JP2019512449A - 予備圧縮されたガラス物品 - Google Patents

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Abstract

ガラス物品の外面から圧縮応力層深さまで広がる外側領域を含むガラス物品、ならびにその製造方法について説明する。当該外側領域は、当該ガラス物品の少なくとも1つの端部によって境界され、固有の中立応力または固有の圧縮応力下にある。当該ガラス物品のコア領域は、引張応力下にある。圧縮要素が、外部圧縮応力を当該少なくとも1つの端部に印加し、当該ガラス物品の当該外側領域における固有の応力を増加させ、かつ当該コア領域の引張応力を減少させる。当該ガラス物品は、当該外側領域が圧縮応力下にあるような強化ガラス物品であり得、当該圧縮要素によって印加される外部圧縮応力は、当該ガラス物品が当該ガラス物品の厚さ全体にわたる内部応力の積分によって定義される全内部応力を有するような大きさを有し、全内部応力はゼロではなく、その場合、tは当該ガラス物品の厚さであり、σは内部応力である。当該ガラス物品は、当該外側領域が圧縮応力下にあるような強化ガラス物品であり得、当該圧縮要素によって印加される外部圧縮応力は、当該ガラス物品が当該ガラス物品の厚さ全体にわたる内部応力の積分によって定義される全内部応力を有するような大きさを有し、全内部応力はゼロではない。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年3月14日に出願された米国特許仮出願第62/307,860号の優先権の利益を主張するものであり、なお、当該仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
本開示の実施形態は、概して、増強された機械的信頼性を有するガラス物品に関する。
携帯電話やタブレットなどのハンドヘルド電子デバイスは、カバー基板を有しており、カバー基板は、典型的にはガラス基板であり、典型的にはカバーガラスと呼ばれる。典型的には、カバーガラスは、ガラスの表面に圧縮応力(CS)が存在し、中央に張力(中央張力、またはCT)が存在するような、応力プロファイルを有する、強化ガラス基板を含む。カバーガラスの破損および破壊は、当該デバイスが衝撃により動的負荷を受けた場合のガラスの曲げによって生じる曲げ破壊、ならびにカバーガラスがアスファルト、花崗岩などの粗い表面上に落とされた場合のガラス表面への鋭利な圧入による損傷導入よって生じる鋭利接触破損などの結果と考えることができる。
ガラスの製造者およびハンドヘルド電子デバイスの製造者は、鋭利接触破損に対する抵抗性を提供する、および/または鋭利接触破損を防ぐための改良を研究してきた。提案されたいくつかの改良としては、デバイスが落下した際にカバーガラスが直接的に地面に触れるのを防ぐための、カバーガラス上へのコーティングおよびベゼルが挙げられる。しかしながら、美観的および機能的要件の制限により、デバイスが落下したときにカバーガラスが地面に触れるのを完全に防ぐことは非常に困難である。さらに、カバーガラスを製造するために使用される強いイオン交換ガラス上へのハードコーティングは、その曲げ強度の性能を劣化させ得る。
他の用途において使用されるガラス、例えば、自動車の窓ガラス、建築物の窓ガラス、および電化製品のガラスなども、およそ200μmもの深さの大きなキズを導入し得るような損傷を受け得る。そのため、ガラスの表面に圧縮応力(CS)が存在し、中央に張力(中央張力、またはCT)の存在する応力プロファイルを有する強化ガラス基板は、これらの用途のそれぞれにおいて使用することができ、そのような強化ガラスは、損傷を低減することができる。しかしながら、大きくて深いキズは、中央張力領域内へと延び得、それは、強化ガラスの破損の原因となり得る。したがって、様々な用途でのガラス基板の信頼性を向上させる方法を提供することが求められている。
本開示の第一実施形態は、外側領域、コア領域、および圧縮要素を含むガラス物品を対象とする。当該外側領域は、外面から圧縮応力層深さまで広がり、少なくとも1つの端部によって境界される。当該外側領域は、固有の中立応力または固有の圧縮応力である、固有の応力を有する。コア領域は、引張応力下にある。圧縮要素は、外部圧縮応力を少なくとも1つの端部に印加する。
第二実施形態において、第一実施形態のガラス物品は主要平面を有し、圧縮要素は、主要平面に対して実質的に同一平面の方向において外部圧縮応力を印加する。
第三実施形態において、第一または第二実施形態のガラス物品は、外側領域が圧縮応力下にあり、圧縮要素によって印加される外部圧縮応力が、当該圧縮要素が当該ガラス物品の当該外側領域の固有の応力を増加させ、コア領域の引張応力を減少させるような大きさを有するような、強化ガラス物品である。
第四実施形態において、第三実施形態のガラス物品は、ゼロ未満の全内部応力を有する。
第五実施形態において、第一から第四実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、約2MPaから約500MPaの範囲の、圧縮要素によって印加された外部圧縮応力を有する。
第六実施形態において、第一から第五実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、少なくとも1つの端部の周囲に連続して延在する圧縮要素を有する。
第七実施形態において、第一から第六実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、単軸の外部圧縮応力を印加する圧縮要素を有する。
第八実施形態において、第一から第六実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、二軸の外部圧縮応力を印加する圧縮要素を有する。
第九実施形態において、第一から第六および第八実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、等二軸の外部圧縮応力を印加する圧縮要素を有する。
第十実施形態において、第一から第九実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品はさらに、当該ガラス物品の当該少なくとも1つの端部と当該圧縮要素との間に配置された接着剤を含む。
第十一実施形態において、第一から第十実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、ハンドヘルドデバイスのディスプレイスクリーン、自動車の窓ガラス、建築物のガラス、および電化製品のガラスからなる群より選択される。
第十二実施形態において、第一から第十一実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、ラミネートされたガラス基板、化学強化ガラス基板、熱強化ガラス基板、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される強化ガラス基板を形成する外側領域およびコア領域を有する。
第十三実施形態において、第一から第十二実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、当該ガラス物品に外部圧縮応力を印加するフレームを含む圧縮要素を有する。
第十四実施形態において、第一から第十三実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、当該ガラス物品の当該少なくとも1つの端部に接触する接着剤をさらに含む圧縮要素を有する。
第十五実施形態において、第一から第十四実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、当該ガラス物品の耐応力腐食性を増加させる圧縮要素によって印加される外部圧縮応力を有する。
第十六実施形態において、前面、裏面、および側面を有するハウジングと、少なくとも部分的に当該ハウジング内において提供される電気部品であって、少なくともコントローラ、メモリ、当該ハウジングの前面においてまたは前面に隣接して提供されるディスプレイを含む電気部品と、当該ディスプレイを覆うように配置されたカバーガラスとを含む消費者向けエレクトロニクス製品であって、当該ハウジングの一部または当該カバーガラスの少なくとも一方が、第一から第十五実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品を含む、消費者向けエレクトロニクス製品が提供される。
第十七実施形態は、ガラス物品の少なくとも1つの端部によって境界される主要平面を有するガラス物品を対象とする。当該ガラス物品は、外側領域、コア領域、および圧縮要素を含む。当該外側領域は、当該ガラス物品の外面から圧縮応力層深さまで広がる。当該外側領域は、固有の中立応力または固有の圧縮応力下にある。当該コア領域は、引張応力下にある。当該圧縮要素は、ガラス物品が下記の式によって定義される全内部応力を有するように、主要平面と実質的に同一平面の方向において当該ガラス物品の少なくとも1つの端部に外部圧縮応力を印加するように構成される:
Figure 2019512449
式中、tは当該ガラス物品の厚さであり、σは上記内部応力である。
第十八実施形態において、第十七実施形態のガラス物品は、ゼロ未満の全内部応力を有する。
第十九実施形態において、第十七または第十八実施形態のガラス物品は、約2MPaから約500MPaの範囲の、圧縮要素によって印加される外部圧縮応力を有する。
