[0030] 粒子検出、エッチング/堆積速度モニタリング、或いは、その他の製造、又はウエハ製造プロセスの制御に使用される装置及び方法が、様々な実施形態に従って説明される。以下の説明においては、解説を目的として、実施形態の網羅的な理解を提供するために多数の具体的な詳細事項が明記される。実施形態はこれらの具体的な詳細がなくとも実践可能であることが、当業者には明らかになろう。他の事例では、実施形態が不必要に不明瞭にならないように、集積回路製造などの周知の態様については詳細に説明していない。さらに、添付の図に示す様々な実施形態は例示的な表現であり、必ずしも縮尺どおりには描かれていないことを理解されたい。
[0031] 材料の堆積及び除去を測定するための既存の技法はいずれも、ウエハ製造プロセスのリアルタイムの測定及び制御を提供するものではない、又は堆積/除去を直接測定する代わりに二次因子との相互関係に基づいて材料の堆積/除去の推定を提供するものではない。例えば、エリプソメータを使用して膜厚を測定することができるが、エリプソメータは周期的なモニタであり、通常の操業時間の堆積/除去速度における偏位又はドリフトをリアルタイムで検出することはできない。さらに、例えば、プラズマにおけるRF整合位置又はガス濃度等の二次因子を測定するためのウエハ処理ツールの処理チャンバに設置されたセンサは、関心対象(堆積/除去速度)の変数を直接測定せず、上記測定は、プラズマを有さないチャンバ内ではより困難となる。
[0032] 真空条件下、及びプラズマ不在条件下など、あらゆる圧力状態で、材料の堆積又は材料の除去を測定するマイクロセンサを有するウエハ処理機器が以下で説明される。例えば、処理チャンバ上に装着されたマイクロセンサはセンサ表面を含んでいてよく、マイクロセンサのパラメータ(例えば、キャパシタンス)は、材料がセンサ表面上に堆積されたとき、あるいはセンサ表面から除去されたときに変化しうる。このため、材料の堆積又は除去量あるいは速度のリアルタイムの測定、及び上記量又は速度の均一性を監視し、これを使用してウエハ処理システムによって実施されるウエハ製造プロセスを制御することが可能である。
[0033] ウエハ製造プロセスのリアルタイム測定に使用されるマイクロセンサは経時的に変化する。より具体的には、意図的に、センサ表面はエッチングによって取り除かれて(或いは、堆積によって成長して)粗くなることがあり、センサ表面の表面積が変化すること、センサ表面が酸化されることなどもありうる。このような変化はマイクロセンサの感度に影響を及ぼし、信頼性を低下させる。例えば、数十回のウエハ処理サイクル後、マイクロセンサは信頼性を失うことがあり、マイクロセンサの洗浄又は交換のため処理チャンバは開放しなければならない。しかしながら、マイクロセンサのこのようなリフレッシュ作業は、ウエハ製造プロセスの処理フローを中断しうるため、マイクロセンサが劣化しても、ウエハ製造プロセスを停止することなく、ウエハ処理機器のセンシング能力を延ばすことが必要である。
[0034] 一態様では、異なるマイクロセンサが劣化したマイクロセンサを代替できるように、ウエハ処理機器は選択的に露出可能なマイクロセンサを含みうる。例えば、各マイクロセンサは、介在マスク層によって分離される数層のセンシング層を含んでもよい。したがって、第1のセンシング層が劣化した後、センシング層及び一又は複数の介在マスク層は、下部の(下側に存在する)センシング層を露出させて能動的に動作させるために取り除かれてもよい。代替的に、幾つかの横方向に分離されたセンシング層は、様々な厚さを有するブランケットマスク層によって被覆されうる。したがって、ブランケットマスク層は、各センシング層に重ねられたブランケットマスク層の厚さに基づいて、センシング層を順次露出するようにエッチングされうる。例えば、ブランケットマスク層が取り除かれると、第1の厚さの材料の下の第1のセンシング層が露出され、ある時間が経過した後、第1の厚さよりも大きな第2の厚さの材料の下の第2のセンシング層がこれに続く。劣化したセンシング層を交換するため、フレッシュなセンシング層を露出することを可能にするセンサスキームを用いると、ウエハ処理機器の寿命は、より具体的には、センサの保守のために処理チャンバを開けることが必要になる前に実施しうるウエハ製造プロセスのウエハ処理サイクルの数は、増加しうる。
[0035] 以下に説明するウエハ処理システム及び方法を、材料が基板に堆積されるあるいは基板から除去されるいずれかの形状因子又はプロセスにおいて使用することが可能であることが理解されるであろう。さらに具体的には、ウエハ処理システム及び方法は集積回路の製造のためのウエハ処理に関連して説明されるが、デバイス及び方法を、例えばエレクトロニクス産業のディスプレイ及び/又は太陽光発電産業の光電池等の他の技術での使用に適合させることも可能である。
[0036] 図1を参照すると、一実施形態によるウエハ処理システムが示されている。ウエハ処理システム100は、通信リンク106によって、コンピュータシステム104に通信可能に結合されたウエハ処理ツール102を含みうる。通信リンク106は、有線又は無線接続であってよい、すなわち、ウエハ処理ツール102は、コンピュータシステム104と直接又は無線で通信しうる。幾つかの実施形態では、データは通信リンク106によって、ウエハ処理102及び/又はウエハ処理ツール102内のデバイスから転送されうるが、ウエハ処理ツール102内のデバイスは受動的なデバイスになりうることが理解されるであろう。すなわち、デバイスはウエハ処理ツール102によって処理されること、また、変化をうけることがあり、その変化はデバイスがウエハ処理ツール102から取り出された後に測定されうる。これは、以下で説明するように、例えば、粒子検出ツール又はエッチング/堆積モニタリングツールの機能になりうる。
[0037] ウエハ処理ツール102は、一又は複数のロードロック112によってファクトリインターフェース110に物理的に接続されたバッファチャンバ108を含みうる。さらに、一又は複数の処理チャンバ114は、一または複数のそれぞれのロードロック112によってバッファチャンバ108に物理的に接続されうる。バッファチャンバ108は、処理チャンバ114内のプロセス圧力よりも高い圧力ではあるが低圧に維持される処理チャンバ114の各領域よりも大きい、中間領域として機能しうる。したがって、半導体ウエハ、例えばシリコンウエハを、半導体デバイスの製造中に真空条件下でウエハ処理ツール102のチャンバ間で移動させることができる。このような移動は、例えばロボット、ロボットアーム、シャトルなどのウエハ処理ツール102に含まれる様々なデバイスによって実現することができる。
[0038] 様々な製造工程を処理チャンバ114で実施することができる。例えば、少なくとも1つの処理チャンバ114は、エッチングチャンバ、堆積チャンバ、半導体リソグラフィツールのチャンバ、又は他のいずれかの半導体処理チャンバであってよい。このため、処理チャンバ114を使用して、真空条件下、大気条件下、又は他のいずれかの圧力状態下でウエハ製造プロセスを実施することが可能である。
[0039] 圧力状態の変化に加えて、処理チャンバ114を使用して、異なるエネルギー条件を有する製造プロセスを実施することも可能である。例えば、処理チャンバ114は、プラズマを含まないラジカル駆動エッチングチャンバ又は堆積チャンバであってよい。すなわち、処理チャンバ114は、ウエハ製造プロセス中はプラズマ不在状態でありうる。代替的に、処理チャンバ114は、プラズマベースのエッチングチャンバ又は堆積チャンバになりうる。
[0040] ウエハ製造プロセス中、半導体ウエハはバッファチャンバ108からロードロック112を通って処理チャンバ114のうちの1つへ移送されうる。処理チャンバ114は、例えば、真空ポンプ及び/又はターボポンプ(図4)を使用して、真空条件まで引き下げられるチャンバ圧力を有しうる。この説明の文脈において、真空条件は0.5atm未満の任意の圧力であってよい。一実施形態では、処理チャンバ114の真空条件は、処理チャンバ114がバッファチャンバ108の圧力を下回る(例えば100ミリトール未満の)チャンバ圧を有するときに存在する。したがって、処理チャンバ114内で実施される製造工程は真空条件下で行われる
[0041] 一又は複数の粒子は、処理チャンバ114内で実施される製造工程中に生成されうる。例えば、粒子は、特定の工程が行われるとき、例えば、ロードロック112のバルブが開かれるとき、ロードロックドアがロックされるとき、リフトピンが動かされるとき、或いは、他の任意のツール操作が行われるときに、処理チャンバ114内に放出される金属又は非金属粒子になりうる。放出された粒子は、半導体ウエハに付着することがあり、粒子の付着位置及びタイミングは粒子汚染源によって異なりうる。例えば、粒子は、ロードロック112により近いところで、ロードロック112が閉じられるときに半導体ウエハに付着することがあり、これは、ロードロック112の構成要素及び/又はロードロック112の差動が粒子源であることを示している。このように、粒子が半導体ウエハに付着する位置及びタイミングに関する情報を提供する粒子モニタリングが、粒子汚染源の特定に有用となりうることがわかる。
[0042] 図2を参照すると、一実施形態による粒子モニタリング装置が示されている。粒子モニタリング装置200は、チャンバ間に、例えば、ウエハ処理ツール102のバッファチャンバ108及び/又は処理チャンバ114の間に移動されるように構成されうる。例えば、粒子モニタリング装置200は、すべての形成因子及び/又は半導体ウエハと同じ材料及び形状を有するウエハ基板202を含みうる。すなわち、ウエハ基板202は、半導体材料、例えば、結晶シリコン材料から少なくとも部分的に構成されうる。さらに、ウエハ基板202は、基本的にディスク形状のウエハ形成因子を有し、直径206を有する支持体面204を含みうる。支持体面204はディスクの上面であってよく、ウエハ基板202の底面(図示せず)は支持体面204から厚さ208だけ離間されうる。一実施形態では、ウエハ基板202のウエハ形成因子は95〜455mmの直径206を含み、例えば、直径206は名目上100mm、300mm、又は450mmになりうる。さらに、ウエハ基板202のウエハ形成因子は、1mm未満、例えば525μm、775μm、又は925μmの厚さ208を含みうる。厚さ208はまた、1mmを超えてもよく、例えば、数ミリメートルから最大10mmになりうる。したがって、粒子モニタリング装置200はすぐに利用可能なウエハ材料、典型的なウエハ製造プロセス及び装置を用いて製造されてよく、ウエハ処理ツール102によって処理されるとき、基本的に半導体ウエハをシミュレートしうる。
[0043] 粒子モニタリング装置200は、所定の位置で支持体面204に装着された幾つかのマイクロセンサを含みうる。マイクロセンサは、以下で説明されるタイプの一又は複数のマイクロセンサになりうる。例えば、複数のマイクロセンサ210は、対応するマスク層によって被覆されるそれぞれのセンシング層を含みうる。複数のマイクロセンサ210は、それぞれのパラメータを含み、それぞれのセンシング層の上にそれぞれのセンサ表面を含む。したがって、各パラメータは、各センサ表面に材料が堆積したとき、あるいはセンサ表面から除去されたときに変化しうる。多数のマイクロセンサ210、例えば、数千個から数百万個のマイクロセンサが支持体面204上に装着されうる。各マイクロセンサ210は、既知の位置を有しうる。例えば、第1のマイクロセンサ212は、第1の位置に配置されてよく、第2のマイクロセンサ214は、第2の位置に配置されてよい。第2の位置は、第1の位置に対して、或いは、粒子モニタリング装置200上の他の何らかの基準点に対して周知の配置を有しうる。
