本提案は、充電及び/若しくは放電制御装置並びに/又は二次電池の過度の過熱に対する保護のためのいずれの回路装置にも関する。通常、回路装置は、少なくとも、二次電池と、二次電池の充電及び/又は放電を制御するための充電及び放電制御装置と、充電及び放電制御装置を外部電源に接続するためのコネクタと、必要に応じて、切り替え可能な負荷と、を備える。回路装置は、電動シェイバ、電動脱毛器、電動歯ブラシ、又は、より一般的には、脱毛機器若しくは口腔ケア機器などの家庭用機器に一体化されている場合がある。この場合、この切り替え可能な負荷は、電動モータである場合がある。当然ながら、これらの装置は、ヒューマンマシンインターフェース(Human Machine Interface、HMI)及びアプリケーション制御装置も含む。HMIは、少なくとも1つのスイッチと、必要に応じて、ディスプレイと、アプリケーション制御装置を備えたマイクロプロセッサを備える場合がある。このマイクロプロセッサには、充電及び放電制御装置が含まれる可能性がある。
特に二次電池を充電している(かつ/又は放電している)間に、欠陥のある電子的構成要素の自己発熱によって引き起こされる電子回路の損傷を防ぐために、電流制限電子的構成要素は、電流制限電子的構成要素を通って充電及び/又は放電制御装置に流れる電流が、この電子的構成要素の温度上昇により制限されるような、充電及び/又は放電制御装置に電気接続されて配置されている。これは、温度の上昇の大きな影響が、少なくとも、電流の振幅がデバイス及び/又は回路の通常機能状態における通常電流の範囲にある場合に、回路の他の構成要素の熱放射によって引き起こされる、その温度の場合に上がる電流制限電子的構成要素の抵抗によって実現される。これらの電流は、すでに説明されているような本提案のPPTC構成要素に即している電流制限電子的構成要素の設計において知られ、考慮されている。
本発明に即した本提案の好ましい実施形態を説明する前に、本提案のいくつかの異なる態様が説明される。これらの態様は、本発明による実施形態では、当業者によって認められるように、互いに独立して実現され得る。
言い換えて本提案の電流制限態様を説明すると、電流制限電子的構成要素は、回路装置において、充電(及び/又は放電)電流が電流制限電子的構成要素を流れるような直列配置において、充電及び/又は放電制御装置から、又はそれへ配設されている。電流制限電子的構成要素を流れる電流が回路装置の通常状態条件に対応する限り、電流制限電子的構成要素、及び回路装置の更なる構成要素(具体的には、通常稼働条件中に極めて低い熱損失を有する充電制御装置として使用されるDC−DCコンバータ)の自己発熱が、電流制限電子的構成要素を流れる電流の著しい制限につながらない。電流が、回路装置のいずれの通常動作中にも電流制限電子的構成要素を流れる電流の振幅を超えている場合にのみ(すなわち、言い換えれば、非通常条件に対応する場合のみ)、電流制限電子的構成要素、及び/又は回路装置の他の構成要素の自己発熱が、電流制限構成要素を通る許容電流を制限する。
電池の充電(及び/又は放電)中の回路装置の通常状態条件は、通常、様々な電流、すなわち、様々な振幅を有する電流を含む。したがって、ある(通常)状態条件において電流制限電子的構成要素を流れる電流の同じ値が、別の(通常ではない)状態条件におけるいくつかの電子的構成要素の過熱につながる可能性がある。したがって、通常条件における安全な動作を確保するために、電流制限電子的構成要素を流れるこのような電流の振幅の値が、電流の制限をもたらしてはならない。
それに加え、他の、具体的には、充電及び/又は放電制御装置、二次電池、例えばプロセッサの論理的構成要素などの電気的又は電子的構成要素からの熱放射による電流制限電子的構成要素の発熱は、本提案に即せば、電流制限電子的構成要素を流れる電流の制限につながる。
これが、電流制限電子的構成要素がPPTC電子的モジュールであることによって実現され得るのが好ましい。PPTC素子は、電子的構成要素の規定の閾値温度を下回る温度範囲において電流制限電子的構成要素を流れる電流を制限しない温度依存抵抗を有し、この場合、回路装置のすべての通常状態条件の間に構成要素を流れる電流は、規定の閾値温度を上回る電子的構成要素の自己発熱をもたらさない。
