JP2019526082A - パラメーター反転計算により残留応力加工パラメーターを調整する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、加工残留応力分野に属し、パラメーター反転計算により残留応力加工パラメーターを調整する方法を開示している。当該方法は、(a)残留応力分布曲線より当該残留応力分布の特徴を示す特徴指数を取得するステップと、(b)残留応力を調整する加工パラメーターの初期値を予め設定し、且つ特徴指数の初期値を計算し、加工パラメーターによる特徴指数の変化を示す曲線を作成し、フィッティング曲線を得るステップと、(c)各加工パラメーターの特徴指数増量とフィッティング曲線との関係式をそれぞれ形成するステップと(d)値を付与し且つ反転計算を行い、所要の加工パラメーターを得るステップとを含む。本発明によれば、加工残留応力への定量的な調整を実現することができ、当該方法の操作が簡単であり、試行回数が少なく、製造コストが低減し、加工物での加工残留応力分布を改善でき、加工物の疲労寿命が向上することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、加工残留応力分野に属し、より詳しくは、パラメーター反転計算により残留応力加工パラメーターを調整する方法に関する。
加工後の加工物の加工表面層における残留応力分布は、部品の耐食性及び耐疲労寿命に大きな影響を与える。表面残留引張応力は、腐食・疲労による亀裂の広がりを誘発しやすく、部品の使用寿命を短縮にすることがある一方、表面残留圧応力は、腐食・疲労による亀裂の広がりを抑えることに役立ち、部品の使用寿命を延長させることができる。加工工程が最後のステップである場合、加工表面層での残留応力分布は、部品の耐用年数に影響を直接与えるが、加工残留応力の分布については、加工パラメーター(刃物のパラメーターを含める)の影響を受け、例えば、切削加工では、異なる切削速度、送り量、切込み深さ、及び刃先角が形成された残留応力分布は異なり、研削加工では、異なる研削速度、送り量、研削深さ、及び砥石粒度などによって、生じた残留応力分布も異なる。現在、理論的なモデルや実験測定による残留応力の分布に及ぼす加工パラメーターからの影響を研究している文献が多く、ある程度、加工パラメーター及び材料特性を用いて残留応力の分布を予測することが実現している。
一定の残留応力の分布において、加工物の耐食性及び耐疲労寿命は実験で予測することができる。これによって、どのような残留応力分布は耐食性及び耐疲労寿命に有益であるかを判断することができるが、耐食性及び耐疲労寿命に有益である残留応力を得るために、如何なる工程を行うのかについて報告されていない。理論上、加工パラメーターの一定の組合せでは、一定の残留応力分布を得られ、しかしながら、一定の残留応力分布は、無限の加工パラメーターの組合せに対応する。したがって、残留応力から加工パラメーターへの「一対多」の関係をどのように解決するのかは、加工により所定の残留応力分布を実現する重要な課題である。加工により所定の残留応力を実現することは、加工残留応力の調整とも呼ばれ、実際、残留圧応力を増大するために、特殊なプロセス技術、例えばショットブラースチング、熱処理などを採用することができる。ただし、これらのプロセス技術では、残留応力を定性的に調整するだけであり、実際には、これらのプロセス技術を採用する場合においても、関連する加工パラメーターがあるため、残留応力を定量的に調整するように、加工パラメーターをどのように設定して所定の残留応力分布を得るかを考えなければならない。現在、加工により残留応力を調整する方法では、主に試行法を採用しており、加工パラメーターを、経験に基づいて予め設定し、この加工パラメーターを用いて試行加工を行い、加工された後に残留応力分布を測定し、需要を満たすかどうかを評価する。もし、需要を満たさない場合、加工パラメーターを調整して再び試行加工を行い、所定の残留応力分布を得るまで試行加工を繰り返す。このような試行法は、大量の人力、物資、費用を要し、且つ加工物の材質によっては、再び実験方法を選択して適切な加工パラメーターを探る必要があるため、残留応力を調整するのにかかるコストの増加に繋がる。
発明の内容
本発明は、上述した従来技術の欠点や改善の需要に対して、パラメーター反転計算により残留応力加工パラメーターを調整する方法を提供し、反転連立方程式で残留応力に影響を与えるパラメーターを計算し、加工後の残留応力が予め設定された値に到達し、残留応力の定量的な調整という技術的な課題を解決できる。
上述した目的を達成するために、本発明の一つの形態によれば、パラメーター反転計算により残留応力加工パラメーターを調整する方法を提供し、当該方法は、

