JP2019516797A - 鼻詰まりを治療/予防するためのカルボン酸 - Google Patents

鼻詰まりを治療/予防するためのカルボン酸 Download PDF

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Abstract

本発明は、鼻詰まり、気道のウイルス感染症、または喉の炎症を、治療および/または緩和および/または予防するのに使用するための、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する薬学的組成物に関する。さらに、本発明は、患者における鼻詰まり、気道のウイルス感染、および/または喉の炎症を、治療および/または緩和および/または予防するための方法であって、有効量のカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、またはカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む方法に関する。さらに、本発明は、鼻詰まり、気道のウイルス感染、および/または喉の炎症に関連する症状を緩和するための方法であって、有効量のカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、またはカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む方法に関する。

Description

本発明は、鼻詰まり(nasal congestion)、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染症、または喉の炎症を治療および/または緩和および/または予防するのに使用するための、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する薬学的組成物に関する。さらに、本発明は、患者における鼻詰まり、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染および/または喉の炎症を治療および/または緩和および/または予防するための方法であって、有効量のカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、またはカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む方法に関する。さらに、本発明は、鼻詰まり、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染および/または喉の炎症に関連する症状を緩和するための方法であって、有効量のカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、またはカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む方法に関する。
呼吸器疾患は、世界中での病気と死亡の一般的かつ重大な原因である。米国では、毎年約10億の「風邪」が発生している。ある研究によると、2010年には、18歳未満の患者についての米国での呼吸器疾患のための救急来院は約680万件あった;Wier (2010) HCUP Statistical Brief #157. Agency for Healthcare Research and Quality. Rockville, MD(非特許文献1)を参照されたい。2012年には、呼吸器症状が子供の入院の最多理由であった;Witt (2014) HCUP Statistical Brief #186. Rockville, MD: Agency for Healthcare Research and Quality(非特許文献2)を参照されたい。一般に、呼吸器疾患は、哺乳動物においてガス交換を可能にする器官および組織に影響を及ぼす病理学的状態を包含する。気道は上気道と下気道に分けることができる。上気道は、胸骨角の上(胸部の外側)、声門(声帯)の上、または輪状軟骨の上にある呼吸器系の部分を指すことができる。上気道は、鼻腔および副鼻腔、咽頭(鼻咽頭、中咽頭および咽喉頭)から成り、時には喉頭を含む。上気道における環境とのガス交換のために、環境中に存在する潜在的に有毒な物質または病原体への曝露が身体の他の部分と比較して増加する。したがって、上の数字によって証明されるように、多くの感染症および疾患が上気道に現れる。上気道の疾患、鼻詰まりおよび/または喉の炎症を標的とする様々な医薬品が市場に出回っている。これらの医薬品の多くは、薬物依存および/または薬物習慣性を引き起こす。習慣性は、鼻詰まり改善(decongestion)などの望ましい効果を低下させることがある。この理由だけのために、鼻詰まりを治療/予防し、かつ/またはウイルス感染症および/もしくは喉の炎症などの上気道の疾患を治療/予防するための代替的手段または改善された手段が常に必要とされている。
したがって、本発明の根底にある技術的課題は、鼻詰まり、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染症および/または喉の炎症を治療/緩和/予防するための手段および方法を提供することである。
Wier (2010) HCUP Statistical Brief #157. Agency for Healthcare Research and Quality. Rockville, MD Witt (2014) HCUP Statistical Brief #186. Rockville, MD: Agency for Healthcare Research and Quality
上記技術的課題は、特許請求の範囲において特徴付けられる実施態様の提供によって解決される。
したがって、本発明は、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、特にカルボン酸またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する、特に液体または固体の形態での、薬学的組成物に関し、特に、それを必要とする患者、とりわけ動物またはヒトである患者に投与して、鼻詰まり、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染症または喉の炎症を治療するのに使用するための上記カルボン酸または薬学的組成物に関する。
本発明はまた、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、特にカルボン酸またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する、特に液体または固体の形態での、薬学的組成物に関し、特に、それを必要とする患者、とりわけ動物またはヒトである患者に投与して、鼻詰まり、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染症および/または喉の炎症を予防するのに使用するための上記カルボン酸または薬学的組成物に関する。
本発明はまた、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、特にカルボン酸またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する、特に液体または固体の形態での、薬学的組成物に関し、特に、それを必要とする患者、とりわけ動物またはヒトである患者に投与して、鼻詰まり、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染症および/または喉の炎症に関連する症状を緩和するのに使用するための上記カルボン酸または薬学的組成物に関する。
特定の態様では、鼻詰まり改善効果が達成され、それは即時的および/または持続的である。
別の特定の態様では、喉の痛みの緩和が達成され、それは即時的および/または持続的である。
本発明の様々な態様では、本明細書に記載される本発明による使用のための薬学的組成物は、薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含む。
本発明の様々なさらなる態様では、本発明による使用のためのカルボン酸は、2〜4個の炭素原子を含む。
特定の態様では、本発明による使用のためのカルボン酸は、酢酸、プロピオン酸もしくは酪酸、またはその薬学的に許容される塩であり、プロピオン酸またはその薬学的に許容される塩が好ましい。
本明細書に開示される態様のいずれか1つによる使用のための薬学的組成物は、液体形態であって、鼻腔内に、耳科的に(otologically)、吸入により、または直接喉に投与することができる。
特に、本明細書に開示される態様のいずれか1つによる使用のための薬学的組成物は、以下のように適用することができる:
(a)1回の適用につき鼻孔あたり約1000〜1500μg、特に鼻孔あたり1400μg、の用量で鼻腔内に適用する;および/または
(b)1回の適用につき約1000〜1500μgの用量で喉に適用し、その際、該薬学的組成物を1回の適用につき1〜3回投与する。
本明細書に開示される態様のいずれか1つによる使用のための薬学的組成物は、固体形態であって、舌下または頬側に、特にロゼンジの形態で投与することができる。
様々な態様において、本発明は、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、特に本明細書に開示される態様のいずれか1つによる薬学的組成物を含む容器を提供する。
別の態様において、本発明は、患者における鼻詰まり、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染および/または喉の炎症を治療するための方法を提供し、該方法は、様々な態様において本明細書に開示されるような、有効量のカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、またはカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む。
様々なさらなる態様では、本発明は、鼻詰まり、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染および/または喉の炎症を予防するための方法を提供し、該方法は、様々な態様において本明細書に開示されるような、有効量のカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、またはカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む。
