本発明の開示において、上記の目的の1つまたは複数に対処するか、または以下の開示ならびに例示的な実施形態の説明から明らかな目的に対処する、実施形態および態様が説明される。
本開示は、計画アドヒアランスへのどの改善が血糖値に有利に影響を及ぼすかを決定するための基礎として、処方されたインスリン薬剤投薬量計画への周期的な非アドヒアランスを識別する際に患者および医療従事者を支援するための方法および装置を提供することによって、当技術分野における上記で識別された必要性に対処する。
本開示のシステムおよび方法を使用して、患者または医療従事者は、どの形態の計画非アドヒアランスが血糖値に最も悪影響を与えるかを決定することができる。たとえば、本開示のシステムおよび方法を使用して、非コンプライアンスの周期的なパターン、ならびにそれらが安定した血糖値に及ぼす影響が解明され得る。
本開示の一態様では、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを経時的に監視するためのシステムおよび方法が提供される。第1のデータセットはデバイスにおいて取得される。第1のデータセットは、対象者が関与した複数の代謝事象を備える。複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象は、(i)それぞれの代謝事象のタイムスタンプと、(ii)インスリン計画アドヒアランスおよびインスリン計画非アドヒアランスのうちの1つである第1の分類とを備える。
複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象は、それぞれの代謝事象のタイムスタンプに基づいて、第2の分類を使用して分類される。第2の分類は、時間的周期性によって特徴付けられ、複数の周期的要素を含む。第2の分類に従って分類されると、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象は第2の分類に基づいてビニングされ、それによって、複数の代謝事象の複数のサブセットを取得する。複数のサブセットにおける複数の代謝事象のそれぞれのサブセットは、複数の周期的要素における異なる周期的要素に対するものである。
複数のサブセットにおけるそれぞれのサブセットごとに、処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスのそれぞれの表現が通信される。所与のサブセットに対するアドヒアランスのそれぞれの表現は、それぞれのサブセットにおける代謝事象の第1の分類に集合的に基づく。このようにして、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスが経時的に監視される。
これによって、対象者が実際に関わっている代謝事象に基づいてアドヒアランス監視を確立し、それによって、ユーザの行動が必ず予想に従うわけではないというリスクを排除する、システムおよび方法が提供される。本システムおよび方法は、時間内に明確に定義された、かつ信頼性のある基準点に基づいて周期的なアドヒアランスまたは非アドヒアランスの追跡をいかに体系的に可能にするかという問題を解決する。データセットは、対象者が関与した代謝事象のみを備えるので、システムおよび方法は、ユーザの応答に対する入力に依存せず、それによって先行技術の問題を解決する。データセットは代謝事象ごとにタイムスタンプを備えるので、アドヒアランスに関与している対象者は高度の不確実性で監視される。対象者がアドヒアランスを監視する目的で実際に関与している代謝事象を備えるデータの使用は、以前には使用も記載もされておらず、監視されるアドヒアランスの不確実性を最小限に抑えるためにそのようなデータを使用することの重要性もない。
さらなる態様では、代謝事象のタイムスタンプは、代謝事象の指標の自律的タイムスタンプ付き測定値から導出される。
さらなる態様では、代謝事象のタイムスタンプは、自律的タイムスタンプ付きグルコース測定値から導出され、グルコース測定値は代謝事象の指標であり、すなわち、グルコース測定値は血流中のグルコース濃度の測定値である。
さらなる態様では、代謝事象のタイムスタンプは、自律的タイムスタンプ付きグルカゴン、脂質、またはアミノ酸の測定値から導出され、グルカゴン、脂質、またはアミノ酸の測定値は代謝事象の指標であり、すなわち、測定値は血流中のそれぞれの分子の濃度の測定値である。
さらなる態様では、自律的測定値は、測定デバイスによって取得される測定値であり、測定は、ユーザの外部制御なしに着手または実行される。これによって、対象者またはデバイスのオペレータによって制御される入力に依存しないデータが提供される。
さらなる態様では、自律的測定値は、指定されたまたは可変の周波数で測定するデバイスによって取得される測定値である。
いくつかの実施形態では、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象は複数の週にわたる時間期間内にあり、時間的周期性は毎週であり、複数の代謝事象における各周期的要素はその週の7日間のうちの異なる日である。いくつかのそのような実施形態では、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象は絶食事象であり、インスリン薬剤投薬量計画は基礎インスリン薬剤投薬量計画である。
他の実施形態では、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象は、複数の日にわたる時間期間内にあり、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象は食事事象であり、インスリン薬剤投薬量計画は、ボーラスインスリン薬剤投薬量計画である。いくつかのそのような実施形態では、時間的周期性は毎日であり、複数の周期的要素における各周期的要素は「朝食」、「昼食」、および「夕食」のうちの異なる1つである。他の実施形態では、時間的周期性は毎週であり、複数の周期的要素における各周期的要素は、21個の暦付きの毎週の食事のセットにおける異なる食事を表す。
いくつかの実施形態では、複数のサブセットにおけるそれぞれのサブセットごとのアドヒアランスのそれぞれの表現は、複数の回転を備える連続二次元スパイラルタイムラインとして集合的に表される。このスパイラルタイムラインは複数のラジアルセクタを備え、複数の回転における各回転は時間的周期性の期間を表す。さらに、複数のラジアルセクタにおける各ラジアルセクタには、複数のサブセットにおける対応するサブセットが一意に割り当てられる。
いくつかの実施形態では、複数のアドヒアランス値におけるそれぞれのアドヒアランス値は、複数のタイムウィンドウにおける対応するタイムウィンドウを表す。さらに、複数のタイムウィンドウにおけるそれぞれのタイムウィンドウは、同じ第1の固定された持続時間のタイムウィンドウである。そのような実施形態では、複数のアドヒアランス値におけるそれぞれのアドヒアランス値は、インスリン計画アドヒアランス代謝事象の数を、それぞれのアドヒアランス値に対応するタイムウィンドウにおけるタイムスタンプを有する複数の代謝事象における代謝事象の総数で割ることによって計算される。さらに、複数のアドヒアランス値におけるそれぞれのアドヒアランス値は、それぞれのアドヒアランス値によって表される時間期間に基づいて、複数のラジアルセクタにおけるそれぞれのラジアルセクタに割り当てられ、それによって、複数のサブセットにおけるそれぞれのサブセットごとに、処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスのそれぞれの表現を形成する。いくつかのそのような実施形態では、二次元スパイラルタイムラインにおけるそれぞれのアドヒアランス値は、それぞれのアドヒアランス値の絶対値の関数として色分けされている。いくつかのそのような実施形態では、連続二次元スパイラルはアルキメデススパイラルまたは対数スパイラルである。
いくつかの実施形態では、上記で識別された方法のうちのいずれか1つを実行するために使用されるデバイスはディスプレイを含み、ディスプレイ上に処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスのそれぞれの表現を提示する。いくつかのそのような実施形態では、デバイスはモバイルデバイスである。
さらなる態様では、第2のデータセットが取得される。第2のデータセットは、対象者の複数の自律的グルコース測定値と、複数の自律的グルコース測定値におけるそれぞれの自律的グルコース測定値ごとに、それぞれの測定がいつ行われたかを表すタイムスタンプとを備える。
いくつかの実施形態では、複数の自律グルコース測定値におけるそれぞれの自律グルコース測定値は、それぞれの自律的グルコース測定値のタイムスタンプに基づいて、第2の分類を使用して分類される。さらに、複数のサブセットにおけるそれぞれのサブセットは、それぞれのサブセットが表す複数の周期的要素における同じ周期的要素に分類された複数の自律的グルコース測定値における自律的グルコース測定値のそれらの値で通信される。いくつかのそのような実施形態では、デバイスはワイヤレス受信機をさらに備え、第2のデータセットは対象者に取り付けられたグルコースセンサからワイヤレスで取得される。
さらなる態様では、本方法は、インスリン薬剤投薬量計画を適用するために対象者によって使用される1つまたは複数のインスリンペンから第3のデータセットを取得することであって、第3のデータセットは、複数のインスリン薬剤記録を備え、複数の薬剤記録における各インスリン薬剤記録は、(i)1つまたは複数のインスリンペンにおけるそれぞれのインスリンペンを使用して対象者に注射されたインスリン薬剤の量を含む、それぞれのインスリン薬剤注射事象と、(ii)それぞれのインスリン薬剤注射事象が発生すると、それぞれのインスリンペンによって自動的に生成される、対応する電子タイムスタンプとを備える、ことと、対象者の複数の自律的グルコース測定値と第2のデータセット内のそれぞれのタイムスタンプとを使用して複数の代謝事象を識別することと、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象に第1の特徴付けを適用することとを備え、第1の特徴付けは、インスリン計画アドヒアランスおよびインスリン計画非アドヒアランスのうちの1つであり、第2のデータセットが、それぞれの代謝事象の間に、インスリン薬剤投薬量計画を時間的および量的にアドヒアランスすることを確立する1つまたは複数の薬剤記録を含む場合、それぞれの代謝事象は基礎計画アドヒアランスと見なされ、第2のデータセットが、インスリン薬剤投薬量計画を時間的および量的にアドヒアランスすることを確立する1つまたは複数の薬剤記録を含まない場合、それぞれの代謝事象はインスリン計画非アドヒアランスと見なされる。
さらなる態様では、本方法は、インスリン薬剤投薬量計画を適用するために対象者によって使用される1つまたは複数のインスリンペンから第3のデータセットを取得することであって、第3のデータセットは、複数のインスリン薬剤記録を備え、複数の薬剤記録における各インスリン薬剤記録は、(i)1つまたは複数のインスリンペンにおけるそれぞれのインスリンペンを使用して対象者に注射されたインスリン薬剤の量を含む、それぞれのインスリン薬剤注射事象と、(ii)それぞれのインスリン薬剤注射事象が発生すると、それぞれのインスリンペンによって自動的に生成される、対応する電子タイムスタンプとを備える、ことと、対象者の複数の自律的グルコース測定値と第2のデータセット内のそれぞれのタイムスタンプとを使用して複数の絶食事象を識別することと、複数の絶食事象におけるそれぞれの絶食事象に第1の分類を適用することとを備え、第1の分類は、インスリン計画アドヒアランスおよびインスリン計画非アドヒアランスのうちの1つであり、第2のデータセットが、それぞれの絶食事象の間に、インスリン薬剤投薬量計画を時間的および量的にアドヒアランスすることを確立する1つまたは複数の薬剤記録を含む場合、それぞれの絶食事象は基礎計画アドヒアランスと見なされ、第2のデータセットが、それぞれの絶食事象の間に、インスリン薬剤投薬量計画を時間的および量的にアドヒアランスすることを確立する1つまたは複数の薬剤記録を含まない場合、それぞれの絶食事象はインスリン計画非アドヒアランスと見なされる。
さらなる態様では、薬剤記録は、インスリン薬剤の種類をさらに備え、それぞれの絶食事事象は、複数の薬剤記録のうちの1つまたは複数の薬剤記録が第3のデータセットにおいて、インスリン薬剤の種類に基づいて、それぞれの絶食事象の間、常用インスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスをさらに示す場合、インスリン計画アドヒアランスであると見なされ、それぞれの絶食事事象は、第3のデータセット内の複数の薬剤記録が第3のデータセットにおいて、インスリン薬剤の種類に基づいて、それぞれの絶食時期間の間、インスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスをさらに示さない場合、インスリン計画非アドヒアランスであると見なされる。
