JP2019524843A - 脂肪酸または脂肪酸誘導体の脱炭酸的ケトン化プロセス - Google Patents

脂肪酸または脂肪酸誘導体の脱炭酸的ケトン化プロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、反応媒体中において、触媒として金属化合物を用いて、液相で脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の脱炭酸的ケトン化反応によって内部ケトンK1を合成するためのプロセスにおいて、ケトンK1と同一であるかまたはそれに類似する液体状態のケトンK2は、反応媒体に導入されることを特徴とするプロセスに関する。そのようにして合成された内部ケトンK1は、ツインテール構造またはジェミニ構造を有する界面活性剤など、様々な最終化合物の調製のために使用され得る。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月19日出願の欧州特許出願公開第16306069.2号および2016年11月08日出願の欧州特許出願公開第16306470.2号に対する優先権を主張するものであり、これらの出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
本発明は、長鎖脂肪酸または脂肪酸の誘導体の脱炭酸的ケトン化を通した内部ケトンの製造プロセスに関する。
本発明は、そのようにして製造された長鎖内部ケトンから出発する最終化合物の調製方法にさらに関する。
最後に、本発明は、この方法によって調製可能な最終化合物に関する。
脱炭酸的ケトン化による酸のそれぞれのケトンへの転化は、既に商業的にも用いられている周知のプロセスである。
本プロセスは、触媒量の金属酸化物化合物(例えば、MgO、ZrO2、Al2O3、CeO2、MnO2、TiO2)の存在下において、脂肪酸について通常350℃を超える、通常400℃超の温度で気相において実施することができる。
高沸点の脂肪酸を用いた気相での反応の実施は、反応剤の蒸発が非常に高い温度を必要とし、それがこのプロセスの選択性に有害であり、望ましくない副生成物の形成をもたらすために困難である。
米国特許出願公開第2014/335586A号明細書では、反応は、中鎖脂肪酸(MCFA)で実施されている。したがって、4〜9個の炭素原子を有する脂肪酸の供給物は、7〜17個の炭素原子を有するかなりの量のリサイクルケトン生成物と混合され、300〜400℃に予熱され、その後、金属酸化物触媒が、典型的にはアルミナ担体上の20パーセントMnO2またはCeO2が詰め込まれた流動床反応器に供給される。反応器流出物は、冷却され、その後、3段階セパレータに送られる。気相(主にCO2を含む)は、ガス抜きされる一方、水相は、底部から取り出され得る。
液相でのこのプロセスの実施は、気相での反応を上回る一定の利点、例えば通常より高い生産性、より良好な選択性を提供し、それは、反応混合物の後続のワークアップにとって重要であり、最終的に製造コストの低減を得ることを可能にする。
先行技術の液相反応プロセスでは、金属は、通常、反応を実施するために化学量論的量で用いられる。反応は、ケトンとCOとに分解する金属カルボキシレート塩の形成を通して進行する。
独国特許第295657号明細書は、300℃を超える沸点を有するモノカルボン酸が、少量の触媒活性金属化合物、シリカゲルまたはシリケートとともに300℃を実質的に超えない温度に液相で加熱されるケトンの製造プロセスに関する。有機酸は、触媒活性化学種と混合され、その後、所望の反応温度に加熱される。このプロセスは、所望のケトンを良好な収率および純度で生成すると報告されている。しかしながら、脂肪酸出発材料が、300℃未満の沸点を有する脂肪酸または脂肪酸誘導体(それは、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸などの12個以下の炭素原子を有する線状脂肪酸に当てはまる)を少なくない量で含む場合、独国特許第295657号明細書に記載されているプロセスは、良好な収率で所望のケトンをもたらさない。
欧州特許第2468708号明細書の文献では、クロス−ケトン化反応は、アリールアルキルケトンを得るために触媒としてマグネタイトナノ粉末を使用して非水性溶媒中で行われている。しかしながら、所望の生成物を高沸点溶媒から分離するために減圧下での蒸留が必要とされ、それは、工業規模で費用がかかり得る。さらに、長い反応時間(それらの実施例では21時間)が高い収率に達するために必要とされる。
したがって、液相での脂肪酸または脂肪酸誘導体の脱炭酸的ケトン化によるケトンの合成のための、簡易でありかつ使用が容易なプロセスを開発することが本発明の第1の目的であった。
内部ケトンK1の製造プロセスP
本プロセスPの要約説明
この第1の目的は、反応媒体中において、触媒として金属化合物を用いて、液相で脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の脱炭酸的ケトン化反応によって内部ケトンK1を合成するためのプロセスPにおいて、内部ケトンK1と同一であるかまたはそれに類似する液体状態のケトンK2は、反応媒体に導入されることを特徴とするプロセスによって達成された。
好ましくは、金属化合物は、FeO、FeまたはFeなどの酸化鉄から選択される。
本発明の実施形態によれば、反応中に形成される水は、反応媒体から連続的に除去される。
ある実施形態によれば、反応媒体は、第3の溶媒を実質的に含まない。
好ましくは、反応中、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物対金属のモル比は、6:1〜99:1の範囲である。
ある実施形態によれば、ケトンK2は、内部ケトンK1と同一であり、および導入されるケトンK2は、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の脱炭酸的ケトン化反応によって内部ケトンK1を合成するための以前のプロセスPに由来する。
ある実施形態によれば、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物は、脂肪酸および脂肪酸誘導体の全量を基準として少なくとも10モル%の、12個以下の炭素原子を有する脂肪酸もしくは12個以下の炭素原子を有する脂肪酸の誘導体またはそれらの混合物を含む。
ある実施形態によれば、脂肪酸誘導体は、出発材料として使用され、かつエステルおよび酸無水物から選択される。
本発明の実施形態によれば、カプリン酸またはラウリン酸などの1つおよび1つのみの脂肪酸が出発材料として使用される。本発明の別の実施形態によれば、脂肪酸カットが出発材料として使用される。
好ましくは、反応媒体は、好ましくは、脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の完全転化および任意選択的に形成される中間金属塩の消失まで、270℃〜400℃の範囲の温度に維持される。
本発明の実施形態によれば、本プロセスPは、
a)内部ケトンK1を合成するために、液体状態のケトンK2の少なくとも一部、金属化合物の少なくとも一部、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の少なくとも一部を任意の順番で反応器に導入するステップであって、前記反応器は、前記導入前に、金属化合物の一部、ならびに/または脂肪酸、脂肪酸誘導体もしくはそれらの混合物の一部、ならびに/またはケトンK2の一部および/もしくは内部ケトンK1の一部を任意選択的に含有する、ステップ、
b)任意選択的にケトンK2と一緒に、好ましくはケトンK2と一緒に内部ケトンK1を回収するステップ、
c)任意選択的に、内部ケトンK1および/もしくはケトンK2の少なくとも一部ならびに/または金属化合物の少なくとも一部をステップa)にリサイクルするステップ
を含む。
好ましくは、ステップa)は、
a1)液体状態のケトンK2の少なくとも一部および金属化合物の少なくとも一部を反応器に導入するステップであって、前記反応器は、前記導入前に、金属化合物の一部、ならびに/または脂肪酸、脂肪酸誘導体もしくはそれらの混合物の一部、ならびに/またはケトンK2の一部および/もしくは内部ケトンK1の一部を任意選択的に含有する、ステップ、
a2)脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の少なくとも一部を反応器に、任意選択的に、
− 金属化合物の一部、および/または
− ケトンK2の一部、および/または
− 内部ケトンK1を形成するための分解前に金属化合物と脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体またはそれらの混合物とを反応させることによって得られる中間金属カルボキシレート塩の一部
とともに導入するステップ
を含む。
好ましくは、本発明のプロセスPのステップa)において、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物は、反応器に順次または連続的に導入される。
ある実施形態によれば、ステップa1)中、反応器は、脂肪酸および脂肪酸誘導体を実質的に含まない。
本発明のプロセスPは、それが液相においてかつ一般に周囲圧力で行われるため、実施するのが容易である。
本発明のプロセスPは、準化学量論的な(触媒)量の金属化合物を使用し、第3の溶媒のさらなる使用を必要とせず、反応混合物からの生成物ケトンの単離は、したがって、より容易である。
本発明のプロセスPは、比較的短い反応時間および高い生産性により、高い収率および選択率でケトンを提供する。
本発明のプロセスPは、連続実施によく適合している。
本プロセスPの詳細な説明
本発明は、反応媒体中において、触媒として金属化合物を用いて、液相で脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の脱炭酸的ケトン化反応によってケトンK1を合成するためのプロセスPにおいて、内部ケトンK1と同一であるかまたは類似する液体状態のケトンK2は、反応媒体に導入されることを特徴とするプロセスPに関する。
本発明に従ったプロセスPに使用するための好適な金属は、Mg、Ca、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Cdおよび21〜30の原子番号を有する遷移金属からなる群から選択される。好適な金属化合物は、前述の金属の酸化物、前述の金属のカルボキシレート塩、前述の金属のナフテン酸塩または前述の金属の酢酸塩であり、好ましくは、金属化合物は、前述の金属の酸化物である。マグネシウム、鉄およびそれらの酸化物が金属化合物として特に好ましい。
好ましい実施形態に従って、金属化合物は、例えば、FeO、FeまたはFeなどの酸化鉄(II)もしくは酸化鉄(III)または鉄(II)と鉄(III)との混合酸化物である。鉄粉は、それが安価であり、かつ豊富に入手できるために商業的な利点を有する。酸化鉄は、反応を促進し、全体反応時間を減らすために効率的であることが観察された。
本発明によれば、反応の触媒作用は、反応条件において中間金属カルボキシレート塩(すなわち鉄カルボキシレート)が、脂肪酸または脂肪酸誘導体と金属化合物との間の初期反応を通して形成され、およびこの中間塩が反応媒体に実質的に可溶であるため、均一触媒作用と見なされ得る。
本発明のプロセスPは、液体状態のケトンK2が反応器に導入されることを特徴とする。
ケトンK2は、合成される内部ケトンK1と同一であるかまたはそれに類似し得る。
ケトンK2は、通常、少なくとも170℃、有利には少なくとも220℃、好ましくは少なくとも270℃、より好ましくは少なくとも290℃、さらにより好ましくは少なくとも310℃の高い沸点を有する。他方では、ケトンK2の沸点は、通常、最大で600℃の、好ましくは最大で500℃の、より好ましくは最大で410℃のものである。本明細書で用いる場合、用語「沸点」は、一般に、液体の標準沸点(大気沸点または大気圧沸点とも呼ばれる)を意味し、それは、液体の蒸気圧が、海水位での規定の大気圧である1気圧に等しい場合に対応する。それは、例えば、METTLER Toledo装置を用いる示差走査熱量測定法によって測定することができる。
「内部ケトンK1に類似するケトンK2」とは、内部ケトンK1の沸点とケトンK2の沸点との差が80℃以下であることと理解されるべきである。好ましくは、内部ケトンK1の沸点とケトンK2の沸点との差は、40℃以下、好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下、さらにより好ましくは3℃以下である。
本発明に従ってケトンK2として好適なケトンの非限定的な例は、5−ノナノン(bp:約186〜187℃)、レブリン酸メチル(bp:約193〜195℃)、アセトフェノン(bp:約202℃)、プロピオフェノン(bp:約218℃)、6−ウンデカノン(bp:約228℃)、7−トリデカノン(bp:約261℃)、8−ペンタデカノン(bp:約291℃)、ベンゾフェノン(bp:約305℃)、8−ヘプタデカノン(予測bp:約309℃)、8−オクタデカノン(予測bp:約323℃)、ベンゾイン(bp:約339−343℃)、10−ノナデカノン(予測bp:約343℃)、アントラキノン(bp:約379〜381℃)、12−トリコサノン(予測bp:約387℃)、トランス,トランスジベンジリデンアセトン(bp:約401℃)、13−ペンタコサノン(予測bp:約410℃)、14−ヘプタコサノン(予測bp:約432℃)、16−ヘントリアコンタノン(予測bp:約472℃)、18−ペンタトリアコンタノン(bp:約490℃)、19−ヘプタトリアコンタノン(予測bp:約523℃)および20−ノナトリアコンタノン(予測bp:約532℃)である。
ケトンK2は、有利には、内部ケトンである。ケトンK2は、好ましくは、本プロセスPによって合成されることが可能な内部ケトンK1から選択される1つ以上のケトン、より好ましくは本プロセスPによって合成される内部ケトンK1から選択される1つ以上のケトンである。加えて、反応媒体に導入されるケトンK2は、有利には、7〜35個の炭素原子、好ましくは15〜35個の炭素原子、場合により19〜35個の炭素原子を有するケトンから選択される1つ以上のケトンである。最後に、反応媒体に導入されるケトンK2は、有利には、脂肪族ケトンから選択される1つ以上のケトンである。
ケトンK2は、1つおよび1つのみのケトンからなり得、またはケトンの混合物であり得る。ケトンK2は、ケトンが脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の脱炭酸的ケトン化反応によって得ることが可能である単一ケトンまたはケトンの混合物であり得る。ケトンK2は、ケトンが脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の脱炭酸的ケトン化反応によって得られた1つおよび1つのみのケトン、またはケトンの混合物であり得る。
ケトンK2がケトンの混合物である場合、前記混合物は、均一(すなわち組成が一様である)または不均一であり得、それは、好ましくは、均一である。ケトンK2がケトンの混合物である場合、混合物を構成するケトンは、一般に、互いに少なくとも部分的に混和性であり、それらは、好ましくは、互いに完全に混和性である。ケトンK2がケトンの混合物である場合、ケトンの前記混合物は、有利には、1つおよび1つのみの沸点を有する。ケトンの混合物の場合、表現「ケトンの沸点」は、ケトンの前記混合物が1つおよび1つのみの沸点を有する場合にはケトンの混合物の沸点、およびケトンの前記混合物が幾つかの沸点を有する場合にはケトンの混合物の最低沸点と理解されるべきである。
好ましくは、ケトンK2は、ケトンの混合物である。
