JP2019511508A - 酒石酸ブトルファノールの製造のための改善された方法 - Google Patents

酒石酸ブトルファノールの製造のための改善された方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)で表される酒石酸ブトルファノールの製造のための改善された方法に関する。【化1】【選択図】 なし

Description

本発明は、化学の分野におけるものであり、より特定的には、本発明は、酒石酸ブトルファノールの、新規な中間体を使用した極めて安全であり、経済的であり、かつ使いやすいプロセスにおける製造に関する。
酒石酸ブトルファノール(I)は、N−シクロブチルメチル−3,14−ジヒドロキシモルフィナン酒石酸塩として化学的に知られており、それは、フェナントレンシリーズのモルフィナンタイプの合成オピオイド鎮痛薬であり、慢性および急性疼痛の両方の処置のために高度に有効である。非経口投与された酒石酸ブトルファノールは、モルヒネおよびほとんどの他のモルヒネ類似体よりも強力である。酒石酸ブトルファノールの非経口製剤ならびに急性および慢性疼痛の緩和のためのその使用は、特許文献1(以下’414と称する)および特許文献2(以下’635と称する)に最初に開示されている。酒石酸ブトルファノールの非経口製剤は、Bristol−Myers Laboratories,Inc.からStadol(登録商標)の名称の下で商業的に入手できる。酒石酸ブトルファノール(I)の化学構造を、以下に示す:
Figure 2019511508
14−ヒドロキシモルフィナン誘導体の製造を、スキーム(1)に概略的に提示し、かつ前述の特許文献1に開示されている。スキーム(1)は、7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−1(2H)−ナフタレノンの1,4−ジブロモブタンとの、水素化ナトリウム(NaH)によるベンゼン中での縮合からなり、3,4−ジヒドロ−7−メトキシ−2,2−テトラメチレン−1(2H)−ナフタレノンが得られ、それを、テトラヒドロフラン(THF)中でアセトニトリルおよびn−ブチルリチウムで処理し、1−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2,2−テトラメチレン−1−ナフタレンアセトニトリルを得る。この化合物を、THF中で水素化リチウムアルミニウム(LAHまたはLiAlH)で還元して、ヒドロ−2,2−テトラメチレン1−ナフトールを得、4a−(2−アミノエチル)−1,2,3,4,4a,9−ヘキサヒドロ−6−メトキシフェナントレンに異性化する。このアミンを、クロロホルム(CHCl)中での臭素との反応により環化し、3−メトキシ−9a−ブロモナス(bromonrhasybanan)臭化水素酸塩を得、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中で重炭酸ナトリウム(NaHCO)で処理することによるデヒドロブロミネーション(dehydrobromination)で異性化し、3−メトキシ−DELTA(8,14)−モルフィナンを得る。無水トリフルオロ酢酸でのさらなるアセチル化によって、3−メトキシ−N−トリフルオロアセチル−DELTA(8,14)−モルフィナンが得られ、それを、ジクロロメタン(DCM)中のm−クロロ過安息香酸(m−CPBA)でエポキシ化し、8,14−エポキシ−3−メトキシ−N−トリフルオロアセチルモルフィナを得、それを、エタノール中の水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)でさらに処理し、8,14−エポキシ−3−メトキシモルフィナンを油状生成物として得、それを、THF中のLiAlHで処理して、エポキシド環を開環し、14−ヒドロキシ−3−メトキシモルフィナンを得る。14−ヒドロキシ−3−メトキシモルフィナンの塩化シクロブチルカルボニルとの、DCM中でのピリジンによる縮合により、N−シクロブチルカルボニル−14−ヒドロキシ−3−メトキシモルフィナンが得られ、それを、還流THF中でLiAlHで還元し、N−シクロブチルメチル−14−ヒドロキシ−3−メトキシモルフィナンを得る。最後に、それを、還流する48%臭化水素(HBr)での処理によって脱メチル化して、N−シクロブチルメチル−3,14−ジヒドロキシモルフィナンを提供する。
スキーム1
Figure 2019511508
特許文献1に開示されている方法は、最終的にブトルファノールを形成するための一連の反応ステップを経る出発物質としての7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−1(2H)−ナフタレノン化合物の使用を含み、一方本発明に関与する方法、4−メトキシフェニル酢酸の2−(1−シクロヘキセニル)エチルアミン化合物との反応において使用する出発物質によって、新規な中間体を介してのブトルファノールおよびその塩の生成がもたらされる。さらに、特許文献1における方法には、ブトルファノールの酒石酸塩の生成がいかなる箇所においても開示されていない。
ブトルファノールはまた、Bristol−MyersCompanyによる前記特許文献2に記載されている別の代替的な合成手順によって製造され得る。スキーム(2)に概略的に提示する前記特許文献2の手順を、以下に示す:
スキーム2
Figure 2019511508
したがって、上記のスキームから、特許文献2には、7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−1(2H)−ナフタレン化合物を出発物質として使用することを含むブトルファノールの製造方法が開示されており、それは一連の反応ステップを経てブトルファノールを生成することに注目することができる。一方、本発明の方法において、4−メトキシフェニル酢酸および2−(1−シクロヘキセニル)エチルアミンを使用して、最終的にブトルファノールを生成することを含む。特許文献2に開示されている方法において使用する出発材料は高価であり、一方本発明において使用する出発材料は経済的に、かつ商業的に入手できることに留意するべきである。前記特許文献1および特許文献2には、すべてのステージにおける異性体の混合物が開示されており、費用のかかる最終段階の分割を含み、それは主要な欠点である。本発明は、この欠点を、増加した収率および純度を有する経済的な方法を提供することによって克服する。
非特許文献1は、1−(p−メトキシベンジル)−2−メチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロイソキノリンをエポキシ化して以下の2種のエピマーエポキシド;
Figure 2019511508
および以下の中間体
Figure 2019511508
を有するそれから得られたジオールを生成することを報告した。
この論文には、N−メチルがアルカノイルである9,10−ジオールの製造は何ら記載、予期または教示されていない。先行技術はある種の欠点を有し、本発明は新規なエポキシド中間体を介して14−ヒドロキシモルフィナンを合成する新規な方法を、先行技術の欠点を克服する驚くほど良好な結果と共に提供する。
非特許文献2には、本発明において使用するのと同一の出発物質からのモルフィナンの製造が記載されている。
非特許文献3にはさらに、本発明において使用するのと同一の出発物質からの14−デオキシモルフィナンの製造が記載されている。
非特許文献4には、本発明において使用するのと同一の出発物質からの14−デオキシモルフィナンの製造が記載されている。これらの先行技術は、14−ヒドロキシモルフィナンをこの経路を介して製造することができることと関連または示唆していない。
