JP2019525766A - ナノ電極対の作製及び較正のためのデバイス及び方法 - Google Patents

ナノ電極対の作製及び較正のためのデバイス及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 様々な用途に適するナノ電極対を作製することである。【解決手段】 デオキシリボ核酸等の生体分子を検出するための安定し且つ一貫したナノ電極対を作製する方法及びシステムが提供される。【選択図】 図11

Description

相互参照
[0001] 本願は、2016年8月2日に出願された米国仮特許出願第62/370,175号の利益を主張するものであり、この特許出願は、全体的に参照により本明細書に援用される。
[0002] ナノ細孔は、デオキシリボ核酸(DNA)分子又はリボ核酸(RNA)分子等の核酸分子の配列の特定に有用であり得る。核酸分子の配列の特定は、対象の診断及び/又は治療の支援等の様々な恩恵を提供し得る。例えば、対象の核酸配列は、遺伝疾患の識別、診断及び潜在的な治療の開発に使用され得る。
[0003] 分子にわたる電流及びトンネル電流の測定に使用されるナノ電極対は、単鎖DNA等の生体高分子の配列の特定に有用なものとして説明されている。
[0004] 本開示は、核酸塩基配列決定、他の生体高分子の塩基配列決定並びに他の分子の検出及び同定を含め、生体高分子の検出及び塩基配列決定等の様々な用途に適するナノ電極対を作製する方法及び装置を提供する。本開示のナノ電極対は、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)並びにそれらの変異体の検出又は塩基配列決定に使用され得る。本明細書に提供されるのは、ナノ電極対を作製し、且つナノ電極対のギャップ間隔を較正する改善された方法である。
[0005] 本開示の一態様は、ナノギャップ電極対を形成する方法であって、(a)ギャップを形成するように構成される領域を有する金属基板を提供することと、(b)金属基板の領域にわたって電圧を印加することと、(c)金属基板の領域に引張応力を印加して、引張応力の方向に沿った領域の膨張率を制御することにより、ギャップを形成することとを含み、引張応力は、金属基板のコンダクタンスが7G未満になるまで印加される、方法を提供する。
[0006] 幾つかの実施形態において、(c)は、金属基板のコンダクタンスを測定している間に実行される。幾つかの実施形態において、膨張率は、自動的に制御される。幾つかの実施形態において、本方法は、膨張率の減少及び増加があるように膨張率を制御することを更に含む。幾つかの実施形態において、金属基板は、金属ワイヤである。幾つかの実施形態において、(c)は、(i)コンダクタンスが7G以上である場合、領域の第1の膨張率を提供するように引張応力を印加することと、(ii)コンダクタンスが7G未満である場合、領域の第2の膨張率を提供するように引張応力を印加することであって、第2の膨張率は、第1の膨張率よりも大きい、印加することと、(iii)コンダクタンスが3G以下である場合、領域の第3の膨張率を提供するように引張応力を印加することであって、第3の膨張率は、第2の膨張率未満である、印加することとを含む。
[0007] 幾つかの実施形態において、引張応力は、コンダクタンスが1G以上3G以下である場合、第3の膨張率を提供するように印加される。幾つかの実施形態において、コンダクタンスが3G以下である場合、引張応力は、第3の膨張率が実質的にゼロであるように印加される。幾つかの実施形態において、コンダクタンスが3G以下である場合、引張応力は、第3の膨張率が非ゼロであるように印加される。幾つかの実施形態において、コンダクタンスがGに近づく場合、引張応力は、領域の実質的にゼロである第4の膨張率を提供するように印加される。幾つかの実施形態において、第2の膨張率は、10秒未満の時間期間にわたって提供される。幾つかの実施形態において、第2の膨張率は、3秒未満の時間期間にわたって提供される。幾つかの実施形態において、第2の膨張率は、2秒未満の時間期間にわたって提供される。幾つかの実施形態において、金属基板は、リソグラフィによって形成される。幾つかの実施形態において、金属基板は、領域において100nm幅未満である。幾つかの実施形態において、ギャップは、0.5ナノメートル(nm)以上生体分子の分子直径の2倍以下の間隔を有する。幾つかの実施形態において、間隔は、0.5nm以上生体分子の分子直径以下である。幾つかの実施形態において、ギャップは、0.5nm以上生体分子の分子直径未満の間隔を有する。
[0008] 本開示の別の態様は、機械的に制御される破断接合のナノ電極の対間にGギャップ距離を設定する方法であって、(a)ナノ電極の対間に電圧を印加することと、(b)ナノ電極の対間のギャップ距離を変更することであって、1つ又は複数の変更運動サイクルを適用してギャップ距離を増加及び減少させることを含み、ナノ電極の対の個々の電極は、ギャップ距離が低減される場合に再接続しない、変更することと、(c)ナノ電極の対間の電流を測定することと、(d)ギャップ距離及び電流の複数のデータセットの関数としてギャップ距離を計算することとを含む方法を提供する。
[0009] 幾つかの実施形態において、電流は、トンネル電流を含む。幾つかの実施形態において、変更することは、ギャップ距離が変更される方向を逆にする前に、ギャップ距離が変更されるレートを低減することを含む。幾つかの実施形態において、複数のデータセットは、意図される運動又は所定の運動と同じ方向における運動によって生成されるデータを含む。
[0010] 本開示の別の態様は、ナノ電極対を形成する方法であって、(a)電気絶縁材料で被覆された金属ワイヤを形成することと、(b)金属ワイヤからナノ電極対を形成することであって、ナノ電極対は、約0.5ナノメートル(nm)以上10nm以下の間隔を有するギャップを有する、形成することとを含む方法を提供する。
[0011] 幾つかの実施形態において、電気絶縁材料は、熱的に絶縁される。幾つかの実施形態において、電気絶縁材料の分子は、金属ワイヤの複数の原子に結合する。幾つかの実施形態において、(b)は、金属ワイヤに応力を受けさせることを含む。幾つかの実施形態において、金属ワイヤは、金属ワイヤの領域に力を印加するときに応力を受ける。幾つかの実施形態において、ナノ電極対は、生体分子がギャップを通って流れると電流を検出するように構成されるギャップを有する。幾つかの実施形態において、ギャップは、0.5ナノメートル(nm)以上生体分子の分子直径の2倍以下の間隔を有する。
[0012] 本開示の別の態様は、ナノ電極対においてギャップ間隔を形成する方法であって、(a)先端部を有するナノ電極対を提供することと、(b)ナノ電極対の先端部を再接合することと、(c)ナノ電極対を再破断させて、先端部を提供することと、(d)(b)及び(c)を少なくとも5回繰り返し、それにより、ギャップ間隔を有する再形成されたナノ電極対を作製することとを含む方法を提供する。