ある実施形態によれば、ステップa)において導入されるケトンK2は、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の脱炭酸的ケトン化反応によってケトンを合成するための以前のプロセスPに由来し、前記前プロセスPは、好ましくは、本発明のプロセスPと同一である。ケトンK2を生成するための脂肪酸/脂肪酸誘導体が、本発明のプロセスPのステップb)に使用される脂肪酸/脂肪酸誘導体と同一であるそのような実施形態では、ケトンK2は、内部ケトンK1に非常に類似しているかまたはそれと同一であろう。
用語「脂肪酸」は、少なくとも4個の炭素原子を含有するカルボン酸を意味し、加えて、脂肪酸は、一般に最大で28個の炭素原子を含有する。用語「脂肪酸誘導体」は、2つの脂肪酸の縮合によって製造される酸無水物または脂肪酸とアルコールとの縮合によって製造されるエステルを意味する。
好適な脂肪酸誘導体は、脂肪酸のエステルおよび酸無水物であるが、遊離脂肪酸自体の使用が一般に好ましい。エステルまたは酸無水物は、反応の過程で酸に転化され、酸は、次に金属または金属化合物と反応する。しかしながら、とりわけエステルの場合、アルコールが、後の時点で除去されなければならない副生成物として形成され、それは、追加のステップおよび費用を必要とする。しかしながら、エステルが例えばメタノール、エタノール、プロパノールまたはブタノールなどの低級アルコールから誘導されている場合、アルコールは、反応蒸留のために反応の過程中に徐々に除去され得る。
脂肪酸または脂肪酸誘導体は、異なる天然脂肪および油の加水分解またはアルコール分解によって得られ得るいわゆる脂肪酸または脂肪酸誘導体カットの形態で使用することができる。したがって、これらのカットは、異なる鎖長を有する様々な量の異なる線状脂肪酸または線状脂肪酸誘導体を含有し得る。単に例として、ココナツオイルから得られ、主としてC12〜C18脂肪酸を含む脂肪酸カットがここで挙げられ得る。当業者は、様々な源から得られる他の脂肪酸カットをよく知っており、所望のケトンに基づいて最適な出発材料を選択するであろう。
本発明の実施形態によれば、12個以下の炭素原子を有する、好ましくは8〜12個の炭素原子の脂肪酸またはそのような酸の誘導体(エステルもしくは酸無水物)は、出発材料として使用される脂肪酸混合物または脂肪酸誘導体混合物の全モル量の少なくとも10モル%、好ましくは少なくとも15モル%を構成する。これらの酸は、多数の用途において有利であることが判明している、23個以下の全炭素数を有するケトンをもたらす。12個以下の炭素原子を有する酸のこれらの脂肪酸または脂肪酸誘導体の量について、具体的な上限はなく、すなわち、出発材料はまた、そのような脂肪酸および/またはそのような脂肪酸誘導体から完全になり得る。
上記を条件として、本発明のプロセスPに使用するための好ましい脂肪酸は、少なくとも10個の炭素原子を有し、例えばヘキサン酸、イソステアリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸またはそれらの混合物などであり、好ましい脂肪酸誘導体は、これらの酸のエステルおよび酸無水物であり、より好ましくは、それらは、10〜18個の炭素原子を有する。
脂肪酸は、いかなる−C=C−二重結合またはいかなる−C≡C−三重結合も含まなくてよい。そのような脂肪酸の非限定的な例は、前述のカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびそれらの混合物である。
あるいは、脂肪酸は、1つ以上の二重結合および/または1つ以上の三重結合を含み得る。1つ以上の二重結合を含む脂肪酸の例は、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、パルミトレイン酸、リシノール酸およびそれらの混合物である。1つ以上の三重結合を含む脂肪酸の例は、タリリン酸、(1つの二重結合も含む)サンタルビン酸およびそれらの混合物である。
単一脂肪酸から出発する場合、単一の対称ケトンが反応生成物として得られ、上記のような脂肪酸のカットから出発する場合、出発酸の異なるアルキル基の組み合わせによって形成されるケトンが全て得られ、異なる混合ケトンの分布は、一般に、統計的二項法則(statistical binomial law)に従う。反応式は、
−COOH+R−COOH→R−C(=O)−R+CO+H
(式中、RおよびRは、カット中に存在する脂肪酸の脂肪族基、例えばアルキル基を表す)
のようにまとめることができる。例えば、3つの異なる酸が存在する場合、合計6つの異なるケトン、RおよびRが同一である3つの対称ケトンと、異なる基RおよびRを有する3つの混合ケトンとが形成され得ることが十分明らかである。
本発明のプロセスP中に合成される内部ケトンK1は、内部ケトンである。
ある実施形態によれば、脱炭酸的ケトン化反応のための反応媒体に添加される脂肪酸材料(脂肪酸プラス脂肪酸誘導体)の総量は、金属対カルボン酸基の全体モル比が1:6〜1:99の範囲であり、すなわち金属の量が脂肪酸および脂肪酸誘導体の全量の約1モル%〜約14モル%、好ましくは2〜約10モル%であるようなものである。
液相での先行技術に記載されているプロセスのほとんどについて、金属または金属化合物は、50モル%超、多くの場合にさらに等モル量を超える量で使用されている。そのような多量の金属は、本発明に従ったプロセスPで必要ではなく、それは、先行技術を上回る本発明に従ったプロセスPの技術的ならびに経済的な利点である。
脱炭酸的ケトン化反応中、反応器内の反応媒体の温度は、高温に維持され得、例えば、反応器内の温度は、270℃〜400℃、好ましくは285℃〜350℃。より好ましくは300℃〜350℃の範囲であり得る。反応媒体は、脂肪酸の完全転化および任意選択的に形成される中間金属塩の消失まで高温に維持され得る。
本発明のプロセスPは、好ましくは、非加圧系において、すなわち過圧を加えることなく実施される。副生成物の水および二酸化炭素は、反応の経過中に連続的に除去することができる。好適な装置は、当業者に公知であり、当業者は、具体的な状況にとって最適な装置セットアップを用いるであろう。例としてのみ、いわゆるディーン−スターク(Dean−Stark)トラップを、反応中に形成される水を除去するために用いることができ、そのような除去は、本発明の好ましい実施形態を示す。
本発明のプロセス中、
− ケトンK2の少なくとも一部と、
− 金属化合物の少なくとも一部と、
− 脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の少なくとも一部と
を含む反応媒体が得られ得る。
本発明の特定の実施形態によれば、本プロセスは、
内部ケトンK1を合成するために、液体状態のケトンK2の少なくとも一部、金属化合物の少なくとも一部、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の少なくとも一部を反応器に導入するステップであって、前記反応器は、前記導入前に、金属化合物の一部、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の一部、ケトンK2の一部および/または内部ケトンK1の一部を任意選択的に含有する、ステップ、
ケトンK2と一緒に内部ケトンK1を回収するステップ、
任意選択的に、内部ケトンK1およびケトンK2の少なくとも一部ならびに/または金属化合物の少なくとも一部をステップa)にリサイクルするステップ
を含む。
反応媒体は、任意の導入方針に従ってステップa)において異なる化合物を導入することによって反応器中で形成され得る。
好ましい実施形態によれば、金属化合物は、反応媒体外での金属塩の形成を回避するために、反応器への導入前に脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体またはそれらの混合物と混合されない。
本発明の実施形態によれば、本発明のプロセスPは、ステップa)後およびステップb)前に、脂肪酸の完全転化および任意選択的に形成される中間金属塩の消失まで、反応器の温度を高温、好ましくは270℃〜400℃、より好ましくは285〜350℃、さらにより好ましくは300〜350℃の範囲の温度に維持するという追加のステップをさらに含む。
ある実施形態によれば、本発明のプロセスPの上記の実施形態のステップa)は、
a1)液体状態のケトンK2の少なくとも一部および金属化合物の少なくとも一部を反応器に導入するステップであって、前記反応器は、前記導入前に、金属化合物の一部、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の一部、ケトンK2の一部および/または内部ケトンK1の一部を任意選択的に含有する、ステップ、
a2)脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物を前記反応器に、任意選択的に、
− 金属化合物の一部、および/または
− ケトンK2の一部、および/または
− 内部ケトンK1を形成するための分解前に金属化合物と脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体またはそれらの混合物とを反応させることによって得られる中間金属カルボキシレート塩の一部
とともに導入するステップ
を含む。
本発明の実施形態によれば、ケトンK2の全ては、ステップa1)中に導入され得、および/または脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体またはそれらの混合物は、ステップa2)中に導入され得る。
脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物が反応媒体への導入前に金属化合物と混合される実施形態によれば、金属カルボキシレート塩は、金属化合物と、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物との間の反応によって得られ得、前記反応は、270℃よりも低い温度で実施することができる。
前記実施形態によれば、ステップa1)において導入されるケトンK2および金属化合物は、反応器に別々にまたは一緒に導入され得る。実際に、ケトンK2および金属化合物は、反応器へのそれらの導入前に反応器外で混合され得、またはケトンK2および金属化合物は、反応器へのそれらの別々の導入後に反応器中で混合され得る。
ステップa1)中、金属化合物の少なくとも一部も反応器に導入される。ある実施形態によれば、反応器は、最初に、ステップa1)前に金属化合物の一部を含み、例えば、ステップb)(合成ケトンの回収)の実施後、金属化合物の一部は、反応器中に残る。別の実施形態によれば、金属化合物の全ては、ステップa1)中に反応器に導入される。
本発明の実施形態によれば、ステップa1)において、反応器は、脂肪酸および脂肪酸誘導体を実質的に含まない、特にそれらを完全に含まない。前記実施形態によれば、ケトンK2が反応器に導入されるとき、前記反応器は、脂肪酸を実質的に含まず、かつ脂肪酸誘導体を実質的に含まない。
ステップa2)中、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物は、例えば、漏斗を備える反応器により、ケトンK2および金属化合物を含有する反応器に液体状態で導入される。それらは、順次または連続的に添加され得、それらは、反応系における相当量の遊離酸のビルドアップを回避する速度およびかなりの温度の低下で有益に添加される。反応の進行および最終生成物としてのケトンK1への出発材料の転化は、好都合には、IR分析のような適切な方法によって監視され得る。
ステップa2)中、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物は、一般に、使用される酸または酸誘導体の全量および反応器中に存在する金属化合物の全量にとりわけ依存する期間にわたって添加される。
本発明のプロセスPに添加される脂肪酸誘導体または脂肪酸が転化されると、所望の内部ケトンK1は、例えば、減圧での蒸留によって容易に回収することができる。反応中に形成される少なくとも1つの金属化合物(酸化鉄など)の強磁性特性を利用して、金属化合物を、磁場をかけることによってケトンから分離することができる。ケトンを金属化合物から分離するための別の方法は、金属化合物が、反応生成物として得られたケトンを含有する反応混合物に溶けないため、簡単なデカンテーションまたは簡単な濾過による。当業者は、代表的な技法を知っているため、さらなる詳細をここで示す必要はない。
ステップb)において、内部ケトンK1およびケトンK2は、一緒にまたは別々に、しかし好ましくは一緒に回収され得る。実際に、本発明の好ましい実施形態によれば、ケトンK2および内部ケトンK1は、分離されない。
全体プロセスPは、不活性ガス雰囲気下で有利に実施することができ、好適な不活性ガスは、2つのみの例を挙げると、例えば窒素またはアルゴンである。
本プロセスPは、連続的方法で行うこともでき、その方法では、酸化鉄が別の/第3分離域において反応生成物から分離され、酸化鉄から主としてなる残渣は、反応器にリサイクルして戻すことができる。4サイクルまでは、金属または金属化合物の触媒活性の有意な損失なしに可能であることが出された。
本発明のプロセスPの別の実施形態において、ステップa)の終了時、金属化合物は、例えば、従来の技法を用いて生成物から分離され、次に、脂肪酸および脂肪酸誘導体の全量を基準として少なくとも10モル%の、12個以下の炭素原子を有する脂肪酸もしくはそのような脂肪酸の誘導体またはそれらの混合物を好ましくは含む別のバッチの脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の転化のためにリサイクルされる。
同じように、ステップb)において回収されたケトンの一部を、本プロセスPのステップa)を行うためにリサイクルすることができる。
ステップa)後の所望のケトンの収率は、通常、60%、より好ましくは70%を超え、90%超という高いものであり得る。
本発明のプロセスPの実施形態によれば、反応器中の反応媒体は、実質的な量の第3の溶媒を含有しない。特に好ましい実施形態において、実質的な量の第3の溶媒は、本発明のプロセスP中に全く添加されない。例えば、反応器は、反応媒体の総重量を基準として好ましくは5重量%未満の第3の溶媒、より好ましくは3重量%未満の第3の溶媒、さらにより好ましくは1重量%未満の第3の溶媒を含み、理想的には、反応器は、第3の溶媒を全く含まない。
本発明の意図内で、表現「第3の溶媒」とは、内部ケトンK1、ケトンK2、脂肪酸または脂肪酸誘導体、反応中に生成し得る副生成物と異なる溶媒と理解されるべきである。
本発明の意図内で、表現「反応媒体」は、脱炭酸的ケトン化反応が行われる反応器内の媒体を意味する。
反応器は、ケトンの合成、特に液相でのケトンの合成のために従来用いられている任意の種類の反応器であり得る。
本発明の意図内で、「副反応生成物」とは、ケトンと異なる脱炭酸的ケトン化反応中に形成される任意の生成物と理解されるべきである。副反応生成物のなかでも、アルカンまたはアルケンなどの炭化水素が挙げられ得る。
本発明のプロセスPは、連続または回分式プロセスであり得る。
内部ケトンK1からの最終生成物の製造方法M
方法Mの要約説明
内部ケトンは、多様な最終生成物のための汎用的な出発材料である。
多様な最終生成物の簡易でありかつ使用が容易な調製方法を構築することが本発明の別の目的であった。
この他の目的は、内部ケトンK1から化合物を調製する方法Mであって、
− 上記のプロセスPによって内部ケトンK1を合成するステップと、
− 内部ケトンK1以外の少なくとも1つの試薬を含む単一または多重化学反応スキームに従って内部ケトンK1を反応させるステップであって、化学反応スキームの少なくとも1つの生成物は、別の化合物にさらに化学的に転化させられない最終化合物である、ステップと
を含む方法によって達成された。