より好ましくは、前記特徴指数は、表面残留応力最大値、表面層内の最大残留圧応力の深さ、又は表面引張応力層の深さを含む。
より好ましくは、ステップ(b)において、前記加工パラメーターは、切削速度、送り量、切削深度、刃エッジ半径又は刃先角を含む。
要するに、本発明が提供する上記の技術的な解決法は、従来の技術と比べ、以下の有利な効果を奏することができる。
(1)本発明は、反転連立方程式により残留応力に影響を与えるパラメーターを計算することによって、加工後の残留応力が予め設定された値に到達することができ、加工パラメーターから残留応力までの従来の対応付けの制限を外し、残留応力の定量的な調整が実現された。
(2)本発明は、線形反転方程式の形式で連立方程式を形成するものであり、当該連立方程式の構成は簡単であり、各パラメーターと変量との関係を明瞭且つ直感的に表すことができ、計算処理が簡単で計算時間が短い。
(3)本発明が提供する残留応力を調整する加工パラメーターの計算方法は、鍛造、溶接、レーザ加工、ワイヤカット、研削、穿孔、旋削、ボーリング、フライス加工、ショットピーニング及び熱処理のような加工方法に適用でき、適用範囲は広い。
(4)本発明は、残留応力に影響を与える加工パラメーターの値を計算することによって、加工残留応力への定量的な調整を実現することができ、当該方法の操作が簡単であり、加工中の試行回数を減少することに有利であり、製造コストが低減し、且つ加工物での加工残留応力分布を改善でき、ワークの疲労寿命が向上することができる。
本発明の目的、技術的解決法、および利点をより明瞭に理解しやすくするために、添付の図面および実施例を参照して本発明をさらに詳しく説明する。本明細書に記載される特定の実施形態は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明を限定するために使用されないことを理解されたい。また、以下に説明する本発明の各実施形態に係る技術的特徴は、互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
図1は、本発明の好適な実施例に従って構成されたパラメーター反転計算により残留応力加工パラメーターを調整する方法を示すフロチャートであり、以下、直交切断加工の残留応力を例として、本方法について説明する。
(a)加工物の加工表面層内の残留応力分布曲線により特徴指数を求める。図2は本発明の好適な実施例に従って構成された表面層内の異なる深度にある残留応力分
加工残留応力理論モデル又は実験測定を介して得られた、各加工パラメーター(例えば、切削速度、送り量、切込み深さ、刃先角など)が独立で作用したでの表面層内の残留応力分布曲線を取得し、加工パラメーターによる特徴指数の変化曲線をフィッティングする。図3は本発明の好適な実施例に従って構成された異なる切削速度での残留応力分布曲線図であり、図4は本発明の好適な実施例に従って構成された異なる送り量での残留応力分布曲線図である。
以上、直交切断加工を例として説明したが、例えば、鍛造、溶接、レーザー加工、ワイヤーカット、研削、穿孔、旋削、フライス加工、ボーリング、ショットピーニング、熱処理などの他の機械加工方法における残留応力調整に、本発明に係る方法を使用しても良い。
当業者であれば、上記の説明は本発明の好ましい実施形態であり、本発明を限定することを意図したものではなく、本発明の精神および原理の範囲内でなされた変更、均等な置換および改良、全てが本発明の保護の範囲に含まれるべきである。

Claims (6)

  1. パラメーター反転計算により残留応力加工パラメーターを調整する方法であって、当該方法は、
  2. 前記特徴指数は、表面残留応力最大値、表面層内の最大残留圧応力の深さ、又は表面引張応力層の深さを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(b)において、前記加工パラメーターは、切削速度、送り量、切削深度、刃エッジ半径又は刃先角を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
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