[0044] マイクロセンサ210は、支持体面204全体にわたってランダムに分散されてよく、或いは、所定のパターンで配置されてもよい。例えば、図2に示したマイクロセンサ210は、その絶対位置又は相対位置があらかじめ定められた既知のものであっても、支持体面204全体にわたってランダムに分散されているように見える。一実施形態では、マイクロセンサ210は、例えば、格子パターン、同心円パターン、螺旋パターンなどの所定のパターンで配置される。このようなパターンは、粒子モニタリング装置200の支持体面204の正確な位置にマイクロセンサ210を構築するため、既知のエッチング処理を用いて実現されうる。
[0045] 一実施形態では、マイクロセンサ210は、支持体面204の表面積の大部分の上に広げられる。例えば、マイクロセンサアレイの最も外側のマイクロセンサ210を通って描かれる外側の輪郭は、支持体面204の表面積の少なくとも半分になるアレイ領域を描きうる。一実施形態では、アレイ領域は表面積の少なくとも75%で、例えば、支持体面204の表面積の90%を超える。
[0046] 粒子モニタリング装置200のマイクロセンサ210は、一又は複数の電気コネクタを通して、互いに、或いは他の回路と相互接続されていてよい。例えば、マイクロセンサ210は、支持体面204の上を走る電気トレース216によって直列に接続されうる。代替的に、又は追加的に、いくつかのマイクロセンサ210は、それぞれの電気トレース216によって並列に電気接続されうる。このため、マイクロセンサ210間で電気接続をさせることができる、又は電気トレース、導線、ビア、及び他の既知のタイプの電気コネクタを使用して、マイクロセンサ210をウエハ電子回路218に接続させることができる。
[0047] 粒子モニタリング装置200の各マイクロセンサ210は、粒子がセンサと相互作用すると、所定のパラメータの変化を感知するように構成されうる。例えば、マイクロセンサ210は以下で説明するように容量性のマイクロセンサを含んでもよく、マイクロセンサ210のセンサ表面に材料が堆積したとき、或いは材料が除去されたときに変化するキャパシタンスを有しうる。したがって、マイクロセンサ210が、ウエハ処理ツール102の処理チャンバ114などのチャンバ内で粒子を受け取ると、キャパシタンスは変化しうる。本書の用語「受け取る」とは、キャパシタンスに影響を及ぼす、粒子とマイクロセンサ210との間の相互作用を示す。粒子モニタリング装置200は、以下で説明されるように、他のタイプのマイクロセンサを含んでもよく、したがって、粒子がこのようなマイクロセンサによって受け取られたときには、異なるパラメータが感知されることが理解されるであろう。例えば、パラメータは、以下で説明されるように、粒子がマイクロセンサに付着するときに、マイクロセンサの近くを通過するときに、或いはマイクロセンサに衝突するときに変化するマイクロセンサの電圧、電流、或いは他の物理的又は電気的特性であってもよい。当業者であれば、この説明を読むときに、粒子とセンサ間の他の相互作用も理解されるであろう。
[0048] 図3を参照すると、一実施形態による粒子モニタリング装置の断面図が示されている。典型的な半導体ウエハの装填及び処理と同様に、マイクロセンサ210は、システム全体にわたって自動的に装填され移動されるウエハ基板202上にパッケージ化されている。したがって、マイクロセンサ210は、半導体ウエハの製造と同じ環境を経験しうる。一実施形態では、幾つかのマイクロセンサ210を有するセンサ層302は、ウエハ基板202の少なくとも一部を被覆する。したがって、センサ層302のマイクロセンサ210は、ウエハ基板202の支持体面204に装着されている。
[0049] 以下で説明するように、センサ層302とセンシング層は混同してはならない。より具体的には、センサ層302は、一又は複数のマイクロセンサ210が配置されるウエハ処理機器の1つの層で、一方、センシング層は、エッチング/堆積速度、ガス濃度、副生成物の蓄積、粒子などを検出するため、周囲の環境に露出されうる個々のマイクロセンサ210の幾つかの層の1つになりうる。
[0050] 粒子モニタリング装置200の任意の部分は、絶縁体(SOI)基板、又は他のタイプのウエハ上の標準的なシリコンのスタックから構築されうる。ウエハは、ウエハレベルで結合されてよく、すなわち、一体形成された機能的な構成要素を有する個々のウエハの結合である。代替的に、ウエハは、粒子モニタリング装置200の構築の前後に結合されるチップ、センサなどの個々のモジュールを有してもよい。このような処理が、粒子モニタリング装置200に一体化されるエッチングセンサ、高温電子回路、又は他のモジュール/構成要素などを最適化する、SOI技術の利用を可能にすることが理解されるであろう。このような処理が、ウエハ製造プロセス機器のマイクロセンサ210など、以下で説明されるウエハ処理機器の一部を製造するためにも使用されうることが理解されるであろう。
[0051] 一実施形態では、ウエハ基板202は、ウエハ処理ツール102のプラズマによる衝突から粒子モニタリング装置200の電子回路218を保護するように構造化されている。このように、ウエハ基板202は、上部層306と底部層308との間に挟まれたウエハ電子回路などの、電子回路218を含みうる。例えば、電子回路218は、例えば、薄膜バッテリなどの電源304を含みうる。薄膜バッテリは、シリコンの層306、308の間に封入されてもよく、これによって、2つのシリコンウエハによる上部又は底部からのプラズマ衝突に対して保護されうる。さらには、電源304は、バリアシール310による側面からのプラズマ衝突に対しても保護されうる。バリアシール310は、電源304の周囲の上部層306と底部層308との間に挟まれうる。より具体的には、電源304の側面を取り囲む保護壁を形成するため、バリアシール310はウエハ基板202を囲んで延在しうる。このように、電源304はウエハ基板202内に封入されうる。
[0052] 電源304は、上部層306及び/又はセンサ層302の電子回路218の一又は複数の構成要素に電気的に接続されうる。電子回路218、例えば、プロセッサ、メモリ、又は通信電子回路などの制御回路は、ウエハ基板202の上部層306の中に構築されうる。電源304は、粒子モニタリング装置200の一又は複数の層を通って延在するシリコン貫通電極などの電気接続によって、上部層306の電子回路218に接続されうる。同様に、電源304及び/又は上部層306の電子回路218(例えば、プロセッサ)は、電気トレース又は電気ビアによって、センサ層302のマイクロセンサ210に電気的に接続されうる。したがって、電源304は、電子機器に電力を供給するため、電子回路218のプロセッサ、マイクロセンサ210、又は他の電子回路218に電気的に連結されうる。
[0053] ウエハ処理ツール200及び/又はウエハ処理機器の幾つかの領域の物理的、化学的、及び電気的な保護は、電子回路218をウエハ基板上にモジュール又はチップレベルで結合し、次に構成要素をキャッピングすることによって提供されうることが理解されるであろう。例えば、バッテリ、プロセッサ、センサ、無線通信モジュールなどは結合し、次に、例えばバリア層312によってキャッピングされる。しかしながら、幾つかの構成要素はウエハ処理環境に露出されてもよい。例えば、マイクロセンサ210は、以下で説明するように、エッチングと堆積処理を監視するため、ウエハ処理ツール200又はウエハ処理機器の上に露出されてもよい。
[0054] マイクロセンサ210は、ウエハ処理ツール102内のプラズマに露出されることがあり、そのため、センサは最終的に摩滅しうる。センサの総寿命を延ばすためのセンサスキームは以下で説明される。それでもなお、マイクロセンサがリサイクル可能になるように、マイクロセンサ210をパッケージ化することは有利になりうる。一実施形態では、マイクロセンサ210のパッケージ化は、マイクロセンサ210と下部の基板との間にバリア層312を含む。例えば、粒子モニタリング装置200の場合には、バリア層312はマイクロセンサ210とウエハ基板202の支持体面204との間に配置されうる。マイクロセンサ210は、シリコン貫通電極などの既知の配線技術を用いて、バリア層312を経由して、ウエハ電子回路、すなわち、電子回路218に電気的に接続されうる。制御電子回路とセンサとの間のバリア層312は、リサイクル中に電子機器を保護しうる。例えば、マイクロセンサ210は、ストリッピング剤(stripping agents)、すなわち、プラズマ、気体又は液体のエッチャントによって除去されうるが、バリア層312は同じストリッピング剤では剥ぎ取られない。すなわち、バリア層312は、ガス相又は液体のエッチャントなどのストリッピング剤に影響を受けない、導電性又は絶縁性の任意の材料であってよい。したがって、マイクロセンサ210が耐用年数の終わりに近づくと、ウエハ基板202に組み込まれた電子回路218を劣化させることなく、バリア層312からセンサ層302のマイクロセンサを剥ぎ取るためにプラズマが適用されうる。同様に、摩耗したセンサを取り除くため、機械的なストリッピングが使用されることもある。全体的に新しい粒子モニタリング装置200を形成するよりも低コストで、粒子モニタリング装置200を改修するため、新しいマイクロセンサ210の組を有する新しいセンサ層302が、バリア層312の上に形成されてもよい。
[0055] 粒子モニタリング装置200の構成要素は、既知の半導体プロセス及び技術を用いて形成されうる。例えば、上述のように、センサと電子回路218との間の電気的接続は、シリコン貫通電極を用いて、バリア層312及び/又はウエハ基板202を通って形成されうる。さらに、構成要素は既知の技術を用いて、粒子モニタリング装置200の層の中に構築されうる。例えば、マイクロセンサ210は別々に形成されて、リサイクル処理中にフリップチップ技術を用いて、バリア層312の上に装着されてもよい。
[0056] 粒子モニタリング装置200へのマイクロセンサ210の実装は、粒子検出のためのマイクロセンサ210利用の実施形態を意味する。ウエハ製造プロセスの機器及び方法には、マイクロセンサ210の別の用途もある。例えば、マイクロセンサ210は、エッチング/堆積速度を判定又は測定するため、ウエハ処理ツール102に装着されてよく、このようなデータは、エッチング又は堆積処理などのウエハ製造プロセスを制御するために使用されうる。
[0057] 図4を参照すると、一実施形態による、ウエハ処理ツールに装着されたマイクロセンサの断面図が示されている。ウエハ402、例えば半導体材料のウエハ、或いは、粒子モニタリング装置200のウエハ基板202は、ウエハ処理ツール102の処理チャンバ114内のウエハ製造プロセスにさらされる。ウエハ402は、ウエハ402がウエハ処理ツール102を通って移動するにつれ、異なる圧力条件にさらされうる。例えば、大気条件において、半導体ウエハ402をファクトリインターフェース110の中に挿入することができる。次に、半導体ウエハ402は、ファクトリインターフェース110とバッファチャンバ108との間のロードロック112の中に入れられ、ロードロック112には、120ミリトールの真空条件がもたらされる。半導体ウエハ402は次に、ロードロック112から、100ミリトールのバッファチャンバ108圧を有するバッファチャンバ108まで通過しうる。
[0058] ウエハ402は、バッファチャンバ108からロードロック112を通って処理チャンバ114のうちの1つの中に移動させられうる。例えば、処理チャンバ114は、チャンバ空間406の周囲のチャンバ壁404を含んでよく、チャンバ空間406はウエハ402を受容するサイズになりうる。このため、処理チャンバ114内のウエハ製造プロセス中に、半導体材料はウエハ402上に堆積、又はそこから除去されうる。ウエハ製造プロセス中に、処理チャンバ114内のチャンバ空間406は、例えば真空ポンプ及び/又はターボポンプ等の例えば真空源408を使用して真空条件まで下がったチャンバ圧を有しうる。この説明の文脈において、真空条件は0.5atm未満の任意の圧力であってよい。一実施形態では、処理チャンバ114の真空条件は、処理チャンバ114がバッファチャンバ108の圧力を下回る(例えば100ミリトール未満の)チャンバ圧を有するときに存在する。したがって、処理チャンバ114は、ウエハ製造プロセスの製造工程中は、真空条件下にありうる。さらに、真空条件により、チャンバ領域406からのガス状混合物を低減させる又は取り除くことができ、したがって、チャンバ領域406はウエハ製造プロセス中はプラズマ不在状態になりうる。