[0013] 幾つかの実施形態において、(b)及び(c)は、10回超だけ繰り返される。幾つかの実施形態において、(b)及び(c)は、20回超だけ繰り返される。幾つかの実施形態において、(a)は、金属ワイヤを提供し、且つ金属ワイヤを破断させることを含む。幾つかの実施形態において、破断させること及び再接合することは、アクチュエータを使用して実行される。幾つかの実施形態において、破断させること及び再接合することは、アクチュエータを使用して実行され、破断中のアクチュエータの平均速度は、再接合中のアクチュエータの平均速度未満である。
[0014] 本開示の別の態様は、生体分子分析装置であって、ナノ電極対を含み、ナノ電極対は、金属ワイヤの破断によって形成され、破断は、生体分子分析装置と別個の装置で行われる、装置を提供する。
[0015] 本開示の別の態様は、再形成されたナノ電極対を提供する方法であって、(a)低下した性能を有するナノ電極対を提供することであって、低下した性能は、増大した背景ノイズによって特徴付けられ、ナノ電極対は、先端部を有する別個の電極を含む、提供することと、(b)ナノ電極対の先端部を再接合して、再接合されたユニットを形成することと、(c)再接合されたユニットを破断させて、ナノ電極対を再形成することと、(d)(b)及び(c)を少なくとも1回繰り返して、再形成されたナノ電極対を提供することとを含む方法を提供する。
[0016] 幾つかの実施形態において、本方法は、(b)の前にナノ電極対における低下した性能を測定することを更に含む。幾つかの実施形態において、(d)は、(b)及び(c)を少なくとも2回繰り返すことを含む。幾つかの実施形態において、(d)は、(b)及び(c)を少なくとも3回繰り返すことを含む。幾つかの実施形態において、再形成されたナノ電極対は、0.5ナノメートル(nm)以上生体分子の分子直径の2倍以下の間隔を有するギャップを有する。
[0017] 本開示の追加の態様及び利点は、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになり、以下の詳細な説明では、本開示の例示的な実施形態のみが示され且つ説明される。認識されるように、本開示は、他の異なる実施形態も可能であり、その幾つかの詳細は、様々な明白な点で変更可能であり、これらは、全て本開示から逸脱しない。したがって、図面及び説明は、限定ではなく、例示的な性質のものとして見なされるべきである。
参照による援用
[0018] 本明細書において言及される全ての刊行物、特許及び特許出願は、個々の各刊行物、特許又は特許出願が参照により援用されると特に個々に示されるのと同程度に参照により本明細書に援用される。参照により援用される刊行物及び特許又は特許出願が、本明細書に含まれる開示と矛盾する限り、本明細書は、そのようないかなる矛盾する資料よりも優先され、及び/又は上位にあることが意図される。
図面の簡単な説明
[0019] 本発明の新規の特徴は、特に添付の特許請求の範囲に記載される。本発明の特徴及び利点のよりよい理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明及び添付図面(本明細書ではまた「図(figure)」及び「図(FIG.)」)を参照することによって得られる。
[0020]破断前のナノ電極形成ブリッジの概略表現を示す。 [0020]破断後のナノ電極形成ブリッジの概略表現を示す。 [0020]破断前のG接合の原子構成の概略表現を示す。 [0021]上部カバーなしで広いナノチャネルを有する非被覆ナノ電極形成ブリッジの顕微鏡写真を示す。 [0021]被覆に形成されるが、上部カバーなしの狭いナノチャネルを有する被覆ナノ電極形成ブリッジの顕微鏡写真を示す。 [0022]非被覆ナノ電極形成ブリッジ及び被覆ナノ電極形成ブリッジからのトンネル電流のプロットを示す。 [0023]ナノ電極対を形成する自動システムからの制御パネルを示す。 [0024]ナノ電極対を形成する自動システムから生成されたデータを示す。 [0025]ナノ電極対のギャップ間隔を較正する単純な線形近似手法からの電流データを示す。 [0025]従来のシステムでのピエゾ電圧と時間との関係の表現を示す。 [0026]ナノ電極対のギャップ間隔を較正する本開示の一例の方法からの電流データを示す。 [0026]ナノ電極対のギャップ間隔を較正する本開示の一例の方法のピエゾ電圧と時間との関係の表現を示す。 [0026]ナノ電極対のギャップ間隔を較正する本開示の一例の方法のピエゾ電流と時間との関係の別の表現を示す。 [0027]従来の手法を使用した手動セットアップからのデータを示す。 [0027]本開示の一例の方法を使用した自動セットアップからのデータを示す。 [0028]本開示の一例の方法と従来の手法との性能尺度を比較する表を示す。 [0029]本開示の一例の方法を使用した場合及び従来の方法を使用した場合の破断後のギャップ間隔の分布を示す。 [0030]機械的に制御可能な破断接合(MCBJ)装置の概略図を示す。 [0031]ギャップがアクチュエータ制御信号の線形関数ではない、ギャップ制御アクチュエータの較正曲線の概略図を示す。 [0031]ギャップがアクチュエータ制御信号の線形関数ではない、ギャップ制御アクチュエータの較正曲線の別の概略図を示す。 [0032]本開示のデバイス、システム及び方法を実施するようにプログラム又は他に構成されるコンピュータシステムを概略的に示す。
詳細な説明
[0033] 本発明の様々な実施形態を本明細書に示し且つ説明するが、そのような実施形態は、単なる例として提供されることが当業者に明らかである。本発明から逸脱することなく、多くの変形形態、変更形態及び置換形態が当業者に想到され得る。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する様々な代替形態が利用可能であることを理解されたい。
[0034] 本開示は、特定の組成、方法ステップ又は機器に限定されない。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定を意図しないことも理解される。本明細書に記載される方法は、記載されたイベントの順序と同様に、論理的に可能な記載されたイベントの任意の順序で実行され得る。更に、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間のあらゆる中間値及びその記載範囲内の任意の他の記載された値又は中間値が本発明内に包含されることが理解される。また、記載される本発明の変形形態の任意の任意選択的な特徴は、独立して又は本明細書に記載される特徴の任意の1つ又は複数と組み合わせて記載及び特許請求され得ることも意図される。
[0035] 本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈により別段のことが明らかに示される場合を除き、複数形を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、「生体高分子」への言及は、2つ以上の生体高分子を含む。本発明を説明及び特許請求するにあたり、以下の用語は、後述する定義に従って使用される。
