JP2019515985A - シクロデキストリンを含有する、ハロゲンを含まない難燃性の熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

シクロデキストリンを含有する、ハロゲンを含まない難燃性の熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Abstract

ハロゲンを含まない難燃性組成物は、可撚性格付けUL94Vに従って難燃性および非液だれを示す熱可塑性エラストマーを含む。この難燃性組成物は、a)1種以上の熱可塑性エラストマーと、b)b1)ホスフィネートもしくはジスホスフィネート、またはポリマーホスフィネートもしくはジスホスフィネートのポリマーを含む少なくとも1種の難燃剤、b2)ホスホネートオリゴマー、ポリマーもしくはコポリマー、またはリン含有アミノ組成物、およびb3)シクロデキストリンを含む難燃剤混合物とを含む。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に援用される2016年3月31日出願の米国仮特許出願第62/315,749号明細書に対する、米国特許法第365条(c)項の下での優先権を主張するものである。
本発明は、熱可塑性エラストマーを含む、ハロゲンを含まない難燃性組成物の分野に関する。
本発明が関係する従来技術をより詳細に説明するために、いくつかの特許および刊行物が本明細書で引用される。これらの特許および刊行物のそれぞれの開示全体は、参照により本明細書に援用される。
多くの熱可塑性樹脂組成物によって提供される設計柔軟性、それらが相対的に軽量であること、および耐腐食性により、それらの熱可塑性樹脂組成物は、自動車およびレクリエーショナルビークル、電化製品、用具、エレクトロニクス、家具、および玩具を含む多くの用途での金属部品の置き換えを含め、多くの用途向けに魅力的な材料となっている。しかし、建設、家具、輸送または電気/電子業界では、熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、製品安全性を促進し、延焼を防ぎ、かつ火炎に曝された製品の破壊を減らすために難燃性にされる。熱可塑性樹脂組成物に難燃性を付与する従来の慣行は、難燃剤としての臭素化ポリスチレンなどのハロゲン化有機化合物と、難燃剤のための相乗剤としてのアンチモン化合物とを典型的に含む、1種以上の難燃剤または難燃剤混合物の添加を伴ってきた。
不利なことに、ハロゲン化難燃剤は、熱可塑性樹脂の加工温度で分解または劣化する傾向があり、放出されるガスによって潜在的な健康および環境影響が生じる。結果的に、ハロゲン化難燃剤の使用から離れる傾向があった。
熱可塑性樹脂組成物に難燃性を付与する別の従来のアプローチは、赤リンの添加であった。国際特許出願公開国際公開第92/20731号パンフレットは、エラストマーと、赤リンおよび難燃剤相乗剤としてのアンモニウムポリホスフェートを含む難燃剤とを含む組成物を記載している。加えて、樹脂中に均一に分散した微細赤リン粉末の使用は、公知であり、実行されている。逆効果として、微細な赤リン粉末の取り扱いには火災および爆発の危険が伴う。さらに、水蒸気の存在下での典型的な燃焼温度では、赤リンは、不均化してリンオキソ酸および有毒ガスホスフィンを形成する。
ハロゲン化難燃剤および赤リンを使用する危険を回避するために、それらは、いくつかの熱可塑性樹脂組成物においてホスフィネート塩で置き換えられてきた。より具体的には、ホスフィネート塩は、ホスフィン酸の塩であり、ホスフィネートとしても知られている。例えば、独国特許第2,252,258号明細書および同第2,447,727号明細書は、難燃剤として使用されるホスフィネートを開示している。米国特許第4,180,495号明細書は、難燃性ポリエステルおよびポリアミドでポリ(金属ホスフィネート)塩の使用を開示している。米国特許第6,255,371号明細書は、a)ホスフィネート、ジスホスフィネート、またはホスフィネートおよびジスホスフィネートのポリマーと、b)メラミンの縮合生成物、メラミンとリン酸との反応生成物、メラミンの縮合生成物とリン酸との反応生成物、またはこれらの生成物の混合物とを含む難燃性組成物を開示している。米国特許第6,270,560号明細書は、アルミニウムホスフィネート、水酸化アルミニウム、アルミニウムホスホネート、またはアルミニウムホスフェートから製造され、かつポリマー成形組成物のための難燃剤として好適である塩混合物を開示している。米国特許第5,780,534号明細書および同第6,013,707号明細書は、ホスフィン酸またはジスホスフィン酸のカルシウムまたはアルミニウム塩を含有する難燃性ポリエステル組成物を開示している。
ハロゲンを含まない難燃性組成物を使用する欠点は、火炎への暴露時、そのような組成物が、燃焼している建物または燃焼している物体を取り囲むエリアからの避難を必要とするのに十分に深刻な煙吸入危険を引き起こし得る高レベルの煙を発する可能性があることである。この問題に対処するために、米国特許第8,781,278号明細書は、ホスフィネート塩、リン含有アミノ組成物、およびゼオライトを含む難燃性組成物を開示している。この難燃性組成物は、煙放出を減らすのに有効であるが、それにもかかわらず、それは燃焼中に液だれする。
近年、火災における人々および環境の安全性をさらに高めるために、難燃性材料に対する規制基準の厳しさが増大している。例えば、難燃性材料は、燃焼中に液だれすべきでなく、なぜなら、この液だれは、周囲の環境中へ火炎を即座に伝播させ得るからである。燃焼している材料の液だれは、UL94V、デバイスおよび電化製品における部品として使用されるプラスチック材料の可撚性の試験標準に従って測定される。UL94V標準は、プラスチック材料の着火特性の格付け方法をも提供している。
それため、ある種の用途では、難燃性ポリマー組成物は、難燃性であるか、またはそれらは、高度の難燃性についてのUL94標準、特に材料への火炎のいかなる適用中にも非液だれ挙動と組み合わされてV0格付けを満たすことが望ましい。
前述の考察に基づき、優れた難燃性および良好な物理的特性を有する物品をもたらすことができる難燃性ポリマー組成物が必要とされていることは明らかである。火炎の適用中の非液だれ挙動と組み合わされて、0.8mmでV0もしくはV1のUL−94可撚性格付け、または0.4mmでV0もしくはV1格付けの組成物が必要とされていることはさらに明らかである。これらの組成物を含む物品も必要とされている。
したがって、難燃性ポリマー組成物であって、
a)1種以上の熱可塑性エラストマーと、
b)難燃剤混合物であって、
b1)式(I)のホスフィネート;式(II)のジスホスフィネート;(I)のポリマー;(II)のポリマー;(I)および(II)のコポリマー;ならびにこれらのホスフィネート、ジホスフィネート、ポリマーおよびコポリマーの2種以上の混合物からなる群から選択される物質を含む少なくとも1種の難燃剤
Figure 2019515985
(式中、R1およびR2は、水素、線状または分岐のC1〜C6アルキル基、およびアリール基から独立して選択され、R3は、線状もしくは分岐のC1〜C10アルキレン基、C6〜C10アリーレン基、アルキルアリーレン基またはアリールアルキレン基であり、Mは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛ならびにカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、および亜鉛の2種以上の混合物からなる群から選択され、mは、2〜3であり、nは、1または3であり、およびxは、1または2である)、
b2)ホスホネートオリゴマー、ポリマーまたはコポリマー;メラミンホスフェート、メラミンホスフェートの誘導体およびメラミンホスフェートとそれらの誘導体との混合物からなる群から選択されるリン含有アミノ組成物;ならびにアンモニアとリン酸との反応生成物、前記反応生成物のポリホスフェート、およびこれらの反応生成物とそれらのポリホスフェートとの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の難燃剤相乗剤、および
