JP2019514442A - 凍結防止培地及び再結晶防止方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2016年5月13日に出願された米国仮出願第62/36,142号に基づく優先権を主張する。
本発明は、低温生物学及び凍結保存の分野に関する。
細胞膜を透過する凍結防止剤を含有する一般的に使用される凍結防止培地は、非低温(例えば−80℃)で凍結されると熱的に不安定であるため、細胞ストックの現在の長期間の貯蔵には液体窒素(LN2)の使用が日常的に必要である。それにより、氷の再結晶化をもたらし、大部分の実験室のディープリーザーによって提供される貯蔵条件下で経時的に細胞生存性の漸進的喪失を引き起こす。細胞貯蔵のためのLN2への依存は、操作上の費用を大幅に増加させ、作業効率及び安全性の障害に関する多くの問題を引き起こす。
氷の再結晶化を防止するためのコンパクト3D構造の親水性多糖分子の巨大分子密集効果を実証する分子動力学的研究
フィコール70−DMSO−水、ショ糖−DMSO−水、及びDMSO−水を含む分子システム用の3つのシミュレーションボックスを、分子動力学シミュレーション用に調製した。これらすべてのシステムでは、系統的な温度は−80℃として固定された。各成分の濃度は、これらの三元系の予め測定された状態図によって決定される。フィコールとDMSOの質量比が1:1であるフィコール70−DMSO−水系について、状態図は、−80℃で、フィコール、DMSO及び液体水の濃度がそれぞれ35%、35%及び30%(w/w)とされ、固体水(氷相)との相平衡に達することを決定する。換言すれば、本発明の培地では、DMSO及び細胞懸濁液と混合した後、新しい混合物をゆっくりと−80℃に冷却し、フィコール濃度を有意に増加させる。図1(A)は、体系安定性を試験するために氷核を中心に置いた、−80℃でのフィコール−DMSO−水系の巨大分子密集挙動の分子動力学的実証を示す。左の写真はシミュレーションボックス全体である。右の写真は氷核を示すシステムの横断面図である。図1(B)は、体系安定性を試験するために氷核を中心に置いた、−80℃で均一に分布させたショ糖−DMSO−水系の分子動力学的実証を示す。左の写真はシミュレーションボックス全体である。右の写真は氷核を示すシステムの横断面図である。図1(C)は、体系安定性を試験するために氷核を中心に置いた、−80℃でのDMSO−水系の均一分布の分子動力学的実証を示す。左の写真はシミュレーションボックス全体である。右の写真は、氷核を示すシステムの横断面図である。
非極低温での凍結防止溶液の再結晶の防止
試料中の氷結晶の熱安定性を著しく改善する本発明の培地の能力を実証するために、走査型電子顕微鏡(SEM)を実施した。
熱安定性を調べるための示差走査熱量計の使用
水溶液中でコンパクトで球形の親水性多糖類であるフィコールを混入すると、ミクロスケールの拡散が制限され、巨大分子の構造的再構成が制限される可能性がある。氷の再結晶化の可能性を探るために、示差走査熱量測定(DSC)を使用して非極低温でのDMSO及びフィコール(フィコール70及びフィコール400)の水溶液の熱安定性を調べた。比較のために、DMSO及びポリビニルピロリドン(PVP)又はショ糖(一般に使用されているポリマー及び凍結保存に使用される小分子を表す)を含む同様の三元系も試験した。低速凍結プロセスの終わりに残留溶液をモデル化するために、1:1の重量比の非浸透性溶質の1つ及び浸透性凍結保護剤DMSOからなる高濃度溶液を、同じ全溶質濃度(50%w/w)で調製した。Pyris Diamond DSC(Perkin−Elmer Corp)を用いて、ガラス化及び失透を検出するための標準DSC手順を追跡した。8μlの各モデル溶液の容量を、液体試料用に設計された標準的な10μlアルミニウムるつぼ(Perkin−Elmer Corp)に封入し、次いでDSC装置の試料ホルダーに充填した。すべての試料を100℃/分で1℃から−160℃まで冷却して完全なガラス化を達成した。