JP2019519540A - 肺癌患者におけるalk阻害薬療法に対する応答を予測する未分化リンパ腫キナーゼにおける新規な変異 - Google Patents
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Abstract
本発明は、患者がALK阻害薬に応答するかどうかを検出するための新規な方法および組成物、ならびにその患者を処置する方法を含む。【選択図】なし
Description
本開示は、癌療法のための癌診断薬およびコンパニオン診断薬(companion diagnostic)に関する。特に、本発明は、癌の診断および予後ならびに処置の有効性の予測に有用な変異の検出に関する。
未分化リンパ腫キナーゼ(Anaplastic Lymphoma Kinase)(ALK)のイントロンにおける融合による遺伝子活性化は、非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer)(NSCLC)の一般的なゲノムドライバーである。ALK融合体が検出された肺癌患者には、標的−抗ALK療法を処方することができる。たとえば、薬物クリゾチニブ(XALKORI(登録商標))は殊にALKタンパク質の阻害薬である。クリゾチニブはALK融合体を伴なう患者の無増悪生存(progression-free survival)を有意に改善することが示された。しかし、患者はクリゾチニブを投与された後に少なくとも一部は耐性変異の出現のため実際には増悪を避けられない。これまでに知られているミスセンス変異は、L1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eである(Van der Wekken et al. (2016) Crit. Rev. Onc. Hematol. 100:107に概説)。
第1選択療法で増悪した患者の無増悪生存を延長するのに有効な第2選択療法がある。しかし、患者がこれらの第2選択療法に応答する程度は異なる。第2選択療法にどの患者が良好に応答し、どの患者が応答しないかについての遺伝学的根拠を知ることは、第1選択療法で増悪する患者のための処置を選択するのに大いに役立つであろう。
ALKにおけるある変異は一般的であり、一方で他はより低い頻度で起きる。理想的には、ALK変異についての臨床試験は可能な限り多数の変異を標的とする。これによって、稀な変異を伴なう患者が“偽陰性”検査結果を受けないことが確実になるであろう。稀な変異が検出されないことになれば、そのような変異を伴なう患者は最適治療計画を受けられず、彼らの腫瘍に無効な投薬を受ける可能性がある。したがって、ALK遺伝子における新規な変異が見出されると、この変異の検出はある患者の臨床転帰に影響を及ぼす可能性をもつ。
Van der Wekken et al. (2016) Crit. Rev. Onc. Hematol. 100:107
未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子における変異をもつ細胞を宿している可能性がある腫瘍を伴なう患者を処置する方法であって、患者由来の試料をALK変異R1209Q(G3636A)および/またはI1268V(A3802G)のうち少なくとも1つの存在について検査することを含む方法を本明細書に提示する。変異R1209Qが存在すれば、本方法は、その患者にALK阻害化合物を投与しないこと、あるいはその患者がALK阻害化合物の受容中であれば代替のALK阻害化合物を投与するかまたはALK阻害化合物を投与しないことを含む。変異I1268Vが存在するかまたはいかなる変異も存在しなければ、本方法は、その患者にALK阻害化合物を投与することを含む。ある態様において、ALK阻害化合物はアレクチニブ(alectinib)、クリゾチニブ(crizotinib)、セリチニブ(ceritinib)、ブリガチニブ(brigatinib)、ロルラチニブ(lorlatinib)、エントレクチニブ(entrectinib)であってもよい。ある態様において、検査は変異配列に対して相補的なオリゴヌクレオチドを用いて実施され、たとえば検査は対立遺伝子特異的PCRまたはPCR(たとえば、対立遺伝子特異的プローブを用いるqPCRまたはリアルタイムPCR)により実施することができる。ある態様において、本方法はさらに、試料を1以上のALK変異G1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eの存在について検査し、いずれかの変異が存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与しないこと、あるいはその患者がALK阻害化合物の受容中であれば代替のALK阻害化合物を投与するかまたはALK阻害化合物を投与しないことを含む。ある態様において、本方法はさらに、試料を1以上のALK変異I1268V、S1206F、S1206Y、G1269A、L1196M、L1196Q、C1156Y、L1152R、F1174L、F1174C、およびF1174Vの存在について検査し、いずれかの変異が存在すれば、ALK阻害化合物を、または処置が進行中であれば代替のALK阻害化合物を投与することを含む。
ある態様において、本方法はさらに、試料を1以上のALK融合生成物の存在について検査することを含む。ある態様において、ALK融合生成物はEML4−ALK融合体である。ある態様において、ALK融合生成物はEML4−ALK融合体バリアント3である。ALK融合生成物が存在すれば、本方法はさらに、ALK阻害化合物を投与することを含む。ALK融合生成物、ならびにG1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される少なくとも1つのALK変異が検出されれば、本方法はさらに、患者がALK阻害化合物を受容中であるかまたは過去に受容していれば代替療法(たとえば、代替のALK阻害薬療法)を施すこと、あるいはALK阻害化合物を投与しないことを含む。ALK融合生成物、ならびにI1268V、S1206F、S1206Y、G1269A、L1196M、L1196Q、C1156Y、L1152R、F1174L、F1174C、およびF1174Vからなる群から選択される少なくとも1つのALK変異が検出されれば、本方法はさらに、ALK阻害薬療法を施すことを含む。ある態様において、ALK阻害化合物または代替のALK阻害化合物は、アレクチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、ブリガチニブ、ロルラチニブ、またはエントレクチニブから選択される。
ある態様において、患者由来の試料はRNAを含有し、逆転写PCR(reverse transcription PCR)(RT−PCR)または蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(Fluorescence In Situ Hybridization)(FISH)を用いて1以上のALK変異および/または1以上のALK融合生成物を検出する。ある態様において、試料はDNAを含有し、PCRまたは他の核酸増幅法を用いて1以上のALK変異および/または1以上のALK融合生成物を検出する。
さらに、患者由来の試料をALK変異R1209QおよびI1268Vのうち一方または両方について検査することを含む、ALK阻害薬療法(たとえば、ALK阻害化合物)に対する癌患者の応答の可能性を判定するための方法を提供する。変異R1209Qが存在すれば、本方法は、その患者がALK阻害化合物に応答しないかまたはその患者に投与されていたALK阻害化合物に応答し続けない可能性があるとレポートすることを含む。変異I1268Vが存在するかまたはいかなる変異も存在しなければ、その患者はALK阻害化合物に応答する可能性があるとレポートする。ある態様において、ALK阻害化合物はクリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ブリガチニブ、ロルラチニブ、およびエントレクチニブからなる群から選択される。ある態様において、検査は変異配列に対して相補的なオリゴヌクレオチドを用いて実施され、たとえば検査は対立遺伝子特異的プローブを用いる対立遺伝子特異的PCRまたはPCR(たとえば、qPCRまたはリアルタイムPCR)を用いて実施できる。ある態様において、本方法はさらに、試料をG1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される1以上のALK変異の存在について検査することを含む。いずれかの変異が存在すれば、本方法は、その患者がALK阻害化合物に応答する可能性がないか、あるいはその患者がALK阻害化合物による処置を過去に受容していればその同じALK阻害化合物に応答し続ける可能性がないとレポートすることを含む。ある態様において、本方法はさらに、試料を1以上のALK融合生成物の存在について検査することを含む。ある態様において、ALK融合生成物はEML4−ALK融合体である。ある態様において、ALK融合生成物はEML4−ALK融合体バリアント3である。ALK融合生成物が存在すれば、本方法は、その患者がALK阻害化合物に応答する可能性があるとレポートすることを含む。ALK融合生成物ならびにG1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される少なくとも1つのALK変異が検出されれば、本方法は、その患者がALK阻害化合物の受容中であるかまたは過去に受容していればその患者が代替療法(たとえば、代替のALK阻害薬療法)に応答する可能性があるか、あるいはALK阻害化合物に応答しないであろうとレポートすることを含む。