さらなる態様では、インスリン計画アドヒアランスは基礎計画アドヒアランスと定義され、インスリン計画非アドヒアランスは基礎計画非アドヒアランスと定義される。
さらなる態様では、本方法は、インスリン薬剤投薬量計画を適用するために対象者によって使用される1つまたは複数のインスリンペンから第3のデータセットを取得することであって、第3のデータセットは、複数のインスリン薬剤記録を備え、複数の薬剤記録における各インスリン薬剤記録は、(i)1つまたは複数のインスリンペンにおけるそれぞれのインスリンペンを使用して対象者に注射されたインスリン薬剤の量を含む、それぞれのインスリン薬剤注射事象と、(ii)それぞれのインスリン薬剤注射事象が発生すると、それぞれのインスリンペンによって自動的に生成される、対応する電子タイムスタンプとを備える、ことを備え、本方法は、複数の自律的グルコース測定値と、対応する第2のデータセット内のそれぞれのタイムスタンプとを使用して複数の食事事象を識別することと、複数の食事事象におけるそれぞれの食事事象に第1の分類を適用することとをさらに備え、第1の分類は、インスリン計画アドヒアランスおよびインスリン計画非アドヒアランスのうちの1つであり、それぞれの食事事象は、それぞれの食事の間に、複数の薬剤記録のうちの1つまたは複数の薬剤記録が、第3のデータセットにおいて時間的に、量的に、インスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを示す場合、インスリン計画アドヒアランスと見なされ、それぞれの食事事象は、それぞれの食事の間に、第3のデータセット内の複数の薬剤記録が、第3のデータセットにおいて時間的に、量的に、インスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを示さない場合、インスリン計画非アドヒアランスと見なされる。
さらなる態様では、薬剤記録はインスリン薬剤の種類をさらに備え、それぞれの食事事象は、それぞれの食事の間に、複数の薬剤記録のうちの1つまたは複数の薬剤記録が、第3のデータセットにおいて、インスリン薬剤の種類に基づいて、インスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスをさらに示す場合、インスリン計画アドヒアランスと見なされ、それぞれの食事事象は、それぞれの食事の間に、第3のデータセット内の複数の薬剤記録が、インスリン薬剤の種類に基づいて、インスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスをさらに示さない場合、インスリン計画非アドヒアランスと見なされる。
さらなる態様では、インスリン計画アドヒアランスはボーラス計画アドヒアランスとして定義され、インスリン計画非アドヒアランスはボーラス計画非アドヒアランスとして定義される。
さらなる態様では、代謝事象は、咀嚼または嚥下などの代謝事象を示す身体機能に関する測定から自動的に取得される。強度に応じて、咀嚼または嚥下は食事事象の徴候であり得る。
さらなる態様では、代謝事象は本質的にタイムスタンプ付きであり、すなわち、代謝事象のタイムスタンプは代謝事象の発生の直接の結果であり、タイムスタンプはこの発生に応答して取得される。
これにより、対象者が関与している代謝事象に関してアドヒアランスが監視されることを確実にするシステムが提供され、代謝事象がタイムスタンプされるときに、明確に定義された参照が時間内に提供され、タイムスタンプを利用するためのアドヒアランスの分類を可能にする。
さらなる態様では、それぞれの代謝事象に関連するタイムスタンプは、代謝事象がインスリン計画アドヒアランスか、またはインスリン計画非アドヒアランスかを決定するための出発点として使用される。
さらなる態様では、代謝事象が絶食事象である場合、絶食事象は対象者の自律的タイムスタンプ付きグルコース測定値を使用して識別される。
さらなる態様では、代謝事象が食事事象である場合、食事事象は自律的タイムスタンプ付きグルコース測定値を使用して識別される。
さらなる態様では、代謝事象は薬剤計画において定義されている代謝事象であり得、対象者の代謝状態に関連する事象の指標を連続的に測定するデバイスから自動的に識別され得、それによって、デバイスは、代謝事象がタイムスタンプされ、そして計画アドヒアランスまたは計画非アドヒアランスとして、薬剤計画に関して分類されることを可能にする。たとえば、薬剤計画に従って定義される代謝事象は食事事象であり得、薬剤計画は、この事象に関するグルコース測定値に基づいてボーラスインスリンが投与されるべきであると決定し、または、それは絶食事象であってもよく、薬剤計画は基礎インスリンがこの事象に関連するグルコース測定値に基づいて投与されるべきであると決定する。
さらなる態様では、本方法は、複数の一次アドヒアランス値を計算することをさらに備え、複数の一次アドヒアランス値におけるそれぞれの一次アドヒアランス値は、複数の周期的要素における対応する周期的要素を表し、複数の一次アドヒアランス値におけるそれぞれの一次アドヒアランス値は、それぞれのサブセットにおけるインスリン計画アドヒアランス代謝事象の数を、それぞれの周期的要素に対応するそれぞれのサブセットにおける代謝事象の総数で割ることによって計算され、複数のサブセットにおけるそれぞれのサブセットごとのアドヒアランスのそれぞれの表現は、対応する一次アドヒアランス値として集合的に表現される。
本開示の別の態様は、対象者の処方されたインスリン計画へのアドヒアランスを監視する方法を提供する。本方法は、第1のデータセットを取得することを備える。第1のデータセットは、対象者が関与した複数の代謝事象を備える。複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象は、(i)それぞれの代謝事象のタイムスタンプと、(ii)インスリン計画アドヒアランスおよびインスリン計画非アドヒアランスのうちの1つである第1の分類とを備える。複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象は、それぞれの代謝事象のタイムスタンプに基づいて、第2の分類を使用して分類される。第2の分類は、時間的周期性によって特徴付けられ、複数の周期的要素を含む。複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象は第2の分類に基づいてビニングされ、それによって、複数の代謝事象の複数のサブセットを取得する。複数のサブセットにおける複数の代謝事象のそれぞれのサブセットは、複数の周期的要素における異なる周期的要素に対するものである。複数のサブセットにおけるそれぞれのサブセットごとに、処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスのそれぞれの表現が通信される。アドヒアランスのそれぞれの表現は、それぞれのサブセットにおける代謝事象の第1の分類に集合的に基づく。このようにして、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスが経時的に監視される。
本開示の別の態様では、1つまたは複数のプロセッサによって遂行されると、
第1のデータセットを取得することであって、第1のデータセットが、対象者が関与した複数の代謝事象を備え、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象は、(i)それぞれの代謝事象のタイムスタンプと、(ii)インスリン計画アドヒアランスおよびインスリン計画非アドヒアランスのうちの1つである第1の分類とを備える、ことと、
複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象を、それぞれの代謝事象のタイムスタンプに基づいて、第2の分類を使用して分類することであって、第2の分類が時間的周期性によって特徴付けられ、複数の周期的要素を含む、ことと、
複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象を第2の分類に基づいてビニングし、それによって、複数の代謝事象の複数のサブセットを取得することであって、複数のサブセットにおける複数の代謝事象のそれぞれのサブセットは、複数の周期的要素における異なる周期的要素に対するものである、ことと、
複数のサブセットにおけるそれぞれのサブセットごとに、処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスのそれぞれの表現を通信することであって、アドヒアランスのそれぞれの表現が、それぞれのサブセットにおける代謝事象の第1の分類に集合的に基づき、それによって、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを経時的に監視する、こととを備える方法を遂行する命令を備えるコンピュータプログラムが提供される。
さらなる態様では、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読データキャリアが提供される。
図面のいくつかの図を通して、同じ参照番号は対応する部分を指す。
本開示は、ある期間にわたって関与している対象者の、絶食事象または食事などの複数の代謝事象に関するデータの取得に依存する。そのような代謝事象ごとに、データは、タイムスタンプと、インスリン計画アドヒアランスまたはインスリン計画非アドヒアランスのいずれかである代謝事象の分類とを含む。図1はそのようなデータを取得するための統合システム502の一例を示し、図5はそのようなシステム502のさらなる詳細を提供する。統合システム502は、1つまたは複数の接続されたインスリンペンまたはポンプ104、1つまたは複数の連続グルコースモニタ102、メモリ506、および対象者の自律的グルコースデータのアルゴリズムカテゴリ化を実行するためのプロセッサ(図示せず)を含む。
代謝事象は代謝に関する事象であり、原形質の構築および破壊におけるプロセス、たとえば、重要なプロセスおよび活動のためにエネルギーが提供され、新しい物質が同化される、すなわち栄養として利用される、生細胞における化学変化の合計である。
生体内の代謝は様々な状態で定義され得、吸収状態、または摂食状態は、身体が食べ物を消化し栄養分を吸収しているときの食事の後に発生する。食べ物はその構成部分に分解されて腸を通じて吸収されるため、食べ物が口に入った瞬間に消化が始まる。炭水化物の消化は口の中から始まるが、タンパク質や脂肪の消化は胃や小腸の中から始まる。これらの炭水化物、脂肪、およびタンパク質の構成部分は腸壁を横切って運ばれ、そして血流(糖およびアミノ酸)またはリンパ系(脂肪)に入る。これらのシステムは、それらを腸から、エネルギーを処理して使用するか、または貯蔵する肝臓、脂肪組織、または筋肉細胞に運ぶ。吸収状態では、グルコース、脂質、アミノ酸が血流に入り、インスリンが放出されることがある(糖尿病の状態や種類などの他の症状によって異なる)。吸収後状態、または絶食状態は、食べ物が消化され、吸収され、そして貯蔵されたときに発生する。人は通常一晩中断食するが、日中に食事をとばすこともまた人の体を吸収後状態にする。この状態の間、体は最初に、貯蔵されたグリコーゲンに依存しなければならない。血糖値は、それが細胞によって吸収され使用されるにつれて低下し始める。グルコースの減少に応答して、インスリンレベルも低下する。グリコーゲンおよびトリグリセリドの貯蔵は遅くなる。しかしながら、組織や臓器の要求により、血糖値は80〜120mg/dLの正常範囲に維持される必要がある。血糖濃度の低下に応答して、ホルモングルカゴンが膵臓のアルファ細胞から放出される。グルカゴンは肝細胞に作用し、そこでグリコーゲンの合成を阻害し、貯蔵されたグリコーゲンのグルコースへの分解を促進する。このグルコースは、末梢組織と脳によって使用されるために肝臓から放出される。その結果、血糖値は上昇し始める。糖新生は、末梢組織によって使用されてきたグルコースに取って代わるために、肝臓でも始まる。さらなる情報は、OpenStax College,Anatomy and Physiologyにおいて見つけられる。OpenStax CNX.http://cnx.org/contents/14fb4ad7−39a1−4eee−ab6e−3ef2482e3e22@8.81.
