本明細書で説明する実施形態は、概して、触知ユーザインターフェースを動作させるためのシステム及び方法を参照する。本明細書で説明するものなどの触知ユーザインターフェースは、ユーザに出力を提供するように構成することができる(「出力モード」)、及び/又はユーザから入力を受信するように構成することができる(「入力モード」)。
本明細書で説明するように、触知ユーザインターフェースは、典型的に、ユーザによってタッチされ得る電子デバイスの外面に対して動作される。例えば、触知ユーザインターフェースは、電子デバイスのタッチ感知ディスプレイに対して動作することができる。別の実施例では、触知ユーザインターフェースは、電子デバイス筐体の背面又は側面に対して動作することができる。また別の実施例では、触知ユーザインターフェースは、ボタン、スライドスイッチ、スタイラス、ノブ、クラウン、慣性移動追跡デバイスなどであるがこれらに限定されない電子デバイスと通信する入力構成要素の外面に対して動作することができる。
本明細書で説明するものなどの触知ユーザインターフェースは、1つ以上のモードで、かつ独立して、又は電子デバイスに関連付けられた他の入力若しくは出力システムと組み合わせて、のいずれかで動作することができる。例えば、触知ユーザインターフェースは、電子デバイスに外付けであるか又は電子デバイス内に一体化されているかにかかわらず、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、カメラ、タッチ感知面、力感知面、又は任意の他の入力若しくは出力システムと併せて動作することができる。触知ユーザインターフェースを組み込む又は動作させることができる例示的な電子デバイスとしては、セルラー電話、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、装着型電子デバイス、外付け入力デバイス、コンソール制御システム、産業用制御デバイス、医療用デバイス、診断用デバイスなどが挙げられるが、これらに限定されない。
最初に、触知ユーザインターフェースの出力モードに関する実施形態を説明する。例えば、電子デバイスは、出力モードで触知ユーザインターフェースを動作させて、ユーザによってタッチされ得る表面を介して触知出力を生成することができる。ユーザが表面をタッチする及び/又は表面を横切るように指を引くと、ユーザは、暖かみ、冷たさ、平滑度、粗さ、滑りやすさ、粘着性、湿気、乾燥度など、又はそれらの任意の組合せなどであるがこれらに限定されない特質又は特性を表面が有することを知覚することができる。加えて、ユーザは、表面が移動する、振動する、偏移する、並進運動する、押し下げる、突出するなど、又はそれらの任意の組合せを知覚することができる。
したがって、本明細書で使用するとき、語句「触知出力」は、表面温度の感覚、表面トポロジの感覚、表面摩擦の感覚、無感覚の感覚、機械的圧力の感覚、機械的変形の感覚、動きの感覚、振動の感覚、粘着性の感覚、滑りやすさの感覚、引力の感覚など、又はそれらの任意の組合せを含むが必ずしもそれらに限定されない、ユーザの触覚及び/又はユーザの触覚に関連するユーザの知覚を刺激する触知ユーザインターフェースの1つ以上の構成要素によって提供される出力を幅広く包含する。
同様に、本明細書で使用されるとき、語句「触知ユーザインターフェース」は、ユーザの触覚を刺激する及び/又はユーザの触覚に関連するユーザの知覚に影響を及ぼすように出力モードで動作する電子デバイスによって使用することができる構成要素又は構成要素の群を幅広く包含する。
一部の場合には、電子デバイスは、触知ユーザインターフェースを出力モードで動作させて、電子デバイスに関連付けられた他の入力又は出力システムとは独立して触知出力を提供する。他の場合には、電子デバイスは、触知ユーザインターフェースを出力モードで動作させて、電子デバイスによって提供される別の出力と併せて触知出力を提供する。これは、同時に又は逐次若しくはパターンでユーザの感覚のうちの1つより多くを刺激することによって電子デバイスを操作するユーザエクスペリエンスを向上させる効果を有し得る。
例えば、電子デバイスは、ディスプレイ上に表示された1つ以上の要素と併せて触知出力を提供することができる。ディスプレイ上に表示された様々な要素、要素間の境界、要素を表示していないディスプレイのエリアエリアなどは、それぞれ、特定の及び/若しくは異なる触知出力又は触知出力の組合せに関連付けることができる。
例えば、氷の画像が電子デバイスのディスプレイ上に表示されているときには、低摩擦触知出力及び低温触知出力を提供してもよい。ユーザが氷の画像をタッチすると、ユーザは、滑りやすくかつ冷たい表面を知覚する。別の実施例では、海浜砂の画像がディスプレイ上に表示されているときに、高摩擦触知出力及び高温触知出力を提供することができる。ユーザが海浜砂の画像をタッチすると、ユーザは、粗くかつ熱い表面を知覚する。
他の実施例では、電子デバイスは、ボタン、キー、ダイアルなどのディスプレイ上に表示された仮想入力領域に対して触知出力を提供することができる。これらの実施例では、電子デバイスは、仮想入力領域内の表面のエリアエリアに対しては第1の触知出力、及び仮想入力領域に隣接する表面のエリアエリア(例えば、仮想入力領域の周囲の境界又は周辺部)に対しては第2の触知出力を提供することができる。異なる触知出力は、ユーザによって感じることができる仮想入力領域の境界又は周辺部を画定してもよい。他の場合では、電子デバイスは、ユーザが仮想入力領域上のキー又は記号(例えば、エンボス)を知覚することができるように、触知出力を提供することができる。
更なる実施形態では、電子デバイスは、追加の出力を提供する。例えば、電子デバイスは、ユーザのタッチに応じてディスプレイ上に表示された画像を変更又はアニメーション化することができる。別の実施例では、電子デバイスは、ユーザのタッチに応じてサウンドを生成することができる。高摩擦触知出力はこするサウンドに関連付けられてもよく、低摩擦触知出力は滑るサウンドに関連付けられてもよい。
次に、触知ユーザインターフェースの入力モードに関する実施形態を説明する。これらの実施形態では、電子デバイスは、触知ユーザインターフェースを入力モードで動作させて、ユーザによってタッチされ得る表面を介してユーザからの入力を受信する。ユーザが表面をタッチする又は物体を表面と接触させると、電子デバイスは、暖かみ、冷たさ、平滑度、粗さ、滑りやすさ、粘着性などであるがそれらに限定されない、物体の表面、材料、又は周辺特性に関する情報を収集する。
本明細書で使用されるとき、語句「物理特性情報」は、概して、触知ユーザインターフェースに関連付けられた表面と接触する物体(例えば、ユーザの指又は手、スタイラスなど)の1つ以上の物理特性のデータ、測定値、判定、及び/又は推定を包含する。これらの物理特性としては、温度、色、表面テクスチャ、重量、物体によって表面に加えられた力の大きさ、物体の移動、物体と表面との間の摩擦などを挙げることができるが、それらに限定されない。本明細書で説明する多くの実施形態では、物理特性情報は、入力モードで動作されるときに触知ユーザインターフェースによって得られる。