b3)少なくとも1種のシクロデキストリン
を含む難燃剤混合物と
を含む難燃性ポリマー組成物が本明細書で提供される。
一実施形態では、難燃剤混合物の量は、難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として18または約18重量パーセント〜50または約50重量パーセントであり、b1)は、難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として15重量パーセント以上の量で難燃剤混合物中に存在し、およびb2)は、b2)の量がb1)の量未満であるような量で難燃剤混合物中に存在する。
好ましくは、熱可塑性ポリエステルエラストマーは、コポリエーテルエステルエラストマーである。
好ましい実施形態では、難燃剤相乗剤b2)は、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、またはアンモニウムポリホスフェート、より好ましくはメラミンピロホスフェートである。さらに一層好ましい実施形態では、メラミンピロホスフェートの量は、難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として1重量パーセント以上である。任意選択的に、難燃剤相乗剤b2)は、難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として0重量パーセント〜8重量パーセントの量において、三水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物をさらに含み得る。
別の好ましい実施形態では、難燃剤相乗剤b2)は、ホスホネートオリゴマー、ポリマーもしくはコポリマー、好ましくはホスホネートポリマーもしくはコポリマーまたはホスホネートポリマーとコポリマーとの組み合わせである。より好ましい実施形態では、ホスホネートポリマーもしくはコポリマー、またはホスホネートポリマーとコポリマーとの組み合わせの量は、難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として1重量パーセント以上である。
さらに一層好ましい実施形態では、難燃性ポリマー組成物は、18または約18重量パーセント〜50または約50重量パーセント、好ましくは20または約20重量パーセント〜40または約40重量パーセントの上に記載された難燃剤混合物を含み、b1)は、15または約15重量パーセント〜25または約25重量パーセントの量で難燃剤混合物中に存在し、b2)は、1または約1重量パーセント〜15または約15重量パーセントの量で難燃剤混合物中に存在し、およびb3)は、2または約2重量パーセント〜20または約20重量パーセント、好ましくは5または約5重量パーセント〜10または約10重量パーセントの量で難燃剤混合物中に存在し、この百分率は、難燃性ポリマー組成物の総重量を基準とする。
さらに、難燃性組成物であって、
A)式(I)のホスフィネート;式(II)のジスホスフィネート;(I)のポリマー;(II)のポリマー;(I)および(II)のコポリマー;ならびにこれらのホスフィネート、ジホスフィネート、ポリマーおよびコポリマーの2種以上の混合物からなる群から選択される物質を含む少なくとも1種の難燃剤
Figure 2019515985
(式中、R1およびR2は、水素、線状または分岐のC1〜C6アルキル基、およびアリール基から独立して選択され、R3は、線状もしくは分岐のC1〜C10−アルキレン基、C6〜C10−アリーレン基、またはアルキルアリーレンもしくはアリールアルキレン基であり、Mは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛ならびにカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、および亜鉛の混合物からなる群から選択され、mは、2〜3であり、nは、1または3であり、およびxは、1または2である)、
B)ホスホネートオリゴマー、ポリマーまたはコポリマー;メラミンホスフェート、メラミンホスフェートの誘導体およびメラミンホスフェートとそれらの誘導体との混合物からなる群から選択されるリン含有アミノ組成物;ならびにアンモニアとリン酸との反応生成物、前記反応生成物のポリホスフェート、およびこれらの反応生成物とそれらのポリホスフェートとの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の難燃剤相乗剤、および
C)シクロデキストリン
を含み、
A)は、40または約40重量パーセント〜85または約85重量パーセントの量で難燃性組成物中に存在し、B)は、5重量パーセント超〜25または約25重量パーセントの量で難燃性組成物中に存在し、およびC)は、10または約10重量パーセント〜35または約35重量パーセントの量で難燃性組成物中に存在し、
ただし、合計A)+B)+C)は、100重量パーセントである、難燃性組成物が本明細書で提供される。
さらに、本明細書に記載される難燃性組成物または難燃性ポリマー組成物を含む、成形、押し出しまたは造形された物品が提供される。さらに、本明細書に記載される難燃性組成物を含むかもしくはそれから製造される、または難燃性ポリマー組成物を含むかもしくはそれから製造されるコーティングを含むワイヤまたはケーブルが提供される。
以下の定義は、本説明において考察されかつ特許請求の範囲において列挙される用語の意味を解釈するために用いられるべきである。
反対であることが明記されない限り、「または」は、包括的な「または」を意味し、排他的な「または」を意味しない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在し)かつBが偽である(または存在しない);Aが偽であり(または存在せず)かつBが真である(または存在する);ならびにAおよびBが両方とも真である(または存在する)。
冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本明細書に記載される組成物、方法または構造の様々な要素および成分に関連して用いられ得る。これは、便宜上であり、組成物、方法または構造の一般的な意味を与えるためのものにすぎない。そのような記載は、要素または成分の「1つまたは少なくとも1つ」を含む。さらに、本明細書で用いる場合、単数冠詞は、複数が排除されることが具体的な文脈から明らかでない限り、複数の要素または成分の記載も含む。
用語「約」は、量、サイズ、処方、パラメータ、ならびに他の量および特性が、正確でなくかつ正確である必要がないが、許容値、換算係数、四捨五入、測定誤差など、ならびに当業者に公知の他の因子を反映して、必要に応じて近似でありかつ/またはより大きくいもしくはより小さいことがあり得ることを意味する。一般に、量、サイズ、処方、パラメータまたは他の量もしくは特性は、そのようなものであると明示的に述べられているかどうかにかかわらず、「約」または「近似的」である。
本明細書に示される範囲は、限定された状況で特に明記しない限り、それらの終点を含む。さらに、量、濃度または他の値もしくはパラメータが範囲、1つ以上の好ましい範囲、または上方の好ましい値および下方の好ましい値のリストとして与えられる場合、これは、任意の範囲上限または好ましい値と、任意の範囲下限または好ましい値との任意の対から、そのような対が別個に開示されるかどうかにかかわらず、形成されたすべての範囲を具体的に開示すると理解されるべきである。
材料、方法、または機械装置が、用語「当業者に公知の」、「慣用の」、または同義の語もしくは語句とともに本明細書に記載される場合、この用語は、本出願の出願時に慣用である材料、方法、および機械装置がこの記載によって包含されることを表す。現時点では慣用でないが、同様の目的に好適であると当技術分野で認められるようになっているであろう材料、方法、および機械装置も包含される。
最後に、特に述べない限り、すべての百分率、部、比および同様な量は、重量で定義される。