第二十実施形態において、第十七から第十九実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、当該ガラス物品の少なくとも1つの端部の周囲に連続して延在する圧縮要素を有する。
第二十一実施形態において、第十七から第二十実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、ハンドヘルドデバイスのディスプレイスクリーン、自動車の窓ガラス、建築物のガラス、および電化製品のガラスからなる群より選択される。
第二十二実施形態において、第十七から第二十一実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、化学強化ガラス基板、熱強化ガラス基板、ならびに化学強化および熱強化ガラス基板からなる群より選択される強化ガラス基板を形成する外側領域およびコア領域を有する。
第二十三実施形態において、第十七から第二十二実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、当該ガラス物品の限界座屈応力の約80%未満の圧縮応力を印加する圧縮要素を有する。
第二十四実施形態において、第十七から第二十三実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品は、当該ガラス物品の耐応力腐食性を増加させる圧縮要素によって印加される外部圧縮応力を有する。
第二十五実施形態において、前面、裏面、および側面を有するハウジングと、少なくとも部分的に当該ハウジング内において提供される電気部品であって、少なくともコントローラ、メモリ、当該ハウジングの前面においてまたは前面に隣接して提供されるディスプレイを含む電気部品と、当該ディスプレイを覆うように配置されたカバーガラスとを含む消費者向けエレクトロニクス製品であって、当該ハウジングの一部または当該カバーガラスの少なくとも一方が、第十七から第二十四実施形態のいずれか1つにおけるガラス物品を含む、消費者向けエレクトロニクス製品が提供される。
第二十六実施形態は、ガラス物品を強化する方法を対象とする。当該方法は、圧縮要素によって当該ガラス物品の少なくとも1つの端部に外部圧縮応力を印加するステップを含む。当該ガラス物品は、固有の中立応力または固有の圧縮応力下にある外側領域と、引張応力下にあるコア領域とを含む。当該ガラス物品は、当該ガラス物品の少なくとも1つの端部によって境界される主要平面を有する。
第二十七実施形態において、外部圧縮応力を印加するステップが、圧縮要素によってガラス物品の当該少なくとも1つの端部に印加された力を増加させるステップを含む、第二十六実施形態の方法。
第二十八実施形態において、第二十六または第二十七実施形態のいずれか1つにおける方法はさらに、圧縮要素を当該ガラス物品の少なくとも1つの端部に接触するように位置するステップと、当該ガラス物品の当該少なくとも1つの端部に対して当該圧縮要素によって当該主要平面に実質的に同一平面の力を印加するステップとを含む。
第二十九実施形態において、第二十六または第二十七実施形態のいずれか1つにおける方法はさらに、当該圧縮要素と当該ガラス物品の当該少なくとも1つの端部との間に接着剤を配置するステップを含む。
第三十実施形態において、第二十六から第二十九実施形態の方法は、ハンドヘルドデバイスのディスプレイスクリーン、自動車の窓ガラス、建築物のガラス、および電化製品のガラスからなる群より選択されるガラス物品を製造する。
第三十一実施形態において、当該圧縮要素が当該ガラス物品の周囲の周りにフレームを含む、第二十六から第三十実施形態の方法が提供される。
第三十二実施形態において、第二十六から第三十一実施形態のいずれか1つにおける方法は、当該ガラス物品の耐応力腐食性を増加させる、圧縮要素によって印加される外部圧縮応力を有する。
第三十三実施形態において、第二十六から第三十二実施形態のいずれか1つは、当該ガラス物品の限界座屈応力の約80%未満の圧縮応力を印加する圧縮要素を有する。
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態による予備圧縮構成を示す。 図2は、ガラスの厚さ(mm)の関数として限界座屈応力(MPa)を予測するグラフを示す。 図3は、外部から印加された閉じ込め圧の関数としての、亀裂に対する予測的応力拡大係数計算のためのガラス物品のモデル概略図を示す。 図4は、図3のモデルガラス物品に対する様々な亀裂深さに対する閉じ込め圧の関数として応力拡大係数を予測するグラフを示す。 図5は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるガラス物品の斜視概略図を示す。 図6は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるガラス物品の断面概略図を示す。 図7は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるガラス物品の断面概略図を示す。 図8は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるガラス物品の斜視概略図を示す。 図9は、本開示の1つまたは複数の実施形態による丸形ガラス物品の上面図を示す。 図10は、本開示の1つまたは複数の実施形態による五角形ガラス物品の上面図を示す。 図11は、本開示の1つまたは複数の実施形態による長方形ガラス物品の上面図を示す。 図12は、本開示の1つまたは複数の実施形態による長方形ガラス物品の上面図を示す。 図13は、本開示の1つまたは複数の実施形態による湾曲したガラス物品の斜視概略図を示す。 図14は、本開示の1つまたは複数の実施形態による湾曲したガラス物品の断面概略図を示す。 図15Aは、本明細書において開示されるガラス物品のいずれかを組み込んだ例示的電子デバイスの平面図である。 図15Bは、図15Aの例示的電子デバイスの斜視図である。
いくつかの例示的実施形態について説明する前に、本開示が、以下の開示において説明される構成またはプロセスステップの詳細に限定されるわけではないことは理解されたい。本明細書において提供される本開示は、他の実施形態も可能であり、ならびに様々な方法において実行または実施することが可能である。
本開示の実施形態は、ガラス物品の強化メカニズムに加えて、装置レベルにおいて均一に予備圧縮されたガラス物品を提供する。1つまた複数の実施形態に従って本明細書において使用される場合、「予備圧縮された」および「予備圧縮」は、外部から印加される圧縮応力であって、ガラス物品の少なくとも1つの端部に印加され、当該ガラス物品の少なくとも1つの領域における固有の応力を変える圧縮応力を意味する。ある実施形態において、そのようなガラス物品は、外面から圧縮応力層深さまで広がる外側領域を有し、当該外側領域は、少なくとも1つの端部によって境界され、当該外側領域は、中立応力または固有の圧縮応力である固有の応力下にあり、ならびに当該ガラス物品は、引張応力下にあるコア領域を有する。予備圧縮は、当該物品の少なくとも1つの端部に印加される圧縮応力を加え、当該ガラス物品の外側領域の固有の応力を増加させ、コア領域の引張応力を減少させる。本明細書において提供される1つまたは複数の実施形態により、圧縮要素は、当該外側領域の固有の圧縮応力が、当該印加される圧縮応力の不在下での外側領域における固有の圧縮応力の少なくとも5%、例えば、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または100%増加するように、当該ガラス物品に外部圧縮応力を印加する。1つまたは複数の実施形態において、圧縮要素は、当該印加された圧縮応力が、当該ガラス物品のコア領域における固有の引張応力を、当該印加された圧縮応力の不在下でのコア領域における固有の引張応力の少なくとも5%、例えば、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または100%減少させるように、当該ガラス物品に外部圧縮応力を印加する。
本開示のいくつかの実施形態は、ハンドヘルドデバイス、自動車の窓ガラス、建築物の窓ガラス、または電化製品用のガラス物品のための、予備圧縮されたガラス物品または基板を製造する方法を提供する。1つまたは複数の実施形態により、最小限の製造コストまたはガラス部品コストを加えるかまたはそのようなコストの追加無しに、ガラス物品の耐応力腐食性(疲労)および損傷抵抗性が著しく増加される。1つまたは複数の実施形態により、「ハンドヘルドデバイス」は、ディスプレイスクリーンを有するポータブル電子デバイスを意味する。そのようなハンドヘルドデバイスの非限定的な例としては、移動電話、読み取り装置、ミュージックデバイス、ビューイング装置、およびナビゲーション装置が挙げられる。
1つまたは複数の実施形態によるガラス物品の二軸の負荷シナリオが、図1に示されており、これは、二軸の圧縮応力下の薄いプレートの座屈破壊モードを考慮している。薄く、単純に支持されているプレートに適合されたオイラー座屈方程式に基づいて、限界座屈応力((σcr)が、下記の方程式(1)によって得られる:
Figure 2019512449
式中、mおよびnは座屈の半波のそれぞれの数であり、tはプレートの厚さであり、aおよびbはプレートの寸法であり、ならびにβはプレートの側面に印加された応力の比率であり(等二軸の負荷の場合、β=1)、ならびにDは、以下の方程式(2)によって定義される:
Figure 2019512449
