JP2019515290A - ハンドヘルド型タイヤスキャナ - Google Patents

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Abstract

タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールを取得するためのハンドヘルド装置であって、開口を有するベースと、使用時に光の細長いパターンを生成し、パターンを開口を通してタイヤの転動面に投影するように構成された光源と、タイヤの転動面の領域を撮像するための検出器と、ベースに装着されたそれぞれの車軸に取り付けられた複数対のガイドホイールであって、隣接する車軸上のガイドホイール同士はギヤによって連結される、複数対のガイドホイールと、車軸の回転に対応する信号を生成するように構成されたロータリエンコーダと、を備える、ハンドヘルド装置。

Description

本発明はタイヤ表面の三次元位相幾何学的プロフィールの取得に好適なハンドヘルド装置及びそのための方法に関する。
道路を走行する車両のタイヤは典型的には、濡れた状態での牽引力を向上させるために、タイヤと路面との間から水を排除するための、トレッドとして知られるパターン状の溝が形成されている。タイヤによって与えられる牽引力はトレッドの深さ(すなわち溝の深さ)の摩耗と共に減少するので、国の法律により最小のトレッド深さが規定されていることが多い。したがって、タイヤ表面を検査してトレッド深さがそのような安全限界を下回らないことを確認することが重要である。
また、タイヤの表面プロフィールを、特に道路と接触するタイヤの領域において検査して、特定の天候条件、道路条件及び例えば異なるホイールアライメント構成などの車両運転条件下においてどのようにタイヤが摩耗するかを評価することが重要である。
本発明の目的は、タイヤの表面プロフィール検査のための改良された装置及び方法を提供することである。
第1の態様では、本発明はタイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールを取得するためのハンドヘルド装置を提供する。この装置は、開口を有するベースと、使用時に光の細長いパターンを生成し、そのパターンを開口を通してタイヤの転動面に投影するように構成された光源と、タイヤの転動面の領域を撮像するための検出器と、ベースに装着されたそれぞれの車軸に取り付けられた複数対のガイドホイールであって、隣接する車軸上のガイドホイール同士がギヤによって連結されている、複数対のガイドホイールと、車軸の回転に対応する信号を生成するように構成されたロータリエンコーダと、を備える。
第2の態様では、本発明はハンドヘルド装置を用いてタイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールを生成するためのデータを取得する方法を提供する。この方法は、光の細長いパターンを生成し、そのパターンをハンドヘルド装置のベースの開口を通してタイヤの転動面上に投影し、タイヤのその転動面の領域を撮像し、装置を、ベースに装着されたそれぞれの車軸に取り付けられた複数対のガイドホイールであって、隣接する車軸上のガイドホイール同士がギヤによって連結された複数対のガイドホイールで、タイヤの転動面上を移動させ、ロータリエンコーダを使用して車軸の回転に対応する信号を生成する、ことを含む。
したがって、本発明によれば、装置とタイヤの間の相対移動を判定するためのロータリエンコーダを使用する装置と方法により、タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールが得られることが、当業者にはわかるであろう。
検出器は、タイヤの転動面から反射された投影パターンの少なくとも一部分を撮像するように配置されてよい。検出器は、CMOS検出器、CCD検出器、又はタイヤの転動面から反射するレーザ光の撮像に適した他の任意の検出器であってよい。
細長い形状の光をタイヤの転動面に投影し、その表面領域を撮像することで、その領域でのタイヤの表面トポロジ(例えばタイヤの深さ/高さプロフィール)を測定可能とする。
より具体的には、細長い形状の光をタイヤの転動面に投影し、タイヤの転動面から反射する投影パターンの少なくとも一部を撮像することで、その領域でのタイヤの表面トポロジ(例えばタイヤの深さ/高さプロフィール)を測定可能とする。
いくつかの実施形態において、細長い形状の光は線状の光であり、検出器はタイヤの転動面上に投影された線状の光の少なくとも一部を撮像するように配置される。生成された線と撮像された線状パターンは、例えば、撮像された線状パターンと生成された線との間の変位及び/又は不連続性(これは典型的には投影された光ビームが溝又は突起上に入射する領域において発生する)の程度を検査することにより、歪ベースの表面深さ測定を可能とする。勿論、他の細長い形状の光もこのような歪ベースの表面深さ測定に使用可能であるが、単純な直線は、タイヤの深さ/高さの与えられた変化に対する良好な歪/不連続性から正確な深さ測定を提供可能とするとともに、必要とされる画像処理が単純化されるために有利である。
ベース上に取り付けられた複数対のガイドホイールにより、タイヤ表面に沿う装置の移動をより容易とする。具体的には、タイヤ表面に沿って回転させることで、ガイドホイールはタイヤ表面の突起及び溝の上を装置がより容易に移動できるようにする。さらに、ベースをタイヤ表面から離間させることで、ガイドホイール配置は、ベースがバンプや溝につかまり、それによって撮像誤差を生じることを防止する。こうして、ガイドホイールはさらに装置がタイヤ表面をより容易に移動することを助け、同時に撮像誤差及びそれに続く歪ベースの表面深さ測定の誤差を最小化することを助ける。
当業者には理解されるように、車軸及びそれに対応するガイドホイールは装置がタイヤの転動面上を移動する距離に比例する量だけ回転する。すなわち、車軸の360度の回転は、ガイドホイールの外周(例えば10cm)に等しい量だけ装置を移動させる。勿論、異なる車軸上のホイールは異なる直径であってよい。
少なくとも1つのガイドホイールは、ロールベアリング、ボールベアリング又はピニオンベアリングなどのそれぞれのホイールベアリングを介して各車軸に取り付けられてよい。好ましくは、ガイドホイールのそれぞれは、それぞれのホイールベアリングを介してそれぞれの車軸に取り付けられる。ホイールベアリングは、ガイドホイールが車軸の周りをより自由に回転することを可能とし、またハンドヘルド装置100がタイヤ表面上を転動するときにガイドホイールの粘着を防止する。このようにガイドホイールの粘着を防止することで、ギヤの連結部(及び隣のホイール)が動かなくなることもない。さらに、ホイールベアリングは、ガイドホイールアセンブリの間に侵入する塵に対してガイドホイールの回転がより耐性を持つようにさせることが分かっている。
いくつかの実施形態において、ガイドホイールはホイールベアリングに取り外し可能に取り付けられる。これに追加又は代替して、ホイールベアリングは車軸に取り外し可能に取り付けられてもよい。こうして、ガイドホイール/ベアリングは容易に取り外し、及び交換/保守することが可能である。
ロータリエンコーダを配置して車軸の回転に対応する信号を生成することで、装置が移動した距離を測定することが可能である。こうして、装置はタイヤ表面に沿って移動した距離を、撮像データと共に出力することができる。撮像データと共に移動距離を提供することで、タイヤの表面トポロジ(例えばタイヤの深さ/高さプロフィール)の情報を特定の位置にマッピングすることが可能となり、これがタイヤの三次元ト位相幾何学的表面プロフィールの生成を可能とする。以下でさらに詳細を説明するように、データは遠隔解析のために装置からエクスポートされてもよい。あるいは装置そのものが3D表面プロフィールを生成するようになっていてもよい。
ロータリエンコーダが、車軸の回転に対応する信号を生成するように配置される。そうするためにロータリエンコーダは車軸に直接連結されてもよいし、あるいは代わりに車軸に連結されたガイドホイールに直結されてもよい。
ロータリエンコーダは車軸又はガイドホイールの1回転ごと、又は部分回転ごとに信号を生成するようになっていてもよい。言い換えると、1回転ごとに1つの信号、又は複数の信号を生成してもよい。
所望によっては、装置には第2のロータリエンコーダがあって、第2のロータリエンコーダは違う車軸の回転に対応する信号を生成するようになっていてもよい。この場合には、装置は2つの異なる車軸を表す信号を組み合わせて、例えばそれを平均化するようになっていてもよい。これはエラー低減に役立つ。
このタイプの装置が、突起、表面の窪み、タイヤの側壁領域およびその他のそのような湾曲領域を移動することに関して本出願人が確認した潜在的な難しさは、ガイドホイールのあるものが装置の移動中にタイヤ表面との接触を失う可能性があるということである。ただし、本発明に従って隣接する車軸上のガイドホイール同士をギヤで連結すれば、ガイドホイールのどれか1つが回転すれば連結されたガイドホイールは回転するので、この問題並びに結果的に生じる誤差を含んだ移動データを回避することが可能である。このことは、車軸に結合されたガイドホイールがタイヤ表面との接触を失ったとしても、ロータリエンコーダはその車軸の回転に対応する信号を生成することができることを含む、多くの利点を提供する。このように、装置は、例え車軸に結合されたガイドホイールがタイヤ表面との接触を失ったとしても、装置の移動距離を監視可能であり、より信頼性のある三次元位相幾何学的表面プロフィール測定をもたらす。