特許文献3には、以下の化合物およびその誘導体をモルフィナン(複数)およびモルフィナン(単数)に、三フッ化ホウ素およびプロトン/ヒドロニウムイオン供与体を環化触媒として使用して環化することが開示されている。そのようにして生成した化合物のいずれも、14−ヒドロキシ置換基を有しない。
Figure 2019511508
特許文献4には、無水トリフルオロ酢酸またはギ酸エチルまたはクロロギ酸メチルを用いたラセミ体の1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリンの保護が開示されており、一方本発明において、1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリンを、マンデル酸で分割し、さらにジ−tert−ブチルジカーボネート(BOC無水物)で保護し、それは、前記特許文献4において関与する方法とは異なる。この特許文献の手順を、スキーム(3)に概略的に提示し、以下に示す:
スキーム3
Figure 2019511508
特許文献5(以下、米国特許第’389号と称する)に開示されている方法は、出発物質としてdl−1−(p−メトキシベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロイソキノリン化合物の使用を含み、それは、DCM中でシクロブチルカルボニルクロリドで保護され、(±)−2−シクロブチルカルボニル−1−(p−メトキシベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロイソキノリンを生成し、それをDCM中でm−クロロ過安息香酸でさらにエポキシ化し、(±)−2−シクロブチルカルボニル−9,10−エポキシ−1−(p−メトキシベンジル)−ペルヒドロイソキノリンを得る。この化合物を、THF中で15%過塩素酸水溶液で処理して、(±)−2−シクロブチルカルボニル−9,10−ジヒドロキシ−1−(p−メトキシベンジル)−ペルヒドロイソキノリンを得る。この化合物を、THF中のLiAlHで還元して、(±)−2−シクロブチルメチル−9,10−ジヒドロキシ−1−(p−メトキシベンジル)−ペルヒドロイソキノリンを得、THFに溶解したボラン溶液およびリン酸(HPO)と反応させることにより環化し、(±)−N−シクロブチルメチル−14−ヒドロキシ−3−メトキシモルフィナンを得る。この化合物は、48%HBr溶液での脱メチル化を経て、ブトルファノールを生成し、一方本発明に関与する方法において使用する出発物質は、(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリンのboc無水物での保護であり、それによって、最終的に新規な中間体を介してブトルファノールおよびその塩の生成がもたらされる。LiAlHの使用は、工業的に実行可能ではなく、さらに特許文献5に開示されている方法は面倒であり、したがって拡張不能である。スキーム(4)に概略的に提示するこの特許文献の手順を、以下に示す:
スキーム4
Figure 2019511508
特許文献6(以下米国特許第’292号と称する)および特許文献7(以下米国特許第’273号と称する)の手順を、スキーム(5)に概略的に提示し、以下に示す:
スキーム5
Figure 2019511508
スキーム(5)から、特許文献7により開示されている方法は、シクロヘキセン−(1)−イル−エチルアミンがフェニル酢酸と反応して、対応するフェニル酢酸(シクロヘキセニル−エチル)アミドを生成することを含むことに注目することができる。しかし、この方法は、異なる中間体によって進行し、この特許文献には、ブトルファノールのためのこの方法の使用が示唆されていない。本発明は、新規な中間体の使用およびブトルファノールを得るための前記方法の使用によりスキーム5において述べた方法とは異なる。したがって、従来技術において、高い収率および高い純度で、かつ経済的な方式においてブトルフェノールを合成するのに適した方法はない。したがって、ブトルフェノールを高い収率および純度において合成するための経済的な方法についての必要性がある。
米国特許第3,775,414号 米国特許第3,819,635号 米国特許第3,919,237号 米国特許第4,052,389号 米国特許第4,115,389号 米国特許第2,634,292号 米国特許第2,634,273号
Onda et al,(Chem.Pharm.Bull.1973;21,2359−2365) SchniderおよびHellerback(Helv.Chim.Acta.,1951;34,2218−2222) Schnider,BrossiおよびVogler(Helv.Chim.Acta.,1954;37,710−720) SchniderおよびHellerback(Helv.Chim.Acta.,1950;33,1437−1448)
本発明の目的は、単純であり、経済的であり、使いやすく、商業的に実行可能である、式(I)で表される化合物の改善された製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、商業的規模で実施するのが容易であり、高価な試薬(単数または複数)および有害な有機溶媒(単数または複数)の使用を回避し、それにより本発明が同様に環境に優しいものになる、式(I)で表される化合物の製造方法を提供することにある。
本発明の尚他の目的は、式(I)で表される化合物のより大きな収率における、より高い化学的純度およびキラル純度での製造方法を提供することにある。
本発明の尚他の目的は、反応中に式(IVd)で表される生成した副産物が再使用可能であり、それによってリサイクル可能であり得、それによって当該方法が工業的により適したようになる、式(IVc)で表される化合物の製造方法を提供することにある。
本発明の尚他の目的は、N置換イソキノリン誘導体の式(V)、式(VIa)および式(VIb)で表される新規な化合物を提供することにある。
本発明の尚他の目的は、N置換イソキノリン誘導体の式(V)、式(VIa)および式(VIb)の製造のための新規な方法を提供することにある。
したがって、本発明は、式(I)
Figure 2019511508
で表される酒石酸ブトルファノールの製造のための改善された方法であって、
以下のステップ;
(a)式(IV)で表される化合物を、式(II)で表される化合物を式(III)で表される化合物と、好適な条件において反応させることにより得るステップ;
(b)好適な分割剤を用いて好適な溶媒中で式(IV)で表される化合物を分割して、式(IVa)および(IVb)で表される化合物の混合物を得て、さらに式(IVc)および(IVd)で表される化合物の混合物を得るステップ;
(c)式(IVc)で表される化合物をジ−tert−ブチルジカーボネートで、好適な塩基の存在下で好適な溶媒中で保護して、式(V)で表される化合物を得るステップ;
(d)式(VIa)および(VIb)で表される化合物の混合物を、式(V)で表される化合物のペルオキシ酸での好適な溶媒中でのエポキシ化により得るステップ;
(e)式(VIIa)および(VIIb)で表される化合物の混合物を、酸触媒開環ならびに式(VIa)および(VIb)で表される化合物の混合物の好適な酸での、好適な有機溶媒中での脱保護により得るステップ;
(f)式(VIIIa)および(VIIIb)で表される化合物の混合物を、式(VIIa)および(VIIb)で表される化合物の混合物を臭化シクロブチルメチルと、好適な塩基の存在下で好適な溶媒中で反応させることによって得るステップ;
