JP2019521397A - 眼鏡レンズ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、眼鏡レンズ(60)を製造する方法であって、− 第一の立体画素群を付加製造するステップであって、第一の立体画素群は、複数の第一の立体画素(61a、61b)を含み、複数の第一の立体画素(62a、62b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの方式で配置されて、第一のサブグリッドを形成し、及び第一の立体画素(61a、61b)は、共同で眼鏡レンズ(60)の第一の部分を形成し、前記部分は、第一の物体距離で見るための屈折効果を有する、ステップと、− 第二の立体画素群を付加製造するステップであって、第二の立体画素群は、複数の第二の立体画素(62a、62b)を含み、複数の第二の立体画素(62a、62)は、幾何学グリッドのグリッドポイントの方式で配置されて、第二のサブグリッドを形成し、及び第二の立体画素(62a、62b)は、共同で眼鏡レンズ(60)の第二の部分を形成し、前記部分は、第一の物体距離と異なる第二の物体距離で見るための屈折効果を有する、ステップとを有する方法に関する。本発明は、第一のサブグリッド及び第二のサブグリッドが付加製造プロセス中に交差するように配置されることを特徴とする。

Description

本発明は、特許請求項3〜7の前提部に記載の眼鏡レンズと、特許請求項1の前提部に記載の眼鏡レンズを製造する方法とに関する。
眼鏡レンズは、先行技術から多様なものが知られている。名目上の屈折力を有さない眼鏡レンズ及び矯正用眼鏡レンズ、すなわち屈折力を有する眼鏡レンズがある。屈折力とは、眼鏡レンズの合焦及びプリズムパワーの総称である。
矯正用眼鏡レンズの場合、単焦点眼鏡レンズと多焦点眼鏡レンズとに区別される。単焦点眼鏡レンズは、設計に関して1つの屈折力のみが存在する眼鏡レンズである。多焦点眼鏡レンズは、設計に関して異なる合焦パワーを有する視覚的に異なる2つ以上の部分が存在する眼鏡レンズである。特に、二焦点眼鏡レンズ、すなわち、通常、遠用部と近用部との2つの部分を含む多焦点レンズ、及び可変焦点レンズ、すなわち少なくとも1つの累進面と、眼鏡の装用者が下を見るときに増大する(プラスの)パワーとを含む眼鏡レンズが重要視される。逆加入レンズ、すなわち少なくとも1つの累進面と、眼鏡の装用者が下を見るときに減少するパワー(すなわちパワーの減衰)とを含む眼鏡レンズは、一般的でない。
所望の光学的矯正を得るために眼鏡レンズがどのような形態をとらなければならないかは、その材料によって決定的に決まる。ここで、最も重要なパラメータは、材料の屈折率である。過去において、眼鏡レンズは、ほとんどの場合、ミネラルガラス、特にクラウンガラス(アッベ数>55)及びフリントガラス(アッベ数<50)から製造されていたが、一方で複数の有機材料による眼鏡レンズが入手可能となってきた。このような有機眼鏡レンズの母材は、とりわけCR 39、MR 8、MR 7、CR 330及びMR 174という商品名で提供されている。様々なこのような母材は、欧州特許出願公開第2692941A1号明細書の公報に記載されている。他の材料も、常に有機眼鏡レンズにとってのその適性について試験及び開発されている。下の表1は、様々な既知の母材の特徴的な可変値及び基準可変値を示す。
現在、球面、回転対称非球面又は累進前面を有する多数の有機眼鏡レンズ半完成品又は眼鏡レンズ完成品は、例えば、独国特許第3007572C2号明細書、米国特許出願公開第6,103,148A号明細書又は特開2008191186号公報の文献に記載されているように、シーリングリングによって相互に離間されて、プロセス中に空洞を形成する前及び後面フォームシェルを用いるプロトタイプで鋳造によって量産される。これは、MR 7、MR 8、MR 10及びCR 39、CR 607、CR 630等の商品名の母材に当てはまる。MR 7、MR 8及びMR 10の商品名の母材は、三井化学株式会社が販売するポリチオウレタンである。「MR」という省略形は、ここで、Mitsui Resinを表す。CR 39、すなわちColumbia Resin 39は、Pittsburgh Plate Glass Industries(PPG Industries)によって選択されたブランド名であり、この名称でポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート又はポリアリルジグリコールカーボネート(省略形:PADC)の材料が販売される。これは、熱硬化性ポリマー材料である。CR 607及びCR 630もPPGによって製造される。
ポリカーボネート製の眼鏡レンズの半完成品又は完成品は、一般に、射出成型法によって金属鋳型内で製造される。この製造方法は、例えば、欧州特許出願公開第0955147A1号明細書に記載されている。半完成品は、その処理が完了しており、その形状がその後の製造ステップにおいてそれ以上変更されない表面を有する眼鏡レンズブランクと理解される。原則として、半完成品の反対面は、材料アブレーション法によってその最終形状を得る。完成品は、両面が既にその最終形状を得た眼鏡レンズブランクである。
ミネラル眼鏡レンズは、一般に、ブランクの機械ベースの機械的砥粒加工によって製造される。
上述の半完成品又は完成品は、1つ又は複数の仕上げプロセスを受けることが多い。特に、機能層が片面又は両面に適用される。このような機能層は、眼鏡装用者にとって有利であり、眼鏡レンズが、その上に必要に応じて機能層が適用される母材又はキャリア材の特性及び成形にのみ基づいては有することのない所定の特性を眼鏡レンズに具備させる層である。反射防止コーティング、銀化、偏光、着色、調光等の光学特性に加えて、このような有利な特性には、硬化、埃の付着の低減化若しくは曇り軽減等の機械的特性、及び/又は電磁放射の遮断、電流伝導等の電気的特性、並びに/或いは他の物理的又は化学的特性も含まれる。機能コーティングの例は、国際公開第10/109154A1号パンフレット、国際公開第01/55752A1号パンフレット及び独国特許出願公開第102008041869A1号明細書の文献から得られる。
注文ごとの処方眼鏡レンズ、すなわち特にその光学特性が少なくとも部分的に事前に選択可能な方法で標準化されるのではなく、眼鏡レンズ上でのその寸法及び/又は配置に関して使用者に適合された方法で個別に計算及び製造される個別の単焦点及び多焦点レンズ、特に可変焦点又は累進レンズは、特に変形及び/又は研磨による機械的方法でその最終形状にされる。ここで、外側形状は、丸形、楕円形又は任意の実施形態を有し得、最後の場合にはいわゆるフリーフォームを指す。
近年、個々に調整された屈折力を有する高品質の眼鏡レンズが、この目的で設計された処方製造施設、いわゆるRxラボ(Rxは、レシピの省略形である)において、半完成品からの除去製造(ドイツ語での省略形はHFである)によって製造される。完成品は、強度又は屈折力、材料及び規則に応じて相互からの距離が異なる2つの光学面によって画定される。2つの光学面は、一般に使用されるフリーフォーム製造方法の結果として連続的である。この原則の例外として、二焦点及び三焦点レンズの場合の埋め込まれた近用領域は、ポリマーレンズの場合、鋳造プロセス中に前面中に既に導入されていなければならない。裏面上に突出した状態で形成された近用領域を有する対応する眼鏡レンズもある。
近用領域及び遠用領域は、複数の強度又は光学パワーを有する現在の眼鏡レンズにおいて、すなわち二焦点レンズ、三焦点レンズ及び多焦点レンズ、特に可変焦点レンズにおいて相互に空間的に分離されている。特に、眼鏡装用者が、近用領域であるが、顔の正面の高い位置において又は眼鏡の下側部分を通じて遠用領域を見ることを望む場合に常に面倒である。
設計の自由さの点で、眼鏡フレームの現在の市場は、製造者によって供給可能な眼鏡レンズの形状及び大きさに大きく依存している。眼鏡レンズを、それが半完成品にフィットするために依然として製造できるか− 又は場合に応じてできないか − を決定する半完成品の直径及び厚さは、特に決定的である。ここで、従来の量産の限界は、所定のシェル鋳型での半完成品の鋳造が不要となるため、大幅に拡張できる。
現在量産されている眼鏡レンズの場合、屈折率は、場所に関係なく均一且つ一定であり、したがって、眼鏡レンズの厚さは、矯正力が強い場合、縁に向かって(近眼又は近視患者の場合)又は中央に向かって(遠眼又は遠視患者の場合)大きく増大する。これは、審美的観点から、特に最初の場合には縁の厚さが目立つために魅力的でない。
高品質の製品にさえ存在する量産眼鏡レンズの以下の本来的な性質は、問題であると認識される:
1.近用領域及び遠用領域の巨視的な空間的分離。
2.Minkwitzの理論による、多焦点レンズの遠用領域から近用領域へのスムーズな移行の場合に縁に向かって不可避的に発生する非点収差によるひずみ。
3.多額の費用を投じなければ実現できない不連続の又は不連続的に区別可能な光学面。
4.例えば、二焦点又は三焦点レンズの場合など、非累進多焦点レンズの場合における主要レンズとセグメントとの間の、目に見えるために審美的に魅力的でない縁。
5.強い屈折力を有する眼鏡レンズの場合、目に見えるために美しくない縁の厚さ:特に近視の人の場合、プリズム値が高いと眼鏡レンズの縁が厚くなる。
6.美しいと考えられる眼鏡レンズの前面及び又は眼鏡フレームのための形状処方の場合の矯正用眼鏡の生産可能性に関する制約:現在の眼鏡レンズは、製造方法及びフレームの形状の結果として外側形状の点で非常に制約されており、その結果、それに相応して設計自由度も小さい。既存の制約の範囲内において、Nike Vaporwing Elite等の製品は、現実的に光学パワーを有して製造することができず、0dptのサングラスに限られる。
先行技術において、問題であると認識されている上述の特性に関して眼鏡レンズを改良するための様々な方法が開示されている。特に、これに関して、いわゆるデジタルファブリケータは、特に事実上あらゆる構造のための製造の選択肢を提供することが知られており、前記構造は、従来の研磨方法では実現できないか、又は実現が非常に困難である。デジタルファブリケータマシンの分類の中で、3Dプリンタは、加法(付加)、すなわち累積的構築ファブリケータの最も重要な小分類を代表する。3Dプリンティングの最も重要な技術は、金属のための選択的レーザ溶融(SLM)及び電子ビーム溶融、並びにポリマー、セラミック及び金属のための選択的レーザシンタリング(SLS)、液体人工樹脂のためのステレオリソグラフィ(SLA)及びデジタル光加工、並びにプラスチック及び部分的に人工樹脂のためのマルチジェット又はポリジェットモデリング(例えば、インクジェットプリンタ)及び熱溶融積層法(FDM)である。付加方法を用いて透過光学ユニットが製造される幾つかの手法を以下に概説する。
独国特許出願公開第102009008997A1号明細書は、部分的に異なる光屈折力を有する眼鏡レンズを参照することから得られる、複数の小型素子からなる導光構造を提案している。各素子は、光透過性又は透明材料から作られる複数の小滴からなり、前記小滴は、表面を画定する平面を有する基板上に堆積され、前記小滴の略半球状のアーチ部分は、基板から突出する。小滴は、異なる直径を有し、それにより、複数の小滴を有する各素子は、小型のプリズム部分若しくはレンズ部分又は他の任意の特定の光学ユニットを形成する。さらに、光透過性又は透明基板上に導光構造を製造する方法もこの文献から得られる。透明又は半透明の印刷インクがインクジェットプリンティングによって小滴の形態で基板上に塗布される。ここで、同じ及び異なる大きさの小滴が小型の導光素子を製造するために塗布され、共同でプリズム又はレンズ等の導光構造を形成する複数のこのような素子は、相互に隣り合わせて塗布される。
国際公開第2010/091888A1号パンフレットにも、導光構造及び特に光学プリズムが、3Dプリンティング方法を用いて、すなわち特に「ドロップオンデマンド」インクジェットプリンタ(DODインクジェットプリンタ)を用いて透明基板上に塗布される光学素子及びその製造方法が記載されている。また、その中では、独国特許出願公開第102005039113A1号明細書が、マイクロジェットプリンティング方法を用いた基板上への円柱マイクロレンズの堆積について既に述べていることが明記されている。国際公開第2014/108364A1号パンフレットには、例えば、シリコーン、シリコーン及びアクリル樹脂の混合物、エポキシ改質カチオンUV硬化性シリコーンが光学素子を製造するための印刷材料として提案されている。
単焦点眼鏡レンズの完成品から、欧州特許出願公開第2878989A1号明細書は、3Dプリンティング方法を用いた累進眼鏡レンズの製造を提案している。
国際公開第2015/014381A1号パンフレットには、透明眼科レンズの製造のための付加製造プロセス、例えばステレオリソグラフィ(SLA)、インクジェットプリンティング、選択的レーザシンタリング(SLS)、選択的レーザ溶融法(SLM)又は熱溶融積層法(FDM)の使用が記載されている。この文献には、0.1μm〜500μmの範囲において、例えばCAD(コンピュータ支援設計)ファイルで定義可能な所定の配置における方向に3Dグリッドを形成する立体画素(ボクセル)を相互に並べることによる、そのようなレンズの製造が記載されている。各立体画素(ボクセル)は、少なくとも1つのポリマー若しくはプレポリマー又はモノマーとの組成物からなる。立体画素(ボクセル)間の接続性は、その都度、化学的又は機械的結合を形成することによって確立される。適当なポリマーとして、この文献は、シクロオレフィンポリマー、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリイソブチル(メタ)アクリレート等のポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリカーボネート、ポリアリル、ポリスルフィド、ポリビニル、ポリアリレン、ポリオキシド及びポリスルフォン並びにそれらの混合物を明示している。適当なモノマー又はプレポリマーとして、この文献は、オレフィン、アクリル、エポキシド、有機酸、カルボキシル酸、スチレン、イソシアネート、アルコール、ノルボルネン、チオール、アミン、アミド、無水物、アリル、シリコーン、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルハライド及びエピスルフィドを明示している。モノマー又はプレポリマーは、熱硬化可能であるか、又は放射誘導的に硬化可能であり得る。放射誘導硬化には、光重合開始剤及び任意選択によるコフォトイニシエータを使用できる。
H.−J.Trost et al.,Proc.2001 Ann.Mtg.ASPE,10−15 Nov.2001(ASPE,Raleigh,NC 2001)pp.535−536は、例えば、屈折率勾配を有する眼鏡レンズ、いわゆるGRIN(屈折率分布)眼鏡レンズの、ドロップオンデマンド(DOD)技術を用いた製造を提案している。この技術は、インク小滴がノズルを通じて計測されながら塗布されるインクジェットプリンティング方法である。屈折率の所望の変化は、異なる光学インク材料を使用することによって実現される。プリンティング後、塗布された光学インク材料は、熱又はUV光によって硬化される。この文献は、半径方向及び/又は軸方向の屈折率勾配を有するレンズを製造する選択肢を示している。
国際公開第2015/102938A1号パンフレットにも、3Dプリンティング方法を用いた立体画素(ボクセル)からのレンズの製造が記載されている。このようにして、異なる誘電材料の層が積み重ねられてGRIN光学ユニットが製造される。
さらに、国際公開第2014/179780A1号パンフレットには、分散がほとんどない光学GRIN構造を製造することを目的とした、3DプリンティングによるGRIN光学ユニットの製造が記載されている。屈折率の勾配は、有機マトリクス内のナノ粒子の濃度を変化させることによって生成される。これらのナノ粒子のための可能な材料は、ZnS、ZrO、ZnO、BeO、AlN、TiO、SiOである。この文献の明細書によれば、有機マトリクスは、例えば、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂(SU8)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン及びポリ[(2,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロテトラヒドロフラン−2,3−ジイル)(1,1,2,2−テトラフルオロエチレン)](CYTOP)で構成できる。
多くの人々の審美的認識のニーズを満たす眼鏡レンズは、様々な方法を用いて製造できるが、さらなる改良が求められる。
特開2004157487A号公報には、複数のマイクロレンズセットから組み立てられる二焦点レンズが記載されている。マイクロレンズセットの各々は、固定の焦点又は固定の屈折率を有する。液晶装置を用いてマイクロレンズセット間の切り替えを行うことが可能である。
特開2003029216A号公報には、老眼鏡が記載されている。これらの老眼鏡の眼鏡レンズの裏面は、近用部における及び任意選択により近用部と遠用部との間にある中間領域における曲率の局所的変化がある。相互に入れ子状に配置される同様に湾曲した六角形の裏面小領域の群がある。群の各々は、異なる焦点距離を提供する。
特開平05313107A号公報には、ファイバ束からなるロッドから製造されるコンタクトレンズが記載されている。多数のファイバ群がある。1つの群内のすべてのファイバは、同じ屈折率を有する。異なる群のファイバは、その屈折率の点で異なる。完成したコンタクトレンズ内のマイクロレンズは、各ファイバからできている。製造プロセスのために、コンタクトレンズは、相互に入れ子状に配置される複数のマイクロレンズ群からなる。各マイクロレンズ群は、その群内での均一な屈折率によって焦点面を提供し、前記焦点面は、他のすべての群の焦点面と異なる。
本発明の目的は、問題であると認められている従来の眼鏡レンズの前述の要素の少なくとも1つにおいて改良されている眼鏡レンズを製造する方法を提供することである。
本発明の目的は、問題であると認められている従来の眼鏡レンズの前述の要素の少なくとも1つにおいて改良されている眼鏡レンズを提供することからさらになる。
方法に関する目的は、眼鏡レンズを製造するための、特許請求項1の特徴を有する方法によって実現される。製品に関する目的は、特許請求項3〜7の何れかの特徴を選択的に有する眼鏡レンズによって実現される。本発明の有利な実施形態及び発展形態は、従属請求項の主題である。
本発明によるすべての変形形態に共通することは、それぞれの眼鏡レンズが少なくとも2つの立体画素群、すなわち複数の第一の立体画素を含む第一の立体画素群を含み、複数の第一の立体画素は、幾何学グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、第一の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第一の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離で見るための屈折力を有する。さらに、眼鏡レンズは、第二の立体画素群を含み、これは、対応して複数の第二の立体画素群を含み、複数の第二の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、第二の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第二の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第二の部分は、第一の物体距離と異なる第二の物体距離で見るための屈折力を有する。本発明による眼鏡レンズのすべての変形形態において、第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドは、(例えば、変位されるか又はずらされて)相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入する。
幾何学において、グリッドは、グリッドセルの集合による空間領域の完全であり且つ重複しない区分化である。グリッドセルは、(架空の又は想像上の)グリッドポイントを(架空の又は想像上の)グリッド線によって相互に接続したものによって画定される。
第一及び第二部分グリッドが相互に貫入するとは、第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドが、全体が一致することなく、共通の空間を有することを意味する。本発明の範囲内において、相互内で貫入式に変位されるとは、例えば、閃亜鉛鉱型構造の状態の配置を意味し、これは、相互に関して斜めに空間の1/4だけ変位させて配置されている、相互内に設置された2つの立方面心部分格子の組合せと説明することができる。さらに、層表面内にあるベクトルの特定の寸法だけ相互に関して変位された(単層の)層格子も含まれるべきである。第一及び第二の2つの部分グリッドは、同じ形状である必要もない。むしろ、決定的であるのは、第一及び第二の2つの部分グリッドが、異なる物体距離で見るための屈折力の巨視的な空間的分離を提供しないことである。
第一の物体距離で見るための屈折力を提供する眼鏡レンズの第一の部分は、例えば、従来の眼鏡レンズの近用領域に対応し得、第二の物体距離で見るための屈折力を提供する眼鏡レンズの第二の部分は、遠用領域に対応し得る。したがって、第一及び第二の部分グリッドの本発明による配置は、3次元構造を提供し、その中の遠用及び近用領域は、いわば、事実上、一方がその中にある入れ子状に存在する。当然のことながら、第一の物体距離は、通常の眼−スクリーン距離でもあり得、第二の物体距離は、慣例的な読書距離であり得る。このような眼鏡レンズは、オフィスワーク等に適している。
したがって、眼鏡レンズの第一の部分及び第二の部分は、それを通じて眼鏡の装用者が見る眼鏡レンズの一致した表面領域を表す。これらの領域の典型的な表面寸法は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmである。
適当な実施形態の場合、眼鏡レンズは、
− 目に見える二焦点又は三焦点領域が存在せず、
− 可変焦点眼鏡の累進帯が不要となり、したがって、それに関連するすべての個別化パラメータが使用されなくなり(累進帯の長さ、内寄せ、フレーム形状、可変焦点プロファイル、従来の可変焦点レンズの場合に避けることができない像収差分布のバランス)、
− 加入度(2つの焦点間の差)がそのままとされ、焦点の数が、個別に設定される異なるボクセル(第一、第二及び任意選択でそれを超える立体画素群)の数によってのみ制限され、
− とりわけ、以下のパラメータ、すなわち頂点間距離(ドイツ語の省略形はHSAである)、装用時前傾角及びフロント角が必要に応じてそのままとすることができる点において区別され得る。