本発明の別の態様から見ると、隣接する車軸上のガイドホイールをギヤで連結するのではなく、例えばチェーンアセンブリなどの別の連結アセンブリによってガイドホイールを集合的に一緒に回転させてもよい。チェーンアセンブリは、各車軸に配置されたスプロケットと、各スプロケットを互いに連結する1つ以上のチェーンとを含んでよい。追加又は代替として、チェーンアセンブリは、各ガイドホイールを互いに連結する1つ以上のキャタピラ軌道を備えてもよい。
所望により、装置がタイヤ表面上を移動する間の安定性を向上させるために、第1のガイドホイール対をベースの第1端部に取り付け、第2のガイドホイール対をベースの第2端部に取り付けてもよい。このようにして安定性を向上させることで、装置がベースの第1端部と第2端部の間に取り付けられたガイドホイールの周りで揺動することも防止される。揺動があれば撮像時に投影される光のパターンがゆがみ、それによって歪ベースの表面深さ測定に誤差が生じるので、これは利点である。
ガイドホイールはベースの長さに平行になるように配置されてよい。ここでベースの長さとはベースの最大の次元のことである。
車軸は互いに平行に配置されてよい。
開口は車軸に平行に配置されてよい。これとは別に、開口が隣接する車軸に対して鋭角で配置されてもよい。
追加又は代替として、開口は隣接する車軸の間に位置してもよい。有利なことにこれにより、光源とタイヤの転動面の間の投影光路、及びタイヤの転動面と検出器との間の反射(すなわち結像)光路が車軸と各ガイドホイールとで遮蔽されないようになる。
検出器は開口越しにタイヤの転動面の一領域を撮像することができる。こうして、検出器はタイヤ表面で反射されて開口を通過する投射光を集めることによって、タイヤの転動面の領域を撮像するようにされる。
一組の実施形態では、複数対のガイドホイールが車軸に垂直な方向に延びる凹状の円弧形に配置される。
複数対のガイドホイールを車軸に垂直な方向に延びる凹状の円弧形に配置することで、装置をタイヤの湾曲した外周などの曲面により良好に合わせることができる。具体的には、タイヤの外周の周りを、又は側壁から側壁へ幅を横切って装置を移動するとき、有利なことにこの配置は、少なくとも2つの隣接する車軸上のガイドホイールをタイヤ表面に直接接触した状態にとどまれるようにできることを発明者らは見出した。こうして、有利なことにこの配置がガイドホイールがタイヤ表面との接触を失う可能性を低減する。
前述したように、装置は別の所での遠隔解析のためにデータを作成することもできるが、一組の実施形態においては、ハンドヘルド装置が、タイヤの転動面の画像から得られるデータとロータリエンコーダにより生成される信号とを使用してタイヤ表面の三次元位相幾何学的表面プロフィールを生成するように構成された、少なくともと1つのプロセッサを備える。対応する実施形態の組においてこの方法は、タイヤの転動面の画像から得られるデータとロータリエンコーダにより生成される信号とを使用して、タイヤ表面の三次元位相幾何学的表面プロフィールを生成することを含んでもよい。
具体的には、少なくとも1つのプロセッサが、検出器からの画像データとロータリエンコーダにより生成される信号とを用いて、タイヤ表面の三次元位相幾何学的表面プロフィールを生成するように構成されてもよい。
プロセッサはさらに、ロータリエンコーダにより生成される信号の方向性を解析することによりタイヤの側壁を識別して、タイヤの外端及び内端の位置を判定するように構成されてもよい。より具体的には、タイヤの端に到達して、ユーザが方向を反転するとき、装置はこれを端部として記録し、後続の画像データをそれに従って処理してもよい。追加又は代替として、タイヤの側壁は、取得された画像データそのものに基づいて識別されてもよい。例えば、取得された画像データから、タイヤの三次元表面トポロジと、その中にタイヤの湾曲した側壁領域とを判定することが可能であってもよい。
したがってこの方法には、ロータリエンコーダにより生成された信号の方向性を解析することによりタイヤの側壁を識別し、タイヤの外端と内端の位置を決定することも含まれてよい。
ロータリエンコーダは、例えば光学式、マイクロスイッチ式、磁気誘導式などの任意の都合のよい形態をとってもよい。ただし一組の実施形態ではロータリエンコーダは磁気エンコーダである。所望によっては、磁気エンコーダは装置の密閉筐体に配置され、例えば1つ以上の磁石が密閉筐体の外の、ギヤ、車軸、ホイールなどに付与される。
例えば所望により、1つ以上の磁石が、磁気エンコーダの少なくとも一部に対向するガイドホイールの内面に付与されてもよい。
磁気式ロータリエンコーダは磁場の閾値が検出されるたびに信号を出力するようになっている。
いくつかの実施形態において、投影された光のパターンは、装置がガイドホイール上を転動するときに装置の移動方向を横切る方向に向けられる。
いくつかの実施形態において、開口はベースの中央に位置する。
いくつかの実施形態においてハンドヘルド装置は、例えばスキャンが完了したこと、又は未完了であること、あるいはスキャン領域から不十分な又は品質の悪いデータが取得されたことを示す、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的フィードバックを提供するように構成された、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的指示器を備える。このように装置は、装置又はスキャンの状態について直感的な指示器をユーザに提供する。
いくつかの実施形態において、ベースをヒンジを介して装置の筐体に接続し、ベースを回転させて装置から離して開口を露出させることができるようにしてもよい。このように、装置は開口、光源及び/又は検出器に迅速にアクセス可能であってよい。タイヤの表面は汚れていることが多く、そのような汚れは開口、光源及び/又は検出器から除去してタイヤとの間の光路の遮蔽を防がなくてはならないので、このことは有利である。そのような実施形態におけるベースと筐体は、クリップなどの迅速解放機構によって閉鎖構成に保持されると有利である。
いくつかの実施形態において、開口に隣接する、車軸を連結するギヤは、開口を収容するために他のギヤに対してずれて配置されてもよい。
ハンドヘルド装置は、例えば装置並びにプロセッサ及び/又はロータリエンコーダなどの構成部品に電力を供給する電池を備えてもよい。装置は、ロータリエンコーダから信号が受信されないときは、低電力モード又はスリープモードに入るように構成されてもよい。このようにしてスリープモード又は低電力モードに入ることにより、装置はエネルギ効率がよりよくなり、電池交換を必要とするまでにより長く使用され得る。
いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、無線アクセスポイントなどの外部装置へ接続するための無線トランシーバを備える。このようにして、装置は外部装置に容易に通信して、測定データ(例えば検出器により取得された画像データ及びエンコーダにより生成された信号データ)、及び/又は処理済みの測定データを外部装置へ提供してもよい。例えば、無線トランシーバは、装置が生成した画像データ及びエンコーダ信号を、コンピュータ端末、又はクラウドベースのネットワークへ提供して、タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールの生成を可能にできる。こうして、複雑な画像処理プロセッサを遠隔配置して遠隔から電力供給をし、その結果としてハンドヘルド装置のエネルギー効率をより高くして、よりコンパクトにすることが可能である。
無線トランシーバは、Wi−Fiトランシーバ又は、Bluetooth(登録商標)トランシーバ、ZigBee(登録商標)トランシーバ、又は赤外線トランシーバなどの他の短距離トランシーバであってよい。
ハンドヘルド装置は、外部装置と直接接続(ピアツーピア接続など)を確立するように構成されてもよい。この場合、直接接続することで、ハンドヘルド装置と外部装置とが、ネットワークルータやインターネットへの接続なしに(例えば測定データ及び/又は処理済みの測定データを共有するために)直接通信可能となることが理解されるであろう。これは、そのようなインターネット/ネットワーク接続ができない状況でタイヤをスキャンするのに有益である。ただし、追加又は代替として、ハンドヘルド装置はローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を介して外部装置と通信するように構成されてもよい。この場合には、LAN/WANは、直接接続(直接のBluetooth(登録商標)接続など)に比べてはるかに長距離にわたって外部装置と通信可能となる。
いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置はタイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールを受信して格納してもよい。タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールは、ハンドヘルド装置が取り込んで、遠隔でタイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールを生成するために送信した測定データ(例えば画像データ及びエンコーダが生成した信号データ)に対応してもよい。
いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は生成されたタイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールを表示するためにモニタ又はスマートフォンなどのディスプレイユニットに通信してもよい。
ハンドヘルド装置は、プロセッサ及びコンピュータ実行可能命令を格納するためのメモリを備えてもよい。プロセッサはコンピュータ実行可能命令を実行してもよい。実行されるコンピュータ命令は、ハンドヘルド装置に測定データ及び/又は処理済みの測定データを外部装置へ送信するように指示してもよい。追加又は代替として、ハンドヘルド装置はプロセッサと、プロセッサとは切り離された専用ハードウェア論理ゲートを備えてもよい。ハードウェア論理ゲートは、測定データ及び/又は処理済みの測定データを外部装置へ送信するように構成されてもよい。
外部装置は、ハンドヘルド装置から受信したデータ(例えば測定データ)に基づいてタイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールを生成するように構成されてもよい。
追加又は代替として、外部装置は、ハンドヘルド装置から受信したデータ(例えばスキャンしたタイヤに関する測定データ)に基づいて、タイヤのホイールアライメント情報を決定するように構成されてもよい。ホイールアライメント情報は、参照の固定フレームに対する(例えば車両の車軸又は平坦な地面に対する)タイヤのアライメントを示してもよい。いくつかの好適な実施形態において、ホイールアライメント情報(本明細書においてはタイヤアライメント情報とも称す)は、生成されたタイヤの3D表面プロフィールに基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態において、ホイールアライメント情報は、タイヤの転動面の中央と、タイヤの一方/両方の側壁との間の相対的なトレッド深さに基づいて決定されてもよい。
外部装置は、ホイールアライメント情報をタイヤの最適ホイールアライメント設定値と比較するように構成されてもよい。この比較に基づいて、外部装置はタイヤのアライメントをその最適なホイールアライメント設定値に調節するための1つ以上の修正値を出力(例えば表示)してもよい。最適なホイールアライメント設定値は、所定のものであり、また所望によっては、タイヤのメーカ、タイヤのサイズ、タイヤの年数、タイヤの摩耗状態、及びそのタイヤが装着されている車両のタイプ/状態に基づいたものであってよい。最適なホイールアライメント設定値は、外部装置にローカルに格納されてもよいし、あるいは外部装置が外部データベースから最適なホイールアライメント設定値を検索するように構成されてもよい。
追加又は代替として、外部装置はハンドヘルド装置から受信したデータに基づいてタイヤの膨張情報を決定するように構成されてもよい。タイヤの膨張情報は、タイヤの膨張レベルを示してもよい。いくつかの実施形態において、タイヤの膨張情報は、生成されたタイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールに基づいて決定される。例えば、タイヤの膨張情報は、タイヤの転動面の中央と、タイヤの一方/両方の側壁との間の3D表面プロフィールにおける相対的なトレッド深さに基づいて決定されてもよい。
外部装置は、タイヤの膨張情報をタイヤの最適膨張設定値と比較するように構成されてもよい。この比較に基づいて、外部装置はタイヤの膨張をその最適な膨張設定値に調節するための1つ以上の修正値を出力(例えば表示)してもよい。最適な膨張設定値は、所定のものであってよい。また所望によっては、タイヤのメーカ、タイヤのサイズ、タイヤの年数、タイヤの摩耗状態、及びそのタイヤが装着されている車両のタイプ/状態に基づいたものであってよい。最適な膨張設定値は、外部装置にローカルに格納されてもよいし、あるいは外部装置が外部データベースから最適な膨張設定値を検索するように構成されてもよい。
外部装置は追加又は代替として、タイヤ膨張情報とそのタイヤの最適膨張設定値との比較に基づいて、測定されたタイヤが膨張不足か又は膨張過剰かの指標を出力(例えば表示)してもよい。
追加又は代替として、外部装置は、ハンドヘルド装置から受信したデータに基づいて、停止距離情報を判定するように構成されてもよい。好ましくは、外部装置は、車両の停止距離と受信したトレッド深さ測定値との間の所定の相関に基づいて、停止距離を判定するように構成される。所定の関係は、英国ゴム製造者協会(British Rubber Manufacturers Association)(BRMA)によって2003年、又は本発明の出願時以前の他の任意の時に発見されたような、トレッド深さと停止距離の間の経験的な関係に対応するものであってよい。図9は停止距離の判定に使用され得る、トレッド深さと停止距離の間の経験的に見いだされた関係の一例を示す。
いくつかの実施例において、測定されたトレッド深さと停止距離の間の所定の関係は次式で与えられる。

ここで、
totalは停止距離、
p−rは反応/考慮距離、
brakingは制動距離、
Vは車両速度、
p−rは反応時間、
μは摩擦係数であって測定されたトレッド深さに依存、
gは重力定数
である。
一般的に、μはトレッド深さと共に低下する。μとトレッド深さの間のこの関係は、線形又は非線形であり得る。好ましくは、Olsonらによる、the National Cooperative Highway Research Program report 505,2003,pf46.に定義されるような非線形関数である。
Vとtp−rは、それぞれ所定の値又は所定の値域に対応する。後者の場合、停止距離は、車両速度の範囲及び/又は測定されたトレッド深さに基づく反応時間に対して算出され得る。
測定されたトレッド深さは、1つのタイヤ又は複数のタイヤから得られるトレッド深さに対応し得る。好ましくは、一組の測定されたタイヤの中の最も摩耗したタイヤのトレッド深さの測定値が、停止距離情報の判定に使用される。ただしいくつかの場合において、測定されたトレッド深さは、1本のタイヤ又は複数のタイヤの一領域に亘る平均トレッド深さ測定値に対応してもよい。
好ましくは外部装置は、ハンドヘルド装置から受信したデータと、ハンドヘルド装置から受信したデータに基づいて判定/生成されたデータ、の1つ以上を出力(例えば表示)するように構成される。
他の実施形態では、ハンドヘルド装置が、測定データ(例えば画像データとエンコーダにより生成された信号データ)の処理に使用されるか、処理するように構成されて、タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィール、車輪のアライメント情報、タイヤの膨張情報及び停止距離情報の内の1つ以上を判定する。判定/生成されたデータは外部装置に処理済みの測定データとして提供されてよい。
したがって一般的に、本明細書の方法は、タイヤの転動面の画像から取得されるデータとロータリエンコーダにより生成される信号とを使用して、タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィール、車輪のアライメント情報、タイヤの膨張情報及び停止距離情報の内の1つ以上を判定することがわかるであろう。
例えば、本明細書でのいくつかの方法は、タイヤの転動面の画像から取得されるデータとロータリエンコーダにより生成される信号を外部装置に通信し、外部装置を使用してタイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィール、車輪のアライメント情報、タイヤの膨張情報及び停止距離情報の内の1つ以上を判定する、ことを含む。あるいは、本明細書の方法は、ハンドヘルド装置を使用してタイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィール、車輪のアライメント情報、タイヤの膨張情報及び停止距離情報の内の1つ以上を判定することを含む。