(g)式(VIIIa)および(VIIIb)で表される化合物のボランとの混合物を、無水酸の存在下で、好適な有機溶媒を伴って、または伴わずに環化して、式(IX)で表される化合物を得るステップ;
(h)式(IX)で表される化合物を好適な脱メチル化剤を用いて好適な溶媒中で脱メチル化して、式(X)で表されるブトルファノールを得るステップ;ならびに
(i)式(I)で表される酒石酸ブトルファノールを式(X)で表されるブトルファノールから、酒石酸を好適な有機溶媒中で使用することにより得るステップ
を含む、前記方法を提供する。
上記の方法を、以下の一般的な合成スキーム−1において例示する:
Figure 2019511508
本発明を、以下でより完全に説明する。本発明は、多くの異なる形態において具体化され得、本明細書中に述べる実施形態に限定されると解釈されるべきではなく;むしろ、これらの実施形態を、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供する。明細書中で、および添付した特許請求の範囲中で使用するように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」は、文脈が別段明確に示さない限り複数の指示対象を含む。
本発明は、新規な中間体を使用する新規な合成アプローチによる、式(I)で表される酒石酸ブトルファノールの製造のための改善された方法を提供する。
Figure 2019511508
それは、以下のステップを含む:
(a)式(IV)で表される化合物を、式(II)で表される化合物を式(III)で表される化合物と、好適な条件において反応させることにより得るステップ;
Figure 2019511508
(b)好適な分割剤を用いて好適な溶媒中で式(IV)で表される化合物を分割して、式(IVa)および(IVb)で表される化合物の混合物を得て、さらに式(IVc)および(IVd)で表される化合物の混合物を得るステップ;
Figure 2019511508
(c)式(IVc)で表される化合物をジ−tert−ブチルジカーボネートで、好適な塩基の存在下で好適な溶媒中で保護して、式(V)で表される化合物を得るステップ;
Figure 2019511508
(d)式(VIa)および(VIb)で表される化合物の混合物を、式(V)で表される化合物のペルオキシ酸での好適な溶媒中でのエポキシ化により得るステップ;
Figure 2019511508
(e)式(VIIa)および(VIIb)で表される化合物の混合物を、酸触媒開環ならびに式(VIa)および(VIb)で表される化合物の混合物の好適な酸での、好適な有機溶媒中での脱保護により得るステップ;
Figure 2019511508
(f)式(VIIIa)および(VIIIb)で表される化合物の混合物を、式(VIIa)および(VIIb)で表される化合物の混合物を臭化シクロブチルメチルと、好適な塩基の存在下で好適な溶媒中で反応させることによって得るステップ;
Figure 2019511508
(g)式(VIIIa)および(VIIIb)で表される化合物のボランとの混合物を、無水酸の存在下で、好適な有機溶媒を伴って、または伴わずに環化して、式(IX)で表される化合物を得るステップ;
Figure 2019511508
(h)式(IX)で表される化合物を好適な脱メチル化剤を用いて好適な溶媒中で脱メチル化して、式(X)で表されるブトルファノールを得るステップ;ならびに
Figure 2019511508
(i)式(I)で表される酒石酸ブトルファノールを式(X)で表されるブトルファノールから、酒石酸を好適な有機溶媒中で使用することにより得るステップ。
本発明において使用する出発物質および重要な中間体のリストは、以下の通りである:
Figure 2019511508
したがって、本発明の実施形態において、ステップ(a)の式(IV)で表される化合物を、種々のステップ、例えば本明細書中に記載する好適な条件を介したin−situ方式における縮合、環化および還元に従うことによって得る。式(II)および(III)で表される化合物は、還流条件下での有機溶媒を用いた縮合を受ける。縮合した中間体を、酸および有機溶媒を用いて環化し、さらに環化した中間体は、好適な塩基の存在下で好適な還元剤を用いた還元を受ける。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(a)およびステップ(b)において使用する前記溶媒を、好ましくは、水、キシレン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、シクロヘキサンなどまたはそれらの溶媒の混合物からなる群から選択;より好ましくはステップ(a)のキシレンならびにトルエンおよび水(b)からなる群から選択してもよい。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(a)において使用する前記酸は、オキシ塩化リンまたは任意の他の好適な酸である。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(a)において使用する前記還元剤を、好ましくは水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化リチウムアルミニウムなどまたはそれらの混合物;より好ましくは水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選択してもよい。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(a)において使用する前記還元剤を、水素化ホウ素ナトリウムのヨウ素との混合物などとして選択してもよい。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(a)、ステップ(c)およびステップ(f)の前記塩基を、好ましくは有機塩基または無機塩基から選択してもよい。前記有機塩基を、ピリジンまたはモノ、ジおよびトリアルキルアミンからなる群から選択し、それをさらにメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどからなる群から選択する。前記無機塩基を、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、アルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどからなる群から選択する。ステップ(a)における好ましい塩基は水酸化ナトリウムであり、ステップ(c)においてはトリエチルアミンであり、ステップ(f)においては重炭酸ナトリウムである。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(b)において使用する前記分割剤は、S(+)マンデル酸または任意の好適な分割剤である。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(c)、ステップ(d)、ステップ(e)およびステップ(h)において使用する前記溶媒は、塩素化溶媒であり、それを、好ましくは二塩化エチレン、クロロホルム、ジクロロメタンなどまたはそれらの混合物からなる群から選択してもよく;より好ましくは、ステップ(c)、ステップ(d)、ステップ(e)およびステップ(h)においてジクロロメタンである。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(d)において使用する前記ペルオキシ酸は、m−クロロ過安息香酸または任意の好適なペルオキシ酸である。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(e)において使用する前記酸は、硫酸(HSO)または任意の好適な酸である。