JP2019528952A - アンビル内に格納された隔離スリーブを有する円形外科用ステープラ - Google Patents

アンビル内に格納された隔離スリーブを有する円形外科用ステープラ Download PDF

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Abstract

本発明は、外科用ステープルにより修復又は接合された組織の特性を向上させる外科用器具及び方法に関し、より具体的には、特に組織生存性を改善し、組織感染を防止するように、かつ漏出を防止するように、隣接する腸切片間の吻合部を封着するときに、標的手術部位において修復又は隣接された組織の特性を向上させるように設計された外科用器具及び方法に関する。本発明は更に、円形ステープル留め器具と、かかるステープル留め器具から展開され、吻合接合部においてステープル留め及び切除された組織の周囲に包囲体を確立する、細長い管状中空スリーブと、に関する。

Description

本発明は、外科用ステープルにより修復又は接合された組織の特性を向上させる外科用器具及び方法に関し、より具体的には、標的手術部位において修復又は隣接された組織を補強及び隔離するように設計された外科用器具及び方法に関する。
長年を通して、医療分野では、生体組織を接合又は結合しようと様々な技術を利用されている。従来、縫合は、切断された組織を再接合して怪我を閉鎖する、容認された技術であった。縫合は、外科用針及び縫合糸を用いて達成され、縫合の所期の機能は、治癒過程中に創傷又は組織の縁部を互いに接して保持することである。ステープルは、例えば、腸など様々な人体構造を接合又は吻合するときに縫合に取り替わって使用されている。ステープルを適用するために採用される外科ステープル留め装置は、一般的に、患者の延伸した組織の分節を同時に切断及び封着するように設計される。
線形又は環状/円形の外科用ステープル留め装置は、生体組織の分節を共に接合するために、及び/又は、吻合部を作成するために、1つ又は2つ以上の列の外科用締結具、例えば、ステープルを生体組織に順次又は同時に適用するために外科医により採用されている。直線的な外科ステープル留め装置は、一般的に、接合されるべき生体組織が設置される一対の顎部つまり指状構造体を含む。外科ステープル留め装置が作動されると、発射バーが長手方向に移動して顎部の一方のステープル駆動部材と接触し、外科用ステープルが生体組織を通って押され、反対側の顎部のアンビルに入り、かつそのアンビルに当接し、その結果、ステープルが閉鎖状態で圧着される。ナイフ刃は、ステープルの列/線間に切り込みが入るように提供され得る。
環状又は円形外科用ステープル留め装置は、一般的に、ステープルの複数の環状の列(通常は2つ又は3つ)、環状カートリッジ組立体に作動上関連したアンビル組立体、及びステープルの列の内側に配置された環状刃を含む環状ステープルカートリッジ組立体を含む。一般に、終端間吻合ステープラは、通常は、ステープルのアレイ又は群を患者の腸又は他の管状器官の近似部分内に設置する。結果的に得られる吻合部は、腸の近似部分間の確実な接続部を維持するために多数の「B」字形のステープルを含む腸の反転した部分を含む。
吻合部の漏出は、結果的に、有意な病的状態が発生し、かつ、死亡となり得ることが多い。外科用ステープルの使用に加えて、シーラント(例えば、合成又は生物シーラント)を、手術部位に塗布して、漏出に備えたガードを行うことができる。生物シーラントは、通常は、別個のステップで吻合部の外面に塗布される。
Johan Zuidemaらによる「Devices and methods for anastomosis」と題された米国特許第7,776,081号は、生体適合性の生分解性ポリマーから形成されたチューブを所望される吻合部の地点で内腔に挿入することと、生体血管の2つの端を一緒に接合して、チューブの一端が吻合部の近位端に堅く取設されている状態で吻合部を形成することと、吻合部を通してチューブの他端を引き抜き、チューブが内腔の本来の内容物を排出することを可能にするように吻合部を通って延伸させることによって、チューブが内腔の本来の内容物から組織内の吻合部を防護している状態でチューブを反転させることと、を含む、ヒト又は動物組織を治療する方法を開示する。
「The C−seal:A Biofragmentable Drain Protecting the Stapled Colorectal Anastomosis from Leakage」と題された、A.N.Morksらによる、J.Vis.Exp.(45),p.2223(2010)に公開された記事は、円形ステープラを用いて吻合部にステープル留めされる、生体内分解性ドレインである、いわゆるCシールを開示している。
米国特許公開第2014/0358167号「ANASTOMOTIC SLEEVE DEVICE」は、医療処置を実施するためのシステムであって、a)ステープラであって、アンビル表面、及びアンビル表面から突出する内腔を備える中空ロッドを備える取り外し可能なアンビル頭部と、形状カッターとを備え、アンビル表面が溝を備え、ステープラ表面がステープルポート及びカッターポートを備え、カッターが、カッターポートを通って前進することができ、スパイクが、中空ロッドの内腔の内側に適合するように均整がとられている、ステープラと、b)支持構造であって、第1の支持表面、及び第1の支持表面に取設されている第1の底縁を備える少なくとも1つの第1の壁を備える第1の防護片と、第2の支持表面を備える第2の防護片と、を備え、第2の防護片が、第1の防護片に取設されておらず、第1の支持表面及び/又は第2の支持表面が、孔を含み、第1の支持表面及び第2の支持表面が、アンビル表面及びステープラ表面と整列して、第1の支持表面及び第2の支持表面を通るステープルの投与を提供する、支持構造と、を備える、システムを開示している。
様々な圧縮吻合リングシステムが、ステープルに基づく吻合閉鎖の代わりとして追求されてきた。例えば、novoGI(商標)によって開発されたLARA(商標)圧縮吻合リングシステムは、低位前方切除(LAR)処置を特に対象とするニチノール系圧縮リングを利用する。
Niti Surgical Solutions Ltd.に譲渡された米国特許第7,527,185号の「Compression anastomosis ring assembly and applicator for use therewith」は、圧縮吻合リング(compression anastomosis ring、CAR)組立体であって、アンビルリングを備える第1の部分と、第2の部分であって、アンビルリングと実質的に平行に位置付けられ、かつアンビルリングから離間された底部リングであって、アンビルリング及び底部リングが、その間に印加される閉鎖力の存在下でまとめられるように適合されている、底部リングと、少なくとも1つのリング要素であって、そのうちの1つがアンビルリングから遠位に底部リングの側面上に位置付けられたニードルリングであり、ニードルリングがそこから第1の部分に向かって略横方向に延伸する複数の針を有する、少なくとも1つのリング要素と、少なくとも1つのばね要素であって、少なくとも部分的に形状記憶合金から形成された復元力を提供し、少なくとも1つのリング要素のうちの1つの上に位置付けられ、かつ底部リングと圧縮力伝達接触にある、少なくとも1つのばね要素と、を備える、第2の部分と、を備え、圧縮吻合リング(CAR)組立体が、吻合部によって圧縮及び接合されることになる組織部分をアンビルリングと底部リングとの間で保持するように位置付けられたとき、ニードルリングが、閉鎖力に応答して複数の針を圧縮される組織部分を通して駆動し、かつ複数の針をアンビルリング内に留めるように働き、アンビルリング及び底部リングが、組織部分をその間に保持する閉鎖力の存在下でまとめられたとき、かつアンビルリングが複数の針によって留められたとき、少なくとも1つのばね要素によって提供された復元力が、組織部分を圧縮し、それによって、吻合をもたらすように底部リング上で働く、圧縮吻合リング組立体を開示している。
ETHICON INC.に譲渡された米国特許第5,250,058号の「Absorbable anastomosic fastener means」は、吸収性締結具によって2つの内腔を吻合することができる機構を開示している。締結具は、2つのワッシャ様プレートから作製される。1つのかかるプレートは、他のプレートから突出するラッチ突起を受容する孔を有する。締結は、突起に組織を穿孔させ、突起を受容部に係止させ、ナイフ刃に余分な締結具材料及び組織を切断させる、単一直線運動によって行われる。取り外しの容易さは、形成された吻合部を通して機構を引っ張ることによって、大幅に向上する。システムは、プレートが組織を適切に吻合するために任意の構成で配置され得るように使用され得る。この特許は、圧縮吻合装置であって、複数の穿孔フランジを含有する穿孔リングと、フランジに対応する複数の受容スロットを含有する受容リングと、穿孔リングと受容リングとの間に配置されて、穿孔リング及び受容リングのうちの1つにばね力を及ぼす、ばね手段と、を備える、圧縮吻合装置を開示している。