そのままにするとは、加入度、頂点間距離、装用時前傾角及びフロント角等のこれらのパラメータが、本発明による眼鏡レンズの設計時、先行技術による従来の眼鏡レンズの場合とまったく同じ方法で考慮されることを意味する。
可変焦点及び多焦点レンズの分野におけるこれらの明白な用途に加えて、本明細書に記載の実施形態は、単焦点レンズの審美的な問題の軽減方法も提供する。このために、光学的補正をもはや排他的でなく光学面の相対位置によって導入することが可能であり、先行技術における前述のタイプの従来の眼鏡レンズの場合のように一定の屈折率が考慮される。
本発明による立体画素群は、付加製造方法を用いて製造される。具体的には、本発明による眼鏡レンズを製造する方法は、
− 第一の立体画素群を付加製造するステップであって、第一の立体画素群は、複数の第一の立体画素を含み、複数の第一の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、第一の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第一の部分を形成し、眼鏡の前記第一の部分は、第一の物体距離で見るための屈折力を有する、ステップと、
− 第二の立体画素群を付加製造するステップであって、第二の立体画素群は、複数の第二の立体画素を含み、複数の第二の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、第二の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第二の部分を形成し、眼鏡の前記第二の部分は、第一の物体距離と異なる第二の物体距離で見るための屈折力を有する、ステップと
を含む。
本発明によれば、この方法は、第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドが、付加製造中、(例えば、変位されるか又はずらされて)相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入することを特徴とする。
第一の立体画素群の付加製造及び第二の立体画素群の付加製造の方法ステップでは、第一の立体画素群を最初に完成させ、その後、第二の立体画素群を完成させることが必要とならないはずである。むしろ、第一の立体画素群の1つ又は複数の立体画素をまず加法的に製造でき、その後、第二の立体画素群の1つ又は複数の立体画素、次に再び第一の立体画素群の1つ又は複数の立体画素等と続け、最終的に、2つの立体画素群は、2つの部分グリッドが相互内で貫入式に変位されることに対応するような本発明による配置で完成される。
付加製造(AM)又は付加製造方法は、以前にはラピッドプロトタイピングと呼ばれることが多かった、モデル、パターン、プロトタイプ、ツール及び最終製品の高速且つ費用対効果の高い製造方法の総称である。この製造は、無形態の(例えば、液体、粉末等)又は形態中立(帯型、ワイヤ型)材料から化学的及び/又は物理的プロセスにより、コンピュータ内部データモデルに基づいて直接実行される。これらは、基本的に成形方法であるが、特殊な製品のために被加工物のそれぞれの形状を記憶した特殊なツール(例えば、鋳型)は必要とされない。現在の先行技術は、VDI Statusreport AM 2014によって伝えられている。現行の3Dプリンティング方法は、2016年7月13日に検索されたhttps://3druck.com/grundkurs−3d−drucer/teil−2−uebersicht−der−aktuellen−3d−druckverfahren−462146/によって提供される。
マルチジェットモデリング又はポリジェットプリンティングの方法が特に適切であることがわかった。この方法は、例えば、それぞれ2016年7月13日に検索されたURL https://de.wikipedia.org/wiki/Multi_Jet_Modeling、URL http://www.materialise.de/3d−druck/polyjet又はURL http://www.stratasys.com/de/3d−drucker/technologies/polyjet−technologyに記載されている。ポリジェットは、強力な3Dプリンティング技術であり、それによって平滑で精密なコンポーネント、プロトタイプ及び製造補助具を製造できる。顕微鏡レベルの層分解能及び0.1mmまでの精度のために、各技術について利用可能な最も幅広い種類の材料から薄い壁及び複雑な形状をそれによって製造できる。ポリジェット3Dプリンタは、インクジェットプリンタのものと同様の動作を有する。しかしながら、インク小滴を紙上に噴霧する代わりに、ポリジェット3Dプリンタは、架橋性の液体フォトポリマーでできた層を構成土台上に噴霧する。この方法は、比較的単純であり、第一の準備ステップにおいて、準備ソフトウェアが3D CADファイルに基づいてフォトポリマー及び支持材料(すなわち3Dプリンティング中にフォトポリマーを位置決めし、それが硬化するまで支持する役割のみを果たす材料)の位置を自動的に計算する。実際の製造中、3Dプリンタは、液体フォトポリマーの微細な小滴を噴霧し、その後、直ちにUV光によってこれらを架橋させる。そのため、極薄い層が構築土台上に堆積され、それから1つ又は複数の精密3Dモデル又は3D部品が得られる。懸下するか又は複雑な形状を支持しなければならない場合、3Dプリンタは、除去可能な支持材料を噴霧する。使用者は、支持材料を手で、水で又は溶剤槽内で容易に除去できる。モデル及びコンポーネントは、好ましくは、後硬化を行わずに3Dプリンタから直接加工し、使用できる。
特に、ストラタシス(Objet)Eden 260 V 3Dプリンタが本発明による用途に適している。本明細書の導入部で既に述べられ、且つ特に国際公開第2014/179780A1号パンフレット及び国際公開第2015/014381A1号パンフレットの文献に明記された材料は、本発明による方法で使用するのに適している。例えば、第一及び第二の立体画素に適したポリマーは、シクロオレフィンポリマー等のポリオレフィン系ポリマー、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレメート、ポリイソブチル(メタ)アクリレート等のポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリカーボネート、ポリアリル、ポリスルフィド、ポリビニル、ポリアクリレン、ポリオキシド及びポリスルフォン並びにそれらの混合物である。オレフィン系ポリマー、アクリル、エポキシド、有機酸、カルボキシル酸、スチレン、イソシアネート、アルコール、ノルボネン、チオール、アミン、アミド、無水物、アリル、シリコーン、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルハライド及びエピスルフィドは、第一及び第二の立体画素を製造するための印刷材料として適したモノマー又はプレポリマーと考えることができる。モノマー又はプレポリマーは、熱硬化性又は放射誘導式に硬化可能であり得る。放射誘導硬化には、光重合開始剤及び任意選択によりコフォトイニシエータを使用できる。
前述のように、第一及び第二の立体画素は、ナノ粒子が付加されている有機マトリクスでも構成できる。有機マトリクスは、例えば、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂(SU8)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン及びポリ[(2,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロテトラヒドロフラン−2,3−ジイル)(1,1,2,2−テトラフルオロエチレン)](CYTOP)で構成できる。ナノ粒子に使用できる材料は、例えば、ZnS、ZrO、ZnO、BeO、AlN、TiO及びSiOである。
冒頭に示した方法に基づく問題は、眼鏡レンズを製造するための本発明によるこのような方法によってすべて解決される。
これらの文言で、本発明は、2つの部分グリッドの貫入的配置にのみ限定されないことに留意されたい。むしろ、異なる物体距離に対応する3つ以上の部分グリッドを実現することも可能である。しかしながら、異なる部分グリッドの数を5以下、好ましくは4以下又は他に3以下に限定すると有利であることがわかっており、なぜなら、そうでなければ人の脳が焦点の合った認識を行えないか、又はそれが非常に困難となるからである。
前述の製品に関する問題は、以下に明示される変形形態の1つによって解決でき、開始製品は、常に下記の特徴を有する眼鏡レンズである:本発明による眼鏡レンズは、複数の第一の立体画素を含む第一の立体画素群を含み、複数の第一の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分的グリッドを形成し、第一の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第一の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離で見るための屈折力を有する。さらに、眼鏡レンズは、複数の第二の立体画素を含む第二の立体画素群を含み、複数の第二の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分的グリッドを形成し、第二の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第一の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第二の部分は、第一の物体距離と異なる第二の物体距離で見るための屈折力を有する。第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドは、(例えば、変位されるか又はずらされて)相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入する。
本発明の第一の変形形態は、3次元の実施形態を有する第一の部分グリッド及び/又は3次元の実施形態を有する第二の部分グリッドからなる。一方又は両方の部分グリッドの3次元設計の結果として第一及び第二の部分間の層の数を増大させる相互作用があり、前記相互作用は、異なる物体距離で焦点の合った状態で見えるように設計されることが意図される。詳細は、図4に関する説明に関して後に解説される。しかしながら、原則として実現されるものは、光が眼鏡レンズを通過する際に前面及び後面で2回屈折するのではなく、より小さい角度ではあるが、部分グリッド間の各界面において毎回繰返し屈折することである。その結果、眼鏡レンズを通過する光の経路を個別に使用者に合わせて最適化することが可能となる。ここで、光の経路は、局所レベルで影響を受け得、従来のシステムでは緊密に接続されたままである比較的大きい光ビームを分割し、より小さいビームにおいてより精密に制御することができる。
本発明の第二の変形形態により、第一の立体画素は、それぞれ第一の表面要素を有し、及び第二の立体画素は、それぞれ第二の表面要素を有することが確実になる。ここで、表面要素とは、物体から出た光ビームが眼に到達するために通過しなければならない光学面を意味すると理解すべきである。共同で眼鏡レンズの前又は後面を形成するすべての表面要素は、特殊な事例である。この前及び後面と、したがってこれらを形成する表面要素とは、任意選択によりコーティングされ得る。表面要素は、担体との内側界面又は他の立体画素の表面要素を形成することもできる。
本発明のこの第二の変形形態は、相互に隣接する第一の立体画素群の第一の立体画素の第一の表面要素のそれぞれ1つ及び第二の立体画素群の第二の立体画素の第二の表面要素のそれぞれ1つが相互に斜めに配置されるか、又は段差を形成するように配置されることを特徴とする。詳細は、図5に関する説明に関して後に解説される。しかしながら、原則として実現されるものは、異なるF値を有する2つの立体画素群が、物理的に連続する眼鏡レンズ内で実現されることと、視覚領域内に明確に見える縁を有する二焦点レンズが必要とならないこととである。さらに、光学パワーが連続的に変化する結果として眼鏡レンズの縁に必然的に非点収差の歪みが生じる可変焦点レンズの累進帯をなくすことができる。その結果、立体画素群の表面間に小さい縁ができ、前記縁は、観察者から見て既知の解決策よりはるかに目立たない。
本発明の第三の変形形態は、以下の2つの構成から得られ、これらは、累積的にも存在し得る:
(i)第一の立体画素は、それぞれ上述の種類の第一の表面要素を有し、且つ第二の立体画素は、したがって、それぞれ第二の表面要素を有し、及び
(ii)第一の立体画素は、第一の材料からなり、且つ第二の立体画素は、第一の材料と異なる第二の材料からなる。
本発明によれば、第一の立体画素の1つと、第二の立体画素の隣接する1つとの間の移行について、材料の漸次的変化により、及び/又は隣接する第一及び第二の立体画素のそれぞれ隣接する第一及び第二の表面要素の向きの漸次的変化により実現されるようになされる。本発明の第二の変形形態では、1つの焦点から次の焦点への飛躍があるが、本発明の第三の変形形態では、原則として、この変化は、漸次的に実現される。さらなる詳細は、本明細書の最後の4つの部分にまとめられている。しかしながら、原則として実現されるものは、第三の変形形態において観察できるように、光学的に有効な表面内に残る縁をこの実施形態ではさらに軽減でき、したがって審美的特性においてさらなる改良が得られることである。加えて、立体画素群間の漸次的変化は、立体画素群間の様々な界面における迷光の生成を軽減させることにつながる。個々の立体画素群の計算と、それぞれの屈折率の設定とは、第二の変形形態よりはるかに複雑となり、設計のためにより多くの演算力が利用できなければならない。
第四の変形形態は、第一の立体画素群及び第二の立体画素群上に平滑化ハードコートが配置されることからなる。平滑化ハードコートとは、眼鏡レンズ基板の表面粗さ及び表面構造物を減少させる層を意味すると理解される。
この平滑化ハードコートにより、眼鏡レンズは、好ましくは、10nm未満の表面粗さRaを有する。さらに好ましくは、それぞれのすべての光学表面にわたる眼鏡レンズの表面粗さRaは、1.0nm〜8.0nmの範囲内、特に好ましくは3.0nm〜7.0nmの範囲内、非常に特に好ましくは4.0nm〜6.0nmの範囲内である。各場合の表面粗さRaの上記の値は、眼鏡レンズの前面及び裏面に関する。完成した眼鏡レンズに関する表面粗さRaは、好ましくは、白色干渉法により、好ましくはNew View 7100(Zygo Corporation)装置を用いて特定される。
平滑ハードコートの組成は、少なくとも1つのシラン誘導体、(RO)(Si(OR)(OR)(OR)を含むことができ、ここで、R、R、R、Rは、相互に同じでも異なっていても、また置換されていてもいなくてもよく、R、R、R、Rは、アルキル、アシル、アルキレンアシル、シクロアルキル、アリル及びアルキレンアリルからなる群から選択され得る。代替的に又は追加的に、平滑ハードコートの組成は、少なくとも1つのシラン誘導体R 3−nSi(ORを含むことができ、ここで、Rは、アルキル、アシル、アルキレンアシル、シクロアルキル、アリル及びアルキレンアリルからなる群から選択され得、Rは、置換されていてもいなくてもよく、Rは、エポキシド基を含む有機ラジカルであり、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリル及びアルケニルアリルからなる群から選択され得、Rは、置換されていてもいなくてもよい。このような平滑ハードコートの別の例は、欧州特許出願公開第2578649A1号明細書、独国特許出願公開第102005059485A1号明細書及び欧州特許出願公開第2385086A1号明細書に記載されている。原則として、これにより、異なる立体画素からなる構造は、外部から見た観察者にとって見えなくなるか又は目立ちにくくなる一方、眼鏡レンズに耐擦傷性が提供される。この変形形態の審美性平滑特性は、光学システムが2番の変形形態に記載されているような鮮明な縁及び飛躍的な変化を有するパラメータに基づいている場合、特に重要である。さらに別の利点は、コーティングされた表面のクリーニングしやすさが改良されていることにあり、なぜなら、埃が堆積する可能性のある溝がより少ないからである。コーティングされていない変形形態と比べて、さらなる利点は、任意選択により、パッドブリンティング又はインクジェットプリンティング方法によって眼鏡レンズ表面にさらに印刷できるスタンプ図形(センタリングクロス、測定円等)を適用する範囲内にある。
本発明の第五の変形形態は、第一の立体画素群及び第二の立体画素群が、(空間的な)屈折率勾配を有する担体表面に配置されることを特徴とする。本明細書の導入部に記載したように、屈折率の勾配により、その幾何学形状にほとんど依存しない本体の所望の屈折力を生成することが可能となる。それにより、眼鏡レンズは、空間的に一定の屈折率を有する担体を使用した場合よりも全体的に薄い実施形態を有することができる。第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置されている領域において、担体の厚さは、好ましくは、0.1〜5mm、さらに好ましくは0.5〜3mm、最も好ましくは1〜2mmである。
冒頭に挙げた製品に関する問題は、上述の5つの変形形態の各々によって完全に解決される。
以下に記載の本発明の変形形態は、例として後に詳細に説明するように、任意の方法で組み合わせることもできる。
原則として、第一及び第二の立体画素は、同じ材料からなり得る。したがって、異なる物体距離において鮮鋭な視野を得るための異なる屈折力の提供は、個々の第一及び第二の立体画素のそれぞれの表面形状、並びに/又は個々の第一及び第二の立体画素の相互に関する相対位置及び整列、並びに/又は2つの第一及び第二の部分グリッドを含むグリッドの外形によって特定又は設定される。まず、表面形状という用語は、それぞれの立体画素の表面積及び表面形状の両方、特にまた表面の局所的曲率を含む。
上述の説明によれば、代替的に、第一の立体画素は、第一の材料からなり、及び第二の立体画素は、第一の材料と異なる第二の材料からなるようにすることができる。したがって、異なる物体距離において鮮鋭な視野を得るための異なる屈折力の提供は、個々の第一及び第二の立体画素のそれぞれの表面形状、並びに/又は個々の第一及び第二の立体画素の相互に関する相対位置及び整列、並びに/又は2つの第一及び第二の部分グリッドを含むグリッドの外形だけでなく、それぞれの第一及び第二の立体画素の異なる光屈折特性によって特定又は設定される。特に、第一の材料が第一の屈折率を有し、及び第二の材料が、第二第一の屈折率と異なる第二の屈折率を有する場合に役割を果たすのは、立体画素の光学的に有効な面の向きだけでなく、その屈折力でもある。審美的認識の点における成形の制限は、ほとんどなくなるか又は従来の眼鏡レンズと比較して少なくとも大幅に緩和される。付加製造方法の採用、特にマルチジェット又はポリジェットプリンティング/モデリングの採用により、ほとんど費用をかけずに、不連続の及び/又は不連続的に区別される光学面を実現できる。例えば、近用領域及び遠用領域の巨視的な空間的分離(一般に、第一の物体距離範囲及び第二の物体距離範囲)がなくなり、それに関して、従来のタイプの可変焦点レンズの場合に縁に向かって発生する非点収差によるひずみがなくなる。
第一及び第二の立体画素を実現するために異なる屈折率の材料を利用した場合、第一及び第二の立体画素を、これらが共同で平滑な、任意選択によりさらには平坦な面を形成し、本発明による眼鏡レンズ又は眼鏡レンズを用いる眼鏡が所期の通りに使用されたときに物体の方向(すなわち任意選択によりコーティングが設けられ、眼鏡レンズの前面を形成する)及び/又は眼の方向(すなわち任意選択によりコーティングが設けられ、眼鏡レンズの裏面を形成する)の何れかに整列されるように配置することにより、異なる物体距離のための屈折力を生成することができる。それに対して、第一及び第二の立体画素を実現するために同じ屈折率の材料が利用された場合又はさらには同じ材料が利用された場合、第一及び第二の立体画素の表面は、異なる物体距離のために領域の巨視的な空間的一体化を提供するという本発明による特性を得るために、2つの異なる立体画素が相互に隣接する場所において、相互に関して異なる向きを有する。特に、この場合、本発明は、第一の立体画素がそれぞれ第一の表面要素を有することと、第二の立体画素がそれぞれ第二の表面要素を有することと、相互に隣接する第一の表面要素のそれぞれ1つ及び第二の表面要素のそれぞれ1つが相互に斜めに配置されることとを特徴とする。
要約すれば、第一の立体画素と第二の立体画素との間の移行は、材料における飛躍的な変化及び/又は隣り合う立体画素の相互に隣接するそれぞれの表面要素の向きの飛躍的な変化により、不連続的に実施できる。
代替として、第一の立体画素と第二の隣接する立体画素との間の移行は、漸次的に又はスムーズに実施することもでき、従来の可変焦点レンズにおける累進帯と同様の特性を有する。これは、したがって、材料の漸次的変化及び/又は隣接する立体画素のそれぞれの光学面の向きの漸次的変化によって実施できる。
第一の部分グリッドは、2次元実施形態を有することができる。代替として又は追加的に、第二の部分グリッドは、2次元実施形態を有することができる。本願の範囲内において、(部分)グリッドの2次元実施形態とは、1層グリッドを意味すると理解すべきである。別の表現をすれば、(部分)グリッドを形成するすべての立体画素が同一平面内にあるべきである。部分グリッドが何れも2次元実施形態を有する場合、第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドを含むグリッドも2次元グリッドを形成し、すなわち、これは、2つの部分グリッドが上述の平面内で相互に関して変位される場合である。例えば、2つの部分グリッドは、チェス盤のような構造の状態で存在でき、この場合、チェス盤の白いマスは、第一の部分グリッドの第一の立体画素に対応すると想像され、チェス盤の黒いマスは、第二の立体画素に対応すると想像される。
第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドの両方が2次元実施形態を有していたとしても、これらは、必ずしも立体画素が配置される平面内で相互に関して変位される必要はない。2つの部分グリッドを、相互に関して、この平面に垂直方向にのみ整列する方向と任意の空間的方向との両方に変位させることが可能である。