様々なさらなる態様では、本発明は、鼻詰まり、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染および/または喉の炎症に関連する症状を緩和するための方法を提供し、該方法は、様々な態様において本明細書に開示されるような、有効量のカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、またはカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む。
前記カルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または前記薬学的組成物は、様々な態様のいずれか1つにおいて本明細書に記載されるように投与することができる。
本発明に用いられるカルボン酸は、カルボキシル基(C(O)OH)を含みかつ一般式R-C(O)OH (式中、RはC(O)OH官能基に結合された残部である)を有する有機化合物である限り、特に限定されない。本発明の特定の態様では、Rはアルキル基であり、さらなる修飾を含んでもよい。より特定の態様では、Rは、メチル、エチル、またはプロピル側鎖を表す。本発明の特定の態様では、Rはエチル側鎖であり、したがって、該カルボン酸はプロピオン酸である。
本発明の意味において、用語「アルキル」それ自体は、1〜10個、特に1〜3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素を意味し、アルキル基は、非置換であるか、またはヒドロキシル、アミノ、カルボン酸、ハロゲン、シアノ、もしくはニトロからなる群より選択される1つまたは複数の同じまたは異なる置換基で置換されてもよい。好適なものは、C1-C6アルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル(アミル)、2-ペンチル(sec-ペンチル)、3-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル(=イソ-ペンチルまたはイソ-アミル)、3-メチルブタ-2-イル、2-メチルブタ-2-イル、2,2-ジメチルプロピル(=ネオペンチル)、n-ヘキシル、イソ-ヘキシル、sec-ヘキシル、tert-ヘキシルなどである。最も好適なものは、C1-C3アルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルである。
上記によれば、さらに別の特定の態様では、様々な態様または局面において本明細書に記載されるような本発明によるカルボン酸は、以下からなる群より選択される:酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、2-ヒドロキシプロピオン酸、ジ乳酸(dilactic acid)、2-ベンジルオキシプロピオン酸、2-(p-ニトロフェニル)-オキシ-プロピオン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、2,3-ジヒドロキシプロピオン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸メチル、3-ヒドロキシプロピオン酸エチル、3-ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3-ヒドロキシプロピオン酸ベンジル、3-ヒドロキシプロピオン酸パラ-ニトロフェニル、3-ヒドロキシプロピオン酸p-ニトロベンジル、ポリエチレングリコール3-ヒドロキシプロピオネート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸p-ニトロフェニル、プロピオン酸p-ニトロベンジル、2-(4-イソブチルフェニル)プロピオン酸、またはその薬学的に許容される塩。
本発明の特定の態様では、様々な態様または局面において本明細書に記載されるような、本発明に従って使用される化合物は、酢酸、プロピオン酸、および酪酸、またはそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される。
本発明で使用されるカルボン酸は、1つまたは複数の不斉中心を含むことができ、したがってラセミ化合物およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、個々のジアステレオマーおよびジアステレオマー混合物として存在し得る。これらの化合物の全てのそのような異性体は、本発明に明示的に含まれる。本発明の化合物はまた、結合回転が特定のリンケージの周りで制限されるリンケージ(例:炭素-炭素結合)、例えば環または二重結合の存在に起因する制限を含むことができる。したがって、全てのシス-トランス異性体およびE/Z異性体は、本発明に明示的に含まれる。本発明の化合物は、複数の互変異性体の形態でも表すことができ、そのような場合、たとえ単一の互変異性体のみが示されるとしても、本発明は、様々な態様または局面において本明細書に記載の化合物の全ての互変異性体を明示的に含む(例えば、環系のアルキル化は複数の部位でのアルキル化をもたらし、本発明はそのような反応生成物の全てを明示的に包含する)。そのような化合物の全てのそのような異性体は、本発明に明示的に含まれる。本明細書に記載の化合物の全ての結晶形態は、本発明に明示的に含まれる。
本発明において使用されるカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、または様々な態様もしくは局面において本明細書に記載される本発明によるカルボン酸を、特に治療に有効な量で、任意に薬学的に許容される担体とともに、含有する組成物は、鼻詰まり、気道のウイルス感染および/または喉の炎症を治療および/または予防するのに使用され、かつ/または鼻詰まり、気道のウイルス感染および/または喉の炎症に関連する症状を緩和するのに使用される。
したがって、一態様では、本発明は、鼻詰まり、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染および/もしくは喉の炎症を治療および/または予防し、かつ/または鼻詰まり、気道のウイルス感染および/もしくは喉の炎症に関連する症状を緩和するのに使用するための、様々な態様において本明細書に記載される本発明によるカルボン酸、特に酢酸、プロピオン酸もしくは酪酸、またはその薬学的に許容される塩、あるいは本明細書に記載される本発明によるカルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、特に治療に有効な量で、任意に薬学的に許容される担体とともに、含有する組成物に関する。
様々な態様において本明細書に記載される本発明によるカルボン酸、特に酢酸、プロピオン酸もしくは酪酸、またはその薬学的に許容される塩、あるいは本明細書に記載される本発明によるカルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、特に治療に有効な量で、任意に薬学的に許容される担体とともに、含有する組成物はまた、嚢胞性線維症(cystic fibrosis)の治療に用いるために提供される。
様々な態様において本明細書に記載される本発明によるカルボン酸、特に酢酸、プロピオン酸もしくは酪酸、またはその薬学的に許容される塩、あるいは本明細書に記載される本発明によるカルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、特に治療に有効な量で、任意に薬学的に許容される担体とともに、含有する組成物はまた、嚢胞性線維症に関連する症状の緩和に用いるために提供される。
この場合に、様々な態様において本明細書に記載される本発明によるカルボン酸、特に酢酸、プロピオン酸もしくは酪酸、またはその薬学的に許容される塩、あるいは本明細書に記載される本発明によるカルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、特に治療に有効な量で、任意に薬学的に許容される担体とともに、含有する組成物は、副鼻腔洗浄液として投与され、かつ/または噴霧薬物療法として吸入されることが好ましい。
薬学的に許容される担体は当技術分野において周知である。すなわち、当業者は、本発明の手段および方法で使用するための許容される担体を容易に得ることができる。特定の態様では、様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物は、溶液の形態である。そのため、液体の形態である薬学的に許容される担体を使用することが好ましい。したがって、薬学的に許容される担体には、限定するものではないが、水、塩溶液、アルコール、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコールが含まれる。担体はまた、以下の刊行物に記載される物質のいずれかを含み得る:Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro and Gennaro編, 第20版, Lippincott Williams & Wilkins, 2000); Theory and Practice of Industrial Pharmacy (Lachman他編, 第3版, Lippincott Williams & Wilkins, 1986); Encyclopedia of Pharmaceutical Technology (Swarbrick and Boylan編, 第2版, Marcel Dekker, 2002)。
したがって、第1の局面では、本発明は、様々な態様において本明細書に記載される本発明によるカルボン酸および薬学的に許容される担体を含有する水性液体の薬学的組成物を提供する。
薬学的に許容される担体は、好ましくは水を含む。前記組成物は、好ましくは溶液の形態である。該溶液は好ましくは水溶液である。
本明細書に記載される本発明による組成物は、好ましくはスプレー、特に鼻内スプレー、耳内スプレー、または喉内スプレーの形態である。本発明に従って、安定した水性の薬学的組成物を調製することが可能である。
様々な態様において本明細書に記載される本発明による組成物は、好ましくは水性であり、それは使用されるビヒクルが水であることを意味する。