同様に、遺伝子にALK変異をもつ腫瘍を伴ない、以前にアレクチニブで処置されていた患者について、患者由来の試料をALK変異R1209Q(G3636A)およびI1268V(A3802G)のうちの一方または両方の存在について検査することを含む、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害薬療法を選択する方法を提供する。R1209Q変異が存在すれば、本方法はALK阻害化合物を選択しないかまたは投与しないこと、あるいは代替のALK阻害化合物を選択するかまたは投与することを含む。I1268V変異が存在するかまたはいかなる変異も存在しなければ、その患者にアレクチニブを選択するかまたは投与する。ある態様において、本方法は、試料をG1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される1以上のALK変異の存在について検査し、いずれかの変異が存在すれば、その患者にALK阻害化合物を選択しないかまたは投与しないこと、あるいはその患者に代替のALK阻害化合物を選択するかまたは投与することを含む。ある態様において、代替のALK阻害化合物はクリゾチニブ、セリチニブ、ブリガチニブ、およびエントレクチニブからなる群から選択される。ある態様において、本方法はさらに、試料を1以上のALK融合生成物の存在について検査することを含む。ある態様において、ALK融合生成物はEML4−ALK融合体である。ある態様において、ALK融合生成物はEML4−ALK融合体バリアント3である。ALK融合生成物が存在すれば、本方法は、その患者にALK阻害化合物を選択するかまたは投与することを含む。ALK融合生成物ならびにG1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される少なくとも1つのALK変異が検出されれば、本方法は、ALK阻害化合物を選択しないかまたは投与しないこと、あるいは代替のALK阻害化合物を選択するかまたは投与することを含む。
同様に、R1209Q ALK変異の特異的検出のためのオリゴヌクレオチド、たとえばプライマー類および少なくとも1つのプローブ(たとえば、標識プローブ)を含む、ALK遺伝子における変異を検出するためのキットを本明細書に提示する。ある態様において、キットはさらに、G1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される少なくとも1つのALK耐性変異の特異的検出のためのオリゴヌクレオチドを含む。ある態様において、キットはさらに、I1268V ALK変異の特異的検出のためのオリゴヌクレオチドを含む。ある態様において、キットはさらに、少なくとも1つのALK融合生成物の特異的検出のためのオリゴヌクレオチドを含む。ある態様において、少なくとも1つのALK融合生成物には、EML4−ALK融合体、たとえばEML4−ALK融合体バリアント3が含まれる。ある態様において、キットはさらに、収容されたオリゴヌクレオチドを用いて増幅および検出を実施するための試薬、たとえば核酸ポリメラーゼ(単数または複数)、逆転写酵素、補因子、dNTP、緩衝液などを含む。
同様に、I1268V ALK変異の特異的検出のためのオリゴヌクレオチド、たとえばプライマー類および少なくとも1つのプローブ(たとえば、標識プローブ)を含む、ALK遺伝子における変異を検出するためのキットを本明細書に提示する。ある態様において、キットはさらに、G1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される少なくとも1つのALK耐性変異の特異的検出のためのオリゴヌクレオチドを含む。ある態様において、キットはさらに、R1209Q ALK変異の特異的検出のためのオリゴヌクレオチドを含む。ある態様において、キットはさらに、少なくとも1つのALK融合生成物の検出のためのオリゴヌクレオチドを含む。ある態様において、少なくとも1つのALK融合生成物には、EML4−ALK融合体、たとえばEML4−ALK融合体バリアント3が含まれる。ある態様において、キットはさらに、収容されたオリゴヌクレオチドを用いて増幅および検出を実施するための試薬、たとえば核酸ポリメラーゼ(単数または複数)、逆転写酵素、補因子、dNTP、緩衝液などを含む。
さらに、癌患者がALK阻害化合物に応答するかどうかを判定するための方法を提供する。ある態様において、本方法は下記を含む:(a)患者由来の試料を1以上のALK融合生成物の存在について検査する;(b)1以上のALK融合生成物が存在すれば、その患者がALK阻害化合物に応答するであろうと判定する;(c)患者由来のその試料(または異なる試料)を、G1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される1以上のALK耐性変異の存在について検査する;(d)1以上のALK耐性変異が存在すれば、その患者はALK阻害化合物に応答しないか、あるいはその患者がALK阻害化合物療法を過去に受けていたならばその同じALK阻害化合物に応答しないであろうと判定する。1以上のALK融合生成物および1以上のALK耐性変異が共に存在すれば、その患者はALK阻害化合物に応答しないか、あるいはその患者がALK阻害化合物療法を過去に受けていたならばその同じALK阻害化合物に応答しないであろうと判定する。ある態様において、本方法はさらに、その判定に従って患者を処置することを含む。すなわち、ALK融合生成物が存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与する;ALK耐性変異が存在すれば、ALK阻害化合物を投与しないか、またはその患者がALK阻害化合物療法を過去に受けていれば代替のALK阻害化合物を投与する;あるいは、ALK融合生成物およびALK耐性変異が共に存在すれば、ALK阻害化合物を投与しないか、またはその患者がALK阻害化合物療法を過去に受けていれば代替のALK阻害化合物を投与する。ある態様において、ALK阻害化合物または代替のALK阻害化合物はアレクチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、ブリガチニブ、ロラチニブ、およびエントレクチニブからなる群から選択される。ある態様において、少なくとも1つのALK融合生成物にはEML4−ALK融合体が含まれる。
さらに、癌、たとえばNSCLCを伴なう患者における予後を予測するための方法が含まれる。ある態様において、本方法は、患者由来の試料においてバリアント3 EML4−ALK融合生成物の存在または非存在を判定し;バリアント3 EML4−ALK融合生成物の存在が検出されれば、異なる(非バリアント3)ALK融合生成物をもつ患者と比較してその患者についてより悪い予後(たとえば、無増悪生存時間の短縮、全生存時間の短縮、より重篤な疾患症状など)を予測することを含む。ある態様において、判定はNGS、PCR、FISH、およびIHC(immunohistochemistry(免疫組織化学))からなる群から選択される方法により実施される。ある態様において、試料は血液または血液製品、および腫瘍組織(たとえば、新鮮な組織またはFFPET試料)を含めた患者由来の組織試料からなる群から選択される。
さらに、癌、たとえばNSCLCを伴なう患者における予後を予測するための方法が含まれる。ある態様において、本方法は、患者由来の試料において変異の数を判定することを含む。ある態様において、本方法は、患者試料において変異の数を判定し;4以下の変異を伴なう患者の予後と比較して、患者試料が4より多い変異を含むならばその患者についてより悪い予後(たとえば、無増悪生存時間の短縮、全生存時間の短縮、より重篤な疾患症状など)を予測することを含む。ある態様において、判定はNGS、PCR、FISH、およびIHC(免疫組織化学)からなる群から選択される方法により実施される。ある態様において、試料は血液または血液製品、および腫瘍組織(たとえば、新鮮な組織またはFFPET試料)を含めた患者由来の組織試料からなる群から選択される。ある態様において、検出された変異は、実施例5(表2、4、および5)に示す癌関連遺伝子、たとえばALK、および他の遺伝子から選択される。ある態様において、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、250、500、1000、またはそれ以上の遺伝子についての変異を変異状態について検査する。