第一の部分グリッドは、3次元実施形態を有することもできる。代替として又は追加的に、第二の部分グリッドは、3次元実施形態を有することもできる。再び、2つの部分グリッドは、相互に関して任意の空間的方向に変位できる。特に、3次元実施形態の場合、2つの異なる焦点距離での焦点は、各層で相互に影響を与える。別の表現をすれば、部分グリッドの3次元設計の場合、第一及び第二の部分間の層の数と共に増大する相互作用があり、前記相互作用は、異なる物体距離で焦点の合った視野を得るように設計されることが意図される。詳細は、図4に関する説明に関して後に解説される。
第一の物体距離は、第二の物体距離と、5cmより大きく、又は10cmより大きく、又は15cmより大きく、又は20cmより大きく、又は30cmより大きく、さらには50cmより大きく異なることができる。別の表現をすれば、第一及び第二の立体画素を含む部分がそれぞれそれに合わせて設計される焦点面は、相互に上述の値だけ離間される。眼鏡の装用者は、同じ視線方向に沿って、これらの焦点面に配置された物体を焦点の合った状態で見ることができる。従来の多焦点レンズで必要であったような視界の変更は、本発明による種類の眼鏡レンズを用いることで不要になる。
原則として、眼鏡レンズを第一及び第二の立体画素群のみからなり得、又はそれによってのみ形成され得る。また、第一及び第二の立体画素群に対応する種類の1つ又は複数の別の立体画素が存在し、眼鏡レンズは、異なる種類のこれらの立体画素群のみからもなり得、その各々は、同じ又は異なる物体距離で見るための屈折力を提供する眼鏡レンズの部分を形成する。本発明による眼鏡レンズの特に有利な実施形態の変形形態は、第一の立体画素群及び第二の立体画素群が担体の表面上に配置されることを特徴とする。例えば、担体は、鋳造又はブランクからの砥粒加工等の方法を用いて製造されていることができる。しかしながら、本発明はまた、本発明による方法が、任意選択により、以下の方法ステップによって特徴付けられるようにする:
− 表面であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面を有する担体を付加製造するステップ。
例えば、担体は、物体側の球面、又はトーリック面、又はフリーフォーム面を有することができ、表面であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面は、担体の眼側面であり得る。代替的に、担体は、眼側の球面、又はトーリック面、又はフリーフォーム面を有することもでき、表面であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面は、担体の物体側面であり得る。上述の変形形態の両方において、眼鏡レンズの全体的な効果は、球面、又はトーリック面、又は回転対称の非球面、又はフリーフォーム面の屈折力と、第一及び第二の立体画素群の立体画素の光屈折特性とからなる。
最後に、表面であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面は、担体の眼側及び/又は物体側面でもあり得る。したがって、眼鏡レンズの全体的な効果は、実質的に、第一及び第二の立体画素群の立体画素の光屈折特性からなる。
さらに、担体が屈折率勾配を有するようにすることができる。本明細書の導入部に記載したように、屈折勾配により、その幾何学形状にほとんど依存しない本体の所望の屈折力を生成することが可能となる。
追加的に、第一の立体画素群及び第二の立体画素群上にコーティングを配置できる。特に、本明細書の導入部において述べたすべての機能層構造は、コーティングとして考慮される。特に、反射防止コーティング、銀化、偏光、着色、調光等の光学特性、及び硬化、埃の付着しやすさの低減化若しくは曇り軽減等の機械的特性、並びに/又は電磁放射の遮断、電流の伝導等の電気的特性、並びに/又は眼鏡レンズの他の物理的又は化学的特性に影響を与えるか又はこれらを変化させるものについて言及すべきである。
最後に、第一の立体画素群及び第二の立体画素群は、埋伏構造として実施することも可能である。一方では、これにより、その後のハードコーティング又は反射防止コーティングが実質的に単純化され(例えば、従来の平滑ハードコートシステムを使用できる)、他方では、相互に隣接する立体画素の表面の不連続性又は屈曲又は飛躍が、後に完成した眼鏡レンズの表面に埃が集まるような空洞を形成することがない。埋伏構造とは、基板材料中に埋め込むことを意味すると理解される。
本発明による眼鏡レンズの上述の屈折力は、それぞれ1000μm〜1mmの体積を有する第一の立体画素及び/又はそれぞれ1000μm〜1mmの体積を有する第二の立体画素で得ることができる。立体画素の可能な限り最小の体積は、製造方法により、例えばマルチジェット又はポリジェットモデリングの場合の小滴の大きさにより、及び例えばSLA方法におけるレーザの焦点の大きさにより予め決められる。
例えば、第一の立体画素は、それぞれ100μm〜1mmの物体側表面を有することができ、及び/又は第二の立体画素は、それぞれ100μm〜1mmの物体側表面を有することができる。代替として又は追加的に、第一の立体画素は、それぞれ100μm〜1mmの眼側表面を有することができ、及び/又は第二の立体画素は、それぞれ100μm〜1mmの眼側表面を有することができる。
第一の部分を形成する第一の立体画素の数は、好ましくは、50〜10、さらに好ましくは100〜10、最後にさらに好ましくは200〜10、最後にさらにより好ましくは500〜10にある。
第二の部分を形成する第二の立体画素の数は、好ましくは、50〜10、さらに好ましくは100〜10、最後にさらに好ましくは200〜10、最後にさらにより好ましくは500〜10にある。
好ましくは、第一の立体画素の数と第二の立体画素の数とは、同じ桁の大きさである。これは、第一の立体画素の数と第二の立体画素の数とが相互に10倍を超えて、好ましくは8倍を超えて、さらに好ましくは5倍を超えて、最後にさらに好ましくは2倍を超えて異ならないことを意味する。
本発明による技術的解決策は、特に発明的な概念の上述の有利な実施形態及び発展形態によるそれを考慮した場合、下記の利点を有する:可変焦点及び多焦点レンズの分野における上述の用途、並びに特に単焦点レンズの場合の審美的な問題を軽減する同様に上述した手法に加えて、さらに、平面レンズ又はさらには物理的に平坦なプレートが眼鏡レンズとして生成される、純粋に屈折率勾配光学系に基づくシステム(上述の公報国際公開第2015/102938A1号パンフレット及び国際公開第2014/179780A1号パンフレットを参照されたい)を選択することができない。光学的に活性な表面を基板材料の屈折率勾配と好都合に組み合わせることにより、非常に良好な結果が得られる。近視という眼の障害を矯正する際、屈折率が眼鏡レンズの縁に向かって増大するとき、眼鏡レンズの縁の厚さを薄くすることができる。プラスチックが使用される場合、最大の屈折率上昇は、1.48〜1.80であり、基本の化学的性質の必然的な変化の結果として実現が難しい。ミネラルガラスは、増大の可能性がより高くなる。
眼鏡レンズの設計において、現行の技術の様々な制約が取り除かれる。球面又は非球面の回転対称の前面への制約と、曲率に関する提供範囲の制約とが取り除かれることは特に有利である。本明細書に記載の技術を用いた場合、レンズの光学パワーに関する結果を生じても生じなくても、任意の曲率及び曲率変化を実現できる。必要に応じて、曲率の変化は、屈折率の変化によって補償できる。
さらに有利な特性は、利用可能な半完成品の直径に対する制約による眼鏡レンズの大きさの制約が取り除かれることである。製造上の理由により、約80〜90mmの直径に制約された半完成品の場合と異なり、既にそれよりかなり大きく、有利な点として200×200×200mmを超える3Dプリンタの構成空間の最大の大きさが製造限度を表す。この空間が利用されれば、眼鏡、シールド等の全体を1ピースでプリントすることが可能である。
図面を参照しながら本発明を以下により詳細に説明する。
相互内で貫入式に変位された、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成される2つの部分グリッドの配置の第一の例示的実施形態を示す。 相互内で貫入式に変位された、第一、第二、第三及び第四の立体画素群の立体画素によって形成される4つの部分グリッドの配置の例示的実施形態を示す。 相互内で貫入式に変位された、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成される2つの部分グリッドの配置の第二の例示的実施形態を示す。 相互内で貫入式に変位された、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成される2つの部分グリッドの配置の第三の例示的実施形態を示す。 相互内で貫入式に変位された、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成される2つの部分グリッドの配置の第四の例示的実施形態の、a)立体画素の配置、b)それぞれ第一及び第二の立体画素の1つの拡大図を示す。 本発明による眼鏡レンズの第一の例示的実施形態を物体側からの平面図で示す(概略図)。 本発明による眼鏡レンズの第二の例示的実施形態を断面図で示す(概略図)。 本発明による眼鏡レンズの第三の例示的実施形態を断面図で示す(概略図)。 本発明による眼鏡レンズの第四の例示的実施形態を断面図で示す(概略図)。 本発明による眼鏡レンズの第五の例示的実施形態を断面図で示す(概略図)。 本発明による眼鏡レンズの例示的実施形態を示す。
上記では、本発明による眼鏡レンズが少なくとも2つの立体画素群を含むと説明した。2つの立体画素群は、以下で第一及び第二の立体画素群と呼び、各々が複数の対応する立体画素を含む。第一の立体画素群の立体画素を以下で第一の立体画素と呼び、第二の立体画素群の立体画素を以下で第二の立体画素と呼ぶ。
第一の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置され、第一の部分グリッドを形成する。共同で、第一の立体画素群の立体画素は、眼鏡レンズの第一の部分を形成する。共同で、これらは、眼鏡の装用者が所期の使用中にそれを通じて注視する眼鏡レンズの領域を画定し、前記領域は、第一の物体距離で見るための屈折力を有する。
第二の立体画素も同様に幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置され、全体としてそれ自体で第二の部分グリッドを形成する。共同で、第二の立体画素群の立体画素は、眼鏡レンズの第二の部分を形成する。共同で、これらは、眼鏡の装用者が所期の使用中にそれを通じて注視する眼鏡レンズの領域を画定し、前記領域は、第二の物体距離で見るための屈折力を有し、前記第二の物体距離は、第一の立体画素群の立体画素によって形成される第一の部分グリッドによって設定される上記の第一の物体距離と異なる。
第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドは、それぞれの場合に相互内で貫入式に変位されて配置される。その結果、それぞれ異なる立体画素から形成される眼鏡レンズの2つの部分グリッドによって画定され、異なる物体距離向けとして設計された領域は、巨視的レベルで一致する。これについて、図に基づいて後に再び説明する。
図1は、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成された2つの部分グリッドの、相互内で貫入式に変位された配置の第一の例示的実施形態を示す。この例示的実施形態において、第一の部分グリッドは、直方体の立体画素1a、1b、1c...1t、1uからなり、これらは、チェス盤の白いマスのように配置される。この例示的実施形態において、第二の部分グリッドは、直方体の立体画素2a、2b、2c...2t、2uからなり、これらは、チェス盤の黒いマスのように配置される。各直方体の立体画素1a、1b、1c...1t、1u、2a、2b、2c...2t、2uは、同じ量の空間を占め、縁の長さは、a、a、aである。縁の長さa、a、aは、通常、10μm〜1mmの範囲内にある。直方体の立体画素1a、1b、1c...1t、1u、2a、2b、2c...2t、2uの体積は、したがって1000μm〜1mmの範囲内となる。
この例示的実施形態において、立体画素1a、1b、1c...1t、1uに基づく第一の部分グリッド及び立体画素2a、2b、2c...2t、2uに基づく第二の部分グリッドは、同じ実施形態を有する。幾何学的観点から、2つの部分グリッドは、相互に関して紙の横幅の方向に縁の長さaだけずらされる。代替的に、2つの部分グリッドは、相互に関して紙の横幅の方向に垂直な方向に縁の長さaだけずらされると言うこともできる。この例示的実施形態において、部分グリッドの両方は、同一平面内にある。この場合、図1の表面3は、図1に示される構造に基づく眼鏡レンズの所期の使用中に物体と対向する面とされる。したがって、その場合に図1で見えていない表面4は、眼鏡レンズの所期の使用中に眼鏡装用者の眼と対向する表面である。この例示的実施形態において、それぞれが平坦な面を表す1つの立体画素1a、1b、1c...1t、1u、2a、2b、2c...2t、2uの物体側の表面は、上述の大きさの仕様を考慮して100μm〜1mmである。
この例示的実施形態において、眼鏡レンズのうち、第一の部分グリッドによって画定される部分は、直方体の立体画素1a、1b、1c...1t、1uの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第一の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第一の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、直方体の立体画素1a、1b、1c...1t、1uの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
この例示的実施形態において、眼鏡レンズのうち、第二の部分グリッドによって画定される部分は、直方体の立体画素2a、2b、2c...2t、2uの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第二の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第二の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、直方体の立体画素2a、2b、2c...2t、2uの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
巨視的観点から、第一の部分グリッドによって画定される表面領域と第二の部分グリッドによって画定される表面領域とが一致し、したがって、第一の物体距離向けに設計された眼鏡レンズの部分と、第二の物体距離向けに設計された眼鏡レンズの部分との間に巨視的な分離がない。老眼の装用者のために設計された従来のタイプの二焦点又は可変焦点レンズと異なり、近用部及び遠用部は、巨視的観点から一致する。
例えば、国際公開第2015/102938A1号パンフレットには、このようなグリッド構造がどのように製造されるかが詳細に記載されている。そのため、1つ又は複数のプロセッサを備える3Dプリンタは、この例示的実施形態では、複数の立体画素を含む1層のデータによるCADモデルを受け取る。したがって、このデータには、例えば、上述の第一の立体画素1a、1b、1c...1t、1uが、第一のプリンタインクに対応する第一の誘電定数を有する第一の材料から製造されるべきであるという情報と、上述の第二の立体画素2a、2b、2c...2t、2uが、第二のプリンタインクに対応する第二の誘電定数の第二の材料から製造されるべきであるという情報とが含まれる。このデータから3Dプリンタの1つ又は複数のプロセッサは、それぞれの立体画素1a、1b、1c...1t、1u、2a、2b、2c...2t、2uを生成するための、それぞれのプリンタインクを設置すべきそれぞれの位置、温度及び/又はUV光の要求事項、並びに設置されたプリンタインクを硬化するための対応する時間を計算する。
図2は、部分グリッドの立体画素の、相互内で貫入式に変位された配置の別の例示的実施形態を示す。この例示的実施形態において、全体のグリッドは、4つの部分グリッドから形成される。4つの部分グリッドは、第一、第二、第三及び第四の立体画素グリッドの立体画素を含む。六角形の立体画素11a、11b、11c、11dに基づく第一の部分グリッド、六角形の立体画素12a、12b、12c、12dに基づく第二の部分グリッド、六角形の立体画素13a、13bに基づく第三の部分グリッド及び六角形の立体画素14a、14bに基づく第四の部分グリッドは、この例示的実施形態では、同じ実施形態を有する。六角形の立体画素11a、11b、11c、11d、12a、12b、12c、12d、13a、13b、14a、14bの体積は、1000μm〜1mmの範囲内である。
この例示的実施形態では、眼鏡レンズのうち、第一の部分グリッドによって画定される部分は、立体画素11a、11b、11c、11dの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第一の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第一の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、立体画素11a、11b、11c、11dの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
この例示的実施形態では、眼鏡レンズのうち、第二の部分グリッドによって画定される部分は、立体画素12a、12b、12c、12dの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第二の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第二の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、立体画素12a、12b、12c、12dの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
この例示的実施形態では、眼鏡レンズのうち、第三の部分グリッドによって画定される部分は、立体画素13a、13bの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第三の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第三の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、立体画素13a、13bの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
この例示的実施形態では、眼鏡レンズのうち、第四の部分グリッドによって画定される部分は、立体画素14a、14bの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第四の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第四の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、立体画素14a、14bの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
巨視的観点から、第一の部分グリッドによって画定される表面領域、第二の部分グリッドによって画定される表面領域、第三の部分グリッドによって画定される表面領域及び第四の部分グリッドによって画定される表面領域が一致し、したがって、第一の物体距離向けに設計された眼鏡レンズの部分と、眼鏡レンズの、第二の物体距離向けに設計された部分と、第三の物体距離向けに設計された部分と、第四の物体距離向けに設計された部分との間に巨視的な分離がない。
図3は、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成された2つの部分グリッドの、相互内で貫入式に変位された配置の第二の例示的実施形態を示す。立体画素21a、21b、21c、21d,...21x、21y、21zに基づく第一の部分グリッドは、円柱立体画素21aと複数の環状セグメント形立体画素21b、21c、21d、...21x、21y、21zを含む。第二の部分グリッドは、複数の環状セグメント形立体画素22a、22b、22y、22zのみを含む。図2及び3に示される例示的実施形態と同様に、すべての立体画素21b、21c、21d,...21x、21y、21z、22a、22b、22y、22zは同一平面内に配置される。
図4は、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成される2つの部分グリッドの、相互内で貫入式に変位された配置の第三の例示的実施形態を示す。
この例示的実施形態において、直方体の立体画素1a、1b、1c...1x、1y、1zに基づく第一の部分グリッド及び直方体の立体画素2a、2b、2c...2y、2zに基づく第二の部分グリッドは、同じ実施形態を有する。両方の部分グリッドは、3次元直方体構造の連続を表し、その中のそれぞれの立体画素21b、21c、21d、...21x、21y、21z、22a、22b、22y、22zは相互に隣接して、相互内に、相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入する。したがって、最後のグリッドは、図1に示されるタイプの複数の層を含む。この場合、図1で見えている表面3は、図1に示される構造に基づく眼鏡レンズの所期の使用中に物体と対向する面とされる。したがって、その場合に図1で見えていない表面4は、眼鏡レンズの所期の使用中に眼鏡装用者の眼と対向する表面である。
この例示的実施形態において、眼鏡レンズのうち、第一の部分グリッドによって画定される部分は、直方体の立体画素1a、1b、1c...1x、1y、1zの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第一の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第一の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、直方体の立体画素1a、1b、1cの物体側(及び眼側)の表面の合計(すなわち、表面3のすべての黒いエリア)により決まる。本発明によれば、この表面領域は0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