1種以上の熱可塑性エラストマー、難燃剤混合物、およびシクロデキストリンを含む難燃性ポリマー組成物が本明細書で提供される。本明細書に記載される難燃性ポリマー組成物での使用に好適な熱可塑性エラストマーは、好ましくは、難燃性ポリマー組成物の総重量、すなわち、1種以上の熱可塑性エラストマー、難燃剤混合物、シクロデキストリン成分、および存在する任意の任意選択の成分の重量の合計を基準として50または約50重量パーセント〜80または約80重量パーセントの量で存在する。この合計は、成分a)+b1)+b2)+b3)の重量に任意の任意選択の成分の重量を加えた合計としても表され得る。
好ましくは、熱可塑性エラストマーは、ISO 18064:2003(E)に定義されるものの1種以上を含む。ISO 18064:2003(E)に定義される熱可塑性エラストマーは、コポリエステル熱可塑性エラストマー(TPC)、熱可塑性ポリアミドコポリマー(TPA)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、スチレン熱可塑性エラストマー(TPS)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、およびこれらの熱可塑性エラストマーの2種以上の組み合わせを含む。
コポリエステル熱可塑性エラストマー(TPC)は、コポリエステルエステルエラストマーまたはコポリカーボネートエステルエラストマー、コポリエステルエステルウレタンエラストマー、およびコポリエーテルエステルエラストマーを含み、後者が好ましい。
コポリエステルエステルエラストマーは、a)ハードポリエステルセグメントと、b)ソフトおよび柔軟性ポリエステルセグメントとを含有するブロックコポリマーである。ハードポリエステルセグメントの例は、ポリアルキレンテレフタレート、ポリ(シクロヘキサンジカルボン酸シクロヘキサンジメタノール)である。ソフトポリエステルセグメントの例は、ポリブチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペートおよびポリカプロラクトンを含む脂肪族ポリエステルである。コポリエステルエステルエラストマーは、エステル基またはウレタン基によって結合している高融点ポリエステルのエステル単位のブロックと、低融点ポリエステルのエステル単位のブロックとを含有する。ウレタン基を含むコポリエステルエステルエラストマーは、融解相で異なるポリエステルを反応させさせることによって製造され得、その後、結果として生じたコポリエステルエステルが、例えばジフェニルメチレンジイソシアネートなどの低分子量ポリイソシアネートと反応される。
コポリカーボネートエステルエラストマーは、a)芳香族または半芳香族ポリエステルのブロックからなるハードセグメントと、b)ポリカーボネート含有ポリマー成分のブロックからなるソフトセグメントとを含有するブロックコポリマーである。好適には、コポリカーボネートエステルエラストマーは、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位から構成されるハードポリエステルセグメントと、脂肪族カーボネートの繰り返し単位を含むソフトセグメントとを含む。あるいは、ソフトセグメントは、脂肪族カーボネート、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、ラクトンのランダムに分布した繰り返し単位、またはこれらの繰り返し単位の2つ以上の組み合わせを含み得る。これらのコポリマーにおいて、ハードセグメントおよびソフトセグメントは、ウレタン基によって結合している。これらのエラストマーおよびそれらの製造は、例えば、欧州特許第0846712号明細書に記載されている。
本明細書に記載される難燃性組成物中の好ましい熱可塑性エラストマーである、コポリエーテルエステルエラストマーは、エステル結合によって頭尾結合した複数の繰り返し長鎖エステル単位および短鎖エステル単位を有し、前記長鎖エステル単位は、式(A):
Figure 2019515985
で表され、および前記短鎖エステル単位は、式(B):
Figure 2019515985
で表され、式中、Gは、約400〜約6000または好ましくは約400〜約3000の数平均分子量を有するポリ(アルキレンオキシド)グリコールからの末端ヒドロキシル基の除去後に残る二価ラジカルであり、
Rは、約300未満の分子量を有するジカルボン酸からのカルボキシル基の除去後に残る二価ラジカルであり、
Dは、約250未満の分子量を有するジオールからのヒドロキシル基の除去後に残る二価ラジカルである。
本明細書で用いる場合、ポリマー鎖中の単位に適用されるような用語「長鎖エステル単位」は、長鎖グリコールとジカルボン酸との反応生成物を意味する。好適な長鎖グリコールは、末端(またはできる限り末端に近い)ヒドロキシ基を有し、かつ約400〜約6000および好ましくは約600〜約3000の数平均分子量を有するポリ(アルキレンオキシド)グリコールである。好ましいポリ(アルキレンオキシド)グリコールは、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレオキシド)グリコール、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、これらのアルキレンオキシドのコポリマー、およびエチレンオキシド−キャップトポリ(プロピレンオキシド)グリコールなどのブロックコポリマーを含む。これらのグリコールの2種以上の混合物を使用することができる。
本明細書で用いる場合、コポリエーテルエステルのポリマー鎖中の単位に適用されるような用語「短鎖エステル単位」は、約550未満の分子量を有する低分子量化合物またはポリマー鎖単位を意味する。それらは、低分子量(約250未満の分子量)ジオールまたはジオールの混合物をジカルボン酸と反応させて、上の式(B)で表されるエスエル単位を形成することによって製造される。
コポリエーテルエステルを製造するための使用に好適な短鎖エステル単位を形成するために反応する低分子量ジオールの中には、非環式、脂環式および芳香族ジヒドロキシ化合物が含まれる。好ましい化合物は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、テトラメチレン、1,4−ペンタメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレンおよびデカメチレングリコール、ジヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレンなどの約2〜15個の炭素原子のジオールである。とりわけ好ましいジオールは、2〜8個の炭素原子を含有する脂肪族ジオールであり、より好ましいジオールは、1,4−ブタンジオールである。使用することができるビスフェノール類の中には、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、およびビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパンが含まれる。ジオールの均等なエステル形成誘導体も有用である(例えば、エチレンオキシドまたはエチレンカーボネートをエチレングリコールの代わりに使用することができ、またはレゾルシノールジアセテートをレゾルシノールの代わりに使用することができる)。
本明細書で用いる場合、用語「ジオール」は、述べられたものなどの均等なエステル形成誘導体を含む。しかし、分子量要件は、対応するジオールに言及し、それらの誘導体に言及しない。
コポリエーテルエステルを製造するために前述の長鎖グリコールおよび低分子量ジオールと反応することができるジカルボン酸は、低分子量の、すなわち約300未満の分子量を有する脂肪族、脂環式または芳香族ジカルボン酸である。用語「ジカルボン酸」は、本明細書で用いる場合、コポリエーテルエステルポリマーを形成する際のグリコールおよびジオールとの反応において実質的にジカルボン酸のように機能する2個のカルボキシル官能基を有するジカルボン酸の機能的均等物を含む。これらの均等物は、エステルと、酸ハロゲン化物および酸無水物などのエステル形成誘導体とを含む。分子量要件は、酸に関係し、その均等なエステルまたはエステル形成誘導体に関係しない。
