JP2019510329A - 慢性炎症性腸疾患を診断する方法 - Google Patents
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Abstract
【選択図】図2
Description
1−腸陰窩の構造の変化、粘膜における陰窩の分布の変化、
2−粘膜における細胞浸潤の存在、
3−粘膜血管の構造の変化。
1)個体の消化器粘膜の共焦点内視鏡画像において、以下の陰窩腔プロファイル(crypt well profile)(PPC)パラメーター:
a)粘膜の蛍光漏出(FL)、
b)陰窩腔の開口部周囲(PO)、
c)陰窩腔の球形度(Spher)、
d)陰窩腔の真円度(Round)、
e)陰窩腔のフェレット直径(Feret)、
f)陰窩腔の伸長因子(EF)、
g)陰窩腔の開口部の軸の比(Ma/ma)、
h)視野当たりの陰窩密度(Dens)
を測定するステップと、
2)健康な個体の対応するパラメーターと比較したパラメーターa)〜h)の変化を定量するステップと
を含む、方法に関する。
1)個体の消化器粘膜の共焦点内視鏡画像において、以下のパラメーター:
a)粘膜の蛍光漏出(FL)、
b)陰窩腔の開口部周囲(PO)、
c)陰窩腔の球形度(Spher)、
d)陰窩腔の真円度(Round)、
e)陰窩腔のフェレット直径(Feret)、
f)陰窩腔の伸長因子(EF)、
g)陰窩腔の開口部の軸の比(Ma/ma)、
h)視野当たりの陰窩密度(Dens)
を測定するステップと、
2)各パラメーターについて以下に定義される閾値を超える「より高い極値」として記載されている値を選択するステップと、
− PO>474.62±103.10μm、
− Spher>98.96±0.56%、
− Round>68.43±14.41%、
− Feret>169.88±51.08μm、
− EF>1.745±0.266、
− Ma/ma>1.653±0.247、
− Dens>0.2837±0.0505、
3)各パラメーターについて、「より高い極値」の値の平均およびFLの平均値を、病理学的閾値と比較するステップであって、病理学的閾値は、各パラメーターについて、以下のように定義されるステップと、
− FL>10.0±3.6LUT.sec−1、
− PO>666.40±103.10μm、
− Spher>99.32±0.56%、
− Round>73.00±14.41%、
− Feret>186.11±51.08μm、
− EF>1.87±0.266、
− Ma/ma>1.90±0.247、
− Dens>0.39±0.0505、
4)以下のスコアを割り当てるステップと、
− PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maもしくはDensパラメーターの「より高い極値」の値の平均、またはFLの平均値が閾値未満である場合、0のスコアが対応するパラメーターに割り当てられ、
− PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maもしくはDensパラメーターの「より高い極値」値の平均、またはFLの平均値が閾値より大きい場合、1のスコアが、FL、PO、Round、FeretおよびDensに割り当てられ、2のスコアが、Spher、EFおよびMa/maに割り当てられる、
5)スコアの合計に各パラメーターの値の数の合計を乗じるステップと
を含み、
204±110より大きい合計が、慢性炎症性腸疾患に罹患している個体と定義する、方法に関する。
− FL>19.86±5.70LUT.sec−1、
− PO>618.32±98.95μmおよび
− Feret>204.68±29.65μm
と比較するステップを含み、
パラメーター、FL、POおよびFeretの各々について、対応する弁別閾値より大きい値に到達した場合、個体は潰瘍性大腸炎に罹患していると定義されるか、または個体は逆の場合、クローン病に罹患していると定義される、方法に関する。
− PO>474.62±103.10μm、
− Spher>98.96±0.56%、
− Round>68.43±14.41%、
− Feret>169.88±51.08μm、
− EF>1.745±0.266、
− Ma/ma>1.653±0.247、
− Dens>0.2837±0.0505、
コンパレーターは、各パラメーターについて、「より高い極値」の値の平均およびFLの平均値を、各パラメーターについて、以下のように定義される病理学的閾値:
− FL>10.0±3.6LUT.sec−1、
− PO>666.40±103.10μm、
− Spher>99.32±0.56%、
− Round>73.00±14.41%、
− Feret>186.11±51.08μm、
− EF>1.87±0.266、
− Ma/ma>1.90±0.247、
− Dens>0.39±0.0505、
と比較するのに適切であり、
コンピュータはさらに、コンパレーターと接続されたスコア生成器を備え、以下のスコアを割り当てるのに適切であり:
− PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maもしくはDensパラメーターの「より高い極値」の値の平均、またはFLの平均値が閾値未満である場合、0のスコアが対応するパラメーターに割り当てられ、
− PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maもしくはDensパラメーターの「より高い極値」の値の平均、またはFLの平均値が閾値より大きい場合、1のスコアがFL、PO、Round、FeretおよびDensに割り当てられ、2のスコアがSpher、EFおよびMa/maに割り当てられ、