吻合封着を含むステープル留めされた組織封着の術後の漏出は、病的状態及び死亡に至ることが示されている。いくつかの技術は、滴下又は噴霧によるステープル留め後の漿膜層への材料の直接的な塗布に関係する。これらの技術に関連した問題は、アクセスが非常に難しく、材料が適正なスポット及び吻合部のまわりに完全に塗布されたか否かの視覚的な評価である。材料は、また、標的部位がステープル線に沿って実際に漿膜下であるときに漿膜層の頂部上に塗布される。大腸の漿膜層への治療薬塗布では、全てが24〜48時間以内で、材料が手術中に適正なスポットに塗布されたと想定して、材料が移動して漿膜を通って、ステープル領域に入り、その後、生物学的効果を提供して、漏出形成に関連した問題を克服することが必要である。結腸直腸吻合術への局所補助療法の適用における最も難しいステップの1つは、部位へのアクセスにおける極端な制限のために部位に材料を供給することである。一部の結腸直腸吻合は、患者において比較的「低く」(即ち、前下方切除)が実行され、実際のステープル線は、骨盤管内で深く、これにより、周縁部周りの材料の局所施用が非常に難しくなる。
米国特許第8,511,533号の「Annular adhesive structure」は、組織部分を接合するための外科用ステープル留め装置であって、ハンドル組立体と、ステープル留め装置の遠位端にあるアンビル組立体であって、アンビル組立体をステープル留め装置に取り外し可能に接続するためのシャフトを有する、アンビル組立体と、管状本体部分であって、環状アレイにおける複数の外科用ステープルを収容するステープルを有し、アンビル組立体及び管状本体部分が、シャフトに沿って互いに対して並置され、かつ互いに接近するように配置されている、管状本体部分と、アンビル組立体のシャフト上に支持されたアプリケータであって、アンビル部材と管状本体部分との間に配設された円盤形構造を有し、円盤形構造が、半径方向に配向されたチャネル及び円盤形構造の側方側の開口を有し、チャネルが、創傷治療材料を分配するために配置されている、外科用ステープル留め装置を開示している。
米国特許第8,372,094号の「Seal element for anastomosis」は、組織内腔間にシール要素を配設するための組立体であって、アンビル組立体及び管状本体部分を備える円形外科用ステープル留め装置であって、アンビル組立体がアンビル部材及び第1のシャフトを備え、管状本体部分が円形構成の複数の外科用ステープル及び外科用ステープルの内方に配設された第2のシャフトを備え、第1のシャフトが第2のシャフトに取設可能である、円形外科用ステープル留め装置と、組織内腔間に配設可能なシール要素と、を備え、シール要素が第1の材料及び第2の材料を備え、第1の材料が組織の内部成長を促進し、第2の材料がシーラントを含む、組立体を開示している。
米国特許第8,286,849号の「Hub for positioning annular structure on a surgical device」は、隣接する腸切片間に環状構造体を配設するための組立体であって、アンビル組立体及び管状本体部分を有する環状外科用ステープル留め装置であって、アンビル組立体がアンビル部材及びアンビルシャフトを有し、管状本体部分が複数の外科用ステープルを環状構成に担持し、管状本体部分が外科用ステープルの半径方向内方に配設された接続部材を有し、アンビル部材のアンビルシャフトがフランジを含み、かつ管状本体部分の接続部材に取設可能である、環状外科用ステープル留め装置と、アンビルシャフトのフランジと係合するようにアンビルシャフト上で支持するため適合されハブであって、その中にアンビルシャフトを選択的に受容し、環状構造体がハブから半径方向に延伸し、ハブが、長手方向に実質的に延伸し、かつアンビルシャフトのフランジと係合して、アンビル組立体及び管状本体部分の組織接触表面から一定距離離間した位置に環状構造体を位置付けるように配置された複数の弾性フィンガを含み、環状構造体が、接着剤、シーラント、止血剤、及び薬剤からなる群から選択される材料を含む、組立体を開示している。
米国特許第8,257,391号の「Annular support structures」は、第1の生体組織及び第2の生体組織を接合するためのシステムであって、第1の生体組織を第2の生体組織に接近及び接合させるためのステープルカートリッジ組立体及びアンビル組立体、並びにステープルカートリッジ組立体とアンビル組立体との間に延伸する細長いシャフトを有する円形内視鏡ステープル留め器具と、アンビル組立体から一定距離離間され、かつステープルカートリッジ組立体から一定距離離間された位置でステープル留め器具のシャフト上で支持されている補強支持構造体と、を備え、補強支持構造体が、ステープル留め器具のシャフトへの接続のための中央ハブ、及び中央ハブ上で支持されている少なくとも1つの環状補強リングを有し、それにより、少なくとも1つの環状補強リングが第1の生体組織と第2の生体組織との間の位置でシャフト上に支持されており、少なくとも1つの環状補強リングが半径方向外側リング及び半径方向内側リングを含み、補強支持構造体が半径方向内側リングと中央ハブとの間に一体的に延伸する少なくとも1つの支持スポークを含み、ステープル留め器具の発射後、少なくとも1つの環状補強リングが間に挟さまれ、接合された第1の生体組織及び第2の生体組織を補強する、システムを開示している。
米国特許第8,167,895号の「Anastomosis composite gasket」は、腸組織切片間に吻合部を形成する方法であって、円形外科用吻合装置を提供するステップであって、円形外科用吻合装置が、アンビル部材を有するアンビル組立体と、管状本体部分であって、その中に動作可能に配設された環状ナイフ、及び環状ナイフの半径方向内方に配設されたシャフトを有する、管状本体部分と、を含み、アンビル組立体が、管状本体のシャフトに取設されている、ステップと、アンビル組立体を第1の腸切片に挿入するステップと、管状本体部分を第2の腸切片に挿入するステップと、少なくとも、第1の材料の第1のリング、第2の材料の第2のリング、及び第1の腸切片と第2の腸切片との間の第3のリングを含む構造体を配設するステップであって、第1のリングが、開口を有する円盤を含み、第2のリングが、開口を有する円盤を含み、第2のリングが、外周を有し、第2のリングの外周が、第1のリングに直接取設され、かつ第1のリングの開口内に配設され、第3のリングが、第1のリングから外方に、かつ管状本体部分のステープル保持スロットを越えて半径方向に延伸し、構造体が、接着剤及びシーラントのうちの少なくとも1つからなる創傷治療材料を保有する、ステップと、腸組織切片を通して、かつ構造体を通してステープルを発射するステップと、を含む、方法を開示している。
米国特許第7,886,951号の「Pouch used to deliver medication when ruptured」は、円形ステープル留め装置のためのアンビル組立体であって、アンビルプレートをその上で支持するように構成されたアンビル頭部と、アンビル頭部から延伸し、かつ円形ステープル留め装置のロッド部材と選択的に係合するように構成されたシャフトと、アンビル頭部に動作可能に接続されたアンビルプレートであって、アンビルプレートが、内径縁を含み、アンビルプレートが、内径縁の半径方向外方の位置でステープル形成ポケットをその中に画定する、アンビルプレートと、アンビル頭部内に形成された凹部であって、凹部が、アンビルプレートの内径縁及びアンビル頭部の背面によって画定されている、凹部と、実質的に凹部内に配設された創傷治療材料と、を備える、アンビル組立体を開示している。
米国特許公開第2012/0241492号の「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING AT LEAST ONE MEDICAMENT」は、ステープラと共に使用するためのステープル留め組立体であって、複数の成形表面を備えるアンビルと、アンビルに取設された補整装置であって、成形表面と整列された複数の空洞を備える、補整装置と、各空洞内に位置付けられた少なくとも1つの薬剤と、を備える、ステープル留め組立体を開示している。