[0036] 用語「ギャップ」は、本明細書で使用される場合、一般に、材料に形成又は他に提供される孔、チャネル又は通路を指す。材料は、基板等の固体状態材料であり得る。ギャップは、検知回路又は検知回路に結合する電極に隣接して又はその近傍に配置され得る。幾つかの例では、ギャップは、0.1ナノメートル(nm)以上約1,000nm以下のオーダの特徴的な幅又は直径を有する。ナノメトールのオーダの幅を有するギャップは、「ナノギャップ(nano-gap)」(本明細書ではまた「ナノギャップ(nanogap)」)と呼ぶことができる。幾つかの状況では、ナノギャップは、約0.1ナノメートル(nm)以上50nm以下、0.5nm以上30nm以下、又は0.5nm以上10nm以下、0.5nm以上5nm以下若しくは0.5nm以上2nm以下、又は約2nm以下、約1nm以下、約0.9nm以下、約0.8nm以下、約0.7nm以下、約0.6nm以下若しくは約0.5nm以下の幅を有する。幾つかの場合、ナノギャップは、少なくとも約0.5nm、少なくとも約0.6nm、少なくとも約0.7nm、少なくとも約0.8nm、少なくとも約0.9nm、少なくとも約1nm、少なくとも約2nm、少なくとも約3nm、少なくとも約4nm又は少なくとも約5nmである幅を有する。幾つかの場合、ナノギャップの幅は、生体分子又は生体分子のサブユニット(例えば、モノマー)の直径未満であり得る。
[0037] 用語「コンダクタンス量子」は、本明細書で使用される場合、Gと示され、式:G=2e/hによって定義される電気伝導の量子化された単位であり、式中、「e」は、電気素量であり、「h」は、プランク定数である。Gギャップとは、Gのコンダクタンスが、ギャップの形成中、例えば延伸工程中に発効するギャップである。
[0038] 用語「電極」は、本明細書で使用される場合、一般に、電流の測定に使用することができる材料又は部品を指す。電極(又は電極部品)は、別の電極への電流又は別の電極からの電流の測定に使用することができる。幾つかの状況では、電極は、チャネル(又はナノギャップ)に配置され、チャネルにわたる電流の測定に使用することができる。電流は、トンネル電流であり得る。そのような電流は、ナノギャップを通って生体分子(例えば、タンパク質)が流れると検出され得る。幾つかの場合、電極に結合された検知回路は、電極にわたって印加電圧を提供して電流を生成する。代替又は追加として、電極は、生体分子(例えば、アミノ酸サブユニット又はタンパク質のモノマー)に関連する電気コンダクタンスを測定及び/又は識別するのに使用することができる。そのような場合、トンネル電流は、電気コンダクタンスに関連することができる。
[0039] 幾つかの例では、ナノ電極対は、約50nm以下、約40nm以下、約30nm以下、約20nm以下、約10nm以下、約5nm以下、約4nm以下、約3nm以下、約2nm以下、約1nm以下又は約0.5nm以下の間隔を有するギャップで隔てられた個々のナノ電極を含む。ナノ電極は、任意の都合のよい形状又はサイズを有し得、任意の導電材料で構成することができる。本開示の各電極は、異なる材料又は合金等の材料の混合物から作製することができる。
[0040] ナノ電極は、分子を通って及び/又は分子にわたって移動し得る電流の測定に使用し得る。電流は、トンネル電流であり得る。電流の測定は、核酸分子(例えば、DNA又はRNA)又はタンパク質等の生体高分子の配列の特定に使用され得る。高品質な測定のために、1つ又は複数のナノ電極対の電極間のギャップ間隔は、安定しており且つ制御可能であり得る。
[0041] 用語「ナノ電極形成ブリッジ」は、本明細書で使用される場合、一般に、破断してナノ電極対を作製することができる導電接続を指す。導電接続は、リソグラフィでパターニングされた金属、局在するナノワイヤ、線形ポリマーがドープ又はプロトン化される幾つかの場合、ポリアセチレン、ポリピロール又はポリアニリン等の線形ポリマーであり得る導電性ポリマーであり得る。
[0042] 用語「ナノチャネル」は、本明細書で使用される場合、一般に、少なくとも1つのナノ電極の対がナノチャネルに交差する覆われた溝を指す。チャネルは、任意の都合のよい形状又はサイズを有し得、幾つかの場合、変化する幅及び深さを有する。
[0043] 用語「生体分子」は、本明細書で使用される場合、一般に、ナノギャップ電極にわたる電流及び/又は電位を用いて調べることができる任意の生体材料を指す。生体分子は、核酸分子、タンパク質又は炭水化物であり得る。生体分子は、ヌクレオチド又はアミノ酸等の1つ又は複数のサブユニットを含むことができる。幾つかの例では、生体分子は、生体高分子であり、生体高分子は、有機体内の任意の高分子であり、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、タンパク質、脂質鎖及びポリサッカリドを含み得る。生体高分子は、有機体からの高分子が修飾されたものであり得る高分子であり得る。DNA、RNA、タンパク質、脂質又はポリサッカリド等の生体高分子は、塩基配列決定され得る。DNA以外の生体高分子が塩基配列決定され得る。本開示では、DNAへのいかなる言及も別の生体高分子で置換することができ、この逆も同様である。
[0044] 用語「核酸」は、一般に、本明細書で使用される場合、1つ又は複数の核酸サブユニットを含む分子を指す。核酸は、アデノシン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)及びウラシル(U)又はその変異体から選択される1つ又は複数のサブユニットを含み得る。ヌクレオチドはA、C、G、T若しくはU又はその変異体を含むことができる。ヌクレオチドは、成長中の核酸鎖に組み入れることが可能な任意のサブユニットを含むことができる。そのようなサブユニットは、A、C、G、T若しくはU又は1つ若しくは複数の相補的A、C、G、T若しくはUに固有であるか、或いはプリンに相補的(すなわちA、G又はその変異体)又はピリミジンに相補的(すなわちC、T若しくはU又はその変異体)な任意の他のサブユニットであり得る。サブユニットは、個々の核酸塩基又は塩基群(例えば、AA、TA、AT、GC、CG、CT、TC、GT、TG、AC、CA又はそのウラシル相手方)を分解できるようにすることができる。幾つかの例では、核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)又はその誘導体である。核酸は、一本鎖又は二本鎖であり得る。
[0045] 用語「タンパク質」は、一般に、本明細書で使用される場合、1つ又は複数のアミノ酸モノマー、サブユニット又は残基を有する生体分子又は高分子を指す。例えば、50以下のアミノ酸を含むタンパク質は、「ペプチド」と呼ばれ得る。アミノ酸モノマーは、例えば、20、21又は22の自然発生アミノ酸等の任意の自然発生アミノ酸モノマー及び/又は合成アミノ酸モノマーから選択することができる。幾つかの場合、20のアミノ酸が対象の遺伝子コードにおいてコードされる。幾つかのタンパク質は、約500の自然発生アミノ酸及び非自然発生アミノ酸から選択されるアミノ酸を含み得る。幾つかの状況では、タンパク質は、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン及びバリン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン並びにチロシンから選択される1つ又は複数のアミノ酸を含むことができる。