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(e)において使用する前記溶媒を、好ましくは、水、ケトン溶媒、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)およびメチルイソブチルケトン(MIBK)などまたはそれらの混合物からなる群から選択してもよく;より好ましくはアセトンおよび水である。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(f)において使用する前記溶媒を、好ましくは極性非プロトン性溶媒またはそれらの混合物から選択し;より好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドである。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(g)において使用する前記酸は、ポリリン酸である。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(g)において使用する前記溶媒は、テトラヒドロフランまたは、ボラン−テトラヒドロフランもしくは任意の他のボラン−溶媒錯体の形態にある任意の他の好適な溶媒である。
本発明の別の実施形態において、ここでステップ(h)における前記脱メチル化剤を、好ましくはジチオン酸ナトリウム、ジチオン酸カリウム、ジチオン酸バリウム、三臭化ホウ素(BBr)、三臭化リン(PBr)などまたはそれらの混合物からなる群から選択してもよく;より好ましくは三臭化ホウ素である。
本発明の一実施形態において、ここでステップ(i)において使用する前記溶媒を、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなどまたはそれらの混合物からなる群から選択してもよく;より好ましくはメタノールおよびアセトンである。
本発明の別の実施形態において、ここで本発明のすべてのステップを、好ましくは、0℃〜周囲温度または還流温度で行ってもよい。
本発明の別の実施形態において、ここですべてのステップまたはステップのいくつかを、in situ方式において行ってもよい。より特定的には、ステップ(a)および(b)、ステップ(c)、(d)および(e)ならびにステップ(g)および(h)を、in situ方式において行う。
本発明を、以下の実施例によってさらに例示し、それを、いかなる方法においても本発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。
実施例1.0:1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリン(IV)
式(II)で表される4−メトキシフェニル酢酸(398.2g、2.396モル)を600mLのキシレンに溶解した撹拌した溶液に、式(III)で表されるシクロヘキセニルエチルアミン(300.0g、2.395モル)を、70℃〜80℃でゆっくりと添加した。反応混合物を、Dean−Stark装置を用いて還流して、約40mLの水を除去した。反応混合物を50℃〜60℃に冷却し、次にゆっくりオキシ塩化リン(301.18g、1.964モル)を60℃〜70℃より低温で添加し、10分間撹拌し、100℃〜110℃で3.0時間加熱した。反応混合物を25℃〜30℃に放冷し、水(1800mL)で抽出し、水溶液を50%苛性アルカリ溶液でpH5.0〜5.5に塩基性化した。反応混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(33.5g、0.886モル)を水(67.5mL)および50%苛性アルカリ溶液(0.9mL)に溶解した溶液を、2〜3時間において添加し、25〜30℃で5.0時間撹拌した。トルエン(900mL)を添加し、pHを、50%苛性アルカリ溶液(約165mL)を用いて8.5〜9.0に維持した。水層を反応混合物から分離し、トルエン(1200mL)で抽出し、主有機層と合わせ、水(1200mL)で洗浄し、減圧下で蒸発させて、式(IV)で表される暗褐色の濃厚溶液を得た(605.7g、収率99%)。
実施例2.0:(R)および(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリン−L−マンデレート(IVa)および(IVb)
式(II)で表される4−メトキシフェニル酢酸、265.4g、1.5970モル)を400mLのキシレンに溶解した撹拌した溶液に、式(III)で表されるシクロヘキセニルエチルアミン(200.0g、1.5970モル)を、70〜80℃でゆっくりと添加した。反応混合物を、Dean−Stark装置を用いて還流して、約23mLの水を除去した。反応混合物を、50℃〜60℃に冷却し、次にゆっくりとオキシ塩化リン(200.8g、1.3099モル)を60℃から70℃より低温で添加し、10分間撹拌し、100℃〜110℃で3.0時間加熱した。反応混合物を25℃〜30℃に放冷し、水(1200mL)で抽出し、水溶液をトルエン(400mL)で洗浄し、50%苛性アルカリ溶液でpH5.0〜5.5に塩基性化した。反応混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(31.19g、0.8244モル)を水(61mL)および50%苛性アルカリ溶液(0.8mL)に溶解した溶液を、2〜3時間において添加し、25℃〜30℃で5.0時間撹拌した。トルエン(600mL)を添加し、pHを、50%苛性アルカリ溶液を用いて7.5〜8.5に維持した。水層を、反応混合物から分離し、トルエン(400mL)で抽出し、主有機層と合わせ、水(800mL)およびブライン(400mL)で洗浄した。上記トルエン層に、水(680mL)およびS(+)−マンデル酸(158g、1.0382モル)を添加し、75℃〜80℃に1.0時間加熱した。反応混合物を25℃〜30℃に徐々に放冷し、濾過し、トルエン(200mL)で洗浄し、吸引乾燥した。湿潤固体化合物を、真空下で50℃〜55℃で6〜8時間乾燥して、式(IVa)および(IVb)で表される淡黄色固体化合物(228g、収率34.86%)を得、HPLC純度は59.50%であり、マンデル酸40.5%であり、SOR +133.32°であり、アッセイ61.35%であり、式(IVc、S−異性体)で表される遊離塩基98.63%および式(IVd、R−異性体)で表される1.37%のキラル純度であった。
実施例3.0:(R)および(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリン(IVc)および(IVd)
式(IV)で表されるラセミ化合物(616.0g、2.393モル)をトルエン(1017mL)および水(1017mL)に溶解した溶液に、S(+)−マンデル酸(236.7g、1.555モル)を加え、75℃〜80℃に1.0時間加熱した。反応混合物を25℃〜30℃に放冷し、濾過し、トルエン(800mL)で洗浄し、吸引乾燥した。湿潤ケークに、水(1200mL)およびトルエン(925mL)を加え、pHを、50%苛性アルカリ溶液を用いて12.0〜13.5に維持した。有機層を分離し、減圧下で蒸発させて、淡黄色溶液(204.0g、収率33%)を得、HPLC純度98%であり、SOR +146°であり、キラル純度式(IVc、S異性体)の98.72%および式(IVd、R異性体)の1.28%であった。
実施例3.1;(R)および(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリン(IVc)および(IVd)