[0059] 一又は複数のマイクロセンサ、例えば、マイクロセンサ210は、ウエハ処理ツール102に装着される。マイクロセンサは、以下で説明されるタイプの一又は複数のマイクロセンサになりうる。例えば、複数のマイクロセンサ210は、対応するマスク層によって被覆されるそれぞれのセンシング層を含みうる。マイクロセンサ210は、チャンバ空間406内の処理チャンバ114の一又は複数の位置に装着されうる。より具体的には、幾つかのマイクロセンサ210は、チャンバ空間406内のチャンバ壁404の所定の位置に装着されうる。
[0060] 一実施形態では、マイクロセンサ210は、チャンバ壁404ではなく、ウエハ処理ツール102の部分に装着される。例えば、チャンバ壁404に装着されたマイクロセンサ210を有する代わりに、又は加えて、一又は複数のマイクロセンサ210は、処理チャンバ114内のウエハホルダ410に装着されうる。ウエハホルダ410は、例えば、ウエハ製造プロセス中に、ウエハ402を静電的に固定する一または複数の電極を有する静電チャックであってよい。ウエハホルダ410は、ウエハ402が固定される保持面412を含みうる。例えば、保持面412は、ウエハホルダ410の上の誘電体材料の層であってよく、マイクロセンサ210を保持面412上に装着することが可能である。より具体的には、マイクロセンサ210は、ウエハ製造プロセス中にウエハ402の近く及び/又はウエハ202から横方向にオフセットした領域内の保持面412に装着されうる。例えば、プロセスキットは、保持面412上のウエハ402の周りのリングを含んでいてよく、マイクロセンサ210は、プロセスキット上に装着されうる。
[0061] マイクロセンサ210は、処理チャンバ114に位置付けられうる、あるいはウエハホルダ410等の処理チャンバ114の消耗部分又は非消耗部分内の、ウエハ402の材料堆積又は除去速度の変化を検出するのに十分ウエハ402に接近したところに設置することができると考えられる。例えば、ウエハ402は、正面に向いている表面、すなわち保持面412から離れ、プラズマに向かう表面を有していてよく、マイクロセンサ210は、材料の堆積/除去に対して敏感なセンサ表面も正面に向いているように保持面412に装着されうる。
[0062] マイクロセンサ210は、処理チャンバ114内の位置ではなく、ウエハ処理ツール102に装着されうることが理解されるであろう。例えば、一又は複数のマイクロセンサは、ロードロック112の上、内部、又は近傍に装着されうる。同様に、幾つか位置の例を挙げるならば、マイクロセンサ210は、ウエハ処理ツール102のガス管(図示せず)、真空源408への流れを制御するウエハ処理ツール102の圧力制御バルブ414、ウエハ処理ツール102のロボット、又はウエハ処理ツール102のリフトピンなどの上、内部、又は近傍に装着されうる。マイクロセンサ210は、特定のプロセス測定及び望ましい制御に応じて、ウエハ処理ツール102の他の位置の近傍に装着されうる。ここで、「〜の近傍に」という表現は相対的な言葉として使用されており、ウエハ処理ツール102の特定の構成要素の近くにマイクロセンサ210が存在することは、構成要素の上に堆積した、又は構成要素から取り除いた粒子又は材料が、装着されたセンサと統計的に相互作用しやすい距離にあることを説明することを意図したものであることが理解されるであろう。このような相互作用の例は、以下で説明される方法に関してさらに説明される。
[0063] 本書で使用されているように、「マイクロ」という用語は、実施形態による特定のセンサ又は構造の記述的なサイズを指す場合がある。例えば、「マイクロセンサ」という用語は、ナノメートルから100μmのスケールの寸法を有する容量性センサを指す場合がある。すなわち、一実施形態では、以下で説明されるように、マイクロセンサ210は、並列又は直列に接続される個々の設に対して、0.05〜100μmの範囲の典型的な寸法を有する。したがって、本書に記載のマイクロセンサ210は、他のタイプのセンサ、例えば、グラムの百万分の一の規模の重量の精密測定を行うことができる機器である例えば微量てんびんから容易に区別することができる。すなわち、微量てんびんは、マイクロスケールの重量ではあるが、本書に記載のマイクロセンサと同じサイズの範囲内ではない重量を測定しうるということである。このサイズ範囲の差は、少なくともいくつかの(例えば、数千個の)マイクロセンサをチャンバ空間406の中に、或いはウエハ処理ツール102の別の位置に取り付けることができるため、有利であるのに対し、幾つかの微量てんびんは、半導体ウエハ402を受容するようにサイズ設定されたチャンバ空間406の中に取り付けることができない。
[0064] 本書で使用されているように、「マイクロセンサ」という用語は、微小電気機械システム(MEMS)に関する材料及び製造プロセスを使用して製造されるセンサも指す場合がある。すなわち、本書に記載のマイクロセンサ210は、例えば堆積プロセス、パターニング、エッチング等のMEMSプロセスを使用して製造されうる。したがって、マイクロセンサ210は、MEMSプロセスを使用して形成されたサイズ及び構造を有するMEMSスケールのセンサであってよい。しかしながら、実施形態は必ずしもこれに限定されず、実施形態の特定の態様をさらに大きな、そして可能であればさらに小さなサイズスケールに応用可能でありうると認められる。
[0065] ウエハ処理ツール102にマイクロセンサを1つだけ装着する場合もあるが、多数のマイクロセンサ(例えば、数百個から数百万個のマイクロセンサ)をチャンバ空間406に収めること、又は、ウエハ処理ツール102の別の位置に装着することが可能である。すなわち、上述したMEMSスケールのサイズのマイクロセンサを仮定すると、ウエハ製造プロセスパラメータ、例えば、処理チャンバ114内の半導体材料の堆積/除去をリアルタイムで監視するために、多くのマイクロセンサをウエハ処理ツール102に沿って、チャンバ壁404(又はウエハ処理ツール102の他の構成要素)の周囲に分散させることができる。
[0066] 各マイクロセンサ210は、既知の位置を有しうる。例えば、第1のマイクロセンサは、ウエハ処理ツール102の第1の所定の位置、例えば、チャンバ空間406内の第1の位置に配置されてよく、
第2のマイクロセンサは、ウエハ処理ツール102の第2の所定の位置、例えば、チャンバ空間406内の第2の位置に配置されてよい。マイクロセンサ210は、ランダムに、あるいは所定のパターンで処理チャンバ114上に分散していてよい。例えば、第2の位置は、第1の位置に対して、又は処理チャンバ114上の他の何らかの基準点に対して既知の配置を有しうる。したがって、材料の堆積/除去の均一性は、第1のマイクロセンサ及び第2のマイクロセンサからのリアルタイムの測定値を比較することによって、以下に説明するように決定することができる。
[0067] ウエハ処理ツール102は、ウエハ製造プロセスのプロセスパラメータを検出する他のセンサ及び/又は測定機器を含みうる。他のセンサ及び/又は測定機器は、マイクロセンサでなくてもよい。例えば、以下に説明するMEMSスケールのセンサとは対照的に、ウエハ処理ツール102は、ウエハ製造プロセス中にチャンバ空間406の発光分析(OES)シグネチャ(signature)を検出する、処理チャンバ114に装着された、あるいは他の方法で装着された光学分光計416を含みうる。OESシグネチャは、チャンバ空間406内で、要素の種類と量を識別しうる。例えば、OESシグネチャは、ウエハ製造プロセス中に、チャンバ領域406内のプラズマにその化学元素が存在するかを識別しうる。他のセンサを使用して、チャンバ領域406内で実施されるウエハ製造プロセスの他のプロセスパラメータを検出することができる。上記他のセンサは、処理チャンバ114又はウエハ402に供給される電力を測定する電気センサと、ウエハホルダ410等の電気的特性を測定する電気センサとを含みうる。上記センサは、実際の半導体材料1108の堆積/除去量又は速度を測定することはできないが、それにも関わらず、以下に説明する理由により、マイクロセンサ210によって行われる実際の堆積/除去の測定と相関しうる。
[0068] ウエハ処理ツール102内の粒子の存在に関連する情報を収集するため、他のセンサも使用されうる。例えば、一又は複数の測定装置、例えば、加速度計(図示せず)はウエハ処理ツール102の可動部分に装着されうる。一実施形態では、ロボット又はロボットアームは、ロボットの動きを感知する加速度計を含む。代替的に、ロードロックドアは加速度計を含む。したがって、ウエハ製造プロセスのプロセスパラメータ、例えば、ロボットの動きを表わす運動データは、加速度計によって検出され、微粒子源を特定するため、マイクロセンサ210から収集された粒子センシングデータと関連付けられてもよい。このような他のセンサ、例えば、加速度計は以下で更に説明される。
[0069] ウエハ処理ツール102のマイクロセンサ210及び/又は測定機器は、一又は複数の電気コネクタを通して、互いに、あるいは他の回路と相互接続されていてよい。例えば、マイクロセンサ210は、チャンバ壁404及び/又はウエハホルダ410の上を走る電気トレースによって直列に接続されうる。代替的に、又は追加的に、いくつかのマイクロセンサ210は、それぞれの電気トレース216によって並列に電気接続されうる。このため、マイクロセンサ210間で電気接続をさせることができる、及び/又は電気トレース、導線、バイア、及び他の既知のタイプの電気コネクタを使用して、マイクロセンサ210を電子回路218に接続させることができる。
[0070] 図5を参照すると、一実施形態による、粒子モニタリング装置又はウエハ処理ツールの電子回路のブロック図が示されている。粒子モニタリング装置200の電子回路218又はウエハ処理ツール102は、ウエハ処理ツール102のウエハ402の下部構造によって支持されうる。例えば、電子回路218は、上述のように、粒子モニタリング装置200の上部層306に装着されうる。電子回路218はハウジングに格納されうる。ハウジング及び/又は電子回路218の電子部品はウエハ402に一体化されてよく、例えば、ハウジングは電子回路218を封入するウエハ基板の層であってよい。代替的に、ハウジングは、ウエハ処理ツール102、例えば、チャンバ壁404又はウエハホルダ410に装着されうる。同様に、ハウジングは、ウエハ処理ツール102の別の部分、例えば、チャンバ空間406外の外面上に装着されうる。したがって、電子回路218は、マイクロセンサ210と同位置に位置しうるか、離れて配置されうる。電子回路218は、それにもかかわらず、また、マイクロセンサ210に対して遠隔に装着されたときでさえ、一または複数の入力/出力(I/O)接続502、例えば電気トレース、電気リード、又はビアを通してマイクロセンサ210と電気接続された状態に配置されうる。
