば、傾斜角度αは、0°〜90°とすることができる。当然のことながら、90°の傾斜角度は、図4に示すベーン180となるが、0°の傾斜角度は、ベーンが形成されていないことを示している。従って、傾斜角度αは、しばしば、10°〜80°とすることができる。例えば、傾斜角度αは、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°又は85°であってもよい。また、切り欠きは細長い集電アーム150が中実であることを示しているが、細長い集電アーム150は中空であってもよいことに留意されたい。さらに、細長い集電アーム150は、図面で示されている正方形や長方形などの特定の断面形状に限らず、円形や楕円の断面であってもよい。
図8及び9は、本発明の概念による集電装置の他の実施形態を示している。図8及び9のベーンはそれぞれ、円錐380及び円板480として形成されている。ベーン380,480は、細長い集電アーム150の周りで非対称であり、車両に向かってよりも道路に向かってより大きな半径距離を持っている。換言すると、ベーン380,480の半径方向への広がりは、上方より下方に向かって大きくなっている。ベーン380,480は、集電ピックアップヘッド160とベース170との間の表面積を増加させて、道路からの汚れを防止する。また、非対称なベーン380,480は、集電装置のバランスウェイトとしても機能し、これによって集電装置の安定性を高めることができる。
1つ以上のベーンは、原則として任意の形状をとることができ、本明細書に示された実施形態に限定されない。特に、1つ以上のベーンは、長方形、正方形としたり、任意の他の形状を持ったりすることができる。1つ以上のベーンはまた、細長い集電アームの周りに非対称とすることができ、図8及び9に示すように、車両に向かってよりも道路に向かってより大きい半径方向の距離となっている。このようなベーンは、集電装置のバランスウェイトとして作用することができる。
また、上記説明で言及された傾斜角度αは、ベーンの設計、数及びベーンの望ましい空気抵抗に応じて選択することができる。さらに、ベーンは、図面に示す円錐形以外の他の形状、例えば、裁頭円錐形、双円錐形、タンジェントオジーブ円錐形、裁頭タンジェントオジーブ形、割線オジーブ形、楕円円錐形、放物線状の円錐形などに設計することができる。このようなベーンの特定形状及びパラメータは、もちろん、使用される(ベーンの)大きさ及び数に依存している。
また、図4に関連して説明した具体的かつ例示的な材料及び取付は、図4〜9で説明した1つ以上のベーンのすべての実施形態に適用可能であることを理解されたい。図4に関連して説明したコーティングは、もちろん、図4〜9で説明した1つ以上のベーンのすべての実施形態に適用可能であり、簡潔のために省略されているだけである。
本発明は、上述及び図示の実施形態に限定されないことを理解されたい。むしろ、当業者であれば、添付の特許請求の範囲内で、多くの変更、変形及び修正がなされ得ることを認識するであろう。
本発明は、電気道路システム(ERS)を使用する車両の集電装置、及びこの集電装置を使用して動作する車両に関する。
本発明は、トラック、バス及び建設機械などの車両に適用することができる。本発明を商用車について説明するが、本発明は、この特定車両に限らず、多関節式ホーラー(articulated haulers)の形態をとる作業機械などの大型車両、又は自動車などの車両で使用することもできる。
電気道路システム(ERS)を走行する車両には、道路表面に配置された電流導体から車両へと電力を伝達して、車両を走行させたり、車両に搭載された高電圧バッテリなどの蓄電手段を充電させたりするように構成された集電装置が備えられている。電流導体は、道路に沿って延びる一対の平行なトラックを備えることができる充電面であり、トラックが集電装置を介して車両に直流電流(DC)を供給することができる。
集電装置は通常、例えば、アクチュエータによって充電に最適な位置に展開する、ピックアップユニットが取り付けられたリトラクタブルアームを備えている。この目的のために使用されるアクチュエータは、架空電線用のパンタグラフで使用されるアクチュエータとはまったく異なっている。ERS車両の集電装置は、車両が走行しているとき、電流導体と接触する展開中に移動が制御されなければならない。また、集電装置は、アーク放電を防止するために、電力伝達中に電流導体に接触するか、又は無接点充電中に電流導体に少なくとも十分近接する、ピックアップユニットを保持できなければならない。