これは冷却中及び加温後のすべての試料について−130℃付近の連続熱容量変化によって確認され、試料のいずれも冷却プロセス中に何ら結晶化を経験しなかった。−160℃で1分間保持した後、試料を10℃/分の加温速度で20℃に加熱した。すべての資料において失透が検出され、対応する発熱曲線の開始温度を、Perkin−Elmer Corp.が提供するPyris(商標)熱分析ソフトウェアを用いて失透温度の値として決定した。表1は、緩慢な凍結プロセスの終わりに1つのポリマー(又はショ糖)及びDMSOを含有する水溶液の凍結していない残留部分をモデリングする高濃縮溶液の失透温度を示す。各溶液の全溶質重量パーセントは、50%w/wとして固定されている。
−80℃での長期貯蔵後のO2KブタのiPSC細胞の生存性及び多能性の特徴の検討
商業的なディープフリーザーにおける長期貯蔵中のブタ誘導性多能性幹細胞(iPSC)のO2K株の生存性及び多能性の特徴を保存する本発明の培地の能力を試験した。ブタのiPSCのO2K株は、白血病抑制因子(LIF)及び自己再生のためのSTAT3シグナル伝達に依存するナイーブ型の多能性幹細胞であり、生存性を有意に損なうことなく単細胞に分散することができる。日常的な維持のために、O2K piPSCを、3つの阻害剤(CHIR99021(Stemgent)、PD032591(Stemgent)及びPD173074)、2μg/mlドキシサイクリン(Stemgent)、及び1000単位/mlヒトLIF(Millipore)が捕捉されたN2B27(Gibco)培地中の6ウェル培養プレート(Nunc)上のラミニン(Gibco)被覆基層又は照射マウス胚線維芽細胞フィーダー上で培養された。O2K piPSCを、Accutase(Millipore)を用いて37℃で7分間分散させた後、3日ごとに継代した。細胞コロニーを、Innovative Cell Technologies、Inc.によりAccutase(登録商標)の商品名で販売されている細胞剥離溶液で単細胞に分散させた。解離した細胞を遠心分離(200×g、5分間)により集め、冷却培地に再懸濁した。本発明の培地の様々な実施形態を10%(w/v)フィコール70及び20%(v/v)DMSO、20%(w/v)フィコール70及び20%(v/v)DMSO、30%(w/v)フィコール及び20%(v/v)DMSOとして調製した。これらの培地は、FBS(血清)又はダルベッコ改変イーグル培地(DMEM/F12、無血清)のいずれかに基づき、別の言葉では、フィコール80及びDMSOが排除され、培地の液体部分はFBS又はDMEMのいずれかである。これらの培地の各々を、その培養培地中の細胞の懸濁液に滴下して加えた(細胞懸濁液と添加された全ての培地液滴との間の総容量比は約3:2である)。混合後、DMSOの培地−細胞懸濁液中の最終濃度は、凍結前に、それぞれ約10%v/v及びフィコール70を5%、10%又は15%w/vであった。そのような混合手順は、凍結防止培地全体を細胞懸濁液と直接混合することによって生じる浸透圧損傷によって引き起こされる細胞損傷を改変することである。次に、多くの細胞型の現在の凍結保存に広く使用されている冷凍ボックス(Mr.Frosty、Nalgene)にクリオバイアルを入れた。後者を一晩、−80℃の冷凍庫に入れ、約1℃/分の冷却速度を与えた。翌日、バイアルを−80℃の冷凍庫に2週間保管した。対照群は、凍結防止培地がFBS単独に基づくものであり、幹細胞LN2貯蔵に一般的に使用されるフィコールを含まないことを除いて、同じ最終濃度のDMSO(10%)を達成するために同様の手順で処理された細胞であった。これらの対照試料を同じ低速凍結手順で冷却し、次いで−80℃(陰性対照として)又はLN2デュワー(陽性対照として)で保存した。
−80℃での長期貯蔵後のID6ブタのiPSC細胞の生存性及び多能性の特徴の検討