したがって、300超の分子量を有するジカルボン酸または300超の分子量を有するジカルボン酸の機能的均等物のエステルも、対応する酸が約300未満の分子量を有するという条件で好適である。ジカルボン酸は、コポリエーテルエステルポリマー形成および難燃性ポリマー組成物でのコポリエーテルエステルポリマーの使用を実質的に妨げない任意の置換基または組み合わせを含有することができる。
本明細書で用いる場合、用語「脂肪族ジカルボン酸」は、飽和炭素原子にそれぞれ結合した2個のカルボキシル基を有するカルボン酸を意味する。カルボキシ基が結合している炭素原子が飽和であり、環中にある場合、酸は脂環式である。共役不飽和を有する脂肪族または脂環式酸は、単独重合のために多くの場合に使用することができない。しかし、マレイン酸などのいくつかの不飽和酸を使用することができる。
本明細書で用いる場合、用語「芳香族ジカルボン酸」は、炭素環芳香環構造中の炭素原子にそれぞれ結合した2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸を意味する。両方の官能性カルボキシル基が同じ芳香環に結合していることは必要ではなく、2つ以上の環が存在する場合、それらは、脂肪族もしくは芳香族二価ラジカル、または−O−もしくは−SO2−などの二価ラジカルによって結合させることができる。使用することができる代表的な有用な脂肪族および脂環式酸は、セバシン酸;1,3−シクロヘキサンジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸;アジピン酸;グルタル酸;4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸;2−エチルスベリン酸;シクロペンタンジカルボン酸、デカヒドロ−1,5−ナフタレンジカルボン酸;4,4’−ビシクロヘキシルジカルボン酸;デカヒドロ−2,6−ナフタレンジカルボン酸;4,4’−メチレンビス(シクロヘキシル)カルボン酸;および3,4−フランジカルボン酸を含む。好ましい酸は、シクロヘキサンジカルボン酸およびアジピン酸である。
代表的な芳香族ジカルボン酸は、フタル酸,テレフタル酸およびイソフタル酸;ビ安息香酸;ビス(p−カルボキシフェニル)メタンなどの2個のベンゼン核を持った置換ジカルボキシ化合物;p−オキシ−1,5−ナフタレンジカルボン酸;2,6−ナフタレンジカルボン酸;2,7−ナフタレンジカルボン酸;4,4’−スルホニルジ安息香酸ならびにそのC1〜C12アルキル置換およびハロ、アルコキシなどの環置換誘導体、ならびにアリール誘導体を含む。p−(ベータ−ヒドロキシエトキシ)安息香酸などのヒドロキシ酸も、芳香族ジカルボン酸がまた使用されるという条件で使用することができる。
芳香族ジカルボン酸は、好適なコポリエーテルエステルエラストマーを製造するための好ましいクラスのものである。芳香族酸の中では、8〜16個の炭素原子のもの、特に単独でのまたはフタル酸もしくはイソフタル酸との混合物でのテレフタル酸が好ましい。
コポリエーテルエステルエラストマーは、好ましくは、15または約15重量パーセント〜99または約99重量パーセントの、上の式(B)に対応する短鎖エステル単位の共重合残基を含み、残りは、上の式(A)に対応する長鎖エステル単位の共重合残基である。より好ましくは、コポリエーテルエステルエラストマーは、20または約20重量パーセント〜95または約95重量パーセント、さらに一層好ましくは50または約50重量パーセント〜90または約90重量パーセントの短鎖エステル単位を含み、残りは、長鎖エステル単位である。さらにより好ましくは、上の式(A)および(B)中のRで表される基の少なくとも約70モル%は、1,4−フェニレンラジカルであり、上の式(B)中のDで表される基の少なくとも約70モル%は、1,4−ブチレンラジカルであり、かつ1,4−フェニレンラジカルではないR基、および1,4−ブチレンラジカルではないD基の百分率の合計は、30モル%を超えない。第2ジカルボン酸がコポリエーテルエステルを製造するために使用される場合、イソフタル酸が好ましく、第2低分子量ジオールが使用される場合、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、またはヘキサメチレングリコールが好ましい。
2種以上のコポリエーテルエステルエラストマーのブレンドまたは混合物を使用することができる。ブレンドに使用されるコポリエーテルエステルエラストマーは、個別に、エラストマーについて上に示された値内である必要はない。しかし、2種以上のコポリエーテルエステルエラストマーのブレンドは、加重平均基準において、コポリエーテルエステルについて本明細書に記載される値に従わなければならない。例えば、等量の2種のコポリエーテルエステルエラストマーを含有する混合物において、45重量パーセントの加重平均の短鎖エステル単位のために、1種のコポリエーテルエステルエラストマーは、60重量パーセントの短鎖エステル単位を含有し、他の樹脂は、30重量パーセントの短鎖エステル単位を含有する。
好ましいコポリエーテルエステルエラストマーは、(1)ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、(2)イソフタル酸、テレフタル酸およびそれらの混合物から選択されるジカルボン酸、ならびに(3)1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオールおよびそれらの混合物から選択されるジオールを含むモノマーから;または(1)ポリ(トリメチレンオキシド)グリコール、(2)イソフタル酸、テレフタル酸およびそれらの混合物から選択されるジカルボン酸、ならびに(3)1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオールおよびそれらの混合物から選択されるジオールを含むモノマーから;または(1)エチレンオキシド−キャップトポリ(プロピレンオキシド)グリコール;(2)イソフタル酸、テレフタル酸およびそれらの混合物から選択されるジカルボン酸;ならびに(3)1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオールおよびそれらの混合物から選択されるジオールを含むモノマーから製造されるコポリエーテルエステルエラストマーを含むが、それらに限定されない。
好ましくは、コポリエーテルエステルエラストマーは、テレフタル酸もしくはイソフタル酸のエステルもしくはエステルの混合物、1,4−ブタンジオールおよびポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールもしくはポリ(トリメチレンエーテル)グリコールもしくはエチレンオキシド−キャップトポリプロピレンオキシドグリコールから製造されるか、またはテレフタル酸のエステル、例えばジメチルテレフタレート、1,4−ブタンジオールおよびポリ(エチレンオキシド)グリコールから製造される。より好ましくは、コポリエーテルエステルは、テレフタル酸のエステル、例えばジメチルテレフタレート、1,4−ブタンジオールおよびポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールから製造される。
それらの優れた引裂強度、引張強度、フレックスライブまたは屈曲耐久性、耐摩耗性、および広範な有用な最終用途温度範囲の結果として、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマーは、例えば、ワイヤおよびケーブルコーティング、自動車用途、家庭電化製品のための部品、建物または機械デバイスのための部品ならびに流体を搬送するためのチューブおよびパイプを含む広範囲の用途に使用されている。好適なコポリエーテルエステルエラストマーの例は、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delawareから商標Hytrel(登録商標)で商業的に入手可能である。
