JP2019527062A - 寛容な対象を識別するための方法 - Google Patents

寛容な対象を識別するための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019527062A
JP2019527062A JP2019503458A JP2019503458A JP2019527062A JP 2019527062 A JP2019527062 A JP 2019527062A JP 2019503458 A JP2019503458 A JP 2019503458A JP 2019503458 A JP2019503458 A JP 2019503458A JP 2019527062 A JP2019527062 A JP 2019527062A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
subject
csot
transplantation
tol
sta
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2019503458A
Other languages
English (en)
Inventor
デンジャー,リチャード
ブロウアード,ソフィー
ヒラル,マガリ
ラムシュタイン,ジェラルド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Centre National de la Recherche Scientifique CNRS
Original Assignee
Centre National de la Recherche Scientifique CNRS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Centre National de la Recherche Scientifique CNRS filed Critical Centre National de la Recherche Scientifique CNRS
Publication of JP2019527062A publication Critical patent/JP2019527062A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/158Expression markers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

本発明は、移植後に免疫寛容の(TOL)対象と移植後に免疫寛容でない(STA)対象とを識別するための方法であって、i)前記対象から得た生体試料中の6種の遺伝子の発現レベル及び2種の臨床的パラメータによって複合寛容スコア(cSoT)を確立する段階であって、前記6種の遺伝子はID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A及びMZB1であり、前記cSoTは次式:【数1】で確立される段階と、ii)このcSoTを既定の基準値と比較する段階と、iii)cSoTが既定の基準値よりも高い場合には対象がTOLであると結論を下し、又はcSoTが既定の基準値よりも低い場合には対象がSTAであると結論を下す段階を含む方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は移植の分野であり、特に、本発明は、免疫抑制治療で治療された対象のうち、どの対象が寛容であるかを特定することを可能にする。
固形臓器移植は、移植片拒絶反応を予防するために免疫抑制治療(IS)の使用に依存している。しかし、癌、心血管疾患、感染症及び腎毒性等の長期に亘るIS副作用[1〜3]のため、医師は、移植片を免疫学的攻撃から保護しながらIS曝露を減らすよう推奨されている[4]。理想的には、固形臓器移植において同種移植片の免疫寛容を得ること、即ち、免疫抑制(IS)治療を行わずに同種移植片を許容することは、IS副作用の回避による大きい洞察となるであろう。また、これによって、移植の維持費用が削減され[5]、レシピエントの生活の質を改善しながら再移植の症例が減るであろう。この目的では、主に骨髄又は幹細胞移植を介した一過性のキメラ樹立を通じて、幾つかの寛容誘導のプロトコルが試みられて成功している[6〜10]。しかし、これまでのところ、有効性は生体ドナー又はゼロミスマッチ死体ドナーに限られており、HLAミスマッチを伴う寛容誘導が成功した例は僅かしか報告されていない[6、11]。興味深いことに、服薬不履行又は医学的判断、特に移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)のためにISを中断した結果としての寛容も観察されている[12、13]。このような患者は何年間も安定且つ良好な移植片機能を示し、免疫学的攻撃に応答し[12]、健常ボランティアと比較して多くの日和見感染を有しない[12、13]。臨床的観点から、主に偶然に発見されたこのような患者[12、14、15]は、標準的なIS(STA)により移植片機能が安定している腎臓レシピエントと同等であり、ごくわずかな違いは、生体ドナーからの移植片の割合の増加及びより低いHLAミスマッチレベルである[12]。
今まで、移植片機能が非常に安定な非感作性レシピエントの抜本的な選択に基づく治験においても、ISを安全に断薬することができる臨床的パラメータはない[16、17](Dugast Eら、Am J Transplant.2016 Nov;16(11):3255−3261)。従って、新しい治験における腎移植でのIS中止の意図的な再現には臨床的パラメータだけでなく、最近の報告で道が開かれている新しい臨床検査も必要なのは明らかである。最近、これらの様々な研究の統合的メタ分析によって、TOLとSTAの間で最も有意に差別的に発現する遺伝子として、主にB細胞に関連する20個の遺伝子が更に強調された[18]。興味深いことに、これらのレシピエント由来のB細胞は、抑制性受容体の発現を伴う特定の表現型[24]、独特の分化プロファイル[27]を有し、抑制特性を示す[28]。まとめると、これらのデータは、B細胞が潜在的なバイオマーカーであるだけでなく、移植された腎臓に対する免疫応答を能動的に調節することもできることを示唆し、その誘導及び拡大は誘導療法によって都合がよい可能性が高い[26]。
このようなシグネチャーの有用性は現在明らかに確立されており、過去数十年の科学界の努力によるものである[29、30]が、本発明者らは、ISを最小限にした場合の安全性及び信頼性を証明し、移植患者を追跡調査する必要がある。第一に、より多くの患者に容易に適用可能でありながら最も信頼性が高いシグネチャーが必要である。第二に、移植患者の一生の間に生じる事象(例えば、悪性腫瘍又は免疫抑制)に影響を受けない安定なシグネチャーが必要である。第三に、寛容の誘導は有望な治療法であるが、このようなプロトコルが移植後に免疫寛容の患者で見られるものを再現するかどうか、又はいわゆる「寛容」に様々な状況が存在するかどうかについてはまだ解決されておらず、従って、この2つの状況に共通するシグネチャーはまだ実証されていない。
本発明は、移植後に免疫寛容の(TOL)対象と移植後に免疫寛容でない(STA)対象とを識別するための方法であって、
i)前記対象から得た生体試料中の6種の遺伝子の発現レベル及び2種の臨床的パラメータによって複合寛容スコア(cSoT)を確立する段階であって、
前記cSoTが次式:
Figure 2019527062
で確立される段階と、
ii)このcSoTを既定の基準値と比較する段階と、
iii)cSoTが既定の基準値よりも高い場合には対象がTOLであると結論を下し、又はcSoTが既定の基準値よりも低い場合には対象がSTAであると結論を下す段階を含む方法に関する。
一実施形態では、6種の遺伝子はID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A及びMZB1である。
一実施形態では、2種の臨床的パラメータは試験時の前記対象の年齢及び移植時の前記対象の年齢である。
一実施形態では、既定の基準値はTOL対象のcSoTである。他の実施形態では、既定の基準値はSTA対象のcSoTである。
一実施形態では、対象は免疫抑制治療中である。
一実施形態では、対象はヒトである。
一実施形態では、対象は腎臓レシピエントである。一実施形態では、前記腎臓レシピエントは更に腎臓ドナーの膵臓が移植されており、必要に応じて腎臓ドナーの十二指腸片が移植されている。
本発明は更に、移植された対象を免疫抑制療法で治療する方法であって、
i)本発明に係る移植後に免疫寛容の(TOL)対象と移植後に免疫寛容でない(STA)対象とを識別するための方法を用いて、対象がTOL対象であるか又はSTA対象であるかを決定する段階と、
ii)対象がSTAである場合には対象を免疫抑制療法で治療する段階を含む方法に関する。
また、本発明は、免疫抑制療法中の移植された対象を免疫抑制療法の断薬又は最小化の候補として特定するための方法であって、
i)本発明に係る移植後に免疫寛容の(TOL)対象と移植後に免疫寛容でない(STA)対象とを識別するための方法を用いて、対象がTOL対象であるか又はSTA対象であるかを決定する段階と、
ii)対象がTOLである場合には対象が免疫抑制療法の断薬又は最小化に適格であると結論を下す段階を含む方法にも関する。
定義
本発明では、以下の用語は以下の意味を有する。
本明細書で使用される「AKR1C3」という用語は、アルド−ケトレダクターゼファミリー1メンバーC3を意味する。天然のヒトAKR1C3遺伝子はGenbank受託番号NM_001253908.1に示されるヌクレオチド配列を有し、天然のヒトAKR1C3タンパク質はGenbank受託番号NP_001240837.1に示されるアミノ酸配列を有する。
本明細書で使用される「生体試料」という用語は、対象、好ましくは移植された対象から入手した任意の試料、例えば、血清試料、血漿試料、尿試料、血液試料、リンパ液試料、又は生検試料を意味する。特定の実施形態では、遺伝子発現レベルを決定するための生体試料としては、血液試料、リンパ液試料、又は生検試料等の試料が挙げられる。特定の実施形態では、生体試料は血液試料、より具体的には末梢血単核球(PBMC)である。典型的には、このような細胞はフィコール、即ち、血液層を分離する親水性多糖類を用いて全血から抽出することができ、PBMCは血漿層の下に細胞環を形成する。更に、赤血球を優先的に溶解する低張溶解を用いて全血からPBMCを抽出することができる。このような処置は当業者に知られている。
本明細書で使用される「CD40」という用語は、分化抗原群40を意味する。CD40は抗原提示細胞に見出される同時刺激タンパク質であり、その細胞の活性化に必要である。天然のヒトCD40遺伝子はGenbank受託番号NM_001250.5に示されるヌクレオチド配列を有し、天然のヒトCD40タンパク質はGenbank受託番号NP_001241.1に示されるアミノ酸配列を有する。マウスのヌクレオチド配列とアミノ酸配列も記載されている(Genbank受託番号はそれぞれNM_011611.2とNP_035741.2)。
本明細書で使用される「CTLA4」という用語は、CD152(分化抗原群152)としても知られる細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4を意味する。これは免疫チェックポイントとして機能し、免疫応答を下方制御するタンパク質受容体である。天然のヒトCTLA4遺伝子はGenbank受託番号NM_001037631.2に示されるヌクレオチド配列を有し、天然のヒトCTLA4タンパク質はGenbank受託番号NP_001032720.1に示されるアミノ酸配列を有する。マウスのヌクレオチド配列とアミノ酸配列も記載されている(Genbank受託番号はそれぞれNM_001281976.1とNP_001268905.1)。
本明細書で使用される「識別する」という用語は、相違を特定、観察すること、又は2種の群を区別することを意味する。典型的には、本発明に係る方法は、免疫抑制薬で治療した対象のうち、寛容である対象を特定又は区別するのに適している。
本明細書で使用される「ID3」という用語はDNA結合阻害剤3を意味する。天然のヒトID3遺伝子はGenbank受託番号NM_002167.4に示されるヌクレオチド配列を有し、天然のヒトID3タンパク質はGenbank受託番号NP_002158.3に示されるアミノ酸配列を有する。マウスのヌクレオチド配列とアミノ酸配列も記載されている(Genbank受託番号はそれぞれNM_008321.2とNP_032347.1)。
本明細書で使用される「免疫抑制療法」又は「免疫抑制治療」という用語は、移植された対象へ1種以上の免疫抑制薬を投与することを意味する。移植手順で使用することができる免疫抑制薬としては、アザチオプリン、メトトレキサート、シクロホスファミド、FK−506(タクロリムス)、シロリムス、エベロリムス、ラパマイシン、コルチコステロイド、シクロスポリン(例えば、シクロスポリンA)、ミコフェノール酸、レフルマシド、アスコマイシン及びヒドロキシウレアが挙げられるが、これらに限定されない。これらの薬物は単独療法又は併用療法で使用してもよい。
