JP2019513330A - Mimo無線端末の無線性能試験方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】本発明により提供されるMIMO無線端末の無線性能試験方法は、マイクロ波無響室において測定された被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報を取得ステップと、被試験のMIMO無線端末のアンテナパターン情報に基づいて、試験信号を取得するステップと、被試験のMIMO無線端末の誤差較正ジョイント行列で前記試験信号を較正して、試験用発射信号を取得するステップと、最後に、試験用発射信号をマイクロ波無響室の複数の測定アンテナに供給し、測定アンテナにより、無線端末へ発射して無線端末を試験するステップと、を含む。測定誤差が解消されるように、誤差較正ジョイント行列を採用して試験信号を較正し、試験用発射信号を取得するため、従来技術における、測定誤差を定量化することができないことによるMIMO無線端末試験の正確性及び再現性の技術的課題を解決する。

Description

本発明は、アンテナ技術分野に関し、特に、MIMO無線端末の無線性能試験方法に関するものである。
米国セルラー通信工業会(CTIA,Cellular Telecommunications and Internet Association)及び第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP,3rd Generation Partnership Project)により提供される主な試験標準は、マルチプローブ法と、放射2-ステージ法とがある。
具体的には、MIMO試験方法の放射2-ステージ法について、試験の概略図は、図1に示すように、その試験フローは、主として以下のいくつかのステップに分けられる。
ステップ1において、被試験のマルチ入力マルチ出力(MIMO,Multiple−Input Multiple−Output)無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報を取得し、その中には、各アンテナの各方向におけるゲイン情報、及び何れか二つのアンテナが各方向で受信する同一信号の位相差情報などが含まれている。
ステップ2において、取得された無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報に基づいて、予め設定されたMIMOチャネル伝搬モデルと融合することにより、完全なMIMOトランスポートチャネルをシミュレーションして、スループット試験信号を発生する。
ステップ3において、無響室における測定アンテナに対する無線端末の複数のアンテナの具体的な相対位置及び方向に基づいて、無響室において当該無線端末に対する較正行列を決定し、較正行列と、既に算出されたスループット試験信号とに基づいて、試験用発射信号を生成する。
ステップ4において、試験用発射信号をマイクロ波無響室の複数の測定アンテナに供給し、測定アンテナが当該無線端末に発射することにより、前記無線端末を試験する。
放射2-ステージ法のステップ1において、アンテナパターン試験の際に、図2に示すような無線端末の振幅及び位相差帰還システムに頼る必要がある。振幅及び位相差帰還システムは、各受信機により受信された信号強度と、何れか二つの受信信号間の位相差とを、オーティーエー(OTA,Over−the−Air)方式で、テストメーターに帰還し、帰還されたデータは、MIMO無線端末のアンテナパターンを算出するためのものである。
しかし、実際の測定において、振幅及び位相差帰還システムには測定誤差が存在する。具体的には、通常の場合に、MIMO無線端末の振幅及び位相差帰還システムに対して帰還されたデータの測定誤差には、3dB以上の振幅測定誤差、及び少なくとも10°の位相測定誤差が含まれる。
一方、各MIMO無線端末において、測定誤差は、それぞれ異なり、しかも、OTA試験条件で、評価及び定量化を行うことができない。
他方では、導通試験が侵襲式であるため、振幅及び位相差帰還システムが導通方法でデータをテストメーターに帰還しても、当該誤差の厳密値を取得することができない。
してみると、従来技術において、測定誤差は、定量化することのできない未知データである。そして、測定誤差が放射2-ステージ法の第1段階に導入され、試験プロセス全体に伴っているため、最終的には、MIMO無線端末試験の正確性及び再現性に影響を及ぼす。
米国特許出願公開第2008/129615号明細書 米国特許出願公開第2002/160717号明細書
本発明は、関連技術における少なくとも一つの技術的課題をある程度で解決することを目的とする。
そのため、本発明は、測定誤差を解消し、従来技術における、測定誤差を定量化することができないことによるMIMO無線端末試験の正確性及び再現性の技術的課題を解決するMIMO無線端末の無線性能試験方法を提供することを一つの目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1側面の実施例により以下の方法が提供される。
