JP2019514659A - 歯列不正を矯正する装置ならびに該装置の製造法 - Google Patents

歯列不正を矯正する装置ならびに該装置の製造法 Download PDF

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Abstract

本発明は、歯列不正を矯正する装置(1)であって、アーチエレメント(2)と、少なくとも2つの伝達エレメント(3)とを有し、前記伝達エレメント(3)の各々は、歯表面(4)と協働するように適合されており、かつ連結領域(5)を有し、該連結領域(5)において、前記伝達エレメント(3)の各々は、アーチエレメント(2)に力を伝達する形式で連結可能であるか、または連結されており、アーチエレメント(2)は、全体的に見て、下顎または上顎の形状に沿った湾曲した放物線形状を有し、アーチエレメント(2)は、少なくとも1の作動部分(6)を有し、該作動部分(6)は、隣接する2つの伝達エレメント(3)の間に配置されていて、かつアーチエレメント(2)が伝達エレメント(3)に連結されている装置(1)の組込み状態において、アーチエレメント(2)が少なくとも局所的に弾性変形されているように、成形されており、これによりアーチエレメント(2)内で戻し力が作用し、該戻し力は、連結により、伝達エレメント(3)に伝達可能であり、アーチエレメント(2)は、少なくとも1つの形状結合エレメント(7)を有し、該形状結合エレメント(7)により、アーチエレメント(2)は、前記伝達エレメント(3)の各々に形状結合式に協働し、これによりアーチエレメント(2)と前記伝達エレメント(3)の各々との間の互いに対する相対運動は、伝達エレメント(3)の連結領域(5)で見て、アーチエレメント(2)の長手方向軸線に平行な方向でブロックされている、歯列不正を矯正する装置に関する。歯をできるだけ正確に治療することを可能にし、かつ先行技術に比べてその製造を簡略化する、歯列不正を矯正する装置を提供するために、本発明によれば、アーチエレメント(2)の長手方向軸線(19)は、少なくともアーチエレメント(2)に力が加えられていない状態で、1つの平面内に延びていることが提案される。

Description

本出願は、歯列不正を矯正する装置であって、アーチエレメントと、少なくとも2つの伝達エレメントとを有しており、それぞれの伝達エレメントは、歯の表面と協働するように適合されており、かつ連結領域を有していて、この連結領域において、それぞれの伝達エレメントは、アーチエレメントに力を伝達するように連結可能であるか、または連結されており、アーチエレメントは全体的に見て放物線状の、下顎または上顎の形状に沿った湾曲形状を有していて、アーチエレメントは、少なくとも1つの作動部分を有している。この作動部分は、隣りあう2つの伝達エレメントの間に配置されており、アーチエレメントが、伝達エレメントに連結されている装置の組込み状態において、少なくとも局所的に弾性変形されているので、アーチエレメント内に戻し力が作用し、戻し力は、連結部により伝達エレメントに伝達可能であり、アーチエレメントは、少なくとも1つの形状結合エレメントを有しており、形状結合エレメントにより、アーチエレメントは、それぞれの伝達エレメントと形状結合式に協働し、アーチエレメントと、それぞれの伝達エレメントとの互いに対する相対運動が、伝達エレメントの連結領域で見て、アーチエレメントの長手方向軸線に平行な方向でブロックされており、アーチエレメントが、少なくとも1つの作動部分において、ループの形またはメアンダ状に形成されているので、アーチエレメントは、作動部分においてばねとして作用することができる、歯列不正を矯正する装置に関する。
本出願はさらに、歯列不正を矯正する装置用のアーチエレメントの製造法であって、以下の方法ステップ、すなわち
a)患者の下顎または上顎の複数の歯の位置を検出するステップ、
b)検出された歯の位置を使用して、歯のデジタルモデルを作成するステップ、
c)デジタルモデルを用いて装置用のアーチエレメントを仮想的に設計するステップおよび
d)アーチエレメントが完成後に少なくとも実質的に装置のために使用可能である最終形状を有しているように、仮想的に設計されたアーチエレメントをコンピュータ制御して一体的に製造するステップ
を有している製造法に関する。
歯列不正を矯正する装置は、典型的にはいわゆるブレース(歯列矯正器)であり、このブレースは、特に若い患者に歯列不正を治療するために装着される。ここで扱われる装置は、通常、固定された機器である。これらの機器は、各患者の治療期間にわたって持続的に患者の口内に留まり、たとえば夜間に口から取り出されることはない。このような装置により、下顎または上顎の歯を移動させることが可能であり、つまり、高さ軸線および/または横方向軸線を中心として回動させ、かつ/または並進的に移動させることが可能である。
「アーチエレメント」とは、本出願の主旨において、個別の歯もしくはこれらの歯に配置された伝達エレメントに互いに結合されている、ブレースのエレメントである。下顎の歯も上顎の歯も概して放物線形状で顎に沿って配置されているので、ここで扱われる装置のアーチエレメントも、全体的に見て、対応する形状を有している。公知のアーチエレメントは、通常、金属、特に鋼から形成されている。この場合、アーチエレメントは、典型的には、各治療状況のために個別に適合されている、手動または自動で曲げられたワイヤセグメントである。
「伝達エレメント」とは、本出願の主旨において、アーチエレメントと、それぞれ隣接する1つもしくは複数の歯との間の力の伝達のために役立つエレメントである。当該技術において、これらの伝達エレメントは、しばしばいわゆる「ブラケット」とも呼ばれる。伝達エレメントは、力を伝達する形式で、特に摩擦力結合を使用して、それぞれのアーチエレメントと協働する。伝達エレメントの特別な加工成形部は、装置を扱う矯正歯科医が、伝達エレメントと協働する歯に対して所望の運動を与えることを可能にする。
さらに、本出願の主旨において、「作動部分」とは、アーチエレメントの所定の部分であり、この部分によってアーチエレメントが作動させられる、つまり位置をずらされる。戻し力(正確には戻し力および/または戻しモーメント)の作用により、それぞれ隣接している1つもしくは複数の伝達エレメントと、ひいてはそれぞれ治療すべき歯とに影響が加えられる。このような作動部分は、典型的には、いわゆる「ループ」として形成されている。このようなループは、通常、アーチエレメントに加工された一種の「迂曲部」であり、この迂曲部は、アーチエレメントの貯留長さを有しているので、アーチエレメントはこの領域において、たとえば伸長または圧縮され得る。したがって、ループは、ばねの機能を引き受ける。次いで作動部分に蓄えられた力情報は、アーチエレメントと伝達エレメントとの間の連結部により最終的に歯に伝達され得る。この場合、アーチエレメントの変形は、少なくとも、1つまたは複数の作動部分において、少なくとも弾性的な割合部分を有している必要があり、これによりアーチエレメント内で戻し力が形成される。
「形状結合エレメント」とは、本出願の主旨において、アーチエレメントと、それぞれ所属する伝達エレメントとの間の形状結合部を形成可能である、あらゆる種類のエレメントである。この場合、本発明によれば、達成された形状結合部が、それぞれの伝達エレメントに対して相対的な、アーチの長手方向軸線に対して平行な運動を形状結合部によってブロックすることが重要である。言い換えると、確かにアーチエレメントと伝達エレメントとの間の形状結合部を形成するが、この形状結合部をたとえばアーチエレメントの長手方向軸線に対して垂直な方向のみでブロックするエレメントが、基本的には本出願の主旨における形状結合エレメントとして理解されるが、上記の課題の解決のために単独では役立たない。その限りでは、古典的な結紮材は、本発明の要求を満たさない。結紮材は、アーチエレメントの長手方向軸線に平行な方向で形状結合部を形成しないからである。
形状結合エレメントは、たとえば、突出した突起、(たとえばアンダカット溝内に係合するための)アンダカットされたキー等であると理解され得る。形状結合エレメントについて、下記で説明する実施例は、例示的な、限定的でない概観を提示している。