しかし、この場合も、回路装置内の温度の上昇の場合、熱放射による電流制限電子的構成要素の発熱につながることから、過熱に対する保護が働く。結果として、温度が所与の温度限度を超えると、同じ電流振幅が回路装置の別の(通常)状態条件における規則的な電流である場合でも、電流制限電子的構成要素を流れる電流が制限される。これは、電流制限電子的構成要素の温度上昇が、電流制限電子的構成要素以外の回路の構成要素の熱放射に起因し、例えば、この電流制限電子的構成要素それ自体を流れる電流によって引き起こされない可能性があるという事実によるものである。これは、回路及び/又はデバイスの少なくとも1つの通常状態条件における電流の振幅に対応する電流のいずれの振幅に対しても真である可能性がある。
電流制限電子的構成要素の保護を、回路配置内の関連する構成要素に直接関連付けるために、必要に応じたくつかの電流制限電子的構成要素のうちの少なくとも1つが、空間的近傍、すなわち、充電及び/又は放電制御装置に隣接して配設されている可能性がある。充電及び放電制御装置は、DC−DCコントローラであり、例えば、マイクロコントローラも含む可能性がある。充電及び放電制御装置の過熱は、通常、安全対策として、電流制限電子的デバイスを流れる許容電流を低減することによって、回路装置の機能の限度を判定する、深刻な誤差を示す。
提案された電流制限電子的構成要素が、充電及び/又は放電制御装置を外部電源に接続するためのコネクタと充電及び/又は放電制御装置それ自体との間の接続部(電気接続ライン)に配設されていることから、これは、高電流及び/又は外部電源によって常時印加される電流から起こる、充電及び/又は放電制御装置のいずれの類の過熱に対しても、効果的な保護である。本開示による好ましい選択肢において、空間的近傍に、すなわち、二次電池に隣接して配設された更なる電流制限保護装置は、溶断ヒューズ型のものであってもよい。これは、高電流に対する効果的な保護である。常時印加される小電流による過熱は、二次電池の限られた容量のために、より重要ではない場合がある。言い換えれば、二次電池から供給された小電流による過熱が起こる場合、その前に、二次電池が放電される可能性がある。
本提案に即した適切な電流制限電子的構成要素として、ポリマー正温度係数(PPTC)構成要素が提案されている。様々な温度依存抵抗及び/又は様々な許容の電流がPPTC構成要素それ自体の自己発熱をもたらさない、このようなPPTC構成要素が、市販されている。これらの構成要素は、棚の使用可能であり、市販の提案された電流制限電子的構成要素として、すなわち、例えば、PPTC構造を、バリスタ又はMOVなどの別の保護構成要素と組み合わせた状態で、使用され得る。これは、製造経費が縮小されることから、本提案の重要な側面である。したがって、当業者であれば、回路装置の設計に適した寸法及び/又は構成のPPTC構成要素を選択することができる。更に、これらのPPTC構成要素は、単純に汎用回路基板に、SMD技法で実装することができる。
それに加え(又は、本提案の代替の実施形態において)、必要に応じたいくつかの電流制限電子的構成要素のうちの少なくとも更なる1つが、空間的近傍に、すなわち二次電池に隣接して配設されていることが、定められている可能性がある。したがって、電池の過熱は、電流制限電子的デバイスを流れる電流が、規則的な使用中に起こる可能性のある振幅に依然として対応する場合でも、電流制限電子的デバイスの抵抗上昇につながる、電流制限電子的デバイスの発熱を直接引き起こし、電流制限電子的構成要素の自己発熱にはつながらないことになる。
提案される電流制限電子的構成要素の別の態様は、デバイスの機能の制限が、回路内の実際の温度が高すぎる、すなわち規定の温度限界を超えている状況に制限されることである。回路装置内の温度が冷却されているときには、電流の制限は、それ以上適用されず、デバイスは、規則的な動作を再開する。したがって、提案された電流制限電子的構成要素がPPTC構成要素である場合、例えば、回路装置及び/又はデバイスの特定の状態条件に依存する電流の振幅のリセットを行う又はそれをテストするための、保護回路の更なる論理は必要ではない。それに加え、提案された電子制限電子的構成要素は、最大電流(好ましくは周囲温度依存の)を超える電流に対して保護する可能性がある。