本明細書で使用される「免疫抑制療法の断薬又は最小化」という用語は、免疫抑制薬を投与している移植された対象における免疫抑制療法を漸減させ、必要に応じて最終的に中止することを意味する。
本明細書で使用される「MZB1」という用語は、辺縁帯B細胞及びB1細胞特異的タンパク質1を意味する。天然のヒトMZB1遺伝子はGenbank受託番号NM_016459.3に示されるヌクレオチド配列を有し、天然のヒトTCL1Aタンパク質は、Genbank受託番号NP_057543.2に示されるアミノ酸配列を有する。マウスのヌクレオチド配列とアミノ酸配列も記載されている(Genbank受託番号はそれぞれNM_027222.3とNP_081498.2)。
本明細書で使用される「臓器移植」という用語は、疾患を有する臓器、臓器の一部又は組織を健康な臓器又は組織で置換する手順を意味する。移植される臓器又は組織は、対象自身(=自家移植片)、他のヒトドナー(=同種移植片)又は動物(=異種移植片)のいずれかから得ることができる。移植される臓器は人工又は天然、全体(腎臓、心臓、肝臓等)又は一部(心臓弁、皮膚、骨等)であり得る。
本明細書で使用される「既定の基準値」という用語は閾値又はカットオフ値を意味する。典型的には、「閾値」又は「カットオフ値」は実験的に、経験的に又は理論的に決定することができる。当業者によって認識されるように、既存の実験及び/又は臨床条件に基づいて閾値を任意に選択することもできる。例えば、適切に保存された過去の対象試料における遡及的測定を用いて既定の基準値を確立することができる。閾値は、試験の機能と利益/リスクバランス(偽陽性及び偽陰性の臨床結果)に従って最適な感度と特異度を得るように決定しなければならない。典型的には、実験データに基づく受信者動作特性(ROC)曲線を使用して最適な感度と特異度(ひいては閾値)を決定することができる。例えば、参照群において選択されたペプチドの発現レベルを決定した後、試験対象試料において決定した発現レベルの統計的処理を行うためにアルゴリズム解析を使用して、試料分類にとって重要な分類基準を得ることができる。ROC曲線の正式名は受信者動作特性曲線であり、受信者操作特性曲線としても知られている。これは主に臨床生化学的診断検査に使用される。ROC曲線は真陽性率(感度)と偽陽性率(1−特異度)の連続変数を反映する包括的な指標である。これによって感度と特異度との関係が画像合成法で明らかになる。一連の異なるカットオフ値(閾値又は臨界値、診断テストの正常結果と異常結果との間の境界値)を連続変数として設定して一連の感度値と特異度値を計算する。次に感度を垂直座標として使用し、特異度を水平座標として使用して曲線を描く。曲線下面積(AUC)が大きいほど、診断の精度が高くなる。ROC曲線上で、座標図の左上に最も近い点が高感度と高特異度の両方の値を有する臨界点である。ROC曲線のAUC値は1.0〜0.5である。AUC>0.5の場合、AUCが1に近づくにつれて診断結果はますます良くなる。AUCが0.5〜0.7の場合、精度は低い。AUCが0.7〜0.9の場合、精度は中程度である。AUCが0.9より高い場合、精度は高い。このアルゴリズム法はコンピュータで行うのが好ましい。当技術分野で既存のソフトウェア又はシステムを使用してROC曲線を描くことができ、このようなソフトウェア又はシステムとしては、MedCalc9.2.0.1医療統計ソフトウェア、SPSS9.0、ROCPOWER.SAS、DESIGNROC.FOR、MULTIREADER POWER.SAS、CREATE−ROC.SAS、GB STAT VI0.0(Dynamic Microsystems社、米国メリーランド州、シルバースプリング)等が挙げられる。
本明細書で使用される「遺伝子発現レベルを決定するための試薬」という用語は、前記遺伝子の発現レベルを特異的に決定することができる試薬、即ち、所定の遺伝子の発現レベル、例えば、ID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A及び/又はMZB1遺伝子の発現レベルを特異的に決定することを具体的に意図した試薬を意味する。従って、この定義では任意の遺伝子の発現レベルを決定するのに有用な一般的な試薬、例えば、taqポリメラーゼ又は増幅緩衝剤が除外されるが、そのような一般的な試薬は、所定の遺伝子の発現レベルを決定するために十分ではないが必要であり得るため、本発明に係るキットに含めることもできる。
本明細書で使用される「STA」という用語は「移植後に免疫寛容でない対象」を意味し、即ち、対象は、免疫抑制中には機能が安定しているが、免疫抑制治療を中止すると移植片を拒絶するであろう。そのような対象は移植片に対して寛容ではないと考えられる。特定の実施形態では、対象「STA」は免疫学的リスクが高いと考えられ、即ち、前記対象は拒絶反応(急性又は慢性)及び/又は移植片に対する抗体を生じさせるリスクが高い。
本明細書で使用される「対象」という用語は、齧歯類、ネコ科、イヌ科、及び霊長類等の任意の哺乳動物を意味する。特に本発明では、対象は「患者」とも称されるヒトである。特定の実施形態では、対象は「レシピエント」又は「移植された被験者」とも称される移植された対象である。
本明細書で使用される「TCL1A」という用語は、T細胞白血病又はリンパ腫タンパク質1を意味する。天然のヒトTCL1A遺伝子はGenbank受託番号NM_001098725.1に示されるヌクレオチド配列を有し、天然のヒトTCL1Aタンパク質はGenbank受託番号NP_001092195.1に示されるアミノ酸配列を有する。
本明細書で使用される「TOL」という用語は「移植後に免疫寛容の対象」を意味し、即ち、対象は、免疫抑制中に機能が安定しており、免疫抑制レジメンを安全に中止することができる。このことは、免疫抑制治療をしなくても対象はその移植片を拒絶せず、移植片が十分に機能していることを意味する。そのような対象は移植片に対して寛容であると考えられる。特定の実施形態では、対象「TOL」は免疫学的リスクが低いと考えられ、即ち、前記対象は拒絶反応(急性又は慢性)及び/又は移植片に対する抗体を生じさせるリスクが低い。
本明細書で使用される「移植された対象」(「レシピエント」又は「移植された被験者」とも称される)という用語は臓器移植を受けた対象を意味する。
本明細書で使用される「治療する」及び「治療」という用語は、予防的又は防止的治療と根治的又は疾患修飾治療の両方(例えば、疾患に罹患するリスクがあるか又は疾患に罹患した疑いのある対象の治療や、現在病気であるか又は疾患や病態に罹患していると診断された対象の治療)を意味し、臨床的再発の抑制を包含する。医学的障害を有する対象又は最終的に障害になり得る対象に対して治療を施すことができるが、これは障害又は再発性障害の1種以上の症状を予防、治癒、その発症を遅延、その重症度を軽減、又は改善するために行うか、或いは、そのような治療を行わない場合に予想される対象の生存期間を超えて生存期間を延ばすために行う。「治療レジメン」とは、病気の治療のパターン、例えば、治療中に使用される投薬のパターンを意味する。治療レジメンは、導入レジメン及び維持レジメンを含むことができる。「導入レジメン」又は「導入期間」という表現は、疾患の初期治療に用いられる治療レジメン(又は治療レジメンの一部)を意味する。導入レジメンの一般的な目的は、治療レジメンの初期期間中に高レベルの薬物を対象に提供することである。導入レジメンは(一部又は全体として)「負荷レジメン」を用いることができ、これは、医師が維持レジメン中に使用するよりも多い用量の薬物を投与すること、医師が維持レジメン中に薬物を投与するよりも頻繁に薬物を投与すること、又はその両方を含み得る。「維持レジメン」又は「維持期間」という表現は、例えば、対象を長期間に亘って(数ヶ月又は数年)寛解に保つために、疾患の治療中に対象を維持するのに用いる治療レジメン(又は治療レジメンの一部)を意味する。維持レジメンは、連続療法(例えば、毎週、毎月、毎年等の一定間隔で薬物を投与すること)又は間欠的療法(例えば、治療中止、間欠的治療、再発時の治療、又は特定の既定の基準[例えば、疼痛、疾患の徴候等]に達した際の治療)を用いることができる。
本明細書で使用される「2種の臨床的パラメータ」という用語は、試験時の対象の年齢及び移植時の対象の年齢を意味する。
複合寛容スコア(cSoT)。(A)cSoTモデル:左軸は選択した遺伝子及び臨床的パラメータの係数を示し(偽発見率[fdr]<0.05)(黒色の棒グラフ)、右軸は100回の10分割交差検証における選択した遺伝子と臨床的パラメータの出現(即ち、出現率)を示す(灰色の棒グラフ)。(B)cSoT[cSoT]、6種の遺伝子(ID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A及びMZB1)の組み合わせ[6遺伝子]、試験時の患者の年齢[採取時年齢]、移植時の患者の年齢[Tx時年齢]及びクレアチン血症[クレアチン血症]の受信者動作特性(ROC)曲線。(C)231名の患者(42名のTOL[灰色]及び189名のSTA[黒色])のcSoT値。破線はROC曲線の中心化した最適閾値(ヨーデン指標)を示す。灰色領域(破線の両側)は特異度及び90%未満の特異度の値で定められた不確定領域を示す。 qPCRを用いて検証したcSoT。(A)qPCRを使用しても、cSoTは依然としてTOLとSTAとの間で差があり(それぞれn=9及び12、平均=2.89±5.41及び−2.58±2.37)、(B)0.86(IC95%)[0.66−1]のAUCを示した。
公表されたメタ分析由来の20種の遺伝子シグネチャーに基づき、本発明者らはスパース方法論を用いて、いくつかの人口統計学的パラメータに関連して、臨床でのルーチンに適用可能な予測寛容スコアを構築できる最も有益な遺伝子を特定及び検証した[31]。こうして本発明者らは、優れた精度でSTAからTOLを特定することができる2種の基本的な臨床的パラメータと組み合わせた6種の遺伝子のスコアを特定及び検証した。本発明者らは、この寛容のシグネチャーが、患者の悪性(PTLD)状態、中心起源又はIS治療によっても損なわれないことを示した。寛容誘導プロトコルから恩恵を受ける、移植後に免疫寛容のレシピエント及び患者は、共通の「寛容シグネチャー」を共有しない。最終的に、本発明者らは、このスコアがDSAを含むde novo抗HLA抗体及び寛容喪失によって影響を受けていることを示し、これによってこのスコアが腎移植患者を追跡調査する潜在性を補強した。
従って、第1の態様では、本発明は、移植後に免疫寛容の(TOL)対象と移植後に免疫寛容でない(STA)対象とを識別するための方法であって、
i)前記対象から得た生体試料中の少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種又はそれ以上の遺伝子の発現レベル、及び少なくとも1種、少なくとも2種又はそれ以上の臨床的パラメータによって複合寛容スコア(cSoT)を確立する段階であって、前記スコアが次式:
Figure 2019527062
で確立される段階と、
ii)前記cSoTを既定の基準値と比較する段階と、
iii)前記cSoTが既定の基準値よりも高い場合には対象がTOLであると結論を下し、又は前記cSoTが既定の基準値よりも低い場合には対象がSTAであると結論を下す段階を含む方法に関する。
一実施形態では、遺伝子は、ID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A、MZB1、CD22、BLK、MS4A1、CD79B、BLNK、FCRL2、IRF4、HINT1、RFC4、ANXA2R、FCER2、AKIRIN2、EPS15及びPLBD1から成る群から選択される。遺伝子は、ID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A及びMZB1から成る群から選択されることが好ましい。
一実施形態では、臨床的パラメータは、試験時の前記対象の年齢、移植時の対象の年齢、ドナーの年齢、レシピエントの性別、ドナーの性別、ドナーの種類、移植順序、HLAミスマッチの数、導入治療、レシピエントのクレアチン血症、レシピエントのタンパク尿、試験時のレシピエントにおける抗HLA抗体の存在、及び試験時のレシピエントでのDSAの存在から成る群から選択される。臨床的パラメータは、試験時の前記対象の年齢及び移植時の対象の年齢から成る群から選択されることが好ましい。
一実施形態では、対象TOLとSTAを識別するための方法は、