相対運動の「ブロック」とは、本出願の趣旨において、アーチエレメントと伝達エレメントとの間の意図しないスリップの発生が形状結合エレメントにより阻止されていることである。この場合、本発明によれば、アーチエレメントによって、作用する力ができるだけ損失なしに1つもしくは複数の伝達エレメントに伝達されるという技術な効果が重要である。この場合、たとえば製造公差に基づいて、力を伝達するストッパの形成前に、アーチエレメントとそれぞれの伝達エレメントとの間で、対応する形状結合エレメントがまず所定のストッパ区間(たとえば0.1mm)を進まなければならず、その後に形状結合エレメントが実際に伝達エレメントに係合して、力を伝達できるようになったとしても問題ない。関連する材料の弾性的な変形も無視することができる。
説明された方法に関して、歯の位置の「検出」とは、通常、スキャンプロセスである。このようなスキャンプロセスは、たとえば口内で行われ得る。この場合、対応する口内スキャナが使用される。このような装置により、治療すべき患者の歯に関する画像情報が検出され得る。この場合、この画像情報は、次いで典型的には、デジタル形式で存在している。検出の終了時に、いずれの場合も、検出の瞬間における歯の位置に関するデジタル情報が存在する。
これに関連して、「デジタルモデル」とは、本出願の主旨において、単に仮想的に、特にCADソフトウェアの枠内で存在するモデルである。このようなデジタルモデルは、治療すべき患者の予め検出された歯の仮想的な模型を形成する。通常、歯の検出は、検出された歯もしくは歯のそれぞれの位置のデジタルモデルが治療すべき患者における実際の状況に高い精度で一致しているように詳細に行われる。
このようなデジタルモデルにより、次いでアーチエレメントを仮想的に設計することができる。したがってアーチエレメントは、この方法ステップでは、たとえば曲げ工程によってワイヤセグメントから試行錯誤(trial and error)原理に合わせて現実的に実際に作成されるのではなく、単に仮想的に、特にCADソフトフェアにより作成される。本出願による装置は、治療すべき歯に意図的に力を作用させることが望ましい、いわゆる「能動的な歯列矯正装置」であるので、アーチは、治療すべき歯の現在の状況に正確に適合されるのではなく、既に歯のそれぞれの所望の最終位置を考慮して成形される。特に、複数のアーチを設計することが可能であり、この場合、それぞれの個別のアーチは、当初の歯の位置から歯の所望の「最終位置」への経路上の一部の効果を達成することができる。したがって、このような治療は、複数の個別のステップにおいて実施される。
治療すべき歯の治療の瞬間の実際の条件に少なくともほぼ一致するデジタルモデルは、仮想的に、いわゆる「セットアップモデル」に移行される。このセットアップモデルは、歯列矯正治療の成功裏の終了後の、治療すべき歯の個別の所望配置を再現している。アーチ、特に複数のアーチは、セットアップモデル、もしくはデジタル(出発)モデルとセットアップモデル(最終モデル)との間の個別の中間段階を用いて作成される。
したがって、「デジタルモデルを用いて」アーチを作成することは、本出願の主旨において、いわば治療すべき歯の出発状況を再現するそれぞれの歯のデジタルモデルが、出発点としてアーチの設計のために使用されるが、アーチは、デジタルモデルに直接に適合されている必要がない(しかも通常は、適合されない)と理解することができる。
先行技術
冒頭で述べた形式の装置ならびに方法は、先行技術において既に知られている。専門用語では、少なくとも1つの上記の作動部分を備えるアーチエレメントを使用するこの技術は、「スタンダードエッジワイズテクニック」という名称で運用される。
たとえば、欧州特許出願公開第2204136号明細書は、このような形式の装置ならびにこの装置の製造法を開示している。この文献は、口内スキャナを用いて患者の歯の位置を検出する方法を示している。これにより検出されたデータは、データ処理装置により加工され、この場合、仮想的に歯の位置が変化させられる。個別の歯の位置の変更は、最終的に歯の目標位置が存在しているように行われる。この目標位置は、各患者の治療の終了後の歯の位置を表す。
開示された技術により、所属するブレースのアーチエレメントを仮想的に設計し、次いで自動的に曲げ機械により製造することが可能である。このことは、先行技術においてしばしば治療する各歯列矯正医によって直接に実施されるような手動の曲げ加工を省略することができるという特別な利点を有している。このことは、一方ではそれぞれのアーチエレメントの加工の精度に関して、他方ではアーチエレメントの製造に関連して発生するコストに関して有利である。それぞれのアーチの製造の精度における利点は、特に、それぞれの歯列不正の治療をより正確に行うことができる、つまり、特にアーチエレメントにより及ぼされる、歯に作用する力を、より正確に予測することができることにある。
アーチエレメントを作動させるために、該アーチエレメントに少なくとも1つの作動部分が加工される。この作動部分は、上掲の文献によれば、たとえばループとして実施されていてもよい。上述のように、このようなループにより、アーチエレメントに、このアーチエレメントの組込み中に変形情報を与えることが可能であり、この場合、アーチエレメントは作動部分の領域で弾性変形するので、アーチエレメント内に、戻し力が蓄積される。次いで、この戻し力は、アーチエレメントと伝達エレメントとの連結後に歯に作用し、したがってそれらの歯の運動をもたらす。
アーチエレメント内に蓄積された力情報のこの伝達のためには、アーチエレメントと伝達エレメントとの間で力を伝達する結合部が形成されることが必要である。このような結合部は、先行技術では、通常、いわゆる「結紮材」により形成される。この場合、この結紮材は、アーチエレメントの装着中に、所属する伝達エレメント内に組み込まれる別個の結合手段である。結紮材は、たとえば細いワイヤまたはゴムから形成されていてもよく、伝達エレメントに設けられた対応するアンカ固定エレメントの周囲に巻き付けられる。この場合、伝達エレメントに設置されているそれぞれのアーチエレメントが、伝達エレメントに向かって押圧されるので、力を伝達する摩擦結合部が形成される。
さらに結紮材は、アーチエレメントがそれぞれの伝達エレメントから解離することを回避する。典型的な伝達エレメントは、たとえばいわゆるブラケットスロットを有しており、このブラケットスロット内にアーチエレメントが挿入される。ブラケットスロットからのアーチエレメントの脱落を阻止するために、アーチエレメントの挿入後に結紮材が設けられる。
それぞれ所属する歯の、顎骨に沿った、つまり前方または方向に向かう運動を発生させることができる、アーチエレメントと、所属する伝達エレメントとの間の力伝達を発生させることができるように、アーチエレメントと1つもしくは複数の伝達エレメントとの間の力伝達をアーチエレメントの長手方向軸線に平行な方向で行うことが必要である。「長手方向軸線に対して平行」とは、この文脈では、アーチエレメントの局所的な箇所に関連して理解される。すなわち、放物線状のアーチエレメントの長手方向軸線は同様に放物線状であり、この場合、アーチエレメントの局所的な曲率に依存して、長手方向軸線も対応する曲率を有していることは自明である。したがって、「長手方向軸線」という概念は、アーチエレメントに関連してここでは、あらゆる場合に直線的である数学的な意味の「軸線」ではない。
アーチエレメントと所属する伝達エレメントとの間の、上述の結紮材を用いた公知の結合技術により、力伝達はアーチエレメントの長手方向軸線に平行な方向で上述の摩擦結合部により可能である。言い換えると、アーチエレメントは、結紮材により、伝達エレメントに向かって、たとえばブラケット内のブラケットスロット内へと押圧されるので、アーチエレメントと伝達エレメントとの間に摩擦力が作用することができる。このことは、今やアーチエレメントと伝達エレメントとの間で長手方向軸線に対して平行な力を伝達することを可能にする。