式(II)で表される4−メトキシフェニル酢酸(398.2g、2.396モル)を600mLのキシレンに溶解した撹拌した溶液に、式(III)で表されるシクロヘキセニルエチルアミン(300.0g、2.395モル)を、70〜80℃でゆっくりと添加した。反応混合物を、Dean−Stark装置を用いて還流して、約40mLの水を除去した。反応混合物を50℃〜60℃に冷却し、次にゆっくりオキシ塩化リン(301.18g、1.964モル)を60℃〜70℃より低温で添加し、10分間撹拌し、100℃〜110℃で3.0時間加熱した。反応混合物を25℃〜35℃に放冷し、水(1.8L)で抽出し、水溶液を50%苛性アルカリ溶液でpH5.0〜5.5に塩基性化した。反応混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(33.5g、0.886モル)を水(67.5mL)および50%苛性アルカリ溶液(0.9mL)に溶解した溶液を、2〜3時間において添加し、25℃〜30℃で5.0時間撹拌した。トルエン(900mL)を添加し、pHを、50%苛性アルカリ溶液(約165mL)を用いて8.5〜9.0に維持した。水層を反応混合物から分離し、トルエン(1200mL)で抽出し、主有機層と合わせ、水(1200mL)で洗浄した。分離した有機層に、水(1020mL)、S(+)マンデル酸を加え、75〜80℃に1.0時間加熱した。反応混合物を25℃〜30℃に放冷し、濾過し、トルエン(800mL)で洗浄し、吸引乾燥した。湿潤ケークに、水(1200mL)およびトルエン(925mL)を加え、pHを、50%苛性アルカリ溶液を用いて12.0〜13.5に維持した。有機層を分離し、減圧下で蒸発させて、淡黄色溶液(204.0g、収率33%)を得、HPLC純度98%であり、SOR +146°であり、キラル純度、式(IVc、S異性体)の98.72%および式(IVd、R異性体)の1.28%であった。
実施例4.0:(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(V)
式(IVc、190g、0.738モル)で表される(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリンをジクロロメタン(760mL)およびトリエチルアミン(111.8g、1.104モル)に溶解した撹拌した溶液に添加し、0℃〜5℃に冷却した。この反応混合物に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(177.2g、0.812モル)をジクロロメタン(190mL)に溶解した溶液を、0℃〜5℃でゆっくりと添加し、25℃〜30℃で2.0時間撹拌した。透明な反応混合物を、1N HCl溶液、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機層を減圧下で蒸発させて、式(V)で表される半固体化合物(253.3g〜261.2g、収率96〜99%)を得た。
LCMS:358[M+H]、HPLC純度:97〜99%
H−NMR:(CDCl3,400MHz)7.01−7.07(m,2H),6.79−6.81(d,J=8.4Hz,2H).4.08−4.20(m,1H),3.76(s,3H),2.78−3.00(m,2H),2.62−2.73(m,1H),2.14−2.18(m,2H),1.84−1.91(m,3H),1.63−1.69(m,6H),1.34(m,3H),1.17(s,6H).
実施例5.0:シス:トランス(S)−2−(4−メトキシ−ベンジル)−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[4.4.1.0*1,6*]ウンデカン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(VIaおよびVIb)
(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(V、150.0g、0.419モル)をジクロロメタン(1200mL)に溶解した攪拌した溶液に、メタ−クロロペルオキシ安息香酸(119.1g、0.690モル)を、ロット状に0℃〜5℃で1.0時間にわたって添加した。反応混合物を25℃〜30℃に放置して加温し、2.0時間撹拌した。得られた固体を濾過し、濾液を1M重亜硫酸ナトリウム、飽和重炭酸ナトリウムで、泡立ちが停止するまで洗浄した。有機層をさらに水、ブラインで洗浄し、減圧下で蒸発させて、明るい茶色の半固体化合物(150.0g、収率95.7%)を得た。これらの化合物を、クロマトグラフィー手法により、ヘキサン−酢酸エチル移動相を用いて、新規な中間体シス(S)−2−(4−メトキシ−ベンジル)−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[4.4.1.0*1,6*]ウンデカン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(VIa、シス異性体)の単離および特性評価のために分離する。
H−NMR:(CDCl3,400MHz)7.12−7.14(d,J=8.4Hz,1H),7.03−7.05(d,J=8.4Hz,1H).6.73−6.77(m,2H),4.14−4.43(m,1H),3.61−3.88(m,1H),3.71(s,3H),2.68−2.90(m,3H),1.34−1.82(m,8H),1.30(s,4H),1.18(s,7H)
LCMS:374[M+H]、HPLC純度:71%
トランス(S)−2−(4−メトキシ−ベンジル)−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[4.4.1.0*1,6*]ウンデカン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(VIb、トランス異性体)
H−NMR:(DMSO−d6,400MHz)7.06−7.08(d,J=8.4Hz,2H),6.82−6.85(m,2H),4.23−4.37(m,1H),3.70(s,3H),3.16−3.40(m,1H),2.94−3.05(m,2H),2.72−2.80(m,1H),1.98−2.04(m,1H),1.39−1.83(m,6H),1.30(s,7H),1.16(s,5H)
LCMS:374[M+H]、HPLC純度:26%。
実施例6.0:シス:トランス(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−オクタヒドロ−イソキノリン−4a,8a−ジオール(VIlaおよびVIIb)
シス:トランス(S)−2−(4−メトキシ−ベンジル)−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[4.4.1.0*1,6*]ウンデカン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(VIaおよびVIb、155.0g、0.415モル)をアセトン(465mL)に溶解した溶液を含む反応混合物を、0℃〜5℃に冷却し、水(132.66mL)を加えた。反応混合物に、濃硫酸(244.09g、2.489モル)を、0〜15℃より低温で滴下し、40〜45℃で3.0時間加熱した。反応混合物を0℃〜5℃に冷却し、水(1550mL)を投入し、pHを、50%苛性アルカリ溶液(約115mL)を用いて20℃より低温で12.0〜12.5に調整した。反応混合物を40℃〜〜45℃に放置して加温し、1.0時間撹拌し、濾過し、水(775mL)で洗浄し、乾燥して、(95.0g、収率78.9%)をオフホワイト固体として得、HPLC純度78.11%(VIIIIb、トランス異性体)および19.89%(VIIa、シス異性体)であった。