これら及び他の実施形態について、図1A〜図10を参照して以下で検討する。しかしながら、当業者であれば、これらの図に関して本明細書に与えられた発明を実施するための形態は説明の目的のためのものに過ぎず、限定するものとして解釈されるべきではないことを容易に理解するであろう。
概してかつ幅広く、図1A〜図1Bは、触知ユーザインターフェースを組み込む電子デバイスを示す。触知ユーザインターフェースは、入力モード、出力モード、又は複合モードで動作することができる。複合モードでは、触知ユーザインターフェースは、入力モード及び出力モードの両方で同時に動作する、又は入力モードと出力モードとの間で急速に切り替わる(例えば、時間多重化)。図示した実施形態では、電子デバイスはタブレットコンピュータとして示されているが、これは、すべての実施形態で必須でなくてもよく、電子デバイスは、他の形態を取ることができる。
図示した実施形態では、触知ユーザインターフェースは、電子デバイスのタッチ感知ディスプレイに対して設けてもよい。この構成では、電子デバイスは、触知ユーザインターフェースが出力モードで動作しているときにユーザがディスプレイにタッチすると、ユーザに触知出力を提供してもよい。触知出力は、タッチ感知ディスプレイの特定の領域にローカライズすることができる、又はタッチ感知ディスプレイ全体にわたって提供することができる。
一部の場合には、1つより多くの触知出力を同時に提供してもよい。ユーザがタッチ感知ディスプレイの第1の位置にタッチする場合、ユーザは、第1の触知出力を知覚することができる。ユーザがタッチ感知ディスプレイの第2の位置にタッチする場合、ユーザは、第2の触知出力を知覚することができる。ユーザが第1の位置から第2の位置に指をドラッグする場合、ユーザは、急激又は漸次であり得る、第1の触知出力と第2の触知出力との間の遷移を知覚することができる。更なる実施形態では、境界線又は境界は、更に第3の触知出力に関連付けることができる。
更なる実施形態では、電子デバイスはまた、触知ユーザインターフェースが入力モードで動作しているときに、ディスプレイにタッチする物体から物理特性情報を収集することができる。ユーザの指などの物体は、タッチ感知ディスプレイに接触することができ、物体の様々な特性を判定して、電子デバイスに伝達することができる。その後、電子デバイスは、物体の様々な特性を使用して、電子デバイス若しくは電子デバイスと通信する別のデバイスの1つ以上のプロセス、機能、若しくは動作を実行、スケジュール、調整、変更、又は終了することができる。より一般的には、電子デバイスは、任意の好適な目的のために物体の様々な特性を使用することができる。
図1A〜図1Bは、上述の実施形態を参照して提供される。具体的には、図1Aは、少なくとも筐体102とディスプレイ104とを含む電子デバイス100を示す。ディスプレイ104は、触知ユーザインターフェースに関連付けられ得る。触知ユーザインターフェースは、ディスプレイ104の上に位置する、それと一体化する、その下に位置する、又はその周囲に沿って位置してもよい。
筐体102は、触知ユーザインターフェースを含む電子デバイス100の内部構成要素のための外面又は部分的な外面及び保護ケースを形成することができる。図示した実施形態では、筐体102は、実質的に長方形の形状に形成されているが、これは必須ではない。筐体102は、前面部品及び背面部品、又は上部クラムシェル及び底部クラムシェルなどの、共に動作可能に接続された1つ以上の構成要素で形成することができる。あるいは、筐体102は、単一部品(例えば、均一な本体)で形成することができる。筐体102は、平板状とすることができる、又は部分的に若しくは全体に曲線状としてもよい。多くの実施形態では、筐体102は硬質であるが、これは必須でなくてもよい。一実施形態では、筐体102は、弾性的に曲がる又は屈曲するように構成される。
ディスプレイ104は、ユーザによってタッチされ得る「表面」と本明細書で概して呼ばれるディスプレイ104の表面上のユーザタッチ及び力入力の様々な組合わせを検出するように構成された1つ以上のタッチセンサ及び/又は力センサと一体化されていてもよい。ディスプレイ104に関連付けられたタッチセンサ及び/又は力センサは、ディスプレイ104上のタッチの位置、加えられた力の大きさ及び/若しくは方向、並びに/又はタッチの移動を検出するように構成されたタッチ感知面を提供してもよい。
ディスプレイ104に関連付けられたタッチセンサ及び/又は力センサは、別々に又は組合せて使用して、タッチに基づくジェスチャ、力に基づくジェスチャ、タッチパターン、タップパターン、単一の指ジェスチャ、複数の指ジェスチャ、複数の力ジェスチャなどであるがそれらに限定されない、ユーザ入力の幅広い範囲を解釈してもよい。
ディスプレイ104に関連付けられたタッチセンサ及び/又は力センサは、自己静電容量式タッチ感知、相互キャパシタンスタッチ感知、抵抗式タッチ感知、光学式タッチ感知、音響タッチ感知、容量性力感知、歪みに基づく力感知、光学式力感知、音響力感知など、又はそれらの任意の組合せを含むがそれらに限定されない、任意の好適な技術又は技術の組合せにより任意の数の好適な方法で実装してもよい。タッチセンサ及び/又は力センサは、独立して又は相互にアドレス指定可能とすることができ、ディスプレイ104にわたって分布及び/又はセグメント化することができる。他の実施形態では、タッチセンサ及び/又は力センサは、ディスプレイ104の周辺部に対して設けてもよい。そのような実施形態では、タッチセンサ及び/又は力センサは、ディスプレイ104を囲む不透明又は半透明なべゼルの下に設けてもよい。
ディスプレイ104は、液晶ディスプレイ技術、発光ダイオード技術、有機発光ディスプレイ技術、有機エレクトロルミネッセンス技術、又は別の種類のディスプレイ技術を使用するマルチタッチ又はマルチフォース感知タッチスクリーンを含むがこれに限定されない任意の好適な技術を用いて、実装することができる。
触知ユーザインターフェースがディスプレイ104と共に動作する方法は、ある程度、ディスプレイ104又はディスプレイ104と一体化したタッチセンサ及び/若しくは力センサを実装するために選択された技術に依存し得る。例えば、触知ユーザインターフェースは、有機発光ダイオードにより実装されたディスプレイ104の下に設けてもよい。別の実施例では、触知ユーザインターフェースは、液晶技術により実装されたディスプレイ104のバックライトの上に設けられてもよい。これらの実施例は、ディスプレイ及び触知ユーザインターフェースの可能な構成の単なる例示である。本明細書で説明するものなどの触知ユーザインターフェースは、任意の好適な方法で選択されたディスプレイ技術により実装する及び/又はそれと一体化することができる。
そのような例示的な1つの構成を図1Bに示し、図1Bは、図1Aに示す電子デバイス100の平面図を示している。この実施形態では、触知ユーザインターフェースは、ディスプレイ104の上に配置され仮想線で描かれた外部保護層の下に設けられている。外部保護層は、筐体102内のディスプレイ104を囲み、ユーザがディスプレイ104をタッチするための表面を提供する。