式中、Eは、弾性率であり、νは、ポアソン比である。寸法a=70mmおよびb=140mmであり、E=70GPa、およびν=0.2を有する板を仮定する。ガラスの厚さ(t、単位はmm)の関数としての限界座屈応力((σcr)、単位はMPa)が、図2に示されている。
当該限界座屈応力は、圧縮応力による応力の再平衡化によって課せられた中央張力を完全に相殺するために必要な応力のオーダーである。座屈に対するオイラー方程式は、完全な幾何学性および負荷を仮定するため、限界負荷を過大評価する傾向がある。しかしながら、これは、単純に支持されたプレートを想定している。ハンドヘルドデバイスのガラス物品は、片持ち支持されたプレートによってより良好に近似することができ、ならびに有効プレートエリアは、限界座屈応力を実質的に増加させることができる両方の因子によって、おそらく減少させることができる。限界座屈応力をさらに増加させるために、追加の固定具を提供することも可能であり得る。
座屈が生じないと仮定する場合、所定の亀裂に対する応力拡大係数は、予備圧縮の関数として計算することができる。図3は、外部から印加された圧縮応力(または閉じ込め圧)の関数としての、亀裂に対する予測的応力拡大係数の計算のためのガラス物品のモデル概略図を示す。図3は、0.8mmのガラスの厚さ(t)、70GPaのヤング率(E)、0.22のポアソン比(ν)、表面圧縮の900MPaのイオン交換プロファイル、45マイクロメートルの圧縮応力層深さ(DOL)、および42.1MPaの中央張力(CT)、というパラメータに基づく計算のために使用されるモデルの概略図を示している。これらの計算のために考慮される応力状態は、印加された圧縮応力と共にイオン交換された残留応力であった。
図4は、図3のモデルガラス物品に対して、様々な亀裂深さに対する印加された圧縮応力(または閉じ込め圧)の関数として応力拡大係数を予測するグラフを示す。図4は、印加された圧縮応力が、所定のクラック深さに対する応力拡大係数を明確に減じたことを理論的に示している。印加された圧縮応力が、当該ガラスの中央張力(42.1MPa)より大きい場合、当該応力拡大係数は完全な亀裂閉口によりゼロになり、応力腐食(疲労成長とも呼ばれる)は効果的に抑えられる。当該印加された圧縮応力が当該中央張力より小さい場合、応力拡大係数は低下するがゼロではなく、応力腐食は続く。特定の理論に束縛されることを望むわけではないが、応力拡大係数を0.2MPa・m0.5未満に下げることにより、ガラスにおいて応力腐食速度は著しく低下され得る。初期に100マイクロメートルの深さの亀裂の場合、応力拡大係数を0.2MPa・m0.5未満に下げるであろう印加された圧縮応力の閾値は、約20MPaである。浅い亀裂の場合、この閾値はより小さく、結果として座屈傾向も低下させる。結局、最大許容可能な印加される圧縮応力は、座屈問題によって影響され得るが、許容可能な印加された圧縮応力は、応力腐食速度を低下させるであろう。従来的に、強化ガラス物品は、力平衡になければならず、それは、下記の方程式(3)に示されるように数学的に表現することができる:
Figure 2019512449
式中、tはガラス物品の厚さであり、σは強化プロセス、例えば、化学強化、熱強化、またはCTE不一致の材料の積層など、による当該ガラス物品の内部応力である。ガラス物品に印加された圧縮応力により、下記の方程式(4)に示されるように、方程式(3)は満たされない:
Figure 2019512449
σ閉じ込めは、当該ガラス物品に印加された応力であり、σ閉じ込めtは、当該強化ガラス物品に印加された単位長さあたりの力であり、σ合計は、σ+σ閉じ込めである。上記の計算を前提として、図2に示されるように、当該予備圧縮されたガラス物品は、2N/mmから60N/mmまたはそれ以上の範囲のσ閉じ込めtを有することができ、その一方で、従来の強化ガラス物品の場合、σ閉じ込めtは、0N/mmとなる。
図5を参照すると、本開示の1つまたは複数の実施形態は、外側領域210とコア領域220とを含むガラス物品200を対象とする。当該外側領域210は、外面212から圧縮応力層深さ214まで広がっている。当該外側領域210は、少なくとも1つの端部216によって境界される。当該外側領域210は、中立応力または固有の圧縮応力である固有の応力下にある。本明細書において使用される場合、「中立応力」は、ゼロ応力を意味する。
2つの外側領域210の間に位置されたコア領域220が示されている。当該コア領域220は、引張応力下にある。当業者であれば、複数のコア領域220を囲む1つの外側領域210または複数の外側領域210が存在し得ることを理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態は、単一のコア領域220に隣接し接触する単一の外側領域210を有する。
いくつかの実施形態は、外側領域の間に位置された少なくとも1つのコア領域220を有する。図6は、2つのコア領域220a、220bがお互いに接触している実施形態を示している。第一外側領域210aは、第一コア領域220aに隣接し接触しており、第二外側領域210bは、第二コア領域220bに隣接し接触している。第一コア領域220aおよび第二コア領域220bは、同じ程度の引張応力または異なる程度の引張応力を有することができる。第一外側領域210aおよび第二外側領域210bは、同じ程度の圧縮応力または異なる程度の圧縮応力を有することができる。
図7は、内側領域240が第一コア領域220aおよび第二コア領域220bによって囲まれ、第一コア領域220aおよび第二コア領域220bに接触している別の実施形態を示している。第一コア領域220aは、第一外側領域210aと内側領域240との間にあり、第一外側領域210aおよび内側領域240に接触している。第二コア領域220bは、第二外側領域210bと内側領域240との間にあり、第二外側領域210bおよび内側領域240に接触している。内側領域240、第一外側領域210a、および第二外側領域210bのそれぞれは、独立して、第一外側領域210a、第二外側領域210b、および内側領域240のうちの他のいずれかに対して、同じ程度の圧縮応力または異なる程度の圧縮応力を有することができる。第一コア領域220aおよび第二コア領域220bは、同じ程度の引張応力または異なる程度の引張応力を有することができる。
再び図5を参照すると、ガラス物品200は、主要平面202を有する。当該ガラス物品200の主要平面202は、ユーザによって接触され得る、または触れられ得る当該ガラス物品の主要面によって定義される。例えば、ハンドヘルドデバイス(例えば、携帯電話)の主要平面は、ユーザが触れる面であろう。自動車のガラスの主要平面の別の例は、フロントガラスのワイパーが接触するであろう表面であるか、あるいは、車両の内装を向いて内面を形成する表面であろう。当業者は、当該物品200の主要平面202が、ある曲率を有することができ、平坦な表面である必要はないことを理解するであろう。例えば、自動車のフロントガラスは、主要平面を有する曲面である。
描写的目的のため、図5は、図示されたデカルト座標のx−y平面に沿って広がるように主要平面202を示している。圧縮要素230は、少なくとも1つの端部216に外部圧縮応力を印加し、当該ガラス物品200の外側領域210における圧縮応力を増加させ、ならびにコア領域220の引張応力を減少させる。図5に示される圧縮要素230は、実質的にx−z平面に沿って横設され、印加される圧縮応力232は、主要平面202と実質的に同一平面の方向においてx軸に沿っている。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、これに関して使用される用語「実質的に同一平面」は、圧縮応力が、同一平面の±10°以内であることを意味し、この場合、完全に同一平面の応力は0°として定義される。
様々な実施形態のガラス物品200は、外側領域210が圧縮応力下にあり、圧縮要素230によって印加される外部圧縮応力232は、当該ガラス物品200が下記の方程式5によって定義される全内部応力を有するような大きさを有するような、強化ガラス物品である:
Figure 2019512449
式中、tは、ガラス物品200の厚さであり、σは内部応力である。内部応力(σ)は、当該物品200の厚さ(t)による測定位置の関数である。例えば、図5を参照すると、全内部応力は、上面201から当該物品の厚さtを通って底面203まで測定される。
いくつかの実施形態において、当該ガラス物品200の全内部応力はゼロを超える。いくつかの実施形態において、当該ガラス物品200の全内部応力はゼロ未満である。1つまたは複数の実施形態に従って本明細書において使用される場合、「全内部応力」は、主要平面に直交する内部応力測定の合計を意味する。ガラス物品の応力プロファイルは、任意の好適な技術、例えば、これらに限定されるわけではないが、屈折近視野(RNF)法または散乱光偏向器(SCALP)法などを使用して特定することができる。1つまたは複数の実施形態において、当該ガラス物品の全内部応力は、約−0.75MPa・mm以下、例えば、−1MPa・mm、−2MPa・mm、−3MPa・mm、−4MPa・mm、−5MPa・mm、−6MPa・mm、−7MPa・mm、−8MPa・mm、−9MPa・mm、−10MPa・mm、−100MPa・mm、−1,000MPa・mm、−1,500MPa・mm以下などである。1つまたは複数の実施形態において、当該ガラス物品の全内部応力は、約0.75MPa・mm以上、例えば、1MPa・mm、2MPa・mm、3MPa・mm、4MPa・mm、5MPa・mm、6MPa・mm、7MPa・mm、8MPa・mm、9MPa・mm、10MPa・mm、100MPa・mm、1,000MPa・mm、1,500MPa・mm以上などである。