力を伝達するこの公知の形式の結合部は、通常、エレメント間で幾らかのスリップが発生するという欠点を有している。言い換えると、アーチエレメント内に蓄積されている力は完全には伝達エレメント内にもたらされないので、この力の少なくとも一部は、アーチエレメントとそれぞれの伝達エレメントとの間のスリップに基づいて、アーチエレメントの弾性変形の少なくとも一部を解除し、したがって特定の力割合はいわば「緩衝」されてしまう。このことは、ブレースによりそれぞれ歯に作用させられる力の正確な特定が、事実上ほとんど不可能であることにつながる。相応して、歯列矯正治療を治療開始前に完全に計画することは困難である。治療計画は、治療経過に応じて変化する恐れがあり、適合されなければならないからである。同様に、歯のそれぞれ所望の運動が達成されるように歯に特定の力を作用させるために、どのような力が能動的な歯列矯正装置内に実際に「蓄積」されるか、もしくはこの装置内にもたらされる必要があるかを予測することはほとんど不可能である。すなわち、アーチと歯との間の想定される力損失に関して断定することは不可能である。
この精度不足は、たとえば、歯が誤って移動され過ぎたり、移動が足りなかったりすることにつながり、それゆえに治療方法は、さもなければ回避可能である多数の反復ステップにおいて、所望の最終結果に近づけられなければならない。
このような問題のための解決手段は、独国特許出願公開第102015009345号明細書から判る。この文献は、クリップ状の取付けエレメントによって所属する伝達エレメントに接続されているアーチエレメントを記載している。この取付けエレメントは、伝達エレメントの相補的な取付け部分を全ての側において取り囲んでいるので、アーチエレメントと伝達エレメントとの間の相対運動は全ての方向でブロックされている。
しかし、先行技術に記載されているアーチエレメントは、その製造が特に手間がかかるという欠点を有している。このことは、アーチエレメントの幾何学形状に起因する。これにより、上掲の特許明細書に開示されたアーチエレメントは、ほとんど経済的に製造可能ではない。
課題
本出願の根底を成す課題は、歯列不正を矯正する装置を改良して、治療すべき歯をできるだけ効率的に、かつ傷めずに治療することを可能にし、その製造を先行技術に比べて簡略化することにある。
解決手段
根底を成す課題は、冒頭で述べた形式の装置を基点として、本発明によれば、アーチエレメントが平坦に形成されており、アーチエレメントの長手方向軸線が、少なくともアーチエレメントに力が加えられていない状態において、1つの平面内に延びていることにより解決される。言い換えると、アーチエレメントは、本発明によれば、平らに形成されており、これにより、アーチエレメントが平坦なプレート上に載置された場合に、その長手方向軸線全体に沿ってそのプレートと接触するだろう。このようなアーチエレメントは、「2Dアーチ」とも呼ばれ得る。アーチエレメントの長手方向軸線は二次元の空間に延びているからである。
本発明に係る装置は、多数の利点を有している。まず、少なくとも1つの形状結合エレメントにより、アーチエレメントとそれぞれの伝達エレメントとの間の直接的な力伝達を実現することが可能である。このことは、アーチエレメントにより作用する力が損失なしに、かつ意図的に所望の伝達エレメントに、かつ最終的には伝達エレメントを介して移動すべき歯に伝達されることにつながる。
したがって、形状結合に基づいて、治療する歯列矯正医にとって、それぞれの歯に作用する力を正確に特定することが可能である。このことは、アーチエレメントの幾何学形状ならびにアーチエレメントの材料特性を識別することで、アーチエレメントの弾性変形に基づいてこのアーチエレメントから所属する戻し力の形で接続された伝達エレメントに作用させられる力を後に正確に特定可能であるという考察に基づいている。したがって、形状結合により、治療する歯列矯正医にとって、所望の力を正確に、たとえばまさに0.1Nに調節することが可能である。アーチエレメントにより伝達される力のこのような正確な特定は、今日ある手段では不可能である。
従来、特に、対応する形状結合エレメントを、アーチエレメントにおける正しい位置に正確に配置し、これにより伝達エレメントと係合するためのアーチエレメントの係合位置を、発揮すべき所望の戻し力に一致する、アーチエレメントの所望の変位に正確に対応させることは困難である。言い換えると、そのようなアーチエレメントの製造は特に困難である。アーチエレメントの組込み時に治療すべき歯へのまさに所望の力作用を有しているようにするために、1つまたは複数の形状結合エレメントをどの箇所に位置決めすべきかが既に製造前に明らかでなければならないからである。製造のこの問題は、下記で本発明に係る製造方法に関連して詳しく説明する。今日汎用の曲げ方法(手動または自動)では、このような効果はいずれにせよ達成可能ではない。
さらに、本発明に係る装置は、この装置が特に簡単に製造可能であるという特別な利点を有している。本発明に係る装置は、先行技術において使用されるような複雑な三次元の幾何学形状を有しないからである。特殊性は、1つまたは複数の作動部分を同様に平面内に形成することにある。つまり、場合によっては存在するループまたは環状部は、アーチエレメントの平面から出ることはなく、平面内で形成されている。
特に、本発明に係る装置では、アーチエレメントが金属薄板から作り出されていてもよいので、アーチエレメントは直接に最終形状を有している。この最終形状は、同様に平らな金属薄板と同様に、最終的には二次元である。対応する製造方法は、同様に本出願の対象であり、以下に別個に説明する。
本発明に係る装置のために特に有利である典型的なアーチエレメントは、方形、特に正方形の横断面を有しており、この場合、方形の横断面の辺の長さは、典型的には、最大で1.0mm、好ましくは最大で0.6mm、さらに好適には最大で0.5mmの範囲で変動する。方形の横断面の他に円形または楕円形の横断面も可能である。
さらに、少なくとも1つの形状結合エレメント、好適には全ての形状結合エレメントが、アーチエレメントに一体的に形成されていると有利である。この形式によって、アーチエレメントにおける形状結合エレメントの個別の位置決めが不要となる。このことは、一方では、誤った位置決めを排除し、他方ではアーチエレメントと形状結合エレメントとの間のできるだけスリップのない結合を製造する問題を回避することにつながる。この結合は、本発明の効果のために確保されていなければならない。
本発明に係る装置の有利な構成では、アーチエレメントが、形状記憶材料、特にニッケル−チタン合金、さらに好適にはニチノールから形成されている。このことは、上述の形状結合エレメントの使用とは関係なしにも有利であり得る。形状記憶材料とは、いわゆる「超弾性材料」であり、超弾性材料は、特に際立つ弾性により優れている。この弾性により、形状記憶材料から成っている対象物を塑性変形させることはほとんど不可能である。さらにニッケル−チタン合金の具体的な選択は、ニッケル−チタン合金が高い生体適合性と、さらに典型的には約40000N/mmの比較的低い弾性係数を有しているという利点を有している。比較的低い弾性係数は、アーチエレメント内で、その変形により生じる戻し力が良好に制御可能であり、特に小さな変形時に既に、戻し力が極めて高くならないという利点を有している。歯列不正の治療のために必要となる力は、通常は歯毎に、約1Nの範囲で変動するか、時々それどころか明らかに小さい。
さらに超弾性は、組込み中にアーチエレメント内に形成された変形が少なくともほぼ完全に、理想的には100%弾性変形であり、したがって塑性変形割合を有していないか、または無視できるほど小さな塑性変形割合しか有していない、という利点を有している。塑性変形割合が存在しないということは、形成された全変形が弾性変形であり、したがって対応する戻し力がアーチエレメント内で作用することにつながる。このことは、さらに結果として、アーチエレメントにより作用させるべき力が極めて正確に調節可能であるという利点をもたらす。変形と戻し力との正確な比率が前提とされ得るからである。
しかし、このために使用されるアーチエレメントのために、たとえばニチノールのような形状記憶材料を使用する場合の難しさは、1つまたは複数の作動部分を形成することにある。このような作動部分は、上記で説明したように、通常、ループの形で実施される。このループは、アーチエレメントが意図的に隣りあう伝達エレメントの間で直線的にガイドされているのではなく、延長されている領域である。たとえば、アーチエレメントは、作動部分の領域において、環状部の形またはメアンダ状にガイドされている。このような作動部分は、形状記憶材料において、加工することが極めて困難であるか、それどころか全く加工することができない。作動部分は、上記のように、いわば塑性変形可能ではないからである。ループの成形時の特別な手間のかかる熱処理のみが加工の困難さを排除することができる。この手間を排除するために、以下に記載する本発明に係る製造法が使用される。