前記カルボン酸および薬学的に許容される担体に加えて、様々な態様において本明細書に記載される本発明による薬学的組成物は、1種以上の防腐剤をさらに含むことができる。防腐剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、チメロサール、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびミリスチル-γ-塩化ピコリニウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウムからなる群より選択される1種以上の物質を含むことが好ましい。好ましくは、防腐剤は塩化ベンザルコニウムである。しかし、様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物においては、防腐剤を使用しないことが一般に好ましい。
様々な態様において本明細書に記載される本発明による薬学的組成物は、1種以上の緩衝剤をさらに含むことができる。緩衝剤は、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二カリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、結晶性リン酸二水素ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、酢酸ナトリウム、クエン酸、無水クエン酸、クエン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウムおよびクレアチニンからなる群より選択される1種以上の物質を含み得る。好ましくは、緩衝剤はクエン酸およびクエン酸ナトリウムである。クエン酸は無水であってもよい。より好ましくは、緩衝剤はロック・リンガー(Locke-Ringer)液である。
鼻、耳、または喉に投与するためには、弱酸性または中性のpHが一般に好ましい。本発明の組成物は、好ましくは4〜9の範囲、より好ましくは6〜8の範囲、さらにより好ましくは7.5〜8.5の範囲のpHを有する。したがって、様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物のpHは、例えば、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5または9、より好ましくは6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4または8.5、さらにより好ましくは7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4または8.5であり得る。
様々な態様において本明細書に記載される本発明による組成物はまた、適切な等張性および粘度を有する。好ましくは、本発明による組成物は、270〜550mOsm/リットルの浸透圧を有する。本発明による好ましい組成物のオスモル濃度は、400〜550mosmol/kgである。適切な等張性および/または粘度を達成するために、任意の適切な等張剤および/または増粘剤を使用することができる。
鼻腔内適用のために、様々な態様において本明細書に記載される本発明による組成物は、好ましくは、適切な容器に含まれる。その容器は、好ましくは、含まれる組成物の鼻粘膜への適用を可能にする手段を備えている。適切なアプリケータは、当技術分野で公知であり、液体鼻腔用組成物の溶液形態またはスプレー形態での投与を助けるものを含む。例えば、図1に示すような容器を使用することができる。投薬は可能な限り正確に行われるべきであるため、スプレー形態がより適切な媒体である。使用に適したスプレー形態の投与器具には、噴霧器、ポンプ噴霧器、エアゾール噴霧器などが含まれる。好ましい態様では、鼻内スプレーの1回の適用は、約140μlを押し出す。したがって、鼻孔あたりの好ましい用量は、140μlの薬学的組成物である。活性成分としてのカルボン酸は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.68、0.69、0.7、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.8、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.89、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、または1mg/mlの濃度であり得る。それはまた、各0.01増分での濃度、または2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49もしくは50mg/mlの特定の濃度であってもよい。好ましくは、その濃度は約5mg/ml〜約10mg/mlである。
したがって、本発明は、鼻内スプレー・ディスペンサーをさらに提供することが理解されよう。鼻内スプレー・ディスペンサーは、(i)様々な態様において本明細書に記載される本発明による組成物と、薬学的に許容される液体担体とを含むハウジング;および(ii)該ハウジング内から鼻粘膜への該組成物の適用を可能にする手段を含む。
喉内適用のために、様々な態様において本明細書に記載される本発明による組成物は、好ましくは、適切な容器に含まれる。その容器は、好ましくは、含まれる組成物の喉への適用を可能にする手段を備えている。適切なアプリケータは、当技術分野で公知であり、溶液形態またはスプレー形態での液体組成物の投与を助けるものを含む。投薬は可能な限り正確に行われるべきであるため、スプレー形態がより適切な媒体である。使用に適したスプレー形態の投与器具には、噴霧器、ポンプ噴霧器、エアゾール噴霧器などが含まれる。好ましい態様では、喉内スプレーの1回の適用は、約140μlを押し出す。したがって、好ましい用量は、140μlの薬学的組成物である。活性成分としてのカルボン酸は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.68、0.69、0.7、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.8、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.89、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、または1mg/mlの濃度であり得る。それはまた、各0.01増分での濃度、または2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49もしくは50mg/mlの特定の濃度であってもよい。好ましくは、その濃度は約5mg/ml〜約10mg/mlである。
耳内適用、すなわち耳科的適用のために、様々な態様において本明細書に記載される本発明による組成物は、好ましくは、適切な容器に含まれる。その容器は、好ましくは、含まれる組成物の喉への適用を可能にする手段を備えている。適切なアプリケータは、当技術分野で公知であり、溶液形態またはスプレー形態での液体組成物の投与を助けるものを含む。投薬は可能な限り正確に行われるべきであるため、スプレー形態がより適切な媒体である。使用に適したスプレー形態の投与器具には、噴霧器、ポンプ噴霧器、エアゾール噴霧器などが含まれる。好ましい態様では、喉内スプレーの1回の適用は、約140μlを押し出す。したがって、好ましい用量は、140μlの薬学的組成物である。活性成分としてのカルボン酸は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.68、0.69、0.7、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.8、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.89、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、または1mg/mlの濃度であり得る。それはまた、各0.01増分での濃度、または2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49もしくは50mg/mlの特定の濃度であってもよい。好ましくは、その濃度は約5mg/ml〜約10mg/mlである。
したがって、本発明は、一態様では、耳科的適用、喉内適用および/または鼻内適用に適した容器であって、様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物、特にカルボン酸を活性成分として含有する薬学的組成物を含む容器に関する。
本発明の活性成分は、中和された薬学的に許容される塩の形態として組成物へと製剤化され得る。薬学的に許容される塩には、限定するものではないが、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸、クエン酸などの有機酸により形成される酸付加塩が含まれる。遊離カルボキシル基から形成される塩はまた、例えば、水酸化ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化第二鉄などの無機塩基、ならびにイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基から誘導され得る。
本発明で使用される薬学的に許容される担体または様々な態様または局面において本明細書に記載されるような本発明の薬学的組成物の製剤に関わりなく、カルボン酸またはその許容される塩は、その薬学的組成物に含まれる唯一の活性成分であることが好ましい。本発明の意味で用語「活性成分」は、薬学的活性物質、特にカルボン酸、すなわち生物体によって十分な量で吸収されたときに生理学的効果を示す物質である。
これに関連して、用語「治療」、「治療する」などは、本明細書では、一般に所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを意味するために使用される。その効果は、疾患もしくはその症状を完全にまたは部分的に予防するという観点から予防的であり得、かつ/または疾患および/もしくは疾患に起因する有害作用を部分的にもしくは完全に治癒するという観点から治療的であり得る。本明細書で使用する用語「治療」は、対象の疾患のあらゆる治療をカバーし、(a)望ましくない免疫応答に関連する疾患が、その疾患の素因を持っている可能性がある対象において発生するのを予防すること;(b)疾患を抑制する、すなわち、その発症・進行を阻止すること;または(c)疾患を軽減する、すなわち、疾患の退行を生じさせることを包含する。