いくつかの実施形態において、ガラス物品の厚さの関数としての、当該ガラス物品の強化による残留応力は、約0に等しく、圧縮要素により外部から印加される応力は、当該ガラス物品の厚さにわたって実質的に一定である。例えば、当該物品の厚さに当該外部から印加される応力を乗じたものは、約0.75MPa・mmから約1,750MPa・mmの範囲、例えば、約2MPa・mmから約1,000MPa・mm、約10MPa・mmから約500MPa・mmの範囲、またはそれらの含まれる任意の部分範囲などである。
いくつかの実施形態において、当該ガラス物品の厚さは、約75μmから約3.5mmの範囲、例えば、約0.1mmから約3mm、約0.2mmから約2.5mm、約0.3mmから約1.5mmの範囲、またはそれらに含まれる任意の部分範囲などである。
1つまたは複数の実施形態において、外部圧縮応力は、約2MPaから約500MPaの範囲、例えば、約5MPaから約500MPa、約10MPaから約500MPa、約20MPaから約500MPa、約25MPaから約500MPa、約30MPaから約500MPa、35MPaから約500MPaの範囲、またはそれらに含まれる任意の部分範囲などである。
圧縮要素230のサイズは、例えば、印加される外部圧縮応力などに応じて変わり得る。図5に示される実施形態において、圧縮要素230は、ガラス物品200の片面より小さい。図6または7において、圧縮要素230は、当該圧縮要素が当該物品と同じ厚さを有するように、当該ガラス物品200の上面201から底面203まで延在する。当業者は、図面の相対寸法(高さ、幅、および長さ)は、縮尺に比例しているものではなく、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことを理解するであろう。
当該圧縮要素230は、ガラス物品200の1つまたは複数の側面上に位置することができる。図5に示される実施形態において、圧縮要素は、ガラス物品の片面上に位置されているが、しかしながら、当業者は、当該圧縮要素を、ガラス物品の図示される斜視図では見えない側面上に配置することもできることを理解するであろう。例えば、図8において、当該圧縮要素230は、当該ガラス物品の少なくとも1つの端部の周囲に連続して延在する。図9は、1つの端部216のみが存在する、円形または楕円形のガラス物品の上面図を示している。この実施形態において、当該圧縮要素230は、当該物品の端部216の周囲に連続して延在する。図10は、5つの端部216を有する概して五角形の物品の、別の実施形態を示している。当該圧縮要素230は、この実施形態の5つ全ての端部216の周囲に連続して延在しているように示されている。
当該圧縮要素によって適用される圧縮負荷は、単軸の外部圧縮応力または二軸の外部圧縮応力を印加することができる。図5では、単軸の圧縮応力負荷が示されており、当該物品の左側面上の圧縮要素230のみが見て取れる。ただし、印加された「単軸」の圧縮応力が、単一の軸または平面、例えば、XYZ座標軸のX平面などにおいて物品の2つの側面に印加された応力を意味することは理解されるであろう。図11は、その左側面および右側面に位置された圧縮要素230を示す、物品200の上面図を示している。この物品の圧縮負荷は、印加される圧縮応力が単一の軸または平面に沿って適用されているため、単軸である。当該印加される圧縮応力は、両方の側面から均等であってもよく、または不均等であってもよい。
いくつかの実施形態において、当該圧縮要素230は、当該物品200に対して、二軸の外部圧縮応力を印加する。図12は、4つの圧縮要素230を伴うガラス物品200の上面図を示している。図示された当該実施形態は、圧縮要素230aがy軸に沿って外部圧縮応力を印加し、圧縮要素230bがx軸に沿って外部圧縮応力を印加するため、二軸の圧縮応力を有する。当該圧縮要素によってx軸およびy軸に沿って印加される圧縮応力の程度は、お互いに異なっていてもよい。圧縮要素230aは応力232aを印加し、その一方で、圧縮要素230bは応力232bを印加する。図12に示されているように、圧縮応力232a、232bのベクトルの大きさは、応力の程度が異なることを示すために異なっている。
いくつかの実施形態において、圧縮要素230は、等二軸の外部圧縮応力を印加する。これに関連して使用される場合、用語「等二軸の外部圧縮応力」は、2つの軸(例えば、x軸およびy軸)に沿って印加される圧縮応力が、実質的に同じであることを意味する。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、このように使用される用語「実質的に同じ」は、x軸に沿った圧縮応力およびy軸に沿った圧縮応力が、お互いに±5%以内、例えば、お互いに±4%、±3%、±2%、または±1%以内などであることを意味する。例えば、図9に示されるような円形のガラス物品200の場合、端部216に適用される圧縮負荷は二軸である。非等二軸応力を有するいくつかの実施形態では、当該ガラス物品の屈折率または他の光学的特性に変化が存在し得る。
1つまたは複数の実施形態において、図13に示されるように、当該ガラス物品は、当該ガラス物品200の少なくとも1つの端部216と当該圧縮要素230との間に位置された接着剤250を含む。図示されているガラス物品200は、上部における曲面207と、下部における接着剤250とを含む。図13に示された圧縮要素230は、任意選択の構成要素である。接着剤250は、圧縮要素230を当該ガラス物品に接着するために使用することができ、または、ガラス物品を別の表面(図示されず)に接着させることに加えて、圧縮要素として機能することもできる。
当該ガラス物品は、任意の好適なガラス物品、またはより大きな物品のガラス部品であり得る。例えば、当該ガラス物品は、ハンドヘルドデバイスの部品、例えば、これらに限定されるわけではないが、ディスプレイスクリーン用のカバーガラスなどであり得る。
いくつかの実施形態において、当該ガラス物品は、自動車の窓ガラス、例えば、車両のフロントガラス、リアガラスまたはサイドウインドウなどである。1つまたは複数の実施形態において、当該ガラス物品は、建築物のガラス(例えば、建物に使用されるガラスパネル)または電化製品のガラス(例えば、オーブンのドアのガラス部品)である。
本開示のいくつかの態様は、ガラス物品を強化する方法を対象とする。圧縮要素を使用して、当該ガラス物品の少なくとも1つの端部に外部圧縮応力を印加することができる。当該ガラス物品は、固有の中立応力または固有の圧縮応力である固有の応力下にある外側領域と、引張応力下にあるコア領域とを含み得、ならびに当該ガラス物品は、当該少なくとも1つの端部によって境界される主要平面を有する。
再び図8に示された実施形態を参照すると、いくつかの実施形態において、圧縮要素230は、当該ガラス物品の周囲に外部圧縮応力を印加するフレームを含む。フレーム状の圧縮要素230は、例えば、ガラス物品200の形状などに応じた任意の好適な形状にすることができる。図8は、長方形のフレーム状圧縮要素を示しているが、その一方で、図9は、円形または楕円形のフレーム状圧縮要素を示している。図8に示される実施形態の圧縮要素230は、当該ガラス物品の上面または底面までは広がっていない。これは、単に、1つの可能な構成を代表しているに過ぎず、当業者は、異なるサイズの圧縮要素230も可能であることを理解するであろう。当該フレーム状の圧縮要素は、任意の好適な技術によって当該ガラス物品に圧力を印加することができる。例えば、当該圧縮要素230は、ガラス物品の端部の周囲に配置する前に、当該要素の形状を拡張するために加熱され得る。冷却の際、当該圧縮要素230は収縮して、ガラス物品に対して外部圧縮応力を印加し得る。代替の実施形態において、フレーム状圧縮要素230は、機械的力によって当該ガラス物品に圧力を印加することができる。例えば、当該フレーム状圧縮要素230は、ユーザが当該ガラスの少なくとも1つの端部における圧縮力を増加させることを可能にする戻り止めを含むことができ、または、当該フレームは、ネジ式固定具を含むことができ、または当該フレームは、当該フレームが当該ガラス物品の少なくとも1つの端部にばね力を印加するように作製することができる。
いくつかの実施形態において、圧縮要素によって印加される外部圧縮応力は、ガラス物品の座屈を緩和するように設計または構成される。例えば、当該外部圧縮応力は、上記において説明した座屈方程式(方程式1)および座屈破損のリスクを軽減し得る他の設計特徴を考慮して設計され得る。1つまたは複数の実施形態において、当該圧縮要素230は、当該ガラス物品の限界座屈応力の約80%未満の圧縮応力を加える。様々な実施形態において、当該圧縮要素230は、当該ガラス物品の限界座屈応力の約70%未満、例えば、当該ガラス物品の限界座屈応力の約60%未満または約50%未満などの圧縮応力を加える。
いくつかの実施形態において、圧縮要素は、当該ガラス物品の少なくとも1つの端部に接触するように位置され、当該圧縮要素は、当該ガラス物品の当該少なくとも1つの端部に対して、主要平面と実質的に同一平面の方向において力を印加する。いくつかの実施形態において、当該圧縮要素を当該ガラス物品の当該少なくとも1つの端部に接続するために接着剤が使用される。