培養中のID6ブタのiPSCの形態を図7Aに示す。細胞は平らで接着性のコロニーを形成し、そのコロニーは、概して、特別な予防措置が取られない限り、互いに解離した場合に死滅する。結果として、それらは歴史的に継代され、塊としてLN2に凍結保存されている。しかしながら、細胞塊を凍結することには限界があり、凍結防止剤はそれらにあまり効率的に浸透せず、細胞の僅かな部分のみが凍結保存後に生存する可能性がある。播種効率は一般的に低く、クローン増殖は困難である。
−80℃での長期貯蔵後のヒトiPSC細胞の生存性及び多能性の特徴の検討
本発明の培地はまた、ヒトiPSCに対して効果的な凍結保存を提供することができた。ヒトiPSC株は、エピソームプラスミドトランスフェクションを用いて5つの因子(POU4F1、SOX2、KLF4、LIN28、及びMYCL)及びTP53 shRNAで再プログラムしたヒト臍帯繊維芽細胞に由来した。細胞を、定義されたmTeSR1培地(STEMCELL Technologies)中のマトリゲル(BD Bioscience)で被覆した6ウェル培養プレート(Nunc)上で培養した。ヒトiPSC株の細胞コロニーの形態は、実施例5のID6細胞と同様である。したがって、凍結前に、細胞コロニーもまた、実施例5に記載されているように、より小さい細胞凝集物中に分散させた。冷却、貯蔵、解凍、解凍後の生存率試験は、解凍した細胞をマトリゲルでコーティングした6ウェルプレートに移す以外は、実施例5に記載したものとほぼ同じであった。図6Cに示すように、貯蔵の65週後、解凍後の生存率及びコロニーサイズは、対照群(本発明の培地を使用しない液体窒素貯蔵(左のバー))、及び処置群(本発明の培地を用いた−80℃貯蔵、右のバー)とほぼ同じである。SSEA1をSSEA4に置き換えたことを除いて、実施例4に記載したのと同様の手順に従い、解凍細胞の多能性試験により、65週間後の−80℃の低温保存細胞が多能性表現型を保持していることが示された(図9C参照)。
−80℃での長期貯蔵後のヒトESC細胞の生存性及び多能性の特徴の検討
H1 hESC(WA01)は、2002年にウィスコンシン州マディソンのWiCell Research Instituteから入手した。生存率試験の培養、維持、分散、冷却、貯蔵、解凍及び解凍後の手順は、実施例6に記載したものと同じであった。結果は図6Dに示されており、本発明の培地を使用した場合(左パネルの右バー)には、−80℃貯蔵の5及び15週間後には解凍後生存率は低下せず、液体窒素貯蔵からのもの(左パネルの左バー)と匹敵し得た。本発明の培地(両チャンネルの中央のバー)を使用しないと、細胞生存率及びコロニーサイズの両方が有意に低下した。図6Dの右パネルに示すように、本発明の培地を使用すると、コロニーサイズは減少したが、結果は、本発明の培地を使用せずに−80℃で保存したものよりも100%良好であった。
本発明の培地を使用する実験はまた、異なる方法を使用して分離されたID6ブタのiPSC胚盤葉型細胞を用いて行った。コロニー(図7A)は、ディスパーゼ処理及びその後の切断ツールの使用後に大きな密集体(約100個の細胞)に壊れ、均一なサイズの密集体を得て、図7Dに示される。(図7では、スケールバー=500μm)。そのような方法は、歴史的にそのような細胞を継代する標準的な方法であったが、凍結保存前に胚盤葉型幹細胞を処理する方法としてはもはや好ましい方法ではない。前述の実施例に関して論じられ、図7B及び図7Cに示される解離方法がより好ましく使用され、このような手段によって解離された細胞は、上述のように本発明の培地を用いて保存された場合に陽性結果を示した。しかしながら、ディスパーゼ/切断処理によって生じたより大きなコロニーを直接保存するためには、本発明の培地と混合する前に、ある量の凍結保護物質を大きなコロニーに予め装填するという潜在的な処理が知られており、得られた細胞を本発明の培地に保存した方がより良好な結果が得られる。その改善の理由は、本発明の培地中のフィコールの存在が、凍結防止剤の大きなコロニーの内層への浸透を遅延させるか又は遅らせるという事実にある。したがって、本発明の培地を混合する前に、ある量の凍結防止剤のみを大きなコロニーに装填する前処理によりこの問題が解決される。図10は、上記の前処理なしの切断方法が、本発明の方法の適用のための好ましい方法ではないことを確認する。図10は、コロニーの機械的解離及び2週間の凍結保存の後に形成されたコロニーを示す。図10A及び10Bは、それぞれ、−80℃及びLN2貯蔵条件下で本発明の培地を用いずに保存した図7Dの大きなコロニーを示す。図10Cは、上記の前処理なしで本発明の培地中に−80℃で保存された細胞を示す。