定義
以下の定義は本開示を理解するのに役立つ。
用語“ALK耐性変異(ALK resistant mutation)”、“ALK耐性変異(ALK resistance mutation)”、“ALK阻害薬耐性変異(ALK inhibitor resistant mutation)”、“ALK療法耐性変異(ALK therapy resistant mutation)”、および類似の用語は、ALK遺伝子におけるALK阻害、たとえばアレクチニブに対する耐性を付与する変異を表わすために用いられる。ALK耐性変異の例には、R1209Q、L1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eが含まれる。
以下の定義は本開示を理解するのに役立つ。
用語“ALK耐性変異(ALK resistant mutation)”、“ALK耐性変異(ALK resistance mutation)”、“ALK阻害薬耐性変異(ALK inhibitor resistant mutation)”、“ALK療法耐性変異(ALK therapy resistant mutation)”、および類似の用語は、ALK遺伝子におけるALK阻害、たとえばアレクチニブに対する耐性を付与する変異を表わすために用いられる。ALK耐性変異の例には、R1209Q、L1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eが含まれる。
用語“ALK融合体”、“ALK融合生成物”、および類似の用語は、ALKに関連する遺伝子融合生成物を表わす。これらの融合生成物の多くは、ALKの異常に高い発現および/またはキナーゼ活性をもたらす。例には、EML4、KIF5B、HIP1、KLC1またはTFGとALKとの融合体が含まれる。具体的な融合体を本明細書の表2および5に示す。
本明細書中で用いる用語“療法に応答する”、“阻害化合物に応答する”、および類似の用語は、療法または阻害化合物に対する癌患者による陽性応答を表わす。応答性は、無増悪生存(PFS)または全生存の延長、腫瘍サイズの低減、腫瘍の増殖または転移の低減、健康状態の改善などである可能性がある。
用語“対立遺伝子特異的PCR”または“対立遺伝子特異的プライマーを用いるPCR”は、標的配列の1より多いバリアント(たとえば、野生型および変異バリアント)にハイブリダイズするけれども、そのプライマーはバリアントのうち1つだけ(たとえば、変異バリアント)について適切な条件下で効率的に核酸ポリメラーゼにより延長されるという点で標的配列のバリアントを識別できるプライマーを用いるPCRを表わす。標的配列の他のバリアント(たとえば、野生型)については、延長はより効率が低いか、非効率的であるか、または検出不可能である。
用語“試料”、“患者由来の試料”、“患者試料”、および類似の用語は、標的核酸を含有するかまたは含有すると推定されるいずれかの組成物を表わす。これは、個体から分離した組織または体液の試料、たとえば皮膚、血漿、血清、髄液、リンパ液、滑液、尿、涙液、血球、臓器および腫瘍を含み、個体から採取した細胞から樹立したインビトロ培養の試料をも表わし、これにはホルマリン固定パラフィン包埋組織(formalin-fixed paraffin embedded tissue)(FFPET)およびそれから単離した核酸が含まれる。試料には、無細胞材料、たとえば無細胞DNA(cell-free DNA)(cfDNA)または循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA)(ctDNA)を含有する無細胞血液画分も含まれる。試料は、処理した組織または体液、たとえば精製または部分精製した核酸をも表わすことができる。
用語“核酸”、“ポリヌクレオチド”、および“オリゴヌクレオチド”は、単一ヌクレオチドのマルチマーまたはポリマーを表わすために互換性をもって使用できる。“オリゴヌクレオチド”は、比較的短いポリヌクレオチドを記述するために時折り用いられる用語である。オリゴヌクレオチドは、たとえば表示したヌクレオチド配列のある領域に対応する少なくとも6個のヌクレオチド、たとえば少なくとも約10〜12個のヌクレオチド、または少なくとも約15〜30個のヌクレオチドから構成できる。用語“ヌクレオチド”は、一般にモノマー、すなわち単一塩基を表わす。
用語“プライマー”は、標的核酸中の配列とハイブリダイズし、核酸の相補鎖に沿った合成の開始点としてそのような合成に適した条件下で作用できるオリゴヌクレオチドを表わす。フォワードプライマーとリバースプライマーがアンプリコンの境界を設定し、適切な条件下で核酸ポリメラーゼに曝露されると増幅生成物を生成する。本明細書中で用いる用語“プローブ”は、標的核酸中の配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを表わし、通常は検出可能な状態に標識される。プローブは、そのプローブを核酸ポリメラーゼにより延長されないようにする修飾、たとえば3’末端修飾、および1以上の非天然標識、たとえば発蛍光団、発色団を、場合によりクエンチャーとの組合わせでもつことができる。同一配列をもつオリゴヌクレオチドが、あるアッセイではプライマーとして、また別のアッセイではプローブとして作用できる。
本明細書中で用いる用語“標的配列”、“標的核酸”、または“標的”は、試料中の検出または分析すべき核酸配列部分を表わす。標的という用語には、標的配列のすべてのバリアント、たとえば1以上の変異バリアントおよび野生型バリアントが含まれる。
用語“シーケンシング”は、標的核酸中のヌクレオチドの配列を決定するいずれかの方法を表わす。
用語“患者”および“対象”は、疾患について診断または処置することができるかまたはできないけれども医療の対象である個体を表わす。
用語“患者”および“対象”は、疾患について診断または処置することができるかまたはできないけれども医療の対象である個体を表わす。
用語“投与する(administer)”、“投与(administering)”、および類似の用語は、物理的投与に限定されず、療法計画(たとえば、薬物または化学療法による処置)を推奨または処方することをも含む。
ALKの変異および融合バリアントの検出、予後、および処置のための方法
癌の診断および予後、ならびに療法計画の設計およびその療法計画の成功の予測に有用な、ALKのキナーゼドメインにおける新規な変異を本明細書に提示する。さらに、ALK遺伝子における多数の異常(たとえば、ALK融合生成物およびALK耐性変異)が予後および療法効力に及ぼす影響を本明細書に記載する。
癌の診断および予後、ならびに療法計画の設計およびその療法計画の成功の予測に有用な、ALKのキナーゼドメインにおける新規な変異を本明細書に提示する。さらに、ALK遺伝子における多数の異常(たとえば、ALK融合生成物およびALK耐性変異)が予後および療法効力に及ぼす影響を本明細書に記載する。
ALKの異常な活性化が幾つかのタイプの癌を駆動することは知られている。おおよそ60%の未分化リンパ腫および3〜5%の非小細胞肺癌(NSCLC)が、遺伝子の融合および変異によって活性化されたALKをもつ。ALKが神経芽細胞腫、神経膠芽細胞腫、食道癌および乳癌において異常に活性であることも見出されている。ALKの異常な活性化は、しばしば遺伝子融合、最も一般的にはEML4−ALK(echinoderm microtubule-associated protein like 4-anaplastic lymphoma kinase(棘皮動物微小管会合タンパク質様 4−未分化リンパ腫キナーゼ))を伴なう。EML4−ALK融合体は非小細胞肺癌(NSCLC)と関連する。大部分の融合体の場合、ALKのN末端、細胞外部分が、EML4(またはKIF5B、HIP1、KLC1、もしくはTFG)により置き換えられている。その結果生じる融合遺伝子の発現は、強力なプロモーター、たとえばEMLプロモーターにより駆動され、その結果、ALKの細胞内チロシンキナーゼドメインの発現がより高くなる。さらに、EML4はコイルド−コイルを形成し、それはリガンド非依存性の二量体化、およびALKチロシンキナーゼドメインの構成性活性化をもたらす。
ALKキナーゼの幾つかの低分子阻害薬が現在市販されており、あるいは臨床試験中である。これらには、クリゾチニブ(XALKORI(登録商標))、セリチニブ(ZYKADIA(登録商標))、アレクチニブ(ALECENSA(登録商標))、ブリガチニブ、ロルラチニブ、エントレクチニブ、および現在開発初期である他の化合物が含まれる。臨床転帰の分析およびインビトロ細胞株試験により、ALK遺伝子におけるミスセンス変異の結果としてALK阻害薬に対する耐性がしばしば発現することが明らかになった(Van der Wekken et al. (2016) Crit. Rev. Onc. Hematol. 100:107中に概説)。