熱可塑性ポリアミドコポリマー(TPA)は、a)ハードポリアミドセグメントと、b)ソフトかつ柔軟性のセグメントとを含有するコポリマーからなる。好適なTPAの例としては、ポリエステルアミド(PEA)、ポリエーテルエステルアミド(PEEA)、ポリカーボネート−エステルアミド(PCEA)およびポリエーテル−ブロック−アミド(PE−b−A)が挙げられる。好ましくは、TPAは、ポリアミドセグメントと、柔軟なポリエーテルもしくはポリエステルセグメント、または式(C):
Figure 2019515985
(式中、「PA」は、ポリアミド配列を表し、および「PE」は、例えば、エーテル結合もしくはエステル結合のいずれか、または両方の、線状もしくは分岐の脂肪族ポリオキシアルキレングリコールまたは長鎖ポリオールから形成されるポリオキシアルキレン配列、あるいはそれらから誘導されるコポリエーテルまたはコポリエステルを表す)
で表されるようなエーテルおよびエステル結合を両方とも有するソフトセグメントとの線状でありかつ規則正しい鎖からなる。ポリアミドは、脂肪族または芳香族であり得る。コポリエーテルアミドおよびコポリエステルアミドブロックコポリマーのソフトネスは、一般に、ポリアミド単位の相対量が増加するにつれて低下する。本明細書に記載される組成物での使用に好適な熱可塑性ポリアミドブロックコポリマーの例は、商品名PebaxTMでArkemaまたはElf Atochemから商業的に入手可能である。
熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)は、ある種のゴム状オレフィン型ポリマー、例えばプロピレンまたはポリエチレン、およびゴムとブレンドされた熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂ポリオレフィンエラストマーの例としては、エチレン−プロピレンコポリマー(EPM)を含む、アルファ−オレフィンコポリマーなどのランダムブロックコポリマー;エチレンプロピレンジエンコポリマー(EPDM);エチレン、またはプロピレン、またはブテンと、高級アルファ−オレフィンコポリマーとのコポリマー(例えば、エチレン−ヘキセン、エチレン−オクテン(例えば、The Dow Chemical Co.から商業的に入手可能であるEngageTM));ランダムステレオブロックポリプロピレン;水素化ポリブタジエンおよび水素化ポリイソプレンなどの水素化ジエンブロックコポリマー;水素化ポリブタジエンとポリブタジエンとの混合物;ならびにEPDM−g−ポリピバロラクトン(PPVL)などのグラフトコポリマーが挙げられる。他の例は、例えば、EPMまたはEPDMとアイソオタクチックポリプロピレン(iPP)とのブレンド、およびEPMまたはEPDMとポリエチレンおよびポリプロピレンとのブレンドなどのポリオレフィンブレンド熱可塑性樹脂エラストマーである。
スチレン熱可塑性エラストマー(TPS)は、スチレンと、例えばポリブタジエンなどのゴム状ポリマー材料とのブロックコポリマー(TPS−SBS)、水素化ポリブタジエンおよびポリブタジエンの混合物とのブロックコポリマー、ポリ(エチレン−ブチレン)とのブロックコポリマー(TPS−SEBS)、ポリイソプレンとのブロックコポリマー(TPS−SIS)およびポリ(エチレン−プロピレン)とのブロックコポリマー(TPS−SEPS)からなる。
熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、一般式(D):
Figure 2019515985
(式中、「X」は、ポリイソシアネートおよび鎖延長剤、好ましくは短鎖グリコールを含むハードセグメントを表し、「Z」は、ポリイソシアネートおよび長鎖ポリオールを含むソフトセグメントを表し、および「Y」は、XおよびZセグメントを連結するウレタン結合のポリイソシアネート化合物の残留基を表す)
で表されるような、ポリイソシアネートおよび鎖延長剤を含むハードセグメントと、ジイソシアネートおよび長鎖ポリオールを含むソフトセグメントとからなる線状セグメント化ブロックコポリマーからなる。好ましくは、ポリイソシアネートは、ジイソシアネートである。好適なジイソシアネートの例としては、限定なしに、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12−MDI)、トランス−トランス−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート(TODI)および1,4−ベンゼンジイソシアネートが挙げられる。長鎖ポリオールは、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールなどのポリエーテル型のものまたはポリエステル型のものを含む。
本明細書に記載される難燃性ポリマー組成物は、本明細書では「難燃性組成物」とも言及され得、かつ難燃性ポリマー組成物に難燃性を付与する難燃剤混合物b)をさらに含む。これらの難燃剤混合物b)は、式(I)のホスフィネート;式(II)のジスホスフィネート;(I)のポリマー;(II)のポリマー;(I)および(II)のコポリマー;ならびにこれらのホスフィネート、ジホスフィネート、ポリマーおよびコポリマーの2種以上の混合物からなる群から選択される物質である少なくとも1種の難燃剤b1)
Figure 2019515985
(式中、R1およびR2は、同一であるかまたは異なり、水素、線状もしくは分岐のC1〜C6アルキル基、またはアリール基であり、R3は、線状もしくは分岐のC1〜C10−アルキレン基、C6〜C10−アリーレン基、−アルキルアリーレンまたは−アリールアルキレン基であり、Mは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、または亜鉛であり、mは、2〜3であり、nは、1または3であり、およびxは、1または2である)
を含む。
1およびR2は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはフェニルである。R3は、好ましくは、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレン、n−ドデシレン、またはフェニレンもしくはナフチレン、またはメチルフェニレン、エチルフェニレン、tert−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレンもしくはtert−ブチルナフチレン、またはフェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレンもしくはフェニルブチレンである。Mは、好ましくは、アルミニウムまたは亜鉛である。
式(I)および(II)の化合物のポリマーは、ホスフィネートおよびジホスフィネートアニオン部分のオリゴマーまたは縮合生成物を含有する化学種を含む。
好ましいホスフィネートは、メチルエチルホスフィネートおよびジエチルホスフィネートの金属塩などの有機ホスフィネートの金属塩である。アルミニウムメチルエチルホスフィネート、アルミニウムジエチルホスフィネート、亜鉛メチルエチルホスフィネート、および亜鉛ジエチルホスフィネートがより好ましい。より好ましくは、難燃剤b1)は、アルミニウムホスフィネート、マグネシウムホスフィネート、カルシウムホスフィネートまたは亜鉛ホスフィネートであり、さらにより好ましくは、難燃剤b1)は、アルミニウムホスフィネート、アルミニウムジエチルホスフィネートまたは亜鉛ジエチルホスフィネートである。
難燃性組成物は、ホスフィネートおよびジホスフィネートを両方ともまたはジホスフィネートを単独で含有し得るが、好ましい組成物は、費用および入手可能性のためにホスフィネートを含有する。
難燃剤b1)は、通常、一般に理解されかつ当業者によって使用されるように、任意の粒子サイズ分布を有し得る粒子の形態であるが、好ましくは、ホスフィネートまたはジホスフィネートは、100ミクロン以下、より好ましくは20ミクロン以下の粒子サイズ(D90値)を有する。D90値は、90重量パーセントの粒子の粒子サイズよりも大きい粒子サイズであり、粒子サイズ分布は、粒子サイズ分析計、例えばMalvern製のMastersizer 2000を用いて溶媒中の粒子の懸濁液からレーザー回折の技術によって測定される。この試験方法は、ISO 13320に示される要件を満たしている。