−80℃での3つの貴重な細胞型の中期凍結保存における効率
精子、末梢血単核細胞(PBMC)、及び大腸菌(E.coli)は、貯蔵期間が長年に及ぶ場合であっても、低温貯蔵中に細胞生存率を漸減させることなく液体窒素中で首尾よく凍結保存することができる典型的な細胞型である。しかしながら、自家製又は市販の凍結保存培地を用いた−80℃での貯蔵は、貯蔵期間の中期(例えば数ヶ月)後でも生存率及び機能性の著しい喪失をもたらし、このような喪失の比率及び程度は細胞型に依存する。以下に記載する実施例を用いて、本発明の凍結保存がこれらの細胞型に採用された場合、これらの損失が防止されたことを実証した。
ブタ精子を−80℃で貯蔵するための本発明の培地と市販の凍結防止培地の比較
ブタ静止の保存効率の改善は、ブタの繁殖の改善にとって重要であり、食品産業にとって非常に貴重である。液体窒素デワール、乾燥出荷又ははるかに高価な極低温フリーザーを使用した液体窒素又はその蒸気中のブタ精液の凍結保存又は輸送は、ほとんどの農場操作での使用には非常に高価で実用的ではない。その結果、新しく採取した精子は市販のエクステンダー溶液(凍結保護剤なし)と約4℃で広く混合されているが、この方法では精子の生存率を約1週間しか維持できない。
−80℃でのブタPBMCの貯蔵のための本発明の培地と広く使用されているDMSO+FBS培地との比較
PBMCは、血液バンクのために非常に有益であり、免疫学(自己免疫障害を含む)、感染症、血液悪性腫瘍、ワクチン開発などに関連する研究又は生物医学的応用に広く使用される。DMSO、FBS又はBSA、及び基本培地(例えば、DMEM)を用いると、これらの細胞は、細胞の生存率を失うことなく、長年、液体窒素又はその蒸気中で首尾よく凍結保存することができる。しかしながら、それらが−80℃の冷凍庫に保存されると、徐々に細胞が失われ、1年をわずかに超える貯蔵後に回復が最小限に抑えられる。また、液体窒素又はその蒸気中に予め保存された試料を輸送するためにドライアイスボックスを使用すると、輸送中の再結晶化(−120℃以下から−78℃以上の温暖化)による細胞損失が避けられない。多くの小規模のクリニック又は病院では、高価な液体窒素施設を使用せずにPBMCの細胞ストックを確立することは技術的に不可能である。さらに、PBMC凍結防止培地で使用される高濃度のFBS(一般に40%v/v)は、FBS(800〜1,000ドル/L)の価格がDMEM又は他の単純塩基培地(約20ドル/L)、さらに重要なのは、動物用製品としてのFBSは汚染及び規制上の問題を引き起こす。
−80℃での大腸菌コンピテント細胞(典型的な原核細胞)の貯蔵のための本発明の培地と広く使用される培地との比較
大腸菌コンピテント細胞は、分子生物学の研究及び技術開発におけるDNAの形質転換のために最も一般的に使用される細菌細胞型である。DMSOを用いた液体窒素中の大腸菌コンピテント細胞の凍結保存は、長期貯蔵のために広く使用されているプロトコールである。多くの実験室では、−80℃のディープフリーザーで一時貯蔵に高濃度のグリセロールを使用しているが、保存された細胞ストックは、数ヶ月後に伸び、高濃度のグリセロール(高粘性)を使用すると操作上問題がある。
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Claims (44)
- 非極低温凍結温度で細胞を保存するための培地であって、
親水性かつ無毒性の巨大分子;
水性液体;及び
凍結防止剤