したがって、代謝事象は、ある代謝状態が発生する事象に関連し得、その発生は事象の指標の濃度を測定することによって検出され得る。代謝事象は状態の種類および状態の進行の指標となり、代謝事象の指標は血流中のグルコース、グルカゴン、脂質、およびアミノ酸の濃度であり得る。他のホルモンもコルチゾールやアドレナリンのなどの代謝に関連する事象を決定する際に役立つ可能性がある。
自律的測定値、または自律的データは、指定されたまたは可変の周波数で測定するデバイスによって取得される測定値またはデータであり、測定は、外部制御なしに着手または実行され、たとえば、デバイスが測定モードで動作しているとき、測定は、デバイスを使用している対象者からの制御なしに実行され得る。
図5を参照すると、統合システム502を用いて、対象者の自律的タイムスタンプ付きグルコース測定値が取得される(520)。また、処方されたインスリン計画を対象者に適用するために使用される1つまたは複数のインスリンペンおよび/またはポンプからのデータが複数の記録として取得される(540)。各記録は、処方されたインスリン薬剤投薬量計画の一部として対象者が受け取った、注射された(または、ポンプされた)インスリン薬剤の量を指定するタイムスタンプ付き事象を備える。絶食事象は対象者の自律的タイムスタンプ付きグルコース測定値を使用して識別される。任意で、食事事象も自律的タイムスタンプ付きグルコース測定値502を使用して識別される。このようにして、グルコース測定値がフィルタリングされ(504)、非一時的メモリ(506)に記憶される。
代謝事象はアドヒアランスまたは非アドヒアランスとして特徴付けられる。代謝事象は、1つまたは複数の接続されたインスリンペンまたはポンプ104からの1つまたは複数の記録が、処方されたインスリン薬剤計画へのアドヒアランスを時間的および量的に確立する場合、アドヒアランスである。逆に、代謝事象は、1つまたは複数の接続されたインスリンペンまたはポンプ104からの記録のいずれもが、処方された基礎インスリン薬剤計画へのアドヒアランスを時間的および量的に確立しない場合、非アドヒアランスとして特徴付けられる。
各絶食事象は、アドヒアランスまたは非アドヒアランスとして分類される(508)。絶食事象は、絶食事象中に、1つまたは複数の接続されたインスリンペンまたはポンプ104からの1つまたは複数の記録が、処方された基礎インスリン薬剤計画へのアドヒアランスを時間的および量的に確立する場合、アドヒアランスである。逆に、絶食事象は、1つまたは複数の接続されたインスリンペンまたはポンプ104からの記録のいずれもが、処方された基礎インスリン薬剤計画へのアドヒアランスを時間的および量的に確立しない場合、非アドヒアランスとして分類される。
それぞれの食事は、それぞれの食事中に、1つまたは複数の薬剤記録が、時間的に、量的に、およびインスリン薬剤の種類的に、処方されたボーラスインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを示す場合、ボーラス計画アドヒアランスと見なされる。逆に、それぞれの食事は、それぞれの食事中に、複数の薬剤記録が、時間的に、量的に、およびインスリン薬剤の種類的に、処方されたボーラスインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを示さない場合、ボーラス計画非アドヒアランスと見なされる。
このフィルタリングされカタログ化されたグルコースデータは、本開示の方法に従って分析され視覚化される(510)。そのような視覚化により、時間的なインスリン計画アドヒアランスパターン、ならびに血糖値およびHbA1cレベルなどの重要な対象者のバイオマーカーに対するそれらの影響を対象者または医療従事者が識別することが可能になる。
次に実施形態を詳細に参照するが、その例は添付の図面に示されている。以下の詳細な説明において、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が述べられている。しかしながら、本開示がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは当業者には明らかであろう。他の例では、よく知られている方法、手順、構成要素、回路、およびネットワークは、実施形態の態様を不必要に曖昧にしないように詳細には説明されていない。
また、第1の、第2の、などの用語は、様々な要素を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことも理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用されている。たとえば、本開示の範囲から逸脱することなしに、第1の対象者を第2の対象者と呼ぶことができ、同様に、第2の対象者を第1の対象者と呼ぶことができる。第1の対象者および第2の対象者はどちらも対象者であるが、それらは同じ対象者ではない。さらに、「対象者」および「ユーザ」という用語は、本明細書では互換的に使用される。インスリンペンという用語は、個別のインスリンの投与量を適用するために適した注射デバイスを意味し、注射デバイスは、投与量関連データを記録および通信するように適合されている。
本開示において使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することが意図されるものではない。本発明の説明および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連付けられる列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる可能な組合せを指し、それらを包含するということも理解されよう。「備える」および/または「備えている」という用語は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されよう
本明細書で使用される、「場合」という用語は、文脈に応じて、「とき」または「すると」または「決定に応じて」または「検出に応じて」を意味すると解釈され得る。同様に、「決定された場合」または「[述べられた条件またはイベント]が検出された場合」という語句は、文脈に応じて、「決定すると」または「決定に応じて」または「[述べられた条件またはイベント]を検出すると」または「[述べられた条件またはイベント]の検出に応じて」を意味すると解釈され得る。
本開示による、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画206へのアドヒアランスを経時的に監視するためのシステム48の詳細な説明は、図1〜図3に関連して説明される。このように、図1から図3は、本開示によるシステムのトポロジを集合的に示している。トポロジには、処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを監視するためのデバイス(「モニタデバイス250」)(図1、図2、および図3)、計画アドヒアランスを評価するためのデバイス(「アドヒアランスデバイス200」)対象者に関連付けられる1つまたは複数のグルコースセンサ102(図1)、およびインスリン薬剤を対象者に注射するための1つまたは複数のインスリンペンまたはポンプ104(図1)がある。本開示を通して、アドヒアランスデバイス200およびモニタデバイス250は、明確さの目的のためだけに別個のデバイスとして参照される。すなわち、アドヒアランスデバイス200の開示された機能とモニタデバイス250の開示された機能とは、図1に示されるように別個のデバイスに含有される。しかしながら、実際には、いくつかの実施形態では、アドヒアランスデバイス200の開示された機能とモニタデバイス250の開示された機能とは単一のデバイスに含有されることが理解されるであろう。
図1を参照すると、モニタデバイス250は、対象者に処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを監視する。これを行うために、モニタデバイス250と電気的に連絡しているアドヒアランスデバイス200は、継続的に対象者に取り付けられた1つまたは複数のグルコースセンサ102から生じる自律的グルコース測定値を受信する。さらに、アドヒアランスデバイス200は、インスリン薬剤を注射するために対象者によって使用される1つまたは複数のインスリンペンおよび/またはポンプ104からインスリン薬剤注射データを受信する。いくつかの実施形態では、アドヒアランスデバイス200は、対象者によって使用されるグルコースセンサ102およびインスリンペンおよび/またはポンプ104からそのようなデータを直接受信する。たとえば、いくつかの実施形態では、アドヒアランスデバイス200は無線周波数信号を通じてこのデータをワイヤレスで受信する。いくつかの実施形態では、そのような信号は、802.11(WiFi)、Bluetooth、またはZigbee規格に準拠している。いくつかの実施形態では、アドヒアランスデバイス200は、そのようなデータを直接受信し、データ内の代謝事象を計画アドヒアランスまたは計画非アドヒアランスとして特徴付けまたは分類し、分類されたデータをモニタデバイス250に渡す。いくつかの実施形態では、グルコースセンサ102および/またはインスリンペン/ポンプはRFIDタグを含み、RFID通信を使用してアドヒアランスデバイス200および/またはモニタデバイス250と通信する。
いくつかの実施形態では、アドヒアランスデバイス200および/またはモニタデバイス250は、対象者に近接していないか、かつ/もしくはワイヤレス機能を持たないか、またはそのようなワイヤレス機能は、グルコースデータおよびインスリン薬剤注射データを取得する目的では使用されない。そのような実施形態では、グルコース測定値をグルコースセンサ102からアドヒアランスデバイス200に、および1つまたは複数のインスリンペンまたはポンプ104からアドヒアランスデバイス200に通信するために、通信ネットワーク106が使用され得る。
ネットワーク106の例は、これらに限定されないが、ワールドワイドウェブ(WWW)、セルラー電話ネットワークなどのイントラネットおよび/またはワイヤレスネットワーク、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(LAN)、および/またはメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ならびにワイヤレス通信による他のデバイスを含む。ワイヤレス通信は、任意で、これらに限定されないが、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)、拡張データGSM環境(EDGE)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、エボリューションデータオンリー(EV−DO)、HSPA、HSPA+、デュアルセルHSPA(DC−HSPDA)、ロングタームエボリューション(LTE)、近距離無線通信(NFC)、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Bluetooth、ワイヤレスフィデリティ(Wi−Fi)(たとえば、IEEE 802.11a、IEEE 802.11ac、IEEE 802.11ax、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、および/またはIEEE 802.11n)、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)、Wi−MAX、電子メール用のプロトコル(たとえば、インターネットメッセージアクセスプロトコル(IMAP)および/またはポストオフィスプロトコル(POP))、インスタントメッセージング(たとえば、拡張メッセージングおよびプレゼンスプロトコル(XMPP)、インスタントメッセージングおよびプレゼンス利用拡張向けセッション開始プロトコル(SIMPLE)、インスタントメッセージングおよびプレゼンスサービス(IMPS))、および/もしくはショートメッセージサービス(SMS)、または本開示の出願日の時点でまだ開発されていない通信プロトコルを含む任意の他の適切な通信プロトコルを含む、複数の通信規格、プロトコル、および技術のいずれかを使用する。
いくつかの実施形態では、対象者には単一のグルコースセンサが取り付けられており、アドヒアランスデバイス200および/またはモニタデバイス250はグルコースセンサ102の一部である。すなわち、いくつかの実施形態では、アドヒアランスデバイス200および/またはモニタデバイス250ならびにグルコースセンサ102は単一のデバイスである。
いくつかの実施形態では、アドヒアランスデバイス200および/またはモニタデバイス250はインスリンペンまたはポンプ104の一部である。すなわち、いくつかの実施形態では、アドヒアランスデバイス200および/またはモニタデバイス250、ならびにインスリンペンまたはポンプ104は単一のデバイスである。
もちろん、システム48の他のトポロジも可能である。たとえば、通信ネットワーク106に依存するのではなく、1つまたは複数のグルコースセンサ102ならびに1つまたは複数のインスリンペンおよび/またはポンプ104は、情報をアドヒアランスデバイス200および/またはモニタデバイス250に直接ワイヤレスで送信し得る。さらに、アドヒアランスデバイス200および/またはモニタデバイス250は、ポータブル電子デバイス、サーバコンピュータを構成してもよく、または、実際には、ネットワーク内で互いにリンクされているかもしくはクラウドコンピューティングのコンテキストにおける仮想マシンであるいくつかのコンピュータを構成してもよい。このように、図1に示される例示的なトポロジは、当業者には容易に理解されるように本開示の実施形態の特徴を説明するために役立つにすぎない。