他の問題は、ERSで使用される電圧及び電流が非常に大きいため、電気的安全及びガルバニック絶縁が最も重要なことである。従って、車両の下方又は側方に一般的に配置されて、泥、ごみ、水、氷雪などに晒される集電装置は、動作中に、頑丈で耐えることができ、システムの構成部品を電気的に絶縁しなければならない、重要な構成部品の1つである。
本発明の目的は、現在の最先端技術を改良し、上記の問題を少なくとも部分的に軽減して、改良された集電装置を提供することである。本発明は、集電装置において、改良された電気的な分離を提供するかクリープ電流の可能性を低減することができる、改良された集電装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、これら及び他の目的は、道路の表面に配置された電流導体と車両との間で電力を伝達するために車両に搭載された集電装置によって少なくとも一部が満たされる。集電装置は、集電装置を車両に結合するベースと、ベースに対して動作可能に結合された細長い集電アームと、ベースから遠位の細長い集電アームに取り付けられた集電ピックアップヘッドと、細長い集電アームに配置された少なくとも1つのベーンと、を備え、少なくとも1つのベーンが、細長い集電アームの表面積を増加させるように構成され、少なくとも1つのベーンが、集電ピックアップヘッドに傾斜している。換言すると、少なくとも1つのベーンは、車両の主な移動方向とは反対側を向く開口を持った円錐、例えば、後方を向く円錐を形成している。傾斜したベーンを持つことによって、ベーンの表面に汚れが到達して付着するリスクが低減する。代替的な実施形態では、円錐形のベーンは、細長い集電アームの長手方向軸に垂直な断面で見たとき、長方形、正方形又は他の任意の形状を有していてもよい。例えば、長方形又は正方形のベーンは、幾何学的なピラミッド形状を形成する。
ガルバニック絶縁は、一般的に、高電圧部品と集電装置のベースが取り付けられる車両のシャーシ構造との間の機械的な非導電絶縁によって達成される。しかしながら、絶縁表面が汚れると絶縁表面に沿って電流が流れることがあるので、機械的な絶縁を使用して電流クリープを対処することが困難であるという問題がある。材料の表面抵抗は、材料の表面積と共に増加し、抵抗が増加するにつれて、材料を通って流れる電流が小さくなる。例えば、車両が690ボルト及び200アンペアで充電されている場合、表面積によるクリープ電流距離は、集電装置の長さよりはるかに長くなる。実際には、クリープ電流距離は、スウェーデンにおける大型トラックの最大法定長さに近づいている。従って、細長い集電アームを長くすることによって、この表面積に依存する表面抵抗を達成することは不可能である。
上述した電流クリープの問題に対する解決策は、細長い集電アームの表面を隆起させることであり、これによって絶縁材料の表面積が増加する。しかしながら、外部の自動車環境において、隆起を埋めて広い表面積を小さくする泥、塩水飛沫及び他の汚れにシステムが晒されるので、換言すると、堆積された泥の上面に沿って電流が流れるので、これは電流クリープの問題が一時的に解決されるだけである。
本発明は、クリープ電流のリスクは、細長い集電アームに配置された少なくとも1つのベーンによって低減されるという認識に基づいており、少なくとも1つのベーンは、集電ピックアップヘッドに向かって傾斜して、集電ピックアップヘッドからベースに延びる細長い集電アームに沿った面積を増加させるように構成されている。本発明によれば、少なくとも1つのベーンは、ベーンの表面、特に、車両の移動方向とは反対側の面が汚れる前に、車両の下方の過酷な環境で長持ちする。
「ベーン」という表現は、細長い集電アームの長手方向軸から半径方向に延びる構造的特徴であると理解すべきである。ベーンは、細長い集電アームの全周に亘って延びることができる。その代わりに、ベーンは、細長い集電アームの円周の一部からのみ延びていてもよい。