[0071] ウエハ処理機器の電子回路218は、クロック504を含みうる。クロック504は、当業者に周知のように、精密周波数を有する電気信号を出力する電子発振器、例えば石英結晶を有する電子回路であってよい。このため、クロック504は、I/O接続502を通して受信した電気信号に対応する時間値を出力するように構成されうる。時間値は、他の工程とは関係のない絶対時間値であってよい、或いは時間値は、ウエハ処理機器内の他のクロックと同期していてよい。例えば、クロック504は、クロック504によって出力される時間値が、システムクロックによって出力されるあるいは制御されるシステム時間値及び/又はシステム動作に対応するように、ウエハ処理ツール102のシステムクロックと、あるいはウエハ処理ツール102にリンクされた製作設備のホストコンピュータのシステムクロックと同期していてよい。クロック504は、特定のプロセス工程が行われたときに、時間値の出力を開始するように構成されうる。ウエハ処理機器の電子回路218は、ウエハ処理ツール102とホストコンピュータとの間の通信を送受信するネットワークインターフェースデバイス506を含みうる。
[0072] ウエハ処理機器の電子回路218は、プロセッサ508を含みうる。プロセッサ508は、クロック504に、動作可能に結合されうる、例えばバス510及び/又はトレースによって電気接続されうる。プロセッサ508は、マイクロプロセッサ、中央処理装置などといった、一又は複数の汎用処理デバイスのことである。より詳細には、プロセッサ508は、複合命令セット演算(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、又は、命令セットの組み合わせを実装するプロセッサでありうる。プロセッサ508は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの、一又は複数の特殊用途処理デバイスでもありうる。
[0073] プロセッサ508は、本書に記載の工程を実施するための処理論理を実行するよう構成される。例えば、プロセッサ508は、粒子モニタリング装置200又はウエハ処理ツール102の異なる所定の位置に位置するいくつかのマイクロセンサ210から入力信号を受信し解析するように構成されうる。したがって、プロセッサ508は、動作可能に接続されるマイクロセンサ210に関連するデータを決定し、記録しうる。例えば、プロセッサ508は、マイクロセンサのキャパシタンスが変化したとき、マイクロセンサ210の位置を記録してもよい。プロセッサ508はまた、受信した各入力信号に対応するクロック504から時間値出力を受信し、時間値出力をタイムスタンプとして記録してもよい。したがって、プロセッサ508は、例えば所定の時間におけるウエハ製造プロセスの均一性を決定するために、いくつかのマイクロセンサ210からの入力信号を比較しうる。プロセッサ508は、マイクロセンサ210から受信した信号に基づいて、他の種類の情報を決定するように構成されうる。例えば、一又は複数のマイクロセンサ210から受信した入力信号を使用して、以下で説明するように、ウエハ製造プロセスの終点決定を行いうる、或いはウエハ製造プロセスの変化の根本原因を決定しうる。
[0074] 本書に記載のように、他の機能はプロセッサ508によって提供されてもよい。例えば、プロセッサ508は信号処理機能をふくんでもよく、例えば、マイクロセンサ210からのアナログ信号をデジタル信号に変換しうる。言うまでもなく、このような目的のためには、専用のデジタルアナログコンバータも使用されうる。同様に、変位電流のフィルタ処理などの前述の処理機能、ルックアップテーブルの参照などのデータに対して論理判断を行うタスクの実行、補正係数の適用などに対して、他の電子回路が使用されてもよい。このような処理は、周知のように、局所的に、或いは分散的に実施されうることを理解されたい。したがって、このような電子回路及び処理技術は、簡略にするため、ここでは詳細に説明しない。
[0075] マイクロセンサ210の監視は、プロセッサ508によって個別に又はグループごとに実施されうる。つまり、プロセッサ508は、各マイクロセンサ210の個別のデータを監視し、記録しうる。したがって、各マイクロセンサ210は、例えば位置あるいは他のセンサの特定データに関連付けられた固有のセンサ識別番号によって個別に識別可能でありうる。一実施形態では、マイクロセンサ210はグループで監視されうる。例えば、プロセッサ508は、一または複数のマイクロセンサ210のグループのバンクデータを監視し、記録しうる。これらのグループはセンサブロックと称されることがあり、各センサブロックは対応する電源とプロセッサを有しうる。すなわち、センサブロックは互いに独立に機能し、別々に監視又は制御される。したがって、マイクロセンサ210のグループは、センサのグループ全体に対応する位置又は他のグループの特定データに関連付けられうる。
[0076] ウエハ処理機器の電子回路218は、例えば、ウエハ基板202又はチャンバ壁404に装着されたメモリ512を含みうる。メモリ512は、メインメモリ(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)又はランバスDRAM(RDRAM)等といったダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)、スタティックメモリ(例えばフラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等)、又は二次メモリ(例えばデータ記憶デバイスなど)のうちの一又は複数を含みうる。プロセッサ508は、バス510又は他の電気接続を介してメモリ512と通信しうる。このため、プロセッサ508は、トリガされたマイクロセンサ210の所定の位置、及びクロック504によって出力された時間値をメモリ512に記録するために、メモリ512に動作可能に結合されうる。すなわち、メモリ512は、粒子又は材料がマイクロセンサ210上に堆積された時間、或いは、マイクロセンサ210から除去された時間を記録し、また、材料がマイクロセンサ210に舞い降りるとき、又はマイクロセンサ210から舞い上がるとき、影響を受けたマイクロセンサが処理チャンバ210に装着されている位置を記録しうる。
[0077] ウエハ処理ツール102の電子回路218は、上述のように、電源304を含みうる。電源304は、バッテリ、コンデンサバンク、又は別の既知の電源を含みうる。電源304は、例えばマイクロセンサ210、クロック504、プロセッサ508、又はメモリ512等のバス510を通して、電子回路218の一又は複数の構成要素に電気的に接続されていてよく、これらに電力を供給することができる。
[0078] ウエハ処理ツール102の電子回路218は、追加の構成要素を含みうる。例えば、電子回路218は、粒子モニタリング装置200が動きを止めたとき、例えば、ウエハ処理ツール102の特定の処理チャンバ114に装填されたとき、クロック504が時間値の出力を開始するきっかけとなる加速度計514を含みうる。したがって、時間値は、粒子モニタリング装置200がウエハ処理ツール102の特定の処理ステーションに装填されるときに関する情報を提供しうる。電子回路218は、例えば、広周波数源516などの周波数源516、又は検出器518を含みうる。周波数源516及び検出器518は、ウエハ処理ツール102のマイクロセンサ210の特定の実施形態に関連する特定の用途を有しうる。例えば、周波数源516及び検出器518は、以下で説明するように、マイクロ共振器タイプのマイクロセンサを駆動し、監視するために使用されうる。
[0079] 上述の電子回路218の部品は、使用されうるが、限定的でないセンサの範囲を示している。例えば、温度センサ520などの付加的なセンサは、ウエハ処理ツール102の製造時に一体化されてもよい。温度センサ520は、チャンバ空間406などのウエハ処理ツール102の一又は複数の構成要素の温度を監視しうる。マイクロセンサ210の様々な実施形態がここで説明される。冒頭で述べたとおり、マイクロセンサ210の構成及び図解は実際には例示的なものであって、当業者であればこの説明に基づいて、多くの付加的な構成を予測しうる。
[0080] 図6を参照すると、選択的に露出可能なセンシング層を含む積層構造を有する幾つかのマイクロセンサの断面図が示されている。以下で説明するタイプの幾つかのマイクロセンサ210、例えば、容量性の水晶振動子マイクロバランス(QCM)、又は、マイクロ共振器センサが処理チャンバ内に配置されうる。例えば、第1のマイクロセンサ212及び第2のマイクロセンサ214は、ウエハ基板202の処理チャンバ114の装着面602に装着されうる。第1のマイクロセンサ212及び第2のマイクロセンサ214は、互いに隣接してよく、例えば、横並びの構成であってもよく、各マイクロセンサは一又は複数のセンシング層604、並びに、一又は複数のマスク層606を含みうる。さらに、第2のマイクロセンサ214のセンシング層604がマスク層606によってマスクされるときには、第1のマイクロセンサ212のセンシング層604が周囲の環境、例えば、チャンバ空間406に露出されるように、第1のマイクロセンサ212及び第2のマイクロセンサ214のセンシング層604は選択的に露出可能になりうる。同様に、第1のマイクロセンサ212のセンシング層604がマスク層606によってマスクされるときには、第2のマイクロセンサ214のセンシング層604は周囲の環境に露出されうる。
[0081] 選択的に露出可能なセンサ構造を実現するため、各マイクロセンサは一又は複数の積層された交互の材料のコラムを含みうる。例えば、第1のマイクロセンサ212は、第1のマスク層610の上に積層された露出したセンシング層608を含む初期構成を有しうる。同様に、第1のマスク層610は第1のセンシング層612の上に積層されうる。露出したセンシング層608は、第1のセンサ層612が第1のマスク層610によって保護されているときには、ウエハ製造プロセスを感知し、監視するため、周囲の環境、例えば、チャンバ空間に開かれている。
[0082] 第2のマイクロセンサ214は第1のマイクロセンサ212と同様の構造を含みうる。例えば、第2のマイクロセンサ214は、第2のセンシング層616の上に第2のマスク層614を有しうる。しかしながら、初期構成では、第2のセンシング層616が、第1のマイクロセンサ212の露出したセンシング層608が監視しているウエハ製造プロセスから保護されるように、第2のマスク層614は周囲の環境に対して開かれている。以下で説明するように、第1のセンシング層612が寿命に達したとき、第2のセンシング層616を露出するため、第2のマスク層614は取り除かれうる。したがって、ウエハ処理機器のセンシング機能はリフレッシュされてよく、一連のウエハ処理サイクル中、周囲の環境を監視するため、第2のセンシング層616は露出されうる。
[0083] 一実施形態では、第1のマイクロセンサ212又は第2のマイクロセンサ214の交互マスク層606は異なる材料を含みうる。より具体的には、マスク層606を形成する材料は、異なる作用によるエッチングに対して感受性が高くなりうる。例として、初期構成で露出したセンシング層608の下に配置された第1のマスク層610は、第1のマスク材料から形成され、初期構成の間に周囲の環境に露出されうる第2のマスク層614は第2のマスク材料から形成されうる。第1のマスク材料は、チャンバ空間内のエッチャントによるエッチングに対して感受性が高くなることがあり、第2のマスク材料は同じエッチャントによるエッチングに対して感受性が高くならないことがあり、また、その逆もありうる。したがって、下部の第2のセンシング層616を露出するため、第2のマスク層614がエッチングされるとき、使用されたエッチャントは第1のマスク層610を除去しないことがあり、その結果、第1のマイクロセンサ212の下部の第1のセンシング層612は、第2のセンシング層616がウエハ製造プロセスを監視しているとき、完全なままで保護されることがある。