i)前記対象から得た生体試料中のID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A及びMZB1から成る群から選択される、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種又はそれ以上の遺伝子の発現レベル、及び試験時の前記対象の年齢及び移植時の対象の年齢から成る群から選択される、少なくとも1種、少なくとも2種又はそれ以上の臨床的パラメータによって複合寛容スコア(cSoT)を確立する段階であって、前記スコアが次式:
Figure 2019527062
で確立される段階と、
ii)前記cSoTを既定の基準値と比較する段階と、
iii)前記cSoTが既定の基準値よりも高い場合には対象がTOLであると結論を下し、又は前記cSoTが既定の基準値よりも低い場合には対象がSTAであると結論を下す段階を含む。
一実施形態では、対象TOLとSTAとを識別するための方法は、
i)前記対象から得た生体試料中の6種の遺伝子ID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A、MZB1の発現レベル、及び試験時の前記対象の年齢及び移植時の対象の年齢から選択される2種の臨床的パラメータによって複合寛容スコア(cSoT)を確立する段階であって、前記スコアが次式:
Figure 2019527062
で確立される段階と、
ii)前記cSoTを既定の基準値と比較する段階と、
iii)前記cSoTが既定の基準値よりも高い場合には対象がTOLであると結論を下し、又は前記cSoTが既定の基準値よりも低い場合には対象がSTAであると結論を下す段階を含む。
一実施形態では、TOL対象は免疫抑制薬がなくても安定な移植片機能を維持する。一実施形態では、STA対象は免疫抑制薬がないと安定な移植片機能を維持しない。
一実施形態では、対象は哺乳動物である。特定の実施形態では、対象はヒトである。
一実施形態では、対象は移植された対象である。特定の実施形態では、対象は腎移植された対象である。特に、前記腎移植された対象は更に腎臓ドナーの膵臓が移植されていてもよく、必要に応じて腎臓ドナーの十二指腸片が移植されていてもよい。
一実施形態では、対象は、免疫抑制薬又は当技術分野で現在知られているか又は将来特定されるであろう他の薬物で治療される。特定の実施形態では、対象は免疫抑制治療中である、即ち、対象には1種以上の免疫抑制薬が投与されている。
移植処置で使用することができる免疫抑制薬としては、アザチオプリン、メトトレキサート、シクロホスファミド、FK−506(タクロリムス)、シロリムス、エベロリムス、ラパマイシン、コルチコステロイド、シクロスポリン(例えば、シクロスポリンA)、ミコフェノール酸、レフルマシド、アスコマイシン及びヒドロキシウレアが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、免疫抑制薬を単独療法で使用する。他の実施形態では、免疫抑制薬を併用療法で使用する。
腎移植の場合、以下の免疫抑制プロトコルが通常用いられる。一次腎移植を受けた対象は、一般にバシリキシマブ(Simulect(登録商標)、Novartisにより市販されているキメラマウス/ヒトモノクローナル抗IL2−Rα抗体)の2回注射で構成される導入治療を受けると共に、タクロリムス(Prograf(商標)、Fujisawa Pharmaceutical、0.1mg)、ミコフェノール酸モフェチル(Cellcept(商標)、Syntex Laboratories社、2g/日)及びコルチコイド(1mg/kg/日)による治療を受け、コルチコイド治療は治療終了(即ち、移植後3ヶ月)まで5日毎に10mgずつ漸減させる。二次又は三次腎移植を受けた対象又は免疫学的リスクがあると考えられる対象(抗Tパネル反応性抗体(PRA)の割合が以前に25%超に達したことがある、又は36時間を超える冷阻血)には、一般に抗胸腺細胞グロブリン(ATG)の短期間投与(例えば、7日間)を行うと共に、0日目からミコフェノール酸モフェチル(Cellcept(商標)、Syntex Laboratories社、2g/日)及びコルチコステロイド(1mg/kg/日)で治療を行った後、コルチコステロイドを治療終了まで5日毎に10mgずつ漸減させ、最終的に移植後約3ヶ月で終了させる。タクロリムス(Prograf(商標)、Fujisawa Pharmaceutical)の導入は、遅らせて(6日目に導入)、0.1mg/kg/日の用量で行う。
本明細書で使用される「複合寛容スコア(cSoT)」という用語(「スコア」とも称される)は次式から得られる値を意味する。
Figure 2019527062
この式はBolassoアルゴリズム、即ち、ブートストラップ再サンプリング(10,000回)で実行するlasso(Least Absolute Selection and Shrinkage Operator)解析とそれに続く複数の試験(偽発見率<0.05)によって得られ、これによって本発明の8種のパラメータ(6種の遺伝子と2種の臨床的パラメータ)を特定することができる。
本発明の意味の範囲内で、「β」という用語は本発明に係る各遺伝子の係数を意味する。
「β」は各遺伝子の回帰β係数を表す。典型的には、回帰β係数は、Erickson、K.F.ら、2016に記載されているBolasso法を用いて各遺伝子について当業者が決定する。典型的には、血液試料を、移植されてISによって治療中の対象から得ることができ、6種の遺伝子の発現を通常の方法によって決定することができる。
2種の臨床的パラメータ(試験時の対象の年齢[年齢試験時]と移植時の対象の年齢[年齢移植時])を考慮する。次にTOL又はSTAを区別するカットオフ値とスコアを比較する。移植されていない対象と移植された対象において同じ解析方法によって同じ遺伝子の発現を解析することによってカットオフ値を決定することができる。例えば、移植されていない対象のスコアと移植された対象のスコアとの中間点をカットオフ値とすることができる。
本明細書で使用される「β試験時」という用語は、試験時の対象の年齢のβ係数を意味する。
本明細書で使用される「β移植時」という用語は、移植時の対象の年齢のβ係数を意味する。
本明細書で使用される「切片」という用語は、式を修正するのに使用する固定値を意味する(回帰曲線のY軸に対する切片を意味する)。
本明細書で使用される「スケーリング係数」という用語は、陽性スコアと陰性スコアをそれぞれTOL診断とSTA診断に関連付けるためにスコアを中心化するのに使用する値を意味する。
本明細書で使用される「Exprs」という用語は各遺伝子の発現レベルを意味する。「遺伝子発現プロファイル」は、ID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A、MZB1、CD22、BLK、MS4A1、CD79B、BLNK、FCRL2、IRF4、HINT1、RFC4、ANXA2R、FCER2、AKIRIN2、EPS15及びPLBD1から成る群から選択される少なくとも2種、3種、4種、5種、6種又はそれ以上の遺伝子の各々の遺伝子発現レベルに対応する少なくとも2種、3種、4種、5種、6種又はそれ以上の値の群に対応し、任意選択で臨床的パラメータに対応する更に他の値に対応する。好ましくは、遺伝子発現プロファイルは、ID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A及びMZB1遺伝子の各々の遺伝子発現レベルに対応する6種の値の群に対応し、必要に応じて臨床的パラメータに対応する更に他の値に対応する。典型的には、遺伝子(好ましくは上述の6種の遺伝子)の発現レベルは当業者に公知の任意の技術によって決定することができる。特に、各遺伝子の発現レベルはゲノムレベル及び/又は核酸レベル及び/又はタンパク質レベルで測定することができる。特定の実施形態では、遺伝子の発現レベルは各遺伝子の核酸転写物の量を測定して決定する。他の実施形態では、遺伝子の発現レベルは各遺伝子に対応するタンパク質の量を測定して決定する。核酸転写物の量は当業者に既知の任意の技術によって測定することができる。特に、抽出されたメッセンジャーRNA(mRNA)試料に対して直接測定を行ってもよく、又は当技術分野で周知の技術によって抽出mRNAから調製された逆転写相補的DNA(cDNA)に対して測定を行ってもよい。mRNA又はcDNA試料から、核酸マイクロアレイ、定量的PCR、マイクロ流体カード、及び標識プローブとのハイブリダイゼーションを含む当業者に公知の任意の技術を用いて、核酸転写物の量を測定することができる。特定の実施形態では、定量的PCRを用いて遺伝子発現レベルを決定する。定量的又はリアルタイムPCRは当業者には周知で容易に利用可能な技術であるため、詳細な説明を必要としない。mRNAの量を決定するための方法は当技術分野で周知である。例えば、生体試料に含まれる核酸は、先ず標準的な方法に従って、例えば、溶解酵素又は化学溶液を用いて抽出するか、又は製造業者の指示に従って核酸結合樹脂によって抽出する。次に、抽出したmRNAをハイブリダイゼーション(例えば、ノーザンブロット解析)及び/又は増幅(例えばRT−PCR)によって検出する。好ましくは、定量的又は半定量的RT−PCRが好ましい。リアルタイム定量的又は半定量的RT−PCRが特に有利である。
他の増幅方法としては、リガーゼ連鎖反応(LCR)、転写媒介増幅(TMA)、鎖置換増幅(SDA)及び核酸配列に基づく増幅(NASBA)が挙げられる。
少なくとも10個のヌクレオチドを有し、本明細書中の目的のmRNAに対して配列相補性又は相同性を示す核酸は、ハイブリダイゼーションプローブ又は増幅プライマーとして有用である。そのような核酸は同等のサイズの相同領域と同一である必要はないが、典型的には少なくとも約80%同一であり、より好ましくは同等のサイズの相同領域と85%同一、更に好ましくは90%同一、更に好ましくは95%以上同一であることが理解されよう。ある特定の実施形態では、ハイブリダイゼーションを検出するために、核酸を適切な手段、例えば、検出可能な標識と組み合わせて使用することが有利であろう。蛍光リガンド、放射性リガンド、酵素リガンド又は他のリガンド(例えば、アビジン/ビオチン)を含む、種々の適切な指示薬が当技術分野で公知である。
プローブは典型的には、長さが10〜1000ヌクレオチド、例えば、10〜800、より好ましくは15〜700、典型的には20〜500の一本鎖核酸を含む。プライマーは典型的には、増幅対象の目的の核酸と完全に又はほぼ完全にマッチするように設計された、長さが10〜25ヌクレオチドの短い一本鎖核酸である。プローブ及びプライマーは、それらがハイブリダイズする核酸に対して「特異的」であり、即ち、それらは、好ましくは高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下(最高融解温度Tm、例えば50%ホルムアミド、5×又は6×SCC緩衝液に対応し、1×SCC緩衝液は、HClでpH7.0に調整した0.15MのNaCl及び0.015Mのクエン酸Naを含む)でハイブリダイズする。
上述の増幅及び検出方法で使用される核酸プライマー又はプローブをキットとして組み合わせることができる。このようなキットは、コンセンサスプライマー及び分子プローブを含む。キットはまた、増幅が起こったかどうかを決定するのに必要な構成要素も含む。キットは、例えば、PCR緩衝液及び酵素、陽性対照配列、反応制御プライマー、並びに特定の配列を増幅及び検出するための説明書を含むこともできる。
特定の実施形態では、本発明の方法は、生体試料から抽出した全RNAを提供する段階、及びより具体的には定量的又は半定量的RT−PCRによってこのRNAを増幅し特定のプローブとハイブリダイズさせる段階を含む。
他の実施形態では、遺伝子発現レベルを、DNAチップ解析によって決定する。このようなDNAチップ又は核酸マイクロアレイは、マイクロチップ、スライドガラス又はミクロスフェアサイズのビーズであり得る基材に化学的に結合している様々な核酸プローブで構成される。マイクロチップは、ポリマー、プラスチック、樹脂、多糖類、シリカ若しくはシリカベースの材料、炭素、金属、無機ガラス、又はニトロセルロースで構成することができる。プローブは、約10〜約60塩基対であり得るcDNA又はオリゴヌクレオチド等の核酸を含む。遺伝子発現レベルを決定するために、任意選択で最初に逆転写させた試験対象由来の生体試料を標識し、ハイブリダイゼーション条件下でマイクロアレイと接触させ、マイクロアレイ表面に結合したプローブ配列に相補的な標的核酸間で複合体を形成する。次に、標識されたハイブリダイズ複合体を検出し、定量化又は半定量化することができる。標識化は様々な方法、例えば、放射性標識化又は蛍光標識化を用いて行うことができる。マイクロアレイハイブリダイゼーション技術の多くの変形が当業者に利用可能である(例えば、Hoheiselによる検討、Nature Reviews,Genetics,2006,7:200−210を参照)。
また、本発明は、移植された対象を免疫抑制療法で治療する方法であって、
i)対象が本発明に係る移植後に免疫寛容の(TOL)対象であるか又は移植後に免疫寛容でない(STA)対象であるかどうかを決定する段階と、
ii)対象がSTAである場合には1種以上の免疫抑制薬で対象を治療する段階を含む方法にも関する。