細長い集電アーム及び集電ピックアップヘッドは移動可能である。換言すると、細長い集電アームの第1の端部はベースに取り付けられ、細長い集電アームの第1の端部とは反対側の第2の端部は自由である。集電ピックアップヘッドは、細長い集電アームの第2の端部に又は第2の端部に向かって取り付けられている。例えば、集電ピックアップヘッドは、細長い集電アームの中間と第2の端部との間のどこにでも取り付けることができる。
以下の説明では、「電気道路システム」という用語は、略語ERSによって説明される。ERSは、導電システム又は誘電システムを含むことができる。導電システムは、2本の平行なレールを備えた導体とこれに対応するコレクタとの間の直接接触を必要とし、DC電力又はAC電力を伝達する。誘電システムは、道路表面に埋め込まれた電磁送信コイルと電気的に共鳴する車両の受信コイルとを使用して、道路上の磁束を車両で使用する電気エネルギに変換し、車両のバッテリを充電するか電気モータを駆動する。
本明細書では、「集電装置」という用語は、路面内又は路面上の電気エネルギ供給源から電力を伝達するのに適した装置の総称として使用されている。このタイプの集電装置は、ピックアップとも呼ばれる集電器又は同様な装置を備えている。集電器は、電流導体と接触するように配置されるか、非接触式充電の場合にはトラックの上方に正確に配置される。集電器は、一般的に、車両に対して集電器が少なくとも上下方向、及びオプションとして左右方向にも移動可能にする制御可能なアセンブリを介して車両に取り付けられている。この移動は、例えば、水平なピボットジョイントの周りに道路表面に向かって上下方向に枢動すると共に垂直なピボットジョイントの周りに円弧で左右方向に枢動することができる集電アームによって、又は第1のガイドに沿って上下方向に移動すると共に車両の左右方向に取り付けられた第2のガイドに沿って左右方向に移動するホルダによって達成される。従って、集電器が移動して電流導体を追跡すると言う場合、この装置が移動して、集電装置の構成部品が電流導体に対して最適な位置に配置されることを可能にすることを意味している。これに関連して使用される「電流導体」という用語は、一対の対応する電流導体接触部品を備えたピックアップユニットによって接触される、2本の平行なレールや同様なものを備えている。その代わりに、電流導体は、電磁誘導でエネルギを受け取るために必要な電気部品を備えたピックアップユニットによって取り組まれる。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ベーンは、細長い集電アームの周りに非対称であってもよく、車両に向かうよりも道路に向かってより大きな半径距離を有している。このようなベーンは、集電装置のバランスウェイトとして作用することができる。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、集電装置は、少なくとも2つのベーンを備えている。その代わりに、集電装置は、少なくとも3つのベーンを備えていてもよい。その代わりに、集電装置は、少なくとも5つのベーンを備えていてもよい。複数のベーンを設けることによって、クリープ電流を克服するのに必要な、細長い集電アームに沿った表面積が大きくなる。また、塩分、泥及び他の導電性ごみがベーン間に形成された溝を埋めることができないような大きさ及び向きにベーンをすることができる。これによって、クリープ電流のリスクが更に低減する。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ベーンは少なくとも1cm離れている。換言すると、ベーンの表面が少なくとも1cm離れており、形成されたエアギャップがベーン間のスパークの可能性を低減する。また、小さな距離、例えば、1cmは、ベーン間に形成された溝に汚れが入り込まないようにする。しかしながら、原則として、ベーンは、1cm〜100cmなどの任意の適切な距だけ離れていればよい。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、細長い集電アームの長手方向軸からの1つ以上のベーンの傾斜角度は、10°〜30°である。その代わりに、細長い集電アームの長手方向軸からの1つ以上のベーンの傾斜角度は、30°〜60°、60°〜80°又は80°〜89°である。