図2を参照すると、典型的な実施形態では、モニタデバイス250は1つまたは複数のコンピュータを備える。図2における説明の目的のために、モニタデバイス250は、処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを監視するための機能性のすべてを含む単一のコンピュータとして表されている。しかしながら、本開示はそのように限定されない。処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを監視するための機能性は、任意の数のネットワーク化されたコンピュータにわたって広がってもよく、かつ/またはいくつかのネットワーク化されたコンピュータの各々に存在してもよく、かつ/または通信ネットワーク106を介してアクセス可能な遠隔地において1つまたは複数の仮想マシン上でホストされてもよい。当業者であれば、用途に対して多様な異なるコンピュータトポロジが可能であり、そのようなトポロジはすべて本開示の範囲内であることを理解するであろう。
前述のことを念頭に置いて図2に目を向けると、処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを監視するための例示的なモニタデバイス250は、1つまたは複数の処理ユニット(CPU)274、ネットワークまたは他の通信インターフェース284、メモリ192(たとえば、ランダムアクセスメモリ)、1つまたは複数のコントローラ288によって任意にアクセスされる1つまたは複数の磁気ディスクストレージおよび/または固定デバイス290、前述の構成要素を相互接続するための1つまたは複数の通信バス212、および前述の構成要素に電力を供給するための電源276を備える。メモリ192内のデータは、キャッシングなどの知られている計算技法を使用して不揮発性メモリ290とシームレスに共有され得る。メモリ192および/またはメモリ290は、中央処理装置274に対して遠隔に配置された大容量ストレージを含むことができる。言い換えれば、メモリ192および/またはメモリ290に記憶されたいくつかのデータは、実際には、モニタデバイス250の外部にあるが、ネットワークインターフェース284を使用してインターネット、イントラネット、または他の形態のネットワークもしくは電子ケーブル(図2において要素106として示されている)を介してモニタデバイス250によって電子的にアクセスされ得るコンピュータ上でホストされ得る。
対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量へのアドヒアランスを監視するためのモニタデバイス250のメモリ192は、以下のものを記憶する。
様々な基本システムサービスを処理するための手順を含むオペレーティングシステム202、
インスリン計画モニタリングモジュール204、
対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画206であって、基礎インスリン薬剤投薬量計画208、および/または、任意で、いくつかの実施形態では、ボーラスインスリン薬剤投薬量計画214を備える、処方されたインスリン薬剤投薬量計画、
第1のデータセット220であって、時間期間222を表し、この第1の時間期間中に対象者が関与した複数の代謝事象と、複数の代謝事象における代謝事象224ごとに、それぞれの代謝事象がいつ発生したかを表すタイムスタンプ226と、それぞれの代謝事象の第1の分類228とを備える、第1のデータセット220、
複数のサブセット229のうちの各々のサブセット231が、複数の周期的要素における異なる周期的要素233の代謝事象224のサブセットであり、それぞれのサブセット231が、アドヒアランス235の表現を含む、複数のサブセット229、ならびに、
対象者の任意の第2のデータセット240。
いくつかの実施形態では、インスリン計画モニタリングモジュール204は、任意のブラウザ(電話、タブレット、ラップトップ/デスクトップ)内でアクセス可能である。いくつかの実施形態では、インスリン計画モニタリングモジュール204は、ネイティブデバイスフレームワーク上で起動し、アンドロイドまたはiOSなどのオペレーティングシステム202を起動しているモニタデバイス250上にダウンロードするために利用可能である。
いくつかの実装形態では、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを経時的に監視するためのモニタデバイス250の上記で識別されたデータ要素またはモジュールのうちの1つまたは複数は、前述のメモリデバイスのうちの1つまたは複数に記憶され、そして、上述の機能を実行するための命令のセットに対応する。上記で識別されたデータ、モジュール、またはプログラム(たとえば、命令のセット)は、別個のソフトウェアプログラム、手順、またはモジュールとして実装される必要はなく、したがって、これらのモジュールの様々なサブセットは、様々な実装形態において組み合わされてもよく、または別の方法で再構成されてもよい。いくつかの実装形態では、メモリ192および/または290は、任意で、上記で識別されたモジュールおよびデータ構造のサブセットを記憶する。さらに、いくつかの実施形態では、メモリ192および/または290は、上記で説明されていない追加のモジュールおよびデータ構造を記憶する。
いくつかの実施形態では、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画206へのアドヒアランスを経時的に監視するためのモニタデバイス250は、スマートフォン(たとえばiPHONE)、ラップトップ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、または他の形態の電子デバイス(たとえば、ゲーム機)である。いくつかの実施形態では、モニタデバイス250はモバイルではない。いくつかの実施形態では、モニタデバイス250はモバイルである。
図3は、本開示とともに使用され得るモニタデバイス250の具体的な実施形態のさらなる説明を提供する。図3に示されるモニタデバイス250は、1つまたは複数の処理ユニット(CPU)274、周辺機器インターフェース370、メモリコントローラ368、ネットワークまたは他の通信インターフェース284、メモリ192(たとえば、ランダムアクセスメモリ)、ユーザインターフェース278、ディスプレイ282および入力280(たとえばキーボード、キーパッド、タッチスクリーン)を含むユーザインターフェース278、任意の加速度計317、任意のGPS319、任意のオーディオ回路372、任意のスピーカ360、任意のマイクロフォン362、モニタデバイス250上の接触の強度を検出するための1つまたは複数の任意の強度センサ364(たとえば、モニタデバイス250のタッチセンシティブディスプレイシステム282などのタッチセンシティブ面)、任意の入力/出力(I/O)サブシステム366、1つまたは複数の任意の光学センサ373、前述の構成要素を相互接続するための1つまたは複数の通信バス212、ならびに前述の構成要素に電力を供給するための電力システム276を有する。
いくつかの実施形態では、入力280は、タッチセンシティブ面などのタッチセンシティブディスプレイである。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース278は1つまたは複数のソフトキーボードの実施形態を含む。ソフトキーボードの実施形態は、表示されたアイコン上に標準(QWERTY)および/または非標準構成の記号を含み得る。
図3に示されるモニタデバイス250は、加速度計317に加えて、モニタデバイス250の位置および向き(たとえば、ポートレートまたはランドスケープ)に関する情報を取得するための、および/または対象者による身体運動量を決定するための磁力計(図示せず)およびGPS319(もしくは、GLONASSまたは他の全地球的ナビゲーションシステム)受信機を任意で含む。
図3に示されるモニタデバイス250は、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画206へのアドヒアランスを経時的に監視するために使用され得る多機能デバイスの一例に過ぎず、モニタデバイス250は、任意で、示されたものよりも多いもしくは少ない構成要素を有するか、任意で2つ以上の構成要素を組み合わせるか、または任意で構成要素の異なる構成もしくは配置を有することが理解されよう。図3に示される様々な構成要素は、1つまたは複数の信号処理および/または特定用途向け集積回路を含む、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せで実装される。
図3に示されるモニタデバイス250のメモリ192は、任意で高速ランダムアクセスメモリを含み、また任意で、1つまたは複数の磁気ディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の不揮発性ソリッドステートメモリデバイスなどの不揮発性メモリも含む。CPU274などのモニタデバイス250の他の構成要素によるメモリ192へのアクセスは、任意で、メモリコントローラ368によって制御される。
デバイスの入力および出力周辺機器をCPU274およびメモリ192に結合するために、周辺機器インターフェース370が使用され得る。1つまたは複数のプロセッサ274は、モニタリングデバイス250の様々な機能を実行し、データを処理するために、インスリン計画モニタリングモジュール204などの、メモリ192に記憶された様々なソフトウェアプログラムおよび/または命令のセットを起動または遂行する。
いくつかの実施形態では、周辺機器インターフェース370、CPU274、およびメモリコントローラ368は、任意で、単一のチップ上に実装される。いくつかの他の実施形態では、それらは任意で、別個のチップ上に実装される。
ネットワークインターフェース284のRF(無線周波数)回路は、電磁信号とも呼ばれるRF信号を送受信する。いくつかの実施形態では、対象者に関連付けられるグルコースセンサ102、対象者に関連付けられるインスリンペンもしくはポンプ104、および/またはアドヒアランスデバイス200などの1つまたは複数のデバイスから、このRF回路を使用して、処方されたインスリン薬剤投薬量計画206、第1のデータセット220、および/または第2のデータセット240が受信される。いくつかの実施形態では、RF回路108は、電気信号を電磁信号に/から変換し、電磁信号を介して通信ネットワークおよび他の通信デバイス、グルコースセンサ102、ならびにインスリンペンもしくはポンプ104および/またはアドヒアランスデバイス200と通信する。RF回路284は、これらに限定されないが、アンテナシステム、RFトランシーバ、1つまたは複数の増幅器、チューナ、1つまたは複数の発振器、デジタル信号プロセッサ、CODECチップセット、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリなどを含むこれらの機能を実行するためのよく知られている回路を任意で含む。RF回路284は、任意で通信ネットワーク106と通信する。いくつかの実施形態では、回路284は、RF回路を含まず、実際には、1つまたは複数のハードワイヤ(たとえば、光ケーブル、同軸ケーブルなど)を通じてネットワーク106に接続される。
いくつかの実施形態では、オーディオ回路372、任意のスピーカ360、および任意のマイクロフォン362は、対象者とモニタデバイス250との間のオーディオインターフェースを提供する。オーディオ回路372は、周辺機器インターフェース370からオーディオデータを受信し、オーディオデータを電気信号に変換し、電気信号をスピーカ360に送信する。スピーカ360は、その電気信号を人間が聴ける音波に変換する。オーディオ回路372はまた、マイクロフォン362によって音波から変換された電気信号を受信する。オーディオ回路372は電気信号をオーディオデータに変換し、処理のためにオーディオデータを周辺機器インターフェース370に送信する。オーディオデータは、任意で、周辺機器インターフェース370によって、メモリ192および/もしくRF回路284から検索され、かつ/またはメモリ192および/もしくはRF回路284に送信される。
いくつかの実施形態では、電源276は、電力管理システム、1つまたは複数の電源(たとえば、バッテリ、交流(AC))、再充電システム、停電検出回路、電力変換器またはインバータ、電力ステータス指標(たとえば、発光ダイオード(LED))およびポータブルデバイスにおける電力の生成、管理、および分配に関連付けられる任意の他の構成要素を任意で含む。
いくつかの実施形態では、モニタデバイス250は、任意で1つまたは複数の光学センサ373も含む。光学センサ373は、電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)フォトトランジスタを任意で含む。光学センサ373は、1つまたは複数のレンズを通して投影された環境から光を受け取り、その光を、画像を表すデータに変換する。光学センサ373は、任意で、静止画像および/またはビデオを取り込む。いくつかの実施形態では、光学センサは、デバイス250の前面のディスプレイ282とは反対側のモニタデバイス250の背面に配置され、それにより、入力280は、静止画像および/またはビデオ画像取得のためのファインダとしての使用が可能になる。いくつかの実施形態では、対象者の画像が取得されるように(たとえば、対象者の健康状態または症状を確認するため、対象者の身体活動レベルを決定するため、または対象者の症状を遠隔で診断するのを手伝うために)別の光学センサ373がモニタデバイス250の前面に配置される。