また、本発明は、免疫抑制療法中の移植された対象を免疫抑制療法の断薬又は最小化の候補として特定するための方法であって、
i)対象が本発明に係る移植後に免疫寛容の(TOL)対象であるか又は移植後に免疫寛容でない(STA)対象であるかどうかを決定する段階と、
ii)対象がTOLである場合には対象が免疫抑制療法の断薬又は最小化に適格であると結論を下す段階を含む方法にも関する。
他の態様では、本発明は、移植後に免疫寛容の(TOL)対象と移植後に免疫寛容でない(STA)対象とを識別するためのキットであって、ID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A、MZB1、CD22、BLK、MS4A1、CD79B、BLNK、FCRL2、IRF4、HINT1、RFC4、ANXA2R、FCER2、AKIRIN2、EPS15及びPLBD1から成る群から選択される少なくとも2種、3種、4種、5種、6種又はそれ以上の遺伝子の各々の遺伝子発現レベルに対応する少なくとも2種、3種、4種、5種、6種又はそれ以上の値の群に対応する遺伝子発現プロファイルを、任意選択で臨床的パラメータに対応する更に他の値と共に、決定するための少なくとも1種の試薬を含むキットにも関する。好ましくは、本発明に係るキットは、次の6種の遺伝子:ID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A及びMZB1の各々の発現レベルに対応する6種の値の群に対応する遺伝子発現プロファイルを決定するための少なくとも1種の試薬を含む。
一実施形態では、本発明に係るキットは、少なくとも1種の参照遺伝子の遺伝子発現レベルを決定するための少なくとも1種の試薬を更に含むことができる。参照遺伝子の例としては、ACTB、B2M、GAPDH及びHPRT1が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、少なくとも1種の参照遺伝子の遺伝子発現レベルの決定を用いて本発明に係る各遺伝子の相対的発現を正規化及び/又は計算する。
一部の実施形態では、本発明に係るキットは、対象TOLとSTAを識別するための説明書を更に含むことができる。対象TOLとSTAを識別するための説明書は、少なくとも1種の参照遺伝子発現プロファイルを含むことができる。特定の実施形態では、少なくとも1種の参照遺伝子発現プロファイルは移植片寛容の発現プロファイル、即ち、移植後に免疫寛容の(TOL)対象における次の6種の遺伝子:ID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A及びMZB1の各々の発現レベルに対応する6種の値の群である。或いは、少なくとも1種の参照遺伝子発現プロファイルは移植片寛容でない発現プロファイル、即ち、移植後に免疫寛容でない(STA)対象における次の6種の遺伝子:ID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A及びMZB1の各々の発現レベルに対応する6種の値の群であり得る。
本発明を以下の図面及び実施例によって更に説明する。しかし、これらの実施例及び図面は、決して本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例
材料&方法
メタ分析データセット
遺伝子発現データセットは、既に記述されている遺伝子発現オムニバス(GEO)データベース(受託番号GSE28456)から得た[18]。このデータセットは596種の試料を収集した5つの独立した研究からのメタ分析の結果であった[14、15、21、50、51]。
簡潔に言えば、データセットは、Lowess手順を用いて再正規化され、対数変換され、既に記述されているようにSTA群に従って中央値中心化され、1,846種の混合遺伝子で構成されたものであった[18]。ナントのコレクションに加え、欧州のIoTと米国のITNネットワークのおかげで、様々な研究の中から344名の固有の重複しない患者、即ち、96例のTOL試料のうち移植後に免疫寛容の個々の患者46名(TOL)及び311例のSTA試料のうち安定な移植片機能を有する患者266名(STA)を特定することができた。TOL及びSTA患者から入手可能な臨床的パラメータの人口統計学的説明を表1と表2に示す。技術的反復実験(同一の血液採取時間)では、20種の遺伝子の各々の平均発現を計算し、時間的反復実験では、最も早い時点を選択した。
Figure 2019527062
Figure 2019527062
追加のマイクロアレイデータセット
公的に入手可能な3種のマイクロアレイデータセットをGEO:GSE14630[34]、GSE22224[35]及びGSE45593[8]から収集し、Rソフトウェアのaffyパッケージ[52]を用いてロバストマルチアレイ平均法(RMA)で正規化した。データセットGSE45218[33]から収集した正規化した発現値をコンピュータによる交差検証に使用した。全てのデータセットについて、目的の6種の遺伝子の遺伝子発現を中心化/スケーリングした後、cSoTの係数を適用した。
検証コホート
ナントの病院からさらに21名の腎臓レシピエント(9名のTOLと12名のSTAを含む)を登録してqPCR検証を行った。地域の倫理委員会は本研究の全ての側面を承認し、全ての患者から書面によるインフォームド・コンセントを得た。
qPCR検証
静脈血試料をEDTAバキュテナーに採取し、4時間以内に分析のために処理した。末梢血単核球(PBMC)をフィコール層(Eurobio、フランス、レ・ジュリス)上で分離し、TRIzol(受託商標)試薬(Thermo Fisher Scientific、米国マサチューセッツ州ウォルサム)にて−80℃で凍結した。TRIzol法(Thermo Fisher Scientific)を用いて末梢血からRNAを抽出した。RNAの質と量を、それぞれAgilent 2100 BioAnalyzer(米国カリフォルニア州パロアルト)とNanodrop(Labtech、フランス、パレゾー)を使用して決定した。ポリdTオリゴヌクレオチド及びモロニー白血病ウイルス逆転写(Thermo Fisher Scientific)を用いてRNAを逆転写した。6種の試験遺伝子(AKR1C3:Hs00366267_m1、CD40:Hs00374176_m1、CTLA4:Hs00175480_m1、ID3:Hs00171409_m1、MZB1(又はMGC29506):Hs00414907_m1、TCL1A:Hs00951350_m1)及び4種の参照遺伝子(ACTB:Hs99999903_m1、B2M:Hs00984230_m1、GAPDH:Hs99999905_m1、HPRT1:Hs99999909_m1(Thermo Fisher Scientific))について市販のプライマーとプローブセット(Taqman)を使用してStepOnePlus機器(Thermo Fisher Scientific)でリアルタイム定量的PCRを行った。4種の参照遺伝子の幾何平均を用いてRNA量を正規化し、2−ΔΔCq法[53]に従って各遺伝子の相対的発現を計算した。
cSoTの構築
ロジスティック単変量解析(Rでglmパッケージを使用)でSTAと比較したTOLに関連するパラメータを使用してcSoTを構築した。単変量解析において寛容に関連する24種のパラメータ(20種の遺伝子と4種の人口統計学的パラメータ)間で最も識別的な組み合わせを特定するため、Bolasso法を使用した[5]。この方法では、ブートストラップ再サンプリング(10,000回)をlasso(least absolute shrinkage and selection operator)回帰分析と組み合わせて実施した後、Rのmhtパッケージ(バージョン3.2.2)を用いて複数の試験を行ってモデルに関連する有意な変数(偽発見率(FDR)<0.05)を選択する[2]。mhtパッケージによって行ったスケーリングの後、mhtから得た係数を使用して他のデータセットからスコアを計算した。qPCRデータについては、スケーリングしたdCqを使用した。
統計解析
統計解析はRソフトウェアバージョン3.2.2又はGraphPrism v.4ソフトウェアを用いて行った。パラメトリックスチューデントT検定、ANOVA検定又はKhi検定を用いて群比較を行った。p<0.05の場合に差異が統計学的に有意であると定義した。
結果
移植後の免疫寛容状態に関連する臨床的パラメータの選択
上述したメタデータセット[18]から、ナントのコレクションに加え、欧州の寛容指数(IoT)と米国の免疫寛容ネットワーク(ITN)のおかげで、様々な研究の中から312名の重複しない患者、即ち、96例のTOL試料のうち移植後に免疫寛容の個々の患者46名(TOL)及び311例のSTA試料のうち安定な移植片機能を有する患者266名(STA)を特定することができた。TOL及びSTA患者から入手可能な臨床的パラメータの人口統計学的説明を表1及び表2に示す。予測スコアを構築するために、患者の人口統計学的臨床パラメータの中から、内因性で非変異の患者に関連しTOLの少なくとも半分について知られているものだけを選択した(表1及び表2)。単変量ロジスティック回帰(p<0.20)を用いて寛容状態に関連する4種のパラメータ、即ち、移植時の患者の年齢(p<0.0001)、試験時の患者の年齢(p=0.176)(表1)、HLAミスマッチの数(p<0.0001)及びドナーの性別(p=0.154)(表2)を複合スコアのために選択した。
遺伝子と臨床的パラメータを組み合わせた移植後の免疫寛容の複合スコア(cSoT)
技術的反復実験(同一の血液採取時間)では、20種の遺伝子の各々についての平均発現を計算し、時間的反復実験では、最も早い時点を選択した。TOLとSTAの差異として以前に報告した20種の遺伝子の発現[1]は、この大きな312名の患者のコホート(46名のTOLと266名のSTA、p<0.0001)における単変量解析で確認した。
20種の当初の遺伝子と上で選択した4種の臨床的パラメータとの最も識別的な組み合わせを特定してcSoTに含めるため、本発明者らは、Bolasso法を使用した[5]。この方法では、ブートストラップ再サンプリング(10,000倍)をlasso(least absolute shrinkage and selection operator)回帰分析と組み合わせて実施した後、複数の試験を行ってモデルに関連する有意な変数(偽発見率[FDR]<0.05)を選択する[2]。
6種の遺伝子と2種の臨床的パラメータの組み合わせ、即ち、AKR1C3、CD40、CTLA4、ID3、MZB1、TCL1A、試験時の患者の年齢、及び移植時の患者の年齢を特定した(図1Aと1B)が、これによって、AUCが0.973(IC95%[0.939−1.00])でTOLとSTAを識別するcSoT(平均cSoTが42名のTOLについて6.43±4.73(SD)、189名のSTAについて−4.04±2.81、p<0.0001)を確立することができ、陰性的中率及び陽性的中率はそれぞれ0.989及び0.800であった(図1Bと1C)。
計算したcSoTスコアをROC曲線の最良閾値(ヨーデン指標)によって中心化し、陽性スコアと陰性スコアをそれぞれTOL診断とSTA診断に関連付け、不確定領域(「グレーゾーン」とも称する)を特異度と90%未満の特異度(予測許容誤差10%)の値で定めて解釈を容易にした(図1)[32]。これら8種のパラメータの選択の整合性を、10分割交差検証(無作為にTOLとSTAの10分の1)を100回繰り返して検証した。選択した8種のパラメータは1,000種のモデルのうち少なくとも80%に存在することが分かった(図1A)。
最後に10分割交差検証を100回行ってcSoTスコアのロバスト性を更に検証し、試験セットの平均AUCは0.967 IC95%[0.966−0.968]であった。試みてきたように、cSoTスコアによるTOLとSTAの識別は、2種の人口統計学的パラメータ、即ち、移植時の年齢(AUC=0.737、IC95%[0.655−0.819])及び試験時の年齢(AUC=0.564、IC95%[0.474−0.655]、両方の比較についてp<0.0001)を別々に用いた場合(図1C)よりも良好であり、6種の遺伝子のみの組み合わせ(AUC=0.947、IC95%[0.902−0.992]、p=0.38)よりも良好であり、患者の機能(クレアチン血症のみ(AUC=0.615、IC95%[0.519−0.711]、p<0.0001)よりも良好であった。
最後に、交差検証に関して、16名のTOL及び9名の慢性移植腎症(CAN)患者について実施した最近のマイクロアレイデータセットを利用した[33]。個々の臨床情報は提供されていないので、計算できたのは発現6種遺伝子の組み合わせのみであった。本発明者らの遺伝子の組み合わせはTOLとCANを識別するのではなく、TOLとSTAを識別するように設計されているにも関わらず、2つの集団間で有意に異なるスコア値(p=0.0061)と良好な識別が見られた(AUC=0.825、IC95%[0.636−0.1.014])。