いくつかの実施形態において、タイヤに関する情報(これはハンドヘルド装置によって既に測定されたか、又はこれから測定される)、及び/又はそのタイヤに関連する車両に関する情報は、ハンドヘルド装置及び/又は外部装置によって受信されてよい。車両情報には、その車両に装着されるタイヤの種類、車両のメーカ、モデル及び年式などの情報が含まれてよい。タイヤ及び/又は車両の情報には、タイヤの最適アライメント設定値及び膨張設定値などの最適データが含まれてよい。車両及び/又はタイヤ情報には、追加又は代替として、特定の種類と設定値のタイヤが装着されたときの車両の停止距離に関する情報が含まれてもよい。例えば、停止距離に関する情報には、特定の種類のタイヤを有する車両の所定の停止距離が、この停止距離のトレッド深さによる変化に関する情報と共に含まれてもよい。
ハンドヘルド装置及び/又は外部装置は、タイヤ及び/又は車両情報を提供するためのデータ入力手段が含まれてもよい。データ入力手段は、タッチ装置(例えばキーボード又はタッチスクリーン)、シリアル入力装置(例えばUSB入力装置)又は無線入力装置であってよい。
いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置又は外部装置は、データ入力手段としてカメラを備えてもよい。カメラは車両の登録プレートを撮像するように構成されてよい。ハンドヘルド装置又は外部装置は、自動登録プレート認識(ANPR)アルゴリズムを用いて、画像から車両の登録プレート番号を判定するように構成されてもよい。そのようなANPRアルゴリズムは当分野では知られている。ハンドヘルド装置又は外部装置は、車両の登録プレート番号に基づいて車両情報及び/又はタイヤ情報を検索するように適合されてもよい。例えば、ハンドヘルド装置又は外部装置は、車両の登録プレート番号に関連する車両情報及び/又はタイヤ情報をローカルメモリから検索してもよいし、あるいはその情報を外部データベースから検索してもよい。
外部装置及び/又はハンドヘルド装置は、上記の任意の1つ以上の判定に使用するために(例えばタイヤの膨張情報の判定に使用するために)測定データ(又は処理済みの測定データ)を、車両情報及び/又はタイヤ情報と共に使用するように構成されてもよい。
したがって、一般的に本明細書に記載の方法は、車両の登録プレートを撮像し、画像に基づいて車両の登録プレートを識別し、識別された車両の登録プレートに基づいて車両情報及び/又はタイヤ情報を検索し、検索情報を使用してタイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィール、車輪のアライメント情報、タイヤの膨張情報及び停止距離情報の内の1つ以上を判定する、ことをさらに含むことがわかる。
いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置はガイドレールに沿って移動するように構成された手段を備える。例えばハンドヘルド装置は、ガイドレールに沿って並進移動するために、ガイドレールに沿って摺動するように構成された接触面を備えてもよい。接触面はガイドレールに直接接触してよい。そして所望により潤滑剤を含んでもよい。追加又は代替としてハンドヘルド装置は、ハンドヘルド装置をガイドレールに沿って摺動させるために、ガイドレールに摺動可能に取り付けられるように構成されたピニオンギヤ(モータ駆動されてよい)を備えてもよい。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置のホイールはガイドレールに沿って回転してもよい。
ガイドレールは1つのタイヤ又は積層された複数のタイヤの表面に嵌まるように配置されてよい。後者の場合、積層されたタイヤはそれぞれ他のタイヤの上に積層された複数のタイヤから成り、タワーを形成してよい。好ましくは、ガイドレールは外側に延びるフランジを備える。フランジは、その間に1つのタイヤ又は複数の積層されたタイヤが嵌まるように間が離れていてもよい。好ましくは、フランジは積層されたタイヤの最外側のタイヤを把持して、ガイドレールを積層したタイヤにしっかりと取り付けるようになっている。これに代わり、フランジは1つのタイヤの外側面を把持してもよい。
いくつかの構成において、ガイドレールは直線的である。こうして、ハンドヘルド装置をガイドレールに沿って移動させることで、ハンドヘルド装置の直線移動が与えられる。ただし所望により、ガイドレールが湾曲部を含んでもよい。湾曲部は少なくとも1つのタイヤの側壁上で湾曲する。そうしてガイドレールの湾曲部がタイヤ側面のスキャニングを改善する助けとなる。
ハンドヘルド装置はレールに移動可能に取り付けられてよく、好ましくはレールから取り外すことができる。使用時には、ハンドヘルド装置はガイドレールに沿って摺動/移動させられて、1つのタイヤ又は積層したタイヤの転動面上を移動してもよい。レールに沿ってハンドヘルド装置を摺動/移動させることで、フリーハンドのスキャニングに比べてより正確な直線スキャニングを提供することができる。こうして、本明細書に記載の方法は、ガイドレールをタイヤの転動面に対して固定した関係で配置し、ハンドヘルド装置がタイヤの表面上を移動するとき、装置をガイドレールに沿って移動させる、ことをさらに含んでよい。
次に、本発明の特定の実施形態を添付の図面を参照して、単なる例示として説明する。
本発明の一実施形態によるハンドヘルド装置の長さ方向の断面図である。 図1のハンドヘルド装置のガイドホイールアセンブリの斜視図である。 ホイールベアリングを備えるガイドホイールアセンブリの配置を示す図である。 筐体からヒンジで開いたときの、図2のガイドホイールアセンブリの斜視図である。 静止した車両のタイヤ幅を横断して、その場で三次元位相幾何学的表面プロフィール測定を行うために使用中の、図1のハンドヘルド装置の概略図である。 タイヤの周囲の一部の周りで、三次元位相幾何学的表面プロフィール測定を行うために使用中の、図1のハンドヘルド装置を示す図である。 本発明の一実施形態によるハンドヘルド装置と通信する外部装置を備えるシステムの図である。 車両の登録プレートを撮像するときの、図6の外部装置とハンドヘルド装置を示す図である。 ハンドヘルド装置がガイドレールに沿って摺動するように配置された、本発明の一実施形態によるハンドヘルド装置の斜視図である。 図8aのハンドヘルド装置とガイドレールの側面図である。 図8aのハンドヘルド装置とガイドレールの拡大図である。 本発明の一実施形態により測定されたタイヤの停止距離を判定するために使用され得る、停止距離とトレッド深さの関係の一例を示す図である。
添付の図1〜図3を参照すると、ハンドヘルド装置100が磁気ロータリエンコーダアセンブリ110、レーザ光源120、検出器130、導光アセンブリ140、上部筐体70、底部筐体175及びガイドホイールアセンブリを備える。
図2でよくわかるように、ガイドホイールアセンブリには6つのガイドホイール対がある。各ガイドホイール対は、2つの対向する端部を有する車軸220と、車軸220の各端部に堅固に取り付けられたガイドホイール210と、車軸220の長さに沿った中間に配置された車軸ギヤ240を備える。図2aで最もよくわかるように、所望により各ガイドホイール対のガイドホイール210は、それぞれのホイールベアリング201を介して車軸220に取り付けられてよい。
ガイドホイールアセンブリはまた、横方向の観測窓250と縦方向の谷部260とを有するベース200を備えている。図2に示すように、谷部260はベース200の幅方向の中間に位置して、ベース200の長さ方向に延在している。観測窓250はベース200の中央に位置して、ベース200を前半領域200aと後半領域200bとに分離する(前と後の指定は特に意味がない)。ベース200の前半領域200aに3対のガイドホイールが等間隔で回転可能に取り付けられている。別の3対のガイドホイールがベース200の後半領域200bに等間隔で回転可能に取り付けられている。各ガイドホイール対の車軸ギヤ240は谷部260に回転可能に配置されている。ハンドヘルド装置100がタイヤ表面に沿って移動するとき、ガイドホイール対はそれぞれの回転可能台上で回転する。
ガイドホイールアセンブリはまた、隣接する車軸ギヤ240同士を噛合わせるために谷部260に回転可能に取り付けられた、内部結合ギヤ245も備えている。
ベースの後部領域200bにおいて噛合した内部結合ギヤ245と車軸ギヤ240とが、後部領域ギヤトレーン(本明細書では後部領域トランスミッションと呼ぶこともある)を形成する。後部領域ギヤトレーンは、内部結合ギヤ245と車軸ギヤ240の間でトルクを伝達して後部領域ガイドホイール対同士を連結し、いずれか1つのガイドホイール対が回転するとすべてを同一方向に同一速度で回転させるようにすることは理解されるであろう。言い換えれば、例えば後部領域ギヤトレーンは後部領域ガイドホイールの任意の1対の回転を、後部領域200bの他のガイドホイール対に伝達する。
同様に、ベースの前部領域200aにおいて噛合した内部結合ギヤ245と車軸ギヤ240とが、前部領域ギヤトレーン(本明細書では前部領域トランスミッションと呼ぶこともある)を形成する。前部領域ギヤトレーンは、内部結合ギヤ245と車軸ギヤ240の間でトルクを伝達する。こうして前部領域200aガイドホイール対同士を連結し、前部領域200aのいずれか1つのガイドホイール対が回転するとすべてもまた同一方向に同一速度で回転するようになる。