図14を参照すると、いくつかの実施形態は、当該物品200の背面209にわたって応力を印加するように圧縮要素230を適用するステップを含む。当該圧縮負荷は、当該物品の端部の代わりに、当該物品の背面209に適用される。当該物品の1つの側面が、透明である必要がない場合、当該圧縮要素230は、硬化したときに収縮し得る不透明または半透明のエポキシであってもよい。収縮性エポキシは、硬化したときに、当該物品に圧力を印加し得る。
いくつかの実施形態において、収縮性エポキシは、結果として、当該物品の曲げを生じる。当該物品は、収縮の際に当該物品が平坦になるように、予め曲げられて形成され得る。いくつかの実施形態において、収縮後でも実質的に平坦なままであるように、二次抑制部品が当該物品に隣接して位置される。
本明細書において使用されるガラス物品は、非晶質物品または結晶質物品であり得る。1つまたは複数の実施形態による非晶質物品は、ソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノケイ酸ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、およびアルカリアルミノホウケイ酸ガラスから選択されるガラスを含み得る。1つまたは複数の実施形態による結晶質物品は、ガラスセラミック材料を含み得る。1つまたは複数の実施形態において、当該ガラス物品が化学強化される場合、当該ガラス物品は圧縮応力(CS)層を有し得、その場合、CSは、当該化学強化ガラスの表面から、少なくとも10μmから数十マイクロメートルの深さの圧縮応力層深さ(DOL)まで、当該化学強化ガラス内に広がる。1つまたは複数の実施形態において、当該ガラス物品は、熱強化ガラス物品、化学強化ガラス物品、または熱強化ガラスと化学強化ガラスを組み合わせた物品を含み得る。1つまたは複数の実施形態において、当該ガラス物品は、非強化ガラス、例えば、Corning社から入手可能なEagle XG(登録商標)などを含み得る。
本明細書において使用される場合、「熱強化」は、当該物品の強度を向上させるために熱処理された物品を意味し、「熱強化」は、焼戻し物品および熱強化物品、例えば、焼戻しガラスおよび熱強化ガラスを包含する。焼戻しガラスは、ガラスにおいてより高い表面圧縮および/または端部圧縮を生じる加速冷却法によって製造される。表面圧縮の程度に影響を及ぼす因子としては、空気急冷温度、体積、および少なくとも10,000重量ポンド毎平方インチ(psi)(約68.95MPa)の表面圧縮を生じるように選択された他の可変因子が挙げられる。焼戻しガラスは、典型的には、アニール処理ガラスまたは未処理ガラスの4倍から5倍の強さを有する。熱強化ガラスは、焼戻しガラスよりゆっくりと冷却することによって製造され、それにより、結果として、表面においてより低い圧縮強度を生じ、熱強化ガラスは、アニール処理ガラスまたは未処理ガラスのおよそ2倍の強さを有する。
化学強化ガラス物品において、ガラスネットワークが緩むことができる温度よりも低い温度での、より大きいイオンによるより小さいイオンとの置き換えは、ガラス内でのイオンの分配および、結果として生じる応力プロファイルを生じる。入ってきたイオンのより大きい体積は、ガラスの表面において圧縮応力(CS)を生じ、ガラスの中心部分において張力(中央張力、またはCT)を生じる。当該圧縮応力は、下記の方程式(6)において与えられる近似関係によって中央張力に関連する:
Figure 2019512449
式中、厚さは当該強化ガラス物品の総厚さであり、圧縮応力層深さ(DOL)はイオン交換の深さである。イオン交換の深さは、当該強化ガラスまたはガラスセラミック物品内の深さ(すなわち、当該ガラス物品の表面から当該ガラスまたはガラスセラミック物品の内部領域までの距離)として説明することができ、この深さまで、イオン交換プロセスによって促進されるイオン交換が広がる。
特に明記されない限り、中央張力(CT)および圧縮応力(CS)は、本明細書においてメガパスカル(MPa)で表現され、その一方で、厚さおよび圧縮応力層深さ(DOL)は、ミリメートルまたはマイクロメートルで表現される。
圧縮応力(表面CSを含む)および圧縮応力層深さ(DOL)は、市販されている計器、例えば、有限会社折原製作所(日本)製のFSM−6000など、を使用して、表面応力計(FSM)によって測定される。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関連する応力光係数(SOC)の正確な測定に依拠する。それに対し、SOCは、「Standard Test Method for Measurement of Glass Stress−Optical Coefficient」と題されるASTM規格C770−16に記載の手順C(ガラスディスク法)に従って測定され、当該文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
CS層がガラス物品のより深い深さまで広がる強化ガラス物品の場合、FSM技術は、観察されるDOL値に影響を及ぼすコントラストの問題に悩まされ得る。より深いDOL値では、TE(transverse electronic)スペクトルとTM(transverse magnetic)スペクトルとの間に不適切なコントラストが存在し得、したがって、TEスペクトルとTMスペクトルとの間の差異の計算(およびDOLの特定)をより困難にする。その上、FSM技術は、応力プロファイル(すなわち、ガラスベースの物品内の深さの関数としてのCSの変動)を特定することができない。さらに、FSM技術は、ある特定の元素のイオン交換、例えば、リチウムに対するナトリウムなどの結果として生じるDOLを特定することができない。
以下において説明する技術は、ガラス基板内の応力が圧縮応力から引張応力へと変化する深さとして定義される圧縮の深さ(DOC)、および強化ガラスベースの物品に対する応力プロファイルを、より正確に特定するために開発されたものである。
2012年5月3日にRostislav V.Roussevらによって出願された「Systems And Methods for Measuring the Stress Profile of Ion−Exchanged Glass」(以下「Roussev I」という)の名称の、2011年5月25日に出願された同じ名称の米国仮特許出願第61/489,800号に対する優先権を主張する米国特許第9,140,543号では、焼戻しされたガラスまたは化学強化ガラスの詳細で正確な応力プロファイル(深さの関数としての応力)を抽出する2つの方法が開示されている。TMおよびTE偏光に対する束縛光学モードのスペクトルが、プリズム結合技術により収集され、詳細で正確なTMおよびTE屈折率プロファイルnTM(z)およびnTE(z)を得るためにそれら全体において使用される。なお、上記の出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
一実施形態において、詳細な屈折率プロファイルが、逆ウェンツェル−クラマース−ブリユアン(IWKB)法を使用することによって、モードスペクトルから得られる。
別の実施形態において、当該詳細な屈折率プロファイルは、測定されたモードスペクトルを、屈折率プロファイルの形状を説明する事前に定義された関数形における数値計算したスペクトルに近似し、最良の近似から当該関数形のパラメータを得ることによって得られる。詳細な応力プロファイルS(z)は、下記の方程式(7)において定義される応力−光学係数(SOC)の既知の値を使用することによって、回復させたTM屈折率プロファイルおよびTE屈折率プロファイルの差から計算される:
Figure 2019512449
SOCの値が小さいことから、任意の深さzでの複屈折率nTM(z)−nTE(z)は、屈折率nTM(z)およびnTE(z)のどちらかのほんの一部である(典型的には、1%のオーダー)。測定したモードスペクトルにおけるノイズによって有意には歪んでいない応力プロファイルを得るためには、0.00001屈折率単位(RIU)のオーダーの精度でのモード有効屈折率の特定が必要である。Roussev Iにおいて開示されている方法はさらに、収集したTEおよびTMモードスペクトルまたは当該モードスペクトルのイメージにおけるノイズおよび/または不十分なコントラストにもかかわらず、測定されたモード屈折率に対してそのような高い精度を確保するために、生データに適用される技術を含む。そのような技術は、サブピクセル解像度のモードに対応する極値の位置を見出すための、ノイズ平均化、フィルタリング、および曲線近似を含む。
同様に、2013年9月23日にRostislav V.Roussevらによって出願された、「Systems and Methods for Measuring Birefringence in Glass and Glass−Ceramics」(以下、「Roussev II」という)と題された、2012年9月28日に出願された同じ名称の米国仮出願第61/706,891号に対する優先権を主張する、米国特許第8,957,374号では、不透明ガラスおよびガラスセラミックスを含むガラスおよびガラスセラミックの表面における複屈折を光学的に測定するための機器および方法について開示されている。モードにおける離散的スペクトルが同一であるRoussev Iとは異なり、Roussev IIにおいて開示される方法は、測定のプリズム結合構成におけるプリズム試料界面によって反射されたTM光およびTE光に対する角度強度分布の慎重な解析に依拠する。
なお、上記の出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