本プロセスPによって得られる内部ケトンK1は、自然界で広く入手可能であるわけではない鎖長を典型的に有する、容易に官能化可能な疎水性プラットフォーム分子と見ることができる。高い工業的興味のある下流化学は、界面活性剤に対して特に興味をもって、とりわけ新しい価値ある化合物(ツインテールおよびジェミニ(Gemini)構造を有するものなど)を設計および開発するために、重要な中間内部ケトンK1から出発して実現することができる。
化学反応スキームは、単一反応スキームであり得る。単一反応スキームは、有利には、次の通り表される。
内部ケトンK1+試薬R→最終生成物+任意選択的に副生成物B
あるいは、化学反応スキームは、多重反応スキームであり得る。多重反応スキームは、有利には、次の通り表される。
内部ケトンK1+試薬R→中間体I+任意選択的に副生成物B
任意選択的に、中間体を他の中間体に転化するためのNのさらなる反応:
中間体I+試薬R→中間体Ii+1+任意選択的に副生成物Bi+1
最後の中間体Iが得られるまで、ここで、Nは、0、1、2、3、4、5またはそれを超える値に等しいことができる正の整数であり、IN+1=Iである。
中間体I+試薬R→最終生成物
任意選択的に、上記反応の1つ以上は、1つ以上の触媒の存在下で行われる。触媒が存在するかどうかに関わりなく、上記単一反応スキームの試薬Rおよび多重反応スキームの試薬Rは、本発明の目的のために、内部ケトンK1と「直接」反応すると考えられる。
後に十分に考察されるように、単一または多重化学反応スキームにおいて内部ケトンK1と直接反応するのに好適である可能な試薬には、アンモニア、第一級もしくは第二級アミン、少なくとも1つのアルデヒド(場合によりホルムアルデヒドを含む)とアンモニアまたは少なくとも1つの第一級もしくは第二級アミンとの混合物およびアルキル化剤が含まれる。
内部ケトンK1を前述の試薬と直接反応させることによって得られる可能な中間体には、ツインテール第一級、第二級または第三級アミン、ツインテール第三級アミンであって、それ自体が1つまたは2つの第一級、第二級または第三級アミノ基によって置換されている、ツインテール第三級アミン、内部ケトンモノアミンおよび内部ケトンジアミン、例えばアミンジェミニ(amine Gemini)化合物(典型的には中心カルボニル基を有する)などが含まれる。全てのこれらの中間体は、最終生成物と見なすこともできる。
前記の中間体をある種の試薬とさらに反応させることによって得られる可能な最終生成物には、(ポリ)アミノカルボキシレートツインテールアミン、ツインテール第四級アンモニウム塩、内部ケトンモノ第四級アンモニウム塩、内部ケトンジ第四級アンモニウム塩、例えば第四級アンモニウム塩ジェミニ化合物(典型的には中心カルボニル基を有する)など、アミンオキシドツインテールアミン、アミンオキシドジェミニ化合物(典型的には中心カルボニル基を有する)、ジベタインまたはジスルタインツインテールアミンおよびベタインまたはスルタインジェミニ化合物(典型的には中心ヒドロキシル基を有する)などの両性化合物が含まれる。全てのこれらの最終生成物は、潜在的に、さらに他の最終生成物を形成するための中間体としての機能を果たすこともできる。
単一または多重化学反応スキームにおいて内部ケトンK1と直接反応するのに好適な他の特定の試薬には、酒石酸から誘導されるジエステル、フェノールおよび他の芳香族モノまたはポリアルコール、ホルムアルデヒド、ペンタエリスリトール、アクリレート誘導体ならびに水素が含まれる。
内部ケトンK1を前述の特定の他の試薬と直接、かつ次に必要に応じてエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと反応させることによって得られる可能な最終生成物には、ジカルボキシレート塩誘導体などのアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤(とりわけジェミニ構造を有する非イオン界面活性剤)およびエチレン性不飽和モノマーが含まれる。
方法Mの詳細な説明
1 − 内部ケトンK1からのアミンの製造
1.1)ツインテールアミンを与えるための還元的アミノ化
最終生成物は、ツインテールアミンであり得る。
実際に、本プロセスPによって有利に合成される少なくとも1つの内部ケトンK1(すなわち単一の内部ケトンまたは内部ケトンの混合物)は、少なくとも1つのツインテールアミンを提供するために、還元的アミノ化条件下で少なくとも1つのアミンと反応させることができる。
本プロセスPによって合成される内部ケトンK1は、一般に、式(I)
Figure 2019524843
(式中、RおよびRは、独立して、脂肪族基、一般にC〜C27脂肪族基、非常に多くの場合にC〜C19脂肪族基、多くの場合に脂肪族C−C17基を表す)
の化合物である。
およびRの炭素原子の数は、偶数または奇数であり得る。それらは、有利には、奇数であり、それは、典型的には、内部ケトンK1が偶数の炭素原子を含有する脂肪酸から製造される場合に起こる(例えば、C23内部ケトンは、C12脂肪酸から製造される)。
上に説明された理由から、本プロセスPを詳述する場合、RおよびRは、互いに同一であり得、あるいはRおよびRは、互いに異なり得る。
のおよびRの炭素原子の数は、対(n,m)によって本明細書で表されるように、とりわけ以下の対:
■(3,3)、(5,5)、(7,7)、(9,9)、(11,11)、(13,13)、(15,15)、(17,17)、(19,19)、(21,21)、(23,23)、(25,25)、(27、27)
■(7,9)、(7,11)、(7,13)、(7,15)、(7,17)、(7,19)、(7,21)、(7,23)、(7,25)、(7,27)
■(9,11)、(9,13)、(9,15)、(9,17)、(9,19)、(9,21)、(9,23)、(9,25)、(9,27)
■(11,13)、(11,15)、(11,17)、(11,19)、(11,21)、(11,23)、(11,25)、(11,27)
■(13,15)、(13,17)、(13,19)、(13,21)、(13,23)、(13,25)、(13、27)
■(15,17)、(15,19)、(15,21)、(15,23)、(15,25)、(15,27)
■(17,19)、(17,21)、(17,23)、(17,25)、(17,27)
■(19,21)、(19,23)、(19,25)、(19,27)
■(21,23)、(21,25)、(21,27)
■(23,25)、(23,27)、または
■(25,27)
のいずれかであり得る。
脂肪族基RおよびRは、線状または分岐であり得る。
脂肪族基RおよびRは、いかなる二重結合およびいかなる三重結合も含まなくてよい。あるいは、脂肪族基RおよびRは、少なくとも1つの−C=C−二重結合および/または少なくとも1つの−CH≡C−三重結合を含み得る。
脂肪族基RおよびRは、有利には、アルキル基、アルケニル基、アルカンジエニル基、アルカントリエニル基およびアルキニル基から選択される。
好ましくは、脂肪族基RおよびRは、独立して、アルキルおよびアルケニル基から選択される。
より好ましくは、脂肪族基RおよびRは、独立して、アルキルおよびアルケニル基から、一般にC〜C27アルキルおよびC〜C27アルキニル基から、非常に多くの場合にC〜C19アルキルおよびC〜C19アルケニル基から、多くの場合にC〜C17アルキルおよびC〜C17アルケニル基から選択される。より好ましくは、RおよびRは、独立して、アルキル基、一般にC〜C27アルキル基、非常に多くの場合にC〜C19アルキル基、多くの場合にC〜C17アルキル基を表す。
特に、式(I)の少なくとも1つの内部ケトンK1は、式(III)の少なくとも1つのツインテールアミンを与えるために、還元的アミノ化条件下で式(II)の少なくとも1つのアミンと反応させることができる。
Figure 2019524843
このアミノ化反応は、好ましくは、水素圧(典型的には1気圧〜200バール)下において、オートクレーブ中で遷移金属(例えば、Ni、Co、Cu、Fe、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt)ベースの触媒(典型的にはPd/C)の存在下において式(I)のケトンK1と式(II)のアミンとを反応させることによって行われる。
可能な実施形態によれば、反応は、溶媒中で実施される。しかしながら、そのような溶媒の存在は、必須ではなく、特有の実施形態によれば、溶媒は、このステップのために全く使用されない。存在する場合、溶媒の正確な性質は、当業者によって決定され得る。典型的な好適な溶媒には、限定なしに、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、THF、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグリムおよびそれらの混合物が含まれる。
加えて、このステップは、通常、15℃〜400℃の範囲の温度で実施され、回分式、半連続的または連続的に行われ得、一般的には回分モードにおいてまたは固定床触媒を使用して連続モードにおいてのいずれかで行われる(気−固または気−液−固プロセス)。
上記アミン式(II)において、RおよびRは、独立して、
− 水素、または1つ以上のヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基によって任意選択的に置換および/もしくは割り込まれ得る1〜24個の炭素原子を有する線状もしくは分岐の炭化水素ラジカル(例えば、RおよびRは、H、−CH、−CHCH、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルから選択することができる)、
− 式−CH−CH−NR’R’’(式中、R’およびR’’は、独立して、水素または1〜6個の炭素原子を有する短いアルキル基(例えば、CH、CHCH、プロピル、イソプロピルなど)を表す)のエチルアミン、
− 式−(−CH−CH−NH−)−CH−CH−NR’R’’(式中、R’およびR’’は、独立して、水素またはl〜6個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、CH、CHCH、プロピル、イソプロピルなどの)を表し、mは、1〜20の整数である)の[ポリ(エチレンイミン)]エチルアミン、
− 式−CH−CH−OHのヒドロキシエチル、
− 式−(−CH−CH−NH−)−CH−CH−OH(式中、mは、1〜20の整数である)の[ポリ(エチレンイミン)]エタノール、
− 式−(CH−NR’R’’(式中、mは、3〜20の整数であり、R’およびR’’は、独立して、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(CH、CHCH、プロピル、イソプロピルなどの)を表す)のN,N−ジアルキルアミノアルキルラジカル
を表し、式中、RおよびRはまた、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基によって任意選択的に割り込まれ得るかまたは置換され得る、典型的には式−(CH−(式中、mは、3〜8の範囲である)のアルカンジイルラジカルを形成することができ、この場合、(II)は、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンまたはピペラジンなどの環式アミンである。
アミン(II)の例として、アンモニア、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン(EN)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)および3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)を挙げることができる。
1.2)アミンジェミニ化合物を与えるためのアルデヒドおよびアミンとの縮合を伴うマンニッヒ(Mannich)反応
最終生成物は、アミンジェミニ化合物であり得る。典型的には、アミンジェミニ化合物は、この化合物の式の2次元表現において、以下から直ちに明らかにされるであろうように、幾つかの条件がその置換基の性質に関して満たされることを条件として、対称を形成することができる中心カルボニル基を含む。
実際に、本プロセスPによって有利に合成される少なくとも1つの内部ケトンK1(すなわち単一内部ケトンまたは内部ケトンの混合物)は、そのカルボニル隣接炭素原子の1つおよび1つのみがアミン含有基によって置換されている少なくとも1つのケトン、および/またはそのカルボニル隣接炭素原子の両方がアミン含有基によって置換されている少なくとも1つのケトン(ジェミニアミン)を提供するために、マンニッヒ反応条件下で少なくとも1つのアルデヒドおよび少なくとも1つのアミンと反応させることができる。
特に、上に定義されたような式(I)
Figure 2019524843
の内部ケトンK1であって、メチレン基がカルボニル基にその両側で隣接している内部ケトンK1は、式(I)’
Figure 2019524843
(式中、R’およびR’は、独立して、脂肪族基、一般にC〜C26脂肪族基、非常に多くの場合にC〜C18基、多くの場合にC〜C16基を表す)
で表すことができる。
式(I’)の少なくとも1つの内部ケトンK1は、そのカルボニル隣接炭素原子の1つおよび1つのみがアミン含有基によって置換されている少なくとも1つのケトン(Va)、ならびに/またはそのカルボニル隣接炭素原子の両方がアミン含有基によって置換されている少なくとも1つのケトン(Vb)(ジェミンアミン)を与えるために、マンニッヒ反応条件下で式(IV)の少なくとも1つのアルデヒドおよび式(II)の少なくとも1つのアミンと反応させることができる。
Figure 2019524843
式(II)のアミンにおいて、RおよびRは、パート1.1において前に定義された通りである。
アルデヒド(IV)に関して、Rは、
− 水素、または1つ以上のヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基によって任意選択的に置換および/もしくは割り込まれ得る、1〜24個の炭素原子を有する線状もしくは分岐の炭化水素ラジカル(例えば、Rは、−H、−CH、−CHCH、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルから選択することができる)、または
− 1つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含有することができる1つ以上の分岐または線状の炭化水素ラジカルによって任意選択的に置換され得る芳香族または複素環式芳香族ラジカル(例えば、Rは、フェニル、フル−2−イル、フル−3−イル、パラ−ヒドロキシフェニル、パラ−メトキシフェニルまたは4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルであり得る)
を表すことができる。
アルデヒド(IV)の例として、ホルムアルデヒド、エタナール、プロパナール、ブタナール、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、バニリンおよびパラ−ヒドロキシベンズアルデヒドを挙げることができる。
アミンジェミニ化合物(Vb)は、中心カルボニル基を有する。式(Vb)の2次元表現において、中心カルボニル基(C=O)は、置換基R’およびR’が互いに同一である場合、対称軸を形成することができる。
マンニッヒ反応は、アミン(II)が例えば塩酸塩形態のようなそのプロトン化形態にある場合、酸性条件下で行うことができる。
反応は、通常、15℃〜300℃の温度での反応域において、任意選択的に添加溶媒の存在下で式(I’)のケトンK1、アルデヒド(IV)およびアミン(II)(または化学量論量の酸を添加することによってその場で生成することができるそのプロトン化塩)を接触させることによって実施される。反応を行うための好適な溶媒の例として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、ジグリム、ジオキサン、THF、メチル−THF、DMSOなどを挙げることができる。