本発明に係る装置の別の構成では、アーチエレメントが、互いに対して離間した複数の形状結合エレメントを有している。この場合、少なくとも2つの形状結合エレメントは、当該形状結合エレメントが装置の組込み状態において同一の伝達エレメントと協働するように、互いに対して対応している。複数の形状結合エレメントは、まず、基本的に、複数の伝達エレメントとアーチエレメントとの形状結合式の結合を可能にする。さらに、アーチエレメントの複数の形状結合エレメントが、1つの同一の伝達エレメントと連結すると有利である。このことは、2つまたは複数の形状結合エレメントにより、単に線形の力だけではなく、力の対、つまりトルクがアーチエレメントからそれぞれの伝達エレメントに伝達され得るという考察に基づいている。このためには、形状結合エレメントが互いに離間して配置されていて、これにより形状結合エレメントの間に梃子の腕が存在することのみが必要である。
複数の形状結合エレメントの使用時に、これらの形状結合エレメントが、有利にはアーチエレメントの長手方向軸線に沿って相前後して配置されていることは自明である。
好適には、少なくとも1つの形状結合エレメント、好適には全ての形状結合エレメントが、アーチエレメントの長手方向軸線に対して相対的に見て半径方向に延びる突起により形成されている。この場合、好適には、対応する伝達エレメントは、対応する連結領域、特に切欠きを有している。この切欠きに、突起が形状結合式に係合することができる。このような形状結合エレメントは、それぞれ隣接している伝達エレメントとの形状結合を形成するために特に良好に適している。この場合、反対にアーチエレメントが切欠きを有していてもよいことも自明であり、この切欠きは伝達エレメントに設けられた対応する形状結合エレメントに対応する。この形態は、同様に、伝達エレメントとアーチエレメントとの間の形状結合、ひいては力のスリップのない伝達をもたらす。それにも拘わらず、この形態は、アーチエレメントの典型的には小さな横断面に基づき、どちらかというと不都合である。アーチエレメント内の切欠きの横断面はさらに小さくなるからである。
「突起」とは、特に、半径方向に突出する円筒形または方形のエレメントであってもよい。基本的には、突起として形成された形状結合エレメントの幾何学形状は、その複雑性から、たとえば突出する領域または折り曲げられた領域により、円筒形状または方形形状を超えていることも可能である。突出する領域または折り曲げられた領域は、たとえば、伝達エレメントのアンダカットされた領域に係合するように適合されていてもよい(実施例を参照)。
既に上述したように、形状結合エレメントとアーチエレメントとの一体的な構成が特に有利である。このことは当然ながら、形状結合エレメントが、上述の説明の主旨の突起により形成されている場合にも当てはまる。
基本的には形状結合エレメントが突起により形成されているか否かに関係なく、それにもかかわらず特に形状結合エレメントが突起により形成されている場合には、形状結合エレメントが少なくとも部分的に、それぞれ最も近い歯表面に対して垂直な方向に延びていると特に有利であり得る。特にたとえば舌側、つまり歯の舌に面している側に配置されているブレースでは、アーチエレメントのそれぞれの形状結合エレメントが前庭方向に、つまり外側に向かって延びていると有利である。
さらに、本発明に係る装置は、アーチエレメントが少なくとも1つの局所的な湾曲部、特に複数の局所的な湾曲部を有していて、湾曲部は、それぞれ最大で1.0mm、好適には最大で0.5mm、さらに好適には最大で0.2mmの曲率半径を有していると特に有利である。このようなアーチエレメントは、それぞれ隣接する歯の表面形状に沿うことにより、歯の表面に特に良好に適合され得る。このことは特に、このような湾曲部を備えてそれぞれの歯に適合されているそれぞれのアーチエレメントが、各患者の口内において僅かにしか妨害しないので特に有利である。患者は、アーチエレメントがそれぞれ隣接する歯表面に対して幾らかの間隔で位置している場合と同じ程度には、アーチエレメントを異物として実感しないからである。
さらに歯表面におけるアーチエレメントの適合は、たとえば患者の咀嚼中にアーチエレメントに作用する力が、歯に対して幾らかの間隔で延びているアーチエレメントの場合に比べて、大幅に小さいという利点を有している。このことは、歯表面にできるだけ良好に適合されたアーチエレメントが、今日汎用であるアーチエレメントよりも明らかに小さな係合面積を提供することにより説明される。このことはさらに、本発明に係る装置のアーチエレメントが意図せず引き剥がされるリスクが、先行技術におけるリスクに比べて小さいという利点を有している。さらに、それぞれ接触する歯表面における伝達エレメントの取付けがより簡単に実行され得る。伝達エレメントと歯との間で伝達されるべき短期間作用するピーク負荷は、所属するアーチエレメントの小さな係合面積に基づき、小さくされているからである。このことは、たとえば、それぞれの歯における伝達エレメントの取付けのために必要である取付け面を、歯から装置が不都合に脱落するリスクを高めることなしに、先行技術に比べて小さくできることを可能にする。
アーチエレメントの少なくとも1つの作動部分の有利な構成に関して、作動部分が環状部またはメアンダの形で実施されていると特に有利であり得る。特に、環状部がオメガ状に形成されていてもよい。作動部分のメアンダ形状は、たとえば、それぞれ交互に反転するオメガ状の相前後する複数の部分部分から形成されていてもよい。同様にメアンダ状の作動部分は、ジグザグ形に形成されていることも可能である。さらに例示的な構成は、以下の実施例から判る。
上述の形の作動部分の構成は、作動部分をばねの形で使用することを可能にする。環状部の形または別の幾何学形状であるそれぞれの作動部分の領域におけるアーチエレメントのガイドは、アーチエレメントがこの領域において作為的な延長部を有していることにつながる。このことは、アーチエレメントが作動部分に蓄えられた「貯留長さ」を使用して伸長かつ/または圧縮され得ることにつながる。その限りでは、作動部分はある種の形でばねの機能を満たしている。このばねの変位は、引張力の形の戻し力をもたらし、かつばねの圧縮は、押圧力の形の戻し力をもたらす。これにより、アーチエレメントのそれぞれの作動部分の対応する変形により、所望の力成分がアーチエレメント内に導入可能であることが生じる。この力成分は、1つまたは複数の伝達エレメントとの力伝達式の連結に基づいて、治療すべきそれぞれの歯に作用することができる。
冒頭で述べた形式の製造法を起点として、根底を成す課題は本発明により以下の方法ステップにより解決する。すなわち、
e)アーチエレメントを、金属薄板から形成された材料部分から作り出すステップ、ただし、金属薄板の厚さは、金属薄板のその他の寸法を顕著に下回っている。
この方法は、特に、機械または人間のさらなる介入なしにそれぞれのアーチエレメントが直接に製造プロセスの結果その最終形状を有している点で有利である。アーチエレメントの成形は、この場合、曲げ力の影響なしに行われる。このことは特に、本発明に係る方法により完成したアーチエレメントが、内部応力を有していないことにつながる。この内部応力は従来の曲げ方法ではいずれの場合でもそれぞれのアーチエレメントに導入される。本発明に係るアーチエレメントは、これに対して、所属する伝達エレメント内へ挿入される瞬間は、内部応力を有していない。このことは、内部応力がないことが、計画された変位によってアーチエレメント内にどのような戻し力が作動させられるかを正確に断定することを可能にするという点で有利である。