を含み、ここで、前記巨大分子は、前記培地中の濃度が約20%(w/v)以上であり、前記高分子の分子は、前記水性液体に溶解されたときに、形状が球形であるコンパクトな三次元構造を形成する、上記培地。 - 培地中に懸濁させた細胞をさらに含む、請求項1に記載の培地。
- 前記非極低温凍結温度で、前記コンパクトかつ球状の構造体が、前記細胞と共に前記培地の凍結していない部分に濃縮され、前記密集効果は、前記非低温での貯蔵中の氷の再結晶を防止する、請求項2に記載の培地。
- 前記培地中の前記巨大分子の濃度が約25%(w/v)以上である、請求項1〜3のいずれかに1項に記載の培地。
- 前記培地中の前記巨大分子の濃度が約35%(w/v)以上である、請求項4に記載の培地。
- 前記培地中の前記巨大分子の濃度が約50%(w/v)以上である、請求項5に記載の培地。
- 前記凍結防止剤が、前記培地中の前記巨大分子の濃度の約20%以上、好ましくは約50%以上の濃度である、請求項1〜6のいずれかに記載の培地。
- 前記培地中の前記凍結防止剤の前記濃度が、前記培地中の前記巨大分子の濃度の約75%以上である、請求項7に記載の培地。
- 前記培地中の前記凍結防止剤の濃度が、前記培地中の前記巨大分子の濃度の約100%以上である、請求項8に記載の培地。
- 前記巨大分子がポリマーである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の培地。
- 前記ポリマーが、前記水性液体に溶解されたときに、形状がほぼ球形である前記コンパクトな三次元構造を形成する分子を含む、請求項10に記載の培地。
- 前記ポリマーが、球状(spherical)親水性多糖類、重合シクロデキストリン又は糖類、球形(globular)タンパク質又は球状タンパク質、球状タンパク質にオリゴ糖鎖を結合させることによって形成される球状糖タンパク質、それらの球形タンパク質の他の誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の培地。
- ポリマーが親水性多糖類である、請求項12に記載の培地。
- 前記ポリマーが、ショ糖及びエピクロロヒドリンの共重合によって形成されるポリマーである、請求項13に記載の培地。
- 前記凍結防止剤が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、エチレングリコール、プロパンジオール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の培地。
- 前記水性液体が、細胞培養培地、栄養培地、生理食塩水及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の培地。
- 前記水性液体が、血清、FBS(ウシ胎仔血清)、DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)、HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピエラジンエタンスルホン酸)、FHM(フラッシング保持培地)、PBS(リン酸緩衝食塩水)、DPBS(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水)、RPMI(ロズウェルパークメモリアルインスティテュート培地)、BF5培地、EX−CELL培地、Lysogeny broth(LB)培地、CaCl2水溶液、NaCl水溶液、KCl水溶液及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の培地。
- 前記懸濁細胞が、真核細胞、好ましくは哺乳動物細胞である、請求項2〜17のいずれか1項に記載の培地。
- 浮遊細胞が哺乳動物細胞であり、前記哺乳動物細胞が、マウス細胞、ブタ細胞、ヒト細胞、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載の培地。
- 前記哺乳動物細胞が、幹細胞、体細胞、再生細胞及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項18又は19に記載の培地。