アミン(II)またはそのプロトン化塩ならびにアルデヒド(IV)は、モル過剰に使用することができ、過剰の反応剤は、反応の終了時に回収し、リサイクルすることができる。
反応は、好適なブレンステッド(Bronsted)酸またはルイス(Lewis)酸の添加によって触媒することもできる。例えば、HSO、HCl、トリフル酸、p−トルエンスルホン酸、過塩素酸、AlCl、BF、アルミニウムトリフレート、ビスマストリフレートなどの金属トリフレート化合物、アンバーリスト(Amberlyst)樹脂、ゼオライトなどの不均一固体酸を挙げることができる。
反応中に生じた水は、ディーン−スターク装置のために任意選択的にトラップすることができる。
反応が酸性条件下で行われる場合、その後のワークアップ後、生成物(Va)および/または(Vb)は、それらのプロトン化塩の形態で得られ、それらの塩は、第2段階において好適な塩基、例えば、NaOH、KOH、NHOH、NaCOの水溶液との反応によって中和することができる。
所望のケトン(Va)および/または(Vb)は、適切なワークアップ後に得られる。当業者は、代表的な技法を知っているため、さらなる詳細をここで示す必要はない。
2 − 内部ケトンK1からの第四級アンモニウム化合物の製造
2.1)ツインテール第四級アンモニウム化合物を与えるためのツインテール第三級アミンの四級化
最終生成物は、ツインテール第四級アンモニウム化合物であり得る。
そのようなツインテール第四級アンモニウム化合物は、パート1.1において記載された反応に従って少なくとも1つの内部ケトンK1から得られた少なくとも1つのツインテールアミンが第三級アミンである場合、最終生成物として得ることができる。例えば、ツインテールアミンが式(III)のものである場合、これは、RおよびRが水素原子と異なる場合に起こる。
したがって、パート1.1において記載された反応に従って少なくとも1つの内部ケトンK1から得られた少なくとも1つのツインテール第三級アミンは、少なくとも1つのツインテール第四級アンモニウム塩を得るために、少なくとも1つのアルキル化剤と反応させることができる。
特に、パート1.1に従って式(I)の少なくとも1つの内部ケトンK1から得られた少なくとも1つの第三級アミン(III)は、下に計画されるように、少なくとも1つのツインテール第四級アンモニウム塩(VII)を得るために、式R−Xの少なくとも1つのアルキル化剤と反応させることができる。
Figure 2019524843
既に指摘されたように、パート2.1において使用するのに有用なアミン(III)は、第三級アミンである。有利には、パート2.1において使用するのに有用な第三級アミン(III)は、RおよびRが、独立して、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基によって任意選択的に置換および/または割り込まれ得る1〜24個の炭素原子を有する線状または分岐の炭化水素ラジカルを表す(例えば、RおよびRが、−CH、−CHCH、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルから選択することができる)第三級アミン、ならびにRおよびRが、典型的には、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基によって任意選択的に置換および/または割り込まれ得る、式−(CH−(式中、mは、3〜8の範囲である)のアルカンジイルラジカルを形成する第三級アミンである。
アルキル化剤(VI)に含有され、かつ塩(VII)の対イオンを構成する基Xは、脱離基、典型的にはCl、BrまたはIなどのハロゲン化物、メチルスルフェート(−SOMe)、スルフェート(−SO )、メタンスルホネート(−OS−CH)、パラ−トルエンスルホネート(−OS−C)またはトリフルオロメタンスルホネート(−OS−CF)などのスルホネート誘導体である。
反応剤(VI)において、Rは、置換もしくは非置換芳香族基および/またはヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基によって任意選択的に置換および/または割り込まれ得る、1〜10個の炭素原子を有する線状または分岐の炭化水素ラジカルを表す。例えば、Rは、−CH、−CHCH、ベンジル、フルフリルであり得る。
アルキル化剤(VI)の例として、ジメチルスルフェート、塩化メチル、臭化メチル、メチルトリフレート、塩化ベンジルおよびエピクロロヒドリンを挙げることができる。
この反応は、任意選択的にメタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、ジグリム、ジオキサン、THF、メチル−THFまたはDMSOなどの添加溶媒の存在下において、15℃〜400℃の温度での反応域において両方の反応剤を接触させることによって実施することができる。アルキル化剤は、化学量論量でまたは過剰に使用することができ、過剰の反応剤は、好適なワークアップ後に回収し、リサイクルすることができる。当業者は、代表的なワークアップ技法を知っているため、さらなる詳細をここで示す必要はない。
2.2)第四級アンモニウム塩ジェミニ化合物を与えるための第三級アミンジェミニ化合物の四級化反応
最終化合物は、第四級アンモニウム塩ジェミニ化合物であり得る。典型的には、第四級アンモニウム塩ジェミニ化合物は、この化合物の式の2次元表現において、以下から直ちに明らかにされるであろうように、幾つかの条件がその置換基の性質に関して満たされることを条件として、対称を形成することができる中心カルボニル基を含む。
そのような第四級アンモニウム塩ジェミニ化合物は、パート1.2において記載された反応に従って少なくとも1つの内部ケトンK1から得られた少なくとも1つの第三級アミンジェミニ化合物が第三級アミンジェミニ化合物である場合、最終化合物として得ることができる。例えば、アミンジェミニ化合物が式(Vb)のものである場合、これは、RおよびRが水素原子と異なる場合に起こる。
パート1.2において記載された反応に従って少なくとも1つの内部ケトンK1から得られた少なくとも1つの第三級アミンジェミニ化合物は、少なくとも1つの第四級アンモニウム塩ジェミニ化合物を得るために、少なくとも1つのアルキル化剤と反応させることができる。
例えば、パート1.2に従って式(I)の少なくとも1つの内部ケトンK1から得られた少なくとも1つのケトン(Va)および/または少なくとも1つのケトン(Vb)は、下に計画されるように、それぞれ少なくとも1つの第四級アンモニウム塩(VIIIa)および/または少なくとも1つの第四級アンモニウム塩ジェミニ化合物(VIIIb)を得るために、式R−Xの少なくとも1つのアルキル化剤(VI)と反応させることができる。
Figure 2019524843
置換基R、R、Rおよび基Xは、パート2.1において提供されたものと同じ定義を満たす一方、置換基Rは、パート1.2におけるのと同じ定義を有する。
この反応は、パート2.1において示されたように実施することができる。
3 − 内部ケトンK1からの両性化合物の製造
最終化合物は、ツインテール(ポリ)アミノカルボキシレートであり得る。
3.1)ツインテール(ポリ)アミノカルボキシレートの第1合成
パート1.1に従って少なくとも1つの内部ケトンK1から調製された少なくとも1つのツインテール第三級アミンは、とりわけ前記ツインテール第三級アミンが、それ自体、少なくとも1つ、場合により2つおよび2つのみのアミノ基(−NH)によって置換されている場合、少なくとも1つの両性化合物を与えるために、少なくとも1つのアルキル化剤と反応させることができる。
この反応を受けるのに好適である式(III)のある種のアミンは、式(III’)
Figure 2019524843
(式中、RおよびRは、式(I)におけるのと同じ意味を有し、式中、oおよびpは、1〜20、好ましくは2〜20、場合により4〜20の整数である)
に従う。
特に、式(III’)の少なくともツインテールアミンは、本明細書で以下に計画されるように、少なくとも1つの両性化合物(X)を与えるために、少なくとも1つのアルキル化剤(IX)と反応させることができる。
Figure 2019524843
反応は、通常、15℃〜400℃の温度での反応域において、任意選択的に添加溶媒の存在下で両方の反応剤を接触させることによって行われる。好適な溶媒の例として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、DMSO、アセトニトリル、水、THF、ジオキサンおよびそれらの混合物を挙げることができる。
好ましい実施形態において、反応混合物のpHは、8.5〜9.5に反応の過程において維持される。この調整は、必要量の濃NaOHおよび/またはHCl水溶液を反応媒体に添加することによって行うことができる。
重要なことに、反応の化学量論((III’)に関してモル過剰の(IX))を調整することにより、(X)に含有されるメチレンカルボキシレート基(−CH−CONa)の平均数を意味する出発アミン(III’)の平均アルキル化度を調節することが可能である。
生成物(X)において、o’、o’’、p’およびp’’は、o’’およびp’’の少なくとも1つが少なくとも1のものであることを条件として、0〜20の範囲の整数である。好ましくは、o’、o’’、p’およびp’’は、1〜20、場合により2〜20の範囲の整数であり、次の等式:
o’+o’’=oおよびp’+p’’=p
が配慮されなければならない。
置換基YおよびY’は、独立して、水素原子またはメチレンカルボキシレート断片(−CH−CONa)であり得る。
o’、o’’、p’およびp’’の値がアルキル化度を反映していること、ならびにo’、o’’、p’およびp’’についての値が異なり、および置換基YおよびY’が異なる化合物(X)の混合物を得ることができることが理解されなければならない。包括的に、アルキル化剤(IX)のモル量が増やされる場合、o’’およびp’’の値は、増加する(その結果としてo’およびp’が減少する)と言うことができる。
アルキル化剤(IX)に含有される基Xは、脱離基であり、パート2.1におけるのと同じ意味を有する。
例として、タイプ(III’)のエチレンジアミン由来アミンと、2当量のモノクロロ酢酸ナトリウム(X=Clの(IX))との間の反応を考えることができる。この場合、次の混合物:
Figure 2019524843
を得ることができる。
3.2)(ポリ)アミノカルボキシレートの第2合成
パート1.1に従って少なくとも1つの内部ケトンK1から調製された少なくとも1つのツインテール第三級アミンは、少なくとも1つのアクリレート誘導体(とりわけ式CH=CH−COA(式中、Aは、とりわけ前記ツインテール第三級アミンが少なくとも1つのアミノ基(−NH)により、場合により2つおよび2つのみのアミノ基によってそれ自体置換されている場合、少なくとも1つの両性化合物を与えるために、ヒドロカルビル、好ましくはC〜Cヒドロカルビル、より好ましくはC〜Cアルキルである)のヒドロカルビルアクリレート)と反応させることができる。
この反応を受けるのに好適である式(III)のある種のアミンは、パート3.1において記載されたような式(III’)に従う。
特に、パート1.1に従って少なくとも1つの内部ケトンK1(I)から得られた少なくとも1つのツインテールアミン(III’)(式中、RおよびRは、式(III)におけるのと同じ意味を有し、式中、oおよびpは、1〜20、好ましくは2〜20、場合により4〜20の整数である)は、上記のヒドロカルビルアクリレートなどの少なくとも1つのアクリレート誘導体と第1のステップにおいて反応させられて共役付加を受け、下式(XIa)において一般化する/ヒドロカルビル(A置換基)によってメチル(Me)を置き換えることによって得られる式(XIa’) − 示されていない − のヒドロカルビルエステルなどの少なくとも1つのエステルを与える。少なくとも1つの得られたエステル(XIa’)は、次に、水性NaOH溶液を使用する第2段階において鹸化されて、下式(XIb)において一般化する/ヒドロカルビル(A置換基)によってメチル(Me)を置き換えることによって再び得られる式(XIb’) − 示されていない − の両性化合物などの少なくとも1つの両性化合物を与える。
次の反応スキームは、アクリレート誘導体がCH=CH−COMe(AがメチルMeである)である場合に対応。
Figure 2019524843
典型的には、中間体(XIa’)[例えば、(XIa)]において、置換基YおよびY’は、独立して、水素原子またはヒドロカルビルエチレンカルボキシレート断片(−CH−CH−COA)、特にメチルエチレンカルボキシレート断片(−CH−CH−COMe)のいずれかを表す。
最終両性誘導体(XIb’)[例えば、(XIb)]において、置換基ZおよびZ’は、独立して、水素原子またはエチレンカルボキシレート断片(−CH−CH−CONa)を表す。
中間体(XIa’)[例えば、(XIa)]におけるo’、o’’、p’およびp’’ならびに最終生成物(XIb’)[例えば、(XIb)]におけるq’、q’’、r’およびr’’は、o’’およびp’’の少なくとも1つが少なくとも1のものであり、q’’およびr’’の少なくとも1つが少なくとも1のものであることを条件として、0〜20の範囲の整数である。
好ましくは、中間体(XIa’)[例えば、(XIa)]におけるo’、o’’、p’およびp’’ならびに最終生成物(XIb’)[例えば、(XIb)]におけるq’、q’’、r’およびr’’は、1〜20、場合により2〜20の範囲の整数である。
加えて、次の等式:
o’+o’’=q’+q’’=o
p’+p’’=r’+r’’=p
が配慮されなければならない。
反応の第1のステップは、15℃〜400℃の温度での反応域において両方の反応剤を接触させることによって実施される。反応剤の全量を反応混合物に直接導入することができるが、好ましい実施形態では、アクリレート誘導体は、重合副反応を限定するために反応混合物へ徐々に添加される。反応は、添加溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、THF、ジオキサン、酢酸エチル、アセトニトリルなどの存在下で任意選択的に行うことができる。
アクリレート誘導体は、アミン(III’)に関して過剰に使用することができる。
中間エステル(XIa’)[例えば、メチルエステル(XIa)]は、有利には、当業者によって周知の標準技法を用いる過剰のアクリレート誘導体および任意選択の溶媒の除去後に単離される。第2のステップは、次に、中間体(XIa’)を、任意選択的にメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、DMSOまたはTHFなどの添加溶媒の存在下においておよび15℃〜400℃の温度で適切な量のNaOHの水溶液(NaOHのモル量は、鹸化される必要があるエステル断片のモル量以上である)と接触させることによって実施される。
第1のステップ中、アクリレート誘導体は、モル過剰に使用することができ、一般にアミン(III’)とアクリレートとの間の化学量論的比が、中間体(XIa’)などに含有されるヒドロカルビルエチレンカルボキシレート(−CH−CH−COA)断片の平均数、その結果として最終両性生成物(XIb’)に含有されるエチレンカルボキシレート(−CH−CH−CONa)断片の平均数を意味する、出発アミン(III’)の平均アルキル化度を決定するであろう。
モル過剰のアクリレート誘導体が第1のステップにおいて増加する場合、中間体(XIa’)に含有されるヒドロカルビルエチレンカルボキシレート(−CH−CH−COA)断片の平均数および最終両性生成物(XIb’)に含有されるエチレンカルボキシレート(−CH−CH−CONa)断片の平均数が増加する。
通常、o’、o’’、p’、p’’についての値が異なり、かつ置換基YおよびY’が異なる中間体(XIa’)[例えば、(XIa)]が第1のステップの終了時に得られる。