したがって、反射された光強度対角度の正しい分布は、離散的モードの位置のみが求められる従来のプリズム結合応力測定よりもはるかに重要である。このために、Roussev IおよびRoussev IIにおいて開示されている方法は、基準イメージまたは信号に対する正規化、検出器の非線形性に対する補正、イメージノイズおよびスペックルを減らすための複数のイメージの平均化、および強度角度スペクトルをさらに滑らかにするためのデジタルフィルタリングの適用を含む、強度スペクトルを正規化するための技術を含む。さらに、1つの方法は、コントラスト信号の形成を含み、これは、TM信号とTE信号との間の形状の基本的な差を補正するために追加的に正規化される。前述の方法は、ほとんど同じである2つの信号を実現するステップと、最も急勾配の領域を含む信号の一部を比較することによってサブピクセルの解像度によりそれらのお互いの変位を特定するステップとに依拠する。当該複屈折率は、プリズムの幾何学的形状および屈折率、レンズの焦点長、およびセンサーのピクセル間隔を含む、機器設計によって特定される係数によって、お互いの変位に比例する。当該応力は、測定された複屈折率を既知の応力−光学係数に乗じることによって特定される。
別の開示された方法において、TM信号およびTE信号の微分係数が、前述の信号調整技術のいくつかの組み合わせの適用後に特定される。TM信号およびTE信号の最大微分係数の位置は、サブピクセルの解像度によって得られ、複屈折率は、機器パラメータによって従来と同様に特定される係数によって、上記の2つの最大値の間隔に比例する。
正しい強度抽出のための要件に関連して、当該機器は、強度信号を歪ませる傾向のある寄生バックグラウンドを減じるために、いくつかの増強、例えば、照光の角度均一性を向上させるためのプリズム入射表面に極めて接近したまたは入射表面上での光散乱性表面(静的ディフューザ)の使用、光源がコヒーレントまたは部分的にコヒーレントの場合のスペックル減少のためのディフューザの移動、ならびにプリズムの入力および出力ファセットの一部の上および当該プリズムの側面ファセット上の光吸収コーティングなどを含む。さらに、当該機器は、不透明材料の測定を可能にする赤外光源を含み得る。
その上、Roussev IIでは、研究された試料の波長の範囲および減衰係数が開示されており、その場合、測定は、説明される方法および機器の増強によって可能である。当該範囲は、αλ<250πσによって定義され、この場合、αは、測定波長λでの光学減衰係数であり、σは、実際の適用のために典型的に必要とされる精度において測定される応力の期待値である。この広範囲は、大きな光学的減衰が以前の既存の測定方法を適用できなくするような波長において実用的に重要な測定値を得ることを可能にする。例えば、Roussev IIでは、減衰が約30dB/mmを超えるような1,550nmの波長での、不透明な白色ガラス−セラミックの応力誘起複屈折率において首尾よく達成された測定について開示している。
より深いDOL値においてFSM技術にはいくつかの問題が存在することは上記において述べたが、FSMは、依然として、±20%までの誤差範囲がより深いDOL値において可能であるという理解において利用され得る有益な従来技術である。本明細書において使用されるDOLは、FSM技術を使用して演算される圧縮応力層深さの値を意味し、その一方で、DOCは、Roussev IおよびRoussev IIに記載される方法によって特定される圧縮応力層深さを意味する。
この開示に列挙されるヤング率値は、「Standard Guide for Resonant Ultrasound Spectroscopy for Defect Detection in Both Metallic and Non−metallic Parts」と題されるASTM E2001−13において詳細に説明される一般的なタイプの共鳴超音波分光法によって測定される値を意味する。この開示に列挙されるポアソン比値は、「Standard Guide for Resonant Ultrasound Spectroscopy for Defect Detection in Both Metallic and Non−metallic Parts」と題されるASTM E2001−13において詳細に説明される一般的なタイプの共鳴超音波分光法によって測定される値を意味する。
ガラス物品のための材料は変えることができる。例示的実施形態において、当該ガラス物品は、ガラスまたはガラス−セラミックを含み得る。当該ガラスは、ソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノケイ酸ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、および/またはアルカリアルミノホウケイ酸ガラスであり得る。当該ガラス−セラミックは、LiO−Al−SiO系(LAS系)ガラスセラミック、MgO−Al−SiO系(MAS系)ガラスセラミック、ならびに/あるいはムライト、スピネル、α−クォーツ、β−クォーツ固溶体、ペタライト、二ケイ酸リチウム、β−スポジュメン、ネフェリン、およびアルミナから選択される少なくとも1つの結晶質相を含むガラスセラミックを含み得る。いくつかの実施形態において、当該ガラス物品のために使用される組成は、0〜2mol%の、NaSO、NaCl、NaF、NaBr、KSO、KCl、KF、KBr、およびSnOを含む群から選択される少なくとも1種の清澄剤によりバッチ処理され得る。
ガラス物品は、様々な異なるプロセスを使用して提供され得る。例えば、例示的ガラス物品を成形する方法としては、フロートガラス法およびダウンドロー法、例えば、フュージョンドロー法およびスロットドロー法などが挙げられる。フロートガラス法によって調製されるガラス物品は、滑らかな表面および均一な厚さによって特徴付けることができ、溶融ガラスを溶融金属、典型的にはスズの床の上に流すことによって作製される。例示的プロセスにおいて、溶融スズ床の表面上に供給される溶融ガラスは、浮遊ガラスリボンを形成する。当該ガラスリボンは、スズ浴に沿って流れる際に、スズからローラー上へと持ち上げることができる固体ガラス物品へと固化するまで、温度が徐々に下がる。当該浴から持ち上げられると、当該ガラス物品はさらに冷却され得、内部応力を減らすためにアニール処理され得る。
ダウンドロー法では、比較的無傷なままの表面を有する、均一な厚さのガラス物品が製造される。当該ガラス物品の平均曲げ強度は、表面のキズの量およびサイズによって影響を受けるため、最小限しか接触していない無傷なままの表面は、より高い初期強度を有する。次いでこの高強度ガラス物品がさらに(例えば、化学的に)強化されると、結果として得られる強度は、ラップ研磨およびポリッシュ研磨された表面を有するガラス物品より高くなり得る。ダウンドローガラス物品は、約2mm未満の厚さに板引きされ得る。さらに、ダウンドローガラス物品は、コスト高な研削およびポリッシュ研磨を行うことなく最終用途において使用することができる、非常に平坦で滑らかな表面を有する。
フュージョンドロー法は、例えば、溶融したガラス原材料を受け入れるための経路を有するドロータンクを使用する。当該経路は、当該その両側に、経路の長さに沿って上部が開放された堰を有している。当該経路が溶融材料で満たされると、溶融ガラスは堰からオーバーフローする。重力により、当該溶融ガラスは、2つの流動するガラスフィルムとして、ドロータンクの外側表面を下方へと流れる。当該ドロータンクのこれらの外側表面は、下方へとそして内部方向へと延びており、そのため、溶融ガラスは、ドロータンクの下方の端部において合流する。当該2つの流動ガラスフィルムがこの端部において合わさることにより、融合して単一の流動するガラス物品を形成する。フュージョンドロー法は、経路を越えて流れる2つのガラスフィルムが一緒に融合するため、結果として生じるガラス物品のどちらの外側表面も、当該機器のいかなる部品にも接触していないという利点を提供する。したがって、フュージョンドローによるガラス物品の表面特性は、そのような接触による影響を受けない。
スロットドロー法は、フュージョンドロー法とは異なっている。スロットドロー法では、溶融原材料ガラスが、ドロータンクへと提供される。ドロータンクの底には、スロットの長さに延在するノズルを備えた開口スロットがある。溶融ガラスは、当該スロットおよびノズルを通って流れ、連続するガラス物品として下方のアニール処理領域へと板引きされる。
本明細書において説明されるガラス物品を作製するために使用することができる例示的ガラスとしては、アルカリアルミノケイ酸ガラス組成物またはアルカリアルミノホウケイ酸ガラス組成物が挙げられるが、他のガラス組成物も想到される。そのようなガラス組成物は、イオン交換可能として特徴付けることができる。本明細書において使用される場合、「イオン交換可能」は、当該組成物を含む基板が、当該基板の表面または表面付近に存在するカチオンを、より大きいサイズまたはより小さいサイズの同じ結合価のカチオンと交換することができるということを意味する。例示的ガラス組成物の1つは、SiO、B、およびNaOを含み、この場合、(SiO+B)≧66mol%、かつNaO≧9mol%である。いくつかの実施形態において、好適なガラス組成物はさらに、KO、MgO、およびCaOのうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態において、当該基板において使用されるガラス組成物は、61〜75mol%のSiO、7〜15mol%のAl、0〜12mol%のB、9〜21mol%のNaO、0〜4mol%のKO、0〜7mol%のMgO、および0〜3mol%のCaOを含むことができる。