米国特許第8,821,523号の「Structure for applying sprayable wound treatment material」は、吻合外科用ステープル留め装置と組み合わせて使用するためのガードを開示しており、外科用ステープル留め装置が、外科用ステープル留め装置の本体部分のステープル押圧部材からステープルを分配し、かつ外科用ステープル留め装置のアンビル組立体のステムから標的手術部位に創傷治療材料を投与するように構成及び適合され、ガードは、中央ハブであって、そこを通る、外科用ステープル留め装置のアンビル組立体のステムを受容するための内腔を画定する、中央ハブと、中央ハブによって支持され、かつ少なくとも実質的にその周囲に延伸する環状カフであって、外科用ステープル留め装置のステープルラインの半径方向外方に配設されるように構成され、弓状下部リップに接続された弓状上部リップを画定する、環状カフと、環状カフの半径方向最外側部分から半径方向内方に延伸する環状フランジであって、そこを通って発射されるステープルに対して位置付けられている、環状フランジと、備える。
米国特許第9,010,605号の「Sliding sleeve for circular stapling instrument reloads」は、組織部分を接合するための外科用ステープル留め装置であって、ハンドル組立体と、ハンドル組立体から延伸する細長い本体と、細長い本体の遠位端上に支持されたカートリッジ組立体であって、環状アレイにおける複数の外科用ステープルを収容するステープルカートリッジを含む、カートリッジ組立体と、外科用ステープル留め装置の遠位端にあるアンビル組立体であって、アンビル組立体をカートリッジ組立体に取り外し可能に連結するためのシャフトを有し、アンビル組立体がカートリッジ組立体から離間されている第1の位置と、アンビル組立体がカートリッジ組立体に、それらの間で組織を把持するために接近している第2の位置との間でカートリッジに対して並進可能であり、アンビル組立体の頭部が、頭部の表面に接触している組織がシャフトに対して実質的に直交する第1の条件と、頭部の表面に接触している組織がシャフトに対して傾斜している第2の条件との間で並進可能である、アンビル組立体と、スリーブ部材であって、スリーブ部材がアンビル組立体の頭部と係合して頭部を第1の条件に固設する第1の位置と、スリーブ部材がアンビル組立体の頭部から係合解除されて頭部が第2の条件に並進することを可能にする第2の位置との間で並進可能である、スリーブ部材と、を備える、外科用ステープル留め装置を開示している。
潰瘍化及び漏出を防止する局部的放出のために吻合接合部のエリア内に薬剤を投与する必要性が存在するが、開放エリア内に必要な濃度の薬剤を作成することは困難である。更に、吻合接合部をGI管の環境から一時的に隔離する必要性が存在する。
吻合接合部を隔離する既知のシステムは、複雑であり、信頼性が低く、かつ切除及びステープル留めされた組織のエリアを完全に隔離することができない。
ステープルに基づく吻合接合は、広く受け入れられている慣例であるが、ステープルによって接合された組織の生存性を改善するために、ステープル留めされた組織シールの術後の漏出を防止するように技術を改善する必要性が存在する。
本発明は、外科用ステープルにより修復又は接合された組織の特性を向上させる外科用器具及び方法に関し、より具体的には、特に組織生存性を改善し、組織感染を防止するように、かつ漏出を防止するように、隣接する腸切片間の吻合部を封着するときに、標的手術部位において修復又は隣接された組織の特性を向上させるように設計された外科用器具及び方法に関する。
医学的に有用な薬剤で任意選択的に含浸された管状ポリマースリーブは、アンビル及び/又はステープル留め頭部上に担持され、吻合が実施される際に吻合接合部にステープル留めされる。スリーブは、次いで、ステープル留め及び円形ステープラの取り外し後に内腔内に残され、吻合接合部の周囲に隔離包囲体を作成する。スリーブは、任意選択的に、抗生物質及び/又は微生物相等の薬剤を隔離包囲体内に放出し、したがって、ステープル留めされた組織、切除された組織、及び周囲の組織を含む、吻合接合部の近位のエリア内の組織を治療する。
本発明は、一態様において、組織に面する端及び反対側の遠位端を有するアンビルを有する、組織の吻合接合のための円形外科用ステープラであって、アンビルが、組織に面する端上に周辺ステープル屈曲ゾーン及び同軸円形ナイフ凹部を有し、アンビルが、アンビルの内側に形成された周方向凹部を有し、周方向凹部内への周方向入口が、ステープル屈曲ゾーン及び円形ナイフ凹部との間で組織に面する端上に同軸に位置付けられている、アンビルと、支持シャフト上に取り付けられた円筒形ステープル留め頭部であって、ステープル留め頭部が、組織に面する側面上に、同心ナイフと、同心のアレイにおける複数の展開可能なステープルと収容する、円筒形ステープル留め頭部と、アンビルとステープル留め頭部とを接続する、移動可能なシャフトと、近位端にフランジを有する細長い中空アンビルスリーブと、を備え、アンビルスリーブが、その遠位端及びその近位端で開いており、フランジが、ステープル屈曲ゾーンに対してアンビルの組織に面する端上に位置付けられており、アンビルスリーブの遠位端が、周方向凹部内に解放可能に配設されている、円形外科用ステープラに関する。
本発明は、一態様において、円形ステープル留め器具によって管状組織内腔間に吻合接合部を確立する方法であって、方法は、アンビルスリーブをアンビル上に軸方向に位置付けることと、アンビルを第1の管状組織内に軸方向に挿入し、かつ第1の管状組織をアンビルの周囲で閉鎖することと、ステープル留め頭部を第2の管状組織内に軸方向に挿入することと、移動可能なシャフトを介してアンビルをステープル留め頭部に接続することと、アンビル及びステープル留め頭部を接近させて、ステープル留め頭部とアンビルとの間で第1及び第2の管状組織を圧縮することと、吻合ステープラを発射して、第1及び第2の管状組織間のステープル留めされた吻合接合部を形成し、同時にアンビルスリーブを第1及び第2の管状組織にステープル留めすることと、吻合ステープラを第1及び第2の管状組織から抜去し、アンビルスリーブを第1及び第2の管状組織の内側に残し、アンビルスリーブを外側から内側に転回及び反転させることと、アンビルスリーブを第1の管状組織から第2の管状組織内に延伸させることと、吻合接合部において、組織の少なくとも部分的な治癒のための十分な時間、アンビルスリーブを第1及び第2の管状組織の内側に残すことと、を含む、方法に関する。
典型的な円形外科用ステープル留め器具の斜視図を示す。 「Devices and methods for anastomosis」と題された米国特許第7,776,081号の図4、図5、図6からの断面図を示す。 「Devices and methods for anastomosis」と題された米国特許第7,776,081号の図4、図5、図6からの断面図を示す。 「Devices and methods for anastomosis」と題された米国特許第7,776,081号の図4、図5、図6からの断面図を示す。 追加の矢印表示を有する「Devices and methods for anastomosis」と題された米国特許第7,776,081号の図6からの断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブの概略斜視図及び断面図を示す。 当技術分野において公知のアンビルの概略断面図を示す。 本発明のアンビルの概略断面図を示す。 本発明のアンビルの概略断面図を示す。 本発明のアンビルの概略断面図を示す。 本発明のアンビルの概略断面図を示す。 本発明のアンビルの概略断面図を示す。 本発明のアンビルの概略断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブ及びアンビルの概略断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブ及びアンビルの概略断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブ及びアンビルの概略断面図を示す。 本発明のアンビルスリーブ及びアンビルの概略断面図を示す。 操作中の本発明のステープラの概略断面図を示す。 操作中の本発明のステープラの概略断面図を示す。 操作中の本発明のステープラの概略断面図を示す。 操作中の本発明のアンビルスリーブの概略断面図を示す。 操作中の本発明のアンビルスリーブの概略断面図を示す。