この傾斜角度は、1つのベーン又は複数のベーンの各ベーンによって形成される円錐の開先角度(opening angle)として理解される。小さい角度は空気抵抗を低減することができ、大きな角度は細長い集電アームの製造及び/又は取り付けを容易にするベーンを提供することができる。上述したように、円錐形状は、長方形又は正方形のベーン、即ち、幾何学的なピラミッド形状を形成するベーンからも達成可能であると解釈すべきである。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、細長い集電アームが、車両の前後方向軸に対して上下移動及び左右移動を制御可能に配置され、集電装置が、集電ピックアップヘッドの上下移動及び左右移動をもたらすように配置された少なくとも1つのアクチュエータを更に備えている。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、1つ以上のベーンが空気力学的に形づくられている。換言すると、1つ以上のベーンの形状は、ベーンによって生じる抵抗係数を低減するように選択されている。従って、1つ以上のベーンは、裁頭円錐形(spherically blunted cone)、双円錐形(bi-conic shape)、タンジェントオジーブ円錐形(tangent ogive cone)、裁頭タンジェントオジーブ円錐形、割線オジーブ形(secant ogive shape)、楕円円錐形(elliptical cone)、放物線状の円錐形(parabolic cone)として形成されていてもよい。このようなベーンの特定形状及びパラメータは、もちろん、使用されるベーンの大きさ及び数に依存している。
本発明はまた、上述した集電装置を備えた車両に関する。本発明をトラックやバスなどの商用車について説明するが、本発明は、この特定車両に限らず、大型車両、多関節式ホーラーの形態をとる作業機械、又は自動車などの車両で使用することもできる。
本発明の第2の態様によれば、上記の目的はまた、道路の表面に配置された電流導体と車両との間で電力を伝達するために車両に搭載された集電装置の細長い集電アームによって少なくとも一部が満たされる。細長い集電アームは、細長い集電アームに配置され、集電ピックアップヘッドに向かって傾斜して、細長い集電アームの表面積を増加させるように構成された、少なくとも1つのベーンを備えている。
本発明のこの第2の態様の効果及び特徴は、本発明の第1の態様に関連して上述したものと大部分類似している。特に、第2の態様による細長い集電アームは、今日使用されている細長い集電アームの代わりのものとして、例えば、道路上の破片との衝突によってベーン若しくは細長い集電アームが損傷したり、摩耗や割れにより交換したりする必要がある場合の代わりのものとして、使用することができる。簡潔にするため、第1の態様について上記で概説した例示的な実施形態は、第2の態様について繰り返さずに、当業者は、これらが第2の態様でも十分有利に使用できることを理解する。
少なくとも1つの例示的な実施形態では、細長い集電アームは中実であってもよい。その代わりに、細長い集電アームは中空であってもよい。また、断面形状、即ち、細長い集電アームの長手方向軸に垂直な断面で見た場合の細長い集電アームの断面形状は、正方形、長方形、円形、楕円形、多角形又は任意の他の形状であってもよい。
本発明の更なる特徴及びこれを備えた利点は、添付の特許請求の範囲及び以下の説明を検討すると明確になるであろう。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の異なる特徴を組み合わせて、以下に説明する実施形態以外のものを作り出せることができることを理解する。
以下の明細書において、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。これらの概略図は、説明の目的のみで使用されており、決して本発明の範囲を限定するものではない。
電気道路システムを走行する集電装置を備えた概略的な車両を示している。
集電装置の概略正面図を示している。
代替的な集電装置の概略正面図を示している。
本発明の一実施形態に係る集電装置の概略斜視図を示している。
本発明の一実施形態に係る集電装置の概略斜視図を示している。