ALK阻害薬療法を受けている癌患者において見出されたALK遺伝子における新規バリアントR1209Q(G3626A)およびI1268V(A3802G)を本明細書に記載する。参照ヒトゲノムhg19において、R1209Qはchr2:29443591:C>Tに対応し、I1268Vはchr2:29432686:T>Cに対応する。参照ヒトゲノムhg38において、R1209Qはchr2:29220725:C>Tに対応し、I1268Vはchr2:29209820:T>Cに対応する。
大部分の患者において、バリアントR1209QはALK阻害薬療法を施した後に検出され、これはこの変異が療法に対する耐性に関与していることの証拠を提示する。しかし、1人の被験患者においてこの変異はALK阻害薬療法を施す前と後の両方に存在していた。他方のバリアントI1268Vはこの療法を施す前の患者にのみ同定され、これはそれが療法に対する感受性に関与している可能性があることを示唆する。
変異したALK遺伝子または遺伝子生成物(すなわち、変異mRNAまたは変異タンパク質)は、腫瘍組織(たとえば、新鮮な組織またはFFPET組織)、気管支肺胞洗浄液、または腫瘍細胞もしくは腫瘍核酸が存在する可能性がある他の身体試料、たとえば尿、喀痰、血漿もしくは血清中に検出できる。変異は、無細胞腫瘍DNAまたはRNAが存在する可能性がある無細胞材料、たとえば尿、喀痰、血漿もしくは血清中にも検出できる。
核酸を生体試料から単離するための方法は、たとえばSambrook et al., MOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL, Cold Springs Harbor Press (Cold Springs Harbor, N.Y. 1989)に記載されるように既知であり、幾つかのキットが市販されている(たとえば、High Pure RNA Isolation Kit、High Pure Viral Nucleic Acid Kit、およびMagNA Pure LC Total Nucleic Acid Isolation Kit,Rocheから)。ある態様において、DNAを調製し、本明細書に開示する増幅方法および検出方法のための鋳型として用いる。ある態様において、RNAを調製する。RNAをPCRにより増幅するための鋳型として用いる場合、cDNAを調製するための逆転写工程が必要である。次いで、DNAポリメラーゼ、たとえばTaq、Taq誘導体、または他の耐熱性ポリメラーゼを用いて増幅を実施することができる。
変異特異的オリゴヌクレオチドプライマー(たとえば、対立遺伝子特異的プライマー)を用いる対立遺伝子特異的PCRにより、ALK遺伝子における変異R1209Q(G3626A)およびI1268V(A3802G)を検出する方法を本明細書に提示する。対立遺伝子特異的プライマーは一般に、標的配列(たとえば、変異配列)にマッチし、別の配列(たとえば、野生型配列)に対してはミスマッチである3’末端をもつ。場合により、対立遺伝子特異的プライマーは野生型および変異型の両方の標的配列との内部ミスマッチを含むことができる。対立遺伝子特異的PCRプライマーにおけるさらに他のミスマッチがプライマーの選択性を高めることが示された。参照:U.S. Patent 8,586,299。
ある態様において、本方法はさらに、対立遺伝子特異的PCRを用いていずれかの組合わせの1以上のALK変異G1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、G1548E、I1268V、S1206F、S1206Y、G1269A、L1196M、L1196Q、C1156Y、L1152R、F1174L、F1174C、およびF1174Vを患者試料中に検出することを含む。ある態様において、本方法はさらに、患者由来の試料がたとえば試料からのRNA中に少なくとも1つのALK融合生成物(参照:たとえば表2)を含有するかどうかを判定することを含む。融合生成物は、融合点のいずれかの側における増幅プライマー類(たとえば、一方のプライマーはALK配列に対して相補的であり、他方のプライマーは融合パートナー由来の配列、たとえばEML4に対して相補的である)を用いて、またはその融合生成物の融合点を含む配列に対して相補的な1つのプライマーを用いて検出できる。ある態様において、融合は、その融合生成物の融合点を含む配列に対して相補的な(ハイブリダイズする)標識プローブを用いて検出される。ある態様において、標識プローブはALKまたはその融合パートナー中の配列に対して相補的であり、融合体はそのプローブにハイブリダイズする増幅生成物のサイズまたは存在に基づいて検出される。
さらに、ALK遺伝子における変異R1209Q(G3626A)およびI1268V(A3802G)を特異的プローブで検出するための方法を提供する。プローブは多数の核酸検出法、たとえばサザンもしくはノーザンハイブリダイゼーション、リアルタイムPCR、またはNGSに使用できる。代表的な変異特異的検出プローブは、検出が行なわれる反応条件下で、標的配列(たとえば、変異配列)と安定なハイブリッドを形成し、別の配列(たとえば、同一部位における野生型配列)とは安定なハイブリッドを形成しない。プローブハイブリダイゼーションが首尾よく行なわれるためには、プローブは標的配列に対して少なくとも部分的な相補性をもつ必要がある。一般に、プローブの中心部分に近接した相補性がプローブの末端における相補性より重要である。参照:たとえばInnis et al., Academic Press, NY, 1990 Chapter 32, pp. 262-267。ある態様において、プローブは、プロテイン核酸(protein-nucleic acid)(PNA)、ロックト核酸(locked nucleic acid)(LNA)、モレキュラービーコン(molecular beacon)プローブを含めた特定の構造をもち(Tyagi et al. (1996) Nat. Biotechnol. 3:303-308)、あるいはSCORPIONS(登録商標)セルフプロービングプライマー(self-probing primer)に含めることができる(Whitcombe et al. (1999) Nat. Biotechnol. 8:804-807)。プローブを放射性、蛍光性または発色性標識で、場合によりクエンチャー部分、たとえばBHQとの組合わせで標識することができる。たとえば、変異をリアルタイム対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応により検出することができ、その際、増幅生成物へのプローブのハイブリダイゼーションの結果、プローブの酵素消化および消化生成物の検出が行なわれる(TaqManプローブ、Holland et al., (1991) P.N.A.S. USA 88:7276-7280)。プローブと標的のハイブリダイゼーションは、核酸デュプレックス形成による蛍光変化を検出すること(U.S. application Ser. No. 12/330,694, 2008年12月9日出願)、またはプローブと標的のハイブリッドの特徴的な融解温度を検出することによっても検出できる(U.S. Pat. No. 5,871,908)。ある態様において、本方法はさらに、ハイブリダイゼーションプローブを用いて患者試料中のいずれかの組合わせの1以上のALK変異G1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、G1548E、I1268V、S1206F、S1206Y、G1269A、L1196M、L1196Q、C1156Y、L1152R、F1174L、F1174C、およびF1174Vを検出することを含む。ある態様において、本方法はさらに、患者由来の試料がたとえば試料からのRNA中に少なくとも1つのALK融合生成物(参照:たとえば表2)を含有するかどうかを判定することを含む。