被試験のMIMO無線端末が複数のアンテナを備え、前記被試験のMIMO無線端末がマイクロ波無響室に載置され、前記方法は、前記被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報を取得するステップAと、前記被試験のMIMO無線端末のアンテナパターン情報に基づいて、試験信号を取得するステップBと、前記被試験のMIMO無線端末の誤差較正ジョイント行列で前記試験信号を較正し,試験用発射信号を取得するステップCと、前記試験用発射信号をマイクロ波無響室の複数の測定アンテナに供給し、前記測定アンテナにより、前記無線端末へ発射して前記無線端末を試験するステップDと、を含む。
本発明の実施例のMIMO無線端末の無線性能試験方法は、マイクロ波無響室において測定された被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報を取得ステップと、被試験のMIMO無線端末のアンテナパターン情報に基づいて、試験信号を取得するステップと、被試験のMIMO無線端末の誤差較正ジョイント行列で前記試験信号を較正して、試験用発射信号を取得するステップと、最後に、試験用発射信号をマイクロ波無響室の複数の測定アンテナに供給し、測定アンテナにより、無線端末へ発射して無線端末を試験するステップと、を含む。測定誤差が解消されるように、誤差較正ジョイント行列を採用して試験信号を較正し、試験用発射信号を取得するため、従来技術における、測定誤差を定量化することができないことによるMIMO無線端末試験の正確性及び再現性の技術的課題を解決する。
さらに、本発明の一実施例において、前記誤差較正ジョイント行列は、前記被試験のMIMO無線端末の振幅及び位相差帰還システムの帰還情報に基づいて決定される。
さらに、本発明の一実施例において、前記誤差較正ジョイント行列EAは、誤差行列Eと較正行列Aの積であり、ここで、誤差行列Eは、
さらに、本発明の一実施例において、前記誤差較正ジョイント行列の因子は、
さらに、本発明の一実施例において、前記被試験のMIMO無線端末のアンテナパターン情報に基づいて、試験信号を取得するステップは、前記被試験のMIMO無線端末のアンテナパターン情報と予め設定されたMIMO信号伝搬モデルとを融合することで、前記試験信号を生成するステップを含む。
さらに、本発明の一実施例において、前記アンテナパターン情報は、各方向におけるゲイン情報、及び/又は何れか二つのアンテナの間に各方向において受信された同一情報の位相差の情報を含む。
さらに、本発明の一実施例において、前記マイクロ波室の測定アンテナの数は、前記無線端末のアンテナの数以上である。
さらに、本発明の一実施例において、ステップDを試験する過程において、測定アンテナと被試験の無線端末とは、静止状態に維持される。
さらに、本発明の一実施例において、前記試験は、スループット試験である。
さらに、本発明の一実施例において、前記ステップA及び前記ステップDにおいて使用されるマイクロ波無響室は、同一のものである。
さらに、本発明の一実施例において、前記複数の測定アンテナのうち、一部の測定アンテナが水平偏波アンテナであり、前記複数の測定アンテナのうち、他の一部の測定アンテナが垂直偏波アンテナである。
さらに、本発明の一実施例において、測定アンテナの数は、2であり、被試験のMIMO無線端末の受信アンテナの数は、2であり、
誤差較正ジョイント行列は、
RS11は、1番目の測定アンテナが発射電力Pem1で信号EM1を発射する場合に、第1受信アンテナの出力ポートにより受信された電力及び位相帰還値であり、
RS21は、1番目の測定アンテナが発射電力Pem1で信号EM1を発射する場合に、第2受信アンテナの出力ポートにより受信された電力及び位相帰還値であり、
RS12は、2番目の測定アンテナが発射電力Pem2で信号EM2を発射する場合に、第1受信アンテナの出力ポートにより受信された電力及び位相帰還値であり、
RS22は、2番目の測定アンテナが発射電力Pem2で信号EM2を発射する場合に、第2受信アンテナの出力ポートにより受信された電力及び位相帰還値である。
本発明の付加的な特徴及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明により明らかになり、又は本発明の実践により理解される。
本発明の上記及び/又は付加的な側面及び利点は、以下、図面を参照する上での実施例についての説明において、明らかになり、理解しやすくなる。
放射2-ステージ法の試験概略図である。 MIMO無線端末の無線性能試験方法のフロー概略図である。 MIMO無線端末の無線性能試験方法で被試験の無線端末のアンテナを試験する概略図である。 MIMO無線端末の無線性能試験方法で被試験の無線端末のアンテナを試験するもう一つの概略図である。 MIMO無線端末内部の無線周波数システムの簡略図である。 較正行列の概略図である。 2×2であるMIMOシステムにおける誤差較正ジョイント行列の試験図である。 測定アンテナにより無線端末を試験する概略図である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例における例が図面に示され、同一又は類似する符号は、常に同一又は類似する部品、又は、同一又は類似する機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈することを旨とし、本発明を限定するものと理解してはいけない。