[0046] 用語「基板」は、本明細書で使用される場合、その上に膜又は薄膜の形成が望まれる任意の工作物を指す。基板は、限定ではなく、シリコン、ゲルマニウム、シリカ、サファイア、酸化亜鉛、炭素(例えば、グラフェン)、SiC、AlN、GaN、スピネル、被覆シリコン、シリコンオンオキサイド、シリコンカーバイドオンオキサイド、ガラス、窒化ガリウム、窒化インジウム、二酸化チタン及び窒化アルミニウム、セラミック材料(例えば、アルミナ、AlN)、金属材料(例えば、モリブデン、タングステン、銅、アルミニウム)並びにそれらの組合せ(又は合金)を含む。基板は、単層又は複数の層を含むことができる。基板は、導電性又は非導電性であり得る。
[0047] 機械的に制御可能な破断接合(MCBJ)システムは、単原子先端と、調整可能なギャップ間隔とを有するナノ電極先端部を生成する方法を提供し得る。既存の方法は、全ての方法が使用可能な単原子接合を生成するわけではないため、低い歩留まりを提供し得る。加えて、ナノ電極対の性能は、実質的に、小さい変化の影響を受けやすいことがある。ナノ電極対ギャップにわたる背景トンネル電流は、ナノ電極対の電極間のギャップ間隔がわずか1オングストローム変化するのみで少なくとも約10倍変化し得る。背景ノイズ(例えば、背景電流)は、ベースラインに相対して増大し得る。ベースラインは、好ましい又は最適な信号対ノイズ比等のナノ電極対の性能が好ましい又は最適であることが分かっている所定のレベルであり得る。局所原子構造が安定していない場合、金属原子が動き得る。イオンの移動は、ギャップ間隔、最終的に機器の性能を大きく変え得る。ナノ電極ギャップは、所望又は所定の間隔に設定する必要があり得る。
[0048] MCBJナノ電極対又は高歩留まり、適したギャップ間隔安定性及び厳密に制御されるギャップ間隔を有する他の調整可能なナノ電極対等のナノ電極対を作製することが望ましいことがある。最良又は最適な性能のために、イオン電流に関連する背景ノイズは、最小であり得る。
[0049] 図11は、所与、所望又は所定の先端部ギャップ間隔を有する安定したナノ電極対の作製に使用され得るメカニズムの概略図を示す。リニアアクチュエータ47を使用して、基板45を2つの支持体44から曲げることによって基板45を変形させ得る。
[0050] リニアアクチュエータは、開ループモードで動作し得る。代替として、リニアアクチュエータは、位置フィードバックを有し得、閉ループモードでの動作を可能にする。
[0051] 基板45は、電気非導電性であり得るか又は電気絶縁被覆を有し得る。基板45の偏向は、ナノ電極形成ブリッジ(図示せず)を破断させ、ナノ電極42a及び42b並びにナノ電極ギャップ間隔40を形成し得る。リニアアクチュエータ47が退避する場合、ナノ電極42a及び42bが再接合し得る。これは、再接合されたユニットを生成し得る。再接合されたユニットは、単体であり得る。リニアアクチュエータ47は、ある速度でナノ電極42a及び42bに適用し得る。速度は、制御され得る。リニアアクチュエータ47が延長する場合、ナノ電極42a及び42bが再破断し得る。基板45の上面の伸張は、リニアアクチュエータ47の移動と比較して小さいため、変位縮小が生じ得、ナノ電極ギャップ間隔のサブオングストローム位置制御が可能である。
[0052] 図11では、バイアス電圧源41をナノ電極42aに接続し得る。ナノ電極42a及び42b間を流れる電流は、電圧計又は任意の他の適切な電流若しくは電荷測定デバイスに直接関連し得るトランス−インピーダンス増幅器等の低電流電流計43によって測定され得る。幾つかの場合、電圧計は、低電流電流計43と別個であるように構成され得る。ナノ電極42bと低電流電流計43との間に保護抵抗(Rp)48を使用し得る。幾つかの場合、保護抵抗は、バイアス電圧源41とナノ電極42aとの間又はバイアス電圧源41とナノ電極42aとの間及びナノ電極42bと低電流電流計43との間の両方に位置決めし得る。保護抵抗48は、ナノ電極42a及び42bが接合しているとき、電流を制限し得、1kΩ(キロオーム)以上10kΩ以下の値を有し得、又は10kΩ以上100kΩ以下の値を有し得、又は100kΩ以上1MΩ以下の値を有し得、又は1MΩ以上10MΩ以下の値を有し得、又は1kΩ超、10kΩ超、100kΩ超、1MΩ超若しくは10MΩ超の値を有し得る。低電流電流計43からの出力は、適する電子回路(図示せず)によって記録され得る。
[0053] 幾つかの場合、背景電流及び関連するノイズは、流体接触するナノ電極の表面積を最小に抑えることによって低減され得る。図1Aは、ナノ電極形成ブリッジ1及び絶縁被覆3の概略図を示す。図1Bは、ブリッジがナノ電極対の伸張した露出金属によって破断した後のナノ電極形成ブリッジ3を示す。幾つかの場合、ナノ電極形成ブリッジは、機械的に制御される破断接合装置によって破断し得る。幾つかの場合、ピエゾ素子、ピエゾ駆動アクチュエータ、インチワームピエゾアクチュエータ、モータ駆動機構又はそれらの組合せにより、機械的に制御される破断接合装置の作動運動を提供することができる。図1Cは、破断直前の伸張された、ナノ電極形成ブリッジ1のネックの可能な原子構成を概略的に示す。
[0054] 幾つかの場合、ナノ電極形成ブリッジは、例えば、電気絶縁材料で被覆され得る。幾つかの場合、絶縁被覆は、電気的に絶縁されると共に、熱的にも絶縁され得る。幾つかの場合、ナノ電極先端部は、ナノ電極形成ブリッジの破断によって露出し得る。幾つかの場合、リソグラフィを使用して金属の一部を露出し得る。幾つかの場合、絶縁被覆は、実質的に、露出される金属の量を低減し得るが、電極原子先端部のみより多くの金属を露出し得る。幾つかの場合、絶縁被覆材料は、SiO2、Si3N4等の半導体処理に一般に使用される絶縁体、レジスト又はプラスチック等の高分子材料であり得る。幾つかの場合、被覆は、コンフォーマル被覆であり得る。幾つかの場合、被覆は、ナノチャネルのウェッティングを促進するように親水性を有し得、それにより1つ又は複数の生体高分子を含む水溶液をナノ電極に向ける。
[0055] 図2Aは、上部カバーなしの広いナノチャネルを有する非被覆ナノ電極形成ブリッジの顕微鏡写真を示す。図2Bは、被覆に形成された狭いナノチャネル及びその下に絶縁材料を有するが、上部カバーを有さない被覆ナノ電極形成ブリッジの顕微鏡写真を示す。
[0056] 図3は、非被覆チャネル11の背景電流及び被覆チャネル13の背景電流のプロットを示す。プロットにおいて明確に見られるように、背景ノイズは、被覆チャネル13と比較して非被覆チャネル11からの電流において高い。平均背景は、非被覆チャネルでより高いが、これは、プロットされた電流測定におけるオフセットでマスキングされる。全ての電流は、オフセットなしでは正である。