本発明の一実施形態に係る集電装置の概略斜視図を示している。
本発明の一実施形態に係る集電装置の概略斜視図を示している。
以下、本発明の現在好ましい実施形態が示される添付の図面を参照して、本発明をより十分に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は徹底性及び完全性のために提供され、本発明の範囲を当業者に十分伝えるものである。全体を通して、類似の参照符号は類似の要素を示している。
一般的に、車両のシャーシ構造に到達するクリープ電流のリスクを低減することを目的とする集電装置の実施形態をここで説明する。最初に、図1、2及び3を参照して、一般的な集電装置を説明する。その後、図4〜7を参照して、本発明の実施形態を明らかにする。
図1は、概略的な電気道路システム(ERS)を示し、車両100に電力を供給する電流導体130が設けられた道路110を車両100が走行している。車両100は、道路110の表面に配置された平行な電流導電レール140を含んだ電流導体130と接触するように降下することができる、導電性の集電装置120を備えている。車両は、電気自動車又はハイブリッド電気自動車とすることができる。
集電装置120は、集電装置120を車両100のシャーシ構造に結合して取り付けるベース170と、格納された非作動の第1の位置と展開された作動の第2の位置との間で移動可能に配置された細長い集電アーム150と、を備えている。使用中、適切なアクチュエータ(図示せず)を使用して、集電アーム150及びピックアップユニット160を降下させて電流導体130と接触させる。1つ以上のアクチュエータは、集電装置120のベース170に配置することができる。ピックアップユニット160は、一対の接触子(contact element)161,162を有している。図1は、作動位置にある集電アーム150を示している。集電アーム150を車両100の少なくとも上下方向に動かす適切なアクチュエータが備えられている。集電ピックアップヘッド160は、ベース170から遠位の細長い集電アーム150に取り付けられていることに留意されたい。換言すると、集電ピックアップヘッド160及びベース170は、細長い集電アーム150の両端に配置されている。
適切な電力ケーブルが一般的に使用されて、ピックアップユニット160及び一対の接触子161,162から車両の電気接点に電流を伝達することに留意されたい。簡略にするために、すべての図面で電力ケーブルを省略する。しかしながら、当業者であれば、細長い集電アームの外側で、細長い集電アームの内側で、又はピックアップユニット160及び一対の接触子161,162からの電流伝達のための電気接続ができるような他の任意の方法で、電力ケーブルを導くことができることを理解する。
この明細書では、集電装置は、車両の水平軸を持ったピボットに対して直線経路又は円弧経路のいずれかで上下方向に移動することができる、ピックアップユニットの移動可能な集電アームを備えたものとして説明されている。このようなアームの配置手段はまた、車両の垂直軸を持ったピボットに対して直線経路又は円弧経路のいずれかで、車両の左右方向にアームを移動させるアクチュエータ手段を備えることができる。その代わりに、水平配置手段は、電気的に制御可能な車両の操舵システムに接続された適切な制御手段を備えることができる。電気導体に対する車両の左右方向の配置は、一対の操舵可能な車輪を使用して行うことができる。例えば、車両が左右方向に移動して、集電器を保持する移動可能なアームの左右方向の範囲内に集電器を持って来なければならない場合、上述の手段の組み合わせを使用して配置することができる。集電装置の設計については以下でより詳細に説明する。