手術は、多くの場合、ステープル線に沿って組織の部分を任意選択的に同時に切断しながら、2つ又は3つ以上の組織層を共に接合することを伴う。例えば、多くの場合、結腸直腸手術は、結腸及び直腸の分節の切除を伴う。結腸直腸摘除後、結腸及び直腸は、円形ステープラで共に引き寄せられ、端々吻合術が行われる。吻合部の術後の漏出は、病的状態及び死亡に至ることが示されている。
典型的な外科用ステープル留め器具は、ステープル収容構成要素、及び対向するアンビル構成要素を有し、その間で、接合される少なくとも2つの組織層が、ステープル収容構成要素からステープルが送り出される前に圧縮され、それによって、ステープルが両方の組織層を穿孔し、対向するアンビル構成要素に接して曲げられ、変形され、又は閉じられる。
図1をここで参照すると、Ethicon,Inc.(Somerville,NJ)に付与された米国特許第5,271,544号「Surgical anastomosis stapling instrument」から得た図と共に、円形吻合ステープル留め操作を行うための一般的外科用吻合ステープル留め器具又はステープル留め装置が示され、参照により全目的でその全体が本明細書に組み込まれる。図示されるステープル留め装置の様々な修正及び繰り返しは、当技術分野では公知であり、類似の特徴を有する。円形吻合外科用ステープル留め器具500は、長手方向に湾曲した支持シャフト組立体700によって近位のアクチュエーターハンドル組立体800に接続された遠位のステープル留め頭部組立体600を含む。ステープル留め器具は、ステープル留め頭部組立体600に対して長手方向にスライド可能であり、かつ、軸方向に延伸する移動可能なシャフト1040上に取り付けられたアンビル組立体、つまり、アンビル1000を含む。任意選択的な回転可能な調整ノブ820は、ステープル留め頭部組立体600とアンビル組立体1000との間の間隔を調整する、アクチュエーターハンドル組立体800の近位端に備えられている。組織の隣接する切片を圧縮する他の接近手段が、当業者に既知であり、使用され得る。任意選択的な移動可能なインジケータ840が、調節ノブ820の回転によって選択されたステープル高さ及び/又はステープル留め頭部組立体600とアンビル1000との間の隙間を示すために、ハンドル組立体800の上部の任意選択的な窓850を通して視認可能である。インジケータ840は移動可能であり、アンビルの隙間がステープル留め器具500の所望の動作範囲内であることを示す。インジケータ840の位置はまた、選択されたステープル高が高いか低いかどうかを示す。
所望のステープル高を提供するためにアンビル組立体1000が閉じられているとき、ステープル留め頭部組立体600から外科用ステープルを打ち込むために、アクチュエーターハンドル組立体800に、ステープル作動レバー860が枢動可能に取り付けられる。枢動式ラッチ部材880は、アンビルの隙間が既定範囲外であるときにステープル留め頭部組立体600の作動を阻止するように、ステープル作動レバー860が移動しないようにロックするために、ハンドル組立体800上に取り付けられる。ステープル留め頭部組立体600は、管状ケーシング610、及びケーシング610の近位端で、支持シャフト700の遠位端を受容する中空の管状コネクタ640を含む。フェルール、つまりスリーブ720は、管状コネクタ640と支持シャフト700の遠位端との間の接合部と重なり合う。支持シャフト700の近位端は、アクチュエーターハンドル組立体800の遠位端で管状延伸部740によって受容される。フェルール、つまりスリーブ760は、支持シャフト700の近位端と管状延伸部740の遠位端との間の接合部と重なり合う。移動可能なインジケータ840は、調整ノブ820の回転によって選択されたステープル高を示すように、ハンドル組立体800の上部の窓850を通して視認可能である。
円形の外科用ステープラの他のバージョン及び修正は、当業者に既知である。ステープルを収容するスロットが、典型的には少なくとも2つ、及びしばしばそれ以上の同心のステープル留め線又は同心円状の列でシャフト1040を囲み、各列内のステープルは、典型的には、封着を改善して、ステープル留め線に沿って漏出を防止するために、隣接する列内のステープルに対して互い違い又はオフセットに配置される。
臨床所見により、早くも術後1〜2日に吻合部において又はその近傍で全層腸欠損の形成が発生し得ることがわかっており、漏出の臨床症状が発生する典型的な期間は、術後1〜5日である。例えば、K.Jonsson,H.Jiborn,B.Zederfeldt,「Breaking strength of small intestinal anastomoses」,The American Journal of Surgery,v.145,pp.800〜803,1983、Y.−H.Ho,M.A.T.Ashour,「Techniques for colorectal anastomosis」,World Journal of Gastroenterology,16(13),pp.1610〜1621,2010を参照されたい。
ここで図2A〜図2Cを参照すると、米国特許第7,776,081号の管状の結腸直腸ドレインが示されており、その特許の図4、図5、及び図6が再現され、吻合接合部にステープル留めされた装置を示している。ここで図3を参照すると、その特許の図6が装置の欠損を示す矢印を追加して再び再現される。具体的には、小さい暗色の矢印は、装置が、腸環境及び/又は微生物相への曝露から隔離することができないエリアを示す(具体的には、組織のステープル留めされたエリア及び組織の切断エリア)。大きい白色の矢印は、吻合接合部が一時的に漏出している場合に、装置が漏出を防止することができないことを概略的に示す。
簡潔には、本発明によれば、隔離スリーブは、円形吻合ステープラからのステープルが展開され、かつ吻合接合部が組織内腔の2つの部分を接続することを確立される際に、円形吻合ステープラ上に位置付けられ、かつ吻合接合部にステープル留めされたスリーブの一端によって展開される。円形吻合ステープラが抜去されると、スリーブは、ステープラから解放され、一緒にステープル留めされた管状組織のエリアを被覆及び隔離し、追加の補強を提供し、特に、適正にステープル留めされ、かつ適正に切除されたエリアを汚染及び潜在的感染から隔離する。任意選択的に、薬剤がスリーブからスリーブと組織との間に形成されたポケットエリア内に放出され、かかる薬剤は、例えば、抗細菌剤又は抗感染剤である。
ここで本発明の実施形態を示す図4A〜図4Fを参照すると、図4Aは、本発明の略中空、円筒形、可撓性、かつ管状のアンビルスリーブ200の概略斜視図を示し、壁240によって形成されたアンビルスリーブ200は、円形縁210によって形成された遠位スリーブ開口部220を、近位フランジ235内に形成された近位開口部230を有する近位フランジ235に接続している。
図4Bを参照すると、図4Aのアンビルスリーブ200の概略断面図が示されている。図4Cは、遠位スリーブ開口部220に面するフランジ235の側面であるフランジ235の組織に面する側面の反対側の側面上で、フランジ235上に設置された補強バットレス205aを有する、アンビルスリーブ200の別の実施形態の概略断面図を示す。また、フランジ235に対して遠位であり、かつ遠位スリーブ開口部220に対して近位である、壁240の一部分である遠位部分213が示されている。図4Dは、遠位スリーブ開口部220に面していないフランジ235の側面である、フランジ235の組織に面する側面上に設置されている同様の補強バットレス205bを有する、アンビルスリーブ200の別の実施形態の概略断面図を示す。バットレス205a、205bはまた、接合部で組織の高張力を生じさせ得る半径方向の拡張を防止し得る。バットレスはまた、アンビルスリーブ200による被覆を広げることを助け得る。
ここで図4Eを参照すると、アンビルスリーブ200の概略斜視図が、フランジ235に近接する壁240の直径よりも小さい近位フランジ235内に形成され、したがって、壁240と近位開口部230との間でアンビルスリーブ200の中心に向かって近位フランジ235から延伸する内側フランジ231を形成する近位開口部230を有して示されている。図4Fは、図4Eの実施形態の概略断面図を示す。図4E〜図4Fの実施形態における近位開口部230は、移動可能なシャフト1040を受け入れるように構成されている。
いくつかの実施形態では、アンビルスリーブ200の少なくとも一部分は、スリーブに沿って、剛性、可撓性、又は厚さ等の変化する機械的特性を有する。一実施形態では、フランジ235は、アンビルスリーブ200の残部よりも厚く、かつ可撓性が低い。いくつかの実施形態では、膨張可能な弾性リングは、円形縁210内に組み込まれている。