本提案の別の、独立もしている態様によれば、熱伝導体は、それぞれの電流制限電子的構成要素と二次電池並びに/又は充電及び放電制御装置との間に配設され得る。これにより、回路装置の関連する素子間の熱伝導が高められる。しかし、熱伝導体は、過熱され、二次電池の過熱につながる可能性のある、電流制限電子的構成要素と回路装置の他の構成要素との間にも配設されている可能性がある。伝導体の1つの表面は、それぞれの電流制限電子的構成要素に接触していてもよい。したがって、他の構成要素の熱は、電流制限電子的構成要素、すなわち提案された安全構成要素に直接移される。同様に、二次電池並びに/又は充電及び放電制御装置によって生み出された熱を、安全構成要素、すなわち電流制限電子的構成要素電流制限電子的構成要素へ直接移すために、熱伝導体の1つの表面が、これらの構成要素の表面と接触していてもよい。電流制限電子的構成要素と、回路装置の他の素子又は構成要素との間に高熱伝導性を実現するために、熱伝導体の表面は、電流制限電子的構成要素と他の構成要素の両方と接触している可能性がある。
SMD技法において電流制限電子的構成要素を回路配置に実装することは、電流制限電子的構成要素の回路基板上の回路への接続に好ましい技法である。SMD技法は、はんだ付けなどの一般的な自動組立技法を使用して、回路基板の表面に実装され得る表面実装型デバイスに関する。したがって、回路基板へのPPTC構成要素の実装は、他の電気的構成要素又は電子的構成要素の熱放射を受け取るために、小さな実装スペースを必要とし、また、ほとんどのいずれの望ましい位置においても、PPTC構成要素(又は別の電流制限電子的構成要素)の位置付けを可能にする。
図1は、本提案の実施形態による、回路装置の過度の過熱に対する保護のための回路装置1を概略的に示す。回路装置1は、すでに説明されているような家庭用機器などのデバイスのより大きな回路の一部である可能性がある。回路装置1は、二次電池2の他に、二次電池2の1つの極、示されている例ではプラス極に接続された充電及び/又は放電制御装置3(以下では、それが、充電制御装置、充電と放電との組み合わせ制御装置、又は放電制御装置であってもよいという意味での充電及び放電制御装置3)を備える。二次電池2の他の極、この例ではマイナス極は、アースGNDに接続されている。充電(及び/又は放電)制御装置3は、DC−DCコンバータであるか、又は少なくともそれを含む。
充電及び放電制御装置3は、二次電池2の充電(及び/又は放電)を制御する。充電のために、制御装置3は、図において矢印で示されている外部電源5を接続するためのコネクタ4と、制御装置3との間に電気接続されて配設されている。充電の場合、充電(及び/又は放電)制御装置3は、制御装置3を通してコネクタ4に接続された外部電源5から二次電池2内に流れる電流を制御する。
充電(及び/又は放電)制御装置3は、DC−DCコンバータであり、充電及び/又は放電制御装置アプリケーションがインストールされたマイクロコントローラと、二次電池2への電流(具体的には、充電電流)、及び/又は二次電池2からの電流(具体的には、図示されていない負荷を駆動するための)をオンとオフを切り替えするための、マイクロプロセッサによる切り替え可能な、MOSFETトランジスタなどの電源スイッチと、を備える可能性がある。しかし、この提案に即せば、充電(及び/又は放電)制御装置3は、いずれのタイプのDC−DCコンバータによっても、通常の稼働状態において、低熱熱損失状態で二次電池2の充電を可能にする場合がある。このようにして、充電(及び/又は放電)制御装置3としてのDC−DCコンバータとPPTC電流制限電子的構成要素との提案された組み合わせが、両構成要素の電気的特性の相乗的な利用を可能にする。
制御装置3の電子的構成要素は、必要とされる充電電力が充電中に二次電池2に負荷されるように、適合されている。必要に応じて、二次電池2から引き出された放電電力は、充電電流よりもかなり高い可能性があり、充電電流よりも高い放電電流につながる。しかし、二次電池の限られた容量のため、二次電池によって送達可能なエネルギが制限される。
構成要素の、具体的には、充電及び放電制御装置3の、かつ/又は二次電池2の許されない過熱につながる起こり得る誤差は、外部電源5と二次電池2との間に配設された電気的構成要素又は電子的構成要素のうちのいずれかにおいて起こる可能性がある。これらの構成要素は、外部電源5及び/又は二次電池2から電力を引き出し、これらの構成要素の自己発熱につながる可能性がある。また、二次電池2は、例えば充電電流が高すぎる場合、許容できない様式で昇温する可能性がある。しかし、この過剰な充電電流は、デバイスの規則的又は通常状態条件における通常の放電電流よりも依然として低い振幅である可能性がある。