この実施形態では、触知ユーザインターフェースは、セグメント化されている。具体的には、触知ユーザインターフェースの48個の個別にアドレス指定可能なセグメントが示されている。これらの要素のうちの2つは、ラベル付けされている。個別にアドレス指定可能なセグメント106は、ディスプレイ104の右の周辺部に対して配置され、個別にアドレス指定可能なセグメント108は、同じ周辺部に沿って個別にアドレス指定可能なセグメント106の下にある。
上述したように、触知ユーザインターフェースの、独立してアドレス指定可能なセグメントは、ディスプレイ104の他の要素を保護して囲む外部保護層(例えば、カバーガラス、サファイアなど)に組み込むことができる。他の場合では、触知ユーザインターフェースの、独立してアドレス指定可能なセグメントは、ディスプレイスタック(例えば、ディスプレイ104を集合的に形成する積層体)内の異なる層に組み込んでもよい。
触知ユーザインターフェースの、独立してアドレス指定可能なセグメントはそれぞれ、熱トランスデューサ、力トランスデューサ、及び摩擦トランスデューサなどであるがそれらに限定されない、1つ以上のトランスデューサを含んでもよい。出力モードでは、触知ユーザインターフェースに関連付けられたプロセッサ(図示せず)は、ディスプレイ104の特定の位置にローカライズされた触知出力を提供するために、電気信号をトランスデューサのうちの1つ以上に印加することができる。同様に、入力モードでは、プロセッサは、表面と接触する物体に関するローカライズされた物理特性情報を判定するために、トランスデューサのうちの1つ以上から1つ以上の電気信号を得るように構成することができる。
一実施形態では、個別にアドレス指定可能なセグメント106は、出力モードで電子デバイス100の外部保護層の温度を上昇又は低下させるように構成された熱トランスデューサを含む。熱トランスデューサは、ペルチェ素子、抵抗素子、又は電気信号に応じて温度を変更するように構成された任意の他の好適な要素として実装することができる。一部の場合には、熱トランスデューサは、例えば、熱グリル錯覚を実施することにより、温度を物理的に変更することなく温度を模擬してもよい。
入力モードでは、熱トランスデューサは、触知ユーザインターフェースに関連付けられたプロセッサによって受信される、その温度に対応する電気信号を出力することができる。
別の実施形態では、個別にアドレス指定可能なセグメント106は、出力モードで電子デバイス100の外部保護層に正又は負の大きさの力を加えるように構成された力トランスデューサを含む。正又は負の大きさの力は、電子デバイスのユーザによって外部保護層の変形、外部保護層の振動、外部保護層の偏移、外部保護層のクリックなどとして知覚されてもよい。
力トランスデューサは、圧電素子、超音波トランスデューサ、電気的に変形可能な材料(例えば、nitinol)、電磁石及び吸引板、又は任意の他の好適な要素とすることができる。他の場合では、力トランスデューサは、重心が偏心したモータ、リニアアクチュエータ、又は任意の他の好適な機械要素であってもよい。例えば、力トランスデューサは、外部保護表面の一部分を外向きに、かつ外部保護層の別の部分を内向きに、変形するように構成されていてもよい。この実施例では、ユーザは、外部保護層の異なるエリアがテクスチャ又は表面トポロジを呈するように知覚し得る。
入力モードでは、力トランスデューサは、触知ユーザインターフェースに関連付けられたプロセッサによって受信される、外部保護層の変形に対応する電気信号を出力することができる。
別の実施形態では、個別にアドレス指定可能なセグメント106は、出力モードで電子デバイス100の外部保護層に近接する物体を静電的に引き付ける又はそれに音響的に反発するように構成された摩擦トランスデューサを含む。引力又は反発力は、電子デバイスのユーザによって、それぞれ高摩擦又は低摩擦として知覚されてもよい。摩擦トランスデューサは、静電プレート、及び超音波トランスデューサなどの音響要素を含むことができる。静電プレートに、外部保護層に近接する物体を静電的に引き付けさせる高電圧(例えば、75ボルトより大きい)を、静電プレートに供給してもよい。
外部保護層に近接する物体に反発する圧力波を音響要素に生成させる交流を、音響要素に供給してもよい。他の実施形態では、音響要素及び静電プレートを共に使用することができる。例えば、音響要素は、外部保護層全体を振動させて摩擦の全体的低減を提供するように構成されてもよく、一方、静電プレートのセットは、摩擦の局所的増大を提供するように構成されてもよい。この実施例では、ユーザは、外部保護層の異なるエリアが異なる摩擦量を呈するように知覚し得る。
入力モードでは、摩擦トランスデューサは、外部保護層に近接する物体との間の容量に対応する静電プレートからの電気信号を出力することができ、次に、それを、物体と外部保護層との間の摩擦に関連付けることができる。この容量は、触知ユーザインターフェースに関連付けられたプロセッサによって受信することができる。
図1A〜図1Bに示す実施形態の前述の説明、並びにそれらの種々の代替例及びそれらの変形例は、概ね、説明の目的で、かつ本明細書に提示される詳細な実施形態の十分な理解を容易にするために提示されている。しかし、本明細書に提示する具体的な詳細の中には、具体的に記載する実施形態又はその等価物の実践のために、必須でなくてもよいものがあることが当業者には明らかとなるであろう。
それ故に、触知ユーザインターフェースの特定の実施形態の前述及び後述の記載は、図解及び説明の限定的目的のために提示されることが理解される。これらの説明は、網羅的であるか、又は本明細書で引用される正確な形態に本開示を限定することを目的とするものではない。反対に、上記教示の観点から、多くの修正例及び変更例が可能であることが当業者には明らかとなるであろう。具体的には、図1A〜図1Bに示す触知ユーザインターフェースの個別にアドレス指定可能なセグメントの様々な構成要素は、多くの好適かつ実装固有な方法で実装されてよいことが理解され得る。
概してかつ幅広く、図2〜図3Bは、本明細書で説明するものなどの触知ユーザインターフェースの1つ以上の個別にアドレス指定可能なセグメントの断面を示す。個別にアドレス指定可能なセグメントは、入力モード、出力モード、又は複合モードで動作することができる。複合モードでは、個別にアドレス指定可能なセグメントは、入力モード及び出力モードの両方で同時に動作する、又は入力モードと出力モードとの間で急速に切り替わる(例えば、時間多重化)。
具体的には、図2は、断面A−Aで取られた図1Bの触知ユーザインターフェースのアドレス指定可能なセグメント200の簡略化した断面を示す。この実施例では、触知ユーザインターフェースのアドレス指定可能なセグメント200は、本明細書で説明するものなどの摩擦トランスデューサに関連付け得る静電プレート202を含む。
静電プレート202は、外部保護層204の上に設けられている。静電プレート202は、静電プレート202と、電圧が静電プレート202に印加されると静電プレート202に引き付けられ得る物体との間の距離を低減するために、外部保護層204の上に設けてもよい。しかし、他の実施形態では、静電プレート202は、保護層204の下に設けてもよい。