ガイドホイールアセンブリはまた、前部ギヤトレーンを後部ギヤトレーンに連結するための、外部結合ギヤ270aと2つのガイドホイールギヤ215a、215bも備える。ガイドホイールギヤ215a、215bはガイドホイール210a、210bの外側面に取り付けられ、これは図2に示すように観測窓250の右端面に隣接している。外部結合ギヤ270aはベース200に回転可能に取り付けられ、隣接するガイドホイールギヤ215a、215bに互いに噛合する。噛合した外部結合ギヤ270aとガイドホイールギヤ215a、215bは右側外部ギヤトレーン(本明細書では右側外部トランスミッションと呼ぶこともある)を形成する。右側外部ギヤトレーンは、前部領域200aガイドホイール対を後部領域200bガイドホイール対に連結し、上部領域200a又は底部領域200bのガイドホイール対のいずれか1つが回転すると、右側外部ギヤトレーン、前部領域ギヤトレーン及び後部領域ギヤトレーンのすべてを一緒に同じ方向に同じ速度で回転させるようになっていることは理解されるであろう。すなわち、右側外部ギヤトレーンが、前部ギヤトレーンと後部ギヤトレーンとの間の回転を伝達してすべてのガイドホイール対を一緒に回転させることが理解されるであろう。
これに追加又は代替して、ガイドホイールアセンブリは、観測窓250の左端面(観測窓の左端面は観測窓の右端面に直接対向している)に隣接する、ガイドホイール210c、210dの外側面上に取り付けられたガイドホイールギヤ215c、215dと共に第2の外部結合ギヤ270bを備えてもよい。第2の外部結合ギヤ270bはベース200に回転可能に取り付けられ、隣接するガイドホイールギヤ215c、215dに互いに噛合する。噛合した外部結合ギヤ270bとガイドホイールギヤ215c、215dは左側外部ギヤトレーン(本明細書では左側外部トランスミッションと呼ぶこともある)を形成する。左側外部ギヤトレーンもまた、前部領域200aガイドホイール対と後部領域200bガイドホイール対とを連結して、前部領域200aと後部領域200bのガイドホイール対のいずれか1つのガイドホイール対が回転すると3つのギヤトレーンのすべてが同一方向に同一速度で回転するようになることは理解されるであろう。
上記のようにガイドホイール対を一緒に回転させることによりいくつかの利点が得られ、例えば、隆起、窪み、側壁の縁及びタイヤの湾曲面などの扱い難い表面上を、個別に回転するガイドホイール対の場合に比べて装置をより容易に移動させることが可能とする。そのほかにこの特徴により、1つのガイドホイール対が回転するときは必ずすべての車軸が確実に回転することになり、後で詳細を述べるようにハンドヘルド装置100がどれだけの距離を走行したかを信頼性良く判定できる利点がある。
右側外部ギヤトレーンと、所望による左側外部ギヤトレーンの更なる利点は、この配置がレーザ光源120とタイヤの間の光路125、及びタイヤと検出器130の間の光路135を妨害しないことである。言い換えると、外部ギヤトレーン(すなわち、右側外部ギヤトレーン及び/又は左側外部ギヤトレーン)を前部ギヤトレーンと後部ギヤトレーンとに互いに連結して配置することで、車軸220、車軸ギヤ240、内部結合ギヤ245、ガイドホイール210、ガイドホイールギヤ215a、215b、外部結合ギヤ270a、270bのいずれも観測窓250で画定される領域を妨害しない。
磁気ロータリエンコーダアセンブリ110が、前部ガイドホイール対の車軸ギヤ240aと噛合するエンコーダギヤを備えている。前部ガイドホイール対は、ベース200の前部領域200aにおけるガイドホイール対に対応し、これは観測窓250から最も遠いところにある。
エンコーダギヤは最前部のガイドホイール対の回転と共に回転するようになっている。ただし、最前部のガイドホイール対は前述したように他の5つのガイドホイールと共に回転するようになっているので、エンコーダギヤは他の5つのガイドホイール対のいずれの1つの回転とも一緒に回転するようになっていることが理解されるであろう。
ロータリエンコーダアセンブリ110はまた、エンコーダギヤ上に位置する1つ以上の磁石(図示せず)と、磁場検出器とを備える。1つ以上の磁石と磁場検出器は、それらの間の磁場の重なりのピークが、ロータリエンコーダの1回転又は部分的回転ごとに少なくとも1回起きるように配置される。磁場の重なりのピークが起きるたびに、磁石式ロータリエンコーダアセンブリ110は信号を生成する。この信号により、エンコーダギヤが回転を始めてからの、あるいは特定の時刻からの、エンコーダギヤの全回転又は部分回転の累積回数をプロセッサが判定可能となる。前部ガイドホイール対の回転を測定し、対応する信号を与えるのに、磁石式ロータリエンコーダの代わりに、他のロータリエンコーダアセンブリが使用されてもよいことはもちろん理解されるであろう。
ロータリエンコーダアセンブリ110はこの信号をハンドヘルド装置100内にあるプロセッサ190へ送信する。プロセッサ190は内部クロックで計時されて、信号と、信号が生成されるたびにハンドヘルド装置100が一定量移動するという事実とに基づいて、ハンドヘルド装置100の移動量を判定する。判定された距離は、ハンドヘルド装置の移動中に検出器130で得られた画像データ(すなわちサンプルデータ)とともに、メモリユニット185に格納される。画像データの取得については後でより詳細を議論する。プロセッサ190が、判定された距離を検出器130からの画像データと共に利用して理想化されたタイヤモデル上に画像データをマッピングし、ハンドヘルド装置によって撮像されたタイヤ表面の三次元表面プロフィール画像を生成する。生成された画像は、プロセッサ190からモニタ又はスマートフォンなどの表示ユニットに送られて表示されてもよい。後で詳細を議論するように、所望によってはプロセッサ190が、画像データとロータリエンコーダにより生成された信号とに基づいてホイールのアライメント情報、タイヤの膨張情報、停止距離情報の1つ以上を判定してもよい。追加又は代替として、ロータリエンコーダアセンブリ185は無線トランシーバなどの入出力インタフェースを備えてもよい。図6に示すように入出力インタフェースは、ロータリエンコーダアセンブリ110で生成された信号を検出器130で生成された画像データ(すなわちサンプルデータ)と共に、ハンドヘルド装置100から遠隔にある外部装置400(例えばコンピュータ端末又はスマートフォンなどのモバイル装置)内の外部処理手段へ通信してもよい。いくつかの実施例において、外部処理手段がタイヤ表面の三次元表面プロフィール画像を生成して表示し、所望によってはそれを格納するためにハンドヘルド装置100に送ってもよい。好ましくは、ハンドヘルド装置100の入出力インタフェースがP2P接続300又は他の直接接続を介して外部装置400と通信する。ただし、これに代わって入出力インタフェースは、ネットワーク310−例えばローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)−を介して外部装置400と通信してもよい。
後でより詳細を議論するように、所望によっては外部装置400もまた、車輪のアライメント情報、タイヤの膨張情報及び停止距離情報の1つ以上をハンドヘルド装置100から受信した、画像データ及びロータリエンコーダ信号データに基づいて判定してもよい。前に述べたように、画像データ及びロータリエンコーダ信号データは、ハンドヘルド装置100によって取得された測定データの一部を構成する。図1と図3に示すように、ベース200は底部筐体175にヒンジコネクタ160及びクリップコネクタ150を介して接続されている。ヒンジコネクタは、図3に示すようにクリップコネクタ150が解放されているとき、底部筐体175から回転して開くことが可能である。ベースを底部筐体175から回転して開くことにより、ベース200内に画定された観測窓250と底部筐体175内に画定されたアクセス開口180への清掃及びメンテナンスのためのアクセスが容易となる。底部筐体175に画定されたアクセス開口180は十分に大きくて、そこにある構成部品の清掃及びメンテナンス(光軸合わせなど)のために、導光アセンブリ140と、所望によりレーザ光源120及び/又は検出器130へのアクセスが可能である。
照射アセンブリ140は、レーザ光源120からの光を受信し、それをパウエルレンズ(Powell lens)145を通して細長い形状のレーザ光とする。照射アセンブリ140は、装置100からの細長い形のレーザ光を、アクセス開口180と観測窓250を通して投影するようにもなっている。照射アセンブリ140から細長い形状のレーザ光が投影される光路125は、使用時に細長い形状のレーザ光がタイヤ表面(又は装置100の下にある他の任意の面)上に、装置100の移動方向には平行でない角度で入射するようになっている。
検出器130は、光路135に沿ってタイヤ表面に投影された細長い形状のレーザ光によってタイヤ表面を撮像するようになっている。光路135は光路125とは分離されて、タイヤ表面に対して光路125が形成するのとは異なった角度の光路を形成する。検出器は内部クロックに同期されて、例えば0.1秒ごとなどの固定周期により画像データ(すなわちタイヤ表面に投影された細長い形状のレーザ光)をサンプリングする。あるいは、検出器は、例えばハンドヘルド装置100の移動する速度とは無関係に設定された周期などの可変周期によって画像データをサンプリングしてもよい(例えば検出器は、装置100の表面上の移動速度が上がった時に、より頻繁に画像データをサンプリングしてもよい)。こうすることで、あとから移動データを使用して撮像データをマッピングする必要が回避できる。