当該ガラス物品にとって好適なさらなる例示的ガラス組成物は、60〜70mol%のSiO、6〜14mol%のAl、0〜15mol%のB、0〜15mol%のLiO、0〜20mol%のNaO、0〜10mol%のKO、0〜8mol%のMgO、0〜10mol%のCaO、0〜5mol%のZrO、0〜1mol%のSnO、0〜1mol%のCeO、50ppm未満のAs、および50ppm未満のSbを含み、この場合、12mol%≦(LiO+NaO+KO)≦20mol%、かつ0mol%≦(MgO+CaO)≦10mol%である。
当該ガラス物品にとって好適なさらなる例示的ガラス組成物は、63.5〜66.5mol%のSiO、8〜12mol%のAl、0〜3mol%のB、0〜5mol%のLiO、8〜18mol%のNaO、0〜5mol%のKO、1〜7mol%のMgO、0〜2.5mol%のCaO、0〜3mol%のZrO、0.05〜0.25mol%のSnO、0.05〜0.5mol%のCeO、50ppm未満のAs、および50ppm未満のSbを含み、この場合、14mol%≦(LiO+NaO+KO)≦18mol%、かつ2mol%≦(MgO+CaO)≦7mol%である。
特定の実施形態において、当該ガラス物品にとって好適なアルカリアルミノケイ酸ガラス組成物は、アルミナ、少なくとも1種のアルカリ金属、および、いくつかの実施形態では50mol%を超えるSiO、他の実施形態では少なくとも58mol%のSiO、さらなる他の実施形態では少なくとも60mol%のSiO、を含み、この場合、比率((Al+B)/Σ改質剤)>1であり、ここで、当該比率において、成分はmol%で表され、改質剤はアルカリ金属酸化物である。このガラス組成物は、特定の実施形態において、58〜72mol%のSiO、9〜17mol%のAl、2〜12mol%のB、8〜16mol%のNaO、および0〜4mol%のKOを含み、この場合、比率((Al+B)/Σ改質剤)>1である。
さらなる別の実施形態において、当該ガラス物品は、64〜68mol%のSiO、12〜16mol%のNaO、8〜12mol%のAl、0〜3mol%のB、2〜5mol%のKO、4〜6mol%のMgO、および0〜5mol%のCaOを含むアルカリアルミノケイ酸ガラス組成物を含み得、この場合、66mol%≦SiO+B+CaO≦69mol%、NaO+KO+B+MgO+CaO+SrO>10mol%、5mol%≦MgO+CaO+SrO≦8mol%、(NaO+B)−Al≦2mol%、2mol%≦NaO−Al≦6mol%、および4mol%≦(NaO+KO)−Al≦10mol%である。
代替の実施形態において、当該ガラス物品は、2mol%以上のAlおよびZrOのうちの少なくとも一方、または4mol%以上のAlおよびZrOのうちの少なくとも一方を含むアルカリアルミノケイ酸ガラス組成物を含み得る。
ガラス物品は、形成された後で、強化ガラス物品を形成するために強化してもよい。ガラスセラミック材料を含むガラス物品も、強化ガラス物品を形成するために強化してもよいことは、留意されたい。
本開示の別の態様は、圧縮要素を使用してガラス物品の少なくとも1つの端部に外部圧縮応力を印加するステップを含む、ガラス物品を強化する方法に関する。当該ガラス物品は、固有の中立応力または固有の圧縮応力下にある外側領域と、引張応力下にあるコア領域とを含み、ならびに当該ガラス物品は、当該少なくとも1つの端部によって境界される主要平面を有する。1つまたは複数の実施形態において、外部圧縮応力を印加するステップは、圧縮要素によってガラス物品の少なくとも1つの端部に印加された力を増加させるステップを含む。1つまたは複数の実施形態において、当該方法は、圧縮要素を当該ガラス物品の少なくとも1つの端部に接触するように位置するステップと、当該圧縮要素を使用して、当該ガラス物品の当該少なくとも1つの端部に対して、主要平面と実質的に同一平面の方向において力を印加するステップとを含む。1つまたは複数の実施形態により、当該方法は、当該圧縮要素を当該ガラス物品の当該少なくとも1つの端部に接続するために接着剤を使用するステップを含む。
本明細書において開示されるガラス物品は、別の物品、例えば、ディスプレイを有する物品(またはディスプレイ物品)(例えば、家電機器、例えば、携帯電話、タブレット、コンピュータ、ナビゲーションシステムなど)、建築物品、輸送物品(例えば、自動車、列車、航空機、船舶など)、電化製品物品、またはいくらかの透明性、耐スクラッチ性、耐摩耗性、またはそれらの組み合わせを必要とする任意の物品などに組み込むことができる。本明細書において開示される強化された物品のいずれかを組み込んだ例示的物品が図15Aおよび図15Bに示されている。詳細には、図15Aおよび図15Bは、前面304、背面306、および側面308を有するハウジング302と、少なくとも部分的に当該ハウジングの内側に配置されるかまたは完全にハウジング内に配置される電子部品(図示されず)であって、コントローラ、メモリ、および当該ハウジングの前面における、または前面に隣接するディスプレイ310を含む電子部品と、当該ディスプレイを覆うように、当該ハウジングの前面上のまたは前面を覆うカバー基板312と、を含む消費者向け電子デバイス300を示している。いくつかの実施形態において、当該カバー基板312または当該ハウジング302は、本明細書において開示されるガラス物品のいずれかを含み得る。
これまでの説明は、様々な実施形態を対象としており、本開示の他のおよびさらなる実施形態は、それらの基本範囲から逸脱することなく案出され得、ならびにそれらの当該範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ガラス物品の外面から圧縮応力層深さまで広がる外側領域であって、当該ガラス物品の少なくとも1つの端部によって境界され、ならびに固有の中立応力または固有の圧縮応力下にある固有の応力を有する、外側領域と、
引張応力下にあるコア領域と、
当該少なくとも1つの端部に外部圧縮応力を印加する圧縮要素と、
を含むガラス物品。
実施形態2
主要平面を有し、上記圧縮要素が、当該主要平面に実質的に同一平面の方向において、上記外部圧縮応力を印加する、実施形態1に記載のガラス物品。
実施形態3
上記外側領域が固有の圧縮応力を有するような、強化ガラス物品であり、上記圧縮要素によって印加される上記外部圧縮応力が、当該ガラス物品の当該外側領域の当該圧縮応力を増加させ、上記コア領域の上記引張応力を減少させる、実施形態1または2に記載のガラス物品。
実施形態4
その上記全内部応力がゼロ未満である、実施形態3に記載のガラス物品。
実施形態5
上記圧縮要素によって印加される上記外部圧縮応力が、約2MPaから約500MPaの範囲である、実施形態1〜4のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態6
上記圧縮要素が、上記少なくとも1つの端部の周囲に連続して延在する、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態7
上記圧縮要素が、単軸の外部圧縮応力を印加する、実施形態1〜6のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態8
上記圧縮要素が、二軸の外部圧縮応力を印加する、実施形態1〜6のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態9
上記圧縮要素が、等二軸の外部圧縮応力を印加する、実施形態1〜6または8のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態10
さらに、その上記少なくとも1つの端部と上記圧縮要素との間に配置された接着剤を含む、実施形態1〜9のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態11
ハンドヘルドデバイスのディスプレイスクリーン、自動車の窓ガラス、建築物のガラス、および電化製品のガラスからなる群より選択される、実施形態1〜10のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態12
上記外側領域および上記コア領域が、ラミネートされたガラス基板、化学強化ガラス基板、熱強化ガラス基板、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される強化ガラスを形成する、実施形態1〜11のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態13
上記圧縮要素が、上記ガラス物品に上記外部圧縮応力を印加するフレームを含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態14
上記圧縮要素がさらに、上記ガラス物品の上記少なくとも1つの端部に接触する接着剤を含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態15
上記圧縮要素によって印加される上記外部圧縮応力が、上記ガラス物品の耐応力腐食性を増加させる、実施形態1〜14のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態16
前面、裏面、および側面を有するハウジングと、