ここで図5A〜5Dを参照すると、アンビルスリーブ200の実施形態は、アンビルスリーブ200の遠位部分213が壁240上に後方に反転され、かつ折り畳まれている、又は巻かれている状態の概略断面図で示されている。図5Aは、遠位部分213が反転され、壁240の外側で2回折り畳まれた状態のアンビルスリーブ200の実施形態を示す。遠位部分213は、1回、2回(示されるように)、又はより多くの回数、折り畳まれてもよい。図5Bは、遠位部分213が反転され、壁240の外側でそれ自体に対して巻かれ、巻かれた遠位部分213とフランジ235との間に3〜15mmの空間を有している状態のアンビルスリーブ200の実施形態を示す。図5Cは、遠位部分213が反転され、壁240の外側でそれ自体に対して巻かれ、巻かれた遠位部分213とフランジ235との間で、0、1、2、2.5mm等の3mm未満の空間を有している状態のアンビルスリーブ200の実施形態を示す。図5Dは、壁240の外側で遠位部分213が反転され、それ自体に対して巻かれた内側フランジ231を有する図4E、図4Fの実施形態に対応するアンビルスリーブ200の実施形態を示す。
ここで図6Aを参照すると、近位フランジ235のより幅の狭い中空部分、及び遠位スリーブ開口部220又は円形縁210のより幅の広い中空部分を有する円錐台形形状を有するアンビルスリーブ200の別の実施形態の概略斜視図である。図6Bは、図6Aに示されるアンビルスリーブ200の実施形態の概略断面図を示す。また、フランジ235に対して遠位であり、かつ遠位スリーブ開口部220に対して近位である、壁240の一部分である遠位部分213が示されている。
ここで図6Cを参照すると、本発明のアンビルスリーブ200の実施形態の概略断面図が示されており、遠位部分213は、壁240の外側で反転され、2回折り畳まれている。遠位部分213は、1回、2回(示されるように)、又はより多くの回数、折り畳まれてもよい。図6Dは、遠位部分213が反転され、壁240の外側でそれ自体に対して巻かれ、巻かれた遠位部分213とフランジ235との間に0〜15mmの空間を有している状態のアンビルスリーブ200の実施形態を示す。
ここで図6Eを参照すると、円錐台形形状を有するアンビルスリーブ200の実施形態の概略斜視図が、フランジ235に近接する壁240の直径よりも小さい近位フランジ235内に形成され、したがって、壁240と近位開口部230との間で近位フランジ235から延伸する内側フランジ231を形成する近位開口部230を有して示されている。図6Fは、図6Eの実施形態の概略断面図を示す。図6Gは、本発明の内側フランジ231のアンビルスリーブ200の実施形態の概略断面図を示し、遠位部分213は、壁240の内側で反転され、2回折り畳まれている。図6E〜図6Fの実施形態における近位開口部230は、移動可能なシャフト1040を受け入れるように構成されている。
ここで図7を参照すると、アンビル1000の概略断面図が、当技術分野において公知であるものとして示されている。アンビル1000は、遠位端又は上部分1003、側壁1002、組織に面する端又はステープルに面する表面1001、ステープル110の列(図示せず)に対向するステープルに面する表面1001の周辺のステープル屈曲ゾーン1025、アンビル1000に接続された移動可能なシャフト1040、及び円形若しくは同心ナイフ当接ゾーン又は円形ナイフ凹部1020を有して示されている。
ここで図8A〜図8Fを参照すると、本発明のアンビル1000の概略断面図が示されている。図8Aは、包囲されたチャンバ又は周方向凹部1030aを内側に有するアンビル1000の実施形態を示し、周方向凹部1030a内への周方向入口1031を有している。周方向入口1031は、組織に面する端又はステープルに面する表面1001上に位置付けられている。周方向入口1031は、円形ナイフ当接ゾーン又は円形ナイフ凹部1020の周囲に同軸に位置付けられている。周方向入口1031は、次いで、ステープルに面する表面1001の周辺に位置するステープル屈曲ゾーン1025によって同軸に囲まれている。周方向入口1031は、ステープル屈曲ゾーン1025と、又は円形ナイフ当接ゾーン若しくは円形ナイフ凹部1020と重ならないように構成されており、円形分離壁1021は、周方向入口1031と円形ナイフ凹部1020との間で同軸に位置付けられている。
図8Bは、図8Aに示されているものと同様の実施形態を示しているが、アンビル1000の内側に、より幅の広い、かつ膨張した周方向凹部1030bを有し、周方向凹部1030a内への同一の幅の狭い周方向入口1031を含んでいる。アンビル1000の内側の周方向凹部1030bの膨張は、示されているように、任意の方向であってもよく、即ち、アンビル1000の周辺及び中心の両方に向けられ得る。
図8Cは、図8Aに示されているものと同様の実施形態を示しているが、アンビル1000の内側に、より幅の広い、かつ膨張した周方向凹部1030cを有し、周方向凹部1030c内への同一の幅の狭い周方向入口1031を含んでいる。アンビル1000の内側の周方向凹部1030cの膨張は、任意の方向であってもよいが、この実施形態では、アンビル1000の中心にほぼ向けられている。
図8Fは、図8Aに示されているものと同様の実施形態を示しているが、アンビル1000の内側に、より幅の広い、かつ膨張した周方向凹部1030dを有し、周方向凹部1030d内への同一の幅の狭い周方向入口1031を含んでいる。アンビル1000の内側の周方向凹部1030dの膨張は、任意の方向であってもよいが、この実施形態では、アンビル1000の周辺にほぼ向けられている。
図8Eは、図8Aに示されているものと同様の実施形態を示しているが、周方向入口1031及び又は周方向凹部1030eと円形ナイフ凹部1020との間に円形分離壁1021を有していない周方向凹部1030eを有している。
図8Dは、図8Eに示されているものと同様の実施形態を示しているが、円形ナイフ凹部1020と融合された周方向凹部1030fを有している。
ここで図9A〜図9Dを参照すると、本発明のアンビル1000の概略断面図が、アンビルスリーブ200が設置された状態で示されている。図9Aは、図8Aの実施形態と同様のアンビル1000の実施形態を示しており、アンビルスリーブ200が、図5A又は図6Cの実施形態と同様に設置されている。フランジ235は、ステープルに面する表面1001の周辺に当接しており、ステープル屈曲ゾーン1025に対して設置されている。遠位部分213等のアンビルスリーブ200の壁240の全体又は壁240の少なくとも一部分は、周方向凹部1030a内に挿入及び封入され、周方向入口1031を通して挿入され、それ自体に対して周方向凹部1030aの内側で折り畳まれている。
図9Bは、図8B又は図8Dの実施形態と同様のアンビル1000の実施形態を示しており、アンビルスリーブ200が図5B〜図5C又は図6Dの実施形態と同様に設置されている。フランジ235は、ステープルに面する表面1001の周辺に当接しており、ステープル屈曲ゾーン1025に対して設置されている。遠位部分213等のアンビルスリーブ200の壁240の全体又は壁240の少なくとも一部分は、周方向凹部1030d内に挿入及び封入され、周方向入口1031を通して挿入され、それ自体に対して周方向凹部1030dの内側で巻かれている。
図9Bはまた、周方向凹部1030dの内側に設置された任意選択的な保持リング1011も示している。保持リング1011は、周方向凹部1030dに緩く嵌合するように構成された。保持リング1011は、金属、ポリマー等の任意の材料で作製され得る。保持リング1011は、弾性、硬質、又は準硬質であり得る。図9Bに示されているように、遠位部分213は、保持リング1011の周囲に任意選択的に巻かれ得る。代替的に、(図示せず)遠位部分213は、保持リング1011の上でそれ自体に対して巻かれてもよい。
図9Cは、図8Fの実施形態と同様のアンビル1000の実施形態を示しており、アンビルスリーブ200が図4B又は図6Bの実施形態と同様に設置されている。フランジ235は、ステープルに面する表面1001の周辺に当接しており、ステープル屈曲ゾーン1025に対して設置されている。遠位部分213等のアンビルスリーブ200の壁240の全体又は壁240の少なくとも一部分は、周方向凹部1030f内に挿入及び封入され、一方で円形ナイフ凹部1020に対して、かつその中で移動する円形ナイフとのいかなる干渉も回避するように位置付けられている。
図9Dは、図9Bの実施形態と同様であるが、アンビルスリーブ200が内側フランジ231を有する、アンビル1000及びアンビルスリーブ200の実施形態を示している。