さらに、金属薄板からアーチエレメントを作り出すことは、この方法ステップが、特に簡単かつ廉価にかつ高精度で実施され得るという点で有利である。金属薄板は、本出願の主旨において、その厚さが、金属薄板のその他の寸法よりも極めて小さい、つまり、金属薄板の長さおよび幅よりも極めて小さいことを特徴とする。歯列矯正装置用のアーチエレメントのためには、この場合、特に1.0mmよりも小さな、特に0.6mmよりも小さな厚さを有している金属薄板が使用される。このような材料部分の使用時に、それぞれのアーチエレメントを特に簡単にレーザ切断により、またはワイヤ放電加工により金属薄板から作り出すことができる。
さらに、「作り出す」という主旨において減算的な方法のためには、特にフライス加工および切断が考慮され得る。したがって、たとえば、アーチエレメントを金属薄板からフライス加工により切り出すことも可能であり、これにより、それぞれのフライス過程の終了後にアーチエレメントはその最終形状を有している。このような過程は特にコンピュータ制御されており、したがって高精度で行われ得る。
アーチエレメントが曲げロボットにより自動的に曲げられる先行技術による自動的な製造に対して、上記で提案された減算的な方法は、極めてより正確かつ精密であるので、完成したアーチエレメントは、結果として、極めて高い精度で、当初の仮想的に設計された形状に一致する。したがって、アーチエレメントの製造時の高い精度は、それだけでも曲げ過程では達成不能である。弾性変形割合に対して相対的な塑性変形割合を100%正確に特定することは不可能であり、いずれの場合も、それぞれの試料の個別の材料特性に依存するからである。
このような形式の製造は、それぞれ隣接している歯におけるそれぞれのアーチエレメントの局所的な形状の正確な適合も可能にする。さらに、曲げ法に対する製造速度は大幅に高められており、これによりコストを削減することができる。
この方法は、一次成形、たとえば3D印刷に対しても有利である。3D印刷は、比較的に時間がかかるだけではなく、比較的コストがかさむ。さらに、少なくとも現行の3Dプリンタの精度は、アーチエレメントの長手方向軸線に沿ったアーチエレメントの極めて小さな曲率半径に関して、切断またはフライス法と比較して競合力のあるものではない。
本発明に係る製造方法は、特に、アーチエレメントを形状記憶材料、たとえばニッケル−チタン合金、特にニチノールから形成することを可能にする。このような材料の使用は、アーチエレメントの製造のための曲げプロセスの使用時にはほとんど不可能である。この材料は、ほとんど曲げることができないか、または全く曲げることができないからである。したがって、このことは、形状記憶材料の弾性範囲が特に特徴的であることに関連しており、これにより塑性的な、ひいては持続的な変形を与えることは困難である。特に、加工すべき部材を著しい加工温度にまで加熱することが必要であり、これによりある程度は熱変形プロセスを行うことができる。この熱変形プロセスは、それぞれの材料の弾性特性とは関係なしに行われる。これに対して、減算的な方法の使用時には、それぞれの材料部材の変形は行われないので、形状記憶材料の超弾性特性はここでは邪魔になることはない。
この場合、アーチエレメントのための形状記憶材料の使用は、特に有利である。その変位中に塑性変形が生じないことに基づいて、アーチエレメントは、当該アーチエレメント内に蓄積された戻し力を正確に特定するために特に適しているからである。さらにニッケル−チタン合金の使用は、高い生体適合性を有しているので特に有利である。
本発明に係る装置を使用して、歯列不正を有する患者のための治療法は特に効果的に実施され得る。このためには以下の治療方法が本発明により提案される。
歯列不正を治療するための治療方法であって、以下の方法ステップを有している。すなわち、
i)スキャン装置により、患者の下顎および/または上顎の複数の歯の位置を検出するステップ、
ii)スキャン装置により検出されたデータをデジタルモデルに移行するステップであって、このデジタルモデルは、スキャンされた歯を、この歯がスキャンされた開始位置において仮想的に模倣する、ステップ
iii)開始位置を起点として、デジタルモデルにおける個別の歯の位置を仮想的に変更し、これにより、治療法の終了後に歯が位置していることが望ましい、歯の目標位置を形成するステップ、
iv)開始位置と目標位置との間での個別の歯の位置の差を、複数の個別の運動量に分解し、これにより、歯の開始位置を起点とする個別の運動量の逐次的なステップにより歯の目標位置を達成するステップ、
v)少なくとも治療すべきそれぞれの歯のために、適切なブラケットを求めるステップ
vi)ブラケットを患者の歯おけるその対応位置に相当して配置するステップ、
vii)それぞれの個別の運動量のために、歯列不正を矯正する装置の所属するアーチエレメントを仮想的に設計するステップ、
viii)仮想的に設計されたアーチエレメントをそれぞれ加算的または減算的な方法によりコンピュータ制御して一体的に製造し、これによりアーチエレメントは完成後に少なくとも実質的にそれぞれその個別の最終形状を有しているステップ、および
ix)個別のアーチエレメントを治療法の全期間にわたって歯に位置するブラケットに順次連結し、この場合、治療すべき歯の位置の、それぞれの運動量に対応する実際の変化の終了後に、目下使用されているそれぞれのアーチエレメントを取り除き、次いでそれぞれ続く運動量のためのアーチエレメントを装着するステップ
を有している。
この治療法は、歯の運動が個別のステップにおいて行われ得るという特別な利点を有している。この場合、それぞれの個別のステップのために、個別のアーチエレメントが製造される。アーチエレメントは、次いで治療法の進行に応じて順次使用される。したがって、治療法は逐次的な方法である。
本発明による治療法は、歯に結合される伝達エレメントが、全治療法の期間にわたって典型的には交換される必要がないという特別な利点を有している。その代わりに、専ら種々のアーチエレメントが、運動すべき歯を順次それぞれ所望の運動を実施させるために役立つ。たしかに、伝達エレメントは、有利には治療法の前に、個別にそれぞれの歯の所望の運動に適合されることが望ましいが、治療法の期間にわたって交換される必要はない。
さらに、本発明に係る方法は、特にいわゆる「スプリント治療」(たとえば「インビザライン」(登録商標))に対して有利である。このような治療で使用されるスプリントは、あらゆる種類の歯の運動のために同様に適しているわけではないからである。たとえば、スプリント治療は、顎骨に沿った歯の並進運動のためにはどちらかというと適していない。したがって、スプリント治療は、場合によってはしばしば従来のブレースとの組合せで使用される。この場合、ブレースが、まず、大まかな位置不正を排除してから、その後にスプリントにより残りの細部が加工される。
これに対して個別化されたアーチエレメントの使用により、全ての運動の種類を良好に描くことができるので、ここで提案された治療法は、治療すべき患者の歯の個別の出発位置に少なくともほぼ依存しておらず、基本的に常に治療のために考えられる。
本発明に係る治療法の特に有利な構成では、選択されたブラケットが、それぞれの歯への装着前に、ブラケット支持体に配置される。この場合、ブラケットは、ブラケット支持体により、予め仮想的に計画された位置で歯に位置決めされ、その位置決め後に、歯に力を伝達する形式で結合される。言い換えると、ブラケットは、それぞれ治療すべき歯への装着前に、ブラケット支持体に配置される。このようなブラケット支持体により、ブラケットをその組込み前に正確に位置決めし、次いでブラケット支持体により個別のブラケットを治療すべき歯の正確な位置に設置することが可能である。
このためには、たとえば、ブラケット支持体が、スプリント治療において使用されるスプリントとほぼ同様に、治療すべき歯の模倣されたネガ形状で形成されていることが可能である。このようなブラケット支持体には、次いで仮想的に計画された位置に対応して個別のブラケットが配置される。ブラケット支持体は、次いで、それぞれ治療すべき歯に被せ嵌められる。この場合、ブラケット支持体は、その適合された成形に基づいて、治療すべき歯に正確な位置で設置される。ブラケット支持体上に位置するブラケットは、したがって同様に正確な位置にあり、つまりまさに予め仮想的に設計された位置にある。個別のブラケットは、次いで、単に力を伝達する形式で歯に結合されればよい。このことは、たとえば、それぞれの歯表面とそれぞれのブラケットとの間の中間領域にプラスチックを射出成形することにより行われ得る。結果として、ブラケットは、極めて高い精度で、治療すべき歯の予め仮想的に計画された位置に設置される。