図2は、集電装置220の概略正面図を示している。集電装置220は、道路210の概略断面の上方に配置された概略的に示す車両200に搭載されている。DC電流を供給する第1及び第2の電力レール231,232を備えた電流導体230は、道路210の表面に配置されている。集電装置220は、集電アーム250と、一対の接触子261,262を持って第1及び第2の電力レール231,232のそれぞれから電流を集めるピックアップユニット260と、を備えている。集電アーム250は、車両200に近接した格納された第1の位置P1から電流導体230と接触した作動の第2の位置P2に集電アーム250を移動する垂直配置手段(図示せず)に取り付けられている。垂直移動を矢印Vで示す。第1及び第2の接触子261,262が第1及び第2の電力レール231,232のそれぞれと上下方向に位置合わせされたことが検知されると、作動の第2の位置への集電アーム250の降下が行われる。その代わりに、電流導体が検知されて最適な左右位置に向かって操舵されると、作動の第2の位置に向かって移動を始めてもよい。集電アーム250は、集電アーム250を左右方向に移動する水平配置手段270を介して、車両200に取り付けられている。
図2では、集電アーム250は、第2の位置P2に向かって移動中の中間位置に示されている。集電アーム250が第2の位置P2に降下するに先立って、電流導体230を探索して追跡する必要がある。図2の例によれば、電流導体230の探索及び追跡は、電流導体230の間又はこれらに近接して配置された信号ケーブル275の位置を検出するために使用される、1つ以上の垂直アンテナ(図示せず)を使用して行うことができる。しかしながら、本発明は、電流導体を探索するこの方法に限られない。
図2に示す例では、集電アーム250及び垂直配置手段は、水平配置手段270に取り付けられている。垂直配置手段は、矢印Vで示すように、車両200の上下方向に集電アーム250及びピックアップユニット260を移動させるように配置されている。水平配置手段270は、矢印Tで示すように、車両200の左右方向に集電アーム250及びピックアップユニット260を移動させるように配置されている。水平配置手段270は、車両200の左右方向に集電アーム250を移動させるように制御され、最初に、電流導体230を探索して引き続き追跡する。第1及び第2の接触子261,262を第1及び第2の電力レール231,232のそれぞれと上下方向に位置合わせして維持するように追跡が行われる。
図3は、代替的な集電装置320の概略正面図を示している。集電装置320は、道路310の断面の上方に配置された車両300に搭載されている。DC電流を供給する第1及び第2の電力レール331,332を備えた電流導体330は、道路310の表面に配置されている。集電装置320は、集電アーム350と、第1及び第2の電力レール331,332のそれぞれから電流を集める一対の接触子361,362を持ったピックアップユニット360と、を備えている。集電アーム350は、車両300に近接した格納された第1の位置から電流導体330と接触する(図示する)作動の第2の位置へと、集電アーム350を移動させる垂直配置手段(図示せず)に取り付けられている。第1及び第2の接触子361,362が第1及び第2の電力レール331,332のそれぞれと上下方向に位置合わせされると、作動の第2の位置への集電アーム350の降下が行われる。その代わりに、電流導体が検知された後に最適な左右位置に向かって操舵されると、作動の第2の位置に向かって移動が開始されてもよい。集電アーム350は、垂直軸Xの周りに集電アーム350を移動させる枢動手段370を介して、車両300に取り付けられている。この移動中、ピックアップユニット360は、車両300の垂直軸Xに対して円弧経路に沿って移動する。
上記の集電装置に関して一般的には、電流導体は、道路表面の長手方向において所定の左右位置に配置されることが望ましいが、必ずしもそうとは限らない。車両は、車両及び/又は道路上若しくは道路に沿った適切な道路マーカーに対する電流導体の位置を検知及び/又は探索する手段(図示せず)を備えている。集電装置は、直線移動又は円弧移動のいずれかで、車両の前後方向軸に対して上下移動及び左右移動を制御可能なように配置された、移動可能な集電アームを備えている。車両の前後方向軸は、車両の主な前方移動方向に延びている。下方への垂直移動が行われて、集電アームの自由端に搭載された接触子を備えたピックアップユニットを最適な充電位置に配置して電流伝達が行われる。電流伝達が中断されると、上方への垂直移動が行われて、集電アームを格納する。集電装置は、集電アームの垂直移動をもたらすように配置された、ベースに搭載された制御可能な1つ以上のアクチュエータと、少なくとも電流伝達及び集電アームの移動を制御する制御ユニット(図示せず)を備えていてもよい。制御ユニットは、車両がERS道路に出入りするときを検知し、集電アームを完全に展開した後に電力伝達を開始し、集電アームを格納するに先立って電力伝達を中断するように構成されている。