変異ALK遺伝子をもつ細胞を宿している可能性がある腫瘍を伴なう患者をALK阻害薬で処置する方法であって、患者試料をALK変異R1209Q(G3636A)および/またはI1268V(A3802G)のうちの一方または両方の存在について検査することを含む方法を本明細書に提示する。変異I1268Vが見出されれば、本方法はさらに、ALK阻害薬療法(たとえば、ALK阻害化合物、たとえばクリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ブリガチニブ、ロルラチニブ、またはエントレクチニブ)を施すことを含むが、変異R1209Qが見出されれば、本方法はさらに、ALK阻害薬療法が既に進行中であれば代替療法(たとえば、代替のALK阻害薬療法)を施すこと、あるいはALK阻害薬療法を施さないことを含む。ある態様において、本方法はさらに、患者試料をG1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される1以上のALK変異(たとえば、いずれかの組合わせのいずれか1、2、3、4、5、6、7種類のALK耐性変異、または8種類すべてのALK耐性変異)の存在について検査することを含み、これらの変異のうち少なくとも1つが見出されれば、本方法はさらに、ALK阻害薬療法が進行中であれば代替療法(たとえば、代替のALK阻害薬療法)を施すこと、あるいはALK阻害薬療法を施さないことを含む。ある態様において、本方法はさらに、患者試料をS1206F、S1206Y、G1269A、L1196M、L1196Q、C1156Y、L1152R、F1174L、F1174C、およびF1174Vからなる群から選択される1以上のALK変異(たとえば、いずれかの組合わせのいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10種類のALK感受性変異、または11種類すべての感受性変異)の存在について検査し、少なくとも1つの感受性変異が検出されれば、ALK阻害薬療法(たとえば、処置が進行中であれば代替のALK阻害薬処置)を施すことを含む。ある態様において、本方法はさらに、患者由来の試料が少なくとも1つのALK融合生成物を含むかどうかを判定することを含む。ALK融合生成物が検出された場合、本方法はさらに、ALK阻害薬療法を施すことを含む。ALK融合生成物、ならびにG1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される少なくとも1つのALK変異(たとえば、いずれかの組合わせのいずれか1、2、3、4、5、6、7種類のALK耐性変異、または8種類すべてのALK耐性変異)が検出された場合、本方法はさらに、ALK阻害薬療法が進行中である場合には代替療法(たとえば、代替のALK阻害薬療法)を施すこと、あるいはALK阻害薬療法を施さないことを含む。ある態様において、本方法はさらに、患者試料をS1206F、S1206Y、G1269A、L1196M、L1196Q、C1156Y、L1152R、F1174L、F1174C、およびF1174Vからなる群から選択される1以上のALK変異(たとえば、いずれかの組合わせのいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10種類のALK感受性変異、または11種類すべての感受性変異)の存在について検査し、少なくとも1つの感受性変異が検出されれば、ALK阻害薬療法(たとえば、処置が進行中であれば代替のALK阻害薬)を施すことを含む。ある態様において、ALK阻害薬療法(たとえば、ALK阻害化合物)または代替のALK阻害薬療法は、アレクチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、ブリガチニブ、ロルラチニブ、またはエントレクチニブから選択される。
たとえばドット−ブロットまたは核酸アレイフォーマットにおける多重プローブへのハイブリダイゼーション、マルチプレックスPCR、たとえばマルチプレックス対立遺伝子特異的PCRおよびマルチプレックスPCR、続いて変異特異的な融解温度を特徴とする各プローブによるプローブ融解アッセイを用いて、多重変異を同時または個別に検出することができる。多重変異は、核酸シーケンシングにより検出することもできる。シーケンシングは、当技術分野で既知のいずれかの方法により実施できる。特に有利なものは、ハイスループット単分子シーケンシング(次世代シーケンシング(next generation sequencing)、すなわちNGS)である。そのような技術の例には、Illumina HiSeq platform(Illumina,カリフォルニア州サンディエゴ)、Ion Torrent platform(Life Technologies,ニューヨーク州グランドアイランド)、SMRT(登録商標)試薬を用いるPacific BioSciences platform(Pacific Biosciences,カリフォルニア州メンローパーク)、またはGenia Technologies(Roche Genia,カリフォルニア州サンタクララ)もしくはOxford Nanopore Technologies(英国ケンブリッジ)が開発したナノポアベースのシーケンシング技術、またはシーケンシング・バイ・シンセシス(sequencing by synthesis)を伴なうかまたは伴なわない他のいずれかの既存もしくは将来の単分子シーケンシング技術が含まれる。融合体は、特定のALK融合体に対して特異的であるかまたは1より多いALK融合体の存在を検出できるプライマーまたはプローブを、たとえばUS7700339およびUS20160304937の記載に従って設計することにより検出できる。
シーケンシング技術には、たとえば患者の血清中にごく少量存在する循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA)(ctDNA)からのごく少量の標的核酸の検出の感度および特異度を高めることができるデータ解析工程を含めることができる。試料バーコーディングおよび誤差修正を含むそのような方法の例が、U.S. patent application US20140296081およびUS20160032396に記載されている。
さらに、ALK阻害薬に対する患者の悪性腫瘍の応答の可能性を判定するための方法を提供する。ある態様において、本方法は、患者由来の試料を変異R1209Q(G3626A)およびI1268V(A3802G)のうちの一方または両方の存在について検査することを含む。変異I1268Vが見出されれば、本方法はその患者がALK阻害薬療法(たとえば、ALK阻害化合物)に応答する可能性があるとレポートすることを含む。変異R1209Qが見出されれば、特にその患者がALK阻害薬で処置されていれば、本方法はその患者がALK阻害薬療法に応答する可能性がないとレポートすることを含む。そのような場合、本方法はその患者が同一のALK阻害薬療法に応答する可能性はないけれどもその患者が代替のALK阻害薬療法を含めた代替療法に応答する可能性があるとレポートすることを含む。ある態様において、本方法はさらに、患者由来の試料をL1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eから選択される1以上のALK耐性変異の存在について検査し、少なくとも1つのALK耐性変異が見出されれば、特にその患者がALK阻害薬で処置されていれば、本方法はその患者がALK阻害薬療法に応答する可能性がないとレポートすることを含む。そのような場合、本方法はその患者が同一のALK阻害薬療法に応答する可能性はないけれどもその患者が代替のALK阻害薬療法を含めた代替療法に応答する可能性があるとレポートすることを含む。ある態様において、ALK阻害薬療法はアレクチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、ブリガチニブ、ロルラチニブ、またはエントレクチニブから選択される。ある態様において、本方法はさらに、患者由来の試料が少なくとも1つのALK融合生成物を含有するかどうかを判定することを含む。ALK融合生成物が検出された場合、本方法はさらに、ALK阻害薬療法を施すことを含む。ALK融合生成物、ならびにR1209、L1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eからなる群から選択される少なくとも1つのALK耐性変異が検出された場合、本方法はさらに、ALK阻害薬療法が進行中である場合には代替療法(たとえば、代替のALK阻害薬療法)を施すこと、あるいはALK阻害薬療法を施さないことを含む。