上記のブラケット支持体は、プラスチックから深絞りされることによりたとえば特に簡単に製造され得る。深絞り過程に使用されるスタンプの形状は、たとえば、口内スキャンと、ギプス内の対応するポジ形状の続く成形とにより行われてもよく、したがって治療すべき歯に正確に適合されている。
個別の運動量のために設けられている個別のアーチエレメントは、有利には上述の形式で材料部分から作り出される。これにより生じる利点は、本発明に係る製造法に関連して上記で既に説明されている。有利には、アーチエレメントは形状記憶材材料、特にニチノールから形成されている。
さらに本発明に係る製造法は、個別の運動量に関連して順次使用される個別のアーチエレメントが、それぞれ同一の横断面を有していると有利である。このことは、使用されるブラケットが、治療の前に、使用すべきアーチエレメントの形状にのみ適合されればよいので有利である。特にそれぞれのブラケットのブラケットスロットは、アーチエレメントの形状にのみ合わせて成形されていればよい。
本発明に係る装置を図面に示した実施例につき詳しく説明する。
歯列不正を治療するための概略的に図示された装置を備える上顎を示す図である。 図1に示す装置のアーチエレメント用の種々異なる種類の形状結合エレメントを示す図である。 伝達エレメントの連結領域と形状結合エレメントとの係合を示す詳細図である。 図1に示す上顎であり、この場合、本発明による使用された装置が、複数の作動部分を備えている。 本発明に係る装置と協働する、複数の歯を有する下顎を示す図である。 図6に示す下顎であり、この場合、歯列不正を矯正するための治療法の進行した段階を示している。 治療法の終了の直前の、図6に示す下顎を示す図である。 本発明に係る装置のアーチエレメントの種々異なる種類の作動部分を示す図である。 本発明に係る装置と協働する、複数の歯を有する下顎の仮想図である。
図1,図4,図5〜図7および図9に図示されている例示的な本発明に係る装置1は、それぞれ1つのアーチエレメント2と、複数の伝達エレメント3とを有している。これらの伝達エレメント3は、それぞれ隣接している歯11とアーチエレメント2との間の力の伝達のために役立つ。伝達エレメント3は、当該技術においてはしばしばブラケットとも呼ばれる。ここではアーチエレメント2は、0.5mm×0.5mmの正方形の横断面を有している。アーチエレメント2は、レーザ切断により金属薄板から切り出されることにより、平坦に実施されている。この平坦な形態により、アーチエレメント2の長手方向軸線19は、強制力等のない、当該アーチエレメント2に力が加えられていない状態において、1つの平面内に延びるようになっている。
伝達エレメント3は、力を伝達する形式で、それぞれ隣接している歯11に結合されている。この結合は、伝達エレメント3と、所属する歯11との間の相対運動が不可能であるように行われる。もし可能であったとしても、このような相対運動は、伝達エレメント3、もしくは伝達エレメント3とそれぞれの歯11との間の結合材料の材料伸長の範囲でしか行われない。
アーチエレメント2と伝達エレメント3とは、それぞれ形状結合エレメント7により互いに結合されている。これらの形状結合エレメント7は、それぞれの伝達エレメント3のそれぞれの連結領域5に形状結合式に係合するように作用する。アーチエレメント2とそれぞれの伝達エレメント3との間の形状結合は、アーチエレメント2と伝達エレメント3との間で力が伝達可能であるが、その際にアーチエレメント2とそれぞれの伝達エレメント3との間の相対運動が生じないようにする。言い換えると、アーチエレメント2と伝達エレメント3との間の結合は、スリップなしに行われる。この形式により、アーチエレメント2から伝達エレメント3に作用させられる力は、特に正確に特定可能である。アーチエレメント2と伝達エレメント3との間のスリップもしくはずれによる誤った力損失が生じないからである。
図1による図面は、本発明に係る装置1を単に概略的に示している。装置1のアーチエレメント2は、アンカ固定部15により、後臼歯16にアンカ固定されている。このためには後臼歯16も、前歯11と同様にそれぞれ伝達エレメント3に結合されている。さらに、伝達エレメント3は、それぞれ1つの連結領域5を有している。この連結領域5は、アーチエレメント2の形状結合エレメント7に形状結合式に係合している。後臼歯16に間接的に結合されている形状結合エレメント7は、図1の図面では、残りのアーチエレメント2に結合されていない。この図面は、その限りでは純粋に概略的であり、アーチエレメント2が後臼歯16に至るまでガイドされているという実際の状況を図示していない。さらに、伝達エレメント3も形状結合エレメント7も、その構成を例示的に明瞭にするために、図1に示す後臼歯16において過度に高く図示されている。
これにより、たとえば、図1に示す形状結合エレメント7が後臼歯16においてそれぞれ互いに異なって形成されていることが判る。したがって、図1の左側の後臼歯16の形状結合エレメント7は、専ら半径方向に突出する突起8を有している。これらの突起8は、所属する伝達エレメント3の連結領域5を形状結合式に取り囲んでいる。これとは反対の側に位置する、右側の臼歯16の形状結合エレメント7の例では、形状結合エレメント7は突起8を備えている。これらの突起8は、末端の包囲領域17を有している。これらの包囲領域17により、形状結合エレメント7の突起8は、所属する伝達エレメント3のアンダカットされた対応する連結領域5を取り囲み、この形式で所望の形状結合を確保する。
図1に示した上顎の前歯において、アーチエレメント2は、それぞれ突出する突起8により、所属する伝達エレメント3に取り付けられている。この場合、それぞれの伝達エレメント3は、2つの形状結合エレメント7と協働する。このことは、アーチエレメント2と伝達エレメント3との間でトルクの伝達が可能という点で有利である。単に1つの形状結合エレメント7が使用されている場合、このような伝達は、所属する伝達エレメント3に対するアーチエレメント2の相対的な回動がブロックされているように形状結合エレメント7が成形されている場合にのみ可能である。
アーチエレメント2における形状結合エレメント7の形成は、先行技術によれば特に困難である。形状結合エレメント7の正確な位置決めがほとんど不可能であるからである。このことは、伝達エレメント3とアーチエレメント2との結合前にアーチエレメント2の個別の位置を求めることは従来不可能であり、したがって、アーチエレメント2の個別の位置は組込みの瞬間にようやく確定するということに起因する。言い換えると、次いで所望の力を伝達エレメント3もしくは隣接している歯11に作用させるために、形状結合エレメント7を予め正確に位置決めすることは不可能であった。アーチエレメント2の幾何学形状および伝達エレメント3の位置のこのような正確な計画、ならびにこれにより生じる形状結合エレメント7および対応する連結領域5の位置の事前計画の可能性は、本明細書において提案される本発明に係る製造法によって初めて可能にされている。これにより、アーチエレメント2と伝達エレメント3との結合後に、アーチエレメント2の変位と、この変位により生じるアーチエレメント2内の戻し力とが、まさに、診断された歯列不正に応じて事前に計画される大きさを有していることが確実にされている。したがって、本発明に係る装置1により、今や、歯11に作用する力を正確に計画し、かつさらに高い精度で、この計画された力が実際にも作用するという断定を行うことが可能である。
アーチエレメント2を作動させるためには、作動部分6が設けられている。作動部分6は、図1において単に概略的に図示されているが、図4ならびに図9につき詳細に観察され得る。さらに図8は、作動部分6の種々異なる構成の例示的な選択肢を提供している。
作動部分6は、それぞれ、本発明に係る装置1による歯列矯正治療の結果、所属する顎骨において移動されるべき伝達エレメント3もしくは歯11の間に設けられる。図1には、作動部分6が概略的に鋭利な幾何学形状により図示されている。このことは、特に右側臼歯16の形状結合エレメント7において見ることができる。