同じことは、q’、q’’、r’、r’’についての値が異なり、かつ置換基ZおよびZ’が異なる誘導体の混合物が第2のステップの終了時に得られる最終生成物(XIb’)[例えば、(XIb)]について適用される。
例として、タイプ(III’)のエチレンジアミン由来アミンと、2.5当量のメチルアクリレートとの間の反応、引き続く加水分解を考えることができる。
この場合、次の混合物:
Figure 2019524843
を得ることができる。
3.3)(ポリ)アミノカルボキシレートの第3合成
反応は、少なくとも1つの内部ケトンK1(I)から製造された少なくとも1つの出発アミン(III)が、Yの性質に基づいて1つまたは2つの末端2−ヒドロキシエチル断片(−CH−CH−OH)を含有するアミン(III’’)であることを除いて、パート3.1において記載された通り行われる。
Figure 2019524843
アルキル化度に関してパート3.1において言われたものが、この場合にも同様に適用される。
上の反応スキームにおいて、
− 反応剤(III’’)におけるoおよびpは、1〜20、好ましくは2〜20、場合により4〜20の整数であり、
− 生成物(XII)におけるo’、o’’、p’およびp’’は、o’’およびp’’の少なくとも1つが少なくとも1のものであることを条件として、0〜20の範囲の整数であり、好ましくは、生成物(XII)におけるo’、o’’、p’およびp’’は、1〜20、場合により2〜20の範囲の整数であり、
− 次の等式:
o’+o’’=o
p’+p’’=p
が配慮されなければならない。
反応剤(III’’’)における置換基Yは、水素原子または2−ヒドロキシエチル断片(−CH−CH−OH)を表す。
生成物(XII)に含有される置換基は、
− Yが水素である場合には水素またはメチレンカルボキシレート(−CH−CONa)、
− 2−ヒドロキシエチル(−CH−CH−OH)またはエーテル断片、
− Yが2−ヒドロキシエチル断片(−CH−CH−OH)である場合にはCH−CH−O−CH−CONa
を表す。
置換基Z’は、水素またはメチレンカルボキシレート断片−CH−CONaを表す。
パート3.1において記載されたように、o’、o’’、p’およびp’’について異なる値を意味する、異なる数のメチレンカルボキシレート断片(−CH−CONa)ならびに異なる置換基ZおよびZ’を含有する生成物(XII)の混合物を得ることができる。
例として、タイプ(III’’)のアミノエチルエタノールアミン由来アミンと、1.5当量のモノクロロ酢酸ナトリウム[X=Clの(IX)]との間の反応を考えることができる。この場合、次の混合物:
Figure 2019524843
を得ることができる。
3.4)(ポリ)アミノカルボキシレートの第4合成
反応は、少なくとも1つの内部ケトンK1(I)から製造された少なくとも1つの出発アミン(III)が、Yの性質に基づいて1つまたは2つの末端2−ヒドロキシエチル断片(−CH−CH−OH)を含有するアミン(III’’)であることを除いて、パート3.2において記載された通り行われる。
模範的な反応スキームは、
Figure 2019524843
Figure 2019524843
である。
パート3.2におけるように、この模範的な反応スキームは、CH=CH−COMeアクリレートを、式CH=CH−COA(式中、Aは、パート3.2において定義された通りである)のヒドロカルビルアクリレート、より一般的にはいかなるアクリレート誘導体によっても置き換えることによって一般化することができる。
反応剤(III’’)における置換基Yは、水素原子または2−ヒドロキシエチル断片(−CH−CH−OH)を表す。上の反応スキームにおいて、
− 反応剤(III’’)におけるoおよびpは、1〜20、好ましくは2〜20、場合により4〜20の整数であり、
− 中間体(XIIIa)における[またはMeが置換基Aによって置き換えられているその非表示一般化(XIIIa’)における]、o’、o’’、p’およびp’’ならびに最終生成物(XIIIb)における[またはMeが置換基Aによって置き換えられているその非表示一般化(XIIIb’における]q’、q’’、r’およびr’’は、o’’およびp’’の少なくとも1つが少なくとも1のものであり、q’’およびr’’の少なくとも1つが少なくとも1のものであることを条件として、0〜20の範囲の整数である。
好ましくは、中間体(XIIIa)または(XIIIa’)におけるo’、o’’、p’およびp’’ならびに最終生成物(XIIIb)または(XIIIb’)におけるq’、q’’、r’およびr’’は、1〜20、好ましくは2〜20の範囲の整数である。
加えて、次の等式:
o’+o’’=q’+q’’=o
および
p’+p’’=r’+r’’=p
が配慮されなければならない。
中間体(XIIIa’)における置換基Zは、
− Yが水素である場合は水素またはヒドロカルビルエチレンカルボキシレート(−CH−CH−COA)、
− 2−ヒドロキシエチル断片(−CH−CH−OH)またはエーテル断片、
− YがCHCHOHである場合にはCH−CH−O−CH−CH−CO
を表す。
中間体(XIIIa’)における置換基Z’は、水素またはヒドロカルビルエチレンカルボキシレート(−CH−CH−COA)のいずれかを表す。したがって、例えば、(XIIIa’)が(XIIIa)である場合、Z’は、水素またはメチルエチレンカルボキシレート(−CH−CH−COMe)のいずれかを表す。
最終化合物(XIIIb’)における[例えば、最終化合物(XIIIb)における]置換基Xは、
− Yが水素である場合には水素またはエチレンカルボキシレート(−CH−CH−CONa)、
− 2−ヒドロキシエチル断片(−CH−CH−OH)またはエーテル断片、
− Yが−CHCHOHである場合にはCH−CH−O−CH−CH−CONa
を表す一方、最終化合物(XIIIb’)における置換基X’は、水素またはエチレンカルボキシレート(−CH−CH−CONa)のいずれかを表す。
第1反応ステップにおいて使用されるアクリレート誘導体と基質(III’’)との間のモル比のアルキル化度への影響に関してパート3.2において言われたものが、同様にここに適用される。
パート3.2において記載されたように、中間体(XIIIa’)[例えば、(XIIIa)]の混合物および最終化合物(XIIIb’)[例えば、(XIIIb)]の混合物が通常得られる。
4 − アミンオキシド
4.1)アミンオキシドツインテールアミンの合成
最終化合物は、アミンオキシドツインテールアミン、すなわち少なくとも1つのアミンオキシド部分によって置換されたツインテールアミンであり得る。アミンオキシドツインテールアミンは、1つおよび1つのみまたは2つおよび2つのみの部分によって置換することができる。
少なくとも1つのアミンオキシドツインテールアミンは、少なくとも1つの内部ケトンK1から事前にそれ自体得られる、少なくとも1つのツインテールtert−アミノアミン(すなわち少なくとも1つのtert−アミノ基によってそれ自体置換されているアミン)から得ることができる。
この趣旨で、式(I)の少なくとも1つの内部ケトンK1から得られた式(III)のある種のツインテールアミンは、有利には、試薬、すなわち式(III3’):
Figure 2019524843
のツインテールtert−アミノアミンとして使用される。
次の反応スキーム:
Figure 2019524843
に従うことができる。
上のスキームにおいて、Yは、水素または3−ジメチルアミノプロピル断片(−CH−CH−CH−N(CH)のいずれかであり、Zは、Yが水素である場合に水素であり、Zは、Yが3−ジメチルアミノプロピル断片(−CHCHCH−N(CH)である場合に3−ジメチルアミンオキシドプロピル断片(−CH−CH−CH−N(CHO)である。
この反応は、内部ケトンK1(I)から得られたツインテールtert−アミノアミン(III3’)を、15℃〜400℃の範囲の温度での任意選択的に添加溶媒の存在下における反応域において(水溶液に溶解して使用することができる)Hと接触させることによって行うことができる。好適な溶媒の例として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、DMSO、アセトニトリル、水、THF、ジオキサンまたはそれらの混合物を挙げることができる。
好ましい実施形態において、H溶液は、反応媒体へ徐々に添加され、ツインテールtert−アミノアミン(III3’)に関してモル過剰に使用することができる。過剰のHは、当業者によって周知の適切な技法を用いて反応の終了時に分解することができる。
4.2)アミンオキシドジェミニ化合物の合成
最終生成物は、アミンオキシドジェミニ化合物であり得る。典型的には、アミンオキシドジェミニ化合物は、この化合物の式の2次元表現において、以下から直ちに明らかにされるであろうように、幾つかの条件がその置換基の性質に関して満たされることを条件として、対称軸を形成することができる中心ヒドロキシル基を含む。
特に、式(XVIb)の少なくとも1つのアミンオキシドジェミニ化合物は、中間体として式(Vb)のケトンを使用して式(I)の少なくとも1つの内部ケトンK1から得ることができる。
式(XVIa)の少なくとも1つのアミンオキシド誘導体を同様に、中間体として式(Va)のケトンを使用して式(I)の少なくとも1つの内部ケトンK1から得ることができることは言うまでもない。
好適な反応スキームは、本明細書で以下に記載される。
Figure 2019524843
第1のステップにおいて、ケトン(Va)もしくは(Vb)またはそれらの混合物は、還元されて、それぞれアルコール誘導体(VVa)もしくは(XVb)またはそれらの混合物になる。
この第1のステップのために使用することができる好適な還元剤の例として、Hを挙げることができる。この場合、反応は、好適な遷移金属(例えば、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu)ベースの触媒(例えば、Pd/C)の存在下で行わなければならない。反応は、水素圧(典型的には1気圧〜200バール)下においておよび15℃〜400℃の範囲の温度で実施することができる。任意選択的に、反応は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグリムまたはそれらの混合物などの添加溶媒の存在下で行われる。
この第1のステップのための好適な還元剤の別の例は、第二級アルコール、好ましくは犠牲的試薬としての機能を果たすイソプロパノールである。この場合、反応は、金属ベースの(例えば、Ni、Al、In、Ru、Zr)触媒(例えば、アルミニウムイソプロポキシドAl(O−i−Pr))を必要し、アセトンが副生成物として形成される。重要なことに、アセトンは、平衡を(XVa)および(XVb)の形成の方へ移動させるため、蒸留のために反応中に除去することができる。
第2のステップは、それぞれ式(XVIa)のアミンオキシド誘導体および/または式(XVIb)のアミンオキシドジェミニ化合物を形成するための式(XVa)の化合物および/または式(XVb)の化合物の第三級アミン基のHを使用する酸化を含む。
この第2のステップは、パート4.1において記載された通り実施することができる。
、RおよびRは、パート2.2におけるのと同じ定義を有する。
5 − 内部ケトンK1からのベタインおよびスルタインの製造
5.1)ジベタインツインテールアミンおよびジスルタインツインテールアミンの合成
最終化合物は、ジベタインツインテールアミン、すなわち2つのベタイン部分によって置換されたツインテールアミンであり得る。
最終化合物は、ジスルタインツインテールアミン、すなわち2つのスルタイン部分を含むツインテールアミンでもあり得る。
少なくとも1つのジベタインツインテールアミンは、少なくとも1つのツインテールジ−tert−アミノアミン(すなわち、2つのtert−アミノ基によってそれ自体置換されているツインテールアミン) − そのツインテールジ−tert−アミノアミンは、本プロセスPによって有利に合成される少なくとも1つの内部ケトンK1から事前にそれ自体得られる − から、前記ツインテールジ−tert−アミノアミンを式
X−Alk−R
(式中、
− Xは、脱離基であり、
− Alkは、アルキレン基であり、
− Rは、Mがアルカリ金属である−COMである)
の化合物と反応させることによって得ることができる。
メチレンがアルキレン基Alkとして好ましい。
Naがアルカリ金属Mとして好ましい。
脱離基Xは、典型的には、Cl、BrまたはIなどのハロゲン化物、メチルスルフェート(−SOMe)、スルフェート(−SO )、メタンスルホネート(−OS−CH)、パラ−トルエンスルホネート(−OS−C)またはトリフルオロメタンスルホネート(−OS−CF)などのスルホネート誘導体である。
少なくとも1つのジスルタインツインテールアミンは、同様に、そのツインテールジ−tert−アミノアミンが、本プロセスPによって有利に合成された少なくとも1つの内部ケトンK1から事前にそれ自体得られる少なくとも1つのツインテールジ−tert−アミノアミンから、前記ツインテールジ−tert−アミノアミンを式X−Alk−R
(式中、
− Xは、脱離基であり、
− Alkは、アルキレン基であり、
− Rは、Mがアルカリ金属である−CH(OH)−CH−SOMである)
の化合物と反応させることによって得ることができる。
ジスルタインツインテールアミンを製造するための好ましいX、AlkおよびMは、ジベタインツインテールアミンを製造するために好ましいものと同じものである。
ジベタインおよび/またはジスルタインを製造するために、式(III)の少なくとも1つのある種のツインテールアミン、すなわち式(III4’):
Figure 2019524843
(式中、RおよびRは、式(I)の内部ケトンK1のRおよびRと同じ意味を有する)
のツインテールアミンが有利に反応剤として使用される。
次に、式(XVIIa)の少なくとも1つのジベタインおよび/または式(XVIIb)の少なくとも1つのジスルタインは、次のスキームに従って式(III4’)の少なくとも1つのツインテールアミンから調製することができる。
Figure 2019524843
上の反応スキームにおいて、Xは、上記で定義された通りである。
内部ケトンK1(I)からパート1.1に従って得られたツインテールアミン(III4’)は、アルキル化化合物(IX’)と、(IX’)の性質に応じてベタイン(XVIIa)またはスルタイン(XVIIb)を与えるために反応させられる。
ベタイン(XVIIa)は、Rが−CONaである場合に得られ、スルタイン(XVIIb)は、R=−CH(OH)−CH−SONaである場合に得られる。ベタインとスルタインとの混合物は、Rが−CONaである少なくとも1つの試薬と、R=−CH(OH)−CH−SONaである少なくとも1つの試薬とを含む試薬の混合物(IX’)を使用する場合に得られる。
反応は、通常、15℃〜400℃の温度での任意選択的に添加溶媒の存在下における反応域において反応剤を接触させることによって行われる。好適な溶媒の例として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、DMSO、アセトニトリル、水、THF、ジオキサンおよびそれらの混合物を挙げることができる。
好ましい実施形態において、反応混合物のpHは、8.5〜9.5に反応の過程において維持される。この調整は、反応の過程において必要量の濃NaOHおよび/またはHCl水溶液を反応媒体に添加することによって行うことができる。
5.2)ベタイン誘導体およびスルタイン誘導体、とりわけベタインジェミニ誘導体およびスルタインジェミニ誘導体の合成
最終生成物は、ベタインジェミニ化合物またはスルタインジェミニ化合物であり得る。典型的には、ベタインまたはスルタインジェミニ化合物は、この化合物の式の2次元表現において、以下から直ちに明らかにされるであろうように、幾つかの条件がその置換基の性質に関して満たされることを条件として、対称軸を形成することができる中心ヒドロキシル基を含む。