[0084] 各マイクロセンサ内のセンシング層604は、一又は複数のマスク層606によって、互いに分離されうる。例えば、第1のマイクロセンサ212の露出したセンシング層608は、第1のマスク層610によって、第1のセンシング層612から分離されうる。すなわち、第1のマスク層606は、露出したセンシング層608と第1のセンシング層612との間にあってもよい。同様に、中間マスク層618は、第1のセンシング層612の露出したセンシング層608の間に配置されうる。例えば、中間マスク層618は、図示したように第1のマスク層610の下、或いは第1のマスク層610の上にあってもよい。言い換えるならば、マイクロセンサの2つのセンシング層は、マイクロセンサの2つ以上のマスク層によって分離されうる。さらに、同じマイクロセンサのマスク層は異なる材料を含みうる。例えば、中間マスク層618は、第1のマスク層610とは異なるエッチャントによるエッチングに対して感受性のある、異なる材料から形成されうる。したがって、各マイクロセンサのマスク層606は、異なる材料から形成されてよく、下部構造を所望どおりに露出するため、所定のエッチャントによって選択的にエッチングすることができる。
[0085] 図6に示した積層構造は、個々のマイクロセンサ又はマイクロセンサの一部を表すセンシング層604を含みうる。より具体的には、第1のマイクロセンサ212は、それぞれ第1及び第2の導体(このような導体は図9に関して以下で説明される)を有する、幾つかの積み重ねられた、垂直にオフセットされた容量性のマイクロセンサを含みうる。代替的に、第1のマイクロセンサ212は、個別の容量性のマイクロセンサであるとみなされることがあり、その結果、以下で説明されるように、容量性のマイクロセンサの長い導体は、介在マスク層606によって互いに絶縁された、垂直に分離された幾つかのセンシング層604を含む積層構造を有するように形成されてもよい。
[0086] マイクロセンサが積層構造を含むときには、様々な層のエッチングは、マイクロセンサのパラメータを変化させうる。例えば、センサ自体が積層化されているとき、層の除去はセンサのキャパシタンスを変化させうる。したがって、キャパシタンスが変化すると、エッチングを調整するため、センサは再較正されうる。すなわち、ウエハ製造プロセスの正確なセンシングのため、新しいベースキャパシタンスを調整するように、センサは再較正されうる。
[0087] 図7を参照すると、一実施形態による、選択的に露出可能なセンシング層604の上にブランケットマスク層702を有する幾つかのマイクロセンサの断面図が示されている。幾つかのマイクロセンサは、装着面602の上に横並びで配置されうる。最も左のマイクロセンサは、初期構成で露出したセンシング層608を含みうる。これとは対照的に、他のマイクロセンサ、例えば、第1のマイクロセンサ212及び第2のマイクロセンサ214はそれぞれ、センシング層604とマスク層606を含みうる。例えば、第1のマイクロセンサ212は、第1のセンシング層612の上に第1のマスク層610を含みうる。同様に、第2のマイクロセンサ214は、第2のセンシング層616の上に第2のマスク層614を含みうる。
[0088] 図示したように、各マイクロセンサの各マスク層606は、ブランケットマスク層702の一部になりうる。より具体的には、露出したセンシング層608が初期構成の間に周囲の環境を監視しているときには、被覆されたセンシング層604を保護するため、連続マスク被覆は各センサプローブの上に適用される。ブランケットマスク層702は、ウエハ製造プロセスが露出したセンシング層608によって監視されている間に使用されるエッチャントに対して耐性を有しうる。以下で説明されるように、露出したセンシング層608が寿命に達すると、隣接するマイクロセンサを露出するため、例えば、第1のマイクロセンサ212を露出するため、マスク材料が除去されるように、ブランケットマスク層702が感受性を有する別のエッチャントが使用されることがあり、他のエッチャントはブランケットマスク層702の厚さを減らしうる。
[0089] ブランケットマスク層702は、マイクロセンサを被覆するブランケットマスク層702の一部のそれぞれの厚さに基づいて、下部のマイクロセンサ210がエッチャントによって順次露出されるように、様々な厚さを有する層プロファイルを含みうる。例えば、第1のセンシング層612の上の第1のマスク層610が第1の厚さを有し、第2のセンシング層616の第2のマスク層614が、第1の厚さとは異なる第2の厚さを有するように、ブランケットマスク層702は図示したようにくさび形状の層プロファイルを有してもよい。すなわち、第1の厚さは第2の厚さを下回ることがあり、したがって、ブランケットマスク層702を一様な割合で除去することにより、第2のセンシング層616の前に第1のセンシング層612を露出する。ブランケットマスク層702の層プロファイルは、任意の可変な暑さのプロファイルを含みうる。例えば、層プロファイルは階段形状、放物線形状などになりうる。
[0090] 図8を参照すると、一実施形態による、選択的に露出可能なセンシング層604の上に異なる材料のマスク層606を有する幾つかのマイクロセンサの断面図が示されている。幾つかのマイクロセンサの組が、装着面602の上に配置されうる。マイクロセンサの各組は、それぞれのマスク層606によって被覆されたそれぞれのセンシング層604を含みうる。例えば、第1のマイクロセンサ212の組は、それぞれの第1のセンシング層612(隠れている)の上にそれぞれの第1のマスク層610を含みうる。同様に、第2のマイクロセンサ214の組は、それぞれの第2のセンシング層616(隠れている)の上にそれぞれの第2のマスク層614を含みうる。ウエハ製造プロセスの任意のある時点に、マイクロセンサの組はそれぞれの露出したセンシング層608を含みうる。したがって、露出したセンシング層608はウエハ製造プロセスを監視し、例えば、マイクロセンサの他の組のセンシング層604が各マスク層606の下で保護された状態にあるときには、エッチングされてもよい。
[0091] マイクロセンサの様々な組のそれぞれのマスク層606は、異なるエッチャントによるエッチングに対して感受性のある材料から形成されうる。したがって、露出したセンシング層608の別の組が使用されたとき、及び/又は寿命に達したときには、下部のセンシング層604を露出するため、様々な組のマスク層606は、選択的に除去されうる。
[0092] 一実施形態では、マイクロセンサの各組は、各電気バス802に電気的に接続されている。したがって、マイクロセンサの組は、マイクロセンサのパラメータの変化を検出し、その結果、ウエハ製造プロセスを測定し監視するように、個別に抽出されうる。
[0093] 上述のセンサスキームは、ハイブリッドセンサ構成に結合されうる。例えば、図6に関して説明される多層センサ構造は、図7のブランケットマスク層702に示したプロファイルのように、様々な厚さを有する上部マスクを含みうる。マイクロセンサの第1の組のセンシング層604は、可変な厚さの上部マスクをエッチングすることによって順次露出され、次いで、マイクロセンサの後続のセンシング層604は、積層構造の垂直にオフセットされたセンシング層604の中間マスク層618を除去することによって露出されうる。
[0094] 図9を参照すると、一実施形態による、ウエハ処理システムのマイクロセンサの斜視図が示されている。マイクロセンサ210は、キャパシタンスを有する容量性のマイクロセンサを含み、マイクロセンサ210のキャパシタンスは、ウエハ処理ツール102によって実行されるウエハ製造プロセスに応答して変化しうる。マイクロセンサ210は、測定回路に接続された2つ以上の電極を採用しうる。例えば、マイクロセンサ210は、誘電体ギャップによって第2の導体904から分離された第1の導体902を含むセンシング層に導体のペアを有してもよい。第1の導体902及び/又は第2の導体904は帯電されうる。例えば、一又は複数の電極は、電子回路218の測定回路からの信号を駆動し、感知するため、直接結合されうる。一実施形態では、電極の1つは接地電位に接続される。
[0095] 第1の導体902及び第2の導体904は、多結晶シリコン、ポリシリコン、アルミニウム、タングステンなどの導電性材料から形成されうる。導体は、基板906の上に形成又は装着されうる。基板906は、粒子モニタリング装置200のウエハ基板202になりうる。代替的に、基板906はウエハ処理ツール102に装着されうる。基板906は、シリコンウエハ基板、有機材料、ブランケットガラス基板、或いは、アルミナ、石英、シリカなどの別の中実な誘電体基板になりうる。
[0096] 各導体は、それぞれの平面に沿って導電性パッド908から延在する、幾つかの指状の導体を含みうる。例えば、第1の導体902は、幾つかの第1の細長い導体910を含み、第2の細長い導体912は幾つかの第2の細長い導体912を含みうる。一実施形態では、第1の細長い導体910と第2の細長い導体912は互いにかみ合う。より具体的には、細長い導体は、指状の構造の間にキャパシタンスを形成するため、同一平面内で連結又は嵌合されうる。信号は、導電性パッド908を経由して、細長い導体の内外へ運ばれうる。したがって、マイクロセンサ210は、平面構成を有するキャパシタを含みうる。
[0097] マイクロセンサ210は感度を最大化するように設計されうる。例えば、マイクロセンサ210の電極は、小さなサイズで形成され、小さな空間によって分離されうる。このサイズスケーリングは、センサを別々にすることによって、高い感度とアクティブな領域密度実現することができ、全体として、より小さな粒子に対して敏感になり、より個別的に粒子を検出することができる。例として、細長い導体はそれぞれ、3ミクロン未満の誘電体ギャップ距離によって分離されうる。幾つかの実施形態では、誘電体ギャップの距離は50〜100nmの範囲になりうる。したがって、マイクロセンサ210は、電極間の誘電体特性の小さな揺らぎを検出しうる。モニタリング及び制御電子回路218の設計はまた、感度を調整するため、操作されうる。したがって、マイクロセンサ210の典型的な検出範囲は、低フェムトファラッドから数十ピコファラッドの範囲内にあり、検出分解能はアトファラッドの単位になりうる。
[0098] 図10を参照すると、一実施形態による、ウエハ処理システムのマイクロセンサの斜視図が示されている。マイクロセンサ210は、一又は複数の第1の導体902又は第2の導体904の上の被覆1002を含みうる。例えば、被覆1002は、平面的な互いにかみ合うキャパシタにパターン形成された導体の領域の上に適用されうる。被覆1002は有機材料又は誘電体材料であってよい。より具体的には、被覆1002は、ウエハ製造プロセスに反応するように選択された材料を含みうる。例えば、被覆1002は、エッチング処理のターゲット材料を含みうる。一実施形態では、被覆1002は、酸化ケイ素又は窒化ケイ素などの誘電体材料を含む。したがって、ウエハ処理ツール102によってエッチング処理が行われると、ある量の被覆1002が取り除かれうる。
[0099] 一実施形態では、被覆1002は、マイクロセンサ210のマスク層の一部を形成し、導体902、904はマイクロセンサ210のセンシング層の一部を形成する。センサ層はまた、上述のように、複数層であってよく、介在マスク層を含んでもよい。