本発明の実施形態によると、全ての実施形態では、図4、図5、図6に示されるアンビルスリーブ200は、図8に示されるアンビル1000上に設置され、フランジ235は、ステープルに面する表面1001の周辺及び対向するステープル110の列に当接し、かつステープル屈曲ゾーン1025に対して設置されている。遠位部分213等のアンビルスリーブ200の壁240の全体又は壁240の少なくとも一部分は、周方向凹部1030内に挿入及び封入され、任意選択的に周方向入口1031を通して挿入され、任意選択的に周方向凹部1030の内側でそれ自体に対して折り畳まれているか、又はそれ自体に対して巻かれている。内側フランジ231を有する実施形態を除く全ての実施形態では、アンビルスリーブ200は、円形ナイフ凹部1020に対して、かつその中で移動する円形又は同心ナイフとのいかなる干渉も回避するように構成され位置付けられている。内側フランジ231を有する実施形態では、内側フランジ231は、ステープル留めの間に、同心ナイフの作用によって切断される。
本発明の一実施形態によると、フランジ235を含むアンビルスリーブ200の第1の部分は、ステープル屈曲ゾーン1025上に取り付けられ、遠位部分213を含むアンビルスリーブ200の第2の部分は、周方向凹部1030内に解放可能に格納され、フランジ235と遠位部分213との間の中間の壁240の一部を含むアンビルスリーブ200の第3の部分は、周方向入口1031を通過する。
上に示されるように、ポリマー、可撓性、かつ少なくとも部分的に弾性の材料で作製され得るアンビルスリーブ200は、アンビル1000の内側で解放可能に嵌合する壁240の少なくとも一部分を有するように構成され、アンビル1000は、アンビル200壁240を周方向凹部1030の内側で少なくとも部分的に包囲している。
一実施形態では、アンビルスリーブ200の壁240は、約0.1mm〜約3mm、例えば、0.25mm、0.5mm、1mmのサイズを有する複数の開口、孔、又は穿孔(図示せず)を含む。一実施形態では、遠位部分213のみが、複数の開口、孔、又は穿孔(図示せず)を有する。一実施形態では、開口は、円形、正方形、三角形、又は同様のものである。別の実施形態では、開口は、0.1mmの切断幅、10mmである切断長さ等の、5〜150の幅に対する長さの比率を有する細長い切断部を有する。
ここで図10Aを参照すると、管状組織T1及びT2の吻合接合を実施する円形ステープラの一部分の概略断面部分図が提示されている。アンビル1000は、管状組織T1内に配設され、移動可能なシャフト1040を介してステープル留め頭部600に接続されて示されている。ステープル留め頭部600は、管状組織T2内に配設され、支持シャフト組立体700上に支持されて示されている。簡略化のために、ステープル展開機構、及び組織を切断する円形又は同心ナイフ601を展開する機構は、図示されていない。図10は、接近したアンビル1000及びステープル留め頭部600を示しており、組織T1及びT2をそれらの間で圧縮している。アンビルスリーブ200のフランジ235は、ステープル留め頭部600とアンビルスリーブ1000との間に配設され、フランジ235は、アンビルスリーブ200の組織に面する側面上にある。
図10は、図8Cの実施形態と同様のアンビル1000の実施形態に対して取り付けられた、図5B、図5C、図6Dのアンビルスリーブ200の実施形態を示している。本発明のアンビルスリーブ200及びアンビル1000の任意の他の実施形態は、図10及び以下に示される実施形態で置換され得る。
ここで図10Bを参照すると、図10Aに示されるものと同様の本発明の実施形態が提示されているが、アンビルスリーブ200は、内側フランジ231を有している。ステープル留めの間、内側フランジ231は、同心ナイフ601の作用によって切断される。
ここで図11を参照すると、図10の実施形態の構成が示され、ステープル留め器具500を作動させた後、即ち、ステープル110が発射され、したがって、組織を切断する円形又は同心ナイフ601を展開し、次いで、格納することによって形成される組織ドーナツ又はカットアウト120の周囲に1つ又は2つ以上の同心列に同心に配置されたステープル110を用いて組織T1とT2との間のステープル留めされた接合を確立した後の構成を示している。対向するステープル110の列に対向し、かつフランジ235に対応するアンビルスリーブ200のエリア202は、組織T1及びT2にステープル留めされる。
ステープル110を展開し、組織カットアウト120を切断し、したがって、吻合接合部を確立した後、アンビルスリーブ200が組織T1及びT2にステープル留めされた状態で、フランジ235に対応するエリアにおいて、円形ステープラ500は、矢印Aの方向に抜去される。アンビル1000が矢印Aの方向にステープル110を越えて移動すると、アンビルスリーブ近位端又はフランジ235がステープル110によって組織上に固定された状態で、アンビルスリーブ200は、遠位端213が周方向凹部1030から解放された状態で、外側から内側に転回され、反転される。
内側フランジ231を有するアンビルスリーブ200の実施形態に関して、図10Bに示されたように、ステープル留めの間、内側フランジ231は、同心ナイフ601の作用によってアンビルスリーブ200から切断される。したがって、内側フランジ231は、アンビルスリーブ200から分離され、管状組織T1及びT2からの円形ステープラ500の除去後にも、アンビル1000とステープル留め頭部600との間に留まる。
ここで図12を参照すると、図11に示されている構成の概略断面図が、円形ステープラ500を省略して、提示されている。矢印Bは、アンビルスリーブ200の遠位端がアンビル1000(図示せず)によって引かれる方向を示す。したがって、アンビルスリーブ200は、外側から内側に転回され、反転され、一方で、周方向凹部1030から管状組織T2内に解放される。
ここで図13を参照すると、円形ステープラ500の除去、並びに吻合接合された組織内腔T1及びT2の周囲及びその上へのアンビルスリーブ200の展開後の概略断面図が示されている。アンビルスリーブ200は、組織内腔T1内の組織T1及びT2にステープル留めされ、次いで、反転/外側から内側に転回され、ステープル110によってステープル留めされた組織T1及びT2のエリアを通過し、組織内腔T1から組織内腔T2内に延伸し、次いで、切断及びステープル留めされた組織T1及びT2のエリアを被覆することを完了する。
有利には、切断及びステープル留めされた組織T1及びT2のエリアは、確立された吻合接合部のすぐ近傍の上下に延伸するアンビルスリーブ200によって有益に保護され、潰瘍化及び漏出の対象になり得る吻合接合部の周囲の脆弱な組織の隔離及び保護を可能にする。
本発明の一実施形態によると、吻合接合部を確立し、かつ吻合接合部を隔離及び保護しながら、本発明のアンビルスリーブ200を使用する順序は、以下のとおりである:
a)アンビルスリーブ200を、フランジ235がステープルに面する表面1001の周辺に当接し、かつステープル屈曲ゾーン1025に対して設置された状態でアンビル1000上に軸方向に位置付け、アンビルスリーブ200の壁240の少なくとも一部分が、周方向凹部1030内に挿入され封入されている。
b)アンビル1000を管状組織T1内に軸方向に挿入し、アンビル1000の周囲の組織T1を閉鎖する。
c)ステープル留め頭部600を管状組織T2内に軸方向に挿入する。
d)アンビルシャフト1040を介して、アンビル1000をステープル留め頭部600に接続する。
e)アンビル1000及びステープル留め頭部600を接近させ、管状組織T1及びT2をステープル留め頭部600とアンビル1000との間で圧縮する。
f)吻合ステープラ500を発射し、組織T1及びT2間にステープル留めされた吻合接合部を確立し、アンビルスリーブ200をフランジ235のエリア内で組織T1及びT2に同時にステープル留めする。
g)組織内腔T1及びT2から吻合ステープラ500を抜去し、組織内腔T1及びT2の内側にアンビルスリーブ200を残し、一方でアンビルスリーブ200が、周方向凹部1030から解放され、外側から内側に転回されて反転され、組織T2の内側に展開される。
h)アンビルスリーブ200が、組織T1にステープル留めされた、その近位端及びフランジ235から、組織T1及びT2の切除/ステープル留めされたエリアを越えて、組織内腔T2内に延伸することを可能にし、組織内腔T2でアンビルスリーブ200の対向する遠位端が、次いで、位置付けられる。