従って、作動中、車両がERS道路に入ったか、及び格納位置から電流導体と接触する展開位置へと集電アームを移動すべきかが最初に判定される。信号がECUに伝達され、ECUが集電アームを下方に向かって展開させる1つ以上のアクチュエータに信号を伝達する。集電アームが電流導体と接触する最終位置に到達すると、1つ以上のアクチュエータによって加えられる圧力は、電流導体との十分な接触力を保証する下方へと向かう力を引き起こす。
その後、車両がERS道路を出ようとしており、かつ集電アームを展開位置から格納位置へと移動させるべきかを判定することができる。その代わりに、集電アームの格納又は車両の回避行動が必要な、電流導体上に障害物が検知されると、格納を開始することもできる。信号がECUに伝達され、ECUが1つ以上のアクチュエータに信号を伝達して集電アームを上方に向けて格納する。集電アームが車両に近接した格納位置に到達すると、ECUは1つ以上のアクチュエータに信号を伝達してその作動を停止させる。
図4は、本発明に係る集電装置120の例示的な実施形態を示している。簡潔にするために、集電装置120は、起動及び移動に関する機能において、図1,2及び3に関連して上述した集電装置と本質的に同様である。集電装置120は、ベース170と、細長い集電アーム150と、集電ピックアップヘッド160と、を備えている。ベース170は、車両に取り付けられている。細長い集電アーム150は、ベース170から自由端に取り付けられた集電ピックアップヘッド160に向かって延びている。換言すると、細長い集電アーム150は、第1の端部でベース170に取り付けられている。第1の端部とは反対側の細長い集電アーム150の第2の端部には、集電ピックアップヘッド160が取り付けられている。細長い集電アームの第2の自由端は、図1,2及び3に関連して上述したように自由に移動する。従って、集電ピックアップヘッド160は、ベース170から遠位の細長い集電アーム150に取り付けられている。
集電装置120は、集電ピックアップヘッド160とベース170との間の表面積を増加させることで、クリープ電流が集電ピックアップヘッド160からベースへと到達する可能性を低減する、ベーン280を更に備えている。ベーン280は、集電ピックアップヘッド160に向かって傾斜している。換言すると、ベーン280は、集電ピックアップヘッド160に向かう開口を持った円錐として形成されている。集電ピックアップヘッド160が集電アーム150の自由端に配置されているので、円錐形のベーン280は、集電装置が搭載された車両の主な移動方向とは反対側を向く開口を持つこととなる。従って、後方を向く表面として定義されるベーン280の内面は、水、泥、氷及び雪などの汚れからさらに保護することができる。ベーン280は、適切な距離、例えば、ベーンの半径が5cm〜50cmの範囲内で半径方向に延びることができる。図4において、ベーン280は、細長い集電アーム150の両端部間の略中間に配置されている。しかしながら、原則として、細長い集電アーム150に沿ったどこにでもベーン280を配置することができる。
ベーン280は、細長い集電アーム150とは別体であり、接着剤、溶接、ナット及びボルト装置、圧着(crimp fit)などの任意の公知手段を介して取り付けられている。その代わりに、ベーン280は、細長い集電アーム150と一体形成されていてもよい。従って、ベーン280は、細長い集電アーム150と同じ材料、又は他の材料から作られていてもよい。ベーン280は、ステンレス、アルミニウム、チタニウム、プラスチック又は金属合金など、軽量で丈夫な材料で作ることができる。同様に、細長い集電アーム150は、ステンレス、アルミニウム、チタニウム、プラスチック又は金属合金など、軽量で丈夫な材料で作ることができる。ベーン280及び/又は細長い集電アーム150は、車両の下方の過酷な状態からベーン及び/又は細長い集電アーム150を保護するコーティング(図示せず)を備えることができる。コーティングは、電気的に絶縁されていることが好ましい。コーティングは、疎水性及び/又は疎油性とし、ベーン280及び/又は細長い集電アーム150の表面上の汚れの除去を容易にすることができる。