本発明において「患者」または「対象」は、相互交換可能に使用され、ヒトおよび他の動物、特に哺乳動物、ならびに他の生物を含むことを意味する。したがって、前記方法は、ヒトの治療と獣医学的な適用の両方に応用可能である。好ましい態様では、患者または対象は哺乳動物であり、最も好ましい態様では、患者または対象はヒトである。
用語「プロピオネート」は、プロピオン酸の薬学的に許容される塩、例えば、プロピオン酸のナトリウム塩などを指す。
用語「薬学的に許容される塩」は、様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の化合物中に存在する酸性基または塩基性基の塩を包含する。薬学的に許容される酸付加塩としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート))。本発明の特定の化合物は、様々なアミノ酸と薬学的に許容される塩を形成することができる。適切な塩基塩には、アルミニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、およびジエタノールアミン塩が含まれるが、これらに限定されない。
表現「薬学的組成物」および「治療用組成物」は、本明細書では、最も広い意味で相互交換可能に使用される。それらは、本発明においては、治療有効量の活性成分、すなわち、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、任意で薬学的に許容される担体または希釈剤とともに、含有することを意味する。
それは、ヒトまたは非ヒト動物における疾患または障害の治療、制御、改善、状態の向上、または予防に適した組成物を包含する。したがって、それはヒトまたは動物の医療分野で使用するための薬学的組成物を包含する。そのような「治療用組成物」は、それがカルボン酸またはその生理学的に許容される塩と、任意で担体または賦形剤とを含有し、その塩と担体および賦形剤とがそれにより治療される標的生物に許容されることを特徴とする。
様々な態様において本明細書に記載される本発明の化合物および該化合物を含有する薬学的組成物は、鼻に、耳に、または喉に投与され、したがって、上記のようにそのような投与経路に適した形態に製剤化され得る。
様々な態様において本明細書で提供される薬学的組成物はまた、制御放出組成物、すなわち、活性成分が投与後のある期間にわたって放出される組成物として投与することができる。制御放出または持続放出組成物は、親油性デポー(例えば、脂肪酸、ワックス、油)中に製剤を含む。別の態様では、該組成物は、即時放出組成物、すなわち、投与直後に全ての活性成分が放出される組成物である。
様々な態様において本明細書で提供される薬学的組成物は、ヒトおよび動物、例えば、トリ、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、マウス、ラット、ウサギなどを治療するための、ヒトおよび動物の薬物療法に使用することができる。ヒトを治療することが好ましい。
様々な態様において本明細書に記載される本発明による薬学的組成物の適切な投与量は、対象者の状態、年齢および種に応じて変化し、当業者によって容易に決定され得る。そのような投与量は、例えば、投与される特定の化合物、投与経路、治療される状態、および治療される患者など、個々のケースの個々の要件に合わせて調整されるであろう。しかし、該化合物は、デポー製剤(インプラント、徐放性製剤など)として、週1回、月1回、またはより長い間隔で投与することもできる。適切な投与量は、従来型のモデル試験、好ましくは動物モデルを実施することによって決定することができる。1日の投与量は、1回量としてまたは分割量で投与することができる。活性成分としてのカルボン酸の濃度が約5mg/ml〜10mg/mlである鼻内投与の場合には、鼻孔あたり約140μlの用量を適用することが好ましい。この用量は、鼻詰まりの程度に応じて、1日あたり数回、例えば、1日に1、2、3、4、5、6、7、8、9または10回投与することができる。したがって、鼻腔内適用のための好ましい投与量は、1回の適用につき鼻孔あたり約1000〜1500μg、特に鼻孔あたり約1400μgの用量である。喉への適用のための好ましい投与量は、1回の適用につき約1000〜1500μgの用量であり、薬学的組成物を1回の適用につき1〜3回投与する。
耳科的投与または喉内適用の場合、用量は、当技術分野で周知の方法を用いて決定することができる。
活性成分の有効用量は、少なくとも、治療される状態の性質、毒性、該化合物を予防的に用いるのか(より低い用量)、または活動的な状態に対して用いるのか、送達の方法、ならびに製剤処方によって決まり、従来の用量漸増試験を用いて臨床医により決定されるであろう。
本発明の特定の態様では、即時的および/または持続的な効果、特に即時的および/または持続的な鼻詰まり改善効果、あるいは喉の痛みからの即時的および/または持続的緩和を達成するように、投与量が調整される。
これに関連して、本発明の意味における「即時的」とは、ある効果が投与後遅滞なく、または投与後すぐに生じることを指す。特に、その効果は、様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物を投与してから1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または15分後に、好ましくは10分後またはそれより早く、より好ましくは5分後またはそれより早く生じる。本発明の意味において、用語「持続的」とは、ある効果、特に鼻詰まり改善効果が長期にわたって実質的に変化しないままであることを指す。特に、様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物によりもたらされる鼻詰まり改善効果は、本発明の薬学的組成物のさらなる投与なしに、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10時間の期間にわたって持続する。当業者には理解されるように、この期間中の本発明の薬学的組成物のさらなる投与は、その期間をさらに延長することができる。
様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物は、特に鼻詰まりが軽度である場合、即時的および持続的な効果を有し得る。花粉症(hay fever)の場合には、その効果は、より長時間後にのみ観察され、特に本発明の薬学的組成物を投与してから20、25、30、35または40分後に観察され得る。
気道のウイルス感染および/または喉の炎症に対する効果もまた、上記のように、即時的および/または持続的であり得る。しかしながら、当業者は、効果の生理学的発現に応じて、その効果が患者によって直ちに認識され得ないことを十分承知している。すなわち、気道のウイルス感染および/または喉の炎症に対する治療効果は即時的であり得るが、効果の生理学的発現は、より長時間後にのみ変化し得る。したがって、一つの特定の態様では、本発明は、気道のウイルス感染および/または喉の炎症に対して即時的および/または持続的な治療効果を有する薬学的組成物を提供し、ここで、即時的とは、本発明の薬学的組成物の投与後に、効果が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または15分で現れることを指し、持続的とは、本発明の薬学的組成物のさらなる投与なしに、効果が1、2、3、4、5、6、7、8、9または10時間の期間にわたって持続することを指す。
上述したように、その効果は鼻詰まり改善効果であり得る。本発明のさらなる態様では、その効果は、乾燥鼻、鼻水および/またはくしゃみなどの症状の軽減であり得る。したがって、さらなる態様では、本発明は、乾燥鼻、鼻水および/またはくしゃみに対して即時的および/または持続的な治療効果を有する、様々な態様において本明細書に記載される本発明による薬学的組成物に関し、ここで、乾燥鼻に対する治療効果は乾燥鼻の加湿を指し、鼻水に対する治療効果は、そのような症状の軽減、特に鼻水が止まることを指し、くしゃみに対する治療効果は、くしゃみの発生率の低下、特にくしゃみが完全に止まることを指す。
様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物はまた、とりわけ頬側投与または舌下投与のための、固体形態であり得る。薬学的組成物が固体形態で使用される場合、薬学的に許容される担体としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:水、塩溶液、アルコール、アラビアゴム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物、例えばラクトース、アミロースまたはデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、白色パラフィン、グリセロール、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、コラーゲン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ならびにポリビニルピロリドン。担体はまた、以下の刊行物に記載される物質のいずれかを含み得る:Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro and Gennaro編, 第20版, Lippincott Williams & Wilkins, 2000); Theory and Practice of Industrial Pharmacy (Lachman他編, 第3版, Lippincott Williams & Wilkins, 1986); Encyclopedia of Pharmaceutical Technology (Swarbrick and Boylan編, 第2版, Marcel Dekker, 2002)。充填剤は、粉末セルロース、ソルビトール、マンニトール、様々なタイプのラクトース、リン酸塩などから選択することができるが、これらに限定されない。