i)確立された吻合接合部で組織が少なくとも部分的に治癒するまで、組織内腔T1及びT2の内側にアンビルスリーブ200を残す。
吻合外科処置の完全なステップ、例えば、巾着縫合の適用は、上に列記されていないが、当業者には既知であろう。アンビルスリーブ200の設置後の追加のステップは、以下を含む:
j)任意選択的に、アンビルスリーブ200から治癒を促進する、及び/又は感染を防止する、及び/又は炎症を管理する薬剤を放出する。
k)任意選択的に、アンビルスリーブ200から特殊な微生物相を放出する。
l)3日〜約8週間、より好ましくは1週間、2週間、3週間、4週間、又は6週間の期間後、アンビルスリーブ200が生体外へGI管を通過することを可能にする。
一定の実施形態では、アンビルスリーブ200は、非吸収性ポリマー又は複合体、好ましくはポリマー材料及びエラストマー材料から作製される。一実施形態では、スリーブは、低弾性を有する材料、低エラストマー特性材料で作製されるか、又はエラストマーの圧縮可能/膨張可能な材料で作製され、かつ少なくとも部分的に再吸収性若しくは侵食性/溶解性材料で作製される。スリーブ200は、組織T1及びT2のステープル留めされたエリアとして排出され、最終的に壊死形質転換を受けて死滅する。
一定の実施形態では、アンビルスリーブ200は、1週間、2週間、3週間、又は4週間、最も好ましくは2〜4週間等の、胃腸管(gastro-intestinal、GI)管において、約3日〜約30日の少なくとも部分的に溶解又は再吸収する時間を有する、当業者に既知である、少なくとも部分的に再吸収性又は侵食性/溶解性材料で作製される。いくつかの実施形態では、スリーブ200の壁240は、非吸収性ポリマー又は複合体から作製される。
本発明によると、切除及びステープル留めされた組織のエリアをGI環境に対して防護/隔離することに加えて、治癒を促進する、及び/又はアンビルスリーブ200からの感染を防止する、薬剤の任意選択的な放出が提供される。更に、特殊な微生物相が、アンビルスリーブ200から放出され得る。
本発明によると、アンビルスリーブ200は、任意選択的に、放出可能な抗微生物剤によって少なくとも部分的にコーティング又は含浸される。アンビルスリーブ200の全ての部分は、かかる薬剤によって処理されるか、又は組織T1及びT2のエリアと接触している特定の部分、又は組織T1及びT2のエリアと接触していない特定の部分が、抗微生物剤等の放出可能な医療的に有用な薬剤でコーティング又は含浸され得る。有利には、アンビルスリーブ200は、GI環境からステープル留め及び切断された組織のエリアを防護又は隔離し、これらの組織のエリアのすぐ近傍において、より高い持続濃度の抗微生物剤、又は特定の微生物相等の他の薬剤の確立を可能にする。かかる処置は、組織潰瘍の形成及び他の欠陥を最小限に抑え、吻合漏出の発生を減少させると考えられる。
代替的に、又は上記に加えて、炎症を抑制/管理する薬剤が、スリーブ上にコーティングされ得る、及び/又はスリーブ内に含浸され得る。
スリーブ200の壁240の厚さは、約20ミクロン〜約2mm、より好ましくは50ミクロン〜1mm、例えば、50、100、200、300、500ミクロンである。
アンビルスリーブ200の長さは、スリーブ200が外側から内側に転回され、かつ組織T1のステープル留めされたエリアから組織T2のステープル留めされたエリアの下まで延伸するが、GI管内に完全に留まることを可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、スリーブ200の長さは、約5mm〜約75mm、より好ましくは10mm〜50mm、例えば、10、15、20、25、30、40、50mmである。
いくつかの実施形態では、アンビルスリーブ200内に形成された開口又は微小開口(図示せず)が存在する。
以上、本発明についてその具体的な実施形態を参照して説明してきたが、本明細書に開示される本発明の概念から逸脱することなく、多くの変更、修正、及び変形が可能であることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広義の範囲内にある、全てのかかる変更、修正、及び変形を全て包含するものとする。
〔実施の態様〕
(1) 円形ステープル留め器具であって、
a)組織に面する端及び反対側の遠位端を有するアンビルであって、
前記アンビルが、前記組織に面する端上に周辺ステープル屈曲ゾーン及び同軸円形ナイフ凹部を有し、
前記アンビルが、前記アンビルの内側に形成された周方向凹部を有し、前記周方向凹部内への周方向入口が、前記ステープル屈曲ゾーンと前記円形ナイフ凹部との間で前記組織に面する端上に同軸に位置付けられている、アンビルと、
b)支持シャフト上に取り付けられた円筒形ステープル留め頭部であって、前記ステープル留め頭部が、前記ステープル留め頭部の組織に面する側面上に、同心ナイフと、同心のアレイにおける複数の展開可能なステープルとを収容する、円筒形ステープル留め頭部と、
c)前記アンビルと前記ステープル留め頭部とを接続する、移動可能なシャフトと、
d)近位端にフランジを有する、細長い中空アンビルスリーブと、を備え、
前記アンビルスリーブが、その遠位端及びその近位端で開いており、
前記フランジが、前記ステープル屈曲ゾーンに対して、前記アンビルの前記組織に面する端上に位置付けられており、前記アンビルスリーブの前記遠位端が、前記周方向凹部内に解放可能に配設されている、円形ステープル留め器具。
(2) 前記周方向入口が、前記ステープル屈曲ゾーンと重ならないように構成されている、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(3) 前記周方向入口が、前記円形ナイフ凹部と重ならないように構成されている、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(4) 円形分離壁が、前記周方向入口と前記円形ナイフ凹部との間で前記アンビルの前記組織に面する端上に同軸に形成されている、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(5) 前記アンビルスリーブが、管状又は円錐台形である、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(6) 前記アンビルスリーブ、前記周方向凹部、及び前記周方向入口が、円形ナイフ凹部に対して、かつその中で移動している前記同心ナイフとの前記アンビルスリーブのいかなる干渉及びいかなる接触も回避するように構成されている、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(7) 前記アンビルスリーブ、前記周方向凹部、及び前記周方向入口が、前記円形ステープル留め器具によるステープル留めの前、その間、及びその後に、前記同心ナイフとの前記アンビルスリーブのいかなる干渉及びいかなる接触も回避するように構成されている、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(8) 前記アンビルスリーブが、前記アンビルスリーブの中心に向かって前記フランジから延伸する内側フランジを更に備える、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(9) 前記内側フランジが、前記円形ステープル留め器具によるステープル留めの間に、前記同心ナイフによって切断される、実施態様8に記載の円形ステープル留め器具。