静電プレート202は、誘電体保護層206でコーティングされる。誘電体保護層206は、静電プレート202とユーザ(図示せず)との間の物理的及び電気的分離を提供する。多くの実施形態では、誘電体保護層206は透明であるが、これは必須でなくてもよい。
誘電体保護層206は、任意の数の好適な誘電材料から形成することができ、任意の好適な厚さで設けることができる。多くの実施例では、誘電体保護層206の厚さは、実質的に外部保護層204の厚さ未満である。誘電体保護層206を形成するために使用される材料としては、限定することなく、酸化アルミニウム、二酸化チタン、五酸化ニオブ、又は任意の他の好適な材料を挙げることができる。
誘電体保護層206は、任意の好適な方法で静電プレート202上に付着させてもよい。例えば、誘電体保護層206は、スパッタリング、物理蒸着、熱蒸発、又は任意の他の好適な技術により形成されてもよい。
この構成では、静電プレート202は、ユーザ、ディスプレイ208などの電子デバイス内の追加の構成要素の両方から、電気的に絶縁されてもよい。換言すれば、外部保護層204は、電気的絶縁として機能する。
静電プレート202は、任意の数の好適な材料から作製することができる。多くの実施形態では、静電プレート202は、光学的に透明な材料から形成されてもよいが、これは必須でなくてもよい。例えば、静電プレート202は、インジウムスズ酸化物、酸化亜鉛、アンチモンスズ酸化物などであるがこれらに限定されない、金属酸化物から形成してもよい。多くの実施例では、静電プレート202を形成するために使用される材料は、そのシート抵抗のために選択される。より高いシート抵抗は、より大きな静電引力効果をもたらし得る。
静電プレート202は、任意の好適な方法で外部保護層204上に付着させてもよい。例えば、静電プレート202は、スパッタリング、物理蒸着、熱蒸発、又は任意の他の好適な技術により形成されてもよい。
図3Aは、ユーザによってタッチされ得る表面に対して設けられたトランスデューサの群を詳細に示す、本明細書で説明するものなどの触知ユーザインターフェースのアドレス指定可能なセグメントの断面を示す。この図示した実施形態では、触知ユーザインターフェースの断面300は、いくつかの個別にアドレス指定可能な静電素子304、いくつかの個別にアドレス指定可能な圧電素子306、いくつかの個別にアドレス指定可能な熱素子308、及びいくつかの個別にアドレス指定可能な高力出力要素310を含む。
一部の場合では、いくつかの個別にアドレス指定可能な静電素子304を、金属酸化物及び金属ナノワイヤなどであるがこれらに限定されない、光学的に透明な材料から形成してもよい。図に示すものなどの一部の場合では、いくつかの個別にアドレス指定可能な静電素子304を、表面302内に埋め込んでもよいが、これは必須ではない。表面302は、図1A〜図1Bに示した電子デバイス100などの電子デバイスの外部保護層であってもよい。
図示しないが、いくつかの個別にアドレス指定可能な静電素子304は、光学的に透明であり得る1つ以上の電気トレースを介して電子デバイス内の1つ以上の回路に接続してもよい。上述したように、いくつかの個別にアドレス指定可能な静電素子304は、触知ユーザインターフェースの摩擦トランスデューサに関連付けられ得る。電気信号がいくつかの個別にアドレス指定可能な静電素子304のうちの1つ以上に印加されると、素子は、近隣の同じ極性の電荷に反発し、近隣の逆極性の電荷を引き付ける電界を生成し得る。したがって、電界の結果として、ユーザの指が、表面302に引き付けられ得る。引力により、ユーザは、指と表面302との間の摩擦が増大したことを知覚し得る。
いくつかの個別にアドレス指定可能な圧電素子306は、金属酸化物などであるがこれらに限定されない、光学的に透明な材料から形成することができる。図に示すものなどの一部の場合には、いくつかの個別にアドレス指定可能な圧電素子306は、表面302の底面上に配置されてもよいが、これは必須ではない。図示しないが、いくつかの個別にアドレス指定可能な圧電素子306は、光学的に透明であり得る1つ以上の電気トレースを介して電子デバイス内の1つ以上の回路に接続してもよい。上述したように、いくつかの個別にアドレス指定可能な圧電素子306は、触知ユーザインターフェースの摩擦トランスデューサに関連付けられてもよい。他の場合では、いくつかの個別にアドレス指定可能な圧電素子306はまた、触知ユーザインターフェースの力トランスデューサに関連付けられてもよい。
急速に変化する電気信号がいくつかの個別にアドレス指定可能な圧電素子306のうちの1つ以上に印加されると、素子は、表面302を急速に上向き及び下向きに移動させることができる。したがって、表面302の急速な動きの結果として、ユーザは、指と表面との間の摩擦が減少したことを知覚し得る。
触知ユーザインターフェースの他の構成要素と同様に、いくつかの個別にアドレス指定可能な熱素子308は、金属酸化物又は銀ナノワイヤなどであるがこれらに限定されない、光学的に透明な材料から形成されてもよい。一部の場合では、いくつかの個別にアドレス指定可能な熱素子308は、ペルチェ素子に形成されてもよい。図に示すものなどの一部の場合では、いくつかの個別にアドレス指定可能な熱素子308は、表面302の底面上に配置されてもよいが、これは必須ではない。図示しないが、いくつかの個別にアドレス指定可能な熱素子308は、光学的に透明であり得る1つ以上の電気トレースを介して電子デバイス内の1つ以上の回路に接続してもよい。
電気信号がいくつかの個別にアドレス指定可能な熱素子308のうちの1つ以上に印加されると、素子は、表面302の温度を上昇又は低下させてもよく、それは、次に、表面302の温度を変化させてもよい。したがって、ユーザは、表面302の一部分が表面302の別の部分とは異なる温度を有することを知覚し得る。
高力出力要素310は、多くの異なる方法で実装されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、高力出力要素310は、限定せずに、リニアアクチュエータ、重心が偏心したモータ、ソレノイド、衝撃ソレノイド、形状記憶ワイヤなどとして実装され得る。上述したように、高力出力要素310は、触知ユーザインターフェースの熱トランスデューサに関連付けられてもよい。いくつかの実施例では、高力出力要素310を使用して、表面の局所高さを調節してもよく、高力出力要素310のアクティブ化により、表面を曲げさせる又は局所的に変形させて、その高さを局所的に増大させ得る。同様に、高力出力要素310を使用して、表面のエリアの局所高さを減少させてもよい。
他の実施形態では、図3Bに示すようになど、表面302の上に、誘電体コーティング312を設けてもよい。本明細書で説明する他の実施形態に関して説明したように、誘電体コーティング312は、ユーザからの触知ユーザインターフェースの様々な部分の間の電気的分離を確実にし得る。