施設の起源、免疫抑制レジメン、PTLDはcSoTに影響を及ぼさない
TOL試料は3種の異なる起源(ナント、IoT及びITN)に由来したにも関わらず、cSoTは患者起源と関連していなかった(p=0.13)。移植片機能が安定した患者においてISを中止した主な理由の1つは、PTLD等の重篤な副作用の出現である。しかし、cSoTはPTLDの経験による影響を受けなかった(PTLD、n=4、p=0.19)。
cSoTの作成に用いた患者の2群は免疫抑制レジメンの状態が異なっており、STAはIS中であるのに対し、TOLはISを受けていなかったため、ISがcSoTの値に影響を及ぼす可能性があるかどうかを評価した。TOL患者に関しては、シクロスポリンA(CsA)、アザチオプリン、ミコフェノール酸(MPA)及び導入治療の使用を含むIS中止前のISレジメンはcSoT値に影響を及ぼさないことが分かった(それぞれp=0.74、p=0.61、p=0.81及びp=0.51、29名のTOL)。次に、STA集団(n=189)におけるcSoTに及ぼす現在のISレジメンの影響について解析した。同様に、cSoTは誘導療法(p=0.97)、CsA又はタクロリムス(p=0.64)、コルチコステロイド(p=0.42)及び代謝拮抗剤(p=0.92)のいずれによっても影響を受けなかった。次に、移植片機能が安定していてマイクロアレイデータセットが利用可能な腎移植レシピエントの2種の独立したコホート:
1)CsA(n=14)又はラパマイシン(Rapa、n=23)単独療法中の患者の第1のコホート[7]、及び
2)アザチオプリンからMPAに変更した後の患者の第2のコホート(n=5対、MPA変更前又は変更3ヶ月後)[6]において、cSoT由来の6種の遺伝子の個々又はその組み合わせに及ぼすISレジメンの影響について更に試験した[34、35]。
両方のコホートにおいて、6種の遺伝子の組み合わせも6種の遺伝子個々も(データは示さず)ISレジメンによって改変されなかった(それぞれp=0.99及び0.77)。
まとめると、これらのデータによって、cSoTも遺伝子も以前のIS治療又は維持IS治療によって独立して影響を受けないことが示された。
cSoTは移植片機能不全と新たな抗体出現を予測する
主な問題の1つは経時的なcSoTの安定性及び結果である。本発明者らは、以前に、移植片機能喪失の幾つかの症例がこのTOLのコホートで観察され[36]、クレアチン血症(>150μmol/L)又はタンパク尿(>1g/24時間)が増加し得ることを報告した。殆どの臨床情報が入手可能であったナントのコホート由来の15名のTOLのうち、9名では経時的に機能が低下した(移植後17.09±3.46年)。更に、これらの15名のTOLのうち、8名では抗HLA抗体が新たに生じ(移植後14.67±1.13年)、そのうち、4名の患者ではドナー特異的抗体(DSA)が生じた(移植後13.41±0.21年)。また、新たな抗HLA抗体の存在は寛容の喪失と関連していた(p=0.034)。
試験時に患者が良好な移植片機能を示した場合(クレアチン血症<150μmol/L及びタンパク尿<1g/24時間)、cSoTは機能が低下した患者(試験時から2.29±2.7年後に機能低下)で有意に低く(p=0.047、cSoT=3.79±3.66及び8.52±4.67)、抗HLA抗体及びDSAが生じた患者(それぞれp=0.016及びp=0.013)(試験時から1.13±1.78及び0.21±1.10年後に抗体検出)でも有意に低かったことを見出した。
cSoTは移植後の免疫寛容状態に特異的である
移植後の免疫寛容プロファイル又はプロトコル誘導の寛容プロファイルに従ってcSoTの特異度を評価するため、寛容誘導の治験においてcSoTを試験し、生体ドナー同胞由来のHLAが同一の腎臓レシピエントを移植後4年間追跡した[9][8]。プロトコルは、早期のシロリムス変更及びドナー造血CD34幹細胞の注入を伴う、タクロリムス及びMPAによるリンパ球枯渇アレムツズマブ治療で構成される。免疫抑制を移植から2年後に中止した。これらの患者は、ISを完全に中止してから少なくとも1年後には正常な生検(即ち、無症候性拒絶反応の徴候がない)と良好な腎機能を有していた。
15名の患者のうち、9名に対して血液トランスクリプトームを最長4年間追跡したが、5名が寛容になり、4名は寛容にならなかった。移植後の時間に関わらず、cSoT又は6種の遺伝子がISの停止の前後で5名の寛容患者をTOLとして分類できなかったに過ぎない。従って、この結果が支持する事実は、この誘導プロトコルによる寛容が、移植後の免疫寛容及び自発的な寛容に関連するシグネチャーを共有しなかった(この2つの状況に関与する機序が異なると考えられるため)こと、並びにこのシグネチャーは移植後の免疫寛容状態のみに特異的であるということである。
臨床に適用可能なqPCR cSoT
cSoTスコアは遺伝子マイクロアレイ手段に基づいているので、本発明者らはそれを検証し、そのルーチンでの潜在的使用を裏付けるために定量的PCRを用いてその有用性を確認した。メタデータセットに含まれていない5種の独立したTOL試料及びメタデータセット由来の4種のTOLに対してqPCRを様々な時間で行った。
本発明者らは、cSoTスコアがTOLとSTAを識別することを示した(p=0.0054、それぞれn=9及び12、平均=2.89±5.41及び−2.58±2.37)(AUCは0.861、IC95%[0.66−1])(図2)。更に、ブートストラップ手順(1,000回)によって、この検証のロバスト性が0.852の平均AUC(IC95%[0.845−0.859])で確認された。
参考文献
本出願を通して、様々な参考文献が、本発明が関係する技術の最先端を説明している。これらの参考文献の開示は参照により本開示に組み込まれる。
1. Dantal, J., et al., Effect of long−term immunosuppression in kidney−graft recipients on cancer incidence: randomised comparison of two cyclosporin regimens. Lancet, 1998. 351(9103): p. 623−8.
2. Miller, L.W., Cardiovascular toxicities of immunosuppressive agents. Am J Transplant, 2002. 2(9): p. 807−18.
3. Ojo, A.O., et al., Chronic renal failure after transplantation of a nonrenal organ. N Engl J Med, 2003. 349(10): p. 931−40.
4. Sawinski, D., et al., Calcineurin Inhibitor Minimization, Conversion, Withdrawal, and Avoidance Strategies in Renal Transplantation: A Systematic Review and Meta−Analysis. Am J Transplant, 2016.
5. Erickson, K.F., et al., A Cost Analysis of Tolerance Induction for Two−Haplotype Match Kidney Transplant Recipients. Am J Transplant, 2016. 16(1): p. 371−3.
6. Kawai, T., et al., Long−term results in recipients of combined HLA−mismatched kidney and bone marrow transplantation without maintenance immunosuppression. Am J Transplant, 2014. 14(7): p. 1599−611.
7. Ciancio, G., et al., A randomized pilot study of donor stem cell infusion in living−related kidney transplant recipients receiving alemtuzumab. Transplantation, 2013. 96(9): p. 800−6.
8. Leventhal, J.R., et al., Nonchimeric HLA−Identical Renal Transplant Tolerance: Regulatory Immunophenotypic/Genomic Biomarkers. Am J Transplant, 2016. 16(1): p. 221−34.
9. Leventhal, J.R., et al., Genomic biomarkers correlate with HLA−identical renal transplant tolerance. J Am Soc Nephrol, 2013. 24(9): p. 1376−85.
10. Scandling, J.D., et al., Tolerance and withdrawal of immunosuppressive drugs in patients given kidney and hematopoietic cell transplants. Am J Transplant, 2012. 12(5): p. 1133−45.
11. Scandling, J.D., et al., Chimerism, graft survival, and withdrawal of immunosuppressive drugs in HLA matched and mismatched patients after living donor kidney and hematopoietic cell transplantation. Am J Transplant, 2015. 15(3): p. 695−704.
12. Massart, A., et al., The DESCARTES−Nantes survey of kidney transplant recipients displaying clinical operational tolerance identifies 35 new tolerant patients and 34 almost tolerant patients. Nephrol Dial Transplant, 2016.
13. Roussey−Kesler, G., et al., Clinical operational tolerance after kidney transplantation. Am J Transplant, 2006. 6(4): p. 736−46.
14. Newell, K.A., et al., Identification of a B cell signature associated with renal transplant tolerance in humans. J Clin Invest, 2010. 120(6): p. 1836−47.
15. Sagoo, P., et al., Development of a cross−platform biomarker signature to detect renal transplant tolerance in humans. J Clin Invest, 2010. 120(6): p. 1848−61.
16. Hricik, D.E., et al., Adverse Outcomes of Tacrolimus Withdrawal in Immune−Quiescent Kidney Transplant Recipients. J Am Soc Nephrol, 2015.
17. Abramowicz, D., et al., Cyclosporine withdrawal from a mycophenolate mofetil−containing immunosuppressive regimen: results of a five−year, prospective, randomized study. J Am Soc Nephrol, 2005. 16(7): p. 2234−40.
18. Baron, D., et al., A common gene signature across multiple studies relate biomarkers and functional regulation in tolerance to renal allograft. Kidney Int, 2015. 87(5): p. 984−95.