図3に示されるように、モニタデバイス250は、様々な基本システムサービスを処理するための手順を含むオペレーティングシステム202を備えることが好ましい。オペレーティングシステム202(たとえば、iOS、DARWIN、RTXC、LINUX、UNIX、OS X、WINDOWS、またはVxWorksなどの組込みオペレーティングシステム)は、一般的なシステムタスク(たとえば、メモリ管理、ストレージデバイス制御、電力管理など)を制御および管理するための様々なソフトウェア構成要素および/またはドライバを含み、様々なハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との間の通信を容易にする。
いくつかの実施形態では、モニタデバイス250はスマートフォンである。他の実施形態では、モニタデバイス250はスマートフォンではなく、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、緊急車両用コンピュータ、または他の形態のワイヤードもしくはワイヤレスネットワークデバイスである。いくつかの実施形態では、モニタデバイス250は、図2または図3に示されるモニタデバイス250に見られる回路、ハードウェア構成要素、およびソフトウェア構成要素のいずれかまたはすべてを有する。簡潔さおよび明瞭さのために、モニタデバイス250の可能な構成要素のうちのいくつかのみが、モニタデバイス250にインストールされる追加のソフトウェアモジュールをより良く強調するために示されている。
図1に開示されているシステム48は独立して動作することができるが、いくつかの実施形態では、任意の方法で情報を交換するために、電子的医療記録とリンクされることもできる。
本開示のある実施形態による、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画206へのアドヒアランスを経時的に監視するためのシステム48の詳細、システムのプロセスおよび特徴のフローチャートに関する詳細が、図4A〜図4Cを参照して開示されている。いくつかの実施形態では、システムのそのようなプロセスおよび特徴は、図2および図3に示されているインスリン計画モニタリングモジュール204によって実施される。
ブロック402。図4Aのブロック402を参照すると、1型真性糖尿病または2型真性糖尿病のいずれかを有する対象者におけるインスリン療法の目標は、絶食を制御するための正常な生理学的インスリン分泌、および食後血漿グルコースをできるだけ一致させることである。これは、対象の処方されたインスリン薬剤投薬量計画206を用いて行われる。本開示の一態様は、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画206へのアドヒアランスを経時的に監視するためのモニタリングデバイス250を提供する。本開示の一態様では、処方されたインスリン薬剤投薬量計画は基礎インスリン薬剤投薬量計画208を備える。本開示の別の態様では、処方されたインスリン薬剤投薬量計画はボーラスインスリン薬剤投薬量計画214を備える。モニタリングデバイスは、1つまたは複数のプロセッサ274およびメモリ192/290を備える。メモリは、1つまたは複数のプロセッサによって遂行されると、方法を実行する命令を記憶する。本方法では、第1のデータセット220が取得される。
第1のデータセットは、対象者が関与した複数の代謝事象を備える。複数の代謝事象は時間期間222内にある。様々な実施形態において、この時間期間222は、1日以上、3日以上、5日以上、10日以上、1カ月以上、2カ月以上、3カ月以上、または5カ月以上である。複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象224は、(i)それぞれの代謝事象のタイムスタンプ226、および(ii)インスリン計画アドヒアランスおよびインスリン計画非アドヒアランスのうちの1つである第1の分類228を備える。
いくつかの実施形態では、第1のデータセット220内の各代謝事象224は、表1に記載の1つまたは複数の第1の分類228を有する。
表1に記載の第1の分類を使用して、同じ時間期間に異なるラベルを有する代謝事象を含有することができる。たとえば、1日に基礎アドヒアランス外としてマーク付けされた代謝事象(絶食事象)B2を含有することができるが、その日のうちの3つの代謝事象(食事事象)は、ボーラスアドヒアランスA1とラベル付けされ得る。図6は、代謝事象を分類するためのアルゴリズムを示しており、ここにおいて例は絶食事象であり、計画によって定義される関連する時間期間は1日である。分類は、表1のカテゴリに従って提供される。そのような実施形態では、連続的にマーク付けされた期間、たとえば1日は、B2でマーク付けされた絶食事象またはA1でマーク付けされた食事事象を含有し、第1の分類に従って分類された代謝事象と呼ばれる。別の例として、1週間の期間の最初の3日間の各々における3つの絶食事象が100%の基礎アドヒアランスとしてマーク付けされ(たとえば基礎およびタイミングアドヒアランスB1、C1)、それに続く2日の各々における2つの絶食事象が50%の基礎アドヒアランスとしてマーク付けされ(たとえば、基礎アドヒアランス内であるが、タイミングアドヒアランス外B1、C2)、および、最後の2日以内の2つの絶食事象が0%の基礎アドヒアランスとしてマーク付けされる(基礎アドヒアランス外であり、タイミングアドヒアランス外B2、C2)場合を考察する。絶食事象が基礎およびタイミングアドヒアランスとして分類され、マーク付けされている例では、その事象は、一例として、100%インスリン計画アドヒアランスとして定義され得、代謝事象が基礎アドヒアランス内とマーク付けされているが、タイミングアドヒアランス外である場合、その事象は、一例として、50%インスリン計画アドヒアランスとして定義され得、これは推奨より遅く投与量を服用する推定効果に基づいて異なる割合になる可能性がある。絶食事象が基礎アドヒアランス外である場合、その事象は、インスリン計画非アドヒアランスに対応する0%インスリン計画アドヒアランスである。したがって、この例におけるインスリン計画アドヒアランス代謝事象の数は、3+2×50%+2×0%である。したがって、この例では、先週のアドヒアランスは次のようになる。
別の例では、そのようなアドヒアランス、または一次アドヒアランス値は、複数の代謝事象の複数のサブセット229におけるサブセット231ごとに計算され得、複数のサブセットにおける複数の代謝事象のそれぞれのサブセット231は、複数の周期的要素における異なる周期的要素に対するものである。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、本方法は、複数の一次アドヒアランス値を計算することをさらに備え、複数の一次アドヒアランス値におけるそれぞれの一次アドヒアランス値は、複数の周期的要素における対応する周期的要素を表し、複数の一次アドヒアランス値におけるそれぞれの一次アドヒアランス値は、それぞれのサブセットにおけるインスリン計画アドヒアランス代謝事象の数を、それぞれの周期的要素に対応するそれぞれのサブセットにおける代謝事象の総数で割ることによって計算され、複数のサブセットにおけるそれぞれのサブセットごとのアドヒアランスのそれぞれの表現は、対応する一次アドヒアランス値として集合的に表現される。たとえば、周期的要素が1週間であり、時間期間が7週間であるとする。この例では、周期的要素(たとえば、月曜日の周期的要素)は7つの代謝事象を含有し、3つの代謝事象は100%の計画アドヒアランスであり、2つの事象は50%の計画アドヒアランスであり、2つの事象は0%の計画アドヒアランスであり、集合的に57%として表され得る。
他の実施形態では、そのような分類は、代謝事象を絶食事象または食事事象であると見なし、インスリン薬剤計画アドヒアランスのために各絶食事象または食事事象を分類することによって課される。
いくつかの実施形態では、代謝事象は薬剤計画において定義されている代謝事象であり得、事象の指標を連続的に測定するデバイスから自動的に識別され得、事象は対象者の代謝状態に関連し、それによって、デバイスは、代謝事象がタイムスタンプされ、そして計画アドヒアランスまたは計画非アドヒアランスとして、薬剤計画に関して分類されることを可能にする。たとえば、薬剤計画に従って定義される代謝事象は食事事象であり得、薬剤計画は、この事象に関するグルコース測定値に基づいてボーラスインスリンが投与されるべきであると決定し、または、それは絶食事象であってもよく、薬剤計画は基礎インスリンがこの事象に関連するグルコース測定値に基づいて投与されるべきであると決定する。
いくつかの実施形態では、対象者によって維持された記録に依存することなしに、対象者によって引き起こされた代謝事象(たとえば、食事事象、絶食事象など)が識別される。たとえば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のグルコースセンサ102からの、対象者の自律的グルコース測定値242を備える第2のデータセット240が取得される。図3は、そのような各自律的グルコース測定値242は、それぞれの測定がいつ行われたかを表すために、グルコース測定タイムスタンプ244でタイムスタンプされることを示す。
ABBOTTによるFREESTYLE LIBRE CGM(「LIBRE」)は、グルコースセンサ102として使用され得るグルコースセンサの一例である。LIBREは、近づいたときに近距離無線通信を介してリーダデバイス(たとえば、アドヒアランスデバイス200および/またはモニタデバイス250)に最大8時間のデータを送信することができる、皮膚上のコインサイズのセンサを用いた無較正グルコース測定を可能にする。LIBREは、すべての日常生活の中で14日間着用され得る。いくつかの実施形態では、自律的グルコース測定は、5分以内、3分以内、または1分以内の間隔で対象者から行われる。以下の実施例1は、代謝事象を識別することと、それらの各々をインスリン計画アドヒアランスまたはインスリン計画非アドヒアランスとして分類することとの両方のために、そのような自律的グルコース測定がどのように使用されるかを説明する。
図4Aのブロック404を参照すると、有利なことに、第1のデータセット220はモバイルであるモニタデバイス250に通信され得、それによって、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスを経時的に監視する。したがって、いくつかの実施形態では、モニタデバイス250はモバイルデバイスである。
ブロック406。図4Aのブロック406を参照すると、本方法は、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象224を、それぞれの代謝事象のタイムスタンプ226に基づいて、第2の分類を使用して分類することによって継続する。第2の分類は時間的周期性を有し、複数の周期的要素を含む。図4Aのブロック408に示される実施形態は、この第2の形式の分類の例を提供する。複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象224は、複数の週にわたる時間期間内にある。言い換えれば、第1のデータセット220によって包含される時間期間222は、数週間(たとえば、3週間以上、5週間以上、または10週間以上)である。時間的周期性は毎週であり、複数の代謝事象における各周期的要素233はその週の7日間のうちの異なる日である。これは図7にさらに示されている。図7において、代謝事象224を週702に分割するために第2の分類(たとえば、毎週)によって指定された時間的周期性が使用され、次いで、各代謝事象がそれぞれのタイムスタンプ226に従って周期的要素233に配置される。たとえば、図7において、第1のデータセットにおける代謝事象224の第1の週702−1は、代謝事象224−1〜224−7からなり、これらの代謝事象の各々は、それらそれぞれのタイムスタンプ226に従って、その週の異なる曜日にあたる。したがって、図7に示されるように、代謝事象224−1〜224−7はそれぞれ周期的要素233−1〜233−7に分類される。第1のデータセットにおける代謝事象224の第2の週702−2は、代謝事象224−8〜224−14からなり、これらの代謝事象の各々は、それらそれぞれのタイムスタンプ226に従って、その週の異なる曜日にあたる。したがって、図7に示されるように、代謝事象224−8〜224−14はそれぞれ周期的要素233−1〜233−7にカテゴリ化される。この第2の分類は、図7に示されるように、代謝事象224−(Q−6)〜224−Qからなる第1のデータセットにおける代謝事象224のw番目の週702−Wが、それぞれ周期的要素233−1〜233−7に分類されるように、第1のデータセットを通して進行する。
図7は、第1のデータセットにおけるデータのそれぞれの期間(たとえば、期間702−1の代謝事象、期間702−2の代謝事象など)が周期的要素233ごとに代謝事象224を含む例を示すが、本開示はそのように限定されない。いくつかの実施形態では、第1のデータセットにおけるデータのそれぞれの期間(たとえば、期間702−1の代謝事象、期間702−2の代謝事象など)は、周期的要素233に対する2つ以上の代謝事象224を含むか、周期的要素233に対する3つ以上の代謝事象224を含むか、または4つ以上の代謝事象224を含む。
図7は、第1のデータセットにおけるデータのそれぞれの期間(たとえば、期間702−1の代謝事象、期間702−2の代謝事象、など)が、それぞれの周期的要素233ごとに同じ数の代謝事象224(たとえば、期間ごとに周期的要素233あたりちょうど1つの代謝事象224)を含む例を示すが、本開示はそのように限定されない。いくつかの実施形態では、第1のデータセット220におけるデータのそれぞれの期間(たとえば、期間702−1の代謝事象、期間702−2の代謝事象など)は、それぞれの周期的要素233ごとに独立した数(同じ数、または異なる数)の代謝事象224を含む。たとえば、いくつかの実施形態では、第1の期間702−1に対する代謝事象224は、第1の周期的要素233−1(月曜日)に対する1つの代謝事象224と、第2の周期的要素233−2(火曜日)に対する2つの代謝事象224とを含み得る。