なお、「第1」、「第2」の用語は、単に目的を説明するためのものであり、比較的な重要性を指示又は暗示するか、又は示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはいけない。よって、「第1」、「第2」と限定されている特徴は少なくとも一つの前記特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本発明の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、二つ以上を意味する。
以下、図2を参考して、本発明の実施例に係るMIMO無線端末の無線性能試験方法について説明する。ここで、被試験のMIMO無線端末は、複数のアンテナを備え、被試験のMIMO無線端末は、マイクロ波無響室に載置される。マイクロ波室の測定アンテナの数は、無線端末のアンテナの数以上である。
図2に示すように、一つのU×SであるMOMOシステムについて、本発明の実施例のMIMO無線端末の無線性能試験方法は、以下のようなステップを含む。
ステップS101において、前記被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報を取得する。
ここで、アンテナパターン情報は、各方向におけるゲイン情報、及び/又は何れか二つのアンテナの間に各方向において受信された同一情報の位相差の情報を含む。アンテナパターンは、アンテナの性能の一つである。本発明の一実施例において、被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報は、測定により取得される。本発明のもう一つの実施例において、被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報は、既に測定されたアンテナパターンに基づいて取得される。MIMO無線端末のアンテナに対する性能試験において、アンテナパターンと、ゲイン情報と、位相情報と、を含む複数の性能パラメータを試験する。ここで、単入力単出力(SISO,Single Input Single Output)モバイル通信システム用OTA試験システムは、いずれも上記性能試験を完成することができる。換言すれば、SISO端末用OTA試験システムは、MIMO無線端末のアンテナのアンテナパターン情報に対する測定を実現することができる。
以下、図3a及び図3bを例として、被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターンを測定することについて説明する。
図3a及び図3bに示すように、被試験のMIMO無線端末(DUT)がターンテーブルの中央部に載置され、測定アンテナと被試験のMIMO無線端末との間の距離は、標準規定を満たす。MIMO無線端末を回転させる場合に、測定アンテナは、試験により被試験のMIMO無線端末の空間の各方向における送受信性能を取得する。MIMO端末の受信アンテナに対する測定は、各受信アンテナのアンテナパターンと、ゲイン、分極及び位相の情報と、を試験により取得する必要がある。
被試験のMIMO無線端末は、複数の載置状態を備えてもよく、例えば、自由空間、ダミーヘッドの近く、手持ちなどである。ユーザのニーズに応じて、そのうちの一種の載置状態及び各載置状態における被試験のMIMO無線端末のアンテナ性能を試験することができる。
上記方法により、被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報を測定して取得することができる。アンテナパターン試験のプロセスにおいて、図4に示すように、受信機のポート電力値、及び受信アンテナの前端のダウンリンク電力の大きさを測定する必要があり、受信アンテナの入力ポートにより受信された電力とダウンリンク電力の比を算出して、アンテナのゲインを取得する。
ここで、受信機のポート電力値の大きさは、被試験のMIMO無線端末の振幅及び位相差帰還システムにより帰還され、帰還システムと略称され、つまり、被試験のMIMO無線端末のチップ自体により評価を行い、テストメーターに帰還する。そのため、電力の帰還値には、振幅帰還誤差が含まれる。また、何れか二つの受信アンテナにより受信された信号の位相差は、受信された信号の位相が当該チップ自体により評価され、テストメーターに帰還されたため、位相帰還値には、位相帰還誤差が含まれる。
したがって、パターン情報と、被試験のMIMO無線端末の実際のパターン情報との関係は、以下に示すようである。
ステップS102において、被試験のMIMO無線端末のアンテナパターン情報に基づいて、試験信号を取得する。
具体的には、ステップS101において取得された無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報と、予め設定されたMIMOチャネル伝搬モデルとを融合して、完全なMIMOトランスポートチャネルをシミュレーションして取得し、試験信号を発生し、ここの試験信号は、スループット試験信号であってもよい。