検出器130はサンプリングされた画像データをメモリユニット185へ提供する。メモリユニット185は内部クロックに接続されて、各サンプルが取り込まれたときに、サンプリングされたデータをハンドヘルド装置の移動距離と共に格納する。所望によっては、メモリユニット185は各サンプルがサンプリングデータに取り込まれた時刻を格納してもよい。ハンドヘルド装置100の移動距離は、前述したように設定されたエンコーダアセンブリ110からの信号を用いてプロセッサによって決定される。
前述したように、プロセッサ190は、ハンドヘルド装置によって撮像されたメモリユニット185内のデータを用いて、その画像データを基本のタイヤ構造上にマッピングすることにより、タイヤ表面の三次元表面プロフィール画像を生成してもよい。
追加又は代替として、プロセッサ190は検出器130からのサンプリングデータを使用して、歪ベースの表面深さ測定などの既知の手法を用いた、ハンドヘルド装置により撮像されたタイヤ表面の表面深さプロフィール測定値を生成してもよい。
所望によってはプロセッサ190は、生成されたタイヤ表面の三次元表面プロフィール画像をメモリユニット185に格納してもよい。格納されたタイヤ表面の三次元表面プロフィール画像は、タイムスタンプ及び識別子と共に格納されてもよい。更なる実施形態では、プロセッサ190は、識別子及びタイムスタンプに基づいて、1つ以上の格納されたタイヤ表面の三次元表面プロフィール画像をメモリユニット185から検索してもよい。プロセッサ190は、検索した画像を、より最近取得したタイヤ表面の三次元表面プロフィール画像と比較して、その画像と最近の画像の間の違いに基づいて、タイヤがどの程度の速さで摩耗しているか、そしていつ交換が必要となるかを推定してもよい。さらに、プロセッサは、他のタイヤ領域よりもより早く摩耗しているタイヤ領域を識別してもよい。これに追加又は代替して、プロセッサ190は最近生成されたタイヤ表面の三次元表面プロフィール画像を、スマートフォンやデータサーバなどの遠隔装置に格納された画像と比較してもよい。所望によっては、プロセッサ190は生成されたタイヤ表面の三次元表面プロフィール画像を、格納するために遠隔装置(例えばデータサーバ又はスマートフォン)へ送信してもよい。
これに代替して、プロセッサ190はエンコーダアセンブリ110からの信号と、検出器130からのサンプリングデータを直接受信して、タイヤ表面の三次元表面プロフィール画像を生成してもよい。この実施例においては、プロセッサ190は、ハンドヘルド装置が移動するときにタイヤ表面の三次元表面プロフィール画像をリアルタイムで生成してもよい。リアルタイムということは、ハンドヘルド装置がタイヤ表面上を移動し終えてからではなく、ハンドヘルド装置がタイヤ表面上を移動中に、タイヤ表面の三次元表面プロフィール画像が生成されるという意味であることは理解されるであろう。
追加又は代替として、プロセッサ190は3D表面プロフィールの少なくとも2つの異なる地点/領域の間の相対的なトレッド深さを解析して、車輪のアライメント情報を判定してもよい。例えば、プロセッサはタイヤの転動面の中央と、タイヤの側壁に面する外側/内側との間の相対的トレッド深さを判定してもよい。トレッド深さの中央から外側/内側側壁への傾斜は、タイヤのいわゆるキャンバアライメントを判定するのに使用されてもよい。例えば、タイヤの中央から外側の側壁への傾斜が負である場合、タイヤは正のキャンバアライメントを有し、傾斜の度合いを用いて、平坦な地面又は既知の車軸方向に対する正のキャンバ角度を判定することができる。同様に、傾斜が正である場合、タイヤは負のキャンバアライメントを有し、傾斜の度合いを用いて、平坦な地面又は既知の車軸方向に対する負のキャンバ角度を判定することができる。
タイヤがいわゆるトーインアライメント(toe−in alignment)又はトーアウトアライメント(toe−out alignment)であるかどうかを判定するために、いくつかの実施例ではプロセッサ190は、3D表面プロフィールの内側/外側側壁領域でのトレッド深さが、3D表面プロフィールの中央領域よりもより傾斜しているかどうかを判定してもよい。外側側壁が中央領域よりも傾斜が大きければ、プロセッサ190はタイヤがトーインアライメントになっていると判定する。内側側壁が中央領域よりも傾斜が大きければ、プロセッサ190はタイヤがトーアウトアライメントになっていると判定する。側壁の傾斜の度合いを用いて、トーイン/トーアウト角度を判定してもよい。
プロセッサが、3D表面プロフィールの中央領域において(中央領域の他の領域に比べて)トレッド深さの浅い区域があると判定すると、プロセッサ190はタイヤのバランスが取れていないと判定する。
追加又は代替として、プロセッサ190は3D表面プロフィールの少なくとも2つの異なる地点/領域の間の相対的なトレッド深さを解析して、タイヤの膨張情報を判定してもよい。
例えば、3D表面プロフィールの中央領域のトレッド深さが、タイヤの外側及び内側の側壁よりも小さい(すなわちより摩耗している)場合には、プロセッサはタイヤが過膨張していると判定する。3D表面プロフィールの内側と外側の側壁領域のトレッド深さが、中央領域よりも小さい場合には、プロセッサはタイヤが膨張不足であると判定する。
所望によっては、プロセッサ190は、判定された車輪のアライメント情報及び/又は判定されたタイヤの膨張情報をタイヤの最適設定値と比較してもよい。最適設定値はハンドヘルド装置100に格納されていてもよいし、入力手段(例えばカメラ、タッチスクリーン入力、シリアル入力又は無線入力)によってハンドヘルド装置100に入力されてもよい。最適設定値は、タイヤのメーカ、タイヤのサイズ、タイヤの年数、タイヤの摩耗状態、及び/又はそのタイヤが装着されている車両のタイプに基づいた、タイヤのアライメント及び/又は膨張の理想値を提供する。比較に基づいて、プロセッサ190は1つ以上の修正/調整値を判定してもよい。ハンドヘルド装置100は、これらの修正値を出力(例えば表示)してもよい。
例えば、プロセッサ190は、最適な正のキャンバ角度と判定された正のキャンバ角度との差に基づいて、正のキャンバ角度を補正する命令を表示してもよい。同様に、プロセッサ190は、最適に膨張したタイヤの3Dタイヤ表面スキャンと、膨張不測のタイヤの判定された3Dタイヤスキャンとの差に基づいて、タイヤをどれだけ膨張させる必要があるかを推定してもよい。
さらに、プロセッサ190は、図9に示すような停止距離と測定されたトレッド深さとの間の所定の相関に基づいて、車両の停止距離を推定するように構成されてもよい。測定されたトレッド深さは、1本のタイヤ又は1組のタイヤの領域に亘る平均トレッド深さ測定値に対応してもよい。前者の場合、平均トレッド深さ測定値は1組のタイヤの最も摩耗したタイヤのものであってよい。
所望によっては、本明細書に記載のすべての実施形態においてレーザ光源は可視光を含む。
所望によっては、クリップコネクタ150は、スナップフィット締結具(例えばプッシュクリップ)又はプッシュフィット締結具であってよいし、代替的にねじ締結具(例えばボルト)がクリップコネクタの代わりに使用されてもよい。
プロセッサ190は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、DSPの内の任意の1つ以上などの、任意の適切な処理手段を含んでよい。所望により、プロセッサ190は、デスクトップPCなどのローカルデバイスを含んでもよい。これに代わり、プロセッサ190は、サーバやモバイル装置(例えばスマートフォン)などのリモートデバイスを含んでもよいし、又はサーバのクラウドを含むなどの分散型であってもよい。
プロセッサ190は、複数のプロセッサ又はサブプロセッサを含んでもよい。複数のプロセッサ又はサブプロセッサは、本明細書に記載の任意の処理機能を遂行してもよい。それらには例えば、レーザ光源120の制御、移動距離の判定、歪ベースの深さプロフィール測定の実行、及び/又はタイヤ表面の三次元表面プロフィール画像の生成が含まれる。
所望により、メモリユニット185は、本明細書に記載の任意のステップを遂行するようにプロセッサ190に指令する命令を含むソフトウェアを含んでもよい。その例としては、レーザ光源120の制御、移動距離の判定、歪ベースの深さプロフィール測定の実行、及び/又はタイヤ表面の三次元表面プロフィール画像の生成が含まれる。
メモリユニット185には本明細書に記載のデータを格納する、複数のメモリユニットが含まれてよい。
図1に示すプロセッサ190とメモリユニット185のそれぞれの位置には特別の意味はない。したがって、プロセッサ190とメモリユニット185は、ハンドヘルド装置100内で図1に示したものとは異なるそれぞれの位置にあってもよい。