実施例6.1:シス:トランス(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−オクタヒドロ−イソキノリン−4a,8a−ジオール(VIIaおよびVIIb)
式(IVa、210g、0.5128モル)で表される(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリン−L−マンデレートをジクロロメタン(840mL)、水(840mL)の混合物に溶解した撹拌した溶液に加え、50%苛性アルカリ溶液(約105g、1.3125モル)でpH>12に塩基性化した。水層を分離し、ジクロロメタン(420mL)で抽出し、合わせた有機層を水(630mL)、ブライン(420mL)溶液で洗浄した。分離した有機層に、トリエチルアミン(77.8g、0.7691モル)を加え、0℃〜5℃に冷却した。反応混合物に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(123.13g、0.5641モル)をジクロロメタン(210mL)に溶解した溶液を、ゆっくりと0℃〜5℃で添加し、25℃〜30℃で2.0時間撹拌した。反応混合物を水(630mL)で反応停止し、有機層を分離し、1N HCl溶液で撹拌下で、水溶液のpHが4.0〜5.0になるまで酸性化した。有機層を分離し、ブライン(420mL)で洗浄し、分離した有機層を0℃〜5℃に冷却した。冷却した反応混合物に、メタ−クロロペルオキシ安息香酸(140.11g、0.6150モル)を、0℃〜5℃でロット状で添加し、25℃〜30℃に放置して加温し、2.0時間さらに撹拌した。固体を濾過し、濾液を1M重亜硫酸ナトリウム溶液(630mL×3)で、5%重炭酸ナトリウム溶液(630mL×3)、水(630mL)で、およびブライン溶液(420mL)で洗浄した。有機層を分離し、減圧下で蒸発させて、明るい茶色の半固体化合物を得た。この半固体化合物に、アセトン(567mL)を加え、0℃〜5℃に冷却し、水(163mL)を加えた。反応混合物に、濃硫酸(163.8mL、3.0830モル)を、15℃より低温で滴加し、40℃〜45℃に加温し、3時間撹拌した。反応混合物を0℃〜5℃に冷却し、水(2100mL)を0℃〜5℃で添加した。pHを、50%苛性アルカリ溶液を用いて12〜13に調整した。反応混合物を濾過し、水(1050mL)で洗浄した。湿潤ケークに、水(2100mL)を添加し、40℃〜45℃で1時間加熱した。反応混合物を、40℃〜45℃で濾過し、水(1050mL)で洗浄し、真空下で50℃〜55℃で乾燥して、明るい茶色ないし淡黄色の式(VIIa、VIIb)で表される固体(114.5g、76.6%収率)を得、HPLC純度74.34%(S異性体)、24.20%(R異性体)であった。アッセイ=96.51%、硫酸塩灰分=0.08%。
実施例7.0:シス:トランス(S)−2−シクロブチルメチル−1−(4−メトキシ−ベンジル)−オクタヒドロ−イソキノリン−4a,8a−ジオール(VIIIaおよびVIIIb)
式(VIIaおよびVIIb、25.0g、0.0857モル)で表されるシス:トランス(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−オクタヒドロ−イソキノリン−4a,8a−ジオールをDMF(100mL)に溶解した溶液に、重炭酸ナトリウム(18.0g、0.214モル)、臭化シクロブチルメチル(16.2g、0.112モル)を、25℃〜30℃で添加した。反応混合物を100℃で加熱し、10時間撹拌した。完了後、反応混合物を25℃〜30℃に冷却し、水(250mL)を30分間滴加した。反応混合物を濾過し、水(125mL)で洗浄し、乾燥して、(26.0g)粗化合物を得た。粗化合物を、IPA(50mL)と共に5℃〜10℃で1.0時間撹拌することにより精製した。1.0時間後、反応混合物を濾過し、冷IPA(25mL)で洗浄し、乾燥して、(22.6g、収率73%)をオフホワイト固体として得、HPLC純度は、式(VIIIb、トランス異性体)の89.86%および式(VIIIa、シス異性体)の9.29%であった。
実施例7.1:シス:トランス((S)−2−シクロブチルメチル−1−(4−メトキシ−ベンジル)−オクタヒドロ−イソキノリン−4a,8a−ジオール(VIIIaおよびVIIIb)
式(VIIaおよびVIIb、570g、1.956モル)で表される(S)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−オクタヒドロ−イソキノリン−4a,8a−ジオールのシス:トランス混合物をDMF(2.28リットル)に溶解した撹拌した溶液に、重炭酸ナトリウム(410g、4.890モル)および臭化シクロブチルメチル(378.9g、2.543モル)を、25℃〜30℃で添加した。反応混合物を、100℃〜110℃に加熱し、10時間撹拌した。反応混合物を25℃〜30℃に冷却し、水(5.7リットル)を40℃より低温で滴加し、固体を濾過し、水(2.8リットル)で洗浄した。粗湿潤固体化合物に、水(5.7リットル)を加え、40℃〜45℃に加熱し、1.0時間さらに撹拌した。固体を40℃〜45℃で濾過し、水(2.8リットル)で洗浄し、真空下で50℃〜55℃で8.0時間乾燥した。粗化合物に、IPA(1.710Lit)を添加し、1.0時間さらに加熱還流させて、透明な溶液とした。反応混合物を、10℃〜15℃に放冷し、濾過し、冷IPA(570mL)で洗浄し、真空下で50℃〜55℃で5.0時間乾燥して、式(VIIIa、VIIIb)で表される明るい茶色ないし淡黄色の固体化合物(491g、収率69.8%)を得、HPLC純度84.49%(S異性体)および15.48%(R異性体)であり、アッセイ99.55%であり、水分含有量0.09%であり、硫酸塩灰分=0.30%であった。
実施例8.0:N−シクロブチルメチル−14−ヒドロキシ−3−メトキシモルフィナン(IX)
シス:トランス(S)−2−シクロブチルメチル−1−(4−メトキシ−ベンジル)−オクタヒドロ−イソキノリン−4a,8a−ジオール(VIIIaおよびVIIIb、5.0g、0.014モル)に、1Mのボラン−THF溶液(16.8mL)を、25℃〜30℃でゆっくりと添加し、30分間撹拌した。反応混合物からの溶媒を、50℃で減圧下で蒸発させて、明るい茶色の残留物を得た。この残留物に、無水ポリリン酸(75.0g、0.765モル)を、40℃〜45℃で6.0時間添加した。反応混合物を5℃〜10℃に冷却し、水(75mL)を滴加し、液体アンモニア(115mL)を用いてpH8.0〜9.0に調整した。反応混合物を、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、合わせた有機層を、水(75mL)およびブライン(10mL)溶液で洗浄した。有機層を、減圧下で蒸発させて、(3.66g、収率77%)を式(IX)で表される明るい茶色の油状化合物として得、HPLC純度は71.14%であった。
実施例9.0:N−シクロブチルメチル−3,14−ジヒドロキシモルフィナン(X)