この例示的実施形態において、眼鏡レンズのうち、第二の部分グリッドによって画定される部分は、直方体の立体画素2a、2b、2c...2x、2y、2zの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第二の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第二の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、直方体の立体画素2a、2b、2cの物体側(及び眼側)の表面の合計(すなわち、表面3のすべての白いエリア)により決まる。本発明によれば、この表面領域は0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
巨視的観点から、第一の部分グリッドによって画定される表面領域(すなわち、表面3のすべての黒いエリア)及び第二の部分グリッドによって画定される表面領域(すなわち、表面3のすべての白いエリア)は一致し、したがって、第一の物体距離向けに設計された眼鏡レンズの部分と、第二の物体距離向けに設計された眼鏡レンズの部分との間に巨視的な分離がない。老眼の装用者のために設計された従来のタイプの二焦点又は可変焦点レンズと異なり、近用部及び遠用部は、巨視的観点から一致する。
特に、眼鏡レンズの第一及び第二の部分の物体側及び眼側面3、4が平坦な面を形成する場合、異なる物体距離のための設計は、対応する屈折率の変化によってのみ実現できる。したがって、一方内に他方が入る入れ子状のGRIN構造が必要となる。適切に適合される屈折率変化の代わりに又はそれに加えて、立体画素を用いて入れ子状の焦点領域を生成することもでき、その物体側及び/又は眼側面は、必要な曲率で実施される。
図4に示される構造は、非常に複雑なシステムを表し、なぜなら、異なる材料の焦点は、各層でも相互に影響を与えるからである。この構造は、単焦点レンズが検討されている場合に関心対象となる。したがって、これらの3Dチェス盤パターンは、縁で使用できる。3Dプリンタは、バイナリでのみ、すなわち一方又は他方の材料のみを印刷できるため、「スムーズな物質の変化」は、十分に小さい立体素子によって実現しなければならない。
図5は、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成された2つの部分グリッドの、相互内で貫入式に変位された配置の第四の例示的実施形態を示す。図5a)は、図1に関して上で詳細に説明したようなチェス盤パターンの状態の立体画素51a、51b、...51t、51u、52a、52b、52c,...52t、52uの基本的配置を示す。個々の立体画素が、異なる物体距離について焦点の合った状態で見やすくする融合部分ができるような方法で、対応する屈折率の変化によって設計される図1による実施形態の変形形態と異なり(又は任意選択によりそれに加えて)、図5による実施形態には、物体側表面が(及び任意選択により眼側表面も)異なる曲率を有し、隣り合う第一及び第二の立体画素が連続的にではなく、斜めに相互に及び任意選択により飛躍して隣接するような立体画素51a、51b、...51t、51u、52a、52b、52c,...52t、52uが含まれる。図5a)は、それぞれ第一及び第二の立体画素52c及び51iの1つの拡大図を示し、これらの物体側表面53c及び54cは、隣り合う2つの第一及び第二の立体画素が相互に隣接する移行部において異なる曲率を有する。
図6は、第一の例示的実施形態の眼鏡レンズ60を物体側からの平面図で概略図の形態において示す。見えている表面は、参照符号63によって示される。この例示的実施形態は、領域61を有し、これは、本発明による形態で実施される。図1に示されるような「チェス盤パターン」の状態の2つの部分グリッドの入れ子式配置を見ることができる。第一の部分グリッドの立体画素は、例示的に参照符号61a、61bで示され、第二の部分グリッドは、例示的に参照符号62a、62bで示されている。
本発明によれば、領域61は、2つの異なる物体距離で焦点の合った状態で見るために設計される。
図7は、第二の例示的実施形態の眼鏡レンズ70を断面図(概略図)で示す。この例示的実施形態において、眼鏡レンズ70全体は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置され、第一の部分グリッドを形成する複数の第一の立体画素71a、71bの第一の立体画素群と、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置され、第二の部分グリッドを形成する複数の第二の立体画素72a、72bの第二の立体画素群とからなる。原則として、この実施形態は、図4に示されるような相互に関する2つの部分グリッドの配置に対応する。
全体として、第一の立体画素71a、71bは、眼鏡レンズの第一の部分を形成し、これは、第一の物体距離で見るための屈折力を有する。全体として、第二の立体画素は、眼鏡レンズの第二の部分を形成し、これは、第一の物体距離と異なる第二の物体距離で見るための屈折力を有する。第一の立体画素群及び第二の立体画素群は、相互に貫入するため、これらは、第一に、第一の物体距離dにある物体を焦点の合った状態で見ることと、第二の物体距離dにある物体を焦点の合った状態で見ることとを容易にする共通の巨視的な視界領域を形成する。対応する焦点面は、図中において参照符号73及び74によって示される。
図8は、第三の例示的実施形態の眼鏡レンズ80を断面図(概略図)で示す。この例示的実施形態において、本発明による構造81は、透明担体85の後面(眼側)84に埋伏構造の形態で適用される。眼鏡レンズ80の前面(物体側)83は、球面、トーリック面、回転対称非球面又は非球面の実施形態を(例えば、フリーフォーム面として)有することができる。
断面図(概略図の形態)における第四の例示的実施形態の眼鏡90は、図9からわかる。この例示的実施形態において、本発明による構造91は、透明担体95の前側(物体側)93に埋伏構造の形態で適用される。眼鏡レンズ90の後面(眼側)94は、球面、トーリック面又は非球面の実施形態を(例えば、フリーフォーム面として)有することができる。
例えば、ハードコート、反射防止コーティング、蓮の葉効果コーティング等のコーティングは、眼鏡レンズ80、90の光学的に有効な表面83、84、93、94の一方又は両方に適用できる。
図10は、本発明による第五の例示的実施形態の眼鏡レンズ102を断面図で概略図の形態において示す。この例示的実施形態において、本発明による構造101は、透明担体105の後側(眼側)の一部に埋伏構造の形態で適用される。眼鏡レンズ102の前面(眼側)103は、球面、トーリック面又は非球面の実施形態(例えば、フリーフォーム面として)を有することができる。埋伏構造の隙間106aも埋める平滑ハードコート106、接着促進層107及び複数の個別層からなる反射防止コーティング108が埋伏構造101に適用される。
ここで、構造102は、担体105の前及び後の両方に適用できることが明示的に言及される。
本発明による眼鏡レンズ110a、110bを用いた例示的実施形態の眼鏡100は、図11からわかる。2つの眼鏡レンズ110a、110bに加えて、眼鏡100は、眼鏡フレーム120を含み、そのうちのブリッジ125及び2つのつる130a、130bが示されている。各眼鏡レンズ110a、110bは、担体66a、66bを含み、その各々は、図6に示されるタイプの本発明による構造61a、61bを含む。眼鏡のすべての構成部品が3Dプリンティング方法を用いて製造され得る。
要約すれば、本発明の概念は、3次元構造を、眼鏡レンズの屈折力を制御できる、特に個々の立体画素の各々の屈折率及び立体画素の表面の相対的な向きを制御できる製造方法(例えば、ポリジェットプリンティング)を用いて構成することからなり、前記3次元構造の遠用領域及び近用領域は、相互に入れ子式に存在する。1つの焦点から次の焦点への変化は、漸次的にも飛躍的にも実施できる。第一の場合、小さい移行ゾーンが生じ、前記移行ゾーンは、従来の可変焦点レンズの場合の累進帯及びそれに関連する光学特性と同様の特性を有する。第二の場合、特性の変化は、材料を変えること又は光学面の向きを変えることによって飛躍的に実施できる。
表面要素は、必要に応じて配置され得る。例えば、限定ではないが、チェス盤として、六角形として又は同心円としてである。
好ましい実施形態において、表面の不連続性は、2つの材料を有する埋伏構造として実施でき、第一に、これは、実質的にその後のハードコーティング及び反射防止コーティングを単純化し(従来の平滑ハードコートシステムを使用できる)、第二に、表面の不連続性は、後に表面に埃を堆積させるような空洞を形成しない。
これにより、光学表面の様々な組合せが得られる:
− 前及び後側の2つの不連続面、
− 前又は後側の1つの不連続面及びレンズの反対側の球面、トーリック面又は非球面(フリーフォーム面)。
何れの組合せで理想的な矯正が得られるかは、個別のパラメータ(球面、乱視、プリズム屈折力、加入度等)と、異なる表面特性の可能性との組合せから生じる。
ハードコートは、光学的に有効な表面の縁が平滑化されないか又は絶対的に不可避である以上に平滑化されないように設定しなければならない。材料の屈折率によって屈折力の変化が提供される場合、考え得る実施形態は、特許出願国際公開第2015/014381A1号パンフレット及び国際公開第2014/179780A1号パンフレットにある。2つ以上の表面要素間の所望のパワーの差(加入度)が、2つの原理(材料の変化及び不連続表面)の一方のみを提供した場合に所望の効果を得るのに不十分である場合、2つの方式を相互に組み合わせることができる。
眼鏡レンズは、従来の仕上げ、ハードコーティング及び反射防止コーティングを引き続き含むべきである。本発明による方式をハイブリッドレンズに移行させても、それ自体が可能な実施形態となる。前提条件となるのは、眼鏡レンズの表面にフィットする、本発明による構造の実施された担体の利用可能性である。
欧州特許庁審判部の審決J15/81の意味における節の形態の本発明の他の態様を以下に示す。
第1節.眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)であって、
− 第一の立体画素群であって、複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)を含み、複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、共同で眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、100b)の第一の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第一の立体画素群と、
− 第二の立体画素群であって、複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)を含み、複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、共同で眼鏡レンズ(60、70、80、90、110a、100b)の第二の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第二の部分は、第一の物体距離(d)と異なる第二の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第二の立体画素群と
を含み、
− 第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドは、相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入することを特徴とする眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第2節.第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、第一の材料からなることと、第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、第一の材料と異なる第二の材料からなることとを特徴とする、第1節による眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第3節.第一の材料は、第一の屈折率を有することと、第二の材料は、第一の屈折率と異なる第二の屈折率を有することとを特徴とする、第1節又は第2節の何れかによる眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第4節.第一の立体画素(51a、51b、51i、51t、51u)は、それぞれ第一の表面要素(54c)を有することと、第二の立体画素(52a、52b、52c、52t、52u)は、それぞれ第二の表面要素(53c)を有することと、相互に隣接する第一の表面要素(54c)のそれぞれ1つ及び第二の表面要素(53c)のそれぞれ1つは、相互に斜めに配置されることとを特徴とする、第1節〜第3節の何れか1節による眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第5節.第一の部分グリッドは、2次元の実施形態を有すること、及び/又は第二の部分グリッドは、2次元の実施形態を有することを特徴とする、第1節〜第4節の何れか1節による眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第6節.第一の部分グリッドは、3次元の実施形態を有すること、及び/又は第二の部分グリッドは、3次元の実施形態を有することを特徴とする、第1節〜第5節の何れか1節による眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第7節.第一の物体距離(d)は、第二の物体距離(d)と、10cm、15cm、20cm、30cm及び50cmの群からの値より大きく異なることを特徴とする、第1節〜第6節の何れか1節による眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第8節.第一の立体画素群及び第二の立体画素群は、担体(85、95、105、66a、66b)の表面上に配置されることを特徴とする、第1節〜第7節の何れか1節による眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第9節.− 担体(85)は、物体側の球面、又はトーリック面、又はフリーフォーム面を有し、及び表面であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面は、担体(85)の眼側表面であること、又は
− 担体(95、105)は、眼側の球面、又はトーリック面、又はフリーフォーム面を有し、及び表面であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面は、担体(95、105)の物体側表面であること、又は
− 表面であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面は、担体の眼側及び/又は物体側表面であることを特徴とする、第8節による眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第10節.担体(85、95、105,66a、66b)は、屈折率勾配を有することを特徴とする、第8節又は第9節の何れかによる眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第11節.コーティング(105、106a、107、108)は、第一の立体画素群及び第二の立体画素群上に配置されることを特徴とする、第1節〜第10節の何れか1節による眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第12節.第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、それぞれ1000μm〜1mmの体積を有すること、及び/又は第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、それぞれ1000μm〜1mmの体積を有することを特徴とする、第1節〜第11節の何れか1節による眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第13節.− 第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、それぞれ100μm〜1mmの物体側表面を有し、且つ/若しくは第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、それぞれ100μm〜1mmの物体側表面を有すること、及び/又は
− 第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、それぞれ100μm〜1mmの眼側表面を有し、且つ/若しくは第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、それぞれ100μm〜1mmの眼側表面を有すること
を特徴とする、第12節による眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
第14節.眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)を製造する方法であって、
− 第一の立体画素群を付加製造するステップであって、第一の立体画素群は、複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)を含み、複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、共同で眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、100b)の第一の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、ステップと、
− 第二の立体画素群を付加製造するステップであって、第二の立体画素群は、複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)を含み、複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、共同で眼鏡レンズ(60、70、80、90、110a、100b)の第二の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第二の部分は、第一の物体距離(d)と異なる第二の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、ステップと
を含み、
− 第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドは、付加製造中、相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入することを特徴とする方法。
第15節.− 表面(104)であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面(104)を有する担体(66a、66b)を付加製造するステップによって特徴付けられる、第14節による方法。
本発明は、特許請求項3〜5の前提部に記載の眼鏡レンズと、特許請求項1の前提部に記載の眼鏡レンズを製造する方法とに関する。
眼鏡レンズは、先行技術から多様なものが知られている。名目上の屈折力を有さない眼鏡レンズ及び矯正用眼鏡レンズ、すなわち屈折力を有する眼鏡レンズがある。屈折力とは、眼鏡レンズの合焦及びプリズムパワーの総称である。
矯正用眼鏡レンズの場合、単焦点眼鏡レンズと多焦点眼鏡レンズとに区別される。単焦点眼鏡レンズは、設計に関して1つの屈折力のみが存在する眼鏡レンズである。多焦点眼鏡レンズは、設計に関して異なる合焦パワーを有する視覚的に異なる2つ以上の部分が存在する眼鏡レンズである。特に、二焦点眼鏡レンズ、すなわち、通常、遠用部と近用部との2つの部分を含む多焦点レンズ、及び可変焦点レンズ、すなわち少なくとも1つの累進面と、眼鏡の装用者が下を見るときに増大する(プラスの)パワーとを含む眼鏡レンズが重要視される。逆加入レンズ、すなわち少なくとも1つの累進面と、眼鏡の装用者が下を見るときに減少するパワー(すなわちパワーの減衰)とを含む眼鏡レンズは、一般的でない。
所望の光学的矯正を得るために眼鏡レンズがどのような形態をとらなければならないかは、その材料によって決定的に決まる。ここで、最も重要なパラメータは、材料の屈折率である。過去において、眼鏡レンズは、ほとんどの場合、ミネラルガラス、特にクラウンガラス(アッベ数>55)及びフリントガラス(アッベ数<50)から製造されていたが、一方で複数の有機材料による眼鏡レンズが入手可能となってきた。このような有機眼鏡レンズの母材は、とりわけCR 39、MR 8、MR 7、CR 330及びMR 174という商品名で提供されている。様々なこのような母材は、欧州特許出願公開第2692941A1号明細書の公報に記載されている。他の材料も、常に有機眼鏡レンズにとってのその適性について試験及び開発されている。下の表1は、様々な既知の母材の特徴的な可変値及び基準可変値を示す。
現在、球面、回転対称非球面又は累進前面を有する多数の有機眼鏡レンズ半完成品又は眼鏡レンズ完成品は、例えば、独国特許第3007572C2号明細書、米国特許出願公開第6,103,148A号明細書又は特開2008191186号公報の文献に記載されているように、シーリングリングによって相互に離間されて、プロセス中に空洞を形成する前及び後面フォームシェルを用いるプロトタイプで鋳造によって量産される。これは、MR 7、MR 8、MR 10及びCR 39、CR 607、CR 630等の商品名の母材に当てはまる。MR 7、MR 8及びMR 10の商品名の母材は、三井化学株式会社が販売するポリチオウレタンである。「MR」という省略形は、ここで、Mitsui Resinを表す。CR 39、すなわちColumbia Resin 39は、Pittsburgh Plate Glass Industries(PPG Industries)によって選択されたブランド名であり、この名称でポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート又はポリアリルジグリコールカーボネート(省略形:PADC)の材料が販売される。これは、熱硬化性ポリマー材料である。CR 607及びCR 630もPPGによって製造される。