図4は、車両4に取り付けられた時のタイヤ10の概略正面図を示す。点線72は車両のホイールアーチを示す。使用時にはハンドヘルド装置100が細長い形状のレーザ光をタイヤ表面に投影する。ハンドヘルド装置100はタイヤ10の表面を一方の側壁78から他方の側壁80まで矢印76方向に移動する。ハンドヘルド装置100が移動している間、検出器130がタイヤ10上に投影された細長い形状のレーザ光を撮像して、画像データを例えば0.01秒ごとにサンプリングする。ハンドヘルド装置100が移動している間、ロータリエンコーダアセンブリ110が前部ガイドホイール対の回転に合わせて信号を生成する。プロセッサ190は、エンコーダアセンブリ110により生成された信号に基づいて、各サンプリングが行われた時刻のハンドヘルド装置100の移動距離を判定する。サンプリングデータ及び判定された距離は、生成のたびにメモリに格納される。ハンドヘルド装置100が目的地の側壁80に到達すると、プロセッサ190はメモリユニット185からデータを検索して、サンプリングデータ及び判定された距離測定値を使用して、ハンドヘルド装置が移動したタイヤの領域(すなわち、片側の側壁78から反対側の側壁80まで移動したときのハンドヘルド装置100が移動したタイヤ10の表面)の三次元表面プロフィール画像を生成することが理解されるであろう。生成された三次元表面プロフィール画像は次に表示のために、スマートフォンやモニタなどの外部装置へ送信される。生成された三次元表面プロフィール画像は、ハンドヘルド装置が移動したタイヤの領域における表面深さプロフィールを含む。
プロセッサ190は、生成された三次元表面プロフィール画像を、メモリユニット185又は外部メモリユニットなどのメモリへ格納し得ることは理解されるであろう。次いでプロセッサ190は、メモリから生成された三次元表面プロフィール画像を検索して、タイヤの隣接領域の画像とつなぎ合わせてもよい。これに代わって、プロセッサ190は次いでメモリから生成された三次元表面プロフィール画像を検索して、例えばタイヤ深さが最小の安全限界に到達する時期の判定などの比較測定のために、それをタイヤの同一領域のより最新の画像と比較してもよい。
図5はハンドヘルド装置100がタイヤ10の周囲上の異なる位置に移動して図4に関して記述したプロセスを反復する方法を示す。図4には3つの可能な位置P、Q、Rが示されている。例えばタイヤ表面の上半分をカバーするために、プロセスをそれより少ない位置又は多い位置で繰り返すことができることは理解されるであろう。
図6は、外部装置(例えばスマートフォン)400と、Bluetooth(登録商標)などの直接通信リンク300を介して通信するハンドヘルド装置100を示す。この例においては、ハンドヘルド装置100は画像データ及びロータリエンコーダ信号データを3Dタイヤ表面スキャンを生成するために外部装置400へ送信する。所望によっては、外部装置400は3Dタイヤ表面スキャンを解析して、タイヤのアライメント情報及び/又はタイヤの膨張情報を判定してもよい。外部装置400はさらに、判定されたタイヤのアライメント/膨張情報を最適設定値と比較して、修正/調整値を判定してもよい。外部装置400はさらに測定されたトレッド深さデータを、測定されたトレッド深さと停止距離との間の所定の関係と比較して、停止距離情報を判定してもよい。判定されたデータは、外部装置400のスクリーン410上に表示されて出力されてもよい。
この実施例においては、外部装置400は格納されたメモリから最適設置値を検索するように構成されている。ただしこれに代わって、最適設定値がタッチスクリーンインタフェース410を介して永続デバイス内に入力されてもよい。別の代替策として、外部装置400は最適設定値を外部データベース320から検索してもよい。外部データベース320は、LAN/WANネットワーク310を介してアクセスされてもよい。
他の実施例においてLAN/WANネットワーク310はハンドヘルド装置100が外部装置400へ通信するのに使用されてもよいことは理解されるであろう。
最適設定値は車両の登録プレート番号に基づいて識別されてよい。したがっていくつかの実施例では、ハンドヘルド装置100又は外部装置が、そのタイヤが装着されている車両の登録プレートの番号に基づいて最適データを検索してもよい。例えば、ハンドヘルド装置100又は外部装置400は異なるタイプの車両の最適データを格納し、車両のナンバプレートに基づいて車両を識別することで正しい最適データを識別してもよい。
また図7に示すようにいくつかの実施例において、ハンドヘルド装置100及び/又は外部装置400は、搭載カメラ710、720で車両の登録プレート705の写真を撮ることにより車両の登録プレートの番号706を取得してもよい。登録プレート705の写真は、既知の自動ナンバプレート認識(ANPR)アルゴリズムで処理して、車両の登録プレート番号706を抽出してもよい。車両の登録プレート番号706は次にハンドヘルド装置100又は外部装置400が、その車両に関する最適設定値を検索するのに使用されてもよい。
図8a〜図8cは、ガイドレール800に沿って移動するように構成された、本発明の上記の態様によるハンドヘルド装置100を示す。
ガイドレール800は2つの、離間した平行直線軌道810、815を備える(図8a、図8c参照)。直線軌道810、815は両端においてそれぞれのL字型ブラケット820、825で結合されている。各L字型ブラケット820、825は、直線軌道810、815から垂直に延びるフランジ820a、825aを備えている(図8b〜図8c)。フランジ820a、825aは、6つの積層されたタイヤ801〜806がフランジ820a、825aの間に入ることができるように離間されている。ただし他の配置において、フランジ820a、825aはその間に任意数の積層されたタイヤが入ることができるように離間されていてもよい。好ましくは、フランジ820a、825aは、積層されたタイヤ801〜806の外側のタイヤ801、806の外側面に接触するように離間している。このようにフランジを離間させることにより、ガイドレール800が積層されたタイヤ801−806の上にしっかりと嵌合できるようになる。
各直線軌道810、815は、平坦な上面810a、815aを備える。直線軌道810、815は離間しており、ハンドヘルド装置100の左側のガイドホイール210が1つの直線軌道810の上面810aに載り、かつハンドヘルド装置100の右側のガイドホイール210がもう1つの直線軌道815の上面815aに載るようになっている。このように、この配置において、積層されたタイヤ801〜806の表面をスキャンするとき、ハンドヘルド装置100のガイドホイール210が、ガイドレール800の直線軌道810、815に沿って回転できることが理解されるであろう。これにより、ガイドレール800の直線軌道810、815が積層されたタイヤ801〜806を横断する直線経路に沿ってハンドヘルド装置100を案内するので、より正確なスキャンをすることができる。
所望により、各上面810a、815aには、隆起した外向きの端部810b、815bが含まれてよい(図8c参照)。隆起した各端部810b、815bの高さは、ハンドヘルド装置100に接触するように配置されてもよい。例えば、これらはハンドヘルド装置100の底部筐体175に接触してもよいし、より好ましくは底部筐体175の下側に接触してもよい。こうして、ハンドヘルド装置100は、ガイドレール800に沿って滑る際に、より確実に支持され得る。
本発明をいくつかの特定の実施形態の記述によって説明したが、これらの実施形態に限定されるものではないことは当業者には理解されるであろう。添付の特許請求の範囲内において、多くの変更及び変形が可能である。

Claims (32)

  1. タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールを取得するためのハンドヘルド装置であって、
    開口を有するベースと、
    使用時に光の細長いパターンを生成し、前記パターンを前記開口を通して前記タイヤの転動面に投影するように構成された光源と、
    前記タイヤの前記転動面の領域を撮像するための検出器と、
    前記ベースに装着されたそれぞれの車軸に取り付けられた複数対のガイドホイールであって、隣接する車軸上の前記ガイドホイール同士はギヤによって連結される、複数対のガイドホイールと、
    車軸の回転に対応する信号を生成するように構成されたロータリエンコーダと、
    を備える、ハンドヘルド装置。
  2. 前記複数対のガイドホイールは、前記車軸の垂直方向に延びる凹型弓状に配置される、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
  3. 前記タイヤの前記転動面の画像及び前記ロータリエンコーダにより生成される信号から得られるデータを使用して前記タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールを生成するように構成された、少なくともと1つのプロセッサをさらに備える、請求項1又は請求項2に記載のハンドヘルド装置。
  4. 前記プロセッサは、前記ロータリエンコーダにより生成される前記信号の方向性を解析することによりタイヤの側壁を識別して、前記タイヤの外端及び内端の位置を判定するようにさらに構成された、請求項3に記載のハンドヘルド装置。