少なくとも部分的に当該ハウジング内において提供される電気部品であって、少なくともコントローラ、メモリ、当該ハウジングの当該前面においてまたは当該前面に隣接して提供されるディスプレイを含む電気部品と、
当該ディスプレイを覆うように配置されたカバーガラスと、
を含む、消費者向けエレクトロニクス製品であって、
当該ハウジングの一部または当該カバーガラスの少なくとも一方が、実施形態1〜15のいずれか1つに記載のガラス物品を含む、
消費者向けエレクトロニクス製品。
実施形態17
少なくとも1つの端部によって境界される主要平面を有するガラス物品であって、
ガラス物品の外面から圧縮応力層深さまで広がる外側領域であって、固有の中立応力または固有の圧縮応力である固有の応力を有する、外側領域と、
引張応力下にあるコア領域と、
主要平面と実質的に同一平面の方向において当該少なくとも1つの端部に外部圧縮応力を印加するように構成された圧縮要素と、
を含み、それにより、式中、tは当該ガラス物品の厚さであり、σは内部応力である、下記の式、
Figure 2019512449
によって定義される全内部応力を有する、ガラス物品。
実施形態18
その上記全内部応力がゼロ未満である、実施形態17に記載のガラス物品。
実施形態19
上記圧縮要素によって印加される上記外部圧縮応力が、約2MPaから約500MPaの範囲である、実施形態17または18に記載のガラス物品。
実施形態20
上記圧縮要素が、上記少なくとも1つの端部の周囲に連続して延在する、実施形態17〜19のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態21
ハンドヘルドデバイスのディスプレイスクリーン、自動車の窓ガラス、建築物のガラス、および電化製品のガラスからなる群より選択される、実施形態17〜20のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態22
上記外側領域および上記コア領域が、化学強化ガラス基板、熱強化ガラス基板、ならびに化学強化および熱強化ガラス基板からなる群より選択される強化ガラスを形成する、実施形態17〜21のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態23
上記圧縮要素が、上記ガラス物品の限界座屈応力の約80%未満の圧縮応力を加える、実施形態17〜22のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態24
上記圧縮要素によって印加される上記外部圧縮応力が、上記ガラス物品の耐応力腐食性を増加させる、実施形態17〜23のいずれか1つに記載のガラス物品。
実施形態25
前面、裏面、および側面を有するハウジングと、
少なくとも部分的に当該ハウジング内において提供される電気部品であって、少なくともコントローラ、メモリ、当該ハウジングの当該前面においてまたは当該前面に隣接して提供されるディスプレイを含む電気部品と、
当該ディスプレイを覆うように配置されたカバーガラスと、
を含む、消費者向けエレクトロニクス製品であって、
当該ハウジングの一部または当該カバーガラスの少なくとも一方が、実施形態17〜24のいずれか1つに記載のガラス物品を含む、
消費者向けエレクトロニクス製品。
実施形態26
圧縮要素を使用して上記ガラス物品の少なくとも1つの端部に外部圧縮応力を印加するステップ
を含む、該ガラス物品を強化する方法であって、
当該ガラス物品が、固有の中立応力または固有の圧縮応力下にある外側領域と、引張応力下にあるコア領域と、当該ガラス物品の当該少なくとも1つの端部によって境界される主要平面とを含む、
方法。
実施形態27
上記外部圧縮応力を印加するステップが、上記圧縮要素によって上記ガラス物品の上記少なくとも1つの端部に印加された力を増加させるステップを含む、実施形態26に記載の方法。
実施形態28
さらに、
上記圧縮要素を上記ガラス物品の上記少なくとも1つの端部に接触するように配置するステップと、
当該圧縮要素によって、当該ガラス物品の当該少なくとも1つの端部に、上記主要平面と実質的に同一平面の力を印加するステップと、
を含む、
実施形態26または27に記載の方法。
実施形態29
さらに、上記圧縮要素と上記ガラス物品の上記少なくとも1つの端部との間に接着剤を配置するステップを含む、実施形態26または27に記載の方法。
実施形態30
ハンドヘルドデバイスのディスプレイスクリーン、自動車の窓ガラス、建築物のガラス、および電化製品のガラスからなる群より選択される、実施形態26〜29のいずれか1つに記載の方法。
実施形態31
上記圧縮要素が、上記ガラス物品の外縁の周りのフレームを含む、実施形態26〜30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態32
上記圧縮要素によって印加される上記外部圧縮応力が、上記ガラス物品の耐応力腐食性を増加させる、実施形態26〜31のいずれか1つに記載の方法。
実施形態33
上記圧縮要素が、上記ガラス物品の上記少なくとも1つの端部に、当該ガラス物品の限界座屈応力の約80%未満の圧縮応力を加える、実施形態26〜32のいずれか1つに記載の方法。
200 ガラス物品
201 上面
202 主要平面
203 底面
207 曲面
209、306 背面
210 外側領域
210a 第一外側領域
210b 第二外側領域
212 外面
214 圧縮応力層深さ
216 端部
220 コア領域
220a 第一コア領域
220b 第二コア領域
230、230a、230b 圧縮要素
232、232a、232b 圧縮応力
240 内側領域
250 接着剤
300 消費者向け電子デバイス
302 ハウジング
304 前面
308 側面
310 ディスプレイ
312 カバー基板

Claims (10)

  1. ガラス物品の外面から圧縮応力層深さまで広がる外側領域であって、該ガラス物品の少なくとも1つの端部によって境界され、かつ固有の中立応力または固有の圧縮応力下にある固有の応力を有する、外側領域と、
    引張応力下にあるコア領域と、
    該少なくとも1つの端部に外部圧縮応力を印加する圧縮要素と、
    を含む、ガラス物品。
  2. 少なくとも1つの端部によって境界される主要平面を有するガラス物品であって、
    該ガラス物品の外面から圧縮応力層深さまで広がる外側領域であって、固有の中立応力または固有の圧縮応力である固有の応力下にある、外側領域と、
    引張応力下にあるコア領域と、
    該主要平面と実質的に同一平面の方向において該少なくとも1つの端部に外部圧縮応力を印加するように構成された圧縮要素と、
    を含み、
    それにより、式中、tは該ガラス物品の厚さであり、σは前記内部応力である、下記の式、
    Figure 2019512449
    によって定義される全内部応力を有する、ガラス物品。
  3. その前記全内部応力がゼロ未満である、請求項2に記載のガラス物品。
  4. 主要平面を有し、前記圧縮要素が、該主要平面に実質的に同一平面の方向において、前記外部圧縮応力を印加する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス物品。
  5. 前記圧縮要素によって印加される前記外部圧縮応力が、約2MPaから約500MPaの範囲であり、および/または、該圧縮要素が、単軸の外部圧縮応力、二軸の外部圧縮応力、または等二軸の外部圧縮応力を印加する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス物品。
  6. ハンドヘルドデバイスのディスプレイスクリーン、自動車の窓ガラス、建築物のガラス、および電化製品のガラスからなる群より選択される、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス物品。
  7. 前記外側領域および前記コア領域が、ラミネートされたガラス基板、化学強化ガラス基板、熱強化ガラス基板、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される強化ガラスを形成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガラス物品。
  8. 前記圧縮要素が、前記ガラス物品の限界座屈応力の約80%未満の圧縮応力を加える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のガラス物品。
  9. 前面、裏面、および側面を有するハウジングと、
    少なくとも部分的に該ハウジング内において提供される電気部品であって、少なくともコントローラ、メモリ、該ハウジングの該前面においてまたは該前面に隣接して提供されるディスプレイを含む電気部品と、
    該ディスプレイを覆うように配置されたカバーガラスと、
    を含む、消費者向けエレクトロニクス製品であって、
    該ハウジングの一部または該カバーガラスの少なくとも一方が、請求項1〜8のいずれか一項に記載のガラス物品を含む、
    消費者向けエレクトロニクス製品。
  10. 圧縮要素を使用してガラス物品の少なくとも1つの端部に外部圧縮応力を印加するステップ
    を含む、ガラス物品を強化する方法であって、
    該ガラス物品が、固有の中立応力または固有の圧縮応力下にある外側領域と、引張応力下にあるコア領域と、該ガラス物品の該少なくとも1つの端部によって境界される主要平面とを含む、方法。
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