少なくとも1つのジベタインおよび/または少なくとも1つのジスルタインは、式(I)の内部ケトンK1からのその調製がパート1.2において記載されている、そのカルボニル隣接炭素原子の1つまたは両方がアミン含有基で置換された少なくとも1つのケトン、特に式(Va)の少なくとも1つのケトンおよび/または式(Vb)の少なくとも1つのケトンから得ることができる。
少なくとも1つのジベタインおよび/または少なくとも1つのジスルタインは、式(I)の内部ケトンK1からのその調製がパート1.2において既に記載されている、そのカルボニル隣接炭素原子の両方がtert−アミノ含有基で置換された少なくとも1つのケトン、特に式(Vb)の少なくとも1つのケトンから得ることができる。
少なくとも1つのモノベタインおよび/または少なくとも1つモノスルタインは、式(I)の内部ケトンK1からのその調製がパート1.2において既に記載されている、1つ(および1つのみ)のそのカルボニル隣接炭素原子がtert−アミノ含有基によって置換された少なくとも1つのケトン、特に式(Va)の少なくとも1つのケトンから得ることができる。
この趣旨で、次の反応スキーム:
Figure 2019524843
に従うことができる。
第1のステップは、パート4.2におけるのと同一である。
第2のステップは、パート5.1におけるように実施される。
ベタイン(XVIII)またはスルタイン(XIX)は、アルキル化剤(IX’)におけるRの性質に応じて得られる。
、RおよびRは、パート2.2におけるのと同じ定義を有する。
6 − 内部ケトンK14からのアニオン界面活性剤の製造
ジカルボキシレート塩誘導体の合成
最終化合物は、アニオン界面活性剤であり得る。
例えば、それは、式
Figure 2019524843
(式中、Xは、Li、Na、K、Cs、Fr、NH、トリエタノールアミンまたは他の一価もしくは多価金属または塩のカチオン対イオンを形成することができる基である。特に、Xは、Li、NaまたはKである)
のジカルボキシレート塩誘導体であり得る。
次の反応スキーム:
Figure 2019524843
に従うことができる。
第1のステップにおいて、前に定義されたような式(I)の少なくとも1つのケトンK1は、酒石酸から誘導された少なくとも1つのジエステル(XX)(式中、Rは、1〜6個の炭素原子を含有する線状または分岐のアルキルラジカルを意味する)と縮合される。
反応は、15℃〜400℃の範囲の温度での反応域においてケトンとジエステルとを接触させることによって実現される。反応は、任意選択的に、トルエン、キシレン、ジオキサン、ジグリム、ヘキサン、石油エーテル、DMSOまたはそれらの混合物などの添加溶媒の存在下で実施することができる。
好ましい実施形態において、酸触媒(ブレンステット酸またはルイス酸のいずれか)が反応を加速するために用いられる。例えば、HSO、HCl、トリフル酸、p−トルエンスルホン酸、AlCl、アルミニウムトリフレート、ビスマストリフレートなどの金属トリフレート、アンバーリスト樹脂およびゼオライトなどの不均一固体酸を挙げることができる。
反応中に生じた水は、反応の平衡を中間生成物(XXI)の形成の方へ移動させるため、ディーン−スターク装置のためにトラップすることができる。
反応の終了時、この中間体(XXI)は、さらなる詳細をここで示す必要がないほど当業者によって周知の標準的なワークアップ技法を用いる溶媒および触媒の除去後に単離することができる。
第2のステップにおいて、ケタールジエステル(XXI)は、15℃〜400℃の範囲の温度で塩基性水性XOHまたはX(OH)溶液(Xは、上に定義された通りであり、特にX=Li、Na、K、Cs、Mg、Caである)中で反応を行うことによって加水分解されて、副生成物としてのR−OHと一緒に最終ケタールカルボキシレート生成物(XXII)を与える。
7 − 内部ケトンK1からの非イオン界面活性剤の製造
最終化合物は、非イオン界面活性剤であり得る。
7.1)非イオン界面活性剤の第1合成
最終化合物は、式(XXV)
Figure 2019524843
(式中、
− m’、m’’、n’およびn’’は、m’、m’’、n’およびn’’の少なくとも1つが少なくとも1のものであることを条件として、0〜40の範囲の整数であり、m’+m’’+n’+n’’は、好ましくは、2〜40、場合により4〜20の範囲であり、
− RおよびRは、パート1.1において定義された通りであり、
− Rは、無(ベンゼン環上に置換基が全くないことを意味する)であるか、またはRは、少なくとも1つのC〜C24アルコキシまたは線状もしくは分岐のC〜C24炭化水素基であり、そのアルコキシまたは炭化水素基は、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基によって任意選択的に割り込まれ得および/または置換され得る)
の化合物であり得る。
Rは、「少なくとも1つの線状または分岐の炭化水素基」であり得ると明記することにより、化合物(XXV)のベンゼン環が、1つの置換基によってのみならず、幾つかの1つの線状または分岐の炭化水素置換基によっても置換され得ることを意味することが意図される。
可能なR置換基の2つの例は、メチルおよびメトキシである。
次の反応スキーム:
Figure 2019524843
に従うことができる。
したがって、第1のステップにおいて、式(I)の少なくとも1つのケトンK1は、ビフェノール誘導体(XXIV)を与えるために、まず、2当量の置換または非置換フェノール化合物(XXIII)(例えば、Rが無である場合、(XXIII)は、フェノールである一方、Rがメチルまたはメトキシである場合、(XXIII)は、それぞれクレゾールまたはグアヤコールである)と縮合される。
反応は、任意選択的に添加溶媒の存在下において、15℃〜400℃の範囲の温度での反応域において両方の反応剤を接触させることによって実施することができる。過剰のフェノール誘導体(XXIII)をこの反応のために使用することができ、過剰の反応剤は、その後のワークアップ中に後に除去し、リサイクルすることができる。
酸触媒(ブレンステッド酸またはルイス酸のいずれか)が反応を加速するために用いられ得る。例えば、HSO、HCl、トリフル酸、p−トルエンスルホン酸、AlCl、アルミニウムトリフレートおよびビスマストリフレートなどの金属トリフレート、不均一固体酸(アンバーリスト樹脂、ゼオライトなどの)を挙げることができる。
このステップ中に生じた水は、反応の平衡を所望の生成物(XXIV)の方へ移動させるため、ディーン−スターク装置のためにトラップすることができる。
中間生成物(XXIV)は、さらなる詳細をここで示す必要がないほど当業者によって周知の標準的なワークアップ技法を用いて単離することができる。
第2のステップにおいて、ジフェノール誘導体(XXIV)は、非イオン界面活性剤(XXV)を与えるために、ジフェノール誘導体のアルコキシル化のための標準的な条件を用いて、m’+m’’当量のプロピレンオキシドおよび/または場合により引き続くn’+n’’当量のエチレンオキシドによって縮合される。
(XXV)よりもむしろ他の非イオン界面活性剤は、同じ反応スキームに従って、しかし、試薬として(XXIII)よりもむしろ別の芳香族アルコールを使用して調製することができる。
他の芳香族アルコールの例として、ナフトールならびにカテコールおよびレゾルシノールなどの芳香族ジオールを挙げることができる。
7.2)非イオン界面活性剤の第2合成
最終化合物は、式(XXVIIa)
Figure 2019524843
の非イオン界面活性剤または式(XXVIIb)
Figure 2019524843
の非イオン界面活性剤であり得、式中、
− R’およびR’n¨は、脂肪族基、一般にC〜C26脂肪族基、非常に多くの場合にC〜C18基、多くの場合にC〜C16基を表し、
− o、o’、o’’、p、p’およびp’’は、本明細書で以下に定義される通りである。
Figure 2019524843
上のスキームにおいて、「1)mプロピレンオキシド|2)nエチレンオキシド」は、プロポキシル化およびエトキシル化が両方とも起こらなければならないことを暗示せず(換言すると、mまたはnは、0に等しいものであり得る)、より強い理由から、プロポキシル化がエトキシル化前に起こらなければならない(これは、好ましいことができる実施形態であるが)ことを暗示しないと広く理解されるべきである。
第1のステップにおいて、式(I’)の少なくとも1つのケトンK1は、ホルムアルデヒド(CHO)と縮合される。縮合は、有利には、−20℃〜400℃の範囲の温度での反応域において行われる。反応は、例えば、NaOH、KOH、MgO、NaCO、NaOMe、NaOEt、tBuOKまたはNEt(ここで、Meは、メチルであり、Etは、エチルであり、Buは、ブチルである)などの塩基性触媒の存在下で実施することができる。反応は、任意選択的に、メタノール、エタノール、イソプロパノール、DMSO、THF、メチルテトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、水、ジオキサンまたはそれらの混合物などの溶媒中で実施することができる。
この第1反応ステップについて、ホルムアルデヒドは、過剰に使用することができ、過剰の反応剤は、回収し、リサイクルすることができる。
アルドール生成物(XXVIa)、(XXVIb)またはそれらの混合物は、当業者によって周知の標準的なワークアップ技法を用いて単離することができる。
第2のステップにおいて、少なくとも1つの生成物(XXVIa)および/または(XXVIb)は、非イオン界面活性剤(XXVIIa)および/または(XXVIIb)を与えるために、アルコールのアルコキシル化のための標準的な条件を用いて、m+n当量のアルキレンオキシド(m当量のプロピレンオキシドおよび/またはn当量のエチレンオキシド、例えばm当量のプロピレンオキシド、引き続きn当量のエチレンオキシド)と縮合される。
上の方程式スキームにおいて、mおよびnは、0〜40の範囲の整数であるが、mおよびnが両方とも0に等しいことはできない。
o、p、o’、p’、o’’およびp’’は、0〜40の範囲の整数であり、次の等式:
o+o’+o’’=m
p+p’+p’’=n
が配慮されなければならない。
7.3)非イオン界面活性剤の第3合成
最終化合物は、式(XXIX)
Figure 2019524843
(式中、
− RおよびRは、パート1.1において定義された通りであり、
− m’、m’’、n’およびn’’は、本明細書で以下定義される通りである)
の化合物であり得る。
この目的のため、第1のステップにおいて、式(I)の少なくとも1つの内部ケトンK1は、少なくとも1つの中間体(XXVIII)を与えるためにペンタエリスリトールと縮合される。
Figure 2019524843
この反応は、有利には、15℃〜400℃の範囲の温度での反応域において両方の反応剤を接触させることによって実施される。反応は、任意選択的に、トルエン、キシレン、ジオキサン、ジグリム、ヘキサン、石油エーテル、DMSOまたはそれらの混合物などの添加溶媒の存在下で実施することができる。
好ましい実施形態において、酸触媒(ブレンステッド酸またはルイス酸のいずれか)が反応を加速するために用いられる。例えば、HSO、HCl、トリフル酸、p−トルエンスルホン酸、AlCl、アルミニウムトリフレート、ビスマストリフレートなどの金属トリフレート化合物、アンバーリスト樹脂、ゼオライトなどの不均一固体酸を挙げることができる。
反応中に生じた水は、反応の平衡を少なくとも1つの中間生成物(XXVIII)の形成の方へ移動させるため、ディーン−スターク装置のためにトラップすることができる。
反応の終了時、この中間体(XXVIII)は、さらなる詳細をここで示す必要がないほど当業者によって周知の標準的なワークアップ技法を用いて溶媒および触媒の除去後に単離することができる。
第2のステップにおいて、少なくとも1つの中間体(XXVIII)は、非イオン界面活性剤(XXIX)を与えるために、アルコールのアルコキシル化のための標準的な条件を用いて、m+n当量のアルキレンオキシド(m当量のプロピレンオキシドおよび/またはn当量のエチレンオキシド、例えばm当量のプロピレンオキシド、引き続くn当量のエチレンオキシド)と縮合される。
第2のステップにおいて起こる反応は、次の通り:
Figure 2019524843
表すことができる。
上の反応スキームにおいて、「1)mプロピレンオキシド|2)nエチレンオキシド」は、プロポキシル化およびエトキシル化が両方とも起こらなければならないことを暗示せず(換言すると、mまたはnは、0に等しいものであり得る)、より強い理由から、プロポキシル化がエトキシル化前に起こらなければならない(これは、好ましいことができる実施形態であるが)ことを暗示しないと広く理解されるべきである。
実際に、上の反応スキームにおいて、mおよびnは、mおよびnの少なくとも1つが少なくとも1のものであることを条件として、0〜40の範囲の整数である。
m’、m’’、n’およびn’’は、0〜40の範囲の整数であり、次の等式:
m’+m’’=m
n’+n’’=n
が配慮されなければならない。
8 − 内部ケトンK1からの中間体およびモノマーの製造
8.1)ベータジケトンの合成
少なくとも1つの最終化合物は、式(I’)の少なくとも1つの内部ケトンK1を含む次の反応:
Figure 2019524843
の反応生成物など、式(XXXIa)のベータジケトンおよび/または式(XXXIb)のベータジケトンであり得る。
したがって、前に定義されたようなRおよびRの式(I’)の少なくとも1つのケトンK1は、少なくとも1つのジケトン(XXXIa)および/または少なくとも1つのジケトン(XXXIb)を得るために、少なくとも1つのアクリレート誘導体(XXX)と反応させられる。
上の反応スキームにおいて、置換基Rは、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基によって任意選択的に置換および/または割り込まれ得る、1〜24個の炭素原子を有する線状または分岐の炭化水素ラジカルから選択される。例えば、Rは、−CH、−CHCH、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルから選択することができる。
置換基Rは、水素と、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基によって任意選択的に置換および/または割り込まれ得る、1〜24個の炭素原子を有する線状または分岐の炭化水素ラジカルとから選択される。例えば、Rは、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチルまたはtert−ブチルであり得る。
反応域は、有利には、15℃〜400℃の範囲の温度で行われる。
式(I’)のケトンに対して少なくとも1当量の塩基は、反応が起こるために必要とされ得る。反応を実施するための好適な塩基の例として、NaOMe、tert−BuOK、NaOEt、KOHまたはNaOHを挙げることができる。
反応の過程において、アルコールR−OHが生じ、それは、任意選択的に反応混合物から留去することができる。
加えて、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、THF、DMSO、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサンまたはジグリムなどの好適な溶媒を反応のために使用することができる。
反応の終了時、少なくとも1つのジケトン化合物(XXXIa)および/または少なくとも1つのジケトン化合物(XXXIb)は、場合により、中性誘導体(XXXIa)および/または(XXXIb)を回収するために酸性クエンチが必要とされるようなそれらの脱プロトン化形態で得られる。