式(IX、4.5g、0.0132モル)で表されるN−シクロブチルメチル−14−ヒドロキシ−3−メトキシモルフィナンをジクロロメタン(45.0mL)に溶解した氷冷溶液に、ジクロロメタン(26.4mL)に溶解した1M BBr溶液を、0℃〜5℃で滴加し、30分間撹拌した。反応混合物を、25℃〜30℃に放置して加温し、3.0時間撹拌した。反応混合物をさらに0℃〜5℃に冷却し、水(22.5mL)を加え、pHを、液体アンモニア(9.0mL)を用いて8.0〜9.0に調整した。反応混合物を、ジクロロメタン(45.0mL×2)で抽出し、合わせた有機層を、水(45.0mL)およびブライン溶液(9.0mL)で洗浄した。有機層を減圧下で蒸発させて、(4.67g)粗化合物を明るい茶色の固体として得た。粗化合物を、メタノール(9.0mL)中で0℃〜5℃で撹拌し、濾過し、乾燥して、(2.5lg、収率59%)を式(X)で表されるオフホワイト固体として得、HPLC純度は98.38%であった。
実施例9.1:N−シクロブチルメチル−3,14−ジヒドロキシモルフィナン(X)
シス:トランス(S)−2−シクロブチルメチル−1−(4−メトキシ−ベンジル)−オクタヒドロ−イソキノリン−4a,8a−ジオール(VIIIaおよびVIIIb、450g、1.2500モル)に、1Mのボラン−THF溶液(1.377L)を、25℃〜30℃でゆっくりと添加し、30分間撹拌した。反応混合物からの溶媒を、減圧下で50℃で蒸発させて、明るい茶色の残留物を得た。この残留物に、無水リン酸(4.5kg、45.92モル)を40℃〜45℃で添加し、16.0時間撹拌した。反応混合物を10℃〜15℃に冷却し、水(4.5L)を滴加した。反応混合物に、ジクロロメタン(4.5L)を加え、pHを、25%液体アンモニア(6.9L)を用いて7.0〜8.0に調整した。反応混合物をジクロロメタン(2.250L)で抽出し、合わせた有機層を水(4.5L)、ブライン(1.35L)溶液で洗浄した。有機層を0℃〜5℃に冷却し、ジクロロメタンに溶解した1MのBBr溶液(2.5リットル)を0℃〜5℃で滴加した。反応混合物を25℃〜30℃に放置して加温し、3.0時間撹拌し、0℃〜5℃にさらに冷却し、水(4.5L)を加え、pHを、液体アンモニア(450mL)を用いて8.0〜9.0に調整した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2.25L)で抽出し、合わせた有機層を水(4.5L×2)で洗浄し、減圧下で蒸発させて、茶色の粗化合物を得た。粗化合物を、メタノール(900mL)中で25℃〜35℃で撹拌し、アセトン(5.6L)中の活性炭で処理し、濾過し、ジクロロメタン(280mL)で洗浄し、50℃〜55℃でさらに乾燥して、式(X)で表されるオフホワイトないし白色の粉末(125g、収率30.5%)を得、HPLC純度99.87%であり、キラル純度100%であり、アッセイ99.48%であり、硫酸塩灰分0.09%であり、水分含有量0.15%であった。
実施例10.0:モルフィナン−3,14−ジオール,17−(シクロブチルメチル−,(−)−,[S−(R*,R *)]−2.3−ジヒドロキシブタンジオエート塩(I)
(−)−17−(シクロブチルメチル)−3,14b−ジヒドロキシモルフィナン(X)、100g、0.305モル)をメタノール(400mL)中に含む反応混合物を、65℃で加熱した。反応混合物に、D(−)酒石酸(45.83g、0.305モル)を高温メタノール(200mL)に溶解した溶液を加え、65℃で30分間撹拌した。反応混合物を40℃〜45℃に冷却し、アセトン(800mL)を加え、25℃〜30℃に放冷し、撹拌し、固体を濾過し、50℃〜55℃でさらに乾燥して、式(I)で表される白色粉末(127g、87.08%収率)を得、HPLC純度97.22%(遊離塩基)であり、酒石酸純度2.73%であり、キラル純度99.96%(S異性体)、0.04%(R異性体)であり、SOR:−64.76°であった。
実施例11.0;(R)1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリン(IVd)
式(IVa)で表される実施例2の主濾液およびトルエン洗浄液を合わせ、pHを、50%苛性アルカリ溶液(227g、2.840モル)を用いて25〜30℃で12〜13.5に調整し、30分間撹拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(250mL×2)で抽出し、合わせた有機層を水(250mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で45℃〜50℃で蒸発させて、式(IVd)で表されるR異性体(233g、58.25%収率)の暗褐色の濃厚な油状マスを得、HPLC純度90.86%であり、SOR:−92.63°であった。
実施例12.0:1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリン(IV)
(R)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−イソキノリン(IVd、100g、0.3885モル)をMTBE(500mL)に溶解した撹拌し、冷却した溶液に、9%次亜塩素酸ナトリウム溶液(256mL)を、−5℃〜−10℃でゆっくりと添加した。反応混合物を、5℃〜10℃に加温し、2時間撹拌し、さらに20℃〜25℃に加温し、2時間撹拌した。有機層を分離し、水層をメチルtert−ブチルエーテル(400mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、5℃〜10℃に冷却し、水酸化カリウム(116.84g、2.0820モル)をメタノール(300mL)に溶解した溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を20℃〜25℃に加温し、2時間撹拌し、水(300mL)を加え、さらに5℃〜10℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(25.86g、0.6830モル)およびNaOH(8g、0.1990モル)を水(200mL)に溶解した溶液をゆっくり加え、反応混合物を20℃〜25℃に加温し、2時間撹拌した。有機層を分離し、水層をメチルtert−ブチルエーテル(400mL)で抽出し、合わせた有機層を水(400mL)で洗浄し、減圧下で蒸発させて、式(IV)で表されるラセミ化合物の茶色の濃厚な粘着性マス(83g、83%収率)を得、キラル純度:S異性体50.43%およびR異性体49.57%であった。
実質的な利点および産業上の利用可能性
(1)本発明の方法は、安全であり、式(I)で表される化合物のより高い化学的純度およびより高い収率がもたらされ、ステップの多くを、in−situ方式において実施する。
(2)本発明の方法によって、試薬(単数または複数)および有機溶媒(単数または複数)の過剰な使用が回避され、それによって環境に優しい化学が促進され、環境に対するより低い負荷を加えることによってより清浄な環境が確実になる。
(3)本発明の方法によって、環境に有害であり、本質的に極めて有害であるベンゼンのような溶媒の使用が回避される。
(4)本発明の方法は、リサイクルおよび再使用することができる溶媒および中間体(単数または複数)を使用し、したがって当該方法がより経済的であり、かつ工業的および商業的に実行可能になる。
(5)本発明の方法は、単純な方法であり、それによってより多数の操作が回避され、したがって反応時間の短縮および労力の低下がもたらされる。

Claims (22)

  1. 式(I)
    Figure 2019511508
    で表される酒石酸ブトルファノールの製造のための改善された方法であって、
    以下のステップ;
    (a)式(IV)で表される化合物を、式(II)で表される化合物を式(III)で表される化合物と、好適な条件において反応させることにより得るステップ;
    Figure 2019511508