図7は、第1のデータセット220におけるデータのそれぞれの期間(たとえば、期間702−1の代謝事象、期間702−2の代謝事象、など)が、周期的要素233ごとに少なくも1つの同代謝事象224(たとえば、期間ごとに周期的要素233あたりちょうど1つの代謝事象224)を含む例を示すが、本開示はそのように限定されない。いくつかの実施形態では、第1のデータセット220におけるデータのそれぞれの期間(たとえば、期間702−1の代謝事象)は、特定の周期的要素233の代謝事象224を含まない。たとえば、いくつかの実施形態では、第1の期間702−1に対する代謝事象224は、第1の周期的要素233−1(月曜日)に対するゼロ個の代謝事象224と、第2の周期的要素233−2(火曜日)に対する1つの代謝事象224とを含み得る。
図7に示されるように、第1のデータセットにおける代謝事象224の各々は、「インスリン計画アドヒアランス」702、および「インスリン計画非アドヒアランス」704のうちの1つである第1の分類に従ってすでに分類されている。これは、代謝事象224の各々に適用される第1の分類228の一例である。図4Aのブロック410を参照すると、いくつかのそのような実施形態では、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象224は絶食事象であり、処方されたインスリン薬剤投薬量計画206は基礎インスリン薬剤投薬量計画208である。
図4Aのブロック412を参照すると、いくつかの実施形態では、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象224は、複数の日にわたる時間期間内にある。さらに、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象224は食事事象であり、処方されたインスリン薬剤投薬量計画206は、ボーラスインスリン薬剤投薬量計画214である。図4Aのブロック414を参照すると、いくつかのそのような実施形態では、時間的周期性は毎日であり、複数の周期的要素における各周期的要素は「朝食」、「昼食」、および「夕食」のうちの異なる1つである。図8が示しており、図8において、代謝事象224を日702に分割するために第2の分類(たとえば、毎日)によって指定された時間的周期性が使用され、次いで、各代謝事象がそれぞれのタイムスタンプ226に従って周期的要素233に配置される。たとえば、図8では、第1のデータセット220における代謝事象224の第1の日802−1は、代謝事象224−1〜224−3からなり、これらの代謝事象の各々は、それらのそれぞれのタイムスタンプ226に従って、その日の異なる食事に分類される。したがって、図8に示されるように、代謝事象224−1〜224−3は、それぞれ周期的要素233−1〜233−3(「朝食」、「昼食」、および「夕食」)に分類される。さらに、第1のデータセット220における代謝事象224の第2の日802−2は、代謝事象224−4〜224−6からなり、これらの代謝事象の各々は、それらのそれぞれのタイムスタンプ226に従って、その日の異なる食事に分類される。したがって、代謝事象224−4〜224−6はそれぞれ、図8に示されるように周期的要素233−1〜233−3への分類である。この第2の分類は、図8に示されるように、代謝事象224−(Q−2)〜224−Qからなる第1のデータセットにおける代謝事象224のw番目の日802−Wが、それぞれ周期的要素233−1〜233−3にカテゴリ化されるように、第1のデータセット220を通して進行する。
図4Aのブロック416は、それぞれの代謝事象のタイムスタンプ226に基づいて、第2の分類を使用して第1のデータセット220のそれぞれの代謝事象224がどのように分類されるかについてのさらに別の実施形態を示す。本明細書では、時間的周期性は毎週であり、複数の周期的要素における各周期的要素は、21個の暦付きの毎週の食事のセットにおける異なる食事を表す。したがって、この第2の分類における周期的要素のセットは21個の周期的要素からなり、一方、図7に示される実施形態における周期的要素のセットは7個の周期的要素からなり、また、図8に示される実施形態における周期的要素のセットは3個の周期的要素からなる。
図4Bのブロック418を参照すると、プロセスは、複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象224を第2の分類に基づいてビニングすることによって継続し、それによって、複数の代謝事象の複数のサブセット229を取得する。複数のサブセットにおける複数の代謝事象のそれぞれのサブセット231は、複数の周期的要素における異なる周期的要素233に対するものである。このビニングの一例として、図7に示される方式に従って分類された第1のデータセット220の実施形態では、図9に示されるサブセット231は、図7の複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象224を第2の分類に基づいてビニングすると形成される。別の例として、図8に示される方式に従って分類された第1のデータセット220の実施形態では、図10に示されるサブセット231は、図8の複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象224を第2の分類に基づいてビニングすると形成される。さらに、図2は、本開示の一実施形態による、そのようなビニング時に形成されるデータ構造229を示す。複数のサブセット229は、それぞれのサブセット231ごとに、第2の分類の複数の周期的要素におけるそれぞれの周期的要素233の表現、およびそれぞれの周期的要素233ごとに、それぞれのサブセット231に対するそれぞれの周期的要素233にカテゴリ化された代謝事象224の表現を含む。
ブロック420。図4Bのブロック420を参照すると、プロセスは、複数のサブセット229におけるそれぞれのサブセット231ごとに、処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランス235のそれぞれの表現を通信し続ける。いくつかの実施形態では、このそれぞれのアドヒアランスの表現はそれぞれのサブセットにおける代謝事象の第1の分類に集合的に基づく。このようにして、対象者の処方されたインスリン薬剤投薬量計画206へのアドヒアランスが経時的に達成される。
ブロック422を参照し、さらに図11に示されるように、いくつかの実施形態では、複数のサブセット229におけるそれぞれのサブセット231ごとのアドヒアランス235のそれぞれの表現は、複数の回転を備える連続二次元スパイラルタイムライン1102として集合的に表される。スパイラルタイムライン1102は複数のラジアルセクタ1106を備える。複数の回転における各回転1104は時間的周期性の期間を表す。複数のラジアルセクタにおけるそれぞれのラジアルセクタ1106には、複数のサブセット229における対応するサブセット231が一意に割り当てられる。
図11の場合、図9に示されるサブセットは、連続二次元スパイラルタイムライン1102上にマッピングされる。この例では、複数の回転における各回転1104は週702を表す。複数のラジアルセクタにおけるそれぞれのラジアルセクタ1106は、複数のサブセット231におけるサブセット229に対応し、したがって、この例では曜日を表す。いくつかの実施形態では、各ラジアルセクタ1106における回転1104のそれぞれの部分は、回転のそれぞれの部分にあたる代謝事象224の第1の分類228に従ってマーク付けされる。たとえば、図11を参照すると、連続二次元スパイラルタイムライン1102のセクタ1106−4内の回転1104のそれぞれの部分1108−5(たとえば、木曜日、週5)にあたる代謝事象224が「インスリン計画アドヒアランス」の第1の分類228を有する場合、回転1104のそれぞれの部分1108−5は、「インスリン計画アドヒアランス」とマーク付けされる。一方、連続二次元スパイラルタイムライン1102の回転1104のそれぞれの部分1108−6(たとえば、金曜日、週6)にあたる代謝事象224が、「インスリン計画非アドヒアランス」の第1の分類228を有する場合、回転1104のそれぞれの部分1108−6は、「インスリン計画非アドヒアランス」とマーク付けされる。
いくつかの実施形態では、連続二次元スパイラルタイムライン1102のセクタ1106内の回転1104のそれぞれの部分にあたる代謝事象224が2つ以上ある場合、そのような分類を表すために異なる方式が使用され得る。いくつかの実施形態では、それぞれの代謝事象は、それぞれの代謝事象を時間的に表す回転の一部に表される。たとえば、回転の一部の陰影付けは、図11に示されるものと同様の代謝事象224の第1の分類228に対応し得る。
あるいは、連続二次元スパイラルタイムライン1102のセクタ1106内の回転1104のそれぞれの部分にあたる代謝事象224の各々の第1の分類は、単一のアドヒアランス値234に組み合わされ得、次いで、セクタ1106内の回転1104のそれぞれの部分に表される。図4Bのブロック424はそのような実施形態を説明する。
図4Bのブロック424を参照すると、いくつかの実施形態では、複数のアドヒアランス値232が計算される。複数のアドヒアランス値におけるそれぞれのアドヒアランス値232は、複数のタイムウィンドウにおける対応するタイムウィンドウ234を表す。したがって、図11を参照すると、連続二次元スパイラルタイムライン1102のセクタ1106内の回転1104のそれぞれの部分はタイムウィンドウ234である。したがって、月曜日の5つタイムウィンドウは、それぞれ部分1110−1〜1110−5である。
いくつかの実施形態では、複数のタイムウィンドウにおけるそれぞれのタイムウィンドウは、同じ第1の固定された持続時間のタイムウィンドウ(たとえば、図11に示されるように1週間、1日、1カ月、または数時間)である。複数のアドヒアランス値におけるそれぞれのアドヒアランス値232は、インスリン計画アドヒアランス代謝事象の数を、それぞれのアドヒアランス値に対応するタイムウィンドウにおけるタイムスタンプを有する複数の代謝事象における代謝事象の総数で割ることによって計算される。いくつかの実施形態では、複数のアドヒアランス値におけるそれぞれのアドヒアランス値は、それぞれのアドヒアランス値によって表される時間期間に基づいて、複数のラジアルセクタにおけるラジアルセクタ1106内の回転1104の一部に割り当てられ、それによって、複数のサブセットにおけるそれぞれのサブセットごとに、処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスのそれぞれの表現を形成する。したがって、図11を使用して説明すると、週1の月曜日にあたる代謝事象224の第1の分類228はアドヒアランス値232−1を計算するために使用され、このアドヒアランス値はラジアルセクタ1110−1に割り当てられ、週2の月曜日にあたる代謝事象224の第1の分類228はアドヒアランス値232−2を計算するために使用され、このアドヒアランス値はラジアルセクタ1110−2に割り当てられ、以下同様である。
いくつかの実施形態では、ラジアルセクタ1106内のすべての代謝事象の第1の分類228は、セクタ全体に対する単一のアドヒアランス値を計算するために集合的に使用され、セクタ全体はこの単一のアドヒアランス値232の値に基づいて色付けまたはマーク付けされる。そのような実施形態では、複数のタイムウィンドウにおけるそれぞれのタイムウィンドウは、同じ第1の固定された持続時間のタイムウィンドウ(たとえば、図11に示されるように1週間、1日、1カ月、または数時間)である。複数のアドヒアランス値におけるそれぞれのアドヒアランス値232は、インスリン計画アドヒアランス代謝事象(たとえば、月曜日にあたるインスリン計画アドヒアランス代謝事象)の数を、それぞれのアドヒアランス値に対応するタイムウィンドウにおけるタイムスタンプを有する複数の代謝事象(たとえば、月曜日にあたるすべての代謝事象)における代謝事象の総数で割ることによって計算される。いくつかの実施形態では、複数のアドヒアランス値におけるそれぞれのアドヒアランス値は、それぞれのアドヒアランス値によって表される時間期間に基づいて、複数のラジアルセクタにおけるラジアルセクタ1106に割り当てられ、それによって、複数のサブセットにおけるそれぞれのサブセットごとに、処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスのそれぞれの表現を形成する。したがって、図11を使用して説明すると、アドヒアランス値232−1を計算するために月曜日にあたる代謝事象224の第1の分類228が使用され、このアドヒアランス値がセクタ1106−1に割り当てられる。
いくつかの実施形態では、各アドヒアランス値232は、サブセット231内の周期的要素231−1(たとえば、サブセット内で発生する月曜日、「朝食」など)に対するインスリン計画アドヒアランス代謝事象の数を、サブセット231における周期的要素233の代謝事象の総数で割ることによって計算される。たとえば、サブセット231−1における周期的要素233−1に対する、合計3つの代謝事象224に対して、2つのインスリン計画アドヒアランス代謝事象(224−1および224−3)および1つのインスリン計画非アドヒアランス代謝事象が存在する図12のサブセット231−1を考慮する。この例では、アドヒアランス値232−1−1は、サブセット231−1における周期的要素233−1に対するインスリン計画アドヒアランス代謝事象の数(224−1および224−3の2つ)をサブセット231−1における周期的要素233−1に対する代謝事象の総数(224−1、224−2、および224−3の3つ)で割ること、すなわち「2」を「3」で割ることによって計算される。インスリン計画アドヒアランス代謝事象の数を代謝事象の総数で割るプロセスは、いくつもの方法で行うことができ、そのような方法はすべて本開示に包含されることが理解されよう。たとえば、除算は、実際には、インスリン計画アドヒアランス代謝事象の数に、代謝事象の総数の逆数を掛けることによって(たとえば、上記の例では、(2×(1/3))を計算することによって)もたらされ得る。