他の実施形態と同様に、図2〜図3Bに示す実施形態に関する上述の説明、並びにそれらの様々な代替例及びそれらの変形例は、単に説明の目的で提示されている。本明細書に提示する具体的な詳細の中には、具体的に記載する実施形態又はその等価物の実践のために、必須でなくてもよいものがあることが当業者には明らかとなるであろう。それ故に、特定の実施形態の前述及び後述の記載は、図解及び説明の限定的目的のために提示されることが理解される。これらの説明は、網羅的であるか、又は上記で引用される正確な形態に本開示を限定することを目的とするものではない。反対に、上記教示の観点から、多くの修正例及び変更例が可能であることが当業者には明らかとなるであろう。
概してかつ幅広く、図4〜図6Bは、触知ユーザインターフェースの摩擦トランスデューサの静電プレートを電子デバイスの外部保護層に一体化した電子デバイスの断面を示す。本明細書で説明する他の実施形態と同様に、静電プレートは、入力モード、出力モード、又は複合モードで動作することができる。複合モードでは、触知ユーザインターフェースは、入力モード及び出力モードの両方で同時に動作する、又は入力モードと出力モードとの間で急速に切り替わる(例えば、時間多重化)。図示した実施形態は、図1Bに示す触知ユーザインターフェースなどの任意の好適な触知ユーザインターフェースと共に使用することができる。
図4〜図6Bに示すものなどの静電プレートは、任意の数の好適な材料から形成することができる。多くの実施形態では、静電プレートは、高シート抵抗を有する材料から形成されるが、これは必須でなくてもよい。本明細書で説明する他の実施形態と同様に、静電プレートは、電子デバイスに関連付けられた外部保護層の外面に直接設けてもよい。静電プレートは、任意の好適な技術を使用して外面に取り付ける、付着させる、配置する、貼り付ける、又は接着してもよい。そのような技術としては、スパッタリング、積層、物理蒸着、熱蒸着などが挙げられるが、これらに限定されない。
これらの実施形態の多くでは、静電プレートの上に誘電体コーティングが設けられている。誘電体コーティングは、任意の好適な厚さに形成することができ、任意の数の好適な材料で作製することができる。
静電プレートは、駆動回路に接続することができる。駆動回路は、電気信号を静電プレートに伝達するように構成されてもよい。多くの実施形態では、駆動回路は、外部保護層の下に設けられている。したがって、静電プレートと駆動回路との間の電気的接続を行なわなければならない。いくつかの実施形態では、電気的接続は、外部保護層を貫通して形成されたビアとすることができる。別の実施形態では、電気的接続は、外部保護層の外周に延びるジャンパであってもよい。また更なる実施形態では、電気的接続は必須でなくてもよく、静電プレートを容量結合によって駆動してもよい。いくつかの実施例では、静電プレートは直接容量結合(例えば、駆動プレートと静電プレートとの間の単一のコンデンサによってモデル化される)によって駆動してもよく、一方、他の実施例では、静電プレートは間接容量結合(例えば、駆動プレートと静電プレートとの間の2つ以上の直列コンデンサとしてモデル化される)によって駆動してもよい。
多くの場合では、単一の静電プレートを外部保護層の外面上に形成してもよく、一方、他の場合では、静電プレートを、それぞれのセグメントを個別にアドレス指定可能にしてセグメント化してもよい。これらの実施形態では、導電トレースもまた、外部保護層内に形成することができる。導電トレースは、静電プレートの個別にアドレス指定可能なセグメントを駆動回路に電気的に接続するように機能し得る。これらの実施例では、導電トレースは、静電プレートより低い抵抗を呈するように形成することができる。より具体的には、導電トレースは、静電プレートと同じ材料で形成し得るが、静電プレートより大きな厚さに形成し得る。別の実施例では、導電トレースは、異なる材料で形成してもよく、導電トレースは、静電プレートより低いシート抵抗を呈する材料で形成してもよい。
図4〜図6Bは、これらの及び他の実施形態に関連して提供される。しかし、これらの説明かつ図示した実施形態は、本明細書で説明するものなどの静電プレートの可能な構成の単なる例であり、網羅的であること又は本明細書で引用する正確な形態に本開示を限定することを目的としていないことが理解され得る。
図4は、本明細書で説明するものなどの触知ユーザインターフェース400と共に使用することができる静電プレートの断面を示す。触知ユーザインターフェース400は、電子デバイスの外部保護層402に関連付けられ得る。外部保護層402は、タッチ感知素子の上に設けられたカバーガラスであってもよい。タッチ感知素子は、接着剤404によって外部保護層402の下側に接着されてもよい。タッチ感知素子は、誘電材料によって分離された2つの電極のセットを含むことができる。図示した実施形態では、上部電極セット406(セットのうちの1つのみが見える)は、誘電体408の上面上に設けられる。下部電極セット410(セットのうちの7つの電極が見える)は、誘電体408の底面上に設けられる。上部電極セット406と下部電極セット410との間の容量の変化を使用して、外部保護層402に近接する又はそれと接触する物体(例えば、ユーザの指)の位置を判定することができる。
この実施形態では、静電プレート412は、外部保護層402の上面上に設けられる。誘電体コーティング414は、静電プレート412の上に設けられる。
本明細書で説明する他の実施形態に関して説明したように、静電プレート412は、駆動電圧が静電プレート412に印加されると、触知ユーザインターフェース400に近接する物体を引き付けてもよい。駆動電圧は、任意の数の好適な方法で静電プレート412に印加されてもよい。例えば、電気トレース(図示せず)を静電プレート412に接続することができ、次に、駆動電圧を電気トレースに印加してもよい。
他の実施形態では、駆動電圧は、容量結合により静電プレート412に印加されてもよい。例えば、第1の電圧を上部電極セット406に印加してもよい。静電プレート412及び上部電極セット406の近接の結果として、静電プレート412と上部電極セット406との間に容量416を発生し得る。静電プレート412が上部電極セット406と共通接地を共有するか否かに関わらず、容量416を発生させ得る。
静電プレート412が駆動電圧にあると、静電プレート412と、触知ユーザインターフェース400に近接する物体420との間に第2の容量418が発生する。駆動電圧が十分に高い場合、物体420を静電プレート412に引き付けることができる。
図5は、本明細書で説明するものなどの触知ユーザインターフェース500と共に使用し得る、アドレス指定可能かつセグメント化された静電プレートの断面を示す。図4に示す実施形態と同様に、触知ユーザインターフェース500は、電子デバイスの外部保護層502に関連付けられてもよい。外部保護層502は、タッチ感知素子の上に設けられたカバーガラスであってもよい。タッチ感知素子は、接着剤504によって外部保護層502の下側に接着されてもよい。タッチ感知素子は、誘電材料によって分離された2つの電極セットを含むことができる。図示した実施形態では、上部電極セット506(セットのうちの1つのみが見える)は、誘電体508の上面上に設けられる。下部電極セット510(セットのうちの7つの電極が見える)は、誘電体508の底面上に設けられる。上部電極セット506と下部電極セット510との間の容量の変化を使用して、外部保護層502に近接する又はそれと接触する物体(例えば、ユーザの指)の位置を判定することができる。