図5は、本発明の概念による集電装置の他の実施形態を示している。集電装置は、細長い集電アーム150に配置された円錐として形成された3つのベーン280a,280b,280cを備えている。3つのベーン280a,280b,280cは離れている。その間隔は、3つのすべてのベーン間で等しくてもよく、任意の2つのベーン間で間隔に差があってもよい。ベーン280a,280b,280cのそれぞれの間の間隔は少なくとも1cmである。従って、3つのベーン280a,280b,280cは、離れていることからそれらの間に溝を形成する。これは、3つのベーン280a,280b,280cの間の溝に汚れが入り込むリスクが低減することを意味している。また、複数のベーンを利用することによって、表面積が更に増加する。従って、図6には3つのベーン280a,280b,280cが示されているが、本発明の概念は、離れている2つのベーン、又は4つ以上のベーンを備えた実施形態を包含していることが理解される。
図6は、ベーン280(先においては280a,280b,280c、ここではまとめて280と示す)が細長い集電アーム150の長手方向軸に対して形成する、傾斜角度αを図示する切り欠きを持った図6の実施形態を示している。傾斜角度は、1つ以上のベーンの設計考慮に応じて変更することができる。例えば、傾斜角度αは、1°〜89°とすることができる。傾斜角度αは、しばしば、10°〜80°とすることができる。例えば、傾斜角度αは、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°又は85°であってもよい。また、切り欠きは細長い集電アーム150が中実であることを示しているが、細長い集電アーム150は中空であってもよいことに留意されたい。さらに、細長い集電アーム150は、図面で示されている正方形や長方形などの特定の断面形状に限らず、円形や楕円の断面であってもよい。
図7は、本発明の概念による集電装置の他の実施形態を示している。図7のベーンはそれぞれ、円錐380として形成されている。ベーン380は、細長い集電アーム150の周りで非対称であり、車両に向かってよりも道路に向かってより大きな半径距離を持っている。換言すると、ベーン380の半径方向への広がりは、上方より下方に向かって大きくなっている。ベーン380は、集電ピックアップヘッド160とベース170との間の表面積を増加させて、道路からの汚れを防止する。また、非対称なベーン380は、集電装置のバランスウェイトとしても機能し、これによって集電装置の安定性を高めることができる。
1つ以上のベーンは、原則として任意の形状をとることができ、本明細書に示された実施形態に限定されない。特に、1つ以上のベーンは、長方形、正方形としたり、任意の他の形状を持ったりすることができる。1つ以上のベーンはまた、細長い集電アームの周りに非対称とすることができ、図7に示すように、車両に向かってよりも道路に向かってより大きい半径方向の距離となっている。このようなベーンは、集電装置のバランスウェイトとして作用することができる。
また、上記説明で言及された傾斜角度αは、ベーンの設計、数及びベーンの望ましい空気抵抗に応じて選択することができる。さらに、ベーンは、図面に示す円錐形以外の他の形状、例えば、裁頭円錐形、双円錐形、タンジェントオジーブ円錐形、裁頭タンジェントオジーブ形、割線オジーブ形、楕円円錐形、放物線状の円錐形などに設計することができる。このようなベーンの特定形状及びパラメータは、もちろん、使用される(ベーンの)大きさ及び数に依存している。
また、図4に関連して説明した具体的かつ例示的な材料及び取付は、図4〜7で説明した1つ以上のベーンのすべての実施形態に適用可能であることを理解されたい。図4に関連して説明したコーティングは、もちろん、図4〜7で説明した1つ以上のベーンのすべての実施形態に適用可能であり、簡潔のために省略されているだけである。
本発明は、上述及び図示の実施形態に限定されないことを理解されたい。むしろ、当業者であれば、添付の特許請求の範囲内で、多くの変更、変形及び修正がなされ得ることを認識するであろう。