19. Braudeau, C., et al., Variation in numbers of CD4+CD25highFOXP3+ T cells with normal immuno−regulatory properties in long−term graft outcome. Transpl Int, 2007. 20(10): p. 845−55.
20. Braza, F., et al., Central Role of CD45RA− Foxp3hi Memory Regulatory T Cells in Clinical Kidney Transplantation Tolerance. J Am Soc Nephrol, 2015. 26(8): p. 1795−805.
21. Brouard, S., et al., Identification of a peripheral blood transcriptional biomarker panel associated with operational renal allograft tolerance. Proc Natl Acad Sci U S A, 2007. 104(39): p. 15448−53.
22. Chesneau, M., et al., Tolerant Kidney Transplant Patients Produce B Cells with Regulatory Properties. J Am Soc Nephrol, 2015.
23. Danger, R., et al., Upregulation of mir−142−3p in peripheral blood mononuclear cells of operationally tolerant patients with a renal transplant. J Am Soc Nephrol, 2012. 23(4): p. 597−606.
24. Pallier, A., et al., Patients with drug−free long−term graft function display increased numbers of peripheral B cells with a memory and inhibitory phenotype. Kidney Int, 2010. 78(5): p. 503−13.
25. Silva, H.M., et al., Preserving the B−cell compartment favors operational tolerance in human renal transplantation. Mol Med, 2012. 18: p. 733−43.
26. Newell, K.A., et al., Longitudinal studies of a B cell−derived signature of tolerance in renal transplant recipients. Am J Transplant, 2015. 15(11): p. 2908−20.
27. Chesneau, M., et al., Unique B cell differentiation profile in tolerant kidney transplant patients. Am J Transplant, 2014. 14(1): p. 144−55.
28. Chesneau, M., et al., Tolerant kidney transplant patients produce B cells with regulatory properties. J Am Soc Nephrol, 2015. 26(10): p. 2588−98.
29. Deng, M.C., et al., Noninvasive discrimination of rejection in cardiac allograft recipients using gene expression profiling. Am J Transplant, 2006. 6(1): p. 150−60.
30. Mastoridis, S., M. Martinez−Llordella, and A. Sanchez−Fueyo, Biomarkers and immunopathology of tolerance. Curr Opin Organ Transplant, 2016. 21(1): p. 81−7.
31. Rohart, F., Multiple Hypotheses Testing For Variable Selection, 2011.
32. Biais, M., et al., Clinical relevance of pulse pressure variations for predicting fluid responsiveness in mechanically ventilated intensive care unit patients: the grey zone approach. Crit Care, 2014. 18(6): p. 587.
33. Roedder, S., et al., A three−gene assay for monitoring immune quiescence in kidney transplantation. J Am Soc Nephrol, 2015. 26(8): p. 2042−53.
34. Dell’Oglio, M.P., et al., The anti−fibrotic effect of mycophenolic acid−induced neutral endopeptidase. J Am Soc Nephrol, 2010. 21(12): p. 2157−68.
35. Brouard, S., et al., Comparative transcriptional and phenotypic peripheral blood analysis of kidney recipients under cyclosporin A or sirolimus monotherapy. Am J Transplant, 2010. 10(12): p. 2604−14.
36. Brouard, S., et al., The natural history of clinical operational tolerance after kidney transplantation through twenty−seven cases. Am J Transplant, 2012. 12(12): p. 3296−307.
37. Braza, F., J.P. Soulillou, and S. Brouard, Reconsidering the bio−detection of tolerance in renal transplantation. Chimerism, 2013. 4(1): p. 15−7.
38. Petrara, M.R., et al., Post−transplant lymphoproliferative disorders: from epidemiology to pathogenesis−driven treatment. Cancer Lett, 2015. 369(1): p. 37−44.
39. Everly, M.J., et al., Incidence and impact of de novo donor−specific alloantibody in primary renal allografts. Transplantation, 2013. 95(3): p. 410−7.
40. Brouard, S., et al., Identification of a gene expression profile associated with operational tolerance among a selected group of stable kidney transplant patients. Transpl Int, 2011. 24(6): p. 536−47.
41. Krepsova, E., et al., Effect of induction therapy on the expression of molecular markers associated with rejection and tolerance. BMC Nephrol, 2015. 16: p. 146.
42. Muller−Steinhardt, M., et al., The pharmacodynamic effect of sirolimus: individual variation of cytokine mrna expression profiles in human whole blood samples. Immunobiology, 2009. 214(1): p. 17−26.
43. Roedder, S., et al., The ksort assay to detect renal transplant patients at high risk for acute rejection: results of the multicenter AART study. Plos Med, 2014. 11(11): p. E1001759.
44. Lee, A., et al., Validation study of peripheral blood diagnostic test for acute rejection in kidney transplantation. Transplantation, 2014. 98(7): p. 760−5.
45. Foucher, Y., et al., A clinical scoring system highly predictive of long−term kidney graft survival. Kidney Int, 2010. 78(12): p. 1288−94.
46. Lakkis, F.G. and M.H. Sayegh, Memory T cells: a hurdle to immunologic tolerance. J Am Soc Nephrol, 2003. 14(9): p. 2402−10.
47. Tullius, S.G., et al., The combination of donor and recipient age is critical in determining host immunoresponsiveness and renal transplant outcome. Ann Surg, 2010. 252(4): p. 662−74.
48. Benitez, C., et al., Prospective multicenter clinical trial of immunosuppressive drug withdrawal in stable adult liver transplant recipients. Hepatology, 2013. 58(5): p. 1824−35.
49. Heidt, S., et al., B cell markers of operational tolerance can discriminate acute kidney allograft rejection from stable graft function. Transplantation, 2014.
50. Braud, C., et al., Immunosuppressive drug−free operational immune tolerance in human kidney transplant recipients: Part I. Blood gene expression statistical analysis. J Cell Biochem, 2008. 103(6): p. 1681−92.
51. Lozano, J.J., et al., Comparison of transcriptional and blood cell−phenotypic markers between operationally tolerant liver and kidney recipients. Am J Transplant, 2011. 11(9): p. 1916−26.
52. Gautier, L., et al., affy−−analysis of Affymetrix genechip data at the probe level. Bioinformatics, 2004. 20(3): p. 307−15.
53. PE Applied Biosystems, F.C., ABI PRISM 7900 user bulletin, 1997. 2: p. 11−24.