8.2)第1モノマーの合成
少なくとも1つの最終化合物は、式(XXXIII)の化合物であり得る。エチレン性炭素−炭素二重結合を含有するそのような化合物は、ラジカル重合を受けるのに好適である。
Figure 2019524843
およびRは、パート1.1において定義された通りであり、mおよびnは、0〜40の範囲の整数であるが、mおよびnが両方とも0に等しいことはできない。
RおよびRは、パート8.1におけるのと同じ意味を有する。
上の反応スキームによれば、式(I)の少なくとも1つのケトンK1は、標準的な水素化条件を用いて水素化され、次にm当量のプロピレンオキシドおよび/またはn当量のエチレンオキシドと(例えば、m当量のプロピレンオキシド、引き続きn当量のエチレンオキシドと)縮合される。
第二級アルコールアルコキシル化のための標準的な条件は、一般に、少なくとも1つの中間体(XXXII)を与えるために用いられる。
中間体(XXXII)は、次に、少なくとも1つの他のアクリレート誘導体(XXXIII)を与えるために、エステル交換反応に従って少なくとも1つのアクリレート誘導体(XXX)と反応させられる。
この最後の反応は、有利には、15℃〜400℃の範囲の温度での反応域において両方の反応剤を接触させることによって実施される。
反応は、酸または塩基のいずれかによって触媒することができる。好適な酸の例として、HSO、HCl、トリフル酸、p−トルエンスルホン酸、AlCl、アルミニウムトリフレート、ビスマストリフレートなどの金属トリフレート化合物、アンバーリスト樹脂、ゼオライトなどの不均一固体酸を挙げることができる。
好適な塩基の例として、NaOH、KOH、MgO、NaCO、NaOMe、NaOEt、tBuOKまたはNEtw(ここで、Meは、メチルであり、Eは、エチルであり、tBuは、tert−ブチルである)を挙げることができる。
反応は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、DMSO、THF、メチルテトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、水、ジオキサンまたはそれらの混合物などの好適な溶媒中で実施することができる。
アクリレート誘導体(XXX)は、副重合が起こるのを回避するために、反応媒体に徐々に添加することができる。
8.3)第2モノマーの合成
少なくとも1つの最終化合物は、式(XXXIV)の化合物であり得る。
Figure 2019524843
エチレン性炭素−炭素二重結合も含有するそのような化合物は、同様にラジカル重合を受けるのに好適である。
それは、式(III)のある種のツインテールアミンから、すなわち、式(III5’
Figure 2019524843
(式中、
− RおよびRは、パート1.1において定義された通りであり、
− Rは、水素、または1つ以上のヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基によって任意選択的に置換および/または割り込まれ得る、1〜24個の炭素原子を有する線状もしくは分岐の炭化水素ラジカルから選択され、例えば、Rは、H、−CH、−CHCH、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルから選択することができる)
の第一級または第二級ツインテールアミンから調製することができる。
パート1.1に従って調製された少なくとも1つのアミン(III‘)は、少なくとも1つのアクリルアミド(XXXIV)を与えるために、共役付加が起こるのを防ぐ好適な条件下で少なくとも1つのアクリレート誘導体(XXX)と反応させられる。
反応スキームは、次の通りである。
Figure 2019524843
化合物(XXX)および(XXXIV)において、RおよびRは、パート8.1におけるのと同じ意味を有する。
反応は、有利には、15℃〜400℃の範囲の温度での反応域において両方の反応剤を接触させることによって実施される。
反応は、酸または塩基によって触媒することができる。好適な酸の例として、HSO、HCl、トリフル酸、p−トルエンスルホン酸、AlCl、金属トリフレート化合物(アルミニウムトリフレート、ビスマストリフレートなどの)、アンバーリスト樹脂、ゼオライトなどの不均一固体酸を挙げることができる。好適な塩基の例として、NaOH、KOH、MgO、NaCO、NaOMe、NaOEt、tBuOK、NEtなどを挙げることができる。
反応は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、DMSO、THF、メチルテトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、水、ジオキサンまたはそれらの混合物などの好適な溶媒中で実施することができる。
アルコールROHが副生成物として反応中に生じるため、それは、反応を所望の生成物(XXXIV)の方へ移動させるため、蒸留のために除去することができる。
アクリレート誘導体(XXX)は、副重合が起こるのを回避するために反応媒体に徐々に添加することができる。
8.4)分岐脂肪酸の合成
最終化合物は、次の反応:
Figure 2019524843
によって得られるような式(XXXV)の分岐脂肪酸であり得る。
第1段階において、RおよびRがパート1.1におけるように定義される式(I)の少なくとも1つのケトンK1は、対応する第二級アルコールを与えるために水素化される。標準的な水素化条件を用いることができる。
このアルコールは、次に、少なくとも1つの最終生成物(XXXV)を与えるためにカルボニル化反応に関与する。
カルボニル化反応は、有利には、通常、15℃〜400℃の範囲の温度での反応域において、CO圧(典型的には1気圧〜200バール)下で第二級アルコールを反応させることによって実施される。
反応は、任意選択的に、好適な溶媒の存在下で実施することができ、当業者は、最適な溶媒を選択するであろう。重要なことに、反応は、遷移金属ベースの触媒(例えば、Co、Rh、IrおよびPdベースの均一触媒)によって触媒することができる。
通常、ハロゲン化物ベースの促進剤は、反応が起こるために必要である。好ましくは、促進剤は、HIなどのヨウ化物である。
重要なことに、反応中、かなりの異性化が起こり得、式(I)の出発ケトンK1中に存在する当初のアルキル置換基RおよびRと異なるそれらのアルキル置換基R’およびR’を有する異性体生成物(XXXV)の混合物が得られ得る。したがって、式(XXXV)において、特に、R’およびR’は、式(I)の出発ケトンK1の当初のRおよびRと場合により特に異なるが、RおよびRの同じ一般的定義に入る。
8.5)ポリアミンの合成
最終化合物は、ポリアミン、とりわけ式(XXXVII):
Figure 2019524843
のポリアミンであり得る。
そのようなポリアミンは、次の反応スキームに従って、R’およびR’がパート1.2におけるように定義される、式(I’)の少なくとも1つの内部ケトンK1を出発材料として使用して調製することができる。
Figure 2019524843
、X、XおよびXは、独立して、水素原子または−CH−CH−CNを表すが、X、X、XおよびXの少なくとも1つが−CH−CH−CNであることを意味する、全てが水素であることはできない。
、Y、YおよびYは、独立して、水素原子または−CH−CH−CH−NHを表すが、Y、Y、YおよびYの少なくとも1つが−CH−CH−CH−NHであることを意味する、全てが水素であることはできない。
Zは、カルボニル基(C=O)もしくはカルビノール(CH−OH)基のいずれかまたはそれらの混合物であり得る。
したがって、式(I’)の少なくとも1つのケトンK1は、まず、式(XXXVI)の少なくとも1つの中間体を与えるためにアクリロニトリルと縮合される。
反応は、有利には、一般に15℃〜400℃の範囲の温度におけるおよびメタノール、エタノール、イソプロパノール、DMSO、THF、メチルテトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、水、ジオキサンまたはそれらの混合物などの任意選択の溶媒の存在下での反応域において両方の反応剤を接触させることによって実施される。
反応は、例えば、NaOH、KOH、MgO、NaCO、NaOMe、NaOEt、tBuOKまたはNEtなどの好適な塩基によって触媒することができる。
任意選択的におよび場合により好ましくは、反応は、副重合を回避するために、アクリロニトリルを反応媒体に徐々に添加することによって実施され、アクリロニトリルは、化学量論的過剰に使用することができる。過剰のアクリロニトリルは、回収し、リサイクルすることができる。
異なる置換基X(n=1〜4)の生成物(XXXVI)の混合物を得ることができる。
第2のステップにおいて、少なくとも1つの(ポリ)ニトリル誘導体(XXXVI)は、少なくとも1つの対応する(ポリ)アミン(XXXVII)を与えるために水素化される。通常、例えば1気圧〜200バールの範囲の水素圧下において、15℃〜400℃の範囲の温度で任意選択の溶媒の存在下においてかつ有利には遷移金属ベースの触媒(例えばニッケルラネー(Raney))を使用する、ニトリル水素化のための標準的な条件が用いられる。
異なるY(n=1〜4)およびZ基の生成物(XXXVII)の混合物を得ることができる。
本方法M4の特別な実施形態
本発明方法Mのある種の特別な実施形態において、
− 内部ケトンK1が、第二級アルコールを得るために水素化反応にかけることによって反応させられる場合、そのようにして得られた第二級アルコールは、前記内部第二級アルコールを、他の中間体または最終化合物としての内部オレフィンに転化させるであろう脱水反応を含まない単一または多重反応スキームに従って順に反応させられる中間体であり得る。
− 最終化合物は、式(1)
Figure 2019524843
のα−スルホカルボニル化合物C1*、
式(2)
Figure 2019524843
のα−スルホカルボニル化合物C2*およびそれらの混合物と異なり得、ここで、上式(1)および(2)において、
■出現ごとに同じまたは異なるものであり得る、R、RおよびRは、水素または1〜20個の炭素原子を有する線状または分岐のアルキル鎖であり、
■出現ごとに同じまたは異なるものであり得るRおよびRは、4〜24個の炭素原子を有する線状または分岐のアルキル基であり、それにおいて、アルキル鎖は、1つ以上の脂環式基を含み得、
■Xは、Hまたはスルホネート基と塩を形成するカチオンであり、
− 最終化合物は、式(3)
Figure 2019524843
の界面活性剤C3*、
式(4)
Figure 2019524843
のジアミンC4*およびそれらの混合物と異なり得、ここで、上式(3)および(4)において、
■同一であるかまたは異なるRおよびRのそれぞれは、少なくとも1つの単環式または多環式基によって割り込まれ得および/または置換され得る線状または分岐の飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、
■同一であるかまたは異なるRおよびRのそれぞれは、1〜10個の炭素原子を有する線状または分岐のアルキル鎖であり、
■(E)および(E)のそれぞれは、線状または分岐の置換されていないまたは置換された二価の炭化水素ラジカルであり、
■Aは、任意選択的に全部もしくは部分的にそのプロトン化形態−COOHのカルボキシレート基−COO、または任意選択的に全部もしくは部分的にそのプロトン化形態−SOHのスルホネート基−SO であり、
− 最終化合物は、第二級アルコールC5*と異なり得、それは、とりわけ、唯一の官能基として内部アルコール基ならびに任意選択的に加えて1つ以上のアルケンおよび/またはアルキン基
Figure 2019524843
を含む第二級アルコールC5*と異なり得、
− 最終化合物は、内部オレフィンC6*と異なり得、
− 最終化合物はまた、α−スルホカルボニル化合物C7*と異なり得る。
本方法Mは、有利には、2016年5月4日出願の国際出願PCT/欧州特許出願公開第2016/060106号明細書、2016年5月4日出願の国際出願PCT/欧州特許出願公開第2016/060070号明細書、2016年4月8日出願の欧州特許出願第16305409.1号明細書、2016年4月8日出願の欧州特許出願第16305410.9号明細書および2016年8月19日出願の欧州特許出願第16306069.2号明細書に開示されている方法と異なる。全てのこれらの出願の全内容は、有用な場合、あらゆる目的のために、とりわけ請求権放棄のために本明細書に援用される。
本方法Mによって調製可能な価値ある化合物
界面活性剤のために特に興味のある新規の価値ある化合物を提供することが本発明の最後の目的である。
本発明のこの最後の目的は、上記のような方法Mによって調製可能な様々な化合物、とりわけ界面活性剤によって達成される。
これらの化合物の多くは、それらのツインテールまたはジェミニ構造によって特徴付けることができる。
したがって,本発明は、
− 前述のような式(III)の化合物、特に前述のような式(III’)の化合物、式(III’’)の化合物、式(III3’)の化合物、式(III4’)の化合物または式(III5’)の化合物、
− 前述のような式(Va)の化合物、前述のような式(Vb)の化合物またはそれらの混合物、
− 前述のような式(VII)の化合物、
− 前述のような式(VIIIa)の化合物、前述のような式(VIIIb)の化合物またはそれらの混合物、
− 前述のような式(X)の化合物、
− 前述のような一般式(XIa)の化合物または化合物の混合物、
− 前述のような一般式(XIb)の化合物または化合物の混合物、
− 前述のような一般式(XII)の化合物の混合物の化合物、
− 前述のような一般式(XIIIa)の化合物の混合物の化合物、
− 前述のような一般式(XIIIb)の化合物の混合物の化合物、
− 前述のような式(XIV)の化合物、
− 前述のような式(XVa)の化合物、前述のような式(XVb)の化合物またはそれらの混合物、
− 前述のような式(XVIa)の化合物、前述のような式(XVIb)の化合物またはそれらの混合物、
− 前述のような式(XVIIa)の化合物、
− 前述のような式(XVIIb)の化合物、
− 前述のような式(XVIIIa)の化合物、前述のような式(XVIIIb)の化合物またはそれらの混合物、
− 前述のような式(XIXa)の化合物、前述のような式(XIXb)の化合物またはそれらの混合物、
− 前述のような式(XXI)の化合物、
− 前述のような式(XXII)の化合物、
− 前述のような式(XXIV)の化合物、
− 前述のような式(XXV)の化合物、
− 前述のような式(XXVIa)の化合物、前述のような式(XXVIb)の化合物またはそれらの混合物、
− 前述のような式(XXVIIa)の化合物、前述のような式(XXVIIb)の化合物またはそれらの混合物、
− 前述のような式(XXVIII)の化合物、
− 前述のような式(XXIX)の化合物、
− 前述のような式(XXXIa)の化合物、前述のような式(XXXIb)の化合物またはそれらの混合物、
− 前述のような式(XXXII)の化合物、
− 前述のような式(XXXIII)の化合物、
− 前述のような式(XXXIV)の化合物、
− 前述のような一般式(XXXV)の化合物または化合物の混合物、
− 前述のような一般式(XXXVI)の化合物または化合物の混合物、
− 前述のような一般式(XXXVII)の化合物または化合物の混合物
にも関する。
本発明の利点の要約
本発明のプロセスPは、したがって、内部ケトンK1への容易なアクセスを提供する。本プロセスPは、(存在するとしても)ごく少量の望ましくない副生成物が得られる状態で所望のケトンを高収率で生成し、ケトンは、反応混合物から容易に分離することができる。
内部ケトンK1は、従来のおよび経済的なプロセスによって反応混合物から分離され得、触媒材料は、触媒活性の有意な劣化なしに数回の触媒サイクルのために使用することができる。