これは、誤差の対処における難しさにつながる。電力(具体的には、電池へかつ/又はからの対応する電流)の公称値と誤差値とが酷似しており、デバイス及び/又は回路装置の通常状態条件のある場合では、等しいか又は重複してさえもいる。このように、これらの過熱保護素子を流れる電流(又は電力)に依存した保護を提供するように構成された通常の過熱保護素子は、この場合は働かない。更に、これらの場合の知られている過熱保護素子は、SMD技法には適さず、かつ/又はそれ自体の綿密な制御装置を必要とする。したがって、このような部品の使用は、費用がかかる。
本提案に即して、少なくとも電流制限電子的構成要素7は、安価で、SMD技法における回路基板に実装され得る棚PPTC構成要素であることが提案されている。このようなPPTC構成要素は、過電流保護として働き、全般的には、すでに詳細に説明されているように、ある電流閾値を超えると、規定の自己発熱の原理で働く。
しかし、本提案によれば、ある特定の電流閾値は、すべての通常電流(すなわち、デバイス又は回路装置の通常状態条件において起こる電流の振幅)が、電流制限電子的構成要素6、7の何の制限もなく、許容されるように規定されている。この制限は、素子の挙動が制限されるか又はディレーティングされているように、ディレーティングとも呼ばれる。前述のように、このような構成は、二次電池2の過熱を引き起こす可能性がある電力状態又は電流が許されるので、安全な過熱保護につながらない。二次電池2のこの過熱は、回路に備えられている構成要素、特に充電及び放電制御装置3から放射された熱放射による、二次電池2の自己発熱及び/又は二次電池2の昇温によって引き起こされる可能性がある。
したがって、本提案の構想は、少なくとも、電流制限電子的構成要素7が、少なくとも、充電中に外部電源5から二次電池2に流れる充電電流が、少なくとも1つの電流制限電子的構成要素7を流れているような、充電(及び/又は放電)制御装置3に電気接続されて、配置されているということである。電流制限電子的構成要素7を流れる電流は、電流制限電子的構成要素7の温度上昇が制限され、この場合、電流制限電子的構成要素7の温度上昇は、主に、電流制限電子的構成要素7以外の回路装置1の構成要素の熱放射に、又は回路装置1及び/又はデバイスの通常状態条件に対応する通常電流以外の振幅がより高い過電流に起因する。
これは、第1の電流制限電子的構成要素7、及び必要に応じて、第2の電流制限電子的構成要素6を備える、図1及び2における実施形態用に示されている。電流制限電子的構成要素6、7の両方は、一例によれば、安価でSMD実装が可能であるPPTC構成要素であってもよい。しかし、上述のように、本提案の別の好ましい実施形態は、電流制限電子構成部品7としてのPPTC素子、及び電流制限電子的構成要素6としての溶断ヒューズ、また二次電池2用の指定電流制限保護装置(PPTC構成要素でもある電流制限電子的構成要素6に代えて)を提供する。特に、回路装置1が、主に、二次電池2からの高振幅電流に対して保護されなければならないことから、第2の電流制限電子的構成要素6は、溶断ヒューズ(普通の電流制限保護装置として使用される)の可能性がある。二次電池2の限られた容量のためである。より低い又は中程度の振幅電流(デバイス内の「通常」電流に相当する)は、二次電池2の限られた容量のために、回路における深刻な損傷をもたらすことがなく、それにより、限られた時間、これらの電流は、二次電池2によって送達され得る。
したがって、第1の電流制限電子的構成要素7は、充電及び放電制御装置3とコネクタ4との間の接続部に、好ましくは、充電(及び/又は放電)制御装置3の隣又はそれに隣接して提供され、配置されている。この電流制限電子的構成要素7は、制御装置3の過熱の場合に、少なくとも充電(及び/又は放電)制御装置3からの熱放射8を受ける。このような過熱は、通常、電流(具体的には、充電電流)が、外部電源5からデバイスに供給される場合にのみ、起こる可能性がある。当然ながら、二次電池2の熱放射も、この第1の電流制限電子的構成要素7に照射する。同じことが、回路内の考えられる他の電子的構成要素にも当てはまる。