さらに、悪性腫瘍を伴ない、アレクチニブで過去に処置された患者について、ALK阻害薬を選択するための方法を提供する。本方法は、患者由来の試料を変異R1209Q(G3626A)およびI1268V(A3802G)のうちの一方または両方の存在について検査することを含む。変異I1268Vが見出されれば、本方法はアレクチニブをALK阻害薬療法として選択することを含む。変異R1209Qが見出されれば、本方法は代替療法(たとえば、代替のALK阻害薬療法)を選択すること、あるいはALK阻害薬療法を選択しないことを含む。ある態様において、本方法はさらに、患者由来の試料をL1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eからなる群から選択される1以上のALK変異の存在について検査し、少なくとも1つの変異が見出されれば、代替療法(たとえば、代替のALK阻害薬療法)を選択すること、あるいはALK阻害薬療法を選択しないことを含む。ある態様において、本方法はさらに、患者由来の試料が少なくとも1つのALK融合生成物を含有するかどうかを判定することを含む。ALK融合生成物が検出された場合、本方法はさらに、たとえばアレクチニブを含めたALK阻害薬療法を施すことを含む。ALK融合生成物、ならびにR1209、L1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eからなる群から選択される少なくとも1つのALK耐性変異が検出された場合、本方法はさらに、代替療法(たとえば、代替のALK阻害薬療法)を施すこと、あるいはALK阻害薬療法を施さないことを含む。ある態様において、代替のALK阻害薬療法はクリゾチニブ、セリチニブ、ブリガチニブ、ロルラチニブ、またはエントレクチニブから選択される。
ALK遺伝子における変異R1209Q(G3626A)およびI1268V(A3802G)のうちの一方または両方を検出するのに必要な試薬を収容したキットを本明細書に提示する。ある態様において、キットは、変異配列に対して特異的な(すなわち、野生型配列を変異配列から識別できる)オリゴヌクレオチド、たとえばプローブおよび増幅プライマー、ならびに変異R1209QおよびI1268Vが位置するALK遺伝子部分を捕獲するための捕獲プローブを含む。ある態様において、キットはDNAまたは対応するmRNA配列における変異R1209Q(G3626A)およびI1268V(A3802G)を検出するために必要な試薬を収容している。たとえば、キットはさらに増幅および検出のアッセイを実施するために必要な試薬、たとえばPCR、リアルタイムPCR、定量PCR、逆転写(たとえば、RT−PCRについて)、および/または転写仲介増幅(transcription mediated amplification)(TMA)の成分を含む。ある態様において、変異特異的オリゴヌクレオチドは検出可能な状態に標識されている。ある態様において、キットは標識のための試薬およびその標識を検出するための試薬を含む。たとえば、オリゴヌクレオチドがビオチンで標識されていれば、キットはストレプトアビジン試薬を酵素およびそれの発色性基質と共に含むことができる。ある態様において、キットはさらに、ALK遺伝子におけるG1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eから選択される少なくともさらに1つの変異(たとえば、いずれかの組合わせのいずれか1、2、3、4、5、6、7種類のALK耐性変異、または8種類すべてのALK耐性変異)を検出するための試薬を収容している。ある態様において、キットはさらに、ALK遺伝子におけるI1268V、S1206F、S1206Y、G1269A、L1196M、L1196Q、C1156Y、L1152R、F1174L、F1174C、およびF1174Vから選択される少なくともさらに1つの変異(たとえば、いずれかの組合わせのいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10種類のALK感受性変異、または11種類すべての感受性変異)を検出するための試薬を収容している。
ある態様において、キットはmRNAにおける変異R1209Q(G3626A)およびI1268V(A3802G)を検出するための試薬を含む。この態様は、DNAにおける変異を検出するためのキットと構成要素を共有し、さらにRNAベースの検出のための、下記のうち1以上の試薬を含む:逆転写酵素活性をもつDNAポリメラーゼまたは逆転写酵素、RNAse H活性をもつ酵素、およびオリゴdT捕獲試薬。
ある態様において、キットはALKタンパク質における変異R1209QおよびI1268Vを検出するための試薬を含む。キットは、変異ALKタンパク質に対して特異的であるけれども野生型ALKタンパク質に対しては特異的でない抗体を含むことができる。ある態様において、キットは患者由来の血液(たとえば、血漿または血清)試料中の変異タンパク質を検出するための試薬を収容している。ある態様において、キットは患者由来の組織試料中の変異体を検出するための試薬を収容している。
ある態様において、少なくとも1つのALK変異またはALK融合体の存在を検出するためのキットを提供する。ある態様において、キットはALK変異R1209Qを特異的に検出するための(すなわち、アミノ酸1209をコードするヌクレオチド位置において変異配列をたとえば野生型配列から識別できる)オリゴヌクレオチド(たとえば、プライマーおよびプローブ、またはそのバリアント、たとえばスコーピオンプローブ(Scorpion probe))を収容している。ある態様において、キットはALK変異I1268Vを特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドを収容している。ある態様において、キットは、G1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される少なくとも1つのALK耐性変異(たとえば、いずれかの組合わせのいずれか1、2、3、4、5、6、7種類のALK耐性変異、または8種類すべてのALK耐性変異)を特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドを収容している。ある態様において、キットはさらに、ALK遺伝子におけるI1268V、S1206F、S1206Y、G1269A、L1196M、L1196Q、C1156Y、L1152R、F1174L、F1174C、およびF1174Vからなる群から選択される少なくともさらに1つの変異(たとえば、いずれかの組合わせのいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10種類のALK感受性変異、または11種類すべての感受性変異)を検出するための試薬を収容している。
ある態様において、キットは、少なくとも1つのALK融合生成物を検出するためのオリゴヌクレオチドを収容している。たとえば、キットは、1以上のALK融合生成物の融合点のいずれかの側に適合するプライマー類、および個々の融合生成物を特異的に検出するかまたは1より多い融合生成物を検出するプローブを収容することができる。ある態様において、キットは、G1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、T1151、およびG1548Eからなる群から選択される少なくとも1つのALK耐性変異(たとえば、いずれかの組合わせのいずれか1、2、3、4、5、6、7種類のALK耐性変異、または8種類すべてのALK耐性変異)ならびに1以上のALK融合生成物を特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドを収容している。ある態様において、キットはさらに、ALK遺伝子におけるI1268V、S1206F、S1206Y、G1269A、L1196M、L1196Q、C1156Y、L1152R、F1174L、F1174C、およびF1174Vからなる群から選択される少なくともさらに1つの変異(たとえば、いずれかの組合わせのいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10種類のALK感受性変異、または11種類すべての感受性変異)を検出するための試薬を収容している。ある態様において、1以上のALK融合生成物は1以上のEML4−ALK(たとえば、表2に挙げるもの)、KIF5B−ALK、HIP1−ALK、KLC1−ALK、およびTFG−ALKから選択できる。
ある態様において、キットはさらに、耐熱性DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、両方の活性をもつ酵素、および/またはその酵素(単数または複数)の活性に必要ないずれかの補因子を収容している。ある態様において、キットはさらに、核酸増幅に使用できる追加の試薬、たとえばdNTPおよび/または緩衝試薬を備えている。ある態様において、キットはさらに、使い捨ての構成要素、たとえばチューブ、マルチウェルプレートまたはキャピラリーチップなどを収容している。
ある態様において、キットはさらに、患者由来の試料中の内部対照、たとえばハウスキーピング遺伝子を検出するための、プライマー類および少なくとも1つのプローブを含む。ある態様において、キットはさらに、たとえばそれぞれのALK変異およびALK融合体についての、キット構成要素により検出できる少なくとも1つの陽性対照を含む。ある態様において、キットはさらに、陰性対照、たとえば野生型ALKヒトDNAまたはRNAを含む。
実施例1.肺癌患者におけるALK変異の検出