この実施形態では、セグメント化された静電プレートが、外部保護層502の上面上に設けられてもよい。図5では、4つの個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレートが示されている。個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレートのそれぞれは、同じ方法で形成することができるが、これは必須ではない。単一の個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512は、識別される。誘電体コーティング514は、個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512を含む個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレートの上に設けられる。
本明細書で説明する他の実施形態に関して説明したように、個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512は、駆動電圧が個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512に印加されると、触知ユーザインターフェース500に近接する物体を引き付けることができる。駆動電圧は、任意の数の好適な方法で個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512に印加されてもよい。例えば、電気トレース516を個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512に接続することができ、次に、駆動電圧を電気トレース516に印加してもよい。
多くの場合では、個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512は、高シート抵抗を有する材料から形成されてもよい。電気トレース516は、低シート抵抗を有する材料から形成されてもよい。このようにして、電気トレース516内の電気的損失を最小化してもよい。
図に示すように、電気トレース516は、個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512の上面上に形成してもよい。これは、単なる1つの可能な構成であり、個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512に隣接して配置された電気トレース516、個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512の下に配置された電気トレース516、個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512内に配置された電気トレース516、個別にアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレート512の周囲に配置された電気トレース516などであるがこれらに限定されない、他の構成が可能である。
図6Aは、電子デバイスの表面を貫通して延び、表面の1つの面に対して設けられたアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレートを表面の別の面に対して設けられた回路に接続するガラス貫通ビアの断面を示す。
具体的には、触知ユーザインターフェース600は、本明細書で説明する他の実施形態と同様に、外部保護層602に関連付けられている。外部保護層602は、ガラス、サファイア、プラスチック、セラミック、金属(陽極酸化層などの誘電体外部コーティングを有する)などであるがこれらに限定されない、任意の数の好適な材料から形成されてもよい。外部保護層602は、透明又は不透明であってよい。外部保護層602は、材料の単一の層であってもよく、又は材料の複数の層から形成されてもよい。
静電プレート604は、外部保護層602の上面に関連付けることができる。静電プレート604は、それぞれのセグメントを個別にアドレス指定可能にセグメント化することができる。本明細書で説明する他の実施形態と同様に、静電プレート604は、任意の好適なプロセスを使用して、任意の好適な材料又は材料の組合せから形成することができる。
誘電体コーティング606は、静電プレート604の上に設けられ、それによって、静電プレート604を密閉している。本明細書で説明する他の実施形態と同様に、誘電体コーティング606は、任意の好適なプロセスを使用して、任意の好適な材料又は材料の組合せから形成することができる。
駆動回路608は、外部保護層602の下に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、駆動回路608は、少なくとも部分的に化粧インク層610の下に設けることができる。駆動回路608は、1つ以上のプロセッサ、電気回路素子、フレキシブル回路基板、回路コネクタなどを含み得る。
化粧インク層610は、外部保護層602の下面の周囲に沿って設けることができる。いくつかの実施例では、外部保護層602は、ディスプレイの上に配置される。この実施例では、化粧インク層610は、ディスプレイのべゼルを画定し得る。化粧インク層610は、任意の数の好適な材料から形成されてもよく、任意の好適な方法で下面上に付着させ得る。化粧インク層610は、典型的には不透明であるが、これはすべての実施形態に必須でなくてもよい。
駆動回路608は、静電プレート604の電気接点612に電気的に接続することができる。図示した実施形態では、電気接点612は、第1のビア614と電気的に接触している。第1のビア614は、化粧インク層610を貫通して画定される。第1のビア614は、任意の数の好適な導電材料から形成することができる。
一実施形態では、第1のビア614は、化粧インク層610が外部保護層602上に形成された後に形成される。この実施例では、第1のビア614は、エッチング及び充填プロセスを使用して形成される。他の実施例では、第1のビア614は、別の方法で形成され得る。
第1のビア614は、静電プレート604に電気的に接続された第2のビア616に電気的に接続していてもよい。このようにして、駆動回路608は、静電プレート604に電気的に接続される。
第2のビア616は、外部保護層602を貫通して画定される。第2のビア616は、任意の数の好適な導電材料から形成することができる。一実施形態では、第2のビア616は、外部保護層602を形成するために使用された材料(単数又は複数)に対して好適な技術を使用して外部保護層602を貫通する穴あけ又はエッチングの後に形成される。