ポリカーボネート製の眼鏡レンズの半完成品又は完成品は、一般に、射出成型法によって金属鋳型内で製造される。この製造方法は、例えば、欧州特許出願公開第0955147A1号明細書に記載されている。半完成品は、その処理が完了しており、その形状がその後の製造ステップにおいてそれ以上変更されない表面を有する眼鏡レンズブランクと理解される。原則として、半完成品の反対面は、材料アブレーション法によってその最終形状を得る。完成品は、両面が既にその最終形状を得た眼鏡レンズブランクである。
ミネラル眼鏡レンズは、一般に、ブランクの機械ベースの機械的砥粒加工によって製造される。
上述の半完成品又は完成品は、1つ又は複数の仕上げプロセスを受けることが多い。特に、機能層が片面又は両面に適用される。このような機能層は、眼鏡装用者にとって有利であり、眼鏡レンズが、その上に必要に応じて機能層が適用される母材又はキャリア材の特性及び成形にのみ基づいては有することのない所定の特性を眼鏡レンズに具備させる層である。反射防止コーティング、銀化、偏光、着色、調光等の光学特性に加えて、このような有利な特性には、硬化、埃の付着の低減化若しくは曇り軽減等の機械的特性、及び/又は電磁放射の遮断、電流伝導等の電気的特性、並びに/或いは他の物理的又は化学的特性も含まれる。機能コーティングの例は、国際公開第10/109154A1号パンフレット、国際公開第01/55752A1号パンフレット及び独国特許出願公開第102008041869A1号明細書の文献から得られる。
注文ごとの処方眼鏡レンズ、すなわち特にその光学特性が少なくとも部分的に事前に選択可能な方法で標準化されるのではなく、眼鏡レンズ上でのその寸法及び/又は配置に関して使用者に適合された方法で個別に計算及び製造される個別の単焦点及び多焦点レンズ、特に可変焦点又は累進レンズは、特に変形及び/又は研磨による機械的方法でその最終形状にされる。ここで、外側形状は、丸形、楕円形又は任意の実施形態を有し得、最後の場合にはいわゆるフリーフォームを指す。
近年、個々に調整された屈折力を有する高品質の眼鏡レンズが、この目的で設計された処方製造施設、いわゆるRxラボ(Rxは、レシピの省略形である)において、半完成品からの除去製造(ドイツ語での省略形はHFである)によって製造される。完成品は、強度又は屈折力、材料及び規則に応じて相互からの距離が異なる2つの光学面によって画定される。2つの光学面は、一般に使用されるフリーフォーム製造方法の結果として連続的である。この原則の例外として、二焦点及び三焦点レンズの場合の埋め込まれた近用領域は、ポリマーレンズの場合、鋳造プロセス中に前面中に既に導入されていなければならない。裏面上に突出した状態で形成された近用領域を有する対応する眼鏡レンズもある。
近用領域及び遠用領域は、複数の強度又は光学パワーを有する現在の眼鏡レンズにおいて、すなわち二焦点レンズ、三焦点レンズ及び多焦点レンズ、特に可変焦点レンズにおいて相互に空間的に分離されている。特に、眼鏡装用者が、近用領域であるが、顔の正面の高い位置において又は眼鏡の下側部分を通じて遠用領域を見ることを望む場合に常に面倒である。
設計の自由さの点で、眼鏡フレームの現在の市場は、製造者によって供給可能な眼鏡レンズの形状及び大きさに大きく依存している。眼鏡レンズを、それが半完成品にフィットするために依然として製造できるか− 又は場合に応じてできないか − を決定する半完成品の直径及び厚さは、特に決定的である。ここで、従来の量産の限界は、所定のシェル鋳型での半完成品の鋳造が不要となるため、大幅に拡張できる。
現在量産されている眼鏡レンズの場合、屈折率は、場所に関係なく均一且つ一定であり、したがって、眼鏡レンズの厚さは、矯正力が強い場合、縁に向かって(近眼又は近視患者の場合)又は中央に向かって(遠眼又は遠視患者の場合)大きく増大する。これは、審美的観点から、特に最初の場合には縁の厚さが目立つために魅力的でない。
高品質の製品にさえ存在する量産眼鏡レンズの以下の本来的な性質は、問題であると認識される:
1.近用領域及び遠用領域の巨視的な空間的分離。
2.Minkwitzの理論による、多焦点レンズの遠用領域から近用領域へのスムーズな移行の場合に縁に向かって不可避的に発生する非点収差によるひずみ。
3.多額の費用を投じなければ実現できない不連続の又は不連続的に区別可能な光学面。
4.例えば、二焦点又は三焦点レンズの場合など、非累進多焦点レンズの場合における主要レンズとセグメントとの間の、目に見えるために審美的に魅力的でない縁。
5.強い屈折力を有する眼鏡レンズの場合、目に見えるために美しくない縁の厚さ:特に近視の人の場合、プリズム値が高いと眼鏡レンズの縁が厚くなる。
6.美しいと考えられる眼鏡レンズの前面及び又は眼鏡フレームのための形状処方の場合の矯正用眼鏡の生産可能性に関する制約:現在の眼鏡レンズは、製造方法及びフレームの形状の結果として外側形状の点で非常に制約されており、その結果、それに相応して設計自由度も小さい。既存の制約の範囲内において、Nike Vaporwing Elite等の製品は、現実的に光学パワーを有して製造することができず、0dptのサングラスに限られる。
先行技術において、問題であると認識されている上述の特性に関して眼鏡レンズを改良するための様々な方法が開示されている。特に、これに関して、いわゆるデジタルファブリケータは、特に事実上あらゆる構造のための製造の選択肢を提供することが知られており、前記構造は、従来の研磨方法では実現できないか、又は実現が非常に困難である。デジタルファブリケータマシンの分類の中で、3Dプリンタは、加法(付加)、すなわち累積的構築ファブリケータの最も重要な小分類を代表する。3Dプリンティングの最も重要な技術は、金属のための選択的レーザ溶融(SLM)及び電子ビーム溶融、並びにポリマー、セラミック及び金属のための選択的レーザシンタリング(SLS)、液体人工樹脂のためのステレオリソグラフィ(SLA)及びデジタル光加工、並びにプラスチック及び部分的に人工樹脂のためのマルチジェット又はポリジェットモデリング(例えば、インクジェットプリンタ)及び熱溶融積層法(FDM)である。付加方法を用いて透過光学ユニットが製造される幾つかの手法を以下に概説する。
独国特許出願公開第102009008997A1号明細書は、部分的に異なる光屈折力を有する眼鏡レンズを参照することから得られる、複数の小型素子からなる導光構造を提案している。各素子は、光透過性又は透明材料から作られる複数の小滴からなり、前記小滴は、表面を画定する平面を有する基板上に堆積され、前記小滴の略半球状のアーチ部分は、基板から突出する。小滴は、異なる直径を有し、それにより、複数の小滴を有する各素子は、小型のプリズム部分若しくはレンズ部分又は他の任意の特定の光学ユニットを形成する。さらに、光透過性又は透明基板上に導光構造を製造する方法もこの文献から得られる。透明又は半透明の印刷インクがインクジェットプリンティングによって小滴の形態で基板上に塗布される。ここで、同じ及び異なる大きさの小滴が小型の導光素子を製造するために塗布され、共同でプリズム又はレンズ等の導光構造を形成する複数のこのような素子は、相互に隣り合わせて塗布される。
国際公開第2010/091888A1号パンフレットにも、導光構造及び特に光学プリズムが、3Dプリンティング方法を用いて、すなわち特に「ドロップオンデマンド」インクジェットプリンタ(DODインクジェットプリンタ)を用いて透明基板上に塗布される光学素子及びその製造方法が記載されている。また、その中では、独国特許出願公開第102005039113A1号明細書が、マイクロジェットプリンティング方法を用いた基板上への円柱マイクロレンズの堆積について既に述べていることが明記されている。国際公開第2014/108364A1号パンフレットには、例えば、シリコーン、シリコーン及びアクリル樹脂の混合物、エポキシ改質カチオンUV硬化性シリコーンが光学素子を製造するための印刷材料として提案されている。
単焦点眼鏡レンズの完成品から、欧州特許出願公開第2878989A1号明細書は、3Dプリンティング方法を用いた累進眼鏡レンズの製造を提案している。
国際公開第2015/014381A1号パンフレットには、透明眼科レンズの製造のための付加製造プロセス、例えばステレオリソグラフィ(SLA)、インクジェットプリンティング、選択的レーザシンタリング(SLS)、選択的レーザ溶融法(SLM)又は熱溶融積層法(FDM)の使用が記載されている。この文献には、0.1μm〜500μmの範囲において、例えばCAD(コンピュータ支援設計)ファイルで定義可能な所定の配置における方向に3Dグリッドを形成する立体画素(ボクセル)を相互に並べることによる、そのようなレンズの製造が記載されている。各立体画素(ボクセル)は、少なくとも1つのポリマー若しくはプレポリマー又はモノマーとの組成物からなる。立体画素(ボクセル)間の接続性は、その都度、化学的又は機械的結合を形成することによって確立される。適当なポリマーとして、この文献は、シクロオレフィンポリマー、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリイソブチル(メタ)アクリレート等のポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリカーボネート、ポリアリル、ポリスルフィド、ポリビニル、ポリアリレン、ポリオキシド及びポリスルフォン並びにそれらの混合物を明示している。適当なモノマー又はプレポリマーとして、この文献は、オレフィン、アクリル、エポキシド、有機酸、カルボキシル酸、スチレン、イソシアネート、アルコール、ノルボルネン、チオール、アミン、アミド、無水物、アリル、シリコーン、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルハライド及びエピスルフィドを明示している。モノマー又はプレポリマーは、熱硬化可能であるか、又は放射誘導的に硬化可能であり得る。放射誘導硬化には、光重合開始剤及び任意選択によるコフォトイニシエータを使用できる。
H.−J.Trost et al.,Proc.2001 Ann.Mtg.ASPE,10−15 Nov.2001(ASPE,Raleigh,NC 2001)pp.535−536は、例えば、屈折率勾配を有する眼鏡レンズ、いわゆるGRIN(屈折率分布)眼鏡レンズの、ドロップオンデマンド(DOD)技術を用いた製造を提案している。この技術は、インク小滴がノズルを通じて計測されながら塗布されるインクジェットプリンティング方法である。屈折率の所望の変化は、異なる光学インク材料を使用することによって実現される。プリンティング後、塗布された光学インク材料は、熱又はUV光によって硬化される。この文献は、半径方向及び/又は軸方向の屈折率勾配を有するレンズを製造する選択肢を示している。
国際公開第2015/102938A1号パンフレットにも、3Dプリンティング方法を用いた立体画素(ボクセル)からのレンズの製造が記載されている。このようにして、異なる誘電材料の層が積み重ねられてGRIN光学ユニットが製造される。
さらに、国際公開第2014/179780A1号パンフレットには、分散がほとんどない光学GRIN構造を製造することを目的とした、3DプリンティングによるGRIN光学ユニットの製造が記載されている。屈折率の勾配は、有機マトリクス内のナノ粒子の濃度を変化させることによって生成される。これらのナノ粒子のための可能な材料は、ZnS、ZrO、ZnO、BeO、AlN、TiO、SiOである。この文献の明細書によれば、有機マトリクスは、例えば、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂(SU8)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン及びポリ[(2,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロテトラヒドロフラン−2,3−ジイル)(1,1,2,2−テトラフルオロエチレン)](CYTOP)で構成できる。
多くの人々の審美的認識のニーズを満たす眼鏡レンズは、様々な方法を用いて製造できるが、さらなる改良が求められる。
特開2004157487A号公報には、複数のマイクロレンズセットから組み立てられる二焦点レンズが記載されている。マイクロレンズセットの各々は、固定の焦点又は固定の屈折率を有する。液晶装置を用いてマイクロレンズセット間の切り替えを行うことが可能である。
特開2003029216A号公報には、老眼鏡が記載されている。これらの老眼鏡の眼鏡レンズの裏面は、近用部における及び任意選択により近用部と遠用部との間にある中間領域における曲率の局所的変化がある。相互に入れ子状に配置される同様に湾曲した六角形の裏面小領域の群がある。群の各々は、異なる焦点距離を提供する。
特開平05313107A号公報には、ファイバ束からなるロッドから製造されるコンタクトレンズが記載されている。多数のファイバ群がある。1つの群内のすべてのファイバは、同じ屈折率を有する。異なる群のファイバは、その屈折率の点で異なる。完成したコンタクトレンズ内のマイクロレンズは、各ファイバからできている。製造プロセスのために、コンタクトレンズは、相互に入れ子状に配置される複数のマイクロレンズ群からなる。各マイクロレンズ群は、その群内での均一な屈折率によって焦点面を提供し、前記焦点面は、他のすべての群の焦点面と異なる。
本発明の目的は、問題であると認められている従来の眼鏡レンズの前述の要素の少なくとも1つにおいて改良されている眼鏡レンズを製造する方法を提供することである。
本発明の目的は、問題であると認められている従来の眼鏡レンズの前述の要素の少なくとも1つにおいて改良されている眼鏡レンズを提供することからさらになる。
方法に関する目的は、眼鏡レンズを製造するための、特許請求項1の特徴を有する方法によって実現される。製品に関する目的は、特許請求項3〜5の何れかの特徴を選択的に有する眼鏡レンズによって実現される。本発明の有利な実施形態及び発展形態は、従属請求項の主題である。
本発明によるすべての変形形態に共通することは、それぞれの眼鏡レンズが少なくとも2つの立体画素群、すなわち複数の第一の立体画素を含む第一の立体画素群を含み、複数の第一の立体画素は、幾何学グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、第一の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第一の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離で見るための屈折力を有する。さらに、眼鏡レンズは、第二の立体画素群を含み、これは、対応して複数の第二の立体画素群を含み、複数の第二の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、第二の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第二の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第二の部分は、第一の物体距離と異なる第二の物体距離で見るための屈折力を有する。本発明による眼鏡レンズのすべての変形形態において、第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドは、(例えば、変位されるか又はずらされて)相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入する。
幾何学において、グリッドは、グリッドセルの集合による空間領域の完全であり且つ重複しない区分化である。グリッドセルは、(架空の又は想像上の)グリッドポイントを(架空の又は想像上の)グリッド線によって相互に接続したものによって画定される。
第一及び第二部分グリッドが相互に貫入するとは、第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドが、全体が一致することなく、共通の空間を有することを意味する。本発明の範囲内において、相互内で貫入式に変位されるとは、例えば、閃亜鉛鉱型構造の状態の配置を意味し、これは、相互に関して斜めに空間の1/4だけ変位させて配置されている、相互内に設置された2つの立方面心部分格子の組合せと説明することができる。さらに、層表面内にあるベクトルの特定の寸法だけ相互に関して変位された(単層の)層格子も含まれるべきである。第一及び第二の2つの部分グリッドは、同じ形状である必要もない。むしろ、決定的であるのは、第一及び第二の2つの部分グリッドが、異なる物体距離で見るための屈折力の巨視的な空間的分離を提供しないことである。
第一の物体距離で見るための屈折力を提供する眼鏡レンズの第一の部分は、例えば、従来の眼鏡レンズの近用領域に対応し得、第二の物体距離で見るための屈折力を提供する眼鏡レンズの第二の部分は、遠用領域に対応し得る。したがって、第一及び第二の部分グリッドの本発明による配置は、3次元構造を提供し、その中の遠用及び近用領域は、いわば、事実上、一方がその中にある入れ子状に存在する。当然のことながら、第一の物体距離は、通常の眼−スクリーン距離でもあり得、第二の物体距離は、慣例的な読書距離であり得る。このような眼鏡レンズは、オフィスワーク等に適している。
したがって、眼鏡レンズの第一の部分及び第二の部分は、それを通じて眼鏡の装用者が見る眼鏡レンズの一致した表面領域を表す。これらの領域の典型的な表面寸法は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmである。
適当な実施形態の場合、眼鏡レンズは、
− 目に見える二焦点又は三焦点領域が存在せず、
− 可変焦点眼鏡の累進帯が不要となり、したがって、それに関連するすべての個別化パラメータが使用されなくなり(累進帯の長さ、内寄せ、フレーム形状、可変焦点プロファイル、従来の可変焦点レンズの場合に避けることができない像収差分布のバランス)、
− 加入度(2つの焦点間の差)がそのままとされ、焦点の数が、個別に設定される異なるボクセル(第一、第二及び任意選択でそれを超える立体画素群)の数によってのみ制限され、
− とりわけ、以下のパラメータ、すなわち頂点間距離(ドイツ語の省略形はHSAである)、装用時前傾角及びフロント角が必要に応じてそのままとすることができる点において区別され得る。
そのままにするとは、加入度、頂点間距離、装用時前傾角及びフロント角等のこれらのパラメータが、本発明による眼鏡レンズの設計時、先行技術による従来の眼鏡レンズの場合とまったく同じ方法で考慮されることを意味する。
可変焦点及び多焦点レンズの分野におけるこれらの明白な用途に加えて、本明細書に記載の実施形態は、単焦点レンズの審美的な問題の軽減方法も提供する。このために、光学的補正をもはや排他的でなく光学面の相対位置によって導入することが可能であり、先行技術における前述のタイプの従来の眼鏡レンズの場合のように一定の屈折率が考慮される。
本発明による立体画素群は、付加製造方法を用いて製造される。具体的には、本発明による眼鏡レンズを製造する方法は、
− 第一の立体画素群を付加製造するステップであって、第一の立体画素群は、複数の第一の立体画素を含み、複数の第一の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、第一の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第一の部分を形成し、眼鏡の前記第一の部分は、第一の物体距離で見るための屈折力を有する、ステップと、
− 第二の立体画素群を付加製造するステップであって、第二の立体画素群は、複数の第二の立体画素を含み、複数の第二の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、第二の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第二の部分を形成し、眼鏡の前記第二の部分は、第一の物体距離と異なる第二の物体距離で見るための屈折力を有する、ステップと
を含む。
本発明によれば、この方法は、第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドが、付加製造中、(例えば、変位されるか又はずらされて)相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入することを特徴とする。
第一の立体画素群の付加製造及び第二の立体画素群の付加製造の方法ステップでは、第一の立体画素群を最初に完成させ、その後、第二の立体画素群を完成させることが必要とならないはずである。むしろ、第一の立体画素群の1つ又は複数の立体画素をまず加法的に製造でき、その後、第二の立体画素群の1つ又は複数の立体画素、次に再び第一の立体画素群の1つ又は複数の立体画素等と続け、最終的に、2つの立体画素群は、2つの部分グリッドが相互内で貫入式に変位されることに対応するような本発明による配置で完成される。
付加製造(AM)又は付加製造方法は、以前にはラピッドプロトタイピングと呼ばれることが多かった、モデル、パターン、プロトタイプ、ツール及び最終製品の高速且つ費用対効果の高い製造方法の総称である。この製造は、無形態の(例えば、液体、粉末等)又は形態中立(帯型、ワイヤ型)材料から化学的及び/又は物理的プロセスにより、コンピュータ内部データモデルに基づいて直接実行される。これらは、基本的に成形方法であるが、特殊な製品のために被加工物のそれぞれの形状を記憶した特殊なツール(例えば、鋳型)は必要とされない。現在の先行技術は、VDI Statusreport AM 2014によって伝えられている。現行の3Dプリンティング方法は、2016年7月13日に検索されたhttps://3druck.com/grundkurs−3d−drucer/teil−2−uebersicht−der−aktuellen−3d−druckverfahren−462146/によって提供される。
マルチジェットモデリング又はポリジェットプリンティングの方法が特に適切であることがわかった。この方法は、例えば、それぞれ2016年7月13日に検索されたURL https://de.wikipedia.org/wiki/Multi_Jet_Modeling、URL http://www.materialise.de/3d−druck/polyjet又はURL http://www.stratasys.com/de/3d−drucker/technologies/polyjet−technologyに記載されている。ポリジェットは、強力な3Dプリンティング技術であり、それによって平滑で精密なコンポーネント、プロトタイプ及び製造補助具を製造できる。顕微鏡レベルの層分解能及び0.1mmまでの精度のために、各技術について利用可能な最も幅広い種類の材料から薄い壁及び複雑な形状をそれによって製造できる。ポリジェット3Dプリンタは、インクジェットプリンタのものと同様の動作を有する。しかしながら、インク小滴を紙上に噴霧する代わりに、ポリジェット3Dプリンタは、架橋性の液体フォトポリマーでできた層を構成土台上に噴霧する。この方法は、比較的単純であり、第一の準備ステップにおいて、準備ソフトウェアが3D CADファイルに基づいてフォトポリマー及び支持材料(すなわち3Dプリンティング中にフォトポリマーを位置決めし、それが硬化するまで支持する役割のみを果たす材料)の位置を自動的に計算する。実際の製造中、3Dプリンタは、液体フォトポリマーの微細な小滴を噴霧し、その後、直ちにUV光によってこれらを架橋させる。そのため、極薄い層が構築土台上に堆積され、それから1つ又は複数の精密3Dモデル又は3D部品が得られる。懸下するか又は複雑な形状を支持しなければならない場合、3Dプリンタは、除去可能な支持材料を噴霧する。使用者は、支持材料を手で、水で又は溶剤槽内で容易に除去できる。モデル及びコンポーネントは、好ましくは、後硬化を行わずに3Dプリンタから直接加工し、使用できる。