Claims (10)

  1. 移植後に免疫寛容の(TOL)対象と移植後に免疫寛容でない(STA)対象とを識別するための方法であって、
    i)前記対象から得た生体試料中の6種の遺伝子の発現レベル及び2種の臨床的パラメータによって複合寛容スコア(cSoT)を確立する段階であって、
    前記6種の遺伝子はID3、AKR1C3、CD40、CTLA4、TCL1A及びMZB1であり、
    前記cSoTは次式:
    Figure 2019527062
    で確立される段階と、
    ii)このcSoTを既定の基準値と比較する段階と、
    iii)cSoTが既定の基準値よりも高い場合には対象がTOLであると結論を下し、又はcSoTが既定の基準値よりも低い場合には対象がSTAであると結論を下す段階を含む方法。
  2. 2種の臨床的パラメータは試験時の前記対象の年齢及び移植時の前記対象の年齢である、請求項1に記載の方法。
  3. 既定の基準値はTOL対象のcSoTである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 既定の基準値はSTA対象のcSoTである、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 対象は免疫抑制治療中である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記対象はヒトである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記対象は腎臓レシピエントである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記腎臓レシピエントは更に腎臓ドナーの膵臓が移植されており、任意選択で腎臓ドナーの十二指腸片が移植されている、請求項7に記載の方法。
  9. 移植された対象を免疫抑制療法で治療する方法であって、
    i)対象が請求項1に記載の移植後に免疫寛容の(TOL)対象であるか又は移植後に免疫寛容でない(STA)対象であるかを決定する段階と、
    ii)対象がSTAである場合には対象を免疫抑制療法で治療する段階を含む方法。
  10. 免疫抑制療法中の移植された対象を免疫抑制療法の断薬又は最小化の候補として特定するための方法であって、
    i)対象が請求項1に記載の移植後に免疫寛容の(TOL)対象であるか又は移植後に免疫寛容でない(STA)対象であるかを決定する段階と、
    ii)対象がTOLである場合には対象が免疫抑制療法の断薬又は最小化に適格であると結論を下す段階を含む方法。
JP2019503458A 2016-07-22 2017-07-21 寛容な対象を識別するための方法 Ceased JP2019527062A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP16305948 2016-07-22
EP16305948.8 2016-07-22
PCT/EP2017/068517 WO2018015551A1 (en) 2016-07-22 2017-07-21 Methods for discriminating a tolerant subject