チャネル伝搬モデルは、標準化団体により策定され、MIMO無線端末の典型的な作動環境に対するシミュレーションである。本実施例において、試験信号の導出を、より普遍性を有するものにするために、3Dチャネルモデルを例として説明する。
U×SであるMIMOシステムに対して、理論上では、
実際上、パターン情報には、帰還システムにより誤差が導入されたため、
さらに、実際の試験におけるスループット試験信号を示す式は、
前述の分析から分かるように、放射2-ステージ法において、実際のスループット試験信号には、振幅及び位相の誤差
ステップS103において、被試験のMIMO無線端末の誤差較正ジョイント行列で試験信号を較正して、試験用発射信号を取得する。
具体的には、図5が較正行列の概略図であり、従来技術において、単に、図5に示すような較正行列に基づいて較正し、試験用発射信号を取得し、従来技術における較正行列と、既に取得されたスループット試験信号とに基づいて試験用発射信号を生成する過程において、
従来技術の放射2-ステージ法において、
(5)(6)(7)から、
上記の四つのステップは、従来技術における放射2-ステージ法の数式と原理についての説明であり、数式(8)から、従来技術において、放射2-ステージ法により実行されるU×SのMIMO無線端末試験において、最終的に無線端末に達する信号には、
本発明は、帰還誤差を解消して、放射2-ステージ法のMIMO OTA試験をさらに正確にすることができ、その原理は、以下に説明するような二つの部分を含む。
その一は、誤差の分析である。従来の放射2-ステージ法に対して、U×SであるMOMOシステムについて言うと、ステップ1において、被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報を取得し、及びステップ2において、取得された無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報に基づいて予め設定されたMIMOチャネル伝搬モデルと融合することにより、完全なMIMOトランスポートチャネルをシミュレーションして取得し、スループット試験信号を発生した後、誤差が含まれるスループット試験信号を取得することができ、即ち数式(5)
行列乗算の理論及び
すると、
誤差行列Eを、
と示すことができ、当該信号には、依然として、誤差が含まれる。
その二は、誤差の解消である。スループット試験信号の取得が完了した後、無響室における測定アンテナに対する被試験部材の具体的な相対位置及び方向に基づいて、無響室における被試験部材に対する較正行列を決定する。較正行列、既に取得されたスループット試験信号及び誤差行列に基づいて、新たな試験用発射信号を生成する。即ち、被試験のMIMO無線端末の誤差較正ジョイント行列で試験信号を較正して、試験用発射信号を取得する。具体的な説明は、以下である。
ここのかなめは、
以下、この過程について詳しく説明する。
誤差較正ジョイント行列EAの式は、
更なる変形を経て、

先ず、j番目の発射アンテナにより電力がPemjである信号を発射し、さらに、i番目の受信アンテナの出力ポートにより受信された電力及び位相帰還値RSijを読み取り、当該値を電力Pemjで除算すると、
これにより、以下に示すような誤差較正ジョイント行列を取得することができる。
誤差較正ジョイント行列EAを算出した後、
計算上の便宜を図るために、Pemjは、同じ値であってもよい。さらに、いずれも1であってもよく、即ち0dBの信号を発射する。
ステップS104において、
をマイクロ波無響室の複数の測定アンテナに供給し、測定アンテナにより、無線端末へ発射して無線端末を試験する。
具体的には、
をマイクロ波無響室の複数の測定アンテナに供給し、測定アンテナにより、無線端末へ発射して無線端末を試験する。
すると、
(14)(15)(21)から、最終的に、無線端末受信機が受信された信号と、基地局から発射された信号との関係は、
(22)から、最終的に受信機に達する信号には、帰還誤差が含まれず、放射2-ステージ法のMIMO OTA試験を正確に誤りなく実現できることが分かる。
なお、MIMO端末のヘッド近傍モードや、手持ちモードにおけるスループットを測定しようとするのなら、ステップS101で試験により取得された受信アンテナパターンが後のスループット試験に利用可能となるように、ステップS101及びステップS104において、MIMO端末の載置状態が一致でなければならない。被試験の端末の載置状態が一致でない場合、受信アンテナのパターンが変化する。
本発明の実施例において、前記試験ステップDの過程において、測定アンテナと被試験の無線端末とは、静止状態に維持される。スループット試験のプロセスにおいて、被試験部材が静止して回転せず、チャネルシミュレータにより、MIMO端末が波の異なる到来方向の信号を受信するのをシミュレーションする。
同様に、ステップS101及びステップS104において、測定アンテナの載置状態も同じである。本発明の実施例において、測定アンテナは、静止状態に維持されてもよい。
また、ステップS101及びステップS104において、使用されるマイクロ波無響室は、同じである。