特に、ストラタシス(Objet)Eden 260 V 3Dプリンタが本発明による用途に適している。本明細書の導入部で既に述べられ、且つ特に国際公開第2014/179780A1号パンフレット及び国際公開第2015/014381A1号パンフレットの文献に明記された材料は、本発明による方法で使用するのに適している。例えば、第一及び第二の立体画素に適したポリマーは、シクロオレフィンポリマー等のポリオレフィン系ポリマー、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレメート、ポリイソブチル(メタ)アクリレート等のポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリカーボネート、ポリアリル、ポリスルフィド、ポリビニル、ポリアクリレン、ポリオキシド及びポリスルフォン並びにそれらの混合物である。オレフィン系ポリマー、アクリル、エポキシド、有機酸、カルボキシル酸、スチレン、イソシアネート、アルコール、ノルボネン、チオール、アミン、アミド、無水物、アリル、シリコーン、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルハライド及びエピスルフィドは、第一及び第二の立体画素を製造するための印刷材料として適したモノマー又はプレポリマーと考えることができる。モノマー又はプレポリマーは、熱硬化性又は放射誘導式に硬化可能であり得る。放射誘導硬化には、光重合開始剤及び任意選択によりコフォトイニシエータを使用できる。
前述のように、第一及び第二の立体画素は、ナノ粒子が付加されている有機マトリクスでも構成できる。有機マトリクスは、例えば、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂(SU8)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン及びポリ[(2,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロテトラヒドロフラン−2,3−ジイル)(1,1,2,2−テトラフルオロエチレン)](CYTOP)で構成できる。ナノ粒子に使用できる材料は、例えば、ZnS、ZrO、ZnO、BeO、AlN、TiO及びSiOである。
冒頭に示した方法に基づく問題は、眼鏡レンズを製造するための本発明によるこのような方法によってすべて解決される。
これらの文言で、本発明は、2つの部分グリッドの貫入的配置にのみ限定されないことに留意されたい。むしろ、異なる物体距離に対応する3つ以上の部分グリッドを実現することも可能である。しかしながら、異なる部分グリッドの数を5以下、好ましくは4以下又は他に3以下に限定すると有利であることがわかっており、なぜなら、そうでなければ人の脳が焦点の合った認識を行えないか、又はそれが非常に困難となるからである。
前述の製品に関する問題は、以下に明示される変形形態の1つによって解決でき、開始製品は、常に下記の特徴を有する眼鏡レンズである:本発明による眼鏡レンズは、複数の第一の立体画素を含む第一の立体画素群を含み、複数の第一の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分的グリッドを形成し、第一の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第一の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離で見るための屈折力を有する。さらに、眼鏡レンズは、複数の第二の立体画素を含む第二の立体画素群を含み、複数の第二の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分的グリッドを形成し、第二の立体画素は、共同で眼鏡レンズの第一の部分を形成し、眼鏡レンズの前記第二の部分は、第一の物体距離と異なる第二の物体距離で見るための屈折力を有する。第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドは、(例えば、変位されるか又はずらされて)相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入する。
本発明の第一の変形形態は、3次元の実施形態を有する第一の部分グリッド及び3次元の実施形態を有する第二の部分グリッドからなる。両方の部分グリッドの3次元設計の結果として第一及び第二の部分間の層の数を増大させる相互作用があり、前記相互作用は、異なる物体距離で焦点の合った状態で見えるように設計されることが意図される。詳細は、図4に関する説明に関して後に解説される。しかしながら、原則として実現されるものは、光が眼鏡レンズを通過する際に前面及び後面で2回屈折するのではなく、より小さい角度ではあるが、部分グリッド間の各界面において毎回繰返し屈折することである。その結果、眼鏡レンズを通過する光の経路を個別に使用者に合わせて最適化することが可能となる。ここで、光の経路は、局所レベルで影響を受け得、従来のシステムでは緊密に接続されたままである比較的大きい光ビームを分割し、より小さいビームにおいてより精密に制御することができる。
本発明の第二の変形形態は、以下の構成から得られる:
(i)第一の立体画素は、第一の材料からなり、及び第二の立体画素は、第一の材料と異なる第二の材料からなる。
本発明によれば、第一の立体画素の1つと、第二の立体画素の隣接する1つとの間の移行について、隣接する第一及び第二の立体画素の材料の漸次的変化によって実現されるようになされる。原則として、1つの焦点から次の焦点への変化は、本発明のこの変形形態では漸次的である。さらなる詳細は、本明細書の最後の4つの部分にまとめられている。しかしながら、原則として、実現されるものは、光学的に有効な表面内に残る縁をこの実施形態ではさらに軽減でき、したがって審美的特性においてさらなる改良が得られることである。加えて、立体画素群間の漸次的変化は、立体画素群間の様々な界面における迷光の生成を軽減させることにつながる。個々の立体画素群の計算と、それぞれの屈折率の設定とは、離散的移行の場合よりはるかに複雑となり、そのため、設計のためにより多くの演算力が利用できなければならない。
一般に、平滑ハードコートを配置できる。平滑ハードコートとは、眼鏡レンズ表面の表面粗さ及び表面構造物を減少させる層を意味すると理解される。
この平滑化ハードコートにより、眼鏡レンズは、好ましくは、10nm未満の表面粗さRaを有する。さらに好ましくは、それぞれのすべての光学表面にわたる眼鏡レンズの表面粗さRaは、1.0nm〜8.0nmの範囲内、特に好ましくは3.0nm〜7.0nmの範囲内、非常に特に好ましくは4.0nm〜6.0nmの範囲内である。各場合の表面粗さRaの上記の値は、眼鏡レンズの前面及び裏面に関する。完成した眼鏡レンズに関する表面粗さRaは、好ましくは、白色干渉法により、好ましくはNew View 7100(Zygo Corporation)装置を用いて特定される。
平滑ハードコートの組成は、少なくとも1つのシラン誘導体、(RO)(Si(OR)(OR)(OR)を含むことができ、ここで、R、R、R、Rは、相互に同じでも異なっていても、また置換されていてもいなくてもよく、R、R、R、Rは、アルキル、アシル、アルキレンアシル、シクロアルキル、アリル及びアルキレンアリルからなる群から選択され得る。代替的に又は追加的に、平滑ハードコートの組成は、少なくとも1つのシラン誘導体R 3−nSi(ORを含むことができ、ここで、Rは、アルキル、アシル、アルキレンアシル、シクロアルキル、アリル及びアルキレンアリルからなる群から選択され得、Rは、置換されていてもいなくてもよく、Rは、エポキシド基を含む有機ラジカルであり、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリル及びアルケニルアリルからなる群から選択され得、Rは、置換されていてもいなくてもよい。このような平滑ハードコートの別の例は、欧州特許出願公開第2578649A1号明細書、独国特許出願公開第102005059485A1号明細書及び欧州特許出願公開第2385086A1号明細書に記載されている。原則として、これにより、異なる立体画素からなる構造は、外部から見た観察者にとって見えなくなるか又は目立ちにくくなる一方、眼鏡レンズに耐擦傷性が提供される。この変形形態の審美性平滑特性は、光学システムが2番の変形形態に記載されているような鮮明な縁及び飛躍的な変化を有するパラメータに基づいている場合、特に重要である。さらに別の利点は、コーティングされた表面のクリーニングしやすさが改良されていることにあり、なぜなら、埃が堆積する可能性のある溝がより少ないからである。コーティングされていない変形形態と比べて、さらなる利点は、任意選択により、パッドブリンティング又はインクジェットプリンティング方法によって眼鏡レンズ表面にさらに印刷できるスタンプ図形(センタリングクロス、測定円等)を適用する範囲内にある。
本発明の第三の変形形態は、第一の立体画素群及び第二の立体画素群が、(空間的な)屈折率勾配を有する担体表面に配置されることを特徴とする。本明細書の導入部に記載したように、屈折率の勾配により、その幾何学形状にほとんど依存しない本体の所望の屈折力を生成することが可能となる。それにより、眼鏡レンズは、空間的に一定の屈折率を有する担体を使用した場合よりも全体的に薄い実施形態を有することができる。第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置されている領域において、担体の厚さは、好ましくは、0.1〜5mm、さらに好ましくは0.5〜3mm、最も好ましくは1〜2mmである。
冒頭に挙げた製品に関する問題は、上述の3つの変形形態の各々によって完全に解決される。
以下に記載の本発明の変形形態は、例として後に詳細に説明するように、任意の方法で組み合わせることもできる。
原則として、第一及び第二の立体画素は、同じ材料からなり得る。したがって、異なる物体距離において鮮鋭な視野を得るための異なる屈折力の提供は、個々の第一及び第二の立体画素のそれぞれの表面形状、並びに/又は個々の第一及び第二の立体画素の相互に関する相対位置及び整列、並びに/又は2つの第一及び第二の部分グリッドを含むグリッドの外形によって特定又は設定される。まず、表面形状という用語は、それぞれの立体画素の表面積及び表面形状の両方、特にまた表面の局所的曲率を含む。
上述の説明によれば、代替的に、第一の立体画素は、第一の材料からなり、及び第二の立体画素は、第一の材料と異なる第二の材料からなるようにすることができる。したがって、異なる物体距離において鮮鋭な視野を得るための異なる屈折力の提供は、個々の第一及び第二の立体画素のそれぞれの表面形状、並びに/又は個々の第一及び第二の立体画素の相互に関する相対位置及び整列、並びに/又は2つの第一及び第二の部分グリッドを含むグリッドの外形だけでなく、それぞれの第一及び第二の立体画素の異なる光屈折特性によって特定又は設定される。特に、第一の材料が第一の屈折率を有し、及び第二の材料が、第二第一の屈折率と異なる第二の屈折率を有する場合に役割を果たすのは、立体画素の光学的に有効な面の向きだけでなく、その屈折力でもある。審美的認識の点における成形の制限は、ほとんどなくなるか又は従来の眼鏡レンズと比較して少なくとも大幅に緩和される。付加製造方法の採用、特にマルチジェット又はポリジェットプリンティング/モデリングの採用により、ほとんど費用をかけずに、不連続の及び/又は不連続的に区別される光学面を実現できる。例えば、近用領域及び遠用領域の巨視的な空間的分離(一般に、第一の物体距離範囲及び第二の物体距離範囲)がなくなり、それに関して、従来のタイプの可変焦点レンズの場合に縁に向かって発生する非点収差によるひずみがなくなる。
第一及び第二の立体画素を実現するために異なる屈折率の材料を利用した場合、第一及び第二の立体画素を、これらが共同で平滑な、任意選択によりさらには平坦な面を形成し、本発明による眼鏡レンズ又は眼鏡レンズを用いる眼鏡が所期の通りに使用されたときに物体の方向(すなわち任意選択によりコーティングが設けられ、眼鏡レンズの前面を形成する)及び/又は眼の方向(すなわち任意選択によりコーティングが設けられ、眼鏡レンズの裏面を形成する)の何れかに整列されるように配置することにより、異なる物体距離のための屈折力を生成することができる。それに対して、第一及び第二の立体画素を実現するために同じ屈折率の材料が利用された場合又はさらには同じ材料が利用された場合、第一及び第二の立体画素の表面は、異なる物体距離のために領域の巨視的な空間的一体化を提供するという本発明による特性を得るために、2つの異なる立体画素が相互に隣接する場所において、相互に関して異なる向きを有する。特に、この場合、本発明は、第一の立体画素がそれぞれ第一の表面要素を有することと、第二の立体画素がそれぞれ第二の表面要素を有することと、相互に隣接する第一の表面要素のそれぞれ1つ及び第二の表面要素のそれぞれ1つが相互に斜めに配置されることとを特徴とする。
要約すれば、第一の立体画素と第二の立体画素との間の移行は、材料における飛躍的な変化及び/又は隣り合う立体画素の相互に隣接するそれぞれの表面要素の向きの飛躍的な変化により、不連続的に実施できる。
代替として、第一の立体画素と第二の隣接する立体画素との間の移行は、漸次的に又はスムーズに実施することもでき、従来の可変焦点レンズにおける累進帯と同様の特性を有する。これは、したがって、材料の漸次的変化及び/又は隣接する立体画素のそれぞれの光学面の向きの漸次的変化によって実施できる。
第一の部分グリッドは、2次元実施形態を有することができる。代替として又は追加的に、第二の部分グリッドは、2次元実施形態を有することができる。本願の範囲内において、(部分)グリッドの2次元実施形態とは、1層グリッドを意味すると理解すべきである。別の表現をすれば、(部分)グリッドを形成するすべての立体画素が同一平面内にあるべきである。部分グリッドが何れも2次元実施形態を有する場合、第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドを含むグリッドも2次元グリッドを形成し、すなわち、これは、2つの部分グリッドが上述の平面内で相互に関して変位される場合である。例えば、2つの部分グリッドは、チェス盤のような構造の状態で存在でき、この場合、チェス盤の白いマスは、第一の部分グリッドの第一の立体画素に対応すると想像され、チェス盤の黒いマスは、第二の立体画素に対応すると想像される。
第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドの両方が2次元実施形態を有していたとしても、これらは、必ずしも立体画素が配置される平面内で相互に関して変位される必要はない。2つの部分グリッドを、相互に関して、この平面に垂直方向にのみ整列する方向と任意の空間的方向との両方に変位させることが可能である。
第一の部分グリッドは、3次元実施形態を有することもできる。代替として又は追加的に、第二の部分グリッドは、3次元実施形態を有することもできる。再び、2つの部分グリッドは、相互に関して任意の空間的方向に変位できる。特に、3次元実施形態の場合、2つの異なる焦点距離での焦点は、各層で相互に影響を与える。別の表現をすれば、部分グリッドの3次元設計の場合、第一及び第二の部分間の層の数と共に増大する相互作用があり、前記相互作用は、異なる物体距離で焦点の合った視野を得るように設計されることが意図される。詳細は、図4に関する説明に関して後に解説される。
第一の物体距離は、第二の物体距離と、5cmより大きく、又は10cmより大きく、又は15cmより大きく、又は20cmより大きく、又は30cmより大きく、さらには50cmより大きく異なることができる。別の表現をすれば、第一及び第二の立体画素を含む部分がそれぞれそれに合わせて設計される焦点面は、相互に上述の値だけ離間される。眼鏡の装用者は、同じ視線方向に沿って、これらの焦点面に配置された物体を焦点の合った状態で見ることができる。従来の多焦点レンズで必要であったような視界の変更は、本発明による種類の眼鏡レンズを用いることで不要になる。
原則として、眼鏡レンズを第一及び第二の立体画素群のみからなり得、又はそれによってのみ形成され得る。また、第一及び第二の立体画素群に対応する種類の1つ又は複数の別の立体画素が存在し、眼鏡レンズは、異なる種類のこれらの立体画素群のみからもなり得、その各々は、同じ又は異なる物体距離で見るための屈折力を提供する眼鏡レンズの部分を形成する。本発明による眼鏡レンズの特に有利な実施形態の変形形態は、第一の立体画素群及び第二の立体画素群が担体の表面上に配置されることを特徴とする。例えば、担体は、鋳造又はブランクからの砥粒加工等の方法を用いて製造されていることができる。しかしながら、本発明はまた、本発明による方法が、任意選択により、以下の方法ステップによって特徴付けられるようにする:
− 表面であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面を有する担体を付加製造するステップ。
例えば、担体は、物体側の球面、又はトーリック面、又はフリーフォーム面を有することができ、表面であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面は、担体の眼側面であり得る。代替的に、担体は、眼側の球面、又はトーリック面、又はフリーフォーム面を有することもでき、表面であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面は、担体の物体側面であり得る。上述の変形形態の両方において、眼鏡レンズの全体的な効果は、球面、又はトーリック面、又は回転対称の非球面、又はフリーフォーム面の屈折力と、第一及び第二の立体画素群の立体画素の光屈折特性とからなる。
最後に、表面であって、その上に第一の立体画素群及び第二の立体画素群が配置される表面は、担体の眼側及び/又は物体側面でもあり得る。したがって、眼鏡レンズの全体的な効果は、実質的に、第一及び第二の立体画素群の立体画素の光屈折特性からなる。
さらに、担体が屈折率勾配を有するようにすることができる。本明細書の導入部に記載したように、屈折勾配により、その幾何学形状にほとんど依存しない本体の所望の屈折力を生成することが可能となる。
追加的に、第一の立体画素群及び第二の立体画素群上にコーティングを配置できる。特に、本明細書の導入部において述べたすべての機能層構造は、コーティングとして考慮される。特に、反射防止コーティング、銀化、偏光、着色、調光等の光学特性、及び硬化、埃の付着しやすさの低減化若しくは曇り軽減等の機械的特性、並びに/又は電磁放射の遮断、電流の伝導等の電気的特性、並びに/又は眼鏡レンズの他の物理的又は化学的特性に影響を与えるか又はこれらを変化させるものについて言及すべきである。
最後に、第一の立体画素群及び第二の立体画素群は、埋伏構造として実施することも可能である。一方では、これにより、その後のハードコーティング又は反射防止コーティングが実質的に単純化され(例えば、従来の平滑ハードコートシステムを使用できる)、他方では、相互に隣接する立体画素の表面の不連続性又は屈曲又は飛躍が、後に完成した眼鏡レンズの表面に埃が集まるような空洞を形成することがない。埋伏構造とは、基板材料中に埋め込むことを意味すると理解される。
本発明による眼鏡レンズの上述の屈折力は、それぞれ1000μm〜1mmの体積を有する第一の立体画素及び/又はそれぞれ1000μm〜1mmの体積を有する第二の立体画素で得ることができる。立体画素の可能な限り最小の体積は、製造方法により、例えばマルチジェット又はポリジェットモデリングの場合の小滴の大きさにより、及び例えばSLA方法におけるレーザの焦点の大きさにより予め決められる。
例えば、第一の立体画素は、それぞれ100μm〜1mmの物体側表面を有することができ、及び/又は第二の立体画素は、それぞれ100μm〜1mmの物体側表面を有することができる。代替として又は追加的に、第一の立体画素は、それぞれ100μm〜1mmの眼側表面を有することができ、及び/又は第二の立体画素は、それぞれ100μm〜1mmの眼側表面を有することができる。
第一の部分を形成する第一の立体画素の数は、好ましくは、50〜10、さらに好ましくは100〜10、最後にさらに好ましくは200〜10、最後にさらにより好ましくは500〜10にある。
第二の部分を形成する第二の立体画素の数は、好ましくは、50〜10、さらに好ましくは100〜10、最後にさらに好ましくは200〜10、最後にさらにより好ましくは500〜10にある。
好ましくは、第一の立体画素の数と第二の立体画素の数とは、同じ桁の大きさである。これは、第一の立体画素の数と第二の立体画素の数とが相互に10倍を超えて、好ましくは8倍を超えて、さらに好ましくは5倍を超えて、最後にさらに好ましくは2倍を超えて異ならないことを意味する。
本発明による技術的解決策は、特に発明的な概念の上述の有利な実施形態及び発展形態によるそれを考慮した場合、下記の利点を有する:可変焦点及び多焦点レンズの分野における上述の用途、並びに特に単焦点レンズの場合の審美的な問題を軽減する同様に上述した手法に加えて、さらに、平面レンズ又はさらには物理的に平坦なプレートが眼鏡レンズとして生成される、純粋に屈折率勾配光学系に基づくシステム(上述の公報国際公開第2015/102938A1号パンフレット及び国際公開第2014/179780A1号パンフレットを参照されたい)を選択することができない。光学的に活性な表面を基板材料の屈折率勾配と好都合に組み合わせることにより、非常に良好な結果が得られる。近視という眼の障害を矯正する際、屈折率が眼鏡レンズの縁に向かって増大するとき、眼鏡レンズの縁の厚さを薄くすることができる。プラスチックが使用される場合、最大の屈折率上昇は、1.48〜1.80であり、基本の化学的性質の必然的な変化の結果として実現が難しい。ミネラルガラスは、増大の可能性がより高くなる。