[00100] 図11を参照すると、一実施形態による、図10のラインA−Aで切り取った、ウエハ処理システムのマイクロセンサの断面図が示されている。マイクロセンサ210は、基板906の上に導体1102のペアを含む。導体1102のペアは、例えば、第1の導体902の第1の細長い導体910、及び第2の導体904の第2の細長い導体912を含みうる。上述のように、導体1102のペアは、被覆1002によって少なくとも部分的に被覆されうる。被覆1002は、図10に示したように、ブランケット被覆になりうる。より具体的には、被覆1002は、互いにかみ合う導体間の横方向に、誘電体ギャップ、及び導体の上面に上に重なった保護膜部分1106を充填する充填剤部分1104を含みうる。被覆1002は積層構造を有してよく、例えば、充填剤1104は、ハード誘電体などの第1の材料から形成された第1の層であってよく、例えば、酸化物又は窒化物、及び保護膜1106は、有機材料などの第2の材料から形成された第2の層であってよい。被覆1002のどちらの部分も任意選択であることが理解されるであろう。例えば、一実施形態では、被覆1002は導体間の横方向に充填剤1104を含み、被覆1002は、導体の上面が露出するように、保護膜1106を含まない。代替的に、被覆1002は導体の上方に保護膜1106を含んでよく、また、ボイドが導体間の横方向に誘電体ギャップ内に存在するように、被覆1002は充填剤1104を含まない。被覆1002の他の実施形態も使用されうる。例えば、被覆1002は、薄い共形コーティングなどの共形性であってよく、例えば、2ナノメートルの厚さで、導体及び基板906の上面及び側面に層形成される。細長い導体は、共形コーティング1002の厚さ、例えば3ミクロン、よりも大きい幅又は高さを有してよく、その結果、被覆1002は、マイクロセンサ210の全表面を被覆してよく、導体1102のペア間の誘電体ギャップの少なくとも一部は充填されない。
[00101] マイクロセンサ210の任意の部分の上への材料1108の堆積は、マイクロセンサ210のキャパシタンスに変化を引き起こしうる。例えば、図9に示した互いにかみ合った指状の構造の上への材料1108の堆積、又は図10に示した被覆1002は、導体1102のペア間の電場を変えることによって、キャパシタンスを変化させうる。
[00102] 一実施形態では、マイクロセンサ210に堆積する材料1108はガスである。したがって、マイクロセンサ210は、幾つかの表面積を増大させる構造を含みうる。例えば、表面積を増大させる構造は、ガスを捕捉又は吸収するように設計された線維又は孔1110を含みうる。例えば、被覆1002は、処理チャンバ114内でスポンジのようにガスを吸収する所定の多孔性を有する多孔性酸窒化物などの材料を含みうる。ガスが孔1110によって吸収されると、ガスは被覆1002の誘電率を変化させ、例えば、空気が充填された孔1110と比較して、バルク材の誘電率が高くなることによって、キャパシタンスが変化しうる。
[00103] マイクロセンサ210からの材料の除去は、マイクロセンサ210のキャパシタンスの変化をもたらす。例えば、互いにかみ合った指状の構造又は被覆1002から材料1108を取り除くと、電場の変化によってキャパシタンスが変化しうる。
[00104] 材料1108の堆積又は除去によって引き起こされるキャパシタンスの変化は、堆積の量又は速度を決定するために感知されうる。例えば、キャパシタンスの変化は、付加又は除去された材料1108の量に直接相関しうる。さらに、キャパシタンスがリアルタイムで監視できると仮定すると、エッチング速度、例えば、オングストローム/分が計算されうる。予備データでは、マイクロセンサ210上の粒子の存在を検出するため、マイクロセンサ210のキャパシタンスの変化が測定可能であることが示された。加えて、幾つかのマイクロセンサ210は、比較的大きな粒子を検出するため、多重化しうる。同様に、粒子サイズを決定するため、マイクロセンサ210を結合して使用することができる。
[00105] 導体902、904、基板906、及び被覆1002の材料選択は、マイクロセンサ210が監視又は制御に使用されるプロセスに基づいて行われうる。例えば、一又は複数の構造は、監視されるエッチング処理に影響されえない。例えば、被覆1002はエッチング処理によって除去されないように設計されうるが、基板906はエッチング処理に影響されないように設計されうる。同様に、被覆1002は処理によって除去可能となることがあり、細長い導体は処理によって除去可能とはならないことがある。
[00106] マイクロセンサ210の構造の形状寸法はまた、監視又は制御される処理に対応して設計されうる。例えば、処理に材料堆積が含まれる場合には、材料1108が導体の上又は間に堆積したとき、検出可能なキャパシタンスの変化が確実に起こるようにするため、指状の構造は、互いに可能な限り接近して配置されてよい。導体の厚さはまた、変化しうる。例えば、互いにかみあっている細長い導体は、平面の構造とは対照的に、構造を平行なプレート構造により似せるため、厚くされてもよい。
[00107] 図12を参照すると、一実施形態による、ウエハ処理システムのトランジスタセンサタイプのマイクロセンサの概略図が示されている。一実施形態では、ウエハ処理機器の一又は複数のマイクロセンサ210は、トランジスタセンサ1200を含む。トランジスタセンサ1200は、マイクロセンサ210のセンシング層の一部を形成しうる。トランジスタセンサ1200は、一又は複数のトランジスタ、例えばMOSFET1202を含みうる。MOSFET1202は、ソース1204、ドレイン1206、及びゲート1208を含みうる。トランジスタセンサ1200はまた、ウエハ製造プロセスの間に、材料1108を受容又は放出するコレクタ1210を含みうる。コレクタ1210は、MOSFET1202から物理的に分離されうるが、サブコンポーネントは互いに電気的に接続されうる。例えば、コレクタ1210は、電気トレース1212を通してMOSFET1202のゲート1208に電気的に接続されうる。これにより、MOSFET1202は、コレクタ1210がMOSFET1202から間隔を置いて配置された所定の位置に位置づけされているときでさえも、材料1108がコレクタ1210に付着したか、或いはコレクタ1210から蒸発したかを検出するように構成されうる。
[00108] コレクタ1210は、材料1108を受容するようにサイズ設定及び構成されうる。例えば、材料1108の粒子の典型的なサイズは、45ナノメートルから1ミクロンの範囲であってよく、したがって、コレクタ1210は、少なくとも1ミクロンの直径を有する外側リムを有する輪郭を含みうる。下向きに見たときの外側リムの形状は円形、長方形、又は他のいずれかの形状であってよい。さらに、コレクタ1210は平坦であってよく、すなわち、平面のセンサ表面を有してよく、或いは、コレクタ1210は円錐状のセンサ表面を有しうる。一実施形態では、コレクタ1210は、MOSFET1202から分離した構造ではなく、MOSFET1202の中に組み込まれている。例えば、コレクタ1210は、MOSFET1202のゲート1208上のコレクションエリアであってよい。
[00109] 上述のマイクロ共振器センサ1300と同様に、トランジスタセンサ1200のコレクタ1210は、ウエハ402の表面をシミュレーションするように構成されたセンサ表面を含みうる。例えば、トランジスタセンサ1200を、ウエハ402の近く、例えば保持面412の上に配置することができ、センサ表面をウエハ表面が向いた方向に平行な正面方向に向くように配向させることができる。コレクタ1210は、例えば、同じ又は異なる材料の基層及び上部層を有する多層構造を含みうる。
[00110] 一実施形態では、トランジスタセンサ1200のパラメータはMOSFET1202に対応する。より具体的には、トランジスタセンサ1200のパラメータは、ゲート1208全体で測定されるMOSFET1202の閾値電圧であってよい。閾値電圧は、コレクタ1210上の材料1108の存在又は不在に直接対応しうる。例えば、閾値電圧は、コレクタ1210上に第1の量の材料1108があるときに第1の値を有することができ、コレクタ1210上に第2の量の材料1108があるときに、第2の値(第1の値とは異なる)を有しうる。このため、コレクタ1210のセンサ表面に集まった又はセンサ表面から放出された材料1108を、トランジスタセンサ1200の閾値電圧に基づいて決定することが可能である。閾値電圧の変化を検出するように、プロセッサ508を構成することができ、したがって、閾値電圧の変化が検出されたときに、ウエハ処理ツール102は、この変化を、粒子の検出又は材料1108の堆積又は除去の量と見なすことができる。ウエハ402に対する材料1108の実際の堆積速度又は除去速度を決定するために、閾値電圧は経時的に記録することができる。
[00111] 図13を参照すると、一実施形態による、ウエハ処理システムのマイクロ共振器タイプのマイクロセンサの概略図が示されている。一実施形態では、ウエハ処理ツール102の一又は複数のマイクロセンサは、マイクロ共振器センサ1300を含む。マイクロ共振器センサ1300は、マイクロセンサ210のセンシング層の一部を形成しうる。マイクロ共振器センサ1300は、例えば水晶振動子マイクロバランス(QCM)、表面弾性波(SAW)、又は圧電薄膜共振器(FBAR)などの適切な共振質量センサであってよく、これらはすべてこれらの表面に堆積した空中の粒子の累積質量1302を数値化する。簡潔に、また容易に理解できるように、なるべく説明を簡略化するため、本書にはマイクロ共振器1300の複雑性及び多様性の説明を記載しない。マイクロ共振器センサ1300は、粒子モニタリング装置200又はウエハ処理ツール102の所定の位置に分散されうる。各マイクロ共振器センサ1300は、当技術分野で周知のように、例えば共振周波数などの特性周波数を有しうる。例えば、マイクロ共振器センサ1300は、詳細に説明することはしないが、単純な質量ばねシステムによって表すことが可能である。マイクロ共振器センサ1300の特性周波数は、マイクロ共振器システムの質量1302とは反比例しうる。例えば、特性周波数は、マイクロ共振器システム1300のSQRT(k/M)と比例し、「M」は質量1302に対応し、「k」はマイクロ共振器センサ1300の比例定数に対応しうる。したがって、例えばウエハ製造プロセス中に、マイクロ共振器センサ1300が材料1108を受ける又は出すときに、特性周波数がシフトすることが認められるようになる。例えば、ウエハ処理ツール102の処理チャンバ114内で、半導体材料などの材料1108がマイクロ共振器センサ1300のセンサ表面に堆積される、又はセンサ表面から除去されると、マイクロ共振器センサ1300の質量1302が変化し、それに応じて、特性周波数がシフトする。
[00112] 一実施形態では、センサ表面は材料1108を含む。より具体的には、センサ表面は、ウエハ製造プロセス中にウエハ402上に堆積される、あるいはウエハ402から除去される材料1108と同じ半導体材料1108から形成されうる。例えば、ウエハ製造プロセスがシリコンウエハ402上にシリコンを堆積させる堆積プロセスである場合、センサ表面は、堆積された材料1108が、ウエハ402との相互作用と同じようにセンサ表面と相互作用するように、シリコンを含みうる。同様に、ウエハ製造プロセスがシリコンウエハ402からシリコンを除去するエッチング処理である場合、センサ表面は、シリコンウエハ402からシリコンが除去される速度と同様の速度で材料1108がセンサ表面から確実にエッチングされるように、シリコンを含みうる。したがって、センサ表面は、ウエハ製造プロセス中にウエハ402に同時に発生する実際の堆積速度又は除去速度を測定するために、ウエハ402の表面をシミュレーションしうる。