本発明のもう一つの実施例において、複数の測定アンテナのうち、一部の測定アンテナが水平偏波アンテナであり、他の一部の測定アンテナが垂直偏波アンテナである。例えば、二つの発射アンテナのうち、一つは、測定アンテナの水平偏波アンテナで、もう一つは、垂直偏波アンテナであってもよく、これに応じて、測定チャネルの伝達行列、測定チャネルの伝達行列の逆行列算を計算する場合に、所用の受信アンテナのゲインと測定アンテナの分極とが対応しなければならない。
無響室に複数の測定アンテナが配置され、測定アンテナの数nは、MIMO端末の受信アンテナ数m以上である。好ましくは、測定アンテナの数は、MIMO端末受信アンテナの数に等しい。
本実施例を明確に説明するために、本実施例は、意図的に可能な適用場面を提供し、2×2であるMIMOシステムにおいて、無線性能試験方法について詳しく説明する。
先ず、2×2であるMIMO無線端末のアンテナパターンを取得する。
具体的には、取得されたパターン情報と、MIMO無線端末の実際のパターン情報との関係は、
さらに、既に取得されたアンテナパターン及びチャネルモデルを利用して、スループット試験信号を生成する。
2×2であるMIMOシステムについて言うと、理論上、
さらに、被試験のMIMO無線端末の帰還情報に基づいて、マイクロ波無響室における被試験のMIMO無線端末に対する誤差較正ジョイント行列を決定し、誤差較正ジョイント行列と、既に算出されたスループット試験信号とに基づいて、試験用発射信号を生成する。
図6は、2×2であるMIMOシステムにおける誤差較正ジョイント行列の試験図であり、図6に示すように、誤差較正ジョイント行列を
信号EM1をオンにし、出力電力をPem1に設定し、信号EM2をオフにし、このときに各受信機が受信する信号の振幅及び位相帰還値を読み取り、受信機1の帰還をRS11として、受信機2の帰還をRS21として記録し、そのうち、RS11及びRS21は、いずれもゲイン及び位相値を含む複素数である。
すると、2×2誤差較正ジョイント行列における二つの変数は、それぞれ
信号EM2をオンにし、出力電力をPem2に設定し、信号EM1をオフにし、このときに各受信機が受信する信号の振幅及び位相帰還値を読み取り、受信機1の帰還をRS12として、受信機2の帰還を含むRS22として記録し、そのうち、RS12及びRS22は、いずれもゲイン及び位相値を含む複素数である。
すると、2×2誤差較正ジョイント行列における他の二つの変数は、それぞれ
前記四つの変数をまとめると、最終的に求められる誤差較正ジョイント行列は、
誤差較正ジョイント行列EAと、
最後には、
をマイクロ波無響室の複数の測定アンテナに供給し、図7の測定アンテナにより、MIMO無線端末へ発射して、無線端末を試験する。
図7は、測定アンテナにより無線端末を試験する概略図であり、図7に示すように、
上記の式に基づいて、最終的に受信機に達する信号には、誤差が含まれず、正確かつ誤りのない放射2-ステージ法のMIMO OTA試験を実現することができる。
本発明の実施例のMIMO無線端末の無線性能試験方法は、マイクロ波無響室において測定された被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報を取得ステップと、被試験のMIMO無線端末のアンテナパターン情報に基づいて、試験信号を取得するステップと、被試験のMIMO無線端末の誤差較正ジョイント行列で前記試験信号を較正して、試験用発射信号を取得するステップと、最後に、試験用発射信号をマイクロ波無響室の複数の測定アンテナに供給し、測定アンテナにより、無線端末へ発射して無線端末を試験するステップと、を含む。測定誤差が解消されるように、誤差較正ジョイント行列を採用して試験信号を較正し、試験用発射信号を取得するため、従来技術における、測定誤差を定量化することができないことによるMIMO無線端末試験の正確性及び再現性の技術的課題を解決する。
フローチャート、又はここでもう一つの方式により説明されるいかなるプロセス又は方法の説明は、特定のロジック機能又はプロセスのステップを実現するための一つ又はそれ以上の実行可能な命令のコードを含むモジュール、セグメント又は部分と理解されてもよい。また、本発明の好ましい実施形態の範囲は、もう一つの実現方式が含まれており、例示され又は議論された順序に従わなくてもよく、言及された機能が実質的に同時に、又は逆の順序に応じて機能を実行することを含む。本発明の実施例が属する技術分野の当業者は、これを理解すべきである。