眼鏡レンズの設計において、現行の技術の様々な制約が取り除かれる。球面又は非球面の回転対称の前面への制約と、曲率に関する提供範囲の制約とが取り除かれることは特に有利である。本明細書に記載の技術を用いた場合、レンズの光学パワーに関する結果を生じても生じなくても、任意の曲率及び曲率変化を実現できる。必要に応じて、曲率の変化は、屈折率の変化によって補償できる。
さらに有利な特性は、利用可能な半完成品の直径に対する制約による眼鏡レンズの大きさの制約が取り除かれることである。製造上の理由により、約80〜90mmの直径に制約された半完成品の場合と異なり、既にそれよりかなり大きく、有利な点として200×200×200mmを超える3Dプリンタの構成空間の最大の大きさが製造限度を表す。この空間が利用されれば、眼鏡、シールド等の全体を1ピースでプリントすることが可能である。
図面を参照しながら本発明を以下により詳細に説明する。
相互内で貫入式に変位された、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成される2つの部分グリッドの配置の第一の例示的実施形態を示す。 相互内で貫入式に変位された、第一、第二、第三及び第四の立体画素群の立体画素によって形成される4つの部分グリッドの配置の例示的実施形態を示す。 相互内で貫入式に変位された、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成される2つの部分グリッドの配置の第二の例示的実施形態を示す。 相互内で貫入式に変位された、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成される2つの部分グリッドの配置の第三の例示的実施形態を示す。 相互内で貫入式に変位された、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成される2つの部分グリッドの配置の第四の例示的実施形態の、a)立体画素の配置、b)それぞれ第一及び第二の立体画素の1つの拡大図を示す。 本発明による眼鏡レンズの第一の例示的実施形態を物体側からの平面図で示す(概略図)。 本発明による眼鏡レンズの第二の例示的実施形態を断面図で示す(概略図)。 本発明による眼鏡レンズの第三の例示的実施形態を断面図で示す(概略図)。 本発明による眼鏡レンズの第四の例示的実施形態を断面図で示す(概略図)。 本発明による眼鏡レンズの第五の例示的実施形態を断面図で示す(概略図)。 本発明による眼鏡レンズの例示的実施形態を示す。
上記では、本発明による眼鏡レンズが少なくとも2つの立体画素群を含むと説明した。2つの立体画素群は、以下で第一及び第二の立体画素群と呼び、各々が複数の対応する立体画素を含む。第一の立体画素群の立体画素を以下で第一の立体画素と呼び、第二の立体画素群の立体画素を以下で第二の立体画素と呼ぶ。
第一の立体画素は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置され、第一の部分グリッドを形成する。共同で、第一の立体画素群の立体画素は、眼鏡レンズの第一の部分を形成する。共同で、これらは、眼鏡の装用者が所期の使用中にそれを通じて注視する眼鏡レンズの領域を画定し、前記領域は、第一の物体距離で見るための屈折力を有する。
第二の立体画素も同様に幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置され、全体としてそれ自体で第二の部分グリッドを形成する。共同で、第二の立体画素群の立体画素は、眼鏡レンズの第二の部分を形成する。共同で、これらは、眼鏡の装用者が所期の使用中にそれを通じて注視する眼鏡レンズの領域を画定し、前記領域は、第二の物体距離で見るための屈折力を有し、前記第二の物体距離は、第一の立体画素群の立体画素によって形成される第一の部分グリッドによって設定される上記の第一の物体距離と異なる。
第一の部分グリッド及び第二の部分グリッドは、それぞれの場合に相互内で貫入式に変位されて配置される。その結果、それぞれ異なる立体画素から形成される眼鏡レンズの2つの部分グリッドによって画定され、異なる物体距離向けとして設計された領域は、巨視的レベルで一致する。これについて、図に基づいて後に再び説明する。
図1は、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成された2つの部分グリッドの、相互内で貫入式に変位された配置の第一の例示的実施形態を示す。この例示的実施形態において、第一の部分グリッドは、直方体の立体画素1a、1b、1c...1t、1uからなり、これらは、チェス盤の白いマスのように配置される。この例示的実施形態において、第二の部分グリッドは、直方体の立体画素2a、2b、2c...2t、2uからなり、これらは、チェス盤の黒いマスのように配置される。各直方体の立体画素1a、1b、1c...1t、1u、2a、2b、2c...2t、2uは、同じ量の空間を占め、縁の長さは、a、a、aである。縁の長さa、a、aは、通常、10μm〜1mmの範囲内にある。直方体の立体画素1a、1b、1c...1t、1u、2a、2b、2c...2t、2uの体積は、したがって1000μm〜1mmの範囲内となる。
この例示的実施形態において、立体画素1a、1b、1c...1t、1uに基づく第一の部分グリッド及び立体画素2a、2b、2c...2t、2uに基づく第二の部分グリッドは、同じ実施形態を有する。幾何学的観点から、2つの部分グリッドは、相互に関して紙の横幅の方向に縁の長さaだけずらされる。代替的に、2つの部分グリッドは、相互に関して紙の横幅の方向に垂直な方向に縁の長さaだけずらされると言うこともできる。この例示的実施形態において、部分グリッドの両方は、同一平面内にある。この場合、図1の表面3は、図1に示される構造に基づく眼鏡レンズの所期の使用中に物体と対向する面とされる。したがって、その場合に図1で見えていない表面4は、眼鏡レンズの所期の使用中に眼鏡装用者の眼と対向する表面である。この例示的実施形態において、それぞれが平坦な面を表す1つの立体画素1a、1b、1c...1t、1u、2a、2b、2c...2t、2uの物体側の表面は、上述の大きさの仕様を考慮して100μm〜1mmである。
この例示的実施形態において、眼鏡レンズのうち、第一の部分グリッドによって画定される部分は、直方体の立体画素1a、1b、1c...1t、1uの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第一の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第一の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、直方体の立体画素1a、1b、1c...1t、1uの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
この例示的実施形態において、眼鏡レンズのうち、第二の部分グリッドによって画定される部分は、直方体の立体画素2a、2b、2c...2t、2uの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第二の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第二の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、直方体の立体画素2a、2b、2c...2t、2uの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
巨視的観点から、第一の部分グリッドによって画定される表面領域と第二の部分グリッドによって画定される表面領域とが一致し、したがって、第一の物体距離向けに設計された眼鏡レンズの部分と、第二の物体距離向けに設計された眼鏡レンズの部分との間に巨視的な分離がない。老眼の装用者のために設計された従来のタイプの二焦点又は可変焦点レンズと異なり、近用部及び遠用部は、巨視的観点から一致する。
例えば、国際公開第2015/102938A1号パンフレットには、このようなグリッド構造がどのように製造されるかが詳細に記載されている。そのため、1つ又は複数のプロセッサを備える3Dプリンタは、この例示的実施形態では、複数の立体画素を含む1層のデータによるCADモデルを受け取る。したがって、このデータには、例えば、上述の第一の立体画素1a、1b、1c...1t、1uが、第一のプリンタインクに対応する第一の誘電定数を有する第一の材料から製造されるべきであるという情報と、上述の第二の立体画素2a、2b、2c...2t、2uが、第二のプリンタインクに対応する第二の誘電定数の第二の材料から製造されるべきであるという情報とが含まれる。このデータから3Dプリンタの1つ又は複数のプロセッサは、それぞれの立体画素1a、1b、1c...1t、1u、2a、2b、2c...2t、2uを生成するための、それぞれのプリンタインクを設置すべきそれぞれの位置、温度及び/又はUV光の要求事項、並びに設置されたプリンタインクを硬化するための対応する時間を計算する。
図2は、部分グリッドの立体画素の、相互内で貫入式に変位された配置の別の例示的実施形態を示す。この例示的実施形態において、全体のグリッドは、4つの部分グリッドから形成される。4つの部分グリッドは、第一、第二、第三及び第四の立体画素グリッドの立体画素を含む。六角形の立体画素11a、11b、11c、11dに基づく第一の部分グリッド、六角形の立体画素12a、12b、12c、12dに基づく第二の部分グリッド、六角形の立体画素13a、13bに基づく第三の部分グリッド及び六角形の立体画素14a、14bに基づく第四の部分グリッドは、この例示的実施形態では、同じ実施形態を有する。六角形の立体画素11a、11b、11c、11d、12a、12b、12c、12d、13a、13b、14a、14bの体積は、1000μm〜1mmの範囲内である。
この例示的実施形態では、眼鏡レンズのうち、第一の部分グリッドによって画定される部分は、立体画素11a、11b、11c、11dの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第一の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第一の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、立体画素11a、11b、11c、11dの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
この例示的実施形態では、眼鏡レンズのうち、第二の部分グリッドによって画定される部分は、立体画素12a、12b、12c、12dの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第二の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第二の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、立体画素12a、12b、12c、12dの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
この例示的実施形態では、眼鏡レンズのうち、第三の部分グリッドによって画定される部分は、立体画素13a、13bの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第三の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第三の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、立体画素13a、13bの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
この例示的実施形態では、眼鏡レンズのうち、第四の部分グリッドによって画定される部分は、立体画素14a、14bの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第四の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第四の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、立体画素14a、14bの物体側(及び眼側)の表面の合計によって決まる。本発明によれば、この表面領域は、0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
巨視的観点から、第一の部分グリッドによって画定される表面領域、第二の部分グリッドによって画定される表面領域、第三の部分グリッドによって画定される表面領域及び第四の部分グリッドによって画定される表面領域が一致し、したがって、第一の物体距離向けに設計された眼鏡レンズの部分と、眼鏡レンズの、第二の物体距離向けに設計された部分と、第三の物体距離向けに設計された部分と、第四の物体距離向けに設計された部分との間に巨視的な分離がない。
図3は、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成された2つの部分グリッドの、相互内で貫入式に変位された配置の第二の例示的実施形態を示す。立体画素21a、21b、21c、21d,...21x、21y、21zに基づく第一の部分グリッドは、円柱立体画素21aと複数の環状セグメント形立体画素21b、21c、21d、...21x、21y、21zを含む。第二の部分グリッドは、複数の環状セグメント形立体画素22a、22b、22y、22zのみを含む。図2及び3に示される例示的実施形態と同様に、すべての立体画素21b、21c、21d,...21x、21y、21z、22a、22b、22y、22zは同一平面内に配置される。
図4は、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成される2つの部分グリッドの、相互内で貫入式に変位された配置の第三の例示的実施形態を示す。
この例示的実施形態において、直方体の立体画素1a、1b、1c...1x、1y、1zに基づく第一の部分グリッド及び直方体の立体画素2a、2b、2c...2y、2zに基づく第二の部分グリッドは、同じ実施形態を有する。両方の部分グリッドは、3次元直方体構造の連続を表し、その中のそれぞれの立体画素21b、21c、21d、...21x、21y、21z、22a、22b、22y、22zは相互に隣接して、相互内に、相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入する。したがって、最後のグリッドは、図1に示されるタイプの複数の層を含む。この場合、図1で見えている表面3は、図1に示される構造に基づく眼鏡レンズの所期の使用中に物体と対向する面とされる。したがって、その場合に図1で見えていない表面4は、眼鏡レンズの所期の使用中に眼鏡装用者の眼と対向する表面である。
この例示的実施形態において、眼鏡レンズのうち、第一の部分グリッドによって画定される部分は、直方体の立体画素1a、1b、1c...1x、1y、1zの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第一の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第一の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、直方体の立体画素1a、1b、1cの物体側(及び眼側)の表面の合計(すなわち、表面3のすべての黒いエリア)により決まる。本発明によれば、この表面領域は0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
この例示的実施形態において、眼鏡レンズのうち、第二の部分グリッドによって画定される部分は、直方体の立体画素2a、2b、2c...2x、2y、2zの体積の合計によって決まる。別の表現をすれば、眼鏡レンズのうち、第二の物体距離で見るように設計され、装用者が所期の使用時にこの距離にある物体を、それを通して焦点の合った状態で見る、第二の部分グリッドによって画定される領域は、この例示的実施形態において、直方体の立体画素2a、2b、2cの物体側(及び眼側)の表面の合計(すなわち、表面3のすべての白いエリア)により決まる。本発明によれば、この表面領域は0.3cm〜7cm、好ましくは0.5cm〜6cm、さらに好ましくは0.8cm〜5cm、最後にはるかにより好ましくは1cm〜4cmとすべきである。
巨視的観点から、第一の部分グリッドによって画定される表面領域(すなわち、表面3のすべての黒いエリア)及び第二の部分グリッドによって画定される表面領域(すなわち、表面3のすべての白いエリア)は一致し、したがって、第一の物体距離向けに設計された眼鏡レンズの部分と、第二の物体距離向けに設計された眼鏡レンズの部分との間に巨視的な分離がない。老眼の装用者のために設計された従来のタイプの二焦点又は可変焦点レンズと異なり、近用部及び遠用部は、巨視的観点から一致する。
特に、眼鏡レンズの第一及び第二の部分の物体側及び眼側面3、4が平坦な面を形成する場合、異なる物体距離のための設計は、対応する屈折率の変化によってのみ実現できる。したがって、一方内に他方が入る入れ子状のGRIN構造が必要となる。適切に適合される屈折率変化の代わりに又はそれに加えて、立体画素を用いて入れ子状の焦点領域を生成することもでき、その物体側及び/又は眼側面は、必要な曲率で実施される。
図4に示される構造は、非常に複雑なシステムを表し、なぜなら、異なる材料の焦点は、各層でも相互に影響を与えるからである。この構造は、単焦点レンズが検討されている場合に関心対象となる。したがって、これらの3Dチェス盤パターンは、縁で使用できる。3Dプリンタは、バイナリでのみ、すなわち一方又は他方の材料のみを印刷できるため、「スムーズな物質の変化」は、十分に小さい立体素子によって実現しなければならない。
図5は、第一及び第二の立体画素群の立体画素によって形成された2つの部分グリッドの、相互内で貫入式に変位された配置の第四の例示的実施形態を示す。図5a)は、図1に関して上で詳細に説明したようなチェス盤パターンの状態の立体画素51a、51b、...51t、51u、52a、52b、52c,...52t、52uの基本的配置を示す。個々の立体画素が、異なる物体距離について焦点の合った状態で見やすくする融合部分ができるような方法で、対応する屈折率の変化によって設計される図1による実施形態の変形形態と異なり(又は任意選択によりそれに加えて)、図5による実施形態には、物体側表面が(及び任意選択により眼側表面も)異なる曲率を有し、隣り合う第一及び第二の立体画素が連続的にではなく、斜めに相互に及び任意選択により飛躍して隣接するような立体画素51a、51b、...51t、51u、52a、52b、52c,...52t、52uが含まれる。図5a)は、それぞれ第一及び第二の立体画素52c及び51iの1つの拡大図を示し、これらの物体側表面53c及び54cは、隣り合う2つの第一及び第二の立体画素が相互に隣接する移行部において異なる曲率を有する。
図6は、第一の例示的実施形態の眼鏡レンズ60を物体側からの平面図で概略図の形態において示す。見えている表面は、参照符号63によって示される。この例示的実施形態は、領域61を有し、これは、本発明による形態で実施される。図1に示されるような「チェス盤パターン」の状態の2つの部分グリッドの入れ子式配置を見ることができる。第一の部分グリッドの立体画素は、例示的に参照符号61a、61bで示され、第二の部分グリッドは、例示的に参照符号62a、62bで示されている。
本発明によれば、領域61は、2つの異なる物体距離で焦点の合った状態で見るために設計される。
図7は、第二の例示的実施形態の眼鏡レンズ70を断面図(概略図)で示す。この例示的実施形態において、眼鏡レンズ70全体は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置され、第一の部分グリッドを形成する複数の第一の立体画素71a、71bの第一の立体画素群と、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置され、第二の部分グリッドを形成する複数の第二の立体画素72a、72bの第二の立体画素群とからなる。原則として、この実施形態は、図4に示されるような相互に関する2つの部分グリッドの配置に対応する。
全体として、第一の立体画素71a、71bは、眼鏡レンズの第一の部分を形成し、これは、第一の物体距離で見るための屈折力を有する。全体として、第二の立体画素は、眼鏡レンズの第二の部分を形成し、これは、第一の物体距離と異なる第二の物体距離で見るための屈折力を有する。第一の立体画素群及び第二の立体画素群は、相互に貫入するため、これらは、第一に、第一の物体距離dにある物体を焦点の合った状態で見ることと、第二の物体距離dにある物体を焦点の合った状態で見ることとを容易にする共通の巨視的な視界領域を形成する。対応する焦点面は、図中において参照符号73及び74によって示される。
図8は、第三の例示的実施形態の眼鏡レンズ80を断面図(概略図)で示す。この例示的実施形態において、本発明による構造81は、透明担体85の後面(眼側)84に埋伏構造の形態で適用される。眼鏡レンズ80の前面(物体側)83は、球面、トーリック面、回転対称非球面又は非球面の実施形態を(例えば、フリーフォーム面として)有することができる。
断面図(概略図の形態)における第四の例示的実施形態の眼鏡90は、図9からわかる。この例示的実施形態において、本発明による構造91は、透明担体95の前側(物体側)93に埋伏構造の形態で適用される。眼鏡レンズ90の後面(眼側)94は、球面、トーリック面又は非球面の実施形態を(例えば、フリーフォーム面として)有することができる。
例えば、ハードコート、反射防止コーティング、蓮の葉効果コーティング等のコーティングは、眼鏡レンズ80、90の光学的に有効な表面83、84、93、94の一方又は両方に適用できる。
図10は、本発明による第五の例示的実施形態の眼鏡レンズ102を断面図で概略図の形態において示す。この例示的実施形態において、本発明による構造101は、透明担体105の後側(眼側)の一部に埋伏構造の形態で適用される。眼鏡レンズ102の前面(眼側)103は、球面、トーリック面又は非球面の実施形態(例えば、フリーフォーム面として)を有することができる。埋伏構造の隙間106aも埋める平滑ハードコート106、接着促進層107及び複数の個別層からなる反射防止コーティング108が埋伏構造101に適用される。
ここで、構造102は、担体105の前及び後の両方に適用できることが明示的に言及される。