[0057] ナノ電極対の先端部間のギャップ間隔は、時間の経過に伴って一貫していることができ、所望又は所定のギャップ間隔に設定され得る。ギャップ間隔は、原子の運動による影響を大きく受け得る。安定性の低い原子ほど、ナノ電極対をわたって流れる電流によって生成される電子風の影響下で運動することができる。このため、先端部の結晶構造が重要であり得る。先端部の構造は、先端部がどのように作製されるかに依存し得る。ナノ電極対は、ナノ電極形成ブリッジを伸張させることによって作製され得る。幾つかの場合、機械的に制御可能な破断接合(MCBJ)セットアップを使用してナノ電極を作製し得る。幾つかの場合、ナノ電極対は、先端部に局所結晶構造を作製するために、複数回(例えば、約2回以上、約3回以上、約4回以上、約5回以上、約6回以上、約7回以上、約8回以上、約9回以上、約10回以上、約11回以上、約12回以上、約13回以上、約14回以上、約15回以上、約16回以上、約17回以上、約18回以上、約19回以上、約20回以上、約25回以上、約30回以上、約35回以上、約40回以上、約45回以上、約50回以上又はそれを超える回数)再接続し破断させ得る。幾つかの場合、その結果として先端部に生成される結晶構造は、(111)結晶構成を有し得る。幾つかの場合、接合及び再破断(例えば、自動往復運動)の繰り返し後にGナノ電極対を一貫して再生成する能力は、望ましい又は所定の結晶先端部構造が作製された時点を判断するのに使用され得る。幾つかの場合、自動往復運動は、所定の回数だけ繰り返し得る。所定の回数は、先端部安定性及び先端部作製時間を適宜比較検討した実験的に決定される値であり得る。幾つかの場合、所定の回数は、約5以上、約10以上、約20以上、約50以上、約100以上、約200以上、約500以上、約1,000以上又はそれを超える一定回数であり得る。幾つかの場合、1つ又は複数の基準を利用して、自動往復運動を利用する回数を決定し得、基準は、電流レベル、電流レベルの変化(増大又は低減等)又は他の適切な基準であり得る。
[0058] MCBJシステムを使用してナノ電極を生成する様々な方法が記載されている。例えば、Tsusui et al,“Fabrication of 0.5 nm electrode gaps using self-berakingtechnique,”Applied Physics Letters 93.16 (2008): 163115 (“Tsutui”)及びMullerらへの米国特許第5,751,156号を参照されたい。これらは、それぞれ全体的に参照により本明細書に援用される。これらの方法は、ナノ電極対を生成することができるが、低速であり得、低い歩留まりであり得る。
[0059] 本開示は、ナノ電極対の作製及び較正を改善する様々な手法を提供する。幾つかの場合、これは、伸張率を変更することによって行われ得る。幾つかの場合、ナノ電極形成ブリッジは、コンダクタンスが15G以下、14G以下、13G以下、12G以下、11G以下、10G以下、9G以下、8G以下、7G以下、6G以下、5G以下又はそれ未満に下がるまで伸張される。この時点で、伸張(又は膨張)率を増大させ得る。幾つかの場合、ナノ電極形成ブリッジが破断に近づくにつれて、伸張率が減速し得る。幾つかの実施形態では、この減速は、コンダクタンスが8G以下、7G以下、6G以下、5G以下、4G以下、3G以下、2G以下又はそれ未満に下がった場合に行われ得る。幾つかの場合、この減速に関連するコンダクタンスは、伸張率の増大に関連するコンダクタンス未満である。伸張率の増加及び減少は、自動であり得る。
[0060] 図4は、ピエゾアクチュエータの制御に使用される一例の制御パネルを示す。ピエゾアクチュエータは、1つ又は複数のMCBJの伸張、破断及び接合の制御に使用され得、複数のステップ中、距離及び時間を制御できるようにする。制御パネルは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含み得る。あるステップから別のステップへの遷移は、コンダクタンスの測定に基づき得る。図5は、本明細書に記載される幾つかのステップを示すコンダクタンス曲線の組を示す。機械切断ステップ21において、伸張ステップは、200/2ミリボルト(mV)/秒(sec)又は100mV/秒であり得る、図4における最初の設定点によって制御されるために大きい。膨張ステップは、mV単位であり、なぜなら、これらは、電圧変更を小さい変位変更に変換するピエゾアクチュエータへの変更であるためである。コンダクタンスが50Gに低下する場合、ソフトウェアは、絶縁切断エリア22に遷移し得、速度又は膨張率は、15/2mV/秒、すなわち7.5mV/秒に減速され得、コンダクタンスが20Gに低下するまでこのレートで進み得る。次に、コンダクタンスが10Gに低下するまで速度を20/2mV/秒、すなわち10mV/秒に増大し得る。それは、次に、コンダクタンスが5Gに低下するまで8/5mV/秒、すなわち1.6mV/秒に更に減速し得る。それは、次に、コンダクタンスが1Gに低下するまで3/5mV/秒、すなわち0.6mV/秒に更に減速し得る。この時点で、それは、コンダクタンスが0.85Gに低下するまで0.5/5mV/秒、すなわち0.1mV/秒までかなり減速し得る。次に、熱振動変動に部分的に起因して原子接続が破断する。
[0061] 幾つかの場合、最大値は、20Gまでであり得る。再接合及び破断(先端部トレーニング)のために、先端部が再接合する場合、コンダクタンスは、約20Gであり得る。再接合後、ギャップ距離を増大させ得、伸張(又は膨張又は分離)率を増大させ得る。20Gのコンダクタンスは、任意の破断に続く再接合後のコンダクタンスよりも低い値であり得る。
[0062] アクチュエータ運動の関数としてのナノ電極ギャップ間隔変更率は、正確に較正され得る。図6Bは、単純な線形近似較正手法の概略表現を示す。従来、トンネル電流の測定は、破断後、一方向において電圧を掃引することによって行われていた。図6Aは、0.9047のR2値を有する対数−線形データへの構成線形近似31を示す。トンネル測定の場合、トンネル電流の量は、exp(Bd)に比例すると予期され、ここで、Bは、定数であり、dは、ナノ電極の先端部を含む単原子間のギャップ間隔である。従来のピエゾアクチュエータによって駆動されるMCBJシステムでは、垂直変位は、電圧(又はアクチュエータの設計に応じて負電圧)に比例し得、ギャップ変位は、垂直変位に比例し得る。したがって、トンネル電流がピエゾ電圧に対して対数尺度でプロットされる場合、直線が予期される。この関数の較正傾きは、ギャップ間隔の較正に使用され得る。標準のピエゾ機構の場合、通常、ヒステリシスを観測し得、正のdV/dtから負のdV/dtへ変化するとき、潜在的に有意な印加電圧変更にもかかわらず、観測可能な運動がない期間が発生し得る。ピエゾモータ又はInchworm(商標)型のピエゾ機構の場合、較正は、ピエゾモータ又はInchworm(商標)が駆動されるステップ数に依存し得、ここで、垂直変位当たりのステップ数は、ピエゾ又はInchworm(商標)が駆動される方向に応じて異なり得る。
[0063] ピエゾアクチュエータがこのデータに使用されるが、MCBJシステムの垂直変位の駆動に任意のリニアアクチュエータを使用し得る。MCBJシステムは、アクチュエータが垂直に駆動されるように搭載され得るが、任意の向きが使用可能であることは明らかである。
[0064] 幾つかの場合、ギャップ間隔の1つ又は複数の変更サイクル中、データを収集することによって傾き較正を改善し得、ギャップ間隔は、ナノ電極対の電極の再接合なしで1つ又は複数の回数だけ増大及び低減の両方を受け得る。このプロファイルを図7Bに示し、図7Bでは、ギャップ制御は、電圧駆動ピエゾデバイスを使用して実行される。幾つかの場合、図7Cに示されるように、方向プロファイルの逆転は、任意の関数であり得る。