  5. 前記ロータリエンコーダは、磁気エンコーダ、光学エンコーダ及びマイクロスイッチエンコーダから成る群から選択される、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のハンドヘルド装置。
  6. 前記ロータリエンコーダは装置の密閉された筐体内に配置される、請求項5に記載のハンドヘルド装置。
  7. 前記投影される光のパターンは、装置が前記ガイドホイール上を転動するときに装置の移動方向を横切る方向に向けられる、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のハンドヘルド装置。
  8. 前記開口は前記ベースの中央に配置される、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のハンドヘルド装置。
  9. スキャンが完了したこと、未完了であること、あるいはスキャン領域から不十分又は品質の悪いデータが取得されたことを示す、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的フィードバックを提供するように構成された、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的指示器をさらに備える、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のハンドヘルド装置。
  10. 前記ベースを装置から回転して離して、前記開口を露出させることができるように、前記ベースはヒンジを介して装置の筐体に接続される、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のハンドヘルド装置。
  11. 前記開口に隣接する、車軸を連結するギヤは、前記開口を収容するために他のギヤに対して変位している、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載のハンドヘルド装置。
  12. 前記ガイドホイールの少なくとも1つは、それぞれのホイールベアリングを介してそのそれぞれの車軸に取り付けられる、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載のハンドヘルド装置。
  13. 電池をさらに備え、前記ロータリエンコーダから信号が受信されないときは低電力モード又はスリープモードに入るように構成された、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載のハンドヘルド装置。
  14. 外部装置へ接続するための無線トランシーバをさらに備える、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載のハンドヘルド装置。
  15. 前記無線トランシーバは外部装置と通信して、測定データを前記外部装置へ提供するように構成された、請求項14に記載のハンドヘルド装置。
  16. 前記ハンドヘルド装置はガイドレールに沿って摺動するように構成された手段を備える、請求項1〜請求項15のいずれか一項に記載のハンドヘルド装置。
  17. ハンドヘルド装置を用いてタイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールを生成するためのデータを取得する方法であって、
    光の細長いパターンを生成し、前記パターンを前記ハンドヘルド装置のベースの開口を通して前記タイヤの転動面上に投影し、
    前記タイヤの転動面の領域を撮像し、
    前記ハンドヘルド装置を、前記ベースに装着されたそれぞれの車軸に取り付けられた複数対のガイドホイールであって、隣接する車軸上の前記ガイドホイール同士はギヤによって連結された複数対のガイドホイールで、前記タイヤの前記転動面上を移動させ、
    ロータリエンコーダを使用して車軸の回転に対応する信号を生成する、
    ことを含む、方法。
  18. 前記複数対のガイドホイールは、前記車軸の垂直方向に延びる凹型弓状に配置される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記タイヤの前記転動面の画像及び前記ロータリエンコーダにより生成される信号から得られるデータを使用して前記タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィールを生成することをさらに含む、請求項17又は請求項18に記載の方法。
  20. プロセッサは、前記ロータリエンコーダにより生成される前記信号の方向性を解析することによりタイヤの側壁を識別して、前記タイヤの外端及び内端の位置を判定することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記ロータリエンコーダは、磁気エンコーダ、光学エンコーダ及びマイクロスイッチエンコーダから成る群から選択される、請求項17〜請求項20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記ロータリエンコーダは前記ハンドヘルド装置の密閉された筐体内に配置される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記光のパターンを、前記ハンドヘルド装置が前記ガイドホイール上を転動するときに前記ハンドヘルド装置の移動方向を横切る方向に向くように投影することを含む、請求項17〜請求項22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記開口は前記ベースの中央に配置される、請求項17〜請求項23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記ハンドヘルド装置は視覚的、聴覚的及び/又は触覚的指示器をさらに備え、かつ前記方法は、スキャンが完了したこと、未完了であること、あるいはスキャン領域から不十分又は品質の悪いデータが取得されたことを示す、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的フィードバックを提供することをさらに含む、請求項17〜請求項24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記開口に隣接する車軸を連結するギヤは、前記開口を収容するために他のギヤに対して変位している、請求項17〜請求項25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記ハンドヘルド装置は電池を備え、前記方法は前記ロータリエンコーダからの信号が受信されないときは前記ハンドヘルド装置を低電力モード又はスリープモードに入れることをさらに含む、請求項17〜請求項26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 外部装置に通信して測定データを前記外部装置に提供することをさらに含む、請求項17〜請求項27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記タイヤの前記転動面の画像から取得されるデータと前記ロータリエンコーダにより生成される前記信号を前記外部装置に通信し、
    前記外部装置を使用して、タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィール、車輪のアライメント情報、タイヤの膨張情報及び停止距離情報の内の1つ以上を判定する、
    ことを含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記ハンドヘルド装置を使用して、前記タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィール、車輪のアライメント情報、タイヤの膨張情報及び停止距離情報の内の1つ以上を判定することを含む、請求項17〜請求項28のいずれか一項に記載の方法。
  31. 車両の登録プレートを撮像し、
    画像に基づいて前記車両の登録プレートを識別し、
    前記識別された車両の登録プレートに基づいて車両情報及び/又はタイヤ情報を検索し、
    検索情報を使用して、前記タイヤの三次元位相幾何学的表面プロフィール、車輪のアライメント情報、タイヤの膨張情報及び停止距離情報の内の1つ以上を判定する、
    ことをさらに含む、請求項17〜請求項30のいずれか一項に記載の方法。
  32. ガイドレールを前記タイヤの前記転動面に対して固定した関係で配置し、
    前記ハンドヘルド装置が前記タイヤの前記表面上を移動するとき、前記ハンドヘルド装置を前記ガイドレールに沿って移動させる、
    ことをさらに含む、請求項17〜請求項31のいずれか一項に記載の方法。
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