ポリマーは、限定するものではないが、親水性または疎水性ポリマー、例えばセルロースの誘導体(例:メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、エチルセルロース);ポリビニルピロリドン(例:ポビドン、クロスポビドン、コポビドン);ポリメタクリレート(例:Eudragit RS、RL);親油性成分(例:モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル);および様々な他の物質、例えばヒドロキシプロピルデンプン、ポリエチレンオキシド、カラギーナンなどから選択することができる。最も一般的には、ヒプロメロースなどの適切な粘度の親水性膨潤ポリマーが、好ましくは5%を超える量、より好ましくは8%を超える量で使用される。滑剤は、限定するものではないが、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアロール、セタノール、ポリエチレングリコールなどから選択することができる。滑沢剤は、限定するものではないが、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、水添ヒマシ油、ポリエチレングリコールなどから選択することができる。適切な形態はロゼンジである。
様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物は、鼻詰まり、慢性鼻副鼻腔炎、気道のウイルス感染および/または喉の炎症を治療/予防するために使用される。
これに関連して、鼻詰まりには様々な原因がある。したがって、様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物は、下記の原因のいずれかの症状としての鼻詰まりを治療/予防するために使用することができる。原因としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:アレルギー、例えば、花粉または草に対するアレルギー反応である花粉症、風邪またはインフルエンザ、鼻中隔湾曲症、投薬に対する反応、薬物性鼻炎、局所充血除去薬(topical decongestant)(例:オキシメタゾリン、フェニレフリン、キシロメタゾリン、およびナファゾリンの鼻内スプレー)の長期使用によって引き起こされる反動的な鼻詰まりの状態、副鼻腔炎または副鼻腔感染症、特に慢性鼻副鼻腔炎、女性が鼻詰まりに苦しむ原因としての妊娠、鼻ポリープ、含気鼻甲介、空鼻症候群(empty nose syndrome)または胃食道逆流症。本発明の特定の態様は、花粉症の症状、特にうっ血、とりわけ鼻のうっ血(鼻詰まり)を治療/予防するために本発明の手段を適用することである。すなわち、本発明は、花粉症による鼻詰まりを治療および/または緩和および/または予防するのに使用するための、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する薬学的組成物を提供する。
様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物により治療/予防されるウイルス感染症は、特に、呼吸系によって取り込まれて、気道内に現れるものである。ウイルス感染は、一般に、上気道または下気道に影響を及ぼす。これらの感染症は、原因ウイルス(例えば、インフルエンザ)によって分類することができるが、一般には、症候群(例えば、風邪、細気管支炎、クループ(croup)、鼻詰まり、気道うっ血)に従って臨床的に分類される。特定の病原体は一般に特徴的な臨床症状を引き起こす(例えば、ライノウイルスは一般的に風邪を引き起こし、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は一般的に細気管支炎を引き起こす)が、それぞれがウイルス性呼吸器症候群の多くを引き起こす可能性がある。したがって、本発明の薬学的組成物は、以下の症候群を治療/予防するために使用することができる:RSV、またはインフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、ライノウイルスが原因で起こる細気管支炎;ライノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルスが原因で起こる風邪;パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルス、またはRSVが原因で起こるクループ;インフルエンザウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルスが原因で起こるインフルエンザ様疾患;またはインフルエンザウイルス、RSV、アデノウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、ヒトメタニューモウイルス、コロナウイルスが原因で起こる肺炎。
ウイルス性呼吸器疾患の重症度は大きく異なる;重度の疾患は高齢者および乳幼児において起こりやすい。罹病は、ウイルス感染から直接生じるか、あるいは根本的な心肺状態の増悪または肺、副鼻腔もしくは中耳の細菌重複感染のために、間接的であり得る。したがって、様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物は、これらの疾患/疾病のいずれかを予防するためにも使用することができる。
様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物はまた、喉の炎症、特に咽頭炎を治療/予防するために使用することができる。咽頭炎の大部分の症例は、感染した個体との密接な接触によって感染する伝染性生物によるものである。全ての症例の約40〜80%は感染性の症例であり、多くの異なる種類のウイルス感染の特徴を有し得る。咽頭炎を引き起こすウイルスには、限定するものではないが、原因ウイルスのうち最も一般的であるアデノウイルスが含まれる。そのような場合、典型的には、頸部リンパ節の腫れの程度は軽度であり、喉は多くの場合赤く見えないが、痛みを伴う。オルソミクソウイルス科も咽頭炎の原因となることがある。そのような場合、高熱、頭痛および全身の痛みの急激な発症が診断される。喉の痛みを伴う可能性がある。エプスタイン・バーウイルスを病原とする伝染性単核球症(「腺熱」)も咽頭炎の原因となり得る。これは、喉の著しい発赤および腫れとともに、顕著なリンパ腺腫脹および滲出性扁桃炎を起こす可能性がある。これが疑われる場合には、当業者に知られている異好性(heterophile)試験を使用することができる。単純ヘルペスウイルスは、多発性口腔内潰瘍を引き起こす可能性がある;麻疹および風邪は、ライノウイルス、コロナウイルス、RSV、パラインフルエンザウイルスによって起こり、これらは全てが喉、耳および肺の感染を引き起こし、標準的な風邪のような症状をもたらし、痛みを伴うことが多い。咽頭炎の別のまたは追加の原因としては、喉の細菌感染が挙げられ、こうした感染は、通常、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、肺炎クラミジア(Chlamydophila pneumoniae)およびマイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumonia)によって引き起こされる。咽頭炎はまた、機械的、化学的または熱的刺激、例えば冷気もしくは酸の逆流、のような非感染性の原因によっても起こり得る。一部の医薬品、例えばプラミペキソールおよび抗精神病薬は、咽頭炎を引き起こすことがある。喉の炎症、特に咽頭炎、の原因にかかわらず、様々な態様または局面において本明細書に記載される本発明の薬学的組成物は、さらなる炎症またはそれに伴う症状のいずれかを治療/予防するために使用することができる。喉へのさらなる適用は、嚢胞性線維症患者の嚢胞性線維症による詰まり(congestion)の治療および/または予防である。さらなる態様では、喉への適用はCOPDのためであり得る。当業者には知られるように、嚢胞性線維症は、とりわけ、粘液の蓄積、粘膜繊毛クリアランスの減少、および結果として生じる炎症による気道の閉塞を引き起こす。初期段階では、ひっきりなしの咳、多量の痰の産生、および運動能力の低下が一般的である。後期段階では、肺の構造の変化、例えば主要な気道の病的状態(気管支拡張症)のため、呼吸困難がさらに悪化する。他の徴候には、喀血(coughing up blood; hemoptysis)、肺の高血圧(肺高血圧症)、心不全、生体に酸素が十分に行きわたらない状態(低酸素症)、および2相性気道陽圧(bilevel positive airway pressure)装置または人工呼吸器のような呼吸マスクによるサポートを必要とする呼吸不全が含まれる。黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)は、嚢胞性線維症において肺感染を引き起こす3つの最も一般的な生物である。副鼻腔の粘液も同様に高粘性であり、副鼻腔の通路の閉塞を引き起こして、感染をもたらす可能性がある。これは、顔面痛、発熱、鼻詰まり、頭痛を起こし得る。嚢胞性線維症を有する個体は、慢性的な副鼻腔感染からの炎症のために鼻組織の過増殖(鼻ポリープ)を発症することがある。再発性の副鼻腔ポリープは、嚢胞性線維症患者の10%〜25%もの多くにおいて発生しうる。こうしたポリープは鼻の通路を閉塞し、呼吸困難を増大させることがある。したがって、嚢胞性線維症は、とりわけ、本発明の手段および方法によって緩和することができる症状を引き起こし得る。それゆえに、本発明はまた、嚢胞性線維症の症状を治療/予防/緩和/軽減するのに使用するための、カルボン酸を含有する薬学的組成物に関する。
同様の症状は、長期の不十分な空気の流れを特徴とする閉塞性肺疾患の1つのタイプである慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者においても観察され得る。主な症状には、息切れおよび痰の産出を伴う咳がある。この疾患は慢性気管支炎と呼ばれることもある。COPDは、大抵の場合、リスク因子への曝露を減らすことによって予防することができる。それには、喫煙率の低下および屋内外の空気質(air quality)の改善が含まれる。治療は悪化を遅くすることができるが、治療法はない。現行のCOPD治療には、喫煙の停止、ワクチン接種、呼吸リハビリテーション、ならびに頻繁に吸入される気管支拡張薬およびステロイドが含まれる。しかしながら、COPDによって引き起こされる症状の効率的かつ簡便な治療法は存在しない。かくして、本発明の手段および方法は、COPDの症状を治療/予防/緩和/軽減するためにも使用することができる。
他に定義されない限り、本明細書で使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料が本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料を以下に記載する。相反する場合には、定義を含む本明細書が優先される。さらに、材料、方法、および実施例は単なる例示にすぎず、限定することを意図したものではない。