フローチャートに示され、又は、ここでもう一つの方式により説明されたロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の一定のシーケンスリストと考えられてもよく、コマンド実行システム、装置又は機器(例えば、コンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステム、又は命令実行システム、装置又は機器からコマンドを取り出して、実行可能である他のシステム)が使用するように、又はこれらのコマンド実行システム、装置又は機器を組み合わせて使用するように、いかなるコンピュータ読み取り可能な媒体において具現化されてもよい。本明細書の場合、「コンピュータ読み取り可能な媒体」とは、コマンド実行システム、装置又は機器が使用するように、又はこれらのコマンド実行システム、装置又は機器と組み合わせて使用するように、プログラムを含み、記憶し、通信し、伝搬し、又は発射することができるいかなる装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)としては、1つ又は複数の配線を有する電気接続部(電子機器)、ポータブルコンピュータディスクボックス(磁気デバイス)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ( ROM)、消去・書き込み可能なランダムアクセスメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー装置、及びポータブルシディロム(CDROM)を含む。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、上記プログラムが印刷される用紙又は他の適切な媒体であってもよい。なぜならば、例えば、用紙や他の媒体を光学スキャンし、引き続き編集し、デコードし、又は必要に応じて他の適切な方式により処理して、電子形態で上記プログラムを取得した後、それをコンピュータのメモリに記憶することができる。
なお、本発明の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせにより実現できる。上記実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、且つ適切なコマンド実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアにより実現することができる。例えば、ハードウェアにより実現される場合は、もう一つの実施形態と同じく、本分野の以下の公知技術のうち何れか一つ又はこれらの組み合わせにより実現することができる。データ信号のロジック機能を実現するための論理ゲート回路を備えたディスクリート論理回路、適切な組み合わせ論理ゲート回路を備えた専用集積回路、プログラム可能なゲートアレイ(PGA)、フィールド プログラム可能なゲートアレイ( FPGA)などである。
当業者は、上記実施形態に係る方法に含まれている全部又は一部のステップが、プログラムにより関連するハードウェアを指令することにより完成できることを理解できる。前記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されてもよく、当該プログラムは実行時に、方法の実施形態における一つのステップ又はその組み合わせを含むことができる。
また、本発明の各実施形態に係る各機能ユニットは、一つの処理モジュールに集積されてもよく、各ユニットが物理的に独立して存在してもよく、2つ又は2つ以上のユニットが一つのモジュールに集積されてもよい。上記集積されたモジュールは、ハードウェアの形式により実現されてもよく、ソフトウェアの機能モジュールの形式により実現されてもよい。上記集積されたモジュールがソフトウェアの機能モジュールの形式により実現され、独立の製品として販売又は使用される場合、一つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することもできる。
以上説明した記憶媒体はリードオンリーメモリ、磁気ディスク又はシディロムなどであってもよい。
本発明の説明において、「一実施例」、「一部の実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「一部の例」などの用語を参照した説明は、該実施例又は例に合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料又は特性が、本発明の少なくとも一つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を指すことではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料又は特性は、いずれか一つ又は複数の実施形態又は例において適切に結合することができる。なお、互いに矛盾しない限り、当業者は、本明細書に説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
以上に、本発明の実施例を示して説明したが、なお、上記実施例は、例示的なものであり、本発明を限定するものと理解してはいけない。当業者は、本発明の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、取り替え及び変形を行うことができる。
関連出願の相互参照
本出願は、深セン市ジェネラルテストシステムズカンパニーリミテッドが2016年12月14日にて提供された、発明の名称が「MIMO無線端末の無線性能試験方法」である、中国特許出願番号が「201611154847.0 」であるものの優先権を主張する。

Claims (12)

  1. MIMO無線端末の無線性能試験方法であって、被試験のMIMO無線端末が複数のアンテナを備え、前記被試験のMIMO無線端末がマイクロ波無響室に載置され、前記方法は、