好ましくは、難燃剤混合物b)は、40または約40重量パーセント〜85または約85重量パーセントの量で難燃剤b1)を含み、この重量百分率は、難燃剤混合物の総重量、すなわち成分b1)+b2)+b3)の合計を基準とする。
本明細書に記載される難燃剤混合物b2)は、ホスホネートオリゴマー、ポリマーまたはコポリマー;メラミンホスフェート、メラミンホスフェートの誘導体およびメラミンホスフェートとそれらの誘導体との混合物からなる群から選択されるリン含有アミノ組成物;ならびにアンモニアとリン酸との反応生成物、前記反応生成物のポリホスフェート、およびこれらの反応生成物とそれらのポリホスフェートとの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の難燃剤相乗剤を含む。例えば、メラミンピロホスフェート、アンモニウムポリホスフェート、およびメラミンピロホスフェートとアンモニウムポリホスフェートとの混合物が好適な難燃剤相乗剤である。b2)の量は、b1)の量よりも少ない。好ましくは、b2)の量は、5重量パーセント超〜25または約25重量パーセントであり、この重量百分率は、難燃剤混合物の総重量、すなわち成分b1)+b2)+b3)の合計を基準とする。
難燃剤相乗剤b2)としての使用のための好適なホスホネートオリゴマー、ポリマーまたはコポリマーは、米国特許出願公開第2011/0237695号明細書および米国特許出願公開第2014/0000751号明細書に記載されている。これらは、線状もしくは分岐のホスホネートオリゴマー、線状もしくは分岐のホスホネートポリマーであり得、またはホスホネートコポリマーは、ランダムもしくブロックであり得る。それらは、ランダムポリエステルホスホネートおよびランダムポリカーボネートホスホネートを含む。好ましいホスホネートコポリマーは、ポリ(ブロック−ホスホナト−エステル)またはポリ(ブロック−ホスホナト−カーボネート)などのブロックコポリマーである。好ましいホスホネートは、商品名Nofia HM1100で販売されるホモポリマーポリホスホネートおよび商品名Nofia COPOsで販売されるポリホスホネート−コ−カーボネートである。
アンモニアとリン酸との反応生成物またはそれらのポリホスフェート誘導体である好適なリン含有アミノ組成物は、リン酸水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、およびアンモニウムポリホスフェートを含む。より好ましくは、リン含有アミノ組成物は、メラミンポリホスフェート、メラミンピロホスフェートまたはアンモニウムポリホスフェートを含む。メラミンホスフェートである好適なリン含有アミノ組成物は、メラミンオルトホスフェート(C36634P)、ジメラミンオルトホスフェート(2C36634P)、メラミンポリホスフェート、ジメラミンピロホスフェート、およびメラミンピロホスフェートを含む。メラミンホスフェートの誘導体は、例えば、メラミンポリホスフェート、メラミンポリホスフェートおよびメラミンボロホスフェートを含む。
メラミンピロホスフェートとして知られる物質は、名目式(C3662427で定義される化合物である。メラミンピロホスフェートの商業的に入手可能なグレードは、他のリン含有アニオンなどのかなりの不純物またはリン対窒素の異なる比を有し得る。米国特許第5,814,690号明細書を参照されたい。それにもかかわらず、上の名目上のメラミンピロホスフェートを有するか、またはメラミンピロホスフェートとして商業的に販売されているいかなる化合物も難燃性組成物での使用に好適である。
リン含有アミノ組成物は、コートされた粒子、例えばメラミンピロホスフェートを含むコアと、有機シラン、エステル、ポリオール、二酸無水物、ジカルボン酸、メラミンホルムアルデヒド、またはそれらの混合物を含むコーティングとを有する粒子も含み得る。そのようなコートされた組成物は、米国特許第6,015,510号明細書に記載されている。好適なコートされたメラミンピロホスフェートの例は、0.6±0.1重量%Silquest(登録商標)A−1100シランでコートされたメラミンピロホスフェートである。あるいは、コーティング剤は、難燃性組成物の1つ以上の成分とブレンドする前の別個の工程において、またはすべての成分が一緒に混合される工程においてリン含有組成物に添加され得る。そのような場合、コーティング剤の量は、一般に、コートされるリン含有組成物の重量を基準として約0.1重量%〜約6重量%の範囲であるであろう。
本明細書に記載される難燃剤混合物b)は、10または約10重量パーセント〜35または約35重量パーセントの1種以上のシクロデキストリンb3)も含み、この重量百分率は、難燃剤混合物の総重量、すなわち成分b1)+b2)+b3)の合計を基準とする。2種以上の天然シクロデキストリンの組み合わせ、2種以上のシクロデキストリン誘導体の組み合わせ、および少なくとも1種の天然シクロデキストリンと、少なくとも1種のシクロデキストリン誘導体との組み合わせが難燃剤混合物での使用に好適である。酵素的変換によってデンプンから製造される天然シクロデキストリンは、α−(1→4)グリコシド結合によって大員環に連結された6(シクロマルトヘキサオースまたはα−シクロデキストリン)、7(シクロマルトヘプタオースまたはβ−シクロデキストリン)、および8(シクロマルトオクタオースまたはγ−シクロデキストリン)d−グルコピラノース残基からなる環状オリゴサッカリドである。シクロデキストリン誘導体は、例えば、ヒドロキシアルキル化、アルキル化またはスルホアルキル化の1つ以上により、例えば天然シクロデキストリンを化学修飾することにより製造され得る。好ましいシクロデキストリンは、限定なしに、非置換または天然ベータ−シクロデキストリン、メチル化−ベータ−シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン(HPBCD)などのベータ−シクロデキストリンおよびその誘導体を含む。
3つの成分b1)、b2)およびb3)を含む難燃性組成物は、広範囲のポリマー、例えば熱可塑性加硫物、コポリエステル熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリアミドコポリマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、スチレン熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、コポリエーテルエステルエラストマー、コポリエステルエステルエラストマー、ポリクロロプレン、EPDMゴム、フルオロエラストマーおよびエチレンアクリルエラストマーを含む熱可塑性樹脂、エラストマーおよび熱可塑性エラストマーに難燃性および非液だれ特性を付与するために使用され得る。
本明細書に記載される難燃性ポリマー組成物は、次の成分:ヒドラジンおよびヒドラジドなどの金属不活性化剤;熱安定剤;酸化防止剤;改質剤;着色剤;滑剤;充填剤および強化剤;衝撃改質剤;流動性向上添加剤;帯電防止剤;結晶化促進剤;導電性添加剤;粘度調整剤;核形成剤;可塑剤;離型剤;引っ掻き傷および擦傷改質剤;ドリップ抑制剤;接着性改質剤;ならびにポリマー配合技術分野において公知の他の加工助剤の1種以上ならびにこれらの2種以上の組み合わせを含むが、それらに限定されない添加剤をさらに含み得る。使用される場合、添加剤は、好ましくは、難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として約0.1重量パーセント〜約20重量パーセントの量で存在する。