[0065] 幾つかの場合、ギャップ間隔は、アクチュエータ信号の線形関数でないことがある。ギャップ制御がアクチュエータ信号の線形関数でない場合、アクチュエータ信号対電流、対数(電流)又は電流の他の関数のプロットが生成され得る。そのようなプロットは、図12Aに示されるように、線形でなくてよく、ギャップ距離と電流との関係が既知であるセットアップから導出される較正曲線と併用され得、又はトンネル電流の測定の結果として特定され得る。これにより、非リニアアクチュエータ信号とギャップ変位との関係を特定することができる。幾つかの場合、変位が既知である位置71を使用して、位置オフセットを特定し得る。位置71は、本明細書の他の箇所に記載されるように、試料が存在していない状態でトンネル電流を使用して特定され得る。
[0066] 図12Bは、アクチュエータ制御信号の関数としての電流のプロットの別の例を示す。アクチュエータ信号が低いほど、高電流に対応し得る。アクチュエータ信号の増大に伴い、電流は、漸近的に一定値に近づき得る。
[0067] 幾つかの場合、方向の切り替えは、ゆっくりと行われる。正弦波、角丸三角形(radiused triangular)プロファイル及び台形プロファイルは、方向の切り替えをゆっくりと行い得る掃引パターンの例である。幾つかの場合、減速/加速時間は、運動交代期間の半分以下の時間で生じ得る。
[0068] 幾つかの場合、傾きは、両方の方向について計算され得る。これは、ヒステリシスが幾つかのシステムで大きいことがあるために有用であり得る。幾つかの場合、較正に使用される傾きは、意図される運動と同じ方向における運動によって生成されるデータから利用され得る。
[0069] 幾つかの場合、逆転点に近いデータ点は、較正傾きを決定するにあたり除外され得る。
[0070] 図7Aは、複数の方向掃引からのデータのプロットを示す。改善された較正近似33は、データへの線形近似である。見ることができるように、R2近似は、図6Aからの値よりもはるかに改善する。幾つかの場合、高品質の線形近似を使用して、良好な先端部構造が生成されたか否かを判断し得る。
[0071] 幾つかの場合、ナノ電極ギャップ間隔は、先端部が接合するまで低減し得、接合したとき、ナノギャップは、傾き較正係数を使用して所望又は所定のギャップ間隔に調整され得る。幾つかの場合、ナノ電極ギャップ間隔設定は、予期される破断距離から開始され、傾き較正係数を使用して、所望又は所定のギャップ間隔を達成するのに正確な設定を特定することによって設定され得る。
[0072] 幾つかの場合、破断面の接合から破断までの時間期間は、破断面の破断から接合までの時間期間よりも長いことができる。破断時間をより長く設定し得る理由は、電流値等が、最適な先端部形成を提供すると特定され得る閾値に達し得るとき、破断点を正確に検出するためであり得る。再接合運動は、より高速で行われ得、なぜなら、測定正確性が必要ないためである。したがって、細い金属ワイヤの破断を正確に検出しながら完全な処理時間を削減し得る。
[0073] 幾つかの場合、改善されたナノ電極作製及び較正は、自動化され得る。図8Aは、従来の方法を使用した場合の電流及びピエゾ電圧のトレースを示す。図8Bは、本開示の自動化システムを使用して生成された電流及びピエゾ電圧のトレースを示す。改善された方法の結果では、歩留まりがより高く、ナノ電極対の破断及び設定がより高速である。図9は、手動の方法によって生成されたナノ電極の性能と、自動化された方法によって生成されたナノ電極の性能とを比較する表を示す。図10は、手動プロトコルと比較した、自動プロトコルを使用した破断後のギャップ距離分布を示す。図に示されるように、分布は、自動プロトコルを使用した場合により密であり、優れた破断の更なる証拠を提供する。本明細書に開示される方法、動作及びプロトコルは、自動的に(例えば、少なくとも部分的に自動的に)実行され得るか又は手動で実行され得る。
[0074] 電流(例えば、トンネル電流)の測定が続けられる場合、ナノ電極の対の電極先端部の形状の鋭さは、時間の経過に伴って低下し得る。したがって、幾つかの場合、例えば、測定開始の直前に、ナノ電極の対を形成するときに実行される破断及び接合処理の繰り返しにより、電極先端部を形作ることが好ましいことがある。
[0075] 幾つかの場合、生体分子分析装置は、ナノ電極を形成する機構及びデータを収集するハードウェアを有し得る。しかしながら、分析モードでのみ動作する生体分子分析装置も可能であり得る。そのような生体分子分析装置の場合、電極形成モード機能を有し、カートリッジを装填し得る装填部分を含み得る別個のデバイスを提供し得る。カートリッジは、ナノ電極の対を予め形成し得る測定されるプレートを含み得る。
[0076] 本開示は、ナノ電極対間への電圧印加又はナノ電極対の電極間のギャップ距離の変更等、本明細書に提供される方法を実施するようにプログラム又は他に構成されるコンピュータ制御システムも提供する。図13は、中央演算処理装置(CPU、本明細書ではまた「プロセッサ」及び「コンピュータプロセッサ」)1305を含むコンピュータシステム1301を示し、CPU1305は、シングルコア若しくはマルチコアプロセッサ又は並行処理のための複数のプロセッサであり得る。コンピュータシステム1301は、メモリ又はメモリロケーション1310(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶ユニット1315(例えば、ハードディスク)、1つ又は複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース1320(例えば、ネットワークアダプタ)及びキャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置及び/又は電子ディスプレイアダプタ等の周辺機器1325も含む。メモリ1310、記憶ユニット1315、インターフェース1320及び周辺機器1325は、マザーボード等の通信バス(実線)を通してCPU1305と通信する。記憶ユニット1315は、データを記憶するデータ記憶ユニット(又はデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム1301は、通信インターフェース1320を用いてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)1330に動作可能に結合することができる。ネットワーク1330は、インターネット、インターネット及び/又はエクストラネット、或いはイントラネット及び/又はインターネットと通信するエクストラネットであり得る。幾つかの場合、ネットワーク1330は、電気通信ネットワーク及び/又はデータネットワークである。ネットワーク1330は、クラウド計算等の分散計算を可能にすることができる1つ又は複数のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク1330は、幾つかの場合、コンピュータシステム1301を用いてピアツーピアネットワークを実施することができ、これにより、コンピュータシステム1301に結合されたデバイスがクライアント又はサーバとして挙動できるようにし得る。