アレクチニブ処置前とアレクチニブ処置後に患者由来の無細胞DNAを分離した。このcfDNAに、標準Illumina HiSeqワークフローを用いる次世代シーケンシングおよびUS20140296081に記載された分析を施した。シーケンシングデータを用いて患者の一塩基変異(single nucleotide variation)(SNV)を同定し、その患者について2つの時点のうち一方のみに存在していたSNVをさらに調べた。1つのバリアントR1209Qを6人の患者において同定した。5/6人の患者において、それはアレクチニブ療法後にのみ存在し(図1)、これはそれがアレクチニブに対する耐性を付与する可能性があるという証拠を提示する。6人目の患者においてはアレクチニブに対する既知の耐性バリアントが検出されたので、別のクローンがアレクチニブ耐性を付与した可能性がある(図2)。他のバリアントI1268Vが1人の患者において、ただしアレクチニブ処置前にのみ同定され、これはそれがアレクチニブに対する感受性を付与している可能性があることを示唆する。
アレクチニブ処置前とアレクチニブ処置後に患者由来の無細胞DNAを分離した。このcfDNAに、標準Illumina HiSeqワークフローを用いる次世代シーケンシングおよびUS20140296081に記載された分析を施した。シーケンシングデータを用いて患者の一塩基変異(single nucleotide variation)(SNV)を同定し、その患者について2つの時点のうち一方のみに存在していたSNVをさらに調べた。1つのバリアントR1209Qを6人の患者において同定した。5/6人の患者において、それはアレクチニブ療法後にのみ存在し(図1)、これはそれがアレクチニブに対する耐性を付与する可能性があるという証拠を提示する。6人目の患者においてはアレクチニブに対する既知の耐性バリアントが検出されたので、別のクローンがアレクチニブ耐性を付与した可能性がある(図2)。他のバリアントI1268Vが1人の患者において、ただしアレクチニブ処置前にのみ同定され、これはそれがアレクチニブに対する感受性を付与している可能性があることを示唆する。
図1は、アレクチニブ処置の前と後の患者試料における変異の検出および変異頻度を示す。1つのバリアントR1209Qが6人の患者において同定された。5/6人の患者において、それはアレクチニブ療法後にのみ存在し、これはそれがアレクチニブに対する耐性を付与する可能性があるという証拠を提示する。他のバリアントI1268Vが1人の患者において、ただしアレクチニブ処置前にのみ同定され、これはそれがアレクチニブに対する感受性を付与している可能性があることを示唆する。
図2は、6人目の患者においてアレクチニブ処置の前と後に見出された種々の変異を示す。この患者において、アレクチニブに対する既知の耐性バリアントが検出されたので、別のクローンがアレクチニブ耐性を付与した可能性があることを示唆する。
実施例2:ALK融合体転帰に影響を及ぼす因子
表1は、ALK融合体バリアント3(EML4エキソン6がALKエキソン20に連結したもの)を伴なう患者についてのハザード比がそれを伴なわない患者のものよりはるかに高いことを示す。図8は、他のALK融合体と対比してバリアント3融合体を伴なう患者について無増悪生存(PFS)が有意に短いことを示す。これは人種および処置状態に関係なく当てはまることが認められた(すなわち、ALK阻害薬処置に際してALK融合体バリアント3を伴なう個体はALK阻害薬処置に際してALK融合体を伴なう個体より悪い転帰をもつであろう)。平均すると、バリアント3融合体を伴なう場合、約2.6倍多く増悪する可能性がある(p値0.0012)。この2.6のハザード比は、アレクチニブによる処置の前に採取した72人の患者の血漿試料について実施されたCox PH Multivariable Modelからのものであった。このモデルは、バリアント3融合効果から、交絡因子(人種、ベースライン腫瘍測定値など)について調整して、無増悪生存(PFS)を予測した。ハザード比はアジア人種についての数値1を基準とする。たとえば、ALK融合体を伴なう白人個体はALK融合体を伴なうアジア人個体より2.091倍高いリスクをもつ。
表1は、ALK融合体バリアント3(EML4エキソン6がALKエキソン20に連結したもの)を伴なう患者についてのハザード比がそれを伴なわない患者のものよりはるかに高いことを示す。図8は、他のALK融合体と対比してバリアント3融合体を伴なう患者について無増悪生存(PFS)が有意に短いことを示す。これは人種および処置状態に関係なく当てはまることが認められた(すなわち、ALK阻害薬処置に際してALK融合体バリアント3を伴なう個体はALK阻害薬処置に際してALK融合体を伴なう個体より悪い転帰をもつであろう)。平均すると、バリアント3融合体を伴なう場合、約2.6倍多く増悪する可能性がある(p値0.0012)。この2.6のハザード比は、アレクチニブによる処置の前に採取した72人の患者の血漿試料について実施されたCox PH Multivariable Modelからのものであった。このモデルは、バリアント3融合効果から、交絡因子(人種、ベースライン腫瘍測定値など)について調整して、無増悪生存(PFS)を予測した。ハザード比はアジア人種についての数値1を基準とする。たとえば、ALK融合体を伴なう白人個体はALK融合体を伴なうアジア人個体より2.091倍高いリスクをもつ。
実施例3:一塩基変異(SNV)およびALK融合体の分析
クリゾチニブ処置後(たとえばアレクチニブによる第2選択処置の前)に増悪した188人の病期IIIB−IVのNSCLC(非小細胞肺癌)患者から血漿試料を採集した。これらの患者はそれ以前に蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)によりALK融合体陽性と判定されていた。循環腫瘍DNAパネル(Avenio ctDNAパネル)を用いて、最も一般的なALK融合体の存在または非存在を検出した。表2は検出された融合体の頻度を示す。
クリゾチニブ処置後(たとえばアレクチニブによる第2選択処置の前)に増悪した188人の病期IIIB−IVのNSCLC(非小細胞肺癌)患者から血漿試料を採集した。これらの患者はそれ以前に蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)によりALK融合体陽性と判定されていた。循環腫瘍DNAパネル(Avenio ctDNAパネル)を用いて、最も一般的なALK融合体の存在または非存在を検出した。表2は検出された融合体の頻度を示す。
試料におけるALK耐性変異とALK融合体の存在は、表3に示すような相関性をもっていた。ALK耐性変異にはG1202R、I1171T、V1180L、I1171N、I1171S、R1209Q、L1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eが含まれ、ALK融合体には表2に開示するものが含まれる。これらの結果は、耐性変異がALK融合体バリアント中に生じることを示す。
ALK耐性(ALKR)変異陽性(11)および陰性(177)患者について無増悪生存率および全生存率を追跡した。図3および4に示すように、生存率は耐性変異を保有する患者において有意に低かった。
(i)ALK融合体陽性(ALK)、ALK耐性変異陽性(ALKR)患者(11);(ii)ALK融合体陽性、ALK耐性変異陰性患者(70);および(iii)ALK融合体陰性、ALK耐性変異陰性患者(107)について、同様に無増悪生存率および全生存率を追跡した。図5および6に示すように、ALK融合体または耐性変異のいずれも伴わない患者が最も長く生存し、ALK融合体を伴なうけれどもALK耐性変異伴わない患者がこれに続いた。ALK融合体とALK耐性変異の両方を伴なう患者が最も低い生存率をもっていた。
実施例4:処置期間およびALK耐性変異数が生存に及ぼす影響
ALK耐性変異を伴なう患者または伴なわない患者の無増悪生存および全生存はクリゾチニブ第1選択処置、それに続くアレクチニブ第2選択処置の日数と相関していた。クリゾチニブ処置期間と無増悪生存および全生存のいずれかとの間に有意の相関性はみられなかった。
ALK耐性変異を伴なう患者または伴なわない患者の無増悪生存および全生存はクリゾチニブ第1選択処置、それに続くアレクチニブ第2選択処置の日数と相関していた。クリゾチニブ処置期間と無増悪生存および全生存のいずれかとの間に有意の相関性はみられなかった。
実施例5:ALK変異および非ALK変異の数が生存に及ぼす影響
4以下のALKおよび非ALK変異を伴なう患者において無増悪生存を追跡し、4より多いALKおよび非ALK変異を伴なう者と比較した。これらの変異には、表2、表4および表5に示すものが含まれる。非ALK変異について、それぞれの遺伝子は患者がその遺伝子に複数の変異をもっていたとしても1回カウントされた。図7に示すように、より少ない変異を伴なう患者ほどより長い無増悪生存をもっていた。4以下の変異と比較した>4の変異をもつ者についてのハザード比は2.12であった。検出された一塩基変異(SNV)ALK変異には、処置に対する感受性、処置に対する耐性、および処置に対する未知の有意性の指標となる変異が含まれる。これらを表4に示す。表5は、さらに他のALK融合体および非ALK変異を示す。CNAはコピー数増幅(copy number amplification)を表わす。