難燃性ポリマー組成物は、ポリ(メタ)アクリレートゴム、ポリエチレン/(メタ)アクリレートゴム、またはオレフィンコポリマーなど、ソフトネスを増加させる試剤をさらに含み得る。本明細書で用いる場合、用語「(メタ)アクリレート」は、メタクリレートまたはアクリレートを意味し、用語「ポリ(メタ)アクリレート」は、メタクリレートまたはアクリレートモノマーの重合から誘導されるポリマーを意味する。(メタ)アクリレートゴムは、1種以上の(メタ)アクリレートモノマーを1種以上のオレフィンと共重合させることによって製造され得る。好ましいオレフィンはエチレンである。好ましくは、(メタ)アクリレートゴムは、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)ゴム、エチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーゴムおよびポリ(パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート)ゴムを含む。より好ましくは、(メタ)アクリレートゴムは、アルキル基が1〜4個の炭素を有するエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーゴムである。好ましいエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーは、約80重量パーセント未満のエチレンと、約20重量パーセント超のアルキル(メタ)アクリレートとから誘導されるものである。(メタ)アクリレートゴムは、(メタ)アクリレートグリシジルエステル(グリシジルメタクリレートなど)、マレイン酸、または酸、ヒドロキシル、エポキシ、イソシアネート、アミン、オキサゾリン、クロロアセテートもしくはジエン官能性を含む、1種以上の反応基を有する他のコモノマーなど、1種以上の官能化コモノマーに由来する追加の繰り返し単位を任意選択的に含み得る。(メタ)アクリレートゴムは、3種以上の(メタ)アクリレートモノマーからも製造され得る。例は、エチレン、メチルアクリレート、および第2アクリレート(ブチルアクリレートなど)を重合させることによって製造される(メタ)アクリレートゴムである。
上に記載された添加剤は、当技術分野において公知の量において、かつ粒子の寸法の少なくとも1つが1〜1000nmの範囲である、いわゆるナノ材料の形態を含む公知の形態において難燃性ポリマー組成物中に存在し得る。
本明細書に記載される難燃性ポリマー組成物は、溶融混合ブレンドであり、ポリマー成分のすべては、互いに十分に分散しており、非ポリマー原料のすべては、ポリマーマトリックス中に十分に分散しており、かつポリマーマトリックスで拘束されており、その結果、ブレンドは、一体化した全体を形成する。
任意の溶融混合法が、ポリマー成分と非ポリマー原料とを組み合わせるために用いられ得る。例えば、難燃性ポリマー組成物のポリマー成分と非ポリマー原料とは、例えば、一軸もしくは二軸スクリュー押出機;ブレンダー;一軸もしくは二軸スクリュー混練機;またはバンバリー(Banbury)ミキサーなどの溶融ミキサーに単一工程添加によって同時または段階的のいずれかで添加され、次に溶融混合され得る。ポリマー成分および非ポリマー原料を段階的に添加する場合、ポリマー成分または非ポリマー原料の一部が最初に添加され、溶融混合され、残りのポリマー成分および非ポリマー原料がその後添加され、十分に混合された組成物が得られるまでさらに溶融混合される。例えば、長いガラス繊維などの長い長さの充填剤が組成物に使用される場合、引き抜き成形が強化組成物を調製するために用いられ得る。
本明細書に記載される難燃性ポリマー組成物は、射出成形、ブロー成形、射出ブロー成形、押出形成、熱成形、溶融キャスティング、真空成形、回転成形、カレンダー成形、スラッシュ成形、フィラメント押出および繊維紡糸など、当業者に公知の方法を用いて物品へ造形され得る。好適な物品は、フィルム、繊維およびフィラメント;ワイヤおよびケーブルコーティング;太陽電池ケーブルコーティング;光ファイバーコーティング;チュービングおよびパイプ;例えば衣類またはカーペットに使用するための、繊維およびフィラメントから作られた布または織物;屋根ふき材および建物/建造物における通気性のある膜などのフィルムおよび膜;車体パネル、エアバッグドア、ダッシュボード、エンジンカバー、ロッカーパネルまたはエアフィルターカバーなどの自動車部品;洗濯機、乾燥機、冷蔵庫および加熱換気エアコン装置などの家庭電化製品のための部品;電気または電子用途におけるコネクタ;コンピュータなど電子デバイスのための部品;オフィス、屋内、および屋外家具のための部品;ならびに履物構成要素を含む。
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に説明するために提供される。具体的な実施形態および本発明を実施するために現在想定されている好ましい態様を示すこれらの実施例は、本発明を例示することを意図され、それを限定することは意図されない。
材料
以下の材料を使用して、本明細書に記載される難燃性ポリマー組成物および比較例の組成物を調製した。
コポリエステル熱可塑性エラストマー(TPC):約1000g/モルの平均分子量を有する約44.9重量パーセントのポリ(テトラメチレンオキシド)を含むコポリエーテルエステルエラストマーであって、重量百分率がコポリエーテルエステルエラストマーの総重量を基準としており、コポリエーテルエステルエラストマーの短鎖エステル単位がポリブチレンテレフタレートおよびポリブチレンイソフタレートセグメントである、コポリエーテルエステルエラストマー。製造方法のために必要とされ、かつ当業者に周知であるように、コポリエーテルエステルエラストマーは、6重量パーセント以下の熱安定剤、酸化防止剤、加工助剤、液だれ防止剤、および金属不活性化剤の1種以上を含有した。
ホスフィネート難燃剤:Exolit(登録商標)OP935、8ミクロンのD90最大を有し、Clariantによって供給されるジエチルホスフィネートのアルミニウム塩。
メラミンピロホスフェート(MPP):粒子径100%<20μmおよび3.5μmの平均粒子径を有する、Hummel Croton,Inc.,South Plainfield,NJ,USAによって供給されるMelBan 13−1115。
ホスホネート難燃剤:Nofia HM1100(実験コードFRX−100)、FRX Polymers,Inc.,Chelmsford,MA,USAによって供給されるポリホスホネート。
ベーマイト難燃剤:Actilox B60、Nabaltec AG,Schwandorf,Germanyによって供給される、1.7μmのD90および6m2/gの比表面積(BET)を有する水酸化酸化アルミニウム。
三水酸化アルミニウム難燃剤(ATH):J.M.Huber Corporationによって供給される、2.1μmのD95および4.0m2/gの表面積を有するHydral 710。
シクロデキストリン1:Kleptose Beta、Roquette Freres,Lestrem Cedex,Franceによって供給されるベータ−シクロデキストリン。
シクロデキストリン2:Cavamax W7、Wacker Chemie AG,Muenchen,Germanyによって供給されるベータ−シクロデキストリン。
表中、実施例の組成物は、「E」として特定され、比較例の組成物は「C」として特定される。表1は、組成物E1〜E3および比較組成物C1〜C11に対応する成分のリストを提供する。
試験方法
難燃性ポリマー組成物は、次のとおり調製した:表1に列挙された量の上記の材料を、30mm二軸スクリュー押出機(Coperion ZSK 30)で溶融ブレンドした。実施例E3の配合された溶融ブレンド混合物をレースまたはストランドの形態で押し出し、水浴中で冷却し、切り刻んで顆粒にし、乾燥させ、水の吸収または吸着を防ぐために密封アルミニウム内張り袋に入れた。すべての他の配合された溶融ブレンド混合物を、1.6mmの平均厚さを有する狭ストリップ(または帯)の形態で押し出した。
特性を測定するために以下の試験方法を用いた:
難燃性
可撚性試験は、UL94試験標準、20mm垂直燃焼試験に従って行った。試験検体は、長方形試験片(長さ125mm×幅13mm、厚さ1.6mm)であった。実施例E3の組成物の試験検体は、射出成形によって調製した。実施例および比較例の組成物の残りの試験検体は、狭ストリップを相応のサイズにカットすることによって調製した。