本明細書に記載される一般的な方法および技術は、当技術分野で周知の従来方法に従って、また、他に示されない限り、本明細書全体にわたって引用され説明される、様々な一般文献およびより詳しい参考文献に記載の方法に従って実施することができる。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989);Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates (1992);およびHarlow and Lane Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1990)を参照されたい。
本発明の局面は、図面および前述の説明において詳細に例示され説明されているが、こうした例示および説明は、例示的または典型的であって、限定的ではないとみなされるべきである。当業者であれば、以下の特許請求の範囲および精神の範囲内で変更および修飾を行うことができることが理解されよう。特に、本発明は、上記および下記の様々な態様の特徴の任意の組み合わせを含むさらなる態様を包含する。本発明はまた、前述または後述の説明には記載されていない場合もあるが、個々に図面に示された全てのさらなる特徴を包含する。また、図面および説明に記載された態様の単一の選択肢、ならびにそれらの特徴の単一の選択肢は、本発明の他の局面の主題から除外され得る。
さらに、特許請求の範囲において、「含む」という語は他の要素または工程を排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は複数を排除しない。単一のユニットは、特許請求の範囲に記載された幾つかの特徴の機能を果たすことができる。属性(attribute)または値に関連して「本質的に」、「約」、「およそ」などの用語は、特に、厳密にその属性または厳密にその値をもそれぞれ定義する。特許請求の範囲内のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
特許または出願ファイルには、カラーで作成された少なくとも1つの図面が含まれる。カラー図面を含むこの特許または特許出願公開公報のコピーは、請求および必要な手数料の支払いを受けて特許庁が提供するであろう。
本発明はまた、以下の図面によって、いくつかの態様において例示される。
鼻腔内適用のための送出デバイス。この図は、本発明の薬学的組成物の例示的な送出デバイスとして、会社Ursatec Verpackung GmbH (St. Wendel, ドイツ)からの3K(登録商標)-Systemを示す模式図である。
本発明の局面は、本発明の態様およびその多くの利点のさらなる理解を提供する、以下の例示的・非限定的な実施例によってさらに説明される。以下の実施例は、本発明の好ましい態様を実証するために含まれる。以下の実施例に開示された技術は、本発明の実施において良好に機能する本発明で使用される技術を表し、したがって、本発明の実施にとって好ましい様式を構成すると考えられることが、当業者には理解されるべきである。しかしながら、当業者であれば、本開示に照らして、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示された特定の態様において多くの変更を行うことができ、同様のまたは類似の結果をまだ得ることができることを理解すべきである。特許出願、製造業者マニュアルおよび科学刊行物を含む多数の文書が本明細書に引用されている。これらの文書の開示は、本発明の特許性に関連するとは考えられないが、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。より具体的には、全ての参考文書は、個々の文書が参照により組み込まれることを具体的かつ個別に指示された場合と同じ程度に、参照により組み入れられる。
実施例1 - 鼻におけるプロピオネートの驚くべき鼻詰まり改善効果
この実施例では、プロピオネートを含む鼻内スプレーの鼻詰まり改善効果を調べた。
鼻内スプレーの試作品をヒトで試験したところ、改善された粘液クリアランスおよび上気道の明らかな「開放」と関連する鼻呼吸の即時改善が認められた。この感覚は即座に起こり、鼻内スプレーが上皮細胞と、おそらく粘液に、直接作用することを示している。この効果は鼻詰まり改善スプレーに似ている。この効果の持続時間は2〜6時間であり、すでに市販されている類似の鼻内スプレー医療器具よりも明らかに強力で有効であった。
これらの結果は、4名の異なるボランティアにより独立して実施された7つの試験の非公式の研究によるものである。
即時の有益な効果を考えると、その作用機序は明確であり、加えて、先に述べた適応免疫の高まりによる抗ウイルス免疫の増強である可能性が高い。理論に束縛されるものではないが、その機序は鼻上皮細胞の特異的活性化を含むと考えられる。
一般的な研究手順
鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有するボランティアがこの探求的研究に参加した。
各試験のための鼻内スプレーの適用を以下のように行った:首をわずかに曲げた後、スプレーポンプで1回押して各鼻孔に溶液を投与した。この実験設定で使用した鼻内スプレーポンプの各パフ(puff)は、約140μlを放出する。次に、首を伸ばして、この姿勢で5〜10秒間保持した。観察期間は投与後8時間までであった。
ボランティアは、スプレーの忍容性(tolerability)と、当てはまる場合には不特定の鼻の不快症状の自覚的緩和に関して、彼らの観察を試験ごとに記録した。その後、記録した観察をスポンサーに提出した。
結果(記述式)
鼻詰まり
ボランティアが5mg/ml溶液を試験する
2つの独立した試験が、鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(男性)により実施された。両方の独立した試験のために、5mg/mlプロピオネート溶液を1回投与した(140μlの5mg/ml溶液)。両方の試験について、5mg/ml溶液の投与後、呼吸の即時改善が観察され、効果が長く持続した(1回目の試験では>2時間、2回目の試験では6時間まで)。
ボランティアが10mg/ml溶液を試験する
鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有する2人のボランティア(両方とも女性)が、自覚的な症状緩和について10mg/ml溶液を試験した。プロピオネート溶液(140μlの10mg/ml溶液)の投与後、両方のボランティアは、即時の強力で持続する鼻詰まり改善効果(>2時間)を独立して認めた。
重度の鼻詰まり
ボランティアが3つの溶液(LR、5mg/ml、および10mg/ml)の全てを順に試験する
重度の鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(女性)が、自覚的な症状緩和について3つの溶液(LR、5mg/mlおよび10mg/ml)の全てを試験した。ボランティアに最初にLR溶液、次に5mg/ml溶液、最後に10mg/ml溶液(それぞれ140μl)を投与した。各投与の間に2時間のウォッシュアウト期間を設けた。
LS溶液の投与後、鼻孔のある程度の潤い感覚を別にすれば、効果は観察されなかった。5mg/ml溶液の投与後、即時の軽度の鼻詰まり改善効果が観察された。最後に、10mg/ml溶液の投与後、即時の強力な鼻詰まり改善効果が観察され、それは約2時間持続した。
ボランティアが5mg/mlおよび10mg/ml溶液を順に試験する
重度の鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(男性)が、自覚的な症状緩和について5mg/mlおよび10mg/ml溶液を順に試験した。各試験の間に4時間のウォッシュアウト期間を設けた。
両方の溶液(5mg/mlおよび10mg/ml)の投与後、即時の鼻詰まり改善効果が観察され、5mg/ml溶液では約2.5時間、10mg/ml溶液では>2.5時間持続した。
ボランティアが10mg/ml溶液を試験する
重度の鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(男性)が、自覚的な症状緩和について10mg/ml溶液を試験した。最初の10分間の投与後、効果は観察されなかった。しかし、この最初の10分の後には、明確かつ強力な鼻詰まり改善効果が観察され、それは2〜3時間持続した。
結果(表形式の結果、生データ)
被験者1、女性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
被験者2、男性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
被験者3、女性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
被験者4、男性、年齢:<18歳
Figure 2019516797
提案品の鼻内スプレーによる探求的有効性試験
実施例2 - 臨床試験用の製品の最終混合物の忍容性および有効性の試験
意図した送出デバイスの使用、これはマウスでは使用できなかった。製品にはリスクがない - 安全上の理由から被験者(proband)のごく小さなコホート。
実施例1と同じ濃度、すなわち、ロック・リンガー液、5mg/mLのNa-Pを含むLRおよび10mg/mLのNa-Pを含むLRを使用する。
試験サンプル
溶液の調製
各化学物質の適量を、分析てんびん(Mettler Toledo GmbH, 8606 Greifensee, スイス)を利用して計量した後、化学物質をガラスビーカーに加えた。その後、要求される最終体積になるまでH2Oを加え、マグネチックスターラーを利用してその溶液を混合した。溶液の混合直後に、0.22μmフィルター(Stericup-GP, 0.22μm, ポリエーテルスルホン, 150ml, ガンマ線殺菌, カタログ番号SCGPU01RE, Merck Millipore Corporation, Merck KGaA, Darmstadt, ドイツ)を用いて滅菌濾過を行った。
ロック・リンガー液は以下の組成を有していた
Figure 2019516797
ロック・リンガー液中の5mg/mlのプロピオン酸ナトリウムは以下の組成を有していた
Figure 2019516797
ロック・リンガー液中の10mg/mlのプロピオン酸ナトリウムは、以下の組成を有していた:
Figure 2019516797
試験項目はプロピオン酸ナトリウムであった。
Figure 2019516797
試験項目の処方
Figure 2019516797
使用した送出デバイス