作動部分6は、アーチエレメント2が、言及に値する値だけ変位され得ることを可能にする。つまりアーチエレメント2は、作動部分6の作用により、局所的に圧縮されかつ局所的に伸長されてもよく、これにより、アーチエレメント2の材料の弾性特性に基づいて(特に、アーチエレメントは形状記憶材料、特にニチノールにより形成される)、アーチエレメント2内に戻し力が作動可能である。この戻し力は、次いで隣接する伝達エレメント3に作用する。この場合、この戻し力が、アーチエレメント2と伝達エレメント3との堅固な結合に基づいて、隣接する伝達エレメント3のみに作用することは自明である。作動部分6の包括的な作用、つまり又隣の歯11への作動部分6の力作用は、それぞれ隣接する歯11が、アーチエレメント2の作用する戻し力に基づいて運動するようにのみ行われ、その限りでは、それぞれ隣接する作動部分6の作動につながる(伸長または圧縮)。この場合、作動部分6は、特に図8から判るように、種々異なって構成されていてもよい。このように成形された幾何学形状は、「ループ」とも呼ばれる。
形状結合エレメント7は、種々異なって構成されてもよい。例示的な概観は図2においてa〜dのヴァリエーションで判る。この場合、基本的には、このような形状結合エレメント7は以下のように互いに異なっていてもよく、すなわち、形状結合エレメント7は、伝達エレメント3の対応する連結領域5を単に側方で取り囲んでいる(図2a)か、または上述の連結領域5にさらに背後から係合する(図2b〜図2d)。さらに、形状結合エレメント7は、掛かり部18を有して形成されていてもよい。この掛かり部18は、アーチエレメント2の長手方向軸線19に対して平行な両方向でのアーチエレメント2の運動を付加的にブロックする。
伝達エレメント3とアーチエレメント2との協働の例示的な図が図3から判る。ここでは、特に、突起8として形成された形状結合エレメント7が、伝達エレメント3の、対応して成形された連結領域5にどのように係合するかが判る。ここでは、伝達エレメント3は、図3の部分bから判るように、ブラケットとして形成されている。このブラケットの連結領域5は、ブラケットスロットにより形成されている。このブラケットスロットは、ブラケットの幅に沿って溝の形状で延びており、アーチエレメント2はブラケットスロットの溝内に挿入されている。形状結合エレメント7は、ブラケットスロットを側方で取り囲むので、アーチエレメント2と伝達エレメント3の間の、アーチエレメント2の長手方向軸線に平行な方向での相対運動はブロックされている。
種々異なる歯11におけるアーチエレメント2のアンカ固定が可能であることは自明である。このために臼歯16が使用されることは必ずしも必要ではない。本発明に係る装置1の基本的な使用は、歯列矯正における技術の一般的に認知されている規則に従っている。このことは、個別の歯11の運動の形式にも、伝達エレメント3の構成にも、アーチエレメント2の横断面の寸法設計にも当てはまる。アーチエレメント2の横断面の寸法設計は、それぞれ治療すべき歯の所望の運動に関連する伝達エレメント3と作動部分6との協働にも関する。
図4に示した実施例では、作動部分6がメアンダ状に形成されていることが判る。それぞれの作動部分6のメアンダ形状は、隣りあう複数のループの形で形成されている。この場合、これらのループは、それぞれその頂点を上側と下側で交互に有している。作動部分6の構成は、作動部分6の具体的な幾何学形状とは関係なしに、常に、ばねエレメントとして作用することができるように選択されているので、アーチエレメント2には、戻し力(引張力、押圧力、ねじりモーメント、曲げモーメント)が加えられてもよい。図8からは、作動部分6のための種々異なる幾何学的な形状が判る。たとえば、U字形のループ14の形の作動部分が可能である(図8a)。同様に図8bに示されたオメガ形状も可能である。尖鋭に延びるピラミッド形も可能である(図8c)。作動部分のメアンダ状の構成に関して、たとえば図8d〜図8fが参照される。
本発明に係る装置1による歯列矯正治療は特に有利である。例示的な治療経過は図5〜図7により判る。ここでは、歯列矯正装置1が使用される。この歯列矯正装置1は、下顎の前側の切歯の不正位置を解消することが望ましい。装置1は、左側でも右側でも、下顎の、それぞれ中心から見て4つ目の歯にアンカ固定されている。図5〜図7において一貫して黒く図示されている線は種々異なるアーチエレメント2を表しており、これらのアーチエレメント2は、図示しない伝達エレメント3により歯11に結合されている。個別の作動部分6は、それぞれ、歯11の間の歯間スペースにおいて、増厚部により示唆されている。治療法に関連して、この治療法の進行に応じて、それぞれアーチエレメント2は、治療すべき歯11のそれぞれの運動量の終了後に、交換されなければならないことが判る。この場合、通常、歯11に配置されている伝達エレメント3は全治療期間にわたって維持され得る。
このことは具体的には、歯列矯正治療の計画のために、まずは治療前の現状が、治療すべき歯の初期位置に関連して検出される必要があることを意味している。この初期位置に応じて、検出された歯の仮想モデルに基づいて、歯の所望の最終位置が求められる。このことは、治療すべき歯の検出された初期位置に基づいて形成された仮想モデルを起点とする歯の仮想的な運動に基づいて生じる。治療すべき歯の最終位置と初期位置との間の差が、全運動に一致する。
通常、この全運動は、その全ての構成要素において一貫して同一である歯科矯正装置を使用することでは十分に達成することができない。したがって、提案された治療法により、求められた全運動は、複数の個別の運動量に分解される。これらの運動量はそれぞれ、その全ての構成部材において同一の歯列矯正装置を使用することによって達成することができる。規定されたそれぞれの運動量は、治療法により、所属するアーチエレメント2に関連付けられる。したがって、それぞれのアーチエレメント2は、それぞれの伝達エレメント3と協働して、治療すべき歯を、それぞれ所属の、計画された運動量が終了される位置まで運動させる。
この運動量が終了するや否や、次いでその時のアーチエレメント2が取り出され、それぞれ次のアーチエレメント2が装着されるので、次の運動量を実施することができる。したがって、この治療法は、逐次的な方法を成す。この方法では、次々に、治療すべき歯の初期位置と最終位置との間の個別の運動量が、それぞれ個別の個々のアーチエレメント2により実施される。
図5〜図7からは、これらの図面に示されたアーチエレメント2の種々異なる形状が判る。図7に示す図面は、治療すべき歯を最後の運動量において示している。この最後の運動量の終了後に歯はその当初に計画された所望の最終位置に位置している。
図9に示す図面は、左側の3つ目の歯から右側の3つ目の歯の領域における別の下顎を示している。この図面は、治療すべき下顎の仮想的なイメージを成している。治療すべきそれぞれの歯11には、それぞれ1つの伝達装置3が配置されている。伝達装置3には、アーチエレメント2が連結されているので、アーチエレメント2と伝達エレメント3との間で力が伝達可能である。アーチエレメント2は、図示の実施例では、全部で3つの作動部分6を有している。この場合、これらの作動部分6は、それぞれ環状部10として形成されたループ14の形で形成されている。このループ14の形状は、図8aに示したループとほぼ一致する。アーチエレメント2は、長手方向軸線19を有している。この長手方向軸線19は、アーチエレメント2に沿って伸びている。アーチエレメント2は全体的に平坦に形成されている。つまり、長手方向軸線19は、歯11の高さ軸線に対してほぼ垂直方向に向けられている図示されていない平面内に位置している。
図面に基づいて、ここでは仮想モデルに図示されている治療すべき歯11が、互いに対して離間し過ぎていることが判る。したがって、治療すべき歯11のこのような初期位置における治療目的は、歯11を互いに近づく方向に運動させることにある。このためには、計画されたアーチエレメント2が、伝達エレメント3内への挿入後に、その内部張力を備えていて、これにより、アーチエレメント2内に作用する戻し力に基づいてアーチエレメント2が、その当初の形状に戻るように収縮するようになっていることが必要である。この運動中に、アーチエレメント2は、治療すべき歯11を「連行する」。このためには、伝達エレメント3におけるアーチエレメント2の力を伝達する連結が必要であることが自明である。この連結は、本発明によれば、形状結合エレメント7により達成される。この形状結合エレメント7のうち、図9ではそれぞれ外側の形状結合エレメント7だけ見えるようになっている。