図6Bは、電子デバイスの表面の縁部周りに延び、表面の1つの面に対して設けられたアドレス指定可能かつセグメント化された静電プレートを表面の別の面に対して設けられた電気回路に接続する周囲ジャンパの断面を示す。
具体的には、触知ユーザインターフェース600は、本明細書で説明する他の実施形態と同様に、外部保護層602に関連付けられる。外部保護層602は、ガラス、サファイア、プラスチック、セラミック、金属(陽極酸化層などの誘電体外部コーティングを有する)などであるがこれらに限定されない、任意の数の好適な材料から形成され得る。外部保護層602は、透明又は不透明であってよい。外部保護層602は、材料の単一の層であってもよく、又は材料の複数の層から形成されてもよい。
図6Aに示す実施形態と同様に、静電プレート604は、外部保護層602の上面に関連付けることができる。静電プレート604は、それぞれのセグメントを個別にアドレス指定可能にセグメント化することができる。本明細書で説明する他の実施形態と同様に、静電プレート604は、任意の好適なプロセスを使用して、任意の好適な材料又は材料の組合せから形成することができる。
誘電体コーティング606は静電プレート604の上に設けられ、それによって、静電プレート604を密閉している。本明細書で説明する他の実施形態と同様に、誘電体コーティング606は、任意の好適なプロセスを使用して、任意の好適な材料又は材料の組合せから形成することができる。
駆動回路608は、外部保護層602の下に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、駆動回路608は、少なくとも部分的に化粧インク層610の下に設けることができる。駆動回路608は、1つ以上のプロセッサ、電気回路素子、フレキシブル回路基板、回路コネクタなどを含み得る。
図6Aに関して説明したように、化粧インク層610は、外部保護層602の下面の周囲に沿って設けることができる。化粧インク層610は、任意の数の好適な材料から形成されてもよく、任意の好適な方法で下面上に付着させ得る。化粧インク層610は、典型的には不透明であるが、これはすべての実施形態に必須でなくてもよい。
駆動回路608は、周囲ジャンパ618を介して静電プレート604に電気的に接続することができる。周囲ジャンパ618は、外部保護層602の縁部の外周に延びてもよい。周囲ジャンパ618は、任意の数の好適な導電材料又は材料の組合せから形成され得る。
他の実施形態と同様に、図5〜図6Bに示す実施形態に関する上述の説明、並びにそれらの様々な代替例及びそれらの変形例は、単に説明の目的で提示されている。本明細書に提示する具体的な詳細の中には、具体的に記載する実施形態又はその等価物の実践のために、必須でなくてもよいものがあることが当業者には明らかとなるであろう。それ故に、特定の実施形態の前述及び後述の記載は、図解及び説明の限定的目的のために提示されることが理解される。これらの説明は、網羅的であるか、又は上記で引用される正確な形態に本開示を限定することを目的とするものではない。反対に、上記教示の観点から、多くの修正例及び変更例が可能であることが当業者には明らかとなるであろう。
図7は、例示的な触知ユーザインターフェースのシステム図を示す。触知ユーザインターフェース700は、摩擦トランスデューサ704、力トランスデューサ706、及び熱トランスデューサ708に接続された、プロセッサなどのコントローラ702を含む。
データ又は命令を処理、受信又は送信することができる任意の電子デバイスとしてコントローラ702を実装することができる。例えば、コントローラ702は、マイクロプロセッサ、中央処理装置、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、デジタル信号プロセッサ、アナログ回路、デジタル回路、又はそのようなデバイスの組合わせとすることができる。プロセッサは、シングルスレッドプロセッサ又はマルチスレッドプロセッサであってもよい。プロセッサは、シングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサであってもよい。したがって、本明細書に記載のとおり、語句「処理ユニット」又はより一般的には「プロセッサ」とは、メモリ内に記憶可能であり、メモリからアクセス可能なプログラムに含まれるコード及び/又は命令として表されるデータ操作を含むデータの具体的な変換を実行するように物理的に構成される、ハードウェアを実装したデータ処理デバイス又は回路を意味する。この用語は、単一のプロセッサ又は処理ユニット、複数のプロセッサ、複数の処理ユニット、アナログ若しくはデジタル回路、又は他の好適に構成される演算要素若しくは要素の組み合わせを包含することを意味する。
コントローラ702は、多くの実施形態において、回路並びに/又は専用のプロセッサ及びメモリなどの論理構成要素を含むことができる、又はこれらと通信可能に接続することができる。コントローラ702の回路は、触知ユーザインターフェースに関連付けられた機能又は動作のうちの1つ以上を実行、調整、及び/又は監視することができるが、この機能又は動作としては、表面のあるエリアの温度の上昇させること、表面のあるエリアの温度を低下させること、表面のあるエリアの周囲の温度を低下させること、表面のあるエリアの周囲の温度を上昇させること、表面のあるエリアの温度を検出、概算、及び/又は測定すること、表面のあるエリアによって呈される摩擦を増大させること、表面のあるエリアによって呈される摩擦を減少させること、表面のあるエリアの周囲に呈される摩擦を増大させること、表面のあるエリアの周囲に呈される摩擦を減少させること、表面のあるエリアによって呈される摩擦を検出、概算、及び/又は測定すること、表面のあるエリアによって出力される力を増大させること、表面のあるエリアによって出力される力を減少させること、表面のあるエリアにユーザによって加えられる力を検出、概算、及び/又は測定すること、表面のあるエリアの局所高さを増大させること、表面のあるエリアの局所高さを減少させること、表面のあるエリアの局所高さを測定すること、表面の局所エリアから発する振動を増大させること、表面の局所エリアから発する振動を減少させること、表面のあるエリアを介して伝搬する振動と建設的に干渉する振動を生成すること、表面のあるエリアを介して伝搬する振動と破壊的に干渉する振動を生成すること、表面のあるエリアを介して伝搬する振動の周波数、振幅、及び/若しくは位相を測定、推定、並びに/又は判定すること、など、又はそれらの任意の組合せ、などが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施例では、コントローラ702は、時間多重化技術を使用して、触知ユーザインターフェースのそれぞれの部分のそれぞれの独立要素から測定値を入手し、それらに信号を印加してもよい。
図8は、触知出力を提供する方法の例示的な動作を示すフローチャートである。図示した方法は、いくつかの実施形態では、図7に示すコントローラ702によって(少なくとも部分的に)実行することができる。他の場合では、方法は、別のプロセッサ若しくは回路、又はプロセッサ若しくは回路の組合せによって実行される。