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019527062A true JP2019527062A (ja) 2019-09-26

Family

ID=56561322

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019503458A Ceased JP2019527062A (ja) 2016-07-22 2017-07-21 寛容な対象を識別するための方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US11479817B2 (ja)
EP (1) EP3488014B1 (ja)
JP (1) JP2019527062A (ja)
CN (1) CN109790579A (ja)
CA (1) CA3031448A1 (ja)
DK (1) DK3488014T3 (ja)
ES (1) ES2847925T3 (ja)
WO (1) WO2018015551A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022248573A2 (en) 2021-05-28 2022-12-01 Centre Hospitalier Universitaire De Nantes Non-invasive diagnosis of subclinical rejection

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1990425A1 (en) * 2007-05-10 2008-11-12 Tcland R Diagnostic of immune graft tolerance
WO2010136576A1 (en) * 2009-05-29 2010-12-02 Tc Land Expression In vitro diagnosis/prognosis method and kit for assessment of tolerance in liver transplantation
WO2011068829A1 (en) * 2009-12-02 2011-06-09 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Biomarkers for determining an allograft tolerant phenotype
JP2013526862A (ja) * 2010-05-04 2013-06-27 キングス カレッジ ロンドン 腎移植寛容を決定する方法
WO2016075232A1 (en) * 2014-11-12 2016-05-19 Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale Gene signature associated with tolerance to renal allograft

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102439172B (zh) * 2009-01-15 2017-03-01 小利兰·斯坦福大学托管委员会 用于诊断和预测移植物排斥的生物标志物板
AU2010254259A1 (en) * 2009-05-29 2012-01-12 Emory University B cell signature associated with tolerance in transplant recipients
EP2418288B1 (en) * 2010-08-09 2012-11-28 Hospital Clínic de Barcelona Method for the diagnosis and prognosis of tolerance in liver transplantation employing liver tissue

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1990425A1 (en) * 2007-05-10 2008-11-12 Tcland R Diagnostic of immune graft tolerance
WO2010136576A1 (en) * 2009-05-29 2010-12-02 Tc Land Expression In vitro diagnosis/prognosis method and kit for assessment of tolerance in liver transplantation
WO2011068829A1 (en) * 2009-12-02 2011-06-09 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Biomarkers for determining an allograft tolerant phenotype
JP2013526862A (ja) * 2010-05-04 2013-06-27 キングス カレッジ ロンドン 腎移植寛容を決定する方法
WO2016075232A1 (en) * 2014-11-12 2016-05-19 Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale Gene signature associated with tolerance to renal allograft

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
KIDNEY INTERNATIONAL, vol. 87, JPN6021003591, 2015, pages 984 - 995, ISSN: 0004440271 *
THE JOURNAL OF CLINICAL INVESTIGATION, vol. 120, JPN6021003592, 2010, pages 1848 - 1861, ISSN: 0004440272 *
TRANSPLANTATION,, vol. 95, JPN6021003593, 2013, pages 148 - 154, ISSN: 0004440273 *

Also Published As

Publication number Publication date
EP3488014A1 (en) 2019-05-29
EP3488014B1 (en) 2020-11-25
DK3488014T3 (da) 2021-02-08
WO2018015551A1 (en) 2018-01-25
CA3031448A1 (en) 2018-01-25
US11479817B2 (en) 2022-10-25
CN109790579A (zh) 2019-05-21
US20190264281A1 (en) 2019-08-29
ES2847925T3 (es) 2021-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230407396A1 (en) Methods of monitoring immunosuppressive therapies in a transplant recipient
US9938579B2 (en) Biomarker panel for diagnosis and prediction of graft rejection
US9758828B2 (en) Methods to detect, treat and prevent acute cellular rejection in kidney allografts
US10787709B2 (en) Methods for diagnosing risk of renal allograft fibrosis and rejection
US10385397B2 (en) Biomarkers for determining an allograft tolerant phenotype
ES2824108T3 (es) Método para identificar receptores de aloinjertos de riñón en riesgo de lesión crónica
US11814683B2 (en) Methods and compositions for predicting chronic lung allograft dysfunction
JP2021520827A (ja) レシピエント血液における移植前トランスクリプトームシグネチャーを使用した急性拒絶反応および腎臓同種異系移植喪失の予測のための方法およびキット
EP2447374B1 (en) In vitro method for the prognosis or prediction of the response in patients with rheumatoid arthritis treated with agents that recognize the cd20 membrane receptor in b lymphocytes
JP2019527062A (ja) 寛容な対象を識別するための方法
BR112016030360B1 (pt) Métodos para diagnosticar um risco do receptor de aloenxerto renal e para selecionar um paciente com aloenxerto renal e kit para determinar um risco do receptor de aloenxerto renal

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190509

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210507

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211005

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20220222