    (b)好適な分割剤を用いて好適な溶媒中で式(IV)で表される化合物を分割して、式(IVa)および(IVb)で表される化合物の混合物を得て、さらに式(IVc)および(IVd)で表される化合物の混合物を得るステップ;
    Figure 2019511508
    (c)式(IVc)で表される化合物をジ−tert−ブチルジカーボネートで、好適な塩基の存在下で好適な溶媒中で保護して、式(V)で表される化合物を得るステップ;
    Figure 2019511508
    (d)式(VIa)および(VIb)で表される化合物の混合物を、式(V)で表される化合物のペルオキシ酸での好適な溶媒中でのエポキシ化により得るステップ;
    Figure 2019511508
    (e)式(VIIa)および(VIIb)で表される化合物の混合物を、酸触媒開環ならびに式(VIa)および(VIb)で表される化合物の混合物の好適な酸での、好適な有機溶媒中での脱保護により得るステップ;
    Figure 2019511508
    (f)式(VIIIa)および(VIIIb)で表される化合物の混合物を、式(VIIa)および(VIIb)で表される化合物の混合物を臭化シクロブチルメチルと、好適な塩基の存在下で好適な溶媒中で反応させることによって得るステップ;
    Figure 2019511508
    (g)式(VIIIa)および(VIIIb)で表される化合物のボランとの混合物を、無水酸の存在下で、好適な有機溶媒を伴って、または伴わずに環化して、式(IX)で表される化合物を得るステップ;
    Figure 2019511508
    (h)式(IX)で表される化合物を好適な脱メチル化剤を用いて好適な溶媒中で脱メチル化して、式(X)で表されるブトルファノールを得るステップ;ならびに
    Figure 2019511508
    (i)式(I)で表される酒石酸ブトルファノールを式(X)で表されるブトルファノールから、酒石酸を好適な有機溶媒中で使用することにより得るステップ
    を含む、前記方法。
  2. すべての前記ステップまたは前記ステップのいくつかをin−situ方式において行い、より特定的には前記ステップ(a)および(b)、前記ステップ(c)、(d)および(e)ならびに前記ステップ(g)および(h)をin situ方式において行う、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(a)における前記好適な条件が式(II)で表される化合物を式(III)で表される化合物と有機溶媒を用いて還流条件下で縮合し、有機溶媒中で酸を用いて環化し、さらに好適な還元剤で好適な塩基の存在下で還元することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. ステップ(a)およびステップ(b)において使用する前記溶媒を好ましくは水、キシレン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、シクロヘキサンまたはそれらの溶媒の混合物;より好ましくはステップ(a)のキシレンならびにステップ(b)のトルエンおよび水混合物からなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
  5. ステップ(a)において使用する前記酸がオキシ塩化リンである、請求項1に記載の方法。
  6. ステップ(a)において使用する前記還元剤を好ましくは水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化リチウムアルミニウム;より好ましくは水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選択する、請求項3に記載の方法。
  7. ステップ(a)、ステップ(c)およびステップ(f)の前記塩基を好ましくは有機塩基または無機塩基から選択する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記有機塩基をピリジンまたはモノ、ジおよびトリアルキルアミンからなる群から選択し、それをさらにメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択し;ならびに前記無機塩基を炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、アルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムからなる群から選択する、請求項7に記載の方法。
  9. ステップ(a)における好ましい塩基が水酸化ナトリウムであり、ステップ(c)においてはトリエチルアミンであり、ステップ(f)においては重炭酸ナトリウムである、請求項7に記載の方法。
  10. ステップ(b)において使用する前記分割剤がS(+)マンデル酸である、請求項1に記載の方法。
  11. ステップ(c)、ステップ(d)、ステップ(e)およびステップ(h)において使用する前記溶媒が塩素化溶媒であり、それを好ましくは二塩化エチレン、クロロホルム、ジクロロメタンまたはそれらの混合物;より好ましくはジクロロメタンからなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
  12. ステップ(d)において使用する前記ペルオキシ酸がm−クロロ過安息香酸である、請求項1に記載の方法。
  13. ステップ(e)において使用する前記酸が硫酸である、請求項1に記載の方法。
  14. ステップ(e)において使用する前記溶媒を好ましくはケトン溶媒、例えば水、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンまたはそれらの混合物;より好ましくはアセトンおよび水からなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
  15. ステップ(f)において使用する前記溶媒を好ましくは極性非プロトン性溶媒またはそれらの混合物から選択し;より好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドである、請求項1に記載の方法。
  16. ステップ(g)において使用する前記酸がポリリン酸である、請求項1に記載の方法。
  17. ステップ(g)において使用する前記溶媒がテトラヒドロフランであり、それがボラン−テトラヒドロフラン錯体の形態にある、請求項1に記載の方法。
  18. ステップ(h)における前記脱メチル化剤を好ましくはジチオン酸ナトリウム、ジチオン酸カリウム、ジチオン酸バリウム、三臭化ホウ素、三臭化リンまたはそれらの混合物からなる群から選択し;より好ましくは三臭化ホウ素である、請求項1に記載の方法。
  19. ステップ(i)において使用する前記溶媒を好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンまたはそれらの混合物からなる群から選択し;より好ましくはメタノールおよびアセトンである、請求項1に記載の方法。
  20. 式(V)
    Figure 2019511508
    で表される化合物。
  21. 式(VIa)および(VIb)
    Figure 2019511508
    で表される化合物。
  22. 式(V)、(VIa)および(VIb)で表される化合物の、ブトルファノールおよびその塩の製造のための使用。
    Figure 2019511508

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