[0077] CPU1305は、機械可読命令シーケンスを実行することができ、命令シーケンスは、プログラム又はソフトウェアで実施することができる。命令は、メモリ1310等のメモリロケーションに記憶され得る。命令は、CPU1305に向けることができ、命令は、続けて、本開示の方法を実施するようにCPU1305をプログラム又は他に構成することができる。CPU1305によって実行される動作の例としては、フェッチ、デコード、実行及びライトバックを挙げることができる。
[0078] CPU1305は、集積回路等の回路の一部であり得る。システム1301の1つ又は複数の他の構成要素が回路に含まれ得る。幾つかの場合、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
[0079] 記憶ユニット1315は、ドライバ、ライブラリ及び保存されたプログラム等のファイルを記憶することができる。記憶ユニット1315は、ユーザデータ、例えばユーザプリファレンス及びユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム1301は、幾つかの場合、イントラネット又はインターネットを通してコンピュータシステム1301と通信するリモートサーバに配置される等、コンピュータシステム1301の外部にある1つ又は複数の追加のデータ記憶ユニットを含むことができる。コンピュータシステム1301は、ネットワーク1330を通して1つ又は複数のリモートコンピュータシステムと通信することができる。
[0080] 本明細書に記載される方法は、例えば、メモリ1310又は電子記憶ユニット1315等のコンピュータシステム1301の電子記憶ロケーションに記憶される機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施することができる。機械実行可能又は機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供することができる。使用中、コードは、プロセッサ1305によって実行することができる。幾つかの場合、コードは、記憶ユニット1315から検索され、プロセッサ1305による容易なアクセスのためにメモリ1310に記憶することができる。幾つかの状況では、電子記憶ユニット1315をなくすことができ、機械実行可能命令は、メモリ1310に記憶される。
[0081] コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械と併用されるように事前にコンパイル及び構成され得、又は実行時中にコンパイルされ得る。コードは、予めコンパイルされるか又は実行時にコンパイルされてコードを実行できるようにするように選択され得るプログラミング言語で供給することができる。
[0082] コンピュータシステム1301は、ナノ電極対の電極にわたって印加される電圧、金属基板の領域に印加される引張応力及び信号取得の時間期間等の1つ又は複数のパラメータを調整するようにプログラム又は他に構成することができる。
[0083] コンピュータシステム1301等の本明細書に提供されるシステム及び方法の態様は、プログラミングで実施することができる。本技術の様々な態様は、通常、一種の機械可読媒体で運ばれるか、又は一種の機械可読媒体内で実施される機械(又はプロセッサ)実行可能コード及び/又は関連するデータの形態の「製品」又は「製造物」として考えられ得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)等の電子記憶ユニット又はハードディスクに記憶することができる。「記憶」型媒体は、コンピュータ、プロセッサ等のあらゆる有形メモリ又は様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ等のそれに関連付けられたモジュールを含むことができ、これらは、非一時的記憶をソフトウェアプログラミングに随時提供し得る。ソフトウェアの全て又は一部は、ときにインターネット又は様々な他の電気通信ネットワークを通して通信され得る。そのような通信は、例えば、あるコンピュータ又はプロセッサから別のコンピュータ又はプロセッサに、例えば管理サーバ又はホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームにソフトウェアをロードできるようにし得る。したがって、ソフトウェア要素を運び得る別のタイプの媒体としては、ローカルデバイス間の物理的インターフェースにわたり、有線及び光学陸線網を通して、並びに様々なエアリンクを介して使用される等の光波、電波及び電磁波が挙げられる。有線又は無線リンク、光学リンク等のそのような波を搬送する物理的要素も、ソフトウェアを運ぶ媒体として見なされ得る。本明細書で使用される場合、非一時的有形「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータ又は機械「可読媒体」等の用語は、実行のために命令をプロセッサに提供することに参加する任意の媒体を指す。
[0084] したがって、コンピュータ実行可能コード等の機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体又は物理的伝送媒体を含むが、これに限定されない多くの形態を取り得る。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベース等の実施に使用され得る等の任意のコンピュータ内の任意の記憶装置等の光ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリ等のダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、コンピュータシステム内のバスを含むワイヤを含め、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む。搬送波伝送媒体は、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるもの等の電気信号若しくは電磁信号又は音響波若しくは光波の形態を取り得る。したがって、一般的な形態のコンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、DVD若しくはDVD−ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROM及びEPROM、フラッシュEPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、データ若しくは命令を運ぶ搬送波、そのような搬送波を運ぶケーブル若しくはリンク又はコンピュータがプログラミングコード及び/又はデータを読み取り得る任意の他の媒体を含む。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行のためにプロセッサに搬送することに関わり得る。
[0085] コンピュータシステム1301は、例えば、時間と共にチップから信号を提供するユーザインターフェース(UI)1340を含む電子ディスプレイ1335を含むか、又はそれと通信することができる。UIの例としては、限定ではなく、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)及びウェブベースのユーザインターフェースが挙げられる。