本発明による眼鏡レンズ110a、110bを用いた例示的実施形態の眼鏡100は、図11からわかる。2つの眼鏡レンズ110a、110bに加えて、眼鏡100は、眼鏡フレーム120を含み、そのうちのブリッジ125及び2つのつる130a、130bが示されている。各眼鏡レンズ110a、110bは、担体66a、66bを含み、その各々は、図6に示されるタイプの本発明による構造61a、61bを含む。眼鏡のすべての構成部品が3Dプリンティング方法を用いて製造され得る。
要約すれば、本発明の概念は、3次元構造を、眼鏡レンズの屈折力を制御できる、特に個々の立体画素の各々の屈折率及び立体画素の表面の相対的な向きを制御できる製造方法(例えば、ポリジェットプリンティング)を用いて構成することからなり、前記3次元構造の遠用領域及び近用領域は、相互に入れ子式に存在する。1つの焦点から次の焦点への変化は、漸次的にも飛躍的にも実施できる。第一の場合、小さい移行ゾーンが生じ、前記移行ゾーンは、従来の可変焦点レンズの場合の累進帯及びそれに関連する光学特性と同様の特性を有する。第二の場合、特性の変化は、材料を変えること又は光学面の向きを変えることによって飛躍的に実施できる。
表面要素は、必要に応じて配置され得る。例えば、限定ではないが、チェス盤として、六角形として又は同心円としてである。
好ましい実施形態において、不連続表面は、2つの材料を有する埋伏構造として実施でき、第一に、これは、実質的にその後のハードコーティング及び反射防止コーティングを単純化し(従来の平滑ハードコートシステムを使用できる)、第二に、表面の不連続性は、後に表面に埃を堆積させるような空洞を形成しない。
これにより、光学表面の様々な組合せが得られる:
− 前及び後側の2つの不連続面、
− 前又は後側の1つの不連続面及びレンズの反対側の球面、トーリック面又は非球面(フリーフォーム面)。
何れの組合せで理想的な矯正が得られるかは、個別のパラメータ(球面、乱視、プリズム屈折力、加入度等)と、異なる表面特性の可能性との組合せから生じる。
ハードコートは、光学的に有効な表面の縁が平滑化されないか又は絶対的に不可避である以上に平滑化されないように設定しなければならない。材料の屈折率によって屈折力の変化が提供される場合、考え得る実施形態は、特許出願国際公開第2015/014381A1号パンフレット及び国際公開第2014/179780A1号パンフレットにある。2つ以上の表面要素間の所望のパワーの差(加入度)が、2つの原理(材料の変化及び不連続表面)の一方のみを提供した場合に所望の効果を得るのに不十分である場合、2つの方式を相互に組み合わせることができる。
眼鏡レンズは、従来の仕上げ、ハードコーティング及び反射防止コーティングを引き続き含むべきである。本発明による方式をハイブリッドレンズに移行させても、それ自体が可能な実施形態となる。前提条件となるのは、眼鏡レンズの表面にフィットする、本発明による構造の実施された担体の利用可能性である。

Claims (19)

  1. 眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)を製造する方法であって、
    − 第一の立体画素群を付加製造するステップであって、前記第一の立体画素群は、複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)を含み、前記複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、110a、100b)の第一の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、ステップと、
    − 第二の立体画素群を付加製造するステップであって、前記第二の立体画素群は、複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)を含み、前記複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、前記第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、110a、100b)の第二の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第二の部分は、前記第一の物体距離(d)と異なる第二の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、ステップと
    を含む方法において、
    − 前記第一の部分グリッド及び前記第二の部分グリッドは、前記付加製造中、相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入することを特徴とする方法。
  2. − 表面(104)であって、その上に前記第一の立体画素群及び前記第二の立体画素群が配置される表面(104)を有する担体(66a、66b)を付加製造するステップ
    によって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
  3. 眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)であって、
    − 第一の立体画素群であって、複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)を含み、前記複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、100b)の第一の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第一の立体画素群と、
    − 第二の立体画素群であって、複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)を含み、前記複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、前記第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、110a、100b)の第二の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第二の部分は、前記第一の物体距離(d)と異なる第二の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第二の立体画素群と
    を含み、
    − 前記第一の部分グリッド及び前記第二の部分グリッドは、相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入する、眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)において、
    − 前記第一の部分グリッドは、3次元の実施形態を有し、及び/又は前記第二の部分グリッドは、3次元の実施形態を有することを特徴とする眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
  4. 眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)であって、
    − 第一の立体画素群であって、複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)を含み、前記複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、100b)の第一の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第一の立体画素群と、
    − 第二の立体画素群であって、複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)を含み、前記複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、前記第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、110a、100b)の第二の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第二の部分は、前記第一の物体距離(d)と異なる第二の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第二の立体画素群と
    を含み、
    − 前記第一の部分グリッド及び前記第二の部分グリッドは、相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入し、
    − 前記第一の立体画素(51a、51b、51i、51t、51u)は、それぞれ第一の表面要素(54c)を有し、及び前記第二の立体画素(52a、52b、52c、52t、52u)は、それぞれ第二の表面要素(53c)を有する、眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、100b)において、
    − 相互に隣接する前記第一の表面要素(54c)のそれぞれ1つ及び前記第二の表面要素(53c)のそれぞれ1つは、相互に斜めに配置されるか、又は段差を形成するように配置されることを特徴とする眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
  5. 眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)であって、
    − 第一の立体画素群であって、複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)を含み、前記複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、100b)の第一の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第一の立体画素群と、
    − 第二の立体画素群であって、複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)を含み、前記複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、前記第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、110a、100b)の第二の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第二の部分は、前記第一の物体距離(d)と異なる第二の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第二の立体画素群と
    を含み、
    − 前記第一の部分グリッド及び前記第二の部分グリッドは、相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入し、
    (i)前記第一の立体画素(51a、51b、51i、51t、51u)は、それぞれ第一の表面要素(54c)を有し、且つ前記第二の立体画素(52a、52b、52c、52t、52u)は、それぞれ第二の表面要素(53c)を有し、及び/又は
    (ii)前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、第一の材料からなり、且つ前記第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、前記第一の材料と異なる第二の材料からなる、眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)において、
    − 前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)の1つと、前記第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)の隣接する1つとの間の移行は、前記材料の漸次的変化により、及び/又は相互に隣接する前記第一及び第二の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b;2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)の相互に隣接する前記それぞれの第一及び第二の表面要素(53c、54c)の向きの漸次的変化により実現されることを特徴とする眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
  6. 眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)であって、
    − 第一の立体画素群であって、複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)を含み、前記複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、100b)の第一の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第一の立体画素群と、
    − 第二の立体画素群であって、複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)を含み、前記複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、前記第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、110a、100b)の第二の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第二の部分は、前記第一の物体距離(d)と異なる第二の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第二の立体画素群と
    を含み、
    − 前記第一の部分グリッド及び前記第二の部分グリッドは、相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入する、眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)において、
    − 平滑ハードコート(106、106a、107、108)は、前記第一の立体画素群及び前記第二の立体画素群上に配置されることを特徴とする眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
  7. 眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)であって、
    − 第一の立体画素群であって、複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)を含み、前記複数の第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第一の部分グリッドを形成し、前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、100b)の第一の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第一の部分は、第一の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第一の立体画素群と、
    − 第二の立体画素群であって、複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)を含み、前記複数の第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、幾何学的グリッドのグリッドポイントの状態で配置されて、第二の部分グリッドを形成し、前記第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、共同で前記眼鏡レンズ(60、70、80、90、110a、100b)の第二の部分を形成し、前記眼鏡レンズの前記第二の部分は、前記第一の物体距離(d)と異なる第二の物体距離(d)で見るための屈折力を有する、第二の立体画素群と
    を含み、
    − 前記第一の部分グリッド及び前記第二の部分グリッドは、相互内に配置され、それぞれの場合に相互に貫入し、
    − 前記第一の立体画素群及び前記第二の立体画素群は、担体(85、95、105、66a、66b)の表面上に配置される、眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)において、
    − 前記担体(85、95、105、66a、66b)は、屈折率勾配を有することを特徴とする眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
  8. 前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、第一の材料からなることと、前記第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、前記第一の材料と異なる第二の材料からなることとを特徴とする、請求項3〜7の何れか一項に記載の眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
  9. 前記第一の材料は、第一の屈折率を有することと、前記第二の材料は、前記第一の屈折率と異なる第二の屈折率を有することとを特徴とする、請求項8に記載の眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
  10. 前記第一の立体画素(51a、51b、51i、51t、51u)は、それぞれ第一の表面要素(54c)を有することと、前記第二の立体画素(52a、52b、52c、52t、52u)は、それぞれ第二の表面要素(53c)を有することと、相互に隣接する前記第一の表面要素(54c)のそれぞれ1つ及び前記第二の表面要素(53c)のそれぞれ1つは、相互に斜めに配置されることとを特徴とする、請求項3又は5〜7の何れか一項を前方参照した場合の請求項3又は5〜7、8若しくは9の何れか一項に記載の眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
  11. 前記第一の部分グリッドは、2次元の実施形態を有すること、及び/又は前記第二の部分グリッドは、2次元の実施形態を有することを特徴とする、請求項4〜7の何れか一項を前方参照した場合の請求項4〜7又は8〜10の何れか一項に記載の眼鏡レンズ(60、102、110a、110b)。
  12. 前記第一の部分グリッドは、3次元の実施形態を有すること、及び/又は前記第二の部分グリッドは、3次元の実施形態を有することを特徴とする、請求項4〜7の何れか一項を前方参照した場合の請求項4〜7又は8〜10の何れか一項に記載の眼鏡レンズ(70、80、90)。
  13. 前記第一の物体距離(d)は、前記第二の物体距離(d)と、10cm、15cm、20cm、30cm及び50cmの群からの値より大きく異なることを特徴とする、請求項3〜12の何れか一項に記載の眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
  14. 前記第一の立体画素群及び前記第二の立体画素群は、担体(85、95、105、66a、66b)の表面上に配置されることを特徴とする、請求項3〜13の何れか一項に記載の眼鏡レンズ(60、80、90、102、110a、110b)。
  15. − 前記担体(85)は、物体側の球面、又はトーリック面、又はフリーフォーム面を有し、及び前記表面であって、その上に前記第一の立体画素群及び前記第二の立体画素群が配置される前記表面は、前記担体(85)の眼側表面であること、又は
    − 前記担体(95、105)は、眼側の球面、又はトーリック面、又はフリーフォーム面を有し、及び前記表面(104)であって、その上に前記第一の立体画素群及び前記第二の立体画素群が配置される前記表面(104)は、前記担体(95、105)の物体側表面であること、又は
    − 前記表面であって、その上に前記第一の立体画素群及び前記第二の立体画素群が配置される前記表面は、前記担体の前記眼側表面及び/又は前記物体側表面であることを特徴とする、請求項14に記載の眼鏡レンズ(60、80、90、102、110a、110b)。
  16. 前記担体(85、95、105、66a、66b)は、屈折率勾配を有することを特徴とする、請求項14又は15に記載の眼鏡レンズ(60、80、90、102、110a、110b)。
  17. コーティング(106、106a、107、108)は、第一の立体画素群及び前記第二の立体画素群上に配置されることを特徴とする、請求項3〜16の何れか一項に記載の眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
  18. 前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、それぞれ1000μm〜1mmの体積を有すること、及び/又は第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、それぞれ1000μm〜1mmの体積を有することを特徴とする、請求項3〜17の何れか一項に記載の眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
  19. − 前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、それぞれ100μm〜1mmの物体側表面を有し、且つ/若しくは前記第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、それぞれ100μm〜1mmの物体側表面を有すること、及び/又は
    − 前記第一の立体画素(1a、1b、...;11a、11b、...;51a、51b、...;61a、61b;71a、71b)は、それぞれ100μm〜1mmの眼側表面を有し、且つ/若しくは第二の立体画素(2a、2b、...;12a、12b、...;52a、52b、...;62a、62b;72a、72b)は、それぞれ100μm〜1mmの眼側表面を有することを特徴とする、請求項18に記載の眼鏡レンズ(60、70、80、90、102、110a、110b)。
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