いくつかの実施形態では、各アドヒアランス値231は、サブセット231における周期的要素233−1に対するインスリン計画アドヒアランス代謝事象の数を、サブセット内の周期的要素に対する代謝事象の総数で割ることによって計算される。たとえば、サブセット231−1の周期的要素233−1に対する、合計6つの代謝事象224に対して、3つのインスリン計画アドヒアランス代謝事象(224−1、224−3および224−4)および3つのインスリン計画非アドヒアランス代謝事象がある、図12のサブセット231−1を考慮する。この例では、アドヒアランス値232−1は、サブセット231−1における周期的要素233−1に対するインスリン計画アドヒアランス代謝事象の数(224−1、224−3、および224−4の3つ)をサブセット231−1の周期的要素233に対する代謝事象の総数(224−1、224−2、224−3、224−4、224−5、および224−6の6つ)で割ること、すなわち「3」を「6」で割ることによって計算される。インスリン計画アドヒアランス代謝事象の数を代謝事象の総数で割るプロセスは、いくつもの方法で行うことができ、そのような方法はすべて本開示に包含されることが理解されよう。たとえば、除算は、実際には、インスリン計画アドヒアランス代謝事象の数に、代謝事象の総数の逆数を掛けることによって(たとえば、上記の例では、(3×(1/6))を計算することによって)もたらされ得る。
いくつかの実施形態では、計算されたアドヒアランス232値は、それらの本来の範囲以外の範囲に入るようにスケーリングされる。したがって、いくつかの実施形態では、計算されたアドヒアランス値232の本来の範囲は0から1であるが、その後、それらは0から100、0から1000、または任意の他の適切なスケールに一様にスケーリングされる。そのようなスケーリングは、代謝事象224のあらゆる下方重み付けとは無関係に作用する。
いくつかの実施形態では、設定されたカットオフ時間より早く発生するそれぞれの代謝事象224の第1の分類228は、設定されたカットオフ時間後に発生する複数の代謝事象におけるそれぞれの代謝事象に対して下方重み付けされる。いくつかの実施形態では、設定されたカットオフ時間より前に発生する代謝事象は時間の関数として下方重み付けされるため、後の事象よりも時間的に早く発生する事象は、より下方重み付けされるようになる。
図4Bのブロック426を参照すると、いくつかの実施形態では、二次元スパイラルタイムライン1102におけるそれぞれのアドヒアランス値は、それぞれのアドヒアランス値の絶対値の関数として色分けされる。実施例2において論じられたように、アドヒアランス値は0から1の間の範囲に入ることがしばしばある。したがって、ブロック426に従って、この範囲を色に変換する(たとえば、小さい数字は赤方偏移され、大きい数字は緑色または青方偏移される)ためにカラーテーブルが使用され得、また、複数のラジアルセクタ内のラジアルセクタ1106またはラジアルセクタ1106全体の回転1104の対応する部分を色付けするために使用され得る。
そのような表示により、どの周期的要素がアドヒアランスに乏しいかをユーザが確認することが可能になる。たとえば、開示されたシステムおよび方法により、特定の曜日、その月の時間、その日の食事、またはその週の食事などがより多くの計画アドヒアランスを有することなどの、計画アドヒアランスにおける傾向をユーザが発見することが可能になる。図4Cのブロック428を参照すると、いくつかの実施形態では、連続二次元スパイラル1102はアルキメデススパイラルまたは対数スパイラルである。
ブロック430を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス250はディスプレイを含み、アドヒアランスの表現を通信することは、ディスプレイ上に処方されたインスリン薬剤投薬量計画へのアドヒアランスのそれぞれの表現を提示することを含む。さらに、いくつかの実施形態では、ユーザは周期性を再スケーリングすることができ、たとえば、周期的計画非アドヒアランス傾向を識別するために、周期的要素のセット「朝食」、「昼食」、および「夕食」を曜日に動的に切り替えることができる。
図4Cのブロック432を参照すると、いくつかの実施形態では、本方法は、第2のデータセット240を取得することをさらに備える。第2のデータセットは、対象者の複数の自律的グルコース測定値を備え、複数の自律的グルコース測定値におけるそれぞれの自律的グルコース測定値242ごとに、それぞれの測定がいつ行われたかを表すタイムスタンプ244がある。複数の自律グルコース測定値におけるそれぞれの自律グルコース測定値は、それぞれの自律的グルコース測定値のタイムスタンプに基づいて、第2の分類を使用して分類される。そのような実施形態では、通信することは、複数のサブセットにおけるそれぞれのサブセットごとに、それぞれのサブセットが表す複数の周期的要素における同じ周期的要素に分類された複数の自律的グルコース測定値における自律的グルコース測定値のそれらの値をさらに通信する。いくつかの実施形態では、グルコースデータは、アドヒアランスの表現と時間的に一致し、単一のディスプレイにおいて示される。いくつかのそのような実施形態では、モニタデバイス250はワイヤレス受信機284を備え、第2のデータセットは対象者に取り付けられたグルコースセンサからワイヤレスで取得される。
いくつかの実施形態では、アドヒアランスデバイス250は、対象者が手動でイベントを追加してマーク付けすることを可能にし、次いで、それは次にアドヒアランス内もしくはその表示の上に、またはその横に時間的に表示される。いくつかのそのような実施形態では、アドヒアランスデバイス250は、たとえば、食事などの事象、インスリンおよびグルコース測定、睡眠期間、身体活動の期間、病気の日などの、対象者が選択するためのカテゴリを提案する。いくつかの実施形態では、これらの事象は具体的なカテゴリ名でマーク付けされ、次いで、これは血糖コントロール不良の原因を識別し、治療の透明性を向上させるために使用される。たとえば、いくつかの実施形態では、これは、これらの追加の事象をアドヒアランスの表現に時間的に重ね合わせて、重ね合わせをモニタデバイス250のディスプレイに表示することによって遂行される。いくつかの実施形態では、これらの追加の事象はウェアラブルデバイスによって検出される。
実施例1:代謝事象を識別し、それらをインスリン計画アドヒアランスまたはインスリン計画非アドヒアランスとして分類するための自律的グルコース測定値の使用。上述のブロック402は、いくつかの実施形態において、複数のグルコース測定値を備える第2のデータセット240がどのように自律的に取得されるかを説明した。この例では、自律的グルコース測定に加えて、インスリン投与事象が、処方されたインスリン計画を適用するために対象者によって使用される1つまたは複数のインスリンペンおよび/またはポンプ104からのインスリン薬剤記録の形で取得される。これらのインスリン薬剤記録はどのような形式でもよく、実際には複数のファイルまたはデータ構造にわたっていることもある。このように、いくつかの実施形態では、本開示は、過去に投与されたインスリン薬剤のタイミングおよび量を思い出すことができるという意味で「スマート」になった、最近のインスリン投与ペンの進歩を利用する。そのようなインスリンペン104の一例は、NovoPen5である。そのようなペンは、患者が投与量を記録するのを支援し、二重投与を防ぐ。インスリンペンは、インスリン薬剤の投与量およびタイミングを送受信することができ、したがって、連続グルコースモニタ102、インスリンペン104、および本開示のアルゴリズムの統合が可能になると考えられる。このように、1つまたは複数のインスリンペン104からのそのようなデータのワイヤレス取得を含む、1つまたは複数のインスリンペン104および/またはポンプからのインスリン薬剤記録が考えられる。
いくつかの実施形態では、各インスリン薬剤記録は、(i)1つまたは複数のインスリンペンにおけるそれぞれのインスリンペンを使用して対象者に注射された(または、ポンプされた)インスリン薬剤の量を含む、それぞれのインスリン薬剤注射事象と、(ii)それぞれのインスリン薬剤注射事象が発生すると、それぞれのインスリンペン104またはポンプによって自動的に生成される、対応する電子タイムスタンプとを備える。
いくつかの実施形態では、代謝事象224の一形態である複数の絶食事象は、第2のデータセット240内の対象者の自律的グルコース測定値242およびそれらの関連グルコース測定タイムスタンプ244を使用して識別される。絶食事象の間のグルコース測定は、基礎血糖値を測定するために重要である。
グルコースモニタ102からの自律的グルコース測定値242を使用して絶食事象を検出するための多数の方法がある。たとえば、いくつかの実施形態では、第1の絶食事象(複数の絶食事象における)は、複数の自律的グルコース測定値にわたる分散の移動期間δ
k 2を最初に計算することによって複数の自律的グルコース測定値によって包含される第1の時間期間(たとえば、24時間)において識別され、
であり、上式で、G
iは、複数のグルコース測定値の部分kのi番目のグルコース測定値であり、Mは、複数のグルコース測定値におけるいくつかのグルコース測定値の数であり、連続するあらかじめ定められた時間幅を表し、
は、複数のグルコース測定値から選択されたM個のグルコース測定値の平均であり、kは第1の時間期間内である。一例として、グルコース測定値は数日または数週間にわたることがあり、自律的グルコース測定値は5分ごとに取られる。この全時間幅内の第1の時間期間k(たとえば、1日)が選択され、したがって、複数の測定値のうちの部分kが最小分散期間にわたって調べられる。第1の絶食期間は、第1の時間期間内の最小分散期間
であると見なされる。次に、別の最小分散期間にわたって複数のグルコース測定値の次の部分kを調べ、それによって別の絶食期間を割り当てることによって、複数のグルコース測定値の部分kを用いてプロセスが繰り返される。複数のグルコース測定値のすべての部分kを通してこの方法を繰り返すことは、複数の絶食期間を構築するために使用される。
上述の方法または任意の他の方法によって絶食事象が識別されると、複数の識別された絶食事象におけるそれぞれの絶食事象に第1の分類228が適用される。したがって、それぞれの絶食事象ごとに、それぞれの絶食事象についての第1の分類228がある。第1の分類は、インスリン計画アドヒアランスおよびインスリン計画非アドヒアランスのうちの1つである。より具体的には、本明細書では、第1の分類は、基礎インスリン計画アドヒアランスおよび基礎インスリン計画非アドヒアランスのうちの1つである。
それぞれの絶食事象は、それぞれの絶食事象の間に、取得した1つまたは複数の薬剤記録が処方された基礎インスリン薬剤投薬量計画に時間的および量的にアドヒアランスすることを確立している場合、基礎インスリン計画アドヒアランスと見なされる。それぞれの絶食事象は、それぞれの絶食事象の間に、取得した1つまたは複数の薬剤記録が処方された基礎インスリン薬剤投薬量計画に時間的および量的にアドヒアランスすることを確立する1つまたは複数の薬剤記録を含まない場合、基礎計画非アドヒアランスと見なされる。いくつかの実施形態では、基礎インスリン薬剤投薬量計画208は、長時間作用型インスリン薬剤210の基礎投与量が複数の時期におけるそれぞれの時期212の間に服用されるべきであることと、それぞれの絶食事象が、それぞれの絶食事象に関連付けられる時期212の薬剤記録がない場合に非アドヒアランスである基礎インスリン薬剤計画208と見なされることとを指定する。様々な実施形態において、複数の時期における各時期は、2日以下、1日以下、または12時間以下である。したがって、第2のデータセット240が絶食期間を識別するために使用され、処方された基礎インスリン薬剤投薬量計画208が長時間作用型インスリン薬(薬)210の投薬量Aを24時間ごとに服用することを指定している場合を考察する。したがって、この例では、時期は1日(24時間)である。絶食事象は、タイムスタンプ付きグルコース測定値における最小分散の期間から、またはタイムスタンプ付き自律的グルコース測定値の他の形態の分析によって導出されるので、本質的にタイムスタンプ付きである。
したがって、いくつかの実施形態では、それぞれの絶食事象によって表されるタイムスタンプ、または絶食の期間は、絶食事象が基礎インスリン薬剤計画アドヒアランスであるかどうかを調べるための出発点として使用される。たとえば、それぞれのタイムスタンプに関連付けられる絶食の期間が5月17日火曜日の午前6:00である場合、薬剤注射記録において求められているのは、対象者が、5月17日火曜日の午前6:00までの24時間(時期)以内に長時間作用型のインスリン薬剤の投薬量A(および、処方された投薬量より多くもなく、少なくもない)を服用したという証拠である。対象者がこの時期の間に長時間作用型インスリン薬剤の処方された投薬量を服用した場合、それぞれの絶食時事象(ならびに/または、この時間の間の基礎注射事象および/もしくはグルコース測定)は基礎計画アドヒアランスと見なされる。この時期212の間に、対象者が長時間作用型インスリン薬剤210の処方された投薬量を服用しなかった場合(または、この期間の間に長時間作用型インスリン薬剤を処方された投薬量よりも多く服用した場合)、それぞれの絶食事象(ならびに/または、この時間の間の基礎注射事象および/もしくはグルコース測定)は基礎計画非アドヒアランスと見なされる。