十分に示されたように、内部ケトンK1は、本方法Mによって様々な価値ある最終化合物へ容易に転化することができる汎用的な出発材料である。
本発明の方法Mは、それが本プロセスPをベースとしているため、したがって同様にこれらの化合物へのより容易なアクセスを提供する。
本方法Mによって得られる多くの最終化合物は、界面活性剤として有用である。
本方法Mによって得られる多くの他の化合物は、界面活性剤のような価値ある最終化合物へ順に転化することができる中間体として有用である。
参照により本明細書に援用される特許、特許出願および刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
以下の実施例は、本発明をさらに説明する。
実施例1:触媒としてマグネタイトFe3O4を使用するC〜C18脂肪酸カットのケトン化
反応は、アルゴンの不活性雰囲気下で実施する。
機械撹拌機、反応中に生じた水をトラップするためのディーン−スターク装置および添加漏斗を備えた750mL反応器に40gの生成物C15〜C35ケトン(出発C8〜C18脂肪酸の予備ケトン化によって製造された)と、9.3g(0.040モル)のマグネタイトFe3O4とを計量分配する。
反応器の添加漏斗を200g(0.970モル)の溶融脂肪酸(C8:7重量%、C10:8重量%、C12:48重量%、C14:17重量%、C16:10重量%、C18:10重量%)で満たす。
反応混合物を次に攪拌(500rpm)下において330℃で加熱し、200g(0.970モル)の溶融脂肪酸を、反応媒体の温度が320℃未満に低下しないように(例えば、約25g脂肪酸/時間の添加流量で)反応器にゆっくり導入する。
実際に、これは、4部分の50g(60mL)の溶融脂肪酸のゆっくりした連続添加(1添加当たり1時間)、引き続く各添加間後の330℃での1時間の攪拌によって行うことができる。
最後の添加の終了時、粗媒体を追加の1時間にわたって330℃で攪拌し、反応進行をFTIRによって監視する。
中間鉄錯体がFTIR(1550cm−1および1408cm−1での吸収帯)によってもはや検出されない反応の終了時、混合物を室温で放冷し、400mLのCHCl3に溶解させる。
酸化鉄を除去するために、得られた溶液を、400gのシリカゲルのバスを通して濾過し、これに5リットルのCHCl3での溶出が続く。
クロロホルムを減圧下で蒸発させ、粗生成物を50℃で10ミリバール下において一晩乾燥させて207gのケトン(それは、反応器に最初に分配されていた40gの脂肪ケトンに加えて200gの脂肪酸のケトン化によって生じた167g(0.475モル)の生成物を含有する)を、98%の粗収率に対応する薄茶色ワックスとして得る。
粗生成物の分析は、ケトンカットについて次の組成:
C15:0.5重量%、C17:1.3重量%、C19:8.4重量%、C21:11.4重量%、C23:28.4重量%、C25:19.0重量%、C27:13.0重量%、C29:11.7重量%、C31:3.7重量%、C33:1.6重量%、C35:0.9重量%
の96%のGC純度(不純物は、主として炭化水素である)を示す。
実施例2:触媒として酸化鉄(III)Fe2O3を使用するC8〜C18脂肪酸カットのケトン化
反応は、アルゴンの不活性雰囲気下で実施する。
機械撹拌機、反応中に生じた水をトラップするためのディーン−スターク装置および添加漏斗を備えた750mL反応器に40gの生成物C15〜C35ケトン(出発C8〜C18脂肪酸の以前のケトン化によって製造された)と、9.74g(0.060モル)のFe2O3とを計量分配する。
添加漏斗を200g(0.970モル)の溶融脂肪酸(C8:7重量%、C10:8重量%、C12:48重量%、C14:17重量%、C16:10重量%、C18:10重量%)で満たす。
反応混合物を次に攪拌(500rpm)下において330℃で加熱し、200g(0.970モル)の溶融脂肪酸を、反応媒体の温度が320℃未満に低下しないように(例えば、約25g脂肪酸/時間の添加流量で)反応器にゆっくり導入する。
実際に、これは、各添加間に330℃での1時間の攪拌ありで、4部分の50gの溶融脂肪酸のゆっくりした連続添加(1添加当たり1時間)によって行うことができる。
最後の添加の終了時、粗媒体を0.5時間にわたって330℃で攪拌し、反応進行をFTIRによって監視する。
中間鉄錯体がFTIR(1550cm−1および1408cm−1での吸収帯)によってもはや検出されない反応の終了時、混合物を室温で放冷し、300mLのCHCl3に溶解させる。
酸化鉄を除去するために、得られた溶液を、400gのシリカゲルのバスを通して濾過し、これに3リットルのCHCl3での溶出が続く。
クロロホルムを減圧下で蒸発させ、粗生成物を50℃で10ミリバール下において一晩乾燥させて204gのケトン(反応器に最初に分配されていた40gの脂肪ケトンに加えて200gの脂肪酸のケトン化によって生じた164g(0.475モル)の生成物)を、96%の粗収率に対応する薄茶色ワックスとして得る。
粗生成物の分析は、ケトンカットについて次の組成:
C15:0.5重量%、C17:1.2重量%、C19:8.4重量%、C21:11.2重量%、C23:28.6重量%、C25:19.1重量%、C27:13.2重量%、C29:11.4重量%、C31:3.5重量%、C33:1.5重量%、C35:0.7重量%
の97%のGC純度(不純物は、主として炭化水素である)を示す。
実施例3(比較):転化される脂肪酸の全量の直接導入でかつケトンの初期導入なしで触媒としてマグネタイトFe3O4を使用するC8〜C18脂肪酸カットのケトン化
反応は、アルゴンの不活性雰囲気下で実施する。
機械撹拌機および反応中に生じた水をトラップするためのディーン−スターク装置を備えた500mL丸底フラスコに100g(0.480モル)の溶融脂肪酸(C8:7重量%、C10:8重量%、C12:48重量%、C14:17重量%、C16:10重量%、C18:10重量%)と、4.7g(0.020モル)のマグネタイトFe3O4とを計量分配する。
混合物を次に8時間にわたって還流(指示された330℃)下で攪拌させる。反応媒体温度は、250℃(開始)から攪拌の8時間後の303℃まで反応中に徐々に上昇する。重要なことに、水の生成が観察され、反応の終了時、GC分析(正規化)は、脂肪酸の転化率が約40%であり(かなりの量の脂肪酸が残っており)、ケトン形成の選択率が約55%であり、ケトンのおよその収率が23%のみであることをほぼ示す。
実施例4(比較):転化される脂肪酸の全量の直接導入でかつケトンの初期導入なしでプレ触媒としてFeを使用するラウリン酸のケトン化
ラウリン酸を12.5モル%の鉄粉と混合し、298℃(ラウリン酸の沸点)に加熱し、この温度で5時間保った。錯体の形成がFTIR分析によって観察される。
その後、反応生成物の組成を測定した。12−トリコサノンの収率は、18%にすぎず、かなりの量のウンデカンが形成された(8%)。さらに、相当量の未反応ラウリン酸が依然として存在した(ラウリン酸の全転化率は、46%である)。

Claims (25)

  1. 反応媒体中において、触媒として金属化合物を用いて、液相で脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の脱炭酸的ケトン化反応によって内部ケトンK1を合成するためのプロセスPにおいて、ケトンK1と同一であるかまたはそれに類似する液体状態のケトンK2が、反応媒体に導入されることを特徴とするプロセスP。
  2. ケトンK2は、少なくとも270℃、好ましくは少なくとも290℃、より好ましくは少なくとも310℃の沸点を有する、請求項1に記載のプロセス。
  3. ケトンK1の沸点とケトンK2の沸点との間の差は、40℃以下、好ましくは10℃以下、より好ましくは3℃以下である、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 触媒反応は、均一触媒反応であり、すなわち、反応条件において、中間金属カルボキシレート塩は、脂肪酸またはその誘導体と金属化合物との間の初期反応を通して形成され、および中間塩は、反応媒体に実質的に可溶である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 金属化合物は、FeO、FeまたはFeなどの酸化鉄から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 反応中に形成される水は、反応媒体から連続的に除去される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 反応媒体は、第3の溶媒を実質的に含まない、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物対金属のモル比は、6:1〜99:1の範囲である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. ケトンK2は、ケトンK1と同一であり、導入されるケトンK2は、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の脱炭酸的ケトン化反応によってケトンK1を合成するための以前のプロセスPに由来する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物は、脂肪酸または脂肪酸誘導体の全量を基準として少なくとも10モル%の、8〜12個の炭素原子を有する脂肪酸または8〜12個の炭素原子を有する脂肪酸の誘導体を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. 脂肪酸は、出発材料として使用され、および脂肪酸は、少なくとも10個の炭素原子を有する少なくとも1つのカルボン酸であり、かつ好ましくは、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、パルミトレイン酸、リシノール酸、タリリン酸、サンタルビン酸およびそれらの混合物から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. カプリン酸またはラウリン酸などの1つおよび1つのみの脂肪酸は、出発材料として使用される、請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 反応媒体は、好ましくは、脂肪酸および脂肪酸誘導体の完全転化ならびに任意選択的に形成される中間金属塩の消失まで、270℃〜400℃の範囲の温度に維持される、請求項1〜12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. a)ケトンK1を合成するために、液体状態のケトンK2の少なくとも一部、金属化合物の少なくとも一部、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の少なくとも一部を任意の順番で反応器に導入するステップであって、前記反応器は、前記導入前に、金属化合物の一部、ならびに/または脂肪酸、脂肪酸誘導体もしくはそれらの混合物の一部、ならびに/またはケトンK2の一部および/もしくはケトンK1の一部を任意選択的に含有する、ステップ、
    b)任意選択的にケトンK2と一緒に、好ましくはケトンK2と一緒にケトンK1を回収するステップ、
    c)任意選択的に、ケトンK1および/もしくはケトンK2の少なくとも一部ならびに/または金属化合物の少なくとも一部をステップa)にリサイクルするステップ
    を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のプロセス。
  15. ステップa)は、
    a1)液体状態のケトンK2の少なくとも一部および金属化合物の少なくとも一部を反応器に導入するステップであって、前記反応器は、前記導入前に、金属化合物の一部、ならびに/または脂肪酸、脂肪酸誘導体もしくはそれらの混合物の一部、ならびに/またはケトンK2の一部および/もしくはケトンK1の一部を任意選択的に含有し、および前記反応器は、好ましくは、脂肪酸および脂肪酸誘導体を実質的に含まない、ステップ、
    a2)脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物の少なくとも一部を反応器に、任意選択的に、
    − 金属化合物の一部、および/または
    − ケトンK2の一部、および/または
    − ケトンK1を形成するための分解前に金属化合物と脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体とを反応させることによって得られる中間金属カルボキシレート塩の一部
    とともに導入するステップ
    を含む、請求項14に記載のプロセス。
  16. ステップa)において、脂肪酸、脂肪酸誘導体またはそれらの混合物は、反応器に順次または連続的に導入される、請求項14または15に記載のプロセス。
  17. ツインテール構造を有する最終化合物の調製のための、請求項1〜16のいずれか一項に記載のプロセスによって合成される内部ケトンK1の使用。
  18. ジェミニ構造を有する最終化合物の調製のための、請求項1〜16のいずれか一項に記載のプロセスによって合成される内部ケトンK1の使用。
  19. 最終化合物は、界面活性剤である、請求項17または18に記載の使用。
  20. 内部ケトンK1から化合物を調製する方法Mであって、
    ・請求項1〜16のいずれか一項に記載のプロセスPによって内部ケトンK1を合成するステップと、
    ・内部ケトンK1以外の少なくとも1つの試薬を含む単一または多重化学反応スキームに従って内部ケトンK1を反応させるステップであって、化学反応スキームの少なくとも1つの生成物は、別の化合物にさらに化学的に転化させられない最終化合物である、ステップと
    を含む方法M。
  21. 内部ケトンK1は、アンモニア、第一級または第二級アミン、少なくとも1つのアルデヒドとアンモニアまたは少なくとも1つの第一級もしくは第二級アミンとの混合物から選択される少なくとも1つの試薬およびアルキル化剤と直接反応させられる、請求項20に記載の方法。
  22. 最終化合物は、ツインテール第一級、第二級または第三級アミン、ツインテール第三級アミンであって、それ自体が1つまたは2つの第一級、第二級または第三級アミノ基によって置換されている、ツインテール第三級アミン、内部ケトンモノアミンおよびアミンジェミニ化合物(典型的には中心カルボニル基を有する)などの内部ケトンジアミンから選択される、請求項20または21に記載の方法。
  23. 最終化合物は、(ポリ)アミノカルボキシレートツインテールアミン、ツインテール第四級アンモニウム塩、内部ケトンモノ第四級アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩ジェミニ化合物(典型的には中心カルボニル基を有する)などの内部ケトンジ第四級アンモニウム塩、アミンオキシドツインテールアミン、アミンオキシドジェミニ化合物(典型的には中心カルボニル基を有する)、ジベタインまたはジスルタインツインテールアミンおよびベタインまたはスルタインジェミニ化合物(典型的には中心カルボニル基を有する)から選択される、請求項20または21に記載の方法。
  24. 内部ケトンK1は、酒石酸から誘導されるジエステル、フェノールおよび他の芳香族モノまたはポリアルコール、ホルムアルデヒド、ペンタエリスリトール、アクリレート誘導体ならびに水素から選択される少なくとも1つの試薬と直接反応させられる、請求項20に記載の方法。
  25. 最終化合物は、ジカルボキシレート塩誘導体、ジェミニ構造を有する非イオン界面活性剤およびエチレン性不飽和モノマーから選択される、請求項20または24に記載の方法。
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