- 前記懸濁細胞が原核細胞である、請求項2〜17のいずれか1項に記載の培地。
- 前記コンパクトなほぼ球形の構造が、それらの最も広い寸法において約100nm(ナノメートル)以下である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の培地。
- 前記コンパクトなほぼ球形の構造が、それらの最も広い寸法において約1〜50nmの範囲の構造を含む、請求項22に記載の培地。
- 前記コンパクト構造が、それらの最も広い寸法において約5nm〜10nmの範囲の構造を含む、請求項23に記載の培地。
- 前記培地が、血清、動物タンパク質又はヒトタンパク質を実質的に含まない、請求項1〜24のいずれか1項に記載の培地。
- 非極低温凍結温度で細胞を保存するための方法であって、
親水性かつ非毒性の巨大分子、凍結防止剤、及び水性液体を含む凍結防止培地を提供するステップであって、前記巨大分子は、約10%(w/v)を超える前記培地中の濃度であり、前記巨大分子は、前記水性液体中に溶解されたときに球状構造を形成するステップ;
前記培地に前記細胞を添加して、培地−細胞懸濁液を形成するステップ;
前記非極低温凍結温度まで前記培地−細胞懸濁液をを冷却するステップであって、前記非極低温凍結温度が約−85℃以上であるステップ;ならびに
前記非極低温凍結温度で若しくは異なる非極低温凍結温度で又はその近傍で3週間よりも長い期間、培地−細胞懸濁液を維持し、一方、前記細胞の解凍後の細胞生存率を、前記期間、液体窒素中で前記細胞の貯蔵のために得られるのと等しい又はそれとほぼ同じである細胞の解凍後の細胞生存率を維持するステップ
を含む方法。 - 前記巨大分子がポリマーである、請求項26に記載の方法。
- 前記凍結防止培地中の前記ポリマーの濃度が、前記水性液体中、10%から前記ポリマーの溶解度までの範囲である、請求項27に記載の方法。
- 前記凍結防止培地中の前記ポリマーの前記濃度が約20%〜50%である、請求項28に記載の方法。
- 前記培地に添加された細胞が、前記細胞の第1の懸濁液中にあり、前記凍結防止培地と前記細胞の前記第1の懸濁液の前記体積比が約10:1及び1:5である。
- 前記凍結防止培地と前記細胞の前記第1の前記体積比が約3:2〜1:5である、請求項30に記載の方法。
- 前記期間が約3週間であり、少なくとも約1年に及ぶ、請求項26〜31のいずれか1項に記載の方法。
- 前記期間が約1年以上である、請求項32に記載の方法。
- 前記期間が約5年以上である、請求項33に記載の方法。
- 前記期間が約10年以上である、請求項34に記載の方法。
- 前記解凍後の細胞生存率が、同じ時間期間の液体窒素中での前記細胞の貯蔵のために得られたものの約70%以上である、請求項26〜35のいずれか1項に記載の方法。
- 温度が約−100℃〜−20℃の範囲である、請求項26〜36のいずれか1項に記載の方法。
- 前記温度が約−85℃〜−65℃の範囲である、請求項37に記載の方法。
- 前記温度が約−80℃〜−75℃の範囲である、請求項38に記載の方法。
- 前記培地−細胞懸濁液を約0.01℃/分〜1000℃/分の速度で冷却する、請求項26〜39のいずれか1項に記載の方法。
- 前記培地−細胞懸濁液を約0.1〜10℃/分の速度で冷却する、請求項39に記載の方法。
- 前記培地−細胞懸濁液を約0.5〜1℃/分の速度で冷却する、請求項41に記載の方法。
- 前記冷却ステップの後に、前記培地−細胞懸濁液が部分的に凍結され、前記巨大分子が、前記培地−細胞懸濁液の凍結していない部分において少なくとも約25%(w/v)の濃度である、請求項26〜42のいずれか1項に記載の方法。
- 前記冷却ステップの後の前記培地−細胞懸濁液の前記凍結していない部分における前記巨大分子の濃度が、少なくとも約40%(w/v)である、請求項43に記載の方法。
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