送出デバイスとしてUrsatec Verpackung GmbH (St. Wendel, ドイツ)の3K(登録商標)-Systemを利用する。
送出デバイスの充填:
新たに滅菌濾過したロック・リンガー液(LR溶液、略して「LR」)20ml、ロック・リンガー液中の5mg/mlのプロピオン酸ナトリウム(5mg/ml溶液、略して「5mg/ml」)、およびロック・リンガー液中の10mg/mlのプロピオン酸ナトリウム(5mg/ml溶液、略して「10mg/ml」)20mlを無菌条件下でボトルに加え、漏出しないように組み立てた。
参加者の特徴
研究に参加したボランティア:
Figure 2019516797
実施された全研究:
Figure 2019516797
症例報告形式
鼻汁/鼻分泌物(鼻水)の増加、鼻詰まり、くしゃみ、鼻のかゆみ、または乾いた鼻の感覚など、不特定の鼻の不快症状を有するボランティアが探求的研究に参加した。さらに、鼻に不特定の不快症状がないボランティアが、鼻内スプレーの忍容性試験のために参加した。
各試験のための鼻内スプレーの適用を以下のように行った:首をわずかに曲げた後、スプレーポンプで1回押して各鼻孔に溶液を投与した。次に、首を伸ばして、この姿勢で5〜10秒間保持した。観察期間は投与後8時間までであった。
ボランティアは、スプレーの忍容性と、当てはまる場合には不特定の鼻の不快症状の自覚的緩和について、彼らの観察を試験ごとに記録した。その後、記録した観察をスポンサーに提出した。
結果(記述式)
薬物安全性
ボランティアが3つの溶液(LR、5mg/ml、および10mg/ml)の全てを順に試験する
鼻に不特定の不快症状がない3名の異なるボランティア(男性2名、女性1名)が、忍容性に関して鼻内スプレーを試験した。3つの溶液(LR、5mg/mlおよび10mg/ml)の全てを試験した。ボランティアに最初にLR溶液、次に5mg/ml溶液、最後に10mg/ml溶液を投与した。各投与の間に2時間のウォッシュアウト期間を設けた。
LR溶液の投与後、3名のボランティア全員は、薬品臭または塩味が何もしないとコメントした。さらに、全てのボランティアは、(他の生理食塩水と同様に)鼻孔に潤いを与える効果があったとコメントした。
5mg/ml溶液の投与後、全てのボランティアは、この溶液が不快感、臭いまたは塩味なしで良好な忍容性を示したとコメントした。さらに、ボランティア全員が即時の(わずかな)鼻詰まり改善効果を認め、それは1〜2時間持続した。
10mg/ml溶液の投与後、全てのボランティアは、この溶液が不快感、臭いまたは塩味なしで良好な忍容性を示したとコメントした。さらに、ボランティア全員が即時の強力で持続する鼻詰まり改善効果を認めた(>2時間)。
ボランティアが5mg/mlおよび10mg/ml溶液を順に試験する
鼻に不特定の不快症状がない2名の異なるボランティア(男性1名、女性1名)が、忍容性に関して5mg/mlおよび10mg/ml溶液を順に試験した。各試験の間に4時間のウォッシュアウト期間を設けた。
両方のボランティアは、両溶液(5mg/mlおよび10mg/ml)について以下のようにコメントした:(a)観察期間(12時間)を通して鼻腔内にヒリヒリ感または灼熱感を感じなかった;(b)臭覚障害を経験しなかった;(c)頭痛を経験しなかった;(d)投与後3時間まで鼻孔に残存する該化合物のごくわずかな特徴的な臭いに気付いた;(e)鼻腔を通る改善された吸気流の注目すべき感覚とともに、わずかな冷却効果を認めた。この改善された吸気流の注目すべき感覚は、1回の鼻腔内投与後に、5mg/ml溶液では2時間まで、10mg/ml溶液では8時間まで持続した。
くしゃみ
ボランティアが5mg/ml溶液を試験する
くしゃみに関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(女性)が5mg/ml溶液の1回投与を試験した。投与後、くしゃみの即時停止が観察され、効果が持続した(>2時間)。
鼻水
ボランティアが10mg/ml溶液を試験する
2つの独立した試験が、鼻水に関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(女性)により実施された。両方の試験とも、10mg/ml溶液を1回投与した。両研究において、10mg/ml溶液の投与後、鼻水の即時停止が観察され、それは約1時間持続した。
乾燥鼻
ボランティアが3つの溶液(LS、5mg/ml、および10mg/ml溶液)の全てを順に試験する
乾燥鼻に関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(女性)が、自覚的な症状緩和について3つの溶液(LR、5mg/mlおよび10mg/ml)の全てを試験した。ボランティアに最初にLR溶液、次に5mg/ml溶液、最後に10mg/ml溶液を投与した。各投与の間に2時間のウォッシュアウト期間を設けた。
LS溶液の投与後、(他の生理食塩水と同様に)鼻孔の短期間の潤い効果が観察された。5mg/ml溶液の投与後、ごくわずかなヒリヒリ感が認められ、それは約2分間持続したが、その後は良好な潤い感の高まりがあり、約1時間持続した。
10mg/ml溶液の投与後、ごくわずかなヒリヒリ感が認められ、それは約3分間持続したが、その後は長く持続する潤い感の高まりがあり、約2時間持続した。
ボランティアが10mg/ml溶液を試験する
乾燥鼻に関して不特定の鼻の不快症状を有する上記と同じボランティア(女性)が、2回目の試験で自覚的な症状緩和について10mg/ml溶液を試験した。
10mg/ml溶液の投与後、最初はヒリヒリ感があったが、その後は長く持続する心地良い潤い感があった。長く持続する効果(>2時間)。
鼻詰まり
ボランティアが5mg/ml溶液を試験する
2つの独立した試験が、鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(男性)により実施された。独立した両方の試験とも、5mg/ml溶液を1回投与した。両方の試験について、5mg/ml溶液の投与後に、呼吸の即時改善が観察され、効果が長く持続した(1回目の試験では>2時間、2回目の試験では6時間まで)。
ボランティアが10mg/ml溶液を試験する
鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有する2人のボランティア(両方とも女性)が、自覚的な症状緩和について10mg/ml溶液を試験した。この溶液の投与後、両方のボランティアは、即時の強力で持続する鼻詰まり改善効果(>2時間)を独立して認めた。
重度の鼻詰まり
ボランティアが3つの溶液(LR、5mg/ml、および10mg/ml)の全てを順に試験する
重度の鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(女性)が、自覚的な症状緩和について3つの溶液(LR、5mg/mlおよび10mg/ml)の全てを試験した。このボランティアに最初にLR溶液、次に5mg/ml溶液、最後に10mg/ml溶液を投与した。各投与の間に2時間のウォッシュアウト期間を設けた。
LS溶液の投与後、鼻孔のある程度の潤い感を別にすれば、効果は観察されなかった。5mg/ml溶液の投与後、即時の軽度の鼻詰まり改善効果が観察された。最後に、10mg/ml溶液の投与後、即時の強力な鼻詰まり改善効果が観察され、それは約2時間持続した。
ボランティアが5mg/mlおよび10mg/ml溶液を順に試験する
重度の鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(男性)が、自覚的な症状緩和について5mg/mlおよび10mg/ml溶液を順に試験した。各試験の間に4時間のウォッシュアウト期間を設けた。
両方の溶液(5mg/mlおよび10mg/ml)の投与後、即時の鼻詰まり改善効果が観察され、その効果は5mg/ml溶液では約2.5時間、10mg/ml溶液では>2.5時間持続した。
ボランティアが10mg/ml溶液を試験する
重度の鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(男性)が、自覚的な症状緩和について10mg/ml溶液を試験した。最初の10分間の投与後、効果は認められなかった。しかし、この最初の10分の後には、明確かつ強力な鼻詰まり改善効果が観察され、それは2〜3時間持続した。
結果(表形式の結果、生データ)
被験者1、女性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
Figure 2019516797
被験者2、男性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
被験者3、女性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
被験者4、男性、年齢:>60歳
Figure 2019516797
被験者5、男性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
Figure 2019516797
被験者6、女性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
Figure 2019516797
被験者7、男性、年齢:<18歳
Figure 2019516797
結論
10mg/mLの製品を使用すると、このクリアランス効果は、より効果的で、より長く持続することが理解される。不快ではない、わずかな塩味は、この製品の提示が、有利な意味において、より「強力」であるという印象および主観的感覚を使用者に植え付けるかもしれない。
芳香をつけること(aromatization)は必要ないようである。したがって、この製品は、防腐剤および/または芳香料を全く含まない純粋な自然製品である。
実施例3 - 喉内スプレーにより適用されるカルボン酸
ボランティアは、上記で調製した溶液を、喉に直接適用されるスプレーとして使用した。10mg/ml Na-P溶液を、喉の痛みなどの不特定の不快症状を有するボランティアに適用した。
研究に参加したボランティア:
Figure 2019516797
実施された全研究:
Figure 2019516797
一般的な研究手順:
喉の痛みなどの不特定の喉の不快症状を有するボランティアがこの探求的研究に参加した。
各試験のための喉内スプレーの適用を以下のように行った:首をわずかに曲げた後、スプレーポンプで1回押して喉内に溶液を投与した。次に、首を伸ばして、この姿勢で5〜10秒間保持した。観察期間は投与後8時間までであった。
ボランティアは、スプレーの忍容性と、当てはまる場合には不特定の耳の不快症状の自覚的緩和について、彼らの観察を試験ごとに記録した。その後、記録した観察をスポンサーに提出した。