基礎注射事象が基礎インスリン薬剤計画アドヒアランスであるか否かを遡及的に決定するための絶食事象の使用が記載されているが、本開示はそのように限定されない。いくつかの実施形態では、時期は、基礎インスリン薬剤計画によって定義され、対象者が時期の間の基礎計画によって必要とされる(そして、それよりも多くはない)量の基礎インスリンを服用している限り、たとえ絶食事象後でも、絶食事象は基礎インスリン薬剤計画アドヒアランスと見なされる。たとえば、時期が真夜中の直後に毎日始まる1日である(言い換えれば、基礎計画が1日に服用されるべき1つまたは複数の基礎インスリン薬剤投薬量を指定し、さらに、1日を真夜中に開始および終了するものとして定義する)場合、絶食事象は正午に発生し、対象者がその日のある時点でその日のために処方された基礎注射を受けたならば、その絶食事象は適合していると見なされる。
いくつかの実施形態では、絶食事象は、実際には、基礎インスリン薬剤計画が、基礎インスリン注射事象が発生しなければならないことを指定している時期の間は検出されない。したがって、基礎注射は処方された基礎薬剤計画208に従って行われるべきである。上記の使用事例によると、この時期は絶食事象を見つけることができなかった場合の基礎アドヒアランスカテゴリ化を有していない。いくつかのそのような実施形態では、基礎インスリン薬剤投薬量計画208が知られているので、(当該時期の間のグルコース測定および/またはその時期内の基礎注射事象の)アドヒアランスに関する決定は、基礎インスリン薬剤計画自体および注射事象データに基づいており、したがって、グルコースセンサデータから絶食期間を検出する必要はない。別の例として、基礎インスリン薬剤計画が週1回の基礎注射である場合、例示的な手順は、たとえ絶食事象が見つからなくても7日間のウィンドウ以内に基礎注射を探すことである。
いくつかの実施形態では、処方されたインスリン薬剤投薬量計画206は、基礎インスリン薬剤投薬量計画208に加えて、またはその代わりに、ボーラスインスリン薬剤投薬量計画214を備える。
対象者が複数の複数の種類のインスリン薬剤を投与している実施形態では、複数の薬剤記録におけるそれぞれのインスリン薬剤注射事象は、(i)長時間作用型インスリン薬剤、および(ii)短時間作用型インスリン薬剤のうちの1つから、対象者に注射されたそれぞれの種類のインスリン薬剤を提供する。典型的には、長時間作用型インスリン薬剤は基礎インスリン薬剤投薬量計画208に対するものであるのに対し、短時間作用型インスリン薬剤はボーラスインスリン薬剤投薬量計画214に対するものである。
したがって、有利なことに、本開示はまた、第1のデータセット220内の追加の種類のカテゴリ化された代謝事象224を提供するために、ボーラスインスリン薬剤注射事象が利用可能である場合に、ボーラスインスリン薬剤注射事象を利用することができる。いくつかのそのような実施形態では、ボーラスインスリン薬剤注射事象は以下の方法で利用される。複数の食事事象は、食事検出アルゴリズムを使用して、第2のデータセット240内の複数の自律的グルコース測定値242および対応するタイムスタンプ244を使用して識別される。食事が検出されない場合、プロセスは終了する。食事が検出された場合、第1の分類がそれぞれの食事事象に適用される。このようにして、「ボーラス計画アドヒアランス」および「ボーラス計画非アドヒアランス」のうちの1つである第1の分類を含むそれぞれの食事事象を有する、複数の食事事象が取得される。次いで、そのような情報は、本開示のシステムおよび方法において使用され得、各食事は代謝事象224と見なされ、「ボーラス計画アドヒアランス」および「ボーラス計画非アドヒアランス」などの食事の分類は代謝事象の第1の分類228である。
いくつかの実施形態では、複数の薬剤記録における1つまたは複数の薬剤記録が、それぞれの食事の間に、時間的に、量的に、およびインスリン薬剤の種類的に、ボーラスインスリン薬剤投薬量計画214へのアドヒアランスを示す場合、それぞれの食事はボーラス計画アドヒアランスと見なされる。いくつかの実施形態では、それぞれの食事の間に、複数の薬剤記録が常用ボーラスインスリン薬剤投薬量計画を伴う時間的に、量的に、およびインスリン薬剤の種類的に、アドヒアランスを示さない場合、それぞれの食事はボーラス計画非アドヒアランスと見なされる。たとえば、常用ボーラスインスリン薬剤投薬量計画がその投薬量を指定する場合を考察する。インスリン薬剤BのAは、それぞれの食事の30分前または15分後までに服用されるべきであり、ある食事は、5月17日火曜日の午前7:00に発生する。当然のことながら、投薬量Aは、食事の予測される大きさまたは種類の関数であることが理解されよう。薬剤記録において求められているのは、対象者が、5月17日火曜日の午前7:00までの30分以内または食後の15分以内にインスリン薬剤Bの投薬量A(および、処方された投薬量より多くもなく、少なくもない)を服用したという証拠である。対象者がそれぞれの食事までの30分の間または食後の15分以内にインスリン薬剤Bの処方された投薬量Aを服用した場合、それぞれの食事(ならびに/または、この時間の間のボーラス投与および/もしくはグルコース測定)はボーラス計画アドヒアランスと見なされる。対象者がそれぞれの食事までの30分の間または食後の15分以内にインスリン薬剤Bの処方された投薬量Aを服用しなかった場合(または、この期間の間にインスリン薬剤Bの処方された投薬量Aよりも多く服用した場合)、それぞれの食事(ならびに/または、この時間の間のボーラス投与および/もしくはグルコース測定)は、ボーラス計画非アドヒアランスと見なされる。この例における時間期間は例示的なものである。他の実施形態では、時間はより短いか、またはより長い(たとえば、食事の15分前から2時間前の間、および/または処方されたインスリン薬剤の種類に依存する)。他の場合には、常用ボーラスインスリン薬剤投薬量計画は、食後の時間期間内に、たとえば30分以内、15分以内、5分以内の間にインスリンの投薬量を服用されるべきであると指定する。他の場合には、常用ボーラスインスリン薬剤投薬量計画は、食前の第1のあらかじめ定められた時間期間(たとえば、30分以内、15分以内、5分以内)、および/または食後の第2のあらかじめ定められた時間期間(たとえば、30分以内、15分以内、5分以内)にインスリンの投薬量を服用されるべきであると指定し、第1のあらかじめ定められた時間期間は、第2のあらかじめ定められた時間期間と同じあるか、または異なっている。
いくつかの実施形態では、複数のフィードフォワード事象が取得され、代謝事象を分類するのを助けるために使用される。いくつかの実施形態では、それぞれのフィードフォワード事象は、対象者が食事をしている、または食事をしようとしていることを示した事例を表す。そのような実施形態では、自律的グルコース測定値242を使用して決定された複数の食事事象は、複数のフィードフォワード事象における任意のフィードフォワード事象に時間的に一致させることができない複数の食事事象におけるそれぞれの食事事象を除去することによって、複数のフィードフォワード事象に対して検証される。
いくつかの実施形態では、ボーラスインスリン薬剤投薬量計画214は、短時間作用型インスリン薬剤が食事前または後のあらかじめ定められた時間量までに服用されるべきであることを指定する。いくつかのそのような実施形態では、それぞれの食事前または後のあらかじめ定められた時間量までの電子タイムスタンプを有する短時間作用型インスリン薬剤種類のインスリン薬剤記録が存在しない場合、それぞれの食事はボーラス計画非アドヒアランスと見なされる。いくつかのそのような実施形態では、あらかじめ定められた時間量は、30分以下、20分以下、または15分以下である。
いくつかの実施形態では、長時間作用型インスリン薬剤は、12時間から24時間の間の作用持続時間を有する単一のインスリン薬剤、または12時間から24時間の間の作用持続時間を集合的に有するインスリン薬剤の混合物からなる。そのような長時間作用型インスリン薬剤の例は、これらに限定されないが、Insulin Degludec(NOVO NORDISK社により商標名Tresibaで開発された)、NPH(Schmid、2007年、「New options in insulin therapy」、J Pediatria(Rio J).83(Suppl 5):S146−S155)、Glargine(LANTUS、2007年3月2日、インスリングラルギン[rDNA origin]注射、[prescribing information]、Bridgewater、New Jersey:Sanofi−Aventis)、およびDetermir(Plank et al.、2005、「A double−blind、randomized、dose−response study investigating the pharmacodynamic and pharmacokinetic properties of the long−acting insulin analog detemir」、Diabetes Care 28:1107−1112)を含む。
いくつかの実施形態では、短時間作用型インスリン薬剤は、3時間から8時間の作用持続時間を有する単一のインスリン薬剤、または3時間から8時間の作用持続時間を集合的に有するインスリン薬剤の混合物からなる。そのような短時間作用型インスリン薬剤の例は、これらに限定されないが、Lispro(HUMALOG、2001年5月18日、インスリンリスプロ[rDNA origin]注射、[prescribing information]、インディアナポリス、インディアナ州:Eli Lilly and Company)、Aspart(NOVOLOG、2011年7月、インスリンアスパルト[rDNA origin]注射、[prescribing information]、プリンストン、ニュージャージー、NOVO NORDISK Inc.、2011年7月)、グルリシン(Helms Kelley、2009年、「Insulin glulisine:an evaluation of its pharmacodynamic properties and clinical application」、Ann Pharmacother 43:658〜668)、およびRegular(Gerich、2002年、「Novel insulins:expanding options in diabetes management」、Am J Med. 113:308−316)を含む。
いくつかの実施形態では、第2のデータセット240内の自律的グルコース測定値242からの複数の食事事象の識別は、以下を計算することによって実行される:(i)複数の自律的グルコース測定値を用いたグルコース変化率の後方差分推定を備える第1のモデル、(ii)複数の自律的グルコース測定値を用いた、カルマンフィルタ処理されたグルコース推定値に基づくグルコース変化率の後方差分推定を備える第2のモデル、(iii)複数の自律的グルコース測定値に基づく、カルマンフィルタ処理されたグルコース推定値、および複数の自律的グルコース測定値に基づくカルマンフィルタ処理されたグルコースの変化率(ROC)の推定を備える第3のモデル、ならびに/または(iv)複数の自律的グルコース測定値に基づくカルマンフィルタ処理されたグルコースのROCの変化率の推定を備える第4のモデル。いくつかのそのような実施形態では、第1のモデル、第2のモデル、第3のモデル、および第4のモデルは、それぞれ複数の自律的グルコース測定値にわたって計算され、複数の食事事象におけるそれぞれの食事事象は、4つのモデルのうち少なくとも3つが食事事象を示す場合に識別される。そのような食事事象検出に関するさらなる開示については、参照により本明細書に組み入れられるDassauらの、2008年、「Detection of a Meal Using Continuous Glucose Monitoring」、Diabetes Care 31,pp 295−300を参照されたい。また、参照により本明細書に組み入れられる、Cameronらの、2009年、「Probabilistic Evolving Meal Detection and Estimation of Meal Total Glucose Appearance」、Journal of Diabetes Science and Technology 3(5),pp.1022−1030も参照されたい。
引用された参考文献、および代替の実施形態
本明細書において引用されたすべての参考文献は、その全体が参照により、また、それぞれの個々の刊行物または特許もしくは特許出願が、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み入れられるように具体的および個別に示されるのと同程度のあらゆる目的のために、本明細書に組み入れられる。
本発明は、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体に組み込まれたコンピュータプログラム機構を備えるコンピュータプログラム製品として実装され得る。たとえば、コンピュータプログラム製品は、図1、図2、もしくは図3の任意の組合せに示されている、および/または図4に記載されているプログラムモジュールを含有することができる。これらのプログラムモジュールは、CD−ROM、DVD、磁気ディスクストレージ製品、または任意の他の非一時的コンピュータ可読データもしくはプログラムストレージ製品に記憶され得る。
当業者には明らかであるように、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなしに、本発明の多くの修正および変更が行われてよい。本明細書に記載された具体的な実施形態は、例としてのみ提供されている。実施形態は、本発明の原理およびその実際の用途を最も良く説明するために選択および説明され、それによって、他の当業者が、本発明、および考えられる特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施形態を最も良く利用することを可能にする。本発明は、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定されるべきである。