[00113] 図14を参照すると、一実施形態による、ウエハ処理システムの光センサタイプのマイクロセンサの概略図が示されている。一実施形態では、ウエハ処理ツール102の一又は複数のマイクロセンサは、光センサ1400を含む。光センサ1400は、マイクロセンサ210のセンシング層の一部を形成しうる。光センサ1400は、当技術分野において周知のように、Micro−Opto−Electro−Mechanical Systems(MOEMS)であってよく、周知の半導体処理工程を使用して基板上に直接形成されうる。MOEMSの複雑性及び多様性の説明は、簡潔に、また容易に理解できるように、なるべく説明を簡略化するため、本書には記載しない。光センサ1400は、基板のセンサ表面(図示せず)全体に分散した幾つかのマイクロミラー又はレンズを含みうる。詳細に説明することはしないが、光センサ1400は、光源1404から発せられる光路1402を含みうる。光路1402は、光源1404と光検出器1406との間であってよい。一実施形態では、光センサ1400のパラメータは、光検出器1406において光源1404から光を受けたか否かに対応する。例えば、パラメータは、光路1402を阻害する材料1108に応じて変化しうる。すなわち、材料1108の粒子が光路1402を通過してあるいは光路1402にとどまって、光源1404と光検出器1406との間の光を遮ったときに、パラメータが変化しうる。一実施形態では、粒子が光センサ1400を通過したときに、光源1404からの光が異なる光路1402に沿って別の光検出器1406に向かって反射する。別の光検出器1406によって反射された光を検出すると、その結果、光センサ1400のパラメータに変化が生じる。パラメータは例えば、光検出に対応する光センサ1400の出力電圧であってよい。プロセッサ508は、出力電圧の変化を検出するように構成することができ、これにより、出力電圧の変化、及び/又は光路1402における阻害が検出されたときに、ウエハ処理ツール102はこの変化を、基板上のセンサ表面からの材料1108の堆積又は除去と見なすことができ、これにより、堆積/除去量及び/又は速度がリアルタイムで測定及び監視されうる。
[00114] 上述のタイプのマイクロセンサは、外部の圧力とは無関係の電気パラメータに基づいて動作するため、マイクロ共振器センサ1300、トランジスタセンサ1200、光センサ1400のうちの一又は複数を組み込んだ、一又は複数のマイクロセンサ210を有する粒子モニタリング装置200又はウエハ処理ツール102は、真空条件下を含み任意の圧力状態においても機能しうることが理解されるであろう。同様に、マイクロセンサは、プラズマ不在条件下を含む、チャンバ空間406のガスの濃度に関わらず動作しうる。
[00115] 粒子モニタリング装置200又はウエハ処理ツール102は、上述のセンサの任意の組み合わせを含みうる。例えば、マイクロセンサ210は、下部の基板上で数千個単位でグループ化されうる。より具体的には、バンクとは異なる数のキャパシタを選択することによって、ベースキャパシタが選択されうるように、マイクロセンサ210はバンクに結合されてもよい。このような選択はプロセッサ508によって制御されうる。一実施形態では、プロセッサ508は異なるタイプのセンサを監視する。例えば、材料の堆積を検出するように構成されたマイクロセンサ210、及び材料のエッチングを検出するように構成されたマイクロセンサ210は、同時に監視されてよく、或いは、付加的なデータを収集し、多目的のセンサを形成するため、ウエハ製造プロセスの異なる段階で監視されてもよい。同様に、アナログデジタルの容量性の測定回路は、付加情報を収集するため、異なる周波数でマイクロセンサ210を監視するために使用されうる。例えば、測定回路は、付加情報を収集するため、低周波数、高周波数で、或いは広範囲の周波数でスイープすることによって、一又は複数のマイクロセンサ210を検査可能である。
[00116] 例えば、処理チャンバ114に装着されたマイクロセンサを有するウエハ処理ツール102を使用して、ウエハ製造プロセスを監視し制御することができる。監視には、アクティブなマイクロセンサが寿命に達した際の、マイクロセンサのセンシング層のリフレッシュ又は除去が含まれうる。非限定的ではあるが、このような監視及び制御を実施する幾つかの方法を以下に記載する。簡潔にするために、以下に記載するこの方法の工程は、キャパシタンスパラメータを有するマイクロセンサの監視を参照しうるが、本方法を、上述したタイプ等の他のタイプのマイクロセンサを包含するように適応させることが可能である。
[00117] 図15を参照すると、一実施形態による、ウエハ処理機器のマイクロセンサをリフレッシュする方法の工程を表すフロー図が示されている。図16A〜図16Cは、図15に記載した方法の工程を図解しており、図15及び図16A〜図16Cは共に以下で説明される。
[00118] ウエハ処理機器は、図7に関連して上述したように、選択的に露出可能なマイクロセンサを含みうる。工程1502において、処理チャンバ114内でウエハ製造プロセスが開始されうる。図16Aを参照すると、ウエハ402は幾つかのマイクロセンサ210を有するチャンバ空間内に装填され、エッチング処理が開始されうる。図16Aに示したように、最も左のマイクロセンサ210は、初期構成で露出していてもよい。すなわち、ウエハ製造プロセスが開始されるとき、最も左のマイクロセンサ210はチャンバ空間406に対して露出されうる。
[00119] 工程1504において、ウエハ製造プロセスは、ウエハ402から材料を取り除くエッチングを含みうる。最も左のマイクロセンサ210は、ウエハと同様な材料を含むセンシング層を有する露出したマイクロセンサになりうる。したがって、露出したマイクロセンサの露出したセンシング層の上の露出したセンサ表面は、ウエハ製造プロセスのエッチャントによってエッチングされうる。したがって、露出したマイクロセンサは、ウエハ製造プロセス中に材料の除去を感知し、監視しうる。
[00120] 露出したマイクロセンサに隣接しうる第1のマイクロセンサ212は、チャンバ空間406に露出した第1のマスク層610を含みうる。第1のマスク層610は、ウエハ製造プロセス中に使用されるエッチャントに影響されえない。したがって、第1のマスク層610の下の第1のセンシング層612は、ウエハ製造プロセスのフェーズ中、エッチング処理から保護されうる。
[00121] 露出したマイクロセンサは、センサが寿命に達するまでエッチングされうる。露出したマイクロセンサは、センサの感度が許容範囲を逸脱したら寿命が尽きたことを示すという方法で、露出したセンシング面の表面形態がいつ変化したかを決定するために監視されうる。露出したマイクロセンサの寿命を試験する方法には、電気的な診断手法も含まれる。例えば、電気入力を、対応する電気トレース216を介して、露出したマイクロセンサに供給し、露出したマイクロセンサからの出力を測定してもよい。露出したマイクロセンサからの出力は、入力信号に応答し、マイクロセンサのパラメータに対応しうる。例えば、出力は露出したマイクロセンサの感度に対応しうる。このような場合、感度は表面形態に基づいており、出力が所定の値になったときには、露出したマイクロセンサの寿命が尽きたと判断されうる。一実施形態では、露出したマイクロセンサは、マイクロセンサのパラメータがあらかじめ定められた挙動を示すときに、寿命が尽きることになる。例えば、露出したマイクロセンサが容量性のマイクロセンサの場合、露出したマイクロセンサは、マイクロセンサのキャパシタンスがウエハ製造プロセスに関して直線的に変化しなくなったとき、寿命が尽きる。
[00122] 交換のため露出したマイクロセンサの廃棄が必要になると、別のマイクロセンサが選択的に露出されうる。工程1506では、露出したマイクロセンサに隣接して示される第1のマイクロセンサ212の第1のマスク層610は、第1のマイクロセンサ212の第1のセンシング層612の第1のセンサ表面を露出するため、ストリッピングされてもよい。第1のマスク層610のストリッピングは様々な技術を用いて実行されうる。例えば、マスク層は、第1のマスク層610に影響を及ぼす化学薬品によって剥ぎ取られてもよい。化学薬品のレシピはマスクの材料に依存しうる。例えば、第1のマスク層610を含むブランケットマスク層702は酸化物又は窒化物を含むことがあり、ストリッピングの化学薬品は、酸化物及び窒化物材料を取り除くため、適切に調合されうる。
[00123] 一実施形態では、ブランケットマスク層702は、ウエハ製造プロセスで取り除くように設計されたものとは異なる材料から形成される。例えば、ウエハ製造プロセスは酸化物材料を取り除くように設計されるが、そのため、ブランケットマスク層702は保護的な窒化物層から形成されうる。したがって、ウエハ製造プロセスのターゲット材料は、第1のマスク層610のストリッピングで使用されるエッチャントに影響されることはない。
[00124] センサ表面を被覆するマスク層は、代替的な技術を用いてストリンピングされてもよい。例えば、マスク層は熱技術を用いてストリッピングされうる。例えば、高温はマスク層の分解及び/又は溶解を引き起こす。一実施形態では、マスク層は他の媒体を用いて分解及び/又は溶解させることができる。例えば、下部のセンシング層が露出するように、マスク層702を溶かして剥ぎ取るため、マスク層702に水をかけてもよい。
[00125] 図16Bに示したように、廃棄された最も左のマイクロセンサ210の右隣に、第1のマイクロセンサ212を露出するため、ブランケットマスク層702は後退してもよい。一実施形態では、最も左のマイクロセンサ210は、センサの電気的なサンプリングを中止することによって、すなわち、センサを電気的に切断することによって、運用から取り除かれうる。ブランケットマスク層702の除去速度は、エッチング処理の変化など様々な理由により変化しうる。そのため、第1のマイクロセンサ212を露出するのには十分であるが、第2のマイクロセンサ214の第2のセンシング層616を露出するのには十分でない程度にブランケットマスク層702が後退したときを検出することは、有用な情報を提供しうる。そのため、第1のマイクロセンサ212と第2のマイクロセンサ214は、マスク層のストリッピング中に同時に監視される。例えば、マイクロセンサのキャパシタンスなどのパラメータが感知されうる。キャパシタンスは、マイクロセンサのセンシング層の上のマスク層の厚さ及び/又は存在に応じて変化しうる。そのため、マスク層が第1のセンシング層612からいつ取り除かれるか、また、第2のセンシング層616の上にまだ存在しているかが判断されうる。この診断は、ウエハ製造プロセスの次の工程、例えば、ウエハエッチング処理の継続の要因として使用されうる。
[00126] 工程1508では、露出した第1のセンシング層612の上の露出したセンサ表面は、ウエハ製造プロセス中にエッチングされうる。すなわち、ウエハ製造プロセスは、ウエハのエッチングを含み、第1のマイクロセンサ212はそのプロセスを感知するためアクティブになりうる。これは、第1のマイクロセンサ212が、上述のように決定されうる寿命が尽きるまで継続しうる。
[00127] 工程1510では、第2のマイクロセンサ214の第2のマスク層614は、第2のセンシング層616の第2のセンサ表面を露出するため、ストリッピングされうる。第2のセンサの選択的な露出は、上述のストリッピング技術を用いて実行されうる。したがって、ウエハ製造プロセスの前のセグメント中に保護された第2のマイクロセンサ214は、ウエハ製造プロセスの次のセグメント中にアクティブなセンサになるように露出されうる。寿命に達しうる第1のマイクロセンサ212は、次のセグメント中に廃棄されうる。
[00128] 工程1512では、露出した第2のセンシング層616の上の露出したセンサ表面は、ウエハ製造プロセス中にエッチングされうる。すなわち、ウエハ製造プロセスは、ウエハのエッチングを含み、第2のマイクロセンサ214はそのプロセスを感知するためアクティブになりうる。これは、第2のマイクロセンサ214が、上述のように決定されうる寿命が尽きるまで継続しうる。上述の手続きは、長期間にわたり、例えば、数百回の処理中に、ウエハ製造プロセスを連続的に感知するため、付加的なマイクロセンサを露出するように反復されうる。
[00129] 図17を参照すると、一実施形態による、ウエハ処理機器のマイクロセンサをリフレッシュする方法の工程を表すフロー図が示されている。図18A〜図18Fは、図17に記載した方法の工程を図解しており、図17及び図18A〜図18Fは共に以下で説明される。
[00130] ウエハ処理機器は、図6に関して上述されているように、幾つかの選択的に露出可能なマイクロセンサを含みうる。工程1702において、ウエハ製造プロセスは処理チャンバで開始されうる。図18Aを参照すると、第1のマイクロセンサ212は、初期構成で露出したセンシング層を含みうる。初期構成では、第2のマイクロセンサ214は、下部の第2のセンシング層616を保護する第2のマスク層614を含みうる。より具体的には、第2のセンシング層616は、処理チャンバ内のウエハが処理されるとき、第2のマスク層614によって保護されうる。