それに加えて、二次電池2の近くに、更なる過熱保護が設けられている可能性がある。ある提案によれば、更なる又は第2の電流制限電子的構成要素6が、充電(及び/又は放電)制御装置3と二次電池2との間の接続部に配置されている。より全体的には、第2の電流制限電子的構成要素6の装置は、第2の電流制限電子的構成要素6が二次電池2の直近に、即ち、二次電池2の隣又はそれに隣接して、好ましくは充電(及び/又は放電)制御装置3の隣又はそれに隣接しても、配置されるように選択されている。したがって、第2の電流制限電子的構成要素6の好ましい配置は、二次電源2と制御装置3との間である。したがって、二次電池2及び/又は制御装置3の自己発熱は、第1の電流制限電子的構成要素6上に照射する、熱放射線8(図2に示されている)に導く。この熱放射8(図2において、矢印として示されている)は、更なる電流制限電子的構成要素6を昇温させ、抵抗上昇、引いては二次電池2に流れる電流の制限に導く。
しかし、この提案の一実施形態に即して、第1及び第2の電流制限電子的構成要素6、7は、制御装置3及び/又は二次電池の昇温が第1及び第2の電流制限電子的構成要素6、7に影響を及ぼす可能性があるという意味で、二次電池2及び制御装置3の隣に配置されている。第1及び第2の電流制限電子的構成要素6、7のこのような配置は、主に、二次電池2、並びに充電及び放電制御装置3の空間的近傍にある構成要素に対する過熱保護を制限する。第1及び第2の電流制限電子的構成要素6、7、並びに少なくともPPTC電流制限電子的構成要素7は、電流制限構成要素6及び/又は7上へ照射する熱放射8に基づいてではなく、自己発熱に基づいて、それらの保護機能を作動させないことが好ましく、他の構成要素を形成する。電流の振幅が、デバイスのいずれの通常の電流振幅よりも高い閾値を超えている場合のみ、第1及び/又は第2の電流制限構成要素6、7の自己発熱が起こる。
すでに詳細に説明されているように、第2の電流制限電子的構成要素6は、本提案から逸脱することなく、普通の過熱保護(溶断ヒューズなど)の代わりにされる可能性がある。
提案に即せば、局所的な過熱保護は、回路の実際の電流又は電力の状態に関わらず、周辺の構成要素の実際の温度に基づいて実現されている。いずれの過熱の場合にも電流を制限することによって、全体回路内の温度が制限され、回路装置1が過熱に対して保護される。
この構想は、回路の局所的な(又は全体的でも)昇温の理由に関係なく、簡単且つ効果的な様式で、過熱に対して保護される他の電子的構成要素にも使用されてもよい。
2つ以上の電流制限電子的構成要素を設けることは、過熱保護の冗長性につながる可能性がある。また、電流制限電子的構成要素6、7と、二次電池2や制御装置3などの調査対象の構成要素との間の熱伝導要素(図示せず)の配置は、提案されたテクノロジーの効率を高める可能性がある。
この提案は、分散型過熱保護を実現するのに経済的である。更なる利点は、構成要素が制御されたリセットの必要なしに、冷やされると、デバイスが通常の機能に戻るということである。
図3は、この提案に即して説明されるような挙動を有する提案されたPPTC電流制限電子的構成要素7の抵抗マップ10を示す。周囲温度は、約0℃〜周囲温度閾値11、例えば120℃の範囲である。
この周囲温度閾値11を下回ると、電流制限電子的構成要素7は、電流制限電子的構成要素を流れている電流が最大電流曲線13を下回っている限り、低温ゾーン12が含まれている稼働域15において稼働する。稼働域15では、最大電流曲線13と周囲温度との間に、一次従属性がある可能性がある。低温ゾーン12(稼働域15を含む)と周囲温度閾値11との間には、最大電流曲線13と周囲温度の間に、よりランダムな従属性がある状態で過渡ゾーン14が規定されている可能性がある。
少なくとも稼働域15では、PPTC電流制限電子的構成要素7の抵抗は、事実上一定、即ち、例えば最高10%又は15%の変動範囲内で一定である。
電流制限電子的構成要素7は、回路装置の通常状態条件が低温ゾーン12に含まれた稼働域15(動作域)内に位置付けられるように選択されている。典型的な提案されたデバイスでは、通常状態条件は、約400mA〜約1000mAの電流の場合と、5℃〜50℃の周囲温度の場合との範囲である可能性がある。過渡ゾーン14は、約90℃から始まる可能性がある。
回路装置内の構成要素の過熱の場合、周囲温度は、上がる恐れがある。少なくとも、周囲温度閾値11を侵害した後、電流制限電子的構成要素は、図3では、最大電流曲線13の上にある高抵抗モードで経過する(周囲温度閾値においてゼロであるか又はゼロに近い)。最大電流曲線13の上方のこの領域では、電流フローは、PPTC構成要素抵抗の上昇によって制限されるか、又は止められさえもし、こうして、好ましい安全機能を実現する。
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。