4以下のALKおよび非ALK変異を伴なう患者において無増悪生存を追跡し、4より多いALKおよび非ALK変異を伴なう者と比較した。これらの変異には、表2、表4および表5に示すものが含まれる。非ALK変異について、それぞれの遺伝子は患者がその遺伝子に複数の変異をもっていたとしても1回カウントされた。図7に示すように、より少ない変異を伴なう患者ほどより長い無増悪生存をもっていた。4以下の変異と比較した>4の変異をもつ者についてのハザード比は2.12であった。検出された一塩基変異(SNV)ALK変異には、処置に対する感受性、処置に対する耐性、および処置に対する未知の有意性の指標となる変異が含まれる。これらを表4に示す。表5は、さらに他のALK融合体および非ALK変異を示す。CNAはコピー数増幅(copy number amplification)を表わす。
Claims (15)
- 未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子における変異をもつ細胞を宿している可能性がある腫瘍を伴なう患者を処置する、下記を含む方法:
(a)患者由来の試料をALK変異R1209Q(G3636A)および/またはI1268V(A3802G)の存在について検査する;
(b)変異R1209Qが存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与しないか、あるいはその患者が既にALK阻害化合物の受容中であれば代替のALK阻害化合物を投与する;
(c)変異I1268Vが存在するかまたはいかなる変異も存在しなければ、ALK阻害化合物を患者に投与する。 - ALK阻害化合物または代替のALK阻害化合物が、アレクチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ブリガチニブ、ロルラチニブ、およびエントレクチニブからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 変異配列に対して相補的なオリゴヌクレオチドを用いて検査を実施する、請求項1または2に記載の方法。
- さらに、患者由来の試料をL1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eからなる群から選択される1以上のALK変異の存在について検査し、いずれかの変異が存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与しないこと、あるいはその患者が既にALK阻害化合物の受容中であれば代替のALK阻害化合物を投与することを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- さらに下記を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法:
患者由来の試料を1以上のALK融合生成物の存在について検査する;
1以上のALK融合生成物が存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与する;
1以上のALK融合生成物ならびにR1209Q、L1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eからなる群から選択される1以上の変異が存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与しないか、あるいはその患者が既にALK阻害化合物の受容中であれば代替のALK阻害化合物を投与する。 - ALK阻害化合物に対する癌患者の応答の可能性を判定するための方法であって、患者由来の試料をALK変異R1209Qおよび/またはI1268Vについて検査し、変異R1209Qが存在すればその患者はALK阻害化合物に応答しない可能性があるとレポートし、変異I1268Vが存在するかまたはいかなる変異も存在しなければその患者はALK阻害化合物に応答する可能性があるとレポートすることを含む方法。
- 変異配列に対して相補的なオリゴヌクレオチドを用いて検査を実施する、請求項6に記載の方法。
- さらに、患者由来の試料をL1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eからなる群から選択される1以上のALK変異の存在について検査し、いずれかの変異が存在すれば、その患者はALK阻害化合物に応答しない可能性があるとレポートし、あるいはその患者が既にALK阻害化合物の受容中であれば代替のALK阻害化合物を投与することを含む、請求項6〜7のいずれか1項に記載の方法。
- さらに下記を含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法:
患者由来の試料を1以上のALK融合生成物の存在について検査する;
1以上のALK融合生成物が存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与する;
1以上のALK融合生成物ならびにR1209Q、L1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eからなる群から選択される1以上の変異が存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与しないか、あるいはその患者が既にALK阻害化合物の受容中であれば代替のALK阻害化合物を投与する。 - 未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害薬療法を、その遺伝子に変異をもつ細胞を宿している腫瘍を伴なっており、以前にアレクチニブで処置されていた患者について選択するための、下記を含む方法:
(a)患者由来の試料をALK変異R1209Q(G3636A)および/またはI1268V(A3802G)の存在について検査する;
(b)変異R1209Qが存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与しないか、あるいは代替のALK阻害化合物を投与する;
(c)変異I1268Vが存在するかまたはいかなる変異も存在しなければ、アレクチニブをその患者に投与する。 - さらに、試料を1以上のALK変異L1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eの存在について検査し、いずれかの変異が存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与しないこと、あるいは代替のALK阻害化合物を投与することを含む、請求項10に記載の方法。
- ALK遺伝子における変異R1209QおよびI1268Vに特異的に結合するオリゴヌクレオチドを含む、ALK遺伝子における変異を検出するためのキット。
- さらに、1以上のALK変異L1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eに特異的にハイブリダイズする1以上のオリゴヌクレオチドを含む、請求項12に記載のキット。
- さらに、ALK融合生成物を特異的に検出する1以上のオリゴヌクレオチドを含む、請求項11〜12のいずれか1項に記載のキット。
- 未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子における変異をもつ細胞を宿している可能性がある腫瘍を伴なう患者を処置する、下記を含む方法:
(a)患者由来の試料を1以上のALK融合生成物の存在について検査する;
(b)(a)において検査した1以上のALK融合生成物が存在すれば、ALK阻害化合物を投与する;
(c)患者由来の試料を、R1209Q、L1152R、C1156Y、F1174L、L1196M、G1269A、およびG1548Eからなる群から選択される1以上のALK耐性変異の存在について検査する;
(d)(c)において検査した1以上のALK耐性変異が存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与しないか、あるいはその患者が既にALK阻害化合物の受容中であれば代替のALK阻害化合物を投与する;
その際、1以上のALK融合生成物および1以上のALK耐性変異が共に存在すれば、ALK阻害化合物をその患者に投与しないか、あるいはその患者が既にALK阻害化合物の受容中であれば代替のALK阻害化合物を投与する。
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