[00131] 工程1704において、ウエハ製造プロセスは、ウエハから材料を取り除くエッチングを含みうる。第1のマイクロセンサ212の露出したセンシング層は、ウエハと同様の材料を含みうる。したがって、露出したセンシング層の上の露出したセンサ表面は、ウエハ製造プロセスのエッチャントによってエッチングされうる。したがって、第1のマイクロセンサ212の露出したセンシング層は、材料の除去を感知し、監視しうる。しかしながら、第1のセンサ表面から材料を取り除くために使用されるエッチャントは、第2のマスク層614からは材料を取り除かない。すなわち、第1のマイクロセンサ212に隣接する第2のマイクロセンサ214は、チャンバ空間に露出した第2のマスク層614を含みうる。第2のマスク層614は、露出したセンシング層とは異なる材料から形成され、したがって、第2のマスク層614の下の第2のセンシング層616は、ウエハ製造プロセスのフェーズ中にエッチング処理から保護されうる。
[00132] 第1のマイクロセンサ212の露出したセンシング層は、センサが寿命に達するまでエッチングされうる。第1のマイクロセンサ212をリフレッシュする必要があるときには、第2のマイクロセンサ214の第2のセンシング層616は選択的に露出されうる。
[00133] 図18Cを参照すると、工程1706では、第2のセンシング層616の露出の前後では、第1のセンシング層612の残存するセンサ材料が剥ぎ取られうる。例えば、残存する第1のセンシング層612を取り除くため、上述の任意のストリッピング技術が使用されうる。
[00134] 工程1708では、第2のセンシング層616は、第2のマスク層614のストリッピングによって露出されうる。本書に記載のストリッピング技術のいずれかは、第2のマスク層614を取り除くために使用されうる。第2のマスク層614は、ウエハの処理で使用されるエッチャントに影響されず、第2のマスク層614は、ウエハに影響を及ぼさない別のエッチャントによるエッチングに対して感受性が高くなりうる。したがって、第2のマスク層614は、露出したセンシング層608の除去後に、チャンバ空間に露出されるウエハ又は第1のマスク層610に影響を及ぼすことなくストリッピングされうる。より具体的には、第2のマスク層614は、第1のマスク層610とは異なる材料から形成されてよく、そのため、エッチャントの適用は1つのマスク層を取り除くが、他の層は取り除かない。
[00135] 図18Dを参照すると、工程1710で、第2のセンシング層616を露出するため第2のマスク層614を取り除いた後、中間マスク層618を露出するため、第1のマイクロセンサ212の第1のマスク層610がストリッピングされうる。中間マスク層618は、第1のマイクロセンサ212の下部のセンシング層604の上に形成されうる。より具体的には、中間マスク層618は、ウエハの処理で使用されるエッチャントによるエッチングに影響されない材料から形成されうる。例えば、中間マスク層618は、ウエハ製造プロセスの初期のフェーズ中に第2のセンシング層616を保護した第2のマスク層614と同じ材料を有しうる。したがって、中間マスク層618は、第2のセンシング層616が処理を監視しているとき、エッチャントによって影響を受けない。
[00136] 図18Eを参照すると、工程1712で、第2のマイクロセンサ214の露出したセンシング層は、ウエハ製造プロセスを感知し監視するために使用されうる。例えば、第2のセンシング層616は、ウエハからの材料の除去を監視しうる。同時に、中間マスク層618は、第1のマイクロセンサ212の下部のセンシング層を保護しうる。第2のマイクロセンサ214の露出したセンシング層は、センサの寿命が尽きるまでエッチングされうる。
[00137] 図18Fを参照すると、第2のマイクロセンサ214の交換が必要になったとき、第1のマイクロセンサ212は、別のセンシング層604を露出することによってリフレッシュされうる。より具体的には、第2のセンシング層616及び中間マスク層618は、第1のマイクロセンサ212の下部のセンシング層604を露出し、第2のマイクロセンサ214のマスク層606を露出するため、それぞれのマイクロセンサからストリッピングされうる。したがって、第1のマイクロセンサ212及び第2のマイクロセンサ214の積層構造は、センシング層を断続的に露出するため、順次エッチングされてよく、これにより、マイクロセンサ及びウエハ製造機器のセンシング機能をリフレッシュする。
[00138] 図19を参照すると、一実施形態による、ウエハ処理システムの例示的なコンピュータシステムを示すブロック図が示されている。例示的なコンピュータシステム104の一又は複数の構成要素は、ウエハ処理ツール102の電子回路218で使用されうる。したがって、図5に関連して上述した電子回路218は、コンピュータシステム104のサブセットでありうる。代替的に、電子回路218は、粒子モニタリング装置200又はウエハ処理ツール102に近くてもよく、また、コンピュータシステム104は、電子回路218及び/又はウエハ処理ツール102のコンピュータと適合している製造施設のホストコンピュータであってもよい。一実施形態では、コンピュータシステム104は、ロボット、ロードロック112、処理チャンバ114、及びウエハ処理ツール102の他の構成要素と結合し、これらを制御する。コンピュータシステム104は、上述したように、マイクロセンサ210によって提供される粒子検出又は材料の堆積/除去情報の受信及び解析も行いうる。
[00139] コンピュータシステム104は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットにおいて、他のマシンに接続され(例えばネットワーク化され)うる。コンピュータシステム104は、クライアント−サーバネットワーク環境においてはサーバ又はクライアントマシンの役割で、或いは、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境においてはピアマシンとして作動しうる。コンピュータシステム104は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、或いは、そのマシンによって行われる動作を特定する(連続した又は別様な)命令のセットを実行可能な任意のマシンでありうる。さらに、コンピュータシステム104として単一のマシンのみを示しているが、「マシン」という用語は、本書に記載の方法のうちの任意の一又は複数を実施するために、命令のセット(又は複数のセット)を個々に、又は連携的に実行するマシン(コンピュータなど)の任意の集合体を含むとも解釈すべきである。
[00140] コンピュータシステム104は、命令が記憶された非一過性のマシン可読媒体を有するコンピュータプログラム製品、又はソフトウェア1902を含んでいてよく、これらの命令は、実施形態による処理を実施するコンピュータシステム104(又は、他の電子デバイス)をプログラムするために使用されうる。マシン可読媒体は、マシン(例えばコンピュータなど)によって可読な形態で情報を保存又は伝送するための、任意の機構を含む。例えば、マシン可読(例えばコンピュータ可読)媒体は、マシン(例えばコンピュータ)可読記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等)、マシン(例えばコンピュータ)可読伝送媒体(電気的形態、光学的形態、音響的形態、又はその他の伝播信号の形態(例えば赤外線信号、デジタル信号等))等を含む。
[00141] 一実施形態では、コンピュータシステム104は、バス1909を介して互いに通信し合う、システムプロセッサ1904、メインメモリ1906(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)又はランバスDRAM(RDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、スタティックメモリ1908(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及び二次メモリ1018(例えば、データ記憶装置1924)を含む。
[00142] システムプロセッサ1904は、マイクロシステムプロセッサ、中央処理装置などの一又は複数の汎用処理装置を表す。より詳細には、システムプロセッサ1904は、複合命令セット演算(CISC)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロシステムプロセッサ、他の命令セットを実行するシステムプロセッサ、又は、命令セットの組み合わせを実行するシステムプロセッサでありうる。システムプロセッサ1904は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP)、ネットワークシステムプロセッサなどの、一又は複数の特殊用途処理デバイスでもありうる。システムプロセッサ1904は、本書に記載の工程を実行するための処理論理1910を実施するように構成される。
[00143] コンピュータシステム104はさらに、ネットワーク1914を介して、例えば、ウエハ処理ツール102等の他のデバイス又はマシンと通信するためのシステムネットワークインターフェースデバイス1912を含みうる。コンピュータシステム104は、ビデオディスプレイユニット1916(液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、又は陰極線管(CRT)など)、英数字入力デバイス1918(キーボードなど)、カーソル制御デバイス1920(マウスなど)、及び信号生成デバイス1922(スピーカなど)も含みうる。
[00144] 二次メモリは、本書に記載の一又は複数の任意の方法又は機能を具現化する一又は複数の命令セット(例えば、ソフトウェア1902)が記憶される、マシンによってアクセス可能な記憶媒体1926(又はより具体的にはコンピュータ可読記憶媒体)を含みうるデータストレージデバイス1924を含みうる。このソフトウェア1902は、コンピュータシステム104によって実行されている間、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ1906及び/又はシステムプロセッサ1904の中にも常駐していてよく、メインメモリ1906及びシステムプロセッサ1904は、マシン可読記憶媒体も構成しうる。このソフトウェア1902はさらに、システムネットワークインターフェースデバイス1912を介してネットワーク1914上で送信又は受信されうる。
[00145] 例示の実施形態において、マシンによってアクセス可能な記憶媒体1926を単一の媒体として示したが、用語「マシン可読記憶媒体」は、一又は複数の命令セットを記憶する単一の媒体、又は複数の媒体(例:集中データベース、又は分散データベース、及び/又は関連キャッシュ及びサーバ)を含むと理解すべきである。「マシン可読記憶媒体」という用語はまた、マシンによって実施される命令のセットを記憶すること、又は符号化することが可能であり、かつ、方法のうちの任意の一又は複数をマシンに実施させる任意の媒体を含むとも解釈すべきである。したがって、「マシン可読記憶媒体」という用語は、固体メモリ、光媒体、及び磁気媒体を含むがそれらに限定されないと解釈すべきである。
[00146] 前述の明細書に、特定の例示の実施形態を説明した。以下の特許請求の範囲から逸脱しない限り、例示の実施形態に様々な修正を加えることができることが明らかになろう。従って、本明細書及び図面を限定的と捉えるのではなく、例として見なすべきである。