[0086] 本開示の方法及びシステムは、1つ又は複数のアルゴリズムによって実施することができる。アルゴリズムは、中央演算処理装置1305による実行時にソフトウェアによって実施することができる。
[0087] 本発明の好ましい実施形態を本明細書において示し且つ説明したが、そのような実施形態は、単なる例として提供されることが当業者に明らかである。本発明は、本明細書内で提供される特定の例によって限定されることを意図されない。上述した本明細書を参照して本発明を説明したが、本明細書における実施形態の説明及び例示は、限定の意味で解釈されることを意図されない。ここで、本発明から逸脱することなく、多くの変形形態、変更形態及び置換形態が当業者に想到されるであろう。更に、本発明の全ての態様は、多様な状況及び変数に依存する、本明細書に記載される特定の図、構成又は相対的な割合に限定されないことが理解されるものとする。本発明を実施するにあたり、本明細書に記載される本発明の実施形態への様々な代替形態が利用され得ることを理解されたい。したがって、本発明は、任意のそのような代替形態、変更形態、変形形態又は均等物も包含するものであることが意図される。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物がそれにより包含されることが意図される。

Claims (20)

  1. ナノギャップ電極対を形成する方法であって、
    (a)ギャップを形成するように構成される領域を有する金属基板を提供することと、
    (b)前記金属基板の前記領域にわたって電圧を印加することと、
    (c)前記金属基板の前記領域に引張応力を印加して、前記引張応力の方向に沿った前記領域の膨張率を制御することにより、前記ギャップを形成することと
    を含み、前記引張応力は、前記金属基板のコンダクタンスが7G未満になるまで印加される、方法。
  2. (c)は、前記金属基板の前記コンダクタンスを測定している間に実行される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属基板は、金属ワイヤである、請求項1に記載の方法。
  4. (c)は、
    (i)前記コンダクタンスが7G以上である場合、前記領域の第1の膨張率を提供するように前記引張応力を印加することと、
    (ii)前記コンダクタンスが7G未満である場合、前記領域の第2の膨張率を提供するように前記引張応力を印加することであって、前記第2の膨張率は、前記第1の膨張率よりも大きい、前記引張応力を印加することと、
    (iii)前記コンダクタンスが3G以下である場合、前記領域の第3の膨張率を提供するように前記引張応力を印加することであって、前記第3の膨張率は、前記第2の膨張率未満である、前記引張応力を印加することと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記引張応力は、前記コンダクタンスが1G以上3G以下である場合、前記第3の膨張率を提供するように印加される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ギャップは、0.5nm以上生体分子の分子直径未満の間隔を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 機械的に制御される破断接合のナノ電極の対間にGギャップ距離を設定する方法であって、
    (a)前記ナノ電極の対間に電圧を印加することと、
    (b)前記ナノ電極の対間のギャップ距離を変更することであって、1つ又は複数の変更運動サイクルを適用して前記ギャップ距離を増加及び減少させることを含み、前記ナノ電極の対の個々の電極は、前記ギャップ距離が低減される場合に再接続しない、変更することと、
    (c)前記ナノ電極の対間の電流を測定することと、
    (d)前記ギャップ距離及び前記電流の複数のデータセットの関数として前記ギャップ距離を計算することと
    を含む方法。
  8. 前記電流は、トンネル電流を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記変更することは、前記ギャップ距離が変更される方向を逆にする前に、前記ギャップ距離が変更されるレートを低減することを含む、請求項7に記載の方法。
  10. ナノ電極対を形成する方法であって、
    (a)電気絶縁材料で被覆された金属ワイヤを形成することと、
    (b)前記金属ワイヤから前記ナノ電極対を形成することであって、前記ナノ電極対は、約0.5ナノメートル(nm)以上10nm以下の間隔を有するギャップを有する、形成することと
    を含む方法。
  11. 前記電気絶縁材料の分子は、前記金属ワイヤの複数の原子に結合する、請求項10に記載の方法。
  12. (b)は、前記金属ワイヤに応力を受けさせることを含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記ナノ電極対は、生体分子が前記ギャップを通って流れると電流を検出するように構成されるギャップを有する、請求項10に記載の方法。
  14. ナノ電極対においてギャップ間隔を形成する方法であって、
    (a)先端部を有する前記ナノ電極対を提供することと、
    (b)前記ナノ電極対の前記先端部を再接合することと、
    (c)前記ナノ電極対を再破断させて、前記先端部を提供することと、
    (d)(b)及び(c)を少なくとも5回繰り返し、それにより、前記ギャップ間隔を有する再形成されたナノ電極対を作製することと
    を含む方法。
  15. (a)は、金属ワイヤを提供し、且つ前記金属ワイヤを破断させることを含み、前記破断させること及び再接合することは、アクチュエータを使用して実行され、前記破断中の前記アクチュエータの平均速度は、前記再接合中の前記アクチュエータの平均速度未満である、請求項14に記載の方法。
  16. 再形成されたナノ電極対を提供する方法であって、
    (a)低下した性能を有するナノ電極対を提供することであって、前記低下した性能は、増大した背景ノイズによって特徴付けられ、前記ナノ電極対は、先端部を有する別個の電極を含む、提供することと、
    (b)前記ナノ電極対の前記先端部を再接合して、再接合されたユニットを形成することと、
    (c)前記再接合されたユニットを破断させて、前記ナノ電極対を再形成することと、
    (d)(b)及び(c)を少なくとも1回繰り返して、前記再形成されたナノ電極対を提供することと
    を含む方法。
  17. (b)の前に前記ナノ電極対における前記低下した性能を測定することを更に含む、請求項16に記載の方法。
  18. (d)は、(b)及び(c)を少なくとも2回繰り返すことを含む、請求項16に記載の方法。
  19. (d)は、(b)及び(c)を少なくとも3回繰り返すことを含む、請求項16に記載の方法。
  20. 前記再形成されたナノ電極対は、0.5ナノメートル(nm)以上生体分子の分子直径の2倍以下の間隔を有するギャップを有する、請求項16に記載の方法。
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