コンピュータはさらに、スコアの合計に、各パラメーターの値の数の合計を乗算するのに適した乗算器を備える。
− FL>19.86±5.70LUT.sec−1、
− PO>618.32±98.95μmおよび
− Feret>204.68±29.65μm
と比較するのに適切であり得る。
A)システムが、個体における慢性炎症性腸疾患によって誘発された腸粘膜の変化を定量するためのex vivoでの方法の実施に関連する場合、FL、PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maおよびDensから選択される少なくとも1つのパラメーターを測定する手段、
B)システムが、個体における慢性炎症性腸疾患を診断するためのex vivoでの方法の実施に関連する場合、
B1)FL、PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maおよびDensパラメーターを測定する手段、
B2)この方法において定義されている閾値より大きい、「より高い極値」として記載されている値を選択する手段、
B3)この方法において定義されている比較手段、
B4)この方法において定義されているスコアを割り当てる手段、ならびに
B5)この方法において定義されているスコアを乗算する手段、
C)システムが、個体におけるクローン病と潰瘍性大腸炎との鑑別診断のためのex vivoでの方法の実施に関連する場合、
C1)手段B1)〜B5)、および
C2)この方法において定義されている比較手段
を備える。
材料および方法
5人の健康な患者、臨床炎症寛解期(CDAI<150)でクローン病(CD)に罹患している10人の患者、および臨床炎症寛解期(Mayoスコア<1)で潰瘍性大腸炎(UC)に罹患している11人の患者を、この後ろ向き研究に含めた。
定量分析を患者当たり91±8個の陰窩で行った。球形度(Spher)(p<0.01)、真円度(Round)(p<0.05)、フェレット直径(Feret)(p<0.05)、伸長因子(EF)(p<0.01)、およびMa/ma比(p<0.01)について、健康な患者の90センタイルより高い値の平均が、健康な患者と比較してCD群で有意に高いことを実証することができた(図3参照)。
この研究は、臨床的寛解の間においてさえ、IBDによって誘発された粘膜の構造的変化を定量することが可能であることを実証する。3種類のパラメーターを定義することができた:1/IBDに共通のパラメーター(球形度、フェレット直径、伸長因子、Ma/ma);2/クローン病に特異的なパラメーター(真円度)および3/潰瘍性大腸炎に特異的なパラメーター(蛍光漏出、開口部周囲および密度)。
材料および方法
5人の健康な患者、臨床炎症寛解期(CDAI<150)でクローン病(CD)に罹患している10人の患者、および臨床炎症寛解期(Mayoスコア<1)で潰瘍性大腸炎(UC)に罹患している11人の患者を、この後ろ向き研究に含めた。共焦点内視鏡画像(ColoFlex UHD、Cellvizio、Mauna Kea Technologies)によりこれらのパラメーターを測定または計算することによって、結腸粘膜における蛍光漏出(FL)、開口部周囲(PO)、真円度(Round)、球形度(Spher)、伸長因子(EF)、フェレット直径(Feret)、長軸対短軸比(Ma/ma)および陰窩腔密度(Dens)を定量した。
IBDについての診断スコアは以下により定義される:
1−「より高い極値」の値の選択、すなわち、パラメーター、PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maおよびDensの各々について、健康な患者の90センタイルより高い値。
− PO>474.62±103.10μm、
− Spher>98.96±0.56%、
− Round>68.43±14.41%、
− Feret>169.88±51.08μm、
− EF>1.745±0.266、
− Ma/ma>1.653±0.247、
− Dens>0.2837±0.0505。
− FL>10LUT.sec−1、
− PO>666.40μm、
− Spher>99.32%、
− Round>73.00%、
− Feret>186.11μm、
− EF>1.87、
− Ma/ma>1.90、
− Dens>0.39。
− FL>19.86LUT.sec−1、
− PO>618.32μm、
− Feret>618.32μm。
健康な集団の90センタイルの値は以下の通りである:開口部周囲(>474.62μm)、球形度(>98.96%)、真円度(>68.43%)、フェレット直径(>169.88μm)、伸長因子(>1.745)、Ma/ma(>1.653)および密度(>0.2837)。
この研究は、確立された内視鏡スコアにより、臨床炎症寛解の状態でさえ、IBDの診断が可能となることを実証する。このスコアは、3つの他のバイオマーカー(FL、POおよびフェレット直径)の使用と組み合わせて、CDとUCとを区別することも可能にする。
材料および方法
4人の健康な患者、臨床炎症寛解期(CDAI<150)でクローン病(CD)に罹患している13人の患者、および臨床炎症寛解相(Mayoスコア<1)で潰瘍性大腸炎(UC)に罹患している16人の患者を、この後ろ向き研究に含めた。共焦点内視鏡画像(ColoFlex UHD、Cellvizio、Mauna Kea Technologies)によってこれらのパラメーターを測定または計算することによって、実施例2に記載されるパラメーターを定量した。
結果を表3に要約する。
本研究は、確立された内視鏡スコアの妥当性を実証し、臨床炎症寛解状態においてさえもIBDの診断を可能にする。このスコアは、3つの他のバイオマーカー(FL、POおよびFeret)の使用と組み合わせて、CDとUCとを区別することも可能にする。