(10) 前記アンビルスリーブの前記フランジと前記遠位端との間の中間の前記アンビルスリーブの一部分が、前記周方向入口を通過する、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(11) 前記アンビルスリーブが、前記アンビルスリーブの前記遠位端で、それ自体に対して折り畳まれるか、それ自体に対して巻かれるか、反転されるか、外側から内側に転回されるか、又は内側から外側に転回される、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(12) 前記アンビルスリーブが、前記フランジ上に配設されたバットレスを更に備える、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(13) 前記アンビルスリーブが、複数の穿孔を有する、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(14) 前記アンビルスリーブが、その遠位端に複数の穿孔を有する、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(15) 前記アンビルスリーブの少なくとも一部分が、1〜8週間の範囲の期間にわたって、哺乳類の胃腸管において、侵食性、溶解性、又は再吸収性である、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(16) 前記アンビルスリーブが、放出可能な抗細菌剤、抗微生物剤、抗感染剤、細菌培養物、又はそれらの組み合わせによって、少なくとも部分的にコーティング又は含浸されている、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(17) 前記アンビルスリーブの少なくとも一部分が、前記スリーブに沿って変化する機械的特性を有する、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(18) 前記フランジが、前記スリーブの残部よりも厚く、かつ可撓性が低い、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(19) 膨張可能な弾性リングが、前記アンビルスリーブの前記遠位端内に組み込まれている、実施態様1に記載の円形ステープル留め器具。
(20) 実施態様1に記載の円形ステープル留め器具によって管状組織内腔間に吻合接合部を確立する方法であって、前記方法が、
a.前記アンビルスリーブを前記アンビル上に軸方向に位置付け、前記アンビルを第1の管状組織内に軸方向に挿入し、かつ前記第1の管状組織を前記アンビルの周囲で閉鎖する、ステップと、
b.前記ステープル留め頭部を第2の管状組織内に軸方向に挿入するステップと、
c.前記移動可能なシャフトを介して、前記アンビルを前記ステープル留め頭部に接続するステップと、
d.前記アンビル及び前記ステープル留め頭部を接近させて、前記ステープル留め頭部と前記アンビルとの間で前記第1及び第2の管状組織を圧縮するステップと、
e.前記吻合ステープラを発射して、前記第1及び第2の管状組織間にステープル留めされた吻合接合部を形成し、同時に前記アンビルスリーブを前記第1及び第2の管状組織にステープル留めするステップと、
f.前記吻合ステープラを前記第1及び第2の管状組織から抜去し、前記アンビルスリーブを前記第1及び第2の管状組織の内側に残すステップと、
g.前記アンビルスリーブを外側から内側に転回及び反転させるステップと、
h.前記アンビルスリーブを前記第1の管状組織から前記第2の管状組織内に延伸させるステップと、
i.前記吻合接合部において、前記組織の少なくとも部分的な治癒のための十分な時間、前記アンビルスリーブを前記第1及び第2の管状組織の内側に残すステップと、を含む、方法。

Claims (19)

  1. 円形ステープル留め器具であって、
    a)組織に面する端及び反対側の遠位端を有するアンビルであって、
    前記アンビルが、前記組織に面する端上に周辺ステープル屈曲ゾーン及び同軸円形ナイフ凹部を有し、
    前記アンビルが、前記アンビルの内側に形成された周方向凹部を有し、前記周方向凹部内への周方向入口が、前記ステープル屈曲ゾーンと前記円形ナイフ凹部との間で前記組織に面する端上に同軸に位置付けられている、アンビルと、
    b)支持シャフト上に取り付けられた円筒形ステープル留め頭部であって、前記ステープル留め頭部が、前記ステープル留め頭部の組織に面する側面上に、同心ナイフと、同心のアレイにおける複数の展開可能なステープルとを収容する、円筒形ステープル留め頭部と、
    c)前記アンビルと前記ステープル留め頭部とを接続する、移動可能なシャフトと、
    d)近位端にフランジを有する、細長い中空アンビルスリーブと、を備え、
    前記アンビルスリーブが、その遠位端及びその近位端で開いており、
    前記フランジが、前記ステープル屈曲ゾーンに対して、前記アンビルの前記組織に面する端上に位置付けられており、前記アンビルスリーブの前記遠位端が、前記周方向凹部内に解放可能に配設されている、円形ステープル留め器具。
  2. 前記周方向入口が、前記ステープル屈曲ゾーンと重ならないように構成されている、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  3. 前記周方向入口が、前記円形ナイフ凹部と重ならないように構成されている、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  4. 円形分離壁が、前記周方向入口と前記円形ナイフ凹部との間で前記アンビルの前記組織に面する端上に同軸に形成されている、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  5. 前記アンビルスリーブが、管状又は円錐台形である、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  6. 前記アンビルスリーブ、前記周方向凹部、及び前記周方向入口が、円形ナイフ凹部に対して、かつその中で移動している前記同心ナイフとの前記アンビルスリーブのいかなる干渉及びいかなる接触も回避するように構成されている、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  7. 前記アンビルスリーブ、前記周方向凹部、及び前記周方向入口が、前記円形ステープル留め器具によるステープル留めの前、その間、及びその後に、前記同心ナイフとの前記アンビルスリーブのいかなる干渉及びいかなる接触も回避するように構成されている、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  8. 前記アンビルスリーブが、前記アンビルスリーブの中心に向かって前記フランジから延伸する内側フランジを更に備える、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  9. 前記内側フランジが、前記円形ステープル留め器具によるステープル留めの間に、前記同心ナイフによって切断される、請求項8に記載の円形ステープル留め器具。
  10. 前記アンビルスリーブの前記フランジと前記遠位端との間の中間の前記アンビルスリーブの一部分が、前記周方向入口を通過する、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  11. 前記アンビルスリーブが、前記アンビルスリーブの前記遠位端で、それ自体に対して折り畳まれるか、それ自体に対して巻かれるか、反転されるか、外側から内側に転回されるか、又は内側から外側に転回される、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  12. 前記アンビルスリーブが、前記フランジ上に配設されたバットレスを更に備える、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  13. 前記アンビルスリーブが、複数の穿孔を有する、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  14. 前記アンビルスリーブが、その遠位端に複数の穿孔を有する、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  15. 前記アンビルスリーブの少なくとも一部分が、1〜8週間の範囲の期間にわたって、哺乳類の胃腸管において、侵食性、溶解性、又は再吸収性である、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  16. 前記アンビルスリーブが、放出可能な抗細菌剤、抗微生物剤、抗感染剤、細菌培養物、又はそれらの組み合わせによって、少なくとも部分的にコーティング又は含浸されている、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  17. 前記アンビルスリーブの少なくとも一部分が、前記スリーブに沿って変化する機械的特性を有する、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  18. 前記フランジが、前記スリーブの残部よりも厚く、かつ可撓性が低い、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
  19. 膨張可能な弾性リングが、前記アンビルスリーブの前記遠位端内に組み込まれている、請求項1に記載の円形ステープル留め器具。
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