可撚性は、すべての組成物について、それらを23℃および50パーセント相対湿度で少なくとも48時間にわたり事前調整した後に測定した。試験検体を、検体の下縁が乾燥した吸収性脱脂綿の水平層の300mm上にあるように縦軸を垂直にして固定した。20mm高さの青炎をもたらすバーナーを、10秒間にわたり検体の下縁の中間点に炎が中心で適用されるように置いた。10秒間にわたる検体への炎の適用後、バーナーを試料から引き離し、残炎時間、t1を測定した。試験検体の残炎が停止したとき、バーナーを追加の10秒間にわたり検体の真下に再び置いた。炎を次に試料から引き離し、第2残炎時間、t2を測定した。燃焼中の組成物の挙動に基づいて、材料を試験仕様書に従ってV−0、V−1またはV−2として分類した。いずれかの炎の適用中の燃焼材料の液だれを記録した。実施例E1、E2およびE3の組成物は、UL−V0またはUL−V1の格付けを有し、可撚性試験の継続時間中に液だれをまったく示さない。
本発明のある種の好ましい実施形態を上で説明し、具体的に例示してきたが、本発明をそのような実施形態に限定することは意図されない。以下の特許請求の範囲に示されるような本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、様々な修正形態がなされ得る。
Figure 2019515985

Claims (15)

  1. 難燃性ポリマー組成物であって、
    a)1種以上の熱可塑性エラストマーと、
    b)難燃剤混合物であって、
    b1)式(I)のホスフィネート;式(II)のジスホスフィネート;(I)のポリマー;(II)のポリマー;(I)および(II)のコポリマー;ならびに前記ホスフィネート、ジホスフィネート、ポリマーおよびコポリマーの2種以上の混合物からなる群から選択される物質を含む少なくとも1種の難燃剤
    Figure 2019515985
    (式中、R1およびR2は、水素、線状または分岐のC1〜C6アルキル基、およびアリール基から独立して選択され、R3は、線状もしくは分岐のC1〜C10−アルキレン基、C6〜C10−アリーレン基、−アルキルアリーレン基または−アリールアルキレン基であり、Mは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛およびそれらの混合物からなる群から選択され、mは、2〜3であり、nは、1または3であり、およびxは、1または2である)、
    b2)ホスホネートオリゴマー、ポリマーまたはコポリマーおよび任意選択的に金属水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の難燃剤相乗剤、および
    b3)少なくとも1種のシクロデキストリン
    からなる難燃剤混合物と
    含む難燃性ポリマー組成物。
  2. 前記難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として18または約18重量パーセント〜50または約50重量パーセントの前記難燃剤混合物を含み、
    b1)は、前記難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として15重量パーセント以上の量で前記難燃剤混合物中に存在し、およびb2)は、b2)の量がb1)の前記量未満であるような量で前記難燃剤混合物中に存在する、請求項1に記載の難燃性ポリマー組成物。
  3. 前記少なくとも1種の難燃剤b1)は、アルミニウムホスフィネート、アルミニウムジエチルホスフィネートまたは亜鉛ジエチルホスフィネートである、請求項1または2に記載の難燃性ポリマー組成物。
  4. 前記シクロデキストリンb3)は、β−シクロデキストリンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性ポリマー組成物。
  5. シクロデキストリンb3)の量は、前記難燃性組成物の総重量を基準として5重量パーセント以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性ポリマー組成物。
  6. b2)は、ホモポリマーポリホスホネートである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃性ポリマー組成物。
  7. ホモポリマーポリホスホネートの量は、前記難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として1重量パーセント以上である、請求項6に記載の難燃性ポリマー組成物。
  8. b2)は、コポリマーポリホスホネートである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の難燃性ポリマー組成物。
  9. 1種以上の金属不活性化剤、または熱安定剤、または酸化防止剤をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の難燃性ポリマー組成物。
  10. 前記難燃剤混合物b)は、前記難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として15重量パーセント〜25重量パーセントまたは約15重量パーセント〜25重量パーセントの量で前記難燃剤混合物中に存在するb1)を含み、b2)は、前記難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として1重量パーセント〜15重量パーセントまたは約1重量パーセント〜15重量パーセントの量で前記難燃剤混合物中に存在し、およびb3)は、前記難燃性ポリマー組成物の総重量を基準として2重量パーセント〜20重量パーセントまたは約2重量パーセント〜20重量パーセントの量で前記難燃剤混合物中に存在する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の難燃性ポリマー組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の難燃性ポリマー組成物を含む、成形、押し出しまたは造形された物品。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の難燃性ポリマー組成物でできたコーティングを含むワイヤまたはケーブル。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の難燃性ポリマー組成物でできたコーティングを含む光ケーブル。
  14. 難燃性組成物であって、
    A)式(I)のホスフィネート;式(II)のジスホスフィネート;(I)のポリマー;(II)のポリマー;(I)および(II)のコポリマー;ならびに前記ホスフィネート、ジホスフィネート、ポリマーおよびコポリマーの2種以上の混合物からなる群から選択される物質を含む少なくとも1種の難燃剤
    Figure 2019515985
    (式中、R1およびR2は、水素、線状または分岐のC1〜C6アルキル基、アリール基およびそれらの混合物から独立して選択され、R3は、線状もしくは分岐のC1〜C10−アルキレン基、C6〜C10−アリーレン基、−アルキルアリーレン基または−アリールアルキレン基であり、Mは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛およびそれらの混合物からなる群から選択され、mは、2〜3であり、nは、1または3であり、およびxは、1または2である)、
    B)ホスホネートオリゴマー、ポリマーまたはコポリマーおよび任意選択的に金属水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の難燃剤相乗剤、および
    C)少なくとも1種のシクロデキストリン
    からなり、
    A)は、40または約40重量パーセント〜85または約85重量パーセントの量で前記難燃性組成物中に存在し、B)は、5重量パーセント超〜25または約25重量パーセントの量で前記難燃剤混合物中に存在し、およびC)は、10または約10重量パーセント〜35または約35重量パーセントの量で前記難燃性組成物中に存在し、
    ただし、合計A)+B)+C)は、100重量パーセントである、難燃性組成物。
  15. 前記難燃剤相乗剤は、ホモポリマーポリホスホネートまたはコポリマーポリホスホネートである、請求項14に記載の難燃性組成物。
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