方法800は、例えば、図7のコントローラ702によって触知出力パラメータセットが入手される動作802で開始する。一部の場合には、パラメータセットは、グラフィックファイル、ビデオファイル、オーディオファイル、又は他のファイルにより記憶若しくはそれらに関連付けられてもよい。次に、動作804で、触知出力位置が判定され得る。一部の場合には、触知ユーザインターフェース群の特定の部分の座標を触知出力パラメータ内で識別してもよく、一方、他の場合では、触知ユーザインターフェース群の複数の個々の部分の間の協働が必要とされてもよい(例えば、触知出力位置の補間)。次に動作806で、動作802で受信した触知出力パラメータによって記述される触知出力を提供するために、触知ユーザインターフェースの個別にアドレス指定可能なセグメントの適切な部分をアクティブにすることができる。
図9は、電子デバイスの表面に関与する物体の表面特性を検出する方法900の例示的な動作を示すフローチャートである。図示した方法は、いくつかの実施形態では、図7に示すコントローラ702によって(少なくとも部分的に)実行することができる。他の場合では、方法は、別のプロセッサ若しくは回路、又はプロセッサ若しくは回路の組合せによって実行される。
方法900は、表面の表面特性が検出される動作902で開始する。表面特性は、温度の測定値若しくは推定値、力の測定値若しくは推定値、摩擦の測定値若しくは推定値、又は任意の他の好適な特性であってもよい。方法は、表面特性を最も近く模擬するために必要とされる触知出力パラメータが判定される、動作904に続いてもよい。最後に動作906で、触知出力パラメータは、(任意選択的に)別の電子デバイスに送信されてもよい。
より具体的には、一実施形態では、2つの電子デバイス間でビデオチャットアプリケーションが実行されていてもよい。電子デバイスの第1のユーザは、デバイスのスクリーンをタッチしてもよく、次に、デバイスのスクリーンは、ユーザの5本の指のそれぞれに関連付けられた、5つの局所温度の上昇及び5つの局所変形を検出し得る。次に第1のユーザの電子デバイスは、それらの検出された表面特性に対応する触知出力パラメータを送信してもよく、その後、それらの検出された表面特性を、第2のユーザのデバイス上の触知ユーザインターフェースの個別にアドレス指定可能なセグメントの一部分によって生成されてもよい。このようにして、第1及び第2のユーザが地理的に隔てられていることがあるにもかかわらず、第2のユーザは、第1のユーザの手の暖かみ及び位置を感じることができ得る。
図10は、第1のデバイスの表面に関与する物体の表面特性を検出して、第2のデバイスの表面上の触知出力によりそのような表面特性を模擬する方法1000の例示的な動作を示すフローチャートである。図示した方法は、いくつかの実施形態では、図7に示すコントローラ702によって(少なくとも部分的に)実行することができる。他の場合では、方法1000は、別のプロセッサ若しくは回路、又はプロセッサ若しくは回路の組合せによって実行される。
方法1000は、ローカル電子デバイスの表面でタッチイベントが受信される動作1002で開始する。本明細書で説明する他の実施形態に関して説明したように、ローカル電子デバイスは、デスクトップコンピュータ、テレビ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、セルラー電話、装着型電子デバイス、及び/又は同様なものなどの、任意の好適な電子デバイスとすることができる。タッチイベントは、タッチ感知式入力要素によって認識することができる。
次に、動作1004で、触知出力パラメータが判定される。そのような触知出力パラメータは、検出された表面特性に対応する。次に動作1006で、判定された触知出力パラメータは、リモートデバイスに送信されてもよい。次に動作1008で、リモートデバイス上で模擬するための触知出力パラメータを判定して、リモートデバイスの入力表面でタッチイベントを模擬するために使用してもよい。
本開示は、本技術において、私的な個人間の通信を含む個人情報データを、ユーザの利益のために使用することができる点を認識するものである。例えば、電子デバイスの表面上の触知シミュレーションの使用を用いて、より没入したコンピューティング体験を提供することができる。
本開示は更に、そのような個人情報若しくは通信データの収集、分析、公開、伝送、記憶、又は他の使用の責任を負うエンティティが、確立されたプライバシーのポリシー及び/又はプライバシー慣行に従うことを企図している。具体的には、そのようなエンティティは、業界又は政府の標準を満たしているか又は上回るデータ暗号化及びセキュリティ方法の使用を含め、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。例えば、ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いて、共用又は販売されるべきではない。更には、そのような収集は、ユーザに告知して同意を得た後にのみ実施するべきである。更には、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護して安全化し、その個人情報データへのアクセス権を有する他者が、それらのプライバシーのポリシー及び手順を遵守することを保証するための、あらゆる必要な措置を講じるであろう。更には、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーのポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、第三者による評価を自らが受けることができる。
前述のことがらにも関わらず、本開示はまた、私的な個人間の通信を含む個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するように、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を提供することができると想到する。
加えて、多くの実施形態を上記で開示してきたが、本明細書に記載の方法及び技術に関して提示した動作及び工程は、例示として意図されており、したがって、網羅的ではないことを理解することができる。特定の実施形態において、代替的な工程の順序又はより少ない若しくは追加的な工程が必要とされる又は所望されてもよいことを更に理解することができる。
上記の開示は、さまざまな例示的な実施形態及び実施態様に関して記載されているが、個々の実施形態の1つ以上で説明されるさまざまな特徴、態様及び機能は、それらが記載された特定の実施形態に適用が限定されるものではないが、かかる実施形態が記載されているか否かにかかわらず、かつ、かかる特徴が記載された実施形態の一部として提示されているか否かにかかわらず、本発明の一部の実施形態のうちの1つ以上に、単独で又はさまざまな組み合わせで適用され得ることを理解されたい。したがって、本発明の広さと範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、むしろ本明細書で提示された特許請求の範囲によって画定される。