1. Tontini et al., World J. Gastroenterol., 2016 Jan 21, 2016 Jan 21;22(3):1246−59.
2. Kiesslich et al., Gastroenterology 2007, 132:874−882.
3. Li et al., Am J Gastroenterol 2010; 105:1391−1396.
4. Neumann et al., Inflamm Bowel Dis. 2012 Dec;18(12):2261−9.
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9. Delgado−Gonzalo et al. 「Snakes on a Plane: A Perfect Snap for Bioimage Analysis」, IEEE Signal Processing Magazine, vol. 32, no. 1, pp. 41−48.
10. Wadell, H., 1932, Volume, shape, and roundness of rock particles. Journal of Geology 40:443−51.
11. M. R. Walter. Stromatolites. Elsevier. pp. 47, ISBN 978−0−444−41376−5.
Claims (10)
- 個体における慢性炎症性腸疾患によって誘発された腸粘膜の変化を定量するためのex vivoでの方法であって、
1)個体の消化器粘膜の共焦点内視鏡画像において、以下の陰窩腔プロファイル(PPC)パラメーター:
a)粘膜の蛍光漏出(FL)、
b)陰窩腔の開口部周囲(PO)、
c)陰窩腔の球形度(Spher)、
d)陰窩腔の真円度(Round)、
e)陰窩腔のフェレット直径(Feret)、
f)陰窩腔の伸長因子(EF)、
g)陰窩腔の開口部の軸の比(Ma/ma)、
h)視野当たりの陰窩密度(Dens)
を測定するステップと、
2)健康な個体の対応するパラメーターと比較したパラメーターa)〜h)の変化を定量するステップと
を含む、方法。 - 個体における慢性炎症性腸疾患を診断するためのex vivoでの方法であって、以下のステップ:
1)個体の消化器粘膜の共焦点内視鏡画像において、以下のパラメーター:
a)粘膜の蛍光漏出(FL)、
b)陰窩腔の開口部周囲(PO)、
c)陰窩腔の球形度(Spher)、
d)陰窩腔の真円度(Round)、
e)陰窩腔のフェレット直径(Feret)、
f)陰窩腔の伸長因子(EF)、
g)陰窩腔の開口部の軸の比(Ma/ma)、
h)視野当たりの陰窩密度(Dens)
を測定するステップと、
2)各パラメーターについて以下に定義される閾値を超える「より高い極値」として記載されている値を選択するステップと、
− PO>474.62±103.10μm、
− Spher>98.96±0.56%、
− Round>68.43±14.41%、
− Feret>169.88±51.08μm、
− EF>1.745±0.266、
− Ma/ma>1.653±0.247、
− Dens>0.2837±0.0505、
3)各パラメーターについて、「より高い極値」の値の平均およびFLの平均値を、病理学的閾値と比較するステップであって、病理学的閾値は、各パラメーターについて、以下のように定義される、ステップと、
− FL>10.0±3.6LUT.sec−1、
− PO>666.40±103.10μm、
− Spher>99.32±0.56%、
− Round>73.00±14.41%、
− Feret>186.11±51.08μm、
− EF>1.87±0.266、
− Ma/ma>1.90±0.247、
− Dens>0.39±0.0505、
4)以下のスコアを割り当てるステップと、
− 各パラメーター、PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maおよびDensの「より高い極値」の値の平均、またはFLの平均値が病理学的閾値未満である場合、0のスコアが対応するパラメーターに割り当てられ、
− 各パラメーター、PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maおよびDensの「より高い極値」の値の平均、またはFLの平均値が病理学的閾値より大きい場合、1のスコアが、FL、PO、Round、FeretおよびDensに割り当てられ、2のスコアが、Spher、EFおよびMa/maに割り当てられる、
5)スコアの合計に各パラメーターの値の数の合計を乗じるステップと
を含み、
204±110より大きい合計が、慢性炎症性腸疾患に罹患している個体と定義する、方法。 - 個体におけるクローン病と潰瘍性大腸炎との鑑別診断のためのex vivoでの方法であって、前記方法は請求項2に記載されるステップを含み、続いて、IBDに罹患していると定義された個体において、FLの平均値ならびにPOおよびFeretパラメーターの「より高い極値」の値の平均を、以下のように定義される弁別閾値:
− FL>19.86±5.70LUT.sec−1、
− PO>618.32±98.95μmおよび
− Feret>204.68±29.65μm
と比較するステップを含み、
パラメーター、FL、POおよびFeretの各々について、対応する弁別閾値より大きい値に到達した場合、個体は潰瘍性大腸炎に罹患していると定義されるか、または個体は逆の場合、クローン病に罹患していると定義される、方法。 - 前記消化器粘膜の前記共焦点内視鏡画像において分析された陰窩の総数が20より大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記測定するステップ、値を選択するステップ、比較するステップ、およびスコアを割り当てるステップが、内視鏡画像の事後解析のためのコンピュータプログラムによって、またはリアルタイム分析のための既存の内視鏡検査ソフトウェアに組み込まれたソルーションによって自動化される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 通信ネットワークからダウンロードすることができ、および/またはコンピュータによって読み取ることができる媒体に記録することができ、および/またはプロセッサによって実行することができるコンピュータプログラム製品であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムコード命令を含み、前記コンピュータプログラムがコンピュータまたはプロセッサで実行される、コンピュータプログラム製品。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法を実施するための、内視鏡と、可視化手段と、計算手段とを備えるシステム。
- 可視化手段に接続された共焦点内視鏡と、個体の消化器粘膜の共焦点内視鏡画像において、FL、PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maおよびDensから選択される陰窩腔プロファイル(PPC)のパラメーターのうちの少なくとも1つを測定するための画像解析手段を備えるコンピュータと、実施された測定値と健康な個体の対応する値とを比較するのに適したコンパレーターとを備えるシステム。
- 前記画像解析手段が、各パラメーターについて以下に定義される閾値より高い、「より高い極値」として記載されている値を選択するのに適しており、
− PO>474.62±103.10μm、
− Spher>98.96±0.56%、
− Round>68.43±14.41%、
− Feret>169.88±51.08μm、
− EF>1.745±0.266、
− Ma/ma>1.653±0.247、
− Dens>0.2837±0.0505、
前記コンパレーターが、各パラメーターについて、「より高い極値」の値の平均およびFLの平均値を、各パラメーターについて、以下のように定義される病理学的閾値:
− FL>10.0±3.6LUT.sec−1、
− PO>666.40±103.10μm、
− Spher>99.32±0.56%、
− Round>73.00±14.41%、
− Feret>186.11±51.08μm、
− EF>1.87±0.266、
− Ma/ma>1.90±0.247、
− Dens>0.39±0.0505、
と比較するのに適しており、
前記コンピュータがさらに、コンパレーターと接続されたスコア生成器を備え、以下のスコアを割り当てるのに適しており:
− PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maもしくはDensパラメーターの「より高い極値」の値の平均、またはFLの平均値が閾値未満である場合、0のスコアが対応するパラメーターに割り当てられ、
− PO、Spher、Round、Feret、EF、Ma/maもしくはDensパラメーターの「より高い極値」の値の平均、またはFLの平均値が閾値より大きい場合、1のスコアがFL、PO、Round、FeretおよびDensに割り当てられ、2のスコアがSpher、EFおよびMa/maに割り当てられ、
前記コンピュータがさらに、スコアの合計に、各パラメーターの値の数の合計を乗算するのに適した乗算器を備える、請求項8に記載のシステム。 - 前記コンパレーターが、FLの平均値ならびにPOおよびFeretパラメーターの「より高い極値」の値の平均を、以下のように定義される弁別閾値:
− FL>19.86±5.70LUT.sec−1、
− PO>618.32±98.95μmおよび
− Feret>204.68±29.65μm
と比較するのに適している、請求項9に記載のシステム。
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