この場合、形状結合エレメント7は、半径方向に突出する突起8により形成されている。これらの突起8は、アーチエレメント2の長手方向軸線19に対してほぼ垂直方向に延びている。突起8は、それぞれ隣接している伝達エレメント3に形状結合式に係合するように適合されている。図示の場合、突起8は、それぞれの伝達エレメント3の連結領域5の対応するストッパ面を側方で押圧している。この形式によって、アーチエレメント2とそれぞれの伝達エレメント3との間のスリップのない力伝達が確保される。
図9に示されたアーチエレメント2は、図9では可視の形状結合エレメント7の他に、さらに別の形状結合エレメント7を有している。この形状結合エレメント7は、半径方向に延びる突起8の形で形成されている。しかしこの突起は、図9では見ることはできない。突起は、それぞれ隣接する伝達エレメント3に設けられた対応する切欠き内に係合しているからである。このためには、これらの突起8は、歯11に対して相対的に見て前庭方向で、それぞれの伝達エレメント3の対応する切欠き内に突入するように延びている。
顎骨に沿った歯の純粋な運動の他に、本発明に係る装置1により、歯は、歯の高さ軸線および横方向軸線を中心として回動することができる、つまり、アーチエレメント2により、曲げモーメントが伝達エレメント3に伝達可能であることは自明である。このことを達成するために、それぞれのアーチエレメント2は、単にその長さで見て変位されているだけではなく、さらに可能であれば捩られるか、その長手方向軸線19を中心として湾曲される。いずれの場合も、伝達エレメント3とのアーチエレメント2の連結前にアーチエレメント2の変形によって、アーチエレメント2に戻し力(または戻しモーメント)が作動させられる。この戻し力は、伝達エレメント3との形状結合式の連結に基づいて、次いで治療すべき歯11の所望の運動を引き起こす。
上述の説明による個別の実施例の個別の特徴は、必ずしも互いに依存しておらず、当業者が、技術的に可能であれば、個別の特徴を異なる形式で互いに組み合わせることができることは自明である。
1 装置
2 アーチエレメント
3 伝達装置
4 歯表面
5 連結領域
6 作動部分
7 形状結合エレメント
8 突起
9 切欠き
10 環状部
11 歯
12 ブラケットベース
13 スロット
14 ループ
15 アンカ固定部
16 臼歯
17 包囲領域
18 掛かり部
19 長手方向軸線

Claims (12)

  1. 歯列不正を矯正する装置(1)であって、
    アーチエレメント(2)と、
    少なくとも2つの伝達エレメント(3)と
    を有し、
    前記伝達エレメント(3)の各々は、歯表面(4)と協働するように適合されており、かつ連結領域(5)を有し、該連結領域(5)において、前記伝達エレメント(3)の各々が、前記アーチエレメント(2)に力を伝達する形式で連結可能であるか、または連結されており、
    前記アーチエレメント(2)は、全体的に見て、下顎または上顎の形状に沿った湾曲した放物線形状を有し、
    前記アーチエレメント(2)は、少なくとも1の作動部分(6)を有し、該作動部分(6)は、隣接する2つの伝達エレメント(3)の間に配置されていて、かつ前記アーチエレメント(2)が前記伝達エレメント(3)に連結されている前記装置(1)の組込み状態において、前記アーチエレメント(2)が少なくとも局所的に弾性変形されているように、成形されており、これにより前記アーチエレメント(2)内で戻し力が作用し、該戻し力は、前記連結により、前記伝達エレメント(3)に伝達可能であり、
    前記アーチエレメント(2)は、少なくとも1つの形状結合エレメント(7)を有し、該形状結合エレメント(7)により、前記アーチエレメント(2)が、前記伝達エレメント(3)の各々に形状結合式に協働し、これにより前記アーチエレメント(2)と前記伝達エレメント(3)の各々との間の互いに対する相対運動が、前記伝達エレメント(3)の前記連結領域(5)で見て、前記アーチエレメント(2)の長手方向軸線に平行な方向でブロックされている、装置(1)において、
    前記アーチエレメント(2)の長手方向軸線(19)が、少なくとも前記アーチエレメント(2)に力が加えられていない状態において、1つの平面内に延びていることを特徴とする、装置(1)。
  2. 前記アーチエレメント(2)は、方形、好適には正方形の横断面を有し、前記アーチエレメント(2)の辺の長さは、好適には最大で0.6mm、さらに好適には最大で0.5mmである、請求項1記載の装置(1)。
  3. 前記アーチエレメント(2)は、形状記憶材料から、好適にはニッケル−チタン合金から、特にニチノールから形成されている、請求項1または2記載の歯列不正を矯正する装置(1)。
  4. 前記アーチエレメント(2)は、少なくとも1つの作動部分(6)において、環状部(10)の形でまたはメアンダ状に形成されているので、前記アーチエレメント(2)は、前記作動部分(6)において、ばねとして作用することができる、請求項1または3のいずれか1項記載の装置(1)。
  5. 前記アーチエレメント(2)は、互いに離間した複数の形状結合エレメント(7)を有し、少なくとも2つの形状結合エレメント(7)は、該形状結合エレメント(7)が前記装置(1)の組込み状態において同一の伝達エレメント(3)と協働するように、互いに対応している、請求項1または4のいずれか1項記載の装置(1)。
  6. 前記少なくとも1つの形状結合エレメント(7)は、前記アーチエレメント(2)の長手方向軸線に対して相対的に見て、半径方向に延びる突起(8)により形成されており、好適には、対応する伝達エレメント(3)は、前記突起(8)と形状結合式に係合する対応する切欠き(9)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置(1)。
  7. 前記アーチエレメント(2)は、少なくとも1つの局所的な湾曲部、好適には複数の局所的な湾曲部を有し、該湾曲部は、最大で1.0mm、好適には最大で0.5mm、さらに好適には最大で0.2mmの曲率半径を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置(1)。
  8. 前記アーチエレメント(2)は、一体的に形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置(1)。
  9. 歯列不正を矯正する装置(1)用のアーチエレメント(2)の製造法であって、
    a)患者の下顎または上顎の複数の歯(11)の位置を検出するステップと、
    b)前記歯(11)の検出された位置を使用して、前記歯(11)のデジタルモデルを作成するステップと、
    c)前記デジタルモデルを使用して、前記装置(1)用の前記アーチエレメント(2)を仮想的に設計するステップと、
    d)前記アーチエレメント(2)が、その完成後に少なくとも実質的に、前記装置(1)において使用可能である最終的な形状を有しているように、仮想的に設計された前記アーチエレメント(2)をコンピュータ制御して一体的に製造するステップと、
    を有する方法において、
    e)前記アーチエレメント(2)を、金属薄板から形成された材料部分から作り出すステップを有し、前記金属薄板の厚さが該金属薄板の他の寸法を顕著に下回っている
    ことを特徴とする、方法。
  10. 前記アーチエレメント(2)を、1つの材料部分からフライス加工するか、または切り出す、請求項9記載の方法。
  11. 前記金属薄板の厚さは、1.0mmよりも小さい、請求項9または10記載の方法。
  12. 前記アーチエレメント(2)をレーザ切断により、またはワイヤ放電加工により、前記金属薄板から切り出す、請求項9から11までのいずれか1項記載の方法。
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