    前記被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報を取得するステップAと、
    前記被試験のMIMO無線端末のアンテナパターン情報に基づいて、試験信号を取得するステップBと、
    前記被試験のMIMO無線端末の誤差較正ジョイント行列で前記試験信号を較正し,試験用発射信号を取得するステップCと、
    前記試験用発射信号をマイクロ波無響室の複数の測定アンテナに供給し、前記測定アンテナにより、前記無線端末へ発射して前記無線端末を試験するステップDと、
    を含む、
    ことを特徴とする無線性能試験方法。
  2. 前記誤差較正ジョイント行列は、前記被試験のMIMO無線端末の振幅及び位相差帰還システムの帰還情報に基づいて決定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線性能試験方法。
  3. 前記誤差較正ジョイント行列EAは、誤差行列Eと較正行列Aの積であり、
    ここで、誤差行列Eは、
    は、j番目の発射アンテナの入力ポートからi番目の受信アンテナの出力ポートまでのパス多重化ゲイン情報である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線性能試験方法。
  4. 前記誤差較正ジョイント行列の因子は、
    は、i番目の受信アンテナの出力ポートにより受信された電力及び位相帰還値である、
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線性能試験方法。
  5. 前記被試験のMIMO無線端末のアンテナパターン情報に基づいて、試験信号を取得するステップは、
    前記被試験のMIMO無線端末のアンテナパターン情報と予め設定されたMIMO信号伝搬モデルとを融合することで、前記試験信号を生成するステップを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線性能試験方法。
  6. 前記アンテナパターン情報は、各方向におけるゲイン情報、及び/又は何れか二つのアンテナの間に各方向において受信された同一情報の位相差情報を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線性能試験方法。
  7. 前記マイクロ波室の測定アンテナの数は、前記無線端末のアンテナの数以上である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線性能試験方法。
  8. 試験ステップDの過程において、測定アンテナと被試験の無線端末とは、静止状態に維持される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線性能試験方法。
  9. 前記試験は、スループット試験である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線性能試験方法。
  10. 前記被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報を取得するステップは、
    マイクロ波無響室において、被試験のMIMO無線端末の複数のアンテナのアンテナパターン情報を測定するステップを含み、
    前記ステップA及び前記ステップDにおいて使用されるマイクロ波無響室は、同一のものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線性能試験方法。
  11. 前記複数の測定アンテナのうち、一部の測定アンテナが水平偏波アンテナであり、前記複数の測定アンテナのうち、他の一部の測定アンテナが垂直偏波アンテナである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線性能試験方法。
  12. 測定アンテナの数は、2であり、被試験のMIMO無線端末の受信アンテナの数は、2であり、
    誤差較正ジョイント行列は、
    RS11は、1番目の測定アンテナが発射電力Pem1で信号EM1を発射する場合に、1番目の受信アンテナの出力ポートにより受信された電力及び位相帰還値であり、
    RS21は、1番目の測定アンテナが発射電力Pem1で信号EM1を発射する場合に、2番目の受信アンテナの出力ポートにより受信された電力及び位相帰還値であり、
    RS12は、2番目の測定アンテナが発射電力Pem2で信号EM2を発射する場合に、1番目の受信アンテナの出力ポートにより受信された電力及び位相帰還値であり、
    RS22は、2番目の測定アンテナが発射電力Pem2で信号EM2を発射する場合に、2番目の受信アンテナの出力ポートにより受信された電力及び位相帰還値である、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無線性能試験方法。
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