結果
ボランティアNo.1が10mg/ml溶液を試験する
3つの独立した試験が、喉の痛みなどの不特定の喉の不快症状を有する1人のボランティア(女性)により実施された。3つの独立した試験全てについて、10mg/ml溶液を3回投与した。3つの試験全てにおいて、10mg/ml溶液の投与後、痛みからの即時緩和が観察され、それは15〜60分間持続した。
ボランティアNo.2が10mg/ml溶液を試験する
1つの試験が、喉の痛みなどの不特定の喉の不快症状を有する1人のボランティア(男性)により実施された。ボランティアに10mg/ml溶液の1回のポンプ送出量を投与した。10mg/ml溶液の投与後、痛みからの即時緩和が観察され、それは15〜60分間持続した。
ボランティアNo.2が10mg/ml溶液を試験する
2つの独立した試験が、喉の痛みなどの不特定の喉の不快症状を有する1人のボランティア(女性)により実施された。両方の独立した試験について、ボランティアに10mg/ml溶液の1回のポンプ送出量を投与した。両方の試験において、10mg/ml溶液の投与後、痛みからの即時緩和が観察され、それは15〜60分間持続した。
被験者1、女性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
被験者2、男性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
被験者3、女性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
実施例4 - 花粉症に起因する耳の詰まりを治療するために適用されるカルボン酸
アレルギー性鼻炎(花粉症)による耳の詰まり(耳の閉塞)などの不特定の不快症状を有するボランティアによる10mg/ml Na-P溶液の使用。試験サンプルを上記のように調製した。
研究に参加したボランティア
Figure 2019516797
実施された全研究:
Figure 2019516797
一般的な研究手順:
アレルギー性鼻炎(花粉症)による耳の詰まりまたは閉塞などの不特定の耳の不快症状を有するボランティアがこの探求的研究に参加した。
各試験のための耳内スプレーの適用を以下のように行った:頭をまっすぐに直立させて首をまっすぐにした後、スプレーポンプで1回押して各耳腔に溶液を投与した。次に、直立姿勢を5〜10秒間維持した。観察期間は投与後8時間までであった。
ボランティアは、スプレーの忍容性と、当てはまる場合には不特定の耳の不快症状の自覚的緩和に関して、彼らの観察を試験ごとに記録した。その後、記録した観察をスポンサーに提出した。
結果
アレルギー性鼻炎(花粉症)による耳の詰まり
ボランティアが10mg/ml溶液を試験する(1人の女性、2つの独立した試験)
2つの独立した試験が、アレルギー性鼻炎(花粉症)による耳の詰まりに関して不特定の耳の不快症状を有する1人のボランティア(女性)により実施された。両方の試験について、10mg/ml溶液の1回の投与を各耳腔に行った。両方の試験において、10mg/ml溶液の投与後、即時の耳詰まり改善効果が観察され、効果が持続した(>2時間)。
被験者1、女性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
実施例5 - 鼻内スプレーを用いた花粉症による鼻詰まりの治療
アレルギー性鼻炎(花粉症)による鼻詰まりなどの不特定の不快症状を有するボランティアによる10mg/ml Na-P溶液の使用。試験サンプルを上記のように調製した。
研究に参加したボランティア
Figure 2019516797
実施された全研究:
Figure 2019516797
一般的な研究手順:
アレルギー性鼻炎(花粉症)による鼻詰まりまたは鼻閉などの不特定の鼻の不快症状を有するボランティアがこの探索的研究に参加した。
各試験のための鼻内スプレーの適用を以下のように行った:首をわずかに曲げた後、スプレーポンプで1回押して各鼻孔に溶液を投与した。次に、首を伸ばして、この姿勢で5〜10秒間保持した。観察期間は投与後8時間までであった。
ボランティアは、スプレーの忍容性と、当てはまる場合には不特定の鼻の不快症状の自覚的緩和に関して、彼らの観察を試験ごとに記録した。その後、記録した観察をスポンサーに提出した。
結果
アレルギー性鼻炎(花粉症)による鼻詰まり
ボランティアが10mg/ml溶液を試験する(1人の女性、2つの独立した試験)
2つの独立した試験が、アレルギー性鼻炎(花粉症)による鼻詰まりに関して不特定の鼻の不快症状を有する1人のボランティア(女性)により実施された。両方の試験について、10mg/ml溶液を1回投与した。両方の試験において、10mg/ml溶液の投与後、鼻詰まり改善効果が観察され、その効果は10mg/ml溶液の投与後約30分に始まって、長く持続した(6〜8時間)。
ボランティアが10mg/ml溶液を試験する(1人の男性、1つの独立した試験)
1つの試験が、アレルギー性鼻炎(花粉症)による鼻詰まりに関して鼻の不快症状を有する1人のボランティア(男性)により実施された。10mg/ml溶液を1回投与した。他のボランティアが記載した観察と同様に、10mg/ml溶液の投与後、鼻詰まり改善効果が観察され、その効果は10mg/ml溶液の投与後約30分に始まって、長く持続した(6〜8時間)。
被験者1、女性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
被験者2、男性、年齢:18〜60歳
Figure 2019516797
実施例6 - 慢性鼻副鼻腔炎の症状緩和
慢性鼻副鼻腔炎に罹患しており、それが原因で強い不特定の鼻の不快症状を有するボランティアによる10mg/ml Na-P溶液の使用。
ボランティアには、両方の鼻孔に140μlの10mg/ml溶液を1回投与した。ボランティアは、適用後5〜30分以内に強力な鼻詰まり改善効果を経験した。その鼻詰まり改善効果は60分以上持続した。

Claims (18)

  1. 鼻詰まり、気道のウイルス感染、および/または喉の炎症を治療および/または予防するのに使用するための、カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する、薬学的組成物。
  2. 鼻詰まり、気道のウイルス感染、および/または喉の炎症を治療するための、請求項1に記載の使用のための薬学的組成物。
  3. 鼻詰まり、気道のウイルス感染、および/または喉の炎症を予防するための、請求項1に記載の使用のための薬学的組成物。
  4. 鼻詰まり、気道のウイルス感染、および/または喉の炎症に関連する症状を緩和するための、請求項1に記載の使用のための薬学的組成物。
  5. 前記カルボン酸が2〜4個の炭素原子を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
  6. 前記カルボン酸が、プロピオン酸、酢酸、もしくは酪酸、またはその薬学的に許容される塩であり、好ましくはプロピオン酸またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
  7. 液体または固体形態である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
  8. 液体形態であり、鼻腔内に、耳科的に、吸入により、または直接喉に投与される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
  9. (a)1回の適用につき鼻孔あたり約1000〜1500μg、特に鼻孔あたり1400μgの用量で鼻腔内に適用される;
    (b)1回の適用につき約1000〜1500μgの用量で喉に適用され、その際、1回の適用につき1〜3回投与される、
    請求項8に記載の使用のための薬学的組成物。
  10. 固体形態であり、舌下または頬側に投与される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
  11. ロゼンジの形態である、請求項10に記載の使用のための薬学的組成物。
  12. 必要とする患者に投与すると、鼻詰まり、気道のウイルス感染、および/または喉の炎症に関連する症状が緩和される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用のための薬学的組成物。
  13. (i)鼻詰まり改善効果が達成され、それは即時的および/もしくは持続的である;ならびに/または
    (ii)痛みの緩和が達成され、それは即時的および/もしくは持続的である、
    請求項12に記載の使用のための薬学的組成物。
  14. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の薬学的組成物を含む、容器。
  15. 患者における鼻詰まり、気道のウイルス感染、および/または喉の炎症を治療するための方法であって、有効量のカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、またはカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、方法。
  16. 患者における鼻詰まり、気道のウイルス感染、および/または喉の炎症を予防するための方法であって、有効量のカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、またはカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、方法。
  17. 鼻詰まり、気道のウイルス感染、および/または喉の炎症に関連する症状を緩和するための方法であって、有効量のカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩、またはカルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、方法。
  18. (i)前記カルボン酸が請求項5または請求項6に規定されるカルボン酸であり、
    (ii)前記薬学的組成物が請求項1〜11のいずれか一項に規定される組成物であり、
    (iii)前記カルボン酸もしくはその薬学的に許容される塩または前記薬学的組成物が、請求項8〜11のいずれか一項に規定されるように投与される、
    請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
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